第019回国会 人事委員会 第32号
昭和二十九年十月九日(土曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 川島正次郎君
   理事 田中  好君 理事 永田 亮一君
   理事 山口 好一君 理事 櫻井 奎夫君
      田中 萬逸君    原 健三郎君
      石山 權作君    加賀田 進君
      辻原 弘市君    森 三樹二君
      池田 清志君    田中 久雄君
      受田 新吉君    矢尾喜三郎君
      小山倉之助君
 委員外の出席者
        人事院事務官
        (事務総局給与
        局次長)    慶徳 庄意君
        大蔵事務官
        (主計局給与課
        長)      岸本  晋君
        専  門  員 安倍 三郎君
        専  門  員 遠山信一郎君
    ―――――――――――――
十月九日
 委員辻原弘市君辞任につき、その補欠として森
 三樹二君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 公務員の給与に関する件
○川島委員長 開会いたします。
 公務員の給与に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますから、これを許します。受田新吉君。
○受田委員 第一点として、公務員の給与関係の重要問題をお尋ねしたいと思います。これはちようどここへ人事院と大蔵省の関係担当責任者がおいでになりますので、おわかりになる範囲内で、その責任の範囲内でお答え願いたいのでありますが、大体公務員の給与体系が、その勤務する官省別によつてわけられている傾向がある。たとえば一般職の職員の給与体系というようなもの、あるいは物別職の職員の給与、外交官あるいは今度の防衛庁の職員の給与、こうつけられておることについて、何らかこれに一貫した体系を打立てたいということを、前から申し上げてあるのであります。
    〔委員長退席、山口(好)委員長代理着席〕
政府当局の方においてもそれに対して、できるだけ近い機会にその整理統合をはかる方針を打立てたいと言うておられたのでありますが、荏苒今日に立ち至つております。この問題について、たとえば防衛庁の職員は給与が日額計算にされておる。そのほかの職員は月額計算である。こういうふうになつている。一個の問題をとらえましても、整理統合しなければならない理由がひそんでおると思うのです。また特別職と一般職との調整においてもそういう問題があるし、わけて現業関係の職員と、それから一般職の職員との間におけるバランスをとる問題については、先般来特別の法律の規定も設けて、その調整をはかるようになつだのでありますが、この公労法の適用を受ける人と、一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける人との、その具体的問題の処理等についてと同様の措置を、他の関係公務員の方にもこれを及ぼす必要はないか、これについてお答え願いたい。それを先にお答え願いましよう。
○慶徳説明員 ただいま御質問のございました点は、率直に申し上げて、まことにごもつともな問題であろうかと考えておるわけであります。おそらく御承知かと思いますが、政府におきましては公務員制度調査会というものを閣議決定によりましてつくりまして、去る六月二十二日から毎週公務員制度の問題、あわせましてただいま御指摘になりましたような問題も含めまして、検討を続けておる現状でございます。従いまして、それに対するまだ結論は出ておらないのでありますが、ただ事務的な立場からこの際お答え申し上げますると、確かに御指摘がございましたように、一般職と特別職との関係、あるいはまた自衛隊との関係、あるいはまたひとしく国家公務員であるにもかかわらず、公労法の適用を受くるものというようなふうに、大きな分野から言いますると、いずれも国家公務員であるにかかわらず、幾多の複雑な給与体系あるいは給与水準の相違、さらにこまかく言いますと、給与体系その内容等におきましても、いろいろ違つておる点があることは事実でございます。従いましておそらく公務員制度調査会におきましては、一つには国家公務員という大きな角度から見まして、これらの給与体系をいかになすべきかという問題と、それからもう一つは、これらの組織運営がばらばらになつておるという現状にかんがみまして、これらを総合調整する組織をいかにすべきかというような点が、大きな重点として取上げられるのではなかろうかと想像するのでありますが、現段階としてはまだいずれも結論が出ておりませんので、一応の想像にまかせまして、お答え申し上げざるを得ませんし、そういう趣旨でお答え申し上げた次第でございます。
○岸本説明員 ただいま受田先生から御指摘になりました給与制度のことについての問題でございますが、沿革と申しますか、沿革もございますし、また今日の役所の組織からいたしまして、特に一般職、特別職というようなものについては、それぞれ所管権限が違つておるかと思います。そういう関係でいろいろ不統一の問題が生じて参つております。われわれ事務に携わつておる者といたしましては、できるだけ実質的には統一して行くように、相違が起らないように努力はいたしておるのでございますが、ただいま先生から御指摘になりました点は起つておるということは事実でございます。これを今後どうして行くかということにつきましては、ただいま人事院の給与局次長からお話がありました通りでございまして、公務員制度調査会の結論をまちまして考えて参りたい、かように考えておる次第であります。
○受田委員 政府当局において関係官が公務員の給与体系の法律を立案しておられることも、今の御答弁でわかつたわけでありますが、公務員制度調査会の答申にまつまでもなく、よいことであると思われたならば、ただちにこれを法律改正案として国会べ持ち出していただくべきである、あるいは予算措置の上においてはなはだ不便である、支払い規定がばらばらになつておるということには、非常に不便があるとお気づきでありますならば、そういう点についての法律改正案を御提出なさるべきであり、あるいは規則の改正、政令等をお出しになるとかいうようにして、できるだけ早くその不便を除去する御努力がなされなければならぬと思います。その問題についてはいずれまた具体的に公務員制度調査会の答申が出ると思いますけれども、それをまたないで、こういう点についてはむしろこうあるべきだというふうに、第一線で御活動をなさつておられる公務員の最高責任者、給与関係の最高担当者でいらつしやるお二人の方々に、何か皆さんの万からそういう不便を指摘して、公務員制度調査会に一役買わせるように御努力なさるか、あるいは一歩先んじてそういうような措置をおとりになるか、こういうことについて御所見をもうひとつ伺つておきたい。
 もう一つは、これで私は質問の重点を終るわけですが、昭和二十五年例の国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律が制定されました。そうしてこれに伴う休退職の場合その他の規定がされたわけでありますが、その規定と昭和二十八年八月一日以後の退職者に対する退職手当の規定がこの法律第八十二号によつて定められておるわけでありますが、それとの間において特に問題点は、まだ帰つて来ない未帰還公務員の場合に非常な差等が生じておることを私は今回ソ連、中共から帰つた人々の具体的調査に乗り出して調べみましたところ、実例が幾つも出て来たわけです。それでこの前の法律の適用を受ける場合、これは非常に有利であつて、去年の法律によつてはなはだそれが不利にされておるという実例、特にこの実例を一々この中から拾つて調べ上げてみましたところ、実は特に給与の額の低い人々の上に、はなはだ不利であるという結論が出て来たのです。これは当時法律をつくられるときに、詳細御研究になつたと思うのですけれども、こうした未帰還者の場合において、そういう特例を十分御検討するほどの余裕がなかつたのではないかと思うのでございます。数字の問題ははなはだ込み入つておりますので、懇談の時間にこの点を御相談申し上げたいと思いますが、法律的に十分調査されて、その中から漏れる人のないような十全の準備をしての法律改正というものが、私は願わしいと思うのでありますが、大蔵省といたしましては、この退職手当の問題について基本的に十分そういう特例を心を配つてやられたことであるかどうかという点についてお答えを願つておきます。また人事院といたしましては、国家公務員に対する退職手当の臨時措置に関する法律は、この人事委員会にかけられなかつたもので、大蔵委員会にかけられておるのでありますが、こうした公務員の退職手当に関する問題は、当然人事院の所管事項に入ると思うのでありますけれども、この点についてこの法律の提出された当時の事情あるいはその後の事情について、人事院としてはいかなる考えを持つておるか、以上大きな線で二点、小さい線で一点、両政府当局者の立場からの御答弁をいただきたいと思います。
○慶徳説明員 お答え申し上げます。まず第一点は、給与全般の総合統一の問題につきまして、専門家たる事務当局としてさらに積極的に働きかけて、これの具体化を推進すべきではないか、そのような問題についてどのような具体的な措置をとつておるかというような趣旨の御質問であつたかと思うのであります。まずその点についてお答え申し上げますと、先ほど申し上げました公務員制度調査会に対しましては、現在の給与の中身がどのような状態になつておるか、あるいはまたこれらを運営するところの組織がどのような状態になつておるか、さらにまた具体具体の問題点について、どのような問題があるかというようなことを積極的に資料をもつて提示し、かつ内容の説明をいたしまして、各委員諸公の審議の便に供するというようなやり方を現在とつておるわけでございます。さしあたりそのようなやり方をとつておるのでありますが、もう一つさらにより進んでやつてもいいじやなろうかというような御趣旨の御質問があつたように拝聴したのでありますが、私どもの立場としましては、現在それぞれ法律的に権限を与えられまして、その権限のわく内で活動することを余儀なくされておりますので、まことに遺憾ではありますが、公人――たとえば給与局次長という立場におきまして、公の席においてものを申し上げますときには、どうしても与えられた権限のわく内の拘束を受けますので、その範囲内で活動することの余儀ない事情にあることを御了承願いたいと思います。ただ懇談会等の席において個人的にどういう見解を持つておるかというような、公の席でないような場合におきましては、私も専門家として長くやつておりますので、虚心坦懐に私見として申し上げる自由は持つておると思つております。
    〔山口(好)委員長代理退席、川島
  委員長着席〕
 それから第二番目の退職手当法の具体的な中身の御質問の点でございますが、これは現在大蔵省の所管に属しておりますので、おそらくあとから岸本課長からお答えがあると思いますので、私からは遠慮させていただきたいと思います。ただ最後に御質問のございました退職手当臨時措置法が大蔵委員会にかけられて、当人事委員会にかけられなかつた、このようなやり方はおかしいじやないか、そういう問題に関連する人事院の所見いかんというような趣旨の御質問があつたのでありますが、その点について人事院の立場からお答え申し上げてみたいと思います。
 先ほど一番最初に問題がありましたように、現在の権限、組織の面からいたしますと、退職手当関係につきましては人事院に権限が与えられていないのでございます。同時にまた現在の国家公務員法におきましても、退職年金、つまり恩給制度につきましては人事院の権限とされておるのでありますが、退職手当の問題につきましては公務員法上一言半句もうたわれていないというような状態からいたしまして、現在の法体系といたしましては、人事院の所管事項にされていないのでございます。従いまして大蔵省の所管となつておりまする関係から、大蔵委員会にかけられたことと思うのでありますが、ただ問題は将来はいかにあるべきかという問題がおのずから起つて来るであろうと考えられます。御承知の通り国家公務員法に基くところの新恩給制度、これを改称いたしまして退職年金制度という名称にかえたのでありますが、これにつきましては、すでに人事院から国会及び内閣に対しまして正式に勧告をいたしておるわけでございます。当然年金制度と退職手当制度とのある程度の調整ということも必要になつて参りますので、将来の立法事項といたしましては、関連事項といたしまして退職手当臨時措置法にも若干触れまして勧告においてうたつておるというような現状であることを、御答弁申し上げたいと思います。
○岸本説明員 御質問の第一点の、事務担当者としてできるだけのことをやつて、公務員制度調査会の結論をまたないで、何か考えたらどうかという点でございますが、これは前国会から田中官房副長官からお答え申し上げておりますが、政府といたしましては、公務員制度調査会の結論をまつて善処したいということになつております。単に一部局の事務を取扱う者といたしましては、この際積極的に何かと申し上げることは差控えさしていただきたいと存じます。
 第二点の未帰還職員の退職手当の問題でありますが、従前に比して不利になつたのではないかという御指摘でございますが、私ども法令を企画立案いたします場合には、当然念には念を入れて審査いたしまして提出申し上げておるわけであります。ただいろいろな人間の能力だとか時間的な制約等の関係で、でき上りました法令に誤りがないということは保証できないのであります。誤りがあれば当然直すべき処置をとらなければならぬと思いますが、未帰還職員につきましては、受田先生の御指摘の点がどの点か、これは懇談会で御指摘いただきまして、御返事いたしたいと思います。
○受田委員 以上で終ります。
○加賀田委員 淺井総裁が見えてないので簡単にお尋ねいたしたいと思います。人事院は先般七月十九日に国家公務員法二十八条に基いて政府並びに国会に公務員の給与に関する報告がなされて参つております。これを見ますと、この報告の中で大体毎月勤労統計調査によつても、昨年の三月と本年の三月を比較して九・二%の上昇を来たしておる。あるいは人事院自体が四千二百の事業所の調査の結果においても九・五%の値上げを来しておるという報告があるにもかかわらず、最後に報告だけで、わが国の経済は今や転換期にあつて、給与を決定すべき諸条件に、幾多の不確定な要因を含んでいるので、給与に関する勧告は留保するという立場をとつておりますが、大体二十八条に基けば百分の五以上の増減を必要とする場合には、人事院はこの報告とあわせまして勧告せねばならないことになつておりますが、こういう二十八条の規定にもかかわらず、いかなる理由に基いていかなる調査の結果の見通しの上に立つて、この勧告権を留保されたかということに対して御説明願いたいと思います。
○慶徳説明員 お答え申し上げます。確かに御指摘になりましたように、国家公務員法第二十八条の百分の五以上の増減という数字だけの面からいたしますと、たとえば今回の報告に結びつけて申し上げますると、四級以下というようなところにつきましては、百分の五までの増減に達していない。それ以上の部分につきましては、大体百分の五以上の増減が出ておるということは、本文にはつきりうたつている通りであります。ただ問題は、百分の五という計数は出ておるのでありますが、二十八条にも書いてありますように、百分の五以上の増減があつたもののほかに、それがために改訂を必要と認めるときという一種の弾力条項的な条文が文面にあるわけでございます。さらにまたその百分の五以上という問題に入ります前に、その前提といたしまして、給与算定の基礎となる諸条件の変化という問題が、一番大きな前提に相なるわけでございます。その前提となります給与決定の諸条件とは何かということが、実は根本になるだろうと思うのであります、御承知の通りこの点につきましては、国家公務員法のたしか第六十四条だつたと思うのでありますが、公務員の給与決定の原則といたしまして、三つの原則を掲げておるわけでございます。御承知の通り、その一つは生計費を考慮する。二番目は民間賃金を考慮する。三番目は、その他人事院が適当と認める事情を考慮するという三つの原則が掲げられてあるわけでございます。これも御承知と思いますが、従来の勧告の場合におきましては、今申し上げました三つの要素のうち前に述べました生計費の要素と、民間賃金の要素、もつぱらこの二つに重点を置きまして、第三の人事院が適当と認める事情という考慮を比較的払わずに報告をし、あわせて勧告をするというやり方をとつて参つたのでありますが、今回はただいまご指摘になりましたように、客観情勢その他のいろいろな角度からいたしまして、今申し上げました三つの要素の中の第三の条件、これを相当考慮いたしまして、少くとも現段階としては勧告をするに妥当しないのである。従つてこれを留保いたしまして、時期を見て行こう、さしあたりの現段階としては、報告のみにとどめようという結論に相なつた次第でございます。
○加賀田委員 公務員法六十四条に基いて、給与法は生計費、民間における給与、その他人事院の決定する適当な事情を考慮するとありますが、今の説明によりますと、この勧告を留保した理由は、いわゆるその他という人事院の決定するに適当な事情というものが将来こういう給与問題の諸条件に対して、不確定な要素を含んでいるというところに理由を結びつけたわけであります。従来の人事院の勧告は、何といつ、も生計費と民間の給与を主体と考えられて勧告された。経済的な将来の見通しに対して不確定である、あるいは経済情勢の大きな転換期を来しているということで勧告を留保する権限はないと思う。そのためにこそ給与をふやす、減らすという二つの条件がつけられておると思うのです。一年間に一度勧告をしなければならぬということは、一年後に経済の変動、転換期のもとに減らす事情が起つた場合には減らさなければならない、こういう事情がついておりますので、一年の将来の経済の見通しがつかないから、公務員の罷業権のかわりとしてつくり上げた人事院の、しかも人事院として公務員が非常に期待をしている義務であり権利である勧告というものを、みずから放棄するような態度、こういう態度は、人事院としての存在そのものに対して、公務員としては大きな疑義を持つのじやないかと思う。従つて単なる抽象論でなくして、どういう経済情勢が起つた場合には、今留保しておる勧告権を発動するのか、あるいはどういう見通しに立つて、その見通しがそのまま継続されるならば、勧告しないのかという問題に対しては、委員会を通じて国民の前、特に公務員の前に明らかにすべきだと思うのです。その点人事官として、あるいは給与局次長としての見解を明らかにしていただきたい。
○慶徳説明員 百分の五以上の増減があるにかかわらず給与決定の、いわゆる第三の条件を持つて来て勧告をしないということは法律違反である、あるいはまた人事院の権利の放棄である、義務の不履行であるというような御趣旨の御質問があつたのでありますが、遺憾ながら人事院といたしましては、おそらく総裁が答弁されましても、私の答弁と実は同じようになるだろうと思うのでありますが、国家公務員法の解釈は決してそのような解釈は実はとつていないのでございます。と申し上げますことは、先ほども少し触れましたように、国家公務員法第二十八条は百分の五ということを文字通り機械的に規定しているのではないのでござまして、百分の五以上の増減ありと認めたるときという、ややそこに弾力条項があるわけでございます。これは法律的な形式論からいたします、この弾力条項ということが、先ほど申し上げた公務員法第六十四条にいう二つの要素のかみ合せということに法律的には結びついて来るのではなかろうかと存ずをわけであります。のみならずごれを法律的問題から離れまして、給与決定の実際問題について考察を加えました場合におきましても、給与決定の要素が三つある。一口に申し上げましても、この三つの要素の組合せ、同時にそれの判断ということには何といつても、何人がやりましても、つまり相当の弾力性と申しますか、幅があることも否定できないことであろうかと思います。いずれにいたしましても、そういうことは抜きにいたしまして、国家公務員法に対する解釈は以上申し上げたような解釈に立つているのであります。従いまして人事院といたしましては、第二十八条の規定は勧告権を放棄したあるいはあえて義務の不履行をいたすというような考え方はごうまつも持つていないのでありまして、これは報告において明確に言つております通り、留保しているにすぎないのでありまして、今後の経済情勢の推移を注視いたしまして、必要とある場合には、いわば伝家の宝刀と申しますか、いつでも伝家の宝刀を抜く、法律に与えられたる権利は敢然として行使する、義務は忠実にこれを履行するという本心でございまして、これまた総裁の答弁と私の答弁は少しも食い違いがないであろうという確信のもとにお答え申し上げる次第であります。
○加賀田委員 伝家の宝刀を抜く用意は一応持つていると言いますが、みがかなければ抜いてもさびついて切れないことがあるから、十分注意をしていただきたいと思うのであります。百分の五に対して非常に幅があつて必要が生じたと認められるときという問題に非常にこだわつているらしいですが、では現状においては百分の五以上の増減は必要でないという結論を出されて、この勧告を留保されているのかどうか。しかも今申し上げたように必要がないという根本的な理由を明確に詳細に説明をしていただきたい。ただ今この報告の中では非常に抽象論で、われわれとしては納得の行かない点が相当にあるのです。その点詳細に御説明願いたい。なおもし現在のそういう見通しの上に立つて、どういう事情が生じられた場合に伝家の宝刀を抜かれるのか、その点も御説明願いたい。
○慶徳説明員 勧告の文面にも具体的資料を貼付いたしてありますので、あらためて申し上げるまでもないことと思うのでありますが、単に計数的に見ました場合においては、四級以下のものについては百分の五以上の増減はない、それ以上のものについては百分の五以上の増減があるということは、人事院といたしましても率直にこれを認めていますことは、報告に明確に書いてある通りでございます。従いましてその報告に書いていますところの事実は、あくまでも率直にこれを肯定しておるわけでございまして、この点は御了解願えることではなかろうかと存ずる次第であります。
 最後にいついかなる場合に、どのような状態が発生した場合に、いわゆる伝家の宝刀を抜くかという御質問でございますが、これはこれまた報告に書いてあります通り、経済情勢の動きを注視するのでありまして、その経済情勢の動きに対応いたしまして、情勢適応の原則をいつでも適用するという考え方でございます。
○加賀田委員 非常に答弁も抽象的で、われわれとしては頭が悪いのか、把握することは困難でありますが、なお時間も相当経過いたしますし、淺井総裁も本日出席されておりませんから、淺井総裁の出席されるとき、あらためてわれわれとしては質問を展開いたしたいと思います。
○櫻井委員 慶徳給与局次長にひとつお尋ねしておきます。実は寒冷地給の問題につきまして、二十九年度の寒冷地給はすでに八月三十一日に支給になつたわけでございますが、寒冷地給と同じように非常に不合理が出て来ておる。この不合理の点についましては、人事院でも認めておられることと思うのでありますが、これは降雪量、日照、風速、こういうふうな科学的なデータが相当あるわけであります。それに基いて今までの実施された級地について相当の異動があり、是正も必要とするとわれわれ思うのであります。二十九年度は、これは前年度通りの実施でありまして、従つて人事院はこの寒冷地給についての不合理是正をやる意思があるかどうか、まずその点をお伺いいたします。
○慶徳説明員 ただいま御指摘がありましたように、寒冷地手当につきましては、勤務地手当よりもよほどはつきりした基礎資料に基いておりますので、勤務地手当のような問題に比較いたしますと、比較的問題が少いのではなかろうかと存じます。御承知の通り従来のやり方といたしましては、もつぱら積雪の場合、それから寒冷の場合というようなことを中心としてやつて参つて来ておつたのでありますが、現在まで何回も勧告をいたして参つておりますし、このデータも相当完備いたしておりまするので、少くともこの二つの基礎資料のみをもつて前提といたしまする限りにおいては、昨年度のものを大体そのまま踏襲することは、事務的に見てもやむを得ないのではなかろうか、かように現在は考えておるわけであります。ただ将来の問題といたしましては、どのようにすべきかということになりますと、御承知の通り、今申し上げました二つの要素のほかに、たとえば風速の関係であるとか、いろいろなことも考えなければならぬ点がございますので、その点につきましては、さらに具体的な資料を集め、さらによりよい合理的な解決の道があればやるということで、目下検討している段階でございます。
○櫻井委員 それでは確認いたしますが、今の場合早急に是正の考え方はなく、さらによい資料を集めて改正する段階になれば、これを改正したいということですか。
○慶徳説明員 事務当局の立場としてはつきりお答え申し上げますと、ただいまの段階としては、改訂の勧告をする考えは持つておらない。これははつきりお答え申し上げてよいと思います。ただ将来の問題といたしましては、今後の研究にまちまして、その後においていかに善処するかは研究の成果にまたなければならぬと考えている次第でございます。
○森(三)委員 ちよつと人事院にお尋ねいたします。せんだつて北海道の方に行きましたところが、保健所その他の獣医の待遇が普通一般の医者と非常に懸隔がある、同じ医者として職責を尽す上においてこんなに差を設けられては困るという声が強かつた。そのとき、自分らの初任給は保健婦と同じになつている、こういう矛盾したことはない、人事委員会ではこういうことを取上げてやつてくれていないのかという非常に強硬なお話がありました。今突然の質問でお答えになれるかどうか知りませんが、矛盲があるというようなお考えをお持ちでしようか。普通一般の医者と同じような扱いをしてもらいたいという強い要望があつたのですが、その点についてお答え願います。
○慶徳説明員 獣医さんの待遇が保健婦きんと同じような状態で待遇されているというような御指摘があつたのでありますが、今具体的資料を持つて来ておりませんので、はたしてそうなつておるかどうかも、ちよつと今の段階では申し上げかねると思いますから、帰りましてからよく調査研究いたしましてできる限り実態に沿うように善処いたしたいと思います。
○川島委員長 これから懇談会に入ります。
    ―――――――――――――
    〔午前十一時三十八分懇談会に入る〕
    〔午後零時九分懇談会を終る〕
    ―――――――――――――
○山口委員長代理 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時十分散会