第022回国会 外務委員会 第30号
昭和三十年七月十四日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 植原悦二郎君
   理事 大橋 忠一君 理事 須磨彌吉郎君
   理事 穗積 七郎君
      菊池 義郎君    草野一郎平君
      高岡 大輔君    並木 芳雄君
      山本 利壽君    福田 篤泰君
      淡谷 悠藏君    稻村 隆一君
      高津 正道君    細迫 兼光君
      中村 高一君    岡田 春夫君
 出席政府委員
        内閣官房長官  根本龍太郎君
        調達庁長官   福島愼太郎君
        調達庁次長   安田  清君
 委員外の出席者
        外務事務官
        (欧米局第二課
        長)      安川  壮君
        参  考  人
        (歯科医師)  平井武兵衞君
        参  考  人
        (農業)    砂川 昌平君
        参  考  人
        (春日井市会議
        員)      長江 源蔵君
        参  考  人
        (北里村長)  船橋 鏡治君
        参  考  人
        (小牧市長)  加藤 諦進君
        専  門  員 佐藤 敏人君
        専  門  員 村瀬 忠夫君
    ―――――――――――――
七月十三日
 委員大森玉木君、高村坂彦君、山本勝市君、山
 本猛夫君、横井太郎君及び今村等君辞任につき、
 その補欠として伊東隆治君、池田正之輔君、菊
 池義郎君、芦田均君、並木芳雄君及び西尾末廣
 君が議長の指名で委員に選任された。
同月十四日
 委員江崎真澄君、川村継義君、西尾末廣君及び
 松平忠久君辞任につき、その補欠として篠田弘
 作君、淡谷悠藏君、中村高一君及び松本七郎君
 が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 駐留軍基地拡張問題に関し参考人より意見聴取
    ―――――――――――――
○植原委員長 これより会議を開きます。
 本日は駐留軍の基地拡張問題等に関し、参考人より意見を聴取することにいたしました。本日参考人として出席を求めましたのは、立川基地拡張問題について平井武兵衞君、及び砂川昌平君。小牧基地拡張問題については長江源蔵君、船橋鏡治君及び加藤諦進君であります。
 議事に入るに当りまして参考人各位にごあいさつ申し上げます。本日は御多忙のところを、遠路わざわざ御出席いただき、まことにありがとうございました。なお当委員会といたしましては、駐留軍基地拡張問題等に関し、特に立川及び小牧の基地拡張問題を調査するため、参考人各位の御出席をお願いいたした次第であります。
 議事の順序について申し上げますと、まず参考人の方々よりおのおの御意見を開陳していただき、そのあとにおいて委員より質疑がある予定でございます。なお御意見の開陳は一人二十分以内にとどめていただきたいと存じます。念のため申し上げますが、衆議院規則の定めるところにより、発言は委員長の許可を受けることになっております。また発言の内容は、意見を聞こうとする案件の範囲を越えてしてはならないことになっております。なお参考人は委員に対し質疑をすることはできませんから、さよう御了承を願います。
 それではこれより参考人の意見を聴取いたします。立川基地拡張問題について平井武兵衞君。
○平井参考人 本日参考人として呼ばれました砂川の平井でございます。きょうここに参考人として出席でき得ましたことにつきましては、まことに感謝にたえない次第でございます。
 私たち地元民がこの基地拡張に対して猛烈に反対をしている理由を簡単に申し述べてみたいと思うのでございます。日本という国から砂川町を見ましたときに、確かに小さな町かもしれません。しかしながら今度の拡張区域内に住む人々は、先祖代々三百五十年の長い間、営々として築き上げたこの墳墓の地をどうして離れることができますでしょうか。もちろん政府当局においては種々これに対策があるがごときをほのめかし、かつまた砂川町地元民に対して、懐柔的またはどうかつ的手段を用いて種々工作を実施しつつあると思われますが、私たち地元民はどんな多額の金をこの目の前に出されましても、決然として拒絶いたさなければならないのであります。なぜならこの拡張案は、実施することによりまして地元の者に対していかなるうまい案があったといたしましても、拡張しないという状態よりよい案があるとは絶対に考えられないからであります。これは今まで全国において、基地拡張の対象になって、若干の補償をもらって追い払われた人たちが、いかなる末路をたどったかということを調査してみましてもはっきりわかるのでございます。
 次に私は歯医者をしており、町立学校の校医をしている関係上、子供に対する影響について申し上げたいと思うのでございます。現在の爆音でさえ思考力の欠如した、記憶力の不足する、落ちつきのない子供が激増するおそれがあるのであります。なお小学校、中学校におきましても、爆音のために教育が著しく妨害されるのであります。特に音楽の時間におきましては、授業が不能に陥る状態が間々あるのでございます。もしこの基地拡張が実施されるとするならば、優秀なる大型飛行機が出現することによって、当然戦争を前提としたものと考えなければならないのであります。私たちは、戦時中、町の周辺に飛行場があることによって受けた被害は、きわめて大きいものであります。私たちはもう戦争というものはこりごりでございます。今ですら、すぐに立川飛行場をよその場所へでも移してもらいたいと思うくらいでございます。以上の理由によりましてこの基地拡張には絶対反対をいたすものでございます。
 次に道路測量につきまして調達局の出方を見まするに、去る七月二日毎日新聞の社会面の中に、福島調達庁長官談といたしまして、まだ私有地には一歩も立ち入っておらず、道路のみの測量を考えているのに、これすら阻止するのは納得がいかない。たとい負傷者を出すことがあってもあくまで強行する決心だ。現在のところ私有地に触れる意思は全くない。町民の犠牲を最小限にして滑走路延長を実現化したいと語っている。また去る七月二日午前十時半ころ、乗用車二台、測量車一台が来たのに、測量車の中型ジープの中には十数名の調達局の立川出張所の職員が乗っているだけで、全然測量用具を持ってこなかったということ、かつまたそのときのハイヤーの中からくいと木つちを出して道路わきに打ち込み、それを写真まで写していくことは、明白に調達局が地元民に対する挑発的行為であるとしか思われないのであります。なお道路の強制測量が地元民に甚大なる恐怖を与え、生活本能から参ります自己防衛のための団結を高めて、測量を拒否しなければならない羽目に立ち至ったものであります。
 次に警察は国民大衆を保護すべき立場であるのにかかわらず、調達局側に事前に対策を講ずるがごときはきわめて一方的であるのであります。なぜならこれは七月一日付朝日新聞に、調達局が測量決行前に立川警察と対策を練る写真まで出て報ぜられているのに対しまして、秩序正しい反対を行なっているのにかかわらず、砂川町に対しては事前の連絡のあったことは一度もないだけでなく、先日砂川町の小林町会議長が国会、都議会その他陳情の件について立川警察署に行き、打ち合せを行い帰途しようとしましたところ、わざわざもう一度呼び戻されまして、次席が、このようなつまらない闘争はやめるべきであると申し入れられた件、かつまた地元のある人が治安維持、あるいは交通整理をすべく、三輪車を宣伝カーとして許可を受くべく警察署に行ったところ、上司の命令で許可ができないとはっきり断言したのにかかわらず、ある代議士の先生が電話で申し入れたところ、すぐこれを許可した。なおさらに去る六月三十日、今月の一日、二日の三日間の道路測量に日増すごとに私服の警察官を動員していることから見まして、地元の町民が著しく激高し、常に警察の態度に対しては、なはだしい疑惑を持つに至ったのでございます。
 最後によく聞いていただきたいことは、私が以上のような話をしている間にも、常に私の頭の中にひらめきますのは、ある学校の生徒が父さんや母さんやうちの者は立ちのいてもおらは絶対にいやだ、あるいは私の近所のある七十のおばあさんがお墓にかじりつきまして、おじいさんやお前だけ残しておらは決してどこへも行かないよ、基地拡張に反対するその言葉を私、大の男が聞きましたときに、ほんとうに心臓がえぐられるような気持になったのでございます。どうか政府当局におきましてはこの計画を絶対に中止するよう心から念願する次第でございます。終ります。
○植原委員長 次に砂川昌平君。
○砂川参考人 私砂川町の砂川昌平であります。初めに当りまして、本日私たち砂川町民が全町こぞって立川基地拡張に対して、絶対反対をしている理由を述べる機会を得ましたことを感謝するものであります。
 私たち砂川町民は過去十数回にわたりまして基地拡張の犠牲になって参りました。しかも今回の拡張は砂川町の死命を制するものであります。万一不幸にいたしまして拡張が実現されるならば、砂川町の産業、経済、教育、交通等あらゆるものがその根底から破壊され、壊滅し、砂川町民の生活がその当日から壊滅するのであります。
 すなわち現在町に来ております拡張計画第一案は、町の心臓部にあいくちを突き刺すようなものであります。砂川町の動脈たる五日市街道が事実上遮断され、農家の市場に対する蔬菜の出荷とか、勤労者の通勤及び学童の通学は、ほとんど不可能の状態に陥るのであります。実際問題といたしまして、現在におきましてさえ飛行機は、一番ひどいときには一分間に一台の割で発着しております。そして滑走路の第一案の計画案が実現された場合には、中学校はその東側になりまして、学童はその飛行機の発着の下をくぐって通わなければならない。そして町の役場がその西側に当りまして、東の方の町民たちはまたその危険なところを絶えず通らなければならない。しかしましてその通るということは実際面におきましては絶対的に不可能なのであります。そして町の行政は重大なる危機に陥るのであります。さらに第二案地区におきましては、砂川町の産業、経済の中心であります農業協同組合は立ちのきの余儀なきに至るのであります。ところがその立ちのき移転は絶対に不可能であります。これは私たちのからだから肝臓を取れということなのであります。これは砂川町の産業、経済を根本からくつがえすまことにお話にならない暴挙と断ぜざるを得ないのであります。
 まずその第二案地区には檀家六百戸を有する砂川町の菩提寺であります流泉寺があります。その流泉寺の伽藍、墓地も移転のうき目を見なければならないのであります。先祖代々の霊が眠る墓まで奪い去られるということは、人道上絶対に許すべからざることであり、われわれ日本人の道徳から見ましても、重大なる犯罪であると断定せざるを得ないのであります。
 また学校教育はこれ以上の爆音、騒音によっては完全に破壊されるのであります。第一案地区におきましては中学校、第二案地区におきましては小学校が近々三、四十メートルのところにあるのであります。国家百年の計は教育にありと申します。そしてドイツのフィヒテは国民の再興は教育にあるのだと申しております。次代の町を、そしてわれわれの日本を背負うべき若き世代の教育を、政府みずからが破壊しようとしているのであります。これはひいてはわれわれ日本国民の将来を破滅に陥れるものであります。そうして日本を滅亡させるものであり、ヒロポンなどの害悪とはとうてい比較し得ないまことに重大なることであると断言してはばからないものであります。
 そうして政府は今までわれわれ砂川町のしいたげられてきました百姓から、その残る先租伝来の土地を奪い去ってしまおうとするのではありませんか。百姓は土地をなくしては生きていくことはとうていできないのであります。土地のない百姓にどうして生きていけと言われるのでしょうか。それは北極の氷の上で稲を植えろ、カッパに陸に上って生活しろというのと同様でございます。結局政府が百姓、お前たちは死ねというのと同様のことであります。百姓は農作物を愛しております。そうして土地に限りない執着を持っております。これは次のような例をあげれば端的に皆様におわかり願えると思います。
 終戦後米軍は事前に何ら耕作者及び役場等に連絡することなく、突然ブルドーザーを持って参りまして基地拡張をして参ったのであります。該地区の百姓はブルドーザーの間を避けながら、芽の出たばかりの麦を、そして野菜を一株々々泣きながら抜いてほかの畑に移したのであります。これは親が子を愛するのと同様で、まことに百姓は農作物、畑がとてもかわいいのです。そのような悲しい目にあってきた砂川町の百姓から、また土地を取り上げようというのではないですか。あまりにも残酷きわまりない仕打ちではありませんか。畑を取り、家をこわし、そうしておじいさんおばあさん、父や母の眠る墓地を取るとは、何というひどい仕打ちでありましょう。
 この七日、お寺の施餓鬼に、私は檀徒総代の筆頭をしておりますが、この基地拡張案につきまして檀家の皆さんに説明いたしました。そのときお年寄りが、おい先短かい私たちの行き場まで取られてはどうせよというのだろう、どうしておい先短かい私たちの行き場を取ろうとするのであろうかと泣いておりました。全く残酷きわまりないことであります。私たち町民はどうして今回もこうまで犠牲にならなければならないのでしょうか。私たち町民だけが犠牲にならなければならないという理由はどこにも存在しないのであります。
 このように生か死かの最後のどたんばまで追い詰められた私たちが、どうして絶対反対しないでいられましょう。手や足を次々と今までもぎ取られて参りました。そして今回は心臓も肝臓も取られようとしているのです。これは私たちの生命を奪い去るということで、あくまで絶対反対するものであります。私たち砂川町民にも日本人として、また人間として生きる権利が与えられているはずでございます。私たちはあくまでも生きなければならないのです。私たち町民を断崖からけ落すようなことはあくまでも死力を尽して反対いたします。私たち砂川町の土地はもう一寸、一坪たりとも、どこでありましょうとも、取られることは絶対にごめんこうむります。もう絶対ごめんなんです。日本人がみんなその故郷を愛すると同様に、私たちは生まれ故郷砂川町をこよなく愛しております。郷土を愛し育てることが民族を愛することになるはずでございます。友愛精神を説かれている鳩山さんならば、この私たちの願いがわかっていただけるはずでございます。
 昨日新聞で鳩山さんが先祖代々の墓地にお墓参りされたという記事が出ておりました。私たちは現在――今日からお盆でございます。しかしながら私たちは安心してお墓参りすることができないのです。そして絶えず不安につきまとわれながらお墓参りしなければならないということは、まことに悲しむべきことでございます。この拡張計画は鳩山さん、絶対にやめていただきたい。もうこれ以上私たち町民を苦しめないで下さい。日本中の人々がこの気持をわかってくれると思います。そして応援していてくれます。私はそれを信じて疑わないのであります。私たち、故郷の緑の土地を、そして愛する家を、あの飛行場の草っ原にすることにはあくまで反対なんです。草っ原にして何になるんでしょう。砂川町は日本の縮図といわれております。その縮図をつぶすことは、ひいては日本の国をつぶすことと私は信じております。福島長官、あなたが日本人であるならば――日本人でないというならば話は全然別でございますが、この私たちがなぜあくまで絶対反対するかという気持はわかっていただけることでございましょう。そして日本人ならば必ずやわかっているはずでございます。絶対にこの拡張はやめていただきたいのであります。もしあくまでやると言われるならば、われわれは故郷を守るために徹底的にどこまでもがんばります。これには反して参ります。日本政府の方々は国民を愛されるならば、われわれの気持をいれられて、この無謀なそして無法な、あくまで無法な拡張計画を中止されることを心から切望するものであります。
 簡単でありますが、これで終ります。
○穗積委員 議事進行について。今日は当然福島長官がお見えになるべきものと思いますが、どうしたのでしょうか。
○植原委員長 調達庁長官は日米合同委員会に出席しております。なおできるだけの都合をはかるように要求いたします。
 次に小牧地区問題について長江源蔵君の発言を求めます。
○長江参考人 参考意見を述べます前に、本日の機会を与えられましたことに対して深く感謝いたします。
 小牧基地の拡張反対の声が起りましたのは三月以来であります。昭和二十七年に一たん軍事基地拡張が中止されましてほっとしておったところ、今回の措置がとられるようになりまして、現地の者としてはまたかという感に打たれまして、ただいま反対闘争に立ち上っておるところでございます。
 この基地の拡張問題が取り上げられました時期といたしましては、あの地方選挙が行われます直前の三月下旬に調達局から口頭でもって市当局に申し入れがありました。四月初めに文書が参っておりますが、市当局といたしましては、あたかも市長不在、市会議員は選挙のために忙殺されておる、こういう時期にやられたことに対して、まず市会議員を初めといたしまして、関係者一同憤慨いたしております。
 市会に市当局から報告されました内容を簡単に御参考に申し上げますと、今回の測量は単に危険区域設定のためであって、飛行場を拡張するという問題ではないので、測量だけは何とか許していただきたい、こういうお話であった。そこで関係地区の者が寄りまして、測量だけならばやむを得ないでしょう。ただし土地を取り上げるとか、飛行場を拡張するとかいう問題に対しては、あくまで反対する。なお測量につきましては関係の地元の代表者あるいは市の関係者を現地に同行して、その上で測量をやってもらいたい、こういう申し入れがしてあり、調達局の方が承諾を与えられたにもかかわらず、実際の測量が行われたときは単独行動でやられた、こういうことにつきまして地元が非常に硬化をいたしまして、陳情書になって出たわけでございます。
 そこで市当局といたしましては五月十八、十九日の両日の臨時議会におきましてこの問題を取り上げまして、再び小牧基地対策委員会を設けまして、直ちに議会の名において反対決議をいたしました。そうしてこれを県、東京の調達庁、防衛庁、農林省に直ちに阻止がしていただきたいという陳情書を提出いたしております。外務省につきましては、当時調達庁、防衛庁あるいは農林省へ伺いましたときに、これは未確定な問題であるという御説明であったそうで、特に外務省に対しては陳情書の提出を見合せた、こういうのが実情でございます。
 現地の農民の声を聞きますと、今まで再三こういう問題が起きたときに、いつも農民の無知なことを利用して、百姓をごまかして拡張してしまう。今度はこういうことでは困るので、こういうことのないように一つ全面的に市当局で善処していただきたい、こういうことを農民の方々から申されておるのでございます。特に反対運動が強まりましたのは、六月十七日の午前九時にジェット機が墜落をいたしまして、本年二度目でございますが、人家が三戸ほど全焼、半壊いたしまして、人命に被害を与えております。即死が一名、負傷が二名と思いますが、被害を与えました結果、こういう事実があっては、もうこれ以上がまんすることはできない。飛行場を拡張するというならば、飛行場は私たちが住んでおる以後においてできたのだから、一つ飛行場を引っ越してもらいたい、こういう声まで出ておるのでございます。
 この問題はさらに発展をいたしまして、補償の問題が適切でない、手続が非常に複雑であって、こうした大きな災害のときは調達庁から来てやってくれますが、たんぼの中に墜落したもの等については、いまだ補償がなされていない。手続が非常にめんどうなために、この補償を要求するひまにさらにたんぼを耕して、それで埋め合せた方がいい、こういうようなあきらめもあって、補償の問題が今までうまくいってないということも、反対の一つの大きな理由になっております。
 なお飛行場の問題につきましては、土地を取り上げられる以外に、学校の教育問題、これは立川の方からも申されましたが、春日井市におきましては一校だけ防音装置ができておりますが、なお数校防音装置を必要とする学校があります。しかしこれらに対しては今のところ完成するめどがついておりません。公共施設につきましてはこうした措置が講じられるのでありますが、一般商家、農家につきましては、こうした防音設備ができないのでございまして、飛行場を拡張せられれば、どうしても現在以上に騒音の被害がございまして、家畜、病人にも非常に影響してくるというので、この土地を取り上げられる以外の周辺の方々にだんだん反対の空気がみなぎり、さらに愛知県下の他の方にもだんだんと蔓延しつつあるのが実情でございます。
 さらにもう一つ申し上げたいことは、飛行場が拡張せられることになれば、駐留軍の方々がさらに大ぜい来るであろう。現在でもいわゆるパンパンなる者が三百名ないし六百名はおるといわれておりますが、これがさらに増加した場合のことを考えますと、真にはだえにアワを生ずるという感がございます。こういう面もありまして、土地を破り上げられる問題ばかりでなく、教育の問題、風紀の問題等を考えますときに、絶対反対をせざるを得ないというのが現地の者の考えでございます。どうかこの委員会におきましても何とか拡張を阻止できますように御努力を願いたいと思います。
 さらに特に申し上げたいことは、飛行場の周辺を流れております河川の問題でございますが、これが十三号台風のときにもはんらんをいたしまして、飛行場が三日間水浸しになって使えなかった事実がございます。拡張されるに当りましてはこの河川の問題が非常に問題になると思いますが、現在ですらこういうはんらんをするような川でございますので、技術的な面で処置されても、この問題の解決には非常にむずかしいであろう。もしできるといたしましても、他の耕地に及ぼす影響というものは、相当大きなものがありますので、こういう面からも反対をいたしておるというのが実情でございます。
 まことに簡単でございましたが、以上春日井市の周辺について申し上げましたが、不備な点は皆様の御質問の中でお答え申し上げたいと存じます。
○植原委員長 次に船橋鏡治君。
○船橋参考人 私はここ四、五日前よりちょっとからだの工合を悪くしまして、こちらへ出てくるのも非常にちゅうちょいたしました。けれどもせっかく外務委員会としてお呼びを願ってよく事情を聞いてやろうという御親切なお言葉によりまして、実はつき添いの方にも来ていただきまして一緒に伺ったようなわけであります。
 私の方の北里村は、このたび飛行場の関係で被害を受けます土地は関係町村のうちで一番多くて、五十町歩になんなんとしております。なお人家が相当数移転しなければならない。なおその移転先の人は、毎日ジェット機のために家がぶるぶるふるえて、日常生活をするのに非常に難儀であるというような状態になっております。この前くいを入れられました今度の飛行場の中を見ますと、墓地が三カ所ある。私の方の村は尾張八勝の地と申しまして、尾張のうちでも最も古い歴史のある土地であります。しかもこのたび取られるところは、全国でもまれなくらいよくとれるりっぱな農地であります。こういう尾張八勝の名誉ある土地をつぶされるということは、私たちとしても非常に心外にたえないのであります。なおこまかいお話を申し上げることは幾らでもありますが、とりわけ先ほども長江参考人から申されましたように大山川という川がありまして、技術的にこれができるというようなことを県が言っておられたという話も聞きますけれども、それは机の上ではできるかもしれませんが、実地の問題としては土地の者がよく知っておりますけれども、今度の飛行場の下へ細い川、まあみぞのようなたぐいのものが十五本以上流れ込んでおります。この暗渠を、あの飛行場をモグラの穴のようにして作られるのかもしれませんが、おそらくそれができ上っても一、二日の間に詰まってしまって、上方から流れてくる水がはんらんして周辺の地元の字、それから下の方へ下った字が相当水浸しになって、生活することができなくなると思うのであります。私どもはこの歴史のある、しかも今申したように机上の空論でない、実地問題の上からしても、重大な被害を受けるこの土地をことさらに延長される理由がどこにあるか、まことに不可解であります。
 なお四月八日に副知事さんにうちに来てもらいまして、いろいろお話をお願いしておきましたし、それからその翌日、地元の人もまた知事さんに一ぺん会ってということで、私が知事さんのお宅に行きまして、ぜひ来てもらいたいということで、晩に来てもらいました。こういう事情だから知事さんよろしく頼むと言ったら、県民の皆さんの御期待に沿って必ず私がやりましょうと言って、非常に力強い言葉をいただいたために、われわれの村は知事さんが何とかしてくれるといって喜んで知事さんにおまかせしたのです。ところがあにはからんや現在の段階においては、知事さんがわれわれの反対を押えるべく努力しておられることは、私どもは泣いても泣き切れないくらいくやしいのであります。私どもはこの前、知事さんが見えなかったから副知事さんのところへ行きまして、私どもの方はみな命を捨ててかかっております、やっておるときにどんな事態が起りましても、その最後の責任はあなたの方にある、決して私どもの方にはありませんよ、とはっきり言ってきたわけであります。私どものこのむずかしい川が埋められて、一時は流れるかもしれませんが、一年たてば必ずこれははんらんして、地元の字二つだけではありません、その隣の字もその下の字も、全部押し流されてしまう。これでは生活はできません。どうかこういう事情をよくおくみ取り願いまして、この飛行場の拡張をされないように、皆様の御援助、御理解を願いまして、お骨折りを願いたいとここに懇願するわけであります。
 はなはだ簡単でありますが、以上で終ります。
○植原委員長 加藤諦進君。
○加藤参考人 小牧基地拡張問題に対する意見は、長江、船橋両参考人から説明せられた通りでありますが、私の考えは、去る六月三日に衆議員内閣委員会で陳述をいたしましたごとく、その根本は拡張反対の一語に尽きるのであります。
 本件を、去る二十八年の小牧基地第一次拡張が小牧市に与えたる影響より考察いたしますと、まず第一には、財政的に非常に貧弱なる小牧市が永久的に多くの財源を失うということの苦痛と、農業収益に依存する経済面への打撃、これは相当なるものがありました。また、国家の要請を至上のものといたしまして、父祖伝来の農地の接収をがえんじた結果、今私たちの眼前に示されたる現実は何でありましょう。三千五百有余万円に上る買上資金は、かえって純朴なる農民の勤労意欲を喪失せしめ、怠惰と浪費の生活になって現われ、わずか二年足らずしてそのほとんどはむなしく消費し尽されたのでありまして、この現状、この現実が今回の第二次拡張問題に当って地元農民を大きく動揺せしめたのであります。これはわれわれ自治団体理事者の指導力の不足にもよりましょうが、当時美辞麗句を連ねて地元の行動を賞賛されたる当局側が、それによって招来せる結果について、一度として考慮され関心を持たれたことがありましょうか。離農者、すなわち農を離れた者の生活はどうか、田地を縮小した農家の経営はどうなったかと、真心をもって調査し尋ねられたことが一度でもありましょうか。事が終ればわれ関せずえん、これでは真の民主政治、血の通う生きた政治は行われないでありましょう。先日来新聞紙に報ぜられた小牧市のモデル基地問題、あるいは収入補償の請願にいたしましても、そのよって来たるところは、第一次拡張について何ら救恤の方途をお考えなき御当局の不誠意に対する小牧市民の怒りの発露であり、かくして民心は基地拡張反対へと凝集しつつあるのであります。
 しかしながら、小牧市民は反対のための反対を展開するものではありません。政府の施策にして真に国家と国民の幸福をはかられるものと納得し得られますならば、私並びに小牧市民の良識もまたこれに従って動くのであります。国家の前途を憂うるとともに、何にもまして小牧市民の幸福を祈る小牧市長は、本問題が、政府当路の悔いを千載に残さざる方略と、国民を代表する衆議員議員諸先生の御指導のもとに、円滑かつ急速に現状の混迷なる状態を、すみやかに解決されんことを念願して私の意見の発表を終ります。
○植原委員長 これにて参考人各位の意見の開陳は終りました。
 これより、通告順により質疑を許します。穗積七郎君。
○穗積委員 外務省からだれも来ておらぬじゃないですか。
○植原委員長 外務省から安川君という欧米局の第二課長が来ております。その係の者です。
○穗積委員 調達庁から来ておりますか。
○植原委員長 調達庁からは、安田次長が来ております。
○穗積委員 この問題は、さっきも申しましたが、福島さんが陣頭指揮をやっているのです。そうして、あらゆる機会に非常に強い言葉で地元民を威嚇するような発言をしておられる。今も話を聞いてみると、やり方が、権力を背景にした非常に非民主的なやり方をしているのですが、これは昨年からわれわれか基地問題を取り上げてやっているが、政府の約束とはやり方か全然違うのです。そういう趣旨で私は言うのですから、福島さん自身に来てもらいたいのです。
○植原委員長 よくわかりました。至急そう言ってやります。
○穗積委員 それでは政府に対する質問は、後に関係の人か責任者が見えましてから、することにいたしまして、参考人の方に少しくお尋ねいたしたいと思いますが、その前に、私も委員会の理事をしている一人といたしまして、遠路わざわざおいでいただいて貴重な御意見を述べていただいたことを感謝いたします。
 第一にお尋ねいたしたいのは、両地区につきまして、反対運動の実情を承わりたいのです。先ほど平井さんは、歯科医として、同時に校医としての立場からお話がありましたし、砂川さんは、地元の農業経営に当っておられるとともに檀家総代であるというような立場から御説明がございました。それから春日井市の方からは、市会の運動の実情をお話いただきましたが、両地区にわたって、あなた方は個人の立場で反対しておられるのじゃないと思うのです。ともに関係地区住民の総意の上に立って反対しておられるだろうと思うので、従って運動は関係市町村議会あるいは市町村理事者によって統轄されておるのか、それ以外に、下から盛り上るような反対運動がそれとは並行的に設けられてやっておられるのか、その反対運動の実情をもう少し言っていただきたい。と申しますことは、政府が今までこの問題を取り上げて参りますと、反対をする諸君は、少数とは言わぬが、一部である、一部の中には賛成者がおるのだ、中にはこれを歓迎する者すらおるのだというようなことを言われる向きもある。ここに自由党、民主党の方々もおられますが、われわれはこの問題については、党派にとらわれずして、住民の利益、それから国の方針との対立した点を明らかに究明していきたいと思うので、党派にとらわれたり、狭いイデオロギーに立ってこの問題を政治的に扱おうという所存ではございません。私はもとより再軍備に反対する社会党に属しておりますが、しかしそういうとらわれた立場で私は申すのではないのであって、地元民の立場に立って、さっきも言われた通り、生命と幸福を中心にしてこの問題を取り扱うべきだと思います。従って皆さんの御意見も個人または一部の御意見ではないだろうと私は推測いたしますから、それを実証するために、一体どういう運動の実情が展開されておるか。その間の実情を、そういう趣旨で私の質問にピントを合せて、両地区とももう少し御説明をお願いいたしたいと思います。
○砂川参考人 それでは私から申し上げます。
 今回の反対運動につきまして、まず一番最初は五月四日砂川町役場に東京調達局の立川出張事務所長川畑所長外二名が非公式に参りまして、宮崎町長に面会を求めたのであります。そうしまして、立川基地拡張計画案なるものを町長に伝えたのでございます。宮崎町長は五月六日午後七時より――砂川町というのは一番から十番まで字があります。ほかにもございますけれども、一番、二番、三番、四番というふうになっておりますが、五番組の公会堂に、四番、五番地区の約百七十名の被拡張予想関係者の参集を求めまして、川畑所長の来町の要件を伝えまして、地元関係者の意向をただしたのでございます。その結果、地元関係者は満場一致をもちまして、拡張絶対反対の意思を表明したのでございます。そして即日測量等に関する土地立ち入り禁止、二番目に、正式に通達が来たら反対闘争を絶対行う、闘争についてはブロックを定めて代表を選び、調達局職員の立ち入り防御態勢を完璧にする、そうして委任状を取りまして、闘争委員会を結成しました。そして接収に対する闘争のために基地拡張反対同盟を結成するということをきめまして、五月八日午後七時三十分より五番組公会堂におきまして砂川町基地拡張反対総決起大会を開き、この基地拡張にはあくまで反対であるという旨の決議をいたしまして、即日町長に申し出たのでございます。五月九日午後一時調達局より町に対しまして、これから行くからという通知がございました。町長はさっそく二十名おります全町議に招集をかけ、及び地元関係者を役場に招きまして、調達局の来るのを待っておったのであります。午後五時ごろになりまして、東京調達局矢崎次長、それから佐伯茂之、川畑立川事務所長ら外一名がおくればせながらやってきたのでございます。しかしながら地元民は基地拡張を前提とするお話には絶対応じられないのだ、矢崎次長は何とかして計画案を地元民に伝えたいという意向でございましたが、地元民の強固なる反対にあいましてすごすごと帰っていったわけでございます。五月十二日砂川町におきまする初の町議会が役場会議室において開かれまして、諸役員の選定の後に、地元関係の選出議員でございますが、五名の議員さんから緊急動議といたしまして、今回の基地拡張反対決議案なるものを提出いたしたのでございます。(「それは代議士ですか」と呼ぶ者あり)いや、町議会でございます。これに対しまして、砂川町町議会は満場一致この立川基地拡張計画には絶対反対であるという旨の決議をいたしました。そして全町会議員が反対闘争委員になり、委員長には町議会議長が当る、副委員長には副議長が当るということになりまして、それであらゆる町の団体に呼びかけて、これが町、組の反対運動を要請するということをきめました。それで相続きまして各町の教育委員会及び農業委員会、農業協同組合、青年団、婦人会等あらゆる団体がこれに対しまして賛同の意を表しまして、今回の立川基地拡張計画は町の生死に関係することであるから、あくまで反対であるという旨の決議をしておる次第でございます。
○穗積委員 大体わかりました。きょうは両地区並行してお尋ねするということですから、またあとちょっと質問がありますが、小牧地区の方の実情をお話いただきたいと思います。
○菊池委員 この運動のことについてちょっと関連質問があるのです。代議士やなんか呼べということはありませんか。
○砂川参考人 そういうことはございません。今まで衆参両院の国会陳情、都知事、都議会に陳情しております。
○菊池委員 地元出身の代議士とかに……。
○平井参考人 その点につきまして、やはり地元のわれわれの地区から出ておられます代議士の先生方にこの点についてはお話しているわけであります。
○菊池委員 その代議士のうち基地拡張に反対したのはどこのだれですか。
○平井参考人 この基地拡張に絶対反対して下さいます先生方は、社会党の中村先生、それから山花先生……(「並木はどうだ」と呼ぶ者あり)並木先生については、先ほどこの議場でちょっとお話がありましたが、私は与党の立場でできないのだというようなことを申されております。
○菊池委員 自由党はどうですか。
○平井参考人 やはり福田さんも反対しておられます。
○菊池委員 その運動に労働組合や何かももちろん参加しておられますね。
○平井参考人 この問題につきましては、各労働組合と申しますか、総評関係はこれに対しまして全面的に応援する、これはどういうことで応援するかといいますと、基地が拡張されることによって、たとい一坪でも基地がふえるということは絶対に反対である、この狭い国土に対して基地拡張は絶対に反対であるということで、総評側から進んで援助を受けているわけであります。
○菊池委員 その労働組合は地元の砂川町の労働組合でありますか、どこかほかから参加した労働組合があったということを聞いておりますが、どうですか。
○砂川参考人 初めは呼びかけておりません。そして私たちはあくまで反対である。しかしながらこれはイデオロギーの問題ではない。それ以前の私たちの生活権の擁護の問題であるという面で、左翼団体にわれわれの運動を牛耳られることはあくまで困るというので、初めは共闘とかそういうことはしておりません。私たちの反対闘争は確固たる体形をとってやるべきであるという意見で初めはそういうことをしておりません。
○菊池委員 初めはそうでしょうが、その後はほかからの労働組合はどうなりましたか。
○平井参考人 ただし最初からの闘争方針につきましては、共産党とは絶対に共同闘争はしないという明確な線を出しております。
○菊池委員 あなた方の反対運動は至って自然でありますが、示威運動をやられるときに、労働組合が赤旗を持ち、しかもよそからの労働組合は革命歌を歌い、そして応援する、これはわれわれ理解できない。あなた方は向うから押しかけてきたときに拒まなかったのですか。
○砂川参考人 それは六月に入りましてから、われわれの基地反対闘争委員会の組織が明確化し、全町民にわたりましてこれが反対を周知徹底せしめた結果、断固左翼系統とかそういうものには引きずられないというような結論が出ましたので、共闘は原則的に受け入れるという決定に基きまして、町民大会におきましても労働組合が来たのを喜んで受けました。
○菊池委員 ほかからの労働組合ですか。
○砂川参考人 そうです。
○穗積委員 小牧地区についてあらましでけっこうでございます。時間もあまりございませんから簡潔に一つ。特にきょうは北里の村長さんは病身を押して御上京下さいまして大へん感謝いたしておりますが、おからだの御都合では委員長の許可を得ておすわりになったままでけっこうです。
○船橋参考人 私の方は五月二日に村会で拡張反対の議決をいたしまして、臨時の予算を少し組みまして活動に入ったのであります。
○穗積委員 村会の議決は全会一致ですね。
○船橋参考人 これは全会一致です。それから現在は地元民が名古屋の六ヵ所で日の丸の旗を持ち、むしろ旗を立てて署名運動をいたしております。私きのうこちらに出てくるときも駅前に部落民が全部で六十名ほど出ておりました、毎日闘争をやっております。
○穗積委員 ちょっと御発言中ですが、村長さん御病気中のようですから、正式に呼んではおりませんが、どなたか村の方が見えているようですから、その方に発言を特にお許ししたらどうですか。
○植原委員長 それは規則の上でできません。
○穗積委員 それではちょっとその席をかわって打ち合せをしていただく間に、春日井市と小牧市の方の反対運動の実情を――今民主党の方から地元民の感情に理解のないような御質問もございましたが、一部の者に牛耳られることはいけない。われわれは地元民の自然発生的な実情を聞きたいのです。そういう趣旨でありますから、その実情をお話下さい。
○長江参考人 春日井市の実情を申し上げます。春日井市におきましては、きわめて自然的にこの反対運動が発生したということが申されております。と申しますのは、まず地元の農民の方が四月八日に口頭でもって市当局に対して反対の申し入れをいたしております。そこでこれを取り上げまして、市議会が反対を決議いたしましたのが五月十九日でございます。十八日に対策特別委員会を設けまして、たしか委員九名でございますが、地元の議員が中心になりまして、この九名をもちまして特別委員会を設けまして、先ほど申し上げましたように全会一致をもちまして反対決議をいたしております。そうしまして地元におきましてはこれと呼応いたしまして、反対委員会ができております。そうしてこの委員と市当局の対策委員との連絡協議会を設けて反対闘争を推進していこう、こういう態勢になっております。活発な運動といたしましては、春日井市といたしましては陳情問題くらいしか取り扱っておりません。地道な運動でやっていこう、こういうことで進んでおるわけでございます。
 先ほど関係の議員の方にというお尋ねもあったようでございますが、地元の人間といたしましては、われわれが選出した代議士がまっ先に来てこれに反対をしてくれるのが当然であって、言っても見守ってくれぬような代議士は、われわれが選出したかいがないということをはっきり申しておるのでございます。関係議員といたしましては衆議院におきましては加藤清二先生、早稻田柳右エ門先生、丹羽兵助先生、久野忠治先生がわが二区選出の代議士でございます。労働組合の問題といたしましては、名古屋市に非常に近いため勤労者が非常にたくさん住んでおります。それらの者が中心になって援助をしておるのは事実でございますので申し上げておきます。
○穗積委員 小牧市の方の実情を同様の趣旨で簡潔に、最初にお尋ねいたします。
○加藤参考人 私の方は六月二十二日に本会議を開きまして対策委員十名を作りまして、地元におきましても十名、合計二十名の委員をもってこの対策に当るという現状でございまして、小牧市に活発なる運動が展開せられないという理由はどこにあるかということは、二十八年におきまして――今北里が非常に難関に直面しておると同様に、私の方は小牧町の時代におきまして、この拡張は小牧町だけでありましたために、非常に激しく運動を起しまして、もちろんそのときに共産党その他の方からは応援は求めずに、地元におきまして東京、県庁その他へ非常な運動をしたのであります。これに莫大なる補償を余儀なくされ、町におきましてもその当時莫大な金額を出し、地元におきましても補償費の方からそれがさっ引かれたという現状であります。このために地元民としてはいたずらにこれが闘争をするということはいけない、現状においては調達局から何らこれらの飛行場の拡張、基地の拡張という明確なものがないから、それまではじっとしてこらえて、しかる後これが反対運動に入るのが、浪費の節約で、過去の経険を生かす道ではなかろうかというので、慎重な態度を持って、すなわち市長も地元民にこたえて慎重な態度で臨んでおるのが現状でございます。
○穗積委員 次に両地区の方に御答弁をわずらわしたいと思いますのは、今の反対運動のあり方といいますか格好はわかりましたが、その後関係当局とお会いになっておられるだろうと思うのです。たとえば地元の調達庁の出張所といいますか、支所といいますか、名前は正確に存じませんが、そういうところへ行かれたり、あるいは政府あるいは議会あるいはアメリカ軍の関係者の方へも、陳情または面会をなすったことがあろうかと思うが、そういうときに特にこの問題を処理するのに参考になるような会話等で、御記憶になっているものがありましたら、開陳しておいていただきたいと思います。
○砂川参考人 砂川町といたしましては五月三十日砂川町の町議会及び各種全団体の代表及び地元関係者の代表が百十数名国会へ参りました。そしてまず杉山副議長先生にお会いしまして、なぜ私たちが反対しているかということの説明を申し上げました。次に根本官房長官に町の代表が十名ほどでお会いしております。根本官房長官は条件闘争なら話は聞くが、絶対反対というのであれば聞く耳は持たないというような意味のことを言われて、憤然として席を立たれたという報告を聞いております。それからその日都知事及び都議会に陳情に参っております。それから第二案地区、そのときは第一案地区しか参りませんが、第二案地区につきましても国会あるいは都議会、都知事、政府に対しまして陳情しております。
○穗積委員 そのときの都知事、都議会の態度を説明して下さい。
○砂川参考人 都知事といたしましては、都知事の任務の根本理念が、都民の福祉を守るという点にある以上、私たちは皆さんと足並みをそろえて、これが反対のためにあらゆる方面に運動するということを高瀬外務室長が明言いたしました。都議会におきましては、都議会百二十名全員で、これが反対意見書を採択いたしまして、政府に意見を具申するということを議決しております。
○穗積委員 調達局は。
○砂川参考人 調達局は、私たちは基地拡張については調達局は相手にせず、基地拡張に対する話し合いには絶対に応じないというのが根本原則でありますので、調達局には一切話をしておりません。
○穗積委員 米軍は。
○砂川参考人 米軍はにしておりません。私たちの相手は日本政府であります。
○穗積委員 小牧地区の方に同様の趣旨で伺っておきたいと思います。
○菊池委員 関連して伺いたいと思いますが、今都議会が反対して、それを議決したとおっしゃいましたが、それはいつでございますか。都議会は議決しなかったでしょう。
○砂川参考人 反対決議はいたしませんが、反対意見書は採択をしております。
○菊池委員 それではさっきのあなたの言葉と違っておる。
 それから平井君にお伺いいたしますが、先ほどあなたは調達庁からどうかつされた、それから懐柔された、懐柔しようとかかったということをおっしゃいましたが、恫喝の言葉はどういうことを言われましたか、御記憶でありましたらお答え願いたいと思います。
○平井参考人 たとえば土地収用法にかけるとか、先ほど申しましたように福島調達庁長官が、多少の犠牲者が出ようともこれを強行するというようなことを言っております。
○菊池委員 それから懐柔の言葉はどういうことを言っております。
○平井参考人 ……。
○植原委員長 あなたの記憶でいいのです。何も原稿を見なくとも、そういうことはあなたの記憶から出るべきものですから、記憶でいいです。
○平井参考人 たとえば多額の金を出すから――皆さんの希望のようなあれをするから、ぜひこの拡張をのんでくれというようなことでありました。
○穗積委員 おそれ入りますが、小牧地区の運動の過程において、先ほど反対決議または署名等のお話を伺いましたが、そのことでなくて関係官庁または上級官庁あるい国会方面でもけっこうですが、先ほど立川地区についてお尋ねしたと同様の趣旨で、参考になりますことがありましたら、三人の参考人の方からお話をいただきたい。
○長江参考人 私の方といたしましては、先回申し上げましたように調達庁、それから農林省、防衛庁、これに対して反対の陳情をいたした後に墜落事故が起きましたので、この件で米軍の司令官と申しますか、小牧基地の方へこういう事故を再発さしてもらっては困る、こういう抗議の申し入れが一回、さらに事故に対する補償の問題で調達庁の方に早急に補償をしてもらう、名古屋の調達局の方にもこういう趣旨の申し入れをした以外は、特に反対陳情では関係官庁にその後は申し入れを行なっておりませんが、たまたま春日井に来られました早稻田代議士を通じまして、地元の人が反対のために陳情をいたしております。これは七月の十日の日であります。
○穗積委員 そのときに関係官庁から、何か反対運動に対する意見なり態度について参考になるようなものがございませんか。
○長江参考人 私が直接参ったのではありませんので……。
○穗積委員 聞き及びでけっこうです。
○長江参考人 行った方の復命によりますと、各官庁とも本問題については未決定の問題であるので、趣旨は了とするが、まだ今どちらにも裁断を下す時期ではない、こういうことを言われて帰ってきておるのが実情でございます。
○穗積委員 ありがとうございました。そのほかの方ございませんか。
○加藤参考人 私は去る二十三日、市長会に参りましたときに福島長官と会いまして、二十八年度の補償の実行がしておらない。県におきましても何らかの処置を講ずるということでありましたにかかわらず、今日公約だけであって実際に行われておらない。これは飛行場の拡張せられる、せられぬという問題の先に解決すべきものとして陳情に参ったのだ。その節承わりました福島長官のお心持は、絶対やるというように承わった。内閣委員会で議員さん各位から質問のありました要旨から考えましても、断じて行うという意思を認めました。それ以上ありません。
○穗積委員 それでは政府側の方が見えてから少し質問いたしたいと思いますが、その前に最後に加藤市長さんに、ちょっとあなたの御意見並びに地元民の御意向を伺いたいのです。他の参考人の方々の反対運動の御陳述によりますと、条件のいかんにかかわらずこれはやめてもらいたい、やめてもらいたいどころか、現在ある基地すらどこかへ移ってもらいたいという趣旨のようにわれわれは伺いましたが、あなたの陳述の中には最初は原則としては反対の態度をとっておる、しかし条件によっては――必ずしもあなたのお言葉ではありませんが、私の理解では、条件のいかんによって多少は相談に応じ得るというようなゆとりのある態度のようにもお見受けしたわけでございますが、その間のことについて、もう少しあなたの御意見並びに地元民の御意向をお伝え下さいますようにお願いいたします。
○加藤参考人 私は原則として、申し上げました通りに反対であります。しかしながら二十八年度におきまして、これが非常に熱意を持ってひまと金を費して、その当時の小牧町民は打って一丸として反対したにかかわらず、ついにその志と事は反対の結果となったのであります。かるがゆえに、今現状におきまして私は調達局から正式の通達のない以上は、小牧地区におきましてどれだけ接収せられるかということも不明でありますから、その点において参りましたときに地元の者の心持を心持といたしましてこれを処理する、これが市長の責任ではなかろうかと考えております。
○穗積委員 大体わかったような、わからぬところも多少ありますが、つまり二十八年度の反対運動は絶対反対であったのだが、やってみた結果、原因はどこにあったかは別として、結果としては反対運動が初志貫徹できなかった、そういう経験を持っておるので、何といいますか地元民の間に今度の場合においても、多少の事前にあきらめの空気があるというふうな御趣旨でありますかどうでありますか、その点を伺いたい。
○加藤参考人 その点においても、あきらめても何もおりません。大いに心の中は燃えるがごとき気を持っておりますが、実際問題におきましては前に申し上げた通りのような経済上の非常に困難なる事情に遭遇する、そういうことから落ちついておるだけでありまして、この点おそらく私の推定しますところは、先ほど証言いたしました通りに三千数百万円の莫大な金額をいただいたのであります。その当時としては相当額とは存じますが、そういうものをもらっても、今日そのものが浪費その他におきましてついになくなった、こういう現状を思うときに、おそらく地元民も決起するであろうと確信しております。
○穗積委員 ありがとうございました。そうすると私が先ほどあなたの最後の言葉で、多少条件によっては応ずる余地もあるというふうな御意見は、これは私の誤解であったということが明瞭になりました。前の経験からいたしましても反対運動が貫かれなくて多少の補償金をもらったが、その補償金をもらった者のあとの生活が、それを消費してしまって、かえって困窮状態になっているという苦い経験があるから、今度はそういう苦い経験を繰り返すことなしに、生命、生活、幸福を守るために、より強い意思を持ってこれには賛成しがたい、反対の意思であるというふうに理解いたしたいと思います。
 最後に一点お尋ねしたいのは、二十八年の反対の当時にはあなたはやはり町長という立場におられましたか。そのときのあなたのお立場を参考のために、ちょっと伺っておきたいと思います。
○加藤参考人 その当時は、その前にちょうど町長をしておりましたが、その後四年の任期を経まして退職いたしまして、町長は稲山町長でありまして私の時代ではありません。
○穗積委員 それでは私の参考人だけに対する質問は、これで一応他の質問者に譲ります。そしてあと福島さんがお見えになりましたら、安川さんはお見えになったようですから、政府に対する質問はもうしばらく見てあとで一緒にお尋ねすることにいたします。そのときに政府の答弁の中で関連することがありましたら、また参考人の方にもお尋ねいたしますことをあらかじめお願いしておきます。
○菊池委員 先ほど平井参考人から、この軍事基地を追われた人々の生活が、まことに悲惨であるということを言われましたが、その実例をここでちょっとお話下さるならば非常に参考になると思います。
○平井参考人 すでに地元といたしましては、昭和二十何年かちょっと覚えておりませんが、ともかく終戦後にやはり一ぺん追われました。そこに住む農家の人たちがだんだん追われまして、自分の持っている畑が半分くらいになってしまったのでございます。特にその農家につきましては自分の家ですらいまだ復興ができていないのでございます。それでこの問題につきましてはまだ復興もできないし、土地も取られたし、これ以上取られるということは、結局農家が自滅する以外に道がないという状態でございます。
○菊池委員 まだいろいろの例があると思いますが、あなたの知っておられるなるべくたくさんの例を教えていただきたいと思います。
○平井参考人 この基地拡張で一番悲劇でありますのは、砂川は非常に細長い町でございまして、そしてたった一つの五日市街道があるのでございます。これが中断されますと町の産業、経済が、先ほど砂川君の方から話がありましたように非常に困りますし、また中学生が中学校に通う場合にいたしましても非常に不便を感じます。
○菊池委員 そういうことではなく、基地を追われて立ちのいた人たちが、いかに悲惨な生活をしているかというその実例を、砂川さんからでもけっこうですが、一つお話を願いたいと思います。
○砂川参考人 それでは私からお答えいたします。名前を出すのは差し控えたいと思います。かって十数町歩持っていた農家があるのでございます。そして基地拡張によりまして十五町歩ばかり取られたのでございます。そしてその人が家を直すわけでもなし、自家用車を買うわけでもなし、全然そういうようなぜいたくをしないのに、それで朝から晩までまつ黒になって畑で働いていながら、その十五町歩の畑を接収された金額というのはいつの間にかどこかへ行っちゃって、今では非常に苦しんでいるというような実例がございます。
○菊池委員 まだほかにいろいろ例がありませんか。
○砂川参考人 例は枚挙のいとまはございません。
○植原委員長 中村高一君。
○中村(高)委員 先に小牧飛行場の方に、どなたでもけっこうでありますからお答えを願いたいのですが、今、基地拡張の反対を非常に熱心におやりになっておられることを拝聴いたしたのでありますが、測量の方はもう済んでおるように聞いております。測量当時には話し合いが円満につかれたのやら、それとも町民が気がつかないうちに行われてしまったのか、測量が行われた今日非常に反対しておられるようでありますから、測量当時のことをちょっとお答え願いたいと思います。
○船橋参考人 当時の模様を簡単に申し上げます。私の方は純農村であります。私は本職が医者でございまして、こういう政治向きのことは全然わからないのでありまして、そういう村長が出たためにえらい不覚をいたしているような感がいたして非常に残念でございます。
 それは調達局が口頭で、こういうことをやらしてもらいたい、私の方に調べた土地の図面があるから合わさせてもらいたいということで、そのときに自動車二はい、十五、六人が役場へ見えました。私がうちにおりましたら呼びに来られて、私は何事が起ったのかと思ったら、局長と不動産部長の石田さんが、こういう意味でぜひ一つお願いしたい、ああそうですかと言っておりました。昨今紙上で、立川の飛行場の問題で砂川町の方が非常に猛運動をしておられたことを見ましたときに、非常に不覚で残念で仕方がない。私どもはそういうことをしない、ほんとうの農民として実情を訴えればわかってもらえるという純心な気持でやったのが、かえって現在においては悲しい結果になった。小牧基地は反対もしない、だからやりいいだろうという世評を向けられている情ない立場に立ったのであります。
 もともとその当時、土地の調査をさしてもらいたいという話だったから、さっそく地元の者に寄ってもらいまして、どうするかと言ったら、絶対反対するということでありましたので反対をいたしました。当時、三月二十六日に村の対策委員を村会から十二名出して作りまして、三月二十九日に調達局あるいは県へ陳情に行っております。
○中村(高)委員 よろしゅうございます。測量のことだけでけっこうであります。今、村長さんのお話によりますと、測量することについて十分な御理解がなかったようでありまして、今になって村長さんの立場については、まことにつらい立場に立たれておりますことを言外に私たちも了解できるのでありまして、村長さんとしては非常に困った立場におられると思うのでありますが、おそらくそれは、そういうような飛行場の拡張計画がこの事件の第一歩であるというほどのことにも考えられずに、村長さんとしては承諾をせられたのだと思うのでありますが、現状においては測量はもう完了しておるのか、あるいはまだ途中でありますかどうですか、それだけをお伺いしたい。
○船橋参考人 ただいま村長が承諾したというようなお言葉がありましたけれども、それは承諾しているのではありません。その後そういうことで調達庁長官からも申されて、また地方にいっても、北里村なんか村長の了解済みだからやったというようなお説を承わりまして、非常に残念に思っております。そこでこの声明書を役場からだいぶ配っていただいております。私が入れました一札というのは、ちょうど犬山で会議がありまして、私が行っておると、四月九日に石田不動産部長がそこへやってこられて、ちょっと会いたいということで、私は席をはずして出ますと、実はあなたの方は暴力行為をせられぬというがどうだ、そういうことは全くありはせんかと言われて、私の方は、そういう暴力行為をするということはない、私はそういう争いをしてけが人が出たり、罪人が出ないようにしてもらいたいということを皆さんにお願いしてあるし、暴力行為はしないだろう、こういうことを申しました。ところが、この暴力行為をしないということを文書にしてくれ、こういわれた。私はこういうものを書いたこともないのに、どういうふうにして書くかと言ったら、ちょうど豊山村の村長さんが「小牧飛行場外土地立ち入りの件」というものを書いているから、私もそういうふうに書いたらいいというので、ではその通り写してみましょうと言って、写して渡したわけです。その文面は、皆さんも御存じと思いますが、「北里村大字市之久田、小針、小針巳新田の土地測量並に調査のため四月十一日からの立入りについては村民は妨害せざるものと思料しますから予定の如く進められて異議ありません。」こういうことであります。ところがその「異議ありません」というのは、法学士で私の先輩である隣村の村長さんが反対しておって書かれたので、私どもはこういう文面がこまかいところでほじくり出されて、いじめられるということは毛頭思っておりません。ただそういう暴力行為はやりませんから、やられるならやって下さい、勝手にしなさいという言葉が使われぬので、一つお手本を見て書いたのですが、私は今非常に残念に思っておりますのは、もう少しひまがあれば、これをよく見て書いたのですが、片方で会議をしておりました。そこでもってすぐやった。私はその前に強制立入調査通知書を受けております。十一日からやるという通告をを受けておりますし、また県の方も知事が公告しておりますから、これでもう法的手続が成立しておるから、これは私の方で反対しても法律でやられればしょうがないし、暴力行為はやらぬだろう。また調達局の石田さんは犬山の出身の人で、私は医者をやっておる関係で、私は知りませんが、私を知っていたらしくて、向うさんが、あなたが村長さんでしたか、私は犬山の出身ですといったことで、非常に心やすく話をしたわけです。そしてあなたたちのためには私の立場で何とかしてやるから、もう心配せぬでもいいと非常に親切に言っていただいて、私も裏切られるという気持もなし、現在で言うと非常に心やすくつき合っておったような気持でおったところが、それがために裏切られたような感が現在ではしております。実際問題から言って、釈明をこの間もどっかへ出していただきましたが、そういう気持ですが、文面の上の字句でもって、これはひっかかりやすいと思ってひっかけられたということは非常に残念です。われわれいなかの者はそんなむずかしい法律や字句の解釈のしょうによって、こういうようにひっかかるというようなことは全然知りませんし、そんなペテンにかけられたようなことが私は非常に心外にたえぬのであります。この辺は皆さんもよく御了承願いたいと思うのです。私の方は絶対反対で、村全体、村会も私も一緒になっております。決して私自体が賛成したものではありません。ただ知っており、心やすだてにしておったし、それでこういうふうに書いてくれと言われたから、ではそういうことなら――しかもそれは、調査に来られる人が非常に危険を感じられるから、こういうふうに取っておるからお前ら心配しないで行ってこい、そういうことのために使われるというふうに私は善意に解釈したわけです。ところが調達庁がこれを国会に持ってきて、これを村長がやったから了解を得たといったというのですが、私は何も村の人に一言も聞いておりません。村の人に何も言っておりませんし、何も知りません。最近になって調達庁から言われたから初めて表に出した。私はこれは、あそこの仕事で強制立ち入りをする上において、みんな安心して行かれるために取っておいた、これだからお前たちは行っていいよというふうに話せるような材料だと思った。ところがえらいさかさまに今度は利用されまして、私は非常に立つ瀬のないような立場におります。
○植原委員長 その書類はどこから出したのですか。
○船橋参考人 私が出したのです。
○中村(高)委員 測量はもう完了したのですか、途中ですか。
○船橋参考人 大体土地だけは終っております。家屋の方は、それでちょっと私も怒りましたから、立ち入りはしてもらいません。いなかは知りませんから、新聞でいろいろ見ますと、それでああしまったというようなことです。私の方は先ほど申し上げましたように歴史の深いところですし、美田であるし、また川のはんらんによって将来に大きな禍根を残すという問題で、絶対にこれは金の問題ではありません。金は何億積まれても私の方は承諾できない立場であります。この辺は皆さま御了承願いたいと思います。
○中村(高)委員 砂川町の参考人にお尋ねいたしますが、おそらく皆さんが反対をしておられるのは、人家の密集した町のまん中に飛行場が入ってくるというところに、非常な深刻な反対があるのだろうと思うのです。今度他の四カ所の飛行場も一斉に拡張せられるけれども、砂川のように町のまん中に滑走路が入り込むというのは、なさそうに思うのでありますけれども、一番反対しておられるその理由は、町のまん中に飛行場が突入してくることのように思われるのでありますが、その点はどうでございましょうか。
○砂川参考人 町を二分すると同時に、私たちのこの砂川町は、今まで十数回にわたって二百四十四町歩余の土地を軍事基地に接収されて参りました。これ以上一寸一坪たりとも取られたくない、すなわち農地、宅地、あらゆる面におきまして一坪でも取られたくない、取られるのは絶対ごめんだというのが反対の趣旨でございます。
○中村(高)委員 飛行場に町が非常に接近しておりますために、今までもたびたび飛行機がおっこって、家はずいぶん方々が焼かれておりますけれども、その飛行機の事故が起っても、いよいよ賠償されるというまでにはいつも長い間かかって、そうして解決がされないというようなことが、深刻に町民の問題になっておると思うのですが、今まで飛行機が墜落したりなんかして、その事故の場合に、いつもそういう目にあっているというようなことも、町民が直接収用されなくても反対をしておる理由だとも思うのですが、その点はどうですか。
○砂川参考人 飛行機の墜落事故につきましては、旧日本陸軍が使用していた当時及び終戦後米軍が接収して、使用して現在に至るまでほんとうに枚挙にいとまがありません。立川基地におきましては、一つの例でございますけれども、アメリカのジェット機が滑走路を飛び立ちまして、そうして故障を起しまして、農家のうちに突っ込んで参りました。しかし幸いにしてカシの木が一本ございましたので、それにぶつかって、うちには飛び込まなかった。しかしながら積んでおりました機銃弾がばらまかれまして、その処置に非常に困ったこともございましたし、また横田基地におきましては、昭和二十六年の十一月十八日夜、当時朝鮮の戦乱がございまして立川基地及び横田基地から、日夜朝鮮に向って補給もしくは爆撃に飛び立っておりました。そうして横田基地におきましては、B29が滑走しょうとしたときに、滑走してその途中におきまして、何のためか原因はわかりませんが、転覆いたしまして、搭載の爆弾が爆発いたしまして、砂川の西部の中里部落というのがありますが、中里部落の四世帯が全焼して、大破が十九、中破が十九、小破六十九の大被害を受けたのであります。しかしながらこれらの基地周辺にどんな大きい被害を受けていても、私たち砂川町の農民は、その被害以上に土地に対する愛着、土地を取られては食っていけないという気持がありまして、どんな爆弾が、飛行機が突っ込んでこようと、やはりそこからどかないで、畑を耕作していかなければならないというのが農民の実情でございます。
○中村(高)委員 測量の問題で調達庁との間にいまだに話し合いができないのでありますが、その最中に、拡張計画が今まで示された測量の予定は第一案でありましたが、その問題がまだ解決されないし、測量さえできていないのに、また第二案を出してきておりますけれども、これは第一案と第二案と、どちらかを採用するというのか、それと第一案で拡張して、ついでに第二案も拡張すれば広くなってよけいよろしいからというような計画も聞いておるのでありますが、あなた方がお聞きになっておるのでは、両方のどちらか一つというのか、場合によったならば二つとも接収してしまうというのか、そういうことについて政府からあるいはどこからかお話を聞いておりますか、どうですか、お答えを願いたいと思います。
○砂川参考人 私の砂川町におきましては、調達局とは一切話をしない、基地拡張を前提にする話し合いに対して、絶対応じないということを根本原則にしておりますので、どういう内容か存じませんが、第一案地区におきましても、第二案地区におきましても、どちらにつきましても砂川町といたしましては絶対反対であるという意向はごうもくずれておりません。徹底的にそれを貫き通す覚悟でおります。
○中村(高)委員 もう一つでおしまいにいたします。この間測量のときに、新聞で見ますと、調達庁の役人が川へ落ちたとかいうて、だいぶ大きく新聞に出ておりましたけれども、何かこれは負傷でもしたのか、それともどんな状況でおっこったのか、諸君があばれてほうり投げたのか、だいぶ誤解されておるようでありますから、その点だけを一つどちらかからでもお答えをしていただきたい。
○砂川参考人 あれは山田さんという人が川の中へ落ちたのでございまして、おっことしたのじゃないのでございます。その証拠には、私たちの地元からも三名一緒に川の中へおっこっちゃっております。落すならば地元の人たちはおっこっていないはずなんです。それは、私そのあとで聞いたのでございますけれども、それにタッチした人がこの委員会の中におりますけれども、それは山田不動産部長を自動車へ連れ帰そう、帰ってもらおうと一緒に行ったときにわんさもんさ、もみ合っていたものですから、押されてちょうどたまたま川のそばにいたものですから、もつれ合っておっこちゃったのが実情でございまして、砂川町民として突き落したということは絶対にございません。先方様がおっこったのでございます。
○中村(高)委員 調達庁の次長さんですか、おいでになっておるようでありますから……。今まで測量をするというのは六月二十一日から八月三十一日までという通告を出しておって、そうしてまた今度は七月の十六日から八月三十一日までというふうに通知してきたようでありますが、二つ通知が出ておるわけです。そうすると前のは取り消して、あらためて十六日からまた測量に入るというのか、その間を除いて日を指定してこられたのでありますけれども、そうすると前のを取り消してあとのに変更してこられたようにも見えますが、御承知のように地元民から裁判所に向って立ち入り禁止の仮処分をやっておるようでありますが、おそらくこれは、立ち入り禁止は前の通知によってやっておると思います。変更したのはどういう理由で――先月の二十一日から八月三十一日までの間にやるというのを別に変更する理由はないようですが、もう一度通知をし直したのは何か根拠がおありになりますか。
○安田(清)政府委員 お答えを申し上げます。今のお話にもございましたように、地元の方から立ち入り禁止の仮処分が裁判所に申し立てられておるわけであります。この仮処分の審理で、裁判所からの御質問の途中におきまして、特に裁判長から仮処分の決定のあるまで立ち入りをしない方がよくはないか、こういうお話があったわけであります。そこで私の方といたしましてそういうことにいたしましょうというふうに、話し合いの途中で裁判長に申し上げたのです。伺いますと、この仮処分の決定が明日でございますが、七月の十五日にはなされるというような御内意を承わったものでございますから、この紳士的な約束に基きまして十五日までは入らない、従って十六日からは入れていただく、もちろん仮処分が成り立ちますればわが方としては入る根拠はなくなるわけでありますが、仮処分の決定が出まして、わが方として法的に入れるという事態になれば十六日からというふうに予想したわけであります。従いまして従来出しております通知を訂正する意味におきまして、七月の十六日からあらためて入れていただく、こういうふうな通知を出したわけであります。
○中村(高)委員 七月十六日というのはお盆のかまのふたのあく日だというのでありますが、そういう日でも、あなたの方は十六日におやりになるのかどうかわかりませんが、そうすると、裁判所の方の勧告では、裁判があるまでお待ちなさいといって、おとなしくおやめになったのでありますが、裁判の方の判決が延期になるということになると、また御延期になることがほんとうだと思いますが、いかがでしょう。
○安田(清)政府委員 御趣旨の通りに考えております。
○中村(高)委員 まことにけっこうなお考えでございます。どちらかが勝つか負けるかという場合が出てくると存じますが、どちらかからまた不服で控訴の申し立てをするというような場合になりますと、それが片づくまでは実際には事件は終了しないのでありますけれども、その場合も、事件の終了まではお待ち下さいますでしょうか。
○安田(清)政府委員 さような事態のときにおきましていかなる措置をとりますか、まだ調達庁といたしましては決定をいたしておりません。
○中村(高)委員 そういう場合がありましたならば、問題の片づくまでは御延期を願う方がけっこうだと思うのであります。どういう事態が起るか知れませんが、今までもこの問題は相当行き詰まったように考えるのでありますが、裁判所の方の結果によっては、あなたの方は強制的にでも測量をおやりになるかどうか。
 それから道路と一般の住民の土地と住宅とがありまして、測量するとするならば、おそらく道路ばかりでは意味はないのでありますけれども、十六日以後に測量なさるという場合には、道路からさらに土地の方、農耕地の方までも測量をおやりになる御用意でありますかどうですか。
○安田(清)政府委員 裁判の済むのを一応待っておるわけでございますが、裁判の結果、一応立ち入り禁止の仮処分が成り立たぬという事態になりましたら、入って測量させていただきたい、こういうふうに考えております。そのときには、先ほどから参考人の方の御陳述もございましたように、立川の問題といたしましては地元でいろいろの御意見がございましょうが、伺っておりますれば、やはりもともとからこの五日市街道という道路の問題が一番難点であろうとわれわれ考えておりますので、やはり道路に重点を置いた測量ということを考えておりますから、道路の測量というものをまずいたしたい。それから私有地の方は、もちろん測量が必要であるので、お願いをいたしておるわけでございますので、私有地の方にも入りますが、まず道路から入り、引き続いて私有地の方にも入れていただきたい、こういうふうに考えております。
○中村(高)委員 そうすると、道路の方は、またこの前のような道路使用という手続でおやりになるのでしょうが、一般の農耕地の方は、あなたも御承知のように町長が通知並びに公告を拒んでおるのでありますけれども、これは依然として解決をされておりませんから、そういう手続が完了の後に農耕地にはお入りになるというふうに了解をしてよろしゅうございましょうか。
○安田(清)政府委員 ただいま御指摘のございました、町長の通知または公告というものがないのに、わが方が入るのが違法であるというような理由から、仮処分の申し立てがあるように伺っております。従いまして裁判所の御決定に基きましてこの問題が一応解決いたしますれば、わが方は今の状態で入れるもの、また入りたいと考えておるわけでございます。町長の公告または通知というものの必要性につきましては、国会の委員会あるいは本会議におきまして、法制長官からも答弁がございまして、町長の公告あるいは通知というものは、これらの立ち入り権については影響がないというふうな御解釈をいただいておりますので、その線に沿って合法的に入れるものと考えております。
○中村(高)委員 その点については、仮処分と主たる権利との間には相違があるのでありますから、かりに仮処分の方でお約束があっといたしましても、土地収用法の主たる権利というものに対しての仮処分の許可不許可ということが、直接主たる権利にはわれわれは影響がないと存しておりますけれども、これは法律論でありまして、ここで論ずる問題ではございませんから申しませんけれども、おそらくその問題だけで問題は解決されないと思いますので、その点については十分に御考慮を願いたと思っております。
○植原委員長 淡谷悠藏君。
○淡谷委員 まず立川関係の方にお伺いいたしたいのでありますが、この関係の民有地の諸君が測量をするという通知を受けておりますかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○砂川参考人 調達局より昭和三十年七月一日付をもちまして七月十六日午前八時より八月二十一日午後六時まで、ただし午後六時以後翌日午前八時までの時間を除く、というような件につきまして、私有地に対する立ち入りをしたいということを通知して参りました。
○淡谷委員 それはどこからだれに一体通知をしたわけですか。調達庁から直接に行ったのか、あるいは町長まで行ったのか、通知をした本人と通知を受けた本人とをはっきりして下さい。
○砂川参考人 それは宮崎町長にも参っておりますし、それから地元関係者にも参っております。
○淡谷委員 地元関係者へはどこから行っておりますか。
○砂川参考人 東京調達局長です。
○淡谷委員 わかりました。調達庁次長にお伺いいたしますが、これまで測量に関して、土地等の使用等に関する特別措置法を適用してやった例がございますか。
○安田(清)政府委員 現在問題になっております測量は、特別措置法に基く準備のための立ち入りでございます。これを適用いたしまして測量に入りましたのは、私の記憶に間違いがなければ妙義山がそうであったと思います。
○淡谷委員 この基地関係の土地を取得いたします場合に、土地収用法に基いてやるとなかなかひまもかかるし、容易に取れないから、お互いに納得の上でやっていくということは、これまでしばしば国会の質疑応答の中にもあったように聞いております。立川及び小牧に対しましても、できるだけこの措置法あるいは土地収用法等による、いわゆる強制収用にはよらないという根本の方針に変りがありませんかどうか、お聞きしたい。
○安田(清)政府委員 調達庁といたしましては、最終的に土地を政府の方に御提出願う、あるいは買い上げるというようなことについては、できるだけ最後の線まで話し合いでいきたいという基本方針には現在も変りはございません。
○淡谷委員 さっき参考人の方からも話かございましたが、昭和三十年の六月二十二日付をもって、東京調達局長の河崎正の署名の書類でございます。これは砂川町の吉沢民蔵あての書類として「オ知ラセ」という手紙を出しております。この分書は非常にりっぱな文章でございまして、なかなか文学的な含蓄がございますので、読みましても、その根本的な趣旨がキャッチできないような、まことにニュアンスに富んだ文章であります。さっき小牧の参考人の方のお話を聞きますと、いつの間にか、何げなしに出した書類が、立ち入りしてもよろしいという証拠になっているということを再々言っているようでありますが、一体この文章はどう理解してよろしいか。たとえばかたかなをもって「オ知ラセ」と題をつけてあります。その次には「立川飛行場拡張ニ伴ウ準備ノタメノ調査、測量ノタメニ貴殿ノ占有ニカカル土地ニ下記ノ通リ立チ入リ致シタイノデオ知ラセシマス」この「立チ入リ致シタイノデオ知ラセシマス」というのは、承諾をしてくれという意味なのですか。それともきまってしまったから、どうでも入るからお知らせするというのですか。
○安田(清)政府委員 ただいまの東京調達局長が地元の関係者に出しました「オ知ラセ」の手紙は、立ち入りについて御承諾を願いたいという意味ではございません。立川につきましては、先ほどから参考人の方もお話がございましたように、はなはだ不幸な事態ではございますけれども、地元の方は調達庁には一切寄りつかぬ、こういう御方針をお立てになっております。わが方といたしましては、何とかしてお話し合いをつけたいと考えておるわけですが、遺憾ながらそういうことで現在までお話し合いがつかないわけでございます。従いまして、法律に基きまして入る以外に仕方がないということから、特別措置法によって適用されます土地収用法に基きます手続を進めまして入りたいと考えておるわけでございます。従いましてこの特別措置法に基きます土地立ち入りにつきましては、起業者であります調達局長は、実は法律の分面上は、直接関係者の方に立ち入りについてのお知らせをする必要がないわけでありますけれども、役人仕事として官僚的にならないということはわれわれのモットーでございますので、できるだけ丁寧にやりたいという意味から、そういうようなはがきを出しているわけです。
○淡谷委員 なおこの点をはっきりいたしたいので、この文章の続きについてもお伺いいたしたいと思いますが、その前に、さっきから気になっているのですが、わが方というのは一体どっちの方なんですか。われわれの用語にはわが方というのはあまりないのでございますが、アメリカの方でございますか、日本の方でございますか、その点を明らかにしていただきたい。
○安田(清)政府委員 わが方という言葉を実は無意識に使っておったようで、はなはだ申しわけがないのですが、わが方というのは政府のことで、もっと狭義に申し上げれば調達庁のことです。
○淡谷委員 それではわが方というのは調達庁と解して話を進めます。
 その次の文章は「ナオコノコトニツイテハ新聞等ニヨリゴ承知ト思イマスガ、去ル六月十四日付ヲモッテ砂川町長宛下記ノ通リ御通知シテアリマスカラ、御不明ノ点ガアリマシタラ町長ニオ問イ合セ願イマス」この「新聞等ニヨリ御承知ト思イマス」というのは、新聞の社会面等における記事であるか、それとも正規ないわゆるわが方の記事によるものか、その点がどうもはっきりいたしませんが、どうなんですか。
○安田(清)政府委員 御承知のように、砂川町の立ち入り問題につきましては、町長さんの方が、法律に基きます占有者に対する通知、または公告をされておらない状態でございます。従いまして正式には、占有者の方は、知事さんのすでに公告がありますので、都の公報をごらんになっておればおわかりになるわけでございます。法律的にはそういうことになると思いますが、都の公報というのは、そう町民の方々が一々お取りになっているわけでもないし、ごらんになっているわけでもないと考えます。やはり一番ごらんになっておりますのは新聞だと考えます。これはあるいは三面の記事であるかもしれませんし、一面の記事であるかもしれません。正式な政府の声明その他が載ったというわけではございません。きわめて常識的に、新聞で、立川の基地につきましては、法律の手続に従いこういうことをやるという手続が進んでいるということは御承知だと思いますので、それを引用いたしまして、そういうことでおわかりになっていると思いますが、立ち入りをいたします。おわかりにならない向きは町長さんにどうぞ御連絡いただきたい、こういう意味であります。
○淡谷委員 そうしますと「新聞等ニヨリ」というのは、別段根拠のない言葉でございますね。(「それだけのことだ」と呼ぶ者あり)あなたに聞いているんじゃない。
 それから最後に「町長ニオ問イ合セ願イマス」こういうのは、町長に問い合せた場合に、町長に問い合せて関係者が知ったのであるから、これで告示にかえるのだといったような、いわゆるわながしかけられているかどうか、はっきりお答え願いたい。私がこういうことをくどくど申しますのは、別段物好きで言っているのじゃありません。調達局長あるいは出張所等から関係者に非常な書類が回っているのであります。立川だけでございません。そのためにさまざまな行き過ぎが生じまして、前年から調達庁が警告を発したような例がたくさんあるのでありまして、この書類などもそのたぐいじゃないかという疑いを持ちますので、私は特にお尋ねいたします。この「町長ニオ問イ合セ願イマス」という点に基いて関係者が町長に聞いた場合に、これをもって告示に代用するというわながしかけられてあるのかないのか、はっきり御答弁願いたい。
○安田(清)政府委員 われわれといたしましては、そういうつもりで書いたのではございません。あくまで、内容についておわかりにくいところがあれば町長さんにお聞きを願いたい、こういう意味であります。
○淡谷委員 その次に「追ッテコノ地域内ニアル宅地及ビカキ、サク等デ囲マレマシタ土地ニモ立チ入りマスノデ念ノタメオ知ラセシマス」こうございます。そちらの方ではこれははっきり確定した、こういう御解釈のようでございますが、そのあとにつけ加えまして「立チ入リノ日時ヲ昭和三十年六月二十一日カラ昭和三十年八月三十一日マデ毎日午前八時ヨリ午後六時マデトスル」この条項に基きまして六月三十日の第一回の測量立ち入りが行われた、こう考えますが、この書類に基いて立ち入りをされたかどうか、その点をお伺いしたい。
○安田(清)政府委員 六月三十日に入りましたのは、その書類に基いて入ったのではございませんで、たびたび申し上げておりますように、立川の問題は道路からということでございます。なおこの機会にちょっと御説明を申し上げたいと思いますが、あそこの道路が実は拡張地区のまん中になっておりますが、この道路から南の方は、いわゆる飛行場そのものになるわけでございます。それからあそこの道路から北の方は、飛行場のさくの外にはなりますが、高さの制限をするという地区になるわけでございまして、あそこの道路がこの南と北との基準になるわけでございます。従いまして、その通知なりあるいは法律の手続に基きまして私有地に入りますつもりではおるわけでございますが、まず私有地とは関係のない道路から入ろうということで、道路は道路に基きます法律がございますので、その手続をいたしまして、六月三十日には道路に入ったのであります。
○淡谷委員 そうしますと、今まで六月三十日、並びに七月一日、七月二日の三回における測量、並びにこの測量に関連しての混乱というのは、このような書類があってもなくても当然起った事態であるというふうにお考えになると思いますが、そこで私は根本的な態度としてお伺いしたいのでありますが、さっき一番最初に申しました調達庁の考え方は、あくまでも地元民の納得を得て、完全に了解を得た上で穏便に立ち入るという態度には変りがないということになっております。ところがこの測量に当りまして、道路を測量するといっている。今まで方々の基地を測量しましてから、その事態に基いてやめた例がございますか。測量をしておいてその基地の拡張を取りやめたような例はございますか。測量すなわち基地接収という形になっておる例はたくさん聞いております。測量したが最後にやめたという例は、妙義を除いてございますかどうか、伺いたい。
○安田(清)政府委員 測量までいたしました結果取りやめた例があるかどうかということでございますが、妙義は確かにその通りでございます。それ以外にはちょっと今、大きな問題としては頭に浮んで参りません。ただ今までも実は準備のための立ち入り測量という段階では、おそらくこういうような法律を適用してまで準備のための立ち入りをしたという例は妙義以外にはない。従いまして地元の御納得を得て立ち入りをして測量をいたしました例はたくさんあるわけでございますが、測量といいましてもいろいろあるわけでございます。小さな地区の基地の要求の場合には、ほんの巻尺を持っていってはかるという程度でも測量になるわけであります。そういう程度の測量については、現地をはかってあとでやめたという例は探せばあると思いますが、具体的には考えつきません。
○淡谷委員 探せばある程度、探さなすれば見えないという程度でございましょうか。そこで根本的に申したいのは、この砂川町の測量に当ってもどうしてこういう強い反対を受けるのか。測量ということは、さっき小牧の参考人の方が言われた通り、承諾をしたのだからという次の、どうかつ――私ははっきりどうかつと申し上げます。一体あなた方は、規則通りやればよろしい、入れる法律があるから入るのだ、これならはっきりするのだ。少くともそれをやられては困るから、地元民の納得を得て穏便に立ち入るという根本方針があるならば、こういう書類を突きつけられた農民の心理、しかも立川の広大な基地のために苦しんで参りました地元民の心理に対して、もう少しデリケートな心づかいが大事じゃないか。それがちっともなされていない。百姓をしておる人が、お役所の判がついた、しかも確定的に立ち入るぞという書類を突きつけられたら、一体どんな心理的現象を呈しますか。そこまで考えていただかないと、基地問題の解決はできません。しかもあなた方は道路を測量する。これはもちろん天下の公道でございますから、使用許可に基いてやるのは勝手でございますけれども、こういう書類を突きつけられておったところへ、あのような形でトラックを乗り入れた場合に、一体どういうふうな心理になるか、おそらくおわかりにならないと思いますが、あの六月三十日に道路測量として入ってきた状態がどういう形であったか、まず砂川の方にもう一ぺんお聞きしたい。
○平井参考人 六月三十日に突然参りましてくいを打ちまして、メートル器及び――参りましたときに、何の話もなく、突然測量しようとしたので、私どもの方といたしましては、する前に一応話し合いをしてからということを言っておったのですが、それにかまわず測量をやろうとしたのでございます。
○淡谷委員 六月三十日に立ち入る場合、昼のうち何か演習地の中でごそごそしておって、四時ごろに入ってきたと聞いておりまが、その通りでございますか。
○平井参考人 その点は事実でございます。
○淡谷委員 調達庁の次長に私ははっきり申し上げますが、六月三十日に若干のトラブルがあったということを聞きましたので、私たち調査のために同僚中村高一君、山花君、細迫君らと一緒に立川の現地で実は見ておったのであります。しかし七月一日に入ってきたあの形というものは、決して穏便に道路を調査するという形ではございません。これは見ておった者は私一人じゃございませんから、はっきりわかりますけれども、あたかもわが方のような観念を持って、あのたくさんの町民の中に殺到して入ってきておる。これはむろん抵抗のあったことは御承知でしよう。その抵抗に対して話し合いをつけないで、こういう書類を突きつけておいて、ああいう形で入ったのでは、たとい道路を測量しようが民有地を測量しようが、容易ならぬ事態と感じましたので、私飛び出していって山田不動産部長に会いました。このような状態ではとうてい穏便な測量はできまいから、何とか一つ今度は引き揚げて、あらためてはっきり話し合いをして入るようにしてくれまいかと懇願をした。そのとき山田部長は何と言ったかというと、私は調達庁の長官から命令を受けてきたからだれが何と言ってもこれから動きません。実に傲慢不遜な態度をもってはっきりがんばっております。しかもとうとう測量ができなくて最後に何と言ったか。国会議員の勧告をいれて帰りますと言って帰った。その前までは、調達庁長官の命令だから絶対に動かぬ。調達庁の長官は、どのような事態が起ろうと――この間も新聞にあったそうでございますけれども、けが人ができても、どのようなことがあっても、しゃにむにこの道路の測量を強行せよと厳命を下されたかどうか。この点、きょうは長官がおりませんから、次長から承わりたい。
○安田(清)政府委員 道路の立ち入り調査を六月三十日から七月一日、二日の三日間やりましたわけでございますが、初日におきまして混乱が起きましたので――ただいまも突然入ってきたというお話でございましたが、われわれといたしましてはもちろん測量隊をやったわけでございます。マイクロフォンも持って参りまして、調達庁から参りました、これから測量をさしていただきますということをアナウンスをしたというふうに報告を受けております。しかしながらその点で行き違いも生じたりいたしましたが、ちょうど七月一日、国会の委員会でも御質疑がその点にありまして、長官から十分そのいきさつも御説明申し上げたわけでございます。当初はいわゆる土地収用法による町長の公告がないのに不法に入ってきたというようなおとがめがございましたが、その点については法律論といたしまして法制局長官がお答えをいたされたわけでございますが、事実問題といたしましては、問題になっておる紛争を起しましたのは、この収用法とは無関係に道路の法律に基いて許可をとって入ったという長官のお話がございました。そういうふうな事態も国会の御審議を通じてはっきりいたしておりますので、われわれといたしましては、引き続き道路の調査を進めたいということで入ったわけでありまして、先ほども参考人がおっしゃいましたように、調達庁の長官が負傷者が出てもやってこいというようなことを命令された事実はございません。ただ長官は、国会の委員会でも言いましたように、こういうふうに法律に基いて必要な手続をして入るのであるから、平穏に平静に入れないはずがないということをおっしゃったのにすぎないのでございまして、新聞報道がどういうふうに書きましたかは知りませんけれども、われわれ、少くとも私を通じて東京調達庁なり何なりに、負傷者が出てもやってこいというような命令は出ておりません。
○植原委員長 淡谷さん、先刻穗積七郎君から官房長官に質問したいことがあるというので、官房長官がちょっとの時間を繰り合せて出てきておるのですから……。
○淡谷委員 私のはもう一問で終ります。
 今のお答えで長官の御趣意ははっきりいたしました。たとい法律で許されても、地元が納得いくように、人心を荒立てないような方法でやっていこうという御趣意と解します。そこであらためて次長にお伺いいたしますが、今申し上げたような事態で、道路を測量するのであるからかまわないだろう、法律的にはちっともかまわないだろうというので、一方においては民有地の仮処分が申請されておる。しかも地元はこういうふうないわば文書をもってするあいくちを突きつけられて、非常に激高した心理状態にある場合に、道路を測量いたしますと言って大ぜいの者がどんどん入っていって、それで安穏に測量が貫徹し、あるいは基地の設定ができるとお考えかどうか、おそらく地元はこれらを知ったならば、いつ入られるかわからないから警戒もするでしょう。もっと根本的な解決がつくまでは、そういうふうな、ある意味ではどうかつ的な、紛争を起すような測量を今後も続けられますか伺っておきたい。
○安田(清)政府委員 われわれのやっておりますことがどうかつということでもないと考えますし、法律に基きます手続も済まし、なお法律に書いてないことも丁寧にやろうということで手紙までも出しておるわけであります。この手紙があいくちであるというふうにお考えいただいてははなはだ実は心外といいますか、迷惑に感じておるわけでありますが、われわれといたしましては、国の仕事としては事務をとっておるわけでございます。地元との話し合いという気持はいつも変らないわけでございますが、先ほどからるる参考人の方からも御陳述がございましたように、問題については調達庁とは問答無用だ、こういう御態度でございますので、われわれの方といたしましてはいつでも話し合いをいたしたいと考えておりますが、こういう事態のままで推移いたしますれば、そうそう国の事務を怠っておるわけにもいかないと考えますので、法律に基きます手続によって入ることになっております。仮処分の裁判もありますので、それまでの間われわれの方でも待っておりますので、裁判の結果によりますが、法的に一応疑義がないというところに至りますならば、われわれも再び入らせていただきたいと考えておりますので、地元の方もそういうふうに御了承いただきたい。なおできるだけの手は尽しまして摩擦の少いような方法はとりたいという気持には一向変りのないことだけは申し上げておきます。
○淡谷委員 大事な点でございますから念を押しておきますが、そういうお考えがこれまで基地の問題をだんだん激しく対抗するような形にしてきたのであります。あなた方はこんな文書を突きつけて親切のつもりかもしれません。イソップの話ではありませんけれどもカエルにおもしろ半分に石をぶつけてカエルの方はおもしいろいだろうと思ってもおもしろくないのです。これを親切のつもりで出したかもしれませんが、公文書によって判をちゃんと押して立ち入りますという分書は、受け取る方ではちっとも愉快ではない。そういう心理になっておりますから、この際道路等に法律をもって立ち入るといたしましても、最後の解決の形を十分勘案されて、再びと申されましたが、四たびあのような混乱を巻き起さないように私は強く要望しておきます。
 なおもう一点伺いたいのは、測量した以上はぜひともおやりになるという意味でもないでしょう。測量をやった場合にどっちかにきまる。第一案、第二案がある。ところがこれまでの例を見ますと、二つの案をひっさげて参りますと、片方にいけば片方がのがれるし、そっちの方にいけば片方がのがれるので、地元民に地元民を対抗させる結果を引き起させておる向きがありますが、そういう御懸念があるかないかを伺っておきたい。
 それから西松組という請負師に二億円でこの基地拡張の仕事を請負わせておるという風評が飛んでおります。その飯場の探索さえしておるというようなうわさも聞いておりますが、そういうことがございますかどうか、これを最後のお尋ねとして伺っておきます。
○安田(清)政府委員 お尋ねの点の西松組に二億円ですかで工事を請負わせているかということでございますが、これはたびたび国会でも長官から説明いたしておりますように、飛行場拡充をやります工事自体は米駐留軍がやるわけでございまして、米駐留軍の方でもしやるとすれば請負契約をするわけでございます。現在まだ日本政府があの土地を提供するということもきめておりませんような状態におきましては、米駐留軍が契約をしたことはないだろう、これは想像ですが、思われます。事実上わが方といたしましてはそういうことは絶対にございません。
○淡谷委員 やめようと思ったのですが、その御返答でちょっと疑問が出てきました。米軍の方では多分やらないだろうがといったようなお話、これはたびたび米軍の方でも、調達庁の親心か子心か知りませんが、いわゆるわが方の気持がわからないでやった例がございます。たとえば最近福岡等におきまして、板付の高射砲の砲座を作るために、直接空軍から福岡市長に対してその申し入れをしておる等の事実もございますから、万一まだ立川の基地がきまらない前に、米軍の方で勝手に西松組等に請負をさせておるような事実が判明した場合には、あなたの言われるいわゆるわが方はどういう態度をとられますか、お伺いいたしたい。
○安田(清)政府委員 もしもそういう事実があるとすれば、しかるべきルートを通じて注意を喚起することになると思いますが、絶対にそういうことはないと考えて間違いないと思っております。
○穗積委員 私は政府側に対していろいろ質問がありますが、根本官房長官に来ていただきましたから、根本官房長官に対する質問を先にいたしたいと思います。ついてはちょっと事前に申し上げておきますが、本委員会は、最近の基地拡張反対運動と政府との対立の状態は憂慮にたえない、このことは対外的な関係すら持っておりますので、特にアメリカとの関係でありますが、そういう意味で、先般の理事会で、代表的な立川並びに小牧の参考人の方々をお呼びすることになって、実情を伺っておったわけです。調達庁並びに外務省に、両地区に関するこまかい問題についてはあとで質問いたしますが、あなたに対してお尋ねするのは、小牧、立川に限らない総括的な問題について、内閣のお考えをお知らせいただきたいと思ってお尋ねするのですから、そのおつもりで御答弁をいただきたいと思います。
 まず最初にお尋ねいたしますのは、この両地区に限らず、最近行われております基地拡張反対運動というものを、あなた方は一体どういうふうにながめておられるかということであります。先般最も話題を投げかけた例の内灘騒擾問題のときは、吉田内閣のときでありました。世間は、これはアメリカ一辺倒内閣といい、岡崎外務大臣のことは、岡崎在日アメリカ領事だというあだ名すらつく内閣でありました。そのときにおきましても、実は地元と話し合いをしなければやらない、地元の了解なくしてはやりません、これを原則として臨みますと言われた。それでは地元の了解がつかなかったらどうするかと言ったら、必ずつくつもりでございますという答弁であった。ところがこの地元の解釈については問題が起きてきたわけです。というのは、たとえば内灘における運動は、はっきり申しますれば、一部の共産党その他のフラク活動に扇動させられて地元の者がやっている運動だから、地元の真意ではないのだというような、国会において一部の者の報告や答弁すらあったのです。あなたもお記憶になっているでしょう。基地問題に関する本会議における緊急質問に対しまして、一部の扇動に乗っていると岡崎外務大臣が本会議で答弁されて、これが問題になってついに取り消しを要求されております。そこで私がまず第一にお尋ねしたいのは、吉田内閣と違って鳩山内閣は、独立外交をやっていきたいということ、友愛精神で民主的な精神をあらゆる面に徹底していきたいということ、外交問題についても秘密独善を排して、公明に民主的にやっていきたいということをスローガンとしてこられました。そこでこの両地区に限らず、最近行われております反対運動を、一部の者のこれを政治的に利用するための扇動によって動いている反対運動と理解しておられますか。地元の者が思想、党派その他の宗教等にこだわりなくこれを超越いたしまして、地元の生活と郷土を守る精神と、それから生命と財産を守るためにこの運動をやって、自然発生的に盛り上ってきているとわれわれは理解いたしておりますが、それに対する長官の御所見を伺いたいのでございます。
○根本政府委員 最近における基地拡張に関して反対の起っている事実は、私も再三陳情を受けて存じております。しかし私はその内部の情勢がどうなっているかは、具体的に調査しておりませんので、確信をもって申し上げることはできませんけれども、私が常識をもって判断するならば、単なる扇動とかいうことでこういうふうな広範な問題が起るとは私は想像しておりません。自分たちの生活環境が非常に不快な状態に置かれる、あるいは生業に重大なる影響を及ぼすということでこれが起ってくるのが大勢だと存じます。しかしあるいは一部にはそうした地元の動きを利用して、何らかの運動にしようというものがあるかどうかについては、私は調査しておりませんから、明確にそうだともそうでないとも申し上げられない段階でございます。
○穗積委員 まことに前半に対しましては、公約通りごりっぱな御答弁であったとわれわれは満足いたします。そこでお尋ねいたしますが、これは今おっしゃった通り反対運動の基礎になるものは、あくまで党派、主義、主張、宗教等を超越いたしまして、生命財産と郷土を守るという精神で自然発生的に盛り上ってきたと、私はこれも同感に存じます。しかしあなたも一部あるかもしれないと言われた意味で、たとえばその選挙区の代議士の諸君がこれを多少は選挙に有利に導くために、自分の立場をより鮮明にしようとしてみたり、あるいは陳情の場合におきましても、なるべく自分の手を通じて陳情を誘導しようとしてみたり、そのときに必要以上にその所属する党派の立場を宣伝しようとしてみたりするようなことは、これは自由党、民主党、社会党、共産党を問わず、あり得ることでもございましょう。それは私は起きておりまする具体的事実について、あなたと同様に一々調べておりませんから、そのことは具体的なケースについて私は申すのではございません。抽象的、一般的にわれわれが考えまして、そういうこともございましょう。しかしながらそういうことがあったといたしまてしも、そういう平地に波乱を起すような扇動にのみよって動いていない、そういうことでなくして、基本的に今申しましたように住民の生活、生命を守るための自然発生的な純情なる要求によって動いておる。それに政党で申しますならば、自由党から共産党までの諸君が、自分の所属する党の標識を持ち込んできたりするようなことがあったとしても、それを理由にして、この運動が一部に利用されておるというような口実を設けて、この純にして合理的で、当然われわれが政治を行うについては尊重しなければならないこの反対運動の本旨というものを、曲げて解釈するような態度があってはならぬと私は思う。そこでもしそういうような一部の者が出過ぎて、その純情なる地元民の要求を曲げようとするような傾向があるならば、それを是正するように努力してもらうように注意はしてもよろしゅうございましょう。またそういうふうに超党派で申し合せをしてもよろしい。いいが、そういうことはむしろその反対運動を鎮圧したり、反対運動を他の口実を設けてこれを押えるために、そういうことを口実にすべき性質のものではないと私は信ずるのでございます。従ってあなたの一般的に懸念されたようなことも私もないとは申しません。もしそういうことがありましても、そういうことを理由にして地元の純情なる要求、生活に根を置いた要求を正しく受け取る態度というものは、内閣は堅持していただくべきだと思いますが、現内閣の態度を伺っておきたい。
○根本政府委員 御承知のように飛行場の拡張の問題は、根本的には日米安全保障条約に基く日本の義務の一部に属するものであります。これはまた国防の見地からも当然考えなければなりません。どこかにそういうものが起らなければならぬことでありますが、ただそこに居住し営業している人にとっては、国家のためには抽象的にはまことに必要だと思われるけれども、やはり背に腹はかえられないという感情から、そうした運動が起ることも、これまた人間の自然の情であると思います。そこで国家が国際的に負うておるところの義務また国家目的とその個人の利害関係とを調節する、それが現在のわれわれ政府の任務ではないか、かように考えている次第であります。従ってどこまでもこれは調査にしてもあるいはまた拡張にいたしましても、合法的に、そして理解のもとに進めていきたいという態度をとっておるわけでございます。従いまして特に国会に議席を持つ方々は、国民の選ばれたる人々でございますので、いろいろ選挙のこと等もありましょうけれども、より高い見識において、ただ単に初めから反対なら反対ということにきめてしまって、そうして何でもかでも反対するということをなさらずに、よろしく国家的目的とそれから現地の国民の間の調整をとっていただくことが望ましいとわれわれは考えます。
○穗積委員 その問題は私があとで問題にしようと思ったことなので、私は質問を繰り返す煩にたえませんが、あなたは私の質問に答えておられぬから言うのです。今私が一般的にお尋ねしたことは、たとい一部の者がその地元の自然発生的な運動に対して、自分の政治的な立場または党派を持ち込むようなことがありましても、それを口実にして地元の純情なる要求というものに耳をかさないような態度は、これはとるべきではないと思いますが、その点についてはどうでございましょうかと内閣の態度を聞いておるのです。
○根本政府委員 これは先ほど私がお答えした中に含まれるものと思いましたが、明確に申し上げます。われわれは扇動したとか、あるいはまた特に政治目的のためにやっておるからという理由だけで、一般の地元民の陳情に対して耳をかさないとかいうような考えは毛頭持っおりません。
○穗積委員 この問題は前内閣時代から、特に頂点になりました内灘問題、妙義山問題等、吉田内閣時代におきましても、先ほど申しましたあだ名のついた岡崎外務大臣ですら、これは法律や権力によって、しゃくし定木で解釈して、それで押し通すというようなことは絶対にいたしません、地元と十分話し合いをして参りますということを、実はこの問題処理の原則として答えられたのです。それがその通りに行われたか行われないかは別でございますが、それはまたあとの国会と政府との問題になるわけであって、原則としてはそういうことを国会を通じて国民にお約束なすった。ですから現内閣においては、さらに友愛精神を説かれる鳩山内閣ですから、そういう点につきましては、法律や権力を背景にしてそれで押し通していく、ことさらにそれを固持して、地元民に、幾ら反対しても最後はだめなんだからあきらめろといって、道理で、あるいは納得せしめて地元民の反対運動を了解してもらう、協力してもらうという態度に出ないで、法律や権力をたてにとっておやりになるという態度でやるべきではないと私は思う。原則としては、あくまで話し合いで地元の納得をもとにしていくべきだ。これは実は行政協定の中においても日本との協議の事項というものがございますし、先般問題になりました富士のA地区の射撃場の使用協定におきましても、地元との協議、そうして地方の納得を条件として、このA地区に実弾射撃をするような状況ですから、アメリカの兵隊ですらそういう理解を持っておる。まして日本人民のために政治を行うべき内閣は、当然その精神でこの問題の処理に当るべきだと私は思うのですが、その原則にお変りはございませんか。吉田内閣ですらとりましたこの原則をお曲げになって、権力と法律でもって弾圧しておやりになるというつもりであるか、いずれであるか、その根本精神を伺っておきたいのです。
○根本政府委員 国家が行政権を発動して仕事をする場合は、もとよりこれは法律に基いていくのでございます。しかし行政、政治を法律一点張りで、すべて権力ずくめでやるというような考えは持っておりません。従いまして、こういうふうな国民の生活に直結する問題については、でき得るだけ両者の納得の上に進めていきたいということが根本の態度でございます。その意味において政府も最善を尽すとともに、やはりまた地元におかれましても――もとより本質的にはそういうものがないのが望ましいことでしょうけれども、しかし何らかの国民の権利義務が支障を来たされるような場合においては、それがまた別の形において保障され、そうして他に生きるというか、生活の道を得せしめて、両者が納得してこういう問題を解決したい、これが政府の根本的態度でございます。
○穗積委員 大体政府の立場の御答弁としては了解いたします。そこであなたはお忙しいから一々御記憶になっておらぬかもしれぬが、ちょっとお尋ねしますが、ただいま参考人として来ていただいております立川地区の反対運動の砂川町の代表者の諸君が、五月三十日にあなたに面会しておるはずです。そしてこういう理由によって、われわれはこれにあくまで反対したいと思う。それは、もうすでに今まであそこは基地とされ、幾たびかこういう問題に苦い経験を持っている。二百数十歩ですか、譲れるところまで譲った。これ以上とうていできないというような趣旨の陳情をしておるわけです。そのときのことをあなたは御記憶になっておられるかどうか、お尋ねいたします。
○根本政府委員 時日ははっきり存じませんが、中村高一さんその他代議士の方の御紹介で、官房長官室の隣で砂川町の地元の方々に会っておることは事実であります。
○穗積委員 その際、地元の諸君への代表者の報告によって、地元の一般の方々の理解するそのときのあなたの態度は、条件いかんによって賛成であるならば話は聞くけれども、あくまで絶対反対という態度なら、お前らに会う必要はない、お前らの陳情を聞く耳は持たないと席をけってお立ちになったということが、地元に伝えられて理解されておりますが、そういう態度をおとりになったかどうか。
○根本政府委員 私が記憶しておるところによりますと、私は国会議員の紹介によってその陳情の旨、それから町長からも事情をお聞きしましたが、この問題については、政府にとってもこれは重大であるし、地元民にとっても非常に重大な問題である。従ってこの問題はよく理解し合って話してもらわなければならない。こういうことで平穏に話しておりました。しかるところ、名前は何というか知りませんが、私の近くにおった人が、声を大にしてわれわれは絶対反対なんだ、それに対して政府はやらないならやらないとはっきり言わなければだめじゃないか、こういうような非常に荒々しい態度で私に臨んできたのです。そこで私は、陳情をお聞きするのであって、ここであなた方と議論することはできない、ここで議論するようなことであるならば、私はごめんこうむる、こう言って私は、十分ばかり会ったあとで大臣室に入った、こういう事情であります。
○穗積委員 その強い態度ということは、私はそこに立ち会っておったわけじゃありませんからよくわからないが、その態度が、国の官房長官に対する態度として、いささか礼儀を欠くものがあったとか、あるいはまた理性的に理由を陳情するのじゃなくて、感情に激してものを言ったというようなことでは、これはあなたとしても情状をお認めになるべきですよ。それは先ほど来参考人がるるとして説明されたように、実はこれこれの経済的損害がございます、これこれの教育上の損害がございます、社会風教上の損害がございますという、非常に冷静にして合理的な理由だけでなくて、その中には郷土を捨てなければならないという、このはかり知るべからざる地元民、特に農民諸君の、墳墓の地並びに祖先伝来の農地に対する愛着の感情がある。それに対して、あるいはこれをぺてんにかけるような、あるいは権力をかさに着て押し通ろうとするような態度でこられて――調達庁はそういう態度じゃないと説明しますが、地元民にすれば感情に触れる。そういう強い気持をもって町民大会を開けば、激高して絶対反対を決議され、その決議を持ってきている代表でありますから、ときにはそういういささか礼儀に欠けるような、感情に触れるような態度もあったかもしれません。そこでそういうことによって、あなたはこの問題に対して話し合いをする必要はないと言われたのか、そうじゃなくて、あなたは、こういうことについては政府として十分納得のいくようにしていきたいつもりであるが、私は官房長官の立場であって、この問題の処理の責任者は行政府の中に別にあるのだから、そこで具体的なこまかい問題については、その人によく陳情をして話を聞いてもらいたい。政府の態度、内閣の態度としては、あくまで友愛精神で、話し合いで諸君に納得してもらうが、われわれにも行政協定に伴うてこういう事情があってこの拡張をやるのだから、こちらの言うことも聞いてもらいたい。そちらの言うことも聞きますが、私がここで一々聞いているいとまがない。だから関係所管の役所なり役人のところに行って陳情してもらいたいということで、あなたは聞く耳は持たぬということで、それ以上はお打ち切りになったのか、どちらでお打ち切りになったのですか。
○根本政府委員 私がお会いしたのは、本来は総理にお会いして、経理に陳情書を渡すその引き継ぎ役でございましたが、いろいろと事情を聞きましたので、政府の立場も若干私は申し述べましたが、この問題については、私は現地の情勢あるいは具体的な条件は知っていない、そこで担当大臣は西田国務大臣であり、調達庁でやっているのだから、そっちの方にもよく申し伝えておくがという前提で話をしているのです。従って、細部についてはそちらの方へ行ってお話をしていただきたい、こう言ったのです。私は、五分か十分でいいという約束でお会いしたのですが、そうしているうちに、ただいま申し上げたようなことでだんだん激高してきまして、私の身辺に近寄ってきて、大へん感情も高ぶったような形で参りますし、しかもそこには新聞記者の諸君もおり、録音の人も来ている。こういうことで、向うが激高をすると、今度は、私が冷静にいたそうといたしましても、やはりそれに対するところの答弁を強要されるという場合に、これが今度は言質だとかなんとかいって、しかも大臣室の隣の部屋で紛争を起すことは好ましくない。そこで議論はやめる、陳情はお聞きしますというので、私は去ったわけであります。その席には、中村高一さんもいたと思いますし、それから他の代議士の方も二、三人おったと記憶しております。
○穗積委員 そのときの行き違いについて、私はここで一々申しませんが、あるいは地元の諸君が今言ったような無理からぬ感情にかられておったかもしれないし、あなたも売り言葉に買い言葉で、今言ったような事情で、実は相手に誤解されたような点もあるかもしれません。それはそれとして、ここでもう一ぺん確認しておきたいことは、そういう反対だけの陳情なら聞く耳は持たないという態度で臨むべきではないと私どもは思うのです。反対なら、反対が強ければ強いほどこちらからも進んで一つじっくり話し合いしょう、そうしてこちらでも何も理由なくして拡張をするのではないから、こっちの言うことも聞いてもらいたい、そっちの言うことも聞こう、反対が強ければ強いほど私は話し合いをすべきだと思う。それに対して一方では権力をちらちらさせて、どうしてもやるのだからそのつもりでかかってこいという挑戦的な態度に出ることは、私は誤まりだと思う。その基本的な態度については、私が先ほどお尋ねをし、あなたがお答えになり、私が希望しておるような態度でこの問題の処理に当る基本方針にお変りはないでありましょうな。
○根本政府委員 先ほど私が申したのは政府の態度でございまして、私がこの問題について担当責任者ではありませんので、そこで具体的な問題について答弁をしいられても実はいたしかねるので、議論になることはきょうはやめてほしいということで別れたのであります。何も感情にかられてやっているわけではございません。実は私の役割はこういう陳情が非常に多いのでございます。基地の問題のみならず、これは他の例をあげてはあれでございますが、最近におきましてはほとんどからだの動けないようにそばに来て、カン詰作戦までとられるような事態もときどきありますので、そうなりますとこれはお互いに紛争を激化するだけでございますから、そういうことに至らないうちにむしろ別れて、冷静になって話し合いをした方が、陳情を聞く方においても、あるいはされる方においてもいいではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○穗積委員 承わりますと、官房長官は議運から来てもないたいという要求だそうですから、もう時間は長くとりませんが、あと一、二点お答えいただきたい。
 その前に地元の参考人に申し上げておきますが、官房長官の態度はその通りですから、五月三十日の会見の報道が皆さんの耳にどういうふうに入っておるか知りませんが、あくまで話し合いをし、あくまで地元の納得を条件として、こういう話し合いをする基本的な態度であることは一つ了解されて、誤解があったら地元へ行ってよくお伝え願いたいということを希望しておきます。
 そこでお尋ねいたしたいのでありますが、実は福島長官にきょう来ていただこうと思ったのですが、これは調達庁の立場とか政府の立場を越えたもので、個人的なものだと思うのですが、新聞報道等で責任はないと言われればそれまでですが、福島長官のこの新聞報道による談話によりますと、あるいは地元にいかに強い反対があろうが、あるいはけが人が出ようが、必ずやってみせるのだというような、あえて強い言葉を使えば威嚇的な言辞を弄し、挑戦的な態度でもって臨んでおられるということ、この新聞報道が事実であるかどうかは別でありますが、その釈明は後に長官が来たならば求めたいと思っているが、もしこれが事実であるとするならば、今あなたが内閣の方針としてお話になっておられるこういう問題処理の態度とはいささか違う、そういう態度では臨むべきでないと思うのですが、長官どういうふうに思いますか。
○根本政府委員 その事実についてはまだ報告にも接していませんし、まだ調べてもおりません。しかし私は、調達庁長官はさようなことを言ったことはおそらくないだろうと思います。仕事に熱心で、あの人はこの問題については大へん心を痛めておるわけでありますから、失してそういうようなことは、どんなことがあっても、負傷者を出してもやるというようなことは、私はおそらく言っていないだろう、こう考えております。
○植原委員長 穂積君、運営委員会の方で、呼びに来ておりますから……。
○穗積委員 もう一つです。小牧の北里村長の陳述によりますと、不動産部長が行かれまして測量に関する立ち入りに対して暴力、実力をもって阻止されますかというような質問をされて、そんなことは、われわれ反対だけれども、実力を行使して暴力ざたを起すというようなことはしたくないと言われた。そこで伺いますと職業は国手だそうで、お医者とかだそうであります。そうしますと、文章の法律的な解釈については必ずしも全部を了解されないで、今言葉で話をされた程度の内容のものだというので文章をお書きになって渡されたそうです。それをもう拡張を前提とする調査に対して、北里村長はすでに調達庁に承諾を与えているというような発表をなさっておられる。これは明らかに、極端な言葉を使えばぺてんにかけたようなことなんです。しかも伺いますと、その部長は、その郷里がやはり愛知県の小牧の近くで、現村長さんと昔からの知己の間柄なのです。そのときに何かおそらく肩をたたくような態度で、私もあなた方の地元のことはよくわかっておるから、悪くはいたしませんからどうか安心して下さいということを言いながら、それをやっておいて、そうしてそれが村長名による文書でございますから公文書扱いをいたしまして、そうしてこの地元の村長は、もうすでにこの拡張を前提とする測量に承諾を与えているというような態度をとっておるわけであります。これも一々私はまだ調査をいたしておりませんが、これまた真実であるとするならば、内閣の精神とおそらく反する行動だろうと私は思う。もしそれが真実とするならば、こういうことは強く取り消してもらいたいのです。取り消すのみならず今後は、二度とこういうような善意にして、失礼ですが法律的に無知なる地元民を、その盲点、弱点を利用してぺてんにかけるような、そういうやり方というものは、今後しないようにしてもらいたいのでございます。その点について最後にあなたの明確なお答えを一つ承わっておきたい。
○根本政府委員 そういう事実は私今初めて聞くのであります。実はそういう具体的な問題については西田国務大臣の手元でやっておるわけでありまして、官房長官の私はほとんどそういう報告に接しておりません。従ってそういう事実は存じておりません。
○穗積委員 いや、あったとしたら……。
○根本政府委員 それはおそらくどういうことか私はよく存じませんけれども……。
○穗積委員 行き過ぎがあったら是正したらどうですか。
○根本政府委員 もし詐欺をしたとか、あるいは不当なことをやっておるなら、それは是正されるべきだと私は思います。この問題については私は今内容を存じておりません。
○穗積委員 具体的なことは私もまだ調べておらぬのです。今聞いただけです。もし行き過ぎがあったら……。
○根本政府委員 不法なることをやっておるならば、それは……。
○穗積委員 不法じゃない、不当です。不当なことを是正しなければならない。そんなことは認めていいじゃないか。率直にいって、いいでしょう。
○根本政府委員 ええ。
○穗積委員 それではお急ぎのようですから、根本官房長官に対する質問はこれでやめます。
 続いて調達庁にお尋ねします。その前に恐縮でございますが、船橋村長さんにもう一点、ちょっとさっきの問題についてお尋ねしたいのです。そのとき、初めは調査と基地拡張とは無関係のことで別個なのだ。調査をしたら必然的に拡張というような趣旨ではなかったように最初の説明では思うのですね。そのときにあなたは石田部長ですか、石田部長とお会いになったときには、あなたは基地拡張には反対の意思表示をされましたか。
○船橋参考人 これは直接関係が、村長をしておる私の村は、その直接の飛行場拡張の場所とは相当の距離がありまして、私が地元の意思、あるいは村民その他の関係者の意思を代表する立場におきまして、私の意思において測量にも拡張にも反対も賛成も唱える立場でないという態度を私はとっております。地元の人も来てもらい村会の人にもみな話して、測量も拡張も反対という線が出ておりました。それで私の方は地元が測量も反対しておるからしてもらうことはできませんと言ったら、それでは法的に取り扱ってやる、こういう話で、それではしょうがない、もちろんわれわれ国民は政府の方から法でやると言われたら、どんな法律か、裏があるか表があるかわからぬためにこれは仕方がない、しょうがないからほうっておけ、今度拡張のときにはまた大あばれに反対するからということで、調査してもなるかならぬかわからぬのに、今からそうやかましく言ったって拡張せぬかもしれぬ、そんな心配しないで、それとは別問題だからというような話もありまして、まあほうっておけというような自然放任主義で、今こういうところへ伺いまして皆さんのお話やこちらの方のお話を聞きますと、それ自体が黙認しておることだというふうに言われておるが、黙認ではありません。弱い農民がこれだけ押えられて仕方がないという程度でありまして、決して私らが黙認したわけでもございません。反対しておるけれども暴力は用いぬというわけですが、黙認しておるわけではありませんから、その辺は御了承願います。
    〔委員長退席、須磨委員長代理着席〕
○穗積委員 よくわかりました。次に調達庁次長にお尋ねいたしますが、この村長さんの文書を調達庁はどう解釈されておりますか。今申しました村長さんの意思よりは、はるかに乗り越えてこの文書を拡張解釈をして、それで公式な承諾があったというふうに宣伝されたり、あるいは文書を流されておるようですが、どういう解釈をしておられますか。
○安田(清)政府委員 北里の立ち入りの経緯に関しまして、われわれが実際の仕事をやりました名古屋の調達局から受けました報告によりましては、北里については拡張ということは全然無関係にいたしまして、一応調査のための測量ということだけについても非常な御反対があった、従いまして法律に基いて入らなければならぬということで、ある程度の手続も進めた、しかしながら最後の瞬間まで、政府の方針であります何とか地元の方と合意に基いて調査いたしたいという望みは捨てずに、その点の話し合いを続けた結果、最終的には法律に基く立ち入りをしなくても御了承のもとに入れるという事態にとうとうなった。こういう報告を受けたわけで、そういうふうに国会で長官が答弁いたしましたわけであります。その後現地にいらっしゃいました方々からそれは違うじゃないかというようなお話もありましたので、わが方も――またわが方が出ましたが、調達庁も現地の名古屋の局にさっそく照会をいたしまして、そういう話なら何か書いたものでもあるかということを聞きましたところ、先ほど村長さんのお読みになりました手紙をいただいておるという報告があったわけであります。
 こういうふうにいたしまして、その後いろいろ議論が出て参りまして、村長にもいろいろ御迷惑をかけておるようでありますが、現実にはそういうことで調達局の連中は四月十三日から測量に入りましたわけであります。測量が済みましたあと四月二十六日かに、ここにお見えになっております村長さんも御一緒だったという報告でございますが、名古屋の調達局長のところにお見えになりまして、調達局の連中が来て宅地の中に入ろうとしておる、これは約束が違うじゃないか、農地に入る分については了承しておるが、宅地に入るという二とは了承しておらぬのだ、だから宅地に入るときにはというよなお話し合いがあって、では宅地に入りますときには今後はあらためて村長さんあるいは区長さんの御案内を得て、それから調達局の連中にも証明書を持たして、間違いがないようにやりましょうということで、その日はお別れした。その後村の方でなお反対というような気持になられましたので、結論的には宅地に入っての測量はいたさなかった。こういう報告を受けておるわけであります。
○穗積委員 村長さんにちょっとお尋ねしますが、測量立ち入りは部長さんとお会いになったときの印象では、法律に基く調査であるような印象をお受けになりましたか。
○船橋参考人 法的処理といって、私の方へ四月十一日から七月三十一日まで立ち入りするという通達書が参りました。これはあなたが持っておってくれという話で、私がこれを持っておれば向うが勝手にやるのだとこういうことです。それで知事の方へ報告が出ておるので、これはとうとうやられたなということを言っておったのです。私はそういう法的の処置をしてやられたのだ、こういうふうに今でも深く考えておるわけであります。けれども、今納得ずくでやられたとおっしゃるが、私は一ぱいひっかかったという感がいたします。
○穗積委員 わかりました。これはここにおられるすべての人の認識が、今の村長さんの承諾書といいますか、どういう名前で呼ばれるべき性質のものか知らぬ、私は見ておらぬからわからぬが、それは重大なる錯誤に基いておるのです。私はこれが法律行為だとするなら、これは無効であるべきだと思うのです。
 そこで村長さんにお尋ねいたしますが、あなたはそのときに、今言ったようにこの調査は承諾を求めに来たものじゃなくて、法律に基いて調査をするものだ、それならやむを得ない、しかもその承諾は、調査をされるにはあくまで反対である、反対であるが暴力は用いない――暴力を用いて反対するかどうかと聞かれて、そのときにはノーと答えた、そういう意味の承諾書であったと理解されて渡された、その後そういうのじゃなかったということが今もう明瞭になっております。法律的な根拠を持った調査立ち入りでもなければ、それからまた、ただ調査したときに反対はいいけれども暴力は用いなんでくれということだけではなくて、調査そのもの、やがてはひっかけられて次に拡張までも、もうすでにある程度の賛成を含みとして持っておるのだというふうな式に使われるということについては、これははなはだしく実際と違うわけです。そこでそれを正式に文書をもって調達庁なり石田部長に、それはかくかくの重大なる錯誤によるものであって、私がそれを渡したのは、あなたとの問答においてはこういう理解のもとに渡したものであるということ、そしてそれをそういうことにあなたの方でお考えになるならば、私はそういう承諾書として渡したものではないから取り消すつもりであるという、異議の申し立てといいますか、取り消しの通告を出すべきだと思いますが、すでにお出しになりましたかどうか、まだお出しにならなんだとするならば、これからお出しになるつもりであるかどうか、さらにあなたの態度は反対しておる地元民に対する今後の影響も甚大でございますから、そのことをあなたは正式な村長の声明分として、地元民なり世間に発表なさるべきだと私は思いますが、発表をなさるおつもりがあるかどうか、すでになさったかどうかを伺いたい。
○船橋参考人 これは六月の九日に声明書を出して、調達庁の方へも出してあります。各局の方も、新聞社も、知れる限りのあらゆる方面へ誤解を避けますためにこれを配付しております。そういうふうな長官のお話があったということで、それは私の考えとえらく違っておる、その釈明をするために声明書というものを――ただいまお手元へ出しましたが、これを出しております。
○穗積委員 そこで調達庁にお尋ねします。今言われる通り、伺いますとすでに正式文書をもって村長名で名古屋調達局長まで出してあるということです。この内容は私まだつぶさに読んでおりませんが、これはおそらく調達庁がその受け取った文書に対する解釈とは違った、それを否定する内容のものだと思う。そうであるならばどういうふうにお取り扱いになりますか。
○福島政府委員 小牧の飛行場の立ち入りの件につきましては、私どもは了承を得たという建前で調査したということでありますが、その後今村長の言われたように、六月何日かに村長名で声明が出たということも承知しております。そして調達庁が立ち入りについては法律上の手続もあわせてとったわけでありますので、その手続がすでに完了しているわけであります。村長さんが承諾するしないにかかわらず、立ち入り権はすでに調達局が取得しているので、立ち入りの承諾云々という必要はない、ただその際に暴力行為その他が起ってはいかぬからああいう処置をしたい、これはごもっともな話であります。一方において法律上の手続がとってあったことも、これも明白な事実であります。私どもの方は立ち入りという問題についての御了承も得たということで調査をしたわけであります。立ち入り権そのものについては双方の考えにいろいろ違った面もあります。立ち入り権がすでに存在しているということは――村長さんのおっしゃることもごもっともであり、声明を拝見しましてからはそれに対する処置という問題が考えられるわけであります。たまたま調査そのものはすでにそのときに終了しておりました。いかような処置をとれと申しましても、あとの祭になっておりまして、その終了した事態そのままにしているということであります。従いまして立ち入りを実施する以前にそういうことが問題になりますれば、また処置のしようもあった、またあとからになりましてから、解釈のしようでありますけれども、法律上の手続という面において村長さんの仰せられることもこれまたその通りであります。またわれわれの方で了解を得たという問題も、その後立ち入りの際に付随して起りましたいろいろな事態から考えましても、御了承を得てないということから起ってくる事態というものも起らなかったわけでありまして、了承を得てやったつもりであるという名古屋の局長の言い分もまた考えられるわけであります。いずれにいたしましても、そういう事情がわかりましたときには、すでに調査そのものが完了しているということでありますので、村長さんの声明に基いて事態を処置するということがあと回しとなって行い得なかったということでございます。さよう御了承願います。
○穗積委員 もとより調査はもうすでに事実完了しているということですから、その事実行為をなくしろと言ってもなくするわけには参りません。私の言っているのはそういうことではなくて、問題は今後の処理に当っての問題にかかっているわけですからお尋ねしているわけであります。そこでこういう北里村の調査問題並びに基地拡張問題に対して、ここではっきり村長は取り消しておられるわけですから、村長が承諾を与えた事実を私はこれから声明さるべきではないと思うのです。実は村長さんと不動産部長を呼んで聞くと、さらに明らかになると思いますが、私はそれまでの煩は避けますが、伺いますと村長も国手であり、しかも人望を得て村長になり、しかも公けの立場におられるので、そのときの談話もそんなでたらめなことを言われるはずはないと思う。ですから私はその立場も尊重しますから、私の推測ではおそらくこれが事実であろうと思う。しかも村長さんの現在の意思表示としては、そのときは錯誤に基くものであって取り消す、現在はこういう気持でいるということですから、お出しになった、調達庁が持っておられる文書はそれでは今後はなきものとして取り扱われるべきだと思いますが、どういうものでございましょうか。私は遡及してその調査をなきものにしろというようなことを言うものではございません。今後の声明に当ってもしそれを説明されるならば、これは錯誤によったものであって、こういう取り消しの声明が出ている、取り消しの文書も来ているということを常に言うべきである。私はこの取り消しによって前の文書はなきものとして、今後再びそういうことを口に出したり、そういうことをこの資料として発表さるべきものではないと思うのですが、それについては御異存ございませんでしょうね。
○福島政府委員 今後の問題といたしましては、当時村長さんの御了解があったというようなことを、今後の問題の処置に当って引用するという考えは持っておりません。
○穗積委員 ちょっと不確かでございますから長官自身にお尋ねするのですが、私この間の日曜日にちようど名古屋地区を旅行したのです。そうして通りがかりのNHKのラジオ・ニュースでございましたか、調達庁長官の談話として、すでに小牧の問題は他の地区よりは地元の村長――村長という言葉が正確に使われたかどうか知りませんでしたが、そういう意味でございました。すでに承諾を得ているのでこれはやがて解決するものだ、それほど大したトラブルなしに解決するものだという意味の調達庁長官談話がNHKニュースとして放送されておりました。私はちょうど通りがかりにそのニュースを聞いたのですが、そういう事実がございますか。そしてもしそれが事実とすれば、一体その承諾というのはどこのだれの、どの村長さん、どの市長さんの承諾の意味でございますか。さらに先ほど村長さんに聞きまして、小牧の問題は決してそういう談話発表されたようななまやさしい問題ではないのであって、地元民こぞってこれに反対しているという実情を先ほどから十分伺っているのです。ですからできればそれらについて一括して御答弁をいただきたいと思います。
○福島政府委員 ラジオの放送に出ました言葉の前後は記憶いたしておりません。村長さんの承諾ということは先ほど御説明申し上げた通りの事情でありますけれども、かりにこの承諾がありましても、これは立ち入り調査についてだけの問題でありますから、これはすでに済んでおります。今後の問題というのはこの用地の提供を受ける、こういうことの交渉になります。かりに調達局の申します通り、村長さんの承諾がかってあったといたしましても、これは先ほどのように御了承願いたいと思います。その承諾は立ち入りだけの問題でありますので、今後この用地の提供を受けるという問題について、この承諾があったからということにはなり得ない問題でございます。従いまして承諾があったから今後の交渉――今後の交渉と申せば、用地の提供を受ける交渉であろうと思いますが、これを承諾を得ているというふうなことでは毛頭ありません。そういうふうにお話したわけでございませんで、おそらく小牧については調査がそういう事情で完了しているということで話したのではないかと思います。今後の問題は、かりにその承諾という問題でがあるといたしましても、今後の問題の承諾ということではないということと私どもは承知しております。
○船橋参考人 ただいま長官殿のお話を承わりまして、私は大へん満足いたしますけれども、私は聞きませんでしれけれども、ラジオで何かそのようなお話が、その声明後にあったこと、ないしは岐阜のどこかで記者会見でそういうお話があったことを承わりまして、私どものごときはあなた方と違いまして虫けらのようなものでありまして、どんなふうに批評を受けましてもいいのですけれども、私は私なりに一人前に通っているつもりであります。いなかの村長でも、声明書を出してはっきりあなたの方に御了解を得てもらっていると私は思っておりますのに、なおそういうことをお話になるということは、非常に心外にたえないのであります。
○穗積委員 今村長からお話があったが、あなたがそういうことを言われる前に、村長の取り消しの通知は御存じでしょう。それに対して、測量については地元の承諾を求めた上でやったのだというふうに談話発表されることは、これは非常に不親切というか、不徳義なことではないかと思うのです。これはわれわれ聞いておるところによると、村長さんの言われるのがもっともだと思う。しかも一貫して、村長さんの意思はみずから言っておられるのですから、そういうことに承諾するつもりはなかったのだ。しかもそれを公式分書で出しておられる。地元民に発表した、そこらに配ったビラではなくて、名古屋調達局まで行っておる文書でございます。それをあなたの役所が受け取っておりながら、なおかつ地元村長が承諾してやったというふうにあなたがおっしゃることは、これは非常に酷だと思う。そういうやり方では、これからどういうふうに処理されるつもりか、それはこれから伺いますが、地元の代表たる村長の立場をそういうふうに無視して、立場をなくしておいて、これからこの問題を解決するに当って、あなたは一体だれと話をされるつもりですか。村長は地元民から全く信頼されておって、賛成しても反対しても村長さんの言うことならというので、どっちにしてもだんだんおさまっていく。その村長さんの立場を全くなくしてしまって、そうしてあなたが一属吏なら別だが、アメリカを相手にして、日本基地全体の問題について政治的にもその含みをもって解決していかなければならぬというあなたが、こういうまずいことを言われることは――これはあなたが見える前に話し合いでいくという内閣の原則をわれわれは伺ったのですが、あなたはその内閣のもとに仕事をされるわけですから、あなたもその原則のもとに、法律一点張りでない、話し合いでいくということになれば、村長を無視して、だれを相手にして話し合いをされるのか。一人々々門口に行って話をされるなら別だが、そんなことでは話はまとまるはずはない。これは法律的には不法なことではございませんけれども、いささかミステークであり、私は信義に反するのではないかと思いますが、御所見はいかがでございましょうか。
○福島政府委員 私の申し上げておりますのは、調達局としては同意をいただいて入ったつもりになっておる。一方において法律上の手続を並行してやって、これまた手続として完了してあったということは事実であります。また村長さんとの話し合いによって書いていただいた書面そのものは、いろいろな点で問題の起り得る書面であることも事実でありますけれども、調達局としては、同意をとにもかくにも得たという建前で、調査をしたという報告を私どもは受けております。村長さんからの取り消しと申しますか、私の最初にちょうだいしたのは、この声明書である。そういう事情で、村長さんもあの声明をお書きになったということはわかったわけです。しかし調査そのものはすでに済んでおるので、調査という事態は取り返しがつかぬ。そこでいかようにして、いかようなる理屈に基いて立ち入ったかというお尋ねに対しては、調達局としては、同意をちょうだいしたつもりで入っておるという答弁を繰り返しておるわけであります。一方においてその村長さんの、われわれが同意書と見ております書面について、こういう事情でその書面というものはできたのであるということも承知しておるわけでありますが、立ち入ったときに、調達局としては同意を得たつもりで入ったということが、その当時の事情の説明であります。今日の事態におきまして、村長さんの書面というものは、そういうつもりで書いたということは私了解しておるつもりであります。
○穗積委員 誤解を招くといけませんから、ちょっと長官に申し上げておきますが、私は測量が無効だとかなんとか言っておるのではない。問題の処理にかかっておるから言うのです、過去の問題を言っておるのではない。この問題は過去の問題であると同時に、これからの問題に関連しているから、私は申し上げておる。あなたは先ほど、前の承諾書は法的には成立しないものだということを認めておられるでしょう。だから今後は、この承諾が継続しているということはもう言わないということを言っておられるわけです。ですから過去の経過を説明されるならば、そのときについでに、実は錯誤に基くものであって、その後村長から取り消しの意見なり声明書が出ているが、そのときには、錯誤か何か知らぬけれども、そのつもりであった、そういうふうに解釈しておったというふうに説明されるならいい。そうでなく前の方だけ説明されたのでは、村長のこの取り消しを認めないことになるし、また政治的に言えば、村長の立場を無視したことになって、これからの問題処理のために支障になることだと思うのですが、その点については相当はっきりしておいていただきたい。そのことを私は言っておるのです。
 だから重ねてお尋ねいたしますが、この取り消しを正当なものと認めて、前の承諾は今日継続しているものでない――過去の調査にかかることは別ですよ、遡及するとかしないとかということでなく、この承諾は今日継続しているものではないという事実は、お認めになってしかるべきものだと思います。そういうお取扱いをなさるつもりでございますかどうか。
○福島政府委員 村長さんの承諾という問題は、その当時におきましては、そういう経緯もあったわけでありますが、今日その承諾に基いていかなる処置をしようということを考えておるわけではございません。村長さんがどういうつもりでその書面をお書きになったがということは、その後の村長の声明その他で事情は了承しております。従いまして、先ほども申し上げました通り、村長の承諾があったからということで、今後の仕事をしようという考えは持っておらないのであります。従いまして村長の承諾が今日継続して有効であるというような主張はいたさないつもりであります。
○須磨委員長代理 ほかにまだ二人質問者がおりますから、なるべく早く……。
○穗積委員 私の質問は、委員長も御承知の通り政府だけに対する質問はまだ残っておりますが、これは外務委員会独自の場合にいたします。きょうは参考人に対する点だけをやっておるわけでありますから、そのおつもりにしていただきたい。
 そこで次長にお尋ねいたしますが、今の調査は法律的な手続も並行してやったということですが、その法律的な手続が完了したのは、調査の前ですか、あとですか。あなたはさっき、この調査は納得によるもので、法律の手続完了に基く権利発動による調査ではなかったという説明をされましたが、どちらでございますか。
○安田(清)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、法律に基く調査をすべく手続をやった、しかし最後の瞬間まで話し合いという根本方針を捨てないで話し合いをした結果、調達局といたしましては話し合いがついたという報告を受けております。
○穗積委員 そこで私の質問に答えてもらいたいのですが、その法律上の手続は、調査をされる前すでに完了いたしておりましたか。
○安田(清)政府委員 具体的に申し上げますならば、法律上、この準備のために立ち入りますのには、この場合起業者は国でございます。具体的には名古屋の調達局長が国を代表いたしておるわけでございます。名古屋の調達局長が愛知県の知事に立ち入りの旨を通知する。その通知は測量以前にやったわけでございます。それに基きまして愛知県知事の公告も出たわけでございます。これも測量以前でございます。それでこの公告が出ましたので、引き続きまして北里の村長さんに立ち入り禁止の手続をいたさせました。これも測量以前のことであります。そういう状況であります。
○穗積委員 手続はとつたにしても、その最後の決定はどうなっているのですか。
○安田(清)政府委員 北里村長がこれを公告されたかどうかということは、若干そこに行き違いがあるように伺っておりますが、一応公告されたのを引っ込められたというふうなことも聞いておりまして、その点はちょっと確認いたしかねております。
○穗積委員 その点は、福島長官はその通りでよろしゅうございますか。
○福島政府委員 法律上の手続というものも並行して手続が進められておったことは事実であります。でありますから、知事通達までの手続がとられる、従いまして調達局としては、理屈を申せばその方の手続からも立入権を取得したということは言える、その意味においては手続はできておると言えるわけであります。
○穗積委員 時期はいつですか。
○福島政府委員 時期はもちろん立ち入り以前であります。しかしながらいかようにいたしましても、法律の権利として獲得しているからと考えて、話し合いの必要はないという態度をとる必要はありません。法律上の手続ができておっても、話し合いによって入りたいという努力はいたすべきものであるし、それが曲りなりにもできたというのであれば、話し合いに基いて入ったというふうに報告することも、局長の立場としては当然であると考えております。法律上の手続が完了しておるにもかかわらず、話し合いをしてはいかぬではないかということには私はならないのではないかと思います。
○穗積委員 船橋村長に二点についてお尋ねいたしますが、第一点は、今の問題についてあなた方の実情と御所感を伺いたい。第二点は、この長官の説明によりますと声明書をもらっておるという言葉を盛んに使っておられますが、これは私もはっきりそう思うのですけれども、声明書でございますならば、内容はどうでもけっこうですから、前の承諾書取り消しの通知を、やはり名古屋の調達局長あてに再確認してお出しになっておいた方がいいように思いますが、その御意思はおありになりませんか。一般的な世間に対する声明だというふうにおとりになられ、そういうふうに説明されると、あなたとしても非常に迷惑されるのではないかと思いますが、その二点についてお答え願います。
○船橋参考人 先ほどの私の申し上げましたことを繰り返すことになるかもしれませんが、当時不動産部長の石田さんが見に来られまして、この人は私のじき近くの村の人で、一日患者として来られたことがあって、私がそれを見たというのですが、私の方はたくさんの人なのでよく覚えていないのですけれども、相手の方はよく覚えておりまして、それでこの基地の拡張問題についていろいろと話し合ったわけでありますが、そのとき石田さんのおっしゃるのには、あれはちょっとひどいじゃないか、私も百姓をやっていたころ道路に取られたりしたことがあるのだが、それであなた方の気持はよくわかる、とにかく自分はあなたに方の味方だから安心して下さい。こういう話で、私どもも近くの人だし、知っている人だもんですから、まさかあとに行って私らを裏切るなんて思わなかったので、一応私としては手続をやったわけです。村全体の気持としても、スクラムを組んで踊ったりしてまたけが人でも出たり、罪人でも出したりするということはやりたくない、法的にやられるものなら仕方がないじゃないかということで、これは私ばかりでなくて、村の人がみなそういう気持でおって、法律でやられるならどうもこうも言えぬではないかというのが村の状態でありました。その後、いろいろな話を聞いたり、最近の基地問題について新聞紙上でいろいろ見まして、私どもはつづく何てばかなやり方をしたものだろうと感じておるわけであります。それで、まあ今後における問題が残されておりますけれども、おそらくこのままで行って、スムーズに行くということは私には思えないのであります。非常に残念なことでありましたが、私の方も知っておったならばあるいはそういう今までの運動のやり方をとっておったかもしれませんが、私どもの現実の苦しいところをまじめに訴えたならば必ず聞いてもらえる、わかってもらえるという安易な気持でやってきたということは、まことに私どもの手落ちであったというふうに、今考えて残念に思っております。ただいま長官の言われましたように、まあ私らとしても一旦測量の済んだものを、くいを取り払ってくれというわけでもありませんけれども、あの当時測量は測量だし、一応調べようということなんだから、調べさせてやれということで話し合ったものですから、それに石田さんも同じ地元民として、あなた方の気持はよくわかる、私も百姓をやってきたのだし、その気持はよくわかるから、まあ表では敵だが、裏の方から一生懸命味方するからというので、それを信用いたしまして、その結果がこういうわけだったのでございます。そこで私ら長官の前でほんとうに申しわけありませんが、最初、もうこう方々はりっぱな人なんだし、裏切るようなことはあるまいと思っていたのですが、私どもがばかであったために、かかる結果を来たしたということにつきまして、現在非常に悔いておるわけであります。もう済んでからのことをどうこう言うのではありませんけれども、そういう意味において長官の方におかれましても、私らのこのまじめな気持のあることをよく御了解願いたいと思うのであります。なおただいま御注意を受けましたところの、私どもが前に公文書でもってお願いしたものを一応取り下げていただくようにお願いしたいと存じます。
○穗積委員 今もお話のように石田不動産部長は非常に信義に反するようなやり方をなさったのですが、私はこういうことはこれから注意してもらいたいと思うのです。地元民の法律的な無知と善良なる人情の弱点を悪用して、俗な言葉で言えばぺてんにかけたような格好で問題を処理していくというやり方は、私は友愛精神と民主主義の鳩山内閣のもとにおける調達庁のやり方ではないと思います。
    〔須磨委員長代理退席、委員長着席〕
もしそれが真実であったならば、そういう事情をお聞きになってよく御注意下さるとともに、あらゆる問題を処理されるに当って、今後二度とこういうようなことのないように注意をしていただきたいと思いますが、長官の御所見はいかがでありますか。
○福島政府委員 御趣旨まことにその通りであるべきで、よく取り調べまして今後善処いたします。
○穗積委員 それでは時間も過ぎましたし、参考人の方もお疲れで恐縮ですから、参考人に対する質問はこの程度にいたしまして、最後に総括いたしまして、全地区にわたる問題について長官にお尋ねいたします。
 実はあなたがお見えになる前に現内閣の基地問題に対する反対運動の意見を伺いました。そうしたら内閣を代表されて根本官房長官は、これは地元の主義主張を超越し、党派を超越し、宗教を超越して、地元民の生活を守り、幸福と安全を守るための純なる要望であるとわれわれは理解しておる、こういうことでした。そういうことであるならば、なおさらこの問題を処理するに当っては、法律や権力を表に持ち出して無理押しをするような態度でなくて、地元のあくまで納得ずくで、話し合いの上で問題を処理すべき基本方針であるべきであると思うが、どうかということをお尋ねしたら、その通りにするつもりであるということをお答えになりました。あなたは前内閣以来の調達庁長官でございます。前の吉田内閣はアメリカ一辺倒といわれ、特に岡崎さんはその最たるものだといわれた。その岡崎外務大臣でも、あなたが御承知の通り、昨年来基地問題をやるときに、あくまで納得ずくでいきたい、そして政府が誠意をもって説明するならば納得してもらえると信じております、そういうことで一貫してこられました。現内閣はさらにその方針を堅持していきたい、こういう御答弁があって、その内閣のもとにあなたは続いて長官の職責におられるわけです。ですから、この問題を今後どういうふうに処理されていくか知りませんが、個々の問題についてはまた伺いますが、一般的基本方針として、あくまで地元との話し合いの上で問題を処理していきたい、地元の納得を得た上でやっていきたいという基本方針にはお変りはないでございましょうと思いますが、念のため伺っておきたいと思います。
○福島政府委員 総じてこの問題の処理のために、地元との納得の上で処理すべきものであるという基本方針は、仰せの通りでございまして、私自身も調達庁自体その方針をできる限りしんぼう強く貫くべきものであると考えております。ただ反対の中には、調達庁との話を全然しないという反対がございますので、地元の問題について相談をする糸口の開けないという種類の反対かどうしてもあるわけです。頭から、飛行場を拡張する要がないとか、飛行場というものは要らないとか、飛行機というものは要らないとか、そういう種類の反対のままで、話し合いは初めからしないということになりますと、私どもの申し上げたような態度をとっておりましても、これが進展する方法がないという事態になります。これについては相当の苦心をいたしておるわけであります。しかしながらこれが具体的な問題、農地の問題をどうするとか、移転すべき家の問題をどうするとかいうようなことになりますれば、これについてはわれわれが確たる対案を用意しなければならない。それに基いてこちらが説得するか、あるいは説得されるか、最後まで話し合いがしてみたい、こう考えております。
○穗積委員 それは先ほど根本長官にも話があったので、根本長官に砂川地区の代表者がお会いになったときに、絶対に反対だという態度なら、われわれは聞く耳持たぬということを言われた。それはほんとうかと聞いたら、そうじゃない、あくまで話し合っていきたいということで、私もやはり強い反対であればあるほど、より熱心に、より多くの努力を払って、話し合いに努力すべきだと思う。その話し合いが完了しなければ、やはりこういうことは無理に押すべきでない、こう思うのです。そこで今あなたが、相手が相手にせずということを言っておるなら、これは他の方法を考える以外にないというような、いわば法律、権力がそこに出てくるわけでしょうが、そういうことでなくて、反対が強ければ強いほど話し合いをすべきだし、そうして幾ら時間かかかろうとやらなければならぬ、それをやらないで無理におやりになるならば、内閣に対する、政治に対する不信のみならず、アメリカに対する不信というものが、ほうはいとして起きてくることは当然の結果です。だからそういうことはとるべき道でないと思う。こういうことは、単に道路を作るため、耕地を改良するための土地収用とはわけが違います。そういう趣旨ですから、話し合いの方法は幾らもあると思う。そのときに地元の代議士を仲介に立てるとか、あるいは地区外の第三者を立てるとか、方法は幾らでもある。そんなことは申し上げぬでも、明敏なあなたですからすぐわかると思うのですが、そういう態度でいっていただきたいと思うのだが、そういうことを前内閣時代から再々われわれに言われたあなたが、最近の飛行基地拡張反対運動がほんとうに根強いものだと見てとられたかげんかどうか知りませんが、新聞、ラジオ等において散見いたしますあなたの最近の態度というものは、どのような反対があろうが、あるいはまた負傷者が出ようが、どうしてもこれはやってみせるのだという式なことをあなたは言われておりますが、まさかそんなことをあなたが言って、権力を背景にして挑戦するつもりでなかろうと思うが、不用意のためにそういうことになったのか、報道関係の全くの誤まりであったのか。地元の赤新聞なら別ですが、まさか日本の一流の報道関係の諸君が、そんなあなたの言いもしない、とほうもないことを書いたり、しゃべったりするはずはないのです。ですから、何かあなたの態度の中に、どんなに好意的に見てもそういうものが非常にあるとわれわれは見ざるを得ないのですが、最近のあなたの態度について反省するところはございませんかどうか、ちょっと伺っておきます。
○福島政府委員 ただいま御指摘のございました点でございますが、別に報道機関に間違いはないのであります。また私も大体それに近いことを申しております。つまり再三申しておりますことは、こういう問題が起りますときに、頭から反対、日本において飛行機は飛ばなくていいとか、飛行場は要らないとか、防衛は要らないとか、そういう建前で反対をされたのでは、われわれと立場が違うので、よしあしは別として、これはわれわれも相当にがんばらざるを得ない。しかしながら、違った種類の反対、農地をどうしてくれるとか、家をどうしてくれるとか、今後の生活条件をどうしてくれるとか、そういう反対に対しては敬意を払わざるを得ない。それに対してわれわれは満足な答案が書けないようでは、飛行場の拡張もできない、こういうことを申しておるわけでございます。
○穗積委員 それはちょっとおかしいですね。あなたの今の御答弁によりますと、条件いかんによっては賛成をするという態度でなければ、話はできぬ、こういうことでしょう。それ以外のものは、権力をもって、負傷者を出してもやろうというのですね。第一これはわれわれも国会において委員会を通じてやるべきですが、アメリカのこのような、日本人民の犠牲、日本人民の反対を、権力をもって押し切るような案についてアメリカを反省せしめる態度こそが、日本の政府のとるべき態度だと私は思う。何でもかでもアメリカの要求するものはこれは絶対命令だ、戦時中の東条さんの言葉以上の言葉に受け取って、そうしてこれを強行するのだ、それに服しないものは日本の国民ではないような態度で、あとは権力でやるのだ、けが人を出してもやるのだという態度でお臨みになるのですか。
○福島政府委員 私は日本における最小限度の飛行場というものは、飛行機の使えるような一人前の飛行場として維持せられる必要がある。私どもがきめるわけではありませんけれども、日本の最小限度の防衛の中に、とにもかくにも間違いなくはまる程度の処置というものは、やはりやらなければならないということから、今日の飛行場というものは始まっているわけであります。従いまして、それに従って拡張計画なり、その他いろいろの問題を起しておりますが、しかしながら実際にその被害を受けられる諸君が、その被害についていろいろなお話ももちろんあるし、またいかに強硬なそういう意味での反対があっても、これはわれわれとしては別にけしからぬとも思わないし、また驚いてもいないわけであります。これに対してわれわれが納得いくような対案が出せればまた説得もできると考える。われわれの方でこれはどうしても対案を作り得ないということになれば、話はつぶれてしまうわけになります。いずれにしても、結局賛成するのでなければというふうに申し上げているわけではないのでありまして、そういう具体的な条件という問題については、相当な困難もこれからあるし、これに対する答案を書くということも容易なことではないけれども、書けなければ話はできない。話は成就する筋合いのものではないと考えております。ただ一方において飛行機は要らない、飛行場は要らない、防衛は要らないという見地から、話に応じられないと言われたのでありますならば、これには私はあいさつのしようもないと存ずるのでありまして、また説得することもできかねるわけであります。引き下るわけには参らない、こう申しておるのであります。
○植原委員長 並木君、福島長官は参議院の方から呼ばれておりますから、なるたけ簡単に願います。
○並木委員 長官にお尋ねします。今もお話が出ましたが、納得ずくでやれやれと言っているけれども、実態はなかなかどうしてそうなまやさしいものではないのです。あくまでも反対すれば日本の政府はへこたれてしまうんだ、何でもかんでもいいから反対しろという一派があるのです。ですからきょうは特にそういう誘導尋問が出てきたのですが、この点私ども与党の者としては非常に苦しい立場に置かれております。実際、農地を失い、先祖代々伝わる家を失って、純真な反対をされておる方々の立場は非常にお気の毒なのです。ですからこの問題は何とかして接収しないで済むような状態になることが望ましいのでありますけれども、先般来、政府の非常に苦しい立場を知っております私どもとしては、地元へ行って、あくまでも反対をやれ、そうすればどうだというような激励も渋ってしまう実情でございます。そこでざっくばらんにお尋ねいたしますが、これはあくまでも反対していったらアメリカの方は引っ込めますか。立川、横田の飛行場の拡張問題について、日本政府の見通しは……。
○植原委員長 あくまで反対していったらというようなことは仮定ですから、そういう仮定に長官が答えることは困難だと思います。事実にのとった質問をして下さい。長官の時間はきわめて限られておりますから、どうぞ簡単に願います。
○並木委員 天から降ったり地からわいたり、偶然に出てきた問題ではないのです。
○植原委員長 時間が限られておりますから、どうぞ一つ事実にのっとった質問をしていただきたい。
○並木委員 長官は今までのいきさつをよく御存じのはずでありますから、私は質問するのです。
    〔「君はどう思っているんだ」と呼び、その他発言する者あり〕
○植原委員長 静粛に願います。
○並木委員 反対側に立つ人は、調達庁を相手にしない、そういうことを言う。だからきょうこの場所で聞かなければ……。
○植原委員長 そういう仮定は困ります。どうぞそういう質問はしないようにして下さい。
○並木委員 長官は交渉の責任者でありますから、現在どういう状況になっているかといこうとはわかると思います。
○植原委員長 あなたの質問のねらっているところは、委員長が了解する範囲においては、穂積君に対する御答弁できわめて明瞭になっております。あなたの仮定に長官が答弁したりすれば、またこんがらがってしまいます。投げたボールはまたこっちへ来ます。(笑声)
○並木委員 そうじょないのです、僕の言わんとするところは……。
○植原委員長 そういうことを避けるために言っているのですから御了解下さい。あなたの投げるボールはまたこっちへ来る、また時間を長くする……。
○並木委員 調達庁長官は非常に苦心をされて、この前も飛行場を延長した結果五日市街道へかかっては大へんだ、確かにこれはしのぐことのできない困難な状況だからというので、第二案として代案を今考えておられるのです。その状況はどうなっておりますかということを質問いたします。
○福島政府委員 第二案と申しますのは、これは初めからありました五日市街道に対して直角に延長してくれ、五日市街道に接したところで滑走路は終る。しかしながらそれから先へ安全地帯を取る必要があるので、街道そのものは接収地帯にはならないけれども、街道に沿っておる家屋は取り払う必要が起ってくる、こういう案であります。街道そのものは将来とも使えるわけでありますけれども、安全地帯と飛行場との間を走る街道になる、飛行機が非常に低く飛ぶ街道になる。これでは私たちも反対するのは当然であるような気もいたしますので、もう少し犠牲の少い案がないかということで、滑走路の方角の取り方とかいろいろ研究しておることは事実であります。アメリカ側にその点を指摘して協議中であることも事実であります。しかしながら問題はその道路の測量がまだでき上っておりません。いわゆるもともとの案以外にどういう案が成立するかという、アメリカ側を納得させるに足る根拠を持って主張し得る案がまだできないというのが実情であります。いずれにいたしましても犠牲は犠牲で、どの方にとってもそれならといいという、犠牲のない案はないのでありますけれども、可能である限りは、あくまで犠牲の少い案の方に逐次移っていくべきものであるというふうに考えております。しかしながらこの犠牲の少い案を立てることも、目下のところでは具体的にはできないわけであります。これがどういうことで実現でき得るか、アメリカとの話し合いはいたしておりますけれども、第二案が果して実現するかどうかというようなことも、ただいまのところは申し上げかねるのであります。
○並木委員 長官は第二案の場合に、あそこに農業協同組合とかあるいは学校その他代々伝わる菩提寺というようなものがあるということを、きょう参考人の方々がおっしゃいましたけれども、その点は御存じでございましょうか。
○福島政府委員 まだ道路の測量が進みませんので、第二案がうまくはまるかどうかということは実はわからないのでありますが、第二案にいたしますれば、第一案の百何軒に対しまして立ちのき家屋はないということはわかっております。しかしながらその長さの滑走路がはまりました場合にとり得る方角というものが、大体において反対側が立川市の駅の方へ向わざるを得ない。従ってその点からこちらの立川市側の余裕をもう少し取る必要があるのではないかということで、第二案にいたしましてもやはり道路にひっかかるのではないかという懸念があるわけであります。そこで道路にひっかかる案、ひっかからない案というものの決定をぜひ急ぎたい。それによって第一案を初めから考えておる人々の説得もできるということなのでありまして、第二案にいたしますれば、滑走路並びにその延長上において建物がないということはわかっておりますが、その近所に学校があり寺院がある、こういう関係は確かにあります。問題は、それよりも反対側の立川市に関する部分で、直接駅にかかってくるという点もございますので、これは厳密な測量に基いて可能であるという結論を一ぺん出しませぬと、話にもならないということであります。砂川町のために犠牲の少い案ができるかどうかということは、これは測量いたしてみないとわからない。犠牲の少い案になったらのめと言ったわけではないのでありまして、犠牲が幾ら少くても、たまたまそのしわが寄ってくる人にとっては、たまったものではないという理屈があることは了承いたしております。いずれにいたしましてもいろいろな角度から詳細な検討をいたしまして、どれをやってもだめだというときに初めて問題はこわれてしまう、できなくなるわけでありまして、頭から飛行場設置反対ということでは、問題はなかなか解消しにくいと考えております。
○並木委員 そうしますと、一たび立ち入り調査をさせればもうおしまいだ、だめだという反対論もあるのでありますけれども、その点については必ずしもそうではないと言えますか。今の答弁ですと、場合によってはどれもこれもだめなときには、最後の段階ではくずれてしまう場合があるというお言葉がありましたが、たとい立ち入り調査をさしても、いな、むしろ立ち入り調査をさせることによって、実態をよく知った上でアメリカに納得をさせて、とりやめにする。そういう可能性があり得るかどうか、それをはっきりしておきたいと思います。
○福島政府委員 立ち入り調査を認めれば、それで諸事だめになるということはあり得ないのでありまして、立ち入り調査はあくまで立ち入り調査でしかない。現実に土地の提供を受けるということには、何ら関係がないわけでありますから、立ち入り調査をさせたら、土地が取り上げられてしまうということにはならないのであります。また後段御指摘のありましたような、調査の結果いろいろな案を立ててみても、どれもこれも犠牲が大き過ぎて、満足な案はできないじゃないかということになれば、それでは飛行場の拡張はできないということにならざるを得ません。
○並木委員 そういう点は非常にはっきりして参ったのでございます。そこでお伺いしますが、しからば立ち入り調査は、大体方針通りやるおつもりですか。先ほど来の議論ですと、納得の上でやっていきたいということでありますが、一方においては絶対反対である、立ち入り調査は絶対させないというのとの間で、なかなか納得ずくの話し合いができないのではないかということを心配されますが、立ち入り調査を方針通りおやりになるかどうか。やるとすれば、いつから実行されますか、はっきりしていただきたい。
○福島政府委員 立ち入り調査は即土地の提供ではないわけでありますけれども、当面立ち入り調査をしなければ、将来の計画がいずれに向うにしても立たないということは、申し上げた通りであります。そこで、立ち入り調査でありますが、これは納得の上でやるべき筋合いのものであるということは、よく了解いたしております。従って、最後までしんぼう強く、その納得を得るための努力は続けたいと思っております。ただこの砂川町に関しては、話をしないということで、目下のところ固まっておられるわけでありまして、話をしないということになれば、納得もへちまもないわけでありまして、なおしんぼう強く納得させるように努力するわけでありますが、話をしない人を相手にやって、納得させるということは、これから相当苦心が要るのではないかと思っております。時間はむやみに一刻を争っているわけではありませんけれども、しかしながら、そういうことで遷延するわけには参りませんので、話し合いが始まりまして、その話し合いによって、どうも手間がかかるということならば、いかようにも私どもも努力のしょうがあると思いますけれども、話し合いが始まらないままで時間がかかるというわけにも参りません。適当な方法を講じてでも、立ち入り測量はぜひやりたいと考え、しんぼう強く努力すべきものであると考えております。
○植原委員長 並木君、福島長官は再三呼びに来ておりますから、あなたの今の御質問の趣旨ならば、安田次長でもはっきりあなたに納得できるように答弁できると思いますから……。
○並木委員 もう一問だけ。さっき中村委員からこういう質問が出たのです。今提出されておる訴訟が十五日に判決が下るそうです。それに対して控訴した場合に、十六日から調査をやるということになっておるけれども、それをまた延期するかどうかという質問でございましたが、次長としては、今のところそれに対してはお答えできませんということでございました。長官、もし答えられたら答えていただきたい。今度は控訴が出て判決がきまれば、それで予定通りやられるのか、どうか。
○福島政府委員 ただいま仮処分の訴えが出ておりまして、これが十五日ごろには決定があるであろう、調達庁の方針が承認されるかどうかという決定があるでありましょう。それを承認されれば、もちろん直ちに測量に入りたいと思います。承認がないとか、あるいは紛争が起る、そういうことになりますれば、裁判所が研究中であるものを、しいてやるというのはいかかがと思っております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、当面必要とする問題は、道路の測量にかかっております。道路については、別に仮処分の申請をしているわけではない。私人の所有地について仮処分の申請が出ておるのだろうと思います。道路は別に使って悪いということはない。でありますから、たとえばそういう法律上の関係で私有地については待たざるを得ないという関係がありましても、道路の立ち入りという問題はできる限り早くそれに関係なく始めるつもりでございます。
○並木委員 調査の期限についてアメリカ側の方から要望が出ておりますか。無期限ですか。大体いつごろまでに調査を完了してもらいたいとか、あるいは飛行場拡張工事そのものをいつごろまでに完了してもらいたいとか、そういうアメリカ側の具体的要望について、私ども知っておらないのですが、この際明らかにしていただきたい。
○安田(清)政府委員 全国の各飛行場の拡張について期限というのは、確実な期限の要求は今になればないということになるわけであります。ただ、たびたび申し上げておりますように、飛行場の拡張というのは、日本の政府の方は行政協定に基いて必要な用地を提供する。その提供した土地の上に工事をやるのは、米駐留軍が米国の予算でやる。この工事の予算は、七月一日から始まるアメリカの会計年度で計上されているわけでありますから、この工事をこの会計年度のうちにやらなければならぬというのが最終の期限と押えて、それに間に合うように土地の提供をしなければいかぬ、間に合うように、どこにするかという調査をしてくれなければいかぬ、こういう押え方が出てくるという程度のことであります。
○並木委員 そこでちょっとお伺いしておきますが、今の用地の提供と工事をやるのはアメリカの予算である。二つの筋が出て参りました。これはただ立川のみに限らず、ほかにも影響してきますから、この際お伺いしておくのですけれども、日本側で組んだ予算、それからアメリカの方で出す予算、この数字をはっきりさしていただきたいと思います。巷間のうわさによりますと、どこどこの基地に対しては予算はどうだ、また別の人はそれよりも大きい額を言ってみたり、まちまちであります。いい機会ですから、予算関係をはっきり示していただきたい。
○安田(清)政府委員 日本政府としては、この用地を獲得するために必要な予算として、先般来この国会で御審議をいただいて成立いたしましたのは、防衛支出金約八十億ばかりでございます。そのうちの十二億程度のものを飛行場拡張用の用地について必要予算ということで御審議をいただいた。アメリカ側が必要としている予算の状況につきましては、外務省から代表が見えていますから、そちらから御答弁を願います。
○安川説明員 米軍の方が拡張工事のために計上しております予算は、ラフな数字でございますが、今の飛行場について大体百五十万ドル程度、日本の金にして約五十五、六億であります。
○並木委員 用地の買い上げのために必要な総額が十二億円だということでありますが、これは家屋の買い上げあるいは移転料、それから農業を廃止し、商売を廃止する者に対する廃業補償、そういうものも含まれているのですか。用地だけですか。
○植原委員長 並木君、きょうは参考人のことを聞くのが主ですから、それに、あなたのは関連しているといえば関連していると言えるけれども、どうぞ、そのつもりで……。
○安田(清)政府委員 この十二億の内わけは、実は確実にはきまっておりませんが、おっしゃいましたような費用も含めて考えておるわけであります。
○並木委員 それがどの基地に幾ら、どこどこに幾らという大体の振り分けはきまっておりませんか。横田基地に幾ら、立川にどう、小牧にどう、伊丹にどう……。
○安田(清)政府委員 各基地ごとの内訳は、御承知のような状態でまだ立ち入り調査が完了いたしておりませんので、立ち入り調査をいたしまして、しかもそのあとで確実にアメリカ側との談判を済ましまして、最小限度この程度というふうに提供地区がきまり、初めて各地区の予算の割り振り、しかもそのうちで農地の買収費が幾ら、あるいは河川のつけかえに幾らかかる、家屋の移転料に幾らかかるというような、いわゆる実行計画が立つわけでありまして、あらかじめ予算のワクによって各地区ごとにきめておいて、その範囲内でというような作業ではございません。現在の状態ではその内訳はまだきまっておりません。
○植原委員長 外務委員として私了解しておきたいことがありますが、小牧の基地には、春日井市の市会議員の方も出ておりますし、春日井市といっても瑞穂通りというのも入っておるし、春日井郡の北里村というところもある、小牧市全体というのもありましょうが、一体この飛行機の基地の拡張によって影響されるところはどこが中心でありましょうか。
○船橋参考人 小牧飛行場の拡張におきましては北里村が一番大きく、半分は北里村で、家屋と土地とで一番大きくなっております。
○植原委員長 この飛行基地のために河川のはんらんをおそれているようでありますが、それは小牧市の部分からいったら、はんらんがあった場合、小牧市全体の何分の幾つ程度に影響があるのでしょうか。
○船橋参考人 それは北里村から豊山村へかかってはんらんがあります。
    〔発言する者あり〕
○植原委員長 あなたに伺っておりません。私は船橋君が十分答弁できると信じております。
○船橋参考人 私の方に木津用水があります。それから大山川というのが東から来て南に流れておりますが、その間がはんらんするだろうと思います。それでその間がはんらんしますと、住宅に相当かかる。
○植原委員長 わかりました。小牧市の人口は一体どのくらいでありますか。
○加藤参考人 小牧市全体は約三万三千であります。
○植原委員長 人口の散在しておるところがありましょうが、その人口のうち、この飛行機の基地の拡張のために直接影響をする人口の部分は、どのくらいになりますか。
○加藤参考人 小牧の南端にあります大体五十戸ほどであります。
○植原委員長 わかりました。そうするとその五十戸の生活する人と、その他の人の財産に対しては直接影響があるのでしょうか。この問題は非常に深刻ではありましょうが、あとの人に対してはそれほど感じがひどくないということも言えるのですな。
○加藤参考人 小牧全体の南端でありまして、小牧市といたしましては味岡、篠岡というものが入りまして市になりました関係上、そちらの方の影響は、合併が一月一日に行われました関係上、そういう点においては影響がまだ少いわけであります。だから北里の方の要求がありましても、七十名になんなんとする議員を擁しておる私といたしましては、全会一致の反対決議をもってやるということはでき得ない現状であります。
○植原委員長 もう一つ私は砂川さんに伺いたいのであります、砂川さんはここでもかなり強く、絶対反対だとおっしゃいますが、国策の問題に対しては、かなり国民は忍べないことも忍ばなければならないと思います。私自身にとってははなはだ失礼でありますけれども、私の深刻な例を申し上げます。私は太平洋戦争――盧溝橋事件以来この戦争には絶対反対しておったのであります。これは皆さん御承知の通りであります。絶対反対しておった。それでも国策上私は長男を応召させて出しておって、しかもこれは満州で消えております。国の問題になるときには、やむを得ず命を捨てることもあると同じことで、忍びがたき先祖の地を捨てなければならないこともあり得るのであります。そこであなたが絶対反対だということは、どんなことがあっても反対だというように私は聞いておりますが、国策の点は御考慮なさるものと考えてよろしいと思いますが、いかがでございましょうか。
○砂川参考人 その点に私は答えることは必要ないと思います。
○植原委員長 答えなければ答えないでもいいと思います。
○砂川参考人 私には答える権限はざごいません。
○植原委員長 もう一つ伺います。これは私の聞き違いであったらお許しを願います。立川、特に飛行機の問題は砂川地区と思いますが、砂川地区の労働組合が全体としてあなたを支持しておると言っておりますが、労働者はおりましょうけれども、労働組合の本部あるいは支部とかいうものが砂川町にありますかどうですか。
○砂川参考人 勤労者組合という文化団体がございます。
○植原委員長 これにて本日の質疑は終りました。
 参考人各位には長時間にわたり、種種御意見を御開陳していただきましてまことにありがとうございました。
 次の日程は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十九分散会