第022回国会 建設委員会 第34号
昭和三十年七月二十二日(金曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 内海 安吉君
   理事 荻野 豊平君 理事 山口 好一君
   理事 逢澤  寛君
      高見 三郎君    廣瀬 正雄君
      松澤 雄藏君    大島 秀一君
      仲川房次郎君    二階堂 進君
      町村 金五君    有馬 輝武君
      西村 力弥君    三鍋 義三君
      中島  巖君    前田榮之助君
      三宅 正一君
 出席政府委員
        建 設 技 官
        (道路局長)  富樫 凱一君
 委員外の出席者
        議     員 楯 兼次郎君
        議     員 竹谷源太郎君
        参議院議員   田中  一君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  鎌田 隆男君
        参  考  人
        (国土開発中央
        道調査審議会委
        員)      金子源一郎君
        参  考  人
        (大和運輸株式
        会社社長)   小倉 康臣君
        参  考  人
        (日本財政経済
        研究所会長)  青木 一男君
        専  門  員 西畑 正倫君
        専  門  員 田中 義一君
    ―――――――――――――
七月二十二日
 委員坂本泰良君辞任につき、その補欠として西
 村力弥君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事荻野豊平君委員辞任につき、その補欠とし
 て同君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
七月二十一日
 建設業法の一部を改正する法律案(小沢久太郎
 君外二名提出、参法第二二号)(予)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 参考人招致の件
 国土開発縦貫自動車道建設法案(阿左美廣治君
 外四百二十九名提出、衆法第二六号)
 建築士法の一部を改正する法律案(参議院提出、
 参法第一九号)
    ―――――――――――――
○内海委員長 これより会議を開きます。
 本日の日程に入ります前に、理事の補欠選任につきましてお諮りいたします。すなわち荻野豊平君は去る二十日委員を辞され、同日再び本委員となられたのでありますが、同君は理事でありましたので、これが補欠選任を行わなければなりません。この補欠選任につきましては、選挙の手続を省略して、委員長において指名するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認め、理事に荻野豊平君を指名いたします。
○内海委員長 次にお諮りいたします。昨日の理事会で御了承願ってありますが、国土開発縦貫自動車道建設法案につきまして、参考人として国土開発中央道調査審議会委員金子源一郎君、大和運輸株式会社社長小倉康臣君、日本財政経済研究所会長青木一男君、以上三名を招致し、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認め、さように決しました。
○内海委員長 国土開発縦貫自動車道建設法案を議題とし、昨日に引き続き参考人より意見を聴取することといたします。
 本日は炎暑のところ、参考人の各位におかれましては、本委員会のためにわざわざ御出席をいただきまして、まことに感謝にたえません。これより参考人各位の御意見を拝聴したいと存じます。まず第一に、金子参考人より御意見を聴取することにいたします。金子参考人。
○金子参考人 昨日お届けいただきました書類によりまして、国土開発縦貫自動車道建設法の参考の書類などを一覧いたす機会を得たのであります。ただいまは委員長から御指示がありましたので、これにつきまして私党の一、二を申し述べたいと存じます。
 第一に、第三条にありまする別表として、その中におもなる経過地点というのがあがっておりまするが、これはこの際省かれた方が適当であろうと存じます。その理由は、この参考の書類に高速度自動車道路とはどういうものであるかということを説明しておる書類がございますが、その中にもありますようにこの高速度自動車道路は六十ないし百二十キロの走行に耐えるものにする、従ってその最小曲半径は三百メートル以上である、また最急勾配も四%くらいにする、幅員も十八ないし二十二メートルにする、こういうふうで道路としては相当高度の規格を持った道路でございます。こういう道路を険峻で複雑な地形の上に建設するということは、なかなか困難の伴うものでございます。不可能ではございますまいが、相当な困難が予想されるのであります。おそらくは相当長い隧道、橋梁、高い堰堤、擁壁、築堤というようなものが連続して必要となるのではないか、莫大な工費がかかる結果になるのではないかということが予想せられるのであります。ただいまあがっております経過地点の一部には、そういう相当心配のある地点もありますので、これはとくと研究する必要がある、かように考えます。
 なおこの道路には未開発地の開発という使命を強く負わされておるようであります。これもけっこうなことでございますが、こういう高度の企画の道路を未開発地まで、困難な地形にかかわらず、ぜひとも引き込むということは相当疑問があるのであります。こういう自動車道としての高度の規格を持った道路と、開発のための道路というものは、おのずから性質が違って参るのであります。それでこういう規格の道路にふさわしい地点を選んでこれを敷設し、開発にふさわしい規格を持った道路を便利なように作りまして、この自動車道路に接続することによって全機能を発揮する、こういうふうにいきますことがけっこうなのではないかと思います。
 なお道路は作るだけが目的ではございませんので、これを利用する上におきまして経済効果の最も上るようにいたさなければなりません。必要のない交通が、高いところまで上っておりるというようなことも避けなければならぬかもしれません。これらを総合して考えて、最も有利な地点を選定するということが望ましいことと思われるのであります。およそ複雑な地形のところは十分な図面その他もそろっておらなければなりません。地形、地質、それらのものを整備し、また開発の予定地等もよくお調べになりまして、そして最善の線をおのおのその使命に応じたように作られることが望ましいと思います。そういうような関係で、今直ちに法の上におきまして、おもな経過地点としてあげてある個所を決定することはいかがかと存じます。除いた方がいいと存じます。そして将来とくと研究、御審議の上、政令等であらためて表示する必要があればそのときに表示する、こういうふうに慎重御検討の上、結論を得られておきめになることが望ましいと思います。
 それから第二の点は、第二条に関することでございます。この自動車道を道路運送法の自動車道として扱おうという建前のようでありますが、不賛成でございます。一般の道路におきましても、自動車の発達いたしました今日では、道路交通の大宗はまさに自動車でございます。主たる交通は自動車でございます。そこでこの高速度自動車道網が形成せられますと、これでもって道路交通の骨組みが形成されるようなことになるわけであります。つまり幹線道路網の、また幹線道路の最高の幹線国道となる使命を持つものと存じます。ですから、当然この場合にこれは国家的の最高の国道、こういう扱いを受けることが至当であると思います。道路運送法の道路事業というのは、建前から申しまして営利的な事業とし、これをおもに対象としてできたのがこの法律でありまして、こういう扱いを受けてこの国の大幹線道路ともなるべき自動車道を扱うことは不適当だと思います。もちろん直ちに今の道路法でけっこうであるかどうかは存じません。あるいは道路法の改訂が必要かもしれませんし、さらに別途の自動車国道法というようなものが必要になるかもしれません。それらのことは私も結論を得ないのでありますが、今日ありまする道路運送法によってこれを処理しよう、こういうことは不適当だと思います。以上、この二点を申し上げたいと思います。
○内海委員長 皆さんにちょっとお諮りいたしますが、金子参考人には十一時半ころまでにどうしても先約があって行かなければならぬそうでありますから、金子参考人に対する質疑がありましたならば、その時間までの間にお願いいたしたいと思います。あとから来られた方もあるようでありますが、大体において金子参考人の御意見は、第三条の別表は削除すべし、これは開発という面から見てもまた経済効果という面から見てもふさわしいものではない、やがて来たるべきところのいわゆる道路審議会等において決定して、政令等によってやるべきものであって、現段階においてはこういった別表を設けるようなことはふさわしくない。そのほかに今の幹線道路というような問題についてもいろいろ御意見があったようでありますが、この二点に集中して質疑をしていただきたいと思います。
 ではこれより質疑に移ります。中島巖君。
○中島(巖)委員 金子参考人にお尋ねいたしますが、ただいまいろいろこまかい技術的な問題、それから自動車の専用道路というような点についてお話がありましたけれども、現在の日本の交通事情といたしまして、まずお聞きしたい第一点は、場所のいかんにかかわらず、こういうような縦貫自動車道が必要であるかないか、この点についてお伺いいたしたいと思います。
○金子参考人 たいへんけっこうな構想だと存じます。国土開発縦貫、この表題にすっかり説明が出ていますが、こういう自動車道の網を形成して、国土の開発なり産業の振興をはかろうという御構想はしごく賛成でございます。
○中島(巖)委員 実は昨日、一昨日にわたって、参考人といたしましていろいろ専門家においで願って御意見をお聞きしたのでありますけれども、この国土開発縦貫自動車道建設法案の別表に指摘してある地点を通るといたしますと、一番大きな隧道が赤石山系の易老岳隧道でありまして、標高が約九百メートルで、隧道の距離が九キロ六分というものになっておるのであります。これは丹那隧道をあけた専門家の意見を聞いたのでありますが、技術的には可能であるというようなお話を参考人より伺ったのでございます。それからさらに第二の点といたしまして、道路運送法によるところの自動車道事業というような点に触れましたけれども、これはこういうような状態を予測しなくてこれらの法案を作ったものでありまして、従って当時の法案を作ったときの時代とは非常に時代は飛躍いたしておりまするので、私どもといたしましては、結局欧米にあるような交通局というようなものを新しく設置して、その所管にするとかいうような方途を考えねばならぬというように考えておるわけであります。この道路運送法によるところの自動車道となりますと、結局運輸建設両省の共管になって、それからさらに運輸省の所管になるというような結果になるのであります。従ってこれらの法令に拘束されて、この国家的の大事業を逡巡してはいけないというように私としては考えておるわけであります。
 それから第二の点といたしまして、開発道路は別に作ったらいいじゃないかというようなお説でありまして、従って参考人の御意見といたしましては、結局東海道方面の平坦なところへ縦貫自動車道を作ったらどうかというような御意見のように私拝聴いたしたのでありますけれども、この高速度自動車道というものは、現在のわが国の経済状態におきましては、そう各所に作るということはできないのでありまして、結局、われわれもしろうとでありますけれども、われわれの考えといたしましては、国土のなるべく中間に、北から南まで一貫したところの高速度自動車道を建設いたしまして、裏日本の荷物も表日本の荷物もこの道路を利用して、そうしてこの細長い国土をまるくし、そうして今までの三分の一ないし二分の一の時間によって、これらの未開地の開発はもちろんでありますけれども、その他あらゆる産業の面に稗益して、戦後わずかな国土に多数の人口のおるのを、いわゆる日本の国土を若返らせる、さような多目的の見地からこの案を、賛成いたし、提案いたしておるものでありますが、かような見地からお考えになりまして、いかなる御所見でありますか、お伺いいたしたいと思うのであります。
○金子参考人 仰せられるように、この道路はおそらく予測した法律がないと存じます。ですから、道路運送法にしましても、これに適応するように直さなければならぬ。道路法にしましても、これがうまくいくようにするためには、やはり直さなければなりません。さらに別の法律が、純粋に自動車国道を扱うような法律ができてもよろしいでございましょう。むしろ私が先ほど既存の、どっちかというと営利を目的とした道路事業を扱うような建前でできておりまする法律で、これを処理するということでは適当でないと申し上げたのは、まさにその意味でありまして、同感なんでございます。相当これにぴったり合うような法律ができていくのが一番望ましいと思うのです。ただそのときに、構想としましては、国道のような気持でいきたいと思うのです。道路自体で採算がとれなくても、国全体を見まして、必要とあれば作らなければいけない。またいいところだけ作るわけにもいきません。これは縦貫するところに値打があるわけでございまして、道路網を形成するところに値打があるわけでございまするから、当面の道路の採算は度外視してでもいかなければならぬ。将来の管理も当然そうでございましょう。今度は道路交通の種類は制限いたします。自転車とかあるいは荷馬車とかいうものは制限いたすわけでありまするが、自動車に関する限り、一律に料金を払う払わないにかかわらず通れる、こういうものであってほしいわけであります。国道の構想でいくべきものじゃないかということを申し上げたわけであります。大体欧米の例もそうのように伺っております。
 それから開発道路にこれを使うのは不適当だと私が申し上げたようにお受け取り下さるならば、実は私の説明が足りないのでありまして、これが直ちに開発道路になればけっこうでございます。決していけないとは申しませんが、もしある特定な地点を開発せんがために、高度の道路を無理に地形のむずかしいところまで持っていくようでは不適当だというのであります。手軽にそういうところを通ることができれば、これはけっこうなんでございます。もしもある特定の地帯を開発せんがために、非常に複雑なむずかしい地形に、交通の大動脈とも申すべきこの線を引き込むことは、私に言わすと無理に引き込むことは適当でない、こういうことを申し上げたわけであります。従って開発に必要な場所は、どういう地点が開発するに適当かという問題も一問題でございます。これもとくと研究する必要があるわけでありますが、それがきまったといたしまして、それを開発するには開発するにふさわしい規格の道路、そういうところはなかなか地形が複雑なところであると想像いたします。未開発であるくらいでございますから、そういうところにはそういうところにふさわしい、もう少し手軽に近寄ることのできるような規格の道路を、便利な方法で早く作りまして、開発を促進するがいい。そういう道路もこの大動脈に流れ込むようにすることによって、全体の機能を十分に発揮するがいい、こういうふうに申し上げたわけであります。決してこの道路が開発地帯に行ってはいけないということを申しておるわけではございません。未開発地点の多くは、こういう高度の道路を持っていくのに不適当な場所らしく思われますので、とくと研究の上、経過地点をおきめになったがよかろう、にわかにきめないのがよかろう、こういうわけであります。研究の結果持っていくのがよかろうということになれば別問題でございます。私があたかも東海道に沿うた道路を主張しているかのようにちょっとお言葉がございましたが、そうでなければけっこうでございますが、私は特にその点を研究しておりません。そういう結論になるかどうか自分にもわかりません。ただ先ほどから申しておりますように、そういう高度の道路はそれにふさわしい地点を通るべきである、そうして多額な費用もかかることでございますし、これを利用する上において経済効果の最も上るような構想で決定すべきである、こういうのでございまして、今後の研究に待たねばならぬという考え方であります。私は東海道線がいいという結論を持っているわけではございません。
○内海委員長 ただいま楯兼次郎君より、委員外の発言を求められておりますが、これを許すに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○内海委員長 御異議なしと認めます。よって楯君に発言を許します。楯君。
○楯兼次郎君 実は私提案者の代表のような形になっておるわけでありますが、ごく簡単に三点だけ御意見を聞かしていただきたいと思います。
 第一は、この道路運送法の適用を受けるという事項でありますが、現在の法規では有料であり、かつ自動車専用道路というのは、この道路運送法の適用なくしては建設することができない。それは現行法規に当てはめた関係において、道路運送法の適用を受ける、そういうことで提案者としては出しておるわけです。従って参考人の御意見は、現在の道路運送法がただいま提案をされておる自動車道に不適当であるとおっしゃるのかどうかという点が第一点であります。
 それから開発道路の意味でありますが、私どもは中央道に例をとりますと、東京、名古屋、大阪、もし三十六年度に完成を見ました場合には、これが長距離貨物輸送というものが大体三千八百余転換をしてくる、こういうふうに考えておるわけです。従って現在東海道国道においてはいわゆる近距離輸送で相当混雑をきわめるのではないか、いわゆる長距離の貨物輸送をばこの中央道に吸収をしたい、あわせて国土開発の産業道路として活用をしたい、そういう意味であります。産業道路として高速自動車道が不適当であるかどうかという点については、いろいろの御議論があると思いますが、そこからいわゆる肋骨状の支線を出すわけであります。その自動車道から普通の道路がずっと枝線となって分れるわけでありまして、自動車道そのものが即開発に直接つながる場合もあるでしょうけれども、主としてはいわゆる間接的な開発道路という意味の方がむしろ妥当ではないか、そういう観点からいけば、いわゆる国土開発産業道路として非常に大きな意味をなしますし、価値がある、こういうように考えておるわけであります。
 それから別表の問題でありますが、いわゆる長距離輸送に計画を立てるということになりますと、最短距離、最短時間ということがまず条件になるわけであります。地図の上で東京、名古屋、大阪をつなぎますと、別表の個所が浮び上ってくるわけであります。建設費その他等につきましては、いろいろ専門家の御意見もございましょうけれども、東海道を通るより五十キロ短かい、しかもわれわれが考えまして建設費もキロ当りほとんど同じくらいであるというような観点から、別表の個所を通るのが一番時間が早くて、しかも近距離であるという点から、別表という点が浮び上ってきたわけであります。この三つについて参考人の御意見を聞かしていただきたいと思います。
○金子参考人 第一に道路運送法によって現行法規から申しますと、こういうものを実現する方法としては道路運送法が適当であるのでそういうふうにしたのだが、これを不適当と思うかどうか、こういう御意向でございましたが、私は不適当だと思うという意見を先ほど申し上げたのでございます。その理由はただいま申す通り、こういうものは予想してなかった法律でございます。むしろ営利を対象とした法律でございます。しいてこれに合せようといたしましても、相当の改廃をいたさなければならぬわけでございます。その点は他にありまする道路法のごときも同様だと思うのであります。従ってこういう雄大な画期的なことをもくろまれた以上、これにふさわしい法律が制定されることが望ましいという考えでございます。しかしその場合に繰り返すようになりますが、国道の構想でもってまとまるのが適当だと思う、私はそう信じております。
 第二番に別表の問題になりますのですが、これはこの際にわかにきめないのがいい、とくと御研究になるのがいい、せっかくのこういう構想でございまして、しかも特に予想されまする最初の一番大事なところというふうに指摘されておりますような中央部分、東京から名古屋、大阪に行く部分につきましては、いわゆる白根山系、赤石山系の非常に急峻な複雑なところを通ることを予想しておるようでありますから、とくと御研究になる方がよかろう、こういうことを申し上げておるわけであります。どうも同じことを繰り返すようになって相済みませんが、特にそこに道路の特徴があるのでございますが、始発駅から終端駅までの貨物を当てにするのはどうかと思います。ちょうどわらでなわをなっていくようなものでございまして、道路のことでございますから、近距離、中距離のものが集まって道路交通を形成しているわけでございます。利用上果してそういうところを通るのが便利であるかどうか。それから中間で標高の高いところへ上ってまたおりていくのがいいか悪いか。またそういう長大な隧道の中でガソリンを燃やしていく、こういうことになりますと、維持管理にどういう手数がかかるか。作ることは可能でもございましょうし、また強力なポンプを、ファンを使えば空気をかえることも不可能ではございますまい。すべて可能であるとは思いますけれども、経済上果して適当であるかどうかということをとくと御研究になって経過地点をおきめになるのがいい、今にわかに法律でもっておきめにならぬ方がいいということを申し上げているわけであります。
 それからあまり高くない建設費でもってできると思うというお話もございましたが、あるいはそうかもしれません。これも詳細な地形図での研究は未済であります。私もたまたま中央道路の審議会の委員をいたしておりますので、そういう図面がほしいと思って再三求めたのでありますが、当局にもございません。見ることができないで今日に至っておるわけでございます。果して大した経費がかからぬものかどうか、あるいは莫大な工費を要するものであるかどうか、とくと研究してからおきめになるのがよかろう、繰り返して同じようなことを申し上げて、お答えにいたします。
○楯兼次郎君 有料道路であるかどうか、国道のような性質のものの方がいいじゃないか、こういうお話でございましたが、この点についてはわれわれ提案者といたしましても全く同感であります。ただこの道路を維持をしていくために、あるいはただいまお話にありましたような隧道の換気装置等において、将来相当金が要ると思うのです。そういうような面と、きわめて貧弱な日本の経済の中から、とにかく莫大な費用を出すのでございますから、あと無料で済む、償還をしなくてもいいというようなことはいけないであろうという考え方に立って、有料という制度をとったのでありまして、もし許されるならば、これは国道と同じように無料で国民に利用していただく方が非常にけっこうである、これは提案者同士でもそういう論議がかわされたわけでありますが、そうはいかないであろうというわけで、一応有料制度をとっておるという点を申し上げておきたいと思います。
○中島(巖)委員 私の質問ばかり長くなると大へん皆さんに御迷惑でございますから、ここらで打ち切ります。
 実はただいま私の質問に対して、金子参考人の御発言の中に、かりに道路そのものでは多少の損がいっても、国全体から見て利益になればというようなお話がありました。実に私どもの考え方と一致するのであります。そういうような見地から出発いたしまして、またこの道路そのものだけから考えましても、必ずや十分採算がとれ、国家百年の基礎をなすものであると私考えておるわけであります。さらにまた現在の道路運送法によるところの自動車道事業が、営利を目的としておるというようなお話もありましたけれども、おそらくあの法律制定当時においてはそうであった、かように金子参考人の御意見と同じ考えを持っておるわけであります。昨日の参考人の方からも、現在の貨物の需給状況、交通の需給状況などを勘案して、経過地を決定したらどうかというようなお話もあったのであります。また聞くところによりますと、東急の五島さんなんかが、東京−江ノ島間に自動車道を作るというような計画もあり、すでに出願されたかに聞いておりますけれども、やはりこういうような自動車道だけでもって採算のとれる、しかも現在において採算がとれるという、こういうようなことはやはり民間にやらせまして、そうして莫大な費用を要し、道路そのものでなくて、国全体から見て利益であるというのは、ただいま申し上げたような方法で、国家百年の大計の基礎を作るというように持っていくべきだというふうに考えるのであります。参考人の方のおっしゃることと私どもの考えておることとは、非常に一致する点があるように思うのでございますが、これらに対して御意見いかがでございますか。
○金子参考人 ただいまお話のありました点でありますが、五島さんの東急で立案しておる江ノ島に行く自動車道路、もしそういうものが計画されており、採算がとれる、今の道路運送法で行こう、こういうことであれば、これはまさにそういうものを目当てにしてできておる法律でありますから、けっこうだと思います。しかし今日御提案になっておるような国土を縦貫して、北海道から九州の果てまで、必ずしも繁華な場所でなくても、動脈として、交通の流れが融通むげに通れるようにする、一たびこの道路に乗れば、超スピードで走れる、そうして一定の大きさの車であり、一定の制限の貨物でありますれば、どこへ行っても荷重制限を受けるおそれもなく、形の制限を受けるおそれもなく、安心して超スピードで走ることができる、こういうような最高級の国道の構想をもって、これが取り扱われることが望ましい、それにはすぐ使うのにあるいは便利かもしれませんが、営利を目的でそういうふうな特定な事業が行われるように作られた法律をそのまま手軽に使うのはどうか、こういう考えでございます。もっと本式に法律から御準備なすってもいいではないか、そのときにぜひとも国道の構想で行きたい、至るところで料金を取られる、制限を受ける、自動車でありながら乗ることができないということでもいけないのであります。国道、府県道その他がみな毛細管になりまして、それから流れてきた自動車がこの大幹線に乗りますれば、ただいま申します通りのスピードで遠距離まで行きまして、また府県道、町村道とだんだん低位の道路に流れ込んで行くわけでありまして、この連絡は全く一有機体でなければなりません。その自動車道路の上だけ走っておれば、それだけでいいのではない、鉄道のように駅ができて、貨物をそこへおろしていくのではないのであります。必ずドア・ツー・ドアにいかなければならぬ。これが町村道、府県道にすべてみな流れ込んでいくのであります。それが入っていき、流れ出るときに料金を取られたり、ストップされたりしたのではいけない、融通むげにいかなければいけない、こういう国道の構想でいくべきである、こう申し上げておるわけであります。
○三宅委員 お急ぎのようですから二、三分お願いします。私残念ながらちょっと外に出ておりまして、金子さんの最初の御公述を承わらなかったのでありますが、質問等を通じて一つ大きな誤解をしておられるのじゃないかということを私杞憂いたしまして御質問をするわけであります。
 今日金子さんの御指摘の通り、いわゆる道路といたしましては表日本、裏日本、縦横すべてを通じなければならない。交通政策としては鉄道、道路、それから自動車道としての調整をやらなければいけない。さらに海運、航空等の調整等も考えることは当然であります。そういう観点に立ちます場合に、日本におきましてどうしても高速度の自動車道路というのを作らなければいかぬ。そうして表日本と裏日本をつなぎます上におきましても、大体南面で八百メートル以下の、あのわれわれが考えておる線というものは、これは通ります。道が多少変るということはありましょう。鉄道の予定線と同じことであります。あれで行くことが私は大局において一番正しいと思う。これは何もこまかいことを言う必要はないのであって、大局において正しい。同時にきのうも鹿児島県の同僚からも話があったわけでありますが、鹿児島などという僻遠の地に対しまして、広島と同じ時間で大阪から行けるということになりますれば、経済圏がずっとまるくなってくる。満州やいろいろなところで道路建設等をやられた経験から見ましても、まるい国と細長い国とでは、経済効果というものはうんと違うのでありますが、要するに表日本と裏日本をつなぐ、そうして青森までの時間が東京、福島までの間に縮まる、そうして鹿児島の線が大阪、広島の線に縮まる、細長い日本がまるくなって、縦横に肋骨線でつなぐという構想でいきますれば、私は基幹路線というものはああいう線が一番正しいのであるということをしろうとながらも確信をいたすわけであります。これはこまかい技術の点ではなしに、政治家的の直観からいってこれが正しいと私どもは思うのであります。それで今日高速度自動車道などを規定いたします法規を予定しておりませんが、道路運送法などでは私は確かに狭隘だと思いますから、将来これをさらに発展的に直すことは異議ありませんけれども、根本の原則といたしましては、自動車専用の立体交差の基幹線を作るということは、今日の日本の段階において絶対に必要である。そうして細長い日本をまるくし、脊梁山脈で表と裏に交通が遮断されておる日本の両方をつなぐということになりますれば、海岸線を通るということもありますが、そういう意味の効果はあり得ない。たまたま浜松と静岡の間の交通が少しいいということはあるだろうけれども、そういうことについては東海道をもう少しいい道に直せばよろしいのであって、日本全体の交通政策からいってもそうである。いわんや四割以上の未開発地帯を直す意味においても必要である。それから私は初日に丹那トンネルを作りました専門家の平山さんにも伺ったのでありますが、百分の三程度の傾斜でありますれば、山地であろうがどこだろうが百二十キロ行くのは何でもないことであります。昨日鮎川さんがおいでになりまして、むしろ日本のような国は治山治水の観点から考えると、山のてっぺんを通った方がいいという議論をしておられたのでありますが、私どもは既成の概念にとらわれずに、新しい観点に立ってこういう点を考える必要がある。中央道路及び東北道、中国道、すべて山のてっぺんを通るとすると、南面のなるたけ暖かくて、そうして傾斜が三%以上にはいかない、そういう線を通るのでありますから、技術的にも一つも問題はない。道路が多少高いか安いかということについては議論はあるけれども、立体交差をやるためには平坦地ならば盛り土をしなければならない。たんぼをつぶす抵抗がある。それで同じ効果を上げれば、たんぼをつぶさぬ方がいいことはきまっておる。そういう多目的な一つの目標のために、しかしながら自動車の最高速度の幹線として考えるとすると私は必要であると思います。さらに予定線の問題につきましても、飯沼一省氏などが意っておられたのでありますが、鉄道の建設だって大体予定線は作っておる。それで技術的に場所が多少変ることは、一県で一個所くらいの予定線を作りまして、大体日本は細長くて縦横の連絡のない、裏表の連絡のないところをどういうふうにつなぐかという線から考えますならば、これを作っておいた方が将来争いが起きないと私は思うのであります。せっかくこういう線を作っておいて、海岸を通ってくれとかなんとかいう話が出たら問題にならぬのですから、一応の予定線を作っておくことは、大局において将来の紛争を阻止する意味においても必要であり、技術の上におきまして、たとえば赤石の山系を今通っておる案をもうちょっとこっちに持ってくるとかいうことは、技術的の決定でやればいいのです。私はそういうふうに考えるのでありますが、いかがでありますか。
○金子参考人 自動車のために交差の災いをされない高速度道路を作ろうということは、全く賛成であります。これは繰り返して申しておったところであります。しかしながら最初に申しましたように、高速度自動車道路でありますために、勾配でも曲半径でも幅員でも相当高度のものでございます。これを複雑な地形の中に作ることは、まことに困難なことでございます。不可能ではないでございましょう。しかしながらなかなか困難なことで、大へんな経費がかかるかもしれません。とくとお調べになって、そういうことが有利であるという結論になりますればけっこうと思いますが、そういう研究をする機会すら与えないような別表の添付ということは不賛成でございます。削除せられた方がいいと存じます。
○楯兼次郎君 さっき私勘違いをいたしておりまして、ちょっと先生と食い違いがあったように考えますので、もう一回お聞きしたいと思いますのは、今道路運送法に規定をされておりますいわゆる自動車道でありますが、これは二色あるわけです。これを営利目的の民間でやる場合と、それからそうでない、国がこれを経営する場合と、二つあるわけでありますが、先生のおっしゃるのは、民間の営利目的でやる場合も、あるいは国がこれをやる場合もひっくるめて不適当である、こういうふうにおっしゃるのか、あるいは前者の民間が営利事業としてやる場合には不適当である、こういうふうにおっしゃるのか、この点だけ一つお聞きしたいと思います。
○金子参考人 それは両者とも不適当であるという考えであります。というのは、あの場合の国でもしてやるというふうな構想でありまして、おそらく国営自動車道でも作るときの構想であったのではないかと思いますが、あの法律の精神から申しまして、前段からしばしば申し上げておりますように、最高級の国道という観念からできておる法律のようには思いませんので、あれで扱うことが両者とも不適当であるという考えであります。
○内海委員長 御苦労さまでした。
 次に日本財政経済研究所会長青木一男君。
○青木参考人 私は当院のほとんど全議員の方によって提出された国土開発縦貫自動車道建設法案の内容につきましては、非常にけっこうであるという賛意を表するものであります。実は私はただいま議員でありますが、私が議員でない前からこの問題は研究しておったのであります。それからただいま財団法人日本財政経済研究所というものを作りまして、私は会長としていろいろな研究をやっておりますが、その研究題目の一つにこの問題を選んで、昨年これに対する私の意見を紙上で発表いたしております。この際その要領を申し上げまして、本案に賛成する趣旨を述べたいと思います。
 この道路計画は、第一道路という言葉がうまく該当するかどうか問題があるわけでありますが、既存の道路の観念ではないわけでございます。この計画の目的は大体二つあると私は思います。一つは交通量あるいは輸送量の増加に対応する新しい交通態勢を整備するということ。もう一つは、これによって今まで放任されていた国土を生かしていくというねらいでございます。この法案の名前におきましては、後者の方に重点が置かれておるのでございますが、私は両方とも大事な目的であると思うのでございます。
 大体今日の日本の産業経済の分布状態というものは、京浜地区あるいは名古屋地区、阪神地区、北九州というようなふうに非常に重点的に、極度に集中しておるのでありますが、これもむしろ交通関係が原因でこういうふうになったとも言えるのでございます。交通量から申しますと、今度の計画というものは、こういう重要なる産業都市を結ぶ長距離、中距離の輸送に重点を置いておるのであって、汽車でいえば急行を一本通そうという考え方でございます。従ってそういう意味から言えば、今申したような数点の大きなところをミスしさえしなければ、一々今の人口密度に応じて通るなどという必要は絶対にないのでありまして、そういう点から申しましてもこういう新しいところを通るということは、将来増加する交通量を緩和するというこの目的に少しも差しつかえないと考えておるものであります。しかしながら、この法案の生命は何と申しましても国土の開発であります。今まで日本としては八割方も山でありますが、その山がほとんど放任されておる。これでは狭くなった領土に今後増加人口を収容していく場合に非常に無理があるのでありまして、どうしても新しい計画を立ててこの増加人口を吸収するということが、国策の根本になることは当然でございます。そういう意味におきまして、今まで放任した山地の開拓によって、山林資源なり鉱物資源なりその他の資源の開発をはかる。あるいは工業も、今まで先ほど申したような地域に集中しておるのを、交通の利便によって地方に分散する。人口もこれによって分散するという国策を立てることは、今日最も急務であるのであります。そういう新しい日本の国作りというふうな意義をこの法案が意味する点において、私は非常に意義のあるこの法案を成立さして実行したならば、昭和時代のわれわれが将来の子孫に残す最も大きな遺産になるのじゃないかとすら私は考えるものでございます。
 私が先ほど申しました財政経済研究所の紙上に発表した意見の一つは、いわゆる弾丸道路が東海道を予定されて計画されている、これは非常に考えものであるということに重点を置いて述べたのでございます。それ一つだけ申し上げましても、これだけ増加した人口を養うには農業増産が必要である。今日まで農業増産ということは各党を通じて重要政策にうたっているにもかかわらず、新しく開拓する農地よりもつぶす農地の方が多いということすらあるのでありまして、この貴重な農地をできるだけ保存しなければいけないというのが根本の考えでございます。都会地あるいは肥沃な農地を莫大につぶすということは、食糧政策の見地から避けなければならない問題であるので、私はそういう点に重点を置いて自分の所見を発表しております。そういう意味において日本の背骨であるところの山嶽地帯を貫いて、それに北日本、南日本全部を支線でつないで交通網を完成するということは、何としても新しい日本の今後の国策としてぜひ実行していただきたいという念願から、この法案に賛成するものでございます。
 それから私は計画の資金方面について若干意見を申し添えておきたいと思います。これは提案者の提案したところによりますと、東京大阪間の中央道路だけで千三百五十億、もし全国だと六千五百億くらいかかる。これはもちろん大ざっぱな計算でございましょう。それで世間には、これはとてつもない大きな計画で、実行できないのではないかということを心配する人が少くないのでございます。私はこの計画を研究するときから、もちろんこの点に考慮を払っておるのでございます。私はこういう数字の問題等とはほとんどともに育った人間でございまして、数字についてはある直感の勘すらも持っておるのでございますが、私はこの問題が数字が大き過ぎてむずかしいと考えたことは一回もございません。六千五百億円を突然出せば大きいという感じがするでございましょうが、二十年で割れば年額大体三百億円でございます。昭和三十年度の予算の参考書に出ておりますところの財政投融資の計画によりますと、地方債の分まで寄せるならば財政投融資の総額は三千億をこえておるのでございます。それに比べて三百億円という数字は、大して大きな数字ではない。それから経済企画庁で発表された今後の国土開発計画の数字を見ましても、総合開発の構想という数字によりますれば、二十八年度から四十年度の資金需要量を見ましても、財政投資だけで七兆二千八百億という数字が計上されておるのであります。年額にいたしましても、これは最低五千六百億に当るのでございます。そういうふうな日本の今後の総合計画の規模から考えて、年額三百億くらいな程度の資金需要量は、そう大した問題ではございません。今日までいろいろな方面にこういうふうな財政資金あるいは投融資が行われております。もちろんこれは時代の推移によって、内容も変えていく必要もありましょう。また今までよりももっと効率的にこれを動かさなければならない事情もございましょう。あるいは今後国力が伸びて総体もふえていくことの可能性があるのでございます。問題が大き過ぎるのではなく、今後の国家の資金の使用計画においてどこに重点を置くかによって、たちまちきまる問題でございます。たとえば今日まで国土開発の重点産業として電源開発が取り上げられておるのであります。この第一次五カ年計画の所要資金量を見ると、これは千八百億円、この道路計画の五カ年計画の第一期計画はわずかに年三百億であるということで、電気の計画よりもはるかに数字は小さいのでございます。それから水力電気の発電計画は、今のまま行きますれば、本年は電源開発会社と公営を合せて四百五十億でございますが、これは四年先になりますと百六十億に減るのでありますが、その減った分だけをここに持ってきても、この計画は遂行できるというくらいの程度の問題であることを、まず皆様に御了承いただきたいのでございます。それで問題は、国会が国策の重点をどこに置くかということによって、たちまち解決する問題でありまして、日本の国力なり、あるいは今後の貯蓄なり、生産力なりと比べてみて、決して不可能でもなければ、もちろん無理のある計画でないということを私は申し上げるわけでございます。
 それからこの数字が大きいという考えから、これは外債でも起さなければできないのじゃないかという意見が一部にあるのでございます。それで私はこの点についても意見を卒直に申し上げておきたいと思います。これから私が申し上げる意見は、今この法案が出て考えついた意見ではございません。一昨年の初め、これは私が議員になる以前のことでありますが、世間では外資導入という問題が非常に大きく扱われて、外資導入がなければ日本経済の再建ができないというような意見が、相当多かった。私はその意見を聞いておりまして、これはややもすれば日本人が非常な考え違いをしておる。それで私は専門的見地から――私は実は大蔵省で二十年、国際金融の問題に私の官吏生活のほとんど全部をつぎ込んでおった体験者でございます。それで私は一昨年の始まりに、外資導入論の再検討という論文を草しまして、大蔵省の機関雑誌といわれておる財政という雑誌に投稿いたしまして、これが四月号に出ております。これから申し上げるのは、この雑誌で発表した意見のあらましでありまして、今突如としてこの法案が出たから考えついた意見ではないのでございます。
 外資導入と申しましてもいろいろありまして、たとえば技術の導入、あるいはパテントの導入に伴って、外資が入ってくる場合が多うございます。これは特殊な意義があって、私の論ずる範囲外でございまして、これはけっこうであるのであります。それから物が入ってきて、その代金の決済が外債の形で延べ払いされることもあり得る。現に過剰農産物の処理について、それが国内に投資されるということは別問題であります。これはそれ自体に意義があって、何ら批判する必要はないと考えます。それからもう一つは、外国の資本家が日本の事業が有望であるというので、投資しようという考えがあり得るのでございます。これはむしろ積極的に向うからそろばんをはじいてみて、日本の事業計画に参加しようという計画でございますから、これも時と場合によっては非常にけっこうであります。日本がそこまで経済や政局が安定するということは、われわれも希望するのでございます。これらはそれぞれの別な意味があります。私がこれから申し上げるのはそうではなしに、日本の事業計画に必要なる資金を外国から借りてくる、そういう資金の調達方法としての外資問題をいうのでございます。この資金調達方法としての外資の問題は、結論から申しますと、これは為替関係に必要がある場合に、初めて合理的根拠を見出すものでございます。わが国の歴史から考えましても、日露戦争当時の外債というのは、軍艦や兵器その他の軍需品を買うために、どうしても外資が要るという為替関係の必要から起きておるのであります。それから関東大震災の復興外債でございますが、これは復興に必要なる資材を輸入するために、どうしても為替関係が逼迫してきたので、外債の計画を立てたのでございます。これが大体外資というものの本来の必要の原因であると思います。ただ少し違っておるのは、日本の電力会社等が外債を起したことがございますが、これは直接にはその資金の条件の問題でございます。たとえば国内において長期低利の社債を起すことができないというので、外債を計画したのでございます。ただしその際においても、政府がこれを認可する場合には、やはり為替関係において必要があるという見通しがないと認可いたしておりません。そういうような日本の過去の経験から見ましても、国際収支の関係あるいは為替関係の必要がない場合に、外債を募集するということは、その理論的根拠を欠くものでございます。
 さて現在の日本の為替状況はどうかというと、もちろんまだ日本の国際収支の状況は安定しておりません。永続性のないような貿易外収入によって維持されておるという日本の国際収支は、健全ではございません。しかしながら何と申しましても、まだ昨年の輸出の好況その他からして、ただいまでは十二億ドルの外貨を持っておるという現状でございます。こういう場合において、一体何の目的でこれ以上の外貨を外債募集によってふやす必要があるかという問題があるのでございますが、私は今のところ、そういう必要がないという考え方でございます。人によりましては、日本の国際収支の状況は安定しておらぬ、将来困ることがあるかもしれぬ、あるいは輸入超過になるかもしれぬから、金を借りておくのだというような考え方で、もし外債を募集するならば、これも私は見当違いだと思います。やはり国際収支のしりというものは、正常な貿易によって合せるのが当然でありまして、借金で国際収支のしりを合せるということは、これは非常な不健全な考え方でございます。ちょうど個人でいえば、自分の収入よりもよけい消費をしたいために、借金をして生活程度を高めるというような考え方と同じでありまして、これは健全なる考え方ではございません。またそういう国情ならば、外国から金を借りなけれけば国際収支のバランスがとれないというような国に、外国は金を貸すはずがございません。それからもう一つ外債の問題で考えなければいけないことは、そのときは借りれば、国際収支の上、為替関係には都合がいいのでありますが、期限が来れば元利払いをしなければならぬ。そういう意味においては、長く国際収支というものにマイナスになるのでございます。これはただ金をもらった場合と違うことは申し上げるまでもありません。ことに事業会社として、あるいは会社でなくても、事業計画の上に外資を入れるということは、外資であれば、これはアメリカから借りるドルの債務になるのでございまして、原則として円の債務ではありません。そうなると、事業計画そのものよりも、将来の為替価値の変動によって、会社の経営が非常な苦況に立つとも考えられるのでありまして、そういう意味からも、外債という問題は非常に考慮を要する問題でございます。
 その次に、日本の金融政策、通貨政策の上から見て、一体外債というものはどういう関係を持つかということが、非情に重要な問題になるのでございます。金融政策から申しますと、先ほど申した通り日本の戦前の電力外債というものは、国内においても長期低利の社債を起すことができないというために、発行したものでございます。しかし今日では日本のこういう国家事業は、政府の息のかかった財政投融資によってまかなわれるという先例ができ、今後においてもおそらくその道をとるでありましょう。そういう場合には、期限の問題にいたしましても、金利の問題にいたしましても、国会の意思によってどうにでもきまるのでございまして、この点からも外債を仰ぐというようなことは必要ないのでございます。また今日日本で行われておるように、場合によっては非常な低利な国家賃金も出ております。私は外国から金を借りる場合には、原則としてそういう低い金で借りることすら困難ではないかと考えております。それから国内の通貨政策との関係を考えてみたい。もしこの事業が財政投融資でまかなわれるとする場合に、財政資金が健全財政下にまかなわれるならば、これは決してインフレーションにはなりません。歳出予算の一項目として税金で払われるわけでございますから、インフレーションにはなりません。それから金融債その他でまかなわれる場合におきましても、これは国民貯蓄の利用によって行われる場合には、これまたインフレーションになりません。貯蓄の活用にとどまるのでございます。ただそういう場合に新たに国債を日本銀行引き受けによって発行する、いわゆる一種の赤字公債で公債を出してその金をここへつぎ込むとか、あるいは金融債にいたしましても、しりを日本銀行へ持っていってめんどうを見てもらうというような、そういう形でこれが融資される場合には、初めてインフレーションの原因になるのでございます。ところが外債を起してこの事業資金に充てまする場合には、例外なく一応インフレーションを起すのでございます。外債を起すと国内の景気がよくなるというような一般現象をいうのは、その現象をいうのであります。何となれば、たとえば公社なり会社なり、道路の建設資金を外債で調達したという場合には、その外国で借りた外貨というものは向うへ預けておいて、そうしてその外貨を国なり日本銀行なり為替銀行に売って、そのかわり金たる円を国内で労賃に支払いあるいは材料の購入に使う、国内にばらまくのであります。従ってこれは明らかに例外なり通貨の増発の原因となるのであります。ただ普通の赤字財政等による通貨の増発と違う一点は、この日本で散布した円資金の裏づけが、外国に外貨としてあるといよう一点にあるのであります。しかしこれ自体は直接には国内の通貨には、裏づけがあろうとなかろうと影響ありません。ただ影響あるといたしますれば、その外貨で物資を購入して日本へ輸入して、その物資を国民に売りつけてその資金を吸い上げて、初めていわゆる通貨増発の原因を除去することができるという、その潜在力を持っているという点において違うのであります。ところが今日一体そういうことを目当てとして何をよけい輸入することができるか、またそれが国策として適当かどうかという大きな問題があるのであります。今日食糧にいたしましても、これ以上無限に外国から食糧を輸入することは幾多の困難があるということは、皆様御承知の通りであります。砂糖にいたしましても、もう百万トンの計画があれば、これ以上輸入する余地はありますまい。それからその次の生活必需品である繊維製品等について、どんどんふえて困っているという状態であります。鉄はどうでございますか。鉄も国内ではもう消化し切れずに、輸出の方面に極度にふやけようとしておるのでございます。そういう場合に一体何を輸入して、国内の通貨を吸収しようとするのでございましょうか。これは一歩誤まれば、ぜいたく品、浪費の原因を作るということにすぎないのでございまして、むしろこれは非常に警戒を要する問題でございます。あるいは機械でも入れればというようなこともおりますけれども、これもやはり輸出産業に関連する産業に必要な機械でなければ、ただ国内の水準を高めるということに終るのでございます。機械にいたしましても、国内では相当機械ができるのでございまして、それをむやみに外貨があるからといって、外貨活用の名において、日本でできる機械などを輸入することは、国産奨励、産業振興の本旨にももとることになるのであります。これは非常にむずかしいのであります。
 そういうふうに為替関係から見、金融関係あるいは通貨政策の見地から見ても、これは非常に考慮を要する問題である。外資さえ入れれば簡単にできるというようなものではないと私は考えておるものでございます。いわんや先ほど申した通り、為替資金が要る場合には外債の理由がある。ところが今度の道路計画を見ましても、年額三百億にいたしましても、この資金の三割は労賃として国内に落ちるのでございます。あとは物件費でございますが、そのうちおもなる材料といたしましては鉄が二十ヵ年全部で百二十万トン、それから木材が四百万トン、セメントが六百万トンという参考資料を与えられておるのでございますが、外国からの輸入というものは、鉄の原料だけである。年額六万トンの鉄の需要でございますか、これは原料としてならばこの半分、三万トン程度で、問題にならぬ。これがために外貨を入れるという理由は全然ないのでございます。そういうふうに考えますと、やはり国内で円で済ませる金を外貨を借りるなんということを考えずに、お互いの貯蓄によってこれだけの事業を子孫に残すために、営々として働いてかせぎ出すという方針がよろしいのでございます。これは先ほど申した通り、わが国の国力、また貯蓄力の傾向から見て何でもないことだということを重ねて申し上げまして、皆様の御計画に賛意を表し、ぜひすみやかにこの法案を通して、国民に前途の希望を与えていただきたいということを申し上げまして、私の意見を終ります。
○内海委員長 大和運輸株式会社社長小倉康臣参考人の御意見をお願いいたします。
○小倉参考人 私は一民間人でございまして、単に大和運輸株式会社の自動車運送を三十六年経営しておりまして、現在まだ社長の職にございます。自動車利用ということにつきましては長年の経験がございますために、かような道路利用の面につきましても寄り寄りの業者が集まりまして、そうしていかにもっと高度の運送の経済をとり得るかということに対して、非常に研究しつつあるのでございまして、たまたま今回この法案が超党派的にここに提案されたということは、まことに私たち長い経験の上から見まして、国のために非常にこれはプラスになることなのだということで、喜びにたえないのでございます。しかし先刻金子参考人の仰せになりました。第三条を削除したらということは、私はその削除なさる御意見はあえて批判はいたしませんが、自分としてはこの第三条を削除しましたならば、全くこの法案は何のために作られたのだということの疑いを持つものでございまして、この自動車の高速度道路というものがあるからこそ、この法案の存在の意義があるのだと思いますから、この三条はいかなることがあっても、われわれはぜひともこの中から削除されないように願ってやまないのでございます。
 ただいま青木参考人から財政面を伺いましたが、まことに心強く感じたのでございます。私は財政面とかあるいは建設方面の技術面については、何ら経験も知識もございませんが、運輸の利用の建前から一応申し上げるのでございますが、ただいまの自動車は御承知のごとく、トラックでありましても大体スピードは六十キロが標準になっておるのでございます。しかるに現在自動車の形はだんだん大きくなりまして、昔は自動車は馬力、手車と同じような利用価値にしか社会から見られておらなかったのでございますが、今日では飛躍しまして、鉄道と両方見合せた、いわゆる中等の運輸機関、こういうふうになっておりますので、大運輸機関とは申しませんが、そういうふうな建前で、長距離をねらって運送事業者はみなこれを行なっておるのでございまして、旧来の小型自動車の貸し切り運送なるものは、トラック運送事業としてはその一端にしかすぎないことになったのであります。それでただいま同業におきましても、われわれにおきましても行なっておるのは、大体東京−仙台間の四百キロ、それから東京−大阪間の五百四、五十キロでございましょうか、これが大体目標になって、大型自動車の利用をしておるわけなのでございますが、この全体の運行の平均スピードはどのくらいかと申しますと、二十二、三キロ平均にしかなっていない。一時間に大体二十五キロというものを経営の標準にしております。でありますから速度を最も重点とする使命を持っておる運輸機関が四十キロ、五十キロという平均の速度を保ち得ないという事情は、多少途中で停車の時間もございまするが、大体において道路の狭隘と交通の複雑化が自動車のスピードを狭めておるのだということになるわけなのでございます。御承知のことと思うのでございまするが、米国のハドソン河の下あたりなどを通しますのは、むしろ最低速度を抑えておるというような事情は、おいでになった方はよく御存じだろうと存じ上げまするが、この都市における交通事故防止の見地から、速度制限をすることは別の見方としてやむを得ないものでございましょうが、都市と都市の間を結ぶところのほんとうに自動車の性能を生かす場合に、速度がそれほど利用ができないということになりますれば、これは大へんな経済面において支障を来たすものでございまして、かりに一日にすべての用を果せるものが二日間になるということになりますれば、ちょうど性能の二分の一しか果せないということになるわけでございます。最近におきましては東京−大阪間の鉄道は非常に改善されまして、いわゆる業者がワキ列車と申しております小荷物運搬列車でございますが、これへ夜分積みますと、大体翌日の朝大阪へ着き、そうして配達しておりますので、大体十七、八時間から二十時間以内には需要家の手に移っておるのでございますが、その前後の取扱い、またいろいろ条件にはばまれまして、トラックがまたやはり二十時間から二十二、三時間で、現在業者として一般の需要家から委嘱を受けまして、そうして運送をしておるというような状況なのでございます。何といってもただいまの東海道は御承知のごとく自動車は走らせるということよりも、まずもってどうして事故をなくするかということの方に専念するが、これは運転手の言葉を借りて言うわけでございますが、自動車の使命の達成になっているのじゃないかと考えております。こういう面から見れば自動車を産業的に価値を高めるということにつきましては、ただいまのような事情ではとうてい産業の開発に自動車が万全の備えをなすということはなし得ないと思っておりまして、今回この縦貫道路ができるということにつきましては、われわれ業者の中では非常にこれは期待しておるのでございます。ことに先刻御説もありましたが、これはちょうど日本の本土の中心を走るものでございまして、両方に肋骨道路があれば、物資の交流が非常に便利であろうというお話でございましたが、まさに私たちは経験の上から、西日本と東日本をつなぐところの自動車による物資の交流というものは、まことに不便をきわめておるのでございまして、この点何とか開発の道がなかろうか、こういうように考えておりまするが、一応はこの縦貫道路ができますれば、肋骨的のこのローカル線は当然できるものでございますから、国土は縦横にあげて物質の交流については一段とその効果を現わすものではなかろうかと思うのであります。
 しかも地下資源の開発ということは、これはわれわれの関係したことではないのでありますが、この地下資源の開発以外には、地上の産業物資を横に流すということが最も必要なものではなかろうかと思っております。実は私は昨年の春にジュネーブで労働会議がございまして、あちらに派遣を命ぜられ、帰りにドイツ、フランス、英国、米国を回りまして、運輸というものを中心に各方面の方々にお目にかかりまして、いろいろの意見の交換をして参ったのでありますが、結論はやはり運輸には道路がなくてはだめだ、お前の国の道路はどういう状態かといって、運輸自動車の形態を聞かれるよりは、まずもって道路の状態を聞かれたということについて、私は非常に日本の現在の道路に対して考えざるを得ないというふうに感じて参ったのであります。当時ドイツは平和協約が完全に行われておらなかったのでございますけれども、フランクフルト、デュッセルドルフ、ハンブルグ方面の道路は非常に完成されておりまして、日々の物資の取引は、すこぶる簡便に行われておったのであります。スピードの時代は取引を非常に速めるということは論を待たないことであります。飛行機のスピードはだんだんと超スピードになりまして、私が乗りましたDC6の速度は一時間四百キロでありまして、なお聞くところによりますと、ただいまはまた四百五十キロくらい出るDC7ができたということを見ましても、これは空中の問題でありますが、私たち地上の運輸業としては、物資の交流に対してはもっともっと速度的に考えなければ、われわれの使命は達成できないのだということを感ずるわけであります。かような建前から今回のこの案に対しては、ほんとうに私たち一日も早くこれが成立することを望んでおるものであります。またこれの具体的な措置も、追って近いうちにあるべきではないかと考えております。
 もう一つ申し上げますと、この道路を有料にしたらどうか、無料はどうかという説がございましたが、業者としてたとえられるところの負担は、あえて惜しむにあらずと思います。これができますれば、ガソリンなり重油の経済もはかられます。また労務管理上非常に便宜も与えられます。また時間も非常に速くなりますれば、労銀の上にもそれだけのセーブをされるようなわけでございまするから、こういう点から見まして、この道路ができれば、国土全体の産業の開発から申しましても、われわれ業界もまたひいてその恩沢に浴することになるわけでございます。なおこれに関連しまして、ただいますでに国内においても四大自動車会社がディーゼル・エンジンを作りつつありますが、ガソリン豊かなアメリカは別問題といたしまして、ドイツにおきましても、英国におきましても、ディーゼル・エンジンは非常に研究されております。私はディーゼル・エンジンにつきましてもドイツの各方面を見て参ったのですが、日本のディーゼル・エンジンのただいまの性能は、あえて外国製品にまさるといっても劣るものでないという感じを持って喜んで帰って参ったのであります。しかもその使用の油は重油でございますから、量においても非常に経済であるし、また原価においても非常に安うございます。それからまた積載量も非常に効率が高まりまして、従いまして道路が開発されれば、一段と自動車方面の改善がはかられるのではないか。これもひいてやはり産業開発の一端に間接ながらなるのではなかろうかと考えておるのでございます。かようなわけで私たち今度のこの問題につきましては、まず産業の開発なんだ、第二には観光日本として幾分でも外貨をとるべく、一つの仕事にもなるのだ、また大きくは国家国防の立場からも、これだけの大きなものはあるべきではなかろうか、こういうふうに考えまして、国家の若返り法の一つとしてこれはあるべきではなかろうか、こういうふうに考えておるのでございます。
 法律関係につきましては、あえて現在の道路法などを私たちは業者の立場から考えてはおりません。当然これにふさわしいところの法律もでき、あるいはまた現在のわれわれの所管官庁は運輸省でありますけれども、日ごろ私たちの唱えておるところの交通省でございますが、交通省の設置でもしなくちゃなるまいか、こういうふうにも考えております。これはどうも関係官庁には多少まずいことがあるかもしれませんが、私たちの希望はどこまでもそうあるべきではないか、これは一国民の立場からもかように考えておるのでございます。なお道路の維持、管理その他につきましては、何かの機関ができますれば、私たちあげてまた建設省方面と御相談をいたしますが、この道路は、先刻青木参考人からもお話のごとく、観念的ではございますが、結局これは国家の消費でなく、国家の建設であるのだ、しかも産業のプラスであるのだということを考える場合、一日も早くこの法案の通過を望んでやまないのでございます。簡単でございますが、一言所見を申し述べた次第であります。
○内海委員長 青木、小倉両参考人より長時間にわたりまして本問題に対する参考意見の開陳がありましたが、これより委員各位の質疑に移りたいと存じます。質疑はありませんか。――実はこの法案は御承知の通り衆議院議員四百二十九名の提案になっておるものでありまして、ただいまの青木先生の内外における財政経済及び資金の操作等について最も広く、深い御意見の開陳があり、さらにまたわれわれの計画しておるところの国土開発の縦貫道路の建設に対しましては、力強い御意見の発表があったのでございますから、もちろん質疑はあるはずがないと私も信じておったのでございます。さらにまた小倉さんは業者の立場より、広く内外をよく踏査してこられまして、日本の実情に照らしての意見の開陳等、まことに貴重なる御意見でございました。それでは御両者に対してごあいさつ申し上げます。
 本日は非常に炎暑の折柄、長い御時間にわたりまして深く、広い御意見の御開陳を承わりまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。
 それでは本日の参考人よりの意見聴取は、この程度をもって終ります。
    ―――――――――――――
○内海委員長 引き続き議題が一つありますから、委員諸君にお諮りいたします。建築士法の一部を改正する法律案を議題といたします。まず提出者より提案理由の説明を聴取いたします。田中一君。
○田中参議院議員 ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案について、発議者の一人として、その提案の理由並びに内容の概略について御説明いたします。
 建築士法は国民の生命、財産に至大の関係を有する建築物の災害等に対する安全性を確保し、質の向上をはかるため、昭和二十五年第七国会において制定されたものであります。同法は建築物の設計、工事監理等を行う建築技術者の資格を定め、その業務の適正をはかることを内容としておりますが、五年間の法施行の実績にかんがみ、建築士事務所の業務に関する規定を整備するため、今回の改正を必要とするに至った次第であります。
 改正の内容について申し上げますと、第一点といたしましては、建築士事務所の開設について、都道府県知事に対する従来の届出を登録に改め、登録の有効期間を三年とし、引き続いて業を営む者については更新登録を行うことといたしましたことであります。これは登録を行うことにより不良建築士事務所を一掃して、建築士の社会的信用の確保をはかるためであります。
 第二点といたしましては、従来建築士事務所が届出を必要とする場合は、業として設計または工事監理を行うときに限られておりましたものを、建築士法上建築士の業務とされているその他の業務、すなわち建築工事契約、建築工事の指導監督、建築物の調査鑑定、建築に関する法令に基く手続の代理の業務を加えまして、建築士専務所の業務上の責任の明確化をはかったことであります。
 次に第三点といたしましては、建築士事務所の登録制の実施に伴い、登録の申請手続、登録の拒否の場合、登録簿の公開閲覧、設計図等関係図書の保存、標識の掲示、登録の取り消し、抹消の場合、報告検査等についての規定を、他の登録制度の例にならって設け、業務の適正化をはかったのであります。
 最後に第四点といたしましては、法施行の際現に都道府道知事に対して事務所の届出をしている者について所要の経過措置を定め、実施上の円滑を期したことであります。
 以上が改正法律案の内容の大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。
○内海委員長 本案に関しまする質疑は次会に譲りまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十八分散会