第022回国会 農林水産委員会 第18号
昭和三十年五月三十一日(火曜日)
    午前十時五十九分開議
 出席委員
   委員長 綱島 正興君
   理事 井出一太郎君 理事 松浦 東介君
   理事 大野 市郎君 理事 足鹿  覺君
      赤澤 正道君    安藤  覺君
      石坂  繁君    楠美 省吾君
      小枝 一雄君    笹山茂太郎君
      原  捨思君    本名  武君
      助川 良平君    田口長治郎君
      中馬 辰猪君    松野 頼三君
      有馬 輝武君    淡谷 悠藏君
      井谷 正吉君    井手 以誠君
      石田 宥全君    芳賀  貢君
      伊瀬幸太郎君    川俣 清音君
      佐竹 新市君    中村 時雄君
      日野 吉夫君    久保田 豊君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      宮川新一郎君
        農林政務次官  吉川 久衛君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      大坪 藤市君
        農林事務官
        (農地局長)  渡部 伍良君
        農林事務官
        (蚕糸局長)  塩見友之助君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (大臣官房総務
        課長)     檜垣 好文君
        農林事務官
        (農林経済局金
        融課長)    和田 正明君
        農林事務官
        (農林経済局統
        計調査部長)  野田哲五郎君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        災害復旧課長) 大塚 常治君
        農林事務官
        (農業改良局総
        務課長)    庄野五一郎君
        農 林 技 官
        (水産庁次長) 岡井 正男君
        日本専売公社理
        事
        (生産部長)  西山 祥二君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
        専  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
五月三十一日
 委員赤路友藏君及び楯兼次郎君辞任につき、そ
 の補欠として有馬輝武君及び井手以誠君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月二十七日
 砂糖の価格安定及び輸入に関する臨時措置に関
 する法律案(内閣提出第九六号)
同月三十日
 開拓融資保証法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二九号)(参議院送付)
同月二十七日
 米の生産者価格是正等に関する請願(小枝一雄
 君紹介)(第一一〇八号)
 十勝川上流音更川水系かんがい用水に関する請
 願(本名武君紹介)(第一一〇九号)
 農林省六日町開拓建設事業予算復活に関する請
 願(大野市郎君紹介)(第一一四四号)
 甲山町の治山事業促進に関する請願(永山忠則
 君紹介)(第一一四五号)
 治山関係予算増額に関する請願(福井順一君紹
 介)(第一一四六号)
同月二十八日
 米穀の配給制度に関する請願(中馬辰猪君紹
 介)(第一二五一号)
 米穀の集荷制度に関する請願(中馬辰猪君紹
 介)(第一二五二号)
 東京湾千葉県海面の廃油による被害補償に関す
 る請願(福井順一君紹介)(第一二五三号)
同月三十日
 千葉県のひよう害対策確立に関する請願(吉川
 兼光君紹介)(第一二八六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に
 ついて、内閣委員会に連合審査会開会申入れに
 関する件
 水害、凍霜害及び雹害による農業災害等に関す
 る件
  ―――――――――――――
○綱島委員長 これより委員会を開きます。
 過般の九州方面の水害福島、長野等の霜害、関東その他七県にわたるひよう害等によりまして、農作物等について非常に被害を生じておるのであります。これらの救済が緊急の要請となっておりますが、これらの災害について政府において調査されたところの説明を願い、あわせて対策についての諸般の調査を進めたいと存じます。七県の被害額は非常な多額に上っておりまして、九州地方の分は四十億円以上に及ぶと申しますし、霜害も相当な額に及んでおり、このひようによる被害も実に二十二億円に及んだと説明されております。さようなわけでございますから、これから一応まず説明員をして、大体農林省がただいままで調査しておる実情を報告いたさせます。檜垣説明員。
○檜垣説明員 それではただいまお話のありました水害、凍霜並びにひよう害につきまして概況を御説明申し上げます。資料はただいま印刷中でございますので、追つて御配付申し上げますが、一応災害のただいままでの概略を申し上げます。
 まず四月十四日ないし十七日の水害でございますが、おもなる被害地域は北九州、高知、鹿児島県等でありまして、その災害の状況は、まず麦類につきましては被害面積が八万九千八百七十五町歩、金額を概算いたしますと十二億四千六百万円、バレイショにつきましては二千百十町歩、被害金額にいたしまして一億七千四百万円。菜種につきましては面積八千二百八十町歩、金額一億二千七百万円。雑穀は面積にいたしまして四千九十町歩、これは種類が多いものですから、金額の算定はいたしておりません。野菜につきましては面積三百四十町歩、果樹面積九十町歩、工芸作物面積三十町歩、桑面積三十八町歩、それの合計面積でありますが、十万四千八百五十三町歩になっております。
 次に凍霜害でございますが、これは四月五日、六日の分と四月二十日ないし三十日の分に分けて調査をいたしておるのであります。前者の分はおもなる地区は関東、東山及び九州南部でありますが、麦類にいたしまして被害面積が六万七千四百八町歩、被害金額が八億六千七百万円。バレイショが面積九千二十町歩、金額にいたしまして一千万円。菜種一万三千四百四十町歩、金額にしまして四千九百万円。雑穀は面積が百三十町歩、果樹が面積四百町歩、工芸作物が五千二百六十町歩、桑四千四百九十八町歩、これは金額にいたしまして九千百万円。お茶でありますが、面積が一万二千七百二十町歩、これの面積の計でありますが、十一万二千八百七十六町歩、以上が四月五日ないし六日の凍霜害でございます。次に四月二十日ないし三十日の東北、北関東、東山を主体といたしまする凍霜害でありますが、麦類にいたしまして面積が二千五百六十町歩、金額にいたしまして約三千百万円。バレイショが面積四百八十町歩、金額六百万円。菜種二千三百十町歩、金額一千六百万円。果樹面積四百十町歩、桑面積一万六千七百三十六町歩、金額にいたしまして五億七千五百万円。お茶が百八十三町歩、面積計が二万二千六百七十九町歩、この凍霜害の以上の両者を合計いたしますと、麦類の面積計が六万九千九百六十八町歩、金額八億九千八百万円。バレイショが九千五百町歩、金額一千六百万円。菜種一万五千七百五十町歩、金額六千五百万円。雑穀百三十町歩、果樹八百十町歩、工芸作物五千二百六十町歩、桑面積が二万一千二百三十四町歩、金額六億六千六百万円、お茶一万二千九百三町歩、計にいたしまして面積が十三万五千五百五十五町歩、以上が凍霜害の両者の計であります。
 ひよう害につきましては、五月十五日に関東、北陸東山、静岡、五月二十三日ないし二十四日に中国、四国、近畿、北陸をおもなる地区といたしまして、相当大きな被害があったのであります。これにつきましては目下調査中でございまして、六月一日現在で大体の数字をまとめることになっておりますので、六月八日ごろに大体の被害金額あるいは面積等の数字が出てくることになっております。以上がただいままでの農作物関係につきましての災害状況であります。
 施設につきましては、別途災害復旧課長の方から御説明をいただくことにいたしまして、今までに一応とつて参りました対策の概要を申し上げますと、まず各被害府県から出ておりまする営農資金の融通並びにこれに伴いまする利子補給あるいは損失補償等の問題でありますが、これらにつきましては、従来の例にならいまして、関係局課におきまして必要金額の算定をいたしておるのであります。これらの新規貸付と関連いたしまして、被害農家が二十八年あるいは二十九年に同様の災害によりまして資金の貸付を受けておるのがありますが、これらにつきましてはやはり経済状況を調査の上、今年度償還分の償還猶予あるいは期限の延長等の措置を講ずる要があるかと思うのでありますが、これらにつきましては御承知のように特別立法等を要しまするので、これらにつきましていろいろ御検討をお願いいたさねばならないのであります。
 次に農業保険共済金の関係でございますが、麦の共済金につきましては、特に福岡、佐賀両県におきましては、二十八年の大災害とほとんど地区が重複いたしておりますので、関係農家の経済も相当困窮しておると思われるのであります。再保険金の概算払いが必要であるというふうに認められますので、去る五月二十一日付をもちまして、両県あてに概算払いにつき必要な申請手続をとるように指令を発しておるのであります。
 それから御希望がございました飯用押し麦等の問題につきましては、ただいま佐賀県から非公式に話が出ておりますが、そのほかの県ではまだ県の要請等がないようでありますから、これらは県等の要請によりまして被害状況を勘案し、必要なる措置を講じて参りたいというふうに考えておる次第であります。
 そのほかのもの等につきましても、とりあえず行政的に各般の施策を講ずるように指導をいたしておるのでありますが、ただいままでのところ、一応私どもの方でとりました措置の概要を御説明申し上げた次第であります。
○綱島委員長 なおタバコ被害について担当官より御説明を求めます。専売公社西山生産部長。
○西山説明員 去る二十三日以降のタバコに対するひよう害の概略を御説明申し上げます。
 今回のひよう害の地域は相当広範にわたっておるのでございますが、その被害の程度につきましては、地域によりあるいはまたタバコの耕作時期がそれぞれ相当相違いたしておる地域もございますので、被害の程度は必ずしも一様でございません。現在入手いたしております被害見込みの概況を数字をもって申し上げますと、神奈川県におきましては耕作許可面積九百五十町歩に対しまして被害面積が四十二町歩、千葉県が千八百三十町歩に対しまして百五十町歩、茨城県が七千五百二十五町歩に対しまして三十七町歩、栃木県が五千四百四十四町歩に対しまして七十二町歩、長野県が千三十七町歩に対して五十二町歩、静岡県が千六百町歩に対しまして三百十二町歩、京都府が五百九十五町歩に対して三町歩、兵庫県が一千四百七十町歩につきまして百五町歩、岡山県が三千四百七十七町歩に対して六百五十八町歩、鳥取県が七百八町歩に対して十五町歩、広島県が二千八百三十町歩につきまして六十町歩、香川県が三千三百八十八町歩につきまして百八十三町歩、愛媛県が二千二十町歩に対して十一町歩、徳島県が二千五百二十町歩につきまして百二十五町歩、高知県が千六百二十五町歩に対しまして三十八町歩、合計関係府県の総耕作反別三万七千十九町歩に対しまして、一千八百六十三町歩が被害見込みの反別であります。このうち三割以上の被害をこうむりました面積を、全村全部壊滅いたしました被害に換算いたしました全村反別では、六百五十六町歩になるのでありまして、この被害によりまして予想せられます減収の量目は、数量は百十万四千キロであります。金額にいたしまして三億六千九百万円の見込みであります。しかしながらタバコの被害につきましては、災害をこうむりました直後受ける印象はきわめて深刻でありまして、全くたたきのめされたごとき感じを持つのでありますが、その後の適切なる善後処置によりましては相当程度被害を軽減し、復旧を見るのが通例でございますので、公社といたしましても即刻それぞれ最善の方途を講じまして、被害を最小限度に食いとめるべく努力指導を傾けておるのであります。従いまして終局においてどの程度の被害をこうむつたかということは、現在の段階においては予想が困難でございます。以上が被害の概況でございます。
○綱島委員長 北海道のニシンの不漁、凶漁について農林省において何か調査ができておりましたら――それではまだ見えておらないそうでありますから、統計調査部長や蚕糸局長、農林経済局長、金融課長あるいは今まで話された方等が皆見えておりますから、質問がありましたら順次これを許します。小枝君、
○小枝委員 私は実は土曜日、日曜日を利用いたしまして災害地の現地の調査をして参りました、全国数十府県にわたるところの今回の降ひよう並びに凍霜害は、その深刻なることにおいて実に惨状目をおおうものがあります。そこでただいま当局から御説明がありましたが、何と申しましても早期かつ徹底したる対策を樹立いたしまして関係農民を救済しなければならないことは、これは政府の当然の責務であると思うのであります。従いまして営農資金の貸し出し、これに伴う利子の補給あるいは災害保険に対する概算払い等は当然なことでありますが、そのほかこれに付随するところの幾多の対策が早急に立てられなければならぬと考えるのであります。私は農林当局に対しては、しばしばお目にかかり、そのつど要求をいたしておるのでありますが、この際幸い専売公社の方がお見えでございますので、専売公社の御関係のタバコに対してどういう御処置をお考えになっておるかということをお伺いいたしたいと思います。御承知のように、タバコは農民が資金的にも相当な犠牲を払つて、これを非常に大きな経済的な財源として、営営としてやつてきておるのであります。肥料といい、その他手数といい、農民としてはこれには多大なる犠牲を払つてきておるのであります。従いまして、ただいまお話のようにその被害を最小限度にとどめることは、これは最も必要なことであると思うのであります。私が現地へ行って耕作農民の話を聞きましたところによると、新芽を出して、多少低級なものではあるけれども、さらにこれを生産に役立たせる方法がある、こういう話を聞いておるのでありますが、そういうことを専売当局としては御指導なさる御意思があるかどうか、この一点をまずお尋ねしてみたいと思います。
○西山説明員 ただいまお尋ねのタバコの善後措置についての点でございますが、御意見のごとく、被害を受けましたタバコの株につきましては、わき芽を育てることによりまして、これに適当なる肥培管理を施しまして、場合によってはほとんど被害をこうむらない株に近い程度の収穫を上げる場合もあるのでありますが、もつぱらタバコの成育時期の段階によりまして、その回復の程度は異なって参るのであります。従って中国地方のごとくタバコの作の済んでおります地域において被害をこうむりましたものは、被害の挽回が相当困難でありますが、東北に進むに従いまして挽回をすることは非常に容易になってくるわけであります。さしあたりましては、それぞれ現地の指導者を督励いたしまして、わき芽を育てる、あるいは往々にしてその後発生いたします病害の予防に努める、これがために特に硫酸カリ等の必要肥料の特配等も考慮いたしております。手持ち肥料を早急に配給いたしまして、でき得る限りの措置を講じておる次第であります。
○小枝委員 そういう御意思のあることは了承いたしましたが、これは事務的処置になると思うのですが、等級その他について、こういう被害地については特別に御考慮なさる方法があるものかどうか、これも伺つておきたい。
○西山説明員 品質の鑑別、等級につきましては、従来もさような事例は多いのでありますけれども、特殊事情に基く鑑定の手心等のことは実施いたしておりません。
○小枝委員 専売当局の御意思は大体了承いたしました。
 次に農林省に一、二お伺いしておきたいと思います。御承知のように再生産に要する営農資金の貸し出しは早急を要すると思うのであります。そこで私どもが大体記憶しておるところによりますと、昨年の災害に適用いたしました法律が今なお現存しておると思う、期限がまだ切れていないと思うのでありますが、これは何日ごろまでになっておるか、わかりましたらこの際知らしていただきたいと思います。
○大坪政府委員 この前の法律につきましては、すでに期限が切れておると申しますか、当該の被害について立法措置をとつておりますので、やるといたしますれば、これは新しい立法措置が必要ではないかと思うのであります。この点につきましては、先ほど別の政府委員から申し上げたと思いますが、農林省といたしましては、今回の被害の状況にかんがみまして、できることであれば、資金融通の措置ができますように立法措置を研究しておるのであります。しかしそれにつきましては大蔵当局その他関係方面の了解が要るのでありますから、目下私の方で立案を準備しておるのであります。
○小枝委員 それでは大坪局長の下におかれましても、その立案を早急にやつていただきたいと思うのであります。
 それから麦の被害でありますが、麦の被害は外見よりも実相に至っては非常に深刻なものがあります。新麦によって食糧を予定いたしておる農家は、さしあたり実に困るのであります。これに対しまして何とか低廉なる麦をさつそく農家に売り渡されるような便法をそれぞれ当局において心配してもらいたいという要望があるのでありますが、これに対してどういうお考えを持っておられますか。
○檜垣説明員 ただいま御説明のときにちょっと触れておきましたが、飯用押し麦につきましては、過去にも被害の激甚な地帯に安売りあるいは代金の延納措置を講じた実例がございますので、府県等の要望によりまして、被害状況を検討の上措置して参りたいと考えております。安売りの場合は御承知の通り特別立法が要ります。それから代金延納につきましては、大蔵省との協議を要しますが、その要望が出ましたら、それに応じて検討いたしたいと思います。ただいまのところ佐賀県だけ出ております。
○助川委員 それでは生産部長さんに最初お伺いしたいと思います。二十九年産の産米につきましては、御承知のように減収加算金が支払われることに決定を見まして、それぞれ災害地における米作農家におきましては一応の安定感を持っておるわけでございます。ところが御承知のように二十九年産の葉タバコは非常な災害を受けまして、それに対する対策としましても、公社におきましてはそれぞれ真剣に検討されて参りましたことは、十分承知もいたしておるわけでございますが、こうした産米に対する対策がしつかり確立されました現在におきまして、公社として葉タバコについての減収対策をどういうふうにお考えになっておるか伺いたい。
○西山説明員 ただいまお尋ねの二十九年産のタバコの減収に対する処置の問題でございますが、昨年のタバコの作柄は、種類により、地域により非常な差異があるのであります。全国的に全種類を通じての作況は、必ずしも不作とは申せないのであります。すなわち豊凶係数にいたしまして約九七に相当する程度の作柄であったのでありますが、不幸にいたしまして、いわゆる松川葉系統の第二在来種の作柄がはなはだしく不作でありました。その地域は関東以北の地帯であります。この地域のこの種のタバコの耕作者の減収被害に対しましては、われわれといたしましても深甚なる同情を寄せておる次第であります。従いまして昨年収納の途中におきましてもこれが善後措置に苦心いたして参つたのでありますが、結果的には、昨年度末の三月におきまして、耕作者の負担しております耕作組合費の軽減をはかることによって、相当程度この減収による打撃を扶助し得るという考えのもとに、組合交付金を二千数万円関係耕作団体に交付することによりましてこの救済措置をいたしたと考えておる次第でございます。これにつきまして、なお耕作団体あるいは耕作者の方々に一部不満の声があるということは承知いたしておるのでありまして、公社といたしましては最善の努力をいたしたつもりでありますので、御了承をいただきたいと存じます。
○助川委員 公社としては最善の努力を尽されたというお話ですが、実際に耕作者の立場から考えますと、団体交付金というものの内容につきましては、公社自体が組合を監督、指導される立場に立っておられますのでよく御承知のはずでございますが、一例を取り上げて組合の内容を申し上げてみますと、松川葉を一番よけい作つておる福島県の平均程度の組合の内容から見てみましても、歳入総額が大体八十万円といたしますと、その中の組合員の負担分が七十四万円くらいであります。公社で交付金として支出するのは九千円が通常の交付金で、今度の特別の交付金は二万一千円、大体三万円ということでまかないがされておるようであります。一方支出を見てみますと、公社が耕作組合に対して指示する事業に使われておる金額が、納付のあっせん費なり検査査定案内費なり当てこむ検査費、あるいは防犯協議会、婦人団体の施設費、そういう指示事項に基く組合の事業全部を調べてみますと、大体二十四万円くらいに当つておるわけでございます。こうした多額の組合員の負担の上に公社の事業を代行しておる。それに対して公社が金を出すことは当りまえなことなんで、一割にも満たないわずかの交付金で公社の事業を代行させる、それに若干の団体交付金をつけ加えて、それで減収加算の対策だということはとうてい理解するわけにいかないのでございます。特に今の局長さんのお話からいたしますと、米の減収加算は九五%以下の非常の災害という場合には減収加算の方式が立てられ、それによって行われるのに対して、タバコの場合は全国を通ずると九七、八%になる、だからタバコの場合は減収加算の方式を全然考える必要がないのだというお気持のように受け取られるのですが、その点はいかがでしよう。
○西山説明員 先ほどの御説明に漏らしましたが、耕作者個々の救済につきましては、従来実施いたしております罹災補償制度の運用によりまして、昨年度は全国にわたり五億四千万円余の巨額の金を支出いたしておるのであります。この罹災補償金は農業共済のそれとはいささか趣きを異にいたして、おりまして、耕作者自身は一文の負担金も負担することなく、全額公社の負担によって支弁いたす補償金であるのであります。これによりまして通常の災害につきましては、相当程度救済ができると考えておるのであります。ただ昨年の東北地帯の凶作につきましては、異常にわたる災害でございますので、前申し上げました特別組合交付金の支出によって一そうの救済を企図いたした次第であります。しかしながら、組合交付金の支出に当りましては、専売法に明記せられております該当事項に限つて交付することといたしておりますので、関係団体の予算の必要経費の総額を交付金をもって支弁するということはできない実情でございます。さよう御了承をいたたきたいと思います。
○助川委員 二十八年産の場合におきましては、御承知のように十分の八・五以上の災害に対する減収対策をなされておるはずなんですが、その問題にかんがみますと、二十九年産の葉タバコと二十八年産の葉タバコを比較してみますと、なるほど収納代金では九七、八%と、平年作に近い数字にいっておるようですが、実際にそれを種類別あるいは局別に調べて参りますと、二十八年産の葉タバコに比べて極端に減収を見ておる地域がたくさんあるわけでございます。これを総計してみますと一万六千五百町歩が二十八年産よりも被害の多い地域でございます。さらにこれを減収加算の基本になっております米の全国的な被害率から出ておる九二%というもの以上の被害面積を調べてみますと二万八千九百町歩、非常に膨大な面積が災害を受けておるわけでございます。こうした極端に大きな災害を受けておるタバコの事業に対しまして、特に米の場合において行われておる指導方針と専売事業における葉タバコ耕作事業の指導方針とは、耕作事業そのものの内容が全く違うのでありまして、罹災保償あるいは災害補償を比較して見ましても、米麦の場合におきましては、何と申しますか、いわゆる評価で行うわけでございますが、タバコは一枚の葉も残さず全部収納して実績でその成果を判定するということになっておるわけでございます。しかるに耕作そのものにつきましては、一々専売公社で肥料の指導から耕作の一つ一つの事業につきましても全く徹底して強制指示するというやり方をやつてきておるわけであります。こうした専売制度の上から考えましても、米に対する対策と同程度、あるいはそれ以上の施策が当然とられてしかるべきだと思いますが、その点はどうですか。
○西山説明員 タバコ作の一般農作物に対する特異性につきましては、ただいま先生のおつしやられた通りであります。種々の点において相違いたしておるのであります。これがために従来も特別の措置を講じておるのでありまして、前申し上げました、罹災補償制度のごときもその一例であるのであります。それで当面の東北一帯の減収に対する措置につきましては、地域的にはなるほどはなはだしい損害であるのでありますが、全般的に申し上げますれば、先ほど豊凶係数をもって申し述べましたごとく、必ずしも凶作とは申し得ないのであります。従いまして価格をきめる場合におきましても、全種類を通じての基礎のもとに決定をいたしておりますので、これを一部一種類に限つて特別の改訂をいたす等のことは、従来の経緯から考えまして困難と考えておる次第であります。
○助川委員 大体二十八年産の葉タバコに対する十分の八・五以上の災害に対して減収加算を支払つた根拠と、今度支払われない理由を一つはっきりしてほしい。
○西山説明員 二十八年作につきましては、特別の減収的措置を講じたのでありますが、二十八年作につきましては、その豊凶係数は八〇何%の著しく不況であったのであります。従いまして全種類を通じ全般的に減収加算の必要を認めたのでありますが、二十九年作につきましては局部的であり、また松川葉以外の種類につきましても、部分的には松川葉に匹敵するはなはだしい被害を受けた地域もないのではないのでありますが、二十八年作と同様に考えてこれを処置いたすことは、先般来申し述べておりましたごとく、価格決定の考え方からいたしましても困難であると考えております。
○助川委員 部長さんの話を聞いておりますと、大体豊凶係数というものが基本になって二十八年産の減収加算が行われたと思うのですが、そう理解していいですね。そうしますと、豊凶係数でいきますと、九七・何%という数字が出てくるようでありますが、実際にその数字が出てきておる基本は反当収納量目とキロ当りの価格をかけ合せた収納代金を基準にしての豊凶係数だと思います。実際にタバコの価格の決定の問題あるいはタバコ耕作卒業を考えて参りますと、そうした考え方は間違いないのであつて、結局は基本的には反当収納量目というものを基本に置いて豊凶の問題を考えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○西山説明員 ただいまの御意見でございますが、タバコの特殊性といたしまして、一般農作物に比較いたしまして品質の相違による収入の多少は非常に大きいものでありますので、単に収量の多少をもって作柄を比較いたしますことは妥当でないと考えております。
○助川委員 実際の価格決定の方針なりその調べを見て参りますと、結局単位面積当りの生産費、生産量目というものが平年作ないしは一定の計画数量というものを前提に置いて決定されておることは、これは部長さんお認めになられると思うのですが、いかがでしょうか。
○西山説明員 タバコの価格決定のあり方でありますが、従来タバコの価格はパリティ方式を主体として算定をいたしております。これに参考的にあるいは付随的に生産地による考慮を加えておるのでございます。従いましてパリティに変動のない限り、価格の決定に変りはないと考えております。
○助川委員 それはけつこうですが、その前提として平年作ないしは一定の計画生産数量というものがあつて、そうしてパリティ方式なり何なりを立てられておる、そう思いませんか。
○西山説明員 さようでございます。
○助川委員 そうでなければ出てこないでしよう。それならば前提条件として規定されておる計画数量、量目というものが価格決定の基本に置くかれておるということを認めざるを得ないと思うのですが、いかがでしよう。
○西山説明員 価格決定につきましては、数量並びに予定キロ当り価格を基本にいたしまして平年作というものを考慮いたしておりますので、数量のみによっておるわけではございません。
○助川委員 大体専売法の規定なりあるいは公社の業務方法書なりを見て参りますと、あるいは報奨金を出すとかあるいは罰金を取るとか、そういう問題が全部収納量目というものを基本に置いて規定されております。収納量目を基本に置いて罰則の規定がなされあるいは報奨制度がとられておる実態でございますから、あくまでも前提条件としての基本には数量、量目というものが置かれておる、そう考えられるわけなのですが、いかがですか。
○西山説明員 ただいま御意見の罰則等の基準といたしまして、数量を基本にいたしておることは仰せの通りであります。また終戦直後著しく手持ち数量の逼迫いたしました際、臨機の措置として増産報奨金制度をとつたのでありまして、その際は数量を基準にいたしておったのでありますが、これは全く臨機の措置でありまして、自来平常におきましては数量を基準として決定をいたしておることはございません。
○助川委員 結局収量を前提として行うなら、あるいは収納代金を基本にして豊凶の問題を論ずるにいたしましても、いずれにいたしましても、二十八年産の葉タバコの成績と二十九年産の葉タバコの成績をとつて考えて参りますと、二十九年産よりも極端な減収を見、あるいは非常な災害を受けた地域が、部長さんは局部的と申されますが、七万町歩の面積の中で一万数千町歩の面積がそうした極端な災害を受けておる実態を考えますときに、その公社としての考え方は耕作者に対する考え方としてきわめて不親切な考え方だといわなければならないと思うのです。特に米の減収加算の面から考えて参りますと、米の減収加算の基本になる災害率というものに対応する葉タバコの面積は二万八千町歩、およそ三万町歩、七万町歩の半分に近い面積が極端な減収をいたしておるということは、当然数字の上に出てくるわけでございますから、お認めになられると思うのでございます。こうした実際をお認めになられて、米の場合よりも極端な統制と、圧力と申しますと語弊があるかもしれませんが、強力なる指示の上に運営されておる葉タバコ事業に対しまして、米がとつておる減収対策はこれ以上の、あるいはこれと同等の対策がとれないということは、どうしても理解がつかないのです。いかがですか。
○西山説明員 局部的であるから特別の措置がいたしかねるということにつきましてのおしかりは甘受いたすところであります。しかしながらわれわれ現在の立場におきましては、全般的の豊凶係数が平年作以上であります場合に、特別の減収措置はいたしかねるのでございます。
○助川委員 その場合、お伺いしておきたいのですが、米の価格の決定は一本建で決定されておるわけでございます。タバコの場合はそれぞれの種類別に価格決定がなされて、二本建の価格が立てられておる。従いましてこうした決定方式の違い方からいたしましても、減収対策の立て方としては、種類別の価格決定方式に基いて立てられてしかるべきだと思いますが、いかがでしよう。
○西山説明員 御意見はよくわかりますが、現段階においては種類別に特別の価格の改訂をいたすことは困難な事情がございますので、先般来申し述べました特別な交付金の措置によって、それと並行する罹災補償制度の活用によってがまんをしていただきたいと考えておるのであります。
○助川委員 がまんをしろというお話ですが、罹災補償規定はもちろん農業災害補償の制度とは若干会計負担の問題で違つておることは承知をいたしておりますが、それは米の場合における共済金の支払いと同じことなので、米の場合におきましてはさらに減収加算額を支払うという特殊の、もう一方の対策が確立されておるわけです。ところが米の場合よりももっともっと強い統制を指示のもとに行われるタバコに対しましては、農業災害補償制度と同じ罹災補償規定が生きておるだけで、何らそれにつけ加えられるものがないということはとうてい理解できない。従いましてぜひともこの問題に対しましては――全体の豊凶が九七%であるというふうな数字をもって部長さんは考えの基本を立てておられますけれども、大体豊凶係数でタバコの価格は左右されるはずはございません。米ならば経済原則の流れに従いまして、凶作の場合には所得がふえるように価格が上るのは当りまえだと思いますが、タバコは一枚の葉もすべて公社の一切の計画の中で処理されていくものですから、豊凶の際はそうした減収加算の考え方は別個の立場で立てられてしかるべきだと思う。公社の中における専売事業の運営の面でお考え願わなければいけない。全然別の問題として考えていかれるべきものと思うのです。そういう立場から考えますと、全般が九七・八%だから豊凶係数としては見る必要はないのだというような考え方は、とんでもない間違いであります。二十八年産よりも減収をしておる地域が一万六千数百町歩ある、あるいはまた米の減収災害率と同じ程度のものが二万八千町歩もある、こういうものが局部的な災害であるということはとうてい認めるわけにはいかない。やはりタバコ事業全部を通ずる大きな災害であるといわなければならないと思う。それが認められないはずはないと思うのですが、いかがですか。やはり局部的な災害ですか。
○西山説明員 御意見はよく拝聴いたしましたが、事は重大でございますので、一存をもってお答えいたしかねるのであります。
○足鹿委員 関連して。ただいまタバコ災害に対する質疑が行われているわけでありますが、このタバコ関係を見まして一番矛盾を感じますことは、耕作をしている七万戸余りの農家というものは、タバコに関する限り専売公社を通じ主として大蔵省の所管でいろいろと支配を受けている。ところが実際においては農業経営自体は農林省が全般的な指導運営に当つている。そういうところに同じ農作物でありながら、米に対しては凶作加算が昭和二十九年産については御存じのようにいろいろな経過はあったが、百四十円出るようになりましたが、タバコの場合は今聞いておりますと、部分災害だという理由でもってこれが支払われない。しかし受ける農家はみな同じである。これは明らかに大きな矛盾だと思うのです。これに対して、部長もある程度は矛盾をお認めになって、何とかしなければならぬ御意思があったとしても、事が重大だからどうにもならぬ、こういう御答弁でありますが、そこでこのタバコ問題については、賠償価格の問題を初め、今助川委員から追及されている災害対策等いろいろ大きな問題がたくさんあります。しかし従来大蔵委員会においてそれらの点について何ほどの検討がされたかということについて、われわれ不幸にしてまだよく聞いておりません。これは一ぺん農林水産委員会が専門的な見地から、農家の立場に立って、国の二元的支配についてよく検討してみる。そうしてわれわれは農林委員会の立場からこのタバコ問題全般について検討をする必要があるとかねがね思っておりましたが、ついては委員長においては、今度タバコ問題について専門に検討する日を一日きめてもらい、当日は専売公社の総裁を初め大蔵省の所管責任者等あらゆる関係者の御出席を願つて、この問題については抜本的な検討をする必要があることを認めますので、さようお取り計らいを願いたいと思います。その上で今助川委員が問題にしておられますことは、これ以上御追及になっても、部長の責任では何とも御答弁ができすまい。そういう措置によって一ぺん根本的に検討することが問題を解決する近道であろうと思うので、そういうふうにお取り計らい願いたいと思います。
○綱島委員長 委員長から発言いたします。委員長はただいまの御発言を了承いたしました。追つてそれぞれ手続に及びたいと思います。久保田委員。
○久保田(豊)委員 私は今度の霜害とひよう害の両方を喫しました静岡の問題についてでございますが、特に静岡の場合には、ひよう害においては大体ミカンが災害の主たるものであり、霜害においては大体お茶が主たるものであつて、ほとんど全県にわたって被害をこうむつたわけであります。そこで最初に農林省の方にお聞きいたしたいのは、いつもこういうお茶やミカンに対する災害程度の評価の問題で、農林省と相当食い違いが出てくるのです。特に今回の場合はその点が相当懸念されるわけですが、農林省としてはどういうふうな点に基準を置いてこのお茶とミカンの災害を評価されるかということを、まず策一点としてお伺いいたしたい。と申しますのは、ミカンの方では今年はちようど花を持つたときにひようを食つたわけです。そこで花が全部落ちてしまつたばかりではない、若芽が大半欠けて落ちてしまつた。そうしますと、災害の程度というものは、ミカン作農家からいいますと本年だけの問題ではなく、これは次年度収穫にも大きく影響を持ってくる事項であります。ところがこれらに対しては、ともすると農林省の災害評価では、こういう点で実情にそぐわない。ただ単に花がどのくらい落ちた、従って収量がどのくらいだ、こういうようなことになりがちであつて、県の災害査定と農林省の査定と非常に大きな食い違いが出てくる。この点をどのようにことしは評価をされるおつもりか。現地においてはすでに農林統計当局の調査の程度とこの点の見解の相違が相当出て参っているような傾向があります。この点をどういうふうにするかお伺いいたしたい。なおお茶については、御承知の通り一番茶の芽が出たところをほとんどひようでもってやられてしまつた。こういうことですから、単に数量が落ちるというような問題ではない。一番茶のいいところがほとんどやられてしまつたという関係から品質が落ちて、非常に味が落ちている。そこでできたお茶は値段が安くなる。現にひよう害をこうむつたところで作つたお茶を見ますと、普通の年にできたようなお茶ができておらない。ほとんど枝ばかりのお茶みたいなことになる。そしてわずかに残つた茶の葉つぱが、製茶いたします場合にほとんど粉になってしまう。従ってこういうところからこうむる経済的な災害というものは、単にいわゆる表面から見た収穫量の上における災害というものとは非常に大きな食い違いが出てくる。こういう点を今年はどのように評価をされているか、特に調査当局の御見解なり御用意があればます第一にお聞きしたい。
○野田説明員 果樹の調査及びお茶の調査につきまして、私どもの方でやつておりますのを申し上げたいと思います。まず第一に被害の地域を確定いたしまして、その中で被害の程度によりまして区分をいたすわけでございます。そして大体この程度の被害のものは何割、この程度は幾割ということにいたしまして、その被害の程度を代表するところにおきまして、被害の損傷を実測いたすわけでございます。その実測いたしました結果に基きまして、この被害は収量に対してどの程度の影響を及ぼすかという見込みを立てて調査するわけでございます。そこでいろいいろ見込みの点もありますので、若干の調査者によりましての違いはあるかと思いますけれども、大体面積を仮定し、またその代表的な被害について損傷を確定いたして参りますので、その被害の見積りにつきましては大過なきものだと思っております。特にお茶の方につきましては、静岡等の茶の生産量のきわめて多いところにつきましては、別に生産量の標本調査もやつておりまして、生産量が正確につかめるようになりますので、その両者の比較によりましてこの数字を確定することができると思います。ただ中間段階におきましては、どうしても過去の経験及び過去のデータからの見積りということになりますので、そこに若干の食い違いがあるかと思います。なお価格につきましては、これは評価の方法がいろいろあろうかと思いますけれども、こちらといたしましては、前年度の実行価格なりあるいは価格指示作物等ではっきりと指示価格がきまつておりますものはそれをとるということにしておりまして、必ずしも一元的にどの価格をとるということはしていないわけでありますが、おおむね妥当なる価格というものを統計上求めまして、それを一応当てはめる。かような方式をとつている次第でございます。
○久保田(豊)委員 今の御回答でははなはだ実は不満であります。と申しますのは、今までの統計調査所でやる調査は、面積はどのくらいで生産量はどのくらいだ、こういうふうにして価格は今申しましたような一般的なあれでやる。私が今申し上げましたのは、ミカンについては花も落ちてしまつた。ですからことしの収量はある程度はじき出せるでしよう。価格については数量が少くなればことしのミカンの価格はあるいは上るかもしれない。これはもちろんあります。そこで前年度なり何なりの基準によってある程度の損害の金額を出すよりほかない。私の言うのはそうじゃないのです。つまり新芽が落ちている場合が非常に多い。ことしだけの損害ではない。来年度にわたって相当大きな損害がある。これをどういうふうに評価するかということが農民としては大きな問題になる。お茶にしても面積と程度は大体わかった。ところがどれだけ経済的に打撃を受けるかということです。できたお茶が一番最後には粉茶になってしまつて、安い価格になってしまう。あと残つたものは茎ばつかりだ。こういうお茶になれば値段が落ちるのはきまりきつた話なんです。お茶の味が相当悪くなっている。私のところも現にそうです。そういうことをどう評価するのか。これを十分に評価しないで、一律のいわゆるあなた方の言う科学的調査ということだけでは実情に合わない。この点を特に今回の調査においては注意をしてやつてもらいたい、こういうことなんであります。
○野田説明員 実はただいままで私どもがやつております調査は、収量調査及び面積調査でございまして、それによります損害の価格につきましては、御指摘の通りいろいろ評価の方法があると思います。従ってそれにつきましては、私どもこういう単価で評価するということで参考的にやつていることでございまして、なおその評価を厳密にやるということになりますと、これはいろいろ検討をしなければならないと思っております。ことに本年度の被害が来年度にどの程度影響を及ぼすかというようなことにつきましては、ただいま調査の対象からはずしておりますので、この点も御了承を願いたいと思います。
○久保田委員 ただいまの御答弁ははっきりしないが、これは統計調査機構の一つの特性だと思いますので、ほんとうの被害は従ってあなた方の作るものには出てこない、単なる参考だ、こういうことですから、農林省全体としてそういう調査の結果をいつでも取つて対策の根本に置かれるのでは、現地の方は非常に困るのでありますが、これ以上農林統計局に言っても無理かと思いますから、特に農林省全体としては、以上の点を十分含まれて対策を立てるようにお願いしたいと思います。
 そこで次にその対策の方の問題についてでありますが、御承知の通りお茶とミカンの災害については共済の対象にならない。しかもミカン地帯の場合はほとんどほかの作をやつておらないで、農家の大部分がミカンだけに依存している。お茶については水稲とか多少ほかのことをやつてはおりますけれども、これとてもほかの農家と違つて、おもな収入源つまり生活の大部分をお茶に依存しております。しかも米その他の場合と違つてあまり主食に関係がないというので、ともするとこれらに対する対策はいつもおざなりになる。もう一つ農林省の頭の中にいつもあると思いますことは、お茶なりミカンなりを作つている農家は比較的裕福だ、従ってそうした対策を講じないでもよいと思われているようにうかがわれる節が相当ある。これに対しては、今お茶ミカンを中心とした単作農家に近いような農家が相当の被害を受けたということを申し上げたい。もう一つは共済の援助がほとんどない。同時に、もう一つはお茶なりミカンなりは御承知の通りある意味においての輸出作物である。こういう点を考えられて特別に対策を手厚くしてもらいたいと思うのでありますが、これらに対する特別な考慮を今払つておられるかどうか、払つておられるとすれば、どういう内容の考慮を払つてるおられか、これらの点をお聞かせいただきたいと思います。
○大坪政府委員 ただいまお茶とミカンにつきまして、非常に大切な農産物である、こういう御意見があったのでありますが、これらは輸出関係におきましても非常に重要な要素を占めている農産物であります。従いまして昭和二十八年でありましたか、最初の凍霜害をこうむりましたときには、それ相当の対策を講じたのであります。今回の対策につきましても、相当広範囲にわたっておるようでありますし、また被害の程度も相当のようでありますから、目下被害の程度については調査中でありますが調査がまとまりました上は営農資金等の措置を講じたい、農林省としてはさように考えておるわけであります。
○久保田(豊)委員 ただ単に営農資金だけの考慮ということでは実は不十分でございます。特にミカンの方は、新芽が落ちてしまつたということになりますと、樹勢回復その他についてはやはり相当の経費が要るわけであります。そういう点で、ただ金を一部貸してやればそれでいいというふうな考えでは困るのであります。もう少しこれについては根本的な対策を考えてもらいたい。この点についてはどう考えておりますか。
○庄野説明員 凍霜害、ひよう害等で果樹あるいはお茶その他の特産物が相当の被害を受けていることにつきましては、われわれも報告を受けて十分承知いたしておる次第であります。これにつきましては二十八年の例もございますし、われわれとしては対策につきましては十分検討いたしておるのであります。ただいま経済局長からお話がありましたように、とりあえずは営農融資というようなことでつないでいきたい、そういう考えでございます。久保田委員の御質問にありましたような、樹勢回復あるいはその他の点については、ただいま検討いたしております。
○久保田(豊)委員 さっき申しましたように、お茶やミカンを作つておる農家は、ほかに米や麦はあまり作つてない。そうしてほとんどお茶やミカンの収入で米や麦を買つてくる。だから営農上の益金だけを流すということでは不十分なんです。それから樹勢回復その他についても相当の肥料なり何なり、しかも単なる普通の肥料ではない場合もある。こういう点も十分考えて一つ万全の措置をとつてもらいたと思います。
 もう一つ特にお願いをしておきたいのは、静岡県あたりの実例を見ますと、ミカンとお茶というのは、ざつくばらんにいいますと、税務署の、大蔵省の攻撃の対象です。実に猛烈な税金の攻勢がこれに集中してくる。年々この問題で大騒動をやつておるのが実態であります。従ってこういうふうな災害をこうむつたときには、最初に農林省で災害の程度を調査をしてこれをどうきめるかということが問題になるのは、いつもこの問題にひつかかってくるからです。税務署の方は、多くの場合においてやはり統計調査部あたりの、いわゆる機械的な参考の調査というものを土台にしてやつてくる。そうすると、お茶もミカンも反当の収量が相当多いものですから、収量や現実に受けた経済上の損害の程度と、農林省の機械的な調査による査定というものとの間に、非常に大きな食い違いが出てくる。特にことしはこの問題が非常に大きくなろうと思う。従って、これらについてはいずれ大蔵当局にも私はお聞きするつもりですが、農林省としては、さっき統計調査部長からお話があったように、参考程度といって――あなたの方は参考程度で済むのでありますが、現地へ行きますと、現実にこれが参考で済まない。税務署がやはりこれを土台にしてどんどん重税をかけてくる、こういうことになりますので、これについては農林省としても特別な対策を立ててもらいたい。あるいは大蔵省等に対しても特別な方策を交渉してもらいたいと思うが、これに対してはどんなふうに考えておるか、またどういう準備を持っておられるか、この点も何か対策があれば聞かしてもらいたい。
○綱島委員長 官房長は欠席しておるのですがね、直接の担当者がおらぬようですが、別な人から答えてもらいますか。
○久保田(豊)委員 担当者がいないということじや返答も聞けないわけだが、これは経済局にしても何にしても、こういう点を本気に考えてもらわないことには困る。自分の分担はこれだけで、あとは知らぬというような、そういう片ちんばなことをやられては困る。この点については経済局長なり統計調査部長も来ておられるから、一つ官房長なり何なりに十分連絡をされて、これについてどういう措置をとるかということを、あとではっきり返答をもらいたい。これにて打ち切つておきます。
○大坪政府委員 ただいまの御意見はごもっともと存じますので、関係官房長ともよく相談しまして、適切な対策を立てて大蔵省とも交渉いたしたいと思います。
○淡谷委員 果樹の災害問題が出ましたので、私本来の質問もあるのでありますが、関連してお尋ねいたします。果樹に対する凍霜害その他の災害についてのさまざまな考慮が最近強まっておりますが、私は静岡のミカンに対して青森県のリンゴの例を申し上げます。ここ二、三年非常前凍霜害が起きております。これは従来なかった害なのであります。気候の激変によることが非常に多い。特に今年は五月に入りましてから零下六度半というようなことがあったほどで、想像に絶するような寒さが襲つて参っております。すでにお手元にも回しておりまするが、開花直前のリンゴの花芽の状態が詳しく述べられてございますが、全然結実が予想できない状態になっております。ただこの際に私御質問申し上げたいのは、御承知の通り果樹というものはやや立体的な農業経営の形になっておりますので、少反別の割合に収穫が多いのであります。従ってこうした寒さに対する予防措置なども米麦に対するものとはまた違つた観点から取り上げられる必要があると思う。特に寒さの来ること、霜の来ることが予想されながら施策よろしきを得ないために、供手してこれを傍観するという形のものが大へん多いのであります。年々の災害に対する助成あるいは補助ということも考えられますが、そうした予知し得る降霜あるいは寒さに対する何か恒久的な対策などについてお考えになっておるかどうか、お伺いしたいのであります。これは静岡県のミカンなども同じケースに入ると思います。
○庄野説明員 果樹に対する凍霜害につきましての恒久的な対策といたしましては、品種の改良等があると思います。私は技術者ではございませんので、十分承知しておりませんので、不十分ならばまた技術関係からお答え申し上げたいと思いますけれども、そういう点と、それから凍霜自体に対するものといたしましては、ただいま検討しておりますのは、重油をたくとか、そういったような措置もあるように聞いております。こういう点につきましては、技術系統の方から十分お答え申し上げたいと思いますけれども、私が聞いておる範囲では、そういった状況であります。あるいは防風林といいますか、樹木を霜道の障害になるように植えるというようなことも考究されておるようでありますが、試験場等におきましては、そういう凍霜害に強いような品種の育成ということも検討いたしている次第でございます。
○淡谷委員 果樹の品種改良ということになりますと、非常に成育年限が長いのでございますから、なかなか早急にできない。ほんとうに桓久対策でございます。ただ重油をたいて寒さを緩和するということは大へんいい思いつきだと思うのでありまして、私どももずっと以前から考えております。この重油にかわるさまざまなたきものですが、これもやつてみた。リンゴの枝をたいてみるとか、あるいはごみを集めてたいてみるとかいうこともやつてみました効。果は大へん出ております。ところが寒さが連続してやつて参りますとたきものがなくなってしまうのであります。たけない。また重油をたくにしましても一戸当りにいたしますと割合に安くできるのでございますが、ただ部分的にやつたのでは凍霜害に対する完全な防除となり得ないうらみがございまして、しかもこれを全面的に普及しますと、この効果に対する疑問を持つ農家がついてこないということがございますので、試験的なケースといたしましても、比較的集団的な栽培をしております青森県のリンゴなどに、こういう点を重点的に行なっていただきましたら、案外効果のあるケースが出てくると思うのでございますが、何か準備がございますかどうか、お聞きしたい。
○庄野説明員 大体予算的な措置としては、そういう点は今度の三十年度予算にはまだ考えておりません。ただそういう点の技術的な指導、奨励という点は、普及員等を通じましていたしておる次第でございます。
○淡谷委員 これも久保田委員同様の結果になりそうでございますから、また官房長が見えられましてからあらためて質問いたします。果樹に対する対策は大体久保田委員からも話しました通り、単なる営農資金やあるいは樹勢回復の補助くらいではやり切れない面が非常にございます。特に新農林大臣は、米麦に偏重しないもっと立体的農業構想を持っておられるのでございます。農家全体の経済からいいましても、果樹その他の工芸作物に対する関心も高まつてきておる今日でございますから、この際ぜひとも予算措置によってこの新しい防除のケースを打ち出されるように御尽力願いたい。特に普及員などによってやることはやつておりまして、これは十分に普及しておりますけれども、これを実現する資力が乏しい。特に連年凶作に打ち悩まされております私どもの地方では、いいとは知っておつても経済的な理由からこれの実現ができない。まさに普及の時代から実践の時代に入っておる事情でございますから、これは機会ありますたびごとに強く予算措置を講ぜられますように要望いたしまして、私の質問を終ります。
○綱島委員長 原委員。
○原(捨)委員 北九州の水害対策につきまして先ほどいろいろと御説明を承わつたのでありますが、ついでに二、三の点についてお尋ね申し上げたいと思います。まず経営資金融資について政府は立法措置を考慮しておるというような話でありました。資金融通の額は大体どれくらい予定しておりますか。
○大坪政府委員 資金融通のわくの問題でありまするが、その問題につきましては、目下被害を取りまとめ中であるのでありまして、一応データが出そろいましたところで大蔵当局その他関係方面と打ち合せいたしまして決定いたしたい、かように考えております。
○原(捨)委員 非常に早急を要する問題だと思うのです。この資金の財源については、やはり従来のように中金から出させるおつもりですかどうか。
○大坪政府委員 財源の問題でありまするが、昨年までは全部中金の資金でまかなつたのでありますが、最近中金等におきましても、いろいろの事情から相当窮屈な状態にあるのであります。ただ被害金額が幾らになるか、それによりまして全部中金資金をもってまかなえるものかどうかという問題になって参りますが、これは今後中金とよく打ち合せまして、被害総額がどのくらいあるか、そういう点をにらみ合せまして、できることなら従来通り中金の資金で間に合せていきたい。かように考えておる次第であります。
○原(捨)委員 この資金の問題並びにその他の問題で大蔵当局といろいろと交渉を進められておると思いますが、交渉はどの程度進捗しておりますか。
○大坪政府委員 まだ四、五月の被害高調査がはっきりいたしませんので、大蔵当局に対しましては私どもの方から、こういうことを農林省としては考えておるのだ、いずれ被害がはっきりしたならば、具体的数字によって交渉いたしたい、かように考えておるわけであるという申し入れをいたしております。
○原(捨)委員 なおお聞きしたいのですが、飯用麦についてであります。現在申請しておりますのは佐賀県だけであるというお話でありますが、佐賀県からの数量はどのくらいであるか、そしてその対策は、貸付によるものか、それとも特別価格によるものであるか、かりに佐賀県のみで他の県から要望がなくても、これはぜひやるという御意思があるのかどうか。
○檜垣説明員 ただいまの御質問でございますが、目下災害の程度を調査中であります。この要望が佐賀から出ておりますが、はたしてどの程度の数量が必要であるかというような点を過去の程度に準じまして検討いたしております。それによりまして果して安売りを必要とするか、あるいは延納もあわせて必要であるかというような点について研究いたしております。そのほかの県につきましては要望がまだ出ておりませんので、これも災害状況の調査とあわせて検討したいと考えております。
○原(捨)委員 いま一つ、これは非常に大事な問題だと思いますが、施設災害復旧のためのつなぎ資金を考慮されておりますかどうか。
○大塚説明員 私どもの方の被害も目下調査中でありまして、額がはっきりいたしませんので確たることは言えませんが、額が決定いたしますと同時につなぎ資金も考慮いたす予定になっております。
○原(捨)委員 さらにいま一つ、樹勢回復用の肥料、農薬等に対する補助金はお出しになる考えでありますか、それとも営農資金一本でいかれますか。それといま一つ、佐賀県下には芦刈村のように、非常な災害を受けておる農村があるのであります。特にこれに対する考慮を払われていかれるかどうか。
○庄野説明員 農薬による病害虫防除の費用でありますが、これについては麦その他に発生がありますが、その発生状況等を調査いたしておるのでありますが、現在の状態におきましては、農薬の購入費補助を出すということは非常に困難ではないかと存じます。幸い営農融資等も講ぜられますので、そちらの方で措置していったらいいのではないか、こういうふうな考えでおります。それから樹勢回復等につきましては、特は果樹園等については先ほどお答え申し上げた通りでございまして、検討中でございます。
○原(捨)委員 いずれの答弁を承わりましても、はなはだはっきりしないので遺憾にたえないのでありますが、現地におきましては農民が非常な不安に陥つておる、かように考えます。また私ども親しく現地を調査いたし、そうして被害の実情を調査しました者としては、その農民の不安な状態が目に見えるようであります。なおさらに調査団としての責任も一そう感ずる次第であります。あらゆる対策を一日も早急に実現するよう一段の御努力をお願いいたします。
○芳賀委員 議事進行について申し上げます。けさの理事会においても打ち合せ事項になっておりますが、災害に対する農業並びに水産関係の当局からの説明を聞くということになっております。それでいまだに水産当局から、今朝の打ち合せ事項についての説明がない。直ちに当局から、北海道における春ニシンの凶漁問題に対して、当局の行なつた調査並びに対策等に対する説明を聴取する必要があると思う。
○綱島委員長 岡井次長が先ほど来ておられなかったので、農林災害だけで水産災害の説明をしてもらう機会がなかったのですが、この際一つ岡井次長に、水産災害特に北海道におけるニシン凶漁災害に対する問題について説明を求めます。
○岡井説明員 ただいま御質問いただきましたニシンの不漁対策の関係でございますが、本年のニシン漁は昨年よりもなお一そう拍車をかけて不漁であったことは、非常に遺憾に存じておる次第であります。過般北海道庁からもニシンの不漁対策について陳情書をいただきましたが、その際道庁から具体的に、将来の恒久対策と臨時対策と二つに分けて、とくと水産庁と御相談してできる限り御援助を得たいというお申し入れもございますので、私の方もその機会を得たいと待っておる次第でございます。なお内部的には、道庁がお見えになるに先立ちまして、あらかじめ陳情書をもとにして、われわれとして行政措置においてできるものはできる、恒久対策として将来かくすべしというような点は早く結論を見出したい、かように思いまして、ここ近日中に内部の部内会議を開きたい、かように考えております。
○芳賀委員 ただいまの御説明によると、非常に抽象的なことなんですね。北海道庁からの陳情を待ってということですが、そういうことでなくて、水産庁当局として、ことしのニシン凶漁に対してやはり責任のある調査をされておると思う。そういうものの結果が出ておればここで説明していただきたい。当局として、当局の責任においてどういうことをやらなければならぬかという緊急対策並びに恒久的な対策も考えておられると思う。そういう点の基本的な点だけは、やはりお示しになる必要があると思うのです。もう一つこれにあわせて、四月の上旬に留萌沖沿岸において、ニシンの刺網が暴風によって約八十万間くらい流失しておる、これはすでに調査が済んでおると思いますが、やはり相当の災害であるということが断定できるわけですが、これらの点に対してはどういうようなお考えを持っておるか、その点の御説明を願いたい。
○岡井説明員 ニシンの不漁に対して、中央の方から調査に出向いておるかどうかというお言葉がございましたが、私の方は幸いにして札幌には駐在官を置いておりますし、なお試験機関も、中央で、特に道庁あるいは道庁の水域を担当といたします調査研究機関がございます。従いまして直接出向きませんでも、不漁の実情については十二分に了承しておるわけでございます。要は今回の不漁に対して、金融措置等においてどういうふうにめんどうが見られるかというような具体案につきましては、道庁の陳情書も抽象的でなくて逐一具体案が出てありますが、その項目々々についてわれわれは内部検討しますので、お答えは抽象的かもしれませんが、実際の運び方は具体的に内部的に進めております。それから流し網が非常に災害を受けたじゃないかということですが、これは報告によりますと、四月災害でなくて、冬季風浪災として、三千三百万円程度の漁網を流失したということでございます。漁港も当時ほぼ同額の三千三百万円程度でございました。漁港などは一般公共災の方でめんどうが見られますが、漁具の流失ということにつきましては、格別法規的にも、また中央から出せる金融措置におきましても、めんどうを見るという建前を今はとつておりません。しかしこういうふうなローカルな漁具の流失というのは、全国の津々浦々にケースが非常に多いのでございまして、それらをおもんぱかりまして、二カ年前に漁業信用基金制度をとりまして、基金協会を各都道府県にはそれぞれブロック単位に持っておるわけでございます。この基金制度を活用することによりまして、漁具の流失したような場合には、応急的な金融のめんどうを見てもらうという建前にいたしておりますので、この点も近く道庁との打ち合せ会の場合にそのやり方あるいはまた協会との連鎖関係等を特にわれわれも究明いたしたい、かように考えております。
○芳賀委員 出先機関等の調査等も行われておるということでありますが、そういたしますと資料の要求でありますが、過去五カ年間くらいを通じて、毎年の春ニシンの漁獲高に対する数字をあげてもらいたいのです。もう一つは、凶漁地帯においてはおそらくことしの着業資金の返済が可能かどうかという問題が出てくるわけです。ですから着業資金に対する系統機関等を通じての貸付の状態、それからさらに過去においてこの地帯においても、災害等によって災害融資を受けておる地帯が相当あると思う。そういたしますと、災害融資の今年度の償還分等に対しても重大な影響があると思いますので、この地帯に対する過去の災害融資がどのくらい流れておるかというような数字を、一つ表にしてなるたけ早い機会に御提出願いたい。
○綱島委員長 実は久保田委員、淡谷委員の関連で川俣委員の関連質問があり、井手委員がその次にありますし、またその次に井谷委員も質問があるようでございます。
 午前中に済ましてしまいたいと思いますから、そのお含みで願います。
○川俣委員 久保田委員並びに淡谷委員の質問に対して農林当局から明快な答弁がなかったのでありますから、この際伺つておきたいのですが、それは農産物の収量の正確な把握なしには農業政策が立たないと思うのです。収量は大蔵省が持っていて農林省が持っていないというようなかっこうになつたのでは、農林省はいらないことになると思うのですが、これはいかがですか。
○大坪政府委員 農林政策の基盤が農作物の統計の正確なる把握にある、これはお説の通りであります。従いまして農林省といたしましても統計調査部を設けまして、各種の農作物につきまして調査いたしておるのでございますが、御承知のように人員その他経費等も十分でありませんので、非常に正確なる数字はつかむことがなかなか困難でありますが、私ども与えられました条件のもとにおきまして、できるだけ正確な統計ができまするように努力しておる次第でございます。
○川俣委員 正確なというよりも、つまり参考になる程度より調査してない。こういうことでは農業政策ができるわけがないじやありませんか。農民所得が一体どのくらいか、何の生産物はどのくらいか、これは通産省あたりは小さな生産物まで正確に生産量を把握している。そうでなければ国策も立たないし、日本全体の生産量がわからないでは、財政政策も立たなければ税金の政策も立たない、すべて立たない。わすかに米麦については一生懸命やつておるが、それだけでは日本の農業政策は立たないではないですか。それも重要ですから、おやりになっていることはけつこうなんです。それを言っておるのではない。その他のものについては十分な調査ができていないというところに問題がある。その機構が充実してない。これを充実するのが農林省のまずもって第一の責任でなければならない。それでなければ農業政策が立たないのではないか。立たないのだったら農林省はやめたらどうですか。
○野田説明員 収量の調査につきましては、米麦その他の作物によりまして調査の精粗はありますけれども、これは正確を期してやつておる次第であります。先ほど私の言葉が不足で誤解を与えたかと思いますけれども、収量及び面積につきましてはこれは正確である、かように思っております。ただ被害の場合におきまして、被害の金額ということになりますと、これは評価額を幾らにするかという問題がありますので、これは参考だ、かように申し上げた次第でありまして、収量及び被害量というものにつきましては正確を期しておる次第であります。
○川俣委員 言葉が足りないのではなくて、そういう調査は参考より調査してないというのがほんとうじゃないですか。あなたの今の統計の機構の中に、そういうものを十分調査するだけの余裕を持っておられないはすです。持っておるならこれは問題がない。わずかな予算しか持っていなくてそんなことはできないはずなんです。
○野田説明員 御指摘のように、米麦につきましては予算を集中して使つておりますので、正確度が非常に高いと思いますが、その他のいろいろな作物につきましては、相当簡易なる方法を用いておりますので、その正確度が落ちることはやむを得ないかと思っております。しかしながら全体を通じまして、御指摘の通産統計あたりが採用しております方式よりもはるかに正確な方式を用いておりますので、あるいは印刷の掲載とか発表の時期等、あるいはこれを見ていただきます人々の関心というような点から見ばえがしないかと思いますけれども、その内容につきましては通産統計にまさるとも劣らぬと思っております。
○川俣委員 そういたしますれば、災害が起きた場合にすみやかなる対策が立てられないことはないはずです。正確な把握をしておらぬからどういう対策をしていいかわからないということならやむを得ないのです。正確な把握をしていながら対策が立たないというと、これは農林省の怠慢じゃないか。どうも正確なものがつかみ得ないからいまだ対策が立たないというのならこれはやむを得ないと思う。りつぱなものを持っているのだったらすぐに対策が立つはずです。
○野田説明員 被害の調査につきましては、被害の発生した直後、それから数日経過後、一週間後、二週間後というふうに、時日を追いまして、被害の発現の様相をつかまえておる次第でございます。従って大体におきまして、被害量がほぼ確実にこれくらいです、かように確定いたしますには、ものによっても違いますけれども、二週間はかかると思います。それからまたこちらに報告を受けましてこれをとりまとめますには、約二週間かかりますので、一カ月の経過というものが必要になるわけでございます。その間をつなぎますために、いろいろ速報というものを取つておりますけれども、これは数字が相当動きますので、外部へは発表してない次第でございます。
○川俣委員 今まで正確な調査を出して、それに対する対策を講じたことがありますか。部長どう思っております。あなたがせつかく苦心して作つたものを、有効な施策に用いたことがあるかないか。
○野田説明員 私の方としましては、資料を提供いたしまして、関係各局においてそれに基きます対策を立てていただくというふうに、資料提供をしておるだけでございます。従ってこれがどういうふうになっていくかにつきましては、関係局から一つお聞きいただきたいと思いますが、ただとりまとめの時期等におきまして、若干関係局の要望の時期に間に合わないというようなことは、これは事実でございます。
○川俣委員 それだから予算がなかなかうまくつかないのですよ。どれだけ有効に使われたかということがわからないで、おれの方は調査だけだというのでは困る。それが有効に使われて初めて調査機能というものが全うするのです。何に使われたかわからない、それは人にまかせる、もちろん権限は別でしよう。しかしながらせつかく出したからには、これは有効に使つてもらいたいという自信なしには予算などもらえるものではありませんよ。何に使われたかわからないといったら、これはむだな調査ということになります。やはり役に立つように使つてもらうところに部長の腕があるのじゃないか。何に使われたかわからない、有効に使われたか無効に使われたかわからないのだったら、せつかく調査しても無意味になりはしませんか。どこでどうしてこの調査を使つてくれたかということくらいは聞きただしておくくらいの関心を持たなければならないと思うのです。そうじゃないですか。
○野田説明員 調査をいたしますときには、一定の目途のもとに、これに必要であると思われる事項を調査しておりますので、その結果については十分関心を持っておりますけれども、対策は権限外でございますので、さように理解しております。
○川俣委員 従って有効に使わせるために、ももっと正確な調査をする必要があるので、もう少し統計調査部を充実させるという御意思はございませんか。
○野田説明員 お話の点は大いに努めておる次第でございますし、本年度の予算におきましても、被害調査が拡充になりましたということは、各方面の御支援もあったのでございますけれども、われわれ統計調査部自体といたしましても、そういう意図を持っておる一つの現われと御解釈いただきたいと思います。
○有馬(輝)委員 今の問題に関連しまして、川俣委員の方から充実する考えがないかという御指摘がございました。この点に関連しまして、たとえば農業災害につきましても、本年度から府県単位のものを郡単位にまでおろして調査することになっておるはずであります。この点に関連しまして、農林省としてはどのような人員の増を計画されたか。今回行政機関職員定員法の一部改正法律案におきましては、他の省庁におきまして仕事の増量に応じたところの人員増というものが約四千人行われる。にもかかわらず、農林省においてはそのような仕事の増量があるにもかかわらず増員がなされてない。これは農林当局としてどのような考え方で進められたか、その経過について詳しくこの次の機会に御報告願いたいと思います。なおまた予算要求につきましても、たとえば五億程度を要求されたはずですが、それが一億そこそこで削られた経緯についても、それでやつていけるということで納得されたものかどうか、そういった点を詳しくこの次の機会に御報告願いたいと思います。
○綱島委員長 井手委員。
○井出委員 簡単に四月の農業災害についてお尋ねをいたしたいと思います。先刻原委員から御質問がありましたが、原委員の質問に対する答弁は、一カ月前ほどの当委員会における政務次官の答弁とはあまり変つていないのであります。調査中だとおつしやいますけれども、すでに被害各府県からは出ておるはずであります。そこでお尋ねしたいのは、各府県の営農資金に対する要望額は現在幾らになっておるか、農林省ではどれくらいをもって大蔵省に当るお考えであるか、またその立法の措置は、提案はいつごろの見込みであるか、ただ研究とかなんとかいうことでなくて、見通しをもってお答えいただきたいと存じます。すでに用意はあるはずでございますから、明確に願いたいと思います。
○大坪政府委員 被害高の調査につきましては、すでに被害の調査の出ている県とまだ十分に出ていない県とがあるのでありまして、目下その二つにつきまして調査しておるのであります。第一線機関を督励いたしておる次第でございます。
○井出委員 そんなことで承知できませんよ。そんなことはわかつているでしよう。あなたの方では大体まとまつておるはずですよ。九州の各県からは出ております。都合で私読み上げてもいいですよ。まとまつているはずです。それに基いてあなたの方はどれくらいの営農資金を出そうかという考えがあるはずです。もし発表が困るということであれは、それは私はあえて問いません。一カ月前の委員会において政務次官は、こういうことも考えましょう。こういうことも考えましようと約束なさつて、この三十一日までには農林省の対策をお示しいたしましょうという約束があった。だから今日あなたから答弁があったのでしよう。いろい御考慮なさつていることについては感謝いたしますけれども、調査中だけでは、全国の被害府県から陳情に見えておる人に対して失望を与えます。もう少し具体的に、せつかく営農資金をやろう、立法措置をしようという御配慮がありますならば、大体どのくらいの金額のものを、また過年度の分の営農資金はどのくらいのものをいつごろ立法措置をするか、こういう御答弁をいただきたいのであります。
○大坪政府委員 どのくらいの金額でいつごろ立法措置をするとかという問題でありますが、これにつきましては、現在のところ府県の要望を集計いたしまして、私どもの方で責任を持って調査いたしますが、その結果はまだ外部に発表し得る数字ではないのでありますから、もうしばらく御猶予を願いたいと思うのであります。ただ、政務次官が御答弁申し上げました時期以降に、私どもといたしまして、佐賀県と福岡県の災害は相当深刻で、いわゆる保険の概算払いに該当すると考えましたので、五月の二十一日でありましたか、地方長官に対しまして、概算払い請求の手続をするようにすみやかに取り計らわれたい、こういうような通知を出しておるのであります。その他の営農資金の問題につきましては、目下取調べ中でありまして、金額を一つまとめまして、大蔵省と折衝の上できるだけ早い機会に立法措置をお願いいたしたい、かように考えておるわけであります。
○井出委員 もっとお聞きしたいのですが、時間の関係もありますので、そういつまでも申し上げません。すみやかに立法措置をしていただきたいことを要望いたしますとともに、あなたの方でお考えになっている飯用麦の問題、被害地におきましては安売りを熱望ておるようであります。私の地元あたりでも、全町ほとんど麦を持たないのであります。これに対して安売りの立法措置を近くなさる御用意があるかどうか、営農資金と一緒にお出しになるお考えであるかどうか、その点をお尋ねいたします。
○檜垣説明員 ただいまの飯用麦の問題でございますが、これはやはりこの前に政務次官から御答弁申し上げましたように、昨年あるいは一昨年の水害と今年の災害の状況をにらみ合せまして、その結果必要がありましたら、特に安売りにつきましては立法措置を要しますので、考えたいと思っておるのであります。その場合には、できるだけ営農資金の関係と一緒にした方がいいということで、目下そういう事情であります。
○井出委員 飯用麦については前の例に従って考究中であるとおつしやいますが、被害地においては特別措置を非常に要望いたしておるのであります。とりあえず営野資金でという言葉では明確でございませんので、悲痛な災害地の訴えに対して立法措置を進めるというお約束がいただきたいのであります。
 それと、いま一点お尋ねしたいのは、先刻も原委員からお話になりました病虫害防除あるいは種子確保、樹勢回復等については、当委員会でも非常に熱望されているところであります。大蔵省との折衝が見込み薄だということではなくして、やはり対策を立てて強く要求して、大蔵省と折衝されることを希望するものであります。いろいろ申し上げたいことはございますが、時間の関係で多くは申し上げません。飯用麦についての御答弁並びに病虫害防除対策その他についての御用意を、簡単に決意だけを承わりたいのであります。
○庄野説明員 病害虫防除の点につきましては、御承知のように、昨年から農薬の購入助成についてはだいぶ情勢が変つておりまして、われわれといたしましても、災害による異常発生というようなことの場合は出したい、こういうような考えで、その後の発生状況等は調査いたしております。先ほどお答え申し上げましたように、病害虫等に要する農薬の購入費補助も現段階においてはまだ困難ではないかというふうに考えております。なお、今後の状況等はよく調査いたしまして、異常発生等問題がありますれば措置しなくちやならぬかと存じますが、調査中でございます。
○綱島委員長 井谷委員。
○井谷委員 私はきよう九州の災害について相当結論的なことが承われると思って期待をしていたのでございますが、先ほど来の御説明によりましてまことに遺憾に考えるわけであります。まだ農林省において被害の総額がはっきりしない、調査中である。こういうことを言われておるし、さらに被害県からの報告が出ていないというようなお話もありまするが、しかしわれわれの方にはどの県からもみな出ておるのであります。われわれに出ておる以上は農林省にも出していないはずはない。ただ問題になるのはあなた方の方の調査がまだ十分にできていない、こういうことであると思いますが、そうするならば、われわれより先に農林省は現地の調査に出ておられます。これは相当の日数にわたっておるのでありますが、まだ調査が十分にできていないということでは、私はこの問題に対する御熱意のほどが疑われてしかたがないと思います。この米作を前にいたしまして、この地方の農民は麦作なりあるいは菜種なり、そうしたものの収入によって次の段階に入るのであります。それがこのたびはできないということで大へん困っておるということはおわかりであろうと思うのであります。ただ調査中ということは従来でも役人の逃げ口上になっており、私ども非常に不安を覚えるのでありますが、どういう決心を持って、そうしていつまでにこれをやらねばならぬという熱意があるかということを、一つ明らかにしていただきたいと思うのであります。
○大坪政府委員 ただいま御説の通り、各府県からは今度の被害についての調査の数字は提出に相なっておるのであります。ただそれと合せまして私どもの機構によりまする調査がまだ十分すべての被害につきまして集計が行われていないのでありまして、従って農林省といたしましては、全部の被害を取りまとめました上で大蔵省と折衝し、その上で被害金額を決定し、これに伴う営農資金の貸付並びに利子補給金額等の計算をいたすのであります。まだ十分内輪で集計が整つていない、こういうような段階があるのでありまして、私どもといたしましては、できるだけ第一線機関を督励いたしまして、御意見のようにすみやかにトータルを出しまして、立法措置をお願いいたしたい、かように考えるわけであります。
○井谷委員 今からまだ九州の方に調査に行かれますか。もう現在本省には数字が出ておるのが、集計その他の点でまとまらないのだったならば、これは皆さん徹夜してでも早くやつてもらわなければ百姓はたまらぬということを、これは意見でありますが申し上げておきます。
○綱島委員長 この際一応短時間休憩いたしまして理事会をいたします。
    午後一時五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時八分開議
○綱島委員長 それでは再び委員会を開きます。川俣委員。
○川俣委員 この際動議を提出いたします。内閣委員会に連合審査を申し入れることをお願いしたい。それは、定員法が内閣委員会にかかっておりまして、農林省関係の定員に影響するところ大きいのでございますが、連合審査を申し入れをすることをお願いしたいと思います。
○綱島委員長 ただいま川俣委員から、内閣委員会において行政機関職員定員法の一部を改正する法律案が継続いたしておりますので、これに連合審査の申し入れをしたいがどうかという動議がございましたが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 御異議なければさように決定いたします。この手続等も委員長において取り行うことに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 しからばさようにいたします。
 なお先ほど理事会において、明日一般質問その他に関する質問をやりまして、災害等に関する質問とそれから災害補償に関する質問等も行いまして、明後日は食糧小委員会、それから災害小委員会、畜産小委員会を開くことにいたしたいということに決定を理事会においてはいたしました。時間は午前中災害、午後一時より食糧、三時より畜産、それぞれ小委員会を開くことにいたします。
 なお本会議後、農林に関する予算に関しての懇談会をいたすことに申し合せがございますので、理事の方にはぜひ御出席を願い、その他の方も御出席を願い、場所は当委員会室において秘密会にして懇談会をいたすことにいたします。
 それでは本日の委員会はこれにて散会いたします。
    午後一時十二分散会