第023回国会 商工委員会 第2号
昭和三十年十一月二十八日(月曜日)
   午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 田中 角榮君
   理事 秋田 大助君 理事 内田 常雄君
   理事 長谷川四郎君 理事 永井勝次郎君
      小笠 公韶君    加藤 精三君
      鹿野 彦吉君    笹本 一雄君
      鈴木周次郎君    野田 武夫君
      前田 正男君    山本 勝市君
      伊藤卯四郎君    加藤 清二君
      片島  港君    櫻井 奎夫君
      田中 武夫君    帆足  計君
      松平 忠久君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  石橋 湛山君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (銀行局長)  東條 猛猪君
        中小企業庁長官 佐久  洋君
        通商産業事務官
        (中小企業庁振
        興部長)    秋山 武夫君
        中小企業金融公
        庫総裁     坂口 芳久君
        中小企業金融公
        庫理事     國府田守登君
        国民金融公庫総
        裁       櫛田 光男君
        参  考  人
        (商工組合中央
        金庫副理事長) 佐藤  環君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十一月二十八日
 委員片山哲君辞任につき、その補欠として片島
 港君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭に関する件
 中小企業年末金融に関する件
    ―――――――――――――
○田中委員長 これより会議を開きます。
 前会に引き続き中小企業年末金融に関して調査を進めます。
 質疑に入ります前に、念のため本日の政府側の出席者を申し上げます。石橋通産大臣は午後一時から出席の予定であります。現在中小企業庁長官佐久洋君、同振興部長秋山武夫君が出席しております。一萬田大蔵大臣及び河野理財局長は後刻出席をいたします。銀行局長は出席をしております。以上であります。他に中小企業金融公庫より理事國府田守登君、国民金融公庫より総裁櫛田光男君の両君が出席をされております。
 なお商工組合中央金庫より、参考人として副理事長佐藤環君の御出席を願うことといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたします。
 それでは質疑に入ります。質疑は通告順によってこれを許します。加藤清二君。
○加藤(清)委員 一昨日の質問のお答えがまだされておりませんので、その点をまず最初に……。
○田中委員長 速記中止。
  〔速記中止〕
○田中委員長 速記開始。
○加藤(清)委員 質問の要旨を簡単に申し上げます。政府側としましては、この年末融資につきましてまことにけっこうな案をここに御提示いただいたわけでありますが、いつの場合でもさようでございますが、ここで審議される場合にはまことにけっこうなことが審議されて、そして答弁も非常にうまくなされておりまするが、事実借りたい中小企業の方々が窓口に行かれますると、多く窓口においては、ここで審議されたこととはおよそ似ても似つかぬ態度をとられることが多いのでございます。そこでせっかくきめられたここの親心が、窓口に周知徹底されるということがまず第一の要件ではないかと存じます。特に年末融資というように時期の迫った問題については、窓口において引き延ばされるということは、その効果が半減ほおろか、ほとんど没却される趣きが多いのでございます。そこでここで提案され、審議されたその事柄を、窓口に対してどのように周知徹底方をはかっておられまするかということが第一点でございます。
 第二点は、せっかくここで行われたことも大蔵省との間において円滑な話し合いが行われておらない向きが間々あるのでございまするが、その大蔵省の態度は果してここで審議されたことと一致しているのかいないのか、こういう点でございます。つまり私の尋ねんと欲する第一点は、ここで審議されたことが、もとの大蔵省との間においてどうなっておるか。それから実地に貸し出しの業務をつかさどるところの窓口にはどうなっているかという点であります。
○佐久説明員 一昨日の御質問に対して、その際私申し上げたつもりでおるのでありますが、窓口の事務の不円滑あるいは態度がよくない。つまり借りる方から見れば非常に急ぐ金で、一刻も早く借りたい、ところが窓口の方はその気持が十分に理解ができない。あるいは手続が非常に煩瑣であるというために、十分の満足を与えられないという例は私もしばしば聞いておりますので、これは各関係の金融機関に対しても常日ごろ私は申しております。また各出先の官庁などに対してもそういう一般的な注意はもちろんいたしまするが、事例を耳にした場合には、絶えず注意を与えるというふうな方法もとっておるわけであります。ただ全然信用力のないような者に対して、必ずしも十分な満足を与えるということは私はちょっとむずかしいのじゃないかというふうに考えております。
 それから第二の大蔵省との話し合いでありますが、これも一昨日大蔵省の方から指定預金の問題については答弁がありましたので、解決されたように思いますが、運用部資金の問題については直接大蔵省と話を進めておりまするが、まだ最後の結論に到達しておらない、こういう状況でございます。
○田中委員長 東條さん、何か御意見がありましたら、お願いいたします。
○東條説明員 大蔵省との関係で話が出ましたことは、おそらく二つであろうかと存じます。一つは、国庫金の指定預金の引き揚げの問題であり、いま一つは、資金運用部からの国民金融公庫、中小企業金融公庫、これらに対する資金の供与はどういうことであるか、おそらくこの二つの点が御指摘の問題であろうと存ずるのでありますが、第一の指定預金の問題につきましては、年内におきましては御承知のような情勢でございますので、これに引き揚げを延期いたしたい、大蔵省といたしましてはかように考えておる次第でございます。
 第二の両公庫に対する資金運用部の資金供与の問題でございますが、御承知の通りに、主として郵便貯金の伸び悩み等の関係もございまして、資金運用部の資金につきましては、当初の予定よりは相当源泉において下回っております。しかしながらこの年末を控えまして中小企業金融が非常に重大な問題でありますことはお話の通りでございまして、まだこの資金運用部の資金供与の最終的な点につきましては、遺憾ながら今日決定的なことを申し上げかねる段階でございまするが、私どもといたしましても、いろいろ資金運用部の資金の供与のほかとの振り合い等を考えまして、この両公庫に対する貸付が第三・四半期におきましては予定通り行われますように、最もここに重点を置いて考えて参りたい、かように存じておりまするが、ただいまのところで最終的にこうだという結論に達しておりませんことをお断り申し上げなければならないのは遺憾でございますが、さような心構えを持ちまして措置いたしておりますので、通産省と大蔵省との間に連絡が欠けたり、あるいは十分意思の疎通が行われないというようなことが起らないように心がけておる次第でございます。
○加藤(清)委員 年末融資というのは例年の行事になっておりまして、この季節が来ればこの言葉が出る、はやり言葉になっておるわけでございます。いつの場合でもそうでございまするけれども、中小企業が借りたいという場合に、時期を非常に延ばされたり、煩瑣な手続を要求されたり、あるいはここらあたりできめられておらない余分な条件を付加されたりして、中小企業としては非常に難渋しているわけでございます。
 そこで私実例をあげて一つお尋ねしたいのでございまするが、銀行の窓口に対していろいろ指令を出しておられるようでございます。例を中小企業金融公庫にとりますると、その場合にワクをかけられることの方が多いのでございまするか、それとも中小企業金融公庫の立法の精神をよく了解して、中小企業を理解させるような指令が多いのでございましょうか。今まで出されました指令の通理というものがあるでございましょうから、それを一つぜひ、一体いずれにウエートが置かれているものか、また総裁その他の理事の方々では、現状にかんがみて、これ以上ワクを加えて、そのワクを周知徹底させることを第一に考えていらっしゃるか。それとも中小企業に対する理解とかあるいは同情とかにウエートを置かなければならぬお考えでございましょうか。私がこのような質問をしなければならないゆえんのものは、一昨日も与党の方からも話が出たのでございますが、実は立法の精神がほとんどわかっていないではないかと思われる窓口の態度が多いのでございます。この金はもともと年末融資もそうでございますけれども、その他の場合におきましてもそうでありまするが、要すれば、一年は据え置かれて、あと四年間の分割払いができるはずになっておりまするけれども、あなたの方の統計では長期融資と名がついておりましても、なおこの期間はその法に定められた期間よしもぐっと短縮されておるのでございます。それが借りたい方からの希望でそういう結果が出て参ったとするならば、これはけっこうな話でございますけれども、そうではないのです。窓口が、これを貸してやるかわりに、おれのいうことを聞けと言うて、この期間の短縮を要求される場合が多い。しかも手続に非常な、何と申しましょうか、復金や開銀で数億の金を借りる場合と同じような煩瑣な手続が、小さな中小企業に要求されまする結末は、自分ではとてもこれはやり切れない、また計理士その他を頼んでやったとしても相当の時間を要しておる。従って例によれば、銀行の金が自分の手に渡ったあくる月からもう返済をしていかなければならない、こういう結果が多く出ておるようでございます。そこでそういう煩瑣なことをなぜやらなければならないのかというので、再三ここで審議をされたのでございますが、その折には、答弁にいわく、これはほかの短期融資と違って、長期にして低利であるから厳重な審査を要するので、さように相なっておりまするという御答弁が間々なされておったのでございます。ところが当初においては設備資金だから無理もない、しかしもう加重投資、二重投資といわれる今日では、運転資金にも貸そうじゃないか、いやそれこそ大切なことであるというので、本委員会において決議もなされ、要請もなされたことを私は記憶しておりますが、この場合は短期融資が行われるはずになっている。その当時の話し合いでは、運転資金の場合では、まあまあ三年程度にしよう、こういうことであった。ところが実質において、運転資金の場合でございますると、あなたの万の統計をここで示していただきたいのですが、私の見たところでは、平均二年以下に相なっております。そこでこれを貸す場合には、最初の長期にして低利ということが、どうも姿が変えられてしまっておりまするが、変えられることがいい、悪いというのではなくして、短期になるならば、せめてこの煩瑣な手続を何とかここで手を打ってやらないと、五十万とか百万借りるに、必要な手続のために五万、六万、十万の余分な費用を使わなければならない、こういう結果になっております。年末融資にまたぞろこのようなことをやられておりましては、すでに押し迫った師走にはとうてい間に合わないと思うのですが、こういう点、一体ここで審議されたことや、法律その他を、まず第一番に中小企業の公庫の方々にどう徹底させていらっしゃるか、それを窓口の方々にどのように徹底させていらっしゃるのか、この点を承わりたいのであります。
○國府田説明員 ただいま窓口、代理店でございますが、その辺にどういうふうにして、立法の趣旨を徹底させておるか、こういうお話でございますが、もちろん私の方といたしましては、この立法の精神によりまして、これは大事な国家資金であるから、普通の自分の金の場合と違って、国家的な見地からどうやってほしい、これは機会あるごとに申しておるわけでございます。私の方ができまして、すでに二年幾らになりましたが、初めはいろいろなふなれな点もあったと思うのですが、だんだんとこの点は、趣旨は十分徹底していきつつあると思うのでございます。
 なおこれは一昨日も申し上げましたように、初めは本店だけでありますが、去年の五月大阪支店を設置いたしましたが、大阪支店は近畿だけを管轄いたしておりまして、本店が九州あるいは北海道まで管轄いたしております。私の方といたしましては、できるだけ職員あるいは責任者が地方に出向きまして、公庫の趣旨を代理店にはもちろん、また業者の方ともできるだけの機会を得まして御懇談申し上げておったわけでございますが、何分非常に広い範囲でございましたので、不徹底なところがあったかと思うのであります。これは一昨日申し上げましたように、九月から札幌、名古屋、福岡に支店の設置を認めて、そこでその地域に対する代理店の指導、連絡あるいは業者の方との話し合い、こういうことを努めてやるようにやっておるわけでございます。また同時に十一月から、金沢、仙台、広島、高松の四カ所に私の方の専属員を派遣いたしまして――従来この四カ所では商工中金の支所長さんにお願いいたしまして、その地方、その地域の中小企業の私の方の用務の連絡、相談に当っていただいておるわけでありますが、さらに私の方の駐在員を商工中金の中の支所長さんの方につけまして、私の方の趣旨徹底に努めておるようにいたしておる次第でございます。
 それから具体的な期間あるいは手続の点についてお話がございましたけれども、もちろんこれは長期資金であるということと、もう一つは長期資金であるということのために、ある程度の手続は必要でございますけれども、この手続というものはあくまで手続でありまして、本質のものではないのでありまして、私の方の支店が地方の方々と接触が密になるに従って、実情の把握がさらに徹底していくと思うのであります。手続についてはできるだけ簡素化するように努めておる次第でございます。ことに年末に際しましては、もちろん御指摘のように急に資金が出るということも、これはもうやりつつあるものが、年末に際して馬力をかけるというので、資金が出るということはもちろんあるので、設備資金としても増加いたす次第でございますが、さらに運転資金――この年末はことに短期といわず長期といわず、運転資金が増加の形をとってくると思うのであります。その点につきましては、ことに百万、二百万の小さい単位については、迅速にこれをお出しできるように代理店にすでに連絡をとっておる次第でございます。
○加藤(清)委員 だんだんの御努力をしていらっしゃることはよくわかりますが、私念を押すようで悪いのですけれども、あなたのここで答弁なさることは、今総裁も言われましたし、それから中野理事も再三ここへ出られて同じような答弁が何回か繰り返されておるわけであります。ところが窓口の方は一向親心子知らずです。それでその点はどうなっているかということが聞きたいのです。努力されたならばされたように、どう変ったかということです。それからまたその手続を簡素化すると今もおっしゃっていましたが、そういう言葉は再三繰り返されておる。しからば形式がどのように変ったかというその具体的なところが聞きたいのです。今のあなたの御答弁では、一昨日も首藤さんも満足できないと言っておりましたが、満足できないというのは、初めて聞く言葉ならば、それはそうなるだろう、そうやってもらえるだろうというて、希望的観測ができるわけなのですが、もう再三同じことが繰り返されているにもかかわらず、なお窓口においてはそれができない。一例をあげてみましょう。さる銀行へ百万円ぜひ一つ中小企業の金を貸してもらいたい、こう言うていきます。そうしますと、その銀行は当初からでございますが、依然として月々十万円ずつ歩積みをやりなさい、こう言うのです。そうして半年ほどつき合ってから、それからそれじゃ百万円貸しましょう、こういうことになってくるわけです。それは初めてのおつき合いであれば審査部も相手方が信用できないというので無理もないでございましょうけれども、今までずっと取引している銀行がそういうことをやるのです。そこで半年たったらすでに六十万歩積みしているわけです。そこに百万円貸していただきますね。ところがあくる月も依然として歩積みを十万々々とやっていくわけです。そうするとこの金を借りたおかげで、借りて半年先には百二十万円の歩積みをさせられなければならないという勘定が出てくるわけです。それでもってどうして中小企業がうまく運営できるか。さなきだに納めた品物は、別のことになりますけれども、これは大企業の支払い遅延のおかげで四苦八苦している。何も中小企業が企業のやり方が悪いからとか思惑をやったから困っているというわけじゃないのです。そういうことが依然として行われている。言えとおっしゃるなら私はここでその銀行の名前をはっきりと言いますが、そういうことは何べんも何べんも今まで繰り返されてきている。その都度周知徹底させます。こういう話なんです。従って私はその進歩の状況が承わりたいわけでございます。
 それからもう一つ承わりたいのは、本委員会において決議をされたことを一体どのように具体化しようとしていらっしゃるでございましょうか。その点も一つつけ加えてお願いいたします。
○坂口説明員 私遅れて参りましてまことに申し訳ございませんが、ただいまお話のございました手続の簡素化の問題でございます。これについて実際を示せというお話でございますが、私どもの公庫の手持ちの数字でございますが、それが一番具体的にお示しするにはいいのじゃないかと思うのでございます。どれほど早くしているかということはなかなか示しにくいのでありますが、昨年の今ごろとことしの今とを比べますと、昨年の今ごろ本店の手元にございましたのが七億円ほどでございましたが、今は二億円くらいでございます。手持ちになっていますのは非常に減っていると思います。この辺からでもお察し願うより仕方がないと思います。それにただいま國府田理事からも申しましたが、これから年末にかけまして非常に手続が輻湊して参りますので、従来いろいろな点で事前協議なんかを命じておりましたことをすっかり省きまして、一々こちらに協議をせずに済むものを非常に多くいたしました。そんな点は努力を払っているつもりであります。それから今ちょっとお話のあった歩積みの点でございますが、この点につきましては、私どもとしては一生懸命やっているつもりでございますが、何分多数の代理店がございますので、中にはそういうものもあるかと思います。名前をここでお教えいただきますのはいかがかと存じますが、具体的にお教えいただきますれば、私どもの方で手落ちなくやって参りたいと存じております。最後にお尋ねでございました決議の点でございますが、これはどの決議でございましょうか。
○加藤(清)委員 どれでもけっこうでございます。
○坂口説明員 公庫の設立当初に決議をいただきましたことにつきましては、その当時すでにお話ししましたように、あの決議の趣旨に沿いましていろいろ措置をいたしましたが、今仰せになりましたのはおそらく映画館のことじゃないかと私は想像いたしますが、これにつきましては政府の方にそのことを伝えてございますので、政府の方でいろいろお考えを願っていると思いますが、まだ具体的に至っておらない。その点じゃないかと私想像して、そういうように今あれしたのでございますが、それは両方の決議がございましたけれども、まだそのままになっている次第でございます。
○加藤(清)委員 ずばりそのものでしてね。政府の方にとおっしゃいますと、どこのことでございますか。
○坂口説明員 私の方は両省の監督下にございますので。御承知のようにこのきめますのは政令できめられますことでございますから、まだ結論に至っていないようでございます。
○加藤(清)委員 政府側と申しますと、大蔵省と通産省でございますか。
○坂口説明員 私どもの方が直接監督を受けておりますのはこの両省でございます。
○加藤(清)委員 それでは幸い両省とも関係のお方が見えておりますのでお尋ねしたいと存じますが、すでに御承知の通り映画館に対する融資の問題は厚生省の方において決議をされたことがある。厚生省において最初に決議されて、そうして社会公衆衛生の立場から、防火の立場から、映画館としては当然のことながら、設備改善をしなければならない、すべきである、しろと、こういう指令まで出ているのでございますけれども、遺憾なことには銀行の融資の方は御承知の通り丙種になっている。それがそのままの姿で今日まで来ているわけです。そこで大蔵委員会において、それではどっか口をかけてやらなければいけないのじゃないかというので、せめて中小企業の金融公庫の業種の中にこれを入れて、貸し出しの対象にしようじゃないかということで決議されたのはもう一年近くにもなる。ところが本委員会において、二十二特別国会にこれがまた審議の対象となりまして、御承知の通りここでも当然そうあるべきであるというので――これは何も社会党の意見でございません、当時の自由党も民主党も一致してこれはそうあるべきであるというので決議されたことでございますが、あれからすでにもう休会中だけでも半年近くもあったのでございますから、何らかの具体的方策がこれにとられてしかるべきだと存じております。特にその経済大臣は、幸いなことに皆さん御留任になっていらっしゃるはずでございます。それが今まで何ら具体的にお答えが出ておらないということになりますと、本委員会の決議というものはよかったのか悪かったのか、悪ければどこがいけないのかぐらいの表現はしていただかないと、私らのここで審議することが無意味になるわけです。この点一体どうなっておりますか。特に年末に際しましては、映画館はどこでも多く国民の間に利用されるわけです。多く利用されるときは、一そう衛生設備あるいは防火設備等々の改善が痛感されるわけでございます。そのつど映画館の方としては、監督官庁からおしかりを受けなければならない。一体年末に際してどうしたらいいだろうか、こういうことが実際映画館を経営しておられる方々の悩みの種に相なっております。この悩みを一刻も早く救っていただきたいと思いますが、いかがでありますか。
○佐久説明員 私も就任して間もないのでありますが、映画館の融資の問題については、十分承知いたしております。ただ防火あるいは衛生という方面から、環境を改めるということの資金の必要性は、十分認めるのでありますが、一面また映画興行というのは、相当の日銭も入るし、一般の中小企業者が非常に苦しんでいて、十分な資金も回らないときに、防火、衛生だけでなしに、また映画館の拡張というようなものに悪用されるおそれはないだろうかというような点が問題になりまして、いろいろ議論はいたしておるのでありますが、まだ結論に達しておらぬわけであります。これはできるだけ早く私も結論を出したいというふうに考えております。
○加藤(清)委員 見通しはいかがでございますか。議論沸騰した場合に、そういうことにはこれを利用すべきでないという意見が多かったればこそ、これだけ長引いてきたのではないかと思うわけでございます。それらの見通し及びこれを貸し出しの対象にすべきでないというところの理由とを承わりたい。
○田中委員長 決議の尊重という問題でございますから、委員長からもちょっと補足して申し上げたいのでありますが、映画館に対しては、いろいろ議論もあると思いますが、決議をされていることは事実であります。それに対して無制限に貸し出すというわけにいかないから、貸出基準を作る、その基準を検討中だ、こう言われておるのですが、その基準は早急におできになるのですか。
○佐久説明員 いつまでにということを、ちょっと私今申しかねるのであります。先ほど申しましたように、相当時日も経過した問題でございますし、至急結論を出したい、この程度以上にはっきりはちょっと申しかねるのであります。
○加藤(清)委員 次に国民金融公庫についてお尋ねします。私の調査が不行き届きかもしれませんが、私の知る範囲では、今までは一番無難で――無難と申しますよりも、国民から多く喜ばれて利用されているのは、国民金融公庫ではないかと存じます。数多い金融機関の中で、これだけは割合うまくいっているのじゃないか、こう思われるわけでございます。そこでこの国民金融公庫に一そう発展していただくために、ぜひ承わりたいことは、審査、調査を要する場合の費用でありますが、これは限度がぴしゃりときめられておるとは存じますが、一体どんな様子になっておるのでございましょうか。
○櫛田説明員 お答え申し上げます。私どもの審査、調査の費用は、直接貸しと代理貸しと二つございますが、まず直接貸しについて申し上げますと、私どもの費用は全部国会できめられた予算の範囲内でまかなっております。と同時に、審査をする各種の費用は、全部自前でまかなっております。それから代理所の方でございますが、代理所におきましては、実収利息の半分、五割を手数料としてただいま交付いたしております。その手数料をもって必要経費を十分にまかなって、なお余りある状態だと存じておるのであります。大体そういうことにいたしております。
○田中委員長 ちょっと加藤君、銀行局長は退席しなければならぬそうですから……。
○加藤(清)委員 それでは質問をしぼってお尋ねいたします。私がなぜこういうことをお尋ねしなければならぬかということを質問をしぼる意味で簡単に理由を申し上げます。と申しますのは、私の調査では大都会とその周辺の小都会と農村とを比較してみますると、大都会の方が割合にスムーズにいって、小都会、農村と申しましょうか、山村と申しましょうか、そこに行くに従って困難になっておるようでございます。つまりこれをあなたの方の調査統計によれば、きっとおわかりになっておると存じますが、貸し出された結果は大都会に多く、地方に下るに従って少くなる。それは一体何が理由かと思って調べてみますと、その公庫の支所の周辺に多くばらまかれて、遠くに行くに従って少くなっていく、こういうことでございます。そこで私どもが行って尋ねますと、実は調査、審査の費用がございましてねと、もみ手すり手で苦しい御答弁をなさいます。それを聞いて、それはごもっともだ、予算がきまっておれば無理はないでしょうけれども、借りたい気持を持っているのは近所隣の人たちだけではない、支店の数の問題にもなることと存じますけれども、遠い方の人こそ汽車賃を使って日にちを費して、何回か何回か足を運んで、それでもなかなか調査に来てもらえないというのです。やむなくまたぞろ足を運ばなければならない。二十万円、三十万円平均、多くて大体三十万円程度でございますが、それを借りるのに私は十三べん足を運んだ人を知っておりますが、これは極端な例だと思います。私の知っておる範囲内で三べん足を運んだだけで事が足りたという例もありますから、そう何回も何回も運んで三十万円か二十万円のお金を借りるのにがちゃがちゃやっておると、借り出しする者の費用、雑費にずいぶん食っちゃいまして、その地方の人はずいぶん困っているわけなんです。こういう点で大都会の周辺、つまり支所のありまする周辺も、あるいはずっとへんぴな方も、平等にとはいかないまでも、何とかここらでバランスのとれるような方策を立てられないものか、こう思うわけでございますが、この点いかがでございましょうか。
○櫛田説明員 まことにおっしゃる通りの現象が全国的にあるわけでございますが、ことにまた私どもの仕事の意義、その効果がだんだんと普及して参れば参るほどその傾きが強くなって参ります。その点については非常に苦労しておるのでありますが、ただ私いつも申し上げるのでありますが、金がない、人手が足りない、店がない、ないないづくしになりますが、これが私どもの悩みでございます。店がやっと今これで六十四になりました。多少地方によっては緩和されてきたところがございます。しかし何分にいたしましても人員が今千八百名でございます。それでもって直代合せて六十七万件という残高を持っております。銀行全体八十六行で六千有余の店を持っておる。その貸し出しが九十五万、百万に満たない貸し出しがございます。そういうところと御比較下さいますと、この千八百人という人数がどのくらいの割合になるかおわかりになると思います。それで結局地方のいなかの方になって参りますと、三件、四件というところで一人の人間が一晩泊りでできますというのと、全体の能率というと大へん恐縮でありますけれども、結局その地方において十件なり二十件なりまとまるまで待ちまして――何しろ今調査員が大体多いときで日に八件、平均でもって五件というものを処理せねば、処理し切れないような件数をかかえておりますので、地方の方になりますと大へん恐縮なんでありますが、しばらく申し込みがお集まりになると申しますか、十件なり二十件なりお集まりなるまでしばらくお待ちを願うということをどうしてもせざるを得なくなる。そういう関係から、全体としては、ことに都市の方、支所所在地におきましては一月内で処理できるのが、地方に参りますとそれが四十五日になり、あるいは二カ月になる、申し込みを受け付けましてから処理するまでの間が倍以上の時間がかかる、そのような状況になりまして、非常に苦労いたしております。ただそのほかになお代理所の機能をできるだけ活用いたしたいと存じまして、その店も全体で今五百五十くらいに相なりましたでしょうか、この一年の間にも五十ほどふやして参ったのでありますが、かような状況で、できる限りのことをさしていただいておりますが、なお冒頭に申し上げました全体的な状況が何とも手の回らぬところがありまして、御期待に沿えない点が方々に出て参りますことを、特に私ども仕事の性質から申しまして、相済まなく存じております。できる限りやって参りますから、もうしばらく御支援と申しますか御鞭撻をお願い申し上げたいと思います。
 なお大都市と地方との貸し出しの関係でありますが、東京、大阪、京都、神奈川、愛知、兵庫、福岡、この郡部まで入れましての七大都府県に対しまする普通貸し出しの状況でありますが、それは全体の三割二分に相なります。あとの六割八分というのが、それ以外の道並びに県に対する貸付に相なっております。この貸付の割合は、大体三分の一が七大都府県に集中しているということになりますから、あるいは多いともお考えになるかもしれませんが、中小企業の数とかあるいはほかの金融機関の貸し出しの状況、その他から比べますと、割合といたしましては七大都府県に対する集中度が低い方ではないか、私どももできるだけその点には注意いたしまして、名の通り国民金融公庫でありますので、薄くても広く、乏しい金ではありますが、なるだけ全国的に広く流れますように、その点に若干意は用いておるつもりでありますが、大体の結果はそのようになっております。御参考までにつけ加えさしていただきます。
○櫻井委員 銀行局長はお急ぎのようでありますので、ここでちょっと確認しておきたいと思います。それは年末金融に関連する問題でありませんが、今回の災害地に対する問題であります。特に私がここに取り上げたいのは、新潟の大火に対する金融措置の問題でございます。これについてはあとで中小企業金融公庫の総裁には具体的にお伺いいたしますが、とりあえず銀行局長さんがお忙しいようでございますので、私は銀行局長に質問いたします。この災害につきましては、政府は相当行政的な措置を講ずるということを災害の直後に発表いたしておるのであります。特に金融の面につきましては、これはいかなる災害においても直ちに金繰りということが当面してくる一番大きな問題であると思いますが、新潟市の大火に対して政府は金融面においてどのような措置をとられたか、一応お伺いしたいと思います。
○東條説明員 新潟の大火に関しまするお尋ねの範囲は、相当広範にわたると思いますので、もしお尋ねの趣旨をはずれましたようなことを申し上げましたらお許しを願いたいと思います。御承知のように新潟の大火は非常な大火でございまして、銀行、保険会社は相当の被害をこうむりましたが、これによりまして預金の払い戻しあるいは保険金の支払いなどに混乱を生じましてはいけませんので、土曜日の午後は、通例でございますれば銀行あるいは保険会社等休むのが当然でありますが、焼けなかった銀行などは引き続いて業務をするようにという命令をいたしますとか、あるいは幸い銀行側の原簿はほとんど全部助かっておりましたので、預金者側でそういう関係証憑書類を焼失いたしましたような場合には、機宜の処置をとるとか、あるいは手形交換でも一時やむを得ない場合においてはその出合いを延期するとか、何と申しますか、災害発生の直後の措置といたしましては、なるべくそういう金融方面の混乱を生じないような措置をそれぞれ適宜現地でとられたのであります。なお保険会社等の保険金の支払い等におきましても、事務処理の敏速を期するように指示いたした次第であります。
 復旧に伴いまする資金の問題でありますが、国民金融公庫の資金は、災害直後の立ち上りのために一口の金額は比較的小さくはありますが、とりあえず立ち上るのに必要な金という意味合いにおきまして、私どもは国民金融公庫の活動に非常に期待いたしておるわけであります。総裁がここにお見えになっておりますが、たしか新潟の大火の報告が入りますと、折り返しまして公庫側からはとりあえず一億円だったと思いますが、その限度において機宜の措置をとるようにという指令が国民金融公庫の総裁から発せられたと存じております。これによりまして、もちろん金額的には大したものとは申し上げかねまするが、とりあえずの立ち上りの資金あるいは復旧資金ということについては、一部お役に立ったのではないかと思っております。もちろんその後の全般的な復旧資金ということに相なって参りますと、この国民金融公庫の資金と申しまするよりは一般の金融機関、また公庫で申し上げますれば住宅金融公庫あるいは中小企業金融公庫、また公庫ではございませんが、商工組合中央金庫、それぞれの金融機関から資金の供与が行われるわけでありますが、これらの金融機関におきましては、それぞれの申し入れを受けまして、なるべく現地の事情に適合するように資金の供与が行われるべきであると思っておりまするし、事柄は信用貸し出しの問題でありますから、救済の問題というわけには参りませんが、実情に即した措置がとられることを私どもといたしましては期待いたしておりまするし、また関係金融機関においてもそれぞれの措置が講ぜられておる、かように存じております。
○櫻井委員 この災害の直後の緊急処置については十分わかりましたし、あるいはまた混乱も起きずにうまくいったと私ども現地で見ております。ただ問題はこの復旧に伴ういろいろな金融的措置でございますが、ただいまお話がございました国民金融公庫の一億円のワクは非常に円滑に消化されておる現在でございます。ただ問題となりますのは中小企業金融公庫で、これが実情に即して措置するように、政府はそういうふうにお考えのようでございますが、これが非常に実情に即していない。と申しますのは、具体的な例を申した方が一番はっきりすると思うわけでありますが、これは先ほどおっしゃったように、信用貸しであって、救済ではございませんけれども、しかし普通の場合と違う。これは非常な災害を受けて、しかもあの災害はいわゆる二十二号台風の発生のときにおいてあの大火が起きたわけでございまして、ほとんど市街の中心部の、しかも実力のある商店街がほとんど総なめにやられておるのでありまして、これから立ち上るためにはよほど政府あるいは県、市というものからあたたかい援助の手が差し伸べられない限り、これを普通の規則でやっておったのでは、とうてい立ち上ることはできないわけであります。まあ中小企業金融公庫は代理店がいろいろ受付をやっておるわけでありますが、これが非常に煩瑣をきわめておって、それからその条件が非常に苛酷である。従ってただいま新潟の場合は申し込み総額は四億四千万円あるわけでありますが、ところがこれが地元の代理店をパスしたのはわずか二千二百万円、四億四千万円の申し込みに対してわずか二千万円がパスをして中央に来ておる。これは何と申しますか、貸出しの条件が非常に苛酷であり、担保力であるとかこういうものに非常に重点を置いておる。こういうことではなかなか問題が片づかない。この際私どもといたしましては、政府のこういう金融機関の災害地に対する特別な御考慮、特にこの場合百万円を借りるのにつきまして大体保証人に立つ場合一町五反の田地を持っておるということが条件になっている。こういうことになりますと、こういう保証人というものはざらにあるはずがない。こういう災害地の場合は、何十年も何百年もああいう都市の中心において営業をしておった、一口に申しますとしにせと申しますか、こういうものは物的な担保力がかりに少々条件に合わなくとも、私どもの考えからすれば十分商人としての力は持っておると思うのであります。こういうものがやはりいろいろな条件に合わないために査定を通過しない。こういう事実があるわけでありますから、そういうのはすべて地元の代理店における、まあ率直に申しますと地元の銀行のこれの査定が非常にきびしい、これは今新潟市においてはもう怨嗟の的になっておる。こういう実情を十分御調査の上、各地元の代理業務をしておる銀行業者に対して、政府としてはもう少し反省を促して、この資格のワクを緩和していくというような御処置がとられないかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○東條説明員 主として中小企業金融公庫の貸出しにつきまして、どうも少し考え方が窮屈過ぎるという点についての御意見でございますが、有益な御意見といたしまして拝聴いたします。
 従来私どもはこの中小企業金融公庫の性格上、やはりこれは財政資金でもございますし、回収を確実にいたしまして、よりよく国民の皆さん方に御利用願う方がほんとうであろうという考え方から、これは原則といたしまして担保を提供するということで、運営に当ってもらっておるわけでありますが、今お話のように、まあ災害直後の状況であるから、その特殊性を十分考慮して、査定その他においても実情に即した考え方はできないかという点でございますが、これはどういうわけでその査定がきびしくて現地から東京の方に取り次がれないのであろうかというような、個々の案件につきましては、それぞれ具体的な事情があろうと存じますので、抽象的な申し上げようしかできないわけでありますが、とにかく中小企業金融公庫の総裁その他当局の方あるいは通産省方面とも連絡いたしまして、なるべく実情に即しますように研究をいたして参りたいと存じます。
○櫻井委員 御趣旨はよくわかりましたが、中央におって研究しておられるだけでは間に合わないので、現地はもう冬を控えて早く復旧をしなければならぬ、こういう差し迫った状況に追い込まれておるわけであります。従って今局長さんのおっしゃるように、大蔵省なり中小企業金融公庫、こういうところから地元に行って解決のできる権威ある係官を至急地元に派遣をされて、そうして個々の実情について十分御調査を願いたいと思うのでありますが、この点いかがでしょうか。
○東條説明員 具体的な人員の派遣が必要でありますれば公庫の方と相談いたしますが、なるべく御希望に沿うて実情が把握できるように取り運びたいと思います。
○小笠委員 お急ぎのようですから簡単に伺いたいのですが、実はきょう資金需要計画の表をいただいたのですが、その中に二十二特別国会で大蔵省から参議院の大蔵委員会へ提出の、中小企業の本年度の資金需要の表がある、この表によると、中小企業の金融機関借入れ必要額は、二千二百十一億であります。この二千二百十一億を基礎にして、中小企業庁が資金需要の見込みを書いている。この表の一ページに、第三・四半期において市中金融機関期待額が約九百六億と出ている。この九百六億というのは、昨年同期の八百十五億より約九十億増であります。先ほど東條局長の御説明によりますと、政府機関たる中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫に対する予定計画の出資すらまだ明言できぬと言っている。もしそうだとすれば、この九百六億はさらに多額を市中に期待をしなければならぬ、こういう状態に相なっておるのでありますが、この市中金融機関の現今の情勢は選別融資の傾向をより強くしておる、こういう状況をうしろに控えまして、この九百六億の充足をどういう手をもってやっていくか。約一千億に近い金をここ一カ月余の間に十分に充足することによって、初めて資金需給計画というものがうまくいくものだと思う。それを、何らの手を打たずして、約一千億の金を市中金融機関に期待するのだということだけでは何にもならぬと思います。ここに中小企業の年末金融対策の一番弱い点が隠されておると思わざるを得ないのでありますが、この点に対して銀行局当局としてはどういう具体的な措置をもってこれが解決をはからんとするのか、これを伺いたいと思います。
○田中(武)委員 ちょっと関連して。私も銀行局長に一言だけお伺いしたいということを通告しておったのでありますが、今の点と同じ点でございまして、なおつけ加えて申し上げたいのですが、一昨日いただきました資料の二のところの最後に、「大口融資の抑制、小口金融の一層の促進について一段の努力を要請する」、こう書いてありますが、今小笠委員のお尋ねになった点とにらみ合せまして、こういうような要請に対してできるのかどうか、どういうふうにしてやるのかということをあわせてお答え願いたいと思います。
○長谷川(四)委員 もう一つついでにつけ加えます。きっと打ち合せが済んでおると思うのですが、たとえば年末に対する金融を地方銀行側としては総額幾らくらい、大銀行は幾らくらいのものを貸し出しをするか、これは内容がはっきりしておると思うのですが、ついでにそれを御発表願いたい。
○東條説明員 年末を控えまして、政府関係機関でない一般の市中金融機関に対する要請をいかようにいたしておるか、それを中心にしたお尋ねでございます。私どもといたしましては、機会あるごとに、いわゆる一般の金融機関、市中銀行あるいは地方銀行あるいは相互銀行あるいは信用金庫、それらの金融機関に対しまして、特に中小企業に対する融資の考え方は、あたたかい親切心を持って十分各金融機関の使命に徹して考えるようにということを要請いたしておる次第でございます。特に年末を控えましての中小企業の資金の需要に対しましては、平素さように要請をいたしておりますし、時期でありますので、特に強く要請いたしておるわけであります。金融機関は金融機関としてのいろいろの考え方もありまするが、私どもといたしましては、現在の金融機関のあり方と申しますか、いろいろの点におきましてよほど再検討をし、考え直すべき点があるということを感じておりますとともに、各金融機関それぞれに対し、またそれぞれの団体に対しまして、そういう謙虚な態度でもって十分反省の上処置をしてもらいたいということを要請しておるわけであります。具体的な問題といたしましては、お前の方の金融機関はこの程度、あるいは銀行全体としてこの程度という金額の指示は私はいたしておりません。これは信用ベースで動いていくわけでありますが、そういう意味合いにおきまして、現在は金額的に幾ら融資すべきものであるという要請をいたしておりません。ただ具体的に個々の案件が起った場合において、そういう金融機関の本来あるべき姿にかんがみ、また中小企業金融の重大性ということにかんがみて、十分にやるように、そうして大企業の仕事の支払い遅延その他においてのしわが中小企業に寄っておるということも、これまた事実でありまするので、たとえばそれらの金融機関が大企業に融資をするような場合において、下請の中小企業に対する支払いの遅延を起さないようにという側面的な協力も十分するように、また政府等におきましても、支払いをいたす場合において、下請企業に対する支払いを促進するということを考えて、さような次官会議の決定もいたしておるので、そういう全体の態勢からできるだけのことをするようにという、きわめて抽象的ではありますが、私は機会あるごとにそういうことを要請すべきであるし、またそういう要請というものは相当の重要性がある、かように考えまして、この金融機関に対する指導に当っておる、かような次第でございます。
○長谷川(四)委員 局長さん、あなたは御指示しなくても、これは毎年の例によって年末には地方銀行は総額幾らくらいしようとか、大銀行は幾らくらいだというのが自動的に現われてきておるはずなんです。ですからあなたは御指しなくても、幾らくらいでありますかということをお聞きしておるのです。
○東條説明員 それは報告が私の方あるいは日本銀行の方に出て参るわけであります。それを集計いたしますれば、中小企業に対する民間の金融機関の貸し出しは幾らくらいであるということはもちろんわかるわけでありますが、私が申しました趣旨は、あらかじめ各地方銀行なら地方銀行に対しまして、お前の方はおよそ幾らくらい融資すべきであるというような意味の指示はいたしておらぬわけであります。
○長谷川(四)委員 ですからあなたは全然知っていないというのではなくて、御指示はしていないかもしれませんが、自発的に本年度は総額幾らくらいやろうじゃないか、そういうような打ち合せを一応は日本銀行なら日本銀行とするはずであります。その額をあなたはおわかりになりませんかというのであって、あなたがわからないというなら、またあらためて地方銀行の代表の人を呼んでお聞きしなければならぬので、そういう煩を省くためにあなたにお聞きするのです。あなたが知っておったならば、その額が去年に比較してどのくらいの額になっているかというようなことぐらいはお聞かせになっても差しつかえないのじゃないですか。あなたが御指示しなくとも、あなたが全然知らぬというはずはないと思います。だから知っている範囲内でよいのじゃないですか。それはおかしいじゃないですか。
○東條説明員 ここにありますように、市中の金融機関の昨年度の八百十五億という統計が出ているわけでありますが、幾らぐらいという具体的の金額については私としては申し上げかねますが、御承知のように金融の正常化ということで、各地方銀行の手元等も相当潤沢にもなっているわけでありますし、先ほど申しましたように、できるだけ従来の実績等も頭に置いて、あたたかい心でもっていたすようにしたい、かようなことを申し上げる次第であります。
○長谷川(四)委員 のれんに腕押ししても仕方がないから、それはあなたにお聞きしなくともよろしゅうございます。このくらいなことを言ったって、あなたに別に責任が云々という意味じゃないと思います。そうすればわれわれが安心しておれるのであるという、こういう考え方だけなんです。これをあなたがおっしゃったから責任がどうだこうだというような問題ではないのであります。その点はあなたにお伺いしなくとも、ほかの方を呼んでお聞きいたしましょう。そのときに、銀行局長にもお話をして、と言ったら、あらためてあなたの御出席を願います。あなたはどういうお考えを持っているのか知りませんが、あなたの責任ではないと思うんです。
 それからもう一つ、また的が違うかもしれませんが、長期の手形というもので中小企業が非常に困っている。そこで手形というものに対する何か方法をお考えになりませんか。たとえば手形法というものがあるのだから、それをどういうふうに変えなければならぬというようなお考えがもしあるとするならばお聞かせを願いたいと思います。
○東條説明員 大企業から中小企業にいろいろしわが寄っておるという事実の一つといたしまして、今お言葉のありました手形の期限が通常考えられるより非常に長い。また手形自体が出るまでに、そこに相当の物品の納入があって手形が出る。しかもせっかく受け取った手形が相当長期のものである。この事実は、私どもも行き過ぎのある場合は大へん遺憾なことであると思います。しかしさればといって、ここで手形法の改正でありますとか、さような法制的な措置でもって、現在行われておりますような長期の手形の期限を短かくするような措置を講ずることは適当ではあるまい。やはり企業を経営しております方々に必要があれば反省を求めまして、さような不当な手形の取引が行われないように、運営の問題あるいは実行の問題といたしまして反省を求めて是正して参るのが適当であろう、かように存じております。
○田中委員長 ちょっと東條さん、委員長から申し上げますが、この委員会で近くまた審議をしなければならぬと思うのですが、社会党の諸君の提案で下請関係調整法というものが前の国会では審議未了になったのですが、この国会にきっとお出しになると思うのであります。そういう意味で何らかの下請関係の調整はしなければならぬと思うのですが、いわゆる下請関係調整というような単独立法を行うか、もしくは手形法の改正というような意味で、信用度を高めるために何らかの法制処置を必要とするのじゃないかというような意見がこの委員会にあるのですが、全然立法処置をするというような御意思はないのですか。それは、今日本の経済を混乱せしめておるのが、大企業が下請け企業に払わないというよりも、いわゆる融通手形が非常に横行しておるので、これがほとんど手形の半分を占めているのじゃないかというような現状に徴して、何らかの処置をしなければならない、こういう考えをこの委員会が持っておるのですが、その意味であなたに今伺っておるので、法制処置を大蔵当局はする意思があるのかないのか、一つもう一ぺんお答えを願いたい。
○東條説明員 ただいまの委員長の御趣旨は、そういう考え方もあるので、大蔵省としてもよく研究するようにという御趣旨を裏に含んでの御注意でありますので、もちろん私どもそういう御趣旨でございますれば十分検討をいたすべき非常に大事な問題でございますが、ただいまお前はどう思うのだというお尋ねでございますれば、検討はいたしてみますが、どうもこの手形制度について、制度の問題として手を加えるのはいかがなものであろうか、今日の段階においては、運用面において意を用い、是正すべき点は是正するというのが適当なんじゃなかろうか、かようなことを、とりあえずの感じとして申し上げておく次第であります。
○小笠委員 私は一言だけ伺いたいのでありますが、結局大蔵省が中小企業の資金需給というものを当初から立てて、これだけの金は要るのだ、こうきめながら、それは充足する意思はないのだ、積極的に充足してやる意思はないのだと判断していいのかということが第一。第二の問題は、私が質問いたしましたように、政府関係機関に対する政府の投融資予定額自体も不十分だ、見通しが、この年の瀬がきてもまだできぬのだ、こういうことで、中小企業対策はできるのかどうか。私はこの二つの問題から見て、大蔵当局として中小企業の対策というものは、大企業金融が済んだあと、資金余裕があったらやってもいいのだというお考えに立っているのじゃないか。私はしいて言いたいのであります。そこらの考え方についてはっきりしたことを考えていただかなければ、中小企業の年末金融対策のために商工委員会を開いても、私はむだだと思う。明らかにここに百億の穴があるのを知りつつ、中小企業対策、年末対策ということは意味ないと思う。どちらでもかまいませんが、もう一度、精神論はけっこうでありますが、経済の問題でありますから、はっきりした合理的の理解のできる御答弁を願いたい。
○東條説明員 小笠委員からおしかりでございますが、私は決して、大企業の金融が先であって中小企業金融は二の次であるという考えは毛頭持っておりません。中小企業の金融は、金融問題といたしまして非常に困難な問題ではありますが、あらゆる力を尽しまして当って参らなければならぬ問題である、かように確信をいたしております。政府関係機関に対する資金運用部からの資金供与の問題でありますが、きょうこの席におきましては最終的なことを申し上げかねまして、この点は大へん恐縮でありますが、きわめて短かい期間の間に、大蔵省といたしましてきまったことを御報告申し上げる運びに至るであろうと私は信じております。
 それから市中金融機関の問題でありますが、これは先ほど申し上げましたような現在の市中金融機関の金融のあり方からいたしまして、精神論というおしかりをちょうだいいたしましたけれども、そういう心構えでやっていけ、やっていくようにということが現在の市中金融機関に対する金融行政の考え方であろう、かように存じておりますし、そういう考え方でもって相当現在の客観的な金融情勢からいたしまして、また関係の皆さん方の熱意からいたしまして、効果が上る、かように確信をいたしております。
○小笠委員 それじゃ、市中金融機関の問題でこういう手をお打ちになるおつもりはありませんか、これを伺いたいのでありますが、全国銀行協会におきまして融資規制委員会というものを作って、先手を打っておると申しますか、一つの融資準則をきめてやっておる。これは大蔵当局も十分間接的に御了解の上で行なっておるはずであります。この銀行協会に対して、年末に際して中小企業金融に対して特段の措置を講ずるような申し入れをする意思がないか、これだけ伺っておきます。
○東條説明員 銀行協会に対しましては、年末を控えて中小企業金融がきわめて大事な問題であるので、十分各関係傘下の銀行に対してその趣旨を徹底するようにということはすでに意思を通じてございます。
○田中委員長 永井勝次郎君。
○永井委員 ただいま局長から精神論があったわけですが、われわれ年末を控えまして休会中このような委員会を開くというのは、抽象論や精神論で時間をつぶすのでなくして、当面した問題について即刻具体的な問題解決のためにこの委員会を開いているわけでありますから、そういう抽象論でなしに、もっと具体的にいろいろな問題を進めて、できるものはできる、できないものはできない、ここまではできるのだということをはっきりして、その上に立って次の施策を作っていかなければならぬ、こう思うのです。そういう意味において、もっとはっきりしていただきたいのですが、今局長は、銀行側にも相当反省しなければならぬ点がある、それから中小企業にしわ寄せになっておる、これもお認めになっておる。それからそれに対する対策としては非常にあたたかい気持で、こういうようなお言葉である。こういう抽象論ではわからないので、銀行に反省しなければならない点は、現在大きな問題としてどういう点が反省しなければならぬと局長は考えておるのか。それからあたたかい気持ということは具体的にいってどういう点においてあたたかい気持で今後の金融措置を講じていこうというのか。その具体的な内容、それから中小企業にしわ寄せになっておるということ、これはお認めになったのですが、具体的にはどういうことが中小企業へのしわ寄せであるとお考えになっておるのか、この三つの点。その認識が土台になって次の対策が出てくるわけですから、これをはっきり伺わなければならぬ。
○東條説明員 今の質問は、こういった中小企業へのしわ寄せというのは具体的にどういう点と考えておるか、かような点でありまするが、これはいろいろ広汎にわたると思いますので、私がここで今申し上げることが十分でございませんと思いますが、それならそれでまた御教示を仰ぎたいと思います。最近大分金融の正常化が行われた、かように言われておるわけでありまするが、私どもの見たところでは、いわゆる金融の正常化ということの効果はまだいろいろの関係から十二分に中小企業に及んでおらぬ。これは今後多少時間をかけ、また今後の進展いかんによっては、そういういわゆる金融正常化に伴う効果というものは逐次中小企業に及んで参らねばならぬし、またいくであろうということであります。それから先ほど来お話の出ておりまする各企業間の問題といたしましては、いわゆる企業の系列化ということがこわれたと申しますか、おくれておると申しますか、さようなことで大企業の支払いがおくれるとか、あるいは支払いがおくれた場合における、支払いがおくれてなおかつ支払い手段としての手形の期限が相当長期になってきておる、さようないわゆる支払い遅延の問題があろうかと思うのであります。またその代金の問題といたしましても、中小企業と大企業との間の取引の価格というものが適当であるかどうか。大企業の力の関係で中小企業が大企業から受け取るものの値段と申しますか、下請けの価格の問題、そういうものがたたかれておるという事実があるのではなかろうか。かような金利負担その他から及ぼす金融の問題、あるいは金の支払いを受ける速度の問題、あるいは代金の価格の問題、さようないろいろの点におきまして、金融にいわゆるしわ寄せという現象が現われて参るのではなかろうかと思います。
 それから政府関係機関は別といたしまして、市中金融機関があたたかい心でもってというのは、たとえば具体的にどういうようなことであろうかという点でありますが、これは、私は、先ほど来お話の出ておりまする銀行の窓口において相当現われてくる問題ではなかろうかと思います。申し込みを受け付けました場合において、果して信用供与の対象として適当かどうかということを考えます場合に、あたたかい考え方でもってすれば、審査に相当幅があり得るのではなかろうかと思います。また手続にしても、心の持ちようによりましては、その手続が迅速化せられる、簡易化せられるということもあろうと思います。また金利の問題にいたしましても、また担保の問題にいたしましても、さような心がまえをもっていたします限りにおきましては、相当改善されるべきものがあろうと思います。
 またこのいわゆる金利負担の問題と関連いたしまして、先ほども御質問がありました両建、歩積みの問題でありますが、私は、今までの実績を考えまして、金融機関側においてもいろいろと自粛には努めておりますが、特に中小企業相手の両建、歩積みの問題は自粛の実が上っておるとは申し上げかねると思います。この両建、歩積みの問題にいたしましても、金融機関側にいろいろ考え直す点があるだろうと思いますし、それらの自粛を求めておるわけでありますが、もしあたたかい心をもっていたすならば、実質的な金利負担をなす両建、歩積みの問題においても相当改善の余地があろうと考えておるわけであります。そういうあたたかい心がまえをもってやってもらいたいということを要望いたしておりますとともに、銀行局といたしましてできますこととして、十分報告をとる、あるいは事後において取調べをする、かようなことで実を上げて参りたい、かように考えておるわけであります。
○永井委員 どだい出発点が間違っておると思う。市中銀行のような冷酷むざんな高利貸し根性のものにあたたかい心や反省などというものを精神的に求めたって成績の上るものではない。鬼だって涙を流すことはあるけれども、それは自分の利害打算の上から涙を流すのであって、実際にものの具体的な実情の上に立って血の通った涙なんというものは銀行家になんか決して出るものではないと思う。そういう実態を把握しないで、ただ精神論を説く、またたとえば九百六億、市中金融機関に期待するというこういう数字をあげておられるが、期待しっぱなし、あたたかい心の反省を求めてしっぱなし、こういうことで、少くとも銀行局長や、大蔵省の日本の金融行政に携わっておる人がそれで問題が解決するというような大それた考えを持っておることが、今日日本の独占金融資本家をどんどん太らせて、そうして金融資本だけが太って国民がなえしぼんでいくというような、こういう実態になってくるのは当然の結果だと思う。銀行に反省を求めなければならぬとともに、大蔵当局なり、金融行政に携わっておる局長の一大反省を私はやはり求めなければいけないと思う。何と言ったって、地方から金をうんと集めて、そうして中央に吸い上げて大企業に集中融資をしておる。歩積み、両建というようなことを何ぼ口先で言ったってだめなんで、こういうものが現実に行われている以上は、これに対する対策が具体的になされなければならぬし、金利の問題だって、いろいろ貸し倒れ準備金とか何とか金融機関の健全性という立場からわれわれが国会で議決し、また要請されておると思うのですが、そういう根拠特典が与えられておるにもかかわらず、それに藉口して――融資ベースから言うならば、不安定なものより健全なものに融資した方がいいことは議論の余地がないと思うのですけれども、国の産業経済の運営という面からいけば、相当不安定なものであっても幅を持って、これだけやったらこれだけできるのだという見通しがあると思いますから、そういう面の金融行政というものがなされなければいけない。それを口先だけで言いっぱなしで、その結果が上らなくても――たとえば下請に対する支払いの問題なんというものも、こういうひどいやり方というものは、これは実態がわからないでやっているのではなくて、冷酷むざんな搾取する一つの方式として行われている。これをただ言葉だけで是正しようと思ったってできるものでない、こう思うのです。そういう点において銀行局は気持の転換をしなければならぬし、実情に対する把握の仕方をもっと具体的に、あたたかい血の通った気持で考えていかなければならない。銀行の高利貸し根性の援助をするような銀行局では困ったものだと思います。
 そこで私は最後にお尋ねをいたしたいのですが、たとえば先ほど来御答弁のあったように、ここに掲げた数字は単にそういったあたたかい気持で高利貸しに期待する、これだけの気持でここへ書かれたのか、あるいは可能な限度においてこれだけのことはしたいと思っているのだというような決意があるなら決意を伺いたいのです。ただ単に書きっぱなしなんだ、これはなろうとなるまいと結果については責任を負わないのだ、こういうお考えなのか、これだけ一つ伺いたい。なおこの問題については時間をあらためて論議をしなければならないし、具体的にはさらに伺いますが、きょうはそれだけを伺っておきます。そういう冷酷な実際の金融をやっているものに、言葉だけで是正ができるのだ、こういう考えでやっているのかどうか。そしてここの数字は単に期待するというだけで、言いっぱなし、結果は責任を負わない、こういうお考えでただ数字を羅列したのか、この二点だけ伺います。
○東條説明員 きょうお答え申し上げましたことは、言いっぱなしというようなつもりはありませんで、あるいは言葉の使い方あるいは説明の申し上げ方に不備な点があったかも存じませんが、私としては誠心誠意さような努力をし、実が上る、かような期待もいたしておりますし、及ばずながら努力いたしております。
 それから市中金融機関のいわゆる期待額でありますが、これは先ほど来申し上げておりますように、現在り金融機関のあり方といたしましては、先ほど申し上げました以上のことは私といたしましてはできませんけれども、ここに上っております数字は現在の情勢からいたしますれば相当実現の可能性の強いものだ、私はさように考えております。
○田中委員長 私から一言申し上げますが、中小企業はこの委員会としては一番大きな問題として取り上げているわけです。中小企業の年末融資について大蔵当局が指導したり強力に折衝を進めることは、今の情勢において金融の独立性を害するというような先ほどの精神論があったようですが、小笠君が言われた通り、全国銀行協会が主軸になって融資委員会をすでに作り、しかも中小企業金融面の大幅緩和に乗り出している現状でありますから、この年末融資には特に速度ということが非常に重要であることから考えると、融資額について政府間において当然折衝があると思う。こういう前提を考えるときに、大蔵、通産両当局はもっと腹を合せてこの難局を切り抜けるために折衝をやり、またここで行政的な指導面を大きく出してもかまわない、こういうふうに思うのですが、数字をおつかみになっておってもなかなか発表せられない、明日は大蔵委員会で本同種の会議が開かれるわけでありますが、もうすでに現実においては融資委員会において、肩がわりをする、いわゆる緩和をする数字に対しても言明せられるのではないかと思うのですが、どうですか。
○東條説明員 まことにいろいろごもっともなお言葉でございます。私どもといたしましても、銀行協会あるいは特殊の銀行協会の投融資委員会とか、利子規制委員会、そういうものに対して、中小企業の問題は十分自主的な立場にあるだけに、できるだけの措置を講ずるということは、すでに申し入れてもございますし、そういうラインに沿って措置がとられておる次第でございます。ただ委員長最後の仰せの、具体的な金額でもって、市中金融機関あるいは銀行協会として、中小企業関係へ肩がわりの金額というものがきまっておるかという点でありますが、この点はまださような運びになっておらない次第であります。
 いま一つ、仰せの、通産省と大蔵省とで緊密に連絡をいたしまして、たとえば関係公庫に対する資金運用部からの資金供与の金額等につきましては、本日はこの席ではちょっと明言いたしかねたのでありますが、私どもとしては、一両日の間にでも早急に決定を見まして、両公庫においても遺憾なく措置をしていただくつもりでおりますので、御了承願います。
○田中(武)委員 先ほど局長の、いわゆる大口金融を抑制して、小口金融を促進するという線に関連いたしまして、大企業へ貸し付ける場合にも、下請企業へ下請代金を払うように、こういうように言って貸すようにしたい、こういう意味の何があったのですが、ただ単にそういう希望だけではなくて、このうち幾らは下請にやれというようなひもはつけられないものかどうか。
 それからこれは局長じゃないんですが、先ほど小笠さんも言われましたが、ここに百億の穴があくということでございましたので、われわれといたしましてはその百億について一つの考え方を持っているのですが、そのときにまた自民党の御協力をお願いしたいと思います。
○東條説明員 先ほどちょっと申し上げたのでありますが、銀行がいろいろ融資をいたします場合において、相手方が大企業であって、さらに下請があるような場合において、なるべく下請への支払いを遅延せしめないように、促進するようにという注意を関係金融機関からもするようにというととは、私どもの方から銀行協会あるいは各銀行の集合のようなときには注意をいたしております。しかしそのときに、その大企業から下請へ払う割合を幾らというようにひもをつけることまで関係金融機関にやれということは、個々の取引にもよりましょうし、あるいは下請企業との関係もあろうと思いますので、一がいにその割合をきめるということまではいかがなものであろうかと考えまして、そこまでのことは私どもの方といたしましてはいたしておりません。しかしできるだけそういう立場に立って、あたたかい心持ちで関係方面を金融機関としても指導するということを申しております。
○田中委員長 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時三十三分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際石橋通産大臣より発言を求められております。これを許します。石橋国務大臣。
○石橋国務大臣 私はまた第三次鳩山内閣におきまして通商産業大臣に重任いたすことに相なりました。どうぞ今後よろしくお願いいたします。(拍手)
○田中委員長 中小企業年末金融に関し質疑を続行いたします。永井勝次郎君。
○永井委員 ちょっと議事進行についてお尋ねするのですが、大臣の質問を済まして、それからこの決議をするわけですか。
○田中委員長 速記中止。
  〔速記中止〕
○田中委員長 速記開始。
○永井委員 第三次鳩山内閣は老令内閣とも言い、暫定内閣とも呼ばれておるわけですが、その中でも経済関係の各大臣がそれぞれ留任せられまして、施策を強力に推進しようという、腰はふらふらでも一応心がまえだけは見えるわけであります。その点については大いにその心がまえを多とするものでありますが、従って大臣は続けておやりになっておるのでありますから、年末における中小企業への融資その他の問題については、かねての計画をそのまま推進し、発展させる、こういうことで足りると思うのでありますが、現在の中小企業年末融資の議題がここにかかっておるわけですが、中小企業の年末融資と申しましても、単に年末だけの暫定的な措置あるいは金融だけの問題から中小企業という問題を解決しようと思っても、これはなかなか困難な問題であります。従って第三次鳩山内閣の通産大臣として発足するに当りまして、この年末を控え、年末金融という問題を通し、さらに中小企業の現状というものをどういうふうに把握されて、今後どういう施策を実行されようとしておるのであるか、その中の一環としての金融問題及び当面の年末金融に対しては、どういう心組みでおられるのであるか、これらの問題を総合的に御説明を願いたいと思いますし、所信の御披瀝を願いたいと思います。
○石橋国務大臣 中小企業に関する問題は、御承知のように非常に古いころから論議されたにかかわらず、実際有効適切なる処置がなかなかありません。通産大臣としてはいろいろの手をむろん打っておりますが、さてそれでは一挙にして中小企業が立ち直るとか、あるいは確固たる基盤を作るとかというような妙手は実はないのであります。だが今度の内閣として私どもが今考えておりますのは、いずれ三十一年度の予算案等と一緒に御審議をわずらわすことになると思いますが、これは前からやっておることでありますが、ことに輸出商品について中小企業の助長をやるということ、その方法はいろいろありますが、そういうことが一つであります。それから設備の近代化ということについても相当強力に手を打ちたい、ことにただいま政府部内で事務的に話し合っておるのでありますが、機械工業の面において、日本の機械工業をりっぱなものに育てるということについては、特に中小といいますか、あるいは中企業と申しますか、そういう方面の機械の精度をよくするというようなことのために特別の処置を施したい。まず中規模の工場の機械を更新すると同時に、国産の機械を奨励する、ひいてそれ以下の小企業の機械設備も改めていく、かような処置をとりたいと存じておるようなわけであります。それやこれやで根本的に中小企業というものが中小企業そのものとして成り立つようにやっていくようにはかっております。
 年末金融についてはすでに事務当局からいろいろ御説明を申し上げたと存じますが、これまた特にこれという妙手もございませんが、あらゆる方法を講じて年末金融の金融し得る資金量をできるだけふやすと同時に、その貸し出し等についても便宜を与えるようにいたしていきたいと考えて、ただいますでに一部は着手したものもございますし、また現に事務的に検討してこれから行おうとするものもあることはすでに御説明を申し上げておると存じますから、私から繰り返して申しません。しかしできるだけのことをやるということに決意はいたしておるわけであります。
○永井委員 できるだけのことはやらなければいけないでしょうし、できないことをやれといってもこれはできないわけですから、答弁としてはできるだけのことをやるということになるだろうと思いますが、どのくらいのことができるかという客観的なものがわれわれにとっての批判の対象ともなるし、またそれが政府の具体的なものだと思うのです。できるだけのことをやるのだというだけでは何のことかさっぱりわけがわからないということになろうと思います。
 そこで伺いますが、年末金融については救済的な性格をもってある程度考慮しよう、こういうのでありますか、あるいは金融ベースの限度内においてできるだけこれをやろう、こういうお考えであるのか。それから年末金融というものを飛び石として、そうして正常な中小企業への金融措置を考慮していく、こういう一つの考え方に立っているのか。年末金融に対する性格について大臣のお考えになっているところを一つお示しを願いたいのであります。
○石橋国務大臣 特に救済的な金融をするということは、これはその業態その他にもよりましょうけれども、今できるだけ救済的なことをやるという気持は持っておりません。正常な金融によって中小企業が成り立っていくようにいたしたい、かように考えております。
○永井委員 特に年末金融と銘打ってこれに対する措置を講ずる、たとえば指定預金の引き揚げの繰り延べを行う、あるいは第四・四半期分の資金計画を繰り上げて実施するというような、いろいろな措置がなされるということは、救済的な内容でなしに、正常金融としてこれを考慮していくということになりますと、特に年末金融においてそういうようなことを強化され、それからそういう措置を講じられるというのは、どういう事態に対してどういう一つの対策をもってそういう措置を講じられようとしておるのか。全然救済的な意味を持たないこういう金融として、特に年末にそういうことをするということはどういうことであるのか、説明を願いたいと思います。
○石橋国務大臣 御承知のように全般的に金融がゆるんではきておりますが、しかしそのゆるみ方がまだ中小企業の方に及ぶほどになっておらないというのが、現在の金融の実態のようであります。年末は御承知のようにいつの年でも、やはり決済資金として相当の金額が動かなければならぬわけでありますから、従って指定預金の引き揚げを延期するとかいうようなことで資金量をふやして、できるだけ中小企業の年末の金融を豊かにするということは、必ずしも救済的の意味でなくても、これは年々ほとんど必要な、常態的な金融であろうと思うのであります。そういう意味で私は特に救済の意味ではないと申し上げたのでありますが、年末の特に手当ということが救済ということならば、これは救済という言葉を使っても差しつかえないと思いますが、私はなるべく救済という言葉は使いたくない。年末金融として、一般の企業に対しても年末は年末の金融の処置が必要であります。これは年々のことでありますから、そういう意味で今年も年末について中小企業の金融を特にめんどうを見よう、あるいは下請に対する支払いが非常に遅延をして、相変らず手形の期限など長いということも、一種の変態的なことでありましょう。やがて全体の金融がもっとゆるんで参れば、そういうこともおのずから解消するのかと思いますが、とにかく当面の事態としてはまだ中小企業の金融というものは、今申すように、親工場等からの支払いがはなはだ不良であるというととも事実でありますから、そういうことに対しては特に考慮をいたしたい、かように考えております。
○永井委員 救済的なものではない、年末金融はそういうものではないということがはっきりいたしました。そうして今下請代金の支払い促進のことについて大臣からお話があったわけでありますが、そういたしますと、年末に特に中小企業にいろいろなものの金融面からけるしわ寄せが来ているということについては、これは今まで中小企業のためのいろいろな対策について通産省は行政の担当者としては怠慢であった、適切な政策がなかったために、年末に来て中小企業に特にしわ寄せが強化されてきた、こういう形であって、われわれはそれに対しては政府の怠慢である、こうきめつけなければならぬ事態がたくさんあると思うのであります。下請代金の問題については、これはひどいのになりますと、納品をしてから四カ月間ただほったらかしにされていて、そうして四カ月ぐらい過ぎてからようやく手形を出してもらって、その出した手形が百八十日、こういうようなひどいものもある。しかもこの下請代金の支払いという問題は、これはきのうきょうに始まったものでなく、数年前からこういう問題がやかましくなり、これに対する対策を立てなければならぬ。ことにわが党においては前国会において、下請代金支払いに関する適正な措置を法的な根拠によって確立しなければいけない、取引の正常化をはからなければならないという見地から、われわれは提出しておる。これほど問題になっておるにもかかわらず、なお今日何らこれに対する措置がなされておらない。もしこの支払いの促進をする措置がなされたとするならば、どういう方策を今日まで政府はとってきたか、その効果はどうであったか、そうしてこの年末に際して中小企業が困っておる、金融が非常に梗塞しておるということは、こういう変則な、弱肉強食というような非常にひどい、冷酷むざんなやり方の結果として現われてきた。そういう結果として現われたものを、やはりその事態に対してだけ救済的な措置は講じないのだ、正常な金融ベースで金融するのだ、こういうお考えであるならば、さような原因を作った通産当局の怠慢に対してわれわれは責めなければならないと思うのであります。下請関係における従来とってきた金融措置は、具体的にどういうことをやってこられたか、その効果はどういうふうであったか、現在年末にさしかかって下請関係の金融難であるという事態は、相当に深刻なものがある。働いて納品して、そうして親企業がこれを支払わないという結果として、金融が詰まってきておる。決してなまけて、ふしだらなことをやって、みずから招いたところの金融難ではない。こういう事態に対してどういうふうにお考えになるのか、あわせて伺いたい。
○石橋国務大臣 下請に対する支払いがはなはだ思わしくないということは、御指摘の通りであります。われわれもよく承知しております。そこでこれに対してただいまのところでは、一つは各企業に対して下請に対する支払いをもっと正常化するように勧告をする。同時に公取委の出動をして、公取委の方から相当調査をして、今度は厳重にある程度の処置をとろう、かように考えております。
○加藤(清)委員 関連して。下請代金の支払いを促進する問題でございますが、今大臣は公取委に命じて厳重に調査して勧告するというお話でございますが、これはまことにけっこうでございますけれども、この問題はきのうきょうの問題じゃないので、実は去年もこういう問題がここで審議されました折に、私が実例をもって示したことがある。そうしたら同じような答弁を大臣はされた。ところがその結果はどういうことになったかというたら、その大企業はその下請に対して以後注文を出さない、こういうしっぺい返しをよこした。ところがあにはからんや私のとった例は、東京の下請の横浜の大企業に対する例でございまするが、その横浜にある大企業は愛知県の名古屋や瀬戸にも発注していた。それまでも呼び寄せて、お前があの代議士を頼んだんだろう、けしからぬ、こういうことを言うやつには以後注文しないのだ、こういうことでずいぶん痛い目を食ったことがありますが、あなたがここでおっしゃることはほんとうに正確に実行に移していただけばよろしゅうございますが、ただここでアドバルーンを上げただけになりますと、マイナスの結果が生じてくるということが間々あります。生殺与奪の権を握られておるところの下請企業としては、そうされた場合に、何にも返す言葉もなくてメイファーズ、こういうことになっておりますので、この点はよく大臣御存じでございましょうか。支払いの問題から、あにはからんや支払いが促進されずに仕事までも奪われてしまう、こういう結果がございますので、その点一体どのように留意をしてあなたの意思を実行に移されようとしていらっしゃいますのか、この点をはっきり承わりたい。
○石橋国務大臣 今のお話は根本問題でして、つまり下請企業というものがそれほど弱いのですね。支払いが悪ければおれはお前のところの下請はしないというくらいにたんかが切れるくらいの位置にならなければ、下請というものはだめなんです。(「それは施策が悪いからだ」と呼ぶ者あり)ですから根本問題としては――それはどこが悪いか知りませんが、とにかく根本問題としては、そういうことをほんとうに解決していくことが必要であります。ただ金融だけの問題ではないと思います。今申しますように、あなたのおっしゃるように公取が手を打つとそれに対してしっぺ返しがくるということもありかねないことであろうと思っております。ですからそういう点については十分注意はいたしますが、何しろ根太的には今の日本の下請企業というものが結局競争が激し過ぎる。だから甲の者を追い払っても親工場は乙の下請を幾らでも使えるというような事情にあることに欠点があると思いますから、そういう点は一つぜひ日本の産業全体の構造としてこれから修正をしていきたい、かように考えております。
○永井委員 修正していくのもけっこうですが、一体何年待てばそういうことが具体的になるのか、まあ今度は絶対多数をとったから少しは生き長らえるかもしれませんけれども、短命内閣の中で、これだけ具体的にあげて、問題も何もない、はっきりしている問題に対して何ら手を打たない。そして公取に勧告すると口で言うだけで、実行の方は少しも進まない。こういうことは政府の怠慢である。その結果として出てきた、まじめに働いてそして納めた品に対する金融の滞りに対して、年末においてそれに対する何らかの特別な金融を考えてやるということは、経済の運営を正常化していくという立場からいっても、あるいはもっと広い人間的な愛情といったような立場からいっても、これは何らか考えなければならない問題であると思うのですが、そういう問題もやはり正常な金融ベースで措置しようとお考えになるのですか。これは大臣に赤い血が通っているかどうかという問題でありますから、一つ伺っておきます。
○石橋国務大臣 そういう中小企業の現実を見て年末金融が行きつかえているのを疎通をするのは正常なるやり方だと思うのです。特にある企業に対して恩恵を施してやる、こういうのではなくて、各金融機関がそれぞれの立場から調査もいたさなければなりません。ただつかみ金でこれを救済するというようなことはいたさないつもりであります。
○永井委員 もう一つ中小企業金融公庫が発足した折に市中の十一大銀行についてはこれを代理店に指定しないという、こういう決定をこの委員会はいたしたわけであります。それは従来十一大銀行は中小企業の金融に対して非常に不熱心であった、冷酷過ぎた、見向きもしなかった、こういうことで、これらの金融を扱わせる代理店としては不適当である、こういうことで扱わせなかった。ところがその後に至ってこれを盛んに電車とか市中にも、中小企業に大いに金を貸します。こういうような宣伝をし、政府当局も、特に通産当局は、市中における従来取引関係のあるものもあるのだから、これをやらなかったら非常な障害になるから、こういうことで十一大銀行に扱わせることと変更したわけでありますが、そのときには今後その成績を見て、非常に熱意を欠く場合においてはいつでも取り消すことがある、こういうことであったと思います。その当時十一大銀行に扱わせるにつきましては、通産当局及び大蔵当局は、今後銀行の指導なり監理なり、事務のいろいろな成績の過程において十分監査して、そのようなことのないように取り計らう、こういう責任をもって十一大銀行に扱わせたのでありますが、今日なおこの状況を見ますと、これは言語道断なやり方をしております。都市方面においても、これでは十一大銀行には扱わせないでほしいという中小企業者の声であります。こういう事態まで放任して、われわれもこの委員会でしばしば警告を発したにもかかわらず、その責任というものを少しもとらない。これは怠慢のはなはだしいものである。われわれはかように考えるのでありますが、大臣はこの事態に対してどうお考えになるか。中小企業金融公庫がほんとうに発足したときには中小企業者は渇望して、旱天ににじを見るような気持でこれを待望した。その結果はどうかというと、その期待を非常に裏切ってしまった、こういうことでありますが、これが積り積って中小企業は今日年末に差しかかって非常に苦しい状態に追い込まれておるということの遠因と近因を作っておるわけであります。この政府の怠慢に対して深く反省するところがなければならぬと思うのですが、大臣はどうお考えでありますか。
○石橋国務大臣 私は十一大銀行の実際がそうお話のように――それは銀行によって多少の差がありましょうけれども、中小企業の金融のめんどうを見ないというようなことはしておらないと思っております。相当やっております。それでは十一大銀行に融資をさせなかったらその結果はかえってよいかというと、必ずしもそうではない、やはり融資をさせる道は開いておく方がよかろうと考えております。
○永井委員 それは十一大銀行の側に立てばけっこうでしょうけれども、中小企業者の立場、借りる側に立てば迷惑千万で、そちらから流した金をちゃんと金庫の中にしまっておいて出さない、あるいはその金が流す方へ流さないで、確実な従来の取引関係の、ことにベースに乗る面、中小企業金融公庫の金を使わなくてもいいというような面にそれを流しておる。その流しておる量と金融しておる質の問題において非常にふらちなものがある、こう思うのです。これは一般の市中における中小企業者の声でありまして、もし知らないとすれば、知らぬは通産大臣ばかりなりと、こういうことになって、もうこれだけの問題を見ましても、いかにつんぼさじきに大臣はおるかということがわかるのでありますが、こういう問題についても、積り積って今日の中小企業の行き詰まりの原因をなしておる。また長期手形の問題にいたしましても、これだけ百二十日とか百五十日とか、あるいは二百日とかいうべらぼうな手形が出されておる。これに対しても通産大臣はやはり経済の正常化という上において責任をとらなければならない。特にこれは解決しておかなければならない。あるいは金融の面においては、これは直接通産大臣の問題じゃなくても、ほんとうに通産大臣が産業行政を預かって進むならば、独占金融資本が両建預金であるとか歩積みであるとか、こういうひどいやり方をやって苦しめておる。大企業の面においてはそういう面も相当緩和するけれども、中小企業に対してはひどいことをやっておる。両建預金のごときは貸し出しの六割に近い預金を積ましておる。六割、七割近いものを積ましたというような実例をあげよというならたくさんあげます。知らぬは通産大臣ばかりなりでありますから、こういうものはやはり通産大臣によく知っていただかなければならぬと思うのであります。日本の国の通産大臣ですから、やはりわれわれはもっと知っていただかなければならない。こういう問題も放任しておいて、そしてこれのいろいろな形が全部中小企業にしわ寄せになって、そして今日年末に差しかかってこの年の瀬を越せるか越せないか、そして親子心中があっちこっちにたくさん出てくるというような、こういう事態にほおかむりして、そして金融に対して、こういう原因を作ったいろいろな問題を分析しないで、ただ単に結果に対して正常な金融の措置をするのだ、何ら特別な考えはないのだ、こういう冷酷むざんなやり方は、銀行の高利貸し根性と同じ立場に立っておるのじゃないか。産業行政を預かる通産大臣としては、もっと別個な立場において正常な産業を育成していく、助長していくという立場に立った金融政策を、角度を変えて、銀行の窓口からものを見るのでなしに、産業の工場の中に立ってこういう金融という問題を考えていく必要があるのではないかと思うのです。それでもなおかつ年末融資については何ら特別な考慮は払わないのだ、金融ベース一本調子でいくのだ、こういうお考えですかどうか、重ねてお伺いいたします。
○石橋国務大臣 私が特に救済云々ということはしないと言ったのは、私はそれが正しいと思うのです。救済ではないのです。救済というのは、はなはだ失礼な話で、救済ではない、やるべきことをやるのであります。それから今の歩積みとか両建というものもいろいろ弊害がありまして、近ごろ一般的には減ったと言いますが、中小企業に対してはまだ相当歩積み、両建の弊がある。これは私の知っておるところでは、必ずしも大銀行というよりはかえって信用金庫とかなんとかいうところがそういうことをやっておって困る、こう私は思います。ですからそういうものの指導を十分にしなければならぬ、かように考えております。
○永井委員 質問を打ち切れということですから最後にお尋ねいたしますが、問題と取り組むときには原因が何であるか、そしてその原因をよくきわめて、その原因を取り除くところから出発しませんと、その結果だけで治療方法を講ずるといっても私はできないと思います。そういう意味において私は中小企業の問題は年末金融の問題だけ特に大騒ぎするのもおかしいし、また金融という問題をやかましく言うのもおかしい。もっと広範な視野に立ってやはり科学的な分析をし、そして対策を立てていくということでなければならないと思うのでありまして、先ほど通産大臣が二、三の項目を並べましたが、この点から申しましても、輸出の促進をはかる、あるいは施設の近代化をはかる、あるいは機械工業の強化をはかる、こういうようなことは作文としては大へんけっこうですが、それなら施設の近代化をはかる資金はどうするかということが出てくる。しかし自己資金だけでやれといってもできない。そういう問題も含めまして、大企業の面については実に勇敢に、行き過ぎたくらいのことをやるが、中小企業の面に対しては項目だけ並べて、実行面はかけ声ばかりで行動力が何もない。ことに都市の面におきましてわれわれ気の毒にたえないのは、百貨店がどんどん進出しておる。われわれは前国会において早く百貨店の売り場面積の規制をしなければならない、こういうむちゃなことをやっておるのではということで百貨店法を出したが、これは与党の多数をもってほうむられ、遂にこれは日の目を見なかったのです。ところがこのときとばかりに三越とかなんとかいう既設の百貨店は、どんどん拡張するということで、新宿には高島屋が進出しようとしている。あらゆるものが拡張してしまって、今度は百貨店法が通産省から出るそうですが、これが出たときはもう売り場面積の規制などは空文にひとしい。今のうちにやれやれといって期限を切って促進しているようなものである。百貨店がたくさんできたところで日本の産業の振興にはなりません。人のなけなしの年末の賞与でも何でもねらうような、そういうものをどんどんふやして、ほんとうに日本の産業の振興になるような面の投融資の資金源というものを枯渇させるようなことを平気でやらしている。どれ一つ取り上げても通産大臣の責任ならざるはないし、親子心中をする前に通産大臣は腹を切らなければならぬ問題がたくさんあると思うのです。もっと百貨店ができた場合、何千の中小商工業者がそこで自殺をしなければならないような運命に追い込まれるかというような問題もわかり切っていることでしょう。通産大臣はもっと誠意のある見方で手おくれのないような行政をしなければならぬ。年末の金融に対しても、政府の怠慢によって今日中小企業が困っているのでありますから、せめてその罪滅しとして、年末融資は米代ぐらいは何とかしようというような愛情のある行政が妥当であると思うので、あえて野党から与党の大臣にいい手を教える手はないと思うのですが、せめてはそのぐらいの愛情のある行政をやってもらうように望みます。これに対するお答えがあれば幸いだと思いますが、お答えがなければなくてもけっこうでございます。
○石橋国務大臣 特にお答えの御要求はないのでありますが、お答えを申し上げます。いろいろ御意見はありがたく拝聴いたしました。実際永井さんもよく御承知のように、中小企業の問題は実に大へんなんです。それで名案があればぜひ伺わしていただきたいと思います。いずれまた日を変えてお願いいたします。
○田中委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 時間もないようですから、一点だけ事実を申し上げてお考え願いたいと思います。
 御承知のように年末ともなると、どこの企業、どの官庁におきましても年末手当等がございます。中小企業の労働者の労働条件等については、最もひどいものがあるわけです。それがようやく何とかまとまったといたしましても金が出ないというようなところから、中小企業は労働組合が加盟しているところの労働金庫から金を借りる。その金を借りる場合に、よその企業に比べると何割にも達しないような年末手当でありますが、それの上に中小企業自体が必要な金をプラスして、それを労働組合が借りる。これは大体は企業主が手形等を切りまして、それで労働金庫から借りるという方法をとるわけですが、こういうことによって年末を越している事実も多いわけです。そういうような事実を御存じかどうかは知りませんが、そういうことがあるということを十分考えていただきまして、おととい、きょうと中小企業庁長官の方からもいろいろと資料をいただき、年末に対する考え方も伺っておりますが、労働金庫あたりから、しかもこれは労働者から集めておるささいな金の中からも中小企業者が借りておる。そういうようなところは中小企業者には貸さないのであるけれども、しかし労働組合を通じて、それもほんのわずかの年末手当を水増しをして、そうして金を借りて年を越しておるという事実を申し上げて、かようなことについてどのような処置をとっていただけるかというようなことについて、もしお考えがあるようだったら承わりたい。もしなければそういう事実があるということを考えていただいて御配慮を願いたいと思います。
○石橋国務大臣 中小企業がお話のように非常に苦しいものですから、いろいろなあの手この手によって労働組合の援助を受けておるということもあると思います。しかしこれは今のところほかに手がないのであります。やはり中小企業金融公庫とかあるいは国民金融公庫というものの資金量をできるだけふやして、そうして中小企業にとにかく年末の金融手当ができるようにしてやるということをして、できるだけ無理なことがないようにやっていくということ以外にはちょっと今のところ手がございません。そういうつもりでせいぜい大蔵省方面とも折衝して資金量の増加に努めておるというわけであります。
○田中委員長 この際、本問題に関し内田常雄君より発言を求められておりますのでこれを許します。
○内田委員 私は自由民主党並びに各会派の諸君を代表いたしまして、この際中小企業年末融資に関する決議案を発議をいたし、これにつきまして各位の御賛成を得、また本委員会の意とするところを明らかにして政府を鞭撻せんといたすものであります。
 まず決議案を読み上げます。
   中小企業年末融資に関する件
  中小企業の年末金融の緊迫はこれが放置をゆるさないものがあり、政府はこの際、左記事項を速急実施し、着くも国会の決議を軽視するが如きことのないように格段の誠心をしなければならない。
     記
 一、中小企業向政府指定預金の引揚猶予は勿論のこと、これが新規増加を図ること。
 二、政府関係金融機関に対する予定計画額の投融資は、優先的に速急実施するのほかに、この際第四・四半期資金計画の一部繰上げ充用を図るべきこと。
 三、公庫及び商工組合中央金庫は貸出条件を緩和し、手続は極力簡素化すると共に、その迅速化を図るべきこと。
   なお、これが趣旨を末端に徹底せしめること。
 四、公庫の指定代理店のうち、中小企業金融に著しく熱意を欠くものについては、これが指定の取消を行うこと。
 五、市中金融機関の中小企業に対する融資を、積極的に行わしめるため必要な措置を強力且早急に採ること。
 六、中小企業信用保険及び信用保証の機能を強化し、その保証範囲の拡大を図るべきこと。
 七、下請代金支払を強力に促進すること。
 八、災害都市の困窮は言語に絶するを以て、年末にあたり各金融公庫及び商工組合中央金庫は、その貸付に当って、金利、貸付期間、手続及び担保等につき、格段の配慮を払うこと。
 この決議案の趣旨とするところを簡単に申し述べたいと存じます。
 今日、政府支払いの進捗に伴いまして、ことに輸出貿易の伸張あるいは供米代金の支払い等によりまして、一般に金融は正常化しているといわれておるのでありますけれども、しかしながら中小企業金融に関する限りは正常化しておらないのでありまして、中には市中金融機関等におきまして、中小企業についても有望なものにはぼつぼつ手を出そうというような、営利採算の面からある程度の考え方も動いているようではありますけれども、まだまだ中小企業の金融は非常に逼迫をいたしておるのでありまして、ことにこの年末を迎えてその困窮は例年の通り著しいものがあるのであります。従いまして、今日ややともすると金融の正常化ということに藉口して、中小企業金融というものがおろそかにせられんとする憂いが十分あるのでありまして、われわれはもちろんのこと、政府当局におかれても、以上申し述べました趣旨並びに事実を十分検討せられまして、この際必要なる措置を急速にとっていただくことが必要であると考えます。
 本日当委員会に配付をされました日本商工会議所の中小企業年末金融対策に関する要望というものがここにありますが、私がただいま読み上げましたこと、また以上申し述べましたことと大体同工異曲のことを書いておるのでありまして、ひとりわれわれ議員のみならず、日本商工会議所によって代表せられる産業界の意向もまたわれわれと同じであることをここに現実に示しておるのでございますから、どうかわれわれの決議案とともにこれをもごらん下さって、所要の措置をとられんことを望むのであります。この八項の決議案は全部並列的に手を打っていただかなければならないのでありますけれども、ことにそのうち私が一番心配をいたしますことは、年末すなわち第三・四半期の中小企業金融を円滑ならしむるためには、どうしても政府関係機関、すなわち国民金融公庫並びに中小企業金融公庫の政府から供給する資金を拡充しなければならない。これの財源の大部分は、言うまでもなく政府出資のほかは資金運用部資金でありますけれども、その資金運用部資金は、最近非常にその実績が計画と違いまして逼迫をしてきておる。ために今日までの実績が、ややともするとこれらの両金庫に対して政府の貸し出しが計画よりもおくれて参っているのではないかということを私は心配しておるのでありまして、従ってこの当初の計画を充足していただくことはもちろんのことでありますが、例年その通りのことをやっておるはずでありますから、一つ来年も、第四・四半期の計画分をこの際繰り上げて、資金運用部資金をこれらの両金庫に繰り上げ充用せられんことを望むものであります。
 最近われわれが伝え聞くところによりますると、今日地方公共団体の赤字処理の問題がありまして、この赤字処理のために再建整備債として二百億ないし三百億、これは二十九年以前の赤字補てんでありますが、さらに本三十年度赤字補てんの対策として、地方交付税率の引き上げ問題と並んで、政府の元利補償による融資という問題が起っておるのでありますが、この問題は中小企業金融とも並んで一つ石橋通商産業大臣におかれましては、国務大臣として――資金運用部資金は一つしかございません。これを双方に十分回すということはおそらくできないはずでありますから、あちらに回せばこちらが立たずということを十分お考え下さいまして、何をおいてもこの中小企業金融の方に資金運用部資金は優先的に回していただくように、これは国務大臣として十分の御配慮をお願いしたいのであります。
 なおこの決議案の中にもありますが、政府指定預金というものはここ一両年引き揚げに引き揚げを重ねて参りまして、今日わずかに六十二億円しか残っていないのでありますが、これの引き揚げを年末に際して延期するはもちろんのことでありますが、先般前国会におきまして、この点について私が大臣に質問を申し上げましたところ、新しい預託の方法を講じたい、これは自分の方からも厳重に大蔵省の方に申し入れておるが、なかなか大蔵省が言うことを聞かないということがあったのでありますが、今日は私が先ほど触れましたように、一方において外国為替特別会計からの政府資金、あるいは食糧管理特別会計からの政府資金というものは十分に出ておるのでありますが、それらの金は必ずしも中小企業金融の方に回るものではないのでありまして、ここに中小企業金融の逼迫の谷がありますから、ぜひ私は、余裕金があります限り、直接中小企業の方に回しますように指定預金を新しくするということにつきまして、この際石橋大臣の格別の御尽力をお願いいたしたいのであります。
 その他の点につきましては、一昨日の委員会以来、各委員から政府当局、並びに今日ここにおいでの中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金の重役の方々にも十分申し上げ、激励をもいたしておるのでありますから、ここに重ねて申し述べることは省略いたします。
 私はこの決議案を出しますことは、決して政府を責めんとするものではなしに、政府を鞭撻して、政府とともに協力をしてこの難問題を片づけんとする熱意から発するのでございまして、従ってもし法律の改正が必要ならば、私どもは政府提案であろうとも、また議員提案であろうとも、法律の改正もいたしたいと思いますし、また新法律の発議にやぶさかなるものではございません。また政府関係金融機関の諸君におきましても、私どもは決して諸君を責めんとするものではなしに、政府関係金融機関として作られましたこの使命を十分に達成いたすために、私どもこそ皆様方から十分鞭撻をしていただいて、今までのように結束して、あるいは関係法律の不備はまた今後にわたってどこまでも直していきたい、かような気持を持っておりますので、どうか当商工委員会の委員と一体となって皆様方の機関の使命達成をできるだけ高揚せられるように、今後とも御尽力を願いたいのでございます。
 さらにまた私はこの際、市中金融機関の問題に一言触れたいのでありますが、従来の中小企業金融に対する最近の市中金融機関としての全国銀行融資というものはきわめて冷淡でございまして、また貸出高の状況を分析いたしてみましても、この一年間全国銀行貸出高はふえておるのでありますが、その中における中小企業に対する貸し出しの率というものは、この一年間に減っておるのであります。またこの一年間に全国銀行協会等は中小企業の金融の改善あるいは促進に関しまして、いろいろ申し合せなどもやっておるようでありますけれども、ぜひこの申し合せの趣旨を貫徹していただきたい。本日はここに大蔵大臣はお見えでございませんけれども、ぜひ石橋通商産業大臣から大蔵大臣にもお話をなされまして、そうしてこの市中金融機関の中小企業金融に対する態度というものを十分に大蔵大臣を通じて鞭撻せられるようお願いをいたします。
 さらに私はここに国会の名において、また当委員会の名において、市中金融機関が今日の一番大切な問題、またむずかしい問題ではありましょうけれども、重要な中小企業金融というものに対しまして、十分目を開いて、その方面の金融機関としての職責を尽されることを私はここに要請するものでございます。
 何とぞ以上の趣旨を御了承下さいまして、全委員におかれましては本決議案に賛意を表せられんことを望みますとともに、また本決議案が成立いたしました際には、これらの問題に対して石橋通商産業大臣からあらためて所信を伺いたいと思います。
○田中委員長 本案に関しこの際加藤清二君より発言を求められております。これを許します。加藤清二君。
○加藤(清)委員 この際私はただいま同僚議員内田君から提出されました決議案につきまして、統一されました社会党及び各派を代表いたしまして、一言賛成の趣旨を述べてみたいと存じます。
 一言にして言えば、この決議案に対する賛成は、私は牛に引かれて善光寺参りでございます。なぜかならば、その内容が間違っているからではございません。この事柄が違いであるからではございません。あまりにもわれわれの要望とはかけ離れて遠慮したところの要望が出されているからでございます。しかし政府といたしましては、過去においてもこのような要望が何回か繰り返されておるにもかかわりませず、それが実行に移される場合には、ややともすれば決議の範囲を出るはおろか、その一部分にとどまっておりました実績にかんがみますると、やはりこの程度でやむなく満足をしなければならないかと存ずるからでございます。そこで要は、先ほど大臣はもしそのいい案があったならば付加してくれ、教えてくれということでございましたが、そのうちの一、二を御参考に供しまするならば、内田君の意見にもありました通り、政府の預託金は年々歳々減少の一途をたどっておるのでございまして、この際ほんとうに困っておる中小企業を指導育成する、助けるというあたたかい親心がありとするならば、当然のことながら指定預金の引き揚げを延期するはもちろんのこと、この際ここへ投入されてしかるべきだ、増額されてしかるべきである、こう思うのでございます。その他いろいろございまするけれども、要はせっかく政府から提案されました案、あるいは本日ここへ上程されましたこの決議が忠実に実行されて、そうしてほんとうに中小企業の方々の手元へ年末のお歳暮に政府のあたたかい心持が送られるような処置をここに講じていただきたいものだと思うわけでございます。なぜかならば、いつものことでございまするが、先ほどの大蔵省の意見でもそうです。ここできまっても、大蔵省としてはこれが完全に実施されるかされないかについては確実な答弁をいただけませんでした。またせっかくここでいろいろ二日間にわたって論議されましても、果して窓口はその親心を実行に移すか移さないかは、これは予測を許しません。そこで政府から提案されておりまするこの年末融資に対するあまたの具体的事項、あるいは今出されましたこの決議をほんとうに大蔵省も窓口の銀行も、通産省の出しました通り足並みをそろえて実行に移されるよう早急に大臣として手だてを講じていただきたいのでございます。もしそれ、これを行わずにこのまま放置せんか、大臣御存じでございましょうが、この結果はすでに出ている。政府にたよることもできない、窓口にたよることもできない中小企業はやむなくやみ金融にたよらなければならない。この高利はやがて倒産に中小企業を導いている道なんです。倒れないためのしわ寄せは中小企業としては、親企業に納めるその品物の品質の低下を余儀なくされている。この低下は糸へんに例をとれば、やがて品質表示という法律によって規制されなければならないような悪結果を招来しておりますが、あの品質表示に使うところの政府の費用、もしそれ去年の年末に糸へんの業界に渡しておられたならばと、私は今非常に残念に思うわけでございますが、政府の手だての間違いや足りなさは、やがて中小企業の製品の品質を低下さしていく、こういう結果が生じて参っておりまするし、また一つのしわ寄せは、どうしても大企業とは太刀打ちできないからというので、労働強化に相なってきておる。働く中小企業の従業員に対するしわ寄せと相なっておる。従いましてこの結果はやがてことし大学、高等学校を卒業する生徒までが中小企業に就職することをきらって、大企業へ大企業へと殺倒している。その結果はここに就職地獄を招来し、そのあぶれた方々は町に氾濫し、この結果は、やがて社会悪の源泉と相なっている。かように風が吹けばおけ屋が喜ぶの経済と同じように、ここにも大きな因果関係、連鎖反応が行あれている状態にかんがみまして、幸いこの前から生き残られた経済大臣は、腕があったればこそ認められたはずでございますので、この際有効にあなたの力を発揮していただきたいものだ、こう思うわけでございます。両日間にわたりまして同僚議員が真剣に取り組みましたこの問題、真剣に誠心を吐露いたしましたその言葉、また今中小企業界に満ち満ちております怨嗟の声等々をよくくみ取りいただきまして、この決議がすみやかに完全に実行されますよう念願しりつつ私はこの決議に賛成するものでございます。
○田中委員長 お諮りいたします。ただいまの内田常雄君御発言の通り、中小企業年末融資に関し決議するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。なお、本件の参考送付先等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
 この際、石橋通商産業大臣より発言を求められております。これを許します。石橋国務大臣。
○石橋国務大臣 ただいま内田君から御提案になりました中小企業年末融資に関する件各項につきましては、私もかねてからかくあるべきものと考えておるものでございます。御趣旨に沿いまして十分その実現をはかる所存でございます。
○田中委員長 伊藤卯四郎君。
○伊藤(卯)委員 ただいま石橋通商産業大臣から先ほどの決議についての所信を述べられましたが、私が一言意見を呈しようと思いますのは、実は中小企業金融公庫ができまして以来、毎年年末になるとこういう決議をしておる、それから毎回の国会にこういう決議をしておる。ところが一昨日、また本日政府側からの答弁を伺っておりますと、何ら決議されたことが具体的に実施されておりません。これは国会の議決を尊重しないこともはなはなだしい。従って政府側の考え方は、国会中だけは、これは嵐か台風が吹いておるような気持で謙虚な気持でおって、国会が済んだらわが世の春だ、そういう考えがありはせぬかと私は思う。その証拠に、毎回こういう決議をされておりますけれども、これが具体的に解決されておるということがありますか。一つもないじゃありませぬか。これはまことに遺憾であります。おそらく石橋通商産業大臣も国会議員としての立場からお考えになるなら、それは国会の議決に対しては非常に不忠実じゃないか。もっと国会の決議に対しては尊重して、そうして次会にはそういうことが一応解決され、解決されなかったものはこういうことで解決されなかったという、そういう責任のある答弁というか、処置を報告されることが当然ではありませんか。今まで何回か決議されておりますことが一体実施されておりますか。佐久企業庁長官はまだこの任につかれたばかりだから仕方ありませんけれども、さきに議決がだんだんされてきていることに対しても、今なお研究中であるという答弁をされておるではありませんか。それはいつのことですか。去年のことです。この春の国会のことではありませんか。一年も、八カ月もたって今なお議決が研究中とは何ですか。そういうような不忠実なことでどうしてこういう問題が解決されていきますか。こうした国会の議決に対しては、忠実に一つこれを尊重して実施の任に当ってもらいたい、これを強く政府側に、私は警告を一言発しておきたいと思います。
○田中委員長 政府及び関係機関の方々に申し上げますが、本委員会の決議に対しとられる具体的な処置に関し、迫って本委員会に報告下さるように念のために申し上げておきます。
 次会は公報をもってお知らせすることとなし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会