第023回国会 地方行政委員会 第3号
昭和三十年十二月五日(月曜日)
   午前十一時二十六分開議
 出席委員
   委員長 大矢 省三君
   理事 池田 清志君 理事 鈴木 直人君
   理事 古井 喜實君 理事 加賀田 進君
   理事 門司  亮君
      川崎末五郎君    木崎 茂男君
      纐纈 彌三君    櫻内 義雄君
      永田 亮一君    灘尾 弘吉君
      山崎  巖君    吉田 重延君
      川村 継義君    北山 愛郎君
      五島 虎雄君    中井徳次郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 太田 正孝君
 出席政府委員
        自治政務次官  早川  崇君
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        長)      後藤  博君
 委員外の出席者
        専  門  員 圓地與四松君
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十一月二十九日
 委員石村英雄君及び有馬輝武君辞任につき、そ
 の補欠として勝間田清一君及び楯兼次郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
十二月一日
 委員熊谷憲一君、長谷川四郎君及び楯兼次郎君
 辞任につき、その補欠として森清君、永田亮一
 君及び坂本泰良君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同月五日
 委員池田清志君及び前尾繁三郎君辞任につき、
 その補欠として小澤佐重喜君及び犬養健君が議
 長の指名で委員に選任された。
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十二月五日
 地方交付税法の一部を改正する法律案(門司亮君
 外九名提出、衆法第一号)の審査を本委員会に
 付託された。
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本日の会議に付した案件
 地方財政に関する件
    ―――――――――――――
○大矢委員長 これより会議を開きます。
 地方財政に関して調査を進めることにいたします。本日は政府側から出席者として、大臣の外に早川政務次官、後藤財政部長が出席しております。なお後刻大蔵大臣並びに理財局長、主計局長が出席することになっております。まず自治庁長官よりこれまでの経過及び結果についての説明を聴取いたしたいと思います。太田国務大臣。
○太田国務大臣 私の不手なれなために、大へん仕事が延びまして、出席することがおくれましたことをお許しを願いたいと思います。
 すでに新聞等でもごらんの通り、この問題を中心として、大蔵省と自治庁との協議が進められたわけでありますが、結局落ちつきましたところは、臨時の措置といたしまして、現在の地方財政の窮状にかんがみ、これを打開して地方財政を再建する基礎を確立する必要のために、どうしたらいいか、皆様方御心配でもあり、また御質問の点でもあろうと思いますが、私どもとしては地方制度調査会の答申の趣意を極力尊重いたしまして、国の財政の現状ともにらみ合せ、特に本年度に限りまして、地方交付税の繰入率を三%引き上げることによる増収額を財政措置することといたしたのであります。これに基きまして、百六十億円を地方交付税の例によって算定して交付することとしたのであります。これの関係法律はまだできておりませんので、きょう中に大蔵省と相談してできる見込みでございます。算定の基礎は、地方交付税の税率を三%引き上げられることによる増収額は、大体百八十八億円となるのでございますが、この財源の捻出をするために公共事業を節約することによって、地方の負担が二十八億円減ずる見込みでございますので、これを引いた百六十億円を、地方交付税の例によって配分することにいたしたいと思っておるのでございます。大体のことを申し上げました。
○大矢委員長 後藤財政部長。
○後藤政府委員 ただいま大臣からお話がありました点をもう少し詳しく申し上げたいと思います。今大臣がお話になりましたように、地方財政の窮状に対処いたしまして、交付税の三%に見合うだけの額、百八十八億円の財源措置をすることになったのであります。今の財源といたしましては、国、地方を通ずる財政の健全性を堅持する建前のもとに、国におきまして一般経費の節約額、賠償、公共事業などの不用額を合せまして百六十億円を捻出いたしまして、これに伴います地方負担の不用額二十八億円を合せまして、財源措置といたしたのであります。当面の措置といたしましては、交付税及び譲与税配付金の特別会計におきまして、百六十億円の借り入れをもらいまして、これを臨時地方財政特別交付金という名のもとにおきまして地方団体に配分することになったのであります。これに伴いまして借入金の返済のためには、年度内におきましては一般会計予算の補正を行いまして、この財源を特別会計へ繰り入れるという方針になっております。これに伴いまして、特別会計法関係の法律と、臨時地方財政特別交付金に関する特別の法律を出すことになっております。
 簡単に大臣の御答弁に追加いたしまして、私から申し上げた次第であります。
○大矢委員長 これより質疑を行います。通告がございますので、順次これを許すこととします。門司亮君。
○門司委員 あとでまたいろいろ聞きますが、当初にお聞きしておきたいと思うことは、今の大臣のお話に関してでございます。大臣は百分の二十五に相当する金額ということを言われておるのでございますが、百分の二十五というこの交付税の税率をお考えになったということは、どういうわけでそういうことをお考えになったのか、この点を一応聞かしておいていただきたいと思います。私が聞きます趣旨はおわかりにくいと思いますが、百分の二十五という数字が地方財政の今日の不足額であるのか。あるいは現実に不足として示されておる額があるはずです。従って政府が処置をしようとするなら、この交付税の税率の三%、四%というようなものにとらわれないで、不足額に対して政府は処置をとるべきだ。しかるに大臣の今のお話を聞いてみますと、百分の一十五相当額というようなことである。一体百分の二十五が政府の基本方針なのか、足りない部分を補てんするというのが政府の基本方針であるのか、われわれにはわからぬのであります。その点はもう少し明確に答弁しておいていただきたいと思います。
○太田国務大臣 私の申し上げた中にもございます通り、一方に国の財政の状況等もからんでこの金額をきめたのでございまして、不足する額というものを明確に申しますると、もう少し出るかと思います。財政上の関係、しかもその財政は健全財政を支持していこうという大蔵当局の考え並びに政府の考えとしてやったのでございまして、金が幾ら要るという意味から言えば二五%よりもう少しふえるかと思いますが、財政の現状においてはこの程度をもっていたしたいというのでございまして、財政の現状ということがからんでおるのでございます。
○門司委員 今の大臣のせっかくの答弁でございまするが、私どもの考えから言いますと、さっき申しましたように、たといその不足額がパーセンテージに換算して何%になるかわかりませんが、しかしそれば私はこの場合の問題でないと思う。問題になりますのは、少くとも今年度の財政不足額は、あるいは三百億と言われ、あるいは五百億と言われておりまするが、だれが考えてみましても、たとい給与の問題を政府の言うように別に考えてみましても、二百億以上というものが当然考えられなければならない。従って政府がこの際に責任を持ってやろうとするには、その足りない額というものを中心に一つお考えを願いませんと、ただ税率だけにこだわっておりますると、こういう数字が出てくるのであります。それは一%を大体六十三億くらいの見当で計算して三%増そうとすればこういう数字が出てくる。しかしこの数字に合わせて地方の財政を何とかせよというのでは地方は助からぬのです。やはり地方は足りないものを埋めてもらおうという根本の考え方でないと、私は地方は実際の受け入れというものを気持よく受け入れるわけにいかぬと思う。それを大臣は国の財政措置との関係で二五%以上出せないのだと言われるなら、国の財政規模というものが一体出せないような状態になっているかどうか。われわれは必ずしもそうではないと考えております。大蔵大臣ではございませんので、自治庁の長官に聞くことはどうかと思いますけれども、政府の答弁から考えて、さらに明らかにしていただきたいと思いますことは、三%相当額しかふやせなかったということは、どこにか数字的の根拠があるならこの際一つ承わっておきたいと思います。
○太田国務大臣 門司君のお説はごもっともだろうと思います。申し上げるまでもなく現在の地方財政は、過去において大へんな借金と申しますか、赤字債を持っております。これを処理するのが過去の問題で、それから現在においては今どうにもならぬところへ来ている。これはもう私から申し上げるまでもなく、国で出すべき金が無理があって少なかったとか、減税をしたが、その跡始末がうまくいかなかったとか、いろいろな事情は御案内の通りであります。さらに将来に関しては根本的な改正をしなければならぬ。別に過去の政府当局のやったことを非難するわけではございませんが、現状におきましては年度半ばのかくのごとき状況でございますので、今後において根本的改正をするというめどをもって現状のしのぎとして、かような措置をとった次第でございます。門司君のお言葉にもありました通り、給与の問題が一番大きい問題でございますが、それを除いても相当額が不足するという御議論はその通りでございまして、現状の処理ということになりますと、給与の処理ということも当然入るわけでございますが、差し当り財政の現状とからみまして、かような措置をとった次第でございます。
○門司委員 あまり新しくなられた大臣を追究するようでございますが、今のように、私どもの考えておりますことも、大臣の考え方とほとんど変らぬのであります。いわゆる過去の累積した赤字に対しては、赤字に対する別途の方法が講じられなければならない。同時に三十一年度以降における地方財政の健全化のためにも、ここで十分考えなければならない段階に来ておることは、もう大臣も御承知だと思います。そう考えて参りますと、今度の措置というものは非常に重大でありまして、この三十年度の地方財政計画に穴をあけない、来年度に財政措置をする必要のないような措置をとっておきませんと、来年度の財政措置が十分につけられないということに私はなるかと思う。同時にまた過去にさかのぼりましても、過去の累積は昭和二十九年度までは、あるいは政府の考えておる財政再建整備でいいかもしれぬ。しかし三十年度にまた穴があいているということになると、この穴を埋めてまた再建整備法を出さなければならぬということになると、毎年再建整備法を出してくるという結果になると思う。同時にこういうことは、行政的に見て参りましても、政治的に見て参りましてもいい結果ではない。これは与党とか野党とかいう二とではなくして、二二で地方財政をどうするかということを三十年度できっぱりきまりをつけておきませんと、三十一年度はいわゆる前にも進めなければあとにも戻れないという、きわめて重大な段階に今達しているわけであります。従ってこれを考えて参りますと、今の大臣の御答弁では私ども承認するわけには参りません。不十分であるというならば、やはり十分に措置をしておくということが必要だと考えておりますので、重ねてお伺いをいたしますが、そういたしますと、大臣はこれだけの財源措置では不足であるということだけは、一応お考えになっておるということを申し上げても差しつかえございませんか。
○太田国務大臣 お言葉の通りでございまするが、もし今年こういう措置をとらないならば、昨年と同じように赤字をふやしていくことになりますので、大体給与の問題を別にしまして、この程度によって赤字を生じないようにしたいという大きなめどのもとに、こういう数字が出たわけでございます。さよう御承知を願いたいと思います。
○北山委員 いろいろお伺いしたいことがございますが、当面の今年度の措置に限ってお伺いをいたします。私どもとしては、実はこの国会が始まりましてから、地方財政が中心であるというので、当委員会は自然休会中も開くということでやって参ったわけであります。ところで政府の方のこれに対する対策というのは、先般の閣議で決定をされ、それが新聞にはっきりと発表になりました。そこで当然委員会に対して――委員会は開催をしておったのでありますから、一日も早く明らかこしてもういたい、こういうことで要求をしましたところが、政府と与党との間の意見の調整についてさらに検討しなければならぬから、少し待ってくれというわけで、実はきょうまで待っておったわけであります。そこでお伺いをしたいのは、閣議決定の線で一応発表になっておるというのが、今まで遅れて、両者の意見の調整を行ったというのでございますが、ただいまお話しになった内容というのは、これは当初の閣議決定の線と同じであるかどうか、あるいは与党と政府との話し合いが違ってきたのか、違ってきたとすればどこが違ったか、こういう点をわれわれ一番疑問に思う点であります。このために何日か待っておって、しかも土曜日の本会議は流れたのでありますからして、この点はまずはっきりしていただかなければならぬ。まず大臣からはっきりしていただきたいと思います。
○太田国務大臣 北山君の御質問ごもっともかと思いますが、閣議決定したことは変っておりませんのでございます。ただ党の方にこれが了解を得るのに時間がかかったのでございまして、一度決定した閣議を変更するのではございません。
○北山委員 そこで先ほど御説明の内容は非常に大ざっぱでございましたが、まあ百八十八億という財源措置をやるのだ、この点は当初からはっきりしておる点であります。そこで、そのうち二十八億は公共事業費等の節約によって地万負担が減る分である、こういうふうな説明でございましたが、その二十八億円の計算の基礎ですが、どういうふうに公共事業費を節約するために二十八億円の地万負担が減るのであるか、この内容を一つ詳しく説明を願いたい。
○太田国務大臣 私こまかく言うと間違いが起るといけませんから大体申し上げますと、八十八億円のうち半分見当が地方に参りまして、四十四億円になるのでございます。その中で府県の関係、市町村の関係等ございますから、数字のこまかいことは財政部長から申し上げます。
○後藤政府委員 毎年公共事業関係の事業の繰り延べが、大体多いときは二百億近くございますし、少いときでも五、六十億はございます。ことしは当初予算が遅れましたので、大体九十億円程度の公共事業は繰り延べになるという見通しであります。九十億円程度のうちで、直轄事業と補助事業とがございます。そのうちわれわれの方に関係いたしますのは補助事業の関係でありまして、補助事業の関係でみましても、五十億ないし五十四、五億くらいの補助金が、年度区分いたしますと、本年度は不用になるのであります。従いましてそういう観点から地方負担というものを考えて参りますと、大体二十八億円程度になる、こういう計算になるのであります。
○北山委員 しかしこれは重大な数字でございますから、幾ら見当で二十八億円になるということじゃなくて、おそらく自治庁としても政府においても、作業をした結果、たとえば治山治水の方が幾らだとか、あるいは道路が幾らだとか、そういうふうな内訳があって、それを積み重ねた結果が二十八億円という地方負担が要る、こういうふうな数字があるだろうと思うのですが、なければ二十八億円というのはまるで腰だめ的数字になってしまうのでありまして、その点、その数字の根拠を一つ明らかにしていただきたい。それから二十八億円の中にも、新聞でも発表になっておりましたが、この中には起債財源、起債になる分があるわけです。府県の分が、何でも十四億あるというようなお話しでありますが、それらの点も新聞に発表するよりも、もっと詳しく委員会に対しては発表するのが当然であります。新聞の方には、町村分が幾らとかいろいろこまかい数字があげられているのに、委員会に対しては何か隠しておるような感じがするのですが、その点が数日間の経過の結果変更になったせいではないかとこれは邪推をされるわけなんです。ですから新聞に発表した程度のことは、あれを確かめる意味におきまして、明らかにする意味におきまして、一つ正確に個々の数字の基礎というものを明らかにしてもらいたい。
○後藤政府委員 先ほど申しましたように、公共事業で大体八十八億円程度−国の補助金及び直轄関係の事業費で節約される。そのうちで、私どもは補助金の関係で八十八億円のうち五十三億円程度の補助金が不用になると考えております。その五十三億円の中には、もちろん災害とか道路関係でありますとか、鉱害復旧でありますとか、失対とかいうふうな特殊なものは含まれておりませんで、一般公共事業関係、その他のものであります。それに伴いまする地方負担が、総額は四十四億くらいになります。このうちで不交付団体の事業の分もございますので、これは荒い計算をいたしますと、九億円不交付団体の分がございます。従って四十四億から九億円引きました三十五億円くらいのものが不用になるわけであります。従って三十五億円の中には起債の分が二十一億ございます。その二十一億の中にさらに市町村の分と府県の分とがございます。御存じの通り、府県では起債は全府県についております。ところが市町村の場合には起債は全市町村についておりません。従って不用になると申しましても、市町村の分は特殊の団体だけが不用になる、こういう計算になりますので、一応市町村の分はやはり財源措置を要するということになります。もちろん起債は返還してもらって、そのかわりに財源をつけなければならぬということになりますので、三十五億のうちで市町村の起債相当分が七億円であります。それを引きますと二十八億円、こういうことになります。二十八億円の中には、お説の通り県の起債分十四億と、それから市町村及び県の一般財源に使う分が合せて十四億でございます。この分だけは一応事業関係が繰り延べになりますると、年度の区分から申しますと、それは不用になる、こういう計算になりまするので、百八十八億円から二十八億円を引いた計算にしたのであります。
○北山委員 従来の慣例であれば、公共事業については、ある程度の繰り越しが出るという今までの例を参考にした今年度の推定だろうと思うのであります。一体本年はどうなるかということは、これからまだ四カ月くらい残っておるのですから、たとえば年度末においてことに事業をしゃにむにやるものが多いのです。ことに補助金が遅れておりますので、従って事業執行についてはやはり年度のおしまいに詰まってくる、こういうふうな事態になっておるので、本年度について今からそのようなある程度正確な数字がわかるということはどういうふうな計算によるのですか。どうも私らわからない。年度のおしまいになって決算をしてみると、そういう繰り越しが自然に出てきた。各地方団体が仕事はやろうやろうと思っても、いろいろな事情でできないというような、いろいろなほかの条件、ほかの原因でもって仕事がその年度内には済まなかったという結果、ある一定の数字が現われてくるのであって、今のような数字は、去年の数字からの一つの按分なり比例なり、そういうもので、はじき出した数字ではないんじゃないかと思うのですが、何か本年の今後の見通しについて根拠になる数字があるのですか。たとえばこの事業はもう今年内はできないだろうとか、少くとも直轄事業なんかは政府がみずからやるのですから、はっきりめどがつくはずなんです。だからそういうふうなめどに基いて、個々の事業の見通しに基いて集計した数字であるのか、そういうふうに思わざるを得ないのですが、そういうふうな計算方法でやっておるのですか。
○後藤政府委員 おっしゃいますように年度の途中でありますので、どのくらい不用になるか、繰り延べになるかという見通しはつきかねると思います。しかし現在までの補助金のつけ方、それから事業の認証の状況その他を考慮いたしますと、総事業費から見ましても、大体この程度のものは最小限度不用に立つのではないかというふうに私どもは考えております。国の予算から申しますと、先ほど申しました災害とか道路とか鉱害復旧でありますとか、特別失対を含めた失対事業を除きまして、一般公共事業とそれからその他の投資的な事業との国の予算が九百二十二億ございます。それに見合う地方負担が四百五十六億あります。これは直轄の分は別であります。従ってこの総計から見まして、今申しました程度のものは、従来の経験からいたしまして大体不用に立って繰り延べになるのではないかというふうに私どもは考えておりまして、可能な限度で最小限度この程度のものは繰り延べになって、やはり年度区分から申しますと不用になるのではないか、かように考えております。
○北山委員 ただいまの言葉の中に一つの矛盾があるのです。今後における年度内の繰り延べ不用額の見通しを立てる場合に、初めから災害と失対と道路を除いて考えるというのはどういうことですか。災害についても自然と繰越不用額が出るかもしれない、そういうことは除いて、それ以外の分についての繰越不用額の推定をするということは、どうも私は矛盾しておるのじゃないかと思います。災害とか道路とか失対とか、そういうものを除くということは、要するに自然に出てきた繰り越しではなくて、やはりこっちから一定の方針によって削減するという方針がそこに現われておる。そのために失対と道路、災害は除いておる、こういう考え方がそこに現われて一おるのじゃないですか。
○後藤政府委員 先ほど申しました災害は、御存じの通り過年度災害につきましては毎年の施行量というものがきまっております。むしろ仕越し工事のようになっております。従って仕越し工事のようになっておりますから、これを削るということは意味がないことであります。すでに工事をやっておりますから、支払い関係が生じておる。従って災害関係を除くということは当然のことであります。これはちめ、んと国で事業の分量を決定し、そして各事業をそれにくぎづけさせておるのであればおっしゃるようなことになりますが、すでに工事は仕越し工事のような格好になっておる。従って当然除かるべきものだと思います。それから道路の関係も五カ年計画というものがありまして、本年度の施行分量はきまっております。そしてちゃんと工事は早手回しに片づけておるのではないか、従ってこの分の不用額というものがありましても当てにならない。それから鉱害復旧はやはり一種の災害でございますので、災害と同じように考える必要がある。最後に残ります失対事業でありますが、これは国のこれからの景況によりまして、多少の不用額も立ち得るかと思います。しかし全体を見ておりますと、現在失対事業そのものの国の予算以上に地方団体が失対事業をやっておるのであります。つまり単独の失対事業という形において多くの団体がやっておりますので、これはむしろ不用を立てるのはおかしいじゃないかという議論も立つのでありまして、公共事業その他これ以外の投資的事業のうちで、これだけは不用を立てるということ自体にやはり問題がありますので、やるとすれば今申しました事業以外の一般公共事業その他のものでもって、不用額を立てていくというのがやはり一番穏当な方法であり、そこから生み出す不用額というもりを基礎にするのが一番適当である、かように考えられたのであります。
○北山委員 それから次にお伺いしますが、今の二十八億のうちの府県の起債分の十四億は、当然その地方団体、府県が公共事業をやらない限りは起債は許可にならない。従って事業が繰り延べになれば、その十四億の分も起債許可にはならぬはずですが、それを負担が軽減される分として見るのはどういうわけです。
○後藤政府委員 一般補助事業の起債につきましては、御存じだろうと思いますが、各事業の個々について見ませんで、今までは総事業費を出しまして、それに見合うところの特定財源を引いた地方負担額を基礎にいたしまして、一定の率でもって起債の額をきめております。たとえばある県で二十億の公共事業があるといたしますと、その地方負担額は十億であるという計算になります。その十億で幾ら起債をつけるかということになりますと、これは歳入の計算やそれから過去の数字だとか、そのほか特定財源の有無だとか、いろいろのことを考えまして、一定の率で、大体平均値を出しましてそれを増減する形において出します。従ってまるい数字でもって十億負担のうちで、起債では六億見るとか、七億見るとかいうふうな格好で各府県で起債をつけております。従って事業量が落ちて参りますれば、負担額が落ちて参ります。従って負担額が落ちて参りますれば、起債総額もやはりその限度に落していくということが、従来の起債のつけ方から申しますとできるわけでございます。与えました起債を府県でどの事業につけるかということは、事業にいろいろの性質がございますので、われわれは各府県できめていただいておりまして、われわれの方でどの事業に起債をつけろというふうな指示はいたしておりません。従ってたとえば総合開発事業につきましては一〇〇%起債をつけていく、それ以外の道路につきましては何%つけていくというふうな格好で、各府県が恣意でやっておるのであります。従って事業の分量が落ちますれば、それだけやはり不用になる、こういうことが言えるのであります。単独事業の場合とは、多少異なったものになると思います。
○北山委員 単独事業の場合と異なると言われますけれども、しかしその考え方は、二十八億分については、地方が仕事をやめれば負担が軽くなるからということで、それを計算に見込んである。そうすれば仕事をやめれば、そこで政府が財源措置をしたということになりますか。私は非常におかしいと思うのです。百六十億と二十八億とは質的に違うと思うのです。少くとも二十八億は、いかなる形にせよ、そのうちの十四億分は起債で認める。だから政府は百八十八億の分について交付税の三%分についての財源措置をしたと言いながら、そのうちの百六十億はくれっぱなしの金なんだ。ところが二十八億の分は一部は不用額、一部は起債をもって充てる。そうするならば、十四億の分はあくまで地方団体が借金になる。それは質の違ったものがいろいろ入っている。政府が百八十八億財源措置をしたと言いながら、実は百六十億しかやっておらぬというインチキがある。あくまで借金は借金なんですよ。その点はむしろ正直に百六十億の財源措置をした、こう言った方が正直ではないかと思うのですが、どうですか。大臣からお聞きしたい。
○太田国務大臣 政府委員から先にお話申し上げまして、私があと追加いたします。
○後藤政府委員 公共事業関係の不用額が立ちますと、負担が落ちて参ります。負担が落ちて参りますと当然に起債を返さなければなりません。しかし起債を返さない場合を考えますと、他の起債の充当率が上ってくることになります。充当率が上って参りますと、一般財源が上って参ります。従ってその分だけは一応財源措置をしたということになるわけであります。
○太田国務大臣 今財政部長からお話になりました通りでありまして、節約の対象とならない他の事業の地方債の充当率を高める、こういう建前から、間接と申していいか、一般的財源の節約となるという意味の部長の説明通りであると思います。
○門司委員 今の答弁は非常に重要な点です。後藤君の話もおかしい。とにかく借金をしている。その借金を取りたてないからいいじゃないかということは、借金を消したという理屈にはならないと思う。もしこれを形式上は他のものにもあるからいいと言うのなら、これは一つの内政干渉ですよ、自治庁がそこまで地方自治体を指図してはかなわぬですよ。ですから実際に今北山君から言ったように、ほんとうに地方の財政をカバーしてやるというのなら、それは全額政府資金でださなければ、どう考えても理屈が通らぬと思う。地方の自治体の犠牲においてやらせようというのは……。それからもう一つこの機会にお聞きしておきたいと思うのですが、かりに公共事業を削るということは、政府の処置でできます。しかしそれは地方に財源の処置をしたというのでなくして、財源の節約をさせたというだけでございます。処置をしたということには、私はならぬと思う。ならぬというのは、現実的には地方では計画をもって仕事をいたしております。机の上だけで仕事をしているわけでない。これは当初予算であったならば、あるいは補助金の額をことしはこれだけへらすから、地方もこれに見合う財源をこれだけ減らすということはいえるかもしれない。しかし年度が四分の三を過ぎた今日、私はそういう財政処置は通らぬと思うのです。一体自治庁はどうお考えになっているのか。そういうことでほんとうに地方の財源が浮くものだとお考えになっているのですか。地方の仕事の進んできている状態は一体どうなんです。いつもこのくらい余るから、このくらいやめてもよかろうというようなあいまいな答弁はこの際許されないということです。そういうことであってはならないということです。国の方で仕事をやらなくていいといっても、それは一つの事業計画の中ですよ。一つの事業計画の中で、やむを得ず障害があてあるいは繰り延べになるかもしれない。しかし繰り延べになるからといって、その財源をはき出せという理屈には私は少しもならぬと思う。この際政府はその辺の数字を一つ明確にしておいてくれませんか.少しむずかしいかもしれませんが、地方の自治体の中でどれとどれとどれの仕事がどれだけ余るということが、具体的にあなたの方で言えますか。机の上だけの仕事では地方の自治体はやれぬということです。その辺の数字を一つ明確に出して下さい。
○後藤政府委員 門司先生のおっしゃることに二つの問題があると思います。一つは、北山先生もおっしゃいましたが、本年度の起債の充当律を上げることになって一般財源が節約されるが、しかしそれはやはり借金が残るのだからおかしいじゃないか、こういうことであります。一応、起債というものを従来の考え方に立って財源的な考え方をすれば、おっしゃるようなことになります。従って本年度の財源措置としてはやはり十四億の節約というものは考えられますが、後年度においてその償還という問題が起って参ります。これはしかし本年度のとりあえずの処置としては、やむを得ない処置であると私どもは考えます。それから門司先生のもう一つの点は、おそらく事業はもうすでに計画しておるのであるから、年度の途中においてやめるわけにいかない、従って事業は、公共事業が不用になるといいながら、やはりすでにやっておるし、これからもやるだろう、しかしそれは支払い繰り延べか何かの格好になってしまうのじゃないか、こういうことだろうと思います。私どもといたしましては、毎年の不用額の総額を見ておりますと、やはり相当の不用額がございますので、その不用額を基礎にいたしますと、本年度の年度内におきましては不用が立つということは、一応理論的には出て参ります。しかしおっしゃるようなこともございますので、やはり各事業官庁に対して、不用額をどういうふうなあんばいできめるか、またどういう指導をするかという点になって参りますと、私どもは、支払い繰り延べの形にならないようにしてもらいたい、ならないような格好における不用額というものを、これから生み出すようにしてもらいたいということしか申し上げることはできぬのであります。それを現実の問題は支払い繰り延べの格好になってくるからしようがないじゃないかとおっしゃいましても、ここのところはこれから年度内の問題でもありますので、支払い繰り延べにならないような指導をやはり各省でやってもらって、地方団体の負担にならないようにしてもらうということ以外にないと私は考えます。
○門司委員 そんな答弁がありますか。自治庁はそういうことを考えておっても、実際はそれをやれぬからやはり財政措置はこの際政府が十分めんどうを見るという建前が正しいと思う。これ以上は数字にわたってあとで同僚から質問があると思いますが、今の答弁の中で、重要な点が一つある。大臣の答弁と食い違いがあるのです。それは本年度の財政措置は一応これでできるが、しかし後年度に債務として残るということ、これは当然です。われわれもそれを言っている。そうすると来年度の財政計画は何で立てますか。われわれが危惧しているのは、過去の累積した赤字を一応なくする――なくするということはできないかもしれないが、これを一応たな上げするならたな上げするということは、来年度から赤字の出ないような措置をするということは、ことしの年度においてこういう不純なものを残さないで一応平らにしておかないと、前にも進めない、あとにも戻れないという形ができてくるということです。大臣は、先ほどからの御答弁並びに当初のお話を聞いてみますと、そういうことをおっしゃっておる。とにかく来年度の三十一年度以降の地方財政計画を完全にするには、やはりことし完全にしなければならぬという大臣の御意思だと思う。後藤君はあとに借金が残ると言うが、あとに借金が残るようなことで来年平らになりますか。一体大臣の答弁との食い違いはどうされるのですか。この点はっきりしておいてもらいたい。
○後藤政府委員 将来借金が残るという意味は、起債というものを、従来の考え方から申しますれば、充当率を上げて起債をそのままつけて参りますれば、その分は従来と同じようにやはり起債の償還費として将来の財政計画に出てくるのであります。従ってその償還費の上った分だけどうするかという問題は、将来の問題であります。しかし一応本年度の措置として考えますると、一応不用額が出るから本来は起債を返すべきものだ、こういうのが理論の筋だろうと思います。しかし筋はそうでありますけれども、地方団体も困っておるのであるから、本年度赤字を出さぬようにするためには、その起債額を返さないで起債の充当率の方の引き上げにかかった方がよろしいのではないかというふうな考え方を私どもはしておるわけです。
○門司委員 そうするとこう解釈していけばいいのですか。政府の立場に立って好意的にものを考えて、起債を残す、しかしこれは地方が困るであろうから借金を残しておいてやるのだ。従来は全額国が負担しなければこういう理屈は私は通らぬと思うのだが、返させるのが本来だというならば、これをやはり地方財政を完璧にしようとするならば、無理があっても返させるという一つの方法があると思う。しかしそれが無理だから一つ借金だけを残していこうというものの考え方は、地方財政の完全な三十年度の穴埋めには私はならないと思う。借金を残させるならば何にもなりはしない。しかし現実の問題として借金が残るであろう。それはそういうあいまいな処置をとられるからそういう問題が出てくるのです。二十八億という金を地方の負担にしようとするから、そういう問題が出てくる。地方の犠牲においてこの穴埋めをしようというお考えであろうと私は思う。一体どうなのですか。実質上の赤字債みたいなものになるのでしょう。
○後藤政府委員 私の言い方が少し足りなかったかと思いますけれども、私は不用額になりまする起債は、やはり返してもいいじゃないか、返す団体も出てくると思います。別に借金を残す必要はない。しかしどうしても一般財源が足りなくて起債をやはり残してもらいたいという団体があれば、その団体はやはり起債を要求してくるだろうと思います。従ってそういう場合には返さなくてもよろしい、こういうのであります。従ってそれは将来の償還費の中に含まって出てくるのでありますから、それは各団体の自由にまかしていいと私は思っております。しかし私どもとしては返さなくてもよろしいという態度でいくべきだ。現に今までつけました起債でも少し返そうというところがあります。これは将来の起債の償還費が非常に多くなるので、割り当てました起債を少し返してもよろしい、事業もそれだけ縮小してやるのだという団体が、この措置がきまる前にあるのであります。従ってこの措置がきまりましても、一応理論的には起債が不用額になる分もありますから、やはり返す団体も出てくると思います。しかし将来の負担を考慮するのであれば、残して使ってもよろしい。こういうふうに考えております。
○北山委員 自治庁の説明は要するに任意に仕事をしないで不用額が出た場合の不用額は、政府が財源措置をしたことに説明しているからおかしい。それでお伺いしますけれども、そうすると十四億の府県起債が浮くという点は、その団体の公共事業をやめる、そのやめた団体に対して、ほかの起債の充当率を高めるのですか。一般的に考えるのですか。個々の団体について、おれのところはこの公共事業をやめる、そうすれば起債がこれだけ浮く、それはほかの事業の充当率をふやすのだ、そういうふうに個々の団体ごとにやっていくのですか。
○後藤政府委員 個々の団体の判断によりまして、一応事業が年度区分からいいますと本年度分はそれだけ事業から落ちるわけでありますから、それだけの負担がなくなるわけであります。負担がなくなればその起債はほんとうの不用額に立つわけであります。従って先ほど申しましたように、不用額に立つべきところの起債を返すべきか返さないか、その団体の自由にしたらいい、われわれの方としては別に返す必要もないだろう、こういうふうに考えております。
○北山委員 今の御説明は、要するにその団体、ことに事業をやめれば、その不用分の起債はよその方へ振りかえてもよろしい、よろしいんじゃなくて、そういうふうな建前でやる、こういう意味ですね。そしてしかも先ほど来問題になったように、公共事業の方は一方的に政府の方から一律削減をしない。いつかの打ち合せでもってそういうふうにきまったようであります。従って地方の任意によって、事業をやるかやらないかは年度内にきめるということになれば、それは年度のおしまいにならなければわからなくなってきますね。従って個々の団体について十四億分がどの程度にほかの事業の充当率を高めることに役立って、ことしの財源不足を補う効果を現わすかということは、個々の団体ごとに、しかも相当年度末までいかなければわからないことになります。ところが百六十億の方は年内に配分するのだろうと思いますが、これはどういう方法で配付するのでしょうか。
○後藤政府委員 百六十億の配分は、交付税の現在の財政需要額の積算をもう一度やり直しまして、そうして基準財政需要額を百六十億分だけふやしていきたい、かように考えております。
○北山委員 そうすると、今の起債の十四億楽になるだろうと思われる点とは別個に、百六十億は切り離して配分をする。起債の方は個々の団体ごとについて、楽になるかならないか、年度末までやってみる、こういうような方針のようでありますが、そうするといよいよもって、百八十八億を計画的に政府が財源措置をしたということにはならないんじゃないかと思うのです。やはりほんとうの財源措置をしたという分は百六十億、これは一応のものさしに基いて普遍的に配分するでしょう。ところがそれ以外の地方負担分が楽になるかならないかという二十八億は、地方の個々の団体によって事情が違ってくる。従ってこれは公平にいかない。不公平になります。だから今度の措置の中には、いわば二つの不公平があるわけです。一つは百六十億をもらう方と、二十八億の楽になる方が配分の方法が違うということだ。一方は交付金であってもらいっぱなしだが、一方は起債とか自己財源であって、仕事をやらないで余りが出たら、それは政府の財源措置だというふうに強弁されるわけです。そういう非常に複雑なものを含んでおる百八十八億でありますからほんとうの財源措置の額というのは百六十億しかないという方が正直ではなかろうか。百八十八億というのは二十八億のインチキが入っていると考えざるを得ないのですが、どういうふうにお考えになりますか。
○後藤政府委員 交付税は御存じの通り一般財源でございます。これをできるだけ早く私どもはこの年内に配付したいと思っておりますが、配付いたしますれば一般財源の額がきまります。それを基礎にして公共事業の分の一般財源の総量をにらんで、配付の分量をきめていくことになるのであります。そこで不用額になるかならぬかという問題が出てくるのであります。従いまして年度末に交付税を配るということであれば、おっしゃるような結果が出てくると思いますが、できるだけ早く一般財源である交付税を配って参りますれば、不用額というものはちゃんと個々の団体で考えて出てくる。そこで大体われわれの見合ったくらいの節約が立つんじゃないか、かように予想できるのでございます。
○北山委員 出てくるかもしれぬけれども、それは不公平に出てくるんです。結局交付金の方は一応の基準に基いて、やる団体もあり、やらない団体も出てくるだろうが、とにかく一応のものさしでもって、全国的に一つの基準でもってやるに違いない。ところが片一方の二十八億の方は、個々の団体の事情によって、しかもその任意によっていろいろ変ってくるんですから、不公平が出てくるでしょう。逆に言えば交付金をもらって、さらに起債の方も楽になるという団体も出てくるでしょうし、あるいはまた逆に交付金をもらって、ことしはこの事業をやめようと思っておったが、交付金の方をもらったから、それじゃ一つ事業をやろうかというような団体も出てくるかもしれない。そういうふうな団体ごとに不公平、不均一が出るような配分をやって、それが百八十八億の正しい財源措置というふうに言えるかどうか。しかもそれに一部は起債分いわゆる借金の分がある。借金を見てやったという、赤字債みたような格好の分がある。それから交付金の分がある。そういう違ったものが二つ入っておる。そういうものを端的に認めた上で、政府は対策を発表なさるのが正しいのであって、百八十八億の財源措置をしたということは少くとも言えないんじゃないか。ごまかしがある。私の言うことは間違いですか。
○後藤政府委員 一応百八十八億の財源措置をしたという格好に財政計画の上からなるのであります。財政計画の総量の大量観察でもってそうなるのでありますから、個々の団体に参りまして、おっしゃるような不公平な結果が出てくるかもしれませんが、これは不公平というよりも、事業をやる団体とやらない団体ができて、やる団体がある程度の犠牲を受ける、こういうことでありまして、私どもは全体から見まして、それはやむを得ない、かように考えているのであります。全体の計画といたしますれば、一応百八十八億の財源措置をした額と同じ程度の効果はある、かように考えるのであります。
○北山委員 それならば単独事業でも同じことですよ。単独事業を財政計画上百億なら百億落して、これだけ不用額が出るんだ、そう言ってもいい。それで財源措置をしたと言っておればいいじゃないですか。それと同じじゃないですか。単独事業だって、やらなければ地方に不用額ができて楽になるんですから、それを二百億でも三百億でも政府は財源措置をしたと称していると同じことです。だから百六十億は正しいけれども、あとの分はどうも怪しげな数字です。ここをはっきりして、むしろ二十八億プラスして百八十八億の財源措置をすると天下に声明するならば、はっきりと一応百八十八億にして配分をして、あとで不用額が出てきたときに、それはそれで調整すればいいのであって、やり方が逆ですよ。これを配分するのにおそらく財政部長は、公平にやろうとすれば、お困りになるだろうと思う。だから今私の申し上げたことで大体おわかりと思うんですが、もう一ぺんこの措置について政府は考え直しをされる気持はないか、大臣にお伺いいたしたい。
○太田国務大臣 実際の問題としてお話のような点が起るかと思いますが、今財政部長の言った線で一応進めていくべきものじゃないかと思います。いろいろ具体的の面になりますと、私の知らない面もございますが、お説の通りいろいろ各団体において違った点の出ることも想像されますが、これによりまして二十八億円を加えた百八十八億によって負担を軽くしたという考え方で進んでいきたいと思います。
○大矢委員長 中井君。
○中井委員 二、三点お伺いしたいと思いますが、きょうは実は一週間ほどお待ちしましたので、もっと詳細な、がっちりした御答弁、御説明があろうかと期待いたしておりました。また百八十八億の内容等につきましても、今問答もございましたが、もっと詳しい数字でもって資料が出てくるものだというふうに考えておりましたが、そこまでの御説明がなかったようで、まことに残念でありますが、御説明がありました部分についてだけ一、二点お尋ねいたしたいと思います。
 まず第一点でございますが、大臣は簡単に交付税の三%に相当する額を今度推定をしたというようなことでありますが、これはどうですか、臨時国会に間に合わないからおやりになって、いずれ通常国会では補正予算をお出しになるというようなお気持のもとに、閣議なんかで御決定になったのであるか、あるいはまたこのままで三十年度は終ってしまう、このままほおかむりでいってしまうというふうなお考えであるのか、その点をまず尋ねいたしたいと思います。
○太田国務大臣 このままでこの案を実行していきますと、年度内においていずれは補正しなければならぬことが起ると思います。形式上と申しますか、中井さんおっしゃったような線におきまして、年度末においてはこの跡始末をつける関係がございますから、補正になると思います。
○中井委員 通常国会で補正をなさるということですが、その場合にもしたとえば税の自然増収その他が――今、大蔵当局の話では何でも百億だとか百五十億だとか言っておるということをわれわれは聞いておりますが、しかし現実は過去四、五年間は毎年少くとも五百億程度の自然増収で、実質上はいろいろ疑問がありますが、そういう話がありましたので、私どもは実はそれを非常に期待しておったのであります。ことしはもちろん減税措置もありましたけれども、この七月ごろから外国貿易も非常に伸びましたし、一応安定した上昇の方向に経済があると思うのです。この点は大臣御専門でよく御判断になると思います。にもかかわりませず、大蔵省の事務当局においてはそういうものは不確定財源なりと言っておるやに聞いておるのであります。そういう点について今いろいろ問題になりました百八十八億といいますのは、これはもう実質は百六十億で、節約したとおっしゃっておるので、この点はまたあとで触れたいのですが、こんなものをやらずに、一兆円を突破するかもしれませんが、そういうふうな補正予算の方向に向われるのか、それとも今御説明になったことを整備なさってそういう補正でやられるのか、その点をちょっとお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 中井君の御指摘の通り自然増収がどうなるかということは、だれも関心を持っていることでございます。これは大蔵当局の御意見によらなければなりませんが、私も大体その点は聞いてみたので、私の判断も加えて申し上げますが、御承知の通り景気が少しよくなりまして、輸出が盛んになるとか、あるいは米の取れ高がよかったというような関係もございますが、一面におきましてはたばこが大へんに減ったという大きな事実がございます。同様に酒につきましても、大きな財源とされておる酒がどうも下の方ばかり売れて、上の税金の高いところが入らないような状況でございます。いろんな点を考えてみまして、今私どもの得た現在の材料におきましては、大蔵当局の言うように非常に多額な自然増収を見合ってやっていくということは、ちょっと無理か、少くとも大胆過ぎるじゃないか、こう思っております。ただし事情が変化してくればわかりませんが、当局の大蔵省側にもう一ぺんお尋ね願いたいと思いますけれども、かような意味を御り了承願いたいと存じます。
○中井委員 もう一、二点で終ります。三十年度の予算を通しまするとき、非常に問題になりましたのは、例の自由党、民主党の皆さんで御相談をなさいまして四百三十億ばかり予算をいじられた。いろいろ討論の末、それを半分の二百十五億というふうに有名なあの政治折衝をなさったわけですが、その内容はほとんど公共事業費であった。私ども地方財政もそのあおりを食ってまた財源措置をしなければならぬ。四カ月ほど前に大騒動をいたしました。今度発表した政府の案を伺いますと、それをまた削るのだそうです。その前はふやしたのに今度は削るのだ。数日前に私どもの方の委員長と総理との質疑応答がありましたが、第二次鳩山内閣、第三次鳩山内閣で性格が変ったかどうか、政権の移動かどうかということで、鳩山さんは基盤がなくなったので、一応こういう形だと上手に答弁をなさいましたが、自由党、民主党両方で御相談なさったのですから、あの二百十五億の補正については、保守党の皆さんは一丸となって責任を持ってもらわなければならない。今度新しい内閣ができてもその責任はそのまま踏襲される、特に鳩山さんの御答弁によるとそうでありました。ところが今度またこれが削られるという。あまりに無定見のようで、国民を欺瞞しておると思うのですが、この点はどうでしょうか。とにかく二百十五億公共事業費をふやしてやるのだ、今度は地方団体は赤字になったから削れ、まことにどうも簡単で、しかもそれを予算の修正をせずしてやっていこうという、この責任はどうでございましょうか。
○太田国務大臣 言葉を返すようで何でございますが、今度の措置というのは打ち切りではありませんで繰り延べでございます。先般の国会においてやりましたこととは別の意味にたると申し上げたいと思います。
○中井委員 どうも私は打ち切りだと思いましたらまた繰り延べという。繰り延べならこれは赤字の解消にはなりません。また来年に延ばすだけであります。これは一体どういうことでございますか。大臣は三%と言われたが、さっき北山君の御意見もありましたが、私はこれはあくまで百六十億だと思うのです。繰り延べだというお言葉でありましたら、これはなおひどいと思うのです。来年またそれだけ赤字を持っていく、こういうことになりますか。どう見ておられますか。
○後藤政府委員 事業の繰り延べといいますと、簡単に申しますと三月三十一日までに事業は完了しない。従って四月か五月に事業が延びるということであります。それを年度の区分で三月三十一日に仕切って参りますと、本年は不用が立つ、こういうことであります。事業そのものはやはりやっていくのであります。来年度にやはり同じ事業費をつけまして、そうしてその来年度に本年度の不用に見合う額を足していくのでありますから、おっしゃるようなことにならぬと思います。
○中井委員 それはどうもはなはだおかしいと思います。そういう事業繰り延べとかいうことは、各府県、市町村におきましてもこれまで四、五年できるだけやって、そうして赤字になっておる。そういうものを総計して自治庁自体が赤字の中の数字に入れておられるのではありませんか。繰り延べ分は幾ら、これの分は幾ら、こういうわけなんです。
 それからもう一つ、それに関連して、実際この二十八億というのはごまかしの数字であるとわれわれは感じておるのですが、先ほどの後藤さんの答弁の中にもありましたが、大体毎年毎年この程度の不用額は出てくるという。出てくるならこんな数字をあげなくても、ことしでも出てきます。地方財政が毎年々々――たとえばことしは四百億足らぬだろうというが、実際計算をしてみると、それは二百三十億でおさまったとか、百八十億でおさまったということを聞きます。そのことはこういう数字の推定だと思うのです。いろいろな各機関で指摘いたしておりますように、三十年度は素朴に考えてみると五百億からになる。そういうことについて皆さんは二百億、百八十八億でやればまあ何とかなるだろう。この差額の三百億というのは二十八億が入っておる、当然不用になるだろう、毎年この程度のものは出ておるということは入っておると私は思いますが、そういう点についてどうですか。それを数字にあげたのだということであればそれまでのことでありますが、実効はゼロだ、こういうことに了解せざるを得ないのであります。
○後藤政府委員 毎年事業繰り延べのような格好になるのがございます。地方の予算ではその場合事業繰り越しという格好にします。普通の場合の事業繰り越しであります。ところが今の事業繰り越しの中には、未収入の特定財源を見込んでいないもので繰り越しとしている。特定財源というものの考え方に違ったものがございます。従って全部の繰り越し事業の中が赤字であると私ども考えておりません。未収入の特定財源があるというものであるならば、これは赤字ではないのであります。そういうものでないものをわれわれは赤字というふうにいっておるのでありまして、赤字の計算の場合には消しております。簡単な例で申しますと、本年度災害がありまして、それをたとえば三割だけ事業をやる、ところが国の補償金は二割しか来なかったという場合に、一割の分は来年必ず来るのであります。従ってその分はやはりすぐ赤字だ――本年度はなるほど赤字の格好を呈しておりますけれども、来年度で補てんされますから、それは赤字とはいえないのであります。そういうものは赤字の計算から引く計算にいたしております。そういう意味で普通の事業繰り越しというものの中に、やはり事業繰り延べのものが相当あるのであります。そういうものを年度区分で切って参りますると、やはり一応返還すべきものという建前になっておりますが、それを返還しないで繰り延べの格好になっておる、こういうことになるのでありまして、それはすぐ赤字というものではないのであります。従って同じものが来年つくのでありますから、ことし不用額になったものは来年切りっぱなしにするのでなくて、その事業については来年補助金もつける、起債もつけるという建前にしておりまするから赤字にはならない、かように考えます。
○北山委員 関連して。その繰り越しのことですが、先ほどの私の質問の中でも不徹底、不十分だったが、毎年の公共事業が百億とか二百億不用になる、去年もあっただろうし、おととしもあっただろうと思います。そのとき政府資金等の起債分はどういうふうにしたのですか。やはり浮いて余ってきたわけじゃないですか。
○後藤政府委員 おっしゃいますような場合は、起債とそれから一般財源を、補助金もくっつけて国の事業繰り越しをすべきなのであります。そういうふうにやっておる県、団体も相当あります。
○北山委員 私の言うことは、政府の側の計画として公共事業費の起債分がある、ところが府県の方では公共事業を予定の通りやらないという場合に、その起債が余るはずです。それを余らして年度を終っておるか、あるいはほかの方にそれを振り向けて一般事業の方へその起債分を充当しているかどうか、今までどうやってきたのですか。
○後藤政府委員 普通の場合でありますと、事業繰り越しをしました場合には一ぺん起債を返してもらいまして、また一ぺん補助金を返してもらいまして、そして来年同じものをつけるというのが筋だろうと思います。これは理論的にいえばそうなるのであります。しかしそれはめんどうだから事業繰り越しというような格好で、ずるずるとそのままになっていくというのであります。それが赤字になるのはもらった起債をほかに使ってしまった場合、それからもらった補助金をほかに使った場合、これは赤字になる、そういう計算を赤字の場合はしておるのであります。
○北山委員 私の聞きたいのは、毎年毎年そのように公共事業費が不用になるというならば、ことしはなぜ同じように――予算補正をしたりして不用額が出たんだから、それこそ財源措置を、その当時の政府がやったことになるらしいですから、なぜそのときにはやらないで、ことしだけ同じような事情にあるものを財源措置として見るか。今まででも不用額が出たんじゃないですか。それを財政計画上何にもそんなものに触れない、直さないでおいて、今年に限ってその公共事業の自然に不用になる分をわざわざ計上して見込んで、この分については財源措置をしたということは、ことしの異例なる措置じゃないかと思うのですが、今まで毎年こういうことをやっておりましたか。
○後藤政府委員 今まではこういう処置をやっておりません。今までは年度の終り、たとえば三月の終りころになって補助金を出しておるような例がたくさんあります。それはそのまま国の方ではやりっぱなしましてそしてその事業は明らかに年度をまたがって繰り越されていくべきもの、こういうことになっております。従って全体がずれております。今度の場合は不用の額が出てきますからその分は取り上げる、つまり補助金をやらないという格好になるのであります。今までは、そのやらなかったものはやりっぱなしにして、そしてその事業を繰り越していた、こういうのです。そこがちょっと違うのであります。
○北山委員 それは補助金の分についてのみならずその団体の不用額が出るでしょう。それを今まで不用額などは不問に付しておる。政府の財政計画上はそのようなものを見てないでしょう。ただことしだけはこれだけ余るのだ、余るからそれに伴った地方の不用額がこれだけ地方団体は楽になるのだからといって、そうしてその分については政府が財源措置をした額の中で見ておるのだというようなことはおかしいではないかと思う。これは当然見るべきものであれば、去年もおととしも同様なことをやるべきはずである。それをその当時の政府はこんなことはやらなかった、今度の政府はそういうふうな事業が自然に不用になって地方団体が多少楽になった分だけを見込んで、これをみずから地方に財源措置をしてやったがごとく言うことは、これはまるきり欺瞞といわれてもしようがないと思われるのですが、重ねて大臣からお答えを承わりたいと思います。どうしてこんなようなことをやるのですか。
○後藤政府委員 昨年は予算がきまりましてすぐ実行予算を作った、そこで一応公共事業を落して計算したわけであります。従って不用額に当る分は初めに切ってしまう、こういうことになります。それでなおかつ不用額が多少出たのでありますが、ことしはその前に実行予算を作っておりませんので不用額を立てて、そうして補助金を一応本年度の分としては打ち切って、事業をさせない格好になります。そうなりますと自然にそれに見合う負担が要るということが理屈の上で出て参ります。従ってその分はやはり財源措置をしたと同じ効果として考えたのであります。
○北山委員 これに関連してもう一ぺん大臣にお伺いしておきますが、臨時閣議でことしの地財対策をきめたときには、その裏づけになる財源というのは一般会計において公共事業が八十八億、その他の節約は賠償等の不用額、そういう財源まで見て閣議決定をされたというふうに新聞報道ではなっておるわけなのです。そのようになっておるかどうか、それは不確定であるかどうか、どっちなのですか。
○太田国務大臣 おっしゃった通りでございます。
○北山委員 私の言った通りというのは、要するに新聞に発表しておるように公共事業費八十八億、賠償の方が三十何億ですか、そういうふうな数字が入った閣議決定というわけですね。
○太田国務大臣 その通りでございます。
○北山委員 それならば一般会計の今度の借入金の財源というものは明確になっておる。政府がこういうもので将来一般会計の補正をやるという腹がきまっておるのですから、なぜ今度一般会計の補正予算を出さないのですか。今度は借入金にして、それがはっきりと財源の裏づけのあるものをきめておきながら、なぜ一般会計の補正予算を出さないかその理由いかん、これをお伺いいたします。
○太田国務大臣 今の各項目にわたる仕事をやっていって、きまりがつきますのが終りごろになるという見通しで、借入金はただ借入金で措置していこう、こういうのでございまして、初めから確定的にそういうことをするよりも、今のところは借入金でやっていく、その結果を見まして年度末に補正を出そう、こういう順序になっております。
○中井委員 先ほどの北山さんの話と関連しますが、ちょっとこまかくなりましたのでこまかくお尋ねするのです。さっきの二十八億の問題でございますが、そのうち地方債の部門は十四億とかなんとかあるというように伺っておるのであります。そうしますとそれは今度一般財源として見る、こういう形になるわけですかどうですか。
○後藤政府委員 二十八億の中には府県の起債の分が十四億ございます。その十四億分は、一応その事業の分量が減って参りますと負担が落ちて参りますので不用になって参ります。ほんとうは返してもらわなければならぬ、しかし苦しい県もございます。できるだけ赤字を出したくないという県もございますので、その分は私どもとしては無理に返せとは言わない。本来は返してもらうということに理屈の上ではなります。
○中井委員 そうなりますと、ずいぶん今論争の的になっておりますのは毎年々々起債がふえて困るのだ、四千七百億になっておる、こういうわけでしょう。ですから今度こそその財源としてはそんな借金は困るんだ、こういっておるのにまた十四億だけは――起債なんというのは借金です。来年からこれを負担せんければならぬ。その十四億は元利ともやはり政府が補償するのですかどうですか。それで私もそういうものに関連があったから、補正予算はどうだとお伺いしたんだが、どうです。
○後藤政府委員 そのままにしておけば後年度に負担が残るのでありますが、これは一応元利を負担しないという建前になっております。従って団体によっては返してもよろしい、こういうことになるのであります。
○中井委員 最後に一つ大臣にお伺いいたしますが、先ほどからいろいろありましたが、結局政府としては根本的な改正を一刻も早くやろうというようなことであります。私はその考え方については非常にけっこうだと思います。改正する方法についてはおそらくいろいろ意見が違うと思いますが、ただどうも歴代の内閣は根本的改正を地方財政にやるというようなことをいわれまするが、現実には、今の地方制度は民主主義のすなおなルールにのっとりまして、なかなかいいんですよ。私は遺憾なのは財政措置だと思うのです。それを何か、制度が悪くて財政措置は正しい、国家財政困難な折柄、こういうことでありますが、地方財政というのは何も独立したものではございません。地方行政そのものがちっとも独立しておりません。先ほども公共事業の削減について私はお尋ねしたのですが、こんなように財源でだんだんしぼり上げてきますと、地方自治体でなくて官庁の下部機構にほとんど現在なりつつある。またそれを推し進めていくという考え方でおいでになるのかどうか。それから根本的改正と各内閣でいわれますが、ほとんどできておりません。おやりになるのなら、大体期限を切っていつごろまでにやるとか、どういう方針でやるとか、そういうこと。それから私どもはこれはなかなかできにくいと思っていますので、今の赤字の地方財政の姿を、根本的な改正をするまで待てというのじゃ、これはなかなか解消はできないと思います。両々相待ってやっていただかぬことにはできないと思うのですがどうでございますか、その辺のお気持を一つ。さらに、太田さんは非常に財政通であられるわけですが、地方財政と国家財政の比率において、私はこれは非常に残酷だと思っているんです。こういう点について、大臣に御就任になってどういう御心境であられるか。きょうは第一回の委員会でもありまするから一つお尋ねいたします。
○太田国務大臣 中井君の御質問は、おそらく国民全体がそういう考えを持っておると思います。私も外から見た地方財政の姿は少しは勉強はしたのでございますが、実際中へ入っていろいろな数字までやってみますと、ずいぶん窮迫した、早く手をつけなければならぬ――手をつけるのではない、実行しなければならぬと思います。健全財政と申しますが、国の健全をするために地方に押しつけた分があると思います。しかもこれをやるにつきまして、自治体を通してやるということが国が直接やる健全あるいは緊縮財政と違いますので、自治体の本旨が伸びるようにして、その間に金の問題を処理しなければなりませんので、非常にむずかしい問題と思いますが、現状におきましては地方の健全がなくて国の健全がない。健全財政というのは地方と国とそろっての健全財政である。最近に至りまして特に政治家の方々も、また一般世論におきましてもその点にお気づきのようで、まことにけっこうと思いますが、これを実行するのには非常にむずかしい問題になると思います。けれどもこれを実行しなければ、俗に言う健全財政、しかもそれは表向きは国の健全財政でございますが、地方の健全なくして国の健全財政なしという信念のもとに、精一ぱいの努力をしてやっていきたいと思います。
○大矢委員長 川村君。
○川村(継)委員 ずいぶん時間もたったようですから、私簡単に一言、二言長官からお聞きいたしておきたいと思います。初めの長官のお言葉の中に、地方財政再建の基礎固めをやるんだ、そこで当面の三十年度の財政措置として、地方制度調査会の答申を尊重しながら、国家財政の現状も考えながら、交付税率の三%程度に見合う率を考えて財政措置をしたんだというような言葉があったと思うのです。われわれも、過去の累積しておる地方財政の赤字を一応たな上げするような措置をとって、将来地方財政の健全化をはかるために、行財政あるいは税制全般にわたって根本的な改革を加えていく、こういうようなことは必要だろうと思うのです。ところが何といいましても非常に窮迫しておる三十年度の地方財政をどうにかしなければ、いわゆる将来の基礎固めなどできないということも深く考えるわけです。今度百六十億、それに地方の負担分等を考えて百八十八億の措置をする、こう言われたんですが、太田長官として、この百六十億程度の措置でいわゆる長官がお考えになっております基礎固めということが、ほんとうに自信をもってできるかどうかということについて、どう考えておられますか、その点まずお聞きしたいと思います。
○太田国務大臣 私の申し上げましたのは、三十年度につきましても、給与の問題はごらんの通り手をつけておりませんのでございます。一応去年のようなことをしていきましたら、うんと赤字がふえる――この前の国会で御審議願いましたときにも、いろいろなお説が出ましたようですが、結局国の方で見なかったような金でございますとか、税の金などございますので、減税に対する関係などもございましてうっちゃっておいたというのが、今日の赤字の原因だと思います。一応これでもって、給与の関係は別として赤字を防いでいこう、こういう考え方でございます。
○川村(継)委員 私が申し上げるまでもなく二十八年度までに五百八十数億の赤字が累積されておる。二十九年度に百二十五億程度出る。三十年度もこれは相当考えなければならぬ問題があると思います。先ごろ出ております再建促進法案では二百億程度の財源が考えられていたようでありますが、そのあれによってたな上げをするということは不可能だとわれわれは見ておるわけであります。ところが二十九年度の赤字の問題とか三十年度の問題を考えると、百六十億とか百八十八億とかいわれる財源措置ではどうしても乗り切れないのではないか。長官の言われる基礎固めというのが三十年度でできるかというと、われわれはそういう点はどうしてもその通りだというふうには考えられない。長官は今一応ということでお話になりましたが、将来の行財政全般あるいは税制の問題を考える場合、地方財政の再建を考える場合には、長官が全責任を持って本年度どうしてもやっていただきたい、こういうことを考えるのですが、果してこの百六十億程度のもので三十年度にその基礎固めができるかできないか、こういう点について長官のほんとうのお考えを重ねてお伺いしたいと思います。
○太田国務大臣 私の事務当局から聞きましたところでは、もそっとほしいと思うのです。けれども何といたしましても財源の関係がからんでくることと、その財源支出について健全財政を支持するという二年の制約を受けておりまして、非常に厳正なる意味の基礎固めはできないと思いますが、一応これで赤字をしのいでいく、こういう程度に私は考えております。しかしうっちゃっておいていい問題ではございませんので、何としてもいろいろな――途中ではさんでもうまくいかないのでございます。私の考えは、結局三十一年度以降において財務当局ともよく相談してこの問題を解決するよりほかない。部分的に申しましたら御不満な点もあろうと思います。私もそう思うのでございますが、一応これで赤字を去年のように生じないように防いでいくという態勢をとっておるわけでございます。私がさきに言った言葉が強過ぎましたら、さように御了承を願いたいと思います。
○川村(継)委員 今財源問題云々の言葉が長官のお話の中に出て参りましたが、これはいろいろ見方が各方面から出ているようであります。私は、それに関係して、今度の財源措置について、自治庁の当面の方針通りに、どうして交付税率引き上げということで最大の努力をしてもらわなかったかという点について、少しお尋ねしておきたいと思うのです。川島前長官から太田長官にかわられましても、また第二次鳩山内閣から第三次鳩山内閣にかわっても、地方財政問題というのは、そう長官がかわったからといって、おそらく変るものでない。ところが今日までいろいろ検討された結果、自治庁としても、当初二百二十八億の基本線を出して大蔵省に交付税率の引き上げで行くことを要求したと思うのです。また去る十一月十四日の委員会で前川島長官は、いろいろ問題はあるけれども、自分としては交付税率の引き上げという一本の線で交渉していくのだなどと強く言っておられる。現在提出しておられます財源措置にいたしましても、私たちに言わせれば、こういうこそくな手段を取らないで、いわゆる交付税率引き上げというようなことで処置してもらいたいと強く思うわけですが、その辺の太田長官のお考えの変り方、どうしてそうなさったかということをお聞きしたいのが一点。
 それから太田長官は、先般郷里の静岡でございますか――私よく存じ上げませんので、郷里でございませんければ失礼でございますが、静岡県なんかにおいでになったときに、財源は自分が見ても百五十億、百六十億はあるのだ、それは二十九年度の繰越金から出るはずだというようなことを車中談かなんかで発表しておられるようであります。そうなると、今言われる公共事業費の問題を考えなくても、長官さえも繰越金の中からと言っておられるし、また自治庁の見解をいつか発表になったのを新聞か何かで私見たのですが、三百八十億程度あるので、それから百五十億くらい出る、自然増収が減ったと見ても、合計して二百五十億くらいは出るのではないかというようなことなど言っておられる。いろいろ検討して参りますと、そういうような繰越金等のそれから考えても、公共事業費に手をつけなくても、相当の財源があると思うのです。そこで今長官は、財源問題に制約されて云々ということをおっしゃいましたが、一体そういうふうに非常に苦しい財源なるのかどうか、三%程度の交付税率も引き上げられないような状態にあるのかどうか、これがお聞きしたい第二点です。
○太田国務大臣 交付税率をすっぱりと引き上げていきますと非常に簡明でございますが、先ほども申しました通り、地方財政の基礎を根本的に変えていかなければなりませんので、そのときに譲った方が私は今でも信念としていいと思います。すっぱりした形は二割五分ということによって出て参りますが、しかし今のところは、それだけではなく、全面的に地方財政に手をつけなければならぬときでございますので、今さしあたり必要な金は出すにしても、交付税率を動かしていくという問題は、そのときに譲ったらいい。私は川島君からお引き受けしておりません。けれども、交付税率引き上げ論の当時からも承知しておりますが、今日といたしましては、それは根本的改正を考えるべきときに譲り、必要なる金を出していかなければならぬと思います。
 第二点といたしまして、財源を選ぶにつきましては、どなたもお考えになるように、繰越金の問題を考えます。自然増収の点を考えます。そういうものを調べてみたいということは、私新聞記者の方々に言ったように思いますが、それで必ず出るということは――私やはり静岡県でございますが、そういうことは申し上げておりません。現実といたしまして、財政当局の考えは、私から言うのは何でございますが、三十一年度の財政計画もございますし、全体といたしまして繰越金をどうするとか、あるいは自然増収をどうするとか、ないと言うが多少出ると思います。そういう点を考えなければなりませんので、現状の地方財政についての措置をどうする、全面的に国の財政を三十一年度分はどうしていくかという中において地方財政をどうして行く、こういう点を考えますと、さしあたりこの措置の方がいいじゃないか、かように考えた次第でございます。
○川村(継)委員 交付税率の引き上げについては、今長官からお答えいただいたような見解も成り立つと思います。われわれそれに賛成いたしておりませんが、地方財政審議会の意見書等もごらんいただいたと思うのですが、地方財政審議会としても、やはりこの際交付税率の引き上げで措置した方がよいというような基本線をもって大体意見書を出しておられるようであります。その点について交付税率の引き上げ等は適当でないという意見もあるけれども、地方財政の健全化をはかるために制度の根本的改革が必要であるが、今のような措置をとって未確定の対策に期待して当面の措置を怠ってきたことが、今日の窮乏を招来した原因である、こういうような分析もしておるわけです。これは非常に大きな問題としてわれわれ考えなければならぬ。われわれに言わせるならば、そういうこそくな財源でなく、税率引き上げで二百億なら二百億の線で、当面の財政の基礎固めをやって下さることがいいじゃないかと思うのです。
 もう一つの点は、これは長官からはっきりお聞きいたしたいと思うのですが、人事院の勧告に基いて公務員の年末手当の問題が出ております。これは政府としても相当研究しておられると思うのですが、いわゆる〇・二五を引き上げて出すべきである。政府の方では国家公務員に対する財源措置もまだはっきりしていないように承わっておりますが、もしも下五というような線で、年末手当が公務員に支給されるということになりますと、まずわれわれとして考えなければならぬのは、地方公務員をどうするかという問題であります。長官もお聞きになっておられると思いますが、実は夏のころ夏季手当が出たときに。七五でありまして、それに国家公務員には。〇・五というアルファがついたはずであります。ところがそのときやはり地方財政の窮状の問題で、地方の公務員にはこのプラス・アルファがほとんど出ておりません。こういうようなこともあったのです。このまま推移いたしますならば、国家公務員に〇・二五の増額がありましても、地方公務員の手当はどうするかという問題が、まずわれわれといたしまして非常に気にかかってくる。こういう点について長官としてはどのようにお考えになっておられますか、またどうしてやろうというお考えなのか、その辺のところを一つはっきりお聞かせおきを願いたい。
○太田国務大臣 年末手当の問題は非常に緊切なる問題と存じます。ことに地方公務員という立場及び地方財政を処理する立場から言えば、国家公務員との公平の原則のもとに考えなければならぬと存じます。また人事院の勧告をどういうふうに受け入れるか、この二つの問題は今回の年末手当の問題の一番大きな――金額にいたしましても地方財政上大きな問題――一般官公吏あるいは現業の政府機関の職員問題以上の大きい問題でございます。従って、この問題につきまして二、三回閣僚懇談会も開いておりますが、きょうもまたやるはずでございますが、まだきまっておりませんが、私は公平の原則ということは十分承知してやっていきたいと思います。同時に、今御質問にありました夏季のはどうやったか私聞いておりませんから、財務当局からお答えすることをお許し願いたいと思います。
○後藤政府委員 夏の〇・〇五繰り上げ支給のことでありますが、これは各団体によりましてやったところとやらなかったところがございます。やったところについては資金の問題がありましたが、資金の要求を、私どもの方ではっきりしたところは、ごく少数の団体だったように記憶しております。これはあくまでも繰り上げ支給の関係でありますので、しなかったところが相当多かったように思います。
○川村(継)委員 年末手当の問題について、ただいま長官は公平の原則に立って善処するというような御意見でありました。これはまだきまっていないでしょうが、地方公務員に対する財源処置として、長官としてはぜひ格段の努力を払っていただきたい、こういうふうに思うわけです。ただ気になりますことは、一日か、二日の閣議のあとであったか、これは新聞で知っているのですが、百八十八億の問題が大体本きまりになったときに、一萬田蔵相がこういう財源は給与問題等に使ってはいけないということを言った。ところがこれを太田長官も了承されておる。了承したというようなことを私は新聞で見たような気がします。そういうことがあったかなかったかは別といたしまして、おそらく今度処置されます百八十八億は、地方団体の現状からいたしまして、そういう給与方面に回すというふうな財源にはなりかねると思う。さっき長官もおっしゃいましたように、給与の実態調査等の問題がありまして、まだ大きな問題が残っておる。ところが年末手当の問題は非常に急を要する問題であります。そこでいわゆる地方の余裕のある団体は出せ、余裕のない団体は出せないのだというようなへんてこな結論が出ませんように、一つこの問題については長官が全責任を持って善処下さるように、これは希望いたしまして、長官にお願いいたしたいと思うのです。
○大矢委員長 加賀田君。
○加賀田委員 今川村君から希望がありましたけれども、これは大臣から明確に答弁を願いたいと思うのです。期末手当の問題は詳細に御説明申し上げる必要もないと思いますが、大体国家公務員の給与に準じて、地方公務員は支給されておるわけです。今国家公務員は二年来実質には給与ベースの上りがないわけなんですが、そのかわり財源として期末手当の増額分を人事院が勧告いたしている状態です。ですからそういう意味で、政府としても人事院勧告通り〇・二五を国家公務員に支給する場合には、それに準じて地方公務員にも〇・二五を私は支給しなければならないと思う。そういうことになりますと、今百八十八億の財源処置は、給与に対する、いわゆる期末手当に対する財源処置の内容には入っていないと思うのですが、そういう場合は六団体も強く要望されている〇・二五の新規所要財源の五十八億を、あらためて何かの処置を地方団体に与える用意があるのかどうか、その決意があるのかどうか。聞きますると、先般地方公務員の団体が自治庁の方で長官にいろいろ要求されたときに、それは地方公共団体の長にまかしてあるから、私は知らないのだというようなことが原因になって、すわり込みが回避されたということも聞いておるのでありますが、私はそういうことであってはならないと思うのです。ただ明確にお答えを願いたいのは、国家公務員が一・五の期末手当を支給されるということになった場合に、地方団体にもその財源の五十八億を何とか考慮する決意を持っているのかどうか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○太田国務大臣 もちろん私といたしましては、先ほども言った公平の原則――原則というよりも、同じむねの中にあって国家公務員は金をもらい片方はもらえぬとか、義務教育費のごとく国家から出る以外にちょうど半分の十二億になるかと思いますが、これがもらえないとか、警察署長はもらってその下の巡査はもらえないとかいう、そんなことがあってはいけませんから、私は精一ぱい努力いたします。同時に財源の問題になりますと、これは一般の問題になりますから、そこで今会議をしておるわけです。御趣旨の点はどっちかと言えば、私は皆さんの側に立ってしまうのでありまして、ただうまくいくかいかぬかはこれからの問題であります。一生懸命やります。
 それから何か今地方にまかしたとかなんとか、そんなことは私は言っておりません。また言うわけもないのであります。
○門司委員 時間もあまりございませんので、最初にあすの委員会の資料になるように至急に出してもらいたいという資料の点を二、三要求しておきます。一つは、政府の考えております百八十八億という財源処置が妥当であるかないかということの判定を、私どもが委員の立場からいたしますことのために、自治庁は今日までいろいろな資料を出しております。それから自治庁の地方財政審議会等におきましてもいろいろ出しておりますが、これらの財源処置を要すると考えられる額を示してもらいたい。これは申し上げるまでもなく政府がよく知っていると思いますが、たとえば警察の平年度化に伴う財源不足額の七十数億であるとか、あるいは税制改正に当って財源の所要額が約八十数億くらいになるとか、また恩給の問題等も出て参りましょうし、いろいろな問題が出てくるわけであります。従ってこれらを全部この際一応出していただきたい。同時に給与の問題でありますが、給与の問題は実態調査が出てこないからわからぬというお話でありますけれども、実態調査があって忍なくても現実に支給しておるのは支給しておりますので、給与関係に対する財源処置を要すると考えられるところの、従来われわれの考え方では、大体二百七十億ないし二百七十二億という数字を記憶しておりますが、そういう数字が正しいかどうか、これを明日の委員会までにぜひ一つ出してもらいたい。これは虚心坦懐に出してもらわぬと困る。今まで出された数字と照合してうそであったとか、ほんとうであったとか言って議論するのはいやでありますから、今まで出された資料に大体間違いがないと考えておりますので、その通りに出してもらいたい。そうして政府が百八十八億した処置しなかった理由をはっきり聞きたいと考えておりますので、間違いのない資料を出してもらいたい。
 その次には百八十八億の財源処置に関する内訳であります。この大体の内訳は、今お伺いをして多少お答えがありましたので総体については一応わかったのでありますが、公共事業費を削減されるという政府の意図に基いて、実質的にどういうところがどの程度削減されるかということがわかりませんと、これから地方自治体に非常に迷惑をかけると思う。従って次の委員会までにまとまった意見――一率に減らすことはいけないといって与党の中でもめたそうでありますが、一率に減らすことがいけなかったら、各個にどこをどう減らしてやるかということを明確に数字を出していただきたい。そういたしませんとわれわれも納得することができませんし、またこの委員会を通じて地方自治体にも国民の間にも明確にいたしておきたいと思いますので、その資料を要求いたしておきます。
 それからこれはごく簡単に意見を聞いておきたいと思いますが、今政府の考えております百八十八億という財源処置は、不交付団体を含めた地方自治体全部であるかどうか、あるいは交付団体だけを対象にされておるのか、その点をこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
○後藤政府委員 一応交付団体を基礎にいたしまして出た数字であります。しかし現実に配分いたします場合には、単位費用を上げて計算いたします結果、すれすれのところで不交付になっている、少し足りなくて不交付団体になっているというような団体もありますが、そういうものは交付団体に移って参ります。県ではありませんが、市町村の中にそういう団体が出てくるものと考えております。これは私ども大した数にはならぬと思っておりますが、ちょっと計算してみなければどのくらいあるか見当がつきません。従って一応交付団体分の財源措置というふうに考えておりますが、わずかな額で不交付団体になっているものもやはり交付されるものとして計算して参りますから、交付するということになると思います。
○門司委員 そうすると、その点が非常にむずかしい、技術的な問題があると思います。交付団体だからこれが赤字であるという理屈にはならぬのであります。また不交付団体であるから黒字になるという理屈にもならぬのであります。それはおのおのの自治体の事業量とにらみ合せなければなりませんし、それから政府が考えております。いわゆるこれの基礎になる数字が正しいかどうかということも問題になって参ります。従って現実の問題としては、自治庁の方がよく御存じだと思いますが、小さな村に行くと、財政需要額と収入額とだけを算定していけば、交付税をもらっただけでやっていけるという村があるといううわさも聞かないでもない。いわゆる村のほんとうの財政需要と、国から見た財政需要というものに、実際には多少のアンバランスがある。従ってこの場合の財政措置というものは、この資料の中にも、いろいろたくさんの資料がありますように、不交付団体でも相当な赤字を持っておるわけであります。従って両方やはり考えた一つの措置がとられるということが正しいあり方ではないか。交付団体だけが赤字だから、これだけを見てやろうという行き方がおかしいと思います。そういう財源措置が、一応三十年度の赤字を押えようという一つの地ならしであるとすれば、これは交付団体、不交付団体にかかわらず、一応の財源措置をして、そして来年度からは赤字が出ないようにしておきませんと、ほんとうの措置にはならない。今度は不交付団体であるが、来年度は交付団体になる。いつだったか私どもの手元に入っております書類を見ますと、神奈川県は不交付団体ですが、神奈川県は必ず交付団体になる、来年度はおそらく不交付団体は東京だけしか残らぬと思う。そういう実体がいわゆる制度の欠陥からくる今日の赤字の出た原因だとすると、今度の処置も、不交付団体だけだということは、私ども少し考え方が違いはせぬかという考え方を持っておりますので、今の御答弁には承服するわけには参りません。従ってそれらの問題もかねて、それならもう一つ資料を頼んでおきますが、一体算定の基礎になるべき数字をどの程度にまで御心配になるつもりか、これもあわせて一つできるだけ早く出してもらいたい。
○後藤政府委員 一番おしまいの問題は、財政計画の問題になっておりますから、これはちょっとあしたは無理かと思います。すぐ出します。
○中井委員 議事進行ですが、その資料ができますか。きょうのような簡単な御説明では入っていけませんから、それを一つお含みの上で善処していただきたい。
○大矢委員長 それから例の、おそくとも十月一ぱいにできるといった、給与の実態調査はいつできますか。これはしばしば問題になって、そこへいくとまだ調査ができておらぬ、調査ができておらぬという、これはあなたの見通しとしてはいつごろできると思いますか。
○後藤政府委員 ……。
○大矢委員長 それでは次会は明六日午前十時半から開くこととして、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十八分散会