第024回国会 議院運営委員会 第50号
昭和三十一年五月十六日(水曜日)
    午前零時三十九分開議(衆議院規則第六
    十七条の二による)
 出席委員
   委員長 椎熊 三郎君
   理事 荒舩清十郎君 理事 園田  直君
   理事 長谷川四郎君 理事 福永 健司君
   理事 松岡 松平君 理事 井上 良二君
   理事 野原  覺君
      相川 勝六君    荻野 豊平君
      菅  太郎君    小山 長規君
      田中伊三次君    中垣 國男君
      坊  秀男君    松澤 雄藏君
      山中 貞則君    山本 正一君
      山本 利壽君    池田 禎治君
      栗原 俊夫君    小牧 次生君
      八木  昇君    山本 幸一君
      渡辺 惣蔵君    小山  亮君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 太田 正孝君
 出席政府委員
        内閣官房長官  根本龍太郎君
        自治政務次官  早川  崇君
 委員外の出席者
        議     長 益谷 秀次君
        副  議  長 杉山元治郎君
        事 務 総 長 鈴木 隆夫君
    ―――――――――――――
五月十六日
 委員内田常雄君、鹿野彦吉君、薩摩雄次君、濱
 地文平君及び松澤雄藏費辞任につき、その補欠
 として中垣國男君、田中伊三次君、相川勝六
 君、山本利壽君及び小山長規君が議長の指名で
 委員に選任された。
同日
 委員相川勝六君、小山長規君、田中伊三次君、
 中垣國男君及び山本利壽君辞任につき、その補
 欠として薩摩雄次君、松澤雄藏君、鹿野彦吉
 君、内田常雄君及び濱地文平君が議長の指名で
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)外一件及び公職選挙法の 一部を改正する
 法律案(内閣提出)の取扱いに関連して太田国
 務大臣、内閣官房長官及び自治政務次官に質疑
 本日の本会議の議事等に関する件
    ―――――――――――――
○椎熊委員長 これより議運を開きます。
 先刻理事会を開きまして、昨夜委員会を上りました選挙法並びに地方自治法等の扱いについて御協議申し上げました。しかるところ、本日の本会議においていずれを先議すべきかについて議論が対立して、理事会では結論に達しなかったのであります。その際、社会党側から、両案の扱いについての政府の所信を聞きたい、担当大臣、太田自治庁長官については、地方自治法と選挙法との重要性についてどう考えられるかということ、同様の趣旨において、官房長官からも所信を披瀝願いたいということでございました。そこで、あらためて井上君に発言を許します。
○井上委員 この際政府に一応所信を伺っておきたいのですが、最初に担当の太田自治庁長官に伺います。地方自治法の一部を改正する法律案、地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、それからもう一つ、公職選挙法の一部を改正する法律案、これはいずれも太田自治庁長官の所管に関する法案であります。ただいまお聞きの通り、本日の本会議においていずれを先議すべきかということで、いろいろ議論をいたしておりますが、わが党の方におきましては、委員会の審議の経過から、また地方自治法の一部を改正する法案外一件の法案が、すでに前国会及びその前の国会から、ずっと政府提案として提出されておりましたものが、いずれもいろいろな理由によりまして成立を見ずして、三たびここにこの法案が提案されておることからいたしまして、いかにこの法案を政府が国会のすみやかなる審議を経て採決を望んでおるかということは、よくわれわれは理解することができ得るのであります。法案の内容につきましては、それぞれ意見はございましょうけれども、前後三回にわたって提案をされておるこの事実から、この法案の重要性をいかに政府当局において高く見積っておるかということが、うかがい知り得るのであります。そこで御存じの通り、会期も余すところ、わずか残余十八、九日となっております。このときに、問題の公職選挙法の一部改正の法案の先議をいたしました場合、当然地方自治法の一部を改正する法律案が、参議院においては相当これは難航いたすことは、予想され得るのであります。公職選挙法の一部改正法案は、最初の政府原案から、その後二回にわたって修正案が与党から提出されまして、公職選挙法案の政府原案は、非常な方向転換といいますか、内容は全く異なったものになりまして、かりに成立をいたしましても、直ちにこれは実行できない法案でございます。これに反して地方自治法の一部を改正する法案は、あとから他の委員からも御質問がございますが、御承知の通り本法案は、地方の財政を少しでも明るく、また地方の負担を少しでも軽く、また国の財政負担を少しでも軽くするように、いろいろな角度から政府が検討された法案でございます。従って、この法案をすみやかに成立さすことが、地方民にとりましても、また国家の立場からも、これが重要であることは当然でございます。そういう意味合いから、この法案を提出日いたしております自治庁長官といたしましては、いずれを先議される方がこの際妥当と考えるか。いずれをすみやかに成立さしてもらいたいとするか。いずれもこれは政府提案でございますから、別に甲乙はないと答弁されるかもわかりません。しかし余す会期がきまっておりまして、よほどこの点について参議院の協力を求めませんと、非常に成立を危ぶまれる実情にあります。そういうときに、万が一の場合を考えまして、政府としても十分なる心かまえをしなければならぬ段階にきておるのでありますから、特に夜分、かようなおそいときに、わざわざお越しを願いまして、まことに恐縮でございますけれども、この法案の取扱いをきめる上に重要な段階にきておりますので、特に御出席願いまして政府の所信を伺おうとするのでありますから、どうかそこの点誤解のないように、率直に、与党の立場からではなしに、政府の立場からお答えを願いたいと存じます。
○太田国務大臣 いろいろ法案につきましてお世話になりまして、ありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。ただいまの二つの法案についての重要性というお言葉でございます。私は自治法の委員会においても申し上げましたことでございますが、ともに重要性においては、私としては甲乙はございません。従って、ただいま井上会員のお言葉がございましたが、政府の立場においては、国会の御処理に従うよりほかなし、また国会の御判断に待つよりほかないのでございまして、私としては甲乙なし、ともに重要である、かように申し上げるよりほかないのでございます。
○井上委員 もう一件、官房長官に伺っておきます。官房長官も、おそらく太田自治庁長官と同一の答弁をされるのじゃないかと思いますが、御承知の通り公職選挙法の一部を改正する法律案は、この法案が成立いたしましても、法案の内容は、さらにこの区画委員会を設けまして、次の通常国会までに成案を得て、それからさらに次の通常国会で審議する、こういう案であります。ところが地方自治法の一部を改正する法律案は、これが成立いたしますと、直ちに地方行政に重大な影響を持ってくる法案であります。これはいずれが一体政府としてはすみやかに成立させ、また実際上効果が上るかということについては、おのずから御判断がついておる問題であります。それに甲乙なしというようなことでは、国民は納得できないのでありますから、官房長官はどうお考えでありますか、この際お伺いしておきたいと思います。
○根本政府委員 ただいま太田自治庁長官から申された通りでございます。
○池田(禎)委員 この際、太田自治庁長官にちょっと二、三お尋ねいたします。
  〔発言する者あり〕
○椎熊委員長 静粛に願います。
○池田(禎)委員 あなたは地方行政委員会で、今度の地方自治法の改正案というものはいろんな意義を持っておるということの中に、これによって国の経費の節減をはかり、地方赤字財政の有力な解消の手段と考えておる、こういう答弁をなさったということを私は同僚議員から聞いておりますが、そういうことはございましたでしょうか、いかがですか。
○太田国務大臣 もちろんその趣意はございます。
○池田(禎)委員 その場合、具体的に申し上げますならば、自治庁、政府の見解としては、それは現在の交付税の約一%ぐらいに当ると思う、こういうようなことを御答弁になったこともございましょうか。
○太田国務大臣 一%でございますか。
○池田(禎)委員 交付税の一%程度は出る、こういうようにお答えになったことがありますか。節約になるというように……。
○太田国務大臣 いや、私は一%とは言わないつもりでございます。それは、ちょっと何か数字をおっしゃって下さればわかります。
○池田(禎)委員 大十三億というような……。
○椎熊委員長 ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
○椎熊委員長 速記を始めて。
○池田(禎)委員 それでは早川次官がいらっしゃいますから、その数字の点についてどの程度か、はっきりした正確なものではなくても、おっしゃったことがございましょうか。
○早川政府委員 ここでは御承知の通り千六百億円ですから、一%となりますと十六億円ということになりますが、自治法が通りましたら直ちに十六億円が浮くというはっきりした数字は、私は少し乱暴な考え方ではないかと思っております。
○池田(禎)委員 重ねてお伺いいたします。わが党の地方行政委員会の委員は、約六十三億くらいはこれによって赤字の解消になる、交付税の減免になる、それは政府の考え方が少し甘いのじゃないかということを言ったけれども、それはその程度のことを考えておる、そういう予想を申し述べられたということが、わが党の地方行政委員会の理事から報告があったのでありますが、私は必ずしもこの数字を厳格にこの通りおっしゃったかどうかということでなくても、そういう数字を出したということはございませんでしょうか。
○太田国務大臣 数字のことなら、私も相当記憶にありますが、かようなことは私申しておりません。どうしてもその数字が今浮かんでこない数字でございますから、そんなことを私は決して隠すとか、そんなけちなことを考えてはおりません。
○池田(禎)委員 それはわかりました。私も地方行政委員会の速記録をとって正確に調べたわけではありません。ただ、わが党の地方行政委員会の理事の報告を聴取したのみでございますから、いずれこれらの詳細につきましては、速記録等を調べた上、またお尋ねいたすこともあろうかと思います。そこで太田自治庁長官が、この地方自治法の改正によって経費の負担を減らすことができる、地方の赤字を解消することができる有力な手段であると言われたことは、百あなたがおっしゃったわけですから、このことは、私がここで念を押してもよろしゅうございましょうか。
○太田国務大臣 申すまでもなく自治法の改正というものは、今度は市町村の立場、府県の立場をきめるということが第一点と、なるべく簡素にしようということと、もう一つは、議会制度及び執行機関におきましてのやり方を合理的にしよう、こういう意味でございますから、それを財政の面からいえば経費が少くなる、かように申して差しつかえないと思います。
○池田(禎)委員 これは地方自治法の方ではなく、選挙法改正の特別委員会であなたがお述べになったことを総合して申し上げますと、この選挙法改正法案は、本国会で主文を編成といいますか、主文を作成して、そうして区画割その他については来通常国会においてこれを審議し、そうしてその施行は六ヵ月以後の選挙において効力を発生するという、この事実はお認めになりましょうか。
○太田国務大臣 法文にある通りでございますから、申し上げるまでもないことと思います。
○池田(禎)委員 そういたしますと、選挙法改正に伴いますところの国家予算というか、財政上の措置というものは、今回の選挙法の改正案につきまして伴っておるでしょうか、それはないのでございましょうか。
○太田国務大臣 申すまでもなく国家予算におきましては、選挙が新たに行われる場合、必要なのでございますから、今回は入っておりません。当然なことでございます。
○池田(禎)委員 そういたしますと、これは一つは直接の国家予算でなくとも、昭和三十一年度予算に編成されていないにしても、国家の収入支出面におきまして財政上の変更を来たす。それと、減免をはかる、赤字を解消するということは、国家の財政上の負担を軽くするということです。こういう予算上の措置を伴っておるものと、しからざるものについて、あなたはこれをどういうようにお考えになるでしょうか。もっと端的に申し上げますと、あなたのお答えのごとく、選挙法については予算上の措置はない。さらにその選挙法は、来国会においてさらに区割り等についての審議をし、しかもその施行については、次の六ヵ月以後の選挙において適用するということが主文に盛られておるということ、片方は国家の財政上、予算上の措置を伴うところの地方自治法の改正案というものが、この国会において、もし、かりに並行した形において打ち上げられたとしても、実際の扱い上において、あなたの担任する法案として、いずれをあなたとしてはお考えになりますか。
○太田国務大臣 申すまでもなく、自治法におきましても、財政問題その他も大きな問題でございますが、内容になるものは、自治体の職分をちゃんとはっきりするということが出発点でございます。それから執行機関の問題、あるいは議会制度の問題をきめておるのでございまして、財政を主としての自治法の改正ということは、私は先ほども申そうかと思ったのですが、関係ないとはもちろん申しませんけれども、財政のみでこれを見るべきものではないと私は思います。さらに衆議院議員制度の問題は、国家の最高機関としての議会を構成する問題でございまして、財政の見地から比較するという問題とは、私は考え方を異にしております。財政という面から見てこの問題を解決すべきものじゃない、かように考えております。
○池田(禎)委員 さらにまた、地方自治法の改正案が通過いたしますならば、教育委員会制度等は、いわゆる公選制度というものが廃止されて任命制度になる。その他のものにおいても、そういうふうになるものがあるやに聞いておりますが、この事実はお認めになりますか。
○太田国務大臣 もう一つの地方公務員法の方に関係がございます。
○池田(禎)委員 太田長官に重ねて申し上げます。あなたは地方行政委員会において、本法案の通過によって四億一千九百万円の節約になるということを、明確にわが党の加賀田進委員の質問に対してお答えになっておることは、記憶を呼び起すことはできますか、できませんか。
○太田国務大臣 一緒に出ておったのですから、政務次官からお答えいたします。
○早川政府委員 地方自治法でおそらく四億若干と――先ほどの六十四億と違って、四億程度のものでありまするならば、初年度において節約できる見込みは立つであろうと思います。なぜならば、あの自治法の中で一番大きい問題は、府県の部局を法定をいたしまして、それをこえる部門に対しては、総理大臣の許可を得なければ、その部局ができないという項目がございます。現在かなりの府県において法定以上の部があるわけでございます。そういう面が減らされますと、それに伴いまして若干の節約ができる、しかし初年度においては、大きな財政的な節約は期待できないのでございます。
○池田(禎)委員 わかりました。私は、今早川さんの御答弁につきましても、この四億一千九百万円というものは、交付税の減免というふうに解釈しておらない。私は少くとも交付税の負担軽減、いわゆる赤字解消の部分は六十億をこえる、それはあまりにも政府の考え方が甘くないかということに対して、しからずという御答弁をなさったことを聞いております。これは先ほど申しましたけれども、重ねて記録を見ました上で、――あなたがお忘れになっておるなら、いたし方ありません。私どもは、選挙法と自治法の改正案のいずれを先議するかということ百は、本委員会に付託された案件でありますから、これはあなたによって判断を求めようとはいたしておりません。しかし、その案件の持つ性格、内容につきましては、少くとも本委員会として重要な参考資料になりますから、あなたに聞いておるのであります。そういうわけで、あなたが慮れておるならよろしいが、そうでなくて、そういうことを、さらに重ねて資料を出してからお答えになるようなことでは、私どもとしては、はなはだ心もとない御答弁であるということで、不満の意を表しておきます。同時に早川次官でけっこうですから、府県の職員と国の職員との人事交流等について、思給の通算ということについて、あなたはどういうふうに御答弁なさったんですか。
○早川政府委員 本件は、地方自治法あるいは地方公務員法に関係ある問題でございまして、これに対して特別の答弁は私はいたしておりません。
○池田(禎)委員 太田長官に最後にお尋ねいたしますが、あなたはいずれも重要であると、――もちろん政府提出の法案である以上は、あなたのお答えは当然でありますけれども、選挙法の改正案は、本国会に完璧なものを出されなかったという事実、しかもそれは来通常国会において上程をし、その施行については六ヵ月後ということ、あなた自身は、要するに満足でなかったということの事実はお認めになりましょうか、どうか。要するに、形式的にも、実質的にも、完璧な姿をもって提出されたものにあらず、ということの考え方はいかがでしょう。
○太田国務大臣 委員会でたびたび申しました通り、根本の考えにおいては、私は小選挙区制度があると信じております。区割り制度というものを削りまして、区割り制度の実体だけをとっていったということにおいては、お示しの通りでございますが、しかし何年たたなければ――うまくいきまして来年の末になりますか、五月に来年の議会が終った場合には十一月でありますが、それまで行われないという事実ということと、この二年をかけて完成するという意味から申しますれば、私はただ法律が行われるときだけを見て判断する考えにはなりませんのでございます。
○池田(禎)委員 私は、重ねて申しますけれども、その審議上の順序について、あなたの解釈を求めておりません。それは本委員会のなす任務でありまして、あなたの御答弁については僭越だと思います。ただ私は、その事実を確かめておいて、本委員会において、私どもが同僚議員と審議する上の参考の具にいたしたい、かように存じておりますので、私の質問は一応これで終ります。
○野原委員 自治庁長官にお尋ねしたいと思うのですが、さっき井上委員からも質問をしたことですけれども、実は、私どもが非常に重要と考えておるのは、地方自治法の一部改正と、選挙法が、同時に参議院にいく、もし参議院で地方自治法の一部改正が先議されないという事態が起った場合には、地方自治法の一部改正は成立しないこともあり得ると、あなたはお思いになりませんか。残りの会期等から考えて、どう考えますか。
○太田国務大臣 すべて国会におまかせしておることでございまして、私の希望はございますけれども、できるとか、できぬとか、私の言うべきことでないと思います。
○野原委員 あなたは政府を代表して、地方自治法の一部改正についての提案説明者であり、当面の責任者である。だからあなたとしては、何としても成立しなければならぬ、成立さすべきだ。ただいま申されたように、そういう非常に熱心な御希望を持っておられるわけですが、成立しない事態もあり得るのじゃないかと私どもは思う。この点についてもっと明確に、なるほど国会がきめることでありますけれども、そういうことも考えられぬでもないな、とお思いになりませんか。
○太田国務大臣 私は、ともに通していただくことを期待しておるだけでございます。
○野原委員 その期待は、期待通りにはなかなかいかぬでしょうね。そこでもう一つお尋ねしたいのは、衆議院の地方行政委員会で、何回も申すことですけれども、与党の諸君によって二十日間審議がストップされた。修正案を出すといって、二十日間も審議をストップしたという、このことをどうお考えですか。
○太田国務大臣 私としては、もちろん早く審議が進むことを期待しておりましたが、修正案等の関係においておくれたことは、まことに残念なことであり、私どもも、その点につきましては、力の足りなかったことをおわびしておる次第でございます。
○野原委員 残念なことという抽象的な御答弁ですけれども、私どもは、全くこれは党略的な、しかも与党がこういう態度をとるということは、きわめて遺憾だと思う。これを党略的な審議だと明確に割り切ってお考えになりませんか。これは今後の国会の運営のためにも、あなたは与党に属される方かもしれませんが、単に残念でなしに、その残念とは、つまり党略的な審議をしたから遺憾に思うのだ、残念だと、こういうように受け取られておるわけですか。
○太田国務大臣 私は、修正の問題等につきましても、修正がきまるときに聞きましたので、日がかかったとは私は認めますが、審議の仕方について、政府の建前で、たとい与党と関係があるといたしましても、私から申し上げることは遠慮いたしたいと思います。
○池田(禎)委員 関連して申し上げます。大臣の御答弁は、はなはだ不穏当だ。たとえば、あなたは提出者として、政府として、すみやかに、一刻も早く本法案が成立することを熱望されることは当然のことだと思う。従って、先月二十七日に委員会において質疑終了ということは、満場一致可決された。しかるところ、今日まで約二十品間たっておるのに、審議が終了されないという事実について、いかなる御努力をなさったか。たとえば政府としては、本法案は遅延してもかまわぬというお考えでお臨みになったのか、やはりすみやかに衆議院において通過されることを希望されたのか、この二つの一つになると思うが、もしすみやかに通過することを期待されるならば、いかなる措置をおとりになったでありましょう。
○太田国務大臣 私としては、政府側に対する御質問その他がありましたならば、いつでも答えるように、また修正等があれば、あらゆる便宜をはかるように申し上げたのでありまして、私がかれこれと指図したわけではございません。しこうして修正案につきましては、実はきょうもまだ二つ残っておりました。二つというのは、はっきり申し上げますと、一つは京都府の問題でございます。それをどうするかということで、もうこんなになっていかぬから、私から、遠慮してくれということを言ったわけであります。もう一つは、東京都の二十三区に対する問題でございます。同様に私は、もう与党でがまんができるならば、遠慮していただきたい。きょうのきょうまでその議論があった次第でございます。これは隠さざる事実でございます。
○山本(幸)委員 問題はそこなんですよ。先ほどから同僚諸君が言われておるように、要するに先月二十七日に質疑が打ち切られ、そこで修正案を出すについて、あなたの方の与党の政調会と、地方自治部会というのか、その両方でごたごたとおやりになって、そうして今日まで二十日間全く握りつぶされた状態である。これは先ほど御答弁なさったように、政府としてはすみやかに成立することを期待するのだと、従って促進されることを望んでおったのだと、こういう御答弁です。これはごもっともだと思う。しかし、質疑が終了してから二十日間たって、やっときょう上るというような状況になったが、あなたの努力がちょっと疑われる。もし、あなたが努力なさったとおっしゃるなら、与党側に対して、その修正案を一つ早くやってくれぬか、早く成案化してくれぬかというような請求を何回なさったんですか。具体的に言って下さい。
○太田国務大臣 私は、何回ということの記憶を持っておりませんが、事務当局にも、急がねばならぬということは何回も申しました。ただ党の政調関係とか、あるいは政策審議会の方につきましては、私が直接交渉しておりません。けれども、とにかく自治法の問題につきましては、報告はしょっちゅう得ておりましたが、私としては、部下を督励しておったにすぎないのであります。
○山本(幸)委員 今の政治は政党政治であることは御承知の通りであります。しかも、常にあなたが言われるように、二大政党の姿なんです。従って自民党即政府、だから、一切の政策をいろいろあなた方が出されるについては、必ず与党と連絡のもとにやられると思う。修正案の場合にも、当然与党と連絡のもとにやっておられると思う。しかも政府が成立促進を期待しておるなら、与党と連絡して、なぜ早くやってくれぬかと御請求なさるのが当然で、その請求を、あなた自身がなさったのか、部下がされたか知りませんが、少くとも何回なさったということの記憶はおありだと思う。これは一つ明確にしてもらいたいと思う。
○太田国務大臣 申し上げるまでもなぐ、私はこの国会において、参議院に、衆議院に、しかも予算委員会に――予算は通りましたが、この選挙法になりましてから、しょっちゅうなにいたしまして、ほとんど寧日ないのであります。毎朝来まして、次長その他に、どうなっておるかということを聞きまして、すべては急がなければならぬぞ、これは申しておきました。何回といえば、毎日のように私は言っておった次第であります。決してそれを軽々しく思うとか、あるいは政党政治の本来の意味から、議会と政府の間の関係を考えないじゃございません。
○野原委員 結局、私の質問に対しても、また両君の質問に対しても、あなたは二十日の間、与党に対して早く上げてくれ、一体二十日間もそういう状態におかれたら困る、という何らの意思表示をしていないことが、ただいまあなたの答弁で明らかになった。もし、そうでなければ、そうでないということを言うていただきたいのだが、私はそう受け取っておる。結局何もしてない。何もしてないということになれば、地方自治法の一部改正は、提案はしておるけれども、これはこの国会では成立してもらいたくない、成立せぬでもいい、成立を望まない、こうにも受け取れるのだが、これは一体どういうことなんですか。
○太田国務大臣 私は、今も申しましたように、毎日出てきて毎日法案の経過を聞いておりましたので、決してこれを軽んじておったわけではございません。
○野原委員 法案の経過を聞かれたかどうかを尋ねておるのではない。二十日間も審議が、野党によってならいざ知らず、与党によってストップになったら、常識からいって、与党にあなたが働きかけるべきだと僕らは思う。政府と与党の関係ですから……。あなたは経過は聞かれたけれども、与党の政調会なり、国会対策委員会に対して、具体的に御要請になったことはあるのですか。念のためにも一度お答え願いたい。
○太田国務大臣 もちろん私は、部下に対して命令的に言うのは当然でございます。一々私が政策審議会に行かないからということば、それは御無理なことだと思う。しかし、毎日注意しておったということは御了解願いたい。
○野原委員 毎日注意を、与党の政調会、国会対策委員会にしておったんですか、部下じゃないですか。
○太田国務大臣 私は、国会対策には行きません。
○井上委員 太田長官に、もう一度伺いますが、私は、あなたの考え方を伺っておりまして、非常に遺憾に思う。というのは、この地方自治法の一部改正法律案というのは、先にも私が申しました通り、政府は、これで前後三回も提案されておる。もし、これが今度審議未了にでもなるということになれば、あなたの責任は重大ですよ。そういうような重要な法案を、どちらでもいいというような考え方は、担当大臣の責任者としては、さようなことでは相ならぬと考えます。まして今御説明によりますと、この法案は、御存じの通り地方府県の行政組織等に関していろいろ規定しておる法案で、及ぼす影響は非常に大きいのです。従って、地方の都道府県におきましても、この法律のすみやかなる成立を切望するもの、あるいはまた反対する部分もあるかわかりませんけれども、相当地方各都道府県からも、市町村関係からも、猛烈な運動のあった法案です。すみやかに成立さしてくれというのもたくさん来ております。そういうような事態にあるものを、あなたの方では、私の方はどっちになってもよろしい、両方とも通していただきたい、こういうおざなりの御答弁ですね。私は、さいぜんからじゅんじゅんと申し上げておるように、会期がありますならば、われわれは心配いたしません。しかし、会期がきまっておりますから、限られた会期中に、政府が欲を出しましても、なかなか思うようにいかぬじゃないかということもうかがわれますし、特にさいぜんから問題になっております修正案が、非常な日を費した。しかも修正のできなかった一番大きな部分は、つまり京都と東京の委員会の数を減すとか、ふやすとかいうことでないかと思っておる。それをきょうあなたのあっせんで、ともかく与党側も政府原案をのむということで、その修正はせずに終っておる。それほど、あなたが本日になって努力をされるならば、私どもは、すでに早くから与党側に対して、本法案の修正案を早く出すなら出していただきたい、そうして審議を促進をしてもらいたいということを、私どもは申し出ておる。与党の国会対策に正式に私どもは申し込んでおる。それが一日待ってくれ、二日待ってくれということで、私どもが申し込んでから一週間以上もたっておる。だから、あなた方が、ほんとうにこの法案の成立を促進するというならば、あなたがきょうの決断で与党に当りますならば、私は、とうに修正案も提案されておりやせぬか、こう考える。野党側が修正案を出すのと違いますから、この点は、政府の怠慢がはなはだしいと言われても仕方がない。だから、今日私はどんなひいき目に見ましても、これはあなたが、地方自治法と選挙法とは政府が同一に出しておる法案ですから、別に甲乙をつけるわけではない、政府の立場としては言えないにしても、及ぼす影響の大きいということを考えますならば、地方自治法をすみやかに議了してもらいたいということは、これは自然の要求ではありませんか。そうあなたはお考えになりませんか。
○太田国務大臣 私は最初に申した通りの考え方でございます。また何か知がなまけているようにお考えになるがもしれませんが、たとえば社会党の力でもお考えになった薪炭手当の問題などは、参議院にまでいきまして、これがどういうふうな取扱いになるか、詳しく調べたことがございます。さらにまた、ちょうど全国選挙管理委員会適合会が開かれておりましたので、例の手当問題などにつきましても、あっせんしたような次第でございます。決して私どもこれをうっちゃっておいたわけではございません。もしそうお考えになるならば、そういう意味のことを事務当局から聞いて下されば、私の動いたことがよくわかります。それから今井上さんが言われた中に、どうでもいいというようなお言葉があったように思いますが、そんなことは私は考えておりません。ともに必要だ、ともに通していただきたい、これだけの熱意であります。
○山本(幸)委員 私は端的にお聞きしたいのですが、あなたの御答弁を聞いておると、いずれも重要で、いずれも通してもらいたい。これはもうお説の通りだと思うのです。そこで私は割って申し上げると、御承知の通りに選挙法については、先ほど同僚諸君が言われたように、すでに、二回にわたる修正を受けて、しかも実際には、順調にいっても来年の秋過ぎでなければ、この施行ができないという状況なんです。ところが地方自治法については、これは御説明があったように、いろいろと行政上の問題、あるいは予算上の問題とからんで、緊急を要する状況にあると思うのです。そこであなたの御希望のように、選挙法と地方自治法の両法案、この二つとも上ることをあなたは期待して見えるけれども、場合によると審議の状況によって、どっちかがおくれぬとは言えぬと思うのですよ。その場合に、地方自治法については、これはやはり選挙法よりは、私どもどう考えても急を要する法律だと思うのです。片一方は順調にいった場合でも、来年の秋過ぎに施行するということになるのですから、急を要するそのウエートからいけば、おのずから予算を伴った法律であるこの地方自治法の方が、当然私は急を要すると思うのですが、あなたは一体どちらを急を要すると思っておられるのですか。重要な点ではそれは一緒ですよ。かりにあなたの言葉を百歩譲ってのんでも、急を要するということは……。
○太田国務大臣 急という意味がよく私には判断できませんが、片一方の方がおくれていけば、さらにまた二年の月日がかかるわけですから、急というのは、出発点から終点までを考えて判断すべきものと私は考えます。
○山本(幸)委員 そんなことはない。急を要するというのは、出発点から終点までとかそんなことではだめですよ。
○太田国務大臣 私の申し上げるのは、この選挙法にいたしましても、おくれていけば、その先が長くなるわけでございまして、自治法の財政性というものについては、先ほども申し上げましたが、財政だけを主としたものではないということも、よくお考えを願いたいと思います。
○山本(幸)委員 先ほどからも井上さん、野原さんあるいは池田さんが言ったように、きのう委員会を通った選挙法というものは、ほとんど半身不随です。あなたは、なるほど選挙制度調査会の答申案を尊重するという字句が残っておるから、従って、実体は変らぬとおっしゃるけれども、それは詭弁であって、何人が見たって、これは半身不随です。そういう法律と、吉田内閣時代からすでに三回も流れ、また流れようとするこの重要な、しかも地方の自治体が非常に関心を持っておる地方自治二法と、いずれが急だということは、私は一つすんなりとした答弁を願いたいと思います。もっとすんなりとやってもらいたい、変なことにこだわらずに……。
○太田国務大臣 法案の性質についての考え方は私と違っておりまして、私はやはり選挙法というものも重要であり、片一方もともに重要であると思っております。
○椎熊委員長 どうですか、この程度で……。
  〔発言する者あり〕
○椎熊委員長 静粛に願います。
○池田(禎)委員 自治庁長官と官房長官にお尋ねすることは尽きたと思います。そこで私はこの際明確に一つ申し上げておきます。国会法の第百二十四条には、議員が正当な理由なくして召集に応じない場合、さらに議長がこれを催促した場合、招状を発して七日以内にこれに応じない場合には、懲罰委員会に付することになっております。あなた方も政府の代表の一人であるが、同時に国会議員であられるわけであります。そうすると、先月の二十七日に質疑を打ち切って、本日まで委員長が招集するといえども招集に応じなかった場合に、どういうことになるか、これはゆゆしき問題なんです。本来ならば、議長は国会の紛乱のもとで、そういうことのなからぬように、非常に御努力下さったので、私は議長に言うべきものではない。わが党の大矢委員長も非常に温厚な人だから、議長にある程度のことは申し上げたが、これはある意味では正式なことではなかった。本来ならば、やるべきことをやらなかったならば、これは正式に懲罰委員会に付さるべきものである、こういう問題もあるのです。
 さらにもう一つ申し上げます。地方行政の委員長は社会党の大矢氏でありますが、その委員長が招集して、与党がこれに応じないならば、残念ながら成立しない。こういうことになるならば、将来少数党は、委員長をもってしても、多数党が自分たちの意に沿わなければ、審議はできない、招集に応じない、出席しないということになったならば、これからの国会は大ごとです。多数の横暴で、どんなことでもできます。こういうようなことが堂々と行われておる。しかもその法案が、政府の責任をもって出されておるところの委員会において、二十日間も遅延されているということは、将来の国会の運営に大きな汚点を残すものとして、――本委員会としては、国会の運営を正常に帰するということが、本委員会の扱いでありますから、私どもとしては、こういう事実があるということだけは太田自治庁長官、根本官房長官に申し上げ、そうしてこういう問題に対する今後の扱い方については、私どもとして与野党の間で協議を進めていきたい。こういう事実が厳として存在しておることだけは、十分お考えを願いたいと思っております。
○野原委員 官房長官にお尋ねしておきたいのです。政府の出された選挙法一部改正の原案は、あなたも御承知のように、区割りは完全に分離されて、大幅なる修正を受けたわけです。その政府の原案が、非常な混乱を来たした結果、大幅な修正を見たわけですが、これは与党の修正によって、何とか曲りなりにも委員会は上ったような状態ですけれども、あなた方が出された原案によってこの間非常な混乱をした。このことを一体政府はどう考えるか。
○根本政府委員 混乱したのは、これは事実でございましょう。しかし、この混乱は、政府が出したから混乱が出たという判断は当っておりません。それは皆さんの解釈はそうでしょうけれども、これは法律を出したから混乱した、というふうには解釈いたしておりません。
○野原委員 今の御答弁ではわからぬ。政府が混乱をさせたものではない、こう言いますけれども、政府の原案によってあの混乱が起ったことは、あなたも認められておる通りなんだ。そのことを一体どう考えるか。与党の修正によって曲りなりにも通ったのでしょう。あの原案を出されて、しかもゲリマンダーが完全にはずされてしまっておる。そういうような混乱を与えた責任を一体感じているのか、いないのか、ということを私はお尋ねしておる。長官どうですか。
○根本政府委員 ただいま申し上げた通りでございます。
○椎熊委員長 両長官に対する質問は、これでよろしゅございますか。
○野原委員 ええ。
○椎熊委員長 それでは御苦労さんでした。
○井上委員 私どもただいま政府の……。
  〔発言する者あり〕
○椎熊委員長 静粛に願います。今井上君の発言中です。
○井上委員 ただいま政府から二法案の重要性について伺いましたけれども、政府の立場としてはああ言うより仕方がなかろうと思います。しかし、われわれが国会の審議の重要な立場から判断をいたします場合、これはいずれの法案を先議する方が妥当であるかということは、おのずからもう議論する余地はございません。ただ、ここで明確にしておかなければなりませんのは、御存じの通り今まで当議院におきましては、大体委員会から上ってきたものを順次上程、先議しておる慣例になっております。それを与党の方では、何ゆえにこの慣例をひっくり返して、先議されましたものを、あとでひっくり返してやろうというのか、私どもこれは絶対に納得できません。ただし、与野党の間において話し合いがついた場合は、それは日程を変更して上程し得ることはあり得ます。それはあくまで与野党の話し合いがついた場合であります。一方的にそういうことをやった例はございません。しかるに今回に限って、どうしてもこの公職選挙法を、あとから委員会が審議を終っておるものを、優先して先議しなければいかぬ、こういう理論には、私どもは賛成しがたいのであります。さいぜんから申しておりますように、地方自治法の一部改正法律案は、地方の財政及び地方行政に重大な影響がある法律案でありますから、何としても私どもはこの法案を一日もすみやかに成立させることが――賛否はともかくといたしまして、成立させることが必要でございます、こういう意見を私どもは持っておる。だから、この際、地方自治法一部改正法律案は、先議を主張する次第であります。
○福永(健)委員 ただいまの井上さんの御説ですと、単に時間的な前後をもって、早いものから順にというのが、これが慣例だという印象を受けるような言葉もあるのでございますが、まあ同種類の案件の間ではそういうことが言えるだろう。ことに同一委員会から上げて参った、しかも同種類の案件ということになりますれば、まさに井上さんの言われるようなことが、通例であろうと思うのであります。しかし本件の場合は、地方自治法もまさしく大事な案件ではありますが、そういう面から申しますと、公職選挙法の一部改正法律案は、国権の最高機関たる国会、その国会の構成をどうするか、議員をいかにして選挙するかといったようなことに関するものであり、憲法四十七条を受けましていわば憲法付属の法典とも言えると思うのであります。さような意味からも、私どもはこれを先議すべきであるという考え方を持っておるのでありますが、過去相当の日教の間における本院での審議過程にかんがみまして、いろいろの議長のあっせんであるとか、裁定であるとかいうようなことすらも行われて、今日に至ったというようなことも考慮いたします場合におきまして、これをすみやかに結論をつけるということは、本院として当然しなければならぬ、かようにも考える次第であります。その他理由はなおあるわけでございますけれども……。
  〔発言する者あり〕
○椎熊委員長 静粛に願います。
○福永(健)委員 今申し上げたように、そうした特殊の事情がある、こういう事情よりいたしまして、私どもはこれを先議すべきであると考えるわけでございます。
○池田(禎)委員 ただいま福永委員は、国権の最高機関である国会の構成に関することであるからと言われた。しかし、これが先ほど自治庁長官がお答えになったように、この法律の改正案はびっこである、不完全なものであるということは、明確に与党の大臣もお認めになったことであって、その施行期日についても、一年数ヵ月後、もし、かりに来国会において成立したりといえども、一年数ヵ月の後でなければ効力を発生せぬ、いわば半身不随のものであるということは、明確にお認め願ったのであります。
 さらにまた、その次には、同一委員会のものの中から上げたものについてと、おっしゃったが、私は、先ほど井上さんも言ったように、話し合いのついたものは、先に上った案件から議題に供されることになっておるといえども、あとから出した法案が上程されたことがあることは、率直に認めます。けれども、これは明らかに与野党の間の話し合いがついた場合に明確に行なったのでありまして、この国会の先例集におきましても、本会議に上程すべきところの案件の順序というものは、明確にこれは記述しておるのであります。そうして議長がその職権を持っておる。しかしその議長は、これを定めるに当っては、おおむね次の順序によるということを明らかにしておって、それによりますれば、委員会の報告の順序によるということがこれに出ておる。話し合いがついた場合においてのみ、これを変更いたしておる。そういたしますと、地方自治法の委員会におきましては六時半に上っておる。一方の選挙法改正の委員会は十一時前に上っておる。時間的に申しましても、これほどの懸隔がある。これは従来の本委員会の運営におきまする正当な話し合いならば、いざ知らず、そうでなければ、明々白々たるところの事実でありまして、今日ただいま福永さんが言われることは、日、ころの福永さんとしては、どうも日ごろの福永さんにあらざるように私は思うのでありますが、これもそれぞれ政党の立場があることを、私ども率直に認めます。ただ社会党といたしまして、この与党の話し合いのつかざる問題について、しかも数時間前に上ったところの事実について社会党が譲歩するということは、これは何といたしましても、国会運営上の基本的ルールを撹乱するもととなるものでありますから、席を議院運営委員会に置く以上、私はこのルールを守るということは、断じて身をもって行いたい。
 もう一つ、重ねてさらに申し上げますけれども、われわれが作っておりますこの国会法は、多数党が横暴にならぬように、少数党といえども、十分意見を尽さしめるのがこの国会法の精神であります。これなくしては、議会政治というものは全く話し合いの場ではなくして、多数の者が権力をもって、いかなることもでき得る。男を女に変える以外のことは、何でもできるといルールを国会において顕現することになる。この新しい国会法ができたところの精神は、少数なりといえども、十分なる議を尽さしめ、あるいは運営につきましても、遺憾なきを期するということが、この国会法の精神でありますから……。
  〔発言する者あり〕
○椎熊委員長 静粛に願います。
○池田(禎)委員 こういう点においては、与野党の話し合いの場というものを、どうか一つ与党も、多数党もこの際寛容な気持をもってお認めになることが、今後の二大政党対立下の話し合いによる最もよき典型を作るものとして、どうか慣例に従ったところの先議順序というものをおきめ願い、たいかように思います。
○福永(健)委員 池田君が先例集等を引用されて申される。大へん私もその点同感でございます。しかし、池田君は少し勘違いをして議論をしておられるようでございます。委員会の報告の順序ということは、同一委員会から上ったものについて言われることであろうと思います。それなるがゆえに、従来も幾多の案件が上って参りましても、時間的の前後のみでなくて、委員会ごとにまとめまして、その同一委員会のものでは、今申しました時間的の前後によって配例をするというようなことにしておるようでございます。池田君が引用された先例集それ自体には、おおむね次の順序によるということで、第一番に掲げてありますのは議院の構成に関すること、これが第一番に掲げてあります。その中に例として幾つか並べてありますが、衆議院議員の選挙に関するという、こういうものは、私はまさに院の構成に関するものであるという点から、先ほどの議論も申し上げておるのであります。なおそれなるがゆえに、皆さんお話し合いがついたら先に、と言っておられますけれども、過去におきましても、いろいろ不信任案とかそういうものについて、これは先議案件であるとかどうとかということで、お互いにわれわれの良識によって話し合っておることが幾多あるのでございます。時間のあとさきだけで、そういったものの扱いがきまるものでないことは、私が申し上げるまでもないことと思います。こういった点については、私は決して御無理を申し上げておるつもりではございません。
○池田(禎)委員 今の福永委員の発言について、私はお互いの相違の点がありますから、その相違の点については論駁いたしません。私は議論の蒸し返しはいたしませんが、ただ一つ、同一委員会から上ったものについての順位ということを申されましたけれども、それはそうではない。それは内閣不信任案、国務大臣の不信任案につきましては、これは委員会の議を経ずして参るのでありますから、同一委員会ではない。そういう私の申し上げておる報告の順序によるということが間違いであるという考え方は、これは一つ私としては訂正を求めます。私は、少くともやはり国会においては、同一委員会にあらざるといえども、異なる委員会がそれぞれ審議を終了して、所要の手続を経て委員会を通じて議長に報告をし、それを本会議に上程する手続、順序というものは、当然先着順に上ってきたもの、審議を先に終えたものからやるということが、国会の慣例でなければならぬ。これなかりせば、私は多数を握っておるものは、極論すれば、何日おくれても、これを先に出すということでは、それが一つのルールになったら、おそるべき結果を招来すると思う。私自身は委員会の報告順序ということを強く主張いたします。
○野原委員 福永さん、あなたも御賢明な方ですが、選挙法というものは議院の構成に関するものだと言うけれども、先例集を見ても、選挙法規なんか議院の構成に関するものになっていない。議院の構成に関するものは、議長、副議長の選挙から始まって、両院協議会協議委員の選挙まで、明確になっておる選挙法まで議院の構成に関する件だなんて、とんでもない勘違いをされて発言されては迷惑いたします。選挙法などというものは、どこを探しても議院の構成に関することではない。
○福永(健)委員 私の申し上げた点は、先ほど池田君の言われた、時間的前後できまるかのごときお言葉に対して、本会議があるたびに公報を見ても明らかなごとく、ある同じ委員会から上ってきたものは、同じ委員会でずっとまとめておるのです。たとえば、五つも六つもあれば、ほかの委員会の案より、あるものは先、あるものはあとということが出てきても、時間的の関係で、同一委員会から上った幾つかの案件の中にはさむというようなことはしていない。委員会ごとにまとめていっておる。委員会の同じものの中では、そういうことである。そうして、なお私は、先ほども何回も申しましたように、公職選挙法の最近の審議過程にかんがみて、これは私が申し上げるまでもなく、非常に特殊な事情によって、幾たびか議長があっせんされたというようなことで、今日に至っておる。この特殊事情はお互いに十分認識しておるのであります。かくのごとき経過をたどり、今日に至っておる案件は、ぜひすみやかに上げるべきであるというのが私どもの考え方であります。
○野原委員 特殊事情と申されますけれども、議長はなるほど特殊事情というような立場で臨まれるかもしれませんが、議長の特殊事情とは、慎重に審議してもらいたいというのが特殊事情であって、決してこれを早く上げてしまえというようなことは、議長はいまだかって言われていないはずです。議長もここにいらっしゃる。従って私どもが主張するのは、議院の構成に関するもの、内閣総理大臣の指名その他、こういうはっきり先例に明記されておることであったならば、あなたの発言に承服しようと思います。しかし、あなたの主張せられておることは、これらの先例のどこにも該当しない。そこで、そうなると、話し合いがつかないから、やはり上った順序からという常識的なことでまとめていくことが、議・会運営をスムーズにやっていくゆえんじゃないかと思います。
○福永(健)委員 先例集には議院の構成に関する事項を一番先に掲げて、そのあとで幾つかの例があげてありますが、これはまさしく適切な例であろうと思います。こういうものが一番先に上っておることからしても、たとえば議長、副議長は、まず議院に諮らなければ議長、副議長になれない。それは院の構成に関する問題でございまして、こういう点、私はいろいろ議論が出ると、それを掘り下げていけば、そういうことまで触れて検討しなければならぬ。そういう意味で、私は、案件の性質上、これを先にしてよろしいのだということを申し上げたのであります。
○山本(幸)委員 あなたにしては、きょうはめずらしい議論をされる。それは党の立場上やむを得ぬと思うが、議院の構成に関する問題なら、二年も三年も先に予想せられるような選挙のことについて、そんなことを議院の構成だと言ったら、むちゃくちゃですよ。そんな議論はむちゃです。私はそんな議論は成り立たぬと思います。それから、先ほど問題になっておる、話し合いで、われわれが日程を変えたり、あるいは上った順序を変えて本会議に出すということは、先刻の理事会でも私から申し上げたように、条約であるとか、もうあと一日、二日で回さないと非常に問題だとか、そういう特殊な例に限って、話し合いで順序を変えておる。今度の場合は、ないとはいいながら、まだ十八日も十九日もある。そういう場合と、先ほど自治庁長官、根本官房長官も言ったように、重要度については変らないと言っておる。私は重要度は地方自治法の方があると思っておりますが、少くとも自治庁長官は、重要度は変りませんと言っておる。そうだとすれば、あなたの議論はむちゃくちゃで、当然上ってきた順序でやることが正しい、また従来の慣例です。そういう慣例を権威ある議運が破るということは、けしからぬ話です。もっと純粋にこの問題を考えてもらいたい。
○福永(健)委員 太田自治庁長官が、どちらも大事だと言ったのだから、どちらも同じくらいなので、時間の早い方を上げた方がと言うが、そう簡単なものじゃない。太田自治庁長官は、こういうものをどう扱うかということについての専門家でもない、責任者でもない。これは純粋に本委員会においてこういうことをきめるべきであろう。それから、先にあなたが言われた、慎重に審議しろということを議長が言ったということですが、それはよく審議することはけっこうでございますけれども、際限もなくいつまででもというわけにはいきません。過去の審議過程にかんがみて、何日までにどう、というようなことも出ておるのであります。党と党の話し合いで、ある結論が出ておるのであります。こういうことにつきましては、二大政党の対立のもとに運営されておりまする現在の国会におきましては、両党間の信義というようなこともよく考えてもらわなければならぬと思うわけであります。くどく申さなくても、本法案の特殊事情については、よく皆様に御了解願えると私は考えております。
○山本(幸)委員 福永さんの言われる法案の特殊事情というのは、ゲリマンダーという最も悪い点が特殊事情で、ほかに何も特殊事情はない。しいて特殊事情と言われることとしては、議長あっせんを先ほどから理由にあげておられるが、議長あっせんは、別に本会議でいつ上げろということを強制せられたことは全然ない。どの法案より先に上げろというようなことも、議長は一言も触れておられない。従って理由にならないのです。それからもう一つ、あなたが理由にしておるのは、議院の構成に関する問題だと言う。それは先ほどから万々申し上げたように、二年も先の選挙のことを予想して議院の構成だと言ったら、一切が構成です。そこで私は、この際事務総長の見解を聞きたいと思います。事務総長は、国会法、衆議院規則、先例集にあります議院の構成という解釈は、どういう解釈をしておられるのですか。これをまず伺いたいと思います。
○福永(健)委員 私の言う点を誤解しておられる点がありますから、私から……。二年も先と言われますが、この国会においてぜひ結論を得ておかなければ、次の通常国会との関連において、問題の解決が行われ得ない。そこで区割り制などは、あとでどうこうというようなことも言われますけれども、ここでこの程度の、すでに委員会の審議を終えた程度のことについて、本会議での結論を出しておかなければ、次の国会への関連ということが断ち切られるわけであります。
 それからさらに、議長は別に本会議に何耳に上げるときめてない云々というようなことを言われましたが、委員会の審議をいついつまでに終るということは、そのあと当然本会議に上げるということを予想しての話であります。そういう点で、委員会さえ終れば、本会議はいつでもいいのだということにはならないのだと思う。しかしその時間的な制約は、両党相互に理解をいたしまして、すでにもう経過してしまっておるわけであります。それだけに、相互に了解しておったものよりもおくれておるというような現状にかんがみても、おくれたりといえども、できるだけおくれることを少くするということについては、相互に理解協力し合うということでなければ、国会の審議は進まないと思います。
○山本(幸)委員 今福永君の理由の中で最も大きな理由は、公職選挙法は、早く言えば議院の構成に関連する問題である、こういうのが一番大きな理由です。そうすると、その議論でいけば、私は今後とも選挙法の一部を改正する法律案が出ると、他の法案より先に先議しなければならぬという理屈が成り立ってくると思います。そこで国会法、衆議院規則、先例集に明記されておる議院の構成とは一体何をさすのであるか。議院の構成に関しては、すなわち、ここにありますように正副議長、それから常任委員長等の選挙、それから懲罰事犯、こういう問題が上っておりますけれども、こういうもの以外に議院の構成に関することが――選挙法というようなものが議院の構成に関連があるかどうか、あるいはここに明記してある議院の構成に該当するかどうか、そのことについて明確に事務総長の見解を伺いたい。
○福永(健)委員 僕の言ったことを誤解しておるから……。これだけのことじゃない。総合的に言っておるんだから……。
○鈴木事務総長 私は、福永さんから言われておりますのは、選挙法というものは憲法に定めてありまして、国会を構成する議員の選挙に関する問題であるから、国会法なんかと同様に、憲法付属の法典として重要なものと考えられる。こういうことを述べられておるものと解しております。それから、今山本さんの言われましたのは、先例に載っておる構成とは、いかなることをさすのかという仰せでありますが、それは現実に議院を構成しておる場合をさしておるものであって、ただ福永さんのおっしゃるのは、前の国会法と同様に、国会を運営したり、それを構成する議員の選挙に関するものであるから、普通の法案よりも重要に考えられるということを述べられておったのだと考えます。
○山本(幸)委員 国会法、衆議院規則にある議院構成に関する部分は、直ちにもって――直ちにもってとは、一例をとるなら、二日とか、三日とか、十日とか以内に議院構成に影響ある。従ってこういうものは先にやらなければならぬ。こういうことに解釈しておるわけですね、ここにあるのは……。
○鈴木事務総長 主としてそういうことであろうと思います。
○山本(幸)委員 主としてでなく、間違いないですね。はっきり言ってもらいたい。
○鈴木事務総長 現実に構成する場合でございます。
○山本(幸)委員 そうなれば、明らかに先に上げてきたものから順々に上げていくというのが、従来からの慣習だ。この慣習を守ることが、私は権威ある議運として当然のことだと思う。
○長谷川(四)委員 あなた方の方は、選挙法は重要法案だというので、御存じのように、あれだけの混乱まで起しております。それほどの重要法案だからこそ、私どもは審議を早くしてもらいたい。これが私たちの考え方です。しかも議長の裁定もある。だから一日も早く、一時間でも早くやろうではないか、同じ日に上ったものを、あなた方の重要と称するものを、先にやろうじゃないか。先にやろうというのに、何が不服なのか。
○山本(幸)委員 あなたのは大へんな錯覚です。この選挙法は、少くともそれぞれの議員に利害関係のあることであり、将来において、政策の基盤になる問題である。従って、まともなものが出さればよろしいが、ああいう、ゲリマンダーで、党利党略以前の私利私欲のものだ、こういう形であるから、われわれはいけないということを議論したのです。
○長谷川(四)委員 それは詭弁でございまして、不信任決議案を七枚も出してきておる。それほど重要だと称しておりながら……。それなら不信任決議案を出すはずはない。
○山本(幸)委員 不信任案をたくさん出しましたのは、国民の大多数が批判をし、あらゆる報道機関が批判をしておる。こういうものは当然良識のある政治家なら撤回すべきだというので、反省を求めるために不信任案を出しておる。そのように了解してもらいたい。
○池田(禎)委員 私の申し上げる重要性は、単に選挙法のみでない。選挙の方は、施行期日が一年何ヵ月後でしょう。片方は本年六月に施行するものです。しかもこれは直接財政措置を伴わないけれども、地方交付税等において予算と関係あることなんです。だから、ただ予算を伴うところの案件を先議するということは、理由にならない。さらに教育委員会の公選制度が六月一日をもって廃止される。そうして任命制度に切りかえるということで、目前に、この法を施行するならば、これだけの大改革を地方行政上の措置として、あるいは財政上の措置として行われる。一方の選挙法は、いかに早くとも一年数ヵ月後でなければ施行されないという、明々白々たる事実がありながら、あなた方は、なお先議を主張されることは、全く了解に苦しむ。
○長谷川(四)委員 実に不思議きわまる話を承わっておる。社会党は、地方自治法の一部改正法案というものに対して反対だと称しておる。委員会において反対しておる。それほど重要なものであったら、あなた方は当然賛意を表していなければならぬ。ところが、それほど反対しておる者が、ここで賛成討論をやるとは、実に驚き入った議論で……。
  〔発言する者多し〕
○野原委員 われわれは、地方自治法、選挙法には反対だけれども、議運だから、反対であっても、取扱いの手続だけはここできめなければならぬ責任があるので、そう言っておるんです。福永さん、われわれは際限もなく論議しようと、決して申しておりません。あなたはそういうことを言われたけれども、われわれはきょう委員会を、やはり反対であったけれども、上げた。私どもは、本会議の上程に反対ではない。応じましょう。問題は先後の問題です。さっきあなたは、事務総長の見解を聞いて明らかになったけれども、議長は議員でなければならぬ、こういう論法を使われたが、そうしたら、議員は人間でなければならぬ、人間の出生を規定するものは民法だ。民法については常に先議であるかと思って、ひっくり返してみたけれども、どこにもない。こういうところから見ても、あなたの言われることが非常にお苦しい立場にあって、私は福永さんとしては、まことにその御苦衷を、理事会のときから言うように、お察しいたします。だから無理をしないで、できたら休憩をされて、社会党の言うことはこうなんだから、一つスムーズにいくように……。
○福永(健)委員 私はしばしば申し上げておりますように、単に時間的の早いおそいだけで、本会議への上程の前後がきまるというものではないということを、申し上げておるわけであります。言うならば、時間的の前後によって機械的にきまるというものは、同一委員会においてのものについて、ある程度そういうことが言えるであろう。こう思うわけであります。ところが、問題の選挙法案は、先ほどから申し上げておるように、特殊事情があり、またその案の性質は、前申し上げたように、院の構成に関するというので、幾つかの理由が上っておりますものそのものではないが、私どもの見解をもってするならば、これに類するものだ、こういうように考えておる。そういうことからいっても、どちらを先にするかということについて、お互いに議論が出るとするならば、やはり今私どもの申し上げたようなことも、十分しんしゃくして決定をしていただきたい、こう思う。
○椎熊委員長 大体議論は尽きたようですが、これはどういうふうにきめていきますか。こういうふうに平行線だと、話し合いではなかなか一致点を見出されない。しかしながら、議論が対立しても、そのまま解決しないわけにはいきません。この委員会の使命でございますから、そこでやはり議運の委員会といえども、他の常任委員会と同様、定足をもって構成して――従来の各派交渉会とは違うので、一定の結論を出すためには、採決をとるの方法が定めてあるのでございます。なるべく円満なる運営をしたいために、話し合いをつけたいということで、夜半に及んで議運でも協議しておるわけでございます。議論は大体尽きたようですが、どうでしょうか。
○野原委員 議事進行について……。ただいま委員長が述べられたことは、私もごもっともだと思います。私どもできるだけ円満に解決をしたい。そこで私は議事進行の動議を出したいと思うが、大体自民党の皆さんの御主張もよくわかりました。私どもも、主張するだけはここで主張した。そこでこれは一つ、今晩か、けさか知りませんが、このままにしておいて、お互い相手の立場も考えて、正午から議運を開いて結論を出す、こういう動議を出します。
○椎熊委員長 この結論をつけずに、本日の正午から運営委員会をさらに開いて結論をつけるべし、との動議が出ました。動議が出ましたので、採決します。
○山本(幸)委員 ちょっと待って下さ
 い。
○椎熊委員長 動議を片づけましょう。野原君の動議に賛成の諸君の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○椎熊委員長 賛成少数のようでございます。従って野原君の動議は破れました。
○池田(禎)委員 ちょっと速記をとめて下さい。
○椎熊委員長 懇談にしますか。――それでは速記をちょっととめて下さい。
  〔速記中止〕
○椎熊委員長 懇談を閉じます。
○長谷川(四)委員 御承知のように、お互いの議論はもう大体尽き果てたと私は思います。従って、本日午後一時定刻に開くことにして、この問題は採決を願います。
○椎熊委員長 今の問題は……。
○長谷川(四)委員 公職選挙法の審議を先にするということに対して、私は動議を提出いたします。
○椎熊委員長 あなたの動議は、本日定刻から本会議を開いて、公職選挙法を先議せよとの動議ですか。
○山本(幸)委員 そんなむちゃなことがあるか、委員長が動議の説明をしてはいかぬ。
○椎熊委員長 私は反問したんですよ。もう一度明確に動議を言って下さい。
○長谷川(四)委員 では申し上げます。大体議論も尽きたようでございますから、本日、公職選挙法の一部を改正する法律案を本会議において先議することの動議を、私は提出いたします。
○椎熊委員長 動議が出ましたから、先ほどの野原君の動議を採決したように、動議が出れば始末をつけなければなりません。長谷川君の動議に賛成の諸君の手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○椎熊委員長 長谷川君の動議は賛成が多数でございます。
  〔「やるならやれ」「大混乱だぞ」「引き揚げろ」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○椎熊委員長 まだ相談すべきことがたくさんございます。両案に対して討論の通告がございます。公職選挙法の一部を改正する法律案に対して、反対討論の申し出、社会党山上榮二君、社会党井堀繁雄君、小会派クラブ小山亮君、賛成討論、自由民主党三田村武夫君、以上の申し出がございましたが、ここに反対討論が三名になっておるのです。これは小会派と社会党との間に話し合いがつく問題でございましょうか。
○山本(幸)委員 二名以上許されるから、三名やらしてもらおう。
○荒舩委員 どうですか、話し合いで……。
○長谷川(四)委員 話し合いがつかなかったら、小会派はやめてもらおう。
○椎熊委員長 そういう意見が出ましたが、いかがですか。
○池田(禎)委員 やめてもらおうと言うなら、仕方ありません。成規の手続を踏んでやります。多数でおきめになるなら、それに従わなければなりません。
  〔「成規の手続でやろう」「もう一ぺんやり直しだ」「二十七日に戻ろう」と呼び、その他発言する者多く、議場騒然〕
○井上委員 私の方では話し合いをしようというのを、無理に動議を出しておる。そんな一方的にお押しになるならば、多数のことですから、動議でも何でも多数で押し切って下さい。私どもは退席いたしますから、何日かかってもやむを得ません。
  〔「よし引き揚げろ」「やるならやれ」と呼び、その他発言する者多く、退場する者あり〕
○椎熊委員長 ただいま反対討論の通告が三名ありまして、従来から議運では、二名以上になりますと、打ち切ることもできるものですから、これは話し合いで解決しておりましたが、動議なりなんなりで三名を二名にしたい場合は、成規の手続をもってやれということを言い捨てて立たれました。その点は、成規の手続で切った方が時間的にいいのか、このまま許すのがいいのか等をも勘案されて、各党において御決定あらんことを願います。
 さて本日の本会議開会の時間を御相談申し上げます。
○福永(健)委員 これはもう一時にきまっておる。
○椎熊委員長 きのう議長からも、本日は午後一時からということですから、午後一時から本会議を開くことにいたします。十分前に予告をいたします。
 そこで公職選挙法一部改正の次には地方自治法の一部を改正する法律案、地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案が上って参りましたから、これを次に上程することに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○椎熊委員長 これにも討論の通告がございます。反対、社会党加賀田進君、賛成、自由党木崎茂男君。’
 ただいまこれらのほかに、国務大臣に対する不信任決議案の提出が、社会党からなされました。太田国務大臣、船田国務大臣、一萬田大蔵大臣、正力国務大臣、大麻国務大臣、倉石労働大臣、石橋通産大臣、以上七大臣の不信任決議案が出て参りました。これは当然公職選挙法等の案件よりも優先することになります。
○福永(健)委員 しかし委員長、一方的にそういう宣言をされましたけれども、確かにそういう考え方もあるのですが、これらの諸案件については、さきに議長が裁定をされたときに、両党間においてある種の了解点に到達していた事実等にかんがみて、私はこの際においては、単にしゃくし定木的な取扱いのみをもってというわけにも参らないのではないかという考えもいたします。しかし今私は、確定的にどうこうと申さない。ことに社会党の諸君が退場したあとでございますから、確定的には申し上げませんけれども、私どもは本件の取扱いについては発言を留保いたしたいと思います。
○椎熊委員長 私は委員長として、これらの動議が出ておるということ、そうして、もしそれを上程するということであれば、優先する動議であるということを、御注意までに申し上げただけでございましたが……。
○園田委員 それは、ただ出たということだけの通告と、それから出るとなれば先議とおっしゃいましたが、この中の太田自治庁長官等に対しては、一事不再議の問題もございまして、必ずしも一般の例のように先議ということになりませんので、これを留保いたします。
○荒舩委員 先ほど福永さんからも御意見がありましたが、今回の公職選挙法の一部を改正する法律案は、諸般の事情からいたしまして、議長に裁定をしてもらい、なおその裁定に対しましては、自由民主党、日本社会党、この両党で話し合いができたことであり、しかもそれは十五日の午後一時までに上程するという厳然たる約束ができておりますので、これはもちろん普通の場合でありましたら、不信任案が優先して議題に供さるべきでありますけれども、そういう特殊な事情でありますがゆえに、この公職選挙法の一部を改正する法律案を先議することが正しいのではないか、こう私は考えております。しかしながら社会党がおりませんので、委員長におかれては、社会党ともよく話し合いをつけられて、そうして私が今申し上げたような事情をくんで、先議するように、どうか一つお力を尽していただきたいと思います。
○福永(健)委員 それからもう一つ、前回に数名の国務大臣について不信任決議案が出ておりまして、話し合いの結果これを撤回した、こういう事実が前にあるわけであります。何がゆえに撤回するかというと、そうすることが、あの状況のもとにおいて、良識に従った行き方であるという了解点に相互に到達していたと私は了承いたします。そこで、そういう意味からいたしましても、あの当時のいろいろの話し合いや事情、これに立ち戻ってこれをいかにするかということを、両党間の信義の問題として考慮を要するように私は思います。ただし、これまた、それらの点については私長く発言をしようとも思いません。こういったことについて、成り行きによっては、私はなお発言をいたしたいと思うので、この点についても留保をいたします。
○椎熊委員長 なお、新たなるこういうものも出ておりまするし、このまま本会議に入るということもどうかと思いますので、皆さん御相談の上、必要によっては、適当だと思われる機会に、本会議前にもう一度運営委員会を開くことになるかもしれませんから、議運はこのまま休憩ということにしておいたらどうでしょうか。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○椎熊委員長 速記を始めて。
○荒舩委員 いずれにいたしましても、前回のあの混乱した国会の様子から考えましても、社会党の暴力的行為というようなこともありましたし、なお、牛歩投票、あるいはまた討論時間を無制限に延長していたというようなこともありまして、ぜひとも討論の時間についてもある程度の話し合いをつける、こういうことにぜひお願いいたします。
○椎熊委員長 暴力のごときは当然否定されるべきです。それから成規の手続といえども、審議を妨害するがごときこういう案件は出さないということは、議長との間に約束済みの問題です。それにもかかわりませず、こういうものが出てきておるから、これは相当両党間において考慮を要すべきことである。議長におかれても何らかのお考えもあろうかと思います。
 それでは暫時休憩いたします。
   午前二時三十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時二十二分開議
○椎熊委員長 休憩前に引き続き議院運営委員会を開会いたします。
 昨夜来の経過は申し上げるまでもございませんが、今朝来、議長、副議長におかれましては、国会の今日の段階を非常に憂慮せられまして、御熱心なるごあっせんがありましたようでございます。先刻議長の招集によりまして議運理事会の懇談会を開きました。そこにおきましては、議長の先般来のあっせんに基く国会の権威を保持し、正常なる運営をしていくという大方針を堅持したいということは、各党とも異論のないところでございました。この趣旨を貫徹するためには、昨夜以来対立論争した問題等をさらに固執することなく、純真なる立場に立って事態を再検討してみよう、という段階に入りました。ここに両党間の意見の一致出を見まして、本日は後刻御相談申し上げる時間において、清純なる国会の運富をできる段階になったのであります。従いまして、お手元に配付してございます本日の本会議の日程の順位でございますが、日程第一と第二、第三、これは第二、第三は一括になりますが、議長の発議で、この第二、第三を日程第一より繰り上げて上程することに、両党間の了解がつきました。従いまして、本日の開会勢頭、日程第二、地方自治法の一部を改正する法律案、日程第三、地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、右二案を上程いたしまして、委員長の報告を聞く、これについて討論の申し出がございます。そこで、本日のこの日程の順位変更に基く日程について御協議を申し上げます。地方行政委員長大矢省三君の報告があって、反対討論の申し出は社会党の加賀田進君、賛成討論は自由党の木崎茂男君でございます。両君の持ち時間は、従来の慣例に従いまして、十五分でいかがでしょうか。
○福永(健)委員 時間は厳守して下さい。椎熊委員長 十五分以内ということでございます。そこでこれの採決でございますが、次に公職選挙法という大問題もありますので、これは起立採決。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○椎熊委員長 起立採決と決定いたします。そこで日程第二、第三を劈頭に上程して、それを起立採決した後、日程第一、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長小澤佐重喜君の報告がありまして、これには質疑の通告がございます。質疑は、お手元には五名ございますけれども、一名だけということでいかがでしょうか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○椎熊委員長 その場合は、社会党のどなたでございますか。
○池田(禎)委員 山田長司君です。
○椎熊委員長 時間はどの程度にいたしますか。
○池田(禎)委員 十五分。
○椎熊委員長 その他は全部撤回されます。なおこれにも討論の通告がございます。反対討論、社会党山下榮二君、社会党の井堀繁雄君、小会派クラブ小山亮君、賛成討論、自由民主党の三田村武夫君。そこで社会党の方はいかがでございましょうか……。
○野原委員 井堀繁雄君は撤回いたします。
○椎熊委員長 井堀君は撤回になりました。山下榮二君でございます。
○井上委員 山下君の時間は二十分。
○椎熊委員長 山下君の時間は二十分という要求でございます。
○福永(健)委員 それでは絶対厳守して下さい。よくよく異例のこととして……。
○荒舩委員 小会派クラブは十分くらいにしてもらいたいですね。
○椎熊委員長 小会派クラブは小山亮君十分、それから三田村武夫君は二十分以内、そこで質疑、討論を終って採決ですが、これは記名採決でよろしゅうございますか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○椎熊委員長 そこで、本会議の開会の時刻は五時でいかがでしょうか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○椎熊委員長 そこで次の本会議は、日比賠償問題の批准が政府から今夕出てくるはずでございますけれども、これには質疑等もあるので、質疑の準備等がございますから、明日定刻より本会議を開きます。それでは本日の本会議は五時。
 委員会はこれをもって散会いたします。
   午後四時三十分散会