第024回国会 国土総合開発特別委員会 第22号
昭和三十一年五月二十三日(水曜日)
    午後三時四分開議
 出席委員
   委員長 廣川 弘禪君
   理事 川村善八郎君 理事 薄田 美朝君
   理事 竹谷源太郎君 理事 渡辺 惣蔵君
      伊藤 郷一君    植木庚子郎君
      本名  武君    北山 愛郎君
      小平  忠君    永井勝次郎君
      三宅 正一君    森 三樹二君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 正力松太郎君
 出席政府委員
        北海道開発庁次
        長       田上 辰雄君
        総理府事務官
        (北海道開発庁
        企画室主幹)  柏原益太郎君
    ―――――――――――――
五月二十三日
 委員芳賀貢君辞任につき、その補欠として三宅
 正一君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
 北海道開発庁設置法案(内閣提出第一六八号)
 北海道開発庁設置法施行法案(内閣提出第一七
 二号)
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○廣川委員長 これより会議を開きます。
 北海道開発庁設置法案及び北海道開発庁設置法施行法案の両案を一括議題とし、質疑を継続いたします。小平君。
○小平(忠)委員 本日の委員会は、昨日のお約束通り、北海道開発庁設置法の問題につきまして、主管大臣たる正力長官初め、経済企画庁長官並びに行政管理庁長官にもおいで願いまして、きわめて重要な問題でありますから、総括的な質問を継続することになっておりますが、ただいま主管大臣の正力長官しかお見えになっておりません。しかし、せっかく委員長からも開会をして、審議を進められようという御意思もありますので、私はただいまから正力長官に対して質問をいたしたいと思います。
 最初に正力大臣にお伺いいたしたいのでありますが、北海道開発法を廃止して、新たに北海道開発庁設置法という行政組織法に切りかえられるということであります。これに関しましては、提案理由の説明もなされましたし、それに付随するところの若干の資料は配付されておりますが、今日北海道の開発を強力に推進するということはかつての吉田内閣時代から鳩山内閣に移行されて、かけ声だけは非常に一人前だったと私は思うのであります。そこで、日本の経済自立、日本の人口問題あるいは食糧問題解決のかぎを握っておるといわれる北海道の総合開発を、今後どのような形において進めなければならぬかという基本的な問題について、私はこの際、正力大臣の構想をまず承わりたいと思うのであります。
○正力国務大臣 まず北海道の三十一年度計画もありますし、また五年計画もありますが、それはお手元にすでに書類を配付してありますから、御承知のことと思いますけれども、しかし私はあれには満足しないで、なお一歩前進したいと思っております。というのは、今まで総合開発、総合開発と言っておるけれども、根本の交通運輸の点についてはどうも欠けておると思いますので、これをこの際、どうしてももう少し強くやらなくちやならぬという考えを持っております。それをやるについては、交通運輸を大きく根本的にやると、非常に費用のかかることですので、とうていこれは国庫の金だけではいかない、もう少し民間からも集めなければならぬ。場合によっては、どうしても外資を誘導しなければならぬ。そういう考えをもって、ここに官民合同の大会社を作りたい。そういうことにして、さらにその会社については、国家に配当の保証をしてもらいたいということにすれば、金も集まる、また仕事も思い切ってやれる。これは何も私の独創ではありません。すでに満洲開発のときにそういう例があります。北支開発のときにもその例があります。そういう根本的なことをやらなければならぬ。北海道では今生活費がかかる、生産費がかかるということは、根本は、交通運輸の便がよくなっていないということにあるのであります。
 しからば、その交通をどのようにするかというと、第一に、今日の北海道の鉄道がいけない。あの単線で、あのがたがた鉄道ではいけないということを考えています。それから道路も、今日ああいうふうにせっかく作られた道路が、直線道路には作ってあるが、アスフアルトにもしてない。従って、冬になれば自動車が三分の一も動けないということであるから、これも直さなければならぬという考えを持っております。それで、私が今言った官民合同の大会社を作るということについて、私の最もねらいとするところは、一般大衆にこれが関係することです。普通大てい会社を作ると、資本家、つまり相当の資力ある者だけが株主になっておりますが、私は、北海道の開発は、北海道人が、もっと大きく言うならば、日本国民のみなが、協力するものでなければならぬと思います。それについては、やはり国家が配当を保証しなければならない。もしここに官民合同の大会社ができ、国家が保証するとなれば、全国民は期せずして北海道に目を注ぎます。ここで北海道の人気はぐっと上ります。そうして、何人も北海道開発に向って参ります。それで初めて、北海道の開発はできるのだと思っておるのでありまして、今のような小さい資本、国家だけの資本では、思い切った開発はできません。これでは、いつまでたっても、私に言わせれば、画竜点睛を欠くうらみがある、こう考えておるわけであります。
○小平(忠)委員 大臣の北海道開発に対する構想につきましては、就任早々からただいまの御意見はたびたび私伺っておるのでありますが、このことは非常に重要なことでありまして、せっかくの機会でありますから、私はただいまの構想につきまして、もっと掘り下げて具体的に――いろいろ新聞記者の会見なり、あるいはその他直接な個所におきましても、もっと詳しい御意見を述べられておるかのごとく承わるのでありますが、さらにこの機会に、もっと全般的な問題に関しましても、ぜひ考え方をお漏らしいただきたい。といいますのは、やはり北海道の開発法というものを廃止して、新たに開発庁設置法を作るということは、単なる行政機構の一部の改革というふうにおっしやられますけれども、非常にこれは大事なものであります。というのは、今度の開発庁設置法案を見ますると、従来開発庁のいわゆる出先機関といいますか、そういう形においてなかった原局であるところの陸運、海運、通産局というような面も、新たに加わっておるのでありますから、そういう見地において、さらに具体的にお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○正力国務大臣 先ほどは大体の構想だけ申し上げましたが、実は私はこれをやるについても、やはり北海道審議会に相談しなければいかぬと思いまして、この前の審議会のときにだいぶんお話ししておきました。そのときに小平委員が、ちょうど国会の大問題のために出席できなかったことは、非常に残念に思います。その席では相当評しく言っております。来月もう一ぺん審議会を開いてもらおうと思います。しかし、この間も申し上げたように、まだ不十分です。第一これについては、私自身北海道へ行って、現地を見てこなければならぬと思っております。何しろ国会中だし、北海道へ行けないのですが、現地を見たいと思っております。それから専門家に計画を立てさせておりますが、何しろ膨大なものですから、専門家もなかなか十日や二十日では、できないそうであります。しかし十分これはやりまして――何しろ北海道の現地を見たいと思います。それは、私どもは北海道に道路がないないと思っておりましたが、案外直線道路ができているらしい。それがみなアスフアルトができていない。形はまっすぐだけれども、それが砂利道路になっているから、冬になっていけないということもありますし、なお鉄道との関係もありますから私も現場を一つ見たいと思っております。それから専門家も、資料だけでなしに、現場にやらなくてはいけないと思います。実は今までも、こっちの机上プランだけでなしに、開発庁の地政課長など、数回北海道に行っておるのでありまして、その話を聞きますけれども、何しろ事は非常に重大だし、ましてこれこそ法律の改廃問題、また配当保証といいましたところが、これはマッカーサー占領時代において、ああいう制限をつけられたから、まずこれを撤回しなくてはならぬという考えもありまして、いろいろ関係するところが多いのです。小平委員にもそのうち、こういう席では長くなりますから、いずれよく御懇談をしたいと思っております。何しろほんとうに北海道の開発は、今のような状態ではいかぬ。たとい、どういう困難があっても、どれほど金がかかっても、国家のためにやらなければならぬと思っております。ただ計画がまだ十分立っておりませんから、いずれ一カ月もたったら、相当な案ができるかと思っております。
 また私は、それだけでなしに、なおでき得べくんば、北海道の青函隧道も運輸省と協力してやって参りたい。これも夢だと思われておるかもしれませんけれども、国家はやはり夢を持たなくてはやり得ないと思うのです。運輸省があんなことをいつまでしていてもいけないから、これも自分としては真剣に考えております。あれは計画ができておるのです。ただ、できぬのは金です。こういうようなことですから、どうしても金の一番できやすい会社を作る。それについては、官民合同の会社で、配当を国家が保証するという会社を作れば、金も借りやすい。そして一般国民も関心を持つ。配当保証をしますれば、今郵便貯金でも三分か四分であるから、中産階級以下の人がみんな安心してその株を持ちます。そうすれば、ほんとうにみんな関心を持つ。そうして初めて、ここで先ほど申し上げた通り、開発ということが目的を達せられる。こう思っておるわけですから、いずれ調査の上、また詳しく申し上げます。
○小平(忠)委員 大臣は北海道へいつごろおいでになる予定ですか。国会開会中で行かれなかった事情もわかるのですけれども、一ぺん北海道を見ないでは、ほんとうに真剣な話もできない。近く行く行くということは、就任早々から言っておられたのですから、国会ももう会期余すところわずかですがいつごろおいでになる予定ですか。
○正力国務大臣 国会が終ったら、七月中に行きたいと思っております。
○竹谷委員 関連して。今正力国務大臣は、北海道開発庁設置法の審議に当りまして、北海道の開発に関する卓抜な、豊富な計画、また御意見があるようなことですが、ただいまはその一端をちょっと話されただけで、あとは遠慮して、別の機会にというお話ですけれども、実はこの委員会は、北海道開発特別委員会ではなくて、国土総合開発、国全体の問題で、府県の議員も多数いるわけです。われわれはゆっくり正力国務大臣の御意見を聞く機会もなかったわけで、ぜひこの北海道開発庁設置法審議に当りましては、北海道開発に関する豊富な御意見や計画を聞くことが、この審議上非常に重大でございまして、自動車道を作る、鉄道は複線でなければならない、港湾もよくなければならぬ、これは抽象的にわかることでありますが、それに関連して、どのような計画で、また官民合同の開発会社を作ろうとすれば、それはどのようなものであるか、その概要を、少し時間がかかってもちっとも御遠慮はいりませんから、どうか御披露をお願いしたいと思う次第でございます。
○小平(忠)委員 私もそれを今申し上げようと思ったのです。たまたま関連して竹谷君から申されたのですけれども、開発審議会では詳しく述べたが、この国土開発委員会で述べられないということもございませんし、先ほど大臣は、どうもこういう席では時間がかかって何だから、別な機会にゆっくり懇談したいとおっしやいますけれども、そんなことをおっしやらないで、非常に大事な委員会でありますので、こういう席上に一つその構想を、せっかく関連質問によって竹谷君からも御指摘されましたから、どうぞその豊富なる構想をぜひお聞かせ願いたい。
○正力国務大臣 よくわかりました。しかし、何しろ法案を急いでおるものですから、至急に審議をお願いしたいと思いますが、私どもとして、また適当な機会にお話しいたしたいと思います。――それでは、今資料を取り寄せまして、詳しく御説明いたします。
○本名委員 ちょっと大臣にお伺いいたします。今竹谷委員の関連質問で、詳しく御説明なさるということで、実は私も安心したのですが、審議会の権威と委員会の権威をはっきり区別していただいて、どうか一つ委員会を軽視なさらないで、われわれ審議会に関係のない者にも、大臣の広大な構想をよくお聞かせいただきたい。それで、まあそれはよろしいとして、しごく簡単なことをお聞きしますが、さっき大臣の構想について、ただいま専門家をして研究立案させているというお話がありました。その専門家というのは開発庁内の人ですか、それとも役所外の人をさしているのですか、それをちょっとお聞きしたい。
○正力国務大臣 役所ではずいぶん研究しておりますが、それだけではいけせまのんで、役所外のほんとうの専門家です。
○本名委員 それは大きな事業ですから、もちろん局外の経験者あるいは学者の意見など、いろいろ聞くこと、研究されることはけっこうだと思いますが、その場合に、どうでしょうか。われわれ国土総合開発委員会においても、特に北海道を中心にして今論議しているのですが、こういう北海道に関心を持っておる者の意見を、今の構想の研究中にどういうふうにお取り上げになりますか。先ほど伺っておると、何か小平委員との対談をもって一つの行き方としておられるように聞えたのですが、その辺はどうですか。
○正力国務大臣 いや、実はそれは小平委員と対談するという意味ではなしに、私は、社会党の代議士の北海道出身の人とみな御相談したいと思っております。それから、現に国会では北海道に関し決議案も出しております。それでこれは国土開発の問題なんです。ですから、今度の法案改正の問題でも、国土開発委員会が通れば、通ると私は思っております。それほどこの国土開発委員会を重大に考えておるわけで、決して私は軽視しておりません。またここで通らなければ、法案は通りません。ですから、どうぞよろしくお願いいたします。
○小平(忠)委員 詳細なお話については、今資料を取り寄せておられるそうでありますから、それまで、その問題に関連いたしますけれども、さらにお伺いをいたしたいのであります。
 大臣の構想であります北海道の開発には、どうしても運輸交通といいますか、そういう面の思い切った推進をはからなければならない。それには、単に国費だけの支出によっては不十だから、官民合同の株式会社を作ってやりたいという構想でありますが、それも一つの方法でありまししょう。しかし、かつて明治の初年に黒田清隆伯が北海道の重要な開発について、強力に国が責任を持って推進してきたいきさつから見ましても、やはりそういった官民合同の株式会社にしましても、国みずからが責任を持って北海道の開発を推進するということは、先ほど申し上げたように、吉田内閣以来、保守党が相当宣伝されて参っておることです。そこで第一次五ヵ年計画も本年度で一応終り、明年度からは、第二次計画を立ててその線で進まなければならないという段階にあります。もうそろそろ本国会も終りますし、三十一年度の予算もきまりましたが、しかし国会が終りますれば、そろそろ来年度の予算編成にも着手しなければならぬという段階でありまして、その際やはり主管大臣たるあなたが中心役になって強力に推進しなければ、毎年宣伝だけはよいけれども、国会を通過する予算というものは、計画の何分の一にも満たないという結果に陥るのでありますから、この際国みずからが北海道開発に対する国費について、どのような構想によってやっていくのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
○正力国務大臣 今材料を取り寄せておりますので、それがきた上で申し上げるつもりでありますが、その前に申し上げておきますと、何しろ幾らりっぱな構想でも、やはり空想に終ってはいけない、いたずらに国家に損失をかけてはいかぬということを考えております。それでつまり専門家を頼んでおるわけであります。ただ構想だけなら、りっぱなものができます。しかし、それも結局そろばんがとれないようなものでは、だめですから、その点を考えておるわけです。これは専門家の意見を聞いて、よく計算をしなければわかりませんが、大体今われわれが作ろうと思っておるのでは、五百億の会社にしたいのです。そうして最初の年はその四分の一の払い込み、つまり百二十五億、その百二十五億のうち国家が三分の二を負担する。先ほど国家云々と言われておりましたが、やはり国が中心です。こういうものは民間中心にしてはだめです。民間中心にすると、どうしてもそれが一部公共のためになっても、自分が損のいくようなことはやりません。私はやはり多少損をしても、大衆のため、国家のためにやらなければならぬと思う。だからして、その三分の二は国家で持って参りたい、そして三分の一だけを民間にする。かつての満鉄、北支開発のときでも、いずれもみな国家が半分に民間が半分です。それを今度は国家が三分の二というふうに、よけいに持たせたいと考えております。従って、今までの満鉄とか北支開発のような利益は上げられないかもしれません。何となれば、利益を企図していると、なかなかうまくいかない点がありますから、そこで国家が三分の二とし、民間を三分の一とする。この民間も、普通の単なる営利会社なら資本家は出しますが、そうではなくて、私のねらいとしては、大衆に支持させていくという考え方ですから、それにはやはり国家の保証がなければならぬ。それで小さい資本家をたくさん集める。それが結局北海道の開発にみんなの関心を持たせることであるし、またそれが一番人気の立つゆえんだと思っております。そこで最初の百二十五億のうち三分の二を国家で持ちますから、民間はわずかに四十億くらい持てばよいことになると思います。ですから、私は民間において大へんな希望者が続出すると思います。今、北海道でただ資本家だけを集めるのならば、北海道にはたくさん内地の大資本家がおります。彼らに割当してもとれます。しかし、そんなのじゃいけないのです。みんなが喜んで北海道に移住するようにしたいという考えが、この構想のもとでありますので、実は私はこの構想を財界の人にも話してみましたが、私の言うことを、みな意外に喜んで迎えております。そんならわれわれも協力したいということで――それは、民間の普通の資本家がみんな喜んでおるのですが、これをみんな資本家でやるというのでは、これは単なる営利を目的とするものになってくる。それじゃいけません。そうじゃないのです。そうでないのがこの会社の強みなんだという考えでおりますので――実はそれが昭和二十一年に今の法律が出まして、マッカーサーとしては、民間事業を圧迫するから、利子補給する会社はいかぬ、こういう。ところが、これは民間の圧迫ではないのです。これによって民間は盛んになる。何とならば、公共的性格のものですから。ですから、マッカーサーが法律を出した趣旨とは違ってくるわけです。だから、あの法律をどうしても改正してもらいたい。そうしてこれによって大衆は喜ぶ、そして、それによって一般の事業が起る、こういう考えでありますが、あのマッカーサーの法律が出たために、御承知の通り利子補給――利子補給というのは、資本家の会社の利益保護です。だから、利子補給のときは、みんな余持ちが株主になっておる。その補給をしておるのです。だからそんなものはいかぬのです。大衆はこの株を持っておれば、郵便貯金したよりも幾らか歩合がよくて、そして安心だということが、人気が出ることと思っておるのです。現に皆さん御承知の通り、満鉄を作ったときには、資本家は株をほとんど持たなかった。持ったのは、みんな大衆でした。そうして、あれがみな、一つは愛国の熱に燃え、一つはこれによって郵便貯金をするよりもこれがいいということで、人気をとった。あの情熱を北海道開発に持たしたいというのが私の考えでありまして、現に私の話を聞いて、それは北海道開発ばかりではない、そんな会社はもう少しほかにも作ってもらいたい、内地にも作ってもらいたい、と言うてきた人が、一人や二人ではありません。そういうことでしなければ、ほんとうにいわゆる大衆とともに進まない、こう思っているのが、この構想の根本であります。
 それからなお、そういう国出家か保証した大会社、五百億もの会社を作りますと、金を借りるのに非常に楽です。何となれば、国家が保証するから、会社はつぶれることはない、こう思いますから、安心して金を貸してくれる。今、五百億の金では、仕事が何もできません。とにかく隧道をやろうとしたり、あるいは鉄道の免許を受けようとしても、なかなか金が要るのです。それですから、金の程度というものは、私どもよりも、ほんとうにそろばんをとった人にとらしてみたい、こういう考えでおるわけなんです。それで、今御承知の通りに六分ということにしておきますれば、アメリカは金利は非常に安い、四分から五分ですから、そうすればその安い金を借りてきて――これは外人は株主にはしません。株主はどこまでも日本人にする。日本の庶民です。しかし金を借りるのには、外資を借りていきたい。そうして金を五分くらいで借りたい。今日いろいろな公社でやっておる金は、大てい六分から八分の公債です。ああいう高い利子を払っては、会社の経営はなかなかむずかしい。これは金利は安くても、会社はつぶれぬと思うから、安心して貸してくれる、こう思うのです。しかしながら、それも民間に実権を持たすのではない、国家に実権を持たす。三分の二の株主は国家なんです。だから、安心していける。それで私は、北海道の鉄道の委任経営を受け得るという自信があり、またやっていけると思います。というのは、民間会社で今盛んに北海道の鉄道を、ああいう悪いのに、払い下げ運動をしております。これは国家は払い下げません。民間に払い下げると因るのは、得のいくところだけやって、損のいくところはやらなくなってしまうことであります。だから、これはどうしても国家が中心になってやって、損のいくところもやるようにしなければならない。それで今北海道の鉄道はあまり補修はしないように聞いております。そうして今のままでいくと、北海道の鉄道はますます悪くなるおそれがあるのです。鉄道が悪かったら、どんなことをしても、北海道の事業は興りません。ですから、これはなかなか大きな仕事です。大体の構想は私、就任早々考えましたけれども、そろばんをとったデータというものは、専門家によるしかありません。ですから、これは北海道の役人だけではだめです。開発庁の専門家にもとらしておるけれども、なお財界人にもとらせます。道路をやるにしても、北海道の地形をよく見なければなりません。それで、これは有料道路にして、そうしてバス、トラックも経営したいということなんであります。実は鉄道の問題でも、運輸省では、今北海道の鉄道経営には非常に悩んでおるらしい。私が北海道についてこういうことを言うたら、大臣などでも、それは非常にけっこうで、個人の意見としては、結局北海道がうまくいけば、九州も放し、四国も放すということにいかなければならぬと思っておる、というようなことを言うております。そういうふうに、運輸省としても、そうしなければ、内部の解決はできません。だから、その方針はまず北海道に試みたい。事東大であるから、私の思いつきだけではできませんので、そろばんもきっちりととれば、たとい三年、五年はこうでも、十年後にはこうなるんだから、これは国家が幾ら投資をしても大丈夫、保証をしても大丈夫というところまで持ってこなくちゃならぬ、こういうふうに思っておりますので、それで時間がかかるわけであります。構想は前からちっとも変っておりませんけれども、ただ前より一つ構想が変ってきたのは、隧道をやってくれという話がありますから、それが変っておる。青函隧道は全がなくて困っておる。だから、こういう会社にすれば、あるいは借りることもできるのでははいか。これも面かなかむずかしいのです。御承知の通り隧道については、ずっと前から案は作ってしまつている。これは六百億ぐらい要ります。六百億という金はなかなかできません。だから、運輸省と相協力してやったらどうかいというふうに思っております。これがもしもできたら、ほんとうに北海道の生産費は安くなります。今のような制度では、幾ら北海道が人口問題の解決、解決といっても、人口問題の解決になりませんよ。現に移民しておるのも、みんな帰ってきますよ。そういう人口問題の解決という点から考えても、どうしても交通をやらなければいけません。それですから、話があまり大きい話だけれども、これはやってやれないことじゃない。根本は官民合同の会社を作ること、こう思うておるわけであります。
○小平(忠)委員 私は資料が参りますまで、その運輸交通の株式会社以外の問題について承わりたい、こう誘い水をかけたのですが、やっぱり結論は、運輸会社に重点が注がれるという御説明を承わったのですけれども、資料が参りましたら、その資料に基きまして――今特に与党の委員である本名委員からも、審議会ばかりで説明して、国土開発のこの委員会に説明がないということはおもしろくない、説明してほしいというお話がありましたから、その資料が参りましてから、ぜひその構想をさらにお聞かせいただきたいと思います。
○正力国務大臣 これはくれぐれも申し上げておる通り、どうしても国土開発できめてもらうより、方法がないのであります。これは北海道開発審議会ばかりで、きまる問題ではないのです。ですから、国土開発できまれば、法律改正もできるのです。ここでなければ、法律改正ができません。ですから、ぜひ一つこっちもできるだけ材料をそろえますから……。
○本名委員 私もぜひ高遇な長官の御構想を詳しくお聞きしたいと思ったのですが、きょうはまだ非常に委員も少いようで、せっかくのお話ももったいないと思うのです。そこで、その前に私一つお聞きしたいのです。今、運輸交通を中心にしたところの北海道開発の御構想を承わったのですが、本委員会に提案になっておりましたところの行政機構の問題について、私は一応長官にお聞きしたいと思うのです。いずれあらためてお聞きしますけれども、きょうは運輸交通の構想についてお話をお聞きしているうちに、私はちょっとふに落ちないことがあるのです。というのは、今の北海道開発というのは国費を相当今までつっ込んでおります。しかし、そのつっ込み方に、物理的な不足があったのか、あるいはまた施策の欠陥があったのか、どうも私どもの期待するような成果を得られていない。だからこそ、長官はこのような高邁な構想のもとに立って、北海道の総合開発の基幹としたいとおっしゃられたのだろうと思うのです。そこで私はもう一つ現実に、何がゆえにこの構想を達成するために、行政機軸の改変をやらなければならないかということの納得を、北海道ばかりでなく、国民全体に知らしめる。そうして先ほど言われるように大衆の資本的な協力も必要でありましょうし、また時の政府の絶大な協力も必要になってくると思うのです。ところが現実の北海道は――今正力さんは開発庁の長官をやっておられて、現実の行政の欠陥を忘れることができないと思うのです。そこから出発して、その欠陥を補い、その欠陥を補う目的のもとに、行政改革がなされねければならないと思うのです。そこで今の中央行政の欠陥と申しますと、まず運輸交通にどうしてもつながる問題は、住民の生活の安定と、産業の振興でなければならぬ。その産業振興自体が、今日のあなたのやつておられる開発行政の上に、あるいはそれに関連するところの各省の北海道行政の上に、非常な支障を来しつつあることを御存じかどうかということ、それを御存じはくして、この運輸交通の大構想を基幹として、北海道開発をなさるということはけっこうですが、この構想の中に、ひびが入るようなことがあっては大へんですから、その現実の欠陥をどういうふうに御認識しておられるかを、まずお聞きしておきたいと思います。
○正力国務大臣 私は北海道開発庁というものは、今のようなことではなかなか仕事ができないと思うのです。なぜなれば、予算をとって各省に渡しまして、その予算で、運輸省あるいは建設省あるいは農林省のめいめいがやっているのです。だから、せっかく開発庁があっても、何だか自分で直接指揮監督ができないのです。こんなことではだめだ。だから私は開発庁を設けた以上、思い切って省にするのもよかろう。あるいは、さもなければ、こっちが予算をとってきた以上、その予算をすぐ実施するようにしたいと思っているのです。ところが、今予算はとってはきますよ。われわれとしては二百億の予算をとっておりましたけれども、それをみんな各省に分けてしまう。これでは仕事がうまくいくわけがないのです。今度の開発庁は、どうしても実施するところにしなければいかぬというのが私の建前なんです。ところが、実施機関としては、私から見るともの足らぬ。足らぬけれども、今よりは幾らか進んでおる。進んでおるから、改正が必要である。これは非常に不十分です。実施機関にしなければうまくいくわけがありません。幾ら北海道開発庁長官が熱心になっても、今のところはだめなのです。そこで私は、北海道開発庁長官は変なものだと言っておるのです。だから、これはどうしても改めねばならぬ。これを改めるについて与党内でいろいろな議論があって、正直なところ、与党内でもごたごたしたものだから、審議会に諮る余裕がなかったようなわけです。だから、これはどうしても実施機関にしなければいけませんよ。全くヌエ的な役所ですよ。だからどうぞ……。
○永井委員 議事進行。ただいまの本名君の御質疑の点は、もうただいま議題になっております問題の本質的な点で、これは十分審議をしなければならぬと思います。しかし、今話が進行中なのは小平君から質疑がありましたことで、その質疑に対して、大臣からお答えになった。いわゆる高邁な運輸交通施策についてお話があった。資料を取り寄せて、これに基いて御説明を承わる。これが本案審議の上における一つの大きな前提条件になると思うのであります。正力大臣は、老らくの恋のように、道路に対して執着しておられるようですから、老いらくの恋の熱情を傾倒した御説明を承わって、それからこれの審議に入った方が順序だろうと思いますので、委員長よろしく議事の運びをしていただきたい。
○廣川委員長 資料は取りに行っておるのでしょう。
○田上政府委員 資料が少いですし、もう一つ落ちたものがありますので、それを取りに行っておりますから、暫時お待ち願います。
○小平(忠)委員 そういう進め方でけっこうだと思います。先ほどの御説明によりますと、とりあえず運輸交通に重点を置いて、五百億の官民合同の株式会社を作る。それは大体四ヵ年にわたっていきますから、第一年度は百二十五億、そのうち政府からの出資、いわゆる政府の財政投融資は三分の二で、三分の一は民間だ。そうすると、国の財政投融資は約八十三億になると思う。この大体八十億という国の投資でありますが、私が先ほど、従来の北海道開発費の今後のワクの広げ方、その財源はどういうふうにお考えになっておるかということを承わったのは、それと非常な関連があるからであります。従いまして、その八十億の政府投資による会社を作る。第一年度で八十億でありますから、従来の北海道開発費百五十億に、プラス八十億というふうにお考えなのか。それとも、従来の百五十億の中から、八十億はその運輸交通会社の政府の投融資の方に回していくというお考えなのか。これは当然、従来の開発費は開発費として、それにプラス八十億であるというふうにお考えでございましょうか。そうしますと、一体国は限られた予算のワク内において、どのような根拠に基いて、そのような方法を推進されるのか、これは基本的な問題であります。同時に、大臣は就任当初から、交通運輸というものについて非常に重点的にお考えでありますが、国策として北海道の開発を推進する場合に、やはり当面の問題になりますことは、国民経済の安定、民生の安定というようなことが優先するのであります。従って、北海道それ自体におきましても、道民の生活をいかにして守っていくか。それに直接結びついてくるのは、産業の振興であり、さらに民生の安定である。その中で大きな役割を持つのが、今日絶対量が不足いたしております食糧問題の解決というような点で、これは当面の非常に重大事であります。そういう見地に立って、毎年々々しのぎを削って、北海道開発費というものの獲得にわれわれは努力をいたしておるわけでありますが、そういうような見地に立って、私は総合的に考えなければならぬと思う。そこで具体的にお伺いをいたしますが、その第一年度、国の投資八十億というものは、どういう考え方のもとにそれを捻出するのか。従来の開発費百五十億内外のもののワクをどうする、そういう点をまず最初にお伺いをいたしたいと思います。
○正力国務大臣 これは、去年も、ことしの一月にも申し上げた通りでございまして、私が交通運輸に重きを置くというのは、今までの五ヵ年計画はそのまま進めて、別にやるという考え方であります。従って、この五百億というのも、四年とすれば、一年に百二十五億になるわけであります。五年になれば、一年に百億になります。七年にすれば、七十億ぐらいになるのでありまして、こういうことは、よく専門家にそろばんをとらせていかなければならぬと思います。何も年限は三年でなければならぬ、五年でなければならぬということは、問題ではないのであります。数字的のことは、専門家に聞かなければならないので、それで時間がかかると申し上げておるのであります。昨年百億いただいたときからも、そういうことを考えております。北海道開発は、既存のものはそのままでやる、しかし、これは別にやるのだという考え方でおったわけでございます。
 なお、先ほどの小平委員のお話と私のお話と違いますのは、交通運輸というのも大事であるが、なお産業を興すことが必要だということになります。産業を興すについても、交通運輸を興さなければだめだというのが、私の議論なんです。産業を興すにしても、土地を開墾するとか、鉱山を採掘するにしても、それはみな交通費がかかるから、うまくいっていないのです。だから、そのすべてのもとをなすのは、交通費です。北海道に移住して、すぐ帰ってくるのは、みな交通費がかかるからです。交通費がかかることは、生活費がかかるということです。万事のもとがこれです。だから、これをやらなくて、幾ら開墾をやっても、森林開発をやっても、結局僕は長続きをしないという考えで進めておるわけであります。今までの世界の開発の歴史を見ても、その通りであります。ただ私の意見ではありません。歴史がそれを証明しておるのでありますから、この点はとくと御勘考を願います。
○小平(忠)委員 非常にりっぱな北海道交通開発株式会社法案要綱というものができておりまして、開発庁はやはり相当大臣の御趣旨に従って進められておると思うのでありますが、大臣は何年でやるとか、具体的なことは専門家に今研究をさせておるのだ、また意見も聞くのだ、こういうようなことで、それは了といたしましても、現実にこの要綱にも、会社の資本は五百億とするということが第三に出ております。こういうようなものを何十年もかかってやるということはあり得ないので、一ヵ年の国の財政投資というものは、相当な金額になろうと思う。そういう場合にその財源をどこに求めるか。決して何の根拠もなく大臣はおっしゃっておるのじゃなかろう、こう思うのであります。その点をまずお伺いいたしたいことと、先ほど来たびたびお願いいたしておりますように、資料も参っておりますから、責任ある大臣の構想を承わった上で、お伺いをいたしたいと思うのであります。
○正力国務大臣 財源をどこに求めるかというお話でありますが、私は、これは大蔵省にもよくこの案を見せて、相談するつもりであります。だから、ゆっくり時間をかけてやるというのは、それであります。年限も十年、二十年延ばしてはいけないけれども、一年、二年延びても、私は仕手の上に影響ないことと思います。そのつもりで続けております。
○田上政府委員 お手元に配付いたしました資料が二つございます。北海道交通開発株式会社法案要綱というのと、いま一つは北海道における運輸交通施策資料、この二つございます。これは大臣からもお話がありましたように、まだ十分な調査ができ上っておりませんが、株式会社を作るとすれば、こういうふうな要綱で整備をしていくべきじゃないかというので、一つの形を開発庁の方で考えて作ってみたわけであります。なおいま一つの運輸交通施策の資料につきましても、きわめて不完全なものでありまして、大臣からたびたび申されましたように、目下この内容につきましては、開発庁の方におきましても、また運輸省の方におきましても、御協力を願うことにしておりますし、他面、また民間の専門家に、大臣から直接必要な調査を依頼されておるわけであります。これらの基本的な資料ができましたならば、当然この資料の内容も変るものであるということを、あらかじめお断わりをしておかなければならぬと思います。
 まず最初に、北海道交通開発株式会社法案の要綱につきまして、概略御説明を申し上げたいと思います。目的は第一に書いてあります通りに、北海道の開発を促進するために、交通運輸事業及び必要な附帯事業を経営するということでありまして、資本金は第三にありますように、授権資本を五百億といたしまして、これは必要によって主務大臣の認可で将来ふやしていくのだ、さしあたりは五百億という授権資本を考えておるのでございまして、その内容は、株式におきまして三分の二を政府が持つ、そして残りの三分の一を民間資本に期待するということにいたしておるのであります。そうしてなお設立をするときに、最初に四分の一だけを資本を作らなければならないということにいたしておるのでありまして、さしあたり最初は百二十五億ということで出発しよう、というふうな考え方でございます。第四に株式のことが書いてございますが、その次のページのところに、日本の国籍を有しない人は株主となることができないということに制限をいたしております。
 第二章は役員のことでございます。これもまだ検討中ではありますが、一応取締役を十五人以内にし、監査役は三人以内ということで考えております。社長一人、副社長一人、これが代表取締役であるというふうに考えております。それから第八に書いてありますように、代表取締役等の決定でありますが、これは官民合同とは言いながら、国家性が非常に強いものでございますので、代表敢締役の決議等は、主務大臣の認可を得なければその効力を生じないというふうに、強い制限を考えているわけであります。なおこの会社には顧問を置きまして、社長の諮問を受けるということに考えております。
 業務は第十一に書いてございますが、第一に鉄道運輸業、自動車運送事業、バス、トラック事業、青函海底トンネルの建設経営事業、自動車道事業、日本国有鉄道公社から経営の委託を受けた諸事業、その他交通の便益のために必要な附帯事業というふうなものを一応考えております。
 そして、政府の監督及び助成でございますが、重要なのは株式配当に対する政府の保証であります。十四の債務の保証は、外国から金を借り入れるような場合には、当然政府が保証契約をするのでありますが、第十五がきわめて重要な事項でありまして、大臣が言われましたように、六分の配当保証を政府がするのだ。配当保証というのは、先ほどもお話がありました通りに、昭和二十一年に政府で法律を制定しておりまして、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律というのがあるのでございます。これは政府が財政的に民間会社に特別な援助をすることによって、一般の各会社の自由な競争を不公平にさせるようなことがあってはならないという考え方で、政府が配当の保証をするようなこと、これはやらないということに規定されているのであります。配当保証は、かつて満鉄の場合、あるいは北支開発、あるいは中支開発株式会社の場合には、あったのでございますが、戦後は、この法律によって一切やらないことになっておって、そのために、公団あるいは公社のようなものができまして、援助をされておっても、決して配当保証の点は認められておらないのであります。しかしながら、この株式会社におきましては、大臣からお話がありましたように、特に配当保証を政府がいたしまして、これによって民間の資金を有利に集める、そしてその事業をますます発展さしていくということに重要なねらいがあるのでありますが、これがきわめて重要な問題で、大蔵省の方においても、この点については重大に考えているようであります。
 この配当保証と同じ精神から、十六条があるのでありまして、この会社が順次有利に利益をあげていきます際において、民間資金に対しては当然六分の配当を続けていくのでありますが、それ以上の収益が実際上上つたような場合において、順次一分ずつ政府の配当もいたす、百分の六の配当をいたしました残りの利益につきまして、漸次政府の株に対しても配当をしていくということになっているのであります。第十七に免税のことが書いてございます。これは公的な、国家的な会社、でありますので、事業の開始の年及び翌年から十年の間は、ここに書いてありますような税を免税にする、その後は一般の会社と同じように税金をそれぞれ払うべきだというような内容に考えているのであります。大ざっぱでございますが、会社の法案につきましては、以上申し上げた次第でございます。
 次に、運輸交通施策資料。一番初めには国鉄の経営の現在の概要だけを記しておりまして、これに対しどういうふうな合理化をするかということにつきましては、今後の問題として特に書いてございません。その次に青函トンネルのことが概要書いてございまして、そうして最後に、北海道における自動車道路の経営につき書いてございます。最初に、現在北海道における国鉄の経営の現状だけ概略書いてございますが、一番初めのところは、二十八年度の資料について書いてあります。営業キロは三千八百十三キロでございまして、全国の鉄道の営業キロは大体二万キロでございます。このうち大体、一九%だけが北海道の鉄道であるということになります。旅客輸送量は一億三千百万人余りでありますが、これは全体からいいますと、約五%ぐらいに相当しているようであります。その次に貨物輸送量、機関単数、客単数、貨車数等はここに書いてある通りであります。経営機構でございますが、要員としましては、下の合計にある通り、約五が人が北海道の施設のために働いているわけであります。そうして経営機構はその次の表にあります通りです。支社と書いてあるのがございますが、これは本社の間違いでございます。ここに書いてありますような非常に複雑な機構、各管理局の下には、に十三にわたる区とか場とかいうような仕事場があるわけであります。次に四ページに経営状況がございます。これが北海道における国鉄の収支損益の一覧表でございまして、二十七年度、二十八年度、二十九年度だけを拾ってあるのであります。それで釧路の管理局、旭川の管理局、札幌の管理局、そのほかに青函だけを切り離しまして、青函管理局というものがございます。これらの各収入が、二十七年度についてごらん願いますと、合計しまして二百五十億という収入が上っております。これに対しまして、支出が二百七十八億でございますので、結局二十八億余りの赤字であるということになっております。同様に、二十八年度のおしまいをごらんいただきますと、二十四億の赤字になっておりまして、二十九年度に至っては、実に四十六億に上っておるのであります。これは、洞爺丸事件その他によって相当な赤字を出したのでありますが、大体申しまして、全体の収入の約一割が赤字になっておるという概況でございます。二十九年度は特別だとしまして、二十七年度、二十八年度、大体一割程度が赤字である。管理局ごとに見ますと、一番下の欄をごらんになりましても、青函の鉄道管理局だけが黒字になっております。御承知の通り、青函のキロにつきましては、相当特別な料金を徴収をしておるのでありまして、実際の一般の国鉄のキロ当りの料金に対しまして四倍に近い料金を特別に青函の鉄道は取っておるのであります。そういう事情も特に御留意を願いたいと思うのであります。
 五ページ「国鉄経営の諸問題」これは「経営能率」と「運賃」とに分けてございますが、先ほど申しました通りに、いまだ未調査でございますけれども、かりに運賃についてこの下にあります表をごらんいただきますと、一つの重大な事情がわかるのでございます。それはここに書いてありますように、昭和十一年を一〇〇といたしまして、今日までの物価指数を出しておるのであります。似たような仕事としまして郵便と電話を取り上げております。これは二十九年のところをごらんいただきますと、昭和十一年に対しまして実に三百三十三倍の高い値上りになっておる。大体三百余りが一般の指数でございますが三百三十三倍、電話につきましても二百三十三倍ということになっておる。新聞を取り上げておりますが、これも三百四十三倍、これに比較いたしまして、国鉄の運賃の上り方がきわめて少いという数字でございまして、旅客の場合には百十六倍であり、貨物の場合は百七十倍という程度でございまして、これによって、国鉄が運賃値上げのことをしばしば言うております事情も、御推察が願えると思うのであります。前に、北海道の国鉄の赤字が約一割であるということを申し上げましたが、この一般物価に比較して低い鉄道運賃を、かりに一割上げるとすれば、それだけでも赤字が片づくという実情であることを、御参考までに申し上げておきます。
 それから「青函鉄道隧道」でございます。これは全く運輸省で検討いたしました資料に基いて、概要の数字を書いただけでございますが、現在の連絡航路のことを先に書いてございまして、航路の延長は百十六キロ、そして百十六キロであるのに、営業キロとしては、約四倍に当る四百五十キロを見ておる、こういうことでございます。そして現在時間は五時間と四十四分かかっておるということであります。次に計画されておる青函隧道のことでありますが、これは青森から函館間百六十九キロ、そのうち隧道の延長が三十六キロであって、海の底になっている部分――陸地の方からずっと隧道を作っておりますが、海底の部分だけを見ますと、二十二キロ半ということになっておるのでありまして、これができ上りますならば、貨物列車は三時間四十分で通ることになり、旅客列車は三時間で通る。そして建設工事の総経費は六百億というのが、現在総工費の予定でございます。
 次に幹線自動車道路でございます。北海道の幹線自動車道路としましてはここに七つ路線が出ておりますが、函館―札幌、札幌―旭川、札幌―釧路、旭川―稚内、旭川―網走、岩見沢―室蘭、滝川―芦別というふうな線が、一応幹線道路として考えられるのであります。そしてその次の二の、「整備の方法」としまして、どういうふうにやっていくかといいますと、これは決してその会社だけで自動車幹線道路をみんなやるという意味でなくて、一番大きいのは、何と申しましても一般の公共事業費によって整備をはからなければならない。また一面、今回成立いたしました日本道路公団の経営によるものも期待されなければならない。そしてこの会社もやる。この三本立で北海道の道路整備をはかっていくのだということであります。この調査計画がまだ未整備でありますが、さしあたり第一にこの会社が着手をいたそうというのは、札幌―岩見沢でありまして、これは三十キロでございます。現在迂回をいたしまして四十キロのものを、三十キロの直線コースで最良の道路を敷こう。それによって半分以下の時間で行けるようにしたい。自動車の損傷も少くなるし、能率も大いにこれによって向上しよう。なお全道にわたっての構想もあるわけでありますが、将来は、ただいま申したように、公共事業の仕事と、道路公団の仕事と、この会社の仕事とをよく調整をはかりまして、全道の道路を急速に整備して、産業開発の基本に大いに貢献しようという考えでおるのであります。さしあたりの計画だけを一応調査しておりますが、時期的にどうやるかということにつきましては、目下採算等につきまして検討をいたしております。
 はなはだ不完全ではありますが、概要を御説明した次第であります。
○小平(忠)委員 本日は正力長官に、いろいろ北海道開発の基本的構想について承わりたいと思って、御質問申し上げたわけでありますが、大臣から、就任早々、特に熱意を持っておられる北海道交通開発株式会社案につきまして、いろいろ御説明をいただきました。案の内容のよしあしは別といたしまして、大臣の抱いておられる熱意のほどがうかがわれるように思うのです。そこで昨日も委員長から御約束されましたように、この委員会に議題となっておりまする北海道開発庁設置法案につきましては、本日も引き続いて総括質問として、主管大臣のほかに経済企画庁長官、行政管理庁長官のおいでを願うということになっておりますが、もう質疑に入りましてから一時間半以上になりますのに、まだお見えになりません。従いまして、この問題につきましては、やはり基本的な関連のあることでありますから、私は両大臣がお見えになりましてからさらにお伺いいたしたいと思いますので、質問を留保いたしておきたいと思います。
 さらにまた、先ほどの大臣の御答弁の中では、この法案は自分としてもきわめて不満足である、注釈としては、実施官庁という見地から、この法案は不満足だという説明もつけ加えられております。また、きわめて重要な発言は、大臣は現在北海道開発庁長官であります。その長官であられる正力さんが、現在の開発庁はきわめてヌエ的なものだ、また開発庁長官というものも何だかこれは変なものだ、これはきわめて聞き捨てならないことでありますから、この問題については、法案あるいは開発庁、あるいは開発庁長官というような問題につきましては、一つ最高責任者である鳩山総理の御出席をここにわずらわしまして、鳩山総理に総理大臣の真意のほども、またあらためて承わりたい、こう考えておるわけであります。従いまして、本日のところ、私はこの程度において質問を保留して、私の質問は終りたいと思います。
○川村(善)委員 ちょっと質問になりますが、北海道開発庁設置法案提出に対する理由を述べられ、かつ昨日総体的な質問が行われたのでございます。そこで大臣に一点だけお伺いしておきますが、大臣は野党の諸君の質問に対して、法案はりっぱなものであるけれども、内容については私はまだ不満足だ、しかしながら、現在よりは一歩前進をしておるから、私はこれを国会に提出をして御審議を願っておるのだ、それだからぜひともこれを通してくれ、といったような御意見もございました。そこで大臣の発言の中に、重要な問題が二つほど私は考えられるのであります。大臣が不満足だということは、これはどうしても実施官庁にして、いわゆる計画から実施まで、一貫した行政事業をやっていかなければならぬというお考えのようでありますが、私らも、そのお考えには賛成をするものであります。ただ野党の諸君が御質問をしておる中に、それでは、北海道の知事が行政を行なっていかれることを剥奪するようなおそれがないかといったようなことに対しては、いや、そんなことは一向ないのだ、一つも考えていないのだ、ころいう御答弁をされております。そこで、きょうは実施官庁として、計画もさらには実施も一貫していく、また指導監督も十分にしていくという考えだ、こういうような御答弁をされておるのでございますが、そこで今まで北海道の開発につきましては、大臣が言われたように、計画と予算はとっておるけれども、各省にこれが分けられて、各省はめいめいの感覚でやっておられるということも、これははっきりしております。従いまして、道庁もそのようにやっておられるように、私たちははっきり見ております。その場合に、北海道開発庁が計画を立てて予算をとって、道庁に補助として流してやった場合に、道庁に預けっぱなしでなく、やはり指導監督を十分にして、北海道開発庁が立案された計画に基いて、いわゆる総合的な開発の一環として道庁にやらせるというお考えなのか、それとも、今度実施官庁にして、すべてのものを取り上げて、全部開発庁でやっていかれるのか、こうしたようなことについて、御意見を承わりたいと存じます。
○正力国務大臣 先ほど申し上げましたごとく、北海道開発庁の今日の状態は、私はこれは成績を上げるにはよくない、どうしても実施機関にしたいと思っております。しかし北海道庁に与えておる権限は、実施機関でありますから、これは取り上げない、それには干渉しません。ただ、こちらの開発庁の権限のところだけであります。
○廣川委員長 小平君の発言もありましたので、きょうは高碕、倉石両君とも、所用のため出席いたしておりません。そこで本日はこの程度で散会いたしまして、明日定刻より質疑を継続いたしたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後四時二十七分散会