第024回国会 地方行政委員会 第62号
昭和三十一年十月十六日(火曜日)
    午前十一時五十八分開議
 出席委員
   委員長 大矢 省三君
   理事 鈴木 直人君 理事 永田 亮一君
   理事 北山 愛郎君
      青木  正君    稻葉  修君
      大坪 保雄君    纐纈 彌三君
      唐澤 俊樹君    高村 坂彦君
      櫻内 義雄君   茜ケ久保重光君
      淡谷 悠藏君    川村 継義君
      五島 虎雄君    櫻井 奎夫君
      坂本 泰良君    滝井 義高君
      中村 高一君    西村 力弥君
      門司  亮君    横路 節雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 船田  中君
 委員外の出席者
        警  視  監
        (警察庁警備部
        長)      山口 喜雄君
        調達庁次長   丸山  佶君
        総理府事務官
        (調達庁連絡調
        査官)     磯  淳爾君
        参  考  人
        (警視総監)  江口見登留君
        参  考  人
        (警視庁警備第
        一部長)    藤本 好雄君
        専  門  員 圓地與四松君
    ―――――――――――――
十月十六日
 委員小澤佐重喜君、徳田與吉郎君、山崎巖君、
 茜ケ久保重光君、坂本泰良君及び古屋貞雄君辞
 任につき、その補欠として大坪保雄君、稻葉修
 君、高村坂彦君、中村高一君、横路節雄君及び
 西村力弥君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員稻葉修君、大坪保雄君、高村坂彦君及び西
 村力弥君辞任につき、その補欠として徳田與吉
 郎君、小澤佐重喜君、山崎巖君及び古屋貞雄君
 が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 警察に関する件
    ―――――――――――――
○大矢委員長 これより会議を開きます。
 きのうに引き続き警察に関する件について調査を進めます。本委員会の承認を得ました参考人として警視総監江口見登留君が出席になっております。なお、警備第一部長、第八方面本部長の両君はあとから出席されるそうであります。それから船田国務大臣、大麻国務大臣は、今閣議が開かれておるそうで、それが済み次第出席するということであります。
 それでは通告順によりまして、順次質問を許すことにいたします。茜ケ久保君。
○茜ケ久保委員 警視総監が参考人としておいでになりましたので、参考人ではございますが、今回の砂川の問題につきましては、当面の責任者でありますので、そういった意味において私ども端的にお尋ねをするし、警視総監も一つ端的な御答弁をお願いしたいと思うのであります。具体的な問題については、多くの同僚諸君からあとでお尋ねがありますので、私は個々の問題には触れませんが、二、三点について以下お尋ねしたいと思うのであります。
 申すまでもなく警視総監は、首都東京の治安の責任を負っておられるのでありますが、そういった意味において八百万都民がほんとうに安心をして生業にいそしむことのできるいわゆる元締めであります。と同時に警視総監としてわが日本の警察の中核体と申しましょうか、日本の警察を運営される中心でありますので、あなたのとられる警察行政が、ただ単に東京都だけでなくて、日本全体の警察の行政に大きな影響を持つということは当然であります。そういった観点から、先般起りました砂川におけるあの警察官の暴行と申しましょうか、これは私どもが単に言うだけでなくて、新聞、ラジオその他の第三者的な報道機関があげてこれを指摘しているのであります。こういった事態を引き起したのでありますが、この事態に対して警視総監に私は端的にお尋ねいたしますが、あの事態に対して、責任者の警視総監はどのようなお考えをお持ちになっておるか。私は総監としての立場において、冒頭にあの十二日、十三日に起った事態に対する責任あるあなたの所信を伺いたい、こう思うのであります。
○江口参考人 十二日、十三日、二日間におきまして、双方に多数の負傷者を出しましたことにつきましては、私もまことに残念に思い、遺憾に存じております。二度とこういうことが起らぬように、今後警備に当っては十分注意をし、工夫を重ねて参りたいというように考えております。
○茜ケ久保委員 あなたは非常に遺憾であるということをおっしゃいますが、長い警察行政の担当者として、また先ほども申しますように、重大な日本の中心的な警察の元締めとして、ああいう事態の中で武装した、しかも乱闘と申しますか――これは私は新聞やラジオで報道されました言葉を引用しますと、乱闘服を身にまとったいわゆる屈強な予備隊員が、鉄かぶとに身を固め、こん棒をふるって乱入した姿は、ある新聞の字句で申しますと、暴徒のような姿の警官隊が、隊伍を組んだ労組員あるいは全学連の諸君の中に乱入したと報道しております。こういういわゆる修羅のちまたを現出したのでありますが、あなたは片方に整然とした二、三千人の一般市民がおり、その中にそういう鉄かぶとあるいは乱闘服、警棒というものを持った二千人あるいは千数百人の警官が飛び込んでいくという事態において、あのようないわゆる悲惨な状態が起るということを予期したかどうか。あなたは警視総監として、そういうような警官隊を繰り出しても、警官隊の良識と警察官としての責任上、決してああいう事態は起らぬという確信を持って出動を命じられたか、あるいはまた事前においてやはりそういう事態の起ることを予期しておられたか、この点をはっきりお答え願いたい。
○江口参考人 現場において多少の紛争が起るであろうということは予定されましたが、ああいうふうな大きな事件になろうとは実は考えておりませんでした。昨年の例から申しまして、多少のトラブルがありましても、もっと容易にあの妨害状態は排除される、つまり現地におる人たちが理解をして、のいてくれる、こういうふうに考えておりましたが、ああいう大事件になろうとは実は考えておりませんでした。
○茜ケ久保委員 ああした事態が起った原因が、あなたのお考えでは、警察官が許された範囲内の職務権限を越えて、たとえば鉄かぶとをもって相手の胸にぶつかる、あるいはこん棒を振り上げてなぐり、または突き――私は実はきのうこの委員会の途中で、かぜぎみでありますので医務室に参りました。わき腹の肝臓のところが痛いので、実は肝臓かと思って医務室で見てもらったのであります。ところが肝臓を幾ら見ても、お医者さんは何ともないとおっしゃる。よく調べたら、肋骨の下から一枚目と二枚目がどうもひびが入っているらしいというお話であります。私はもちろん当日――十三日でありますが、腰の周辺をずいぶん警棒でつつかれたりしまして、相当なあざになっておりますが、私は前の方の肋骨にそういう状態があるとは知らなかった。きのうここの医務室で診察した結果、右の一番下の肋骨にある程度のひびが入っているのではないかという診断を受けた。私国会議員としてたすきをかけて、国会議員であるという目じるしをしてその中にあったにもかかわらず、そういう状態である。私はこれをここで別に問題にしませんけれども、そういう状態が起っておることについてあなたの立場から、あの十二、三日の状態は、責任の所在はどこにあるか。測量に反対してあそこに参っておった全学連あるいは労働組合、その他の一般市民の側に責任があるのか、あるいは先ほど言うように、最初から乱闘服を身にまとい、鉄かぶと、警棒を持って突入していった、あの予備隊の諸君にあるのか。私はこれについて警視総監としてははっきりこの委員会の席においてその責任の所在を、あなたのお考えのところを明示してもらいたいと思います。
○江口参考人 先ほども申しましたように、初めから乱闘するつもりで、ああいう服装で参ったのではありません。あれは乱闘服といいますが、われわれの方では作業服と申しております。十二日にはもちろん鉄かぶとをかぶって参りませんでした。現地の予備隊員としては非常に危険を伴うかもしれないから、十二日から鉄かぶとをかぶせてもらいたいというたっての要望がありましたが、しかしまだ実施してみもしないうちから、そういう危険を予想して鉄かぶとをかぶるということは困るといって、われわれはそれを禁じました。十二日出動いたしました結果から見ますと、やはり相当の石が飛んでくる、桑の木の根が飛んでくる、木片が飛んでくるというふうなことで相当負傷いたしました。翌日はやむを得ないと見て鉄かぶとをかぶせたわけであります。それから警棒は持つのがあの服装の際の常装でございます。警棒も初めから抜いてこれで排除せいという趣旨のものではないのでありまして、よほどの場合でなければ警棒は使用しないように留意して参ったわけでございますが、現場の紛争によりまして指揮官が警棒を使用せざるを得ないと考えて、短時間警棒を使用したようなわけでありまして、初めから警棒を使用させるようなことでやったわけではありません。
○茜ケ久保委員 警棒の使用には限度があると思います。警棒はなぐったり、突っついたり、あれを相手のまたぐらに突っ込んでこれでねじ上げたり、そういったことができるものであるかどうか。少くとも十三日の状態はなぐる、突き飛ばす、あるいはまたの下に入れてねじ上げる、こういったようなことでほとんど凶器にひとしいような使用をさせた、これはあとで資料によって明示できると思う。そういったことができるものであるかどうか。あるいはまた当日の状態においてあなたが部下の責任者にそういったことをやってもよろしいという指示をされたかどうか、この二点について伺いたい。
○江口参考人 警棒を常時使用していいということは初めから考えておりません。いざという場合に現地の混乱で、けられたりするので、それを払うというので現地の指揮官の一部が警棒の使用を命じたわけであります。しかし使用の必要がなくなった際には直ちにこれをおさめろということで、おさめさせております。それから警棒の使い方がまたの間に入れたとか突きまくったことがあるというようなことをおっしゃいますが、混乱の際でありますし、あるいは不用意にそういうことがあったかもしれません。この点はもしあったとすれば、はなはだ申しわけないわけでありまして、目下調査中でございますから、それらの事情も十分調べてみたいと思っておりますが、しかし御承知のように、警察官職務執行法では公務執行妨害の悪質なものなどにつきましては武器を使用することができるということさえ認められておるのであります。現行犯逮捕、公務執行妨害者の悪質なものに対しては、警棒も使用する場合があることはやむを得ないことである。かように考えております。
○茜ケ久保委員 こういった点についての具体的な問題は、他の同僚諸君がまだたくさん資料を持っておりますので、それに譲るとして、あなたは十三日のあの混乱状態をどこでいつ聞かれたか。聞いてからどのように処置されたか。自分で現地へ飛んでいって、この重大な段階に対して警視総監として適切な指示をされたかどうか。それについて一つ御説明を願いたいと思います。
○江口参考人 混乱の状態は私は警視庁において聞いております。現地の指揮官がおりまするし、ここにおります警備第一部長の指揮も次々に仰いでやっておりまするし、そのたびに私にも報告がございます。現地の混乱事態を収拾するためには、やはり現地の指揮官が判断するのが一番正しいのではないかと思います。われわれとしましてはしさいにそういう事態が起らないような慎重な態度を持するように、十分に指示はいたしておりましたけれども、現地のああいう事情から混乱に陥ったということはまことに残念でございますが、紛争が起ってから私が現地に飛んでいったところで、これはどうにもならなかったのではないか、かように私は考えております。
○茜ケ久保委員 私はまことにそれは遺憾に思うのであります。あなたが飛んでいって事態の収拾ができる、できないは別として、今あなたは何とおっしゃった。今私が質問すると調査をします、調査するとおっしゃる。これはいずれも一般の官僚の逃げ口上であります。調査する、調査ができないとかおっしゃる、なぜあなたは自分が直接行って、現地で指揮をなさらぬでも、そういう重大な段階に対して、その混乱の実態を目で見て、自分の信頼する部下がどのようなことをやっているか、目でごらんになればはっきりわかる。調査をなさらぬでも自分で現地に行けばわかるのであります。ああいう重大な段階に達している状態において、あなたが警視総監として警視庁におって、ただ部下の一方的な報告だけを聞いて、それで事を解決しようとするのは間違いだと思う。先ほどから言うように、おせじじゃない、あなたは重大な責任を持っていらっしゃる。またあなたを信頼する都民は、安心して暮しができるのであります。その警視総監があのような重大な事態に対して、部下を信頼するのはけっこうです、私は賛成だ。しかし事の重大性にかんがみて総監みずから指揮をしなくとも、現状を見て惨たんたる実態を目で見て、実際にこれをつかんで事後の処置を適当にやることは、私は責任上当然であると思う。私も、あなたはどう答弁されるか知らぬけれども、国民の一人として、国民の代表としてあなたとしては重大な職務怠慢ではなかろうかと思う。私はもう一ぺん聞きたい。あなたはどのような確信を持って、当日安閑としてあの事態の中に警視庁の総監室にすわられておったか。しかも今後の事態を、自分の部下の一方的な報告だけで処理しようとされておる。私どもは絶対承服できない。もう一ぺんお伺いいたしますが、あなたはどのような確信に基いてあの混乱の状態を報告されながら依然として現地に行くことなく、いわゆる警視総監室におすわりになっておったのか、この点をもう一ぺんお伺いしたいと思います。
○江口参考人 混乱の状態と申しますか、それはいわゆる実力を排除する警察官の職務執行に対して公務の執行の妨害がある、その妨害を排除し、それを逮捕するための一つの混乱であるとも認められるわけでございます。ただ目的なしに、無目的に両者がもみ合っているわけではございません。それを逮捕するための職務執行中であるとも考えられるわけであります。従いまして、その職務執行が行われておるならば、それは一応その目的の範囲内のことでございますから、それを特に変更さすという必要は、私はなかったというように考えております。
○茜ケ久保委員 そこに問題があるのです。あなたは職務執行を妨害するとおっしゃる、私は現地におったんです。調達庁の測量隊が測量しております測量は、これは非常にスムーズ――スムーズでもないが、とにかくどうにかやられておる。そして警官隊はあっちこっちにたむろしておる。その周辺に学生諸君や労働組合の諸君が、何ら測量の妨害にもならなければ、警官の諸君の職務を執行する妨害にもならない、隊伍を組んで歌を歌いながら、あのときにはきのうもだれか言ったが「赤トンボ」の歌を、童謡を歌って、ほんとうになごやかな気持で腕を組んでやっておる、そのこと自体は測量にも関係ない、警官の諸君の職務執行にも関係ない。その中にときの声を上げて飛び込んでいって、そうしていわゆる引きずり落す、あるいは泥の中に引っぱり倒す、あるいは突く、こういうことをやっておる。従って私が言いますのは、あなたが直接指揮をなされぬでもいいから、そういう部下の実際の姿を見てほしかったというのです。どういう状態が職務執行か、果してあなたの部下はほんとうに測量を実行するための、やむにやまれぬ職務執行の妨害を排除するためにやったのか、血気にはやって関係のないところで、関係のない諸君にまでも突入して、なぐる、ける、あるいは引き倒すというこの状態を私は見ている。私はそれを申し上げる。私のおった場所もそういう場所である。最後の場面には江口さん、私は、労働者の諸君が腕を組んでやっておった、その前に立っておった。その間に予備隊の諸君がおった。そうして指揮をしたら、その予備隊の諸君が私の方に向っておったのが、しまいにはくるっと向うを向いて、向うのいわゆる腕を組んでいる諸君の中に飛び込んでいった。私はあまり理不尽だから、何をする、危ないじゃないかと言って飛び込んだら、今度は私に向って警棒を押して危ない危ないと言って私を突いて外に出した。それで測量は、その隊列からずっとはるかな百メートルも二百メートルも向うで行われておる、その百メートルも二百メートルも手前の全然関係のない場所に並んでおる組合員、学生の中に飛び込んでいってやっておる、そうしてその泥んこの中に突き倒して、そしておしまいなんだ。そういう状態があなたのおっしゃる職務執行妨害かどうか。そういうことがありますから、私が先ほど言うように、警視総監が直接現地においでになってその状態をごらんになったら、私どもの言うこともはっきりわかってもらえると思うし、あなたの部下があなたの訓示を受け、あるいはきのうの石井君のお話では、詳細なる服務規律を書いた文書を渡したとおっしゃるけれども、もらった予備隊の諸君が、その文書なりあなたの訓示なりをどう解釈したかわかりませんけれども、現実にはそのような状態を起している。しかも私がここで言うだけでなく、あなたも新聞をごらんになったでしょう、ラジオも聞き、テレビも見たでしょう、まのあたりにあなたは見たはずだ。素手の労組員や学生が、今言うように武器を持った警官にやられておるこの姿、従って今私が言っておるのは、あなたは職務執行ということを盛んにおっしゃるけれども、職務執行の限界を越えたそういういろいろな争いがあったということを、私はこの目で見ておるから、先ほどあなたが直接指揮をおとりにならぬでも、ああいう混乱の状態においては飛んでいって現場を見て、現場の状態を把握する必要があったのではないか、こう言っているのであります。いかがでしょう。
○江口参考人 茜ケ久保さんのお話は私も同感の点もございます。ただし、ああいう混乱の際に私があそこへ行って、なぜ現地に行って事実を見ないかと言われれば、それは見た方が、今から言いますればよかったと思います。しかしああいう混乱の際に出かけて行っても、ずっと以前からの状態を詳しく知っている現地の指揮官こそ、最もよい判断を下し得るものではないかと私は考えております。
 それから今行き過ぎがあったということは、確かに私も行き過ぎがありはしなかったかということを非常に心配しております。いろいろな態様があるわけでありますが、今、おっしゃったのは、あるいは道路交通の妨害が行われておったのではないでしょうか。それが職務執行の妨害の態様の場合もございますが、道路に多数蝟集してそこが通りにくくなっているような場合には、そこをのいてもらいたいということで、どうしてもその制止をきかなければ、実力でその道路の警戒に当るということではなかったかと思います。
○茜ケ久保委員 それは私言うまいと思ったのですが、交通妨害とおっしゃって逃げられようとされるから言いますが、その現場は基地の鉄線のところから畑の中なのです。だから私が何べんも言うのは、現場を見てもらいたい。あなたとしては警視総監という一つの職責上、私どものこういう質問に対して無条件に頭を下げるわけにはいかぬでありましょう。しかしすぐ何か事を構えて、逃げ口上を言う。それはいかぬと思う。悪いと思ったらあやまればいいと思うのだ。それは人間ですから、誤まりはある。あやまればいいのだ。何千という部下がやっておるのだから、中にはないとはいえません。私自身も決してあやまちがないとは言わない。それを何とか理屈をつけて弁解されるのはいかぬと思う。しかしそれはそれでいいでしょう。
 こういった意味で、もう一点伺いたいのは、あなたは予備隊という二千数百名のものを持っていらっしゃる。いわゆる各警察に配属されない、ほとんど一升飯を食って、柔道、剣道あるいはわら人形を相手に突いたり、けったりするような、私どもの言葉でいえば乱闘の練習をするような諸君を養っておられるが、私はそのこと自体がおかしいと思う。私が言わぬでも、警察官は日本人の税金で、日本人の生命財産を守る職務を持っておる。この諸君が一般の大衆と常日ごろ接触しない状態が私はおかしいと思う。どこか別な、自衛隊のような状態に置いておいて、一般都民の生活と関係なく、別個に置いておいて、何か事があった場合にこれを何か力をもって鎮圧するようなことしか考えていない。そこに都民との間に非常に人間的な垣根があると私は思う。同じ警官でもいわゆる制服制帽の交番や白バイの諸君とは感じが違う。あれなどは非常に親しみを持っている。それは民衆と常に接触しているからです。ところが予備隊は今言ったようにまるで乱闘要員といった格好だ。これでは民衆を守る立場ではなくて、常に国家権力の行使に対する奉仕しかできないと思う。現に予備隊のやっておる仕事は民衆の保護よりも、国家権力の行使の走狗になっておると思う。私は先般もあなたに申し上げたが、それが戸塚事件のようなことを起し、また今度のような事件になる。今度の場合でも、もしあの諸君が常に都民諸君と接触している警官だったならば、同じ警棒を持っても、警棒の使い方が違うと思う。鉄かぶとの使い方が違うと思う。あなた方は予備隊というものをそうならせておる。これは今後の問題だけれども、今度の問題を契機として、あの予備隊に対して根本的な検討を加えて――ああいう状態を今後も継続しておく意思であるか。今度のような事件を契機に徹底的な自己批判をして、今後あれに対して相当思い切った処置をされるお考えがないか、この点を一つ伺いたい。
○江口参考人 予備隊の教養の仕方等についての御意見だと思いますが、予備隊は御承知のように一番多かったときには三千数百名おりました。終戦直後の非常な混乱期にああいう制度を設けたわけであります。今ではそれほどの必要もなく、二千三百名かに減っております。ですからいろいろな事情によっては、あるいは将来もっと減ることがあるかもしれません。あるいはまた将来もっと減ることがあるかもしれません。あるいはまた社会情勢によりましては、場合によってはまたふやさなければいかぬようなときがあるかもしれませんが、私どもは今ふやそうという気持は持っておりません。
 それから民衆と接触していないから、いろいろな問題が起るのだというお話しでございますが、この点は私になりましてからも十分考慮を払いまして大体二年くらいで交替させる。そうして常時警邏に出すとか、あるいは群集の整理に当らせるとか、あるいは花火とか野球とかいろいろ催しものが、ございますが、そういうところに出て警備をさせるというようなことで、できるだけ普通の警察業務を手伝わせる、それが結局民衆警察官に近づくことにもなりはせぬだろうか、ほんとうにあなたの言われるように予備隊としてカン詰にしておいて、そこで予備隊だけの訓練をするということは、警察官のほんとうの――今おっしゃるようにいわゆる群集に接するという点については、将来はもっと工合よくいけるような勤務の状態を今後も考慮していきたい、かように考えております。
○茜ケ久保委員 私は幾たびか総監とこういう席で相まみえておりますが、総監の個人的なことについては何ら容喙するものではありませんけれども、先般の戸塚事件による予備隊の暴行の処置について、あのとき総監に、あなたは部下の処置はされたようであるが、あなた自身辞表をお出しになる御意思はないかとお尋ね申し上げた。あれはあれとして今度のこの砂川事件については、最高幹部が相当一身上の進退を考慮すべきではないかと思う。現地のいろいろな具体的な事例が出ますが、これは何と弁解されても今度の問題で警察当局は逃げることはできないことだと思う。これはどんなに口で言われても、具体的な事例によって警察官の暴行、あるいは傷害事件がれっきとしておる。しかも集団的、計画的に行われた。こういった状態を引き起したこと自体に対して、警視総監として当然国民の前に都民の前にみずから慎しんで謝するべきでないか。これは今後の日本の警察行政には大きな暗影を投げると思う。国民の警察に対する信頼が非常な動揺を来たしておると思う。アメリカの占領下みたいな状態の中で、警察官の行為なり国民に対する態度は非常に重大である。そういった中で十三日に起ったあの状態というものは、日本の警察史上かつてない汚点だと思う。それを起した今日、警視総監としては、私はあなた個人に対してはどうこうはないとしても、日本の治安を確保し、日本の全警察官が、治安をおまかせするに足る、国民の信頼感を得るためには、やはり一身の毀誉褒貶を越えて、警視総監みずからがあの事件の責任を負って、当然ここで国民の前に謝し、辞表を提出して、みずからその任を去ることこそが最も適切かつ妥当なことと思うが、総監の所信を伺いたいと思う。
○江口参考人 責任者としてこういう事件を起したことは言ことに相済まぬと思っております。もう少しいいやり方がなかったものかということを、今も反省いたしております。私自身の責任の問題でございますが、これは私の任命権者が考えることでございましょうし、私としても心の中で考えることで、外部に何もそのすべてを公表するほどの問題ではない、かように考えております。
○茜ケ久保委員 ではその言葉を信頼して私は質問を打ち切りますが、私は最後にぜひ要望しますことは、警視総監みずからも、さらに部下の担当の諸君も、こういった点についてよほど一つ戒慎あるいは反省されまして、今後の日本の治安維持のためにどうか幸いする結果が出るような処置をとっていただきたい。こういうことを要望して私の質問を終ります。
○大矢委員長 坂本泰良君。
 なお警視庁警備第一部長藤本好雄君が出席されております。
○坂本委員 私は砂川における暴行事件について簡明に聞きますから、率直に御答弁を願いたいと思うのです。
 最初に聞いておきたいことは、今回の砂川における事件について警察官が出動した。この出動の要請はいつ受けて、どういう要請を受けておられるか、この点をお伺いいたします。
○江口参考人 出動要請と申しますのは調達庁からのことでありますか、あるいは警察内部の問題でございましょうか。調達庁からは、八日の日に書面が東京調達局長から藤本警備第一部長に参っております。それでよろしゅうございますか。
○坂本委員 九日の閣議後に閣僚懇談会が持たれて、十六日に測量を完了することを再確認し、さらに十日の午前に政府側の船田長官以下四名の会談で、測量強行を再確認しているのですが、かような点からいたしまして政府から要請を受けたことがあるかどうか、その点。
○江口参考人 そういう中央の会議には、われわれは第一線機関でございますから、一向に出席いたしておりませんし、その会議の結果をもって、私どもの方に特別の指示があったというようなこともございません。
○坂本委員 そうしますと政府から全然指示がない。ただ八日の調達局長から藤本部長に対する書面の要請だけであの十二日、十三日の出動をされたかどうか、もう一ぺん確認しておきたい。
○江口参考人 私はこれは新聞や何かで承知いたしたのでありますが、政府の方針はすべて東京調達局長にまかしてあるということをしばしば聞いておりますので、東京調達局長の藤本警備第一部長に対する要請書は政府の要請書であろう、かように考えております。しかしながらその要請があったからといって、直ちに警察が出る決心をしたわけでは決してございません。警察が出るには出る警察自身の理由がなくてはこっちは出られないと思います。従いまして四日以後測量が行われ、八日に調達庁の要請がありましたけれども、私どもはまだ警察の出動すべき場合でない、違法状態が累積しつつあるけれども、まだ出動すべき時期ではない。警察独自の判断で十二日から出動を決したのでありまして、その出動と調達庁の要請との間には関係はございません。
○坂本委員 われわれ客観的いろいろの情勢から見ますと、警察はいつも独自の判断でやる、われわれも警視総監自身に会いまして、その際にも警察独自の判断でやる、こういうことを言われてきた。それから昨年の砂川の問題を考えると、警察が測量の手伝いをした。いわゆる調達庁のサーバントみたような状態だから、そういうことをやっちゃ困ると言えば、その出動には慎重にやる、こういうことを言ったのです。ところが十二日、十三日のあの具体的な問題を見ますと、出動を慎重にやるとかあるいは独自の判断でやるというのはまるきりうそであって、政府のこの九日、十日の測量強行の確認の問題からいけば、これは政府は問答無用でやっつけろ、測量を強行してやらせろ、学生、組合その他社会党がやつているのは全部排除して、問答無用でやっつけろ、こういうふうに見受けるのです。何ら警察独自の判断でやったと思えないのですが、何かそういう独自の判断でやったという説明があなたできますか。ただ独自の判断ですか。具体的に独自の判断でやったということの説明ができるのですか。
○江口参考人 独自の判断でやりました。ただし独自の判断あるいは警視庁の自主的な判断と申しましても、これが独善的であってはならぬことは当然のことであります。従いましてその現場の状態あるいはこれに対する法律解釈の問題、あるいはこれに対する警備実施の関係等につきましては警察庁と連絡をとわ、あるいはまた法規解釈等につきましては検察庁の意見も伺って警視庁みずから判断して、出動したわけでございます。
○坂本委員 そうすると、警視庁は事前には、大部隊が出動するとか、あるいは警官の出動はやむを得ないとかということを記者団に発表するし、新聞にも大々的に掲げて、そうして反対者に対する威嚇行為をやる。そういうことをやって、さらに十二日の夜は警視庁の藤本警備第一部長並びに野田二部長が第八方面本部にかけつけて、相手か意外に強い抵抗を見せる以上は断じてやるのだ、そのために負傷者が出てもやる、こういうことを発表しておられるのですが、その点はどうですか。
○藤本参考人 十二日現地で警察官が出動いたしまして、両方に相当の被害か出たという状況がございましたので、その晩私現地に行きまして、いろいろ実情等も聞いたのであります。そりときの実情を簡単に申し上げますと、警察といたしましてはできるだけ事故を避けるという方針で臨んだのでございまして、そのために当日は、普通警察官、予備隊出動の場合に被害予防のために鉄帽をかぶるのでございますが、特に現地におきましては、現地のいろいろの情勢から鉄帽をやはりかぶって出ないと非常に危険だと思うという話があったのでございますが、しかし激突を避けて事故を防ぐという見地から、総監の命によりまして鉄帽はかぶらせないという方針で出動したわけでございます。ところが当日現場に臨みますと思わざる非常な反撃を受けたのでございまして、多数の石が飛んでくる、棒が飛んでくる、なぐる、けるというような反撃もありまして、意外の負傷が警察官に出たわけでございます。そういう状況を判断いたしまして、次の日に出動いたします場合におきましては、こういうような危険な状態であればやはり予備隊も鉄帽をかぶらせなければ危害予防上適当でない、こういうように判断いたしまして鉄帽をかぶることにいたしたのでございます。
 なおその際に、どんな事故ができてもやるのだ、こういうふうに言ったというお話でございますが、そういうふうに申したことはないのでございまして、われわれはそういうふうに鉄帽をかぶって出ましても、事故はあくまでできるだけ防止していかなければならぬということで、その際の会議の席上におきましても、次の日の出動においても、やはり当初の慎重な方針で、事故を起さないという基本的な考え方で臨むように指示して参ったのでございます。
○坂本委員 十二日に意外な負傷ができたというのは、しかし警察官より反対者の方がよけいに出ているでしょう。それに警察官は鉄帽をかぶって危険を避けるというなら、十三日には鉄帽で突っ込んで、そうしてこん棒でなぐる。ける、そういうようなことをして負傷者が出ても断固やるのだ、こういう強い決意であなたたちがやったというなら――警察官が鉄帽で突っ込んで負傷者が八百人以上も出たのですが、そういうのはもう予知されたのですね。警察官が突っ込んでそうして負傷者を出すというようなことを、あなたは予知してそういうことをされたのですか。相手は無抵抗ですよ。無装備ですよ。それに対して警察官だけが鉄帽もかぶり、こん俸、警防を持って突っ込んでやるならば、どうせ被害が起ることはわかっているでしょう。そういう点をあなたは予知してやられたのですか。
○藤本参考人 十二日の警官の出動の場合は先ほど申し上げましたが、警察官があの場合出動いたしましたのは、調達庁の法律による正当な行為が、多数の力によって不法に妨害されておるという現状でございますので、そういう不法な状態を排除するため、警察官は当然の職務執行として出たわけでございます。それが思わざる反撃を受けてしまって、今お話を聞きますと、反対同盟の方ではただスクラムを組んで、何ら反撃に出たことはない、こういうお話でございますが、しかし当日のわれわれが現場で報告を受けたことによりますと、さようなものではなくて、非常に後方の方から卑怯なやり方でどんどん投石をしてくる。また木が飛んでくる。桑の根っ子が飛んでくる。非常な反撃があった。そのためにこぶし大の石が目のところに当りまして負傷をした警察官もございます。その石は証拠にとってございます。そういう状況でございまして、当然の職務執行をやる警察官が、その職務執行に出まする場合に、そういう反撃があるということが予想される場合に、それを防ぐ装備をするということは私は当然である、かように考えまして、鉄かぶとをかぶって出るということを認めたような次第でございます。
○坂本委員 いやそこが問題ですよ。いいですか。十二日はあの反対者の中には二百名以上の私服の警官もいたし、また警察のスパイ的なものも入っていたと思う。だから挑発させて、とにかく反対者の方では挑発に乗るな、乗るなといって、負傷者も出たけれども、そういうのを隠して、ずっと一日から挑発に乗らずにやってきた。それを挑発に乗せるために石を投げる。それから桑の株を投げるというのは、これはほんとうの反対者の中からではないと思う。いいですか。その証拠には、十三日のあの混乱の中には、石を投げたり株を投げたりした者は一人もいない。十三日は私服の警官も、それから組合員以外の者も全部排除して、ほんとうの反対者だけ、学生も農民もそれから労働者も全部服装から、組合員はその所属から調べてそれ以外の者は全部排除してしまった。だから十三日はあれだけの混乱が起きたのに、石のかけら一つ投げた者がいない、桑の株一つ投げた者がいない。なぜか。それはいよいよ十三日強行しようというそういう腹があったから、あなた方の策動で、あるいは調達庁の策動でそういうことをやって、十三日の強行の理由をつけたとわれわれは考える。さらに測量隊は、最初から測量する意思はなかったんだ。だから社会党の国会議員団の行動を丹念にメモしたり、それからそういうのをカメラにとったり、それから報道陣の車を調べる、こういうようなふうで、測量隊は一日に一回か二回は出てくるけれども、測量する気はない。挑発行為をして、そして警察権の発動をまってやろうという考えでやっていた。だからあなたたちは、警察側は慎重論だなんていってもそういうふうで、大体測量隊の側において、自分たちがみずから話し合いをして、そうしてそこにうまく円満に測量しようという気はない。最初から挑発的で、何とか反対者の挑発を重ね重ねて、そうしてやむを得ずやったという理屈をつくるためにやった。十二日にいよいよ警察官が出て、そこで衝突したから石を投げる、株を投げる。これは挑発行為なんだ。というのは、十三日にそういう挑発行為が一つも出ていない。これから実証的に考えて言えるわけなんです。だから石を投げたり、株を投げたからやむを得ず出動したということは言えないと思う。その点はどうです。
○藤本参考人 私服の警察官などが相子方の中に入っておって、それが予備隊に向って石を投げ、株をほうってこれを挑発した、こういうお話でございますが、かようなことは私どもとしてはとうてい考えられません。これは私は警察官の中にさようなことをする者は一人もないということを、はっきり申し上げることができると思います。ただ十三日の場合におきまして私の方でキャッチいたしましたところによりますと、相手方の方の宣伝カーの放送の中に、きのうは石を投げたので、相手方は非常に興奮しておるから、きょうは石などを投げないようにしようという放送がされておるのを聞いたのでございます。しかし十三日にはそういうことは全然なかったかと申しますと、これは私どもの聞いておる報告によりますと、十三日も非常に激しい抵抗の場所におきましては、やはり木の株を投げたり、石を投げたり、土を投げたり、相当そういう激しい行動があったということを聞いておるのでございます。
○坂本委員 これは認めるわけにはいかぬでしょう。しかしわれわれは十二日と十三日のもの状態を見て判断してそうなるのです。だから十三日は十二日のようなことは一切ないようにするために、私服の警官も排除するし、それから組合にしても組合員、反対同盟にしても反対同盟の人、社会党は社会党、すべてをちゃんと氏名をはっきりしてそうしてほかの者を全部排除ししまった。だからそういう事実がない。十二日はこれは最初からそういう計画があったから、そういうことをやったのだ。しかしながらそれに対してそうありましたとあなたの立場で言ないでしょう。
 そこで総監にもう一つ聞きたいのは、調達庁は去年の実例にかんがみて、もう警察官が来て、そうして警察官のお手伝いによってやった方が楽だか、一日からだんだん積み重ねて、そうしてそういうような挑発行為をやって、そうしてやむを得ずやらなければならぬというような情勢を作ってやる。これは最初からの警察力を伴うて測量をやろうという計画のようにわれわれは認識しているのですが、そういう点について警視総監は都民の自治警察としてその点の認識はなかったですか。
○江口参考人 調達庁自体としてはあるいは去年の例から考えて、四日から測量を始めましたが、最初から妨害行為が予想されるので、警察官に出てほしいという気持は持っておったようでございますが、しかしわれわれとしましてはとにかく警察が出る場合には警察自体の判断で、警察力を使用しなければならぬというような事態に立ち至らなければ出ない。最初から調達庁のサーバントのような仕事をするのはごめんだということで、ずっと来ておったのでございます。しかし先ほども申し上げますように、四日から測量が行上れてみますると、道路の交通妨害かあり、あるいは話し合おう、話し合おうということで軽犯罪法違反があり、あるいは公安条例違反があり、それが積み重なってくるわけでございます。これも当初の間はまあ多少はやむを得ないかと思っておりましたが、やはり頻度というものが違法性を強くする一つの理由になろうかとも思います。十二日の間にその頻度が相当高まってきておりますし、四日と十日には測量隊が負傷しております。さらに地元においては条件派というか、協力派の方では非常な不安と恐怖をいだいて、協力派の方の商売をやっておる家では協力派の家の物は買うなという運動が起る。それから協力派の家の方にはピケ隊のような者が常に動いておる。非常に気味悪がっておる。あるいは条件派の主婦がなぐられ、あるいは子供が通ればあれは条件派の子供だから通すなということで非常に条件派の人が気にしまして、何とかして警察力を発動してほしいという要望もございます。さらには十六日までに測量を打ち切ろうという調達庁の方針、政府の方針と申しますか、それから逆算してみますと、雨が降る場合も考えなければならぬ。十二日からどんな障害を排除してでも測量しなければ間に合わないという強い決意を調達庁の方ではしたわけでございます。強い決意が出れば出るほど現地における妨害もひどくなるであろうという、いろいろな理由から十二日はどうしても違法の取締りのために警察官を出さなければならないという独自の判断をして出したわけでありまして、しばしば申し上げましたように調達庁とぐるになって、その言いなりほうだいに動いたのでは決してございません。
○坂本委員 そこで調達庁だけの援護をするという点について、警察はもっと公平に考えなかったか。これは十六日までに測量を終ったところが町長の職務執行の訴訟が出ておる。その訴訟がすでに三カ月経過しておる。あと六カ月かかるか、一年かかるかわからない。だから六カ月か一年先にならなければわからないのに、どうして十六日までに強行する必要があるか。それをやはり政府が十六日までにやると決定しているから、それに従えという調達局からの要求があったから、それに従ったということになる。警察はやはり政府の一つの機関であるからそれのサーバント、お先棒を努めたにすぎない。警察はあなた方がいつも言うように公平に取扱わなければならぬ。事犯には携わらなければならぬ。事犯を防止するためには何も十六日までにやる必要はない。六カ月、一年先になるかもわからない。だからその際に私は十二日の委員会で警察庁の方にも言うておる。その際にはこの測量を延期したらどうか。一千人の負傷者を出すよりその方が私はいいと思う。そういうような判断は、あなたは都民の警察の警視総監として考えなかったですか。考えずにただ調達局が言うから調達局の方針に従って千人も負傷しても、それを排除してどんどんやれやれ、そういう方針だったのですか。
○江口参考人 どうして砂川の基地を測量しなければならないのか、あるいはその測量を十六日までに終らさなければならないのかという判断は警察ではつけかねます。ただ警察は先ほど申しますように、四日から測量が行われて見たところが、非常に違反が積み重なってくるので取り締らなければならぬ。それが先ほど申しましたようないろいろなほかの理由も合わさって十二日にいよいよ警察力を出動しなければならないという判断で十二日から出動したわけであります。
○坂本委員 その点は調達局の言い分だけでなくて社会党も淺沼書記長を代表として再三政府に交渉しているじゃないか。さらに十二日には船田長官に面会する機会もあったわけです。そういうことは考えずに、調達局から要請があったからその通りやる。それだから調達局のサーバントになるわけでしょう。調達局は企業者ですよ。政府の役人であるけれども企業者です。憲法に保障された所有権を剥奪される者とは対等の立場でしょう。それをあなた方は調達局の測量を強行させなければならぬということはないでしょう。また客観的にも十六日までにやらぬでも半年か一年先にならなければ収用委員会はできない状態です。そういう判断は全然なしにやったということになれば、やはり政府の方針に盲従した。調達局の要望に忠実に尽した。そして一千名の負傷者を出したということになるのですが、その点どうですか。
○江口参考人 調達庁からの要請は、八日にあったことは申し上げました。これは政府の話によりますれば、警察官の要請をするしないということは調達庁にまかしてある。従ってわれわれ政府の決意が変ったということは、調達庁から聞かなければわれわれにはわからないわけであります。先ほど申しますように、直接政府の中枢部から警察に対して指示命令権はございませんから、従って調達庁から測量をこういうふうに変えたという回答でもありますれば、それによって警察官は出なかったりする場合もあり得たでございましょう。もちろん淺沼さんにもしばしば会っております。政府とこれから交渉して中止をさせるからということをしばしばおっしゃいます。十二日夜も石井警察庁長官から十二時、ごろ私の方に電話がございまして朝九時まで出動するな、それまでの間に社会党としては政府と測量について話をきめるからというわけで実は延期しておった。しかしわれわれの立場としては、正式に申し上げますれば、調達庁から測量はやめるからということにならなければ、その測量に対して違法が出る以上やらざるを得ないということになるわけでございまして、その点は御了承願います。
○坂本委員 次に当日十三日――十二日もそうですが、ことに十三日は鉄かぶとでなぐり込みをした、ここにサンという新聞があるのですが、この写真を見ただけでもはっきりわかると思うのですが、鉄かぶととか警棒なんかはやはり防御のものでしょう。これは防御的のものでなければならない。ところが十三日は攻撃力に転向した。攻撃兵器に転用されておる。そして勇猛な警察官として昔の特攻隊みたいなことをやってそして一千名の負傷者を出しておるわけでしょう。新聞なんかでは、これは暴徒的な行為だ、警察官は暴徒化したというようなことが出ておるのですが、あなたはその結果を見て、そういう点についてはどう考えるのですか。
○江口参考人 サンの写真が問題になっておるようでございますが、私どもがそれを見ましたところでは、それは現行犯を逮捕しておる場合の写真だと自分は考えておる次第でございます。
 それから警棒は防衛の武器ではないかとおっしゃいますが、しかしこれは現行犯を逮捕するような場合、あるいは悪質な犯罪などの場合におきましては、逃亡する被疑者を逮捕するために武器を使用することもできることになっておりますから、警棒を用いて被疑者を逮捕するということはあり得ます。その場合は防御でなくてあるいは犯人逮捕のための攻撃の武器として使われることになるかもしれません。
 鉄かぶとの点につきましては、確かにもみ合いになった場合にけがをする事例が非常に多いということを、前から考えてはおったのでありますが、今度も相当の負傷者を出しております。鉄かぶとという装備については、今回の警備実施上から見て将来は多少考えなければなるまいかと、実は私ども判断しておる次第でございまして、攻撃的に鉄かぶとを使ったというのではありませんが、鉄かぶとによる負傷者が出たということは私どもも存じておりますので、この点については改良方針を考えてみたいと思っております。
○北山委員 今、警棒を使う場合、特に悪質な犯罪の予防のためには使えるというお話ですが、悪質な犯罪というのは、今回のような道路交通取締りとかあるいは公務執行妨害とかあるいは公安条例――そういうときに危害を加えるおそれのあるような使い方をしていいのですか。悪質な犯罪とは一体何ですか。
○江口参考人 警察官職務執行法の七条は御承知の通りだと思います。これには死刑とか無期とかいろいろ書いておりますが、長期三年以上の刑に当る罪の容疑者を逮捕する場合、あるいは逃走せんとする者を助けようとする者に対しては、武器を使用してよろしいということになっております。武器を使用してよろしいということは、警察官職務執行法の武器は拳銃がおもでございますが、拳銃を使用してもよろしいということも規定されております。拳銃は持って出ないのを原則にしておりましたから、そういう場合の武器にかわるものとして警棒を使用する場合も当然認められる、かように考えております。
○北山委員 しかしその場合でも、やはりこれは人命あるいは身体とか財産に危険のあるような場合、そういうような場合に、僕は職務執行法の第五条とか、あるいは執行法の第一条ですか、そういうふうな限定があると思うのです。だから、危害を加えてもいい、三年以上の場合に該当するからやってもいいというようなことにはならない。それからこの場合でも、公務執行妨害というのだけれども、これは暴行だとか、脅迫だとか、そういうものが明らかに伴うようなものでなければならぬので、無抵抗で道路にすわり込んでおるとか、スクラムを組んでおるという場合には、私は明らかな公務執行妨害であったかどうか、これははっきり言えぬと思う。そういうものを棒をもって危害を加えてもいいというようなやり方で、そういう考え方でやるから、ああいう事態が起る。私は一言伺いたいのですが、そういう行き過ぎがあるかどうか調査してみるというような話をしておりますが、一体総監は今度の事件について新聞やラジオやニュース、あるいはテレビというようなもので報道されておる、現地の警官が打つ、なぐる、ける、突く、髪をむしるというようなことをやったという、あらゆる報道がありますが、あれを否認されるのですか。調べなければこれは承認できないのですか。あの事態を認めない、こういうのですか。認めるのですか。どっちなんです。
○江口参考人 あるいは新聞で書かれておるような事項、あるいは皆さんから指摘されておるような事項がありはしないかということを心配しております。今調査しておりますが、その調査の結果、果して今申し上げました警棒を使用して差しつかえない限度で使用したものか、あるいはその限度を越したものか、あるいは何予備隊のだれであったか――ただ新聞でそう報ぜられ、皆様からそう言われるから、だれかを罰しなければならぬ、こういう態度ではやはり処分上困るわけでございまして、詳細に調査しました上で、どういう事項に該当して不穏当だから処分するということがきまるのでございまして、そのためにはもう少し時日をかしていただきたい、かように考えております。
○纐纈委員 関連して……。先ほど総監の御答弁の中に、十三日の警察の出動を九時まで延期したというお話があったのでありますが、前日十二日の事件にかんがみまして、おそらく警察としても十三日に対してはいろいろな検討をなすったと思うのであります。承わりますれば、十三日は相当早朝に出動して、そうしてできるだけ摩擦を排除してやりたいというようなお考えだったようなふうに私は漏れ承わっておるのでありますが、それを延ばされた。そのために反対運動の方が非常に多くなって、ああいう事態を起したようになった一つの原因があるのじゃないかというふうにも考えるのでありますが、その出動を延期されましたその辺のいきさつについてどういう判断のもとに警視総監が出動を延期されたか、その点についてお伺いいたします。
○江口参考人 先ほどもしばしば申し上げますように、警察が出動する大義名分が成り立たない間に、いかに、たとい調達庁から要請があっても、それは出るべきでないということは申し上げました。ところが十二日のような事件を引き起しました以上は、十三日におきましては、そういう事件が起るであろうことが必至でありますので、まだ測量班が出ていない場合でも、あるいは妨害者がまだその現地に集まっていない場合でも、予防のために早朝より予備隊をそこに配置するということは、私はできたことだと考えております。十二日まではそれは避けた方がいいと思いましたが、十二日の事例を見まして、十三日にはできるだけ激突を避けるために、早期に手を打つということが必要であろうと実は考えておりました。早朝には現地に予備隊を派遣するつもりでおったのであります。しかしながら、先ほど申しましたように、その目の十二時ごろになって警察庁長官から、ただいま加藤勘十さんと横路さんの二人が私のところに見えている、そうして今夜からあすの朝にかけて政府に対して努力する、その手が打たれればこれに越したことはない、警察としては出なくても済むから、こんなありがたいことはない、そういう最後の努力をするからということを二人で話をしておるから、あす早朝出ようという計画も九時まで待ってくれ、こういう話でございました。石井警察庁長官としても、朝九時まで待って、測量が中止になるとか延期になって、そのために警察が出なくても済むということになれば、警察としてもありがたいことになるから、最後のあれとして九時まで待つことにしようじゃないか、こういう話でございましたので、待ったのでございますが、結局話し合いはできなかったのでございます。しかも九時ごろには現地に非常な雨が降りまして、出動も結局午後になるというような事態になったわけでございます。九時まで待ったいきさつはそういうことでございますので、御了承願います。
○纐纈委員 そのときまで社会党の方は何とかまとめるとか折衝するということで、お述べになったように承わったのでありますが、社会党の方たちはどういう程度までそれを努力されて、その結果はどういうふうでありましたかという点については、総監の方にはどういう報告を受けておりますか。私はどうも考えますのに、それが非常におくれたということによって、あの目の事態が一そう混乱に陥ったのではないか、もう少し早く予定通り行かれたならば、私はおそらくああいった事件にならずに済んだのではないかと思います。どうも社会党の方はただ引き延ばすためにそういうことを申し出られたのではないかというふうにも疑いを持つわけでありますが、警視総監のお考えを伺いたい。
○江口参考人 その十二日の十二時ごろから朝九時まで、加藤、横路その他の社会党の幹部が政府に対してどういう折衝をなさいましたか、私は聞いておりません。また私の立場としてそういう中央の政治向きのことについてはタッチすべきでないと考えております。
 それから早朝に出ておればあの事態はあんなにまでにならなかったのではないかという纐纈さんのような御意見のあることも、私は承知いたしております。
○西村(力)委員 関連してお聞きしたいのですが、先ほど調達庁からの正式要請は八日にあった、こういうことでございますが、九月三十日か二十九日に第一回の警察に対する申し入れ的あいさつがあったと思うのですが、その場合の相互の話し合いはどういうぐあいになったか、これを隠さずに言ってもらいたい。
○江口参考人 九月三十日に何か調達庁から警視庁に申し出があったということでございますが、私はそれは聞いておりません。あるいは事務の方で測量がこれから始まるからというふうな連絡ぐらいはあったかもしれませんが、警察の出動を要請するなどということは、その時分にはまだなかったろう、かように考えます。
○西村(力)委員 それでは調達庁の事前あいさつを受け取ったのは、どなたがどういうあいさつをされて、どういう返答をされたか、明確にしてもらいたい。
○藤本参考人 お尋ねの点につきましては、日にちは今はっきり覚えておりませんが、やはり、三十日ごろであったかと思います。調達庁から事務的にこういう測量をやるという御連絡はございました。
○西村(力)委員 そのときはだれが来たのですか。
○藤本参考人 東京調達局の矢崎次長と、それから河崎東京調達局長です。
○西村(力)委員 矢崎対策本部長はそのときは退職しているはずだと思いますが、いかがですか。
○藤本参考人 矢崎対策本部長が退職する前でございます。三十日ごろであったと確かに思っております。
○西村(力)委員 次に、予防措置が累積したということ、そのために警察権を発動したと言いますが、立川の署長に対して私が実際にお尋ねした件についての回答がありませんで、その点については総監から一つはっきり答弁してもらいたい。
 それは、署長は私たちが測量班と折衝中に入ってきました。その場合に折衝の様子をしばらく聞いておって入ったんではなく、向うからどやどやと入って参りましたが、そうして第一番目に、この状態は交通妨害になるから直ちにやめてもらいたいという申し入れがありました。私たちはそういう通さないということを言っているのじゃない。今話し合いの中心は何であるかというと、あなた方は国家の公務員として測量をする、法律的根拠に基いてやるのだと言うが、私たちとしてもあなた方にぜひ聞かなければならぬことがある。結局今憲法なら憲法に保障されている私権というものが侵されようとしているので、それを侵す法律的な立場を明確にしてもらいたいという話し合いが中心であった。調達庁は土地収用法の第四十条の協議通告書を送った。協議ということは話し合いということである。そして一方において強制測量をやる。そういう矛盾した立場が両立するというその法律根拠を示してもらいたい、こういう話し合いをしておったんです。そんなことはおれは知らぬ、とにかく道路交通妨害になるからこれをやめてもらいたい、これだけなんです。こういうことなんです。で、私は署長に聞きました。あなたはきょうは制服を着て参っておりますので、警察官だということはよくわかる。しかしたとい制服を着ておっても、もし私を逮捕するとするならば、あなたはどなたですかと聞く権利があるかと言うと、それはあると言う。それじゃ逮捕する理由なり証拠書類なりの提示を求める、これは私の権利として認められているかと言うと、それは認められていると言う、それでは同じように国家の職員が公務執行の場合において、国民である被収用者が権利としてその強制測量の法律的立場を明示することを求めることは違法であるかどうか、こう言ったところが、そういうことは知らぬ、こういうことで、とにかくやめてもらいたい。それから、現われている現象は交通妨害に見えるでしょうけれども、今の会談の内容は、私権と国家の権利、公権とが対等な立場で話し合いをしておるのだ、交通妨害なんという問題にそれを規定づけるのはいけないことだ、私たちがそういう工合に測量班に対して、法律根拠を示せと言うことは権利として認められないかと言ったが、それに対する返答はなく、とにかく警告する。警告は一応お受けしましよう、しかし私たちが国民の権利として要求することに、はっきり答弁をしてもらいたい。それに対しては何ら答弁なく、とにかくあなた方は警告を聞かないかと言って引き揚げたんですが、総監はどうでしょう、そういう国民の権利は確保されなければならないということを認められませんか。そうでなければ、やっぱり私権の上に国家の権利が優先するという形になる。警察の立場は初めから、国の立場こそ正しいんである、優先するんだという立場をとってわれわれに向ってきておる。これじゃ警察の基本的立場は民主主義の基底というものを全然踏みにじっている、こう言わざるを得ない。その点について一つはっきり総監の答弁を願いたい。
○江口参考人 西村さんのお話ですが、調達庁の職員に法の解釈を尋ねておるのだ、それは正当な理由じゃないかとおっしゃいます。確かにそういう理由は成り立つかもしれません。何かみずから行為に出ようとする者にはみなそれに理由があるわけでございます。しかしながら、それが警察の目から見まして道路交通の違反になっておるとか、あるいは軽犯罪法の違反になっておる場合には、やはりその見地から、取締りを行う場合には取り締らざるを得ないのでございます。つまりその裏には、いかなる事件でもそうでございますが、たとえば行政問題が横たわっておる、訴訟問題が横たわっておる、あるいは民事事件が前提になっておる、それはお互いにいろいろ理由はございましょう。しかし警察の目から見ました場合に、それが特定の法律に違反しておる行為があるというときは、あまり政治的に物事を考えたりしないで、警察は現象を追って取締りに出るか出ないかをきめる、これの方がむしろ警察としては単純ではないか。単純とおっしゃられますけれども、私は単純の方がいいのではないか、むしろ根本にさかのぼって、測量することがいいかどうかまで、われわれが考えるべきではないと思います。もちろん理由はございましょう。あなたが調達庁に尋ねておったということは、一つの理由でございましょうが、警察の立場としては、その尋ね方がやはり軽犯罪法違反、道路交通違反になっておるというなら、どうぞ法律違反にならないようにして下さいということで制止して、聞かれなければ実力で排除するということも、署長の立場として当時やむを得なかったのではないか、かように考えております。
○西村(力)委員 これは非常に大事な点であると私は思う。警察はもちろん法律解釈は厳正忠実でなければならぬ。そこにあまり幅を持たせることはいけないと思うが、あのときの事象としては、道路は半分ちゃんとあけて測量班員には何ら危険がない。軽犯罪法の適用というものは、道路交通にしてもそうだろうと思うが、そのものの現われておる現象をよそから見ればそうでしょうけれども、そこには何ら危険が存在しない。そうしてここが道路交通妨害になるならば、別のところの庭でも借りてやろうじゃないかといっても、あれは問答無用という立場でものを言っておる。そうして彼らの態度というものは、警察官の出動を早め、それの理由づけをするという以外の何ものでもなかった。あの場合厳正に私権をあくまでも尊重するという立場を警察がモットーとするならば、それじゃ一応とにかく話してみたらどうじゃ、こうあっせんするのが正しいあり方じゃないか。これは何も法の拡大的な問題でも何でもないと思うが、私はあのときの立川署長の取扱いについては、警察のあり方について、非常に私権というものが国家の権利の下にあるという立場をとっておる、こういう工合に見られてならなかったのです。もうあの態度というものは全然われわれの主張というものに耳をかさない。どうでしょう、その点。
○江口参考人 調達庁にいろいろ質問があるというその質問内容でございますが、それは四日から測量を始めようとしておって、四日から話し合おう、話し合おうで、西村さんなどは向うに当られたのじゃないでしょうか。そうすると、わわれれと話し合ってもしようがないから、話し合いに応じられない。それを無理に話し合いに引きずり込もうとすれば、道路交通違反、軽犯罪法違反になるのでございますから、たとい一方の道路があいておったとおっしゃいましても、あいておったところに調達班が入ろうとすれば阻止されるのですから、それは西村さんの立場では、そういうふうにお考えになるかもしれませんが、当時の立川署長の立場もやむを得なかったのじゃないかと思います。
○西村(力)委員 最初の話し合いは、とにかく責任者が現状を見て誠意を示せという話し合いだった。ところがあなたの方で警告を発したときの話し合いは、一応のあれで、とにかく今から入るというならば、一方で協議通告をしておきながら、一方において強権発動をしてくるという矛盾した態度の法律的な立場を示せという一歩前進をしておる、そういう話し合いに進んでおるのです。それだからあとはそういう態度が明確になり身分が明確になり、通さないということは何もなかったのです。一番最初の話からずっと経過しておりますから、話し合いの内容というものはうんと進んではっきりしておったのです。それをただ一方的な解釈で、現場の人々の報告だけを中心として通告をする、こういうことを言いに来たというようなことは、あまりに警察権の自主的な公正な立場を失った立場ではないか、こういわざるを得ないわけです。いかがでございますか。
○江口参考人 それは十二日のお話のようでございますが、その前の日もその前の日も第八方面本部におきましては、やはり皆さんの代表が来られて井出本部長と話をしておりました。そのときにも道路でああいうことをされるのは違反になりますから気をつけて下さいということは――あなたは第八方面本部においでにならなかったかもしれませんが、そういう通告は前から念のためしておるのでございましてただいまお話の点もございますが、その点は私はいかがか、かように考える次第でございます。
○西村(力)委員 これはあなたに御答弁を求めるのは無理かもしれませんけれども、私どもはそういうことを要求して、それを明確にしてから通せということ、それだけの一応の最後的な裁量をするということは決して違法ではないのですよ。道路で困るならこっちで話そうと言うたら、それは話せない。話せないということは、いやしくも不動産部長とか第八方面本部長とかあるいは部長という人が、そういうことを話せないという話はない。それだけの権限がないことはない。それを止めようすれば調達庁のやり方が悪い。そうなるでしょう。それをあなたの方ではただ一方的に、調達庁の方だけ、すなわち国家権力の行使だけが正しいと認めてそうして警察権を発動してもああいうときはやむを得ないという。その点については、ほんとうに警察権を公平妥当に発動したと口では言うけれども、現実にそういうところに現われている事象というものは決して公平じゃない。主権というものは権利として、公務員の公務執行に対する法律根拠を示せということがあなた方は認められないのですか。それをあなた方は認めない行動を取っておる。
 それから先ほどいろいろ北山君からもありましたが、この警察官の暴行等については調査をしなければならぬ、こう言っている。もちろん調査しなければならぬでしょう。だが私は言います。私自身も三週間の傷害を受けておりますが、そのときの実際を申し上げましょう。
 予備隊は第四予備隊、私はその第四ゲートに通ずる道路の右側の約一メートルの石垣の上、そこの石垣にはカラタチの垣根がある。それにつかまって、警察官がこん棒をふるって狂っているのを、きくかきかないかわからぬけれども、私は必死になってそれを牽制し、やめろとどなっておる、それだけのことなんです。ところが私は突然引きずり降されて、何をするかと、その人と思われるところを見たところが、うしろからつま先でばんと右の足首を蹴られちゃって、痛くてそこにしゃがんだら、うしろへ倒された。それでずるずると約五メートルほど引きずられた。私は歩けないから横に出るからそこをあけろと言って出ましたが、これは私が自分で受けているのですからはっきりしております。そうしてこういう席で言うのですから、これは全然うそも偽わりもない、事実そのままを申しておる。これは職権乱用という工合にはなりませんか。これは私が国会議員だから、私に暴行を加えたのがいかぬ、そんなことを言うんじゃない。これ一事をもってしてもすべてが推しはかられるんじゃないか。私が言うこの事実については、明らかに越権だとお認めになると思うのですが、いかがでございましょうか。
○江口参考人 今あなたのお話も控えておきましたので、それも十分調査してみたいと思います。西村さんのお話の通りですと、確かに行き過ぎの行為だと思いますが、また現地の者に聞いてみまして、どういう状態であったのかということは、やはり一方の方の疎明も聞いた上で判断した方がいいのではないかと思います。西村さんのおっしゃることがうそだとは申しませんが、そういうこともあったということを予備隊に明示して十分調査したいと考えます。
○西村(力)委員 調査となりまするが、その調査はどういう方法でやられるか私にはわかりませんが、あなた方のその最後の締めくくりというものは、結局だれそれ個人がやった、この人がやった、こうならなければ越権とかあるいは傷害罪とか、そういうものに全然ならない、こういう結論にあなた方はなられると思う。これは今までの例からいってその通りです。指揮者は絶対に暴行してはならぬと訓示したから責任はないという。それでは実際に被害があったが、その人はだれがやったか明示してもらいたいといっても、その明示がない。こっちが調査してもわからない。結局それはけがをした人はおるけれども、当面のその傷害を与えた人がわからぬから事実であるかどうか不明である、いつもこういう結論になるのです。だからあなた方が調査をするというようなことはどういう方法でやられるか、われわれとしてはほんとうに今までの体験からいうて信頼がおけない。一体今回の問題に対して、警察に対する国民の信頼をつなぐという立場に立つほんとうに真剣な、真剣な調査をいかなる方法でやられるのか、その心構えと方法について一つお示しを願いたい。
○江口参考人 現在の段階では、予備隊ないし予備隊を指揮した各級の監督者を通じて調査いたしております。しかしこれはもう少し突き進んでいきまするならば、いわゆる内部調査というようなものは場合によっては信頼できない場合もあろうかと思いますが、また人を派して別の方面から調査するということもやってみたいと思います。さらに皆さんのお手元に写真とか資料がございますれば、それもいただきまして、報道班の方にお願いして、写真やニュースも全部貸していただきたいということで、すべての判断をやっていきたい、かように考えます。西村さんのおっしゃるように、その個人をつかまえるということは、あるいは非常にむずかしいかもしれません。しかしそうなれば、その監督者に対する責任がどうなるかということにもなると思います。ですから行き過ぎが確かにあったということになりまするならば、これは私どもといたしまして処分をするにやぶさかではございません。
○西村(力)委員 これについて警察権の信用回復という意味において、特別に機構を作って徹底的に究明するという考えはないか。
○江口参考人 特別に機構は作りませんでも、人事課の方でまた側面から調べるとか、あるいは現地には予備隊の行動については警視庁本庁の警備課から、その指揮に入らないいわゆる監視員のような者も出ております。これは十分そういう点にも考慮を払ったつもりであります。これらの意見も聞き、さらにもう少し進めば、今申しましたような側面的な調査もしてみたいと思いますが、今のところ特別の機関を作るというふうには考えておりません。
○坂本委員 あと一、二点ですが、先ほどこの写真は、逮捕するときだからこうやっているのだという。私は意外な答弁だと思う。これはやはり読売新聞だと思うのですが、大新聞が「砂川の惨事、負傷者千名を越す、無抵抗に警官隊の暴力」として、そうしてこの写真をあげてある。この新聞はやはり国民の世論をここに発露してこの写真をあげてある。これを逮捕するのだから、こん棒を突き出しておる。頭の髪の毛を引っぱっておる。これだけの明明白々たることに対して、そんな言いのがれをあなた方はやって、ほんとうの治安の任務が勤まるかと思うんです。そこでお聞きしたいのですが、十二日ことに十三日は千名を越す負傷者が出た。警察官はそういうふうに負傷者を出してもやれという、その点を含めて総監はやはり第八方面本部長その他に命令しておられたかどうかという点をお聞きしたい。
○江口参考人 負傷者が出てもやれというような具体的な話はしておりません。現場で負傷者が出ないようにお互いにやるのが理想なんでございます。ついああいう乱闘を起しまして、けが人が出たということにつきましては、多少は擦過傷とかそういう程度のものはあるかもしれないが、重傷者が相当数出るというところまでは、われわれは予想していなかった次第でございます。
○坂本委員 警視総監がやはりそういう総括的な命令を出す。さらに負傷者が出てもやれという警備会議があったということが新聞にも出ておりますが、そういうふうにして警視庁は負傷者が出てもやれという会議をして、そうしてこの十三日の挙に出られたと思うのですが、本部長その点はどうです。
○藤本参考人 今お尋ねの点、私が現地に行きまして会議をやりましたのは、十二日の状況をいろいろ聞いて、今後の対策などについて打ち合せをしたわけでございますが、そのときには先ほども申し上げましたように、結論としては、こういう状況であれば鉄かぶとの使用はやむを得ない、こういうことは結論として私がはっきり申しました。しかしお話のように負傷者が出てもかまわないというような結論が出るはずは毛頭ないのでありまして、やはりそういう状況のもとであっても、総監から基本的な方針として言われております、できるだけ事故を避けてやれということは、その会議でも、特に十二日はそういうふうに警察官の負傷も出まして、警察官の方でも第一線の予備隊員に若干気持の上の高ぶりもあるのではないかということを私も心配いたしましたので、その席でも重ねて事故を起さないように、慎重な方針ということはかりに鉄かぶとをかぶっても変らないのだということを繰り返し申したような次第でございます。
○坂本委員 しかしやはり総監はこの部下の警官の全部の指揮者であり、責任者であると思う。またその命令によってやはり十二日の晩に警備部長も行かれたと思うのです。そうしてその方が会議をして、その会議の結果、十三日の事故が発生しているわけです。従って事故に対する責任は本部長にも総監にもあると思うのですが、その点はいかがですか。
○江口参考人 責任という言葉の意味にもよりますが、こういう不祥事を起したということは、まことに相済まぬことだと思っております。できるだけ重傷者あるいは負傷者の出ないようにやるべきであったと思うのですが、つい現場の混乱からこういう事態をひき起したということはまことに相済まぬと思います。今後の警備につきましては、これを十分な参考資料としまして、今後は一そう警備に万全を期していきたいと思います。
○坂本委員 先ほど警察法の七条のお話があったのですが、道路交通法違反、軽犯罪に対しては絶対七条の発動はできないと思う。今軽犯罪の条文は持っておりませんが、この軽犯罪と匹敵するような道路妨害、それから都条例違反、これらのものに対してはやはり鉄帽、警棒は行使すべきものじゃないと、われわれは法の均衡と公平の観念から考えるのですが、それでも警棒と鉄帽を持たせてそうして武装してあれを排除しろ、そういうような命令なり訓示なりをやっておられましたか。
○江口参考人 お話のように、軽犯罪法違反とか道路交通取締法違反などに対して、第七条が適用されることはないと存じます。先ほど申しましたのは、悪質な公務執行妨害以上のつまり長期三年以上の罪に当る者でなければ、こういう七条のような重大規定は発動できないように規定されております。
○坂本委員 そこで警備部長にお聞きしますが、やはり鉄帽をかぶせてこん棒を持たしてやるというのは、公務執行妨害があるということを予期して、そうしてもちろん警察官が突っ込んでそれを排除するのは、公務執行妨害になるからというような見込みを持って鉄帽、警棒を持たせられたかどうか、その点をお聞きしておきます。
○藤本参考人 鉄帽と警棒と二つの問題があると思うのでございますが、鉄帽は武器ではございません。これは前日に非常な投石等がございまして、警察官が多数負傷するという事態がございましたので、十三日にも一応前日にそういう状態であれば、そういうことが予想せられますので、警察官の身体の防御のために鉄帽はかぶせたのでございます。それから警棒につきましては、これは警察官はやはり常時警棒を持っておるのが警察官の正式の服装でございまして、ただいつ警棒を使用するか、こういう問題であろうと思うのでございます。その点につきましては、これは一がいに言えないのでございまして、現場の状況が総監からも今お話し申し上げましたように、公務執行妨害等の犯罪が発生したというような一般的には激しい現場で最小限度に使用するというものであると私は思います。
○坂本委員 先ほど来事故を避けてやれということは総監からしょっちゅう言われておった。しかしながら事故を避けてやれというそのあとに、本日は目的を達するのだ、目的を達するためにやるのだということを言えば、ただ事故を避けてやれなんていうのはつけたりで、やはり警察官には目的を達するためにどんどん反対者を排除してやっちまえ、こういうふうにとられるのですが、その点はいかがですか。またそういうふうな訓示をされたかどうか。
○藤本参考人 警察官が出動いたしますのは十三日の場合におきましても、そこに測量の妨害なりその他の不法状態がございますので、これを排除するために警察官が出動するわけでございます。従いましてそういう不法状態を排除するという観点におきましては、それは警察の任務でございますので、あえて私はその際に目的を貫徹しろというようなことは申したことはございませんが、これは当然なことだと思うのでございます。私はその際に特に注意をいたしましたのは、目的を貫徹する場合におきましても、やはり基本的な考え方としてのできるだけ事故を起さないようにしろということを申したのであります。
○坂本委員 藤本警備部長は十三日のあの当日は現場に行っておられましたかどうか、その点を……。
○藤本参考人 私は総監の補佐として警視庁におりました。
○坂本委員 それでは十三日の現場の点をもう少し質問したいのですが、それは井出本部長が見えてからやることにいたしまして私の質問を打ち切るのですが、これは総監並びに警備部長の命令指揮によって、そうしてこの事故が発生しているものであるし、さらに井出本部長その他の糾明によってその事実がはっきりすると思うのですが、この千名に対する傷害、暴行については、これは警視総監以下刑法上の犯罪に当ると思うのです。われわれは、これは当然警視庁がみずからの手によってこれを糾明して、その加害者を出してはっきりすべきは当然でありますけれども、総監以下のこの責任者に対しても、これは刑法上の責任がある。こういう点でなお独自の調査を進め、また社会党としては告発をするという決定をいたしておるのでありますから、あまり言いのがれをせずに――またこういう写真、これは逮捕するときだ、息の根がとまっているようなのを、髪の毛を引っ張る、こん棒をもって――見えておるだけでも、八人の警官がここに出ておる。こういうようなことをやった責任は、これは十分問わなければならぬし、これは単なる職務上の責任だけでなくて、刑法上の責任を私は問うべきである、かように考えるのでありますから、もう少し事実を事実として、言いわけなんかせずに率直にやってもらいたい。それでなければ民主警察の破壊になると思う。だからきのうも大麻大臣は、民主警察のために努力しておると言うが、昨年ああいう事故が起きた、そうしてそれにまた輪をかけた大きいこういう事故を起すなら、何のために警察は政府から独立をして、ことに都道府県の自治体警察として独自の立場においてやるかどうかわからない。やはり調達庁のサーバントとして調達庁の言うことだから何でもやって、千名の負傷者が出てもこれを排除してやったんだ、こういうような結果になる。その結果が、これは単なる職務上の問題だけでなく、刑法上の問題に当るとわれわれは考えますから、その点は十分責任をもって考えてもらいたい。これで一応打切っておきます。
○門司委員 きのうの資料は、庁、まだできませんか。至急出してもらうように――そうでないと、あとの話が進められない。
○大矢委員長 検察庁に出しておるそうですから、今すぐ取り寄せます。
 それでは午前の会議はこの程度にして、二時半から再開することにいたします。
 暫時休憩します。
   午後一時四十四分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時十三分開議
○大矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑の通告がございますので、順次これを許します。滝井義高君。
○滝井委員 午前中に茜ケ久保君や坂本君、西村君等から、いろいろの面にわたって参考人である警視総監に御質問がございましたが、私は幾分系統的に、具体的にお尋ねをしてみたいと思います。
 昨日石井警察庁長官あるいは調達庁にいろいろ御質問を申し上げましたが、私の受けるニュアンスは、昨日の石井長官の答弁とそれから本日の参考人である江口総監の参考御意見と申しますか、御答弁との間には、ニュアンスの上で幾分違いがあるような感じがするのです。これは受ける感じでございます。昨日の石井さんのいろいろの御答弁というものは、割合に反省的な、しかも幾分謙虚さがあったと思いますが、きょうは一日目を置いて、昨日の結果も見てのことかもしれませんけれども、あなた方の答弁には幾分逆攻勢に出るというような感じを受けるのでございます。私は警察には警察の立場があると思いますので、それでけっこうだと思います。現場におられました久保警備課長さんもおられることでありますし、一つ率直に御答弁を願いたいと思うわけでございます。
 そこでまず第一に私がお尋ねをいたしたい点は、さいぜんもらった資料の中を見てもわかりますが、警備実施の場合の最高責任者は警視総監であるようでございます。その警備の実施を命令をする責任者は、一体だれなのかということです。これを一つ御答弁を願いたい。
○藤本参考人 警備実施の最高責任者は、お話の通り警視総監でございまして、現地におきましては井出本部長が現場の最高指揮官として指揮をいたしております。私が総監の補佐役としてのその下での警備の責任者、こういうことになっております。
○滝井委員 私の質問したい点は、さいぜんから出動の場合については検察庁あるいは警察庁と十分連絡、相談もしたわけですね。そして出たということなんです。この文書を見ますと、警備実施の場合は最高責任者は警視総監になっておる。その実施をしたときに、すでに実施に移ったときの最高責任者が警視総監であるということはわかる。ところが、その実施を命令する人が上にいないかということです。
○江口参考人 私の上にそういう者がおるかおらないかということでございますが、それはございません。私が最高責任者であることに間違いはありません。
○滝井委員 わかりました。そうしますと、一切の出動の情勢判断は、総監の責任においてやったと理解して差しつかえありませんか。
○江口参考人 そう御解釈されてけっこうであります。
○滝井委員 それで出動の命令を出した最高責任者がはっきりしてきました。そこでそれならば最高責任者である警視総監にお尋ねするのですが、出動の条件というのは――少くとも二千をこえる予備隊が十三日には出ておる、十二日には千をこえる者が出ていっておる、具体的に命令をあなたが出されておるのですから、その出動の具体的なこれこれの条件があったから、自分が最高責任者として出したという条件がなければならぬ。一体どういう条件がそろったならば、あの砂川の事態の中で出動することになったか。これとこれとこういう条件があったから出したという条件を一つあげてもらいたい。
○江口参考人 その点につきましては午前中にもお話申し上げたと思うのでありますが、四日から測量が開始されまして、まあどういう事態になるか、われわれとしましてはその事態を注視していたわけでございますが、四日からの測量の実際及びそれに対する反対の運動の実際を見まするのに、話し合い戦術と申しますか、戦術という言葉がついておりますように、話し合いによって何とか測量を中止、延期させようとするような動きもある。そういう動作をとるに当っては、やはり道路に立ちふさがる、あるいは話し合いに応じにくいというのに無理に話をしようとしてつきまとう。これらは結局道路交通取締法違反であり、また軽犯罪法違反である。ことに四日の目、もうすでに測量班員には数名の負傷者を出しておる、十日の日にも負傷者を出しておる、その他阿豆佐味神社の付近におきましては数千の労組員、学生たちが集まりまして、無届らしき疑いの集会とかデモとかが行われておる。さらには隊伍を組んで棒を横にして、警察官が出たときにぶっつかるのだという訓練をしておる。あるいは先ほど申しましたように、協力派というものに対する非常ないやがらせと申しますか、協力派としては周囲に囲まれては耐えられぬから、何とかこの無秩序状態を警察官の出動によって排除してもらいたいという申し出が出ておりますし、要するに特定の法律数種類の違反が四日からずっと積み重なってきておる。それで、日を追うに従って集まってくる人も多いし、違反も累積してくる。いつかは警察官が出て制止せざるを得ないんじゃないか、こう思っておりましたときに、たまたま十二日から調達庁が、もう日にちもないのだし、われわれの方としてはどんな犠牲を払っても測量したいのだ、だからいざというときには援護してくれというような申し入れが、井出本部長のところにきております。本部長としましても今までの状態からしましても、これはどうしても放置できない。しかしその法律解釈などにつきまして、警視庁に独断があってはなりませんので、先ほどお話がありましたように、その現状と適用法律の問題につきまして警察庁とも打ち合せをしたし、検事局とも十分打ち合せをしました上で、法律の解釈を確定し、そして十二日から出動するようなことになった、こういうわけでございます。
○滝井委員 そうしますと、出動ということは測量と不可分ですか、それとも全然測量とは関係なくお出になったのですか。
○江口参考人 原則的には、たびたび申しますように違法事実が累積してくることによって違法の濃度が増してくる。もう先ほど申しますように、地元の協力派等の考え方もありますし、もうこれは警察として取締りに出なければならぬだろうと思っておりました。これが原則でございます。たまたま今測量と密接不可分の関係があると申されましたが、測量が行われることによってそれが妨害されて、各種の法規違反になるわけでございますから、関係がないことはないのでございます。やはり測量が妨害されることによって法律違反が生ずる、それを取り締る、それで排除できないときには実力で排除する、こういうことになるわけでございます。
○滝井委員 そうしますと十四日には警官が何名出動しましたか。十三日の状態と十四日の状態は、阿豆佐味天神あるいは五日市街道全部同じなんですね。十四日と十五日には道路交通取締り違反として何名警官が出ましたか。無関係のはずですからね、測量とは……。
○江口参考人 十四日は測量が行われないのでありますから、測量隊に対する妨害は行われないだろうと思います。予備隊の出動は取りやめたのでございます。
○滝井委員 それはおかしい。道路交通取締法違反あるいは軽犯罪法違反、都の公安条例違反、こういうことで警官が出た、こうおっしゃる。十四日と十三日とどこが違う、同じなんです。ただ測量があるかないかの違いなんです。あるいは全く同じ状態のもとに十二日と十三日というのはたくさん交通がありましたよ。十四日にも道路や阿豆佐味天神は同じ状態です。私は全部見ておる。出ない。それではあなたは職務怠慢じゃないか、それをどうしましたか。
○江口参考人 測量に原則的には関係がないと申しましたのに対しまして、関係があるんじゃないかというお話でございますが……。
○滝井委員 いや、関係があるとは言っておらぬ、十四日はどうして出なかったかと言っておる。
○江口参考人 測量が行われることによって現場における激突も想像されるということは、警備陣の重要な注意点でございます。でございますから、もしそういう激突が予想されないという場合には四日から十一日まで待ったように、たとい道路交通違反があり軽犯罪法違反があり、公安条例違反があっても見送り得たわけでございます。ですから十四日にはそれだけの違反はあるが、測量隊が出ないことによって激突して非常な治安が乱れるというようなことがないであろうという条件のもとに、十四日は出動させてないわけでございます。
○滝井委員 法律を守る立場にある方々が、きわめてこれは論理が矛盾しておるのです。だからそこで、論理の矛盾したことを無理にやるから、むしろそれを逆手に取られて、結論は測量と警官の出動とが不可分になる。昨日やはり石井長官も同じような矛盾を繰り返した。われわれは――このわれわれはというのは警察庁です、測量の必要性あるいは十月十六日までに完了せなければならぬということは警察のあずかり知らぬことである、こう大上段に振りかぶったけれども、あとはあなたの言う通りになってしまって、測量がなければ実は警官は出なかった。しかし実際にあなた方の言う道路交通の違反あるいは無届集会あるいは地元の協力派へのいやがらせというようなものは、あなた方が言うようなことがもしあるとするならば、これは十四日だって十五日だってあったはずだ。だからそれは治安を守るために二千の警官を出さなければならぬ、ところが十四日、十五日は一人の警官も来なかった。これは明らかに論理の矛盾なんですよ。だから論理の矛盾が大体私ははっきりしておると思うから、これはそれ以上は言いません。
 それから次に具体的にお尋ねします。出動の責任はあなたなんですね。それであなたは雨が降ったときには測量ができないということを調達庁からお聞きになったことがあるかないか、これをまずここで明白にしてもらいたい。
○江口参考人 私は面接聞いたことはございませんが、ここにおります警備部長なり警備課長のところへはそういうことを申し出ておるように――私は間接に雨が降ったらできないということを聞いて、そう思い込んでおりました、あのときまでは。
○滝井委員 雨が降ったらできないということは、確かに調達庁から警視庁の方に言っておるはずです。あなた自身も私の党のある首脳部が会ったときには、それを明白に申しております。そこで十三日は雨が降っておったか、降らなかったか。
○江口参考人 雨が降ったことを承知しております。しかしそれがやんだことも承知いたしております。
○滝井委員 測量中、雨が降ったか降らないか。
○江口参考人 雨ももちろん程度の問題だろうと思いますが、小雨ならばどうか、大雨ならばどうか、区別してまで私聞いておりませんでした。ただひどい雨ならばできぬだろうとわれわれ常識にも考えますし、小雨の場合ならやれたのかもしれませんし、そこまでは私は徹底的には調査してございません。
○滝井委員 総監も男ですから――あの日の雨の状態というものは朝から相当の降りでございました。私は現場におりました。測量隊は決してテントを張らずには測量できませんでした、これははっきりしておる。雨が降っておったから薄暗かった、この点もはっきりしておる。そうしますと、午前中からあんなにたくさん雨が降っておる、あなたは朝早く出動を要請されたけれども、雨もうんと降っておったので、九時まで延ばしたということをさいぜん申しました。雨がそのときは降っておるので、実は九時まで延ばすことになったということをさいぜん確かに申されました。早くということであったけれども、まあまあ話し合いもあるし、雨が降っておるということで九時に延ばして出動をした、こういうことなんです。ところが雨が降っておるときには測量ができない、こういう認識に出動の命令者であるあなたは立っておる。そのときに調達庁が雨にもかかわらず測量をやるということになれば、あなた方はペテンにかかっておるじゃありませんか、そうでしょう。あなた方に調達庁が言った言葉と、実践したときの天候の状態とは全く違っておるじゃありませんか。これはさいぜんから言われておるように、全く国家権力の前にあなた方というものは駆使されたことになっておる。これがまず第一の出動の条件の大きな欠格条件ですよ、雨が降っておるということが。しかも雨が降っておってあの役場から畑にかけての道路の状態というものは、どういう状態かお聞きになりましたか、一つそれからまず言ってもらいたい。
○江口参考人 最初私が間接に聞いたところでは、雨が降れば測量ができないということを聞いておりました。どうしてできないのだろうと思いましたら、やはりぬれるということなんですね。ところが十二日くらいだったと思いますが、その際聞いたときは、多少雨が降ってもできるというふうに変ったのであります。それを滝井さんはペテンとおっしゃいますが、私らも調達庁のそういうやり方がしばしば変ってきておることを聞いて、実際私もはなはだおかしいと思いました。最初はたとえば五日くらいかかるであろうというようなことがだんだん短かくなってきて、あるいはしまいには何日、何時間でできるのかわからないうちに、とうとう十三日で測量を打ち切ることになったわけであります。いろいろ測量の実施方法につきましても変更があったようでございます。それから現地の状況、これは相当道路にしても畑にしても泥んこであったことは、私ども承知いたしております。
○滝井委員 大体今警視総監に非常に良心的に御答弁いただいたと私は思うのです。御説明いただいたと思うのです。それは現地の状態が非常に泥んこであったし、しかも調達庁の言う言葉は、三日なり四日かかるというようにあなた方に説明している。実際にやってみたところが三分の一をやるのに、正味二時間そこそこでできちゃった。しかもあの大混乱の中でですよ。雨が降ったらできないといいながら雨の降ったときにもやられた。しかも三日も四日もかかるといったものがわずか二時間そこそこで、しかも一番困難なところが三分の一できちゃった。こういう状態であった。こういう情勢の判断ですが、あれだけのものを出さなければならないと判断をするについては、あなた方がおそらく調達庁の言うたその言葉をまともに信頼したところに、むしろこういう事態が起っているのです。私は昨日もその点丸山さんに指摘をした。あなたの直接のすぐ下のあの現地で部隊を指揮した井出さんは、全く私たはこれはペテンにかかりましたということをわれわれに言明した。今のあなたの言葉もそれを裏づけする言葉なんだ。調達庁がわれわれに言うことが再々にわたって変っていったということは、明らかにあなた方がだまされているということだ。しかもあなた方が三日なり四日かかるという科学的な根拠はどこから出たかということを説明してくれと言ったら、丸山さんは、私はわかりません。私の部下の専門技官がそう申しておりますので、私はそういうことを警視庁なりあるいは警察庁に取り次いだだけでございます、こういって責任を回避して、そうして部下に三日ないし四日測量にかかるということの責任を転嫁しようとしているのです。こういう政府内部におけるあの場合の情勢判断の不統一といいますか、でたらめということが、あなた方をして無理に二千のわれわれのかわいい子供を出動せしめ、また同じわれわれのかわいい学生や労働者やあるいは農民や婦女子を傷つける事態を惹起する原因になっているのではないか、この反省はあなた方は行わなければならぬと思います。私は今の警視総監の言葉の中には、再三にわたって調達庁の申し出が変ったということの中に一つの反省があると思います。そう思いませんか。今になって考えてみれば、確かにあなたはその二千の自分の部下を出動せしめるについての確固不抜の自信というものは、私はそこからくずれてきたのではないかと思います。そう思いませんか。
○江口参考人 調達庁の測量の仕方がいろいろ変ってきたのは、今私が正直に申し上げました。その通知も受けております。けれどもこれが天候とか情勢とかによる技術上と申しますか、多少いろいろの変化が起るのじゃないでしょうか。初めきめた通りで押し通すということはなくて、いろいろ測量のやり方も変える必要が起ったり、あるいはどこまで測量するつもりだったのだけれども、どこまででよいということになったとか、ことにこの測量の全部のことはよく知りませんけれども、十三日で打ち切りになったのは、あれで全部一体済んだのか、三分の一くらいしかできていないのか、それは私どもよく存じませんが、とにかく一応打ち切りになったので、われわれの方としては出動させないで済むのでけっこうなことだと思っておるのであります。
○滝井委員 今の測量の問題は、お互いに専門家でありませんので、いずれもう少し専門的に技術的にわれわれはやらなければならぬと考えます。そこでそれ以上言いませんけれども、とにかくあなた方は雨の中ではできない。それはあなたも言われておったようにトランシットのガラスが曇る。だから雨の中ではできないということはあなた方はお聞きになっておるはずです。ところがトランシットが曇るどころじゃない。テントを張って暗くしてもできちゃった。テントの中で回りを警官が取り巻いてしまってもできたのですよ。私は現場で全部見た。そういう状態の中でやっておる。これはおそらく測量がでたらめかもしれません。ただ形式的にやるようなふりをしただけかもしれませんが、これはいずれ技術的にあとではっきりすると思います。そこであなた方が出動する条件というものは、雨が降ったときにはいけなかったのに雨が降って、しかも三日も四日もかかると言ったものが、実際はそうじゃなくて一日でおもなものが終って、それ以上やらなくてもよろしいという結果になった。これは明らかに調達庁があなた方に言った言葉というものは、初めに言った言葉と実際において行なったことと結果的に違っておったということは事実なんですよ。従ってあなた方の二千名出動させなければならぬという事態は、全く向うの四日も五日もかかるという事態を考慮して、あなたも言われたように十六日までには――逆算をすれば十二口から出なければならぬ。そのためには強硬に一つ排除してやらなければならぬという認識に到達しておるわけです。やはり測量計画と出動の計画というか、警備計画というものはこういうところに不可分性がある、当然これは測量が一日でできるものならば何も初めから二千の予備隊を出す必要がない、百か二百で徐々にやっていって二時間か三時間でできるものならば五日がかりでゆっくり摩擦の起らぬようにやったらよろしい。ところが四日かかるということから二千の警察官を動員して、警棒でたたきつけてでもやらなければならぬというお気持が起きてくるのは当然です。そういうところにやはり大きく出動するについての情勢の判断、あなた方に誤まった認識をせしめる一つのあやまちを調達庁側が犯さしておる責任というものは私は免れないと思う。これ以上これはあなた方には申しません。
 そこで次の問題は、しからばそういう状態であなたは一つの情勢判断をして出動命令をしたのですか。その出動時の命令なんですが、これは井出さんにも会いました。井出さんの言葉では、きわめて慎重に部下には警棒を使っちゃいかぬ、慎重の上にも慎重にいかなければならぬということは、警備一部長と警備二部長にも十分申したということも言っておったと記憶しますが、とにかく部下に周知徹底せしめたと同時に、これは石井さんから聞いたのですが、一枚々々警備出動心得というものを印刷をして部下に渡した、こういうのです。これは出動時にそういうものをお渡しになり、私は今言ったような注意は十分それぞれ部下にやられたと思いますが、それはやられたでしょうね。
○江口参考人 昨年のにがい経験からいたしましても、不祥事を絶対避けるようにきわめて慎重な態度をとってもらいたいということは、私から警備部長にもしばしば申しておりまするし、特に今回の出動に当りましても、警備部長からはやはり第八方面本部に対しまして、しばしば厳重にそのことを警告いたしております。しかるに十二日にああいう事態が起り、また十三日にも出動させなければならぬような情勢になった。この十三日の出動前にも私は特別に藤本君にも命じて、現地において井出君がまさに出動しようとしておる予備隊長を呼び返して、今本庁からもう一ぺん指示があった、これほど心配しているのであるから、慎重の上にも慎重を期して不祥事の起らぬようにということを十分徹底しているだろうと思いますが、それじゃなぜああいう事態になったかというと、現場の混乱で、若い警察官でもありますし、ついああいう事態になってしまった、これは非常に遺憾だと存じておりますが、事前の注意は――責任のがれを申すわけではありません、私も責任があると感じておりますが、したつもりでございますが、それが現実にはそれとはずれたことになったということに対しましては、私ども非常に、なお徹底の仕方が足りなかったのではないかという反省は持っております。
○滝井委員 私はまだ先のことはよいのです。今言ったように十分出動時において、部下全員にわたってあなた方の指揮命令が徹底をするような注意をしたかしないかということをお聞きすればよろしい。一枚々々警備出動心得書を本人の手に渡るように配付したのですか。
○藤本参考人 警備出動心得は出動の全警察官に配布いたしました。
○滝井委員 警備出動心得書を配布し、十分注意されたということでございますので、これで大体出動時の状態はよくわかりました。そこで今度はそれを体して出動した後の状態について具体的に二、三お尋ねいたします。出るときにもくれぐれも警棒は使ってはならぬ、こういうことも言っておられるらしいのです。同時にやむを得ず警棒を使用することがあっても、絶対に振り上げまたは相手方の背部から使用しないようにするということもこの心得書にも書いてあります。そこで現地で警棒使用の命令を出したか出さないか、総監あなたが出したか出さないか。
○江口参考人 私は警棒を用いる時間などについての指示はいたしません。現地の最高責任者並びにその下におりまして実際に活動しております予備隊長のその場の判断で、警棒使用が最小限度必要だと認めたときに命令を出して、そしてもう必要がなくなったというときに、その警棒をしまわしております。
○滝井委員 現地で今回警棒の命令を出されたか。
○藤本参考人 現地におきましては、必要部面に遭遇した予備隊長が使用命令を出しております。
○滝井委員 予備隊長が必要部面で出したということでございます。多分予備隊は一から七の予備隊と立川署が現地部隊として出ておると思うのですが、第何予備隊のだれが命令を出したのでしょうか。
○藤本参考人 現地で予備隊長が命令をして警棒を使用いたしましたのは、一予備隊と四予備隊と承知しております。そのほかの予備隊では警棒を使用しておりません。
○滝井委員 現地で命令を出したのは一と四の予備隊長が出したということでございます。いずれこれはこの予備隊長に聞かないと、どういう情勢であったかおわかりにならぬと思いますが、警棒を使わなければならない具体的な情勢というものは、藤木さんのところに報告が、おそらく現地におられたのでしょうから、久保さんあたりからお聞きになっておると思いますから、それを一応御説明願いたいと思います。どういう状態だったから警棒使用の命令を出したか。
○藤本参考人 私の聞いております警棒使用を命令いたしました場合は、第一線におきまして非常に激しい抵抗に遭遇して、これを排除するにはどうしても警棒を使用しなければならない、こういう情勢であったというふうに聞いております。たとえば私の聞いております一例を申し上げますと、これは栗原ムラという人の宅の付近であったと思いますが、その付近は非常に強固な防御線が敷かれておりまして、ことに全学連の方が非常にたくさんおいでになったのでありますが、状況は全学連の方はいずれも麻なわでお互いに腰を縛り合って、それだけ非常に強固な防御線であり、同時に実際の場面におきましては手や足は自由に使えるというというようなことで、非常に攻撃的な防御線であったというふうに聞いております。それでやむを得ず使用した。それから同じ場面であったと思いますが、私服の警察官が二名、反対同盟の人の中に引っぱり込まれまして、そして相当取り巻かれて、なぐられて助けを求めたというので、出動して、それを救出したのでありますが、そのあとにもさらに二名の私服警察官が引っぱり込まれてなぐられて、それを救出した、その場合に警棒を持って行った、こういうような報告を聞いております。
○滝井委員 状態はよくわかりました。そこで警棒使用の命令を出したことはよくわかりましたが、次には畑に入った事実があると思いますが、その報告は――予備隊がなだれを打って畑を通って行った事実があると思いますが、これは報告が来ておりますか。
○藤本参考人 なだれを打ってという形容は、はっきりとそういう報告は来ておりませんが、畑に予備隊が入ったという報告は受け取っております。
○滝井委員 畑に入る命令は、どの予備隊のだれが出したのでしょうか。
○藤本参考人 畑に入りました部隊は一予備、三予備、四予備、五予備、そういうふうに存じております。
○滝井委員 道路交通取締法、軽犯罪法違反、これらの者を検挙するために、だれもいない畑の中に――出動心得書の中には「農地や宅地で不法行為が発生し、やむを得ず立入るときは農作物、宅地の施設等にできる限り損傷を与えないよう留意すること。」となっている。だれもいない畑の中にどうして一予備隊、三予備隊、四予備隊、五予備隊ですか、これらの者が入らなければならなかったのですか。
○藤本参考人 状況はここで抽象的に申し上げましてもおわかりないかと思いますが、その場合には道路が車両あるいは労組員その他の人で一ぱいにふさがれておりまして、道路交通取締法違反、あるいは公務執行妨害等の現行犯を排除するのに、畑を通らなければできないという情勢であったために、やむを得ず畑を通った、こういうふうに報告を聞いているのであります。
○滝井委員 その命令は――これは出動心得にも通ってはいかぬことになっているわけですね。農地や宅地で不法行為が発生した場合だけですね。ところが実際には農地や宅地では不法行為はない、ないのに行っている。では測量隊は測量しているかというと、していない。道路交通取締法違反ならば、道路にいる人たちを排除するのが、あなた方の役目です。ところがそれが堂々となだれを打って――これはなだれを打ってというのは、一から七しかない予備隊の中で、半数以上の四予備隊が畑の中にどんどん入っていくのですから、だからこれはなだれを打ってですよ。しかもそこには人がいないのですよ、不法行為が行われていないのですよ。一体だれが出したのですか。井出さんですか。少くともこういう四つのものが一挙にやるためには、一予備隊の隊長ではできないはずです。もしもその隊長がやっているなら、あとで呼び出しますが、これはあなた方の命令を聞いていない。だから四つの予備隊が畑の中に入って農作物を踏み荒らしていくためには、現地におった最高責任者がだれか命令をしておらなければやれぬはずです。もしその命令が井出さんなり久保さんなり吉田さんがいてやったのでなく、やっておるというなら、これは前の委員が言ったように暴徒化している。だからこれは命令を出しておるはずですが、出していないのですか。全く予備隊の隊長の自由にまかしているのですか。
○藤本参考人 その命令を出したのは予備隊長でございます。それから今これだけの多くの予備隊が出れば、なだれを打ったように出たのではないか、こういうお話しでございますが、これだけの予備隊が同時に同一場所に出たというのではないのであります。しかもその予備隊の全員がそこに出た、こういうわけでもないのであります。予備隊長が必要の者をそこに出した、こういうことに聞いております。
 それからこの出動心得の中には、はっきりそういう農作物に損害を与えないために、そこに注意が書いてございます。しかし今申し上げましたのは現行犯が現にある、しかももう通路は通れない、やむを得ず畑地に入った、こういう状況でございます。これは現地の判断で、そういう処置をとったのでございます。
○滝井委員 そうしますと、そういう命令は井出さんあたりもやっていない、全く現地の予備隊長の自由意思でやった、こういう御説明でありました。それで一応了承いたしておきます。
 次に栗原さんのところにありました仮診療所、これは病人ばかりを収容しておった。ここに実力行使をして排除してそうしてけがをさしておる。この仮診療所に実力行使を命令したのはだれですか。予備隊長が自分で勝手にやったのか、それとも方面隊長の井出さんがやっておるか、この点一つ御説明願いたい。
○藤本参考人 栗原ムラの宅地は御承知のように今回の測量の予定地になっておるところでございます。従いましてそこに測量するために測量班が行ったわけでございます。これらの測量班が立ち入りを妨害されているというような実情がございましたので、その妨害を排除するために、予備隊がここに警備に向ったということでありまして、これの命令を出しましたのは、やはり現地の隊長でございます。
○滝井委員 警棒使用あるいは大事な農民の生命ともいわるべき畑に入る命令をだれが出したか、あるいは仮診療所、病人のおるところに実力行使の命令をだれが出したか、すべてこれは現地の予備隊長です。全く前線に出て指掛をしておられるところの方面隊長なり、あるいは警備課長と申しますか、こういう人はかかわり知らない。全く現地の独自の行動で、実際のあの大事な行動が起されておるということなんです。
 そうしますと私が最後にお尋ねをいたしたいのは、あなた方は測量援護のために警官を出したのではないということを、るる申し述べております。測量援護のために出したものではないということは間違いないでしょうね。
○江口参考人 妨害を排除することによって、その結果として測量ができたのですから、関連が全然ないとは申し上げません。測量が行われなければそれに対する妨害もないはずですから、警察官も出さないで済んでおるのでございますから、それは関係がないと言っておるのじゃないかと言われますけれども、これは関係はやはりあることはある。それは見方の相違で、表現の相違じゃございませんでしょうか。
○滝井委員 原則としてそれは測量援護のために出したものではないという確認をあなた方がされておるわけであります。
 そうしますとお尋ねいたします。十三日に第四ゲートに通ずる道に向って予備隊の番号はちょっと忘れましたが、これはいわゆる予備隊の話を聞いてみると、七、八百名くらいであったかと記憶しますが、そのくらい出ていっています。その前には測量隊がやはり来ました。ところが測量隊がどんどん前へ自発的に進もうとしますと、警察が来て進んではいかぬといって進ませないのです。われわれはどうぞおやりなさい言う。ところが警察は進ませない。大体あの進ませないというような命令というものは、あれは予備隊長が出したのですか。第四ゲートに行った者はいわゆる進ませない。そうして測量を援護するために出たことは、あの状態を見れば明白なんです。測量隊のすぐうしろに警官がついてくるのです。われわれは測量隊にどうぞおいでなさいと言う。ところが警察がついてくる。測量隊が早く行こうとすると警察が待った待ったと引きとめてしまう。この事態はわれわれは現場を見ておりますから、何と総監が抗弁されようと、その事実はある。これは測量隊の方にお聞きになってもわかる。われわれが行って下さいというと、待ったと言う。従って測量隊と警官との行動は不即不離、不可分一体の関係になってやっている。これは明らかに原則は測量援護ではないということではなくて、原則は測量援護なんです。従って測量の行われない目は、十四日と十五日に同じような人数が阿豆佐味天神に集まっても、五日市街道に集まっても、あなた方はそれを治安維持法違反とも言わないし、あるいは軽犯罪法の違反ともおっしゃらないし、道路交通取締法違反ともおっしゃらないのはここなんです。そういう事実は報告がございませんか。
○江口参考人 測量隊が通ろうとして、皆さんがお通りなさいと言ったのを、警察官が妨げたという報告は私は聞いておりません。まあしかしこれは想像でございます。また弁解がましいことを言うと言われるかもしれませんが、今まで通れなかったのに、今度はさあお通りなさいと言われても、測量隊はほんとうだろうかという気になるのではないでしょうか。今行けばやはり激突が起るから注意したまえという程度のことは言うたかもしれません。これは弁解がましいことかもしれませんが、想像で申し上げます。
○滝井委員 そこで第四ゲートにやってきました測量隊が、どういう態度を最終的にとったかということを御説明いたします。最終的に私たちは測量にやってきたと、こう測量隊の方々が申しますので、一体測量する道具はお持ちですかと言うと、測量の道具は持たない。測量する道具として持っておるものは、トランシットを持たないでポール一本なのです。巻尺は持っています。精密検査をやるためにどいてくれ、どいてくれと言って来ている者がトランシットを持たない。そこでわれわれはその状態を調べて、あなた方測量に来たのなら、どうぞ測量をやりにおいでなさい、われわれがあなた方の身を守ってでも連れていきますからおいでなさいと言ったら、行かないで、あと下りを始めました。おいでなさいというものを、ついにあとへ下ってしまった。あとへ下る前に、そこにやってきた約七、八百名の警官の半数以上というものは役場の方に転回をさせられまして、そこに残ったのはただの百か百五十の人がじっと残って立っているだけである。立っているだけであるので、ここの指揮者は一体だれかと言ったら、私たちの指揮者はおりませんと言う。あなた方は測量を援護するために来ているのに、測量隊は帰る、あなた方は立って何をするのかと言うと黙っておる、指揮者がおりませんと言う。そこで私たちが行って、警部の吉田さんという人に会った。そうすると、あれは測量隊に行けといっても、道具を持ってきていないから測量できぬ、こういうことなのです。ところがそれは、私たちあとから聞いたら――これは名前を言いにくいのですが、実は十二日にあの第四ゲートの方向に行った。ところがあそこは非常に道が狭いのでお互いに負傷者が出た。だから今度は、おそらく役場の方が手薄であろうと思って、役場の方に向って強力な警官をやったのでございますというような話も聞いた。それで実はあそこにやったのはおとりであったという。そうでしょう、おとりでしょう、何にもやらないで帰っちゃったから。しかも測量隊の十人は測量の棒と巻尺しか持たな。測量に来ましたと言うので、どうぞ行って下さいと言っても行けない。なぜなら測量の機械を持ってきていないから……。こういういわば戦争のようなおとり戦術まで使って警察は測量を援護した。これはあなたも知っているはずだ。そういう作戦をやったことをあなたはここで言明できるはずだ。そういう作戦をやりませんでしたか。はっきりしてごらんなさい、最高責任者ですから。やっておるはずだ。
○江口参考人 測量隊が一班で測量するか、あるいは二班、三班に分れて測量するかということは、これは測量隊の判断に待つより仕方がないと思います。私は棒一本と巻尺だけで測量ができるかどうか専門的なことは存じません。それでできるというなら、測量隊ができるとして警察側は対処せざるを得ないと思います。別におとり戦術と申しますか、そういう深い考え方があって、そういう行動をとられたとは思っておりません。
○滝井委員 そういう測量隊を二手に分けてそして第四ゲートの方の予備隊は、あの場合の予備隊として使うというような御相談があっているはずなんです。それを最高責任者のあなたが知らぬはずはないと思う。あなたはそういうことをお知りにならなかったのですか。十三日の日に二隊に分けて、そして一応第四ゲートの方にはある程度の者をやっておって、それを後には半分に分けてこっちに展開してやっていくというようなことは知らなかったのですか。
○江口参考人 測量が二手に分れて行われるであろうということは聞いておりました。
○滝井委員 その分れる一つの方の測量隊は、測量の道具も実は持っておらなかった。それで道具がないので、それじゃ何しに来たんだと言ったら困っちゃって、実は私たちは家屋調査にこれから行きます、こういうことになってしまった。それははっきり言うた者の顔も覚えております。これは家屋調査になってしまった、そういうことなんです。あなたがおっしゃるように、調達庁の言うことはネコの目のように、そのときそのときでくるりくるり変っているというのが実情なんです。その結果幸か不幸か、あなた方の命令というものが、下部になかなか徹底をしていないということは、今畑に入ったり何かしたのは、全部あなた方の命令ではなくて、現地の予備隊長の命令でやっておる。しかも出動心得書を見てみますと、三番目には農地や宅地等に不法行為が発生してやむを得ず立ち入るときは、農作物や宅地等の施設にできる限り損害を与えないように留意するといっておりながら、農作物や何かを踏んずけていっている。それから同時に五番目では、警棒を使う場合には絶対に振りあげてはいかぬといっておきながら振りあげておる。それから傷害者の救護は彼我の別なく迅速に行い、応援措置を講じて、でき得れば氏名等を確認しておくこと。傷害者というものが出たのに、その障害者を出させなかった。これは私の方の調査にもはっきり出てきておる。それから報道班に対しては警備に支障のない限り便宜を与えて、摩擦を生じないよう留意すること。便宜どころじゃない。報道班がみんなたたかれておる。あなた方はわざわざ御丁寧にも頭の知恵をしぼって警備出動心得書というものを作り、そして前線の一人々々に漏れなく配付されたということを申されましたが、あなた方の命令というものは下部に徹底していない。従って私たちの党ではこういう議論が行われました。なるほど警視庁は警備出動をやるときにはこういうものを出したかもしれない。しかしそのほかに秘密命令を出したのじゃないかという疑いが実は起ってきた。私はまさかそういうことはないと考えております。昨日石井さんもそういうことはないと言いました。私はそれがほんとうだろうと思います。それならばなぜ現地に来ておられるところの井出さんなりあるいはその次の警備課長ですか、そういう人たちの命令がないうちに、隊長がどんどんあの地帯でやるというならば、何も井出さんが来る必要はない。いなくてもいいのです。自動車の中にじっと座って無電を使用してやっておる、あるいはそこにおる久保さんには、党から出ておるのにも書いてありますが、早く警棒使用をやめさせなければならなという忠告を、私たちの方の吉田法晴氏かだれかがしておるはずなんです。ところがしておるにもかかわらず、その命令が下部に徹底していなくて、どんどん使っている。従ってあなた方の命令は全く下部に徹底していない。この事実をお認めになりますか。
○藤本参考人 出動心得につきましていろいろ守られない点がある、こういうようなお話でございましたが、この出動心得が完全に守られなかった面があるいはあるかと思いますが、そういう点は非常に遺憾であると思います。ただ今御指摘いただきました農地や宅地等で不法行為が発生した場合には、やむを得ず立ち入るときにはいろいろ損害を与えないようにやれ、こういうことにつきまして現地の隊長が現行犯逮捕のためにやむを得ず宅地に入っていった、農地に入っていった、畑地に入ったということは、この第三条に少しも違反をしておる問題ではないわけであります。それから傷病者の救護は彼我の別なくこれは迅速に行うということは、そういうふうに考えておる。現地もいつもまたそういうつもりで処置いたしておるのであります。なお報道班員に対して警備に支障のない限り便宜を与えてくれ、こういうことも第一線に十分徹底をさせておりましたが、あの非常に混乱したさ中におきまして、相当の報道班員の方に故障を生じたという事実があったということを聞いておりまして、これは私ども非常に遺憾なことであった、かように思っておる次第でございます。
○滝井委員 藤本さんがお認めになったのは報道班のところだけをお認めになって、麦とは全部否定をされたような格好ですが、あなた方がそういう立場でおられるならまあそれでけっこうでしょう。ところで農地に入ったことはお認めになったようでございます。農作物の損害賠償というものは警視庁はおやりになるのですか。入ったからには……。
○藤本参考人 農地の損害につきましても、やむを得ず入る場合におきましてもできるだけ被害を予防して損害を少くして入ったと思うのであります。しかしこれが現行犯逮捕等のために刑事訴訟法上の規定に基いてやむを得ない公務の執行として、真にやむを得ない範囲であれば、これは警視庁としてこれに対して補償する限りではない、かように考えております。
○滝井委員 そうしますと、今回の砂川で四つの予備隊が畑の中になだれ込んだことについては損害の賠償をしないという方針ですか。
○藤本参考人 これは状況を調査する必要もあろうかと思います。ただいま私が申し上げましたような状況であれば、警視庁として損害賠償をする限りではない、かように考えております。
○滝井委員 次にお尋ねしたいのは、測量隊の中に八洲測量株式会社と申しますか、調達庁のいわゆる国家公務員でない人がおると思うのです。これはおるのですか、おらないのですか。この点御確認になっておると思いますが……。
○藤本参考人 おるということを聞いております。
○滝井委員 そうすると、その八洲の人は、これは公務になりますか。営利会社かなんかじゃないですか。その測量を請け負ってやる人の仕事は公務になりますか。その点、警視庁はおそらく公務執行妨害だからといってやっておられるのだから、公務側と常識的に思われるのですか、法律上の見解はその点どうですか。
○藤本参考人 これも態様によって違うと思いますが、八洲の測量員が主体になってやる場合におきましては、これは民間人でございますから、公務というわけにはいかないと思います。ただし調達庁の役人が測量するその手足として一部の八洲の会社の者がいるという場合には、これはやはり公務だ、かように考えております。
○滝井委員 そうしますとわれわれの方には、どの人が八洲かどの人が調達庁かわからない。その公務の遂行の姿がわからない。あるいはわれわれがみんな八洲の者だと見たらどうしますか。その場合には、警官はどの人が調達庁のお役人か、どの人が八洲の会社の者かわかっておったのですか。
○藤本参考人 八洲会社の測量員と、調達庁の測量員につきましては、腕章を付してその区別を明らかにいたしております。
○滝井委員 それは現地の警察官の一人々々にも明白にわかっておったのでしょうか。
○藤本参考人 現地の隊員全部に知らせております。
○滝井委員 そこらあたりはきわめてあやしいものでございます。
 そこでほかの方もおりますので、これで結論に入りますが、今私の質問の過程を通じて明白になっておることは、現地には堂々と井出本部長さんという方が責任をもってあの三番停止路にどっかりすわっておられます、ところがあの混乱を起した事態の根本的な原因と、畑に入っていったり警棒を使ったり、あるいは仮診療所に突入していく姿というものは、何ら井出さんは命令していないということなんです。現地の予備隊長が独自の判断で全部やつてしまっておるということなんです。しかもそれが明らかに不法事態として指摘をされなければならぬという形になっておる。こうなると首脳部は一体何のためにあるのかということです。みんな現地の予備隊長のなすがままにまかしておるじゃありませんか。そこにおる久保さんはおそらく警棒の使用を直ちに停止するということを約束したにもかかわらずその命令が伝達されない、こういう事態ははっきり申しますならば、もはや現在の警視庁の機構というものは麻痺しておるということです。なるほど警備出動の場合における姿は、警視総監から今度は第一部長、それから第八方面本部長、予備隊長、立川署長、こういうふうに一応紙の上には形式的な指揮系統ができておるけれども、その中枢神経から末端神経に向っての命令というものは行っていないということなんです。むしろ逆になって頭脳が末端にあって、末端が勝手なことをやって、あなた方はそのやった報告を聞いておるということなんです。すなわち中枢部から末端に神経が通っておりません。末端のやったことを逆に上の方が押しつけられておるという形です。これは二・二六事件、五・一五事件と同じような下剋上の思想が現在警視庁に充満をしようとしておることなんです。私は聞きました。現在の警視庁はもはや警視庁の首脳部では動いていない。ほんとうに警察権の動いておるのは係長以下の力で動いておるということを言われております。その具体的な現われが、今回の砂川において起っておる。それはなぜそういうことがはっきり言えるかと申しますと、昨年の砂川と今年の砂川における警官の態度が全く違います。これは井出さんがおいでになればよくわかりますが、井出さん自身がそれを認めております。昨年の井出さんが自分では前線に立って、できるだけ摩擦のないようにみずから先頭に立ってやったということなんです。ところが今度は全部首脳部が来ておりません。第一線には星四つくらいの人が前線であの白いステッキのようなものでやっております。その人たちは一切ものを言いません。こういうところに全く部隊というものは中枢神経の命令によって動かずして、末端だけが自由勝手な姿で動いておるところに暴動ということが言われる。人も言っております。今の警察庁というものは係長級以下で動いておる。課長はだめだと言っておる。そういううわさを立てられるだけでも、日本の警察というものはきわめて不名誉なことだと思う。こういう点は、総監は茜ケ久保君の質問に対して、上の命令があればこれは私は覚悟をきめておるということを言いました。私自身も深くこれは考えておるということを申しました。この際総監は日本の警察のために、やはり身をもってこの事態というものを解決しなければならぬ。もちろんわれわれ社会党のとった態度について悪いところがあれば、われわれは率直に反省をいたします。しかし反省はいたしますけれども、われわれが反省するとともにあなた方についても、やはりえりを正して日本の警察権の確立のために戦ってもらわなければならぬと思う。あなた方は警察法のこの二条の精神というものを全くはき違えております。警察というものは不偏不党、公正、中立を旨としなければならぬ。その不偏不党、公正、中立の立場が貫かれていない。これは中枢神経の命令が末端にそのまま服膺されていないところに問題がある。そういう点はもうすでに今の質問でわかった。一切の重要な命令が井出本部長から出ずして、末端の隊長あたりから出ていっておるということなんです。これではっきりしたように、こういう点は総監も十分反省をして、これを契機として身をもって警察の粛正がやれるかどうか、一つ御答弁願いたいと思う。
○江口参考人 警視庁におきまする指揮命令系統がはなはだ麻痺しておるというお話、あるいはまた係長以下の権限が重大であるという御意見でございますが、これは御批判として十分承わっておきたいと思います。ただ今回の警備実施の内容につきましても、大綱的なものはやはり警視庁の警備一部において会議の結果きまるのでございまして、これを現場の最高指揮官に指示して、その内容の通りに警備を実施させるのでございますが、先ほどお話しましたように、たとえば警棒の使用をとめさせろというような申し入れのありました際には、現地に出ております三番地先におります井出君から現場の予備隊長に無電で、警棒の使用をやめろということを言われておる、必要最小限度になったらしまえというような命令も伝達しております。そのほか予備隊長の権限が大き過ぎるじゃないかというお話でございますが、これはこういうふうな混乱を生じました際には、現地の予備隊長の判断にまつということが一番私は適切であろうと思います。もし第八方面本部長がその予備隊の中に自分から飛び込んでいって、直接指揮をするということになれば、かえって混乱するのでありまして、やはり少し後方にいて、無電で連絡をとりながら予備隊の動きを判断し適切な命令を下す。井出君の今回の警備実施の態度は去年の砂川のときと少しも変っておりません。小さいところでは変っておるところがありましても、大綱については変っておりません。また現場における警察官の態度が去年と違っておるということを言われますが、これもやはり見方の相違ではないかと思います。われわれは去年と違って、特に手荒いことをしたということは考えておりません。いろいろ御批判もございますし、部下の教養につきましては十分責任をもって、こういうことの起らぬように注意して参りたいと思います。
○大矢委員長 次に淡谷君。質疑はできるだけ重複しないように簡潔に……。
○淡谷委員 警視総監にちょっと一つお伺いしたい。きょう配付になりました資料によりますと、「死刑又は無期、若しくは長期三年以上の懲役若し期、若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こにあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯したと疑うに足りる充分なる理由のある者が」云々と、大体武器使用のことが規定されておりますが、そういうふうに武器使用を許されておるときに、武器とは一体何をさすか、一つ御説明を願いたい。
○江口参考人 これは拳銃をいうておるものと考えます。
○淡谷委員 この間の事態に対しまして拳銃を用意させましたかさせませんか。
○江口参考人 拳銃は必要なかろうと考えまして、十二日も十三日も一般隊員には特にはずすように指示してございます。ただ拳銃を装着するのが普通の服装でございますので、小隊長以上あるいは部隊によって多少違いがあるかもしれませんが、小隊長以上は通常の服装でよろしい、つまり拳銃を持ったままでよろしいということにしておりますが、これらの隊長は前面に出てもみ合いの中に入らずして、うしろから指揮するものでございますし、装着したままの服装が常装でございますので、隊員だけがはずしたのであります。
○淡谷委員 これは重要なことでございますからはっきりお伺いしたい。もし命令に違反して拳銃を持っておった者がございましたらどうなさいます。処分されますか。
○江口参考人 そういう事態がございますならば、そのときの事情にもよりましょうが、調査の上はっきり命令違反とわかりますれば処分しなければならぬと思います。
○淡谷委員 拳銃は一体だれがあの当時帯びておったか、その人数と氏名をあとでよろしいから、資料として出していただきたい。これは前線でもみ合った際、はっきり私は確認しました。あなたは後方に置いたと申しますけれども、前線で争っている連中が、ほとんど携行しておった。私手で触れたのです。この席上で私はうそは申しません。こういう事実もございますから、あとでだれだれが拳銃を帯用しておったか、どの方面におったか、はっきりした資料の御提出を願いたい。
 第二の点ですが、鉄かぶと並びに警棒が武器として使用される場合があり得るか、あり得ないか、はっきり御答弁願いたい。
○江口参考人 警棒自体は本来武器ではございませんが、状況によりましては武器として使用され得る場合もございます。鉄かぶとは、これは自衛的な装具だと考えます。
○淡谷委員 現場を見ますと、警棒はむろん武器になっております。まっこう大上段に振りかぶった警棒をもって脳天をぶち割られたら、死ぬことはわかっておる。これをやっています。肋骨を折るくらいに突かれております。あるいは目をねらって、目をこわしてしまっておる。これ以上の武器がありますか。自分を守る武器だといっておる鉄かぶとすら、意識的にぶつけてひたいを割っている事実がある。従って、鉄かぶと並びに警棒を武器として使用しておるような訓練の方法があるならば、ここで身ぶりをもって私に説明してもらいたい。どういう訓練をされておるか。警棒はこういうふうに使用すべしということを、はっきり、警備部長なりあるいは係の者なりが、この席上において身ぶりをもって示してもらいたい。
○藤本参考人 鉄かぶとは全く警察官が自己の危害を防止するためにのみ用いるものでございまして、これが武器として用いられるということはないのでございます。それから警棒におきましては、この出動心得にもありますように、やむを得ず警棒を使用するという場合におきましても、これを振り上げたり、あるいは相手方の背後からこれを使用するというようなことはしないようにということを言っておるのでありまして、できるだけ必要最小限度の使用ということが、われわれの方針でございます。
○淡谷委員 その御答弁では私は満足できません。いかに強弁されましても、現場において武器もしくは凶器として現実の暴行が働かれ、現実の負傷者が出ているのです。あなた方は、一体警棒はどういうふうに使用すべしという訓練をされておるか。しかも、見ますと、単なる偶発の事態ではない。一斉にそろって使い方が一致しておる。一人や二人の誤まった使い方じゃない。統制のある武器的使用をしておる。従ってふだんどのような訓練をされておるのか、身ぶりをもって示してもらいたい。こういうふうに警棒を使えという、その訓練の仕方を教えてもらいたい。
○藤本参考人 警棒の使用を身ぶりで示せということでございますが、警棒の使用の方法もいろいろございまして、普通の使用の形は、大体こういうふうにして警棒を持って、これで押すのが普通だと思います。しかし場合によっては逮捕するために別の方法でこれを使用するということもございます。基本的なものだけを今一応申し上げましたので、形が非常にたくさんございますから、この席で全部を申し上げるわけにも参らぬと思います。
○淡谷委員 そのほかに訓練はございませんか。今の二つの型はよくわかります。しかし、あの際一斉にとっておった型は、そういう型ではなかった。もっとあるはずでしょう。
○藤本参考人 今申し上げましたように、警棒の使用の型にはいろいろございます。たとえば向ってくる相手の攻撃を防ぐために、小太刀のような形で持ちまして、これを使うということもございます。それで出てくる者の小手を払うというようなこともございます。その他いろいろたくさんあるのでございますが、私あまり詳しくその全部は承知しておりません。基本的には大体そういうふうになっております。
○淡谷委員 写真を見ましてもわかる通り、あなたがおっしゃったその小太刀のような取り方がほとんど全部です。あの小太刀のような取り方が一転すると大上段になります。その制限は一体どこでつけられますか。特に小太刀のように構えるのは向ってきた場合とあなたはおっしゃいましたが、無抵抗な者に対して小太刀のような構えをする、ときに大上段に振り上げるという訓練方法が行われておりますか。
○藤本参考人 無抵抗な者に大上段に振りかぶって攻撃を加え、あるいは小太刀で攻撃をするというようなことは、ちょっと想像できないと思います。
○淡谷委員 大体負傷した者を見ますと、後頭部が多い。人間はカニでありませんからうしろに目がございません。うしろ向きで攻撃するはずがない。うしろからなぐった者は全部違法と認めますか。
○藤本参考人 これも一がいには言えないと思うのでございます。たとえば、ああいう混乱でございますから、もみ合いでございます。やはり後頭部に当るというようなこともあろうかと思います。あるいは現行犯を逮捕する場合に、あとから追っかけていくということもあろうかと思います。しかし、先ほどからお話がありますように、全然無抵抗な者に警棒を振り上げてこれを攻撃するというようなことは、私どもとしては想像つきません。
○淡谷委員 藤本さん、この際私はあなたに一つ御忠告申し上げたい。はっきり現実に起っておる事態を言いくらまそうとしてもだめなんです。あなたも警視総監も警視庁におられたのでしょう。われわれ数十人の国会議員が現場ではっきり見、あれだけの報道班がカメラにおさめておる事実なんですよ。この歴然たる事実、この事実は率直に認められた方がいい。あなたは今あやまって警棒に当ったんだろうとおっしゃいましたけれども、あやまって警棒に当るのが、そう何十人も何百人もおりますか。現に私の例をきのう申し上げましたけれども、前線の第一予備隊、これは第一予備隊が一番あばれた。しかも、さっき滝井委員から畑地に入った事例を指摘されましたが、全欧測量の必要のないところにおとなしく固まっておったのは全学連と見ておった。それを大回りに回ってきて黙っておる者を片っぱしからひっぱり込んでいって警棒でなぐっておるのを見た。それはあまり残酷だからやめなさいと言ったら、お前は国会議員だろうといって、わきへ連れていって、どうするかと思ったら、国会議員が何だというわけで、こつんとなぐった、これが私の頭のこぶです。私は五尺六寸ありますが、五尺六寸の私の頭が、立ったままで警棒の下に入りますか、しかもうしろから。これがもみ合いですか。もみ合いならば――警察官だけです。乱闘は起ってない。こういう事実がたくさんある。それさえもあなたは率直にお認めにならないのですか。伺っておきましょう。意識的に強弁なさらないで、もっと率直に話し合おうじゃありませんか。
○藤本参考人 今お話のような事態がかりにあるとすれば、これは私どもいけないことだと思います。従いまして、お説のように、あるいはニュース等にもあるじゃないか、こういうようなお話でございますが、そういう点につきましては、私どももニュース等を資料として真剣に検討し、また今御指摘になりましたようなことがいろいろございました場合には、われわれ自身としての調査もいたしますが、われわれの方にも資料をいただきまして私ども、そういう問題については真剣に調査をして、はっきりしたものについては善処していきたい、かように思っておる次第であります。
○淡谷委員 明らかなる事実ははっきり処罰するということを明言できますね。重ねて伺います。
○藤本参考人 警察官の明らかな不法行為に対しては処分いたします。
○淡谷委員 それじゃもう一点お伺いしますが、さっきの警棒の使用方法です。先を二寸か三寸出して、これをわきにかかえたままあばら骨を突き上げるといった棒の訓練をやっておりますか、これは違法ですか、適法ですか。
○藤本参考人 御指摘のものも、抽象的にここで形をお示しになっても、そのまま適、不適を答えることはむずかしいと思います。現場の実情に応じて、ここの職務執行法にもございますように、あるいは犯人を逮捕しあるいは逃亡する犯人をつかまえるために必要な限度においては警棒が使えるわけでございますから、たとえばそれを抽象的にこうしたらどうだ、こうした場合はどうだというふうにお示し願ってお話し願いましても、それだけでどうこうということは、私はこの席では申しかねるのでございます。
○淡谷委員 抽象ではないです。二、三寸先を出して、こうかまえてこれであばら骨を突いた場合、適法か不適法か。ここに例があります。あなたはまさかカメラというものの科学性を信じないわけじゃないでしょう。写真のレンズの目がうそだということは言えないでしょう。見なさい、これを、ちゃんとやっているじゃないですか。これが違法か適法か。しかもこれが一人、二人じゃないのです。負傷した者がほとんど全部このかまえであばら骨を突かれている。どうします、これは。
○藤本参考人 今お話しの場合が、全然無抵抗でおる者をそういう状態で加撃したとすれば、それは問題があると思います。しかし御指摘の写真がどういう写真か、これは状態を全般的に検討しないとわからないと思いますが、たとえば、それが現行犯逮捕の場合であるのか、あるいは先ほど申し上げましたような逮捕の場合であるのか、あるいは正当防衛あるいは緊急避難の場合であるのか、そこはやっぱり現場の状況をよく検討してみなければはっきりわからない、かように考えます。
○淡谷委員 今のあなたの答弁によりますと、情勢いかんによっては人間を殺してもいいといったような警棒の訓練をされているのですね。状況のいかんによっては人間を殺傷してもかまわないという方針で警棒の訓練をされておる、このように認定してもよろしいですか。
○江口参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。そういう警棒の使用は不当だと思います。ただその事実をどういうふうにしてつかむかということでございます。ただ全般的にお話しになりますことの中には、私はそういう事態もあっただろうと思います。これは神様でない以上、あったことは想像されます。しかしそれをどういうふうに具体的につかむか、あるいはつかみにくいかもしれません。つかみにくければ、それらの者を指揮した者の指揮責任とかいうものにまで及んでくることになるわけでございます。私淡谷さんの言われるようなことが全然なかったとは申しません。私どもそれを今盛んに皆さんからも一その写真の新聞はどの新聞かわかりませんが、それらを十分調査しました上で、その具体的な本人をつかんで参りたい、かように考えております。
○淡谷委員 警視総監の方はよほど警備部長よりは理屈に合っていると思います。しかしさっき滝井委員から指摘されましたように、今回の暴動を見ますと、明らかに指導部に関係ない秘密命令が出されておるように見える。責任者の知らない間に、系統の立った責任者を除外して、末端において、はっきりした一種の政治目的をもって暴行を働いておる。藤本君自身がそれなんです。あなたは河崎局長と会って何を相談しましたか、棒の使用についても、警視総監のような態度で使うならばよろしい。藤本君の言うのは、事情によっては警棒をもって殺傷してもよろしいといったような答弁の仕方である。ほんとうにそうなのか、はっきり言ってもらいたい。
○藤本参考人 私の答弁が誤解を生じたかと思いますが、私どもは必要ある場合には人を殺してもいいというような考えで申したわけでは決してございませんので、その点は私の前に言ったことがさような誤解を生じたといたしますならば、この席で私の申したことを改めます。
○淡谷委員 藤本君にもう一つ確かめておきたいのでありますが、一体警棒――カシの丸太ん棒みたいな棒は、人を殺そうと思えば殺せるか殺せないか、あなたにはっきり御答弁願いたい。人を殺そうと思って使用したら殺せるか殺せないか。
○藤本参考人 その使用の方法によりましては、人を殺傷することもできると思います。
○淡谷委員 総監に一つお伺いしたいのですが、さっき総監は武器というのは拳銃だと言った。しかし今藤本警備部長の話を聞きますと、警棒というものは使用法のいかんによれば人を殺傷し得るという答弁である。そうしますと、警棒を持った予備隊が、この棒の使用方法いかんによれば、はっきり武器になり得るとあなたはお考えになりませんか。
○江口参考人 先ほども御答弁したと思いますが、警棒自体としては武器とは申せないかもしれませんが、これは武器として使用し得る場合もあり得ると考えます。
○淡谷委員 その点が重大であります。従って私は警棒の訓練の仕方はいろいろございますといったような、あなたみずからおっしゃった抽象的な説明では満足できない。現在予備隊は警棒訓練をどのような方針に従って、どのような様式に従ってやられておるか、はっきりこれを出してもらいたい。警棒使用の訓練の根本方針と具体的な型、この型以外に使ってはならぬというはっきりしたものを出してもらいたい。
 特にもう一点確かめておきますが、藤本警備部長、はっきり聞いてもらいたい。一体警棒をもって肩から上の部分、頭部を突いたりなぐったりする使用方法を許しておりますかどうか。
○藤本参考人 警棒をもって頭部を突いたり何かすることは許しておりません。
○淡谷委員 そうすると、警棒による頭部の負傷というものは、はっきり違法であるとお認めになるのですね。従って頭部に警棒をもって負傷を負わしたことは、明らかに処罰対象になるとお考えですね。
○藤本参考人 その警察官が頭部に打突を与えるような目的で頭部を打てば、これは問題になると思います。
○淡谷委員 そこで目的でなぐったか、目的でなくしてなぐったかは警棒の使用の態度にある。
 もう一つは、あなたは正当防衛とか、自分の身をかばうとかいうことに非常に重点を置かれておるようですが、一体ああいう場合に警棒を抜いてかかれという命令をだすに至った現状の把握は、どういう形でなされたか、どういう資料に基いてなされたか。
○藤本参考人 私が申し上げましたのは、警棒は緊急避難あるいは正当防衛あるいは職務執行法第七条にいう職務を執行するため、大体この三つの場合に使用するものだと、かように申し上げたのであります。
○淡谷委員 武器一歩手前の使用を警棒でやったということですね。その場合は現状が非常に不安であり、混乱したというようなお話であった。しかしわれわれの見るところでは、実際の測量とは何ら関係のない場所において、無抵抗な学生に対して、全学連をやっつけろといったような政治目的をもって行われた暴行なのであります。これはもっと率直にあなたもお認めになって実情に対する十分なる調査を願いたい。
 ところで今回の事件は、首脳部が責任を回避したかあるいは臆病になって警視庁その他の役所にかくれてしまって、末端の荒れるにまかしたような、無責任、放漫な態度から起った事件だと私は思う。それによって考えますと、一体調達庁の測量班の行動を何によってあなた方は把握されたか。測量班が交通妨害されておる、職務執行を妨害されておる、こういう事実をいかなる資料に基いてあなた方は認識されたか。
○江口参考人 測量班がその通行を阻害されておるという実情につきましては、四日から測量は始まっております。それでその測量班の前に話し合おう話し合おうと言って立って両方で話をしておる。そういう新聞の写真あるいはニュースあるいはテレビ等をわれわれ十分に見ております。あるいは見解の相違になるかもしれませんが、道路上で話し合いをしようということで、一方は話し合いはもうできないと言ってもみ合っている。その状態自体が、これは特定の法律違反になるおそれは多分にある、こういうふうに認識いたしたわけであります。
○淡谷委員 それはあなたの態度が非常に得手勝手だと思う。暴行の事実については、あなたは報道班の報道を信用されていない。報道班は一斉に暴徒のように化した警察隊といっておる、それは信用されない。事の原因をなした測量班については、今度はあなたの信用しない報道班の報道を引き合いに出している、この矛盾は一体どうされる。信ずるのですか信じないのですか。自分の勝手な、便宜のいい方は信じておるが、悪い方は信じない、このあなたの矛盾はどうするつもりですか。
○江口参考人 私は新聞の報道班員が暴行を受けたという報告も開いております。私自身警視庁の記者クラブから厳重な抗議を受けております。ですからそういう事態があったことは私は疑いません。従いまして報道班の記事は私はうそだと言ったことは一度もないのでございます。そういうことがあっただろうということを前提にして慎重にまた厳格に調査をしてみたい、こういうことを最初から申し上げておる次第であります。私は全部否定の立場に立って御答弁申し上げておるつもりはございません。
○淡谷委員 あなたが測量が妨害されたという原因に基いて、あれは公務執行妨害、土地収用法違反、こんなことで検挙を始めている。ところがその測量班が調達庁の測量班であったかなかったかということを新聞だけによって確かめられるのですか。四日には私は立ちふさがりました。否定しません。一体あれは測量班ですか、伺います。あなたは測量班であるかないか確かめましたか。
○江口参考人 調達庁が主体になって行なっておる測量でございまして、八洲測量株式会社、そこの者を使用人として使っておるわけでございますから、調達庁が測量を実施しておるという前提のもとに考えたわけでございます。
○淡谷委員 少くとも測量班が本物の測量班であるならば、身分をはっきりあかし、目的を告げて立ち入ろうとするのは、これは法律ではないまでもエチケットでしよう。非常にあの際緊迫しておりましたので、あなた方は一体どなたですか、何の目的で入ってこられるのですかと言うのに対して、口を開かない。四日から六日までの態度です。これが一体調達庁の測量班ですか。われわれはこういう人種に対して調達庁の測量班であると認識してよろしいでしょうか。おしか、つんぼかわからない。何を言ってもものを言わない。これが一体測量班と認められますか。
○江口参考人 明示をしているということも聞いております。しかし毎日のことですから、毎日出たたびにそれを呈示したかどうかは聞いておりませんが、一応調達庁の測量班であるということは説明したというふうに聞いております。
○淡谷委員 少くとも国会議員が、激突を避け事態を収拾するために、数人が前線へ身をさらして、この折衝に当ろうというような場合に、公務員であるならば、もっと公務員らしく、身分証明書を出すなり行動の目的を明示するなり、こっちの要求に従ってなすのが、私は公務員の当然の義務であると思う。全然やりません。しかもどうです、七日か四日かは忘れましたけれども、入ってきた連中が前線で話している場合に、頭の上に大きなマイクを載せまして、全く問答無用で、通せ通せ、測量班だ、通せと言って、マイクでガンガンがなり立てている。今話しているのだからやめたらいいじゃないかと言ったら、私たちが国会議員を明示したたすきを見まして、ばかと言う。これは吉田首相じゃないから、ばかやろうと言っても国会解散はしないでしょうけれども、一体公務員が、こっちがもうやめたらいいだろうと制止した場合に、ばかなどと言って、罵声を放ちますか。これが日本の公務員ですか。私はあの測量班は決して測量班だけじゃないと思う。こんな非常識な、こんな乱暴な公務員が日本にはいるはずはない。従って私は四日以来出動した測量班の名簿を、これはあなたの方でなかったら調達庁の方に対して要求したい。四日以来今日に至るまで出た測量班の全員の名簿を私は要求したい。明らかにこれははっきりした公務員でないと私は考える。公務員であったら大へんなものです。公務員があんな行動に出たら、全く日本の吏道はすたっております。綱紀の紊乱もはなはだしい。あなたはその点を親しく認識されて、はっきりそれを認めてから、あるいは公務執行妨害あるいはまた土地収用法違反――少くとも二千人という武装せる予備隊、一歩誤まれば猛虎のような暴徒に化するような危険な集団的武器使用に対して、その基本をなす必要の根本をあなたは一分に調べましたか。その点をもう一ぺん私ははっきり確かめておきたい。
○江口参考人 私は先ほどからいろいろ反省した点も申し上げておりますが、現場に出ておりません。結果から見て現場に出た方がよかったかどうかということはあとから考えられることで、当時は私は出ておりませんので、現場において、測量班であり調達庁の職員であるということを確認して、それからいろいろ第八方面本部によって措置がとられたものであろう、こう私は想像いたしておる次第でございます。
○淡谷委員 調達庁の問題は、長官が出てきておりませんので、またあとであらためて質問いたしますが、藤本部長にお伺いしたいのは、さっきあなたは、十二日の事態を見て、これは容易じゃないからというので、十三日はまあ半ば武装した予備隊を出した、これはけがを防ぐためであると言っておられる。あなたがけがを防ぐのは、警官の方にけががなければいいという立場であったのですか、あるいはまた全体のけがを防ぐつもりでやられたのか、その点をはっきり伺いたい。
○藤本参考人 もちろん私といたしましては、全体に事故が起きないようにということを念願しておるわけでございます。
○淡谷委員 十二日の負傷者の数が警官隊に多かったか、一般の地元民あるいは支援団隊の方に多かったか、あなたはどう認識されておるのですか。
○藤本参考人 これは正確な数字ははっきりつかんでおりませんが、私の方の数字はつかんでおりますけれども、反対同盟の方の数字は、はっきりつかんではおりません。ただ当時言われておった数字によりますと、警官隊の負傷よりも反対同盟の負傷の方が多い、こういうふうに聞いております。
○淡谷委員 警視総監は、はっきり報道陣の言うことは信用されて引用されておりますが、特にこの警察官を繰り出す原因については、ほとんどラジオや新聞の報道を信しておられます。従って警視総監は、あの新聞報道による数字をどういうふうに把握しておられますか。はっきり新聞に書いておるでしょう。あれを信じますか。警官の負傷者の五倍ないし六倍に当っておるという新聞発表をあなたは信じますか、信じませんか。これは都合が悪いから信じませんか。
○江口参考人 その数字はいろいろ勘定のしようによって私は違ってくるんじゃないかと思います。私はいきなり八百という翌日の新聞を見たとき、ちょっとびっくりしたのでございます。そういうけが人が出ただろうかというふうに私は考えたような次第であります。そうすると、八百という新聞のその点だけは信じないのかと言われるかもしれませんが、私は今でも疑問に思っておるという程度で、この点はお答えいたしたいと思います。
○淡谷委員 少くとも報道陣は、警官よりも一般の負傷者が四倍ないし五倍と報じております。ところで翌日はこれを減らすつもりで、あなたがああいうふうな態度に出られたのですな。あなた方二人ともこれは相談されたでしょう。その結果はどうなりました。減りましたか、多くなりましたか。
○藤本参考人 十三日の負傷は、非常に残念なことでございますが、十二日よりも大へんふえております。
○淡谷委員 その場合に警官の負傷者は前日よりも減りましたか、多くなりましたか。
○藤本参考人 警官の負傷も前日よりふえております。
○淡谷委員 一般の方の負傷者の増加率とどうです。
○藤本参考人 増加率ははっきりわかりませんが、一般の負傷の方が、言われる通りであるならば、多いというふうに考えております。
○淡谷委員 いずれにいたしましても、あなた方が事態を悪化させまいとしてとられた行動は、はっきりあなた方の思惑に反して、思わざる事態をかもし出したという事実はお認めになりますか。従ってあなた方の行動は失敗であるというふうにお認めになりますか。それとも、これは測量を半分でもやったんだから、けが人が幾ら出ても成功であった、こういうふうに御認定になるか。はっきり私は伺いたい。
○藤本参考人 けが人が私どもの考え方に反して非常にたくさん出たということは、大へん遺憾なことだと思っております。
○淡谷委員 そういたしますと、あなた方ははっきり、十三日の行動は少くとも遺憾であるという点は、警視総監もあなたも同様に認められておる。この事態の発生の原因については、さらにわれわれはもっと深く検討する必要があると思う。第一、議員団が十数名道路に立っておったくらいで交通妨害にならぬ。これは二、三人の警官が出てきまして注意するなり、あるいはよそへ寄ってもらうということもできる。二十人の議員団に対して二千名の武装警官隊を向ける必要がどこにあったのです。一般の組合員や支援団体は交通妨害をしておらぬでしょう。議員団がずっと前面に立っていて、もう少し話し合ったらいいじゃないか、あそこまでいくと激突するんだから、激突を避けるために、最後まで流血の惨事を起さないために話し合おうじゃないかと言ったのに、二千名の警官の予備隊の動員が何の必要がありますか。
○藤本参考人 お話のように、前の方で折衝に当られておりましたのは、十数名の国会議員の方々であったと思います。しかし全体の事態を私ども見ましたときに、やはり後に数千の支援労組の方、あるいは全学連の方々がいるということになりますと、事態の発展によりましては、不測の事態が起るということも予想せられますので、警視庁といたしましては多数の警察官を用意した、かように存じております。
○淡谷委員 きょう配付されましたあなた方の方の警備方針、この四項のところに、「悪質な抵抗、妨害等不法行為の発生をみたときは、十分な警告を行なった後、実力制止により原状回復の措置を講ずること。」こう書いてあります。このわれわれの行動が悪質な抵抗であったのですか、あるいは妨害等の不法行為の発生だったのですか、どっちなんですか。
○藤本参考人 議員さん方のとられました交渉という行動は、悪質な抵抗とは考えません。やはり道路交通取締法違反の不法な行為だ、かように認めたわけでございます。
○淡谷委員 そういう認識の不足から今度の事態が発生しております。あなた方はさき思わざる事態が発生して遺憾であると言っておる。われわれは初めから、調達庁のようなやり方あるいは今の警察のとった態度によっては、こういう事態が起るだろうということを、十数日にわたってあなた方に切々と訴えているはずだ。それを引き延ばし戦術であるとか、社会党の政策であるとか強弁して、ついにこの惨状を呈してしまった。あなた方は間違っておった。しかもこの十分な警告を一かりに百歩譲りましてこういう事態があったとしても、十分なる警告を行なった事実を、あなた方はどう認識されていますか。
○藤本参考人 十二日の場合を申し上げますと、そういう不法行為のおそれがあるということで、地元の警察署長が出まして、相当の時間をかけて警告をいたしたはずであります。なおその後に部隊が出動いたしましたが、その際にも前に相当の時間やはり警告をいたしております。
○淡谷委員 少くとも、十分なる警告ですよ。立川署長は、きのう石井長官は、大へんかたい男でそんなことはあるまいと言っておりますが、交通妨害を取り締るためには国民の権利なんかどうでもいい、基本人権なんかどうでもいいということを、あえて言うような署長ですよ。憲法なんか知らぬと言っておる署長ですよ。いいですか。この署長がどういう態度でわれわれに対して警告を与えたか、あなた方ははっきりとこれを認識されましたか。確めましたか。少くとも二千名の予備隊を動員して、一大不祥事件が起るかもしれぬという場合に、あなた方はこの署長の警告を事実としてはっきり確めましたか、まず伺いたい。
○藤本参考人 署長の警告は私ども十分に行われたと思っておりますが、お話のような点につきましては、そういうふうに言われておるということは聞いておりますけれども、その点はまだはっきり確めておりません。相当の時間をかけて十分な警告をした、こういうふうに聞いておるのであります。
○淡谷委員 立川署長の警告は、警告ではございません。宣言でございます。何だろうと私はそう認識するから、直ちに実力を行使します、この宣言なんです。これだけははっきりあなた方にお話しておきたい。十分なる警告は行われておりません。むしろ議員に対してばり、ざんぼうは加えましたけれども、少しもわれわれの落ちついた、理由をちゃんと並べた言い分に対しては、一顧も払っていない。非常に非常識な態度です。しかも少くともわれわれに対しては言ったでしょうが、後方にある労働組合や支援団体に対して十分なる警告を行なった事実はございますか。われわれの行動と後方の行動とは全然別にされておったのです。前方にあるわれわれを排除するためには、議員に対して暴力を用いました。今度の問題で一番先にけがしたのは西村代議士と山花代議士です。これは殺到してきた警官隊のために暴行を受けてけがをしているのです。第一番にけがをしたのは代議十三人です。二十人の代議士に対して千余名の予備隊が来て乱暴を働いてけがさしておる。その後方において少くとも警察として混乱を避け、激突を避けるために十分なる警告がなされましたか。
○藤本参考人 立川署長が出ましたときには、その前面におられましたのは議員の方々でございますので、議員の方々に警告を発したのでございます。部隊が出動いたしまして、労組あるいは全学連等の方々による阻止が行われました際には、やはり事前に部隊の方で十分な警告をして、それで聞かれないということで実力行使に入ったようなわけでございます。
○淡谷委員 あなたはさっき警棒の使用に関しましては抽象的な話はやめてくれというようなお話があった。私も単なる部隊による十分なる警告という抽象的な御説明では満足ができません。十二日の場合にはだれがどういう方法で、だれに対して警告を与えたかはっきり御説明願いたい。
○藤本参考人 その点については今具体的に聞いておりませんので、調査の上申し上げたいと思います。
○淡谷委員 何ですか一体そのざまは。あの事態をひき起した最初の原因となる警告に対して、あなたは確かめられないでおられたのですか。警告をしたかしないかも確かめないであの大部隊を動かしたのですか、それはどうです。「十分なる警告」というこの警備方針をあなた方自身が破ったのですか。
○藤本参考人 警告をしたということははっきり確かめております。ただ今お尋ねの人の名前については今ここではっきり申し上げられません。
○淡谷委員 この予備隊の出動が、合法適確になされたかなされないかは、その前の警告が重要な問題なんです。警告に従わなかった場合に初めてこういう実力の使用が許されておる。それを責任のない、だれか名前もわからない、どういう方法でだれに対して言ったかわからない、こんなでたらめな方法であなた方はあの大事件を起したのですか。確かめなさい。基本方針じゃないですか、はっきり言いなさい。
○藤本参考人 時間的に、十分な警告をしたことは、私の方でも時間もはっきりわかっておりますが、今ここの資料に名前等はっきりいたしておりませんので、その点は調査の上申し上げます。
○淡谷委員 それでは確認しておきたいのですが、あの実力使用に至るまでの十分なる警告は、現在のところあなた方は、警告を発した人間も、どういう方法で、何分くらい警告をしたか、それもわからないままで出動されたという事実は認められますね。
○藤本参考人 報告としては参っておりますが、私今この席に資料を持っておりませんので、この点はっきり申し上げられないのであります。
○淡谷委員 すぐお取り寄せ願いたいと思います。特に、「十分なる警告」という念を押しておる警備方針に対して、頭にも残っていないほど軽々しく扱ったんだという現実だけは、はっきり認識しておきます。――私は今すぐほしい。
 そこであらためて伺いますが、あの激突の現場に財布とか時計なんか落ちていなかったのですか。
○藤本参考人 そういう報告は私は聞いておりません。
○淡谷委員 現場にあるいは糞尿を振りまいたり、落し穴を掘ったりした事実の報告を受けておりますか。
○藤本参考人 そういう報告も受けておりません。
○淡谷委員 それでは結論に入りますが、あなた方は出動に当りまして激突を避けるために、予備隊の全員に対して出動心得というものを渡されておる。この第一項は、「指揮官、隊員ともに、予め警備に対する方針等を十分に認識して常に冷静な判断と慎重な態度でのぞみ、相手方のちょう発に乗ぜられて、粗暴の言動にわたることのないよう十分注意すること。」これは完全に破られました。あなた方が何と強弁されようと、今日の事態は、この第一項にははっきりそむいておる。第二項の「反対運動の可否、その他政治的な問題については、現場において相手方と論議をしないこと。」ここに私今度の出動に重大な疑問を持つのです。中には、基地に反対するとは何だ、社会党の議員などはぶち殺してしまうのだという暴言を吐いております。私が今度の事件は単なる突発事件ではなくて、あなた方の気のつかれない政治隠謀なり政治犯罪なりが、伏在しておると、はっきり申し上げたのはここなのです。現場においては、まさに社会党の議員を認識されまして次第によってはぶち殺して議席の数を減らそうというようなことまでわれわれには疑われる。この第二項ははっきり破られておる。これは私は気持を据えて考えてもらいたいと思う。第三項「農地や宅地で不法行為が発生し、やむを得ず立入るときは農作物、宅地の施設等にできる限り損傷を与えないよう留意すること。」、これは全然踏みにじられております。さっき滝井君の言った通り。第五「測量妨害その他不法行為の制止、排除に当っては、粗暴な動作を避け努めて素手で行い、かつ必要以上の力を用いないこと。」これは完全に破られております。そのあとにありますが、「やむを得ず警棒を使用するときであっても、絶対に振り上げ、または相手方の背部から使用しないようにすること。」全部破られております。第六項「老幼、婦女子の妨害行為については、できるだけ実力を用いることを避け、軽く制止するに止め、やむを得ず実力を用いる場合は、特に慎重に行うこと。」これも全然破られておる。腕章をつけた看護婦がけがをしておる。女の負傷者が非常に多い。第六項もじゅうりんされております。第七項「傷病者の救護は彼我の別なく」――彼我とは何ですか一体。国民を、わが方、敵方と分けているじゃないですか。「彼我の別なく迅速に行い、応急措置を講じて、でき得れば氏名等を確認しておくこと。」救急車をとめ、救急車の運転手を検挙するということが、果してこの条項を守っていたといえるか。破られておる。第九「報道班員に対しては、警備に支障のない限り便宜を与え、摩擦を生じないよう留意すること。しいいですか、これが全然まただめです。はっきり、さっき言った通り。そこで、心得各十一カ条のうちに、守られたことは何かと申しますと、たった一つあるのです。「輸送車両、携行装備の保管および使用に当って損傷、奪取されないよう警戒に努めること。」もう一つは、「現場に出動する場合は、貴重品の携行をさけ、特に腕時計等は指揮官、記録要員を除いては携行しないよう配慮すること。」この二項は完全に守られたでしょう。私は、これでは、全然守られない出動心得というものは、出しても出さぬでも同じだと思う。出した出動心得も全然破られていて、どこに一体警視庁の命令の権威がありますか。私さっきあるいは言い過ぎかもしれないけれども、今度の出動の裏には大きな政治目的がある。意識的に社会党に対して警察予備隊の力をもって挑戦したのと違いますか。はっきり確かめておきたい。
○江口参考人 特別何かの意図を持って今回の砂川事件に出動したようにおっしゃられますが、それはとんでもないことだと思います。われわれは夢にもそんなことを考えたことはございません。私がこれが一番事実だろうと考えておることは、現場における混乱のために、隊員の中に負傷者がたくさん出た。これは現行犯の逮捕というようなことで、相当両方が興奮して、粗暴な行為がともにあったということは認められますが、そのほかやはり国会議員とかあるいは都会議員とかに対して、失礼な行為が相当あったのではないかということに対しては、私は大いに反省しております。その点については私からも陳謝したいと思っておりますが、その出動に政治的な目的があって、社会党をどうするということは夢にも考えておりません。
○淡谷委員 これは私の単なる推測じゃないのです。先ほど滝井委員からも若干触れられましたが、今日本の警察の内部において、はっきりした思想の対立が行われておると聞いておる。ある政治の要路に立つ者が、警視総監や警察庁長官は別にして、係長以下の隊員に向って、はっきりした思想訓練と政治訓練を施しておる。かつての二・二六事件のような青年将校の養成にも似た別動隊の編成にうき身をやつしておるといううわさが出ておる。今度の事態を見ますと、あなた方が十三日のあの激突が思わざる結果であったというように、あたな方の思わざる事実が伏在していないとは限りませんので、その点に対して私は厳重なる警告を発しておくと同時に、予備隊を訓練するに当りまして正規に使っております警察予備隊の思想訓練の資料−もし行われているならば、政治訓練の資料等もあるならば出してもらいたい。そういうような資料を全部集めて御提出を願いたい。
 もう一つ、私のその推測を一応引っ込めまして警視総監に伺いたいのですが、あなたの命令がほんとうになかった、表面的にも裏面的にも今度の激突を誘発させるような命令が出されなかったとするならば、この重大な事態をかもしたほんとうの原因は、一体どこにあるとあなたは思われるか。あなたの命令はどこではばまれたと思うか。具体的に中隊長の線か、その下の線か、個々の予備隊員の線か、これはどこで一体あなたの命令がはばまれておると思っておるのですか。
○江口参考人 出動心得の全部が完全に守られなかったことは、はなはだ遺憾に存じます。どうしてこんなに負傷者がよけい出たかという点につきましては、特別に現場で活動しておる者の政治的な意欲とか、あるいは特別に目的があって、ああいうことをしたものだとは私は考えません。やはり非常に抵抗も強かった。去年に比べて非常に抵抗が強かったのであります。あれほどまで抵抗を受けようとは、実はだれも考えていなかったのでございましてどの線で破られたかと申しますと、結局現地におけるそういう事情からやむを得ず命令が守られなかったという点があるということは考えられるのでございます。その点は準備が不十分でありたのではないか。今後は警備実施につきましては、それらの点についても十分考慮の上、反省すべきものは反省していきたい、かように考えております。
○淡谷委員 あとの委員の質問もございますので、私も終りといたしますけれども、現地を見ておりますと、実際測量の必要もないところで警棒をふるってなぐり合って、けが人を出したのが一番多いのであります。第一予備隊、これはあとで相談しまして、予備隊の中隊長あたりまでも出してもらいまして、事命令に故意に違反した点があったら、びしびし厳重に処罰してもらいたいと思います。ことに私たち非常に心配いたしますのは、どうもあの行動を見ておりますと、いかに警視総監が否定されましても、明らかに今日日本の政治の内部に、かつての特高警察のような陰険、悪らつな手段、方法がとられ始めた。同時に警察力を強化した場合に、これに対して政治意図をもって政治警察の形をとるならば、私は完全に日本の民主主義政治の死滅であると思う。おそらくこれは警視総監も同様であろうと思う。しかもあなたの同僚の中に、同じ政府の要路の中に、そのような間違った行為をし、間違った考えを持つ者があるならば、私はこの際警視総監に断固として取り締ってもらいたい、その用意がありますか。もしかりに不幸にして警察部内に対立を起させ、少数の者のために新しい警察政治をしこうとするような陰謀が行われた場合に、あなたは決然立ってこれに挑戦する勇気がありますか。
○江口参考人 もちろん勇気があります、確言しておきます。
○淡谷委員 なおこの事件に対しましては将来に対する非常に大きな影響がございますので、少くとももっと公平に虚心たんかいにこの事件を全部調べ上げまして、処断すべきは十分処断してもらいたい。もしかりに支援団体や社会党の議員団があの警察予備隊と同じ行動に出て、あの負傷者の数が逆になった場合は、おそらくあなた方は自衛隊も繰り出して大弾圧をするでしょう。現実的には、現象的には、命令を守らない暴徒が警棒を持って鉄かぶとをかぶって荒れ狂った一つの暴徒団体であります。権力暴動なんです。ただこれが権力暴動であるかないかは、命令に従ったか従わなかったかにある。現象的には明らかにこれは暴動です、傷害です。その命令が守られていない。こういう事実に対しては、仮借なく私は処罰する必要があると思う。これはもちろん上層部の責任もあるでしょう。少くとも上層部の命令に従わなかった下僚に対しても、私は峻厳なる処罰をもって臨みたいと思います。この点はいかがでありますか。
○江口参考人 当初からこういう事態を引き起したことについては非常に遺憾に存じておりますし、警察官の違法については厳重に処分するということは、私からも藤本君からも申し上げておる通りに、実行したいと思います。
○大矢委員長 北山愛郎君。
○北山委員 質問の前にちょっと希望を申し上げておきたいのですが、警察としてもここにおられる人は実はその当日の現地の実況を見ておらない人が参考人に来ておられる。むしろ質問する方が現地のその現場におった人であります。答える方が現場の状況がわからないからよく調査をしてやると言われるのですが、われわれこの委員会の者としては、ただ警察の方で調査をされるということにまかせておくわけにはいかぬと思うのです。そこで一つあとで与党の方々とも相談を願いまして、この膨大な砂川の不祥事件につきまして調査の小委員会等を持って、さらに当日現地におった予備隊長なりあるいは中隊長なりそういう者についても実際の状況、真和というもの、そうして責任はどこにあるかということを究明しなければならない責任が、この委員会にあると思うのであります。この点は一つ委員長からお諮り願いまして、そういう措置をとっていただきた
 私はほかの質問者もございますから、ごく簡単に二、三疑問の点をお伺いします。先ほど来いろいろ負傷者の問題が出ましたが、きょう配付された資料を拝見しますと、警察側の負傷者については詳細な数字が載っております。ところが相手方、いわゆる現地の地元の方の労組なり地元の人たち、そういう人たちの方の負傷者については、新聞の報道では二日にわたって約千名、この数字についても警視庁は疑問を持っておられる。そういうものの調査はしておられるのかどうか。この出動の際の心得によりましても、彼我の別なく迅速に負傷者の救護を行なって、その氏名等は確認をしておくのだというようなことが書いてございますが、とにかく現実に何百名、千名に近い膨大な負傷者が相手の方にも出ておる。この措置は警視庁としてはどういうふうな措置をとっておるか、これをまず伺っておきたい。
○江口参考人 別に調査をどこにも命じてはございません。病院等について調べれば多少わかると思いますが、大体今までの例から申しましても、当座の間はなかなか申し出がないのでございます。しばらくたちますると、結果的に見て大体こういう人数だったという表が皆さんの方で、あるいは労組ごとにあるいは学園ごとに作られたものができるのではないかと思いますが、それができ上りますと、これだけの負傷者があったということで、私らの方に通知があり、それに基く抗議などがあるのが例でございまして、事件の直後にはこちらの分はわかりますが、そうでない分はわかりにくいのでございます。
○横路委員 関連して。山口警備部長にお尋ねしますが、この警察官警棒、警じよう使用及び取扱規程、これは昭和二十三年九月九日に国家地方警察の訓令第十四号、そこに沿革として昭和二十七年八月国家地方警察訓令第三十八号改正、国家地方警察本部、警察管区本部、都道府県国家地方警察隊長こうなって、警察官警棒、警じよう使用及び取扱規程があるが、この規程は今でも生きておるのかどうか、その点についてお尋ねする。
○山口説明員 国家地方警察六部時代に制定いたしました規程は、現在でも効力を持っております。警察制度改正の際に効力を持つように規程を設けたのであります。
○横路委員 警視総監、今の答弁の通り警察官警棒、警じよう使用及び取扱規程には、昭和二十三年九月九日のその訓令が生きているというように警察庁で答弁された。そこでこの規程の第五条に、「警棒又は警じようの使用により傷害を与えたときは、速やかにその状況を所属の長に報告しなければならない。」第二番目、「警察署長又は支所長は、前項の報告を受けたときは、直ちに都道府県警察隊長に報告しなければならない。」となっている。ところが今北山委員の質問に答えていわく、全然調査していないという、そのうちに申し出があるだろうという、これは一体どういうことなんです。これは警棒によって多くの傷害を与えたことは明らかなんだ。もうすでに十三、十四、十五、きょうは十六日なんです。四日間たっているのに、全然調査をしていないとは何ごとだ。こういう規程があるのを知っているのか知っていないのか、一体どうなんだ。藤本氏どうなんだ、あなたはこの規程があるのを知っているのか。
○藤本参考人 その規程があることは承知しております。
○横路委員 知っておるならばなぜ一体第五条によってやらないのだ、全然調べてないのじゃないか。調べたのか。一体これはどうしたのです。
○藤本参考人 現地と申しますか、出動した予備隊におきましては、それぞれ調査しておると思います。
○横路委員 一体今の答弁は何ですか。まだ報告がないという、届出を待ってやらざるを得ないだろうという、今は現地ではやっておるだろうという。それならば直ちに一つここでその傷害を――ここにある傷害を与えたことは事実なんだ、新聞に出ておるんだ、入院しておるところを調べればわかるんだから。一体警視総監は報告を受けているのか、受けていないのか、その点はどうなんですか。
○江口参考人 私の思い違いもございまして、はなはだ恐縮に存じますが、今の規程が依然として存在する以上、その規程に従わざるを得ないのでございまして、現地では関係部隊長が調査を始めておると思いますので、その点ももう一つ確認いたしたい、かように考えております。
○横路委員 それではどういう方法によって調べたか、一つすみやかに一すみやかにということは、この問題は十三日の午後一時から午後四時四十分ころまでに起きている。どんどん病院に運ばれた、今日はそのうちでは自宅に帰っておる者もある。一体当時病院に行って調べたのかどうか、その点はこれはどうなっているのですか。――やっていないじゃないか、一体どうなっているんだ、どういう方法で調査をしたのか、その点を一つ明らかにしてもらいたい。――委員長、これは重大な問題なんだ、私も先ほど出されたこの資料を見て、警察官の方の件は出ているが、一般の人たちに与えた傷害については出ていない。現に私ども翌日の朝だが、第八方面本部長を訪れてどうなっているか聞いたら、本人はきょうは日曜日だから休んで出てこないという。そこでわれわれは、これほど重大な問題が起きておるのに日曜日だから休むとはおかしいではないか、それならば自宅に行くといったところが、初めて警視庁の第一方面隊の部屋で会うことになった。一体これはどういうようにして調べたのか。病院には全然行っていないじゃないか、明らかにこれは怠慢だ。これは警察官のこの取扱規程を全然無視している。一体これは今からどうやって調べるのだ。やっていないならばやっていないでよろしい、やっているのかやっていないのかどっちなんだ。当日の晩は病院に行っていないのは明らかだ、翌日も明らかに行っていない、これは一体どうなっているのか。
○江口参考人 私も大へんうかつでありまして、はなはだ恐縮に存じますが、警棒の使用によって負傷した者について、当時の責任者が直ちに調査して報告するということになっておる規定がございます以上、これを履行しなかったことは、はなはだ怠慢だと存じます。あるいは今お話のように病院にも調査に来ていないということでございますから、今からでも、十分なことはできぬかもしれませんが、その規定を履践するようにいたしたい、かように考えます。
○横路委員 山口警備部長、私はあなたの方でせっかく出されているこういう取扱いの規程が、現にひざ元の警視庁で守られていない、守られていないというか取扱いの規程があることすら知らない。こういうことで一体一般警察官としての職務執行ができますか。一体警察学校では何をやっておるのです。一体一般の警察官に対してどうするのです。今あなたお聞きのように、藤本氏もよく知らない、警視総監は今その取扱いがある以上やらなければならぬと言っておる。もう四日たって、みんな自宅に帰っておるのです。これはこれから調べるというのですから、これからでも調べてもらいたい。これは重大な問題だ。それから委員長、今の話の通り全然やっていないなら、これは一つ今から調べて、この委員会をやっている間に報告できるならば、きょう中に報告してもらいたいし、できなければさらに委員会を継続して、直ちに出してもらいたい。こういうばかなことが一体ありますか。山口さん、どうなんだ、こういうものがひざ元の警視庁においても全然守られていないというのは、一体どうなんだ。
○山口説明員 当日の非常に混乱した状況のもとでは、おそらく十分に負傷者の調査をすることもむずかしかったであろうと私は思うのであります。第一線におきましては、私はお話の点につきましては、極力手を尽して、負傷者の状況を調べるように努力しておったものと思うのであります。ただいろいろ事態が輻湊いたしましたので、十分に調査ができていない面もあり、あるいはまだ警視庁の方に報告も来ていないものもあろうと思いますが、これはやはりできる限りの努力をいたしまして調査をして参りたい、かように思っております。
○横路委員 山口さん、あなたのそういうかばう気持はわかるが、今私が聞いておるのはそういうことではない。やっているだろうではないのだ。全然やっていないのだ。こういう規程があることも知らないのだ。十四日は休んで、いないじゃないか。これを見てもわかるように二百何十名も私服を動員しておるならば、武装警察官が中に入って調べることが刺激するならば、私服の刑事が行ってやってもいいじゃないか。この規程があることを知らないことは、今明らかになったのだ。これは重大な問題だ。こういう事態は退院したらわからない。むろんきょう中に出せるなら出してもらいたい。それからどういうふうに調べたか、それもやってもらいたい。やっていなければ委員会を継続して直ちにやってもらいたい。これは重大な問題だ。私の関連の分はこれでやめておきます。
○大矢委員長 横路君に申しますが、今お聞きの通り警視総監はすみやかにこれを調査して報告する、こう言っております。私からもあらためて至急調査してこの委員会に報告を願いたいと思います。
○門司委員 こういうことになるから、ちゃんとあなたの方に資料の中によく書いて出すように言ってあるでしょう。きのう私の方で資料を要求した中に、一般の警察官の警棒の使用度数と重軽傷者それぞれの負傷個所、大体調べてもらいたい。私が昨日資料の要求をしましたのは、いわゆる警棒を使った場所がなかったかという確認をするために、一応資料の要求をあなたに出しておったのです。この資料が出されないから、こういう問題が起るのです。いわゆる負傷の個所というのは、どこでどういうことになっておるか、負傷の種類、これだけ確認しておいて下さい。この資料を読んでみますと、あなたの方は届出がなかったからというが、届出があってもなくても、とにかくあなたは警察官としての義務があるから、この資料は、ここは取り消して直ちに出すということに、一つはっきりしてもらいたい。
○大矢委員長 北山君に申しますが、船田国務大臣は用件があるそうですから、できるだけ船田国務大臣に先に御質問願いたいと存じます。他の質問通告者の中にも特に大臣にという午前中の要望もありましたので、その点船田大臣に向って先に質問願いたいと思います。(「どのくらいいるのですか」と呼ぶ者あり)三十分ということでありますが、(「冗談じゃない」と呼ぶ者あり)それでは北山君。
○北山委員 ただいまの負傷者の問題は、先ほどの総監のお話でも、現地における警察の行動というものは決して行き過ぎがないとは言えない。双方の興奮状態でもって混乱があった結果、負傷者が出たということを認めておられる。そうだとすれば、これは当然警察ばかりではなくて、相手方の負傷者が入院していることもわかっているはずだ、そういうところへも見舞に行かなければならぬと思う。しかも先ほど来言われたように、この事件の実態については十分調査をすると言っておられる、調査をするならば、これは当然負傷者の状態、どこをけがしたか、うしろから棒でなぐられたのかどうかというようなことを調べる上においても、私は負傷者の調査をまずやらなければならないと思う。その調査にはちっとも手をつけておらない、考えてもおらないということで、果してわれわれが信頼のできる正しい調査ができるかどうか、非常に心配なんです。ですから、私は先ほどこの委員会としても調査機関を設けて継続して調査をしなければならぬということを要望したわけなんです。
 しかし長官が来られましたから、長官に二、三お伺いしておきますが、私どもから言うならば、今回の問題は警察が測量を援護するような形になって、その結果あのような非常に未曽有の不祥事件を起して、千名をこえるような負傷者を出した、その根本の原因は、この測量について何かほかの方法でも解決の道が見出せれば、その方法でやるべきであったのを、警察がついに火中の栗を拾ったというか、泥をかぶってしまったというふうに私どもは見ているのです。警察の出動しなければならぬという総監の判断の基礎になっているのは、調達庁のいわゆる十六日までに測量を完了しなければならぬという不可避の条件にあったのではないかと思うのです。ところが十六日までに測量をやってしまわなければならぬというのが、実際にやってみると、約二千九百坪の中で千坪くらいをやって、それでも間に合うというようなことでは、これは私が警察官であればペテンにかかったと思うのは当然だと思うのです。また現実に現地の指揮に当った井出本部長もペテンにかかったというようなことを言っている。ですから、私が長官にお伺いしたいのは、十六日までに測量を完了しなければならないというのが、なぜ三分の一くらいの測量でも済むということに変更されたのであるか、これをまずお伺いしておきたい。
○船田国務大臣 測量の予定地はまだ他に残っております。しかしあの十二日、十三日の事態を見まして、なるべくこれ以上の犠牲の発生を避けたいというようなことを考慮いたしまして、政治的の考慮によって、私担当大臣といたしまして測量を中止いたしたのであります。決して測量の計画を放棄したものではございません。また事務当局としてはぜひ測量をやりたいという熱望を持っておったのでありますが、私の判断におきまして測量を中止いたしたわけであります。
○北山委員 測量の主目的である誘導路予定地部分の測量が終ったから、そこで一応打ち切るのだ、これが長官の公式な談話でありますが、これに加えて田中官房副長官はこういうことを言っておる。「いままでの測量で飛行機の滑走路、誘導路が終ったので、このままでも飛行機は発着できる。」「こんど測量を中止した部分は飛行機の発着によって爆風の影響のある所で、このまま居座った場合、危険ではないとしても農作物などに被害が考えられる。」というように、この残りの部分についての田中内閣官房副長官の談話でありますが、昨日の委員会で調達庁の丸山次長もこの千坪の部分、すなわち誘導路の部分、これを収用の手続を済ませば、アメリカ側に引き渡して工事をやるんだ、こういうことを言っておるのですが、その千坪の部分だけを引き離して、これをアメリカ側に引き渡すという考えで政府はおられるのですか。それで今度の測量の主要目的が達せられた、こういうふうに考えておられるのですか。
○船田国務大臣 測量は決してそれでもって満足な状態にあるとは考えておりません。従って残余の部分もできるだけすみやかに、しかも地元の方々の十分な理解を得るようにして、これを実施いたしたいと考えております。しかしごく最小限度の、まず滑走路と誘導路を作るという最小限度の部分の測量は終った、こういう趣旨におきまして、あの事態を見まして測量の実施をこの際は一時中止した、こういうことであります。
○北山委員 私の聞いているのは、今度の測量部分でもって収用の手続をする、収用委員会の裁決の申請をして、委員会の処理が済んで、これが国の土地に移るということになれば、これをアメリカ側にその分だけでも渡す。そうしてアメリカの方で工事をする、工事ができれば飛行機が発着をするでありましょう。それでいいというふうにお考えになっておるのですか。
  〔委員長退席、鈴木(直)委員長代理着席〕
○船田国務大臣 それで十分満足がいくというふうには考えておりません。残余の部分についても法律上の手続をとりまして、できるだけ地元の了解を得て測量を済まし、これも土地収用委員会の方に申請をするようにいたしたいと考えておりますが、しかしあの場合においてはまず最小限度のものは一応目的を達したから、それでやめたということであります。
○北山委員 私の聞いているのは、残余の部分も測量したいということはもちろんわかるのですが、問題は今度測量した部分だけでも、ほかの残余の部分がかりにいろいろな障害でできなくても、今度の測量の部分だけでも収用手続をして、アメリカ側に引き渡す考えだかどうだか、こういうことなんです。
○船田国務大臣 それは十分今後地図の上においても実情に即した案を勘案いたしまして、そして最小限度のものを米軍側にも引き渡したい、かように考えております。
○北山委員 そうするとただいま長官のお話で、結局今度の砂川測量の一応打ち切りということは、滑走路、誘導路、この部分の収用手続は今度の測量で済むから、まずこれだけを切り離してアメリカ側に渡して、そして飛行場に使わせるのだ、そうすれば当然その近所にある夫測量の土地におる人たち、これは爆風等でいろいろ影響を受けることを覚悟の上で、そういう措置をとろうとしておると考えていいのですか。
○船田国務大臣 そのことにつきましては、先ほど申し上げましたように今後も十分地元の地主、土地利害関係者にお話をいたしまして、できるだけ地元の御了解を得て、危害の及ばない最小限度の土地の測量をいたしまして、そして滑走路及び誘導路をつけるようにいたして参りたいと考えております。
○北山委員 今度の測量分は一体政府としてはいつまでにアメリカに渡す約束になっておりますか。
○船田国務大臣 期日を切って、アメリカ側にいつ渡すというようなことは約束いたしておりません。しかしこれはもう昭和二十九年の三月当時すでに米側とも協議をいたしまして、なるべくすみやかに基地の拡張をして引き渡すということになっておるのでありまして、すでに相当時期がおくれておるわけであります。従ってわが方といたしましては、なるべく早い機会にこれを実現するようにいたしたいと考えて努力をしておるわけであります。
○北山委員 期日はないというお話ですが、聞くところによると、この基地拡張部分の引き渡しというか拡張と、それから例の防衛分担金の削減ということは、これはお互いの約束の中にあるのだ、従って防衛分担金を削減をしてもらう以上は、この飛行場の拡張部分を履行しなければならぬ、こういう約束がアメリカとの間にあるのだというふうに伝えられておりますが、そういうふうに防衛分担金の削減と、それから今度の飛行場の拡張とは不可分の関係にあるのかどうか、これを承わっておきたい。
○船田国務大臣 防衛分担金の問題と基地拡張の問題とは関係ございません。御承知の通り立川基地の拡張ということは、わが国の防衛上も必要なことでありまして、現在は日本の国土の防衛につきましては日本とアメリカとが共同して防衛に当っておる、こういうことでありまして現在米軍が使っておりましても、将来日本側に解放されますことも当然予想されることでありますし、日本の国土の防衛のためにあの程度の基地を持つ、飛行場を持つということは絶対に必要なことでありますから、従って政府としてはあの立川基地の拡張ということについて、地元の方にはまことにお気の毒でありますけれども・最小限度の拡張はしなければならぬという方針をきめて、それを着々実行しつつあるわけであります。
○北山委員 そういたしますと、これは米軍の基地としても拡張するのだが、やはり将来は日本の飛行基地としての意味でも、鳩山内閣は拡張するという考え方、こういう考え方に立っておるのだという言明でありますが、アメリカの空軍は一体いつごろ撤退をするという見通しがあるのですか、その根拠がどこにあるのですか。たしか去年ですか、国会でも米軍の撤退についての質疑が行われた。しかし地上軍は逐次撤退をするというお話があったのですが、海空軍については近い将来に撤退をするというような保証は何にもないはずだ。一体アメリカが空軍基地を日本に渡すという根拠がどこにあるのか、これを一つ承わっておきたい。
○船田国務大臣 日米安保条約によりまして、御承知の通りに日本の国土の防衛は、日本とアメリカとが共同して当っております。しかしこれは将来日本における国防体制が整備されて参りますれば、漸次米軍は撤退するということになろうかと思います。しかしその時期は今質問者のお言葉の中にもありましたように、明確に今いつということを指定する段階には来ておりません。
○北山委員 そうすると、何ら米軍が、海空軍が日本の基地を明け渡して撤退をして、日本側に明け渡すというような何の保証もないのに、そんな予想が一体できるのですか。これは常識論として、将来十年、二十年先になったら、そうなるだろうというような常識的な考え方で、こういう重要な基地の現実の問題を、将来は日本のものになるんだから、やってもいいのだというふうなことには私はならぬと思う。もしもこれは将来日本のためにもなるんだ、日本軍が使うものだとするならば、何らかそこに二年先、三年先になるというような保証なり根拠があるならば格別だけれども、そうでもない限りただ慢然たる見通しだけで、これはアメリカ側の基地を提供するんじゃないのだ。日本のためにもなるんだというような、そういうことを発言する一体何らの根拠がない、空想じゃないですか。これこそ空理空論じゃないですか。従って日本軍が増強するに従って米軍が逐次撤退するというのであれば、地上のみならず海空についても私は基地を小さくしていくのが当然だと思う。それを逆に大きくしていくのですから、普通考えるならば、海空軍についてはいつ撤退するということはわけがわからぬです。何の根拠で一体そういうことをされるのか、全然根拠がないのですか。
○船田国務大臣 日本の国土の防衛は、御承知の通り現在日米安保条約によりまして、日本とアメリカ軍とが共同して防衛をいたしております。しかし日本の防衛力が非常に強大になってきますれば、当然米軍は要らないということにもなりましょう。しかしそれは今日の場合において、とうていそういう事態にはなりません。従って私ども防衛の責任者といたしましては、国力、国情に相応する防衛力を、なるべくすみやかに整備したいということで、せっかく努力をいたしておるわけであります。現在の立川の基地は、確かに米軍が使っております。しかし今日滑走路が五千五百フィートであるということは、ジェット・エンジンの飛行機を使用する今日におきましては、これは何といっても短か過ぎます。そこで少くともこれを七千フィート程度に延ばさなければならぬということは、これはどうしても防衛の見地から申しますと、最小限度のものでありまして、従って今回これを七千フィートに拡張するということでその準備を進め、従ってその法律上の手続である測量の手続をとった、こういう次第であります。
○北山委員 先ほどのお答えでありますが、防衛分担金の削減と今度の砂川、立川等の五つの飛行基地の拡張とは関係がない、こういうお話でありますが、そういたしますと昨年の四月十九日の日米共同声明というものは、あれは一体のものではない。防衛分担金削減と飛行基地の拡大は別だから、従って防衛分担金削減と飛行基地の拡張については、別個に政府としては今後措置ができる、こういうことでいいのですな。あれは一体のものじゃないのですか。
○船田国務大臣 私がさっき別個のものであるということを申しましたのは、その防衛分担金の問題と基地拡張の問題とが法律上の相関関係とか、条約上の因果関係とか、そういう意味において関係があるものではない、こういう趣旨において申したわけでございます。
○北山委員 日本の防衛問題について、広い論争、議論をするつもりはございませんが、あとに質問者もあると思いますので急ぎますが、ただ一点長官はこういうことをどう考えているのです。今度アメリカの大統領選挙が行われる。共和党が勝つか民主党が勝つか、五分々々だというようなお話でありますが、もし民主党が勝ってスチブンソンが大統領になる。そうすると国務長官になるのはジョージ・ケナンであろうというふうな話もある。ところがそのジョージ・ケナンという人が今までのアメリカの対日政策、対世界政策に対して批判を加えておる。ことしの五月に演説をいたしておりますが、その中で日本とドイツ、これを中立化してそうして米ソ二大勢力の間に中間地帯を置くということが正しい政策だ。従って日本の軍事基地とか、あるいは日本におけるアメリカの軍隊、こういうものをやめた方がいいというような議論を、民主党が勝てば国務長官になるであろうというような人が堂々と演説をしておるのです。そのような大統領選挙が今十一月の初めに結論が出ようとしておるのです。こういうように民主党のそういう有力者ですらも、アメリカの対日政策についてそういう意巨をしなければならぬほど、やはりアメリカの部内においても、政界においてもそういう意見が高まってきておるのですから、そういう際に今までの約束を後生大事に守って、そうしてこの飛行基地というものを拡張していくのだ。それをしかも千人以上の日本人をけがをさしてもやっていくのだということについて、一体政府はどう考えているか。もしもこのアメリカの選挙の結果として、もし今申し上げたような方向にアメリカの政策が変ったとするならば、おそらく鳩山内閣は見通しがないということで、これは重大な責任をとらなければならぬと思う。私は常識論としてもそういうようないろいろな世界情勢が動いているのであるから、あんなに無理をして測量をしなくてもいいのじゃないか。アメリカとの関係においてはそうじゃないかというふうに思うのですが、それは別として、長官は将来は日本の基地にもなるのだから、それを主目的にしてあのような無理な拡張をしようとしておられるのですか。
○船田国務大臣 アメリカの大統領選挙の結果がどうなるかということは、もちろん予想できません。しかしただいま御指摘のジョージ・ケナンの意見というのは、私どもの聞いておるところでは、むしろ今お話のこととは逆とまではいかないけれども、かなり違っております。ことに御承知の通りジョージ・ケナンは一九四七年に初めてイン・サークル・ポリシィというソ連包囲政策を提唱いたしまして、トルーマン内閣においてこれを実現した指導力になった人でございまして、日本が中立化する方がいいのだというような議論をしたということは私は聞いておりません。それにかかわらず、とにかく立川基地の拡張は、これは日本の国土の防衛のために必要最小限度のものであると政府は考えておるのでありまして、そのために測量をするということは、これは昨年立てた計画方針に従って、今日これを実現しておるわけでありまして、その過程におきましてかような不祥な事態が起ったということは、まことに遺憾でございますけれども、私どもは何といってもやはり法と秩序はどこまでも守っていくべきものである。
  〔鈴木(直)委員長代理退席、委員長着席〕
それが民主主義政治の根本である、かような考えに立ちまして、従って適当なる行政措置、合法的な行政措置をするにつきまして、それを妨害するというような者がありました場合には、その妨害を排除する最小限度の実力の行使ということは、やむを得なかったものである、かように考えます。
○北山委員 外務委員会ではありませんから、その点は簡単にしたいと思うのですが、長官のお言葉がございましたから、私の先ほど申したことを、もう少しはっきりしておきたいのです。これはことしの五月の三日にジョージ・エフ・ケナンがピッツバークの外交政策協会主催の討論会の席上で演説をして、これがアメリカにおける非常に大きな論争を巻き起しておる。その中でいろいろ書いてありますが、要約をすると、中共の国連加盟には賛成である、それからドイツは中立化させるべきであるというふうにして、東西両陣営の間に中立地帯を設定し、かつこれを拡大しよう、この線に沿ってドイツは中立化させるべきである、なおまた同じ原則が日本にも適用すると思う、特に現在の取りきめの中で問題だと思うのは、対日米軍基地の維持という点である云々と言いまして、この米軍基地の維持ということについて非常に批判的な言葉を述べておる。そしてアメリカの政策は日本列島が中部、欧州と同様にやがては世界の二大陣営の争いの種ではなくて、かけ橋となり、和協の地域となるような解決策を生み出すことを目標とすべきであると私は考える、こういうふうに言っております。そして現行の対日平和条約は当時としてはやむを得なかったものであることは十分理解できる。しかし今やアメリカとしては現行の取りきめを修正して、一そう広範な国際協定を包含し、単に日本だけではなくてその周辺地域の安全を保障し、わが国の軍隊を無期限に駐留させる必要のなくなるような新しい取りきめと置きかえる可能性をそろそろ検討し始めてもいいんじゃないか、こういう演説をしておるわけなんです。要するにケナンの考え方は、ソ連との間にヨーロッパからアジアにかけて広い中間地帯、中立地帯というものを拡大していこう。こういう従来のアメリカの対日政策、世界政策とは非常に違った線を打ち出しておる。しかも単にケナンがそう言っておるだけじゃなくて、世界の情勢は、この東西両陣営が話し合いの方向に向っておる、この大きな流れの一つとして、しかもアメリカの中のこういう有力者ですらも、こういう意見を持っておる。将来の国務長官の候補者がこういうことを言っておるという情勢である。これは社会党が言うばかりじゃなく、日本国民の多数の人がそろそろこういうことを感じ始めておる。そのときにあのような流血の犠牲を払っても、アメリカの原水爆基地のおそれのある飛行基地を拡大しなければならぬのか。これが私は全国民の非常な基地問題についての疑いだと思うのです。だから私は伺うのであって、それでもなおかっこういう世界情勢の中でも警察権を動員し、千名以上の負傷者を出して、それでもやらなければならぬというふうにお考えになっておるのですか。
○船田国務大臣 ジョージ・ケナンの演説の真意がどこにあるかということについては、これは私の見るところは質問者と違っております。しかしここでそれを論争しようとは思いません。もしジョージ・ケナンが将来国務長官になり、あるいは日本の政権もこれを受け入れるような違った政権ができた場合、また違った政策も出るかもしれませんが、私どもの現内閣において防衛の責任者として国際情勢を判断するところによりますと、なるほど東西の対立の緩和ということはうたわれており、またその風も吹いておるようでありますけれども、しかしまだ部分戦争なりあるいは冷戦が全然終息したといって楽観は許されない状況にある。また過去数千年の歴史から見ましても、独立国が防衛態勢を持っておるという世界列国の事実を見、われわれの体験を考えましたときに、最小限度の防衛態勢を整備するということは絶対に必要であると私どもは判断をいたし、国情に相応する最小限度の自衛態勢を整備すべく努力いたしておるわけでありまして、立川の基地の拡張ということもその一環である、そしてしかもこれは必要最小限度のものでありますから、私はどうしてもこれを実現しなければならぬ、かように考え、また政府もその方針で一昨年以来その拡張のことについて努力を続けてきておる次第であります。
○北山委員 最後に一点お伺いしておきますが、先ほど警視総監は今度の砂川基地拡張に伴う警察官の出動というのは、警視総監の責任で自主的に決定をしたのだ、こういう話をされておる。しかしわれわれがいろいろなところから聞くところでは、しかも聞くばかりじゃなくて、政府は基地問題については関係閣僚の懇談会を開き、しかもこれに関連のある警察の責任者等もその中に入れていろいろ相談をしておる。そういう状況から判断すれば、警察権の発動、警察の実力の援護のもとに測量を強行することについて、政府側の強い圧力が警視庁に加えられたのではないか、こういうことがいわれておるのですが、一体船田国務長官としてはこの警察権の発動についてどういう要請を警視庁にやったか、これを伺っておきたい。
○船田国務大臣 政府としては警察権の行使を圧力をもって実現せしめたということはございません。また警察が行動を起したということは結局法の執行、行政措置を阻止することが法と秩序を破る程度にまで達したということが認められたから、従って警察が発動したものと私は考えます。
○門司委員 関連して、簡単に一つだけ聞いておきます。今の北山君に対する長官の答弁だけではどうも納得がいかぬところがあります。今の船田さんの答弁の中に、米軍が撤退した後に日本の軍がこれを使用することがあるからというような御答弁があったように私は聞いたのでありますが、その通りに間違いございませんか。
○船田国務大臣 立川の基地は現在は米軍が使っております。これは事実であります。しかし米軍に使わしておるということは、結局日本国土の防衛のために必要であるから、米軍に提供しておるということなんでありまして、もちろん米軍が将来撤退する場合がありましたときには、自衛隊がこれを使用するということにもなり、また防衛上必要な最小限度の基地であるということを私は申したわけであります。
○門司委員 ただいまの防衛庁長官の発言は非常に重大でございます。今米軍が持っております基地は、日本防衛のためと言っておりますが、これは明らかにだれが何と言っても、よその軍隊あるいはよその国に攻めていくことのできる軍の装備であるということには間違いがないと思う。そういたしますと、この攻撃を目的とした米軍のこの今日の拡張工事に対して、そのあと日本の自衛隊が受け継ぐのだということになりますと、明らかに、戦力を放棄しておりまする日本の憲法に対する違反行為を、すでに船田さんは肯定して、今日こういうことを行われておるもの、こう私どもは解釈せざるを得ないのであります。日本の憲法と今の船田長官の言葉とは非常に大きな矛盾がある。憲法並びに法律は当然守られなければならないことは、行政の府においでになりまするあなたは御承知だと思う。そのあなたが、憲法をみずから否定するというようなことが、ここではっきり言えるということは、一体どこに根拠がありますか。どうしてあなたはそういうことを言われるのか。まだ日本は憲法を改正しておりませんよ。日本の憲法を改正しておらない今日、戦争目的のために使うのだというようなことを、はっきり言われたあなたの真意を、もう一応伺っておきたいと思います。あなたはこれを憲法違反にならないとお考えであるか。
○船田国務大臣 立川の基地が攻撃的戦争の目的のために使われるという前提を置いての御質問に対しては、私はこれを肯定いたしません。立川の基地は日本防衛のために必要なる最小限度の基地である、かように申しておるのでありまして、今質問者の御指摘になりましたようなことを前提として答弁をしたのではございません。
○門司委員 おそらく大臣としてはさような答弁しか私はできないと思う。大臣が憲法違反を肯定するというようなことは、私はできないと思うが、大臣の先ほどからの御答弁、二度ここで発言されましたことは、明らかに私は戦力の拡張、戦力だと見る以外にないのですよ。日本を防衛するために必要だというアメリカの日本における基地というものは、何のために必要なのか。それなら大臣にはっきり聞きますが、あなた方が言う憲法で許された範囲の日本の自衛というものは、今アメリカが日本における、あるいは沖縄を含む軍備すべてを、憲法に許された範囲の防衛力とお考えになりますか。
○船田国務大臣 わが国の憲法九条が攻撃的な戦力を持つことを禁止しておることはお説の通りであります。しかし、現在の陸海空の自衛隊は、憲法九条に禁止する戦力という段階には達しておりません。国土を防衛するための最小限度の自衛体制であります。米軍がどれだけの戦力、軍力を持っておるかということは、これは憲法とはおのずから別問題でございます。
○門司委員 大臣は米軍の軍力は憲法とは別問題といわれておりますが、しかしあなたの言葉の中には、今の日本の持っている軍事基地というものは攻撃的のものではない、日本を守るために必要だ、こう言われているでしょう。米軍の今の基地もですよ。日本を守るためだというなら、結局日本の自衛のためだということになるでしょう。だから私は聞いておるのである。日本を守るために今米軍が持っておるだけの装備が、いわゆる沖縄を含む装備というものが必要だということになるなら、将来日本の自衛隊は、今のアメリカの持っておる軍備と同じように拡張される予定でございますか。
○船田国務大臣 御質問の趣旨が私には十分のみ込めませんが、私の理解する程度において御返事を申し上げるといたしますれば、今立川の基地を五千五百フィートの滑走路を七千フィートに拡張するということが、直ちに攻撃的基地になるというふうな御判断に対しましては、私は承服いたしません。
○門司委員 私の質問の趣旨と大臣の考え方が違うというなら、問題はおのずから別になりますが、私は大臣の言葉に対してお聞きをしておるのであります。立川の問題についてはこれから先聞きます。
 大臣は先ほど米軍がいなくなったら、日本の自衛隊がこれを使うのだとおっしゃるから、日本の自衛の範囲、憲法で許された範囲というものを私は聞いておるのである。しかも、今米軍が日本に持っておる基地のすべては、日本を守るためだ、こうおっしゃる。そうすると日本を守るためには、国際情勢の非常に大きな変化のない限りにおいては、今の米軍の持っておる設備と同じものを持たなければ、日本は守れぬということになるじゃないか。結論はそうなるでしょう。それを私は聞いておる。そこまであなたは自衛隊を拡張なさるつもりかどうかということを聞いておる。
○船田国務大臣 自衛隊を昭和三十五年度にどれくらい大きくするかというその見解につきましては、すでにたびたび国会において申し上げておる通りでありまして、その程度の自衛体制を整備することは、憲法違反にはならないという見解をかたくとっておるわけであります。
○門司委員 私どもはきょうの大臣の言葉は明らかに憲法違反になると思う。いわゆる憲法違反をあえて犯して、そうして日本の戦力を増強しようというお考えがある。もしそのお考えがないとするならば、今の砂川の基地の拡張は、そういう言葉を使って、そうして米軍に協力される一つの口実として、あなたがのがれられておるとしか考えられません。
 そこで率直に私は大臣に聞いておきたいと思いますが、この前の委員会で大臣にぜひ出ていただきたいと考えておりましたが、おいでになりませんので、調達庁の長官が出ておいでになりまして、そうして、砂川の基地の測量は十六日までにすることになっておる、しかし、十六日までに測量が終っても、必ずしも工事は直ちに行われるものではない、それは今裁判に付せられておる問題があるから、これが片づかなければ直ちに工事にかかることはできないのだということを、はっきり言明いたしております。そういたしますと、必ずしも十六日までに、これを大きな犠牲を出してまで強行する必要はなかったのではないかと私は考える。この点についての大臣の現在の御感想はどうであるか、一応聞いておきたいと思います。
○船田国務大臣 これも先ほど来答弁申し上げておるように、残余の基地も測量をいたしたいのであります。しかし、この際は、一応現在測量がすでに済んだところをもって、最小限度のものの測量ができましたから、そこで諸般の情勢を考慮いたしまして、この測量を中止いたしたのであります。
○門司委員 そのことについて、もう少し聞いておきたいと思いますが、すでに十二日にああした衝突が起っております。そうして私どもの委員会は十二日に開いております。ちょうど大臣はどうしてもおいでにならない。調達庁の長官にこのとはよくこの委員会でも申し上げております。十三日に強行すれば、より以上の犠牲が起るであろう。すでに十二日に、ここで委員会が開かれておりますときに、十二日の問題が現地では起っておったのである。従って、どうしても十六日までにやらなければならないというものでなければ、こういう事態を回避するために一応測量を中止したらどうかということが委員会でも話され、さらにこのことの努力は、十二日の晩、夜中に至るまで続けられ、しかもその当日は、あなたは五時から社会党の代表者に会う約束をされておった。同時に十三日の午前中においても、社会党の代表者の諸君は、政府に対しては、事態をできるだけ回避するために要請しているはずです。それを押し切って行われたことが、この大きな犠牲を国民に負わせた直接の原因だと私は思う。従ってこの問題の直接の責任者であります大臣は、十三日にどうしても行わなければならないというほどの理由はなかったと思いまするが、今の御答弁だけで承服するわけには参りませんから、どうしても十三日に、いかなる犠牲を払っても――しかもあなたの担当の中にある調達庁の諸君は、河崎局長のごときは、いかなる犠牲があってもやるんだと言ったと新聞紙上を通じて伝えられておる。どうしてもあの十三日に、ああいう大きな犠牲を払ってもやらなければならなかったというだけの根拠はないと私は思いまするが、大臣はこの根拠があるとお考えになっておるなら、その根拠を一つこの際に示しておいていただきたい。これはこの問題を解決いたしまする最も大きな一つのかぎになると思います。大臣の所信をこの際はっきり承わっておきたいと思います。
○船田国務大臣 これも先ほど来答弁申し上げておりますように、立川基地の拡張は必要最小限度のものであるということからいたしまして、昨年すでに方針の決定をいたし、またその計画もきまっておるのでありまして、その方針、計画に基きまして、残っておりまする土地の測量をぜひともすみやかに終りたいということで、十月一日ないし十六日の間にこれを実行することを通告いたしたわけであります。そうしてしかも一日以来十数日にわたって現地において十分話し合いをするようにいたしたのでございますが、また社会党の諸君からもたびたび私に、公けにあるいは個人的に会いたいということでお話がございました。私もできるだけお目にかかって御意見も伺って、何とかお話を聞いて円満にやっていきたいということで努力をいたしました。しかし具体的にどうするという御計画はお持ちになっていらっしゃらなかった。しかも十六日の期日というものがすでに迫っておりまするし、ことにあの当時の天候状況から申しますると、いつ何どきこれが天候のために妨げられるかもわからぬという状況にありましたので、調達庁といたしましては、現地の調達局長にその裁量を一任いたしまして、そして現地局長の判断に従って十二日、十三日に強制的に測量を強行した、こういう結果になったのであります。そのために不測の不祥事が起ったことはまことに遺憾でございますけれども、私どもは決してそれを計画的に考えたものではございません。地元の方々で犠牲になられた方には、まことにお気の毒に存じますので、深い同情は申し上げる次第でございますが、しかしあの場合十数日にわたって話し合いが結論に達しなかった結果、しかも期日が切迫したということで、あの手段に出ざるを得なかったのであります。
○門司委員 今の大臣の答弁ですが、私はそのままそれに満足するわけには参りません。それは、最後の方から申し上げて参りますると、期日が切迫したと言われておりまするが、調達庁の長官もあなたもお認めになっておるように、どうしても十六日にしなければならないほど切迫した問題ではなかったということであります。測量は終えても工事にかかれないということは事実でしょう。だから私は、大臣の言われておりまする十三日が切迫した時日であったとは考えられません。この点は大臣はおそらくお認めになると思う。
 同時に、何らの具体的な案が示されなかったと言われておりまするが、党といたしましては示したはずである。今申し上げましたように、犠牲者が出るだろう、そういう犠牲者にかまわずに測量をしても、結局工事の実施はできないのじゃないかということが一つ。いわゆる裁判の結果を待ってやったらどうか、そうすることによって多少なりとも地元民の納得のいく、あるいは世間の納得のいく線を出すことがこの際必要ではないか。
 同時に、国の運命とまでは言わなくても、大事な外交問題である日ソの間に交渉を続けておる。安全保障条約は、だれが何と言っても今日の仮想敵国をソ連並びに中共に求めておることに間違いはない。これはアメリカ軍がはっきり言っておりましょう。沖縄の基地についても、ああいう基地をこしらえることは、自由国家群が共産侵略を防止することのための拠点だということをはっきり言っておる。そうするならば、共産圏がどこにあるかということもおのずからわかるのである。一方においてソ連との間に講和条約を求めようとしておる。友好関係を結ぼうとしておる。その際に、一方においては日本の防衛のためとあなたはおっしゃるけれども、アメリカは今日東洋における基地というものは明らかに共産圏に相対抗する一つの戦略的基地としておることに間違いはない。そういう国の外交方針に一貫性のないようなことであってはいけないのではないか。少くとも相手方に誠意を披瀝する場合は、やはり裏にそういうつめを隠すというようなことでなくして、誠意を披瀝することによって、外交の方針は円満に解決ができると思う。
 そういうことが考えられて、党といたしましては、そういう理由をあげて、具体的な施策がなかったとあなたはおっしゃるけれども、きっとそういうものを出しておるはずである。そこであなた方にあの問題を強行することを避けてもらいたいということを、十三日の朝まで努力がしてあるはずである。にもかかわらず行われた今度の行為については、私は今の大臣の答弁に満足はできません。
 そこで、大臣にもう一つはっきり聞いておきたいと思いますことは、今大臣はアメリカとの約束もある――アメリカとの約束はどうだということはおっしゃられなかったが、私はアメリカとの約束の関係であったと思う。しかしこの問題は少くとも行政上の一つの処置であります。国が行政上の一つの処置を行うときに、国民に多くの負傷者を出し、不祥事件を起すというようなことが、一体行政官庁としてとるべき態度であるかどうかということであります。あなたたちは、行政執行をするためには国民はどうなってもいい、国民に傷害が与えられてもいい、不祥事件が起ってもいいというように、もしお考えになっておるとすれば、これは行政の責任者としては、はなはだ不穏当な人だと考える。大臣はその点はどうお考えになりますか。行政執行の方が大事だ、国民の生命財産は考えないというようにお考えになっておりますか、その点もあわせてこの機会に御答弁を願っておきたい。
○船田国務大臣 行政執行をするために国民がどうなってもいいなどということを考えてもおりませんし、さようなことを申したことはありません。しかし法と秩序を守るということは、民主主義政治のもとにおいての基本でなければならぬと思います。
○門司委員 あなたは今法と秩序を保持すると言われておるが、法の建前からいっても裁判がちゃんと行われておりましょう。これは国の法です。国の三つの大きな柱の一つである司法権である。この司法権がまだ国民の行政上の問題を処理するに当っての判断を下しておらない、こういう時期に私は大臣があえて強行されようとするお考えは、今せっかく大臣は法と秩序を守ると言われておりますが、もし法を従順に守っていただきますならば、やはり司法裁判所が決定してから行われることが法を忠実に守るゆえんだと考える。どう考えてみても、私は今度のこの処置というものははなはだ不本意、というよりも遺憾である。従って大臣はこのこと自体について、いかようなる処置をとろうとお考えになっておるか、これは内閣としていかようなる結末をつけようとなされておるのであるか、そのことを一つこの機会にお聞かせ願えれば幸いだと思います。
○船田国務大臣 私はああいう不祥事態が起ったということはまことに遺憾に存じますけれども、しかし法律できめられておる法の執行をするということに対して、身をもって、これは気に入らないから妨害するということは、私は法治国においては許さるべきではないと思います。そういう意味において、法と秩序を守ることが私は民主政治の根本である、かように申したのであります。政府としては今後においてもこの根太の方針は貫徹していきたいと思っております。
○門司委員 これは繰り返して申し上げるようでありますが、行政の執行をするための行政府であるから、きめられたことはやるということが法を守るゆえんだと一うお考えのように受け取れます。しかし少くとも一方においては、実際の問題として測量をいたされても、工事の着手はできないんだということが事実である。同時にこれはやはり裁判の決定を待たなければこの執行はできないのである。従って法を忠実に守ろうとするならば、私がさっきから申し上げておりますように、同時に国民に納得のいく政治を行おうとするならば、あるいは行政の執行をしようとするならば、この裁判の結果が出てからでもおそくないのです。しかも法律の内容を見てこらんなさい。自治法の百四十六条では明らかに行政執行が行われるに都合のいいようにできております。高等裁判所あるいは最高裁にこれを提訴しても、第一審できまれば工事を行うに差しつかえはないんだということが書いてある。これは明らかに今大臣の言われる行政を執行する場合に便宜的にこの法律は一応できておると私は思う。その一段階であると思う。だから少くとも法を守ろうとするならば、第一審のこの地方裁判所に出されております判決を待って、国民に理解と納得を得さしめて行政執行をするということが、私は行政府の今日の責任だと思うのです。これが無視されておるということが、今度の問題を引き起した最も大きな原因だと私は思う。従って今度の問題の主たる責任は調達庁であり、調達庁の担当大臣でありまするあなたが、その責任を負ってこの始末をされなければならない責任者だと考える。従ってこの問題に対する結末をどういうふうにおつけになろうとお考えになっておるか、もし今お考えがあるならば、この機会に一つ聞かしておいていただきたいと思います。
○船田国務大臣 行政を執行する上におきまして関係者の十分な理解と納得を得、あるいは協力を得るということは、これは原則的にきわめて必要なことであり、また従来もそれで政府はやっております。しかしこの砂川の今回の問題は、政府がすでに決定をいたし、そして法律上の正当な手続を踏んで測量をする、しかしその測量をしなければ土地の収用ということもできませんから、その法律上に予定されておる測量を実行しよう、その測量の実行についての過程において、かような不祥事件が起ったことでありまして、その不祥事件が起ったということは、まことに遺憾千万には存じますけれども、しかし政府としては決して間違った行政執行をやっておるのではないのであります。むしろ正当なる行政の執行を妨げようとしたところに問題があったわけなのでありまして、私はそういう点においては、私どもがやりました行政措置が間違っておるとは考えておりません。
○門司委員 私が今お聞きいたしておりますのは、その問題についてここで押し問答をしておりましても、大臣とわれわれとの見解は違っております。あくまでも国民にほんとうに理解と納得を得させようとするならば、今係争されておりますものが片づいてからでも、決しておそくないのであります。どうしても十六日までにやらなければならないというものではなかったはずである。それほどアメリカに義理立てをしなくてもいいのである。何のためにアメリカにそれだけ義理立てをしなければならぬのか。アメリカとの間における協定は協定であります。これを守ろうとされることも、私は日本の政府としてはある意味においてはやむを得ぬことだと思います。しかしここにも日本国民の生命と財産とは完全に日本政府が守るという立場に立つ必要が、この際あるのではないかということを考えますので、いろいろ御質問申し上げましたが、今の御答弁を何度繰り返して聞きましても、私は政府の不誠意と、政府の今日までとられた行政処置に対して不満を持つことを、ここで申し上げるだけでありますが、私が最後に聞いておりますのは、それらのもの一切を抜きにして、起った事犯は――たとえば今あなたの言われた言葉をそのまま信じて、われわれが全面的に譲るといたしましても、起った事件がきわめて遺憾であるということは大臣は今言われておる。その遺憾な事件に対して行政府としてのいかようなる責任ある処置をとられようとしておるのか、その点を私はお聞きしておるのでありまして、けがした者はしっぱなしだというようなお考えではないと私は思いますが、いかような処置をおとりになるつもりか、その点を一つこの機会にはっきり聞かしておいていただきたい。
○船田国務大臣 それぞれの担当官の間においてもし間違ったことがあり、あるいは行き過ぎがあったということであれば、それに対しての措置をとることは決してやぶさかではありません。しかし全体として見た場合において、あの行政措置は間違っておらない、かように私は確信をいたします。もし私に対する責任が国会において十分に追及せられて、そしてある決議がなされるということでありますれば、その決議には私は十分従います。決して皆さんの多数決を無視して勝手なことをやるなどということは考えておりません。
○中村(高)委員 ちょっと関連して。……今大臣のお説を聞いておりますと、行政の執行のために、妨害をする者があるというようなことで、あなたは警察官を出したという意味の説明でありましたが、法を重んずるというそのこと自体は当然です。しかしあなたは行政権のことだけしか考えておらないで、今裁判をやっておるということ、司法権というものを全然あなたの考えは無視されているように見える。一体裁判というものが起っておる現実を、長官としては忘れられては困るのです。裁判というものは勝つことばかりではないんですよ。知事の裁判だから必ず勝つという考えを持ったら、それはあなたはおそるべき独裁思想だ。裁判というものは勝つのだか負けるのだかわからないんです。そのために土地収用法というものは、憲法に保障されたところの国民の所有権をむやみに犯してはならないというところから、土地収用法において裁判権というようなものもちゃんと認めて、その上において執行するということは私は当然だと思う。そして現にその裁判が行われておる。その裁判の結末を見ないで、そんなものは無視して行政の執行ということだけで、あなたはこれを強行するというところに、無理があるのではなかろうか。一体なぜあなたは裁判の終るまで待てないのです。勝つか負けるかわからないじゃないですか。ただあなたは行政のことだけを頭に置いて、そうして何でもかでも執行をしようという考えに無理があると私は思う。決していつまでも待てと言っておるのではないじゃないですか。裁判が終るまで待ちなさいということを、あれだけわれわれの代表の者からあなたに交渉をして、そうして少くとも裁判の結末を待ってからでも測量するならば、あなたはたった一日で、しかも二時間か三時間で、もういいのだと言っておるじゃありませんか。裁判が終ってから翌日測量してもいいじゃないですか。一カ月も二カ月も測量がかかるのじゃなくて、たった二時間であなたは用が足りるというのですよ。裁判が終ってから堂々と、裁判で政府が勝った、国民よ、がまんしろというて、その上で三時間でも四時間でも測量をするということが、どうして一体待てないのですか。裁判が終るまで、いつまでたったって測量を急いだってだめだということを知りながら、あなたは警視庁に向って急いでやれということを命令をするとするならば、あまりにあなたの考えは独裁的だと私は思う。今私は聞いておりますと、まるで今度のあの混乱は警察の問題だというふうに、冷やかにあなたの言葉の中に聞えることは、実に私は大臣として残念だと思う。警察の下僚の者にだけ責任をなすりつけて、あれはおれの知ったことじゃないというような態度をとられるとするならば、私は無理じゃないかと思う。聞くところによると、大麻国務大臣とかあるいは石井警察庁長官などは、それほど積極的ではなくして、少し考えなければならぬということを考えておったという。それをあなたはどこまでも既定の方針だからといって、実に無情冷酷にやっておるということを聞いておる。今のお話を聞いておっても、私は何となし今度の測量の直接の担当であるあなたは、大臣としてこれだけの問題について、もっと大きな責任を感じなければいけないと思う。まるでそんな問題は知ったことじゃないというような態度というものに対して、そういう考えを私は今うしろで聞いておって実に残念に思いますので、もう一度、司法裁判権というものをあなたは尊重しないで、行政のことばかりに目がくらんでおるのではないかと思うから、あなたの反省を求める次第であります。
○船田国務大臣 私はもちろん司法権というものを尊重いたしております。しかし今度の測量をやるということと、この東京都知事が起しておる裁判の問題とは、これはその裁判の事案が確定しなければ測量ができないという問題ではございません。その趣旨におきまして、決して司法権を無視しておるものではないのであります。
○大矢委員長 高村君。
○高村委員 防衛庁長官にお伺いしたいと思いましたことは、社会党の委員諸君の質問で大体了解いたしましたが、若干まだ残っていることがございますから、少しお尋ねしたいと思います。
 今回の砂川の事件は、われわれは非常に遺憾に存じます。法治国家としてこういった事態が起きましたことは、将来の政治、行政の上から考えましても、その原因を十分究明して、再びこういうことの起きないようにしなければならぬと思うわけでございます。私は今回の事件が起きました経過を冷静に考えてみますと、そこにはいろいろな、考え方の違った問題が錯綜しておりまして、ただいま社会党の諸君のお話を聞いておりましても、その間に非常な矛盾を感ずるわけであります。たとえば司法権で今裁判を行なっておるじゃないか、その間に行政で執行をするというようなことは、かえって不当だというようなお考えがございますけれども、これは逆に考えれば、裁判が確定しなければこれを収用することもできないわけでございますから、従って、ただ測量してくいを打つというだけなのでございますから、それくらいのことはがまんできないことはないはずである。むしろその収用ができるかできないかは後にきまるわけであります。それを大へんな人がたくさん集まって、われわれ聞いておりますと、そこには、これは政府としてもお考えいただかなければならぬのでございますが、官公吏までその中に入っておる。それからまた、社会党の党員の諸君も相当入っておられる。そういうようなことで、いろいろ入っておられますけれども、そういった考え方がなぜ起きたかと申しますと、私いろいろそういう人たちの主張を聞いてみますというと、平和のためにやるんだという一つの主張があるようでございます。土地を取り上げられることが地元民として深刻な問題であることは十分わかります。しかしながら、これがむしろ地元民が百名ばかりに対して、数千名の者がそこに動員されて来ておる。しかも考え方の非常に違った人が一緒になって来ておるわけでございますが、その点で私どもが問題として国民に十分はっきりしなければならぬことは、今日軍事基地を日本に認めることが、何かアメリカの強要に基いて仕方なしにやってるんだというような感じを、今回の事件で与えようとしてるような空気がございます。この点は先ほど来の大臣の御説明によって明瞭になりましたけれども、そういった点についてやはり国民に、これはやはり日本の防衛上、今日の国際情勢のもとにおいて必要なんだという、こういう気持が十分にわかるように、もう少し政府は平素からその点について国民の了解と申しますか、理解を得るような努力をされなければならぬと思いますし、またこういった事件が起きた機会でございますから、この点は今後とも十分に一つ政府のその意図を国民に、はっきりさせていただきたいと存ずるわけでございます。
 それから今回のこの問題につきまして、過般の法務委員会におきましても、社会党の猪俣委員から、非常な誤まった前提のもとに発言がございました。と申しますのは、ただいまもある委員の方からそろいった発言がございましたが、この基地が原水爆の基地になる、こういうことを言われるのです。私はこういった先入主に基くところの宣伝、こういうことが若い学生たちをかつて、そういう所に持っていくんで、むしろそういった宣伝をした人に、今回の事件を起した大きな責任があるようにすら考えるわけであります。そこで大臣はこの点も大体おっしゃいましたけれども、原水爆の基地になるのではないという意図も、はっきりこの際していただきたいと思います。
 さらに今回の事件について私は現地においても相当協調的な方もおありのように聞いております。政府としてはそういう地元の人に対しまして、納得のいくような努力を重ねられたと思うのでございますが、しかしこれらの点についての経過等を納得のいくように御説明をしていただければけっこうかと存じます。今回の事件で私ども非常に残念に思いますことは、やはり大臣もおっしゃったように、治安の維持ということ、法治国におきましては法の秩序が守られるということは、すべての前提でございまして、これが破れますれば、私はあらゆる問題がそこからくずれてくると思いますので、そういう意味におきましてはまことに残念な事件でございましたけれども、今回のこの事件を十分検討し究明し反省をいたしまして、将来再びこういうことの起らぬように、これは政府としても考えていただく点があろうと思いますが、私は社会党の諸君にもこの点は十分御反省をいただかねばならぬと思うのであります。そのことは新聞等におきましても、各新聞が筆をそろえてその反省を求めているわけでございまして、われわれ党派を越えてこういった問題について真剣に取っ組んで参らなければならぬと考えます。
 大臣にお尋ねいたしたいことは、原爆基地になるのであるという非常な宣伝が行われておりますが、この点を明らかにしてもらう点と、政府がこれまで地元を納得させるためにおとりいただきました経過、なおこれに協調せられております人がどのくらいありますか、こういう点を明らかにしていただきたいと存じます。
○船田国務大臣 立川基地の拡張の問題は、先ほど来申し上げておりますように、わが国土の防衛に最小限度の必要適切なものでありまして、これを十分に地元の方々及び一般の国民諸君に理解せしむるの努力が足りなかったということを御指摘になりましたが、われわれといたしましては最善の努力をして参ったつもりでございます。なお足らない点もあったと存じますので、その点は十分反省いたしまして、関係者の御理解と御協力を得るように今後努めて参りたいと思います。
 あの基地が拡張されたから原水爆の基地になるのではないかという懸念が、国民の間にあるということも、これはまことに遺憾なことでございまして、さようなことは絶対にございません。原水爆を使用するということは、たとい米軍だけがこれをやろうという意図がありましても、日本の国土の中にさようなものを持ち込む場合には、事前に日本政府の同意がなければならぬということの十分なる了解を取りつけておりますので、基地拡張が、原水爆の基地になるのだというような懸念は毛頭ございません。
 それから従来町長初め地元の方々に対し、ことに地主及び土地利害関係者に対しましては、できるだけの御理解と御協力を求めておったのでありますが、何分にも町長はこれに反対をせられまして、法的な手続をいたしました場合においても、その手紙を受け取らない、あるいは突き返してしまう、あるいは関係官が参りましても面会を謝絶するということでございまして、遺憾ながら全部の方々の御協力を得るには至っておりませんが、しかし地元の方々でも、御協力を願う了解を得ておるものが、現に漸次ふえつつあるという状況でございますので、今後におきましても先ほど来申し上げておりますように、地元の方々に十分御納得のいくように、あらゆる手段を講じて御協力を求めたいと考えておる次第であります。
 ただいま高村委員の御指摘になられました点はまことにごもっともでございますから、政府といたしましては最善の努力をいたしまして、国民の疑惑を一掃することに努めて参りたいと考えております。
○高村委員 いま一点お伺いしたいと思うのでございますが、今回の砂川基地の問題は、もう本月の四日から測量せんとして、ずっとそれを阻止されてきておりまして、その間において公務がずっと執行できなかったということである。しかもその間に現地の協力的な方々が、非常な不安を感じておったというふうにも聞いております。またその間において、執行せんとした者に対して、暴行が行われて負傷者も出たと聞いております。そういうふうなことが重なって、ついにこうしたことになったことはまことに遺憾でございますが、しかもこの間に動員されました者の中には、全農林とかあるいは日教組とかあるいは国鉄の労組とか、そういった人たちが、あるいは公務を放棄し、あるいは授業を放棄して、そこに行っておる、こういうことを聞いておるわけでございますが、公務員が職場を放棄してこういうところに行ったということにつきましては、しかもただいま申しましたように、そこに動員されました人たちの意図が、測量という政府の法律執行の行為を阻止しようというところにあることは、これはもう明らかであると思います。こういうふうな目的のためにこういった態度に出たということは、単なる公務放棄以上のものがあると私は思いますが、一つ国務大臣として船田さんのこれに対する政府としての、今後どういうふうな措置をおとりになるおつもりでございますか、お考えを伺いたいと存じます。
○船田国務大臣 公務員あるいは学生の諸君が動員をされたということにつきましては、私はその事実がどの程度に及んでおるのかということについて、正確な調査をいたしておりませんので、ここに的確に申し上げるわけには参りませんが、さようなものがありといたしまするならば、まことに遺憾千万でありまして、これが公務員の服務紀律あるいは学生の本分を逸脱しておるということに対しては、十分警告をいたし、また反省を促し、今後さようなことのないように努めていかなければならぬと存じます。
○高村委員 最後に、ちょうど山口警備部長がおられますのでお伺いしたいと思いますが、大臣にただいまちょっと申し上げましたように、四日からずっとそういった状態が続いておって、法治国として、そういった状態が一つの地区に十数日も続いているということは、私は容易ならぬことだと思うのです。しかもその間に、ただいま申しましたように、地元で政府の施策に協力せんとする者が不安を感ずる、あるいは公務の執行を進めんとすれば身辺に危険を感ずる、あるいは若干のけが人が出るといったようなことがあって、その地区自体というものは、まるで異様な状態になっておったと思います。こういうふうな状態を、今日の法規のもとにおいては、治安を確保する上において、どうすることもできないものであろうか。将来そういったことが行われてもどうすることもできないということになれば、これは大へんな問題というふうに考えます。ことに今回の事件が終った際に、そうした実力によって法の執行を排除することによって、勝利なりとして万歳をする、そして決起大会をする、こういった状態が法治国のもとにおいて、一体許さるべきであろうか。こういうものは、今日の法規のもとにおきましては、何ら違法性はないのであるかどうか、こういうことについて、今日の法規のもとにおいて一つ御解釈をお聞きしたいと思います。
○山口説明員 その前の砂川で起りました事態は、法規の上から申しますと、たとえば道路交通取締法の違反でありますとか、あるいは軽犯罪法の違反でありますとか、あるいは都の公安条例違反でありますとか、いろいろの問題があると思います。あの事態に対して、警察としてなぜもっと適切な措置をとらなかったかというような御質問かと存じますが、警察といたしましては、十二日に出動しますまで、すべての状態が合法的な状態であったとは考えておりません。違法な状態も数々あったのでありますが、警察官の出動ということにつきましては、いろいろと事情を考えまして、慎重の上にも慎重な態度で臨んだのであります。決してあの状態をよしとして放任をしておったというのではございません。
○高村委員 私はこれで質問を終りますが、私どもはやはり善良なる者が、あるいは正当なる公務を執行する者が、大衆の威力によって、あるいは非常に恐怖を感じ、あるいはその執行ができない、こういうことが国内の一角に厳然として存在しておる、それに対して警察が国家治安の立場の上においてどうすることもできないということは、まことに遺憾に思います。こういうことが早期にある程度措置できれば、こうした不祥事も起きなかったのではないか、そういう点についてやはり一部の人がそういう事態を長期において、そうしてこれを引き伸ばしていくといったような態度は、われわれは賛成できません。しかし警察におかれましても、今後は一つそういう問題につきましては、早期に適当なる措置をしていただきまして、こうした問題がいよいよ押し迫って爆発することのないように、一つお願いいたしたいと存じます。これをもちまして、私の質問を終ります。
○大矢委員長 中村高一君。
○中村(高)委員 今度の測量の中止につきましては、私はぜひそうしなければならない事態になっておったと思うのでありますが、おそらく政府でも今後測量を継続することによって、どういう事態が起ってくるかわからぬということをいろいろ考慮をせられてやめたのだろうと思います。今与党の諸君のように、厳然としてやれとか何とか言っておだてておりますけれども、そんなことを言ってまた不測の事態を引き起すようなことを考えないように、慎重に私はやってもらいたいと思うのでありまして、おやめになったことも、その大きな原因は、測量ができたからというよりは、不測の事態に対処しておやりになったことだとわれわれは思うのであります。これからのことを、どう政府では方針をおきめになっていくのか、われわれにはわからぬのでありますけれども、おそらく政府としてもこの方針をやめたという宣告をすることは、なかなか困難であろうと思うのであります。しかし今後測量を継続するということで、果して政府が期待するような測量ができるかどうか、特に今までは人間の住んでおらなかった畑でありますけれども、これからは人間が住んでおります宅地にかかっていくのであります。そして住宅の測量というようなものになって参りますならば畑のイモや、あるいはオカボなどとは違いまして、もっと深刻な状況を呈してくることは明らかだと思うのであります。これは、やはりしばらく形勢を見るということよりほかには方法がないような状態になっておると思うのでありますが、これは政府が長期にわたって考慮してもらえればいいことでありまして、無理に政府として今できないことをやれということは、これは困難かもしれませんが、長期にわたって検討をするという方針がとれないものかどうか。そういう点について、長官はこの問題をどうにもならない、必要量小最限度なものだとしていまだにお考えになっておるのかどうか。たとえばアメリカに対して政府は本腰を入れて一体折衝ができないかどうかを、おそらく私ばかりでなく、現地の農民諸君は非常に期待しておるのが真実の実情であります。特にあの附近の事情は長官も御存じだと思いますけれども、砂川の基地のすぐそばには横田の基地があり、これは円満に話がついて九千フィートまで延ばすことができましたし、もう一つは、埼玉県だとは言うけれども、すぐそばにジョンソンという基地があって、これはすでに七千フィートあるのであります。従って多少の不便を忍ぶということによってこういう事態を避けられることを、政府はなぜ一体もう少し努力をしてくれないのかということを、農民諸君は真実に訴えておるのであります。アメリカでも基地の計画をしたものを、その通り全部やったわけでもなく、たとえば妙義にしても、あるいは山形県の大高根にしても、アメリカの都合で規定の方針が変えられるものであるならば、こちらの方針でも、それが納得ができないという、そういう突き詰められたものでは断じてないと、われわれは思うのであります。これは、一にかかって政府にそういう考えがあるかないかということが決定的なものになると思うのでありますけれども、一体もう一度不測な事態を起してでも、長官は近いうちにやろうというような考えがあるのかどうか、あるいは長期にわたって一つ検討してみようというのか、これは現地の諸君にとってはまことに大きな問題でありますし、また支援をしておりますものも注目しておることでありますから、この点についての方針を一つお聞かせ願いたいと思うのであります。
○船田国務大臣 立川基地の測量の残っております部分も、なるべく早い機会に測量をやりたいという考えは捨ておりません。しかしこれにつきましては、先ほど来申し上げておるように、諸般の情勢を十分考慮いたしまして、なるべく地元の方々の御理解、御協力の得られるように努力して参りたいと考えております。
○横路委員 ちょっと藤本警備第一部長にお尋ねますが、これは朝日新聞の十月の十三日ですが、こうなっておるのです。「警視庁藤本警備一部長、野田二部長、久保警備課長、井出第八方面本部長らは十二日夜、第八方面本部で警備会議を開き、『地元の激しい不法行為は断固取締り、反対同盟が抵抗をやめない限り、負傷者が出てもやむを得ない』という態度をきめた。」こうなっているのですが、この点は、十二日の夜は、さようにおきめになったわけですか。
○藤本参考人 新聞の報道は私どもは少し間違いがあると思います。私どもは十二日に相当事故がありましたので、現地に参りましていろいろ事情を聞き、打ち合せをしたのでありますが、そのとききめましたのは、十二日に警察官が鉄帽をかぶらないで参りまして、そのために相当の犠牲者が出たので、十二日には鉄帽をかぶらない、こういう方針でございましたが、十三日にはやむを得ず鉄帽をかぶって出る、こういうことにきめたわけでございます。
○横路委員 私もあなたが新聞記者団に明日は負傷者が出ても断固やるのだ、こう言ったものではないと思うのです。しかし私が十二日の晩に、井出第八方面本部長にお会いしたときに、明日は負傷者が出ないようにやります、こういうお話だった。そのときは私は非常に異様な感じがした。おとなしくやるという意味ではなしに、私の受けた感じは、警察官には絶対に負傷者は出さない、どういう事態下でも、もう断固はねつけて警察官を守るのだ、こういうあなたたちの非常に強い態度を受けたのです。ですから、私は非常に心配した。この私の十二日の晩に受けた印象は、同じく朝日新聞の十六日の日のやはり現地に出ておられた新聞記者の諸君の印象として、こうなっている。「十二日夜、警視庁から藤本警備一部長、野田二部長が第八方面本部にかけつけ、相手が意外に強い抵抗を見せる以上、断じてやる、そのためには負傷者が出てもやるんだ、と強く記者団に言い切った。幹部の強い態度を、敏感に警官は読んだんだ。」それで十三日のああいう異常な混乱、ああいう異常な負傷者が出たのは、十二日の夜のあなたたちの非常なかたい目的で、鉄かぶとをかぶって断固はねのけてやるのだ、その裏には、もう負傷者が出てもやむを得ないのではないか、そういう感じを、私は十二日の晩非常に異様に感じた。ですから、十二日の晩に警視総監のお宅を尋ねたときも、私は表面はそう受け取りたいけれども、しかしおっしゃった言葉から受ける感じは、二千人も出して、あるいは装甲車を何台も出して、あるいは極端にいうならばピストルも発射して、威嚇して武力でやるのではないかというように、私はどうも受けたのだ、こういうように私は心配したのですが、私ばかりでない、今見ると、この現地の新聞記者の諸君も、十六日の座談会で、こう言っている。実際にあなたの方で、十三日は負傷者を出さないようにやるのだというようにおきめになった、そのときの負傷者を出さないようにやるというのは、どういう内容でおきめになったのですか。
○藤本参考人 私どもといたしましても、事故というものをできるだけ避けてやるという方針は、初めから変りございませんが、その次の日に、それではどういうような方法でこの事故を極力防いで、ああいう状態の中でやるかということにつきましても、現地でいろいろ相談をいたしました。そのとききめましたことでは、早朝から警察官が出まして、十二日にはああいう事態もありましたので、ああいう事態を予防する意味におきましても、早朝に警察官が出まして予防的な措置を講じて、それから朝からでありますと相当時間もございますし、極力激突は避けられるのじゃないか、こういうふうな方針をきめましたので、あるいはそれを井出本部長が申したのではないか、こういうふうに思うのでございます。
○横路委員 警視総監にお尋ねしますが、十一日の晩に東京調達局長の河崎氏は明日は絶対に測量がやれる、こういう見通しがついた、こう言う。なお新聞ではあなたの方に文書をもって申し出られたというふうにも書いてある。そこで十二日の日にここで地方行政委員会をやった、ところがやっておるさなかに、電話が来て、武装警官が六十人出た、さらに一千人待機しておるのでおかしいではないかというので、だいぶやったのですが、その十一日の晩、十二日あなたの方でいよいよ出動させるというように態度をおきめになった、河崎調達局長はそう言っている。あなたの方にそういう申し入れをしたというその点ですね。調達庁との関係はどういうようになっておるのか、その点一つお尋ねしたい。
○江口参考人 四日から測量が始まりまして、われわれその実施状況を注目して見ておったわけなんですが、ひょっとすると、妨害行為が熾烈になりはせぬだろうかということに留意いたしまして、現地近くには当時は六百名程度の者を待機させたのであります。これは出動するがゆえに待機させたのではありません。そういう警備態勢がある場合には、いざというときにすぐ出動できるように、その近所まで持っていって置いておくのが例であります。それで待機させておったわけであります。そうしておるうちに違法状態も、先ほど申しますように、濃くなって、いよいよ調達庁の方も十二日からやらなければ、あるいは雨が降ったり何かして日にちの関係でやれないかもしれない。十二日から先はどんな犠牲を払ってでも十分やりたいというような決意を表明されましたので――それは私直接ではございません、それまでにも常に現地の井出第八方面本部長と話をしておることは事実でありますので、現地でも十二日からの意気込みを感じたわけであります。いよいよあすは激突になるかもしれないというので、十二日にはいよいよ出動させなければならないという情勢判断をいたしたのであります。
○横路委員 そうすると、あなたの今のお話で、十一日の晩には十二日以降雨の降る場合も予想して、十二日には東京調達局としては断固やる、こういう非常にかたい決意があなたの方に申し出られたので、従ってあなたの方も十二日警察官を出動した、こういうことですね。
○江口参考人 その申し出だけによって出たのではございません。しばしば申し上げますように、要請があったからすぐ出たという考え方は持っておりません。いろいろ地元の事情を見たりしまして、先ほど山口警備部長から申し上げましたように、違法状態は存在しておる、いつかは取り締らなければならないという考え方を持っておりました。それからまた先ほども申しましたように、協力派と申しますか、条件派の人たちの要請もあったわけであります。それに合せて調達庁は十二日からはどうしてもやらなければならぬという表明が出ましたので、いろいろの条件が重なりまして、十二日から出動させなければならないというふうに考えた次第であります。
○横路委員 そうすると、東京の調達局で十二日からは断固やる、こういうこともあなたの方で出動させた一つの要素ではありますね。――−こで丸山次長にお尋ねしますが、あなたは十二日の地方行政委員会で私の質問に答えて、――私が何日かかるかとこう言ったら、大分困り果てて、今井長官と話をした結果、これは明らかに法で、日の出から日没までとなっている、三日間ぜひかかる、しかし雨の降る日もあるから四日を考えなければならぬと、こう言った。いいですか、そうするとそのときのあなたの答弁は、雨の降る日は測量はしないということが原則なんだ、それはそうだろう、トランシットを使えば雨の降った日は曇って見えないのだ、そういういろんなことをなぜ一切やめて、その十三日の日に雨の降りた中で、トランシットも持たなければ、正規の測量器械をほとんど持たないであなたは出たのか。そうしてあなたは三日間最低かかる、四日間かかるというものを、なぜ三時間半で、不満でありながら一応了承するような測量になったのか。どうなんですか。あなたはこの委員会ではっきり言ったじゃないか。なぜ三日かかる、雨が降ったら四日かかるというのを雨の中を出動して三時間で終ったのか。君は明らかに警察をだましているんじゃないか。今日のこの警察の態度は国民から非難されている。われわれも追及するが、その根源は君にあるのだ。一体どういうのだ。この前のこの委員会で晴天で三日かかる、雨が降れば四日かかる、雨が降ればということは雨の日はやらないということなんだ。それが一体なぜ雨の中で正規の測量器械を持たないで、ただぼっくいだけを打って、わずか三時間で終えたのだ。そしてなぜ同じ日本民族が流血の惨を流すようなことをやるのか、なぜそういう事態になったか、君は専門的な立場で言いたまえ。そして警察官自体が君たちのそういう態度に、非常に不明朗と迷惑を感じているのだ、はっきりしたまえ。現地でやっている――十二日の地方行政委員会でそう君は私に答弁したではないか、それがどういうふうに測量が変化したのだ、言いたまえ、君。
○丸山説明員 十二日の委員会において、測量に幾日かかるかという御質問に対しまして、確かに三日かかる、しかしながら三日で終らなければ四日にかかる、こう申し上げました。しかしながら雨が降れば四日かかると私は申し上げたとは思いません。また雨が降ればこれは絶対にやらないということも申し上げたつもりはないはずでございます。事実上におきましては、すでに期日弔も迫りましたことでありますから、東京調達局長は臨機応変でやるということで、測量の技術、方法その他も工夫をこらしまして、従いまして三日でできる計画、これがその約三分の一程度を、十三日にでき上った、これはトランシットの測量でなくて平板測量をもって行なった、これが事実でございます。
○横路委員 あなたは雨の降る日は絶対しないとは聞違いなく言っていない。あなたは天気の日で三日かかる、雨の日も考慮して四日かかる、こう言っておる。それは測量はお天気の日にやることになっているのだ。だから雨が降る日も予想して四日間考えなければならぬ。だから十六日が最後の日だからというので、あなたの方は十二日からやったのだ。わずか三時間で終るものであるならば、三時間で目的を達するものならば、十二日であれだけ激突をしておる。そうすれば当然十三、十四、十五とか冷却期間をおいてやればもう少し事態が少かったのだ。同じやるにしても、現地の諸君もあの十三日が泥棒でなければあれだけの負傷者は出なかったと言っておる。あなたの方でもそう思うだろう。みんな泥濘でころんでおる、その上を踏みつけられておる。だからわずか三時間で目的を達するのならば、不満であっても何も十三日ばかりでなく、十四、十五、十六日とある。一体あなたは三時間で終るということをあらかじめ通知を受けて十三日に部隊を出動したのか、それともやはり三日間かかる、こういうふうに信じておやりになったのか。警視総監、その判断はどうなんです。
○江口参考人 別の機会にも申し上げたと思いますが、調達庁におきまする予定がいろいろ変化して参りました。これは技術上やむを得ない点もあるのではないかと思います。私たちがあるいは皆さんのお言葉によればペテンにかけられたというふうに言われますけれども、私はやむを得ない点もあるのではないかと思いますが、最後のところで二日ぐらいでできるだろうということを聞いておったのでございます。しかし十三日に三時間ほどで打ち切られたのは、これは全部の測量が済んでいなくて打ち切ったのか、それでよくなって打ち切ったのか、私は詳しくは存じません。
○横路委員 私が船田長官にここにお残りをいただいたのは、やはり長官は先ほど国家公務員及び学生の問題について与党の諸君から質問があって、あなたが御答弁されたんですが、この重大な警察官のこういう不祥事の問題は、これはやはり調達庁にある。今江口さんは比較的おだやかなお話をしましたが、それはきのうの委員会等でも実際に話があり、また井出第八方面本部長は全く困り果てている。この問題は方針が常にネコの目のように変った、これは非常に重大な問題なんだ。
 そこで次に私は江口さんがこの十二日のお昼に談話を発表されている。これは口頭でなしに、文書で書かれたものを出したものでないかと思いますが、こういう際ですから――ただここで私はあなたの先ほどのお話の中にある点で、ちょっと話が合わないのは、「これはあくまで法の執行者としての警察固有の職務を果すためで、合法的な反対闘争に不当に介入したり、調達局員の行う測量そのものを援護するためのものではない。」こう言われておるが、しかし先ほど私に対する答弁で、やはり十一日の晩のあの調達局長からのそういう要請並びに決意、これもやはり一つの要素である。こういう点は先ほどお答えがありましたから、私はその問題についてはあまり深く追及しないでおきたいと思う。しかしこれはここに山口さんもいらっしゃるが、十二日のこの地方行政委員会における警察庁側のやる警察官出動に関してのあなたの御答弁とはだいぶ違う。あなたはそう思っておられただろうが、実際に十二日の出動というものは、やはり十一日の晩の東京調達局長のそういう異常な決意、そういう要請、そういうものが要素になっておるという点は、今明らかになった。
 そこで次に藤本さんにお尋ねします。あなたは、これは「暴行警官は処分する」こういうふうにありまして、これも新聞記事ですが、これは大事なことですから読んでみます。――ちょっと船田長官、待って下さい。長く迷惑はかけません。
○船田国務大臣 それでは私に対する質問をやって下さい。
○横路委員 ちょっと委員長、この問題は防衛庁長官に私は御了解をいただきたいと思いますのは、今言いましたように、いかにも暴行は警察なんだ、あれは警察だけが無頼漢みたいなものなんだ、あれはわれわれは関係ないことだ、こういうように考えられているのが今の問題ですよ。長官もそうお考えにならないでしょうか。あなたに直接聞かないけれども、お帰りになることだけは、ちょっとお待ちいただきたい。この問題は、私どもは実際は一面警察官の立場に立っても、これは実に国民全体に不信の念を招いたことは否定できないから、そこでよってきたる原因は、やはり私はネコの目のように変った調達庁の測量に関する方針にもあるんだから、そういう意味で船田さんも、やはりもう少し聞いてもらいたい。何も私も決してそんなに長くこの問題をやることは、もうだいぶおそいからいたしませんから、せめて一つお聞きいただきたい。
 藤本さんに、これは新聞でございますが、「十二日の第一回出動の時は鉄カブトも警棒も事故防止のため使わないように指示した。ところが実際にはこの日ある分隊長の指示で十分間ほど警棒を使った予備隊のあることがあとで分った。もちろんこれは「緊急避難」的意味のものだと思う。第二回の十三日は警棒使用を認めたが、これでなぐったり突いたりはできないことになっている。もし実際暴行の例があれば厳重に処分しなければならない。くどいほど江口総監も注意していたのだが、守られなかったとあれば命令違反だ。徹底的に暴行警官を追及するつもりだ。」こうなっている。この談話には間違いありませんか。
○藤本参考人 その談話につきましても、正確に私の申したことをそのままに伝えておるとは言えないと思います。いろいろ話をしておる中のある部分をとって書かれたものでありまして、たとえば暴行警察官は処分するという問題につきましても、記者の方から不法な行為をやった警察官がかりにあったらどうするか、こういう話でありましたから、それは不法な警察官があって、それをやったということが明らかであればこれは処分する、こういうふうに申したのであります。そういうふうに御了解願いたい。
○横路委員 そこで総監に私はお尋ねしますが、警察官を任用する場合には、もちろん警察法の第三条によって服務の宣誓をしておりましょうね、いかがですか。これは間違いございませんね。――そうすると、この服務の宣誓は、山口さん、これによってやるわけですな。昭和二十九年七月一日施行の国家公安委員会規則第七号の警察職員の服務の宣誓に関する規則、これで間違いございませんね。
○山口参考人 そうです。
○横路委員 それじゃよろしい。総監、こうなっておる。
   宣誓書
  私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令を遵守し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党且つ公平中正に警察職務の遂行に当ることを固く誓います。
こうなっておる。従ってここは日本国憲法及び法律を忠実に守り、命令を守る。その次には「何ものをも恐れず、」大事なのは「何ものをも憎まず、良心のみに従って」と、こうなっている。そうするとあなたの方でここで出されたいわゆる命令ですな。きょうの出動に関してはこうせい、なおこの警棒に関する使用規程でも、絶対に振り上げてはならぬとなっている。それを犯してやった者は命令に違反したのですから、この宣誓を犯したわけですな。そうなれば当然これは処罰されますね。処罰の対象になることは明らかだと思うのですが、その点はいかがですか
○江口参考人 その宣誓の内容並びに先ほど淡谷さんの指摘されました出動心得書に数カ条書いてあるのが、ほとんど守られていないのではないかという点と相通ずる御質問だと思います。その宣誓に違反する点があれば、「何ものをも憎まず、」というふうに規定されているのに、何か憎しみの言語を発したというようなことがあるならば、これははなはだ不穏当なことだと思いますし、警察行政官として処分の対象になり得るもの、かように考えております。
○横路委員 そうしますと、先ほど私から申し上げました警察官警棒、警じよう使用及び取扱規程は、これはやはり大事な訓令なんです。この訓令についてまず立川の警察署長は怠っておる。これはどうなんです。そこでこの点は、警棒によって傷害を与えた者は直ちに報告をしなければならぬ。その警棒の傷害――まさか警棒で傷害せよとは命令していないのですから、警棒で傷害を与えた者は当然この命令違反になる。従ってこれは当然暴行警官という意味からいっても、また警察官という職務においてもこれは違反をしたのですから当然処罰されますね。その点、あなたの方の御方針はどうですか。
○江口参考人 私たびたびお答えしておりますが、そういう不法な事実を確認することができますならば、その確認の方法についてはいろいろありましょう。横路さんからどこそこの何某がどうしたということを聞かしていただければ、その点に従って調査しますし、あるいは新聞社の写真あるいは映画等についても厳重に調べて参りたい。今それを調べておる最中でございます。ついでに先ほど私が申し上げました警棒使用規程の五条でございますが、私の御説明が不十分で誤解を受けましたことは恐縮に存じます。第五条は要らぬところは省略しますが、警棒の使用により傷害を与えたときは、速やかにその状況を所属の長に報告しなければならない。これは個々の警察官が警棒の使用によって、相手に傷害を与えたときは速やかに所属の長に報告しなければならない。その報告はどんどん出ておるそうです。「傷害を与えたときは、速やかに」とありますが、本人が傷害を与えたと認識したかどうかという問題は残ります。これは詭弁じゃございせんが、そういうことがあってはならぬので、この規程よりは少し範囲を広げ過ぎましたけれども、全部の警察官からとる。警棒によって傷害を与えた警察官だけが出せということでは、これは出てくる可能性が少いから、それでは公平な取扱いとは言えませんので、全体について警棒の使用によって傷害を与えたか与えないかを出してこいといって、隊長が取りまとめ中でございますので、間もなく本庁に届く、かように考えております。
○横路委員 今あなたから第五条についてお話がありましたが、状況というのはやはり傷害を与えられて――町や道路で何人からか傷害を与えられたときには、直ちに警察は調べるではないですか。そうじゃないですか。警察官だけは調べないのだ、一般の者だけは調べるのだという、そういう規定はないはずですから、当然これは傷害を受けた者も、氏名はあがって参りますね。
○江口参考人 もちろん警察の方でそれを探求してわかりましたときには手続を進めなければなりませんし、あるいはまたそれについて訴えがあるというようなことになりますならば、それを手順にして捜査に入るということになるわけでございまして、確かに負傷者が出たかどうか、人数、重傷、軽傷の程度ということにつきましては、資料要求がありますので、これを至急集めております。地元の反対同盟などに依頼しましてできるだけ手を尽して調べたい。あすじゅうぐらいにどれだけ十分な資料がまとまりますか、警察官の方の負傷を先に調べて、一般の相手方の負傷の方はあと回しにするということはおもしろくなかったと思いますが、跡始末に警察自体が追われておったという事情も御考慮願いたいと思います。
○横路委員 総監からそういうふうに言われますが、これはやはりその晩のうちに調査をすべきである。また翌日も少くとも昼ごろまでは皆いたわけです。この点は実際に私は方面本部を訪れたときには皆休養しておったので、われわれ行った者は非常に怒りを感じた。われわれはほとんど夜も寝ないで事態の収拾に当っておるのに、これは一体どうしたことか非常な怒りを感じた。この点はやはり現在の立川の警察署長などは何といっても責任は回避できない、そこで警視総監にお尋ねしますが、私はやはり今回の根本の問題は警察予備隊というものにあると思う。もしもこれが予備隊でなしに、いわゆる一般の警察官であればこういう事態は出動しても起きなかったと思う。被害は最小限にこれを押えることができたと思う。なぜならば、毎日一般の民衆と接する交番の勤務あるいはその他の勤務で民衆と接しておるから、私はこういう事態はある程度防げたのではないかと思う。それがとにかくそういう民衆と接する機会がなくして、ただ単に部隊の訓練だけをやって民衆と遊離しておる。だから先ほど淡谷君その他から指摘しておったように、社会党の議員が何だ、こうやって頭からなぐってくるように明らかに憎しみを持っておる。だから私はこの際やはり予備隊そのものについて、根本的に検討をするときが来ておる思う。この点についても総監のお考えはどうですか。
○江口参考人 予備隊のあり方につきまして、いろいろ御批判を受けております。門司さんからも、先ほど滝井さんからも御意見を承わっております。確かに予備隊という特別な範疇にはめて、一般警察官以外の教養だけを行なっておるということになりますと、へんぱな考え方を自然に起すかもしれません。その点十分教養上の注意を払いまして、大体二年くらいで部隊は交代させ、署に出す。のみならず一般の民衆処遇という点について、りっぱな民主警察官であるということに習熟させるために、最近におきましてはできるだけ署へ応援に出し、その署の方で署の職員と一緒になって、それらの仕事をやるというふうにさせるように努めております。予備隊員もそのときの事情によって数に増減はございますが、終戦後の非常に多いときは三千二、三百名ございましたが、今は二千三百名くらいに減っております。これは事情の変化によっているろいろ変ると思いますが、この予備隊を根本的になくした方がいいかどうかということにつきましては、なお検討したいと思います。多分大阪あたりにおきましても、数は少いと思いますが、予備隊の警察官を数百名持っております。これらの教養、訓練につきましては、御意見を十分取り入れて、今後も反省して、教養していきたいと思います。
○横路委員 藤本警備第一部長にお尋ねいたしますが、これはやはり警察官の暴行が明らかになれば断固処罰する。いわゆる綱紀の粛正といいますか、特に警察官は指揮命令系統をはっきりさせなければならないのですから、暴行事実がはっきりすれば、断固処分するという固い決意だけはおありになるのでございましょう。
○藤本参考人 予備隊の警察官に不法な行為があったということが明らかになれば、それに相当した処分をすることは当然だと思います。
○横路委員 長官にお尋ねしますが、先ほどの長官の立川飛行場拡張の問題に関しての御答弁の中で、私が理解できない点がありました。長官は先ほど立川の飛行場の問題は二十九年から出ておるのだと言われました。私もあるいは米軍の要求はそうだろうと思う。しかし実際にこれが今日のような問題になったのは、昨年総選挙が終りまして、そして鳩山内閣が成立して、そのときに防衛分掛金の削減の問題でいろいろ折衝した。その防衛分担金の削減のときに、飛行場の拡張に関してひもをつけられた。われわれはそう解釈している。だから昨年の防衛分担金の削減のときに、あなたの方で削減は削減、飛行場の拡張は断固しない、こういうことであれば別であった。これはやはり昨年の防衛分担金以降の問題です。当時御承知のように日本とアメリカとはこの問題で共同声明を発したのです。当時今の自民党の中の自由党の諸君は、あげて国会でこれを追及した。将来にわたって拘束するのかどうかと聞いたら、これは将来にわたっては拘束しない。これはただ単に鳩山内閣の責任においてやるのだ、こういうことだった。そうではありませんか。あのときの予算委員会で皆さんそう言ったじゃないですか。あなたは当時防衛庁長官ではございませんでしたが、私の言うのに間違いございませんでしょう。この点は非常に重大な問題なのです。これは明らかにただ単にアメリカが言ってきたからというばかりでなしに、鳩山内閣自体がこういう防衛分担金削減とからんで、これをついに押しつけられた。一体どうしてこれをはねのけることができなかったのか。吉田内閣ですらこんなことはやっていない。だから今自由民主党のうちの自由党の諸君が、これに関して黙っているということは、昨年の予算委員会であれほど激しく攻撃したいきさつからすれば、われわれふに落ちない。この点は船田さん、私の間違いか。さっき聞いていてこの点はどうしても理解できませんでしたので、重ねてお尋ねしたいと思います。
○船田国務大臣 昨年の国会において質疑応答のあったということを私は否認をいたしているのではございません。ただ立川基地の拡張の問題は現在といたしましても、政府としてはこれは必要最小限度のものである、かように考えてその実現をはかりつつあるのでありまして、これは直ちに防衛分担金の問題と直接不可分の因果関係を持っているというふうには私は考えておりません。
○横路委員 大分時間も長くなりましたから、私はこれでやめたいと思いますが、しかし今船田長官からお話がございましたけれども、私どもはそう考えている。従ってこの問題はやはり将来アメリカとの間で折衝されることによって、こういう問題の紛糾を防止することができるのではないかと思う。ですから、そういう意味では私どもなお政府においても特段にそういう点は努力してもらいたいと思うのです。
 それから江口さんに伺いたいのですが、この問題ではただ単に東京の警察官だけではない、全国の警察官がほんとうに不信の念を招いたと思う。この問題については一昨年自治体警察から国家警察へ移るときに、われわれは国家警察は政治警察なのだ、だからあくまでも自治体警察で置かなければならぬと主張した。東京の警察官が昔のままの自治体警察であるならば、今のような問題にはならなかったと思う。そういう意味では今日の警察法は非常に国家警察的なものが強い、政治警察になる点を当時われわれは指摘したのだ。どうかそういう意味で、今回の問題は藤本警備第一部長が言うように、処分すべき点が明らかであれば断固処分してもらいたい。なお予備隊については根本的に制度そのもの並びに一般警察官の教養そのものについても考えなければ、警察は全く一般人民の敵だということになってしまう。そういう意味であなたの決意を伺わせていただきたい。これで私の質問は終ります。
○江口参考人 今回の事件にかんがみ、その現場における警察官の言動等につきまして、私ども非常に憂慮する点がございます。おっしゃるまでもなく新しい警察法は民主警察ということを標榜しているのでございますから、できるだけその線に沿って今後の警察の運営が行われるように――東京だけの問題になりますが、私としましては今後十分そういう決意を持って何らかの方法を見出したいものと考えております。
○横路委員 江口さん、しかしあなたはやはり責任を感じていらっしゃいましょうね。
○江口参考人 これはしばしば申し上げました。最高責任者は私でございます。従ってどういう形で追及されましょうとも、私はこれを甘受しなければならぬものと考えております。
○滝井委員 今の横路さんの質問に関連して、最後に一点だけ調達庁にお尋ねしたいと思います。それは昨日以来今の横路委員の質問に至るまで、警視総監自身もお認めになっているように、調達庁の測量の方針が絶えず変っていったという点です。精密測量から平板測量に変る、しかもその平板測量も簡単に終ったという測量の仕方で、それが完全なものであるかという点が一つ、それから十三日に測量したその結果が、公簿面積とどういう工合に具体的に違っておったかという、この二点について御説明を願いたい。
 次に淡谷さんの質問に対して警視庁で具体的にだれか警告をしたというような話もあったはずですが、それも同時に御答弁を願いたい。
○丸山説明員 測量の方法がいろいろ変ってきた、そのために十三日の測量が完全なものかどうかという点でございますが、私の方の技術者の最も優秀なもので、その点間違いないようにいたさせたのでありますから、平板測量に変りました当日やりましたものでも、十分な測量ができておると信じております。ただし、それが公簿面積と実はどれだけ変っておるかというものは、ただいま手元に数字を持ってきておりませんので、後ほど御連絡申し上げたいと思います。
○藤本参考人 先刻の淡谷さんのお尋ねの点にお答えをいたします。十二日の十一時四十分から十二時三十分の間、立川の警察署長が砂同時三番の内山テル方のわきにおきまして、社会党の議員の方々に道路の交通妨害になるから道をあけて通すようにという警告をいたしました。二時十五分から再び立川署長は午前中と同じ場所で、十二時三十分まで警告をいたしました。そのときも社会党の議員の方々がおいでになったのであります。それから二時四十八分に一予備の隊長が参りまして、広報車で三時十分ごろまで警告をいたしております。そのときも社会党の議員の方がおいでになったのであります。それからその次は四ゲートの付近で三時四十分ごろ、やはり広報車で四時十八分までおりまして警告をいたしております。大体以上のようでございます。
○淡谷委員 どうもこの報告は全部うそであります。特に十二日の二回目は、今の報告だと午後の二時十五分から十二時三十分までというわけですが、これはどうもおかしい。
○藤本参考人 あれは時間の間違いでございます。二時十五分から二時三十分まででございます。失礼いたしました。
○淡谷委員 そうすると三十分じゃない。あなたは二時十五分から三十分間、二時三十分までやった、こういうのですか。十五分しかないじゃないか。
○藤本参考人 今の点は間違えましたので訂正いたします。二時十五分から二時三十分まで、十五分間警告をいたしたのでございます。
○淡谷委員 そのあとの二時四十八分からまたやっておりますが、三時十分まで、これは目の前におる社会党の議員団に対して、いたずらに大きな広報車を使って装甲車を五台集結して、警告と称する威圧を加えたのです。それならば、その後に激突が起ったときは、対峙しておった支援団体、労働組合等に対してもって懇切丁寧に十分に警告をした事実はございますか。みないるところへ持ってきて車をぶっつけて、があがあがなり立てることばかりが警告だと考えている。これはおれにはおれだけの理由がある、道路に立ちふさがったならば、なぜ立ちふさがったのかくらいな親切な態度があって初めて十分な警告といい得る。一方的に車を持ってきて警告をしたということで終始したように見えますが、この点はどうでございますか。
○藤本参考人 労組や全学連の方には、最後に阻止線に接触いたします前に、三時四十分ごろから四時十八分まで広報車によって警告をいたしております。
○淡谷委員 私の聞いておりますのは、広報車からおりて責任者とじっくり話し合って警告を与えた事実があるかないか、それが一つと、もう一つは広報車に乗って放送しておったのはだれですか。あの広報車の警告なり統轄は大体第八方面本部長の名前だと私は記憶いたしますが、乗っていない。乗っていないにもかかわらずこの本部長の名前を使って、あの広報車をもって威圧を加えた者は一体だれですか。
○藤本参考人 広報車に乗っておった者は、今ここでは明らかではございませんが、しかし調べればすぐわかります。それから広報車で警告する場合には、警告の責任を明らかにいたしますために、井出本部長の名前で警告することにいたしております。なお広報車をおりて代表者と会って警告をしたかという点につきましては、そういうことはやっていないと思います。
○門司委員 それではもうみんなで聞いてもらっていますから、ごく簡単に聞きますが、一つ二つだけはっきり聞いておきます。一つは直接事件の関係ですが、警備の問題について今までの御答弁を承わっておりますと、鉄かぶとをかぶり警棒を持ったということは、何か自己防衛の関係のように考えられる。従来こういうたくさんの群衆のあったときに警備をする場合に、できるだけ傷害事件を少くしようとするにほ、私はほんとうにまる腰の方がいいのではないか、相手がまる腰なんですから……。しかしあらかじめ鉄かぶとをかぶり警棒を持たしたというところに、一方においては警察官に闘争意識がかり立てられた、同時にそれが従って使用された。その結果がああいう不祥事をこしらえた。群衆も、警察官が武装してきて、そういう意識で出て参りますと、やはりこれに反抗する意識も出てくることは私は当然だと思う。だからこの警備に当りまする警察官に対するいわゆる装備の考え方に誤りがあったのではなかったかというように、われわれは考えるのであります。この点についての今の総監の心境はどうなのですか。
○江口参考人 先ほども私並びに藤本君から御説明いたしましたように、警棒を装着するのは通常の服装なのでございます。それでは十二日の日には現地からは、どういう強い抵抗を受けるかもしれないので鉄かぶとをかぶしてもらいたいという強い要望があったのでございますが、十二日の事態に直面しない前から、そういうことを予想して鉄かぶとをかぶる必要はないということで、十二日は鉄かぶとをかぶることを認めませんでした。警棒だけを持たしたのであります。警棒の使用方法については、できるだけ使わないようにしようということで、結局十分間ほど使った。しかしそれでも相当の負傷者を出しております。十三日には、十二日の投石とか木が飛んでくるとかいうことから、警察官の自衛のために、これはどうしてもわれわれ上の立場にある者として、警察官もきのう相当のけがをしておりますのでかぶせてくれと言われれば、きのうの実績から見まして、十三日には鉄帽をかぶる必要はないということをわれわれとして言いにくかったので、やむを得ず鉄かぶとをかぶることを承認いたしました。それから警棒の使用についてはできるだけ過激にわたらないように、またできるだけ使用しないようにということで注意をいたしたわけであります。十二日の例から見まして、十三日に果してその警棒の関係がどうなるかということにつきましては、私も非常に苦慮したのであります。ちょうど横路さんなんか見えているときに私も中座をしまして連絡をとり、電話による会議をしたわけでございますが、やはり十二日の例から申しまして、素手ではどうしてもあのスクラムは解けないのです。実際よほどの多人数がかかっていくのでもしなければ、あのスクラムは解けないのです。それでついスクラムのために警棒が使われる。なぐるというのではありません。腕の間に入れてのけるということをするのですが、どうしても素手ではやれないという現地の要望なんです。それでやむを得ず私の最後の決定としては、それではやむを得ない、警棒を持たせろということにしたわけです。鉄かぶとの方は、十二日にかぶっておりませんから、十三日の事件が済んで、ああそうか、鉄かぶとというのは相手に傷を与えるものかということがわかった。これは去年もその例があるのだから、うかつだったといわれればそうかもしれませんけれども、先ほども申しましたように、あの鉄かぶとの型と申しますか、あれは素材から形から今後考究を要すると実は私ども考えております。予算の関係もありますから、急に改めることはできませんが、これらの点についても十分の考慮を払っていきたいと考えております。
○門司委員 それからもう一つ聞いておきたいと思いますが、さっき横路君から聞きました問題で、いわゆる予備隊の性格でありますが、これはあなたが総監になられて、一番先にここにおいでになったときに、今までの警察はこうやっておったけれども、これは必ず将来災いを起すもとになるからやめたらどうかと私は申し上げたのですが、研究するということで今日に来て、結果はここまで来ておりますが、しかし事態については十分考えられておると思いますので、これには答弁を私は求めません。
 もう一つ聞いておきたいと思いますことは、この十三日の日に出れば必ず激突するということを、今まで質問者の諸君が新聞その他でずっと読んで来ましたように、警察当局はあらかじめ知っておったと私は思う。大体予想されておったと思う。必ず十三日は激突すれば問題が起るのだ。それから十三日は激突するんだ、それで十二日よりもさらに大きな被害が出てくるということはわかっておったと思う。それで警察がしばしば言われておりますように、独自の立場で判断するんだというお考えならば、私はよし調達庁がこれを要求しても、事態はこうなりますぞ、この責任は一体だれが負うべきか。警察としてはそういう火中のクリを拾うようなことは避けたいというようなことがどうして警視総監に言えなかったか。警視総監にそれが言えなかったということは非常に不思議に考えておる。もし警察がほんとうに、警察庁長官などもきのう、おとといあたりから言っておりますように、独自の立場でどこまでもやるのだ。何人の示唆も受けない、強要も受けないという厳然たる立場があるなら、あの惨事を起すことがわかっておったと思う。私は十二日の委員会で申し上げているのです。あしたは必ず大きなものになりますぞということを申し上げておる。だからほんとうに独自の立場があるなら、なぜ一体それを拒否できなかったか。もし拒否できなかったということが警視総監の意思でなかったとするならば、その圧力は一体どこからかかってきたか。この点をこの機会に明白にしていただきたいと思う。
○江口参考人 調達庁の測量と、警視庁が出動したということは、結論としては関係があるのじゃないかということを盛んに皆さんから追究されます。結果においては関連があったことは事実でございます。これは何といいますか、私は言葉の上で調達庁のサーバントになるようなことはしたくないということは申し上げておりますが、しかし実力行使をした結果測量ができたということは、これは厳然たる事実でございます。ただ、なぜ要請があったのにこたえられなかったか、その要請があるなしにかかわらず、私たちは自主的な判断ができるのであります。ただ四日から測量が始まっていろいろな違法状態が累積してくる。この累積してくることについては、警察以外でも相当な批判がございます。ただわれわれといたしましては午前中も申し上げましたが、あの違反が重なってくれば出動しなければならぬのだ。しかし私たちは自分の意見で独断的になってはいけませんので、警察庁にも説明し、検察庁の意見も徴して、いろいろな情勢から出動して、実力で介入するよりやむを得ない、こう考えたのでございまして、われわれとしましても決して多数の警察官を出して、双方にけが人を生ずるということは、私たちそれを望むわけでは決してございませんので、本心は出したくないということはやまやまであります。しかし法令違反がこれだけたまっておるではないかという現実の事態に即して、警察としては引き続いて安閑としているわけには参らなかったのでございます。その点を一つ御了承をいただきたいと思います。
○門司委員 あとはあした……。
○大矢委員長 それでは本日はこの程度にして、次会は明十七日午前十時半より開会いたします。
 これにて散会いたします。
   午後八時五分散会