第024回国会 内閣委員会 第30号
昭和三十一年四月三日(火曜日)
    午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 山本 粂吉君
   理事 大平 正芳君 理事 高橋  等君
   理事 保科善四郎君 理事 宮澤 胤勇君
   理事 石橋 政嗣君 理事 受田 新吉君
      江崎 真澄君    大坪 保雄君
      北 れい吉君    薄田 美朝君
      田村  元君    高瀬  傳君
      辻  政信君    床次 徳二君
      林  唯義君    福井 順一君
      眞崎 勝次君    粟山  博君
      山本 正一君    横井 太郎君
     茜ケ久保重光君    井手 以誠君
      稻村 隆一君    片島  港君
      西村 力弥君    古屋 貞雄君
      細田 綱吉君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 吉野 信次君
        労 働 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (恩給課長)  三橋 則雄君
        厚生政務次官  山下 春江君
        農林政務次官  大石 武一君
        通商産業政務次
        官       川野 芳滿君
 委員外の出席者
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 委員大村清一君及び山本勝市君辞任につき、そ
 の補欠として薄田美朝君及び粟山博君が議長の
 指名で委員に選任された。
四月二日
 委員細田綱吉君辞任につき、その補欠として風
 見章君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
 委員片山哲君及び風見章君辞任につき、その補
 欠として片島港君及び細田綱吉君が議長の指名
 で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月二十九日
 公共職業安定所職員の給与調整に関する請願(
 石橋政嗣君紹介)(第一六二七号)
 不健康業務に従事する公務員の加算年延長に関
 する請願(砂田重政君外一名紹介)(第一六四
 八号)
 村松町に自衛隊誘致に関する請願(高岡大輔君
 紹介)(第一六七一号)
の審査を本委員会に付託された。
同月三十日
 行政機構改革に関する陳情書(愛媛県議会議長
 川口満義)(第四二八号)
 内政省設置反対に関する陳情書(東京都中央区
 西八丁堀二丁目十六番地全国建設業協会長清水
 康雄外二名)(第四二九号)
 北陸地方に薪炭手当支給に関する陳情書(石川
 県河北郡宇野気村宇野気郵便局長北野龍二)(
 第四三一号)
 戦傷病者の増加恩給及び傷病年上増額等に関す
 る陳情書(東京都千代田区丸ノ内一丁目一番地
 日本傷痍軍人会長蒲穆)(第四七一号)
 元満州国日本人官吏に恩給法適用に関する陳情
 書(高知市丸ノ内二番地滝本実春外九名)(第
 四九七号)
 地域給の不均衡是正に関する陳情書(福岡県町
 村議会議長会長梅野佐平次)(第四九八号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一四〇号)
 通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一五四号)
 農林省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一五五号)
 昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じ
 た恩給等の年額の改正に関する法律案(内閣提
 出第一〇一号)
    ―――――――――――――
○山本委員長 これより会議を開きます。
 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。吉野運輸大臣。
○吉野国務大臣 それでは提案の理由をまず御説明申し上げます。
 今回の改正の要点は、運輸省の付属機関である中央気象台を運輸省の外局とすることであります。
 現在、中央気象台が所掌しております気象業務は、航空、海上はもとより、陸上におきましても、交通安全の確保に最も重要な関係を有しておりますが、その他農水産業を初め他産業への寄与、国土の災害防止 学術研究その他各種事業に対する基礎資料の提供等国民の生活領域に深く浸透して、不可欠なものとなっているのであります。
 気象業務は、右のように、関係各省の行政にもそれぞれ密接な関連を持っておりますので、常にこれらの機関と緊密な連繋を保持することが必要であります。
 また、気象業務は、近年ますますその利用価値が高まり、利用の範囲も広範な分野にわたり、気象業務法に基く行政事務の運営に一そう的確、迅速を要することになりましたので、同法に定める運輸大臣の権限を中央気象台に移して気象業務の万全を期する必要があります。
 このように、中央気象台の業務は、その性質が多分に現業的であり、かつ、全国的に百六十余の地方機関と、千五百余の観測所等が網の目のように有機的に組織されており、五千百五十名の職員を配置して、一体的に業務を遂行する大きな事業体であります。従いまして、中丸気象台は、国家行政組織法第八条のもっぱら試験研究を行う付属機関であるよりは、むしろ同法第三条の外局とすることが適当であると考えますので、運輸省の外局として、気象庁といたしたのであります。
 次に、この法律案の概要について御説明いたします。
 気象庁は、従来の中央気象台の任務及び機構を踏襲することとなりますが、機構につきましては、本庁の内部部局として、総務、予報、観測及び海洋気象の四部を置き、付属機関として気象研究所、高層気象台、地震観測所、地磁気観測所、気象庁研修所、気象通信所及び気象測器製作所を置き、地方機関としては、管区気象台及び海洋気象台を、また、これらの事務の一部を分掌させるため、所要の地に地方気象台、測候所等を置いております。
 なお、気象庁の設置に伴いまして、国家行政組織法、行政機関職員定員法、消防法及び水防法の関係規定を整備いたしました。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその概要でありますが、気象業務の改善につきましては、今後予算措置と相待って、技術、制度、その他所要の改善を行い、交通の安全、災害の予防等に貢献いたしたい所存でありますから、何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決せられるよう御願い申しあげる次第であります。
    ―――――――――――――
○山本委員長 次に農林省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。大石農林政務次官。
○大石(武)政府委員 ただいま上程せられました農林省設置法の一部を改正する法律業の提案理由を御説明申し上げます。
 農山漁家の経営を安定せしめることを主眼として農林水産行政を推進して参ります上におきまして、従来の施策のほか、特に昭和三十一年度から新たな施策として実施して参りたいと考えておりますことは、農林水産業の技術水準の高度化に資するための試験研究の効率的な運営をはかることと、自主的な盛り上る力による農山漁村の総合的な振興をはかるための対策を講ずることであります。このような施策を強力に推進して参りますには、これら行政事務を遂行いたします農林省の関係部局をそれに即応するように改めることが必要でありますので、これらの点を中心として、農林省設置法の一部を改正することとし、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容について、概略御説明申し上げます。
 まず第一に農林水産技術会議の設置であります。農林水産業の生産性の向上が技術水準の高度化を基礎とすることは、いうまでもありませんが、最近の科学技術の進展に伴い、農林水産業における試験研究もまた、重要性を増すとともに複雑多岐にわたっておりまして、試験研究の各部門の間において共通の問題が少くない反面、各部門の試験研究相互の関連を顧慮することなく試験研究を実施することは多くの重複や非能率の欠陥を免れません。従って、これらの欠陥を是正し、試験研究の効率的な運営を確保するために、農林本省の付属機関として農林水産技術会議を設置することにいたしたのであります。農林水産技術会議は、大所高所に立って農林畜水産業及び農山漁家の生活にかかる試験研究の基本的な計画を企画立案し、この方針に基いて、各試験研究機関の行う試験研究に関する事務の総合調整及び指導等を行うこととしておりますが、この会議の任務が農林水産業全体にわたり、かつ、高度の識見を必要としますので、会長及び委員六人をもって組織し、その運営に遺憾のないようにしておる次第であります。
 第二は、振興局の設置であります。経営規模の零細な我が国の農林漁業にとっては、個々の農山漁民の力だけでは、その発展におのずから限界があることにかんがみまして、一つの経済地域において農山漁民の自主的な総意に基く活動が緊要であると考えますので、耕種、畜産、養蚕、林産及び水産を含め、適地適産の推進に重点を置いて、農山漁村の総合的な振興をはかるため、新農山漁村建設総合対策を講ずることといたしました。この事業を強力に推進いたしますために、これに関する事務と現在興業改良局が所掌しております農業経営の改善、農業生産の増進、改善の事務等とをあわせまして、新たに振興局を設置し、農業改良局を廃止することとした次第であります。なお、農村振興の一環であります農業移民及び農業用小水力発電の助成の事務もこの振興局で所掌することにいたしております。
 第三に、主として振興局の設置に伴いまして、本省の内部部局相互間の事務調整を行なっております。すなわちさきに述べました農山漁村振興の事務を大臣官房から、農業移民の事務を農地局から、小水力発電の助成の事務を農林経済局から、それぞれ振興局へ移すほか農林水産業に関する災害対策の連絡調整の事務等を大臣官房から農林経済局へ移すとともに、農地局の事務として国営の開墾建設工事または土地改良事業に伴い必要を生じた工平等を委託を受けて行うことができることを明確にするほか、畜産局、蚕糸局等の所掌事務についても必要な改正をはかっております。
 第四は、その他の付属機関の設置であります。その一は、輸出品検査所の能率的な運営をはかるため、現在の支所の一部を木所に昇格し、東京のほか、小樽、静岡、神戸及び門司に輸出品検査所を設置することといたしました。その二は、畜産局において従来から動物専用の医薬品の検査を行なっておりましたが、この検査を行う機関として新たに動物医薬品検査所を設けることといたしました。その三は、営林局及び営林署の職員の診療を行う機関として病院及び診療所が設けられておりましたのを、営林局の付属機関として設置法上明確にいたしました。その四は、審議会の設置でありますが、積雪寒冷単作地帯振興対策審議会は総理府から農林省に移管されたものであり、農山漁村振興対策中央審議会はさきに申し上げました新農山漁村建設事業の重要事項を審議するものであり、農林漁業用固定資産評価審議会及び農業観測審議会は、統計的調査における固定資産の評価、あるいは農業観測事業についての審議機関として従来から置かれておりましたものを、今回制度化したものであります。
 以上が、この法律案を提案いたします理由並びにその内容の概略であります。何とぞ横車御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
○山本委員長 次に通商産業省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を求めます。川野通商産業政務次官。
○川野政府委員 通商産業省設置法の一部を改正する法律の提案理由について御説明申し上げます。
 改正の内容は、第一に、特許庁の長官官房を廃止し、審査第三部及び審査第四部を増設することであります。特許庁の現在の内部機構といたしましては、長官官房のほかに総務部、審査第一部、審査第二部及び審判部の四部があり、審査第二部が発明及び実用新案に関する審査を担当しておりますが、最近における発明及び実用新案の出願件数は著しい増加を見、昭和二十五年の約四万一千件が昭和三十年においては約九万五千件と二倍以上にも達し、また出願の内容も、技術の進歩を反映して次第に高度化して参りましたので、その審査事務も著しく増大し、審査の困難さを加えつつある現状であります。このような状態におきまして審査事務を適切かつ能率的に処理するために、逐年人員を増強し、職員の研修を実施し、審査資料を整備する等の措置を講じて参ったのでありますが、何分にも処理事務及び統轄人員が増加し、また関係技術分野が拡大されたため、一人の部長でこれを統轄処理することはきわめて困難となって参りました。従いまして、ここに長官官房を廃止して機構の簡素化をはかるとともに、審査事務を担当する審査第三部及び審査第四部を増設し、事務処理の適切を期することといたしました。
 次に、改正の第二点といたしまして、従来丸亀市に置かれていた四国通商産業局の位置を、他の行政機関との連絡、その他立地条件等を考慮し、高松市に変更することといたしました。
 改正の第三点といたしましては、最近における絹編物の検査数量の増大と、技術指導の必要性にかんがみ、横浜繊維製品検査所川俣支所を本所に昇格することといたしました。
 以上三点のほか、工業用水道に関する規定を設ける等所掌事務及び権限に関する規定について若干整備を行うことといたしました。
 以上が本法案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。
○山本委員長 以上三案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
○山本委員長 次に、昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改定に関する法律案を議題とし、これより質議に入ります。通告がありますので順次これを許します。高橋君。
○高橋(等)委員 昭和二十三年六月三十日以前に退職事由の生じた公務員の恩給是正につきましては、前々国会の当委員会において、これが是正をなすべしという付帯決議をいたしておるのでございまして、このたびの政府の措置はその付帯決議によったものとして、私は一応満足をいたしておるものであります。ただ、ここで二点だけお伺いをいたしておきたいと思うのでございます。その第一点は、号俸の引き上げに当りまして、二十四号以上は引き上げられておりません。これはどういうような理由で引き上げられておらないか、その点恩給局長より御説明をお願いいたしたいと存じます。
○三橋政府委員 ただいま高橋委員からお話のございました旧恩給号俸の二十四号というところは、基礎俸給の昔の年額でございますところの四千八百円、すなわち従来の奏任官の一号表一級俸以下を受けた人の旧恩給の基礎俸給の号俸でございます。これに対応します現在の恩給を計算します場合の基礎俸給の年額は、三十八万二千八百円になっておるのでございます。これは万二千円ベースの公務員の俸給について考えますと、十二級職の六号俸相当額でございまして、十二級職六号俸相当額といいますと、十三級職一号俸もこれと同額でございます。新給与制度が実施されましたのは昭和二十三年七月でございます。新給与制度が実施せられました直後の中央官庁の課長の最高号俸に相当する額となっておるのでございます。今回の増額措置につきましては、国家公務員たる一般官吏につきまして新旧俸給の比較をして、局長の範疇に属するものは局長、課長の範疇に属すると思われるものは課長というふうに、まず大まかなワクをきめまして、対照いたしまして、そのワク内におきまして、旧退職者の恩給を一般の俸給切りかえの線に沿いまして、できるだけ高いところに持っていくような方策を講ずる趣旨をもって法案を作って参ったのでございます。ところで、今高橋委員から仰せられました旧恩給号俸の二十四号俸のところを増額すると、旧課長を新しい局長で最低の俸給を受けたものよりも優遇するような結果になって参ります。そこで、これを一つの標準といたしまして制限いたした次第でございます。二十四号俸以上のところにつきましては増額の措置をいたしていないのでございます。この増額をいたしていないのは、昔の局長は、今の局長とは少し違いますけれども、新給与制度が実施せられました後に一万二千円ベースの俸給を受けて退職せられました公務員について考えますと、大体局長のところは局長、次官のところは次官クラス、こういうところに合致しているように思われますのでこの方の増額はやめることにいたした次第でございます。
○高橋(等)委員 そうすると、二十四号俸以上は現在の局長、次官が受けている給与とそう違わない、むしろ引き上げをやると今の方が悪くなるのだ、そう解釈してよろしいわけですね。
○三橋政府委員 全くその通りでございます。
○高橋(等)委員 大臣の出席を至急に要求いたします。
 それでは、大臣がおられませんから順序が非常に狂うのですが、旧軍人恩給との関係についてであります。旧軍人の終戦前に死亡いたしたあるいは負傷いたしている連中と今度の引き上げとの関係でありますが、政府の方の御説明では、今度の軍人恩給の制定は過去の恩給の復活ではないと言ってきておるわけです。そういったような考え方からいって、いろいろ議論があると思うのですが、この引き上げは旧軍人恩給にどの程度影響するのか、影響はないのか、どういう解釈をしておられるか、この点を簡潔にお話願っておきたいと思います。
○三橋政府委員 今回の法案は、先ほど御説明申し上げましたように、第二十二国会におきます付帯決議の趣旨に基きまして制定せられたものでございまして、これは昭和二十三年六月三十日を境といたしまして、その前後の恩給の年額において差があるところを是正するようにという御要望に沿うて作られたものでございます。従いましてそういう観点に立って考えました場合におきましては、文官恩給につきましては直接に今度のような是正の問題が起ってくるのでございますが、旧軍人関係の恩給につきましては、今高橋委員のおっしゃいましたように、昭和二十三年前と後とによって旧軍人の恩給の年額に差があるということはございませんから、昭和二十三年六月三十日を画しまして前後の恩給の比較をして、それからくる直接の恩給の是正の問題は起ってこないと考えております。ただ間接の問題はあるといたしましても、直接の関係はない、こういうふうに考えて今度の措置をいたした次第でございます。
○高橋(等)委員 今までの恩給関係の法律改正につきましては、恩給法の一部改正という格好をとっておる。今度の法律は別に、昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改正に関する法律案として、別個の法律をお出しになっておる。これはどのようなお考えで別個の法律をお出しになったか、それを一つ……。
○三橋政府委員 これにつきましては、特別な理由はございません。この前の昭和二十七年の恩給の不均衡の是正に関する法律につきましても、やはり特別立法の形をとっておりますので、今度もそういうふうなものの考え方に基きまして、特別な措置をすることにいたしたのでございます。
○受田委員 いずれ大臣がおいでになると思うのでございますが、大臣はこの恩給問題についてはしろうとであって、よく事情がわからない。従って恩給局長その他の人たちが、何か入れ知恵をして、急にある程度の知識を獲得したという限度ではないか。従って政治的な観点からの回答はできるかもしれませんが、事務的な問題の解決は恩給局長がしなければならない。しかも恩給局長はこの前の改正案のときにおいて、文官と武官の恩給の不均衡問題については、不均衡はないという意味の御発言もあったので、従って今恩給局長に対してお尋ねをする問題も、日本の恩給制度に関する基本的な問題に進んでこざるを得ないと思う。
 以上の理由のもとに、まず第一点として恩給局長にお尋ね申し上げたいことは、このたびのこの法案は、政府提案になっている。われわれは政府は従来一貫した恩給施策を考えておられると信じておったのであります。従ってその信じた立場からこの法案が出されたと思うのでありますが、昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じた恩給を受けていた旧文官の恩給額は、確かに低かったのであると確認をせられて御提案なさったと了承してよろしゅうございますか。
○三橋政府委員 その通りです。
○受田委員 しからばこの御提案になられた具体的な数字を拝見しますと、恩給年額計算の基礎となっている俸給年額において、七万二千円の額の者が七万九千八百円、これが一番低い線でありますので、一番低い線の引上率は、大体において一割一分となっておる。それから一番引上率の高い十一万八千二百円が仮定俸給十四万四千円となっているあたりからは、大体二割一分八厘前後を動いているのでありますが、特に低額の受恩給者の増加歩合の低い理由は、どこにあるのでございますか。
○三橋政府委員 これは各対応俸給におきまして、何割ふやすというような方法をとって増額の措置を講じたわけではございません。旧基礎俸給と同額の俸給をもらっておった人たちが、昭和二十三年七月新給与制度の俸給に切りかえられた場合の実情を考えまして、こういうふうな対応俸給を作った次第でございますので、従って今仰せられますようなところは、切りかえのときのそのままのその姿が出てきておる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○受田委員 この法案は六十才以上の老齢者を優遇する案になっておるのでありますが、今私が指摘しました下級者が特に増加歩合が低いということとあわせもちまして、少くとも恩給法といたしましては画期的な老齢年金的な性格を帯び、ある程度社会保障の含みのあるような御提案であると私は確認しておりますが、こう了解してよろしゅうございましょうか。
○三橋政府委員 特にそういう深い意味をもって措置されたわけじゃございません。
○受田委員 六十才以上ときめられた理由は、どこにあるのでございましょうか。
○三橋政府委員 御承知のように、恩給の年額は非常に大きな金額になっておるのでございまして、本年度の予算におきましても、九百億円に達するような予算でございます。従いまして今度の増額の措置をするに際しましても、乏しい国家財政の中からいろいろやりくりして、こういうことになったのでございます。そういうことを考えまして、増額をするに当りましては、緊急やむを得ない人から増額の措置をするようなふうに考えた次第でございます。もちろんできることなら今受用委員のおっしゃいますごとくに、六十才未満の人に対しましても増額の措置をしたいと考えたのでございますが、それがどうしても許されないということになって参りますれば、これは緊急の人から先に増額の措置をするよりほか仕方がない。こういう観点に立もまして、実は六十才以上の人に今度増額の措置をすることにいたした次第でございます。
○受田委員 従来の恩給法で六十才以上と限定した何かの特例措置があったでございましょうか。
○三橋政府委員 ございません。
○受田委員 しからば今回の措置は、恩給法の施行された以後における画期的な措置と断定してよろしゅうございましょうか。
○三橋政府委員 そうではございません。恩給制度が最初作られましたときには、社会政策的な考え方はあまり入っていなかったように思われるのであります。しかしながら、昭和の何年ごろでございますか、国家財政窮乏のときに、扶助料の年額が増額されました場合におきまして、いわゆる加給の制度――家族の多いものに対しましては加給をつけるというような制度がとられたのでございます。そうしたことは、国家財政の苦しい中から、急を要する人々に対しての恩給の増額をするという社会政策的な措置が講ぜられたものと思うのでありまして、今度の措置も、現在の国家財政の現況にかんがみて、適切な措置としてとられたことであり、もうすでにこれに類する先例もあることと考えております。
○受田委員 恩給法ができてから長い年月がたっておるし、特に現在の恩給法は大正十二年四月十四日にできたもので、従来の文官と武官との恩給が一体化されたものであるという建前からいうならば、今の家族加給のような問題は例外であって、恩給法そのものは、社会保障的な、社会政策的な考え方から出発したものでないと考えてよろしゅうございますか。
○三橋政府委員 最初は確かにそうでございました。
○受田委員 恩給法に対しては、世上いろいろな批判が行われており、単なる恩典的な公務員施策であるというようなことになっては妥当を欠くという声もある。いわんや恩給亡国論というようなものが唱えられている現状において、この恩給法のあり方をだんだん変えていって、社会保障的な性格をこれに取り入れていくということは、あえて私は遠慮される必要はないと思うのでありますが、恩給局長はいかなる御見解をお持ちでしょうか。
○三橋政府委員 私は社会保障制度的とか、社会保障政策とかいう言葉につきましては、おっしゃっている方の言葉の意味が、はっきりわからない場合があるものですから、私はそれに対して確たる返事をしかねる場合もあるのでございます。しかしながら古い言葉かもしれませんが、社会政策的という言葉が昔から使われておりますが、そういうような考慮は昔から払われておることであり、世の中の移り変りに応じて、恩給制度の運営に当っても十分考慮していかなければならぬものだと考えております。
○受田委員 恩給制度の運営を全部社会の情勢の変化、進展に応じて考慮していくということでありますならば、これは非常に融通のつくことになってくると思うのです。私はそこでさらに質問をさせていただきたいのでありますが、今の時勢で、恩給制度そのものにある程度批判が加えられている際に、今回出された政府案の六十才以上の老齢者に対しての恩給額を増額するといういき方は、われわれとしては非常な意味の深い、むしろ歓迎すべきものであると考えておる。今までとかく公務員に対する恩典制度であったという印象から、国民年金の一種である老齢年金もこれを繰り入れていくべきような法案を出されたということは、私たちの考えている恩給制度を漸次国民年金へ転換していくという過程においても、重大な意義を持っておると思うのです。そこで問題とされることは、この六十才以上という年令制限はいたしましても、その奥さんであった人が六十才以下であるならば、当然遺族の扶助料が支給されなければならない。配偶者が六十才に満たない間は増額されない。従来の恩給額を公務扶助料に切りかえてちょうだいするという矛盾が起ってきておる。すなわち夫が六十才以上で増額された恩給をもらっている。しかしその人がなくなった場合に、奥さんは、増額された恩給でない、前の恩給の半分しかもらわないということになると、これは恩給法上の建前からいうならば、現にくる恩給の半額を扶助料としてもらうべきものが、半額もらえないという矛盾が起るのでありますが、この点はいかがお考えでしょうか。
○三橋政府委員 遺族である妻に対して、年令の制限を設けて増額の措置をしたことについての御質問でございますが、私どもといたしましては、六十才という制限は、とれればとって措置をしたいと考えておったところでございます。確かにお話のようなことは、一つの議論として考えなければならぬことと思いますが、戦傷病者戦没者遺族等援護法、国家公務員共済組合法においては、お話のごとく年令に制限なく、遺族である妻は遺族年金は支給されることになっております。しかし一昨年改正された厚生年金保険法におきましては、妻が四十才に達したときでないと年金はもらえなくなっておりますし、また船員保険法においても、妻が五十五才に達しなければ年金はもらえないことになっております。そういうことを考えますと、この乏しい財源のうちから措置する場合におきましては、妻の場合、その人の稼働能力に若干の差がつけられるときは、稼働能力のある人を役回しにして、稼働能力のない人を先にする措置を講ずることも、やむを得ないのではないかという考え方をしたのであります。それからまた実際問題として考えました場合に、昭和二十三年当時の調査によりますと、普通恩給を受けるに至った初給年令は四六・八才になっております。受給年数は大体におきまして一三・四ということになっております。受給者の死亡平均年数は大体六十二・三才くらいになるのではないかと思います。そういうことを考えますと、遺族である者については、六十才未満の方もかなり多いと思いますけれども、今申しましたような判断をいたしますと、該当者の数はごくわずかではないだろうか。またかりにあったといたしましても、そういうような方は数年ならずして六十才に達せられる方ではなかろうか、こういうことを考慮に入れ一まして、実は非常に心苦しい措置ではありましたけれども、このような措置をとった次第であります。
○受田委員 今恩給局長は、厚生年金保険法や船員保険法を例におとりになられて、四十才とか五十五才とかいう支給停止期間の御説明をされたわけでありますが、寡婦になったということは、精神的、物質的に受ける打撃が容易でない。従って社会保障政策からいいましても、老齢年金とあわせて寡婦年金というものを考えてやるのが各国の共通した考え方なのであって、寡婦になった悲劇と年とってからの苦労を同等に見ております。従って六十才に満たないところの妻も、これが未亡人になったというその苦しみは、六十才になって解決するわけではないのであってその未亡人になった瞬間からその悲劇が発生しておるのでありますから、夫が受けていた恩給年額の半額を支給されるという恩給法の建前が考慮されなければならぬと思います。しかも今局長の御指摘のごとく、六十才に達せざる配偶者はきわめて少数であるということであるならば、予算上においても大した問題ではないように思います。老齢年金と寡婦年金とをわれわれは同額にされたいという立場から、六十才に達せざる未亡人の苦しみを思うときに増額の部分のわずかしか増額してない。せめて半分くらい、ほんのスズメの涙くらいのものを削ってまで六十才に達せざる未亡人を悲観させなくても、その措置をおとりになるべきじゃないかと思うのですが、御見解はいかがでしょう。
○三橋政府委員 確かに先ほど申し上げますように、これはやむを得ない措置としてとったことでございまして、一定の金額のワク内における操作といたしましてはどうしてもこういうふうな措置をするよりほかになかった、こういうところでございます。
○受田委員 これはいずれ大臣が来られてお尋ねしなければならぬことになるのですが、一定のワク内ということになると恩給増額部分は、たとえばここに政府案として出されているものに充当される予算二億七千万円、年額十億八千万円をこえてはならないというワク内で本案をお立てになられたのでありましょうか。
○三橋政府委員 私の言葉が少し誤解を生じたかもわかりませんが、私が申し上げましたのは、この増額はもちろんできるだけ一般の受給者に対しましても行われるような措置を考えてきたのでありますが、限られたる国家財政のことを考えましてやむを得ない、緊急を要する人から増額の措置をする、こういうように考えてきたのでございまして、今一定のワクと申し上げましたのは、二億とか三億とかという金を予定して、どうしてもその中に入れなければならぬ、こういうことを先にきめて案を立てたというふうな誤解を生じたかもわかりませんが、そうではないのであります。その点一つ誤解のないようにお順いしたいと思います。
○受田委員 そうしますと、恩給局長が立案されたこの本案は、予算のワクを考えないで御立案になり、結果がはしなくも政府与党の予定した文官恩給是正額二億七千万円、年額十億八千万円というところに一致したのでございましょうか。
○三橋政府委員 その通りです。
○受田委員 偶然の一致というものもあり得るということをお示しいただいたわけでありますが、私はこの未亡人になられた不幸な人が恩典に浴せないということから今お尋ねしておるのであって、その六十才に達せざる夫を失った未亡人というものの数及びこれに充当される、増額された場合の扶助料を支給されるとしたら、どれだけの予算が要るかという数字というものをお示しいただきたいと思うのであります。
○三橋政府委員 六十才以上の受給者の数と六十才未満の受給者の数ということにつきましては推計を立てたのでございますが、その六十才以上の中の内訳につきましては実はこまかい推計は立てておりません。
○受田委員 大よそ予算的にどのくらい必要とするかという見当はおわかりにならないでしょうか。
○三橋政府委員 その数字はまだ出ておらないのでありまして、六十才以上の受給者の数は十三万五千人、それから六十才未満の受給者の数は六万八千人前後と考えておりますが、その内訳の数につきましては、今申し上げますように、はっきりしたものをつかむまでに至っておりません。
○受田委員 この恩給行政の事務というものは非常に複雑で、めんどうであることは私よく承知しておりますし、局長さんも部下を督励していろいろと検討されるために御苦労をしていただいておることもよくわかります。けれどもこういう問題は、たとえば六十才に達せざる配遇者を支給対象とするならばどのくらいの予算の増額が要るか。もちろんその基礎数字は幾らか、該当人員は幾らかというようなところが、ある程度概算的にでも出されてこの法案が御提出になられないと――六十才に達せざる配遇者に支給を停止することによってどれだけの予算が浮くかということを検討をしてこの立案をされないと、これは法案をお出しになった側としてははなはだずさんな案あるいは不用意な案といわざるを得ないのでありますが、御見解はいかがでございましょう。
○三橋政府委員 御注意はごもっともでございまして、将来は注意いたして、今のような手落ちのないようにいたします。
○高橋(等)委員 大臣がおいでになりましたから質問を継続したいと思います。
 ただいま受田委員から六十才の制限を置いたことについての御質問がありました。それの理由はただいまの恩給局長の御説明でよく了承いたしました。そこで、恩給を支給しなければならない人には恩給を支給する、また不公平があればこれを公平に扱う。そのために国家予算が非常な膨大を来たして、恩給亡国というようなことが起っては困りますが、現在の段階においては数字的に見てそんなことは絶対にないという私は確信を持っております。(「ある、ある」と呼ぶ者あり)それは数字的にはっきりと私は研究をつかんでおります。ただお伺いいたしたいのは、現在四十五才というような年令心が恩給を受けておるのであります。もちろん不具廃疾の場合はとにかくですが、四十五才で五割、五十才で七割、それから六十才になると全額の支給を受ける、こういう制度に今の恩給法はなっておりますが、これを五才くらいずつ若年停止を引き上げるということは、これは今の国民の労働能力といいますか、健康状況といいますか、そういうような点から見て、四十五才から恩給をもらうというのは少し早過ぎるのではないかという感じがいたします。そこで五才上げくらいのところが適当ではないかというようにも考えるのでございますが、この若年停止の引き上げについて政府の方ではどういうような御研究をなさり、お考えを持っておられるか、これはごく概括的な御答弁でけっこうですから、大臣から承わりたいと思います。
○倉石国務大臣 ただいま御指摘のようなことは、今すぐにやろうというような意思は政府にはございません。
○高橋(等)委員 政府にはそうしたお考えがないそうですが、これは十分に御研究をお願いいたさなければならぬ問題があると考えます。
 なお次に移らしていただきますが、この本題とはちょっと違う、恩給関係の問題でございますが、大東亜戦争中に内地で徴兵された者で罹病したり負傷して死亡をいたした人について、実はこれは公務にあらずとして恩給を支給されておりません。現在はわずかに五万円の弔慰金が出されておるだけでございます。そうした関連の人々が大体三万五、六千人くらいあると思うのでございます。これに恩給を支給します場合に、年額十四、五億であろうと私は計算をいたしております。そこでどういうものが公務死かということを考えてみますと、条文を読みましても、恩給法の第四十六条に公務員が公務のため云々と書いてある。そして公務死とみなすという意味合いの、公務とみなすという規定は、四十八条でいわゆる伝染病であるとか、あるいは恩給審査会において公務に起因したものと同一視すべきものというようなものを、公務死とみなすとしてあるのであります。公務というものの解釈及び個々の事態に対する適用というものは、この恩給法制定当時から、実際上の認定の問題として扱われて参っておる公務というものに対するはっきりした法律の規定というものはないわけでございます。
 そこで大東亜戦争になりましてから、戦禍というものは内地はもちろん外地全域に及んでおりますし、また丙種等の身体の虚弱な者、これを徴兵として召集して、しかも激烈な服務、日清、日露その他のときの兵役の勤務とは比較にならないほどの訓練を夫はいたしておる。しかもその当時と比べまして、医療設備にしましても、給与等にしましても、当時の一般の国民の状況と比べてみると、この召集を受けた人々は、戦争末期において特に激しかったと思うのだが、非常に不備な状況であって、そのために結核等にかかって死亡した人はたくさんあるのであります。それでそういういろいろなことを考えてみますと、日清、日露戦役当時の規模で解釈されておりました公務の解釈というものは、いろいろな点から考えてみてこのたびの戦争ではその認定基準を根本的に検討し直さねばならぬじゃないか。すなわち公務死の認定基準を適正化するということが私は必要になっている、事情が変ってきているのだ、こう考えるのであります。従って内地で入営中に死亡した者、すなわち内地と申しますと、満州とか、朝鮮とか、台湾とか、樺太、これはみな援護法でいう内地でございます。その他内地で召集によって故意または重大な過失によらないで病気にかかったり、負傷したり、それが原因で死亡したような人については、公務扶助料なりあるいは障害年金なりというようなものをぜひ考えてやらなければならないと私は考える。これが現在の遺族問題の残された一つの大きな私はエア・ポケットだと考えるのでございます。これだけはぜひとも一つ政府で善処をしてもらわなければならぬと考えるのでございますが、どういうような状況になっておるか。大臣はどういうようにお考えになっておりますか。その点を伺わしていただきたいと思います。
○倉石国務大臣 お尋ねの問題は、私どももしばしばいろいろな例に出つくわすのでございまして、非常にむずかしい、しかも重要な問題であると存じますが、ただいまのところ内地において死没いたしました軍人につきましては、戦地における場合と異なりまして、人事記録その他の証拠書類によりまして、その軍人の死亡が公務によって死亡したかどうか、その判定のところがただいまいろいろお話のあったところでございますが、現在までのところでは従来の資料、証拠等によりまして、その軍人の死亡が公務によって死亡したかどうかが判然といたしておるわけでございます。従って内地における旧軍人または旧準軍人の死亡をすべて公務死に準じて取り扱うということになりますと、公務に起因しない死亡をもって戦死者の遺族と同等な処遇をいたすということになるわけでありまして、戦死者遺族の処遇をかえって軽くするような結果になりはせぬかというふうなことで、現在は御承知のような判定の基準で取り扱っておるわけであります。この問題につきましてはなお政府でも慎重に検討いたしてみたいと思っております。
○高橋(等)委員 私は公務の判定基準を開いているのではないのであります。それを変える必要がある。今まで公務ということをやられているのは、古い思想、古い状況のもとで、これは公務だといろいろなものを積み重ねてそこで判定された。この徴兵された者については公務というものはそういうものではないんだということなんです。きょうは大臣も時間もないようだし、本論からだいぶ遠い問題ですから、一応十分御検討なさって、ぜひ実現をお願いしておきたいと思う。
 なお一点、私は政務次官に簡単にお伺いして、大臣にお伺いするんですが、いわゆる加算制度について、調査費を組みまして、加算制度の調査を始めてからもうずいぶんたっているはずであります。集計が出て、加算をこの程度やればどの程度かかるかというようなことももう国会へ御報告願っていいときではないかと考える。どの程度に進んで、どういう状況であるか、その点を御説明願いたい。この委員会へ数字を文書として御提出をお願いいたしたい。経過的なものでもいいからぜひお出しになる時期が来ていると思う。ただいままでの状況を一つ伺って、それから大臣に御要望申し上げたい。
○山下(春)政府委員 ただいまの高橋先生の御質問に対しましてお答え申し上げます。加算の実施に関する調査は、昨年の八月末調査要綱を作定いたしまして、それぞれの機関に準備を命じ、次いでその実施に辞し、目下都道府県及び地方復員部における作業が完成に近づいておりまして、その完成を待って厚生本省の作業に移るつもりでございます。その細部の状況を申し述べますれば、次の通りでございます。
 第一点は、兵籍簿等の基礎資料約七百五十万件は、旧陸軍関係のものにつきましては都道府県に、旧海軍関係につきましては地方復員部に整備保存されておりまする関係上、第一段階の統計作成を都道府県及び地方復員部に受け持たせるようにいたしております。都道府県及び地方復員部におきましては、前述の調査要綱により、まず保管資料を統計の目的に応ずるように分類配列が之をいたしまして、次いでこれら資料の一つ一つにつきましてこれを点検して適格者を抽出し、その勤務内容につきましてカードに分類記入して、資料を作成するという作業をいたしておるのでございます。
 第二点は、都道府県及び地方復員部における統計作成の作業は、本年三月末をもって終了する目途で始めましたが、すこぶる順調に推移いたしておりまして、すでに約半数の都道府県におきましては、統計を完成して厚生省に送付して参っております。これらすでに送付いたしました資料を点検いたしてみましたところ、きわめて良心的に、綿密に作業をいたしております。
 第三点は、今後都道府県及び地方復員部からの資料が集まりましてから、厚生省におきまする全体集計の作業を始めさせるつもりにいたしておりますが、厚生省における作業に際しましては、一般の集計作業のほかに、加算を付する各種の場合に分析いたしまして、それぞれの場合に応ずる結果を導き出す作業がありますので、おおむね六月末までに全部の作業を完了いたしまして、数字等を記入いたしまして、書類をもって報告いたすことが可能であろうと考えております。
○高橋(等)委員 どうぞ御調査をお急ぎになりまして、中間的でもよろしいですから、数字を御報告願いたいと思います。期限は切りませんが、国会の終るごろまでには、ぜひ一つお願いいたしたい。
 それから加算問題ですが、この問題については、敗戦とからみまして、戦地勤務あるいは特殊勤務の方に加算をするということについて、いろいろな国民感情を考慮しなければいかぬ問題があることは重々了承しておるのです。ただこういうことを御記憶願いたいと思いますのは、現行恩給法によりますと、戦地へ三年ぐらいあるいは二年八カ月ぐらい行ってまだ終戦の混乱のない以前に早く戻ってきて、恩給請求をいたします。そうすると旧法によりまして、それには恩給がつくのであります。そういう人には加算による恩給が現在ついておる。そうして今受け取っておる人もあるのでございます。ところが五年も六年も――七年以上は一時金が出ておるといたしましても、五年も六年も、あるいは七年も八年も行って、苦労をして戻ってきた。そうして手続をしておるうちに終戦になった、あるいは終戦後に戻ってきた人々には恩給が何もついていない。ここに加算問題の非常な不公平、平等でない問題があるのでございましてそれについてとにかく平等にやってもらいたいというのが、加算の要求の根元をなしておるのでございます。そこで政府としても何らかの措置をおとりにならないと、国民の間に不平等があるということを考えなければいけません。ことに不平等というよりは、なお苦労した人の方が恩給がつかないで、早く帰って楽した方がつくというのですから、これはもう不平等どころじゃない。不公平な困ったことが起っておる。この加算問題の実現はぜひ何らかの形でやらなければならぬと考えますが、どういうようなお考えでおられるか、その点を伺っておきたいと思います。
○倉石国務大臣 ただいま厚生省の方から申し上げましたように、これは二十二国会における当時の予算修正の際の問題でもありまして、政府としましてもでき得る限り早く、先ほど申し上げましたように、調査をいたしまして善処いたしたい、かように考えております。
○高橋(等)委員 よろしゅうございます。
○細田委員 ちょっと関連して。先ほど高橋委員が質問されたようですが、総力戦下においては、外地にあると内地にあると危険の程度はちっとも違わぬ。あるいは戦争中においては、時期にもよりますけれども、シンガポールだとか南京だとか上海だとか北京におった人の方が、むしろ内地より楽をしておる。それを内地におったがゆえに、命を捨てても何ら報いられていないというのが現状であります。これは高橋委員が指摘されたように明らかに不公平である。そこで、内地で犠牲を受けた人たちの数及びこれに外地並みの恩給を加えたとしますならば、どれくらいの額になると推定されておるか伺いたいと思います。これは大臣でも恩給局長でもけっこうです。
○三橋政府委員 御承知のように、終戦の前後におきまして、人事に関しますところの記録は散逸したり亡失したりしてしまったものが多々ありまして、十分に整備されておりませんために、今の御質問に対しまして的確なる数字を申し上げることは困難でございます。これは前々からこの国会でもたびたび申し上げておるところでございますが、かりに加算をうけるといたしました場合におきましては、これは軍人恩給を増額する前でございますが、その際におきましても私は、昔のままにおいて加算をつけるといたしますならば、恩給総額は二千億はこえるだろう、こういうことを申し上げております。
○細田委員 二千億も要ったのではどうもしようがないが、内地で命を失った人ですよ。その人の遺族に対して単なる一時的な少額の手当だけで、扶助料も何もいっておりません。内地の平時勤務をしておって、かりに機銃掃射で死んだ、あるいは焼夷弾で足を一本なくした、こういう人たちに対する処遇は一体どうなっておりますか。
○三橋政府委員 今お話しのような方があられますならば、多分公務のために負傷され、そうして不具廃疾になられた方と想像されるのでありますが、そういうような方に対しましては、恩給法の規定によりまして、増加恩給と、それから在職年数のいかんにかかわらず普通恩給がいっております。その場合には在職年の少い方、たとえば一年、二年という方でございますと、将校の方でありますれば十三年在職された方と同じような、下士官兵の方でございますれば十二年在職された方と同じような普通恩給の金額が支給されることになっております。
○細田委員 外地へ召集されていって、今度内地勤務になった、こういう人で恩給年限に達した人たちに対してはどうなるのですか。
○三橋政府委員 恩給年限に達しました人には普通の恩給がいっております。
○細田委員 それから、たとえば終戦当時はボルネオにおった、しかし一、二年内地に帰っておって、その前にはシンガポールに行っておった、またその一、二年前には一時帰って満州におった、こういうふうな場合にはどういうふうに――ずっと最初から通算されておりますか、最後の勤務だけを取り上げておられますか、これはどうですか。
○三橋政府委員 それは法律の規定によりまして全部通算する場合と、通算しない場合とございます。
○細田委員 どういう場合が通算しないのですか。
○三橋政府委員 文官の在職年と軍人の在職年とがある場合が考えられ、軍人だけの在職年しかない場合が考えられ、また普通恩給の年限に達する場合と達しない場合とが考えられるわけでございます。普通恩給年限に達するまでの措置といたしましては、先般の法律改正によりまして、軍人の場合でございますと、お話のような場合におきましては措置がされております。普通恩給の年限に対するまでに限って在職年は通算されております。しかしながら一年未満のごく短い在職年につきましては通算されておりません。
○細田委員 ずっと外地で勤務しておった場合には恩給がつく。ところが自分は前後を通ずればそれ以上に勤務しておるが、一時途中で内地に帰還した。そのために恩給にありつかないというのは非常に不公平だと訴えておるということを聞いておるが、こういう場合はどうですか。
○三橋政府委員 昨年恩給法が改正されるまでは、確かに今の御質問のようなことがあったのでございますが、改正されまして、今申し上げますように、普通恩給の年限に達するまでの在職年につきましては、一年未満の在職年を除きまして通算をする措置が講ぜられておるのでございます。
○山本委員長 受田君。
○受田委員 倉石給与担当国務大臣にお尋ねいたします。このたび御提案になりました恩給法の改正法案と目すべきこの法案を拝見しますと、昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた方々に対するある程度の是正がされているわけであります。ところがこれは従来軍人恩給との均衡においていろいろ論議されてきた問題でありますが、今回の文官恩給是正の政府案でいわゆる古い文官恩給を受ける人々の不均衡というものが完全に是正されたと国務大臣はお考えでございましょうか。
○倉石国務大臣 お尋ねの点は大体是正されたものと考えております。
○受田委員 大体といいますと、まだ完全に是正されたということにはならないとお考えでしょうか。
○倉石国務大臣 御承知のように、ある限界を置いてそれを基準にいたしました是正の措置でありますから、大体私どもはこの程度で是正せられたものと思いますが、なお詳しいことについては政府委員からお答えいたします。
○三橋政府委員 今の受田委員の御質問は、公務員の全般を通じて考えた場合におきまして今度の措置は一体どうなるのか、こういうような御質問じゃないかと思うのです。広く公務員を考えました場合におきましては、巡査のような方もおられますし、また教育職員の方もおられますし、また一般公務員の人もあるわけでございます。今度の措置は一般国家公務員を中心として考えられた措置でございます。一般国家公務員について考えました場合におきましては、従前の給与と終戦後におきまする給与を考えますと、国家公務員に比較いたしまして、教職員、警察官は確かに相対的によくなっております。従いまして国家公務員を中心として考えた場合におきましては、今度の措置は、私は公平に不均衡はないものといっても差しつかえないものと考えておりますが、学校の先生とかあるいは警察官、こういう方について新旧両者間の恩給を比較いたしました場合におきましては、確かにまだ少い多いという議論もあるかもしれません。しかしたとえば昭和十年なら十年に、同じ額の俸給をもらい同じ程度の恩給をもらっておった国家公務員の方々をひっくるめて考えました場合におきましては均衡はとれる、こういうふうに考えておるのでございます。今の大臣の御答弁もそういうような趣旨であったかと思います。
○受田委員 小中学校の先生とかあるいは警察官とかいう職種の皆さんは、戦後給与の是正において待遇改善において非常に他の一般公務員と均衡が保たれるようになってきました。しかし戦前は小学校の先生などというものは、小学校教員俸給令という最高百六十五円を越えないような低い俸給でがまんされておること、また巡査になられる人は月給四十円という出発点です。こういう低額の給与に甘んじておった先生あるいは警察官というような皆さんは、昭和二十三年六月三十日の恩給臨時特例で仮定俸給が低い線で設定せられ、それが今日にきておるのでありますから、戦前、特に低い給与の制度に甘んじておった小学校の教員とかあるいは警察官とかいうものは、今日の一般公務員との均衡の上において非常に不利な立場にあったことは大臣も局長も御承知の通りです。今日この改正案によってもなお放任されて救われていない向きがあることは、今の恩給局長のお言葉で私ははっきりすると思うのであります。こうした戦前と戦後で待遇差がうんと違って特に戦前まことに悲惨な待遇を受けておった教職員の人や警察官という人々に対する不均衡是正の問題がまだ解決されておらぬということになるならば、この人々を救済する場合には、特別の法律をさらに作って救済する以外には道がないかどうかをお答え願いたいのであります。
○三橋政府委員 特別の法律を作る以外には救済の措置はないと思っております。しかし特別の法律を作るにつきましても検討はいたしたのでございますが、なかなかむずかしい問題があるように思いますので、私はまだ作り得るという確信を持つまでに至っておりません。
○受田委員 なおここで大臣にお答えを願いたい大きな問題は、今恩給局長にお尋ねしますと、多年恩給業務に精励されて、日本の恩給制度の総元締めとして世人から非常に注目されている三橋さんの御意見の中にこういうことがあったわけです。この法案には、六十才以上になってから、改められた恩給年額を支給されるようになっておるわけなので、六十才未満の者は支給が停止されている。つまり増額部分の支給が停止されている。同時に六十才に満たない配偶者においても増額部分が停止されている。こういう規定が掲げられております。その規定はこの第二条であります。改定年額の一部停止規定、この規定に六十才以上とここでおきめになられたものは予算の都合もあってということでありました。従ってそれは一応了とするとしまして、六十才に満たない妻の場合は、夫がなくなっても妻には増額部分が支給されないのであります。これは非常に不合理である。つまり六十才に足りない未亡人というものは夫を失った以上は社会的に非常に因窮生活に入る不幸な人である。その不幸な運命になった未亡人は六十才以上の老齢年金と同等の性格の寡婦年金的性格を持たして、この人々にも当然増額部分を支給すべきであると私がお尋ねしたのですが、そうしたら恩給局長は、それは一応考えられたことである、いろいろ検討した結果省くようにしたんだ、そこで私がその該当者が多いかと言えば、ごく僅かで取り上げるほどのことではないと思うというお言葉があったわけなんですが、ごくわずかの人であるならば、この際一つ六十才未満の妻に対しても恩給扶助料の期待権を実現せしめるような措置をとるために、一部停止規定を削除されてはいかがかと私は考えるのであります。この点一つ大臣から御答弁を願いたいと思います。
○倉石国務大臣 法案のときにこのことが研究材料になりましたことは、お話のあった通りであります。いろいろ財政事情などで今度のような立法にいたしましたが、ただいまの問題は、なお政府におきましても引き続いて研究をいたして参りたいと思っております。
○受田委員 倉石国務大臣は、恩給制度というものを公務員の特権的な制度ということではなくして、ある程度の社会保障政策を加味した形に漸次発展せしむべきであるというお考えではないか。いわんや国民の基本的人権が尊重される段階においては、古い感覚の恩給制度より民主化された恩給制度、いやもっと進んで国民年金制度への発展というものを考えるべきではないかと思うのであるが、大臣の御見解はいかがでございましょうか。
○倉石国務大臣 恩給のことにつきましては、私どもといたしましては一般社会保障的なものという考え方も、広く申せばそうなるかもしれませんが、恩給はやはり特殊の立場に立っておられた方々に対する特別な法律的措置でありますから、これはやはり一般社会保障とは別個に考えらるべきものであると存じております。ただこれは国の政策としてただいま御指摘のような年金制度、こういったようなものはやはり社会保障的な意味で、国の財政が許す限り拡大いたしていくことは望ましい政策であると私どもは考えております。
○受田委員 私は現在恩給を受けている人々の権利を剥奪するというような考えは毛頭持っていないし、これら法律によって擁護された立場の人々を守ってあげることは当然であると思うのです。なお現在の制度で欠陥があるならば、その国民年金制度へ発展する過程においても、恩給法そのものを漸次民主的に直していくという必要を認めて、従って今回出された政府案に対してもわれわれはむしろこれを歓迎し、期待していたような次第なんです。この点においては特に下級公務員の古い人々、昔やめた下級公務員を優遇するという意味においての措置としては、われわれは歓迎しておるわけなんです。従ってまた特に戦争でなくなられた、大事な方を国に捧げた戦死者の御遺族の場合におきましても、公務扶助料というものをいわゆる恩給亡国というような立場で批判されないで、遺族に対する国家保障という高い観点からこの人々は永久に国家が守ってあけるという点においては、われわれはむしろ保守党の方々以上の熱情を持っているわけなんです。その点においては私は恩給亡国論とは別の意味でそういう考えを持っておるけれども、戦死者の公務死の範囲を拡大するとか、あるいは受給資格を広げていくとかいう問題については、一そう手を打ってあげなくてはならぬとわれわれは考えておる。ただここで問題になるのは、恩給という制度が今後も依然として公務員の特権として残されるという形でなくして、漸次社会保障的な性格を帯びさせて、国民年金へ発展せしめる努力を政府がしておかなければならぬと思うのです。従って恩給法そのものの内容においても、きょう出されたこの案に六十才以上の老齢者と限定しているところは、すでにりっぱな社会保障制度が加味されたと私は見るのです。またそういうことになれば、未亡人の場合の寡婦年金というのが至るところにあるのでありますから、進んだ国々で採用している老齢年金、寡婦年金は一歩進んでこの法案に取り入れるべきではなかったかと私は思うのでありますが、その点におけるこの恩給法の改正案における政府の心がまえとしては双方は一本に考えるべきであったが、予算の都合で寡婦年金の性格を見る方は増額を取りやめたという立場でしょうか。
○倉石国務大臣 恩給に対する政府の考え方は先ほど申し上げました通りでありますが、世の移り変りにつれまして広範囲な社会保障、養老年金制度というものを今後とるべき時期がくるように、そういう事態が理想的である、こういうふうに考えております。
○受田委員 恩給法は非常に厳格なワクに縛られて、事実上の妻として暮している内縁の妻さえも、法律上の届出がしてない限りは、恩給法上の権利を享受することができないような規定がある。従って恩給法の解釈は非常に厳格である点においていろいろな問題があるのであるが、こうした法案をお出しいただいた政府としては、従来の恩給法の厳格なワクとか解釈というものに漸次ゆとりを持ってきたという、私ははなはだ明るい観点からこれを拝見しているのでありますが、さよう了承してよろしゅうございましょうか。
○倉石国務大臣 本案の趣旨は従来の恩給制度の趣旨と変っておりません。先ほどお話しのような将来にわたって広範囲な社会保障的な意味の年金制度というふうなことは、国の財政が許すようになりましたならばなるべくそういう理想的な社会保障制度に拡大いたしていきたい、こういう考えを申し上げたわけであります。了承願います。
○受田委員 この法案でもう一つ問題になりますことは、退職当時の俸給が四十円の場合は、これは新たに七万九千八百円という是正仮定俸給ができたのですが、四十円に足らない三十九円以下の退職俸給であった者の取扱いがどうなっているのか。これは兵との均衡もありますので、大臣と局長と両方から御答弁願いたい。
○倉石国務大臣 政府委員からお答えいたします。
○三橋政府委員 法律案の別表第一の左の方の備考のようなところに、ワクの中に書いてあることがございます。すなわち「恩給年額計算の基礎となっている俸給年額が七二、〇〇〇円未満六八、四〇〇円以上の場合においては、」云々と、こう書いてあります。そこでここに備考として説明しておりますごとくに、今受田委員のおっしゃいましたのは兵の場合におきまして、兵長以下の者につきましては兵長の金額まで金額が上げられているじゃないか、そこで文官の場合におきましてもそういうような考慮が払われているか、こういうような趣旨の御質問かと思うのでございますが、そういうような考慮を払い、今の御質問の趣旨のことを考えまして、この備考がつけられておるのでございます。
○受田委員 さらに年数が二十五年以上を、この恩給号俸を一号俸上位にとられると、二十三年の例の七月以後のものとの均衡がとれないものがある。たとえばこれで言いますならば通し号俸四十号、それ以後の分については二十三年七月以後の分との均衡を保つための引き上げ措置というようなものは考慮されなかったのでございますね。
○三橋政府委員 昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給の特別措置に関する法律というのが昭和二十七年法律第二百四十四号でもって公布されましたそのときには確かに、今受田委員の仰せられますごとくに、在職年の長い人につきましては、号俸を特に上の方に引き上げるような措置が講じられております。そういう措置が講ぜられまして、現在昭和二十三年六月三十日以前にやめられた方の恩給年額の仮定俸給の金額がきまっておるわけです。そのきまっておる仮定俸給の年額を前提といたしまして今度の措置をいたしておるのでございますから、従って昭和二十三年六月三十日以前にやめられた方は、結局在職年の長い方については号俸が上の方に上げられた措置がされておる、今受田委員が仰せられたような措置がされておるわけであります。
○受田委員 二十三年六月以後にやめた人との均衡において欠くるところはないでしょうか。
○三橋政府委員 そういうことはないと思います。
○受田委員 これは数字的にまためんどうなことでありますから、後ほど行政当局との話合いで確かめてみたいと思います。
 最後に、今国をあげて恩給亡国論という非常にきびしい批判があるわけです。この点既得権を持っている人は、これは既得権を守ってあげる意味において別でありますが、政府は新しい立場で、恩給法というものは、すでに国家公務員においては、大臣御承知の人事院から国家公務員退職年金法の勧告もされているのですが、こういう恩給制度を何かの形で切りかえようという御研究はしておられないか。公務員制度調査会の答申の中にもこの問題が取り上げられているのですが、今後恩給制度の問題をどういうふうに考えていこうとするか、給与担当国務大臣としては、これは国策の上からきわめて大事なものであり、あなたの御発言はきわめて注目すべき御発言になるわけですが、御意見を伺いたいのであります。
○倉石国務大臣 人事院において多年調査の結果一応の改正案ができていることは御承知の通りでありますが、先般公務員制度調査会に公務員制度に対する研究を願いまして、その答申案がすでに政府に提出されております。政府はこれに基いて給与体系、恩給、その他について基本的な考え方をただいま研究いたしているわけであります。この公務員制度調査会の答申に基いて何らかの決定をいたしたい、こういうふうに目下研究している最中でございます。
○山本委員長 五分ほど休憩いたします。直ちに理事会を開きます。
   午後零時二十四分休憩
     ――――◇―――――
   午後零時四十三分開議
○山本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これにて質疑は終了いたしました。
○茜ケ久保委員 では日本社会党並びに自由民主党を代表いたしまして動議を提出いたします。
   附帯決議
  死亡せる公務員の配偶者中、六十才未満の喪にも扶助料を支給し得るよう速かに適切なる措置をとられんことを望む。
 右決議する。
以上附帯決議を提出いたします。
○山本委員長 これより討論に入ります。通告もありませんので、これを省略するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければ、さよう決します。
 これより採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔総員起立〕
○山本委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。
 次に、ただいまの茜ケ久保君の動議について採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔総員起立〕
○山本委員長 起立総員。よって茜ケ久保君の動議のごとく附帯決議を付するに決しました。
 なお本案に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 なければ、さよう決します。
 暫時休憩いたします。
   午後零時四十九分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は開会に至らなかった〕
     ――――◇―――――