第024回国会 内閣委員会 第51号
昭和三十一年五月二十二日(火曜日)
   午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 山本 粂吉君
   理事 大平 正芳君 理事 保科善四郎君
   理事 宮澤 胤勇君 理事 石橋 政嗣君
   理事 受田 新吉君
      大坪 保雄君    大村 清一君
      北 れい吉君    辻  政信君
      床次 徳二君    真崎 勝次君
      松浦周太郎君    横井 太郎君
     茜ケ久保重光君    井手 以誠君
      稻村 隆一君    片島  港君
      細田 綱吉君
 出席政府委員
        人事院総裁   淺井  清君
        人事院事務官
        (事務総局給与
        局長)     瀧本 忠男君
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房公務員制度
        調査室長)   大山  正君
 委員外の出席者
        議     員 赤城 宗徳君
        参議院議員   八木 幸吉君
        文部事務官
        (大臣官房人事
        参事官)    田中  彰君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局財務課長)  安嶋  彌君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
五月二十二日
 委員辻政信君及び古屋貞雄君辞任につき、その
 補欠として田村元君及び細田綱吉君が議長の指
 名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律の一部を改正する法律案(赤城宗徳君
 外三名提出、衆法第三六号)
 国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法
 律案(参議院提出、参法第一号)
    ―――――――――――――
○山本委員長 これより会議を開きます。
 国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法律案を議題とし、提出者より提案理由の説明を求めます。八木幸吉君。
○八木(幸)参議院議員 ただいま上程されました国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法律案につきまして、発議者を代表して、説明をさせていただきます。
 最初に法律の案文を朗読いたします。
   国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法律
  内閣総理大臣その他の国務大臣である者は、商業、工業、金融業その他の営利を目的とする私企業(以下「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問、評議員その他これに準ずる職を兼ね、自ら営利企業を営み、又は報酬を得て営利企業以外の事業を行う団体の役員、顧問、評議員その他これに準ずる職を兼ねてはならない。
    附 則
  この法律は、公布の日から起算して一箇月を経過した日から施行する。
 次に提案の理由を申し述べさせていただきます。本法律案の目的とするところは、官紀の振粛にございます。
 内閣総理大臣その他の国務大臣は、わが国の行政府におきまして、最高の重責にありまして、その政治的活動が、わが国の商業、工業、金融業等の私企業には申すに及ばず、私企業以外の事業にも有形、無形の影響を及ぼすことは言を待たないことであります。もしこれらの人々が、これらの事業に関与いたしておりました場合には、その公正なる職務を遂行する上に世上の疑惑を招くおそれが多分に予想されるのであります。いわんや、官紀がややもすれば乱れんとしている今日におきましては、国務大臣のごとき要職にある人は、いやしくも世上の疑惑を招くがごとき私企業等の関係を一切断ち切って、その行動の公正を期することはもちろん、その本務に専念することの妨げとなることは一切これを排除すべきであります。
 以上が本法律家の提案の理由でございます。
 なおこの際一言従来の経過の説明をつけ加えることをお許しをいただたいと存じます。
 本案を第十九国会に、当時の改進党、緑風会、左右両派社会党の方々を発議者として提案いたしましたときには、本案によって制限せんとする職種は、国務大臣のほか官房長官並びに各省政務次官もこれに包含されておったのでございますが、本委員会審議の過程におきまして、当時の自由党から政務次官等は更迭もひんぱんであるし、原案では範囲も広過ぎるから等の理由によりまして、官房長官とともに政務次官を制限の対象から省くべしとの修正意見が出ました。私どももこれに賛成をいたしまして、内閣委員会において満場一致可決、ついで本会議を通過、衆議院に送付されたのでございますが、当時本案とほとんど同時に衆議院におきまして右派社会党から同趣旨の法律案が提出されておりまして、本案と相前後して衆議院を通過、参議院に送り込まれまして、両案の調整中に両案とも両院で審議未了と相なったのでございます。
 第二十二国会におきましては、参議院では委員会、本会議ともに満場一致で可決いたしたのでございますが、衆議院に送り込まれましたのが昨年の七月末でございます。会期の最終日であり、本委員会では継続審議と御決定を願ったのでございますが、本会議が河野農相の不信任案等で流会となりましたがために、ついに継続審議にもなることができなかったのでございます。
 以上の経過を経まして本国会では委員会、本会議とも満場一致で参議院を通過し、本日ここに皆様方において御審議をわずらわすに至った次第でございます。
 以上申しましたように、参議院では三回本案は通過をいたしている次第でございまして、今期の国会ではぜひとも皆様方の御賛同を仰ぎ、成立をみたいと念願をいたしている次第でございます。何とぞよろしくお願いをいたします。
○山本委員長 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
○山本委員長 次に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。通告がありますので、順次これを許します。受田新吉君。
○細田委員 ちょっと、先ほど提案された国務大臣の私企業等への関与の制限に関する法律案について、現在の大臣その他の政務官がどの程度に関与して、どういう会社のどういう重役で、どこの会社の株を幾ら持っているというような資料を、人事院か内閣から一つ参考資料として取り寄せて、本委員会に提出あらんことを望みます。(「株のことはどうかな」と呼ぶ者あり)株でも、大株主というものは実際は会社を左右し、また会社の運命と非常に重大な関係があって、陰にあって会社を非常に援護することは既定の事実なんです。従って端株を持っているくらいのことは問題にしませんが、大株主というような場合にも一つ調査資料を御提出願いたい。
○山本委員長 細田君の御要望ですが、株券には無記名式、記名式がありまして、無記名式の株券を所有しているような場合は、調査のいたしようがございません。従って、いかなる事業に関係しているかということの資料は、あるいは出されるかもしれぬが、持っておる株の資料等はおそらく不可能ではないかと思いますが、できるだけ善処いたします。受田新吉君。
○受田委員 赤城さんのほかに人事院総裁及び文部省給与担当官に御苦労いただいておりますね。
 今回提出されておりますいわゆる給与法改正案は、提案の趣旨を御説明いただきましたように、学歴の高い者、資格の高い者を特に優遇措置するという基本的な御意向であることを、私たちは了承をするものであります。ところがこの法案を通じて特に私たちが考慮しなければならないことは、新制及び旧制いずれを問わず大学を出た者が、その学歴に応じた号俸の調整をしていただくというこの御趣旨に関連して、この法案に漏れておる疑いのある、大学を出て大学に勤務する職員、たとえば大学の助手などは、いかなる取扱いを受けるであろうか。同じ高学歴の助手が、高等学校以下中小学校に勤務した場合の特別な調整号俸を法律化したこの法案に対して、大学を出て大学の助手に採用された人々の措置はどういうふうに取り扱わるべきであるかということにつきまして、提案者である赤城さん初め、この法案で人事院に対して、均衡を保つごとく処置せよという規定が設けられていることに対する、人事院総裁の御答弁を願いたいのであります。
○赤城宗徳君 ただいま受田さんの御指摘のように、大学の助手の初任給は、旧制大学三年卒が三級三号俸・新制大学が三級一号俸で、高等学校以下の同じ学歴免許等の資格の者と比較しますると、高等学校以下の学校では旧制大学卒が三級四号、新制大学卒が三級二号、こういうことで大学の助手の方が初任給において一号低くなっております。低くなっておりますが、これはちょうど二十九年の三本建給与の法律ができましたときに、大学の助手の給与は低いということで、あのときに一号上げてあるわけであります。上げても現在においては一号低い、こういう形であることは事実であります。しかしこの法律案におきましては、高等学校以下の学歴の是正ということに重点を置きましたので、大学の助手につきましては別に取扱い処置をしてはないのであります。しかしながら、もしこの法案が通過することになりますならば、人事院におきましてはいろいろ給与の均衡というものをとらなければならないことになりますし、その際に、かつて二十九年の一月一日に助手の点について措置をとったように、高等学校以下の教員の学歴是正をしまして、二号ないし一号上げるということになればもそれにつれて大学の助手に対しても、これは措置をとらざるを得ないじゃないか、こういうふうに考えておりますので、特に助手のことをこの法案にはうたっておらない次第であります。
○淺井政府委員 これは議員発案の法律案でございますから、人事院から特に積極的に意見を述べるのはいかがかと思いますが、人事院といたしましては、大学助手の給与は現在のままでいいじゃないかと今思っております。これは、この法律案も通らないのでございますから、正式に何も決定いたしておりませんけれども、さように考えております。その理由とするところは、大学と高等学校以下の学校とは、給与のカーブが違っているのでありまして、大学の助手は初任給は低いけれども、これが講師または助教授になりましたときにはずっとよくなり、教授になればずっとさらによくなっていくという点が一つ。第二は、職務と責任との点から考えまして、大学の助手は単に補助的な仕事を初めするばかりでありますけれども、高等学校以下の教員は、やはり学級の担当者として重大な責任もありますので、この程度の差はあってもいいじゃないか。つまり大学の方は、助教授になったときにずっと高等学校よりよくなり、教授になればさらによくなる。つまり給与の曲線が違った給与体系になっておりますので、原案通りでもいいじゃないか、こういうように考えております。
○受田委員 大学の助手は、職務の内容が、責任の度合いが、教授、助教授などに比較してはるかに軽い地位にある、かつ助教授以上になれば、特別の給与体系によって優遇されるようになっているのだから、助手だけはがまんしてよかろうというような御見解のように、人事院総裁の御答弁を伺ったのですが、赤城議員の御発言では、何かの措置が大学の助手もされることを期待するような御趣旨で、この法案には高等学校以下の教員を優遇するという意味から書いてはないが、そういうことが当然考えらるべきだという御答弁で、お二人の御発言が一致していないように思うのです。特にこの法案には、八項に、「人事院は、教育職員を新たに採用する場合における俸給の基準については、前項の規定の趣旨を考慮し、適切な措置を講じなければならない。」こういう規定が書いてあるのです。そうしますと、教育職員を新たに採用する場合における俸給の基準について適切なる措置ということになると、初任給の人事院規則に掲げられてありまする第四条、五条の規定の中には、大学の助手というものは陥没しても差しつかえないという精神が私にはどうも納得できない。大体同じ学歴を持ってスタートした職員が、高等学校、中小学校へ勤務する場合には、初めから教諭として正規の職員として採用されるのであるから、これは商い初任給の規定を適用され、また大学に勤める人は、どうしたって初めから教授になれない。初めは助手という段階を踏まなければならないのです。すぐ助教授、教授になれるなら、われわれここで別にかれこれ議論の余地はないと思うのでありますが、一応助手というものは職員である。職員である以上は、その助手を経なければ助教授、教授になれないとすれば、これは職務の内容が非常に軽い責任だと指摘されておりましても、われわれから見るならば、教育に貢献する度合いというものは、責任を持って働かなければ任務が尽せないのであって、いいかげんなことをやってもいい職種ではないという意味からいうならば、助手期間も十分均衡が保てるような優遇措置をとるべきではないかと思うのであります。これは大学の職員組織というものが、助手という責任の軽い地位の者を間にはさんでおるというところに問題があるかと思うのでありますが、助手を軽く見るという見方をこの際改めるべきじゃないか。職員組織の中におけるどうしてもそこを通らなければならぬ段階が助手であるということになれば、その助手を勤める期間も、せめて高校以下の職員として勤務する人と同じ初任給の規定を設くべきではないかと思うのであります。今回の法案の八項に掲げてある精神は、赤城さんの御意見では、当然大学もそういうふうに人事院が措置すべきだとお考えになられておるし、また総裁はそうじゃないということになれば、意見調整をしていただかなければならぬと思うし、人事院総裁としては十分そこを考慮していただかなければならぬと思うのでありますが、再考慮の余地は総裁にはございませんでしょうか。
○淺井政府委員 お答え申し上げまするが、公務員法の建前から申しますれば、やはり給与は職務の内容と責任においてやるのでありまして、大学の助手とそれから高等学校以下の教員の職務と責任というものから見れば、ただいま私が申し上げたのでいいのではないかと思っております。これは給与体系の違いでございまして、一人前の授業を担当いたしまする助教授になればずっとそこをよくするのであります。それからまた研究所の職員との権衡は人事院としては当然に問題になってくると思いますが、これはまだ何も正式に申しておるわけではなく、ただいまさように考えておる、いずれこの案が通りましたならばあらためて御趣旨に従って考えるかもしれませんが、しかし問題は学校のことでございますから、一つ文部省の方の意見もお聞き願いたいと思います。
○受田委員 もちろん文部省の御意見をこれから確かめるわけでありますが、この法律には人事院は、と特に指摘して均衡措置をとるように人事院が命令をされておる。しかもその命令の文句も、「適切な措置を講じなければならない。」という厳重なる命令が法律に規定されてある。法律に規定した命令に対しては人事院総裁といえども必ず国法を尊重してこれを実行しなければならぬ義務があって、国法を侵犯するようであれば総裁価値なしということになるのでありまして、この法律が通った場合における人事院総裁の決意を今伺っておいたのです。総裁の御決意によってさらに文部省の態度もきまるわけでありまして、総裁が御決意をされなければ文部省の態度はきまらぬと思うのです、いかがでございましょう。
○淺井政府委員 これは文部省の意見も考えて人事院としては善処いたしたいと思います。ただいまのところではまだ法律も成立しておりませんので、ここに人事院としての決意を述べるというような段階ではないと思っております。
○受田委員 この法律が通ったら考慮するかもしれぬという今のお言葉でありますが、これは非常に国法無視の御発言であると思います。総裁は国法が、あらゆる国民の秩序の保持の基幹であることは御承知の通りであります。国会の総意によってきまった法律を尊重するかもしれぬという御発言ははなはだ不謹慎であると思いまするが、いかがお考えでございましょうか。
○淺井政府委員 尊重するかもしれぬと申したのではないのでありまして、現に、国法を尊重いたしましても適切な措置を講じなければならないということでございまして、大学の助手を必ず高等学校以下の教員と同じ給与にするという趣旨であるかどうか、そういうふうに条文の上には現われていないと思います。
○受田委員 条文の上に大学の職員をはっきりうたった場合には、そして法律が成立した場合には、総裁はこれに従われますか。
○淺井政府委員 それは国会の御制定になった法律でございますから、これはいやおうもないことであろうと思っております。
○受田委員 私はこれは非常に重大な問題であると思います。人事院は、この法律にはっきりとなすべき措置が命ぜられてあるものが、大学と書いてないからということであるならば大学とはっきりこれに示すようにしなければならないのであって、そういう大学の規定がない場合には、この法律の文章からいったら、大学の職員は別に考慮しなくてもいいのじゃないかというような総裁としてのお気持があるのですか。
○淺井政府委員 お説の通りに思っております。ここにおける適切な措置というのは幅のある観念でありまして、何が適切な措置かはやはり人事院にまかされていることじゃないか、こういうふうにしか読めないのでありますが、現在のところは私といたしましては、さいぜん申し上げたように、大学の助手は現在のままでいいのじゃないかと考えております。
○受田委員 赤城さん、適切な措置ということの文章では人事院は言うことを聞かぬようになっておるようです。ですから適切な措置だからいいので、何らこの法律の効用がないということになりますね。これは大へんな御発言だと思うのです。こういうことになると、この法律は全く空文化するのであって、適切な措置ということの判断は人事院にまかされておるのだ、人事院は実際この法律ができても、適切な措置をするという言葉であるならば、言うことをきかぬように考えているという御答弁であった。この法律では空文化します。人事院はこの法律が通ってもへの突っぱりにもならぬという御答弁が今あったわけで、少くともこの法律の趣旨を境重して適切な措置を講ずるという御決意がないようです。この適切な措置というのは、人事院の判定に待つべきであって、それはわれわれにまかしておけ、法律には何ら制約を受けるような文句はないのだということに、今私はお聞きした。はなはだこれは遺憾な御発言であると思うのでありますが、適切な措置という文章の際にはこれは拘束力が非常に軽いということにもなるのでありますが、適切な措置を講じなければならない、講ずるように努めなければならない、この比較をした場合には、講じなければならないというのは、これは一つの命令的な規定だと思うのであります。この命令的な規定の解釈は積極的に適切な措置というように解釈すべきであって、総裁の御判断は積極解釈をおとりになるべきであると私は感ずるのでありますが、もう一度御見解をお伺いしたいと思います。
○淺井政府委員 御説の通り、講じなければならないということは強制されておることだと思いますが、問題は何が適切の措置であるかということだと思います。
○赤城宗徳君 私の方からちょっと御答弁申し上げます。
 人事院総裁のお考えは、現在の場合には一号ぐらい低いのがいいのだ、これは御承知の通り、新大卒で初任給は、助手ですと三級一号、二年たつと四級一号になります。それから高等学校以下は三級二号ですが、これも二年たつと四級一号になって、追いつくと申しますか、二年目には両方一緒になる。一緒になってからは助教授とか教授の方の給料がどんどん上ってくるのでありますから、現在の建前からいえばこれでいいんじゃないかという、人事院総裁はお考えだと思うのです。しかしこの法律が通った場合には、初任給が高等学校以下中学校が変るということになれば、これは給与全体の均衡がとれてきません。均衡がとれてこなければ、高等学校及び中学校と同じ給与にしろということはできないかもしれませんが、同じにはならぬにしても、一号なら一号の差というものはついているのかもしれませんが、これは適切なる措置をとらざるを得ないのではないかと思います。もともと国家公務員については議員提出などでやるべきではないのでありますが、こういうことで議員提出法律になっているのでありますが、人事院は人事院独自の立場から給与の均衡ということをはからなければならない職責を持っておりますから、この適切なる措置の中には、高等学校以下の教員の給与のみならず、給与全体として考慮しなければならないところに追い込まれるといいますか、科学的にそういうところに結論を持っていかなければならないだろうと私どもでは考えておるわけであります。しいて法律にうたわなくても当然そういう適切なる措置をとらざるを得ないのではないか、かように考えておるわけでございます。
○受田委員 赤城さんの御発言はきわめて適切、妥当であると思います。そのように人事院が措置をするならば、われわれとしても人事院に対する信頼をもってこの法案を通すことができるのでありますが、総裁の御発言はその法律解釈を極度に限定をして、人事院が偉大なる権限をもって解釈ができるように御発言があったので、今私指摘申し上げたのであります。もともと淺井先生は、この給与関係のうちで教育職員に関する級別俸給表の作成に当って三本建が実施されたことに対しては、当時は反対の決意を持っておられたと思うのでありますが、さよう了承してよろしゅうございましょうか。
○淺井政府委員 人事院の考えは――
 これは私個人の考えを申すべき筋合いじゃないと思っておりますが、人事院の考えはかつての勧告に現われている通りで、三つの俸給表から成り立っているように思っております。
○受田委員 同一学歴、同一勤務年数を取り扱う過程においては同等であるという基準があの勧告に打ち出されておったと思いますが、淺井先生と申し上げたのは、淺井先生個人でなくて、総裁たる淺井先生であることを御了承の上御答弁願いたいと思います。
○淺井政府委員 ただいま仰せられました点をどれだけ重く見るかということが問題だろうと思いますが、人事院が国会に対しましてやりました勧告は、大学、高等学校、中小学校と、三つの俸給表に分けて勧告していることは、事実御承知の通りであります。
○受田委員 あの勧告には、高等学校が四級の一号から一号上るというような俸給表は作ってなかったことを、総裁はよく御承知であろうと思いますが、その点はいかがお考えでしょうか。
○淺井政府委員 さようなことはございませんでした。これは国会議員発案の法律でさようになったように考えております。
○受田委員 この点は総裁の意思に反して議員発案による法案が、特別の級別俸給表を作成したというおしかりを受けたわけであります。しかし国会が一たびきめて法律化されていることに対しては、これは厳たる事実で、国法でありまするから、この国法をもとにしてわれわれが今新しいこの問題に当面せざるを得なくなっておるのであります。この法案は、原則として三本建級別俸給表を変更せず、いわゆる三本建の給与体系をくずさないで、学歴あるいは資格の尊重による調整号俸を法律化したものであると了解してよろしゅうございましょうか。
○赤城宗徳君 御説の通りであります。当時大学の俸給表と高等学校、中学校、小学校の二本建の俸給表でありましたが、あの三本建のときに大学、高等学校、それから中小学校の三本建にいたしまして、御承知の通り給与体系が、学歴、免許とかあるいは職種とか経験年数とかこういうことになっておったのですが、あのときに学校別というような形にしたために、三本建ということになって、三本建にする以上学校の職域ということを考えて、高等学校を四級一号から飛んで二号俸上るというふうにしたので、その法律の附則として今回の法律案が提案されておるのでありまするから、三本建の基本はくずさない。その基本の上に立って是正をすべきところを是正をしていきたい、こういう趣旨でございます。
○受田委員 同一学歴の教育職員が、勤務する学校によって待遇の差等が付せられるということについては、当時いろいろ問題があって非常な批判も受けたのでございましたけれども、現実にこれが法律化されており、三つの級別俸給表が作成されておりますので、ここで一つ問題が発生するのでありますが、この三本建の法律案が成立しました昭和二十九年一月一日当時高等学校の教員たるの資格を有する者、旧制の高等学校高等科教員あるいは旧制の中等学校教員免許状こういうものを所持して、この法律の制定を予定せずして、二十八年以前に高等学校へ出ても中、小学校へ出ても待遇は同じであるし、またいずれもその免許状相当の待遇を受けるのであるからというので、高等学校へ勤務するような勧誘を受けた者が高等学校への勤務をやめて、中、小学校へ勤務したという者もたくさんあるわけです。また当時新制中学など多数できましたので、その方へ転換するのに、選択によって高等学校へ残ってもよいし中学校へ出てもいいというので、当時府県の教育委員会などの直接の勧めで中学校や小学校へ出た人もたくさんあるわけです。そういう人々は、高等学校あるいは中、小学校の学校差別なく勤務をしたものであって、その後において三本建ができたために、高等学校在勤者だけが一号の調整をはかられたということになると、当時中、小学校へ勤務した高等学校教員の有資格者は、はなはだ不利な立場に置かれておると思うのであります。従って、高等学校に勤務する資格を有し、学歴を有する人で、当時その法律のできることを知らずして自由な意思によって中小学校に勤務した人々を何かの形でこの機会に救済するべきであると思うのでありますが、これについて赤城議員はいかがお考えでございましょうか。
○赤城宗徳君 御説の通りな状態であったことはごもっともであります。そこでこの法律においても高学歴の人々、すなわち旧制大学とか新制大学を出た人は二号あるいは一号の号俸が上るのでありますから、特に高等学校の教員の資格を持っていながら中学校に勤務しておるという人のみに限りませんで、一般的に高学歴の者は一号ないし二号上りますから、従って御説の通り、当時三本建の給与ができることを知ら、ずして、高等学校の免許状等を持っておって中学に行った者も、この法律によって一号ないし二号の昇給ということができるので、特に区別してはありませんが、この法律によって救済といいますか是正されるということには一応なっておるのであります。
○受田委員 それはその当時の人も含めてそれ以後就職した人も同等の待遇は受けるわけで、その当時法律のできることを知らずして勤務して中小学校へ変っていった人というものを、私は特に考えてみたいのでありますが、二十九年の一月一日以後に中小学校へ勤務した人は、三本建の法律があることを知って、中小学校の方は待遇は悪いのだ、高等学校は待遇がいいということを知って就任しておるのでありますから、それは赤城さんの御説によって、納得づくで勤務したものと認めていいと思うのです。ところ炉当時高等学校へ出てもいいし、また中学校へ出てもいい、どっちでもいいというので自由に選択して行った人と、それから県の勧めで、待遇も同じだし、将来も同じだから中学校へ出ないか、早く校長にもなれるから行かないかという意味で、高等学校から中学校へどんどん出されたのは全国共通の現象だったのです。そういう人たちは高等学校に残っておったら当然一号上ったのに、中学校へ出たばかりに一号上らなかったという不満があるので、その人だけは今回のこの措置によっても、当時の学校差による分は依然として救われていないわけでありますから、立法の精神から言ったならば、法律を予定せずして中小学校へ勤務した人々は、期待権を尊重するという意味からは、この際期待権を復活せしめ、一号の調整をさらに考慮する措置をとるのが公平な意味の対策ではないかと考えるのであります。私はその点を今ここで指摘したいと思っておるのであります。これは赤城さんも御同感であろうと思いますので、これ以上追及することをよしますが、さらにここで文部省の方にお尋ねします。二十九年一月一日にいわゆる給与三本建の法案が通ったときに、地方がこの三本建の国家公務員である教職員に示されたこの法案に準じて条例を作ることに、当時は相当反抗的に出た傾向があったわけですが、現状において例の三本建法案に即した地方の教職員の財政措置が全部されておりますか。府県条例がそれぞれ全部作られておりますかどうか、一つ状況報告を願いたいのであります。
○安嶋説明員 お答えいたします。三本建の給与体系は全府県ともとっておるようでございます。ただ条例を作っておるかどうかということになりますと、条例を作らないで国家公務員の例によるということでやっておる府県もかなりあるのじゃないかと思います。
○受田委員 全部とっておるようであるという、ようという言葉が出たのでありますが、まだあいまいもこたる意味が含まれたようなお言葉でありますが、厳密に言って全部同等の措置がとってあるのかあるいはない府県がどこかにあるのかどうか、お伺いします。
○安嶋説明員 私どもの調査によりますと全府県三本建の制度をとっております。
○受田委員 文部省の調査ですか、あなたの調査ですか。
○安嶋説明員 文部省の調査です。
○受田委員 そうしますと、ここでまたお尋ねしなければならぬのですが、今回この法案が通ることによって、また地方財政の上にもこれと同等の措置をとらなければならない結果になるわけなのでありますが、文部省はそういうことに対して、法律が出た以上はそれに十分忠実に服するだけの決意が今できておるかどうか、法律を尊重する意思があるかどうか、よく確めておきたいと思います。
○安嶋説明員 通りますれば所要の措置は十分講じたいと考えております。
○受田委員 文部当局はこの法律の実施に伴って所要の措置は十分とるというかたい決意を今示された。巷間伝えられるところによると、文部省当局の中にこうした教育職員の優遇策に対してあたかも法案を阻止するような動きがあるやに私はひそかにうかがったのでありますが、今責任の地位にあられるあなたによってはっきりと御答弁をいただいたので、われわれは一応これを了解いたします。
 そこでいま一つ、これは人事担当官に関係しますが、大学の職員に対するいわゆる文人給、文部省大臣官房の人事課長から昭和三十年七月十九日に各国立学校長にあてられた通牒が出ております。この通牒は教育職員の級の格づけについての通知でありますが、これによると国立学校の教職員の級の格づけの経験年数の終期を三十年十月一日以後にとるべき措置を指摘してある通牒が出ておるわけなんです。この通牒は、結局大学の職員に限り経験年数を一年ほど減らすような措置がされておるのですが、これはいかなる理由に基いてなされたのでございましょう。
○田中説明員 お答え申し上げます。経験年数の終期を繰り上げておりますことはただいま御指摘の通りでございます。そこで文部省としてなぜそういう措置をとったかというお尋ねでありますが、これは経験年数をフルに見ることは当然望ましいことであり、またそうしなければならぬと思うのでありますが、予算の関係並びに級別定数との関係等におきまして、やむを得ずかような措置をとっておるわけでございます。文部省としましては逐次これが是正改善に努めたいと思って、せっかく努力中でございます。
○受田委員 逐次是正に努めたいという御答弁でありまするが、人事院規則の九から八にかけた第二条の級別定数の規定によって、それを基準にしてこの案をお出しになったとも思うのであります。この人事院の精神は、ここに掲げられてある欠員があった場合の差し繰りとかいうような便宜は考えておるようでありますが、少くとも各学校に平等公平な待遇をするという精神は失われてはならぬと思うのです。高等学校以下の職員には経験年数を減らす規定がなくて大学だけを減らしておるというところは、やはり学校別の待遇の差等をつけたということになるのであって、逐次これを減らそうというお気持を今お伺いして一応安心したのでありますが、今後早急にこれを撤廃するように措置をされる用意を、いま一度はっきりお伺い申し上げておきます。逐次でなくして、これは予算に影響すると思うのでありますが、この際大学の助手等が非常に差等を受けるおそれもあるので、経験年数をさらに減らされるということになると、それだけさらに大学に勤める特に助手などに非常に条件が悪くなるので、これを早急に進めていただくように要望したいと思うのであります。もう一度御所見を承わっておきたいと思います。
○田中説明員 御指摘の点は、われわれといたしましても従来とも十分に考えておった点でございまして、経験年数の終期をフルに計算をするということは、なるべく早急にこれが解決をはかりたいと存じております。
○受田委員 私は時間も差し迫っておりますので、ごく簡単にいま一、二の問題を指摘して、午前中の質疑を終るようにいたしたいと思います。今回のこの法律案に伴うていま一つ起る問題があると思うのです。それはこの法案によりますと、号俸調整によって旧大、新大が二号あるいは一号の引き上げがされるわけでありますが、昇給、昇格の基準によると、初任給において一号、二号の昇給があったとしても、四級に上るときはこれはみな一様に四級の初号に振り当てられる結果、一、二号の初任給の引き上げなどは結果的に問題にならないということになりはしないか。そうするとこの法律の措置によって、四級までの措置はこの法律のあるなしにかかわらず、同じになるという結果が起ると思うのであります。たとえば初任給二十四号から出発した人が二十六号、二十八号、二年たって二十八号になる、そして二十八号になったときには当然上の四級へ上りますから、四級では三十号ということになれば、三十号へ上ると遂には、一号上らなくても当然三十号に上ることになるのでありますから、一号ないし二号の調整は、事実上においてはしたもせぬもない結果になりはせぬか、かように考えるのでありますが、これはいかがでございますか。
○赤城宗徳君 初任給か一号ないし二号上りますると、三級から四級に昇格する際、高等学校教員の一号添加措置というものがなくなってしまうというか、一緒になってしまうという結果になります。そういうことではせっかくの三本建の法律の趣旨と反することになりますから、さらに人事院おきましては、初任給から四級に上がった際には一号飛べるというような措置も当然とるべきものだ、こういうふうに考えております。
○受田委員 人事院総裁は、その際において一号飛べるような規則をお作りになりますか。給与局長でけっこうです。
○瀧本政府委員 ただいまの問題でございますが、この法律が通りますると、この最初のころは確かに効果がございます。もともと現在の昇格基準表はこういうものを予想して作っておるわけではございませんので、その現在の昇格基準表で参りませんと、ただいま御指摘のように、四級になりますとこれはしたもせぬもないということになります。従いましてもし本法案が通過いたしましたあかつきにおきましては、この法律の精神に基きまして十分円滑なる運営ができるようにわれわれ工夫をこらしたい、このように考えております。
○受田委員 人事院の円滑な運営をお約束いただいておりますので、今赤城さんの御指摘のように、四級以上における措置は公平にとられるものだという調整されたわけであります。
 私は最後に一言、午前中の質疑のピリオドを打ちたいのでありますが、この法律の施行期は明文化されておる通り人事院の定めるところによる日でありまするので、これは予算の措置のできるときということになると思うのでありますが、赤城さんとしては、来年度の予算ではぜひこれを速めるという意味の予定をせられて立案されたものであるかどうか、これを一つ伺いたい。
○赤城宗徳君 この法律の立案につきましてはいろいろ苦労したのでありますが、現在予算がありません。予算がありませんので、人事院の定める日ということに法文では書いてありますけ
 れども、来年度においてわれわれも与党として続いておるならば、予算をとって三十二年の四月から施行できるように努力したい、そういう期待を持っておるわけでありますが、今そういうことをお約束するわけにはいきませんので、施行期日は人事院の定める日ということにしてあるわけであります。
○受田委員 提案者の目標とするところは来年ということになっておるように確認いたしました。
 いま一つ、このような法案はとかく――今文部省からも、末端には十分法律の趣旨を徹底するように努めると申されておりますけれども、中央ではっきりした線を打ち出しておかぬと、末端は国家公務員に準ずるなどといっていいかげんなことになって、事実今財政課長が言われたように、地方ではみなやっておるんだと言われも、事実上やっていないところが存在するということをわれわれは聞いております。それは国家公務員に準ずるといわれながら、その準ずるという言葉の解釈によって、いいかげんにやっておる府県が確かに存在することをわれわは指摘せざるを得ない。従ってこの際、こういう法律の文章としては、そのある基準をはっきりされるようにして、予算の範囲内で何々をすることができるというような書きぶりを、もっと厳格にする必要はないであろうかとも思うのでありますが、赤城さんいかがでありますか。
○赤城宗徳君 先ほど申し上げましたように、予算があるならば、あるいは予算をつけるような強い拘束力を持たせるような意味ならば、することができるでなく、すべしということに法文を書きたいのでありますが、努力はいたしますが、今はっきりと予算の約束ができるというわけにいきませんので、この何々することがで送るという法文によってこれから努力しよう、あるいはまた期待をもって努力する、こういう意味なものですから、非常にはっきりしないようですが、こういう法文の書き方をした、こういう次第でございまいす。
○受田委員 赤城さんは、前の三本建の法案ができるときに、高等学校の先生には大きな陥没地帯がある、前歴計算などにおいて、民間に勤めておった人が多い関係上、民間十年、教育職員五年という人は非常に不利な地位に立っておる、こういう人々の前歴計算を重視する措置をとるという趣旨で、あの三本建当時相当に動いておられたのでありますが、この問題はそのままに伏されておりますけれども、これはいかようにお考えでございましょう。
○赤城宗徳君 高等学校の教員の前歴というものも、学校歴と似たような前歴が非常に少いので、そういう点も相当考慮しなければならぬというふうには考えておりますが、この法案の建前が、その陥没是正というのとは少し建前が違っております。また人事院であの後幾分変えた点もあるようです。あまり人事院の仕事といいますか、の中へ今直ちに深入りするのはどうかと思いますので、この法律で出した程度にとどめた、こういうふうに御了承願っておきたいと思います。
○受田委員 この法律はそういうところを掲げていないのでありますが、私お尋ねしているのは、高等学校の前歴計算が取り扱われていない、同時に中小学校にも前歴計算で、数は少いけれども、高等学校の職員と同じような不利な条件にある人があるのです。こういう前歴計算は、これは教員の待遇に均衡を保つ意味において、たとえば校長になる順番が来たというような年令にある人が、前歴が意いために、りっぱな人物であっても校長になれないということがありますから、こういうのは何らかの機会にさらに検討すべきであると思いますが、さよう一つお含みおき願いたいと思います。
○赤城宗徳君 ともども、そういうことに努力したいと考えております。
○受田委員 いま一つ、この法文について、これはお尋ねすまいかと思ったのですが、お尋ねしておかぬとあとに禍根が残る規定が一つあるのです。それはこの法律そのものが三本建の法律の附則についていたことを法文化しているので、これは人事院規則にゆだねるくらいなものが法律化されたようにも思うのでございますから、そういう関係からもはっりしておかぬといけない点は「附則に次の二項を加える。」の第七項のまん中辺の、この法、宋の三ぺージのおしまいに、「(以下「教育職員」という。)」という、カッコにとじられた規定があります。これは「中学校高等女学校教員免許状若しくは高等学校高等科教員免許状を有する者又は人事院がこれらの者と同等以上の資格を有すると認める者」こうされてありますので、この規定からいったら、大学の助手はこれらの者と同等以上の資格を有する者という中に入れて解釈していいでしょうかどうでしょうか。
○赤城宗徳君 これは七項の前文にありますように、「高等学校等教育職員級別俸給表又は中学校、小学校等教育職員級別俸給表の適用を受ける教育職員、」こういうことになっておりますので、大学の助手は含んでおらない、こういうふうに御解釈願いたいと思います。
○受田委員 そうしますと、「(以下「教育職員」という。)」と、こう指摘されますと、第八項に「人事院は、教育職員を新たに採用する場合における」と、こうありますが、この教育職員は高等学校、中小学校の教育職員という、その教育職員であるということになるので、ありますか。
○赤城宗徳君 第八項の教育職員も御説の通りでありますが、先ほど申し上げましたように、その教育職員に適切なる措置が第一段としてなされた場合には、第二段としてどうしても大学の助手等に対して適切なる措置が行われざるを得ないのではないか、こういうふうに考えているのであります。
○受田委員 これは第八項の教育職員にも関係しますので、「(以下「教育職員」という。)」。という項をはずされておいてはいかがかと思うのですが、いかがでしょう。
○赤城宗徳君 御説ごもっともではありますが、このままでも差しつかえない、こういうふうに考えておりますので、御了承を願います。
○受田委員 やはりもっともだという御意見をいただいている以上は、これは削られた方がいい。人事院の解釈があいまいになりますよ。総裁の御解釈を厳重にする意味においても、私はこれを削られることを要望しておきます。
 これで午前中の赤城さんに対する質疑は終りたいと思うのでありますが、赤城さんが中心になられて非常に熱心にこの法案を御提出になられた。しかも教育職員に対して全般的にその学歴差による待遇の向上を考えられたという、その教育尊重の誠意は私は十分認めるのです。この点においては党派を越えて赤城さんの御趣旨には御共鳴申し上げたいのです。きょう私が御質問申し上げましたあの程度の数々の問題点が残されていることを一つお含みいただきまして、この問題の解決に与野党を通じて当り、この法案の完璧を期して、衆参両院を通過せしめて教育職員の優遇に当りたい、かように私は希望するわけです。赤城さん御苦労でございました。
○山本委員長 井手以誠君。
○井手委員 それでは私本法案に関連して、幸い人事院総裁がお見えになっておりますので、二、三簡単にお伺いいたしたいと存じます。
 給与についてお伺いをいたしたいと存じます。人事院が、現内閣の行政機構改革の一環として、なくなろうとしていることは、御存じの通りであります。この点について私どもいろいろな多くの疑問と意見を持っておりますか、その点は法案審議に譲るといたしまして、内閣の方針が人事院をなくすということにきまった今日、給与改善の勧告を国会に出す機会は、もし人書院をなくするという法案が通りますならば、これが最後の機会であります。またかつて国会に地域給その他の改善の勧告をなさったこともありますから、その勧告を全うする責務が今日人事院総裁にあると私は存じておるのであります。そういう意味において給与改善、ベースアップの問題と近づく期末手当の問題、並びに地域給の三点において総裁の御所見を承わっておきたいと存ずるのであります。昨年の七月一六日に人事院は給与改善の勧告をなさったが、その際は良心的なものか、アるいは内閣の圧力が加わったものかどうか知りませんが、ともかくも給与改善の必要を認めるが、勧告までには至らない、しかし期末手当をふやす必要があるという勧告が国会になされたのであります。その後の物価の動きあるいは民間給与の状況を考えてみますならば、当然私はべース・アップの勧告となさる段階にきていると思うのであります。総理府の物価指数を見ましても五%以上の値上りになっている。またごく最近においてはいろいろな情勢から、三十一年度予算の関係から物価はずっと上っておるような状況であります。そういう意味からも去る春季闘争における公労協の要求に対して、三十年度においてはとりあえず、五千円の一時金を支給する、そして各企業においてはすみやかに改善の措置を講ずべしという調停案が示されたのであります。すなわちこれらを総合いたしますとベース・アップの勧告を行うべき時期に私は来ておると存ずるのであります。しかも人事院は、政府の予定によりますれば、この百会をもって姿を消してしまう。従来会期末になりましてよく勧告を出された、ほんとうならば少し前に出さねばならないものを会期末になって審議のできない時期に出されておる。そのことを私は問いませんけれども、ともかくベース・アップの勧告をなさる機会に来ておることを申し上げまして、総裁の御意見の御表明をこの際承わっておきたいと存ずるのであります。
  〔委員長退席、大平委員長代理着席〕
○淺井政府委員 ただいまのお言葉を承わっておりますと、何か人事院はもうすぐなくなるから早くベース・アップの勧告をしろ、かように承わるのでありますが、私どもはそういうことは問題にしておらぬのであります。給与勧告の機関というものは、これはどのようになっても残ることは、ただいまお手元にある機構改革案をごらん下さればよくわかるのでありまして、私どもはそういうことは問題にせず一意公務員のために考えておる次第でございます。ただいま人事院といたしましては、御説の点につきまして相当大規模な調査をいたしております。その調査の結果がまだわかりませんので、ここで人事院がベース・アップの勧告をするとかしないとかこういうことを申し上げる段階ではないと思いますが、この前に給与の報告及び勧告をいたしましたのは昨年の七月十九日であったかと思っておりますから、それまでには当然法律上何かの意思表示をすべきであろう、かように考えて鋭意準備を進めております。これが単なる報告に終るものであるかあるいはそこに勧告を含むものであるかということは、ただいま今日のところまではまだきめておりません。
○井手委員 どうも調査が手ぬるいように受け取ったのであります。従来国会に対する勧告は会期末に行われて参りました。この二十四国会が五月十七日に終了することは――あるいは会期延長もあるかもしれませんが、一応五月十七日に終了することは、人事院においても御承知のはずであります。一昨年、昭和二十九年においては五月の末、国会閉会直前に行われた。昨年は七月に行われましたけれども、これもまた特別国会の会期末に行われたのであります。七月に行うというのが例ではありません。ほんとうは会期半ばでやるべきものを、どういう事情か知りませんが、会期末に行われた。そういうことから考えますならば、当然五月の中ごろにはお出しになっていなければならぬ問題だと私は考えておるのであります。国会が終了して出されては国会に勧告するという精神は減殺されてしまうのであります。抹殺されてしまうのであります。なぜ会期半ばに、審議の期間がある間にその調査をまとめて、場合によれば報告だけでもよろしゅうございますけれども、その措置を国会になされなかったのか、すみやかに会期中に出される準備ができないのか、その点を重ねてお伺いいたします。
○淺井政府委員 人事院が勧告をいたしまする場合は、国会との関係ももちろんでございまするけれども、普通総予算の編成の時期に間に合うようにということが主になっておりますので、大体最近は七月くらいになっておる、そういうふうな関係になっております。これまで数回の勧告をいたしましたが、それは国会中になされたこともあり、また国会外になされたこともあるように思っております。
○井手委員 私は立法の精神から申しますと、国会に勧告をするということの方が妙味がある、だいご味があると心得ておるのであります。そこに私は人事院の権威もあると考える。従来はそういう意味からも国会の協会中に行われてきた、先刻来申し上げますように、会期末のことについてはこの際は問いませんけれども、ともかく従来はそういうふうに行われて参ったのであります。すでに総理府の統計によっても、物価調査によっても三月までは出ておる。その三月までの調査によりますならば、二十八年の三月現在に比べますると、いわゆる五%以上の勧告すべき条件が備わっておるのであります。すなわち給与を改善すべき段階になっておりますならば、国会開会中に行うのが、私は人事院の責任であると存じております。公務員に対するあなた方の務めであると確信いたすものであります。どうして国会開会中六月三日までにその調査の報告あるいは勧告がなされないのか、重ねてお伺いをいたします。
○淺井政府委員 御趣旨はよくわかるのでございますけれども、人事院といたしまして一般の勧告をいたしますためには、相当科学的な大規模な調査をやるのが例でございまして、これは毎回勧告についております、付属資料をごらん下さればよく御了解下さることと思います。人事院といたしましては、公務員法の建前上、民間給与の調査を人事院独自の方式でこれまでやっておりますので、その調査がまだまとまっておりませんのと、それから今回は公務員の給与の実態をもまとめておりますので、六月三日までにはこの報告もしくは勧告は間に合わない現状だと思っております。
○井手委員 それではいつごろになったら報告または勧告ができる段階になるのか、その点が第一点。
 次いで一昨年の五月二十九日に勧告されておる――いや、これは勤務地手当ですが、ともかく国会開会中にやられておることは事実であります。そういう状態だから、人事院頼むに足らずという影響を一般に与えたこともそこに根拠があろうと私は思います。私はなお後日この点についてはお伺いする機会もありましょうけれども、この際急いでいつごろそれができ上るのか、その点だけ承わっておきましょう。
○淺井政府委員 どうも人事院頼むに
 足らずと仰せられますけれども、昨年末の期末手当の勧告のごときは人事院の勧告通りに実現しておるのでございまして、一つ御了承を願いたいと思っております。
 人事院といたしましては、ただいまの調査の過程におきまして、まだいつごろということは申し上げかねますけれども、法律の規定によりますれば七月十九日までにはしなければならぬ、私は七月に入ると思っております。
○井手委員 続いてお尋ねいたしま が、すでに期末手当を支給する時期も迫っておるのであります。すでに公務員の組合関係では一カ月プラス・アルファを要求する決定もいたしたようであります。昨年の勧告に徴しましてもベース・アップと関連して期末手当を増額するという行き方が今まで多かった。それらをいろいろ考えて参りますと、近く支給されなければならない期末手当につては格別の考慮が払わ れなければならないのじゃないかと存じておるのでありますが、期末手当についてどのようにお考えになっておるのか、その点をお伺いいたします
○淺井政府委員 昨年末の期末手当を〇・二五ふやすという勧告をいたしましたのは、当時の民間給与がそれだけふえていたからでございますが、今年度はどのようになっておりまするか、これが問題だろうと思っておりますが、その調査がまだできておりませんので、直ちにここでどうするということは申し上げかねる次第であります。
○井手委員 今のお答えによりますると、民間給与が増額の大きな原因になっておるように承わりました。最近民間の企業が、輸出好転に伴って非常に好調であることは御承知の通りであります。おそらく昨年よりも上回る期末手当が民間企業において支払われるであろうと存ずるのであります。さように考えて参りますと、当然予定された期末手当を上回らなくてはならぬと私どもは予想いたしておりますが、その心組みはいかがでございましょうか。もし民間企業において昨年を上回ることがあるならば、人事院においても相当思い切った対策を講ぜられる御用意があるかどうか、その点を承わりたい。
○淺井政府委員 あるいは上回るかもしれませんし、あるいは統計上としては昨年と大差なきものになるかもしれません。その辺がまだわかりませんので、この期末手当の問題につきましては、まだ何も人事院としてはきめておりません。
○井手委員 まだきめておらないとおっしゃればそれまででございますが、しかし時期はかなり迫って参っておるのでありまして、近く方針をきめなくてはならぬ時期であろうと考えております。いつごろまでにその御方針をおきめになるのか、人事院としてのお考えをおまとめになるのか、その点を承わっておきたいと存じます。
○淺井政府委員 お示しの点は夏季手当の問題だろうと思っております。この夏季手当についてどうするか、人事院としては十分研究はいたしておりますが、どう態度を決するかということはまだ申し上げる段階に至っておりません。
○井手委員 支給日は私申し上げるまでもなく六月の十五日であります。今の経済情勢では予定されたものを上回る必要が生ずるような場合を考えなくてはならぬのであります。そうしますと、国会開会中に諸般の事情を調査なさって国会にでも勧告なさることが、人事院の建前としても妥当ないき方ではないかと存ずるのであります。国会開会中にでもその方針をおきめになるお考えがおありであるかどうか、重ねてお伺いをいたします。
○淺井政府委員 いわゆる公務員法二十八条による勧告という形はこれまでとったことはないように思っておりますから、国会に対して勧告をするという形は夏季手当に関する限りないと思っております。
○井手委員 私は、その点については、すみやかに各方面の調査をなさって方針をおきめになることをこの際要望申し上げまして、時間の関係もありますので、次の地域給の点についてお伺いをいたしたいと存じます。
 地域給は御承知の通りたなざらしになっておるのであります。政府の思い通り、予定通りに人事院がなくなるとすれば、この機会に、人事院が勧告をなさったその責任を全うする意味においても、地域給についての処置を、勧告なさった国会に対して会期中に人事院はなさる必要があると私は考えておるのであります。地域給をどうするかということについて人事院のお考えをこの際承わっておきたいと存じます。
○淺井政府委員 人事院といたしましては、すでに勧告を国会及び内閣に対していたしておる次第でございます。これは御承知の通りでございます。それで、この会期中に措置をすべし云々のお言葉がございました。それは突き詰めれば、この会期中に地域給改正の法律案を出すか出さぬかの問題になるだろうと思いますが、それは予算を伴うことでございまするから、人事院が法律を提出するのではございませんで、これは内用の方がどうするかという問題に帰するように思います。
○井手委員 なるほど法律によれば勧告だけになっておりますが、やはり勧告が実現し誠実に執行されるところで見守ることが私は人事院の責務であろうと存じております。勧告したからあとは知らぬということでは私は済まされないと思います。なるほど努力はなさっておるでしょう。しかし私どもの言葉でいえば、不幸にして行政機構改革案が国会を通過して人事院がなくなるということでありますならば、あなたの方の勧告は出しっぱなし、それでは人事院が有終の美をおさめたとは言いがたいのであります。やはり法律案が出されないならば、地域給についてはこうすべきで、あるとかああすべきであるとかいうことを国会に勧告する責務を持っておる人事院でありますならば、国会開会中に何とか措置を発表すべきであろうと私は考えておりますが、いかがでございますか。
○淺井政府委員 内閣は、人事院のなしました勧告を受けまして、これを公務員制度調査会に諮問いたし、その答申によってただい準備輪中であろうと考えておりますので、これ以上人事院が国会に勧告するという立場にはないと思っております。
○井手委員 重ねて国会に勧告するという立場でないかもしれませんけれども、地域給を改訂しなければならぬという理由ははっきりいたしております。人事院がなくなろうとする今日これがうやむやになってはならぬのでありまして、どうすべきかという方針、あとに引き継ぐべき対策は発表なさる必要があろうと存じます。勧告でなくても内閣に対して意思表示をなさる必要かありはしないかと考えますが、いかがでありますか。
○淺井政府委員 人事院が一たびなしました勧告はただいまでも厳として生きており、内閣にげたを預けておるような格好になっておるのでありまして、決してあの勧告は死んではいないのでございます。
○井手委員 死んではいないという程度でございますが、生きてはいないのであります。これを生かしていくことこそなくなろうとする人事院総裁としてのあなたの務めではございませんか。何とか方法があるはずだと思うのです。せっかく勧告した地域給が宙ぶらりんになっており、人事院が機構改革によって人事局あるいは人事委員会に変えられる、そういう重大なる段階でありますから、何とか方法がありはしないかと思いますが、ありませんか。
○淺井政府委員 人事院といたしましては、すでに勧告はしているのであります。問題は、これを受けた内閣がどう処置をするかということであり、またそれがために要する予算をどう取るかという問題でございますが、これはやはり人事院が勧告をする期間、内閣は勧告を受ける機関である以上、ただいまは受ける期間の責任であるように思っております。
○受田委員 井手君の質問に関連しますが、この地域給の問題はすでに人事院の手を離れているということで、公務員制度調査会からも答申案が出ておるということでありますが、人事院に責任がないことではない。人事院は給与に関する勧告をする権利があるので、依然としてすでに勧告した地域給の勧告についてもこれを守っていかなければならない。勧告をしっぱなしでなく、これを見守っていかなければならぬ責任がある。これをいかがお考えでありますか。
○淺井政府委員 見守るということは文学的な表現でございますけれども、それならその見守るというのは何を意味されるのであるか。予算を取れと仰せられるのであるか、法律案を提出しろと仰せられるのであるか。これは二つとも内閣のことでありまして、人事院としては法律上さような権限は持ちません。
○受田委員 私は、この地代給の処理の問題はやはり人事院が十分責任をとるべき問題だと思うのです。つまり予算案とか法律案を提出するということは政府の責任でありますけれども、人事院は勧告のしっぱなしということではこれはいけないのであって、勧告したものがその時勢に合わなければさらにそれを調整した新しい勧告をすべきものだ。内閣に公務員制度調査室なるものができて、あなたの部下の大山さんがその室長になられた。そこでこの公務員制度調整会の答申に基く地域給の区分表の作成についても、いろいろ検討しておられるようでありますが、少くとも給与に関する基本線を打ち立てる責任は常に人事院にあるのであって、人事院の存在が厳としてある限りは、一つ総裁において勧告したものの行方をよく見守り、その勧告したものが時勢に合わなければ再びこれを是正して勧告すべきであるとわれわれは考えておるのです。特に地域給は宙ぶらりんのままで二年も三年もほっておかれたならば、国民に対する影響も非常に大きいし、同時に、これを整理するやり方においても、総裁はかねて人事院として地域給を廃止すべき方向に持っていくべきである、こういうことを言っておられる。勧告をしておきながら廃止すべきであるということを言っておられるということは、やはり政治責任は重大なのでありますが、廃止すべきであるという見解を持たれておる総裁としては、勧告されたものと廃止すべきであるという信念を、一体どう考えておられるのかを私は明らかにしておかれたいと思うのであります。
○淺井政府委員 この地域給を廃止すべしというのは、将来地域給というものはなくした方がいいということでありまして、これはひとり人事院の見解であるのみならず、内閣側の見解でもあり、あるいは公務員制度調査会の見解でもあり、また国会の旧人事委員会においても大体そのような空気ではなかったかと思っておりますが、ただ問題は、これが理想的にどう廃止されるかという点に問題があるので、そこで人、院は、この地域給というものを将来廃止する段階として幾つかの勧告をしておるわけでございますから、廃止は将来の問題、勧告はそれまでの過程における問題、この二つは矛盾してないように思っております。
○受田委員 淺井総裁に申し上げますが、総裁が心配しておられた国家行政組織関係の改革案は、自民党内部における内紛から今国会ではこれを引っ込める、国家公務員法の改正案その他人事院の改組に関する諸案件は、この国会においては廃案とされることに大体なりました。そこで人事委員会という骨抜きの機関になって、総裁以下が認証官として形だけ残るとしても、事実上機構は、人事の実権は人事局に握られるということになって、あなたの人事院に非常に大きな痛手を加える案が起きたのを、幸いにして食いとめられたのはわれわれ野党の努力が非常に大きい。総裁としても大いに努力をしてくれた野党に感謝感激しなければならないと思うのです。従ってそれだけに総裁はその人事院の権威を保つように、今、井手君からお尋ねがあったような、民間給与の実態調査などにも早く手を打たれて、この給与法にある六月十五日に支給する期末手当、十二月十五日に支給する期末手当、勤勉手当、この六月十五日に支給する期末手当・勤勉手当を合計して〇・七五、十二月に支給するこの二つを合せて一・二五、合計二カ月の手当が、実質上のいわゆるボーナスがもうきめられておるのですが、去年の報告では、あなたの方ではこういうことを言われたのです。去年の報告書を見ますと、給与、俸給を上げるということは民間でも押えているようだからこれはいかぬが、手当として、期末手当のようなものをふやすことは、民間でもボーナスはどんどんふえていく傾向にあるから、期末手当を〇・二五ほどふやすということになって、去年は期末手当だけを含めて年間を通じて二カ月ということに御報告されておる。こういうことを考えると、当然この際勇気を鼓舞されて、六月十五日に支給される夏季手当をせめて〇・二五加えて、勤勉手当と合せて
 一カ月分の支給をするような措置を政府に要望される責任がある、かように私は思うのでありますが、この点については、先ほど井手君の御質問には、
 まだいろいろ調査中だと言われておるが、民間の給与が、俸給の方は横ばいであっても、そうした諸手当の方はぐっとふえておるという実態は、総裁御確認でございましょう。
○淺井政府委員 どうもちょっと御答弁がしにくいのでありますが、さいぜんは人事院炉廃止されるから勧告せよ、ただいまは人事院が廃止されないから勧告せよということで、どの道追い詰められておるわけでございます。ともかく御趣旨はよくわかっておるのでございます。ただ夏期手当をどうするかという問題は、何回も申し上げましたように、ただいま考えておるのでございますが、まだ何も態度は決定しておりません。
○受田委員 先般の三公社五現業の調停案受諾をめぐるいろいろな動きを私たちは監視しておったのでありますが、総裁はあのときに調停案を出した当該委員長に対して、この予算措置については別途の措置をとるのか、あるいはその部内における部内操作で済ますのかというお伺いを立てたそうですね。これに対して当該委員長は、決して別の予算措置をとるものではないのだ、今まで部内における予算の差し繰りでやっておるのだというので、総裁のお尋ねをけられたような御回答があったという倉石労相の御答弁があったのですが、さようでございましたか。
○淺井政府委員 つまりあの話はこうなんでございます。人事院といたしましては、今度の一時金というものが業績的なのか、それともそうでないのか、この点を一応調停委員会の意見を聞くために出したわけでありまして、それが主であって、けられたとかけったとかいうような問題でなく、ただわからないところを聞いたにすぎません。
○受田委員 部内の業績手当の分で片づけられたのだという答弁で、あなたの方は引っ込まれたわけですね。
○淺井政府委員 業績手当というものは法律上いわゆる特別給与でありまして、これが三公社五現業に出たからといって、少くとも法律上直ちに一般職公務員をそれだけ増すという性質のものではないように思います。ただ人事院といたしましては、こういうことだけは考えなければならぬと思っております。それは団体交渉権のある公務員の給与だけがよくなって、そうでない者の給与が陥没する。これは人事院として、これらの団体交渉権のない職員にかわって人事院があるのでございますから、このために努力をしなければならぬ、この気持は決して変っておりません。
○受田委員 春季闘争で、獲得した三公社五現業の諸君の実績は、一々こまかくは申し上げませんが、少くとも一時金として五千円を最高にしてそれぞれ獲得しておることは事実なんです。従って一般の公務員にも何かの形でこの三公社五現業で獲得された実績に対応するような措置をしなければならぬのであって、この点について、総裁としては一時金の支給措置としてどういう形のものをとったらよいかは今から十分検討すると去る三月末ごろに仰せられておる。その仰せられておる御検討の結果をお示し願いたいと思う。
○瀧本政府委員 これは非常に掘り下げた重大な問題だろうと思っております。ただいま申し上げたことを繰り返すようでありますが、要するに現在の制度におきましては、団体交渉権を持っておる公務員の給与は、その団体交渉権の結果によってだんだんと上って参る。団体交渉権を持たない一般職の公務員はそれに伴わない。この格差というものをどういうふうにすればよいものか、これは非常に重大なポイントでありまして、今度の給与の報告において十分考えなければならぬ問題だと思って鋭意研究をいたしております。
○受田委員 その結果が六月三日の国会終了までに間に合わないということでありましたが、少くとも一時金支給の形のものが期末手当の支給、夏期手当支給の形となって現われる場合がありますか。
○淺井政府委員 今日のところまだ何ともきめておらないので申し上げることは、できません。
○受田委員 その一時金支給の形のものがいわゆる夏季手当、期末手当のようなものとして現われ得る場合もありますか。
○淺井政府委員 現われ得るということは、人事院に勧告せよという御趣旨であるかどうか、現われるか現われぬかということは、これは内閣でとるべき措置でございまして、人事院が表わすか表さぬかは結局勧告しろとかなんとかしろという意味でありますか。
○受田委員 そうです。
○淺井政府委員 もしも内閣及び国会に夏季手当について何か勧告をするかと仰せられれば、さような勧告は考えていないということでございます。
○受田委員 私はこの際人事院としては、公務員の待遇については公務員の待遇を守っていく、身分や給与を守っていく最後の一線は人事院が握っておられるのであって、人事院がへこたれ腰ならだれが守ってくれますか。従ってこの際確たる信念を持って公務員の立場を守り、公務員の給与を守っていくという立場で、人事院が戦かっていただかなければならぬのですが、今何ら考えておらぬという、また民間の給与が――私がお尋ねしているのは、一般サラリーが横ばいであっても、ボーナスその他の支給はずっと高い線を歩んでいるのだというような実態があるかということに対しても、お答えになっておらぬのですよ。少くともボーナス等は、民間給与の実態からいって、諸手当の実態からいって、われわれが調査したところによっても、数は申し上げませんが、月平均相当額のものが今上昇していることははっきりしているのです。この際勇気を振って六月十五日に間に合うように適切な措置――措置というのは人事院が有する権限内における勧告をされんことを要望しておきます。
 もう一つ地域給を片づけておかなければいかぬのですが、地域給は大山公務員制度調査室長としてはどういうふうに今審議を進めておられるのですか、責任者として御答弁いただきたい。
○大山政府委員 地域給につきましては、先ほど淺井総裁からお話しございましたように、公務員制度調査会の答申の線に沿うて目下検討いたしておりよす。先般人事院から勧告がありました地域給の改訂を実現いたしますためには、現在ではおそらく百億をこえる金額を要するかと思うのでありまして、これを直ちに実施することは、政府としては財政上困難であるというふうに考えております。さらに現在の地域給の制度をこのままにいたしておきますことは、地域区分の決定の基準が必ずしもはっきりしておらない、あるいはいろいろな地域区分を設けますことによって、人事の異動等に非常に支障がある、いろいろな難点がございますので、調査会の答申にもありますように、この際諸手当の整理、簡素化の一環といたしまして、でき得れば地域給もこの際根本的に考え直したい。かような考え方で目下検討いたしております。ただ何分にも調査会の答申が、公務員の範囲でありますとか、あるいは種類別でありますとか、職階制でありますとか、いろいろ基本的な問題を含んでおりますので、俸給の制度を考えますのには、やはりただいまのような根本的な公務員制度の面をきめた上でなければ俸給の制度も考えられない。俸給の制度を考えられないために、手当の制度もなかなか具体的な案が立たないというようなことで、現在まだ具体的な案を申し上げる段階には至っておらないのでございますが、鋭意そのような線に沿うて検討いたしております。
○受田委員 暫定措置として地域給について、市町村合併がひんぱんに行われた結果、市に合併した町村の中で、中心部は三級地、四級地になっておる。そして合併したところは無級地であるというところがたくさんある。このように市町村の合併で非常に地域給の差がついたところは、何とかして合併したところを、せめてその階級差を縮めるように、無級を一級にするとかいうような便宜的措置を暫定措置としてとるべきじゃないのですか。こういう暫定的な地域給の取扱いということをお考えじゃないでしょうか。
○大山政府委員 ただいま御指摘になりました点は、現在人事交流、特に地方の教員の交流等に問題になっているように承知いたしております。ただこれを直ちに実施いたしますにもやはり相当な金額を要しますので、近い将来できるだけすみやかな機会に根本的な改正をしたいということでございまして、それまでは個々の地域区分の改訂ということはしない、かような方針をとっておる次第であります。
○受田委員 地域給の改訂あるいは廃止に当って既得権を侵さないということになると、現在もらっている地域給を減らさないという基本線は守られるかどうか。
○大山政府委員 金額の面といたしまして現在もらっている給与を落さない、その既得権を擁護した上で地域給の根本的改訂を行いたい、かように考えておるわけでございます。そのためには、御承知のように、非常な予算を要するわけでございまして、その点に私どもの苦心が存するわけでございます。
○受田委員 総裁に最後に一言お尋ねいたしておきます。国家公務員法第百二条には公務員の政治活動禁止の規定が書いてある。それに基いて百十条には罰則がきめられてありまして、百二条の違反者は懲役三年以下、罰金十万円以下という厳罰に処せられるようになっているのです。ところが最近においてこの国家公務員法の百二条違反とおぼし遂行為をなしつつある特定郵便局長の一連のグループが存在するやに伺っておるのです。これは特定郵便局長をして特別場職たらしめる法案が今回提出されておりまするが、この法案通過を目的として大量自民党入党を決意し、入党を勧告し、党費を集めて、あげて自民党に協力を惜しまざる態勢をあっせんをしている向きもあるやに伺っております。こういうことは一般職の公務員に対して一定の政治的目的をもってなしたる政治的行為の定義によるところの目的と行為が一致した場合、すなわち「特定の政党その他の政治的団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすること。」とか、あるいは党費の獲得をあっせんするとかいうことは、明らかにその政治的目的のもとに行われたる政治的行為で、両者が一致しておる最も厳罰に処すべき該当者であると思うのであるが、人事院総裁は、かかる事実がもしあるとすれば、断固懲戒免職するだけの決意を持っておられるかどうかを御答弁願いたい。
○淺井政府委員 まず第一の規則の問題でございまするが、それは規則一四−七の第何項でございますか、それにあるいわゆる入党の勧誘運動をなす、この条項に該当するかどうかという問題でありまして、受田さんはただいま政治的目的をもってと仰せられましたが、この条項には政治的目的をもってということは書いてないのです。それは当然政治的目的があるものと解釈されるので、わざと政治的目的をもって入党を勧誘するとは書いてないのでございますから、これは最も政治的行為の明らかなるものの一つに該当いたしております。ただ円匙は入党の勧誘運動をする、この勧誘運動の解釈に問題がかかっておるのでありまして、公務員が政党に入党いたしますることはちっとも差しつかえのないことでありまして、公務員法においては政党への公務員の入党は少しも禁じておりません。ただ勧誘運動をする、この勧誘運動という言葉は勧誘とも違うように運営いたしております。勧誘というのは、たまたま個人的に二、三の人にこれを話すとか何とかいうことはこの条文にかからない。そこで勧誘運動というの百は、あらかじめ計画的に一定の運動を起して入党を勧誘する、これがその条項にかかるように思うのであります。ただいま特定郵便局長の問題についてお尋ねがございましたが、私はその点について何も聞いておりませんし、また人事院としても目下何も調べたものはございませんが、それじゃどうなるか、これはその具体的な手段、対象の問題であると思っております。
○受田委員 ある県においては強制的に入党勧告せられたために、やむなく特定郵便局長のグループからはずれることを非常に遠慮して、一応入る。しかし良心の苛責に耐えかね、このやり方は特定の政党を支持するという政治的目的を持つ悪らつなやり方であるということを悟って、入党した者が断固脱党して、脱党した数名の語るところによると、特定郵便局のグループを集めて一つぜひ入党してくれ、この法律を通すために大いに骨折ってくれと勧誘をした、そういうケースのものがわれわれのところへ今報道されております。これは地方の新聞にもそれに類似のものが発表されておるのでありますが、そういう場合は、郵便局長のグループが集まってその中のある中心になる人が、とにかくこの法律を通すためには、町会議員や市会議員になるには自民党へ入っておくのがいいのだ、そしてこの法律を通せば私企業もできる、兼業もできるし、市町村の顔役である議員にもなれるのだ、非常にいいんだからというの、で勧められると当然入党をするのが人情です。そういう者を大量に入党さして、この法律を通すための運動をするというようなあっせんをした者は、政党の構成員となることを勧誘したという条項に当ると思いますが、どうですか。
○淺井政府委員 それは問題になると思います。が、問題は事実の認識の問題で、その点は人事院でも何も調べたものがありませんからわかりません。ただ大ぜいの人がある政党に入党することだけではこの条項にはかからないと思っております。それは勧誘運動をしたかどうか、その点が問題の中心になると思います。
○受田委員 われわれは公平に見て、特定の政党のために動くという人々はごく限られた人だと思うのです。大多数の特定郵便局長は今回のような動きに対しては反対しておる。党派を越えて郵便局は運営すべきであるという気持でおる。それをごく一部の特定郵便局長のお世話をする人がそういうことをやっておる。だからそういう空気の中に巻き込まれるということが自然に起ってくるわけだと思うのです。こういうことについては少くとも人事院としては、もうこの法律が通って特別職になったような気持で動く人々がないように、法律の存在をはっきりと確認してもらって、少くとも特定局長になった人は相当の見識を持った有力者であるから、そういう人々が誤まらないように指導すべきであると思うがいかがでございますか。
○淺井政府委員 それはもとより人事院の責任でもありますが、第一は郵政省の責任であろうと思っております。これは任命権者たる郵政大臣において十分さようなことがないようにすべきものと考えます。
○大平委員長代理 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十五分散会