第024回国会 本会議 第6号
昭和三十一年二月三日(金曜日)
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  昭和三十一年二月三日
    午後一時 本会議
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●本日の会議に付した案件
 昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)
    午後五時三十三分開議
○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。
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○長谷川四郎君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)を議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員長三浦一雄君。
    〔三浦一雄君登壇〕
○三浦一雄君 ただいま議題となりました昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)について、予算委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 この補正予算案は、去る一月三十日委員会に付託せられ、本日討論、採決されたものでございます。
 今回の補正は食糧管理、国債整理基金並びに漁船再保険の三特別会計に関するものでありますが、まず食糧管理特別会計の補正から順次申し上げます。
 補正の内容は、三十年度米の政府買い入れ数量が、御承知のごとき豊作と集荷の好調によりまして当初の予定を大幅に増加したこと等のため、食糧買い入れ費、食糧管理費及び予備費等約千二百億円を歳出予算に追加し、その財源は主として食糧証券の発行によることといたしまして、証券の発行額を当初予定より一千六十億円増加するというのであります。なお、この会計の損失補てんにつきましては、別途一般会計の補正予算において処理することとなっておりますが、食糧買い入れ等のための歳出権はすでにほとんどなくなっており、緊急に手当をする必要上、それと切り離して本補正は提案されたものでございます。
 第二に、国債整理基金特別会計について申し上げますが、本会計におきましては、食糧証券の発行増加に伴い、これが割引差額に必要な経費が二十四億余万円増加するので、その財源を食糧管理特別会計より受け入れることとし、これに伴う補正を行うものでございます。
 第三は、漁船再保険特別会計の給与保険勘定に関するものであります。本勘定の歳出においては、支払い再保険金の増加、また、歳入においては、再保険料収入の減少等の事態を生じたため、これによる支払い財源の不足をとりあえず資金運用部からの借入金等によって処理することとし、これがための補正を行うものでございます。しこうして、本勘定の三十年度に生ずる損失の補てんにつきましては、次期の一般会計補正予算において処理する予定となっておるのでございます。
 以上が補正の概要でございます。
 次に、本案に対して、三十年産米の特別集荷に関する問題、二十九年産米に対する追加払いの問題、食糧証券の発行限度拡大と歳出権との関係の問題等々、重要な質疑が行われたのでございますが、その詳細は会議録でごらんを願うこととし、ここには報告を省略させていただきます。
 質疑終了後、討論、採決の結果、多数をもって本補正予算案は政府原案の通り可決いたしたのでございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(益谷秀次君) これより討論に入ります。八百板正君。
    〔八百板正君登壇〕
○八百板正君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和三十年度特別会計予算補正(特第3号)について、補正特第3号のうち、食糧管理特別会計、国債整理基金特別会計については反対、漁船再保険特別会計については賛成の意を述べて討論をいたすものであります。
 まず、漁船再保険特別会計の補正については、その理由とするところが、漁船の拿捕による抑留漁夫が増加したために、また、この抑留が長期に及んだために起ったもので、いたし方のないものとして賛成いたすものであります。もっとも、このもとを尋ねれば、鳩山内閣と重光外交の無能力が生んだ犠牲の結果であって、(拍手)政府の責任は大きいわけでありまするが、政府を責める必要があるからとて、この特別会計の補正の現実の必要には反対できないわけでありまして、むしろ、犠牲者のために手厚い保護をこそわれわれは強調いたしたいのであります。(拍手)従って、政府の責任だとは申せ、一方、予測せられなかったことでもありまするので、賛成をする次第であります。次に、食糧管理特別会計の補正についてであります。これは、まことに、とんでもない補正と申さなければならないのであります。第一に、この予算は、豊作だったので、思ったよりよけいにお米を買い上げたので、金が足りなくなったというだけのことならば、これはもっともな話でありまして、これだけならば了承できることであります。しかし、この会計の損失額ともいうべき不足額は、世上あまり当てにならないといわれておりまする河野農林大臣の出した数字がほんとうであるとしまするならば、百六十七億円ということになっておりまするが、百億円はインベントリーを食わせてくれといい、あとの不足の残り六十七億円は、別に、昭和三十年度一般会計予算の補正の際に、一般会計から入れるというのであります。ところが、この一般会計の補正は、実は出すか出さないかわからないのであります。現に、まだ出ていないのであります。こんな話はないのでありまして、一般会計の補正予算が出て、これと一緒に特別会計の補正を審議するなら、一応話はわかるのでありますが、もとの方を出さないで、また、出すか出さないかも確定しないで、特別会計だけを出して、しかも一日でこれを通せなどとは、それは無理というものであります。(拍手)しかも、今、三十一年度の予算が本格審議にきょうから入るということであります。
 一体、なぜこんなに気が狂ったようにばたばたと上げなければならないのであるか。聞けば、食糧管理特別会計には金がなくて、買い入れにも困っておるという。一体何たることであるか。豊作は、春から宣伝して、政府はわかり切ったことであります。今ごろになってあわてるとは何事でありますか。ところが、実は、あわてると見せて、この忙しいところをねらって、ほおかむりでまかり通ろうとするものではないか。この点が警戒を要する重大なる点であろうと存じます。(拍手)
 すなわち、第二には、単なる手続の問題ではなく、この会計の現状と、この補正の中には、きわめて重大なる内容が含まれておるということであります。数字を見ると、三十年度産米の買い入れ見込みは三千四百二十万石となっておりまするが、全敗扱いの分だけでも、二月一日現在で二千九百十五万石となっておりまして、〇・五%の超過を見せております。従って、買い入れ資金はさらにふくらむ可能性もあるわけであります。また、二十九年度産米のバック・ペイ、すなわち、パリティ上昇による追加払いも組み込んではいないという次第であります。このようにして、なおさらに不確定な要素がこの中には多いという点であります。従って、再々補正も必要ではないかと思われる点もあるわけであります。
 また、会計の内容を見ますると、外米の買付は予算よりも安く買えたはずでありまするから、数量は減るのが当然でありまするのに、かえって多くなっている点、これは重大であります。外米の買付は、値段は下る、そして、よけい買う。一方、国内への払い下げの値は据え置きでありまするから、これでは、外国食糧を入れれば入れるほど、差益金は多くなって、食管会計がもうかる。現に百三十八億円もうかっております。このもうけを赤字埋めにする。これは食糧の買い受けの株式会社ならばけっこうなことでございまするが、国のやる食糧特別会計でこれをやられたのではたまらないのであります。(拍手)外国の米や麦を、なぜこんなに予算より多く買い入れたか。日本内地の食糧の需給は、外米や麦を予算よりもよけいに入れなければ困るというような逼迫した状態はどこにもなかったはずであります。これでは、外米でもって日本の米や麦の値段をたたいて、その差益金で一方においては食管のやりくりをしてきたということを意味するのであって、許すべからざる日本農業に対する破壊行為であります。(拍手)
 さらに、この補正の意味する本質上重大なことは、この百億のインベントリーを使い果すことによって、もうこの金は全く底をついて、いわゆる食糧管理特別会計のたなざらえとなるという点であります。従って、この結果は、食糧管理特別会計を独立採算制の方向に向わせて、今までやってきたところの、わずかではありますが、政府の金で保護して参りましたところの、農産物に対する価格支持とも申すべき農業保護の食糧対策が根本的に影を消してしまうという点に問題があるのであります。(拍手)すなわち、この際、ここで食糧管理特別会計の収支のつじつまを合せ、とんとんにしておいて、来たるべき三十一年度の食糧管理特別会計の独立採算制を打ち出す基礎を作ることをねらっておるという点が重大といわなければならないのであります。(拍手)このような食管会計の本質の変革ともいうべき重大なる補正を、このどさくさのうちに通そうとするところに、鳩山内閣と河野農政の驚くべき反動性を見るのでありまして、(拍手)これを全国の農民に訴えるとともに、日本農業の将来のために、ここにこの補正に対して強く反対せざるを得ないのであります。
 以上、理由を申し述べまして、反対いたす次第であります。(拍手)
○議長(益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本件の委員長の報告は可決であります。本件を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(益谷秀次君) 起立多数。よって、本件は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
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○議長(益谷秀次君) 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時五十分散会