第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第13号
昭和三十二年三月十二日(火曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 菅野和太郎君   
   理事 赤澤 正道君 理事 有田 喜一君
   理事 齋藤 憲三君 理事 中曽根康弘君
   理事 前田 正男君 理事 岡  良一君
   理事 志村 茂治君
      小平 久雄君    須磨彌吉郎君
      南  好雄君    山口 好一君
      岡本 隆一君    田中 武夫君
      中崎  敏君    原   茂君
      松前 重義君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       秋田 大助君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
        総理府技官
        (科学技術庁調
        査普及局長)  三輪 大作君
 委員外の出席者
        原子力委員会委
        員       石川 一郎君
        原子力委員会委
        員       藤岡 由夫君
        科学技術庁次長 篠原  登君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興対策に関する件(動力炉の輸入等
 に関する問題)
    ―――――――――――――
○菅野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件につきまして、調査を進めます。
 本日は、動力炉の輸入等に関する問題につきまして、調査を進めたいと存じます。この際、原子力委員会より説明を聴取いたします。原子力委員藤岡由夫君。
○藤岡説明員 動力炉の問題につきましてどのように考えておるかということについて、簡単に御説明申し上げたいと存じます。
 御承知のように、昨年、イギリスから、最初ロイド労働相、それから後にヒントン卿が来られまして、イギリスの原子力発電に関してとって参りました方策、それからその当時として、近く建設されます動力用原子炉についての見通し、その経済性、安全性その他についていろいろ話をしまして、原子力委員会としても、将来日本で原子力発電をかなり早い時期に開始するには、もし外国から動力炉を輸入するとするならば、イギリスの炉というのが適当なのではないかという見込みのもとに調査団を派遣いたしまして、原子力委員の石川一郎氏がその委員長でございました。その報告が出ましたのも御承知の通りだと存じますが、最も適当なものの一つであると考えるという結論的な報告でございました。
 そこで、日本といたしまして、実際に動力炉をどういうふうに設置するかということにつきましては、まだ委員会として正式に具体的な方策をきめたわけではございません。ただ、最初に考えましたよりも、電力事情が非常に切迫して参っておるという状況にかんがみまして、動力炉を輸入するという問題もおそらく起るのではないかという見込みのもとに、目下検討を開始いたしております。先ごろ新聞に、原子力委員会が動力炉輸入の問題を正式に取り上げたということ、並びに若干その内容が報道されましたけれども、これは委員会としてまだ決定したのではないのでございます。長期計画は目下まだ検討中でありますけれども、さしあたって一番必要を感じますのは、この三十二年度の実行計画を立てなければならないことであります。その三十二年度の実行計画を立てますのに、問題点というのを幾つか指摘いたしまして、その問題点について先ごろ話し合ったのであります。
 やはり大きな問題として出てきますことは、まず動力炉をどういうふうにするかということでありまして、これについて話をしたのであります。その結果、とにかく何年か後には相当量の原子力発電が必要となることが予想される。何年か後に相当量というのは、はなはだ不明瞭な言い方でございますが、たとえば電気事業関係の方では、昭和四十年度、今から数えてちょうど九年後に、原子力発電は少くとも約百万キロ程度が望ましいということを言っております。それ以上できればもちろんよろしいのでありましょうけれども、まずその程度はどうしても望ましいという数字を出しております。もちろんこれは予想の数字でありまして、うのみにするわけにはいきませんので、これについてはさらに検討を加えなければならないのであります。これは一つの例でありまして、そういう意味ではっきりきまりませんが、とにかく今予想されますところでは、何年か後にはある程度の発電量になるわけであります。それを実験いたしますためには、どうしても今、相当至急に動力用原子炉を設置する必要を感ずるのであります。つまり、動力用原子炉を今から交渉いたしましたとしても、交渉が妥結いたしましてこれを発注する段階になるまでには、まず約一年はかかると思います。それから注文いたしまして、できますのにまず四年はかかる。それから動き出すのに、完全なオペレーションに入りますのに、まず一年はかかる。そういたしますと、今からすぐ始めても六年はかかると思うのであります。そういたしますと、かりに四十年度にある程度の量ということになりますと、その前に、試験的にいろいろの研究の土台にし、また技術者の養成訓練というものをするために、一つの原型をどうしても入れる必要がある。そういう意味でかなり至急に相当量のものを一台輸入する必要があるのではないか、そういう点は意見が一致したわけであります。それからまた、どういうのがよろしいか。新聞にも十万キロ以上ということが言われておりますが、これは今までに設計のない新しいものを注文して設計をするということは非常にひまと金のかかることで、現に設計ができ上り、よろしいということになったものならば一番早くいくわけであります。そこで、最初はそういうものを一つ選ばなければならない。イギリスには、今、調査団の報告も出ておりますが、イギリスで現在発注されておりますところの一つ十数万キロのものを二つ合せて、二十八万キロくらいのものと言われておりますものを選ぶのが、まず最初には一番妥当である、そういう意味で意見が一致しておるわけであります。それ以外の点につきましては、なおいろいろ検討中でございまして、やがてもう少しはっきりした結論を出し得るのではないか、そういうふうに考えておる次第でございます。
 大体、ただいままでの経過について、簡単に御説明申し上げました。
○菅野委員長 これにて説明は終了いたしました。
 質疑の通告がありますので、これを許します。前田正男君。
○前田(正)委員 これは、ほんとうは原子力委員長である宇田大臣からお聞きしたいと思ったのでありますけれども、お見えでないようでありますから……。
 過日、今、御説明のあったような動力炉を輸入しようというような方針をきめられて、新聞に出ておりました今の経過を聞きましたけれども、私たちの考えますところは、動力炉を輸入するとかしないとかいうような問題は次の問題でございまして、その前に当然現在の研究協定では、輸入できるはずはありません。従いまして、これを一般協定に改訂する必要があるのではないか、その問題をこの前も私が実は第一番目に質問申し上げたのでありますが、そういう希望はあるというようなことを言っておられましたけれども、現在は研究協定の交渉をしておるのだ、こういう御答弁だったのであります。そういう研究協定の交渉をしておられて、動力炉を輸入しようなんという話を委員会としてきめられるということは、私は委員会としては考え方が逆ではないかと思うのであります。委員会としては、まず協定をどうするか、そしてその協定が国会の承認を受けることができて、初めて炉を輸入するとか、燃料を外国から確保するということができる。もちろん国産で炉もでき、燃料もできるならば、また話は別であると思いますけれども、動力炉を輸入するというふうな発表をした以上は、当然協定を締結して、しかもそれは国会の承認といいますか、国民の了承を受けてからの問題であると思うのであります。そのまず第一段階といたしましては、一般協定の交渉に入る必要があるのではないかと思いますが、それは委員会としてどういうふうにきめておられるのか、その点を一つ明瞭にお答え願いたいと思います。
○藤岡説明員 ただいまの協定のお話でございますが、私の今御説明申し上げましたのは、動力炉を輸入するということを委員会で決定するという形式をとったということではないのでございまして、問題点についていろいろ話し合いをしております間に、こういう点については意見が一致したということを局長から新聞に発表されておるのでございます。それで、もちろん動力炉を輸入するということをきめれば、それに先だつものは協定の問題であるということはお説の通りであると存じます。ただいま私の申しましたのは、主としてイギリスの炉についてであります。イギリスには正式に調査団を出しまして、その調査報告があったのでございます。イギリスの炉のことを申したのでございますが、これをやりますためには、もちろんイギリスとの協定を結ばなければならないと思います。この協定につきましては、目下原子力局といたしまして、案文について検討を重ねております。
 それから、ただいま御質問のありましたのは、研究協定の改訂――一般協定というのはアメリカとの関係であると存じますが、アメリカとの協定は、昨年細目取りきめを結びます際にも、いろいろ手を入れるように、またアメリカからいろいろ申し入れているということがございまして、それらを盛り込んだ協定の改訂をしたらどうかということが昨年起ったのでございます。昨年はとりあえず必要な細目協定をいたしまして、その改訂は本年に譲ったわけでございます。昨年のうちから研究協定の改訂をするということをきめておりましたが、その際、一般協定という問題も起りました。でありますが、今非常に急いでしなければならないことは、それは研究をしておりますうちに、天然ウランを必要とするというようなこと、その他ごく最近にぜひ急がなければならないということがありますので、これに備えるために、まずとりあえず研究協定の改訂だけを短い期間のうちにやる。もしこれができなければ、天然ウランに関する細目協定をする、そういう立場で始めたのでございます。動力炉を含む一般協定は、もちろんかなり近い将来にやらなければならないのでございますけれども、とりあえず今非常に急ぐものをまずやりまして、それから一般協定に入っても、時期的にそうおそくないのではあるまいか。たとえば、動力炉を輸入するといたしましても、なお調査その他の必要もある。アメリカにつきましては、イギリスとまた事情が非常に違いますので、さらにアメリカから申し出のあったもの以外にも非常に多くのものがアメリカではできておりますので、そういうものの一般についての調査もしなければならない。そういうことを考えますと、まず研究協定ないし細目協定によりまして必要なことを満たしておきまして、それから動力協定を含む一般協定に移ってもおそくはない、そういうふうに考えている次第でございます。
○前田(正)委員 私の質問をしたことがちょっと誤解されたように思うのでございますが、私はそういうふうな、どこの国とどういう協定を結ぶというような問題でなしに、委員会として動力炉を輸入するということを方針として皆さんの話し合いできめられた、どの炉を入れるとかいうことではなく、とにかく入れようということを方針としてきめられる以上は、当然この際それに先だって一般協定を結ぼうということを委員会としては決定されたと思うのです。これはアメリカとやるのかイギリスとやるのかは知りませんけれども、とにかく一般協定を結ぼうということをきめられたのでないと、そういうことをきめられても輸入できないわけでありますから、当然委員会としてはこの際一般協定を結ぼう、その時期とか方法とかどことやるとかいう、やり方は違うでしょうけれども、とにかくこの際一般協定を結ぶことにしようという方針をきめられたと思うのです。それがきめられれば、それに伴って今後いろいろと交渉のやり方もあるし、調査の方法もあるし、また国会に対する御説明の方法も違うわけでありますが、とにかく原子力行政を担当される委員会としては、この際一般協定を結ぶことにするという方針をきめたかどうかということを聞かしていただきたい。
○藤岡説明員 私の先ほどの答弁が的をはずれていたようでありますことをおわび申し上げます。お説の通り、輸入をします前には、一般協定を結ぶことは当然行わなければならないことであると思います。そこで、申し上げましたように、まだ輸入をするということをいわゆる決議の形できめたわけではないのでございます。話し合いの段階でございますので、これを決定する段階におきましては、一般協定を結ぶということがこれに先行すべきものである、私もただいまそういうふうに考えます。そのように努力いたしたいと存じます。
○前田(正)委員 話がおかしいですけれども、輸入するということを正式に御決定になったといたしましても、とにかく輸入するということをみなで話し合った以上は、一般協定を結ぼうということも、原子力委員会の間できめられたのじゃないですか。それがきめてなかったら、動力炉を輸入しようということで、正式な決定として話し合いをするわけにはいかないと思いますから、この際、原子力委員会としても、方法や、やり方は別として、一般協定を結ぼうという話し合いをされたと思いますし、またその意見が一致したのだと思いますが、一致してなかったら、原子炉を輸入しようとする話し合いをするわけにいかないと思います。その事情を御説明願いたい。一般協定の話し合いをしたかどうか、話し合いの結果、とにかく一般協定を結ぼうという意見に話し合いが一致したかどうか、そこのところを一つお聞きしたいと思います。
○藤岡説明員 一般協定を結ぼうということは、意見が一致しているのでございます。そうして、目下案文その他をいろいろ検討中なのでございます。
○前田(正)委員 わかりました。それでは、委員会としては一般協定を結ぼう、案文を検討しよう、こういうことなら、私どももどうしてもこの際原子力局長にお尋ねしたいのですが、委員会としてそういう意思を持っていられるなら、この際、政府が今アメリカと研究協定の交渉をしておられるらしいようですけれども、それに伴って、一般協定の資料であるとか、あるいは一般協定の内容であるとか、そういったものについては、政府が現在外務省を通じてアメリカと交渉せられておるかどうか、それを一つ局長から御説明願いたいと思います。
○佐々木政府委員 アメリカとの一般協定について、委員会の話し合いの経過はただいま藤岡委員からお話しの通りでございます。ドラフトと申しますか、原案に関しましては、石川委員がアメリカに英国の帰りにお回りになった際に、向うの責任者からドラフトをちょうだいして参りました。その資料は、先般この科学委員会の岡委員から要望がございましたので、原文のままではありますが、この委員会に提出してございます。その条文に関しましては、ただいま逐条的に原子力局で検討を加えておりますが、今週中に委員会の委員とも一緒になって、逐条審議したいと思っております。なお、この問題は、外務省、大蔵省と関連する面が多うございますので、そういう関連官庁とも十分打ち合せをいたしまして、十分の措置をとりたいと考えております。
○前田(正)委員 対外的には、現在交渉しておられるかどうか、その点はどうです。
○佐々木政府委員 対外的には、まだ交渉に入っておりません。
○前田(正)委員 実はこれは新聞情報ですからはっきりしませんけれども、アメリカ自身は、この一般協定で政府が今交渉しておられるような買い取り主義に改めるということは、なかなか困難でもあるようだし、同時に、そういうことならば、研究協定の内容も含んでおる一般協定に改訂した方がいいのじゃないかということが新聞には出ておりますけれども、アメリカ政府の方からそういうふうな申し出が非公式にでもあったかどうか、その点をお伺いいたします。
○佐々木政府委員 そういう話はありました。それは、研究協定を改訂する際に四つの条項を向うへ申し出たのでありますが、ただいま前田委員からお話のあったような次第で、向うといたしましては、去年の十一月の大統領の発表しましたドキュメントの線に沿うものであるならば、その範囲内で行政的に措置できるけれども、その範囲を出ますと、どうしても国内的手続上、あるいは米国の国会を通す意味かとも考えられましたのですが、そういうことで非常に手続がむずかしいと申しますか、おくれておるという事態が予想されるので、取り急ぐのであれば、向う側としては再考慮と申しますか、はっきりした案文は忘れましたが、そういった意味の申し入れを受けたのでございます。委員会当局とも相談いたしまして、原案通りもう一ぺんアメリカにお願いして、こちらの申し出た線で案文を作っていただきたいと再度申し出まして、その趣旨を向うも了承して下さいまして、ただいま案文を作成中でございます。
○前田(正)委員 この問題をあまり長くやっておりますと、ほかに質問もあるようですから、この問題については結論を得ないままやめますが、この際、今お話のようなことで、アメリカとしてはなかなかむずかしいところを踏み切ってやると言っておられるというけれども、実は私が見てみますと、国会もすでに三月に入ってきまして、これで皆さんがやっておられてこの国会に間に合うかどうか。間に合わなければ、先ほど藤岡委員のお話のように、現実に研究用の燃料を入れるにしても問題が将来起ってくるのじゃないかと思う。そういう点から言うと、買い取りというような根本的な大統領の声明以上のようなものをやろうとすると、なかなか交渉もあるわけです。ところが、それを一般協定でやるということになれば簡単に済む話であります。従って、一般協定を、この国会に間に合うかどうかは別としても、その方の交渉を進められ、もし燃料が必要ならば、従来の協定の細目協定を改訂するということで必要な燃料を確保することができるのじゃないか。そういうむだなことをやっておられて、この国会の審議に間に合えばいいが、間に合わなければ実際困るのじゃないか、従って、その点については、原子力委員会としてよく一つ御検討願って、あまり今までの経緯にこだわっておられないで、今お話のように、一般協定を結ぶということを大体話し合ってきめられておられるなら、一般協定の方に交渉を切りかえられて、その間にこの国会にとりあえず問に合うように、細目協定を結ぶなら結ぶ、改訂をするというような方針でいかないと、現実に間に合わない問題が出てきたときに非常に委員会としても困るし、これを審議するわれわれ国会側としても困る問題が出てくるのじゃないかと思います。どうかこの点についても、一つ原子力委員会において十分御考慮を願いたいと思います。この問題はまたあらためて皆さんと御相談した結果について、私委員長からお話を伺いたいと思います。
 今の原子炉の輸入について、もう一点だけお聞かせ願いたいと思います。私たち、原子炉を今後輸入するということについては、もちろん現状からいってやむを得ないと思うのでありますけれども、しかしながら、輸入するについては、なるべく日本の国産製造技術というものを助成するような方法でやってもらいたいということを特にお願いしておるわけであります。従いまして、今度大学で輸入するところのスイミング・プールを初め、これからの動力炉等も、完成の責任は一つ日本の製造家に持たせて、そして日本の製造家に注文していただいて、そのうちの八割とか九割が外国から入ってくるかこないかということは、製造家の技術協定の内容によってあれでありますけれども、とにかく注文は一つ製造家の方に出すという形でやっていただきたいと思います。ところが今、炉を輸入されるという話を聞いておりますと、外国に調査を出す、こういう話をすぐ進められる。しかもその調査団は、今までの例からいいますと、需要者であるとか政府関係の人が多い。外国から輸入しなければならぬということならばこれは当然でありますけれども、いかにして日本の製造家に今後輸入するものも含めて全体の責任を持たすか。日本の炉を作る製造家の方の態勢の整備というものについては、原子力委員会としてはどういうふうにお考えになりておるか。その点について、従来製造家の諸君と懇談されるなりあるいは製造家の諸君を海外に派遣したり、あるいはまたこういうふうな責任で一つ日本の製造技術というものを伸していこうということを、原子力委員会としてお考えになったことがあるかどうか。その辺のところをお聞かせ願いたい。
○藤岡説明員 ただいまの御質問の御趣旨と思います日本の製造技術を伸ばすという点につきましては、全く同感でございます。これまでどういうふうにしてきたかということでございますが、研究用の原子炉の場合におきましては、でき得る限りの範囲で、日本の材料、部品等を使って作る、いわゆる国産第一号炉と申しておりますが、これに全力を注ぐつもりで、現在その段階に入っております。
 それから、動力用原子炉の場合でありますが、これについても製造家の各位といろいろ懇談もいたしましたが、とにかく日本の現在の段階でもって独自で研究を進めておったのでは、電力事情の方で要求されます場合に作り上げるということは、残念ではございますが、とうていできないという見通しでございます。そこで、これを輸入する場合におきましても、お説の通り、できるだけ多くの部分が日本ででき、つまり日本の工業技術をもってできる部分はできるだけ日本で作り、さらにその輸入の過程においても、今後日本で同じもの、ないし進んだものの国産化をはかりますように、ためになりますように、できるだけの努力をするつもりでおります。
 調査団につきましても、この前の調査団と今後の調査団とは当然顔ぶれまたその性格が変らなければならないということも考えております。
○前田(正)委員 今、私が申し上げたのは、日本の純粋の国産炉のことではないのです。委員会は輸入をすると仰せになったから、輸入炉についてどういうふうに日本のメーカーを育てるかということをお聞きしたのです。そこで、さつき申しました日本のメーカーに発注するというような方針をとっていただけると――これは原子力委員会で決定をしていただかなければならぬことですが、いずれも皆さんも日本の製造というものを伸ばそうというお考えでしょうから、永久に外国から入れるということはないでしょうけれども、入れる以上は、いわゆる技術提携をしないものは当然輸入しないということになると思うのです。イギリスから、コールダーホール・タイプの改良型の炉を入れるとしても、日本と技術提携をしないようなものは入れる必要がない。将来日本で国産化できないようなものを入れても仕方がない。しかし、技術提携をするについても、日本の製造家に注文するのだ、そうすることによって初めて日本で使うものもその中によけい入れられますし、また技術提携とかそういったものにおいても、日本の立場というものは、非常に有利になってくるわけです。ただ単にこれを外国から買うのだということになりますと、外国の製造家とか、外国の商社とか、貿易商とか、日本の貿易商とか、そういう連中は非常にいいかもしれませんが、日本のメーカーの立場は非常に弱くなってくる。そういうものを皆さんが輸入しようという方針を考えられるならば、当然そのときに、これについては日本の製造技術を伸ばすのだという立場からの配慮をしてもらわないと、簡単に技術提携というものはできない。また向うの言い分もなかなか強いわけですから、特にわれわれの聞いておる範囲では、イギリスの輸入炉については、技術提携をするについてもいろいろな条件がつくだろうというような話も聞いておりますので、特にこの点については御考慮をお願いしておきたいと思うのであります。この点について、もう一度十分に御研究願えるかどうかということをお聞きいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
○藤岡説明員 ただいまの御質問は、全くごもっともでございます。私は抽象的な表現で先ほどからお答えしておりましたが、実際に技術提携という問題が起るのは当然でございまして、ただ、その方法等についてはいろいろ利害得失があると思います。そこで、いろいろの観点から、今各方面の意見を聞きながら、どういう方法がいいかということを、原子力委員会で討論中でございます。これはまだ結論的なことは何も申し上げられない段階にございますので、私個人的にもとうてい申し上げ得られない問題でございます。この点につきましては現在努力いたしておりますので、そういうことだけを申し上げておきます。
○菅野委員長 岡良一君。
○岡委員 動力炉の輸入の問題については、これまでの委員会でも何回か宇田委員長に対して、委員会の態度をお尋ねをいたしたのであります。しかし、藤岡先生は日本における原子力の指導的な方として、しかも専門的な科学的な知識を持っておられる方として、ぜひ先生の原子力委員として、かつ日本の科学者としての立場からいろいろな御見解を承わりたい、こう思って、きょは御足労を願ったようなわけなんであります。
 そこで今、前田委員との質疑応答の中で、私若干疑問に感じた点がありますので、この点について先生の率直な御見解を聞きたいと思うのです。第一の点は、いわゆる濃縮ウランに関する研究協定という言葉があります。そうかと思うと、動力協定という言葉が出現をしておる。次にはまた一般協定という事柄が出ておるわけです。そこで、研究協定は研究用原子炉並びにそれに必要なる濃縮ウラン等の輸入に伴う協定でありますが、一般協定と動力協定という言葉がきわめて同意語として使われておるわけです。これはやはり原子力委員会としても、こういう科学的な問題の協定であるだけに、概念規定を明確にして、用語の統一をはかるべきだと私は思います。今、前田君の指摘をしておられるような協定は、一般協定と呼ぶべきものか、動力協定と呼ぶべきものか、先生の御意見はいかがでしょうか。
○藤岡説明員 全く同感でございます。前には動力協定という言葉が使われておったのでございますが、近ごろは特にアメリカの場合には、動力というような言葉が表題には使われておりませんで、内容には研究並びに動力というような字が使われております。そこでこれは一般的なものであるというので、むしろ一般協定というのがよろしいというふうに、委員会では一般協定という言葉を使いなれております。私も先ほど御説明の際に、動力炉を含む一般協定というように申し上げるつもりで、言葉をちょっと誤りまして、動力協定を含む一般協定と言ったように思いますが、取り消します。動力炉を含む一般協定というつもりであったのであります。しかし、この点はなお委員会としてはっきりとした用語の統一をはかるというように努力をいたしたいと存じております。
○岡委員 実は私は博士の御見解とは若干異なっておるわけです。と申しますのは、何と申しましても、一般という概念ではない、原子力一般を含む非常に包括的な内容を示唆するわけです。ところが動力炉を含む協定と申しましても、動力そのものあるいは船舶用の動力その他は、すでにアメリカが他の国々との間におけるいわゆる動力協定の中においても、通報しないということになっております。ただ発電に関してだけ通報することになっております。施設の提供もし、原料の提供もする、してみれば一般協定というよりも発電協定、この方が内容を現わすには適確じゃないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○藤岡説明員 御指摘の点なおよく研究いたしたいと思います。お恥かしいながら、ただいまそれほど突き詰めて考えておりません。なお研究いたします。
○岡委員 私もただ思いつきの考えではごさいますけれども、しかし用語の統一、概念規定の明確さというものは、こういう問題の取扱いでは、ものが初めてのことでありますから、できるだけ遺憾のないようにしたいと思うのです。そういたしますると、研究と発電用の原子炉を含む協定を一般協定と言うのは、きわめて一般という概念から見て妥当じゃないじゃないか。しかも、動力とはいいながら、船舶用動力等も完全に極秘で、通報というものは受けられないし、施設も提供されないといえば、動力といえども、ただ一部分の発電の動力にすぎないということですから、こういう事情をまた委員会としても十分お調べを願いたいと思うのです。
 それから今、前田委員の御質問に対する御答弁等につきましてですが、いわゆる細目協定の改訂ということで、現在のところ委員会は交渉中である。ところが、そのことについては、なおいろいろ相手国との間においても問題があるということでありますが、外務省が私どもに提供してくれました資料によりますと、去年の六月二十九日に西ドイツとアメリカにおける原子力の平和利用協定、この中では研究協定が締結されたときにはウラニウム二三五を六キログラムから十二キログラムという程度の、日本との細目協定と同様な内容である。この協定がこの六月二十九日には改訂をされて、米国はウラニウム二三五を十二キログラムまでに増加することになり、同時に、「ウラニウム二三三、高濃縮ウラニウム二三五」とありますから、おそらくは委員会が御希望の九〇%程度のものを含むものと思いますが、――あわせてまた委員会の御希望の「プルトニウムを研究グラム量で」ということも、これは貸与ではなく「売却」をするという協定が研究協定の改訂で結ばれておるわけです。従いまして、このことは改訂を進めていくということにおいて、先例もあることでありまするから、どんどんこの線で私は改訂の要求をせらるべきものではないかと思うのですが、その点いかがでしょう。
○藤岡説明員 その点は、先ほど佐々木局長が説明いたしましたように、研究協定のままで四つのことを改訂しようというので、すでに申し込んだわけでございます。そういう方針できておるのでございますが、ただ時間的に非常に間に合わない場合に、これは細目協定の取りきめということに切りかえるのもまたやむを得ないではないか、そういうふうに考えております。要はその時期の問題だと思います。遺憾のないようにしたいと考えております。
○岡委員 それからこれは委員長も来られましたので、この研究協定の改訂、なかんずく高濃縮ウランあるいはプルトニウム、ウラニウム二三三等を、アメリカとの間に、話し合いをもって研究協定に含まれる細目協定の内容を改訂をし、これらを入手する。しかも、これは貸与ではなく売却という形で入手するということについて、すでに西ドイツとの間にはアメリカは協定を改訂して、このような内容のものを結んでおるわけです。この場合でも、やはり西ドイツの原子力相のシュトラウスはみずからワシントンへ出かけまして折衝をして、この改訂にこぎつけておるわけです。日本では、原子力委員会のいろいろな御要求が結局外務省へ行く。外務省からはワシントンの大使館へ行って、科学アタッシェあたりがサウンドするというふうな、何というのか、いわば非常に迂遠で、間接的で、従ってきわめて非効果的な形になっているということから、日本の原子力開発のための原子力委員会の進歩的ないい御要求というものが、相手国に直接ぶっからない、きき目が非常に薄いのじゃないかと思う。この手続の問題なんですが、これはアメリカだけではありませんで、他の国々との場合でも、石川委員の方でも調査団としては行かれましたけれども、その調査の結果も得て、原子力委員会はただ新しい基本計画を改訂するための参考資料にする、あるいは動力炉を輸入するための参考にするという程度であって、せっかく出かけられたのが、いわば参考の程度にせられておる。そしてまた第二回目もやらなければならぬというようなことなんですね。そうじゃなくて、具体的にこういう要求という要求を相手国から戦い取る――と言っては悪いのですが、かちとるためには、もっと直接的な方法がないものでしょうか。私はその点が、やはり今後も日本の原子力委員会のすぐれた構想が実現化する上における大きな隘路になるのじゃないかというふうに考えられるのですが、これは委員長いかがでしょうか。
○宇田国務大臣 私は岡委員のような考え方が必ず将来起る機会があるだろう、こういうふうに思われます。それはただに対米問題だけでなく、対英あるいは対カナダとの間で重要な案件を決定しなければいけない場合に、原子力のような特別な、技術的な内容を含んだ、そうして国の最高政策に非常に関連の深いものの交渉ということについては、果して外務省の出先だけにそれをまかせ切れるかどうかというと、これはいかないことが起るだろうと考えております。ただいまのところの交渉の過程において、それを基本から話をし合うということは、まだ取り上げるべき段階には来たっていないように思っております。
○岡委員 何しろ原子力基本法では、自主、民主、公開というふうなもろもろな原則を掲げ、また平和利用という大きな目的を掲げているわけです。そこで、こういう立場に立って今後の日本の原子力開発、そのために必要な原子力外交というものも、やはりこの基本法の精神、諸目的、諸原則の上に立たなければならぬ。ところが、外務省の手を経過するというときには、これらの自主、民主というふうな基本的な原則というものが、あるいは外交的な諸事情によってゆがめられてくるということも予想され得ると思うのです。そういうわけで、今、委員長が仰せになったことは私どもも非常に共鳴をいたすのでありますが、私は必ずそういう時代が来るのではなく、来させなければならぬ、そこまで委員会としてもやはり踏み切っていただきたいということを、この際心からお願いをいたしたいと存じます。
 それからいま一つ、これは皆さんの御意見を聞かしていただきたいと思うのですが、実は原子力の問題は、何と申しましても、やはりアツプ・ツー・デートな問題として国民も大きな関心を払っておるわけです。特にまた発電協定を結ぶとか、あるいは発電炉を輸入するとかいう問題は、私どもは何も否定するものではありませんが、今、日本がこれを輸入するということは、やはり今後の日本の原子力の基本的な計画というものとの間に非常に大きな関連性があるわけでありますから、当然日本の原子力の開発に対する、いわば死命的な影響を持ち得る性格のものではないかと思うのです。こういう問題を実は非常に軽々しく発表すると、少くとも結果としては、御当人にその意思がなくても、新聞等の報道においては、これは問題が問題だけに、大きく誇大に、あるいは決定的に報告が報道されるということになると、やはり国民としてもいろいろ迷うわけであります。というのは、それが発表される、その次にはそういうことはない、こういうふうにまた発表されるなどということになりますと、一体原子力委員会は何をやっているのかという点で、委員会の権威にもかかわると思うのです。御存じのように、去年の正月早々には、いわゆる正力さんの動力協定云々という発表があった。ところがこれは委員会の審議の結果としてはさたやみとなっている。この間は宇田構想の発表があった。これもお聞きすれば、別にそういうことではなかった。七日の委員会では動力炉の輸入に決定したと私どもは受け取らざるを得ないような新聞報道を見た。今お聞きすると、方針としてはそういう方向へ持っていくべきであろうという一応の申し合せ程度のものであるということなんですね。こういうことで、動力炉を輸入するという産業界の人も、あるいは学者の人たちも非常に関心を寄せている問題について、新聞報道を通じての委員会の態度というものが、いつもまず先ばしりをして、あとで訂正するというようなことは、私は委員会の権威のためにもまことに好ましくないと思うのです。こういう点はよほど厳重に、問題が問題だけに正確に、しかもそれは同時に国民に対しても十分納得と啓蒙を果し得るような発表の方法について、今後十分お考えを深くしていただきたいと思います。この点、委員長としていかがでしょうか。
○宇田国務大臣 全然それは同感であります。事実の通りに発表されることについては、それは自主、民主、公開の原則に従って、当然そういうことに着意しなければならぬと思っております。しかし、事実と相異なる発表がどういうところから発表されるのか、私は経路がよくわからぬ点もあります。ですから、今後そういう点についてはよく打ち合せをして、国会が開かれておる間は委員会に自分で出席できない事情が多いのでありますから、そういうときに決定されること等につきましては、今後は十分打ち合せをして、発表方法についてはなお御注意の通りに善処したいと考えております。
○岡委員 二度あることは三度あるといいますけれども、ちょうど三度ほどありましたから、これでなかろうと思いますけれども、十分慎重を期せられたいと思います。
○前田(正)委員 先ほど委員長がおられませんでしたので、藤岡委員に質問をした中で、委員長にお答えを願わなければならぬ問題があるのであります。それは、質問で申し上げました通り、委員会で動力炉を輸入するという方針をきめられるならば、当然その前に一般協定を結ぶという方針をきめられたはずであると思うのであります。それは藤岡さんは最後にきめられたということを言っておられたのであります。もし委員会として動力炉を含めた一般協定を結ぶという方針をきめられたのであるならば、私が今与党の立場から一番問題にしておりますのは、この通常国会はどれだけ延長されるか知りませんが、とにかく五月の二十日ごろには閉会されると思いますけれども、それまでに皆さんの方で必要であるところの現在の研究協定の改訂にいたしましても、あるいはまた動力炉を含めた一般協定の問題にいたしましても、この審議をある程度終るところまで行かなければいかぬのじゃないかと思う。少くとも原子力として必要である研究用の燃料の確保のためには、この国会において何らかの協定を通さなければいけないのじゃないか。今、政府はアメリカと研究協定の改訂をしておられるようでありますけれども、そういうことをやっておって、しかも買い取り式であるということになると、アメリカの根本的な問題にひっかかるということで、いまだに話がつかないで案文を今、整理中だという局長のお話であったようでありますが、そういうことで手間取るなら、この際確保しなければならぬ燃料については、従来の研究協定を生かして、それの細目協定の改変でやっていく。そして買い取りをするというような内容を含んだものならば、原子力委員会で一般協定を結ぼうということがきめられてあるということなら、一般協定の方の交渉を始められたらいいんじゃないか。そうして、一般協定を交渉して、間に合えばこの国会に出さなければならぬでしょうが、間に合わなくとも、細目協定の改訂を国会に提出されたときに、現在は一般協定の交渉をしておるのだという方がすぱっとしてきれいだ。同時に、現実において電力が足りないということから、委員長自身も、相当の電力を五年後には原子力で期待しなければならぬということをしゃべっておられるわけでありますし、また一般の産業界においても、原子力発電は、現実の問題として、日常の問題として出ているのに、原子力委員会の方は一向に――その方針をきめたということを実は私今ここで初めて聞いたわけでありまして、今まで原子力委員会で一般協定を結ぶ方針をきめたということも発表になっていない。まして話をやっているところを見ますと、この国会に間に合うか間に合わないかわからぬような交渉をやっておられたのでは、委員長自身の言われた原子力発電を利用しようという考え方とも、また世界の情勢とも食い違っておられるのじゃないかと思います。委員会で原子力の一般協定を結ぼうという方針をきめておられるならば、それに従って交渉を始めらるべきじゃないか。それを初める方針を明かにしないでおいて、原子炉を輸入するということだけ申合せるということは、実におかしいじやないか。やはり一般協定を結ぶ交渉を始められて、その可能性があって、日本政府としてもあるいは国会の審議においても通る見通しがあって初めて輸入されるのでありまして、その協定ができない、あるいは日本政府としても承認しない、国会としても承認を受けられないような内容のものであるなら、幾ら委員会で輸入する方針をきめられても、国民とか国会の了承のできないものは輸入することができないわけであります。国産で作るなら別です。従って、その方の交渉を始めて、政府としても締結してよろしいという方針をきめられてから、原子力委員会は輸入すべきだという方針をきめられていっていいんじゃないかと思う。順序が逆のように思うのであります。そこで、この際、委員長にお聞かせ願いたいと思うのは、原子力委員会として一般協定を結ぼうという方針をきめられたならば、早急にそれの折衝に入るように交渉する意思であるかどうかということを委員会に諮る意思があるかどうかを伺いたい。
○宇田国務大臣 発電用の動力炉の輸入につきましては、大体前提条件があります。それは、石川報告による前提条件を原子力委員会は承認いたしております。というのは、第二回目のミッションを英米に送ること、そうして第二回のミッションの研究すべき要点は、採算関係ももちろんあります。あるいは日本の地震等によって受ける影響に対する対策等もあわせて研究すべしという点もあります。その他数点あります。従って、そういう前提条件が満たされなかったならば、イギリスの動力炉を輸入するということもあり得ないということにもなります。従って、この石川ミッションの報告に従って、われわれは第二回目のミッションをなるべく早く送り出して、そういう要望にこたえるだけの責任のある調査をしなければならぬ。これが、原子力委員会がスピード・アップするために必要な前提条件だと思っております。そうして、石川ミッションの報告では、出発に際しては、コールダーホール・タイプを買うという意気込みで行くようになっておりますから、それにあわせて一般協定を必ず日程に上す。一般協定の締結を成功せしめることによって得るところのいろいろの情報その他の技術的な交流の一歩前進をはかるということも必要である、こういうふうにいわれております。そういうふうなわけで、当然われわれは一般協定をここに、日程に上せてこなければならないものと思っております。ただ、一般協定では、各国との交渉経過から見て、われわれとしては配慮しなければならぬ点がかなりある。この際、原子力機構等とあわせて考えてみると、軽々に決定し得ない点もあります。いま少し向うのほんとうの真意をサウンドする必要があるのじゃないかと思われる点もあります。従って、この国会に出して、この国会の会期の見通し等によって、この国会でなるべく仕上げるように皆さんに御配慮願えれば、これにこすことはないと思っております。そういうことについては、なお原子力委員会において、なるべく近い時期において結論を出すべきである。そして、一般協定を結ばざるを得ないところの国際環境にあるのじゃないかと思っております。
 それから、発電関係のリアクター等につきましては、アメリカからもイギリスからも、いろいろな技術提携その他の新しい案件が持ち込まれておりますけれども、そういうことを一括してこれは決定をするというところにはいっておりません。従って、動力炉の輸入は、石川報告でも認められておるように、われわれはその輸入をするということは前提でありますけれども、それをミッションの帰るまでに決定をする、あるいは委員会にそういうことを決定したという発表がありますれば、それは間違いであります。
○前田(正)委員 私の聞きたいのは、今大臣からもお話のありました通り、一般協定というものを結んでやった方が、調査が便利だという点もありますけれども、とにかく一般協定の内容というものについては、国家としても、国民としても、国会としても、内容については問題点が相当あると思うのであります。ところが、その問題点が明らかにならなければ、これは実際問題として協定が結べるかどうかわからない。もしどうしても日本の国家として不利な内容があるということであれば、協定が結べなければ、幾らイギリスから炉を入れようと思っても、入れられないわけであります。従って、一般協定というものについての交渉を開始しないことには、日本の国家として、いいかどうかということはわからない。従って、その協定が結べるかどうかということもわからない。従って、イギリスから炉が買えるかどうかということもわからないじゃないかと私は思われる。従って、一般協定の交渉をやるということを委員会としても申し合せたそうですけれども、一般協定の交渉を開始するということはまだやってないようにさっき局長も言っておられたのですが、これは実におかしいじやないかと思う。炉を買おうというようなことを申し合せる前に、一般協定の内容というものについて、日本の政府としては交渉を開始して、果してそういうものが日本の国家として承認できるかどうかということをはっきりしてからでないと、イギリスから炉を買うということもできないじゃないかと私は思います。従って、早急に一般協定の交渉に入られるかどうかということを一つお聞きしたい、こう思うのであります。ただ、国会で審議上、この国会に間に合わなければ、細目協定なりあるいは研究協定なりを結ばれて出されるのもいいのでありますが、とにかく炉を輸入をするということを方針として申し合せるならば、その前に、この一般協定の交渉に入るということを申し合せなければ、一般協定の内容がわからない。従って、炉を買うということもできないのじゃないかと思うのです。その点について交渉に入られるかどうかということを一つ伺いたい。
○宇田国務大臣 交渉に入りたいと思っております。
○菅野委員長 次に、志村委員。
○志村委員 動力原子炉あるいは実験炉を輸入する前に、一般協定のサウンドがまず行われなければならないということになるのでありますが、この際、サウンドした結果どうなるか、これは将来の問題ですが、われわれが今憂慮されるところは、特に財界が発電を急がなければならない、特にこれが原子力の手によらなければならないということになると、一方の基本法で自主性を守らなければならないという規定がありながら、ある程度できるだけがまんをして、まず輸入しようじやないかというような考え方が出てくる危険をわれわれは考えておるわけであります。そこで、できるだけ日本の原子炉輸入のために有利な一般協定を結ぼうとするためには、政府はどのような方法をお考えになっておるのか。ただサウンドするということだけではなくて、外国に対して日本の協定を有利に導くためにどのような方法をとろうと考えておられるか、その点をお尋ねしたい。
○宇田国務大臣 一般協定の交渉については、すでにイギリスあるいはアメリカとも、それぞれ第三国と協定を持っておりますから、その協定の内容は、大体われわれもうかがえます。また、石川ミッションがイギリスへ参った場合に、プライベートに持って帰っておるものも拝見しました。それ等を勘案いたして考えてみますると、イギリスないしアメリカとの間に、ものの考え方が、事情もありますが、違うように思われる点が何点かあります。従って、そういう点等について、こちらが公開をしたいと思っても、向うは非公開で行きたいという点もあります。そういうふうなこっちの基本原則に合わない点も向うは持っておるように思われるのでありますが、そういう点の了解が十分に得られて、こちらの納得のできるものに近づけていきたいと思っております。従って、この会期中にそれがすらすらと行き得るものかどうかという見通しはまだつけかねておる、そういうのがただいまの現状であります。
○志村委員 この協定の内容をサウンドしておって、大体様子はわかっておりますし、われわれの聞いておるところでは、必ずしもわれわれが満足すべきような条件でないということも聞いておるのであります。しかし、今、政府が交渉されておるのは、アメリカあるいはイギリスという国々であります。しかし、基本法には、国際的に広く世界の国々と提携しなければならないということが書いてある。この際、ソ連の現在の原子炉の発展段階を考えてみた場合に、やはり米英と並んで、ソ連とも一般協定を結ぶだけの決意を持っていただきたいと思うのであります。極端な話をしますと、国際機構ができても、ソ連は非常に有利な条件で相手国と協定を結ぶ危険があるから、今度国際機構も動けなくなるのではないかというようなことまで聞いております。私がソ連に行った場合にも、非常に有利な条件で向うは協定を結ぼうというようなことを言っておるのでありまして、将来日本の一般協定を有利な方向に導く、これは必ずしもソ連と協定を結ぶということではありませんが、アメリカあるいはイギリスとの一般協定を有利な形に導くためにも、ソ連と協定の交渉をする。ソ連にも米英と並んでサウンドするということも入り用と思うのであります。この点についての御意見を伺いたいと思います。
○宇田国務大臣 ソ連との関係は、何しろ国交が回復されてから、われわれ向うとの交渉の経験も非常に浅いものですから、その点について、自分たちとしては、どの国とも将来一般協定を結ぶことになるだろうと考えますけれども、ただいまのところ、ソ連と協定を結ぶかどうかということについての資料は、われわれは全然持ち合せがありません。それで、そういう点についてどういうふうな取り計らいをするかということについては、原子力委員会でもまだ話題に出たことがありません。それで、そういう点につきましては、なおよく話し合いをしてみたいと思います。
○志村委員 どうも私が今までソ連との協定のことについてお話しすると、いい加減にあしらわれておるような感じが非常にするのです。一体これをやるのかやらないのか、どの方面から見ても、ソ連と協定を結ぶことが日本の原子力を開発するのに有利な状態が出てくると考えておるのでありますが、一体どこがわからないのですか、その点は、具体的にこういう点があってソ連とはまだ協定段階に入れないのだということをお示し願いたい。
○宇田国務大臣 それは、たとえばイギリスとかアメリカの場合には、第三国との協定が現実にあって、イタリアとの関係、フランスとの関係等の交渉経過を見ておりますと、平和利用ということについてかなり具体的な、デリヴァリの確実な話し合いが進んでおりますが、ソビエトと第三国との交渉経過あるいは結果のデリヴァリ等がどういうふうに行われたかということについては、全然われわれは資料がありませんから、従って、ここで責任のある判断あるいはお答えをするデータがない、こういうことであります。
○志村委員 それでは、ソビエトは現に中共に対して原子炉を備えつけておりますし、エジプトとも協定を結んでおり、インドとも協定を結んだというのでありますが、そういうような資料はまだ原子力委員会には入っておりませんか。
○宇田国務大臣 私の手元にはそれは参っておりません。また、原子力委員会でそれを討議したことも、私が就任してからはありません。
○志村委員 そういうような資料が私のところにきておるのですから、資料はあると思うのです。これは一つ、できるだけ日本の原子力開発を有利にするために、ソ連とも米英と並んで協定を結ぶという態度で討議を進めていただきたい。ソ連のことであるから、なるべく敬遠しようというようなことではなくやっていただくことが、日本の原子力開発のためであろうと私は考えるのであります。その点を私の希望として申し添えておきます。
 それから次に、原子力、特に発電用の原子炉を入れるということになると、コストが一番重要な問題になってくるのであります。アメリカにおいても、イギリスにおいても、このコスト計算については、まだ一つの計算上だけの問題で、実験の過程を終ったものではないということになっておりますが、営利事業として考える場合には、まずコストが最も重要であると思うのです。今言われておるコストというものは、どのくらいの信頼が置けるものであるかどうか、これをお尋ねしたい。
○宇田国務大臣 ただいま言われておるコストに信頼をかけるということは、非常に困難じゃないかと思っております。それは、石川報告を率直に拝見しますと、技術的にわからない点がある。それから日本の特殊環境、たとえば地震に対する危険度を防ぐための必要な設備等についての具体的なコスト計算がない。こういうふうな簡単な、よくわかりやすい面だけをわれわれが取り上げてみても、最後のコストの計算にはまだほど遠い、こういうように思われます。従って、この炉に対する態度が今度は問題になってくるのじゃないかと思うのです。送電のためのコスト計算、売電のためのコスト計算のみでいくようにこの炉を管理するのか、あるいは実験用にこれを使うというために別の管理方式をとるのか、そういう態度のとり方によって、いわゆるコスト計算、コストに関するところの将来の研究態度というものが変ってきやしないかと思うのです。それで実は、ミッションをもう一ぺん早く出して、そうして、もっと進んだ内容を持って帰ってきて、実験リアクターとしてこれを使うのが先決であるとするならば、今度は送電関係、売電関係はまた別な角度から検討しなければならぬかとも思っております。そういうわけで、いずれにしてもミッションを出したい、ミッションを出すまでには十分検討を加えて、ミッションに対する任務を一つ的確に与えるようにしたい、こういうように思っております。
○志村委員 それでは次に、日本では、イギリスのブリーダー・タイプとか天然ウラン・グラファイト、あの形のものを入れようとしておるのでありますが、この形を果して現在世界で行われておる最も有利なものと断定なさったのかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
○宇田国務大臣 これが世界で一番有利なものであるとの断定には至っておりません。しかし、日本の環境から見て最も好ましいものであるというミッション報告は受けております。
○志村委員 少くとも今のところは、売電のためではない、実験のためであるということを私たちは強く考えておりますし、また世界において、コストもわからなければ、一番有利な型もわからない、こういうふうな段階においては、当然に実験の形で、必ずしも将来日本はブリーダー・タイプでいくわけでもないのだが、しかし今のところはそう思われるから、あれを輸入して実験しようというふうに考えられておるのじゃないかと思うのです。イギリスのブリーダー・タイプを日本へ輸入して、これを実験原子炉に使おうということになるとすれば、日本としてこのタイプがよろしいのだというふうな一つの考え方が、どこかできまっていなければならぬはずだと思います。決してこれもいい型じゃないと思うというようなことであるならば、はっきりはしなくても、何か一番いいものを探せばいいわけである。しかし、もう一つ突っ込んで言えば、日本の今の学界では、発電原子炉として最もいいタイプを選定するだけの力があるのかどうかという問題が心配されるのであります。そういう点は、藤岡先生にもあわせてお聞きしておきたいと思います。
○藤岡説明員 イギリスの原子炉とアメリカの原子炉との一番大きな違いは、天然ウランを使っているということと濃縮ウランを使っているということだと思います。もう一つは、同じ天然ウランを使いますにしても、重水を使うかグラファイトを使うかという問題になりますが、あのイギリスのコールダーホール型の炉につきましては、一昨年のジュネーヴ会議で、昨年日本に見えましたヒントン卿が演説をいたしましたが、とにかくイギリスとしては濃縮ウランは使えないし、天然ウラン、重水も使わないで、グラファイトというので始めて――最初はむろん研究炉でありますが、それが動力炉に同じ型を移して参りますけれども、非常に安全で、そうして取扱いが簡単で、考えとしてはプリミティヴな炉であるが、ただちょうど蒸気往復エンジンが今日においてもなおかつ生命があるように、この型は非常に安全で取扱いがやさしいというようなことにおいて生命があるものだという、そういう発表をいたしまして、これは非常に多くの感銘を与えたと思います。その当時からそういうふうに私どもも考えておりましたが、昨年ヒント卿も日本に来られ、それから石川ミッションが行かれましたが、実際にそれを見られました結果も、全くそれを裏書きするような報告であります。アメリカは非常に多くの型を持って、いろいろのものをやっておりますけれども、とにかくイギリスは四つのグループというようなことがありまして、一つの型をきめて、そうしてこれが一番いいものだとしている。また事実これはアメリカのようないろいろなものができないという事情もあるのでありますけれども、それの最善のものを持っていこうとする。これのやり方については、今のままで永久にいこうというのではないので、これから先に、たとえばナトリウムの冷却方式を使うとか、最後にはブリーダーになるとかいうような見込みをつけて進めておりまして、その一連の研究態度ですが、そういうふうなものは、日本の学界にはこれを批判する能力はなかろうとおっしゃいますと何とも申し上げられないのでございますけれども、やはり世界でもみなの感じておるところではないかと思うのでございます。特に濃縮ウランを使うということは、場合によってはもちろんその必要性も出て参ると思います。たとえば、船舶用原子炉などは、濃縮ウランでなければならないということはございますけれども、日本で入れるにしても、天然ウランならば、近き将来において、日本で鉱石さえあれば自給自足できるんではないか。濃縮ウランは、自給自走することはそう有利なことではないというようなことで、やはり何となしに天然ウランの方が望ましいということもあり得ると思うのでございます。濃縮ウランを使えばもちろん炉は小さくなりますし、また炉が小さくなれば、そういう方面でイニシャルなイソヴェストメントが安くなるということもあります。とにかくアメリカの方は、いろいろの型の中でどれがいいかということはさまっていない。イギリスの方は、一つの型で、天然ウラン型でもって進んできている。これはとにかくある程度のものができておる。今の日本の段階におきましては、一応イギリス型が適当であると考えてこれの調査をして、その結果もポジティヴに出ておるということでイギリス型をまず選ぶということは、そう間違っていないのではないかと考えます。
○志村委員 それは今、動力炉については、世界中で一体どれがいいかわからないというのが定評になっておると思うのであります。それで、日本が特にブリーダー・タイプをとったということは、これはイギリスも同じ立場でありますが、とったということについて、私どもはどうしても理解がつかない。イギリスのブリーダー・タイプが悪いというわけではない。しかし、果してイギリスのブリーダー・タイプがいいかどうかということです。私どもは濃縮ウランの生産が日本の今の経済力では不可能であるということから、濃縮ウランから離れようと思っておった。そういう方針でものを考えておったのであります。ところが、天然ウランということになりますと、あれはどうしても設備を非常に大きく要するというようなことから、果してコストが安いかどうかわからぬ。そういう意味もあり、またほかの意味もあって、カナダのNRUもNRXも壁に打ち当っているような感じで、新生面を開かなければならぬじゃないかというようなことも言われておる。次にはブリーダー・タイプのプルトニウム生産につきましても、また非常に多額の費用を要しておる。二三五を生産するのと果していずれが有利であるかわからぬというようなことを言われておるということであります。二三三の利用については、まだほとんどがわからぬような状態であるというようなことを私どもは聞いておるのであります。先ほど藤岡さんのお話のように、プリミティヴなものである、扱いやすい、安全であるということからイギリスの型が取り上げられたのであるということになれば、これも一つの条件にはなると思うのでありますが、しかし、決定するについてはもう少し突っ込んで調べる方法がないものでしょうか、これをお聞きしたいと思います。
○宇田国務大臣 これは、リアクターを燃料とあわせて考えるということになると、非常にわれわれは考えさせられるものがある。お説の通りだと思います。国内ウランについては、今、探鉱いたしおりますが、ただいま知り得ているだけの手元の数字でいくと動力炉をそんなにたくさんまかなえるほどの国内資源はない、こう思われます。従って、いずれにしても、鉱石の輸入をしなければならぬときが必ずくると思います。そういう場合に、アメリカの濃縮ウランを原子力機構に渡すのが五千キログラムというような発表をいたしております。そうすると、原子力機構に対してアメリカが渡すと発表しておる五千キログラムと、アメリカが平和利用のために出し得る濃縮ウラン二万キログラムというのが出ておりますから、そういうものをどのくらいの価格でわれわれは平和利用のために持ってくるかという確実な国際的なギャランティがもらえるなら、これは考えなければならぬと思います。
 それからもう一つは、炉の安全性であります。平和利用のためのリアクターが爆発したといったような情報は今まものについては危険であるということは、よくわかぬ点があります。今まで少くともこれが爆発したという報告はありませんから、隠しておるかどうかわかぬが、ありませんから、安全性というものについては、非常に心配が少いのではないかと思います。
 もう一つは、コストの問題ですが、コストに付随するものは、これは当然金融ということになります。金融の面についてイギリスともいろいろの話し合いをしておりますが、その点については、アメリカの方はもっと非常に具体性があります。というのは、火力発電の機械を今数社アメリカから求めておりますから、アメリカから求めておるその長期の金融状況あるいはそれに対する金利政策から見て、向うの金融機関のとる態度というものは、火力発電の場合と原子力発電の場合と金融態度が違わない。こういうような判断ができます。従って、金利あるいは長期の分割払い等の条件を見、あるいは燃料に対する対策等から考えてみますと、アメリカの炉も必ずしもこれは無下に否定しちゃいけないな、こうも思います。従って、イギリスにきめるのがいいか、アメリカにきめるのがいいかということをここで断定し切るというのは少しどうかとも考えます。それで、私は白紙にして、両方にミッションを出して、そのミッションは、いつか一回きりでいいということにはしない方がいいのじゃないかと思います。もう少しゆとりのある、幅のある、一回でも二回でもいいから、納得のできるデータをお互いに取り得るチャンスを持ちたい。そのためには年一回きりしか出さないということにしない方がいい。たくさんの人数を出さなくても、少数の人数であってもいいから、能率の上る、納得のできるリアルな調査を早くした方がいいのじゃないか、こういうふうに思っております。
○志村委員 ただいまの大臣のお答えは、私はまことにけっこうだと思います。まだ型もきまらないし、コストもわからないというときに、ある一つの型にきめてしまうのは、よくないと私は考えております。これから大体見当をつけて、どれがいいということをきめるのじゃなくて、見当をつけて、イギリスだとかアメリカだとかソビエトなんかにどんどんミッションを派遣して十分調査され、確信のあるところでこれを決定されるのがよかろうと思うのであります。それについては、協定も一つの要素として十分吟味しなければならぬということを考えております。
 最後に一つお聞きしたいことは、発電に関する動力炉については、いろいろ研究されております。特に日本のような電力事情のもとにおいては、これが騒がれるのは当然だと考えております。しかし、世界では、電力の十分な国においては、今船舶の方がむしろ重要問題になっておるというのであります。日本でも決して船舶をないがしろにすべきものでない、こういうふうにも考えております。今、原子力委員会では、原子力による船舶というのはどういうふうに考えておられるか、これをお尋ねしたい。
○宇田国務大臣 船舶関係は何といってもただいま日本が世界で第一番の受注国であります。それで、ここ三年間ぐらいの手持ち量を持っておる。しかも、それが非常に大型に移行しつつあるのが日本の現在の輸出の基本点であります。従って、原子力関係の船舶はどうしても日本で解決していかなければならないところへいく、そうして、日本の労働事情から見てみましても、この工業を世界的に後進させることはできない。どうしても前進をはからなければはいけない国際環境にありますから、現在の輸出の現状から見ましても、造船関係についての研究というものは、特に私は国内でも思いを深くしなければならぬ。これに対して積極的な奨励策をとらなければならぬと考えて、関係各省と打ち合せをいたしております。
○岡委員 今、志村君の質問に対するお答えで、アメリカで動力用の実験炉等についてまだ爆発したことがないというお話があったわけですが、これは将来、動力炉を輸入する場合における免責規定とも関連して、重要な問題だと思うのです。事実、現にアーコで――これはアメリカ原子力委員会が自己の研究所の設計と技術をもって建設した速中性子炉が爆発しておる。これは制御の二秒間の違いで、とうとうリアクターが溶けてしまうということになって、放射能が広く所内に広がったために、密閉をして、原子力委員会からまだその詳細を発表しておらないということを聞いたわけです。そういう点もありますので、必ずしも爆発の危険がないとは言えないわけです。そこで、研究用の原子炉には大したこともありますまいが、将来やはり外国から原子炉を輸入する場合においては、そういう事例にかんがみた場合、すべて受け取ったわが国の責任に帰せられてしまうというふうなことでは、私いくまいと思うのです。その点について、委員長はいかがお考えでしょうか。
○宇田国務大臣 その点については、免責条項について、アメリカと一般協定を結ぶ場合には、必ずわれわれは触れていかなければならない問題だと思っております。それについては簡単に、無条件で向うにゆだねるということはできないんじゃないかと思っております。それはしかしアメリカが各国と結んでおる協定、あるいはそれを結んでおる相手国の国内的ないろいろな取扱い、あるいは立法措置等が複雑でありますので、どういうふうに扱うかはなお研究しなければいけませんが、免責条項については十分もう少し検討いたしたいと思っております。
○岡委員 それから、動力炉を輸入するならば、いわゆる発電協定を前提とする。従って、これを急ぐならば、本国会中にこの協定への交渉を開始し、相なるべくはこれを国会に諮られたいという前田委員の御主張であったわけです。社会党は四月解散を要求しておりますが、それは通りませんから、新国会でゆうゆうやればいいと思います。しかし問題は、私どもの見通しの問題でありますが、現在は英国もアメリカも、非常に原子炉等の輸出に対しては競合しておるわけですね。ですから相当わが方の言い分を聞くんじゃないかと私は思うんです。現にここに文献がありますが、これを見ると、英国の専門の雑誌の論説の中で、「われわれは飢えか、さもなければ繁栄か、繁栄を求めるならば、原子力施設の輸出に全力をあぐべきだ」と言っているんです。そうかと思えば、マッキニーの報告なんか見ると、「アメリカは特にアジア地域における開発のための主導権をとらなければならない。それは一に動力炉の輸出である」ということを言っておる。そういうかけで、英米は競合して、動力炉の輸出に対しては非常な熱意をかけておるわけですから、わが方は非常に有利だと思うのです。ですから、この点やはり大胆不敵に、堂々と交渉して一向差しつかえないと思うのです。問題は、そういう先例もありますので、実は私委員長の責任ある御答弁を願いたいのですが、これが条約であれば、事前事後に国会の承認を求めなければならないという憲法上の規定があります。ところが協定は、承認を求める必要はないんだという解釈のもとに、行政協定のときは取り扱われてきておるわけです。しかしこの動力に関する、発電に関する協定というようなものは、そういう政策的なものではありません。少くともわが国の原子力の平和利用、開発のためには重要な基礎であるわけです。そういうわけで、原子力委員会としては、協定は必ず国会の承認を事前に求めるというだけの誠意ある手続は、断じてとっていただかなければならないと思うのです。この点についての御所信はいかがでしよう。
○宇田国務大臣 その点については、私はあなたのお説の通りにすべきものだというふうに思っております。しかし、向うとの具体的な話をしておりませんから、果してどういうふうな各項目についての条約上の取扱いをするかということについて、的確なものを申し上げる機会に参っておりませんが、私は、そういうことについて、根本的に御相談をする機会があると思っております。
○岡委員 それから、動力協定については先ほど来委員長からも言われておりますように、自主、民主、公開という原則があるわけです。これは常に申し上げることではありまするが、なおこの際、委員長並びに藤岡、石川両委員の御確認を願いたいのですが、日本が動力炉の輸入のための協定を結ぶに際しては、絶対にいわゆる機密資料の通報とその保持に関する確約を与えない、ここをはっきりお約束願えるものと信じておるのでありますけれども、この際、はっきり御所信を承わっておきたい。
○宇田国務大臣 それは自主、民主、公開の原則で、委員会の内容はできるだけ発表いたします。ただ外交関係に関する限りは、向うとの話し合いのことでありますから、必ずしもそれが全部事前に公開できるものかどうか、これは今後の交渉に待ってみなければわからない面が起るんじゃないかと思っております。しかし、その点については、まだ具体的に申し上げるまでに至っておりません。しかし、心がまえとしては、自主、民主、公開の原則に乗っていかなければならぬと思っております。
○菅野委員長 岡君に申し上げます。時間も大へん経過しておりますし、また大臣に対する質疑の通告もありますので、なるべく簡単にお願いいたします。
○岡委員 今の御答弁は、時と場合によれば機密資料の通報も受けるし、従って、わが方は、その義務として機密保持のための措置も講じなければならない、こういう方針である、こうおつしやるのですか。これは重大な問題です。
○宇田国務大臣 交渉の経過におきましては、そういうことは必ず、私は非公開を要求されることはあり得ると思っております。
○岡委員 私が尋ねておるのは、交渉の経過を一々克明に知らしていただきたいというのではないのです。交渉の結果として結ばれた、いわゆる一般協定、動力協定、発電協定名は何でもようございますが、動力炉を輸入するところの大前提としての日本と二国間協定の中に、機密資料の通報というものは求めない、従って、これを保持するための義務もわれわれは何ら規定されることはない、その原則は一つ御確認願ったらどうか。
○宇田国務大臣 それは当然と存じております。
○菅野委員長 松前君。
○松前委員 大臣はあと二十分しかおられぬそうでありますが、私のは少し長くなると思います。私は、資源の問題で一つ御質問したいのですが、その前に、原子力委員会の運営の仕方について、委員長からお答えを願いたい。原子力委員会の運営は、従来いろいろおやりになっておるところを新聞紙等によって見てみますると、だいぶこまごましたことをおやりになって、国家の原子力開発の大綱というものに対して、触れてはおられるが、そっちに触れ残された点が相当にあるんじゃないかという感じがするのであります。原子力委員会はある程度事務的なこともおやりになるのでありますか、ありませんか。
○宇田国務大臣 原子力委員会の運営のうちで、原子力の将来に対する大綱を決定していくということと、もう一つ、最近国会に提出する法案が上ってきまして、それをどうしても原子力委員会で検討したいという、しなければならぬという面がたくさんありまして、それを最近の原子力委員会ではほとんど何回か連続して検討するというようなことに事実上はなっております。そういう関係で、発表される記事はどういうところから取材されるかよくわからぬけれども、必ずしもああいうふうな通りにやっておるわけではないのであって、原子力委員会が開かれたときの内容でない記事もあります。当っておる記事もあります。そういうわけで、原子力委員会の運ばし方というものについて、なかなかみな敏感に記事に載せていかれますから、その中でこれはうまくスクープしたなと思うものもありますが、スクープがずいぶん間違っているなと思うようなものもあります。それは別問題としまして、原子力委員会の基本の考え方については、大綱の決定をいたしたい、こういう考えで進めております。
○松前委員 大綱で、大いに一つ国際的な面で、ただいまも論議されましたような根本的な問題について邁進していただきたいと思うのであります。
 私は、この間、前田さんと一緒にビルマへ行きました。ビルマでは、副総理のウー・チョー・ニェンという人が原子力大臣をやっておる。ウー・チョー・二ェソさんにいろいろ話をしておるときに、こういう話を聞いた。私どもは日本から調査団を出して、ビルマの資源をある程度調査してあげるような国際協定を結べないだろうかということを相談していったのであります。ところがその話を持ち出してみたところが、すぐウー・チョー・ニェンさんの言うのに、「実はあした英国から原子力資源の調査団が着くんだ。コロンボ・プランによる援助資金によってやってくるので、あした飛行場に迎えに行くんだ」、こういうわけです。飛行機やその他で全ビルマの原子力資源を探査するのだ、こういうことであります。何しろ先に手をつけられておりますから、おそらくビルマの資源は全部英国へ持っていかれることになると思います。それからタイ国に行ってみましたところが、あそこも副総理が原子力委員長をやっておる。ああいう国でもなかなか原子力に対しては熱心にやっております。そこで、タイ国で聞いた話によりますると、すず鉱石をとって、あのマレー半島からつながっておるすず鉱脈から、すず鉱石をとったあとの残りが、いわゆるトリウムとウラニウムの非常に豊富な鉱石であった、こういうので、それを英国とカナダとアメリカとがどうしても輸出をしてくれということを言ってきておる。それを鉱業奨励で一応輸出相手国として出そうとしたときに、日本も一応アジアにおける先進国のような格好をしておるから、この国にも輸出をしてやろうということから、好意を持って日本の政府に問い合せてみたら、何か半年もたっても返事も何もよこしてくれない。大使館に聞いてみたら、大使館では五へんも電報を打ってみたりいろいろしてみたが、何も返事がこない。よその国は、とにかく原子力資源を早く押えてしまおうと一生懸命になってやっておるのに、わが国はネコに小判で、そんなものが果して価値があるのかないのか知らぬような政治がわが国において行われておるということを私も非常に遺憾に思ったんであります。このことは何を物語るかというと、私は原子力委員会のごとき有力なるえらい人によって組織されたる委員会が、このような問題と取っ組んでいただきたいと実は思うのです。大体石炭や石油にかわるべき資源であります。その資源であるということはもう明白でありますので、この資源を早く押える――と言うと語弊がありまするが、日本に輸入可能なようなルートを早く開いておく必要がある。日本の国内資源をあっちこっち調べるのもこれは当然やらなくちゃいけませんが、とにかく世界じゅうがこぞって今世界の原子力資源をどうして押えようかということに狂奔しておる今日、日本だけがまだ眠っていると私は思うのです。こういう点について、原子力委員会は一体どういうお考えを持っていらっしゃるか。私は東南アジアにおけるインドネシアあたりの姿は、行ってみなかったからわかりません。おそらくここもまたやられておるのじゃないかと思う。ヴェトナムやその他に対するものも調べておりません。けれども、これらに対しまして、わが国もすみやかに何らかの手を打たなければならぬときが今訪れてきておる。明治維新のときだって、欧米にアジアの資源を全部とられてしまって、目をあけてみたらまるで日本に資源が供給されないというので、資源の再分配なんということを言い出して、そうして大東亜共栄圏の建設から大東亜戦争と、げんこつでもって追い払わなければ向うの資源が得られないというような状況になったと私は思う。そういう歴史的な道をたどっておって、今、原子力資源に目をおおうということは、私は非常に将来の歴史に危険をもたらすものであると思う。原子力委員会はこういう根本問題についてすみやかに取り組むべきであると思うのであります。日本の歴史の明日に対して、この資源の確保につき根本的な解決をはかるべく努力されるのが当然ではないか、これに対して委員長並びに委員の方々からもぜひ一つ御抱負を承わりたいと思います。
○宇田国務大臣 動力炉の輸入に関連して必ずわれわれが見きわめておかなくちゃならぬものは、やはり今おっしゃられるような燃料の基本対策だと思います。燃料基本対策の中で、国内資源はもちろんでありますが、われわれとしては、アメリカ、カナダその他アフリカ等既開発のものに対しては、ここしばらくの間、そこから自由に燃料に関する原料を獲得することは、きわめて困難な事情になっておるということはわかっております。従って、自分たちとしては、新しい東南アジアその他の隣接諸国に対してそういうふうな燃料関係の基本対策を立てて、それぞれの内容に応じて交渉しなければならぬということも考えております。それで、部分的にはいろいろな意見を委員のところに持ってきておるということは聞いております。しかし、その程度では結局国策としてはウェートのないことでありますから、原子力委員会としては、燃料対策としては、単に欧米のみならず、特にアジア諸国に対して基本的な交渉を始める組織を立てなければならないと思っております。
○松前委員 立てなければならないというあなたのお気持はわかりますけれども、政府の責任者として、具体的にどういう計画をお持ちであるか、あるいはビルマ、ヴェトナム、インドネシア、フィリピンその他に対して、今後の政府対政府の間の交渉、あるいはまた資源の調査等に対する協力体制、こういうものについて具体的にどういう予算を持って行動されようとしておるのか伺いたい。
○宇田国務大臣 その国によって必ずしも開発の方法は同一には行き得ないと思っております。それで、ただいまのところでは、たとえば石油とか強粘結炭とか鉱石とか、非鉄金属とかそれぞれ重要な経済開発のための基本の資源獲得のためにこの調査団を出しております。調査団を出す場合に、政府での直接調査に現われた面と、各企業の内部において必要に応じて調査せしめる面と、二つを使っております。その中で、ウラン、トリウムその他の特殊燃料に対する調査もあわせて行なって、そうして報告を受けておるところもあります。ただ、われわれといたしましては、必ずしもその相手国の国情によって政府機関で調査するということが簡単に行き得ないと思われる点もありますので、そういう関係で国別に別々の計画を立てて進んでいきたい。そうして私が原子力委員会へ関係するまでは、原子力関係の資源に対する特別な機関を作るということにはなっていなかったと思っております。
○松前委員 だいぶまだ私の質問を正確に御了解いただいてないと思うのです。私は、東南アジアその他に対して、政府の立場において調査団を出すべきだ、そうして、ミッションを出すべきだと思う。今ミッションはアメリカやイギリスやソ連にばかり出して、一体東南アジア地域の資源の方はほったらかしておいていいのか、私はそう思うのです。大体、人のしっぽばかり追っかけ回して歩いて、そうして大事な資源の問題をほったらかしておくというのは、これはまことに明日の歴史にとって危険だと思います。また戦争でもしなければとれませんよ。もう戦争はできないのだから、またしないのだから、これは資源を永遠に放棄したことになってしまう。ですから、これに対して政府は、業者のこそこそと銭もうけをしようということでやってきた者のデータをかき集めるということでなく、もっと大っぴらに、まつ正面から向うの政府とぶつかって、技術協力の協定を結んで、これらに対して開発の糸口をつけていく必要がある、このことを私は申し上げておる。技術協力の協定を政府間において結ぶ。向うでは結んでいるのです。ことにタイなんかが日本を入れてやろうと言ったって、返事もよこさぬという。まあ、これはあなたの場合じゃないのです。あなたがまだ就任されない前ですから、宇田大臣には罪はないのですが、とにかくのんきな話なんです。そういうことで一体今後の日本は原子力の開発がほんとうにできるかどうか、このことを非常に疑うのです。とにかくそういうことを私は言っておるのですから、これに対して一つ具体的な御答弁をお願いしたいと思います。
○宇田国務大臣 それは、東南アジアの諸国の中で、そういうことの話のできる国とは早急に進めるべきであると思っております。技術的な提携のもとに、当然科学的な資源の探求に入るべきであると思います。今まででも、この原子力の燃料関係で交渉したというわけではありませんが、それ以外の面におきましては、それはかなり突っ込んでやっておるし、私が就任後においても交渉したこともあります。しかし、それは別の資源関係であります。
○松前委員 どうもまだあなたの覚悟が足りないような感じがしてしょうがない。宇田原子力委員長たるものが、そういう答弁では私は満足できません。一つやるということを言ってもらわなければ困る。やるならやるとはっきり言って下さい。
○宇田国務大臣 やらぬとはちっとも言っていないです。(笑声)やらないとは言っていないが、今までやってきた経過から徴して、ウランの問題を取り上げたわけじゃなし、トリウムの問題を取り上げたわけじゃないですが……(「負け惜しみを言うな」と呼ぶ者あり)負け惜しみじゃないのです。相手の国情によってそれができない国があるのだから、国別にそれを交渉に移していきたい、こういう表現です。(「すなおに、虚心たんかいに答弁しなさい」と呼ぶ者あり)すなおに、虚心たんかいです。(笑声)
○松前委員 どうも若い新進気鋭の大臣ができたかと思ったら、案外消極的な答弁で失望したのでありますが、調査団は私は早く出さなければいかぬと思うのです。また出してもらいたいのです。そうしなければ、これはあとでとんでもないことになりますよ、それは、われわれの時代には輸入すればいいのだから、大したことはないだろう。けれども、将来にとっては非常に大きな問題になると思うのです。鉄、石炭、石油をもらって、明治、大正、昭和の歴史というものは展開されてきておるのですよ。それと同じように、これにかわるべきものが全部向うにとられたら、また同じことになってしまいます。だから、ここで早く手をつけなければいけないし、そういう商社の出先とか、あるいは二、三人の技術者を派遣するとか、そんな消極的なことでなく、まともに――もちろん相手によって国情は違いましょうが、違うなりに交渉を始めるべきだと思う。これは予算がなければ、予備金からでも出してやられるくらいの覚悟をもって、原子力委員長並びに科学技術庁長官としてはやっていただきたい。宇田さんをしてほんとうに後世に名をなさしめたいと思うのだが、この点はどうですか。
○宇田国務大臣 それは全く同感です。
○松前委員 とにかく一つやって下さい。お願いします。それから、輸入は初めはしなければいけまいと私は思いますけれども、国産化に対する計画はどうもできていないような気がする。まだ輸入してみなければわからぬとおっしゃっても、大体のコースはこうなるのじゃないか、一応この方針でやってみるという国産化に対する計画というものがなければならないと私は思うのです。英国等は、アメリカにあまりたよらぬで、みずからの力によって、まことに簡単にして扱いやすいものであるかもしれぬが、コールダーホール型のやつを作った。しかも今日また四つのグループに分けて、それぞれ違った二十万キロ前後の原子炉を設計させ、これを入札させ、また作ろうとしておる。これらのことを考えますと、やはりその国内の産業をいかにして育成するかということにきゅうきゅうとしておる。どの国もそうです。スェーデンだってそうでした。行ってみたら、グループが三つかできておって、これにまたそれぞれテーマを与えてやらしておる。そうして自分の国の産業を育成強化しようと努力しておるのです。原子炉を入れることは、後進国だから初めは仕方がないとしても、とにかくもうここまでわかっておることですから、大体国産化に対してはこういう政策をとるべきだという基本政策があってしかるべきだと思うのです。ことし原子力の予算が提出されたときに、私はこの問題に対して疑問を持ちましたけれども、一ぺん提出されたら応援せざるを得まいと思っていろいろやったのであります。今度の原子力予算には不満です。というのは、国産化に対する具体的なたくましい線が出ていないのですが、この点について、今後原子力委員会の運営において、どのような具体的な方策をお持ちになっておるか。
○宇田国務大臣 国産化については、もちろん国全部の各部門の技術的なレベルというものが非常に重要な問題になってきますから、従って、重要な諸資材、諸原料についての科学的なそれぞれの部門の積極的な研究、実験がなければならぬと思っております。それを系統的に秩序立ててわれわれはどういうふうに助長、補助していくかということになると思います。それにはおそらく国の力だけで早急にこれを国産化し得るという見通しは、今のところこの程度では立たないと私は思います。従って、とりあえずは輸入の炉によって、そうして、自分たちの技術ないし産業の実力によって解決し得る部分がどの程度あり得るかということをテストしていかざるを得ない段階である、こういうように思っております。
○松前委員 おっしゃることはその通りですが、具体的に国産化というテーマを取り上げて、これを中心にして、しかるべき施策を練っておられるかどうか、練っておられるとするならば、どういうところに手をつけていらっしゃるか、これは研究問題ばかり言うのではありませんが、たとえば、日本に原子力に関するメーカーの民間のグループが幾つかできる、これは自然にできておるようですが、そのグループを通じて、今後のコールダーホール型を輸入する基本原則をきめたと仮定しても、どこかにそれを責任を持たせてやらせる。そうして、その建設もグープに請け負いさせるということで、そのグループの技術というものがどんどん伸びていく。同時にまた、もう一つのグループができていく。それに対しても今度はどこかのものを入れるということになれば、またこれを通じて一切のものを建設せしめ、購入せしめる。こういうような体制をとれば、一応民間産業というものに対して、それを国産化するときにはあらゆる体験と経験を持ってきますから、それを通じて私は国産化への非常に大きな踏み台になると思うのです。それで、こういうやり方をしないで、ただ直接電力会社あたりが輸入したとかいうようなことで、向う様が来て工事をやったとなると、つんぼさじきに置かれてしまう。だから国産化というものは、そういう具体的な政策の上に立たなければいけないと私は思う。だから、研究の問題だけを私は言うのではないので、むしろ輸入を通じて国産化への道をどうはかられようとしておるか、先ほど前田さんが質問されたようでありましたが、私はそのときの答弁ではどうも不満に思ったものですから、こういう意味のことを申し上げているので、この点どういう政策をおとりになるのか、ちょっと伺いたいと思います。
○宇田国務大臣 実際問題としてはやはりグループ、グループと関係をして、そうして、たとえばコールダーホール型を入れるということにならざるを得ないのじゃないかと私は思っております。ただ、原子力委員会がどういうふうに決定をするかということにつきましては意見も分れておるでしょうし、またいろいろな意見がありますので、それを本格的に取り上げて討論はいたしておりませんが、ただ二、三日前にヒントン卿の友人という方が来てのお話を聞いてみると、やはり非常に日本の産業の実力、日本の技術をよく知っている者と、そうして日本の産業及び日本の技術をよく理解して、日本の産業界のことが非常によくわかっているところの向うのグループ、それと従来ともに関係の深いものとがコンビネーションになって、仕上げていくことが望ましいのじゃないかということを、向うから注意を受けたということは聞いております。それで、それがどういうグループと組むのが一番いいのかということになってくると、これは問題は非常にむずかしくなるのじゃないかと思うのです。どういうところでもって従来とも関係の深いものと君は言うのだということを聞いてみましたら、原子力のリアクターの問題というよりも、むしろ従来のそのほかのいろいろな機械関係あるいは特に発電関係で崩しますと火力発電、石炭ないし重油の発電の技術提携等を通じて、今まで日本の産業界の実力が技術的によくわかっているグループがあるのだから、そういうグループと一緒に話し合ったときには、設計その他については非常に日本にプラスになるものがあると思われる、そういうふうな御注意は受けております。それを原子力委員会でどういうふうに取り上げるかということは、まだきまっておりません。
○松前委員 その点は非常に重要な問題でありますから、まあ私の言うような方向が必ずしも最善のものでないかもしれません。これは原子力委員会としてどうか一つ真剣にとつ組んでいただいて、原子炉を将来においても輸入ばかりしておるということでなくて、やはり日本が自分で作る体制をすみやかに確立しなければならないと思うのであります。そういう意味からしても、そうするのにはどうすればいいかというような問題につきましては、真剣に皆さん方の知恵をしぼって、最も適切な方途を考え、そうして日本の産業の中に原子力産業を植えつける。今では原子力産業会議なんてやっておるようでありますが、あれは原子炉を輸入して電気を起す人たちが中心でやっておるのであって、大体原子力産業じゃない。あれは原子力でもって電気をとる産業で、電気産業委員会です。とにかく、原子力産業というものは、民間における製造工業、その原子力の建設に対する問題を取り上げるのが当然だと私は思うのです。そういう意味からしまして、この国産化への方向を今にしてあやまたないようにしていただくことが、日本の工業の将来にとって最も重要な問題だと思うのです。これは意見を申し上げておきます。どうか一つできるだけ国産化の方向を忘れないようにお願いしたいと思います。
 その次は、先ほど国産化の問題で宇田大臣からお話がありました。「いろいろな技術、いろいろな産業のコンビネーションで、その合成によって原子力工業というものはでき上っておるのです」ということでありましたが、全くその通りであります。ところが、一番重要な部分をなしておりまするものの一つはエレクトロニック、すなわち電子工学の部門であります。これがよくならなければ、原子力工業は断じてよくなるものじゃない。こういう意味からいたしまして、具体的に原子炉の設計あるいはまた建設あるいは運転等に対して絶対に必要欠くべかざるエレクトロユックの技術の振興に対しまして、どういう考え方、構想をお持ちであるか、お尋ねいたします。これは原子力委員会直接ではないでしょうけれども、科学技術庁長官兼務として御答弁願います。
○宇田国務大臣 その点につきましては、通商産業省と話し合いをいたしまして、具体的なこの基本的な研究については、われわれ科学技術庁で責任を持って、進めていきたいと考えております。産業界の育成指導等につきましては、主として通産省にその分担をしてもらうということになっておりますので、研究機関をどっちが管理し、これに責任を持って研究行政を進めていくかということについては、なおもう少し話を具体的に持ち寄らなければならぬところがあると思っております。しかし、来年度の予算におきましては、どうしてもこの方面に重点を置いていかざるを得ないことになると考えまして、それについての基本の立法措置があるいは必要かとも考える点がありますから、これについてはなおもう少し研究いたしたいと考えております。
○松前委員 時間もありませんのでこれ以上質問いたしませんが、これは非常に大事でありますから、どうか一つ、やはり科学技術庁が中心となってこれを推進されんことを希望します。
 そこで、炉の燃料の燃えかすですね、燃えたかすではないが燃えたもの、これの化学処理という問題が非常に重要であることは申すまでもありません。これがなければ、燃えたものはみんなおれのところに返してこいとかいろいろなことになって、先ほどお話があったような大事なプルトニウムなんというものは、そのまま向うに返してしまうということになりますので、どうしても化学処理というものに対して根本的な考慮を払う必要があると思う。ただいまのエレクトロニックの技術というものは、大体化学処理、名前はケミカルと申しますけれども、実際はニレクトロ二カルなもので、とにかくエレクトロニックの技術が中心となって化学処理の工場なるものができ上っておる。これは膨大なもので、原子炉なんかの値段に比較して、うんと膨大なものになります。けれども、とにかくわが国もアジアにおける先進国であると自負するのであれば、このくらいのことに手をつける必要があるのではないか。スェーデンにおいても一応手をつけておる。ですから、化学処理については、われわれもまことに不覚でありましたが、今まではあまり考慮を払われなかった。今後においてこの化学処理の問題をどう解決しようとしておられるか伺いたいと思います。
○宇田国務大臣 ウエースト・ディスポーザルというのですか、それについての科学的な平和利用というのは、非常に重要な案件だと思います。この問題は、何と言いましても、今のエレクトロニカルな分野が非常に発達してこないと、並行してこれの平和利用というところに手が出せないような困難に遭遇すると思います。従って、これを経済的に、エコノミカルなペースで企業化していく、ウニースト・ディスポーザルを企業化していくためには、それに関連する産業に対する助長行政を取り上げて、早急に手を打たなければならない、こういうように思います。そして、CP5であるとか、ウォーター・ボイラー・タイプとかいうもののワクの程度では、まだそこまではいけないでしょうけれども、しかし動力炉を輸入するという場合には、必ずそれは日程に上ってくるはずですから、緊急にこれは関連する一連の構想を立てなければならぬと思っております。
○松前委員 できるだけ早く、一つ基本方針をお立て願いたい。
 そこで最後にお尋ねしたいのは、放射能を含んだ灰です。水爆の実験でわが国に飛んできた灰、地球上をぐるぐる回っている、あの空間を汚染している灰、今度の英国の水爆実験に日本が反対するのは、その灰の影響に対する日本人の恐怖と申しますか、非常な関心のゆえに反対をしておるのであります。こういうわけで、とにかく放射能の灰の問題は、これは非常に重要な問題であり、同時に日本が今日までいろいろな経験を通じて、広島や長崎の爆弾を通じ、あるいはまたビキニ環礁の灰を通じ、ソビエトの爆発実験の灰が日本にも飛んできていることは事実でありますが、こういうものを通じまして、日本という国はどうも灰に見舞われる一番格好な、都合のいい地球上のポジションにあるようであります。いずれにしても、この問題に対しましては、基本的に取っ組んで、そうして人類の福祉に貢献し、あるいはまたわが国の存立のためにこれを具体的に検討していかなければならないと思うのです。従って、今度水爆実験その他が行われ、ソビエトもこの間核爆発をやったという話でありますが、こういうものに対しまして、もう少し基本的に基礎的なデータを必要とし、研究体制あるいは調査の体制を整える必要があると思うのです。日本だけでなくて、東南アジアその他の地域、アジア全体に対して、太平洋水域等に対しまして、特にこれは必要な問題であると思うのです。これに対してどういうふうな基本的な考え方をもって臨んでおられるのか、ことに水爆実験等が行われるという話でありますが、これらに対してどういう具体的な対策をお持ちであるか、これを伺いたいと思います。
○宇田国務大臣 水爆実験等についての対策は、原子力委員会でもいろいろ討議はいたしました。なおその技術的な面については、藤岡委員からもあわせてお答えしていただくことにいたしたいと思いますが、この間、岡委員からも、とりあえず隣接のアジア諸国の技術も動員して、共同研究をすることが必要でないか、こういうお話がありました。その点につきましても、われわれは、どういうふうな組織、どういうふうな方法でそれを進めていくことがいいのかということについては、まだ具体的に成案を得ておりません。そうして、今回の水爆の規模とかあるいは水爆の実験の方法とかについてはいろいろと取りざたされておりますが、実をいうと、その危険度であるとかあるいはその技術的な爆発実験の方法等がよくわからぬ点があります。いずれにいたしましても、ストロンチウム九〇等を通じて、日本に及ぼす影響は非常に大きいから、それに関しては従来の爆発の実験のあとにおける継続調査の実際にかんがみてみると、かなり長期にわたって国土全部の影響調査を続けていかなければならぬ。そうしないと、ほんとうの国民生活に及ぼす影響の真相は把握できないと思われる点があります。それで、継続してこの問題に取っ組んでいくということは、やるべきであろうと考えております。そうして、ただいままでに得た自分たちの情報によると、これに対する研究は、日本が、非常にいろいろな被害を受けた関係で、日本の技術、また研究の結果というものは、世界的に権威の高いものであるという報告も受けております。しかしそれは、これから引き続いてわれわれが慎重に検討していくということにはちっとも変りはないのであります。なお、技術的なことは、藤岡委員からお答えいたします。
○藤岡説明員 大体ただいまの委員長の御答弁で尽きていると思いますけれども、汚染につきましては、いろいろの方面につきまして、つまり空気であるとか、水でありますとか、海でありますとか、動物、野菜、非常に広範に調査をすることにいたしまして、これについては予算的措置も講じ、それのまとめ役は原子力委員会並びに原子力局でいたすことになり、今年からそれに入っております。それから実験に関する調査でございますが、今度のイギリスのクリスマス島における実験は、結局各省寄り合いまして、どういう点を調べるかということについて具体的な打ち合せを進めております。それから、外国、ことに東南アジア諸国との協力調査――ただいま委員長から、日本の技術が相当高いという意味の御発言がございましたが、具体的にそういうことが問題になりましたのは、先ごろ御承知の国際地球観測年の西太平洋地区における打ち合せ会であります。そこにおいて放射能の問題が取り上げられまして、これに私も出席しておったのでございますけれども、やはり国際的な分析センターを設けたい、これは主としてストロンチウム九〇、セシウム二二七でございますが、これを分析し得る能力は、この地区におきましては、まずアメリカと日本――ソ連はあまりこれに協力を申し込んでいないようでありますが、それで、東南ア地域の資料、サンプルを日本で分析しないかという話がありまして、大体において引き受けるということを申しておきました。そういうわけで、もし共同で調査をするということになりますと、かなりの部分を日本で引き受けてやるということになると思います。これらの点につきましては、十分に努力をいたしまして、日本が遺憾なことに原爆の大きな被害国でございますから、そのあとの調査ということには力を尽したいと思います。
○松前委員 もうこれ以上質問はいたしません。ただ、ただいまの御答弁の中で、こういうふうな組織をもってこういうふうにやるのだということについて、具体的な御答弁がなかった。文部省でやってみたり、方々でばらばらにやっておる、委員会組織ぐらいでやっておる程度でありまして、どうも具体的な組織体がない。アメリカあたりはちやんと組織体があってやっておるのであります。やっぱりこういうものは有機的な組織体を作って、委員会とか何とかという片手間でやるのでなくて、これに専念してやるべきものだと私は思うのです。技術が高まったという話ですけれども、これは仕方がなく高まっただけの話で、これはあまり誇りではありません。そういう意味において、どうしてもこれは一つの組織体として、一つのルーティン・ワークとしてやるべきだと私は思う。今まではないようでありますから、これは放射線総合医学研究所その他ができまする機会におきまして、特にネットを作って、有機的な組織体を強化することによって目的を達するようにお願いしたい。同時にまた、東南アジアその他の地域に対しましても、この組織体が中心となって働き出すというような具体的な構想をお持ち願いたいと思うのです。それからもう一つは、太平洋の南にある島、日本のかつての南洋群島における住民の調査ができるならば、この組織体、またこの調査に当る。多分相当にやられておるだろうと思うのです。だが、そういうところにアメリカが上陸を許すならば、これは一ぺん調査をするぐらいの申し出を政府としてやってほしいと思う。これに対しての討論はいたしません。私の希望として申し上げております。
 そこで、総合的に私は政府並びに原子力委員会に要望したいと思いますのは、先ほど来申しましたように、東南アジアその他の未開発地域に対する原子力資源の確保に対しまして、あるいは技術協定を通じ、あるいはその他の貿易とか商業的手段を通じましても、相互に両々相待って、もっと積極的に政治的な取りきめをし、その資源を日本の手に確保し得る態勢をすみやかに講ずる必要がある。この点に対して政府は今まで全然乗り出していない。こういう点に対して、原子力委員会は、うんと政府を鞭撻して、これをやらしていただきたいと思う次第であります。
 それから第二の問題は、国産化に対してもう少し具体的な方策をとっていただきたい。ことに国内における産業グループというものを育成強化するためにはどうすればよろしいか。原子炉を輸入することは初めは仕方がないとしても、その場合にどういう方法をもってそのグループに注文したらいいのか。何らかの方法によって彼らの技術の向上をはかり、そうして国産化への道を急ぐ、この態勢を確立していただきたいと思うのであります。
 第三は、化学処理の問題であります。これは非常に重要な問題であります。いつまでも外国に依存して、燃料が燃えてしまったら向うに持っていかなければならぬとかいうようなことでは、まことに情ない話で、そういうことをしたら、経済的な発展はできないと思うのであります。どうしても経済発展その他に対する基礎的な条件といたしまして、この化学処理問題を取り上げてもらいたい。エレクトロニックの技術の進歩はもちろんでございます。そうしてただいまの放射能灰の問題については、有機的なルーティン・ワークの組織体を作って、アジア全体に対しても、国内に対しましても、この灰の影響を調査していただくとともに、南洋群島地方における住民の調査等をアメリカに遠慮なく申し入れて、そうして日本の技術が進んでおるならば彼らの健康を診断して、どういう影響があるかというようなことも具体的に見るくらいのことは、これは学術上の問題としてそう遠慮すべきものではない、こういうふうに思うのであります。この点もっと積極的な、たくましい原子力政策の推進を私は原子力委員会に希望いたします。まだいろいろありますけれども、大体私の質問はこの程度にとどめます。
○齋藤委員 議事進行について、この原子力の問題は、本日の委員各位の御質問によりましても、非常に重大な問題でございまして、単に原子力発電一つの問題をとりまして、国家の運命に対して非常な影響のある問題だと思うのであります。宇田長官が経済企画庁長官を兼務している立場から、三百万キロワット三十五年希望説を述べられたのでございますが、日本のエネルギー状態を検討して見ますると、この構想は、心ある者は当然考えなければならない構想だと思う。三十五年までに八百四十万キロワットの電力の開発をしなければならぬというのが、経済企画庁の電力開発案であります。しかもそのうち三百八十万キロワットが水力、四百六十万キロワットが火力、この火力発電に要するところの問題を検討して見ますると、三十五年までには石炭換算千七百万トンを必要とする。とうていこれは日本の実情では不可能ではないかということが考えられるのであります。この計画に従って通産省の公益事業局では電力開発をやろうとしておる。そういうことは、単に経済企画庁や科学技術庁の問題ではなくして、国家全体の問題であり、政府全体の問題であると私は思うのであります。ただいままで各委員から申し述べられました一般協定の問題も、そういう国家基本の問題から割り出して、どうしても急がなければならぬということであったならば、これは万難を排しても原子力発電を急ぐという態勢にもっていかなければならぬと考えるのであります。松前委員から申し述べられました燃料物質の問題、これはもちろん東南アジアに手を伸ばして、将来の原子力発電その他に対する原料を確保しなければならぬ。しかし、これも科学技術庁の手には負えないだろうと私は思う。と申しますのは、原子燃料公社はありますけれども、原子燃料公社は地質調査所の概査の上に立って探鉱、採掘をやるといっている。果して地質調査所というものはいかなる構想をもってウラン、トリウムの探査、探鉱に当っておるか。これも聞きますと、わずか三年の概査ということで今やっているらしい。三年の概査をもってウラン、トリウムの問題を、国内的、国外的に片づけようというのは、私はそもそもの概念の誤まりだと思う。そういうことを総括的に考えてみますと、この問題は、要するに、内閣においても外務大臣、通産大臣、経済企画庁長官、科学技術庁長官というものが、このエネルギー資源というものの問題に対して深く掘り下げて、結局国策を決定するというところまでいかなければ、なかなか各委員の質問に満足を与えるような答弁はできてこないと思う。それでありますから、閣内において、そういう関係閣僚会議を設けられて、この問題を割り切って、それを代弁する科学技術庁長官の御答弁であれば、それは各委員も満足するのじゃないか。だからそういう関係閣僚の方がこの委員会に御出席下さいまして、われわれの質問にお答え下さるならば、まことにけっこうでございますが、もしそういうことができませんでしたならば、一つ科学技術庁長官、原子力委員長としては、よく関係閣僚とも御懇談を下さいまして、適切な具体策について、一つわれわれの一質問にお答え下さるように御努力を願いたいと思うのでありす。
 なお、先ほど質問がございましたが、原子力委員会を設けましてから、もう一年を経過いたしております。この大きな原子力問題に対して取り組まなければならない現状に即して、果して今日の原子力委員会のあり方がそれでいいかどうかということも、われわれの大きな関心なのであります。こういうことに対しましても、今後大いに質疑をしていかなければなりませんので、非常に御迷惑ではございましょうけれども、この委員会には一つ随時原子力委員の方も御出席を願って、その間の質疑応答に答えていただきたいと私は思うのであります。そういう点から、まだたくさんの法律案もあるのでございますが、これを、どうして徹底的にこの委員会において論議をかわしてその実効を上げるかということにつきましては、本日でもよろしゅうございますし、また明日委員会を開催する前でもよろしゅうございますから、委員長におかれましては、一つ理事会を招集せられまして、この委員会の持っていき方を十分御検討を賜わりまして、なるべく時間を節約しつつ、この委員会の実効をあげるように、一つお取り計らいを願いたいと思うのであります。議事進行につきまして、これだけをお願いいたします。
○菅野委員長 それでは、本日はこの程度にとどめ、次会は明十三日、午後一時三十分より開会し、科学技術振興対策及び法律案の審査を進めたいと思います。なお、明日午後一時より理事会を開催したいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会