第026回国会 決算委員会 第20号
昭和三十二年四月四日(木曜日)
    午前十一時七分開議
 出席委員
   委員長 青野 武一君
   理事 臼井 莊一君 理事 關谷 勝利君
   理事 山本 猛夫君 理事 坂本 泰良君
   理事 吉田 賢一君
      奥村又十郎君    小金 義照君
      櫻内 羨雄君    床次 徳二君
      淡谷 悠藏君    片輪  港君
      山田 長司君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 田中伊三次君
 出席政府委員
        自治政務次官  加藤 精三君
        総理府事務官
        (自治庁長官官
        房会計参事官) 石渡猪太郎君
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        長)      小林與三次君
        検     事
        (刑事局長)  井本 臺吉君
         大蔵事務官
        (銀行局長)  東條 猛猪君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁長官官
        房調査課長)  岡田 純夫君
        検     事 山根  治君
        大蔵事務官
        (銀行局検査部
        長)      福田 久男君
        会計検査院事務
        官
        (第一局長)  大沢  実君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
四月四日
 委員松岡松平君辞任につき、その補欠として奥
 村又十郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 歳入歳出の実況に関する件(都道府県の会計経
 理に関する問題)
    ―――――――――――――
○青野委員長 これより第二十回目の決算委員会を開きます。
 歳入歳出の実況に関する件(都道府県の会計経理に関する問題)につきまして、前回に引き続き調査を進めます。
 田中自治庁長官より、前回の委員会におきまする御発言に関しまして、特に発言を求められておりますので、この際これを許します。
○田中国務大臣 一昨日の委員会におきまして、淡谷委員の御発言に対しまして、もし不穏当な言辞がありましたならば、これを取り消すことにいたします。
○青野委員長 ただいま自治庁長官より発育がありましたので、後刻速記録を取り調べの上、委員長において適当な処置をいたします。
 それでは調査に入りますが、まず自治庁当局より、その後分明した点につきまして、説明を願うことといたします。
○小林(與)政府委員 その後現地からの報告並びに現地におりました山本調査官を呼び寄せまして、とりあえずその概況を聞きまして、本人にまとめさせました結果を御報告申し上げたいと思います。
 お配りいたしてあります資料は、「福岡県における金庫銀行外の金融機関に対する歳計現金の預託状況」、私の方といたしましては県の公金の管理が適正妥当に行われておるかどうか、その結果県にどういう影響があるかというようなことを中心に取り調べさせたのでございますが、関係書類とか責任者等がいない場合、必ずしも十分事柄が判明しない問題もありましたが、ともかくもとりあえずわかるだけのことは調べさした結果まとめたものでございます。
 そこで福岡県におきます歳計現金の預託の扱いにつきましては、別紙「金庫事務及び預託事務取扱に関する契約書」、俗に金庫契約と言っておりますが、それに定めるところにより、原則として金庫銀行――福岡銀行になされるが、なお本契約書に定めるところにより、金庫銀行以外の金融機関に対しても行われているのでございます。
 そこで金庫契約書につきましては別紙資料といたしましてお配りいたしてございますから、これをごらん願いたいと思うのでございます。この契約書のうちで、金庫銀行以外のものに対して委託する場合の手続が一部書かれてございます。それはこの第七条と第九条をちょっとごらん願いたいと思いますが、その第七条には金庫銀行に対する委託の関係がございまして、この前ちょっと口頭で報告申し上げました事項がここに当ります。甲というのは福岡県のことでございます。乙とは、福岡銀行、金庫銀行のことでございます。甲は預金のうち県金庫の支払い準備金として五百万円は当座預金とする。それから歳計現金が五百万円をこえるときは、二億円までの金額を普通預金とし、二億円をこえる金額はこえた部分について一口一千万円の三カ月定期預金とする、こういう扱いになっておるのでございます。そこで第九条におきまして「甲において特に必要がある場合は、第七条の定期預金又は普通預金から乙以外の金融機関に預入替することがあるものとする。2乙は、前項により出納長の指示を受けたときは、指示にかかわる当該預金から組替えて預金先へ払込をしなければならない。」こういう手続が金庫契約にございます。これにつきまして、県庁の方において出納長が指示をするというのはどういう手続条件でするかということが、県の扱いの問題でございまして、これは今の預託状況に関する報告書の二に書いてございますので、その方をごらん願いたいと思います。「金庫銀行以外の金融機に対し預託する場合の運用方法はおおむね左の要領によっている。上県庁内部の事務取扱い要領は次の通りである。1知事部局からの依頼によって行う預託。知事部局の関係主管部長から預託の依頼書が提出された場合、出納長として預託を適当と認めたときは、知事の決裁がなくて行われているときば知事に合議し、知事の決裁を得て行われているときは合議を省略して行う。」2は「知事部局からの依頼によらないで行う預託。財政当局を経由し知事に合議して行う。」つまりこれはごらんの通り、金庫銀行以外の金融機関に預託をする場合の県庁内部の扱いが二つあります。知事の各部局から依頼でやる場合、出納長が自分の意思でやる場合でありまして、いずれの場合におきましても、必ず何らかの形で知事に合議する扱いになっておるわけでございます。各部局からやる場合と申しますのは、経済部なり商工部なりから、それぞれの行政上の目的で預託をされたい。そういう場合に必ず知事の決裁を経てか、あるいは知事の決裁を経ていなければ、出納長が知事に合議をして預託をきめる、こういう扱いでございます。この扱いにつきましては、自治庁からこの委員会でもお話になったことがありますが、昭和二十五年に実は通牒が出ております。これも別途資料でお配りしてございます改正金庫制度の取扱いについての運用要領という一枚ずりの資料がございます。これをちょっとごらん願いたいと思います。「改正金庫例度の運用要領(抄)昭和二十五年八月四日各道府県知事宛地方自治庁次長通知」このときにこの自治法の施行令が改正になりまして、従来金庫銀行は出納保管の事務を扱っておりましたのが、政令上は出納だけを扱う、こういうことになりまして、そのときに扱いの方針を変えたのでございます。そのときに金庫銀行以外の銀行に対して預金を預託する場合の手続がございまして、その責任は出納長の責任であるけれども、事柄の重要性にかんがみて、預金先の決定、預金の種類、期間及び額等については、必ず事前に知事の承認を得なければならない、こういう趣旨のことを書いて、運用上の注意を与えたのでございます。その取扱いにつきましては、金庫契約で定めるように指示もいたしてございます。大体この指示に基きまして、福岡県におきましてはこういう内部の扱いを扱っている。おそらく各府県市町村も同じ手続でやっていることと存じているのでございます。
 そこでさきの預託状況の報告の二ぺージに戻りまして、二ページのまん中の「預託先の決定、預金の種類、問題及び額は、前号によってその都度決定されるのであるが、……。
○青野委員長 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○青野委員長 速記を始めて下さい。
○小林(與)政府委員 今の御趣旨に従いましてやります。
 それで、そういう扱いを県がいたしておりまして、これは資料だけでございますが、三番目に金庫銀行以外の金融機関に対する預託の状況はどうなっているかということを別表に示してございます。
 そこで問題の四の「県と福岡県庁信用組合との関係」でございます。「福岡県庁信用組合は大正十一年設立をされたが、現在は中小企業等協同組合法による信用組合であって、その定款及び役員組織は、別紙の通りである。」これは御要求の資料でございまして、信用組合の定款と役員名簿が一応別冊でございますから、ごらん願いたいと思います。「福岡県においては、同組合の運営の円滑を期するため昭和二十六年度以降必要に応じ歳計現金の預託を行って来た。この主要なものの例は左の通りである。」福岡県とこの信用組合との預託関係の状況はどうあったか、こういうお尋ねでございまして、その関係の資料でございます。この県庁の信用組合は、定款でごらんの通り、主として県庁職員を中心にしてその金融事業を行う目的で作られまして、その資金の運用上必要がある場合においては、県が歳計現金にゆとりがある場合に預託をやる扱いになっておったようでございます。その主要なものを拾えるだけ拾ってみました。この信用組合関係の資料も全部検察庁へ押収されておりまして、正確な資料はよくわかりません。あらゆる状況でわかったものを一応おもだったものの例事を書いてございます。二十六年十二月、あるいは二十七年七月に行われ、問題のは昭和三十年十二月でございます。昭和三十年十二月に一億二千九百九十二万八千円、こういう金額が新しく預託されております。その名目は住宅協会の土地購入及び住宅建設資企貸付金に充てるため預託を行なった、こういうことになっております。この住宅協会の問題は、またあとから御説明申し上げます。なおその後も昭和三十一年五月及び八月に、三千百五十万円住宅協会土地購入資金としての預託がございます。それからなお昭和三十二年三月末現在における同組合に対する預託金の現在額は左の通りである。預託金の中間はよくわかりませんが、今日ただいまの状況はどうなっておるか、そういう資料を調べましたところが、現在の預託状況は九千三百六十一万六千円でございまして、その中身は組合の運営資金二千万円、それから住宅協会土地購入資金貸付金七千三百六十一万六千円、こうなっておるのでございます。
 それからもう一つの問題は、信用組合自体の資金の運転状況については、関係資料が不明である。問題は、信用組合自体がどういう信用組合の資金の運用をしておるか、仕方がどうなっておるか、こういう問題がございますが、信用組合自体の問題は、自治庁としても直接調べる方法もございませんし、今関係資料は全部押収されておりまして、詳細は不明でございます。ただ県と信用組合との関係だけにつきまして、こういう資料が入手できたのでございます。そこで一体何がゆえに住宅協会に資金を貸し付けるためという目的で、県がこの信用組合に資金を預託したか、これは自治庁といたしましても非常に関心の深い問題でございまして、その事由と次第を明らかにする必要があろうと思うのでございます。
 そこで住宅協会の性質の問題になりまして、五番目に福岡県住宅協会についての報告がございます。「福岡県住宅協会は、県の住宅対策の一環として昭和二十五年に自己資金のない住宅困窮者に住宅を建設供給し、且つ住宅地の綜合的開発を行うことを目的として設立された。その寄附行為は別紙二の通りである。」住宅協会の寄付行為も別紙に書いてございます。それでこの「協会は住宅金融公庫からの融資(七割五分)、県の補助金(頭金分=二割五分)等により毎年県の住宅建設計画に基いて、住宅の建設及びこれに必要な土地の造成を行っている。而して協会は福岡県庁信用組合よりその事業運営に必要な一時資金の融通を受けて来た。昭和三十二年三月末現在における信用組合から貸付を受けた額の総額は七千三百六十一万六千円であって、全額土地購入資金である。なお、協会は昭和三十二年二月から同組合の組合員になっている。」住宅協会のこういう住宅資金が必要なために、一部歳計現金の融通を受ける仕組みが運営上必要であるというので、この組合自体が信用組合の組合員になって、信用組合から融資を受ける。さらに信用組合の資金がないから、その信用組合の資金を獲得するために県の歳計現金の預託を受け取る、こういう事実があるようでございます。現在はここに書いてあります通り、ただいまのところでは七千万円だけ信用組合から貸付を受けております。
 それから歳計現金の運用につきまして監査委員の審査というものはどういうふうに行われておったかという御注文がございました。それを調べますと、照和三十年度決算に対する監査委員の審査意見につきましては、現在県会に提案されて継続審査中になっている。昭和三十年度決算に付された監査委員の審査意見中には、歳計現金の預託については全然ございません。これは大きな決算資料でございまして、私の方で一部持ってきただけで、その中身、関係ある部分があったら印刷しようと思いましたが、ありませんので、一応その事実だけを御報告申し上げる次第でございます。別表は先ほど申し上げました参考資料でございます。大体今までわれわれのところで調べました公金の扱い、及び信用組合に対する関係並びに住宅協会に対する関係等の概況は以上の通りでございます。
 簡単でございますが御説明といたします。
○青野委員長 小林財政部長の一応の報告が終りましたが、調査課長は来ておりますか。――それでは岡田調査課長に委員長から御質問しますが、福岡県庁に派遣せられて調査いたしました山本晴男君は、何か聞きますと、病気だといったような話も聞きますが、どういうことになっておりますか。
○岡田説明員 私ども昨夜おそくまで、いろいろ取調べには会っております。ただ出て参りましてから、けさまだ会っておりませんので、目下様子を問い合せておるという状況でございます。
○青野委員長 山本晴男君の自宅に連絡はとれないのですか。委員各位の意見として、開会の前に大体の意見を聞いておきましたが、それは小林財政部長のいろいろな報告も必要であるが、数日間にまたがって、わざわざ福岡県まで行って調べてくれた山本調査官じきじきの報告、あるいはこの山本調査官に対して疑義のある点は質問した方がいいのじゃないかという意見の人が多いのです。それで実は委員長はどうしても山本調査官に本日の決算委員会には出席をしていただいて、そうして諸般の報告も求めたいと思っております。至急あなたの方で山本調査官の自宅に連絡はとれませんか。
○岡田説明員 すぐ連結をとります。
○坂本委員 おとといの委員会で、調査を待ってきょうやるということになっておるのに、実際行った調査官を連れてこないということはないと思う。それでなければ決算委員会の調査はできないでしょう。何でも疑われるようなことばかりやる。これは至急に取り計らってもらいたい。
○加藤(精)政府委員 ただいま調査中でございます。
○青野委員長 坂本委員に申し上げますが、今委員長の質問によって岡田調査課長が、山本調査官に対して自宅との連絡をとりに今参りました。ただいま小林財政部長の諸般の報告がありましたが、発言の通告がありますのでこれを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 小林財政部長は、山本調査官の報告を面接お受けになったのですか。
○小林(與)政府委員 きのう直接話を聞きました。
○吉田(賢)委員 そこで参考にまず聞いておきたい点があります。この昭和三十年度在任しておった監査委員の氏名、それからどういう職業の人であるか、それをちょっと御説明願います。
○小林(與)政府委員 監査委員の氏名はわかっております。監査委員は四名でございまして、権藤尚二、野田貫造、中島一之、春孝一、これはその職業は私の方で今わかっておりません。一部は県会から法律上選任されたものであり、一部は学識経験者のはずでございます。
○吉田(賢)委員 山本調査官はだれに会って調査をしてきたのですか。
○小林(與)政府委員 山本調査官は、おそらく総務部長、知事、それから財政課長、それから出納長が今おりませんから、その下の出納関係の課長、そういう人たちに会って監査してきたのだろうと思います。
○吉田(賢)委員 そうすると、知事、総務部長、財政課長、出納関係の課長以外の職員というものにそれぞれ会っておりますか。監査委員には会っていないですか。
○小林(與)政府委員 監査委に直接会ったという話は私聞いておりません。ただ監査委員の出した報告書は、全部取り寄せて調査したようでございます。先ほど申し上げましたのも私が聞いておる範囲で、まだほかの人間にも会っておるかと思いますが、ちょっとそこまで正確なことを承知しておりません。
○吉田(賢)委員 そうすると、今の監査委員に会ったことは聞いていないが、それ以外の今お述べになった人々には、山本調査官は会っておるのですね。
○小林(與)政府委員 これは当然会っておると思います。その他の係官にも私は相当数会っておると思いますが、申し上げました人々には当然会っておると思います。
○吉田(賢)委員 この「福岡県における金庫銀行外の金融機関に対する歳計現金の預金状況」という六枚のものは、これはだれが作成したのですか。
○小林(與)政府委員 この資料は山本調査官の調査の結果に基きまして、山本調査官がゆうべおそくまで原稿を整理して作ったものです。
○吉田(賢)委員 そうしますると、問題になっておる福岡県庁内の信用組合に一億円を預託したというのは、この状況書によりますると、二の1の2によるのですか、1ですか。二の1であろうと思うのだが、それは間違いないでしょうね。
○小林(與)政府委員 これは1によっておるそうです。この関係書類も押収されておりますが、財政課長は記憶がある、そういうことを現に言っておるそうでございます。
○吉田(賢)委員 この二には、「金庫銀行以外の金融機関に対し預託する場合の逆用方法は概ね左の要領によっている。1、県庁内部の事務取扱の要領は次の通りである。1知事部局からの依頼によって行う預託、知事部局の関係主管部長から預託の依頼書が提出された場合、出納長として預託を適当と認めたときは、イ知事の決裁がなくて行われているときは知事に合議し、ロ知事の決裁を得て行われているときは合議を省略して行う。」この場合は知事の決裁を得たものに該当するのか、それとも知事の合議を得たものに該当するのか、いずれですか。――委員長、法務省からはだれか見えておりますか。
○青野委員長 法務省の方は、井本刑事局長が今文教委員会に出ておりまして、そのかわりに山根検事がお見えになっております。
○小林(與)政府委員 この具体の場合はロで、知事の決裁を得て行われておるようでございます。
○吉田(賢)委員 知事の決裁の内容は、いつ、どういう形で行われておりますか。
○小林(與)政府委員 それは先ほども申し上げました通り、関係書類が押収されておりまして、記憶だけの問題ですが、建築部長より、住宅協会の建築計画を遂行する資金として必要があるので預託してくれ、そういう趣旨の依頼書であることは間違いないようでございます。
○吉田(賢)委員 知事の決裁はいつごろできたのであろうか、どういう趣旨に主体がなっておるのでありましょうか、それを聞くのですが、これはまあ然全関係番数がなくても、その他知事に会い、知事みずからが決裁した以上は、それくらいのことは覚えておるだろうと思うのですが、それはどうですか。
○小林(與)政府委員 これは知事も明らかにしておるようでございまして、自分もそれを承知しておるということは言っておるようでございます。住宅協会の三十年度の住宅計画を遂行する資金として金が要るので、その資金を預託してくれ、こういう趣旨で依頼があり、知事もそういう前提で決裁をしたようでございます。この点は知事もはっきり認めておるそうでございます。
○吉田(賢)委員 ちょっと法務省の山根検事に御相談するのですが、これは私の方の今の審査の目的は、地方財政のうち、福岡県におきましては昭和三十年度国庫金が予算の五割以上、すなわち決算総額二百六十二億円に対し、国庫金は百三十五億円支出されておりますので、このような状況のうちに一億円の公金が金庫以外のものに預託と称して預け渡され、これが第一相互銀行へ導入預金となり、そうして県の幹部級が裏金利を取ったとかいう容疑で刑事事件になっておる。これは地方財政の粛正の対象としてきわめて重大視すべきものである。ことに一福岡県だけの問題として見るにはあまりに事が大き過ざるし、全国的な性格を持った原因があるのではないかというふうにも見えますので、全国的性格を持ったものであるとするならば、いよいよこれは福岡県の事態を一そう明らかにして、その原因と事実と、そしていろんな仕組まれておりまする事柄等を明らかにすることがきわめて緊要なことである、こういうふうに考えまして、今お聞き及びのように、金庫以外の預託金と称するものの実情を究明しつつあるわけなんです。そこで実は私の方におきましても、なるべく核心に触れたところを聞きたいと思って、これで三回やっておるわけですが、刑事局長からは容疑の状況を承わり、それから自治庁長官、部長などからは、独自の見地から調べるという御発言もあったので、いろいろとお調べの状況を聞いておる、こういうことになっておるのだけれども、核心に触れたところへは全然いきません。これは刑事事作の取扱い、捜査の障害にならない範囲で国会活動をすることが当然であろうと思いますので、実はその辺をおもんぱかってわれわれも相当遠慮しております。そこで自治庁におきましては、県金庫以外に預託されたものがこういうふうにあるということ、その経路を明らかにする以外は今のところないのであります。果してそれが事実そのものであるのか、あるいは仮装されておる関係であるのかということは、容易にはわかりません。もう少し入ってみないとわからないのでいろいろ聞いておるのですけれども、どうもこの周辺の形式的な事件の答弁以外には出てこないのであります。こういうことでじんぜん待つことも委員会としてちょっと焦慮の気持もせぬでもありません。何とかそこを、捜査の任務と国会の調査の任務をお互いに妨げることのないように運用する道を早く発見せねばいかぬであろうというふうに思うのであります。そこはあなたの方は密行ですから、公開でないので一そう困難かもわかりませんが、県庁の事務関係について相当明らかにしていきたいと思う個所がだいぶ出てきておるのですが、何か積極的に御協力願ういい考え方はないものでしょうか。あなたはきょう初めてお入りになったので、ちょっとここの空気がおわかりにならないと思うが、刑事局長はずっと来ておるのでおわかりになっておると思うのですが、さて具体的にあなたにどういうことを要望するかということになると、できるだけ早くお調べになって、こちらもあなたの方の仕事のじゃまにならぬように調査をしていきたい、こういうことになるのですが、何かぐるぐる回りしているのです。出てきた資料は定款とか規約とか通牒とかいうようなものばかりであります。さもなければ今のように正当な業務行為を御説明になる以外の資料は出てこない。何ら不正不当があることを思わすような資料がなかなか出てこないのです。それで閉口しておるのですが、ちょっと残念なんです。そういうことで日時が経過することにつきまして非常に憂慮しております。その辺につきまして一ぺん刑事局長と御相談になりまして、もう少しこの程度のものならお互いにいいだろうというようなお話し合いができぬものだろうか、こういうように思うのですが、あなたもきょう初めてお入りになったので、空気がわからぬとちょっとこういう申し出をしただけでは発言がしにくいかもわからぬが、どうお考えになるでしょうか。
○山根説明員 ただいまおっしゃいました御趣旨は、私初めて参っただけでございますけれど、よくわかりますので、刑事局長ともよく相談いたしましてできるだけ御趣旨に沿った資料あるいは御説明なりいたしたい。なお地検の方の捜査は、まだ核心に触れた捜査と申しますのは、入りましてから十日もたっていない状況でございますので、とにかく一応の事実が固まります段階になりました際には、何らか御説明ができるのではないか、このように思っておりますけれども、よく刑事局長と相談いたしまして、御趣旨を体して説明に当りたいと思っております。
○吉田(賢)委員 知事の決裁というのは、そうすると建築部長の依頼によって決裁をした、こういうことになっておるのですか。
○小林(與)政府委員 本件の場合はそのようであります。建築部長から出納長に対して県の歳計現金の預託を依頼する書類を出しまして、それを内部の手続上総務部長を経由して知事の決裁を得ておるようでございます。
○吉田(賢)委員 これは政務次官にちょっと伺っておくのですが、あなたの方の調査の根本方針について、この是非がいずれにありやということは別といたしまして、いやしくもこれは刑事容疑事件として現職の副知事が逮捕され勾留されておるという大不祥事件であります。そこでそういう違法な事実があるかないかということは調べないのですか。根本方針としてその点はどうですか。
○加藤(精)政府委員 吉田委員さんの御疑問はごもっともでございます。私どももなるべく真相を早く明らかにしまして、そうして一般に次々に起り得る不安をなくしたいという熱意を持っております。しかしながら現行の地方制度では自治庁の調査し得る点については限度があります。けれどもその限度の範囲内でできる限り正確に府県の財務の処理につきまして監査いたしております。これは衆議院の地方行政委員会でも専門の立場からいろいろと御調査、御審議になっておりますので、それに対しても私たちは十分なる御協力をいたしておるようなわけでございまして、本件の場合におきましても、自治庁の調査し得る限度まで調査いたしておるというふうに考えております。
○吉田(賢)委員 財政部長に聞きますが、あなたの方は出納の適否を調査する権限があるわけです。そこで出納の適否の調査というところまでいけば、疑惑を持たれ刑事事件の容疑を受けておるようなときには、たとい、文書が証拠物件として押収されてなくても、一応最終的な法律的当否は別といたしまして、ともかく事実は御調査になるのが当然だろうと思う。どう考えてもこの間からのあなたとの質疑応答は、調査の範囲が県知事、副知事、出納長の行為は契約、通牒等々によって行なっており、その行なった形がいろいろな文書になっており、いろいろな人の判もあろう、そういうことを追うておられるだけで、ここに法律を逸脱し、あるいは法をくぐって何らかの利益を営んだんじゃないかという点は、これはどうもあなたの言動からは出てこないのです。これはほんとうに正直に言うてもらいたい。そこで疑問になるのは、やはりおとといの最終に私は長官にもちょっと尋ねたのだが、あなた方はこのたびの刑事事件というものは、検察庁がけしからぬという考え方が根本にあるんじゃないか。建築部長の要請で金を貸して、リベートを取った取らぬというその事実だけは検察庁で適当にお調べなさい。けれどもそれ以前、それ以後、もしくはそれを中心としましての一切の県庁の各職長の行為は、それは違法であるのかないのか、適当であるのかないのかというような角度からは見ないのか、どうもそういうふうに私は思われてならぬのです。全然批判がないのですよ。一体批判なしに何を調査するんです。こんなことならわざわざ飛行機で自治庁長官あてに報告書を出すとか、やれ長官はえらい意気込みで独自の見地から調査するというようなことをおっしゃったけれども、独自の見地も何もありはしませんよ。その点がどうも私には合点が行かぬ。やはり根本的には検察庁が自治権を侵害しておるという考え方があるんじゃないだろうか。どうもそういう感じがするのです。検察ファッショ的なものが横行しているような考えが根本に流れているんじゃないだろうか。だからリベートであるとかいうものが若干あるんなら、それは何なりと調べなさい、しかしそれ以外は何ら違法もなし、当然のことをやっておるんだというように無批判にあなたの方は看過しておる、そういうことじゃないかと思うのです。そこで根本方針を実は自治庁に聞いておるわけなんです。
○加藤(精)政府委員 便宜私から御答弁いたしますが、吉田先生のおっしゃいますように、自治庁が検察当局に対して、検察ファッションじゃないかというて一種特別な感情を持っているというような点は実は毛頭ないのでございます。また先ほどお述べになりました県知事の監督下にある県庁の職員が非違を行なっていることの究明も、自治庁は不熱心じゃないかというふうに解釈できる御意見の御開陳がございましたけれども、非違を行なっているか行なっていないかということは、まだ事件が検察当局の手にあるわけでございまして、それを予断しまして特別の角度で捜査をいたしますことも、これは現在の自治法規には許されてないことでございますので、かれこれ自治庁の権限にある範囲内におきましては十全を尽しておるのでございまして、その点御了承をお願いしたいと思います。
○吉田(賢)委員 自治庁におきまして出納の適否を調査することは、この間から何べんも御説明も聞いておるし、また条文もこちらで読み上げておるのでありまするから、そんなことはわかり切ったことなんでありまして、調査する権限があることはごうまつの疑いも入れません。ことに今日は総理大臣の介入権も法の改正によって認められておるわけなんですから、従ってこれの要請も請求も自治庁の長官は義務としてすべきだと思うのであります。そのくらいに地方財政の秩序維持のためには権限があると思う。権限の範囲内でやっておりますというようなことをおっしゃいますけれども、第一、批判がないではないですか。千万円の金が入ったという問題については一言半句も触れてない。そんなこと、そういううわさがあるならあるでよろしい、うわさがないならないでよろしい、うわさがあるのは東京だけで、うわさがあるのは新聞だけで、疑っておるのは検察庁だけで、県庁の内部にはそういううわさは何もない、もちろん県知事その他もそういうことは絶対にないと信じておるとか何とか、もっと批判がなければならない。建築部長が申請して、知事が決裁して、これはかくかくの契約に基いて、かくかくの令によって、そんなことは――そういうことはそれこそ電話一つで向うの陳弁それだけをおおむ返しにここへ文書でもってお出しになるだけなんです。だからそこは、調査というものはもっと真相の究明、事実の究明にあるのだから、その是非善悪の判断は後日のことで、やはり事実だけは明らかにしなければなりません。かりに借りても何でもよろしい、借りておっても、あるいは預っておってもよろしい、何でもよろしいから千万円の金が県庁の高級役員の手に渡ったのかどうか、一万円でも渡ったのかどうか、そういううわさが県庁内であるのかどうか、そういうことを疑っておるのかおらないのか、そんなことくらいは調べるのが当然で、そこまで調べたからといって、検察庁の捜査の妨害でも何でもありません。独自の立場から調べるというなようなことは、そういうところからやはり来なくちゃいくまいと思うのです。それすらしないということであったら、何も調査をしなくてもいいと思う。それで私は聞くのです。あなたの御説明には全然批判がないから、批判の内容として今のような大きな疑惑が黒雲のように騒を巻いておるのですよ。それについてもう少し調査の状況くらい言わなくてはいけません。しかしそれは不確定なら不確定でよろしい、不確実なら不確実でよろしい、一つの概況所見として御報告あってしかるべきであると思う。それで私どもは調査官に来てもらいたいと言ったのです。調査官が来なくて、あなた方が適当に文書にしてしまうから困るのです。それで申し上げておるのです。きのう、おとといからのもつれの根がやはり解けませんね。長官も一言だけ言ってすっと行っちゃった。理由も心境も何も言わない。私は自治庁はこの問題の究明について冷淡と言わなければなりません。ここは地方行政委員会とは違いますよ。やはり国家並びにこの種の地方団体の国庫金を保管し、処分をする問題につきまして究明しなければならない重大問題として、われわれは取り組んでおるのでありますから、そのつもりで一つ協力をしてもらわなければいけません。財政部長、どうなんですか。
○小林(與)政府委員 これは私もその御趣旨には全く同感でございます。われわれの立場は県の公金の管理、処分がかりにも扱いに間違いがあってはいかぬ。これはわれわれとしては当然責任をもって調べなければならない。それで問題の金庫以外の金融機関に対する扱いというものが具体的にどうなっておるか、本件の場合は具体的にどうなっておるか。そこだけは私の方でも徹底的に調べて、それによって県に対して穴があいておるかあいておらないかということは、当然考えなくちゃならない問題でございまして、調査官もそういう趣旨を中心に調べて参ったのでございます。問題は、もう一つ先の県庁職員の犯罪問題というものは、これはまた別個にございまして、その個人の犯罪容疑につきましては、いわゆる信用組合と第一相互銀行関係をめぐる問題は、一歩先の問題で、検察当局の御調査の結果を待たなければ、われわれといたしましては何とも申し上げようもなし、調べようもない、この点は一つ御了承願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 だけれども、そういうことをおっしゃれば、検察庁にいたしましても判決を待たなければわかりませんと、こうおっしゃる。判決を待っておれば何年か後のことになるのであります。でありまするので、あなたの方としましても、そこまで金の扱い、現金の扱いの適否を調査する権限を持って、そういうことも主たる目的であったというのであれば、やはりもう少し述べてもらわなければなりません。第一、一体、第一相互という金融機関に一億円の歳計現金が預金してあったということはどうなんです。
○小林(與)政府委員 県の歳計現金が金融機関以外に託されたのは、この資料にある通りでありまして、県の公金を直接第一相互銀行に預託されておるという証拠は全然ございません。
○吉田(賢)委員 直接ではなしに間接にですよ。形が一つまがっておりますから、間接になっております。そうすると、その金を信用組合ないしは住宅協会などが、みずから建設費その他に使った事実はないのでしょう。その点はどうなんです。
○小林(與)政府委員 住宅協会では、一部の金は使っておりますが、一億に関連する問題については、どうも仕事の上から見て使った実績はないようでございます。
○吉田(賢)委員 そうすると、その一億円はどこへ行ったというような推定を調査官はしてきたんですか。幹部がふところへ入れておるのかどうか。またこの組合の顧問には副知事もなっておる。助言をし得る地位にある。その金は一体どこへ行ったという推定をしておるのですか。
○小林(與)政府委員 信用組合へ預託したことは事実であって、その理由もはっきりしておりますが、信用組合自体の経理の運用の中身は、われわれのところでは現在資料がなくて、どこへどういう形でどう行ったかということは、はっきりいたしておりません。調査官も、そこはわからない、こういうふうに言っております。
○吉田(賢)委員 しかし知事は、自己の部下である副知事を顧問にしておる信用組合が、一億円の金を受けて、その受けた金は使った形跡が明らかでない。あるいは住宅協会においても使った形跡が明らかでない。事は一億円ですよ。まあ、あなた方のような、何百億円の金をいろいろと数字の上でお扱いになる方には小さいかもしれぬけれども、やはり一億円という金は大金としなければならない。その一億円の金を使った形跡がないとはけしからぬじゃありませんか。県の公金を使いますと言うて借りて、使った形跡がないとはけしからぬ。使った形跡がないということであれば、それはやはりごまかしておるか、もしくはどこかへ保留しているか、何かでなければならぬ。その疑いを持つのは当然ですよ。使った形跡がありませんと言うて長官に報告する、そんなばかげた調査というのはありますか。
○小林(與)政府委員 先ほど申しました通り、使った事実がないことは事実で、これはそういう報告をしております。これは適当かといえば、われわれも適当とば思わぬ。住宅協会の資金に充てるために預託している以上は、その預託の趣旨に合うように使わるべきであるということは明瞭だと思います。
○吉田(賢)委員 それならこれに対して、知事も総務部長も、あるいは建築部長も――建築部長も自己の名によって知事の決裁を得ておるという関係もあるから、しかるべき弁明はしなければならぬ。かりにも公金一億円が自己の責任で住宅協会あるいは信用組合に交付されて、使った形跡がありませんと言うて、知事が自治庁の長官の命によって調査に行った者に報告して、それで済むというようなことでは、天下は暗やみですよ。どうしてその点はもっとはっきりしなかったか。知事、総務部長、あるいは建築部長は、その点について弁明しないのですか、どうです。
○小林(與)政府委員 これにつきましては、信用組合から先のことについては関知していないか、知事としても、刑事責任はないけれども、政治的責任については痛感しておるということは、言明いたしておるのでございます。
○吉田(賢)委員 知事に刑事責任があるかないか、そんなことは自分で言う筋合いじゃない。しかしそれは政治的責任です。それで大へんけっこうなことなんだが、一体建築部長も、自己の名で預託を要請して、そうしてそれが使った形跡がないというので安閑としておるのでは、これはもってのほかです。これは大へんだとして、みずからほんように大騒ぎしなくちゃならぬはずなんです。最終には返ったからいいじゃないか――そういうことは許されません。そんなことでは、いわば職責を尽す資格のない人と申し上げなければならぬ。この点につきましては、知事の方では、わしはこういう趣旨の決裁をしたということを明らかにしたのですか。もしくは建築部長も、どういう決裁を要請したかということも明らかにしないのでしょうか。その点はどうなんでしょう。
○小林(與)政府委員 これは先ほど申しました通り、そういう趣旨で決裁をしたということは明らかにしております。それで問題は、その通り金が使われたかどうか、こういう問題がございまして、それにつきましては、住宅協会においてその通り使われておるという証拠がございません。これも事実でございます。それにつきまして知事としては遺憾の意を表しておるということは事実でございます。
○吉田(賢)委員 住宅協会の最高の責任者はだれですか。
○小林(與)政府委員 住宅協会の最高の責任者は、この定款にございますように理事長で、福岡県知事をもってこれに充てるということが寄付行為十一条に書いてございます。
○吉田(賢)委員 そうすると、知事はみずから住宅協会の最高の責任者として、そうして建築部長の要請によって一億円からの公金を受け入れて、その金が住宅協会に使われておらずに、それで私は知りません――決裁の責任者であるし、住宅協会の責任者であるし、要請をした部下の建築部長の上役でもある、こういう立場にあって、それで金の行方を明らかにしない。それは知らぬのですか。もう一つ、今問題になっておる千万円の金は県庁の幹部に流れた、そういうようなことについても知らぬというのですか。その二点はどうなんですか。
○小林(與)政府委員 知事は、信用組合から先の問題につきましては、全然関知していない、こういうことを言っております。ただし先ほど申しました通り、住宅協会で趣旨通りに仕事がなされていないという問題は認めておりまして、その点はすこぶる遺憾であるということは事実はっきり認めております。
  〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
○吉田(賢)委員 すこぶる遺憾だけではいかぬのです。住宅協会の最高の責任者が、みずから受け入れたと称するところの一億円の金を使った形跡がないということに判断が到達して、それでその行方を糾明することがない、こういうことじゃそれはいくまいと思う。それじゃ一体何のために知事がおるのかということになりますよ。それはここでのこの間の話じゃないけれども、知事は一体どの程度まで事件に関与しているのだろうか、どの程度まで深入りしているのだろうか、そんなことまで言われてもしょうがないと思うのですよ。だから知事としては、その金はいついつ入ったなら入った、入ったと称して入っておらぬ、パイプになってよそへ逃げていった、東京の第一相互の方に導入預金になったとかなんとか、そのときは知らなんだが、そういうふうに使われておったということをあとで知ったら知った。それをやったのは自分じゃないけれども、自分の部下のだれそれであったということが、何とかもっとはっきりしそうなものだが、自分はめくら判を押したかなんか知りませんけれども、住宅協会は自分の責任じゃないのですかな。住宅協会へ県が渡したということになっておるのだが、そういうことも全体として疑わしいということがほんとうじゃないのですか。常識でも――合理的に常識でいきましょう。全体として疑わしいというのは、自治庁としてもお認めになるのじゃないですか。実はあなたは直接調べたんじゃないのだから、あなたと問答するのは一皮間にはさまっているのですから、私どももほんとうに確信のあるいろいろな答弁を伺うためには不便なんです。それで山本調査官に来てもらいたいというのだが、病気とかなんとかかんとか言って見えぬのです。どういうことになっておるのですか。どうもしかしあなたの御説明、御答弁の全部を考えてみましても、住宅協会とかあるいは信用組合といえども、それは名前を使っておるけれども、結局みずからこれを使用しておらないということになる以上は、やはりその金が東京の第一相互にきたというくらいなところまでお認めになっても別に――たとえばおとといもそういう議論もあったくらいで、そこまでは別に犯罪性も違法もないというふうな御意見だし、またあなたもそういうふうにお考えになっておるんだから、裏利を取ったりすることは問題だけれども、裏利さえ取らなければ、東京の第一相互といえども堂々たる金融機関であるから、金融機関に融資することもちっとも犯罪性もなければ法は禁ずるところにあらず、こういうことをあなたは言っておられるんだから、そんなところまで何もこれを積極的に否定する必要はないと思います。やはりこれは住宅協会に使うがごとくして実は使っておらない、信用組合が使うがごとくして実は使っていなかった。結局それは東京の第一相互へ流れてきたことは間違いない。事実の関係はお互いに大体間違いなかろうというところで検討を進めていった方が便利だと思う。こんなところまでいろいろととやかく、まだそういうことはわりません、わかりませんという必要もなかろうと思うのでありますが、それは財政部長どうでございましょうか。
○小林(與)政府委員 この点は山本調査官の報告にもありますけれども、要するに信用組合の内部の資金の運転がどうなったか、結局そういう問題でございまして、それにつきましては全然確実な資料が得られなかった。これはわからない、われわれの立場としてどうこうなっておるということを申し上げる段階になっていないのでございます。その点御了承願いたいと思います。
○吉田(賢)委員 そうすると知事は金はどこへいったという調査もせぬのでしょうか。知事とあろう者は、住宅協会に一億円もの金が入ったことに公文書でなった以上、それを使っておらぬ以上は、それを究明することはまた知事みずからの責任だろうと私は思うのです。そういうこともしておらぬということにあなたの方の調査ではなっておるのでしょうか。
○小林(與)政府委員 信用組合へある一定の目的で預託した以上は、自治庁の立場から申しましても、その預託の趣旨通りに使わるべきものだということは私は明瞭だと思います。その関係につきましては、知事は当然最高責任者としてそういう趣旨に使われるように見るべき総括的な責任のあることも私は間違いないことだと思います。そこで知事といたしましては、その点について全く関知していなかったから現在遺憾の意を表しておるものだと私は存じておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 私は何も今すぐに知事を追及しておるのではないのですが、しかし知事は自分が管理の最高責任者である住宅協会へ一億円もの金が入ったというのに、それが実は使っておらぬという以上は、知事みずからがほんとうにその内容を調査する責任がある。使っておる形跡がない、私は知りません、私は関係しておりません、私はそういうことでは済まされないと思うのですが、それを調査したかしないかということについて、あなたの方では調査したかどうか、こう聞いておるのです。
○小林(與)政府委員 そこまで山本調査官が調査したという報告は受けておりません。
○坂本委員長代理 ちょっと委員長から発言しますが、山本調査官はきのう帰ってだれとだれとだれで協議されましたか。
○小林(與)政府委員 きのう帰りまして山本調査官の報告を逐一聞きまして資料の作成を命じたのでございます。その際に立ち会った者の名前でございますが、それは自治庁の次長、それから私、行政部長、財政再建課長、調査課長と山本調査官、大体その範四だと思います。
○坂本委員長代理 きょうこの決算委員会に出られて、その調査に基いて審議を進めることになっていたのですが、山本調査官は飛行機で行って重要任務を帯びて帰っておるのに、きょう欠勤届を出して自宅におるなんて、どうして出席その他についての徹底をやっていなかったのですか、その点を承わりたい。
○小林(與)政府委員 山本調査官の欠勤届の話は今委員長からお聞きしたのですが、山本調査官は実はからだがあまり強くないので、タベおそくまで資料の提出をやり、さらに往復とも飛行機でからだが疲れまして、あるいはそういうことになったのではないかと想像されます。
○坂本委員長代理 もう一ぺん聞きますが、そういうようなことでは審議が進められぬでしょう。ことに田中長官が発言を取り消すというような重要な審議の状態にあって、それも調査の問題がからんできておるわけなんです。そういう重要な審議が本日午前十時から進められるについて、その調査官がからだが弱いからといって欠勤するような状態で、自治庁の幹部はそれでいいと思われるかどうか、次官にお伺いいたします。
○加藤(精)政府委員 私も詳しい事情は存じていないのでございますけれども、山本君は前々から非常にからだの弱い人なんでございますが、非常に頭脳の明晰な人で、特にからだの弱いのを知っておりながら起用して急遽調査に行ってもらって、できるだけ真相を明らかにしようとしたのでございます。そうした関係上非常な疲労でからだの調子が悪く、健康に非常に影響するものでございますれば、しいて出勤させますのは人道に反するというふうに考えております。
○坂本委員長代理 人道に反するというのですが、職務を持って行って、こういう重要な審議に際して人道に反するような病気かどうか、そういう点をもっとどうして徹底的に調べてこの委員会に臨まれないのですか、その点をお聞きします。
○加藤(精)政府委員 山本調査官が欠勤の通知をした時刻とわれわれがこちらに参りました時刻と一緒ではないかと思いますので、そういうことで手おくれになったかもわかりませんが、できるだけ早く調査することにいたします。
○吉田(賢)委員 山根説明員に伺いますが、この一億円の導入預金はいつごろ返っておりますか。
○山根説明員 一億円が返りました日時はちょっとわかりかねますが……。
○吉田(賢)委員 銀行局長に伺いますが、今のはいつごろ返っておりますか。
○東條政府委員 第一相互銀行の帳面によりますと本年の二月一日に二千万円、本年の三月二十三日に八千万円、合計一億円の支払いになっております。
○吉田(賢)委員 本年になりましてから二千万円と八千万円が戻ったということは、これは自治庁の方は御調査になりましたか。
○小林(與)政府委員 これは事実のようでございます。三十二年の現在の状況から見ますと信用金庫に対する預託金がございませんから当然戻っておるものと考えております。
○吉田(賢)委員 そうしますと三十年の十二月に三回にわたって一億円が預金されておるということなのですが、そういたしますとこれは何回にも、さらにその後返ったり預けたりこういうことを繰り返したのでしょうか、その点いかがです。
○東條政府委員 銀行側の帳面によって私どもの判断いたしますところでは、ずっとそのままこの期間まであった、つまり出入りはない、こういうふうに私どもは考えております。
○吉田(賢)委員 その一億円というのは、どこへ貸付をしたということは、それは何かわかりませんですか。
○東條政府委員 面会にもちょっと御説明いたしたと思いまするが、三十年の十二月前後は第一相互銀行といたしましては相当資金繰りの窮屈な時代だったわけであります。それでこれまた面会も申し上げたのでありますが、この十二月に三回にわたりまして受け入れました一億円の相当部分が貸し付けられた、つまり見合いに貸し付けられておる事実はございません。それでございますから、この一億円がそういう銀行の全体の資金繰りに使われたと見るのが適当だと考えます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、財政部長に伺いますが、一億円の歳計現金が東京の第一相互へ預金されたとかりにいたします。そういたしますとそれが三十年の十二月であれば年度からいえば三十年度ですね。――ところが三十二年の二月に至りますまでまだ返還を受けておらぬということであれば、第一三十年度の決算においては一億円はまだ返っておらぬということになりますね。――それから三十一年の年度末にようやく返った、こういう計算になるように思いますがその点はどうですか。
○小林(與)政府委員 私の方の調査でもはっきりわかりませんが、その間には県に預託金が更新された形で継続されておるようでございます。つまり先ほど申しました通り、預託期間は三カ月、こういう原則になっておりますので、百パーセント返ってしまったという形跡はないようでございます。
○吉田(賢)委員 そうしますと、この決算の上で監査委員も監査をし、県の議決を経ることになるわけですが、県財政の決算の上に一億円のものが相当この数字が出ておると思うのですが、これはどんなんです、出ておりませんですか。
○小林(與)政府委員 福岡県は御承知の通り繰り越し団体でございまして、繰越金を七億円以上持っておりますので、歳計現金の経理上、決算の上においてはこれは不足とか赤とかいう形では現われておらぬ、その金の運用の問題としてそうやったものだと考えております。
○吉田(賢)委員 ちょっと私ははっきりわかりませんが、つまり三十年の十二月に一億円を預託した。預託したものが三十年度の決算では返っておらぬのですよ。まだこれは預託のままになっておりますね。それから三十一年度の年度末において初めて元金が返っておる。今の銀行局長の御説明ではこういうことになると思います。それが決算の数字の上にどういうふうに現われておりましょうか、こういうふうにお伺いしておるのですが。
○小林(與)政府委員 決算の上では歳入歳出のトータルの最後の帳じりしか出て参りません。それでございますから、今申しました通り、福岡県は七億もの繰越金を持っていますから、その繰越金の歳計現金の保管運用という形で、銀行にそのまま預託されておる。決算の数字の上におきましてはそれが出てきておらないのだと存じております。
○吉田(賢)委員 一億円の繰越金はどういう内容なんですか。
○小林(與)政府委員 これはどういう内容と申しましても、要するに歳入の総額と歳出の総額の差額でございます。要するに、不必要、支出しなかった残の金額でございますから、特別の内容という説明はちょっといたしかねます。総歳入と総歳出との差額でございます。
○吉田(賢)委員 福岡県では以前に雑部金というような口座でもあったのじゃないですか。
○岡田説明員 雑部金はどの県でも、たとえば給与を払いました場合に所得税を取りますけれども、これは国庫に納めなければなりません。それが翌月の十日に納めることになっておりますので、その間に雑部金となっておるのはどの県でもそういうことになっております。
○吉田(賢)委員 検査院に聞きますが、三十年度の検査報告書の一四ページから一五ぺージにわたってのこの補助金の総括的御説明によりますと、一五ぺージの末行に、府県が「補助事業が年度内に完了していないのにこれを完了したこととして国庫補助金等を支出し雑部金に繰り入れていたものが、二十九年度補助事業について秋田県ほか三九都府県で八十四億七千五百余万円の多額に上っており、」こういうことも記載されておりますが、これは一体どういう趣旨なんですか。
  〔坂本委員長代理退席、委員長着
  席〕
○大沢会計検査院説明員 会計検査院がこの都道府県の補助金の中身を検査しましたときに、この検査報告書のただいま御指摘になりました一五ページに書いてあります点は、国の補助金と、それから県の資金と合せて補助事業、つまり市町村などに対する補助事業、これに対して補助金を今度は都道府県が交付することになるのでありますが、その場合に本来ならば補助事業は完成している。だから都道府県としてはその市町村にそれだけの補助金を交付するということになるわけであります。それが筋でありますが、二十九年度におきましては、年度末にまだその補助事業が完成していない、いわゆるまだ支出する時期ではないというような場合に、一応それが完成したものとしまして、補助金を県から支出しまして、それをもしも完成しておりますれば、当然補助金を受ける団体である市町村に渡すべきでありますが、補助事業が完成していないために、それを県の雑部金に繰り入れる。つまり県の一般会計から支出しまして、県の雑部金に繰り入れる。そうして補助事業が完成したら、それに応じまして逐次その金を交付する、こういうような取扱いを二十九年度にやっておったわけであります。その総額は、われわれが検査しましたところにおきましては、二十九年度末におきまして雑部金に繰り入れましたものは、そうした補助工事に関連したものだけで八十四億というのが四十都道府県にあったわけであります。そういうことをここに指摘しておるのでありまして、先ほど自治庁の御説明にありました、いわゆる源泉徴収の所得税を払い込むというような一時的な歳入歳出外というものを除きましたいわゆる補助工事に関連したものだけが、ここに記載してあります八十四億という数字になっております。
○吉田(賢)委員 同年度におきまして福岡県にはそういう雑部金はどのくらいあったのですか。自治庁はわかりますか。
○小林(與)政府委員 ちょっと調査してみなければわかりません。
○吉田(賢)委員 検査院では福岡県のことはわかりませんか。
○大沢会計検査院説明員 八十四億という数字の中に福岡県が占めておりますのが二億五千三百三十六万三千、まだ下がありますが、二億五千三百万というものが二十九年末において雑部金として支出した金額になっております。
○吉田(賢)委員 そうすると、これは福岡県においては補助金として国から受けて、その工事が済んでおらぬのに済んだこととして支出行為を完了して、一たん支出してしまって、また雑部会とかいうところへ繰り入れて置いておく。そういうようなものを一体二億五千万円も作るということは、これは違法じゃないのですか。事業ができないで支出するということは違法じゃないのですか。その点どうなんです。これは小林部長から……。
○小林(與)政府委員 国の補助の問題でありますから会計検査院から……。
○吉田(賢)委員 府県財政として国から得た補助金を、補助金の用途にいまだ使わないのに支出行為を完了して、雑部金というようなものに二億五千万円も別に保管しておくのですね。そういうことは違法じゃないかと言っているのです。あなたの財政監督の立場から……。
○小林(與)政府委員 この年度末におけるその扱いにつきましては、私は純粋の理屈からいって問題があろうと思います。問題は、補助金でありますから、補助金以外に使ってしまえばこれは当然許すべからざるものでありますが、仕事の執行がおくれたものだから、でき上るまでそういう形で県の内部で保管をしている、こういう形で過去において扱ってきておるのでございます。それでございますから、ほんとうに補助事業が執行された場合に、それから、現金を渡しまして補助の目的を完結をしておる、こういう扱いでございます。その扱いは技術的に言って必ずしも適当な方法じゃございません。従来そういう扱いになってきておりますが、最近はこの補助金自体の繰り越しの問題とか、そういう形で制度的に筋道をつける扱いにいたしておるはずだと思います。
○吉田(賢)委員 今補助金につきましては、適正化法が実施されまして、かなり厳重になっておるから、だんだんと改善されておるかと思うのだが、こういうように福岡県といえども、あなたはさきには繰り越し七億円と言われるけれども、中味を聞いてみればこんなことが出てくるわけなんです。二億五千万円を支出しないのに一たん支出したこととして、そして別の雑部会というようなものに持っておるというようなことが、やはり県の財政を紊乱する一つの温床になるのじゃないかと私は思うのです。今適正化法ができてだんだん改まっておるということなら、これは議論が少くなるのですけれども、やはりそういったことはあまりこれを弁護する問題じゃない、私はこう思うのであります。
 そこで話はもとに戻って、三十年度の決算には一億円の導入預金になったというような経路などは、痕跡は数字の上では出ておらぬ。七億円の繰り越しというのがあって、その中にぶち込んであるのでわからない、こういうことになるわけです。そういたしますると、第二の第一相互、第三の第一相互というような不良な銀行があって、それがまたこういう公金をねらって導入屋が暗躍して、その金をつまんできて、そうして相互銀行は東京では不良貸付をやっておる。それが回収できない。一方県財政の決算を見るならば、繰り越しでございます、七億円、十億円あるといってすっと通ってしまう。一体こんなばかなことでは財政の監督もくそもないのだが、その点は部長どうですか。
○小林(與)政府委員 ただいまお話しの問題は、結局公共団体の交付金を金庫以外の金融機関に預け入れるときに、一体どういう形で預け入れるべきかという問題であると思います。われわれといたしましては、当然確実有利な金融機関以外に、行政上どうしても必要な金融機関以外に、みだりに県の公金を預金したり預け入れたりすることは、とるべき措置ではないと思います。
○吉田(賢)委員 私の伺っているのはそうではないのです。預け入れ方の問題ではないのです。預け入れた先が不良預け入れなんです。その利用されているのは不良貸付なんです。その間に犯罪的な行為も起っておるのであります。そうして多数に起訴もされておるのであります。福岡は起訴されておりませんけれども……。そこで肝心の公金を出したもとの県の決算はどうかというと、繰り越しでございというて、あなたの話ではわからぬという話ですね。七億円繰り越しがあるのだから、おととしの十二月にこういう導入預金をしておるけれども、導入預金がわからぬ。本年の二月、三月に一億円返ってきたけれども、七億円の繰り越しの中に入ってわからぬ。わからぬというようなことでいいのですかと言うのです。本来ならばこれがもっと明らかにされるべきではなかったかと思うのです。預け方の問題ではないのです。
○小林(與)政府委員 これは決算の上からは出てきませんが、歳計現金の保管状況は、県といたしまして当然見なくちゃいかぬ、監査委員も当然監査の対象として監査すべき問題だと存じます。
○吉田(賢)委員 保管状況、監査委員の監査の適否、監査委員が厳格に監査すればこういうことがなかったろうということは、これもよくわかります。わかりますが、同時に自治庁におきましても、繰り越し金七億円というのが内容が何だかわからぬというので、それで知事から議決をしたといって決算の報告を受けておるというだけでは、あなたの方もこれはほんとうに実際を知らぬのだから――あなたの方は七億円の内容を知らぬのです。七億円の内容が、果して一億円が第一相互へ行ったのやら、そうでないのやら、今の検査係長の説明によると、収支決算して余ったのだから繰り越しておりますといって、その点まるでガラスの上をなぜているような御説切なんです。そんなことで検査はできませんよ。そうでなしに、もっと内容がわかるように、あなたの方ではどうでも検査ができるのだから、監督しておるのだから、もっと内容がわかるようにしておかなければ、第一相互へ行ったのやら、第二の第一相互へ行ったのやらわからぬ。全国的にこれであるならば、繰り越しが数百億円あるのか知りませんけれども、繰り越しの内容は全く知らぬということになります。そして検査課長の言うがごとくに、これは収支決算上余ったから繰り越しています、そんなことでは国会の答弁になりませんよ。
○加藤(精)政府委員 吉川先生の御質問は、いよいよ核心に触れる段階に入ってきましたので、私からお答えいたしますが、現行制度の財務法規が非常に適当だかどうかということについては、私たちも今一生懸命研究いたしております。問題は地方行政常任委員会におきましてそういう点に触れて研究いたしておりまするが、現在の政府の地方団体に対する財政監査なるものが、常時監督の手を、そのタッチをずっと継続して持っているという格好になっておらぬのでございます。そこまで行きますと、地方団体に対する干渉という形になります。それは法律的に申し上げますと、再建整備団体に対しましては、年に二回定例の監査をしなければならぬという規定がございます反面解釈といたしましても、常時定期的に監督のタッチを持つというところまでいっていないのでございます。
 その点と、もう一つ地方行政常任委員会におきまして専門的に御審議の対象になりましたものは、歳計現金の預入先につきまして、現在出納長権限または県の規定によって処理しておるわけでございますが、これに対して、こういうような事件があるのにかんがみましても、歳計現金の預入先に対しまして、何らかの、たとえば地方団体の議会の議決というようなことも必要な段階になっているんじゃないかということが今考えられております。
 それから預託の問題につきましても、その機関の問題とか、そういうことが問題になり得るのでございます。しかしながら、現地の段階におきましては、そういうふうな立ち入りまして継続的な監査のタッチをずっと続けていくという形になっていないのでございますので、この細部の会計について常時自治庁が監督、指算するのには不便な状況になっておるのでございます。地方団体を信用しまして、もしその地方団体の理事者が違法、不当のかどが多かった場合に、それならどう監督するかということになりますと、これは地方自治規則によりまして自治監督で、あるいは直接請求とか、あるいは府県の議会による監督とか、そういう自治的な監督に現在の地方制度の建前としてはなっておるのでございまして、そのからを打ち破ってどうして常時監督しておらないのか、常時内部の細密な監査をしておらなかったのかということをおっしゃられましても、現行法の建前がそうなっておらないのだということを申し上げるしかないのでございます。ただしかしながら、一般的にいいまして、今回のような事件が起きましたことは、地方自治を預かりますところの自治庁としては非常に遺憾なことに思っておるのでございまして、これは長官からも非常に遺憾の意を表したことでございまするし、私も衆議院の地方行政委員会におきまして遺憾の意を表しております。かかる事態が起らないように、地方自治法その他によりまする指導という面につきましては、今後ともなおさら十分にやっていきたい。それには地方自治庁の役所機構等をももう少し拡大していただきまして、将来行政指導の万全を期していきたい、こういうふうに考えておるのでございます。
○吉田(賢)委員 私どもは、あなたの方が将来預託等についての制度の改善をしようということについていろいろお考えになることは多とします。多としますけれども、さりとて自治の精神をじゅうりんして干渉あるいは大きな中央集権を目ざしていくような傾向につきましては、賛成をするものではないのであります。ただしかし、そうとはいえ、国家の財政上の莫大な資金が地方にいって、それを監督にしろ、自治体の責任にしろ、いずれにしましても今日のような抜け穴だらけの状態であっては、これは制度、人、いろいろあろうが、いずれにしても、今のような状態であったら、私はあなたらのこの間からの説明を聞いておると、少々悪いことをしましても上手にすればいいので、裏利をとるのが下手であったから暴露した、そういうことに落ちるのではないかと思う。そんな頭とそんな能力で、どんな預託の制度を――議決をしろとかなんとかいうことを言いましても、本末転倒であって、そういうことを一生懸命にやったら、かえってがんじがらめで、また牛の角を折ってしまうことになりはしないかと心配いたします。あなたは遺憾の意を表したとおっしゃるのだけれども、財政部長は悪いことをしたというような考えは一つもないのですよ。この間から全然ありませんよ。だから当りまえのことをやって、何をきさまたちは干渉しているのだというような、そんな気持が流れておるから、報告といえども、しゃくし定木の報告しかここに出てこないのです。何の批判もない――批判もあり反省もあって初めて遺憾の意を表すべきで、飛び越えて遺憾の意を表するということは、それは口先だけのことなんで、そういうことでは、事の責任関係を明らかにしていくわけには参りません。
 そこで私は休憩に入りしまする前になおちょっと聞いておきますが、銀行局長に伺いますが、今の一億円の導入預金が一年数カ月間もあった。これが東京にあったということを私は非常に重視するのであります。三カ月で急遽あわてて取り戻すとかいうようなことがあるならともかく、一年以上も――三十年の十二月から三十二年の三月に至りまするまで、福岡県ではそんな妙な使い方をしておったことを知らぬ顔をして経過してきたのですから、非常に重視しております。そこで一体そんな金は何に使われておったんだろうという実態も考えておいてみたいと思います。何に使われておったか、そういうことになりますと、これは実に広い分野に金が流れ出ていったらしいのでありまするが、検察庁が第一相互の前の常務取締役の波部虎雄、同じく前の営業部貸付課長の前田彦、それからスチール工業株式会社の経理部担当者の直江秀次、この三名を、資料によれば三十一年の十二月に二回にわたって起訴をしております。そこで、そのうちのスチール工業の関係のものが十四億六千六百二万三千円ということになっておるのであります。そこで、確実な担保もないのに十四億円も貸し付けたというような疑いを受けておるのでありまするが、その辺の状況を少し明らかにしておいてもらいたいと思います。貸した形跡がないというあなたのさっきの御答弁でありますけれども、やはり資金繰りの忙しい第一相互は、こういう公金もつまみ抜き、あちらの遊金も導入屋に探させ等々いたしまして、そうして銀行にぶち込んで、銀行はこういうふうに流してしまったのではないだろうか、私どもはこういうふうに思われるのであります。特に三十一年の一月十二日ごろから六月の十五日ごろまでの間にこういうように貸付が行われておるのでありますが、ちょうど時期がぴったり合うのであります。だから、この中にも入っているのではないかと思うのであります。この中へ入っておるといたしましたならば、これは導入預金の常識から見まして、最終の借り主と導入屋と銀行と導入預金の出し手と、それぞれ意思を通じてこういうことが行われたのではないかということさえ考えるのであります。でありますので、このスチール工業に対する同銀行の貸付の十四億につきまして、少しあなたからお話を聞いておきたいと思います。
○東條政府委員 スチール工業関係の貸し出しは、実は表面的な名義はいろいろでありまするけれども、実態的にはスチール工業という会社が中心になりまして、実体的にはスチール工業というものが動きまして、いろいろと各方面からいわゆる導入預金をあっせんをいたしまして、第一相互にこの預金が受け入れられるわけであります。しかしその半面におきまして、やはりスチール工業に対しまして、第一相互から貸付が行われるわけであります。つまり当初の間では大した金額に上っておりません。いわゆる導入預金――形の上では定期預金でありますが、不良貸付がありますような場合におきましては、その期限がきました場合においては、やはり預金の払い戻し資金を作らなければならぬ。その払い戻し資金を作りますがためには、この問題になっておりますスチール工業というものがあっせんをいたしまして、今申し上げましたような導入預金をいたすわけであります。しかしその場合に、多くの場合スチール工業にあっせんを頼みましたような預金者は、いわゆる裏利を取るわけでございます。この裏利の金の出方は第一相互からスチール工業に対しまして貸し付けました金の中から裏利が出ていくわけであります。そういうようなことで、いわば雪だるま式にスチール工業があっせん、媒介者になりましたところの導入預金がふえていく反面、スチール工業に対する貸付金がふえていくというふうに、ぐるぐる回ってふえていくというのが、このスチール工業関係の貸付の内容になっておるのであります。従いましてこの十四億六千万円という金額の正確な計算がなかなかむずかしいのでありますが、相当部分がそういうような、いわば銀行側から申しまして相当無理を重ねて受け入れた導入預金の裏利の部分というものが、この十四億の相当多くの部分を占めておるというような状況に相なっておるわけであります。
 それからこれはやや蛇足かと思いますが、御疑念があるようなので、私ども銀行について調べました結果を申し上げますと、いわゆる福岡県庁信用組合関係は、このスチール工業関係の導入預金ではないというふうに私どもは帳面の上では見ております。この点は再三申し上げておりますように、福岡県庁信用組合から三回にわたって一億円の預金がございましたが、今申し上げましたような例でわかりますように、典型的な導入預金と申しますのは、それに見合います預金の相当部分を占める貸付が行われるというのが、典型的な導入預金の特色でありますが、この福岡県庁信用組合の場合におきましては、一億円の相当部分というものが貸付にはなっていない。従っていわゆる導入預金ではないということを、前々回の席上で申し上げたわけでありますが、その点を御参考までに申し上げておきます。
 なお、私はスチール工業という名前で申し上げたのでありますが、スチール工業に下部機構と申しますか、さらにたくさんの下部機構があるわけであります。さらにその先にもまたいろいろの機構があるというようなことでありまして、個々の預金者の場合、いわゆる導入預金をしたときでも、自分が直接の相手方はスチール工業でないという場合があります。ただし第一相互の帳面を見ますと、結局、終局的にはそれがスチール工業のあっせんということになって帳面の整理が行われておる、こういうことであります。
○吉田(賢)委員 そこで二百二十回にもわたって十四億貸し付けたというような、こういう帳面があるようであります。何百回にわたるということを今おっしゃった、その先の関係者といいますか、スチール工業を通して、そこにとどまらずにまたほかへいく、こういう関係になってくるわけですが、二百回というのは常識上考えられないのですが、その点どうなんですか。
○東條政府委員 今申し上げましたように、スチール工業自体の手で資金を集める場合もありますけれども、その相当部分はやはりスチール工業のさらに下のあっせん屋といいますか、そういう者が動いておる。また場合によっては、さらにその下にあっせん媒介する人がおるというように、スチール工業というもので、いろいろ調べてみますとわかりますけれども、その下はさらに相当たくさんに分れておる。それから名義自体も、実はスチール工業という名義で整理されておる部分がこの十四億ではございませんで、名義の上では、御承知のように、いろいろ法規関係を考えまして、これを分割しておる。結局これは検察庁の調べでありますが、われわれの検査でも、いろいろの関係から、名義は別として事実上スチール工業関係の扱いになっておる実態であろうというものが相当の金額に達しておる。こういうことであります。
○吉田(賢)委員 いろいろな名義になっておるというのは、あなたの方の調べでは、どのくらいになりますか。また裏利は大体どのくらいになるのですか。
○福田説明員 便宜上私からお答えをいたしますが、名義人になっておる会社は、正確に覚えませんが、七、八十ぐらいに上っておったのではないかと記憶いたします。もちろん、それらの会社の中で登記をしておるものがほとんど大部分だろうと思いますが、登記簿はありましても、実際活動しておるかどうかというところまでは、個別には取引先の調査まで事実上私どもにはできなかったわけでありまして、一応銀行の帳簿書類等によって見ましたところ、そういう状況であります。
 それからなお裏利息でありますが、通常の場合、三カ月定期というものが非常に多いのであります。三カ月定期につきまして、時期によっても違いますが、大体スチール工業が払っておりますものが七%くらい、年末などの非常な繁忙な時期には三カ月について一割をこえる。従いまして年利にしますと、それを四倍する、七%で二割八分になります。一割を年利にしますと、四割になる。さらにそのほかに表金利といたしまして、正規の年四分の利息をもらうということになるわけですが、ただその七%の裏利は、配分関係がどこでどうなっているかということは、あまりはっきりいたしませんが、それぞれで分けておるというのが実情ではないかと思います。なお先ほど十四億数千万円のうちで、推算でございますが、裏利として含まれておると思われるものが六億二千万程度ではないかというふうに推測いたしております。
○吉田(賢)委員 小林部長の方、つまり自治庁の方においても、信用組合に預託する、もしくは住宅協会に貸付を、する、第一相互へ預金をする、そういうことは法律上違法性はないというわけですね。ただ裏利をとるということが事実であるとするなら、そこに違法性が生ずる。大体こういうような御見解なんですね、そこはどうなんですか。
○小林(與)政府委員 裏利の関係は大蔵省から御答弁願いますが、私の方は、要するに金庫銀行以外に他の金融機関に預け入れるときに、現在県のやっている会計規則その他の手続上違反がなければ、他の金融機関に預託したからといって、違法という問題は起らぬだろう、こう言わざるを得ないと思います。そういう点を申し上げたわけです。
 それからなお先ほど雑部金二億が七億幾らのうちに入っておるのじゃないかという趣旨のお話がありましたが、雑部金は歳入歳出外現金として使っておりますので、七億は純粋の県の金の繰り越し、その点だけちょっと御了承を得ておきたいと思います。
○坂本委員 今の吉田委員の質問に関連するのですが、預託金は期間が三カ月なんですね。その受けた預託金を一年間の定期預金にするということは違法じゃないですか。と申しますのは、私は午後また聞きますが、福岡の信用組合は第一相互に一カ年の据置預金で預金をしておるわけです。だから三カ月の期間の預託金を県からとって、そうしてそれを一カ年の定期預金にしておるわけなんです。これは間違いないと思うのです。私はそう聞いておるのですが、それは違法じゃないかと思うのです。銀行局長、その点はどうですか。私はこの間のあなたの御答弁で、三十年の十二月に三千万、四千万が一カ年の期間の預金になっておる、それは定期預金かあるいは特殊の預金か知らぬが、とにかく一カ年の期間で貸しておる、こう聞いておるのですが、その点いかがですか、それを確かめたいのです。
○福田説明員 かわってちょっと御答弁申し上げますが、福岡信用組合から第一相互銀行への預け金の形は通知預金でございます。通知預金でございますが、銀行関係者の説明によりますと、一カ年間は払い戻さないという約束があるらしいというふうに承知いたしております。ただそれが果して書面による約束であるかどうかというところまでは私は確認しておりませんので、その点お含み置き願いたいと思います。
○坂本委員 資料がないから、銀行局ははっきり言われぬと思うのですが、通知預金でそうして一カ年間払い戻さないという、これは書面の約束か何かはあると思うのですが、すでに実際も検察庁の大石検事が二十三日に福岡に出張する、その二日前の二十一日に八千万円返りまして、これは一年以上の期間後になっておるわけです。
 そこで小林部長にお聞きしたいのですが、結局一年間は預金は払い戻さないという約束で預金したのは間違いないですよ。預託金をこういうふうに一年間も払い戻さないというような約束をして預金をするということは、これは私は違法じゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
○小林(與)政府委員 この点はつまり県の公金の預託の仕方というものにつきまして、いろいろ会計上の規則があり、扱いがありますから、それによって検討してやるべきだと思います。今度その預託を受けた金を金融機関がどういう形でどう動かすかという問題は、これはその金融機関の運用の問題でございまして、県が預託をしたとき何か契約でもあれば、その契約に違反するとかしないとかという、こういう信用組合の責任の問題になるのじゃないか、法律的にはそういうふうに理解しております。
○坂本委員 この問題は、福岡県においては福岡県知事が組合の理事長をしておるようですから、私午後質問します。
○吉田(賢)委員 ちょっともう一点。今の財政部長の御説明では、他の会計法規等に違反をしない限りはという条件がついておるわけです。そして第一相互へかりに預けても違法とはなるまいという御見解なんです。そこでそういう見解に立つならば、一体第一相互へ一億の金が行ったということは、大体どうも事実らしい。だからそこまではあなたの方は別に違法でないのだから、その金は第一相互へ行っても第二相互に行っても、裏利をとらないという問題、それとその他の会計法規ということになるのだから、若干そこには疑問がありますけれども、大体におきましては今の問題の場合は千万円の裏利が入っておらなかったら、あなたの方は堂々と金の行方を論じても、別に論ずることにおいてちゅうちょはないと思う。そこであなたに聞きたいことは、一体この一億の金が他へ貸された形跡がないということなんだが、これは公金の行方として自治庁としてそこまで関心を持っていただきたいという意味で、私はなお尋ねたい。組合で使った形跡はない。それは知事が明らかに言っておる。銀行はこれを貸し付けた形跡はない。一体どうなったのだろうか。まさかこれが政界にばらまかれたようなことはないだろうかということなんです。今みんなで揣摩憶測、流言飛語、怪文書が第一相互をめぐってあるのです。でありますから私どもはますます奇々怪々です。第一、スチール工業と称するものにおきましても、どうもそれほどたくさんの会社名義を使うということも納得ができぬし、いずれにしても、十数億をこういう無尽会社から、変った銀行から借り受けるということも常識的にどうかと思うし、そういうところへ一億円の大切な公金がわざわざ九州からこちらまで流れてくるというようなことには、重大な関心を持ってほしいと私は思う。しかしあなたらの議論である、自治庁というところは地方公共団体の財政にはなるべく干渉したくないのだという考え方、干渉しないことはけっこうだけれども、ともかく冷淡であれば、そういうことは議論したくないであろうけれども、もしまじめに国の予算上の大きな金がぐるぐる回って、使いもしない――使いもしないというのは語弊がありますが、第一相互まで行ったやつがまた九州に返ってくることになる、第一相互は火の車でむちゃくちゃで、自転車融資のように資金繰をやっておる、そこにつぎ込んでいったというのだから、どうなったかわかりませんが、しかしどうなったのだろうかというくらいは、帳簿なり何なりを通じて見るようなことは、あなたの方でもしできなかったら、内閣と相談をするなり、あるいは大蔵省に要請するなり、何か私はこの一億円の金の行方を検討するということを、やってしかるべきだったと思う。こういうことはあなたの方では、どうなろうともそこまでは違法ではないのだというので、関心もないということなんだろうか。裏利をとっておれば違法になるからやいやい言うけれども、裏利をとっていなければ、大切な公金を東京の第一相互に預けようが、北海道の第三相互に預けようが、沖縄へ行こうが、そんなことはおれの方は知らぬのだということなら、これは論外なんです。破産、倒産に瀕したようなこういう銀行に、一億円の金が流れて一年以上も使われずにおったということは、まことに奇怪なことだと一応考えるのですが、あなたの方でもっと行方を追及することは職責上当然だと思うのですが、これはどうですか。
○加藤(精)政府委員 吉田委員の質問にお答えいたします。吉田委員のおっしゃることは私も納得いくのでございますが、自治庁の権限でもって今のお話のあったようなことをすべて突き通していくということにはならぬのではなかろうかと思っております。それはたとえば普通の信用組合は、これは自治庁で何らこれを監査する方法もございませんし、住宅協会は自治庁の所管の法人の監督でもございませんので、なおそれに不正の問題につきましては、自治庁は犯罪捜査はできませんし、非常にたびたびの御質問でございますけれども、政府としてはこうした事件が発生する穴があるということにつきましては、立法論として将来の立法に特に努力いたしたいのでございますし、各省もそれぞれの分野に従って追及する、あるいは調査するということには間違ないのでございますが、どうも自治庁だけの権限で自治庁の地方団体監督権――現在監督権がございませんで、指導助言等しかございませんが、その現行法のもとにおきまして、自治庁の権限でそれを追及しなければいかぬということでございましたら、私、その法的根拠を御指導いただけば大へんありがたいと思います。
○吉田(賢)委員 山根検事に伺いますが、渡部虎雄、前田彦、直江秀次、これは今保釈出所したというのですが、いつごろ保釈したのですか、わかりませんか。
○山根説明員 ちょっと今わかりかねます。
○坂本委員 銀行局長にお願いしておきますが、私は先般の質問で、一カ年間の預金だ、こういうふうに聞いておったのですが、今の御答弁によると、通知預金であって、一カ年間払い戻さない、こういうようなことですから、その点を午後にはっきり調査していただきたい。
 それからもう一つスチール工業関係で、名義人会社が七、八十ありまして、そして雪だるま式に太ったのは事実ですから、三十年十二月の三回にわたる福岡の組合からの預金について、この関係についての下のあっせん屋と関係があるかどうかという点、つきつめれば、この三十年十二月に福岡からの一億円の貸付先がどうなっておるか、そこを調べてもらえばいいのですから、その点を一つ調査して午後報告してもらいたい。
 以上お願いしておきます。
○淡谷委員 銀行局長にお願いしておきますが、さっきお話しのスチール工業の下部機構というものを一覧できるように、坂本委員の請求と同じように一つ御提出願いたい。
○東條政府委員 その点、坂本委員のお話でございますが、私は実はここでは初めから通知預金というふうに御答弁申し上げたと思います。それから検察庁から申し上げました、一年間は事実上払い戻しをしないことにしようと約束があるように見受けられる。あとの点につきましては、銀行がどういう――たとえば文書によるような約束があるのか、どうなっておるか、その辺のところは至急調べます。
 それから後段の仰せでございましたが、いわゆるあっせんをいたしましたのは、前会も申し上げましたように、私どもの判断では、向井某というのが本件につきましてあっせんをしたというふうに考えております。向井に対します貸付金は、これも前会御説明申し上げたと思いますが、一千万円の貸付が行われております。それで銀行の帳簿によりますれば、これは三十一年の四月に貸付が行われたという整理に、帳簿面からは相なっております。
 それからスチール工業の下部機構をよくわかるような表を出してくれという仰せなのですが、先ほども非常にたとたどしい御説明を申し上げて恐縮でありましたが、実はその辺のところは、実際彼らが、いわゆる導入あっせんをする者がどういうような仕組みでやっておるかということは、表等をもってごらんをいただきますような、体系立ったものができます自信がちょっとございませんので、先ほど申し上げましたような口頭の御説明程度でこれは御了承いただきたいのでございますが、なお、最もほしいのはこういう点だというようなお示しでもございますれば、そういうところに重点を置いて取調べますが、どうも一覧表を作ってというのは、なかなか事の性質上むずかしいと思いますので、率直に事実を申し上げたいと思います。
○淡谷委員 もしあっせん等の系統がおわかりにならなければ、名前だけでもけっこうです。これこれの会社が関係がある。――七、八十ですから、ちょっとやっかいかもしれませんが、おもなものでけっこうです。明らかに関係があると思われるもの、これを出してもらいたい。
○東條政府委員 正式の資料ということはなかなかむずかしい点もあろうと思います。いろいろ私どものところにある程度の調査もございますので、その辺のところは非公式に事情を御説明申し上げるということでぜひ御了承を賜わりたいと思います。
○坂本委員 向井は金融ブローカーで、向井があっせんしたことは事実です。結局向井があっせんして、その一億の金がやはりスチール関係の方にいっている。それでそのスチール関係に直接いかずに、その下の七、八十の名義会社のどれかを通しているように思いますから、その七、八十のどれかの貸金になっているか、さらに第一相互からの貸金になっていると思うのです。その点を一つ調査してもらいたい。
○福田説明員 お言葉を返すようでまことに申しわけございませんが、スチール工業に対する貸付は、それ以上の導入預金が別途のルートから入っております。その点はひもつきと言えると思いますが、今お示しになりました福岡県庁信用組合からの通知預金は、そのルートに入っておらないのでございます。先ほど銀行局長から御説明申し上げましたように、ちょうど年末の資金繁忙期でもありますし、第一相互銀行も資金が非常に逼迫している当時でありましたので、その資金がおそらく預金の払い戻しなり、あるいは何らかの貸付、一般の受け入れ資金と同じように、同じ中で、いわゆる一般的な資金繰りの中で処理ざれたものと認められます。従いまして、ひもつき関係でどこへということは、ちょっと推測かつかないのでございます。
○坂本委員 三十年の十二月に三回にわたって一億入っておりますから、一般資金繰りに使われたなら一般資金繰りに使われたで、ほかの点があると思うのであるが、なかったらやむを得ないでしょう。その点を調査して報告してもらいたい。
○青野委員長 先ほど自治庁から、福岡県庁に調査のために派遣せられておりました山本晴男君が、一昨日帰ってきたということを私は聞いておりますが、大体私どもの考えでは、現職の副知事、出納長が、逮捕命令が出て、身柄を拘束せられるというような問題は、おそらく前代未聞の重大問題である、こういう調査のために自治庁から派遣せられた職員がきのう帰ってこられたということなれば、調査のために疲労している場合もあろうし、夜おそくまでいろいろな調査資料を整理した点も、それはわかるのですけれども、こういうように大きい問題を審議している決算委員会には、加藤政務次官なり、あるいは小林財政部長あたりが特にここに出席をさせて、その調査資料に基いて質疑応答が委員からかわされて、運営が非常に都合よくいくように取り計らってくれるものと私はきのうから確信をしておったのですが、先ほどの御報告によりますと、山本調査官は本日欠勤届を出して自宅にいますので自宅に電話がないために、自治庁から電報で連絡をしております、そういう御連絡が参りましてからでも約二時間たっている。船橋に自宅があっても、たとえば長官のハイヤーをかって、いきなり本人を連れて行っても、もう間に合っている。こういう重大問題の性質から考えまして、それくらいの誠意は示さるべきである、私は委員長としてそう考えざるを得ない。そこでただいまから休憩をいたしまして、大体二時二十分ぐらいにもう一ぺん再開したいと思いますので、そういう手配を誠意をもって十分にされるように委員長から希望しておきます。
 この際暫時休憩いたしますが、午後二時過ぎごろより再会して、引き続き調査を進める予定でありますので、その際は放送をもってお知らせすることといたします。従って政府側も委員諸君同様、御出席を願っておきます。
   午後一時二十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時四十六分開議
○青野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 それでは坂本泰良君より順次質疑を許します。坂本泰良君。
○坂本委員 今回の福岡県における公金不正利用事件につきましては、われわれはまことに遺憾に感じておるわけであります。ことに県知事が歳計現金一億円という大金を組合に渡し、さらに組合が遠く離れた第一相互銀行に導入預金をする、しかもその第一相互たるや、すでに昭和三十年十二月当時に二十数億円の債務を負うて、そうして今破産の状態にある。こういう銀行に金融ブローカーの手によって預金をした。この問題は、これはいかに法の不備がありましょうとも、こういうことはあってならないことであります。従いましてこの点については十分なる調査をし、ことに地方自治団体の指導監督、育成の任にある自治庁におかれましてはその真相をここにはっきりいたされまして、そうして国民の前にこれをはっきりして今後こういうことがないようにしなければならない。単に法の不備であるからやむを得ないというので見過ごすべきではないと思うのであります。われわれが国民の代表としてここにその調査を進め、そうして国民の税金の行方についてかような不始末のないようにするためには、やはり申しわけないというような言いわけでは済まないと思うのであります。究明すべきは徹底的に究明をいたしまして、そうしてその上に立って今後そういうことがないようにしなければならない、こういう意味に立たれましたならば、自治庁は単なる指導監督、育成の任にあるという地位をたてにしてこれを等閑視すべきでなく、進んでその内容に入り、その真偽をここにつまびらかにするのが当然のことだと思うのであります。従いまして今回わが委員会の要望によりまして山本調査官を派遣されてそうしてその調査を進められ、さらにその調査に基いてここにわれわれの調査に協力をされて、ともにこういうことがないようにするという趣旨で、私は率直に一つこの問題については取り組んでもらいたいと思います。そういう観点に立って一つ御答弁を願いたいと思うのであります。
 そこで第一にお聞きしたいのは、調査に行かれて知事に会って、知事は申訳ないと言ってはいたと聞きましたが、昭和三十年十二月に三回にわたって組合に預託をされた、その預託は先ほどの御答弁によりますと組合の建築部長の要望によって預託をした、こういうことになっておりますが、三回にわたって建築部長がどういう内容の要求をしたか、知事はその内容の要求に基いて妥当であるとしてその預託をしたかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○小林(與)政府委員 建築部長からの委託をした原議は午前中に申し上げました通り押収されて、今手元にないのでありますが、大体の中身はみな記憶いたしておるようであります。これは建築部長より住宅協会の住宅建設のための資金に不足があるので、その資金を埋めるために信用組合から金を借りたい、そのための資金繰りとして、県の公金にゆとりがあれば預託をされたい、そういう趣旨の委託書であるそうでございます。そこでそれは三回ではなしに一回で出ておるようであります。たしか一回で出て、一億円という金額も明らかになっておるようでございます。それが総務部長を経由して知事の決裁を経て、そうしてその委託書が出納長の手元に行っておる、これは関係者の公述ではっきりした事実のようでございます。
○坂本委員 一億円流用ならばどういう意味か、ただ一億円資金繰りに必要だからやってくれという要望か、その内容があって、そしてとえば何千万円がどこ、何千万円がどうだというようなことになって一億円になっていたか、その点いかがです。
○小林(與)政府委員 これは一億円という内容でございまして、あとは実は福岡県の住宅建設計画というのがありまして、きょうもお配りしたかったのですがゆとりがなくて……。そこで公営住宅なり公庫の融費住宅なり住宅協会なり総合的に住宅計画を立てておるようであります。その住宅計画に基きまして、協会住宅を建設するために、頭金に相当する金は一部ありますが、住宅金融公庫からのつなぎ資金が足らない、こういう趣旨で出たもののようでありまして、どこが幾ら、どこが幾らというものではなしに、要するにそういう資金に充てるために一億円預託されたい、そういう趣旨の委託書であるようでございます。
○坂本委員 それは大体十二月となっておりますが、日はわかりませんでしょうか。その日付とそれから決裁の日はどうなっておるか、この二つの点はいかがです。
○小林(與)政府委員 日はわかっておりません。原議がございませんのでそこまでは関係老は全然記憶がないのでございます。
○坂本委員 その一億円について三回にわたって預託をしたことになっておるのですか、その預託の日もわかりませんか。
○小林(與)政府委員 預託の日もわかりませんが、聞くところによりますと県の公金の預託は一回でいっておるようでございます。そこははっきりしませんが、信用組合と第一相互との関係については三回という問題があるのかもしれませんが、預託は一億円すぽっとやったようでございます。
○坂本委員 銀行局長にお伺いしますが、三十年十二月三回にわたって通知預金しましたのは日はわかりませんか。
○東條政府委員 第一相互銀行の関係帳簿によりますと、十二月七日に三千万、十二月十二日に三千万、十二月十三日に四千万、合計一億円と相なっております。
○坂本委員 山本調査官はせっかくこの一億円の問題で調査に行ったわけですが、組合は一億円預託を受けて、どうしてその金を三回に分けて第一相互銀行に預金をしたか、その点は調査をしなかったのですか。
○小林(與)政府委員 信用組合自体の資金の運用につきましては資料もなし、責任者もなし、その関係につきましては調査が行われておりません。
○坂本委員 それでは山本調査官は何のために調査に行ったかと思うのです。これは抽象的に福岡の財政状態を調査に行ったわけじゃないのです。今決算委員会その他大蔵、地方行政委員会でも問題になっているところの、福岡県の一億円の預託を組合がさらに第一相互銀行に預金をしており、それが問題になって副知事、出納長、組合長が逮捕をされておる、従ってこれは委員会においても、ただそういう形式をとっておるので、組合はパイプではないか、組合名義で預託をしておるけれども、一億円は実際は県の預託であって、ただパイプとして組合を通しておるだけにすぎないのじゃないか、そういう大きい疑惑がおりまして、そういうのであるか、あるいは正式に預託になっており、その預託が預金になっておるか、この調査に行ったはずだと思うのです。こういうところを調査しなければならぬと思うのですが、その調査はどうしてしてこなかったのでしょう。
○小林(與)政府委員 自治庁といたしましては、先ほど政務次官からも話がございましたが、県の公金の管理運用がどう行われておるか、その結果県に何らかの損失でも与えられているかいないか、こういう点に中心を置きまして調査すべきものだと思うのでございまして、では信用組合のような信用機関に一体そういう金を貸していいのか悪いのか、貸すのに妥当性があったかなかったか、適法であったかどうか、そういう関係の調査は山本調査官もできるだけして参ったのでございます。しかしながら信用組合から向うの問題は信用組合自体の運営の問題でございまして、これは御承知の通り今刑事事件にもなって、問題が別の方で捜査されておる事柄でもございますし、関係資料もなく――それはもちろんそういうものについて情報が得られれば得てきてよかったと思うのでございますが、それにつきましてははっきりとした資料も入手することができなくて、はっきりとした証拠がつかめなかったという報告でございまして、自治庁といたしましてはその点はやむを得ないのじゃないかという感じがいたしておるわけでございます。
○坂本委員 これはやむを得ないじゃ済まないと思うのですよ。いいですか、福岡県が歳計現金を一億円預託した、その預託が使われいないでしょう。そうして第一相互銀行というボロ銀行に預金になっておる。だから県に組合をパイプに使ってそうして預託をしておる。そうして裏金利一千万円を取っておる。その裏金利一千万円の問題、預託の問題で刑事局長が言われたように、すでに副知事並びに出納長には逮捕状が出ているわけでしょう。だからただ県から、そういう建築部長の要求があったから、それに基いて一億円の預託をした、それだけを調べて、その先を何も聞かないで調査ができなかった、それじゃ済まぬと思うのです。それではこの点で知事に会って、こういう内容を聞いたかどうかはお聞きになりましたか。
○小林(與)政府委員 知事に会いまして、先ほども午前中にも申しました通り、知事としては、そういう住宅協会の資金に充てるために預託したことは自分も責任を持って決裁をしておる。しかしながらその後の信用協会の運用については実は関知していない、そういう点につきまして、こういう問題になって非常に遺憾であるということは言っておるということをはっきり聞いてきております。
○坂本委員 しかし知事は住宅協会の理事長でもあるわけでしょう。だからこういう問題が起きたら当然知事は――知事が関係しておるかもわからぬ、知事も共犯かもわかりませんよ。しかしながらもしそうでなくても、やはり協会の理事長でしょう。だからどうしてそういう預金をしたかということは共犯であればなお知っておるし、共犯でなくても調査してこれは十分承知してなければならぬはずです。自治庁からわざわざこの調査に行って、知事にそういうことも聞かなかった。知事もまた自分は預託したのは知っているけれども、それから先のことは知らない。知らないことはない、住宅協会の理事長である、あなた知らぬことないでしょう、言ったらどうですというふうにして調査をして初めて飛行機に乗っていって調査をする職務が勤まるわけでしょう。ほかのことを調査に行ったのじゃない。このことで調査に行ったわけですから、それを調査も何もしないというのではこれはどうかと思うのですがどうです。あなた方はその点はまた私が聞くまでもなく、そういう点は山本に会ってきのうも会議をされたら聞かれたはずだと思うのですが、その点どうですか。
○小林(與)政府委員 山本調査官の調査の結果の報告をここにまとめて出しましたので、それにつきましては先ほど申しました通り、住宅協会に貸すために自分も決裁をした。しかしながら住宅協会について、それならばその金が行っておったかというと、そこへ行っておったという形跡は率直に申しましてこれはありません。そういうことにつきまして、知事は非常に遺憾だ、われわれといたしましてもこれは非常に遺憾だと思います。そういう趣旨で預託された以上は、預託の趣旨に従って金が運用されるべきものであろうと私は思います。しかしこれは信用組合自体の運用の問題でございまして、信用組合が県に対するこの預託の趣旨にかりに違反しておるとすれば、当然信用組合として県に対する責任は免れがたい、これはもう明瞭な問題だろうと思います。しかしながらそれによって県にその一億円の穴があいたかといえば、現在におきましてはこれは幸いにして補てんされておりまして、結果的におきましては、県においては財産上の損害は与えられていない、こういう事実も自治庁としてはこれは非常に重大な問題でありますから、その点もはっきり確認して本人も帰ったわけでございます。
○坂本委員 そういう子供みたいな答弁をなさっちゃ困るよ。いいですか、この事件は前に第一相互銀行の刑事事件があって、引き続きこれを調査をしてわかったものなんです。そうしてこれはすでに本年の初めごろから私はこの嫌疑はあったと思う。だから二月の一日に三千万払って、そうして三月の二十一日に八千万払っておる。ところが二月の二十三日には、新聞によりますと、大石検事が急行して、そうして博多に到着した日ですよ。そうしていろいろな家宅捜査その他をやって、二十六日には逮捕状が出て、二十七日には東京地検ですでに先ほど来の三名が取調べを受けているのです。いいですか、三月の二十三日ですよ。向うに行ったのは、行くのには時間もあるし、そういうことがわかったから、第一相互銀行も背に腹はかえられずに八千万円を送ったでしょう。それが三月の二十一日ですよ。だから返ったから幸いだなんといって、そういうばかなことはないですよ。こういう刑事問題が起きて、そうして知事以下一齊に逮捕される、こういう情勢が来たから急遽この金は返したと思う。これは私たちのこの質問並びにあなたの答弁は全国民が聞くのであります。全国民の常識によってやるわけですよ。今の御答弁で幸いに金が返っている、被害がないから帰ってきましたなどと、そんな調査官であなたどうするのですか。またあなた方はそういう鉄砲だまみたような、子供みたようなものを飛行機まで往復やって、そうして調査をさして相済むと思うのですか。被害の点をあなたは今おっしゃったから、私はそう申しましょう。そういうふうで何も調査をしていないでしょう。ことにおとといの委員会の際は、午前中には資料が出てくる、資料を飛行機で送っておる、待てど暮せど来ない。二時過ぎに私は発言を求めてまだ来ないかといったら、まだ来ないといい、きょうはまたなんですか、山木事務官は欠席しておるのじゃないですか。そうしてこのわれわれの質問を回避しておるといわれても、これはやむを得ないと思う。ことにきょう出されておる資料を見てごらんなさい。こういう定款とか、こういうものは自治庁にあると思うのですよ。これくらいのものは、わざわざ飛行機で往復して、そうして調査をして、大げさに調査の資料がまだ来ないからやれない。出てきた資料をごらんなさい。定款とか、住宅協会の何とかいう、ただ出されておるのはわずか十一ページのこの報告書だけですよ。その報告書があまりにもずさんであるから聞いておるのですよ。われわれは聞かぬでもいいぐらいに私は十分な調査ができていると期待していたのですよ。それができていない。ことに私はいろいろの質問をするその前に聞きたいのは、一億円預託をした、――預託をした先は組合のやることだから関係はない、調べる必要はないのだ、知事が理事長をしているからどうだと言われたら、遺憾ではあるというくらいでは済まないと思うのです。調査に行ったのは 一億円の預託が果して真正にやられたかどうか、組合に預託したならば、組合が住宅資金、その他の資金繰りに使わずに、どうして一億円という金を一カ月内に三回にわたって第一相互銀行のボロ銀行に預託したかどうか。これはただそういう形式をとっただけで、福岡県の県知事以下、出納長、福知事が共謀で、そうして第一相互銀行にこれを預託をして、そうして新聞に報ぜられておるように一千万円の裏金利を取ったのじゃないかどうか。そういう形跡があるかどうか。私はいかに山本専務官といえども、知事に直接会ったならば、知事からそれの片鱗くらいは聞き出すべきが、自治庁から派遣されたほんとうの調査員じゃないかと私は思う。さらに裏利の一千万円については、あるいは数百億円が土屋知事の選挙費用の穴埋めに使われたんじゃないだろうかという評判が立っておるでしょう。また福岡県の知事以下の幹部が東京に来て、そうして東京の銀行にその裏金利の一部を預金して遊興費その他に使ったんではないか、こういう風説も出ておるでしょう。七百万円の金は福岡の銀行に預金をされて、ちびちびそれが出ておる。その数百万円が知事の選挙費用の穴埋めに使われておる、あるいはその後のいろいろな費用に使われておる。それが正式の帳簿にも載らずに裏で使われておるのじゃないか、あるいはそれがまじめに使われておるかどうか、そういう点を調査に行ったのが山本調査員の職務であると思うのです。またあなた方はそのことをよく調査しろと言って派遣されたかどうか、ただちょっと行って調査してこいと、言ってやられたかどうか、その点を承わっておきたい。
○小林(與)政府委員 この事件はいろいろ複雑な関係を持っておりますが、自治庁といたしましてどうしても調べなくちゃならない問題は、結局県の公金の管理の問題だろうと思います。それでございますから、その関係につきましては、もちろん県につきまして関係書類を調べたり人に会ったりする権能は与えられております。問題はそれが一つと、もう一つの問題は、要するに信用組合が第一相互との間においていろいろな契約か取引か、その間にどういうことが行われたか知りませんが、そういう問題が一つございまして、これについて不幸にして山本福知事がこれは関与されておる。それにいろいろな問題がからんでおります。これは今刑事事件として検察当局で御捜査中の問題なのでございます。それでございますから、自治庁といたしましては、そのあとの信用組合と第一相互をめぐる刑事問題につきましては、これは刑事事件として検察当局の御捜査の段階でございますから、その結果をお待ちするよりしようがない、関係資料もみな押収されておりますし、わかりようもない、また信用組合につきましては自治庁所管の団体でもありませんから、これを検査する権能も全然与えられておらぬわけでございます。それでございますから、ともかくも県の公金そのものの管理が誤まりがあったらこれは大問題でございまして、そこらの点は徹底的に究明する必要がある。どういう手続、どういう方法で、どういう趣旨でやられたか、そういう点は十分に調査させなくちゃいかぬということになっておりますが、それから先の問題は、そういうわけでございまして、自治庁としてはそこまで踏み込むのは少くとも今の段階では行き過ぎだろうと思うのでございます。それで山本調査官にもその点は――本人もだからそこまではやりたくてもやりようもなし、またそこまでは本人もやらなかったはずでございます。その点は皆さん方のお気持と食い違いがありますけれども、自治庁の調査の範囲の問題としてこれは御了承を願わなくちゃならない点であろうと私は存するのでございます。
○坂本委員 その点について見解も違うだろうし――またあなたたちがやらない、ずるくしておるというふうに言われると思うのですよ。いいですか。少くとも福岡県の副知事ともあろう者が、出納長ともあろう者が逮補されるに至るまでは、形式上そういう点はちゃんとうまくやっている、形式上うまくできておるということは予想しなければならぬのです。調査に現地まで行くというのは、形式上そういう預託になっておっても、建築部長が要求しておる預託金が、その預託の目的に使われておらずに、第一相互銀行のボロ銀行に預託されておる、導入資金として預けられておる。その点を調査するのには何も権限を逸脱しませんよ。一億円の預託が果して正しくやられておるか、どうかという点を調査に行ったわけでしょう。ですから当然その形式上の預託はできていても、それから先の、建築資金に使わずに、第一相互に送ったそのいきさつなんかは、これは預託をした県知事の立場として、またこれを監督し指導育成する自治庁としては、これは権力をもってその捜査はできないでしょう。検察庁のように権力をもって捜査はできぬでしょう。しかしながら道義と職務を持ってやったならば、私はできると思うのです。そこまでやるのが、私は国家の公僕として、国民の公僕として、国民の税金の行方を自治庁の責任において捜査をする私は唯一の道だと思う。そこまではやむを得なかったということは、自治庁としては言えないと思うのですが、その点いかがですか。
○小林(與)政府委員 これはごもっともでございまして、われわれといたしましては、その公金がある目的で預託された、その目的通りに使われておるかどうか、これは当然に調べなくちゃなりません。そうすると、遺徳ながら住宅協会にはいっている形跡がない。これはもう事実のようでございます。それでございますから、そういう預託の仕方が適当か不適当かと言えば、これは当然大いに議論になる問題でございまして、それにつきまして信用組合における管理運営の問題につきましては、知事につきましても総務部長につきましても、全然関知しおてらないからわからない、こういう返事でございまして、また信用組合自体の資料等も全部われわれの山本調査官の目の触れるところにもございませんで、具体的な資料について何らその関係を明らかにすることができなかった、こういう次第でございます。われわれといたしましては、今捜査当局が捜査のまっ最中でございまして、捜査当局におかれましてもまだこれは捜査の段階にあるわけでございまして、局外者であるわれわれがこれにつきましてとやかく申し上げることは、――そういう段階じゃなかろうかと思うのでございます。
○坂本委員 最後には、捜査当局がやっているからと言うけれども、捜査当局は、知事、副知事、出納長、組合長、これが共謀して、そうして福岡県の公金を組合に預託したことにして、その組合から三回にわたって第一相互のボロ銀行に貸して、裏利息を一千万円取って、そうしてそれを乱費しておる、これが犯罪になるかならぬか、犯罪になるというお見通しでしょう。副知事、出納長、組合長は逮捕状によって逮捕されて、今取り調べられておる。これは刑事問題です。しかしながらわれわれが自治庁に要望するところは、その刑事問題の成立云々の問題じゃありません。一億円のこの国家の金、公金が預託をされて、そうしてその預託の目的に使われずに、ボロ銀行に預金をされておる、どうしてそういうふうにされたか、知事はそれを知っていたかいないか、またほかの関係者に聞いて、知事は知らぬと言っても知っているじゃないか、そうしていつの幾日に第一相互銀行のボロ銀行にそうした預金になっておるか、それくらいのことを調査するのは、捜査機関の権限の範囲内でも何でもない。地方財政の紊乱に対するところの調査だと思う。紊乱しているのを調査するのに、ただ表からそうでございますかなどというのだったら、調査する必要はありません。裏から表から、縦から横から――せっかく行ったならば、知事は会ったって共犯と見られているからほんとうのことを言わぬでしょう。あらゆる方面から、また例かあげるならば、自治庁の出張所も福岡にはあるでしょう。あそこに堂々たる建物が建っておるでしょう。いろいろなところに行って、そうして調査をしてきて、一億円の公金のあり方について調査をしてくるのがあなた方の派遣された調査員の目的だと思う。その点から考えたならどうです、調査の目的を達していないですよ。どうですかその点は。
○小林(與)政府委員 これは今いろいろ御意見でございますが、自治庁は別に福岡県に出張所も何もございません。行ったのは山本調査官が一人参ったのでございまして、どうせ短時日のうちに、資料が何もないのに、十全の調査が私はできるはずはないと思いますが、ましてや今言う捜査当局が捜査の対象にしておるような大きな問題につきまして、的確な情報を得るということは、難中の難だろうと思うのでございます。おまけにそれは信用組合と信用組合のさらに外とにおける関係の問題でございまして、そこらの問題に立ち入って資料等を入手することは、事実上不可能でございます。しかしながら自治庁といたしましては、いやしくも県の出納関係が筋に乗って行われたか行われぬか、そこの点は当然追及しなくちゃいけません。県庁内部の書類も、重要書類はみんな押収されておりますけれども、当委員会におかれましても報告を非常に急いでおられますので、とりあえず調べられるだけのことを調べて報告させようということで、山本調査官も帰しまして状況を聞いた次第なのでございます。そういう意味におきまして、自治庁としては、その公金の管理を信用組合でやったことは、県の運営上ある点でやむを得なかったかもしれぬが、その預託の目的が達せられていない、この事実は明白でございまして、そういうことについてはわれわれといたしましても、これは非常に遺憾である。知事自身もその事実を率直に認めておりまして、それ以上の事実は全部関知しておらぬと申しておりますが、われわれといたしましてもそういう形の預託というものが適当であったとは、これは当然言うわけにはいかない。弁解するわけにはいかない事実だと思っております。
○坂本委員 そうしますと、この報告書の七ぺージに、昭和三十年の十二月末現在として、福岡県庁信用組合一億八千九百九十二万八千円として、信用組合の運転資金が二千万円、住宅協会貸付金が一億六千九百九十二万八千円、このうちとして土地購入資金六千九百九十二万八千円、住宅建設資金一億円ですね。この一億円が第一相互に預金されておる。この辺の調査はしてこなかったかどうか、その点を伺いたい。
○小林(與)政府委員 信用組合への預託の状況と中味は明らかにしておるのでございますが、信用組合自体がどうその賞金を運用したかということにつきましては、全然資料がなく、調査されておりません。
○坂本委員 組合長がいなくても、この住宅建設益金の一億円はどうなっておるかどうかくらいは、これは組合に行って聞けばわかることですが、その点も聞かなかったのでしょうか。
○小林(與)政府委員 われわれは先ほど申しました通り、これが住宅建設資金として預託されておるのでございますから、住宅建設のためにほんとうに使われておるかどうか、これは住宅協会の問題でございますが、そういう点につきましては事実を調べております。そうすると、そういう形跡はない、これは事実でございます。しかしながら住宅信用組合においてその内部の操作をどうしたかという問題につきましては、山本調査官もそこは捜査当局の問題として調査いたしておりません。
○坂本委員 そこで、そこまで住宅建設資金として一億円入っておる。しかしこれは住宅建設資金として使われておる形跡はない、それじゃ何にこれは使われておるか、どうされておるか、それくらいは、あなた聞いてもわかることだと思うのですよ。山本調査官も単にこれを調査に行ったわけではないし、その一億円の預託金が先ほどから私が何べんも申しますように、知事、副知事、出納長、組合長が共謀して裏金利一千万円を使うためにやったんじゃないかという大きい国会での問題があるから、その地方財政の問題からしてこれがどうなっておるかということで、あなた方は山本氏を調査にやられたのでございましょう。その行った山本調査官が、預託はされておる、そうして住宅建設費金として一億円はここにある。しかしそれはその目的に使われた形跡はない。それならば何に使われたかと考えるまでもなく、これこそ、ボロ銀行の第一相互に預金をされたものであるということはわかるはずでしょう。そうしたならば、これは何も組合長がいなくても、ほかの者に聞いてもわかると思うのです。それくらいわからないような調査官なら、やる必要はないでしょう。そんな調査官だから、きょうは病気だなんといってここへ出られないでしょう。私はそう思うのですよ。そう思うのが私は国民全体の考えだと思うのです。いいですか。住宅建設資金に使われるべき一億円が使われた形跡はない。それなら何に使われたのか。問題になっておるところの一億円の問題だということで、これこそ私は細密に縦からでもうしろからでも前からでも調査して、そうして報告するのが当然だと思うし、またあなた方自治庁の幹部諸君が調査にやった以上は、そこまで調査をさせて、そうしてこの国民の代表である決算委員会に報告されることが、私は当然の善良なる管理者としての、あなた方国家の公僕としての職務だと思うのですが、その点どうですか。それでも何でも山本君の報告は当然だとあなたはおっしゃるのですか。
○小林(與)政府委員 そこの問題でございまして、これは今坂本委員からもいろいろ知事、副知事がどうこうしてということをおっしゃいましたけれども、そういううわさというか容疑というものがあり得るから、何らかの形で捜査が行われておるわけであります。しかしながらわれわれといたしましては、そうしたつまり犯罪事件の捜査、調査ということを、山本委員にはく命じておりません。
○坂本委員 犯罪事件の調査ではないのですよ、私の言ったのは。
○小林(與)政府委員 要するに、県の公金の管理が適切に行われたか行われぬか、県の預託が目的通りに行われたか行われぬか、ただそれを土台にしてどういう犯罪が行われたか、こういう問題が一つあるのでございまして、どういう犯罪がそれを舞台にして……。
○坂本委員 犯罪のことはあなたに聞かぬのです。犯罪は捜査当局に聞く。
○小林(與)政府委員 いや、今のお尋ねはまさしくそういうことでありまして、信用組合が第一相互との間において、どういう関係においてどういう資金がどう動いて、それがどうなったか、そういう問題につきましては、われわれといたしましては、山本調査官に、それはわかればわかった方がいいと思いますけれども、信用組合の資料があるわけでもなし、これを調べる権限もありませんし、わかる程度以上のことは要求いたしておりません。
○坂本委員 何も山本調査官やあなた方は調査機関ではないのです。それはもうちゃんと一億円の問題については、先ほどから私が何べんも言いますように、知事、副知事、出納長、組合長が、共犯でないか、あるいは単独犯でないかと、詐欺横領の嫌疑で逮捕状が出て、逮捕され調べられておるのですから、そういうのを調べろというわけではないのです。その犯罪が成立するかせぬかということは、捜査当局でやっておられるから、われわれの知りたいところは、一億円の福岡県の公金がどういうふうな状態になっておるか、財政紊乱をしていないかどうかということを調査に行っておる。その調査に行ったならば、住宅建設資金一億円かここにある、これは建築部長の要望によって知事が決裁をして預託をした一億円である。それがその預託の目的で使われた形跡はない。それならばどういうふうにそれがなっておるか、それまでくらいは――犯罪が成立するせぬではない、その金の行方くらいは、どういうふうにやっておるか、第一相互にどういう預託になっておるか、何月何日どうなっておるかくらいは、財政調査として当然やっておくべきものだと思うのです。その点と、それからもう一つは、この都道府県の預託金は、ずっと昭和三十二年の二月までこのまま米たわけですか。三十年の十二三月からずっとこのまま住宅建設資金としてあったわけですかどうですか、その点を一つ。午前中の説明によると、預託金は三カ月だから、三カ月切りかえなければならぬ。その切りかえの状態はどうなっておるか、その点の調査報告を願いたい。
○小林(與)政府委員 この資金は先ほど出しました通り三カ月が条件になっておりまして、三カ月ごとに更新の手続をとっておるようでございます。
○坂本委員 そうしますと三カ月おきに更新の手続というのは、知事の決裁も何も要らずにやっておるのか、どうですか。
○小林(與)政府委員 更新の手続には知事の決裁をとっておる形跡はございません。
○坂本委員 そうするとこれはどういうふうで更新をするか、更新の際は知事が決裁をせぬでもいいのかどうか、その点を一つ。
○小林(與)政府委員 これは私は筋からいってすべきものだと思っております。まあ県がこういう扱いをしておる以上は、この扱いにのっとってやるのが本筋だと思います。しかし実際におきましては、更新の手続をとっておる形跡、知事の決裁をとっておる形跡はないようでございます。
○坂本委員 そうすると知事の決裁をとっていないのは違法になるのですか。その点はどういう関係になるのですか。
○小林(與)政府委員 これはまた法律論だけ申しますとおしかりを受けるかもしれませんが、純粋の法律論だけ申しますれば、歳計現金の保管でございますから、私は出納長の責任だと思います。先ほども申しましたし、県もそういう扱いをとっておるのは自治庁の通牒で、運用上金庫外に預託する場合は知事部局と協議しろという指導方針を出しまして、その指導方針にのっとって県においてもそういう扱いをしておる。それでございますからその扱いに沿わぬじゃないか、こういう問題は運用の問題として当然あろうと思います。
○坂本委員 そうしますと状況の報告書の二の一の2の更新の場合は手続はとるべきだ、こういう建前になっておるかどうか。
○小林(與)政府委員 私は運用上にそうすべきものだと存じております。これは県の扱いの問題でございますからとやかく、申しませんが、われわれの立場から言えばそうした方が適当だと存じております。
○坂本委員 この問題は、盛んに捜査当局捜査当局といって逃げられるけれども、これはわれわれが要望しておるのは捜査をどうこうじゃないのです。しかしながら捜査当局は先ほどから何度も申しますように、知事も共謀だろうというようなふうの見込みもあるでしょう。そうして副知事、出納長、組合長を逮捕して、今東京地検で捜査が進められております。これは捜査当局にまかせて、そうして捜査が行われるのは当然のことなんです。しかしながらわれわれはこの一億円の公金が財政紊乱の上にどうなっておるかという点は、これは捜査と並行して、何も捜査の妨害にもならないし犯罪の成立、不成立も、――こっちは行方をやるわけですから、これは当然やらなければならない。その調査に行った山本事務官が、病気と称して本日ここに出ないのは、これは知事に会って腹の据わったところの調査もできなかったからだろうと思うのです。また組合その他の関係についても、何の調査の権利がなくてもやはり公金が流れておるところの、預託されておるところの組合であるから、これは道義上もあるいは民法上からも、私は聞いたり、いろいろ調査することがあると思う。こういうことをしなかったのは、これはまことに遺憾に感じますけれども、山本調査官が出られたその際にさらにお聞きすることにして、一応ここで留保いたします。
○青野委員長 淡谷悠藏君。
○淡谷委員 まず私自治庁の考え方について確かめておきたいのです。さっきから話を聞いておりますと、捜査中の事件については触れない、また法律でいいのはいいので、あとはわれわれとしてはしようがない、こう言っておられる。けれども、私はきのうあなたに、相談を受けたのではないかと言って、はからずも長官の激昂、罵倒を買いましたけれども、私はあなたのきのうのような答弁を聞いておりますと、どうもそんな感じがしてしようがないのです。それは別に犯罪を構成する示唆をしたというのではありませんけれども、何らか地方から、この問題に関係なくとも、相談に来た場合に、あなたのこの委員会における答弁のような調子では、このような事件をかもすサゼスチョンを与えます。これは法律上かまわないのだから自治庁さえ目をつぶってくれれば差しつかえないのだろうといったような暗示を受けがちな調子がずっと一貫して出て参ります。まさかあなたは日本の法律というものは革命前の中国におけるようなああいう法律観念でできておるものとは思っておられぬでしょう。さっきあなたは坂本委員の追及に対してこうおっしゃった。主要目的の調査指導には行ったのだ、しかしこの公金が結局において穴があいていなければ、県に損失を与えていなければそれでいいのだ、こういう考えを述べておられるようです。返す返す申し上げたいのですが、これはどうもこの責任ある官庁の指導監督に任ずべき人の言うべきことじゃないと思う。どろぼうして発見されても金を返しますというのは、革命前のシナの法律観念でしよう。見つかったら返せばそれでいいのだ。私は日本にはそういう習慣はないと思うのです。いかに一億円の損失がなくても、三カ月で更新すべきものを漫然と一カ年も放置しておいて、しかもその主要目的が全く違っておる際でも、これは果して何らの責任を負わなくても済むものかどうか。あなた方の指導監督上これはどのようなことになっておるのか。これをさえよいとするならば、私はあなたに対してたった二つのことに御答弁を願いたい。一つはあなたはこういう問題をよいと考えておるのか。よいとは考えないけれども、法律上はどうもしようがないのだし、自治庁というものはそれ以上は入れないものなんだから、やむを得なという観念なのか、どっちです。
○小林(與)政府委員 私の答弁が言葉が足らなくていろいろ誤解を招いたのかもしれませんが、今淡谷委員のおっしゃったような気持は、私には毛頭ございません。この問題の法律論議がある場合には、法律上の私の見解だけを申し上げましたが、このやり方が適当かどうか、不都合がどうかという問題につきましては、私はこれは法律にさえかなっておれば一向に差しつかえない、そういう気持は毛頭ございません。自治庁といたしましては法律上可能であるというだけでなしに、それが地方公共団体の行政の目的に従って適切妥当に行われることは当然要望するところでございまして、そういう式に万事行われなくちゃならない、これは当然われわれはそういう見解を持っております。それでございますから、本件の場合に、この信用組合に預託すること自体がよかったか悪かったかという問題がありますが、それは預託の事情は万やむを得なかったと思う。これは私はそう思います。ただその預託の目的が達せられておらぬ、これはまた事実でございまして、これはきわめて遺憾であるということは繰り返し私も申し上げておるのでございまして、預託の目的が達せられぬような預託の仕方で金銭を運用するということは、私はすこぶる適当じゃない、こういうことがすべての団体についてないように当然心がけていかなくちゃならぬ、そういう問題だと私は存じておるのでございます。
○淡谷委員 私は、田中長官に比べて練達堪能の加藤次官は、おそらく私の言葉じりをつかまえておしかりにはならないと思いますから、あえて申し上げますが、財政部長がそうおっしゃるならば私はそれをすなおにとりましょう。しかし地方から何らか別な問題で相談に来られた場合に、これは好ましくないのだが法律上は差しつかえないという表現を用いる場合と、法律上は差しつかえないがこれは好ましくない、こう言った場合との差別はあなたは認められますか。まず伺っておきましょう。
○小林(與)政府委員 どういう意味でおっしゃいますのか知りませんが、そういう二つの表現はあり得ると思います。
○淡谷委員 失敬でございますが、私はあなたの監督官としての資格の問題を問題にしたい。その二つの表現を、何ら相違がないものと認められますか。はっきり相手の受ける感情が違っておると認められますか。
○小林(與)政府委員 その表現が違うというのは、私は趣旨からいえば、正反対の中身を持っておると当然考えます。
○淡谷委員 それならば、この問題に対して、あなたは法律上は差しつかえはないが、実際監督上あるいは指導上好ましくない事件であったというふうにはっきり言われますか。
○小林(與)政府委員 私は今の預託の趣旨に合わぬような預託をしておることは適当でないということを、今まで繰り返して何度も申し上げておるつもりであります。はっきり申し上げて一向にかまいません。
○淡谷委員 それだけあなたがはっきりした日本の官吏意識を持っておられるならば、私はこれ以上あなた個人の考え方を追及いたしません。ただし、今度の調査のやり力は、吉田委員からも坂本委員からも再々糾弾されておりまするが、どうも納得ができないのです。きのうも申し上げておりました通り、三十日に飛行機で現地に急行して、きのうはあなたの方に書類を送ったという。書類を送ったというのは、御本人が送っておるじゃありませんか。本人が携帯して帰ったなら帰ったでいい。書類は送ったから昼過ぎにはつくでしょう。晩方にもまだつかない。来てみれば、書類と人間が一緒に来ています。その人間を、あなたはゆうべおそくまでお調べになって、出された資料はこれだけだ。さっきあなたは十分に調べまして、私がこの報告書を作りましたと言っておられた。報告はこれ以上なかったですか。これで全部ですか。
○小林(與)政府委員 これは山本調査官のまとめた報告でございます。報告書を作るときには、私も十分話を聞きまして、委員会の御要望になっておる趣旨の事柄もできるだけ漏れなく盛るようにということで、本人にまとめさせた報告でございます。
○淡谷委員 私は山本調査官がまとめられ、あなたが一応認められたこの調査資料が、新しい事実をほとんど発見していないということにはなはだ失望を感ずるのです。さっきからあなたはしばしば信用組合の方に逃げておられますが、この福岡信用組合の組合長は何という人ですか。池田という人です。逮捕されておる人です。前任は何ですか。
○小林(與)政府委員 信用組合長の前身は、元県の職員で、県の振興課に勤務をしておって、地方事務所長をし、会計課長をしておった前歴を持っております。
○淡谷委員 私がきのうそのことをあなたに聞きましたら、あなたはわからないという御答弁だった。今度の調査で初めてこういうことを発見されたのでしょう。
○小林(與)政府委員 その通でございます。あの当時は承知しておりませんでした。
○淡谷委員 実際はこれくらいの資料ならば、飛行機で国費を乱費して行かなくても十分に手に入る。きのうすでに私どもの手には、この池田組合長の前身が何であったか、ちゃんと入っておったのです。そこであなたのおっしゃる信用組合というものは、一体普通の信用組合ではないと私は思うのです。今度出されました調査表、福岡県庁信用組合役員名簿というものがある。この顧問は副知事と県の出納長と県の商工部長です。理事は今おっしゃった池田豊、あとは土木次長、農業協同組合講習所長、婦人児童課長、営繕課長、都市計画課長補佐、企画局参事、職員課長、防犯部長まで入っております。防犯部長が理事をしております信用組合が刑事上疑わしい事件をかもしたという責任は、一体どこがおとりになるのですか。しかもその次には教育庁財務課長、監事には衛生部次長、監査事務局長、農政食糧課長、出納課長、貿易局長、これが福岡県庁信用組合の役員の名簿であります。普通一般の金融機関と違うのです。一体このような県のれっきとした官吏諸君が、幹部の諸君が、理事、監事を勤めた信用組合が、今度のような不祥事件を勃発したというこの追及は、あなたの派遣した山本調査官が調べてこられましたか。表を出しておられる。あなたはこの表について一点の疑いもなく信用組合の方に押しやっておる。はっきり県庁が責任を負うべき信用組合です。この点はどうです。
○小林(與)政府委員 信用組合の役員名簿と定款はわれわれの方で手に入れたのでございますが、この信用組合の運営の中身につきましては、中小企業等協同組合法に基きまして、法律上それぞれ所管監督の官庁があるわけでございます。自治庁はこれにつきまして直接監督権を持っておりません。その点だけは御了承願いたいのでございまして、われわれは府県自体あるいは府県の組合等につきましては、自治法の規定に基きまして、それぞれ調査する権能を持っております。その点の調査は、山本調査官にもできるだけやるようにとは言っておりますが、ほかの団体につきましては、それぞれ団体の所掌の問題がございまして、その所掌に従ってやっていただくより仕方がないのでございます。その点は、われわれの機能の存するところも一つ御了承願いたいのでございます。
○淡谷委員 信用組合の方まで自治庁は手が届かないとおっしゃる。しかし、はっきりいって、一億円の預託金を使用目的以外に使い、今事件がばれてから急にこれを返させるような信用組合の理事、監事が官吏である。県庁の職員である。県庁の職員が、いわばそういうインチキ信用組合の理事、監事をしておって、何らこの事態を今日まで発見もせず、注意もしなかった、こういう地方官庁の綱紀の紊乱、財政の混乱、こんなものに対してもあなたは責任を感じませんか。あるいは監督、指導の必要を感じませんか。
○小林(與)政府委員 この信用組合はおそらく県庁の職員を中心にした協同組合でありますので、この職員は県庁の各部、各課、ほとんど警察も教育関係者もみな関係をしておるので、それぞれのところから役員を選任したものだと私は存じております。勤務者諸君の協同細微でございますから、当然組合員たる諸君が共同の責任を持ってこの組合の運営を適切に管理すべき責任があろうと思います。それにつきまして、それぞれ中小企業等協同組合法によって、さらに国の立場から指導、監督すべき責任と権限がそれぞれの法規に基いて定まっておるのでありまして、それに基いて行わるべきものだと考えます。
○淡谷委員 あなたはおそらくとおっしゃいますけれども、あなたのお出しになった信用組合の定款を見ると、第一条にはっきりと、「この組合は勤労者その他の協同組織によりこれらの者に必要な金融事業を行う事を目的とする。」と書いてある。第一相互に一億円を貸すことは、この第一条の目的に何ら沿うものじゃないと思う。これが第一違っておる。しかもその内容はあなたがおっしゃった通り、全県下の勤労階級の人々のわずか一口五十円の出資です。この零細な金を集めて作り上げたこの組合、しかも事業の二に、「組合員と生計を一にする配偶者その他の親族の預金又は定期預金の受入。」とある。微細な金を集めておるのがこの信用組合の本体です。この信用組合が、県の預託金一億円を――大金ですね。あなた方には大金じゃないかもしれないけれども、こういう零細な組合には大金です。この大金を預かって、それが一カ年間というものはいつつぶれるかもわからぬといったような危ない金融機関に又貸しされておって、肝心かなめの住宅建設資金には流れていなかったというこの事情は、ずらっと顔を並べた刑事、監事――おそらくはすべての組合員から選ばれましたこの理事、監事という県庁の職員が、法律上の責任がないとしましても、重大なる責任を感じなければならぬ事態であるというふうにお考えになりませんか。
○小林(與)政府委員 これは協同組合の運営の責任の問題でございまして、自治庁の財政部長として、とやかく私が言うべき筋合いではないと思いますけれども、これは組合費の運営につきましては組合員全員、特にその組合の代表職員が全幅の責任を負うべきことは当然の話だと思います。
○淡谷委員 それだけ十分な責任を感じられるならば、あなたはこの問題は刑事問題を別にして、福岡県庁の責任軽視についてはっきりした指導なり監督なり、今からの調査が必要だと思う、あなたはそうお考えになりませんか。さっきからたびたびおっしゃっておる、信用組合のことは信用組合にまかせておく、けれどもこの信用組合というものは、他の一般の信用組合とは若干違っておる違わないというならば、この福岡県庁の信用組合の金融的な系統機関はどこにありますか。
○小林(與)政府委員 信用組合の指導監督の問題は、中小企業等協同組合法によってそれぞれ所掌がきまっております。私はそれに基いて、それぞれの主管官庁が当然指導監督すべきものだと心得ております。われわれの立場といたしましては、県の公金がこういう信用組合に多額に流れるということがいいか悪いか、こういう立場から議論をすべきでございまして、今回のように住宅協会の資金に充てらるべきものが、その目的通り行われておらぬような公金の預託方法というものは適当でない、こういう形で預託させるべきではない、そういう点は自治庁としては強く意識しておりまして、そういうことのないようには今後十分各府県町村にも指導す必要があろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
○淡谷委員 池田組合長が組合長に就任しましたのはいつです。
○小林(與)政府委員 二十五年の十月、組合長になっておるように承知しております。
○淡谷委員 この組合の仕事というのは、ほとんど組合長が実際おやりになることが多かったかどうか、あるいは名目的な組合長であったかどうか、その点のお調べはつきましたか。
○小林(與)政府委員 組合内部の運営の問題につきましては、調査いたしておりません。
○淡谷委員 私はこの組合というものを作ったこと自体は、決して本来の目的に違うものだというふうには考えておりません。けれども中途において組合の性格が一変したように思う。ほんとうにこの目的にふさわしいような組合である行き方をそれて、県の預託金の処置の便宜上さまざまな機関を借りたように私は考えられてならないのですが、いわば信用組合本来の仕事をしないで、県の預託金の流用あるいは裏金利、こういったものを直接やるのは困る、信用組合という一つの煙幕を張りながらやったように思われてしようがないのですが、これはあなた方監督の立場に立つ人は、どうお考えになりますか。
○小林(與)政府委員 この信用組合が住宅協会に資金を貸しておる、これはだいぶ前からやっておるようでございますが、はっきりとした日がわかりませんけれども、昭和二十六年か七年ごろからやっておる形跡がございます。その辺につきましては、これはもう中小企業等協同組合法を運用しておられる役所の問題でございますが、その運用につきましては議論があり得ると思います。これは主管官庁の方でしかるべく御答弁を願いたいところでございます。
○淡谷委員 あなたがそこまで割り切って御答弁なさるならば私はこれ以上追及いたしませんけれども、さっき住宅建設資金の一億円は明らかに住宅建設資金に回っていないとあなたはおっしゃった。信用組合のことはあなたは調べないと申しますけれども、その程度のお調べをしなければ、わざわざ福岡まで行った何の意味もないと思う。
 それならば一体この住宅建設資金の一億円が三月の末になって、さっき坂本委員が言ったようにあわてて返されたというこの事態は、さっきのあなたのように損失を与えていないからこれでいいのだ、こうお考えになるのですか。
○小林(與)政府委員 私は損失を与えておらぬからそれでよかったという趣旨の気持は毛頭ございません。そもそも住宅建設資金のために預託されたものならばその目的通り使わるべきであって、目的通り使われていないような運営の仕方というものはだれが考えても適当じゃない、一言の弁解の余地のない運用の仕方だろう、こういうふうに存じております。
○淡谷委員 中小企業協同組合法による信用組合だというならば、一体この系統機関からこの組合がどれだけの融資を受けておるか、おわかりになりませんか。
○小林(與)政府委員 今お尋ねのような関係は調べておりません。これはそれぞれの信用組合に関する所管のお役所の方で一つ御答弁を願うようにお取り計らい願いたいと思います。
○淡谷委員 これについては、他の農業協同組合あるいは商工組合等があるので、そうした組合に預託をする場合には県議会の議決を経ておりますが、この信用組合に対する預託だけは何ら議決を経ていないという事実は確認されましたか。私、きのう聞いたときはあなたは知らないと突っ放された。今度の調査によってわかりましたか。
○小林(與)政府委員 この信用組合に対する預託だけでございませんで、この資料の七ぺージにあるようにほかにもいろいろ預託しております。昭和三十年十二月末現在、この関係は全部議会の議決は経ておりません。
○淡谷委員 議会の議決を経ていないという理由はお調べになりましたか。あるものは議会の議決を要す、あるものは議会の議決を要しない、こうした差別待遇はどこから出たのか、お調べになりましたか。
○小林(與)政府委員 これはこの表にございます通りで、八ページは予算に計上されておる預託金でございまして、七ページのが予算に計上されていない預託金でございます。予算に計上されておりますのは予算の支出として預託をやる場合でございますので、当然初めから予算に計上する必要があろうと思います。そうでなしに前のページのは、歳計現金の運用上の運用金の保管方法としてやっておる預託でございまして、これは先ほど申しました出納長がそれぞれ官庁の知事部局と相談をしてやっておる仕方でございます。
○淡谷委員 それは現象的な話だけでございまして、なぜそれならば片方は予算に計上するような議決をとりながら片方は全然予算に計上しない、何ら議決を要しない預託をやっておるのか、この違いを原因にさかのぼってお調べになりましたかと私は聞いておるのです。
○小林(與)政府委員 これは県のつまり預託の考え方でございまして、結局予算支出として当初から予算を予定いたしまして、そして恒常的に預託するもの、それでございますから、予算に計上するものは恒常的な預託だといっていいと思います。そうでなしにもう一つの問題は、実際の予算執行上生ずる歳計現金の運用上支障ない範囲内において臨時的に預託するもの、こういう区別が考えられまして、運用上のそうした運用の方針と申しますか、考え方に基いてこの差別をそれぞれ県ではやっておるものだと思います。
○淡谷委員 次官にお尋ねしますが、県会の議決を経ないで預託をする場合、預託の方法が誤まっておったという究極の責任はだれが負うべきものですか。
○加藤(精)政府委員 その責任は出納長が負います。
○淡谷委員 出納長は、大体知事の承認を得てやるのじゃないですか。さっきの財政部長の御答弁では、今度の問題はこの「稲岡県における金庫銀行外の金融機関に対する歳計現金の預託状況」という報告書にあります二の1の1「知事部局からの依頼によって行う預託」としてやっておる。これははっきり「知事部局の関係主管部長から預託の依頼書が提出された場合、出納長として預託を適当と認めたときは、イ知事の決議がなくて行われているときは知事に合議し、ロ知事の決裁を得て行われているときは合議を省略して行う。」という項目がある。次官の御答弁だと知事と合議して承諾を与えた場合でも、知事の決裁を行なった場合でも、両方とも知事は責任をかぶらなければめくら判です。私はこれは知事が責任を負うべきものだと思いますが、その点どうですか。
○加藤(精)政府委員 今の地方団体における財務経理は、命令機関と出納機関と区分いたしまして、出納経理の適正化をはかっておるわけでございまして、預託の際に知事と打ち合せはいたすにいたしましても、それは行政上の一つのよりベターな取扱いにいたすためでございまして、法律上の最後の責任を持つ者がいませんと、これは理事者の命令通りに地方団体の支出をいたすということになっておもしろくないので、知事の申し出がございましても、もし出納長が適当ならずと認めましたときには、それは預託をすべきでないのでありますから、そういう意味におきまして、法律上の最終的な責任者は出納長だということを申し上げたわけであります。
○淡谷委員 これは地方行政のベテランに太刀打ちするのは大へん不利ですが、率直に私の納得のいかない点を申し上げます。そうしますと、今の知事というのは、こういう財政問題につきましては、昔の天皇みたいなものですか。命令は出すが責任は負わない。たとえば、出納長が相談をした場合に、イエスと言ってもノーと言っても、あとは出納長でできるのですか。
○加藤(精)政府委員 出納長に財務法規の法令の審査権があるのでございますが、大きな目からいえば、県政全体に対して知事は責任を負うという大きな行政上の立場があります。出納長が職務の態様を正しくやるというようなことについての一種の監督権は知事にあるわけでございます。しかしながら知事は出納法規について出納長にこう解釈をしろとかなんとかいうことを命令することはできないわけです。
○淡谷委員 どうも私の質問に対する答弁が少しそれておるようです。
 あなたは練達の人ですから、たくみにかわしたのかどうか知りませんけれども、私が聞いているのは、出納長が、たとえばこの県庁信用組合に一億円預託したいという場合に、知事が全体の責任上不安を感じまして、それはよくないだろう、こう言った場合もよろしいと言った場合も、これは同じ結果になるのですか。よくないと言っても、出納長はこれを預け入れる権限を持っておるのですか。
○加藤(精)政府委員 それはどう言えばいいか、最もドライにいえば、そうなるのですが、しかしながら監督の責任がある、知事の責任の性質でございますから、出納長がそういう場合には預託をしないということになるわけでございましょう。それをねらいまして、知事に協議するということに預託の取扱いはなっているわけでございます。
○淡谷委員 私たち地方行政のしろうとにはよくわからないのです。そこで知事が出納長に対して、この問題に対して預け入れてはならないぞという返事を出した場合に、それを押して出納長が、この信用組合に一億円を預託してこういう問題をかもしてきた、よしと言って預けた場合と、いけないと言って預けた場合と、この二つの場合における出納長の責任は同じですか、違いますか。
○加藤(精)政府委員 純粋な法律論でそういうことを言うのは、いろいろ誤解を生ずるかもしれませんけれども、ほんとうのドライな意味でいえば、法律上の出納長の責任は同じである、知事の責任が、あるいは解除され、あるいは解除されないという問題は残ると思います。
○淡谷委員 わかりました。それではどういう場合に知事の責任は解除されるのですか。
○加藤(精)政府委員 出納長が協議しました場合に、それに正しい判断をいたして、そうして出納長を誤まりなからしめた場合におきましては、知事は行政上の責任がないわけでございまして、誤まった判断で出納長を錯誤に陥れたような場合は、知事は責任がある、こういうことでございます。
○淡谷委員 どうも私が質問しますと委員会が殺気立ちますから、努めてやさしく申し上げますが、それでは加藤次官、あなたのさっきの答弁はわずか三分足らずに違ってきているのです。さっき、あなたは出納長が責任を負うべきものだと答弁された。けれども今になってきたら……。
○加藤(精)政府委員 違うんだ。
○淡谷委員 あなたがそれを否定されれば速記録を調べましょう。私の耳がさかさまについていなければ、確かにあなたはさっき出納長の責任だとおっしゃった。けれども、だんだん私の不満な点、あるいは納得のいかない点をしろうとらしく論理を追ってお尋ねしますと、出納長にイエスという返事を与えた場合と、ノーという返事を与えた場合と、その結果が錯誤を生じた場合の知事の責任が違ってくるという答弁をあなたはされておる。今の場合あなたは、具体的に申しましたら、知事がイエスと言って錯誤が起ったときは、知事の責任が起るだろうという答弁をされております。これをあなたは認めますか。
○加藤(精)政府委員 それはとんでもない誤解でございまして、どこまでも県の出納の責任は出納長にあるのですから、出納上の責任は知事がとりようがないのです。知事は指導監督上の責任があるないの問題なんです。それは淡谷さんが私の説明をお聞き取りになる際に少し誤解があったのではないかと思います。
○淡谷委員 どうも御答弁が三転いたしまして、私もきょうは冷静でございますから、その点は御安心願いたいと思います。
 そこで知事には出納上の責任はないが、行政上の責任があるとしますと、この行政上の責任というのは出納部を除く責任ですか。
○加藤(精)政府委員 行政上の責任という言葉をお作りになりましたが、これは部下を監督指導する上の責任です。ですから部下の行政事務執行の態様についての一つの指導監督権が知事にあるわけですから、そういうような管理法上の執務態様を含みます。ですから出納行政事務そのものの内容に立ち入って、出納長の意見を左右する、そういう力はないけれども、業務執行の指導監督を知事はいたしておりますので、その点の責任が知事にあるということを申したのであります。出納行政上の責任が知事にあるということは一言も申しておりません。
○淡谷委員 これはままたあとで速記録ができましてから、加藤次官ゆっくり落ちついてお読み下さいましたら、どちらに矛盾があるかわかるだろうと思うのですが、私この問題では、信用組合の性格が全然一般の信用組合と離れまして、県庁の職員をもって構成された組合である。その理事、監事が実際は県の指導監督をなすべき人たちによって占められておる。自治庁はこういう信用組合の監督指導をじかにやられる義務はないかもしれませんが、県の知事であれば、自分の部下の重要なポストを占めておる君たちが理事、監事をしている組合がどんな行動をしているかということは十分な責任があると私は思う。そうしますと、いずれにせよ本問題というものは、福岡県の知事が最終責任を負わなければならぬ性質のものではないかと思う。ですから、くどいようですが、こういう大事な問題でございますから、もう一ぺん一つ加藤大先輩にお教えをいただきたいのですが、県庁の指導監督をなすべき責任義務というものと、行政上の指導監督をなすべき責任義務というものとの違いを、一つこの際ごめんどうでもお教えを願いたいと思うのですが……。
○加藤(精)政府委員 近代の行政は、一人の自然人がある行政組織において全面的な権力を持たないような仕組みになっているということは御承知だろうと思います。それがたとえば県庁の中に教育委員会というものがあったり、農業委員会というものがあったり、また従来出納事務の上におきまして、命令事務と出納の執行権とが分断されているというような組織になりまして、そして行政の公正が保障されるような仕組みになっているわけでございます。しかしながらそれはそれなりに、知事といたしましては、県の公務員全体を指導監督する責任があるわけであります。しかしながら法令で知事に属せしめられていない部分に対しては知事は権限を行使することはできない、その部面の事務については知事が権限を行使することができない、そういう意味で、知事の責任は、権限の全然ないところには及ばない部面があるのですよ。しかしながら指導監督、行政全部を総括するという広い意味の指導監督権はあるのでございますから、その点は非常に複雑なものが終戦後の地方制度等に特にできまして、行政民主化の中間地帯というようなものができておるのですが、そういう面、たとえば教育委員会とか農業委員会というような新しい機構ができたことによっても、ただいま申し上げましたような近代行政における公正を確保するための制度の実態がおわかりになっていただけると思うのであります。そういう御答弁を申し上げます。
○淡谷委員 大へん失礼な言い分でございますが、まさに長鞭馬腹に及ばざるような御答弁でございまして、私にはどうも納得がいかない。というのは、あなたは知事の権限の及ばない部面があると言っておりますが、さっき私が引例しました通り、知事はこの問題に対してははっきり合議を受けておる。あるいは決裁を与えておる。これは知事の権限の及ばないところではないと私は思うのです。ですから、さっきから言っておりますが私は加藤次官をむりやりに、ぐるになったとか何とか言うのではありませんから、もう一つごくフェアな気持で、端的な気持で、今度のこの事件の最終責任は、知事はどの点を分担し、出納長はどの程度の分担をすべきものであるかということを、刑事問題を離れまして、この信用組合に一億円を預託し、その預託金が目的外に使用され、決裁を受けずして出納長はまたこれを一年間も出した。この明らかな行政上の問題に対して、自治庁政務次官として、加藤精三先生に、一つあなたのはっきりした御解釈を私は伺いたいと思う。
○加藤(精)政府委員 重ねての御質問でありますからもっと端的に申し上げた方がいいかと思いますが、たとえば知事の監督のもとにある部下が信用組合を作っておる。そしてその信用組合が望ましからざることをでかした。それに対して知事は責任があるかどうかという問題でございますね。現在の中小企業等協同組合法によれば、金融業務は大蔵省系統に属していますから、大きな意味から言えば、大蔵省の所管事項でありますが。しかし大蔵省の所管事項の出先機関というとまた語弊がありますのですが、わかりやすく言えば、出先機関たる立場の知事が、一つの監督権を持っておるわけなんです。ですけれども、それは地方自治法上の知事の立場とは違うのですよ。それでございますから、たびたびこの間からここの決算委員会におかれまして、国家資金の大半を扱っておる福岡県庁が、その自治庁のもっと詳細なる調査の対象に常時なっていなければいけないだろうという御趣旨の御討議が非常にたびたびあったのでございますけれども、それはそれとして、まあ道徳的という意味では、なるほどごもっともなんでございます。しかしながら常時そういうふうな国家資金を取り扱う立場の知事の行政にタッチして、そしてそのタッチをいつまでも続けて、監査を、定例監査というふうなことをするということは、現行法上許されていないのでございますよ。それでそういう意味では、金融業務の必要性に応じて、大蔵省が知事の業務を監督していくというその面は、また別の法律系統に属するわけでございます。で、あるいは会計検査院というものがありまして、十分そういうふうな国費の取扱いを監督しておるわけであります。その面を全部一緒にして、自治庁長官が常時調査し監督し指導する点において怠けておるということをいわれましても、それはなかなか容易ではないようなんでございます。そうした点に、私たちの考えと淡谷先生のお考えになっておるお考えとの間に若干の差があるのじゃないかということを考えております。いいかげんなことを言うのはきらいだから、率直に申し上げますが……。
○淡谷委員 どうも遺憾ながら差があるように思うのです。そうしますと知事の責任というと何ですか。ただぼうっとやって、知事の俸給をもらって、指導監督して、顔をにらんでいればそれで済む――やはりエラーがあった場合は、しかも今度のように、再々詳しく申し上げますけれども、自分の部下、しかも幹部級の部下がやっている信用組合が、自分で決裁を与え、自分で合議に預かった金の処置に対して、全然目的外の使用をしたというこの事態の責任にまで帰ってきますけれども、これが道徳的か行政的かは別にしまして、少くとも一県の県政を主宰し、部下の監督指導に任ずべき知事として、こういう事態をかもしたことに対しては責任を明らかにしなければならないが、特に昨日はお見えになりませんでしたから、あらためて私は申し上げたいのですが、決して県庁が全然無関心のうちにできたものではない。非常に考えようによっては知能犯的な形がある。第一相互銀行の常務の根橋武男という四十九才になる方は、これは元大蔵省の銀行検査官なんです。この銀行検査官を入れまして、これは次官も私も宿舎を持っておりまする赤坂あたりの夕霧という料亭を舞台として、この交渉をまとめたのは、副知事の山本兼弘さん、それから出納長の岩佐さん、しかも県信用組合長の池田豊さん、いういったいわば知事のふところ刀であり、補佐役であり、ほとんど県政を掌握しておる場面の人が、これだけの暴挙をあえて起した事件を知らぬといったのでは、私は一切の責任をのがれましても、知事の職責の責任はのがれられないと思う。無能のそしりは免れないと思う。しかも行政的な何らの責任を感じないとあっては、あまりにもずうずうしいというそしりはのがれられないと思う。その点はやはり次官の考えは私の考えと違いますか。
○加藤(精)政府委員 今具体的な事例を御提出になっての御議論でございますが、その具体的な事例、すなわち論議の大前提になる事件が、これは今捜査中の問題でございまして、事実が確定しておらぬことではないかと思うのでございます。そういう問題を土台にして、これに対する見解はどうかということをおっしゃられても――それはどうも地方行政上の取り扱いのよしあしに対する御批判の問題とそれを混合して、そして御質問になるということは、率直に言えば、どうもあまりに人が悪いように思えるのでございますが、その点はわれわれとしては犯罪捜査をやる役所じゃございませんので、非常にお答えしにくいわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
○淡谷委員 それはどうも私の話し方が悪いと思いますので、せいぜいこれから話し方を研究いたしますけれども、最初から言っている通り、私はこの問題に対する刑事上の問題はやめましょう。しかしそのうわさがまかれ、その中に相当根拠のあることもあるから、今の刑事問題が出てきていると思うのですが、これは刑事問題の責任、あるいは最終における罪の量定がどうなろうとも、少くとも今日まで混乱に陥しいれて、その部下のやっておる信用組合を根城にして、こんな謀略が行われておったということが事実であったならば、刑事上の責任は別として、知事の負うべき行政責任は一体どこなのか、端的にでいいのです、お伺いしたいと思います。
○加藤(精)政府委員 現在の地方制度におきましては、知事の行政責任というものは、第一次にその自治団体自身が判断すべきものになっておるのでございまして、それでいわゆる自治監督を主にするわけでございます。県民が監督して、その知事がどうしてもよくなければ、直接選挙の手段もございましょうし、県議会による監督の手段もあるのでございまして、それで大体地方団体は一つの独立の団体だと思います。国家も一つの独立の団体だというように、県庁が地方政府というような考え方で――これは非常に極端に言うのでございますよ。どうもまた非常にひどい目にあいそうでございますので、非常に言いにくいのでございますが、そういうふうな思想を土台にしておるのでございまして、それでそうすることによって自治をまかせられた地方団体は、それ自身非常に注意して自治を営むという形になっておるわけでございます。その段階を経ないでまず自治庁に監督権、あるいは羅免権とか、あるいは強制権とかを云々するのは、その次の段階になると考えております。それも決して、あるいは先ほどございましたような地方自治法上の指導、あるいは勧奨、それからまた監査、そういう権能、あるいはそういう指導上の国の行政を否定するものではない。否定するものではないのでございますけれども、地方自治団体行政の現在の立て方の根本はそういうところにあるということを御了承いただきたいと思います。
○淡谷委員 私は誤解しないように一つはっきり確かめておきたいのでありますが、そうすると、知事は何をやろうが、最後には県議会で不信任案を出すとか、リコールをやるとか、それには自治庁は関知するところにあらず、そういうふうに私はあなたの御答弁がとれるのですが、どうですか。
○加藤(精)政府委員 知事は公選の知事でございますから、自治庁長官がそれを免職するわけにはいかぬと思います。また免職に近い処置をするわけにもいかぬのでございます。それが現在の憲法下の地方制度の本質的部分の一つの現われでございます。
○淡谷委員 非常に端的な御答弁で、もう一つ二つで終りますけれども、それを聞いて、私はきのう以来財政部長のお答えの基本的な態度がやっと納得がいきました。結局地方自治体は地方自治体であるが、ある程度ひどいことをやっておっても、法律にさわらなければ何とも手がつかぬ、いい悪いは別として手がつかぬという現在の地方行政上の法律規則の欠陥が露呈されたようです。最後に私は自治庁自体の立場をお聞きしてやめますが、こういう不完全な地方行政に対する法律や規則に立って、自治庁とは一体何をする役所でございましょうか。指導しょうが何をしょうが、向うは計画通り行かなくてもただ法律に触れさえしなければ手がつかないというような弱体の自治庁ならば、果して存在理由がございましょうか、おやめになったらどうですか。
○加藤(精)政府委員 大へん御親切な御提案でございますが、府県、市町村すべてが非常に自党をいたしまして、相当良好なる地方団体の経営をいたしますれば、ただいまおっしゃる通り、自治庁というものは要らないものだと思います。しかしながらその過渡期におきまして、ことに財務関係は国の行政に関連する部面が特に多いので、それらの諸多の処置がございまして、これは特例として、ある程度地方団体に対して指導、監査、あるいは勧奨、そうした方面の措置を講ずる部面が多いのでございまして、あるいは財政課とか、あるいは再建課とか、あるいは調査課とか、そうした事務が自治庁の事務の本体になっておるわけでございます。決して自治庁が全然無用だというようなものではございませんで、またわが国伝統の地方団体のあり方というものがございまして、それに基きまして全地方団体によき指導をする、またよき指導をするのに適切な法制を作る、またよき地方団体のあり方を確保するための立法をここに作業する、そうした意味におきまして、政府にその部門を所管する部局があっても一向差しつかえない、それが自治庁に当るものでございまして、そういう意味におきまして、私どもの非常な生きがいと張り合いを持って自治庁の仕事をいたしております。
○淡谷委員 詭弁の教科書を読んでおるような御答弁です。まず第一にどんなことが起っても自治庁はそういうふうな勧奨はできない。それからうんとよくなってもこれはやはり必要がない。結論はやはりよくても悪くても私は要らないということになるようですが、次官の結論はどうもそうでなくて、現在地方団体が悪いから自治庁がなければならぬ。その自治庁は何も実力を持っていない。これでいいというならば、これは見解上の相違ですから、これ以上の議論はやめましょう。ただ今度の事件を考えまして、私はやはりこの責任が単なる一地方官庁の出納長の責任にとどまるものでもなし、私はやはり刑事上の責任は別といたしまして、こういう事態をかもして全国に波及しかけておりますような今日の官紀紊乱のはなはだしい状態は、自治庁自体も責任を負うべきものではないかということを国会議員としては考えるのです。その点でなおこの問題は追及したいと思いますが、本日はだいぶ時間も過ぎておりますから、私の質問はこの辺で終ります。
○加藤(精)政府委員 自治庁も法律を離れては監督はできないのでございまして、現在の日本の地方制度あるいは地方団体を指導し監督する法律制度において、いけないところがありましたら、国会の方で十分審議をいたしまして、これを改善すべきものだ、こういうふうに考えております。自治庁も法律を離れては監督も指導もできないことを御了承願います。
○淡谷委員 あなたがそうおっしゃるなら、もう一点聞いておきますが、それでは現在の法律の形は、こういう各地方官庁における不祥事件を十分監督し、指導し、是正するだけの力がない法律であるというふうにあなたはお考えになりますか。それともこのままでいいとお考えになりますか。どっちです。この一点だけ……。
○加藤(精)政府委員 率直に申し上げますが、現在の地方制度を適正に保障する上においての諸般の法令におきましては、まだ十分改正を要するものがあるというふうに考えております。十分その立法の点につきましてはわれわれも研さんいたします。
○青野委員長 奥本又十郎君。
○奥村委員 私はこの第一相互銀行の不祥事件については、これは本委員会においても昨年から取り上げられておる問題でありますので、いろいろな角度からまだまだ審査しなければならぬと思います。この福岡県の公金預託の問題につていは、これは一つできるだけ早く審査を進めなければならない、地方自治に及ぼす影響のことを思うと、早く審査を進めたい。現に副知事らが御当局に今逮捕されておる状態のときに、なおその上知事までも本委員会に呼んで、というようなことでは、これは地方自治に大へんな影響を与えるので、これは国会としてもよほど考えねばいかぬ。しかしまた一たんこういう事件を調べておる以上は、問題はやはりできるだけ明らかにしなければ、当委員会としても中途半端で審査を打ち切るわけにはいかぬ。その事情からいたしまして、それじゃこの事情をどなたかどう明らかにするかということでありまして、その意味から自治庁の大臣初め関係の皆さんにはまことにお気の毒で御苦労さんではありますが、できるだけこの真相を明らかにするような御答弁が願いたい。これは与党の委員としてもこれ以上にこの委員会に知事などを呼んでということは差し控えたいと思うが、事実が明らかでないとすればこれはやむを得ずそこへいかざるを得ない。自治庁としてもそういうことはおそらく避けたいと考えておられるであろうと思うから、それであればなおのこと、できるだけの資料なり御答弁なりをわずらわして、そして本委員会の審査を至急に終らしたいと、こういうふうに思うので、この立場からなお不明確な点をお尋ねいたしたいと思うのであります。
 当委員会で特に明らかにしておかねばならぬことは、信用組合の金が第一相互に預託された。ところが信用組合の役員のメンバーを見ると、これはほとんど県庁の職員が顔を並べて、監事がまた県庁の会計課長であり、従って知事と出納長その他と何か密接な関係があって、悪く推量すればみんながぐるになってまずいことをしやしないかということになるのですが、その際に監事が四人おって監事は年一回の決算にはこの組合の経理を厳重に監査して、この監査の報告も出しておるはずである。そこで昭和三十一年の年度末に一億円の金が東京の第一相互へ預託されておるということが監事の監査でわかったとするならば、おそらく監事としても見のがしておくものでないし、監査も通るわけはない。この辺がどうなっておるか。そのような監査で済まされるならば、これは福岡の信用組合だけでなしに、全国的に信用組合の運営というものはかなり疑惑を持たれておるのですが、もしほかもこういうことであれば大へんです。これの監督の責任が、これはまた知事にあるわけです。そうするとそういう乱脈なことに知事がどんな監督をしておったか。こういうことになって、この点を明らかにしていただかぬというとこの委員会の審査は済まぬわけですが、どうですか、これは自治庁と御相談ですが、どなたにこれを開いたらいいのでしょうか。
○小林(與)政府委員 これは結局信用組合に対する監督の問題が一つ、府県そのものに対する監督の問題が一つ、私は二つあろうと思うのであります。自治庁は府県そのものに対して法律上の監督――ということは語弊がありますが、ある程度の所管の権限がありますから、府県側の必要な業務についての調査は当然われわれの責任でやらなくちゃいけません。そこで山本調査官にその限度においてわれわれも調査を命じたわけでございます。ですから県の公金がどういう形でどうして動いたか、その動き方がいいか悪いか、それによって府県にどういう影響があったか。目的通り行政目的を達しておるかどうかという問題は、私は県自体の問題として中央におきましては自治庁が所掌すべきだと存じております。もう一つは信用組合自体の運営の問題がございまして、これについては中小企業等協同組合法で実施されておる以上、同法の規定によって所管をきめるよりしかたがない。第一次監督は知事でございますが、当然中央に主務官庁というものがあるはずでございます。これは通産省であるか大蔵省であるか、そこのところちょっと私知りませんが、率直に申しまして中央にその法律についての所管官庁があるはずでございます。そこで信用組合の問題につきましてはその系統で必要な調査をお願いいたさなくちゃならない、われわれの立場からそういうふうにお願いするわけであります。
○奥村委員 ただいまの御答弁によると信用組合の所管の官庁が中央においてはどれであるか、今はっきり御答弁ができぬということでありますが、私どもはこれは地方長官にあると思っておる。というのは信用組合の認可許可が地方長官にあるのですから監督も地方長官にあると思う。その地方長官を指導なさる行政部長さんが、そういうことではどうも心もとない。どうですか、これは金融機ですか。銀行局長、この所管はどこにあるのですか。そんなことがここでわからなければ大へんなことですが……。
○東條政府委員 これは奥村委員も先刻御承知の問題でございますが、中小企業等協同組合法百十一条の第一項、第二項で、この今回問題になっております福岡県庁信用組合でございますれば、府県の区域を越えない信用協同組合でございますので、当然その管轄都道府県知事というのが所管の行政庁であると思います。申すまでもなく別に法律がございまして、協同組合による金融事業に関する法律というものもございますけれども、これでも同様、監督官庁の関係ははっきりいたしておりまして、やはり府県知事がこの信用協同組合につきましては監督官庁になる、私はさように理解いたします。
○奥村委員 形式上いかなる形を取りましょうとも、福岡県の公金を東京の第一相互銀行へ持ってきておるというについては、信用組合の運営としてこれはもう確かに間違いであって、それを理事、監事の役員が一年半もそのまま見のがしてきたということについては、これは信用組合の理事、監事としては明らかに責任があり、場場によっては法律上の責任もあると思うので、これを明らかにしなければならぬ、これが当委員会の審査の一つの事項であろうと思う。
 それから第二に、先ほどからのお尋ねにもありますように、県の公金一億円を、ただ何となく信用組合に預託したのでなしに住宅協会に建築資金として、目的を持って預託したので、これは直ちに信用組合を通じて住宅協会へその金が入っていなければならぬ。もしそれが入らなければ、住宅協会も建築ということが進まぬわけです。政府の住宅政策、また福岡県の住宅政策の執行の機関である住宅協会に、その県の目的を達成させるために一億円を渡すべく県が処置をした。それが一年半も横へ流れておった。それは先ほどからいろいろ議論があったので、これは重ねて申し上げませんが、しかしそれじゃ住宅協会として、一億円もの金が、それがなくしては事業ができないから、県から受け取るべく話が進んだものを受け受らなかったら事業ができておらぬはずです。しかもその責任者は理事長である知事であり、しかも専務理事が建築部長、これが一年半も金を受け取らずに、仕事をしておらなんだということになると、これはまことにもって変な話であるし、またこれを見合いに中央の住宅金融公庫から建築資金の七割五分が福岡県住宅協会に流されておる。これに対する見返りの金が支出されなければならぬ。そうすると、国の重要な住宅政策を福岡県で執行すべき住宅協会がそのような乱脈なことをしておったのでは、これはしいて言えば、中央の住宅金融公庫も、そういうずらしのないところへ金をどうして流しておったか、おそらく中央の住宅金融公庫にしても、福岡県の住宅協会の経理はある程度監査しておるはずです。一年半も受け取るべき金が受け取らなんだということがわからぬものだろうか、この点、知事が理事長であり、また建策部長が専務理事であるとするならば、これをだれが明らかにするか。それで、少くともこれの昭和三十一年度の年度末の財産状況、事業の執行状況などの財務諸表はこの際お出しになりませんと、われわれはこの一億円の金の行方ということに関連して話が進んでこぬわけです。これを何とか明らかにしていただきたいのですが、自治庁の方でそれができますか。
○小林(與)政府委員 自治庁の方で調べたところによりますと、建設協会には入っていないということだけは確実のようでございます。私の方としてはそこは明確につかまえております。
 それならば、それで建設協会が仕事ができたかという問題がありますが、建設協会は自分の資金の範囲内において、住宅金融公庫から金を借りて仕事をやっているのございましようから、その関係におきましては、当初の計画通りの仕事はできておらぬかもしれぬが、協会自体としてはそれが違法とか不当という問題はないだろうと私は存じております。ただ問題は、だんだん分析してのお話でございますが、結局住宅建設をやらせるために預託をした。そこでその預託目的通りに仕事が動いていない、私はそこの責任は当然あるだろうと思うのでございます。預託をする以上は、預託目的のように見張るということは、当然県として考えなくちゃならぬ。それだからそういう運用が誤まっているということになれば、むしろ県の財政運営の問題でございます。歳計現金の運営の問題でございまして、自治庁といたしましては、これはむしろわれわれの所管すべき問題でございまして、そういう財政運営のないような指導、助言というものは、当然自治庁として考えなくちゃならない、その点はわれわれもはっきりいたしているわけでございます。
 もう一つの問題は、そうでなしに、信用組合自体は県庁の職員が中心でないか、これはその通りであろうと思います。これはこの組合員の構成が、県庁であろうが、会社であろうが、地域社会であろうが、これは協同組合でございますから、その協同組合を規律する立法に従って動いている問題で、これは自治庁とは法律上の所管関係はないわけです。ですから、法律上どういう指揮監督の系統になっているか、知事にまかされておれば、知事の責任でございます。それにしろ、そういう信用組合制度あるいは中小企業協同組合法というものを所掌する中央官庁というものは、これはどこかにあるに違いない。それは法律に書いてあると申し上げましたのは、私は記憶がないからその中身は申し上げませんでしたが、そういう意味で中央のそれを所掌する役所があるとすれば、信用組合制度についての運営あるいは法律的その他の運営につきまして考えるべき役所は事実上あるだろう、こういうことを申し上げたわけであります。
○奥村委員 住宅協会の方へその一億円の金は入っていなかったので、これについてはまことに遺憾であったということを知事ははっきり言うているという、この御答弁はよくわかりました。しかしその次の、それじゃ一億円の分の仕事はしなかったかというと、私はそうじゃなかっただろうと思う。当初の目的とする住宅協会の建築はある程度進んだはずである。というのは、昭和三十年の十二月に一億円を信用組合に渡したが、その翌年の昭和三十一年の五月及び八月に三千何百万円というものをまた信用組合を通じて住宅協会に流しているわけです。そうすると、当然ここで知事なり関係者が考えつくことは、昭和三十年の年末の一億が目的通り住宅協会に入っておって、その上あくる年また三千数百万円を入れるとすれば、これは重複になる。そこで一億というものは東京の第一相互へいっているということがわかって、それじや住宅協会の方は足りないから、追加して三千何百万円というものをあくる年の五月及び八月に渡した、そうなれば、知事初め関係者は、一億円というものは第一相互へ、横流れというか、預託されておるという事情を知って、再び翌年また三千万円というものを住宅協会へ信用組合を通じて流している、こういうふうに見られるわけですね。従って要するに、われわれこの問題を明らかにしようとすると、福岡県の住宅協会の昭和三十一年、昭和三十二年の事業の執行状況なり財務諸表を見なければ、今の部長の御答弁を納得することができぬというわけなんです。この資料はどうです、とれませんか。
○小林(與)政府委員 山本調査官は、住宅協会の昭和三十年度決算書は手に入れて参っております。それから三十一年度の評議員会付議事項――三十一年度の専業計画書ですね。これも手に入れては参っております。三十一年度の決算はもちろんまだできておらぬわけであります。それでありますから、この資料の提供は部数が一冊しかありませんけれども――複写をとれば、もちろんできます。
○奥村委員 それではその資料の中には一億円は入っておらぬということがわかるわけです。そうすると知事は別として、当の住宅建築の責任者である福岡県の建築部長ですな、これは金を受け取らずに事業はできぬはずです。またこの一億円の金を受け取るつもりで、県知事に頼んで預託を受けようとして許可を受けたわけです。建築部長は一年半もその金を受け取らずにどうしておったか。建築部長の責任なり考えはどういう考えであったかということについて、山本さんはその事情を明らかにしたのですか。
○小林(與)政府委員 どうもその間の関係が私もはっきりしておらぬのですが、どうも住宅協会としてはその後計画変更と申しますか、事実上必要がなくなったというか、そういう格好になっておるようです。そこらの点は、建築部長の明確なる回答を求めてきた模様はありませんが、そのように思います。そうなればそれで、当初一億預託を要求したのだから、必要がなくなったらむしろそれを取り消す、必要がなくなったならば、こういうふうな何らかの措置が運用上あってしかるべきだったのじゃないか、そういう点は問題があったように私は見受けておるわけでございます。
○奥村委員 なかなか上手な御答弁で、そういう御答弁でいくとすれば、信用組合を通じて第一相互銀行へ一億円を預託しても法律上の犯罪は構成されぬというふうに受け取れるのです。そうすると、大体検察庁は何の疑いをもって山本副知事その他関係者を逮補したのであるかという問題が、本委員会の審議の題目になってくるわけです。私は昨日委員外の質問でありましたから、ごく簡単にお尋ねしたのですが、重ねて刑事部長に、まことに恐縮でありますが、その点をお尋ねしたいのです。少くとも逮補状を出す以上は、被疑の事実、また罪名などを明らかにして逮捕しておられると思う。今の自治庁の御答弁のように、信用組合から第一相互銀行に預託するという場合は、政治責任はあるでしょう。しかし金が満足に戻っておるならば、何も犯罪は構成されておらぬ。そうすると地方自治に非常に重大な責任を持つ副知事など関係者を逮捕し、また福岡県庁にずいぶん大がかりな捜査、押収をなさったのだが、それについてはやはり罪名なり被疑の事実というものが明確になっておらなければならぬ、こういうことです。今の御答弁ですと、われわれどこも間違いがないように思うんですが、どこに疑いを持って、いかなる罪名をもって逮補したのか、その点を一つ重ねてお尋ねします。
○井本政府委員 金を預ったのは銀行でありますので、一応の形は整えてございますが、福岡県の歳計現金が東京の業績不良な銀行に昭和三十年の暮れに入っておる。しかもそれがしばらくして定期預金にまでなったということを考えてみますると、その金は関係者が職権を乱用したといいますか、職務に反して福岡県の歳計現金をほしいままに東京の銀行へ持ってきたという点が、業務上横領の嫌疑がある。そういう嫌疑をかけまして調べを始めて目下調べをしておるというのが実情であります。それはただいままだ主任検事が調べを始めましてから数日しかたっておりませんので、容疑事実は、あるいは結論の段階になりますれば多少変るかもしれませんけれども、われわれの嫌疑は、さような福岡県の歳計現金が東京の第一相互銀行に入ったということが、決して正当な預託行為であるとは考えられないという点が大きな容疑をかけた原因になっているというように考えます。
○奥村委員 もしただいまの御答弁だけの理由であるとするならば、検察庁は少し軽率であったと言わなければならぬと思う。実際問題は別ですよ。それは調べた上で事実が明らかになればともかくも、福岡県の信用組合から第一相互銀行へ金が入った。福岡県の信用組合は、何も県の預託金だけを預っているのではない。信用組合の組合員の金も預っているんで、それは県の預託の一億円の分も含むかもしれぬが、ほかの金もある。金融機関が金融機関に一時的余裕金を預託するということは、何ら進法ではない。そこでそれは疑えば疑えるけれども、もう少し突っ込んで明らかにこの点に動かしがたい疑念を持つという証拠なり疑惑があって逮捕されるならよろしいけれども、ただ金融機関が金融機関へ預託したということで、かりそめにも地方自治の重要なポストのものを逮捕するわけがない。従って私ども今お尋ねするのは、逮補したのは悪いという意味じゃなしに、今の御答弁では、大事なことを隠してうわべだけ言うておられるということになる。これ以上答弁をさせるのはどうも意地が悪いとあなたは思われるかもしれぬが、しかしそれを言うてもらわぬと、われわれ委員会が三日も四日も能率の上らぬ審議をしているので、その点私は今の御答弁だけであるとするならば、少し軽率ではなかったか。要するに今お話のようなら、罪名たり被疑事実というのはないでしょう。その点どうです。
○井本政府委員 昭和三十年に福岡県の歳計現金が信用組合を通じて東京の第一相互に入った事情、それからその一億円を預けたことによりまして、一応貸金のような形になっておりますけれども、一千万円が俗に言うリべートというか、裏金利といいますか、その関係者に渡されて、それがいろいろな形で分配されているという、その間の金が入ってからリベートか出たという事情、それから今年の初めまでしばらくその金が寝ておったというような、いろいろな事情を総合いたしまして、当時の事情を勘案して、われわれの方といたしましては、この委員会で御報告申し上げましたような容疑事実をかけまして調べを始めているのでございますが、何せいまだただいま申し上げたように日もたっておりませんので、詳しい事情がわかっておらないし、私ども報告を受けていないので、今しばらくしますれば、いま少しく御納得のいくような御説明ができるかと思います。
○奥村委員 それでわかりました。つまり一億円を信用組合を通じて第一相互へ最初に持ち込もうとしたときの動機に疑いを持つ。これは実は私どもも何とかいう金融ブローカーが暗躍し、根橋という第一相互の重役が暗躍して、県の公金を表向き信用組合を通しているけれども、事実は上手に金を引き出してきた。その動機に疑いを持って捜査を進めておられるということであれは、これはやむを得ないと思います。またこの委員会においても、その動機が那辺にあるかということが明らかにならなければ、この委員会のほんとうの審査というものは進まぬと思いますので、事情が許せばその動機について、今の段階でおわかりになったところを聞かしてほしかったのですけれども、これ以上今ここでお尋ねするのは無理であろうと思いますので、最後に銀行局長と刑事部長にお尋ねいたしますが、第一相互銀行がいわゆるボロを出した、不祥事件として新聞に書かれたのは、たしか昭和三十一年の八月末です。そこで昭和三十一年の九月に入りまして、いわゆる預金の一部のたな上げを実行した。つまり導入預金の三分の一を支払って、あとの三分の二は十五年間の支払いたな上げをやった。それを新聞記事で読んでも、さあいよいよ第一相互銀行は危いぞというんで非常な不安を持った。いわんや福岡県の公金を一億円も預託しておるとすれば、県の知事初め関係者が、その事情を知つたならば、それは即座に県の公金を安全に取り返して、責任を果さなければならない。ところが去年の八月、九月に事件が発覚しても、それをことしの三月の二十幾日まで、引き出さずにほうっておいたというそこの事情、それは常識上当然引き出すべきものをなぜ引き出さなかったか。これは銀行局長にもお尋ねいたしたいのですが、ここによほど深い事情があるに偉いない、こういうふうに思うのです。また検察御当局も、ここに疑いを持たれてお調べになっただろうと思う。しかもまた先ほどの質問にもあったように、検察御当局が福岡県へ拘引状を持っていかれた日に、残りの八千万円をあわてて第一相互銀行が福岡県に支払った。そこら辺に深い事情があるように思うのです。この理由をお聞かせ願えれば、大体事件の裏の事情がわかると思うのですが、一つ両方からできるだけわかる事情を聞かしていただきたいと思います。
○井本政府委員 まことに申しかねるわけでございまするが、五人の関係者をとめまして鋭意調べておるのでございまして、この事件は昨年の秋以来ずっと検討を続けてきておりますが、時日も相当たっておりますので、当事者の間にいろいろな打ち合せもできておりますし、調べが非常に微妙になっておりまして、いろいろな弁解もあります。その中には、ほんとうのことをほんとうに言うておる点もありますし、あるいはまた作っているというような感じのする点もあるので、いましばらく時日をいただきませんと、その間の事情を明確に申し上げかねるわけでありまして、今ここで想像をまじえて申し上げますと、関係者の名誉にも関係いたしますし、また取調べの関係も非常に困りますので、まことに恐縮でございますが、いましばらく御猶予をいただきたいと考えます。
○東條政府委員 私の方といたしましては、おそらく奥村委員の御納得いただけるような事実関係の材料あるいは御説明ができかねると思いますが、ただ私は、今御質問の点に関連があるかどうかは私個人としては判断できかねますが、けさちょっと申し上げましたことをもう一度繰り返したいと思います。と申しますのは、福岡県庁信用組合の預金は、形式的には通知版金でありますが、私どもの手元では、実は現在の銀行では文書をもっては確認ができません。もちろん前の第一相互銀行の経営者の当時のことでありますので、そういうことらしいという非常にあやふやなことを申し上げて恐縮でありますが、形式的にはさような通知頭金ではありましたが、相当長い間この頭金は引き出さないでいこうじゃないかというような了解と申しますか、約束のようなものがあったのではなかろうかと想像される節があります。しかしこれは今もくどく申し上げておりますように、実は前の経営者の時代のことでありますし、現在の銀行にはそれを確認すべき文書も何らございません。しかしそういうことも聞いておりまして、けさこれはこの委員会でも御答弁申し上げた事実であります。奥村委員のお尋ねの一つの御参考になるかという意味で申し上げたわけではありませんが、多少関連があろうかなと想像されることだけを申し上げまして、これ以上はちょっと私どもにも事実関係はつかみかねるわけであります。
○青野委員 そうすると遺憾ながらこの事情は明らかでないが、その点をもう少し突きとめれば、この事件の核心が浮き彫りに出てくると思う。特に銀行局長も御承知の通り去年の八月、九月に事実上あれは取付騒ぎがあって全国的に大問題になりました。そうして福岡県庁の知事初め知らぬはずはないので、その一億円もの金をあわてて取りにこなければならぬのがなぜ取りにこなかったのか、その事情がわからぬ。おそらく検察庁ではある程度わかっておられると思うが、なぜ取りにこなかったか。私に推量させるとするならば、もしこれを取りにきたならば、この公金を第一相互に入れた事実が明らかになって、知事その他の関係者の責任が表面に出るから、当事者としては痛かったということ、いま一つは、銀行局長は導入預金ではないとは言うものの、中に金融ブローカーがおる、その金融ブローカーがただ単にあっせんだけをするわけはない。その裏には裏利がつき、またそれに取引がつく。現に金融ブローカーの手に入っておるのは大体年裏利が二割八分でしょう。二割八分が常識になっておるのに、この場合においては裏利は一割しか出ておらぬ。これは一千万円が全部とはわかりませんが、今明らかになったのは一割、そうするとそのほかに何かというのは、ひもつき融資があるのではないか。そのひもつき融資が、つまり焦げついておるから取るにも取れない事情が、ともかくここら辺にあるのではないか。というのはもう一つさかのぼっていえば、福岡県が公金を第一相互に入れようとするときに、すでにこの金にひもつきで融資の話が出ておるのではないかというところまでさかのぼっていけば、大体この事件の真相がつかめると思う。それでお尋ねしたのですけれども、この御答弁は今ここで得ようとしても無理でありますから、それでは私はこれで質問を終りたいと思います。
○坂本委員 自治庁にお尋ねしますが、山木調査官は、午前中あれだけ要望しましたから、自動車で自宅まで行っておられる、そういうお話を聞いたのですが、その御報告はどうなっておるのでしょうか。
○小林(與)政府委員 まだはっきりしたことはわかっておりませんが、車をやりまして、もし来れぬようならば医者の診断書をつけてもらってこい、医者の診断書が取れぬような程度ならば来るように、こういうことで連絡をさせたのであります。それでもう一度連絡させてみたいと思います。そしてまだ現地へ行った者から連絡がないそうでありますから、もう一度至急にやって連絡をさせたいと思います。
○坂本委員 行った場所はどこですか、遠いところですか。
○小林(與)政府委員 千葉の花園町というはずでございます。
○坂本委員 千葉の花園町なら、自動車で行けば一時間もかからぬですよ。一体何時間かかるのです。だから最初から出さぬつもりでそういうことを言って、一億円のこの金も、今奥村委員が言ったように最初からひもつきで、そうして表面の形式だけ組合にやって、それを第一相互にやって裏金利を取って、そうしてそれで選挙費用にするとかなんとかという疑いがある。そういう調査もせずに、今度はまた病気などといって出てこない。自動車で呼びに行って、その返答もない。ことごとに疑惑を持たれるようなことばかりでしょう。これは考え方によっては、この決算委員会を侮辱しておるのじゃありませんか。あなた方の調査の命令も不十分であったでしょう。調査した者自身がそういう無責任なことで、国家公務員として勤まるのですか。答弁ができぬから来ないと言われてもやむを得ないでしょう。われわれはここに国民の代表として来ているのです。その点について次官どうですか。
○加藤(精)政府委員 坂木委員の御質問にお答えいたします。ただいま迎えに行った自動車の情勢がまだわかっておりませんけれども、今調べに参っております。何か手違いが起ったのではないかと思います。まことに御心配をかけて恐縮に存じます。
○坂本委員 もう六時になるでしょう。前会も飛行機で資料を送っており、二時ごろ着くというので、途中で調査課長は調べに行ってそのままうやむやになっておる。きょうもそんなふうになっておる。これは何と申しても、田中長官が失言を取り消す――こういうような事態が発生して、自治庁はこの決算委員会を軽視しておるということを言われてもやむを得ないじゃないかと思う。こういうようなことでは、自治庁自身がこの国会を侮辱しておるのじゃないか。私は国民にかわって憤慨にたえないわけです。
○加藤(精)政府委員 自治庁といたしましては、国会を侮辱するなどという考えは毛頭ございませんで、誠心誠意責任を尽して御答弁を申し上げ、御調査に協力しております。
○吉田(賢)委員 私は、調査官が出ないということにつきましては、何と弁解せられましても自治庁の手落ちであります。そこでこれはあとで事情を確かめて、また事情によっては追及することといたしますが、決算委員会といたしましては、この問題の事実関係をまず明らかにし、それから財政監督の問題点及びこれらに対する政府の所見等も一そう明らかにしなければなりません。ただ本日まで出ました資料並びに質問に対する御答弁によりましては、まだ十分に尽しておりません。ことに山本調査官が九州へ行かれて、いろいろと県幹部とお会いになって事情調査をせられたようでありますが、これも本日のところその結果を直接伺うわけには参らぬ。かりに直接伺い得ても、財政部長だんだん御説明の通りに、文書によりまして現金預託状況の説明、ああいう程度に終るのではないかと思いますので、そういうことでじんぜん日を経過することもまことに遺憾なことであります。ことに当委員会は他の案件が山積いたしておりますので、いつまでもこの事件にかかわっておるわけには参りません。そこで一つ至急に理事会でも御相談を願うことにして、そして行政上の責任の地位にあり、あるいは住宅協会の責任者でもあり、信用組合の顧問でもあるという知事も、何かここ二、三日のうちに岐阜県の植樹祭に出席するということさえ伝わっておるのであります。さような余裕が気持の上においてあるならばまことにけっこうでありますので、知事とか建築部長、あるいは監査委員、監査委員は県会議員でない人の方が専門的でいいだろうと思いますから、こういう人とか、あるいは財政課長、あるいは信用組合、住宅協会の理事のうち直接事情のわかったような人、こういう人々をやはり当委員会に御足労を願いまして、直接聞いて事の次第を明らかにし、だんだん委員が申しております事実の関係とか、あるいは行政的責任の関係を明確にしていく、そういうことが最も緊要なことだろうと思いますので、そういうふうにお運びを願うことにしてはどうかと思うのであります。そこで本日のところは、今から千葉県の方の山本何がしを待つという時間があまりにも惜しいと思いますから、私は待つ必要はないと思いますので、この程度で一つきょうは散会願ってはいかがと思います。
○坂本委員 この問題の審議に当っては、自治庁においては長官の失言問題もあるし、さらに飛行機で資料を送ってくるというのを送らずにそのままほったらかしておる。きょうはまた調査に行った山本氏が理由もわからずに欠席をして、それをわざわざ自治庁が自動車をもって迎えに行って、そして時間ももう行って十分用を足して帰らなければならぬのに、その返事もない、それでまたこの委員会をこれで散会する、これでは国民に申しわけない。私はそれが来ない理由をここに田中長官が出て釈明なされた上で散会してもらいたいと思う。そうでなければ、自治庁の態度たるやあまりにもこの委員会を侮辱していると思う。そういうふうに取り計らわれたい。そうでなかったならば、この前も資料がくるといってこなくてお流れになった。きょうもまた審議をこういうふうにだらだらやって、考えようによっては、自治庁が出すまいと思ってやったその計画によって、この国民の代表である決算委員会がお流れになっておしまいになったというのでは、われわれは国民に対して相済まぬと思います。私は責任の地位にある長官がここに出てこられて、そしてそれを釈明されて初めて国民も納得するし、われわれも代表として納得ができると思う。さように取り計らっていただきたいと思います。
○吉田(賢)委員 坂本委員の要望せられたこともっともでありますので、やはりここは常識的に考えましても、行程往復二時間のところに住まっておる山木氏、そこに自動車を走らしたというのが午後一時四十分ごろとか申すのでありますから、幾らどう考えましても、官庁事務としましてはあまりに音沙汰がないのはふに落ちませんので、これはやはり次官が適当に御説明になって、坂本委員の意のあるそれに当然お答えにならねばなるまいと思います。いかがでございましょうか。
○加藤(精)政府委員 ただいま私答弁をなまけたわけではないのですけれども、実は坂本委員の御発言が委員長に対しての御要求のようでございましたので差し出がましいことを申し上げないだけだったのでございます。自治庁の方といたしましても、皆様の調査が遅延いたしましたりおひまをとりますことに対しましては大へん責任を感じておるのでございます。しかしながら事情が事情でございますので、元来病弱な事務官でございまして、その病弱な専務官を往復とも飛行機で出張させましたことについても、今から考えてみますと少し無理があったのではないかと思います。そういうような事情でございますのでよろしく御了承願いたいと存じます。
○吉田(賢)委員 そういういきさつの話ではなしに、この間のこともふに落ちなかったことは事実なのです。飛行機で送ったというけれども事実かどうか、どうもこれは虚言のような気がする。きょうも午後一時三十分か四十分に自動車を走らせたという。病気なら医者の診断書を届けるというのも――それも音さたないのであります。これはやはり国会相手の重要な専務を自治庁がそれぞれおとりになっておるのだから、電話もあるし、また官庁の電話を使えば即時通話の方法もあるし、何もわからずにこれから探してみますとか調べてみますというようなことでは、一昨日以来、いな二十八日以来の不誠意の連続だと言われるのはこれは、もっともなんですよ。それは結局突き詰めたところはあなたの方におきましては何ら不当不正もない。福岡県に対していろいろと質疑をしていくということが、あなたの方では根本的にこれをさえぎろうとする考え方があるのではないだろうかということを疑うのです。おとといのけんか腰になった長官のあれを見ても、やはりそういうことがうかがわれる。きょう取り消して、いろいろとわれわれも希望したいと思ったら、便所へでも行かれたかと思ったらすっと帰ってしまった。ああいうようなことにしましても、やはりもっと懇切丁寧に、お互いに国事を話し合うという話し合いの場ですから、やはりもっと誠実な態度をおとりにならぬと私はいかぬと思うのです。何もこれは坂木委員一人のそれではないのです。みんな持っておるのです。私にしましてもあんまり人を食ったことで――しかし仏の灘も三度で、あんまり同じことを言いたくないものだから詰めなかったのですけれども、先刻のお話にしましても、午後船橋へ人をやる話の経過にしましても、これはどうも常識的にも理解しにくいのです。こういうようなつまらぬ、ささいな事柄をすらわれわれに納得ささぬようなことでは、もう実際自治庁はどういう態度だろうかそういうことを疑うのは当然なのであります。でありまするから、そういう態度であるということ、答弁すること、ことごとくやはり一つの目的があってお述べになっている、ただうまく言いのがれたらいい、こういうのが腹ではないか、こうもさらに疑いをたくましゅういたします。そういうことは審議の妨害になります。でありまするのでここはもっと態度は厳正であっていただきたいのです。われわれも間違っておりましたら、それはみずからほんとうに自粛もしますし、どんなにお責めいただいてもよろしゅうございます。しかしやはりあなたの方におきましても、うそ偽わりとか間違いをしないようにしてもらいたい。わかり切ったことをいいかげんにして済ますという態度がいかぬというのですよ。そういうことをやっておられたら次々幾らでも問題が起ります。こんなことば初めてなんですよ、自治庁だけなんですよ、これは。自治庁は決算委員会に何か知らぬ感情でもあるのじゃないかと思われるほど実はまずくいっておるのです。どこの省庁でもこういうことはありません。でありますので、これはおとといから特に感じることになりましたので、きょうの午後の問題についても釈然としないのです。私自身はもう何べんも同じことだと思って黙っておりましたけれども、これは坂本委員が憤慨なさるのは当然なんであります。だから大臣にしましても、ほんとうをいったらきょうは大臣はよろしいときに来て、実は自分の部下がそう言ったけれども、こうこうでというふうに、やはりきちんとけじめをつけていただかなければいけない。それが当然なのです。けれども今の場合それもどうかと思いますから、次善の方法としてやはりあなた御自身が責任をもって坂本委員が納得せられるようにきょうの事実の御説明をせにゃいかぬ。そんな飛行機の問題を繰り返してもらう必要はないのです。きょうの船橋へやったということは、あまりにも常識的に考えて理解しにくいのであります。そういう点について端的に率直に誠心誠意お述べを願う、こういうふうにすべきだと私は思うのです。前のことをくだくだと繰り返す必要はもうないのです。
○加藤(精)政府委員 ただいまいろいろしんみりと御意思のあるところをお述べいただきまして、自治庁の方といたしましても恐縮いたしておるのでございますが、自治庁の方といたしましてもそうした不誠意に立脚したのではなくて、電話のない遠隔の地におりますので、できるだけ議会の御審議に間に合いますようにと思って自動車で迎えにやったわけでございますが、いろいろ手違いがあったことと存じますので、その点十分調査いたしまして御報告申し上げたい、こう思っております。
○青野委員長 それでは本件に関しまする質疑は本日のところは一応この程度にとどめます。次会は公報をもって御通知することとしますが、明日午前十時三十分より理事会を、十一時より決算委員会を開く予定であります。特に今坂本委員の御要望なり御質問に対しては私も補足しておきますが、あすは十時半からこの案件についての理事会を開くのですから、その理当会に間に合うように、飛行機に資料を積んで送ったということでなくして、きょうどうして山本調査員がおいでにならなかったかということを理事会に間に合うように一つ御説明が願いたいということを委員長から付加しておきます。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後六時二十八分散会