第026回国会 地方行政委員会 第22号
昭和三十二年四月十一日(木曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
   委員長 門司  亮君
   理事 亀山 孝一君 理事 永田 亮一君
   理事 山中 貞則君 理事 吉田 重延君
   理事 川村 継義君 理事 中井徳次郎君
      青木  正君    唐澤 俊樹君
      川崎末五郎君    木崎 茂男君
      纐纈 彌三君    徳田與吉郎君
      丹羽 兵助君    早川  崇君
      古井 喜實君    渡邊 良夫君
      今村  等君    大矢 省三君
      加賀田 進君    北山 愛郎君
 出席国務大臣
       国 務 大 臣 大久保留次郎君
        国 務 大 臣 田中伊三次君
 出席政府委員
        国家消防本部長 鈴木 琢二君
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        長)      小林與三次君
        総理府事務官
        (自治庁税務部
        長)      奥野 誠亮君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (国家消防本部
        総務課長)   横山 和夫君
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        財政課長)   柴田  護君
        専  門  員 円地与四松君
    ―――――――――――――
四月十日
 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する
 法律案(内閣提出第一三九号)
 国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 四〇号)
同日
 たまつき場の娯楽施設利用税免除に関する請願
 (眞鍋儀十君紹介)(第二七一六号)
 遊興飲食税減免に関する請願(久野忠治君紹
 介)(第二七一七号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出第一〇七号)
 消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部
 を改正する法律案(内閣提出第一二三号)
 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する
 法律案(内閣提出第一三九号)
 国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
 る法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一
 四〇号)
    ―――――――――――――
○門司委員長 これより会議を開きます。
 地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては昨日の本委員会におきまして一応質疑を終了いたしておりますが、他に御質疑の方はございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 別に御質疑もないようですから、本案に対しまする質疑はこれにて終了することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 御異議のないものと認めまして、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
 次に、本案を討論に付するのでございますが、別に討論の通告もございませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 採決いたします。地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を政府、原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○門司委員長 起立総員。よって、本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものときまりました。
 この際お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成並びに提出手続等については、前例により委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 御異議ないものと認めまして、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
○門司委員長 次に、昨十日、本委員会に付託になりました国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案並びに国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、政府より提案趣旨の説明を求めます。田中国務大臣。
○田中国務大臣 国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案につきましてその趣旨を御説明申し上げます。
 昨年創設されました国有資産等所在市町村交付金の制度は、固定資産税を課さないものとされていました国または地方公共団体が所有する固定資産についても、そのうち国または当該地方公共団体以外の者が使用している固定資産、国有林野の土地及び発送変電施設の用に供する固定資産については、現に固定資産税の課されている他の同種の固定資産との均衡及び当該固定資産と所在市町村との間における受益の関係等を考慮して、所有者たる国または当該地方公共団体から固定資産税相当額を資産所在の市町村に交付するものでありますが、これに該当する固定資産でありましても、行政協定によりアメリカ合衆国の軍隊に使用させている固定資産につきましては、この制度を適用しないものとされているのであります。しかしながら、アメリカ合衆国の軍隊に使用させている固定資産の中には、住宅施設、福利、停止または娯楽施設、工場、倉庫、ドック等の企業的施設等のごとく現に固定資産税を課されているものと、その性格または使用の実態の異ならないものがありますし、また飛行場や演習場の用に供する土地のごとく市町村の区域内に広大な面積を占有し、かつ、市町村の財政に著しき影響を及ぼしているものが存するのでございます。
 このような事情から当委員会からもこれらの施設所在の市町村について適切なる財政措置を講ずべしとの御決議もいただいているのでありますが、これらの固定資産を直ちに国有資産等所在市町村交付金の対象に加えますことは、資産の性格上若干問題のあることでもございますので、この御決議にこたえ、かつは、これらの施設所在の市町村に財源を与えるため、別途国有提供施設等所在市町村助成交付金を交付するものとする制度を新たに作りまして、その交付を受ける市町村、交付の基準等につきまして所要の規定を設ける必要があるのであります。これがこの法律案を提案する理由でございます。
 次に、この法律案の具体的内応を簡単に御説明申し上げます。
 第一に木助成場交付金の交付を受ける市町村は、すでに御説明申し上げましたように、国が所有する固定資産のうち、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う国有財産の管理に関する法律第二条の規定によって使用させている固定資産並びに自衛隊が使用する飛行場及び演習場の川に供する固定資産で政令で定めるものが所在する市町村といたしております。固定資産の範囲は、さらに政令できめることになっているのでありますが、現に固定資産税を課されております同和の固定資産との均衡等も考慮いたしまして、おおむね住宅施設の用に供する固定資産、福利、厚生、または娯楽施設の川に供する固定資産、工場、倉庫及びドックの用に供する固定資産、飛行場及び演習場の川に供する土地等はこの範囲に加えたいと考えているのであります。
 第二に、本助成交付金の額は、予算で定める金額の範囲内において、政令で定めるところにより、当該固定資産の価格、当該市町村の財政の状況等を考慮して決定するものといたしております。具体的な交付の基準は、政令で定めるのでありますが、原則として本助成交付金の交付対象となる固定資産の価格を基礎として算定した額によるものとするとともに、特にこれらの固定資産が所在することによって財政の運営に著しい支障があると認められる市町村に対しては、その財政の状況等を考慮して算定した額を加算するものといたしたいと考えているのであります。
 なお、木助成交付金の総額は、昭和三十二年度におきましては五億円を予定しております。
 第三に、本助成交付金の算定及び交付に関する事務は、自治庁長官が行うものとされているのでありますが、その交付時期等につきましては、政令で所要の規定を設けることといたしております。
 以上が国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律案の趣旨でございます。
 次に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 すでに、本国会において成立しております地方税法の一部を改正する法律によりまして、大規模の償却資産に対して課する固定資産税につきましては、所在市町村の課税限度額の引き上げが行われているのであります。国有資産等所在市町村交付金及び納付金の制度は、国もしくは地方公共団体または公社が、その所有する固定資産にかかわる固定古屋税相当額を、固定資産税にかえて所在市町村に交付し、または納付する制度でありますから、固定資産税の課税限度額の引き上げに対応して、大規模の償却資産にかかわる市町村の交付金算定標準額または納付金算定標準額の限度額につきましてもこれを引き上げる必要があります。さらに日本国有鉄道が直接その本来の事業の川に供するため借り受けている車両につきましては、その使用の実態よりして、これを市町村納付金の対象参とするものとするほか、所要の規定の整備をはかる必要があります。これがこの法律案を提案する理由であります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一は、市町村納付金の客体に日本国有鉄道の使用する民有車両を加えたことであります。さきに述べましたように日本国有鉄道が直接その本来の事業の川に供するため車両製造業者より借り受けている車両につきましては、その使用及び借り受けの実態に鑑み、所有者に固定資産税を課するかわりに、これを日本国右鉄道が所有する償却資産とみなして、市町村納付金の客体とすることを適当と考えたからであります。
 第二は、大規模の償却資産にかかる市町村の交付金算定標準額または納付金算定標準額の限度額は、改正された固定資産税の場合に準じて引き上げることとしたことであります。大規模の償却資産に対する固定資産税についての所在市町村の課税限度額が、さきの地方税法の改正に際し引き上げられましたので、これに対応して、人口段階ごとに定められた該当資産の価格の限度額を引き上げるとともに、これらの制度を適用した結果、当該市町村の水準財政収入見込み額が基準財政需要額の一定割合に相当する額を下回ることとなるときは、その割合に相当する額となるまで課税限度額を引き上げるものとする財源保障率を現行の百分の百二十から百分の百三十に引き上げ、また新たに建設された工場または発電所の用に供する大規模の償却資産については、右の財源保障率を、当該償却資産について市町村交付金を交付することとなった最初の年度から五年度間に限り、特に引き上げるものとしているのであります。なお、公社が所有する償却資産で鉄道または電気通信の用に供するもののうち総理府令で定めるものについては、大規模の償却資産にかかる市町村の納付金算定標準額の限度を定める規定は、適用しないものといたしておりますが、これは、自治庁長官が価格を関係市町村に配分いたしております日本国有鉄道または日本電信電話公社の所有する償却資産のうち、軌道の延長キロメートル数または開通電話の数に按分して配分しているものにつきましては、その配分方法の特殊性にかんがみ、このような償却資産について納付金算定標準額の制限規定を適用することは適当でないと考えられることによるものであります。
 以上説明いたしましたもののほか、公社の所市する固定資産の価格を関係市町村に配分した後において、その配分した価格に錯誤があることを発見した場合においては、翌年度においてこれを修正するものとし、また、交付金算定標準額または納付金算定標準額の端数計算については固定資産税の課税標準額の端数計算の、交付金額または納付金額の端数計算については固定資産税額の端数計算の、それぞれ例によるものとする等規定の整備をはかっております。
 以上が、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
○門司委員長 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
○門司委員長 次に消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案を議題として、審議を進めたいと思います。質疑の通告がございますのでこれを許します。亀山君。
○亀山委員 前会に最近の火災の状況について賛同を申し上げたのでありますが、最近頻発する火災を見ますのにまことに寒心にたえないものがあるのであります。ことに新潟県下の火災については漏電説が相当出ておりますが、この電気工作物との関係における火災予防の見地から、どういうふうな処置をとっておられますか、この際消防本部長の御意見を承わりたいと思います。
○鈴木(琢)政府委員 ただいま電気の火災についての御質疑がございましたが、火災原因が十分わからないと、よく漏電だということで簡単に片づけることについて批判されることがときどきありまして、私どももいろいろと反省いたしておるのでありますが、電気関係の取締り法規で、配電会社等がそれぞれ工場については月に何べんとか、一般家庭については年に何べんというような規定がありまして、電気会社の責任になっておるわけでございますが、必ずしもその通りに行われていないところがだいぶあるのではないかと思われるのであります。つきまして消防といたしましては、電気会社と十分連絡をとりまして、電気会社の法規上の責任を十分に果してくれるように、それぞれ各都市の消防当局から電気会社に常々連絡をとらせておるような状況でございます。なお消防独自といたしましては、各家庭に対して予防査察をする権限が法律によって与えられておりますので、人手の許す限り戸口査察をなるべくひんぱんに行いまして、各戸ごとに、単に台所のかまどの状況とか、ふろ場の煙突の状況というばかりでなしに、特に電気の配線の状況、それから故障がないかどうかということについても、深く突っ込んで予防査察をいたすようにいたしておるわけでございます。なお大都会におきましては、電気関係の係官も相半充実しておりまして、電気の故障状況、あるいは漏電の状況等を技術的に簡単に検査ができますので、各個人の家庭から希望がありますれば、直ちに係官を派遣いたしまして、その機械によって電気の故障状況を調べて直ちに直させるというような指導をいたしております。
○亀山委員 電気工作関係と火災との関係が非常に密接だというようなことを思うにつけまして、今、各家屋その他工場等の電気施設をやりますのは、配電会社などの大きな電気会社じゃなくて、いわゆる電気工事社がやっておる。これらの人たちは、おそらく私はそういう方面の十分の注意を払わずして、むしろ、ついつい請負金額等の問題から簡単に処置をするのじゃないかというような懸念をしておるのであります。新しくできます家屋は相当に見受けられますけれども、その電気工事等につきまして、何か一定の方法で指導してやるというのがいいと思う。今本部長のお話のように、あとから戸口調査をするといっても、家ができ上ってからではなかなか容易でない。だから新築の際あるいは改造の際にこういう方面の注意指導をするのがいいと思う。ただそのために建築がおくれたり、あるいはいわゆる官僚風を吹かされてなかなか処置を受け付けぬというのでは困るので、そういう手続をしなくても、配電関係の電気会社の支店あるいは出張所等の相当な技術者の人たちが、今の電気工作事業者のやる工事については特に何か指導をするとか、一ぺん見るとか、あるいはそういう人たちに対してある程度指導する責任を負わしておいて、あとでこれを記録するというような、何らかの方法をおとりにならぬと、私どもよくわかりませんけれども、あの新しくできる住宅、工場等の電気配線については、しろうとながらも何か懸念を感ずるようなものがある。これに対して何らか消防本部の方で、建築者に迷惑をかけずに、配電関係の人たちに一つの指導ができるようにしていただくと非常にいいのではないかと思うのですが、そういう点に対してどういう御意見ですか、一つお伺いしたい。
○鈴木(琢)政府委員 お話のごとく、電気関係の取締り、ないしは指導の方法というものはまことに不徹底でございまして、法律、規定等を見ましても、まことに不十分、不徹底きわまるものがあることは、私どもも痛感いたしておるのでございます。一般家庭内の電気工作物の所有権とか管理権といったような問題は、現在の法制下ではなかなか複雑でございまして、定額料金のところは、電気会社が配線をしまして、配線の所有権も電気会社が持っておって、もちろんそれに流す電気も電気会社が管理権を持っておる。それからメートル制のところは、屋内の電気の配線あるいは電気の付属器具等の所有権は、その家屋の所有者に属していながら、中に通す電気の管理権は電気会社が持っておる、こういうまことに複雑な権限関係になっております。従ってその責任の所在がややもするとはっきりしないという点があるのでありまして、そういった点で、電気関係のそういう部面の法規をもう少し検討いたしまして、もっと徹底した取締りないしは指導ができるというような形に持っていかなければならないのじゃないかということを痛感いたしておりますので、そういう面から、通産省とも連絡をとりまして、もう少し根本的に研究いたしたい、さように考えている次第であります。
○亀山委員 これから研究するようなお話ですけれども、消防研究所もあることですから……。一体今全国の火災のうちで、漏電といいますか、電気工作物の不備による火災の原因というのは、どのくらいになっておりますか。
○鈴木(琢)政府委員 昨年の統計によりますと、全火災件数二万八千件のうち九百五十件ばかりが電気関係の火災ということになっております。
○亀山委員 お話のように、数から言えば件数はわずかでありますけれども、御案内の通り漏電の火災というものはなかなかあとでわからない。火災原因のうちで、どっちかといいますとはっきりつかめないのが多いので、今のお話の約五分の一という数は、おそらく明瞭に漏電であったという数だろうと思います。漏電の火災原因がわからないので、火災保険詐欺等はよくこれを利用する。これに新品していろいろやるのです。そこでこの問題は、今おっしゃるように法の不備もあると思うので、火災の発生した後における消防は大半でありますけれども、事前のそういう予防についてもいま少し研究をしていただきたいのです。そこで、できるだけ火災原因を少くするという意味においては、まず取り上げるべきものは電気工作物関係の漏電であろうと思うのですが、消防研究所なり全国の各消防関係において電気技術関係の人がどのくらいおりますか。あるいは嘱託などはどのくらいおられるか、数がわかっておれはちょっとお伺いしたい。
○横山説明員 国家消防本部の付置機関であります消防研究所で電気の方を担当している技官及び火災関係は五名おります。それから地方の消防本部にいる電気関係の技術者と申しますのは、これは実は全国的に確かな調査をしておるという段階ではございませんが、六大都市の消防、特に東京あたりにおきましては予防部にかなり熟練した技術者を抱えておるわけであります。大都市の消防については先ほど来亀山委員のおっしゃいますような電気に対する積極的な指導と申しますか、そういう面に関与し得るだけの能力は持っておると思っております。ただしからざる中小都市以下の団体におきましては、遺憾ながら消防管理のしにおいて十分電気の技術をこなし得るという面の人的確保はまだ行われていないというように見ておるわけであります。
○亀山委員 そこで今お話のあったような中小都市、そういうところの消防関係に人を入れるということは容易でないと思いますけれども、所在の電気技術者を嘱託するとかあるいは何か火災予防委員に委嘱するというような方法で、とにかくそういう人の知識を消防に取り入れるというようなことはできないものでしょうか、一つお伺いしたい。
○鈴木(琢)政府委員 中小都市、ことに小都市、町村の消防施設、物的施設にいたしましても人的要素にいたしましても、まことに貧弱でありますことは御承知の通りでございます。実は消防法によりまして各市町村は火災予防条例を作る義務があり、また危険物取締条例を作る義務があるわけでございますが、それらを実際に実施していくだけの人員もございませんし、また設備も持っておらないというようなことで、実際に消防法で義務づけられておりながら、それらの取締条例を作っておらない町村が、実は全国の半数以上という実情であるわけでございます。つまり権限を相当持たされ、また取締りの力を持ち得ることになっておりながら、人がいないあるいはそういう器材を設備するだけの財政的な余裕がないということで、法で権限を認められており、引当広範な権限が町村の消防責任者にありながら、それが実施されていないという状況でございますので、これらの小さな市、町村のそういった血を今後いかに処置していくかということは、わが国の自治体消防の将来の問題として、相当重要な問題であると考えておるわけでございます。結局これは財政の問題と消防組織の両面から研究いたさなければならないと思うのでございますが、最近閣議決定で消防審議会等も設置いたされましたので、それらの機関に十分その点も研究していただきまして、その研究の結果によってまた具体的な施策を考えていきたい、かように考えておるわけでございます。
○亀山委員 私から申し上げるまでもなく、法隆寺のあの貴重な宝を失ったのも、これは電気ごたつだそうであります。そこでああいう単に電気工作物だけでなく、電気器具という問題に対しても十分消防関係としては注意しなければならぬ問題と思います。そこですぐ金の問題といわれますけれども、こういう問題は私は金の問題にそう影響なくして、やらなければならぬという熱意の問題なんです。それは防火建築をやる、耐火建築をやるというならこれは補助金なり金がかかると思いますが、今のようなある程度の研究資料ということは、何も金がかかるものではない。ことに所在の電気技術者等を嘱託してやるというのは、むしろ見方によれば大いに協力してくれるだろう。そういう点をすぐ金に持っていかれぬで、いま少し熱意を持って御指導願いたい。また審議会ができたということは、まことにけっこうなことですけれども、ある程度審議会に籍口してやるべき措置を延ばすということではなくして、着々消防研究所なりその他で研究されたものは適町指導していかれることが私は望ましいと思います。
 これはいずれこの委員会にできております警察消防小委員会で論議されると思いますので、その際に質疑を保留いたしまして私これで終りますが、どうかそういう点を十分御留意願いたいと思います。こんな火災の現状ではまことに憂慮にたえないので、国家消防本部の格別の御努力を期待いたします。
○門司委員長 他に御質疑の方はございませんか。――加賀田君。
○加賀田委員 今ちょっと漏電と関連していろいろ質問があったのですが、ここで明確にしていただきたいのは、今の説明の中では、定額電燈では尾内配線まで電力会社の管理であって、メートル等は引っ込み線までは大体配電会社の責任であるが、屋内の工事は所有者の管理である、こういうような管理そのものの区分とか所有権の区分はそうであるけれども、しかしそういう電気を原因として起った火災の、こういう状態の中での責任は一体どこにあるのでしょう。所有権はその家屋の所有者にあるかもしれませんけれども、電気を原因として起った火災という場合には、所有権が家屋所有者にあるのだから、屋内配線に基く漏電その他短絡による発火にはその所有者に責任があるのか、電力会社に責任があるのか、その点どういうことになっているのか明確にしていただきたい。
○横山説明員 電気火災におきますところの所有権の問題は、先ほど政府委員から御説明申し上げた通りでございますが、その場合における電気火災に伴う最終責任の所在がいずこにあるかということにつきましては、実は法律上明確であるべきにかかわらず必ずしも明確ではないような段階にあるのであります。数年来、電気事業法あるいは電気保安法さらには電気施設法と銘打った時代もありますが、とにかく電気関係の法の不備を明らかにして、今御指摘のような法律上の責任を明確にするということでやって参っておりますが、電気事業法といいますか、今の法律はまだ日の目を見ないような状況に現在なっております。その過程においてはわれわれ消防の側としましても、この電気における責任の明確性を期すべきだという点につきまして、通産省の方にも強く申し入れをいたしております。話が若干飛びますけれども、先ほどの電気工事者の資格の問題、これの取締りの問題につきましても、実は資格試験制が必ずしも現在の不備な電気関係法規のもとでは、ないのでありまして、これにつきましても明確に一つ資格試験をやってもらいたい、それについては消防関係の知識というものを十分に取り入れた資格試験をやってもらいたいということを強く要望しておるような状況でございます。そこで現在の段階におきましては、先ほども御説明がありましたように、一般の家庭におきますところの噴気の検査といいますか、設置後における検査は大体二年に一回ということになっております。なお工場その他におきましては年に一回、これは電気会社において見るべき義務が課されておりまして、当然それに伴う経費等は電気料金の中に加算されておるものだというように、われわれとしては了解しておるわけであります。そういう観点からいたしますと、所有権の問題を別個にいたしまして、やはり内部におきまして――もちろん家の所有者である一般家庭における責任もありましょうが、電気会社側の責任というものは、これは今のような家庭ならば、隔年一回という検査を要望されておることからしましても、電気会社側において追及さるべきものじゃないかというような感じがしておるのでありますけれども、冒頭に申し上げましたように、電気関係の法規は遺憾ながら現在はっきりしておりませんので、最終的にはかなり問題があると思いますが、一応、そのように了解しております。
○加賀田委員 法律的にまだ明確になっていないのは遺憾でありますが、たとえばアイロンを使って過熱したとか、あるいは電熱器で過熱したとか、あるいは規定以上のロードをかけて過熱して、そのために火災が起ったということになると、これは使用しておる人自体の責任になると思うのですが、二年に一回くらいの定期試験といいますけれども、メガーをもって絶縁をはかる程度のものだと思う。そういうことで二年間果して絶縁が保証されるかどうかという問題が起ってくると思います。結局電気を原因とした火災というものは非常に不明確だというので、消防並びに警察は、大体漏電ではないかというような火災の原因の結論を出す。電力会社は電力会社として、いや漏電ではないはずだ。私の方は法律に規定された二年ごとに定期試験をやって、絶縁は完全なんだから、そういうことで火災が起るはずはない。こういうことで双方責任のなすり合いというか、原因を不明瞭にしたまま、実際電気が原因となって火災が起ったような状態でも、被害者が非常に迷惑を受けておるという例が非常に多いのじゃないかと思います。そういう面で、電気が原因であるということが明確になった場合の責任を明らかにしてもらわなければ、実際の需要家は電気に対してはほとんどしろうとでありますから、単なる定期試験だけで電気会社が責任をのがれる法律というものは、私は非常に遺憾ではないかと思うのです。
 それから工事者の問題でありますが、これもやはり最終的には電力会社に責任があると思います。もちろん最近は露出工事じゃなくて隠蔽工事ですから、あとで検査したということになっても、それは単なる形式的な検査になるだろうと思うのですけれども、工事をするのは工事者がしても、あと工事を申請された電力会社は、それに対してすぐ検査をするはずである。規定通りなされておるかどうか、あるいは絶縁が完全であるかどうか、ジョイントがうまくいっているかどうかということを検査して、検査が終了して初めて使用が許可されるわけですから、そうなると、検査をする電力会社の方が責任を持つべきである。使用家における責任も電力へ会社にある。こういうことになると、電気を原因とした火災の責任というものは、ほとんど電力会社にあって、跡始末は電力会社がしなければならないというのが建前だと思う。ところが実際はそうなっていない。漏電というものは不明瞭だから、確証がつかめないから、双方、電力会社とあるいは消防署警察署の間の意見の相違ということで時間が経過して、そのまま責任があるのかわからないうちに済んでしまっている、こういう状態が現在相当起っておると思う。だから、今、亀山さんの質問されたように、その点はやはり明確にしてもらうと同時に、この点が明確になるということが、さらに電力へ会社もそれに対する責任というものにおいて、私は将来相当注意する大きな原因になるのじゃないかと思う。消防署におきましても、電気技術者の専門家を養成して、いろいろ研究されておると思いますけれども、研究だけではなくて、そういうものに実際携わっている電力会社が電気を原因とした火災を起さないような万全の処置を講ずる、これが重点じゃないかと思う。その重点は、今申し上げたように、責任を明確にしてもらう。もしそういう場合が起ったら、電力会社が全部責任をとるというような態度と体制というものが、電気を原因とする火災を消滅する理由じゃないかと思うのですが、その点どうお考えになっているか、御説明していただきたい。
○鈴木(琢)政府委員 電気火災の原因は、その断定が非常に困難でございまして、すっかり焼けたあとを探して、確かにここで漏電したという断定を下す材料というものはなかなか見つからないので、実は漏電火災だという疑いがあります場合は、私どもの方におきましても、研究所のその方の技術官を動員いたしまして、現地に派遣して、現地の警察と消防当局と一緒になって、しさいな検討をするようにいたしておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、電気関係の火災の原因が非常に多いということ、それからこれの取締りなり指導をもう少し徹底しなければならないということ、それから事故が起った場合のそれの責任をあくまでもはっきりしなければならないということは、ただいまお話のありました通りでございますので、御趣旨を十分体しまして、今後それらの点に遺憾のないように努力をしていきたい、さように考えておるわけであります。
○加賀田委員 そういたしますと、漏電とかショートに基く電気を原因とした火災というものは、その原因を明確につかむことの困難な事故が多いだろうと思うのですが、そういう場合には、結局消防の方、警察の方の、大体漏電ではないかというような見方と、あるいは電力会社の、そうではないという、そういう論議の中に立って、火災の原因がわからないままに放置されるということが多いと思うのですが、そうすると、消防としては、そういう火災の原因が不明瞭なままに放置するというようなことでいいのかどうか。火災の原因が明確になるということが、将来の方向に対する態勢を樹立する大きな原因になると思う。そういうようにして原因がわからないで、そのまま現在に至ったというのは、現在の火災の何%ぐらいになっているのか、その点、もしわかっていたら明らかにしていただきたいと思います。
○鈴木(琢)政府委員 原因不明あるいはまだ調査が完了しておらないというものを、三十年度の統計で申し上げますと、二万八千件中二千三百四十二件、大体八%、この中には引当件数漏電の疑いのあるものがあるだろうと考えております。
○纐纈委員 今、原因不明の件数が八%ぐらいということでございますが、公共の建物の割合は、八%の中のどのくらいですか。たとえば学校であるとか、そういうものですね、そういうお調べはできておりませんか。
○鈴木(琢)政府委員 ただいまの御質問に的確なお答えにはならないかと思いますが、公共建物の火災は相当件数及び損害がございまして、昨昭和三十一年の統計でその数字を申し上げますと、学校の火災が合計三百十一件ございます。それで焼損坪数が四万八千坪余りございます。これは学校でございますが、そのほかの官公庁の建物の火災件数を申し上げますと、やはり三十一年度でございますが、全国で百九十件ございます。焼損坪数が八千四百六十四坪、こういうことになっております。これが三十一年中の学校及びその他の学校以外の官公庁建物の損害、火災件数並びに焼損坪数の全体でございますが、先ほど申し上げました火災原因の不明あるいは調査中の八%というもののうち、公共建物ないしは学校といったようなものが何%あるかということは、ちょっと今資料が出ておりませんので、お答えいたしかねます。
○纐纈委員 実は学校なんかの火災が非常に数が多いのであります。私もかつてその方面の取締りをやっておりましたのですが、ことに非常に優秀な校長だというような学校で火災がありましたときには、なかなかその学校の力で原因を特にはっきりさせないような形をとって漏電に持っていきたいという傾向がありまして、公共建物等につきましての火災の原因がいつもなかなか調査ができなくて、うやむやになってしまうということが、私の経験からしまして非常に多いように思う。そういうことがありまして、私ども徹底的にそれをやらなければいかぬということを申しておったのでありますが、どうもそういった責任の所在が非常に不明確であります。あるいは宿直の連中がおっても十分の見回りをしなかったということで、不始末ができたようなこともあるのであります。何となくそういった公共建物を大事にするという気分が、それの責任を持っている方に非常に薄いのじゃないかという感じがするのであります。これはよほど考えていただかなければならぬことだというふうに考えておりまするので、ぜひともそういう方面についての原因不明のようなものがありまする場合には、一つ徹底的に取調べをやって、その原因を究明させることに今後ともの御努力を望みたいと思います。
 なおもう一つついででございますから……。御承知のように、今非常な晴天続きで渇水になっておるのでありまして、先日明治座の火災のときにも水が足らなかったというようなこともあり、最近断水もされるようなことがあるようであります。そういう場合の応急措置ということについては万全の計画をお立てになっておりまするか、またその計画をお立てになっているとすれば、どういうふうにしてこれに対する処置をされておりますか、その点を一応お伺いしておきたいと思います。
○鈴木(琢)政府委員 各都市の消防当局は、それぞれその都市の消防能力、その他水道の状況、水道以外の水利の状況等を勘案いたしまして、常に火災対策の計画を作っておるわけでございます。昨今のような特別な乾燥の時期におきましては、たとえば東京消防庁の例を申し上げますると、特別な警戒体制をしいておりまして、非番の者も巡回の査察をするというような計画を立てておりまするし、また水利計画等につきましても、各家庭のバケツに水を汲んでおくというような家庭の指導はもちろんでございますが、水道当局との連絡も十分密接にとっておりまして、火災が一たん起った場合には直ちに水圧を上げる措置をとるように、連絡を特に密接にとっておるわけであります。それらのいろいろな方法を講じまして、こういった特殊な乾燥の時期に対処する計画を立てておる次第でございます。
○纐纈委員 御計画はおそらく密にやっておられると思うのですが、実際問題について必ずしも計画通りに行われていないような例を間々見ることでありまして、結局計画と同時に予防を、今査察を大いにやっておられるといいますが、その点も相当おやりになっているような実例も私は見ておりますけれども、一つほんとうに徹底をさせていただいて、火災予防につきましても、第一線の者が誠心誠意、なかんずく公共建物等につきまして留意せられるよう、こういう際には一つ十分徹底せしめるような措置を講じていただくことを希望いたしておきます。
○加賀田委員 続いて質問いたします。今申し上げた電気を原因とした火災でありますが、今のお話では、原因不明は全事件の八%程度だ、こういうお話ですが、そういたしますると、漏電あるいはショートに基く火災発生の場合、消防並びに警察は、これは電気が原因だという結論を出しても、それに基いて電力会社がそれを了解した問題なのかどうか。電力会社が私の方が専門家だというので、漏電が原因だというようなことはなかなか承服しないような現状だと思うのですが、そういう意味で、原因が明確になった中で漏電の点は全部電力会社が了承しているのか、あるいは警察並びに消防だけが漏電と見ているということで、原因が明確になっているという程度にとどまっているものなのか、その点も一つ明らかにしていただきたいと思います。
○鈴木(琢)政府委員 火災の場合の電気が原因だという断定について、電気会社が了承しているかどうかということは、それぞれのケースによって違うと思いますが、消防法上の火災原因の調査は消防当局の絶対の責任になっております。それから移築はもちろん犯罪捜査の関係で、犯罪捜査の面からこれを調査する権限を持っております。しかし火災原因の調査は第一に消防当局に権限がございますので、結局消防がその権限から見た一つの判断、それから警察が犯罪捜査の面から見た判断というのが総合されまして、一つの結論が出るわけであります。その場合に参考にもちろん電気会社の当局から、それぞれどういう調査をして、いつごろ検査をして、その後どういう処置をしておるかということ、それから電気関係のいろいろな事構を聴取はいたしますけれども、最後の断定を下しますものは、消防と警察がそれぞれの責任によって断定を下すわけであります。たとえば一昨年の新潟市の火災につきましても、私どもの方からも研究所の技師が参りまして、現地の消防当局、警察当局とずいぶん長い間いろいろな面から調査をいたし、また電気会社の当時の責任者も参考に来てもらいまして、厳密な調査をいたしまして、消防並びに警察において結論を出したような次第でございます。
○加賀田委員 そうするとさらに発展して、警察関係は火災保険の詐欺の行為かあるかどうかというような犯罪行為を中心として調査されるというのですが、消防当局は消防の原因ということになって、その二者が漏電だ、いわゆる電気火災だというような結論に立った場合に当然起ってくるのは、もちろんその被害者の意思にも基くことはあると思いますが、災害に基くいわゆる補償の問題を何とかしてもらいたいと要求されることも、私は起ってくると思います。いわゆる火災原因は電力会社の責任に帰すべきものと思いますけれども、われわれとしても日常火災に対して相当注意しているにかかわらず、電力会社のそういう漏電の原因で火災が起ったんだから、おれたちの責任じゃないんだ、それに対する損害は、ある程度補償してもらいたいという問題が電力会社に起ってくると思います。そうした場合には、電力会社としては、警察当局や消防当局はそう言っているけれども、われわれとしてはそう考えないんだというような問題が非常に起る場合があるのですが、そういう場合に警察並びに消防当局としては、そういう問題の取扱いあるいはそれに対しての考え方というものは、どう発展すべきであるか、単なる電力会社と被害者との問題として傍観すべきか、しかもその原因が漏電だということになっておりますから、そういう点に対して消防当局は、従来どう取り扱っていたか御説明願いたいと思います。
○鈴木(琢)政府委員 先ほどから申し上げましたように、火災原因の調査の権限は、第一に消防にございます。それから犯罪捜査の権限はもちろん警察にあるわけでございますが、それで消防並びに警察はそれぞれの権限によって一つの断定を下すわけでございます。その断定を下した結果、電気会社に賠償責任があるかどうかという問題は、これは民事上の責任になるわけでございます。それは結局民事上の責任を追及する裁判所等で、その結論を出すことになると思うのでございます。その場合においても、それの材料としての消防の原因調査の結論というものは、おそらく民事裁判におきましても、十分これは参考にしておると存じます。
○加賀田委員 これは質問の趣旨が少し異なっておりますけれども、先般出して参りました、いわゆる最近五カ年における損害保険会社の経営能率の表を見ますと、消防施設の方に相当の寄付金が出されているように私は見受けられます。これは消防協会を通じて寄付されておると思いますが、火災予防宣伝費は別としても、消防施設等に関する寄付金として一億二千五百万円が出ておるわけであります。消防当局としてはどういう方法にこれを使用されているのか、おわかりだったら明確に御発表願いたいと思います。
○鈴木(琢)政府委員 損害保険協会におきましては、昭和二十七年から保険協会の中に火災予防特別醵出金という制度が設けられまして、その制度を運用するために、損保協会の中に火災予防特別醵出金運営委員会というのが設けられてあります。この内容は、これは再保険を除くのでございますが、毎年の保険料収入総額の千分の二を、火災予防特別醵出金として各会社から出すわけでございます。それは従来の実績を見ますと、大体年間の火災保険料収入は、三百五、六十億というのが、従来の普通の状態でございます。それの千分の二でありますから約六千万から七千万程度のものを、醵出金運営委員会において運営いたしておるわけであります。その中から数都市にポンプの寄贈をするとか、あるいは消防と、いろいろ防火宣伝の共同事業をやるとか、あるいは消防関係団体の事業を後援するとかいうような卒業をやっておるわけでございます。施設と申しましてもおもにポンプでございますが、ポンプの今までの実績を申し上げますと、年間大体二十台前後でございますが、それの総計がお手元の資料の数字になっておるわけでございます。
○加賀田委員 そうすると、これは大体昭和二十七年から三十年にかけて、総額一億六千九百万円程度の金が出ておりますが、このうちで火災予防の思想普及ですか、宣伝費には四千三百万円くらい出しておるわけですが、施設提供のための得付金を協会を通じて出しておるのは、消防自動車の購買費ですか、その二十台程度買われておる消防自動車は、どういうようにして配分されておるのですか。これは消防当局が独自の考え方で配分されておるのか、それとも一般政府の責任において出しておる予算の範囲の中から、いろいろそういうものが配分されておるのか、この点を明らかにしていただきたい。
○鈴木(琢)政府委員 ポンプの寄贈にいたしましても、それから防火宣伝のための消防との共同事業にいたしましても、損害保険協会の火災予防醵出金運営委員自体がやっております。われわれ消防当局としていろいろと希望は申し述べてはおりますが、配分の決定、事業の運営はすべて醵出金運営委員自体でやっております。われわれにはそれを監督する権限もございません。ただ希望意見を申し述べておるだけでございます。
○加賀田委員 それは委員会がこの寄付金に対しての用途というようなものを決定するのであって、消防本部としては全然関知しない、そういうことになっておるのですか。
○鈴木(琢)政府委員 その通りでございます。
○加賀田委員 わかりました。
○門司委員長 亀山委員。
○亀山委員 大久保国務大臣がおいでになりましたので、一点御質問申し上げ、またお願いを申し上げたいと思います。先般の委員会で大臣からお言葉がありました消防審議会が設けられるということは、まことにけっこうでございます。ただきょうもわれわれ及び加賀田委員から漏電の問題についていろいろ質疑を行なったのでありますが、消防審議会におかれまして、ぜひ科学的な消防という問題を考えていただきたい。もちろん御注意になっておると思いますけれども、従来の消防というものは、ともすれば消火という方面のみに重点を置いて、予防という方面におきます考慮が足らない。予防についてはどうしても科学的の調査研究が欠くべからざるものであると思うのでございまして、こういう点に対して大臣どういうふうにお考えになりますか、また今後の消防審議会の運営についてどういうようなお考えをお持ちでございますか、この点をお伺い申し上げたいと思います。
○大久保国務大臣 ちょうど二、三日前に消防審議会が発足しました。委員の方十七人ですか、第一回の審議を開いたのです。審議の提案として日本の消防制度をいかにするかというのは大きな問題でございます。こういう題目を掲げておりますが、その題目の中には今お話しになりました通り予防はもちろん入っております。予防ばかりではない、実際の消防すること、これにもう一つ日本の消防の機構がこのままでいいだろうか、ことに今の消防機構ができてから十年を経過いたしまして、自治消防になったのでありますが、自治消防はいいところもあるが、悪いところもあるのです。そのよいところをとって悪いところを捨てて、日本の消防をいかにすべきかという機構の問題を一つ研究してみたい。
 それから今お話しの出ました火災の予防をどうしたらいいか、従って科学的といいますか、火災の原因を起すいろいろの薬品その他が日々に増加してきましたので、これに対する措置等も当然起ってくる問題であろうと思います。
 それからもう一つは、実際に火を消す場合にどうするかという問題、消防員の訓練の問題等全般にわたってこの、審議会にかけて一つ意見を聞きたい。そうしてできますならば、七月ごろまでに大体の成案を得て、八月、九月ころは整理してこれをまとめるという方向に行こうと思っております。一カ月におよそ二回くらいの集会を連続して開こう、こういう申し合せをしておる次第であります。従って今お話しの予防という問題は、一つの重要な問題として当然取り上げるべき問題だと思います。
○亀山委員 いま一つお伺いしたいと思いますことは、消防施設税という問題がかなりいろいろ論議されておるのでございますが、一面今加賀田委員が質問されました損保協会より出しております相当の消防施設及び防火思想の宣伝普及のための金額こういうものとの関係上、これは大いに考慮すべき問題ではないか、かように思うのでありますが、この消防施設の充実に対して、現行のような行き方がいいのか、あるいは消防施設税というような問題がいいのか、そういう点についての大体の大臣としてのお考えを一つお伺いしたい。
○大久保国務大臣 現在消防の機構において財政問題をいかに扱うかということは重大な問題です。今日の自治体において各府県というものは、ほとんど金を出していない。金を出しているのは市町村と国家です。国家も申しわけ的の金です。およそ全国からの要求が四十億ないし五十億に対して、わずかその一割の四億という金です。その四億という金を国家が各市町村に割ったところが、消防施設の完成ということは百年くらいかかる、そういうような計算になる。これではどうも仕方がないからして、消防を改善するについては、その経費の問題をどうするかという問題が当然起ってくると思います。そこで今問題となりました消防施設税、これはどこから取るかといえば、火災保険会社を目ざすかもしれませんが、火災保険会社でも一つの理屈がある。自分らは相当税金を払っておる。また今話が出ました火災に対する宣伝その他の器物を供給するというような工合で相当金をやっておる。その上にまた特別の税金はひどいというので、おそらく反対論も出てくると思います。しかし私どもの活動によって、火事が少くなればなるほど、保険会社がもうかるのは事実である。こういう点から考えれば消防のために税金を出すということも、理論としてはある程度成り立つ。ですからおそらく賛成の方もあるし、反対の方も出てくると思う。
 そこで、私今どの方向に進むという確信はまだありませんけれども、幸いに今回出ました方の中には会社の人も入っております。地方財政に明るい人も入っておりますから、衆知を集めて一つ財政の基礎を確立したい。同時にこの問題は当然起ってくる問題であるからして、研究問題の一つとして論議したいと思います。
○亀山委員 大臣のお説よくわかりましたが、消防審議会におきましても、消防施設のための財源について、いろいろ御審議になるのでございますか、どうでございますか、その点一つ重ねてお伺いしたい。
○大久保国務大臣 これは当然私はなると思います。またしなくてはいかぬと思います。従って国家が出すべきものは出し、府県が出すべきものは出し、市町村が出すべきものは出す。こういう問題と関連して当然起ってくる問題であろうと思います。一つの大きな問題として取り上げなくてはならぬと思います。
○加賀田委員 この際大臣にちょっとお伺いしたい。今亀山委員から質問のあった消防施設税の問題ですが、どうも大臣の答弁は明確な答弁でないと思う。もう一度お伺いしたいと思いますが、今私が質問したように、保険会社もある程度の寄付金を出すということは、消防施設が充実し、あるいは思想が普及して火災が起らなくなる。火災が起らなければ起らないほど保険会社はもうかるわけです。ところが施設を充実するとか、あるいは思想普及のために宣伝をするという費用は、地方自治体が出しておる。一生懸命に赤字財政の克服をする半面、そういう住民福祉のために金を捻出しておる。これが向上すればするほど保険会社のポケットにお金が入っていくというシステムになっておる。そういうふうにして地方団体の財政の中から捻出されておる消防施設の一部の金というものは、保険会社が当然ある程度負担していいと思う。負担するという形でなくて、同時にそういうことに協力すべきだと思う。この面から考えても当然そういう金を出しても差しつかえないのじゃないかと思う。今亀山委員の質問された通り、消防施設税という一つの税の形になっておりますが、そういうような方向で昨年来いろいろ論議されておったのですが、聞けば大蔵省が相当強く反対されて、これが実行が不可能な現状だと昨年は承わったわけですが、そういう意味で近い将来に審議会を経て、こういう消防施設税のような、保険会社から消防施設充実のために、その経費の一部を負担さすような方向を大臣としては持っておるのかどうか。この点持っているとか、いないとか明確にしてほしい。
○大久保国務大臣 さきに申しました通り、消防施設税を取るというのが一つの議論であります。賛成いたす論拠もあると思う。ところが反対する論拠もないわけじゃない。そこで両刀使いのような答弁でありますけれども、もし私が決心しておるなら当然法案を出さなくてはならぬ。法案を出せないというところに苦心があると思う。従って今回できました審議会をいい機会として、ここは比較的消防に理解のある人の集合でありますから、いろいろな議論が出ようと思います。もしこういう問題について方向が出ましたから、目的貫徹の方向に向って進みたいと思います。
○永田委員 それに関連して。私は根本的な思想において保険会社から施設税のようなものを取ったり、あるいはポンプを寄付さしたり、こういう考え方には疑問を持っておるわけです。それはなぜかといいますと、かりに千分の二を出させる、六十万円から七千万円協会から出させてポンプを買わせる、こういうことになりますと、保険会社というものは営利会社なんですから、損をするわけはないのです。必ずもうけるために会社をやっておるのですから、その施設税なりあるいはポンプを買うという金は、保険に入っておる者に必ず負担を転嫁、すると思うのです。そういうことになりますと、これは全体の者が利益を受けるために、つまり消防の施設を作ったり、ポンプを買ったりして、国民全体が利益を受けるために、その負担を保険に入っておるものに転嫁をされる、これは矛盾しておると思うのです。私はあくまでも本筋は消防の施設なり、ポンプなりというものは国がやるべきものだ、こういうふうに考えております。資本主義の社会では何といったって会社というものは営利なんですから、全体の利益を及ぼすものを一部のものが負担するというのは間違っておると思うのですが、そういう根本的な考え方についていかがお考えでしょうか。
○大久保国務大臣 消防の器具を寄付したり、あるいは宣伝費を寄付したりということを進めるのは私も賛成いたしません。これはややもすると地方自治の基本となりますから、できるならばやはり国費その他の公けの費用でやるのが原則であります。しかし今日の実況においては国費その他が十分ではないので、部分的には保険会社その他からの寄付をもらって宣伝をやっているのは事実でありますけれども、本質から言ったならばあまり感心しない。それからさっきの税金の問題というのも、ただ金を取るのでなくて、法律を制定して、法律のもとに堂々として取ったらどうか、こういう意見だろうと思うのでありますが、これも一つの理屈として、あなたの方も一つの理屈で、これは一つ審議会の各位が衆知を集めて決をとりたいと思います。
○永田委員 今火災保険会社を見ておりますと、どんどん発展しておるのです。大きなビルを建てて、もうかっておる。これは姑息な手段で寄付をさせる、わずか六千万円、七千万円のものを寄付させるとか、こういうことでやっているからどんどん太っていくと思うのです。私はもうかるのであれば保険料を下げるという方向に持っていくのがほんとうだ、保険料をどんどん下げていくべきなんです。そうすれば大ぜいの人がどんどん火災保険に入って結果において火事が少くなる。初めは終戦直後のようなときは木造の燃えやすいものがたくさんあったから保険料は高かったのは無理ないと思うのですが、その後耐火建築なんかたくさんできるに従って保険料はもっと急激に下げていくべきだというのが私の考えなんです。その下げ方はどうですか。戦後どのくらい下げているか、まだ下げる余地は十分あると思うけれどもいかがお考えでしょうか。
○鈴木(琢)政府委員 保険料率は今正確な資料はここに持っておりませんが、戦後何べんか料率の引き下げを行なっております。また昨年も御承知のように平均一割程度下ったように記憶いたしております。お話のごとく保険会社が利益が上れば、これを保険料率の低下にまず持っていくということは原則としてそうあるべきものだと思います。それで消防施設が充実した場合保険料率を下げるように、実は私どもの方からも保険協会に対し、料率の算定会に対してその都度申し入れるようにしております。
○永田委員 保険会社の利益率が平均どのくらいになっていますか。あるいは配当をどのくらいやっていますか。私は六千万円なり七千万円なりいろいろ寄付をさせるということは、余裕があるから寄付をするのです。そういう姑息な手段をやっているから私は間違えると思う。社会主義社会とか共産主義社会とか、全体主義の社会になっておればいいです。全体の利益のためにやっていくというなら間違いない。しかし資本主義の社会で一部の負担しておるものに転嫁をさせるということは行き方が違うと思う。だから利益率は高いとか配当が多いということであれば、まず保険料を下げていくという方向が私は正しいと考えておるのですが、大臣どうですか。
○大久保国務大臣 会社の経営としてそういう方向をとるのは、消防に関係する火災保険会社ばかりでなく、すべての会社がそういう方向に進んで行くべきものだと思います。利益金があれば率を下げるというのは、同じ種類の会社においてはそういう方向をたどるべきであると思うのであります。今聞いてみましたところ率を下げた数字がないそうでございますから、率に基いて話はできませんけれども、その説明はあとでさせます。
○大矢委員 最近国家消防庁は自治庁の中に置くべきだという意見があるのです。それは町村合併によって都市が多くなったことは御承知の通りであります。特に最近大火災が中都市において多い。どうしてこういう結果になるかというと、第一道路が狭くて消防の機能が十分発揮できぬ、あるいは水道がない、いろいろな欠陥があって大きな火災になるということです。そこで自治庁内において水道計画なり道路計画なり、その他水道のないところには水槽をふやすという、自治体としての計画がある。今までの消防の発展史を見ますと、警察の協力団体であって、治安維持ということが相当加味されていた。今日の自治体は昔と違う。そこで消防ポンプを直ったけれども消防署に自動車が入らないというのがたくさんある。大きな学校が建ったがそこには水槽がなくて、水利の便が悪いために大火災になって手のつけようがなかったということもしばしば新聞に載っている。そこで自治体の運営、自治体のいろいろな計画について、最も必要な消防というものが密接な関係があるから、これは自治庁に置くべきだ。むしろこうした消防より、先ほどから問題になっている予防の方を重要視して、それらの計画を完全にやらなければ消防の目的は達せられない。そこで当然自治庁内にこの消防を置いて、その計画にマッチしてこれらの完璧を期すべきだという意見が相当最近強くなっております。幸い大臣が来ておりますから、研究をしてくれということと、あなたの方でそういう考えを今持っているか。また消防本部長は、その方がかえって消防の能率も上るし、本来の目的がかなえられると思うか。大臣と消防本部長の意見を伺いたいと思います。
○大久保国務大臣 御承知の通り日本の消防は自治消防になっておる、市町村単位の自治という反則に基いてやれということで、そういう方向になっているのです。その点から見れば自治庁に置くということも一つの理屈として成り立つ。ところが日本の消防の発達の歴史を見ると、消防というのは国民の生命と財産を保護する、その点においては警察の目的と一致している。警察もやはり国民の生命と財産を保護する、こういう点からきているのですから、この点においては目的は同じです。そういう結果だろうと思うのですが、元の消防は警察に属しておった。警察の中に入って、警察の指揮を受けているという実情であった。ところが戦後になって独立したという形になっておりますが、これは私は根本の原因はよくわかりませんが、今日国家公安委員会のもとに消防が置かれていることは、これは歴史を尊重した結果でないだろうか。また理論にも反しない。だから今直ちに自治庁に置くのがいいか悪いか。もう一つはこれは自治庁じゃない、むしろ仕事からいったら建設省に置けという議論もあるのです。これはどこに持っていっても理屈は立つが、根本的な消防目的から考えて、公安委員会に置いたというのは妥当な措置じゃないだろうか。しかしこれは絶対的のものではない、消防というのは原則として独立して、しかも自治消防というのが原則なんです。こういう点から言えば、あなたの議論も私は一つの議論として成り立つと思う。そこでこれは今度の審議会にかけるといっては申しわけないのですが、機構の問題がまっ先に入っております。機構、制度をどうするか。だからこういう議論も必ず出てくると思います。どこへ落ちつきますか、その結果を待って私も決心しますけれども、歴史の意味から考えて、現在の制度で、ひとまずいいんじゃないか、こういう感じを持っております。
○鈴木(琢)政府委員 消防の仕事はことに予防面が非常に重要になりました今日の制度におきましては、非常に関係方面が広くなりました。都市計画との関係あるいは通産省が所管しております危険物とか電気とか薬品関係との関係、それから厚生省が所管しております水道との関係といったようなことで、非常に関係方面が広くなって、いわば消防の間口が非常に広くなったということが言えると思うのであります。しかし根本的に完全自治体のものとなったわけでございますから、その面だけから見れば、これは自治庁と一緒になった方がいいんじゃないかという議論も成り立つかと思いますけれども、しかし何と申しましても消防の第一の仕事は警防業務でございます。火を消すということ、水防についても同じでございますが、とにかく警防活動、これは部隊活動でございます。統制ある部隊活動によって業務を行うことが根本的な消防の大きな性格であると考えております。その点から申しますと、現在の自治庁の仕事と非常に性格の違う面がございます。それやこれやを考えますると、先ほど大臣からもお話がありましたように、どこへくっつけたらいいという、いろいろな議論が出てくるわけでございます。ここで私個人の考えを申し上げるのは大へん恐縮でございますが、私の考えております一つの考え方を率直に申させていただけば、火災のみならず火事でも地震でも津波でも、あるいは一般の水害等につきましても、防災行政というものはやはり何らか統一した一つの機構によって運営された方がいいんじゃないかという感じがいたすのでございます。たとえば先年、これは火事の問題ではございませんが、九州に風水害がありましたときに風水害対策本部というものができて、どこの省が中心になるのかはっきりしないというような感じがわれわれにはいたすのでございますが、実際に身命を賭して水害対策を立てるのは消防団、消防職員であるにもかかわらず、必ずしも消防関係が災害対策本部に大きな発言権を持つというほどのことでもないというようなことで、しかもその対策本部の仕事が済んでしまえば、各省にその資料は分散されてだれもその対策をまとめて将来の参考資料として研究もし、とっておくというような機関もないのは、そこに非常に大きなむだがあるんじゃないかということを考えるのであります。昨年大きな火事が頻発いたしたときにも、内閣官房に火災対策の連絡会議を開きまして、各省の係官が集まっていろいろと相談するというようなことで、年じゅうそういった連絡の臨時の措置を応じなければならないというような状況でございますので、むしろこれを一括した何らかの機関があった方が非常に能率的であり、またむだがないんじゃないかという感じがいたしておるのでございます。これはほんの私の個人的な考え方でまことに恐縮でございますが、そういう考え方も持っておるということを申し上げさしていただいたわけであります。
○大矢委員 今のお話は、経済的な方面に実は関係が非常に多いから今までもいろいろ不便があるように承わりますが、いつも大火の報告を受けたときには必ず水道の便が悪いとか、あるいは道路が狭隘だったとかいうのですが、これは必ず地方自治体に関係が深い。そこで統制ある行動をするためには今がいいのだというが、どういう方法でやれば自治体にそういう計画なり何なり強い消防の意見が反映し得るか、何かそこに具体的なものがなければ、大火のときだけはやかましくそういう欠陥を言って、その機構は以前のままでよろしいという。一体消防というものが独立していなければ統制がきかぬのかどうか、いわゆる統一ある行動ができないのかどうか、当然万一の場合には警察と協力するということがちゃんと消防法にあるのです。それが自治庁の中にあろうがどこにあろうが、その精神は変りない。今の欠陥というのは、せっかく消防がありながら水便が悪いとか道路がないとか、あるいは常置的な消防を置くことができないために時間的におくれて非常な大火になったという、同じような報告を受けておる。そこでそれをどうしたら補えるかという考え方からして、それは結局もっと全般にわたって計画していくということで、自治庁に置くべきだという意見も私は抬頭してきているのじゃないかと思う。その必要がないというならば今までの欠陥をどうして補うか、あるいは消防本部の意見がどうして自治庁に、あるいは都市計画なり年次の計画に強く反映することができるか。先ほども言ったように四百数十に余るところの中都市、市が倍以上になったのですから、必ずこの住宅集中は行われてくる。それに対して今まで通りでこれが一番いいのだとか、また今としてはいたし方がないということでは、結局同じことを繰り返して私どもここで報告を受けることになる、もしそれならばこういう方法がいい、たとえば自治庁なりにもっと力強く反映するためにはこういう方がいいのだとか何らかなければ、ただ警察と協力するために、統一ある行動のためにはこれがいいのだというばく然たることでは、今までの大火になった原因を解消する理由に一つもなっておらぬ、その点を一つ。それならそれでよろしい。しかしながらこの欠陥をどうして補うか、予算上の発言権をどうするか、あるいは計画についてどのような発言権を持つかということがなければ、幾らしたって結局中都市の大火は依然として少くならないということを心配するので、特に中都市がだんだんふえてくる現状にかんがみて、何らかの方法を講じなければならぬと思います。今個人の意見ということを申されたが、これはいろいろの考え方もあると思います。答弁がなければないでよろしいけれども、その点をどうして反映するか、何かもっと真剣に考えてもらわなければ、大火のたびに同じような報告を聞いたのでは私どもは安心できません。どういうふうにしたらば地方自治に対する消防の施設その他の発言権を強く持つことができるか、今のままでもできるというならばそれはけっこうですけれども、私はできないと思う。そういうことでもう一ぺんお伺いしておきたい。
○大久保国務大臣 いや私はあなたの議論に反対ではないのです。あなたの議論も自治という点から考えれば筋が立った議論だ、筋が立ち得ると思うけれども、歴史から考えまして、また実際の点から考えまして、たとえば道路行政に一つ例をとってみれば、道路行政というものは建設省の所管なんだ。あなたも道路がよくならなければ云々と言いますが、そうするとまた建設省に持っていった力がいいという議論が成り立つのですよ。ですからこれは自治庁へ必ず持っていかなくちゃならぬということを断言するのも少い早いのじゃなかろうか。といって筋が通らぬ議論でもないのです。それは十分傾聴しますけれども、幸い諮問機関ができましたですから、十分論議を尽して正しい結論に持っていきたい、こう思っておる次第であります。
○北山委員 消防の機構について、今度の消防審議会ですか、そこに諮問して、その答申をとるというのですが、これは慎重にしていただきたいと思うのですよ。先ほどの本部長のお話でありますと、何か消防という問題について、非常に指揮系統というか、全体の統括の系統が非常に散漫である。何か一本にして、それを強化することによって消防の事業を強くすることができるというふうな先入観をお持ちじゃないかと思うので、私はその点そういうことが今度の消防審議会の中で反映されて、変な機構改革が行われるということを非常におそれるのです。というのは、消防について何が一番大事かといえば、やはり指揮権としては中央の指揮権じゃなくて、現場の指揮権なんです。これは自治体消防であるから……。そうではなくして、消防というのは現場のものなんですから、火事が起きたときに何秒、何分という間に処理をしなければならぬときに、それを上の方の知事であるとかあるいは中央の機関であるとか、そういうものは何の役にも立たぬのです。だから火災が出てきたときに最も有効にその消火作業を行えるというのは、その現場の指揮なりあるいは器材なり訓練なり、そういうものがふだんからできておって、万一の事故が起きても大体うまくいくというふうなことが一番の条件であって、それを上の方の統括権を強めるということによって、消防の強化になるというようなことは私は間違いだと思う。むしろ現在の日本の消防団というものは、民間組織ではありましても、割合にその点においては進んでいるのじゃないか、ああいうような昔の軍隊ですらも、火事が起きますと相当あわを食って、ふだんの訓練がどっかへ吹っ飛んでしまうもんなんです。ああいうものに比べますと、民間の今の消防団組織も、実際の消火活動においては比較的統制のとれた活動をしている。ただその全体の機構、いわゆる消防団そのものが、ポンプの台数は非常に多い、多いが、小さなぼやが起きてもあちこちの消防がわっと押しかけて、比較的能率的でない。その他水の条件なり通信の問題なり、いろいろその活動を妨げるものがある。ですからそういういろいろな諸条件をよくすることによって、むしろ消防というものが向上するのであって、指揮系統を強めることによって向上するのじゃないですから、そういう点を十分お考えになっていただきたい。何でも、私聞いたところでは、この現状における指揮総括ということで、市町村長ばらばらでは困るから、その上にある知事あたりの統括指揮の権限を与えようとか、そういう考えもあるように聞いておりますけれども、知事なんか火事の場合には何の役にも立たないですよ。これは実際に火事が起きて、県なりあるいは地方事務所に通報してみたところで、宿直がおるわけじゃないから、またそのために宿直を置いて四六時中見張っておるわけにもいかぬ。これは市町村長の場合でも同じです。市町村長が消防長になっておっても、毎日役所におるわけにいかない。出張する場合もある。ですから結局末端の消防組織が常に活動できるような状態に置いておくということが一番大事なことだと思う。それからそれ以外には通信連絡の問題であるとか、あるいは水の問題であるとか、そういういろいろな諸条件を整備する。さらに進んでは、延焼する度合いをおそくするような、いろいろ耐火性の建物を作るとか、そういうことが今後の日本の消防の問題だと思うので、そういうことを念頭に置けば、これが軍隊組織、部隊組織であることか、あるいは従来の歴史であるとか、そういうことをこの際念頭に置かないで、もっと進んだ消防の近代化というものを考えた機構改革を行うべきである。逆説的に言えば、従来の消防というものが警察のもとにあったから、日本の消防は近代化しなかったともいえる。あるいは独立しておったならばもっと近代的なものになったかもしれない。そういう従来の歴史というものはもちろん尊重しなければならぬけれども、その歴史というものはマイナスの歴史だったかもしれない。そういう点を考えてみるならば、私は消防のためにはいろいろな近代化をする財政上の措置なりそういうものが必要だから、そこで自治庁に置いた方がこの際は進むのではないか、私自身はそう思っている。少くとも今度行われる機構改革については、そういう権力的というか、指揮命令をする系統を強めるという考え方ではなくて、末端消防というものを最も態率的に動けるようにするという考え方でやってもらいたい。今まで私は消防のことでいろいろ本部にもお聞きしましたが、現在の消防を考える場合に、当然考慮しなければならぬいろいろな問題はさっぱり研究をなさっておらない。そういう点もあわせて研究して、より広く、深くお考えを願いたい。警察と一緒に同居しているからおくれるということもあり得るのですから、一つそういう点についての、機構改革についてのお考えを一応ただしておきたいと思います。
○大久保国務大臣 消防は、御承知の通り、理屈じゃなく火を消すという現場が一番大切なのであります。現場の働きを一番よくするのが何よりも緊要であるわけであります。この点は今お話しされました趣旨に全く同感であります。従って火をうまく消すのには、あるいは機械も要る、あるいは水も要る、通信機も要るということは当然であります。従って指揮の問題だけ頭に置いてやるということは非常に考えなくちゃならぬと思っておる。今度審議会ができますけれども、どういう結論が出てきますか、まだ予測はつきません。しかしながらその結論に基いて私どもが立案し、議会――おそらくこの委員会にかけて論議をいただくことと思うのでありますから、もしとんでもないようなことがあったならば、十分一つ論議をしていただき、正しい方向に運営していくようにしていただきたいと存じております。
○門司委員長 私から大臣に聞きたいのですが、今度できる消防審議会というのは、閣議の決定による内閣の諮問機関ですか、それとも大臣のプライベートの調査機関ですか、どちらなのですか。
○大久保国務大臣 それは閣議決定に基いて作ったものです。頼んだのは私の名義で頼みました。しかし閣議が決定してその設置を認めている以上は、内閣についての機関、こう見て差しつかえないと思います。
○門司委員長 それでは、なお本案につきましては、警察及び消防に関する小委員会もできておりますので、そちらで十分検討をしていただきたいと存じます。
    ―――――――――――――
○門司委員長 この際お諮りをいたしたいと思います。それは、ただいま内閣委員会において審査をいたしております、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会の所管と関係が非常に深いのでございますので、本案について内閣委員会に対し連合審査会開会の申し入れをいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 御異議がないものと認めまして、さよう取り計らいます。
 なお、右連合審査会開会の時日につきましては、内閣委員長と協議の上きめたいと存じますので、この点委員長に御一任を願いたいと存じます。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○門司委員長 それでは次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時一分散会