第027回国会 決算委員会 第2号
昭和三十二年十一月十一日(月曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 青野 武一君
   理事 生田 宏一君 理事 田中 彰治君
   理事 田中伊三次君 理事 山本 猛夫君
   理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君
      堀川 恭平君    松岡 松平君
      片島  港君    神近 市子君
      上林與市郎君    山田 長司君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  坊  秀男君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計局司計課
        長)      柳澤 英藏君
        厚生事務官
        (大臣官房会計
        課長)     山本 正淑君
        厚生事務官
        (引揚援護局
        長)      河野 鎮雄君
        会計検査院事務
        総長      池田  直君
        会計検査院事務
        官
        (第三局長)  石渡 達夫君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  上村 照正君
        日本専売公社総
        裁       松隈 秀雄君
        日本専売公社理
        事
        (販売部長)  石田 吉男君
        日本専売公社理
        事
        (生産部長)  西山 祥二君
        日本博売公社理
        事
        (製造部長)  萩原  昇君
        日本電信電話公
        社副総裁    靱   勉君
        日本電信電話公
        社監査局長   辻畑 順一君
        日本電信電話公
        社理事
        (職員局長)  山本 英也君
        日本電信電話公
        社理事
        (業務局長)  吉達 武雄君
        日本電信電話公
        社理事
        (施設局長)  米津  滋君
        日本電信電話公
        社理事
        (経理局長)  秋草 篤二君
        日本電信電話公
        社資材局長   和気幸太郎君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
十一月九日
 委員山田長司君及び前田正男君辞任につき、そ
 の補欠として上林與市郎君及び堀川恭平君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月十一日
 委員沖田大作君辞任につき、その補欠として山
 田長司君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書昭和三十年
 度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十年度政府関係機関決算書
    ―――――――――――――
○青野委員長 これより会議を開きます。
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和二十九年度政府関係機関決算書を議題といたします。
 本件につきましては去る第二十四国会に本院に提出されまして以来、慎重審議を重ねて参ったのでありますが、すでに去る二月二十一日に一通りの質疑を終っておりますので、一昨日の理事会で御協議願いました通り、本件に関する質疑を終了し、討論採決に入ることといたします。
 お手元に配付いたしております通り、右件についての議決に関する動議が山本猛夫君より提出されております。この際山本君よりその趣旨の説明を求めることといたします。山本猛夫君。
○山本(猛)委員 それでは昭和二十九年度決算の議決につきまして提案をいたします。
 議決案の全文の朗読は省略をして、速記録にゆだねることといたしますが、要するに、ただいま提案になりました一般、特別両会計、政府関係機関を通じまして、不当と認めた件数は意外に多きに達しております。すなわち総計二千二百二十二件という膨大な数字に上っております。決算審査の結果といたしましては、毎年度内閣に対し注意を喚起して参ったのでありますが、連年補助金等の不当経理、犯罪その他虚構の事実による不当経理、あるいは農業共済保険事業の不当運営、物資の調達、管理、処分並びに工事に関する不当経理などが繰り返されて参っております。これら不当事項に関しましては、その原因等是正を必要とする方策について、すでに明らかになっておりますにもかかわらず、現実における施策は十分とは言いがたいのであります。要するに政府並びに政府関係機関においては、不当事項の根絶に関し、それぞれの事態に即応した抜本的方策をすみやかに講ずべきであります。関係責任者、ことに監督者はその重責を深く認識し、関係職員の指導監督に十分意を注いで、過誤の絶滅を期せられる必要を認めざるを得ません。
 決算のうち前記以外の事項については異議はございません。ただしここで特に注意を喚起しておきまする事項の一例といたしてつけ加えておきます。
 当委員会においてしばしば問題化しました農林省食糧庁の関係事項でありまする黄変米の事柄に関してであります。私どもの調査によりますと、一例を申し上げますならば、あれだけ重大問題化しておりまする黄変米が、三万トンも行方不明になっている、不当処分をせられているという事態がここに発生をいたしております。やがて当問題に関しましては別個に本委員会の議題に供するはずでございますが、かような不当な事態は、あげきたりますと数限りもございません。さような点等を特に含まれて、当案件に対しましてあらためて条件として付するわけではございませんけれども、二十九年度に関しまする決算は相当長い間の審議期間も経ておりますので、どうか各員の御協力によりましてこの議決が進められるように要望いたします。
○青野委員長 以上をもちまして、昭和二十九年度決算についての議決に関する動議の趣旨説明は終りました。
 これより討論に入ります。討論は順次これを許します。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 私は社会党を代表いたしまして、昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書、及び同年度政府関係機関決押書につきまして、これを承認せんとする意見を表明いたします。
 ただこの二十九年度の検査院報告を中心といたしまして、政府並びに政府関係機関の予算執行のあとにかんがみますときに、私どもずいぶん幾多の問題があることを発見もし、また遺憾に思ってきたわけでございます。とりわけ同年度におきまして、一般的に公共事業費、特に補助金に関する点、食糧庁における各種外米買付の点、あるいは防衛庁におきまして、いわゆる中古ニンジンを初めといたしまして、幾多の不当支出、あるいは予算違反などの事実を見るものでありますが、特にまた反面綱紀が頽廃いたしております証拠といたしまして、犯罪傾向がだんだん露骨になってきたということは、見のがすわけには参りません。特に農林省におきましていわわる多久島事件なるものも起りましたし、私ども各省におきましてこのような傾向が顕著にあるということは、根本的にやはり著しく綱紀が頽廃していることに原因するものであると思います。ただしかしこれは予算執行者側を責めるだけではいけませんのでやはりわれわれ国政を監督する立場にある国会みずからも十分に自粛しながら、これが監督の責めを全うしなければならぬと思われること、並びにやはり一般部外人に対しまして適当に警告の手段を用いなければ、とうていその成果を期することができないこと、こういうようなことも痛感する次第であります。
 政府がわれわれの決算委員会の決算に対する承認に際して、とかく一片の、今後の善処、粛正等たの答弁をもって事足れりとしておる傾向が、従来も多分にあるのでございますが、こういう傾向はあまりにも事の重大性を認識しない結果でありまして、私どもは今日世上、たとえば三十年度決算、やがて付託さるべき三十一年度決算等におきましても、おそらくは以上述べましたような傾向は漸増するということになるのではないだろうか。部分的にはやはり是正あるいは改善の跡が見えるにいたしましても、綱紀の弛緩し頽廃し、財政の紊乱をしている事実、予算が乱費せられておること、あるいは非効率的な予算執行の状況、あるいは犯罪性等々は、おそらくは相当大量に、さらに重大な様相を呈してくるものと考えられるのであります。こういうふうに思いますると、私どもは二十九年度の決算につきまして、国会はこれに承認を与えまするけれども、今同僚山本議員もお述べになりましたごとくに、厳格な態度をもって過去と今後及び現在に臨むということを政府に向って強く要求するものであります。それをしない限りは、幾らこの場でことわり的な所信を大蔵省におきましても表明せられるとしても、何の役にも立たぬのであります。この点を強く指摘し、希望いたしまして、私の賛成の討論を終ることにいたします。
○青野委員長 以上で通告のありました討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。昭和二十九年度決算を山本君提案の動議の通り議決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○青野委員長 起立総員。よって昭和二十九年度決算は全会一致をもって山本君提出の動議の通り議決いたしました。
 この際、念のためお諮りいたしますが、ただいまの決算の議決に関する字句の整理につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。また委員会報告書作成等につきましても、ともに委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○青野委員長 御異議なしと認め、きよう決しました。この際、大蔵省坊政務次官から発言を求められております。これを許します。
○坊政府委員 ただいま御承認をいただきました昭和二十九年度決算各件につきまして、御審議の過程においておびただしい不当なる事項が指摘せられましたことは、私どもといたしましてはまことに遺憾に存ずる次第でございます。今後は、御指摘になりましたような不当事項はもちろんのこと、さらにまた予算運用、経理の上におきまして、かかる過誤が絶無になるように政府といたしましては専心注意をいたしまして、皆様に御迷惑をかけないように善処して参りたいと思います。
    ―――――――――――――
○青野委員長 次に、昭和三十年度決算を議題といたします。本日は、右件中厚生省所管、専売公社及び電電公社関係につきまして審査を進めることといたします。まず厚生省所管について審査いたします。昭和三十年度決算検査報告一〇一ページより一二五ページに至る報告番号七三一ないし九二七につきまして一括して検査院当局より説明を求めます。石渡第三局長。
○石渡会計検査院説明員 三十年度の決算検査報告一〇一ページに掲示してあります七三一号、「経理の紊乱しているもの」これについて御説明いたします。関東信越地区麻薬取締官事務所、ここにおきまして三十年四月から三十一年九月の間において架空経理をしたものがございまして、これは麻薬取締り旅費、諸謝金、庁費等から合計三百六万六千円ばかりのものを、正規の手続によらないで、架空またはっけ増しをしまして別途に経理をしまして、その現金によって旅費、捜査費、報償費等の経費に大部分を充当したのであります。この官庁は御承知のように麻薬の取締りをしておりまして、司法警察権も持っておる。こうした犯罪捜査のような事務をやっておりまして、架空に使いました旅費、捜査費、報償費というものにつきましても、大部分はこの役所としてはやむを得ない経費のように思われます。従って、架空の経理をしましたことはまことに不都合でありますが、使った道から見ましてもう少し予算的配慮が望ましい、こういうふうにも考えられます。なお使いました用途をしさいに検討しますると、さっき申しましたように、もし予算があれば適正に支出できたであろうというものを除きまして、適正を欠くものが十四万八千円、それからまた何に使ったか使途がわからないというものが二万二千円からありまして、これらにつきましては検査院の注意によりまして、国に返還されております。
 次に、一〇二ページの「国庫補助金等の経理当を得ないもの」これについて御説明申し上げます。
 まず最初に、保健所、結核予防事業等公衆衛生に関する国庫補助の経理が当を得ないというもであります。この公衆衛生関係の国庫補助につきましては、厚生省が国庫補助金等交付規則というものを定めまして、この規則によって補助金を交付しているのでありますが、検査院におきまして、これらの補助金が厚生省の法律及び厚生省の規則通り実施されているかどうかということを検査したのでありますが、その中に国庫補助基本額に補助の対象とならない経費を含めていたり、あるいは事業に伴う収入を過小に算出したり、あるいは算定基準額に誤算があるということによりまして補助が行き過ぎになっており、その補助の返還を要するものが約二千万円ありまして、そのうち一事項ニ十万円以上のものをあげますと二十九件、千九百六十四万四千円になっております。次に表にしまして詳しくあげてございますが、その前にこの件数は二十八年度、二十九年度を対照上ますと、二十八年度は二十九件、二千百十六万円、二十九年度は二十件、九百二十八万円、こういうふうな経過になっております。件数、金額におきましてやはり毎年同じような状況になっております。まず保健所費補助金があがっておりますが、保健町費補助金におきましては全体十九件、金額にしまして返納を要する金額が約千五百万円、次の結核予防費補助金は件数が二件、返納を要する金額が六十三万三千円となっております。次の性病予防費補助金におきまして七件、返納を要する金額が二百九十六万三千円、それから精神衛生費補助金、これにつきましては一件、二十九万二千円になっております。
 次に、一〇六ページの七六一号について御説明いたします。これは青森県が国庫補助を受けまして、結核療養所整備事業をしたのでありますが、この事業の中て補助の申請になかった炊事棟を作っておる。この炊事棟は結核療養の病床のみならず、これと併置しているところの精神病床、伝染病床にも共通に使っておる。従って補助の申請になかったのでありますから、この炊事棟を作った経費二百八十六万円は全額否認しても筋は通るのでありますが、結核病床のために使っておる分は認めるとしまして、今の結核病床と精神病床、伝染病床のベッド数によって按分比例をしますと、その中でまあまあ認められるという金額は百九十万二千円、これに対する補助九十六万六千円が超過交付になっておるという次第であります。
 それから七六二号の簡易水道整備費補助金の経理当を得ないもの、これは新潟県刈羽郡刈羽村が施行したものでありますが、工事費を六百二万五千円というふうに申請して、それに対して四分の一の百五十万円の補助がいっておりますが、この村は実際には合計三百四十四万四千円でこの工事をやっておりまして、結局それで済んだのに六百二万五千円の工事費を要したというような精算をしておりまして、厚生省もそれに気がつかずに補助金を交付しておる。従って六十三万八千九百二十円だけ補助金が行き過ぎになっておるという状態であります。
 次に生活保護費負担金の経理当を得ないもの、これは七六三号から七八九号まであがっておりますが、地方公共団体が国庫負担金の交付を受けて生活保護事業を行なっておりますが、この中にいろいろな補助がありますけれども、特に医療扶助が年々非常に累増する。これの累増の原因は、医療給付を受ける人員の増加にもよりますが、この扶助決定の基礎になる受給世帯の収入認定において十分でない点があることも一つの大きな原因であるというふうに考えまして、検査院で三十一年中に北海道は1二十九年の検査報告でも上っておりますが、北海道は三十一年中におきましても重ねて検査をやった。それから前年度見なかった青森県ほか三十府県について検査をしたので拠りますが、やはり前年度と同じような事態が見受けられたのであります。これは継続いたしまして世帯主が六カ月以上入院しておる、そういう者の家族が働きに出まして俸給を受けておるという場合、そういう者の収入が正しく認定されておるかどうかということを見たのでありますが、収入認定が正しくないために、補助金が行き過ぎになっておるというのが相当ございます。次にすっと表がありますが、この金額が全体で千九百九十万五千円になっておりますが、この表のようにおもなものをあげますと二十七件、千九百五十一万七千円になっております。この数字は検査院が見た個所につきまして、こうした不当な金額の含まれている個所の比率が二十九年度は五九%になっておりますが、三十年度は調査件数が千九百四十三件、それに対して不適正件数が九百九十三になっておりまして、その比率は五〇%というふうにやや低下しておりまして、厚生省におきましても、こうした事態について指導監督を強化しておられるということは如実に見受けられるのでありますが、なおこうした件数が非常に多くあるのであります。こういうような事態が生じますのは、生活保護を受けている人たちが非常に困っておる人たちである、そして特に医療給付だけを単独に受けているケースにつきましては、病気をしない間は主人がりっぱな働きをしまして相当な生活をしていた、ところが主人が一たん病で倒れると翌日から収入がとだえて、そのために生活保護階級に転落したという気の毒な人たちでございまして、結局取締りをする方でも十分な取締りが徹底しないというきらいがありますし、また保護を受ける方でも、家族の収入が、厚生省が生活保護法によってきめました最低生活基準額をこえますと、そのこえた分は医療費の自己負担分となる。従ってできるだけ少く収入を申告したいというような気持もありまして、適正な施行が期待できないという事態になっております。気の毒な家庭に対する補助の問題ではありますが、何分こうしたケースが非常に多い、予算も十分じゃなくて回り切れないきらいもありますので、できるだけこうした場合におきましても厳正に法を執行しまして、そうして困っておる人が公平にその補助に均霑するようにしなければならないと存じます。
 次に児童保護費負担金の経理当を得ないもの、これは昨年も上っておりましたが、ことしも同じような着眼をもって、児童福祉施設の児童保護に要した経費に対する補助を見たのでありますが、これも厚生省のきめましたものさしをそのままあてがいまして検査院で検査、したのであります。その結果、実支弁額が限度額をこえているのに実支弁額を補助の対象として払ったもの、あるいは実支弁額が補助の限度以下である場合に、実支弁願を過大にして国庫負担の対象としているもの、あるいは徴収金を控除する際に、厚生省の標準によりますと、徴収決定済額によらなければならないのに、収入済額によっているために、補助金の行き過ぎになっておりますものが五百五十万円ばかりございまして、そのうち一事項ニ十万円以上のものをあげますと、この表によりますと、七九〇号から七九六号まで上っております七件、五百二十二万二千円であります。
 次に一一二ページの国民健康保険助成交付金の経理当を得ないもの、七九七から八一六までありますが、三十一年中に施行しました本院の会計実施検査におきまして、二十九年度に交付しました助成金が四十七億二千四百万円ありますが、その交付個所は五千二百八十一保険者、これに対して、交付した補助金につきまして検査をしたのであります。その結果、こうした条件に適合しないのに適合しているとしてなされた申請によって補助をやっている、またはこうした条件には適合しているが、算定の基礎となる保険料収入額、一般会計繰入金等が事実と相違している、こうした申請に対して交付をしている、あるいは保険者から出しました精算が間違っているのに、その精算を十分に検討しないで交付したというようなものがありまして、ここに上っておりますように二十件、一千十四万二千円、それが超過交付になっております。この検査院が検査をしました保険者の数と、ここに上っております超過交付となった保険者の件数の個所の比でありますが、その個所の比を見ますと、二十九年度は六。六先、三十年度が四・五%というふうになりまして、厚生省におきましてもいろいろ周知徹底あるいは指導監督に努力しておられる跡はうかがえますが、なおこうした件数の相当ありますのは遺憾に存ずるのであります。このような事態は、国民健康保険におきましては交付の方式がきわめて精細になっておりまして、反面から児ますと非常に複雑でわかりにくいという点もありまして、保険者の方で十分に趣旨が徹底しないという点も見られます。そうした点につきまして、厚生省におきまして今後なお法の趣旨徹底という点も必要と思われますし、また保険者におきましても財政の苦しい点から正当額以上に受け入れようという傾向もありまして、依然こうしたことが跡を絶たない次第であります。
 次に一一四ページの厚生保険特別会計、これについて御説明します。
 昭和三十年度における健康勘定の損益計算書を見ますと、五億七千四百余万円の損失となっておりますが、この損益計算には一般会計繰入金の十億円あるいは土地建物等評価差益の七億円、こういうものが含まっておりますから、これを控除して計算しますと、同年度損失は二十三億二千三百余万円になります。しかしこれは前年度の四十億の損失から見ますとやや減少の傾向になっております。このように損失が減少しましたのは、保険料率の引き上げがこの年度中にありましたこと、それから被保険者数及び標準報酬月額が上ったこと、これによりまして保険料収入がだいぶふえておりますが、一方支出の方におきましては、厚生省において診療報酬請求明和書の審査を強化し、不正な請求を排除したという点等、被保険者の受診率の上昇が鈍化したという点にありまして、保険給付費の増加が前年度の増加額に比べまして非常に減っている。二十九年度の二十八年度に対する増加は約四〇%になっておりますが、二十九年度に対する三十年度の増加は八・八%、こういうふうに保険給付の方におきまして減っております。こうしたことが、さっき申しましたように、損失が非常に減少したという原因をなしているように思われます。しかしながらこの貸借対照表の未収金の中に、ここでは未収金が三十八億ありますが、その中には二十八年度以前のものが十四億余りありまして、御承知のように保険料は二年が時効になっておりますから、この中には結局とれないで不納欠損になるおそれのあるものが相当含まれておりまして、これらを考慮いたしますとさっきの損失はもっと大きくなりますので、留意を要すると存じます。こうした事情にありますので、本院におきましては立法的なことはともかくとしまして、現在の法制におきましてできるだけこの赤字を少くする方法はないか、こういう点に留意しまして、これには保険料徴収の面におきましてもっと努力すれば保険料も入るのではないかという点を中心に検査をしたのであります。その結果定時決定における標準報酬月額が少な過ぎる、あるいは改定をすべき標準報酬月額をそのまま改定しないでおいてあるというような事態がありまして、保険料の徴収不足を来たしておるものが非常に多数見受けられまして、これが一億六千六百万円に上っております。検査した箇所数は二千三百二十七事業所でありますが、二千三百二十七カ所検査しまして一億六千六百万円という不適正な金額が摘発されたわけであります。このような事態を生じましたのは、主として事業主において届け出の際に瑕疵がある。一方また実施機関におきましても事業主についての調査が不十分であるという点に起因するように思われます。
 次に一一六ページの「是正させた事項しの「保険」のところに、八一七から九二二号までずっと最終徴収機関であるところの各県の社会保険出張所あるいは県の保険課ごとに数字を出してありますが、こういうような事情になっております。
 それから次に一二二ページの「船員保険特別会計しについて御説明します。船員保険の方は損益計算書を見ますると収益の方が四十三億円ばかり、それから損失の方が三十三億、差引十億円ばかりが利益になっております。しかしながらこの会計は健康、年金、労災補償、失業の各社会保険を一括して経理しておりまして、各保険に相当した勘定区分を設けておりませんが、しかし損益、計算書からはっきりするところの健康及び労災部門の給付、それから保険料に積算された当該部門の保険料率から計算した保険料収入、これを比較しますと、今の健康及び労災部門におきましては二億円ばかりの赤字となっております。一見十億円ばかり照字になって健全な運営のように見えますが、中を分析しますと、健康及び労災部門におきましては大きな赤字になっておる、こういうような事態であります。この赤字となっております大きな原因は、この保険におきましては漁船の乗組員に対する保険が大きなウエートを占めておりまして、漁船の部門は保険料におきまして約四〇%、保険の給付におきまして四三%というような大きな部門を占めておりますが、この漁船の部門は適正保険料の把握がなかなかむずかしい。これは小さな船が多数ありまして、しかもその報酬は歩合制が大部分であるという点でつかみにくい、こういう点が大きな原因であります。一つには厚生省がこの漁船部門に対して的確な報酬の把握に対する指示をしていない。従って地方行政庁におきましては大ざっぱなところで船主団体との協議によってきめるというところが大部分でありまして、なかなか適正な保険料が徴収されていないところに大きな原因があると思われます。また保険料の徴収といいますか、保険料の徴収決定に対する収納が非常によくない。ほかの保険におきましては、徴収決定に対する収納は大体九五%から九七%くらいまでいっておりますが、この保険においては大体九〇%程度にとどまっている。特にさっき申しました漁船部門におきましては、検査院が調べました四県の区におざましては三五%から五九%というような非常な低脂率になっております。こうした点になお一そうの御留意をお願いしたいと思います。
 次に一二三ページの九二三号「経理のびん乱しているもの。これは国立鯖江病院で、非常にいなかの国立病院でありまして、医者の獲得が非常にむずかしい、なかなかお医者さんに来てもらえないという事情から、病院で決議をしまして、医者の宿舎料等に充てるために別途経理をしまして、それを医者の宿舎の借り上げ料あるいは会議費等に充当しているのであります。この金額が五十五万八千円、これを別途経理したのでありますが、その内容を見ますと、いかにも予算があれば出してやりたいというような性質の経費ばかりであります。
 次に不正行為があります。不正行為の九二四号、これが同じ鯖江病院の不正行為でありますが、この不正行為は、結局病院の決議によりましてこうした経理をしまして、五十五万円につきましては大体その決議の趣旨に沿って使われているのでありますが、それにサバを読んでさらにつけ増しをして九十四万七千円、これはそうした経理を担当したその病院の医事主任が勝手にポケットをしたという事態でございます。
 不正行為はこの鯖江のほかにさらに国立中津療養所、高知県厚生労働部保険課、熱田社会保険出張所、これにおいてこの表にありますような不正事件が起っております。
○青野委員長 石渡第三局長の説明が終りましたので、次に厚生省当局におきまして説明があればこの際発言を許します。――説明がありませんので、それでは質疑に入ります。発言の通告があります。これを許します。山本猛夫君。
○山本(猛)委員 きわめて限局された問題でございますが、援護関係に関連いたしましたことでお尋ねをいたします。
 まず基本的なことをお尋ねいたします。応召またはその他の用件で外地に出張した者で行方不明になっておる者はどれくらいの数がありますか。
○河野説明員 今年の八月十五日現在の数字でございますが、ただいま御質問がありましたような人、その他すべてのケースをひっくるめまして四万九千九百八十三名、約五万名の者が現在未処理の状態に置かれております。
○山本(猛)委員 この四万九千九百八十三名が未処理であるということは、四万九千九百八十三名が私のお尋ねをした行方不明という数ですか。
○河野説明員 未帰還者の調査のために、厚生省におきましても一つの部を設けまして、国内調査及び国外調査をやっておるわけでございます。ただいま申し上げました数字は、私どもの調べました資料から判定いたしましても、死んだか生きたかのけじめがはっきりしない、非常にわからないという者から、ほほ推定できるというところまでのいろいろ幅があるわけであります。大体の見込みといたしましては、大部分の方が終戦直後の混乱時になくなったのではないかというふうに推定されるわけでございますが、そういう人たちから、比較的新しい資料のある者、またそれだけでは必ずしも確認できないというふうな資料の者まで、いろいろ幅があるのであります。年女これらの者につきまして調査を進めまして、今までの実績でいきますと、本年度の見込みといたしまして、年間大体一万人近い者の処理ができるのではないかというふうに考えております。そういうふうにいたしましても、古い事項に属する事柄の調査でございますので、なかなか判明しない部分がどうしても残ってくる、かように考えております。
○山本(猛)委員 私がお尋ねしておるのはそういうことじゃないのです。四万九千九百八十三人というのが行方不明の人ですかということを伺っておるのです。
○河野説明員 行方不明それ自身が非常にむずかしい書案だと思うのでございますが、少くとも私どもの手元で調べまして、生きているか生きていないかはっきり確認できないという者の数字が今申し上げた数字でございます。これらの確認できないという者を行方不明という言葉でいえば、行方不明の数字がそうだというふうに言えるわけでございます。ただ従来行方不明ということで、国外的にも非常に誤解を招いておる場合がございますので、その辺若干打ちわけを申し上げますと、行方不明といっておるけれども、大部分の者は死んでいるのではないだろうかというふうなことを含めまして行方不明というような表現を使うならば差しつかえないのではないか、かように考えております。
○山本(猛)委員 この処理はなかなかむずかしいことでもありましようことはわれわれもよくわかりますが、もうとにかく終戦が伝えられてから十年以上も経過して、まだこういう数字が未処理のままでいる、こういうようなことでは国民は納得できないのでありますが、具体的にはどういう措置を現在おとりになっているか、それを明確にしてい、ただきたい。
○河野説明員 生存がはっきりいたしますれば、もちろんこれは未帰還者の資料から落すわけでございます。一方死亡を確認すれば、またこれも落していくわけであります。死亡確認の方法といたしましては、現在の制度では大体二つの方法があります。一つは民法における失踪宣告の制度、それからもう一つは戸籍法八十九条に基いて取調べ官庁が認定をいたしました場合に、は、これを通知いたしまして戸籍から抹消する、こういうふうな二つの方法がとられるわけであります。一方の失跡宣告の制度は、これは国として関係しない、利害関係者の申し立てによってやりますので、国としてやります処理といたしましては、戸籍法八十九条の制度を活用して参っておるわけでございます。ただこの八十九条によりますと、一応取調べ官庁が確認できないものにつきましては処理しにくいというふうな事情にあるわけであります。従いましてこれから調査もさらに進めて参りたいと思っておりますが、そこにはどうしても今申し上げましたような制度ではさばき切れない限界があるのではないか、かように考えるわけであります、この点につきましてはただいまお話のございましたように、国会方面におきましてもやはり何かの方法をとらなければならぬのではないかというふうな御意見を伺っておりまするし、また留守家族の方々の中にももう相当終戦後日にちのたった今日、やはり何らかの方法によって処理をすべきではないかというふうな御意見もだんだん出てきておるように承知いたしておるわけであります。そこで政府といたしましては諸般の情勢をにらみ合せまして、やはりここに一つ新しい制度を打ち立てて、この最終処理を考えていくというふうなことにすべきではないだろうかというふうな方法で、実はただいま研究をいたしておるわけであります。この次の通常国会を目途といたしまして一つの新しい方法を検討いたしたい、かように考えておるわけであります。
○山本(猛)委員 具体的なお尋ねを一ついたしますが、昭和三十年の十月の上旬に私が撫順、の戦犯収容所を訪問いたしました。
    〔委員長退席、吉田(賢)委員長代理着席〕
そのとき、向うに参ります前に調査を依頼されておりました熊谷憲治、本籍地は岩手県の下閉伊郡普代村、そこの熊谷平助という人の次男ですが、この撫順の戦犯収容所をたずねてみましたところが、偶然にもそこに生存しているという明確な回答が、撫順の戦犯収容所の所長みずからの答えによって表明された。何回か私は耳を疑って、撫順の戦犯収容所の所長に尋ねましたところが、ここにおるのだという明確な答えをしている。そこで私はこういうところに現在まで不明を伝えられた者が収容されているのだということを聞いて、さっそく本籍地へその旨を電報で通知をいたしました。ところがその後中国政府の機関を通じて問い合してみますと回答がない。――こういうようなことが他にも類例がございますかどうか、伺っておきたい。
○河野説明員 ただいまおあげになりました具体的なケースにつきましては、私ただいま初めて伺いましたので、さらに確かめてみたいと思いますが、一般的に申しまして、中共地区におきまする調査は、現在までのところ国内調査の範囲を出られないような状況になっております。国内調査といいますのは、国内だけで、日本限りの調査でわかる範囲の調査という意味でございますが、お話にございましたように、そのほかに相手国の力を借りて調査をするという方法が残されるわけであります。こういった方法もあわせて当然考えなければならないということで、中共地区につきましては、先般ジユネーヴの総領事を通じまして先方の総領事に相当広範な名簿を渡して調査の依頼を行なったのでございますが、残念ながらその点につきましては先方の同意を得られないで今日に至っておる次第でございます。もちろん今までこちらで持っております資料の中に載っております生死の区分あるいは不明であったというふうな区分が次々に新しく資料によって修正を見ているというふうなことはあるわけでございますが、大体以上申し上げたような状況にあるわけであります。
○山本(猛)委員 あなたのお話を伺っていると、その措置に万全を期しておるというように聞えるのでありますけれども、この父親であります熊谷平助さんの言葉によりますと、あなたの方へ再三再四いろんな手を尽して取り上げ方を頼んでいるけれども、今日まで誠意ある回答に接したことは一度もない、こういうことを言っているのです。従って私が中共に参りますときに、それらのまことに当局が不誠意である、何らの誠意を示してくれないという泣き言を聞きながら依頼をされたのが本件でございますが、それによりますと、昭和十八年に応召して牡丹江からたよりがあったので、すぐ返事を出したところが、四十日ばかりしてその手紙は戻ってきた。それから消息がないのだ、こういうのであります。こういうようなことは、具体的にその残されました家族から依頼されました場合に、どういう処理をやってきているか。あなたのお話を伺っていると、一括してやったようにもうかがえるのでありますけれども、こういう一つ一つの問題、一つ一つの具体的なことの処理をどういうふうにやってきているのか、それを伺いたい。
○河野説明員 ちょっと御質問の趣旨をはき違えてお答えをしたように思いますが、ただいま御承知のように中共との問に国交関係はございませんので、日本政府が直接向うの政府と連絡を保って調査するという道が閉ざされておるわけでございます。その道に対する一つの便法といたしまして先ほど申し上げましたように一般的な措置をとったわけでございます。それも実現をしないで現在にあるわけでございますが、ただいま御説のような個々のケースにつきましては赤十字社を通じまして向うの紅十字社に対して安否調査を依頼するという方法があるわけでございます。この方法につきましても、なかなか思うような回答が得られないような状況にございますけれども、方法といたしましてはそういう方法をただいまとっておるわけでございます。
    〔吉田(賢)委員長代理退席、委員
  長着席〕
○山本(猛)委員 この父親の熊谷平助さんの言うように、あなたのお話を伺っていても誠意があるとは思われ、ない。ということは時間があまりにもたちすぎている。終戦が伝えられてから十年以上もたって、まだ未処理のものが五万人に近い程度あって、一つ一つこういうような具体的な問題は、あえてこの例も一例にすぎないだろうと思いますけれども、わからないだ、どうにもならないのだ、中共とは面接国交もないから間接にやるんだ、あるいは赤十字を通じてやるのだといったようなことでは、われわれの耳には言い逃れのようにしか考えられないのです。当委員会でこれを議題に供しましたということは、国費を使ってあなたの仕事がなされているわけです。でありますから、当委員会の当然しなければならない案件として一例をあげて調べたわけでありますけれども、あなたのお話を伺っていると、この父親ならずとも不誠意きわまるような印象しか与えられません。今後どういうようなことでどういう具体的な方途をもって未解決の本件のごときものを処理しょうとしておられるのか、それを明確に伺っておきたい。
○河野説明員 非常に誠意のないような措置しかしておらないというおしかりをちょうだいしたわけでございますが、国内調査につきましては日本限りの考え方でできるだけのことができるわけでございますが、相手方の協力を求めなければならないという問題につきましては、非常に苦慮をいたしているわけでありまして、現在までとり得る手段といたしまして申し上げたのが、先ほど申しましたような方法であります。これで十分であると考えているわけではありませんが、現在の中共との国際関係からいいまして、国交未解決の状態からそれ以上のことがなかなかとれない。これは非常に残念なことてございますけれども、今までそういうふうなことで参っているわけであります。今後の方法といたしましては、さらに日赤を通じてやるか、あるいはほかの方法も考えて努力はしてみたいと考えているわけでありますが、現在のところそういうふうな状況になっているということを申し上げた次第であります。
○山本(猛)委員 いくら伺っても誠意のないお答えしかできないようでありますから、委員長にお願いをしたい。これはあるいは見ようによりましては引き揚げ関係あるいは厚生委員会関係等でとり上げらるべき問題であるかもしれないけれども、本件がここに本委員会の議題となったのでございますから、委員長から厚生当局にお願いをしていただきたい。これがどういうような時間で、どういう方途で取り調べられるかということを示す一例として、委員長に要請いたします。
 一つはただいまお話し合いになりました岩手県の下閉伊郡普代村の熊谷平助の次男熊谷憲治の消息、それからもう一つは盛岡市高松字神庭山下に住んでいる栃内博、これは昭和十九年七月少年義勇軍に応募して渡満をいたしております。翌年満州で終戦を迎えて、その後中共軍に入って各地を転々としていたらしく伝えられていますが、昭和二十五年十二月、広西省立病院に勤務しているとの初便りがあって、家族を喜ばしておったが、その後音信がないというのです。同二件を、委員長から当局にその消息の取調べ方を要請してほしい。以上をもって質問を終ります。
○青野委員長 河野援護局長、お聞きの通りです。詳細にその報告書を御作成願って御提出を願いたいと思います。意見がありますか。
○河野説明員 ただいま具体的のケースでございますので、こちらの方でどの程度までわかっておるか、さらによく調べまして善処したいと思います。
○青野委員長 それでは厚生省所管に関する質疑は、本日は一応この程度といたします。
    ―――――――――――――
○青野委員長 次に日本専売公社関係につきまして審査を進めます。
 それでは昭和三十度決算検査報告二八七ページより二九〇ページに至る報告番号二一四一につきまして、まず会計検査院当局の説明を求めます。上村第五局長。
○上村会計検査院説明員 三十年度の日本専売公社の検査の結果につきましては特に御報告をいたすことはございませんので、検査報告には概況が書いてございます。なお不正行為といたしまして二一四一号の二件が載っております。これは飯塚出張所と仙台工場の二つの犯罪でございまして、大部分はたばこの製品を領得したものあるいは製造過程におってたばこを領得した問題でございまして、その金額は全部で六百余万円に上っておるわけでございます。
 簡単でございますが専売公社の報告を終ります。
○青野委員長 上村第五局長の説明は終りました。公社当局において説明があれば、この際これを許します。――説明がないそうでありますから、それでは質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。山田長司君
○山田委員 おそらく公社も大蔵省と打ち合せしていると思うのですが、最近たばこ耕作法の改正の法律が出かかって審議をされているそうです。そのこともあとで伺いたいのですけれども、最初に伺いたいことは、耕作者に関係のあります尿素の問題をめぐりまして、高砂商事で約二億からの利益をあげているという話が出ているのですが、公社の方として、高砂商事とはどんな関係に置かれているのかを最初に伺いたいと思います。
○西山説明員 お答えいたします。ただいまお尋ねの高砂商事会社と申しますのは、主としてタバコの耕作資材を取扱っている商社でございます。肥料、農薬その他の資材を取扱っております。先般大蔵委員会においてこの商社の名をあげられて質疑を受けたのでございますが、それはその商社が取扱っております尿素化成と称しますタバコ専用の肥料によりまして不当の利益をあげておる。従って今お話の四億とか称する巨額の利益をあげておるという趣きでございました。これにつきましては相当事実とかけ離れておる点があるのでございまして、扱います尿素化成肥料は、現在七つの肥料メーカーが製造いたしております。それの耕作者への取扱いを、その肥料メーカーの内口銭のうちにおいて事務を担当いたしておるのであります。ただ数量が最も多く取り扱われておりますので、他の同様な商社に比較いたしますれば利益も多いはずでございますが、元来取扱いの手数料の問題でございまして、従いましてその数量も当初質問をいたされました委員の方におきまして誤解がございました。それに基いての推定でございますので、お話のごとき巨額な利益をあげているということは信じられないと考えております。
○山田委員 どういう形で高砂なるもので肥料及び農薬が多く扱われるようになったのか、その経緯がもしもおわかりであれば一つ御説明願いたいと思います。
○西山説明員 ただいま申し上げました尿素化成肥料の製造につきましては、硫酸カリを必要とするのでございまいますが、これはタバコ肥料として特別に農林省からそのクを認められまして、耕作組合中央会が一手に取扱いをいたし、尿素化成製造の七社のメーカーに硫酸カリを引き渡しいたしまして、いわば一種の委託製造のごとき形式をとっておるのでございます。ただ高砂商事は、銀行よりの金融におきまして特殊な便宜と力を持っております関係上、メーカーに対しましても特に大品の取扱いを受ける信用を持っております。従いましてこれが全国各産地に最も多く取扱いをいたしておる現状でご、さいます。
○山田委員 このことを伺います理由のものは、タバコの納入期がありますときに、農民のタバコ収納代金から金額を引かれて春先まで保管される際に、巨額に上る金が公社に預けられるものか、あるいは耕作組合に預けられるものかわかりませんけれども、とにかく納入のときに代金が引かれている。しかもそれには利息も払われずに春先まで保管されている。しかも必要な肥料でありますので、農民はこれをどこからどう購入するのか、全く知らないうちに春先になって肥料が回ってくるようなことなんです。
 そこで私はこのことはやはりただいまの御説明でもちょっと理解ができない点がありますので、委員長に一つお願いしたいのですが、取扱い高、それから、納入先七社あるそうですが、メーカー七社の使われている状態、そういうものがどういう経路で入ってきて、どういう形で出ているのか、全国へどんなふうに回っているのか、これを資料としてお出しを願いたいと思いますが、委員長から一つさようにお取り計らい願いたいと思います。
○青野委員長 了承いたしました。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 山田委員の御質問の問題は、すでに大蔵委員会で問題になったそうでありまして、どういうふうなその後の経緯になったかは私はよく存じませんが、やはりいろいろと問題点があるような感じがいたしますので、私からも準備的に一、二伺ってみたいと思うのであります。この高砂商事株式会社というのは、尿素化成の肥料をタバコ耕作者に売る分の、その肥料の取扱い会社としては全国で最も大きいのかどうか。第二は、この会社には、かつて専売公社に職を持っておった人が取締役その他の重要な地位を占めておる人があるのかないのか。あればその名前。それから一カ年の売り上げがどのくらいになっておるのだろうか。すでに大蔵委員会で問題になったのでありますから、その間調査ができておると思いますが、その点をどなたかから御説明願いたいと思います。
○西山説明員 尿素化成が難タバコ肥料として使用をせられております数量は、大略三万トン余でございます。そのうち大よそ六割程度が高砂商事の取扱いとなっております。なおその商社の重役と公社の関係につきましては、重役に入っておる人は一人もございません。
○吉田(賢)委員 これは山田委員の要求せられました書類のほかに、この会社の最近三カ年くらいの各般の財務諸表、あるいはその会社の定款とかその他商法上の登記関係とか、つまり会社の構成の状況を知る書類、こういうものもあわせてお取り寄せを願いまして私は質疑は後日に保留しておきたいと思いままから、よろしくお願いいたします。
○山田委員 総裁がおいでになっておるようでありますが、聞くところによると余剰農産物でタバコを入れるという話があるのですが、もし余剰農産物でタバコを入れるというようなことであるとすれば、このことによって、農民のタバコの耕作の状態及び収納代金等に非常に支障を来たしてくるということが考えられるのですが、その点余剰農産物でタバコを入れる目途はあるのですかないのですか。
○松隈説明員 ただいまのところ余剰農産物の受け入れについての話は何にも伺っておりません。従ってそういう事態はないと了承いたしております。
○山田委員 来年度の植付の状態に当って一割の減反が伝えられていますが、その点はいかなる根拠によって減反されるのですか。
○松隈説明員 御承知の通り葉タバコにつきましては、三年間異常な豊作が続きました。これは災害がないということが米と同様に大きな理由になりますが、その他に耕作技術も発達すれば、また農薬も改良された、こういうようなことで三年間葉タバコの増産が続きました、一方公社といたしましては販売本数の増加、それから葉タバコ並びに製品の海外輸出に努力をいたしておるのでありますけれども、葉タバコが増産された割合ほどには内地消費も伸びず、また輸出も伸びない、そういうことからいたしまして、葉タバコの在庫がだんだんにふえて参るわけでございます。三十一年度から三十二年度、つまり本年度初めに、繰り越しました葉タバコが合計いたしまして二十四カ月分くらいでございます。本年度さらに一億四千万キロほどの収納をいたしますと、本年度において製造、輸出等に使いまして、三十三年度に繰り越される葉タバコは二十六カ月分に及ぶ、こういうような見通しになりましたので、このままでは在庫がふえる一方でありますので、葉タバコ耕作組合の方方とも連絡いたしまして、公社としては減反をしたいということを申し出たのでございます。このことは本年度はおいてもある程度の減反をいたしたのでありますが、今まで御承知の通り、葉タバコ不足のために農民に無理をしても作っていただいておる、こういうような関係がありましたので、本年度は直ちに減反をいたさないで自然減の程度にとどめたのでありますが、来年度におきましてはどうも自然減の程度でありましては、天候の特別の不良とか災害とかいうものが起れば別でありますけれども、大体最近の情勢からいたしますと、先ほど申し上げたようにだんだんに葉タバコの在庫がふえて参りますので、来年度すなわち三十三年度においては減反したい。このことは御承知の通り葉タバコには在来種と黄色種とバレー種と三種類ございまして、その中でも最も在庫が多くて心配しておるのは黄色種であります。バーレー種は最近に作り初めたものでございまして、その数量も少く輸出も相当きくものでありますから、これらはそう強く減反をするというようなことは必要ない、むしろ現状のままでもいい、こういうふうに考えられるわけであります。公社といたしましては、葉タバコ需給の関係を考えまして、できますれば一割の減反をいたしたい。公社の需給関係とそれから経理関係もございますので、そういう希望を申し述べたのでございますが、農民の方といたしましてはやはり耕作反別が減るということは収入にも影響があることでありますので、なかなかそう簡単に同意はできない、こういうことでありましたので、その間たびたび折衝を重ねて参りまして、ようやく九月に話し合いがつきまして、七分減、七%の減ということで耕作反別の内示をいたした次第でございます。
○山田委員 古い法規で耕作者の場合は一年ごとに切りかえられるということになっておるので、かなり戦んきょうきょうとしていたわけですが、ただいまの七%減というのはすでに農民のところにまで通達されているのですか。
○西山説明員 お答えいたします。いわゆる耕作反別決定の経輝につきましては、ただいま総裁より御説明があった通りでございますが、黄色種七%の減少といううちには、基準といたしましては五%の減少を予定いたしておりますけれども、従来の植付検査の結果若干増加をいたす傾向がございますので、これを調整するために二%を含めて七%ということにいたしたのであります。しかも最近数年の実績によりますと、耕作者が自己の都合によってタバコの耕作をやめ、あるいは面積を減少する等の事例も若干ございまして、それがおおよそ三%前後の割合になっておりますので、それらを勘案いたしますと、実質的の減少は五%前後に落ちつくのではないかと予想をいたしておるのでございます。この決定に当りましては、当初耕作者の組織いたしております団体、耕作組合中央会に協議いたしまして、先方といたしましてはさらに面積の縮少を減ずるように要望がございましたが、種々折衝を重ね、公社としてのやむを得ない理由も理解を求めまして、最後的には了承を得まして、かように決定をいたしたのであります。これを各地方局にそれぞれ同じ比率をもって減少いたしました面積を内示いたしまして、地方局はさらにこれを管下の出張所に割当をいたしまして、それぞれ組合の理解と協力を得まして、末端耕作者の面積決定を現在進めておる状況でございます。
○山田委員 地方局及び出張所等の協力を得て大体減反の対象になる人をきめているようですが、今まで長い問専売公社の事業収益に協力をしできた農民の耕作をできないようにするに至って、いかなる基準によってやめさせるようにしているのか。実は農民の間においても、かなり長い間耕作してきた人がこの対象になっていることから、地方組織の、いわばタバコ耕作組合の幹部の中にかなりボス的な人がいて、根拠もあまり明示しないでやめさせる対象にするので、耕作意欲をなくしている人がいるわけです。いかなる根拠でやめさせる対象にしたものか、参考に一つ伺いたいと思います。
○西山説明員 減反の割合につきましては、ただいま申し上げましたごとく、全国一律に同様な減少率を示しておるのでございます。さらに下の段階のそれぞれの機関におきましては、その地方の耕作気勢、あるいは耕作者の希望、実情等勘案いたしまして、あらかじめ総代地区においてその希望を取りまとめ、さらにそれを耕作組合の区域に取りまとめて、出張所において決定をいたしておるのであります。決定の責任はあくまで出張所、さらに地方局長の責任においていたしておるのでございます。
○山田委員 地方の局の責任とか、あるいは出張所の責任と言ってみても、実際どんなふうな作り方をしているのかというのは、結局地元の耕作組合の幹部におそらく相談する結果になると思うのです。こういう場合に、耕作組合の幹部の人たちにいろいろな形で言うことを聞かないような場合があるとすると、これによって感情的に耕作のできなくなる対象になる人があるのじゃないかと私は思うのです。こういう点について、出張所及び地方局にまかせるだけでなくて、何かもう少しこれが採択に当っての方途はないものですか。
○西山説明員 末端の第一線におきましては公社の社員として耕作技師が配置いたされております。耕作面積の決定に当りましても、もちろん組合幹部の協力を得ますけれども、それのみによって決定をいたしておるわけではございませんので、ただいま申し上げました耕作技師、あるいはその出張所を担当しております出張所の職員が、その地方を巡回いたしまして、それぞれの意見、要望を承知の上で決定をいたし、ておる次第でございます。
○山田委員 総裁も、それから公社の幹部の皆さんも、タバコの耕作農民の実際の姿を知らぬと思いますから、私はこの際総裁に一応申し上げておきたいと思うのです。末端のタバコ耕作者は、タバコ耕作、乾燥時期を終って、納入時期を前にいたしまして、出張所なり社員なりに――まあ鑑定官を含めてですが、そういう人たちに現金でお金を渡しているのです。たとえば目方によって等級が一等級違うととたんに何千円と違うわけですから、その前に金を渡して、そんなことはできないはずなのに、ちゃんとその人と目される人のタバコの買入価格がよくなっている。そこで実際に公社の人に私は伺いたいのですが、地方出張所だけでなく何かそういう風説なり、これは事実があるのですが、そういう人を参考にあげて出して見せますけれども、それを本気になって調べてみる意思がありますか。
○松隈説明員 葉タバコの収納事務は、公社の性格といたしましても、厳正公平に行わるべきことは申し上げるまでもないことでありますので、もし収納価格決定に当りまして、お話のような世間から批判を受けるというような事実がありますれば、十分に取り調べまして適当な処分は行いたいと思います。
○山田委員 もう一点伺いますが、この疑惑を招くような状態に置かれている鑑定官といものを、鑑定事務だけでも甲の地点から乙の地点に回す、こういうことはできないものですか。私はそうすれば農民の疑惑というものは非常に少くなってくると思うのですが、現在そういうことはなされておりませんけれども、そういうことはできませんか。
○西山説明員 従来公社の取扱いといたしましては、年間を通じて技術の指導をいたしております技術者がタバコの鑑定をいたす、それによって今後の技術指導に役立たせるというのを建前にいたしております。従って出張所所在の者がその鑑定に従事いたしておりますが、もしただいまお話になった疑惑を受ける者がございますれば、もちろんこれは十分調査いたしまして、適当の処置をいたしますはもちろん、鑑定に従事いたします等の措置にいたしましても、十分誤解を受けることのないように努めたいと考えております。
○青野委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 総裁に伺いますが、あなたの方で専売納付金を二十九年度分、三十年度分、三十一年度分について何ほど納付したかどうか、そのうち国庫余裕金を借り入れたものがあればその金額、それを一つ明らかにしていただきたい。ただしちょっと注文しておきますが、時間もありませんし、きょうは全部済ますわけでもございませんので、簡潔に御答弁願いたいと思います。
○松隈説明員 お答え申し上げます。専売納付金は、昭和二十九年度は千五百二十億八千八百万円、三十年度は千四百七十億円、三十一年度の決算は千百四十二億一千百万円、三十二年度の予算はたしか千八十億円になっております。
○吉田(賢)委員 国庫余裕金の借り入れの願面は……。
○松隈説明員 借入金ですか。
○吉田(賢)委員 そうです。
○石田説明員 年度当初は借入金がございますが、年度内に返還してしまいますので、現在はたしか百億円くらいかと思います。
○吉田(賢)委員 そんなことを聞いているのでなしに、各年度国庫余裕金を何ほど借りたか、それをおっしゃっていただきたい。
○石田説明員 ただいまその数字を持っておりませんので、いずれ後ほど提出いたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 こういう問題は非常に重要なことであって、何も細部にわたる問題でなくていいのでありますから、私から御指摘申し上げますが、二十九年分については百八十億円、三十年度分については四百億円、三十一年度分については五百十億円と漸増の趨勢をたどっておりますが、これは事実間違いないのですか。総裁こういうことを御承知ないのですか。
○松隈説明員 大体ただいま御指摘のように、専売納付金を事業年度の済んだ直後に納めますが、御承知かと思うのでありますが、専売納付金の計算というものが、決算上の純益のうちのたなおろし資産の増というようなものまで計算されまするので、ちょうど普通の法人の場合に、利益が必ずしも現金の販売差益だけが利益になら正す、商品、製品の増加も利益になっておるというような会社においては、利益は出ておるけれども、納付すべき税金は銀行から借りないと払えない。こういう状態があるわけでありますが、専売公社にもそれと似たような事情が納付金の計算の仕方と現金勘定との間にございますので、年度初めにある程度の国庫余裕金を借り入れをして、それをその後の月において漸次返していく。ただ残念ながら最近の年度においては、年度初めの借入金額が漸増の傾向にあるということは御指摘の通りであります。
○吉田(賢)委員 いずれにいたしましても国庫への専売納付金を日銀から金を借り出して納めるということは、これは健全な状態でないようにわれわれは感ずるのであります。もう一つ二十九年度が百八十億円で、その翌年度が四百億円、その翌年度が五百十億円に逐次増加しておるという状態でありますが、その原因を端的に説明してもらえば何でしょうか。
○松隈説明員 ただいま日銀から借りるというお話がありましたが、これは日銀からの借り入れではなくて、国庫からの借り入れということになっております。
 それから先ほどお話が出たのでありますが、葉タバコが毎年増産になります。できた葉タバコは全部これを買い取る、こういう建前になっておりますので、それだけ在庫がふえる、こういうことも借入金を増しておる原因としては大きいと思っております。
○吉田(賢)委員 国庫の金であることは申すまでもありませんが、国庫は自分で手持ちしておりませんので、日銀にあるのでありますから、省略して日銀と私は申し上げたのであります。
 大蔵省次官にお伺いいたしますが、日銀の国庫余裕金と称するものは、これはどういう基準で、借り主、用途はどういうところへなら、は貸してもよい、金利をとるとか、とらぬとかいうことはどういう基準をもってこれを行なっておるのかどうか、これを一つ説明してもらいたい。これは大臣に聞こうと思ったのですが、あなたが出ておられるからあなたにお伺いしますが、いかがですか、御都合によりましてまた別に聞きます。突然のことで御迷惑かと思いますがお伺いいたします。
○坊政府委員 ただいまの吉田委員の御質問でありますが、私まだ正確にはその件について調べておりません。ただ専売公社が借りるというものは無利子で貸しております。どういうところへは貸している、どういうところへは無利子であり、どういうところへは利子をとるということについてはただいまのところ調べておりませんので、正確にお答え申すことはできません。もし御必要でありましたならば、追って調査の上御答弁申し上げます。
○吉田(賢)委員 それではその点は御調査の上方針なり基準なりないしは具体的な実情を明らかにしたいと思いますから、資料としてまず出してもらう、それは過去三年間さかのぼりまして、現在に至るまでの国庫余裕金のあり方、数字、それからその貸し出した先、それから金額、期間、金利の有無、用途、こういうものを数字と説明を添付したものを資料として当委員会に出すことをお願いいたします。これはすぐに出ると思いますが、すぐに出せますか。
○坊政府委員 御要求の資料はできるだけすみやかに御提出いたすつもりでございます。
○吉田(賢)委員 それから総裁は、山田委員の質問に対しましての御答弁で、余剰農産物の受け入れについては、葉タバコの輸入はないような御説明がありました。山田委員の質問は将来のことを聞いているんじゃないのであります。現在及び過去の実績を聞いておるのであります。それをあなたは将来のことのような御答弁になっておりましたが、趣旨は将来のことでないと私は考える。今日まで、三十年度におきましても、三十一年度におきましても、相当量の余剰農産物の受け入れとして輸入しておるはずでありまするが、これは御訂正になるのですか、それともあらためて御説明されますか、その点どうですか。
○松隈説明員 先ほど山田委員からのお尋ねは、私は本年度について余剰農産物の受け入れが問題になっておるというふうに解して、従って目下のところそういう問題は起っておらない。それから先ほど申し上げたように、葉タバコ増産の傾向の結果、来年度において農民に無理でも減反をお願いしているというような関係上、余剰農産物としての葉タバコの受け入ればないであろう、こういうふうに申し上げたのでありますが、過去におきましては、すでに御承知と思いますが、余剰農産物として米国から葉タバコを受け入れております。昭和三十年度には三百万キロ、金額で十九億二千万円、三十一年度は百四十三万キロ、金額で十億一千九百万円、こういう数字になっております。
○吉田(賢)委員 将来の問題につきましては、余剰農産物の受け入れ問題は、河野氏が交渉しましたやつが頓挫しておるやに聞いておりますので、これは将来のことにいたしましょう。しかし交渉といたしましては、やはり過去と同じように内容には盛ってあったものだと思うのですが、その点どうなんですか。
○松隈説明員 今のところ入っておりませんし、私の公社の方からも、先ほど来申し上げたような葉タバコ生産状況でありまするので、入れないようにということを連絡してあるような状態であります。
○吉田(賢)委員 過去におきまして、二十八、九、三十、三十一年でよろしゅうございますが、輸入葉タバコの総量、それからその代金、こまかい数字はよろしゅうございますが、その概略の数字はどういうふうになっておりますか。どこか数字を説明して下さい。
○石田説明員 数字の問題でございますので私から申し上げます。
 昭和三十年度、輸入が千百三十五万七千キロ、金額にいたしまして四十七億一千二百万円、それから二十九年度が五百八十七万五千キロ、金額にいたしまして二十五億四千百万円、二十八年度が八百六十八万九千キロ、金額にいたしまして四十二億二千七百万円、二十七年度が千二百五十万八千キロ、金額にいたしまして五十八億三百万円、二十六年度が百六十七万四千キロ、金額にいたしまして七億二千五百万円、こういう状況でございます。
○吉田(賢)委員 他の委員の希望もありますし、そういうのは数字ですから、一つ資料として出して下さい。
 それからなおこの機会にちょっと一点だけこれに関連して聞いておきますが、納付金を納付するのに、国庫金を借りなくちやならぬような状態であることは、国民はおそらく知らないだろうと思います。これが法律に適当するのかどうかということは、これは問題は別といたしまして、いずれにしましても、そういうときには輸入棄タバコ等の問題についても、相当考慮することが必要であろうと思う。本年度における余剰農産物の対米交渉において、これを入れないというあなたの要望を当局にしておったことを今聞いたのでありますが、毎年数百億円の金を借らなければ納付金ができないような実情にあって、それで毎年葉タバコを今御説明のようにいろいろな国から、アメリカその他から入れておるというような実情は、これは一体どういうものだろうか。もっと早くその辺は規制して、そうして健全な状態になすべきであったのじゃなかったか。現在ずいぶんと倉庫に葉タバコが充満しているという御説明もあるわけなんだが、ともかくその状態はどうも正常でないと私は見る、一つの圧迫の因は輸入タバコにあるのじゃないか、こう思うのです。過去においてそういうことを全然反省しなかったということはどういうわけなんだろうか、これについてあなたのお考えだけを聞いておきます。その余についてはまた追って伺います。
○松隈説明員 外国葉タバコを入れないで済めばそれに越したことはないので、公社としてはできるだけ内地産の葉タバコでたばこを作って参りたい、こういう考えは持っております。ただ御承知の通り、日本の葉タバコは気候、風土の関係で中性的になりがちであります。従って特殊のかおりと味をつけますためには外国産の葉タバコを入れて、それを葉組みにまぜて使わないというと上級品のたばこはできない。ピースは世界的標準だということをいって公社は売っておりますが、あの中に使っておる外国葉タバコを節約いたしますると、とたんに品質が悪くなったという攻撃を受けて、また十本四十円では売れぬ、こういうことになってしまいますので、これはやむを得ざる政策として外国葉タバコを輸入しておりますので、できるだけ少く使って目的を達するようにということは心がけております。技術的にも、たとえば黄色種をアメリカの種を輸入して内地で栽培いたしましても、やはり風土、気候の関係でじきに日本化してしまう、こういうことで、もっと技術の研究が進んだらば、内地で向うと同じようなものができるのじゃないかということを事務側の方は技術者に要求するのでありますけれども、現地問題としてはなかなかそこまでの改良ができておらぬ。従って最小限度上級たばこに入れまする外国葉タバコの輸入は当分免れない、こういうわけでございます。
○吉田(賢)委員 残余は次の機会にしたいと思います。
○青野委員長 それでは以上をもって専売公社関係の質疑を本日のところは一応終了いたしますが、最後に幸い専売公社の松隈総裁以下幹部がおいでになっておりますので、委員長からも特に要求しておきますが、先ほどお聞きの通り、山田委員から取扱局、メーカーその他その内容について、吉田委員からは三年間にまたがる財務処理、それから定款その他の資料を御要求になっておりますので、その御要求の趣旨は委員長においても妥当と認めますので、すみやかに正確な資料を当委員会に御提出に相なるように私からも希望しておきます。
    ―――――――――――――
○青野委員長 次に日本電信電話公社関係につきまして審査を進めます。
 それでは昭和三十年蹟決算検査報告三四三ページより三五六ページに至る報告番号二一七五ないし二一八二につきましてまず会計検査院当局の説明を聴取いたします。上村第五局長。
○上村会計検査院説明員 三十年度の電電公社関係の検査報告に記載しました不当事項は、工事と物件と合せて五件でございまして、そのほかに不正行為が三件ございまして、総体で八件になっております。二十九年度の数からいたしますと相当数減っておる状況であります。
 まず最初に工事から勧説明いたします。二一七五号から二一七七号の三件でございまして、まず二一七五号でございますが、これは工事の設計に当りまして関連部門間の連絡を欠いたため不経済となったものでありまして、近畿電気通信局大阪管理部で、城東分局加入者新増設工事を千六百九十四万円で施行しておられますが、この工事は二十八年八月の電話局設置計画に基いて行われたものでありますが、この計画はその後すでに二十九年八月に変更せられていたものでありますのに、連絡不十分のために前の計画で実施せられましたため、約四百三十万円が不経済になっておるのであります。
 二一七六号は、予定価格の積算の問題でありまして、東北電気通信局で折爪極超短波無線中継所道路新設工事その他工事を三千六百万円で請け負わせておられますが、この予定価格の積算に当りまして、道路に敷く砂利をすべてふもとから人力で山に運搬するということで積算しておられますが、現実の状況等から見まして車両運搬が可能でありますので、これによって積算すべきものでございまして、そういたしますれば約五百八十万円が安くて済んだという事態でございます。
 次は契約方法が適切でなかったものでございますが、これは黒石ほか八中継所の無線新増設工事を総額五千三十余万円で請け負わせておられますが、この予定価格の積算におきまして、機材の運搬費につきましてすべて人力または馬ぞりで運搬するということにしておられます。これは機材を運びます運搬道路がないという点と、積雪期に入るというような点を考慮して積算されたのでありますが、実際は機材を運びます道路は、別途にすでにこの工事が着手されるころにはおおむね完成することになっておりましたし、また雪の点についてもそれほど車両運搬が不可能とも思えませんので、車両運搬で積算するのが適当であったと思われます。かりに車両運搬で積算しないにいたしましても、車両運搬と人力または馬そりによる場合とでは相当に開きがありますので、やってみた結果におきまして価格を改訂するというような措置がとられてあったならば、相当節約できたものでございまして、実際に車両運搬にいたしましたものによって計算いたしましても、約三百五十万円が節約できたものであります。
 次は物件の二件でございまして、二一七八号は、自動交換機部品を高価に購入したものでございまして、富士通信機製造株式会社から日型自動交換機部品を六千五百余万円で職人しておられますが、これは昔からの古い価格を引き続いて決定されたものでありますが、検査院におきまして、このうち年間購入額が五十万円以上のものについて所要材料、工数等を会社におきまして調査いたしまして公社におきまする原価計算基準によりまして計算いたしますと、約千百万円が高価になっている事態でございます。
 次は二一七九号でございまして、ケーブルリングの購入に当りまして主要材料の価格の積算が妥当でなかったために、約九百七十万円が高価になっている事態でございます。予定価格の点につきましては、二十九年度は相当ございましたが、その後におきまして公社において原価計算課を設けるなどいたしまして相当努力されておりますが、なお全体的には全部の原価計算が行われるまでには至っておりません。
 最後に不正行為三件がございますが、別に説明する点はございません。甲なお初めの方に概括に記述いたしまして一般的のことのほかに、資金につきまして、当初の計画より相当資金事情がよくなったという点と、固定資産の経理におきまして、資産を削除いたします場合の経理の取扱い方が二十九年度と三十年度と異なっているというような点が記述してございます。
 以上説明を終ります。
○青野委員長 上村局長の説明は終りました。
 次に公社当局において説明があればこれを許します。
○靱説明員 総裁が現在外国出張中でございますので、三十年度検査報告に関しまして、電電公社からの説明を副総裁の靭が申し上げます。三十年度の当公社の事業収入は、電話加入者数の増加に伴う増収と、サービスの向上改善に努めましたことが、経済事情の好転と相持って、全般的に利用度の増加をもたらしました結果、前年度に比べて若干の純益増をあげることができた次第でございます。しかしながら今後の見通しを大まかに申し上げますと、財産除却費、減価償却費等が、施設の取りかえや増加に伴いまして増大して参りますのと、施設の拡張、改良に伴う電信電話債券利子の支払いも増加してきますので、現在程度の利益率の維持については、かなり懸念もございますが、今後も一そう経営の改善と合理化に努力する所存でございます。
 本年度検査報告で御指摘を受けました事項は、不当事項五件、不正行為三件でございまして、前年度より件数は少くなった次第でございますが、なおこれらの事項の指摘を受けましたことにつきましては、今後とも事業成績の向上につきまして一そう努力いたしまして、今後改善いたしたいと考えております。
 次に建設工事は、電信電話拡充五カ年計画の第三年度として、工事計画達成のため総力をあげて努力いたしました結果、検査報告に記載の通り順調な進捗を示し、当初の計画を遂行することができた次第でございます。
    〔委員長退席、山本(猛)委員長代理着席〕
ことに加入申し込みの早期開通につきましては極力努力いたしてきたところでありまして、三十年度末までに、加入者開通四十二万名の計画に対し、六十二万余名の実績を上げることができた次第でございます。これについては今後とも一そう努力を傾注いたしまして国民の期待に沿いたい所存でございます。しかしながら、個々の工事のやり方なり内容につきましては、不当事項で御指摘の例のごとくまずい点もありますので、この点につきましては私ども十分反省をいたしたいと存じております。
 今後の事業経営の根幹は、この建設工事をいかに経済的に計画し、能率的に実施するかにあると思われますので、今後経営の重点をこの点に集中する考えでございます。今回御指摘を受けました事項は、工事設計に当って部内の連絡が不十分であったもの、あるいは工事現場の実情を十分把握していなかったものなどでありまして、このような事態を生じたことは、まことに遺憾に存じている次第でありますが、今後はこのような事例のないよう関係者に厳達し、そうの改善をはかる所存でございます。
 次に資材の調達管理及び運用についてでありますが、ここ数年来極力改善に努力して参りました結果、検査報告に記載の通り、貯蔵品在庫量の減少、回転率の向上等、資材業務については相当成果を上げることができた次第でございます。しかしながら、通信資材の購入価格につきましては、一部適正原価の把握が不十分で、御指摘のような事例が生じましたことは、まことに遺憾とするところでございます。何分通信資材は三万余点に及ぶ多種多様のものがありますので、これらの適正価格を適時に的確に把握することは非常に困難な状況であったのでありますが、当公社といたしましても三十年八月、資材局に原価調査課を設けて専門に調査改善に当らせている次第でございますので、御了承をお願いいたします。
 最後に不正行為についてでありますが、このような事故が職員のうちより生じましたことは、まことに申しわけございません。本人に対しましては懲戒免職、監督者に対しましては厳重に処分をいたしましたとともに、損害額の回収につきましても鋭意努力中でございます。当公社におきましては、内部監査をひんぱんに実施いたしますとともに、監督者に対しましても自治検査を励行するよう指導し、あわせて防止策を強化いたしました結果、前年度に比してかなりの効果を上げたような次第でございます。また内部監査制度を強化するために、三十一年五月から従来の会計監査、業務監察を統合して監査局を設立いたしましたなど、機構の整備拡充をはかりまして、綱紀の粛正、事故の早期発見と事前防止に努力いたしている次第でございまして、今後とも一そうこの面に力を入れて、事故の絶滅をはかっていくつもりでございます。
 はなはだ簡単でございましたが、概略を御説明申し上げました。どうぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○山本(猛)委員長代理 それでは質疑に入ります。吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 きょうはごく簡単に一、二の点だけ伺っておきまして、残余の質問は次会に譲ります。
 まず御報告を聞いたのですが、いつぞや都内の青山の局舎の件につきまして、私も実地調査をして、あの膨大な建物が新築せられて、三階以上が娯楽場に使われておった、こういう事実があって、その点は強く当時の総裁だったかに御質問申し上げたのでありますが、その後その状態は改善されたかどうか、ちょっと簡単に述べておいて下さい。
○靱説明員 当時御指摘のように、あの使用につきまして、まずい点につきまして十分御注意を受けまして、その後電話の施設等に現在利用いたしております。
○吉田(賢)委員 そこで次会のために、まず資料を要求しておきたいと思いますが、あなたの方で全国的に、電話の架設につきまして地元の負担を要請をしておられますけれども、これにつきまして金額あるいは引受債の割当の状況、あるいは何か内規までできておるようでありますが、その基準になるようなもの、これは簡単なものでありますから、ぜひお出しを願いたいと思います。
 それからもう一つ、電話加入者の受益者、個人の分につきまして、これはちょっとわからぬのですが、これも地域的に、これは引受債の金額をお教え願う意味で資料として出していただきたいと思います。
 そこで伺ってみたいのですが、あなたの方の御説明では、あるいは検査院の御指摘等にも現われておりますですが、電話事業というものが大へんもうかるような傾向に見えるのであります。これは経済界の好況等の反映、需要増加等、そういうところからくるのかもわかりませんが、私ども端的に、常識的に言えば、やはり電話のようなものは貴重な通信機関というのじやなしに、もっとだれでもたやすく安易に近寄れるような方法、たとえば公衆電話は今大へん好評のようでありますので、こういうように個々の個人が利用できるようにどう上てならぬものであろうか、こういうことをかねがね、感じておるのでありますが、そういう点から見まして、あなたの方の電話事業というものが相当の利益を上げておる、これを利用の普遍化という方面に力を入れる、重点を置くという方向へ予算計画なり財政の実行をやれないものであろうか、こういうことを私は根本に感じておるのでありますが、これはだんだんとお尋ねしていかぬと、果して私の考えが適切であるのかどうかわかりませんが、どうもそういうことを感じるのです。そこで資金関係においても、ダブついても金を受け入れるというような傾向はないものであろうか。これはやはり外部資金を重視しない、軽視する考え方が根本にあるのじゃなかろうか。外部資金が相当な率になっておることにかんがみたときに、電話を高貴な通信機関のように扱われて、大きな金をもってかからなければ電話の持ち主になれぬ、従っていなかにおきましては電話を名刺に書いたり、広告に書くことが、一つの誇りになる――誇りと言うと語弊がありますが、一つの信用の基準になる。あの商店は電話もないのだ、こういうことになるわけであります。こういう点から考えてみますと、資金に対する考え方も、相当厳格にお考え願わなければいかぬ。あるいは予算の流用について同様に考える。
    〔山本(猛)委員長代理退席、委員
  長着席〕
 そこでまず資金の点でありますが、検査院指摘の三四四ページによりますと、三十年度の資金計画において、景気の変動の影響等による自己資金の増加、貯蔵品購買費の減少、こういうことのために、計画に比べて著しく余裕ができた。余裕ができたにかかわらず、なお公募債の発行の残額の三十二億五千万円を年度末において発行しておる。余裕があるのならば、公募債を発行しなくてもいいのじゃなかろうか。公募債を発行すれば金利もつくだろうと思う。余裕があれば公募債は発行をしない。もし発行してその金が必要だとするなら、もっと利用者の負担が軽くなるようなふうに考慮しないのだろうか。負担は全然軽くもならぬ。他の方面に利用なさる。金は余っておる。予算よりもずっと余ってきた。にもかかわらずまだ金利の要る金を借る、こういう状態は健全な状態と言い得るだろうかと思うのだが、この点についてどうお考えになるのですか。
○靱説明員 ただいま電話のあり方につきましての吉田委員の御指摘になった点は、私どもも全く同感でございます。電話を特殊なものとしないで、もっともっと一般的に普遍的に電話がつくような状態にしなければならぬ、こういう点について全く同感でございまして、公社といたしましては発足早た五カ年計画を立てまして、その方向でやって参って、本年度が一応五カ年計画の最終年度に当っているわけでございます。しかしながら非常に需要が多くて、現在直接申し込まれた、すなわちもうあすにでもつけてもらいたいということで申し込みになったその需要に対して三〇%しか年々、この五カ年間幾らやりましても充足できないのが現状でございます。
 そこで簡単にということで結論的に申し上げますと、三十年度におきまして確かに予定より上回ります業績があった、これは先ほど御説明いたした通りでございます。二十九年度におきましては実はデフレの関係で予定収入をうんと割ったのでありますが、景気の回復によりまして三十年度は非常に予想以上に入ってきた。そういうような場合において公募債券等を取るということは利子もつくしまずいじゃないか、この点につきましても全く私ども御説の通りだと存じますが、実はこの五カ年計画におきましても、予算に見込まれました公募債券がその通り実行できましたのは三十年度だけでございます。二十九年度は予定が七十億という公募社債を国会の御審議を得ておったのですが、デフレで四十二億に削られた。実は本年度もそういう状況になっておるわけでございます。そういうことでございまして、どうもこの公募社債というものが電電公社の現状におきましては、会社等におきまして社債を募集する場合とは違いまして、何か財政投融資の一環として行われる。従いまして景気の変動等に対処して、あるいは財政政策によって、せっかく設備はもっとしなければならぬ、それでも政府の方針によりましてはそれをさらに縮小される、こういうような経験があるのでございまして、私どもとしては予算でもらいました公募社債というものは何とか確保していきたいというのが、現在でも念願しているところでございますが、大体この公社の五カ年計画の実績を見てみますと、公募債券に仰ぐ点というものは非常に圧縮されまして、結局は加入者の御負担を願う、あるいは社債を、加入電話をたくさんつけることによりまして得てくる。もう一つはできるだけ節約し、できるだけ電話を早く開通して、要するに収入のあるものを早く開設いたしまして料金収入を得る、こういうことでつじつまを合せてやって参っておるというような次第でございまして、御説の通り金の余裕があるときに募集するのはおかしいじゃないかとおつしゃられればその通りでございますが、私どもは実はこの五カ年間に二千七百余りの、全体の電信電話事業投資を計画いたしまして、日本の電話歴史においては初めてそれにほぼ該当する能率をこの五カ年間にやり遂げることができるということになった次第でございます。そこでそういうふうに多少利息はもちろんかかるのでございますが、私どもはどうしても翌年度の計画という場合におきましては、余った資金というものは全部また政府の予算の際には建設資金として考えられる。それだけできるだけ公募債券が抑えられる、こういう形になるわけなんですが、五カ年間全体を通して御説明申し上げますれば、決して外部資金は潤沢でなかったのです。私ども、ただいまおっしゃいましたように、もっともっと普及するというところに留意いたしたい。これは私ども日本の電話というものは、ともかく戦前から非常に立ちおくれている。これは非常な経済的手段であるにかかわらず、何かぜいたく品のように思われておったというような点を今後において取り返したいということでやつて参りましたが、三十年度はようやく外部資金をそのまま確保して、あとの面は全国とも全部縮小されたりしておるような次第でございます。そこでこれらをもう少し、利益があったら要するに普遍化のためにあるいは電話をもっと安くする方に使えないかという御意見でございましたが、私どもそれだけを切り離してそういうふうに使うということでなく、この計画を全体的に――この第一次五カ年計画につきましては、何と申しましても戦災都市、大都市をまず優先的にやるというような方向で動いてきたことは事実でございますが、さらに三十一年度、三十二年度におきまして、農村等の電話、こういうものに対しましても、あるいは町村合併に伴うところの電話の改善あるいは無電話村の解消、こういうところにおきましては事実赤字でございますが、そういう方面にかなり予算を持っていくというような形でその後はやって参ったのでございます。今後もその計画でやって参りたい、こういうような考えに立っております。
○吉田(賢)委員 あなた方は中央の幹部室におられて、詳しい実情は切実にお感じにならぬのだけれども、ともかく日本の電話事業というものが独占的な公共企業体によって行われて、そうして国民は実に不便を感じている。ことに農村たたとおっしゃるけれども、無電話の農村なんかもずいぶんあります。ずいぶんありますが、それは需要が少いから赤字だからやらぬというのかもしれぬけれども、国全体がら見れは、もうかるところだけやるという考え方ならば、極端にいうなら、そんな公社は少し考え方を変えてもらいたい。なぜならば、国民へのサービスなんです。国民へのサービスをやっているはずなのであって、営利会社ではないのですから、都市中心、大都市中心――大都市でも三割しか需要に応ぜられない、これはけっこうであ、ますけれども、そういう辺は必ずしも公平なサービスを行われておらぬのです。でありまするので、国会では腰低く御説明になるけれども、ともかく電電公社というのは王者のような権威をもって国民に臨んでおるんですよ。そういう感じを受けているんですよ。そういうこともやはり考えておかなくちやいかぬのです。そこで、たとえばあなたは余裕金があれば建設の方へ回すとおっしゃるけれども、建設資金が他に流用されている実情が相当あると思うのですが、その点はどうなのですか。
○靱説明員 今御津意を受けました電電公社はもうかるところばかりやっている、こういう点につきましては、第一次五カ年計画の前半におきましては、非常に早く整備しなければならぬ都市を中心にいたしまして、その後全国的なバランスをできるだけ考えるということでやって参りましたが、何分にも各方面に設備の整備、改憲を要する点が非常に多かったものでございますから、結果的にはやはり御指摘のように地方におきましてのバランスというものは必ずしもとれていなかった。それを是正するために、最近におきましてそういう政策を立てておる次第でございます。ただもうかるところだけやればいいというような考えは毛頭ないのでございます。今後さらに御注意の点は私ども考えていかなければならぬと存じます。そこで建設資金を他に流用しておるのではないかというような御指摘でございましたが、この点につきましては若干厚生施設等につきまして、たとえば住宅というようなもの、こういうようなものにつきまして予算を上回って実行している点はございます。
○吉田(賢)委員 その点は非常に大事な点であるのでありますが、住宅などにとおっしゃるけれども、これは国民としましては、たとえばあなたが直営している病院があるでしょう。東京に五反田でやっている病院がある。これはおそらくは日本一の病院です。きょうは厚生省にそんなに入れなかったのですが、実は比較して伺ってみたかったのです。あなたは御承知かもしれぬけれども、同じ国営もしくは国営に準ずる公共企業体の病院、厚生省の所管に属する結核患者を収容している国立病院のごとぎには、たとえば患者が適当な飲料用水その他の用水が得られないで、悪い条件のときには同じ洗面器で、わりかの水で二度も洗わなければならぬような設備の悪い、サービスの不良なものがあるんですよ。あなたの方の病院は日本一との折紙をつけられたようであります。われわれは日本一の病院芝作っていただくことはけっこうと思います。望ましいことなんだけれども、資金が余っているからといってそういうどころへ金を流用する。これは違法にならぬから流用するんだというような考え方のその根本には、電電公社が何か絶対的の権者の地位に立って、莫大に外部資金を集めて、外部資金た出さなければ電話を引いてやらないという考えがあるんだ。引いてもらう人は、東京都においては三割しか需要に応じられないのだから、手を合せているだろうと思います。公社にはサービス機関というような考え方は毛頭ない。よい条件のところにはできるだけ作ってやるという考え方が根本にある。そこへ持ってきて資金が余っておっても、公募債の場合は数十億円の資金をざらに導入する。そういうふうにすること自体が予算の適正な使用を行なっていない。国家財政のあらゆる部門をできるだけ公平に推進していくための協力態勢が私はなければならぬと思うのです。これは一々事実を指摘して問答すれば幾らでも材料はあるわけなんです。あなたの方は住宅た為とおっしゃっておりました。往宅もけっこうです。住宅難のときだから、従業員のために住宅を作ってやるということはできるだけしてもらわなければならぬ。けれども予算の流用につきましては、法律に違反しないんだからというので、莫大な流用をどんどんやって、実行予算と国会に出す予算案に大きな開きができることは遺憾である。こういう点はかんがみまして、私どもはその点は相当規正をしてもらわなければならぬと思う。そういう意味でお尋ねしておったのです。何も病院を悪くしなさいと言うのじゃないのです。けれども実例をあげたらそういうふうになります。よそと比較すれば、一部の人だけがサービスを受けることになるのです。これは大事な問題です。あなたの方が営利会社ならこんなことを質問もできないし、こんなことを言う筋はごうもないのです。けれども電電公社は営利会社じゃない。郵政事業からもうかる事業だけを切り離したのかもしれませんけれども、地方の郵政事業の方を見てごらんなさい。特定局その他の郵便局などで女の子が結核になって、どこかそこらの病院に委託して入院させているような実例も多たあるわけですよ。そういうことをお考えになると、どこかに私は財政執行の上の根本の考え方において間違っている点があるのではないかと思うのでお伺いしたのであります。そういう点は準備していろいろと質問をしますから、あなたの方も準備してもらいたいと思うのです。よろしゅうございますか。
○靱説明員 私の御説明がまずかったと思いますが、決して利益があるからどんどんよそへ流用したという意味合いで申し上げたのではないのでありまして、予算通りに厚生施設等をやっているかという点につきましては、若干予算以上に上回ってやっているということをお答えいたしました。今吉田委員のおっしゃった考え方につきましては、私ども決してそれに対して別な意見を持っているわけではないのでございます。何分にも多数の職員もおりますし、また予算に確定しました開通工程等につきまして実行上これを縮めるというようなことは毛頭なく、もっとたくさん増して参ってきております。職員の努力に対しましても、若干厚生施設の充実等も考えた次第ございますが、具体的に、次にまた御質問いただくというお話でございますので、私どもその資料を用意さしていただきたいと存じます。
○青野委員長 それでは以上をもちまして日本電信電話公社関係の質疑は本日のところは一応この程度といたします。
 発言の通告がありますのでこれを許します。山本君。
○山本(猛)委員 次期委員会に国政調査に必要な事項に関しまして委員長に要請をいたします。
 関連いたします役所の責任者に次期委員会に出席を求めてほしい。国政調査に供します事項は、かねて当委員会でしばしば問題となりました重大案件でございます黄変米に関してでございます。この黄変米の在庫数量を時期別に調べてみますと、昭和三十一年四月一日現在で十二万九千トン、昭和三十二年四月一日現在で十万七千トン、またきわめて近接いたしました昭和三十二年八月末現在で七力五千トンに相なっております。このうち三十二年四月一日現在の十万七千トンから三十二年八月末現在の七万五千トンという数字を引きまして、この間の三万三千トンなるものは不当に横流しをされた、あるいはまた不当に安い価格をもってアルコールに売却をしたのではないかというような情報がひんぴんとして伝えられております。また重大問題としては、人に害悪を与えますこの種の黄変菌のまじったものを食用に売却した事実があるとさえ伝えられております。かようことはそのままに捨ておけないことでございますので、当問題に関しまして出席者を要請いたします。
 まず農林省から農林大臣、食糧庁長官、所管の当該課長。厚生省から厚生大臣、公衆衛生局長、これらが出席をされるように委員長において取り計らわれたいのでございます。
 もう一件、現在各大学の医学部あるいは医科大学等できめられております入学生のワクは御承知の通り国家試験等ともにらみ合せましてきわめて僅少の数字に限られておりますが、近時におきましては無医村等もあり、また東南アジア方面に日本の医学技術を取り入れたいという要請もしきりに伝えられるようになって参りましたので、これら医科大学における医学生のワクをふやす用意があるかないか、こういう点につきましても重大なる案件だと思いますので、国政調査の必要上、次期委員会において関係方面の出席者を要請する次第であります。まず文部省から文部大臣、大学学術局長、厚生省から厚生大臣、医務局長等を次の当委員会に出席するように委員長から要請されたい、以上であります。
○吉田(賢)委員 この次は農林省一本にしていただいた方が適当じゃないかと思います。それと、不当に横流ししたということでありましたら、過去幾たびかの決議に反することで重大なことだと思いますので、やはり刑事局員長も一緒にきてもらいたいと思います。
○山本(猛)委員 なお付帯して、黄変米関係でもう二人お願いをいたしたい。それは、国立衛生試験所池田良雄医宇博士、それから食糧研究部の角田広医学博士、この両名を追加して当委員会に出席するよう要請せられたい。以上です。
○青野委員長 委員長においては、ただいまの山本委員からの御要求には異議はありませんが、理事会等を通じて相談し、委員長において適宜取り計らいます。
 次会は公報をもって御通知いたします。
 本日はこの程度にて散会いたします。
    午後一時二十三分散会