第028回国会 決算委員会 第9号
昭和三十三年二月二十五日(火曜日)
    午前十時二十六分開議
 出席委員
   委員長 坂本 泰良君
   理事 關谷 勝利君 理事 田中伊三次君
   理事 山本 猛夫君 理事 神近 市子君
   理事 吉田 賢一君
      辻  政信君    堀川 恭平君
      松岡 松平君    八木 一郎君
      青野 武一君    細田 綱吉君
      山田 長司君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
        運 輸 大 臣 中村三之丞君
        郵 政 大 臣 田中 角榮君
        国 務 大 臣 津島 壽一君
 出席政府委員
        防衛政務次官  小山 長規君
 委員外の出席者
        防衛庁事務官
        (調達実施本部
        長)      武内 征平君
        大蔵事務官
        (主計局司計課
        長)      柳沢 英蔵君
        会計検査院長  加藤  進君
        会計検査院事務
        総局次長    小峯 保栄君
        日本国有鉄道副
        総裁      小倉 俊夫君
        日本国有鉄道常
        務理事
        (経理局長)  久保 亀夫君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
二月十九日
 委員小川豊明君辞任につき、その補欠として上
 林與市郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
 委員細田綱吉君及び山田長司君辞任につき、そ
 の補欠として川村継義君及び小川豊明君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月二十五日
 委員加藤精三君、川村継義君及び小川豊明君辞
 任につき、その補欠として辻政信君、細田綱吉
 君及び山田長司君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 委員辻政信君委員辞任につき、その補欠として
 加藤精三君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月十八日
 昭和三十一年度一般会計予備費使用総調書(そ
 の2)
 昭和三十一年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の2)
 昭和三十一年度特別会計予算総則第十条に基く
 使用総調書
 昭和三十一年度特別会計予算総則第十一条に基
 く使用総調書
 昭和三十二年度一般会計予備費使用総調書(そ
 の一)
 昭和三十二年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の一)
 昭和三十二年度特別会計予算総則第十三条に基
 く使用総調書
 (承諾を求めるの件)
 昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和三十一年度国有財産無償貸付状況総計算書
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十一年度政府関係機関決算書
     ――――◇―――――
○坂本委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十一年度特別会計歳入歳出決算、昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和三十一年度政府関係機関決算書を議題に供し、審査に入ります。
 まず概要説明につきまして大蔵大臣より、日本専売公社決算書につきまして大蔵大臣より、日本国有鉄道決算書につきまして運輸大臣より、日本電信電話公社決算書につきましては郵政大臣よりそれぞれ説明を聴取することにいたします。一萬田大蔵大臣。
○一萬田国務大臣 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに、本国全会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和三十一年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いて参ったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては八百六十五件、是正事項につきましては二百六十三件に上る御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これにつきましては今後一そう経理の改善に努力を傾注いたしたい所存であります。
 以下決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。まず、一般会計におきましては、歳入の決算額は一兆二千三百二十五億円余、歳出の決算額は一兆六百九十二億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと千六百三十三億円余の剰余を生ずる計算であります。この剰余金から昭和三十二年度に繰り越しました歳出の財源に充てなければならない金額四百四十億円余及び前年度までの剰余金の使用残額百九十一億円余を差し引きますと千一億円余が昭和三十一年度新たに生じた純剰余金となるのであります。
 なお、右の剰余金千六百三十三億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち昭和三十二年席の歳入に繰り入れ済みであります。しかして、そのうち、昭和三十一年度新たに生じました純剰余金千一億円余から予算決算及び会計令の規定により地方交付税の算定の基礎となる所得税等の昭和三十一年度における収入額の一定の割合に相当する金額が、その予定をこえる額、揮発油税の昭和三十一年度における収入額が、同年度の道路整備費の歳出決算額をこえる額及び地方公共団体の負担金で昭和三十年度の事業にかかるものの額のうち昭和三十一年度内に収納された額の合計額百二十九億円余を控除した残額八百七十三億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては財政法第六条第一項の規定によりまして公債または借入金の償還財源に充てられるものであります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては予算額一兆八百九十六億円余に対して千四百二十八億円余の増加となるのでありますが、このうちには昭和三十年度剰余金の受け入れが予算額に比べて五百六十九億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと純然たる昭和三十一年度歳入の増加額は八百五十八億円余となるのであります。その内訳は租税及び印紙収入における増加額七百四億円余、専売納付金における増加額二十億円余、官業益金及び官業収入における減少額二億円余、政府資産整理収入における増加額三十億円余、雑収入における増加額百五億円余となっております。
 一方歳出につきましては予算額一兆八百九十六億円余に昭和三十年度一般会計からの繰越額三百七十八億円余を加えました予算現額一兆千二百七十四億円余から支出済み額一兆六百九十二億円余を差し引きますと、その差額は五百八十三億円余でありまして、そのうち翌年度に繰り越しました額は前述の通り四百四十億円余、不用額は百四十二億円余となっております。
 右の翌年度への繰越額のうち、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ、国会の議決を経、これに基いて翌年度へ繰り越しました金額は三百九十一億円余でありまして、その内訳のおもなものは防衛庁及び防衛庁施設費につきまして、調達計画の調整、試作研究及び規格の決定に不測の日数を要したため器材の調達及び製作が年度内に完了しなかったもの、艦船の設計及び搭載武器の供与に不測の日数を要したため艦船の建造が年度内に完了しなかったもの及び施設用地の選定、施設に対する補償の処理及び返還施設の接収解除に不測の日数を要したため工事が年度内に完了しなかったもの、防衛支出金につきまして、接収解除及び補償額の決定に不測の日数を要したこと、気象の関係により工事の施行に不測の日数を要したこと等のため工事が年度内に完了しなかったもの、道路事業費及び住宅施設費につきまして、施設用地の選定及び補償額の決定に不測の日数を要したこと、資材調達の遅延、設計の変更及び気象の関係により工事の施行に不測の日数を要したこと等のため工事が年度内に完了しなかったものであります。
 財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しました金額は四十二億円余でありまして、その内訳のおもなものは防衛庁施設費でありまして、補償額の決定等に不測の日数を要したこと、資材調達の遅延及び設計の変更により工事の施行に不測の日数を要したこと等のため工事が年度内に完了しなかったものであります。
 財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費の年割額を繰り越しました金額は五億円余でありまして、その内訳のおもなものは、雄物川総合開発事業費及び利根川外二河川総合開発事業費でありまして、設計の遅延により工事の着工がおくれたこと、気象の関係により工事の施行に不測の日数を要したこと等のため工事が年度内に完了しなかったものであります。
 次に不用額でありますが、その内訳のおもなものは、防衛庁の器材費等につきまして、部隊編成及び教育訓練計画の変更により燃料等を要することが少かったことにより不用となったもの五十三億円余、労働本省の失業対策事業費補助につきまして、失業対策事業への吸収人員が予定より少かったので失業対策事業費補助金を要することが少かったことにより不用となったもの十三億円余であります。
 次に予備費でありますが、昭和三十一年度一般会計における予備費の予算額は八十億円でありますが、その使用総額は七十九億円余であります。そのうち昭和三十一年十二月までの使用額五十六億円余につきましては第二十六回国会におきまして御承諾をいただいております。
 また、昭和三十三年一月から同年三月までの使用額二十三億円余につきましては、本国会に別途提出いたします予備費使用承諾案について御審議いただきますので、その費途及び金額につきましては説明を省略させていただきます。
 次に一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。財政法第十五条第一項の規定に基く国庫債務負担行為の権能額は二百二億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は百二十四億円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額五十五億円余を加え、昭和三十一年度中に支出その他の事由によって債務が消滅いたしました額十七億円余を差し引きました金額百六十二億円余が翌年度以降に繰り越されたこととなります。
 財政法第十五条第二項の規定に基く国庫債務負担行為の権能額は三十億円でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は九億四千万円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額四億三千万円余を加え、昭和三十一年度中に支出その他の事由によって債務が消滅いたしました額四億九千万円余を差し引きました金額八億八千万円余が翌年度以降に繰り越されたこととなります。
 次に昭和三十一年度特別会計の決算でありますが、これにつきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと思います。なお、同年度における特別会計の数は三十七でありまして、これら特別会計の歳入決算総額は二兆二千三百十四億円余、歳出決算総額は二兆七十四億円余であります。
 次に昭和三十一年度国税収納金整理資金の決算でありますが、この資金への収納済み額は九千六百十五億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は九千六百一億円余でありますので、十三億円余が昭和三十一年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかる還付金の支払い決定済み支払い命令未済のものであります。
 なお、この資金からの支払命令済み額及び歳入への組み入れ額のおもなものは還付金等の支払い命令済み額百十五億円余、還付加算金等の支払い命令済み額十億円余、一般会計の歳入への組み入れ額九千二百五十六億円余、交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入への組み入れ額二百十七億円余であります。
 次に昭和三十一年度政府関係機関の決算でありますが、日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社の決算の内容につきましては別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。また、百余の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 以上、昭和二十一年度一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の程お願いいたします。
 次に昭和三十一年度日本専売公社決算について御説明申し上げます。会計検査院の検査を経た日本専売公社の昭和三十一年度決算書を本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 まず、日本専売公社の昭和三十一年度の決算について御説明いたします。昭和三十一年度における収入済額は二千四百二十四億八千四百万円余支出済額は、千四百三十一億二千三百万円余でありまして、収入が支出を超過すること九百九十三億六千百万円余であります。
 また、昭和三十一年度の総収益二千四百二十六億二千八百万円余から総損失千二百六十九億四千九百万円余を控除した事業益金千百五十六億八千九百万円余から、日本専売公社法第四十三条の十三第二項の規定により積み立てる固定資産及び無形資産の増加額十四億七千七百万円余を控除して算出した専売納付金は千百四十二億一千百万円余でありますが、これはその予算額千百二十四億六千百万円余と比べますと、十七億五千万円余の増加となっております。
 以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたします。
 まず、収入の部におきましては、収入済額は、二千四百二十四億八千四百万円余でありますが、これは収入予算額二千四百三十四億五千万円余に対して、九億六千六百万円余の減少となっております。なお、この減少はたばこ事業収入におきまして、製造たばこ及び葉タバコ売払代が予定に達しなかった等のため、五億円余を減少し、塩事業におきまして、塩の売り渡し高が予定に達しなかった等のため、二億八千四百万円余を減少したこと等によるものであります。
 一方、支出の部におきましては支出予算現額は、支出予算額千四百十億四千七百万円余に前年度繰越額五十三億一千万円余を加えた千四百六十三億五千七百万円余でありますが、支出済額は、千四百三十一億二千三百万円余でありますので、差引三十二億三千四万円余の差額を生じました。この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は二十九億六千四百万円余不用となった額は、二億七千万円余であります。
 次に、昭和三十一年度において、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予備費を使用した額は、葉タバコ購入費の支払いのため十三億円であります。また、日本専売公社法第四十三条の二の規定により予算を流用した経費の額は、共葉巻臨時奨励金支払いのため、葉タバコ購入費から、共葉巻臨時奨励金へ流用した額九千八百万円余日本専売公社法第四十三条の二十一第二項の規定により職員に対し特別の給与支給のため、材料品費から、業績賞与へ流用した額一億六千八百万円、合計一億六千六百万円余であります。
 次に、昭和三十一年度における日本専売公社の債務に関する計算について御説明いたします。
 日本専売公社法第三十五条第一項の規定に基く昭和三十一年度の債務負担行為の限度額は塩事業費において、五十三億円でありますが、実際に負担した債務額は、五十一億五千三百万円余であります。
 次に、日本専売公社法第三十五条第二項の規定に基く昭和三十一年度の債務負担行為の限度額は、一億円でありますが、実際に負担した債務額はありません。
 また、日本専売公社法第四十三条の十四の規定に基く昭和三十一年度の短期借入金の最高限度額は、五百七十億円でありますが、実際に借り入れた額は、四百億円であり、これは昭和三十一年度内に償還し、翌年度へ繰り越した債務額はありません。
 なお、昭和三十一年度の日本専売公社の決算につきまして、会計検査院から、不当事項として指摘を受けたものはありません。
 以上、昭和三十一年度における日本専売公社の決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましてはさらに御質問の都度御説明申し上げたいと存じます。何とぞ、御審議のほど、御願いいたします。
○坂本委員長 次に日本国有鉄道決算書につきまして運輸大臣より説明を求めます。中村運輸大臣。
○中村国務大臣 昭和三十一年度日本国有鉄道決算書を会計検査院の決算検査報告とともに本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和三十一年度における日本国有鉄道の収入は、前年度から引き続いての、わが国経済の好況を反映して、輸送量が非常に増加したため、旅客、貨物収入とも予定を大幅に上回りました。
 一方、輸送量増加に伴う支出の増加もありましたが、日本国有鉄道は極力支出の節約に努め、経営の合理化をはかりましたので、損益計算上は百五十三億円余の赤字を生じましたが、前年度に比べて三十億円余も赤字が減少しております。
 以下決算の内容を勘定別に御説明申し上げます。損益勘定における収入済額は二千八百八十億円余、支出済額は二千八百八億円余でありまして、収入が支出を超過する額は、約七十二億円であります。これに収入済額に含まれていない損益計算上利益に属する固定資産への繰り入れ等八億円余及び支出済額に含まれているが損益計算上損失に属しない借入金等償還資金二十四億円余を加算するとともに、他方支出済額に含まれていない損益計算上損失に属する減価償却費予算超過額二百六億円余、固定資産除却等五十一億円余を減ずると本年度純損失は前述のように百五十三億円余となります。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額二千七百三十二億円余に対して約百四十八億円の増収となります。その内容は運輸収入において約百五十七億円の増収、雑収入において九億円余の減収となっております。他方支出におきましては、予算現額二千八百十二億円余から支出済額を差し引きますと、その差額は約四億円で、そのほとんどが翌年度への繰越額となっております。
 次に資本勘定における収入済額は六百十四億円余、支出済額は六百十三億円余でありまして、約一億円の収支差額を生じます。この差額は収入が予定より増加したためであります。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額六百十億円に対して約四億円の収入超過となります。これは鉄道債券の利用債による発行増約三億円及び資産充当による収入の増加約一億円があったためであります。一方、支出におきましては予算現額六百十三億円余との差額は一千万円余にすぎず、全額不用額となっております。
 最後に工事勘定における収入済み額は五百八十六億円余・支出済み額は五百八十六億円余でありまして、収支の差額は三千万円余のみであります。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては資本勘定からの受け入れが多かったため、予算額五百八十三億円余に対しまして、約三億円の増加となります。また、支出におきましては予算現額六百二十一億円余に対しまして約三十五億円の差額を生じます。この内容は翌年度への繰越額約三十四億円及び不用額約一億円であります。
 なお、昭和三十一年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項十六件、不正行為一件に上る御指摘を受けましたことは、種々事情が存するとはいえ、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに綱紀の粛正と予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督する考えであります。
 以上、昭和三十一年度の日本国有鉄道の決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。何とぞ、御審議のほどお願いいたします。
○坂本委員長 次に、日本電信電話公社決算書につきまして、郵政大臣より説明を求めます。田中郵政大臣。
○田中国務大臣 昭和三十一年度日本電信電話公社決算書類を会計検査院の検査報告とともに、第二十八回国会に提出いたしましたが、その大要を御説明申し上げます。
 昭和三十一年度における公社事業収入は予定収入をかなり大幅に上回ったのでありますが、これは施設の拡充、サービス分野における企業努力と相まって、経済界の好況に幸いされたためと考えられます。これに対しまして、事業支出の面におきましては合理的、能率的な業務運営がはかられ、経費の節減を見た結果、良好な経営状態を示したのでありまして、損益計算上、二百三十五億円弱の利益金を生じたのであります。また、建設勘定の支出額は、予算現額の九三%に当りまして、着々その成果を上げておりますが、かなりの未完成施設が持ち越されており、三十二年度におきまして、公社もその完成に一段の努力をしております。
 決算の内容について申し上げますと、損益勘定における事業収入の決算額は一千四百十四億円余、事業支出の決算額は一千百九十七億円弱でありまして、差引二戸十八億円弱の収支差額を生ずる計算であります。このうち、百九億円弱が資本勘定へ繰り入れられまして、債務償還および建設工事の財源に充当されております。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては予算額一千二百九十二億円余に対して、百二十一億円弱の増収となるのでありますが、その内訳は電話収入において百十二億円余の増、電信収入において五億円余の増、雑収入等において三億円余の増となっております。
 一方、支出におきましては、予算現額一千二百億円余から、支出済み額一千百九十七億円弱を差し引きますと、その差額は四億円弱でありまして、そのほとんどが不用額となっております。
 次に、建設勘定における収入の決算額は六百六十九億円弱、支出の決算額は六百六十四億円弱でありまして、差引五億円余の差額を生じたのでありますが、この差額は建設工程の翌年度への繰り延べ等があったために生じたものであります。
 以上の決算額を予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額五百五十五億円余に対して百十四億円弱の増加となるのでありますが、これは資本勘定よりの受け入れが多かったためで、その内訳は、減価償却引当金における増加額四十九億円弱、損益勘定収支差額の受け入れにおける減少額二十四億円余、資産充当における増加額九十三億円余、設備負担金における増加額五億円弱、電話設備負担金における増加額十一億円余、電信電話債券における減少額二十億円余となっております。
 支出の面におきましては、予算額五百五十五億円余に前年度からの繰越額四十五億円余、予算総則第二十二条及び第二十六条に基く弾力条項の発動による使用額八十九億円余等を加えました予算現額七百十二億円弱から支出済み額六百六十四億円弱を差し引きますと、その差額は四十八億円弱でありまして、このうち、建設工程の未竣工等によりまして、翌年度へ繰り越しました額は四十五億円弱、不用額は三億円余となっております。その他につきましては、公社の決算書によって御了承願いたいと存じます。
 なお、会計検査院から不当不正事項六件の御指摘を受けておりますが、これは件数におきましては、前年度に比し減少しておりますものの、まことに遺憾なことでございますので、公社を監督する立場にあります郵政大臣といたしましては、綱紀の粛正、経理事務の適正化につきましても、一そう意を用いてゆく所存でございます。
 以上、公社決算の概略を申し上げたのでございますが、詳細につきましては、さらに御質問をいただきまして、お答え申し上げたいと存じます。
○坂本委員長 それでは昭和三十一年度、決算検査報告書につきまして、会計検査院長より概要説明を求めます。加藤会計検査院長。
○加藤会計検査院説明員 御説明を申し上げます。
 昭和三十一年度歳入歳出決算は、三十二年十月二十六日内閣から送付を受け、その検査を了して、昭和三十一年度決算検査報告とともに三十二年十二月七日内閣に回付いたしました。
 昭和三十一年度の一般会計決算額は、歳入一兆二千三百二十五億余万円、歳出一兆六百九十二億余万円、各特別会計の決算額合計は、歳入二兆二千三百十四億余万円、歳出二兆七十四億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入三兆四千六百三十九億余万円、歳出三兆七百六十六億余万円となりますが、各会計間の重複額及び前年度剰余金受入などを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入二兆五千九十一億円、歳出二兆二千八百十七億円となり、前年度に比べますと、歳入において二千八百三十五億円、歳出において千百五十七億円の増加となっております。
 なお、国税収納金整理資金の受払額は、収納済額九千六百十五億余万円、支払命令済み額と歳入組入額の合計九千六百一億余万円であります。
 政府関係機関の昭和三十一年度決算額の総計は収入九千七百七十八億余万円支出八千三百六十六億余万円でありまして、前年度に比べますと、収入において九百九十九億余万円、支出において八百八十七億余万円の増加となっております。
 ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないものは総計百八十一億八千余万円でありまして、そのおもなものは、食糧管理特別会計の食糧売り払い代で六十七億七千万円、総理府の防衛庁施設費で五十億三千余万円、同じく防衛庁で三十九億五千百余万円などであります。
 会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として、検査報告に掲記しました件数は合計千百二十八件に上っております。
 三十一年度の不当事項及び是正させた事項の件数が、三十年度の二千百八十五件に比べて減少いたしましたのは、租税について掲記の取扱いを変更したことによるものもありますが、主として補助金及び農業共済保険において減少したためであります。
 今、この千百二十八件について、不当経理の態様別の金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額が七千百万円、法令または予算に違反して経理したものが三億二千八百万円保険金の支払が適切を欠いたもの、または保険料の徴収額が不足していたものが二億八千五百万円、補助金で交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものなどが四億七千万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果、主務省において補助金の減額を要するものが二億三千六百万円、租税収入などで徴収決定が漏れていたり、その決定額が正当額をこえていたものが三億九千三百万円、工事請負代金、物件購入代金などが高価に過ぎたり、または物件売り渡し代金などが低額に過ぎたと認めたものの差額分が二億九千九百万円、不適格品または不急不用の物件の購入など、経費が効率的に使用されなかったと認めたものが二億五千九百万円、その他が一億七千八百万円、総額二十五億二千四百万円に上っておりまして、三十年度の六十六億千三百万円に比べますと、四十億八千九百万円の減少となっております。これは主として保険金の支払いが適切を欠いたもの、または保険料の徴収額が不足していたものにおいて二十億七千六百万円、不適格品または不急不用の物件の購入など、経費が効率的に使用されなかったと認めたものにおいて十三億円減少したためであります。しかしながら、このように不当な経理の多いことは遺憾にたえないところでありまして、会計検査院といたしましては、不当経理の発生する根源をふさぐことに努力を傾けている次第であります。
 検査の結果につきましては、租税、予算経理、工事、物件、役務、保険、補助金、不正行為の各項目に分けて検査報告に記述してありますが、これらのうち、会計経理を適正に執行するについて、特に留意を要する事態として、予算の効率的使用について、また保険及び補助金に関してその概要を説明いたします。
 まず、予算の効率的使用について説明いたします。経費予算が効率的に使用されないため不経済な結果となったと認められる事例は、毎年多数これを指摘して改善を求めてきたところでありますが、三十一年度におきましても、工事の施行や物件の調達などにつきまして、防衛庁、日本国有鉄道などにおいて依然として多数見受けられるのであります。すなわち、工事施行の実態や現地の実情、または物件の製作もしくは取引の実情や購入品の内容についての調査検討が不十分なため、過大な予定価格を積算して工事費または購入価額の増加を来たしていると認められるものや、不経済となっているものなどが少くありません。また請負工事や納入物品に対する検収が不十分なため、設計や契約規格と異なる工事や物品に対して、そのまま代金を支払っている事例もなお見受けられるのであります。経費予算の効率的使用の面において、このような事態が跡を絶たないことは遺憾であります。
    〔委員長退席、神近委員長代理着席〕
 次に保険について説明いたします。国が特別会計を設けて経営する各保険事業における保険金の支払いまたは保険料の徴収などにつきましては、三十年度において、農林省、厚生省、労働省などの所管するものにつき、多数の遺憾な事例を指摘して、適正な処置をとるよう注意を促したところでありまして、その結果三十一年度におきましては、改善の跡がうかがわれるものもありますが、なお遺憾な事例は跡を絶たない状況であります。すなわち労働者災害補償保険、失業保険、健康保険などの保険事業におきまして、受給資格のない者に保険金を支払ったり、または保険料算定の基礎となる資料の調査が十分でなかったため、保険料の徴収不足となっているものがあります。また農業共済保険事業におきましては批難の件数及び金額は前年度に比べて相当に減少しておりますが、これは主として共済金支払いの対象となる災害が減少したことによるものでありまして、共済掛金の徴収、組合員に対する共済金の支払い及び保険金の基礎となる被害の評価など、事業の運営に関して適切を欠いているものがなお少からず認められたことは遺憾であります。
 最後に補助金について説明いたします。補助金における批難の件数、金額の減少は、災害が比較的少かったこともその一因となっているものと認められますが、他方、関係当局における補助金交付後の指導監督の強化、及び事業主体の自覚などにより、補助金の経理については漸次改善の跡が認められたのであります。
 補助金のうち、公共事業関係のものにつきましては、その経理が当を得ないものとして、会計検査院において毎年多数の事例を指摘してきたところでありますが、三十一年度の検査の結果によりますと、事業主体において正当な自己負担をしていないため、ひいて工事の施行が不十分と認められるもの、また、事業主体が補助の対象となる事業費を過大に積算して査定を受けたり、設計通りの工事を施行しなかったり、または災害復旧とは認められない改良工事を施行しているものなどの事例が依然として少くないのは遺憾な次第であります。
 また、災害復旧事業の事業費査定の状況につきましては、三十二年も農林、建設、運輸各省所管の分について、工事の完成前に早期検査を行いましたところ、前年に比べるとさらに改善されてきてはおりますが、なお採択された工事のうちには、関係各省間などで二重に査定しているもの、災害に便乗して改良工事を施行しようとしているもの、現地の確認が不十分なため所要量を過大に見込んでいるものなどがありましたので、これを指摘し、工事費を減額させることとなったのであります。
 さらに公共事業関係以外の補助金は、公衆衛生関係、社会福祉関係、新農山漁村建設事業関係、その他多種目にわたっているのでありますが、これらの補助金のうちには、過大な申請に基いて交付された補助金がそのままとなっていたり、市町村などが補助金を補助の目的に沿わない方法で配分したり、補助の目的以外に使用しているなど、補助の趣旨に沿った事業を実施していないものなどの不当な事例が多く見受けられるのであります。また農業協同組合などが、農林漁業災害融資金などに対する利子補給金の交付を受ける金融機関から、低利に融資を受けながら、農林漁業者などに貸し付けないで融資の目的に反して使用していたり、災害に関係のない旧債権の回収に充てているなどの事例も少くありません。
 以上をもって概要の説明を終りますが、会計検査院といたしましては公会計における適正な経理事務の執行につきまして、従来から関係各省に対し機会あるごとに是正改善の努力を求めているのであります、その結果、漸次改善の跡が見受けられるようになって参りましたが、なおこのように不当な事例が多数見受けられますことは遺憾にたえないところでありまして、主務省及び関係者におきまして、一そうの努力が望まれるところであります。
 説明を終ります。
○神近委員長代理 以上をもちまして昭和三十一年度決算に関します概要説明の聴取は終りました。
 次に日程につきまして総括質問の申し出がありますので逐次この際これを許します。山本猛夫君。
○山本(猛)委員 郵政大臣にお尋ねを申し上げます。郵政大臣の非常に馬力の強いお仕事はこの数字を拝見いたしましても効果が上っておることがよくわかるのでございますけれども、二、三お尋ねを申し上げます。
 節約を行なったり効果のある事業経営をお考えになったり大へんけっこうだと存ぜられますけれども、さらに経費の節減を行うために、郵便局の窓口とそれから電報局の窓口、こういうふうなものは特定局においては電報、電信、電話と一緒のところが多いのでございますが、普通局などにはまだ電報を打つのと手紙を出すのと別になっておるところがありまして、利用者の方も非常に不便、そしてまた経費の節減という面から考えましたならば、建物が一緒になっていたらどんなに経費の節減ができるであろうかと考えられますけれども、こういうことにつきまして郵政大臣のお考えを伺っておきたい。
○田中国務大臣 お答えいたします。御承知の通り過去は逓信省という一つの中におりましたから電報も為替もみな同じ局で取り扱っておりましたが、昭和二十七年に日本電信電話公社が設立されましてから、一応目標としましては電話及び電報及び為替の業務は別々にしようということになっておるのであります。その意味で方向といたしましては報話局が別々にでき、漸次分離するようなことになっておることは御承知の通りであります。しかし末端機構、特に特定局等におきましては電信電話公社から委託を受けまして電話を取り扱っておるというのが現状でございます。しかし経費の面からいくとお説のような問題があるのでありますし、もう一つはどうも不便だという問題があります。電報を打ちながら隣に郵便局があれば為替が送れるのですが、別にまた為替を組まなければならぬ。為替を組みながらも電報は別のところで打たなければならぬというような問題がありますので、この国会に、郵便為替法の一部改正法律案を提出して御審議を願っておりますが、為替業務の一部を電電公社に委託いたしまして、電報を打ちながら直ちに為替業務もその窓口で行なってもらうというような適切な処置をとるべく御審議を願っておるわけでございます。ただ全部郵便局の窓口一つにした方がいいかという問題につきまして、は公社を設立いたしましてから、先ほど申し上げた通り、方向としては別々に窓口を整備するということになっておりますので、現実問題の調和点をうまく見出すために、先ほど申し上げた通り、両方で委託を行なって窓口を一つにするというような措置をとっておるわけでございます。
○山本(猛)委員 お話を伺っておりますと、わかるようなわからないような感じがいたしますが、私の申し上げておりますのは事業経営の面で、あるいは建造物の面で、節約をはかるために別々な建物を建てて、窓口の分離をはからなければならぬといったようなことは考えなくてもいい。たとえば、合同庁舎というようなことがしきりに言われて参っておる今日でありますから、合同庁舎として電報局と郵便局とを一緒にするという明確なお考えはございませんか。
○田中国務大臣 現在電報取扱局数は一万二千局でありまして、郵便局が委託を受けておりますのが一万一千、それから純然たる公社の報話局として事務を取り扱っておりますのが九百であります。お説のように、できれば総合庁舎的に、また窓口も一つにすることが合理的であり経済的であることは論を待たないわけであります。しかし先ほど申し上げた通り、公社の報話局は別に作るということで窓口を分離しつつあります。私もそれが合理的であるとは考えておりませんので、ただいまのお説については公社当局とも意見の調整をはかって、できるだけ予算の軽減をはかろうということを考えたいと思います。
○山本(猛)委員 それからもう一つ、郵政大臣は、予算委員会において、ことに分科会等においては、電話のない部落に早急に電話を設置して、電話のない部落を解消しよう、こういう力強い御発言があって、われわれもそのお考えを多としておりますが、いつごろになりましたら日本じゅうの電話のない部落に電話が行き渡るようになるか。それにはどれくらいの経費が要って、そして部落の数はどれくらいであるのか。郵政大臣、お調べになっておられたら伺っておきたいと思います。
○田中国務大臣 国会に提案いたしております日本電信電話公社の三十三年度の予算総額は七百五十億円でございますが、これは御承知の通り第二次五カ年計画の第一年次の予算として御審議を願っておるわけでございます。この七百五十億の事業費の中で、無電話部落の解消――農山漁村に特に電話をつけたいという面につきましては、無電話部落の解消といたしまして二十九億余万円計費を計上しておるわけでございますが、個数といたしましては、四千個でございます。四千個を五カ年計画といいますと、ラウンドで二万個ということになるわけでございますが、五年度までになりますともう少し大きな、大体三万個程度予定できるのではないかと考えております。御承知の通り町村合併前の町村は一万二千個程度でございますから、新しく合併前の旧町村に対して二個ないし三個ずつは当然つくというような状態でございます。
 電話について申し上げますと、今年度すなわち昭和三十二年度で第一次五カ年計画が終るわけでございますが、この総額は三千億余でございます。大体積滞と実際の消化との関係を申し上げますと、三分の一程度しか消化ができないというのが実際でございます。昭和三十二年度までの大体の積滞総数は七十万程度でございまして、昭和三十二年度の電話架設の目標が、予算個数が十八万五千個でありますが、実際は二十万個程度架設ができるということでございます。しかし経済が伸びておりますのと、無電話部落の解消というような問題が出ておりますので実際問題として、二十万個ずつ架設をして参ると、三年間で全部架設が終るかというと、そうではないのであります。三十三年度の目標では二十五万個ないし二十六万個を架設するという目標で予算の審議を願っておりますが、現在の積滞は大体六十万個になっておりますので、このままで参りますと、第二次五カ年計画の総額は四千百億でございますが、四千百億円の第二次五カ年計画を完成しても、積滞が全部なくなるということはございません。私の考えで端的に申し上げますと、第三次五カ年計画を行なった場合には大体積滞がゼロになるだろうという考えを持っておるわけでございます。
○山本(猛)委員 もう一つ、最近高原開発ということが唱えられまして、農林省でも本腰を入れてやっておられます。高原開発というのでございますから、いずれ山のすってっぺんであるのには相違ございません。こういうようなところは酪農を主体としていこうということですが、酪農で作り上げられました物の消費目標の土地は比較的大都市でございましょう。山のすってっぺんから大都市へ運び出される物を作っておる。その高原開発の目標というものは、どうしても通信連絡以外にはその成果を上げる道はない。こういうものに対して、特に郵政大臣は、電話架設あるいは電報などを発信するといったようなことに対して関心をお持ちになって考えておられるかどうか。
○田中国務大臣 お答えいたします。私も御承知の通り山村僻地の出身でございますから、特にそういうことに対しては意を用いておるわけでございます。現在の状態で無電話部落の解消には大体どの程度の基準を置こうかということで研究しておりますが、一応二十戸以上ということを目標として架設計画を立てておるわけでございます。しかし特殊な状態、特にこれから入植をするとか開墾をするとかいうような場合は将来を見通して架設計画を進めなければならぬという考えでございます。
 もう一つの基準は、学校には全部つけたいという考えでございます。村の特に山村僻地等では二十戸に満たなくても、分教場等がありますので、そういう基準を強く進めて参りたいというのでありますから、今山本さんが御発言になった趣旨は十分考えて無電話部落の解消を進めたいという考えでございます。
○山本(猛)委員 学校には全部つけたいとおっしゃるが、たとえば分教場といったような山間僻地のそういう校舎にもであるかどうか、ついでに伺っておきたい。
○田中国務大臣 山間僻地の分教場等に対しても架設をしたいという考えでございます。
 この際一言つけ加えて申し上げますと、三十三年度予算編成の過程におきまして、大蔵当局と話合いをつけた仮称四等郵便局という問題がございますが、これも電話、電報それから郵便等の窓口を整備したいという考えだけではなく、特に山間僻地等に対しては、第一問にもありましたように、できるだけ費用をかけないで窓口を一つにして、効率的にやりたいという考えに立つものでありますので、特にこれらの局を置局する場合には電話等の取扱いをいたしたいという考えにも立っておるわけであります。
○山本(猛)委員 今、大阪、神戸、名古屋、東京、仙台、札幌という工合に即時通話が行われるようになりましたことは慶賀にたえないことでございます。郵政大臣は人口十万以上の都市との間に早急に即時通話のできるような施設をおやりになろうというお考えはないかどうか。もう一つは現在どれくらいの都市との間に即時通話ができるようになっているか。これだけであります。
○田中国務大臣 お答えいたします。昭和三十二年度におきましては、まだ人口三十万くらいのところまでしか即時通話ができないようでありますが、三十三年度以降五カ年計画においては、大体御説のような十万ないし十五万以上の都市が即時通話ができるというふうな計画だと思います。詳細はまた調べて御報告申し上げますが、私の考えは、いずれにしても今までのような、旧憲法時代の師団司令部と師団司令部の間をつなぐものとか、それから県庁所在地と県庁所在地の間をつなぐだけというような考えで直通電話をやってはならない、経済的な条件を十分考えて、できるだけ経済というものとマッチをした即時通話計画を進めなければならぬ、そういう考えで都市と都市間の即時通話を促進するとともに、都市周辺、すなわち東京における鎌倉とか逗子とか、こういう周辺地区の即時通話もあわせて五カ年計画で進めるという計画でございます。
○神近委員長代理 次に吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 田中郵政大臣にちょっと伺います。あなたは現在新潟県の長岡鉄道の役員をしておられますか。
○田中国務大臣 私は役員はしております。
○吉田(賢)委員 役員はどういう役員ですか。取締役、会長、社長といろいろありますが……。
○田中国務大臣 取締役社長でありますが、私が大臣就任と同時に辞表は提出してございます。閣議の申し合せで一切の役職はしりぞいたのでありますが、会社の取締役会ではこの辞表を認めないで、現在そのまま登記を行なっておりません。
○吉田(賢)委員 そこで運輸大臣に伺いますが、運輸省設置法の第四条の三十四、三十四の二、三十六等によれば、「地方鉄道及び軌道を免許し、又は特許し、並びに地方鉄道及び軌道の業務に関し、許可し、又は認可すること。」等々、あるいは「地方鉄道及び軌道の係員の職制及び資格を定めること。」こういうことになっておりまして、運輸大臣は私鉄に対しまして相当な監督権、許可、認可権を持っておるのでありますが、かりにも大臣があなたの監督をする営利会社の役員代表者になっておるということは、これはやはり官紀振粛の上から見て穏当でないと思うのであります。これはやはり辞職してもらうことが綱紀粛正の精神を貫くものと思うのですが、運輸大臣の御所見はいかがですか。
○中村国務大臣 なるほど私は監督いたしております。国務大臣がそういう会社の役員になられるということはこれは了解した場合は差しつかえないように私は聞いております。田中郵政大臣の問題につきましては、私は辞表を出されているということは聞いております。
○吉田(賢)委員 まことにそれは答弁にならぬ。閣議で了解したのですか。閣議の問題になったのですか。それはいかがです。辞表を出したからといって、これは辞職にはならぬのであります。やはり商法によりまして登記をして、明らかに役員の地位を去らなければ辞職にならぬ。このことは田中郵政大臣には申し上げるのがお気の毒なんですけれども、あなたも今電電公社の決算の御説明の末尾におきましては「公社を監督する立場にあります郵政大臣といたしましては綱紀の粛正、経理事務の適正化につきましても、一そう意を用いてゆく所存でございます。」こういうふうにお述べになっておりますし、また綱紀の粛正はこれはどの大臣も全部述べておる。こういう際に、一方国家公務員法の百三条によりますと、職員は、商業、工業、金融業その他営利を目的とする会社その他の団体の役員、顧問、評議員などを兼職することはできないということになっております。もちろん大臣は国家公務員法の一般職ではありません。特別職ではあります。けれどもまた一方、明治二十二年の法律の官吏服務紀律というものがございます。これはまだ現行法で、生きております。この官吏服務紀律の第七条によれば、「官吏ハ本属長官ノ許可ヲ得ルニ非サレハ営業会社ノ社長又ハ役員トナルコトヲ得ス」厳としてこの精神が今日生きておるのであります。でありまするので、私情としては大へんお気の毒でありますけれども、やはり即刻法律的手続をとって、辞職の登記を完了して、その地位を去ることが、この内閣を傷つけないことになるのじゃないかとも思うのであります。またせっかく大臣になっておられるのでありまするから、田中郵政大臣もこんなことでつまずきなさることは私もお気の毒なんです。かつて造船疑獄が起りましときに、大臣と二、三の方々が、開発銀行の融資を受けておる船会社の取締役等になっておられたのがありまして、この委員会におきまして一々指摘したのでありまするが、これらは全部辞職になったのであります。こういう先例もあるのです。きょうの新聞を見ると、造船疑獄も検事の有罪論が唱えられているときであります。即刻あなたが法律上の手続をとって辞職なされば、私はこれ以上追及しません。けれどもやはり、辞表を出した、重役会でこれを認めない、従って法律上の手続をしない、そんななまぬるいことをやっておられて、官紀の粛正なんかできるものではないのであります。ことに運輸大臣としてもそうなんです。何というだらしないことなんです。運輸大臣は私鉄の監督権があるのであります。閣議で問題になったら閣議ではっきりしなくちゃならぬ。いかがでございます。この点は郵政大臣、良心的にはっきりしてもらいたいと思う。
○田中国務大臣 私は岸内閣の改造が終りました直後に、閣議で、官紀振粛を行う岸内閣でありますから、閣僚は私企業に関係をしないようにしよう、こういう申し合せがありました。ありましたので、私は直ちに長岡鉄道の社長を辞任すべく、辞任届を出したのでございます。出してから同時に、私は職務を行なっておりません。
 明確に申し上げますが、なぜ私が長岡鉄道の社長の辞任届を出しても、重役会及び株主総会がこれを認めないのかという事情を一つ申し上げますが、こういうことでございます。しかし私は、ただいまあなたが申された通り、私自身この鉄道の社長をしておろうという気持はないのであります。いつでもやめてよろしいということであります。私自身がもう辞表を提出したときにやめておるのでございますから、しかも商法上は提出してから二週間以内に、登記をしないでも自然に発効するということがあると思いますから、そういうことに対しては私は厳重に会社側に申し入れをいたしますが、なぜそういうことになっておるのかということを参考までにお聞きいただきたい。これは長岡鉄道というものを見ていただくとわかるのですが、大正三年に制定した会社でありますが、この間四十キロの鉄道を維持しますのに、四十五年間無配を続けておる会社であります。しかも地方産業の発達というためにこの鉄道を維持するためには地方の有力者その他が何代かにわたって産をつぶしてこの鉄道を維持して参ったわけでございますが、昭和二十五年の十一月に、この鉄道が撤去の運命にある、北海道の札沼線その他全国にもそういう例がございましたが、鉄道を撤去しなければならないという運命にありましたときに、社会党の諸君の中でも、御同僚でおわかりだと思いますが、清潔君等も中に入りまして、何とかして三区の代議士が、この鉄道を維持しなければならない、こういう考えで、私に社長就任を相当強く懇請せられたわけでございます。労働組合、一般株主全部、地方の沿道町村長、農協等公けの立場にある方々がほとんどこぞって、私に社長に就任して何とかこれを再建するようにということで、これに対しては社会党の諸君も十分了解の上で、私が二十五年十一月に社長に就任したわけでございます。それから鉄道を電化し、ようやく今日この決算期から配当もできるというようなところまで参ったのでございますが、私鉄の借入金その他に対して、私が非常に大きな借金の個人保証をやっておるというので、銀行等の了解をつけるまでは何とか引いてもらっては困るというような問題があるようであります。だから私は就任するときに、銀行側が、どうしても自分が保証して借りた金を返さないうちは国務大臣になってはならないということであれば大臣になりません、こういうことを興銀当局等にも申し入れてございますが、国務に携わるということであるので、了解をしますから大臣におなり下さいというので、なったのでありまして、私自身はもう長岡鉄道の社長をやっておるという気持ではありませんから、ただいまの御発言があれば、私の提出した辞表を直ちに登記するように要請をいたします。
○吉田(賢)委員 あなたの長岡鉄道における過去の功績、これは地方人よく認めておるのであります。ただし現在の国務大臣という重要な職責と、法律その他あらゆる綱紀問題のやかましい現在におきましては、一刻もその地位にあることは許されないと私は思うのであります。一般の公務員に厳重に私企業からの隔離を要請して、大臣だけがピラミッドの頂点であぐらをかいて、その制約を免れるというようなことがありましたならば、どうして綱紀粛正ができますか。やはりここに問題がありますから、そのように法律手続をして、すぐに辞表の登記手続ができるようにするという御意思であれば、私はそれは了解します。これはすみやかになされんことを重ねて希望いたしておきます。
 なお、運輸大臣に申し上げますが、運輸大臣はやはりこういう問題について、もっと筋の通ったお考え方で全国の私鉄に臨んでおってもらわなければいかぬと私は思うのです。どうも今のあなたのお考え方は非常にあいまいもこといたしまして、かばうがごとくかばわざるがごとくでわからぬ。こんなたよりない態度で運輸大臣の職責が全うできますか。いかがでございます、
○中村国務大臣 長岡鉄道の社長の問題は田中君の自主的な御判断にまかすべき問題でありまして、別にそこに今私の方から監督上何も申し上げる問題はございません。
○吉田(賢)委員 そういうお考え方自体がおかしいと思うのです。あなたはかりにも閣僚として閣議の一員であらせられるのでありますから、運輸行政の最高の責任者である。同僚の田中郵政大臣を傷つけないというそういうお立場からしましても、一刻もすみやかに私企業から隔離するということは当然の措置でなければならねと思います。田中氏の判断にまかすんだというような、私事のようにお考えになっておりましたら、それこそ公私混淆して私企業からの隔離の目的は達せられないのであります。私はこの電電公社の問題は追って伺うことにして、本日は保留しておきます。郵政大臣はこの程度でよろしゅうございます。
○田中国務大臣 蛇足でございますが、一言申し上げます。これは閣議に対しても、また総理大臣に対しても、地元の町村長や労働組合から、私にやめてもらっては困るという厳重な申請があったようでございますが、私は国会議員として、しかも綱紀粛正の看板を掲げる岸内閣の閣僚でありますし、特に院内においての議員の発言でありますから、発言は尊重して、できるだけ早く登記が済むようにいたします。
○吉田(賢)委員 次に防衛庁当局にお伺いいたします。まず武内調達実施本部長に伺いまするが、あなたの部下で元原価計算課に勤務しておった酒井定一という人がおりましたか。
○武内説明員 二等空佐で原計におりましてございます。
○吉田(賢)委員 それじゃ正確に言って下さい。その職名と氏名とそれからいつからいつまで勤務したかはっきり言って下さい。
○武内説明員 ただいまお尋ねの何は制服の坂井という人でありますか。おそらく同じ酒井でございますが、例の白木興業に就職いたしましたのは、自衛官ではございませんので事務官でございます。
○吉田(賢)委員 そうですが。それじゃそれをいま少し詳しく言って下さい。職名、氏名、いつからいつまで勤務したか……。
○武内説明員 酒井定一君は調達実施部すなわち陸幕の調達実施部当時から勤務しております。すなわち昭和二十六年ごろから勤務いたしておりまして、引き続き調達実施本部になりましても勤務いたしておりまして、三十二年六月当時の勤務場所は契約第二課のゴム皮革の係でございました。地位は九級一号でありまして、本俸は一万五千六百円という本俸でございました。ところが三十二年六月ごろ白木興業からの要望がありまして、七月一日退職願いを出して七月十五日に退職をいたしました。これはどういう理由かと申しますと、白木興業から当時の課長を通じて懇望がありまして、割愛を願いたいということでございましたので退職を許したのであります。さらにこれは白木興業に就職いたしまして現在大阪の工場の製造課長をいたしております。大阪の工場に勤務いたしております。従って役員ではございません。しかしながら自分が従来従事しておりました仕事の関係の会社に参るものでございますから、これは法規上は許可は要らないのでございますけれども、慎重を期する意味におきまして私は白木興業に就職することについての許可を与えておるのであります。本人は横浜商業専門学校の出身でございまして、民間の経歴が比較的多い。年は四十三でございますが官歴が少い、従いまして九級一号という割合に低い俸給でおったのでありますが、かような懇望がありまして同社に就職して今大阪で勤務いたしておる、かような事情でございます。
○吉田(賢)委員 酒井定一というのは皮革の係であったのでございますね。
○武内説明員 その通りでございます。
○吉田(賢)委員 皮革の担当の事務官を皮革を製造する会社へ就職せしめた、その就職のあっせんといいますか了解を与えた課長――課長を通じてという今のお言葉がありましたが、その白木興業が防衛庁にくつを入札し落札しその後納入した、そういう事実があるのじゃありませんか。
○武内説明員 白木興業は昭和二十五年予備隊発足以来――これは会社の名前は二へん変っております。最初は牧製靴と申しましたが、昭和二十八年ごろ東邦工業という名前に変り、さらに三十二年五月ごろ白木興業、いずれも株式会社でありますが、変っておりますが、ずっと引き続き防衛庁にくつを納めております。
○吉田(賢)委員 そういうような場合に、防衛庁に納入する業者にくつの担当をしておった者を入社せしめる、こういうことは少くとも自衛隊法六十二条の趣旨に反するのではないかと思うのですが、いかがですか。六十二条によれば、私企業からの隔離は国家公務員法百三条と大体同趣旨の規定がせられております。「隊員は、その離職後二年間は営利を目的とする会社その他の団体の地位で、離職前五年以内に従事していた職務と密接な関係のあるもので総理府令で定めるものについてはならない。」、こういう趣旨に私企業隔離の規定が厳存しておるのでありますが、これはいかがでございますか。
○武内説明員 その規定は会社の役職員またはそれに相当する地位につく場合に許可が必要である、こういうことになっておりますが、現に酒井定一君は製造課長でございまして社員にすぎないのであります。さらになにしますならば、本件の場合は役所の方から就職あっせんをしたのではございませんで、白木興業の方から割愛を願いたいという正式の当方の課長に対する申し入れがあったのでありまして、本人も行きたいということでありますので、退職を許可いたした、かようなことになっております。
○吉田(賢)委員 私どもの調査したところによれば、白木興業の大阪の営業所の営業課長であります。くつを防衛庁に納入し入札することにつきましては事実上取締役会を代行するような重要な地位にある、こういう者であります。また今の自衛隊法の六十二条の第一項によれば、「営利を目的とする会社その他の団体の役員若しくは顧問の地位その他これらに相当する地位」ということになっておるのであります。この年令で相当な学歴を持ち、防衛庁におきまして皮革の相当な経験を有する者が、単に平社員で入社したものというふうに一体社会はとりますか。現にこれは相当防衛庁の入札に活躍しておるじゃありませんか。
○武内説明員 私の調査いたしました範囲におきましては酒井定一君は営業課長ではございません。製造課長でございます。工場の製造の方に関係いたしております。従いまして大阪に在住いたしておりまして、入札等には出て参りません。しかもこの酒井君が退職し白木興業に入りますときにおきましては下級の職員でありますので、長官より私に就職の許可の権限が委任されておりますので、私が許可いたしました。しかしながらしさいに検討いたしますと、これは会社の役職員またはそれに相当する顧問であるとかいうような地位につく場合に必要でありまして、本件の場合は製造課長程度でございますので、その必要はないと思ったのでありますけれども、慎重を期する意味におきまして許可を与えた、こういうような事情になっております。
○吉田(賢)委員 かりにも年間数万足のくつを防衛庁に納入するその業者の課長になるということは少くともきわめて密接な利害関係のある相手方の役職につくのであります。あなたは課長が何でもない職のように思うかもしれませんけれども、やはり製造とか営業の課長というものは、一つの重役に近い地位なのであります。このような地位につくことが平気で行われるということでありましたならば、この六十二条の規定は死んでしまいます。国家公務員法百三条の規定の趣旨にも反します。そういうことでは自衛隊、防衛庁の綱紀の粛正はできないのです。長官、これに対する所見はどうですか。まだ詳しくは知らなくても、今の説明によりまして相当経緯は明らかだと思う。当該課長を通じて就職の申し入れ方をしておる。慎重を期して許可をしたと言っておる。これはばく大な納入者であり、二十五年以来の著名な納入者なのである。何回も名前は変っておるけれども、白木興業は東京の白木屋の傍系の相当有数な会社なんです。そういうところへくつについての主任をしておったような者が営業の課長に入ることを許すというようなことはとんでもないことです。綱紀紊乱のもとなのです。長官、どうお考えになりますか。ような、私事のようにお考えになっておりましたら、それこそ公私混淆して私企業からの隔離の目的は達せられないのであります。私はこの電電公社の問題は追って伺うことにして、本日は保留しておきます。郵政大臣はこの程度でよろしゅうございます。
○田中国務大臣 蛇足でございますが、一言申し上げます。これは閣議に対しても、また総理大臣に対しても、地元の町村長や労働組合から、私にやめてもらっては困るという厳重な申請があったようでございますが、私は国会議員として、しかも綱紀粛正の看板を掲げる岸内閣の閣僚でありますし、特に院内においての議員の発言でありますから、発言は尊重して、できるだけ早く登記が済むようにいたします。
○吉田(賢)委員 次に防衛庁当局にお伺いいたします。まず武内調達実施本部長に伺いまするが、あなたの部下で元原価計算課に勤務しておった酒井定一という人がおりましたか。
○武内説明員 二等空佐で原計におりましてございます。
○吉田(賢)委員 それじゃ正確に言って下さい。その職名と氏名とそれからいつからいつまで勤務したかはっきり言って下さい。
○武内説明員 ただいまお尋ねの何は制服の坂井という人でありますか。おそらく同じ酒井でございますが、例の白木興業に就職いたしましたのは、自衛官ではございませんので事務官でございます。
○吉田(賢)委員 そうですが。それじゃそれをいま少し詳しく言って下さい。職名、氏名、いつからいつまで勤務したか……。
○武内説明員 酒井定一君は調達実施部すなわち陸幕の調達実施部当時から勤務しております。すなわち昭和二十六年ごろから勤務いたしておりまして、引き続き調達実施本部になりましても勤務いたしておりまして、三十二年六月当時の勤務場所は契約第二課のゴム皮革の係でございました。地位は九級一号でありまして、本俸は一万五千六百円という本俸でございました。ところが三十二年六月ごろ白木興業からの要望がありまして、七月一日退職願いを出して七月十五日に退職をいたしました。これはどういう理由かと申しますと、白木興業から当時の課長を通じて懇望がありまして、割愛を願いたいということでございましたので退職を許したのであります。さらにこれは白木興業に就職いたしまして現在大阪の工場の製造課長をいたしております。大阪の工場に勤務いたしております。従って役員ではございません。しかしながら自分が従来従事しておりました仕事の関係の会社に参るものでございますから、これは法規上は許可は要らないのでございますけれども、慎重を期する意味におきまして私は白木興業に就職することについての許可を与えておるのであります。本人は横浜商業専門学校の出身でございまして、民間の経歴が比較的多い。年は四十三でございますが官歴が少い、従いまして九級一号という割合に低い俸給でおったのでありますが、かような懇望がありまして同社に就職して今大阪で勤務いたしておる、かような事情でございます。
○吉田(賢)委員 酒井定一というのは皮革の係であったのでございますね。
○武内説明員 その通りでございます。
○吉田(賢)委員 皮革の担当の事務官を皮革を製造する会社へ就職せしめた、その就職のあっせんといいますか了解を与えた課長――課長を通じてという今のお言葉がありましたが、その白木興業が防衛庁にくつを入札し落札しその後納入した、そういう事実があるのじゃありませんか。
○武内説明員 白木興業は昭和二十五年予備隊発足以来――これは会社の名前は二へん変っております。最初は牧製靴と申しましたが、昭和二十八年ごろ東邦工業という名前に変り、さらに三十二年五月ごろ白木興業、いずれも株式会社でありますが、変っておりますが、ずっと引き続き防衛庁にくつを納めております。
○吉田(賢)委員 そういうような場合に、防衛庁に納入する業者にくつの担当をしておった者を入社せしめる、こういうことは少くとも自衛隊法六十二条の趣旨に反するのではないかと思うのですが、いかがですか。六十二条によれば、私企業からの隔離は国家公務員法百三条と大体同趣旨の規定がせられております。「隊員は、その離職後二年間は営利を目的とする会社その他の団体の地位で、離職前五年以内に従事していた職務と密接な関係のあるもので総理府令で定めるものについてはならない。」、こういう趣旨に私企業隔離の規定が厳存しておるのでありますが、これはいかがでございますか。
○武内説明員 その規定は会社の役職員またはそれに相当する地位につく場合に許可が必要である、こういうことになっておりますが、現に酒井定一君は製造課長でございまして社員にすぎないのであります。さらになにしますならば、本件の場合は役所の方から就職あっせんをしたのではございませんで、白木興業の方から割愛を願いたいという正式の当方の課長に対する申し入れがあったのでありまして、本人も行きたいということでありますので、退職を許可いたした、かようなことになっております。
○吉田(賢)委員 私どもの調査したところによれば、白木興業の大阪の営業所の営業課長であります。くつを防衛庁に納入し入札することにつきましては事実上取締役会を代行するような重要な地位にある、こういう者であります。また今の自衛隊法の六十二条の第一項によれば、「営利を目的とする会社その他の団体の役員若しくは顧問の地位その他これらに相当する地位」ということになっておるのであります。この年令で相当な学歴を持ち、防衛庁におきまして皮革の相当な経験を有する者が、単に平社員で入社したものというふうに一体社会はとりますか。現にこれは相当防衛庁の入札に活躍しておるじゃありませんか。
○武内説明員 私の調査いたしました範囲におきましては酒井定一君は営業課長ではございません。製造課長でございます。工場の製造の方に関係いたしております。従いまして大阪に在住いたしておりまして、入札等には出て参りません。しかもこの酒井君が退職し白木興業に入りますときにおきましては下級の職員でありますので、長官より私に就職の許可の権限が委任されておりますので、私が許可いたしました。しかしながらしさいに検討いたしますと、これは会社の役職員またはそれに相当する顧問であるとかいうような地位につく場合に必要でありまして、本件の場合は製造課長程度でございますので、その必要はないと思ったのでありますけれども、慎重を期する意味におきまして許可を与えた、こういうような事情になっております。
○吉田(賢)委員 かりにも年間数万足のくつを防衛庁に納入するその業者の課長になるということは少くともきわめて密接な利害関係のある相手方の役職につくのであります。あなたは課長が何でもない職のように思うかもしれませんけれども、やはり製造とか営業の課長というものは、一つの重役に近い地位なのであります。このような地位につくことが平気で行われるということでありましたならば、この六十二条の規定は死んでしまいます。国家公務員法百三条の規定の趣旨にも反します。そういうことでは自衛隊、防衛庁の綱紀の粛正はできないのです。長官、これに対する所見はどうですか。まだ詳しくは知らなくても、今の説明によりまして相当経緯は明らかだと思う。当該課長を通じて就職の申し入れ方をしておる。慎重を期して許可をしたと言っておる。これはばく大な納入者であり、二十五年以来の著名な納入者なのである。何回も名前は変っておるけれども、白木興業は東京の白木屋の傍系の相当有数な会社なんです。そういうところへくつについての主任をしておったような者が営業の課長に入ることを許すというようなことはとんでもないことです。綱紀紊乱のもとなのです。長官、どうお考えになりますか。し、認証官のアプルーヴを得まして、初めて官庁の内部的には契約が有効に成立する、かようなシステムをとっておるのであります。そこで今私の御説明申し上げましたような点、すなわち同日に入札して、しかも同じくつが値段が違うのはおかしいじゃないかというところを、認証官の方でチェックして、契約の方と認証官の方とで相当議論をしたのでございます。もちろん上の方の決裁を経てくれば、私は当然今のような判断を下すのでございますけれども、当事者の話し合いで、当然そうあるべきのを日を異にして書類を整理したというのは事実でありまして、前者の方が九月五日、これは説明会をした五日に入札したというふうに書類を整理した。この十三万六千五百六十足というものは九月九日、こういうふうに分けて書類が整理してあるのでありまして、これは事実と異なる、九月九日に入札があったことは事実でありますから、その通りに書類を整理すべきものであるということで、私は直さすべしと指示をいたしております。今まで私がそのことを知らなかったことはまことに申しわけないと思いますが、事実はさような整理がしてありまして、しかしそれは事実と違う整理でありますから、これは事実と合わすべくさような措置をした、かようなことであります。
○吉田(賢)委員 ちょっと伺い漏らしましたが、日付の整理は何日にしたというのですか。
○武内説明員 九月五日に三万九千、それから九月九日に十三万六千五百六十足であります。
○吉田(賢)委員 その九月五日に三万九千足を入札したという整理はだれがしたのですか。
○武内説明員 これは先ほど申しましたように、認証と契約の方とで話し合いをして、結局契約の方で五日ということに整理をしたのでございます。
○吉田(賢)委員 だれがしたか名前を言って下さい。
○武内説明員 担当の班長だと思うのですが、担当の班長でございます。
○吉田(賢)委員 名前を言って下さい。
○武内説明員 倉林班長でございます。
○吉田(賢)委員 いずれにしても、日付をさかのぼらして整理することはおかしいじゃありませんか。何もそういうことをする必要はないのじゃないでしょうか。事実ありのままに記帳をし、ありのままに書類を整理すればいいのではありませんか。またこれは白紙で渡さしたような形跡がありまするが、いつもそういうことをやっているのですか。言いかえますると、何か都合が悪い場合には五日とし、九日とし、二回にした場合には、値段の近似し、違うようなことも何か理由づけられるというようなことでやったのではないか。言いかえると、こういう場合も内外共謀してやっているのではないだろうか。一体あなたの方の事務官が、担当の班長であろうと、何であるにかかわらず、事実をありままに記帳すればいいので、何もそんなに、九日にできた事実を五日に記載するというような、そういう変造をするということは理由ないじゃありませんか。何の利害があってそういうことをせねばならぬか。それは要するに納入者側の白木興業、井上工業などのそういう要請か何かあったのでしたのかどうか。またあなたの方では、すでに前にくつの主任をしておりた酒井が白木興業の製造課長になって行っておる。その白木興業が九日の分、十三万六千五百六十足の分は六万足も落札しておる。こういう利害関係があるので、やはりこういう人の、酒井との関連もあるので、そういうふうにしたのかどうか。こういうことを思えば、まるで防衛庁というところは、業者となれ合ってそういうことをやっておるというふうに想像せざるを得ない。どうしてそんなうそを書いたか。整理したって、整理のことじゃありませんよ。そういうことがあるならば、厳重にその理由を追及して、なぜ九日の事実を五日に変えたかという理由、事実を追及するということが本部長の職責じゃないのですか。
○武内説明員 これは先ほど申しましたように、認証の方で、同日に入札して値段が違うのはおかしいじゃないかというような疑問を持ちまして、相当納得しなかったというようなことで、日を変えてやればというような単純な考え方でありまして、私は、そういうようなやり方は仕事に対しての自信がない、そういう考え方はいかぬということで、訓戒はいたしておりまするが、しかし事実はさようなことで、内外の関係というようなことは全然ございません。九日に入札したということは事実でありまして、しかも入札に当りましては、指名競争でございますので、予定価格を封書に入れまして、入札された方々の前で開いて、そうしてどこそこに何足おりたということは、公開の席上で示しておるのでございますから、これは事実でありまして、あとで書類の整理がよくなかったということは、これは整理上誤まったということでありまして、九日に落札したということはやはり事実でありまして、仕事に、もう一ついえばそういったような解釈に対して自信がなかったというようなところから、そういうことになったと思うのでありまして……。
○吉田(賢)委員 これは自信の問題でも何でもないのです。ともかく九日の事実を五日に記入するということは虚偽の記載をしたことになる。虚偽の記載をするのには何かの理由がなければならぬ。そうすべき利害関係があったとしか想像されません。現に酒井が白木興業の課長になって行っておるのであります。なるべくそれらの人に便宜を与えたいというような下心でもあったのではないであろうか。こういうような大それた記載の変更をするということを防衛庁はしょっちゅうやっているのであろうか。書類の整理というようなそんな問題じゃないですよ。事実を曲げて日時を記載するということは、これは重大なことであります。あなたは重大に考えないのですか。
○武内説明員 これは大いなる錯誤であり、誤まりであったということを私は申しております。しかしながら防衛庁はかようなことをしばしばやっているということは絶対にございません。その点は誤解のないように一つ……。
○吉田(賢)委員 しからばその事実を追及して、責任の帰属を明らかにするというところまで事実を究明していきましたか。
○武内説明員 その点につきましては、私その事実を最近知ったのでありまして、これについては究明をいたしまして、もし吉田委員の御指摘になりましたような事実があれば、これは大へんなことでありますが、私はさようなことはないと確信をいたしております。しかし調査をいたしまして、きのうも担当官を呼んで、どういう理由でやったということを私数時間にわたりまして聞いたところが、単純なるそういったような考え方でやったと申しますから、そんな自信のないことで仕事をしてはいかぬということを十分訓戒いたしました。しかもこれは上の方まではからずに、――そういう認証制度のいい面と悪い面とありまして、認証がなければそのまま登録する、制度はそうなっておったのでありますが、認証の方でそういう疑問を抱いているということで、なかなか入札は通らない。落札はしたけれども契約ができないというようなところから、しかもそれが契約第二課の一番忙しいときであったものですから、そういうふうに簡単に考えてやりました、こう言うのですけれども、それは簡単に考えてはいかぬということで、だいぶなにしたのでございますけれども、事実はその通りでございます。
○吉田(賢)委員 長官に伺いますが、かりにも日時の記載をあとでごまかすということはこれはとんでもないことであります。これは私の手紙のようなものじゃございません。後日の証拠になるし、契約成立に影響するし、種々の点から、きわめて重要な文書であることは申すまでもない。その日時を勝手に変えるというようなことは見逃されていいものですか。こういうことは事の真相、責任の所在、一切を直ちに明らかにしなければいかぬと思いますが、長官のお考えはいかがですか。
○津島国務大臣 お答えいたします。ただいま御指摘の点はまことにごもっともだと思います。事実に即応しないで書類の整理をしたという事実があれば、これは非常に重大なことだと思います。私はまだ直接その事実について調査をする機会が今日までなかったわけでございますが、この点につきましては十分事実を調査いたしまして、責任の所在はどこにあるかということについても、十分の調査をとげたい、こう思っております。
○吉田(賢)委員 事実を調査し、責任の所在を明らかにして、すみやかに当委員会に報告いたされますか。
○津島国務大臣 さよういたす考えでございます。
○吉田(賢)委員 三万九千足と十三万六千五百六十足、そのうち井上工業と白木興業の納入しておるくつを、私は倉庫へ行って見て参りました。ところが仕様書の規格に合っておらぬものが納入されておる。それは御承知の通りにくつの上の周辺に細革というところがございます。仕様書の第二ページの一番上に細革、色相茶褐色、こういうことになっておる。ところがこの井上工業の納めてある全量、それから白木興業の納入しておる全量、ことごとくが着色塗料は塗ってないのであります。まっ白なんです。そこでそのまっ白についてその道の人に聞き、あるいはこれをはく自衛隊の人などの意見によってみましても、やはり色を塗る、塗料を量るということは、防水にもなるし、あるいはまたそれを強くするのだそうであります。これはもう常識だそうであります。しかもそれがされておらない。それならば色を白いままに出したならば、どのくらい経費が安く上るのか聞いたところが、一足について六円安く上るのだそうであります。これが全部とすれば、井上工業につきましては前回の第二回の分が一万三千足と第三回の分が七万六千五百六十足、白木興業の分が六万足、こういうものが全然着色のないものが納入されておる。どうして仕様書に違反するものを白木興業なるがゆえにこれを受納するのか、どうして検査でこれを通すのか、井上工業なるがゆえになぜこれを黙って通すのか、スタンダード、桜組などのものも、同時に私は現物をそれぞれ点検してみましたが、いずれもそれは着色をし、塗料は塗ってあるのであります。こういうようにしろうと目から見ても、仕様書に比較して明らかに違って、一足ごとに六円も安く上るようなものが、大手を振って検査を通って納入されるということは、実に天下の奇怪事であります。ここにも防衛庁の大きな汚職の面が頭を出しておるのじゃないか。三年前の三十一年の井上の当委員会におけるあのたわけた答弁を通してみましても、私はまだこれが直っておらぬのかと思って慨嘆にたえなかったのであります。こういう事実について本部長はどういうふうにお考えになっておりますか。
○武内説明員 ただいま吉田委員のお示しになりましたようなスペックの中に、材料の中に細革というのがございまして、細革のスペックには牛革(銀つき)、それから色相茶褐色、こうなっております。色相茶褐色というものはくつ関係の技術的の常識によりますれば、タンニン固有の色であってもよろしいし、またタンニンにクロームをまぜますと相当黒い色になりますが、その濃い褐色でも、いずれでもいいということは、これはくつ業界ないしはくつ関係の技術者の常識でありまして、しかもこのくつの製造の条件といたしまして、色調外観については見本を作ってその承認を受けろ、承認を受けてから生産にかかれ、こういうことになっておりまして、この井上製靴も、それから本件の白木興業も、桜組工業も、すべて見本を作りまして、そうしてスペックをつけまして、陸幕の補給課の承認を受けております。従いましてそれに従って作ったのであります。なるほどタンニン固有の色とクロームを入れました色とは、程度が違いますけれども、しかしすべてこの茶褐色の中に入っておるのでありまして、強度その他は全然変らないというのが定説でありまして、いずれもこれに合格しておりますので、納入されておる、かような実情であります。
○吉田(賢)委員 製造のくろうとも、これを何年もはいておる自衛隊の隊員も、やはり茶褐色に着色し、塗料が塗ってある方が、水もはじくし、持ちもいいということはみんな言うておる。あなたは原皮でもいいと言われるが、なるほど牛の皮の原皮は色がやや茶褐色を帯びておる。だからそういうような見本をこしらえて持ってきたので、同じようなものだから、これをとった。それはまるきり井上工業と白木興業の味方になったので、これは弁解ですよ。だれの金で一体くつを買うておるのだと思っておるのです。本部長のふところから金は三文一文も出ていませんぞ。やはり強度もよいし、水もはじくという塗料を塗ってあるものが並んでおるのですから――それはやはり仕様書によりましても、色合いと書いてあるのです。原皮とか、そういうことになっておりません。こういう点から見ましても、やはりこれは井上が大手を振って依然として防衛庁に出入りをしている白木興業は元の皮革の主任が製造課長になって就職しておる。結局そういうような関係が事ここに至らしめたのではないですか。そういうようなことはあまりに白々しい答弁ですよ。もっと忠実に予算は執行して下さい。あなたの方はこれは何ぼでも出てくる。数限りのないほど防衛庁の批難事項が出てくるのですよ。九牛の一毛だけが検査院に指摘されておる。そういうことを思いますると、こういうことはもっと、それこそたんねんに検査をする者との間にも十分な打ち合せをしながら私は臨むべきでなかったかと思うのであります。いかがですか。
○武内説明員 吉田委員御承知のように、このスペックにつきましては支出負担行為担当官は調本でございますけれども、このスペックを出しますのは各幕でございます。従いましてこの見本を出しまして、見本を承認するのは各幕でございまして、この見本の通りでよろしいという承認を受けたものと同じものができるならば、私の方は検査上はこれを通さざるを得ないのでありまして、先ほど申しましたように、着色の色の中にニュアンスがある、それは見本によってアプルーヴされておるのでありますから、こういったような技術上の点からこの処置が行われたのでありまして、決してある社にえこひいきとか何とかという問題は全然ございませんので、その点は誤解のないようにお願いいたします。
○吉田(賢)委員 あなたの御答弁を聞いておると、調本には責任がなくて、陸幕に責任があるような言い方でございます。見本がそれぞれの社から出た場合に、それならばどうしてそのときに十分に検討するという処置をとらぬのであろうか、あなたの方がとらない職務の立場とするならば、ほかに対しても要請すべきです。それぞれの担当官があるのでありますから、一人やるのじゃないのですから。やはり検査につきましても詳細な検査実施の規定まで設けてあるじゃありませんか。だから見本を検査する際にも、納品をする際にも、それぞれ首尾一貫するような検査は施さなくちゃならぬと思う。ところがそれが行われないので、今の言葉を聞けば、何か陸幕に責任を転嫁するような言葉である、とんでもないことであります。だからこういうものは当然これはその際違反しておることを指摘すべきであると私は思う。ことに除外基準を見ますると、初検の不合格が四〇%以上であるならば、これは除名になっております。ほとんどどれを見ても同様でございます。二回、三万九千足の分も同様であり、その後の分も同様であります。でありまするから、まだ未納の分は若干ありまするので、四〇%以上ということは明らかなんです。そうすると、除外処分に付せるべき、しかも取消し条件が成就するという可能性がある案件なんです。これは大へんなんです。もしあなたのようなそういう御意見であるならば、強度がどうかというようなこと、あるいは水をはじくようなこと、あるいは仕様書に適合するかどうかというような問題につきまして、どうしてもっと厳密な検査をしないのであるか。あなたの方が設けておるこの除外規定の除名処分の規定というようなもの、六カ月の停止の処分というようなもの、こういう罰則は飾りにこしらえてあるのですか。そうでないでしょう。かりにもこれが公けにされておる以上は、厳格に実施して予算執行の適正化を期すべきだと思う。そして納入業者が誠実に見本を作り、仕様書に適合するものを納入することを求めなければいかんと思う。こんなものは飾りについているのですか。これによれば明らかに全量もしくは四〇%以上が不適合なものであるという判定が下されるかもわからない。事さほどにきわめて微妙な問題を含んでおるのです。さらに厳密に検査を行なって審査するという措置をとるべきが当然だろうと思いますが、いかがですか。
○武内説明員 第一回の検査におきまして四〇%以上不合格がありました場合におきましては次の入札の場合は遠慮してもらう、こういうことはございます。しかし最近はいずれの場合におきましても、第一回の検査に四〇%以上不合格になるという会社はございません。従いましてこの適用は最近はございません。さらにわれわれといたしましては入札に当りまして誓約書をとっております。それに従って誠実な品物を作ること、それから納期がはなはだしく遅延しないこと、遅延した場合におきましてはいかなる処分を受けても甘んじてこれを受けますといったような誓約書をとっております。従いましてこれらに著しく違反するというような場合におきましては入札をしばらく停止するというような措置をとる場合もございます。
○吉田(賢)委員 この場合、私の申すのは、このように私らがくろうとに聞き、そしてはく人に聞いて明らかに仕様書の趣旨に反しておると思われるものを、どうしてもっと厳格な審査の対象にしないのかというのです。そしてもし除外基準に触れておるならば、それぞれ処分してしかるべきだと思う。そこで公正な入札と納入を要求せられなければならぬと思うのです。私も、もし白木興業にあなたの方の酒井某が製造課長としてすでに赴任しておるという事実がなかったならば、かくも疑いはいたしません。しかしながら期日を変造し、あるいは相手方の製造課長に就任し、そしてこのように目で見ても歴然とした違いがある、これではと思うので聞くのです。こういう場合に、もう一ぺん厳重な審査にかけるというような措置をどうしてとらないのです。長官はこういうような問題が起っても、それは見のがしていくということになるのですか。かりにもそういう問題が提起されたならば、果してそれが仕様書に適合しておるかどうかということをもう一ぺん厳重に審査するということぐらいはしてしかるべきだと思うのです。長官のお考えはいかがですか。
○津島国務大臣 仕様書の色の問題については、非常に専門的のものでございまして、今本部長のお答えしたことが私は妥当な説明であったと思います。しかしこういった問題について疑いを持たれるというようなことはまことに残念でございます。私は十分調査をいたしたい、こう思っております。
○吉田(賢)委員 本部長は陸幕が強度が劣らないという説明をしておるというような御趣旨なんであります。であるからみずから責任を負う態度がないのであります。あるいはトンネルのような、パイプのような役割以外に調本はないのだといえばそれまででありますけれども、かりにも契約、原価計算、検査等々幾多の重要な職を持った人がおるのであります。こんなようないろいろの失態続出の案件についてすみやかに調査してしかるべきだと思う。調査するとおっしゃるから調査してもらうことにします。そしてほかの問題と同様に、すみやかに十分な究明をして、その結果を当委員会に同様に報告してもらいたい。
 さらに提出された資料によると、納入の状況として、白木興業は九千二百二十七足が、十一月三十日納入の分が十九日ばかりおくれた、こういうふうに書いてある。さらに井上工業は十一月三十日納入のものが翌月の五日まで遅延した、こういうふうに記載されておるのでございます。ところが、この間私が現物を見ましたところによりますると、多数のものが一月十日の納入と箱に書いてある。一月十日というような期日は、どの場合の契約にもないのであります。前もって納入するということはあり得ません。やはり遅延したものに違いない。かりに十九日間と一週間、おのおのおくれたといたします。十九日おくれ、一週間もおくれましたものに対しまして、相当またこれも日付を少し減らして、寛大に遅延の責任を問う措置をとっておる。これは井上に対しましても、白木興業に対しましても、納入の遅延しました罰則の追及につきましては特にまた寛大な手心を加えておる、こういうことでありまするが、この点については本部長いかがでございますか。
○武内説明員 白木興業は十九日の遅延をいたしました。従いまして、これに対してペナルティとして四十六万八千二百七十六円を徴収いたしました。それから井上工業は五日間遅延をいたしました。従いまして、これも三万二千九百四十九円をペナルティとして徴収いたしました。白木興業は十九日遅延いたしましたが、一日は無償にいたしております。この理由といたしまして、流行性感冒がはやりまして、当工場には二百六名の工員がおりまするが、その工員のうち四十五名がインフルエンザで欠席いたしました。しかも延べ日数にいたしますと、二百五十七人日休んでおります。この遅延の賠償は、やはり契約者の責めに帰すべき事由によって遅延した場合においては賠償を取る、こういうことになっておりまして、これは辛い査定でございましたが、一日だけを無償にいたしました。同じような理由によりまして、井上工業も五日遅延いたしましたが、一日だけを無償にいたした。この一日は免除いたしまして、先ほど申しました金額をおのおの遅延賠償として徴収いたしております。
○吉田(賢)委員 あなたは井上工業の現状を御承知かどうか知りませんけれども、多数の下請をさせまして、自分の一工場の中で全量を製造しておるのではないということを、われわれは確認しておるのでございます。こういうようなことでありまするので、この遅延しました全量がそういう趣旨であるかどうかということは容易に信じがたいものがあります。井上側の説明によりますと、五日分を免除してもらったという説明になっておるのであります。今あなたの御説明によると、一日ということにしてあります。これも一つの食い違いになっておりますが、いかがでございますか。
○武内説明員 これは一日でございまして、間違いございません。それから欠席しました者につきましてはおのおの医師の証明書がついて参っておりますので、これはインフエンザで休んだということがはっきりした。さような事実でございましたから、一日でございます。
○吉田(賢)委員 もしさっきの仕様書に違反しておるという事実が明確になったならば、井上工業所も、それから白木興業所も、除名処分に値いするほどの重大な事件だと思うのでありますが、その点について部長はどうお考えになりますか。
○武内説明員 これは陸幕の解釈によりまして、見本に合格いたしたから採用したのでございまして、もちろん見本と違ったものでありますれば検査にも受領いたしませんし、また従いまして、四〇%以上も不合格であるということになりますれば、今後の入札につきましては考えなければならぬと思います。しかし本件の場合は、さようなわけで、合格品を作ったということでございます。
○吉田(賢)委員 この三万九千足、十三万六千余足は、代金として概算どのくらいになるんですか――今数字がわからなければ、まあいいです。この問題はやはり相当糾明して明らかにしておきませんと、もし私が今疑いを持って種々質疑いたしましたことが、われわれのような見解が正しいといたしましたならば、また事実がそのようであるといたしましたならば、今後の防衛庁の装備品の納入の上に、大きな暗影を投げる案件であります。この問題を十分に糾明することが、綱紀の粛正の上におきましても大なる貢献をします。そこで、長官も十分に調査するということでありますが、私はやはりこの機会に、少くともその防衛庁における当該職務の重要な地位にあった者が、利害関係のある会社の重要な地位に就職したという事実は、これはどうしても見のがすわけに参りません。こういうものをほおっておきましたならば、綱紀の粛正なんて百年河清を待つことになります。よって私は次の機会にいま一度、井上工業の社長井上信貴男君、それから酒井定一、それから白木興業のしかるべき担当者、こういう人に一度出てもらいまして、長官がこの案件を御調査になるその結果と対照しつつ、国会の態度をきめたいと思いまするので、参考人でいいですから、一つお呼び出しを願いますように、お計らい願いたいと思います。本日はこの程度にして質疑を保留しておきます。
○坂本委員長 辻政信君。
○辻委員 井上工業のくつについては一昨年の六月、この委員会で私がただしました。そのとき検査二課長の久保君――元海軍の将校出身で、非常に正義感の強い人でしたが、井上工業は従来の実績から見て指定商に適しない、こういう発言をしたはずであります。その結果間もなく久保課長は第二課長の地位を去ってしまいました。今の課長はだれですか。今ここに来ておりますか。
○武内説明員 検査二課長は池山、契約二課長は上田でございます。今来ておりません。
○辻委員 私がただいまの質疑を通じて感ずることは、上田課長が自分の下に使っておった契約の主任事務官を、一番大きな利害関係を持っておる白木興業に就職をさせておる、この点が一点。その次は納期の問題といい、品質の問題といい、明らかに間違いを犯しておるものを寛大に取り扱ってる点、第三点は業者の入札の日付を故意に改めておる公文書偽造の点、こういうことは長官が綱紀粛正をモットーとしてうたっておる、その建前から申しましても、われわれ与党の一員としても、国民に対して疑いを払拭する意味におきまして断固として処分していただきたい。これをうやむやに放置いたしますと、次から次に続出して参ります。それが自衛隊の士気にいかに影響を及ぼすかということをよくお考えなさいまして、この際勇断をもって責任者を処断なさり、すみやかにこの委員会に報告なさることを私は与党の一人として切に長官にお願いしまして、私の質問を終ります。
○津島国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、本件については十分調査いたしまして、責任の所在を明らかにし、それに沿うべき適当な措置を講じたいということを申し上げたわけであります。私は辻委員の御質問に対しても同様のお答えをするわけであります。
○神近委員 関連して。私も辻委員と同じように問答を伺っていて感ずるのですが、一、二ちょっと武内本部長にお尋ねしたいことは、入札のときに予定の予算があって、そしてそれと入札のときに照合したというお話があったのですが、それはどのくらいの金額であったのでしょうか。その価格を伺いたい。
○武内説明員 第一回の入札のときは、単価が、予定価格は二千六十円でございます。これは単価の入札でございますから、ロット入札でございますから、それにかけた数字だけがなにになるわけでございます。それから第二回目のなには、千九百六十円とそれから千九百五十八円でございます。
○神近委員 私は今こう伺っていて、吉田委員が見てきたとおっしゃる品物の評価の方が信じられるように思うのです。あなたは見本のこととか誓約がこう書いてあるからというようなことで、それはもう動かないようなことを考えていらっしゃるようですけれども、誓約書というものが一体何になるのですか。注文を受ける者とそれから注文をする者との関係というものは、これは親友でもなければ良心でからみ合ったものでもないのです。売ったり買ったりの関係で、売り込む方はごまかせるだけごまかそうと考えているのですから、誓約書があるから安心したなんということは私は購入係として非常に不見識なものだと考えます。ですから、購入する場合は百パーセント疑って、ほんとうにいいものを入れたかどうかということをお考えにならなければならない。それなのに、今伺っていれば、これは地色であってもよかったんだ、私はそういう規格の制定ではないと思うのです。やはり強度を求めるためにこれに塗料を使うとか、あるいは油を塗るというような手続上のことがここに規格してあったと思うのです。それを生地であっても色が少し薄茶色であったらいいなんということは、これは答弁のための答弁で、あなたの誠意は疑わなくてはならない。国民はよほど監督を厳重にしなければ、今までもいろいろの問題がからんできていますから、防衛庁の購入というものはなかなかむずかしいものだということがわかっているわけですけれども、ここでこれは長官に申し上げていいと思うのです。からみ合って部下をいたわる、あるいはかばうということが必要ではあるだろうと思うのですけれども、もし長官として綱紀粛正に協力しようというお考えならば、やはりその点はただかばって庁内の自分の地位を強化するということよりも、一つ批評家的な考え方でもって、この行政をどういうようにやるかということを考えていただかなければならないと思うのです。
 それからもう一つ、井上工業のことでございます。今辻委員からも御発言があったように、この点では前科者なんです。手抜きをしたり、あるいはくつ底にボール紙を詰めたり、前にいろいろ商人が来てお話になった。で、とっくに私は首を切って、もう調達庁の出入りは排除されているかと考えていた。ところがまた今日ここへ出てきたので、私は内心少からず驚いているのです。一体そういうような不誠実な、あるいは問題になっている――歴然と、くつ修理工が言うのですから、ボール紙を代用してあった、そういうような商人に対して処分の方法はないのですか。今四〇%の不良品を入れたならば、これを排除することができるということをおっしゃった。私は四〇%なんというような内規は認めません。一〇%でも悪いものがあったならばそれはやめさせなければならないと思うのですけれども、あなた方の処理の方法は、四〇%の不正品というのはそれは内規ですか。それを伺っておきます。
○武内説明員 四〇%と申しますのは、悪い品物は一品たりとも採用いたしません。従いまして悪いものはどんどんはねて参ります。しかし第一回のスペックを示して、しかもその通りにできないものが四〇%以上あるということは、要するに技術が悪いことになりまして、その会社の技術のスタンダードを何する意味におきましてわれわれは悪いものはどんどんはねまして、一品たりとも採用いたしておりません。従いまして先ほどの四〇%と申しますのはわれわれが検査してとる中に四〇%悪いものがある、こういう意味ではございませんので、その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思います。
○辻委員 関連して。神近委員の質問に関連しますが、一昨年の六月、ここの委員会で井上工業をとっちめましたところ、私の国会議員の発言に対しまして私の身辺に対して脅迫してきた男があります。そして電話、暴力団で脅迫したその者が今日歴然として最大の指定商になっている。それをしなければ日本のくつ屋で防衛庁にくつを納める者はないのですか。武内さん、あなたの良心はどうですか。それほど政治的のことをあなたは考慮する必要はありませんよ。あなたはおととしもここで私に答弁しているのだが、それほどの商社を最大の指定商にしなければならない理由はどこにあるのですか。国会議員の私にもごろつきをもって脅迫してくるのですよ。こういう指定商が全国におりますか。一体それをなぜ防衛長官も調達実施本部のあなたも排除できないのか、ほかにくつ屋はたくさんあるじゃありませんか。どこにその原因があるか、長官、どうです。
○津島国務大臣 ただいまの指定商関係は、実は二年前に問題があったということは承知いたしておりますが、その措置がどうであったかということは、実は私は承知しなかったわけでございます。今回当委員会で問題になりましたときに、その井上というのがその中に入っておるということを聞いたわけでございまして、私としてはそのものの経過がどうであったかということは、はなはだ遺憾でありますが承知していなかったわけでございます。
○辻委員 今承知なさったのですが、承知なさったあなたとしてはどう思われますか。私の言うことは間違いですか。
○津島国務大臣 本件に関連して先ほど来申し上げましたように、十分調査をするということにいたしております。その結果においてどうするかということをお答えいたしたいと存じます。
○辻委員 調査は調査ですが、今まで私が言ったことに対して、それを再び調査する必要はありません。国会議員の発言に対して井上は私に脅迫をしてきている。それほどの者を防衛庁の指定商社にしなければならない理由がどこにあるのか。全国にまじめなくつ商売人は何ぼでもおります。なぜそれと指定商を変えることができないのか。しかも現に今でも最大の発注を受けている。その井上と白木は一体となっておる。その白木のところに契約第二課の主任事務官が採用されておるという事実です。この根本をつかずに、口先だけで綱紀粛正を唱えてもだめですよ。私は野党じゃない、与党が言う。どうですか。
○津島国務大臣 十分調査いたします。責任大臣としては直ちにすぐここでどうするかということを申し上げるのは尚早であろうと思います。
○神近委員 今辻委員に対する長官の御返答で、お取り上げになって御調査なさるだろうということがわかりましたので、他の要請はございませんが、武内本部長はいつまでも今のようなことをお続けになれば、私どもはもっとこの問題を突っ込んで調査しなければならないと思うのですけれども、さっきからの御返事ではくつの規格が違っていることだの、塗料の不足だの、あるいはそういうふうなことでこの責任を陸幕に転嫁したかのごとく――陸幕と調達本部とが二本建になっているということは、これはお互いに不正を防ぐための態様かと思うのです。それをお互いに責任のなすりっこをしていてはその本来の機構の目的が達せられない。何かはき違えていらっしゃることがあるのじゃないかと私は考えるのです。防衛庁の決算書を拝見しましても、飛行場を広げればセメントが不足しているし、あるいは道路を作ればまた規格に合わない寸法でやられている。ここへ出てきていることでも、われわれがどう考えても歴然とこれは何かあるなという感じを持つのは防衛庁が一番多いのですよ。あまり問題にしたくないと思っても、悪質のごまかしが防衛庁の中に相当あるということが感じられるような仕様書なのです。ですからその点私は長官にもお願いするのですが、おそらく今のような腐ったような防衛庁行政であったならば、もう兵隊の気持が腐り切って、そして二千六十円というような予算だったとおっしゃるのですけれども、千九百六十円のくつが一体どの程度はき心地のいいものかは私どもは想像できると思う。代議士がおはきになっているくつだったら、安くても六千円なり七千円なりすると思うのです。その兵隊たちが二千円そこそこのくつをはかされてそしてそういう疑いがいろいろ持たれるという状態で、私は健康な感じ方を持つわけはないと思うのです。これはよほど長官が心を新たにして、長官としては部下の支持を必要とすることはわかりますけれども、少し批評家的な立場で現実をごらんになって、第三者的な立場で改善なさらなければ、私は防衛庁というものが国民の怨嗟の的となる日が必ずくると思います。その点一つはっきりとした長官の決心を伺わしていただきたい。
○津島国務大臣 私は微力でありまするが、就任以来いささか経理の関係を今までやってきたというようなことからも防衛庁の経理の適正につきましては非常に力をもって、就任直後は全国の総監幹部を集め、特にこの問題で異常なほどの私の所見を述べ、また経理の個々の下部の担当官までも集めまして十分私の見るところを申し述べまして、監督をし、また経理の適正ということについて最も力を入れて参ったわけでございますが、はなはだ微力でありまして、これが完璧を期することができない点もあろうかと思いますが、私の決意は最も大事な点であって、今日の防衛庁の経理が適正を欠くということであれば、全体の防衛に対しての不信を買うというようなことをよく考えておる次第でございまして、御注意の点は、さらに私は一そうかたい決意を持ってこの問題を処理したい、こう存ずる次第でございます。
○神近委員 その御決心の程度はよくわかりましたし、また御就任早々決意をお示しになったということは、よくそうあるだろうと承わります、しかし実働しなくては、そのあなたの決意とあなたの言説を、こういう具体的なものにどう処理なさるかということに示していただかなければ何の効果もない、私どもはそう考えます。一つでもあるいは二つでも三つでも、この問題点を今調査するというお約束が吉田委員にあったようですけれども、調査をなさいました結果、たとえば一つの会社でも、くつ会社でも、こういうふうにからまり合っていることはいけないということで、これを排除なさるという決断をなさらなければ、お考えになっているだけではどうにもならない。私が要請したいのはその実働でございます。
○細田委員 今辻委員から、検査第二課長が井上信貴男の言うような言葉に従って、転勤したということを聞いて私はびっくりしたのですが、久保課長はいつ何に転勤されておりますか。
○武内説明員 久保課長はただいま陸幕の武器学校長に就任しております。
○細田委員 いつですか。
○武内説明員 昨年の三月の異動でなったと思います。
○細田委員 井上信貴男君が当委員会に出頭をして、あの課長は適当でないというようなことは、あなた自身聞いておられる。聞いていなかったら、これだけたくさんあり、あなたの管轄内の問題で、ここの速記録もあなたは全然見ないというような無関心ぶりですか。その点一つ承わっておきたい。
○武内説明員 私今頭の中にございませんが、武器学校長になりましたのは陸幕に一ぺん戻りまして、陸幕の武器課の承認をいたしております。それから武器学校に行ったのでありまして、それ以前に調本からは陸幕に帰っております。
○細田委員 何とかの校長になられた前になおほかの方へ移っておるわけでしょう。従って検査第二課長を異動されたのはいつかと聞いておる。
○武内説明員 ただいまはっきりした記憶がございません。私の記憶では一昨年の後半であったと思います。正確に調べましてお答え申し上げます。
○細田委員 そうすると検査第二課長の転勤は臨時の転勤ですか、定期の異動ですか。
○武内説明員 これは定期の異動でございまして、調本におります制服は各幕から派遣されておりますので、各幕の異動の関連で動くのでありまして、調査本部長が動かすという権限はございません。向うから今度動かすからということがあれば、特に支障がありますれば、ちょっと待ってくれということはありますけれども、すべて異動は制服の全体の一環として行われる、こういう事情でございます。
○細田委員 そうすると実施本部長は、さっきも質問してお答えがなかったのだが、井上信貴男君の当委員会における証言を聞いていなかったか。聞いていなかったとするならば、当委員会の井上信貴男君の速記録は、あなたは後日読んでいなかったか、その点を伺います。
○武内説明員 私は当委員会で聞いておりました。その後見ておりますけれども、だいぶたちますので正確な記憶がないということを申したのであります。
○細田委員 あの札つきの、ごろつきの井上信貴男が、この課長は適当でないとまでこの委員会で放言しているわけです。言いかえれば、あの当時井上工業所から納められたものはボール紙が入っているとか、今神近委員が言ったように子供のくつが入ったり、勝手ほうだいなことをして、どんな課長でもそのままうんと言えない状態であったことはありありとわれわれにもわかる。その男が適当でなかったと放言しておって、その後に定期異動であっても、その課長のいすを去らせられるということは、士気に関する影響をあなたはお考えにならなかったか。
○武内説明員 久保課長の異動は、先ほど申しましたように陸幕の異動の一環でございまして、特にそういうことがあるというふうには考えません。
○細田委員 そうするとあなたは、陸幕の方の要求があれば、さっきも特別の事情があればちょっと待ってくれというがと、こういう答弁をされたが、あなたはちょっと待ってくれというような要請は全然しなくて、そのまま追い出してやったのですか。
○武内説明員 調本におきます制服の在任期間は大体二年というのが一応の何でございます。着任早々まだ半年とか一年という場合、あるいは差しかかった大きな契約をやっている途中にかえるということがありますれば、これは困るということを私は申したのでありますが、たしか久保課長は二年数カ月たっておりまして、しかも陸幕の武器課の副課長といいますれば、将来を嘱目されるポストでありまして、果せるかな武器学校長に栄転しておるのでございます。そういう事情でありまして、私は特にとめなかった。決して追い出したわけではございません。
○細田委員 あなたは実施本部長として、検査がいかに重大であるかということは、私が申し上げるまでもなくあなたはよくおわかりだと思う。井上が放言したあと、定期異動であったか知りませんが、そのいすを去っているということは、そのあとから来た課長なんというのは、ほんとうに良心的に検査ができない状態にあるということを示唆するようなものです。何か業者にたてをついた検査をするなら、どこかへ吹っ飛ばされてしまうという印象を与えるであろうということはだれだってわかる。こういうことをあなたは全然考慮に入れなくて、そうして陸幕の要求のままに転勤を承認したわけですか。
○武内説明員 井上工業所に対しましても、検査は従来よりも一そう厳重にやっておりまして、むしろ防衛庁の検査は厳重過ぎるということを言われているくらいでありまして、従いまして決して井上某がそういうことを申したからということは全然ございません。それは普通の異動でかわったということには全然変りございません。
○細田委員 あなたの気持は、もちろんうかつさがあったからあなたは転勤を承知したわけなんです、しかし世間では、庁内では、どうも業者にたてついた検査をやると吹っ飛ばされてしまうという印象を受けることがおそろしい。少くとも調達実施本部長である限りは、検査ということがいかに重要な問題であるかということは、私が申し上げるまでもない。その検査に少くとも暗影を投ずるような、とにかく井上信貴男が当委員会へ喚問されたあとだけに、あなたとしては十分な注意を払うべきである。それをあなたはうっかりしているようだったら、調達本部長の資格はないじゃないですか。できるかできないかはわれわれは知りませんけれども、少くとも綱紀粛正を看板にしている岸内閣のもとにおける官僚としての実施本部長の資格はないじゃないですか。それに無関心でおるなら……。ほかのことを聞いているのではない。あなたは少くとも第二課長の転勤にはそれを考慮に入れなかったかどうか、当時は入れていなかったか、全然そんなことは無関心でおったのかということを伺っている。
○武内説明員 第二課長後任につきましては特に優秀な人を配置するというふうなことを考えて、現に実施いたしております。もちろん、久保課長が転任することにつきまして、中で、検査を厳重にした者は異動させられるというようなことで、士気に影響しているということは全然聞いたこともございませんし、またそういう点を十分私も注意いたしてやっておりますので、外部からごらんになると、あるいはそういう邪推もあるかもしれませんけれども、そういったようなわけでございまして、検査はむしろそれ以後、辻委員の御注意もございまして相当厳重にやっておりまして、その点は御心配ないようにということでやっておりますので、以上御了承いただきたいと思います。
○坂本委員長 青野武一君。
○青野委員 私は津島長官に一、二御質問申し上げたいと思いますが、会計検査院から出された昭和三十年度決算検査報告と三十一年度の決算検査報告を津島長官はお読みになったかどうかを一つお聞きいたしたい。
○津島国務大臣 両方とも十分読みました。
○青野委員 私は、昨年の二十六国会と、十一月から開かれました臨時国会の二十七国会と、この委員会の委員長を勤めておりまして、臨時国会で、二十九年度の決算検査報告については本会議場でその報告をして御承認を求めたのでありますが、そのときから私が考えておりますことは、所管大臣で、会計検査院から不当事項、不正事項を指摘せられておりますが、ここに先ほど田中郵政大臣がいろいろ御説明になりましたように、会計検査院から指摘せられた件数が何件ある、去年から見ると少くなっている、綱紀の粛正のためには全力をあげて私は経理の面その他に努力いたしますといったようなことを、検査院から指摘せられて、大蔵大臣以下は全部委員会に呼び出されて、そうしておざなりの謝罪をしている、陳弁をしておるのです。そういうことでは、先ほどから武内本部長と吉田委員の質疑を聞いておりましても、これは大へんな問題を含んでおる。会計検査院の限られた全国千五百の職員の手では、この程度のことは調べられるが、まだまだ取り残されておる問題が多いのではないか。長官は三十年と三十一年の会計検査院からの報告書をお読みになったとただいまおっしゃいましたが、それではお尋ねいたしますが、防衛庁関係だけで三十年度におきまして支出済みの歳出額が八百二十六億二千二百余万円、これが支出されておる。そのうち三十年度から三十一年度へ二百二十八億五百余万円というものが繰り越しになっている。それから今度三十一年度の決算報告を見てみますると、同じく歳出額が九百三十三億三千七百余万円、翌年度三十二年度への繰越額が同じく二百三十六億六千一百余万円、しかも三十年度の不用額は四十八億八千五百万円、三十一年度でも不用額が六十億四千三百余万円という数字がこの報告書の中に載っておる。何のためにこの膨大な不用額ができるのか。防衛庁は大蔵省と折衝をして予算をとることはなるほど巧妙です。陸海空軍を持っておられまするし、治安維持のために国家を守っておる一つの軍隊であるから、この程度の予算をよこせといっておとりになることはなかなかよくおとりになるが、三十年度にしてみても、三十一年度にしてみても、翌年度に繰り越された二百二十八億に、それから三十一年度が二百三十六億、不用額が四十八億から六十億になっておる、こういう点は一つも御報告がないし、また御答弁がないのです。今まで、私が昨年一年委員長をやってみて痛切に感じたことなんです。ただ活字の上で一、二行ちょっと謝罪する、陳謝をすればそれで済むようにお思いになっているが、会計検査院という独立した機関が、全国の職員を督励して、そうして私どもの手元に検査報告書を出しておりまするものを読んでみましても、二十九年度はすでに本会議で承認済みでありまするけれども、試みに防衛庁の問題をやりますると、不当事項が二十五件で五億二千四百七十六万円、三十年度においては十六件で四億三千八百四十五万円、私どもが三十一年度の決算報告書を十五、六日前に受け取りまして、簡単にページをめくってそろばんをはじいたところだけで、正確ではありませんが、三十一年度は十三件で一億四千八百二十四万円ある。これがただ一言の陳謝の形式をとってのお断わりの言葉を述べれば、それで済んでいくというのが今までのやり方である。それであるから中古エンジンのような問題があっても、国民の納得するような結論が出てこない。私はこういう点について防衛庁長官にお尋ねしておきますことは、この次――きょうは特に問題があったのでお呼びしたのでございますが、この次、あるいはその次ごろには防衛庁の決算について正式にお呼びすることになるかもわかりませんが、そのときには三十年度及び三十一年度は十六件の件数と十三件の件数の不当事項のあったことは、まことに申しわけがありませんではなしに、会計検査院から指摘せられた各件数の事項はどういうことになって繰り延べたのであるか、不用額が何のために四十八億も出たのであろうか、この工事で材料を購入するのに対して不当事項として会計検査院から指摘せられたことは、まことに申しわけないといったようなことは、言葉ではなくして一つそれを項目別に数字をあげて決算委員会に資料として急速に出してもらいたい。それを二十四人の決算委員諸君が相当の日数をかけて調べて、そうしてあなた方をこの委員会にお呼びして、わからないところを質疑応答していかなければだめだ。大蔵大臣にしてみても、防衛庁長官にしてみても、建設大臣にしてみても、不当事項その他を指摘せられたら、ただ簡単にとにかく断わりで済ましてしまう。そういうことでは、何ぼ岸さんがとんぼ返りしても、汚職の絶滅なんというものは期せられるものではない。日本の官庁と政府機関というものは伏魔殿のごとくに国民に誤解せられておる。これを明らかにして、汚職、疑獄の根を絶つには、そういう方法をとってもらうことも一つの方法ではないかと思いますが、津島防衛庁長官はどうお考えになりますか。
 あわせて、ここに中村運輸大臣もおられますが、あなたの方の運輸省関係は、二十九年度、私が責任者であったときには三十五件の五千七百九十余万円というところの不当事項を会計検査院から指摘をされている。そうして三十年度においては十七件で一千百七十六万円、それから今度の三十一年度においては、私が拾い読みをしただけでも十件で六百五十三万円あります。こういうことは、みな国民の血税によって不当な支出が行われているということを考えられたら、津島防衛庁長官と同じく、あなたの方も会計検査院から指摘せられたこの事項について、これはこういうことになっておったのだ、こういうことになってこういうような不当事項が行われたのだということを反省をされて、最高責任者の運輸大臣も、運輸省関係を一つ私の方に、決算委員会に防衛庁長官と同じように資料を出していただきたい。二十九年度政府官庁全体を合せてごらんなさい。七十三億四千万円という不当事項が指摘されている。三十年度は六百六十一億三千二百六十万円というものが指摘をされている。また三十一年度については、私がただいま申しましたように、簡単にそろばんをはじいて、すっと夕立が来るように走り書きしてやってみても、今検討中だが、すでに二十五億二千万円という数字が不当事項として出ている。この点について責任を持って委員会に運輸大臣と防衛庁長官は資料をお出しになりますか。
 この決算報告をお読みになったと言うから、大体これに基いて、委員会に対して具体的に、こういうような状態であった、こういう経過であった、結果はこうなった、数字はこうだということを一つ出してもらいたいと思いますが、どうですか。お二人に一つその点を御答弁願います。
○津島国務大臣 ただいまの御質問の点ですが、三十年度、三十一年度の決算に関して会計検査院から指摘されました各事項については、これは防衛庁といたしましてもこれに対する説明書を差し出し、なおまたその各項について詳細なる説明を申し上げ、その内容またどういう事情であったかということについて、当然に申し上げるわけでございます。
 なおまた御質疑の中にありました三十年度、三十一年度の防衛庁費の繰り越しの問題、非常に金額が多い、なお不用額についても同様であるという数字をあげてのお話でございました。これはまことに――この金額が予算に対して相当の割合であり、また金額としても大きいことはまことに遺憾であると思っております。これまた同様その内容等につきまして資料を差し上げることにいたしておきます。
 この機会に一言申し上げておきたいというのは現年度すなわち三十二年度の予算の執行でございますが、過去のこれらの事例に徴しまして、私は経理の適正という中には予算の執行というものの適正ということがございまして、その年度内に予定されたる経費の使用の適正効率化、また非常な多額な繰り越しを毎年続けていくということはいかにも申しわけないことと存じまして、各関係担当員に対しまして厳重なる指令を出し、その予算の適実な使用促進といった面を私は督励して参りました。まだ年度中でございまして決算を出す時期に至っておりませんが、二十九年以来あるいは三十年度、三十一年度二百三十六億といったような大きな繰り越しを見た、そういった事実は現年度においては絶対にございません。きわめて少額、未済繰り越しというのは約三十億くらいな見当にいく予定で、各担当官が一生懸命でやっておるという事態でございまして、これは質問外でございましたが、会計検査の過去の状況にかんがみまして、私は大いに反省して微力を尽しておるということを申し添えておく次第であります。
○中村国務大臣 先ほども申し上げましたように、運輸省には会計検査院から不当事項十六件、不正行為一件指摘されております。これらにつきましては私の方から誠意をもって説明書を提出いたします。そうして委員会の御判断を賜わりたいと存じております。
○青野委員 二十九年度は先ほど私が申し上げましたように、昨年の臨時国会で本会議を通じて承認を求めておりますから、参考資料には必要であるけれども必要がございませんから、当委員会に御提出を願う資料としては、さしあたり三十年と三十一年、これは一つ念のためにお願いしておきます。
○吉田(賢)委員 ちょっと資料を要求しておきます。これは今後の審査につきまして必要でありますので、資料を要求しておきますからすみやかに御提出願います。一つは、アメリカ国務省と日本政府間に一九五七年四月三十日締結せられました駆逐艦建造の契約書であります。それからそれに関連しまして、防衛庁と造船会社間に昭和三十二年十月十日に契約せられました造船契約書であります。この二つを資料としてぜひ要求したい。いま一つは、以前からこの委員会ですでに審議中でありまするが、資料がこないので進行しないのです。それは「いなづま」「いかづち」の建造費の案件でありまして、川崎重工に向っていかような質問をしたか。言いかえますと、実績、船価の高かった真因を究明するために資料をざいますけれども、しかしながら国鉄として自己の財産の再評価をする、そして経済の変動の場合もいろいろこれを研究して自己の固定資産の再評価をする、これは私は適切な措置であると思います。昭和三十年ごろからやっておったのでございますが、全国全般的に見まして相当誤謬があり、計算漏れがあることは私も国鉄の報告を受けまして事実と思います。しかしこれはまだ全般的には結論は出ておらないのです。先ほど申しましたように、ある部分は過大評価があり、ある部分は過小評価があるというのでございます。また行政管理庁のこの調査も、ある部分を抜いて報告しておるのでございます。それはこの勧告書にも書いてあります。しかしそれが不正だとは私は申しません。それは正しいのです。ある部分を抽出して指摘しておられる点は、事実であるとすればそれは正しいと思いますが、全般的にまだわかっておりません。これは私は国鉄にやらせます。そして今度は行政管理庁の批判も受けますし、皆さんの批判も受けますが、現在現われておる事項はそういう事情なのであります。そういうことでありますから、さっき申しましたように、財産課を設けて、全国的に、再評価の漏れた点、誤算の点は調査せしめるというふうに私は国鉄に申しております。
 そこでこれが前大臣――前大臣と申しましても私ども保守党でございますから、私も保守党員としてあの値上げ問題については賛成をいたしておりますので、私もあの値上げの問題について無責任であるとは申しません。議員として私は責任がある。皆さんのお問いに対して責任はあります。この点は当時私は所管大臣でございませんけれども、議員として私は賛成したことは事実であります。しかしこの値上げ問題というのは、これは国鉄五カ年計画という将来の原価予想をもって立てられたのでございまして、この点は今御指摘の再評価の問題と切り離していただいてお考え願いたい。つまり五カ年計画で、将来の予想の原価をもって立てて、それによって運賃の値上げが示された、こういうふうに私どもは解釈をいたしたのでございます。
○吉田(賢)委員 そうじゃないのです。運賃値上げの論議というものはおっしゃるがごとき、そう単純に考えてはいけないというのがわれわれの議論だったのであります。計算の根拠にいたしましても、損益の根拠にいたしましても、あるいはまた国鉄が欠損をする原因のいかんにいたしましても、われわれとしましては納得のできない幾多の事実がありましたので、運賃値上げをすべからずという根拠を十分に論究したのであります。しかしきょうはそこへ論じていくのが課題でありませんので、それは避けますけれども、一体こういう重要な原簿登載漏れがあるというようなことは、どう考えましても私は普通の状態じゃないと思う。銀行なら銀行で、あなたがその銀行の頭取でありましたならば、こんなことになりましたならば財産管理の重役は一ぺんに責任を負わされますよ。国鉄だからやむを得ず国民はついていっておる。あなたがおっしゃいましたごとくに、行政管理庁で一部を指摘したのが真実であっても、全部が真実と思えぬなんというておられるのはけっこうな身分です。国民の税金で食っている国鉄だから、幾ら間違いがあっても、五十億あったってそうかな、千億あったってそうかなで済ませるのはけっこうな御身分ですよ。けれども、こういうだらしない財産の把握のしかたが、一切の会計経理のあとへどういうような影響をしてくるかということもお考え下さらぬと、企業体として、企業の経営体としては体をなさんじゃありませんか。そこを私は言うのであります。一体こういうようなことについて、責任の所在が明確でないということまで指摘されておる。この点やや同感らしい。こういうようなことにつきまして、もっと責任を明らかにしなければいけません。とんでもないことであります。頭を下げて、いや管理規定を強化するとか、何とか課を作ってそれでやりますとか、そういうようなことでは――先般もここの委員会でゆるふんという問答が出たのですが、国鉄はまことにゆるふんの典型ですよ。これを監督しているのは運輸大臣です。運輸大臣が一緒になって国鉄のこういうゆるふん状態を維持していくということになったら、とんでもないことであります。だから私は申します。そういう状態でいかれたら、何年か後には国鉄をどうするかということが爼上に上りますよ。一部の財界人は雑誌なんかにも、分断して民営にすべしという議論まで主張しておる。そういう事実があるじゃありませんか。そういうことを考えたならば、ほんとに身のほどを知って、かかる事実に対して峻厳な反省をしてもらわなければいかぬと思います。
 そこで、きょうは多く議論をすることをやめますが、一体それなら誤謬をいつまでに確認をしようとしておられるのか。いずれ誤謬の確認を、あなたの方ではさらに再検討、再確認というお仕事になるんだろうが、一応の結末を何かきちっとつけていかなければいくまいと思う。あっちを指摘せられて、そうでありましたかとまた何かを直し、こっちを指摘されて直す、そんなことをやっておりましたならば、どだいあなたの方の固定資産なるものの実体は、いつの日にこれを把握することができるんだろうかとも考えます。この点、国鉄当局から責任のある御答弁を願いたい。誤謬等をいつまでに明らかにして、これらの結末をつけようという決意があるのか。
○中村国務大臣 ちょっと私からもお答えいたします。私は、一部分だとか抜けとったと言うのですが、これはやはり全般を見なければいかぬと言うのであります。国鉄の全般的な財産の再評価というものが果して適正であるかどうかを見なければならぬというだけでございまして、決してこの抜き取りの評価が全然間違っていると申しません。しかしこれも、今私は国鉄に調査さしております。従って、行管の調査が正しければ、私どもはそれは認めざるを得ないのでございます。そうして、いつまでやるか、これはそんなものをおそくやってもらっても、私ども監督官庁としてこれは許されないのですから、大体本年末までにやってもらいたいということを今言っております。
○久保説明員 私どもといたしましてはできるだけ早く再調査を完了して、できるだけ早い機会の決算で修正いたしたい、また御承認を得たいということで、現在鋭意やっております。今大臣が仰せられたのは本年度の末ということだと思いますが、私どもの希望といたしましては、あるいは努力目標といたしまして、三十二年度の決算で何とか整理をいたしたい、御承認を得たい、こういう努力をいたしております。と申しますことは、大体六月に三十二年度の決算を整理いたしまして、それをさらに整理いたしまして、大体八月までに運輸大臣の御承認をいただく、こういう段取りになっておりますので、何とか間に合わせたい。しかし、かえってやっつけ仕事をしてあとで問題の起るような整理をいたすのも、適当と思いません。この点十分努力をいたしまして、成算がつきましたら――と申しますより、成算をつけて、そういう段取りで参りたいというのが、私どもの決意でございます。
○吉田(賢)委員 委員長に要求しておきます。今行政管理庁から勧告した事実につきまして、可能な範囲ごく近い期日に、当委員会にしかるべき意見、事実の関係などを文書で出すように、お諮りを願いたいと思います。自余はあとに譲ります。
○坂本委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時四十五分散会