第028回国会 地方行政委員会 第22号
昭和三十三年三月二十七日(木曜日)
    午前十一時二十七分開議
 出席委員
   委員長 矢尾喜三郎君
   理事 亀山 孝一君 理事 纐纈 彌三君
   理事 徳田與吉郎君 理事 永田 亮一君
   理事 吉田 重延君 理事 川村 継義君
      青木  正君    加藤 精三君
      川崎末五郎君    菅野和太郎君
      木崎 茂男君    楠美 省吾君
      渡海元三郎君    早川  崇君
      平野 三郎君    古井 喜實君
      今村  等君    大矢 省三君
      北山 愛郎君    楯 兼次郎君
      門司  亮君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 郡  祐一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁行政局
        長)      藤井 貞夫君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁行政局
        振興課長)   吉浦 淨眞君
        専  門  員 圓地與四松君
    ―――――――――――――
三月二十七日
 委員川島正次郎君及び永井勝次郎君辞任につき、
 その補欠として平野三郎君及び楯兼次郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員楯兼次郎君辞任につき、その補欠として伊
 藤卯四郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一四七号)
     ――――◇―――――
○矢尾委員長 これより会議を開きます。
 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を議題として質疑に入ります。質疑は通告順によりこれを許します。纐纈彌三君。
○纐纈委員 ただいま政府提案で一部改正の問題が出まして、実は私ども非常に意外に感じたわけでありますが、いろいろ事情を聞きますと、御無理もないことと思うわけであります。この際一応大臣にお尋ねしたいのでありますが、再びこの法律を改正して、またこれを引き延ばすというようなことがあっては、私は非常に混乱を来たすおそれがあると思うのでありますが、そういう点について、長官の御意見を承わりたい。さらにもう一つ私は、この問題は、かなり中央審議会において専門家が十分現地を調査されまして、慎重審議答申をされたわけでございまして、この問題につきまして、さらにその採決をじんぜん日を延ばすというようなことになりますると、さらにいろいろとまた問題が起るのではないかということも、非常に憂うるわけでございまして、ぜひともできるだけ早い機会において、この採決をしていただきたいということを私は考えるわけでございますが、この二つの問題について長官の御意見をはっきり伺っておきたいと思うのであります。
○郡国務大臣 提案の理由で申し上げましたように、公正にして円滑な処置をいたしますために、若干の期間をお延ばしいただくことを内容といたしておるのでありまして、かつすでに審議会に意見を聞きましたものだけに限ることでございまするから、再延長をいたすというような事態は考えられないのでございます。なお第二の点につきましては、御趣旨のように考えますので、そのような手順を進めて参りたいと思っております。
○纐纈委員 大体ただいまの大臣の御答弁で了承を得たわけでありますが、大臣を初め自治庁の方々はいずれも良識に富んだ方でありますから、ぜひとも良識に従って、この法の命ずるように、できるだけ早く御処置をいたして採決をしていただきますよう希望いたしまして、私の質問を終ります。
○木崎委員 関連して一言御質問したいのでございますが、ただいまの纐纈委員の御質問に対する大臣の御答弁で尽きておると思うのでございますが、一言だけ埼玉県の問題と東京都の問題に関連をいたしまして、御質問をいたしたいのでございます。
 実はこの問題は、大臣も非常に御心配になっておられる問題で、確かに審議会の答申が出るまでは、私どもも政治的な立場で、いろいろこの問題を取り上げるのはどうかというような気持から、東京都側としましても、相当猛烈な運動も起きたのですが、私どもも常任委員会の委員の立場でむしろこれを押えまして、とにかくこの問題は政治的な観点で処理すべきものではなくて、政府において諮問機関を持たれ、これらの御意見によって事務的にあくまで公正に処理をすべき問題である。これが政治的な関連を持ってきますと、なかなか解決がむずかしくなって参ると思いますので、私どもも努めてそういうような考え方で、今日まで参ったわけでございますが、実は大臣も御案内の通り、瑞穂町の基地を拡張いたします場合に、たまたま両村の合併の問題が出ておりまして、瑞穂町の大部分の農地が主として提供せられることになったものですから、瑞穂町の農地の喪失を、本狭山を合併するということによって、本狭山側もあげて合併を希望しておりますし、そういうことを条件に、基地の拡張ということについて地元は納得をいたしたい、こういうようなお話が当時も出まして、政府との間でいろいろと折衝が行われたわけでありますが、こういう基地の拡張というようなことに、こういう問題がからんで参りますと、これはまた大へんな問題でございますから、私どもといたしましても、これは別個な問題である。しかしそのときに審議会の答申が合併した方がいいというふうに結論が出た場合には、これは政府としては両村の意見に沿い、なお基地の拡張の際の交渉の経過から、すみやかに裁定をしていく、こういうことが当時の責任ある立場の調達庁の長官、それから基地拡張を取扱いました臨時閣僚会議というような席で、相当深刻に議題に供されて今日まで参ったわけですが、そういう観点からこの問題の取扱いに対しましては、私どもといたしましては、あくまで厳正なる第三者の立場の審議会の答申を待って、そうして政府に厳正な処理をしていただく、これよりほかにいたし方がないじゃないかということで今日まで来て、冷静な態度で見守って参ったのでございますが、先般他の全国的なケースと同じように、今日法律の延期によりまして瑞穂の場合も本狭山の場合も、裁定がおくれて参ることになるわけでございますが、ただいまの纐纈委員の御質問に対する大臣の御答弁を伺いますと、答申の線に沿うて裁定を進めていきたい、こういうお話でございますから、東京都と埼玉との問題についても、別に私が取り上げて関連質問を申し上げる必要もないかもしれないのですが、とにかく全国的なケースとこの瑞穂の場合は多少かわった、政府に間接的な責任があるケースではないか。それを政府かすみやかに裁定をすることが、やはり政府の立場として当然なさなければならないものではないかというふうに考えておるのでございますが、おそらく大臣におかれましても、その辺の事情につきましては、関係者の皆様から御聴取なさっておられると思うのですが、そういう事情がありましたことを、大臣は十分御承知になっておられるか。また特にただいま御答弁がありました審議会の答申に沿うて、厳正に処理をする、その場合特に瑞穂のケースというものが、もしかわった形で裁定が出るというようなことになりますと、大へんな政府の威信にかかわるような問題が出やしないかというふうに考えますので、その点について一言関連をいたしまして大臣の御所信を承わりたい、かように考えます。
○郡国務大臣 仰せのような事態があり、そのために長い経過のあること、書類によりまた役所の内外の者からの聴取によりまして、事情をよく心得ておるつもりでございます。そのような前提のもとに、円満な調整をはかるように心がけて参るつもりでございます。
○矢尾委員長 川村君。
○川村(継)委員 簡単に一つお聞きしたいと思います。県境合併につきまして、中央審議会から答申が出た三つの県については合併を認めるが、二つの県については合併を認めない、こういう答申であったかと思います。これらの事件については、自治庁としても相当詳細に調査をされておると存じますが、合併を認めないという答申が出ております三重県の場合、実は答申の内容を詳しくお聞きしておるわけではありませんけれども、地勢とか交通あるいは経済上その他の事情においては、合併を必要とする理由はある。しかし住民の間に相当意見の対立があるので、現段階においては合併を行うことはまだ適当ではない、このような理由で見送りになっておるようでありますが、自治庁のいろいろ調査された結果、この三重県の場合、中央審議会が合併を認めなかった場合についての、いろいろの調査の結果に基く見解はどのようなのでございましたか。これは一つ行政局長からお話いただきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 実は審議会といたしまして答申が出ておりますことは御指摘の通りでございますが、われわれ事務当局といたしまして、調査官あるいは振興課の職員が、そのお手伝いの意味におきましていろいろ事実の調査、その他資料の収集に当ったのでございます。従って出ました答申というものは、これはあくまで審議会の答申でございまして、政府といたしまして直ちにその答申の内容につきまして、政府自身の見解と一致するというわけのものではございません。ただ私たち事務的にこの間の調査会の調査等に参画をいたしておりまして、大体察知せられまするところをそんたくいたしますると、その点当分の間はいろいろ地勢、交通その他の条件からいえば、客観的には合併が妥当であるというふうに認められるけれども、しかしいわゆる主観的条件と申しまするか、住民の動向等につきましては、合併賛成、反対に分れて相当深刻な対立があるという理由で、この合併を強行することは適当ではないという結論に相なっておるのであります。そこで審議会といたしましては、ただいま出て参っておりまするような合併案件、特に県境にまたがっても合併をしたいというようなものは、よくよくの事柄でございます。客観的な条件等はそれぞれ十分に理由のあるものばかりといっても差しつかえないのではないかということでございましたが、しかしながら事柄が県境にまたがるという問題でもございまするし、その間住民の動向というものも、これは相当高度に考えて参らなければならないということに相なったのであります。そこで客観的条件と主観的な条件というものを総合的に勘案をいたしまして、結論を出すという建前をとったのでございますが、特に主観的条件、いわゆる議会の動向なり住民の考え方なりというものについては、やはり単に過半数というようなことでは困る。相当高度に、全体の住民の大部分というものが、この合併に賛成をしているのでなければ、やはり合理性を持ち得ないのではないかという結論に相なったのであります。そういう観点から申しますると、合併がこの際適当ではないというふうに判定を下されました三重県関係の二件につきましては、特に主観的条件におきまして住民の動向というものがほとんど伯仲をしておる、あるいは若干の等差は認められまするけれども、その差がきわめて僅少である、賛成、反対が非常にぎりぎりの線で相争っておるというような状況が、いろんな調査その他から判明をいたしましたので、それらを総合的に判断をいたしました結果、これらの二件につきましては、この際は合併を認めることは適当ではない、こういう結論に相なったというふうにそんたくをいたしておる次第でございます。
○川村(継)委員 三重県の場合、住民の動向という問題でありますが、これはどういうような形において住民の動向あるいはその意思というものが調査されたのか、住民個々の何かの意思表示を形によって現わしたところの結果によっておるのか、その辺のところに一つの疑問点を持っているわけですが、中央審議会が承認をしたという三つの合併についてもたくさんの反対的な陳情などが来ておるようであります。もちろん三重県の場合に比べると、こちらの方の調査によりますと、まあ住民の反対といっても賛成が上回っておるというようなことかもしれませんけれども、三重県の場合などではどういうような形において、そういうのが具体的に調査されておるのか、聞くところによりますと、これは的確な資料ではございませんけれども、三重県の県庁側において特にこの合併反対の機運を盛り上げるために合併させない、そういう意味においてあらゆる工作が相当多額の費用を使ってやられておる。そういうのがこの審議会等に反映をしておるということになると、これは住民の意思じゃない、そういうことにも考えられるのでございますが、その辺のところは自治庁としてはどういうふうに見解を持っておられるか、あるいは住民の動向、意思というものの調査がなされたか。かりに住民投票とかなんとかいう形でやったのか、その辺は一体どうなっておるのでしょうか。
○藤井(貞)政府委員 本件につきましては、県境にまたがりまする問題でありますために、いわば離す側と申しまするか、出ていきたい側の町村をかかえておりまする県におきまして、県の立場からいろいろこれに対しまして啓蒙宣伝、その他の積極的な運動を展開したところもかなりあるということは、私もよく承知をいたしておるのであります。審議会といたしましては、そういう運動の結果、いわば強圧的なものがそこに加わったために、住民の意思というものが不正な方向に向いていったというような事態があるとすれば、そういうものはやはり十分考慮して判断の資料にしなければならないというような点は、審議会の各委員においても十分に論議が尽され、そういうような点を中心といたしまして、非常に真剣な討議が行われたのであります。そういう意味ではただ単に運動をしたからどうのというような結果にはならないように配慮を加えたものと承知をいたしておるのであります。三重県の木曽岬村の関係におきましては、現在の議会の動向は八対八の同数ということになっております。ただ当初議会において議決をいたしましたときは八対五であったのであります。その後の推移がどういうふうな形になったかということにつきましても、審議会の委員においても十分真剣な討議をいたされたのでありますが、当初の議決自体が八対五になっておるというような点、その他こちらといたしましては、事態を不当に紛糾させることにも相なりますので、自発的な住民投票その他のことはもちろんやっておりません。やっておりませんが、署名収集の運動でありますとか、あるいはこれらの期間中に行われました。議会あるいは議員に対するリコール運動、あるいはその結果というようなものを総合的に判定をいたしまして、住民の動向というものについて、ある程度の見通しをつけるという努力を払ったのであります。そういうような結果から見まして、議会の動向といたしましても住民の動向といたしましても、やはり賛成と反対というものが、ほぼ相匹敵するという状況になっておる。賛成派というものが相当多数の比率を占めておるというふうには、どうにも見られないというような点が審議会において判定をせられまして、その結果答申の線に沿ったような結論が下されたのじゃないかというふうに考えております。
○川村(継)委員 最後に一つ、そのような非常に複雑な問題をかかえた合併について、この促進法の一部を改正して慎重にやろうということでありますから、それについてわれわれといたしましても別にどうこう申し上げる意思は毛頭ございません。ところが県境合併に限らず、町村合併の問題については今なお各地に大きな紛糾を巻き起しておるようであります。たとえば県知事が勧告したところの線に反対あるいは賛成というようなことで村長のリコールをやってみたり、あるいは議会の解散請求をやってみたり、もうそれはてんやわんやの状況をかもし出しておる地区が相当にあるようでありますから、自治庁としては町村合併の問題については、よほど十分なる手を打っていただかなければ、自治体の行政上から考えても、住民の福祉の上から考えても大きな問題を残していると思うのです。そういう点を考えますと、自治庁当局において十分すべての問題について強力なる手を打っていただくように、われわれとしては要望せざるを得ません。またいずれ町村合併の問題等についてはお聞きするときがあると思いますが、この際最後に一つお聞きしておきたいと思いますことは、私今ちょうどここに資料を持っておりませんが、三十一年度の決算を見てみると、町村合併の促進に関する相当多額の費用が余っております。使い残しがある。これは一体どうした理由によって出ておるのか。数字を私今ちょうどここで覚えておりませんし、持ってきておりませんが、この点についておわかりでございましたらお答えいただきたいし、また後日でもよくお調べ下さって、それはぜひ明らかにしていただきたい。三十二年度にもしもあのような状態が出てくると、新市町村建設というあの精神から見まして大へんなことだ、こういうような感じをわれわれは持つわけであります。いかがでありますか。
○郡国務大臣 お話のように、新市町村建設という大きな仕事が成果を上げますために、その間紛議のありましたことも経過において事実でございますが、そうした事態が完全に終りまして、そうして今後の新しい発展を力強く進めて参りますために、お話の御趣旨を体しましていたすことに決意をしております。促進費の使い残りの点はあまりなく、むしろ予算を一ぱいに使っているようには思いますけれども、あるいはそのおっしゃるような点よく私の方も数字を精査いたしまして、また別の機会に申し上げさせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、亀山委員長代理着席〕
○加藤(精)委員 関連して。ただいま他の委員よりも発言がありまして、町村合併事務の重要性については特にいかにこれを強調しても足りない、また要望しても足りないくらいに存じますが、念のため速記に残しておきたいために、これから御質問を申し上げる事項を、一つ行政局長及び大臣から明確に答弁していただきたい。
 ただいま総合判定という言葉がありまして、また新聞等にも非常にたくさん総合判定という言葉があるのですが、その総合判定というものの意味が私にはどうも納得がいかない。主観的要件から見て妥当でないから、ある県境合併についてはこれを認めないということなんでございますが、果してしからば客観的要件において妥当でない場合、主観的要件が非常に十分に満たされている場合、はっきりいいますと、客観的条件、すなわち新市町村建設促進法の第二十七条第五項の「地勢、交通、経済事情その他の事情に照らし」それが客観的条件です。その客観的条件が妥当でない場合に、主観的条件が相当濃厚に満たされているという場合――どうも説明しにくいのですが、客観的条件の方では妥当でない場合であって、主観的条件の方が相当十分に充足されている場合、こういう場合にはその主観的条件が濃厚だということを理由にして総合判定して、そうしてその町村合併なり境界変更なりを認めようということでやってもいいかどうか。一応主観的条件がいかに十分に充足されておっても、客観的条件の上から妥当でないものは、それを総合判定というような網に照らしても問題にならぬのかどうか、そこのところを――どうも従来の取扱いについてあいまいな点があるように思いますので、明確に行政局長及び大臣なり御答弁をいただきたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 客観的要件と主観的要件とのからみ合せ、それの総合的見地における判定ということは、今加藤委員もおっしゃるように、非常にこれはむずかしい問題でございますことは、われわれも日ごろ町村合併のむずかしい事務を取り扱っておりまして、そのときそのときにひしひしと感じておる事柄でございます。もちろん一般的に申しますれば、客観的条件というものが熟しておりますればこそ、主観的条件というものがそこに生まれてくるのでございまして、客観的条件が熟さないところに、一部の人が何かの利害関係その他でそれを押し切って、なお合併をしたいというような機運が出て参るときもございますけれども、それが大勢を支配するということは、まず普通の場合はあり得ないのじゃないかというふうに考えるのであります。従いまして本審議会におきましても客観的条件についてはそれぞれの案件において十分理由がある。しかしそれに対して主観的条件というものも十分加味しなければならないということで、主観的条件についても、特に県境合併の場合においては高度なものを要請いたして、そういう一つの抽象的と申しますか、基準に従って総合判定の結果が出されたものであるというふうに承知をしておるところであります。ただ今お尋ねになりましたような、客観的条件が全然熟しておらないにもかかわらず、主観的条件というものが非常に高度である場合に、どうかということでございますが、これもいわばわれわれといたしまして、事はあいまいでございますけれども、やはり総合判定というふうに申しませんと、事柄の円滑なる調整ということには、なかなか結論が到達をいたしがたいのではないかというふうに考えるのであります。やはり客観的条件というものと主観的条件というものにつきましては、これを総合的に見て、事態の推進をはかっていくということが、町村合併の問題を処理していく上につきまして、とって参るべき態度ではないか、かように考えておる次第であります。
○加藤(精)委員 驚いた論理を展開されるものだと思います。それがどうも私は納得できないのですが、客観的条件が熟していない場合は、主観的条件が熟すはずがないという一つの論理を今お使いになりましたが、これは私は驚くべき論理だと思うのです。その論法でいきますと、客観的要件が満たされない、すなわち客観的要件の上から、地勢、交通、経済、その他の事情について十分でない場合は、主観的要件、すなわち民心の動向というものが起きる余地がないものだ。起きるわけがないから、しかるがゆえに主観的要件があるのだから、客観的要件もそろっているはずだ、こういう論理であります。この論理が正しいとはどうしても私は思えない。主観的要件というものは、社会のあらゆる方面からの誘惑とか、それからまたそのときの群衆心理とか、いろいろなものから出る可能性があることを行政局長御承知だろうと思うのです。それですから、主観的の要件が満たされているときには、必ず客観的要件が満たされての上での話だ、こういうふうな論理をお使いなすったと思いますが、どうも私は頭が悪くて、行政局長が非常に頭がいいせいかもしらぬけれども、行政局長は頭のよろしいのは大へんけっこうなんですけれども、国民の平均のレベルのものですね、私は少し平均のレベルより低いのですけれども、平均のレベル、または平均のレベルよりちょっと下の人にもわかるような話をしていただきたい。それで客観的要件の充足されていない場合は、主観的要件の、民心の動向が起きるはずがない。しかるがゆえに、主観的な要件が満たされている場合には、客観的要件が満たされている、こういうことにお考えになっておるのかどうか。第二の問題でまた非常にむずかしい論理をお使いになったので、それもまたあとでお尋ねしますが、ただいまの御答弁をお願いいたします。
○藤井(貞)政府委員 客観点条件が整っておる際において、主観的条件というものが相当高度のものになってくるということは、これは一般的な傾向として申し上げたのであります。その点が、ときとしては客観的条件というものがそれほど整っていないというような場合にも、主観的条件というものがかなり高度に盛り上って参るという場合も、これは実例としてはあり得ることでございます。そういう場合に、たとえば今度の県境合併というような問題をも含めて一般的な問題として申しますならば、紛争解決のために、どういうふうな手を打っていくべきかという結論を下します際には、やはり客観的条件と主観的条件というものを総合的に見て、その総合というのを点数をつけて、客観的条件が八点の場合は、主観的条件は三点であってもいいとかなんとかいうことではなくて、やはりそこは全体的な立場から総合的に判定して結論を出すべき筋合いではないか、かような意味で申し上げたのであります。
○亀山委員長代理 ちょっと申し上げますが、実は御案内のようにこの法案は非常に急いでおりますのと、それから他に通告順によってお二人残っておりますので、どうかきわめて簡単にお願いします。
○加藤(精)委員 私は簡単な質問をしておるのですが、ことさらに私の質問に対する答弁を長くするということはどうも――私は非常に簡単なんですよ。主観的要件から見て妥当でないときに、客観的要件が非常に濃厚な場合に、もう全然だめなのか、それともだめでないのか、そういうきわめて簡単なことを御質問しておるのですが、えらく学術的にむずかしく御答弁なさる。主観的要件から見て、具体的にいうて新市町村建設促進法第二十八条、それから第二十七条第五項等にある「地勢、交通、経済事情その他の事情」という、「その他の事情」というのは主観的要件が入っていないのだと思うのですが、そういふうなことから見て妥当でない場合に、それにもかかわらず主観的要件が濃厚な場合は、この新市町村建設促進法第二十八条第一項の適用及び第二十七条第五項の適用についてどう扱いなさるのか、そのきわめて簡単なことをお聞きしておるのです。もう時間もないですから、きわめて簡単に、右だか左だかおっしゃって下さればいいんです。その端的な御答弁を願いたい。
○藤井(貞)政府委員 答弁の繰り返しになって恐縮でございますが、客観的条件というものが、常識的に見てそれほど満たされておらないという場合におきましても、主観的条件が非常に強いものであるという場合には、紛争解決の手段といたしましては、法に認められておりますところの手続を進めることもあり得ると思います。
○亀山委員長代理 楯君。
○楯委員 きわめて簡単に二点ばかりお伺いしたいのですが、個人的にもいろいろ長官の御意向を承わっておりますので、これに速記に二点ばかりとどめておきたいと思ってお伺いいたしますが、この前の委員会で、私はどうせこんなことであろうと考えまして、長官の決意を促したのでありますが、私どもが一番おそれるのは九月三十日まで延期をされるということにおいて、現地の情勢がますます紛糾をして、住民あるいは県の感情的な対立がより以上深まって、解決がますます困難になるのではないか、こういうふうに考えておるわけです。従って法案の出されました今日では、かれこれ言えないわけでありますが、裁定のできる個所は一日も早く裁定をした方が、紛争を収拾する意味からいって妥当ではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、長官はこのことをいかに考えておられるか、お伺いいたします。
○郡国務大臣 公正、円滑な処理をして参りますように、今までもいろいろとこういう解決の方法はどうであろうかというようなことを、行政的な面から努力してみておりましたけれども、なかなか紛議の激しい際には、そうした事柄がそういうことは問題にならぬというような状態、このままで直ちにものを扱いますことはいかにも調整が不十分でありますので、お話のように、このためにかえって事態を紛糾させるというようなことが絶対にございませんように、さっそく行政的な措置で、十分適切な調整がとれますようにいたして参る。またそういうめどをもってこれからさっそく進んで参りたいと思っております。
○楯委員 この五つの個所で大体三つは合併を認めるという審議会の答申が出ておるわけですが、われわれはまあ審議会が公平なるものの見方をしておるというふうに受け取りたいのです。従って二カ所の過半数に達しないというような個所はともかくとして、答申にある合併を可とする個所においては、一日も早く裁定をすべきである、こういうふうに考えておるわけです。従って私が先ほど申し上げました期日を延期することにおいて、紛争がより以上激化するというのは、大体この答申が出た三カ所の合併を認めるという個所は、あなた方が裁定をされてもそのまま円滑に処理されていくというふうに考えておるわけです。ところが延ばすことにおいて要らざる対立を激化するのではないか。この三カ所についてあなたと私の方とだいぶ考えが違うわけですが、合併を可とする三カ所についてはどういうふうな御見解であるか。
○郡国務大臣 その間調整を要しますべき事項は何と申してもございます。これらの調整をいたしますならば、事の処理が、円滑な結論を得る。しかしいろいろなことを考えなければいけませんから、一方では今後このためにさらに新しい紛議の起ることのないように、そうした手だては十分とりつつ円滑な結末をつけるように、行政上の処置の万全を期して参りたいと思っております。
○楯委員 そういう紛争が起ることのないよう行政的措置をとるとおっしゃいますが、具体的にどういうことを言っておられますか。
○郡国務大臣 今までこれはいろいろな経過の間にも、こうしたら言うておるような心配はなくなるんだ、それからこうした施設をすればというようなことはいろいろあるのでございます。あなたが、それらについてそうした手段をとるだけの、何と申しますか、気分の上でも実際の行政の面でも熟しておりません、従いましてそうしたいろいろのことを考えられながら、そのままになっております手段を強権的にではなく十分な納得をしてもらいまして、そして調整を進めて参りたいと思っております。それにつきましてはよりより協議などもいたしておる次第でございます。
○楯委員 この九月末まで期限が延長に――これは本日の本会議にかかっておそらくこの法案は通ると思いますが、この場合に比較的問題のない、例をあげていえば、三カ所については期限九月三十日を待たずとも処置、裁定というか、私よく知りませんが、総理大臣の裁定を個別に出しても差しつかえないと思うのですが、そういうことはできないのですか。
○郡国務大臣 半年をお願いしておりまするのは、明日くらいでちょうど期限になって出て参るものもございます。そうしたものを考慮に入れまして六カ月をお願いしておるのでございますから、それでないすでに十分な検討の加えられておりますものについては、決して六カ月のおしまいまで置いておくというようなものの考え方ではございません。新しいものだけを六カ月あればまず処理ができるという見当をつけているわけでございます。
○楯委員 最後にくどいようでありますが、この点もう一回再確認しておきたいと思いますが、問題が比較的ない個所については、九月三十日を待たずに解決をしていく。従ってこの裁定というものが各個所によって期日が異なる、こういうふうに解釈しておいてもよろしいかどうか。
○郡国務大臣 御延長願いました期間の中で処理のつきますものは、なるべく早く処理をつけて参りたいということは、この法律をお願いいたしておりますときの根本的な考え方でございます。
○北山委員 時間もないようでありますから、集約して二、三お伺いしたいのですが、第一は、この期に及んであわててこの改正案を出して、三十日の期限までに通してもらいたい、こういうような事態になったことにつきましては、私は自治庁としても十分責任があると思うのです。たしか前には期日までに処理ができるというような見解を言われておったと思いますが、これがぎりぎりのところに来て延期をしなければならぬ、そのために法律をしゃにむに短かい時間で国会を通さなければならぬ、こういう事態になったことにつきましては、私は長官の率直なお考えをお伺いしたい。それから逆にいえば、今の新市町村建設促進法の二十九条の第八項、すなわち県境合併における内閣総理大臣の処分の特例、この特例をなぜ今年の三月三十一日までと期限をつけなければならなかったか、これは自治法の第七条の第三項ですか、いわゆる府県の区域の変更につきましては、関係の地方公共団体の申請に基いて総理大臣が処分するように原則はなっておる。問題になるのは関係の市町村と府県の意見が合致をしておらないという場合の特例だと思うのですが、その特例をなぜ期限をつけて三月の末までは地方団体間の意見が食い違っておっても、それは総理大臣が処分できる。その後においては食い違いがあれば処分ができないで、こういうことに、なぜしなければならなかったか、私はちょっと変だと思うのですが、そういう規定がなければ今回の問題も出てこないはずなんですが、その点はどうなんでしょう。
○郡国務大臣 御指摘の点は確かに私どもも反省をいたさなければならない点なのでございますが、何分にも円滑な決定をしますのに、審議会の答申を――提出されました時期が差し迫っておりましたことと、それから市と村を合併いたします分が二件、二十七日を過ぎて初めて提出できるというような日取りになっております。それで御指摘のように、この法律全体が制定のとき予想をしておりましたように、たとえばぎりぎりに出てきてもそれを扱わなければならない法律になっておる。もしこれをそのときにたとい期限をつけましても、それではそういうものはどれだけ扱うかというようなことが今日のような事態を考えておれば、当然手段を設けておかれたはずだと思うのでありますが、そういう点については私どもも法律を考えまするときに、なお気持の行き届いておらなかった点もあるかと存ずるのであります。従いまして定めました本年の三月三十一日という点につきまして大体の目安がその辺ということでございまして、振り返ってみますと、さらに考えなければならない点は十分あったのであり、またそのために本日こういう法案の御審議を早急お願いいたすような状態になった次第でございます。従いまして今後の扱いにつきましては十分気をつけて参りたいと思っております。
○北山委員 私はこの問題が起るようになった新市町村建設促進法の附則の期限を切ったということが、いまさらのようにおかしく思うのです。私どもの方は促進法当時、三十一年でしたか、反対をいたしましたから、このことのために反対したわけではないのですけれども、考えてみるとおかしいのです。三月三十一日以降においては、府県の反対があれば県境合併はできない。それ以前は府県の反対があってもできるのですが、どうも期限の問題じゃなくて法律的な問題じゃないかと思うのです。私は今さらそんなことをいっても初まりませんけれども、問題はそこにあるんじゃないかという点を指摘をしたわけであります。
 それからなお関連して疑問に思いますのは、今度の答申がどうであるかわかりませんが、対等合併の場合と編入合併の場合といいますか、県境の市町村が合併をする場合に編入の合併であればおのずから所属県がきまってきますけれども、対等の合併の場合においては新しくできた新市町村がどっちの県に所属するかということはだれがきめるのですか。これは規定上どういうことになるのですか。
○郡国務大臣 実際両県で話し合いがつきました例が御承知のようにすでに幾つかあり、その場合にはそうした処分できまって参りますけれども、総理大臣が処分をいたします場合には総理大臣の処分によりまして所属の県がきまって参るということに、この法律は読むべきものだろうと考えております。
○北山委員 それは自治法の第六条と第七条を関連して見ますと、今の対等合併の場合の所属県の決定については規定されておらない。これは解釈上、規定が不備じゃないですか。もしも関係の市町村がただ対等合併をするということを決定をして、どっちの県に属するかということをきめない場合にはだれがきめるのか。法律上はないのでしょう。内閣総理大臣といえども、こっちの県に所属するということを勝手にきめる規定はない。根拠はないのです。これは立法上の不備じゃないですか。
○藤井(貞)政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げておりますように、県境にまたがる合併につきましては、あるいは境界の変更の問題につきましては、これは本則は地方自治法の規定がございまして、それに基いて行われるわけでございます。いずれも内閣総理大臣が関係のある公共団体の申請に基いてこれを行うということになっておるのであります。従いまして対等合併等の場合におきましては、御指摘のようにそれぞれの所属の県というものにつきましても、これを同時に決定をする権限が総理大臣に与えられておるのである。ただ新市町村建設促進法の場合におきましては、対等合併ということを建前としては認めておらないのでありまして、町村の編入というものにつきましてこれを認めることにいたしまして、対等の県につきましては法律上これを規定をいたしておらないということに相なっておる次第でございます。
○北山委員 今度の建設促進法の関係ではそういうことでしょうが、原則的にはやはり自治法の六条第二項は「都道府県の境界にわたって市町村の境界の変更があったときは、都道府県の境界も、また、自から変更する。」こういうことになっておりまして、その関係市町村の合併に伴いまして県境が自動的に変更するということになっておるわけです。従ってそれが実際に対等合併が行われた場合には、所属県というものが問題になりはしないか。これは私、立法上問題になると思いますので、この点は御研究をいただきたいと思うのです。私どもも研究をしてみたいと思います。
 なお、こういうふうな県境合併の場合のみならず、先ほども質問にあったように全国的に合併のトラブルがあって、残って、合併できないものが相当あるわけであります。そこでそれを一々お伺いする時間がございませんが、やはりこういう問題が出てきて今日の紛争その他の結果、合併ができないような事態は当初から予想されたことだと思うのであります。というのは従来の合併促進法なるものが、合併の際の合理的な基準を持っておらない。人口七千以上というようなことであって、あとは多々ますます弁ずというようないわば無方針、基準のない合併ではなかったか。従って府県が町村合併の計画を作る場合においても、その地域における産業なり、経済、文化、交通等の一体的な客観的な要素、そういうものを基礎にしたものさしでもって合併を指導したとは必ずしも言い得ない。そのものさしが今日に至ってもないから、やはり実際問題になりますと住民の意思であるとか、あるいはいろいろな勢力関係であるとか、そういう主観的な要素がよけい入ってくると思うのであります。そのために自治庁がお困りになる結果になるのであって、全国県境合併ばかりでなくて、あちこちに同じような問題があって、その裁定に苦労されておられると思うのであります。従って私が当初から主張して参ったところでありますが、この際町村合併の実績を再検討してみる。そうして今後中央審議会のような弱体の審議会ではなくて、もっと強力な調査機構を持った、長期的に地方団体の合理的な境界を調査研究するような境界の委員会、そういうものを設けて町村合併、あるいは府県の問題についても検討していくということが正しいのではないか。その際においては従来の町村合併にあまりこだわらないで、これはこれとして一応プラスのものとしてもやはり相当マイナスがあると思いますが、そこへまた積み上げていくというようなお考えがないのかどうか。このような出てきた一々の紛争を、ごたごた地方の村あるいは町の問題を、中央で大まじめになって論議をしなければならぬということは、私はばかばかしいと思うのです。中央でやることは一定の合理的な基準を定めてやっていくのが正しいのであって、それが今まで欠けておったのではないか。従って一つ、今までの審議会もそれは一生懸命おやりになったと思いますが、やはりもっと強力な地方団体の境界について専門的に調査研究をするような境界委員会というような機構を、ちょうどイギリスが持っておるようなああいう機構をもって長期的に調査していく、こういう御構想があるのかないのか、これを承わっておきたいのであります。
○郡国務大臣 町村合併をただいままでやって参り、確かにこれは全体に一つ見直すべき問題がある時期になっていると思います。ただいまの段階が理想的な姿とは考えられませんので、これをもっと理想を持ったものにいたしますように、御指摘のような点は十分検討させていただきたいと思います。
○亀山委員長代理 本会議が一時だそうでありますので、どうか今後の御質疑は簡単にお願いを申し上げます。
○加藤(精)委員 先ほどの私の関連質問に対する行政局長の答弁は重大であると思いますので、重ねてお尋ねいたします。先ほどの御回答はこういうふうに了解してよろしゅうございますか。市町村合併の主観的要件において妥当でない、しかしながら客観的条件において非常に濃厚ならば、それを総合判定して合併の処分をすることができる。そう答弁されたように思いますが、後に速記録を丁寧に調べますが、そう解釈してよろしゅうございますか。
○藤井(貞)政府委員 そういう答弁はいたさなかったつもりでございます。客観的条件があり、主観的条件がそこに伴ってくるということになりませんと――おそらく主観的条件は具体的には町村住民の意思の代弁機関であります議会がそれぞれ議決をいたすわけでございます。主観的条件というものが全然ないところでは、そういう合併議決というものも行われないわけでございますし、そういうものがない限りにおいて知事なりあるいは内閣総理大臣が、一方的に町村議会等の意思を無視してこれを処分をすることは認められておらないのでございます。
○加藤(精)委員 どうもおかしい。客観的要件から見て妥当でない場合に、主観的条件が幾ら濃厚であっても、合併処分は起り得ないだろうと私は思うのですが、その点を教えて下さればいいのですよ。その点を明確にしていただきたい。
○藤井(貞)政府委員 客観的条件がそれほど熟しておらない場合におきましても、主観的条件が非常に高い程度にあるという場合におきましては、あるいは紛争の解決の手段等といたしまして合併が行われる事実というものは、時としてあり得るわけであります。
○加藤(精)委員 どうも大へん迷惑しますのは、私の質問を歪曲して、そしてそれを前提にして御答弁されるのはおかしい。客観的要件において妥当でない場合に、主観的条件が濃厚であるということのために、総合判定で合併処分をすることがありやいなやというのですよ。私の質問を歪曲しないで、歪曲されざるままの質問に対して答弁をしていただきたい。
○藤井(貞)政府委員 時としてあり得ると思います。
○加藤(精)委員 それならば私は重ねてお尋ねしますが、新市町村建設促進法の第二十八条第一項、第二十七条第五項の「地勢、交通、経済事情その他の事情に照らし、」というこの客観的要件が満たされない場合でも、主観的要件が十分な場合は合併処分をなすことはあり得るというのですか。どうもそういうふうに日本語や日本語の文法では読めないのです。日本語で答弁をしておられると思うのですが、重ねて御答弁をお願いいたします。
○藤井(貞)政府委員 その他の事情という中には、主観的条件も入るものと解釈いたしております。
○加藤(精)委員 主観的条件がそれほど重視されるならば、客観的要件をきめた理由がないじゃありませんか。主観的要件だけが特に著しいけれども、客観的要件から見れば妥当でない場合も、主観的要件が濃厚ならば処分するというならば、その合併の運動をすればいいわけなのだ。それであるいは合併の意思さえだんだん固めていけば、それで合併できるわけだ。あるいは分市できるわけだ。この客観的要件というものを場合によっては無視しても、主観的要件のみ濃厚ならば合併する場合があり得るわけですか。そこのところどうも私は法律違反の御答弁だと思うのですが、重ねて一つ御答弁を願います。
○藤井(貞)政府委員 客観的条件で、たとえば飛び地というような場合は、これはきわめて明白でございまして、そういうものにつきましては、主観的要件がいかに備わったと申しましても、これを段階的等において認めることは別問題といたしまして、これは私も認めるべき筋合いのものではないというふうに思っております。ただ客観的条件につきまして、その度合いの基準をどこに置くかということにつきましては、これははっきりとした具体的な事情々々において、おのずから出てくる問題ではないか、かように考えておる次第でございます。
○加藤(精)委員 どうも飛び地の例をとってみたり、いろいろ質問をあっちこっちに持っていかないで、質問は質問なりに受け取っていただきたい。私の言うのは、客観的条件において妥当と認めがたい場合です。その場合、主観的条件のみがいたずらに濃厚であっても合併処分ができないというのが、この法律の規定の趣旨だろうと私は考えておるのです。その点についてだけ御答弁いただきます。
○藤井(貞)政府委員 認めがたいかどうかという点につきましては、やはりこれはだれが判定をするかという問題にかかってくる事柄ではないかと考えております。
○加藤(精)委員 私はさっきから、妥当と認める認めないをどういうふうにして認定するか、その方法論を言うているんじゃないのですよ。客観的条件の妥当でない場合に、主観的条件が濃厚であっても、私は合併処分をすることができないと解する注意だと思うのですが、その解釈は違っておりますか。端的に御答弁を願います。
○藤井(貞)政府委員 時としては、主観的要件が非常に高度のものでありますればそういう合併というものもあり得る事柄であると考えております。
○加藤(精)委員 重ねてお尋ねしますが、客観的要件から見て妥当でない場合でも、あり得るのですか。重大ですから明確に御答弁願います。
○藤井(貞)政府委員 あり得ると思います。
○加藤(精)委員 念のため大臣から御答弁願います。
○郡国務大臣 質疑応答を拝聴いたしておりましたが、まあ総合的判断というのは、これは一番初めに御議論に出ましたが、私はいろいろなことを合せて考えて、何かの方に一々ウエートを置くというようなことも考えられること――客観的要件、主観的要件と分けてでございますが、全部を合せて考えるということだと思うのでございます。私は、客観的要件と主観的要件と分けて結論を出そうとしても出しにくい、すべて要件を全部一緒にして判断すること、こういうことだと考えております。
○門司委員 すでにずいぶん聞かれたと思うのですが、念のために聞いておきたいのだが、これだけ延ばしてどれくらいの効果があると見られていますか。延ばすか延ばさないかということは効果のあるなしだと思うのです。延ばして何らの効果もなければ法律をいじくるだけだが、その見通しがありますか。もしあるなら、ここでは具体的に言えないかもしれませんが、見通しがあるなら、その辺を明らかにしておいていただきたい。
○郡国務大臣 審議会から答申を得ました分につきましても、これも先ほどちょっとお答えいたしましたが、いろいろとこういうような方法をとったら、あとで円滑にいくじゃないかということもあります。ところが今まででは話がそこまで参りません。そういたしますと、これから円満な行政をいたして参りますためには、なかなか新しい知恵も出ますまいけれども、今までいろいろ考えましてもそれが取り上げられなかったこと、これはやはり取り上げまして、こういう措置を講ずるからというようなことで、今度は調整をほんとうにつけるというようなことをしなければ相ならぬと思っております。それに若干の日時を要すると思うのでございます。それからもう一つは、これはやはり北山さんからの御質問もあったのでございますが、法律があるその間に所定の手続がされた。ところが何と見ても、もう扱いようのない今月の二十八日というようなときに法律に従った手続がなされる、これは実際今まで予想をしなかった。ということは、あるいはそのことが適当でなかったのかもしれませんが、そういう状態になった。その出てきたものはやはり処理する必要がある。従って今月で新しいものを受け付けることは、この法律でもいたさないようにしております。正しい手続で出て参りましたものだけはやはり扱う、その期間というのは大体六カ月あれば可能だ、こういう判断で、それらの点が御指摘のような理由でございます。
○門司委員 それはどのくらいあるのですか。見当のつきそうなのは、具体的に言って……。
○郡国務大臣 今出て参りましたのは、村を市に入れますのが二件ございます。
○門司委員 それだけですね。それだけの処置のために法律を延ばすということですか。
○郡国務大臣 そうでございます。審議会が検討をし、また私の方で処理をいたさなければならない新しい状況でございます。
    〔亀山委員長代理退席、委員長着席〕
○門司委員 この法律が動いて参りますと、弊害が多少伴ってくる危険性がありはしないかと思う。それとこれは多少わけが違いますが、その中で、町村合併促進法の中に、三万以上のものについては市になることができるという緩和した条件を加えました。それが本法は五万以上になっておる。その後出てくる問題は、その期日までに間に合わなかったとか、あるいは実際は間に合っておったのだが、手続上の都合で日にちが切れたというような、あるいはまた三万以上のものも戻したらどうかというように自治庁は考えておられる。こうなってくると法律の権威というものはなくなってくる。法律が便宜主義になって法律の権威は失われる。もともとこの法律自体も、われわれは何も新市町村建設促進法なんていうものはこしらえなくても、町村合併促進法だけでいいじゃないかと言ってきた。しかしそういうことを考えると、こういう法律の権威の上からいっても、もう少し見通しがつくとか、はっきりしたものがあって、どうしてもこうしなければならぬという理由があるならともかく、今の大臣のお話の程度で一体これはよろしいかどうか。私は法律はもう少し厳格なところがあっていいのじゃないかと思う。同時にまた町村合併というようなものは、何もこういう特別の法律がなくたって、自治法で幾らでもやれるのですから、特にこういう法律を延ばさなければならぬということについて、今の大臣の答弁だけではどうもはっきりしないのですが、もう少し詳しく話してくれませんか。どういうところがひっかかっているのか。
○郡国務大臣 すでに答申を得ましたものにつきましては、もっぱら行政上の措置をとりますために必要な時間を見るのでございますが、新しく現に手続がとられますものは、昭和三十三年三月三十一日までに中央審議会の意見を聞く手続がとられたものでございますから、そうなると、これは明瞭に二件だけということに相なります。これを処理いたしますのに、従来の実績から見まして、六カ月の期間を、まず必要にして十分なものと考え、このような改正をお願いする次第でございます。
○矢尾委員長 ほかに御質疑がなければ、本案に対する質疑は、これにて終了するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○矢尾委員長 本案に対する質疑はこれにて終了いたします。
 これより討論に入りたいと存じますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○矢尾委員長 御異議なしと認めまして、直ちに採決をいたします。
 新市町村建設促進法の一部を改正する法律案を、原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔総員起立〕
○矢尾委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決されました。
 なお本案に関する委員会報告書の作成並びに提出手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○矢尾委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
 暫時休憩いたします。
    午後零時四十四分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
     ――――◇―――――