第028回国会 内閣委員会 第17号
昭和三十三年三月十九日(水曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長代理理事 保科善四郎君
   理事 相川 勝六君 理事 高橋  等君
   理事 前田 正男君 理事 山本 正一君
   理事 石橋 政嗣君 理事 受田 新吉君
      大坪 保雄君    大村 清一君
      北 れい吉君    小金 義照君
      永山 忠則君    船田  中君
      眞崎 勝次君    山本 粂吉君
      赤路 友藏君   茜ケ久保重光君
      飛鳥田一雄君    木原津與志君
      西村 力弥君
 出席政府委員
        農林政務次官  瀬戸山三男君
        水産庁長官   奧原日出男君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁魚政部
        長)      新澤  寧君
        農林事務官
        (水産庁魚政部
        魚政課長)   長谷川善彦君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
三月十九日
 委員稻村隆一君辞任につき、その補欠として赤
 路友藏君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十八日
 建国記念日制定に関する陳情書外十一件(岩手
 県東盤井郡千厩町奥玉菅原雄外五百六十一名)
 (第六一五号)
 同外五件(静岡県周智郡森町三倉鈴木銀蔵外六
 百四名)(第六九〇号)
 肇国節制定に関する陳情書(鹿児島県日置郡市
 来町井上親吉外五十三名)(第六一六号)
 同(鹿児島県姶良郡横川町長横内保典外三十九
 名)(第六八八号)
 大津駐留軍基地の自衛隊基地転用反対に関する
 陳情書(京都市長高山義三外十一名)(第六一
 八号)
 寒冷地手当の増額等に関する陳情書(秋田市議
 会議長鈴木伝八)(第六一九号)
 戦没者遺族の公務扶助料増額に関する陳情書(
 東京都議会議長上条貢)(第六四三号)
 山辺町の寒冷地手当及び薪炭手当引上げに関す
 る陳情書外三件(山形県東村郡山辺町高橋清一
 郎外三名)(第六八三号)
 旧三椒村地区及び旧奥竹野村地区の寒冷地手当
 引上げに関する陳情書(兵庫県知事阪本勝外十
 名)(第六八四号)
 防衛庁設置法の一部を改正する法律制定促進等
 に関する陳情書(東京都千代田区神田岩本町三
 全国調達庁職員労働組合中央執行委員長岡部十
 三郎)(第六八七号)
 駐留軍等の撤退に伴う離職者対策等に関する陳
 情書(広島県知事大原博夫外五名)(第六九二
 号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 漁業制度調査会設置法案(内閣提出第六六号)
     ――――◇―――――
○保科委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長不在でありますので、委員長の指名によりまして、理事の私が委員長の職務を行います。
 漁業制度調査会設置法案を議題とし、質疑に入ります。質疑の通告がありますのでこれを許します。赤路友藏君。
○赤路委員 この漁業制度調査会設置法案の提案理由の説明の中に、調査会の仕事の内容がうたわれておるのですが、漁業の許可、免許、漁業調整、水産資源の保護等漁業生産に関する制度及びこれに関連のある漁業協同組合の組織等々についての改善の方途につき重要な事項を審議、調査する、こういうことになっておる。このことは漁業基本法である漁業法、並びに水産業協同組合法、及びこれに関連する諸法律、条例等の審議をするという、かなり広範な重要な審議機関である、こういうふうに理解するわけです。従ってこの調査会の委員の構成は一党一派に偏してはならないし、また特定な魚種あるいは地域等に片寄ってはならぬことは当然だと思う。それだけに委員選出というものについては、よほど慎重でなければならぬと思いますが、委員の選出の基準と申しますか、それをどういうふうにお考えになっておるか、御説明願いたい。
○奧原政府委員 目下委員の選出の基準については、内々で検討を進めておる次第でございます。ただいまお話のございましたように、きわめて重要な、根本的な漁業政策上の改革に相なりますので、これが委員の選定に当りましては、地域的なバランス、あるいは関係部門間のバランスというふうなものにとらわれることなく、あくまでもこういう制度を検討し、批判するのに好都合な真の学識経験者の選定に徹して参りたい、かように考えておる次第であります。
○赤路委員 大体それでいいと思う。しかしやはりそうはいうものの、海区の条件とか、あるいは業種別によるところの諸条件とか、そういうふうなものも加味されなければならぬと思う。従って何かそこにそうしたばく然としたことでなしに、ある程度のやや具体化したこういう方向を考えているのだというあれば、まだ検討中ですが、お持ちになりませんか。
○奧原政府委員 これが委員の選定をいたしますバック・グラウンドについては大きく分けまして三つの基盤を考慮しなければならない、かように考えております。まず第一は、沿岸漁業の実態に精通し、現行の沿岸漁業に関します基本制度についての改正に通暁しておる人、こういうカテゴリーのお方をまず選ばなければならない、かように考えております。
 それから第二の問題といたしましては、沖合いの漁業及び国際的な海洋漁業、こういうものにつきましては、御承知のごとく現在許可制度によってこれを規律しておるのでございますが、これらの運営につきましてもまたいろいろの問題があるのでございまして、そういう基盤の上に立ちまして十分この調査会の目的に即応するお方を選ばなければならないと思います。
 それから第三は、漁業者の協同組合組織の問題でございまして、これに関しましては、特に第一の沿岸漁業の基本的制度というものと非常に関連があるのでございますが、やはり協同組合にはそれなりの独特な問題があると、かように考えるのでございます。そういう観点からこれにふさわしい方々を選定いたしたい、かように考えておるのでございます。なお以上の基盤から出ました方々のほかに、こういう基本的な法制を考究するのでございますので、法制的な観点からいろいろ制度の仕組みを考えていただくのにふさわしいお方も若干は入れなければならないと、かように考えております。
○赤路委員 大体選定基準がわかりましたのでけっこうだと思います。そこで別に十名程度の専門委員制度があるわけなんですが、この専門委員はどういうふうにおやりになるのか、この点御意見を伺います。
○奧原政府委員 専門委員に関しましては、今具体的に例をあげることは差し控えたいと存じまするが、たとえば沿岸漁村の問題にいたしましても、漁村運動家としていろいろ漁村の実情に精通しておる方々がございます。また国際漁業の問題あるいは沖合い漁業の問題を取り上げるにいたしましても、やはり資源の状況等に技術的に非常に精通している方々の意見を聞くというふうなことも必要であろうかと思います。それらの方々を特に基本制度の考究について決議に参加していただく必要はないかと思うのでありますが、その専門的な知識を委員会の場において十分活用するのにふさわしい方々を考慮いたしたいと、かように考えます。
○赤路委員 大体委員と専門委員の選任に対する考え方は妥当だと思います。そこで申し上げておきたいのですが、今さら言うまでもないと思いますが、漁業法は漁業憲法とも称すべきものだと、こう私は考えております。日本の漁業の今日に至るまでの経過と現在の情勢とを十分分析検討して、しかも正確にその状態を把握していかなければならない。そしてそうした過去、現在の正確な分析の上に立って将来の日本漁業のあるべき姿というものを想定して、その方向に日本漁業を方向づけると申しますか、これを誤まりますと大へんな混乱が生じてくると思う。これはそういう意味における基本法なんです。それだけにこの策定に当っては、実に大きな責任が私はこれらの委員の諸君に課せられると思う。この提案説明の中にも「もとより、行政庁におきましても、かねて研究調査を重ねて参っているのでありますが、」と説明されておる。すでに行政庁ではそれぞれの専門的な諸君が寄って過去三年余りにわたって研究、討議されて、しかもなお今日結論を得ていないというのが現在の実態なんです。かほど困難なこの作業をやらなければならないだけに、委員として選任される人の御苦労というものは今日からも察しられるわけなのでありますが、また委員に選任された方は、少くとも誠意と熱情をもってこれに取っ組んでいただかなければ、とうていこの作業は完璧なものができていかない、こういうふうに考えるわけです。それだけ重大な大きな仕事を負わすこの委員に対して一体どういう処遇をするのか、これを見ますと、非常勤になっております。それもいいでしょう。そういうふうな点はどういうふうにお考えになっておるか。
○奧原政府委員 漁業制度調査会の関係の予算は約七十五万円でございまして、もちろん関係の委員の手当あるいは旅費等もその中に組んでおる次第でございます。しかしながら私たちはこれらの委員の方々に対しまして、手当をもってお礼申し上げるということははなはだ失礼なことであって、かつて水産庁でまぐろ漁業調査会というものを一昨年設立いたしまして、マグロ行政に関しまするいろいろな根本的な問題を取りきめたのでございますが、その取りきめに基いて、今日御承知のごとくマグロ漁業の許可制度の改正等もいたしておるのでございます。あの際におきましても、われわれ実は手当をもってお報いするという気持でなしに、また委員の方々もマグロ行政を方角づけるということに非常な意欲を喚起していただきまして、ああいう政策の方角づけができた次第でございます。今度の漁業制度調査会におきましても、われわれといたしましては、若干の手当あるいは旅費の問題でなしに、それらの方々の御協力のお気持というものが当然盛り上ってくるということは十分予測されるのでございまして、そういうことの基礎の上に十分礼を尽しましてこれらの方々の御審議を仰ぎたい、かように考えておる次第でございます。
○赤路委員 今、長官の答弁によりますと、手当という問題について考え方をおっしゃったわけです。これは私も同感します。手当の少いとか多いとかいうようなことによって云々するような方ではおよそこの大きな仕事にはタッチしていただけない、こう思います。ただ、今も長官が説明するように、今度の予算は七十四万八千円。そうするとこれだけの大きな作業をするとしますれば、相当な参考資料を必要とするはずなのです。この参考資料の経費だけでも相当なものになろうと思う。またあまりにも簡単な資料では十分な審議はしていただけない、私はこう思います。それらのことを考え合わして参りますと、一体年間を通じて委員会をどの程度お開きになるか、どの程度おやりになるおつもりなのか、この点ちょっと具体的に御説明願いたい。
○奧原政府委員 いずれ委員会が発足いたしました上におきまして、スタートに当っては現在の漁業の現状分析あるいはその分析と関連いたしまして今日までの経過の反省というふうなことがまずスタートに相なろうかと思うのでありますが、さらにただいま申し上げましたような三つの大きな部門につきましての部会が、二つかあるいは三つ編成される、こういうことで審議が始まるのではないかというように考えるのであります。そしてまたふだんに、それぞれの部会同士の間の意識をさらに総合する総会の場も持たなければならない、かように考えております。今どのくらいの頻度でこれをやりますかということについては、いずれ調査会が発足いたしまして会長がきまりました上においてでなければ、正確なことは申し上げかねるのでありますが、現在われわれは漁業共済制度調査会というものを昨年の暮れから発足させまして、そして漁業共済の問題についての検討を取り進めておりますが、その体験等から申し上げますれば、大体月に少くとも一回あるいは二回、その見当の頻度でこの委員会も勉強をしていかなければならないのではないか、かように考えております。
○赤路委員 長官は割合簡単に御答弁になったが、私の心配いたしますのは、昨日も委員会でありましたように、当面マグロカンの輸出が問題になる、それのためにこそこの輸出水産業振興審議会が開かれておるし、あるわけです。そういうものを活用しないで今日まで審議会を開いていない。そうすると、私は予算にこだわるわけではないのだが、この程度の予算でやっておれば自然これはかけ声だけ大きくして実質の伴わぬものになる、たな上げしてしまってほこりをかぶるような調査会ができるというおそれを私は持っておるのです。この重大な仕事を委嘱するにしては、あるいはこの仕事をやるにしては、あまりにも考え方が安易ではないか、私はこう思うわけです。しかもこの法律によりますと任期は二年なのです。私もこの問題と本格的に取っ組んでいくということになれば、専門の諸君がすでに三年かかって結論の出ない問題なのですから、相当本腰を入れてやらなければならぬと思うのです。――七十四万八千円。これは年間でしょう。一体何ができるかと私は率直に申し上げたい。長官の答弁は求めません。次官が来ておるから次官の答弁を求めます。次官、一体どうお考えになりますか。
○瀬戸山政府委員 お説の通りに、この調査会の仕事はきわめて繁雑で、しかも重要な根本問題であります。でありますから、先ほど予算の問題について、水産庁の長官から七十万余りのことを申し上げて、額からいうと必ずしも十分だとは考えておりません。しかしながら他のこの種の調査会の予算に比較いたしますと割合に見積っておるということは、赤路さんもよく御存じだと思います。しかしその他いわゆる調査あるいは資料等については、水産庁関係の予算も使用できる面がありますから、そういうところでまかなっていきたい、こういう考えであります。
○赤路委員 もうこれ以上私は言いません。大体本来まことにけっこうなことなんですから、ただけっこうなことではあるが、名前だけが麗々しく実質が伴っていないということを、私は率直に申し上げたかったわけであります。申し上げておきますが、この調子では成果を得ることはあるいはむずかしいかもしれません。そこで次官にお願いしておきたいことは、少くとも本年は第一年度として出かけるのですから、準備作業でいよいよ本格的に取っ組んでいくのは来年度からと考えていいと思います。来年度こういうことではこの委員会はおやめになった方かよろしい。私は率直に申し上げる。そんななまやさしいものではないのだから、この点十分お含みの上御善処願いたい。これだけ希望しておきまして私の質問は終ります。
○眞崎委員 関連して長官に一言お尋ねしたいと思います。つまり漁業のとり方の方法その他についても調査は必要でございましょうが、大体日本が敗戦の結果とはいいながら、ソ連を初めとしてあるいは朝鮮、あるいは中共、あるいは豪州、その他各方面において締め出しを食っておる根本の原因はいろいろありましょうけれども、これを調査しておられるならば一つ伺いたい。そうしてこれが対策は外交に関することになるけれども、水産当事者としてもこれが根本の問題でありますから、あるいは魚族の散布が潮流の関係で違っておるのか、あるいは日本人の漁業の仕方が非常に独占的になるのか、あるいはいわゆる外交関係か国力の関係か、そういう点をやはり調査されませんと、これが根本になってきて、幾ら今の調査を進められても、これが解決しなければ魚はとれぬということになってしまう。うっかりしておると日本海からも締め出されるようなことになるかもしれぬから、よくその点を大局的に考えて調査される必要がある。調査しておられるならばそれを伺いたい。
○奧原政府委員 今日検討を要する漁業制度の問題といたしましては、先ほど申し上げましたように沿岸漁業と沖合漁業と国際的な海洋漁業と三つの面があるわけであります。沿岸漁業に関しましては漁業権の免許という方法により、また大部分知事の漁業許可という制度によって規律をいたしておるのであります。国際漁業及び沖合漁業については大部分は大臣の許可制度によって規律をいたしております。そこで今漁業制度調査会で、最も重点を置いてまっ先に取り組んでいかなければならない問題は沿岸漁村が非常に窮乏しておる。沿岸漁業において進歩した漁業と、そういう進歩した装備を持てないものとの間の段層分裂というものが、非常にはなはだしくなってきておる。その間を合理的に調整する、現在の漁業権あるいは漁業調整委員会等の仕組みが、必ずしもうまく動いていないんじゃないか。そこら辺に相当検討を要する問題があるということが、まず第一の問題点であろうかと思うのであります。それとともに、既存底びき網あるいはまき網等の沖合い漁業の問題があり、またさらにカツオ、マグロあるいは北洋のサケ、マス、カニ等の国際漁業の問題があるわけでございます。そこでただいま御指摘のございました、日本がだんだん海洋漁業の面において各国から締められつつあるではないか、その原因は一体どこにあるのか、こういう点でございます。これは当然海洋漁業に関する面を調査会において検討する背景をなす問題でございます。これは、日本の漁業が今日、四百六十万トンの世界第一の漁獲を上げておって、たしか第二位のアメリカが二百六十万トン、ソ連が二百五十万トン見当の漁獲しか上げていない。日本はそういう意味においては、技術的にもまた努力量においても、非常にすぐれた世界一の活動をやってきたのでございます。ところが、それに対しまして、漸次沿岸国が、たとえばソ連あるいはアメリカ、カナダ、さらに中国、一番近いところでは韓国等の沿岸国が、漸次漁業の努力を加えて参りまして、そして非常に進んだ日本の漁業を何らかチェックしよう、こういうことに動き出したのでございます。それには、もう一つ、日本の国力の問題というものも、確かにただいま御指摘のように関係があるか、かように思うのであります。こういうことに対しましては、われわれはあくまでもそれぞれの国と、ケース・バイ・ケースで話し合いをいたしまして、科学的な根拠に立って、資源の捕捉、生産をはかる。そういうことのために、一方において、必要な共同調査をそれぞれの国と進めていく。他方におきまして、漁業の合理的な規律というものをはかっていく。こういうことによってこれが解決をはかっていくということ以外には打開の道はない、かように考えておるのであります。そういう意味におきまして、日米加の漁業条約あり、また日ソ漁業条約あり、また中国との関係では民間の漁業協定があるのでございます。韓国との関係が御承知のようなことになっておることは、非常に残念に存じております。一方においてそういうことをやりつつ、同時に、日本の国際漁業に対する操業を許可制度によって規律をしていく。たとえばカツオ、マグロについては新規の許可は一切しない。北洋の漁業に関しましては新規の許可を一切しないのみならず、その操業方法等についていろいろな規制を加えてさるような次第であるのでございまして、こういう科学的根拠に立った日本の自主的な規律ということについての誠意を披瀝することによって、それぞれの国との摩擦を回避して参りたい、打開の道をその間に見出したい、かように考えております。
○眞崎委員 今のゼネバの会議では、今までは十二海里領海なんと言うと、とっぴなことを言うというので、世界が認めぬような傾向がありましたのが、今回はソ連の十二海里説を、漁業ではほかの国が認めるということに進みつつあるようですが、あなたのところでは、だれか専門委員が参加しておるのですか。
○奧原政府委員 実はゼネバで開かれております国際海洋法会議に関しましては、この漁業制度調査会のいろいろな審議の一つのバック・グラウンドとして、非常に深い関係を持っておると存じております。これに対しましては、外務省の方のみならず、私の方からも三名、制度的な面から参加する者と、それから漁業資源という点から科学的な立場でこれに参加する者、こういう人を出すことにいたして、すでに現地でそれぞれ活動をいたしておる次第でございます。
○眞崎委員 日本人は漁業には熟練で、勇敢で、非常に上手に取るために、やきもちをやかれた点もあるだろうと思うのです。その反面、昔は多少自粛しなければならぬ点も、私ども当事者として感じておりましたが、現在そういう面はありませんか。
 それからもう一つは、農林省自身が監視船を、俊鶻丸かなんか出しておったが、今はそういう関係はどうなっておりますか。
○奧原政府委員 日本の漁業者が、その優秀な能力を持って縦横に活動していくという時代には、もはや国際漁業の環境は相なっておらないのでございまして、やはりそれぞれの国と、先ほど申し上げましたような観点から、話合いをしながら自粛をしていくというのが、全体の態勢でございます。ただ、その個々の具体的な問題については、またいろいろな統制に対する摩擦というようなものも、あるような次第でございます。
 なお、監視船を出しておるか、こういうことにつきましては、水産庁は一時、すっかりすべての監視船を失ったのでございますが、今日におきましては、漸次建造を取り進めまして、北洋に対しましても、またカツオ、マグロについては太平洋の方面にまでわたりまして、監視船及び調査船を派遣いたし、なお民間の船を用船して監視及び調査に当らしておる、こういう状況でございます。
○保科委員長代理 西村君。
○西村(力)委員 私は山国で、漁業のことは一向わかりませんが、この調査会はなかなか困難な仕事をなし遂げなければならぬだろうということは、先ほど赤路委員も指摘しておったようで、私たちもそういうことを感ずるのでございますが、私の聞きたいのは、その中に議題というものを持たれるのでしょうが、当然、漁業労働者の労働条件の問題というようなものも、取り上げられるだろうかどうかということなんでございます。それからこの委員会には、学識経験者などの委員の選定基準がありますが、今理科学研究所ですか、あの問題で、政党役員とかそういうものを加える、加えないで、えらい論議になりましたが、この学識経験者というのは、議員というものを排除するのかどうか、そういう問題をお尋ねしたいと思うわけでございます。
○奧原政府委員 この委員会は、漁業に関しまする労働問題の審議それ自体を、もちろん目的とはいたしておりません。しかしながら外洋あるいは沖合い漁業等を取り上げていくに当りましては、当然今日の労働事情からきました制約、たとえばカツオ・マグロの漁業にしてみれば、今日一日十八時間の非常な過重な労働に服しておる、そういうような事情等を一つの事情といたしまして、カツオ・マグロの許可に対しまする対策等を検討するに当りましては、当然取り上げていかなければならないのではないか、かように考えております。
 それから委員の中に国会議員を入れるかどうか、こういうお尋ねでございますが、これは規定の上におきましては、いずれにいたしましても影響はないかと、かように存ずるのでありますが、今予定は国会議員は今日然入れないことに考えております。国会との間の連綿につきましてはまた別な方法で十分緊密に御意見を拝聴するような仕組みを考慮したい、かように考えておる次第でございます。
○西村(力)委員 次に、この水質汚濁防止の問題でありますが、これは農業関係でもそうなんでございますが、この問題は国全体として相当重大なる関心を示していかなければならない問題であろうと思うのであります。ここの調査会は直接的なものではないにしても、その項目もやはり調査の一項として研究を進めなければならぬじゃないか、こう思うのです。その際には通産省とかあるいは水産庁以外の農林関係機関、こういうところとの連携が十分必要だと思うのですが、こういう点についてはどういう計画をお持ちになっていらっしゃるか。
○奧原政府委員 水質汚濁防止の問題に関しましては、これも今日の沿岸漁業対策を考究する上におきまして、きわめて重要なる一つの要素である、かように考えております。そこでこれに関しましては、実は政府部内においても関係各省が話し合いを進めておるのでございますが、目下のところはこの国会に法案を提出するという運びにはなかなか行きかねておる状況でございます。しかしそれが取りまとめに今まで配慮いたしましたその経緯というようなものも、これは一つの事情としてこの委員会でさらに審査をするということもあり得る、かように考えております。
○西村(力)委員 今研究を進めておるけれども、国会提出に至らない、こういうことでございましたが、そういう場合に話がまとまらない根本的なガンはどこにあるのですか。
○奧原政府委員 水質汚濁によって被害をこうむる立場の産業基盤を背景にいたしております省と、それから水質を汚濁する側の産業基盤を管轄いたしております省との間に、なかなか話が合わない点があるということが一つでございますが、もう一つの問題は政府部内においてそういう問題を検討する際に常につきまといまする一つの役所の権限の問題、そういうことが被害の立場に立つものについては、非常にざっくばらんに、今の法制で認められておる権限を進呈してもいいから、とにかく水質汚濁についての新しい法律の中でそういう権限を総合したいという立場をとっておるのに対しまして、中にはやはりあくまでもその部門については自分のところだけで権限を持つんだという強い主張の省もございまして、そういうふうな事情で実はまだ関係省との間の協議が結論に達していない次第でございます。
○西村(力)委員 各官庁のセクショナリズムはとにかくとしまして、関係官庁相互の被害を与える側と与えられる側、この間の話し合いがまとまらないという点は、その汚濁防止措置に要する費用の点、そういう点の割り振りあるいは国家支出の見込み、そういうところがどういう工合になっておるか、話し合いのもう少し進んだ内容はどういう工合になっておりますか。
○奧原政府委員 水質を汚濁いたしまする工場、事業場に対しまして、当然除外の施設をさせることを考えなければならないのでありますが、これに対しまする補助金につきましては、明年度の予算におきましてまだ具体化いたしておらない次第でございます。ただ水質汚濁の問題に関します調査研究等については、若干の予算の計上を見ておる程度にとどまる次第であります。
○西村(力)委員 この点につきましては、難戸山次官の一つ考えをお聞きしたいのです。これは農林政務次官として、水産業に限らず、一般的な農業関係においても切実な問題として、鉱山の廃液あるいは工場の廃液、そういうようなものがもうえらい被覆を与えておるわけなんで、早急に国家的な見地からやはり解決されなければならないと思うので、瀬戸山次官の一つ御構想をお示しが願いたい。
○瀬戸山政府委員 水質汚濁の問題はここ数年来、立法制度として処置すべきだということで検討を続けておることは、御承知の通りであります。これが今日も、先ほど水産庁区長官から御説明を申し上げましたように、結論を得るに至っておらない実情は正直なところ残念な次第であります。その理由は先ほども申し上げましたが、一番大きな問題はやはり各省がそれぞれ権限を異にいたしておりまして、かりに農林省関係といたしましても、水質を汚濁をするおそれのある農業と申しますか、腰部等がきわめて問題になっておりますが、それとその沿岸の漁業との関係、それからもう一つ一番大きいのは御承知のように各種化学工場等の廃液が、その付近の農業あるいは沿岸の漁業に及ぼす影響、こういう非常に複雑した関係があります。その関係の調整が現在きわめて困難な状況になっておるのでありますが、御承知のように各省にまたがっておる制度を立てよう、あるいは立法化しようということでございますので、現在具体的には経済企画庁が中心になって、各省の意見調整をはかっておる、こういう段階であります。しかしこの問題は、工業その他の産業の問題と農業あるいは漁業、こういう問題との調整を三すみやかにして、その弊害を少くするということはきわめて重要でありますので、できるだけ早く結論を出して、近い機会に法制化いたしたい、こういう考えを持っておるわけであります。
○西村(力)委員 セクショナリズムが被害を国民に及ぼさない限度において行われるというと、われわれは何も言わなくてよいのですが、正直にいって、各省のセクショナリズムが被害に悩んでおる国民大衆を無視して行われる、こういうふうな点については、やはり相当のかたい決意をもって進んでもらわなければならぬのじゃないか。農水産業に従事しておるそれらの国民に対して瀬戸山政務次官一つがんばってもらいたい、こう思うわけなんです。
 次に米軍の演習とか自衛隊の演習とかが海洋において行われるわけですが、その点でお聞きしたい点は、その補償について非常に十分でない例がたくさんあるわけです。こういう補償算定に当って、農林省はもっと強く自分たちの基礎資料に基いて、そしてまた漁民の生活実態に即応した計算資料に基いてやってもらわなければならない、こういう工合に考えるのです。それからたとえば海岸から何キロ離れれば公海である。しかし公海とはいいながら、そこの沿岸の漁民がやはり漁業をしておる場所がある。そこにおいて演習が行われる。そうすると危険なために漁民は漁業を中止せざるを得ない。ところがそこは公海であるから、そこで演習をやっても被害に対する補償ということは考えなくてもよろしい、こういう見解を持っておるように私は聞いておるのですが、事実そこに出ているのは遠洋に出て漁業をする人ではなく、その沿岸から行って漁撈に従事しておる人々なんですから、たといその距離が一定の距離からはずれた公海というような名をもって呼ばれる地域であっても、やはりそこの漁業に対する被害の補償ということは当然に考えていかなければならぬのじゃないか、こう思うのです。具体例としては静岡県の浜松の沖合い、そこにおいて自衛隊がジェット機による戦闘訓練を行うというような例が上っておるのです。その補償要求に対しては、公海であるから処置なし、こういうことのように聞いておるのですが、そういう点はもっと実態に即した解決策をとるべきだ、こう思うのです。今の三点について一つ次官から御答弁を願いたい。
○瀬戸山政府委員 今御承知のように、日本といたしましては距岸三海里以上は公海であるということを主張いたしております。しかしながら公海におけるそういう損害であるから、これを補償しないという建前はとっておりません。現にわが国といたしましても、御承知の通りにアメリカその他の国の水爆実験に対しては、公海の自由の原則によって損害賠償を要求いたしておるのでありますから、ましてや国内政治において、公海における損害は補償すべきでないという建前はとっておりません。ただその具体的な個人々々の漁業補償についてはきわめて困難な問題があることは今仰せの通りでありますけれども、その補償は合理的に算定をいたしまして補償するというやり方をとっておるわけであります。
○西村(力)委員 それでは今例をあげました浜松の沖合いにおける自衛隊機の訓練、それに基く漁業被害、漁撈を中止するというのに対する補償というのはやるのですか、それはやらないことはない、こういう工合にはっきりしてよろしゅうございますか。
○瀬戸山政府委員 自衛隊の演習によりまして、沿岸その他の漁業について具体的な損害がありますれば、その損害の証明によって、もちろんこれは補償する措置を講じなければならない、こういう方針を持っております。
○西村(力)委員 長官にお尋ねしますが、漁獲と音響の関係、演習の場合の爆音あるいは継続音、そういうのが漁獲に影響する、こういう意見と、影響しないという意見と両方あって、どっちがいいかわからぬのですが、それの科学的な検討の方法をどう考えられるか。われわれとしては責任ある相当な学者の意見を基礎として、やはりそういうものは相当漁獲に影響を及ぼす、こういう見解を持っておるのですが、しかしそれももう少し突き進んで純粋に科学的な結論を生み出さなければならぬのじゃないかと思っておる。その件に関しては水産庁自体は何らかの計画を持っておられるのでしょうか。
○奧原政府委員 魚の回遊と音響の関係に関しましては、もちろん具体的な場によりまして事情はそれぞれ違うと思うのです。しかし音響が魚の回遊に影響を持っておる。それによって、場合によれば来るべき魚が来なくなるということは十分あり得る、かように考えておるのでございます。水産庁としましても、応用研究費によりまして九十九里におきます音響の影響の問題の研究を実施いたしておる次第でございます。
○西村(力)委員 そういうような件については次官も認められると思うのでございますが、音響が漁獲に影響する、こういうことであれば、そういう演習による漁業被害の補償は、稼働日数が減ったというような日数計算ばかりではなくて、やはり音響被害による漁獲高の減少ということも算定には十分入れらるべきものである、こういうことになると思うのですが、次官もはっきりそれでよろしゅうございますか。
○瀬戸山政府委員 私は専門家ではありませんが、従来の自然的条件に人為的その他の別な条件が加わると、魚の回遊などに影響がある、これは常識的に考えられるわけであります。その点はもちろん専門家の研究に待つといたしまして、そういうことによって漁獲に影響があって損害があると算定されますれば、これはその原因によって補償すべきものである、こういう建前をとっております。
○西村(力)委員 これで終りますが、私の委員長にお願いしたい点は、総理府に付置されるもの、あるいは各省に付置されるもの、調査会といい、審議会といい、民主的な意見を徴するというような考え方に基いて、実態は私たちから言うと、なかなかそうはとれない。民主的ヴェールというもので、それがこの審議会、調査会において擬装されておる。こういうような傾向を強くわれわれは指摘せざるを得ないわけなんですが、このことはいずれにいたしましても、こういう調査会、審議会というものが現在どれだけあるか、それの目的はそれぞれどういう目的を持つものであるか、それから委員構成はどうであるか、委員の報酬はどうであるか、こういうような資料について委員長においてここに提出方を取り計らっていただきたい、こう思うわけなんです。これは水産庁に限らずです。
○保科委員長代理 承知いたしました。
 次に北委員。
○北委員 私はちょっと質問いたしますが、これは新潟県知事から私に陳情書があったもので、多分水産庁にも出ておると思うのです。新潟県にはオホーツク海の漁獲に三そうか四そう行ったうち二そう出しておるのです。それがロシアの還送で帰ってきたのですが、北洋漁業の方に転換さしていただきたい、優先的に世話していただきたいという陳情であります。こういうのはどう水産庁でいたしておりますか、多分水産庁に陳情がきていると思うのですが。
○奧原政府委員 ただいまのお話は昨年の春ピーター大帝湾に新潟その他の日本海沿岸の県から底引き船が出漁いたしました際に、しかも距岸十七海里の公海で操業しておったにもかかわらず、ソ連側の監視船から退去を求められた。しかもその後ピーター大帝湾も御承知のようにソ連の内水とすると、こういう宣言をソ連側の方で発しましたために、あそこから締め出されました船についての話かと、かように了解いたすのであります。これは明年度の問題といたしまして、すでに予算にも認められ、われわれは東沿海州沖合いに底引き船の試験操業をいたすということに相なっておるのであります。その際においては、ピーター大帝湾で締め出されました新潟の船につきましては、当然優先的に国の補助によって出られるような措置を講ずる考えでおります。しかしなおそのほかに新潟、秋田等の底引き船から千島沖の漁場に進出さしてもらいたい、あるいはまた小樽の西北の海面に出してもらいたい、そういう話を承わっておるのでございますが、実は北海道及び内地におきまして底引き船の漁場配分につきましては、非常にむずかしい、またデリケートな事情がございまして、われわれは昨年もできる限り大乗的にこれらの船も千島沖に入れることをがまんしてもらうように、関係の漁業者に慫慂いたしたのでありますが、ついにこれは実現することができなかったのでございます。それで今年それらの漁場に出ます船のワクづけの改訂期が、もう少ししたら参るのでございますが、その際におきましても、さらに説得の努力をいたしたい。漁業調整というものは必ずしも役所の権限だけでは解決しない事情にありますことは十分御了察をいただきまして、われわれとしてもできるだけそれをほぐす努力をいたすつもりでございます。
○北委員 もう一つ、私の選挙区の問題ですが、新潟の一部に松ケ崎というところがある。これは阿賀野川の下流にあるところでありまして、阿賀野川は有名なサケの産地であります。ところが飛行場が付近にあるために、飛行機の爆音のために魚の寄りが悪いからというので、百万円を要求しておるのに三十万円だけ許可を受けた。昨年の春私がそこに行ったときに報告を受けたのですが、これはどれくらいの損害だということをまだ正確に研究をしておらぬそうですね。これはだれか専門家をやって一つ調べていただきたいのですが、地元が百万円要求して二十万円しか認められておらぬという、そういう事実がありますか。
○奧原政府委員 私個人、非常に申しわけございませんが、その話を承知いたしておりません。部内に申しつけまして、県を通じまして問題の実情を把握させるようにいたしたいと思います。
○保科委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時四十六分散会