第029回国会 運輸委員会 第11号
昭和三十三年九月二十五日(木曜日)
    午則十時四十四分開議
 出席委員
   委員長 塚原 俊郎君
   理事 天野 公義君 理事 簡牛 凡夫君
   理事 木村 俊夫君 理事 堀内 一雄君
   理事 井岡 大治君 理事 土井 直作君
      川野 芳滿君    菅家 喜六君
      小泉 純也君    關谷 勝利君
      高橋清一郎君    羽田武嗣郎君
      太田 一夫君    久保 三郎君
      五島 虎雄君    島口重次郎君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 永野  護君
 委員外の出席者
        警  視  長
        (警察庁保安局
        交通課長)   内海  倫君
        大蔵事務官
        (主税局税制第
        一課長)    塩崎  潤君
        運輸政務次官  中馬 辰猪君
        運輸事務官
        (自動車局長) 山内 公猷君
        運輸事務官
        (自動車局業務
        部長)     國友 弘康君
        運輸事務官
        (航空局長)  林   坦君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
八月二十六日
 委員小淵光平君及び島口重次郎君辞任につき、
 その補欠として菊池義郎君及び實川清之君が議
 長の指名で委員に選出された。
同日
 委員實川清之君辞任につき、その補欠として島
 口重次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員島口重次郎君辞任につき、その補欠として
 赤路友藏者が議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
 委員赤路友藏君辞任につき、その補欠として島
 口重次郎君が議長の指名で委員に選任された。
九月二十五日
 委員杉山元治郎君及び館俊三君辞任につき、そ
 の補欠として五島虎雄君及び太田一夫君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員太田一夫君及び五島虎雄君辞任につき、そ
 の補欠として館俊三君及び杉山元治郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 陸運及び空運に関する件
     ――――◇―――――
○塚原委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先だちまして御報告申し上げます。当委員会の委員でありました小淵光平君が、運輸委員会の国政調査のため関東地区において熱心な活動をなされましたあと、去る八月二十六日逝去されました。本委員会に席を同じくするわれわれといたしまして、まことに痛惜にたえざるところであります。ここにつつしんで哀悼の意を表する次第であります。
    ―――――――――――――
○塚原委員長 陸運及び空運に関して調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。堀内一雄君。
○堀内委員 運輸当局におきまして、先般神風タクシーに対して抜本的な対策を講じられて、その後この方面の運輸交通秩序が非常に回復したことは、われわれその労を多としておるのでございまするが、最近新聞等に散見するところでは、さらに神風トラックという、トラック問題に対してその歩を進めていろいろ施策をいたしておるそうでございますが、このことはまた、目下の状況から見て非常に適切な処置と考えるのでございますが、大体今運輸当局においては神風トラックの追放といったような問題に対してどんなような施策をいたしておるのでありますか、その概要をお伺いしたい。
○山内説明員 私どもといたしましては、自動車一般につきまして交通事故防止の処置をいろいろ講じておるわけでありますが、先般ハイヤー・タクシー関係の事故を取り上げたわけでございます。その中でもやはりトラックというものを考慮に入れて省令その他を考えてきたわけでございます。ただ先般出しました省令の中では、事業の性質上トラックに適用できないものにつきましては適用いたしておりませんが、たとえば休養施設、休息する施設を整備するとか、あるいは運行管理者を専任するというような、一連の安全のための措置につきましては、トラックにもやはり適用いたしましてその面でのトラックの事故の絶滅をはかるべく努力いたしておるわけでございます。またハイヤー・タクシーの場合におきましては、特に東京においては全業者の監査ということを現在いたしておるわけでございまして、まだ完了をいたしておりませんが、トラックにつきましてもやはり個々の会社そのものが事故を起さないように指導しなければならないということで、予算等のある限りフルに活用いたしまして監査を励行して、事業面からの事故をなくするように努力いたしておるわけであります。
○堀内委員 私は過般名古屋の陸運局をたずねまして、あの地方の自動車行政等についていろいろお伺いしたのでございますが、そのときの局長のお話にも、大阪・名古屋間に約四十社のトラック会社があって、これが非常にダンピングをして困っておる。その二、三日前にもその会社の当事者を呼んでぜひダンピングをしないようにというような警告を与えたというお話があったのでございますが、私は単に一警告を与えてダンピングがなくなるというようなことはほとんど不可能であろう、こう思っておるのであります。今局長のお答えは、単なる運転事故というようなものを中心にしてお考えのようでございまするが、現在日本のトラック業というものは非常な混乱の状態にあつて、弱小企業であるトラック会社が、各所で何と申しますか破産または非常な困窮の状態になっておるのでございます。しかして私の考えでは、そうしたような困窮の状態が、それがいわゆる神風トラックといいますか、経営面からいえばダンピングをして、値段をくずす。また同時に経営上採算がとれないから無理な運転をするということによって、そうした根本的な問題が起つてトラック業界が非常に混乱をしておると思うのでございますが、それについてどんなお考えを持っておりますか。
○山内説明員 トラック業界の現在の経営状態が非常に困窮しておるということは仰せの通りでございます。根本的な問題といたしましては、一般に産業界の景気が悪くなりまして、荷動きがいろいろ鈍つてきたというようなことが大きな原因であるということはもちろんでございますが、そのため、人よりも安くして荷物を取ろうということは、結局お互いがお互いの状態をますます悪くする段階でございますので、この点につきましては業界の団体でありますトラック協会におきましても、運輸省と協力いたしましてそういったダンピングというようなことをやらない。ダンピングということ自体は道路運送法違反でございましてやつていけないことでございますので、各陸運局も一致してそういうふうにやつておるわけでございます。問題は、零細企業であるというところに非常に大きな問題がありまして、業界のあり方というものもわれわれいろいろ考えておるわけでございますが、まず第一段階といたしまして、現在ではやはり業者同士が食い合うといいますか、そういう原価を無視した競争をしないように、われわれもまた業界も現在そういう運動をやつておるわけでございます。運輸省といたしましても、そういう方向には全面的に協力するように、本省はもとより、各陸運局におきましても協力をいたすように努力をいたしておるわけでございます。
○堀内委員 トラック業の非常な混乱状態の原因は、従来はいわゆる無免許のトラックとか自家用トラックとかがやるというようなことが相当唱えられ、当局としてもそれぞれ対策を講じたようでございますが、現在のトラック業が非常に困っておる原因は、これは一方で産業の方でみんな操短をしておる、五割操短をするというようなことで政府が指導をして操短をさせておる、従って荷物が非常に減つてきておる、しかもトラックは、神武景気といったようなことでたくさん持つたトラックがそのままの状態になっておる。ここに私は今のトラック業界の混乱の根本があると思う。そこで、一方で操短をしながら一方で運短をしない、運短をしないから車を全部持っておる、車を持っておるから人もかかえ、費用も非常にかかる、そういうようなことから貨物を取らなければならぬ、取らなければならぬからダンピングをやる、ダンピングをやつても経費が足りない、足りないから無理な運転をする、車の修理もできないということになってきておるので、いわゆる産業界の一方において操短をやりながら、一方において運輸業をそのままほうつておくというところに根本原因があると思うのでございますが、その点について運輸大臣の御意見を伺いたいと思います。
○永野国務大臣 トラック、いわゆる神風トラックというものが起つてきました根本原因は、結局経済現象だと思っております。従いまして経済現象の基本に対する対策をしないで、いわゆる取締り法規だけによってこの現象をなくしようというのは、もとを押えないで末端を抑えるような結果が起きると思います。従いまして、運輸行政だけでこの神風トラックがなくなるようにしようということは少くも間違いでないまでも不十分だと思います。従って、これは通産省を初め各経済関係閣僚の協力によらなければいわゆる神風トラックの絶滅を期することはできないと考えております。しかしながら、それだからといって、運輸省がいわゆる自然現象的な経済現象であるからといって放任しておこうというのでは決してございません。従いまして、取締りは十分にしたいと思っております。具体的に事務当局にもその検討を命じております。ただ問題の本質が運輸省だけで解決のできる問題ではないという事実を御認識下さいましてこれはもっと基本的に十分御検討願いたいと思います。私もあの神風トラックのすさまじい勢いでもって道路を突つ走つている実情は幾たびかぶつかつて、これは放任はできぬという感じを持っていることは事実でございますけれども、今申しましたような病気が、現象的の、つまり熱が出たからといって熱さましを飲ますような療法ではいけないのであつて、その熱の出る原因を研究いたしまして、対症療法でない根本療法をしなければならぬと考えております。これは要するに需要供給の関係から起る問題でありますけれども、その需要供給の関係の基本問題を解決することは運輸行政だけの力では及ばないことでございます。しかし、といっても決してその責任をのがれるわけではありませんので、現象的にはいわゆる熱さましを飲ませるような手続は十分に研究しておりますから、その点で御了承願いたいと思います。
○堀内委員 ただいま大臣のおっしゃった通りに、これは経済界の大きい現象でございまするが、ただ、だからといって運輸行政においても、この病症に応ずるだけの施策は完全でなくてもあると私は思うのです。それは単にダンピングをしてはいけない、時間外運転をしてはいけないというような法令的な規定だけでできるとは思いませんが、私がここで当局にお伺いしたいのは、いわゆる休車制度というようなものに対してどういうふうにお考えになっているかということです。一方で産業が操短をしてきておれば貨物が減つてくる、そうすれば運輸の方におきましても運短をしてそれに応じていけば、そこにバランスがとれるということになるのである。しかも私どもが調査したところでは、一台の車両を休止すればそれで年間約六十万円くらいの節約ができる。またそれをしないでおけばただいまのような現象が続くということになる。しかもその休車をするということは、かつて戦時等におきましても休車をした制度があるのでございますが、現在は休車をするというとあとで復活することが非常に困難だ、そこでみながその休車をせずにいたずらにその車を抱いておる。抱いておることによってあるいは車検の費用であるとか、または自動車保険の費用であるとか、それから賠償保険であるとか、自動車税であるとか、そうしてまた運転手、助手というようなものをみな抱いておる。そこで、業者がこの際一時的の休車というようなことを許可してもらつて、そうして産業界が復活したならばそのときにまた優先的にこれを復活するというような処置をしてもらうことが一つの対策じゃないか、こういうふうに思うのでございますが、それに対して当局のお考えをお伺いしたい。
○永野国務大臣 堀内委員のお説は全くごもっともであります。いわゆる対症療法としては一番最初に考えつくポイントであります。私も御同感であります。ただ問題は、これは船についても起つております。余つておれば係船したらいいんじゃないかというような問題があるのでありますけれども、これが現実の問題といたしますと、なかなか実行がしにくいのであります。だれの犠牲において係船するかという問題が、すぐに具体的な問題として起つてくるのであります。特にこのトラックの方が船よりむずかしいのは、船の方は何といっても大きい会社で、弾力があるのでありますが、トラックの方はほんとうの意味における零細企業中の零細企業が多いのでありまして、大きなトラック会社の犠牲だけでやらせるということもなかなかむずかしい。というのは、数が零細の方が多いからであります。でありますから、これを私は大体の応急手当中の一番具体的なききのいい方法であるということは十分に了承いたしますけれども、それを実行いたしますためには、その対策として相当な予算措置を伴うことが必然だと思います。そうしてその前例ができますと、トラックばかりでなくて、同じような状態がございます。繊維の方は御承知の通り織機の買い上げというようなところまでいったといたしますと、トラックも単に休車じやなくて、その休車を買つてやらなければ、実際問題として運営がつかないというような問題もあるのであります。従いまして、このトラックの問題の対策を考えますときの最も有力なる対策として十分考慮をいたします。そうして具体的に案を練つてみたいと思いますけれども、そういう跡始末の問題が一番ききのいい対策だけれども、国家負担が一体どの程度になるかということを十分に研究いたしませんと、さつそくそれを実行いたしますということは申し上げかねます。
○堀内委員 ただいまの大臣の御答弁一応ごもっともでございますが、私は繊維などの問題と少しわけも違うし、ことに今大臣のおっしゃるように、休止トラックをする場合には、それを繊維の場合のように機械を買い上げるとか、またはそれを何か政府から補助するとかいうようなことも徹底的にやろうとすれば、そういうのでございましょう。しかし徹底的にやることでなくても、そういうような政府のいろいろな補助ということがなくても、これを休車したいというようなことを考えておるものは相当多いようでございます。しかも一度休車をするというその届を出すと、もうあとは免許がもらえないということで、やむを得ず持っておるというような実情のようでございますので、私はこの際政府のそうしたような法令の中に、または内規と申しますか、そういうようなものの中に、経済対策として、休車するものは将来適当の時期には優先的にこれを許すというような御方針がきまれば、相当程度政府のあれがなくても緩和できると思うんです。かつて戦時のときには休車制度というものがあつて、これをやつたのでございます。そういうようなことをこういうときに応急の措置として考える必要はないか、その点をお伺いします。
○永野国務大臣 堀内委員のお説は、非常に実際的かつ具体的な御提案だと私は存じますので、よく事務当局とも打ち合せをいたしまして、その具体案を研究してみたいと思います。
○堀内委員 そこで、もう一つこの際大臣に考えていただきたいことは、こういう一方にトラックが多過ぎるという状態であるにもかかわらず、うわさによれば、あなたのところの部下の――これは本省じやありません、地方の何とか陸運事務所というようなところの人たちで、この際は一般のトラックの出願はほとんどないから、たとえば今まで特殊条件で願い出てうまくいかなかった、この際一般自動車の運輸の方で出せば通るぞ、それを出せというような示唆を与える。現にそういうような手続をしたり、いろいろ運動をしている人があるというようなことで、われわれから言わせれば、一方トラックが過剰になっておつて、業者が非常に困っておる、そこで今の時期ならば許可になるぞ、出したらよかろうというような示唆を与える当局の人もあるやに聞いておるので、この際一方休車というようなことに対する対策を講ぜられるとともに、当分の間新車を新しく免許するというようなことは取りやめる、そういうようなことをやはり平行して処置していただくことが私は必要だと思うのです。これはうわさでございますので、私はその人の名前をいろいろ言うことは遠慮いたしますが、そういうような実情もありますので、ぜひ将来この辺についてお考えを願いたいと思います。
○永野国務大臣 もしも今堀内委員の言われるようなことが事実であったといたしまするならば、それは非常にけしからぬことであります。十分に実情を調査いたしまして善処いたします。
○塚原委員長 羽田武嗣郎君。
○羽田委員 私は航空機の通行税並びに揮発油税等の問題について大蔵当局に御質問をいたしたいと思うのであります。
 わが国の民間航空事業は、戦後の空白期を経まして占領時代の末期である昭和二十六年に再開されて国内航空を開始し、二十八年に国際航空に発展するために日本航空株式会社法が成立しまして、二十九年に東京―サンフランシスコ、東京―那覇間の運航を開始し、国際航空に一歩を印したのであります。ところが、かくのごとくわが国の航空事業というものは全くの初期時代でありまして、直接間接に国家の補助育成を要する時代であると思うのであります。しかるに、航空事業の経営に圧迫を加えているものに通行税と揮発油税の二つがあるのであります。すなわち、まず第一に通行税については二割かけられておるのでありまするが、三十四年の三月三十一日、つまり本年度の末までは臨時措置といたしまして一割に軽減されておるのでございます。昭和三十四年度から減税措置が撤廃されるということになりますと、その納税見込額は、日航会社分として六億三千二百万円、全日空分として一億七千八百万円、その他に五つの会社がございますが、それが一千二百万円、合せまして八億二千二百万円という巨額の税金を航空関係会社として払わなければならないことになるのであります。そういう通行税の問題でありまするが、この課税方法について疑問があるばかりでなく、航空の大衆化を拒み、経営基盤のきわめて弱い初期産業である航空事業に過重な負担を与えまして経営自立を困難ならしめておるのが実情であります。従って、三十四年度以降ぜひこれを廃止することが国策的見地から絶対に必要であると私は考えるのであります。以下数点の理由をあげまして通行税廃止を強く主張するものであります。主税当局の所見を伺いたいと思うのでございます。
 まず第一には、諸外国では航空にだけは通行税をかけていないのであります。ただアメリカとフランスだけが例外でございまして、アメリカにおいては戦争中の交通を制限するために汽車の二等にまでも一律に課税をしておるのでございます。しかしこれは、交通に税金をかけるということは不合理であるということで、最近では廃止の機運が高まつておるのでございます。フランスの場合は切符一枚について百フラン、まあ百円くらいの名目的な課税にすぎないのでございまして、世界で航空に税金をかけておるのはアメリカとフランスだけでございますが、アメリカにおいては廃止の機運があり、フランスにおいてはわずかにただ名目的な課税である、こういうような実情に相なっておるのでございます。わが国の場合には鉄道については一、二等、船舶の一等並びに航空に関しまして通行税が課せられておるのでございます。これらはいずれもぜいたく品、奢侈税というような意味を持っておることは言うまでもございません。航空の場合には全旅客が課税対象となっておることは非常に不均衡でありまして、汽車のごとく三等以下はかからない、あるいは船のごとく二等以下はかからない、こういうような状態になっておるのにもかかわらず、航空については全旅客が課税の対象になっておるということはまことに不均衡であると思うのであります。それだけに航空運賃を課税分だけ高額ならしめて、大衆の利用を困難にいたしております。今日の航空利用者というものはスビードを利用し、早く行くということが目的であつて、ぜいたくに飛行機に乗るというようなものではないということは当然であります。しかも先日の全日空のごとく命まで危険の場合もあるのでありまして、これはぜいたく的な要素というものは全然なくて、急いで行く、スピードを尊重するということにあろうかと思うのであります。例を申しますれば、ちようど電報と普通の郵便物とが、値段は電報の方は数倍も高いのでありますが、電報がぜいたくであるというような考え方でないと同様なことであろうと思うのでありまして、航空に関してはぜいたくで飛行機に乗るということでなくて、実業家やあるいは親が病気であるとかいうようなときにスピートを尊重し、早く目的地に着こうということが目的であつて、ぜいたくという要素はないと私は思うのであります。現行の税法では、等級の定めてないときにおいては下等のクラスにみなすことになっておるのでございます。私立鉄道は豪華車が非常に出現をいたしておりますが、これは等級がありませんから、豪華であつてもいずれも全然無税ということになっておるのでございます。しかるに航空だけは十分間千円という小型機による庶民のささやかなる体験飛行にすら一律に交通税がかけられておるということは、まことに不均衡なことであると私は思うのであります。
 第二に、航空の通行税を課するのは旅客に担税力があるという推定のもとにされておると思いますが、これは皮相な見方であります。すなわち、航空会社がコストに見合う運賃をとり、さらに通行税を旅客に負担させるとなると、必然的に航空の需要は減少を見まして大減収となってしまうのであります。現在の航空運賃は鉄道の二等の税込み運賃の一倍半から二倍前後でありまして、この運賃では日航を除けばいずれも採算割れの運賃であると申しても間違いございません。従いまして実質的には通行税というものは全部会社負担になって、担税力のあるという旅客負担にはならないと私は思うのでございます。
 第三には、航空の大衆化は今日世界の趨勢でありますが、わが国の普及度はきわめて低いのであります。これは要するに現行税込み運賃が一般国民の所得水準から見て高過ぎることに帰しておると考える次第であります。航空の発達のためには低運賃政策の採用が最も効果的であると思うのでありまして、それについては航空の通行税は外国並みに廃止することが目下の急務であると考える次第であります。
 第四には、航空会社の経営は全般的にきわめて不良であります。黒字転化を伝えられておるところの日航ですら実態はそれほどではないのでありまして、もし通行税が三十四年度から二割に復活するようなことになりますれば、中小航空会社はもちろんのこと、日航ですら再び赤字経営に転落いたしまして、激化を予想せられるところの国際競争にも致命的打撃を与えられ、わが国航空事業を重大な危機に追い込むことになると考えるのであります。すなわち、日航は三十三年度の国際線による外貨獲得の実績は一千三百万ドルでございますが、今後はジェット機一台を迎えまして、三十六年度からは現在の太平洋線と東南アジア線のほかに、南回り東京―ロンドンと北回りの東京―ロンドン線、さらに東京―ロンドンーニューョークー東京というように世界一周線の早期実現を目ざしまして、数年後には一億ドルの外貨獲得を目ざして進んでおる次第であります。現在は一千三百万ドルでありますが、数年後には実に一億ドルの外貨を獲得しよう、こういうことで、会社も着々と計画を進めておるのであり、また運輸省としましてもこれに対する海外交渉をいたしておる、こういうような次第でございます。すなわち、この国際線では輸送力の急増によって食うか食われるかの死闘が展開されることが予想されまして、もしこの国際間の戦いに破るるというようなことになりますと、日本は永久に国際航空輸送産業には落伍者となってしまうということは明らかな事実であります。こういうような次第でありますので、日航の海外輸送力の強化については、あらゆる国家の保護政策を講ずる必要があると思うのであります。
 ドイツのルフトハンザに対するところの西ドイツ政府の財政的援助について、いかに西ドイツ政がルフトハンザに対して非常な財政的な援助をやつておるかということを簡単に御紹介をいたしておきたいと思いますが、ドイツはやはり敗戦国でありますので、航空が戦後はおくれて出発をいたしたのでありまして、一九五三年、つまり昭和二十八年一月六日に始まつたのであります。このルフトハンザ航空会社に対する連邦政府の出資は七五%、連邦鉄道の出資が一七%、北ライン、ウエストファリア州の出資が八%でありまして、九〇%というものは国家または国家に準ずる連邦鉄道というような公社あるいは州というようなものが出資をいたしまして、わずかに一割を民間で出資をさしておるのでございます。それから長期借入金、つまり飛行機を買う資金の保障をするために、一九五六年の十二月末現在の長期借入金はちようど二百一億二千四百万円に上っておりまするが、連邦政府の保証は百三十二億四千四百万円、それから北ドイツのウエストファリア州政府が六十一億八千万円、こういうように政府がルフトハザン会社の長期借入資金に対する保証の責任に任じておるような次第であります。
 それから飛行士訓練費の援助でありまするが、これはルフトハンザ会社が一九五五年の営業報告で、乗員の養成は諸外国や戦前のドイツにおけると同様、西ドィッ連邦においても公けの仕事であると思われる。一人当り八万マルクないし十万マルクを要する訓練費が、一私企業たる航空会社の負担にたえないことは、病院が雇つているお医者さんの基礎教育費を支弁できないと同様である。つまりお医者さんは国家が医科大学でもって養成をいたして、それが病院に勤務する、従って航空乗務員も、国家がこれを養成いたして会社に就職をさせる、こういうような思想になっておるのでございます。こういうふうにいたしまして、ルフトハンザはおそまきながら国際線についても非常な飛躍的な発展をいたしております。欧州線、大西洋線、それから北太平洋線、それから南大西洋線、それからまた近東線というように躍進的なる発達を遂げて、国際航空競争時代に雄飛をいたしておるということが明らかになっておるのでございまして、こうして外貨獲得の新しい産業、国際線を獲得するということは、今の世界の全く血みどろな航空界の各国の競争になっておるということを強く認識をしていただきたいと思うのでございます。
 この際において八億二千二百万円にも上るというようなこの通行税を廃止することは、国家の間接的な保護政策の一つとしてぜひ実現をいたしたいと考える次第であります。その他中小の航空会社六社については、過去の神武景気の余恵すらなく、いずれも経営行き詰まりの寸前になっています。中でも比較的有利な営業地盤を持つところの全日本空輸ですらも、去る三月までには実質的な累積赤字がすでに払い込み資本の六億を上回っておるというような赤字を出して、元を完全に食つておるというような次第でございまして、従って三十四年度から通行税が二割ということになりますと、日航も赤字になりますし、その他の会社は完全に息の根がとめられてしまうことは火を見るよりも明らかな事実であります。来年度は大幅な各種の減税が行われる機運にあるときに、せめて航空に関する通行税を全廃して、この国家的重要産業の育成をすることが、国家のために絶対の急務である。そして外貨獲得のチャンピオンとして、大いに航空を発達させるということ、とにかくそれだけの保護を加えることが必要である、こういうふうに私は考えるのであります。これについて大蔵当局の御所見を承わりたいと思うのであります。
○塩崎説明員 お答え申し上げます。ただいまの羽田委員の御質問は非常にむずかしい、税金の根本問題に触れる問題でございまして、私ども常に悩む問題でございますので、私のお答えが完全に御満足いただけるかどうか危惧するわけでございますが、一応私どもの考える点を申し上げさしていただきたいと思います。
 まず第一点は、諸外国において航空機によりますところの輸送に対しては通行税というものを課してない、わが国におきましては奢侈品と見てそれに対して課税をしているではないか、こういう点でございます。これは私は、各国の税制のあり方に関係する、まずかように思っております。御承知のように西独、フランスあたりは、各種の取引全般に通じまして売上税という体系がございまして、むしろ個別的の商品についてこれこれの税金を課税するという面は非常に少うございます。ところが一方、日本は売上税という体系はございません。物品税あるいは、ここでいつも皆様方に御心配をおかけいたします揮発油税、砂糖消費税、酒税、たばこ専売益金、こういった個々の消費をつかまえまして、担税力を見て課税する、こういう体系になっております。その一環といたしまして、私どもは通行税がある、かように考えております。その意味では、アメリカにおいても、そういったような趣旨から、連邦においては売上税的な――一般的な消費、売り上げという消費の背後にありますところの担税力を推定いたします税金がないアメリカにおいて、通行税は成り立つのではないか、かように思っております。そういう意味におきまして、単純に、外国にないからといって私どものところにおきまして通行税を置くのはおかしいではないかということに対して、私どもは必ずしもそうではないと考えております。ただ、昭和二十四年まででございましたが、通行税は三等までを含めまして五%の税金でございました。二十五年に税体系を累進的に持っていくというような意味から三等の通行税を廃止する、そのかわり一等、二等の旅客に対しましては二割というふうに担税力の差別をしたわけでございます。
 そこで問題は一等、二等の旅客と航空機を利用する旅客との担税力をどういうふうに見るか、第二にはこういう問題になってくるのではないかと思います。羽田先生のおつしやいました、担税力を推定して課税する点をどう考えるか、これは結局は会社負担ではないかという問題に言われたわけでございますが、私どもは今申し上げましたように、通行といいますか、特殊な輸送機関によりますところの通行に対して担税力を見出す、そういたしますと現在のところでは国鉄の一等、二等の旅客と飛行機による旅客、これはそう差はないのではなかろうか。と申しますのは、飛行機の方はスピードを買うという点に特色がございます。一定地点から一定地点に移動する、しかもそれは何らかの目的をもって動くわけでございますが、一つの消費行為であるわけであります。その消費行為を推定いたしますとそう大差ないのではないか、現に国鉄の二等の旅客は八百万くらいの旅客でございますが、航空機の方は三十七万ばかりで、何と申しましてもまだ利用人員は少いのでありまして、これはなお普及さした方がいいと思います。しかし現在のところではなお利用し得る人員は限られておりまして、おそらく所得の相当高いところの人が利用しているのではないかということが容易に推定がつくわけでございます。私どもは現在間接税の根本的改正をやろうというようなことで、いわゆる消費支出弾力性というような調査をやつております。所得が一万円上るならば、消費は幾らくらいふえていくだろうか、その消費の内容はどんなものであるかという調査をしておりますが、その内容を見て参りますと、所得の多い者の消費する内容は、所得の小さい者の消費する内容とは根本的に違つております。現在のところは、まだ普通の所得者の消費するものよりも、高級の消費ではないかというふうに考えております。しかし私どもは、これは奢侈品とは考えておりません。物品税におきましても、奢侈品というのは特殊な限定された意味しかございません。私どもは奢侈品ではなくして、そういう航空機を利用していける方々の所得から何らかの税金を納めていただきまして、一般会計におきまして社会保障ないし公共事業の方に使つて参る。あるいはまたそれが考え方によりましては航空機産業に対しましての助成の補助金となっているというふうに考えてもよいかと思います。予算を見ましても航空機の通行税による収入よりも、御承知のように航空に対しての助成の国から出す支出が多いわけでございますから、そういう関係から見ましてもこの通行税というのは成り立つのではないか、かように考えております。従いまして第二点としておつしやいました会社負担になるではないかという点が問題でございます。しかし私どもは間接税につきまして、これはいわゆる転嫁を予想いたしましてかけておりまして、全般的に会社負担とは考えておりません。これはいろいろな経済事情によりまして必ずしも一義的に会社負担になるというふうには考えておりません。特に独占的な競争の関係が少ければ少いほど転嫁は容易でございます。そしてまた経済が上昇のときは転嫁は容易でございます。昭和二十七年の十二万くらいの旅客が現在三十七万でございます。一方国鉄の二等の方は、御存じの通りに昭和二十七年に千百万くらいの乗客がございましたが、現在八百万くらいでございます。七割一分くらいに減つている、こんなことを言われておりまして、国鉄の方からも航空機とのバランス、あるいは船の二等とのバランスから、国鉄の方の通行税を免除すべきではないか、あるいは軽減すべきではないか、こういうふうな要請もございますので、私どもといたしましては通行税の性質からむしろ二割程度がいいのではないか、現在あるところの航空機に対しますところの一割という軽減税率は、いわば沿革的な航空機産業というものがまだ初期の段階である、そういう段階のために設けられた助成措置である、こういう関係からでき上っておるので、国鉄と同様に考えるということもできないであろう、こんなことを申しておるわけでございます。一般的にただいま申し上げましたように会社負担とは私どもは考えておりません。間接税のテレビにいたしましても揮発油税にいたしましても、おそらく経済の長い目で見るならば転嫁されているということは言えるであろうと考えております。
 なお第三点の普及度が低いという点でございます。これは普及率が少いということは私どもも考えておりますが、これは通行税と同様に考えております。私どもの今申し上げましたような通行税の性格から一つ羽田先生に御判断いただきたい、かように考えます。
 それから第四点の航空会社の経営内容が非常に不況である、この通行税を廃止してそれだけの助成金を与えるべきだ、こういう考え方でございます。私どもはそれに対しまして先ほど来申し上げますところからおわかりの通り、税は税、補助金は補助金ということで考えております。しかも税を納めていただくのは航空機を利用される方々から納めていただく、その利用される方の所得内容というのは、現在のところ三十七万の人員、これもダブつて乗つている方も相当ございましょうから、日本人全体の八千方の人口から見ましてどういう階層が乗つておりますか、わずか一割程度の税金ならばこの程度は納めていただいたらどうであろうか、かように考えておる次第でございます。
 そして来年度の減税との関係を第五点に言われたようでございます。来年度は党の公約に沿って政府として大いに減税を考えておるのであるから、その一環として通行税の減税は考えられないか。私どもも現在の研究の過程におきまして、種々の税目を取り上げて研究いたしております。しかし何といいましても昭和二十年ごろからの非常に高い直接税の負担の軽減という要請の方が強いようでございます。しかしなお党の公約におきましては間接税その他の減税も取り上げておりますけれども、その趣旨はなるべく低額所得者の消費するような物品あるいはまた零細企業者の製造する物品で、競争の関係から転嫁のむずかしいような物品、これに重点が置かれておるような状況でございます。さような関係から見まして、私どもは結論を出したわけではございませんが、この通行税につきましてどういうふうに考えますか、今後研究しなければならぬと思っておりますけれども、今の段階ではそんなような気持でおるわけでございます。
 非常にむずかしい御質問に対しまして非常にお粗末な答弁でございますが、以上の通り私ども現在のところ考えております。
○羽田委員 まずアメリカの問題について論ぜられましたが、アメリカは御承知のように、戦争中にできるだけむだな交通をしないように、汽車に乗らないようにという意味でもって交通税をかけておるということを一つ念頭に置いていただきたいと思うわけです。そうすると結局あとは世界で立法されておるのはフランスだけというわけでありますが、フランスもわずかに百フランという僅少なものであるということを強く念頭に入れまして、今後の税制改正のときに十分な御考慮をいただきたいと思うのであります。それから汽車の一、二等客というものは三等客に比して非常にわずかしか乗らないのであります。八百万人という数字をあげられましたが、とにかく私どもの信越線なんかは二等の汽車すらも一日に三本くらいしかないという実情でございましてこれは一等、二等へ乗るというのはややぜいたく的な意味もあると思いますが、航空の方については、国際線は別でありまするが、国内線については一等、二等、三等というものがなくて全部平均のものであります。従って、税の方の性質からいえば、先ほども私論じましたように、等級がない場合には下等の級の態勢をとるというのが建前でございますので、航空機の国内線においては一等、二等、三等というようなものはないのでありますから、区別がないのであるから、従つて下等の等級に従う、こういうのが税の建前ではなかろうかと思うのであります。それから担税力の問題でございますが、大体航空利用者を見ますと、会社の要務でもって東京、大阪あるいは九州に飛ぶ、あるいは北海道に飛ぶというような方が大部分でありまして、これは非常に急を要するということが重点であつて、従って会社の担税力といえば、会社には担税力があるといえばそれまででありまするが、いわゆる個人的な担税力ではないと私は思うのでありまして、会社はやはりスピートをもって早くその要務を足そうということのために、高い税金のかかる航空機も利用せざるを得ない、こういうふうに考えるのであります。従ってこの航空機について通行税をかけるということは私は絶対に反対であります。しかも大体汽車にしても船にいたしましても、通行税というものは全廃をするという方向が正しいのではないか。人の交通について税金をかけるということは、税の本来からいえば私は邪道ではないかと強く思うのであります。それから航空に対して直接の国家の保護は大いにやつておるが、間接の税に関しての保証はしなくてもいいのではないかという考え方のようでありまするが、私はやはり直接と間接の保護が必要であるということは、航空の時代がいよいよくる時代において――航空機がうんともうかつておる時代には税金をかけられてもやむを得ないかもしれませんが、まず初期の時代で、日航にしても国内の方でもうけて国際線の開拓の資源にする、こういう行き方が現在の姿であります。従いまして国際競争に耐えて外貨をうんと獲得してもらうという大きな目的を達成するためには、直接間接の大きい保護が必要であるというふうに思うのでありまして、口先だけを見てそうして外貨獲得という大局を忘れるということは、日本の経済の衝に当る大蔵当局の税の考え方としては間違いじゃないか、こういうふうに強く思うのであります。しかも直接に航空会社に政府の保護をするということでもって、今度はそれじや航空会社は運賃を値下げする、そうしてたくさんのお客を輸送するというような、直接の保護によっての運賃の値下げなんていうことは考えられないのでありまして、それにはやつぱり間接的な税の軽減をしますれば、すぐ航空会社は税だけは安くお客を乗せるということになりまして、初めて航空が十分な発達もできるし、ことにジェット機のように、今の六十人くらいのところから百三十人ものお客を乗せるということになると、非常なお客を吸収することが必要でございます。その意味においては、ジェット機時代を迎えて大きい飛行機が飛ぶというような態勢のときに当りましては、やはり間接的な通行税を廃止する、こういう建前で、とにかくおくれた線でとまつておつた航空事業の発達を期することが、外貨獲得のために大きな目的を達するゆえんではないか、こういうふうに思うのであります。大体あなたの御答弁に対する私の考え方として反駁を申し上げたのでありますが、これについての御意見は、時間もありませんのでまた後に承わることといたします。
 次には航空機川の燃料に対する揮発油税の免税について申し上げたいと思います。航空機用の燃料に対する揮発油税は、臨時措置によって三十四年の三月末日まで免税にされておるのであります。この免税の排措置は、先ほども言うように、重要であり、かつ幼稚産業であるところの航空事業育成のためには、三十四年以降もこの免税を続けていくことが必要であると思うのであります。
 その理由の二、三をあげてみますと、燃料費は航空会社支出の項目の中で最大のものでありまして、燃料費の総経費に対する割合は、三十二年度で日本航空で一割四分、全日空で二割、しかも揮発油税は燃料価格の約三分の二に相出する巨額なものであります。すなわち、揮発油税は一キロリットル当り一万四千八百円というような高額の税金がかかるのであります。従って三十四年度以降に揮発油税の課税が復活をいたすことになると、日本航空においては三億九千八百万円、全日空においては一億六千七百万円、その他の会社において八千二百万円、合せまして六億四千七百万円の巨額のものが揮発油税として政府に納められることになるのでございます。こういうような六億四千七百万円というふうな巨額の税金を政府に納めるということになりますと、結局航空下業を破滅することになりまして、日航も赤字に転落しまして、海外競争力に重大な影響を及ぼすものであります。
 第二といたしましては、元来揮発油税は目的税でございまして、この歳入をあげて全部道路整備費に充てるということになっておるのが税の建前であります。従って道路を使わないところの航空機用揮発油をこの税の課税の対象とすることは、全くこれは妥当を欠いておる、不合理千万である、こういうふうに思うのであります。すなわち、本税制定の当時は航空は禁止状態にありましたので、航空燃料については全然考慮が払われていなかった。それが航空の再開に伴つて自動的に航空燃料にもこの税が適用されることになつたのでありまして、従ってこれは非課税とすべき性質のものであることは明瞭な事実であります。航空は道路の整備とは無関係なことでありますから、その道路の整備を目的とする揮発油税のごときは、全然航空には当てはまらない。これは小学校の生徒でもわかる理屈であるのであります。さらに三十年以降には地方道路税が設けられました。ここには自治庁の方がおいでになっておりませんが、大蔵省の課長さんから所感を承われば幸いと思いますが、地方道路税は一キロリットル当り三千五百円を賦課徴収するということになっておるのであります。これは地方道路税が明らかに道路利用の受益者負担の税制であるから、航空機燃料に課税をするということは先ほども言うように全く不合理きわまるものであります。そのかわりに航空機の方は飛行場の滑走路を利用します。そこでこの離着陸料、つまり離陸、着陸の料金というものを飛行機は支払つておるのでございます。大型機でもって一度おりれば、あるいは一度飛び立てば二万八千円という大きな賦課がなされております。それから中型機で一万一千六百円、こういうふうに航空機は滑走路を使う、同じ道路であつても滑走路という特殊な道路を使う、こういうことでもって離着陸料というものを一回一回、飛び立つにしても着陸にしても、それぞれ支払つておる、こういう状態であるのでありまして、そういう意味においてこれは全然揮発油税というものは飛行機の禁止された時代に設けられた税金であつて、航空に関しての着想が全然なかった。しかも道路利用者の目的税である、整備をするための目的税である、こういう意味から申しましてもこの税金は全然ナンセンスの税金である、こういうふうに強く思うのであります。
 第三には、各種公共用用途に従事する自家用機の経費面に圧迫を加えております。航空活動の制約をいたしておるのでございます。航空機は日航とかあるいは全日空というような航空事業の常業手段ばかりでなく、自家用機として海上保安、教育、学術、新聞報道、水産あるいは林相の調査、こういうような公共性の強い用途に用いられておることは御承知の通りであります。こういうようにこの揮発油税あるいは地方道路税というものが三十四年度から復活をするということになりますと、これらの公共用事業に従事するところの自家用機の運航費が高額なことになりまして、これは使用者にとつては非常に大きな悩みの種である、こういうふうに思うのでありまして、これは何としても元来目的税である法の建前から申しましても、当然税制改正においては削除すべきものであるということを強く深く感ずるのでありまして、大蔵当局の御瀬見を承わりたいと思います。
○塩崎説明員 お答え申し上げます。
 前段の通行税の問題について簡単に敷衍させていただきますが、アメリカにおいては通行税が戦時税であったし、日本におきましても通行税は日露戦争のときの財源であったということがよく言われるのでありますが、税のうちには、戦争中にでき上って現在においても継続中のものが相当ございます。それは、戦争中にふくらんだ財政需要が戦後にも決して減らないということを意味しておるだろうと思います。相続税も日露戦争のときの財源であります。物品税、入場税その他も戦時に設けられたものでございまして、現在も続いておる財源であります。そのことだけ、ちょっと御参考までに申し上げます。
 それから本論の揮発油税及び地方道路税の問題であります。羽田先生のおっしゃる通り、現在の揮発油税及び地方道路税の支出の性格から見ますと、御趣旨の通りだと思います。おっしゃる通り、道路整備の財源に関します法律によりまして、揮発油税は一応目的税的に運用されまして道路整備に使われることになっております。それとの関連があったと思いますが、それが臨時的な法律でございましたので、来年の三月まで揮発油税は航空機について非課税ということになっておるわけでございます。そこで、いよいよ来年の三月に期限が切れますので、これをどういうふうに考えて参るかということを私どもこれから研究しなければならぬかと思います。おっしゃる通り道路と航空機との関係を非常に密接と考えるか、あまり密接でないと考えるか――おそらく密接じゃないということになるかもしれませんが、受益の面も若干ないこともなかろう。それから、目的税と考えると、これだけの収入が上りましたものを航空機の整備に使うという考え方も、また一つの考え方として出るかもしれません。そういうことよりも、まずコストを下げていく、燃料費を下げていくということが主要だといたしますれば、依然として免除した方がいいということになります。そんなような関係で、私どももこれから慎重に研究したいと思います。揮発油税でも、用途の性質におきまして道路と関連のないものについて必ずしも全部免除しておるわけではございません。よく言われます洗たく屋さんがクリーニングに使います揮発油も、揮発油税をとつておるような状況でございまして、このあたりをどういうふうに考えて参りますか、全く免除するのがいいのか、ある程度課税するのがいいのか、この辺は諸外国の立法例なども見ながら一つ慎重に検討して参りたい、かように考えております。
○羽田委員 道路が航空の方の受益というお説はどういう意味かよくわかりませんけれども、とにかく揮発油税についてはよく考えるという方向の御意見を承わりまして、まことに同慶の至りでありますが、洗たく屋さんの揮発油税もこれは廃止すべきだと思います。とにかく揮発油税あるいは地方道路税というものが目的税である限りにおいては、目的に反するカテゴリーに入らないものはどんどん勇敢にはずしていく。とにかく七百億の減税を実現しようというときでありますので、そういった不合理なことはあくまでも除去していくという考え方を強く持っていただきたい。そして先ほどの通行税も地方道路税も、これは単なる役人としてでなく、航空会社を育成するという大きな国策的な見地に立って十分御考慮を願つて、そして来年度からは二つの税が廃止されるという方向に持っていっていただきたいということをもって私の質問を終る次第であります。
○川野委員 関連して。委員長の御希望もございますから簡単に御質問さしていただきたいと思います。
 ただいま羽田委員から交通税の悪税たることは詳細に述べられましたのでで、私もあの通りであります。そこでで、簡単に御質問いたしたいと存じますが、先ほど来航空機の対象はぜいたくでないということを塩崎課長はおっしゃったのでありますが、もちろんぜいたくではございませんが、私は生活に密接な関係を持っておると思う。物にたとえて申しまするならば、生活必需品だと思うのでありますが、この点はいかがでしょうか。
○塩崎説明員 生活必需品であるかないかの問題、あるいはまた裏返して申しますれば、奢侈品であるかどうかといったような問題にまで連なるかもわかりませんが、非常にむずかしい問題でありまして、そのときそのときの経済情勢あるいは国民所得の水準、経済発展の状況、これによって私はきまると思います。しかし現在のところ私どもの考え方といたしまして、航空機を利用しておる方々の所得から見ますと、まだ生活必需品というところまでいかないのではないか。非常に急いで、お母さんが危篤であるというような場合に無理して乗られる方があるかもしれません。そういう例を除きますと、やはり何といっても汽車もあり、バスもあり、船もありといったようなときに航空機を利用できる方々、これはやはりちょっと程度が上の方の消費ではなかろうか、こういうふうに考えております。しかし私はこれを決して奢侈品とか、あるいはぜいたくだとか、こういうことを申しておるのではないのでありましてそういうものを利用できる方々は一つの特権と申しますか、国民のそういう利用できないような方々に、一般会計を通じまして税金を納めていただきたい、こういうのが通行税の趣旨ではなかろうか、このように考えている次第であります。
○川野委員 私は塩崎課長のただいまの考え方が間違つておると思う。第一、財源としての観点からとられるという点についてはいろいろ考え方もありましょう。しかし飛行機等におきましては、一回くらいはぜいたくに乗る人があるかもしれません。大多数の方は迅速、こういう点から商売にしても、その他の問題にしても利用いたしておるのでございます。ぜいたく的に乗る者はごく一部でありまして、大多数の者は生活に密接なる関係のある問題をひつさげて旅行するということをまずもって念頭に置いていただきたい、かように存ずる次第であります。この点についてこれ以上議論はいたしません。
 しかいたしますると、まず汽車の交通税についてお尋ね申し上げたいと存じまするが、かつて汽車を、二等が三等の二・八倍、さらに一等は二等のその倍、こういうことに値上げしたことがございます。ところがあまり二等の運賃を値上げいたしました関係上、二等客が減りまして、二等の客が三等に移つたために、運輸当局といたしましてはあわてて二・五に値下げをいたしたことを私は記憶いたしております。これは汽車だけではございません。かつてたばこにおいても、ピースを五十円に上げたところが買手がなかった。そこで大蔵省はあわてて四十円に値下げされたのであります。こういう点から考えますと、三等と二等との旅客運賃というものは、ある程度の度合いがはずれますと二等の客が三等に移つて参ると存じます。ただいまの例で申しましても明らかなことでございます。ところが通行税が、これは法的解釈から申しますとなるほど通行税でございますから、その観点から旅客が通行税を納めるのが当然でございます。しかし今旅客のうちで、通行税であるという意識のもとに納めておる人が果して何人あるでありましょう。おそらく私は鉄道運賃という考え方で、交通税を含めてそういう運賃という考えのもとに現在納めておるものと考えます。そういたしますと、二等が三等運賃の二・四倍、一等が四・八倍という高率になっておりますから、従いまして二等の客というものが非常に少く、三等が御承知のようにあの混雑を来たしておるわけであります。そこでもう少し二等の運賃も下げますと、三等、二等のアンバランスも非常に都合よく参りましてそうして国家の収入が多くなると私は考えます。こういう点から考えまして私は汽車の通行税を、二割は高いからもう少し下げたらどうか、かように考えておる次第であります。
 さらに航空に対する交通税でございますが、ただいまいろいろ御説明を聞いたのであります。しかし航空会社は非常に赤字であります。なるほど日航会社は赤字ではございませんが、しかしジェット機の世界的需要から、わが国もジェット機を使わなければならない、こういうようなことで、今会社はそういう問題で非常に悩みを続けておる今日でございます。政府に対しまして、も補助あるいは融資の面について、相当に努力をしてもらいたいといって、日航会社も今政府に申し込んでおる実情でございます。こういう際でもございますから、当然二割などという高い税率を低め、あるいはまた廃止する、こういうことが私は適当であろうと考えます。ことに全日空輸等の弱体会社でございますが、御承知のように、赤字に赤字を重ねておる。そういう結果から、先般の事故等になって現われたと思いまするが、こういう点から考えましても、こういう会社の内容をよくする、こういうことが国家といたしましても非常に必要な問題でなかろうか、かように考えます。こういう点から考えますと、ただいまおとりになっておる交通税というものが非常に高い、かように考えますが、この点について重ねての御説明を要望する次第であります。
○塩崎説明員 お答え申し上げます。まず第一点は、国鉄の一等、二等に対しますところの二割の税金が高いではないか、こういう御質問でございます。川野委員、大蔵委員会で御承知の通りに、現行間接税の体系は種々の税率構成をとつておりまして、私はその間のバランスが非常に大事ではないか、かように考えます。財政収入だけの見地から申し上げますと、むしろ下げて、大きく消費をもふやして、収入を上げるというふうな考え方も私はとれるかと思います。しかしながら、一方消費の性格から見ますと、必ずしもそれだけでは足りない。やはり担税力のあるところに課税するという考え方の方が、間接税ではより優位にあるべきではないか。先ほど申しましたように、二十五年に三等の通行税を廃止いたしましたのは、そういうような趣旨でございます。御承知のよらな、バランスを尊重すれば、三等にも一割課税をし、二等にも一割課税し、一等にも一割課税するならば、その間は二倍、三倍というようなことで、あるいは四倍にもなるかもわかりません。そういうような料金構成はとれるかとも思いますけれども、そういう税の体系がいいかどうか。御承知の通りに、物品税の最高の税率は五割でございます。さきにお騒がせいたしましたところの揮発油税は一〇〇%近い税金でございます。それからまた酒税も御承知の通り非常に高い税負担を課しております。そんなような関係から見まして、一、二等の乗客のある程度の負担は、現在の財政上非常に大きな財政の需要が方々から言われます今日におきまして、まだまだやむを得ないのではないか、かように考えておる次第でございます。
 第二点は、ジェット機が入るような世の中で、減価償却費も高くなるような世の中、しかもまた政府の補助が非常に必要とされるときにおきまして、航空機に対します通行税も廃止または軽減がいいではないかというようなお説でございますが、これも今申し上げましたような趣旨ででき上っております。ただ現在のところ、二十八年からでございます。助成の意味で、一、二等のバランスもございまするけれども、航空機につきましては一割、こういうことにしておる次第でございまして、私はむしろ一、二等とのバランスを考えますれば、同じような率がいいのではないか、かように考えておる次第でございます。
○川野委員 三等の交通税を復活して二等との公平を保つ、こういうような愚論は、私は承知できません。しかし二等の交通税を下げるということは、それだけ二等運賃が下るという結論になるわけであります。そういたしますると、今二等に乗りたいという人が三等に乗つておりますから、そういう人が二等に参りますると、国家といたしましての総収入がふえるわけであります。わずかに交通税を下げまして、そうして二等の旅客運賃を下げるということになりますと、たくさん二等に人が乗りますから従って収入がふえる。国家の収入というものはそれだけふえる。わずかな交通税を減らして、そして運賃で国家の収入がふえる、そういうことをやられたらどうか。こういう観点から私はお尋ねいたしておるわけであります。さらに租税特別法によりまして、航空の交通税が一〇%になっておるわけでありますが、その租税特別法をお作りになつた当時と今日とは私は情勢は変つていないと思いますが、あなたは汽車との関係上二〇%が適当である、こういうような発言がされたように私は聞いたのでありますが、その点について重ねてお尋ねを申し上げたいと存じます。
○塩崎説明員 お言葉を返すようでありますが、第一点の、二等に対しましては通行税を下げて収入を上げたらどうか、こういうお話でございます。だんだんと私もできるだけ国民が二等の乗客になるということが望ましいと考えます。しかし現在におきましてまだまだ所得税が高いというような声がいわれております。なぜかと申しますと、よく私ども考えてみますと、まだ日本の所得水準は外国に比べて低いし、しかも蓄積が乏しい、やはり消費はできるだけ抑えていって蓄積を進めるべきだというような意見もございます。そういうような観点から、三等に乗る人が二等に乗るというところまでいく、しかもそれによって収入を上げていくということがいいかどうか、それは消費税の性格から見ましてなお検討すべきだと思います。なお将来の万両といたしまして、全部が三等じやなくて、二等の乗客になることが希望でございます。あるいは一等になることが希望でございます。現状におきましてこれをどういうふうに考えてみますか、なお私は検討すべき余地があるのではないか、かように考えております。第二点の、昭和二十八年の租税特別措置法によりまして、航空機の通行税の税率二割を一割に下げた状況と現在のどこが違つておるかという点でございます。当時に比べますと、ただいま御発言がございましたように、日本航空は非常に内容がよくなっておることは御承知の通りでございます。昭和二十八年とは雲泥の差と言っても私はいいかと思います。先ほど申しましたように十一万の旅客が三十七万、こういうふうに発展してきたわけでございまして、このこと自体私は非常にけつこうなことだ、将来もますます発展さしていきたい、かように思っておる次第でございます。ただこういう特別措置というものは御承知の通りに、往々にいたしまして慢性化といいますか長期化いたしまして、既得権化する。どうしても趣旨が臨時の、非常に困難な時代の助成だと考えますれば、ある程度のところで打ち切る、そういうことをいたしませんと、現存の特別措置法はたくさんございますが、情勢は変つていないということになりますと、企業の経営者の経営努力という点におきましても欠けるところが出てきはしないか、こういうようなところが、一つの判断、決断が必要ではないか、かように考えております。そういうことから判断いたしまして、どういうふうに結論を出すかということは別といたしまして、この租税特別措置法が一定期限内でよくしてもらうということの現われだ、かように考えております。そういう点も一つお含みの上、川野先生からは大蔵委員会で常にお教えいただいておるわけでありますが、そういう角度から見ていただければどうか、かように思う次第であります。
○川野委員 飛行機の黒字の問題を御説明になりましたが、今、日航会社はようやく青芽を吹き出した程度であると私は思います。この青芽をむしるということになりますと将来の発展ということが考えられませんから、この点については特に考慮を要望いたしておきます。最後にお尋ねいたしたいのでありますが、先般の総選挙に当りまして自民党は天下に公約いたしました。その公約は、先ほど御説明になりました間接税の軽減であります。間接税はひとり物品税だけではございません。交通税も間接税でございます。そこで、先ほどの発言の内容において、生活物資をおもに減税するかのような発言がございましたが、これも当然私は減税していただきたいと存じます、今まで国会の要望といたしましては、物品税の減税を強く主張して参つたのでございますが、大蔵御当局が実は延期に延期をいたして今日になつたのでございまして、とうてい国会のこの攻撃に対して防ぎ切れるわけはございませんから、物品税は当然お下げになると私は思っております。しかし、先ほど来申しましたように、交通税も間接税であります。この点についても一つ深く思いをいたしていただいて、天下の悪税であります交通税の軽減あるいは廃止に一つ熱意を示していただきたい、かような希望を申し上げまして、質問を終ります。
    〔堀内委員「関連」と呼ぶ〕
○菅家委員 議事進行について委員長に一つお願いがあるのでございますが、きようの委員会は理事会において十二時半までに議事を打ち切るという申し合せになっておりますので、これには異議はございません。そこで、前もって質問の通告をいたしておったものがあるのでございますが、関連事項として適切なる御質問ではございましょうが、そうなりますと、私は今後の運営に非常な疑問を抱くのでございます。こういう場合には理事の諸君は一つなるべく譲つていただいて、御遠慮いたしていただきたい、かようにお願いする次第でございます。
○塚原委員長 堀内君、いいですか。――それでは菅家君。
○菅家委員 理事会の決定でありますから、十二時半にぴつたり質問を打ち切りたいと思います。私の質問は、運輸行政の一般についての五項目にわたる質問でありまして、かなり時間を要することでありますので、本日は、第一項目のうち、次の機会にお尋ねをいたす前提として、二、三簡単に個条にして申し上げたいと思います。簡単な御答弁でけつこうでございます。
 先般来、大小の新聞に「運輸行政の腐敗」という見出しで五日間にわたって報道されております。また運輸省内には黒幕があつて、国鉄担当者に圧力を加えておるという記事が、しかも記者の責任ある署名のもとに報道されております。その次に内外観光客に非常な衝撃を与えているという記事も、かなり大きく取り扱われておるのでございます。新聞名、その掲載月日等は後日に譲りますが、たくさんの新聞その他雑誌に散見されているところを見ますと、大きな運輸行政に対する疑惑が深まつておるような感がいたすのであります。私は新聞の報道が必ずしも絶対正確なものであるという観点に立つものではありません。しかしこれだけの多くの新聞雑誌に運輸行政の個々の問題が取り上げられておるということは、やはりこれは他山の石としてわれわれが研究調費をしてみなければならないのではないか、こう考えまして、五項目にわたる御質疑を大臣にいたす次第でございます。
 そこで第一には、自動車道の供用約款に関する件の一、二の点を項目でお尋ねをいたしたいと思います。交通新聞というのがございますが、九月十五日の新聞に「供用約款の疑惑さらに深まる」というので一ページを埋めて書いてございます。そこに國友運輸省業務部長の談話が載つているのでございますが、業務部長はこういう談話をこの新聞に御発表になりましたかどうかを、第一に簡単にお答え願いたいと思います。
○國友説明員 交通新報であったかと思いますが、記者が私のところに参りましていろいろと話をいたして参りました。と申しますのは、向うが話を私にしたのであります。その中に書いてありますことは、新聞記者が話をいたしました。私も幾分かは返事をしたこともございますが、私の全然答えておらないこともそこに書いてございます。
○菅家委員 そういたしますと、お話しになつた点はどういうことでございましょう。
○國友説明員 大体話しておりません。
○菅家委員 少しもお話しにならなかった……。
○國友説明員 ほとんど新聞記者が話したことでございます。
○菅家委員 新聞話者が話したのであつて、あなたの談話というものは新聞記者に話さなかった、こういうふうに承知してよろしゅうございますか。
○國友説明員 そうでございます。
○菅家委員 了承いたしました。
 なお、本年の七月八日付をもって、運輸次官名だったかと思いますが、供用約款のことにつきまして法制局長官への問い合せといいますか、質問というのが出ているようであります。これはどういう問い合せであり、あるいは質問であったかということをお答え願いたいと思います。
○山内説明員 ただいまのお尋ねは、七月八日次官名をもちまして内閣の法制局長官に聞いておるわけでございますが、第一は、約款によりまして、自動車道事業を営んでおります一つの会社と契約をいたしました場合を除いて、一般乗合自動車運送事業及び一般路線貨物自動車運送事業の路線営業による供用は拒絶するというような条項を持っております供用約款の認可申請があった場合に、行政庁がその認可をすることは適法か違法かということを聞いてやつておるわけでございます。そのほかこれに関連をいたしまして、そういう場合に拒絶するのではなくて、別に特約によるのだというような条項を持っておる供用約款の認可申請があった場合に、認可をすることが適法かどうかというようなことを聞いております。眼目はこの二つでございまして、そのほか法制的なこまかい点も幾つか聞いてやつておるわけでございます。
○菅家委員 そうしますと、自動車局長にもう一ぺんお尋ねをいたしたいのでありますが、昭和三十二年三月四日に高知県交通会社に与えました供用約款、本年六月七日付で国土計画興業に与えた供用約款、こういう経過をたどつてきているのでありますが、六月の十一日でありますか、中村前大臣が退官をされた。すでに二つの供用約款の認可のある以前に疑義があるというならば、法制局にただされるというならば、私どもは納得できるのであります。さきには何らの疑問を持たず、しかも昭和三十二年の三月四日に高知県交通会社に与えておきました供用約款、次いで本年六月七日、その後に支障があったというので、疑問があるならば、本年の六月七日付で国土計画興業に認可を与える以前に、法的根拠を法制局にただされるならば、納得がいくのでございます。与えておいてそれと正反対のことの行政措置に対する法的根拠というものを法制局に聞かれるということは、どういう趣意でそういうことをおやりになつたのか。
○山内説明員 その点は、この供用約款の認可というものは陸運局長の専決の権限になっております。それで陸運局長がそういう措置をいたしましてから、その報告の詳細が参りましたのが五月二十三日でございます。その後その処置が果して適法であるかどうかということにつきましてわれわれの方は検討をいたしておったわけでございますが、なかなかむずかしい問題でありますので、法制局に有権的な回答を求めるために照会をいたしたのであります。
○菅家委員 自動車局長名をもって各陸運局長に通達が出されているようです。それは、今のお話では五月二十三日に何か陸運局の方からいろいろな意見があったから法制局に尋ねたということですが、それ以前に、七月二十一日付をもって自動車局長は各陸運局長あてに「自動車道事業の供用約款の取扱いについて」という通牒を発送されておるようです。この間のいきさつはどういうことになりますか。
○山内説明員 ただいま言いましたのは、三十二年の五月二十三日にありましたわけでありまして、本省といたしましては、地方局長の専決事項でやりました行政行為に対しまして、その違法性を検討するということは非常に慎重を要しますので、あらゆる面から検討をしたわけでございます。当時、たまたま一投自動車道とその上を通行いたします路線事業との基本的な関係につきまして内閣法制局に照会する必要があったのでございまして、この違法性というものもそれに関係があるというので待っておつたわけでございまして、内閣法制局の回答がわれわれの聞かんとすること全部ではございませんが、その一部が三十二年の七月に照会を出しまして、回答が三十三年の五月にあったわけでございます。
○菅家委員 三十三年の五月ですか。
○山内説明員 はい。
○菅家委員 それは、参考として法制局の意見を問い合せた、三十三年五月に回答が来た、かなり長い期間ですな。それなら六月七日付でもって国土計画興業にどうして供用約款の認可を与えられたのか。もしそういう疑問があれば、そのときすでに認可のあるべき筋合いのものではないと思う。
○山内説明員 本省としましては、いろいろむずかしい問題であり、さらに十分検討しなければならないので、陸運局にこの部分を保留するようにということを非公式に話をしたわけでございますが、たまたま国土計画興業の路線が開業に迫られておりまして、このために開業を延ばすということは業者に不測の損害を与えてはいけないという東京陸運局長の考え方でございまして、一方高松の陸運局長にも前例があるということでやつたわけでございます。
○菅家委員 これ以上は意見になりますので、次の機会に譲らないと時間がなくなりますが、ただいまの御答弁では納得がいきません。少くとも一つの行政官庁が、事務の取扱いの法的根拠について疑義があるというので法制局に問いただした。その答弁書が来て、その答弁書の以前であればでありますが、以前に来ておるにもかかわらず、その解釈と正反対の解釈のもとに認可を与えたということは、私は納得できないと思う。これは次の機会に一つ具体的な意見を述べることにいたします。
 次に、政務次官と大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、昭和三十三年七月二十一日、自動車局長名をもって陸運局長に出しました「自動車道事業の供用約款の取扱いについて」というこの通達は、政務次官なり大臣は御承知になっておるのか、決裁になつたのでありましようか、決裁があったかなかったかをお聞かせいただきたい。
○永野国務大臣 決裁はいたしておりません。
○菅家委員 政務次官の方はいかがでございますか。
○中馬説明員 大臣と同様でございます。
○菅家委員 そういたしますと、やはり新聞等に出ております通り――大体この問題は、民間自動車道の保護政策といいますか、一つの指導理念のもとにこれはやつてきた事柄であります。そういう重大な問題を一局長名で陸運局長に――前の運輸省が認可を与えたものの根本をくつがえすような通達を政務次官も大臣も決裁しなかったという取扱いなどは、これは運輸行政に対する疑惑を与える一つの問題だと思う。これについては、資料をたくさん持っておりますが、次の機会に譲つてまた大臣なり政務次官の所見を伺いたいと思います。
 世間は、六月十一日に中村前大臣が退官されると同時に、七月八日に法制局に伺いを立てて、そうして急に一カ月たたない七月二十一日に陸運局長名をもって前の認可の権限を取り消すような通達を出したというようなことは、私はけだしこれは運輸行政の腐敗の一端だと思うのでございます。そのための具体的資料も私どもはたくさん持っておりますが、もはや時間がありません。われわれ衆参両院議員に配付されましたこれらに対する学者の意見がここにあります。法制局長官にも直接私は意見をただしました。これらの全部の資料を見ましても、これは大いに法律的に疑義のある問題でございまして、すべての学者はこれを否定しております。これは「民営一般自動車業者の承諾なき定期バス事業の免許は為し得ない」、これは元運輸省の審議会委員であります弁護士の柏原さんが配つた印刷物でございます。それから東大の法学部教授の田中先生、その道の専門家でありますが、これも精読してみますと、できないという意見を出しておるのであります。「民営一般自動車に対する法律上の制限について憲法第二十九条と道路運送法との関係を中心として」、これが早稲田大学の有倉さんの意見書で、われわれはちようだいして拝見いたしたのでございます。その他の配付されましたものを見ましても、法律的に非常に疑義のある問題でございますが、この種の問題を簡単に、大臣の決裁も経ずして、一局長が陸運局長に通達を出すというような取扱いが疑惑を深めるもとになるのではないか。当然これは政務次官なり大臣の了解を得て出してもおそくはなかった。このように一カ月もたたないうちに正反対のものを出すというようなことは、何かそこにあるのではないかという疑いを受けるのもけだし私は当然だと思うのでございます。新聞の報道する通り、運輸行政は外部の二つの勢力に動かされているということを具体的に書いております。これなどはその一つの例であると思いますが、ちようど十二時も過ぎましたので打ち切りたいと思います。
 次は委員長に要求しておきます。事務次官に参考として意見を聞きたいので、次の機会にぜひ委員会に出席をいたすようにお願いをいたしておきます。その他はことごとく正確なる資料に基いてのお尋ねをいたしまして、最後に結論を申し上げたいと思います。次の機会に他の委員の質問の支障のない程度において毎回二十分程度の時間をお許し下されば、十日間くらいで打ち切りたいと思いますから、委員長にあらかじめお願いしておきます。
○塚原委員長 よくわかりました。
○山内説明員 ただいまのお話の中で誤解があったかもわかりませんので、ちょっと説明させていただきたいと思います。法制局から参りました回答書は、われわれの聞かんとすることは全部網羅されておりません。まだ不完全のものでございますので、その後また続いてやつております。
○菅家委員 そういう話であれば、また法制局に問い合せたことをお尋ねしなければならぬと思うのであります。法制局の方は不思議に思っております。自分の所管でそういうことを許しておきながら、すぐその直後にこれと正反対のことが法律的に有効かどうかと聞いてくる意思が一体どこにあるかといって、反対にあなたの方に質問しているはずです。質問の条項、法制局が言つた条件もここにちゃんと書いてあります。あなたの方でそれに答弁しなかったではありませんか。ちゃんと向うから反対に、あなたの方に逆に、これはどういう意味かといって問い合せしてきている。それに対してあなたの方は言わないから、法制局はそういうことを体して、一つの省の行政上の取扱い問題に対して法制局はタッチすべきではないという考えを持っておつたからこのように意見がおくれて来たんです。問い合せがあなたの方にあります。それをやりますと時間がかかります。ちゃんとここにあります。私は法制局長官にも会いました。しかしこれは時間の関係で次会に譲ります。
○塚原委員長 これから幾らでも委員会を開きますから十分おやり下さい。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十二分散会