第029回国会 商工委員会 第5号
昭和三十三年六月二十六日(木曜日)
    午前十時二十八分開議
 出席委員
   委員長 長谷川四郎君
   理事 小川 平二君 理事 小泉 純也君
   理事 小平 久雄君 理事 中垣 國男君
   理事 中村 幸八君 理事 加藤 鐐造君
   理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君
      新井 京太君    岡部 得三君
      岡本  茂君    奧村又十郎君
      加藤 高藏君    川野 芳滿君
      木倉和一郎君    關谷 勝利君
      田中 榮一君    高橋  等君
      中井 一夫君    野原 正勝君
      濱田 正信君    渡邊 本治君
      板川 正吾君    今村  等君
      内海  清君    勝澤 芳雄君
      小林 正美君    堂森 芳夫君
      中嶋 英夫君    吉川 兼光君
      水谷長三郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  高碕達之助君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       大島 秀一君
        通商産業事務
        官
        (企業局長)  松尾 金藏君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (経済企画庁調 富谷 彰介君
        整局参事官)
        検     事
        (刑事局公安課
        長)      川井 英良君
        法務事務官
        (人権擁護局
        長)      鈴木 才藏君
        農林事務官
        (水産庁次長) 西村健次郎君
        建設事務官
        (河川局次長) 曽田  忠君
        参  考  人
        (千葉県商工水
        産部長)    川上 紀一君
        参  考  人
        (本州製紙株式
        会社江戸川工場
        長)      青木 貞治君
        参  考  人
        (本州製紙株式
        会社常務取締
        役)      近藤  清君
        参  考  人
        (浦安漁業協同
        組合長)    宇田川欽次君
        参  考  人
        (浦安第一漁業協
        同組合員)   柳町金太郎君
        参  考  人
        (東京都経済局
        農林部長)   関  晴香君
        参  考  人
        (千葉県内湾水
        産試験場場長) 内田 一三君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
六月二十五日
 委員鈴木一君辞任につき、その補欠として吉川
 兼光君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 本州製紙汚水問題について参考人より意見聴取
     ――――◇―――――
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 まず参考人出頭要求の件についてお諮りをいたします。
 繊維不況対策に関する件について、来たる七月一日に、日本絹人絹織物工業会副会長の茂木富二君、福井県絹人絹織物工業組合理事長の長谷川清君、桐生輸出織物協同組合理事長の金子友三郎君、全国繊維産業労働組合同盟福井県支部書記局長の中島優治君、日本綿スフ織物工業連合会会長の藤原楠之助君、遠州織物工業協同組合理事の寺田忠治君、三州織物工業協同組合理事長の稾(おおえ)貞治君、日本綿糸布輸出組合理事長の鈴木重光君、以上八君を参考人として出席願うこととし、
 次に日中貿易に関する件について、来たる七月二日に、日本輸出入組合専務理事の高見重義君、国際貿易促進協会長の山本熊一君、日中貿易促進会専務理事の鈴木一雄君、八幡製鉄株式会社常務取締役の稲山嘉寛君、日本硫安輸出株式会社専務理事の大仲斉太郎君、以上五君を参考人として出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○長谷川委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
    ―――――――――――――
○長谷川委員長 次に本州製紙の汚水問題について調査を進めます。
 本問題につきましては、調査の必要上、まず御出席を願っております参考人の方々より、本問題の状況等につきまして伺いました上質疑を行うことといたします。
 この際一言参考人の方々にごあいさつを申し上げます。本日は御多忙のところ御出席を願いましてまことにありがとう存じました。本問題の重要性につきましては今さら申し上げるまでもなく、他に及ぼす影響も大なるものがあると存じますので、その対策等につきまして忌憚のない御意見をお述べ下さいますようお願い申し上げます。ただ時間の都合もありますので、参考人の方が初めに説明をされる時間は一人当り大体十五分程度にお願い申し上げ、後刻委員からの質疑に対しまして十分お答え下さるようお願い申し上げます。 なお念のために申し上げますが、規則の定めるところによりまして参考人の方々が発言される際には委員長の許可が必要であります。また参考人が委員に質疑はできないことになっておりますから、以上お含みおき願いたいと思います。
 それでは逐次御発言を願うことといたします。
 まず千葉県水産商工部長川上紀一君にお願いいたします。
○川上参考人 私、千葉県の水産商工部長川上でございます。今回の問題につきまして当委員会の御審議をわずらわすことになりましたことは、千葉県の漁政を担当しております私といたしまして非常に恐縮に存じておる次第でございます。
 今回の問題につきまして私どものいたしました事柄、それと県といたしまして考えておりますところの今後の対策、それと国に対しまして御要望申し上げたいこと、この三点から一つ意見を述べさせていただきたいと存じます。
 今回の問題は、ことしの四月初めから本州製紙によりまして新しいSCPの方式によります製紙の工程が行われまして、五月の二十一日から本運転が開始されたのでございますが、この稼働後におきまして漁民の方々、それから会社側の方々のいろいろな要望もございまして、私ども県といたしましてこの円満な収拾に努力して参ったのでございますが、諸種の制約、行き違いから十分な成果をおさめ得ず、そして今回の事態を惹起するに至ったのでございますが、この点につきまして私ども自分の力の足らなかったことを深く反省しておるわけでございます。幾度か調停に立つ機会をねらっておったのでございますが、それも効を堪しませず、最終的にこの本州製紙の稼働を停止していただくべく文書で東京都にお願いし、東京都もこれにつきましていろいろとお骨折りをいただいたのでございますけれども、これも十分な効果をもたらさずに現在の段階に至ったのでございます。県といたしまして五月十九日から数回にわたりまして水質の調査と、それから生物試験をいたしておるのでございますが、この点につきまして簡単に御報告申し上げたいと存じます。
 最初、この浦安の本州製紙の廃水につきまして調査いたしましたのは五月十九日でございましたが、これから六月五日、六月十日、六月十七日と前後四回にわたりまして水質調査を行なっております。その結果をかいつまんで申しますと、この廃水は非常に強い酸性を示しておる、PH三・四という結果を五月十九日の調査は示しておりますが、非常に強い酸性を示しておると同時に、有機質が非常に多い、さらに排水口付近に木のくずと申しますか、繊維が一尺程度積っております。これらのことからいたしまして、水温が上昇いたしますと有機質や繊維の分解が盛んに行われるのでございまして、そのために水中の酸素が極度に欠乏して参る、そのために魚介類に非常に悪い影響を及ぼす、また酸性が強いことも魚介類に悪い影響を及ぼすことになるという結論を出しております。さらに繊維が海中に出ますので、これは物理的な被害を与えます。と申しますのは、魚族のえら等に当りましてこれを死に至らしめるというようなことでございます。さらに生物試験を行いました結果、まずフナの子供の飼育試験を行なったのでございますが、これを原液につけますと五分で死に至ります。さらに二分の一に薄めましても十五分で死にます。十分の一に薄めましても四日で異状を呈しまして六日で死ぬ。さらに貝類の影響につきましては、浦安の被害地の貝でございますが、浦安の貝と千葉県の内湾の稲毛の貝の空中活力を比較試験してみますと、浦安の貝は稲毛の貝に比較いたしまして、空中に出した場合に三日ないし四日早く死ぬという結果を得ております。現在この漁場は、ノリの漁期でございませんので、ノリに対しますところの被害ということにつきましては十分な試験結果を出すことができないのでございますが、これがノリの時期に入りますれば相当甚大な被害を及ぼすことが予想されます。
 以上が水質調査、生物試験の結果のあらましでございますが、このような廃水によりまして、浦安を中心といたしまする千葉県の――東京都もさようでございますが、千葉県のあの地帯の魚介類に対しまするところの被害の現況は相当なひどいものがあるのでございます。ただここで、その数字等につきまして、まだ具体的にお示しをいたす段階になっておらないのを遺憾とするものでございますが、早急にこれが対策を講じまして、汚水の流出を防ぎ、さらに漁場の復旧等をなす必要があると考えておる次第でございます。
 私ども県といたしまして、これに対しましては東京都と十分な連携をとりまして、そして現在起っておりますところの被害に対する補償の問題、さらに荒廃いたしましたところの漁場の復旧、これを中心にして努力いたしますとともに、さらに千葉県には東京都におきますような工場公害防止条例というようなものがございませんので、早急にこれを制定すべく目下鋭意検討いたしております。
 今回の問題につきまして私どもいろいろと反省いたしておるのでございます。千葉県内にもこういった水質汚濁の問題にからみます事故が相当あるのでございますが、今回の問題を考えてみますと、千葉県と東京都にまたがっており、もちろんこの問題処理については現在までも私ども東京都と十分な連携をとっておりますし、将来におきましても十分な連携をとりまして、この問題の解決に当って参りたいと思っておるのでございます。ただ、今後のことを考えます場合に、ひとりこの本州製紙の問題に限らず、一衣帯水の東京湾というものを控えておりますので、何らかこれの法的規制というものを一刻も早く国で御制定いただきますことを、この際お願いいたしたいと存ずるのでございます。非常に簡単でございましたが、以上をもちまして私の意見といたします。
○長谷川委員長 次に、本州製紙株式会社常務取締役近藤清君にお願い申し上げます。
○近藤参考人 私、本州製紙の常務取締をいたしております近藤でございます。今回の事件が発生いたしまして以来、会社といたしましては、解決に全力を尽しますために、会社内に廃水問題対策委員会なるものを作りまして、現在全力をあげてこれの善処方に努力をいたしておるのでございますが、その委員会の副委員長をしておるものでございます。
 弊社の江戸川工場の新設備の操業開始に当りまして、廃出いたします廃水が今回非常に大きな問題を起しまして、皆様々に多大の御迷惑を相かけ、先般は参議院の委員会、今日はまた本院の委員会で諸先生方を非常に相わずらわしました点につきまして、その当事者といたしまして深く陳謝の意を表するものでございます。事件の経過を簡単に申し上げたいと思うのでございますが、新聞紙上にも伝えられておりますし、また参議院の決算委員会におきましても一応申し上げましたので、ごく簡単に申し上げまして、足らざるところは御質問いただいて補充的に説明いたすようにいたしたいと思っております。
 大体当設備は、当年の三月十八日にSCPという新しいパルプ施設の試運転を開始いたしました。それからドラムバーカーと申します原木の皮をはぐ大きな機械でございますが、これの試運転を三月二十六日より開始いたしました。自後は機械の整調を待ちまして徐々に運転稼動の頻度を深めていきまして、大体四月中旬には本格運転をいたしておったのでございますが、四月の二十三百に初めて漁業組合の方々が――御案内のようにあの地区には千葉県の漁業組合の方と東京都の漁業組合の方がございますが、その方が個々に会社の江戸川工場に来られまして、廃液が漁業に影響がある旨の陳情をされたのでございます。その節、当社の出先の係の者がお会いいたしましていろいろ交渉を進めておったのでございますが、工場の交渉員と漁業組合の方方との間に結論を得ないまま五月十七日を過ぎてしまった。五月十七日から以後は交渉がなく、五月の二十七、八日ごろ再び漁業組合の代表の方と交渉を持つというようなことを工場におきまして下打ち合せをしておったようでございますが、五月二十四日に、新聞にも出ましたように、大ぜいの方が工場に来られまして、代表者の方が制止されるのも聞かれずに第一回の暴行事件がございまして、工場の排水管に投石をされまして、排水があふれ出しましたので、やむを得ず工場の操業を停止したのでございます。それから五月二十七日まで停止いたしまして、五月二十七日に組合と会社の代表が話し合いをしたのでございますが、やはり依然としまして両者の利害が相反しまして、不幸にして一致を見ないでおったのでございます。会社の方は引き続きまして六月の二日に至るまで機械の運転を止めまして、組合の方と交渉を進めようとして努力をしたのでございますが、やはりこの点につきまして互いに議論が一致いたしませず、不幸にして交渉がまとまらなかったのであります。会社の方は、その際適当な調停者を立てまして、その調停者によって解決をはかりたいというようなことも申したのでございますが、漁業組合の方々の御了解を得るに至らなかったのはまことに遺憾に存じております。それで、六月の二日に運転をまた開始いたしまして、六月の六日に、仲介者の方もおられましたので、その方に依頼いたしたりしまして、六日、七日と機械をとめて交渉を進めたのでございます。七日には都の方よりも口頭によりまして機械をとめよというような御勧告もいただき、われわれは機械をとめまして組合の方といろいろ交渉を進めておったのでございますが、これも不幸にして決裂するというような状態になりました。それで、九日の昼になりまして、われわれここに反省いたしまして、非常に相済まなかったことをしたと思っておりますが、状況を判断いたしました際に、各組合の中で一部操業しても納得いただけるというような線がわれわれの耳にも入って参りましたし、全運転をしてやっていくのであればまずいが、一部操短を実施するのであれば動かしても何とか交渉がまとまるのではないかというように判断をいたしまして、九日に運転を開始したのでございます。この点は先般参議院の決算委員会に出ました際にも申し上げたのでございますが、会社としましては非常に不手ぎわでございまして、勧告の労をとっていただきました東京都並びに漁民の皆様に対しまして、会社としましてまことに相済まないというように感じております。九日の正午に運転を再び開始いたしましたが、諸般の情勢並びにこの東京都の御注意等から、九日の夜十一時三十分に再びこれをとめようということにいたしまして、十日の朝の午前一時、すなわち九日の夜の一時には全部新設備の機械が停止したのでございます。十日は新聞に出ましたような経緯でございまして、われわれとしましてはかかる大きな事件が勃発するということは夢想だにもしておりませず、そういう点につきまして世間をお騒がせしたということについてはなはだ恐縮に存じております。
 十日までの経過は大体そうでございますが、十日以後につきましては、機械をとめまして、現在会社といたしましては全力をあげましてこれが善後策をはかっております。東京都並びに千葉県の両知事に対しまして調停の依頼を書面で正式にお願いいたしまして、千葉県の方よりは書面をもちまして正式に受諾をした旨の御回答をいただいておりますが、われわれは一日も早く東京都並びに千葉県両知事の御調停を受けまして円満に解決をいたしたいと考えております。
 なお、当工場の設備につきましては、現在新設備の運転を停止いたしまして、十日の後に東京都の当局の方等に申し入れておりました沈澱池の設備も、大体この二十一日ごろに用水池を沈澱池に切りかえて使用し得る程度にでき上ったのでありまして、大体十二時間程度の予告がありますならば、すぐ使用できるように沈澱池はでき上っておるのでございますが、これは東京都の方とあるいは漁業協同組合の方の御了解がなければ運転しないつもりでありますので、われわれとしましては、さらにこの方面の御了解を得るように努力したいと思っております。
 なおかつ、設備につきまして、今後考えられますことは、出ますところの廃水をよくするために、さらに色をなくするというようなことにつきまして、目下具体案を立案中でございまして、これも遠からずして実施の運びになるのではないかと思っております。あの廃水は沈澱物を除去することはある程度できるのでございますが、色を全然なくするということははなはだむずかしいことでございますので、これが対策といたしましては、現在会社としましても非常に頭を悩ましている点でございます。
 なお、漁民の方に先般来の操業実施によりまして与えました損害というものにつきまして、東京都並びに千葉県の両知事の方が正式に調停に乗り出して公正なる判断を下していただきますれば、会社といたしまして、経営上許す範囲内の補償はいたしたいと考えておる次第であります。
 以上、大体会社の現在までの考えを述べまして、あとは皆様の御質問によってお答えいたしたいと思います。
○長谷川委員長 次に浦安漁業協同組合長、宇田川欽次君にお願いいたします。
○宇田川参考人 私、浦安漁業協同組合組合長宇田川でございます。このたびは浦安のために諸先生方に御尽力いただいたことを切に感謝いたします。
 去る五月十二日、本州製紙に向い第一回の交渉を行なったのでございます。そのときに総務課長さんは有害であるということをはっきり述べたのでございます。そうして有害であるけれども、魚が死ぬとか貝が死ぬとかいう問題に対してはどのくらい離れてそれだけの力があるのか、まだそれまではわからないけれども、有害であるということは、第一回の交渉に総務課長ははっきり申したのでございます。そうしてわれわれは再三にわたって会社に交渉に当ったのですが、会社としては依然として誠意なく、また都へ参りますれば、建設局の方へ参りますと、これは水産課へ行って水産課からよく資料を出してもらってやらなければだめだと言う。水産課の方へ参りますと、施設課が許可したのだから施設課へ話して許可を取り戻せとか、ほんとうにあいまいなことを言ってわれわれをじらしていたのです。やむなく二十二日にわれわれ団体八カ組合が会社に第一回の交渉に向ったのであります。そのときには組合員が八カ組合で約手人参りましたのですが、そこにおいて総務課長が参りまして、工場長に会わせてくれと申しましたら、今会わせるからちょっと待ってくれと申しましたが、工場長そのものがどこにいるのやら、なかなか出てこなかったのであります。そういうふうにして組合員はさんざん会社にじらされ、また県へ行ってさらに都へ行きますと、都ではそういうふうなことを言ってわれわれをごまかしていたのです。そのために二十四日に第一回のああいうごたごたが起きたのです。そのときには組合代表八名、町長さんもまじりました。そのときにまじった人がここにおりますが、工場長、総務課長、その他二、三名見えました。その中に小松川の警察署長もまじりました。そうしてこの問題については、会社側としては今まで皆様方に御迷惑をかけたということをわびをし、今後進んでいくにはどういうふうにしたらいいかということについて、各代表者一名ずつで八名、町長をまじえ、あと会社の方をまじえていろいろ話し合ったが、何しろ一千人の人間がおるので話もなかなか進まなかったというようなことで、三つの項目を出したわけであります。第一は、黒い水を出すこと、新しい機械を使うことは、これは話し合いをしなければ絶対だめだということ、第二は、白い水についても、これは会社としては無害だと言うけれども、われわれとしては確かに有害だと思っている、しかしながらこの水に対しては一日も早く設備を完備して当るようにということ、つまり第二は、一日も早く完全な設備をすること、第三は、補償についてはお互いに話し合ってきめること、二十四日に大体そういう線で工場長と各組合代表と話し合ったのでございます。そうしてそのきまりのつくまでは絶対に新しい機械の悪い水は出さないと言ってきめたにもかかわらず、会社側としてはその交渉を――われわれは県並びに都庁に向い、また水産課に向い、施設課に向いまして涙を流して訴えた。ところが指導部長は無害か有害かということがわからないうちはだめだというように言っておられたのですが、われわれは何回となくお願いし、そうしてようやく水産課として、では一応被害調査をしようというわけで被害調査をしたのが六月の五日でございます。そのときに都の水産課と施設課の係官、また千葉県としては水産課と水産試験場の係官等が参りまして試験した結果惑いということがわかりまして、すでに六日に私が都に参りまして、都の指導部長と会いまして、指導部長は雲話においてとめることを言った、こういうようなことを述べましたのですが、あまりにも簡単じゃないか、われわれの死活問題にもかかわらず電話でもって、口頭でとめるではあまり簡単じゃないか、書類をもってなぜとめなかったと言いますと、彼はその水が果して有害か無害かということがわからないうちには書類では出せないのだ、しかしながら行って見た調査の結果確かに悪かった、あのひどい、よごれた水を出すということは悪かったということにおいてさっそくきょう、君らの来る前に会社に向って機械をとめろということを言ったというようなことで、非常にあいまいのようでありましたけれども、そこを去りまして今度は水産課に参りましたところが、ちょうどそこに設備課長がおりまして、設備課長のところに参りましたところが、設備課長としてはまだとめてない。しかしながら指導部長はとめたというような、そこにおいてあいまいな話でありまして、きょう私が来たのは、今浦安の漁民、町民は、きのう検査をして、あの悪い水に対してきょうもとまってないということで――私が来たときにもまだ水はごうごうとして出ていた。それについてきょう皆さんとここで約束をしてとめてもらわなければ、私は家に帰って命がないのだ、また組合員は私の帰ってくるのを待っているのだ、そして私が帰りましてどうしても水がとまらないということであれば、また問題が起きても困るというようなことにおいてお願いしたところであります。そのときはちょうど時間で二時近くでございましたが、事が重大であるから機械をとめろという命令を設備課長からすぐそこで本社へ向って電話をかけたのであります。そして本社から工場へかけて、そのときもわれわれはとめたということを聞いて安心して帰ってきたのでありますが、朝起きてみますと組合員が、組合長まだ水がとまってないじゃないかということで、朝早く、皆押しかけて参ったのです。それについて責任あるわれわれとして十人ばかりでもって会社へ押しかけた。ところが会社では機械がとまっておる、水も出てなかった。話を聞きますと夜中の十一時じぶんに機械がとまったということであったのでございます。そうして今度は話のつかないうちに、九日の十一時五十分に、会社側からとめてある新しい機械を回す、水を出すというような、あまりに不敵きわまる電話をよこしたのであります。そうしてそのときにちょうど町会議員の方々も委員会を開いたのでございまして、そしてそのときに会社、千葉県、都、川島幹事長のところへ参りましてお願いし、その九日の日にも都としては会社に対して勧告をした。また通産省の方方も、電話でもってとめたといっておりながら、また十日においてもただいま水をとめたと言いますが、決してとめておりません。ああいうふうなうそを言っては、言わないとわれわれをごまかす。またこういうおえら方のいるところで、ああいうごまかしを言っておるのですから。決してとまっておらない。そのために十日の日に町民大会というものはでっち上ったのであります。そして十日にでっち上った町民大会できめられた決議文を国会、都、本社、工場へ届けようということにきまったのでございます。そうして国会へ参りましたときに、川島幹事長先生が、本州製紙問題については僕にまかせろというように言われて、それはスムーズに帰りました。都庁へ参りましたところが、都庁ではとめてある、なにとめてないというようなことで、そのときに私が合ったのが指道部長と設備課長でございます。その方二人が何を言うかと思ったら、とめてある、きのうとめたじゃないか、あなた方はとめたとうそばかり言って、われわれをいつもだますじゃないか、電話をかけると言いましたが、電話ではだめだ、あなた方はわれわれの死活問題がわからないのかと言ったところが、指導部長は、それではさっそく自動車で工場へ向うということで参ったのであります。私どもは四十分あとから参ったのであります。そのときも私はなぜ憤慨したかというのは、二十四日以来会社は鉄条網を張り、そうして角々、急所急所には二人、三人ずつの会社の方々を置き、立ち入り禁止の札を張り、そういうことをしてわれわれの言う要望を聞かずに運転をしたのであります。そのために十日のああいう問題が起ったのでございます。会社そのものは金があるとはいいながら、われわれ漁民、農民をあまりにも踏みつぶしていたじゃないかと思うのでございます。そうして十日のああいうことが起りまして、警察側としましても、東京都から命令を受けておる会社が、われわれ零細漁民が行くのを百メートルも二百メートルも奥で待って、われわれが会社側の表門に到達したときに門を締め、立ち入り禁止の札を立て、プラカードを張った。そういうふうなあまり不逞きわまることをしたもので、われわれ漁民としても、われわれはとめたのですが、やむを得ず十日のようなああいう事件が起きたのでございます。
 どうぞ衆議院の皆様におかれましては、この汚水問題についてはよく御協議されまして、浦安、大きくは日本のために、お救い下さるよう切にお願いする次第でございます。
○長谷川委員長 次は浦安第一漁業協同組合員柳町金太郎君にお願いいたします。
○柳町参考人 ただいま委員長からの御指名によりまして私発言することになっておりますが、傍聴席に私の原稿を持ってきておると思いますので、その点一応お許し願いたいと思います。――今連絡しましたが、まだ届かないということですから、一応あと回しにお願いしたいと思います。
○長谷川委員長 それでは東京都経済局農林部長関晴香君にお願いをいたします。
○関参考人 本州製紙の問題につきましては、こういう施設の増設の認可並びにその後の指導ということは、東京都におきます工場公害防止条例という条例並びに建築基準法によって建築局で認可いたしておるわけでございます。私の立場といたしましては、水産魚族の保護並びに漁民の保障問題という面で私どもの農林部に属しますので、その限りになるべく限定いたしましてお話し申し上げます。
 本工場は四月二十二日に本格的操業に入っておるわけでございますが、私ども、東京湾の水がよごれる、並びに河川が非常によごれるという問題が最近強く叫ばれ、何とかこれを防ぎたいというようなことで、私どもの方もここ二、三年河川の汚濁状況、水質の調査等をやって参ったのであります。そういう点で本年二月には江戸川水系を検査いたしましたところ、やはり水質が前年よりも非常に悪くなっておるというようなことから、この原因を調べまして、一応本州製紙の工場の汚水が大いに関連があるということで口頭をもってその場合係員から注意をいたしたこともございます。しかしその後本格的にSCPが四月に操業に入ったわけでございますが、たまたま東京都におきましては稚アユを江戸川の河口からとりまして、これを多摩川並びにほかの水系に放流する作業をやっておりますが、今年は稚アユのとれ方が非常に少いというようなことで地元の漁業権者が騒ぎまして、その結果、江戸川水系の九漁業権者から汚水の善処方につきまして要望書が私どもの水産課の方、並びに私どもの方の都内水面漁業管理委員会に提出されたわけでございます。そこで管理委員会におきましてもこれを取り上げまして、その認可をいたしました建築局に対しまして善処方の要望書を提出いたし、並びに私どもの方にも善処方の依頼があったわけでございますが、私どもの方におきましては、会社側に連絡いたしまして、口頭で善処方を申し入れておったわけでございます。そのうちにやはり建築局の認可した方におきましても、それがはっきりと漁業に影響があるという確証が得られないと、工場公害防止条例の適用がなかなか困難だからというようなことで依頼もございました。それではというので、それにはやはり本格的な調査をいたさねばなりませんので、五月の十三日になりまして、私どもの方の水産試験所におきまして水質並びに生物実験を実施したわけでございます。この水質並びに生物実験の内容は詳細はおきますが、簡単に申し上げますと、水質におきまして、排水口付近並びに五百メートルの下流並びに排水口のやや上流というような点の水をとって参りまして、魚族をその中に飼育いたしまして、これの影響を観察したわけでありますが、やはりこの程度の付近の水は確かに魚族に悪いという証明ができたわけでございます。これはいわゆる河川の内における試験であったわけでございます。そこで私どもはこれを認可いたしました建築局の方に連絡しまして、会社側に善処方を要望するように話したわけでございますが、そのうちに会社側と組合側と水をとめて折衝をして、それがなかなかうまくいかぬというような経過をたどっておったわけでございますが、やはりこれが海面にも重大な影響があるというような問題が起って参りましたので、六月の四日には海面の方の調査に乗り出したわけでございます。さらに五日には水産試験所並びに建築局の方も現地視察を行なっております。そこでやはり悪いということになりまして、建築局の方から会社側の方に操業の中止を六月六日には申し入れいたしております。しかし折衝の過程で会社側がこれを守らずに、また水を出したというような情報がございましたので、九日には再び建築局の方から停止の勧告をいたしておるわけでございますが、十日に御承知のような不祥事が起りましたので、これは口頭の勧告だけではためだということで、十一日には書面をもって勧告をいたしております。私どもの関係につきましてはそういうわけでございますが、何分工場公害防止条例という都だけの条例でございますが、この内容が著しく公害を伴う場合というふうに非常に厳密なあれになっておりますので、これの適用について慎重を期したというような関係から、口頭の勧告を二度やって、会社側の誠意に待つという態度をとったわけでございます。水産魚族の関係におきましては、東京都は水産資源保護法に基きまする調整規則もございますが、これはあくまでも一応工場の増設を認可した建築局の立場で工場側を指導するのが最も適当ではないかというのでまかして参ったわけでございますが、以上のような不徹底というきらいがございまして、延びたわけだと考えております。私どもといたしましては、やはりこれは根本的には工場公害防止条例等の地方的なものにたよらず、やはり全国的な法制によりまして、はっきりと河川汚水を防ぐような法律でも出れば、こういうことはもっと少くなる、未然に防がれるというように考えております。大体私どもの立場からの経過並びに若干の意見を申し上げまして、一応説明を終りたいと思います。
○長谷川委員長 以上で一応の説明並びに意見の開陳は終りました。
 次に質疑の通告がありますので、逐次これを許可いたします。なお参考人のほかに政府側より通産省の大島政務次官、松尾企業局長、水産庁西村次長、建設省曽田河川局次長、法務省鈴本人権擁護局長、川井公安課長、なお警視庁から総監が間もなく出席されると思っております。以上お含みおき願いたいと存じます。さらに御質問の際には一応どなたに御質問なさるか、はっきりと御指名をして御質問を願いたいと思います。それでは吉川兼光君。
○吉川(兼)委員 質問に入ります前に、ちょっと委員長にお尋ね申したいのですが、ただいまの委員長は参考人の意見の陳述は全部終了したとおっしゃいましたが、まだ一人保留しておるわけですね。
○長谷川委員長 保留しておりますが、質問の方でしていただきたいと思います。時間の都合もありますので……。
○吉川(兼)委員 それからこれは私の質問としてもけっこうですけれど、できたら委員長から参考人に聞いていただきたいのですが、宇田川組合長の今のお話の中に、汚水の放流によりまする現地における魚介類の被害状況と、またそれに原因する漁民諸君の生活の困窮ぶりについての御説明が落ちていたようでございます。これは非常に大事なところと思いますので、組合長さんから補足または追加説明をしていただきたいのであります。たしか、最近参議院の農林委員会でしたか、現場視察に行かれて貝類がうずだかく死んでおる状況を見てびっくりしたという新聞記事が出ておりましたが、そういう状況について、あなたの方の意見の開陳のところで聞きたかった、質問に対するお答えでもけっこうですから、最初にこれを聞かしていただきたい。
○宇田川参考人 大体貝類の災害を受けたのは七〇%程度でございます。しかしながら一番ひどいのはみおといいますか、みお筋、船が出て歩く江戸川の下流です。その下流に当るみお筋の両端が大体一〇%から九〇%、それから離れましたところで大体六〇%程度、岸から約一里半、六キロ、幅は大体十二キロ、そのくらいの程度でございます。そしてその辺一帯にこの水がかぶり、そして両端の、みお筋のところが一〇%から九〇%、そして全部合せたところで大体九〇%というように減額しておるわけでございます。そういうようなわけで、この前参議院の方方もお見えになっていろいろ視察して下さいましたときには大体七〇%から九〇%、一〇〇%、まあ五〇%程度のところまで視察してくれたのでございます。大体総体でもって七〇%くらいの被害を受けておるわけでございます。
○吉川(兼)委員 なお貝だけではなく、ノリだとか魚とかもあると思うのですが、それも一緒に伺いたい。
○宇田川参考人 ノリにおきましては、まだ私ら今後のノリの問題につかなければわからないのですが、おそらく胞子はだめになってしまったのではないか。また貝におかれましても、いつもですと、ここで大体目に見えるような貝も発生してきておるのですが、きのうの調査によりますと、目に見えるような稚貝は全部死んでおります。そしてまだ目に見えないこの六月に発生する稚貝も相当あるのですが、これもまだ六月ですから、大体その品物が見えるのは九月の下旬にいきますと、小指の爪くらいになるのですが、それもおそらくいっているのじゃないか。目に見えないのだけでも、ノリとしても、貝としても、また魚類としてもおそらくいっているのじゃないか。魚におきましても、ところによりますが、一〇%からやはり九〇%、七〇%というように損失しているわけでございます。何しろあの水をたたえたために浦安の漁民は、ほとんど生活に困っている次第でございます。よろしく……。
○吉川(兼)委員 どうもありがとうございました。実は本日は商工委員でもない私が臨時に委員に差しかへてもらって、本州製紙江戸川工場の汚水問題について質問をいたしますのは、通産大臣に直接にぜひお伺いしたいことがあるのでございます。私から大臣の御出席を要求して大臣からも出席の返事があったのですが、まだお見えにならぬのはどうしたことですか、委員長からそのわけをちょっと聞かせていただきたい。
○長谷川委員長 今大蔵委員会等の連合審査会がありますので、それに出席しております。それがあき次第すぐにこちらへ参りますから、その分だけ保留していただきたい。政務次官が来ておりますから、政務次官に御質問願います。
○吉川(兼)委員 それでは大臣の質問はお見えになりましてからお伺いすることといたしまして、政務次官なりあるいは企業局長なりから御答弁いただきたいのですが、このたびの本州製紙の工場が江戸川に汚水を放流したことに端を発しましたいわゆる千葉県浦安町を初め五つの漁業協同組合、また東京都側は葛西浦以下四つの漁業協同組合、すなわち江戸川沿線の八、九カ町村にまたがりまする漁業協同組合の広汎なる漁場が、ほとんど魚貝類が全滅にひとしい状態に陥れられておりまする状態は、これらの漁場によって生活をささえている数万の人間のあることを思えば、これは実は今日の日本にとりましてきわめて重大なる問題であると私は見るのであります。申し上げるまでもありませんが、最近河川でありますとか、あるいは湖沼、または海洋等にもまたがりまして、全国的にその水質が極度に汚濁されておるのでありますり。今これを東京都の範囲に縮めて考えましても、東京都には工場が約六万あると思いますが、このうちの四万と申しますから、約七〇%近いものが荒川あるいは隅田川ないしは東京湾に面しておりまする大田区、品川区等にあるのでありますが、それらの諸工場から放出されまするところの汚水の量と申しますものは、実におびただしいものがあるのでありますが、そのために沿岸に生活する漁民、農民を初め多数の良民が一方ならない被害をこうむっているのであります。ところがこれに対しまして国の法律では直接にこれを取り締るよりどころがないというまことに驚くべき今日の状態でございます。むろん必要なものであれば法律は急速に作らなければなりませんので、国会関係におきましても社会党はすでにその用意はできているのであります。ところが直接に取り締る法律がないからと申しまして、現在通産省としてはこれをこのまま放置しておいてよいものでないことは申すまでもありません。それとも政府はこのまま放置しておくつもりなのかどうか、その辺のことを責任者からはっきりとお伺いしたい。
○松尾(金)政府委員 ただいまお話のございましたように、水質汚濁の原因なり、その程度なりについては、技術的なむずかしい問題があって、従来なかなか徹底はできなかったというような現状であります。しかし、そのようなことでもちろん放置するわけには参りませんので、従来におきましても通産省としましては各工場に、法律の上ではございませんが、いろいろな意味の工場施設に対する行政指導的な意味で、このような除去施設についてはいろいろ検討をいたして参っております。この問題は工場の側といたしましても、自分の工場から出る廃水について責任がないとか、あるいは廃水についてどのような結果が起きようと、従来自分の方にはあまり関係がないというような態度でいるわけではもちろんありません。それ相当の除去施設は従来もやっておるはずでありますけれども、何分にもその除去施設について技術的な問題あるいは経済的な問題等にからみまして、十分な施設ができていないというような現状であります。従いまして通産省としましては、従来でもそのような廃水の処理技術につきまして、工業技術院なり、あるいはそれぞれの試験研究機関が特別研究をいたして参りまして、また民間の試験研究機関にも補助金を出して、このような試験研究をお願いしております。その結果現在までにある程度のものは、汚水処理の技術の応用によって従来もしてきたのでありますが、現状でまだ完備するまでにはむろん至っておりません。従いましてこれにつきましてはやはり法律をもってある程度のところまでは規制と申しますか、そういうものがぜひ必要な状態にあるわけであります。御承知のように前国会のときに、私どもの方でも各省相談をいたしまして、経済企画庁を中心にこのための基本的な立法の準備をしていただき、その基本的な立法と相呼応して、通産省自身にもこのようなある基準まで水質汚濁の除去をするようなことを強制するような実施法を、すでに準備をしておったのであります。前国会ではこの提案をするまでに至らなかったような事情であります。できるだけ早い機会にこのような立法をお願いいたしたいと考えております。
○川野委員 議事進行について……。本日の日程は参考人に対しての意見聴取がまず第一であったと存じます。従いまして、参考人の中には御多忙のところをお繰り合せの方もあろうかと思いますから、まず参考人の方に対しての質疑を先にしていただきまして、さらにほかの委員も参考人に対しての質疑をしたいという方が多数あろうと考えますから、参考人に対しての質疑を、まず先にしていただくことを希望いたします。
○吉川(兼)委員 ただいまの議事進行の御提言は私も尊重しまして質問を続けたいと思いますが、ただ衆議院の各委員会における慣例を見ても、またこの問題に対する参議院の委員会の審議の模様を見ましても、関連することがらについては質問は必ずしも参考人ばかりに限らない場合がございますので、そのときの模様で、時に参考人以外の方にも発言を求めるかもしれませんから、それは一つそのときの情勢によってお認めいただきたいと思います。
 そこで意見の開陳を保留していた参考人の柳町さんのところに何か資料らしきものが届いたようでありますから、柳町さんの意見を一つこの際お伺いしたいと思うのですが、柳町参考人には過ぐる六月十日の夜、本州製紙の江戸川工場におきまして、警官から非常な暴行を受けたようでございますが、そのときの模様を要領よく、簡単に要点だけお聞かせいただきたいしと思います。
○長谷川委員長 時間もありませんから簡単に要領よく話して下さい。
○柳町参考人 先ほど委員長さんから御指名がありましたが、原稿がなかったためにおくれまして……。ただいまの御質疑に対して簡単にお答えしたいい思います。
 私は浦安町第一漁業協同組合に属する組合員の一員で、浦安町堀江千百五十番地に住む柳町金太郎と申します。去る六月十日の本州製紙の問題に対しまして、十日の午後一時に協議大会が開かれまして、議長、町長、組合長その他の方々の発言によりまして、国会、都庁、工場に対する陳情が決議されまして、そうしてバス十台に分乗しまして、浦安町の小学校を出発したのであります。しかしながは私はバスが満員のためと自分に都合がございましたので、実は帰宅しまして皆さんが無事に陳情が終りましてお帰りになることを心ひそかに祈っておりました。そうしてちようど晩の九時と大体推定されます時刻に、私自宅でテレビを見ておったのであります。何の気なしに外に出ますと、私の家は川伝いにございますので、川向うで何やら人の声がするので耳を澄まして聞いておりますと、本州製紙工場で何かみな騒いでいるようでありましたので、実は私前に町議会議員だった関係と、組合の副委員長をしておった関係で、現場に行って少しでも私の言うことが皆さんに伝えられ、しかも警察の方々によってこれが静められたならばと思いまして、私家を出ましたのが九時十分ごろで、ちょうど現場に着いたのが九時二十分ちょっと過ぎておったと推定されます。私が現場へ行きますと、バスのところはだいぶ平穏の状態にありました。そこで私は何の気なしに歩いておりますと、だれやらが工場内でけがをしたというようなことを聞かされまして、これは大へんだと思いまして、正門まで私が行きますと、そのとき漁民の皆さんが騒いでおった、そこで私も何とかしてこれを静めたいと思いまして、私は身を挺して漁民をかき分けまして警察官の前に出ましてぜひ静めてもらいたい、あなた方の中には指揮官の方がおるでしょう。その指揮官の方にとにかく納得のいくように漁民の方に話してもらえば必ず静まるからと言って、再三私はお願いしたのであります。ところが警察側としては何と勘違いしましたか、私の言うことには全然耳をかしてくれません。
 なおお願いして歩ついている最中に、指揮官らしい方が漁民に向ってだと思いますが、突っ込めという号令がありまして、それと同時に私は数十名の警官に囲まれまして、そして警棒でさんざんにたたかれて、現在からだ上半身全部警棒のあとと、それからくつでけられたあとが左足の関節にあります。そうして頭は五センチ骨膜に達する傷それから前に約三センチの傷を受けております。これはわれわれ国民また町民であるからそれで済んだと思います。これが反対にもし警察官がわれわれにとった態度だとするならば、いかように考えますか。とにかく暴言を吐いたり、暴力に訴えれば、警察官は何としますか。公務執行妨害とか、そうした都合のよい法律によりましてわれわれを検束される。しかもその結果においてどうなるかということは、皆さん御承知の通りと存じます。そうしてわれわれに暴力によってけがを加えた警察官は何の法律をもって処分をするかということを、私はこの場より叫ぶものでございます。そうして今後におきましても、この問題をできるだけ皆様方のお力添えによりまして一日も早く解決のできますよう心からお祈りするとともに、最後に皆様方にお願いしたいことは、水産国日本のわれわれ漁民の一人々々が安心して操業できますよう、そうした法律を立法化下されますように、心から切にお願いする次第であります。
○吉川(兼)委員 柳町参考人はおけがをしておるようだから、あなたに関係した質問を早く済ませたいと思いますが、本委員会に出席のはずの警視総監がまだ来ていませんので、しばらくお待ちいただき、その間のつなぎといっては失礼でありますが、それまでの間に、一つ東京都庁の関参考人にちょっとお伺いいたしたいのです。
 本州製紙の江戸川工場が新しい機械を設備いたしまして、それによる有毒なあるいは魚貝類にとっては猛毒な廃水が江戸川に放流されることになったわけでございますが、これに対しまして、今のあなたの御説明を伺ってみて、どうも都庁としてのその汚水を流させないという努力がはなはだ足りないように思います。それからあなたも今お聞きになったように参考人の意見開陳のなかで会社側の近藤さんと、それから漁民側の宇田川さんとの御意見に重大な食い違いがあるようであります。たとえば近藤さんの話によると、汚水の放流は正確には十日の午前一時いわゆる九日の夜の一時にとまった、こう言っております。宇田川さんの話では、会社はまたここでもうそを言うじゃないかというような手きびしい表現をもって、十日の日にも汚水はどんどん流されておった。そこでそのことを都庁に行って抗議したところ、都庁の指導部長さんですか、自動車でその状況を見に行ったのだと言われるのです。ここには都庁からは関参考人しか見えておりませんので、あなたにお尋ねするしか方法がないわけですが、どうなんですか、十日の日の汚水の放流という事実の有無については、都庁の認識するところでは、九日の夜の一時に果してとまっていたのか、あるいは十日に至っても流れておったのか、その辺の御認識はどういうふうになっておりますかお伺いしたい。
○関参考人 九日の夜の問題でございますが、私の聞いておりますところでは、九日の深更にとまったという報告を聞いております。現実に十日に見に行っておるのは指導部長でございまして、その結果につきましては聞いておりませので、私は確認いたしておりませんから、ちょっとお答え申し上げかねます。
○吉川(兼)委員 あなたが聞いたといわれるのどこからお聞きになったのですか、会社側からですか。
○関参考人 これは指導部の方に再三この点につきましては注意いたしておりますので、指導部の方からの連絡によって、とまっておるということを聞いております。
○吉川(兼)委員 その指導部はかんじんの都長が十日のタ方あわてて自動車で現場へ見にを行ったというのだから、現場を見てない指導部からあなたの方に伝えたことは必ずしも真相ではなかったと、私は思います。そんな、確実性のない聞きこみのようなものは私は信用できません。そこでこの問題が起きてから浦安及び葛西浦の漁民の代表がたびたび会社と交渉しているようですが、その経過を見ますと、会社側にはなはだ誠意が欠けておる。しばしばの約束を平気でほごにしており、まるで漁民を馬鹿にし切っている。殊に許しがたいのは、東京都の方から放流中止の指示が出されても、それを頭から無視して、また汚水を放流するということをやっておるのであります。これについては、先刻会社側の参考人から前非を認めて心から悔いているような率直な御発言がございましたから、私はそのことをここにくどく追及することは一応保留いたしておきますけれどもいまや問題は二つにも三つにも分れているのであります。当面の問題は何といっても今後は一滴の汚水も放出まかりならぬということでありますが、もちろんそれだけではなく、それに付随いたしまして大きな人権問題がここに惹起されておりますが、こういうことも一にかかって会社側の不誠意な、そして多数の漁民の生活権を全然認めていないという、実にけしからん独善的な態度にその発端があると私は思います。この私の見方は、われながら決して無理な見方ではないと信じます。これはことごとく会社側が汚水の処置を甘く見たのが原因であり、もはや動かすことのできない客観情勢がここに積み重ねられておるのであります。
 近藤参考人に伺いますが、会社におきましては、だいぶん無理をしてそういう非社会的な機械の操業を強行したというのは、全体どういう理由があるのですか、おそらく会社は会社なりの理由があるでしょうから、それを聞きたい。たとえば事業計画だとか、あるいは新しい設備に要した金の額であるとか、その他参考人がお考えになっている理由を簡単でよいからお伺いしたい。
○近藤参考人 会社が新設備の運転を固守いたしました点は、かねてよりそれを四月より運転いたしたいと思いまして、諸般の計画を進めておりまして、製造計画その他も一応立てておりましたというようなことに、大きな狂いが来るということが一つございます。それから会社としましては多額の資本を投下いたしました機械が操業をしないということになりますと、これは非常に大きな損害を会社自体にも与えますので、会社管理者といたしましてこれを何とか運転をいたしたいという考え、それからもう一つは、当時会社といたしましても、あの新設備によって出ますところの廃水の有害、無害ということにつきましては相当調査を進めまして、会社自体の調査その他によりましては、排水口そのものから出ますところの廃水は、そのものからでは魚介類に相当被害があるかもしれないけれども、これが二キロないし三キロの間に薄まっていき、相当河水によって希薄されれば大して有害でないというような判定も持っておったというような点を総合いたしまして、何とかしまして会社としては運転を始めたい、こういう念願でおったのでございます。
○吉川(兼)委員 その有害無害を会社で独断した問題でございますが、それについて本州製紙は岐阜県の中津川でしたかに、やはり同じような工場がありましたね、そこにも同じような機械があるのでございますか。
○近藤参考人 岐阜県の中津に工場がございますが、そこにあります機械ばSP操作でありまして、SPとSCPとは違うのであります。これは非常に技術的になりますが、SPの廃水とSCPの廃水とは、これは化学的に申しまして非常に違うかと思います。
○吉川(兼)委員 あまり専門的なことはこの場所では必要がありません。ただその岐阜県にありまするあなたの方の工場からも、大へんな色のついた汚水が木曽川に流れ込んでおるそうで、これは何しろ県境にありまする工場だから、海に流れこむまでには相当の時間を経過するためなのか、今のところ海の方の漁民の騒ぎは聞いておりませんが、しかし内水面の方には多少議論が出ておるやに伺っております。要するに今あなたのおっしゃいます汚水の及ぼす毒性に対して、あなた方が安心をしておるというのは何りか特別に検査をされた上のことであるのか、木曽川に流されている汚水は、一里とか二里とかの間、川の水の色がすっかり変って流れておるそうでありますが、そういうようなものを流しても、そちらでは苦情が出ないから江戸川だって同じことじゃないかというお考えであるのか、すなわちそういうような特別な検査によらない類似工場の汚水の放流したものを見てただ漠然と大丈夫と思ったのか、これが一つ。
 それからもう一つは、参議院の何かの委員会に出席したあなたの方の社長か工場長かが参考人としてお述べになりました御意見の中に東京都や千葉県の当局が、それぞれ検査の結果として江戸川工場の汚水の有毒なことを指摘しても、なお会社側としては汚水の毒性に対しては一つの疑問を持っておるという態度をお示しになられて、第三者である都や県の検査の結果をも全面的には納得しないような御発言があったようですが、そうしたお考えは会社側としては今日に至るもおかわりのないものかどうか、この二点について明確な御答弁をお伺いいたしたい。
○近藤参考人 最初の汀戸川工場の廃水の水質の検査の点でございますが、今私が申し述べました通り、当社といたしましてはSPとSCPという二つの方法ははっきり区別いたしておりますので、江戸川工場の廃水を考えます際に、岐阜県の中津の廃水というような問題については、何ら考慮をいたしておりませんでした。従いまして江戸川工場のSCPの廃水が毒性があるかないかということにつきましては、実験によりましてこれに近似的な液を作りまして検査をするとともに、なおかつ北海道の北見パルプというのがございますが、そこで現在SCPをやっております。その工場の廃液をもらって参りまして、それの検査も当社の研究所でいたしまして、その結果今申しましたように廃液そのものを放流口で放流すれば魚介に対して影響があるが、希薄されれば大した影響はないという結論にわれわれの研究所ではなっておったのであります。
 次に第二の問題といたしまして、現在東京都並びに千葉県から出されて決算委員会等に述べておられますところの水質の問題につきまして、われわれまだ現在何ら公式に通知を受けておりません。ただ傍聴いたしましてこれを存じておるだけでございます。しかしながらこれとても両県とも権威ある研究所をお持ちでございますので、現在といたしましてはその結果をわれわれは尊重いたしております。
○吉川(兼)委員 尊重と申します言葉はあいまいで抽象的になりますから、もっとはっきりお伺いしたい。結局その点を、お認めになるのかどうか。
○近藤参考人 今申しましたように、詳細を聞いておりませんが、参議院の決算委員会等で一言っておられます点を拝聴しまして、それをわれわれは認めております。
○吉川(兼)委員 委員長が時間を急いでいるようですからできるだけ省略いたしまするが、先刻の近藤参考人のお話によりますると六月二十一日ですか、沈澱槽ができておるようですね、しかしそれはあなた方会社であっせんを依頼したところの東京都や千葉県の知事並びに被害をこうむった漁民側の賛成を得るまでは沈澱槽は使用しないつもりだ、こういうお話と了承してよろしいでしょうか。そこでその沈澱池ですか。沈澱槽ですか、それをお使用になれば、色は幾らか残るけれども、毒性は完全になくなるというような、何か正確な検査でもした上の確信のようなものはおありでしょうか。
○近藤参考人 色の問題は先ほど申しましたように別問題といたしまして、いわゆる水質の検査に使われますところのいろいろなデータにつきましては、その沈澱池によりまして大体解消し得るというように現在会社は考えておりますが、まだその沈澱池を実際に使って試験をいたしておりません。従いましてもしも東京都並びに漁民の方のお許しをいただきましたならば、試験的に一度使わしていただきまして、その結果をよく検討していただいて、さらに御了解を得るように努力をしたい、このようにも考えております。
○吉川(兼)委員 まだ十分な試験もしていないのに確信だけはお持ちになるというのは、どうも私には納得できません。そのために特に私は、検査の上で確信をお持ちかということを聞いたのです。また、あなたのおっしゃる試験というのは、何ですか、その試験期間中に一時的にもせよ、汚水をまた江戸川に放流するということなのですか。そういう試験は私は危険きわまりないと思います。今日となっては汚水は、東京都や千葉県の当局の十分な了解、それと同じウエートで被害漁民側の全組合一致した御納得がなければ、一滴だって江戸川に流してはならないと思うのですが、江戸川には、全然流さなくてやれる方法をもって試験は推進できるのじゃないでしょうか。今のお話では試験をすると同時に御了解を得て江戸川に汚水を流したいという御意向のようにも受けとれるのですが、私は、その御意向には賛成いたしかねます。しかし、試験自体は、設備を作った以上はいろいろの方法もありましょうから、これはやるべきでありましょう。
 もう一つ、沈澱池のお話が出ましたからついでに伺っておきたいのですが、何ですかそれは三千坪とかの大きさで、今まで何かの目的に使用していた池を沈澱池に改造したもののように伺っておりますが、そして三千坪の沈澱池では、せいぜい四、五時間の操業で、すぐ一ぱいになってしまうそうですね。従って今度お作りになった沈澱池が、もし漁民や都県の御了解がついて、運転できるとして、新らしい機械をフルにお使いになるに足るだけの設備であるかどうかということも、この機会に伺っておきたい。
○近藤参考人 最初に沈澱池を使用しました結果、水質がどうかということの試験をする方法でございますが、これは今御質問になっておりますように、一度試験的に放流して試験をするのが最も妥当かとも思いますが、今申されましたように、江戸川にこれを放水することはどうも困るというお話でありますれば、よく東京都の方と相談いたしまして、その実験的な試験方法で満足な答えが得られるかどうかということについて検討いたしたいと思っております。
 次に、沈澱池の問題でございますが、三千坪の沈澱池云々の問題は、当時非常に情勢が切迫いたしておりましたので、現在ある沈澱池――これは工場で使う用水をためておく池ですが、これを特別に今回沈澱池に切りかえて、その用水は、急速に濾過機を備えまして、濾過した用水を使しようという計画を突貫工事でやっております。従いまして、沈澱池がキャパシティとしてもしも無理であるような場合は、操業の方を少しくかげんして、沈澱池の容量に合うような操業を実施していく。さらに沈澱池の排泥措置、たまりました泥を出す措置とか、排泥の捨て場というようなことを考えて、すべて、沈澱池に応じた操業を実施する、こういうように考えております。
○吉川(兼)委員 そういたしますと、新設備の沈澱池に沿うたような操業をなさること、とりもなおさず操短することを意味するわけですか。
○近藤参考人 はい。
○吉川(兼)委員 それからもう一つお伺いしておきたいのは、これも、新聞等で大へん騒がれております神奈川県の酒匂川の富士フィルムの汚水の問題に関してでありますが、これは幸いに、円満に解決して国会に持ち込まれるところまできていないようですが、私が聞きたいのは富士フィルムで使用いたします水の量は大へんなものであって、何でも一日の使用量は人口四十万――あまり大きいので、ちょっと聞き違いのような気がしますけれども――の都市が一日に使用するだけの水量に相当するというのです。富士フィルム一社でこれだけの水を使っておるという話なのです。あなたの会社で、新旧の設備の一切をあげてフルに操業した場合、これに必要とする水量なるものは全体どのくらいなものでしょうか。人口数比較でお示しいただければ幸いであります。もっとも突然のことですから、後日、資料としてお届けいただいてもよろしいのです。
○近藤参考人 工場で現在フル運転いたしまして要します水の量は、専門語になるようでございますが、十四個でございます。もっとわかるように申しますと、毎秒一立方フードを一個と申すわけでありますが、これが今申されましたような何方の人口の都市を何するかというようなことは何も持っておりません。何か資料がございますれば後ほど整えましてお知らせしてけっこうだと存じます。
○吉川(兼)委員 その資料はなるべくお早目にお届けいただきたいと思います。大体都市の使用水量というものは家庭用と工業用に分けてわかっておると思いますから、どのくらいの人口が使用できるだけの量をお使いになるのか一つ資料をお願いいたしたいと思います。
 それでは千葉県の水産商工部長さんにお伺いいたしますが、あなたの方でお調べになりました今度の浦安地区における被害の状況といいますか、数字的なものを含めたものがございますればお示し下さいませんか。
○川上参考人 まだ数字的なものをお示しする段階になっておりませんが、現在貝の繁殖期といいますか、そういう時期にもなっておりますし、われわれ被害を蒙りました土砂をとりまして、その中に含まれておる貝の死んだ数とかなんとかを精密に検査しております。相当な被害があると私どもは考えております。まだ最終的な数字をお示しできないのは遺憾に考えます。
○吉川(兼)委員 それでは数字の方はわかり次第資料としてちょうだいいたしたいのですが、先刻、宅田川組合長のお話にもございましたけれども、浦安の地図は天然に稚貝がわくというので、特に国の補助金なども出ているはずでありますが、稚貝がわきまして、それを外に移出しますにはおおよそ大豆くらいの大きさに成長してからと聞いておりますが、最近今回のような汚水の被害が出てきたので、漁民の経験者の言によりますと、大豆程度に大きくなるまで置いておいたのでは、稚貝の生命があぶないので、小豆大くらいのところでこれを外に送り出さなければならぬと、こういう研究というか対策が漁民の間でよりより講ぜられておるように聞きますが、小豆と大豆の大きさで二カ月くらいは違うという話なんでございますが、そういうこと等に対する県の御調査がございましたら、お聞かせ下さいませんか。
○川上参考人 そこまでの知識を私ちょっと持ち合せておりませんが、内湾の試験場長を帯同しておりますので、お答えさせましょうか。
○長谷川委員長 それでは千葉県内湾水産試験場長の内田君を参考人として、内田君の説明を聴取いたします。
○内田参考人 お答えいたします。貝は御承知の通り卵発生でありまして、それが海中の水温並びに比重、そういうふうな関係で早く卵を産む、また産んだ卵が早く発生するというような状況でありまして、たとえば毎年八月なら八月、九月なら九月に貝が同じ大きさになるということは言い得ないのであります。そこで、移植をする場合に時期がありまして、その時期に移植をするという状況になっております。たとえば非常に気温が暑いときに移植をいたしますと、一応船の上に上げて運んで参りますので、稚貝の斃死の程度が非常に多くなる。こういう関係で移植の時期というものは大体きまっております。そういう関係で、毎年その大きさは一定しておりません。そこでただいまもお話のありました通り、小豆大の場合もありましょうし、それからもっと大きな――大体種貝と申しますのは殻長が二センチであります時分が一番種貝としていいのでありますけれども、その移植の時期というものはきまっておりますので、時期的に大きさはやはり違ってくる、こういうふうに考えております。
○吉川(兼)委員 川上参考人に本問題とは直接関係ないことで恐縮ですが、ついでにお伺い申し上げますが、千葉県におきましては最近京葉工業地帯の造成という問題があるようであります。これは国としても重大な関心をよせている問題でありますが、この造成計画は東京湾に面した海面の埋め立てによる造成のようでございますが、これについては、今後工場がたくさん建設されてきますと、当然工場から出る廃液すなわち汚水の問題が必らず随伴すると思いまするが、これは沿岸漁民にとりては、大きくは生死に関する重大事でありますが、この京葉工業地帯の造成による工業汚水と漁場の関係ということについて、あらかじめ御用意された解決の鍵というものでもあるのでありましたら、この機会にそれを伺っておきたいのですが……。
○川上参考人 従来千葉県で、天然ガスなどの開発に伴いましていろいろ農漁民との間に廃水をめぐりましての摩擦があるのでございますが、最近この工場の開発の速度が早くなるにつれまして、ますますこういった問題が県内でも非常に起っております。これに対しまして、県はただいま県庁内で工場公審対策委員会というものを作りまして、そして事件が起った場合、また起りそうな場合、その間に立ちましていろいろと調停あっせんをいたしております。仰せの通り、ただいま県では京葉工業地帯の造成を考えておるのでございますが、これに対しまして、私ども進出して参ります会社とただいまその製品工程等をいろいろ打ち合せまして、技術的なこちらの要望等も逐次いたしております。さらに先ほど申し上げましたが、これは千葉県にとりまして、今後東京湾の内湾の漁民と、県の今後の施策でありますところの工場の発展、この二つの調和点をいかにしていくべきかということが大きな問題になっておるのでございますが、きょうもそのために県庁内で今後の対策を協議しておりますが、県の立場といたしましても条例を早急に制定いたしまして、そしてかかるトラブルを食いとめて参りたい、こう考えております。
○長谷川委員長 吉川君に申し上げますが、通産大臣が出席されましたので、時間が二十分しかありませんから、大臣に御質問がありましたらその方を願います。
○吉川(兼)委員 それではさっそく大臣にお伺いいたします。私はこの委員には臨時にかわらしていただいて、今問題になっておりまする江戸川の本州製紙による汚水問題について特に大臣に質問しようとするものであります。この汚水事件なるものは、今の日本にとり、きわめて重大な問題であると考えます。あなたは第二次岸内閣であたかも副総理のような存在に私どもは見ておりますし、また良心的な方というふうにかねて了解いたしておりますし、かつては企画庁長官などをしておられて、日本の経済再建計画には一家の見識をお持ちになっておる、失礼な言い方になるかも知れませんが、私は、そのように見ていますので、この委員会にこの問題が持ち込まれるに当りまして、私は自ら志願してここにあなたの御所見を伺うため、出席をいたしたのであります。
 一般的にいえば、何もこの工場汚水に限ったわけではありませんで、日本のあらゆる河川、あらゆる湖、あるいは東京湾、大阪湾、瀬戸内海といったようなところがいろいろなものによってひどく汚濁されておりますることはあなたも御存じのところでございましょう。これは今日直接これを取り締まる法律がないというので、どちらかといいますると、ほとんど無政府状態に放置されていると私は書いたいのでございます。あなたが通産大臣をなされておりまするこの機会に、この水質を汚濁しまする問題とぜひ真正面から取り組んでもらいたいと思いまするが、そういう御決意がおありかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
○高碕国務大臣 工場と汚水の問題につきましては、これは非常に重要な問題でありまして、宿命的に、その国の工業が発達すればその周囲における原始産業が危害を受けるということは世界の例を見てもはっきりしておるわけなのでございますから、それをどの程度に防止するかという問題は非常に重大な問題だと存じておるわけなのでございます。この意味におきまして私どもは、二年前だと存じておりますが、企画庁を中心として、主として農業、水産方面から論じて、工場における汚水、あるいはマイニング、鉱業に対する汚水等のどの程度のものを汚水として認めるべきか、どの程度のものが危害がるあものかということを科学的に検討する必要がある、この科学的な検討を中心として、これを立法化すべきものであるというようなことで、順次努力いたしておったようなわけでありますが、まだ今日ではその立法化をするまでに進んでいないということはまことに遺憾と存ずるわけなのでございます。しかし、日本の現在におきましては、原始産業、農業、水産業というものは、単に経済問題として考えてはどうしても間違いが起る、これは重大なる社会問題であるというような立場から、この問題を一日も早く研究し、そうして完全なる法規を作らなければならぬ。こういうことは今なお最も重要だと存じておりますが、ただいま通産省として考えておりますことは、まず現在実行しているマイニング、そのマイニングの方の汚水の防止の方は、これは法案ができているわけであります。しかしながら工場の汚水ということにつきましては、通産省としては、工場によってできる汚水をどの程度に実用化し得るか、これを流さないで実用化するかということが先決問題であるので、今これを研究し、また実行しつつあるわけなのであります。同時に、できた汚水を、いかにして原始産業に危害が加わらないように排水路を作って放出するかということについては、これは順次実行に移し、これに補助を与えるとか、これに対して指導するという方針をとっているわけなのでございますが、今回江戸川における本州製紙の問題が動機となりましてこの問題が大きく取り上げられてきたことは、私は御本人たちに対してははなはだお気の毒だと存じておりますけれども、これが社会問題となり問題化されたことはむしろ喜ぶべきことでありまして、この機会におきまして、私は通産大臣といたしましても、工場側の立場からも考え、また原始産業の側の立場からも考えて、公正な方法によって取り扱っていこうということを考えているわけでございます。そう言っても、法律ができるまで手をつかねて待っているわけにはいかない、もう火のついていることでありますから、こういう問題は、農民なり水産業の代表者、あるいは工場の代表者、あるいはこれに直接関係のある東京都なり千葉県なり、場合によれば私ども通産省も中に入りまして、一日も早く実質を把握してこれを解決するということが必要だと存じております。
○吉川(兼)委員 あなたの御答弁はコンスタントに考えねばならない問題と、それから早急に解決を要する本州製紙に対する被害の問題とに分けての御答弁でまことにけっこうでありますが、ただ私がお伺い申したいのは、御答弁のしまいごろのお話ではっきりいたしましたが、最初のうちの御答弁を伺っておりますと、何だか近代工業が発達すれば宿命的に原始産業が圧迫をこうむる。すなわち当りまえだというふうに聞こえ、私ははなはだ不満に思いましたが、これはどうやら私の聞き違いだったようであります。ただ、こういうことは釈迦に説法でございますけれども、なるほどお説のように欧米その他におきましてはこの問題はかなりスムーズに解決をいたしておるようでございますが、それはアメリカなどにおきましては日本のような漁業権というものはないので、そういうような問題も割合に簡単に解決できるのではないかと思うのであります。しかし、日本には徳川時代からの遺法とでも申しますか、いわゆる漁業権というきわめて強固なものがあるのでございまして、それによって漁民の生活権をささえているのでありますから、これをただ、いわゆる公式論的な、近代産業の発達によって原始産業はあおりを食うのだということでは、実際問題としては解決はされないのじゃないかと私は考える次第であります。
 そこで私が特にあなたに御質問申し上げたいと思いますのは、あなた自身はたしか水産講習所の御出身であり、漁業は専門なはずだから、おそらく漁民の非常な理解者ではないかと私は考えているのであります。今のお話のあった工業の廃液を転じて積極的に生産に利用している事実も、私は若干存じております。たとえば東洋紡の犬山工場であるとか、あるいは山陽パルプ、でありますとか、そういうところでいろいろなことをやっておりますことも存じておりますが、今日この委員会で直接大臣の御答弁なり御配慮をわずらわしたいのは、こうしたコンスタントの問題はしばらく別にいたしまして、本州製紙にからみます問題、の解決についてであります。今やこの問題は単なる汚水を中心として漁民と会社側争いだけではなく、その間に警察権の不当と思われる介入があったりして大きな人権問題が起っております。こういうこと等もぜひお考えいただきまして、ただ、問題が大きくなったからこれはいいあんばいだなんということでなしに、むろん大きくなったことは、問題をそれだけ世間に知らせるために役立つわけで、私どもも決して悪い面ばかりは考えませんけれども、当面の問題として、あなたのうしろの席には、その日警官の暴行を受け、全身まだ傷だらけの人が参考人として来ておるような状況でございますから、もちろん、水質汚濁を防ぐ法律を作ることも大事ですが、そしてその法律を作る作業が企画庁の調整局でやっておりますこともまた法律案はできていながら二十八国会についに上程するに至らなかったことも私はよく存じております。ついでだから申しておきますが、表向きには各省間の権限争いのようなものが原因になってついに法案が上程できなかったようにも伝えられておりますが、どうも立案の趣旨のわかり切ったこの法律のようなものが、このようにいつまでも上程されずにおりますと、そのうしろの方に大企業なんかの魔の手が動いて阻止しておるという風評などもぼつぼつ出て来るのでございますから、私はこの水質汚濁を防止する法律だけは、何が何でもこの内閣で早急に、できたら今国会ででも作るようにあなたの御配慮をわずらわしたいと思います。
 そこで本論に戻りますが、本州製紙のこの問題についてはあなたがお出でになる前に、先刻この委員会で会社の参考人から前非を悔いる旨の御発言がありました、また会社の要望によってただいま関係地区の東京都知事と千葉県知事があっせんに乗り出そうとしている情勢にありまして、すでに千葉県の知事は文書で承諾書が会社に届いておるそうでございます。東京都の方はまだなかなかそこまできておらないようでございますけれども。ただ今日におきましても、汚水の毒性に対する認識で、会社側と東京都、千葉県のように第三者的立場で検査をなさいました官庁との間に、会社側からかなり歩み寄ってきたようではありますが、なお若干の相違点があるように本日の参考人の御意見では私には受け取れるのであります。そこで今あなたがおっしゃいましたように、東京都、千葉県だけでなく、これはあなたの管轄下の工場の汚水によるのがその原因でもありますので、この際ぜひ一つ通産省の方でも、それは地方機関であってよろしいわけですから、この紛争の中に進んで入っていただき、十分に真相を把握されて、すぐそれが大臣のところに反射してくるような、速度を持った御処置、すなわちあっせんに御協力をお願いしたいと思いますが、これはいかがでございましょうか。
○高碕国務大臣 ただいまの御説は私は全面的に賛成でございます。できるだけ早く通産省の方に、各工場からの汚水の問題についての実情を把握し得るような方針をとって、その対策を講じたいと思っております。
○吉川(兼)委員 これは私の聞き違いかもしれませんが、大臣は今各工場とおっしゃったようでありますが、各工場といえば一般的になりますが、今は江戸川工場の方を急いでお取り上げ願いたいと思うのでありますが、その辺はいかがでございましょう。
○高碕国務大臣 御趣旨に沿うように善処いたしたいと思います。
○吉川(兼)委員 大臣のその御答弁で私も一応は安心いたしました。もっともあなたが各工場とおっしゃる必要がありますくらいに全国にたくさんの同種の問題が起っております。それからせっかくの機会でございますから、あなたの御所管には直接関係ないかもしれませんが、ぜひ一つお伺いいたしたいと思うことがございます。それはこの問題にからんでの警官の暴行事件でございます。ここには被害者だけしか出席しておらず、警視総監の出席を要求してありますが、どうしたわけかまだ来ておりません。実は被害者と総監とそろったところで、大臣の御所見をお聞かせ願いたかったのでありますが、今度の事件といいますのは、去る十日に千葉県浦安の漁民代表七百名近くの者がバス十台で国会や都庁に陳情に来まして、すでにそれまでに正確には六月の五日に東京都庁からの勧告により汚水の放流が当然とまっておるべきはずのものが、前日の九日にも放流されっぱなしになっており、それも会社から一方的な電話の通告か何かで、一旦とまった汚水がどんどん流れ出したので、漁民側は驚いて都庁の係官のところに陳情にかけつけたりしたのでありますが、先刻、この委員会でも漁民側と会社側との間で、汚水の放流をとめた時間というよりは日付ですが、その認識が全然違っていることが持ち出されたような次第であります。このことは、のちほどこの速記録を大臣がごらん下さればよくおわかりになると思います。そこで事件なるものは、六月の十日の夕方、漁民代表七百名が国会の陳情の帰り道に本州製紙の江戸川工場に赴き、代表数名で決議文を工場長に交付しようとしたところ、工場は門をかたく閉じ、鉄条網を張りめぐらし、要所々々に張り番を出して、そうして立入り禁止というプラカードを立てまして、さらにはなはだしいことは、会社の中に数百名の警官を待機させておいた。漁師たちがそこへ参りましたところが、今までは交渉に行きますと、その中の代表者を何名か入れて会っておったわけですが、その日は町長もおりますれば、町会議長あるいは漁業協同組合長というような浦安町の代表的な人々がおりまして、そういう人々が数人代表として入ろうといたしましたのに、すべての者に、もう立ち入り禁止ということになりましたので、そこでへいを乗り越えましたり、他に何かいたしましてその中に入ったのでございます。そこで警官が最初は二百数十名、それが後には六百数十名に増員されておりますが、そういう警官が立ちはだかりまして――そうしてなるほどたとえば工場のガラスを割ったり、材木の積んだものをつき崩したりした程度のこと、まあ暴行といえばいえなくもない程度のことは、漁民側にもあったと思いますが、ところがそれをいいことにしてあまりに警察官の弾圧がいわゆる実力行使の域をはるかに逸脱したひどいものでありましたため、漁民も正当防衛的行動をとったらしく、警察官の方にも投石その他による多少のけが人が出ておるようでありますが、漁民の方には全部で百五十人ぐらいの重軽傷者が出ております。しかもその重傷者というものはことごとくと言っていいぐらい――私はここに資料を持ってきておりますが、きょうは資料を出す時間がありませんけれどもみなうしろ傷です。しかもそれが診断いたしました医者の証言によりますと、うしろから警棒でたたかれているのであります。はなはだしきは、付近の住民が、ああいう騒ぎでありまするから物見高く集まってきた模様でありますが、そういう者までひっぱたいてけが人を出している。その中の者からいつでも証人に出ますと言って来ておりますけれども、なるべく問題を拡げない意味で、その証人まではここには呼んでおりませんが、付近のそういう人のけが人まで出ております。これは私どもはぜひ問題にしなければならぬと思うのでありまして、本委員会では実は商工委員会の本来の問題ではないので、この問題を大臣のお耳に入れるために一人だけ参考人を呼んでおいたのであります。きょう午後から地方行政委員会でもこの問題を取り上げるようでありますが、大臣には、人権尊重の意味からぜひこの警官の暴行の問題を御注視いただきたいと思います。
 一言つけ加えておきますが、この問題は何ら思想的なものはありません。これは川島幹事長や私などの選挙区でございますが、今度のことでも経過的にごらんいただくとわかりますが、漁民代表たちは私のところにはあまり来ませんが、川島幹事長のところにはしょっちゅう頼みに行っているのです。もって思想的な背景というものはよくおわかりいただけると思います。もっとも私のところに漁民がくればそれは思想的なものがあるというわけではありませんが、そういう例によってもわかりますように、きわめて単純な行動であって、しかも計画的なものでもむろんないのです。この事件のことではなく、一般的にいって思想的なものであっても、警官の暴行などは絶対に許してはならないことはもちろんですが、ところで、ひどい処置をとったのは小松川警察というところであります。ここでは警官の暴行によってあばら骨が二本も折れている疑いがあります。しかもそのけが人を留置場に三日間もほうり込みまして、そうしていかに診察を求めてもなかなか取り合ってくれない。何回も訴えまするので、翌日になってようやく診察を簡単にやっております。そして大したことはないということでまたほうり込んでおく。そんなことでレントゲンをとることを要求しても、やっと三日目にレントゲンをとって、四日目にその結果が現われたところによって、あばら骨が二本折れておることがわかり、初めて釈放している。きよう実はその人を証人に呼んだのですが、からだの調子が悪くて証人にこれない。それをあなたに見てもらおうと呼んだのですが、証人を断わってきたというような、こういう者すらあるのであります。あなたはしばしば海外をお歩きになって、海外の事情もおわかりでしょうが、私は刑事局長が来ておればちょっと聞こうと思っていたが、課長さんが来ておるようだから聞いておきますが、イギリスの刑法では、警官に暴行、いわゆる公務執行妨害をやりますと、十年ぐらいの重刑に処せられるという条項があるそうですが、ここに来る前に大急ぎで調べてみましたけれども、とうとう私には見つからなかったのですが、これはほんとうかどうかを知りたい。かりにそれがほんとうと仮定いたしまして、それはなぜそうであるかといえば警官が絶対無抵抗だからというのです。イギリスの警官は御存じのようにいづれも六尺豊かの男がハイド・バークあたりに立っておりますが、こん棒なんかめったに持っておりません。それからいかに国民から暴行されましても、警官は絶対に手向いをしないのです。絶対に手向いをしないから、その手向いしない者に暴行をしたものは、これは相当の重刑に処する、ということを私は何かの本で読んだことがあります。おそらく随筆か何かで読んだのでありますから、こういうところへ正式に持ち出すには根拠を得たいと思って、あわてて英国の刑法を探したのですけれども見つかりませんでした。要するに本来警官というものは、人民を保護するものでありますから、このイギリスの警官のような性質のものでなくてはならないと思います。これが警棒を振って、雇い主であります人民のうしろからなぐりつけ、打つ、けるとなっては、もっての外のことであります。警棒とか警杖を取り扱う規定も警察庁から出しておりますが、これによりますると絶対にふりあげてはならぬ、頭や顔を打ってはならぬとちゃんと書いてあります。間違ってこれを使って、もしけが人を出したならば、即座にそのけが人に手当を施し、かつその状況を上官に報告しなければならぬということも書いてあります。ところがこんどの事件では四十何人からの重軽傷者を出して、全体のけが人としては百五十人に及んでおりますのに、まだそれに対して警察側が進んで手当をしてやった事実は一つもなく、いわんやそれを上司に正しく報告したものもないのです。最近の日本の警察官が、上の方に参りますと、中には相当りっぱな人もおるようでありますが、大体の警察官はかなり地位の高い人でも、権力になれて、国民を頭から罪人扱いにし、何をしても、あとで白を黒と言い張って平気なものが少くありません。特に小中隊長ぐらいの幹部がよくありません。今も柳町参考人の御意見の中にあったのですけれども――この柳町参考人は町会議員などもやった浦安町の有志で、十日の夜もバスに乗っていた組ではなく、騒ぎを聞いて、うちから自転車か何かでかけつけて、騒ぎを静めようとした人です。それを警官がおつとりかこんで踏んだり、けったりして、半月を経た今日でも一ぱいまだ傷が消えていないというような暴行をやっておる。これはいずれ法務委員会等でも必ず問題になるでしようし、この委員会ではふさわしくありませんから、これ以上のことは申しません。私の大臣に対する質問は終りたいと思いますが、あなたはぜひ閣議等においてこの問題だけは、くさいものにふたをするような御処置をなさらないように、有力閣僚であるあなたに私は特にこのことをお耳に入れておきたいと思います。このことを、まじめにお考えいただくことは同時に、今あなたが私にお約束していただきましたいわゆる工場汚水その他の問題を解決する一つの大きな足がかりというか、いわば一里塚のようなものになると、私は思っておりますから、このことは直接御関係はないようでございますけれども、ぜひお聞き取りおきいただきたい。別に御答弁をいただくようなものじゃないかもしれませんが、何か御所感でもありますれば、一言お聞かせいただきたいと思います。
○高碕国務大臣 今回の不祥事件につきましては、私どもいろいろ新聞あるいは各方面から報告を聞いておりましたが、ただいまきわめて詳細なるお話を承わりまして、特に百五十人という多数の負傷者を出したということはまことに不祥事と存じまして、私閣僚の一人といたしまして非常に残念に存ずる次第でございます。つきましては再びこういうことのないように、今回の問題等もよく究明し、また私どもの立場からもよく検討いたしまして、できるだけ努力いたしたいと存じております。
○吉川(兼)委員 次に法務省の方に伺いますが、今の英国の刑法の警官の問題ですが、あなたの方で何かわかっておりますか。わかっていなければ、あとで調べて文書で私にお知らせしていただきたいのです。日本でも公務執行妨害というのはちゃんとあるようですが、それを向うではどういうふうに扱っておるか、これを一つ参者のために聞いておきたい。
 それではあとに他の委員からも質問者があるようですから、その質問者が終ったあとで、もし時間がありましたらいま一度私に発言を許していただくことにいたしまして、中途でございますが、私はこれで一応打切ることにいたします。
○長谷川委員長 田中榮一君。
○田中(榮)委員 吉川委員から非常にこまかい御質問がありましたので、質問の重複することは避けて参りたいと思います。
 本州製紙の近藤さんにちょっと御質問いたします。本州製紙の今度のSCPの設備につきましては、あなたの方でお出しになりました事業計画書というものがあるわけですね。その事業計画書を拝見いたしますと、SCPは非常に優秀なものである――ちょっと参考にこれを読んでみたいと思います。「現在我国のSCP工場に於きまして、その廃液処理設備を設置しております工場はありません。亦諸外国の例を文献等にて調査しても見当りません。これはSCP廃液が無害で特に農業漁業上問題になりませんからと考えます。しかし弊場に於きましてはSCP薬液を極力循環使用し、その廃液の濃度を高め、これを一部原木土場に散布し、土場の簡易舗装に利用致し度いと考えております。これにより廃液の放出量を極力減少します。」こういう計画書が出ているのでございますが、これにつきましてはこの通りでございましょうか、その点をちょっとお伺いいたしたいと思います。
○近藤参考人 SCPの廃液は無害でありまして、わが国におきまして他にもSCPの工程をやっておる会社がございますが、その会社もその廃水を河川に放出しておるようでございます。なお外国文献等を見ましても現在そういうものがないので、われわれとしましては、先般も申し上げたのでございますが、そういう点と、それから、あらかじめ想定いたしました廃水の成分というようなものの化学分析等もいたしまして、これは有害なものでないという推定に当時立っておったのでございます。
 なおこの廃水を圧縮します点について、その装置等につきましては現在検討中でありますし、この廃水を圧縮して、そこに書いてありますような用途に使うか、あるいはまた他の用途に使うかというようなことにつきましても、現在検討中でございまして、必ずしもそこに書いております道路の舗装という面に使うということには、現在まだ決定しておりませんが、それは工場構内のことでございますので、工場構内の道路の舗装という面にも使用し得るのではないかと当時考えたのでございます。
○田中(榮)委員 さらにこの計画書の中に、「建設省の調査によりますと、弊場附近の江戸川の流水量は平均毎秒一
〇〇屯、最低時に於きましても五〇屯とのことであります。従いまして、弊場NSCP廃液量は江戸川の平均流水重の二万分の一で、最低時に於きましても一万分の一になります。弊場にて、他社のSCP廃液を入手しましてこれを水にて稀釈しましたる処、千分の一に致しますと、無臭のきれいな水となりました。」こういうことが書かれてあるのでありますが、現在SCPの廃液を流す場合におきまして、本州製紙とされましては、絶対にこの計画書の線に沿うて、魚族の繁殖、生息あるいは魚介類の生息に無害であるという考えのもとに、今度のSCPの施設の運転開始をされたのであるか、この点についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
○近藤参考人 当時われわれは、われわれの研究所でいろいろ検討しましたデータによりまして、それから今朗読されました通り、他社のSCP廃液を取り寄せまして、それを希薄して試験をするというようなことをいたしまして、SCPを運転いたします際には、当社といたしましてはこれは魚介に対して無害であるというように考えておったのであります。
○田中(榮)委員 私がこのような質問をいたします理由は、会社側におきまして、先入的に、一般の魚族に弊害なしという考え方から、都の警告を無視して、一方的な通告によって運転を開始された。そのようなことについては、会社側としてさような独断的な見解をお持ちになっておるから、都の警告を無視して運転を開始されたのではないか、かように思うのでありますが、その辺の事情を一つお話し願いたいと思います。
○近藤参考人 都の口頭勧告を無視いたしまして運転いたしましたことは、先ほど申し上げましたが、当時漁業組合の方と機械をとめて交渉を進めておりました。その後、中に仲介者に立っていただいた方等もございましたが、いろいろ漁業組合の方の意見がまちまちでありまして、全部が同じ意見ではございませんでしたが、われわれ折衝いたしました者といたしましての判断といたしまして、これはある種の操業運転、すなわち予定の約半分なら半分くらいの操短をいたしますと、液がそれだけ希薄されるものでありますから、操短をいたしまして運転をしていけば了解を得られるのではないかというように判断をしたのであります。これは先ほど申し上げましたように、われわれとしまして非常に重大なる誤まりを犯したと考えております。また都の勧告も口頭でいただきまして、その都の勧告を当社が判断いたしますのに、漁民の方の御了解を得られればよろしいのだというふうに判断いたしまして、都の勧告を無視したのでありますが、この都の口頭勧告をそのように判断したということも、われわれの誤まりであったというように先ほど申し上げておる次第でございまして、どうかその点御了承をお願いいたしたいと思います。
○田中(榮)委員 その点は先ほどの吉川委員の質問に対しまして、同様なるお答えがありましたので、ほぼ了承したのでありますが、今回漁民があのような不祥事件を起しました一つの原因としては、今ここで都の農林部長はとまってなかったと言い、会社側としてはすでに運転を停止した、こういうように事実の認定について両者の間には食い違いがあるわけです。私どもの想像では、あるいは運転が継続されて汚水が放出されておったのではないか、そこで漁民が非常に激怒してああいうことになったのではないかということも想像されるのでありますが、その辺につきまして、漁民の人々が現場に行ったときには、すでにそのSCPの設備は運転を停止しておったのであるかどうか、ここが重点だと思いますが、その辺はいかがですか。
○近藤参考人 先ほど申し上げましたように、九日の夜中の十一時三十分でございますが、本社におきまして役員会を開きまして、直ちにSCPの運転を停止することを決定いたしまして工場に通知いたしました。工場では機械の操業上直ちにこれをとめるということもできませんので、その停止の命令に従いまして停止の操作をいたしまして、午前一時、すなわち十日の明け方には機械は停止いたしております。これは工場には種々なる機械にメーター類がございます。メーター類は大体記録をするレコーダーがいろいろなところについておるものでございます。現在そのレコーダーがちゃんとその証拠を残しておる、こういうようにわれわれ考えております。
 なお現場では操業日誌というものをつけております。その操業日誌は現場の係員がつけておるのでございまして、会社の幹部がこれをつけるとかいうようなことはいたしておりません。現場の係員がつけたこの日誌にも大体とまったことになっております。十日はそういうような次第でございますので、漁民の方が大ぜいおいでになったときには、SCPは運転は停止いたしております。
 それから先ほどお話がございましたが、都の指導部長がその前に来られたのでありますが、そのときにもとまっておりまして、とまっておるのを確認して帰っておられるはずでございます。
○田中(榮)委員 それでは宇田川欽次君にお伺いいたします。
 ただいま近藤清君の言われたことは事実その通りでございますか。皆さん方が十日の午後六時ごろ現場に到着したのじゃないかと思いますが、そのときにSCPは運転をされて、汚水が江戸川に現実に放出されておったかどうか、その点につきましてちょっとお伺いしたいと思います。
○宇田川参考人 会社側はいつもうそっぱちばかり言ってまことに困るのです。それはこの前指導部長が四十分ばかり先会社工場に行った。そして指導部長がとめる交渉をしておるところへ皆さんがおしかけた、そういうふうに指導部長は言っておるわけであって、まことに会社はうそっぱちばかり言って困るのです。そういうようにうそを言って、われわれや、また衆議院の方々をそれでまるめるようなことも言って困るのです。指導部長がとめる相談をしておるところへ皆さんが押しかけた、そういうことを指導部長が言っておるわけですが、会社はいつも全然うそっぱちばかりと言って、そういうようにわれわれをいつでもつぶすようなことばかり言っている次第でございます。
○田中(榮)委員 今回の騒擾事件の直接の原因というのは、漁民が工場の正門に押し寄せたときに、このSCPが運転されておったかどうかということは、本問題の解決に非常に大きなポイントとなるのじゃないかと思うのであります。この点につきまして東京都の関晴香君にお尋ねしたいのですが、東京都としてこの点の事実の認定についてはいかようにお考えになっておりますか。
○関参考人 先ほどもちょっとお答えしたのでございますが、この点は指導部長が直接工場に参っておりますので、当の指導部長でないと確言できません。
○田中(榮)委員 当面の責任者がおりませんから、この点につきましてはしっかりした御答弁を得ることができないのは非常に遺憾とするところでありますが、この問題につきましては都側におきましてもはっきりした事実の調査をせられまして、果して漁民の人人が行ったときに運転されておったかどうか、会社側で申しますと、運転日誌には明らかに十日の午前一時にはっきり停止しているということを主張しておりますが、今漁民の代表者の方は運転が継続されていると言う、両者に非常に大きな食い違いがあるのでありまして、私はこの点が今回の騒擾事件の直接の発端の一つではないかと考えておりますので、この点は十分に一つ調査おき願いまして、後ほどまた一つ御報告を願いたいと思います。
 それからもう一つ今回の東京都の使用停止命令は、六月十一日付で東京都知事より会社の工場長あてに、「木材の皮むき作業設備及び亜硫酸アンモンを使用するパルプ製造作業設備の使用を停止するについて」という題目で、東京都知事から工場長あてに六月十一日付で使用停止命令が出ておるのでありますが、都といたしましては、今回の使用停止命令というものは確固たる水質調査の結果報告を待たなければ出せないものであるかどうか、こういう点であります。その点につきましては都の工場公害防止条例の第十八条に「知事は工場が左の各号の一に該当するときは公害を防共するに必要な限度において建築物または設備の除去、変更、修繕、使用停止を命ずることができる。」ということが明定されておるのであります。その第三項に「その他著しく公共の福祉を害する虞があると認めるとき」と、この十八条の第三項の規定によって使用停止命令を出したと考えられるのでありますが、その際において、六月二日ごろからこの問題がごたごたしておったのでありますが、水質調査の結果を待たずして、十八条の第三項の命令を発動し得るかどうか、この点について見解をただしたいと思います。
○関参考人 六月十一日付の書面によりまするものは、工場への命令ではございませんで、勧告でございます。とめられたいという書面は勧告になっております。この工場公害防止条例の関係は、私ども農林都の直接の関係でございませんが、その間に私の承知いたしました点につきまして若干敷衍いたしますが、第十八条の「著しく公共の福祉を害する虞」というのがやはり問題になっておりまして、はっきりと「公共の福祉を書する」という「公共の福祉」にこの問題が入るかどうかということには疑義がございまして、命令のときには入れなかったというふうに私は聞いております。なお書面で出しました理由は、その前の六月の六日並びに六月の九日、再度にわたりまして口頭をもって勧告いたしたのでございますが、それが遺憾ながら実行されなかったということで、あらためて書面をもってこれを十一日に出したという経緯で書面にしたわけでございます。私の承知いたしております範囲につきまして申し上げたわけでございます。
○田中(榮)委員 関君は直接の責任者でありませんから、この問題についての質問にお答えを願うことは非常に御無理と思うのでありますが、私の考えではたとえば現在工場のSCPの廃液が荒川に放流されて、現実に魚介類に非常な影響がある、こういうことが認められておる際に、別途に水産関係の水質調査を長々とやっておってその結果を待って初めて命令を出したのではなくして、この第三項の「著しく公共の福祉を害する虞があると認めるとき」というこの条項を広く解釈されまして、この条項によって直ちに六月の初めかあるいは五月の末に、都として命令を出されておったならば、こうした騒擾事件もなかったのではないかということも一応考えられるのでありますが、今後もこうした問題が起るおそれも多分にありますので、その点につきましては都側といたしましても十分に御研究おきを願いたいと思います。
 それから水質調査につきまして先ほどお話がございましたが、大体江戸川の魚族というものは非常に他の沿岸漁業と趣を異にいたしておりまして、ノリとかアミ、ハゼ、エビ、ハマグリ、アサリといったような非常にひ弱い魚族でありまして、こうした魚族はこの廃液にはきわめて私は敏感でないかと思うのであります。その際に、水質調査並びに稚魚をとってこの廃液に入れて試験をしたというお話でありますが、どうしてこのアミとかハゼ、エビ、ハマグリ、アサリについての調査をなさらなかったのか。むしろアユの稚魚なんかの検査よりも、手っとり早くその付近にあるハマグリ、アサリ、エビ、ハゼ、アミといったものの調査をした方が、具体的に、またそれが肝心な調査ではないかというのでありますが、その点について一つ伺いたいと思います。
○関参考人 工場の排水口並びにその下流口におきまして流水をとりまして、魚によって試験したという理由は、ちょうど四月の上旬はあそこで若アユのとれる時期でございまして、あそこの若アユをとりまして、ほかの河川に放流するというようなことを毎年やっておりますので、ちょうどあの付近におきます若アユのいわゆる稚アユの漁獲高は非常にことしは少かったというような陳情を受けておりますし、これが事実でございましたので、ます若アユを、ちょうど時期のものでございましたのでとったわけでございます。そしてそのときの調査におきましては、その本州製紙の工場の位置から海の貝の棲息地までは約七、八キロございます。そこで私どもは一まず河川における影響というようなところで、水質試験と生物試験を行いましたので、貝類の方はやりませんでした。後日海の方の被害が大きいという声で、後に海面の方の調査をやったわけでございますが、水質試験の際はそういう事情で、河川における影響ということを主題にいたしましたので、魚をそういうような種類に一応取り上げたわけでございます。
○田中(榮)委員 会社側にお伺いしたいと思うのであります。今回、今お話を聞きますと、三千坪ほどの土地を用意して沈澱池を作っておるということでありますが、これは大体いつごろ完成する予定でございますか。
○近藤参考人 さしあたって使用いたし得ますのは大体二十一日に完成いたしております。ただしその沈澱池の排泥装置、中にたまりましたものを出すというような装置はまだでき上っておりません。とりあえず沈澱池の使用し得るという面は、現在でき上っております。
○田中(榮)委員 しからばその沈澱池を利用いたしまして汚水を濾過するとか、あるいは浄化するとか、そうした設備をした場合において、今後廃液というものはなおかつ放出されるものであるがどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○近藤参考人 SCPの廃液の色の問題につきましては、先ほども申し上げましたが、これを全然なくすというこうは沈澱池のみをもってしましては不可能かと存じておりますけれども、浮遊物その他介在物のない、いわゆる品質試験としましてパスしますところの水というものは、現在の沈澱池で大体近い数字が出るものというようにわれわれは考えております。
○田中(榮)委員 もう一点お伺いしたいと思いますが、現在会社としては、この汚水の防止措置としては、沈澱池によるほかに何らか方法をお持ちになっているのでしょうかどうか、その点お差しつかえないところを伺いたいと思います。
○近藤参考人 沈澱池によりまして浮遊物並びに介在物を除去することに努力いたしまして、その他の方法といたしましては、濃度を圧縮いたしましてその圧縮しました溶液を何らかに使う、これを他の方に売却するとか、あるいはどこか関係のないところを求めましてこれを捨てるとか、いろんな方法を考えまして、色をできるだけなくしたいという方法を考えておりますが、これはなかなかむずかしいことでありまして、どういう案がいいかということについては、まだ結論まで達しておらないような状態でございます。
○田中(榮)委員 今のお話の圧縮装置に関する申請といいますか、東京都庁に対しては何らか申請をなすっていましょうか、いませんか。
○近藤参考人 現在まだどういう方法がいいか、そしてどういう式を取り入れるかということの検討中でございまして、検討ができ上りまして設計ができ上りますれば、都に対して申請をいたしたい、こういうふうに考えております。
○田中(榮)委員 私は沈澱装置も果して完全に廃液が浄化されるかどうかということも非常に疑問があるのでありますが、会社側としましてはさらに積極的に今の濃縮装置というものを十分研究されて、それを一日も早く完成され、一般の漁民に安心を与えるような方法を講ずることが会社としても最大の責任ではないかと考えておるのでありますが、この点につきましては至急一つ幹部ともよく御協議を願って、具体的にその案の実行に進められるように御努力を願いたいと思います。
 それから漁民の代表者の方にちょっとお伺いをいたしたいと思うのでありますが、六月十日の日は浦安町としてはお祭か何かあったのでしょうか。
○柳町参考人 お祭の日は六月十五日、十六日となっておりました。
○田中(榮)委員 特にその日は町としてのお休みの日ではなかったわけでありますね。
○柳町参考人 そういうことはございません。
○田中(榮)委員 それならば一言お伺いしますが、当日陳情隊はどことどこと、どこに行く目的で出発されたのでありますか。その点についてちょっとお伺いたしたいと思います。
○柳町参考人 その日は国会と東京都庁、工場側いわゆる会社に陳情に行くことになっておりました。
○田中(榮)委員 その最後の会社というのは本州製紙の本社のことを意味するのでありますか、工場を意味するのでありますか、どちらでございましょうか。
○柳町参考人 会社、要するに本社に参りまして、そうして工場に行くことのようになっております。
○田中(榮)委員 会社に行ってそれからそのことのついでに工場に行くとおっしゃるのですか、それとも本社に行ってから工場に回る予定になっておるのか、この辺をはっきり一つお伺いしたいと思います。
○柳町参考人 本社に行きましてさらに工場に伺うつもりになっております。
○田中(榮)委員 工場に行く予定があったとすれば、工場の方に行くから面会をしてほしいということを、あらかじめ工場側に申し入れをしてあったのであるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○柳町参考人 ただいまのことは私先ほど若干申し上げました通り、私はただ町民大会に出席しただけで、そのコースはただいま私の左側におります宇田川欽次組合長が存じておると思いますので、そちらに御質問を願いたいと思います。
○田中(榮)委員 宇田川さん一つ御答弁願いたいと思います。
○宇田川参考人 大会の決議文を持って国会、都庁並びに本社、工場とこういうふうに順序はなっておったのでありますが、何しろ時間がおそくなったため会社の方は抜きにして、そうして工場の方に回ったのであります。
○田中(榮)委員 私どもも第三者的に見まして漁民の方々が負傷されたことについては非常に遺憾に存ずる次第であります。いろいろの点につきましては御同情申し上げたいと思いますが、ただ、これはほんのうわさでございまして私も確かな情報ではございませんからそのお含みでお聞きを願いたいと思いますが、工場の前にたむろしておられた際に相当デモの人々の中で飲酒をされて、そうして気勢を上げておったという事実もあるやにも聞いておるのでありますが、その辺はいかがでございますか。
○宇田川参考人 それはわれわれ陳情団といたしましては、今まで何も事故なくしてきたのであって、これからわれわれ代表者が決議文を持って会社側に置いてくるのであるからがまんをしてくれ、こういうふうにお願いしていましたところ、先ほども申しました立ち入り禁止の札とかあるいは門を締めてプラカードのようなものを大きく左右に張っておったのを漁民は憤慨し、そうしてああいう事態になったのでございます。そうして中へ入って押しかけていくと先方から待機した約二百名くらいの警察官が来たので、ぶつかった拍子にぶつ、片方は何も持っていなかったから、そこにおいていろいろなことも起きたと思います。漁民としては何も持たずに会社の中に入ったのでございます。
○田中(榮)委員 私の質問いたしておりまするのは、工場の門前へバスに乗ってこられた方もあるやに聞いております。それからなおそのほかに町から直接応援に来ておった方もあるやに聞いておるのであります。その陳情に行ったバスに乗った人々も工場に見えましたし、それから応援の意味か気勢を添える意味かどうか知りませんが、町におられたいわゆる留守をされておった漁民の方々も応援と申しますか、合体してデモ隊となったということも聞いておるのでありますが、その際にデモに行った者は食事もとれないで非常に空腹であった。そこで工場の門前で待機をしている際にしょうちゅうでも飲んで気勢を上げる、そうした事実があったかどうか、その点をお伺いしているわけであります。その点だけお答え願いたいと思います。
○宇田川参考人 私はその当時は中へ入って警官の方と一緒に交えていましたから、そのことについては私としては記憶ないのでございます。入るときはもう時間も切迫しておりますから、おなかがすいておることはわれわれも感じておりました。そのときに私らは町長と私と町会議長と副委員長と大会の議長と、一応会社側の工場長に会わしてくれ、工場長に会わしてもらえれば決議文を置いて帰ればいいんだから、一つ会わしてくれといって警察にお願いしたのですが、何としても工場長とも会えず、また私直接入っていったときに指導部長さんと会いまして、そして工場長さんはと伺ったら、いると言って、一つ会わしてもらいたいと言ったときも、じゃ会わせると言ったきり、それきり来ないといううちに四人の検束者が出たもんで、われわれ役員四名は、警察側に向って、もう夜もおそくなると、また事故が大きくなると困るから、一応その四名の検束者を返してもらいたい、またわれわれは漁民、町民に向って一応出てくれといってお願いしたが、やはり同じように来たんだから、四人の検束者を出してもらわなければわれわれは帰れないんだからというようなことで、幾らわれわれが言っても帰ってくれなかった。そのために私と町長、町会議長、大会の議長と四名が、小松川の署長さんにお願いして、これからおそくなると事故が大きくなると困る、腹も減っていることであるし、一応みんなも一緒に来たのだから、四人を帰してもらわなければ帰れないと言っているということで、われわれがどこまでも責任を持つ、もしいけなければわれわれがかわりに入ってもいいから一つ帰してもらいたいとお願いしたのですが、それも聞き入れなかったために、ああいう問題が起きたのでございます。
○田中(榮)委員 私の質問するところに対しましては非常に不明でありまして、私の質問に対するお答えとしましては全然お答えになっておりません。これはまた何かの機会に一応実は調べなくちゃならぬと思っておりますが、私の言わんと欲するところは、もちろん漁民の方々にも私は同情すべき点が多々あると思うのであります。かような不祥事件に立ち至ったいろいろな事情につきましては、会社側の見通しが甘かったというように私は思うのであります。それに対してあなた方が非常に熱心に陳情しても、会社側としてはほとんど聞いてくれなかった、こういう点にあると思うのであります。しかしそれはそれとして、やはり陳情とかデモというのは皆様方の生活に関する重要な問題なのです。この重要な問題に、もしかりに飲酒めいていの事実があるといたしましたならば、これは漁民側も少し考えていかなくてはならぬ問題だ、かように私は思うのであります。また今回の不祥事も、あるいはアルコールが入っておったならば多少気勢も上ると思います。もしそうした事実があるとしたならば、そうしたことも今回の不祥事件を大きくした一つの面接原因ではないかということも考えられるわけです。
 さらにもう一つお尋ねしたいと思うのでありますが、本日の東京新聞の朝刊の一ページの記事をごらんになりましたか、いかがでしょうか。
○宇田川参考人 見ないです。
○田中(榮)委員 それならばお帰りになりましたならば、東京新聞一ページの記事を一つよくごらんおきを願いたいと思います。この問題は国会におきましても、各委員会におきましても、非常に熱心に取り上げられており、先ほど通産大臣からも災いを転じて福にいたしたい、かような御発言があったので、われわれもこうした不祥事件を将来再び繰り返したくないと思うのであります。かような意味におきまして、今後この問題はさらに調査もせられ、また政府としましても対策を緊急に練ってもらわなければならぬと思うのでありますが、今後の皆様方の活動の点におきましても、一つ十分慎重な態度でやっていただくことを希望いたしまして、私の質問を終りたいと思います。
○長谷川委員長 川野芳滿君。
○川野委員 パルプ工場の廃液問題は実は日本全国にまたがるような大きな問題でありまして、パルプ工場のあるところには必ずこの廃液問題がある、こう言っても過言ではないのであります。実は本日少しまとまった質問もいたしたいと考えておったのでございますが、すでにお昼の時間も非常に経過いたしておりますし、同僚議員からもかなり熱心な質疑がございましたので、私は簡単に二、三の点をお伺いしてみたいと存じます。
 すなわちパルプ工場の廃液が魚介に対して害毒を流す、こういうことは天下の常識となっておりまして、パルプ工場のあるところには必ず汚水問題をめぐって漁民との対立がありますし、あるいは汚水処理場の改善問題、あるいはまた補償問題が持ち出されておりまする現状でございます。会社側におきましてもいろいろ調査の結果、なるほどパルプによる汚水というものは相当あるということをお認めになりまして、汚水処理場の改善、あるいは補償に対して相当な金額を出された会社も相当あるわけであります。しかもこういう会社は海洋に汚水を放出いたしておる会社でございます。従いまして海に汚水を放出いたしましても、ただいま申しました莫大な補償等をされておりまする会社の現状等から考えますると、相当汚水がある、こういうことを会社自身におきましてもお認めになって、そうして相当額の補償をされたものである、さらにされつつあるものであると私は考えております。こう考えますと、今度の問題の起りました本州製紙は、汚水を江戸川という区域の限られた川に流されるのでございますから、従いましてその廃液によって魚介等に相当の損害を及ぼすということは、これは常識を持っておる人でございますならば、初めから考えらるべき問題だったと私は思います。そこで他の地方におきましては、パルプ工場ができると、関係の人々は、有志の方々は誘致運動をやりまするが、漁民はこのパルプ工場の設置に対しましては絶対反対を唱えておりまするのが、日本全国の現在の漁民の姿であると私は考えます。こう考えますると、この問題を起しましたところにおきましても、工場がくる、こういうようなうわさが立ちますると、おそらく漁民が表に立ってこれに反対運動をされたというふうに私は考えますが、こういう点についてはいかがでございますか。反対運動がなされましたが、あるいは全然反対運動がされずに済んだものでありますか、これは会社側の近藤さんからでもあるいはまた宇田川さんからでもけっこうでございますから、御答弁を願いたい。
○宇田川参考人 再々にわたりまして交渉をいたしましたですが、会社は一顧も与えてくれなかったのでございます。
○川野委員 江戸川工場が誘致される間におきまして漁民の方々が反対運動をされた、こういうお話でございますが、これに対して会社側は一顧だに与えないでおった、こういうことになろうかと存じます。そういう場合に知事とか、あるいはその他有志に対し反対運動をされた、その結果他の地方におきましては知事等があっせんをいたしまして、そして漁民と会社側の中をとりまして、廃液の処分等につきましては完璧なる処置をとるから、こういう言質を与えて、工場の誘致に賛成をされておりますのが現在の漁民の立場なのでありますが、あの地方におきましてもそういうことを知事等に御交渉になった経緯はないのでございますか。
○近藤参考人 本州製紙の江戸川工場が設立されましたのは大正十一年と記憶しております。従いましてその以前に漁民の方から、あるいは県としまして誘致されたのかどうかということは、不幸にして私現在聞いておりませんので申し上げかねるのでございますが、今回のSCPの新設備を江戸川工場に設置するに当りましては、監督官庁であります東京都に対して申請をいたしまして、それの認可を受けて決定したものでございます。
○川野委員 実は私は新設と勘違いをいたしましたので今の質問をいたしたのでありますが、まことに恐縮に存じております。新しい機械を据えてそして工場の操業を始めた、こういう御答弁でございますが、しかし今申しましたように、全国的に見ましても廃水による魚介に対する被害が相当である、こういうことは常識になっております。そこで本州製紙におかれましても、幾ら廃物利用の設備をされましても、ある程度の汚水の害毒がある、こういうことはお考えになってしかるべきであると思います。さらにただいま申しましたように、海洋に廃水を流すにいたしましても大きな問題を起しております今日の実情から考えますと、限られた河川に汚水を流す、こういうのでありますから、従いまして魚介に対して相当の被害があるものということは予想されると思います。しかし先ほど来いろいろの質疑応答を聞いておりますと、沈澱池を設ける、こういうお話でございましたが、私も全国のパルプ工場は全部は視察しておりませんが、ある程度の工場は視察したのでございます。しかし沈澱池による汚水処理ということではどうしても完璧を期せられない、そこで先ほどお話のありました圧縮装置を設けるということになりますと、ある程度の汚水処分はできるが、しかし圧縮装置をするのには何億かの金が要る、そこで実際問題としては会社の経理が成り立たないから、従って圧縮装置をしていないのが現下の実情である、そこで沈澱池のごとき粗末な設備で実はカモフラージュしている、こういうような話はなかったのでありますが、工場視察をした際に実は私そういう考えを起したのでございますが、そういう点から、沈澱池による設備ではとうてい漁民の満足されるような汚水処理は不可能ではなかろうか、かように私は考えますが、この点はいかがですか。
○近藤参考人 沈澱池を作りましてSCPの廃液を一応沈澱させまして、水質上魚介に影響のないようにできる、こういうように会社は考えておりますので、そういうことをやって皆さんの御了解を得たいと思うのでございますが、先ほど申しましたように、色の問題につきましてはどうしても御理解を得るのがむずかしいのではなかろうかと考えまして、この色を何とか脱却するということに現在苦心しておるところでございます。この点をいろいろ関係各位とよく話し合いまして、何とか打開の道を作りたいと考えておるのでございます。
○川野委員 私は色の問題を論じているのではございません。実際問題として、沈澱池等によって汚水処理をやられましても、完璧は期せられない。こういうことは日本全国の他のパルプ工場をごらんいただいてもわかる問題ではなかろうか、かように考えます。もちろん沈澱池をたくさん作りまして、何回もこすということになるならば、ある程度効果を上げられるかとも思いますが、一つや二つの池を作ってそこでこして、それで魚介類が育つようなことはおそらくなかろうと考えますから、どうかこの点について十二分の御研究を願いたいと思います。
 なお私は、この際、通産省当局にもお願い申し上げます。今この廃液等からある物資をとるというような研究等も進められておるようでございます。そこで、この廃液を利用してある物資を作るということになりますと非常に助かりますので、従って会社においても設備費等に相当の予算を計上される、こういうことにもなろうかと考えますから、ある程度の予算が要りましても、こういう問題についてはもう少し深く突っ込んだ研究を願って、そしてこの汚水の問題については、ひとり江戸川付近の漁民だけの問題ではございません、全国的に見ましてもパルブ工場のある所は漁民が実は反対をいたしておる、そういう実情でございますから、この汚水問題については相当な予算を組んで、そして十二分の研究をしてもらって、至急にこの問題の解決をしていただくように私は切に希望を申し上げまして、質問を終る次第であります。
○長谷川委員長 小平久雄君。
○小平(久)委員 私は、今の川野委員の質問に関連して、ごく簡単なことをちょっと確めておきたいと存じます。先ほどちょっと席を留守にしましたから、すでに御説明があったかとも思いますが、お伺いいたします。
 川野君の御質問の要旨は、製紙工場のような汚水の多く出るところは、事前に関係者があらかじめ協議をいたして円満な解決をどこでもしておるではないか、そういう点どういう事情になっておるかということだったと思うのです。本州製紙が今度新たに採用したというSCP法について、会社側としては漁業組合言に対して、今度こういう方法をとるという通知というか、打ち合せというか、何かそういうことをした事実がございますか。あるいは全然しなかったのでありますか。
○近藤参考人 これを設置します際には漁民の方に御了解を得ておりません。と申しますことは、会社としましては、他の方面にもこういう施設がございましたので、それを過信したのでございまして、漁業組合の方に事前に御了解を得ておりませんのははなはだ遺憾でございます。
○小平(久)委員 今度は漁業組合の側にお尋ねします。本州製紙のこういう新しい方法でやるという通告は事前にあなたの方へはなかったようですが、おそらくうわさくらいは立ったろうと思うのです。事前に御承知なさっておられたかどうか。これはどちらでもけっこうですから。
○宇田川参考人 五月の二十九日と思いました。そのときに会社側から総務課長さんらが参りまして、この問題について、今の用水池を直して沈澱池にする、そうしたならばどうかというようなことを聞いたのですが、その前にわれわれが今の用水池を沈澱池にし、またもう一つ三千坪の敷地を使って、そこにうわ水を流して、それを川へ流したならば違うではないかと申したときに、そんなことをしたって水は決してよくならない、会社側としてその水を浄化する設備を作るには三月間かかる。今アメリカ製とかのよい機械があるが、その濾過機を持ってきてやるのに三月だ、その濾過機で悪いものを濾過してきれいにして出しても、二割程度やはりこえるものが出るというようなことがあって、そういうものを作ってもおそらく効果がないというようなことを言っておられたのであります。そうして今になったらそこを一生懸命直して、今度は浄化設備をするとか、そういうようなことを言ってわれわれをごまかすようなことをしているのです。そういうようなわけで、はなはだ……。
○小平(久)委員 簡単でいいのですから、私のお尋ねするところを答えて下さい。今のお話によると、五月の二十九日に会社側から話があった。その前に何か会社の方でいろいろ浄化の設備をするとか、濾過機を入れるとかそういう話があったというが、その前というのはいつですか。
○宇田川参考人 その前は、日はちょっと忘れましたが、私の組合と萬西の組合と参りましたときに、葛西の組合長が、ここに用水があるではないか、あの用水を……。
○小平(久)委員 その前、というのはいつかというのです。
○宇田川参考人 時期は忘れましたが……。
○小平(久)委員 およそでよいのです。五月になってからですか。
○柳町参考人 ただいま質問に対しての組合長のお答えは、放出されて後のお答えかと私存じております。そこで、私の聞き及んだところによりますと、会社側から一方的に通産省に向って許可をしてくれというようなことがあったので、これは私聞いた話でございますが、一方的に通産省が何か許可したということを私は耳にはさんでおります。そこで私はそのとき聞きまして非常に憤慨しました。何となれば、工場側が通産省に向って許可申請をしたならば、通産省はその水はどこに排出するか、どこに放出するかということをまずもって考えて、そうしてその水がどこに放出されて、どういうものに有害であるかということを考えなしに、一方的に江戸川本州製紙工場に向って許可するということははなはだもって遺憾だ。そこで断じてそういう点で私は事前に江戸川工場よりわが浦安町漁業会はもちろん、浦安町に対してそうした交渉はないものと私は確信しておりました。
○小平(久)委員 私がお尋ねしているのは、交渉はなかったということは、会社側も交渉しなかったと言っておるのだからわかっておる、ただ智さんがそういう新しい施設ができるということを御承知であったかどうかということを伺っておるのです。
○柳町参考人 そういうことは毛頭存じません。また水が出されたことも突然のことですから、意外に感じおります。
○小平(久)委員 そこでこれは東京都の関係になるのか通産省の関係になるのかわかりませんが、こういう工場の設置を許可する場合に、私の常識的に承知しているところでは、大体関係の漁業組合の同意書というようなものをとっておるのじゃないか、少くとも事件が予想される、何らかの被害が予想される以上は、行政官庁として当然この利害関係者に向ってその意見を聞く。最後に許可をする場合には、少くとも何らかの協定に達し、漁業組合の同意書等もとって、その後に初めて許可をするのが通例じゃないかと私は思っておるのですが、その取扱いの例はどうですか。
○関参考人 この許可の取扱いは建築局で扱っておりまして、これは建築基準法並びに先ほど申し上げました工場公害防止条例による認可という方式でやっておりますので、私どもの方はそういう方にタッチしておりませんのでお答えいたしかねます。
○松尾(金)政府委員 ただいま参考人の方からお話がございましたが、このような設備について通産省で許可云々のような、もちろん法律根拠もございませんし、設備について許可制がしかれているわけでもありません。また機械も国産機械でありますので、別段特別な法律に基づく許可ということではなかったわけであります。
○小平(久)委員 都の方の御答弁によると、何かあなたの所管ではなくて建築関係と、それから工場公害防止条例ですか、その関係だという話ですが、その方の関係はきょう来ていらっしゃるのですか。――いないのですか。来ていないにしても、同じ都庁内でそういう条例に基いた処分をする場合、予想される被害の担当はおそらくあなたの方じゃないか、農林部長さんの方じゃないかと思うのです。おそらくあなたの方へも御相談があってしかるべきだ、私はそういうように常識的に思うわけなんですが、そういうことは今までに例がないのですか。
○関参考人 これは私どももそういう水質汚染の事実が出ましてから承知して、この点は非常に遺憾の意を建築当局にも申し伝えておりますが、こういう場合には、どうしても川に流すというような場合には、私どもの方に相談をしてほしかった、こういうふうに考えております。
○小平(久)委員 どうもその答弁は私には納得できませんね。少くとも一つの都庁内において、この工場公害防止条例ですか、それは一体どこが所管しているのですか。
○関参考人 それは建築局が所管しております。そこで私どもも納得できませんので、この点は厳重に抗議したのでございますが、私の方で承知しておりますのは、これは害がないという会社側のいろいろなデータが出たようであります。それにつきまして建築当局は、審査の上害がないというが、もし害が出たらどうするかというところまで念を押したということであります。それに対しまして会社側は、全面的に責任を負うというようなことを言ったということでございます。そういうような事情で認可したのだというふうに私どもの方に対しましては答えております。
○小平(久)委員 今度の場合はそういう事情であったかもしれませんが、それは今日に始まった問題ではなかろうと思う。こういう問題は過去数十回あったと思いますが、そういう際にあなたの方は、そういう点について担当している建築局に対して、このような工場より有害な汚水が出る場合には、農業なり漁業なりの方の責任者として、自分の方に相談ですが、そういうことをしてからやれということを、今まであなたは主張なさったこともないですか。
○関参考人 これを機会に厳重にそういうことを励行するように必ず実施するようにと申し伝えております。
○小平(久)委員 はなはだ不満足な御答弁です。私は都のお役人の方を責める資格はないから、別に責める意味で言っているわけではないが、ずいぶん都庁内ではうかつな行政措置をやっているものだとあきれているくらいですが、今度のことで初めてそういうことに気づかれたか。
○関参考人 もしそういう危険があると思われる場合は、常に連絡するようにということは前もって言ってございます。さらに今後一そう厳重に抗議するようにというように申し伝えております。
○小平(久)委員 これ以上私は追及いたしませんが、これは片方の担当の方が出ていないところで片方の話を聞いても納得できませんから、いずれ日をあらためて一つ私もさらに調査したいと思います。
○長谷川委員長 吉川君。ちょっと申し上げますが、時間も相当経過しておりますので参考人の方もお疲れでございますから、あなたがお呼びになっている水産庁の西村次長、建設省の曽田河川局次長が来ておられますから、その方に御質問を願いたいと思います。
○吉川(兼)委員 それでは大へんおそくなりまして恐縮でございますが、簡単に一、二お問い申し上げたいと思います。本日の委員会の冒頭に浦安の組合長からもう少し詳しく聞きたいと思っておったが、急いでいたものですからあの程度しか聞けなかったが、あの辺の貝やノリですが、ノリはまだはっきりおもてに出ていないそうですが、もちろん魚への影響も大きいわけでありますから、こういうことに対しまして水産資源の枯渇という問題もあり、同時に漁民の生活が非常に困窮し、聞くところによれば、この問題が起りましてからさっぱり実入りがないので、つくだ煮などを自転車を借りてきてそれに積み、山梨、埼王、神奈川などにまで、にわか行商に行って、ようやく生活をしておるという話があるのであります。浦安の問題だけでなく方々にいろいろ問題があると思いますが、きょうのところは今度の汚水の被害による浦安の漁民を中心とし、広くは沿岸漁業の全体にもわたってよろしいので、この汚水による悪影響をこうむっている漁民及び漁業に対しまして、水産庁はどういうふうなことを考えおり、また今までどういう処置をとっておりますか、簡単にお答え願いたい。
○西村説明員 お答えいたします。ただいまの御質問はだいぶ広範な問題を含むと思うのでありますが、沿岸漁業が水質汚濁によって、特に工業の面で著しいと思いますが、非常な被害を受けておる。たとえば昭和三十一年中、件数にして四百七十八件でございます。金額も相当に上っておるということは、先ほど通産大臣もおっしゃったように避けられない宿命かもしれませんけれども、何といたしましても、その被害をこうむる漁業者は沿岸のいわゆる零細な漁業者であるわけでりあります。従いましてわれわれといたしましては、それらの多数の沿岸の漁業者の生活を守る意味におきまして、単なる漁業生産という意味ばかりでなく、漁民を守るという意味で、そういった水質汚濁というものが発生しない以前に防ぐもっと有効適切な措置がとられなければならないのじゃないかということで、せっかくわれわれの方も関係各省と連携をとりつつ、その辺を考究いたしております。さらに問題が起った場合におきまして、その問題をできるだけ円満に、しかもすみやかに解決するという方策もあわせて考えておく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えております。
 それから一般的に申し上げまして、そういった沿岸漁民対策というお話でございますけれども、そういう水質汚濁というものを防ぐ半面におきまして、やはり沿岸漁業の振興ということは大事であります。たとえばこの具体的な浦安につきましては、あの江戸川のみお筋は非常な稚貝の発生地でありまして、あそこで稚貝が発生して他の方にも移出しておるような場所である。非常にいい漁場である。そのためにわざわざあの地先水面に水産資源保護法に基く保護水面を作り、浦安の地先につきましては国庫から六十八万円ばかり昨年度補助金が出ております。それから葛西浦の地先にも何がしかの補助金が出ております。しかしこうなった事態におきましては、われわれの方といたしましては都なり県と十分連絡をとりまして、あそこは何と申しましても稚貝の発生地でありますので、これが絶滅しますと、ことしの貝はともかくとして、来年からの貝が、これは一浦安のみならず、他の浅海のあそこの恩恵を受けておるところの沿岸についても類を及ぼす問題でありますので、何とかあそこを耕転するなり、いろいろ現場を調査して適切なる対策を立てたい、こういうふうに思っております。
○吉川(兼)委員 もう少し聞きたいことがありますけれども、時間がないそうですから、次に建設省の河川局の方に伺います。何といたしましても河川に関することは一番関係があるのは建設省で、河川に対する総合行政はあなたの方が握っておると思いますが、あなたの方としては、このたびの江戸川汚水事件が起りましてから、どういうふうな観察を持ってどういう処置をとっているか。たとえば現場に行って何を調べたとか、その他きっといろいろなことをやっておると思いますが、要点を簡単に。
○曽田説明員 河川局の次長でございます。ただいまの御質問でありますが、河川局といたしまして、特に河川管理者といたしましては、水質の清潔ということが非常に重要な管理上の問題になっております。河川法にも、非常に古い法律でございますが、第十九条に清潔に関しまして許可制限等の措置をとるような規定がございます。それに基いて各府県におきましても、必要な場合におきましては府県知事の許可を受くべしという、これも非常に古い法律でございますが、そういう規定もございまして、いろいろその運用をやって参ってきておるわけでございますけれども、非常に法律も古うございまして、規定も非常に抽象的であり、現在におきましてはあまり実効のないようなものになっております。従いまして、制度的な問題といたしましても数年来からいろいろ検討を加えて参っているわけでございますが、特に保健衛生あるいは農林水産、鉱工業等非常に各産業にわたっておる問題でございまして、建設省だけにおきまして、河川法の改正とか、それだけのことではなかなか所期の効果をおさめ得ないことでございますので、いろいろ各省と意見の交換をして参っている状態でございます。特に問題になります点は、河川法に限りませず、いろいろの法律がございまして、たとえば水産資源保護法という法律もございます。その問題になります点は、水質をどの程度のものにまで維持すべきであるかという基準が実はまだできておりません関係上、はっきりした許可とか、あるいは制限の基準の問題が実はきまっていない、そこが今までのあります法令の非常な欠陥でございます。従いまして、各省にもまたがります問題であります関係上、経済企画庁を中心といたしまして適当な法律を作りまして、その中におきまして、水質のいわゆる許容基準というものをすみやかに作る、その基準に基きまして――各省それぞれの関係法令を持っておりますから、その法令に従いまして実行に移す、そういうふうに考えておりまして、なお各省といろいろ相談中でございます。
 制度的な問題は以上でございますけれども、それ以外にやっておりますことは、第一に、たとえば東京におきましては隅田川の浚渫工事、これは非常に泥土がたまっておりまして、メタンガスを相当発生いたしております関係上、水中の酸素が非常に欠乏している。そういう意味もありまして、ことしにおきましては大体一億二千万円の補助事業で隅田川の浚渫をやることになっております。それから現在問題になっております江戸川もそうでございますが、特に汚濁のひどいと思われます江戸川、隅田川、大阪におきましては淀川、それから福岡におきましては遠賀川、こういう河川につきましては、いろいろ水質の実態調査を本年度行いたいと思います。これによりまして各重要河川の水質の現状を大体把握いたしまして、これを参考といたしまして、先ほど申し上げました水質の許容基準というものの制定の資料といたしたいというふうに考えております。
 問題の本州製紙工場の場合でございますが、これも制度的に申し上げますと、工場公害防止条例とか、あるいは河川法に基きます東京都の規則とかいろいろ出ておりまして、それに基きます河川関係の許可を受くべきだと思っておりますが、これはいろいろ聞いてみますと、その当時、大体無害であるというような情勢判断から、そういう河川法に基きます許可は出て参っておりません。ああいうような事件になりまして、われわれといたしましてもいろいろ情報は聞いて参っておったわけでございますが、いろいろの指示を工場側に都側からも与えております。たとえば工場公害防止条例に基きます許可に当りましては、もし損害が起ったならば工場側は全責任を持つ、あるいは六月の初めにおきまして、口頭で一応設備の使用の停止を申し入れておるというふうに、口頭でいろいろ申し入れをやっておったようでございますけれども、われわれといたしましては、河川管理上の問題もありますし、文書で正式にすみやかに出すべきであるというような意見をもちまして、東京都の河川管理者を呼びまして、六月十一日のああいうような東京都から文書によります問題の設備の使用停止という申し入れをしてもらったわけであります。それに対しまして、会社側からは、六月の十六日に、東京都知事の意見通り、東京都の――貴庁側が適当と思われる除害設備ができますまで、その設備の使用を停止しますという請書が参っております。今後とも、われわれといたしましても、河川管理という立場におきまして、指導をして参りたいと思います。
○吉川(兼)委員 今の河川法の問題は、あなた御自身が言われるように、あれは明治二十何年ごろに作った法律じゃないかと思うのですが、そういう法律だから、現代とはニュアンスもすっかり変っているのじゃないかと思うのです。従って、あなた御自身もお認めになるように、工場側も河川法による許可は受けずに始めたということなんであります。そこで、水質のある程度の清浄度を確保するという問題は、これはぜひ必要だと思います。これは後ほど企画庁の方に伺いますけれども、政府の法案は万一この国会に間に合わなくても、次の国会には必ず出てくるようにしてもらわねばなりません。ただ、これは私の杞憂かもしれませんが、どうも昔からあることだが役所の間のなわ張り争いというものが、何といっても一つの抜きがたい日本の役所の伝統みたいなものになっており、建設省では河川の総合行政というものはおれの方でやるのだ、こういうようなことを固執されて、そのことも、各省間にまたがります意見の統一を欠く一つの素因となっているようなことがもしあるとすれば――なければけっこうですが、非常に私は問題だと思う。水質汚濁を防止する法律案については、私どもの情報として聞いておるところでは、あなたのところが総合行政権を主張しやしないかということ、それから一方は水産庁で少しまた異論をとなえておるということ、そういうことなどは一つこの際大局から見て、早く政府の方で案を出すようにしてもらいたい、そうすれば私どもとしては多少の不満足なところはがまんしてでも、早急に法律を作っておき、だんだん実情に合うように改めていくべきだと思うのであります。その法律案が各省間の協議に上った際には、ぜひ一つ積極的に協力するように希望いたします。答弁は要りません。
 そこで、企画庁の調整局長にお伺いしたいのですが、いわゆる水質汚濁防止に関する法律ですか、これについては、なかなか苦労しておるようだけれどもいまだに提案するに至らぬという実情にあるようですが、そうしたところに、今度のような問題が起りまして大問題になってきたので、今度はいい潮どきではないかと思いますが、どの程度の準備ができておるのか。法案の内容については私もやや知っていますから御説明はけっこうですが法案に対する政府部内の客観情勢とでも申しますか、各省間の空気と申しますか、そういうものと、それからできれば政党なんかとの関係、たとえばあなたが呼ばれて、こういうことを命ぜられたとか聞かれたというような事実があるかどうか。いやしくもこの法律がこの問題を契機としてどういう形にでもあなたのところから見て促進されておるのかどうかという事実があれば、それを伺いたいと思います。
○富谷説明員 去る二十八国会に提案すべく経済企画庁が昨年の三月から調整に当って参りましたけれども、残念ながら二十八国会にはついに上程に至りませんでした。これは何も各省間のセクショナリズムによる紛糾とかそういう問題ではなくて、あの法案をさらに内容を徹底させてより効果の上るようなものにしたいというような強い希望がありましたために、そのための調整に手間取っておったわけであります。今回のような事件が起きておることでありますので、私どもといたしましてはおそくとも次の通常国会には間に合せるよう、現在も引き続いて検討中であります。それぞれの関係省にはまだ正式のお話を申し上げておりません。
○吉川(兼)委員 それではしり切れトンボになったようで残念ですけれども、浦安の柳町さんにちょっと伺っておきたいのですが、あなたを初め四十何名かの重軽傷者、百五十名からの負傷者の今日の状況はどういうところですか。たとえば佐藤さんなんてどうしてもきょうこれないとおっしゃってくるくらいですが、それと、それから何としてもこの事件は警察の行き過ぎが非常に大きいのです。しかしこの委員会はそれを究明する委員会ではありませんから、私はあまり論及しておりませんが、弁護士などはいろいろ研究しておるやに聞いておったのですが、警察に対して告訴告発というような手続をあなたの方でとっておられるかどうか、その点をちょっと伺っておきたい。とっておればその日時を一つ明確に……。
○柳町参考人 ただいま吉川先生の質問に対しまして私の知っておる範囲内におきましてお答えしたいと思います。ただいま吉川先生が申し上げられた通り、百数十名の者が大体負傷しております。四十数名の人間は二週間以上、私と佐藤金蔵さんの二人が二カ月、その他の方はその後の診断によりまして二カ月を要するという診断がされておる人もおります。しかしそういう方たちの名前をここで一々申し上げるのは、はなはだ遺憾でございますが、名簿を持っておりませんので、その点は御了承置きを願いたいと思います。
 きのうこの商工委員会に出席するようというので、ただいま委員長さんの長谷川四郎さんの名前で私と佐藤金蔵さんが呼ばれております。私は自分は出席できるがと思って実は役場へ行きますと、役場へ佐藤さんの兄さんである佐藤国蔵さんという方が、実はきょう商工委員会があるから、あすの午前十時までに来てくれというので実は電報を受けましたが、私本人でないので――実はその人の話では多分きのうということだったと思いますが、きのうも法務委員会から参考人として呼ばれたのですが、あとで聞いたのですが、遺憾ながらあばらが食い違いになっておりまして、昨晩もそのために非常に苦しみまして、今回参考人として出席しまして自分のあの当時のあり方をはっきりと皆さんに聞いてもらって、ほんとうのことを聞いてもらいたいのだが、遺憾ながらそういうために出席できないので、とりあえず院長先生がお断わりしたということを私は聞いております。まことに残念だということを、けさも私治療を受けに行きまして聞いて参りました。そういうわけで佐藤金蔵さんはもしかすればあるいは命にかかわるというような状態に至らないとも限りません。場合によりますとこれは手術をしまして、そうして何か骨をつけるとかいうようなことも聞いておりますが、そういうような実情でございます。
 それから最後の告訴の問題でございますが、私たちは警察官がわれわれに対してこうした行動に出て、こうした暴力をふるっていいか悪いか、そうして今後われわれ国民に対するこうしたことが泣き寝入りさせられていいか悪いかということによりまして、でき得るだけ訴えをしまして、この黒白をつけたいというために、私は告訴をしたいと思っております。町でもそれに準じて告訴をするというような運びになっておりますが、まだいつ告訴をする手続をとるか、その点については町当局とよく御相談申し上げなければ、私にはその点はここでお答えすることはちょっとできませんから、それで御了承願いたいと思います。
○吉川(兼)委員 私は別に告訴を勧めておるわけではありませんが、こんどのことはいわば遭難事件でございまして、働く人が働けなくなっているということばかりでなく、からだの苦痛等も大へんでございましょうから、お帰りになりましたら、くれぐれも御手当に専念されて一日も早く生活戦線に復活なさいますよう、どうぞよろしくお伝え下さい。ただあなた方の告訴、告発にかかわらず、われわれはあくまでも国会の各委員会を通じまして、大いに警官の行き過ぎ、警察のあり方等については究明をするつもりであります。
 そこで法務省の刑事局の方にお伺いいたしますが、検察庁でだいぶ取調べをやっておられるようでありますが、身柄だけは拘束しないで調べておるようでございますが、これはまだ続くのでございますか、一応打ち切ったのでございますか。それから調べた者の処置等についても何かきまったものがあれば、簡単でよろしゅうございますからお聞かせいただきたいと思います。
○川井説明員 警察の方から送致を受けて身柄拘束の必要がないということで直ちに釈放いたしまして、不拘束の格好において取調べ中であります。捜査はまだこれから続いていくわけであります。
○吉川(兼)委員 それで私は最後に会社関係の方に申し上げておきたいのです。実は私はもう少し突っ込みたいと思って、いろいろな材料を持って参りましたけれども、先刻来あなたの御答弁を伺って、少からず遠慮をいたしてきょうは質問したわけです。遠慮いたすことは何もないのでございますけれども、非常に良心的のようでありますから、時間もないし、結果がこういうことになったわけですが、これは答弁要りませんが、私ちょっと最後に申し上げておきたいことは、こういうところへ来て、反省し、前非を改めればいいかというと、今度はそういうような問題でないことはおわかりのことと思います。機械設備とかいろいろなことで相当お金も投じたようだし、この経過を見ましても、操業を始める、また途中においては再開するに大へん急であって、ますます問題を悪くしておるというふうに私は考えますが、それは会社の経営関係等からいいまして、大へん金のかかったものだからいつまでも遊ばしておけないという事情はありましょう。これはわからぬではございませんけれども、そういうことよりも、非常に失礼な言い方かもしれませんけれども、本州製紙という一個の会社の存立という問題よりかもっと大きな問題が、この悪水の放流には、直接影響するものがあるという御認識をお持ちいただきたいと思うのです。交渉の経過を見ますと、漁民を非常に甘く見ており、また都庁その他の役所関係も甘く見ておったのではないかと思われる節があります。時間があれば、その点等も私は詳細に指摘したいのですけれども、そういう指摘の時間はありませんから省きますが、事態を甘く考えず、また会社のこともそれは会社である以上はお考えになるのは当りまえですが、それよりももっと大きな問題が、この問題の背後に提供されておりますというこのことに対する御認識を一つ十分に賜わりまして、社長さん等にも十分にそれらのことについてのお話をなされるべき必要が、会社のためにもあるのではないかと実は考えます。ここまで来たことでありますから、一応聞くべきことは開き、処分すべきものは処分するというような、本来の問題とは別な幾多の問題がありましょうが、そういう展開するあとを通じて、どうか大きな意味における今日の時代の要求に御協力をいただきたいということを希望申し上げておきます。答弁は要りませんから、どうか一つお帰りになりましたら、このことをお伝え願いたい。
○長谷川委員長 参考人の方々には長い間ほんとうにありがとうございました。両者とも議会で今日の問題になっておることはよくおわかりだと思うのでありますが、今後さらに慎重を期して、この問題のすみやかに解決されんことを希望いたします。議会といたしましても、皆さん方から御意見等を十分賜わりましたので、今後これらの問題の解決の一日も早からんことを望みたいと考えております。ほんとうに御苦労さまでございました。
 本日はこれにて散会をいたします。
    午後二時十六分散会