第029回国会 大蔵委員会 第11号
昭和三十三年七月八日(火曜日)
    午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 早川 崇君
   理事 足立 篤郎君 理事 夏堀源三郎君
   理事 福田  一君 理事 坊  秀男君
   理事 石野 久男君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 平岡忠次郎君
      内田 常雄君    鴨田 宗一君
      竹下  登君    濱田 幸雄君
      福永 一臣君    細田 義安君
      毛利 松平君    山下 春江君
      山村庄之助君    山本 勝市君
      石村 英雄君    大西 正道君
      久保田鶴松君    竹谷源太郎君
      廣瀬 勝邦君    松尾トシ子君
      山下 榮二君    山花 秀雄君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  山中 貞則君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      村上孝太郎君
        国税庁長官   北島 武雄君
        大蔵事務官
        (国税庁間税部
        長)      泉 美之松君
        日本専売公社総
        裁       松隈 秀雄君
        日本専売公社塩
        脳部長     小林  章君
    ―――――――――――――
七月七日
 委員鴨田宗一君及び橋本登美三郎君辞任につき、
 その補欠として加藤常太郎君及び石坂繁君が
 議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員加藤常太郎君辞任につき、その補欠として鴨
 田宗一君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員松尾トシ子君辞任につき、その補欠として
 大西正道君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員大西正道君辞任につき、その補欠として松
 尾トシ子君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
七月四日
 国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会
 の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)
 (参議院送付)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会
 の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)
 (参議院送付)
 税制に関する件
 専売事業に関する件
     ――――◇―――――
○早川委員長 これより会議を開きます。
 国有財産第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件を議題といたします。
 御質疑はありませんか。――御質疑がないようですから、本件に関する質疑はこれにて終了いたします。
 なお、本件につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
 採決をいたします。本件を原案の通り可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、本件は原案の通り可決いたしました。
 この際、本件につきまして山下春江委員より発言を求められております。これを許します。山下春江君。
○山下(春)委員 私は、ただいま可決せられました国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件に対して、附帯決議を付するよう動議を提出いたします。
 まず案文を朗読いたします。
   「国有財産第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件」に対する附帯決議案
  政府は、この議決に基く東京都港区赤坂一番大宮御所に係る財産の取得に際しては、大宮御所の現状にかんがみ、その庭園の整備について配慮すべきである。
 以上であります。
 その理由は、御説明いたすまでもなく御承知の通りでありまするが、近来、皇室では、外国の高官の訪問あるいは御招待等がしばしば行われておりますので、庭園が荒れ果てたままであることは、いかにもその品位を傷つけるように考えられること、もう一つは、日本古来の造園美術の粋を集めたまことにりっぱなものであるのに、あのように荒れ果てておることはいかにも残念なことと存じますので、これを整備することは非常に大切なことと存ずるのであります。
 何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。
○早川委員長 ただいま山下委員より提出されました附帯決議案について採決いたします。
 お諮りいたします。本附帯決議案を付するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、本附帯決議を付するに決しました。
 本附帯決議に対して大蔵政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。山中政府委員。
○山中政府委員 ただいまの附帯決議は、与野党大蔵委員各位が現地を御視察になりました結果付せられたものでございまして、大蔵省といたしましては、当然この決議の御趣旨に沿わなければならないと存じまして、さしあたり来年度より直ちに予算化するための努力を払うつもりでございます。
○早川委員長 なお、お諮りいたします。本件に関する委員会報告書の作成並びに提出等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
    ―――――――――――――
○早川委員長 次に、税制に関する件及び専売事業に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。石野久男君。
○石野委員 国税庁長官がお見えになっておりますので、お尋ねいたします。
 今、茨城県の古河市に飯島製糸という製糸会社がありまするが、この会社は、最近の製糸業界の不況のあおりを食いまして、ついに破産、倒産という形になりました。ここで今会社が破産するに当っていろいろと処理しなければならない問題のうちに、労働者に対する賃金並びに給与関係、また退職金関係の問題の解決が非常に困難な事情にあります。今労働者は協約規定に基く退職金の問題で係争を行なっております。会社の事情は非常に苦しいようでございまして、退職の調達方が困難なような事情もあるようでございます。その間製糸会社の持っておりましたかまの権利金を調整組合の方へ売りつけました。会社はこれを大体給与に引き当てる予定であったようであります。ところが、国税庁の方が、三月の終りのころに、この調整組合へ売りつけましたかまに対する権利金を、滞納税の引き当てとして、一応押えておるようでございます。そのために、全部ではありませんが、退職金の支払いに対して一応考慮しておったものが、支払い困難になる事情も出てきておるようであります。国が企業からの税金の取り立てをきびしくやることについては、私どもいささかも異議を差しはさむものではございませんが、従業員の諸君が、会社の経営からほうり出されなければならないというような事態に直面して、当然新たな職を見つけなければならないどいうような事情の中にありますときには、その会社との間に取り結んだ労働協約に基く退職金などは、当然その前に処理さるベき性質のものだと思っております。ところが、それが十分に支払われないということになりますと、労働者としても当然経営者に対してその支払いを要求することになると思うのであります。私は、この際、国税庁が今差し押えをしておりますこのかまの譲渡金に相当する三百六十六万円の金がございますが、この金を、一応差し押えの手続は済んだようでございまするけれども、労働者の退職金の引き当ての金に対して何か一つ考えてもらえないだろうかというふうに今思いまするので、一つ長官の御意見を承わりたいと思います。
○北島説明員 飯島製糸株式会社の問題につきましては、今から一カ月半くらい前でございましたか、飯島雷輔さんがお見えになりまして、そのときは実はかまの売却代金の保証としてもらった三百六十六万円というものは、飯島製糸のものではなくて、第二会社である亀屋商事のものであるというようなお話がございました。調べてみますと、やはり法律上亀屋商事の債権ではなくて、飯島製糸の債権ということがはっきりいたしました。この債権を実は関東信越国税局におきまして滞納税金の代金として差し押えているわけでございます。飯島製糸の滞納税金は、昭和二十四年分の法人税でございまして、千三百六十六万六千円という莫大な金額で、なおこのほかに執行停止中のものが千四百六十四万四千円ありますので、合計いたしまして滞納本税で二千八百三十一万円と相なっております。これに対しまして実は三百六十六万六千円の債権の差し押えをいたしているわけでございます。ただいま、石野先生のお話では、今度この飯島製糸が全面的に操業を停止いたしまして、従業員を解雇することになったので、その退職手当の二部に充てるため差し押えを解除して、国として譲歩してもらえないか、こういうお話のように思いますが、私も御事情を承わるとまことに御同情申し上げる点が多々あるわけであります。退職される女工さんに退職手当が十分出ない、一部分は労働金庫等からお借りのようでありますが、金額はどうしても出ないという場合に、何とかできないものかというような――私ども税務官吏も当然そう考えるわけでございますが、ただ、国が、二千八百万円のうち、とにかく現在執行停止中の千四百六十四万四千円というものを徴収するために、その債権三百六十六万六千円を押えているわけでありまして、当然とり得るのに、そういう事情によりまして譲歩することが法律上できるかどうか、またすることが行政上いいかどうかという点になりますると、これはまた実は非常に大きな問題があると思います。私も、これが自分の金ならば、いさぎよく譲渡いたしまして、女工さんに差し上げたいという気は万々するのでございますけれども、もし国が債権の差し押えを解除いたしまして、労組の方にお渡しするということになりますれば、これはやはり国に損害をかけたということになります。そこで、私ども、やはり法の命ずるところに従いまして、当然とれるべきものが目の前にあるのに、それを譲歩してお渡しするということは、やはり私どもの責任を全うしているゆえんではないと実は考えておるのであります。ただ、事情が非常にお気の毒なように思いますので、一つ何とかできないものかときのうからさんざん考えたのでありますが、どうもやはり突き破れない壁がございます。そこで、大へんお気の毒には存じますが、このような国の立場も一つ御了察願いまして、他の方面で一つ金融の道をできるだけおつけ願って、退職される方に十分な退職手当を出せるようにということを、私どもは念願しておるわけであります。
○石野委員 私も、国がとり得る債権をとるということは当然のことと思うし、また事実上一応法的には済んだようでありますから、これを、むやみに法を無視して、労働者に気の毒だからということで、どうせよということは言いにくいと思います。ただ、しかし、このかまの権利を譲渡しますときには、会社としては労働者に対する給与の引き当てとして一応そういうことをやったわけです。いよいよ支払おうという段階にぴしゃっと押えられてしまった。そのために非常に困りまして、先ほど長官から話のあったように、茨城県の労働金庫が、そういう事情で労働者に対する給与であるから仕方がないというので、融通するという形をとりました。約四百万円くらいの融通をいたしまして、現在あれこれと処置して、なおまだ二百万円くらいの金を労働金庫に借金をしておるわけであります。問題は、そういうような事情の中で押えられてしまったものですから、会社としてはどうにもならぬということを言うし、労働者の側では、まだ二十才前の子供約六百人くらい、女がほとんどですが、これが約七十日にわたって、退職金問題が解決しないから、係争を行っております。その間、女の子供たちは、それぞれ手伝いに行ったり、畑仕事の手伝いをしたり、ミシンをやったり、いろんなことをして食ってはおるのでありますが、しかし、いつまでもこういう形はしておれないので、当然やはり会社の方としては協約に基くところの退職金を支給するということを決意しておるわけでございます。そういう中で、今問題になるのは、こうしたかまの代金を押えたというのは一日違いのことなんです。それを支払ってしまっておれば、実は押えることもできなかった問題ですが、それをぴしゃっとやられてしまったから、どうにも動きがとれないという実情です。これは何とか国としても――もちろんやはり国は債権を取り立てることは大切なことでありますし、当然われわれはそれをやってもらわなければならぬと思います。しかし、企業がぶっつぶれてしまって、事実上全面閉鎖する、その中で働いていた女の子供たちがどうにも動きがとれないというような事情になりましたときに、私は何とか方法があったんじゃなかろうかと思う。時日の手当をするについても、期限的な問題でもずらし方が何かできなかっただろうかということを長官に考えてもらいたいのです。いろいろと問題もありましょうけれども、国としてもちょっと酷なんじゃなかろうかというように私は考えますので、何か一つ方法を考えてもらいたいと思いますが、方法はないでしょうか。
○北島説明員 昨日からみなで額を集めまして相談いたしましたただいままでの結論は、どうもお気持はわかるが、国として放棄しがたいということではございましたが、さらに、お話もございますので、もう一ぺん一つよく検討いたしてみます。しかし、おそらくは御満足のいくようなお答えはできないかと存じます。
 この飯島製糸の経営者は、昔から名立たる地方の有名な企業家でございますので、私は、もし飯島雷輔さんが御奮発なさったら、あと残りの四百万円は出るのではないか、こう考えております。その点いかがでございましょうか。国としてはできるだけのことはいたしますが、できないことはどうしてもできません。検査院であとで指摘を受けまして、決算委員会でしかられるのが落ちでございますので、そういう点はあしからず……。
○石野委員 いろいろと問題がありましょうから、やはり国税庁の方としても方法を考えていただいて、法は理で解かなければなりませんが、一面においては道義の面も考えて情理の面から法を解釈することも一つの方法だと思います。何か一つ考えられる施策をしてもらいたい。これは一つ、大蔵省の方としても、次官にもそういう点についての配慮をお願いしたいと思います。次官の御意見も聞いておきたい。
○山中政府委員 石野委員の御発言の内容並びにその趣旨は、私も十分了とするところでございますが、ただいまの国税庁長官の立場も、一たん法に基きまして執行いたしております問題をどのように取り扱うかは、非常な問題があるとも考えますし、そこらの点をまだ情状検討する余地があるかどうかについても、私もタッチいたしまして、一緒に相談をしてみたいと思います。
○早川委員長 石村英雄君。
○石村委員 塩の件につきまして、専売公社の総裁にお伺いします。
 まず、簡単に一つ今年の塩の需給状況についてお話を願いたいと思います。
○松隈説明員 本年度の塩の生産見込みと申しますか、収納予定は、国内塩の収納としては百九万四千トンを見込んでおります。輸入塩の購入といたしましては二百六万トンの予定でございます。
 それから、塩の方の売払い代といたしましては、一般用塩として百七万六千トン、ソーダ用塩といたしまして二百六万六千トンを見込んでございます。
○石村委員 われわれの手元にきておる三十二年度予算の説明書を見ますと、三十三年の塩の購入、製造数量として内地塩が百十三万六千トン、これは何ですか、ただいまの数字とちょっと違いますが、この内地塩の、ただいま百九万四千トンとおっしゃったのは、ことしの生産高という意味なんですか。こちらの予算の説明の買い入れというのはとにかく買う数字だ、こういう趣旨なんですか。
○小林説明員 ただいま総裁が申し上げましたのは、おっしゃる通り全生産量でございまして、この百九万トンのほかに、公社の直営製造工場がございますが、その分を合せまして、百十三万トンになるわけでございます。
○石村委員 塩について、特に食料塩は、二十八年ごろにも、前専売公社の総裁は、食料塩だけはぜび自給したい、そういう悲願を持っておるという御説明もあったのですが、これで見ますと、国内の食料塩は現在では自給できることになっておる、こう理解していいわけですか。
○松隈説明員 本年度百十三万程度の塩ができますれば、大体において広い意味の食料塩は内地製塩で間に合う、こういう見通しを持っております。
○石村委員 今日の生産能力等から考えますと、まずこの程度で、これから国内塩がさらに増産されるという傾向はないわけですか。
○松隈説明員 本年度といたしましては、百十三万程度でありまするけれども、現に許可をしてありまして、たとえば工場の新設とか塩田の造成の進みつつあるものもございまするし、その他製塩技術の進歩というようなことからいたしまして、明年度以降においても、現在のままでありますれば、内地塩は増産になる。こういうことのために、新たに内地でできまする塩を食料塩に向けるほかに、一部をソーダ工業に使う等、新しい需給対策を立てる必要がある、かように考えておる次第でございます。
○石村委員 昨年も塩についてずいぶん問題がありまして、価格等につきましても、昨年の今ごろでしたか、一へクタール当り百トンとか何ぼかに制限して、それ以上の生産せられるものについては価格は安くなるというような案もあったようですが、昨年の暮れですか、価格が変更されたと思いますが、あの変更の価格はどういうふうにしてできた価格ですか。ただ一般的に一万何ぼというようにおやりになったわけですか。
○松隈説明員 昨年度におきましても、塩の増産の傾向からいたしまして、塩の価格を一本価格できめるがよいか、あるいは、ただいまおっしゃったように、一ヘクタール当りの一定数量を限って、その数量以内とそれを越える場合とにおいて価格を異にするという、二重価格の考え方をとったらいいか、こういうことを考えた時期もあるわけでありますが、この二重価格制をしきます場合における一ヘクタール当りの塩のトン数をいかにきめるかということについて、相当業界にも問題が出まして、これらの点が十分に結論を得るに至りませんでしたので、その点は追っての研究ということにいたしまして、昨年の暮れにきめました収納価格は、その前年度と同様な方式のもとに、全国を一本の価格としてきめた、こういうわけでございます。
○石村委員 いずれにいたしましても、多年の念願がかなって自給ができるようになった。自給ができるようになったら、今度は専売公社の方で赤字になるということで、この予算の説明書を見ましても「国内塩の増産等による赤字が生じた」というようなことが書いてあるわけで、公社としても非常にお困りだと思います。いずれにいたしましても、現在の設備だけでも、流下式が公社の予想せられた以上の生産能率を上げておるというようなことで増産されてきておるわけですが、こういう状況にあって、一部能率の悪い塩田の整理ということも起ってくると思うのですが、やはりこの塩田の整理というようなお考えをお持ちですか。
○松隈説明員 ただいま御指摘の通り、国内塩が増産になりまして、国内の食料用としてまかなう以上になお増産になります傾向ができますので、公社といたしましては、この際少し先の見通しといたしまして、長期的な塩の需給対策を考える必要がある。そういうことになって参りますと、一部をソーダ工業用に回すのでありますが、なおかつ塩ができ過ぎる、こういうようなことになりますれば、非能率塩田の整理というようなことも考えなければならぬ。それから、ただいま御指摘のように、内地塩が増産になりまして価格の安い外塩と置きかえられるということになりますれば、その程度に従って、現在のような価格制度をとっております限り公社の塩会計に赤字が出ますので、この赤字も、恒久対策といたしましては、何年か先には赤字がなくなるというような方向で考えなければいけないのじゃないか、かように考えます。そうしますと、これは塩業政策としての一大転換であり、しかも現在ばかりでなく将来までの需給を見通しての対策を立てる、こういうことになりましたならば、公社の考えだけをもって立案いたすということでは大局を誤まるおそれもありまするので、広く各界の有識者の意見も聞きまして、これらの諸問題について適切な御意見を伺いたい、かように考えまして、従来ございました塩業審議会を改組拡充いたしまして、これらの問題を諮問申し上げまして、その意見を聞く、こういう取り運びになっておるわけでございます。
○石村委員 ただいまの総裁の御説明では、いかにも今までについてはそんなことはないというような御説明ですが、この予算の説明書にありますように、増産に伴うて赤字が出た――昨年この委員会でいろいろ審議したときにも、先ほど総裁の御説明の中にもありましたように、従来安い外塩でやっておったものが国内塩に置きかえられて、食料塩の自給ができることになった、その結果赤字が生まれてきたんだというような御説明だったと記憶いたしております。ただいまの総裁の御説明では、もしそうなったらという、これから先の問題のように御説明なんですが、昨年からこういう問題は事実上発生しておったわけなんじゃないですか。
○松隈説明員 昨年度におきましても塩の増産が相当ございまして、三十一年度は六十七万トン程度ではなかったかと思うのですが、それが三十二年度は八十六万トン程度までふえまして、従って、やはり外塩と内地塩の置きかえの関係で、三十二年度におきましては、塩会計においては約十一億円の赤字を生じたわけであります。それがさらに、先ほど来申し上げます通り、本年度においてはなお一そうの内地塩の増産になる、こういうことからいたしまして、約二十六億程度の赤字を見積らざるを得なくなりまして、その数字は予算書にもお示ししてある通りでありまするが、こういう状態でどこまでもいけるかということは、これは塩会計にとりまして、また公社としての事業全体の上からいって大問題でありまするために、ここに塩の将来の需給を見通し、そうして非能率塩田を整理できればする。それから収納価格の引き下げを行いたい。しかし、これらのことはすべて関連をし、ことに将来にわたっての見通しのことでもありまするので、先ほど申し上げた通り、塩業審議会の意見も聞いて立案をいたしたい、将来の三十四年度以降の問題として立案したい、かように考えておるわけであります。
○石村委員 われわれ社会党は、今日の塩業問題は非常に心配いたしまして、なかなかこれは公社だけではこの解決がむずかしいんじゃないかというので、昨年も、社会党は、正式な官制に基く塩業審議会というものが作られて、根本的に検討された方がいいだろうというような意見も申し上げたこともあるので、公社内部の塩業審議会もその第一歩としてけっこうだと思うのです。しかし、いろいろ聞いてみますと、どうも公社の方針というものが、もちろん審議会で根本的な方針が確立されなければやれないという面もあるかと思うのですが、現在すでに、現在の塩田でかなりな過剰状態になるという状況がわかっておりながら、聞けば最近豊後高田とかあるいは愛媛県の多喜浜というところが、これから新しく流下式に転換をどんどんやる。これは大分県、愛媛県ですが、いろいろ自然の条件はあまりいいところじゃないので、今度豊後高田のようなところで流下式にしてどんどんやりましても、香川県とか岡山県、そういうようなところに比べれば、相当非能率な塩田ということに自然的条件からなるのではないか。そういうところを最近になってさらに新しく流下式に転換することをお認めになるということは、どういうお考えなんですか。前途がどうもいかぬということがわかっておるときに、非能率を予想せられる流下式をさらに金をかけて進めるということは、われわれには合点がいかないわけなんです。これはどういうお考えなんですか。また、岡山県にいたしましても、例の錦海湾の生産は数年前からやっていらっしゃるわけですが、まだ塩どめもできていないそうですが、それにしても三十億とか何ぼとかいう資金を投じてやっていく。現在の既設の塩田で過剰状態にあるにもかかわらず、非能率な流下式をやってみたり、新たに塩田を作って多大の金を投じてやるということは、われわれには理解できない。これはどういうわけなんですか。
○小林説明員 私からちょっとお答え申し上げます。
 ただいま御指摘の点はまことにごもっともな御指摘だと思うのですけれども、実は、御趣旨のように、昨年この塩の問題についてすでに方針をきめるときに議論がありまして、年末に実は公社といたしまして塩業者の代表の方々とも御相談申し上げまして、十二月十八日に一応今後の政策の基本方針ということで発表されたものがあります。その八項に、実はただいま問題になっておりまする整理の問題でありますが、「第二項の整備計画確定までの間は既許可のもの及びこれに準ずるものを除く製塩施設の新増設は行わない。」という項目がございまして、実はこれはずいぶんすったもんだの御議論があったのでございますが、結局根本的にそういう整備計画というものが具体化――何町歩に通じどことどこをどうするというような具体化の線が出るまでは、既許可のもの及びこれに準ずるものは一応は除く。御指摘の点はすでに許可済みで工事が進められております。こういうものは整理計画が具体化するまではそのままにしておこう。また豊後高田その他おっしゃいましたが、これは既許可に準ずるもの、これは実は昨年の初めに許可の方針ですべての作業が進められております。ただいろいろないきさつで法律上の形式的な許可ということがおくれておった。これは既許可に準ずるという言葉で言われておると思いますが、そういうものは除くということに、昨年の末に一応の方針としてきめられておりますので、御指摘の点まことに無理からぬことと思いますが、そういうような方針になっておりますので、現在そういう段取りで進んでおります。
○石村委員 私の聞いているのは、そういうふうにやっているのはなぜかと聞いている。前に許可したんだからそれをやるんだという理由を聞いているわけなんです。豊後高田とか多喜浜というのは、これが流下式になったら、香川なんかよりもさらに能率のいいすばらしい塩田となるとでもいうなら、また別かとも思うのですが、常識的に考えて、あのあたりは塩を作る自然の条件があまりいいところだとは判断できない。これは常識的ですが、公社の専門家としては、いや豊後高田は大へん高能率の塩出になるはずだ、一ヘクタール三百トン以上とれる塩田になるというのならまた別ですが、そうでないとすれば、たといかって許可を与えておったにしても、まだ着手していなければ、これは一時ストップさせる。これは、将来塩田の整理ということになれば、非能率なところを整理するということに当然なると思うのですが、そういうときに結局むだな経費をかけたということになる。この整理は、全然補償なしにやめさせるというわけにはいかないと思う。公社というか国というか、相当な補償金を出さなければならない。むだな経費をかけて塩田を作り上げて、流下式にしてしまって、それでそれをすぐやめさせなければならぬだろうと予想されるようなところで現在やらせるということは、どうも合点がいかない。これは総裁から説明をお願いしたいと思います。
○松隈説明員 ただいま御指摘がございましたけれども、塩の問題について、昨年すでにいかなる政策をとるべきかということが問題になりまして、公社も塩業者の代表と相当長い期間にわたって話し合いをしまして、ただいま塩脳部長から申し上げましたような生産対策の一応の案ができて発表されたわけであります。その際におきまして、塩業者の方からの意見で、既許可のもの及びこれに準ずるものはやらしてほしい、いずれこの生産対策というものは、仮のと申しますか、一時的なものであって、将来にわたる確定的な対策ができると思うけれども、それまでには相当の時間がかかるであろう、そうすると、その間許可をもらっておって、すでに投資もしておる、それをストップされたのでは困るということで、やらしてほしいという意向があって、そういうものについてはやむを得ない、例外として認めようということ、これは塩業者の方の希望もあり、公社も、塩業者のせっかくの希望であり、ことに許可しておるものを、許可を取り消すとかあるいはストップをして、またすぐに損害を与える、こういうことも問題でありますので、こういうことで話し合いを取りまとめて発表いたしたということの結果、現在引き続いて行われておる、こういうふうに御了解を願いたいと思います。
○石村委員 最近流下式に転換してきたというこの分についての資金は、農林漁業金融公庫の資金が出ておるのですか。それを出すことを公社としては書類か何か作っておやりになったのですか。それをおやりになったとすれば、昨年の今ごろでもそういう処置をおとりになったので、金は出てしまったあとなのですか。
○小林説明員 そのことにつきましては、農林漁業資金は公社のあっせんで出ております。ちょっと今こまかい数字は忘れましたけれども、全額ではありませんが、昨年度分までは出ておるはずです。なお、こまかい数字等につきましては、調べましてまた申し上げたいと思います。
○石村委員 どうもはっきりした御説明がないのですが、総裁の御説明でも、塩業者の希望だ、こういうことなのですが、それは塩業者はあるいは希望し、やめるときにはおそらく国家から補償してくれるだろうから、まあやってしまえというように考えるかもしれません。この投下資本というものは、一年塩を作れば一ぺんに全部回収されるものなら、それはいいかもしれませんが、塩田のようなものはそう簡単に一年ぐらいで回収されるようなものじゃないわけです。それをあるいはやめさせなければならぬかと思われるような地域のところでもって、こういう状態で、さらに引き続き希望だからやらせるというのはあまりにも安易な考え方ではないかと思うのです。公社がお出しになるにしても、あるいは国が金を出すにいたしましても、結局これは広くいえば全部国の金なのです。いわばみな国民の金なのです。それをいわばむだなことに使われるおそれのあるときに、これをストップするということは、それほど支障のあることじゃないと思うのです。国民に忠実なら、まあ今はちょっと待て、どうなるかわらないから、従来通りの製塩でやっておいてくれ、こういうくらいのことは言えないはずはないと思うのです。それを、大金をかけて、最近になって流下式に転換させる。それは業者の希望だから、まだ根本政策が立たないからしようがないのだ、根本政策は審議会に頼んで立ててもらうのだ、それまではまあそのままでいきましょうでは、専売公社は、失礼ですが、総裁は、子供か何かが総裁にすわっておるようなもので、何ら判断力も何もないとの酷評も生まれざるを得ないと思う。そんな方だとは思わないわけですが、どうもただいまの御説明では合点がいかなない。どういうわけでこれをストップさせられなかったのか。錦海湾なんかでも、これは岡山県ですから自然条件はいいかもしれませんが、大金をかけておやりにならなければならない。一方で、従来のすでに今まで多年やっておる塩田業者というものは、こういうものが新しくできてくれば自然淘汰されるわけです。それをあえて大金をかけて錦海湾というようなものに塩田を作らなければならないということも、理解できないわけです。錦海湾にしても豊後高田にしても、そういう転換をどんどん公社が認めてやらせる、しかも資金の援助の世話までするということは、どうも合点がいかない。これは自由企業ならやむを得ません。勝手にやるならやむを得ませんが、公社がいろいろな制限を加え得る立場にあって、そしてそれをそのまま――もう去年の今ごろからすったもんだやっていた。でき過ぎて困る、今まで外塩でやっておったやつも国内塩に転換しなければならない、それで赤字はふえるといって、いろいろ皆さんも御苦心なさっていろいろおやりになったのですが、それにもかかわらず、最近、今年になって流下式の転換を世話をしてそれも資金の世話までしてやらせるということは合点がいかない、納得できないというのです。もっと突っ込んだ御説明をお願いしたい。
○松隈説明員 おっしゃること、ごもっともな点があるのでございまして、公社といたしましてはおっしゃるようにできればよろしいと考えるわけでありますけれども、一方また、許可を得た人の側から申しますと、許可を正当に得たのを取り消されるということになると、これは権利の保障も何もない、損害はどうしてくれる、こういうことになって参りますと、これもまた問題で、おそらく、そういうことをしましたならば、今度は反対の立場から、公社が勝手に見通しを誤まって、多くでき過ぎた、途中で許可してあるものを、事業を継続してはならぬというふうなことを言って、ストップした場合においては、その損害はどうするのだ、こういうようなことで、またあなたのおっしゃったことと全く反対の立場から、公社の攻撃といいますか、公社のやり方を非難された場合に、これはやはり憲法上許可された権利の侵害ということになりますので、やはり正当な権利を停止する、よってもって損害を与えるというのには、一定の手続を経て、法律的あるいは予算的措置等を講ずる必要があるかと思います。従いまして、塩田の整理をするというような場合におきましては、審議会に諮ってその御意見を伺い、どの程度の範囲まで整理するかというふうな意見が出ましたならば、それを中心といたしまして大蔵省と相談して、政府が起案して、法律なり予算なりの措置をとって整理をしたい、かように考えておるのです。従って、整理をしたいという考えは持っておりますけれども、これはあくまで、国民と申しますか、製塩業者の権利に関することでありまするから、慎重を期さなければならぬ。そこで、先ほど申し上げましたように、どんどん新しい許可をしたのではなくて、すでに許可を得て、権利を得ておるものが仕事を進めておる。もしくは、許可に準ずるものというのは、すでに公社の了解を得て、ただ手続だけが少しおくれておったというものでありますので、その準ずるものを加えましたけれども、要は、やはり許可を受けまして、そして平穏、公然と申しますか、当然の権利として実行しておるものでありまするから、これをやめさせる、あるいは工事の施行に停止を命ずるということについては、どうも公社の一方的意思をもって実行することは無理である、かように考えたので、そういう説明もいたしまして、塩業者の希望もありましたが、塩業者との話し合いにおいて、先ほど申し上げました臨時応急的な生産対策の中に織り込まれた、こういうわけであります。
○石村委員 公社の責任を追及せられたら反対の面で困るということですが、公社の責任というものは、すでに起っているのです。最初流下式に転換をするときには、流下式に変ったら百五十トンか百八十トンくらいがせいぜいだろうと思って、どんどん流下式にかわれかわれとおやりになった。ところが、実際は案外よけいできる、こういう状態になったわけです。流下式転換を進められるときは、赤字になって、今度は生産を制限しなければならぬというようなことは、全然予想してはいらっしゃらなかったはずです。ところが、これは責任といっても、実際やってみたらよくできたので、しょうがないといえばしょうがないのですが、しかし見通しを誤まったという責任はやはり免れないと思うのです。人間のすることですからやむを得ぬと思うのですが、もうすでにそのようになって、整理しなければならぬような状況が予想せられる。審議会に何もかもすべてまかしていらっしゃるようですが、審議会審議会とおっしゃいましても、公社としても一定の腹案か何かあるはずだと思う。何もかも審議会で全部作れ、私らはどうしていいかわかりませんというような、そんな審議会への持ち込みようはないと思う。おそらく公社は公社としての案はあるはずだ。そういう案に照らして、今までやっていないところ、許可は与えているがまだ着手していないというようなところについては、なるほど法律論からいえばその通りかもしれません。許可の取り消しができないということは、期限内に着工するなら、これはやむを得ぬかもしれませんが、しかしそこに話のしようはあったのではないかと思います。大へん憲法なり法律なりを尊重せられてけっこうですが、あまりに無計画というか、さっぱり将来の見通しはない、わからぬから、審議会できめてもらうまでは引き続き従来の線でいきましょうという、そういう点はどうですか。許可のときには、同時に農林漁業金融公庫の資金の世話ということもちゃんと行われておるのですか。許可の条件に、これを必ずやってやるということで許可をするのですか。資金の世話まで許可にどうしてもつけてやらなければならないわけですか。そういう法律になっているのですか。
○小林説明員 私から最後の点だけを申し上げます。許可の際に資金の世話をしなければならぬということは、法律では別にきめられてはございません。別途塩業資金として、農林漁業資金なり、また補助金なりの規定がありますので、許可の際には、そういう新しい施設をする、また施設を改造するという場合には当然資金が要りますので、そういう場合に必要な資金を、農林漁業資金なり、あるいは補助金なり――補助金の方は公社の予算から、農林漁業資金は、公社があっせんいたしまして、予算の範囲内において出す、こういうふうにいたしておるわけであります。出さなければならないということにはなっておりません。さよう御承知願います。
○石村委員 それなら、許可のときすでに全部の資金の手当を終っておったのかもしれません。それなら済んだあとのことでしょうがないということになるかもしれませんが、それでなければ、さらに資金の世話までしなくてもいい、また、こういう状態になって、以前許可を受けたものということで、実際農林漁業金融公庫の当事者としても簡単に金は出せないと思う。国がやらせることだから、国の責任として、公社の責任として保証金を支払わなければならないからといって、これからやるということに対してさらに金を出すということなら、金融公庫の当事者はちょっとちゅうちょするのが当然だ。国から払うんだからどうなったってかまわない、今どんどん出しておけということは、金融公庫がやるはずがない。それをやらせる、また公社が世話をするということは、どうも合点がいかぬことです。塩脳部長からでけっこうですから、資金関係をもっとはっきり御説明を願いたい。
○小林説明員 農林漁業資金につきましては、業者から公庫の方へ貸付申請をいたします。その際に、公社の方へも、その写しを、公庫の方へこういう申請をしてあるからということで、出されるわけです。それにつきまして、公社が、塩業指導また技術的な面等を見まして、妥当であるかどうかということを判断して、公社の意見を公庫の方に連絡する。公庫の方といたしましては、塩業関係の予算というものは大体毎年ワクできめられておりますので、そのワクの中で、公社の意見を聞いて最終的に決定されて貸し付けられる、こういう段取りになっております。本年度の農林漁業資金のワクは十四億。昨年はたしか十七億だったと思います。年度末に十億追加があったように記憶いたしております。大体そういうような数字で、そういうような手続を経て出されております。なお、補助金の方は、これは非常にわずかな金額であります。補助金は、御承知かと思いますが、改良補助金と災害復旧の補助金と分れまして、もちろん、災害復旧の補助金は、災害がありましたときにそれをカバーするためでありますので、常時というのではありません。改良補助金の方は、主として塩出防潮施設、たとえて申しますれば堤防でありますが、これは何と申しましても従来の塩出では生命でありますので、それに重点を置きまして、これは貸付でなく支給されております。この金額は毎年たしか一、二億かと記憶いたします。そういうわけであります。
○石村委員 私の聞いているのは、費後高田なり多喜浜なりに資金を出させる、そういう、公庫に対して公社としてこれは出してくれとあっせんをせられた日にちはいつか、こう聞いておる。そうしてそれは全部の、最近やっている分のものであるかどうかということです。
○小林説明員 ただいまの豊後高田につきまして御説明申し上げます。豊後高田の分は、先ほど申し上げましたように、昨年の四月に採択いたしております。従いまして、先ほど言いました、昨年末にきめられた方針による許可に準ずるものということに相なるわけであります。ちょっと先ほど御説明申し上げましたが、農林漁業資金につきましては、公社が専売法に基く正式の許可行為をする前に、農林漁業資金につきまして別途その申請の実情を調査し、なお農林漁業金融公庫と打ち合せしまして、大体年度内にこの工事に割り当てられるということをあらかじめきめるわけであります。その行為を一応採択とわれわれは言っておりますが、昨年の四月に採択いたしておりますので、従いまして、豊後高田につきましては、昨年末にきめられました方針による許可に準ずるものということになっておるわけであります。
 なお、先ほど私案は詳しいことはわからないので農林漁業資金が出ると申し上げましたが、ただいま係の方から聞きましたら、なお調査中でありまして、農林漁業資金から実際の貸付はまだ行われていないそでうであります。ちょっと訂正いたしたいと思います。
○石村委員 公社が農林漁業金融公庫に金を出してよろしいと言ったのはいつなんですか。
○小林説明員 その手続でございますが、実は、形式的には、先ほど申しましたように、地方局から農林漁業金融公庫の方へ正式のあっせんの書類を出す、業者から農林漁業金融公庫へ直接出す、別途公社の方の資料といたしましては地方局から地方局長の証明が出ることになっておりますので、確かな日づけは現在私の方ではわかりませんが、昨年末くらいに地方局の方から農林漁業金融公庫へ出されたのではなかろうかと思います。そういうような記憶がございます。
○石村委員 この豊後高田などは許可に準ずるもの、こういう条項に入るということでありますが、そうすると、十二月何日ですか、そのときには正式な許可はしていない、ただそれまでの交渉のりときに許可するだろう、こう考えておった、昨年の四月か三月か知りませんが、そのように内諾をしておったのだから、これはやはり憲法の保障する権利を守ってやらなければならぬ、こういった考えで処理なさったのですか。
○小林説明員 お答え申し上げます。
 豊後高田につきましては、これも御承知かと思いますが、昔からありました塩田でございまして、これを流下式に転換することについての許可の問題でございます。それで、豊後高田はもう古い、徳川時代からの塩出でございます。どこでも同じように、入浜式では置門並みの塩田に伍していけないので、流下式に転換したいという要求がございまして――もちろん豊後高田あたりは入浜式でもなかなか困難でございます。それで流下式に転換しなければならない。しかし、御承知のように、先ほど来御意見がありますように、必ずしも全面的に気候条件がいいというわけでもなかろうという配慮もあったかと思うのでありますが、昨年の四月にやってもよろしいということを一応きめたのであります。なお、地方局におきまして、この転換について、全面的に転換するよりも、いいところだけを転換した方がいいじゃないかというようなあっせんを現地で地方局長がやりまして、その結果非常におくれたのでありますが、昨年度の末になって、昨年の四月にいったときの全部ではなしに、たしか三分の二くらいではなかろうかと思いますが、整理をしまして、そこだけを転換するということにいたしたわけであります。従いまして、これは先ほど申しました条項に言う許可に準ずるものとそのものでございますので、それをそのままやらせた――それはやらすと申しましても、従来塩を作っておったのをそのまま流下式に転換してやる、こういうことになったわけであります。
○石村委員 この問題は、幾ら聞きましても、あなた方が適正な御処置をとっていらっしゃるとは、われわれは理解できないわけであります。今までの御説明では、なるほど無理もないというところには参りません。しかしこれはそのままにして次に移ります。
 このような過剰状態になり赤字が累積されてきたわけですが、今年の価格についてはどのようにお考えになっておりますか。
○松隈説明員 本年度の価格につきましては、近く塩業収納価格の審議会というものを設けまして、委員をお願いいたしまして価格改定についてお諮りしたい、かように考えて目下資料を集めつつあります。
○石村委員 昨年やはりこの委員会でやったときに、何カ年計画というわけで、年々下げて一万円くらいにするとかいうような数字をお出しになったことがあるのですが、今年度も昨年のように年々下げていく、現在の一万二千六百五十円を幾らか下げるというのでしょうか。その腹案はまだないわけなんですか。資料を集めるというのは、生産費の調査を今やっていらっしゃるという意味なんですか。
○松隈説明員 おっしゃる通り生産費調査をして資料を集めておりますが、塩の収納価格につきましては、昨年きめました生産対策におきましても、将来は塩の価格を漸次引き下げて、食糧塩についてはトン一万円程度にしたい、こういうことが方針として認められております。従って、公社もその方向に向って進みたいという考えであります。また、本年度の予算書をごらんになればおわかりになります通り、本年度においては年の中途から現在の収納価格を引き下げるという予定で予算が組んでございますので、公社としては引き下げたいという考えを持っております。
○石村委員 この生産費調査ですが、普通こういうものの公定価格をきめる場合は、生産費をもとにしてはじき出す場合には、過去何カ年かの平均生産費をとる場合があるのですが、塩については、いつも前年の生産費というか、その年の予想生産費というか、そういう一時的なものでおやりになるのですか。それとも過去五カ年あるいは三カ年間の平均生産費をもとにしてやるということなんですか。
○松隈説明員 塩の収納価格については、前年度の生産費の実績を基礎にいたしまして、それに本年度の計画等予想を織り込みましてきめるということを従来もやっておりましたし、本年についても同じような方針でいきたいと考えております。
○石村委員 そのようにしてできた生産費の昨年の御説明では、たしか七五%でしたか、バルク・ラインをそこに引いて価格を決定するという御説明でしたが、やはりそういうお考えを持っていらっしゃるわけですか。
○小林説明員 私からお答え申し上げます。
 ただいま申された数字につきましては、実は御承知かと思いますが、昨年度末に、塩価決定をとりました際に、塩業者の方からもこの生産費手続その他についてもなお研究してくれという申し入れがありましたので、生産費手続につきましては、すでに相談すべき点は相談し、改めるべき点は改めてやっておりますが、なお従来のバルク・ライン方式をそのまま本年度も踏襲するか、または、たとえば標準価格方策というような方式でやるか、目下のところそういう点については研究中でありまして、そのままバルク・ライン方式を踏襲するということにきめたわけでもないというのが現状でございます。
○石村委員 きめたわけではないかもしれませんが、審議会を作るというのですから、今きめてしまえば何も審議会にかける必要はないでしょうから、きめてはいらっしゃると思うのですが、少くとも公社の腹案はバルク・ライン方式というものがあるわけですが、かりに収納価格の審議会に諮問される場合の諮問価格というものにバルク・ライン方式をお入れになるお考えでしょうか。
○小林説明員 お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたように、実はその点につきましても、従来通りのバルク・ライン方式がいいのか、またその他の方式がいいのかということを答申する案そのものにつきましても、現在研究中というのが現状でございます。
○石村委員 研究中研究中で答弁を避けられては話になりませんが、一体去年のようなああいうバルク・ライン七五%というものが塩の収納価格をきめるについて妥当なものであるかないかということの御判断をお聞きしたいと思います。われわれしろうとが考えますと、七五%という線を引けば、それ以下のものはどうなるかということです。これ以下のものは生産費が一応償わないものが出てくるということが予想されなければならない。生産費が償わなければ塩業者は赤字になって、ちょうど公社が赤字でお困りになるように、個々の塩業者が赤字になって困るということができてくると思うのです。先ほど総裁は許可を与えたんだからその権利を奪ってはいかぬという御説明なんですが、おそらく、それらの業者が許可をもらった、あるいは流下式に転換するときに、公庫なり何なりにどのようにペイするかどうかという資料を作って出しておると思うのです。一応の収納価格というものを前提にして、こういう流下式に転換すれば、こういう生産ができて、どのようになっていくという見通しを立てて、公社は農林漁業金融公庫の資金を出させるだろうと思うのです。それがバルク・ライン方式と称して毎年かりに七五%、そうなると、もちろんこういう線を引かれれば、去年の説明では、そうすれば生産能率の悪いところが本気でやって今度はよくなるだろうというような説明ですが、毎年こういうものを引かれては、少しよくなったと思えばまた七五%で、やはり企業の較差というものはあるわけなんです。生産能率のいい悪いというのは自然に生まれるわけです。自然の条件というものが非常に左右するのです、こういう塩業については。これはどうしたって同じものになりっこないわけです、毎年々々七五%という線を引かれては、いつましでたったって浮べないものがやはり生まれてくると考えなければなりまん。一方では許可をしてやらせ、またがっては増産しろ増産しろといって作らせられた。こんな引き合わぬ仕事はやめようというのもやめさせないというようなやり方をしておいて、今度は少し余ってきて公社が赤字になったからというので、バルク・ラインというようなむずかしい言葉を使って、あまり生産能率のよくないのは自然にあきらめて死ぬるようにしむけるような収納価格の決定の仕方というものはわれわれにはどうも納得がいかない。やはりそういうようなお考えを持っておやりになるのですか。これが自由企業で、それが七五%程度で国内の必要な塩がまかなえるのなら、それ以上の生産費のかかるものはやめてしまってもいいかもしれません。やめると言っても一向差しつかえないかもしれない。しかし、塩業というものは自由企業じゃない。無理に――無理にと言っては何でしょうが、やめるというものに対してやめさせなかった。そうして国の金まで心配して増産しろとおやりになった。ところが、やった結果は、流下式の生産能率というものが、当初あなた方がお考えになっているものよりもうんとよくて、増産になって公社が赤字になった。そうすると、業者の方に許可の取り消しはしないが、価格を引き下げて、自然にやめるのを待つというようなやり方をおとりになっているのじゃないか、こう邪推をせざるを得ないわけです。従って、今度の価格について今検討中だということですが、去年のようなやり方はおやりになる、あの方式をとった方がいいとやはりお考えになっておりますか。それとも、こういうあれには欠陥があるから、あまり採用すべきでない、こうお考えになっていらっしゃるのかどうか。もっとはっきりした御説明をお願いしたいと思います。もう今ごろはそのくらいのものはさまっておると思うのです。まだこれから研究して、半年先になってまさかやるというのじゃないと思うのです。この委員会で研究中だと逃げればそれでいいというような、いいかげんな態度では困る。はっきりとそれを示して下さい。
○松隈説明員 政府が価格をきめますに当っては非常にむずかしいのでありまして、個々の業者について生産費を調べ、引き合うような価格で一々買う、こういう方式も一つの方式でありますけれども、これはまた業者も多いことでありまして、なかなかそういうめんどうな手続はむずかしい。それならば、地区別に価格をきめるかと申しますと、やはり地区の中でも優良生産者と能率の悪い生産者とある、こういうようなことになりますので、従来は一本価格ということにしまして、その一本価格ということになると、一番条件の悪いものを基準に価格をきめれば、おっしゃる通り最低のものといえども引き合うのだから、損をするものはない、こういうことになりますけれども、反面、弊害といたしましては、条件のいいものは国家の価格のきめ方によって、見方を変えれば不当利得――言葉は少し行き過ぎかもしれませんが、そういうような事態にもなる。こういうことになりますと、どうしてもある程度のところに価格の線を引きまして、そしてそれ以下の人は極力努力によってそこまで自己の企業の採算を引き上げる、こういうことにしないと、国家の価格であり国民の負担にもつながる価格のきめ方として、あまりにも甘過ぎるということにもなるのであります。そこで、先ほど来問題になりましたように、塩の方がだんだんに増産になって参りますれば、原則として生産費も下る、こういうふうに見られますから、暫定と申しますか、一応の取りきめにおいても、将来塩の増産と見合って、塩の収納価格は一万円まで引き下げるべきである、そういう方法をとるべきである、こういうことにもされたかと思うのであります。ただ、お話しのように、生産が向上しても毎年塩価の引き下げがあると、最低線のところを彷徨している連中はうだつが上らぬじゃないか、こういうようなことにもなるおそれがあります。そこで、今度は、一万円という収納価格を最終目的として達成しようというのには、ある程度業者の努力によって、生産費の減少をすることによって引き合う線を出してもらうことも必要でありますけれども、どうしても最低線にあってむずかしいというものは、補償金を与えて整理をしつつ、そして塩価を一万円にまで引き下げたい。それには、需給対策を見て塩価を引き下げつつ、どういう点は最低線で努力してもだめだから、これは補償を与えて整理をする方に入れるか、こういう問題に取り組む、こういうことになるわけであります。
○石村委員 ただいまの総裁の御説明は、もういろいろ差があるから一本にするよりほか手はない、こういうような御説明ですが、なるほど、それは同じ地域においてもいい悪いの差はあると思うのです。しかし、一般的に見て、この地区はいいとか悪いとか、大勢的な見方は地区々々にできるはずなんです。だからこそ、かつては地域差のある価格を公社はとっておったじゃないですか。公社ができてから、専売局というものがあって、収納価格というものを作ったときから、今まで終始一貫一本価格であったわけじゃないでしょう。一本価格は、最近ではいつからやったのか存じませんが、過去はやはり地域差のある価格だったと思う。なるほど、個々の問題に全部が一致するものができない、十も二十も価格を変えるわけにいかぬということから、すぐ飛躍して一本にしなければならぬという理論は、どうも飛躍し過ぎると思う。またがって過去においてさえそういう地域差のある価格を作っておったわけです。その点もお考え願いたいと思うのですが、ただいまの、一方で整理ということをやっていって、とうていものにならぬというものはやめていただく、こういうことですが、それなら整理の方針やあるいは補償の方針というものを早く打ち出しておやりにならなければ、こういうやり方でやっていらっしゃれば、業者の方では、これは料理するのに殺してしまってから料理した方がいい、自然に死んだのを見るのが見やすいのだ、生きたのを料理するのはむずかしいから、価格を年々引き下げていって、自然に自滅をしてしまうのを待って、その上で補償をしよう、こういうやり方を公社は考えているんだという見方も生まれてこざるを得ないと思う。この塩の問題は、何もきのうきょうに始まった問題じゃない。しろうとのこの委員会でさえ、昨年の今ごろからやかましく言っていることです。一年間何をなさっていらっしゃったのか。このくらいの方針は、少くとも原案くらいは一年の間には私はできていると思う。これを、今度あらためて審議委員をお願いして、これにお諮りするなんて、実に怠慢だと私は思う。もっと業者のために、また国民のためにも、安くできるものなら安く塩を作っていただいて、政府も安く買って、払い下げも安く、小売価格も安くなるようになさることが、公社の務めだと思うのです。そう一方的に都合のいいようなことだけ、公社が赤字だからということだけでおやりになっては――さっき、許可を与えたものだから、権利を奪ってはならぬ、法律だとか憲法だとかおっしゃっておるわけですが、そんなことを言って、実際には首を絞めて殺す、口の先では憲法を守って、実際の手の方は暗殺するようなことをやっていらっしゃるとしかとれないわけです。整理なら整理の方針をはっきり打ち出して、そしてこれができないものはやめなさい、公社としてはこういう補償をするんだから、おやめなさいという方針を同時に打ち出して、価格の方もおやりになる。価格の方だけは年々下げて、整理の方はどうなるかわからぬというようなやり方では、あまり無慈悲なやり方だと思う。せっかく許可して、そうして金融公庫の金まで借らして、そのとき借りる人あるいは出す公庫は、おそらくこの企業は成り立つものだと思って、金も出し、借りもした。災害が来てやめた方がいいようなものも、また災害復旧費の金を公社のお世話で借りてやる。ところが、その災害復旧費の金もろくに返せないというような価格にされたのでは、これは業者としてもたまらぬわけです。そういう片手落ちなことをせずに、価格は一応据え置きにしておいて、一方、そのうちにはっきりした整理方針というものを打ち出して、その上で今後は価格を下げていく、こういうことになるんだから、返せないようなことなら今のうちにやめて、返すようにしなさい、そういうことをおやりにならなければ、どうしたって業者は立つ瀬がない。大体大蔵省はどうお考えなんですか。私はむやみに塩業者をひいきしようとは思わないのですが、公社の処置が片手落ちで、筋が通らないわけです。都合のいいところは憲法だ、法律だ。片っ方はそんなことを無視して、自然に、あきらめて死ぬるのを待つようにしむけるというやり方はきわめて陰険なやり方だと思う。一つ政務次官から大蔵省の御判断をお示し願いたいと思います。
○村上説明員 私、昨年からこの問題について関係しておりますので、技術的な問題も関連いたしますから、私からかわって御答弁を申し上げます……。
○石村委員 技術的なことの御答弁の必要はありません。これは政治問題だと思います。そういう見方をどうするか。従って政務次官の方の御答弁を願います。
○山中政府委員 長時間にわたり御高説を拝聴いたして、非常に勉強いたしましたが、塩の増産を奨励してきて、それが自給自足の建前の見通しがついたとたんに整理に入っていくということについては、御指摘の通り公社においても反省がなければならないと私も考えますが、ただそれを具体的に処理するにつきましては、どうしてもやらなければならない必要性があるわけでありますから、設備の近代化ということと、それに伴う増産という問題、さらにまた波及して参ります業者の縮小整備というような問題等が、非常に複雑な要素をなしておるようであります。公社の方としては、学識経験者、生産者並びに消費者のそれぞれ三名の構成によって成り立ちます委員会を、早急に、月半ばごろまでに設置をいたしまして、これらの問題を総合的に検討いたす体制を今進めつつあるようでございますので、ただいままでに御指摘になりました点等について、私どもで考えるべき点は率直に考える。また、大蔵省としては、年額二十数億に及ぶ巨大なる赤字を出しております。徹底した二重価格制度のもとに保護されておる特殊な形態をも十分検討の材料といたしまして、なるべく今御説明あるいは質問等のありました御期待が、その中で少しでもかなえられるような努力を政治的にいたして参りたい所存でございます。
○石村委員 どうも、政務次官は大へん政治家で、ばく然とした御答弁で、結局何のことやらわからぬということなんですが、これは政治家としてもっと誠実に問題を考えていただきたいと思う。私は、山中さんに、今すぐ、こうするんだという御答弁を求めようとは思いません。今勉強したど正直におっしゃることぐらいで、さっぱり塩のことは御存じないようですが、一つ勉強して誠実な政治をやっていただきたい、こういうふうに考えます。
 次に、これは公社の方にさらにお尋ねしますが、昨年価格を引き下げるときに、従来の借入金を、短期を長期に切りかえてやろうというようなお約束をなすった。それがまだ一向実行されていないということですが、そういう事実がありますか。御答弁を願いたい。
○小林説明員 ただいま御指摘の通り、昨年末、昨年度の収納価格を決定いたす際に、先ほど私が申し上げましたように、今後の塩業対策の基本方針が、業者の方々とも相談の上きめられ、発表されておりますが、その一番最後に、可及的に長期低利の資金が利用できるよう努力するということが入っております。従いまして、その後われわれも努力いたしまして、先ほどもちょっと申し上げましたが、昨年度末には借り入れの資金につきまして約十億の増額を政府当局からお願いいたしております。しかし、何と申しましても、正式には現在の農林漁業金融公庫法を改正しなければやれない問題でありますので、法律改正につきまして今後なお政府側と御相談を申し上げ、またお願いいたしたい、かように考えておる次第であります。
○石村委員 そこで、お尋ねしますが、一体そんなたよりのない約束をして――業者の方は大へんいい約束をしてもらったと思って喜んでおったようですが、それなら、そのとき、このようにたよりないお約束ですという説明を十分なさって約束なさったのですか。これは法律改正をしなければできませんというようなことをお話しになって約束せられたのですか。
○小林説明員 そのときは、もちろんこれは法律を改正しなければできない問題であるということは、皆さんおわかりのはずでございます。また申し上げたと思います。ただ、できるだけ努力するということは、先ほど申しましたように、現行法の範囲内で、予算の配賦等について努力し、また今後の法律改正につきまして努力するということであります。
○石村委員 まあ努力したがなかなか実現しないからあきらめろというお話だろうと思うのですが、次にバラで貯蔵するという問題についてお尋ねしたいと思うのです。
 これは、ことし増産されて消費できないというので、たな上げされるという意味で、このバラ積みの貯蔵をおやりになるのですか。大体どのくらいバラで貯蔵せられるのですか。何年間くらいやられるのですか。
○小林説明員 お答えいたします。
 ただいま御指摘の通り、本年度とりあえずバラ貯蔵をいたしておりますのは、これは、先ほど来御指摘の通り、内地塩が余って参りましたので、いわゆるデッド・ストックになる予定であります。本年度は、この計画では二十三万トンくらいと記憶いたしておりますが、これは何年間ということなしに、おそらくデッド・ストックですから、十年やそこらと申しますか、その辺はわかりませんが、いわゆるデッド・ストックになるということでございます。
○石村委員 ことし二十三万トンのデッド・ストックが出る。来年もまた相当なデッド・ストックが新しく出るのですか。
○小林説明員 御承知の通り、塩業対策が具体化されまして軌道に乗ってくれば、そういうことは当然なくなるはずでありますが、それまでの間はデッド・ストックの出ることはやむを得ないことではなかろうかと考えております。
○石村委員 次に、このバラ積みの価格は千円ほど安くお買いになるそうですが、この千円というのはどういう意味で安くなるのですか。バラだから、包装代、かます代の必要がないというような御意見になるのですか。
○小林説明員 ただいま御指摘の通りでありまして、包装代がそれだけ安く済む、こういうことでございます。
○石村委員 その包装代というものが千円になるわけですか。これは余裕があるのじゃないですか。
○小林説明員 先ほど来塩価の問題で話がありましたように、現在塩の価格は一本価格であります。その一本価格の中の構成要素のうちで、納付に要する費用が千円ということでありますので、その千円を一律に引っぱっておるわけであります。
○石村委員 ところで、実はこのバラの関係で農村の問題が起ってきたわけなんです。従来塩かますは冬の農閑期に農村では作っておるが、今年も塩かますの必要が相当あるだろう、こう思ってやっておった。そうしてまた製塩業者の方ではそれを買う契約をしておった。ところが、五月になって突然必要ない、バラでお前のところは納めろ、こういうことになって、キャンセルもしなければならない。従って、一方ではかます代は値も下る。農家も非常に困る。またキャンセルに関係して損害賠償という問題も起ってくる。また、千円という価格を見込まれたのですが、そうなると、塩かますが下れば千円かからないところも出てくる。そうすると、このバラの貯蔵が、各塩田が割合平均して貯蔵割当を食うなら、まあ同じ意味でいい悪いが起るかもしれませんが、倉庫の関係でそうもならぬ。それで、ある一定の地域だけ特にバラ積みをよけいするということになりますと、さっきの価格の問題と同様に、この千円引き下げの問題で幸不幸が非常に起ってくる。こういうこともいわれるわけですが、わずかな利潤でこの千円の包装代というものが相当な影響を及ぼすように思うのです。これはどのようにお考えでありますか。
○小林説明員 御指摘の点でありますが、実はそういうようなお話も現地からわれわれの耳に細々入っておりますが、この数量の点につきましては、先ほども総裁から御説明申し上げましたように、昨年度が全体で八十何万トン、今年が全体で約百十三万トン、こういうことで数量は全体で相当ふえておりますので、先ほど申し上げました二十三万トン程度採塩貯蔵をやりましても、かますの使用量が急激に――もっとも予定からいわれますとあれですが、去年の実績から比べまして、そんなにかますの使用量が減るということは、今年度につきましてはなかろうかと思うのであります。ただ、予定していた点からいわれますと、これでも若干不足があったかと思うのでありますが、去年の実績からはそんなに少なくなっておりませんので、かます量につきましてはそれほどの問題はなかろうかと思うのであります。
 なお、倉庫の問題でありますが、採塩貯蔵をいたしますと、先ほど申し上げましたようにデッド・ストックになりますので、当然あいている倉庫にしまう。使える倉庫にしまうということは非常にむだなことでありますし、デッド・ストックになりますから、当然あいている、当分使わないであろうという倉庫を使うというのが当然でありまして、従いまして、そういう点から、一部そういう倉庫のあるところに片寄るということも本年度につきましてはやむを得ないのじゃないか。この点につきましては、実は、塩業者の方々に、中央会の総会の際にも私あたりからるる事情を御説明申し上げまして、塩業界全体のためにお互いに協力してやっていただくということになっております。なお、来年度以降につきましては、先ほど申し上げましたように採塩をやらねばならぬという状態がなお続くとしますならば、今後は野積みということも考えなければならないのじゃないかというような点も、われわれ目下技術的にも研究いたしておるような段階でございますので、御了承を願います。
○石村委員 塩かますのことは大して問題ではない、こうおっしゃるのですが、このかますというものは冬ごしらえるわけなんです。塩の方はどっちかといえば、春から夏、秋、この方が塩がよけいできるわけです。従って、塩業者の方では自分の一年間作る塩の包装、塩かますというものは、予想を立てまして、冬のうちに手当をしてしまわなければならぬものなんです。その手当をしておいたところが、これは聞けば五月には突然そういう措置をおとりになっているそうですが、塩業者の方は手当をして買う契約をしておるのに、これはもう必要ない、やめなきゃならぬということになれば、そこに混乱が起るのは当然のことです。公社の方はただ通達を出しさえすればそれで混乱も何もないでしょうが、実際仕事をする方は大へんです。農家の方は大問題です。塩かますを買ってもらえると思って契約をして、冬の間せっせと仕事をしておった。でき上って春肥の、今度の米の肥料代にでも向けようかと思って当てにしておったら、塩業者の方は、そんなものは必要ない、公社の方で買わない、もう、要りません、こういわれて、そうですがでは済まされない。だから混乱が起って問題になってくるんです。公社では、通達さえ出せばいい、そんな無責任なお考えでは、これでは国民が大へん迷惑するわけです。一体これに対するどういう措置をお考えなんですか。大したことはありませんよ、かまいませんということなんですか。大へん混乱を生じ、損害を起したわけなんです。どのようにお考えですか。
○小林説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の点でありますが、先ほど申しましたのは、前年度の実績と今年度の予定数量があまり変らない状態でありまして、予定されておったという点につきましてはそういう点があったかと思います。その点は私ども申しわけなく思うのでありますが、初めてのことでありますので、なおそういう点に摩擦ができるだけ生じないようにということで、実は私どもの関係の地方局の局長以下関係の各県の者を集めて相談いたしまして、また、先ほど申しましたように、別途業界の方々に中央会の総会の席上におきまして私からもるる説明を申し上げまして、御協力を願うということにいたした次第であります。
 なお、塩業者の方々の手持ちのかますにつきましては、値段の点で折り合わない点もいろいろあるやに聞いておりますけれども、できるだけ、公社においても、かますを必要とする面がありますので、かますを必要とする際には、そういう手持ちのものがあればそれを買う等の措置を講じて、塩業者の方々にはできるだけそういう点の御迷惑が少いようにということは、指導と申しますよりも、むしろ地方局の方が率先していろいろの手を打ってもらっておるというような現状であります。なお、塩業界では各塩業者全部がこういうものについて協力するという話し合いで進めておりますが、実際なるほどこれは無理があるというような点につきましては、具体的によく地方局の方と相談をしていただいて、その救済に当ってもらうというような打ち合せをいたしておりますので、そういう点でできるだけ摩擦の少いようにと考えております。なお、先ほど申しましたように何分初めてとりました措置でありますので、いろいろ現地にそういう不満等が起きました点につきましては、これからもできるだけ救済に努めて参りたいと考えます。
○山中政府委員 このかますの問題につきましては、専売公社の一本の指令のみでもって片づけるには、ただいま御指摘のように、波及する範囲が他の分野にも、ことに農村に及ぶわけでありまするから、大蔵省といたしましても、ことに大臣も直接総裁にそういうことの影響をなるべく少くするようにという指示もしておられますので、石村委員の御発言の趣旨をくんで、積極的にこの問題の解決に当りたいと思います。
○石村委員 まあ大蔵省でも考えていただきたいが、大体公社があまりに無責任だと思うのですよ。地方局長と相談して業者に協力してもらうとか、中央本部が地方にはねまかして、何とかしかるべくやれというような、そんないいかげんなお考えで、この塩の問題にしろ、またタバコの問題にしろおやりになることは、われわれは実に心外だと思う。もっと責任を持って自分の仕事をやっていただきたいと思う。先の見通しもはっきり立て、関係者に迷惑のかからぬようなことをおやりになるように、もっとよく勉強しておやりになっていただきたいと思うのです。
 次に、よく例の回送費のことが問題になるのです。大阪では十億とが回送会社が税金をごまかしておったというような話が出るのですが、この回送会社は、一種のトンネル会社みたいなもので、莫大なもうけをしておるというようなうわさがあるのです。もうけたのには違いない。あんな十億とかなんとか金をしまい込んでおったというようなことが出てきたのですから、容易な金じゃないと思うのです。こんな回送費なんかについて、合理的な検討をお加えになっていらっしゃるのですか、どうですか。
○小林説明員 実は、私、直接の担当のことではございませんが、塩業一般の問題といたしまして、御指摘の通りこれは中間経路としては大きな金額でありますので、この点につきましてはかってそういう十億云々というような問題がありまして、それ以来これの合理的な運営に努めて参っておりますが、なお、今回のこういう塩業界全体の政策の変化と申しますか、そういう際になお一段と御指摘の通り究明いたしまして、御趣旨の線に沿いたい、かように考えております。
○石村委員 こんなことをわれわれがここで指摘して、御指摘の通りなんて返事は聞きたくないのです。日ごろ自分の仕事としてもっと本気になって、これは前から問題になっているのですから、はっきりおやりになればいい。いつまでたってもトンネル会社のようなものに莫大なもうけをさせ、そうして国税庁か何かに押えられるようなそんなだらしないにとを公社がおやりになって、価格をどうしますとか、生産費がどうだとかこうだとか、そんなことを言えた筋合いではないと思う。もっとよくまじめにやっていただきたいと思う。
 時間がありませんからこの程度で終えたいと思うのですが、もう一点総裁に特にお考え願いたいのは、塩田の整備方針というものを早くがっちり立てて、そのもとで価格についても考慮するという大きな方向を塩業者に早く示して、そうしておやりになることをお願いしたいと思います。総裁のお考えを承わりたいと思います。
○松隈説明員 塩がだんだんにでき過ぎましたので、実は塩業の整備ということは前年度におきましても問題にいたしまして、業者と話し合ったのでありますが、これはなかなか簡単な問題ではありませんで、議論が沸騰いたしまして、暫定的な一応方針をきめまして、続いて根本的な問題は時間をかけて十分審議をしてもらいたい、こういうことになっておるわけであります。公社としてはできるだけすみやかに将来の需給を見通して、価格の面と塩田の面積というもののつり合い、こういうものを適当なところに落ちつけたい、かような考えでおりますので、おっしゃるまでもなく、できる限りすみやかに対策を立てたい、かように考えております。
○石村委員 もう一点、実は大西君が聞くはずだったのが、所用ができていないそうですので、お尋ねしておきますが、さっき、収納価格について審議会か何かお作りになって検討してもらう、こういうことでしたが、この審議会の構成はどういうようになっておりますか。
○松隈説明員 葉タバコの方については、御承知の通り葉たばこ収納価格審議会というのが法律でできておりますので、塩につきましてもやはり公社総裁が価格をきめるということになっておりまするが、葉タバコ等のつり合い上、審議会を設けた方がいいと考えておりますのですが、法律改正の手続がおくれておりますので、現在では法律はございませんけれども、法律ができたならば、こういう姿であろうと思われるような姿の委員会を作りたい。従って、一方においてこの葉タバコの収納価格の審議会がございまするから、それとも、見合った形で作ってみたいと考えております。すなわち、生産者の代表と、これに加うるに学識経験者をもってしたい、かように考えております。人数のところはまだはっきりきめておりませんが、九名ないし十一名くらいの範囲内において選考したい、かように考えております。
○石村委員 その生産者の代表ということですが、それと一方学識経験者あるいは消費者代表というのも入るだろうと思います。塩を作ります生産者と一口に言いますが、それは業者のことだと思うのです。同時に、個々の塩業労働者ですね。これには塩の価格というものは敏感にすぐ影響してくるわけです。従って、塩業労働者をこれにお入れになるお考えはないのですか。もしないとすれば、どういうわけでお入れにならないのですか。御説明願いたい。
○松隈説明員 ただいま考えておりますのは、塩の生産者、消費者、学識経験者というような範囲から選びたいと思っております。収納価格でありまするから、生産者が直接の関係者でありまするが、その場合において、労賃とか、さっきお話のありましたかます代とかいうようなものは、間接的な関係に立ちます。大体生産者においていろいろな生産費の要素はよくわかっておることであり、われわれの方も生産費調査をいたしておりまするので、しいて塩田の労務者を加えないでも大体の意向はわかる、かように考えております。
○石村委員 塩業者の意向はわかるかもしらぬが、塩業労働者の意向はわからないんじゃないですか。塩業労働者は、その塩業者から給料をもらうわけなんです。その使用者だけで労働者の方のことがわかるというのは、そんなことはおかしいと思うのです。やはりこれは労働者の代表もお入れになっておやりになる方が、先で紛争が起らなくていいんじゃないかと思います。今度収納価格はこうなった、だからお前のところの給料は払おうにも払いようがない、これでがまんしろ、こういうことになりがちなんです。もしそうなったら……。従って、収納価格の審議会に労働者の代表も入れる。そうして塩業労働者の立場もよく考えて、価格の決定がなされるならば、紛争ということも比較的起らないのじゃないか、こう考えるのですが、それをただ使用者の立場だけで価格をきめてしまう、ところが直接の労働者はあずかり知らぬということではとうてい塩業生産が円滑に進むとは考えられない。どうか御再考願いたいと思うのです。
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○早川委員長 閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。
 ただいま本委員会において審査中の所得税法の一部を改正する法律案につきまして、閉会中も引き続きその審査を行うよう議長に対して申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。さように決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十四分散会
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