第029回国会 地方行政委員会 第10号
昭和三十三年八月十一日(月曜日)
    午前十時二十二分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 善幸君
   理事 亀山 孝一君 理事 纐纈 彌三君
   理事 渡海元三郎君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 吉田 重延君 理事 川村 継義君
   理事 中井徳次郎君 理事 門司  亮君
      相川 勝六君    天野 光晴君
      金子 岩三君    津島 文治君
      中島 茂喜君    野原 正勝君
      太田 一夫君    加賀田 進君
      佐野 憲治君    阪上安太郎君
      下平 正一君    北條 秀一君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 青木  正君
 委員外の出席者
        警察庁長官   石井 榮三君
        自治政務次官  黒金 泰美君
        総理府事務官
        (自治庁行政局
        長)      藤井 貞夫君
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        長)      奧野 誠亮君
        文部政務次官  高見 三郎君
        専  門  員 圓地與四松君
    ―――――――――――――
七月十一日
 委員金子岩三君辞任につき、その補欠として石
 田博英君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員石田博英君辞任につき、その補欠として金
 子岩三君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 委員相川勝六君辞任につき、その補欠として池
 田正之輔君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員池田正之輔君辞任につき、その補欠として
 相川勝六君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方自治及び地方財政に関する件
 警察に関する件
     ――――◇―――――
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 地方自治及び地方財政に関する件並びに警察に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。川村継義君。
○川村委員 藤井局長がお見えになっておりますが、この前の委員会だったと思いますが、私たちが地方自治の問題として大へん心配いたしました山口市政の問題ですね、あれは大体、さっそく調査をして自治庁として打つべき手は十分打ちたいというような御意向がありましたが、おそらく調査もできておることだと思いますし、この際、またあらためて局長から山口市政のあの混乱しておるといわれておる状態を御報告願って、自治庁としてどのような手段をおとりになったか、またおとりになるおつもりがあるか、その点をまずお聞かせいただきたいと思います。
○藤井説明員 山口市政の問題につきましては、先般の委員会で、県を通じて調査をいたしました事項の概略について一応御報告を申し上げたのであります。その後、県当局とも密接な関係をとります一方、最近に私の方の行政課の事務官を現地に派遣いたしまして、山口市政の問題等についていろいろ調査をいたさせたのであります。調査をいたしました結果は、先般申し上げました事柄の概要とそう大きな開きはございません。刑事事件等が現在進行中でございまして、その問題にわれわれとしては触れるわけには参らないのでありますが、実際問題といたしまして、市長についてこれを見ますと、二月に自宅療養を開始いたしまして以来、市役所に出て参っておりますのはごくわずかでございます。三月に四日間くらい、それから六月に一回、七月になって一回というような程度でありまして、その他は勤務をいたしておりません。療養をいたしておるということになっておるのであります。助役といたしましては、毎日打ち合せを行いまして、かつ重要書類については直接市長のもとに持参をして、決裁を経て仕事を進めておるという状況でございます。
 先般申し上げましたように、六月の市会というものは、諸般の都合でこれを招集をいたしておらず。その大部分の議案については専決処分をやって今日までに至っておるということでございますし、先般御報告を申し上げました今後の状況の中で特に注目すべき点につきましては、陸運事務所の車両検査場の土地購入費と職業安定所の敷地購入費、この二つのものについていずれも専決処分を行なったことが判明をいたしておるのであります。現在残っておるものといたしましては、選挙管理委員会の選挙と、それから人権擁護委員の推薦という案件が残っておりますのと、六月一ぱいで切れておりますいわゆる市の中にあります部分林の借地契約というものにつきまして、これをさらに継続いたしますためには、あらかじめ市会の議決を要することに相なっておるのでありますが、この案件がなお懸案事項として残っておるという状況に相なっておるのであります。全般的に見まして、市当局自体としては大して事務の渋滞はないというふうに言っておりますけれども、やはり全般的に見れば、何としても市政の停滞ということはいなみ得ない事態ではないか。県の方といろいろ連絡をいたしましたところでは、それほど顕著な停滞の事例はないようでありますが、たとえば具体的に申せば、山口市におけるスポーツ・センターの建設の問題、これは地元負担の問題でございます。それと婦人会館の建設、こういう案件につきましてなかなか話が進みにくいというような事例も出ておるようであります。
 そこで私たち問題の中心として考えておりますのは、やはりいかにして市政を軌道に乗せるかということでございますが、その骨子は、申すまでもなく市会というものを招集をいたして、その場においていろいろな問題について審議し、検討を加える。これが一番の先決問題ではないかというふうに考えましてその方面の事実上の指導を県を通じて行なってきたのであります。県といたしましては、副知事が市長と最近において会見をいたしまして、いろんな点で懇談をいたし、その席上においてやはり市会を招集するという手続を進めるべきではないかということを慫慂をいたしたのでありますが、それに対しまして市長といたしましては、諸般の事情でいろいろおくれておるけれども、もうやはりその時期ではないかということで、何とかして市会をできるだけすみやかに開きたいという意向を述べたようであります。私の方から調査に参りました事務官も、各方面について調査をいたし、また関係者と会談をいたしますとともに、市長にも直接会いまして、いろいろ話をいたしたのでありますが、その結果によりますと、大体現在のところでは、できるだけすみやかに市会を招集したい。ただこの十三、十四、十五というのはお盆であるからしてその時期ははずしたい、それが済めば一つ直ちに招集するように持っていきたい、かように確約をいたしたようであります。今のところでは、大体二十日くらいには市会を招集する運びになるのじゃないかという見通しを持っていまして、その市会が招集されました暁におきましては、それを一つの契機として問題が軌道に乗ってくる糸口が見つかるのではないかということで、われわれといたしましても、その推移というものをここしばらく注目をして参りたい、かように考えておる次第であります。
○川村委員 六月の定例の市会が開かれないで、ついに今日まで来てしまっておる。その間、いろいろ市議会として決定すべきようなことが専決処分で行われておる。そういうことについては、これはやれることでもありましょうけれども、われわれとしては、山口の場合は、市会を開けば開かれるだろうと思われるのに、市会を開かないでそういうような処置をとるという市政の運営については、やはりどうしても納得のいかないものが残るのです。市長がどうして市会を招集しないのか、その辺に対する真相というものはどんなところにありますか。たとえば今市会を開けば議会から不信任を食らうというような、そういうおそれのために開かないのか、あるいは市会を一日か二日、あるいは定まった期日開くについて、市長のからだに故障があるから開かないのか。われわれが聞いているところでは、市長の病気というものは、市会を開くについて出席できないような病気でもないらしいというようなことなど聞いておりますが、局長あたりの見方としてなぜ一体市会を開かないのか、その辺のところはどうなっておるのですか。
○藤井説明員 市長の健康問題ということも確かにあることだと思いますが、今お話にもございましたように、やはり一種の政治問題というか、市会を開くということになると、不信任動議が出されるということに対する懸念というものも、確かに市長の市会招集を渋らせている原因ではないかというふうに観察できると思います。
○川村委員 今局長がお話のように、われわれもおそらくその辺のところが一番大きな原因じゃなかろうか、こう推測しておったのですが、もしもそうだとすると、市長としては非常に横暴といいましょうか、その市長の態度たるや、これは許せないものがあるのじゃないか。あのような事件を次から次に引き起してきておって、それについて市民なりあるいは市議会あたりの攻撃が鋭くなって、市会を開けばあるいは不信任動議が出されるかもしれない、そういうおそれのために市会を開かないなんということになると、これは許せないものがあると思う。今、局長のお話にありましたように、なるべく早急に皆さん方の努力によって、あるいは県当局の努力によって、市会を開くということを確約しておるとはいいますけれども、聞くところによると、何かまた以前市長が不始末をしておった事件について、近々警察あるいは検察庁あたりから、詐欺容疑等で、また別口のものが調査されておるということなど聞いておりますが、そういうことが次から次に起って参ると、市会を開くと確約しても、とてもいつ開くかあてがわからない、こういうことでございます。その点について、われわれとしては、やはり市長の今日の態度というものは、市政を円満にする、あるいは市政の円滑なる運営を期するという点からすると、遺憾な態度ではないかと考えられてなりません。要するに市長が、先にど申し上げますように、議会を開けば不信任案が出されるというような、ただそういうところに大きな不安というものがあって市会を開かないなどということは、私の個人的な結論としては、許せないことではないかと思うのですが、今申し上げましたように、皆さん方の、あるいは県当局の話し合いによって、早急に開くとは言っているけれども、次から次にあのような詐欺容疑事件等が出てくるということになりますと、なかなかそう簡単に開かないかもしれない。そういう点を一つ考えて自治庁としても、やはり指導の手を差し伸べてもらわねばならぬのではないか、このように思っているわけです。もちろん市政の事務的な面においては、先ほどお話がありましたように、ちゃんと助役以下それぞれの担当の職員がおりますからいけるかもしれませんが、議会を無視して次から次にあらゆる重要議案について専決処分等でやっていくということについては、どうしても納得がいかないものがあります。自治庁として、さらにこの問題にどのように対処したらよろしいか、その辺の腹案でもありましたら、あるいはもしも市会を近々開くと約束しておりながら開かないときにはどうするというようなことを自治庁としてお考えになっているか、あるいは県当局に対してどのような手を打つように指導なさるおつもりがあるのか、その辺のところを少し明らかにしていただきたいものだと思う。
○藤井説明員 ただいま申し上げましたように、市長といたしましては、県当局に対しましても、またわれわれの方に対しましても、二十日ごろにはぜひとも市会を招集したい、かように確約いたしているのであります。われわれといたしましては、一応市長がそういうふうに申しているわけでありますから、その市長の言を信用いたしまして、しばらく事態の推移を見守って参りたい。もし、そういうふうな確約を一応いたしておりながら、なお市会を招集しないという事態が起きましたならば、そのときにはまたそのときで別のことを考えてみることも必要だと思いますが、今の場合においては、市長が開かないということを前提としていろいろ対策を立てるということもいかがかと思いますので、ここしばらくは事態の推移を見守りたい、かように考えている次第でございます。
○川村委員 それから、私現地に行ったわけでございませんから十分承知いたしておりませんが、皆さん方の方で市役所等関係方面を御調査なさったと思うのですが、山口市民の山口市政に対する見方と申しますか、そういうものは現在どういう動向にございますか、おわかりでございましたら、その点も一つこの際お聞かせいただきたいと思います。
○藤井説明員 市民の動向でございますが、これは新聞その他の方法で一応の推測をいたす以外に方法がないわけでありまして、確たることを申し上げることはできないと思うのでありますが、新聞の動向といたしましては、市長の行動に対して非常に批判的でありまして、議会を開会せずに放置をしておくというようなことは、まことに議事運営上も適当ではない事柄ではないかという見解を強く持っているようであります。一般市民の気持といたしましては、非常に困ったことだ、自分らの住んでおる市政について、このような問題が起きておることについては非常に困ったものだという感じをだんだん持ってきておるようでありますが、その後につきましては、今のところ積極的な動きは見せていないというのが大体の傾向ではないかと考えております。なお、市民大会の決議の問題については、先般申し上げたのでありますが、税金不納運動等につきましては、幸いにして、今までのところ別にその決議によって具体的な不納の運動が行われているというような顕著な動きはないようでございます。大体このように観測いたしております。
○川村委員 市長が早急に市会を開くという確約が大体なされておるそうでございますから、それが何より大きな問題解決の一つの発足となるだろう、山口市政を右するか左するかわかりませんけれども、一つの軌道に乗せるきっかけになろう、こういうことを私感ずるわけです。それを旧盆の日にちは避けて、二十日前後に開くということであれば、今ここで自治庁に対して、あるいは自治庁の方から、どうしろこうしろということも限度がありましょうから、それをわれわれとしては待つ以外にない、そのような気持もいたします。とにかくそういう市長の確約が実現しまして、市会の運営が軌道に乗ることを待たねばやむを得ないのじゃないかという気がいたします。
 今大臣お見えになっておりますけれども、大臣もこの山口市政の問題についてはいろいろお聞きになっておると思いますし、また御調査の結果もお耳に入っていることと思います。要するに、山口市長がとったような不始末な態度も、大きな原因は昨年の選挙にあるやにも聞いております。従って、選挙をいかに正しいものにするかということが、申し上げるまでもなく政治を正しくする根本だという感じがいたすわけであります。そういう気持が一方にわくわけでありますが、いよいよ来春になりますと、一月から、次から次に地方選挙が行われます。地方選挙に前後して十分心して対処して参らないと、とんでもない事態が市町村末端では起ってくる。市町村長の不正事件というようなものも選挙を前に次から次にと出てくる。あるいは選挙を前にした議員のよからぬ行動も起ってくる。そういうことなどをわれわれは十分考えて、地方の自治行政を見ていく必要があると思いますが、大臣といたされましては、来年の地方選挙を前して、こういう非常に汚らわしい事態がぽつぽつ起きつつあるときに、地方行政の実をあげるためにどのようなお考えがあるか。何か大臣として期するものがございましたらお話しいただきたいと思うのです。
○青木国務大臣 お話しのように、来年の四月に全国的に地方選挙が展開されるわけであります。私どもといたしましては、今回の地方選挙が前回の地方選挙後四年を経過しておりますので、今回の選挙は、前回の選挙に比べて最も公明に、また適正に行われなければならぬことは当然であります。選挙の問題はもちろん常時啓発によって、不断に選挙の粛正をいたしていかなければならぬことは当然でありますが、特に明年は一斉に地方選挙が行われますので、この機会に、私どもといたしましても特に力を入れなければならぬ、かように考えておるわけであります。そこで、選挙を公明にかつ適正に行うためには、一方におきましては、選挙の管理、執行に当ります選挙管理委員会の方々にも特段の御配慮を願わなければならないので、先般の衆議院選挙の済んだ後も、全国の市町村の選挙管理の実際を担当した方々のお集まりを願いまして部会に分けまして、それぞれの部門別に、過去の選挙管理の実績等を勘案いたしまして、さらに改善すべき点等を御協議願ったのであります。もちろん自治庁からも選挙担当の者を出しまして、お互いに研究して、次の選挙に当りましてさらに一そうの管理の適正を期するようにいろいろ協議をいたしたのであります。また一般的には、何と申しましても有権者の方々に公明選挙に対する理解をいただかなければなりませんので、明年の四月選挙を控えまして、今年の末から来年の春にかけまして、公明選挙運動を従来にも増して一そう活発に展開いたしたい、かようなことでいろいろその準備を目下進めておるような次第でありまして、何とかしてりっぱな選挙を行いたい。一昨日の公職選挙法調査特別委員会におきましても、いろいろ問題の指摘があったような次第でありますが、市町村選挙になりますと、選挙が狭い区域に行われますので、非常に苛烈になりやすいということもありますし、また衆議院の選挙の場合とは別な意味におきまして一そう注意しなければいかぬのじゃないかと私は考えるのであります。もちろん選挙の取締りの問題につきましては、警察あるいは検察当局におきまして、一そう取締りの適正を期さなければならぬことは当然でありますが、それは選挙になってからの問題で、むしろ、その前から一般に対する公明選挙の徹底なり、あるいはまた選挙管理の方々の対策なり、こういうことを徹底いたしていきたい、かように存ずる次第であります。
○川村委員 長官のお気持はよくわかりますが、私は、あえて一般民衆の素朴なというか、そういうことをお耳に入れるわけです。長官あたりにはそういうことはお耳に入らぬでしょうが、いよいよ来年は知事選挙がある、県会議員の選挙がある、市町村長の選挙がある。おかげで今年の秋から年の暮れにかけて道路はよくなるぞ、砂利も一ぱい入るだろう、こういうことを盛んに一般の民衆は言うのです。かりに知事選挙も四年越しになりますと、今度の私たちの衆議院選挙をやったころなんかには、いなかの道路というものはまことに荒れておる。とんでもない道路になっておるわけですね。一体三年間道路の補修とか何とかどういう形でやったのかと思わせるほど損傷がひどい。これは雨とか何とかいうこともありましょうが、たいてい地方選挙が近づきますと、そういうものは一気呵成に確かによくなる。そういうような金の使い方というか、事業の手を打たれる部面もあるのです。これは非常に何かしら変な言い方ですけれども、だからして地方民が、知事選挙が始まる、県会議員選挙が始まるから、今度はうちの前の道路にもバラスが一ぱい入ってよくなるぞということを平気で、感じとって言葉にして言うわけなんですね。私は、こういうことなんかも一つの問題だと思うのですが、来年の地方議会あるいは首長の選挙を前に、今までそういう市町村でやる事業あるいは県でやる事業などが、何かしら一度に集まって馬力をかけてやられるという傾向が見られる。そうなりますと、やはり業者との結託であるとか、あるいは請負をやっておるところの連中とのいろいろの取引であるとか、そういうことで思わしくない状態が生まれてくる。こういう点につきましても、やはり自治庁当局の行政上の指導というものが相当行き届いていかないと、山口市政に見られるような不幸な事態が起るだろうということなどを懸念して私は申し上げているわけですが、長官あたりは、あるいはそういうような下部末端の状態はそう詳しく耳にお入りになっておらぬと思いますけれども、そういうことがございますから、今から選挙期間に至る間、やはり地方自治体の行政上の指導について、あるいは議会並びに首長の行政執行についてのやり方等についても、自治庁としては相当見守って指導していく必要があるのではないか、こういうことを私は強く感じておる次第であります。そこで申し上げたわけですが、どうか長官の方でも、その実態をお調べいただいて善処していただきたいものだと思うのです。
○青木国務大臣 率直に申し上げまして、御指摘のようなことが従来少くなかったと思うのであります。私も、かつて二、三年前でありましたか、各地方の事業の進捗率と申しますか、事業費の割合と申しますか、そういうものを調べたことがあるのでありますが、どうもややもすれば改選期の前になりますと、急に事業費がふえる、こういう傾向があったことは確かに御指摘の通りだと思うのであります。そういうことのために地方財政に万一にも悪影響を及ぼすというようなことになりましては、これは重大問題になりますので、御注意の筋もありますので、そういう点につきまして、私も十分注意して参りたい、かように存じます。
○川村委員 最後に一つ、奥野さんにお聞きしますが、私、まだ詳しいことは聞いておりませんで、新聞でちょっと見たのですが、鉄道の利用債の問題について自治庁としては、必ずしも鉄道当局あたりが要求しておるような形に、自治庁としてそのまま受け入れるわけにいかぬという見解があるようであります。鉄道利用債は、ことしは八十二億でしたか、この八十二億の鉄道利用債を、鉄道側がどういう形でこれを地元に負担させようとしておるのか。また、この利用債について自治庁としてはどういう見解を持っておられるのですか。あるいは利用債を認めるとなると、どういうような鉄道の施設あるいは国鉄の事業に対して、どういう点には認められるのか、このようなところを少し詳しく自治庁の見解を聞かせていただけませんか。
○奧野説明員 御承知のように鉄道利用債は、鉄道の事業から利益を受けるものがあります場合、それに資金の一部を持ってもらって鉄道の事業をやっていく、こういう形で行われているものでございます。利益のあるものに資金を持ってもらうわけでありますから、国鉄が政府保証債を発行するその際の利回りよりも低い利回りでありますし、またそういう資金でありますから、もとより国鉄の政府保証債でありますと、日本銀行が担保にとるわけでありますけれども、利用債でありますと、これはとりません。従って資金も寝てしまうわけであります。そういう意味で従来鉄道利用債を、たしか年間二、三億円ずつ発行して参ったように思います。それが三十二年度では一躍十九億円にふえたというように記憶しております。それがさらに三十三年度においては八十三億円に増額になったわけであります。その鉄道利用債はどういうところに向けられるかということを見て参りますと、ことしはたとえて申し上げますと、山陽線を電化していく、こういう電化に必要な資金を地元で利用債を引き受けてもらいたい、それと見返りに電化工事をやっていく、こういう格好になってきたのであります。そうしますと、電化によってだれが利益を受けるか、なかなかむずかしい問題であります。勢い府県や市町村がその資金を背負い込まざるを得ないというような格好になってしまうのでございます。その結果、府県や市町村としても、なかなかそういう資金を背負い込めないので、結局銀行に無理に頼み込んで持ってもらって、そのかわりに利子の少い部分だけを地方団体が補給する、こういうようなことにもなってきたわけであります。そうしますと、将来鉄道の電化もどんどん進められるわけでありますし、そういう場合の資金の調達を全部府県や市町村が背負い込まなければならないようなことになって参りますと、まさにこれは地方財政として予想もしなかったことでありましてさしあたりのことは若干のことはできましょうが、将来にわたって、そういうような任務を地方団体が負わざるを得ないということは大問題だと私たちは考えておるわけであります。そういうものは、やはり国鉄が政府保証債を発行いたしまして全国から資金を集めて必要なところからどんどん電化を進めていく、そういう性格のものじゃないか、こういうふうに私たちは考えておったのであります。そこで将来の問題といたしまして一体鉄道利用債をどういうものについて地元に背負い込ませるつもりであるか、その範囲を明らかにしてもらいたい。たとえていえば駅前の広場を拡張する、あるいは駅舎を改築するというような場合に、地元の都市計画の事業とも関連いたしまして、いろいろ希望もありましょう。従いまして利用債を地元で引き受けるということは、私たちはけっこうなことだと思います。しかしながら幹線を電化していくためには、国鉄は政府保証債を出しておるじゃないか。それにもかかわらず、地元で別途に利用債の引き受けを強要するということは、先ほども申しましたように、その資金は寝てしまう資金でありますし、また政府保証債よりも低い利回りのものでありますし、またそれが低いものでありましても、なかなか地方財政にはそういうゆとりがありませんので、そういう任務は負っていけないと思います。そういうことになりますと大問題になるわけでありまして、鉄道利用債を将来にわたってどういうものについて発行するのか、その範囲を明確にしてもらいたいということを、国鉄に対して申し入れておったわけであります。国鉄といたしましても、出したくないのだけれども、そういう話し合いをはっきりせよということになりますと、運輸省の問題にもなるのでということでありまして、運輸省と話をしてもらいたい、こういうようなことになったりしておるわけでありまして、早急に政府部内でその辺の範囲を明確にしてもらいたいという希望を強く持っておるわけであります。将来にわたります利用債発行の態度がきまりませんと、今年だけは利用債をどんどん引き受けて電化をどんどんやってもらうというのは、府県や市町村としても出にくいのじゃないか、また私たちとしても、たとえば再建団体が再建計画の変更をするなり、利用債について利子補給を銀行にやっていくのだというようなことを言われても、それがよろしいということは言えないのじゃないかと考えております。そういうことで、利用債の将来にわたる発行範囲をどうきめるか、そういうことについての範囲を、国鉄なり運輸省なりに明確に示してもらいたいということを求めておるわけでありまして、いまだに具体的な話を得ておらないわけでありますが、私たちは早急にそういう点について明確になることを期待いたしておるわけであります。
○川村委員 わかりました。どうもありがとうございました。
○鈴木委員長 北條秀一君。
○北條委員 私は、さきに委員長を通じて政府に御通告申し上げておりますように、懸案になっておりました町村の越境合併の問題について政府の御方針をこの際明確にしてもらいたい、こう考えておるわけであります。
 いろいろこれから聞いて参りますが、第一にお伺いいたしたいのは、長野県の神坂村と岐阜県の中津川市との越境合併の問題であります。また岐阜県の白鳥町と福井県の石徹白村との越境合併の問題でございますが、この二つの問題は、少くとも七月中にはすべての調整を終って結論を出すというふうな御方針であったと私は了解しておるのでありますが、まず、この問題はどういうふうな調整をしておられて、どういうふうな段階に現在来ておるのか、この点について明らかにしていただきたい。
○藤井説明員 石徹白村と白鳥町の県境にまたがる合併の問題でございますが、この問題も含めまして、他の問題につきましても、これはわれわれといたしましては、今まで再々申し上げておりますように、向うべき方向というものは、答申尊重の線で行くということははっきりいたしておるのでありますが、やはり県境にまたがる問題でもございますので、できるだけやることはやるとしても、そこに納得のいく方法、百パーセント満足ということにいかなくとも、まあまあというような一応納得のいく線を出していくことが、一番いい方法じゃないかという線で、具体的調整に現在入っておるのであります。問題が問題でありますので、この進み工合というものが、当初私たちが事務的に予想をいたしておりましたほどスムーズに進捗をいたしておるとは言いかねるのでありますが、大体の方向といたしましては、徐々に解決の見通しというものがはっきりしてきておるのじゃないかというふうに考えておるのであります。石徹白村の問題につきましては、福井県の中で、和泉村というところに隣接をいたしておりまする小谷堂というところと、それから三面という部落につきましては、県内にとどまりたいという意向が相当強く表明せられていることもございまして、これを残すということで話し合いを進めて参るということで、現在それぞれの関係当局に事柄を示しまして、事案の調整を進めておるような次第でございます。
 さらに長野県の神坂村と岐阜県の中津川市の問題につきましては、これにつきましても相当程度残存をしたいという希望が強いというふうに表明をせられております馬籠の部落を中心に、一部を分離をするというような方向でいかがであろうかという線を、すでにわれわれといたしましては出しておるのであります。これに対しましては、地元の神坂村当局なり中津川市当局にじきじきにこちらに来ていただきまして、なお両県当局の立ち合いを求めまして、具体的な話し合いを進めておるのであります。この点につきましては、なおいま少しある程度調整を要することがございますので、若干の時日はかかると思うのでありますが、大体の方向といたしましては、はっきりしたものが出つつあるのじゃないか、かように考えておる次第でございます。
○北條委員 ただいまの藤井局長の御意見でございますが、これは藤井局長の御意見なのか、あるいは自治庁全体としての御意見なのか、その点をお尋ねしたい。
○藤井説明員 もちろん事柄が事柄でございますので、単なる私たち事務当局だけの意見というものではございませんで、自治庁といたしまして、方針として決定をいたしておる線でございます。
○北條委員 それでは、第一の石徹白村と白鳥町の問題は別にいたしまして、中津川市と神坂村の問題でございますが、神坂村の馬籠部落の件について、私どものところに入りました情報によりますと、馬籠が全体で百九十戸ある。そのうち越境合併に反対するのは五十八戸、越境合併に賛成するのが百三十二戸というふうになっておる。そしてこの有権者の数からいきますと、有権者は全体で五百九十四人おりまして、賛成が四百六人、反対が百八十八人というふうになっておる。そういたしますと、七割五分というのが越境合併に賛成をしておるわけであります。そこでこういうふうになりますと、私は大局に立って考えると、ことにこの問題は前にも申し上げておりますように、三年以上もかかっておる問題でございます。ことごとくこれ政府の政治責任に関する問題であります。これはあとで大臣に御所見を伺いますが、まず局長に伺いたいのは、こういう実態になっておるということについて、また今申し上げましたような数字について、あなたは今十分に認識されておるのかどうか、また馬籠部落がそういった賛成派、反対派がある際に、百八十八人があくまでも反対するならば、馬籠全体で四百六人の賛成があっても、全部長野県に残しておくというふうな調整をされようと考えておるのかその点を伺いたいと思います。
○藤井説明員 今お示しになりました数字は、私も、もちろんよく承知をいたしております。ただこれは神坂村当局がいろいろな方法で算出をしてはじき出した数字でございます。ところが、一面県内の残置派と申しますか、その方から出ておりまする署名その他から見ますと、実は全然反対の数字が出ておるわけであります。大ざっぱに申しまして、神坂村当局が差し出しておりまする資料によりますと、今、北條委員からも御指摘がありました通り、七割五分ないし八割というものが残置反対だということでありますが、いわゆる残置派から出しておりまする資料によりますと、全くその反対の結果が出ておりまして、七割五分ないし八割が地元に残りたいというふうな資料が出ておるのであります。内容は、結局おかしいことになりますのは、半分程度の者がどちらにも署名をしておるということの結果から、そういう結論が出てきておるのであります。そこで神坂村当局が言っておりますことも、頭からこれは信用しないというわけではございませんが、それだからといって、残置派が出しておりまする資料についても、これは村当局ではないのだから全くでたらめだというふうにも参らないのであります。一面大局的な見地から、調整の資料としては、こういうような点が最もポイントではないかと考えられますので、その点についてもう少し話し合いの余地を残しつつ、さらに調整の点をしぼって参りたい、かように考えておる次第でございます。
○北條委員 もう少し調整したいというお考えのようでありますが、その点については、むしろ藤井局長は、村当局あるいは市当局を東京に招致されて、馬籠部落は長野県側に残置せよ、そういう方針で了承しろ、こういうふうな調整をされておるように私は聞いておりますが、これは誤聞でしょうか。
○藤井説明員 御承知のように、越県合併に関する処分は、今出ております申請を認めるか認めないか、いわゆるオール・オア・ナッシングということでございまして、こちらに区域を変更して処分をする権限はございません。従いまして、かりに馬籠部落というものを残すということでこちらがいかに強硬にがんばりましても、これはこちらに処分権限がないことでございます。神坂村自身が自発的に村会で議決をする、さらに中津川がこれを受け入れる、また岐阜県会の方でこれを議決する、そういう一連の手続が踏まれなければ、そういうことはできないのでございます。そこにおのずから限度があるわけでございますけれども、なお調整の線としては、そういうことで一つ考えられないか、長野県側としても、不承々々ながら、こういうことであればやむを得ないというようなことも言っておるわけでございますので、そこに調整のめどを置きたいというので、その方向で話を現在進めておるのであります。
○北條委員 きわめて適切な言葉を得られたのでありますが、オール・オア・ナッシングという言葉でございますが、村当局、市当局はまさにその通りの考えをしておるのであります。オール・オア・ナッシングという考えで、一か八か、すなわち残置するかしないか、残置させるとすれば、それについてはわれわれとしては絶対承服できない、こういうことを言っておるわけであります。これはすでに行政当局においては、中央審議会において審議される過程において十分に検討されておりましてその際にこういう問題はとくとわかっておったはずだと私は考えておるのであります。しかも、それを今日になって再び話をむし返しておるところに、はなはだ不可解な行政当局の態度があると言わざるを得ないのであります。そこでこの問題は、中央審議会の答申をあくまでも尊重するという方針であるならば、その尊重するという意味は、一体今日の段階においてどういうことを考えておられるのか、この点について意図を示していただきたいと思う。
○藤井説明員 尊重するという線は、審議会の答申の方向というものをそのまま原則的には認めていくという線でございます。従いまして石徹白にいたしましても、神坂にいたしましても、答申の線は、全村をそのまま岐阜側に編入しなさいということを適当と認めているのが答申の線でございます。百パーセント答申の線を尊重するというなればそのままやればいいわけであります。ただ、われわれといたしましては、先刻来申し上げておりますように、事柄が県境にまたがるというようなことで、率直に言って政治的にも大きな問題になっておる事柄でありまして、将来さらに両県下においてお互いに提携をしていかなければならぬので、そこに何らか一種の感情上のひびが入るというようなこともこれは好ましくございません。そこで、完全に満足とはいかないまでも、ある程度まあまあといったような線が出得るならばそれにこしたことはないというような配慮から、現在調整を進めておるということでございます。
○北條委員 今の石徹白と神坂と中津川の問題については、くどいようでありますが、七月中に結論が出されると私は考えておったのでありますが、それが今日まで延びてきておるわけであります。しかも法律の時限があるわけでありますから、従って八月を過ぎて九月にもなると、この問題がおそらく時間切れになるというような危険を私も感じますし、多分行政当局においても感じておられると考えておるのでありますが、現在の藤井局長の御所信からして、八月中にこの問題についての万事の調整を終って、最後の裁定を下し得ると考えておられるかどうか。また同時に、私は八月中にこの問題についての結論が得られるというふうに期待していいかどうか、この点についての御所信を承わりたい。
○藤井説明員 私たちといたしましては、八月中にめどをつけたい、かように考えております。
○北條委員 それでは次に埼玉県と東京都の越境合併の問題でありますが、この問題について現在どういうふうな状態になっておるか、これについて御説明を願いたい。
○藤井説明員 元狭山と瑞穂町との合併問題につきましては、実は調整の線というのがなかなか見つけにくいのであります。先刻申し上げておりますように、神坂村なり石徹白村なりというような、同じ方向に基く調整の線というものがなかなか見つけ出しにくい状況であることを率直にわれわれも認めておるのであります。従って、調整の方式その他につきましても、ある程度同じような方式ではいけない場合も生ずるかと思うのであります。現在のところでは、第一次的には県すなわち埼玉県当局に対しまして何らか具体的な調整の方法というものが考えられないのか、一応議会なりその他の県内態勢というものは絶対反対という線に固まっておるようであるけれども、しかし、時日の切迫ということもあり、そういうようなことだけでは事柄の円満な解決というものははかり得ない、そこに何かもう一歩進んだ具体的な調整方法というものを考えようと思えば考えられるのではあるまいか。そういうような線で一つ具体的に調整の線を持ち出してみてくれぬかということを、現在県当局側に要請をいたしておる段階であります。
○北條委員 これは新聞の報道であるから、その真偽のほどについては私も十分確信がございませんが、八月六日の各大新聞の多摩版、埼玉版に、それぞれ元狭山と瑞穂町の越境合併について、埼玉県においては、元狭山村の越境合併をしないで、むしろあそこに新市を作ったらどうかということが問題になっておる。そういう新事態が起きているのである。従って、その新事態をどうさばくかということが自治庁としては頭痛の種であると出ておったようでありますが、この点について真相を、わかる程度の範囲においてこの際お示しを願いたいと思います。
○藤井説明員 そういう動きが一部にあったことは事実のようでございまするし、隣接二カ町村の方から見ると、元狭山村に対して、合併は、九月三十日までの時限法である臨時特例に基く市制を施行したいがどうかというような申し入れをいたした事実はその通りのようでございます。ただし、その後になりまして、元狭山村当局といたしましては、全会一致でそういうものは絶対受け入れられない、自分たちとしては、当初の方針通り瑞穂町との合併に邁進するということの決議をいたしまして、その決議を、私たちの方に非公式に持って参っておるということが最近までの実情でございます。
○北條委員 この新聞の記事の問題でございますが、ところが、元狭山の村民諸君が埼玉県の栗原知事にお会いになったときに、栗原知事は、新しい市を作ったらどうかという原案が自治庁から出ている、こういうことを言明しているのであります。これは容易ならぬ問題であると思いますが、自治庁の方からそういうことを提案されたのかどうか。
○藤井説明員 そういう事実は全然ございません。
○北條委員 それでは、元狭山の越境合併の問題について調整すべき問題があるということは前々から言っておられるようでありますが、一体現在どういう点について調整をはかっておられるか、またその調整の進捗状態はどうか、そういう点について、この際はっきりしていただけることができますればはっきりしていただきたい。
○藤井説明員 先刻申し上げましたように、本件については、具体的な調整の線というものが実はなかなかむずかしいのであります。そういうようなことで、先刻も申し上げましたように、具体的に、県当局に対しまして、何か地元とはかるというようなことはできないかもしれないけれども、こういうような対案でいったらどうかというような線があれば率直に一つ考えて話してもらいたいということで、現在考慮を求めている段階でございまして具体的に今のところ調整の方法というものは出ておらないのであります。
○北條委員 私は、よけいなことかもしれませんが、八月六日に埼玉県と東京都の瑞穂町、両方の現地を一わたり歩いたのであります。そして賛成、反対側のできる限りの意見を聞いたのでありますが、元狭山村については、あそこに一区から十区まであるのでありますが、第四区六十三戸が一番問題になっておる。その六十三戸のうち二十戸は賛成で七戸が反対、あと三十六戸は中立だ、こういう状態でございます。そして付近の町村の当局に会って聞いてみますと、この元狭山村の四区の問題は、結局政府が右にしろといえば右になるし、左にしろといえば左になるのだ、そういうのが農村の実態なのだ、こういう話を賛成側、反対側両方から私は聞いてきたのであります。この第四区は一番問題になっておるので、この第四区の実態をよくつかんで、その上で調整をはかっていくということが必要であることは言うまでもないと思うのでありますが、自治庁の方では、この四区の実態について調査をされたことがあるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 四区の問題については、今お示しになりましたようなことは、われわれの方でも把握をいたしております。ただ現在のところ、その線だけを出していくことがいいのかということにつきましては、まだ決定を出すべき段階ではないように、私どもとしては情勢を見ておるわけであります。
○北條委員 さきの三年前の地方選挙の際に、元狭山は村会議員を十人しか出していない、瑞穂町は十六人を出している。町村合併の際の二十六人の定員をもうすでに三年前に彼らは自治的にやっているわけです。しかも今問題になっている四区からは、無競争で一人村会議員が出ておるわけであります。この実態を私どもが見るときに、今になってこれを調整するということを言うということは、埼玉県当局においても私は非常に怠慢だと考える。同時にまた政府においても、こういう問題を調査々々にかられて一年以上もおくらせたということは、政治の非常に大きな怠慢だと私は考える。ことに本年の三月二十五日に審議会から答申が出て、それを法律を改正してこの九月まで延ばした。こういうことは現地民にとっては、政府の常識、政府の誠意を信頼いたしておりますから、答申を尊重することなく、しかも期日を延ばしたということになれば――政府は非常に慎重に、たとい多少の反対があっても積極的にかつ誠意をもってこれらの人を説得して、そして原案通りにやってくれるんだという期待を強く持っておることは当然のことだと私は思う。それは岐阜県の場合においても、長野県あるいは福井県の場合においても同様だと私は考えるのであります。従って現住民は一にも二にも政府を信頼して、百パーセント信頼して今日まできておるにもかかわらず、いざとなった場合に、政府が、先ほど来御説明のようにじんぜんとして日を過しておるということは、私は、はなはだ政府として責任をとらない態度だと思う。これは問題は一町村の問題であるかもしれませんけれども、国民の代表であるべき政府が、そういった無責任な、自己の怠慢を他に転ずるようなやり方を――他に転ずるとは県当局に転ずるとか、あるいは県内の政治家にこれを転嫁するというふうなやり方をやっておったんでは、今後の日本の行く末が案じられることは当然のことであります。従いまして、この問題についてそういった政治上の怠慢、政府の怠慢はもとよりでありますが、埼玉県にいたしましても、東京都庁にしても同様だろうと思うのでありますが、政府は、政治上の怠慢だということを認められるかどうか、藤井さんに一つお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 答申は三月の二十五日に出たのであります。時期的に非常に切迫をいたしておりました関係もございまして、法律を急遽改正をしていただきまして九月三十日までということで六カ月間延長に相なったのであります。その後選挙に入りましたので、私たちといたしましては、事柄が事柄だけに、やはり選挙の期間中に本問題について具体的な調整をはかりますることが、事柄の冷静な処置というような面からいってどうであろうかということから、選挙の期間中は具体的な調整にはあえて入らなかったのであります。選挙が終りまして以来は、具体的にそれぞれ何回も今まで手を打ってやってきておるのでありまして私どもといたしましては、問題の解決がおくれておるということは認めますけれども、じんぜんとしてただ場当りにやっておるというふうには考えておりません。誠意と責任を持って本問題に取り組んでおりますし、早急にこの問題の解決をはかりたい、かように考えております。
○北條委員 それではこの埼玉県と東京都の越境合併の問題も、時間切れには絶対にしない、必ずそれまでに解決する、八月中に解決するという強いお気持であるのか、その点をはっきりしていただきたい。
○藤井説明員 元狭山の問題は、時期的に若干率直に申してずれるかもしれません。ずれるかもしれませんが、法律の期限内には、当然他の案件と同様に処理をしてしまうということには方針は変りはございません。
○北條委員 くどいようでありますが、先ほど言いましたように、八月中にこの問題は結着をしておかなければ、九月に入ると、どうも時間切れになるという可能性が非常に強い、私はそう考えておりますし、今まで行政当局においてもそういったことを懸念されておったと思うのです。従って法律の期限内、すなわち九月三十日までということは、確かにそういうことは言い得るのでありますけれども、それでは時間切れになるという心配が非常に強いので、どうしてもこの問題はそういった公式論的な言い方でなしに、実際に問題を処理していくという立場に立って、八月中にどうしてもこれは結着をつけなければならぬというふうに考えていただきたいし、そういうように行政当局に向って期待を持ってよろしいかどうか。
○藤井説明員 できるだけその方向で努力をいたしたいと思います。
○北條委員 私一人が質問を占領して恐縮でありますが、もうしばらくあと十分くらい時間をいただきたいのでございます。
 最後に青木国務大臣にお伺いしたいと考えるのであります。むしろ、これは質問よりも青木国務大臣の強い御所信をこの際はっきりしていただきますことを強く要望申し上げるのであります。問題は、今藤井局長から聞いて参りました問題でございますが、かねて地方行政の問題については最もベテランであります長官でありますから、私のごとき若輩からつべこべ言うべき筋のものではないと思うのであります。しかし、新市町村建設の問題につきましては、促進法がはっきりとうたっておりますように、合併を強力に推進するということが法律の根本の筋になっております。同時に三月二十五日の中央審議会の答申におきましては、これも釈迦に説法でありますが、今申しました三つの越境合併の問題については、合併を行うべき理由が十分に存し、かつまた住民の大多数の希望があると考えられる地帯を慎重に究明した結果、合併を行うことが関係地域の今後の発展と住民福祉の増進のために必要である、という大上段から大局に立った答申が出されておるのであります。この問題を政府がそのまますなおに受け入れられて、そうしてなるべく急いで結論を出されるということは、政府としての政治責任であると私は確信するのであります。おそらく青木大臣も、その考えについては同調されるのではないかというふうに私は期待するのでありますが、まずその答申についての政府の政治責任という点についての青木大臣の御所信を承わりたいと思います。
○青木国務大臣 審議会の答申を尊重しなければならぬことは、これはもとより言うまでもないことと私は考えるのであります。ただ問題は、先ほど行政局長も申しておりましたが、たとえば東京と埼玉の関係の問題、これは北條委員も、私が申し上げるまでもなくよく御承知の通り、東京と埼玉は首都圏の問題を常に協力一致の態勢で今日までやって参り、また今後ともそうなければならぬと私は思うのであります。ところが、御承知のように埼玉県当局が強い反対の意思表示をいたしておりますので、やはり政治的に考えまするときに、東京都と埼玉県と、できるだけ円満に話し合いをつけるようなあり方で答申の線を尊重する、こうすることが政治的に見て当然なすべき配慮ではないか、かように考えまして、その線に沿って最善の努力を傾けてみたい、こういうことでせっかく努力をいたしておるのであります。答申の線は尊重しなければならぬことは当然でありますが、同時に大局から考えまして、埼玉県と東京都の間に、いやしくも将来何らか感情上のわだかまりを残すようなことがあっては、これまた大きな問題でありますので、そういうことのないように、何とか両方の観点から納得のできる調整の線が出ないものか、こういうことで私たちも全力を尽しておりますし、また埼玉県当局等に対しましても、いろいろ御考慮をお願いいたしておるわけであります。
○北條委員 青木大臣にお伺いしますが、この問題は、確かに政府の政治を行なっていく上においての大きな怠慢だったと考えるのでありますが、青木大臣は、確かにその政治上の怠慢だったというふうにお考えになっておりましょうかどうか。
○青木国務大臣 慎重にやっておりましたので、結果的に見ると、長く決定しないので怠慢だというふうなあるいは御見解も出るかと思うのでありますが、決して怠慢、ほったらかしておくというような意味ではないのでございまして、何とかして円満に事を処理したい、こういうことのために慎重にやっており、さらにまた問題が問題でありますので、なかなかお互いにちょっとしたことで疑心暗鬼を生じたり、いろいろなことがあるものですから、どうしても事の処理上表立ってやることはできませんし、いろいろ各方面の御意見を聞くというようなことをやっておりますので、外から見ますと、いかにも怠慢のように見えるかもしれませんが、私ども内部的にも、また関係の方面ともずいぶん今日までいろいろな機会にいろいろな方法で意向を打診したり、また私どもの考えをそれとなく伝えてみたり、百方苦労はいたしておるのであります。率直に申し上げますと、平たくいえば実は一番の頭痛の種になっておるのでありまして、怠慢どころか、真剣に取り組んでおるのであります。その点はどうぞ事情を御了解いただきたいと思います。
○北條委員 非常にむずかしい言い方かもしれませんが、調整の限界あるいは円満に事を処理していこうという限界、これは非常にむずかしいと思うのであります。そうすると、一人でも反対者があれば、これを何とか説得してやつていかなければならぬというわけで、円満にやっていこうとすれば、ついにできないということに終るのでありますが、そういう点もこの際ははっきりしている。反対者が何人であって、賛成者が何人、こういうことが非常にはっきりしておる。しかも最後の問題は、他の関係町村の当局者が言っておるように、総理大臣がこれに裁定を下せば、それによって町村の人はそれでいいのだ、反対も賛成もないのだというふうに言っておるわけであります。従って、これらの人たちの言い分は、答申通りに政府がすぱっと裁定を下せば、あとの反対の諸君も御無理ごもっともでいく、こういうような、きわめて強い反対でなしに、そういうような煮え切らない態度でおるのだ。だから、何はさておいても政府が早く態度をきめることだ、反対側がそう言っておる。反対側の町村が、元狭山じゃありません。ほかの周囲の当局者からそういうふうに私は聞いておる。ものも聞きょうによって四角にもなり、まるくもなるのであります。そういうことでありますから、これは時間一ぱいということでは断じてだめだと思いますし、おそらく大臣もそう考えておられるのだと思う。従って、特別国会が済んだらいの一番にやるのだと大臣がここで言明されたのであるから、ぜひ八月中にこの問題については結着をつけるように最善の努力を払っていただきたい、こういうことをお約束していただきたいと思いますが、いかがですか。
○青木国務大臣 北條委員が非常に問題を御心配なさいまして、元狭山でありますとか、あるいは瑞穂町、いろいろお調べになったこと、私もいろいろ承わっております。できれば私自身もいろいろ現地の事情も承わりたいと思うのでありますが、しかし、私どもの立場からしますと、またいろいろ誤解も受けたりいたしますので、直接できませんので、いろいろな人を介しまして、実情の把握と申しますか、住民の方々の御意向を正確に把握いたしたいと全力を尽しておるのであります。もちろん一名の反対があればそれを尊重せんければならぬということではないことは言うまでもありませんが、しかし大局から見まして、これならばという線を出すためには、やはり私どもといたしましても、十分に調査もいたし、ある程度の確信をつかまなければいかぬことは当然でありますので、そのために県の当局あるいはその他の方面等を通じまして、全力を尽して何とか調整の道を見出したいということでやっておるのであります。そこで、八月中に結論が出るかというお話でありますが、先ほど行政局長も申し上げました通り、他の二件につきまして、ことに福井と岐阜の問題につきましては、これはもう間違いなく八月中に結論が出せると思うのでありますが、狭山関係につきましては、先ほど局長から申し上げましたごとく、埼玉県側に対しましても、何らかの方法はないかということで、一応県当局の考えも承わっておる段階でありますので、その回答もまだ得ておりませんし、ここではっきりと八月中に結論を出すということは申し上げかねるかと思うのであります。しかし、言うまでもなく九月三十日という期限があるのでありますから、どうしてもそれには間に合うように最終的の結論を出さなければなりませんし、また出すのが当然でありますので、時間切れというようなことはもうあり得ないわけでありますから、それまでに何とかせんければならぬことになっておりますので、できるだけ早く結論を出すように全力を尽したい、かように思っております。
○北條委員 私は、関係町村というような立場だけで考えておるのではなしに、立法府あるいは行政府という立場をあくまでも堅持しなければなりませんし、その政治上の責任という点から、こういうような法律を作って、こういうふうに促進して、調査して、審議して、答申してやったのですから、これは実際小さな問題であっても、非常に大きな問題である。たとえて言いますならば、人間の指に刺さったとげみたいなものでありまして、小さなとげであっても、そのとげを抜かなければ人間は十分な活動ができない。そういう立場から私は聞いておるのでありまして、これは八月中にやるという強い決心を大臣が表明されるならば、私としても一応は安心できますが、私は、委員長の命によって八月の十七日から十日間北海道に調査に出かけなければならぬことになっておりまして、鬼のいない間に洗濯するという例は適当でありませんが――私は別に鬼ではありませんが、そういうわけで、いない間にじんぜん日を送られたのでは、私としても、立法府の一員として責任が負えない、こういうふうに思いますので、私は、今のようなお話ならば北海道へ行くことはやめようと思う。やめても自治庁のけつをひっぱたかなくてはならない、こういうふうに考える。そういう事情があるのであります。従ってくどいようでありますが、ぜひこれは八月中にやっていただく。といってもちろん八月中にやるという言明をされても、二日や三日はおくれてもやむを得ないと思う。しかし、方針としては八月中にやるのだという強い表明がありますならば、私は、委員長の命によって北海道へ行きますけれども、そうでなければ北海道へ行くのはやめます。やめて自治庁と一本勝負をやりたいと考えます。どうかそういう意味でお答え願いたいと思います。
○青木国務大臣 少くとも八月中に一定のめどをつけるような方向で全力を尽したい、かように存じております。北海道の方はどうぞ一つ……。お留守でありましても、決して私ども北條委員がお留守だから、その間に怠慢ということはいたしませんで、お留守になればお留守になるほど、私ども全力を尽してやるつもりでありますから……。
○中井(徳)委員 私、きょうはもう質問やめたいと思っておりましたが、今問答を伺っておりますと、少しどうも政府のお考えは甘いように思うのです。円満に解決するといって、そんな解決できますか。私は、これだけごとごとやったものを円満に解決なんかできないと思う。それは青木さんが主観的に円満に解決するだけで、もう泣き寝入りということなんだ。ここに問題がある。そこで政府としては、もっと筋を通した裁定を私はやってもらいたい。それは少々きらわれたってしようがないですよ。百人のうち百人ともうまくいくなんということは、これは全体主義だと私は思う。そこであらためて私伺いたいのですが、大体町村合併促進のときには、住民本位ということでずっと来ている。府県の越境の問題だけは、府県に関係があるから府県の意見も聞くと、こういう。それなのにどうも最近の傾向を見ますと、府県知事の意見を非常に重要に私は皆さんが聞いておられるように思えてならない。一体どうなんですか、これは町村の議会、理事者の意見を重要視するのか、あるいは府県知事の意見によるのか、あるいはまた裁定のものをどういうふうに考えていくのか、この三つのうちどこに重点を置いてどうやるのか、方針が一向に私はないように思う。私も部分的には関係の地区がありますので、皆さんのところにも、この間陳情に伺ったこともありますが、そのときの皆さんの大体の空気によると、裁定が出た以上は、それに従うのが常識であろうというお考えのようでありますが、その後私、岐阜県の中津川に参りましたら、全く何か裁定と別のことでもって今交渉が展開されている。馬籠という部落は、これは長野県で、島崎藤村の生まれたところで非常に歴史的な由緒があるようにも伺いますが、どうも筋が通らぬ。私の関係のものでもそうであります。府県の境界の村が、もとの県から新しい県にかわろうということは、何も、もとの県がいやだかわらという県単位ではありません。住民本位に考えて、もとの県も大へん親切にしてくれたけれども、これでは自分たちの暮し向き、すべての生活文化、そういう面からいって隣の県の方がいいという自主的な判断をしてやったんだろうと私は思う。私は本質的には、これはもう越県合併したいところはみんなやらすというのが筋だと思う。法律では、親切にああいうふうにやっておる。こういう筋について、近ごろの皆さんのお考えを拝見してみますと、少しどうもおかしいように思うのです。なぜ県の意見をそこまで重要視しなければならないか。そのことによって県がつぶれるとか、あるいは人口が半分になるとか、三分の一に減るとかいう大問題になってその県の経営ができないというなら、これは重大問題ですけれども、そうじゃないでしょう、現実の問題は。私は、その問題について、政府当局のきぜんたる態度をあらめて伺っておきたいと思う。円満にいくという青木さんの御性格、それは非常にけっこうでありますが、できますか、結局泣き寝入りだと思う。あるいは妥協だ、しかもその妥協があとに残る妥協だ、それと違いますか。馬籠の問題なんか、私は伺いました。やはり八割だそうです。長野県に残りたいのは二割、岐阜県にかわりたいのが八割、部落の中でも八割だそうです。それをそういう形で妥協するというのは、これは私は理解できないのでございますが、どうでございますか。その辺のところ、大臣からでも局長からでもけっこうでございますが、私は一ぺん水をかぶって静かに一つ考えてもらいたいように思います。もう問題がこんがらがって、あそこでちょっと手を打とうとか、ここでちょっと手を打とうとか、これではせっかく作った法律の趣旨が死ぬように思いますが、どうですか。
○藤井説明員 御注意の点はもっともでございまして、大きな問題というか、むずかしい問題に取り組んでおりまして大局を見失うようなことがちあってはならないということは当然のことであります。われわれといたしましては、その大局の線についてははっきりして、これを見失うというようなこともございませんし、そういうことについては十分注意をいたしておるのであります。すなわち大局的な問題といたしましては、答申の線というものは、これはあくまで尊重する線で考えていく。その方向というものはこれはくずさないという考え方で進んでもきておりますし、今後の方向というものにつきましては、これは間違いのない線で確保をして参りたいというふうに考えております。なお、問題を考えるに当りまして何を主体にするかという点につきましては、今までも申し上げておりますように、住民の意向、住民の意思、住民の福祉というものを第一義的に考えなければならぬ、これが当然のことのように考えております。
○中井(徳)委員 今の御答弁ですが、答申を第一とするというが、われわれは、われわれの立場から答申に満足しておりません。それはなぜかというと、今あなたが第二段目に言いました住民本位の裁定をしていない。そこであれは問題が錯綜している。あの裁定がほんとうに住民の意思に沿ってすっとやられておったならば、あとは県だけです、いろいろ文句を言いますのは。大体町村合併の仕事というものは、私は国政だろうと思います。県のあまりささいなことについて中央が一々やるのはいかぬというので、府県にこれを委託しておる。委託事務的な性格を持っておる国務だろうと思います。そういうものについては、二、三年前に町村合併促進法のときに議論をして、そうだということになっておる。私は、速記録を調べてみたがあります。そういうことなんです。そこに問題があるのです。そのために皆さんが努力したのならいいけれども、そうじゃなくて、いたずらに妥協のために努力しておるというような印象を受けるのですが、どうですか。青木さん、あなたの御立場は非常によくわかる。あなたの御出身は埼玉県ですし、埼玉県の知事以下非常にこの狭山の問題に反対していらっしゃる。立場はよくわかりますが、やはり国務大臣としては、大きくここは踏み切ってもらいたいような感じを持つわけであります。問題は小さいのですけれども、そのような問題に関連を持っている一人といたしまして、やはり自治体の大局をながめてその辺のところははっきりしてもらいたいと思うのですが、大臣どうですか。
○青木国務大臣 お話のように、町村合併は、あくまでも本質的にはその住民の意思というものを第一義的に尊重しなければならぬことは、これは申し上げるまでもないのであります。ただ、越県合併になりますと、先ほど申し上げましたごとく、何分隣合った県同士でありますので、円満解決ということが――あるいは言葉として、表現としては不適当かもしれませんが、ある程度納得のいくような姿でやることは、政府として当然やらなければならぬことじゃないか。やはり町村合併ということは、それ自体は住民の意思を尊重せなければなりませんが、同時に、そのことが両県にまたがっておる場合には、両県の立場というものを考えて、ある程度納得いくようなところでやることが私は適当じゃないか、こういうふうな考え方に立ってやっておるのでありまして、決して町村合併の本質を見失うということのないように、私も十分その点は注意をいたし、またそういうことのないようにしなければならぬと考えておる次第であります。
○中井(徳)委員 ある程度納得がいくというようなことは、実際にこの段階にきて私はないと思うのです。だれかにきらわれる、これはやむを得ないと思う。政治としてやむを得ない。そういう考え方から、私どもは町村合併促進法を作りました。その最初の精神にかんがみますときに、これは非常に成功して今日まできました。しかし、あとはまだ財政的な裏づけがありませんから、非常に評判が悪いのです。悪いのですけれども、将来への姿としては、社会党も賛成をいたしましてここまで持ってきましたが、何か九仭の功を一簣に欠くような政治的妥協――納得ということはありませんよ。泣き寝入りということです。そこでどちらが正しいかということを、やはり法律の精神に沿ってきめなければならぬ。私は、大臣の腹をきめなければならぬ段階だと思う。八月だ、九月だ、そんな時期の問題よりも、政府の考え方にある、こう思うのですが、重ねて御所見を伺いたい。
○青木国務大臣 最終的には、もちろん何らかの断を下さなければならぬことは当然であります。しかし、断を下すまでの段階におきましては、やはりできるだけの努力をする。こういうことは私は必要じゃないか、かように考えておるのでありまして、最後の断を下す場合になって、町村合併促進法の考え方なり、あるいは町村住民の自由意思というものを無視するというようなことがあってはならぬことは言うまでもないのであります。しかし、最後の断を下すまでの段階におきましては、納得のいくような線が出るかどうか、それに全力を尽すべきことは、私は政治として当然やるべきことじゃないか、かように考えておるのでありまして、最終の段階における断を下す場合におきましての私どもの態度というものは、あくまでも地方住民の意思またその土地の将来の発展というようなことを考え、そうしてまた答申の線も考慮に入れて下すべきことは当然と考えるのであります。ただそこに、至るまでの段階において、私どもがいろいろ努力いたしておることについては、御了承いただきたいと思います。
○鈴木委員長 纐纈彌三君。
○纐纈委員 関連してちょっと質問したいと思うのですが、ただいま北條、中井両委員からの質疑応答によりまして政府当局は、越県合併問題に非常に苦慮されておることは十分わかります。ただ、今中井委員から話がありましたが、円満にやるという御趣旨については、私はもちろんけっこうだと思うわけでありますが、この問題につきましては、従来しばしば、この答申に対する裁決を延ばせば延ばすほど雑音が入って、ますます政府の方でお困りになるだろうということを私警告して参ったわけであります。ただいまの局長のお話でも、石徹白、神坂の問題については大体めどがついたということをおっしゃっておられますけれども、私は、その見方が、中井さんと同じようにまだ少し甘いのじゃないかという感じがするわけです。やはりこれは県内の合併でも同じでございますが、なかなか容易でないことが多いわけであります。そこでやはり答申が出て、その裁決を延ばせば延ばすほど、ますますこんがらがってくる傾向が、すでにこの三つの問題についてはそうした問題が相当盛んになって参って、政府の方でもお困りになっておると私は思うわけでございます。そういうような関係からいたしまして、ぜひとも住民の意思を尊重してもらいたいし、ことにこの越県合併につきましてああいうように住民が希望したということは、現地に行ってよくわかるのです。まことに便利が悪くて、経済的にも、交通の問題からいきましても、やはり希望する方に入ってもらった方が住民のために幸福だということがはっきりしている問題が私は多いと思います。そればかりでなく、いろいろな関係もありますでしょうが、とにかくさような意味合いからいたしまして、私はぜひとも早く円満話し合い、調整をつけられることは必要でありますけれども、その調整を早くされて、一日も早く裁決に持っていっていただきたいと思うのでありますが、もしその話し合いがつかないというような場面に参った場合には、どういうようにこの九月の期日までにこれを処分されるというお考えを持っておられますか。話し合いがつかないという場合も、私は考えられるのですが、それに対して当局側はどういうように考えておられますか。
○藤井説明員 何とか、全面的な了解ということでなくても、ある程度やむを得ないというような線までは何とか話し合いをつけていきたいと思っておるのでありますが、不幸にしてこれができないという場合もあり得ると思います。その場合には、今まで申し上げておりますように、これは答申の線というものを尊重して結論を下すということは申すまでもないことだと思います。
○纐纈委員 私は、今こうしてだんだん紛糾して参りますものに対して、やはり政府は断を下してやっていかなければならぬと思うのです。腹の問題だろうと思うのです。そこで、もし調整がつかない場合には、少くとも一応答申の線に沿って断を下し、それでどうしてもいけない場合には、やはり分村というような問題も考えられるとか、あるいは住民投票をさらにやって多数に従うというような、二つの線よりないのじゃないかと思うわけです。それで、私はむしろこの際、答申を出すまでにはそれぞれ地方行政に対するヴェテランが長い間の調査をして、しかも慎重に第三者の立場で結論を出しておられるわけでありますから、その線を尊重して、すみやかに断を下して裁決まで持っていかれるということがいいのじゃないか。ことにこれがおくれればおくれるほど、これは関係町村がそのためにほんとうに困って迷惑しているわけなんです。そういうこともございますし、またこうした法律によってきめられた裁決が、しかも最初の総理大臣の裁決というものが、じんぜんとして決定をしないということになりますと、これは非常に私は影響するとこころが多いと思うわけでございまして、さような意味合いからいっても、ただ八月の末といわずに、いろいろとお忙しいでしょうが、この機会に、めどのつくものから一つ早く片づけて、一日も早く裁決まで持っていきたいという心がまえを、腹を捉えて――もちろんこれは賛成もあり反対もあるわけで、絶対にだれもが満足するというようなことは、ここまで参ったらできない。これがほんとうに実情だと思うのであります。やはり住民の意思を尊重し、多数の意見に従うような、いわゆる答申の線にどこまでも踏み切るという形でもってこの問題と取っ組んでいかれて、一日も早くこの裁決に持っていくべきだ。そうすれば、自治庁としてもおそらく肩の荷がおりるでありましょうし、また関係町村といたしましても、そこで救われるわけでありますから、ぜひとも一つ一日も早く裁決の線まで持っていっていただくということをここに強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
○青木国務大臣 お話のように、ある程度のめどのついたものから断を下していきたい、かように存じております。全体が済むまで待っておるなどということなしに、めどのついたものから一日も早く御要望の通りにやって参りたいと思います。
○鈴木委員長 門司亮君。
○門司委員 私は、一番先に聞いておきたいと思いますことは、過般の台風による、水害による地方の自治体の災害調査が自治庁でできているかどうか、同時に、これが地方の自治体に及ぼす財政的な影響に対する処置がされておるかどうか、その点を一つはっきりしておいていただきたいと思います。
○奧野説明員 自治体からいろいろな報告が参っておるわけであります。また、それに基きまして関係各省で国庫補助負担金の額の決定を急いでおるわけであります。従いまして、その額が定まって参りますならば、これに関連いたしまして地方債の決定をしなければならないと思います。同時にまた、毎年行なっておるわけでございますが、地方税の減収が生じますとか、いろいろな諸支出もございますので、そういう分は特別交付税で補てんをしていくというようにしたいと考えております。その方の問題は、一応国庫補助金の問題がきまりしてから後の問題になろうかと思っておりますので、ただいまのところまだ手はつけていないわけであります。しかし、いずれにいたしましても十分な処置はしなければならない、かように考えておるわけであります。
○門司委員 私、今聞いておりますのは、前段に聞いたように、自治庁としての調査資料があるなら出してもらいたい。一体自治庁は、国がきめればそれに従ってきめればいいのだというような安易な考えを持っているのかどうかということなんです。調査資料があったら、自治庁としての考え方があるはずだと思います。農林省もやっておるし、建設省もやっておるし、それに従って大蔵省も考えておるでしょうが、やはり自治庁は自治庁としての立場があると思います。大蔵省に対する要求は、自治庁としてもあるはずだと思います。関係各省がきめてくれれば、こっちはそれに従ってやればいいのだということでは、自治体は救われないと思います。どうです、自治庁として被害調査のまとめたものはありますか。
○奧野説明員 自治庁として調査すべきものと、建設省や農林省で調査すべきものと分れるだろうと思います。自治庁の関係で特にしなければならない問題は、主として地方税の減収等に伴います部分だと考えております。その部分は、まだ自治体の方に照会もしていないわけでございますが、もう少し落ちついた上でそういう調査に取りかかりたいというふうに考えております。各省の関係の部分と自治庁の関係の部分と別個にあるのだろうと思います。自治庁としては今のところ報告を受けただけのことでございまして、それを取りまとめた作業はいたしておりません。
○門司委員 自治庁は作業をしていないというが、そんなことでは私は困ると思う。自治庁は、やはり各自治体に対して、被害の状況その他は知るべきだと思うんです。そうしないと、自治庁は、何が役目で自治庁があるんだかわけがわからなくなる。少し自治庁は地方の自治体のために仕事をしたらどうだ。建設省のやることは建設省がやるのだ、大蔵省のやることは大蔵省がやるのだ、そのあとを受けてやればいいのだというようなものの考え方では、自治体は救われないと思う。自治庁は、各被害都道府県や市町村にやはり通知書を出してまとめるべきだと思います。その親切さがなくて、一体自治庁でございますなんて言うておることが私はおかしいと思う。
 その次も同じ被害のことで聞いておきますが、警察庁の方には、この被害に対する人命の損傷並びに家屋の被害等の総合した調査資料はできておりますか。
○石井説明員 被害調査をいたしました資料はございます。ただいま私、手元に持ってきておりませんので、具体的数字のお答えができないのは遺憾と思いますが、御要求がありますれば資料として提出しても差しつかえないと思います。
○門司委員 私どもは、被害の全貌を一応明らかにしたいと思う。むろん建設省関係は建設省関係の資料もあるでしょう。農林省関係は農林省関係の被害の資料があるでしょう。警察関係の、特に家屋あるいは人命に及ぼした影響等について、一応総体的な被害の状況が知りたいと思いますので、できれば一つ調査表があれば至急お出し願いたいと思います。
 水害の問題についての話はそれ以上この際できないと思いますので、次に警察に聞いておきたいと思いますことは、この前の委員会で本州製紙の問題で、警察側はどこまでも正当防衛の立場で行なったのだということを実は言い張っておったのでありますが、最近の新聞紙の報ずるところによりますと、人権擁護局の発表によると、そうではないという発表がしてあるようであります。この事実は違いますかどうか。私のところにある東京新聞の三十三年七月二十二日付の記事を見てみますと、明らかに警察官の行き過ぎであるとして、記事の内容をごく簡単に参考までに読んでみますと、こう書いてあります。「法務省人権擁護局は会社、漁民側の関係者約百人から事情を聞く一方、警視庁に当時の状況について書類の提出を求め、さらに負傷した警官からも事情を聞いた。しかし「漁民が投石などの不法行為に出たのでやむなく実力を行使したが、警棒で漁民を殴った事実はない」といい張る警察側と「無抵抗の年寄りや中学生はおろか、デモ隊に関係のない見物人まで殴られた」と主張する漁民側が最後まで対立した。このため同局はあらためて現場を調査し、負傷者を治療した浦安町の葛南病院などからカルテ、傷の写真の提出を受け医師の証言をもとめて総合判断した結果「傷は警棒で強打されたもの」という結論を出した。さらに1大部分の者が二、三週間の傷だが、一人で何カ所も殴られている。2十数人の見物人も門外で殴打されている、などの点も明らかになったので、警察官職務執行法の「警棒等使用及び取扱規程」に違反すると認定、警察当局に勧告することになった。」こう書いてあります。この事実をお認めになるかどうか。
○石井説明員 私の承知いたしておりますところでは、人権擁護局は、いろいろこの問題について御調査になっておることは事実でございますが、まだ最終結論に到達しておらないというふうに承知をいたしておるのであります。従って外部に対して、まだ最終結論を得る前にその内容を公表されるということはあり得ないと思いますので、ただいまお述べになりました事実がすべて正しいものというふうには即断をいたしかねるのであります。
○門司委員 私は少くとも、この前の委員会で申しましたように、警察側は正当防衛だというのだが、事実はこれに書いてありますように、バスの停留所におった者あるいはバスに乗るまぎわというところでなぐられている。それらの諸君は、石を投げた諸君じゃないと考えておる。しかもデモ隊に関係のなかったこれらの諸君の問題であって、当然私はこの前の委員会でもその点は強く主張したのであるが、どうしても正当防衛だとおっしゃる。一体警察官の正当防衛という範囲は、どのくらいの範囲でやるときにはなぐりつけることが正当防衛なのか、その点を、これは警察の威信のためにも私は明らかにしておきたい。警察官は人をなぐるものだという印象を与えたら、警察の威信のためにもならないし、警察官に対する信頼がなくなって、警察行政の上に支障が起ると思う。警察は悪いものは悪いとはっきり認めて反省すべきものは反省した方がいいと思う。だから聞いておるのでありますが、こういう新聞記事が一応七月二十二日付で出ております。これは新聞紙でありまして、勧告したとは書いてない、勧告すると書いてある。だから勧告を受けておいでにならないかもしれない。しかし、少くともこういうことが公けの記事として出ている以上は、私は、事実はないとは言えないと思う。この前の委員会で、各負傷者から聴取した書類を持ってきたのでありますが、きょうは、その書類はありますけれども持ってきておりません。どうなんです。私は、警察側はやはり行き過ぎがあったら行き過ぎがあったとして、警察官全体に一つこういうことのないように処置をされることが妥当だと思う。今のように、勧告がされてないから最後の決定ではないということでごまかされることは、私はよくないと思う。それなら私ははっきり聞きますが、もしこの人権擁護局から勧告があったら、警察官の中からなぐった者を調査して、その人間を出して必ず処罰されますか、そのことをはっきりしておいていただきたい。
○石井説明員 お説の通りでございまして私は、現在人権擁護局が本件につきまして鋭意調査されておりますことに対して期待を持っておるのでございまして、その調査の結果、勧告というようなことになりますれば、それに基きまして関係警察官の責任を追及すべきものと、かように考えておるのであります。当委員会におきましてしばしば本件につきまして警察官の行き過ぎ行為があったかどうかの具体的事実の詳細なる調査を御指示になったのでございまして警視庁におきましても、その点につきましては鋭意調査を続行いたしたのでございますが、なかなか数の多い関係者であり、具体的な事実をはっきりつかみ得ないという状況にあったのでございますが、幸いと申しますか、人権擁護局がこれの調査に当られるということでありますので、むしろ公平な第三者的立場にある人権擁護局の調査を待って責任を追及すべきものは追及するのが、かえって公正であろう、かように考えまして、いわば人権擁護局の結論を早く出していただくことをむしろ私どもは念願をしているような状況でありまして、その結論に基きまして、先ほど申しました通り、責任を追及すべきものにつきましては厳重責任を追及したい、かように考えておるのであります。私は、当委員会においてしばしば機会あるごとに申し上げております通り、警察官といえども、数多い中には、ときに行き過ぎ、失敗をすることが不幸にしてあり得るのであります。あやまちはあやまちとして、男らしく率直にその非を認め、将来再びその過誤なきを期するよう反省をし努力精進をすることによって、初めて警察が国民に信頼される警察たり得るということは、本件に限らず常に私が申しておるところであります。本件につきましても、もし行き過ぎがありましたならば、これに対する責任は十分追及していきたい、かように考えております。
○門司委員 私は、長官のあげ足をとるわけではありませんが、警察官に対するものの考え方ですが、人間だから往々にして間違いがあるということをよく言われるのです。しかし、こういう特殊の権力を持っておる人に間違いがあっては困るのだ。間違いがあった方は、人間だからということで除外されると、間違いを受けた方はそれでは済まされない。やった方は、何万という警察官がおるから、中には悪い者もおるだろうということで済まされるかもしれないが、被害を受けた方は、だから被害を受けてもやむを得ないということで泣き寝入りするわけにはいかない。だから私は、警察官の中には一人もそういう者がいないのだという考え方の上に立って処置をしてもらわなければ、またあやまちを繰り返すと思う。これはものの考え方です。往々にしてそういうことがよく言われるのです。裁判官の中にも、この間新聞をにぎわしたような人がおりますし、検事の中にもよくない人がおるということは考えられる。しかし、考え方の基準としては、そういう者は絶対ないのだという観点に立ってものを処理していけば、私は悪い者はどんどん処置ができると思う。それを、大勢の中だから一人や二人はそんな者がいるだろう、たまたまおってもそれで全体を律せられては迷惑だというような考え方が当局にあるとすれば、これは非常に大きな誤まりだと思う。だからその辺を一つ考えてもらって、勧告が出ていない――新聞には一週間以内に出すと書いてありましたけれども、その新聞の通りなら先月のうちに出ておると思いますが、まだそれが出ていないということなら追及しません。あるいは勧告が出なくても、私は日常そういうことは調査されるべきだと思う。そして警察の立場というものをこの際一つ明らかにしてもらいたいと思う。
 その次に明らかにしておきたいことは、やはり地方の財政に関係する問題でありますが、御承知のように今月の二日の閣議で、政府は、この不況を切り抜けるために公共事業の繰り上げをやろうということをきめられておるようであります。政府が公共事業の繰り上げをやって参りますと、これは地方自治体の仕事にも影響が必ずしもないとはいえないと思う。そういうものについて自治庁は何か財源的なものを考えておいでになりますか。
○奧野説明員 公共事業に伴いまして、その資金を地方債でまかなうものがあるわけでございますが、そういうこともございまして、地方債を早急に決定する――昨年よりも早く決定しておるのでありますが、なおそういう方向で正そう努力していきたいと考えております。
○門司委員 さらに続いて聞いておきますが、この不況対策でこういうことが行われてくるということは、今度の国会で補正予算は組まないと政府は言われておるようですが、いずれにしても、やはり最後には特別の財政措置をしなければならない段階にくると思う。そういう場合における自治庁の地方自治体に対する財政措置というものは、起債のワクを広げるというようなことをお考えになっておりますか。
○奧野説明員 今後の推移に伴いまして、必要がありますならば、地方交付金の繰り上げ交付というような問題もありますし、あるいは資金のワクを広げなければならない問題も生ずるかもしれませんが、それは今後の進展に伴いまして具体的な措置を決定していきたいというように存じております。
○門司委員 どうも答えがすべて抽象的であって、何が何だかよくわからない。結局、政府の方針によって公共事業の繰り上げが行われるということになると、どうしても財政措置はしなければならぬことになってくると私は思う。それを今のような抽象的なことで、そのときはやるのだ―さっきの災害のときも同じなんだが、出てくれば何とかするんだということで、きわめて消極的なんだが、そういうことでいいのですか。これは大臣から一つはっきり聞いておきたいと思う。被害の調査はまだしておらない、出てきたら何とかしよう。閣議できめた公共事業の繰り上げに対する財政措置も、そのときに何とかしようということなら、これは自治庁なんかあってもなくてもいいですよ。一体あなた方は真剣にお考えになっているのですか。
○青木国務大臣 建設省関係の事業の繰り上げの問題でありますが、これは既定予算の範囲内における繰り上げでありますので、既定予算に対する地方財政の処置は一応立ってあるわけであります。そこで、ただ資金的に、繰り上げの結果地方で困るという問題があるいは起ってくるかと思うのでありますが、それに対しましては、先ほど奥野局長も申し上げましたごとく、地方債の割当を早くやるとか、あるいは交付税を早く配付するとか、こういう措置をいたすというように考えておるのでありますが、ただ新聞等で多少散見しておりますが、既定の予算の範囲内で繰り上げをやり、さらに新しく明年になって事業を追加するというような問題が起って参りますれば、当然それに伴う負担、この問題について私どもも措置しなければならぬ、かように考えております。しかし現段階におきましては、既定の予算の範囲内の繰り上げでありますので、やはりその範囲でできるのではないか、かように考えているわけであります。
○門司委員 一応の答弁はそういうことでよろしいかと思いますけれども、実際の問題は、地方財政はここまで窮迫しておりますと、資金繰りに困るのではないですか。政府の方は、お金があるから幾らでも繰り上げができるでしょうけれども、地方は、実際資金繰りに困ることができてくると思う。そういう問題について、当然起債で行うものは起債で行なってよろしいと思いますけれども、起債でできないような性質を持ったものがもしあるとすれば、資金繰りに困るのではないかと思うのです。この辺の考えはどうなんですか。何か万全の措置が講ぜられておりますか。
○青木国務大臣 お話のことにつきまして、実は私ども財政局長とも相談いたしたのでありますが、交付税が九月に支給することになっておりますので、もう間もないことでありますから、この際わずか一ヵ月のことでございますから、繰り上げ支給しなくても大体いけるのではないか、こう考えておりますが、事業の進捗状況から見て、資金繰りに困るというようなことが生ずるようでありましたらば、交付税を早く出す、こういう措置をとりたい、かように考えておるわけであります。
○門司委員 その次に聞いておきたいと思いますことは、時間もおそくなっておりますからなるたけ早く片づけたいと思いますが、例の選挙期日の問題です。これも新聞の切り抜きを読んでみますと、たくさん書いてある。しばしば大臣が言われたり、また事務をどうしたというようなことが書いてありますが、この選挙期日問題を統一させるということは、もうずっと去年の暮れあたりからですか、ときどき新聞に見えるのですが、最近のものとしては、大臣の言葉としてできるだけ早く臨時国会に出すと、七月十日付の朝日新聞の記事がここにありますが、これも地方選挙の期日を統一するというようなことで、臨時国会にこれを法案として出す、こういうことになっておりますが、私は、この問題について一つはっきり大臣に聞いておきたいと思うことは、一体選挙期日を統一するというようなことがよろしいかどうかということです。これは法律で特例を出してまでもやらなければならないほどの問題を持っているかどうかということでありますが、一体どういう考え方で選挙期日を統一されようとなさるのか、その点を一つ明らかにしておきたいと思います。
○青木国務大臣 従来も常にそういう措置をとって参ったのでありますが、選挙期日がばらばらになっておりますると、単に選挙管理の面からというばかりでなく、やはり有権者の立場に立ちましても、たとえば四つの選挙がある。その四つの選挙がばらばらに行われるということは、非常に御迷惑と言っちゃ恐縮かもしれませんが、選挙にばかり没頭しておるようなことよりも、やはりある程度統一して、知事あるいは府県は一緒にするとか、あるいは市町村長、市町村議会の選挙を一緒にするとか、こういうふうな形にした方が、選挙管理の面から見ましても、有権者の立場からいたしましても、その方が便宜じゃないか、かように考えるのでありまして、従来も、大体四月選挙は統一して行われておりましたので、今回もやはり同じように統一して行いたい、かように考えております。
○門司委員 今の大臣の御答弁だけでは、便宜主義による改正だと思う。基本的なものの考え方ではないと私は思う。具体的にいいましても、選挙というものは、統一したところでまたすぐ四年間にはこわれるものです。市長さんがおやめになったり、あるいはおなくなりになったり、あるいは議会が解散したりして変るのです。だから幾らきめたって、あとからあとからだんだんずれてくるのです。従って、私はこれは大して効果がないと思う。ただ一ヵ月か二ヵ月のうちに四回もやるということは煩瑣だから、市民も迷惑するし、同時に管理の面からも困るということだけだと私は考えておる。そうだとすれば、私はもう一つ聞いておきたいことがあるのだが、地方の自治体の行政の中で最も重要な行政でございますこれを、一体地方の自治体が自主的にやれないものかどうかということであります。こういうことまで国が法律で定めてやらなければ、自治体が自主性を持てぬかどうかということです。この点は非常に大事な問題だと思う。私は、自治体の任意にまかしておけばいいと思う。一応行政指導をすることは必要かもしれない。できるだけこういう措置を一つやってもらいたいと言うことは必要かもしれない。しかし、これを法律できめるということは、私は行き過ぎではないかと思う。そうして自治体は自主的にそういうものの訓練を積んでいき、そうして自治行政というものがやはり身についたものになっていくという、いわゆる自治行政の訓練をやらせるには、法律で定めてやるということではなく、行政指導でやっていくということが必要ではないかと思う。私がなぜそういうことを聞くかというと、一方には、議員の定数についてはこれ以上ふやさぬように行政指導をするということがはっきり書いてある。議員の定数も自治行政の上においてはきわめて重要な問題であります。これはそう簡単に、アメリカが少いからこっちも少くてよろしいというような議論は成り立たぬのであります。ああいうほとんど都市行政というものが完成された、きわめて仕事の少い行政の範囲しか持っておらないアメリカの議員さんと、日本のようにたくさんの仕事を持って、同時にまた住民の階層もたくさんの階層があり、それらの総合した意見を集めていこうとするには、議員の数が少くてよろしいということは、そう簡単には私は言えないと思う。これらはやはり地方の自治行政の根底にある一つの大きな問題だと思う。そういう問題については、これを行政指導でやっていこうとされる、選挙の期日の問題については特別の法律をこしらえてこれでやっていこうとされる、この自治庁のものの考え方は、私は矛盾がありはしないかと思うが、その点はどうお考えなんですか。
○青木国務大臣 選挙期日の統一の問題は、お話しのように本質論ではないと私も考えております。全くの便宜論と申しますか、選挙管理あるいは市民の便宜上の問題と思います。それを自治体にまかしておいたらいいじゃないかということも一応うなずけるのであります。しかし、実際問題になりますと、長の選挙は、長一人の方がある一定の期間に選挙があるようにやめればそれでいいわけであります。しかし、それと対応するように議会側もやめればいいということになるかと思うのでありますが、しかし実際問題になりますと、長の選挙あるいは議会の選挙を、自治体が自発的にあるいは自治体の独自の考えで、いつ選挙をやろうというようなことでそれに合せるように辞任するというようなことを各自治体ごとにきめていくことはなかなかやっかいではないか、むしろ国の方で一定の期日をきめてやった方が、私はかえって便宜ではないかと思うのであります。なおまた御承知のように、来年は参議院の選挙もありますので、参議院選挙にかかるようなあり方になりますと、これまた混乱をいたしますので、なるべく参議院選挙、それから府県の選挙、市町村の選挙、こういうものを混乱を起さないように選挙の期日をきめた方が、私は、便宜論かもしれませんが、選挙管理の面からいたしましても、市民の立場からいたしましても、その方が便宜ではないか、かように考えるわけであります。
○門司委員 その点はもう少しはっきり考えてもらいたいと思うのです。問題になりますのは、自治法の中には御承知のように、あるいは選挙法もこれに関連を持っておりますが、たとえば長の選挙を行う場合、議員の欠けておる場合あるいは議会全体等につきましては、いわゆる自治体の構成を完全にすることのために、法律で定められた六分の一とか三分の一とかいうような数字に達しなくても選挙を行うように書いておるのです。これはやはり自治体の完全を期することのためにそういう処置が一応とられておる。しかし、このことが直ちに統一選挙がよろしいのだという議論にはならないと思う。これは議員が欠けておるのだから、たまたま選挙する機会があるからそのときに一緒にやって議会構成を完全にしたらどうかという趣旨から出てきているとわれわれは今まで考えていた。ところが、今度の場合はほとんど何らの根拠がないのです。ただ便宜だけということと、もう一つ悪口を言えば、官僚が自分の意のままに地方の行政を行えるのだという僭越しごくの考え方があると私は思う。法律をこしらえさえすれば、地方の自治体は全部議員の任期がきょうときまいと、長の任期がこようとどうしようと、議員の自発的あるいは長の自発的意思に基かないでも、これが法律で完全にやれるのだという官僚の独善の現われがここにきていると思う。もし官僚がそういう考え方を持たないで、ほんとうに地方の自治体を育てていくという気持があれば、これは行政指導でやるべきだと思う。そうして、自分の自治体における住民の便宜あるいは費用の節約等をできるだけ自治体自身が考えてこれを実行していくという方向に進めていくことこそが、今日の日本の自治行政の伸びる大きな問題だと思う。このことは明らかに便宜主義であると同時に、私をして言わしむれば、官僚の独裁の現われです。独善の現われです。そう解釈する以外に方法はない。今の大臣のようなただの便宜主義だけでは選挙というものはよくならないと私は思う。私は、どう考えても今言ったようなことしか考えられないのだが、行政指導でいけませんか、できるだけそういうふうにしてもらいたい。議員の定数もできるだけ減らしてもらいたいというようなことを勧告されるならば、やはり、選挙の期日もできるだけ一つにしてくれぬかということで、自主的に行えるようにして自治行政というものを育てていくべきだ。何でも国の法律でなければ自治体というものはいけないのだという考え方は、一つこの辺でやめてもらいたいと思う。もう一度大臣からこの点をはっきり聞いておきたい。
○青木国務大臣 理論的には、お話しのように統一しなければならぬということは全くないのであります。昭和二十六年の場合も、三十年の場合も、期日の統一をいたしておりますので、従来そうなっているから今度もやる。それも理由はないと思うのであります。ただしかし選挙管理委員会等の意向は、なるべくならば一つ統一してもらいたいというような希望も出ておりますので、私どもは、従来もそうした選挙管理の面からいたしまして、また市民の便利のためにも統一した方がよろしいのじゃないか、こういう考えに立っており、今回もできることならば統一選挙でいきたい、こういうことでせっかくの準備を進めているのでありまして、理論的には、統一しなければならぬというようなことは、お話しの通り全くないと思うのであります。しかし、実際問題になりますと、これは自治体がみずからの考えによって統一すればいいのではないかということも、自治の本旨からいたしますればその通りと思うのでありますが、議員なりあるいは長なりがうまく話し合いができて、そういうふうにできるところもあるでありましょうし、なかなかそれがやりにくいところもあるでありましょう。やはり全国的に四月、五月にわたってたくさんの選挙が行われますので、これは国全体として選挙期日を統一して施行した方がいいのじゃないか、こういうような考えに立っておるのであります。理論の問題というよりは、むしろ全く便宜の問題です。それからもう一つは、選挙の投票率と申しますか、できるだけ有権者の方々の便宜をはかる。やはりたびたび選挙をやるよりは、統一して選挙を行なった方が投票率もいいのじゃないか、かように考えるわけであります。
○門司委員 どうもそういう議論をいつまで繰り返しておったってしょうがないんで、一斉に行われることはいいかもしれない。しかし、実際は選挙が混乱するということもいえる。県会議員の選挙と市会議員の選挙と一緒にやるというようなことがある場合には、私は困ると思う。そういう議論は水かけ論ですが、どこまでも問題があると思う。従って、やはり私は本質に戻るべきであると思う。同時に、議員にいたしましても、長にいたしましても、法律に保障された任期を持っておる。これはやはり議員の持っておる一つの権利であると思う。また住民の与えた一つの権利であると思う。それを一片の法律で抑圧して、長いものを短かくしろと勝手にできるということは、これはさっき申しましたように、官僚の独善主義の現われだと思います。そして、何か官僚が支配しなければ、地方の住民はいうことをきかないのだという誤まったものの考え方からきていると思う。同時に、実際問題からしてもだんだんこの率は毎年々々くずれていく。今度一緒にやる選挙も、四年後には一緒にできない。二十六年、三十年というけれども、二十六年のときには、参議院も衆議院も、県会も市会も、四日か五日の違いで全部一緒だった。これが今日どれほどくずれていますか。これは理屈にならぬ。何年かたって意義がなくなって、何であのときにはこんなことをやったのかという反省の時期がくると思う。こういうことを考えますと、便宜主義だけで議員の持っている一つの任―持っているというよりも、住民が与えたものですが、それを法律で抑制していくということはよくないと思う。そういうできるだけ便宜的に行うという気持があるならば、私は行政指導の面で十分やれるのじゃないかと思う。やはり、地方の住民が自治体と話し合って運営するという自治の本旨に従った方が私はよろしいと思う。これは官僚のものの考えで一番悪いところだと思う。大臣もそういうお考えならば、それでもよろしいと思います。
 もう一つ、選挙管理委員会のことで聞いておきたいと思いますが、選挙管理委員会の仕事というのは、管理事務を行うのですか、それとも選挙管理をするのですか、どちらですか。
○青木国務大臣 それは決して管理事務ということだけでなしに、選挙そのものの管理も含んでおると思うのであります。
○門司委員 そうだとすると、手がないから実際の面ではなかなかめんどうだと思いますが、これは私のことを言ってはなはだ恐縮ですけれども、横浜で行われた選挙では、藤山さんの大きな選挙事務所は、一カ月一万円と書いてあったのですが、ああいうものは選挙管理委員会では常識的に認めますか。届出があって世論もそういうのならばよろしい、書き方さえ間違いなければそれでいいという考え方ならけっこうです。しかしながら、少くとも管理をするということになると、やはりふに落ちないような――それは検察権を持っておりませんから、一々根掘り葉掘り聞くことはできないかと思いますが、ふに落ちないようなものは訂正させるぐらいのことは、これは管理するというならば、どうですか、やれませんか。
○青木国務大臣 選挙管理委員会として、そういう問題まで立ち入ることは、私はちょっと現行法では無理だ、できないと思います。もちろん選挙法できめられた法定額――その場合はもちろん法定額はありませんが、たとえば実費弁償なりあるいは労務賃なり、こういうものが違法のものであるということがありましても、これは選挙管理委員会として、それが違法であるといって摘発することはできないわけでありますので、これはやはり警察なりあるいは検察庁なりのやるべきことでありまして、管理委員会としてその内容に立ち入りまして、これが違法であるとかどうとか、こういうふうなことは、私は管理委員会としてはできないと考えております。
○門司委員 この点は議論すると長くなりますし、時間も非常におそくなっておりますから避けたいと思いますが、選挙管理委員会が、一方においてはポスターの張り方がよいとか悪いとか、どこにポスターが残っておるということは、警察に指示して、事実上片方ではやはり取締りをやっておるのですよ。あすこにポスターが残っておるからはがしてもらいたいとか、ここの演説会が時間を早く看板を出したからいいとか悪いとかいうことまでやかましくいっておる。これは選挙を事実上管理監督をしておるが、大事な選挙費用だけは、届出さえすればいい。だれも費用をオーバーして届出をする人はいない。どう考えたって、そういうところにわれわれ実際矛盾があると思いますよ。だから、選挙管理という立場に立っておるというなら、十分に管理してもらいたい。手が行き届かぬ、どうも警察の足を持たないから、管理委員会がそこまで手が届かぬというならよろしいと思います。そうでないとすれば、目の届くところは自分たちがやるが、目の届かぬところは自分たちの責任ではない、というものの考え方はどうかと思う。こういう選挙の問題についても、期日の問題、管理の問題については、いろいろ議論があると思いますが、いずれこれはあとにしましてせっかく文部省からおいでを願っておりますので、この前残っておりました学校給食の問題について少し聞いてみたいと思います。学校給食には、給食法を読んでみましても、それからこれに対する施行令、さらに規則を読んでみましても、学校給食に要する費用は、やはり管理者といいますか、施設者が出すように書いてある。ところがどうも給食の費用が出てない。これはほんとうにこの次の国会にはその費用を見られますか。文部省はその意思をはっきりお持ちになっておりますか。今のように失業対策からごまかして人夫を連れてきて払っておったり、あるいは給食費の頭をはねてみたり、あるいは労力奉仕でこれを補ってみたりするようなことは、この際やめてもらいたいと思う。これは自治庁というよりも、文部省が責任を持ってやってくれないと、どうもしっぽが自治庁の方にきて困る。文部省は、明らかにそれらの所要の費用を予算に計上するという御意思がございますか。
○高見説明員 門司委員よく御承知の通り、これは設置法の建前から申しますと、設置者が負担することになっております。その関係から文部省が補助金等の形で出すという方法は実はないわけであります。私ども機会あるごとに身分の確保と給与条件の向上については指導の徹底を期しておるわけであります。現在、これは沿革もあるわけでありますけれども、お話のような失対関係の人を使っておる。あるいはなお遺憾に思いますことは、PTAが相当に負担をしておるという実情になっておるわけであります。一日も早くこの問題を解消したいと思って、努力はいたしておるわけであります。予算的な措置と申しましても、文部省が担当いたしております仕事は、これはしっぽが自治庁に来ると、おっしゃる通りの結果になるわけでありますが、極力努力をいたしたいと考えるわけであります。
○門司委員 これはどういうことをするか、自治庁と一つ話し合ってもらって今までのような不体裁のないようにしていただかないと、事実上学校給食の諸君の身分というものは安定しておりませんし、給与も安定しておりません。そうして学校給食法には、やるようにちゃんと書いてある。これでは全く法律の威信というものはなくなると思う。だから、これは自治庁と両方お考えになって、今急にというわけにはいかぬと思いますが、できれば九月あたり、新学期からでも全部そういう学校給食に対する身分の問題、給与の問題を一つ解決してもらいたいと思う。自治庁は、この身分の問題についてどうお考えになっておりますか。これは地方公務員法の十七条の適用をお考えになるのか、二十二条にお考えになるのか、身分関係はどっちにお考えになっておりますか、それを一つはっきりしておいていただきたいと思います。
○藤井説明員 学校給食の身分の問題につきましては、文部省当局とも連絡をとりまして、仕事自体がこれは市町村の事務でございますので、当然この事務に従事する者の身分は市町村の職員でなければならないという態度で今まで一貫して指導をやってきておるのでございます。ただ御指摘もございますように、今のところ、遺憾ながらまだまだそれが十全にはいっておりません。しかし、身分の関係はそういうふうに確立をすることが筋だということで今までもやってきておりますし、今後もその点でやっていきたいというふうに考えるのであります。ただ身分の関係で十七条か二十二条かと申しますと、これはいわゆる雇用形態の問題でございますので、中には十七条のものもございますし、二十二条のものもあり得ると思うのであります。しかし、事務自体が市町村の事務として恒久的に継続する建前のものでありますれば、やはり正規の職員に切りかえていくというのが私は筋だと思います。
○門司委員 そういたしますと、こう解釈してよろしゅうございますか。現在の間はやはり十七条の選考採用という形でこの問題は処置していくことが私どももよろしいかと思うのですが、実際は二十二条の試験採用ということになりますと、なかなかむずかしい問題が私は出てくると思います。大体そういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○藤井説明員 現在の建前ではそういう方法で参るよりいたし方のない現状ではないかと思います。
○門司委員 もう一つ文部当局に聞いておきたいと思うのですが、給食に対しまする補助の関係であります。いわゆる人件費でありませんで、人夫だとかいうもので出しております。これは法律によりますと一週間に五日と書いてあります。従って一週間というのは大体六日あるのですが、五日やればよろしいということになっております。これは小学校の場合は、土曜日は低学年の半日その他があるからその点は考慮しておると思いますが、たとえばこれが三日だとか四日だとかずっといなかの方に行くと一週間全部はやれない。しかしできれば三日ないし四日くらいやってみたいというのがまだあるのです。そういうものに対する補助はどうなりますか。この法律を読んでみますと、何か五日というように書いてあるのですか、実情によってはなかなかそういかない町村があると思うのです。そういうものに対する取扱いは今日までどうされておりますか。
○高見説明員 法律に五日となっておりますが、五日と申しましても、実情によって四日しかやれない町村もありますし、三日しかやれない町村もあります。これは私ども、五日という原則に移行いたしまするプロセスとして、あるいは四日とかあるいは三日とかいう場合も認めて取り扱っております。
○門司委員 今次官からそういうはっきりした御答弁かございましたので、私もその通り解釈をしたいと思いますが、地方に参りますと、よくそういう質問があるのであります。どうも法律に五日と書いてあるから、やりたいのだが、やらなければならないのかという問題がときどき出てくるのであります。今の次官の御答弁で大体問題は了承いたしましたので、できればやはりそういうことで一つやっていただきたい。あまりやかましいことを言わないで……。
 それから念を押しておきますが、給食婦の問題については、一つぜひ自治庁と話し合いして、そうして身分だけははっきりしてもらいたい。学校給食法の法律は、あなたの方の法律ですから、あなたの方の法律に基いて自治庁が受けて立っているのだから、自治庁の責任だといわないで、あなたの方が、完全にこれを施行する建前から、ぜひ責任を持ってもらいたい。こういうことを私は申し上げて、御了解を得たいと思います。
○北條委員 質問も済んだようでありますが、青木国務大臣がおられますので、一つだけ聞いておきたいと思います。
 七月の九日に当委員会がありましたときに、青木国務大臣は大急ぎで関西に行かれまして、岐阜県の知事と比叡山でお会いになった。私はたまたまあとで大津に参りまして、翌日の新聞を見ましたところが、青木国務大臣が新聞記者とのインタビューで、とにかく国会においては地方行政委員になり手が少いのだからねと、こういうような言葉を言っておられるのでありますが、はなはだ不見識な言葉だと考えます。おそらくこれを聞かれれば、当地方行政委員の皆さんは、何を言っているのだというふうにお感じになると思うのであります。これは一体どういうわけでそういうふうな発言をされたのか、またその発言の内容はどういうことなのか、一つこれをはっきりして責任を明らかにしていただきたいと思います。
○青木国務大臣 打ちあけ話を申し上げまして、はなはだ恐縮でありますか、私、前に党の副幹事長をやっておりました。その当時、委員の割当と申しますか、各委員方の希望を受けまして、各委員会のそれぞれの所属をきめる、こういう事務を担当いたしておったのでありますが、そのときの話を率直に申し上げたのであります。つまり、選挙の結果出てきた方々は、農林委員とか、あるいは通産委員とかは非常に御希望が多いのであります。これは事実を申し上げたのであります。ところが、地方行政の方の御希望が少なかったのであります。こういうふうなことを実は私率直に申し上げたのでありまして、別にそれ以外に他意があったわけではないのであります。ただ事実がそうでありますので、そのことを申し上げたのであります。
○北條委員 ああいう御発言は、私は、大臣そのものが地方行政についての、何といいますか、地方行政そのものを非常に軽く扱っておられるのではないかという印象を受けるのであります。今のお話でわかりましたが、それは自由党の中はそうかもしれませんが、社会党はそうではありませんので……。
○青木国務大臣 私地方行政委員会を軽視しておるのではないのであります。ただ実際問題として地方行政は―そういうと非常に失礼ですけれども、地方行政はなかなかむずかしいのではないかと思います。一般の農林とかなんとかはすぐわかりますけれども、そういう関係で希望者が少いのではないか、こういうふうに私考えております。
○鈴木委員長 別に緊急に委員会を開会する必要がない限り、次会は九月十日午前十時に開会することといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十七分散会