第029回国会 農林水産委員会 第12号
昭和三十三年七月三十一日(木曜日)
    午後二時四十八分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 吉川 久衛君
   理事 助川 良平君 理事 丹羽 兵助君
   理事 赤路 友藏君 理事 石田 宥全君
   理事 日野 吉夫君
      安倍晋太郎君    赤澤 正道君
      秋山 利恭君    五十嵐吉藏君
      今井  耕君    大森 玉木君
      大坪 保雄君    金丸  信君
      倉成  正君    佐藤洋之助君
      笹山茂太郎君    田口長治郎君
      高石幸三郎君    内藤  隆君
      永田 亮一君    松岡嘉兵衛君
      三和 精一君    八木 徹雄君
      足鹿  覺君    角屋堅次郎君
      神田 大作君    木下  哲君
      久保田 豊君    栗林 三郎君
      實川 清之君    高田 富之君
      中澤 茂一君    中村 時雄君
      西村 関一君    芳賀  貢君
      松浦 定義君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 三浦 一雄君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        財政課長)   細郷 道一君
        農林政務次官  石坂  繁君
        農林事務官
        (大臣官房長) 齋藤  誠君
        農林事務官
        (農林経済局統
        計調査部長)  藤巻 吉生君
        農林事務官
        (農地局長)  安田善一郎君
        農林事務官
        (振興局長)  永野 正二君
        農林事務官
        (蚕糸局長)  須賀 賢二君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
七月十一日
 委員田口長治郎君辞任につき、その補欠として
 森下國雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 森下國雄君辞任につき、その補欠として田口長
 治郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十日
 委員安倍晋太郎君辞任につき、その補欠として
 前尾繁三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員前尾繁三郎君辞任につき、その補欠として
 安倍晋太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十一日
 委員保岡武久君、久保田豊君及び中村時雄君辞
 任につき、その補欠として大坪保雄君、高田富
 之君及び木下哲君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 委員木下哲君及び高田富之君辞任につき、その
 補欠として中村時雄君及び久保田豊君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
七月八日
 一、食糧及び肥料に関する件
 二、畜産及び蚕糸に関する件
 三、農地及び林野に関する件
 四、漁港、漁船及び漁業制度に関する件
 五、公海漁業、沿岸及び内水面漁業に関する件
 六、農林業団体及び水産業団体に関する件
 七、農業災害及び漁業災害に関する件
 八、農林水産金融に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 旱害並びに風水害による農作物、農地及び農業
 用施設等の被害調査のための委員派遣承認申請
 に関する件
 農業災害に関する件
 蚕糸に関する件
     ――――◇―――――
○吉川(久)委員長代理 これより会議を開きます。
 松浦委員長は都合により委員会に出席できませんので、指名によりまして私が委員長の職務を行います。
 この際、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。九州地方におきましては旱魃による稲作等の被害が相当深刻のようでありますし、また、北陸地方におきましては、さきの第十一号台風と引き続きの豪雨とにより農作物及び農業施設等に相当の被害が生じているようであります。つきましては、現地調査のため本委員会より委員を派遣いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川(久)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 なお、派遣委員の人選、派遣地名、期間等の決定並びに議長への申請手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○吉川(久)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
○吉川(久)委員長代理 農林漁業災害に関する件について調査を進めます。
 七月上旬の山陰地方における豪雨、旱害、今次の第十一号台風及びその後の停滞前線による豪雨による農林漁業の被害状況並びにその対策等につき、まず農林省当局より説明を求めます。
 被害状況について、藤巻統計調査部長。
○藤巻説明員 旱害の被害状況と台風十一号及びその後の豪雨等によります被害状況につきましては、お手元に資料がお配りしてございますと思いますが、これによりまして御説明をいたします。
 旱害による被害状況でございますが、五月下旬以降、図に示しておりますように全国的に降雨が平年よりも少く、特に表東北、それから山梨を含めました関東、九州地方、これらの地方は降雨量が非常に少く、六月十一日から七月十五日までの降雨量を見ますと百ミリ以下となっております。このため、この地帯の一部には水不足による田植えの不能、田植えの遅延、あるいは田植え後の生育不良等の被害が現われております。また一部の地帯におきましては塩水の逆流による塩害も生じております。しかし、その後、台風十一号や前線の停滞等によりまして、中国一部及び九州を除きました大部分の地域には相当の雨がございました。このため水不足はこれらの地方におきましては大部分解消いたしておりますが、九州におきましては、その後も一向に雨が降りませず、相当の旱害が進んでおるものというふうに見込まれます。
 七月十五日現在におきまする水稲につきましての生育不良面積あるいは被害の推定量等は、表をつけてございますので、それによりましてごらん願いたいわけでございますが、七月十五日におきまして田植えの済んでおります面積は、全国で申しますと九九%でございます。田植えが済んでおります水田の状況を見ますと、生育の不良の面積が全国で十六万八千六百十町、そのうち葉などが枯れておりますものが二万六千二百五十町もございます。また、水の面から見ますと、たんぼに水が入っておりません面積が二十三万二千五百四十町、そのうちたんぼにひび割れを生じておりますものが八万三千二百九十町となっております。なお、七月十五日現在におきまして田植えが済んでおりません面積が全国で二万六千五百三十町、そのうち水が入っておりませんものが二万四千七百十町という状況になっております。被害の推定量でございますが、水稲につきましては四十九万四千八百八十石ということになっております。これは七月の十五日現在の調査でございますので、今後の調査によりまして数字に変更があることが考えられるわけでございます。
 それから、台風十一号とその後の豪雨等によります水害の被害状況とその対策についてという印刷物がお配りしてございますと思いますが、最近一カ月の間に、台風十一号並びに梅雨前線の停滞によります局地的な豪雨等によりまして、全国各地に災害の発生を見ております。まず六月末から七月三日の間にわたりまして、島根、広島の両県下に、梅雨前線による豪雨がございまして、相当の降雨量を見ておるわけでございます。このため、農林水産関係におきましても、農地等を初めとして相当の被害が発生いたしております。続きまして、七月十三日から十四日ごろ、カロリン諸島方面に発生いたしました台風十一号が、東方海上の高気圧の張り出し方が弱かったため、例年より東寄りに北進いたしまして、例年ならば秋の台風のたどりますようなコースをたどり、二十三日の早朝に静岡県の御前崎附近に上陸いたしまして、関東中央部から東北地方の太平洋沿岸沿いを北上いたしまして、その日の夕刻に北海道の東部方面に抜けたわけでございます。このため、第一図に示しておりますように、東海、関東、東北、北海道、これらの地帯に百ミリないし二百ミリ、ところによりましてはそれ以上の雨が降りまして、静岡、神奈川、東京の各都県を初め、台風のコースに当っておりました各地に、かなりの災害を起しておるわけでございます。さらに、台風が通過いたしましたあとも、梅雨前線が本州の中部に停滞いたしまして、活発な動きを示したために、東北、北陸、東山等の地方には局地的な豪雨がございました。これらの地域では、河川のはんらん、あるいは堤防の決壊、山くずれ等による被害が出ておるわけであります。特に石川、新潟、岐阜などの各県の被害が大きかったように見られております。
 以上の台風及び豪雨の農林水産関係におきまする被害状況については、目下鋭意調査中でございますが、現在までに判明いたしたところによりますと、農地、農業用施設等の施設関係につきましては、第一表にありますように、全国で農地関係は約十四億、林野関係は約十九億、水産関係は約三億、合計いたしまして約三十六億円という巨額に達しております。
 農作物の関係につきましては、島根、広島県下の水害で、第二表のように、被害面積が約六千町歩、被害額が約一億八千万円と見込まれております。また、台風十一号及びその後の豪雨関係による被害につきましては、現在のところ、第三表のように、約十一万町歩にわたりまして損傷を受けておるものと推定いたしております。その損傷の状況につきましては、水稲では、東海、関東南部の早期栽培のものが出穂あるいは開花期に当りまして、穂ずれ、不稔等の傷害を受け、その他一部の県におきましては、水田の流失、埋没等が見られますが、大部分は浸水あるいは冠水でございまして、北陸の早場地帯を除きましては、水引きも早く、被害はそう大きくはなかったのでありますが、北陸の早場地帯におきましては、水の引きがおそかったようで、被害がかなり深刻で、このほか、カンショ、雑穀、野菜、果樹、タバコ等の畑作物にも相当の被害が見られておるわけでございます。
 その資料の十一ページに数字が載っておりますが、第二表、島根、広島の水害による農作物の被害状況の、被害見込み額の数字は、野菜が一千七百万となっておりますのは一千万の誤まりで、合計いたしまして一億七千六百万の誤まりでございます。なお、百万石と書いてありますが、百万円の間違いでございます。それから、第三表の台風十一号その他の豪雨による損傷面積が、東海は千五百町歩になっておりますが、これは一万五千町歩のミス・プリントであります。
○吉川(久)委員長代理 旱害対策について、安田農地局長。
○安田説明員 旱害に関しまする災害の経過及び現状と、対策を講じつつありますところの状態を、藤巻統計部長と重複をなるべく避けまして申し上げます。
 本委員会の前回に、旱害応急対策事業の国の助成要綱を骨子としますところの、農林、大蔵の最終折衝段階を申し上げました。おおむねその通り実施をすることに政府としてはなりましたが、当時は燃料、動力費等になかなか折衝の困難を来たしておりまして、むずかしいことの状況で申し上げたのであります。
 すでに御承知の三十三年七月四日閣議決定をいたしました旱害応急対策実施要綱に基きまして、今回の五月以降の灌漑排水時におきます水田の旱害に対して応急対策を講ずる細目をきめまして、そのうち国の助成部分についての要綱をその後定めたのであります。と申しますのは、六月初旬以降、水利調整とか、既定予算によります水路あるいは水の取り入れ口の緊急掘さくでありますとか、農林漁業公庫の融資措置でありますとか、建設省との連絡によりますダムの貯水の放流とかにつきましては、農林省としてすでに対策を講じておりましたので、足らざるところの国家の助成措置についての要綱を追加決定したことになるわけでございます。
 この要綱によります助成の対象は、都道府県、市町村、土地改良区、農業協同組合及び農家の方々が共同施行をせられます場合の、五月以降の水田の旱害に対する応急対策の補助でございまして、助成の措置といたしましては、都道府県、市町村、土地改良区及び農業協同組合が行います場合は、都道府県に対しましては、燃料費、動力費を除く施設を設置する費用と、施設を講入する費用と、施設を借りる場合の費用に対しまして六割五分の補助をすることにいたしました。燃料費、電力費はあとで申し上げます。市町村以下の団体の行いますものにつきましては、それらのものに対しまして五割の補助をすることになります。また、農民が共同施行する場合には、特別の措置を講ずることにいたしまして、ポンプ等を購入する場合におきましては、標準購入費の三割相当分に対しまして六割五分の補助をいたしまして、七割相当分について国が金を出しまして、この七割でそのポンプを買う――ポンプ及び動力機械を含むのでありますが、国が買いまして、国有にしまして、地元の市町村に委託、保管、利用をしていただくという新しい道を講ずることにいたしました。この補助対象は、今申しました施設、機械の設置費、輸送費、据付費、動力線の架設費、水を送る管の設置費の場合、その次にはポンプ用ボーリング機械あるいは電探の機械、その付属品等を買う場合と借りる場合ということでございます。
 揚水機の燃料費と電力費用につきましては、農林、大蔵等でなかなか折衝がございましたが、農林大臣の特別の御努力、御示唆もございまして、大体被害のひどいところ、稼働率の多いところを国が補助して、あとは地方庁、すなわち都道府県及び市町村等の補助をさらにつけ加えてもらうことによって対策を講じようということにいたしまして、一団地ごとに国庫補助の対象となりますようなポンプその他の施設の輸送、据付の費用と燃料費及び電力費の使いました費用との合計の反当りの経費を一応目安に押えまして、その合計が反当り千二百円以上である場合に二割の補助をしようということでございます。その内訳として考えております目安は、石油代として大体反当り五百円のところをねらっておるのでございます。きめました七月二十二日当時の私どもの全国調査によります燃料動力費の反当りの費用が、百円未満から約千二百円程度までございましたが、その上位の三割相当分くらいのところをねらっておる内容でございます。
 この詳細は、お配りを申し上げました「干害に関する資料、昭和三十三年七月二十九日、農林省農地局」というものの中にございます。この御配付申しました資料は、第一に、旱魃の被害面積の状況が、六月六日から七月二十九日までの状況について、最近の九州の被害までを含めて書いてありますのと、第二は、各県で応急対策を講じてくれました各県の事業費の概要、これが約二十八億になります。七月三日まででございます。次に、農林漁業公庫資金の関係各県の需要額が三ページにございまして、約七億でございます。その次に、事業助成要綱の政府としてきまりましたもの、今簡明に説明申し上げました全文が出ております。そのあとに閣議決定の対策実施要綱が出ておるのでございます。
 その対策要綱に従いまして、東日本は、七月三十一日までに各県知事から講ぜられました対策に基きまして調書を作って本省に上げていただく、西日本は、作付状況が東日本と違いますので、バランスをとりまして八月十日までにその調書を出していただきますものに対して助成をしようと思っておるわけであります。八月十日以降につきましては、作付時期を一応過ぎまして一般の灌漑時期に入りますが、その場合には助成対象の事項を少し整理する要もございますので、それもこれに準じて対策を講ずることにすることを前提としておるのでございます。
 一応概略私どもから御説明申し上げます旱害に関する分は以上でございます。
○吉川(久)委員長代理 次に水害対策について齋藤官房長から説明を伺います。
○齋藤説明員 お手元に「台風十一号、梅雨前線による豪雨等七月水害の被害概況とその対策について」という資料がお配りしてございます。この資料につきまして、現在までにとりました、農林省の応急措置並びに今後の復旧措置等につきまして、考えておる対策の概要を申し上げたいと思います。
 資料の二ページに被害対策と書いてありますが、先ほどから、今次の台風十一号並びに豪雨等の局部災害による被害の概況につきまして統計調査部長から御説明があったわけでありますが、農地関係で十四億、林野関係で十九億、水産関係で三億、合計三十六億円の巨額に上る被害を出しておりますので、われわれといたしましても、これに対して早急な対策をとる必要があるということで、これまでとれるものについてはとり、今後も引き続いて対策を検討するということで現在に至っておる次第でございます。災害が起りましたに応じまして、島根、広島あるいはそれ以外の地域に対しましても、農地関係の関係官あるいは振興局の技術関係の関係官等をいち早く現地に派遣いたしまして、応急対策の指導に当ったのでございますが、その災害地におきまする被害者あるいは救助作業員に対する食糧の手配だとか、あるいは災害発生に伴いまして復旧資材、特に建築資材の払い下げ措置等につきましては、従来の災害におきます場合と同様にそれぞれ現地で要望に応じて手配できるような措置をとることにいたしたのでございます。なお、今次の被害に伴いまして、生産者で食糧の配給を受けなければならないというような農家に対しましては、食糧の手配をいたすことにいたしたことはもちろんでございます。
 以上のような従来の災害のつどとりましたような応急措置として考えられるものにつきましては実施いたしたのでありますが、今後の復旧対策につきましては、当委員会でも前国会におきまして申し上げたと記憶いたしておりますが、農地関係あるいは林野関係、漁港等の施設関係の災害復旧につきましては、それぞれの法律、すなわち農林水産業施設災害復旧事業費の国庫補助の暫定措置に関する法律とか、あるいは公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基きまして、それぞれ復旧に必要な助成をとるということにつきましてはもとよりでございますが、これにつきましては、いち早く県の方におきまして災害の復旧についての計画書を作成させるように督励いたしますかたわら、農林省といたしましても、現地の査定を急ぐという意味におきまして、それぞれ手配をとっておるのでございます。農地関係も林野関係も大体八月下旬くらいからそれぞれ緊急査定を実施して、そうして九月の上旬には予備費の要求ができるような段取りにいたしたいということで手配をいたしておるような次第でございます。
 その間に至る資金につきましては、農林漁業金融公庫資金の融通につきましても、従来と同様な措置をとるように検討いたして、措置するように手配いたしておるのでございまして、各県の被害の状況に応じてそれぞれの資金の手配をいたす、こういうことにいたしておるのでございます。
 なお、それ以外の対策でございますが、今回の対策につきまして特別の閣議決定はいたしておりませんけれども、霜雪害対策の場合あるいは旱害対策の場合にそれぞれ閣議決定で災害の対策の大綱をきめておりますが、大体そういうふうな線に沿いまして今回の災害についても措置する考えでございます。その一つといたしまして、被災農家に対する減免税措置につきましては、これも霜雪害あるいは旱害同様に関係官庁と協議いたしましてそういう措置をとるようにいたしたい。なお、すでに北陸地方の豪雨災害あるいは台風十一号による災害等につきましては、それぞれ被災者に対しまして所得税の納付期限の延期をはかる措置をとりまして、国税庁の方からすでに通達が出ておるところでございます。
 また、農業災害補償法に基く措置といたしまして、概算払いの早期支払い等につきましても、今後同様に考えておるのでございまして、これも申請に応じては早急に実施するということで取り進めておるところでございます。
 それ以外の一般的な技術指導対策でございます。これは霜雪害の場合あるいは旱魃の場合におきましても大綱として閣議決定されておるのでございますが、すでに、農林省といたしましても、病害虫防除の徹底であるとか、あるいは苗輸送、代作種子の確保であるとか、あるいは旱魃の場合は予備苗しろの設置だとか、あるいは本田仮植の実施であるとか、こういうようなことについての指導を行なっておるところでございますが、今後、これらにつきましては、今各県とも実施の状況についての報告を徴しておりますので、それに基きまして必要な助成措置を検討いたして参りたいということでございます。
 なお、最後に、天災融資法でございますが、これにつきましては、旱魃の場合あるいは今次の水害の場合ともにいまだ被害が最終的に確定しておりませんので、この被害の確定を待って検討をいたして参りたい、かような状況に相なっております。
 以上が、大体現在までにとりました応急措置、並びに今後とり、またとろうとして検討しておるところの対策の概要でございます。
○吉川(久)委員長代理 以上をもちまして災害に関する農林省当局の説明を終ります。
 続いて質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。倉成正君。
○倉成委員 東日本地方の旱魃、それから特に九州の旱魃対策につきましては、政府当局におかれましてさっそく石坂政務次官初め担当者を現地に派遣になりましてつぶさに実情を御視察になった御熱意に対しまして、心から敬意を表するものでございます。同時に、旱魃対策要綱は非常によくできておりまして、われわれもこの要綱の趣旨を忠実に実行していただくことを望むものでございますが、なお、この旱魃の対策につきましては、農民の心理状態として、全く未曽有の旱魃であり、どうしていいかわからないというふうな不安に満ちておる実情でございますので、農民に安心して今後の仕事をやらせ将来に希望を持たせるということが一番大切なことではないだろうかと思うのでございます。そういった意味におきまして、単に事務的にこういうふうにきめていけばこういうふうになるというようなことではなしに、ほんとうにあたたかい現地を見られた方の現実の感情として今後の施策を進めていただきたいと思うのでございます。
 そういった意味におきまして、まず大臣に二、三の重要な問題についてお伺いしたいと思うのでございますが、その第一点は、閣議決定に基きます旱魃対策の実施要綱によりますと、七月十五日までになっております。ただいまの安田局長の御説明によりますと八月十日ごろまでこれを適用していくということでございますが、農民は経済条件を度外視してもやはり稲を植えまた果樹をやっていくという状態でございますので、その期間、早魃の続く限りこの要綱を適用するということがきわめて今日の農民に安心感を与えるゆえんのものではないかと思うのでございますが、この点について大臣の御所見を承わりたいと思います。
○三浦国務大臣 倉成委員のお尋ねでございますが、八月十日に制限はしておりますけれども、実情に即して延長はいたしております。ただ、しかし、その時期になりますと、対策の内容がおのずから異なってくるだろうと思いますが、これは検討して調整した上で適宜の措置をとりたい、こう考えております。
○倉成委員 ただいまの大臣の御答弁によりまして、八月十日以降もその実情に適したこれと同様の措置を講ずる、かように理解してよろしゅうございましょうか。
○三浦国務大臣 趣旨の大要はさようでございますけれども、その時期になりますと、おのずから対策に若干の相違が出て参ります。それは調整いたしていくということは今申し上げた通りでございます。
○倉成委員 次にお尋ね申し上げたいのは、畑作に対する問題でございます。ただいまの対策要綱が主として水田作に中心が置かれているようでございますが、陸稲、カンショ、果樹園その他畑作の農作物は枯死寸前にあるわけでございます。またカンショのごときは植付ができないで非常に困っておるということで、畑作農民にとって、水田の場合と同様に、あるいはそれ以上に非常に深刻な問題になっておるのでございますが、この畑作に対する措置についてどのような具体策をお持ちでございますか、お伺いしたいと思います。
○三浦国務大臣 水がないためにおのずから畑作にならざるを得なかったと思うのですが、考え方としましてはそういうような所でありましても、農業用施設等を拡充しまして、そうして畑作灌漑ができますものは、将来にわたりましてそういうようなことにだんだん考えて参りたいと思います。しかし、今直ちに水田に対しまする施設と同じようにするかどうか、もう少し検討させていただきたいと思います。
○倉成委員 畑作につきまして、今水田と同様に処置をしたらやっていけるものがある。そういった場合に、この要綱に準じて用水施設その他について助成をされる用意があるかどうかということを伺っておるわけであります。
○三浦国務大臣 先ほど申し上げました通り、将来の恒久対策としては十分考えたいと思いますが、臨時の応急対策としてはなお検討を要するものと思っております。
○倉成委員 畑作について恒久対策を講ずるということは当然のことと思いますが、現在困っておる畑作の果樹園とかその他の作物についてやはり応急の措置を講じてやる、御検討をしていただくというお気持はないのでございますか。畑作農家にとってこれは非常に痛切な問題でございますので、くどいようでございますが重ねてお伺いいたしておきたいと思います。
○三浦国務大臣 これはケース・バイ・ケースでもって相当見なければならぬと思います。よく検討しなければならぬ問題だと思っておりますが、検討は十分さしていただきたいと思います。
○倉成委員 そういたしますと、ケース・バイ・ケースでよく検討してめんどうを見るというように了解するわけでありますが、不幸にしてこれから雨が全然降らないということになって参りますと、また現在もう作付の見込みがないというようなところになりますと、代作を考えていかなければならないと思いますが、この代作についてどのようにお考えになっておるか、お伺いしたいのでございます。特に、代作については、単に種子等のあっせんをするというような問題でなくて、経済的に引き合うかどうかという問題が非常に問題じゃないかと思うのでございますが、具体的な対策がございますればお伺いしたいと思います。
○永野説明員 ただいま倉成委員のお尋ねのように、畑作の場合には、これから水を利用して平年通りの作付をするということが困難なような地帯も確かにあると思うのでございます。そういう地帯につきましても、なるべくは、あらゆる手段を講じまして、少しでも畑作からの収入を得させるということが農林省の考え方でございます。そのために、九州地方等におきましても、ただいま御指摘のように、できる限り経済的な代作を見つけてこれを指導する、それに必要な種子のあっせんその他の助成措置をとりたいと考えておるのでございます。ただ、地帯によりまして、なかなかそう有利な代作というものは発見することはむずかしいのでございます。秋作のバレイショであるとか、ソバの作付であるとか、今後できる限りの範囲内におきまして、そういう代作をさせるようにするような助成措置等も検討して参りたい、こう考えております。
○倉成委員 代作の問題については、こういう技術的な問題、経済的な問題等があろうかと思いますので、この問題についてはこの程度にしておきますが、秋作のバレイショのお話がございましたが、これは経済的に引き合うかどうかというような問題については十分振興局の方で御検討いただきたいと思うのであります。
 そこで、問題は、畑作についても、あるいは代作、またいろいろな施策についても考えていくけれども、究極のところ、作付ができないで代作も十分なものができなかったとすると、農民が一番困って参ります問題は、生活資金の問題になってくるわけでございます。その意味におきまして、営農資金の償還期に来ているものを延期するとか、あるいは出来秋までに自作農資金を大幅にこういった被災農家にワクを与えて融資をしてやる、こういう用意についてどのようにお考えになっておるか、これは大臣にお伺いしたいと思います。
○三浦国務大臣 今の御指摘のように、被害激甚地には、当然に延期等の措置をとるし、同時に営農資金等の供給につきましても資金源を求めてお世話申し上げたい、こう考えております。
○倉成委員 営農資金その他につきまして十分考えるという大臣の言明を信用いたしまして、資金については終りたいと思いますが、問題は、やはり農民が今後現金収入を得ていくということではないか。また、同時に、この旱魃を単に旱魃に終らせることなく、もっと恒久的にこの対策を考えていくという問題が今後残された大きな問題として出てくるのではないかと思うのでありますが、そのために、七月の四日の閣議決定にもありましたように、このような災害を防止するための恒久対策について今後早急に検討する、こういう閣議決定が行われておりますが、ただいま、旱魃地帯におきましても、老朽のため池がそのままに残されておる、あるいは農道その他いろいろとやらなければならない事業がたくさんあるわけでございます。こういったものを恒久対策と同時に被災農民の救済のための救農土木事業として取り上げていくということが非常に大切なことではないかと思います。そのための補正予算を出して、この救農土木事業を実施しようという御意思があるかどうか、またその御検討をどの程度進めておられるか、お伺い申し上げたいと思います。
○三浦国務大臣 災害激甚地につきましては、現在成立いたしております予算の運営によりまして、お役に立つものは全部いたしたいと思います。従って、それは、具体的に長崎なら長崎の地帯に配分するものがありますれば、これは直ちに応急の措置としてもすでに成立いたしました予算を配賦します。そして施行いたさせたいと考えます。さらにまた、それらの地帯についての将来の考え方ですが、これは異常な旱害とは申しながら、やはり旱害を受くべき所でございますので、むしろこれは同じ長期的な考え方でありますけれども、緊急な措置として、来年度等にそれらの老朽しましたため池の補修であるとかあるいはこれと同じような施設はぜひ予算上の措置としても認めたいというので、今すでに予備調査を進めておるところであります。
 最後に、今の段階で救農土木を施行するやいなやということでございますが、これは、なお全般の関係もありますので、ただいまのところ、今私が申し上げたような方針で当面の問題を処理していきたいと思っておりまして、救農土木を直ちに補正予算に組むということには、まだ検討しておって結論をつけておりません。
○倉成委員 恒久対策について十分検討していく、これについては時間を要するという大臣の御説明はよくわかるのでありますが、ただ既定の予算を多少進度を早めるとか、その予算を配分するということで農家の現金収入を得しめる、この程度ではこの旱魃に対する農家の対策にはならないと思うのです。どうしても既定の土木事業というのは地域的に限られますし、どうしてもその地方の農民にすぐ潤っていくということには参らないわけです。この旱魃の対策と関連して、そういった農民に何らかの現金収入を得る道を講じてやるという点についての大臣のお考えを伺いたい、こういう意味であります。
○三浦国務大臣 私は農林省所管の予算をできるだけ運用、動員することによって、さしあたりの急需に応じたい、こう申し上げたのでございまして、これはただ単に農林省だけでは十全を期しがたい。従いまして、今年度成立いたしておりますところの公共事業といいますと、建設省関係等も相当あります。それらをいろいろ総合して、やはり総合的に当該の地方に配賦するというような措置をとる、そして急需に応ずべきものだ、こう考えておるわけでございます。
○倉成委員 総合的にそういった対策を講じていただくということで、非常に力強い言明を得たわけでございますが、なお足りない分についてはどのようにお考えになっておりますか。
○三浦国務大臣 これは事実の認識と質並びにボリュームによることでございますが、私は、まだ仮定的なことについてかれこれ予断を申し上げるわけにはいきませんが、実情がもう黙視し得ざることがはっきりいたしましたならば、所要の措置はとりたいという考え方であります。
○倉成委員 ただいま大臣の御答弁にもございましたが、今日の災害対策の要諦は、やはり農民にこの非常に不幸な事態の前に安心して――安心とまでいかなくても、何とか将来に希望を持たせるということが一番大切なことではないか。それで、事務的に書類の上で幾ら旱害対策ができましても、現実の農民がほんとうに将来の希望を持たなければ、その旱害対策というのは魂が入っていないものになるわけでございますので、ただいまの大臣の御趣旨を十分事務当局にも浸透していただきまして、この災害対策要綱が適切に現実の実情に即するように運営されますことを切望いたしまして、ほかの委員の方とかわりたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 石田宥全君。
○石田(宥)委員 第十一号台風とそれに伴う豪雨についての御質問を申し上げたいと思うのでありますが、今回の第十一号台風とそれに関連する豪雨に対して、農林省当局のとられた態度がはなはだ怠慢ではないか。農地局はいち早くそれぞれ係官を派遣されたようでありますけれども、振興局のごときは、県当局から視察並びに対策指導についての派遣方を要請したにもかかわらず、多忙のゆえをもってこれを拒否しておる、こういうような事実があるのであります。旱害は、一日々々と被害が増大して参りまして、やや緩慢なものでありますけれども、水害等は、これとはちょっと趣きを異にしておるので、やはり、それに対する対策、緊急措置というものについては、他の地方の経験も十分に生かし、あらゆる施設などを動員するなり、やはりいろいろ適切な指導等を要する問題でありますけれども、今申し上げたような実情であります。これは、農林省は農林大臣を中心として農林災害に対してあまりにも冷淡な態度であると、実は災害地方の農民は憤慨をいたしておるのでありますが、これは単に今回の災害のみではございません。台風季節にこれから入るのでありますから、今後またさようなことのないように十分一つ御配慮を賜わりたいと思うのでありますが、今後のこともありますので、心がまえのほどを一つ伺っておきたい。
○三浦国務大臣 今事情を聞いておりますと、まことにどうも申しわけないと存じます。実は、災害の調査等につきましては、現在災害の調査のためには、適当かどうかは存じませんけれども、統計調査部等が全国に組織を持っておるものでありますから、これを実は無理しても総動員して、とりあえずの調査もするようにということで、先般来特に部長等にも要請しまして、地方にもこれを下げてやっておるわけでありまして、同時にまた、振興局等にお話があったにかかわりませず拒否したというか、拒否とまではいかなかったのだろうと思うのでありますが、事実そういうことがありましたならば、私の統督の至らざるところで、今後もっと厳重にいたしたい。
 なお、本日は新潟からもいろいろ御要請がありました。大臣みずから視察するようにというようなことがございましたが、決してなおざりにしておるということではございませんし、将来とても御指摘のように農林省では熱心にかつまた誠実に調査並びに対策の確立については努力させるつもりでございます。御了承を願いたいと思います。
○石田(宥)委員 次に、そういう積極的なお心がまえで対策を願いたいのでありますが、いつでも、災害対策が論議をされて、法律の範囲内においてはもちろん、法律の及ばざるところについては臨時立法措置を講じて、それぞれ対策を立てられるのでありますけれども、最後の仕上げの段階になりますと、大蔵当局の方からいろいろな制約を受けて、事実上これが農民に及ぼし得ないうらみが多かったのでございまして、この点は、立法措置をいたしましても、法律の条文の解釈に幅を持たせるか持たせないかというようなところに、かゆいところに手が届かないといううらみが非常に多かったのでありまして、そういう点について、特にこれは事務当局ではできないことでありまして、大臣から、今後対策要綱というようなものができ、あるいは立法措置等ができました場合における措置について、最終段階まで、農民のふところにまでその趣旨が徹底できるように十分一つ御配慮を賜わりたいと思うのであります。
 さらに、私は、今度は少し重点的に御質問を申し上げたいと思うのでありまして、事務当局に伺いたいのでありますが、今度の水害対策、あるいは旱害対策の場合もそうでありまするけれども、統計調査部長に伺いますが、農作物の災害というものは、多くの場合に、この平年作を基準にして被害何%ということの取扱いをされておるようであります。また、法律においても、天災融資法等においても、五〇%以上を云々、一〇%以上はどうというように、一つの被害率に応じた対策、金融措置が行われておりまするが、この被害のパーセンテージというものを、いわゆる平年作としてとられるか、あるいは災害なかりせばどうこう、こういうようにおとりになっておりまするか。
○藤巻説明員 私の方の調査におきましては、被害なかりせばと申しますか、被害の量は幾らという数量と、平年に比べましてどの程度減収になるかというようなこと、両方出しております。保険の方の関係では、平年作を基準といたしまして基準反収をきめておりますので、いわゆる平年作に比較した減収ということが問題になってくると思います。それから、いつも、金融の関係や何かで、被害の量が幾らというときには、被害がどれだけあった、つまり被害なかりせばというような観念で被害の量を算出しております。
○石田(宥)委員 それでは、水稲の場合ですね、新潟県の一部はすでにきょうで九日間くらい冠水しているところがあるわけでありますが、われわれが従来の経験に基きますと、大体四昼夜ないし五昼夜冠水すれば、収穫皆無、全滅。これは時期にもよりますけれども、今ちょうど出穂期でありまして、わせはほとんど出そろった、おくてといえどももう出始めておる。こういう重大な段階では、四昼夜程度で大体全滅というのが常識になっておるようでありますが、統計上の取扱いはどういうところに基準を置いておるか。
○藤巻説明員 私の方の被害の量の算定は、災害になりましてから実収を見てみまして、収量がなければゼロ、ありますれば一分なり二分収量がある、こういうふうにするわけでありますが、ただいまのお話のように、生育の時期によりまして違うと思いますが、穂が出かかり、あるいは出ておりますときに、まる五昼夜もつかりますと、かなりの被害があるのではないかというふうに考えますので、そういうのはおそらくそう収穫はありませんから、私の方の調査でもゼロになるというふうに考えますが、若干でも実れば若干でも収量がある、こういう調査になっておるわけであります。
○石田(宥)委員 専門の部長の答弁としてはちょっと伺えないのです。そういうことは、大体四昼夜程度ならばどの程度になる、五昼夜程度ならばどの程度になる、胞子の状況や幼穂形成期における損壊の状況というようなものは、これはもう専門的にちゃんと研究の結果が出ておるはずなんです。そうして被害の推定というものが行われなければ、対策ができないのですよ。終ってから、秋になって刈り取ってから、収穫がないから、これから対策するでは、どうにもならないのですよ。農民は死んじゃうですよ。そういう一つの基準がなければならないのです。これは部長がわからなければ、係官でもいいです。そういうあいまいな答弁でわれわれは対策を講ずることはできない。もっとはっきりした答弁をしてください。
○藤巻説明員 お答えがやや不十分であったと思いますが、現在どのくらい水につかって、どの程度の被害なりということは、私の方でも基準がございますので、それによって現在の被害量は算定をいたしております。最後に収量が出ましてから、それはまた収量として計算している、こういうことでございます。
○石田(宥)委員 そういう点を聞いておるのです。大体それによって、農民が、これから防除薬剤散布等の場合に、どの程度になればもう収穫皆無だ、これ以上薬剤を使用する必要はない、これならまだ見込みがあるから薬剤を散布するということになる。そういうことについて明確な専門家の立場から調査研究の従来の経験に基いた標準を示せということですよ。それをいいかげんな答弁をすることはけしからぬ。われわれ今重大な段階なんだ。四万町歩にわたって冠水をして、農民は今避難をしておる。そうして薬剤を備えつけて今まこうかまくまいかという段階なんだ。今ここで政府の責任者がそういうものに対し明確な答弁ができないということはないのだから、もっとはっきりした答弁をしなさい。
○藤巻説明員 現在の被害状況の調査につきましては、ただいまお答えいたしたところでございます。そのような状況についてどういうふうな処置をしたらよいかということは振興局の方でいろいろやっておりますから、振興局の方からお答えを……。
○石田(宥)委員 そうではないのですよ。振興局は振興局で対策はとるでしょうけれども、統計は統計で一つの尺度があるのだから、統計に示すところの標準に従って振興局では対策を立てなければならぬのですよ。だから、もう少し具体的に答弁しなさい。
○藤巻説明員 私、ただいまその被害の尺度を持って参っておりませんので、はっきりしたことをお答えしにくいのでございますが、現地におきましては、被害の従来の経験に基きました尺度がありますので、それによって被害を調査して算定いたしております。
○石田(宥)委員 時間の関係がありましてこれ以上追及いたしませんが、次に、これは専門家の農地局長に伺いたいのです。
 従来の気象状況がちょっと変化を来たしておる。建設省では、気象状況の変化に基いて直轄河川においてはおよそ一メートルから一メートル半程度の堤防のかさ上げの計画を進めております。これは御承知だと思いますが、農地局は、農業土木の面において、こうした気象状況の変化というものをどのように考えておられるか、また対策を立てておられるかどうか、これはもう常識化しておることなんでありますが、ややもするとそれに対する対策不十分のために被害を受けるようなことがありますので、この点を伺いたい。
○安田説明員 ただいまの御質問ですが、最近の気象状況が、どういう原因かは別としまして、冬季においても、春季におきましても、夏季、秋季におきましても、かなり違う。例をあげますと、不連続線の現在の気象台では予測し得ないような豪雨が非常に季をまちまちにして来るようなことが例であります。旱害などが今回は五十年ぶり以上に来たこともあります。洪水を生ずる場合、用水があふれて水害を来たす場合、水が不足する場合、両方ありますが、これに関連しまして、河川の調節は、治水の面からいたしまして、堤防を上げることと河床のまん中を掘り下げることとの両面を建設省は最近やっております。従来は堤防を一メートルないし一メートル以上上げることの方が経済的及び土木技術的にいいということでありまして、私どもも、水利の資料に従いまして、水系別に水源の方から下流までに、調査の結果、それに合せて農業土木の設計をいたしておるわけでありますが、古いものはお話のように堤防のかさ上げの方向に照応するがごとくやっておるのであります。しかし、最近、河川の河床を下げる工事をするようなこと、また、上流にダムを相当発電その他で作って参りますが、私どもの用水上のダムでない場合は、下流と上流とで特に河床が上る場合下る場合、従いまして、従来の川からの水の取り入れ口が、農業の土地改良事業としてすでに作りましたものに合わなくなっておることが相当ございます。これを合口いたしましたり、さらに上流から水を取るようにいたしましたり、根本的には総合的に最近の気象状況と水の状況からいたしまして治水と利水との総合調整をはかる要があろう、それはそう考えて研究をいたしております。
○石田(宥)委員 次に、これは部分的な問題で恐縮ですけれども、新潟県の低湿地に対する排水施設でありますが、今回は三日間で三百二十ミリくらいの降雨があったわけであります。聞くところによりますと、従来の計画は、亀田郷にしても、新郷の排水機にいたしましても、一日の雨量二百ミリ程度を標準にしての計画のように伺っておるのでありますが、この点はどういう標準で計画がなされておったかということが一つ。次に、新郷川の排水機はポンプ九台を予定されておるのでありますけれども、六台の施設で、あと三台は休止のような状態であるわけでありまして、見方によっては今回の災害はどうも人災だということも言えるわけであります。これはすみやかにあとの三台を設置すべきであるということは論を待たないところでありますが、同時にまた、これと関連するところの排水路である新発田川や加治川あるいは新郷川の浚渫が不十分のためにポンプの機能が十分果たし得ないといううらみもあったようであります。こういう点について、排水路の浚渫並びに予定のポンプ台数の設置ということがかなり今回の災害には大きな影響を及ぼしておるわけでありまするが、これに対する局長の考え方を承わりたいと思います。
○安田説明員 河川の状況も、一般的には先ほど私が申し上げましたようなことであり、そう考えておるわけでありますが、やはり北陸地方では急流がひどくて、黒部川のように、また早月川のように、大水が出ると石が逆さに上流に動くほどのところもあります。ただいま新郷川あるいは阿賀野川についてのお話だと思いますが、やはり河川の状況、形態、水量等もそれぞれ違いますが、私どもは、御指摘の地区を含めまして、最近では一日継続しまして二百ミリの雨量には確実に耐え得るところを水準にして、土地改良事業、特に農業用水事業、排水事業を目安にいたしておりまして、おおむねは目的を達しておるのであります。ここしばらく前は二百ミリでも実は多少自信がなかったようであります。ところが、最近はそれ以上に降りますのでそういうことが起きますとともに、今人災ではないかとおっしゃいますることは、河床の変化と用水の取り入れ口等で、あるいは排水と河床との関係等で十分に設計が合わず、水の関係、地形等で合っていないところが間々あること事実であります。これに対しましては、事業の進捗を早く合せることが第一で、いわば人災ではなくて予算の災害ということが一つだと思いますが、なお、状況が変化した場合は、排水なり、排水のため必要ならば河川の浚渫をやってもらうとか、逆に浚渫はやってもらわないようにしてもらう、これは具体的に毎月建設省とやっておりますので、その方で調節をしていきたいと思います。
○石田(宥)委員 局長の答弁だと、新郷川の排水はあと三台入れれば大体継続二百ミリという排水が可能であるという計画だと受け取っていいのですか、どうなんですか。あと三台入れれば継続二百ミリまでは排水可能なんだ、こういうふうに受け取っていいのですか。
○安田説明員 御承知の、本事業計画を採択しましたときの設計に従いまして、現在でもそれでいいと思って、専門家の技術者の方の意見を尊重して考えております。
○石田(宥)委員 大臣に伺いますが、今お聞きの通りなんです。予算がつかないために土地改良事業や排水事業が停滞を余儀なくされた、――局長はなかなか上手な言葉を使って、人災でなくて予算災害であるということを言っているが、この予算の問題なんですが、いつでも、農林省の方の事務当局ではかなりそういう点を心配して予算要求をするのだけれども、大蔵省側の認識不足等がかなりこれを阻止している。こういう点について、大体もう災害を受ける個所というものは全国でもおおよそ指折り数えられるほどである。特に災害常襲地帯のようなところに対して、これを千編一律に大蔵省が予算の削減をやるというようなことは許すことができない問題である。こういう点について大臣は特に農林施設について今後留意されなければならないと思うのですが、決意のほどを一つ承わっておきたい。
○三浦国務大臣 本件に関する限り石田委員と私は同感でございます。ただ、もう一つ、これは地元で有力な影響力をお持ちになる石田委員でありますから一言お願い申しておきたいのですが、なお地元で土地関係等によって円滑に進め得ざる条件もあるそうでありまして、そうしますと、予算がかりに取れましても、実施できないことが間々あり得て非常に困っておる。これはやはり国家並びに地元が協力的に進みませんといかぬと思いますから、予算の方は私も最善を尽しますから、同時にまた、地元関係もスムーズに工事が進みますように御協力を期待いたしておる次第であります。
○石田(宥)委員 次に天災融資法について伺います。
 これは法律によってそれぞれ措置されることになるのでありますが、先ほど陳情にもございましたように、まだ償還が終らないところにさらにまた災害を受けた、これがダブってくる。この場合には法律の第二条の六号ですか、二年以内の延長ができるということになっておるわけです。しかし、二年だけの延長で、収穫皆無になったようなところは実は処置がないのです。こういう場合に、どうしてもやはり特別な立法措置をしないと、農場が立ち行かないことになる。三〇%か、たかだか五〇%程度ならまだ考え方もあるかもしれませんけれども、少くとも相当広範な面積にわたって収穫皆無という状況のもとにおいては、今の法令の範囲内では救済しがたいのです。こういう状況でありますので、これについては特別の立法措置を必要とすると思うのでありますが、大臣の所見を伺いたい。
○三浦国務大臣 天災融資法の運用の問題でございますが、事情に適せぬということでございますれば法律の改正もやむを得ないと思います。もう少し事態をよく精査しまして、そして対応の措置を講じたい、こう考えております。
○石田(宥)委員 ぜひ一つこれはお願いしたい。
 それから、五〇%以上の災害のいわゆる特殊地域の地域指定の問題でありますが、旧町村の範囲において地域指定をするという問題でありますが、これが、ややともすると、最初は災害地域全体で六分五厘の普通の融資をやっておいて、それからあとで三分五厘の地域指定が行われるということになりますと、農民の方も相当敏感でありますから、六分五厘だということだと少し手控えなければならぬというようなこともあって、思うように運営ができないうらみがあります。今度のような災害は、統計部長の話だと、なかなかはっきりしないような答弁であるけれども、これは現地を調査になればすぐわかりますから、すみやかに町村指定の措置をとるようにお願いしたい。これは災害農家にとっては非常に重要な問題です。
 それから、やはり今の問題と関連するわけでありますが、自作農資金の災害融資のワクはどの程度残額があるか、これを一つ承わりたい。
○安田説明員 事務的なことでありますから、私から……。
 現在の残額は、御承知と思いますが、七十五億の年間ワクのうち五十二億を配分しましたので、二十三億が未配分でありますが、開拓、移民等に対する予定分を除きますと十七億になっておるわけでございますが、災害分としては、長雨、旱害を考えまして、事務的には目下まだ大臣の決裁をいただいておりません。十億見当を出しますれば、過去の自作農資金の配分のときの被害が発生した当時におきまする――ちょうどことしの被害なら今の程度の判明状況の場合の被害額対融資額、その比率と同じくらいになると思います。従いまして、なお今後の風水害に備えては相当要るだろうと思いますので、現在までの災害状況から、自作農資金のうちで災害対策に使う分を以上のようだといたしますれば、七十五億の年間ワクは拡大を、努力しなくてはならぬだろうという状況にあるかと思います。
○齋藤説明員 御質問の趣旨は、町村指定を早くやらないと、三分五厘地域であるものについても六分五厘かどうかということに伴って借り受けがなかなかむずかしい場合もあり得るというふうに御了解いたしたのでございますが、これは、従来とも、指定がおくれることによりましてそういう不利な影響がないようにということで、指定はどうしても地域別に相当詳細な被害程度別のものがわからないとできませんので、指定はおくれますけれども、しかし、指定した場合におきましては、その農家はさかのぼって三分五厘の適用を受けるというような扱いをしておりました。現在も、そういうことによりまして、一応六分五厘だということになりましても、指定すればさかのぼって三分五厘にする、こういう扱い方をしておるわけであります。今後もそういう方法で処理していきたいと思っております。
○石田(宥)委員 今安田局長が答弁した通りでありますが、実は前例もありますので、自作農資金の災害のための増額、これは後に委員会においてもまた審議をし何らかの結論を出さなければならないと思いますが、大臣におかれても、やはり自作農資金の災害ワクの増額について、これは今後の災害も見込まなければならないと思いますので、一つ十分お考えを願いたいのですが、可能性についてはどうでしょうか。
○三浦国務大臣 十分検討して、できるだけのことを努力いたしたい、こう考えております。
○石田(宥)委員 それから、次に、災害補償法の仮払いと概算払いの措置でありますが、先ほどの官房長の話では、一応その措置をとるようにしてあると、こういうことでありますが、この災害のパーセンテージをどの程度に見て、どのように措置をするということになっておりますか、お考えを一つ承わりたい。
○齋藤説明員 これは、従来とも、各県から概算払いの要求額が農林省の方に出て参りました場合に、われわれとしては統計調査部で大体の被害額がわかります。その被害額に基いて算定をいたしまして、そしてそのワク内でどんどん支出を認めていく、こういう方法をとっておるわけであります。従って、各県の連合会からこういう状況で農林省の方に来れば、来る都度それに応じて出す、こういう手配をいたしております。
○石田(宥)委員 次に、これも大臣の考えが重要なんですが、米の予約前渡金ですね。石当り二千円ずつすでにもらっておるわけですが、収穫皆無地におきましては、とうていこれは約束を果し得ないわけです。これで、これは今の食管法の範囲内ではどうしてもこの措置が困難だということで、これも立法措置をやった前例があるはずです。同時に、それに対して、これを延べ払いにし、それから利子補給をするというようなことが当然必要となってくるわけでありますが、今回の被害もきわめて深刻でございますので、当然これをやらなければならないと思いますが、大臣のお考えはどうですか。
○三浦国務大臣 まず先に事務的処理の関係をお答えをさせます。
○齋藤説明員 今回の災害に伴いまして、開拓地等の食糧の非常に困っている地帯もあるので、配給の手配をしてもらうようにというような要望で、午前中の参議院の農林委員会におきましても御質問がございましたけれども、実は、霜雪害の場合におきましては、飯麦の手配につきましての要望が各県からございました。しかし、今回の場合におきましては、まだ飯麦あるいは飯米確保のための強い御要望を実は各県から聞いておらないわけであります。しかし、われわれといたしましては、そういうふうな事態におきましては、何としても食糧でございますので、手配自身につきましては食糧庁において責任を持って実施をする、ただ、あと代金の延納の場合であるとか、あるいは利子補給の場合だとか……(「予約の前渡金の問題だ、聞いてないからとんちんかんな答弁をするのだ」と呼ぶ者あり)食糧につきましては、御質問の要点にそれて恐縮でございましたが、そういうことでありまして、概算払い等の措置につきましては、これは、従来とも、それに対する利子軽減等の措置なりは、農協である程度の集荷委託費等の手配がありますので、農協あるいは集荷委託業者の方からできるだけ一応返済してもらう、それで、それに伴う利子がかかるわけでありますが、その利子負担分につきましては系統団体なりあるいは集荷委託業者の従来の手数料の中においてそういうサービスはできるだけやってもらいたい、しかし、農家に対する負担関係につきましては、たとえば営農資金が出ますというような場合におきましては、その営農資金の中においても結果的にそういう負担が軽減されるような扱いをやってもらいたい、こういう指導をいたしておるわけでございます。従って、大体概算払いの方法につきましてはそういうふうな取扱いをしたらどうかというふうに考えております。
○石田(宥)委員 そこで、今の農協等が集荷資金等でやるということであるが、この場合に、やはり天災法の中で、六分五厘の金で三年以内で一農協五百万円以内というのが法の二条の七号に出ておるわけです。そうすると、天災融資の金を農協が借りて、そうして農協が前渡金の支払いを肩がわりをして、その利子については県なり政府なりがこれを負担するということができるという考えですかどうですか。
○齋藤説明員 私のただいま申し上げましたのは、天災法に基く事業資金としての借り入れの問題としてお答えいたしたのでは実はないのでございます。今御質問の点について、私も今ちょっと直ちに答弁いたします用意をいたしておりませんが、おそらくそれは法律上無理ではないだろうかと考えますが、これは検討させていただいて後刻御答弁させていただきたいと思います。
○三浦国務大臣 先ほど石田さんから私の答弁を求められた点、いろいろな立法の先例等もあろうと思いますが、今官房長が素朴なお答えをして十分尽しておりませんから、これは十分に検討しまして、御質問の要旨をよくくみまして、できるだけの合理的な措置を講じていきたい、こう考えております。
○石田(宥)委員 官房長もよく研究していないようです。この点は今の食管法ではできないことは明らかなんです。この前にはこういう事態が生じたときにはやはり特別立法措置をやったと私は記憶しておる。ですから、やはり、今大臣がおっしゃるように、できるだけこれは立法措置をやらないとできないんじゃないかと思います。そこで、さっき言ったように、天災融資法の中の二条の七号で、六分五厘の三年以内で、一農協五百万円以内、こういうもので利子の補給が可能であれば、私はそれも一つの方法だと思っております。そうでないと、これは立法措置をしないとできないのです。ですから、これは一つ大臣の答弁のようにお願いしたい。
 それから、飯米のことはまだ具体的に県から上ってきていないというお話ですけれども、数千町歩にわたって収穫皆無というようなところは、当然飯米の措置をやらなければならぬのでありますが、これも、従来の災害対策の例では、やはり貸し売りまたは安売りということは食管法では不可能なのです。これもやはり特別に立法措置をしなければ、安売りまたは貸し売りということは不可能に属しますので、今後災害の状況の実態が漸次明らかになって参りますので、ぜひやはり今の点と同様に大臣の方から積極的な対策を一つお願いいたします。
 次に、税金の問題については、減免税の点については国税庁から通牒が発せられておるという御報告でございますからけっこうでありますが、なお、これについては、徴収猶予等の――前年度の収穫に対する課税でありますから、本年度収穫皆無になっても、前年度すでに税額の決定を見たものに対して、まだ納税の済んでおらないものに対しては、これは徴収猶予というようなことが考えられなければなりませんので、これを一つ官房長は特に国税庁とよく連絡をとって適切な措置を願いたいと思いますが、しかし、これは減免税とともに徴収猶予の点についてもすでに国税庁から指示が発せられておるとすればけっこうでありますが、おわかりでしたらこの点も伺っておきたい。
○齋藤説明員 ただいまの徴収猶予の点でございますが、霜雪害の場合におきましては徴収猶予の道も同時に開くように通知をいたしておりますので、もう一度国税庁によく確かめてみたいと思いますが、おそらく今回の場合もできるの毛はなかろうかと思っております。先ほど申し上げました通牒につきましては、七月の納期につきましてこれをもう少し延期する、こういう通知が出ておる点を申し上げたわけであります。
○石田(宥)委員 それでは自治庁の財政課長に伺います。先ほど来の質問によって災害の状況もおよそおわかりのはずでありますが、地方団体が非常な財政窮乏に陥ることは言うまでもないことでありますので、地方交付税の繰り上げ支給と特別交付税の増額について対策をしなければならないと思いますが、これに対する自治庁の考え方を一つ伺っておきたい。
○細郷説明員 地方団体も非常に苦しい際でありますので、災害が起きることによります各種の財政需要の生ずることもいろいろ想像できるわけであります。今お尋ねの交付税につきましては、御承知のように、災害のために財政需要がふえた、また災害のために入るべき収入が減った分、いわゆる徴収等が減るわけでございますが、そういったものがだんだんとまとまって参ります。それらに対しまして特別交付税におきまして、毎年のことでありますが措置をいたしております。
 なお、一般の普通交付税の早期繰り上げの問題でございますが、先般六月に四分の一出ております。この次は八月の決定を待って九月早々に――通例九月一日か二日ごろにいつもいたしておりますが、今の段階ではまだ私どももその繰り上げについては実は考えていないわけでございます。実は検討いたしておらないわけでございます。いろいろと伺っておりますと、あちこちに災害が起っておりまして、若干の団体から繰り上げ交付についての要望も出て参っておりますので、もう少しそれらの点を調べた上で研究していきたいと思っております。
○石田(宥)委員 これは地方団体から一斉に要望が出てくるはずであります。そういう実情でありますので、今後の状況に応じて措置を願いたいと思います。
 それから、時間が大へん超過して申しわけないのですが、大体御説明でわかっている点をはぶきまして、薬剤散布については相当量の薬剤を用意し、すでに散布を始めております。これは、従来の例によりましても、おおよそ二分の一程度、一定の金額を定めて補助がなされておりますから、それによるものと判断してよかろうと思います。なお、それができるかできないかということについて、もし御意見がありますれば官房長から承わりたいと思います。
 それから、牛馬の飼料が水害の際にいつも問題になるわけでありますが、乾草やふすま等の応急措置をやっております。何しろ部落が二メートルくらいの水びたしになってしまって、避難をしておる部落が四、五部落ある。その他部分的には相当数に上っておりますので、牛馬の飼料としての雑草は当分の間全然使用できない。そこで、乾草やふすま等の支給も行いましたが、とうてい長続きできないので、やむを得ず、たんぼの中を二メートルも水のあるようなところを泳がせて、他部落に委託をしておるというような実情でありますので、その飼養を農協等があっせんをして他に委託をしたような場合の委託費用についての補助金というか、これは災害の起るたびに出る問題でありますが、これについてはどうお考えになっておるか。
 それから、もう一つは、災害を防止せんがために莫大な土俵を使っております。俵、麻袋、かます等で、新潟で県でざっと調べたところでは約五十二万枚程度を使っておる。一枚四十二円にしても二千百万円に達するという状況でありますが、これについての補助、助成の対策を伺いたい。
 なお、ポンプについては、農地局長から、稼働率の多いところは地方によって大団地についてはポンプ輸送と燃料の合計額の三割程度ですか、反当り五百円程度の補助を行なったと、こうおっしゃっておりますが、この点については、どういう法令に基いてこれが行われたか、また、これはどこでも行い得るのか、これだけを一つお尋ねいたします。
○安田説明員 私が申しましたのは旱魃対策の燃料費の予算措置でございます。
○齋藤説明員 災害に伴う助成につきましての御質問でございますが、一つは農薬に対する助成、第二は牛馬の委託飼養に対する委託料の助成についてでございますが、従来の牛馬の飼養委託というようなことに対する助成の例がございませんので、どういう実態であるのか、その辺をもう少し検討させていただきたいと考えております。
 農薬等の問題につきましては、それらの技術対策につきまして、先ほど申し上げましたように今実施状況を各県から報告を求めておりますので、それを見まして検討をさせていただきたいと思っております。
 それから、第三が土俵の問題でございますが、これは建設省の水害対策か何かで水防組合その他に対する助成があるかどうかということじゃないかと思いますが、農林省では今のところ考えておりません。
○石田(宥)委員 持ち時間も超過いたしましたので、もう少し掘り下げたい点もありますけれども、以上で私の質疑を終りますが、最初に申し上げましたように、被害がきわめて深刻であり広範に及びまして、本委員会も調査団を派遣するという段階であります。なお被害の状況については今後刻々明らかになって参りまするけれども、これに対しましては、やはり、先ほどから質疑の中に現われておりますように、現在実施されておる法令の範囲内で行い得る点と、また臨時立法措置を行わなければ対策し得ない面とがありますので、そういう点については親切に災害農民の窮情を察せられまして、農民のところまで手の届く対策をお願いいたしまして、私の質疑を終りたいと思うのでありますが、なお、最後に大臣から今までの問題についての御意見を伺えばけっこうであります。
○三浦国務大臣 今回のこの降雨による被害が最近まれに見る大きな被害でもありますし、地方の惨害もわれわれ非常に同情しております。従いまして、現地に対し精査をするということで調査団を出します。なおまた、地方の実情をよく把握いたしまして、先ほどいろいろの問題を御指摘になりましたが、省内をあげて十分検討いたしまして、そうして御指摘のようななるべく手厚い措置を講じて参りたい、こういう考えでございますから、御了承願います。
○吉川(久)委員長代理 田口長治郎君。
○田口委員 私、先般来福岡県あるいは長崎県等の旱害地を実際に見て回ったのでございますが、今回の旱害に遭遇いたしまして、農家が非常にぼう然自失しているような実情でございますが、いつもの災害でさような点が見受けられるのでございますが、特に今回非常に苦しんでおるのでございます。
 そこで、どういうわけで今回の災害に限ってそういうような状態でおるかということをいろいろ研究してみますと、九州地方では、御承知の通り、三月下旬から四月の中旬まで霜害で痛めつけられたのでございますが、この四月の下旬から五月の下旬までの間にまた長雨でやられました。御承知の通りに、麦類等ほとんど腐敗させてしまっておる。この長雨が過ぎまして、五月の下旬から現在までこの旱魃に出っくわしておる。いわゆる三月の下旬から現在までこの三つの災害が重なり合っておる。こういうようなことで、もう手も足も出ないというような状態になっておるようでございます。
 福岡なんかにいたしましても、水稲で植付不能のところが今に二千町歩以上ある。長崎県は千三百町歩以上ございます。長崎県のカンショなんかでございますと、今に植付がないところが三千三百町歩ばかりございます。それから、水田にいたしましても、植え付けたところが枯死寸前にあるものが、福岡県で三千七百町歩程度あるようでございますし、長崎県で三千二百町歩程度あるようであります。陸稲にいたしましても、長崎県で八百町歩くらいが枯死寸前にあり、カンショにしても枯死寸前のものがほとんど五千町歩ある。こういうような実情でございまして、非常に農民が困っておるのでございます。
 そこで、私は天災法の適用ということはまだ被害が進行中でございますから申し上げませんが、今農民が非常に困っておるのは、資金を全然持たないという問題でございます。先般この長雨による麦の被害のときに天災法による融資をお願いしたのでございますが、これがまだ農民に渡っていないような話をそこここで聞くのでありますが、そういうような実情にございますかどうか、その点を、一人の方でけっこうでございますから、お伺いいたしたいと思います。
○齋藤説明員 先般の霜雪害に対応する天災融資法の適用につきましては、当委員会にも御報告いたしました通り、五月末だったと思いますが、四十二億につきまして各県に対する手配をいたしたのでございます。従って、われわれとしては、それぞれ各県の段階におきまして各農家にそれぞれ申請に応じて手配いたしておるであろう、かように考えておるのでございまするが、御指摘のような点がありますれば、なお調査してみたいと思います。
○田口委員 どうも官庁の方では渡っておるようなお気持でおられるようでありますけれども、実際には渡っていないところが多いようでございますから、一つその点は督促をお願いいたしたいと思います。
 それに関連いたしまして、先ほど石田委員の質問で、自作農創設維持資金の問題が出たのでございますが、農地局長の説明で、七十五億の総額から一時的に五十二億出した、あと二十三億残るそうでございますが、このうちに移民の分及び開拓者に対する分を出しておられるはずでございますから、あと残りは十五億かあるいは十七億程度しか残っていないかと思うのでございます。この麦等の被害のときに、自作農創設維持資金の別ワクを一つ出していただきたい、こういう要望に対しまして、農林省は、とりあえず一般に割り当てた五十二億から必要なところを出しておいていただきたい、こういうようなことで、そのときにも特別に出されないで、全国的に割り当てられたそのうちからとりあえず急ぐやつを出しておいてくれ、こういうような話でお済みになったようでございますが、今度の旱害問題で、長崎県だけを考えましても約三十億でございます。そうしてこの旱害は九州一円に及んでおる、さらに水害がある、こういうような実情でございますから、先ほど農地局長のお話のように、十億もあればどうにかという話でございますが、前々からのやつがこう重なっておりますから、とうていそれでは間に合わないと思うのでございますが、これはよく精査していただきまして、農林大臣から積極的に一つ追加の分を強くやっていただきまして、どう考えましてもこの十五億や十七億では足らないと思うのでございますから、その点を一つ強く大蔵省と折衝していただくことをお願いしたいと思うのでございます。
 第二に、先ほど揚水機の問題につきまして農地局長が御説明いたしたのでございますが、共同施設の分について、どうもはっきりその意味がつかめなかったわけでございますが、共同施設事業の三〇%の六五%を補助する、こういう意味なんですね。そうして、補助したものを、今度は政府が、時価といいますか、あるいは原価といいますか、それで買い上げて、それを共同で管理をさせる、こういう意味でございますか、ちょっとお尋ねいたします。
○安田説明員 まことにわかりにくくて相済みませんが、内容はこういうことであります。農民の方々が共同して小範囲で共同的にポンプを買う、それに専用の動力がついておる、その両者の例でいきますと、それについて補助をいたすわけでありますが、まずはその補助するときには一応標準単価をどうしてもきめなくてはならない。それで標準単価と申しましたのですが、その三割、十万円としますとその三割は三万円、その三万円分を今回使用せられたような考えをもちまして、その三割についてはそのとき農民が負担され、その負担について国が補助するのだ、その補助は何割補助するかというと六割五分を補助いたしますということであります。ところが、それは三割相当分の今回の使用部分、使用価値部分について言うておるものですから、購入単価の七割が補助対象でないわけです。地元負担でもないわけですが、その七割を国が金を出してポンプを買いまして、かつて、昭和二十年以前に補助を講じましたポンプが、翌年度会計検査院等で調べましたら散逸してしまったりして、その後補助施設が効果を発揮いたしませんでしたので、七割で買い上げまして、勝手に使ってはいけませんので地元に保管をいたし使用していただくようにするということでございます。七万円でもって国が買って、国が地元に預けて、地元がお使いになる、そういう措置をしようと思うのです。しからば国が出す金は幾らかといいますと、標準単価の九割、こういうことなんです。
○田口委員 今のお説で、かりに十万円のポンプを買ったとする。その三〇%ということになると三万円になる。三万円の六五%ということになると一万九千五百円になる。そこで、共同施設でやった人は、この三万円から一万九千五百円を差っ引いた一万五百円だけ負担すればよい、こういう解釈でよろしいわけですね。そうしますと、使ったあとを一定金額で国が買う、その一定金額というのは、時価ということになるのでございましょうか、それとも購入したときの価格というのでしょうか。
○安田説明員 あまり地区的にべらぼうに値上りしておるところはちっとどうかと思いますので、助成対象の標準価格にしたいと思います。
○田口委員 標準単価は何かということを聞いておるわけです。
○安田説明員 標準価格は、最高の異例の時価ではない、相当通常の時価ということです。
○田口委員 あまり損をさせないように買い上げるということなんですね。
○安田説明員 個々の購入原価そのものではないということです。しかし、国が買い上げて国有にしますが、所有権を持っておるからして使用権を左右するということをいたしませんで、それを購入し使用された方にみな使用権を与えてお使い願うことにしていく、しかし保管はちゃんとしていただく、こういうことです。
○田口委員 どうもわかったようなわからないようなことですが、購入価格ではない、購入価格と時価との間程度の価格として了承いたしたいと思います。
 それから、県で揚水機を買ったときに補助金を六五%、財政力の貧弱な市町村が買ったときは補助率は五〇%ということは、何か理由があると思いますが、どうも、しろうとから考えると、逆に一方が六五%で一方が五〇%でないかしらと思いますが、これは間違いじゃございませんか。
○安田説明員 間違いじゃございませんで、土地改良事業で申しますと、土地改良の事業でポンプがあります場合の補助が、国では六割負担、県では五割負担、地方団体は四割負担、そういう割合でございます。
○田口委員 先ほど申しましたように、今度の旱害では市町村は痛めつけられているわけなんです。これは、県の場合と同じように、もう一度市町村の分も六五%という補助金にお考え直し願えませんかどうか。ぜひそういうふうに直していただきたいと考えるわけであります。
○安田説明員 最高の方針は私はお答えいたしかねますが、大蔵省、農林省を通じましてきめましたことは、市町村はその場合でも県の補助をなお受け得る――必ず受けるとは思いませんが、そう思っておることが一つであります。また、五割は、災害の防除である、あるいは災害の対策である、こう見まして、先ほど申しました土地改良事業より補助率を多くするのがいいということで、県は六割五分、市町村は五割、こうしております。
○田口委員 大臣に一つこの点をお聞きしておきます。
○三浦国務大臣 これはいろいろな細目の決定でございますので、私の考えだけでもいかなかったのでございますが、いろいろな比例を見ましてこうきめたわけでございます。
 なお、国が最終的には買い上げをして、県なりあるいは地方で保管させる、こういう措置をとったものでございますから、かような取りきめにしたわけであります。
○田口委員 大臣はちょっとお考え違いをしておられるようでございますが、今話しておりますのは、市町村で揚水機を買った場合、県で揚水機を買った場合、こういうことで、普通のときはこれでけっこうだと思いますけれども、あの災害地の実情を見ますと、どうも市町村に対して非常に酷でございます。また力もない状態になっておるのでございますから、これは一つ大臣から大蔵大臣にでもさらに交渉していただいて、この災害に限った揚水機は、県及び市町村同じ補助率にぜひお願いしたいと思いますから、この点一つ御努力を願いたいと思います。
 それから、先ほどの植付不能の耕地、あるいは植えたけれども枯死してしまった耕地、これに対して代作を考えなければならぬと思うのでありますが、永野局長は、先ほど倉成委員の質問に対しまして、種子のあっせんその他の助成という言葉を使われたのでありますが、その他の助成はどういうことをお考えになっておりますか、その点お伺いしたいと思います。
○永野説明員 代作用の種子につきましては、従来も先例がございますが、相当遠隔の地から運賃を払って購入をしなければならないような場合があるわけでございます。そういう場合には、通常の場合、地元で手に入れます場合よりも相当高い種子代に相なりますので、そういう差額につきましては国が助成の措置を講じたらよかろう、こういうふうに私ども考えておるわけであります。政府部内としてはなお折衝を要する点でございますが、私どもの考え方を申し上げた次第でございます。
○田口委員 今のお話では、種子代及び運賃という程度にお考えでございますか。
○永野説明員 私どもといたしましては、できるだけ根元の種子代につきましても農家の方々が安く手に入るように努力をいたしたいと思っておるのでございまするが、災害対策の先例等の関係もございますので、そういう点につきましてはなお政府部内で相当折衝をいたさなければならぬ問題である、こういうふうになっておるわけでございます。
○田口委員 この折衝につきましては、農薬と同様に、どうかいたしますと農林省の意向が通らないでついに実現しなかったというようなことが非常に多いのでございますが、これは農林省に申しましても仕方がないのでございますけれども、先ほど申しましたような、非常に痛めつけられた今回の旱害でございますから、一つ農林省といたしましても特別に大蔵省と折衝をしていただきたいのでございます。農林水産委員会といたしましても、この問題は特に大蔵省に折衝しなければならぬと思っております。
 それから、次に、農薬の問題でございますが、こういう災害のときは苗も非常に弱い、こういうようなこと、あるいは気温その他の関係で水害のときも旱害のときも農薬をよけいに使わなければならぬ、こういうことは常識でございますが、これが、補助するというような話で、実際はなかなか補助が出ない、こういうような状態になることが非常に多いのでございますが、今回の旱害及び水害に関係しまして、この農薬について農林省としてどうお考えになっておられますか、その点お伺いいたしたいと思います。
○永野説明員 災害の程度を軽減いたしますためにできるだ病虫害の防除その他を講じなければならないと私どもは考えておるわけでございます。通常の場合ももちろん相当な薬剤を散布いたしまして防除をいたすわけでございますが、旱害、水害その他によりまして、通常の防除回数を特にこえて防除しなければならぬという場合には、その分については国が助成をいたしたいという私どもの考え方でございます。この点につきましても、皆様よく御承知の通り、政府部内におきましては、防除機具その他の共同施設の補助であれば別といたしまして、個々の農家の経営上必要な物資に対しまする補助はいかがであろうかというような疑問がいつも起っておるのでございます。私どもといたしましては、実際の災害の実情に即しまして、そういう点も極力努力をいたしまして、問題を解決するように努力をいたしたい、こう考えておるわけでございます。
○田口委員 この問題は災害関係でなければ言えないことと思いますけれども、災害の場合だけは、何とか被害を少しでも少くするという意味からも、どうしても出していただかなければならぬものであると思うのでありますが、これも農林省ではそういうお気持でおられる。それが実現しないということは、結局大蔵省の問題と思いますから、この委員会としても大蔵省に一つ折衝をお願いしたいと思う
 それから、大臣にちょっとお伺いしたいのですが、今後の旱魃の場所でございますが、河床を掘ったりあるいは井戸を掘ったりということが農民では非常に無理な個所があるのでございまして、自衛隊の工作隊なんかが出てやってくれますと直ちに解決する問題のところが非常に多いのでございますが、現地の指揮官は、この旱魃の場合は人命に関しない、こういうようなことで、部外引き受け工事ということならばすぐに承知するのでございますが、そういうような部外引き受け工事で経費を捻出するということが地元でどうしてもできないのでございますが、これができますれば、井戸掘りでも何でも相当早くできて、旱害をある程度食いとめ得る地方も非常に多いと思うのでございます。出先の指揮官は、中央から指示があればいつでも出ますということですが、農林省と防衛庁の間に、この旱害の場合だけは、人命に関しないけれども自衛隊法の八十三条で出動する、そういう交渉をしていただけましたかどうか、その点お伺いしたいと思います。もし交渉しておらなければ、一つ出動できるような道を開いていただきたいと思います。
○三浦国務大臣 今の自衛隊の出動の問題でございますが、これは閣議で左藤防衛庁長官からもむしろ積極的に発言がございまして、災害等についてお申し出があればできるだけのことはします、こういうことでございました。ただ、経費の負担等の問題が実は多くあると思うのです。私は、理屈の上から言えば、部外引き受けということで掘った、――今度は井戸掘りしたものについては一応こっちが助成するという建前にしておるので、共同でやろうが、あるいは人に請負させてやろうが、場合によっては同率に見なければならないと考えるのです。その場合に、自衛隊は国の機関だから、それに委託させたのは助成しない、こう言い切れない面もあろうじゃないかと思うのですが、具体的には防衛庁とは相談しておりません。しかし、左藤君のお話では、何も人命救助云々だけの制約されたお話ではございませんでした。従いまして、事務当局からも防衛庁の方へ連絡させていきたい、こう考えております。
○吉川(久)委員長代理 田口君に申し上げますが、他の委員も理事会の決定の時間を経過しておりますので、あなただけにちょっと申し上げかねるのですが、時間の関係がありますので、一つ簡潔にお願いをいたします。
○田口委員 この問題ですが、第百条でやられる場合は地元で経費を負担しなければならぬ。水害なんかで、生命ということで八十三条で出動してくれると、経費を持たないでいいわけですが、私が今お願いしておりますのは、八十三条で出動するような打ち合せをしていただきたいということでございます。
 それから、細郷さんにちょっとお伺いしたいのですが、――いらっしゃらないようですから、それでは後日に譲ります。
 それから、先ほど倉成委員から質問がありました恒久対策の問題でございますが、私どもが平素気づかなかった状態が今度の旱害で至るところにはっきりして参りました。ちょうど旱害が幸いということではないですけれども、ため池にしても、あるいは水路の補修場所にしても、非常に今度はっきりして参ったわけでございます。こういう際に、少くとも水に関する問題は農林省としても思い切った施設でやられて、そして、再び旱害が起らないような、また起ってもごく小さくて済むような処置を講ぜられることが一番いいことじゃないかと思うのです。また、こういうときには、怠けておってよく修復しておらなかったところがはっきりしてしまうのですから、この際ぜひ一つ整えて、そして応急対策も兼ねてやっていただきたいのでございます。先ほど倉成氏の質問に御答弁になりましたけれども、もう一回、一つよく御研究になって恒久対策の方をお考え願いたいということを重ねて要望しておきます。
○三浦国務大臣 恒久対策につきましては、すでに事務当局からも旱害等につきましての対策の基本的な調査等も地方庁に要請している段取りでございます。なおこれに伴う周到なる調査を進めまして、そうして、先ほど申し上げました通り、いわゆる恒久対策であるが、臨機応変に、しかも急速に所要の効果をあげ得るものは手をつける、そういうことで、すでに来年度以降の予算の構想にも盛り込んでおりまして、今御指措のような点をさらに強化して進めたい、こう考えております。なおまた、個所ごとにいろいろお示しして、皆様に協議御援助を仰がなければならぬと思いますが、さような立場で進んでおりますから、御了承願います。
○田口委員 それでは、自治庁に対する質問を残して、私の質問を終ります。
○吉川(久)委員長代理 田口君の質問に関連して、大坪保雄君の質問を許します。大坪君。
○大坪委員 実は、私、昨日まで西九州、特に有明海沿岸地帯の旱害地の実情を見て回って、東京に引き揚げて参ったのでございます。従って、現在旱害地の農民の悲壮な気持というものを見るに忍びない感じを持って見て参ったのでございますから、さようなところから、今日農民及び応急対策を講じつつある市町村長等が切実に疑問に思い、かつ心配をいたしている事柄について、二点だけごく簡潔にお伺い申し上げてみたいと存じます。
 その一つは、有明海沿岸地帯の特殊性だと思うのでありますが、灌漑用水を求めるために井戸を掘るわけでございます。これが浅くては水が出ない。出ても塩分を多量に含んだ水であって、灌漑用水としてはきわめて不適である。従って、非常に深い井戸を掘っているわけでございます。なお、従来から灌漑用水を求めて掘った井戸があるのでありますが、これらが現状では塩水を吹き出すというような実情になって、もう少し深く掘り下げなければ適当なる淡水を得られないという実情にあるわけであります。従って、既存の井戸の掘り下げを計画し、かつまた実行いたしております。これは応急措置として井戸を掘るよりほかに今日ではたよる道は何ものもないという非常に切実な気持から掘っているのでありますから、これは応急措置としてお認め下さるものと思うのでありますが、そういうことになっておりますかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。
○安田説明員 応急対策の助成対象にいたします。
○大坪委員 わかりました。どうか一つそういうことでお骨折り願いたいと思います。
 それから、もう一点でありますが、井戸を掘りますについて、有明海沿岸地帯等につきましては、今申しましたように相当深く掘らなければならない。従って、経費が非常にかかる。一つ掘るのに三百五十万くらいかかると言っておりますが、井戸掘りがなかなかおらない。従って、中国、四国方面にまでも井戸屋さんを探して、やってきてもらって頼んでおるというのが実情でございます。そこで、そういう井戸屋さんに、これは井戸屋営業者でありましょうが、掘さくを頼んでおりますが、そういう事情でありますから、これを請け負いに付しておる。従って、そういう状態でかつ深部にまで掘り下げるわけありますから、時日を要するし、金もよけいかかる。ところが、おそらく現在の見通しでは四日、五日までは雨は降らないじゃないかと心配いたしますが、降らないとも限らない。途中で降ってくるかもしれない。一応相当潤うような、たとえば夕立等があるかもしれない。そういうことで一応旱害ないし枯渇、稲の枯死を防ぐのには足りるという程度の雨が降るかもしれませんが、そういう場合にこれをおそれて中止するわけには参らぬと私は思います。従って、掘り上げてしまわなければいけない。そしてまた、井戸を掘り上げた以上は、これを灌漑用水に利用するためのいろいろな施設をする必要もありましょうし、また、しなければならないと思います。そういうところにまで補助の対象として補助はして下さるのであろうか。必ずそこまでは、農民のことを一生懸命お考え下すっている農林省のことですから、間違いなく御如才ないものとは思いますが、非常に現地の町村等が心配しつつ掘っておる現状でございますから、その点確実に御方針を伺いたいと思います。
○安田説明員 深井戸を掘ります場合に三百五十万かかるのは、別に大した大きな金がかかっておるわけではありません。助成いたします。
○大坪委員 わかりました。私の特にお尋ね申し上げたい点は二点だけでございまして、どうか一つ適切な処置を願いたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 神田大作君。
○神田委員 委員長に一つ要望しておきますが、災害問題でだれもが質問の通告を出しておる。そういうときに、関連質問だといって、同じような質問をする者の間にはさんで勝手に質問をさせるということは、経験豊かな委員長の公平な処置ではないと思う。委員長どう思いますか。
○吉川(久)委員長代理 神田委員にお答えいたします。正式の発言の要請がありましたが、関連ならばということで前例に従ったわけでございますから、御了承を願います。
○神田委員 もちろん関連は前例はあるでしょう。あるでしょうが、同じような質問の場合は、私が質問しておいてから、あとで正式にさせてもよい。僕は何も先にやるあとでやるとかいうことではないけれども、そういうことで関連を乱用しちゃいかぬということを御注意申し上げます。
 時間の関係がありますから簡単に質問いたします。
 大体前の人たちがだいぶこまかく御質問したようでございますから、疑問のある点の二、三を御質問申し上げます。
 安田局長が、揚水機の補助に対しまして、買い上げたものの三割に対する六割五分の補助を出し、あとの七割は、原価というか、時価というか、それで買い上げて、貸し付けておくというような御答弁でございましたが、一体、先ほど問題になりました七割で買い上げる時価というものの基準はどこであるか。それから、すべての揚水機を政府はこういうようにして買い上げて、農民に貸し付けるのであるかどうか。その点をはっきり御答弁願いたい。
○安田説明員 府県庁の申請をいただきまして、それを先ほど申しましたように査定をするつもりでおります。
 第二点は、地元に使えるように、地元の意向を尊重して委託するつもりであります。
○神田委員 そうすると、補助対衆になった揚水機はすべて政府が七割の標準価格でもって買い上げて地元に貸し付けるということになりますか。
○安田説明員 保管の可能なものと思いますが……。
○神田委員 保管の可能なものでないものは使っておりません。これは水がなくて困るから買って動かしておるのですから、そういう答弁はちょっと聞えないのでございますけれども、その点はっきりしてもらいたい。
○安田説明員 そういうわけでありますから、大部分買い上げることになるわけでございますが、保管の場所と、利用の場所と、保管を委託するお方でございますが、それを勘案して、総括的に保管に最も適した地元に対して、必ずまた地元の御使用できますように委託、保管、使用をお願いする、こういう意味でございます。
○神田委員 大部分のものを買い上げるというが、そうなれば、今度の旱害に使った揚水機は、原則として政府がすべて買い上げて、それを貸し付けて保管させておく、そうしてこういうような災害のときに使用させる、こういうように解釈してけっこうでありますか。
○安田説明員 神田先生の御質問は全部を購入原価で政府が買うのかこいうことを含んでおりましたかどうか、もう一度お聞きしたいと思います。
○神田委員 ええ、そうです。
○安田説明員 そうではございませんで、政府が買う場合に金をどうするかということには考えがいろいろありましょうが、先ほど申し上げましたような額で買おう、こういうわけであります。
○神田委員 買う価格の問題は、時価といいますか、時価の問題についてもいろいろ問題があるでしょうが、われわれも常識的に時価というようなことでわかるといたしましても、今度の災害でもって使ったところの揚水機というものは非常に膨大なものでありますから、この膨大な揚水機を、政府はすべてこれを七割でもって――補助の対象以外の七割の価格で買い上げてそれを貸し付ける、それは原則としてすべての揚水機に適用するかどうかということを聞いておるのです。
○安田説明員 補助をいたします場合も、補助の内容は、割り切って申し上げますと契約だろうと思います。買い上げる場合も契約だと思います。委託するのも契約だと思います。補助をする場合の条件として、条件つきの契約に応じて下さる方はすべてそうするつもりであります。
○神田委員 大体、私の質問したように、すべての補助の対象になる揚水機は、政府が買い上げてこれを地元に貸す、そういうように了解してようござんすね。
○安田説明員 特別な例外のケースの問題が今後出ませんならばその通りであります。もし出ましたら、そのケースについて研究をいたします。
○神田委員 それでは、自作農創設資金の金額のことを先ほどの委員が質問されましたが、ことしは災害が凍霜害から旱害、水害と長雨による被害というように引き続いておるので、私は当初の自作農創設資金のワクではとうてい補えないと思うのでございますけれども、その点に関しまして、これを拡大し増額して、農村の自作農創設の趣旨に沿うように農民を守っていくつもりがあるかどうか、お尋ねします。
○安田説明員 すでに私からも事務的なお答えを申し上げ、大臣から先ほどお答えがありました通りで、換言して申しますれば、神田先生の御意見と差はないと思います。
○三浦国務大臣 先ほど石田委員にお答えした通りの措置をとりたい、こう考えております。さしあたりはワク内のものを急速に配付する、そうしてまた、差し繰ることのできる限度まで支出をやっていく、さらにまた、そのワクを拡大するということにつきましても、先例等もある、こういうことでございますので、十分検討して、御趣旨に沿いたい考えでございます。
○神田委員 もう一つ、非常に農林省では今度の旱害対策に対しましては局長も苦心をされたように見受けられますが、しかし、この中で、揚水機の補助あるいは燃料費の補助等は出ておりますけれども、これに対する府県の旱害、災害等に対する指導費の補助、あるいは薬剤の補助等が抜けておるのでございますが、これはやはり、昭和二十五年の旱害のときと同じように、一つそういうものに対しましても補助要綱を作って適切なる援助を与えるべきであると思うのでございますけれども、農薬の補助あるいは事務指導の補助をどうして落したかをお尋ねいたします。
○安田説明員 農地局関係の旱害対策の事業費補助に関係しました府県等の指導費は、事業費補助の約五%を目途といたしまして確保するつもりでございます。もちろんできると思います。
○永野説明員 旱害対策の技術指導に関する経費並びに水田の予備苗しろ、あるいは苗の徒長を防止いたしますための水田仮植をいたしましたものに対する助成というものは、これは当然出さなければならぬと考えておるのでございます。実は関東、東北に引き続きまして九州方面にも相当な面積が出ておりますので、これらを通算いたしまして計数を整えて要求をするということで、今鋭意数字を集めておる段階でございます。
○神田委員 先ほども陳情の方が申されましたが、九州地方では、相当の費用を使って人工雨を降らし、そして灌漑の足しにしたということでございますが、農林省といたしましても、今後の旱害対策といたしまして、このような人工雨についてどのような考え方を持っておるか、また、これらのものに対しまして、今後補助をする意思があるかどうか、また、農林省自体として、これを大規模にやっていく考えがあるかどうか、お尋ねします。
○永野説明員 実は人工降雨の対策をとられた県がだいぶあるようでございます。これに対する助成は、今度初めての問題であるのでございまして、実はどちらの局で所管するかということもありますが、私の局といたしましては、まだ省内で最終的な打ち合せをいたしておりませんが、これにつきまして、県から実際やりました実績をとりまして、これに対する助成を講じたいということで、数字的な準備をいたしておる段階でございます。
○三浦国務大臣 未曽有の旱害に対処しまして、県がいろんな工夫をこらしておるのですから、これがほんとうに実効をあげ得るということが出ますと、将来の対策としましても、今事務当局で熱意にこたえて適切な結論を得たいと考えております。今検討中でございます。
○神田委員 これは今後の農業問題の旱害に対する対策といたしまして大きな問題になると思うのでございますけれども、農林省自体としては、これが実験をやったり、あるいはそれらの可能性等につきまして相当検討を加えておるだろうと思うのでありますが、今までこの実験をやった結果、あるいは今後これが旱害等に対しまして及ぼす影響等について、今までの実績等ありましたら御報告をお聞きし、それから、今後のこれに対する考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○永野説明員 実は、ドライ・アイスその他によります人工降雨の効果ということにつきましては、農林省といたしましても、過去の旱魃の場合に、一、二地方で実施をされました。その結果、全然効果がなかった、見られなかったという極端な例もございますが、若干の降雨を見たという実例もあるのでございまして、それについて特別に農林省で具体的な気象条件をつかまえまして試験をするということは実はいたしておらないのでございます。今回の旱魃におきましては、相当各県でも実例があるようでございますので、それらをよく検討いたしました上で、先ほど申し上げたような対策を講じたい、こう考えておるわけでございます。
○神田委員 これは大きな問題でありますので、農林省自体ではできないというようなことでございますけれども、私は、こういうようなことこそ、内閣といたしまして、各省とも連携をとって、そうしてこれが効果的な実験をなし、今後の対策として相当のやはり予算も組んでこれをやっていって、そうしてこのような異常な旱害に対しまして適切な措置をとることが非常に大事なことであろうと思うのでございますけれども、大臣のこれに対する考え方をお聞かせ願います。
○三浦国務大臣 旱害時に雨を降らしたいというのは、これは農林省のみとは申しませんけれども、農林省は最大の関心を持っておるのでございます。従いまして、今までは学問的な研究、そして今度テスト・ケースとして初歩ではありましょうけれども利用するということが出てきておる。これらにつきましても、先ほど振興局長が言いました通り、今度は相当のデータが集まると思います。それでございますから、それを拡大して、そして技術会議等の検討を加えた上に、さらに拡大して、これを実施すべきか、その実験をどうすべきかということに進みたいと思いまして、せっかく検討さしていただきたい、こう考えます。
○神田委員 最後に、小さいことでありますけれども、揚水機を使った場合あるいは井戸を掘った場合には助成金が出ますけれども、ところによっては、そういうようなものが間に合わなくて、消防自動車を使用して灌水したところも相当あるのでございますが、それらのものに対しましてはどのような処置を考えておられるか、お尋ねいたします。
○安田説明員 まず燃料費の補助であります。消防ポンプを一日二十時間、約二十日くらいやると、反当で千二百円ぐらいになります。それも補助したいと思います。借り上げ費の補助は、先ほど御説明申し上げましたように、消防ポンプですからどのくらい取るものですか、借り賃に対しましては、助成の対象にしたいと考えております。あとは地方庁の措置に待ちたいと思います。
○吉川(久)委員長代理 大森玉木君。
○大森委員 私は今度の石川県の水害地の方へ参りましたが、非常に大きな水害でありましたので、ここに少しばかりごく簡潔にお尋ねをいたします。
 それはよくわかり切った問題でありますから簡単に申し上げますが、まず、私の地方は非常に山間僻地が多くて、耕地などの狭い地域であります。今の法律によりますと、大体十万円以下のものは補助対象にならない、さらにまた、五十メートルまでのものも補助対象にならない、こういうことであります。私はこれを五万円までを補助対象にしていただきたいということが一つ、さらにまた、五十メートルを下げてもらいたいということが一つであります。これに対しまして大臣の御所見を伺いたいと思います。
○安田説明員 ただいまの御質問は、災害復旧国庫補助関係の小災害の災害復旧補助のこともあり、旱害対策の今回の場合にも関係することで、二点に関係があると思います。
 まず旱害の方で申し上げますと、今回の異常の旱害に対応いたしまして、従来の法律に基きまする災害復旧の小災害十万円未満、五十メートル以内のものは補助対象にしないということもあるから、それでとどめようという話が関係方面、協議官庁から相当ありましたが、一団地を五万円に下げまして、それ以上の災害は助成の対象にしようとする措置にいたします。災害復旧の場合の補助対象にならない十万円以下、五十メートル以内の補助につきましては、もしやる場合を想定いたしますと法律改正が要りますが、昨年西九州等の災害のときに、農林省において特に意欲を出して、普通河川と農地農業用施設等を一緒に合せまして、団地のまとめを大きくする措置をとること、また、事業は公共団体営の県単事業に移してもらうこと、こういうことをやりましたが、ことしは自治庁と特に正規にあらかじめ打ち合せをいたしまして、自治庁の同意のもとにその措置をとって農民の負担を軽からしめるようにという通達をすでに出してあります。また、法律の解釈といたしまして、法文は申しましたようになっておりますが、関係条文の末項に「災害にかかった箇所が五十メートルをこえる間隔で連続しているものに係る工事又は二以上の施設にわたる工事で当該工事を分離して施工することが当該施設の効用上困難又は不適当なものは、一箇所の工事とみなす。」ということもありまして、それにはただし書きもありますが、その規定によりまして運用をよろしくしていきたいと思っております。その点は県庁の担当課長会議でも明示して指示をしております。
○大森委員 実は、今度の災害は、私のところなどでは、三十一年と、今度また重ねてであります。でありますから、この補助に対しましては、二十八年には何か特例をもって補助をきめております。でありますから、この二十八年に特別措置をとられたような方式で高率の補助額にしていただくことができないかどうか、これは実は、今も申上げたように、再度の災害だという点から申しましても、負担にたえられないということになるのでありますから、これも一つ重ねてお聞きをいたしたい。
○三浦国務大臣 二十八年の場合には、これは近来まれな場合でございまして、最高は九割の補助をし、いまだかつてない措置をとったわけでございますが、われわれとしましても、先ほども申しました通り、できるだけのことをしたいという考えではおりますけれども、二十八年の通りやり得るかどうかということは、これは財務当局のお考えもありますし、また災害の実情等をよく勘案しなければなりません。でありますから、できるだけ助成率を高くするということには努力をいたしたいと考えます。さよう御了承を願います。
○大森委員 それならば、九割ということはむずかしい、しかしながら最大の意味に考えていいということでありますならば、今も申し上げたように、再度の災害の場合には、一つ特に考えていただけると了承していいでしょうか。
○三浦国務大臣 どうもお一人ぎめでそう押しつけられても困りますので、(笑声)十分に検討さしていただきたいと思います。
○大森委員 そこで、もう一つお願いいたさなければならぬことは、今三十一年の災害で借入金をして事業を遂行しておる。これがまた今度の災害にあった。そういたしますと、金を返済することはできないのであります。これに対しては延期等の措置をしてもらわなければならぬ。さらにまた、これに対して重ねて貸していただかなければならぬということが一つ。これはやはり、今後事業を起します上に、何かはっきりとこういう機会にお尋ねをしておかないと、それはどうだったこうだったというふうなことで断わられたり何かするから、私はあらかじめこれをお尋ねするのでありますが、大体借りてあった金の延期、さらにあらためてまた貸してもらいたいということ、この点についてお尋ねをいたしたい。
○三浦国務大臣 期限を延期するなりあるいは借りかえの措置をとるなり、便宜の措置をとりたい、こう考えております。
○大森委員 それでは、さらにもう一つお願いしなければならぬことは、事業主体が市町村になる形態がたくさんあるのであります。その場合の起債でありますが、この起債はどうしても一〇〇%認めてもらいたいということをお願い申し上げて、お答えを願いたいと思います。
○三浦国務大臣 この起債の方は、自治庁で災害の実情等をよく調べまして、そうして、事業主体が町村等の場合におきましては、農林省からも自治庁へよく意思を貫徹するように強力に進めたい、こう考えております。
○大森委員 農林省が起債の問題に対しては権能はないことはわかりますが、しかし、事業主体でありまして、事業をやらす上においてそれがなければできないということをあなたの方から要求していただく、さらにそれを可能ならしめていただくということで、大体私はその点で了承いたします。
 さらにお尋ねをいたしたいのは、この事業に対しまする補助の問題であります。これはなかなか大きな問題であります。なぜかと申しますと、初年度には三割、そして二年目には五割、三年目には二割というような割合によって、三年で補助は解決するという約束ができておるはずです。しかしながら、今日それを実行しておりません。でありますから、二十四、五年くらいのものがまだ残っておるということを聞くのであります。そうなりますと大へんなことになる。その金利のために事業主体が倒れてしまわなければならないということに相なっておるのであります。この点は、私はいろいろ今までやかましく言っておりますが、実行していないと思うのであります。これに対して実行をしていただきたい。政府は、利息に対して、利息を損するくらいのことはあまり考えておられぬだろうが、とにかくどうしても三年なら三年で完全に解決づけるということの明快な御答弁を一つ願いたい。この問題は重大な問題であります。
○三浦国務大臣 緊急なものにつきましては三年でやるという方針等もありますから、これは堅持して参りたい、こう考えておるのであります。
○大森委員 大臣のお言葉ですがそれは私ども承服できないのです。どうしてかというと、緊急のものとかなんとかいうものでなく、地方民は金を借りてある。政府は出すということをきめた以上は、政府が金利の問題によってそれを延ばしておくというようなことはとらざるところじゃないでしょうか。私は、政府としてはこれを早く解決づけて、三年のものが二年に短縮するというような処置を講じてこそ、国民も喜んでその仕事にいそしむことができると思う。それが、今大臣が言われたように、どうも緊急のものだけは三年であるけれども、あとは延びてもいいというような考え方であるといたしますならば、これは公共事業をやるものが金利のために倒れてしまわなければならないということになってしまいますから、この点をもう一度相済みませんが御答弁願いたい。
○三浦国務大臣 二十八年災のような非常な大災害のものは残っておるそうでございます。同時にまた、三カ年以内に完了する規定については、法律は三十一年から適用することになっております。これらのギャップもございますので、御指摘のようなまだ未解決の問題はあろうと思います。しかし、考え方としましては、御説の通りのようなことでいきたいというのがわれわれの考え方であります。財政当局に対しましてもそういう意味で進めたいと考えております。
○大森委員 もう一度大臣に重ねてお聞きしたいのでありますが、二十八年の災害のものが残っておるということをおっしゃることは、私はどうかと思います。とにかく、これは政府のやられた仕事である。決して個人じゃないのです。いわゆる株式会社がやった仕事じゃない。政府がやった仕事であります以上は、政府が国民にいつこれだけの補助をやるぞといってやらして、その者どもが苦しんでおるものを、二十八年の災害がまだ済んでおらないということで放任しておられることは、私は政府のとる態度じゃないと思います。これらに対しまして、今度そういうものをはっきりと解決づけるということでないと、国民が納得しませんよ。株式会社じゃないのです。利害のためじゃない。金利のためにどうこうするということじゃないのだから、この点は私は不可解に考えておる一人でありますが、もう一度大臣の確固たる所信を一つ伺いたいと思います。
○三浦国務大臣 大森さんの御指摘になったような趣旨に沿うて最大の努力をいたしたい、こう考えております。
○吉川(久)委員長代理 次に栗林三郎君。簡潔にお願いいたします。
○栗林委員 神田委員の質問に関連してちょっとお尋ねいたします。
 灌漑施設の揚水機の買い上げは七割で買い上げるというふうに御答弁になりましたし、また再三にわたる説明にもございましたが、七割で買い上げるということに間違いないか。
 それから、もう一つは、県知事を経由して申請されたものに対しては、こわれたものは別にして、全部買い上げる、こういう御答弁がありましたが、この点について間違いがないかどうか。
 これは農地局長でよろしゅうございますから、御答弁願いたいと思います。
○安田説明員 補助の申請を県からいただきまして、査定しました標準価格の七割で買い上げるつもりであります。制度としてきめました要綱によるものは七割以内とありますが、七割でいきたいと思います。
 第二点は、補助をこの要綱でするようになりましたもので保管可能なものは、先ほど申しましたように国で買い上げたいと思います。
○栗林委員 私どもの今いただきました「干害に関する資料」の六ページの上段に説明がありますが、一定数を限度として買い上げる、こういう説明になっております。一定数を限度としてということでありますと、これはやはり一定のワクをきめるということになるわけです。それですから、これは全部ということにはならないと思うのです。従って、この文章に書かれてある一定数を限度としてという意味は、これは先ほどの答弁とは違うように思うわけです。この点について一つさらに明確にしていただきたい。
○安田説明員 都道府県知事の申請を待ちまして保管可能で適切なものを買い上げるということで、一定数としました。あとは農林省が努力するつもりであります。
○栗林委員 その次に、七割以内で買い上げるとこう説明してあるのだが、これに対しては七割で買い上げるように努力する、こういう御答弁ですけれども、これは一つはっきり七割で買い上げるということにしていただけないでしょうか。この説明によりますと、七割以内で買い上げる、こうなっております。従って、おそらく地方庁へ流された通牒にも七割以内と書かれてあるのではないかと想像されるのであります。そうしますと、末端において地方庁と本省との間にいろいろとごたごたが起きるおそれも考えられるわけです。今までの答弁によりますと、七割七割ということをはっきり言っておるわけで、ただの一回も七割以内で措置するというような御答弁もないし御説明もないわけです。従って、はっきりと七割で買い上げるということを明確にしていただければ幸いだと思います。
 それから、一定数を限度としていうことも、これは、こわれたものであれば、買い上げせいと言ったって無理なことですから、それは別ですが、そうでない限り、一定数を限度として、こういう言葉は、やはり何といっても、ある一定数だけを買い上げる、こういうことになると思うのです。だから、保管に耐えるものは全部買い上げるということにはならないと思うのです。だから、こういう点でいろいろと末端にごたごたが生じてもいけないと思いますから、一つ地方庁に流される通牒にはこの点を明確にして指示していただく、あるいは通牒を出していただく、こういうようにしていただけないものですか。この点について一つ明確にお答え願いたい。
○安田説明員 栗林委員の御意見もあると思いますが、大蔵省のような連中もあるというわけで、また、農民に有利な場合の折衝段階で早く手を打つということがこういう対策には必要でもありますから、その合作で、一定数量を七割の範囲内で、こう書いてあるのですが、およそ助成の場合はほとんど全部七割の範囲内でと書いてあるわけですから、運用において私どもを信用していただきたいと思います。国有財産になるものですから、国有財産になる規格のものである必要はあると思います。
○吉川(久)委員長代理 中澤茂一君。
○中澤委員 さっきから日本中のポンプをみんな買い上げる話になったのだが、買い上げることはけっこうですけれども、一体今まで予算に対するどういう対大蔵省経過があるのか、その点がわからぬと、ポンプを買い上げるといったって、あっちこっち逃げ道を作ってあるでしょう。七割以内とか言ったけれども、予算がとれなかったら、あっちのポンプが買えないこっちのポンプが買えないということになると思うのだ。だから、予算の経過というものがどうなっておるのか。
○安田説明員 御配付をいたしました七月二十九日の農地局の旱害に関する資料の中にございます。資料の二ページでございます。今般の助成要綱によりまする助成対象の事業は府県庁を通じて助成を行おうと思いますが、青森から鹿児島まで、七月三日までの対策を講じてくれました私どもへの報告事業費は、計二十八億余でございます。県別のもそこにあるようでありますので、これ以上の資料はございませんから、この中身について折衝して、その要点を助成要綱に書いてあるのでございます。
○中澤委員 それでは、一体ポンプをみんな買い上げる予算は幾らですか。
○安田説明員 これもかなり大きな部分で、この範囲内であります。
○中澤委員 だから、ごまかしだと言うのです。それをあなたに聞いたってしょうがないが、一体こういう問題はほんとうは大蔵大臣を呼び出してやるべきだった。だけれども、出てこない。――要求しなかったのでしょうが、一体予算折衝というものが基本的にどうなっておるのか。事務局で、二十八億だった、ポンプ代はこの予算の範囲内だということではだめですよ。大蔵省がいやだ言って首を横に振れば、だめだということになる。だから、予算折衝経過というものを、農林大臣と大蔵大臣とどこまで話をしてあるのか。二十八億、オーケーと、まるのみにのんだのか、まだそこに難点があって、向うは二十億しか出せないとか、そういう経過について、場合によれば、あす委員会があるのですから、大蔵大臣を呼び出して、この問題だけ大蔵大臣に追及する必要があると私は思う。その点について、農林大臣どうです、どの程度の話し合いが進んでいるのですか。
○安田説明員 旱害応急対策は、先生御承知の通り、方針をきめまして、現地で地方庁以下農民の共同施行まで実施をしていただきましたものを跡始末する内容を持っておるのであります。従いまして、現在まで正確を期しながら概略把握したものを添えて予算折衝をして、その要点についてどういう仕方の補助をするかということをきめたのでありまして、あとは、これに従いまして、現地の出来高調書その他をとりまして、それを集計して予備費要求をするのでございます。事の性質上そうなることは、ほかの予算と違うと思います。
○中澤委員 そうすると、要綱にきめたものを自動的に、県からまき上ったものを積み上げてくれば、それを大蔵大臣は異議なく全額のむという確約は、農林大臣とあるのですか。
○三浦国務大臣 これは局長から説明した通り、いわば決算的補助なんです。ですから、出てきます場合には、決算の補助でございますから、それを閣議で決定しておりますから、お説の通りの終末に期するものと確信いたしております。
○中澤委員 そういうことなら、何もさっき農地局長の言ったあんなややこしい三割の六割五分というような数字の魔術みたいなことを言わないで、六五%というのは減価償却という意味だろうと思うのですが、そういうことももちろん必要だけれども、やはりそれ以上に、災害なのだから、時価の三割は補助するとか、あるいは削っても二割は補助するとか、そしてあとは買い上げるとか、こういう形の方がすっきりしているのではないかと思う。これは、折衝過程において、そう言ってもいろいろ大蔵大臣承知しないから、三割の六割五分という話になったと思う。だから、そういう点を決算補助で確約されておるものだというのだから、大臣の答弁はもっとすっきりしたものにした方が私はよかったと思うだから、そういう点についても、ポンプの買い上げも、何も予算の範囲内という文句を使う必要は私はないと思う。それは決算補助で全額やるというのだから。
○安田説明員 すべて御意見はそういう御意見もあると思います。
 それから、決算補助とおっしゃったのではないと思うのです。決算補助のような性質の補助だということだと思います。
 それから、助成対象で申し上げました二十八億は、現在府県を通じて講ぜられたものの事業費でありますから、助成費の総計額ではございませんから、複雑になった点はそういう経過になります。
○中澤委員 今大臣ははっきり、決算補助だ、――あとで速記録を見ればわかるけれども、言っておる。これはあとで確認しておいてもらいたい。あとになって、ポンプが出てきて、大臣がそう言っておいて、それは予算の範囲内だったのだというような寝返りを打たれては困るから、それについて大臣からいま一度はっきりした答弁をしておいていただきたい。
○三浦国務大臣 府県の投じましたその経費を積み上げて、それに対する助成をする、こういうことですから、性質上、私は、いわゆる決算的補助だ、こう考えております。
○中澤委員 給食会の予算決算、役員人事をきょうまでに出せという要求をこの前委員長にしておいた。一枚出てきたのです。出てきたけれども、こんなものじゃ内容はわからぬのだ。約一億五千万円の利益を出しておる。そこで、委員長に要求しておきますが、明日給食会の総会に報告したものを出せ、こういう要求をいたします。
○吉川(久)委員長代理 要求をいたしておきます。
    ―――――――――――――
○吉川(久)委員長代理 次に、蚕糸に関する件について調査を進めます。
 特別国会閉会後、農林省当局においてとられた繭糸価格安定対策について、三浦農林大臣より説明を求めます。
○三浦国務大臣 かなりこまかい点も御報告を申し上げなければなりませんから、とりあえず蚕糸局長から一通りの説明をさしていただきたいと思います。
○須賀説明員 前国会以後の経過につきまして簡単に御報告申し上げます。
 前国会で御審議をわずらわしました繭糸価格の安定に関します臨時措置法は、七月の十日に公布をいたしまして、即日施行をいたしたのであります。これは、御承知のように、やります仕事の中身が、日本輸出生糸保管会社が政府にかわりまして生糸の買い上げを行う、また乾繭共同保管をいたしました繭の買い入れを行うということが法律の主たる中身になっておるわけでございます。従いまして、この法律施行と同時に、日本輸出生糸保管株式会社でも、直ちに臨時総会を招集をいたしまして、必要なる定款の改正をいたしたわけであります。その手続をいたしましたのが七月の十七日であります。
    〔吉川(久)委員長代理退席、丹羽(兵)委員長代理着席〕
十七日に定款改正をいたしまして、直ちに登記の手続をとったのでありますが、その結果、本月の二十一日から日本輸出生糸保管株式会社は法律によりまして正式に業務を開始いたしたわけであります。
 六月及び七月の二十一日までの間は、生糸の政府買い上げが中断いたしますことを防ぎますために、とりあえず従来の法律、いわゆる繭糸価格安定法によります保管会社の附帯業務として、今回の法律による買い入れの事務を実質的には行なって参ったのでございます。この買い入れば、六月には二千二百八十六俵、それから七月は二十八日現在で四千四百二俵となっております。従いまして、合しまして六千六百八十八俵の生糸が買い入れられておるわけであります。これが法律によりまして六月にさかのぼって臨時措置法の改正となるわけであります。従いまして、先般の法律で百億の資金の範囲内において買い入れます生糸は、現在におきましては約六千六百俵の数量が保管会社に入っておるわけでございます。従来の五月以前の政府買い入れの数量に比較いたしますと非常に減少しておるわけであります。五月までは御承知のように大体八千俵見当の生糸が毎月入って参ったのであります。この六月、七月はそれに比較いたしますと比較的少い数字に相なっておるわけでございます。
 それから、次に、この法律を施行いたしまして保管会社で代行買い入れを開始いたしました結果、生糸の相場はほぼ以前の水準に回復をして参りまして、横浜、神戸の清算市場の価格も、当月限につきましては大体十九万円、六カ月先の先物につきましても十八万円の線を現在維持しておるわけでございます。この相場につきましてはお手元に印刷をして差し上げてございます。
 それから、次に、先般の法律による生糸の買い入れば、特に本年産の春繭につきまして千四百円の最低繭価を下らない価格を農家に保証をするということが非常に重要なる眼目となっておったのでございますが、この点は、法律によりまして、保管会社が製糸業者から生糸を買い入れます際の条件は農林大臣が定めることになっておるわけでございます。その農林大臣が定めます生糸の買い入れの条件といたしまして、先般農林大臣から保管会社に通達をいたしました主要なる点は、第一点といたしまして、本年産春繭について農協と団体協約によって取引をいたしましたものにつきましては最低繭価を下回らない価格を支払うということが一点でございます。それから、第二点は、現に工業組合で機械製糸は操短を行なっておりますが、この操短を確実に守るということが第二であります。この二つの条項を誓約してもらいまして、この誓約を守らない場合は保管会社において生糸の買い入れを行わないことがあっても別に異議は申し述べないという誓約書を入れてもらうことにいたしたのでございます。従いまして、そのことを農林大臣から保管会社に指示いたしました結果、保管会社はそれだけの条件がととのいましたもののみから買い入れることにいたしたわけでございます。さような改正に取りまとめますまでに若干の時間がかかったわけでございますが、今月の二十三日製糸業者の方の意思もその線に従うことに決定をいたしましたので、二十四日以降各製糸業者から保管会社に誓約書が差し入れられております。昨日現在で七十二社から誓約書が入っておるようでございますが、現在製糸業者の数は約百六社でございまして、約半数が昨日現在で入っております。なお、今月から来月初旬にかけて、ほとんど全部の製糸業者から誓約書が入ることに相なっておるわけでございます。
 それと前後いたしまして、春繭の繭価協定が行われておるわけでございますが、昨日までに協定の行われましたのは静岡と山梨と宮崎でございます。静岡は七月十六日、山梨、宮崎につきましては、お手元に差し上げてあります資料によりましてごらんいただきたいと思いますが、それぞれの日取りにおいてでき上っておる。その内容は、標準価格につきましては八千七百五十掛、これがいわゆる千四百円ということに相なるわけでございます。それから、格差掛目は従来通り百二十掛、水引きにつきましても昨年通り、ただ、集荷指導費の扱いにつきまして――集荷指導費と申しますのは、御承知でもございましょうが、従来製糸業者が養連の末端職員の経費その他の一部を負担をいたしておったわけでございますが、この集荷指導費の扱いがなお交渉問題として残っておる県が多いようでございます。静岡県の場合におきましても、集荷指導費は追って協議の上きめるという形になっております。山梨県の場合は正式に発表されておりません。集荷指導費に相当する部分は、製糸側は今年度の場合はこれを負担しないというような話し合いが行われておるように聞いております。宮崎県の場合も、一応集荷指導費の分は控除しておきまして、九州全体の様子がきまりました上で再交渉するというような格好になっております。これは従来も製糸業者との間において話し合いによって行われておったものでございますので、われわれといたしましても最低繭価が確保せられる限り、その他の取引条件につきましては両当事者間の交渉にまかせることにいたして参ったわけでございます。従いまして、本年春繭につきまして千四百円の繭代を保証するという問題は、実質的には一応解決をいたしたわけでございます。
 それから、乾繭共同保管は、前国会の当時は約二百六十万貫の計画であるということを申し上げたのでございますが、最近の時点では百五十七万貫の計画で進められておるわけでありまして、八月五日に締め切りまして買い入れ予約の手続をいたすわけでございますが、おそらくこの百五十七万貫くらいの数字が最後にまとまってくるものと考えます。
 なお、共同保管繭に対する融資につきましては、前国会でもこの融資限度につきましていろいろ御質問がございましたが、その後大蔵省ともいろいろ協議をいたしまして、農協の財務処理基準例による告示を本日付で改めまして、例の八割融資という限度にとらわれないで、この分につきましては融資が行えるようにいたしたわけでございます。それで、共同保管に対する融資は、繭代相当額が最低千三百円、それから、農協が保管をいたしております臨時倉敷相当分を二百円の限度まで、合せまして千五百円の限度まで融資ができるようにいたしたわけでございます。
 前国会以後の経過といたしまして、簡単でございますが、とりあえず以上のことを御報告申し上げます。
○丹羽(兵)委員長代理 引き続き質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、これを許します。高田富之君。
○高田委員 ただいま局長から経過の御説明があったのですが、さしあたり今実行されておる夏秋蚕の二割制限のことについて説明が抜けておるのでありますが、これは実は非常に重大な問題でありまして、前国会のときにもわれわれは全国の農民の声として、何とかこういうことをやめていただくように強く要望したのでありますが、ただいま行われております二割調整というものは、本来自主的な調整、こういうようなことで前国会で御説明があったのですが、そのために説明をされなかったと思うのでありますが、しかし、自主的にはとてもやれる仕事ではないのでありまして、相当強い方針と指導、割当などが行われておると思うのであります。この点についてまず補足的に説明をしていただきたい。
○須賀説明員 夏秋蚕の生産調整につきましては、これは、ただいまお話がありましたように、当初から生産者団体の自主的な措置としてわれわれとしても要請をいたし、またそういう点で生産調整が行われることを希望して参ったわけであります。これの方の進捗の状況は、初秋蚕につきましてはすでに大部分が掃き立てを終ったわけでございますが、全養連その他生産者団体を通じての報告によりますと、全国の各府県につきまして、初秋、晩秋を通じまして、大体七月の中ごろまでに単協の趣旨の浸透を終えておるようでございます。実際の掃き立て状況は、まだ全県につきまして確実なるものが把握されておらないのでございまするが、いろいろ情報を総合してみますると、初秋蚕につきましては、掃き立て数量そのものは、大体前年に比較いたしまして一割程度の掃き立て減になっておるようでございます。従いまして、晩秋の掃き立てが一部初秋蚕に繰り上げられて掃き立てられておるような傾向がはっきり見えるのでございます。
 それから、余剰種繭の処理につきましては、七月二十八日現在で、全養連に対して売却申し込みをいたしました数量は二万三千八百三十九貫となっておりますが、全体で、今後申し込まれますものも合せまして、大体三万五千貫くらいの余剰種繭が処理される見込みになっております。従いまして、前年の蚕種の製造実績その他からいろいろ割り出しますと、二割以上種の段階におきまして生産調整が行われた結果に相なっておるわけでございます。
○高田委員 実は、最近単協から個々人に割当が行われまして、掃き立ての寸前でありますが、がぜんこれが非常に大きい問題になっておるわけです。群馬県でも、二十七日でしたか、大会がありまして、これはもう大へんな騒ぎだったらしいのでありますが、埼玉県でも、割当が参りますやいなや、各町村におきまして時ならぬ大動揺のようなことが起りまして、実は県の課長なんかも非常に弱っておるような状態であります。山梨あたりにも連絡をとってみますと、やはり同様だそうでございます。これは私は非常に無理なことが行われておると思うのです。それで、もともと建前といたしましても、今まで県においては中央の方針に従いまして一生懸命奨励をいたしまして増産の指導推進をして参ってきておるわけですが、ここにきまして、農民にとってはほとんど寝耳に水のようにすぱっと種の方が削られてしまった。しかも桑は例年よりも非常に生育がよろしいので、一割や二割よけいに掃き立てたいところであるわけですが、この状態に対しまして、ただ黙ってこれを受けるというようなことはほとんどあり得ない。ただ、あくまで自主的だと言われておるだけに、非常に割当にも不公平が見られるのであります。中には、割当が去年と同じだった、去年より少し多かったというところもありますが、極端に悪いというようなところもありまして、それはもう大へんな騒ぎです。そのために、各県とも、県へ泣きつかれまして、どうにも収拾するすべもないものですから、やむを得ず急いで晩秋のものを全部繰りしげて使わせておるわけです。現状はそうなんです。それもまだ全面的な手続も何もしているひまがないから、表面に出てきたものをぽつりぽつり繰り上げてはやらせておるわけですが、このままでいきますと、これから先ずっとそういうものがふえていきまして、晩秋のときにはえらい再調整をしないことには、晩秋で引く種がほとんどなくなってしまうという情勢がくるかと思います。非常にこれは重要な問題であります。この点で、これが自主調整だからといって、全養連あたりの報告によればというような説明をしておりますが、私は非常に無責任だと思う。とても自主調整はできっこないのです。これをどういう方法でやらせたのですか。もとの数字は何の数字で押えて、どういうふうな方法で割当として、それの末端への割当の方法等についても相当強い指導が行われておるに違いないと思う。もしそうでないとすれば、実にこれは大へんなことで、むしろやめてしまった方がよい、すぐにもやめるべきだと思いますが、これだけの重要なことをやるのに、全養連の報告によればでは済まないと思う。あなたの方では繭の数字をどういうふうに押え、どういう方法で割当したか、また、蚕種業者に対しては、どうやって実績を押え、どうやって個人的に割当をさせたのか、こういうことについて説明を求めたい。下の方にいきますと、驚くべきことには、去年の実績で農民に割り当てたと言っておりますが、果してそうでありますか、どうですか。去年の実績ということになると、たまたま去年土地改良や何かやりまして、例年の三分の一くらいしかやらなかったところは、三分の一くらいしかやっていません。それから、去年県当局の指導によって補助金をもらってまで桑を植えて、ことしからやるために種を予約しておったところが、開拓者には一つも種が行っていない。まして、いわんや、農協がやっているということでありますから、農協を通さずに買った種というものは一つも行っていない。これがまた非常に多い。埼玉にも相当あるのですが、山梨、群馬方面にさらに多いと考える。こういうところはみなゼロであります。たまたま病気をしてやらなかった者もゼロであります。とても大へんなことですが、こういうことについて、どういう構想で割当をし、また割当の方法等についてはいかなる指示、指導をあなた方はおやりになったか。
○須賀説明員 これは、先ほど来申し上げておりますように、三十三年産繭の繭糸価対策をきめました際に、春繭について先般の法律で措置をいたしましたような措置を講ずることと並行いたしまして、夏秋蚕については生産者側において千四百円を年間を通じて価格を維持するという措置の裏づけとして生産調整をしてもらいたいということを生産者団体側に要請をいたした。先方ではその趣旨を了解いたしまして、生産者団体の動きとしてそれぞれ意思決定をいたし、また割当案等も作成いたしまして、理事会その他手続を踏んできめていったわけでございます。従いまして、計算の過程なりまた末端浸透の手続等はすべて団体を中心として行われておるわけでございますが、県当局では、特に種の管理の面につきまして、これは免許制度でありまする関係で、従来地方庁がいろいろ監督をいたしておりまするが、種の証紙の配分につきまして地方庁に直接お願いをしたわけであります。その他の生産割当、またその末端浸透の方法その他につきましては、すべて団体の考え方を中心としてやって参ったわけであります。その場合の考え方の基本原則と申しますか、筋といたしましては夏秋蚕の二割制限ということでございますが、これを単純に夏秋蚕だけで二割制限いたしますと、春蚕と夏秋蚕との割合が各地区においてかなり違っておりまするし、また、ことしの春は局地的にも凍霜害等もあったりいたしましたので、そういう関係を調整いたしますために、年間を通じての一割減産、その数字を本年夏秋において調整をしていくような算出の方法で団体としても計算をしたわけであります。それらの基礎数字はおおむね農林統計の数字によってやっておるわけでございます。
○高田委員 農林統計の数字自体がどの程度信憑性のあるものかということは相当問題だと思うのです。種会社がら実績の報告をさせて、それをもとにして極会社へ割当をしたということらしいのですが、種会社だって、養連が調べるのでは正直なものは出せないのです。弱味を持っていますからね。そういう関係で、今度の場合は基礎数字も何もなっちゃいないのです。それですから、非常にでたらめな割当が行われている。このために泣いている農民というものはおそらく相当数ですよ。三割、四割というものは二割制限じゃないのですから。第一、種屋のおまけが厳重になくされてしまっただけに、完全に二割割当です。その上にまた制限がきて、その上に去年の実績がなかったとかどうとかいうことでやられておりますから、これが強行されると四割制限くらいになってしまう。大へんなことです。農民が自主的に制限するのに、何も値段を維持するためといって、桑がほきているのに、二割も三割もほったらかして生産を制限するなんて、そんなばかなことを望む農民は全国に一人もいないのですから。第一、種屋の証紙を県で押えているわけですが、証紙なしに種を販売した場合には営業を停止するとかなんとかいうことで、だいぶおどかしているようですが、そういうことはあるのですか。
○須賀説明員 営業停止をするという直接の言い方を私どもの方の一部の者がいたしたようなこともあるようでありますが、これは、現在の法規の建前からいたしまして、今回の生産制限に協力をしなかったということだけを単独の理由にして営業停止をすることは、法規の解釈としてはかなり疑義があるわけでございます。従いまして、私どもといたしましては運用には慎重を期したいと思っておるのでありますが、大体種屋さんの業務の状況等をいろいろ見ておりますと、今度のような場合でも、非協力のような態度に出る者が万一あるといたしますれば、従来においても、たとえば今の増量の問題でありますとか、あるいは指定品種と完全に合致しておるかどうかという種の性状の問題でありますとか、その他いろいろな問題につきまして、免許を受けた種業者として適格性を持っておるかどうかということについてさらに審査検討をする余地がある業者である場合が多いので、従いまして、総合的な立場から、必要があれば処置をいたしますが、この問題だけで単独に営業許可取り消しの対象となり得るかどうかは、法規上若干疑問が残っております。
○高田委員 大臣よくお聞き願いたいのですが、これは重大な問題です。それは、今割当があって……(「封建的政治だよ」と呼ぶ者あり)全くそうなんですよ。封建的政治というか、掃き立ての寸前になって割当が個々人に来たのですから、何としても間に合わない。それで、種の配給が全然ないとか、あるいは二割くらいしかない、三割くらいしかないという農民が相当数ありまして、これらの人たちはどこへ行っても取りつく島がないのです。それで、やむを得ず、何とかして掃きたくて、県境を越えて群馬の方へ行ったり、山梨の方に行ったり、新潟の方に行ったりして、それこそ大へんなことでやみ種探しをしているのですが、取締りが厳重で、なかなかないのです。おまけに、指導所はそれをもっぱら仕事にしておりまして、目を光らせて、種会社のところに行っておどかしたり、農民のところに行っておどかしたり、こういうようなことで、全く恐怖政治が行われておる。しかも、種はそうであっても、桑がこれほどほきているのに、掃かずにいることはできない。こういうような重大な状況に立ち至っております。とてもこれは二割制限どころの騒ぎではないのです。こういうことで、単に団体まかせでやるということもきわめて無責任な話です。大体団体というものは入会、脱退自由でありまして、養連に入っていない農協も相当ありますし、農協を通じないで取引をしているということも――それが好ましい好ましくないは別としまして、農民の立場からそういうことをやらざるを得ない事情もあってやっておるものも相当数あるわけであります。それらすべてを的確に把握した上で、そうして合理的な方法でやらなければとうていやれない大仕事なんです。それをこんな無責任なやり方でやったということになりますと、これは今もう掃き立てが始まってしまっておりまして、相当文句はありますが、晩秋のときには実際大爆発をせざるを得ない状況にある。ともかく、それを残桑に対しまして補償でもするとかなんとかいうことが一方にあればまだしもだと思う。種屋に対してはちゃんと種の買い上げというような補償措置もあるわけだけれども、農民の方は、奨励されて、そうして一生懸命になって県の指導によってわざわざ増産態勢を整えてきた桑を、そのままほったらかされてびた一文の補償もしてくれないで、しかもこういうむごたらしい事実上の官僚統制が不合理な割当のもとに行われている。これは私は何としても早急に手を打ってやらないことには大問題になると思う。大臣の御所見を承わりたい。
○三浦国務大臣 今回の措置は、急変しました繭糸価の事情に即応しまして、そうして、やはり業界の協力を前提とし、それと相ともに国の施設を照応させてこの窮境を打開したいということで出たものでございまするがゆえに、やはり、生産者団体と言わずあるいは製糸業と言わず、おのおのの面において御協力を期待しておるわけでございます。しこうして、生産者団体に対しますなには、いろいろの御批判はございますけれども、やはり養連等の生産者団体が象徴的に団体の中心をなすものでございますので、その方面の協力をかりることもやむを得ざる事実であると思うのでございまして、具体的にはいろいろの事情もございますでしょうが、この線に沿うてこの調整問題は処理いたしたい、こういう考えでございます。
○高田委員 この問題は、これだけではとうてい済まされない重大問題なのです。これはどうしても早急に手を打ってもらわなければならぬと思います。ですから、委員長にも提案しておきたいのですが、やはり、関係の全養連なり、主要県の県養連なり、それから典型的な地帯の単協なり農民自体を呼んで、そして徹底的に実情をここで究明いたしまして、これを改めなければ、私はこんな不合理な政治はないと思うのです。これは委員長に一つお願いしておきます。
 それから、大臣、どうですか、残桑の補償、これはこの前簡単にそんなこと必要ないということでしたが、これは自主的にいっても名目だけで、自主的にやれっこないのです。全養連の主催の大会で満場一致で決議しているのですから、これは国の強引な統制なんですから、名目はどうあろうと、残桑に対する補償、当然掃けべき――これはあなた方の指導でここまで桑を育ててきておるのですから、これはどうしても補償措置を講じないということはあり得ないのです。その点について大臣は再考する考えはありませんか。
○三浦国務大臣 この措置によりまして、本年の春繭を年間通じて千四百円を保証しよう、これがつまり焦眉の急でありますので、この対策として出したのでございまして、今の桑の補償等の問題は、今後恒久的な事態になりますれば別でございますが、本年の臨機の措置としてやりましたにつきましては、今のところ補償するということにつきましては十分の考えを持つわけには参りません。
○高田委員 ですから、それならば、今度の自主調整という精神をもっと生かして、もっと自由なものにしないと、農民側としては千四百円ぐらいのものをもらうためにだれも桑をほったらかしてまでそんなことを喜ぶ者はない。多少経費は損をしても、やるだけのことをやるのが農民的であることは御承知の通りである。ですから、これはその方をゆるめて、ほんとうに自主的なものにしてしまうか、それとも、あくまで二割制限で、今言いましたような厳重な、指導所を動かして場合によっては営業権停止というような官僚統制であれば、補償することが当然であると思う。もう一ぺん再考して下さい。
○三浦国務大臣 先ほどお答えした通りでございまして、それ以上の検討はまだできておりません。
○丹羽(兵)委員長代理 ただいまの委員長に対する高田委員からの御要望は、さっそく理事会を開きまして、御要望に沿えるような配慮をいたしたいと存じます。
 暫時休憩をいたします。
    午後六時二十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時三十七分開議
○丹羽(兵)委員長代理 休憩前に引き続き再開いたします。
 質疑を続行いたします。高田君。
○高田委員 それでは、私は自後の質疑は次回にいたします。
○足鹿委員 ちょっと一点だけ……。
 時間がおそくなっておりますから、簡単に一点だけお尋ねしておきたいのでありますが、ただいま高田君の質問で、生産制限の問題は一応当局のお考え方も聞きましたが、本年の春蚕の千四百円の基準繭価が維持されるためのいろいろな措置は、先ほど蚕糸局長から聞きましたが、事実上維持されておらない事実があるのであります。それは、議論はいろいろありますが、集荷指導対策の問題です。従来、貫当り五十円ずつの経費が、生産者から製糸家が委託を受けたような格好で事実上生産者から差し引かれておりながらも、製糸家の手からいわゆる養蚕団体に回されておった。それが現実に技術員のいわゆる待遇費に回っておることは御存じの通りです。生産者が負担をするならば、負担をするような条件を整えて出せというのがわれわれの主張なんですが、従来はとにかく製糸家から一応これを生産団体に交付するという格好がとられておる。本年はこの千四百円の外ワクにこれが積まれた事実がある。それはどういう御主張でそういうことをおやりになったのか。千四百円の一応の名前はあるが、すでに五十円削ってある。一俵で五千円、五万俵といたしますと二億五千万円の大金を製糸業者はそれだけただもうけをする、こういうことになろうと思うのです。一事が万事、こういう形にして、すべてのものがくずされていくということになりますと、千四百円の繭価維持は事実上なされておらぬということが言えると思うのです。私は先ほど非公式に政令とかその内容について聞いてみましたが、何らそういうことはない。全くの行政指導だ。こういうことになりますと、集荷指導費は従来加工賃に見てあるのです。ところが、そういたしますと、その問題が今度は問題になってくると思います。そういう行政指導をおやりになる一方、先ほども言われるように養蚕農民の大会においてきめられた生産制限は、全養連が出したのを当局は削っておる。そうすると、全く農民の意思とは離れたことが行われ、また、法律の主眼であるところの繭価維持は事実上くずされておる。そういう行政上の責任はかかって政府にあると思う。それでは私どもこの法案を成立通過せしめた者としては納得いきかねる。そういう行政指導をおやりになって、今後一体どう処理をされようとするのか、それを伺いたい。
 それから、いただいたこの資料の説明を一つ聞きたい。横浜清算生糸相場の七月限、七月三十六日が千九百一円と一応出ています。これは斤当りでありますから、百斤当りにいたしますならば十九万百円ですが、そういう計算になります。そうすると、他の八月限も九月限も十月限も十一月限も千九百円を全部割っております。はなはだしきに至っては、十二月限は千七百九十四円をすでに割っておる。国会がこの法案を成立せしめてわずか一月たつかたたずで、いかに清算取引の建値相場といえども、すでにこういう数字を出しておる。しかも、一方においては、別の視野においては価格協定の状況が一つの資料として加えてある。八千七百五十掛といいますから、要するに千四百円のことだと思う。一方においては千四百円が一応確保されておるという繭価協定が行われておると言いながら、この清算生糸相場はまだ春蚕ものが出回っておる範囲内においてもうすでに千九百円を割っておる。この矛盾は一体どう処理をされるのか、行政指導の立場に立っておられる大臣のあなたは、基本構想とこの矛盾をどう解決されるか、この点を伺いたい。きょうは時間がなけらねば、あすにもこの問題を私はさらに進めてお尋ねしたいと思います。
○須賀説明員 私から事務的なことだけお答えを申し上げておきますが、集荷指導費につきましては、ただいま御指摘がありましたように、従来は製糸が負担をいたしておったのでございます。今年の場合は、これが最終的にどのようになりますかは、現在の段階ではまだ決定をいたしておりません。おのおの未確定の要素として、現に協定ができ上ったものにつきましてもそういうふうな状況になっておるわけでございます。この点は、われわれといたしましては、今年の春繭処理の問題といたしまして、繭代は八千七百五十掛を割っては困ります、繭代については八千七百五十掛を支払ってもらうということが生糸を買う条件でありますということにいたしたのであります。ただ、集荷指導費につきましては、これは従来におきましても製糸、養蚕の両者の話し合いにおいて取りきめられております問題でありますから、その問題にまで深く役所の立場から介入をいたしますことは必ずしも適当でありませんので、これにつきましては両者間の話し合いによって処理されていくようにしておるわけでございます。ただ、お話のように、従来は、昨年の場合は大体平均三十四円でございますが、毎年これが現実に製糸家から支払われておりますので、最高・最低価格をきめます算出基礎の中には生産費の一つの要素といたしまして集荷指導費が積算されております。従いまして、これがもし結果におきまして全部製糸側が負担しないということになりますと、今お話がありましたように、生産費計算の一つの要素が従来と変って参るわけでございます。この点は、三千四百円の八割五分の問題として影響して参るわけであります。ただ、十九万円を支持するということが一つの大きな前提でありますので、この問題だけのために十九万円という価格水準を動かすことも相当検討を要する問題であると考えます。また、現実のことしの繭の取引は、結果におきまして、製糸業者は春繭につきましては全量について千四百円を支払うことに相なりました。現実の取引といたしましては、その以前においてかなり安い価格で糸を売ったようなこともありまするし、相当経営の内容が複雑になっております。それらも総合いたしまして、この問題はただいま申し上げたような点もありますけれども、十九万円で買い上げるという線を維持したいと考えておるわけでございます。
 なお、取引所の相場の点についていろいろ御指摘がございましたが、これは現実の取引としていろいろな要素がからんで参る問題でございまして、現に六カ月先のものはお話のように十八万円の線でございます。従来の傾向から見ますると、先物は下っておりましても、当該限月になりますと、順次それが戻ってきておるような傾向になっております。この姿だけを見まして直ちに十九万円の水準が動揺しておるという判断をすることは、従来の経験から見ましてもそう簡単にはできないだろうと考えております。
○足鹿委員 今言いましたような集荷指導費の問題にしてみても、従来は当然加工費の中に含まれている。それがワク外になるということになると、生産者負担になる。そうでしょう。養蚕技術員なら養蚕技術員の皆さんに直接関係があり、待遇に響く問題になってくるから、どこからか取ってきます。そうすると生産者負担ということになるわけですから、そういうことはしないという保証、そういう基本方針を大臣が御言明になり、また、今、先物は先物でこういう数字は出ておるが、その限月になったときには回復してくるからそう心配は要らぬ、こういう従来の慣例を言われたわけだが、大臣が行政指導の最高責任者としてそういうことはやらないんだという御言明があれば、私はそれでいいのです。その点はどうですか。
○三浦国務大臣 集荷指導費をいわゆる繭価と見るかどうかということについては、今の蚕糸局長の見解が当局の考えておる通りです。同時に、われわれの方として期待しますものは、農民に繭価貫当り千四百円を確保したい。この線は、今説明した通り、おおむねその趣旨を達成しておると私は確信しております。同時にまた、その前提としての糸価の維持も十九万円をめどとしてきまったものでありますがゆえに、貫当り千四百円の繭価は維持される、こう考えております。従いまして、集荷指導費を直ちに繭価にあらずとか繭価なりという御見解に対しましては、先ほど当局が述べた通りの考えを持っておる次第でございます。
○足鹿委員 これは加工費にも従来相当問題があるのです。あなた方の従来の考え方は、加工費において一部近代化されたものの利益を擁護するような形が今まで出てきておる。加工費の論議というものは、繭糸価格安定審議会においてもいつも論議の中心はそこにあるのです。私どもがいつも言いますように、生糸価格から加工費を引いて、そして輸出諸費を引いて、イコール繭価、こういう算定方式は無理なわけなんです。その当時はちゃんとその中に含めたものを、本年に限って集荷指導費は加工費にあらずとしてこれをワク外にし、生産者負担にしなければならぬという理論的根拠は成り立ちませんけれども、そうすると、従来あなた方がとっていたことを間違いだと認めるなら、さかのぼってこの問題をどう処理するかということにもなろうかと思うのです。そういう一つの場当りな算定方式に基いてやられたものを、そのときの都合によってあなた方が恣意的に変えるということは重大な問題ですよ。それを私は言っているのです。同時に、生産者負担にしないという保証があればいいのですよ。どうしますか。集荷指導費が加工費であるかないかの論議は別として、現実に生産者にそれだけしわが寄ってくる。一貫五十円、そうしますと十貫の場合は五百円でしょう。生産者の場合、これは大きいですよ。それだけ結局繭価にしわが寄ってきているのじゃないですか、それが事実じゃないですか、理屈は別として。千四百円の繭価を維持するというのが今度の法のわれわれ与野党とも一致した考え方で、あなた方の御主張はそこにあったわけです。それをいろいろなケースを作って理屈をつけてくずしていこうという態度は許せぬと思う。さっきの生産制限の問題と同様だと思う。第一、こういう資料をぬけぬけと出してこられる。清算の生糸相場の問題についも、限月になって復活するということはあなたの一つの従来の見込みであって、その保証がなされますか。その保証を私は求めておるのですよ。その保証さえあればいいのです。保証はない、事実上生産者にしわが寄ってくる、また限月になって復活してこない場合はどうするのですか。現に春繭が出回っておる際にこういう相場を出すこと自体が――先ほど、相当誓約書を入れておる、百六十社中七十二社が誓約書を入れておるということですが、まだ半分にも達しておりません。第一、その誓約を完全に履行せしめるその保証もわれわれはわかりません。あなた方を絶対信頼してと言われるかもしれぬが、先ほどの高田君の御質問のように、生産制限の問題も、生産者団体の全国大会の意思をじゅうりんして一方的になされておるということになれば、信頼できませんよ。第一、法律を作った精神と相反すると私は思うのです。これは二つとも私は非常に大きな問題だと思う。きょうは時間がなければ、委員長においてあすさらに追及さしていただくことを明らかにしていただきたいということを条件として、私は打ち切っておきます。
○三浦国務大臣 お答え申し上げます。千四百円の繭価は維持しておるとわれわれは確信しております。同時にまた、今の糸価のことでございますが、その前提として、今のような限月に――これは取引所に現われたことでありまして、われわれの人為をもってこれをするというファクターはない。それが前提になって千四百円の繭価は維持されますから、真の目的はおおむね達すると確信しております。
○足鹿委員 人為をもってそういうことをするのは間違いだとおっしゃるけれども、そういうふうにしようとというのが立法の精神じゃないですか。私はそう思う。あなたの今の御答弁はどうもおかしいと思う。人為をもって千四百円に繭価を維持しよう、そのために十九万円の生糸の事実上の滞貨融資のような格好で措置を講じたのじゃないですか。そういうことを言っては、これは重大な問題ですよ。
○三浦国務大臣 今あなたのおっしゃるのが、取引所に出てくるのはわれわれ人為ではできない、しかしながら、法の立法の目的とするところはなおおむね達しておるということです。そのことを私は申し上げておるのであります。
○足鹿委員 おおむね達成すると言うが、どの程度がおおむねになりますか。そうすると、千四百円は割ってもいたし方ないという御議論ですか。
○三浦国務大臣 千四百円の繭価は維持しておるのでございますから、私は法の趣旨は達成しておると思っております。
○足鹿委員 今は一応大臣がおっしゃるような形が出ておるのでしょう。しかし、一つの資料に表われたもの、それから、今私が申しました集荷指導費の問題にしてみても、生産者にそれだけしわが寄っておるということは事実です。議論ではない。あなた方が現に指導しておる。だから養蚕家が自発的にやりましたか、この集荷加工費の問題を。そこまでわれわれは見ますよ。だれがこれを指導したのですか。
○須賀説明員 集荷指導費の問題は、先ほども申し上げましたように、政府からはこの取扱いにつきまして何ら指示しておりません。製糸業者と養蚕団体との合議によって行われておる問題でございます。これは本年は内掛にするとか外掛にするということを政府において指示した事実は全然ございません。
○足鹿委員 それでは伺いますが、あなたは先ほど、加工費の中の算定の方式を本年から改めたんだということを言われたのじゃないですか。
○須賀説明員 本年から改めたとは申し上げません。
○足鹿委員 そう言っているでしょう。算式を変えたと言っておるのじゃありませんか。
○須賀説明員 何ら変更したということは申し上げておりません。
○足鹿委員 いや、あなたはそう言ったんだ。あとで速記録を調べてみますが、それでは、従来は、指導費も指導集荷費も加工費の中に一応含まれたもの、そういう取扱いがなされておったこれは事実ですからね。ことしからそれが外ワクになっておることをあなた方は適当だと思うのですか。不適当だと思われるならば、それを行政指導によって直して、少くとも立法の趣旨に沿うような運営をなさるのがあなた方の責任じゃないですか。
○須賀説明員 ことしの十九万円をきめましたのは、本年三月の終りでございます。そのときにはもちろん今日のような事態は全然予見をされておらぬわけでございます。従来通りの算定方式によって積算をいたしてございます。従いまして、現在十九万円、二十三万円の基礎になっております加工費の中には、去年の実積によりまして、集荷指導費は一俵あたり約三千四百円ばかり積算されております。従いまして、何らその取扱いは変っておらない。集荷指導費を繭代の内掛にするというような指導は、当初から一回も行なったことはありません。
○足鹿委員 従来と取扱いが変っておるということは事実ですよ。それをあなた方は知っておられるでしょう。理論づけはあなたがさっきも言われたような理論づけをしておられる。事実はくつがえすことはできませんからね。だから、従来われわれが言っておるように、製糸側の手を経ないで、それだけ生産者にプラスをつけて買い上げ、そしてこの生産団体が自まかないで養蚕技術員を設置するというのが一番私は好ましい姿だ、われわれは従来そういう主張をしておるのです。そうあるべきですよ。現在の養蚕業組合が、特約組合のような形になって、現在総合単協のような機能が運営できない。というのも、そういう養蚕技術員の身分に直接関係のある経費を製糸から何かお与えものをいただくような形にして従来まかなわれておるところに問題があるので、われわれは従来そういう主張をしてきた。だから、今度のように外ワクにされるならば、千四百五十円という形にされましても、そのものを養蚕団体の自まかないにして、これを指導員の集荷指導費として積算をされていくのが、理論的に言えば好ましい姿じゃないですか。そうだと思います。そういう牽強付会な言辞を弄されるということは、私は非常に不本意に思います。社会情勢が一年も二年も三年もたって著しく変って、あのときの法案審議の情勢はそうであったが、しかし数年を経過してみてこういうふうに情勢が変ったというのなら納得がいくでしょう。たった一カ月前じゃないですか。それを、先ほどの生産制限といい、今のこの問題といいあまりにも国会の審議の経過を無視し、行政指導によって法の精神をまげようという態度だと断定せざるを得ない。
 この問題については、委員長、あしたまたあらためて発言の機会を与えて下さい。きょうはこの程度で質問を留保しておきます。
○丹羽(兵)委員長代理 本日の議事はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
    午後七時五分散会