第030回国会 大蔵委員会 第2号
昭和三十三年十月七日(火曜日)
    午前十一時三十五分開議
 出席委員
   委員長 早川  崇君
   理事 足立 篤郎君 理事 小山 長規君
   理事 綱島 正興君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 平岡忠次郎君
      内田 常雄君    押谷 富三君
      鴨田 宗一君    進藤 一馬君
      田中 角榮君    竹下  登君
      西村 英一君    古川 丈吉君
      細田 義安君    毛利 松平君
      山下 春江君    山村庄之助君
      山本 勝市君    春日 一幸君
      竹谷源太郎君    廣瀬 勝邦君
      松尾トシ子君    山下 榮二君
      山花 秀雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  高碕達之助君
        大蔵大臣臨時代
        理
        国 務 大 臣 三木 武夫君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (経済企画庁長
        官官房長)   宮川新一郎君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局長)    大堀  弘君
        大蔵政務次官  山中 貞則君
        大蔵事務官
        (大臣官房長) 石野 信一君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石原 周夫君
        大蔵事務官
        (主税局長)  原  純夫君
        大蔵事務官
        (理財局長)  正示啓次郎君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  石田  正君
        大蔵事務官
        (為替局長)  酒井 俊彦君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 齋藤 正年君
 委員外の出席者
        専  門  員 拔井 光三君
    ―――――――――――――
十月七日
 理事夏堀源三郎君辞任につき、その補欠として
 小山長規君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 税制に関する件
 金融に関する件
 外国為替に関する件
     ――――◇―――――
○早川委員長 これより会議を開きます。
 理事辞任の件についてお諮りいたします。理事でありまする夏堀源三郎君より理事を辞任したい旨の申し出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
 続いて、理事の補欠選任を行います。これは先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。それでは、委員長において小山長規君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
○早川委員長 去る二日の委員会におきまして委員長に御一任願いました各小委員及び小委員長の選任につきましては、去る三日委員長において決定し、本日印刷してお手元に配付いたしておきましたから御了承下さい。
 なお、さらに御希望がありますれば、兼務として追加選任を行いますから、委員長までお申し出下さい。
    ―――――――――――――
○早川委員長 本日は、大蔵大臣代理として三木国務大臣が出席しております。三木国務大臣の発言を許します。三木国務大臣。
○三木国務大臣 佐藤大蔵大臣がニューデリーのIMFの総会に出張される期間、私が代理に指名をされたのでありますが、大蔵大臣の留守中でもございますので、あまり積極的にどうということではございませんが、責任だけを果したいと思います。よろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
○早川委員長 税制に関する件、金融に関する件及び外国為替に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 三木大蔵大臣代理は経企長官も兼ねておられますので、数点についてお伺いしたいと思います。
 それは、佐藤大蔵大臣とわれわれ社会党が現在の景気問題についていろいろ論争をしていたのですが、われわれは、現在の状態を不景気の状態と考えて、不況対策というものをいろいろ考えて、党もこれを出し、また現在の事情から考えまして楽観ができない状態だというふうに考えておりますが、三木大蔵大臣代理は経企長官も兼ねておられますので、この点についてどういう見解を持っておられるのか、この際お伺いしたいと思うのであります。
○三木国務大臣 景気の状態につきましては、景気沈滞の時期であることは明らかであります。世界的にもそうでありますが、世界的に見れば行き過ぎた経済の調整期である。これは、一つの自由経済として、ある程度の景気変動ということは避けがたいことであります。そういう調整期は、現在日本もその例外ではない。ただ、しかし、下期の経済あるいは来年度という将来の問題でありますが、下期自体を見てみましても、佐藤君よく御承知のように、個人消費というものは、現在の政治の下ささえもありまして、割合に堅調な伸びを示しておる。季節性も下期にはやはり国民の消費はふえるわけであります。そういう点も勘案してみますると、上期に比べて国民の消費は相当に下期に伸びる。また、輸出の面も、これは当初予定した程度の輸出は達成されておりませんが、これは輸出物価の値下り等もあって、数量としてはそう大きな当初の目的には差はない。しかし、金額的には当初の目的には達しなかったけれども、これまた上期に比べてみて輸出も下期が伸びていく季節性もあるし、多少の輸出価格の値上り等も考えられますし、政府も輸出振興には特段の努力を払っておりますから、こういう点で輸出も上期に比べて伸びる。政府の財政の面においても、いつも下期の方に財政支出がふえるのであります。また、公共事業費なども繰り上げてやっておりますし、そういう面からも、財政の面の購買力、これもやはり下期には相当ふえる。ただ問題は設備投資であります。設備投資も年間全体としては一四%くらい減るのでありますが、上期に比べれば大体横ばいである。多少在庫の手当も下期には始まる気配もあるし、製品在庫は相当水準も高いと思いますけれども、しかし生産が伸びるということになれば、原材料、仕掛品、そういう在庫もふえてくるわけであります。こういうことで、最終需要といわれておる一つのエレメントの中で、設備投資の横ばいを除いて、個人消費、あるいはまた財政、あるいはまた輸出、こういう面で上期よりもいずれもこれは伸びていく要因がある。そういうことを考えてみますと、こういう最終需要が上期よりも伸びるのでありますから、それは生産を押し上げていく一つの要件になっていく。そこで、われわれは、これは的確な数字ではありませんが、大体七%程度の鉱工業生産の増というものが下期に期待できるのではないか、こういうことを考えてみますと、全体としての景気の沈滞ということはむろん認めるのでありますが、上期以上にこの日本の景気がずれ込んでいくのだというふうには、景気の動向を見ていないのであります。
○佐藤(觀)委員 現在の不況のことについては、佐藤大蔵大臣と意図が大体同じだと思いますが、ただ、問題は、たとえば繊維の問題、これは鐘紡その他一般の繊維が操短をやっておられます。それからもう一つは、滞貨の問題で、これは石灰なども滞貨で非常に困っておるのですが、こういう現象が次々に出ておりまして、どう考えましても、これは横ばい景気とかあるいは政府が考えておるような楽観はできないように考えます。特にストックがはけないのでいろいろと民間では苦しんでおるわけですが、こういう点については政府は何らかの手を打つ意思はないのか。あるいは現在の繊維界は非常な操短のために悩まされておりますが、この点についてどういうような見解を持っておられるのか、続いてお伺いしたいと思います。
○三木国務大臣 繊維については、大きくは繊維の機械設備というものが過剰であることは、だれが見ても明らかであります。東南アジアなどにおける貿易の状態から考えてみましても、繊維の今日の設備が維持できているとは思われないので、どうしても設備というものをやはり適正な設備に変えていかなければならぬ。そこで、これは当然イニシアチブは民間がとるべきでありますが、政府も、異常な繊維産業の設備過剰の状態に徴して、過剰設備を買い上げるという方針を決定いたしまして、綿、スフ、人絹に関する織機を七万台買い上げよう、こういうことで、三万五千台を今年度やるために必要な予算を計上して、そういう意味で一つの産業構造の面でも政府は協力をしようという政策、あるいはまた、石炭などに対しては、重油の輸入に対してこれを削減して、やはり石炭の需要というものをある程度確保するような政策、そういう面からも、政府は外貨予算の決定に当っては配慮を加えたわけであります。また、滞貨については、賠償などについてもこちらから押しつけるわけにはいきませんけれども、賠償の相手国から希望があれば、賠償の中にもそういう繊維製品などに対してはある程度繰り入れてもいいということで、交渉をいたしておるわけであります。こういうことで、特に不況のひどい産業に対しては、これが深刻になって、いろいろ雇用面にも影響がありますから、そういう点でできるだけのことはいたしておるつもりでございます。
○佐藤(觀)委員 この設備過剰のことについて、民間からやったと言われますが、これは、一昨年の秋あたりごろ、政府も神武景気をあおり、また銀行なども一般に設備資金を貸して、銀行からも慫慂し――政府が慫慂するから銀行も慫慂したような形がありますが、こういう点で、今ごろになって二万円で買うというようなことでは、非常に無計画だと考えます。そのために最近失業者が非常にたくさん出ております。八月現在の完全失業者が五十八万人、先月よりも一万人ふえておりますが、昨年の八月に比べますと、九万人ぐらい失業者がふえておるわけであります。こういう点について、当初考えられた失業の手当その他のことについて食い違いが出てくるのじゃないかというふうに思いますし、また失業者も今後さらにふえるような傾向にあるのですが、こういう点について政府はどんな対策を持っておられるのか。この際経企長官あるいは大蔵大臣としての三木武夫氏にお伺いをしたいと思います。
○三木国務大臣 こういう経済の調整期にわれわれが絶えず注目をしなければならぬのは、雇用問題だと思います。ことに、いろいろ中小企業の面における雇用状態の悪化、こういうことについては時間的なズレもあるし、非常にわれわれとして警戒をしておるわけであります。ことしは、佐藤君御承知のように、六十五万人べースの失業対策費があるわけであります。しかし百五十億前後の予備費もございますし、だから今年度のそういう失業に対する対策というものは、必要があれば予備費を使うのであります。それ以上の事態が起るとは考えていないわけであります。
○佐藤(觀)委員 私たちは、現在の不況というものは世界的な現象でもありますが、やはり政府に計画性がないと思う。やはり行き当りばったりというような形でありまして、神武景気が神武不景気になるような形が、この三年ほど出ておるわけであります。こういう点について、これは経企長官としてもう少し長期計画を立ててやるべきじゃないか。産業の面、それからいろいろな面について、いわゆる行き当りばったりというような主義で今日まで来ておると思いますが、こういう点について、現在経済企画庁ではそういう経済の長期計画というようなものを一体持って臨んでおられるのかどうかということを、この際お伺いしておきたいと思います。
○三木国務大臣 御承知のように、五カ年計画を立てて、この線に沿うて日本の経済の安定的な成長をはかろうということで、五カ年計画もできておるのでありますが、必ずしもこの数字がその通りというわけにはいかない。やはりそういう共産主義的な統制経済をやっておるわけでございませんから、特に修正を加えるということはやむを得ないわけでありますけれども、今日までの大体の推移を見てみますと、たとえば今年度の経済の成長率は一・八%、最初予定したのは三%、その経済成長率には修正を加えざるを得ないことになったわけでありますが、昨年度はまた反対に予定しておったよりも成長率が一・八%多かった、こういうことで、もし一年ごとにいわれれば、その年次計画というものに対しては、経済指標に対してほとんど修正を加えたわけであります。しかし、これを二年とか、こういう目盛りを広げて考えてみれば、日本の経済の成長の姿というものが五カ年計画の線とあまり逸脱したとは考えていないわけであります。ただしかし、これが必ずしも計画の通りにいかないということに対しては、佐藤君の御指摘のように、神武景気からこういう経済の不況になったということに対して、政府としては当然に反省がなければならぬわけであります。そういう意味において、御意見は違うと思いますけれども、独禁法の改正などをわれわれも必要だと考えたのは、やはりこういう自由経済を原則とする限りにおいては、何から何まで政府が計画経済的な考えはできない。民間も自主的に調整をする必要がある。たとえば、投資にいたしましても、これはやはり民間の自主的な調整というものがなければ、政府が一々入っていくということになれば、全般的な統制経済に入っていく可能性を持っている。そういう点で、生産あるいは投資、こういうものに対して民間が自主的に調整する法的な根拠を与えたいということが、独禁法の改正に企画庁としても賛成をした理由であります。そのほかに、政府といたしましても、やはり投資の計画化ということに対しては格段と注意を加えておるわけでありますが、今もっと投資の計画化ということについて一段と考え方を進める必要があるのではないかということで、われわれとしてそういうことについて現存検討を加えております。このままでいいとは思わない。日本の経済の計画性というものがもう少し一段強化される必要はあるということを考えて、今検討を加えておるのでございます。
○早川委員長 ちょっと佐藤委員にあれしますが、通産大臣が、商工委員会の関係で交代してこちらへ来たい、こう言っておられるようですが、まだ三木さんに御質問はありますか。
○佐藤(觀)委員 もう三点ばかり……。
○早川委員長 それでは、平岡さんもこちらに御質問があるらしいですから……。
○佐藤(觀)委員 こういう計画性がないために、民間が非常に犠牲になるという面があるわけです。この点について十分に検討していただきたいと思いますが、実は先日池田勇人氏が金利引き下げの問題を出先で言われました。それがきっかけではありませんけれども、いろいろ問題になっておる公定歩合の引き下げの問題がありますが、この金利引き下げ問題についてどういう見解を持っておられるのか。こういうようなことが株価にも影響しておるのですが、こういう点について三木臨時大蔵大臣にぜひ一つ伺っておきたいと思います。
○三木国務大臣 池田君の新聞記者会見における発言は、傾聴すべき意見であると思って私も読んだのでございますが、しかし、一々のあの意見について全部どうこうというべき筋合いのものでもない。ただ、しかし、日本の金利水準が高くて、これが企業負担に対して非常な大きな重圧になっておることは事実で、次第に日本の金利水準を下げていくということが、やはり大方針でなくてはならぬ。ただ、そこにいろいろな資金のコストの関係もあって、ただむやみに下げるといっても、それには限度がありますが、方向としては日本の金利水準は下げていかなければ、国際競争力という意味においても、これだけ世界の金利水準よりも高いのであっては、競争力が低くなっていく。ことに、金利が正常化されて、政府自体としても公開市場操作などのできるような、こういう金利の正常化というものが、やはり景気政策の上からいっても好ましいし、方向としては金利は下げらるべきである、そういう諸般のいろいろな条件というものを整備していくことが必要である、こう考えております。
○佐藤(觀)委員 金利引き下げの関係からか知りませんけれども、けさの新聞を見ると、株が戦後最高のダウ平均六百円十三銭というふうに高くなったとあります。こういう点について、一方においては現在非常に深刻な不景気にあるにかかわらず、株価だけが上るという現象が出ておるのですが、こういう点についての政府の見解、並びに、大蔵次官は人為的なあれはしないと言っておりますが、どうも片ちんばのような傾向に考えられますので、こういう点についてどういう見解を持っておられるか、説明していただきたいと思います。
○三木国務大臣 株価の値上りについてはいろいろな原因があるでしょう。金利が下っていく傾向という面で、いろいろな利回り等も長い目で考えた結果もあると思いますが、現在のところこれが非常に不健全なスペキュレーションだとは考えていない。非常に選択されたものであるし、いろいろの会社の内容等も選択してそういうふうなことになっておるし、現在政府としてこの株価の値上りに対してこれに干渉をしようという考えはない。しかし、取引所であるとか、あるいは日証のような金融機関であるとか、こういうものが自粛されることは好ましい。政府は今のところは干渉する意思はないのであります。
○佐藤(觀)委員 あとは通産大臣に伺うことにしまして、最後に、世界銀行の借款の問題について、佐藤大蔵大臣がニューデリーでブラック世界銀行の総裁と会って、四千万ドルの借款を申し込んでおられるところでありますが、政府は、こういう点について、今後世銀を通じての外国借款をやっていかれるのかどうか。これはまた大蔵大臣が帰ってさらに説明されると思いますが、政府の考え方は、世銀に今後たよっていかれる方針であるかどうか。最後にお伺いいたしたいと思います。あとは通産大臣にお伺いいたします。
○三木国務大臣 佐藤君も御承知のように、やはり日本経済には雇用問題というものが大きな問題になっておる。そのためには、健全な日本経済の成長というものがなければ、雇用は解決できない。その日本の経済をインフレにしないように拡大するということは政府の責任であり、それがなければ雇用問題は解決できない。そういう意味において、外資などが入って、日本の金利も安いことでありますし、そういう形において日本の経済が拡大されることは好ましいことであり、今後も、われわれの条件にかなうならば、大いに外資を入れたいというのが政府の方針であります。
○早川委員長 平岡忠次郎君。
○平岡委員 佐藤委員と多少重複することがあろうと思いますが、二、三点お伺いいたします。
 まず、公定歩合の金利の引き下げの問題でございますが、政府の真意はどこにあるのでしょうか。というのは、今のあなたのお答えから私どもが引き出し得ることは高金利政策は望ましくないものだから、世界的な輸出とか貿易の競争力の立場からいって、できるだけこれを引き下げていきたいというのが本筋である。これはわかります。しかし、少し意地悪く考えますと、経済の景気について今のあなたの表現では沈滞期である、こういう表現でございました。不況だということになれば、不況対策としての予算措置を政府でやる必要も出てきはせぬかと思って、多少実態は不景気なんだけれども、これはまあ景気の沈滞くらいに言っておくというふうに受け取れます。それで、この問題を、予算面、つまり財政面ではやりたくない、財政面でやりたくないと言おうか、できない、できないから、せめてこれを金融の面でカバーしようというふうに受け取れるのです。そういう点から、あなたのおっしゃった高金利政策それ自体は望ましくない、是正すべきであるという話はわかるのですけれども、こうした背景のもとにあなたがそういうふうに仰せられると、この金利の引き下げというものは、財政政策の穴をカバーするために持ち出されていやせぬか、こういうことに考えるのですが、御所見を一つお伺いいたします。
○三木国務大臣 財政の占める経済政策の分野というものは、これはやっぱり金融の面というものが相当に大きい。経済、金融一体に考えなければならぬわけでありまして、これはおのずから限界があるわけでございます。だから、金利の引き下げというものは、一応のそういうことによって、市中銀行の金利にも影響がある。ただ、公定歩合が市中銀行と切り離して下げられていくということでは意味がない。やはりそれは関連性を持つところに、公定歩合というものの意味もあるわけでありまして、そうすることによって、企業の金利負担というものは軽減されていく。企業の内容が改善されていく。それは、一面には国際競争力もふえることでありますし、企業の経営が健全になるということについて、いろいろといい影響が生まれることは当然である、そういう考え方から、やはり今、公定歩合をどうするということは、ここで申し上げる限りではないし、まあこれは日銀の政策委員会として考えるべき問題でありますが、しかし、方向としては、金利が低い水準で、国際的な水準になることが好ましい。それは、何も財政でできることが少いから金融でというのじゃなしに、大体財政、金融というものは一体となって、経済政策はやらなければならない、そういうふうに考えております。
○平岡委員 今たまたまあなたの所論として財政、金融一体論という話でありまして、この財政、金融一体論が、両者が侵すべからざる立場において、有機的に総合的に機能するというならいいんですが、どうも、政府の、これはまあ三木さんばかりでなしに、池田前蔵相もそうですけれども、この財政、金融一体論というのは、しょせんは財政に金融を従属させる、こういうニュアンスが強いと思うんですね。まあイギリスにしましても、西独にいたしましても、これと対照的な政策をとっておる。この問題を掘り下げていきますと、現在かなり議論されておる中央銀行の性格改正の問題こういうことと関連してくるんです。そこで、あなたはあっさり財政、金融は一体だとおっしゃいますが、もうちょっとその点を御説明していただけませんか。
○三木国務大臣 中央銀行に対しては、今いろいろ審議会ができて、検討されておると思います。そういう点で、日本銀行の性格など、いろいろ問題が掘り下げられておると思いますが、私が言ったのは、財政といっても、財政がカバーできる分野というものは限界があるんだ、そうなってくると、やはり、金融の面というのは、財政に比べて非常に大きなウェートを占めておるということでありますから、そういう点で、一体というものが、もう国が金融を従属さしてというものでもなりませんし、銀行は銀行としての独立性を持っておるわけでありますから、そういうふうな考え方ではない。それを有機的に、やはり金融としての受け持ついろいろの分野も広いのであるから、これを、財政だけ、金融だけということでなくして、一体として、日本の経済の安定的な成長のために、お互いに協力し合っていかなければならぬ、そういう意味において一体と言ったので、いろいろと掘り下げては、今後中央銀行、日本銀行の制度に対しても、この点はもっと明確に掘り下げられるべき性質のものであります。
○平岡委員 あなたの後段の所説にアクセントがあるのなら、それでいいと思います。どっちかというと、この両者を混淆することから、日本の経済が非常に毒されておるように思います。たとえば、きのうの新聞ですか、この公定歩合の引き下げに関しての記事を見ますと、最近政府、与党内で、日銀公定歩合をもう一厘引き下げるべきだという意見が強くなってきている。こういうふうに、日銀の総裁なら総裁の指導的な発言じゃなくて、政府がこれを言うておるから、政府が、日銀の意向がどうあろうとも、大体この線で引っぱり得るのだ、こういうことを株式界自身が敏感に反映している。事ほどさように、政府自体の方が金融政策についてイニシアチブをとっているような傾向が強いわけであります。むしろ強過ぎると思います。この辺に重大な問題がひそんでおるように思う。今度日銀の山際さんが西独のバンク・ドイッチャー・レンダーの前総裁ヴィルヘルム・フォッケを呼んでおります。このヴィルヘルム・フォッケは、健全財政の上に国家の繁栄があるということで割り切っておりまして、財政が金融の上に侵入しておることを極端にきらっており、そうした政策を一貫してとってきたことによって、事実西独の異常なる繁栄をもたらしてきております、実証的に。こういう点で、あなたの財政、金融一体論が、次元の違うきわめて気やすい立場においておっしゃられたということであるならば、了承はできるのですけれども、この財政、金融一体論が、そうした金融を財政に、従いまして中央銀行を政府に従属させるというような形では工合が悪いと思う。そこで今の点をお聞きしたのですが、こうした問題は、中央銀行の法改正の問題が出てきましたら、またあらためて大いに議論をしたいと思っております。この点は非常に気にかかると思ってお伺いしたわけであります。
○早川委員長 平岡君、通産大臣がこられましたので、春日委員が一問だけ何か質問があるそうですから……。
 春日委員。
○春日委員 ただいま三木さんから、代理たるとはいえ、向う二週間大蔵大臣の責任を負われることについてごあいさつがありましたが、私はこの際あなたの決意を伺っておきたいと思います。わずか限られた二週間ではあるけれども、国政はもとよりすべてをゆるがせにすることはできません。そこでわれわれは今後二週間あなたを相手に国政審議に携わらなければなりませんが、あなたは、代理職たりとはいえ、この二週間必要なる所管行政については、あなたの責任をもって必要なる事柄についてはこれを措置される決意があるかどうか。それとも、ヒョウタンナマズのようにのらりくらりの答弁をして、禅問答みたいなことで終始して、万事は佐藤さんが帰ってからでなければ問題を処理しないのかどうか。実は、相当の懸案があり、急速に処理をしなければならぬ事柄が相当にあるのでありますから、この際あなたの決意を一つ伺っておきたいと思います。いかがでありますか。
○三木国務大臣 春日委員の御質問でありますが、これは私の判断に従い、私が留守中において処理することが必要である、政治の大局から見て必要であるということであれば、留守中であっても処理いたします。しかし、帰る方が適当であるという判断のときには、何カ月もの旅行でないのでありますから、帰るまで待ちたい、自分の判断に従いたい、こう思っております。
○春日委員 やはりいうてみればそんなことであろうと思いますが、実際の問題ということになりますと、一つは災害対策の予算の編成もあろうし、あるいは年末金融の問題もあろうし、国政万般は全く緩急焦眉の事柄が山積をしておる。だから、あなたがそういうような遁辞を設けて責任を回避するということのないように、臨時たりとはいえ、少くとも二週間あなたは所管大蔵行政の最高の責任を負われておるのでありますから、やらなければならぬことは大胆率直にやるように、強く要望しておきます。
 そこで、一点伺っておきますが、実は、岸内閣の重要閣僚である池田国務大臣が、先般預金金利の引き下げ、貸出金利の引き下げ、こういう説をなされた。それから、一両日前には、公定歩合をさらに二厘引き下げるべし、こういうことによって事業家たちの事業意欲を刺激すべきであるという景気対策を提唱されておるわけでありますが、これに対するあなたの所見は何であるか、この点を一つお示しを願いたい。
 それから、時間の関係がありますから、もう一つあわせて伺っておくのでありますが、あなたのお説によりますと、この事業家たちが自主的に諸問題の処理ができるように措置をとっていくべきである、指導していくべきであるという、行政指導に対するあなたの所見が述べられた。そこで、現在事業家たちが自己資本を充実して、今平岡君も言うたが、金融なんかにあまり依存しない形において産業資本が自主的に充足できるような態勢を確保するために、これまた池田さんが増資免税を復活することを提唱されておる。このあなたの内閣における池田国務大臣、前大蔵大臣の二つの具体的な提唱を、三木経済企画庁長官、臨時大蔵大臣はいかに考えられておるか、あなたの御見解を承わりたいのであります。
○三木国務大臣 池田君のような考え方もあり得ると私は思います。しかし、これは、今御質問にもあったように、公定歩合の問題にいたしましても、みな党がイニシアチブ、あるいは政府がやるという性質のものでもないわけであります。日銀政策委員会等において検討されて――今御質問のあったことは、これは将来の中央銀行の性格にも関連をするのであります。そういうことで、一つの研究の題目ではあると思いますけれども、今こういうことを政府自体でどうというようなことを申し上げる段階ではない、しかし研究の課題であることは事実である、私はこう考えます。
○春日委員 金利の問題は、あるいは研究の課題であって、政府の直接所管ではないかもしれないが、しかし、それは、あなたの方の大蔵大臣と日銀総裁との、法律に定められた関係の範囲内においても、十分影響力を与え得る関係になっておる筋合いのものであります。だから、それは、単なるそういう権限があるとかないとかいう問題ではない。実質論をわれわれは論じておるわけであります。あなたは研究の課題だと言われるけれども、あなたの同僚であり、しかも岸内閣におけるところの重要経済閣僚メンバーである池田さんは、ただこれを研究の課題だと言って提唱しているわけではない。これは早急に実施すべきであると、アクセントも強く強調しておられるわけであります。だから、早急に実施しなければならぬと考えられておるか、あるいはこういうような必要は全然ないとお考えになっておるか、この一点。
 それから、増資免税論は、これは当然あなたの方自体がやろうと思えばやれることであります。やっていけないということならば、これはやらないことであります。だから二者択一、いずれをあなたはとられるか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
○三木国務大臣 今私がこれは検討すべき題目だと言ったのは、全然それはやっていけないというふうにも考えられません。しかし、このことは、やはりいろいろな角度から検討いたさなければならぬのでありまして、この席上において、池田君が言われた三点について、私がコミットすることは適当でない。これはやはり、やるやらぬを含めて検討すべき課題である、こう考えます。
○春日委員 まるきりヒョウタンナマズで問題にならぬ。それでは委員長に要求をいたしまするが、少くとも国務大臣池田さんがこのような所見を発表されましたからには、全国民があたかもこういうような事柄が早急に実施されるかどうか、相当の期待もあろうかと思います。同じ閣僚である三木さんがこういう答弁をされておるのは、全く意見が閣内不一致であって、昔ならば当然内閣総辞職になろうと私は思う。この際この問題を国民の前に明らかにすべく、岸内閣としてもみずからその処置をとるべきであろうと思います。従いまして、委員長におかれまして、次の機会に池田国務大臣を本委員会に御出席を願って、政治家的良心に基いて、その点が岸内閣においていかに処理されるものであるか、この点を明らかにいたしたいと思いますので、委員長において池田国務大臣を次期本委員会に御出席願うようお取り計らいあらんことをお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○早川委員長 ただいま通産大臣が出席しておられますが、病を押して御出席願っておりますので、一つその点を御了承の上御質問願いたいと思います。
 佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 通産大臣は非常に忙しいそうでありますが、二、三の点についてお伺いしたいと思います。先日の本会議において、高碕通産大臣は、ドル資金がふえたことについて非常に楽観的な御意見がありました。しかし、それといたしましても、昨年の目標から比べれば、まだ相当差があると思うが、こういう点について、この下半期以後においてどのくらいのところまでカバーできるのか。また、この前も私はお伺いしたのですが、どのくらいまでの輸出ができるのかということについての見解を承わりたいと思います。
○高碕国務大臣 前途を申し上げることはすこぶる困難でございますが、現在の情勢から判断いたしますと、十月に入りましたこの下半期に、御承知のようにアメリカの景気が非常によくなって、回復しつつあるわけであります。それから、ヨーロッパの景気は、イギリス、フランスを除いては、どこも幾らかずつよくなってきているようであります。中南米そのほか東南アジア、中近東は、依然として外貨は不足しているわけでありますが、今の状態から申しますと、日本の物価も予想以上に下ってきているのでありますから、今後の努力いかんによりますれば、上半期よりも数量的にいって六、七%増加することができる。こういう考えでおりますから、年間を通じて大体二十八億ドルの輸出をするということを見ておりますが、この程度なれば私は十分いけるだろう、こういう考えでおります。
○佐藤(觀)委員 昨日参議院でも通産大臣にいろいろ質問されておりますが、非常に心配しておりますのは、中米貿易が足踏みしているときに、東南アジアでは中共の進出が非常にはなはだしい、そのために日本の貿易がストップしているということも聞いているわけです。こういう点について、日本では、第四次貿易協定をああいうようなことにして、しかも、その反対にに、中共が、日本の最も大事な東南アジア、パキスタンなど、あちらの方面へ非常に進出している、国が損をしても、中共はああいう国でありますから、どしどし進出しているということを承わっておるのですが、この点についてどういう対策を講ぜられるつもりであるのか、この点についての通産大臣の見解を承わっておきたいと思います。
○高碕国務大臣 中共は、今日、東南アジア及び欧州市場に、ある程度原価を無視して、外貨獲得のためでもありましょうが、雑貨その他繊維製品について輸出を増進していることは事実であります。これは、私が考えておりますところでは、かりに中共と日本との貿易がもとの通りに回復いたしましても、中共とすれば当然この政策はとっていくことだ、こう覚悟して、われわれはかからなければならぬ、こう存じておるわけでありますが、中共貿易の回復につきましては、通産大臣といたしましては、これは一日も早く回復することを希望し、その方面に向って努力するように最善の力を尽しておるわけであります。かりに回復しても、この東南アジアの貿易は、現状ではもっと中共は進出してくる、こういう考え方でいかなければならぬ。しからば、そういう前提のもとにどういうふうにすればいいかということでありますが、これは、まず第一に、現在の取引は、値段だけでもって競争するということは非常に困難だと思います。多少値段が高くても、相手方が受け入れやすいように、つまり取引条件をある程度緩和するということを一方考えていくことも一つの道だと思います。それだけでやることはできませんけれども、従前の貿易は、繊維製品、しかもそれは非常に安い繊維製品が競争の相手になっておりますから、かりに繊維製品をもってする場合には、品質において、種類において――たとえば綿製品ならば中共は非常に強い力を持っておりますが、化学合成繊維になれば日本の方が強い状態にある。こういう、つまり品種とそれから品質と、この二つによって繊維製品は中共との競争をするように持っていくということが一つだと思います。もう一つは、雑貨製品につきましては、なかなか値段の安いものが行っておりまして、逐次その製品の品質は向上しておるのでありますけれども、この品質の向上という、新しい優良品を持っていくということにすれば、中共とあまり抵触しない、こう存じておりますから、そういう方面に今から持っていきたいと存ずると同時に、やはり、根本的に申しますれば、東南アジアなり中近東に対しては、従前の雑貨なり消費する商品でなくて、むしろ資本財、つまり化学、重工業製品を持っていくということにいたしたいと存じます。要するに、今後東南アジアに向いましては、重工業製品なり化学製品ををもって日本の重点としていきたい、こう存じております。
○佐藤(觀)委員 まあ高碕さんは専門家でありますから、いろいろ意見を承わったわけですが、実は一番問題になるのは、一体中共貿易再開をいつごろ目安に置いておられるのか。これは岸内閣全体の問題でもありますけれども、何といっても現在の日本の大きな難点は中共貿易にあると思う。これは何らかの方法で早く打開をしないと、困難な事情が出てくると思われますが、どこかに目安を置いておられるのか、この点を一つ通産大臣から承わっておきたいと思います。
○高碕国務大臣 通産大臣といたしますれば、先刻申し上げました通り、この年度初期においても、中共に対しては一億ドルという輸出を予想しておったのでありますが、この八月ココムが緩和されまして、それを計算に入れますと、少くとも一億五千万ドルという数字は期待し得る、こう思うのです。それが現在杜絶しておるということはきわめて残念なわけでございまして、これを一日も早く打開したいという熱意は持っておりますが、しからばどうすればいいかという問題になりますと、この問題は、相手方は政治と経済とはやっぱり分離することはできないところでありますし、われわれといたしますれば、これは虫がいいかもしれませんが、できるだけ政治というものと経済とは離れて、経済は経済でやってもらいたい、こういう考えでありますから、この間の両方のギャップがそこに起り、それによりあるいは誤解が起り、それによって解釈が違う、それによって理解が違う、こういう点が原則的に申しまして今日の状態だと私は信じております。それをどういうふうに打開するかということでありますが、これは通産大臣の力だけでいくわけではございません。全体の力をもて、全体の方針をきめて、そうしてやっていかなければならぬということで、かたがた苦心いたしておりまして、決して手をつかねてやっておるわけではありません。今のところ静観というより仕方がない、こういうわけなんでございます。といって、ただ単に目先の、つまり一億五千万ドルの輸出は阻止されるのだから、これを早く回復するために、全体の政治を犠牲にしてどうこうということもできないわけでございます。そういうような点をよく考慮いたしまして、今努力しておる最中でございますから、それ以上、いつやるとか、どういう方法でやるかということは、今ここで私が申し上げるということは、その時期でもございませんし、またそこまで到着してないというのが現状でございます。
○佐藤(觀)委員 現実には、中共貿易関係の商社も倒れつつあり、また人員の整理も現にしておるわけなんで、間があけば倒れてしまうような現状にあるわけであります。いろいろむずかしい問題もありますけれども、やはり何といっても通産大臣が一番大きな関係を持っておられますので、一つ熱意を持って善処をされたいということを要望しておきます。
 それから、最近貿易振興のために稲垣さんとか永野さんとかいう方も経済特使として外国に派遣されております。そこで、日本の貿易商社の貧弱なためにいろいろと欠陥が出てきて、私も、実は、先週ちょうど二十二号台風のときに、たまたま稲垣さんと一緒に汽車に乗りまして、いろいろお話を承わりました。今何といっても日本が一番大事な問題は、貿易政策によってこの経済の不況を打開するより道がないということは、これはわれわれ野党としても十分考えておるわけであります。そこで、実際の面として、このままでいけばジリ貧になるような心配がありますが、一体、通産大臣は、現在日本のこの貿易の問題について――これは商社が非常に無計画であったり、あるいは商品にペテン――パイロット万年筆の問題もありますし、各地で日本の商品の不良のためにいろいろと弊害が出ておるわけであります。こういう点について、何らかの計画性のある貿易振興のための――こういうような打開のために、やはり計画性を持って、国内でもある点までの統制的なあれをやらなければ、日本の信用は非常に衰えてしまうと思うのです。
 もう一点は、バイヤーなどの関係で、日本がドルがほしいために、おぼれる者はわらをもつかむ感じで、非常に不正なやり方が行われておるわけです。こういう点についてもやはり改革をしなければ、日本の貿易の信用は失墜するばかりでありますので、こういう点についても、一つ思い切った新しい政策で日本の貿易の振興をはかられる意思があるかどうか。このままでやっていかれるのかどうかという点については危惧の念を持っておりますので、通産大臣から率直な御意見を承わりたいと思います。
○高碕国務大臣 お説のごとく、今日、日本の商品が外国に行くのに、輸出について非常に阻害をしておりますことは、不当競争のために値段がしりからしりからくずれるということのために、せっかく売れるものがあととまってしまうだけでなく、当然かせげる外貨がかせげない、こういうのは多々あることでありまして、特にそれは中小工業の製品が多いわけであります。そういうわけから申しまして、中小工業の団体法を強化するということと同時に、輸出取引法の改正等も今度いたしまして、特殊の製品なり特殊の販路については、ある程度の統制を加えていかなければならぬ。こういうわけで、輸出取引法の改正、あるいは軽機械類の輸出につきましては輸出振興法等も作りまして、ある種の軽機械類、これは主として中小工業の製品で、手先の仕事が多い。こういうものはぜひ日本の特殊の製品として輸出したいというふうなことで、さしあたり双眼鏡とミシンというものを指定いたしまして、そういうものについては、製造者にも登録をさせ、輸出する人にも登録させるというふうなことについて、ある程度の規制を加えていきたい、こういうふうなことにいたしまして、外国市場において不当競争をしないという方針を十分とっていきたい。これはどうしてもやらなければならぬ。これについてはますます強化するという方針をもって進みたいと存じております。
○佐藤(觀)委員 最後に、今度政府で貿易使節を各国に送られておりますが、この成果がどれまで上るかわかりませんけれども、少くとも専門家で信用ある人が行かれる以上は、結果としていい結果が現われるだろうと予想されます。しかし、日本の現在の事情としては、何といっても、今通産大臣の言われたような、やはりはっきりした、しっかりした計画を持ってやらないと、せっかく信用を得たものが次第に信用を落す結果になるので、こういう点についてやはりもっと新しい形においての貿易政策を打ち出すべきではないかというふうに考えておりますが、通産大臣は何らかの新しい計画を持っておられるのかどうか、今までのようなやり方でこのままやっていかれるのかどうかということをお伺いいたしまして、私の質問を終ります。
○高碕国務大臣 新しい政策と申しましても、これはなかなかむずかしい問題でありますが、従前やっております方針だけではいかない。どこに重点を置くかということでありますが、私は、どうしても輸出振興ということは相手方の状態を見ていかなければならぬ、こういう意味におきまして、相手方の国の同業者に非常に弊害を来たすというふうなことになっても困る、これに対するある一つの妥協点も見出さなければならぬということが一つと、それからもう一つは、新しいといえば、今後の貿易は、必ず、その相手方とこちらとの間に、ある一つの協定を結ばなければならぬ。こちらから物が売りたければ向うからも買わなければならぬということになりますから、そういう意味におきまして、今回豪州なりアメリカなりヨーロッパへ出しました経済使節団は、主として製造業者を中心として、その人たちが行って、向うの同業者とよく話し合いをしてくれということと、同時に、ある程度こちらから物を売らんとすれば物を買うということで、どういう物を買ってくれば日本のためにいいかということも検討してもらいたい、こういう意味で、今後の貿易政策で多少従前と変っておる点はその点だろうと思っております。
○早川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる九日午前十時三十分より開会することといたします。
 なお、十日午前十時半より金融及び証券に関する小委員会を開きますから、御了承ください。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十三分敗会