第031回国会 建設委員会 第23号
昭和三十四年三月三十一日(火曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 堀川 恭平君
   理事 木村 守江君 理事 瀬戸山三男君
   理事 二階堂 進君 理事 南  好雄君
   理事 上林與市郎君 理事 三鍋 義三君
      逢澤  寛君    井原 岸高君
      砂原  格君    橋本 正之君
      服部 安司君    村瀬 宣親君
      小川 豊明君    塚本 三郎君
      武藤 武雄君    山中 吾郎君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 遠藤 三郎君
 出席政府委員
        建設事務官
        (大臣官房長) 鬼丸 勝之君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  稗田  治君
 委員外の出席者
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
三月二十七日
 委員荒舩清十郎君、橋本正之君、松澤雄藏君及
 び兒玉末男君辞任につき、その補欠として渡邊
 良夫君、椎名悦三郎君、増田甲子七君及び松浦
 定義君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員椎名悦三郎君、増田甲子七君及び渡邊良夫
 君辞任につき、その補欠として橋本正之君、松
 澤雄藏君及び荒舩清十郎君が議長の指名で委員
 に選任された。
同月三十一日
 委員松浦定義君及び山中吾郎君辞任につき、そ
 の補欠として辻原弘市君及び本島百合子君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月二十七日
 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出第一四五号)(参
 議院送付)
同月二十六日
 大渡橋架替えに関する請願(宇田國榮君紹介)
 (第二八五八号)
 町村道の老朽橋架替工事費国庫補助及び起債に
 関する請願(池田清志君紹介)(第二八九七
 号)
 海老野、栗野町間道路新設に関する請願(池田
 清志君紹介)(第二八九八号)
 境橋本橋の架設に関する請願(丹羽喬四郎君紹
 介)(第二八九九号)
 二級国道山形鶴岡線の寒河江市内六供町、洲崎
 間改修に関する請願(西村力弥君紹介)(第三
 〇二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出第一四五号)(参
 議院送付)
 住宅に関する件
     ――――◇―――――
○堀川委員長 これより会議を開きます。
 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一郡を改正する法律案を議題として審査を進めます。質疑の通告がありますからこれを許します。村瀬委員。
○村瀬委員 公共工事の前払金保証事業に関する法律は、昭和二十七年の四月の上旬から六月にかけて、当委員会で審議をしたものでございまして、その間、私は、四月二十三日から六月三日に至るまで、時の野田建設大臣に、数度にわたり長い質問をいたした関係もありまするので、せっかくできましたこの法律の運用を万全ならしめるための意味からいたしまして、二、三の質問をいたしたいと存ずるのでございます。
 この法律によってできました会社は、公団でもなく営団でもまたないのでありまして、さればといって公庫でもない、金庫でもない、一つの普通の株式会社でやって参っておりますが、対象とするところが、政府のいわゆる前払い金でございまするので、この会社自体の努力と普通の株式会社としての活躍の部面というものは、ほとんどないのでございまして、こういう一つの独占的な部面によっての会社の運営というものにつきましては、どういう形態の会社というか、営団というか、いかなる形によるべきかということは、ずいぶん論議を尽したのでございます。この会社は、配当制限等も一切いたしておりません。またそうかと思うと、営業種目については、ずいぶんの制限もある。さらに役員に対しましては、収賄罪等による公務員並みの制限もいたしておるという、ちょっと他に例のない会社なのでございますが、こういう会社設立に当りまして、いろいろ存置の理由が述べられました中に、一つ大きな柱として当時の政府委員が御答弁になりましたことは、こういう制度ができることによって、地方自治体または建設省、その他一般の公共工事の翌年度繰越額がぐっと減ってくるであろう、非常に工事の運営が早く進んで、これによって国家の受ける利益は大きいものがあるであろう、こういう御答弁があったのでありまして、われわれもそれを大いに期待したわけでございます。これがゆえに、予算決算及び会計令臨時特例を改正いたし、地方自治法の施行令の改正をやって、そしてこの法律による会社の運営をはかって参ったのでありますが、実施後三年になりまする今日、この翌年度の繰越額というものがどのように減少をして参ったでございましょうか。
○鬼丸政府委員 公共工事の前払い金保証事業が、ただいま村瀬委員のお話しの通り、二十七年に発足いたしましてから、今まで非常に成果を上げてきておりまするが、お尋ねのこの前払い金保証事業が行われますことによって、工事の施行が促進されて、繰り越しの減少にどれだけの効果を上げておるかという点でございますが、前払い金が保証されるということによって、どんどん行われますと、工事資金の調達が非常に円滑になりますので、施行も促進される。その限りにおきまして、工事の繰り越しが減少することは考えられる点であります。特に年度末近くに至って前払い金が払われた場合におきましては、確かに繰越額は、その範囲で相当減少するという事実はございますが、しかしながら、公共工事の繰り越し全体の問題といたしましては、繰り越しの要因というものが、むしろ他の原因、用地買収の問題でありますとか、あるいは実施設計が非常に困難でおくれたとか、その他天災、天候等の原因によりまして工事の発注がおくれる、あるいはその施行自体も延びるということがございますので、この面からの繰り越しが、年によって違いますけれども、近年相当出ておりまして、前払いの保証事業実施後、全体の予算繰り越しが年々非常に減っておるというふうには申し上げられない実情でございます。ただ、たとえば三十三年度におきましては、あるいは御承知と思いますが、非常に早期発注を努力いたしまして、各事業主体もむしろ繰り越しをゼロにするという目標のもとに、鋭意繰り上げ施行に努めました結果、例年に比べますと非常に減っております。三十三年から三十四年見込みは、繰越額が全体の事業費の額のパーセンテージから申しますと、二%強くらいに減る。これは、近年のうちでは最も繰り越しの少い結果になるようでございます。しかしながら、二十七年以来の繰り越しの成績を見ておりますと、たとえば三十一年から三十二年にわたって繰り越されたのが非常に大きい、八%というような結果が出ておりまして、各年によりまして実は浮動の状況に相なっておるのでございます。
 なおさらに結論を申し上げますと、この前払い保証事業によりまして繰り越しがどの程度減っておるかということは、数字的にはちょっと明確にいたしかねますので、この点を一つ御了承願いたいと思います。
○村瀬委員 ただいまお答えの、用地買収その他工事の着手がやむを得ない関係でおくれる、そのための繰り越しというものは、また別の面からこれが解消をはかるべきものでございまして、別の方法を講ぜねばならぬと思うのでございますが、やはりこの前払い金が実施されるということは、当時といたしましては画期的な、一つの飛躍的な英断であったのでありまして、これがただ業者を金融の面で豊かにしたというだけでなしに、当然何らかの部面で公共工事の進捗を早めるという結果が出なければ、せっかく作ったこの法律の効果は、まだ万全でないと思いますので、これらの点につきましても、今後この法律ができ、この会社ができたために、これだけ進捗をしたというふうな運営指導を希望いたすものでございます。
 第二点としてお伺いいたしたいのは、保証料の問題でございます。これにつきましても、昭和二十七年の当委員会では、ずいぶん微に入り細をうがって質疑応答があったのでございまするが、当時の政府側の答弁といたしましては、大体事故率を〇・六八%と見ておる。これをいろいろ運営面の人件費その他を加えて、かりに〇・六八%を一%に切り上げて計算をして、そして保証料を一銭と計算をして出したのだ、こういう御答弁であったのであります。この〇・六八%というものはこういう公共工事の前払金保証事業に関する法律ができておらない以前のこれはプロパビリティであったと思うのでありますが、これができますと、関所が二つできたわけでありまして、今までは指名競争入札をいたしまするときに、適当な資力のある、能力のある工事人を選んだわけでございまするが、今度は、さらに前払いをするときにもう一度関所を設けて、これが完全に工事をやりとげるかどうかの吟味をした上で、いわゆる審査をしてそして保証をするのでございまするから、この〇・六八%というものは、当然〇・何%か減少するはずであると思うのでございまするが、これらの点について、もし御調査ができておりまするならばお答えが願いたいのであります。
○鬼丸政府委員 ただいまの保証料の率に関連いたしまして、事故率のお尋ねでございますが、先生がおっしゃいましたように、この法律を施行いたしました当初は、〇・六八%ということを説明いたしておりますが、これは、ただいまもお話がございましたように、当時公共工事の事業主体を通じて公共工事全体についての事故率の調査をいたした結果が、〇・六八%でございます。従いまして、その後保証制度が実施されましてからは、この制度により保証を受けまする業者の事故率ということになりますから、業界全体の事故率に比べると非常に減るわけでございます。お話しのように、保証事業会社は相当厳重な審査もいたしておりますので、保証事業会社が保証いたしました事業についての事故率ということになりますと、非常に減っておりまして、最近の五カ年間の平均の実績から申し上げますと、〇・一一%ということになっております。その間で一番事故率の多かったのは、二十九年の
〇・一七%、こういうような状況で、最低は、二十八年は事業の実績がまだ微々たるものでございましたから少いのですが、これは、最低で〇・〇四%、平均が〇・一一%というのが、保証事業会社で扱いました事業における事故率であります。
○村瀬委員 そういたしますると、私は当然そうあるべきだと思うのでございますが、保証料算定が、さきに私が申しました通り、〇・六八%の事故率であるけれども、それをかりに一%と見ておくならば絶対大丈夫であろう、そして人件費等も出るであろうというところから、一銭という料率が出たと承知をいたしておるのでございますが、これが〇・一一%というふうに六分の一以下に減ってきた。これは減るのが当然でございます、事故のほどんどないものばかりに貸すわけでございますから。こうなりますと、最初〇・六八%をさらに上げて一%として、一銭という保証料を算定いたしたのでございまするが、これらの事情から、保証料はさらに引き下げる余地があるのでございますか、どうでございますか、その経過を伺いたい。
○鬼丸政府委員 ただいま村瀬委員からお話しのように、当初は事故率を、安全性を見まして一%と見て、日歩一銭の現在の保証料率を定めておるわけでございますが、現在は、日歩一銭と申しますのは、九十日までが日歩一銭、九十日をこえる部分につきましては日歩三厘五毛ということになっております。そこで、これだけ保証料をとれば、先ほど申し上げましたように、事故率が低下している現在、必要以上の保証料をとるということになるのではないかという御懸念も一応ごもっともでございますけれども、御案内のように、現在会社のいわゆる保証能力というものを、約三百四、五十億を保証の能力限界と考えております。現在三百五十億程度認められる状況にございまするが、その基本となるものは、会社の自己資本なり、あるいは一種の異常危険積立金でありますとか、それともう一つ、保証基金というものを別に徴しまして、それらが全部で約十九億になりまするが、この金が一種の保証資本ということで、これに一つの倍率をかけたものが、保証能力の限界ということになっております。そこで、私どもといたしましては、もう少しこの運営の実績を見ました上で、保証基金の制度をどうするかということとにらみ合せまして、この保証料率の改定を将来考えて参りたい。御承知のように、やはり事故の率が年によってかなり違いがございますので、もう少し長期にわたって見ました上で、この保証料率の検討をいたしたい。その場合には、保証基金の制度とあわせて考えて参りたいというふうに存じておる次第でございます。
○村瀬委員 保証基金については、これが一番法案成立当時問題になったことでございまして、なお詳しく伺いたいことがあるのでございますが、今の御答弁に関連をいたしましていま一つ伺っておきたいのは、〇・一一%と申しますると、千分の一・一というわけでございまするから、事故率として非常に少いわけでございます。これは、一件ごとに考えました場合の全損なんでございますか、あるいは一件ごとで調べたさらに八割とか、七割とか、三割とかの事故であったというのでございましょうか、実例をちょっとあげていただきたいのであります。非常に事故率が少いのでございますが、その少いというのは、三百件のうち一件か、千の件数があったうちに一件だけは全部全損をしたという事故でございますか、それとも全損ではないが最後にいろいろしり始末ができなくなって、少しずつ、たとえば一千万の工事費のうち五十万とか七十万とかの事故を生じたとか、一件全部がそういう事故にかかったとか、実際の事故率の構成要因を簡単にお答え願いたいと思います。
○鬼丸政府委員 先ほど申し上げました平均〇・一一%という事故率は、これは保証高に対する会社が事故による弁済をいたしました高の比でございますが、実は先生も御承知かと思いますが、この前払金の保証につきましては、求償権の行使が当然認められておるわけでございますので、最後まで焦げつきましても、求償権を行使することによりまして、会社としての債権の取り立てがある程度はできるわけでございます。従いまして、ただいまの
〇・一一%になっております結果につきましては、求償権を行使して取り立てたものを除いておりますから、当初の段階ではもっと保証率が高くなる、こういうことに相なります。
○村瀬委員 私も、この改正案には元来賛成でございますから、私はあとで、年別に、どういう機構であったかということを、一つ資料で伺うことにいたします。
 それからさっきの御答弁で、一銭というのは九十日までで、それを過ぎると三厘五毛になる。これは最初からの、昭和二十七年ごろからの御答弁であったのでございますが、最初の昭和二十七年の答弁ではあまりはっきりしなかった点もあったのでございますが、かりに一億円の工事をいたしまして、三割の三千万円の前払いがございます。これを分割払いで、出来高に応じて次々に払っているわけでございますが、日本における分割払いというのは、三分の一工事ができたからそれに全部この前払いを充てるのではなくて、それを次々に繰り越していくような式が日本には行われておるわけであります。つまり三分の一工事ができたらもう内払いをしないかというと、そうではないはずであります。一億円の工事を三千万円前払いをして、七千万円分できますと、何ぼか払ってやるはずであります。理論からいいますれば、分割払いでは、三千万円できたときは一銭も払わぬでいいわけでございますが、しかしやはり三千万円分できますと、何ぼかまた払うというのが今日の常識と思いますが、そういう場合の三厘五毛というのは、三千万円全体についての三厘五毛でございますか、出来高によって三千万円出来高ができたけれども、三千万円内払いを払ってもらいますならば、三千万円に対してずっと九十日、百日続いておるといえますけれども、三千万円の第一期工事ができて、その精算書を出しますと、それに対して何ぼかまた内払いがあるはずと思います。その内払いとの差額に対して三厘五毛を計算するのでございますか。これは、この法案成立当時はっきりしなかったことでございますので、お尋ねをいたしておきたいと思います。
○鬼丸政府委員 ただいまのお尋ねで、あるいはちょっとお答えが不十分かと思いますが、私ども今まで会社の業務の運営上承知いたしておりまするところでは、かりに一億に対して三千万円の前払いをいたします場合、その前払金全体が九十日をこえる場合には、その全体について三厘五毛ということに相なるわけでございます。
○村瀬委員 ちょっとそこが昭和二十七年の答弁と同じでございまして、はっきりしないのでございますが、三千万円前払いがありまして、そうして出来高払いのときには、三千万円できた場合は、一銭も払わぬのでございますか、そうではないと思うのであります。前払いをしてやった性質からいえば、三千万円の出来高があったときには、何ぼか内払いを払ってやるはずでございます。その場合に、それが九十日以後になりました場合に、三厘五毛は何を対象にしておるか。これは、昭和二十七年にはっきりした御答弁がなかった関係でございますから、今お尋ねをいたすのであります。
○鬼丸政府委員 お尋ねの、初め三割前払いをいたしました場合に、出来高が三割に達したという場合には、さらに発注者におきましては、ある程度内払いをいたすのが通常でございます。その点は承知いたしておりますが、今度は前払保証事業会社との関係におきまして、いわば保証を受けておる業者が、前払保証事業会社に対する一種の返還債務を持っておるわけでございますが、これは工事をやれば、その返還債務はそれだけ消えていくわけであります。私どもは、その三千万円について、九十日以上こえて残る部分が三厘五毛の保証率になる、こういうふうに承知いたしておるわけでございます。
○村瀬委員 時間がたちますので、この点は、またあとで一般建設行政の場合にでも明らかにいたしたいと思います。
 第三番目に伺いたいと思いますのは、問題の保証基金でございます。これは、こういう方面の専門家である大蔵省出の野田建設大臣と私とでは、ずいぶん質疑応答を重ねたものでございますが、この保証基金の性質というものを突き詰めていくと、いろいろな問題が起るわけでございます。しかし、本日はそれには及びませんが、ただ第十二条の保証約款で、その項目のうちに、保証基金の払い戻しに関する事項を、これは申請をさして、建設省がそれに承認を与えるということになっておるのでございますが、これについて、当時非常にむずかしい方法によって、この保証基金を払い戻す場合があるということをきめておったわけでございます。たとえば東日本保証株式会社によりますと、契約残高の二十分の一が自己資金のワクをこえるに至ったときには、保証基金と自己資金とを足した合計額から最高残高の五分の一を引いて、その差額があったらそれだけを払い戻す、高等学校の数学の入学試験のようなむずかしい算式によって、一定の金額に達すれば払い戻すことができる、こういうような制度を置いておったわけでございます。これらの点に対しまして、また西日本、北海道の方は多少やり方も違っておったようでございますが、今後これを続けていかれる御方針でございましょうか、あるいは何らかもっと簡潔な方法に切りかえる御方針でありましょうか。
○鬼丸政府委員 保証基金の払い戻しにつきましては、ただいまもお話がございましたように、保証事業会社におきましてすでにある程度実施しておりまするが、実はここで詳細を申し上げることは差し控えますけれども、三保証会社それぞれ多少やり方が違っておりまして、またお話しのように非常にむずかしい条件で、どちらかというと消極的にこれを扱うような考え方でやっておる面もございます。そこで私どもといたしましては、この基金が本来保証契約者からの預かり金であるというふうに考えておりますので、会社自身の積立金がある程度充実すれば、当然預託者にお返しすべきものと考えておりまして、今後は積極的に、かつ計画的に払い戻しを促進するようにいたしたい。しかも三会社がばらばらでなく、統一的な要領、扱いによりましてこれを払い戻せるようにいたしたいと考えて、現在具体的に検討いたしております。この場合建前といたしましては、保証契約者がこの基金を預託いたしました日から起算いたしまして三年を経過したものにつきましては、三年経過後払い戻しをするようにいたしたいということで、具体的には、三社とも同じ要領で、もう少し合理的にこれをなし得るように処置いたしたいと考えております。
○村瀬委員 三年間だけプールしておく。そうすると、あとから保証契約を要求したものの分は、その中へぶち込んでいって、三年たった分を払い戻していく。一つの池を作ったようにするということになりますと、非常に今までよりもわかりやすくなりまして、それも一つの方法だと思うのであります。ただこの場合、三年というのが妥当であるか、もし保証の失敗のないようにするためには、四年ということにすれば、さらにその会社自体の保証の力というものがふえてくるのでございまして、その点は、積立金の出来高に応じて適当な年数がきめらるべきだと思うのであります。私は、最初この法律案が出ましたときに、保証金自体の性格が、商法上からいっても、その他商行為の上からいっても、民法の上からいっても、非常に問題が多いという点を幾多指摘をいたしたのでございますが、こういう保証基金というものは、元来他に例のないことでございまして、保証料を上げ下げするという点は、普通の保険会社がやっておることでございますが、別に保証料のほかに預かり金というもので保証基金をとっておるのは、この会社以外にございません。日本にも一つです。世界にはあるかどうか調べておりませんが、こういう保証基金というものは、理想としてはやはり早く断然なくして、全部払い戻してしまうべき性質のものでございます。しかし保証ということになりますと、やはり安全性というものが大事でございますから、こういう窮余の策をお考えになったのも一つのやむを得ぬ措置かと存ずるのでございますが、ただその場合に、三年間だけ預かっておくということにするか、三年半にするか、二年にするかということは、将来一つ統計の上で研究を願いたいと思うのでございます。と申しますのは、平均して、一つのカーブを作っての契約高というものが一定いたしておりますならば、途中の三年だけプールをしたのでもいいのでございますが、この契約高に波があるといたしますと、ある契約高の非常に多かった年があっても、三年目にはどかんと保証基金が減ってくるということにもなりますので、これら統計の数字を吟味なさってから、誤まりなき方法を講じていただきたいと思うのでございます。
 そこで、基本的な問題はまだ他にあるのでございます。たとえば東日本におきましては、積立金その他の二十倍をもって保証の限度といたしております。北海道、西日本はこれを十五倍としております。これは、私は当然統一して、一つの倍率にすべきだと思うのでございますが、こういう基本的なことはまた他日機会があれば伺うことにしまして、いよいよ本論の今度の改正案についてお尋ねをいたすのでございます。
 元来、この法律案によってできます会社というものは、それは政府の側から申しますと、一円の予算も支出しないで、そうしてあるいは監督を厳重にして、建設省の傘下の会社のような形で、しかも会社自体は商法に基く普通の会社であります。何らの配当制限もいたしておらないという会社でございますが、元来最初この法律ができますときには、政府も何か一つ金を出したらどうかという意見もあったわけであります。しかしこれに対しましては、全然政府の方の予算措置をとっておらないで、ここに進んで参っておるわけなんでございますが、今度の海外進出のために保証を広げようという問題になりますと、これは輸出に対しては、今日の日本の方針といたしましては、国も力を入れて予算を出してもよいというのが輸出振興に対する方針になっておりまして、この今回の改正によります場合、輸出振興と非常に関連が深いのでございますから、私は何らかの形で、できれば政府の金をもっと出して、そうして輸出振興の一翼をになわせるという思想があってよいのではないかと思うのでありますが、しかし、もうすでにこういう法律が出ておるのでありますから、そういう意見は差しおきまして、現在の姿におきましても、相当の保証能力が残っておるようでございます。しかし保証能力といいましても、これは架空の二十倍とか十五倍とかいう数字の上に立って初めて保証能力が残っておるのでございますが、今こういう改正案をお出しになる基本といたしましてどのくらいの保証能力が残っておる、国内のものを十分保証しても、なおこれくらいの保証能力は余るのだという数字をお聞かせ願いたいと思うのであります。
○鬼丸政府委員 最近の三保証会社の実績に徴して申し上げますと、最近の保証債務の残高というものが七十九億二千二百三十万円余でございます。
 これが債務の残高として最近押えられておる数字でございます。これに対しまして、いわゆる保証の可能な能力の限界、これが三百十四億五千六百万円余になっております。先ほど先生のお話の東日本二十倍、北海道、西日本十五倍というあれから計算されました数字が三百十四億五千六百万円、従いまして、保証の余裕能力といたしましては、この三百十四億余から七十九億二千万円引きました二百三十五億三千万円余というのが保証の余剰能力でございます。しかしながら、もちろんこれは最近における実績に照らした数字でございますので、今後必ずこの程度の余剰能力があるというふうに断定するわけにも参らぬと思いますが、しかしながら近年の成績をずっと見ておりますと、二百億前後の余裕が大体常時認められております。ところで海外建設の金融の保証のワクといたしましては、大体初年度は三十億程度を考えたい、これは、一応の諸般の事情から検討いたしました結果、三十億程度でまずまず足りるのではなかろうかと考えておりますので、まあ二百三十億程度余剰がありますときに三十億程度は、そう無理な保証ではないと考えられる次第でございます。
○村瀬委員 三百十四億の保証能力のところへ今七十九億保証しておるだけだから、二百三十五億まだ保証能力が余っておるというお答えでございますが、この三百十四億というのは、東日本を二十倍にしたり、北海道、西日本を十五倍にしたりした数字でございまして、これを何倍が至当かという科学的な基礎はなかなか出ないと思いますが、二百三十五億保証能力が残っておるところへ三十億くらいだから、大したことはないだろうという、こういうお考えも一応出るかとは思うのでございますが、ただこれは、参議院が先議の法案でございまして、いろいろ参議院の会議録を見ますると、ある程度審議も終っておるようでございますから、私は要点だけを簡単にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、内地の事故率というものは、先ほど私がお尋ねいたしました通り、最初昭和二十七年当時は〇・六八%であったのが、五年間の平均をやってみると、この前払い工事の保証をした分だけをとってみると〇・一一%である、千件につき一つくらいの割合だ、こういうことでございます。ところが海外の分は、内地とはおよそ性質を異にいたすのでありまして、その事故率からは、プロパビリティというものはなかなか出にくいと思いますけれども、何か海外の場合はこういう事故率だろうということを、お調べになっておるでございましょうか。それから先ほど私が、内地の事故率の千分の一・一という問題に対して、それは全損の件数なのか、一部の損失の累積が千分の一・一になるのかということを何度もお尋ねいたしましたのは、実は海外の問題は、もし事故が生ずるとする場合には、全損の事故が多いのではないかという心配がございますので、内地の事故率は、結果がどうなっておるかということをお尋ねしたわけなのでございます。たとえば海外に出ました場合に、あるいは内乱が起る、戦争が起る、そういうふうな場合になりますと、これは全損になってしまうのでございまして、その一件全部が飛んでしまうという心配もあるわけでありますので、そういう点に対しての数字を、もしお調べになっておりますならば承わっておきたいのであります。
○鬼丸政府委員 海外建設工事の事故率につきましては、実は今まで海外で入札し契約いたしまして行われた建設工事が比較的少い状況でございます。二十九年から最近までの間に、総金額におきまして約四十五億円程度の建設契約が締結されて仕事が行われておる状況であります。幸い今まで受注した分については、沖縄はちょっと別でありますが、それ以外の本格的な海外建設工事につきましては、事故は一度もございません。従いまして、これから直ちに事故率を推定することは非常にむずかしいわけでございますが、最近輸出保険関係で調べました事故率は
〇・二四という実績が出ております。もちろん建設工事でありますから、輸出保険の内容とだいぶ違いますけれども、私どもとしては、契約内容を十分に審査いたしまして、これを保証の対象にするかどうか、取り上げる場合に慎重を期して参りますならば、保証事業による事故率は非常に少くなるのではないかというふうに考えております。しかしながら、絶対に事故が起らないということはございませんので、今回の海外建設の金融保証事業を行います場合にも、輸出保険の実績等を検討いたしまして、ある程度の保証料を徴しまして、それによって運営に万全を期して参りたい。もちろん、先ほど三十億程度というようなことを申し上げましたが、こういうワクもきめますし、また契約内容等も十分に審査いたしまして、また受注業者の信用、資産等ももちろん十分に審査いたしますし、あるいは出来高につきましては、輸出代金保険等への切りかえ措置等も考えまして、この海外金融の保証事業が、会社として堅実に運営されていくように取り計らって参りたい、またそういう指導をいたして参りたいと考えております。
○村瀬委員 この海外の工事に範囲を広げます場合に、最も大事なことは、審査の基準にありと思うのであります。成功する、しないということは、審査がうまくいくかいかないかにかかっておる、もちろん内地の場合にも、審査は重要事項であります。内地の場合には、すでに請負に出すときに、一応地方自治体あるいは建設省等において相当の吟味をし、一定の資格を持ち、十分の能力のあるものを指名しております。さらにその指名者が落札をしたときに、もう一度、二重に関所を設けてこの保証会社が審査するのでありますから、審査は非常にうまくいくと思うのでございますが、海外の場合になりますると、実にこの審査の方法一つによって危険を生じ、また絶対安全ということも出て参ると思うのでございますが、その審査基準等を大体お調べになっておりまするならば、簡単に御説明を願いたいのであります。
○鬼丸政府委員 ただいま村瀬先生からお話しのように、一般に金融保証をやりまする場合に、審査が重要なことは申すまでもございませんが、特に今回の新しい、しかも海外における建設事業に対する金融保証ということになりますると、審査にはいやが上にも慎重を期するという必要もありますし、また審査の手数も相当かかるわけでございますが、私ども保証事業会社の意向も十分尊重いたしまして、事業会社におきまして具体的な案を作り、これを事業方法書の内容に規定いたしまして、建設大臣の認可を受けるということによりまして具体的にこの保証の審査基準が確定するわけでございます。現在会社の当局とも寄り寄り話し合っておりますが、この基準の事柄といたしましては、まず第一には請負の契約の額が問題になると思います。これが仕事の内容から見て適当であるかどうかというような問題。それからさらにこの金額で工事が適正に、また設計仕様書通りに履行されるだけの能力、これは資金ももちろんですが、機械、技術その他の能力があるかどうか。それから請負契約に非常危険についての免責条項等が考えられておるかどうかということも問題になると思います。それから先ほどちょっと申し上げましたように、出来高払い等によりまして代金債権が確定するというようなことになりますると、輸出保険に乗せてこれを確保するというような事項、さらに外国でもし損害を受けました場合に、そのリスクを、国内におきましてその業者の持っておる資産等において相当償い得るものかどうか、こういうような点が特に審査基準として問題に相なるものと思います。そこで、これらを審査いたしました結果、さらに保証事業会社自体の考え方として、金融機関にも金額の一部について責任を持たせる。つまり一〇〇%を保証事業会社は保証しない。たとえば二割は金融機関にも責任を持たせるというような点も今後考えられる問題だと思うのでございます。それからまた一件当りの保証額全体の最高限を押えるかどうか、押えるとすればどの辺の額で押えるか、こういう点も一つの保証の基準として考えられる点であろうかと思います。これらにつきまして、事業方法書の内容として相当具体的に規定されることになりまするが、その場合、建設省といたしましては、会社の意向も十分尊重いたしまして、適切なものができますように期待しておる次第でございます。
○村瀬委員 御答弁を伺って大体明らかになって参ったのでございますが、お話を聞いておりますと、日本の技術の海外進出、あるいは東南アジアの基本的総合開発、そういうものの進捗のためにきわめて重要な、また有効な法律の改正であるのでございますが、それだけに、私は商法上の一商事会社にまかしておくという点につきまして、あるいは万全でないものがあるのではないかということを心配をいたすのであります。たとえば免責条項があるかどうか、ない場合に、入れてもらうというような点につきましても、あるいは外務省、通産省等で指導、またはそのアシスタントの必要も生ずるのでございましょうし、その他輸出代金保険制度の活用等々の関連におきましても、これは普通の内地の前払金保証事業とは非常に性質を異にして参ると思うのであります。運用よろしきを得るならば、この改正によりまして、日本の技術は着々南方諸地域、アジアに及びまして、これが一つの手助けになって、大いに日本の威力も発揮できますし、またアジア地域の開発も進め得るほどの効果もあると思うのでございますが、それには建設省が中心になりまして、外務省、通産省等も逐次それぞれの立場において指導並びに助言をして参る必要があると存ずる次第でございますが、この法案成立の後には、海外のいろいろの入札保証金等が、これは数社から要求もあると思います。これは、やがて契約保証金にも変っていくのでございまして、入札保証金を損をするということは絶対ございませんが、契約保証金に変った場合には、相当の審査の必要も生ずると思うのでございます。同時にまた一件十億円くらいというようなお話もございましたが、三社共同保証というような点も、これは会社でやることでありますけれども、やはり建設省が指導といいますか、ある程度の了承をしないことにはそういうこともできぬと思うのでございますが、そういう点もお考えになっておりましょうか。ただいま金融機関にも二割ぐらいは保証をさそうというようなお話もございましたが、共同保証の点について、今どのようにお考えになっておりますか。
○鬼丸政府委員 実は、先ほど大体三十億程度を考えておるということを申し上げましたが、これは、もちろん三社全体での保証の一種のワクでございますが、これにつきまして、お話しのように三社共同でというようなことも考えられます。その辺はなお会社の当局者と今後十分話し合って、会社の意向によってむしろ考えたいと思っておりますが、ただいまのところでは、三社の保証能力がそれぞれ違っておりますので、海外金融保証のケースが出てきた場合に、これの割り振りをうまく考えてやったらどうか、考えてもらいたいというような意向が強うございまして、直ちに三社が共同保証をするというところまでは、会社の方でも希望しておらぬようでございますから、今後将来の問題として、共同保証の点は検討をいたしたい、こういうふうに考えております。
○村瀬委員 私は、元来この改正案に賛成でございます。これで質問を終りますが、最後に大臣もちょうどお見えいただいておりますので、大臣と官房長のお二方にお伺いをいたしておきたいと思うのであります。
 まず共同保証の問題からでございますが、この三つの保証会社を将来一本になさる御方針があるかどうかという点でございます。この保証株式会社は、先ほどからるる申します通り、非常に特殊な、日本にただ一つ、あるいは世界にも一つかもわかりません。保証基金を無利子で扱うことができたり、また単なる商法上の会社でございまするが、贈収賄の公務員並みの制限を受けたり、さらに配当制限は全然いたしていないが、事業の種類はいろいろ制限する。株式会社であれば何をやってもいいわけでございまするが、そういう制限をやっておるという非常に異なった一つの会社なのでございます。これは、最初昭和二十七年当時、私が野田建設大臣にお尋ねいたしましたときには、独占禁止法との関係もあって、数社にしようというお話もあったのでございますが、いろいろ今の官房長の御答弁等を伺っておりますと、こういう性質のものであり、対象が建設省または地方自治体の工事、あるいはその他特殊の工事、重要産業の工事で、対象が限らたものでございまして、何といいますか、ちょうど他のものに依存して一つの事業をやっておるということでございまして、この会社自体が腕をふるうとか、非常にやり方がよくて成績がいいという性質の会社とは違うのであります。商法上の株式会社の性質とは全然異なった事業であり、会社でございますので、これは独占禁止法との関連がなければ、私は、一社にするのが保証能力等においても非常に安心がいくのではないかと思うのでございます。これは、急にどうこうという意味ではございませんが、基本的な点を一つお伺いいたしたいと思います。
 それからもう一つは、非常に重要とは思うのでございますが、たとえば東日本について見ますと、保証基金が四億三千万円あるわけです。これは三十二年度末の調べでございますから、もっとふえておりましょう。もうおそらく六億くらいになっておるかもしれません。かりに四億三千万円といたしてみましょう。これは無利子なのでございます。法案成立のときに、だいぶ私が野田建設大臣と質疑応答を重ねたのは、ここにあったのでございます。そういたしますと、これを六分で計算をいたしましても二千四百万円、事業でなしに、ぐんぐんふえていかねばならぬはずなのでございます。それからこのほかに積立金も三億一千万円ございます。さらに資本金も一億あるわけでございます。こういう状態である上に、事故率はどうかといいますと〇・一一%、千分の一という状態でございます。ほとんど事故がない。そうなりますと、この資本金や積立金に対する分もどこかへ貯金をしておいても、相当の金が残ってくるはずと思うのでございます。ところが一方貸借対照表を伺ってみますと、損益計算書等を調べてみましても、大体において、たとえば東日本で、三十二年度の社内部保留金というものは、これはいろいろの積立て等になったと思うのでございますが、二千二百七十万円となっておるのであります。そうしますと、この保証基金を六分で預けておきましても、利子だけで二千四百何十万円というものがそこにぽっとふえてこなければならない性質のものであります。いわんやそのほかに積立金が三億一千万円あり、資本金二億――建物等になっておるのかもわかりませんが、これらから生ずる利潤といいますか、剰余金というものは、〇・一一%の事故率といたしますと、ほとんど大半は残るのでなかろうかと思うのであります。これらに対しましてこの前払金保証法案には、建設大臣監督の一章が設けてあるのでございますが、何も私は、それが怪しいとかなんとかいう意味でお尋ねするのではございません。ただ数字をちらっと見ただけで、これは非常によい会社である、楽な会社である。私は野田元建設大臣と、これは昔の満鉄のようにふえていくのじゃないかということを言ったこともあるのでありますが、これらの点に対しまして、将来この会社自体の監督の点、あるいは剰余金積み立て等の点にどのような御方針をお持ちでございましょうか。これが大きく積み立てがふえていきますならば、今保証基金をとっておりますが、この保証基金は直ちに全廃しても、りっぱにこの会社は強力なものとなるのでございまして、そういう点に対する基本的なお考えを、大臣と官房長とに伺いまして、私の質問を終ることにいたします。
○遠藤国務大臣 最初のお尋ねの、この保証会社の三つを一本に統合して強力なものにしたらどうかという意味のお尋ねでありましたが、この点につきましては、一面においては、強力な一本の大きな保証会社にして参りますと、保証能力も非常に強化されて参りますし、仕事の面で非常に都合のいい面も出て参る。ただ他の面におきましては、この会社は、各地方における中小の土建業者が地方的な仕事をやっていく場合に、その仕事を助ける意味を持っておるのでありまして、小さく分散しているところに妙味のある点もあるわけであります。しかし会社が設立されまして、だんだん事態が進んで参りましたので、御意見の点は十分検討して参りたいと思うのであります。そして少しずつでも合理化を進めて参り、土建業界が要望するような線にだんだん接近して参るように進めて参りたいと思います。
 それから第二のお尋ねの、保証金や積立金あるいは資本金等の運用の問題でございますが、これは実際運用をやっております官房長から詳しい説明をさしたいと思います。
○鬼丸政府委員 先ほど村瀬委員から発言がございましたように、現在の三保証会社は、経営内容も非常に良好でございまして、会社としては非常な業績をあげておるという現状でございます。自己資本だけについて見ましても、三社で四億一千万円の資本金に対しまして、積立金等を含めました全体の資本額が五億八千万円になっております。そのほかに異常危険準備金、責任準備金、保証基金等を合せまして、現在いわゆる保証能力のもとになりまする保証資本の合計が十七億七千九百万円というふうに相なっておるわけでございます。そこで、この調子で三社が順調に業績を上げて参りますならば、将来におきましては、保証基金の制度は全廃しても差しつかえないという事態が参るかと存じます。その場合、もちろん保証料率とそれから会社の配当の率等がからんでくるわけでございまするが、私どもといたしましては、現在のこの調子で会社の業績が順調に伸びまして、将来保証基金制度が全然要らなくなる、保証基金を除きましても保証能力が十分になるということを期待しておりますし、またそのためには、配当等も、現在は東が一二%、西、北海道が一〇%、最近の決算期におきましてはそういう配当をいたしておりますけれども、やはりこの保証を受けまする中小建設業者の利益というものを考えていくべきだと思いますので、一二%程度以上の配当は、むしろ今後抑制していくべきではないかというふうに考えております。
 それから保証料率につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、将来もこの保証能力の増強と相待ちまして、保証基金制度の廃止の問題とあわせて検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○三鍋委員 関連して。時間の関係上重複する点を省きまして、ごく簡潔に若干の御質問を申し上げたいと思います。
 最初にせっかく大臣がお見えになっておりますから、大臣にお尋ねいたしますが、今度の改正案は、十九条に第三項を追加する、これが主要な改正点であると思うのであります。これによりますと――提案理由の説明書によるのでありますが、「兼業の業務として、建設業者または建設コンサルタントが金融機関から国外における事業活動に必要な資金について融資を受け、あるいは信用状の開設等を得た場合に、それによってこれらの業者が当該金融機関に対して負担する債務についても、その保証を行うことができること」とした、こういうわけでありますが、ちょっと私、ここで疑問に考えられる点があるのであります。それは、この法律の第一条の目的、これとの関連性についてであります。これによりますと、公共工事ということになっておるのでありますが、これはどういうことなんですか、外国で世界的な公共工事を会社でやられるんですか、ちょっと非常に大幅な拡大解釈のように考えられるのでありますが、この点につきまして、基本的な問題でありますから、お聞きしたいと思います。
○鬼丸政府委員 今回この法律の改正といたしまして、現行法第十九条に、兼業の業務として新たに海外金融保証事業を加えたことにつきまして、ただいまのお尋ねは、法律第一条の目的との関係をどう考えるかという御趣旨だと思いますが、この会社は、私ども立法当時のいきさつなり、またその趣旨を振り返ってみましたところ、第十九条の兼業の制限は「左に掲げる事業の外、他の事業を営んではならない。」ということでございまして、本来これは通常の株式会社として設立され、ただ一つの大きなねらいと申しますか、目的を持って、この法律によって、業務についてこういう規制を受けておる、こういう建前でございます。従いまして、第一条の目的の達成に支障を来たさない範囲におきましては、ある程度兼業を認めていいじゃないかということから、第十九条におきまして「左に掲げる事業の外」ということで、ほかのことはやつちゃいかぬ、次に掲げる事業はやってよろしいということになっております。しかも、現行法の一号は、公共工事の請負者が運転資金、工事の資金の貸付を受ける場合に保証しようというのですが、二号に至りましては、公共工事と関係がない一般的の土木建築工事の請負業をする者が、土木建築用の機械について金融を受けた場合の保証事業でございます。こういうわけでございまして、必ずしも公共工事と直接関係がなくても、この法律の目的達成上支障がない。あるいは広い意味におきまして、この目的達成に関連してくるという範囲におきましては、兼業を認めて差しつかえない。こういうように解釈いたしたのでございまして、この点は、立法上は不都合はないというふうに考えております。
○三鍋委員 それはおかしいと思うのです。兼業する場合にいたしましても、ちゃんとここに公共工事に関する資金についての金融保証事業及び建設工事の用に供する重要な機械類の取得に関する資金についての金融保証事業を兼業することができる、みんな公共工事として一貫性を持っておるから、私は、この兼業は差しつかえないと思うのでありますが、今度の改正の主目的とするところの海外における建設業務というものは、これは先ほども申し上げましたように、世界を一つに考えて、公共に寄与するというのだったら通りますけれども、この法律の建前からすれば、僕はあまりにもこじつけ拡大解釈であると思うのであります。もう少し明確にお答え願いたいと思います。
○鬼丸政府委員 わが国の土木建築の業者なり、あるいは土木建築に関するコンサルタント、建設コンサルタントは、ただ仕事を行う場所が海外であるという違いだけでございまして、日本の建設業者なり、建設関係のコンサルタントの仕事につきまして金融保証をしようというのでございますから、つまりこの法律の第一条の目的に関連は持っておるわけでございます。現行の十九条二号は、単に土木建築に関する工事で、その意味では現行二号においても、すでに公共工事そのものからははずれております。ただ、回り回って公共工事の適正な施工というものに関連は持ってきておる、こういうふうに考えられるのでございまして、その意味で兼業として認められたということはどうも不都合はないのではないかと思いますので、どうか御了承を願います。
○三鍋委員 御了承も何もないのですけれども、これは、公共工事を促進して能率を上げようとするのがこの法律の目的なんでしょう。そうすれば、国内でたくさんの問題があるのに、外国へ行ってまでそんなおせっかいなことを――余裕があってやるのだったらともかくも、かりに余裕があっても、法律の精神、建前からいくと、これは私は、やはり無理な解釈だと思うのです。趣旨は私は了解しておりますし、そうあらねばならぬと思っておりますが、法律の建前からいくと、どうもそういうことは、結局多数決で押し切られていくだろうと思うのですが、こういうところに、私たちはすっきりしてないものを感じるのです。大臣、どうですか。もう少しすっきりした考え方でいくべきでないですか。
○遠藤国務大臣 第一条を厳密に解釈して参りますと、そういう議論も成り立つかと思いますが、一般の法律の取扱いとしましては、第一条に原則論を掲げておきまして、その原則の目的に違反しない程度において付帯工事をやることは差しつかえないというふうに、事業の実行の面において、法律でこれを明記していく例はたくさんございます。この法律につきましても、第一条から、その例外の事業ができるというふうに、第一条を改正していくというような行き方をとらないで、あくまでそれは例外的で、第一条の趣旨に反しない程度において、付帯的な事業をやることができるという建前をとったのでありまして、こういうたくさんの例に従って、これでも法律の第一条に違反するものではないという建前で、こういう提案をしておるわけでございます。法制局とどういう議論をしておったか、私は詳しく聞きませんけれども、おそらく法制局もそういう建前で、この法律ができ上った後においても、全体として矛盾した法律ではないかということにはならない、こういう態度だと私は了承しておるわけでございます。
○三鍋委員 私は、根本的に矛盾しておると思うのです。ちゃんと第二条で公共工事というものの定義をはっきりとうたっているでしょう。これは、日本国の国内におけるところの公共工事だと私は解釈するのでありますが、外国におけるところのこういった工事と法律的に抵触しないという解釈は、どうしてできるのですか。
○鬼丸政府委員 確かに法律の第二条は、公共工事の定義として、国とか国鉄とか公共団体が発注する建築の工事というふうに書いておりますが、ただいま大臣からもお答えがございましたように、第十九条は兼業でございまして、この法律、現行法におきましても、公共工事だけを対象にした保証業務というふうにはなっておりませんで、この一条の目的に矛盾しない、あるいはある程度関連がある限りにおきましても、兼業として今回の海外建設金融の保証業務を認めることはごうも差しつかえない。実は法制局ともちょっとそういう点を話し合いましたが、法制局としても、その点は一向差しつかえがない、こういう見解でございました。一つどうか御了承を願いたいと思います。
○三鍋委員 それは、そうやっていかれるのが、今までの保守党の常套手段のように思うのであります。問題になったところの憲法第九条の問題でもいつの間にか拡大解釈をされまして、そうしてのっぴきならないところにきておるのでありますが、これは私は、法律として、そういう建前からいきまして、無理な考え方であり、やり方であると思います。そこで、今度の法改正によりまして、海外に建設技術その他の進出をはかるわけでありますが、その目的は、一体どこに置いておられるか、これは、やはり明確にお聞きしておきたいと思います。
○鬼丸政府委員 建設業の海業進出につきましては、わが国の国策上、また端的に申しますと、一種の土木建築の技術を輸出するという上から、あるいは国際経済協力という観点から、きわめて重要なことだと考えられますので、今回この改正によりまして、その金融面の打開策を講ずる。もちろんこの金融面の問題だけではございません、今後他の諸般の施策をあわせて考えて参らなければなりませんが、さしあたり一番隘路になっておりまする一つが金融面、特に海外における応札の際の入札保証金でありますとか、あるいは契約保証金、さらには建設用機械の購入資金の調達、こういう点が問題になっておりますので、これを打開する一つの方策として、今回の法律改正が提案された次第でございます。
○三鍋委員 それでは、現在海外における建設業者の状況、あるいは建設コンサルタントの状況はどのように営まれておるか、実績を上げておるか、あるいは何か問題点がないか、こういった点につきまして御説明を願いたいと思います。
○遠藤国務大臣 これは、私から申し上げることが適当かと思いますので、お答えしておきたいのでありますが、先ほども官房長からお答えがありましたが、わが国の建設技術をどんどん海外に進出させていきたい、東南アジア方面は申すに及ばず、世界各国に日本の非常に進んだ建設技術を要望する声も強いし、日本としてもそれだけの力を持って参りましたので、いろいろ進出の手段を考えて参ったのであります。遺憾ながら今までほとんど進出ができなかった、何がこれを拒んでおったかという点を、私は就任以来つぶさに検討してみたのでありますが、いろいろ問題がありますけれども、なかんずく資金の調達の問題が一番大きな問題であります。今官房長からお答えがありましたが、まずその入札保証金、あるいは契約保証金、そういう調達方法に非常に窮しておりまして、世界各国が競争入札に応ずる場合に、いつも日本が条件が悪くて負けてきたような実情でございます。中に二、三とれたものもありますけれども、非常に無理がいっておるわけであります。御承知のように日本の内地におきましては、業者がそれぞれ互いに保証し合って進んでいくやり方もとっております。ところが国際的な競争入札になって参りますと、出ていく業者が考えておりますから、お互いに保証し合っていくというようなことがなかなか思うように参りません。どうしても保証会社のようなものを作って国策的にこれをバック・アップしていかなければ、うまく進んでいかないのであります。いろいろ考えた末、こういう構想に落ちついて参ったのでありますが、これでもって一挙に大きく前進するとも私は思っておりません。いわば現在まだ海外進出の初歩の段階でありまして、これをやって参りまして、実際これでもなお足りないというようなことであれば、その次の大きな手を国としても考えていかなければならぬことだろうと思うのであります。一応今の段階では、この程度でまずその目的を達することができるであろう、さらに大きな進出をやって参ります場合には、もっと大きな構想に発展をさせていかなくちゃならぬのではないかと私は思っております。今までは、はなはだ残念でありますけれども、日本の技術が海外進出、海外進出と言って声は大きいのですけれども、ほとんど出ていない。この法律を通すことによって一つの大きな転機を描いて、そして地道に海外進出をはかっていきたい、そういうことを考えておる次第でございます。
○三鍋委員 私、質問申し上げたいのは、御承知の通り国内に業者が非常にたくさんありまして、その仕事がそれに伴わない、過当競争で非常な問題を業者に与えている。そこで、一つ海外へでも行って一旗上げてやれといった、そういう式で出ていかれると困ると思うのであります。その点を、審査その他の業務を綿密に遂行される上で十分考慮されることと思いますけれども、うわさに聞くところによると、やはり向うでも、業者はもとより、労働者自体が非常な困難な状態に置かれておるという現実の問題もあるようでございますが、こういう点につきまして、どのような考え方をもって指導されようとするか、これをお聞きしたいと思います。
○遠藤国務大臣 御承知のように、今海外建設協力会というものを内地に作りまして、海外建設の協力についての歩調をそろえていく、いわゆる過当競争を排して、力のある者が能力を持っておる者が信用のある仕事をやる、こういうことで、そして特に今の段階は、日本の業者が進出する一番大事なときでありまして、今参りまして無責任な仕事なんかやりまして、信用を落してしまいますと、日本の業界が永久に信用をなくしてしまうような結果になって参ります。現在一番大事なときでありますから、海外建設協力会とも話し合いまして、過当競争を排し、実際力のある者が行って、模範的なものを作って、日本の建設業というものはすばらしいという印象を世界各国に与えるような――採算を度外視するわけにもいきませんけれども、初めからもうけようというような考え方はやめてくれということで、りっぱなものを作って、まず日本の海外建設についての進んだ技術、進んだ能力というものを見てもらうということに専念しよう、そういう考えで今進めておるようなわけでございます。
○三鍋委員 設計部門と請負部門、これがしっかりと密接な関連性がないと、外国の業者と太刀打ちができないだろうかと思います。こういう点は、十分御配慮願わなければならぬと思うのですが、それに関連して、結局これは、大業者擁護をこの法改正がねらっているのではないか。これは、やはり大業者が発展していけば、中小業者もその潤いを得るということを一応は考えますけれども、こういう点におきましても、どういう工合に配慮されているか、これを一つお聞きしておきたいと思います。
○遠藤国務大臣 この構想を考えるときに、私は一番最初に考えましたことは、海外進出をやって参ります場合に、事業そのものの間違いのために損失を受ける場合と先ほど村瀬委員からお触れになりました、その国のたとえば政治体制の大きな変革等によって損失を受ける場合と、二つが考えられる。政治体制の変革によるところの損失等については、これは、国としてその補償をしてやるという考え方が一つ成り立つわけであります。今回の公共事業の海外進出についても、私は大きく含んで、国が補償していくという態度をとることも一つの考え方であるということを考えてみたのでありますけれども、これをやって参りますと、大業者だけを応援するような結果になるのではないかという議論の出てくるのを私はおそれましたので、現在の段階といたしましては、まだ国が大きく資金的にバック・アップするところまでいかなくても、実際の今の段階としてはやっていけるのだ。そうしてしかもこの会社でやって参りますと、中小企業を援助する会社でありますけれども、同時に大企業の方も負担をしておるという両面の性格を持っておりますから、これでやっていくことが、一番性格的にも割り切れていく、こういう考えでこの会社方式を採用したのでありますが、しかし海外進出をやって参りますと、工事の性質にもよりますけれども、大きなダムなどをやる場合には、大きな業者が行かないとできないのであります。しかし事によりますと、中以下の事業でも、非常にむずかしい技術の進んだ事業等については、必ずしも大業者でなくても、中小の業者でもまかなうことができる、日本の技術が進出することができる。そういうふうにバラエティを非常に広く見て、どういう業界でも日本から進出していくことができる。進んだ技術を持って行きさえすればやっていけるのだ、こういう建前でこの構想に落ちついたような次第でございます。大業者だけを援助しようというような考えは毛頭ございません。その点は、特に私どもは注意しておった点でございます。
○三鍋委員 大臣のただいまの御説明で了解しましたが、この兼業の海外進出でありますが、先ほどからも論議がありましたように、非常に危険性があるわけであります。兼業のために本業が動きがとれなくなるというような、そういうことのないように、十分な御配慮を願わなければならぬと思います。
 最後に、保証会社が三つあるのですが、これらの会社は、これに対してどういうお考えを持っておられるか、これをお聞きしておきたいと思います。
○鬼丸政府委員 今回のこの法律の改正を立案いたしました段階におきまして、三保証会社の幹部と十分意見を交換いたしました。また三保証会社では、それぞれの取締役会を開きまして、会社の意向をまとめまして、私どものところに申し出てきた点もございますし、その結果、今回の改正は、先ほど大臣からもお話がございましたように、海外金融保証の一歩前進の段階として賛成する、そしていずれも賛成の意を表明いたしております。この点は、一つ御了承を願います。
○瀬戸山委員 大臣に一点だけ伺っておきます。先ほど三鍋委員から、本法の第一条と今度の改正十九条との関係で御質疑がありましたが、全くこれは矛盾だというわけには参らないかもしれぬけれども、必ずしもこれはそぐわない。第一条は、申し上げるまでもなく、本法は全然こういうことを予想しておらない法律ですから、先ほどの議論のように、これは完全にうまくいっておるのだということも、私は言えないと思うのです。そこで大臣からもお話がありましたが、この際海外に対する技術、あるいは海外協力の関係からこういう道を開くということは、非常にけっこうなことであろうと思います。しかし先ほど議論がありましたように、率直に申し上げると、国の一つの政策としてやるものを個人の会社に、何かよその屋根の下に行って宿借りをするような感じがするのです。また将来のことは、先ほど話がありましたが、本来こういうものについては、国としても相当の資金を出して、ただ金融面だけでなく、いろいろの部面があると思いますが、海外のそういう建設関係の市場の状況、あるいはその地方の習慣等の調査ということもいろいろ必要な部面があるので、そういう点、建設業の海外進出に非常に支障を来たしておる面があると思います。ですから、さしあたりこれでやって運用を検討する必要がありましょうが、やはりそういう大きな構想があるときには、別にこういう特殊のものを作る必要がある。これは、宿借りでさしあたりやむを得ないと思いますけれども、本来はそういうことなく手段では、この大きな目的といいますか、趣旨を徹底するわけにはいかないのじゃないかと考えます。ですから近き将来、運用を見ながらでけっこうでありますが、そういう趣旨に沿う特別な制度を立法するか、あるいはこの本法を第一条の目的から改正をして、そういう筋金を入れるか、こういう点について、一つ大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
○遠藤国務大臣 先ほど来三鍋委員からも御指摘がありましたが、ただいまの御意見、私はごもっともだと思います。これは、決して堂々たる将来永久の能勢だとは私は考えません。ただ、しかし物事の発展の過程におきましては、こういう行き方をすることもまたやむなしと思うのでありまして、大体私の見当では三年ないし五年間くらいこの能勢でやって参りまして、そうしますと、海外発展の状況もだんだん変って参りましょうし、この会社の能力等についても、足りないところもまた出てくるでありましょうし、なお根本的に検討しなければならぬ点も出てくるだろうと思いますので、その情勢に応じて根本的に検討する段階を迎えたい、こういう考えで、さしあたり今の急場の海外進出に間合せるという意味で、こういう案を提案しておる次第でございます。従いまして、ただいま瀬戸山委員の御意見に対しては、私どもその考えで十分検討して参りたいと思います。
○堀川委員長 ほかに御質疑もないようでありますから、この際本案に対する質疑は、これにて終局することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 これより討論に入るのでありますが、討論の通告がありませんので、討論を行わず、直ちに採決を行います。
 公共工事の前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
○堀川委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。
 なお、ただいまの議決に伴う報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀川委員長 御異議ないものと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○堀川委員長 この際、住宅に関する件につきまして村瀬委員より発言を求められておりますので、これを許します。村瀬委員。
○村瀬委員 私は、きわめて簡単に大臣にお伺いしたいと思います。
 住宅公団において分譲住宅をやっておりますが、住宅政策上非常によいことと思っております。効果も着々上っておると思います。ところがこの分譲住宅は、普通分譲住宅と特殊分譲住宅とに分れておりますが、普通分譲住宅の方は、どうも分譲の点で成績が思わしくないように聞いております。従って、大半の予算が特殊分譲住宅に流れる傾向にあると思いますが、それは、それで私はけっこうだと思います。ただこの際、たとえば昭和三十四年度は、八十九億とか九十億とか予想されますが、この特殊分譲住宅は、まず土地は業者が持っておるのであります。その上に建てる家は、独身一室に対して三十一万円、家族持ち一戸当り百万円の限度で建てる場合には、全額住宅公団の金で建つわけで、非常に便利な制度と喜ばれておるものでございます。ところがそうなりますると、本年三十四年度は、特にこの特殊分譲住宅に各会社が集中して申し込みがきておるようでありますが、ここで私は、大臣の御方針を一言だけ承わっておきたいと思います。
 それは、この審査の方法は、二点に分れると思うのでございまして、第一には、住宅困窮度が一番大事だと思います。これは当然でございます。第二は、その分譲した代金をりっぱに滞りなく支払うか、どうかこの二点にあると思います。ところが、この特殊分譲住宅の性質よりいたしまして、まず土地はその会社のものになっておりまして、それから家もちゃんとそこにあるのでございまして、担保の形になりまするが、とにかく分譲をしただけの話でございまするから、これが夜逃げをして全然いなくなるとか、全然損失をこうむるということはまず考えられぬのであります。ことに、一例をあげますると、土地を千五百万円で目抜きの場所に買った、そして自己資金で店舗を建てる、その上に千五百万円で今言った分譲住宅の資金を貸し付けてもらうということになりますと、土地の千五百万円、自己資金の千五百万円ということで、四千五百万円のうち三千万円はそこにあるわけであります。その上に千五百万円をもって規定通りの住宅を建ててもらうということになるのでございまするから、もうそういう場合には、支払い能力というものをあまり吟味しなくても、たとえば資本金が少いじゃないかとか、公称資本金がどうだとかということを言わなくても、住宅の困窮度によって決定をしてしかるべきものであると思うのでございますが、聞くところによりますると、親の心子知らずと申しますか、ずっと末端の出先におきましては、何といっても支払い能力が大事だ、それには大きな会社に貸して分譲しておくならば、係としては一番安全だ、こういう傾向がかなり顕著なのではないかという話も聞くのであります。しかし私は、今申しました通り、現在の特殊分譲住宅の制度よりいたしまして、そこに土地があり、建物も、場合によれば一部は自己資金で建てられておりますから、支払い能力の点は、会社が小さいとか大きいとかいう点はあまり吟味しなくても、むしろ大半のウェートを住宅困窮度に置いて、選定をするのが、住宅政策上大事ではないかと思うのでありますが、この点に対して大臣の御所信をお聞かせ願いたいと思います。
○遠藤国務大臣 ただいまのお尋ねの点については、今までのいきさつもあることでありますので、詳しいことは住宅局長からお答えさせたいと思うのであります。ただ私は、かねがね申し上げておりますように、住宅政策を進めて参ります場合に、単なる形式にとらわれないで、その必要の質的な重要さというものに重点を置いていかなくちゃならぬということを主張しておるわけであります。ただいまの御提案の問題はどういう意味を持ちますか、なお私も詳しく検討してみたいと思うのでありますが、詳しいことは、今住宅局長から申し上げさせたいと思います。
○稗田政府委員 日本住宅公団の特定分譲住宅でありますが、従業員が五人以上または七人以上の構成員を有する会社その他の法人に対しまして、その従業員または構成員の住宅に供するため、二十年の割賦で分譲しておるわけでございます。申し込みに対しましては、長期分譲のために、会社等の支払い能力とか企業の永続性等を、住宅の困窮状況及び建設計画の適否と一緒に審査しておるわけでございます。従いまして、御指摘のように、ややもすれば信用度の高い大企業に偏する傾向がないわけではございませんけれども、毎年度の建設方針の決定の際には、大企業などの特定のものに集中しないように留意をさせておるわけでございます。今後もこの方針で参りたいというふうに考えておるわけでございます。
 それで、今までの実績はどうかということに相なるかと思うのでございますが、毎年の中小企業に対する譲渡の割合は、全体の契約件数の約四割でございまして、戸数にいたしますと三割となっておるわけでございます。詳しく数字で申しますと、三十年度が戸数で八百七十八戸、三十一年度が二千八百五十戸、三十二年度が三千八百七十戸ということで、戸数の比率で申しますと、三十年度が一九・五%、三十一年度が三五・六%、三十二年度が二九%というように相なっておるわけでございます。件数で申しますと、三十年度が六十七件、三十一年度が二百十一件、三十二年度が二百八十八件ございまして、パーセントで申しますというと、三十年度が三六・四%、三十一年度が四四・七%、三十二年度が四四・四%というような工合でございます。なお今後におきましても、中小企業に十分利用できるように公団の方を指導して参りたいと考えておるわけでございます。
○村瀬委員 ただいま住宅局長の御答弁にもございました通り、中小企業は四〇%または三〇%ということでございますが、これは申請の数から言いますと、当選率といいますか、申し込んでそれが目的を達する率からいいますと、この三〇%、四〇%という結果から見ますならば、大企業はほとんど申し込みが当るというか、二人に一人ということになるかもしれませんが、その場合に中小企業は、当選率といいますか、許可率が非常に少いのではないか、今の御答弁によりますと、そういうことだと思う。もう少し中小企業の方も申請の数に対して平等に、あるいは抽せんによるとか、かつて住宅金融公庫の選定を抽せんによっておる例もあるのでありますから、支払い能力が危ない場合は、それは抽せんなどによれませんが、この場合は土地はちゃんとある、それに自己資金を何ぼか加えて家が建つわけであります。それが焼けてしまうわけでも、夜逃げしてしまうわけでもないのでありますから、この選定の率は、今の四〇%、三〇%ということでなしに、もっと大幅に中小企業の申請をも取り入れる。つまり率においては、中小企業の申請者の率も、大企業と同様の率で許可をなさるというような御指示でも願えますかどうか。
○遠藤国務大臣 お尋ねの点はごもっともだと思います。十分一つ考えてみたいと思います。
○堀川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より開会することとし、本日はこれで散会いたします。
    午後零時四十六分散会
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