第031回国会 大蔵委員会 第28号
昭和三十四年三月二十七日(金曜日)
    午前十時四十四分開議
 出席委員
   委員長 早川  崇君
   理事 足立 篤郎君 理事 小山 長規君
   理事 坊  秀男君 理事 山下 春江君
   理事 石野 久男君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 平岡忠次郎君
      荒木萬壽夫君    内田 常雄君
      奧村又十郎君    加藤 高藏君
      進藤 一馬君    田邉 國男君
      竹下  登君    西村 英一君
      濱田 幸雄君    福田  一君
      福永 一臣君    藤枝 泉介君
      古川 丈吉君    細田 義安君
      毛利 松平君    内海  清君
      春日 一幸君    久保田鶴松君
      竹谷源太郎君    廣瀬 勝邦君
      松尾トシ子君    横山 利秋君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
 出席政府委員
        法制局長官   林  修三君
        法制局参事官
        (第三部長)  山内 一夫君
        公正取引委員会
        委員長     長沼 弘毅君
        総理府事務官
        (公正取引委員
        会事務局長)  坂根 哲夫君
        大蔵政務次官  山中 貞則君
        大蔵事務官
        (主税局長)  原  純夫君
        国税庁長官   北島 武雄君
        中小企業庁長官 岩武 照彦君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主税局税制第 吉國 二郎君
        二課長)
        大蔵事務官
        (国税庁間税部 泉 美之松君
        長)
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
三月二十七日
 委員廣瀬勝邦君辞任につき、その補欠として内
 海清君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員内海清君辞任につき、その補欠として廣瀬
 勝邦君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月二十六日
 畑作改善及び麦作対策としてビール税率引下げ
 に関する請願(川野芳滿君紹介)(第二八四四
 号)
 含蜜糖の消費税減免等に関する請願(池田清志
 君紹介)(第二八七九号)
 高級織物の物品税新設反対に関する請願(池田
 清志君紹介)(第二八八〇号)
 同(丹羽喬四郎君紹介)(第二八八一号)
 同外一件(高橋等君紹介)(第三〇四七号)
 揮発油税等引上げ反対に関する請願(帆足計君
 紹介)(第二八八二号)
 閉鎖機関令の一部改正に関する請願(竹谷源太
 郎君紹介)(第二九八四号)
 鹿屋市に国民金融公庫支所設置に関する請願(
 二階堂進君紹介)(第三〇六九号)
 多賀城町国有地の所管がえ等に関する請願(愛
 知揆一君紹介)(第三〇七〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 揮発油税法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第七五号)
 地方道路税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第七六号)
 物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一一七号)
 入場税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一三九号)
 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出第一七八号)
     ――――◇―――――
○早川委員長 これより会議を開きます。
 揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、入場税法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の五法律案を一括して議題といたします。
 質疑を続行いたします。奧村又十郎君。
○奧村委員 それじゃ、法制局長官は……。
○早川委員長 今呼んでいますから、それ以外の分で御質問を始めて下さい。
○奧村委員 きのうの一番大事な質問に法制局長官がおらなかったので、第三部長がかわって答弁されたけれども、残念ながらまことにあいまいもこたる御答弁でありましたので、きょうは、法制局長官の責任ある御答弁をお願いしたいと思います。
 それじゃ、ちょっと前置きを申し上げますが、この酒団法の改正案について、われわれ特に関心を持つのは、マル公を廃止したあとの価格の制度について、ビール、しょうちゅう、合成酒、清酒、洋酒などの酒類間において価格制度に不均衡や不公平な制度を作ったのでは、この酒類間の業者に無用の摩擦を起すから、そのようなことのないようにしなければいかぬ、そういうことから考えると、たとえば再販売維持契約というものは、酒類の中でもよほど限られた特定のものだけを指定することになるというから、これだけ考えても非常に不公平になるということでお尋ねをしておるわけです。しかも、角度を変えて申しますと、大企業と中小企業との利害の問題も表面化してきておるわけであります。きのうの御答弁にもありますように、再販売の維持価格契約というものは、主税局長の答弁にもありますように、銘柄のものだ、日本じゅう名前の通ったものだ。そうすれば、しょうちゅうでいえば宝とか、みりんでいえば宝とか、ビールでいえば宝とかあるいはその他のビールです。そういうのは独占企業に近い大きなものなのです。ところが、しょうちゅうでも、そういう大きな企業はわずか宝以外十社、あとの百何十社は中小企業。しょうちゅう、清酒なんかほとんど全部中小企業です。その具体的な事例を私ははっきり申し上げていきたいと思います。主税局長にお尋ねいたしますが、今度みりんの減税をいたしましたが、あのみりんの全国の製造石数のうち宝酒造株式会社の製造する石数のパーセントをおっしゃって下さい。
○原政府委員 六割をちょっと欠ける程度で、五七、八%であります。
○奧村委員 私の調べた数字とは違います。石数でおっしゃって下さい。総石数が一万九千何百石ですか。私はたしか八割近くは宝だと思う。それからその次の会社、その他の会社のパーセントと石数を詳しく言って下さい。
○原政府委員 みりん甲類の製造石数は全国で二万石であります。そのうち宝の製造石数は一万一千六百石、これは昭和三十二酒造年度でありますが、割りますと五八%になっております。八割にはなりません。二番目は野田醤油でありまして、二千五百石ばかりでありますから、一二・七%ということになります。その次に割合大きいものを十社とりますと、その合計が六百六、七十石、ですから次の大きい十社で三%余り、その他もろもろのが五千石余り、こういうことです。
○早川委員長 奧村君、法制局長官が見えられましたが、ただいま淺沼社会党書記長が総理に質問中で、一つ短時間でお願いしたいという特に政府からの要望でありますので、法制局長官に御質問がある場合には、まずそれをお願いします。
○奧村委員 それでは、法制局長官にお尋ねいたします。
 昨日、独禁法の除外規定として、今度の酒団法の中に再販売価格維持契約の規定を入れるということについて、これは一体独禁法の除外規定の何条に基くのかとお尋ねいたしましたところ、公取の委員長は独禁法除外規定の二十二条に基くということであります。法制局長官は法律上一番詳しいのだが、あなたはやはり公取委員長の御答弁の通りお考えになりますか。
○林(修)政府委員 これは、法律の一般論で申しますと、独占禁止法も法律であり、酒類業団体の規制に関する法律も法律でございます。法律対法律の関係でございますから、一般の法律論をもってすれば、いわゆる前法、後法とかあるいは一般法、特別法という原理でお互いに解釈すべきものでありますが、実は法律の関係の間に優劣はないわけであります。従いまして、あとからできた法律は前法に優先する、あるいは特別法は一般法に優先する、こういう見地で大体解釈していくべきものあるいは作るべきものだと思っております。ただ、この酒類業団体の法律は独禁法に対する特殊の例外規定をきめたものでありまして、独禁法は、もちろん、特殊なものがあります場合には、特例を認めることを当然予定しております。二十二条がそれで、大体その精神はそういう特別の法律があることを予定しておるわけであります。当然そういう予定も考えまして、特殊の事情のあるものについては特例法を認めるということは、法律で規定する限り問題ないことだ、かように考えております。
○奧村委員 詳しいことは第三部長からあなたもお聞きでしょうが、そうしますと、今お尋ねのことについてはやはり二十二条に基く、こういうことで、きのうの公取委員長の答弁と同じですね。はっきり要点だけお聞きします。
○林(修)政府委員 二十二条そのものということは、私も直接お聞きしたわけではございませんが、おそらく公取委員長もそう言っておられるのじゃないと思います。つまり、二十三条の規定というのは、独禁法について、特殊な場合には特殊な例外があるということを当然予定しておるわけであります。従いまして、独禁法というものは、あらゆる分野についてすべて独禁法でなくちゃいけないという法律ではもちろんないわけであります。新しい特別の分野につきまして、特別の必要がある場合に特別の法律を作るということは、法律対法律の関係でございまして、別に憲法対法律の関係ではございませんから、当然許される。従いまして、こういう特例法を置くということは、二十二条が大体そういうことを認めている精神に基いて、いろいろな法律が出ているわけであります。しかし、これは御質問を先回ってお答えすることになるかもわかりませんが、いわゆる適用除外の法律に掲上しなくても、もちろん適用除外の法律があれば、あるいは特別法があれば、それは当然法律としての効力を持つ、こういうことであります。
○奧村委員 大蔵大臣とあなたは特別の立場です。法律の中の特に法制の秩序を正そうとするあなたの法律に対する御答弁というものは、よほど責任を持ってもらわなければいかぬ。子供に聞かすようなことをおっしゃっては困りますぞ。私のお尋ねするのは、公取の委員長の言うた通り、独禁法には、適用除外というものはちゃんと法律でみなきまっているのだから、その二十一条、二十二条、二十三条、二十四条と各条項の中で、この酒団法及び酒類業団体はどの除外規定に基くのか、それだけはっきりおっしゃればいい。二十二条ですか。
○林(修)政府委員 先ほどから何回も申し上げている通りに、要するに法律対法律の関係でございますから、独禁法のどの規定に基かなければ新しい法律ができないというものではございません。つまり、新しく法律ができれば、その法律対独禁法との関係は、一般法対特別法、あるいは前法後法の関係で考えていくべきものだ。しかし、独禁法というものは、一般的なこういう経済関係についての一般法でございます。普通の状態においては当然この独禁法を適用すべきものでありますが、しかし、特別の必要がある場合に特例を置くということは、先ほど申しました独禁法の二十二条の精神は、当然特別法があるということを予定しているわけですから、従って――これは御質問を先回りすることになるかもわかりませんが、二十二条で、特に法律をもって適用除外法令は指定すると書いてございますが、そこにかりに書いてなくても、要するに独禁法に対する適用除外の法令が実質的にはいろいろあるわけであります。そういう意味で、二十二条あるいは二十二条を受けてできております適用除外法に一々メンションがなくても、独禁法に対する適用除外法令というものはたくさんあるわけであります。これもそういうものの一つに属する。しかし、独禁法は、先ほど申しましたように、二十二条というものはいわゆる適用除外があるということを当然予定しているわけであります。そういう精神に基いているということだけは言えるだろう、こういうことであります。
○早川委員長 奧村君大蔵大臣が見えられましたし、大体法制局の理論も昨日から一貫しておりますので、法制局長官はあちらに帰しますから、大臣に御質問願います。
○奧村委員 いや、ちょっと待って下さい。あなたに重要な問題が一つあるから……。
 大蔵大臣、実はきのうから酒団法の審議を――どういうものか通過を急ぐという一部の声があるのですが、ところがこの酒団法の規定は非常な食い違いがある。これはあとからお聞きをいただきますが、公取の委員長と主税局長、それから法制局――法制局の長官が来られなかったので、第三部長と三時間ほど質疑をやったが、ずいぶん意外な間違った答弁で、結局公取の委員長の言うのは、法律に非常な手落ちがありました、こういうことです。法律に手落ちがあったなら、これは過ぎ去ったことを言うても仕方がないから、今度の改正案で一つその手落ちのところを直さなければいかぬ。それも公取の委員長が過去七年間手落ちがありましたと今さらおっしゃるのはどうもけしからぬ話でありますが、これは時間の関係上あとからもう一ぺん繰り返して言います。
 そこで、法制局長官が急ぐなら、長官にだけちょっとお尋ねいたします。長官、あなたはそういうことをおっしゃるが、法律と法律は同類であって、どちらが重い、どちらが軽いというわけじゃない。しかし、独禁法は御承知の経済の憲法ともいわれるべきもので、あなたは御承知でしょうが、独禁法の適用除外の第百三十八号、この第三条、私的独占禁止法の優先的効力、「この法律施行の際現に効力を有する法律の規定及びその法律の規定に基いて発せられた命令の規定で私的独占禁止法の規定に反するものは、その効力を有しない。」独禁法が優先するのじゃないか。それをあなたはどうして言われないのか。それを忘れたのですか。
○林(修)政府委員 決して忘れておりません。この適用除外法の第三条は、独禁法の適用当時のものについての規定でございます。つまり独禁法適用の施行当時にあった法律で、独禁法に違反するようなものについては独禁法が勝つということを書いております。独禁法の施行後に独禁法に対して、輸出入取引の分野であるとか、あるいは海上運送の分野であるとか、あるいはこの酒類業の取引の分野であるとか、いろいろな面において独禁法をそのまま適用しがたいものがたくさんできてきております。そういう新しい法律がたくさんできております。たとえば、輸出入取引法、海上運送法がその顕著なものであります。そういうものができた場合において、こういう新しい法律はこの三条との関係はないわけです。むしろ……。
○奧村委員 私は何もそれからあとのことをあなたに聞いておりはしない。現にあまり政府委員が強情だから……。
○早川委員長 長沼君、昨日の御答弁で、法律に何か不備があったというようなことをちょっと言われたが、あれは少し言い過ぎではないかと思いますが、あとでもしお取り消しになるなら、あの点御訂正になったらいかがかとも思うのですが、いかがですか。
○長沼政府委員 昨日の御答弁におきまして、法律上の不備があったということを申しましたが、少し言葉は行き過ぎておると思います。独禁法の適用除外というのは、独禁法自体において適用除外する法律と、それから個々の法律で除外するという両方の例があるわけであります。でき得べくんば、一般の御理解を受けますために、適用除外の一覧表のような法律を作ることが最も親切でございますけれども、一々それに載せてないものもある、個々の法律によって適用除外しているものもある、こういうふうに訂正さしていただきます。
○奧村委員 それは、この間の委員会で、あなたの女房役である事務局長があなたの答弁とは全然違う答弁をしておられる。これはむしろ私らはいろいろな法律をやるのだから一夜づけです。しかし一夜つけでも一通りの勉強はしておるつもりです。あなたは法律の番人で、それがためにとうとい国家の月給をもらっておる。きのう言うたことときょう言うたことと全く違いますということは、これは昔なら腹切りものです。けれども、これはなるべく言わぬでおこうと思います。しかし、ちょっと御答弁の内容だけは確かめておかなければならない。そうしますと、きのうの御答弁は全く間違いでお取り消しということですか。
○長沼政府委員 補足的に申し上げたのでございまして、多少言葉が足らなかったかと存じます。つまり一覧表の方に全部適用除外を載せるということが最も親切な方法でございますけれども、事実慣例的に載せてない、個々の法律で適用除外になっておる事態がございますので、これが百パーセント望ましいかどうかということは別の問題でございます。そういうことで御了承願います。
○奧村委員 この問題できのう二時間も三時間もやったのですが、あなた今取り消すくらいなら、きのうもう少し慎重におやりになって――私はあなたに御注意申し上げた。あなたのうしろにあなたの女房役の事務局長がおって、その前のあなたの答弁はもっと上手な答弁をなさったが、事務局長と御相談になって、取り消すなら早くお取り消しになった方が審議の促進のためによろしいぞ、ここまで……。
○早川委員長 奥村君、大臣が半時間ほどすればまた予算総会に行かなければなりませんから、公取への御質問はそのあとにして、大臣に御質問願います。あと社会党の横山君がガソリン税の問題で総括的な質問が残っておりますから、委員会の運営上そういうことでお願いいたします。
○奧村委員 どうもいいところにくると合いの手が入るのですが……。
 それでは大臣にお尋ねいたします。われわれ、今ガソリン税法、物品税法、入場税法をどうしてもきょうは衆議院で議決したいと思って、非常に一生懸命なっておるのです。ところが、どなたが言うたか知らぬが、酒類業団体法をきょうじゅうにぜひ通さなければならぬ、こういうことになったから、非常に困難な状態に今追い込められておるのです。提案者は佐藤大蔵大臣ですから、大臣一つ何とか善処していただかぬと困るのです。ここにおられる委員長にしても、足立理事初め理事諸君、また社会党の諸君にしても、もう大へん困っておられる。そこで、これは、予算関連の税法案とか、あるいは貴金属処理法案とか、山積したいろいろな法案があるのだから、こういう三月中に通さなければならぬものは先に通してもらいたい。しかし、酒類業団体法案は、御承知のようにマル公の廃止は来年という予想をしておられるなら、何もきょうあすに通さなければならぬことはないし。都合でまた臨時国会の機会もある。だから、政府としても、提案者は政府だから、提案者としてそれは通してもらいたいだろうが、しかし、この税法案とはあと回しでもいいというお気持ぐらいはここでお述べになりませんと、委員会の運営がこれではどうもならぬ。そこで、この税法案と一緒にこの月うちにぜひ通さなければならぬという理由、もし理由があったら聞かしていただきたい。公取委員長が、きのうときょうとで、はや答弁が全く食い違って、しどろもどろしておられる。大蔵省と公取との間の打ち合せも全然食い違っておるとか、法案の内容に非常な不備な点がある。それだけならいいけれども、これがやはり業界の内部において、この規定によってビールは非常によくなる、あるいは清酒は非常に困る、大企業は助かる、中小企業は困る、そんな不公平なことがあるために、それは通すには通すにしても、内容を十分われわれ検討した上で、修正すべき点は修正してすなおに通したい、かように思うので、政府においても、もう少し雅量を持って、われわれに審議の期間を与えられたい、そういうふうに思うが、これはもちろんわれわれの権限ですが、大蔵大臣のお気持もやはり反映するから、御答弁願います。
○佐藤国務大臣 過日の委員会で、この法律案について政府はどんなに考えておるかというお尋ねがございました。そのときに私お答えいたしたのですが、政府は提案いたします前に十分慎重に審議をいたしまして結論を出した法律案でございますから、どうか法律案を無修正でできるだけ早くお通しを願いたいと、心からお願いをいたした次第でございます。
 そこで、問題になっております酒団法でございますが、いろいろこの数日来御意見があるやに伺っておりますが、当委員会におかれましても、小委員会を設けて内容についていろいろ御審議になった、かように伺っております。今御指摘になりましたように、清酒やビール等との間の問題であるとか、あるいは大企業と中小企業との間に十分の調整がとれておらぬとかいうようなお話があるやにも伺っておりますが、法律案を提案いたします当時において、そういう点については十分政府といたしまして検討いたしたのでございます。国会の審議において、ただいま奧村委員が御指摘になりますように、審議がなお不十分だとおっしゃるならば、これは別に政府の関与することではないように思います。思いますが、今日まで伺っておるところでは小委員会等においても十分御審議願った、かように考えておりますので、さように考えて参りますと、当委員会においても十分御審議をいただいたのではないか。そういう意味で、私は、法律案を出した責任者といたしましては、皆様の御審議を得まして、できるだけ早く法律案の議決をお願いしたい、ただその気持一つでございます。御審議が十分できていないとおっしゃるなら、これは政府がどうこうと言うわけの問題ではございません。しかし、私が伺っておるところでは、小委委員会等においても十分審議された、かように伺っておりますので、その点では十分御審議がいただけておるのではないか。いろいろの御意見のあることは私ども前から伺っております。酒類の各団体の中におきましても、一部非常に強い反対意見があるとか、反対意見とまでは言わなくとも、いろいろ事後処置についての考究を十分払ってくれとかいうような御要望もあるやに伺っております。それらの問題はそれらの問題として、総体の問題としての御工夫を願いたいと心からお願いする次第であります。
○奧村委員 さすがやはり大蔵大臣は答弁が非常に上手で、私も感服いたしましたが、その答弁の盲点といたしましては、私の伺っておる範囲ではと、こういうところですな。大臣のお耳には、委員会の審議とか、あるいは酒団法の内容とか、いろいろな事情がどうも十分には伝わっておらぬのに、今のような御答弁ですから、大臣というのはなかなかうまい答弁ができるものと感心するのですが、しかしほんとうのことが大臣の耳に伝わらぬというのは、あなたを補佐する立場の主税局長初め、そこらにずっとおられるところのあなたの部下に、あなたのお気持が十分徹底しておらぬうらみがあるという思いがあるのです。と申しますのは、大体税法案なら別ですが、業界内部の価格体系や取引の方法なんというものは、そんなに政府があわててくちばしをいわれぬでも、おのずから業界の中から盛り上った意見をまとめて法律にすればいいので、そういう趣旨からいきますと、そんなに天下り式に急いでやらなければならぬようなことはない。ところが、事と実際とは全く違って、この法案を中にして、八酒類団体の中の七団体は賛成だが、一団体は反対だ。その色分けを見ると、ビールとか、しょうちゅうの一部、合成酒とか、大企業は賛成で、清酒のような中小企業は反対です。数から言うと清酒の方が多いのですが、そういうふうに全く対立して摩擦を起してきた事情の裏には、それは、あなたの部下の方々がそんなにまずい気持はなかったでしょうが、結果からいきますと、何かこう政府の案、あるいはその説明の過程に、この八団体をまるで争いに巻き込むような原因が介在しておる。そういう種をまいておきながら、さあきょう、あすじゆうに上げてしまえ、通してしまえというのじゃ困るので、もともとこれは修正をするということは、与党においても論議があったところです。修正するについては、もうきょうあすじゅうというわけにもいかぬ。どうもそういう実情があなたのお耳に入っておらぬから、一つよく部下の行動を監視していただきたい。なおそれでおわかりにならなければ、私からまた別の機会に申し上げます。
○佐藤国務大臣 部下はなかなかよくいろいろの話をしてくれております。ことに今お話しになります清酒団体の問題についても、詳細に報告をいただいております。これはもう奧村委員の方が専門ですから、私が申し上げるまでもなく御承知のことだと思いますが、清酒団体は中小企業団体であり、メーカーであり、多数の業者を擁しておる、そういう関係でなかなか意見は一致しにくいものがある。それはもう大勢として反対だとかいうこともございますが、これはなかなか一本にまとまりかねるといいますか、そう言うと大へん団体の方に御迷惑ですが、私は、これは地域的にも広範であるし、それを急速にまとめることは困難であろう、こういうことを申し上げるわけです。
 そこで、このマル公制度というものは、御承知のように戦後残っておりますものはきわめてわずかです。この制度につきましても、マル公改正、これを値上げするような場合においては非常な問題を起しておる。そういうようなことを考えて参りますと、今日の経済情勢から見れば、もうマル公は廃止の方向がよろしい、こういう意味で酒類団体の八団体の皆さん方も絶えず御研究になっていた。しかしこれだという一本のものにはなかなかならない。そこで、各方面の意見をいろいろ調整し、ことに一部の反対のあることも承知の上で実はこの法案を出しておる。そうしてやはりマル公廃止という本則に帰っていくのが筋じゃないか。しかしながら、同時に、これは何と申しましても税収入上から見ましても大きな税源でございますから、簡単な扱い方をするわけのものではない、そういう意味で、特に案の審議に当りましても十分審議を尽したつもりでありますし、また、国会に提案いたしましてからも、私が直接委員会等に出て御意見を伺うという機会は比較的少なかったように思いますけれども、それにいたしましても、委員会を通じ、あるいはまた委員会外におきましても、皆さん方から十分実情等を伺って参っておるのであります。問題は、今日の段階においてやはり結論を出していただくような段階ではないだろうか、こういうことを実は私ども考えておるのでございます。そういう意味で、ただいま奧村委員からいろいろお話が出ておりますが、ともかく、問題は、酒団法を通した後における業界のあり方なり、協定価格のあり方なり、あるいは税の問題なり、いろいろ具体的な問題を包蔵しておるのではないか。ことに酒だ、しかもそれも高級酒、あるいは普通酒、あるいはまた合成酒、あるいはしょうちゅう、あるいはビール、ことに最近のビールの量も非常にふえておりますから、そういうような業界分野の問題もあるでございましょう。そういう意味のことについての検討をどういうふうにつけているかというような意味で、ある程度の御不安も残っておるのではないかと思います。それらの点につきましては、政府当局の説明がもし不十分でありますれば、十分担当官をして今後の酒のあり方等について皆様方の御意見も伺い、また当方で考えておる点をお話し申し上げるのも当然のことでありますが、さようなこともいたしたい、かように考えます。問題は相当の期間それぞれの機関で御審議をいただいた今日でございますから、できますことなら、もう参議院選挙も近づいておるという際だし、何もかもこの際に、与野党ともある程度の法案についての見通しをつけようというような段階と伺っておりますので、何とぞよろしく御高配を賜わりますようお願い申し上げます。
○奧村委員 前段は非常に含蓄のあるいい御答弁で私もほれぼれとしたのですが、あとは何か前段の御答弁を打ち消すような御答弁であります。しかし、大臣、あなたはいろいろな事情は部下の方からよく聞いておる。しかし、今前段におっしゃったなるべく無理はしないという大臣のお気持が部下に徹底しておるかというところです。大臣のそういうりっぱな御精神をもう少し部下に徹底するように、これは要望としと申し上げておきます。
 最後に、今一番問題になっておりますのは再販売価格維持契約の制度であると思います。これは独禁法の規定の中の非常に大きな重大な除外規定です。この規定に基いて、政府は、さしずめ、もうすでに洋酒は指定してあるのだから、今度はビールを指定する。しかし、われわれの見るところでは、ビールは全く大企業の独占的な企業であるから、このようなものに再販売価格維持契約を作るということは、これは独禁法が骨抜きになる。だから、公取の委員長も、これに対しては全くその答弁がしどろもどろである。政府はビールを指定しようという。そうすればビール以外の酒類というものは全く大騒ぎになる。この間のいろんな事情は時間がかかりますから申し上げませんが、そういう重大な規定を入れるについては、独禁法の重大な除外規定でありますから、大蔵省が公取に対してずいぶん慎重な交渉をしておるはずです。そこで、その交渉の段階において、大蔵大臣は公取の委員長とこの問題についてお話し合いをなさったことがありますか。
○佐藤国務大臣 まだ委員長とやってはおりません。しかし、事務当局同士は絶えず十分連絡をとって、万遺憾なきことをやっております。問題は、大臣と委員長とやったかといわれるから、大臣と委員長はやっておらないが、事務当局は十分やっております。
○早川委員長 横山利秋君。
○横山委員 ガソリン税につきまして最終的な御質問をいたしたいと思います。
 いろいろと問題がございますが、長きにわたって審議をいたして参りました関係もございますから、一番残った問題点として、今回及び将来にわたる諸問題について、だめ押しをいたしておきたいと思います。
 まず最初にお伺いしたいのは、今度の一兆円の予算で道路を作る、その道路に必要なガソリン税の増額だ、こういうわけでありますが、念のためにお伺いしたいのは、これでガソリン税はこれからはどうなさるおつもりですか。つまり、五千五百円増税をする。それから将来はどうなさるのか。その点をはっきりと一つ聞いておきたいのです。
 その聞きたいという理由は、御存じのように、三十二年五千三百円の増徴を決定いたしました際には、二つの問題が自民党できまっています。また政府としてきまっています。一つは、ガソリン税は増税しないという点であります。もう一つは、一般財源から同等の金を出すという決定であります。この二つがものの見事に今回じゅうりんをされておるわけであります。ですから、今から私が大臣のお答えを聞いても、そんなことは当てにならぬといってしまえばそれまでのことであります。しかし、先般の与党、政府内におけるこの二つの決定が、今回何がゆえにじゅうりんされなければならないのか、将来は、一体これからはガソリン税の増税をさらにするという可能性があるのか。また減税をするという可能性を考えておられるのか。これは単にあなた佐藤榮作さん個人でなくして、与党の首脳部として、また政府を代表して、この際一つガソリン税の今後について明確な責任ある立場を明らかにされたいのであります。
○佐藤国務大臣 ただいま、前回話されたことと今回の趣旨とは違う、こういうことで、一体今後どうするのかというお尋ねでございます。私は、基本の問題として一言申し上げておきたいと思いますことは、実は私はこのガソリン税を目的税にしろという多年の持論を持っておるのでございます。このガソリン税が特別な目的税になりましたのも、当初これほど明確ではございませんでしたが、他の税から分離さした当の推進者の一人でもあるのでございます。そこで、わが国のガソリン税のあり方というものについては、ただいま申し上げるような目的税的なものとしてこの税を扱っていきたいという私の個人的持論は、今日もなお変りはございません。この点は一応はっきり申し上げておきたいと思います。そこで、過去のガソリン税の増徴の場合におきまして、いつも問題になりましたことは、国会の審議の段階において、それぞれ修正をいただいて参りまして、ガソリン税による財源確保が十分にいっておらない、こういう点から、実は毎回同じようなことを計画し、同じような議論を繰り返しておる。この点は国会の皆様方も不本意でございましょうが、私ども、目的税化したこのガソリン税のあり方について、かような点でいつも問題を起しておることは、政治的に非常にまずいことだと、実は絶えず考えておるものであります。そこで、昨年などは、そういう意味から、一体どうするのか、増徴しないとか、あるいは一般会計からは同額のものを道路の補修に振り向けるとかこういうお話が出たものであろうと思うのであります。
 ところで、今日の状況で、道路が悪い、道路を整備しろという、これは国民全部の方が異議なく御主張なさるところであります。道路が悪い、道路を直せ、それは当然のことでございますが、その場合に、しからばその財源をどこから持ってくるのか。これは特別な公債を発行いたしましても、最後においてはこれは国民の負担であること、いわゆる税によってまかなわれるものであること、これはもう申すまでもないことでございます。ただ、一時的に、公債なら工事を非常に早くやれるという議論があるだけだと思います。さように考えて参りますと、道路の整備は急務だ。それをまかなう財源を一体どこへ持っていくのか。目的税化しているガソリン税、これがいわゆる負担能力が十分あるのかないのか。今までのところでは、負担能力なしということで毎回減額を要求されて参ったということであります。その点は、わが国の業界の実情等を考えてみますと、首肯のできるものもありますし、過去において御審議をとやかく申すわけではございませんが、今回の場合において、道路の整備が非常に必要だ。その場合に、一般財源と、それからガソリン税によってまかなうものと一体どう考えているか。そこで業界における負担力にまだ余地ありまいなや。これは十分検討したつもりであります。その結果、この程度の増徴は負担力ありという結論を出しまして、増徴案を出しておるのであります。しかしながら、これだけで一兆円道路計画を推進するには財源は不足でございますから、その意味において一般財政の面でも支出をすることを計画いたしております。そうして、その金額はこれは同額ではございませんが、同率の増加を実はしたつもりでございます。言いかえますならば、今回のガソリン税の引き上げ率が三割増しになっておりますが、一般会計の面においての財政負担も三割増を計画いたしまして、この点では歩調を一応合せたつもりでございます。この点は、過去における国会の御審議は、そんな同率というようなことを言った覚えはない、同率じゃなくて同額なんだ、こうおっしゃれば、これは明らかに違っておることでございますから、そういう御批判は御批判として、私どももこれは甘んじて受けなければならぬと思います。思いますが、少くとも政府自身もそういう意味の努力をしておること、それから本来がただいま申すような目的税としての取扱い方をしたいのだ、こういう考え方をこの機会に明確にしておきたいと思います。
 しかして、税が高くあるということは、幾ら負担力があっても望ましいことでないことは、これもよく私どもにもわかるのであります。負担力があるのだから負担力一ぱいまで税を取れ、こういう議論を私は申し上げるものではございません。負担力はあるが、税を取る必要がなくなれば当然減額すべきものだ、そうして国民の負担を軽減すべきものだ、かように考えておるのでございます。問題は、その負担の軽減という場合と、今必要な事業の財源をどこから捻出するか、こういうことと二つをにらみ合わした上で決定して参りたいものだ、かように考えておるのであります。従いまして、今後におきましても必ず軽減するともいえないでしょうし、必ず増税するとも言うべき筋合いのものでもない、これが私の考え方でございます。
○横山委員 私は、今大臣の話を聞きまして二つのことを考えました。一つは、あなたが目的税にする推進者であったというお話であります。これはいささか意外な話を私としては聞いたのでありまして、私どもはこの目的そのものに原則的に反対をいたしておるわけです。それは、税の弾力性というものをなくするから、目的税というものはできる限りないのが正しいのだという立場に立っており、おそらくや当時の大蔵省の諸君もこれに対して反対をしたであろうということが、容易に想像されるわけです。しかし、それを目的税としてあなたが推進をする以上は、あなたはこのことを考えなければならなかったはずであります。つまり、全額道路に投入されると同様に、同時に一般財源から相当の支出がなければならぬということが想定されなければうそであります。現に、明年度の予算、五カ年計画の所要国費と揮発油税の増税を見ますと、九百九十億の財源の中で、一般財源はわずかに巨億であります。そして三十五年から三十七年までいきますと、一般財源は一年平均わずか五十億に再びもとのさやにおさまってしまうわけであります。こういうやり方になっておるのに、目的税にしたからというて、これでいばるわけには参らないのではないか。「もしも、一般財源が同額程度に、かつての与党の決定のようになされておるならば、業界に対する、また関係の団体に対する説得力をも持つであろうけれども、いや同額でなかったのだ、同率だということではそれじゃそもそものその率は一体正しかったかどうかということは、だれしもこれは正しいと思っておる者はないのでありますから、それは私は詭弁もいささかはなはだしいのではないかと思うわけであります。大臣にお伺いをいたしたいのは、一般財源とこのガソリン税とのつり合いです。何が一体正しいと思っていらっしゃるのか。そもそもの昔の率があるから、それを踏襲して同率程度ふやしておくのだということでは、科学的な根拠もなければ何の説得力もありません。ガソリン税を増税する以上は、一般財源をこれだけ投げ込むのであって、そしてその投げ込み方が多い、こういう科学的根拠があるのだということがなければ、何にもならぬわけであります。少なくとも道路は国の産業の動脈でございますし、何もその道路をよくすることはタクシー会社やトラック会社のためになさるわけでもありますまい。そうだといたしましたら、政府が一兆円の道路の仕事をする以上は、その全額ともいうべき圧倒的部分をガソリン税たる目的税に待つということは、どう考えても世間を納得させるわけに参りません。つまり一般財源と目的税のつり合いはどの程度が正しいと思い、それをもって国民に訴えようとしていらっしゃるのか、その点を今後のために明確にされたいのであります。
○佐藤国務大臣 一般財源とガソリン税との比率を科学的な根拠で示せ、こういうお話でございますが、これは大へんむずかしいお話でございます。外国の例等を見ましても、道路財源以上のガソリン税を取っておる、あるいは二倍、三倍取っておるような国もございますし、あるいは道路支出をガソリンだけでまかなっても足らないという国もございます。問題は、ガソリン税が目的税であり、そしてそれが消費者にとって非常に負担がきついとか、あるいはまた片一方道路財源をガソリン消費者の負担においてどんどん増額することがいいか悪いか、こういう御議論でないと私どもは納得がいかないのでございます。もともとこれを目的税にいたしましたことは、道路の整備が非常に急を要する。これを一般財源でまかなうといたしますならば長期計画が立ちかねる。比較的財源の確実なものをその財源として年次計画を立てる。そのための特別会計であり、特殊財源が必要になるのだ。これが本来の考え方であります。今御指摘になりますように、一般財源をしてこれをまかなうとなりますならば、一般財源でまかなう範囲は非常に広い。大きい。そのときの緊急度や重要度からおのずから事業遂行に前後が出てくるわけでありまして、一般財源を年次計画で縛ることこそ、これは財政の基本を乱るものだ、かように実は考えるのでありまして、そういう点をも一つ御勘案を願いたい。これが実は私がこれを目的税に採用いたしました根本であります。そのときは、ただいま横山委員が御指摘の通り、大蔵当局ももちろん反対でございます。反対でございますが、当時の道路費などはガソリン税を十分使っておられたかどうか、それすらも疑問であるような程度であった。こういう状況でございますから、今とは事情が相当変わっておりますが、これはもう諸外国の例等においてこれを目的税にいたしておりますゆえんのものは、ただいま私が申し上げたような財政上の必要、予算、事業計画遂行の必要から当然生まれてきたものではないかと思うのでございます。
○横山委員 一般財源とそれからこのガソリン税との財源のつり合い、均衡をようとらぬとおっしゃる。だから昔あった率をそのまま踏襲をして同率程度の額をふやしたとおっしゃる。それは何らの根拠もない。しかも、出てきた数字は、九百九十億の総額の財源の中から、一般財源としてわずかに百億投入されてあるだけで、あとは全部関連の運輸業界が持て、そしてその労働者が持て、そうでなければ運賃を値上げしろ、こういうことは何としても説得力がありません。これでは、どうして一体ガソリン税をおれたちがかくまで負担しなければならぬのかという、関連の人たらに対する説明ができないわけであります。 ただ、もう一つ申し上げたいのは、今大臣がおっしゃったように、この程度の負担能力があるはずだというお言葉であります。この程度の増税分はあの人たちが負担できるはずだということは、一体どの人たちをさしておるのでありますか、その人たちはどういう業種で、どういう意味からいってその負担能力を持っておるという、この推算を一つ明らかにしてもらいたいのであります。
○佐藤国務大臣 これは消費者、ディーラー、そういうものを含めて申し上げるわけでございます。ひとり運輸業者だけを言っておるわけではございません。
○横山委員 それでは一つ一つ具体的にお伺いいたしますが、大臣は、このガソリン税引き上げが将来ハス、タクシー、トラックの運賃引き上げを招来する、そしてまた政府としても認可をするという立場に立っていらっしゃいますか。
○佐藤国務大臣 今直ちにバス運賃の改訂にこれが影響がある、かようには考えておりません。
○横山委員 そういたしますと、たとえばトラック、バス、タクシーの業界はこの増税分を吸収し得る余地あり、こういうふうにお考えでありますか。それとも増税分はどこに転嫁をされていくかという点について御説明を願いたい。
○佐藤国務大臣 御承知のように、運賃を決定いたしますその条件の一つに、ガソリン税、ガソリンの価格というか、これがありますことは、これは私どもも承認をいたします。しかしながら、運賃を決定いたします場合にはいろいろの条件があるわけでございますから、ただいまのような負担増になるものもありますし、今日の経済情勢等から見まして負担減になるものも考えられるし、また道路が整備されて参りますならば、これがまた負担減を招来することは当然であります。たとえば自動車の値段が安くなるとか、あるいは修理代が減るとか、あるいは消費量も減っていくとか、いろいろ問題があると思うのです。そういう点を全部勘案して、運賃は適正であるかどうかを考えて参らなければならないと思います。あるいは都市といなかではまたいろいろ事情も違っておりますし、運賃問題はなかなか簡単なものではないと思います。だから、これは十分実情に即して、各方面のデータをとって運賃問題を決定していかなければならぬと思います。
 また、ディーラーの話をいたしましたが、ガソリン税はディーラーが過去において負担した例があるようにも伺っておりますが、今回のような増額になりますと、なかなかディーラーは、幾ら商売の競争だと申しましても、それを引き受けるわけにはいかぬだろうと思います。従いまして、ディーラーの負担とかいうような面にも、いろいろ考えていかなければならないものもあろうかと思います。あるいはまた、いわゆる業者でない自家用のガソリン、これは農家や中小企業というところの自家用の分についても、もちろんこの負担については考慮を払ったつもりでございます。
○横山委員 おっしゃっていることが何を言っておられるのか、ちっともわからない。さしあたり百九十三億になんなんとする増税分をだれが負担するのか。将来運賃値上げをする用意があるというなら、それでもよろしい。さしあたり四月から実施させる増税分はだれが負担をすると政府は想定しておるか、ということを聞いておるのです。
○佐藤国務大臣 どこで負担しますか、とにかく、消費者としては、これをどういうふうに吸収していくかということを工夫していただきたいということでございます。それが負担力ありという一つの問題でございます。
○横山委員 何をおっしゃっているのでありますか。私にはよくわからぬ。とにかく百九十三億の税金を四月から納めなければならぬのです。それを一体だれが出すことになると政府は想定しておるのか。石油業者が出すのか、トラック業者、タクシー業者が出すのか、そして労働者の労働条件の切り下げになるのか、最後には運賃値上げということを想定をしておるのか。政府が増税する以上は、あなたがおっしゃったように、これは負担能力があるから増税をするのだというけれども、だれが一体負担能力があると見ているのかということを聞いているのです。
○佐藤国務大臣 先ほど来申し上げますように、これを直ちに運賃に転嫁しなくてもやっていけるだろうということを、実は考えておるのでございます。私はこれを一がいに申し上げるわけにいかぬ、かように申しておるのであります。大体今回のガソリン税の値上げが運賃に占める率と申せば二%ないし三%で非常に金額は小さいものであります。(「それは違う」と呼ぶ者あり)今違うというお話がございますが、これは山線だとか、あるいは都会だとか、あるいは平坦線だとか、いろいろの場合がございますから、それを一々申し上げるわけにはいかないということを申し上げておるのです。だから、運賃決定の一つの要素ではございますが、しからば運賃自身はガソリン税が安くなった場合に必ず下げてくれているか、こういう議論にもなるわけでございます。そういう点も十分考えて、運賃の適正ということを考えなければならない。なるほど上がった場合には直ちに運賃を引き上げろ、こういう議論もございますが、安くなった場合は一体どうしているのか。それはただ会社の利益だけで運賃は下げておらない、こういう問題になる。だから、そういう点は、今お聞きになるのは非常に簡明なお尋ねのようでございますが、しごく簡単にお尋ねになるような方法では、最終負担というものは決定されないということを実は申し上げておるのです。
○横山委員 あなたはわかってとぼけていらっしゃるのか、わからずにとぼけていらっしゃるのか、私にはわかりませんけれども、しかしよく考えて下さい。あなたは、この五千五百円の増税をすべき負担能力のある者がおるから、増税してやるのだとさっきから言っていらっしゃるから、その負担能力があるというのはだれですかと聞いているのですよ。そうしたら運賃にはいろいろ事情がございますと言う。そんなことを聞いているのじゃない。だれが一体税金を払う能力を持っておるかと逆に聞いておるのです。
○佐藤国務大臣 今運輸業者の例をとって申せば、運輸業者はこの程度の税金を負担する能力あり、かように私は考えております。
    〔委員長退席、小山委員長代理着席〕
○横山委員 それはまことに重要な御発言であります。運輸関係の佐藤大蔵大臣としては、つらいことをおっしゃったと思います。最初、あなたは、この目的税を作る経過をお述べになり、そしてたび重なるガソリン税についての修正がされたために、どうもうまくいかなかったから、今度は仕上げをすると、こうおっしゃる。しかし、その当時において佐藤さんがこのガソリン税について果された役目ということは、だれもみな知っておるわけです。修正されるように努力をされたあなたの立場というものは、だれしも知っておるわけです。ですから、ちまたのうわさというものは、あなたに対して相当深刻なものがあるわけです。それでは話が違うじゃないかという話が一般にみなぎっておるわけです。先般も、本委員会において、私は、あなたに多少いやみになりましたけれども言ったが、当時のあなたのよって来たった立場と今とは、大臣だからそれは違う、立場上しようがないとおっしゃるかもしれませんけれども、少し論理が矛盾をしておるのではないか、私はそういう感じがいたすわけであります。今、あなたが、運輸業者はもうかっておるから、このくらいは当りまえだとおっしゃるならば、一体運輸業者のどこがどのくらいもうかっておるのか、私は聞かざるを得ない。政府側から資料を先般出す約束であったのでありますけれども、なかなか具体的なこまかい資料をようお出しにならぬわけであります。運輸省からはいただいたのでありますけれども、それによって見ますと、確かに二%ないし三%か――これが決定的に業界に対する崩壊をもたらすとは私も申しません。しかしながら、他の産業に比べて、またハスとトラックとタクシーと比べて、この増税が今なされなければならないとしても、かくのごとき大増税が果して他に比較して適当であろうかどうかという点になりますと、決して佐藤さんのおっしゃるようなことにはならぬと私は思っておる。
 それから、あなたは、先ほど、予防線を張られたつもりでありましょうか、バスやトラックやタクシーばかりじゃないとおっしゃいました。全くその通りです。最近における五カ年間に、中小商工業者や農林漁業者に揮発油を消費する階層の中心が移っていることは、今や斯界みな知っておるわけであります。それで五三%内外というものが八百屋さんの三輪トラックであり……。
○小山委員長代理 横山君、質問中でありますが、実は、予算委員会で、あなたの方の河野さんが大蔵大臣に対する質問を今始めようというので、先ほどから呼び出し命令がきておりますから、一つ簡単にお願いいたします。
○横山委員 わかっております。
 現在では、全消費量の五三%内外というものが、小型三輪車、小型四輪トラック、二輪、軽二輪、それから農耕機や洗たく屋というふうなところで消費されておるわけでありますから、たとえば、あなたの方が自慢をなさる、本年個人事業税を六十五億負けた、法人税を二十億負けた、合計八十五億中小企業のために負けてやったとどんなにいばりなさっても、あなたの説明によれば、トラックや、タクシーや、ハスや、お百姓さんや、八百屋さんや、そういうところに百九十三億の大増税がかかっていくのでありますから、まるっきりじゃありませんか。あとの五百三十億の中の圧倒的な部分は、中小企業者というよりも一般的ですから、中小企業の減税という筋書は、これは通らないのですよ。中小企業の諸君、特に零細企業の諸君に対する、実はインチキな大増税がここになされておるわけです。そういうことをあなたは御存じないわけではない。だから、先ほど予防線をお張りになったと思いますけれども、一体どういうつもりでありますか。私は、佐藤さんのガソリン税に対する態度というものは、矛盾撞着もはなはだしいと思っておりますが、一つその心境を承わりたいのであります。
○佐藤国務大臣 先ほど運輸業者に負担能力ありという言い方、これは非常に結論を急いだ言い方で、いろいろ誤解を受ける点もあるだろうと思います。私は、御指摘になりますように、運輸業界については私自身相当自信を持っておるつもりでございます。私は、運輸業が非常に痛めつけられるとかいうような考え方は、もちろん避けなければならない。やはり長い日で見まして、一番の利益は道路をよくすることだと思います。これを一般財源でまかなうということでなしに、ガソリン税でまかなうということが一番望ましいし、一番大きな受益者と申せば運輸業者に違いないと思います。そういうことを考えてやはり国の政治は推進さるべきじゃないか。そういう意味では、なるほど運輸業者も今までの安いものが現実に三割もガソリン税がかかる、それだけ苦痛であるということは、これは私にもよくわかります。当座の問題としての苦痛、これを私が無視しておるわけでは絶対にございませんが、そういう点も考えつつも、やはり国の政治のあり方、経済のあり方等を考えて参りますと、この程度のことはごしんぼう願いたいというのが、実は最終的な結論でございます。また、他面において、中小企業や農家の方々は、なるほど道路がよくなろうがなるまいが、おれらに関係ないんだ、こうおっしゃるかもわかりません。ガソリンが値上げされますが、受益というものはなるほどそろばんにすぐ出てこないかもわかりません。税金だけははっきり三割増徴だ。さような意味においてガソリンの価格は高くなる。これだけははっきりいたして参ります。しからば、今度は使う方面から見まして、あれだけやったから道路はよくなった、こう言うが、それを金額的に見て一体どうなんだ。これはすべての施設におきましても、受益の面においての計算は、横山さんが御指摘になりますように、明確にそろばんに乗るものではないと思います。問題は、たとえばこれだけのものを上げたら、それが八百屋さんやあるいは魚屋さんに非常な負担になって、今までの経営方針を変えなければならないのか、こういうような問題にそれが発展するかしないのかということなんです。私は自転車よりもガソリンを使って走る方が、どの面から見ても便利で能率的であろうと思いますが、そういう意味でリヤカーがガソリンに変ってきているというこの現状を見ますと、やはり能率化の面からこういうものも必ず取り上げられるのに違いない。大へん失礼な話をして、今のお尋ねの点と相当食い違っておりますが、今当座の負担を非常に強く感ずるか、またこうすることによって非常に改善された状態を念頭に置くことができるか、問題はそこにあると思うのであります。受益の問題になると、受益の問題は各段階でそれぞれ吸収されるものでございまして、一カ所だけにその負担が加重されるというような考え方は、実情には少し合わないと思う。そういう点もやはり考慮のうちに入れていただきたいのでございます。私はそういうことを考えるのでございまして、どうも言っていることが明確を欠くというおしかりを受けるかと思いますが、そういうことをもいろいろ考案した結果、実は最終的に本案を決定いたしておるのでございます。そういう点も一つ御了承いただきたいと思います。
○小山委員長代理 横山さん、大蔵大臣はもういいですね。
○横山委員 どうぞ。ただ大臣に立ち話で聞いていただきたいのですが、一台の三輪車が一年間に一万一千二百五十円の増額になります。これでは事業税を軽減しても何にも意味がないということを御承知願いたいと思います。
 数字の問題になりますので、若干原さんにお伺いをしたいのですが、この間もらった揮発油税関係資料の一ページを見ますと、私が要求をした資料に対する回答でありますが、三十七年までの課税標準数量見込みをずっと並べてあります。それによりますと、大体今後一割一分くらいの課税標準数量が増加する予想になっているわけです。これは、私は計算をしてみて、おそるべき過小評価ではないか。この前のガソリン税のときにはずいぶん数字でもめて、運輸省と大蔵省の間に大論戦があったのであるから、今回は数字で大蔵省がごまかすようなことはなかろうと、ある意味では善意で見ていました。しかし、この見込み数量を考えますと、三十四年から三十五年に一割一分、三十六年にさらに一割一分、三十七年に一割一分、大体一割一分くらいしか増加をしないということは、私は、きわめて、奇怪千万な見込数量ではないか、過小評価ではないかという気がいたします。昭和二十八年から二十九年にかけての活発な時代には、二割の増加実績を持っています。三十一年度においても、この表の実績を見ますと約一割八分になっています。そうでしょう。過去の実績が二割から一割八分、少いところを見ても一割二分九厘から三分となっておる。今後町を走る三輪トラックやあるいはお百姓さんが使うガソリンあるいはダクシー、バス等が、いかに押えたといたしましても、この水準が、カーブが下るという見通しは私にはどうもわからぬので、どうして三十四年以降一割一分の課税標準数量という過小見込みをするのか、理由を一つ明らかにしてもらいたい。
    〔小山委員長代理退席、委員長着席〕
○原政府委員 おっしゃるところの二十八年、九年、三十一年、二年、というあたりの年はどういう年であったかということをお考えになりませんと、また今後五年間は同じような年だという仮定をお立てにならないと、御議論が成り立たないわけであります。その前提については私ども非常に大きく二つ違いがあると思います。一つは、戦後――戦争中は自動車というのはほとんどなくなっちゃったわけですね。まきを積んで走った。それが自動車が輸入され、また国産もでき、非常に便利なものだ、油もかなり楽に輸入できるというようなことになって、ぐんぐん伸びてきたわけです。いわば真空状態になったところへ自動車がぐんぐんふえてきた。こういうことがあと五年も十年も続くと思うかということは、そうはできないというのが一つです。これは非常に大きな点だと思う。第二は、御指摘の数字、二十八年から九年あるいは三十一年度というあたりは、二十八年から九年にかけては、朝鮮事変後のインフレ的な傾向が極端にきて例の一兆予算で大緊縮をやらなければならなかった非常なブームのときあります。三十一年は神武景気の大ブームであります。こういうようなことが今後五年間続いて起るとかいうようなことを考えてはいけない。大きく言いましてこの二点を、比較にとられた過去の実績をごらんになるときにお考えにならなければいかぬと思います。私どもが数字を値切って一一%とか一二%とかしたのじゃなくて、これは御存じだと思いますが、三十七年度を目途としての長期経済計画では、経済の諸元を詰めて三十七年度にこれだけの経済に持っていこう、そうしてそれだけの経済では輸送量はどうなるだろう、自動車輸送はどうなるだろう、ガソリンは幾ら使うだろうというのがまず立つわけです。そうすると、それの立った目標に向って三十一年度、二年度、三年度というあたりの実績からつないでいく、これがやり方であります。もちろん目標は今までの実績なりあるいは今後の趨勢をいろいろな角度から判断しているわけでありますが、決して単に値切るとかなんとかいうのでなくて、そういうじっくりした建前で科学的に計算して参ると一一%、一二%になることであります。そこで、ごく端的に三十一年度対前年度は一八%増だった。三十二年度は一四%に落ちている。この一四%というのは、御記憶だと思いますが、一昨年増税をやりましたときに歩どまりを減らしたのですから、課税標準は前よりも二%ばかりふえて出るのです。だから二%引いてみなければいかぬわけですね。だから三十二年度はすでに一一二%になっているのです。三十一年度の一八とか二十九年度の一七とかいうブームの年をお考えになってはいけないだろう。やはり経済計画というものは落ちついたベースで立てなければいかぬだろうというふうに考えますので、すべて長期計画の諸元から積んできた目標を立てて、それと従来のベースとをつないだということであって、これに、おっしゃられるような非常に恣意的な、抑圧的な立場があるというようなことは、どうも私ども納得できません。
○横山委員 いや、私の方が納得できません。あなたの御説明によれば、なるほど二〇%台、一八%の時代があった。それはブームのときであるからそれを計算に入れるわけにいかぬ。それは一応了としましょう。だからといって、あなたが、一一%という最低数値をもって、最も徴税の確実な方法をもって、間違いのない方法をもってとろうというのは、こすいですよ。そう思いませんか。どうですか。あなたに言わせれば、これだけは絶体に間違いのない最低線だ、これよりは大体もっともらえるだろうという想定に立っておるというのは、これはけしからぬ考え方ですよ。少くとも平均値をもってやるというならばいざ知らず、確実な数字をもって出したいと思いますということは、この一一%までは絶対確実です、実はあれはもう少し景気がよくなればふえるかもしれません、ふえた分はいただきます、こういう考えではありませんか。では、とられるものはどうとりますか。ということは、一一%は最低で、それよりも上回るものがあるから、五カ年間に占めるガソリン税の五千三百二十二億というのは最低線で、実は五千六百億か六千億くらい集まるかもしれぬということをいうにひとしいじゃありませんか。そうだとしたら、明らかにこの五千五百円というのは最高の水準である、実はもっと安くしても話は済むのだということを、逆に裏書きしているようなものではありませんか。
○原政府委員 私どもは、最近の実績の数字の最低が一一%や一二%だったから、それでいけというようなことでやったのではない。これはもうおわかりでおっしゃっているのだろうと思いますが、そういうことで経済計画のガソリン消費量を組んでよろしいものかどうか。そういうことで組んだら、それはまたそれで怒られるだろうと私は思うのです。私どもは、そういう組み方ではなくて、今申したように、経済は五年先にどうなるか、どう持っていくかということを見るについては、いろいろな諸元から積んでいかなければならぬ。諸元から積んでいって、そういう経済で輸送量が幾ら、そのうち自動車輸送量が幾ら、ガソリン消費量が幾ら、こう出たものをまず的に置く、その的に向って毎年どういうぺースでいくというのを、最小自乗曲線で出せばこうなる、一番じっくりした方法はそれだろうというふうに見ております。なお、あまりそういうことで数量をお責めになりますと、一昨年の増税のときにも今のようなお話がいろいろあったわけです。私どもは、数量はもう政府部内関係各省できちっときめたもので、変える意図はありませんと申し上げて、それに対していろいろ歩どまりとかなんとかいうことをお言いになったわけですが、数量自体はやってみると果して予算よりも四%も落ちたという実績があるのですね。私どものが恣意的であるという形でお責めになるけれども、どうもたびたびの経験で、私らはこれに過小のなにをするというようなことはしていないというのは、前回のときにはっきり立証されますから、そう思います。まあ一一、一二というのは決して過去の最低をとったというようなことではなくて、じっくりと計画らしく組んだ結果出てきた数字であるというふうに御承知願いたいと思います。
○横山委員 何回も、あなたは、じっくりと計画を計画らしくとった、つまり役所として間違いのない数字をとったとおっしゃる。間違いのない数字というのは、やっぱり徴税の側に立つものとしては大体確実に入る数字ということに見て正しかろうと私は思う。これが景気変動を予測してその最低線として考えられた数字であると思う。原さんの言うには、前のときのことがあるからと、こうおっしゃる。私はそのときのことを知らぬわけじゃないのです。知らぬわけじゃないけれども、このように長期にかけて一一%という数字を採用するということは、どうしても私には納得ができません。これは二〇%時代があり、一八%の時代があった。それは景気がよかった時代であるから、それじゃ一一%があなたの方としてはじっくりかまえた適当な数字であるという議論に立っておるとすれば、よけいにこれはこれ以上税収がある。それから、あなたは、経済成長率を考えてもらえば、私がわかってものを言っておる、こうおっしゃる。けれども、経済成長率を、たとえば五カ年計画の平均六・五%でしたか、この六・五%という経済成長率と、それからこのガソリンの消費量が一一%ならば、大体のところではないかと言いたそうなあなたのお考えであろうけれども、近代社会において、ガソリンの消費量の伸びは、経済の成長率と同一に断ずるわけにはいかぬのです。それだったら、二〇%のときは経済成長率はどうであった、あるいはその前はどうであったという議論になる。ところが最近におけるトラックやハスや三輪の増加ぶりを考えてみましたら、経済成長率よりも飛躍的な消費量の増加というのは、だれの目にもわかっておるところです。
 重ねて言いますけれども、この三十四年から、五年、六年、七年、一一%のガソリンの消費数量の増加ということは、明らかに大蔵省が過小評価をしておる。そうして、この上に積る自然増ということが安全率として見込まれておる。そうだというふうな観点に私どもは立つのでありますが、そういう観点に立ちますと、この五千五百円によって、五カ年間に集まる収入増一千六十八億というのは全く間違いのない数字で、その上実は自然増がさらにくっついてくる。一千六十八億という数字が必要だとするならば、実は五千五百円に上げる必要はない、こういう逆の結論が出てくるわけです。私ども社会党は、何も五千五百円を負けろとかどうとかいう立場でなくして、根本的に道路に対する認識が違っておる。大体目的税にするという佐藤大蔵大臣と、当時反対した大蔵省の立場とのそもそもの根元からさかのぼって、私どもは議論を立てておるのでありますが、かりに増税をするという立場に立っても、なおかつかかる議論は許されぬと思う。あなたの方として、どうしても一一%ということが正しいとすれば、いま少し堂々と意見を開陳をしてもらいましょう。
○原政府委員 もう同じことになりますから、これ以上申し上げませんが、もし何なら通産省から説明していただいてもけっこうですが、おっしゃることが何か私にはぴんときません。
○横山委員 じゃ、どういう意味でぴんとこないのか。つまり私の言うことが間違っておる、こういう意味でおっしゃるのか、それとも、私の言うこと、つまり一一%というものはいかぬという数字が主税局としては説明ができにくいから、そういう説明なら通産省から呼ぶというのか、ぴんとこないという意味が私にはわからない。
○原政府委員 長期経済計画という年率六・五%の伸び、これは、生産の各業態、各分野にわたってずっと数字が並ぶわけですが、これについては根本的に過小であるということを言っておられるのではないと思うのです。そうだとすると、昭和三十七年度において、このレベルにおいて国民経済が動く、動くとすればどれだけ輸送量が要るだろう、そのうち自動車輸送はどれくらいになるかという数字をはじき、ガソリンの消費は幾らになるだろうということをはじいて、三十七年度のガソリン消費量をまず立てた。これは御異存がないと思うのです。そうだとすると、三十一年度は実績が出ている。三十二年度は実績が出ている。三十三年度は中途までですが実績が出ている。それで、年度見込みを作って、最小自乗法で伸ばして、これでどこに間違いがありましょうかということでありまして、決しておっしゃるような安全率をとったとかなんとかいう問題はこれには入ってきていないと思います。しきりに少な目に少な目にとおっしゃっているのは、そういうなにじゃございません。ただいま申したようなはっきりしたべースで見ておるということを申し上げたわけでございます。
○横山委員 それじゃあまり押し問答は繰り返しませんが、私はもっと感覚的です。それはお役人のあなたと政治家たる私との感覚の相違かもしれませんが、きわめて常識的に私はものを言い、あなたはそろばんをはじいて、あちらから数字を引っぱってき、こちらから数字を引っぱってきて、この計算によって完璧なものなんだというおっしゃり方なんです。私はきわめて常識的です。二〇%も一八%もあったのだ、それをこれから四年間一一%だという手はない。簡単に言えばそういうことなんです。どちらが説得力を持っておるのでしょう。私は、むずかしい数字よりも、私どもが毎年々々本委員会でガソリンの消費量を論じてきて、この前は大論戦をやって、結局あなたの方は結論として水増しだったんだ。あなたはそうじゃないとおっしゃるかもしれないけれども、国会の審判はそうだった。そういう経緯をたどってきて、これから四年間一一%でありますと言っても、これは説得力がないと言うのです。私の方は、あなたの言うのはあまりにも常識論で科学的根拠がないとあなたが言うならば、それはいいですけれども、逆に、あなたが世間に向って、あのときは二〇%でした、あのときは一八%でした、これから四年間は一一%でございますと言って、説得する勇気と自信がありますか。そういうことを私は言いたい。けれども、原さんにはぴんとこないと言うなら、ぴんとこない人に何べん言ってもぴんとこないでしょうから、次の質問に移ります。
 目的税たるガソリン税で、ときどき私どもが問題にして、しかもなおかついい答弁が得られずにそのまま放置してある問題なんですが、航空機に対するガソリン税の免税は、一体主税局としていつまでほうっておきなさるおつもりでしょうか。それから洗たく屋がそうであります。あるいはお百姓さんが使うガソリン、これはお百姓さんの使う農耕機のガソリンが別に道路に関係があるわけじゃありませんね。論理の問題としてはこの辺は全く税金を取るという理屈が立たぬのです。私どもは、洗たく屋さんやお百姓さんに、実はあれはおかしいんですけれどもねと言うておるだけでありますが、あなたの方は一体どういう御説明をいつまでお続けになるおつもりでありましょうか。今日ほど道路だ、ガソリンだといわれておるならば、それほどがんばりなさるならば、その辺の筋道をきっちりとおつけになるのが当りまえのことじゃないかと思うのですが、飛行機と農耕機と洗たく屋について御説明を要求します。
○原政府委員 まず、飛行機でありますが、飛行機用のガソリンについては、従来一年々々免税を更新して参ったのですが、どうも今の航空機の状況を見ますと、そういう一年々々というペースではいかぬと思いまして、今回お願いしました特別措置法の改正案の中では、昭和三十七年度まで免税を続けるということをお願いしてございます。
 それから、農耕用、つまり農業の機械のための燃料揮発油の税が重くなるという問題であります。ガソリン税は主として道路整備のために徴収するものでありますから、農業機械用の分については、確かにそのままではお気の毒だという気持もございます。しかしながら、ガソリンに対する税は、道路に使わなければ何もかけないかというと、やはり一般財源、一般の税としても、これは各国ともやっておりまするし、ある程度そういう性格も持つ。かたがた、それだからといって、増徴分を減税しようということで切符を作ったりなんかしてやることは非常に手数がかかるわけです。今農耕用の軽トラクターが二十六万あるそうでありますが、これを一々切符でやったんじゃ大へんだということです。かつ、大へんなばかりでなくて、いろいろな工業用の免税をただいまやっております分は、変性と申しまして、何か異物を入れて自動車には使えないような措置をしておりますが、これはそういうことをやったら目的を達しないということで、つまり横流しの可能性もあるということ、手数がかかる上にそういう横流しができたりするというようなことで、どうも得策ではないのじゃないかというふうに思って、やむを得ず御負担願いたいという結論になったわけであります。洗たく屋さんの分につきましても同様なことが言えると同時に、洗たく屋さんのガソリンは、私も専門家ではないのですが、規格として揮発油税のかかる揮発油でないものが相当多いようです。大部分と言ってよろしいようです。そういうようなこともありまするし、あまり問題はないのじゃないかというふうに承知いたしております。
○横山委員 その辺になると原さんの御答弁もだいぶ苦しくなって参っておるようでありますが、たとえば航空機ですが、毎年々々はえらいから、三十七年までただにいたします、そういうのはかえっておかしいのじゃありませんか。毎年々々免税していくとめんどうくさいから、三十七年までただにいたします――三十七年というのはどういう年かあなた知っていますね。一兆円の道路が終る年ですよ。まるっきり説明がつかぬじゃありませんか。私は、航空機産業及びその現在の経営の実情も知らぬわけではないけれども、少し甘やかし過ぎですよ。一体なぜ三十七年まで――今通行税も取らず、ガソリン税もただで、そして補助金もやる、至れり尽せりじゃありませんか。一方トラックやハスは、同じ交通業でありながら踏んだりけったりじゃありませんか。せめて当りまえの税金は取ってやりなさいよ。あなたはさらにお百姓さんと洗たく屋さんは全く説明がつかぬけれども、しかし区別して取るということはむずかしいからがまんを願います。これはどうも租税の公平をモットーとされる主税局長の言にしては少しおかしいじゃありませんか。もし増税分がどうしてもいかぬというなら、ほかに方法があるじゃありませんか。要するにそれはどういうもんでしょうか。めんどうくさいという意味ですか。もうこれは何とも主税局としては手をつける気持はない、道路には縁もゆかりもないけれども、お百姓さんや洗たく屋さんもがまんをしてくれ、こういうことでございますか。この辺は私ども前からちょいちょいと自発的なあなたの方の善処をお願いしているわけであります。そのたびに苦しそうな顔をしているが、一向善処されぬけれども、技術的にこれは不可能なことでございますか。御研究をなさいましたでしょうか。
○原政府委員 技術的には非常にめんどうである、めんどうで手数がかかる、ということは、費用もかかるし、そしてまた横流しの危険も大きいというわけであります。そこでやむを得ないからごがまんを願うという言葉を申したのですが、ごがまんを願うといっても、ごがまんを願うというだけではなくて、こういう動力を使って機械化するということは、戦前にはいろいろ農業理論でいわれながら、果してどこまでできるかといわれておったところで、できれば相当労力の使い方も変ってくるわけです。その意味でいわば農業の生産性というものが相当高まるわけです。これを使うことによって所得が低くなるというのではない、相当改善されるのではないかというところもあるわけで、しかも二十六万ですから農家の方では農家一軒一台としても五%くらいの農家が使うものだ。そうすると、手数の点もあり、日本のガソリンという動力は主として道路のためなんだけれども、これだけ税が高くなったから、これだけ高くなるんだというベースでやっていけぬだろうか、ということを申しているのです。
○横山委員 先般来物品税の議論の中で、まあいろいろ取ってやらなければならぬけれども、しかし、徴税技術が非常に複雑であるし、税金も少いからこれは負けちまえ、こういう議論がわれわれの委員の中にもあり、主税局の中にも、そういう税の理論としては取るのがほんとうだけれども、大へんな手数もかかるし、それからまあ大した額ではないから負けちまえということが、負ける方の理論としては存在をしておる。ところが、今のこの問題は、負けてやるのがほんとうだけれども、手数がかかるから取っちまえという議論です。一体こんなばかなことがあるでしょうか。高くなるやつを、まあ手数がかかるから負けちまえというならわかるけれども、負けてやるのがほんとうだけれども、手数がかかるから取っちまえ。これはちょっと原さん納得できません。もしそうだったら、これは何もお百姓さんと洗たく屋さんだけの問題じゃありませんよ。税の理論としてそれはいけません。これは万難を排して善処すべき問題じゃありませんか。もしほんとうにそういうことをおっしゃるなら、それはいけません。
○原政府委員 間接税というもので、おっしゃるように、その用途によって、この用途は税になじまないというか、税をかけちゃいけないというものを一々はずすんだとか、増徴の際に増徴しないのだということになりますと、間接税の執行というものは極端にいえばだめになってしまうと思います。たとえば砂糖消費税、相当高い税金が乗っかっていますが、薬用にも砂糖は使われるわけです。それに税金をかけるとは何事だと言われれば、それはだれも一言もないでしょう。それでは薬に使うものを一々免税するか。砂糖の用途にも、ほかにいろいろあるでしょう。あるいは工業的な用途にも一部ああいうものを使うかもしれません。そういうものを一々なにしておったら――これはなるほどできないことはありませんよ。人数を十分置いて手数をかければできるけれども、やっぱり、間接税というものは、そういう特殊の用途のものをなにするというのは、ごく例外のことにしませんと乱れてくる。また乱れないようにするには費用もかかるということでありますので、その大前提を一つお考えいただいて、そして、今申したように、お気持は私はわからぬのじゃないのですが、それだけ手数をかけて――それはまた別に補助金をやれというような議論もあるわけです。減税すればそれだけ金で戻してやることになるから、戻してやることは補助金を出すことと同じことだ。それでは補助金を出すかという議論になると。五百万農家のうちこれを使っている二十五万農家に、これを使うがゆえに補助金を出すかということになると、ガソリン税が高くなったからだといっても、落ちつきが必ずしもいいかどうかというあたりが、どうも相当問題だということも表裏しまして、まあまあというふうに申し上げたわけであります。
○横山委員 まあまあということで、結局はもとのもくあみで、取らぬのがほんとうだけれども、めんどうくさいから取っちまえという簡単な表現がそのまま続けられる。そして、これが単にお百姓さんや洗たく屋さんばかりではなくて、一般理論としてもこういう理論がまっとうな理論として存在をするということは、私は大へんなことだと思う。これはいかぬと思います。今この税の問題で、私どもは、このガソリン税を根本的には公平論という立場から論じておるわけであります。このトラックやハスやお百姓さんや洗たく屋さんだけから道路を直す税金を特別に取り立てるということはいかぬという、根本的な公平論から議論をしておるわけですが、お百姓さんだって洗たく屋さんだって、公平な見地からいうならば、これはやっぱり直していただかなければならぬ、こういうように私は痛感をいたします。これは単にガソリン税だけの問題ではなくて、理論の問題として、政務次官かだれかが答えるならばともかくとして、税の担当である主税局長がそういうあいまいな理論というものを胸に内蔵しておるということはよろしくない。事務当局としては、これは断固としてはずすべきだ、私はそう答えなければうそだと思う。ただし、それが政治的な配慮によってなかなかできませんというならば、まだ話はわかるけれども、理論としてこれが横行されたのでは、大いに迷惑千万です。またそういうように事務当局として考えなければいけない、そういうように私は申し上げておきます。
 さて、道路公団に関する御説明はできませんか。
○早川委員長 主計局の担当官を呼んでいるそうで、まだ来ておらぬそうです。
○横山委員 それでは、私の質問はこれで一応打ち切ります。道路公団につきましては、あるいは水かけ論になるかもしれませんから、私は討論の際に申し上げるとして、私の質問はこれで打ち切ります。
○早川委員長 午前の会議はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
    午後零時二十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十分開議
○早川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案、入場税法の一部を改正する法律案及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案の五法律案を一括議題といたします。
 質疑を続行いたします。田邉国男君。
○田邉委員 それでは、昨日に引き続いて質問を継続したいと思います。昨日の局長のお話によれば、八団体のうち七団体が賛成したのだから、しかも清酒の団体は消極的賛成をしたとわれわれはみなしておる、ただ一部のしょうちゅう業者に反対があるということだけは聞いておるということで、この酒団法の一部改正は、大体業界の意思が賛成をしておるのだ、こういうような答弁のように私は承わったのです。しかし、この八団体というものの内容をよく分析してみれば、大体ビールとビールの卸という二団体は不離不即のものであって、ビールというものは大企業の独占だと思っておる。そして、今度は合成、しょうちゅう、雑酒、これはいわゆる蒸留酒の関係であって、しかもしょうちゅうといえばこれは宝が代表的なもの、あとはほとんど小さいメーカーである。そういうことから考えて、また卸、小売といったもの、しかし、この小売も、中央会の方はなるほど賛成という意思表示をしておるけれども、われわれの聞いておる範囲では、末端の各地方の小売業者は、やはり、この酒団法をやれば、すぐマル公が廃止になるという危険性が非常にあるということで、反対をしておる。しかし、何といっても取締り当局というものが大蔵省であるので、非常ににらみがきかされてこわいのだ。だから表面的にはどうも反対はできないというような実態がわれわれにはよくわかるのです。そこで、では清酒の業界といわゆる酒造組合中央会というものはこれは消極的賛成だから賛成なんだということで、中央会の会長が賛成したからすべてこれはいいのだというような御意見のように伺ったのですが、しかし全国の四千の業者は内容を知らなかった。そこで、現在において、きのうもお話ししたように非常に反対が強い。それから、しょうちゅうのメーカーにいたしましても、やはり中小メーカーは全部反対しておる。これをさらに分析してみれば、いわゆる大メーカーと中小企業との間に、この法案をめぐって一つの大きな争いが行われておる。こういう実態というものは大蔵当局はよくわかっておると私は思う。ただ、言葉の上では、八団体のうち七団体が賛成である、ただしょうちゅうの一部とそれから清酒の方は最近反対になったらしい、しかしそれは比重からいったら八対一の比率なんだ、だからこの酒団法というものは総体的に見て賛成なんだというようなお話なんです。しかし、今申しましたように、分析してみれば、この内容は、大メーカーと中小メーカーとの間にこの法律をめぐって一つの大きな意見対立が出ていると私は思う。そして、中小メーカーはこれによって大きな損害を受け、倒産になるのじゃないかという懸念を持っている。それを、政府当局の方は、いや団体はとにかく七団体が賛成なんだ、だから大体賛成なんだというお話のように私は承わっておるけれども、業界全体の実情を見たときに、政府当局はどういうようにこれを判断されておるか、それを一つ伺いたい。
○泉説明員 お話のように、この酒類業団体法の改正をめぐりまして、八団体の間にいろい意見の相違があるのでございます。率直に申し上げまして、その意見と申すのは二つに分れると私は思うのでございます。一つは、酒類業団体法を改正して、マル公撤廃後に備える新しい価格制度は、どういうふうな価格制度がいいかどうかという問題、これが一つでございます。いま一つは、御承知のように二十年もなれておりましたマル公からどういうように変るのか、その実態がわからないから不安だという問題、この二つに分れると私は思うのでございます。八団体の間にいろいろの御意見がございますが、多くの御意見は、マル公撤廃後どうなるんだということに対する不安が大きいのでありまして、新しい酒類業組合法におきまして新しい価格制度を設ける。その新しい価格制度の内容というよりも、長年二十何年もなじんでおったマル公がなくなった場合にどうなるかという不安の方が先に立って、その点についての論議が多いように私は思うのでございます。八団体の間にお話のような意見がございますが、私どもは、必ずしも、中央会が賛成しておるから団体の全部の組合員が賛成しておるとは受け取っておりません。また中央会として賛成しておられる中にも、個々の組合員としては反対の御意見のある方も承知いたしております。また、田邉委員も御承知のように、清酒組合の中にもいろいろな御意見がございますが、しかし、それらの御意見は、概して、今すぐマル公を撤廃されるのじゃないか、もしそうなったら大へんだという不安が先に立っての御心配だと、私どもは受け取っておるのでございます。もちろんその御心配はよくわかるのでございますが、けさほど大蔵大臣からお話もありましたように、私どもといたしましては、そういう大メーカーと中小業者との間に対立、摩擦が起らないように、中小業者が生き長らえていく方途というものを、共同びん詰めとか、共同出荷とか、共同販売とか、いろいろな措置を講じていって、そういう御不安のないようにしたいと思っておる次第でございます。業者の方の御不安はごもっともでございますけれども、そういう御不安が生じないように、今後大いに努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○田邉委員 今のお話を伺いますと、酒造組合の中には賛成も反対も非常にあるというお話ですが、私の知っている範囲では、大体九九%が反対だと思っております。それは、清酒の中にも、何万石と作っている大メーカーもあります。しかし、清酒の場合には大体七百石か八百石以下が清酒業界の九〇%以上を占めておる。そこから考えても、四千軒の業者が反対しておるということは、私は清酒業界は全部反対しておるのだというふうに断定しても間違いないと思うそこで、この間からいろいろお話を伺っておると、この酒団法というものはもう一年も前から業界に話をつけてある、そしていろいろ諮問をしてきたのだ、そこで各業界の意見というものをわれわれは十分聞いて、その上でできたのだ、こういう話をされておるのですが、その点、私どもの調査したところによれば、これは非常に違うと思う。三月の十八日に、この諮問を一年以前から業界に諮っていろいろ検討したということを、原局長は答弁しております。また吉国第二課長もそういう話を私に言っておった。しかし、私の知っている範囲では、これは内容というものを少しも明示しておらない。ただ、去年一年の間においては、来年の三月ごろにはマル公が廃止される状態がくる、だからそれに対する対策を一つ業界というものが考えなければならぬというような話はしたらしい。それから、ことしになると、十月ごろにはどうもマル公が撤廃になる情勢になってきた、だからそれに対しては一つ慎重に考えるべきだというような話である。ところが、それではその間にどういうような具体的な内容を示したかというと、ことしの二月に入って、十三日に要綱案という一ページのガリ版が渡されたにすぎない。それから、今度はわれわれの方に来たのも、やはりこの間奧村委員が申したように、二月十三日にこの要綱を出しておった。しかも、これは臨時国会や通常国会の冒頭に出さずに、十三日にこの内容を出している。そして十九日になって初めて条文がはっきり明示されておる。そこで、きょうここに、廣瀬勝邦委員からの要求で、大蔵委員会に提出した資料として、大蔵省からこういう資料が出されております。これを見ても、四ページに日本酒造組合中央会の答申が書いてある。そうして、この出したのを見ると、昭和三十三年八月十九日と書いてある。そうすると、これはもう去年のうちに一応口頭では話をしている。内容がはっきりしないから、その返事を何か書いたか知らないけれども、最後の文章として、酒類市場の安定のため強力な措置を講ぜられたいという、ただそれだけのことが大蔵省の主税局長あてに返事が出ておるだけです。それから、全国の小売酒販の中央会からも、やはり答申を去年の九月四日に出しておる。あとはしようちゅうの業界、日本洋酒組合、合成酒、これはみんなことしになってから出してあると私は推測する。そうすると、清酒の業界に対しては、だいぶ前に答申は出してあるのだけれども、しかし今日まで、はっきりしたものを出したというのは二月になってからである。だから、これは答申に関する文書の書きようがなかったのだと私は思っています。これをこうやってみても、非常に大蔵省の業界に対する親切心というか、もっと実際に業界のことを思うならば、また中小企業の合成酒としょうちゅうの人たちや、それから清酒の業界を思うならば、もっと前にほんとうに条文を出して、こういうようになるのだから、一つこの点はこういうように考えたらどうだ、という親心があってよさそうなものだと思う。ところが、今まで十分検討した検討したという答弁はしておるけれども、この参考資料を見てもはっきりしておらない。その点については、私は大蔵省の業界に対する指導方針というものが非常に不徹底だと思う。その点について、一体今私が申し上げたような話が間違っておるかどうか、一つ伺いたい。
○原政府委員 この酒の価格制度の問題は、御案内の通りきのうきょうの問題ではありませんで、もう二、三年来の問題であります。昨年の春には、御承知のしょうちゅうの価格問題を中心として、マル公のある面の矛盾というものが取り上げられて、このマル公廃止ということが強くいわれて、閣議でも話題に上るというようなことでございまして、昨年の春から夏にかけましていろいろな研究が始まり、重ねて十月には具体的な問題点を指摘いたしまして、検討をお願いしたことがございます。戦争中、戦後を通じて非常になれて参りました価格体制をはずして、新しい価格体制を作るという問題でありますから、業界の人の頭の切りかえと申しますか、さっさっと考えが進むということにはなかなかいかなかったことはございますが、昨年の夏以来鋭意問題に取り組んで、その後も何回も業界から意見を承わり、またわれわれの構想を説明するというようなことをいたしております。それでも足りないのだという御非難があれば、それはまた御非難として受けますが、通常の法案に比べて、特に業界関係のものでありますから、私どもとしてはできる限りの手は尽したというように考えておるのであります。手元に提出の目録も持っておりますが、あまり詳しくなりますので省略いたします。
○田邉委員 そこで、さっきの御答弁にありましたように、政府は、マル公は近い将来はずれるのだから、業界がこれに対処するために、親心をもって一つ酒団法の改正をやるのだ、だからマル公はまだ撤廃しないのだ、その前に一つ酒団法の改正をやって、そうしていろいろの価格制度を作るのだ、だからこれでいいじゃないか、こういう話だと先日来聞いておるのであります。政府のおっしゃることは一応私はわかる。けれども、業界が、いわゆるしょうちゅうの中小メーカー、清酒の中小メーカーがなぜこれに反対しておるかという理由がおわかりになりますか。私は、あまり質問を継続して一つ一つ伺っておると非常に時間がかかりますから、なるべくまとめて申しますけれども、業界が非常に心配しておることは、結局汽車に例をたとえても、レールを敷くのだ、汽車はまだ通らないのであるといっても、レールを敷いてしまえばあしたにも汽車が通るというのはその地域の人たちの当然の心理状態である。今の状態はそういうところにあるのです。だから、マル公の撤廃は先なんだ、しかし、その前にその臨時的な措置として価格制度を設けるには、どうしても酒団法の一部を改正して皆さんのためにやっているんだ、だからあなたたちのために大蔵省がこれだけ心配してやっておるのに、その親心がわからないかと言わぬばかりのあいさつをこの間から私は聞いているのですが、そこが、業界と行政官庁との感覚の相違というのか、ものの考え方が非常に開きがあると私は思う。ここを非常に心配している。なぜここのところを心配しておるかというと、この実施をされるについて、マル公をすぐ廃止しない――それでは、これを実施する前提準備期間というものは一体どのくらいなのか、実施をする前提の準備措置というものはどういう方法でやるか、またその方法は具体的にどんなことをやるか、それを明確に一つお答えいただきたい。
○原政府委員 準備期間といいますか、実際にこの態勢を切りかえるということについては、慎重に準備も整え、また業界の季節的な状況も見ていたしたいと思っております。期間がどのくらいになるかということは、今具体的にどうということは申し上げられませんけれども、通ってここ両三月中にやるということはない。もっと十分の時間をかけてというふうに考えます。また酒の種類によってもおのずから条件が違いまするから、実施については私はおそらく順次に行うというようなことになろうと思います。
 それから、それの準備にどういうことをやるかということでありますが、これはやはり、新しい基準価格制度というものについてどういうきめ方をするかという問題がありまして、中心の線をどういうふうにきめるか。それより上、下、どんな範囲をいわば妥当な範囲と考えるか。これは法律的なワクではございませんが、基準価格というものの概念なり幅なりというものを考える必要があろうというふうに思います。それからまた、制限価格あるいは再販売価格維持契約というものについても、いろいろ類した共通事項、原則事項というものもあろうと思います。そういうものを相当練る必要がある。また、いろいろな場合を想定してのいろいろな対処の方法というようなものを、かなり検討いたしておく必要があろうというふうに思います。他面業界自体としてやはりお互いに相協力するというような態勢を固める必要のあるのはもちろんでありまして、詳しく申せばいろいろありますが、それらを十分に準備いたしまして、遺憾なきを期していきたいというふうに思っております。
○田邉委員 ただいま、期間の点は不明である、しかし三カ月くらいはやらないんだというような話をされておりましたが、それでは、三カ月過ぎれば、四カ月後には、大蔵省で見てこれはやる可能性の条件だといえば、やる腹がおありになるのですか。
○原政府委員 私はこの法律が通ったからすぐに三カ月してやるということはないと申し上げたんですから、もっともっと幅のあることです。それじゃ一年間はやらないかと言われると、率直な感じが、一年間絶対にやらぬとまでは言い切れない。しかし、それは一年以内にやるんだというふうにとっていただいても困る。やはりこれから秋から冬、来年にかけての時期、あるいはその酒の種類、あるいは当該酒の状況によってまたその先に延びるというものもあるかもしれません。大体そんな見込みで私は一応感覚を持っておるわけであります。
○田邉委員 それから、ただいまの答弁の中に、酒の条件はおのおの種類によって違う。だから、たとえばビールは非常にいい。統制が、四社だからこれは簡単にいく。そうすると、しょうちゅうの方は、これも大メーカーが十社くらいあるから早くいくだろう。そうしますと、その酒の条件によってそれぞれマル公撤廃の時期が違うということになりますと、私どもの考え方では、一つの種類が廃止ということを決定すれば、ほかの酒に全部それは波及されて、そうして、大きな波がどっと寄せてきたように、ほかの酒類も当然この波はかぶると思う。それを、酒類によって時期を変えるといっても、実際問題としては私はこれは変えられないのじゃないかと思う。そうしますと、政府当局が考えておるように、非常にうまく統制がついておるビール四社のような業界と、それから清酒の業界とは違う。だから、それは期間を区切って別々にやるのだと言っても、ビールの方を早くやれば、必ずそれに右へならえでせざるを得ない。そういうように酒類の現状としてはせざるを得ないという感じがするのです。その点主税局の考え方を伺いたい。
○原政府委員 そういうような感覚はある程度あると思います。しかし、たとえば、現に雑酒につきましては、はるか前にマル公を廃止した。その後ビールとか何かについても原料が自由になってきたのですが、その他のものは今までがんばっている。これに見ても、一つの酒類のマル公を廃止したらもう全部にやらなければいかぬということにも、必ずしもならぬだろうと思います。今度は、大体全体としてのマル公廃止という大勢を読んでおるということから、その影響は前の雑酒の場合よりは強いと思いますけれども、そうかといって、一つの酒類をたとえば来年の三月に撤廃したら、全部三月で廃止しなければならぬということは、私はないのじゃないかと思っております。
○田邉委員 この酒団法が一部改正されるということが新聞にも報ぜられた。そこで、世間ではマル公が撤廃になる――撤廃する、それが四月一日になるのだということは、日刊紙もラジオも報道しております。そうすると、四月一日から安い酒が市販されるのじゃないかという錯覚を起しておる。ところが、さっきから、政府の方の考え方は、いやそれは違うのだと言うけれども、事実報道機関が現実にそういうことをいっておる。すでに、私の知っておる範囲ではこういう例がある。全国の料理飲食業の中央団体から、酒の生産者の団体に、四月一日から業務用のマル公が廃止されるのだ、だから業務用の酒類の値段について種種相談したいが、ぜひ一つ相談に乗ってくれという申し入れをした事実がある。この法案成立というものが一般社会に及ぼす影響というものは、非常に大きなものだと思う。これは現実に新聞でもラジオでも伝えておる。酒を扱っておる料飲店の中央団体までが、こういうことを酒類の業界の代表に申し入れている事実がある。私は、こういうことから考えても、この酒団法の改正というものは、私は非常に慎重にやらなくてはならぬ。そこで、それではマル公がはずせると認定する業界の状態というものは、どういうような状態のときにはずせるか、それをはずせる状態の認定の時期の判断、大蔵省の考え方をお伺いしたい。
○原政府委員 大勢としてマル公はもう時代おくれだというふうに思うのは、私どもだけではなくて、何回の調査会でも、また当委員会の議論でも出たことでございますから、私どもは大勢としてはもうそろそろはずすべき時期だというふうに考えております。その時期ということになりますと、さっき申したように、やはり酒類によって、たとえば原料統制のある清酒というようなものと、原料の自由になった酒とでは、後者の方がやはり先にはずせというようなことになるであろうと思います。具体的にそれでは年のうちでどういう時期にはずすかということになると、酒類によっていわば忙しい時期とひまな時期があります。忙しい時期にはずすということは、その酒類が非常に活躍しておる時期ですから迷惑だと思います。やはりそれぞれの酒のいわばひまな時期を選ぶというようなことになるのじゃないか。いろいろその他にもあると思いますが、概して申しますと、そういうような感じで私はおります。
○早川委員長 だんだん時間があれで、あと二人御質問がありますから……。
○田邉委員 それでは、その状態は、はずせると認定する状態は自然にくるのですか。それとも大蔵省で何か人為的措置によってそれが講ぜられるのですか。そこの問題を一つ。
○原政府委員 今のマル公は、人々は、惰性に押されて、マル公というのはこれ以下に売ってはいかぬ値段であるかのような感じを持っているだけの話であります。法律的には、小学校の子供のような頭でこれを考えますれば、もう何の価格のささえにもならないものなんです。一方酒類の供給はだんだんふえてきて、昔のような売手市場ではない。買手市場にもうなってきておる。そうだとすれば、一たんいよいよ値をくずして売るというようなのが出てくると、今のマル公というものはとうていもう何の法律上の拘束力もないわけです。結局そういうものを目じるしとして業界もみんな協力しようといっているから、いいだけの話です。協力態勢は絶対必要だけれども、制度としてはやはり法律的にこれ以下に売ってはいけないのだ、あるいはこれを基準にして売りなさい、こういう制度をとらなければおかしいじゃないかということです。それで、かたがた消費者保護という面からいっても、マル公の陰に隠れこれより安く売らないというのは、いかにも感触も悪いというようなことであります。私は、もうすでにマル公を廃止して新しい態勢に移るべき条件は、全般としては熟しておるというふうに思います。ただ、移行に際しての動揺の少いように、私は、こう申しましても、マル公についている伝統的なそういう感覚というものはありますから、その辺は十分気をつけてやらなければいかぬ。そのためには、ある程度時間がかかるというふうに思いますので、今後何か新しい事態が生じなければマル公廃止をしないというのでなくて、むしろそれは業界の人たち全般の考え方をそういうふうになるべく早く向けていただいて、新しい態勢にかかる、その態勢の方が法律的には強いものだというふうにお考えいただくように、早くなりたいと考えております。
○田邉委員 酒団法の法律が二十八年ですか施行されてから、この四十二条と八十四条を使ったことはありますか。
○泉説明員 先般国税庁長官からお答え申し上げたのでございますが、四十二条の関係におきましては、販売数量の規制を、しょうちゅう甲類、合成清酒及び添加アルコールにつきまして、それぞれ二十八年あるいは二十九年から行なっております。それから、酒類の生産数量の規制といたしましては、しょうちゅう乙類につきまして、鹿児島県、宮崎県及び熊本県の人吉地区におきまして、二十九年以降三十一年ごろと分れておりますが、実施いたしております。それから、取引条件の方の規制につきましては、酒造組合関係と販売関係とに分れますが、酒造組合関係では、ビールと洋酒を除きましては全部取引条件の規制を行なっております。それから、販売関係におきましては、ビール卸以外の卸組合と小売組合で販売条件の規制を行なっております。八十四条の関係におきましては、二十八年に連続式蒸りゅう機の新設及び拡張の臨時制限に関する大蔵省令を出しておるのが例でございます。それ以外はございません。
○田邉委員 一昨年ごろから非常に清酒は値引きをしておる。平均値引きが二十円くらい。そうすると、これが三百五十万石として年間七十億、二年間とすれば百四十億の計算になる。これだけ業界が値引きをしておる。しかも、酒団法の中に四十二条と八十四条の条文が出ておるのに、その八十四条というものがあるのに、この百四十億、これは私は業界にとっては大きな損失だと思う。こういうときに私は使わなくちゃならぬと思うのですが、それをどうして今まで使わなかったのですか。
○泉説明員 お話のように八十四条の規定はございますが、八十四条の規定で勧告なり省令で措置をきめますと、これ以下で売ってはいけないということになるわけでございます。そこで、それだけに酒類業界に対する影響は相当大きなものがあるわけでございまして、私どもといたしましては、八十四条にいく前に、できるだけ業者団体自身におきまして申し合せあるいは協定を行なって、そういう値くずれを防止する方向で指導して参ったわけでございまして、お話のように八十四条を発動いたしますと、その影響は私は相当深刻なものがあると思います。従って、現在までの段階におきましては、発効しないのが適当ではないか。お話のように値引きはいろいろございますが、三百五十万石全部について値引きがあるわけではございませんし、また、その値引きの内容も、メーカーが直売をするということから、卸のマージンを省略できるというような点から出てくる値引きもございますので、一がいに値引きがあるからそれを三百五十万石全部同じような値引きだというふうにお考えになるのは、いささか的を失するのではないかというふうに考えるのでございます。
○田邉委員 四十二条と四十三条の協定価格のことですが、これは昭和二十八年の四月一日に施行されたのですが、二十八年の六月一日に、国税庁の長官の名前をもって、国税局の局長に通達を極秘で出してある。この文によると、生産、卸、小売の三層で話がつかなければ、申請しても許可しない。こういうことが極秘の中に国税庁の中でちゃんと出ておるんだそうです。そうすると、これは、四十二条というものを作っても死文化してあるのであって、法律というものをただきれいに書いても、裏でそういうものは許可しないのだということになると、実質的には有名無実なものを作っておるような感じがするのですが、この四十二条のときに、たとえば酒造関係でこれを実際に活用した事実は一体ありますか。
○泉説明員 御承知だと思いますが、この四十三条の二項には、協定につきましては、消費者または取引の相手方の利益を不当に害することがあってはいけない、そういう場合には大蔵大臣は認可をしてはいけないというふうになっておるわけでございます。そこで、協定につきましては、メーカーが協定を結ぶ場合におきましては卸売業者、卸売業者が協定を結ぶ場合におきましては小売業者の利益を不当に害してはいけない。その利益と申しますのは、マージンのこともありますが、取引条件その他いろいろなものが入ってくるわけでございます。そういう関係からいたしまして、協定につきましては、製販三層でできるだけ話し合いをすることが望ましいということを申しておるのでございます。もちろん、話し合いが完全に成立しなければ認可しないということを言っておるのではないのであります。この協定につきましては、すでに大阪、兵庫、京都の三府県におきまして、卸売業者が協定を結びたいということであったのでございますが、その際におきましては、先般奧村委員の御質問にもお答え申し上げたのでございますが、小売業者との間の話し合いが円滑にいかなかったということであります。それから、規制しようとする純清酒の銘柄で、マル公で販売しようとするものを十七銘柄選んだのでありますが、十七銘柄につきましては卸売業者と小売業者との間に話し合いがつかなかったというようないろんな事情がございまして、協定として、認可するよりも、しばらくお互いの申し合せ事項として実施してみまして、その実施の経過を見ながら、協定にするかどうかを検討しようということで、関係業者間の話し合いがととのったのであります。それから、最近におきましては、東京都内の卸売組合及び徳島県の卸売組合におきまして、協定を出したいというのでいろいろ話が進行いたしておりまして、私どもその御相談にあずかっておるような次第でございます。まだできる上った例はございませんけれども、そのように、各地で最近協定を結びたいという意向が相当あるように見受けられる次第でございます。
○田邉委員 もう私の持ち時間がないので、やむを得ませんけれども、結論的なお話を申し上げますと、この酒団法の改正案を読みますと、非常に大企業を保護する、すべて大企業の業者だけがどんどん取りきめをしていかれるような仕組みになっておる。たとえば、第二十五条の「理事会が決する。」とか、第二十六条、三十一条の問題、それから三十八条の特別の議決、こういうのを一つ一つ調べていきますと、特にしょうちゅうメーカーの場合なんかでは、非常に大メーカーを保護する法文になると私は思う。こういうことから考えて、もっと逐条審議をやっていきたい。また吉國課長もそれを言ってくれということなんですが、時間がありません。私はもっと条文を慎重に――中小企業の業者のことを考えた酒団法であると私は思っておったんだけれども、この条文を読むと、どうも大メーカーを保護するような条文が多分に盛り込まれておる。
 それから、中小企業の酒類業者が心配しておることは、こういう法案が出る前に、もっと前提条件が必要なんだ。それは、今のようにとにかく膨大な税金を出しておるんだから、この税金を下げて、そうして清酒というものがほかの酒類と同等の税負担をして、同じスタートラインで競争ができるような、要するに減税をしてもらわなければ困るということが一つと、それからもう一つは、たばこを見ても、たばこには、一番上に「富士」がある。「ピース」があり、「光」がある。「ホープ」があり、そのあとに「みのり」があるというように、いろいろある。ところが、酒には特級、一級、二級しかない。だから、私は、この間にもっと中間的な等級をつけて、要するに消費者の嗜好に合う、そしてふところに合うものを考える。これは結局級別の増加ということなんですが、こういうことが一つと、それからもう一つは、酒類の税に非常な不均衡がある。たとえば洋酒の税金を見ると、清酒の二級と比較してみて非常な開きがある。こういう酒税の不均衡は是正してもらわなくちゃならぬ。こういうような基本的なことは、酒団法を改正する前にまずやってもらって、その上で、同じスタートラインから酒類の自由な競争をやるという形へ持っていくことが前提条件だと思う。中小メーカーがいろいろと反対をしているのは、そういうことなんです。これをやはり政府当局がよく考えて、そうして中小企業を保護するという立場でこの法案を――私は根本の趣旨はそうだと思うけれども、しかし、出てきた法案というものは、逆に大企業を保護するような条文が非常に多い。そういう意味において、私は非常に遺憾だと思う。だから、一つそういう点を前提条件としてこの酒団法を改正してもらいたい、これが私の結論であります。
○早川委員長 奧村又十郎君。
○奧村委員 私は、すでに各委員の皆さんのお手元に差し上げてありますように、この酒団法改正案について、質問要項に基きまして、ただいまの御説のように、大企業と中小企業との利害、あるいは生産、卸、小売三段階の利害調整、あるいは清酒、ビール、しょうちゅう、合成酒、雑酒などの利害調整、それから中小企業団体組織法との関連性とか、独禁法との関連性とか、いろいろ重要な質問がまだたくさんあるのでありますが、先ほど、委員長及び理事諸君並びに委員諸君から、特に質問を早く切り上げるようにという切なるお話がありまして、実はその事情ははなはだ納得しかねるようにも思いますが、皆様方の切なるお話でありますので、今後このようなことが再び当委員会において起らないようにお願いを申し上げまして、今回だけはやむを得ず時間を節約いたしまして、ただ、今までの御質問の中途半端になった点の取りまとめの質問だけをいたしまして、私の質疑を終りたい、かように存ずる次第でありますので、政府委員におかれましても、先日来非常に質問を申し上げ、特に公取の長沼事務局長にはずいぶんきわどい質問も申し上げましたが、あとは取りまとめの質問でありますから、そのおつもりで御答弁をわずらわしたいと思うのであります。
 そこで、昨日の委員会において、この酒団法並びにその改正案が独禁法の中の除外規定であるが、その独禁法のどの条文に基いての除外であるかとお尋ねいたしましたところ、公正取引委員会委員長は、独禁法の二十二条に基くものである、こういう御答弁でありました。主税局長また法制局長官もそういう御答弁でありました。私も実はそのように思い、なお昨日、昨晩かけて研究してみたが、やはり私もそのように思います。つきましては、それであるとするならば、その二十二条二項に基いて法律第百三十八号の適用除外の法律の中に、酒類業団体というものが明記しなければならぬということになる。これが落ちております。まあ、現行法で落ちておるのは、不肖私が昭和二十八年に大蔵委員長をしておって、これを通したときに落ちておったのですから、私も同罪でありますので、これは私から申し上げる立場じゃありませんが、しかし、少くとも今度基準価格とか、あるいは再販売維持価格とか、あるいは制限販売価格とか、非常に重要な規定を新たに盛り込む以上はこの改正の際に、前非を悔いて、このあやまちを改めて、この法律百三十八号中に酒類業団体を入れなければいけない。その入れるための規定というものは、やはり今度の酒団法の改正の附則にでも入れなければならぬ。これは入っておるのか入っておらぬのか、おそらく入っておらぬと思うのですが、それならば、これは衆議院で改正しなければいかぬのですが、時間がない。どのようにこれを入れるか。この法律は一たん通しておいて、あとからまた別の法律を作って入れるのか。これは取りまとめですから、その跡始末の御答弁だけははっきり主税局長からおっしゃっていただきませんといかぬと思うので、その点をお尋ねいたします。
○原政府委員 将来公正取引委員会とも十分検討したいと思います。実は昨日から大へん鋭くつかれまして、たじたじとなったのですけれども、私も、けさ法制局長官がお答えになったように、独禁法に対する除外例を他の法律で書く場合に、その権原と申しますか、もとが独禁法になければいかぬということはないのじゃないかというふうに思います。ただ二十二条は、特別な事由がある場合にはこれを適用しない。そうしてそれは指定する。逆に読めば、指定したものについては適用しないというふうな一つのグループをここでまた作っておられるわけです。ですから、それに基いてできた法律に指定してある。法律の各本条には何も書いてないが、独禁法に反するようなことが書いてあるわけです。それを一括指定によって独禁法の制約を除くということであろうと私は思うのです。そうだとすれば、各単独法によって、はっきりと、この法律のうち何条々々の行為については独占禁止法の制限を排除するといえば、法律的に完結するのではないかというのが、けさの長官の答弁を裸にしたお答えであり、ただその精神として、二十二条というものは、独禁法がオール・マイティでないことをうたっているから、精神的には二十二条に関係があるということを言われたんだと思います。なお、公取の委員長は、また別の角度からも、つまりなるべく一覧して見せるというためには、あるいは工夫する必要があるかもしれない。しかしなおこれらは検討を要することであるからということを申されたので、私どもは、そういう前提に立って、十分検討して善処いたしたいと思います。
○奧村委員 それならば、今度は突っ込んで、つまり先日の公取の事務局長の御答弁と似たような御答弁になってきておるのですがね。そうすると、またそれに基いて、今の酒団法のいわゆる調整規定と申しますか、価格協定その他の規定と、この独禁法の規定との関連性をお尋ねしなければならぬ、こういうふうに思うのですが、残念ながらきょうは時間がありませんので、また後日に譲っておきたいと思うのであります。
 そこで、ちょうど公取の委員長、事務局長もおられるので、この独禁法の規定で、いわゆる数量協定あるいは価格協定をする場合の要件というものがありますね。事業が不況であり、あるいは生産費を下回るというような場合にはこれこれのことができる、こういうことです。そういう事態になった場合に、公取が同意をしたりあるいは認可をしたりする、こういうことですね。従って、酒団法で価格の協定をするとか数量協定をするとかいう場合は、すべて公取の同意を得なければならぬ。ところが、独禁法の建前は、まずもって生産数量の協定とか、販売数量の協定とか、数量の協定を先に行いまして、数量協定でいわゆる業界の安定が十分全うできない場合は、価格協定に踏み切る、こういうようなことになっておる。これは中小企業団体組織法にもそういうように出ておるが、特別技術的に数量協定では効果が上らぬという場合は、これは例外的に数量協定を踏み越えて価格協定に踏み切ることもできる、こういうように出ておる。そこで、今までは酒類にマル公がありますから、つい協定価格の必要もなかった。将来マル公をはずした場合には、すぐ価格協定という必要が起ってくると思う。しかし、本来はその価格協定にいくまでに、数量協定が先行するのが常識である。そう考えると、今度は、マル公を撤廃するときには、当然清酒あるいはしょうちゅうその他の数量協定――今清酒は米で統制されておりますが、行く行くはやはり酒団法に基く数量協定、しょうちゅうは出荷制限、これは酒団法に基いておりますが、これと同じように、やはり酒団法に基いて数量協定というものは日ならず問題になってくる、こういうようになろうかと思うのでありますが、この点主税局なりあるいは国税庁の方でどうお考えになりますか。
○泉説明員 御承知のように、酒類業組合法の四十二条におきましては、中小企業団体法と違って、数量協定が先で、価格協定があとだということは否定はいたしてございません。しかしながら、御承知のように、中小企業団体法の考え方も、また独占禁止法の考え方も、協定行為を行う場合にはまず数量協定を行うのが先である、価格協定はそのあとだという考え方になっております。この酒類業組合法自体では、法律的には別段そういうことはございませんけれども、まあものの順序といたしましては、やはりそういった考え方を尊重すべきものであろうと思います。従って、お話のように、清酒の組合等につきましても、今後この酒類業組合法による数量協定という問題を慎重に考えていかなければならない、かように思っております。
○奧村委員 次に、今度のこの法案に、ビールとかしょうちゅうとか洋酒とか、主として大企業の形態の業種の方はこの法案に賛成であり、清酒や一部のしょうちゅうの方は反対であるということは、やはり再販売維持価格の規定とか、そういう大企業形態に有利な規定が入っておるというためにこういう現象を起しておるので、これは田邉委員からもかなり追及しておるわけであります。これはこの際大蔵省としてよく一つお考えをいただきたい。どうしても、大蔵省としては、税収を確保するためには、これは自然、そういう気持じゃなくとも、結果的には大きいものが保護され、小さいものには十分手が届かぬということになりがちでありますので、この法案審議の際ぜひ一つお考えをいただきたい。
 それから、いま一つは酒類間の消長であります。どうも先日来審議の過程で、清酒はだいぶひがんでおります。またこれはひがむ理由があるように思うのです。それは昭和九年、十年の戦前当時と現在との酒類間の消長をたどってみますと、清酒においては、現在、戦前昭和九年、十年の基準年度の石数に対してまだ八割までしか復活しておらぬ。ところが、しょうちゅうは二倍半、ビールは三倍半、洋酒のごときは十数倍、合成酒なんかもずいぶん伸びておる。しかもこの上今度の法律が大企業の方に恩恵を与えるということであれば、ますます清酒というものは、もう見捨てられるのかという気持を持つのは、これは無理はないと思う。一体どうしてしばらくの間にこれほど消長が激しく現われたのか、これは大蔵省はどうお考えになりますか。
○原政府委員 お話が大企業と小企業の問題、それから清酒と清酒以外の酒類の問題、こう二面になっておりますが、大企業、小企業の問題としては、私どもこの法律案は決して大企業保護のためだとは思っておりません。むしろ、経済がだんだん伸びてきて、品物が余りぎみになってきますと、競争が激化してくる。激化してくるもとでは、むしろ統制時代の中小企業が楽にやれない、苦しくなるという時代なんです。そういう時代において競争があまりに自由に行われて、どんどん安く売る人は売りなさいということでは、業界も困るし、酒税の確保も期せられないということで、率直にいえばいろいろたがをかける。だから独禁法も除外していただかなければいかぬということになりますので、私ども決してこれは小企業を虐待するものではない。むしろ逆に、小企業を競争の中でもあまりに悪影響を受けないようにするものだ、そういうふうに考えております。
 それから、清酒と他の酒類との消長の問題は、戦前と比べてかなりに清酒が不利な割合になっておるのはおっしゃる通りであります。この問題についてはいろいろな点を考慮に入れて検討しなければなりません。日本というのは、あの戦争前の時期において、ビールあるいはしょうちゅうと新式しょうちゅうというようなものになじんだ程度です。これは実に遅々たるもので、ごく初期であったわけです。清酒は日本古来の酒でありますから、それこそ何百年、何千年という歴史を持っておる。そこに新しいビールというものが入ってきた。洋酒というようなものが入ってきた。それらが戦前の昭和九年、十年というような時期においては、ごく都市の一部で消費されるというようなことであったわけでありますが、それが戦後だんだん広がっているというようなことで、にわかに昔に戻すというだけの見方でもいけない。やはりそれらをよくこなして、同時に、清酒の業界はいろいろ業者も多いし、伸びないということで、相対的に困難を感じておるということもよくわかりますので、そういう考えを組み込んで、お話の中小企業が非常な困難をなめないように、これは私どもも十分注意して、あらゆる点で措置をいたして参りたいと思っております。
○奧村委員 もう二、三点ですが、今度は公正取引委員会の委員長にお尋ね申し上げます。
 お聞きの通り、大企業と中小企業との利害をいかに調整していくかということについて、この法律案は十分満足な回答を与えていないということにわれわれ悩みを持っておるのであります。そこで独占禁止法の規定によりますと、私的独占なり不公正の取引のないようにするのが法律の目的ですが、しかし、やむを得ずいわゆる共同行為とか協定などをするということは、主としてその中小企業者の団結によるところの業界安定を特例規定に入れてあるわけです。従って、大企業が独占的な価格を持つとか協定をするとかいうことは、独禁法は一番きらうのですね。またそれでこそ消費者も守られるし、事業も安定するわけです。ところが、この再販売価格維持契約の指定の問題は、先般来お聞きの通り、大蔵省のお考えでいくと、すでに洋酒はしてありますが、今度はビールを予想する、あるいは特級酒を予想するということになると、ビールなんというものは、見方によってはずいぶん大きな独占的なものである。特級酒にしても、これは清酒の中でも一番大きな一万石前後のものであります。こういうものにまず再販売維持価格を認めるということになりますと、これは、結果からいえば、大きなものを助けて小さいものは捨てるということになる。それじゃ一級酒とか二級酒とか、あるいはしょうちゅうの中小企業者に、この維持価格を認めるかということになりますと、これは要件に全然合わぬということになろうかと思うのであります。そこで、この問題は先般来ずいぶん議論したところでありますから、結論を申し上げますと、大蔵省から今後この法律に基いて再販売価格維持契約の指定の同意を公取に求められた場合、公取委員長におかれては、今までの審議の経過もありますが、やはりこれは中小企業を守っていく、なるべく独占を排除して消費者を守っていくというお気持で同意に善処せられたいので、この点は先般公取の事務局長から非常にけっこうな御答弁をいただいたが、きょうは締めくくりでありますから、委員長の明確な御答弁をいただいておきたい。
○長沼政府委員 お答えいたします。お説のごとく、独禁法というものは大企業の経済的腕力ざたと申しますか、横暴な行動を防止するということで、これは裏返して申しますと中小企業を防衛するということになっておるわけでございます。従いまして、ビールとかしょうちゅうのごとく寡占資本的な構成になっております業界が横暴いたしまして、消費者ないしは一般の国民に迷惑をかけるというようなことがありますれば、これは、私の方といたしましても、厳正中立に、独立の立場で自由な判断を下したい、必ずしも大蔵省に同意をせぬということは、はっきり申し上げておきます。
○早川委員長 奥村君、お約束の時間になりましたから、最後に締めくくりを……。
○奧村委員 大へん心強い御答弁をいただいたので、これで委員長に来ていただいたかいがあったと思います。
 それじゃ、政務次官にお尋ねいたしますが、今度の法案で基準価格とか制限価格とかいうものを作るということです。これは大蔵大臣が作られるのでしょうが、大蔵大臣だけじゃなしに、これをおきめになるときには、ほかにも例がありますが、消費者の代表とか生産者、卸、その他業者の代表を集めて何か審議会のようなものを作って、一応その審議会の審議を経ておきめになる、こういうふうになさる方が妥当でなかろうかと思う。何しろ新しい制度でありますから、そういうふうに慎重になさるといいと思いますが、その点はどうお考えになりますか。
○山中政府委員 慎重にやれということについては私も異議はございませんし、また一両日来真剣に議論されております内容につきましては、私自身としても非常に興味深く、また今後の運営の参考にしなければならない幾多の点をくみ取っておるのでありますが、ただ、具体的にその価格の決定に当って審議会を設けてそれに相談するかということになりますると、審議会の構成のメン八ーその他についても問題がありまして、事実上その関係団体の間において今回足並みが相当乱れておるわけでありますし、また一業界内部においても利害が相反する面もあるわけでありますから、私としては、ここで、審議会に諮問するのだ、あるいは審議会を作るのだということについて、そうしたいとは申し上げかねるのであります。しかし、その実施についてはもちろん公取とも十分最終的な話し合いもするわけでありますし、大蔵省自体としては、主税当局でも十分関係方面の意向を打診して疎漏のなきようにするつもりであります。
○奧村委員 この法案の審議の過程において、酒類関係の団体の中で七団体が賛成で、法案通過のため非常に国会に陳情しておられる、一団体は大反対で猛烈に動いておられるということで、今までもこの酒類の各団体の円満協調が保たれていなかったきらいがあるのに、今回の法案審議の過程においてますますこの仲が悪くなった。しかも片一方は大企業であり、片一方は中小企業である。この酒団法というものは、大企業と中小企業とかなり利害の対立するものを一つにした法律案であって、木に竹を継いだというか、ライオンとネズミを一つのおりに入れたような法律でありますので、実際はなはだ運営が困難である。政府の御苦心もわかりますが、しかし、この法律を実際に効果あらしめるためには、何としても酒類各団体が円満協調を保たなければできない。先ほどの御質疑にもありましたように、ほんとうをいえば、価格協定においても卸、小売、生産三段階がある程度の協調を保たなければ、一段階だけで協定価格を作ろうたって実際上は困難なことであります。また、酒類間においてもある程度の協調がなければ、これはできぬものであります。私は、この酒類業団体法が過去七年、十分の効果が上らなかったということについては、やはりそこらの点にも反省を見なければならないと思っておる。従って、今度の法律改正においてほんとうにこの目的を達成するには、何とか酒類業界八団体が円満にいくようにしなければならない。それには大蔵省にできるだけあっせんを務めていただかなければ、これはできぬことでありますから、そこを一つよくお考え願って、この法律審議を機会に、むしろ災いを福として円満協調をはかられることを特に国税庁長官にお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○早川委員長 ただいま議題となっております物品税法の一部を改正する法律案に対しまして、足立篤郎君外二十五名より修正案が提出されております。
 この際提出者の趣旨説明を求めます。足立篤郎君。
    ―――――――――――――
○足立委員 ただいま議題となりました物品税法の一部を改正する法律案に対する修正案について、提案の理由を御説明いたします。
 本修正案の案文は、すでにお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。
 修正内容は、新規課税を行おうとする高級織物並びに従来製造課税となっておる弾丸をそれぞれ課税から削除せんとするものでありますが、原案にある新規課税中の高級織物並びに弾丸については、課税執行上等において幾多の難点が考えられますので、この際削除せんとするものであります。
 また、従来製造課税となっておりますゴルフ用品等をゴルフボールを除き小売課税に移すことにいたしておりますが、従来の実績にかんがみ、脱税の防止策を考慮いたしたものであります。
 銃については小売課税から製造課税に移すものでありまして、現行制度に戻すことが適当と考えられるからであります。
 なお、書画、骨董については、小売課税五%となっておりますものを、その流通税的性格を加味いたしまして、この際三%に改めんとするのもであります。
 この修正により、予算に及ぼす影響は僅少なものと考えます。
 以上であります。
○早川委員長 次に、入場税法の一部を改正する法律案に対しまして、足立篤郎君より各派共同提案にかかる修正案が提出されております。
 この際提出者の趣旨説明を求めます。足立篤郎君。
    ―――――――――――――
○足立委員 ただいま議題となりました入場税法の一部を改正する法律案に対する自民、社会両党共同提案による修正案について、提案の理由を御説明いたします。
 本修正案の案文は、すでにお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。
 修正の第一点は、五十円以下一割の税率を七十円以下に引き上げることにより、大衆娯楽の負担の軽減をはかることにいたしております。
 第二点は、新たに設ける免税点と、現行の免税点の引き上げを三十円としておりますのを、それぞれ二十円にするものであります。
 第三点は、改正法律案では施行期日を昭和三十四年五月一日からとしておりますのを、本年度の予算に及ぼす影響を考えまして、昭和三十四年八月一日にするものであります。 なお、この修正により、本年度の予算に対しては影響はないものと考えております。
 以上でございます。
○早川委員長 各案について質疑があれば、これを許します。
 横山利秋君。
○横山委員 物品税について、原案並びに修正案について質問をいたしたいと思うのであります。
 私どもは、この物品税というものを根本的に悪法だと思っているし、それから現在の運営その他についても、非常な弊害をもたらすものだと思っています。それは、お互に政治家としていろいろな陳情を受け、いろいろな措置をいたしていく過程においても、いろいろな弊害が常にあると痛感をいたすのであります。本来この物品税法はシナ事変から始まりました戦時中の税制でありますから、社会党は、もうすでにこの物品税法を撤廃するのだ、こういう立場で法案を提出いたしたことがございますが、この際、私どもの撤廃論は撤廃論といたしましても、原案及び修正案について、いささか質したいと思うのであります。
 まず、ただいま提案をされました修正案について、ものの考え方をお伺いいたしたいと思うのであります。もちろん与党としておまとめになって提案をされたでありましょうから、物品税についての根本的な立場もそれぞれ御討論なさったであろうと思うのであります。一体与党としては今後物品税法をどうなさるお考えの上に立っていらっしゃるのであろうか、それを伺いたいのであります。どうなさるかということは、言うまでもなく、この悪法であり、また運用の過程においても、国会の審議の過程においても、とかく問題の生じやすい物品税法のことでありますから、この際一歩でも二歩でも廃止をするという方向に向いてこそ当然の方向だと思うのでありますが、それともまた、与党とされては、将来間接税を重視するという政府の方向もあるようでありますから、この物品税をさらに拡大をするという方向にお考えでありましょうか、責任ある御答弁を願いたいのであります。
○足立委員 物品税につきましては、私どももできるだけ不均衡を是正しつつ減税をいたしたいという方向で考えております。昨年五月の総選挙に際しての公約もございまして、私どもは今回四十数億円にわたる物品税の減税に踏み切ったような次第でございます。ただ、社会党の御意見は、かねて伺っておりますが、一ぺんにやめてしまえ、こういう御意見のようにただいまも拝聴いたしたわけでありますが、私どもは、やはり財政の都合等も考えまして漸進的に不均衡を是正しつつ、方向としてはまさに横山さんと同じ方向を向いていると思います。できるだけ減税をいたしたい、かような考えでおる次第でございます。
○横山委員 与党が物品税法について廃止の方向であるというお答えは、しかと承知いたしました。願わくはその方向に誤まりなからんようにお願いいたしたいと思うのであります。
 第二番目にお伺いいたしたいのは、この修正案は、織物物品税についていろいろな問題もあるから、この際これを削除しようという御趣旨であります。これは私どもも大いに賛成をいたすところでありまして、与野党の意見が一致をいたしましたことは欣快にたえないと思うのであります。ただ、ここで考えなければならないのは、今回の物品税法で増税をいたしますものは、単に織物物品税にとどまらないのでありまして、テープ式磁気録音再生機トランジスター・ラジオ、チクロ系人工甘味料等四品目にわたっているわけであります。いろいろと人によって意見はございますけれども、今日まで、政府側としては、高級織物というものは高級の織物なんだという所論を展開して、そうして佐藤大蔵大臣もゆるがざる態度を持っておられたのであります。与党としてこの高級織物に対して課税する必要がないという意味は、純然たる技術的な判断であったろうか。私は、必ずしもそうではなくして、政治的ないろいろな判断の上に立たれての政治家としての措置であろうと思うのであります。しかりといたしましたならば、今回減税の段階に増税をすべきでないという政治的判断に立たれたといたしましたならば、「なぜ一体テープ・レコーダーをお残しなさるのか、なぜテープ・レコーダー、トランジスター・ラジオ、チクロ系人工甘味料――この人々は言うならば、中には多少の径庭はございましょうけれども、高級織物ほど大運動をいたしておりません。企業としても小さいのがございます。こういう鳴かないホタルが身を焦がしているにもかかわらず、鳴いたものだけそれでは飛ばしてやろう、あとは原案の通り取っていくということは、いささか配慮が欠けたものがあるのではないか、私はそういうふうな気がいたすのでありますが、提案者の御趣旨を承わりたいと思うのであります。
○足立委員 高級織物をなぜ削除せんとするかという御質問でございますが、これは、横山さん御指摘の通り、私どもとしては、いろいろな観点から技術的あるいは政治的に判断をいたしました結論として、ここに御賛成をいただいた通り、高級織物を削除せんとすることにいたした次第でございます。その理由につきまして簡単に申し上げますが、私どもは、先ほどお答え申し上げた通り、物品税につきましては均衡を考える、同時に公正に適用するということが第一点、さらに中小企業あるいはいわゆる大衆の負担というようなものにつきましては、この際できるだけ減税あるいは免税をいたしたい、こういう趣旨で、私どもの公約にも基きまして、中小企業対策等も考え、この際措置を考えて参ったわけであります。そこで、政府から織物につきましての課税の原案が出て参りまして、私ども自民党におきまして慎重に検討をいたしたのでありますが、御承知の通り、高級織物につきましては、高級になればなるほどいわゆる手工業的な性格を帯びて参ります。しかもこれは、全国に零細な、名人芸ともいうべき、いわゆる職人はだの者の製品にかかわるものが、より値段が高く、より高級であるという点であります。さらに、これを販売の面から見ましても、小売屋が数多くありまして、デパート等を除きますれば、これはいわゆる中小企業であることは申すまでもありません。そこで、社会通念としては、これだけぜいたくなもの、高級なものに税をかけるのは当然であるという考え方もこれまた至当かと思いまするが、主として今申し上げたような政治上の理由、あるいはまた中小企業等に対する対策、あるいはまた徴税技術面、こういう面から、高級織物につきましてはこの際削除せんとするものであります。
 さらに、トランジスダー、テープ・レコーダー、甘味料等についての御質問でございますが、これは、申すまでもなく、私どもは均衡という点に重点を置いて、この際取るべきであるという判断をいたしたわけでありまして、トランジスターは、現在ラジオがほとんどトランジスターにかわりつつあるという状況からいたしまして、これも育ちつつある産業でありますから、税率もなるべく低くということで、五%を適用いたしまして、この際他との均衡を考えまして徴税すべきである。テープ・レコーダーにつきましても、今まで蓄音機等が税金をかけられておる、こういう点も考慮いたしまして、これもトランジスタ―同様に軽減税率を適用いたしたい、かような考え方であります。甘味料につきましては、甘さの度合いこそ違いますが、ズルチン、サッカリンあるいは砂糖等、いずれも物品税、消費税がかけられておる現状にかんがみまして、これまた、均衡税として、この際最小限度の負担をしていただく、かように踏み切ったような次第でございます。
○横山委員 ごもっともらしく聞えるのではありますけれども、足立さんもお互いに政治家として、胸に問い、腹に答えてみれば、今日この織物物品税をとにかくわれわれがお互いに反対をして法案の中から削除しようとする趣旨のものは、やっぱり同じようにテープ・レコーダーなりあるいはそのほかのものについても考えられるべきところではありませんか。ただ、それが、国会を取り巻く高級織物の諸君の熱心な気持にわれわれが胸を打たれたといたしましても、そういうふうにしていなかったから、声が聞えなかったからというだけで――理屈は何とでもつけられますよ。その減税以外に増税するということ自体に問題がある。しかも、大蔵大臣としては一、二、三、四とまとめて出してきたやつの中で、一つだけはそれではつぶしてあげよう、あとは全部税金を取るのだということは、私は今日における政治理念としてどうしても納得し得ないものがある。まさに私は納得し得ないものがある。たとえば高級織物とテープ・レコーダーを比べてみましょう。テープ・レコーダーは大企業が作っておりましょうが、テープ・レコーダーを使う人と高級織物を着る人と、どういう違いがありましょうか。これは考えてみれば同じことなんですよ。それにもかかわらす、またテープ・レコーダー等については、今日本が非常に伸びている段階でありますから、これは特に国策上の保護をなさっておられるところもあるし、また輸出もなさるべきであるという見解は通産省なんかにもあるわけです。片一方で保護をしながら、片一方では新たに税金をとる、こういう矛盾がある。それだからこそ、テープ・レコーダーは昭和三十六年三月三十一日までは軽減税率五%という措置をとっているでしょう。つまり、このテープ・レコーダーについてはその趣旨を実際認めているわけです。何とかしなければいかぬという片鱗をここにとどめているのです。高級織物は片鱗がないのですよ。順番からいうならば、政府の提案した立場というのは、テープ・レコーダーについては特別な段階をとっておる、高級織物は一ぺんにとる、こういう立場に立っておるわけです。ここに、私は非常に与党のなさり方としては矛盾を感ずる。鳴かぬホタルが身を焦がすという言葉があるけれども、あれだけの大衆的な、あれだけの猛烈な運動ができない人々の気持も思って、なぜ、とらないならとらない、全部一緒になさらないか。この点について、私はどうしても納得のできないものがありますが、これはあるいは意見の対立になるかもしれませんから、第二番目の質問に移ります。
 今度の修正案で、ゴルフと鉄砲をお出しになりました。ゴルフと鉄砲というのは、あなたの先ほどの御提案の理由を考えますと、なるほど、これも小売課税の脱税防止だから、弾丸はただにするとおっしゃるのだけれども、実っ際ゴルフをやる人と鉄砲をなぶる人と、こう考えてみて、世間に対する説得力があるのであろうか、私はそう思うのです。これを今度の物品税に対する臨時税制委員懇談会の基本的なものの考え方として、各物品の消費の性質及び担税力との照応関係においてつり合いをとるべきであるけれども、しかし零細企業の製品で転稼困難なものだけは何とかしてもよろしいとはいっております。ここが一つの抜け道となって、いろいろな手配を私どもも考えるわけでありますが、しかし、どうしても今回ここで新たに提案しなければならないものがゴルフと鉄砲であるということについては説得力がない。かりにこれをやるとしたならば、ほかにまだ出すべき多くのものがありはしないか。ゴルフと鉄砲を私どもはどうしても反対するものじゃないのだけれども、暗やみから突如としてゴルフと鉄砲が出てきたという感じがする。これをやるならば、与党として、もっともっとたくさんのことをおやりになるべきではなかったか。そういう点について御意見を伺いたいのであります。
○足立委員 横山さんのお話しぶりを聞いておりますと、私どもはゴルフと鉄砲を、税にするような御発言なので、ちょっと心外なんですが、実は、ゴルフにつきましては、私どもは減税をしようという意図はございません。先ほど理由に申し上げた通り、これは今メーカー課税になっておりますが、東京都内にも例のやみ市といわれるあめ屋横町といわれるところもございます。ああいうところの実態を調べてみました結果、これは小売課税にするのが正しいと私どもは判断いたしました。業界につきましても、これは小売課税を希望するという陳情もございましたので、私どもの意図と合致したわけであります。この税率につきましては、小売課税の最高税率を適用するということであります。
 なお、銃につきましては、ぜいたく品であるというようなお話でありますが、なるほど、一部の有産階級におきまして、鉄砲かついで犬を連れて歩くというのは、ぜいたくに見えるかもしれません。しかし、これは全国の十五は、いささか配慮が欠けたものがあるのではないか、私はそういうふうな気がいたすのでありますが、提案者の御趣旨を承わりたいと思うのであります。
○足立委員 高級織物をなぜ削除せんとするかという御質問でございますが、これは、横山さん御指摘の通り、私どもとしては、いろいろな観点から技術的あるいは政治的に判断をいたしました結論として、ここに御賛成をいただいた通り、高級織物を削除せんとすることにいたした次第でございます。その理由につきまして簡単に申し上げますが、私どもは、先ほどお答え申し上げた通り、物品税につきましては均衡を考える、同時に公正に適用するということが第一点、さらに中小企業あるいはいわゆる大衆の負担というようなものにつきましては、この際できるだけ減税あるいは免税をいたしたい、こういう趣旨で、私どもの公約にも基きまして、中小企業対策等も考え、この際措置を考えて参ったわけであります。そこで、政府から織物につきましての課税の原案が出て参りまして、私ども自民党におきまして慎重に検討をいたしたのでありますが、御承知の通り、高級織物につきましては、高級になればなるほどいわゆる手工業的な性格を帯びて参ります。しかもこれは、全国に零細な、名人芸ともいうべき、いわゆる職人はだの者の製品にかかわるものが、より値段が高く、より高級であるという点であります。さらに、これを販売の面から見ましても、小売屋が数多くありまして、デパート等を除きますれば、これはいわゆる中小企業であることは申すまでもありません。そこで、社会通念としては、これだけぜいたくなもの、高級なものに税をかけるのは当然であるという考え方もこれまた至当かと思いまするが、主として今申し上げたような政治上の理由、あるいはまた中小企業等に対する対策、あるいはまた徴税技術面、こういう面から、高級織物につきましてはこの際削除せんとするものであります。
 さらに、トランジスダー、テープ・レコーダー、甘味料等についての御質問でございますが、これは、申すまでもなく、私どもは均衡という点に重点を置いて、この際取るべきであるという判断をいたしたわけでありまして、トランジスターは、現在ラジオがほとんどトランジスターにかわりつつあるという状況からいたしまして、これも育ちつつある産業でありますから、税率もなるべく低くということで、五%を適用いたしまして、この際他との均衡を考えまして徴税すべきである。テープ・レコーダーにつきましても、今まで蓄音機等が税金をかけられておる、こういう点も考慮いたしまして、これもトランジスタ―同様に軽減税率を適用いたしたい、かような考え方であります。甘味料につきましては、甘さの度合いこそ違いますが、ズルチン、サッカリンあるいは砂糖等、いずれも物品税、消費税がかけられておる現状にかんがみまして、これまた、均衡税として、この際最小限度の負担をしていただく、かように踏み切ったような次第でございます。
○横山委員 ごもっともらしく聞えるのではありますけれども、足立さんもお互いに政治家として、胸に問い、腹に答えてみれば、今日この織物物品税をとにかくわれわれがお互いに反対をして法案の中から削除しようとする趣旨のものは、やっぱり同じようにテープ・レコーダーなりあるいはそのほかのものについても考えられるべきところではありませんか。ただ、それが、国会を取り巻く高級織物の諸君の熱心な気持にわれわれが胸を打たれたといたしましても、そういうふうにしていなかったから、声が聞えなかったからというだけで――理屈は何とでもつけられますよ。その減税以外に増税するということ自体に問題がある。しかも、大蔵大臣としては一、二、三、四とまとめて出してきたやつの中で、一つだけはそれではつぶしてあげよう、あとは全部税金を取るのだということは、私は今日における政治理念としてどうしても納得し得ないものがある。まさに私は納得し得ないものがある。たとえば高級織物とテープ・レコーダーを比べてみましょう。テープ・レコーダーは大企業が作っておりましょうが、テープ・レコーダーを使う人と高級織物を着る人と、どういう違いがありましょうか。これは考えてみれば同じことなんですよ。それにもかかわらす、またテープ・レコーダー等については、今日本が非常に伸びている段階でありますから、これは特に国策上の保護をなさっておられるところもあるし、また輸出もなさるべきであるという見解は通産省なんかにもあるわけです。片一方で保護をしながら、片一方では新たに税金をとる、こういう矛盾がある。それだからこそ、テープ・レコーダーは昭和三十六年三月三十一日までは軽減税率五%という措置をとっているでしょう。つまり、このテープ・レコーダーについてはその趣旨を実際認めているわけです。何とかしなければいかぬという片鱗をここにとどめているのです。高級織物は片鱗がないのですよ。順番からいうならば、政府の提案した立場というのは、テープ・レコーダーについては特別な段階をとっておる、高級織物は一ぺんにとる、こういう立場に立っておるわけです。ここに、私は非常に与党のなさり方としては矛盾を感ずる。鳴かぬホタルが身を焦がすという言葉があるけれども、あれだけの大衆的な、あれだけの猛烈な運動ができない人々の気持も思って、なぜ、とらないならとらない、全部一緒になさらないか。この点について、私はどうしても納得のできないものがありますが、これはあるいは意見の対立になるかもしれませんから、第二番目の質問に移ります。
 今度の修正案で、ゴルフと鉄砲をお出しになりました。ゴルフと鉄砲というのは、あなたの先ほどの御提案の理由を考えますと、なるほど、これも小売課税の脱税防止だから、弾丸はただにするとおっしゃるのだけれども、実っ際ゴルフをやる人と鉄砲をなぶる人と、こう考えてみて、世間に対する説得力があるのであろうか、私はそう思うのです。これを今度の物品税に対する臨時税制委員懇談会の基本的なものの考え方として、各物品の消費の性質及び担税力との照応関係においてつり合いをとるべきであるけれども、しかし零細企業の製品で転稼困難なものだけは何とかしてもよろしいとはいっております。ここが一つの抜け道となって、いろいろな手配を私どもも考えるわけでありますが、しかし、どうしても今回ここで新たに提案しなければならないものがゴルフと鉄砲であるということについては説得力がない。かりにこれをやるとしたならば、ほかにまだ出すべき多くのものがありはしないか。ゴルフと鉄砲を私どもはどうしても反対するものじゃないのだけれども、暗やみから突如としてゴルフと鉄砲が出てきたという感じがする。これをやるならば、与党として、もっともっとたくさんのことをおやりになるべきではなかったか。そういう点について御意見を伺いたいのであります。
○足立委員 横山さんのお話しぶりを聞いておりますと、私どもはゴルフと鉄砲を、税にするような御発言なので、ちょっと心外なんですが、実は、ゴルフにつきましては、私どもは減税をしようという意図はございません。先ほど理由に申し上げた通り、これは今メーカー課税になっておりますが、東京都内にも例のやみ市といわれるあめ屋横町といわれるところもございます。ああいうところの実態を調べてみました結果、これは小売課税にするのが正しいと私どもは判断いたしました。業界につきましても、これは小売課税を希望するという陳情もございましたので、私どもの意図と合致したわけであります。この税率につきましては、小売課税の最高税率を適用するということであります。
 なお、銃につきましては、ぜいたく品であるというようなお話でありますが、なるほど、一部の有産階級におきまして、鉄砲かついで犬を連れて歩くというのは、ぜいたくに見えるかもしれません。しかし、これは全国の十五でなされると思いますから、その際に一つ検討をお願いしておきたいと思うのであります。
 それからさらに、原案提出者である政府に最後的にお伺いをいたしたいのは、政府としてはこの物品税を今後どういうふうに持っていこうとなさるかという点であります。政府と与党と意見の違うことはおかしいのでありますから、与党の方で、先ほど足立部長がおっしゃったように与党としては物品税を廃止する方向で、漸減であるにしろ前進をしたいという御明言があったわけでありますから、同じ保守党の政府としても、当然そのようにお考えかと思うのでありますが、いかがなものでありましようか。
○山中政府委員 私も、修正案の説明者である足立委員との間におきます質疑応答を拝聴いたしておりまして、将来廃止の方向に持っていくというような断定的なお話ではなかったと思うのです。あなたの方でそうお受け取りになっただけでありまして、ニュアンスにおいてそういうようなものがあるいはあったかもしれませんが、私どもといたしましては、過去の段階におきまして、直接税、間接税等のバランス議論等もいたしまして、間接税にいま少し比重を置くべきである等の答申がなされておったと思いますので、直ちにその中の物品税を廃止の方向に持っていくということは、ここでは即断できませんが、しかしながら、物品税法は御承知の通り非常にたくさんの品目に関して規定されておるものでありますから、時世の推移とともに、あるいはまたそれぞれの部門の消費の変化とともに、弾力を持って措置していかなければなりませんので、これに対しましては、製造過程あるいは課税されております客体の業態なり、そういうものを勘案をいたしまして合理化に努め、もしくは均衡化に努めることにいたしまして、絶えず弾力性ある検討を加えていくということを申し上げておきたいと思うのであります。
○横山委員 足立さんどうなんですか。あなたの言い方が悪かったんですか、私の聞き取り方が悪かったのですか。
○足立委員 とかく人間は自分の都合のいいように解釈いたします。私の言い方が悪ければいつでも取り消します。(「責任がないぞ」と呼ぶ者あり)これは冗談じゃないのでありまして、私どもも、できるだけ減税をいたしたいという気持は、政治家としてあなた方とちっとも変らないという意味のことを表現いたしたのであります。その際均衡をとりつつということを申し上げたのは、今政務次官がお答えになった通り、ただあなた方は自衛隊をやめろというのと同じような論法ですぐやめろとおっしゃる。方向は同じでありましても、私は百年ぐらいたてば一緒になるかもしれぬと思うのでありますが、まあ漸進的に、十年でいく場合もあるし、五年でいく場合もあるし、百年、千年という場合もありますから、方向が一緒だからといって、同じことを言ったといって責められたんじゃ、私も立つ瀬がない。ただ、私どもはできるだけ減税をいたしたいということは、あなた方と同じだという意味を申し上げたのであります。
○横山委員 言葉の端を取り上げようとはいたしませんが、足立さんそれはいささか詭弁じゃありませんか。あなたが先ほどおっしゃったことは、少くとも方向としては社会党と一緒です、こうおっしゃった。政務次官の今おっしゃったことは、そうでなくして、やっぱり廃止をするという方向に向いておらぬのです。あなたは私どもが一ぺんに物品税を廃止するということを言っておるとおっしゃるが、だれがそんなことを言いました。私どもの廃止の方向は、初年度において百五十億、二年、三年において実施をするということでありまして、廃止をするという大前提を確立をして、二年計画なり三年計画なりでやるのでありまして、誤解もはなはだしい。それからさらに、あなたが引用なさいましたが、自衛隊を今すぐに廃止するとだれが言いました。そういう演説をあなたが方々でやっておられるから、自民党というものはごまかしばかりやっておるという世間の批判が起るのであります。お互いに反対党の政策をよく研究し合って、間違いのないように国民に訴えていただきたいのであります。今十七万の自衛隊を首切って路頭に迷わせるようなばかなことを考えておる者は、社会党にはだれ一人おりません。これは廃止するという前提に立って、本年度はこれを増加しない、次の年度には平和建設隊なり何なりを作る、そうして転移を考えながらこれを廃止していこうというのでありまして、その点は三才の子供でも知っておる道理であります。ましてや、自民党の財政部長ともあろうお方が、かかる詭弁を弄して速記の上に載せられるということは、私はまことに心外にたえない。
 これは余談でありますが、しかし、今言ったようにあなたと政務次官との違いは明らかでありますが、それでもあなたは先ほど言ったことをお取り消しになりませんか。
○足立委員 私は、政務次官という立場では、今私のような自由な発言は無理だと思います。現に今財政をあずかっているその責任者に物品税を今廃止するかどうか方向を言えというのは、それは質問する方が無理だと思うのです。現在やっているものを廃止する方向に向うかどうかということは重大な政治的な影響を与えますから……。山中君個人としては、おそらく私どもと同じように政治家としてできるだけ減税したい、こういうように考えておると思いますが、政務次官のいすにすわっておる人を責めて、私と同じ答弁をしろといっても無理だと思います。そういう意味で、多少のニュアンスの違うということは、これは一つ同僚議員としてお許しをいただきたい。私が言い過ぎであればいつでも取り消します。
○横山委員 その点は、与党としては、先ほどお話しのように、物品税を廃止する方向に進んでいるというあなたの言葉を、一応後日のために私は理解をしておきたいと思うのであります。
 私は、この際、以上質問をいたしました諸般の事柄を通じてみまして、いろいろな問題点がまだ物品税の中には残っておると思います。私どもは、繰り返し申しますが、物品税はもう廃止の段階に入るべきである、そうして勇敢にその一歩を踏み出すべきであるという立場に基本的な違いがございますし、また、ただいま御提案なさった原案にしても、あるいは修正案にしても、新たな不公平な方向がここに生み出されておるのであります。その意味では、私どもがかねてから主張をいたしておりましたが、この物品税は撤回の政府案の原案の中で、増税部分となる織物物品税外諸案件については修正し、そうして増税をすべきでないというこの主張を、繰り返しここでいたしたいと思うのであります。もちろん、この中において織物物品税がここに与党の御提案によって廃止をされることについては、私どもとしては賛成の意を表しますけれども、自余のものは問題がございます。この際物品税の原案の修正案に以上の点から反対の立場を明らかにして、私の質問を終ることにいたします。
○早川委員長 春日一幸君。――お約束の時間が過ぎておりますから、簡単に御質問願います。
○春日委員 私ただいま念のために予算委員会の方に連略してみましたが、予算委員会は六時ごろまで質問が続行されるようでございます。従いまして、本会議は大体予算委員会が終ってから開会されるという約束に相なっておりますので、私も、昨日から理事諸君が大へんな御熱誠でおとりまとめを願っておりまする審議計画に狂いを生ずることのないように、質問を行いたいと思うのでありますが、どうかそういう意味で、私が短時間に質問を切り上げましても、また十分質問をいたしましても、結局は本日の本会議の議事には支障を来たさないものであるという御了解のもとに、そんなに寸分をおせき立てになることなく、十分一つ質疑をお許し願いたいと思うのでございます。
 それでは、国税庁長官に先にお伺いいたしますが、まず本年度の物品税の自然増収はどのくらいと見ておりますか。昭和三十三年度の物品税の歳入予算額と歳入見込額はどのくらいのものでありますか。この点を一つお伺いいたします。
○原政府委員 物品税の歳入予算額は四百四十億であります。これに対しまして収入見込みでありますが、ただいまの見当では四百五十億くらい入るのではないかと思っております。
○春日委員 まず大まかに御理解を願っておきたいことは、毎年の例ではありますけれども、これはあながち物品税に限ったことではございません。大体においてこの歳入予算額と実際の自然増収というものは、最悪の場合でも一割の限界をこえて増収されぬものだ、こういう御理解の上に立っていろいろと御判断を願いたいと思うのであります。言うならば三百万円や三千万円やあるいは三億円のごとくらいけちけちしなくても、自然増収でつじつまが合ってくるのだ、こういう御理解の上に、あまり神経質な、重箱のすみをようじでほじくるような計算ではなくして、大体大まかな政策論議として一つ受け答えを願いたいと思うのであります。
 そこで、私は、問題を特に局限いたしまして、ただいま横山君から指摘されました政令事項に一つ重点を置いて質問をいたしたいと思うのであります。特にこれは山中政務次官にお伺いをいたしたいのでありますが、ただいま横山君の指摘されましたように、法律によって二十億の減税、政令によって二十億かれこれの減税、こういうことが大体予定されておることが明らかになったのでございます。少くともわが国は立憲法治国であり、税制については租税法定主義、この大原則を金科玉条として、われわれはこれを最高度に順守してかからなければならない問題であろうと存ずるのでございます。由来、税制に関する政令というものは、国税庁長官の通達をも含めまして、国民の財産に直接の影響を与えて参るという意味で、特に政令とか通達とかいうものは特別の関心が払われるべきである、この主張を私はなして参りました。従いまして、今回物品税に関係いたします事柄といたしましては、特に政令案とそれから大蔵委員会とのつながりというものについては、格別の配慮をなさるべきであるという考え方と確信を持たざるを得ないのでございます。と申しますのは、不肖私は第十五国会以来ずっと大蔵委員会のその席にあります。大臣が新しく着任され、かえられ、また来た。委員の諸君もかわられたけれども、不肖春日一幸は終始かわることがないのであります。従いまして、私は、物品税の取扱いにつきましては、少くとも最近、昭和二十七年から今日に至りますまでの一句の経過をよく記憶いたしておるのであります。そうしてまた、その取扱いの手心についても一つの歴史と伝統があるということを、山中次官によく申し上げたいと存ずるのでございます。
 それは何を強調いたしたいかと申しますと、今まで、物品税がなくなり、それに関連をいたしまして政令がなくなりましたことは、二回ございました。たしか十九国会と二十四国会でありましたか、二回その政令がなくなったことがございます。そのときの取扱いが何であったかと申しますと、それはやはり法律と同じような効果を国民に及ぼしていく。わけて、その結果は経済政策、産業政策と至大な関係を持つ内容であるので、従って、この免税点をいずこに設定するかという問題については、法律の建前では国会にお諮りになる必要はない事柄であったと思うのでありますが、前二回は、ことごとく、本委員会に、非公式ではありまするが、正規の機会を設けられて、そこであらゆる角度からの検討が加えられたことでございました。この問題については、少くとも原主税局長は十分御記憶のあるところであろうと存ずるわけでございます。そこで、今回の取扱いは何であるかと申しますると、これは、私がかねてから尊敬をいたしております薩摩男児の山中君が、伺いまするところの最高の責任者となられまして、是は是、非は非という公正な立場に立ってそれをさばいておられると聞いております。従いまして、私は、無限の信頼と、そうしてなお、われわれが了解できない問題については、率直にわれわれが意見を開陳することによって意見の調整がはかられるべきものだと期待をいたしまして、事態の推移をながめて参ったわけでございます。
 そこで、私がここで申し上げたいことは、法律を論ずるならばわれわれはここで大いに論じ得る。実にテープ・レコーダーの問題だけを論じましても、今横山君が論じられました通りに実に懸河の弁をふるって論ずることができる。けれども、それと同じような何十品目にまたがりますところの政令の問題については、産業あるいはそれぞれの個人に至大な関係を持つ事柄を、われわれがここで論じ得られないこの苦衷のほどをばお察し願えましょうか。私はまずこの事柄について十分あなたの御理解を得たいと存ずるのでございます。われわれは、法律事項については、職権をもって、ここで論ずることができる。批判をすることもできる。希望を申し述べることもできる。けれども、同じ効果を持ち同じ内容に関する政令事項についてわれわれが論じ得られないということは、一体何たる片手落ちか、こういうことでございます。私は今ここで唐突にこういうことを申し上げているのではない。それは、過去二回、少くとも昭和二十七年以降においてこの免税点の問題が論じられました際は、ことごとく本委員会において正規に選ばれた小委員が集まって、あらゆる産業政策、経済政策の立場から、この商品に対して免税はいかがすべきかということを、おか目八目であらゆる眼もって検討しつつ、大体において本委員会の総合的な意見と法律との均衡、そして全般的な視野の上に立って偏見なからしめるように、不公正に陥ることのないように、そういう完璧を期するための努力が払われて参ったのでございます。しかるところ、今回はそういう経緯が一たびも含まれておりません。私が冒頭に申し上げました通り、貴殿が非常な確信を持って、是は是、非は非という立場において熱誠に取り組まれておりまするので、今ここにおいて何の不安があるというわけではございませんけれども、しかし、伺いますると、なお各般の細部にわたりましては相当未了解な事柄が残されておる、ということを承知いたしておるわけでございます。
 そこで、私がお伺いいたしたいことは、今横山君の質問の中にもございましたけれども、やはり法律と同等の効果を持つその問題であり、経過的には大蔵委員会が政府に協力しつつ問題の解決をはかっていきたいという問題について、やがて政令が布告されるでありましょう。当然、政令の布告の前に、今までの経過にかんがみて、国会と政府との間の意見の調整をはかるために、何らかの話し合いの機会をお持ちになる意思があるか、御用意があるかどうか、その問題についてお伺いいたしたいと存ずるのでございます。
○山中政府委員 大蔵委員会の主とも言うべき存在である春日委員より数々の御指導をいただいたのでありますが、今日までの経緯につきまして承わりまして、私どもは、形は相違いたしておるかもしれぬが、実際にはそういう経緯を十分尊重しておるという一つの確信がございます。しかしながら、最終的にこれをまとめまする際には、同じく形は前のような彩にするかどうかという問題についてははっきり申し上げられませんが、何らかの形における御了解は得るつもりである。ただし、筋の通ら、ざるものについては、私は断わるものは断わることがあり得ることを申し上げておきます。
○春日委員 もとより筋の通らない、白いものを黒いと言えなどということを不肖春日一幸が言う気づかいはございません。私は、やはりひざを交えての談合ということで、ただ、この資料によって直感したところではノーと考えても、さらに説明を十分深く聞くということによって、その認識を新たにする、あるいは十分に問題をそしゃくする、そうして自分の判断がまた変ってくるということは、お互いに長い議会生活の中においてしばしば経験を得たところでございます。私は、今まで免税点について貴殿が深い度量でもってそれぞれの接触をされてきたことは、多といたします。けれども、やはり個人的な折衝であるとか、あるいは貴殿も忙しい間に私的な話を聞いておられるということでございましてはこれは問題の核心を十分にうがつことにはなり得なかったのではないかと、私は心配をするものでございます。私は、法律問題ならばここでほんとうに微細にわたって論ずることができますけれども、そういうようないわば行政上の問題という形になりますると、しょせんは政府の権限に属する問題でございますから、見解の相違だということで、結局話し合い、検討というものが中途半端でやめられるということがあるのでございます。私は、結局この問題は、産業政策、経済政策に大きな関連を持つのでありますから、私たちがほんとうに熱誠を傾けて、とにもかくにも納得ができないならば、納得ができる段階までお互いがとにかく言葉を尽して時間をかけて誠実を傾けて話し合って、その結果この大蔵委員会すなわち国会の意思と政府の意思とが、ちょうど法律とある程度均衡がとれた形において処理されることが望ましいのである。過去の取り扱いもそう相なっておるのであります。そこで、ただいまの次官の答弁によりますると、かつてとられた方式をとるかどうかはわからないけれども、しかし相似たような方法をとってできるだけ円満な解決をはかりたいという御意見でございまするが、それに相違ございませんか。なお、私は伺っておきたいのでございまするが、この法案は参議院に送られましょう。そうして、衆議院の段階といたしましては、本日問題の五法案が上がってしまいますると、残されておりまする問題はだんだんと少なくなって参りまするので、そういうような重要な任務を背負うところの会合を持つ機会というものが、これはやはり計画をしなければ持ち得ないわけでございます。そこで、法律の実施が四月一日とするならば、政令の実施もやはり四月一日になるでありましょうし、あるいはその施行期が多少先に繰り延べられるといたしますと、やはりそれと軌を一にすることに相なるでありましょう。従いまして、私は、この際次官にお約束を願っておきたいと思うのでありまするが、こういう政令の案について、この委員会の側と政府の側とが意見の調整をはかる機会を何月何日、こういう工合に一つ大体においてお約束願っておきますれば、関係者はそのために準備をしておくことができると思うのでありまするが、いかがでございますか。
○山中政府委員 前段におっしゃったことについては非常にごもっともなことでありますし、その御趣旨をくんで当りたいと思います。またこれを政府の権限であるから一方的にやりまくるというようなことも考えておりません。しからば、どうすればいいかということになりますれば、私は、形は別として、先ほど来申し上げておりまするように、十分の話し合いもしたいと思います。ただ、話をすれば理解が深まっていくこともあるし、あるいは考えの変わってくることもあると言われますが、中には、幾ら話を進めてみても、とうてい理解できないものもあれば、気持が変わってこないものもあり得るということだけは申し上げておきます。
○春日委員 大体私も言わんとするところは言い得ておりまするし、大体において御答弁に満足いたしております。ただ、こいねがわくば、私がここに強調いたしておきたいことは、これは今法律が改正できません。というのは政令案というものについて非難があったところで、今ここでこういう政令事項を削除するといったところで、論じてみれば功罪相半ばするところがあろうと思います。従いまして、この結論もなお相当の検討を要するでありましょう。従いまして、この政令事項に委譲いたしております事柄がここに存します限りは、法律と同じ効果を持つところの政令事項、免税点の設定というような問題については、やはり国民の代表者たる国会側をして十分意見を述べしめる、それが片寄った意見やあるいはゆがめられた意見ならば、当然次官のおっしゃる通りそういうことは必要はございません。しかし、聞くべき意見は十分聞いて、ごうまつといえども不公正のないように、またそういうような政令を施行されることによって、産業政策あるいはわが国の産業の健全なる発展を阻害することのないように、十分御留意あらんことを強く要望いたしまして、なお話合いの時期等につきましては、これは委員長の責任において政府との間で十分御連絡をいただきまして、あやまつことのないように、悔いを後日に残すことのないように、なお産業政策に大きな障害をもたらすことのないように、十分御善処あらんことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
○早川委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、物品税法の一部を改正する法律案に対する修正案及び入場税法の一部を改正する法律案に対する修正案の両修正案に対しまして、国会法の規定により、内閣において御意見があれば述べていただきたいと思います。大蔵政務次官山中貞則君。
○山中政府委員 ただいま物品税並びに入場税について修正案が提案をされておりますが、まず無難な方から申し上げます。
 入場税につきましては、私ども、かねて他の入場税との間接税内部における均衡の問題を第一に苦慮いたしておりましたし、また反面、入場税に手をつけます際には、当然一般大衆の恩恵にあずかるような減税案でなければならぬ。この両者の併合に非常に苦労いたしておりました。私どもといたしましても、この修正案の過程における両党の御意見は十分傾聴に値するものと存じ、しかも今回の修正案は後年度において十億見当の減税額の予期せざる増を生みますが、しかし初年度においては一応予算の面でやりくりできるような施行期日等の配慮もございますので、これでもって、下級映画館と申しますか、最も大衆に関係のある、かつその数も大きい個所の修正でありますので、私どもといたしましては修正案に賛成いたしたいと思います。
 次に、物品税法の一部改正案の修正部分でございますが、織物課税につきましては、私どもといたしまして原案提出に至ります考え方は、物品税体系の中における均衡という意味から踏み切ったのでございますけれども、その後国会の議論その他を通じまして、やはり課税方式その他において問題の存する点も了解するにやぶさかでございませんので、この際御修正は私どももやむを得ないものと存じまして、今後一そうそういう課税上の欠点等が排除されるような努力をさらに続けていきたいと考えております。なお、この修正部分の中で、私どもといたしまして大問題であると思われます点は、ゴルフがボールを除いて小売課税になりましたために、本来ゴルフ用具の中で考慮するならばまっ先であると思われます消耗品であるボールが五割のまま据え置かれて、一方用具の方が小売になったことによって、しかも税率を二〇%にしてございますために、その間の不均衡が存するのではないか、こういう点も考えます。さらにまた、一時密輸入されておりましたゴルフの用具も、逐次昨年あたりから関税に対する協力が得られるようになりまして、現在年間物品税に直しまして、関税の段階で四千万円ほどの収入も今上げておりますので、私どもといたしましては、遺憾ながら、このゴルブの用具について初めから減税する意思がございませんでしただけに、少しく問題が存するように考えるのであります。
 さらに、銃につきましても、税率が三〇%となりました点は、本来四〇%のものでございしたので、やはり十分議論してしかるべきではなかったかと思う点がなおあると思うのであります。さらに、今回の措置によりまして、弾丸が落されましたため、装填いたしまして販売いたしまするたまが、現在輸入額にいたしまして、関税段階で一千四百万円ほどのものが外国から入ってきております。外国から入ってきますたまが全部免税になるというような結果が招来されますので、この点も少しく問題のあるところだと考えております。
 以上のような点になお問題が存すると思いますが、しかしながら、国会は最高の立法機関でありまするし、国会におきまして御修正になりましたものは、私ども政府といたしましてはそれを尊重いたしまして進みたいと考えます。ただいま触れました以外の点につきましては、別段異議はございません。
○早川委員長 これにて内閣の意見は終りました。
 これより揮発油税法の一部を改正する法律案、地方道路税法の一部を改正する法律案の両案を一括して討論に入ります。
 通告があります。これを許します。横山利秋君。
○横山委員 ただいま議題となりました揮発油税法の一部を改正する法律案につきまして、社会党を代表して反対の意見を表明いたしたいと思うのであります。
 もう本委員会で何回も議論を重ねて参りましたから、同僚の諸君は十分御存じでありましょうから、多くを申そうとは思いませんが、一番やはり問題となります点は、委員会の審議で明らかになりましたように、過ぐる十カ月前に、私どもが、イデオロギーの違い、党派の違いはございましょうとも、減税を約束してきた。この間も減税をすると約束はしたけれども、減税をしないと約束した覚えはないかのごとき意見をなさった方がありましたが、これは選挙民を愚弄するもはなはだしい話であります。当時、与党並びに政府は道路をよくするという公約をなさった。しかし、もし増税をするとなれば、道路をよくいたします、ただしガソリン税はこれだけ増税いたしますということを天下に明示されて、初めて私は良心的な公党であるということができようかと思うのであります。いわんや、このガソリン税は、今回一キロリットルについて一万四千八百円から一挙に五千五百円引き上げ、二万三百円にしようとするものでありまして、全くの大増税であります。こういう大増税というものが、減税公約、減税公約、公約の実施、公約の実施と言っておるかたわらに、国会なりあるいはまた国民の中を横行をいたしますならば、民主政治というものは何をもって主権者たる国民に約束をすることができるのでありましょう。民主政治は主権者たる国民になさんとする政策をよきにつけあしきにつけ訴えて約束をし、これを正しく実行するところにあるのでありますが、今の岸内閣はそうではありません。選挙で約束したことについては、なるべく形だけは整えて、実際は適当にごまかせないものかときゅうきゅうとし、そうして約束をしなかったことに主力を集中して実行をしようとしておるのであります。早い話がそれは警職法であります。そうしてまた、このガソリン税法案であるのであります。私は、このようなガソリン税につきまして一番基本的に反対するゆえんのものは、実にその意味で民主政治の名において反対をするのでありますし、岸内閣の国民と政治に対する不誠実きわまりない態度に対して反対をいたすのであります。
 本来、この増税は、道路整備財源確保の必要からというようにいわれております。けれども、実際問題として、二十九年以来ガソリン税あるいは地方道路税あるいは軽油引取税を、減税の時代に毎年々々増税はいたしましたものの、実際に果して道路がよくなっておるものであるかどうか。またかりに受益者がこれを負担するからといって、税金を出す人と受益者というものが現実に一致しておるものであるかどうか。思いをここにいたしますならば、これはとうてい説得力を持つ話ではないのであります。これは小学校の子供も知っております。かさというものは天から降ってくる雨よけに上にさすもの、自動車が通ったらはねを飛ばされないようにかさを横にさすものと、二つの意味があるものと思っている。風が吹けば砂漠の野を彷徨するがごとき黄塵におおわれる。そういうような道路の状況の中で、この税金を取ったならばたちまち道路がよくなるがごとき幻想を抱かせつつ、こうして三割の大増税を行わんとするがごときは、許すべからざることといわざるを得ないのであります。
 道路は、言うまでもなく国の産業の動脈であり、道路をよくすることは国家の長期経済計画の一環として行われるのでありますから、何もひとり道路利用者、しかもその中の自動車関係の人々のためにのみ道路がよくなるのではないことは言うまでもないことです。そういうようなことでありますのに、今回こういう大増税が行われるということは、いわゆるあなた方の言う受益者の今の状況について政府の認識が不十分であるか、あるいはまた反対運動が大きくならないだろうと甘く見ているかどちらかでありまして、要すれば弱い者に対してはずうずうしい政府の考え方が如実にここに現われていると私は思うのであります。港湾の拡張は何の金でまかなわれています。飛行場は何の金まかなわれています。ひとり一般に開放されておる道路の整備ばかりが、ガソリンの目的税で、お前が通るんだからお前がまかなうべきだといって行われるということについては、どうしても納得がいきません。私はけさほども申したのですが、もしも増税をされるというのであるならば、これに匹敵する以上の一般財源からの投入があって、初めてこの関係の人々に対する説得の力を持つでありましょうのに、昭和二十四年を例に引いてみますと、実に九百九十一億の中に一般財源はたった百億にしかすぎないのであります。全く圧倒的な数字がその目的税であり、受益者と称せられる人々の負担であるということは、これは考え直しをどうしても要求せざるを得ないところであります。
 本来、政府のうたい文句は、中小企業のための減税であり、中小企業の擁護という政策にございましたが、今回の初年度百九十三億を一体だれが負担するかと問い詰めてみますと、結局ハスの業者、タクシー、トラックの業者ないしはそこに働いておる人、しかも他の半数以上は左官屋さんとか、あるいは八百屋さんとか、げた屋さんとか、三輪トラックを主人が自分で運転して飛び回るような零細企業者に、おそらく年一万一千二百五十円と私は推定をいたしておりますが、このような増税をもたらすことになるのです。そういたしますと、どんなに政府が法人事業税ないしは個人事業税をまけてやったと呼号いたしましょうとも、結局これに匹敵する以上の増税がこの側から行われておるのでありますから、これは問題にならぬところであります。また、政府側が口をからして言いますのは、ガソリン税は外国と比べて安いのだ、こうおっしゃるけれども、金持ちと貧乏人との持ちものを比較するようなことをしてはなりません。金持ちの所得と貧乏人の所得との相対的な比率の中で議論をしなければならぬわけでありますから、単純計算で比較をして外国よりも安いと言うがごときは、これは人を瞞着するもはなはだしいことであります。従いまして、もしも政府がこの税金を単純比較をするというのであるならば、それでは国民の生活水準を比較してものを言ってもらおうではないか。賃金水準も雇用水準も、あらゆる点で外国と同じようにしてくれたならば、おそらくや受益者の諸君、課税をされる諸君も納得するでありましょうのに、税金を取ることだけ単純比較をされるということは、言語道断のことではないか。こういう理屈をなさるといたしますならば、将来必ずやあなた方が同じ理届で私どもの追及にあって顔面を赤らめられることが起ると私は思うのであります。従いまして、この理論もまた納税者に対する説得力を持ってはおりません。
 最後に、私が指摘いたしたいのは、国会と与党の責任の問題であります。国会は、過ぐる国会も、その前の国会も、毎年々々ガソリン税について慎重な討議をいたしました。あるときにおいては否決もいたしましたし、あるときには修正もいたしました。そして両院において附帯決議が行われました。衆参の運輸委員会でも、あるいは本委員会でも、附帯決議ないしは大臣の答弁を通じて、これ以上は増税をしないと言われましたし、あるいはまた一般財源からこれ以上の投入をするという約束もいただいているはずであります。それにもかかわらず、それは全く無視されて、堂々と百九十三億の増税がまかり通っているわけであります。今日の政権のバック・ボーンとなっておるべきはずの与党内でも、三十二年の一月に、揮発油税に対する課税は若干引き上げるが、別途これと同額以上を一般財源から支出するものとの決定を、与党の政調と税制改革特別委員会でなされているのでありますが、一体与党としてその責任をどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。それから、昨年から今日にかけて、聞くところによりますと、三百数十名の与党の議員の諸公がガソリン税の増税に反対する署名をなさったそうであります。私はこの人々の良心とその人々の政治的責任を聞きたいくらいな気がいたします。今回のこの原案がそのまま通過するに際して、佐藤大蔵大臣の身辺に対する疑惑なり、過去の行動に対する疑惑が集中しているところも、結局は、この増税というものに無理があり、そして世人をして納得せしめないところに問題の根本があると、私は考えるわけであります。本委員会が呼びました参考人諸君の意見をここで再び詳述することは省略いたしますが、かりにあのときにたった一人の賛成者というべき大学教授においてすら、この一般財源の投入では苛酷過ぎるという意味で、この一般財源の投入をさらに倍額以上にすべきであるといって、条件付な賛成であった。けれども、結局その条件は満たされないのでありますから、あげてこれに対して反対をしたと考えるべきでありましょう。そう考えて参りますと、だれ一人も賛成をせぬ。今ここで採決するに当って、手をあげよう、賛成をなさろうとする与党の諸君それ自体が、反対の署名をなさった方々が多いのでありますから、一体この法案は何を意味するのであるか、何をもたらそうとするのであるか、これは私はまことに不可解なことだと思うのであります。
 かてて加えて、先ほど午前中に追及をいたしましたが、原局長のお答えによりましても、三十四年から三十七年におけるその間の課税、消費見込みにつきましては、いろいろな疑問がございます。こういうような徴税当局の立場に立つ数字の見込みというものが、一体何を意味するものであろうか。その質疑応答の中からいっても、私どもは増税の必要はないという立場に立っておるのでありますが、かりに増税を必要とする立場に立っても、この数字は納得がし得ないものであります。巷間新聞の伝うるところによりますと、本案は、参議院に行って修正をされるかもしれないという話がございます。一体どういう政治的な配慮であるか知りませんけれでも、またどこから流れた話であるか知りませんけれども、私どもは、何も衆議院だから参議院だからということを言うわけではありませんが、政府にしろ、与党にしろ、いささか良心的な気持がありといたしまするならば、これは一つこの際率直に、正正と、本案についての再検討をなさることこそ、私は必要なことだと痛感をするわけであります。
 以上、いろいろと申し上げましたが、この法案というものは、かつて本委員会で私が討論に立って申しましたように、ごうごうたる国民の反対と今後の問題を含んでおることをつけ加えまして、反対の討論を終ることにいたします。
○早川委員長 これにて討論は終局いたしました。
 続いて採決いたします。両法律案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○早川委員長 起立多数。よって、両法律案はいずれも原案の通り可決いたしました。
 なお、物品税法の一部を改正する法律案、入場税法の一部を改正する法律案、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、物品税法の一部を改正する法律案に対する修正案及び入場税法の一部を改正する法律案に対する修正案の五案に対しましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
 まず、物品税法の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案の両案を一括して採決いたします。
 まず、修正案について採決いたします。本修正案を可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○早川委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。これを原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○早川委員長 起立多数。よって、本案は修正議決されました。
 次に、ただいま議決いたしました物品税法の一部を改正する法律案に対しまして、小山長規君外二十五名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者の趣旨説明を求めます。小山長規君。
○小山委員 簡単に附帯決議案の趣旨を申し上げます。
 今回の物品税法の第六条第三項の改正によりますと、ある人が下請業者に委託して製品を作ります場合に、従来は資金あるいは労力を供給して作らした場合は、その委託者をもって製造者とみなしておったのでありますが、さらに今度の改正案には、それにつけ加えて、商標の指示をいたした場合、委託者が下請業者に対して商標の指示をいたした場合には、これまた資金や労力の供給をいたした場合と同じように、委託者をもって製造者とみなして物品税を課税するというふうに改正されております。ところが、この下請業者などは、従来の標準価格によって課税があるものと計算をして、そうしてそれぞれの契約をいたしておりますので、これを直ちに実施いたしますと、中小企業者あるいはこの委託者あるいは受託者、そのいずれかに不測の損害を与えることになりますので、この実施の時期あるいはその業態別の実施の時期等については、慎重にこれを実施していただきたい。これがわれわれの提案の趣旨であります。
 そういう意味におきまして、その案文を読み上げます。
 商標指示に関する物品税法第六条第三項の改正は、物品税課税の適正化、公正化を趣旨とするものであるから、その実施に当っては、政府は本案の適用範囲、実施の時期等につき慎重な配慮をなし、これが正常な取引関係を著しく阻害することのないよう措置することを要望する。
 これが案の趣旨であります。
○早川委員長 これにて趣旨説明は終りました。
 続いて採決いたします。本附帯決議案に賛成の諸君の御起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○早川委員長 起立多数。よって、附帯決議を付することに決しました。
 この際、政府の本附帯決議に対する意見を求めます。大蔵政務次官山中貞則君。
○山中政府委員 ただいま多数をもって可決されました物品税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、適切なる附帯決議といたしまして、法の運用に当りまして、当局といたしましては、十分行政上考慮をいたして参るつもりでございます。
○早川委員長 次に、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。本法律案を原案の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、本法律案は原案の通り可決いたしました。
 続いて、ただいま可決いたしました酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案に対しまして、附帯決議を付したいと存じます。
 案文を朗読いたします。
 一、公定価格の撤廃と新価格制度への移行に当っては、相当長期の準備期間をおき、この間政府は業界の体制を整備するよう努力するとともに、その実施については各酒類間の実施時期をなるべく同一時期とするよう努力する。
 二、新たに協定価格制度を実施するに当っては、業界の実態にかえりみ、要すれば安定帯価格方式とすべきである。
 三、当法律案と直接的関係にないが、総じて酒税率が高率に失するにより、これが低減につとめ、且つ、酒類間の不均衡の是正を行うべきである。
   なお、清酒については、現行級別のほかに、消費者の購買力に応じて段階を増加す  る等取引に弾力性をもたせるべきである。
 以上であります。
 お諮りいたします。本附帯決議案を付するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、附帯決議を付することに決しました。
 ただいま可決されました附帯決議につきまして、政府より意見を求めます。大蔵政務次官山中貞則君。
○山中政府委員 ただいま全会一致をもって可決されました附帯決議につきましては、三点にわたりまする内容を十分私どもは尊重をいたしまして、その趣旨に沿うように努力いたしまするとともに、本酒団法の持っておりまする複雑なる性格等から長時間にわたって議論されました点等を十分に参考にいたしまして、誤まりなきよう運営をいたして参るつもりであります。
○早川委員長 次に、入場税法の一部を改正する法律案並びに同案に対する修正案の両案を一括して採決いたします。
 まず、修正案について採決いたします。本修正案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、本修正案は可決されました。
 続いて、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除く原案について採決いたします。これを原案の通り可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は修正可決いたしました。
 この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました五法律案に関する委員会報告書の作成並びに提出等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○早川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる三十一日午前十時十五分より開会することとし、これにて散会いたします。
    午後五時散会
     ――――◇―――――