第031回国会 地方行政委員会 第4号
昭和三十三年十二月二十三日(火曜日)
    午前十時五十分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 善幸君
   理事 亀山 孝一君 理事 纐纈 彌三君
   理事 渡海元三郎君 理事 吉田 重延君
   理事 中井徳次郎君 理事 門司  亮君
      天野 光晴君    飯塚 定輔君
      加藤 精三君    金子 岩三君
      津島 文治君    中島 茂喜君
      小沢 貞孝君    太田 一夫君
      加賀田 進君    佐野 憲治君
      阪上安太郎君    下平 正一君
      北條 秀一君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君
 出席政府委員
        警察庁長官   柏村 信雄君
        警  視  監
        (警察庁警備局
        長)      江口 俊男君
        自治政務次官  黒金 泰美君
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        長)      奧野 誠亮君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁行政局
        振興課長)   山本壮一郎君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        選挙課長)   皆川 迪夫君
        専  門  員 円地与四松君
    ―――――――――――――
十二月二十三日
 委員加賀田進君辞任につき、その補欠として小
 沢貞孝君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員小沢貞孝君辞任につき、その補欠として加
 賀田進君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月十九日
 中小企業事業税撤廃に関する請願外十二件(池
 田禎治君紹介)(第一二号)
 公衆浴場業の固定資産税軽減に関する請願外五
 件(井手以誠君紹介)(第一三号)
 同(鍛冶良作君紹介)(第一四号)
 同(田邉國男君紹介)(第一五号)
 同(竹山祐太郎君紹介)(第一六号)
 風俗営業取締法の一部改正に関する請願(小松
 幹君紹介)(第一七号)
 特別区の組織及び運営に関する請願(飯塚定輔
 君紹介)(第一七八号)
 同(生田宏一君紹介)(第一七九号)
 同(江崎真澄君紹介)(第一八〇号)
 同(鍛冶良作君紹介)(第一八一号)
 同(纐纈彌三君外一名紹介)(第一八二号)
 同(河本敏夫君紹介)(第一八三号)
 同(野原正勝君紹介)(第一八四号)
 同(橋本龍伍君紹介)(第一八五号)
 同(福井盛太君紹介)(第一八六号)
 同(船田中君紹介)(第一八七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害によ
 り被害を受けた地方公共団体の起備の特例に関
 する法律案(内閣提出第五号)
 警察に関する件
 地方自治に関する件
    ―――――――――――――
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出にかかる昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案を議題として審査を進めます。
 本案に対しましては他に御質疑もないようでありますので、これにて質疑を終局することといたします。
 この際、本案に対し亀山孝一君外二十九名の本委員全員から修正案が提出されておりますので、提出者から趣旨の説明を求めます。亀山孝一君。
    ―――――――――――――
○亀山委員 昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律の政府原案の一部を修正することを提案し、皆様の御賛成を願いたいのであります。
 修正の理由及びその内容について御説明を申し上げます。
 今次災害は、その被害額が例年になく大きいとともに、農地その他の農林水産業施設の災害もまた特に大きく、従って国庫補助の対象とならない個人または団体の所有管理する農地その他の農林水産業施設にかかる小災害の復旧工事に対しましても、その所有管理者たる私人または団体にまかせきりにするのでなく、国においても何らかの財政援助を行なって、積極的にその復旧をはかる必要があると考えるのでありますが、ただいま審議中の政府原案においては、その点についての何らの考慮が払われていないのであります。
 かって昭和二十八年の災害に際して、同様の見地から農地その他の農林水産業施設にかかる災害復旧事業に対する国庫補助の限度額を一件当り工事費十万円を三万円に引き下げる措置を講じて、その積極的な復旧の促進がはかられたのであります。しかしながら、この措置はきわめて簡単明瞭な措置ではありますが、個所別の査定、国庫補助金の交付の申請、工事計画の作成、事業の竣工認可、補助金の精算事務等、幾多複雑なる手続を必要としまして、工事の迅速な施行が確保できない等のうらみがあったのであります。従って今回は、市町村がこれらの私人または団体の所有管理する農地その他の農林水産業施設にかかる一件当り三万円以上十万円未満の小災害の復旧工事を取り上げて行う場合に認められた地方債について、その元利償還金に対して国が元利補給金を交付することによって、国庫補助ががなされたと全く同様の効果をおさめるよう措置することが適当と考えるのであります。これがこの修正案を提案する理由でございます。
 次にその内容について申し上げます。
 第一に、右の元利補給は、農地にかかるものにあっては当該事業費の百分の五十、その他の農林水産業施設にかかるものにあっては当該事業費の百分の六十五に相当する額の範囲内の地方債の元利償還金に対して行うこととしたのであります。この割合は国庫補助率を考慮してきめたのでございます。
 第二に、右の元利補給金の交付を受けることのできる地方公共団体は、本年七月、八月及び九月の災害により農地その他の農林水産業施設等にかかる被害の著しい地域を包括する市町村について政令で指定することとしたのであります。
 第三に、右の元利補給の対象となる地方債は、資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって引き受けることとしたのであります。
 修正の理由及び内容は以上の通りでございます。何とぞよろしく御審議の上御賛成をお願いするものであります。(拍手)
○鈴木委員長 これにて修正案の趣旨説明は終りました。
 本修正案は予算を伴うものでありますから、国会法第五十七条の三の規定に基き、この際内閣の意見を聴取することといたします。自治政務次官黒金泰美君。
○黒金政府委員 ただいま御提出になっております修正案につきましては、御趣旨まことにその通りだと存じます。従いまして私どもは、この法律を提出いたします前にも、御趣旨のような法律案にいたしましてぜひ提出したいと努力をいたしておったのでございますが、政府部内の意見が統一せずに、ただいまお手元にありますような形で提出をせざるを得なかった。同時に皆様の御審議の過程を通じましても、この必要なことを痛感いたしましたのに、その後も政府部内の意見をぜひ統一いたしたいと努力を続けて参りましたが、まことに遺憾なことでございますが、いまだに意思の統一を見ていないのはまことに申しわけない次第であります。ただ今となりまして、全員一致の修正の御提出があり、御可決になるにおきましては、国権の最高機関の御決定でもありますので、政府部内の意見をまとめて善処するようにいたしたいと思います。御了承を賜わりたいと思います。
○鈴木委員長 次に討論に入る順序でありますが、別に討論の通告もありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず亀山孝一君外二十九名提出にかかる修正案について採決いたします。本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって本修正案は全会一致をもって可決されました。次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって修正部分を除いては全員一致をもって原案の通り決しました。よって内閣提出にかかる昭和三十三年七月、八月及び九月の風水害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案は修正議決されました。
 ただいま修正議決されました本案に関する委員会報告書の作成並びに提出手続につきましては、先例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 暫時休憩いたします。
    午前十一時休憩
    午前十一時五十五分開議
○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 警察に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。門司亮君。
○門司委員 私が警察当局に対してお聞きをしたいと思いますことは、最近の勤務評定にからんだ問題で、高知、群馬等に父兄との間に争いが相当起っております。この争いについての警察の態度のことですが、別に私皮肉を言うわけではないが、労働組合の情勢、動き等については、かなり警察は敏感で、よくさっと備えを立てて、取締りに万遺漏のない処置が講じられておるが、一方、高知の今度の事件のようなことは、相当前から私はわかっておったと思うのです。にもかかわらず、警察の手配はきわめて緩慢であったというそしりを私は免かれないと思う。こういうものに対する警察の取締りの方針は一体どうなっておるのか、その点を一つこの際明らかにしていただきたいと思います。
○柏村政府委員 先般日教組の小林委員長が高知に行かれましたときに、相当大規模な暴行事件が起きたことにつきましては、私ども非常に遺憾に思っておる次第でございます。ただ、あの事件は、当日小林委員長が高知市に見えまして、警察当局にもあいさつに見えられたわけであります。たまたま本部長、警備部長不在で、秘書室長が会っておるのでありますが、その際に、私ども受けております報告では、今明日中に森地区の方に行くかもしれないという程度のお話を伺っておるわけであります。ところが、その日の午後に自動車で森地区の方に行かれ、仁淀高校において、ああいう父兄、教組側との会合を持たれた際にああいう事態が起ったわけでありまして、あの事件自体につきましては、警察として事前に情勢を察知し、これに対しての警備措置をとるということは、今まで私ども聞いております状況からいたしますと、非常に困難な事態ではなかったかというふうに思うのであります。と申しますのは、あそこの管轄の佐川署からも、事件の現場までは三十二キロほどある。しかも山道でありまして、部隊を配置するには相当に時間を要する。それからだいぶ前に見えることがわかり、またそれについての郡民の動静等も察知するというような状況ではなかったのでありまして、事件そのものは非常に遺憾でありますが、あのことについて特に警察が手を抜いたというようなことはなかったように私は思うのであります。
 大体警察の態度といたしましては、勤評そのものについて賛成とか反対とかいうことに対して警察独自の態度というものがあるわけではないのでありまして、この間における不法事犯というものにつきましては、どういう立場に立とうと、厳正に取り締っていくという態度に変りないわけでありまして、ただいま門司委員のお話のように、教組側にはきつく、勤評賛成者側にはゆるくするというような考えは毛頭持っておりません、今度の事件についても、その後鋭意捜査を進めておるわけでございますし、またその前に起りました同地区におけるたびたびの事案につきましても、警察としては、十分に捜査を進め、立件し得るものについてはすでに送致をしておるというような状況でございまして、その点は全く厳正公平にやっているつもりでございますので、御了承をいただきたいと思うのであります。
○門司委員 今の御答弁ですが、私の党の諸君が現地で十分調査しておるので、この調査資料に基いてお尋ねすることが間違いのないことだと思います。従って、きょうは現地の詳しい報告書もまだ私の手元に届いておりませんので、ごく概括的のものだけしか聞きませんが、新聞その他を見て参りましても、たとえば高知の問題が起るまでの時間的の余裕というものはかなりあったと思うのです。それから警察はなるほど三十二キロ離れておりましても、電話の連絡その他が一応とれるようになっているはずだと思いますし、同時に車で行っても、そうたくさんの時間のかかる距離ではない。三十二キロぐらいならばそう遠いところではない。従ってどう考えてみても、時間的にもう少し警察の配慮がこの際必要でなかったかということが言えるのではないかと私は思います。しかも問題は、一定の土地に行って、そこで話が十分にできない、そうして引き揚げてきて、他の地区で話をしておる。その場合にもやはり会場が変えられておる。一応下でやっておったのをさらに二階の方に移す。同時にまたその間においても傍聴させるとか傍聴させないというようなことで、時間的には相当長い間論議がかわされておる。しかもそれがごく少数の人ではなくして、相当数の人たちがそこにおったということが書かれておる。そういうことが事実だといたしますならば、ある程度警察の方でそれを察知して、やはり事態の起らぬように善処することが私は警備警察としては当然の処置ではなかったかということでありまして、その処置がとられなかったということについては、今の長官の答弁だけではどうしても納得がいかない。労働組合が持っておる一つの団体行動権としての動き等に対しては、やはりさっき申し上げましたように敏感に、事が起るであろうということで、まるきり警察の予行演習みたいな形でどこでもやらしておる。ところがこういう場合には、距離が遠いとかなんとかいってみたところで、時間的にはかなり長い時間がここにかけられておると思うのです。小林委員長が行ってからこの事件が起るまでの間というものはかなり時間がかかっておる。そしてその間、会場も一回、二回、二回と変っておる。その変った理由というものは、いずれも父兄との間の小ぜり合いが一つの原因になっておることはわかっておる。従って不測の事態が起るであめろうということくらいは――私は警察が、今日のこの勤評の問題に対する鋭い対立を見ております場合には、当然措置がとられなければならなかったと考えるのであって、今の警察側の答弁にはどうしても納得しがたい。従って御報告ができるなら願いたいと思いますが、警察は、そういう事態の情報というものの報告か現地からなされておったのかなかったのか。私は現地の警察官が必ず報告しておると考えておるのだが、そういう報告になかったかどうか、手配をする時間がなかったかどうか。この点について、一つ時間的の問題と関連して、そういう処置をとり得なかった警察内部の連絡の状態というものをこの際明らかにしておいていただきたいと思います。
○柏村政府委員 私、先ほど申し上げましたように、当日午後直ちに小林委員長が現地に行き、森地区には立ち入らないで仁淀高校の方に入られたように私は記憶しておるわけであります。会場内で、初め階下でやっておったが、あとで階上に上ったということでありますが、これは中の問題で、当日も、もちろん駐在の巡査を学校の外に置きまして、様子を見るということはさせておったわけでございますけれども、小林委員長が行ったことによって事態が非常に緊迫になるというようなことは、警察としても、事前の状況から直ちにそういうふうに判断する資料はなかったわけでありますし、またおそらく教組側におかれても、小林委員長が来てああいうふうな非常な事態が起るということが予測されておれば、そういうことをなさらなかったであろう。もちろん警察としては専門的に検討すべき問題でありますから、情勢をよく判断するということは必要でありますけれども、あの当時は、一時非常に先鋭であったその地区においても、やや平静を取り戻しつつあった状況でありまして、小林委員長が行ったということによって必然的に起る事態というふうには考えなかったわけであります。一応駐在の巡査に状況を見させておった。ところが、九時半ごろになって会合が終ったということで、そのときに教組の人たちのほかに、教組側に立つ父兄のうち、婦人の人もまざっておって、これが会議が済んだので帰るということで、むしろ父兄側からその巡査は頼まれて、これを森地区に送り帰しておるような状況でありまして、中に入って、いろいろ議論のやりとりなどまで巡査が立ち会って見ておるということでありますれば、あるいはもっと緊迫した状況を早く知ることができたかもしれませんが、警察官としては、そういうところまで入って、会議の内容であるとか、あるいは父兄側とのやりとりの問題であるとか、というところまでこまかに聞くということは、一般にもそういうことをしておるわけじゃございませんし、特にいなかの駐在巡査が、全体の状況を見るべく学校の校庭などにおったということでは、その中の様子は十分に確認し得なかったということも、私は無理からぬことではないかというふうに思うのでありまして、そういうことで、駐在に帰る途中、帰る過程においてカン詰状態になりそうだということが、駐在の留守居をしている細君のところに連絡があって、そうして駐在に行ってそれを細君から聞いて、また仁淀高校の方へ引き返した。ところが、別に森小学校において、また教員が父兄になぐられるというような状況があるということを、細君がまた電話を別に受けましたので、細君が巡査をまた呼び戻しに行った。ところが、そこは自分の管轄区域でもありまするし、ことに危険がすでに切迫しているということでありますので、飯尾巡査というその駐在巡査が、むしろこっちの方が大へんだと思って、森小学校の方に出かけて行ったというようなことでありまして、あのときに――もちろん非常に情勢というものを透徹して考える能力があったかどうかという問題はあるかもしれませんが、あのときにとった駐在の巡査の態度は、全く悪意というものはなくて、自分の職務に対して善意を持って忠実に行なっておったように、私は今までの報告からは受けておるわけであります。で、佐川警察署の方では、そういうことで事態が非常に緊迫しているという報告は、その当時受けておらないわけでありまして、十時三十五分ごろ、カン詰状態になっておるということで、部隊を――まず先発隊を警部補が率いまして、十一時に佐川署を出発し、十二時二十分ごろ現地に到達しております。
    〔委員長退席、亀山委員長代理着席〕
特に山道で三十二キロもありますので、一時間二十分程度を要したということ、これも何もぐずぐずしてそれだけの時間がたったということではなかろうと思うのでありまして、そういう点では、事態が起ったこと自体、私先ほど申し上げましたように非常に遺憾に存じますけれども、警察として、それでは事前にああいう事態を察知してとり得たかということについては、私も、そこまで佐川警察署なり、あるいは高知県警察本部に要求するということが、果して妥当なのかどうかという点は、やや疑問に思っておるのでございまして、まことに事件そのものは遺憾であるが、警察として、しかもそれに間に合わなかったということも、完全な警察の措置という点から見て、結果的に遺憾でありますけれども、やむを得なかったというふうに、決してまた悪意があり、故意に、そういう事態が警察が職務を怠ったことによって起ったというふうには考えていないわけであります。
○門司委員 今の長官の答弁ですが、私は、なお伺っておかなければならないと思いますことは、この事件の起った場所は、実はそう大きな村ではないのであります。従って、何十人、何百人という父兄の諸君が統一行動をとろうとすることについては、そう簡単に私はこれができ得るものではないと思います。これは私は考えてみればわかったことだ。従って、警察当局にはわかっていなければならぬことだ。とにかく村で三十人、五十人の人間、あるいは新聞の報道では二百人と書いておりますから、二百人が動くということになりますると、村全体がほとんど動かなければならない。私は、一つり大きな騒動が起っておると思う。そういう事態が警察から本署の方へ連絡がなかったというところに、私は今日の問題がありはしないか。それは不便だからというお話でありますが、もう少し事件の起る前に、この問題についてはとるべき手段は十分時間的にはあり得たと思う。なければならぬと思う。これは一つの工場、会社等で多くの組織人がおって、そうしてわずかの時間の間に人間が集まることができて、そうして統一の行動がとられるというのなら、これは一応突発的にそういう事件が起ったとも言い得るかもしれない。しかもこれは自分の森地区から川を距てた隣の村まで行っておるのです。学校の区域が違うのです。これはそこまで来て起った事件であって、それがどう考えても電話連絡その他で本署に――今のお話では大体十時三十五分ごろですかにそういう事態が知れたというのですが、私は、そういうことはどう考えても考えられぬ。今日の警察機構というものから考えても、もう少しとるべき手段があったと思う。だから最初少し皮肉のように言ったのだが、組合の行動についてはきわめて敏感な警察が、こういう父兄の行動についてはきわめてのんきな態度をとっておったといわれてもしょうがないじゃないかと私は思う。であるから警察庁の長官としての考え方としては、部下をそんなに責めるわけにはいかぬという考えで、ただ事件が起ったこと自体がきわめて遺憾だというお考えのように聞えますけれども、私は、それだけでは済まされないと思う。警察全体にそういう考え方があると思う。だからもう少し詳しく警察側の持っておる事件の概要というものを一つ報告が願えれば、私は非常にけっこうだと思う。これは口頭でむずかしければ文書でも私はけっこうだと思う。この辺はどうなんです。あなた方の方で調査されたこの事件に対する調査事項の報告書が、もうできておると思いますが、報告書というか、その事件のてんまつみたいなものができておると思うのでありますが、それをこちらに出していただけますか。
○江口政府委員 私から事件の概要を申し上げたいと思いますけれども、その前に、門司委員のただいまおっしゃいましたように、被害者側といいますか、教組側には教組側の調べがあるようでございます。私の方では、累次にわたる現地の連絡がございます。しかしどうもこの国会の委員会等を通じまして、その間に事実の食い違いが相当ございますので、ある委員会からの要望もありましたし、また私たちの立場としても、事の真相を知ることが議論をいたします上においても最も必要だということで、実は現地に係官を派遣いたしております。それが本日帰ってくるはずになっておりまするから、最終的なものは、あるいは私の話がふに落ちないということでございますれば、また文書にすることを決していとわないのでありますが、そういう前提でお聞き取りを願いたいと思います。
 新聞等で事案の概要は御承知の通りでございます。時間の点等で非常に食い違いがございます。まず私の方の調べを申し上げますと、小林委員長が高知に参られたのは、先ほど長官からも答弁をされましたように、その日の、十二月十五日の朝八時四十分海路高知に来ておられる。そうして県の東元委員長と一緒に三時近くに、二時四十分ごろだということでありますが、警察本部長をたずねておられます。これは御指摘の通りでございます。これは抗議のために、組合運動に対する弾圧をやめろという意味の抗議に行かれたのでありまするが、ちょうど本部長も警備部長もいない。それで秘書室長が応対をいたしておりますが、その者の連絡によりますと、きょう森に行くという意味じゃなしに、森地区の状況等はどうだということを聞かれたり、あるいは今明日中に自分たちも森に行くかもしらぬという意味のことを座談のうちに言っておられることは事実でございますが、これをもって警察がすぐ小林委員長が森に行くというふうに確定し、しかも森に行かれるなら相当な波乱があることを予想し、従ってそれに対して事前の警備措置をとるということになっておれば、ただいまおっしゃったような事柄をあるいは未然に防ぎ得たかもしらぬと思います。しかし、どうも今申し上げたような諸般のことからいって、森に行かれるということの確定的な観測及び行かれたら問題が必ず起るだろうというような観測をしなかったことは事実でございます。このしなかったことが非常に手抜かりであるか、あるいはそうでないかということにつきましては、私たちには私たちの――結果においては、しなかったことは間違ったことでございますけれども、そうしなかったことについてはいろいろまあ考えられる原因はあると思います。たとえば「これは確認した情報じゃございませんけれども、聞くところによりますと、小林さんは、群馬に行ってみようか、高知に行こうかということを考えられた際に、群馬は最近の事情としては父兄と教師側が相当もんでおる。群馬に行かれると事柄がめんどうかもわからぬが、高知なら現在は相当納まっておるということをアドヴアイスした人があるやに聞きますが、そういうふうに、教組側においても、高知に行ったらこういう不祥事が起るというふうには一応考えなかったという点があるんじゃないかと私は考えます。また警察側としましても、従来の累次の事件がございまして、オルグ等が高知から森に入りますと、父兄がいきり立つようなこともあって、先月の二十三日までは相当数の部隊を森に派遣をいたしておったのであります。ところが、その後平穏になったということで部隊を引き揚げています。だから、森地区における平穏であるか平穏でないかということの認識も、結果において、それは違っておったんじゃないかといわれればそれまででありますが、まあ故意でなかったということの証左としては、やはり半月ばかり前にそこが平穏になったということで引き揚げておることからも御推測願えるかと思うのであります。
 それから小林委員長は、四時ごろ県教組本部から、県の東元委員長と和田情宣部長の二人と御一緒にハイヤーで森地区に向っておられます。森地区に着かれたのは午後六時十五分ごろでありまして、小学校付近の郵便局の前の三差路まで車で来られましたが、そこで車を回して仁淀の方に行っておられます。私の方の調べでは、森小学校で会議を持とうという御計画があったようにはどこからもまだ聞いておりませんが、ただいま門司委員のお話では、再三にわたって会場を変えたと、こうおっしゃっておられまするから、あるいは初めの計画としては森小学校ででも会議をやられるということになっておりましたのか、その点は教組側に聞きませんと、ちょっと私たちの方ではわかりかねます。会場の変更につきましては、私の方の調べでは、仁淀高校の階下で会議を初めやっておられましたけれども、父母の会側の父兄が押し寄せて、自分たちも傍聴させいとかどうとかいうことでもんだために、二階の方に会場を移された。だから一回会場が変っておる、こういうふうに思っておりますけれども、あるいはその以外に意図された会議の場所があったやに先ほどの御質問から思うのでありまするが、その点は私の方では確認をいたしておりません。
 そうして七時ごろから仁淀高校の階下の柔道場で初め開かれたのでありまするが、上仁淀地区民主教育対策本部の主催のもとに、小林委員長を囲んで、高知から行かれました東元委員長、和田情宣部長、それから森小学校の先生あるいは中学校、高等学校の先生もおられたかと思いまするが、なおそれに教組側といいますか、非盟休側の父兄が多少入って会議をやっておられます。それから森地区のいわゆる父母の会の連中がそこに参りましたのは、七時半ごろに数名が、初め会場付近をうろつき始めたのが始まりでございまして、それで会場を今言った柔道場から二階の、現在は家庭科教室といいますが、昔の裁縫教室でございます。そこに移して続行しておられます。それから八時過ぎになりまして、父母の会側は数十名の者になって廊下にどやどやと集まって、そうして自分たちにも傍聴させよというようなことを要求しておりますが、その要求をきかれないので、廊下から相当なヤジを飛ばしておったという報告でございます。その辺が問題になりまして、そういう事情であるから、あとから乱暴に及ぶだろうというふうにここで見るべきかどうかという問題がございます。この辺で手配をすれば、ほんとうに事件が起りましたときには、門司委員のおっしゃるように、佐川からでもあるいは高知からでも人数が行けたわけでございまするけれども、これは従来森地区における騒ぎからしますと、があがあ言うてお互にやり合うという程度のことは数回あったということと。それから、これは正当な職務行為であるのだから、ほんとうに乱闘になるかならぬかということを見きわめるためにそばまで行けばいいわけなんですが、過去におきましても、巡査がそばに行くと、われわれの話し合いのところに警察官が立ち聞きするとか、介入するとかということで、この辺がまあ非常にデリケートなところで、終始二人の巡査は周囲の方からぐるぐるこういうことを観察りいたしておるのであります。
 それから午後の九時半ごろ、駐在の飯尾巡査と隣村の山中巡査が、表からと裏からその学校に行っておりまするが、そこから会議場をのぞくと、電気がついていて、別に変ったことがなかったというふうに言っております。そのうち山中巡査は別のところに移っておりますが、飯尾巡査は、そうこうしているうちに九時五十分ごろ――この時間はどうも十分、五分の差は、持っておった時計で違っておると見えまして、私たちが報告を受けておることだけを申し上げますが、九時五十分から十時ごろにかけて――会議はどうも九時半ないし九時四十分ころ終ったようでありますが、終って出ようとしたら、小林委員長の乗っていかれた車がパンクをしている。これは作為的にパンクをさせられておったといっておりますが、バンクをしておったために帰れなくて、これは二階の方にもう一ぺん引き返した。それから、そこに森地区から出てきた教師側の父兄、その会議に正規に出た父兄、というよりもお母さん、婦人でございますが、これがどうも帰りの途中が心配だということで、先ほど長官も申されたように、教組側の、これは大原といい、あるいは池田といい、名前が食い違いますが、とにかくそちら側の人から、森地区まで送ってもらいたいという要請を受けまして、飯尾は五人の婦人を送って森地区に行っておる。これは大した距離でもない。急ぎ足で行って急ぎ足で帰ってくれば早かったのですが、そのときにあとでそういうことが起るという考え方は、これはうかつと今おっしゃられれば一つの批判でございますけれども、そういうふうには考えなかったので、駐在所の自分の家の方に帰ったのであります。これが十時四十分ごろです。ところが、話は前後しますが、十時十分ころ仁淀高校から、森地区の父母の会の連中が来て、小林委員長がというか、会議側の方がカン詰状態になっておる、しかも自動車もパンクさせられているという連絡が、十時十分ごろ駐在所にあった。しかしこのことについては私たち自身の調べでも、郵便局の電話は十時ちょっと前ということになっておりますから、同じ電話だろうと思いますけれども、だからこの点十分くらいの違いがありますことは御了承願いたいと思うのですが、調べたままを申し上げますと、十時十分ごろそういう電話があった。それで細君は、それに対して、今主人は出かけておるのだが、帰ったらすぐ行きますからということを言っております。そこにまあ二、三十分して、飯尾という駐在所の主人が帰って来たわけです。それに対して、先ほど仁淀高校から、会議をしている人たちが父兄にカン詰状態になっている、しかし今どうこういうことじゃない、これはその通り言っておりますが、しかし来てくれということだから行って見てくれということを伝えておる。それで飯尾巡査は仁淀高校の方に向っておりますが、そのときに、ころを同じくして森小学校の方から、中内という宿直の教師が父兄に取り巻かれて暴行を受けようとしているから、すぐ来てくれという電話がかかった。これは先ほど話した通りです。そこで一たん出かけた駐在所巡査は、細君がさらに追いかけて、森の方から今こういう電話がかかってきたということを言ったものですから、そちらの方がそれじゃ現実に大へんな事態だというように考え、また近くもあるし、まずそちらの方に行ったのであります。ところが中内という教師は、それは父兄に取り巻かれたけれども、暴行は受けなかった。しかしまあ相当なことを言われたのでしょう。それで電話をしたのだということになりまして、そこで飯尾巡査は、結局結果において三十分ほど時間を空費したことになっていますが、それはまた父兄に再び襲われる危険があるということで、その森小学校の方を警戒したというのであります。しかしながら、これはあとで聞きますと、再び押しかけられたときに、中内という人は暴行を受けています。しかし、これは仁淀高校の事件を済ました父兄の一部が森小学校に向ったのであって、たまたま飯尾巡査がかけつけ、しかも警戒した時間がちょうどその空間になるわけです。だからこの間もある委員会で、私は、お前たちの警察はちょうどないとこないとこ歩いているんじゃないか、こう言われましたが、結果においては森小学校についてはそういうことになりまして、三十分ほど警戒をしたんだけれども、もう三十分か一時間警戒すればその次の事件に出っくわしておりまするが、三十分たっても何もないものだから、今度は自分の家に帰ってきた。これが十一時四十分ごろになるのであります。そこで、今度はまた話が変りますが、その駐在所だけではなしに、仁淀高校から、佐川署に対する連絡が、先ほど長官が申しましたように十時三十五分にあっています。それで佐川署から岡林という警部補が部下を連れて十一時に出発しておりますが、その出発する前に飯尾巡査に、自分と行動を一緒にせいという電話を駐在所にかけておりますので、飯尾巡査はそれを待って一緒に学校に行ったということであります。
 従いまして、非常にこんぐらかっておりまするから、私のお話し申し上げたことがおわかりにくかったと思いまするが、警察に対する現地からの連絡がどうっなっておったかということをまとめて申し上げますと、時間的には、十時に警察本部に、高知にある日教組の本部から電話がかかって、自動車のタイヤをパンクさせられたということを言っております。それで県の本部では、それではこっちからスペアを持ってかにゃいかぬのだろうから、そういうことであるならば現地の警部補派出所に連絡をしておくから、そこに寄って、一緒に警察官を連れて行ってくれという答えをしております。それからほとんどこれと同時刻だと思いまするが、先ほど申し上げた十時十分に、駐在所の細君に仁淀高校から同様の、パンクさせられておる、またカン詰状態にされておるという電話がかかっておるのであります。それからその次の時刻は十時三十五分に、佐川署に仁淀高校の中平という教諭から、やはりカン詰状態だからさっそく来てくれという連絡があっています。それと前後して、これもおそらく同じ時間だと思いまするが、駐在所の細君に、先ほど申し上げたような二番目の電話がきております。それから十一時四十五分になって、ここで事件の発生をといいますか、乱暴というか、暴行が行われたということが警察ではっきりとわかったのがこの時間でありまするが、十一時四十五分に県本部に、やはり高知における日教組から、東元委員長が暴行されてけがをしたようであるという連絡を受けておりますし、また同時刻に吾川警部補派出所にも、民間から、暴行が仁淀高校において行われたという連絡を受けております。これに従いまして、先ほど申し上げたように県の本部からも、刑事部長以下がおもむいておりまするし、吾川警部補派出所からも、担当の警部補がかけつけるというような段取りになったわけでございます。
 それで仁淀高校における事件がいつごろ起ったかということについてはだれも――だれもというより第三者としてそれを現認したものがないのであります。従って私の方で被害者について、けがをした人や、あるいはけがをしなくとも、その場に居合わせた被害者の方々について、何時ごろ電灯が消され、あるいは何時ごろいすやなんかが投げられたかという聞き取りをいたしておりますが、これがきわめてまちまちであります。これは調べた通りの表が出ておりますが、どうも十時半以後であることは確実で、終った時間――身をうつぶせにしていて、ひょっと顔を上げてみたらもうだれもいなかったということは十一時五十分ごろそうであったと言う人が相当あります。しかし行われた時間はどれくらいかといえば、二十分ないし三十分ということであって、これは推定でございますけれども、十一時前後から十一時半ごろにかけて仁淀高校における事件が起り、さらにそのうちの一部が森小学校におもむいて中内教諭をなぐったのでありますから、これが十二時ないしは十二時過ぎということになろうかと思うのであります。しかし、この点は現在現地に捜査本部を設けまして、鋭意捜査中でありますから、時間の点等について、さらに捜査の過程においてはっきりしたものが出てくるか、こう考えておるのであります。
 ちなみに現在の捜査状況は、本部から現地に着きました刑事部長は、さっそく駐在所に捜査本部を設けております。これが十六日の午前四時であります。人員は、これは刑事事件でございますので、ヴェテランの刑事をかき集める必要がありまして、五十一名でありますか、現在やっております。
    〔亀山委員長代理退席、纐纈委員長代理着席〕
 抽象的に言えることは、最初、被疑者も三十名くらいの者が乱暴するのをそこに確認されているということで調べを始めたのでありますけれども、現在まで確実にこれが暴行したであろうと疑われるに足る容疑者の検挙いたしておりますのは六名でございます。しかしながら、これが何名になるか、あるいはどういう罪名になるかというような事柄につきましては、現地の捜査本部の今からの捜査を待たなければ、ここではっきりしたことを申し上げるわけにいかぬ、こう思っておるのであります。
 以上が、ただいままで私たちの知っております事案の概要でございますけれども、当初に申し上げましたように、時間的な事柄やいろいろなことで事実上お話と食い違う点がありますことは、これをどう思うか、ああ思うかという事柄の基礎になる問題として、まことに残念に思いますけれども、私の方もなるたけ真相をはっきりし、また教組側においても、それは警察の言うことが違うということがあると思いますので、その点も詳しくお調べになって、さらに御質問を承わりたい、こう思います。
○門司委員 今、だいぶ長い経過の御報告があったのでありますが、話は一応聞いておきますが、時間の点等についても、私どもの手元に参っております資料と、かなり食違いのある点があるようであります。しかし、そのこと自体をここで私追及しようとは考えませんが、ほんとうに明らかになるまで、詳細のことについてははっきりしたことを言うわけにはいかぬかと思いますが、ただ今のお話を聞いておりまして問題になるのは、事件の発生がいつごろだったかわからない、こういうことであります。これについては先ほどから申し上げておりますように、八時ごろから大体十時半ごろまで、いわゆる事件の起る直前と思われるころまでの間に相当の人員が――しかも森地区からは約二キロあるということであります。約二キロの道を移動する、しかもこれは夜でございますから、私はこれを警察が察知できなかったはずはないと思います。どう考えても、この点に一つ手抜かりがあるのじゃないかと考えられる。そうして事件の起ったのは、大体時間的に考えてみれば十時半以後から行われておって、森小学校の宿直をしておりました中内という教諭に暴行を加えたのが大体零時ごろだ、今のお話で十二時過ぎておったであろう、大体十二時ごろだという報告を受けております。そうしますと、二キロの道を引き返した時間が大体十二時前後、こういうことになると思います。二キロの道を歩いて帰り十二時前後に森小学校に着いた、その時間というものは人の足で歩けば大体三十分くらいかかりはしないか。そうして八時半ごろから十時半ごろに起った事件ということになりますと、大体事件の起った時間というものは狭められてきて想像がつくわけであります。ところが今申し上げましたように、この所轄の警察の駐在巡査であります諸君が、今お話しのように、どうもその事件のときにそこにおらなかったというような食い違いがあるようでありますが、それらにつきましても、十時半ごろの報告というものは、実際われわれの手元に参っております書類から見ると、少し違っていはしないかというように考えられる。それから八時半ごろから十時半ごろまでが一番危険になった時期でありまして、それ以前に、さっきの報告の中にもありましたように、中平という仁淀高校の教諭が、こういうカン詰状態では困るというので、そこから脱出したという問題であります。それから今の答弁中にありました駐在巡査が一人で帰らないで父兄を幾らか連れて帰ったということも脱出中のことであります。とても危険だからということで、父兄の方がそこから脱出して森地区に帰るのも危険だからというので、巡査も帰るなら一緒に連れて帰ったらいいじゃないかということで、こういうことになっておるのだろうと思います。従ってきわめて事態が急迫しておるということの報告は、十時三十五分という警察側の報告より約一時間くらい早目に大体警察側にわかっておらなければならなかったはずだと思います。われわれはそう考えるのであります。この点の時間はどうなんですか。今現地から参っております報告書を読んでみると、こういうふうに考えられるのです。どう考えても、警察に情報の入ったときと出た時間が一時間くらい違うように考えられるのです。警察は一時間くらい前から知っておっただろうと思います。この点の時間の食い違いはどうですか。
○江口政府委員 私たちもここで申し上げる以上は、たとえば手ぬるかったとか、間に合わなかったというようなことを言われることはそうであればやむを得ないことであって、とにかく事実だけははっきりしたいということで、これは再三にわたって間違いはないかといって念を押した結果の報告でありまして、佐川署の当直の受付には、これを受信した巡査の名前も載っており、またその時間も載っております。現実にその時計が一時間も狂っておったとはどうしても思えない。
 それから、今のお話で、飯尾巡査が自分が帰るというからそれじゃついでに森の方に帰る婦人を連れていってくれと言ったのだろうというお話は、私は全く逆に聞いているのでありまして、連れていってくれということであったので飯尾巡査はそれを護送したということでございます。それで私どもなんかが常識的にその際考えましたことは、多数と多数の対峙した状態においては、事件が起れば大きくなることはわかりますけれども、今までの例からいって、何となく片がついておる。それでなお危険だから、婦人四、五名を夜道を連れていこうという考えになったことは普通ではなかろうか、駐在所あたりに勤務している者の今までの経験からいって普通じゃなかろうかと思われるのが一つ。これを連れていってくれと言われた池田何がしあるいは大原何がしという人たちも、あとの方が大へんになるという予想であるならば、たった一人しかそこに居合せない警察官に、女を森地区まで送っていってくれと言われるかどうかということも、私たちが報告を受けたときには、すなおにそうでもあろうかと思いました。しかし結果においては、そこにずっとおってくれた方がよかったというふうには思いますけれども、そのときにはそうであったろうかと思ったような次第でございます。
 先ほど申し上げました時間につきましては、るる申し上げるように、私たちの方の調べでも、警察署の巡査の細君は十時十分に受けたと言っているのに、それをかけたであろうと思われる郵便局の電話を調べると九時五十五分であったというような、十分ないし十五分くらいの食い違いがわれわれの方の調べにもあるのでございますが、両方を合わせて二で割るというようなことじゃなしに、片方だけといいますか、はっきり巡査の言っている方だけをとって御報告申し上げたわけでございます。
○加藤(精)委員 私、ただいままでの論議を拝聴しておりますが、まず第一に、警察法の大家の門司議員は、本件事案は府県警察の問題だということを知っておられるのだろうと思うのであります。門司議員は警察法の審議に当りましても、国家警察を作らない、警察行政というものは地方団体の行政である。府県の行政よりもむしろ市町村の警察にするのがよろしいということを論ぜられましたるところの第一人者であります。しかるに、あたかも事案が国家警察上の問題であるかのごとく、国会の大切な審議の時間をとる。門司議員のみではございません。社会党全体が、府県警察の管内に起りました一つ事件に対して、国会の大切なる時間を相当とっておられるという点につきまして、私はその背後に何か圧力があるんじゃないかということを考えるのであります。
○纐纈委員長代理 加藤委員、関連質問にして下さい。
○加藤(精)委員 関連質問でございますが、関連いたしまして、私は最も小さき国民の最も悲惨なる被害その他についても同様に審議しなければならぬという立場を申し上げたい。たとえば教育二法案のとき、文教委員室において起りました社会党議員諸君らの衛視に対する暴行事件。かの衛視の諸君は小林委員長のような輝かしい存在じゃございませんけれども、ああいう人たちのために一掬の涙を流して、あの非常な傷害を受けた衛視さんたちのその後の状況、日給二百何十円かのそういう方たちがどんな悲惨な状況にあって、傷害の状況はどうだろうというような論議があってほしいのです。輝やかしい人物だけのことを大問題にして、しかも委員会の数日をそれに費し、またそれに関連して最も公正適切なるりっぱな政治家の不信任案を提出するがごとき一連の動きに対して、私は非常なる不愉快を感ずるのであります。社会党は、最もあわれなる人の、最も悲惨なる人の、最も月給の少い、最も恵まれない人たちの味方の党であるはずであります。それで私はたまりかねて申し上げるのでありますが、府県警察の問題につきましては、府県警察に行って事実を調べられたらいいと思うのであります。また警備局長は、事をわけて、今調査に行った者が帰ってきて真相が明らかになるのでとまで言われたのに、多くの時間をさきなさることは、委員長として適当でないと思うのでございまして、私はこの点におきまして質問者に深き御反省を求めたい。府県警察の事項は府県警察に行って御調査になるのがよろしいのでございまして、国会はより多くの普遍的な事項について御研究になるのがよろしいのじゃないか。同僚の一人といたしましてこの意見を申し上げまして、当局ももうそろそろそういう点の門司委員の御了解を得なさったらどうかということを、関連して御質問する次第であります。
○門司委員 おしかりを受けましたので簡単に聞きたいと思いますが、どうか加藤さんも少しお考え違いのようで、今日の警察は、私の主張する警察とは非常に違っておりまして、府県警察というのは名だけで、事実は、ここの警察本部長も国家公務員であって、その任命権者は警察庁の長官であることに間違いはありません。従って、任命権者である警察庁の長官にお尋ねをするのは、決して私は不当ではないと考えておるでありまして、現行警察制度のもとにおけるやむを得ざる措置であります。もし加藤さんの方で御協力が願えるなら、昔の自治警察に戻したいと私は考えておりますが、どうも御協力が願えない。この際なお二、三の点だけを続けて伺いまして、先ほどから十分な資料がないというお話でございますから、より以上追及することは、加藤さんの御趣旨にも沿いますように避けたいと思います。
 問題になりますのは、冒頭に申し上げましたように、こういう事件の起る時間的の余裕が、私は察知すればかなりあったと思うのです。にもかかわらず、この措置がとれなかったということは、今の御答弁だけで私どもは納得するわけにはどうしてもいかない。それから、これは言葉を返すというか、その事実を私の知っておる範囲で申し上げて参りますると、女の人を連れて帰ったというのは、こちらからお願いしたから連れていったのだというが、その前提があるのであって、駐在巡査は、事態が大へんになりそうだ、自分自身では措置ができないから、自分は連絡のために森に帰るのだということを言われておるのでありまして、現場にいなかったようであります。従って、一人で帰るのならここにこういう人がいるから一緒に帰ってくれということを言われたと思う。これは今の御答弁のように、飯屋巡査が帰ったのではなくして、頼まれたから連れて帰ったのだということになれば、大体そんなことになるのだと思いますが、しかしその前提は、飯尾という駐在巡査が、現場で暴行が起りはしないかということを十分察知して、それを自分一人ではどうにもならぬから、直ちに連絡をするためにおれはうちに帰るのだということで、駐在所に帰ろうとしたからそういう事件が起った。何もこちらから飯尾という巡査にお帰りを願ったわけではなかったと思う。
 そういうことでありますが、どうもふに落ちないのは、二時間あるいは二時間半の空費された時間であります。どう考えても、今の時間的ないろいろの問題を総合すると、ただ単にそういう事件が察知されなかったということはなかったと思うのです。どうしてもこの二時間――八時ごろから十時ごろまでの間、いわゆる事件直前までの事態というものは、警察にわかってなければならなかったのではないかと思う。当然この間の連絡が警察側は不十分でなかったか、こういう点については、最初申し上げましたような基本的の態度でありまして、もし警察が、これは私の一つの考え方の行き過ぎであると言われれば行き過ぎであるかもしれませんけれども、そういうことを私は前提にいたしておきますが、組合行動その他についてはかなり敏感に指令が出されておる。ところが、こういう一般の父兄の行動については、あまり重要視しないような教育がされておるのではないかという気がするのであります。もし、今敏感に取り締っておる労働組合の集団行為その他のものと同じように指示がしてあれば、こういう事件は起らなかったのではないかというように考えるわけです。先ほどから話しておりますように、小林委員長が、この森地区で会議を開く予定であったが、あそこはこれらの父兄の諸君で学校はほとんど占拠されておって、そして会議を開けないから、次の中学校に行ってやろう。そして中学校の階下では危ないから二階に移した。こういう過程をずっと見ていきますと、やはり日教組の委員長が行ったそのときに、すでに教組側がそういう危険状態にあるということを察知しておりますから、やはり警察側も、そういう危険事態が起るであろうというようなこと等についても、事前に報告がなければならないと思う。こういうことがなされなかったということに警察の教養の問題があります。一体警察はどういう教養をしておるのですか。こういう問題についての教養の仕方というものは……。
    〔纐纈委員長代理退席、渡海委員長
  代理着席〕
○柏村政府委員 事実は、先ほど江口局長から申し上げましたように、なお詳細に正確に調べる必要があると思いますが、ただいまお話しの第一点の、飯尾巡査が連絡に帰るからついでに頼まれたというのでありますが、ほんとうに緊迫した状態を認識して連絡する必要があるというならば、その学校に電話があるから、学校の電話で連絡してしかるべきものであって、二キロの道を帰って連絡するというふうに考えることは、まさか駐在所の巡査においてもあり得ないのではないかというふうに考えるわけであります。
 それから第二の、何か組合側の行動については非常に敏感だ。しかし、しからざるものについては非常にスローモーションであるというお言葉でありますが、私は、組合の行動についても、それほどおほめにあずかるほど敏感であるとは考えていないのでありまして、これは先ほどから申し上げておりますように、その主張主義のいかんを問わず、不法行為は許しがたい、そういうものについては厳正公平に取り締るということについては、われわれ常に申しておることでありまするし、警察の教養としても特にそういう点は重視をいたしておるつもりでございまして、その点は、私申し上げても御信用ならなければいたし方がありませんが、その点はわれわれとしては特に心を砕いて考えておる点でございますので、ちょっと申し上げたいと思います。
 それから第三に、会場の場所が変った。それは森地区において父兄がこれを占拠しておるからというお話でございますが、あそこで学校が二つに割れて、教組側と父兄側と二つの教育がなされているという事実はずっと続いておるわけでありまして、そういう事態は、当然教組側においても事前に知っておられ、特にあの日に限って非常に先鋭な状況になったというふうに、あそこまで出かけて行って初めて気がつくというふうな事態じゃなかったのではないかというふうに思います。従いまして、警察といたしましても、あの日に小林委員長が来ることによって、非常に先鋭になるというふうには考えないのが常識ではなかろうか。しかも駐在の巡査が一人でありますから、森地区の人たちが自分のそばを通ればこれはわかるにいたしましても、大ぜいどういうふうに集まるか、また集まったにしても、先ほど江口局長の申しますように、お互いの話し合いで済む場合も今まで多々あったわけでありますので、そういう大ぜいが集まったから直ちに乱闘の事態になるというふうに即断はいたしかねたのではないかというふうに思うのでありまして、まあ結果的に見れば実に残念なことではございますけれども、警察として、何かこういうことについては大目に見ているためにこういう事態が起ったというふうには私ども考えていないのであります。なおしかし、この点は詳細に実情を調査いたしまして、さらに判断を加えて参りたいと考えておる次第であります。
○門司委員 そういうお話なら突っ込んで聞かなければなりませんが、小林委員長が県の警察本部に行って、今明日中に行くということを一応話しております。そのこと自体は、土地が土地柄だから、そういう話をしたと思うのです。同時にまたそういうむずかしい問題のところに行く必要があったから警察にも一応事前に連絡したと思います。その場合、警察本部としては駐在に連絡してあったか。とにかく小林委員長が、時間は確定していないが今明日中に行くということは……。
○江口説明員 二時四十分に県本部に現われたときの用件は、今申されたように、森地区に行くからそこは危ないというような意味合いのものじゃなしに、やはり目的は相次いでいる組合運動、教組の運動に対して警察が弾圧する、介入をするということについての抗議であったようであります。従って警戒をするというような意味であれば、きょうあすというようなことでなしに、何時に立って何時ごろ着いてどこでどうしたいということでございましょうけれども、ただ、今明日中に行きたいと思うということを言われているようであります。しかしながら警察本部としましては、いつ行かれるかははっきりわからぬけれども、小林委員長がそちらの方に出向かれるようだということの連絡は、その日の四時に駐在所にやっております。
○門司委員 それでだんだん様子もわかってきたのでありますが、もとより小林委員長が行くということ自体は、危険があるからどうかということを警察に頼みに行ったわけでないと思います。何もそういう必要はなかったと思います。そういう事態を知るのが警察の仕事なんです。私が考えてどうもふに落ちないのは、委員長が行くことが大体わかっているという場合の父兄の動向がどういう状態であるかということについては、やはり非常に対立の鋭いところであればあるほど、警察に情報が十分にわかるように情報網がある程度張られていなければならないと思う。先ほどから駐在所の巡査が一人だからとおっしゃるが、二百人と新聞に書かれているが、事実かどうかわかりませんが、とにかく相当多数の村の人が出かけていくという、こういう事態がわからぬはずはないと思う。そして八時から十時の間の会合の状態その他について、何か問題が起りそうだということはわかっているのです。従ってこの飯尾という駐在所の巡査は、そういうことの連絡を県にしなければならないから帰ると言っているということを私は聞いている。それを長官は、そういうことはないはずだ、もしそういう事態があれば当然警察官としてやるべきはずだとおっしゃるが、当然やるべきこととしてやっておれば、そこに問題は起らない。そこに食い違いがあるからこういう問題が起った。八時ごろ多くの人が、会議をやっているところに押しかけてきていることはわかっている。そして面会させろとかさせないとか、傍聴させろとかさせないとかということがわかっている。こういうことの連絡が本部との間に十分でなかったということは、明らかに警察の手落ちだと思う。従って警察の手落ちだというところに、一体警察の教養はどうしておったかということです。そのほかに群馬県やその他の事件――きょうはそんな時間はないと思いますから申し上げませんが、群馬その他のいろいろな問題を総合して参りますと、ある地区においては、警鐘を鳴らして消防団の諸君が集まったということも聞いておるのでありますが、一体こういうことを警察として放任することができるかどうかということです。かりにこれは言いわけをされれば、消防団は命令を下しておらない。たまたま消防団員が集まったので、消防団としての統一の行動ではないから、消防法あるいは自治法等の違反行為でないというような答弁が成り立つかもわかりません。たまたま半鐘をたたいたら、集まった人たちが警防団の人たちであって、系統的、組織的な警防団の行動ではないから、この法律にはひっかからないという言いわけはできるかもしれません。しかし、群馬等におきましても、そういう大衆の行き過ぎた行動というものは十分あるわけであります。これらの問題についての取締りの形というものが、どう考えても、実際上の処置というのが事後処置になりがちだ。そうして一方においては、労働組合運動その他の行為というものは、それほど大きな傷害事件にもならないようなものについても、仮借なく取り締っておる。ところが、この事件については、さっきもお話しの六名か、七名かの者が今検挙されて、どうも被疑者らしいということになっておる。しかも報告書を見てみましても、あるいは警察側の答弁を聞いても、乱闘の起った時間等についても、きわめて不明確であるわけであります。これはまるっきり事件がうやむやなんです。こういう点についても、警察の取締り方は一体どうなんですか。私は、何もやかましいことを言って、たとえば消防法の十八条に書いてあるように、消防はその市町村長の指揮命令によって動くんだからということをたてにとって、これで処罰せよということは言わないつもりでおりますが、明らかに、こういう行為に対する警察側の今日までとってきた態度というものが、どうも一方的なような気がしてならない。これはわかっているんでしょう。またこういうことはわかるんですよ。そういうものについての処分方法はどう考えておるのですか。
○天野(光)委員 関連して。先ほど来の議論を聞いていますと、主観的な問題で、現実の証拠というものが整わないと、なかなか話の結論が出ないようですが、ただ一点、門司委員の御質問の内容を聞いていると、八時から十時半までの間に非常に危険が察知されておる。ともかく組合側としては危険が察知されておると言っておる。警察当局では、今までそういう会合が何回も開かれておって、さしたる問題もなかったから、そういう最悪の事態になるとは、その突発事件の起きるまで察知できなかったというところに問題があると思う。そこで危険を感じておるど言っておられる教組側から、危険だから何とか処理してほしいというような申し入れがあったのか。あるいはきょうの会合において、部落民が非常に先鋭化しているから、容易でない事態が起きるかもしれないから、何とか処置してほしいという申し入れがあったのか、そういう点を一つ具体的に、もしあったらあったように答弁願いたい。
○柏村政府委員 門司委員にお答えいたしますが、何度も申し上げますように、この事件につきましては、普通に考えて、警察として、あの際事前に警備配置をするというふうに判断しなかったことが非常な片手落ちであったということは、私は決して責めることはできないんじゃないかというふうに考えておるわけであります。なおしかし、再々申し上げますように、事情の実際の調査というものは、これからも進めて参らなければなりませんので、そういうことで、あるいは私が今まで得ております情報、報告と違った事態が出て参りますれば、これまた別の判断を下す必要があると思いますけれども、私どもが今まで聞いております報告によりますれば、あの際、飯尾巡査が判断して、そう緊迫したと思わなかったというのは、やむを得なかったのじゃないか。従って警察へのみずからの報告というものも、むしろ仁淀高校からの留守中における佐川警察署に対する報告が先になったというような結果に相なったのではないかと思うのであります。従いまして、事前に警備措置がとれなかったためにああいう事態が起ったということは、事実であろうと思いますし、その点は結果的に私は遺憾に思いますが、今後の問題といたしましては、これも先ほど来申し上げておりますように、暴力というものは、主義主張のいかんにかかわらず、否定すべきものでありまして、十分に証拠を固め、捜査を続行して参る、厳正に取締りの任に当って参るというふうに考えておるわけでございます。
 ただいまお尋ねの点は局長からお答えいたします。
○江口政府委員 こういう状態になっているから来てくれとかどうとかという、具体的な電話等はどうかかってきたかという御質問に対するお答えでございますが、これも先ほど来数回申し上げているように、時間的に申し上げまして、一番早いのは、現場から高知市内にある日教組の本部にかかってきて、それを取り次いで、高知の県本部に電話がかかったのが十時。これは自動車のタイヤがパンクされておるから、こちらからスペアを持っていかなきゃならぬという意味の電話であったので、それに対しては、警部補派出所に連絡しておくから、そこに寄って巡査を一緒に乗せていきなさいというお答えをしておる。その次に連絡のありましたのは十時十分。これは先ほど申し上げたように、郵便局の調べでは、こちらの方の調べと多少時間が違いますが、飯尾巡査の細君が、仁淀高校において父母の会の連中がやってきて困っておる。しかし、今すぐどうこうというような事態じゃないという電話を教諭から受けておるのが、時間的にいって二番目の電話でございます。それから十時三十五分。これも中平教諭から佐川警察署に対しまして、カン詰状態になっているから来てくれという電話がかかっております。それから十時四十分に――先ほど飯尾巡査の細君が出ましたが、また同じ飯尾巡査の細君に対して、今度は、会議がじゃまされて困っているのですぐ来てくれという、来てくれという電話は、その十時四十分の駐在所に対する電話と、十時三十五分の佐川署に対する電話でございます。
○門司委員 その話は聞いたのでありますが、そのお話も、さっきから私が申し上げておりますように、時間に食い違いがある。私のところの報告書によりますと、中平教諭が連絡したというのは、八時ごろからどうも険悪だということで、一応父兄と相談をして、危険な状態を警察に連絡する必要があるということで、連絡をしておるのであります。従って、正確な時間は私の手元の数字ではわかりませんが、大体その時間は九時半ごろであったという通知が来ているのであります。これは郵便局の方ではあるいは十時十分であったかもしれません。しかし、現地では大体九時半ごろ連絡をしたという話であります。ところが、警察の方の調べでは、これが大体十時三十五分ごろになっておる。それからあとで出動された時間は十時四十分ごろと、だいぶんおくれておるのであります。従って、事態の報告は、警察側よりもむしろ教組の方が先に入っておると思う。飯尾巡査のところに連絡したのも、中平教諭が連絡したのも、その以前の時間でありますし、従って被害者側からの通告がなされて、それから警察の行動が、おそい早いは別にして、起されたということの方が、私の持っておる報告書では言えると思います。そういったところに、私どもやはり多少疑惑が実はあるのでありまして、警察側の情報でない、あるいは教組側の情報であるからということで、どう考えても、警察に情報を入れたときと出動の時間との開き、それから事件が起って事件の終るまでの時間、あるいは八時ごろから十時ごろまでの事件直前までの間の警察の警備の状態というものはふに落ちないのです。先ほど長官が言うように、どうも三十分ぐらい時間が食い違っておって、事件のないところにおまわりさんが行っておったらしい。そういうことになるかもしれませんが、どうそれらの時間を考えても、私どもふに落ちないのでありまして、従ってこの事件については、いずれわれわれの方にも詳細な報告が調査団からなされると思いますし、警察側にも、すぐ正確な警察側の報告がなされると思います。それについての事件の究明は究明としていたさなければなりませんが、問題になりますのは、こういう事件があっちこっちに起っておるということ、しかもその事件は、群馬の事件にいたしましても、ここの事件にいたしましても、どうも警察の態度というものは、かなり突発的に起った事件だということで緩慢に処理されている気がするのであります。その後の事件もそうだと思う。非常に遺憾だといえば、遺憾だったということで済むかもしれませんが、しかし世間の疑惑というものはやはり一応解いておく必要がありはしないか、それには警察側がやはりもう少し明確に、あるいはこういう疑惑を受けないような形で進むべき道がありはしないかということが考えられる。
 従って最後に聞いておきたいと思いますことは、こういう公器を、消防その他の警鐘を鳴らして消防団の諸君が集まったという事態があるのでありますが、こういう事件についてのものの考え方は一体どうなんですか。一つの公器を利用して、あるいは乱用して、そうして事件の発生を見ておるようなものの取締り、これはさっき言ったように、消防法の十八条を適用して、そうして何でもかんでも消防自体が市町村長の指揮下にあるのだからといって、消防団としての公務ではなかったと思う。たまたま消防団員が不法行為をやったというように善意に解釈すべきだと思いますが、そういうことについての警察の態度はどうなんですか。
○江口政府委員 群馬におきましてそういう事例が起きましたことは心得ております。これにつきましては、消防法の建前から、ああいう特別法になりますと、かねがねこちらの方で研究が足らぬせいもございまして、すぐその場でどうこうというだけの自信がないわけであります。それで消防本部の系統に問い合せてみましたところ、やはり法律的には相当違法であるというにおいがするのでありますけれども、問題は、町村長がかねがね文書ないしは黙認の形において、だれだれに半鐘を打つことを委任しているという形があるか、あるいは土地の慣習として寄り合いその他で半鐘を打ったというような事例がないわけでもないのでございまして、法律的にはきわめて適法だということはもちろん言えませんけれども、すぐその場で、そいつはかしからぬ行為だというふうに引きずりおろすだけの自信がなかったということだけははっきり言えるわけであります。しかしながら、こういう事柄については、やはり小さな違法から大きな違法に発展するということが多いのでありまするから、こういう事例を一つの参考にして、よく検討しておくようにということで、現在そういう態度でおります。
○門司委員 私はこれで質問はやめますが、そういう緩慢な態度自身がよくないのではないですか。今日の消防は昔の消防と違いまして、昔のように警察に属したものでなくて、市町村長の指揮命令のもとにある場合において――というよりも、むしろ公務員としての取扱いをするような形ができているのです。そうして消防団員についても、やはり国家補償をしなければならぬようになっております。相当法律的な保護が加えられている。にもかかわらず、公器を乱用して、今のお話のように、半鐘をたたいて村人を集めるような風習がないわけではないというお話でありますけれども、こういうことは私はおかしいと思うのです。われわれは、消防法なりについて消防本部の御教示を願いたいと思うのですが、非常事態の問題とはこれは違うのですね。たとえば堤防が切れているとか、あるいは水防団が出動しなければならないとか、あるいは火事があるから消防団が出なければならないということの告知ではないのです。明らかにこれは公器の乱用なんですね。しかも、これが見方によっては消防団という一つの公けの機関を動員することになるのです。これは私は非常に大きな問題だと思う。消防団というのは、決して私の機関でもなければ、昔のような私設消防というような形であるわけではないのです。りっぱな法律のもとに一つの組織を持ったものが、たとい半鐘を打つことを委託されている人であろうとなかろうと、自分たちの職務権限外のことで半鐘をたたいて、そして人を集めて行動に移ること自体が非常に大きな問題だと思う。それについて今のような答弁であっては、事件の解決がつかぬと思うのです。こういうこと自体が警察の今日の取締りというものが、どうも何といいますか、目的があるものについて――目的があるという言葉を使うと少し行き過ぎるかもしれませんが、しかしそういうことを言わざるを得ない。勤務評定という政府の一つの方針に基いて政府が行動しようとしておる。それを阻止しようとするものに対して対抗しようとする一つの勢力、それは言いかえるならば、政府の意図する方向に協力するものの行為については、警察の態度というものは好意的であるというようにしか考えられない。そういう点が、先ほどから私が申し上げておりまするように、やはり世間の疑惑を生む一つの問題ではないかというように考えられるのでありまするけれども、これらの点については、いずれ詳細な報告書に基いて、一つ厳重に警察当局に処置をしていただきたいと思います。
 そこで最後に聞いておきますことは、群馬県のあの事件については、従って何も処置はされておらないということに解釈しておいてさしつかえございませんか。
○江口政府委員 あの事件につきましては、やっておりません。
○渡海委員長代理 中井君。
○中井(徳)委員 私、五分ばかりですが、ちょっとお尋ねいたしたいのは、今御質問のありました問題と全く違うのでありますが、私もはなはだ不勉強でありますし、また十分の用意もいたしておりませんので、お尋ねするのもどうかと思うのすけれども、実はけさ新聞を見ましたところ、オリンピックの後援会の問題で、何か一千万円ばかり不正の使い方があって、清算事務ができないというふうな事件がある。これは三月ほど前に大きく世間に喧伝されまして、大へん問題になり、早く片づけなければいかぬということであったと思うのです。そこで私どもといたしましては、もう片がついているのではないかと思っておりましたが、まだああいう記事が出ております。この問題につきまして、あれは背任になるのか、横領になるのかどうか知りませんけれども、警察とされましては、ああいう全国の青少年の非常に純粋な寄付金その他の使途についての問題でありますが、そういうことについて警察としましては、あれは親告罪的なものであって、だれか訴えないことには調査しないというような建前であるのか、あるいはあれだけ評判になっておることでありますから、警察独自の立場で御調査ができるものであるのか、また、調査をしておられるのかどうか、その辺のところをちょっと伺っておきたいと思います。
○柏村政府委員 お尋ねの問題、実は私詳細聞いておりませんので、はっきりお答え申し上げかねますが、横領とか背任というのは親告罪ではございませんから、警察独自で捜査を進めることができるものと理解いたしております。あの事件についてどういう捜査がなされ、どういうふうに処理されておるかということは承知いたしておりませんので、ちょっとその点は猶予させていただきたいと思います。
○中井(徳)委員 私も、実はあまり具体的な内容は知りません。ただいろいろ使途についてあやふやであるということが三カ月ほど前ずいぶん問題になりまして、財界の有力者も御関係になっておりますし、天下の知名の士もたくさん名前を連ねておるわけでありますが、実際の行動は一、二の人のように承わっております。でありますから、とにかく片づいておるのだろうというふうな気持を持っておりましたが、けさの新聞を見ますと、なかなかもめまして、委員長さんは早稲田の総長さんじゃないかと思いますが、そういう人たちの手できのういろいろお話しになったができなくて、結局一千万円ばかりは当事者の某々というお二人が負担すべし、弁償すべしというような――世間では絶無の事件ではなくて、とかくありがちのことであります。つい使い過ぎたとか何とかというので、ありがちのことだろうと思います。しかし、オリンピックのあの後援会の成り立ちその他から考えますと、どうもあまりルーズじゃないかという気がいたしまして、しかもきのう片づいておるのならいいけれども、片づいておらぬというふうなことは、少し警察の方でも御調査をいただいて、そしてそれは背任にはならぬ、横領にはならぬ、こういうふうになっているのだということでありますとわかるわけでありますが、調べることもできるということならお調べになっているんじゃないかとも思うのですが、その調査の内容等も、警察でわかっておられることがありましたならば、ちょっとこの席でお話しをいただければ参考になる、かように思う次第でございますが、いかがですか。
○柏村政府委員 先ほど申し上げましたように、この問題が何か起っておるということは私は聞いておりましたけれども、実は私も率直に申して刑事のしろうとでございまして、こういうことを申してはいかがかと思いますが、どういうふうに警視庁において取り扱っておったかということは聞いておリません。しかし、この種の事犯というものは、先ほど申し上げましたように親告罪でないから、もちろん捜査はできる。しかし、いわゆる事件として立てるには、なかなか証拠関係とかなんとかむずかしい問題があるように私は思うのでありまして、従ってこれを犯罪として捜査するのが適当であるか、あるいはもう内輪で話がついて、損をかけないということができれば、そういうことをしないで済むものであるのかどうか。その辺は実際警視庁でどういう取扱いをし、どうしたかということを承知いたしておりませんので、もし御要求があれば、その間お話しできる範囲において、捜査の過程でありますればまた申し上げかねる面もあるかと思いますけれども、もし御要求がございますれば、刑事局長なり、あるいは警視庁の当局なりにお答えさせることも考えてよろしいかと思います。
○中井(徳)委員 これは及ぼすところの影響が非常に大きいと思いますので、いずれにいたしましても慎重におやりを願わなければならぬと私は思いますが、事件が表に出ましてから半年たって、いまだにああいう事態であるということは、やはり体育全体の面から考えましても、日本の政治という面から考えましても、どうも明朗じゃないと思います。所轄の警視庁でございますか、やはり一応の調査はしてもらわなければいかぬのじゃないかと思いますから、今わかっておりましたらお聞かせを願いたいと思っておったのですが、委員会はきょうで終りのようでありますので、一つ要求をいたしておきますから、ぜひそういう問題について詳細に調査をしてもらいたい、それを特に要望しておきたいと思います。ただ、発表とかそういうことになるといろいろ御判断もあろうと思います。それからあなたの御意見でありましたが、こんなものは証拠がわからない――私は証拠がわかり過ぎているから困っているんじゃないかという見方をいたしております。はっきりしておるものだから、それをごまかすのに弱っておる、これだろうと私は推察を実はいたしておるのであります。ですから、そういうことについては、やはり警察は本来の姿に立って、堂々とやられる必要があるのじゃないかという感じもいたしますので一応申し上げておきます。
○加藤(精)委員 ただいまの御質問に関しまして、国会が警察庁に捜査を要求するということは、私は国会の権限を逸脱するものだと思いまして、反対でございますから、さよう御処置を願います。
    ―――――――――――――
○渡海委員長代理 次に地方自治に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 だいぶ時間がおそくなりましたが、ごく簡単なことでございますので、一、二御答弁をいただきたいと思います。実は二十八国会かと思いますが、昭和三十三年四月五日、法第五十三号で、三十三年の九月三十日までに申請がなされたものに限り、人口要件の原則五万以上を三万以上とするというような自治法の一部の改正がありまして、私の方の長野県からは塩尻市と篠ノ井市と、それから今ここで質問いたしたいと思います更埴市と三つ、九月末のぎりぎりに各町村議会で議決をして、県を経て自治庁に、自治法の第七条の二項の協議ですか、その申請があったはずです。ところが不思議なことが起ったわけです。一番都市的要件を帯びており、人口状態もよろしいとだれが見ても信じてよろしいという更埴市だけが、協議がととのわないというか、自治庁だか総理大臣の許可を得られないというのか、それだけがはずされて、だいぶ問題が残っておる塩尻市と篠ノ井市、この二つだけがこちらの許可を得て、きのうですか、県会にかけられて議決になったわけです。それで県民すべてがびっくりしているわけです。更埴市がなぜ自治庁、総理大臣の許可が得られないか、こういうことをみな不思議がっているわけです。この点について一つ、どういう理由で許可しなかったかという点についてお尋ねしたいと思います。
○山本説明員 ただいまの更埴市につきましては、実は今月初めでありますか、県の方から協議が参っておるわけでありますが、私どもの方といたしましては、先般現地調査等をいたしたわけでございます。ここの更埴市の合併問題につきましては、地理的条件からいたしましても、まん中に大きな川があるというふうなこと、あるいはまた最初の県の計画と若干違いました性格になりましたために、地元で若干の反対もあるようにも聞いておりますし、いろいろ検討すべき問題もあるように考えましたために、実はただいま慎重に検討をいたしておる次第でございます。そういうわけで時間が若干おくれておるような状況でございます。その点御了承をいただきたいと思います。
○小沢(貞)委員 市のまん中に川があるということはだめなことなんですか。この法のどういうところにそういうことはうたってあるわけですか。市のまん中に川が流れて、それはどうも許可できない、そんな理由があるのですか。まずそれを一つお尋ねします。それから地元の反対があるということも慎重に検討の要件だそうです。ところが、すぐお隣の篠ノ井市はまだひどい反対があるわけです。御承知だと思いますが、ここは屋代町、埴生町、稲荷山町、八幡村、この三町一カ村ですが、それぞれの議会の議決は屋代町が満場一致、埴生町が満場一致、八幡村が満場一致、稲荷山が十七対二ですか、たしかそう聞いております。そういうようなことで、お隣の篠ノ井市あるいは同じ長野県の塩尻市、この一部の村の反対とはけたがはずれて、ほとんど三町一カ村満場一致という形態です。どうしてその一部に反対があるといって、これだけを押えたのですか。それが一つ。そうしていま一つは、県の最初の計画と違っている。県の最初の計画と違っているようなものはほかにも一ぱいあると思うのです。ほかに具体的な例はありませんか。一つその三件について具体的に聞かせて下さい。
○山本説明員 必ずしも川がまん中に流れておることが市になってはいけないという条件でもございませんし、町村合併が全部反対なしにでき上ったものでもございません。これは御指摘の通りでございます。これはなるべく円滑に新しい市が合併によりましてできますようにという配慮をいたしておる次第でございます。なお、ここの問題につきまして、私たちがさらに検討いたしておりますもう一つの条件といたしましては、この新しい市の成立によりまして選挙区に相当重大な変更を来たす。これは特に国会議員の選挙区でございます。この問題を、実は町村合併におきまして、こういう重大な選挙区にまで変更を及ぼすという事例はこれが最初の例でもございますので、そういう点もございまして、自治庁といたしましては十分慎重に検討いたしたい、こういう態度でおるわけでございます。
○小沢(貞)委員 先ほど課長が答弁した川があるということも、今の答弁によれば、必ずしもこれは延ばしておく要件でもなさそうです。地元の反対があるのはどこにも反対があるわけです。これは延ばしておく要件にもならないのです。それで今の御答弁によれば、国会議員の選挙区に重大な関係があるという工合に御答弁があったわけです。
 それでは続いて選挙課長にお尋ねしたいと思います。これは法的なことでけっこうです。公職選挙法第十三条によれば、こういうときのことをうたってあるわけです。「二以上の選挙区にわたって、市町村の境界の変更があったときは、この限りでない。」この場合においては新たに市となったものの選挙区の所属については政令で定める。そこで政令第二条ですが、新たに設置されたものである場合においては、その区域が属すべき選挙区は、同項の規定にかかわらず、関係選挙区における議員一人当りの人口、関係選挙区に属していた者でその市に属するに至ったものの数その他の事項を考慮して、内閣総理大臣がこれを定める。こううたってあります。
 そこで具体的にこの更埴市について私はお尋ねをいたしたいと思います。法的にどっちにつくかということを最初お尋ねしたいと思いますが、議員一人当りの人口ということになると、もしこの更埴市ができた場合には、屋代及び埴生町は長野県第二区です。稲荷山及び八幡村ば長野県第一区であったわけであります。ここで市がその境の上にできたわけです。そこで関係の議員一人当りの人口ということになりると、第一区は、国会議員の定数三ですから大体十七万です。第二区の方はこれも定数三ですから大体十四万以上です。そうすると、議員一人当りの人口を考慮するということは、少いところの一人当り十四万の方にいくことが法的には正しい。これが一つです。
 それから、その中に関係選挙区に属していた者でその市に属するに至った者の数、こういうことがある。そうすると、第二区に属していた埴生町、屋代町、この人口は、埴生が七千四百十九、屋代が一万二千九百七十五、合計二万三百九十四。第一区には、同じく稲荷山が七千百六十五、八幡村が五千六百十七、合計一万二千七百八十二。だから第一区に属していた人口が少くて、第二区に属しておる人口が多かったわけですから、この後段からいってもこれは第二区に属すべきものだ、こういうように法的には解釈できる。
 繰り返して申し上げますと、議員一人当りの人口は第二区が少いので、当然そっちからも第二区に、それから関係していたところの元の選挙区の人口関係も第二区に属しているものが多いので、当然この解釈からも第二区へ、こういう解釈ができるが、法的にはそれでいいかどうか。この市ができたときには、この国会議員の選挙区は第二区にいくものだ、法的にそうなるんだ、こういうことですか、どうですか。
○皆川説明員 ただいま御指摘になりました公職選挙法施行令第三条第一項――第二条とおっしゃいましたが、第三条ではないかと思います。この解釈につきましては、関係選挙区における議員一人当りの人口の少い方に原則として持っていく。それから関係選挙区から新しくその市に入ってきた人口の多いところになるべく持っていったらいいだろうという点については、御指摘の通りだろうと思います。ただ私たちは、まだこの市につきまして具体的にいろいろな事情を検討しておりませんから、その点は何とも申し上げられないのでありますが、ただ法律の解釈といたしましては、ここにはこの二つのものがはっきり例示されてございますけれども、その他の事情を考慮してという事項がございまして、それにはいろいろな事態があろうかと思いますけれども、あるいは沿革とか、交通等の状況とか、いろいろなことがあろうと思いますが、そういうことを総合的に判断して内閣総理大臣が定めるということになっております。でありますから、御指摘の更埴市ができました場合に、どちらの選挙区に入るべきであるかということをはっきり申し上げることはできないのでございます。御指摘の二つの項目については、そのようなふうに考えてしかるべきじゃないかというふうに考えます。
○小沢(貞)委員 それではきょうはその程度でいいと思います。原則として議員一人当りの人口の少い方、関係した人口の多かった方、これへいくということでいいわけですね。――それじゃそう了承をいたしたいと思います。
 そこで先ほど振興課長からの御答弁によれば、川があって一部に反対があるということは、少しもこれをとどめておく、こっちで許可をしないでおく理由にならないわけです。自治庁としては、この市ができるのに許可をして当りまえだ。これはだれが考えてもそうです。きのうあたりの長野県会においても、いつまでも許可がこないので意見書を議決して自治庁に突きつけよう、こういう話が持ち上っている。これは県民のみんながそう考えておる。それを私はしょっちゅう聞いておるのです。倉石労働大臣の選挙区が、出身地が稲荷山なので、この市ができてしまうと、この出身地が第二区に移ってしまう。だから反対して、自治庁の方から押えているのだ。こういうようなうわさが、流言飛語ですかが県内中を飛び回っているのです。一部の政治的な圧力によって許可をしないということが、自治庁としてのとるべき態度であるかどうかということを一つお尋ねしたいと思います。そういうことが行われているかどうかわかりませんけれども、どうも今までのところ、反対している理由が全然ないわけです。ほかのもっと悪いところでも許可になっているのにこれだけを押えている。こんなばかなことがありますか。)
○山本説明員 私どもといたしましては、この選挙区がどなたの選挙区であるかということには関係なしに、先ほども申し上げますように、町村合併によりまして、いやしくも国会議員の選挙区に重大な影響を及ぼすというケースは、実は初めてここで出て参ったのであります。そういう意味におきまして慎重に検討をしておるところでございまして、一部の圧力によりましてこれをどうこうするという考えは毛頭ございません。この点は一つ御了承をいただきたいと思います。
○小沢(貞)委員 先ほど、川があるとか、地元に一部反対があるとか、県の最初の計画とちょっと違っておるとか、こういうことが保留しておいた理由だと言ったが、私の御質問した範囲においては、もう保留しておく理由がないわけなんです。こんなことはどこにも一ぱいあるのです。その次には振興課長が、国会議員の選挙区に重大な影響があるから今度はとどめたと答弁したが、選挙区に重大な影響というだけでこれがストップされているのですか、そこをはっきりして下さい。
○山本説明員 最初に申し上げましたように、いろいろほかにも理由があるわけでございますが、その点も一つの理由になっておることは事実でございます。たびたび繰り返して申すようでございますが、何分こういうふうな選挙区に重大な影響が及ぶというケースは実は初めてでございますので、十分慎重に検討したいということでございます。
○小沢(貞)委員 国会議員の選挙区のことについては、公職選挙法で別表を作ってあって、しかもその政令までちゃんと書いてあって、政令を読めば、先はど選挙課長が言われたように、もう原則としてこっちへ行くのだときまっている。なぜちゃんとそういうようにできているものをとどめておくかというのです。みずから法律を作って、その通り忠実にやらなければならないのが政府であり国務大臣だと思う。それを県内で巷間伝られているように、一部の国務大臣の選挙区に若干――五、六千票か何千票か、そっくりとったところで若干です。そのことのためにストップされているということになったら、これは自治庁の価値を疑われるというのですか、そういう問題に長野県内では発表しているわけです。そういう点をもう少し明確に答弁して、事務的にやれることはぴちっぴちっとやっていくことが当然だと思う。大臣か次官か局長に聞かなければ何とも答弁できないというならば、その出席を求めて、次会に答弁を求めるなりなんなりしますが、事務的にどうなんですか、私の言った通りに許可して当然じゃないですか。
○山本説明員 たびたび繰り返すようで恐縮でございますが、先ほど来申し上げておりますような理由で、許可しない、協議に応じないということを今私申し上げているわけでは決してございません。最初のそういうふうな重大なケースでありますので、慎重に検討している段階でございまして、もちろん御意見のように早急に結論は出さなければならぬ、事務的にはかように考えております。
○小沢(貞)委員 これは国が協議することになっておりますが、協議がととのわないで、県会で提案されて議決されてくれば国は告示しますか。その市の発生というか、誕生というか、総理大臣が告示することになるが、もし協議がととのわないときはどうするのです。そうやって引き延ばし戦術をいつまでもやっているならば、これは五月一日発足になっているので、県会で提案して議決した後に持ってきます。あらかじめ協議しろというからあらかじめ協議している、法律通りに。ところが、いつまでたっても、理由がないにもかかわらず協議に乗らないということになれば、県会で議決してくるよりしょうがないのです。そういうときはどういうことになるのですか、法的には。
○山本説明員 正式にはやはり協議をしていただかなければ告示はできないわけでございますが、そういう事態になります前に、われわれ事務当局といたしましては、できるだけ推進するように努力いたしたいと思います。
○小沢(貞)委員 これ以上やっても、課長等では押し問答でしょうがないと思いますが、休会明けまでにまだ許可にならないようなら、大臣その他の出席を求めてさらに追及したいと思いますが、きょうはこれで終りたいと思います。
○渡海委員長代理 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時五十六分散会
     ――――◇―――――