第031回国会 逓信委員会 第3号
昭和三十三年十二月二十三日(火曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 淺香 忠雄君
   理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君
  理事 橋本登美三郎君 理事 片島  港君
   理事 小松信太郎君 理事 森本  靖君
      大倉 三郎君    藏内 修治君
      進藤 一馬君    服部 安司君
    早稻田柳右エ門君    渡邊 本治君
      金丸 徳重君    原   茂君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 寺尾  豊君
 出席政府委員
        郵政政務次官  廣瀬 正雄君
        郵政事務官
        (電波監理局
        長)      濱田 成徳君
 委員外の出席者
        郵政事務官
        (電波監理局次
        長)      莊   宏君
        郵政事務官
        (電波監理局法
        規課長)    石川 義憲君
        郵政事務官
        (電波監理局放
        送業務課長)  館野  繁君
        参  考  人
        (日本放送協会
        会長)     野村 秀雄君
        参  考  人
        (日本放送協会
        副会長)    溝上 けい君
        参  考  人
        (日本放送協会
        企画局長)   春日 由三君
        参  考  人
        (日本放送協会
        経理局長)   首藤憲太郎君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
十二月十九日
 委員藏内修治君辞任につき、その補欠として石
 田博英君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員石田博英君辞任につき、その補欠として藏
 内修治君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十三日
 委員小沢貞孝君辞任につき、その補欠として加
 賀田進君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員加賀田進君辞任につき、その補欠として小
 沢貞孝君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月十九日
 浜松テレビ局設置に関する請願(中村幸八君紹
 介)(第二四六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書
 放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第二
 二号)
     ――――◇―――――
○淺香委員長 これより会議を開きます。
 日本放送協会昭和三十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書を議題といたします。
 本件に対する質疑はすでに終了いたしております。これより討論、採決に入るわけでありますが、別に討論の通告もありませんので、これより直ちに採決を行います。
 本件について異議なきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○淺香委員長 起立総員。よって本件は異議なきものと決しました。
 なお、本件に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任を願います。
 この際参考人、日本放送協会会長野村秀雄君より発言を求められておりますので、これを許します。野村秀雄君。
○野村参考人 昭和三十一年度決算の御承認を得まして、まことにありがたく、感謝いたしております。この御承認によりまして、私どもは今後ますます冗費を節約し、経営を合理化し、協会の運営を健全にいたして、われわれに課せられた大きな使命と責任とを遂行することに最善の努力を尽すことをお誓い申し上げまして、御承認のお礼にかえたいと思います。
    ―――――――――――――
○淺香委員長 次に放送法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑の通告があります。これを許します。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 途中で時間がきたような形で、おかしなことになりましたが、私は実はこの放送法の改正につきまして、当初より放送番組審議会の構成及び運営について相当重要なる検討がなされて、そして今後における、放送法の今回の改正のねらいでありますところの番組の内容の向上といいますか、充実というようなことについてずいぶんの考慮が払われておるものと思っておりました。また確かに改正法の理由の中には「放送番組の適正を図るため各放送事業者が放送番組審議機関を設けるものとし、」ということがその初っぱなの理由として掲げられておるのであります。従ってその放送番組審議会のメンバーの選任や、その審議会自体の運営についてはかなりの用意があると思いまして、その点をお伺いいたしたのでありました。ところが先般お渡し願ったところの「番組審議機関の運営について」という資料によりますと、私の期待とは少し違って――少しどころか相当違っておることに実は落胆をいたしたのであります。ことに放送協会などにつきましては特にその感を深くするのでありますが、NHKの経営委員会についての放送法の第十六条の規定などを見ますと、他の経営委員会とは違った構成、委員の選任の仕方がとられておるわけであります。たとえばその委員の選任に地域制をとっておる。それから選任部門を、十六条を見てみますればわかるのでありますが、文化だとか、その他学術だとかいうようなことをあげて、そしてそういう部門を網羅するといいますか、代表する形において委員の選任がなさるべきことが法律上きめられてある。これは政府がきめておるところの各種の運営審議会、経営委員会などには見られない例なのであります。なぜこういう放送事業の経営委員会についてこのような選任の方法を法定したかという趣旨を探ってみますれば、これはもちろんその技術の進歩であるとか、あるいは運営、財政なんかについて、全国的に各地域を網羅した意見を――適任者を探すということもあるのでありましょうが、最も大きなねらいは、放送番組などの編成あるいは番組の充実について特に地方的な要望を受け入れる、あるいは各部門の特殊な知識なり経験なり要望なりを受け入れるという態勢をとらなければならないからということにあったろうと思う。それがもっぱら放送事業という特殊性にかんがみて、そのような他の鉄道なりその他の公共事業の経営にとられたところの委員の選任とは別個な条件をつけてきた理由はそこにあるだろうと私どもは考えておった。従ってその放送番組審議会というものを法定しないならば別といたしまして、法定するとするならば、その地域制をとる、部門別制をとるというその趣旨は、経営委員会からこの放送番組審議会の方に移し植えらるべきものだと思うのです。その地域制の選任をとる、あるいは各部門別からそれぞれを代表するというような委員の選任制をとるという法律上の趣旨は、この経営委員会から放送番組審議会の方に移し植えかえらるべきものだと思っておった。しかし番組審議会というものを法定化する以上は、この十六条の趣旨をはっきりと法律にきめてかからぬと、せっかくこの審議会を法定化するという趣旨がぼやけてしまう。今度の改正案を見ると、経営委員会の方には今度四人ふやす。それは全国区というか、そういう点をとってきた。全国区制をとるという点においては私はこれは賛成できるわけであるが。それ以上この番組審議会の方においては地域の特殊性を生かし、あるいは部門別の要望に沿うような委員の選任、運営の仕方がとらるべきであると私は確信しておるのであります。従って片方の十六条には、純然たる経営委員会には――あるに越したことはないんですけれども、番組審議会の方にこそほしい地域制云々と書いてあって、今度の改正案の四十四条には、番組審議会は一般にばく然と学識経験者というようなことをとっている。これは私は非常に矛盾だろう、間違っておるのじゃないかしらぬと思うのですが、これについてどうお考えになっておられるのか。せんだってちょうだいいたしましたところの「番組審議機関の運営について」という資料によりますと、ただ「委員の選任にあたっては各方面の学識経営者(婦人を含む。)」と書いてある。私がこの前の参考人の陳述に対して婦人の御意見をと、こういう質問をいたしましたが、あのときにはかなり私は皮肉を含めて申し上げたつもりであった。しかしあの御婦人はその皮肉がよくわからなかったらしくて、私に満足するだけの返答を下さらなかったのでありますが、政府当局といたしましては私の質問の裏をよくお考えいただいて、カッコして婦人を含むというようなまことに人をばかにしたような御返事でなく、番組審議会のねらうところは何であるかということをお考え願って一つ御返事をいただいておかなければならないと思う。私は願うならば十六条にあるような趣旨を四十四条の番組審議会においても法定した方がよろしいじゃないかという考え方を持っておったからお尋ねいたしたのであります。ただ単に「(婦人を含む。)」というような御回答ではなしに、一つまじめなお答えをちょうだいいたしたい、こう思うのであります。
○廣瀬政府委員 ただいま金丸委員から番組審議機関の委員の選任のことにつきましていろいろ示唆に富んだ御発言をいただいたわけでありますが、私も御発言の趣旨はよく理解ができるわけでございます。御指摘のように今度の新しい法律案におきましては、番組審議会の委員は何人以上でなくちゃならないというような員数の規制、それから他面におきましては学識経験者のうちから選ぶというような程度の制約しかいたしていないのであります。番組審議機関の使命、職責から申しまして、ただいま金丸委員のおっしゃったようなことも考えられたわけでございますが、ただ私どもといたしましては放送事業者の自主性というものを尊重いたしまして、その事業者が良識によってただいま金丸委員のお述べになりましたような趣旨のりっぱな番組審議機関というものを作ることを希望しておるわけでございます。つまり放送事業者の自主性を尊重し、その良識に待ちまして、委員はなるべくならば各階層、各分野を代表するような、しかも全体としてその地域における聴取者のすべての意向を代表するような委員であってほしい、かようには考えておりますけれども、法規の建前から申しますと自主性を尊重するというところに重きを置きまして、ごらんのような法律案を提出いたしておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 もう押し問答になりますから……。ただ私は、自主性を尊重するということは政府官憲からの自主性を尊重するのであって、最も利害関係者といいますか、尊重しなければならぬところの聴取者、もっと広く言いますれば公衆に対しては自主性ということはあり得ないだろうと思うのです。権力によっていろいろ拘束するということは避けなければいけませんけれども、しかしながら聴取者の要望なり公衆の意見を取り入れるということは、これはどんなに広げても放送事業に関する限りは私はいいことだろうと思います。もし政務次官が言われるように自主性を尊重するというならば、この番組審議会の法定化それ自体が、私はもうすでに自主性を侵害していることだと思う。そうじゃなくて、法律にきめてあることは窮屈ではあるけれども、そうすることが聴取者の利益を尊重することになる、公衆の要望を受け入れることになるとするならば、これこそ私はこの法律の改正のねらうところであって、とらなければいけないと思う。私は十六条と今度作るところの四十四条との権衡上おかしくないかということを言っておるのであります。その点私の意見があるいは御了解願えないのかどうか残念であります。私は自主性ということの侵害にはならぬし、もしそういう自主性であるならこれはむしろ制限されてもいい自主性だろうと思うのですが、いかがですか。
○廣瀬政府委員 私どもは番組の向上適正化をねらっておりますことが今度の改正法律案を提出しました一つの大きな目的なのでございますが、さようなことを考えますと少くとも番組審議機関というものは各放送事業者ごとに作っていただかなくちゃならないという程度の提案をいたしておりますだけなのでございまして、それから先は努めて放送事業者の自主性によってその選任をお願いいたしたい。作ることそれ自体も自主性を傷つけることになるんじゃないかという御意見のようでございますけれども、あるいはさような御無理を申し上げるということは多少自主性を傷つけることになるかもしれませんけれども、他の大きな目標であります番組向上のためには少くともさような程度のことはやってもらいたいということで法律案を出しておるわけでございます。それから先はすべて公平な第三者を関与させまして選任させるとか、あるいは郵政大臣の同意を必要とするとか、いろいろな御意見もあるようでございますけれども、作ること自体は法律案にはっきり明記いたしまして規制いたしますけれども、それから先のことはすべて事業者におまかせいたしたいというようなことで、かような考えを法律案にうたっておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 実は公共放送の番組審議会は、各地方の中央放送局といいますか、そこの所在地に置くことになっておって、各県の地方局別には置かれていない。ところが実際にはローカル放送の番組などについては、各放送局がそれぞれ自主的といいますか、その地方に応じた形でやっているのではないか、それだけの自由が与えられておるのではないかと思います。またそうでなければいけないと思う。もしそうだとすれば、その番組審議会は、そうした地方の番組の編成の自由が許されるといいますか、それだけの権限を持っておるそこに置かれた方がよりいいということが一つと、それから全国に四十幾つも作っていくというのは非常にわずらわしいということなら、中央放送局に地方委員会を一つ作るとするならば、今度はその管内の各県から、ちょうど中央におけるところの経営委員会の選任方法が、北海道、九州、四国ということから地域別に代表されるような形で選任せられると同様に、熊本放送局における番組審議会というものは、熊本管内の各県から選任されてこなければほんとうにこの十六条に法定されたような趣旨は生きてこないのではないか、こう思うのです。そういうことさえも法律にいってありません。そうしてそういうことは法律にはいわぬけれども、お考えの中にはあるのかと思ってお尋ねしたのです。お返事の中には何にも書いてない、私は非常に大事なことだと思ってお尋ねしたのですが、何にも書いてない。いわんや部門別については何も書いてないのです。これじゃ十六条の趣旨とあまりにも開きがある。それから番組の適正向上化をはかるというほんとうのねらいと開きがあり過ぎるのではないか。法律に書くことによって非常にむずかしいということであれば、せめてこれにはうたってほしかったと思うのです。その点については、非常にしつこいようですが、大事な点ですからあえてお尋ねするのですが、お答え願いたいと思います。
○廣瀬政府委員 お尋ねの趣旨がどうもはっきりいたしませんので、あるいは食い違った答弁になるかもしれぬと思いますが、NHKにつきましては、中央と地方の、ただいまあります中央放送局ごとの地方の番組審議会ができますので、これは問題はないかと思いますが、民間の一般放送業者につきましては、私どもの考えといたしましては、各放送業者ごとに、つまり持っておりますエリアの聴取者を代表いたします委員が選任される形式によりまして、番組審議会というものを作ってもらいたい、かように考えておるわけでございます。
 そこで私どもといたしましては、その地域の一応の声を聞く、しかし今の階層とか分野とかいろいろあるわけでありますから、そういうようなものを含めての全体の聴取者の代表が委員に選ばれるような良識を持った事業者が委嘱を受けてやってもらいたいということを念願いたしております。さようにさっきは申し上げたわけでございます。一説には民間放送業者につきましては、全国の各事業者ごとに番組審議会を設置せずして、民放連と申しますか、全国一カ所のまとまった単位によって番組審議会を作ればいいじゃないかという御意見もあったようございますが、これについては地方の聴取者の声が聞きにくい、しかも番組審議機関というもができますならばかなりひんぴんと、月に一回とか二回、三回という程度に開く事業者もあるのではないかと思いますし、私どもはその数が多い方が希望なのでございます。ということになりますとあまり遠隔の地から毎月何度か審議のために出席するということも困難であろうかと思いますので、なるべく地域を狭くしてたびたび開かれるような機構が、そういう観点から申しましても必要じゃないかと思っております。また民放につきましてはただいま民間の一般放送業者が義務的に民放に加入しなければならないという法律の規制がございませんものですから、それ一本で参りますと民放に入っていないから、また場合によっては脱退してさような規制を受けないような業者も出てこないとは限らぬと思います。でありますから、さような観点から申しましても全国一本にして民放連で番組審議機関を作るのみで済ませるというようなことであってはならない、かように考えておるわけでございます。
○金丸(徳)委員 今の全部一括して、民放連で大きくまとめてやるという案も私は一つ考えられるわけでありますが、今度の案はそうじゃなくて、各事業者別にということなんです。ということは聞かれる範囲内における地域の意見を取り入れるような形だということであります。その考えと、NHKの方でとられる考えとが中途半端になっておるのです。もし事業別の方がいいというお考えに徹するならば、私は各県別なり各放送局別の番組編成の自主性と申しますか、地域性が認められる限りにおいては、そこに番組審議会が置かれた方がいいんじゃないか、中途半端に過ぎるんじゃないかと思うわけであります。そうすれば何もたびたび遠くから寄ってくるという御心配はなくなるわけであります。むしろそうすることによってほんとうに番組審議会の地域性、委員の選任の部門別性を生かすことができのじゃないかと思う。そういうお考えとここにきめてある考え方とが少し矛盾してきているんじゃないか、こういうことをお尋ねしているわけなんです。
○廣瀬政府委員 金丸委員の御趣旨よくわかりました。なるほど御指摘のようなことも心配されるわけでございますが、提案者としましての気持は先刻申し上げた通りなんでございます。しかし突っ込んでただいま金丸委員からおっしゃったようなこともあるいは心配されないところではないと思うのでございます。でありますから今日のところ、われわれといたしましてはこの法律案に盛られておりますような趣旨で番組審議会を作っていただきまして、業者の良識に訴えてどのような委員の選任ができるか、機関の運営ができるか、その実績をながめましてまた後日――私どもはこの法律案でわれわれの期待しているような選任あるいは運営ができるものだと考えているわけでございます。しかし、ただいま御指摘のような点も心配されないではないのでございますから、さようなことにつきましは今後の実積によって検討してみたい、かように思っております。
○淺香委員長 森本靖君。
○森本委員 この放送法の改正案についてはかなり審議をせられましたけれども、大体最後も近づいてきたようなことでありますので、今までの重複を避けまして、聞いておかなければならぬ点だけ要点のみを聞いてみたいと思います。
 まず最初にお聞きしたいのは第九条第二項の八号でありますが、「委託により、放送及びその受信の進歩発達に寄与する調査研究、放送設備の設計その他の技術援助並びに放送に従事する者の養成を行うこと。」ということについてはこの前当委員の方からも、質問がありまして、いろいろ質疑応答がありましたが、まだ明らかになっておらないところがありますので、この「委託により、」云々ということについてのこの号を一つ説明を願いたいと思います。
○廣瀬政府委員 第九条第二項の八号でございますが、委託という言葉を使ってあるのでございますが、この委託によると申しますのは、協会が委託を受けまして調査研究、技術援助等ができるという意味でございます。委託の具体的な内容につきましては、第一に放送及びその受信の進歩発達に寄与する調査研究としましては、たとえば放送番組に関する世論調査あるいは特殊な放送技術の研究等でございます。第二には放送設備の設計その他の技術援助といたしましては、たとえばスタジオの設計等でございます。第三の問題といたしましてはアナウンサー、技術者等放送に従事する者の養成、こういうようなものを委託によってやることができる、かように考えておるわけでございます。もっともこの協会の受託の運営につきましては、第一に業務の規模でありますとか受託の限界等は十分考慮する必要があるのであります。また第二に依頼があればすべてを受託し得るとは限らないのでございまして、限界以上のものはこれを断わることもあり得ると考えております。従って実際の運営に当りましては、一定の計画をするとか基準を作るとかいたしまして、公正に運営することが望ましいと考えておるわけでございます。
○森本委員 これは一般の放送会社、民間の放送会社等からの技術援助並びに放送に従事する者の養成をすることができる、こういう意味だと思うのですが、そういう場合にはやはり実際の費用を徴収してやるということになるわけですか。
○廣瀬政府委員 実費をいただきまして委託を受けるということになります。
○森本委員 これは今日までこういうのをやっておったにとがありますか。
○濱田政府委員 従来さような事例がございます。今までございました。
○森本委員 今日までそういうのは協会の予算の中でどういうところの収入に入っておるんですか。
○濱田政府委員 多分雑収入というふうな項目の中に入っておると考えます。
○森本委員 雑収入に確かに今まで入ってきておるわけですか。
○濱田政府委員 確かに雑収入という項目に入っておりますが、額はただいま資料を持っておりませんのでお答えできません。
○森本委員 この号が今度こういう号になりますとかなり毎年々々今までよりはもっと多く行うということになるんじゃないかと思いますが、来年度の予算編成のときにその具体的な内容については質問をすることにいたしまして、次の十号でございますが、「前各号に掲げるもののほか、放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務で」云々とありますが、これの具体的な例を一つ示してもらいたいと思います。
○莊説明員 具体的な例というのはなかなかむずかしいのでございますが、考えられるものといたしましては、たとえば受信障害対策の関係の仕事というものがあると存じます。
○森本委員 受信障害対策云々といいますと、この内容は、具体的にどういう仕事になるかということです。
○莊説明員 受信障害というのがいろいろ問題になっておりますが、これに対しまして、いろいろの防止器をつけて歩いたり、あるいは周知啓発の手段を講じたりするような仕事です。
○森本委員 それ以外にどういうことがありますか。というのは、私はくどく念を押しておきたいと思いますのは、この十号の案文通りでいきますと、これは下手にこの条項を百パーセント活用してやろうということを考えた場合に、何でもできるということになるわけです。「放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる」ということになりますと、たとえば新聞を発行するということについても、放送の発達に寄与するということにも考えられますし、あるいはまたその他のいろいろなことについても、この十号を当てはめようと思えばできるわけであります。だから今の受信障害の件等についてはわかりましたが、それ以外にこの条文について郵政当局が考えておるのはどういうことが具体的にあるのか、こういうことをお聞きしておわけです。
○莊説明員 具体的にほかに何を考えておるかという御質問でございますが、他の適例はちょっと今のところ私どもの頭の中に浮んで参りません。と申しますのは、この条項がございませんと、御承知のごとく協会の業務は制限列記的になっておりまして、しかも協会の収入はここに書いてあるもの以外に使うことができないという条文が別にあるものですから、何か将来どうしてもやらなければいかぬものが起った場合には、それがやれるようないわばセービング・クローズを作っておかなければ困るのじゃないかという趣旨で入れたものでございまして、なかなかほかに適例は見つからねわけでございます。
    〔委員長退席、秋田委員長代理着席〕
○森本委員 そういう趣旨たろうと思いますけれども、一応ここでこういうものを審議して、こういうものを通すということになってくると、この内容が具体的にどういうものであるかということ一応の説明を聞いておかないと、この法律の拡大解釈をすれば何でもできるのじゃないかということも考えられるわけです。そこで、たとえばNHKがテレビ用の映画会社を作るというのも、この条文でいけばかまわぬと思うのですが、そういうことはどうなるのですか。
○莊説明員 ただいま先生のお話の中に、NHKがテレビ映画会社を作るというお話がございましたが、ここの十号に掲げておりますのは、協会がみずからの業務として行うことでございまして、他人たる法人の業務云々のことではございません。
○森本委員 ちょっと私の方の質問が悪かったわけでございますが、たとえ今NHKが映画を作っておりますのは、ほとんどいわゆる科学映画のような、実写映画みたいなものを作っておりますが、しかし会社を作らずとも、NHKがかりに今の劇映画を放送のために作ろう、あるいはまた放送のための新聞もNHKが発行するということ、あるいは俳優の養成等、そういうようなことについてもこの条項でできるのじゃないかというように考えるわけですが、どうですか。
○莊説明員 NHKがみずから放送のために映画を作るという場合は、NHKの本来業務の規定の方から、番組編集上の必要からやることでございまして、それは可能だろうと思います。それから劇団だとか音楽団を養成してみずから持つということも、みずから放送のために必要なものは他の条文によって可能と思います。新聞もNHKが業務の周知宣伝をするということは他の方で認められるところでございますから、その手段として行うことは実際差しつかえないと思います。
○森本委員 現在の新聞は実際NHKが出しているのですか、それともサービス・センターがやっているのですか。
○莊説明員 お話の現在の新聞とおっしゃいますのはNHKラジオ新聞というものだと存じますが、あれはNHK自体が発行しているものではなくて、たしかサービス・センターのような別の法人が出しているものでございます。
○森本委員 それでは私は将来の問題になるからよく聞いておきますが、たとえば今のNHK新聞というようなものをNHK自体が発行して、NHK自体がこれを集金人によって各戸に配らしてその料金を徴収するということも、この十の項目でできるわけですね。利益にならなければできるわけですね。
○莊説明員 NHKが周知活動として新聞を出すことは、ここに新たに作ろうとする第十号ではなくて、他のすでにあるもので可能であろうと考えております。
○森本委員 可能であろうでなしに、そういうことをやってもよろしい、こういうことですね。
○莊説明員 現在でもよろしいと私は考えております。
○森本委員 そうするとこれは条文の通り、放送及びその受信の進歩発達に関しては、それ以外のことについても郵政大臣の認可があった場合には相当やれる、こう解釈していいわけですね。
 そこで、その郵政大臣が認可をするところの基準を一体どこに置いているわけですか。これは具体的にあげないと、「放送及びその受信の進歩発達に関し」とやっても、今言ったような問題がいろいろ出てくるわけでありますので、その郵政大臣が認可をするところの一応の基準というものを郵政当局はどう考えているか、こういうことです。
○莊説明員 ただいまのところではこの法律に掲げてございます通り、放送及びその受信の進歩発達に関するものであること及び特に必要と認められるということでありまして、さらに具体的にはこの認可を郵政大臣が行う場合には、必ず電波監理審議会にかけるというのが別にございまして、十分これは慎重にいたしたい、かように考えます。
○森本委員 それはちょっと答弁にからぬのですけれども、まあいいです。実際問題としては今言ったように、一応これはこうこうこういうふうな内応であって、こういう基準であるということはここらあたりで明確にすべき条文であろうと思いますが、今急に迫っても困ると思いますので、よく将来とも研究しておいてもらいたいと思うのです。
 それから次のアラビア数字の5項でありますが、「協会は、第一項第二条の業務を行うについて、放送に関係を有する者その他学識経験を有する者から意見の申出があった場合において、」云々とあるわけでありますが、この「その他学識経験を有する者から意見の申出があった場合」の「その他学識経験を有する者」という者を、一体どういうふうに解釈をせられるのか。たとえば、私なら私なんかでも、これは一応この中における学識経験を有する者というふうに考えられるのか、あるいは放送業者なら放送業者というふうに限られるのか、その辺の判断を一つ明確にしておいてもらいたいと思います。
○石川説明員 お答えいたします。同条第五項の「放送に関係を有する者その他学識経験を有する者」とは、具体的に何だという御質問だと思いますが、「放送に関係を有する者」では、主として一般放送事業者を考えております。それから御指摘の通り、「その他学識経験を有する者」からも、いろいろな見地から非常にいい意見が出る可能性がありますので、その次に書いてありますように、「その内容が放送及びその受信の進歩発達に寄与するものであり、かつ、協会の他の業務の遂行に支障を生じないものであるとき」には、これを採用することができるという道を開いたものでございます。
○森本委員 だから、「学識経験を有する者」というのは、具体的には一体どういう解釈をせられるのか。
○石川説明員 非常にむずかしい問題でありますけれども、この研究所というものがほんとうに放送のために役に立つように、できるだけ広く窓口を開く、その意味におきましては、いわゆる学識経験者という、普通使われておる意味で御理解を願いたいと思います。
○森本委員 普通使われておる学識経験者と言われても、ちょっと明確になりませんが、それはそれとして、それでは、そういう「学識経験を有する者から意見の申出があった場合において、」――その学識経験者が、その内容が放送及びその受信の進歩発達に寄与するものであり、かつ、協会の他の業務の遂行にも決して支障がないものであるというふうに考える、たとえば長年NHKの予算等についても、あるいはまた放送及び受信の進歩発達等についても、相当研究してきておったという者が、そういう意見の申し出をする。ところが、一方の協会側は、その申し出の通りであるけれども、違った角度から、そいつをやられると工合が悪いという意見がある。しかしその違った角度の、工合が悪いという意見を表面に出すと工合が悪いので、今言ったような、これは放送及びその受信の進歩発達に寄与するものではない、あるいは協会の業務の遂行にかりに支障がなくても、遂行に支障があるということで断わる。そういう場合に、その申し出があったものがいいとか悪いとか判断するのは、一体どこが判断するのですか。そうなった場合に、片一方はそういうものはあまり芳ばしくない、片一方はそれはなかなかいい。事実また片一方が十分研究して、NHKならこれはやれる、こういう意見の申し出があっても、片一方がかりに故意にそれはできない、こういうように断わる場合のその判断は、だれがやるのですか。
○莊説明員 この協会の研究機関は、あくまで協会にある研究機関でございますから、最後的に何を研究項目として取り上げるかということは、協会みずからが決定することになるわけでございます。しかしながら、今回の改正案におきまして政府当局において意図いたしましたところは、NHKは単に自分のところだけの仕事をやっておればいいというものではなくて、日本全体の放送の向上発展をはかるために大いに寄与するものにするのである、こういう趣旨に出ておるのでございます。従いまして、NHKの事業活動の目的と申しますものは、従来と大幅に変ってきているものと考えます。従いまして協会におかれましては、経営委員を初め全体で、その新たな使命を十分認識されまして、その研究項目の選択について、その趣旨で十分公正な選択を行うようにしていただきたい、そういう意味でこの条文を書いておる次第であります。
○森本委員 その趣旨はよくわかるわけでございまして、現在の幹部にもそういう悪い人はおらぬので、あなたの今言った善良な考え方に基いてこの条文を作ることはけっこうです。けっこうですが、かりにうんと悪いのが出てきて、そんなものは一切聞かぬということになった場合には、やはり最終的にはNHKに採択権があるわけでございますから、無意味になるということは言えるわけですが、一応こういうものがあった場合には、仲裁機関といいますか、そういうものがないと、最終的にはNHKの方に採択権があるわけでありますから、この条文は場合によっては、その人の運営によってはあってもなきがごとしの条文になるということも考えられるわけですね。悪く解釈すればですよ、そうじゃないですか。
○石川説明員 お話の通りであります。そういう御懸念を解決するにはどうすればいいかということになりますと、結局そういう研究の要請者に絶対的な力を持たすということになりますので、その点を考慮して、NHKの研究機関、公共のために開放された機関という二つの性格から、この条文はこの程度にいたしたわけであります。
○森本委員 次は、これは非常に大事なことでありますが、第十三条の二項であります。今までは業務の運営を指導統制するということになっておったわけでありますが、今回はその業務の運営に関する重要事項を決定するというように、経営委員会の任務が変っておるわけでありますけれども、これを具体的に説明を願いたいと思います。
○廣瀬政府委員 御指摘のように現行法では、経営委員会は、単に意思決定機関であるばかりでなく、業務の運営を指導統制する、すなわち執行機関的な権限と責任をも持っておりますようなことになっておりましたけれども、それではよろしくないということで改正案を出しましたわけでありまして、改正案におきましては、経営委員会を明確に意思決定機関ということにいたしまして、会長以下をその執行機関として、それぞれの権限、責任を明確にいたしたわけであります。
○森本委員 現在までの経営委員会は、月何回ぐらい開いておるわけでございますか。
○廣瀬政府委員 定例一回開きます。
○森本委員 この条文が変りましてから、その開催日数については変ってきますか、それとも従来通り行われますか。
○廣瀬政府委員 およそ従来通りだと思います。
○森本委員 そうすると、従来の経営委員会というものがかなり荷が重かったということになるわけですね、どうですか。
○廣瀬政府委員 まあさようなことも言えるかと存じますけれども、また他面におきましては、責任の所在が明確でなかったと申しますか、責任の分ち方がはっきりしなかったというような点があったと思うのでございます。そこで、意思決定機関と執行機関というものを明確に打ち出して、事業を円滑に運営してもらいたい、かように考えております。
○森本委員 正直でいいわけですが、今までの経営委員会は、いわゆる執行機関と決議機関と一緒にしたような格好で、実際には執行業務についても監督しなければならぬというのが今までの経営委員会のあり方で、今後は執行部がこうこうこういうふうなことを一つ御決定を願いたいというものを審議していけばよろしい、こういう形に変るわけでありまして、そういう点から考えると、従来なら月に三回やっておったものを今後は月に一回やればよろしいということにならなければならぬ。ところが今までも月に一回、今後も月に一回ということになると、これは子供でも明らかな通り、業務量からしても、今までが大体この経営委員会というものは形式的に流れ過ぎておった感がある。これは否定できないと思う。これだけは意見として申し上げておきます。
 次に移りたいと思いますが、この第十六条の法律上の語句であります。法制局も通っておるから間違いないだろうと思いますが、「各一人を、その他の委員については、これらの地区を通じて四人を任命しなければならない。」という、この「これらの地区」というのはどうなるのですか。
○廣瀬政府委員 「これらの地区」という意味は、全国を通じてという意味でございます。どうも表現が、御指摘のような疑義も持てると思いますけれども、意味は全国を通じてということであります。
○森本委員 これは簡単なことですけれども、非常に条文として考えなければならぬ。というのは「これらの地区」というのは、全国を八地区に分けた別表の地区でありますから、非常に誤解のしやすい文句でありまして、はっきり今政務次官が言ったように、たとえばその他の委員については全国を通じて四人を任命しなければならぬというふうに書くのが当然だろうと思うのです。そこで今回この四人がふえますと十二人になるわけでありますが、この各別表によるところの八人については教育、文化、科学、産業その他の各分野を見て任命をしなければならぬ。それからこの全国区が四名、地方区が八名ということになるわけでありますが、前々から言っておることでありますけれども、教育、文化、科学、産業その他の各分野を代表するということも必要でありますけれども、また聴取者、視聴者のいわゆる生活環境からくるところの選任方法も考えていい時期ではないか。たとえば農村の代表の人を一人とか、あるいはまた働く労働者の諸君の中から一人とかというような、また先ほど金丸委員も言われておりましたが、広く家庭婦人の地位を代表する者とかというふうな形のものの選任も、今後は必要ではないか。単に有名人を経営委員に任命をするということは、あまり効果がないのじゃないか。有名人も三分の一程度入っておってけっこうでありますけれども、実際にこの経営委員については、聞いておる者について、あるいはまた生活階層からくる違った観点からの選任というものも必要ではないかというふうに考えておるわけでありますが、その点はどうですか。
○廣瀬政府委員 先刻金丸委員にもお答え申し上げましたように、ただいまの森本委員の御意見は、御意見といたしましてまことに傾聴すべきものだと考えております。
○森本委員 次に、この委員の欠格条項でありますが、これはその他のことにも非常に関係がありますけれども、今までは「任命の日以前一年間においてこれらに該当した者を含む。」というかなりきつい欠格条項があったわけであります。今回はこの欠格条項が除かれておるわけでありますが、この欠格条項をなぜ除いたか、それを具体的に説明願いたいと思います。
○廣瀬政府委員 こうした選考につきましては、なるべく欠格者を少くしまして、選考のできる範囲を広くすることが望ましいわけでございます。しかし、どうしてもこれはやむを得ないというような人を最小限度に欠格者としなければならないわけでありますが、そこで今回の改正は、なるべく広い範囲から適任者を選任したいということでさようなことにいたしたわけであります。
○森本委員 広い範囲からやらなければならぬということでこれを修正をした、そうすると、今まではこの欠格条項があって狭い範囲内でやっておったので何か不便があったということでこれを改正したということになるわけでありますが、何かこの欠格条項がありまして今日まで範囲が狭くなって非常に不便であった、こういう具体的な例なり経験が郵政省にありますか。
○廣瀬政府委員 具体的になかなか人の名前なんか申し上げにくいのでありますが、困った例はないではなかったわけであります。それと通信、報道、新聞でございますか、そういうような事業の経験を持っておられる人の知識も尊重すべきだというような考えもありまして、そういう方面のワクをはずしたわけであります。具体的な例としましては、困った例はなかったことはないと思いますけれども、それはちょっと申し上げかねます。
○森本委員 具体的な例で、人の名前まであげるということは困難だろうと思いますが、そういう例があったことは何回くらいありますか。
○廣瀬政府委員 そうしょっちゅうはございませんけれども、一、二回はあったというように聞いております。
○森本委員 おそらく一、二回といったところで、名前を言えといったらないということだろうと思いますが、それはいいです。こういう欠格条項というものは、ほんとういえばなかなか重要なわけなんです。そこでこういう欠格条項を削除するという場合には、こういうことで、こういう具体的な例があって不便であるから今回こう改正する――これは警察官職務執行法の改正のときも、そういう問題が非常に論じられた。具体的にこういう欠陥があった、だからこう改正しますということで一つの迫力というものが出てくる。そういう具体的な例がないにもかかわらず、そういうような理由によってやるということは軽率に過ぎると思いますが、郵政当局が将来をおもんぱかって改正をしておるのだということでありますから、これは一応反対であるということを明確にして次の質問に移っていきたいと思います。
 それから、これも前にも質問しておりますけれども、ちっともはっきりしておりませんが、NHKの来年度の予算にも関係しますので、一応NHKでなく、郵政当局の考え方を聞いておきたいと思います。第二十二条の報酬の問題でありますが、これを郵政当局としては具体的にどう考えておりますか。
○廣瀬政府委員 これは必要な、適当な報酬を差し上げるということでございまして、それから先はNHKにまかしたいと思っております。
○森本委員 適当な報酬を差し上げるということはよくわかりますけれども、今まで無報酬であったものを今回は報酬を与えるという、こういう条々を出しておる限りにおいては、一応NHKと打ち合せをして、このくらいのものを差し上げたらよかろうという話し合いがあってしかるべきだと思う。これは本委員会として二月に入ったらNHKの予算を審議することになりますから、そのときにやってもいいわけでありますが、本来法律案というものを提案する場合は、やはり適当なことなんということは実際問題としていかぬ。しかし政務次官がそういう回答をしておるので、次の予算案のときにこれは審議をすることにして、一応この質問については打ち切っておきます。
 次に第二十四条の今回の理事の増員でありますが、今までは理事が三人でありましたが、それを一躍理事五人以上十人以内というふうにきめておりまするが、実際問題として郵政当局は現在の理事については何人が正しいというふうにお考えですか。
○廣瀬政府委員 これにつきましては、かつて御答弁申し上げましたように、NHKでも事業量が非常にふえて参っておりますので、理事をぜひ増員をしてもらいたいというような要望もございまして、NHKといたしましては七名程度の理事を作りたいと考えておるようでございまして、私どももそういうところが適当じゃないか、かように考えておりますわけでございます。
○森本委員 そうすると、これは七名とすればいいものを、十人以内というふうにきめたのはどういうことですか。
○廣瀬政府委員 これはある程度将来長く適用されます法律のことでございますから、それで弾力性を持たしておく方がよかろうというわけで、五名以上十名以内ということにいたしましたわけでございます。
○森本委員 それはNHKの要請ですか、それとも郵政省独自の考え方ですか。
○廣瀬政府委員 NHKの意向も参酌いたしておりますけれども、法律案を出しましたのが政府でございますので、政府当局の意見として申し上げておるわけであります。
○森本委員 NHK当局が十人以内というふうにぼやかしておいてくれというふうに強く要望がありましたか、それともそういう要望があるということを察知して郵政省が好意的に提案をしたのか、そのどちらですか。NHKから大いにこういうふうにしておいてくれという要望があって、郵政省としてはそれが正しいとしてこういう提案になったのか。
○廣瀬政府委員 郵政省としてこういうことがよかろうということで出したわけであります。
○森本委員 そうするとNHKの方からは十人以内というふうにしてくれという強い要望はなかったわけでありますか。
○廣瀬政府委員 一応意見を聞きましたことは、先刻申した通りでございますけれども、十名という数字にこだわった強い主張はございませんでした。
○森本委員 大体こういう法律において役員をきめる、それから毎年予算も審議するというような性格のNHKについては、こういうふうに五人以上十人以内というふうなぼやけたやり力をせずに、やはり七人なら七人というふうに明確に限定をするのが、私は正しいじゃなかろうかというふうに考えるわけでございます。そこで郵政省が十人以内というふうにやったということを考えてみると、現在の郵政大臣なり郵政政務次官がおられる間はそういうことがないかとも思いますけれども、われわれがかんぐってこれを考えてみますると、郵政省のたとえば古い方々を、場合によってはNHKに一つ探ってもらえないかというふうなことで、理事に送り込むという下心があるというふうにかんぐられても、今日までの実績からいくならばやむを得ない場面があると思うのですが、将来においてもそういうふうにいわゆる姥捨山にNHKがなるということについては、私は深く戒めなければならぬと思うわけであります。しかし事実それだけの手腕力量があって、まだ年令的に大丈夫というようなりっぱな人があれば別でありますけれども、これをところてん式に郵政省であるからということによって押しつけるというふうな人事は、将来厳に戒めなければならぬと私は考えておるわけでありますが、そういう点についてはどうお考えですか。
○廣瀬政府委員 ただいま森本委員の戒めのお言葉につきましては、全く同感でございます。現在そういうようなことは毛頭考えておりません。
○森本委員 現在も考えておらぬし、将来にわたっても郵政当局としてはそういう考え方は持っておらぬということを一つこの際明確に言明しておいてもらいたいと思うのですが……。
○廣瀬政府委員 十分承わっておきます。
○森本委員 承わっておいてはいかぬのです。郵政省としては、そういうふうな人事のやり方については明確に現在も将来もやらぬ。私が断わっておりますのは、郵政省の古い官僚であるからということによって、これを姥捨山式に、ところてん式にNHKに押しつけるというようなことがあってはならぬ。しかし、放送、電波については、個人の手腕力量があって、まだその人が年令的にも大丈夫働ける、これを全体的、全国的に見ても大丈夫だというような人、これは郵政省であれ、あるいはその他のところであれ、一般の人であれ、そういうりっぱな人であれば別ですけれども、そうでなしに、郵政省の古い官僚であるということによって、これをところてん式にNHKに押しつける、そういうためにこういうふうな何人以内ということであってはならぬということをよく言っておりますので、このことについては、現在も将来も郵政当局は賛成であるとはっきり言っても何ら差しつかえないと思うわけですが、どうですか。
○廣瀬政府委員 NHKを郵政省の姥捨山というふうに絶対に考えないということは、将来につきましてもはっきりお答えできると思います。さような御趣旨に従って姥捨山には毛頭いたしたくないと思っております。
○森本委員 それでは次に第三十四条でありまするが、「放送の進歩発達を図るため必要と認めるときは、」云々ということは、今回はこれは条文の簡単な改正でありますが、ここで第三十四条についてお聞きしておきたいことは、この条文はありまするけれども、今日までこの条文が適用せられたことがあるかどうか、一つ明確にしてもらいたいと思います。
○莊説明員 現在までのところ、この条文で研究命令を出したことはございません。
○森本委員 せっかくこういういい条文があるにもかかわらず、一ぺんも使ったことがないという条文については、これは悪い条文なら別ですけれども、せっかくこういういい条文があるのにかかわらず使わないということはどういうことでしょう。これは大臣の方の御回答になると思うのですが……。
○寺尾国務大臣 御指摘のように、かかる放送の進歩発達にきわめて貢献できる、発達に資することのできるこの条文を十分活用しなかった――十分でなくいまだ一回もこれを適用しなかったということについては、遺憾であろうと存じます。従って、今回この改正につきましては、「放送及びその受信」こういうことを入れまして、広くこういったものについての研究、こういったものに十分貢献をせしむべきだ、かように考えておりますので、今後はこうした条文を十分生かしていくべきだ、さように考えております。
○森本委員 そういう答弁でけっこうでありますが、それでは来年度はこれを生かしますか。
○寺尾国務大臣 検討いたしまして、さようにいたしたいと思います。
○森本委員 なかなかそれはいい答弁でありまするが、二月にはすぐNHKの予算もかかりまするし、それから当面政府予算が検討せられておるのでありまするが、それじゃ、今の郵政省と大蔵省における予算折衝の過程においては、この第三十四条に関係のある予算事項が検討せられておりますか。
○濱田政府委員 郵政省におきましては、電波研究所の研究予算の中に、来年度の三つくらいの重要な問題を織り込んで予算要求をしております。その中で送信等に関するものがありまして、電波研究所においてこれをやるのみならず、必要によりましてはNHKに研究命令を出してやった方がいいものがあると考えております。そして必ずしも今決定いたしませんけれども、さようなことを考慮して、電波研究所の方の予算を考えておるわけであります。
○森本委員 もともとこの第三十四条による予算について、私の考え方としては、おそらく郵政省は考えていなかったと思うのですけれども、しかし今の電波監理局長の答弁では、今回の電波研究所の予算に関連をして、この問題について考えておるという御回答でありますので、それを私も了解をいたしまして、今まで一回もなかったということでありますから、金額はたとい些少でありましても、将来の先べんをつけるという意味において、来年度予算等においては、この第三十四条の実益が生きてくるように今後大いにこれは御努力願いたい。特にこれは大臣の政治的手腕に待つところが多いわけでありますから、一つ大臣十分にこの点には、きょうの委員会における論議を頭に置いて来年度の予算折衝については考えてもらいたいということを強く要望いたしたいと想います。
 それから次に第四十四条でありますが、今回の政府提案の中でこれも一つの提案理由のみそのところでありますけれども、言葉が非常にきれいな言葉で、小学校の一年生が読んでもわかりやすい法律に書き直しておるわけでありますが、これはそういう意味で書いたわけですか。国民みんながわかりやすいという意味で……。
○石川説明員 条文のことでございますので、私から御説明申し上げます。この四十四条の改正は、実は現在どういう点が改正になっておるかということを簡単に申し上げますと、ただいま小学生でもわかりやすいという点は、「豊かで、かつ、よい放送番組」という点をさしていらっしゃるのだろうと思いますけれども、その点が一点と、さらに「わが国の過去のすぐれた文化の保存並びに新たな文化の育成及び普及に役立つようにすること。」この点をさしているのだろうと思います。
 それでは現在の法律と違いますところを――あとで読みました第三項は新たに追加したものでございます。最初に申し上げました「豊かで、かつ、よい」というのは、これは現在の四十四条一項をはっきり書いたということでございます。この意味は、しからば現在NHKの放送が非常に貧弱であるか、あるいは悪い放送であるかというふうなことでありますけれども、私どもの見ます限り現在の放送におきましては、NHKはかなり豊かで、かなりよい放送を行なっておるものと考えておるのです。しからばなぜこれを変えるかということでございますが、この現行法ができました昭和二十五年には、何度も出ましたように一般放送事業がまだ存在しなかったときに作られたものでありまして、今日の状況とは全く違っていたのでございます。従ってこのNHKというものが今日日本の放送界でいかなる地位を占むべきかという点は、先般来問題になりましたNHKと一般放送事業の関係で、大臣、政務次官などから説明申し上げておる通りでございまして、NHKというものは特に放送法で作られた、日本の全国で受信できるような放送を行い、かつ受信料を取るという特権が認められております。そういう法人でありますので、この番組につきましても、現在いいけれども、さらにより高い目標を掲げてNHKの性格を明確にすべきである、こういう考え方で、「豊かで、かつ、よい」という希望的なものをつけ加えたのでございます。
○森本委員 そういうことで、文章は私が言いますように小学生でも読んでわかりやすいのであります。ところが、読んでわかりやすいけれども、それではその内容については具体的にどうなるかということになりますと、これは解釈がいよいよ分れるところであります。そういうことを私は言っているわけであります。確かに「豊かで、かつ、よい放送番組」ということについては、読んでその通りであります。しかし、「豊かで、かつ、よい放送番組」というのは一体いかなるものであるかということになって参りますと、これはそれぞれの方々の意見が私は分れるところであろうと思う。だから、あなたの方ではなかなかいい改正案だと考えて出しているかもしれませんけれども、これをもっと詳細に討論をしていくならば、かなり私は字句については意見が分れてくるところではなかろうかというふうに考えるわけであります。将来これは問題になろうと思いますが、一応きょうは時間があまりないようでありますから、この問題だけを提起をしておきたいと思います。
 それから今回、この第四十四条で幸いなことに三項が改正になっておりません。かりにこの三項でも改正するということになりますと、おそらく与野党がほんとうに激突することになるかろうと思いますが、幸い三項はそのままになっているので、あえてその他の字句の問題についてはきょうは私は論じません。
 ただ一点だけお伺いしたいのは、「公安及び善良な風俗を害しないこと。」公安を害しないというこの「公安」という字につきましても非常に意味の深い言葉でありまして、この言葉自体についてもそれぞれの考え方あるいは行動の仕方によっては非常に解釈が違ってくるところであります。しかしそれに加えて「善良な風俗」ということになって参りますと、この善良な風俗ということについてもさらにこれまた解釈が非常に分れてくるところであろうと思います。郵政当局としてはこの善良な風俗ということはどういうことであるか、具体的に説明を願いたいと思います。これは大臣から説明を願った方が、人生経験が多ついからよいと思います。
○寺尾国務大臣 私は、最近の国民思想からいって、御質疑のあったような問題については論議の多いところだと思います。善良な風俗の意義ということは、私はそういう方面の専門家ではありませんからわかりませんが、放送及びその受信の国民生活に及ぼす影響がきわめて大事である、従いまして健全な国民性をつちかって健全な生活を営む上に善良な風俗というものが必要ではないか、こういうきわめて常識的な考え方をもってこれを追加した。いわゆる一般的道徳観念をさすものと考えるわけであります。従いましてこれを害する限界は、その時代における社会の一般的道徳観念によって異なるのではないか、かように考えておるわけであります。具体的に述べることは非常に困難ではないか、かように考えているわけであります。
○森本委員 その道徳観念というものが、その時代によって変遷をしてくることについては私も同感であります。しかし、ここに問題がありますのは、道徳観念については時代の変遷によって変るということもあり得るけれども、現在の日本の状態からいうならば、その土地の環境と状況によってもこの解釈の仕方が変ってくる。これは思想の立場とか政治的な立場ということでなくして、たとえば東京ではテレビを見ておって何でもない一つのグランドレビューのテレビであっても、それが具体的にいなかの方でそれを見た場合にどういう影響を与えるかということについては、やはり変ってくるわけです。そこでそういうふうな重大な問題を、簡単に善良な風俗を害しないというような文句でこの解釈を全都郵政当局が解釈をするということになりますると、かなり私は重大な問題を提起してくるのではないか、こう考えるわけでありますが、将来この改正案が施行せられるに当りましては、こういう字句については十分慎重なる配慮をもって行なっていかなければならぬ。今言いましたように時代的な変遷と、さらにその土地環境あるいはその人の生活環境によっても変ってくるわけであります。そういう点を十分に考慮して、これを施行する際に、郵政当局としては慎重な態度をもって臨んでいってもらいたいということをこの際要望しておきます。
 それから次の4でありますが、「教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない。」こうあるわけでありますが、私はこの教養番組と教育番組並びに報道番組、娯楽番組の定義というものを一応あなた方に聞いておきたい、こう思っておるわけであります。この四つの番組を、こう名前を冠したということについての一応の定義をここで明らかにしておいてもらいたい。それから、その定義と同時に、具体的に教養番組はどういう番組であるか。今日の番組において教育番組は具体的にどういう番組をさすのか、これを一つ明確にしておいてもらいたい、こう思うわけです。
○石川説明員 御説明申し上げます。教育番組と教養番組につきましては、改正案の第二条に定義を挿入しております。それによりますと、「「教育番組」とは、学校教育又は社会教育のための放送の放送番組をいう。」それから「「教養番組」とは、教育番組以外の放送番組であって、国民の一般的教養の向上を直接の目的とするものをいう。」というふうに一応定義しております。ところが御指摘の通り、実際これだけでは教育番組と教養番組の差別ははっきりしないのであります。この両番組とも、国民の一般的教養の向上を直接の目的としておるという点においては共通しておりますけれども、同じく四十四条の条文でごらんいただきました通り、この教育番組というものは四十四条の、ただいま御指摘の条文の次の項でありますが、うで、教育番組の形式的といいますかあるいは教育技術的といいますか、そういう要件をつけております。それによりますと、教育番組につきましては、その放送の対象とするものがはっきりしておらなければならない。はっきりしておらないものはだめだ。その番組が組織的かつ継続的でなければならない。それから、その放送の計画及び内容をあらかじめ公衆が知ることができるようにしなければならぬ。この三つの要件をつけております。こういう要件が備わりまして初めて教育番組たることができるのだ、そのほかのものは、たとい国民の一般の教養の向上を目的としましても、この要件がつかなければ、教育番組といわないというふうに解釈をしていただきたいと思います。
 その次は、ただいま御質問の娯楽番組でございますが、娯楽番組につきましては、これは国民に慰安娯楽を提供することを目的とした番組という、きわめて常識的なものであるというふうに考えまして、実は定義を設けておりません。ただ問題になりますのは、しからば教養番組と娯楽番組はどこで差別をつけるかという点が実はかなりむずかしい問題だと思うのです。定義によりますと、教養番組はその目的が、国民の一般的教養の向上を目的とするという主体的な要件を備えておるということでごいざまして、ただ結果としてそれが国民の教養の向上になるとかならぬとかいうことでなしに、そういう基準が非常にあいまいでありますので、まずそういう主体的な要件といたしまして、これは教養番組として編集するのだということを一つの重要な要件といたしております。それで具体的になりますと、しからばあとでいろいろ紛争が起りました場合に、そういうものが果してどういう意図であるかわからぬじゃないかという問題がありますが、これは放送の番組編集の技術上、教養番組は教養番組らしい特殊の編集の技術というものがあるというふうに考えます。それから具体的にはいろいろ違うと思うのですが、そういうことで一応教育番組と教養番組の区別をつけることができるというふうに考えております。
○森本委員 なかなか親切に法規課長説明せられましたけれども、これはみんな聞いておってちょっとわかりにくいです。そこで、私がわかりやすく質問いたしますから明確にお答え願いたいと思うのですが、たとえばNHKではこれは娯楽番組であると解釈する。ところがそれと大体似通った番組であって、これが民間放送にいくと教養番組である、こういう解釈をするようなことがもしあるとするならば、これをどうお考えになりますか。
    〔秋田委員長代理退席、委員長着席〕
○石川説明員 ただいま一般的に説明申し上げた通りでありますが、それを今の問題についてお答えいたしますと、実際問題として特定な番組、これを教養と考えるか、娯楽と考えるかという点はいろいろなケースがあると思うのでして……。
○森本委員 いや、あまり長いこと言っておると時間がありませんので、私の言っているのは、教養番組と娯楽番組について非常に分けにくい場合が出てくる。そういう場合に、教養番組は、あくまでもNHKであっても一般放送の事業者であってもこれは教養番組であるという場合には同じようなものは全部教養番組になる。娯楽番組という場合には、NHKであっても民間放送であっても同じようなものは娯楽番組である、こう断定しなければならぬ。NHKである、民放であるということによってこれがNHKでは娯楽番組であると見ておるにもかかわらず、民間放送ではこれが教養番組であると見る、こういうふうなことがあってはならない、こう私は解釈をするがあなたはどうか、こういうことです。
○館野説明員 お答えいたします。番組の分類の話かと存じまするが、番組の分類の問題は御承知のように非常に技術性を持ったものであります。それでその目的によりましていろいろと番組の分類の基準、指標と申しまするか、いろいろ変って参ります。たとえば局外中継とスタジオ番組というような分け方もございますし、商業番組と自主番組という分け方もございます。それぞれの事業者なりあるいは一般社会なりの目的に応じて分けられるわけでございますけれども、この改正正法であげられておりまする番組の調和をとらなければならぬといっておりますものが、そっくりそのまま技術的な番組分類に適用なるかどうかということにつきましては研究を要することかと存じます。それを前提といたしまして御質問の、ある一つの番組あるいは非常に類似の番組につきまして協会と一般放送事業者との間で受け取り方が違うということが、非常に技術的、物理的に、その番組の一つのきめ方というものが設定されまするならば起り得ないと思いまするけれども、法律であげておりまする近郊都市をとらなければならぬという三分類につきましては、必ずしもそれがイコール具体的な番組分類上の技術的な指標というわけには参らぬと思いまするので、ものによりましては非常に類似のものでもそれぞれの事業者によりまして分類が違ってくることがあるかとも思います。しかしそれに対する保障といたしましては、たとい番組審議会と一般の民間聴取者の意向なり有識者の判断を反映する機関がありまして、一次的にはそこで分類するなり、あるいはそれの適否なり、何の目的で分類をするかということがきめられるわけでございますから、一般的な常識と申しますか、良識にたよるわけでございます。
○森本委員 質問を短かく要点だけをやりますから、答弁も一つ要点だけをお答え願いたいと思います。それでは今の解釈では、NHKと民間放送とにおいてはそれぞれの考え方によって、NHKではこれは娯楽番組であると解釈をしても、それと類似したような番組であっても、民間放送ではこれが教養番組であると自主的に解釈をする場合もあり得る、こういうことですね。
○館野説明員 それは法律的にはあり得ると思います。
○森本委員 そうすると、民間放送業者においてもそれぞれの番組審議会が設けられるということになりますと、類似したような番組においては、それぞれの番組審議会の自主的な判断において、教養番組と娯楽番組ということがこちらの解釈とこちらの解釈がちぐはぐになってもやむを得ない、こう解釈をするわけですね。
○館野説明員 法律的にはさようでございますが、実際的には番組の分類の基準と申しますのは、一般放送事業者におきましては、現在日本民間放送連盟というもので統一的な分類の基準を設けておりますので、それに従って現に行われておりますし、今後も行われるだろうと思います。
○森本委員 その解釈は非常におかしいのです。そういうことがないがために今回の番組審議会というものを各放送事業者に作っておると思う。ところが今言ったような考え方であるならば、われわれがこの法律案を審議する際に再三言ったように、「又はその他の団体」と、こうこれを改正すればそのままになるわけです。だけれども民間放送連盟というものを一応この番組審議会に限っては認めない、それぞれの個々の会社に番組審議会を置いて審議をするということになっておるわけです。この四つの番組が何々であるかということは、この番組審議会において判断をするわけです。だから法的にはそれぞれの番組審議会が各会社に置かれるから、それぞれの番組審議会において判断をしたことが食い違ってきても、これは法的にはやむを得ないと、こういう解釈になるのではないか、こういうことを言っておるわけです。
○館野説明員 法的に意味を持つ判断、分類といたしましてはお話の通りでございます。ただ実際問題といたしましては、各会社が統計の便宜上から、ただいま民間放送連盟で各社の意見を聞いて作っておりますものを適用していく。それがいろいろの各社の比較をするのに便宜だからということで作っておりますが、分類の基本は各事業者、改正法によりますと、それを裏づけるものは審議会でございます。それはお話の通りでございます。
○森本委員 そこで次の条項が関係があるわけでありますが、「放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない。」こうあるわけであります。この放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならないということは、これを具体的に放送時間を分類をした場合にどういうお考えでありますか。たとえば娯楽番組が何分の一で、教養番組が何分の一というふうな具体的なことを考えなければこういう条文は出てこないと思う。そこで具体的に行政当局としては、これについてはどういうお考えであるか、こういうことです。
○館野説明員 ただいまその数字的な比率というものは考えてございませんが、ただ実際の行政措置として行われました一例を御参考に申し上げますと、昨年三十数局の民間テレビジョン局の免許をいたしましたときに、これは各申請者が事業計画としてあげてきたものがそうなっておるわけでありますけれども、それを採用いたしまして教育、教養というものを三〇%維持しますということ、それを役所が、言葉は適当でありませんが、条件として念のために付しております。その教育、教養三〇%以外につきましては或る社につきましては報道十何%というのもございますし、そうでないのもあります。従いまして、ただいまのところ教育、教養三〇%という線は一つの線になっておるわけでございますが、全体を通じて三、三、三であるとか、あるいは五、二、三であるとかということは別に処分上も現われておりませんし、確定はしておりません。
○森本委員 しかしこの条文をこしらえたことについては、今日までの行政指導参考として出したということは言えるでしょう、どうですか。
○館野説明員 お話の通りでございまして、ただいま申し上げました昨年度の一般テレビジョン局の免許につきまして、世論の向うところに従いまして教養、教育というものを特に取り立てて三〇%といたしました。その考え方はまず第一に、三つの項目があれば特に同じような分量ということを、ばく然とでありますが、頭に描いて処分されたものと考えます。
○森本委員 この項は民間放送にも適用になるわけですね。
○館野説明員 さようでございます。
○森本委員 そこで、ここで問題になりますのは、たとえば教育テレビ専門でこれを一つ許可したというようなところについては、かなりその番組面におけるところの内容については行政指導において規制をされているわけです。そこで教育テレビ等についてはこの条項との調和はどうなるんですか。
○館野説明員 教育テレビといったような――これは法律の用語ではございませんけれども、この改正案におきまして「特別な事業計画によるものを除くほか、」という言葉でその局全体の性格としてありますことと、それから一般の場合におきましても特殊な週間とか国家的な大行事といったような期間を除く、この両方の意味を「特別な事業計画によるものを除く」というところに含ませております。
○森本委員 そうすると、今のたとえば教育テレビについては、その内容についてはこうこうやってもらいたいという一応の指導をしていると思うのですが、今のたとえば教育テレビについてはどういう番組の指導をしているんですか。
○館野説明員 御質問でございますが、世上条件々々といわれておりまするけれども、これは申請者の方で事業計画わ――われわれの方はこういう放送をやるんだということを申請書に書いて、申請内容になっておりまするものを、社会的に非常に大きな問題であるからということで、オウム返しに念のためにつけて処分の際に免許しておりますので、いわゆる行政法上の条件ではないのでございます。それを前提にいたしますが、民間の教育放送におきましてはもともとその申請書の内容、事業計画におきまして教育五〇%、半分をやる、それから教養番組に属するものを三〇%やりまして、合せて八〇%は自分の方で特殊な性格を出すためにやりたいという申請になって、それを免許しているわけであります。
○森本委員 そういうふうに免許されておっても、この改正案が通った場合に、私のところは教養番組、教育番組、娯楽番組、報道番組はこの条項の通り調和を保つために今回こういうふうにやりたいと思いますと言ってきた場合に、あなたの方は、それはいかぬと言うことはできぬわけでございますね。
○館野説明員 先ほど申し上げましたように、特別な事業計画によるものを除いてございますので、特殊な性格を持った局として申請いたしまして、それが電波の有効な使用、放送局の一つのあり方として有意義である場合は、その特別な計画に基いた免許なり再免許なりが行われることであろうと思います。
○森本委員 これはなるほど「特別な事業計画によるものを除くほか、」ということになっておりまするけれども、この「特別な事業計画」というものを今言った民間放送の教育、教養テレビに当てはめるということはちょっとおかしいと思う。だから今回の免許の指導の際に、そういうものを自主的に向うが言ってきた。これを許可するということについては、一応それはそれでいいと思いますけれども、私はその内容が賛成とか反対とかいうのではないですよ。法的にこういう解釈になるのではないかと言っておるわけです。そこで、この改正案が通った場合に、そういう局が今度は特別の事業計画はやめて、この法律にある通り四つの番組の調和を保つために、こういう番組編成をやります、こう言ってきた場合、それはいかぬということは言えないわけですね、片一方では法的にそれを申請してくるわけですから……。
○館野説明員 それはそのときそのときと申しますか、最も社会的に意味のある局のあり方あるいはその申請の内容につきまして、どの局を免許するか、どういう内容の局を免許するかという免許方針の問題ではなかろうかと存じます。法律的にはそういう申請が出ました場合には、「特別な事業計画によるものを除く」ということがありますから、生かす道がある。しかしそういうものじゃなくて、みんな均等な割合のものしか許せないということではなかろうと考えております。
○森本委員 いや、たとえば具体的に大阪の今のテレビの局の免許の際の条件と違ってくるというようなことで、今非常に新聞等でも騒がれておるので、私は具体的な問題を改正案に応じて聞いておるわけです。だから、そういう局がこの条項をたてにとって、私の方はこういうふうに番組の調和をやりたいと言ってきた場合には、それはいかぬということは言えぬだろう、こういう条文がある限りにおきましては……。どうですか。
○館野説明員 これは法律的な面でございますけれども、御存じの通り電波法では放送局は有効期間三カ年になっておりまして、しかも再免許というものを一斉にやるということになっております。従いまして、開局後半年でも三カ月でも一斉再免許の時期になりますと、その前日で全部の免許が切れまして再免許にかかるわけでございます。再免許と申しますのは、電波法上全く新しい免許と同じでございますから、その際果して従来の特別な事業計画によるものを存続させる必要があるか、あるいはもっと拡大させる必要があるかどうか、あるいは軽減していった方がむしろ全体の放送局のバランスからよろしいかどうかということは、そのときそのときの社会情勢、国民の要望に従って免許方針が立てられるわけでありますから、必ずしも前と同じ姿あるいは前と違った姿、どちらということにはならないかと思います。
○森本委員 この条項は将来、今言った免許の問題と関連をして非常に問題のある条項じゃなかろうか。私はもっと時間をかけてこの条項だけでも審議をしておいた方が、一般の民間放送事業者等に対しても明確になるわけでありますから、審議をしておかなければならぬと思いますが、時間がありませんので、一応この条項についてはこの程度にして、またいつか機会を見てこの条項については論じよう、こう考えます。
 次に五項でありますが、「内容をあらかじめ公衆が知ることができるようにしなければならない。上この条項であります。これは前日に放送するということでありますか、それとも新聞発表するというようなことでありますか。どうことです。
○石川説明員 お尋ねの点でありますが、具体的にはそういう周知方法を規定しておりませんので、適当な手段でやっていただければけっこうだと思います。
○小松(信)委員 この放送法の一部を改正する法律案につきましては、これまで相当長い時間にわたりまして質疑応答が繰り返されたわけでございますが、それを拝聴しておりましても、何か私にはぴんとこないものがある。そこでいろいろ考えてみたのですが、それはこの法案の提案理由の御説明を大臣からされまして、私もいろいろお聞きしたばかりでなく、あとで速記録も繰り返して読んでみたのですが、それでも何かやはりぴんとこないところがある。これは私だけがそうかと思いましたところが、与党の委員の方々からも、こんな改正をする必要が今のところはないんではないかというような意見も出ております。これは大臣の御説明に待つまでもなく、今日の現行法が制定されましてから八年間も過ぎておる。しかもこの間における放送関係の技術面における、あるいは科学面における進歩発達がまことに驚異に値するものがありまして、従いまして、それが国民生活の上に与える影響も実に重大なものがある、これはわかります。わかりますが、そういう現状のとらえ方、その現状をとらえてこの改正をしなければならないという理由を作り出した。その現状のとらえ方がどっかで食い違っておるのじゃないか、こういうふうに私は考えておるのでございますが、先ほども申し上げましたように、与党の委員の方々からも、現在においてはこういう改正案を持ち出す必要はないじゃないか、こういう改正をしたところで、別に放送法の第一条にうたわれている目的をよりよく満たすというようなことにはならぬじゃないか。言葉は違いますけれども、そういう意味のことが質問されております。それに対しまして森本委員から、その次の委員会に、そういうことが、あったやに聞いておるけれどもどうしたのかという質問が出ましたときに、次官は、そういうことがあったけれども、あとで個別にお会いして説明申し上げて御了解は得てあります、こういうふうに答えられております。そこで私もどういうふうにその場合に御説明なされたか、それを一つお聞かせ願いますならば、私はこの一つ一つの個条を見てよくわからない場合にも、その御説明を願うことによってぴんとわかるのじゃないか、こういうふうに考えますので、次官にその点一つお伺いしたいと思います。
○廣瀬政府委員 ただいま小松委員の御質問でございますが、私が何か後日また重ねて御説明申し上げますというようなことでございますか。具体的におっしゃっていただくと都合がいいのですが……。
○小松(信)委員 日にちは忘れましたが、その質問のあった日に委員会が終ったあとで、あなたがその方のところに行かれて御説明されたのでわかっていただいった、こういうふうに記憶しておるのですが……。
○廣瀬政府委員 ただいまの御指摘は、今度の放送法の改正につきまして与党委員から御質問が出ました受信料値上げの問題でありますとか、あるいは番組審議会の設置の問題でございますとか、NHKの民放と異なる性格の問題でありますとかというようなことにつきましてお尋ねがございましたことにつきまして、委員会の終了後、与党のそうした質問者に対しまして説明をいたして参りました。その事実のことであると思います。そのことにつきましては御了解得たいと思います。
○小松(信)委員 そういう具体的なことじゃなくて、そのもっと前に、今こんな改正なんかする必要はないじゃないか、そういうふうな意味の質問なんですけれども、各条のこまかい問題じゃなくて、それに対してあなたがあとで行かれて説明して了解を得た、こういうふうなことなんですが……。
○廣瀬政府委員 ただいまも申したことなのでございますが、あのときは何かの都合で社会党の委員の方が一人も御出席がなくて、与党だけの委員で審議が進められました委員会でございます。そのとき与党の委員から、放送法改正についてはいかにも反対だというようなことに聞き取れる御意見がちらっと出ました。委員会におきましてはお答えいたしましたけれども、さらによく突っ込んで御説明をいたしておく必要があるわけで御説明して回りまして、改正法律案を提出するゆえんの理由をよく御理解下さいまして、与党としましては党できめました通り法律の改正案を皆さんに御賛成いただきまして、成立させていただくということにつきましてはもう了解をいただいておるわけでございます。
○小松(信)委員 どうも私はよくわからないんですが、今速記録を持っておりませんから、それでは大臣にちょっとお伺いしたいと思いまするが、大臣の提案理由の御説明の中で「政府といたしましては、放送法の改正につきまして十分検討するとともに、日本放送協会、民間放送連盟及び実際放送事業に携わっておられる方面の意向を徴するほか、臨時放送法審議会に諮問する等各方面の意見を聞きまして鋭意努力の結果、ようやく成案を得ましたので、」というふうなお言葉があるのでありますが、臨時放送法審議会というのはどういうものなんですか。
○石川説明員 それはこまかいことでありますから、かわりましてお答え申し上げます。
 ただいま御指摘の点は大臣の提案理由の説明の一部でございますが、そこで大臣の言われましたことは、結局政府が単独に考えたのではなく、放送の大どころであります放送協会、民間放送連盟及び実際に放送事業に携わっているものと同時に――それは歴史的に書いてありますので、この審議会というのは昭和三十一年に松方さんを会長といたしまして与野党の方十五名をもちまして臨時放送法審議会というものを作りましてこれに諮問したことがございます。詳しくはただいま資料を持っておりませんので、もし御必要ならばあとで名簿などを……。
○小松(信)委員 今はなくなったのですか。
○石川説明員 これは昭和三十一年の夏ごろ一応の答申を出していただきまして解散になっております。
○小松(信)委員 それじゃそれはわかりました。
 それで放送協会、民間放送連盟、それから実際放送事業に携わっておられる方面、こうした方面の方々の御意向などはいずれも改正すべきものであるということになっておったわけですね。
○寺尾国務大臣 ただいま法規課長がお答えをいたしましたことにも関連いたしますが、この臨時放送法審議会あるいは実際放送事業者あるいは日本放送協会、こういったような最も放送に関係のある方面からいろいろの意見を開き、また答申を求めまして――これは村上郵政大臣のときからでありますが、そうしてそれによって放送法を改正すべきだということで、それらの答申その他意見を織り込みまして、十分尊重いたしまして作りましたものが二十八国会に提案をされた放送法の改正案であるわけであります。三十国会に提案いたしましたものは、ただいま御審議願っておるものでありますが、第二十八国会に提案をいたしました改正案に対して必要最小限度の改正をいたしまして、提出をいたしておるような次第であります。
○小松(信)委員 諮問をされたということはわかりますが、民間放送連盟からはどういうふうな答申があったか、それをちょっと……。
○石川説明員 諮問をいたしましたのは、臨時放送法審議会に対して諮問したのであります。協会及び民間放送事業者からは、何にも諮問いたしませんが積極的に意見がございました。一例を申し上げますと、民間放送連盟の意見で今回考慮いたしました点は、たとえば先ほど説明申し上げましたような研究機関の開放ということ、これは確かにその通りであるということで、その案のごとく改正いたしております。
○森本委員 それではだんだん時間も追って参りましたので、あと二つくらいこの法律案について質問をしてみたいと思います。
 今回のこの放送法改正案で一番の要点になっておりますのは、先ほど言いました「豊かで、かつ、」ということと、それから協会の役員の増員ということと、番組審議会、この三つであります。
 そこでこの番組審議会の点でありますが、NHKにおける番組審議会の場合も、この一般放送事業者における番組審議会も、これを置くということは、放送内容の向上適正を期するために置くというのが目的であります。ところが実際に民間放送事業者においてこの審議会を作る、その審議会委員のメンバーは、全部その放送事業者が委託をするということになっておるわけであります。そこで置かぬよりは置いた方がましであるという論理は成り立つかもしれませんが、ほんとうに番組審議会というものが公正妥当であり、しかも放送の能率向上、適正を期するというためには、この番組審議会の委員の任命については、やはりある程度公的な機関における任命というものがふさわしいのではないか。たとえば地方の番組審議会については、とうとつに、そういうふうな結合ということもおかしいが、この適正を期するためには、地方の番組審議会については都道府県会の承認を要するとかいうような形のものでも作るならば、この番組審議会の委員のメンバーよりも、もっともっと公正になるのではないかというような点が考えられるわけでありますが、その辺のことについて、これはどうお考えですか。
○廣瀬政府委員 ただいま森本委員の御質問の委員の選任につきましての御意見でありますが、改正案は、御指摘のように学識経験を有する者のうちから放送事業者が委嘱するということになっております。番組審議会のねらいからいたしますれば、この委員の選任を放送事業者以外といたしまして、選任につきましても公平な第三者の関与する道を開きますとか、あるいは審議会自体に強権を持たせるとか、または公権的につながらせる方法も考えられますけれども、先刻私が金丸委員にお答えいたしましたように、政府といたしましては、特に言論の自由ないしは放送事業者の自主性を阻害する結果になりますおそれがあります一切の規定を避けましてあのようにいたしたわけであります。政府といたしましては、聴取者の代表ともいうべき番組審議会委員が学識経験者として良識ある活動をすることによって、放送番組の向上、適正のためかなり効果を上げるものと信じておるわけであります。
○森本委員 その学識経験者というものはいつも問題になるわけでありまして、この一般放送事業者の番組審議会の委員の選任についても、私はここで明確にしておきたいと思うのですが、視聴者を代表してやはりその番組審議会の中に入るということになりますと、NHKの経営委員も同じように、私が先ほど言いましたように生活環境の異なる階層からもこの審議会の委員にそれぞれ出ていかないというと、今までのロータリー・クラブの会長とか商工会議所の会頭ばかりが並んだような番組審議会の委員であるならば何にもならぬ。やはりそういう人も出てもらわなければならぬけれども、さらにほんとうに働く農民の代表とか、働く労働者の代表とか、あるいはまた家庭婦人の代表とか、そういう構成の番組審議会でなければ、真にこの番組審議会を置いた目的に沿わぬ、私はこう考えるわけでありますが、これに対するあなたの御見解はどうですか。その通りということならそれでけっこうですが。
○廣瀬政府委員 御所見は、先刻経営委員について申し上げましたように、まことに傾聴すべき御意見と存じます。
○森本委員 傾聴すべき意見でありましても、それが現実にならなければ何にもならぬわけでありまして、やはり私が言ったような構成における番組審議会ができることは望ましい、そういうことは望ましいと郵政当局は考えておる、こう言ってもさしつかえないと思いますが、どうですか大臣。
○寺尾国務大臣 これは、たとえば農民の中から、あるいは労働者の中からそうした適格者と申しますか、りっぱな人があれば、御指摘のように当然これを委員として選ぶべきだ、かように考えます。
○森本委員 答弁も不満でありますし、これはまだいろいろ質問がありますけれども、時間がだいぶ迫って参りましたので、私は以上いろいろ申し上げましたけれども、この質問をこの程度で打ち切りたいと思いますが、最後に大臣に聞いておきたいことは、この前の委員会においても私が質問をいたしましたように、この放送法の改正については抜本的に改正せよという御意見もありますし、また先ほどの受信料の問題につきましても、予算の編成権、修正権の問題につきましても、この放送法については疑義のある点が多多あるわけであります。そういう点から放送界においても、あるいはまた政府当局においても、抜本的に改正をする必要があるのではないかということで今日まで論議をされてきておりますけれども、今の政府当局においては、そういうことをやってまた大きな問題になると困るから、まあまあこの程度にしようということで無難な改正案を提案をしたというふうにもとれるわけであります。そこで、これは与党のことでありますから私も正確には知りませんけれども、聞くところによりますと、昭和三十五年度を目標に、自由民主党の党内においてこの放送法の根本的改正を行うためにこの特別委員会を設置をして、今私が申し上げました予算の編成権、あるいはまたこの受信料の徴収問題、こういう問題も論じようという声が上っておるということが新聞のニュースにもちょっと出ておりましたが、それはどうですか。
○寺尾国務大臣 三十五年度を目途として放送法を抜本的に改正しようということの具体化につきましては、私は承知をいたしておりませんが、しかし必要最小限度の今回の放送法の改正をもって将来これでよろしいというわけにはいかない。特に御指摘のようないろいろの重要な解決をすべきポイントもございますから、期間を長く置かないで、この放送界の異常の発展にも順応いたしまして引き続いて抜本的な放送法の改正をしなければならぬ、こういう意見は相当あるわけであります。私の方にもありますし、また一般有識者の中、特に民放連等にはそういう要望が強く私も拝聴いたすところでございます。従いまして、方法と時ということについてはここではっきり申し上げられませんが、このことにつきましては時をおかないで、こういった懸案の問題を十分検討して抜本的な放送法を近い将来に制定をしなければならぬ、さように考えております。
○森本委員 そうすると与党の中に三十五年度を目標にしてそういう特別委員会を作ろうというようなことについては、まだ大臣が聞いておらないということであります。そこで一般の民間放送等については相当これを改正せよという声もある。政府当局の中にもある。また社会党の中にも、若干改正をすべき点もあるということは言えると思う。その個々の問題については賛成、反対は別でありますけれども、放送法そのものが今日の段階において完全なものであるということはおそらく言えないと思う。しかし、そこでこういう重要な、一般の国民に影響の大きい放送法の根本的な改正ということになりますならば、少くとも私の考え方では、与党の内部に特別委員会を作ってこれで慎重に検討するということではなくして、政府が音頭をとって与野党、さらに一般の有識者、あるいは一般、広い国民の各階層にも意見を十分に集約して慎重にその審議会あたりで検討して、そうして初めて国会に上程をするというふうな、非常に慎重な段階を踏むべきであるというように私は考えるわけでありますが、大臣はこれに対する御見解を明確にしておいてもらいたい、こう思うわけであります。
○寺尾国務大臣 御所見といたしましては私は全く同感でございます。従いまして、そういった公正なしかも抜本的な放送法の改正が近い将来立法される、こういうことに関しましては、御指摘のような方法でやることが最も適切である。私はかように考えております。
○淺香委員長 片島港君。
○片島委員 一言お尋ねしておきます。今、政府の方の予算もいろいろ査定が行われておりますが、NHKの明年度の予算もすでに郵政当局と御相談なさっておられるか、おられないか。どういう段階にありますか。いずれにしても早急に今度の通常国会に出されなければならぬ。そこで昨年度のNHKの財政状態などから考えますと、受信料金の問題が当然問題になってくると思います。私たちがその財政状態などをいろいろ調査いたしてみますと、NHKの全体の財政状態から見たならば、何らかの方法でその方法を考えなければならぬ。これは料金を上げるとか――上げるという方法も一つありましょうし、またそうではなくて政府の財政投融資なりいろんな方法があると思いますが、特に国民一般に一番大きな影響を与えるのは受信料の値上げ、これが一番大きな問題であります。大臣は、このNHKの予算を国会に提出するについては意見を付してこちらに出される最もあなたが権力を持った方であります。権威を持った方であります。この非常に重大な問題を切り抜けるのについてはやはり腹をきめておかなければならぬと思うのです。ふらふらしておったのではとうてい解決しないのですから、料金問題について大臣はどういうようにお考えになっておりますか。来年まで委員会が開かれませんから、はっきりここで御所見を伺っておきたいと思います。
○寺尾国務大臣 御質問の中にも御指摘がございましたように、NHKは財政的にこの資金計画、事業計画、こういったようなものは、今の六十七円のままでは、投融資あるいは利子補給等の特別な処置をいたさない限りは、三十四年度のこの計画は立たないのではないか、かように考えております。従いまして、NHKが五カ年計画といたしまして政府に提出いたしておりますもの、また三十四年度の事業計画といたしましても、受信料を八十五円にしてほしい、受信料を八十五円にすることによって、これらの計画が日本放送協会といたしましては私の方に要望があり、その計画が提出されました。従いまして、私といたしましては、三十三年度においても借入金、こういうことでやってきておりますので、最小限度の値上げというものは認めざるを得ないのではなかろうか、これらにつきましては、一応関係閣僚等にも相談をいたしまして、これを党の正式機関にかける、そうして党の正式機関の了承を得るならば、三十四年度の事業計画、資金計画を、いわゆる予算案とともに――これと不可分になっておりますから、この際に国会の御審議をお願いしたい、かように考えております。
○淺香委員長 ほかに質疑もないようですから、本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺香委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 ただいま委員長の手元に橋本君より本案に対する修正案が提出されております。提出者橋本君より趣旨の説明を聴取することといたします。橋本君。
    ―――――――――――――
○橋本(登)委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました放送法の一部を改正する法律案に対する修正案に関し、提案の趣旨並びに内容を御説明申し上げます。
 放送法の一部を改正する法律案は、去る十二月十日今国会に提出されたのでありますが、この法案の前身ともいうべき放送法改正案が去る第二十八国会に、また今回の法案と実質的には同一内容の法案が前国会に提出され、いずれも審議未了に終っておりますけれども、本委員会におきましては、特に前国会期間中、この法律案の内容につき与野党協力して、あらゆる角度から詳細に検討し、慎重審議を進めて参ったのであります。この審議過程を経て、自由民主党といたしましては、今回の放送法の一部を改正する法律案は、その内容おおむね妥当であるが、なお若干の点につき、これに修正を加える必要を認めて、この修正案を提出いたした次第であります。
 修正案は、お手元に配付いたしましたものによって御承知願うことといたしまして、朗読を省略いたしたいと存じます。
 修正点は大別して四点にわたっておりますが、その第一点は、第二十四条の改正規定中、日本放送協会の理事の数に関するものでありまして、原案の「理事五人以上十人以内」を置くという規定は、理事の員数の最小限と最大限との間の幅が広過ぎるきらいがあり、それがため会長の理事の運営について適切を欠くきらいもありますし、かつテレビ局の発足に伴って、協会業務の種別が複雑化し、その業務量も飛躍的に増大している実情にかんがみて、これを「理事七人以上十人以内」と改めようとするものであります。
 修正の第二点は、第四十四条の七の改正規定中、放送内容についての事後措置の期間が、「当該放送番組の放送後一箇月以内」となっておりまするのは、放送事業運営の実際に徴し、長きに失するものと認められ、これを「三週間以内」に短縮しましてもこの法律の規制の上に何ら影響も認められないので、修正することが妥当と考えられたのであります。
 第三点は、第四十九条の二の「郵政大臣は、この法律の施行に必要な限度において、政令の定めるところにより、協会に対しその業務に関し報告をさせることができる。」という改正規定の後段を、「その業務に関し資料の提出を求めることができる。」と改め、また見出しにも修正を加えて、本条の趣旨が業務報告の徴収に籍口して、放送番組の内容その他に不当に干渉するような意図を含んでいないことを、一そう明瞭にしようとするものであります。なおこれに伴って第五十三条の見出しの改正、第五十九条の改正規定にも所要の改正を加えることといたしました。
 修正の第四点は、第五十一条の二第一項の改正規定に関するものでありまして、原案によれば、一般放送事業における放送番組審議機関は放送事業者ごとにこれを置くことを要することになっておりまするが、ある地域に複数の放送事業者が存在し、その放送区域の全部または大部分が重複しているような場合には、共同して審議機関を置くことができることとした方が一般放送事業運営の実状にも即し、かつ経費の節約をももたらすこととなりますので、放送区域または区域内人口の三分の二以上が重複する場合に限り、番組審議機関の共同設置を認める趣旨の改正を行い、同時に関連規定たる第五十一条の二第二項についても、これに伴う修正を行おうとするものであります。
 これをもって本修正案の趣旨並びに内容の御説明を終ります。何とぞ全会一致をもって御賛成あらんことを希望いたします。
○淺香委員長 ただいまの修正案に対する質疑を行います。
 質疑の通告があります。これを許します。森本君。
○森本委員 放送法の改正案については、今まで審議をしてきた通りでありまするが、今与党の諸君から修正案が出ておりまするが、これについての政府当局としての御見解を一つ明らかにしてもらいたい、こう思うわけです。
○寺尾国務大臣 ただいま橋本委員からお示しの本法案に対する修正案につきましては、政府といたしましては別段の支障はないものと存じております。従いまして、このように御修正をいただきますことにつきましては異存はございません。
○森本委員 別段の支障はない、異存がないということを聞いておるわけでなしに、この四点にわたるところの改正については、積極的に、こういう修正が望ましいという考え方なのか、それとも修正しても修正しなくてもよろしいというふうに考えておるのか、一つあなたの方のはっきりした、四点についての見解をお聞きしておるわけです。
○寺尾国務大臣 ただいまお示しの修正案につきましては、権威ある本委員会の御修正でもあり、私といたしましてはこの修正に応じたいと思います。
○森本委員 権威ある委員会の修正ではまだないのです。与党の諸君から提案をされておるところの修正案であるわけです。野党のわが社会党は、これに対して、まだ賛否いずれとも言ってない。そこで、まず政府当局のこの修正案に対する意見は、積極的に賛成なのか、それとも退嬰的に賛成なのか、その辺を明確にしてもらいたい、こういうことですよ。
○寺尾国務大臣 先ほどの私の答弁を取り消しいたします。橋本委員のお示しの修正案につきましては、私はこれに対しましては本委員会においてこれに御賛同賜わって、この修正案に一致をせられるということであれば、この修正に応じたいと思います。
○森本委員 それで政府当局に聞いておきたいのですが、四十九条の二の修正案でありますが、修正になりますと「資料の提出を求めることができる。」ということになっておるわけであります。これはおそらくある程度官僚統制ということを緩和しようという意味における修正点であろうと思いますが、私はそういう考え方そのものについては、この条項については賛成でありますけれども、しかし政府当局としては、「資料の提出を求めることができる。」ということについては、すでに現在でもやっておるんじゃないですか。現実の問題としてはどうですか。資料の提出については現在でもやっておる。それでは郵政当局は困るから報告というふうに、一つの強制的な意味にするというところがあるわけです。それではちょっと官僚統制になるからいかぬということでおそらくこの修正案が出ておると思いますが、一体政府当局としてはこれについてどう考えておるのですか。
○寺尾国務大臣 報告を求めるという問題点につきましては、過日も相当論議があり、またこれに対する反対の御意見等もあったのであります。従いまして、ただいま森本委員のおっしゃる、そういったような問題点については緩和をするという意味をもちまして、この修正は私の方としてはやむを得ないものだ、かように存じております。これをお受けすることにいたしたいと思います。
○森本委員 それで現実の問題としては、「資料の提出を求めることができる。」というふうに改正をしても、現存郵政当局は、資料の提出はすでに今までもずっと求めておるのではないか、現実にやっておることではないか、こういうことを聞いておるわけです。
○廣瀬政府委員 ただいま御指摘の資料の問題につきましては、現在相当あるのでありまして、法律を明定いたしましてこれをはっきりしょうというわけなんであります。
○淺香委員長 ほかに質疑もないようですから、本修正案に対する質疑は終了いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○淺香委員長 御異議なしと認めます。よって、放送法の一部を改正する法律案の政府原案及び橋本委員提出の修正案に対する質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後一時十四分散会
     ――――◇―――――