第031回国会 本会議 第6号
昭和三十三年十二月十九日(金曜日)
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昭和三十三年十二月十九日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 昭和三十三年九月の水害による公立の小学校及び中学校の施設の災害復旧に要する経費についての国の負担に関する特別措置法案(内閣提出)
 国民健康保険法案(内閣提出)
 国民健康保険法施行法案(内閣提出)
 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後四時十七分開議
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、昭和三十三年九月の水害による公立の小学校及び中学校の施設の災害復旧に要する経費についての国の負担に関する特別措置法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 昭和三十三年九月の水害による公立の小学校及び中学校の施設の災害復旧に要する経費についての国の負担に関する特別措置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。文教委員長坂田道太君。
    [坂田道太君登壇]
○坂田道太君 ただいま議題となりました、内閣提出にかかる、昭和三十三年九月の水害による公立の小学校及び中学校の施設の災害復旧に要する経費についての国の負担に関する特別措置法案につきまして、その要旨及び文教委員会における審議の経過と結果について申し上げます。
 御承知の通り、公立学校施設の災害復旧につきましては、従来、公立学校施設災害復旧費国庫負担法によってその災害復旧の促進がはかられていたのでありますが、本年九月の水害によって特に著しい災害を受けた地域の公立小、中学校の施設につきましては、この法律の適用によるだけでは早急の復旧が困難と考えられ、本案は、この復旧につき、国の負担割合を四分の三に高める特別措置を講じようとするものであります。その適用地域は、これを政令の指定にまかせ、各地の実情に即応せしめることとしており、国の負担する経費の種目、工事費の算定基準、適用除外等は、すべてこれを一般の例によることとしております。
 本案は、去る十二月十日当委員会に付託されまして以来、慎重に審議されましたが、特に、本年度の補正予算でどの程度の復旧ができるか、災害地域を政令で指定する基準は何か、適用除外になる被害額の政令の内容は何か、被災校の復旧に当っては鉄筋建等の改良復旧に努力すべきではないか等、各般にわたって熱心に検討され、これに対し政府委員から懇切な答弁がございましたが、これらの詳細につきましては会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて、十二月十九日質疑を終了し、討論を省略して採決の結果、起立総員をもって本案は原案の通り可決されました。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  円異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、国民健康保険法案、国民健康保険法施行法案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 国民健康保険法案、国民健康保険法施行法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。社会労働委員長園田直君。
    〔園田直君登壇]
○園田直君 ただいま議題となりました国民健康保険法案及び国民健康保険法施行法案の二法案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びにその結果の大要を御報告申し上げます。
 まず、国民健康保険法案について申し上げます。
 国民皆保険の達成を重要施策とした政府は、去る第二十八回国会において、これが基礎法として、現行の国民健康保険法の全面的改正を目的とする法律案を提出いたしたのでありますが、本院解散のため審議未了となり、また、さきの第三十回国会においては本院において修正議決せられたのでありますが、参議院においてこれまた審議未了に終り、今回三たび本法律案が提出されるに至った次第であります。
 本法案は、前国会における修正点を全面的に加えるとともに、その際行われました審議の経過を参酌し立案せられたのでございますが、次にそのおもなる点について申し上げます。
 第一に、国民皆保険体制確立のため、市町村に国民健康保険実施を義務づけたことであり、第二に、療養給付費及び事務費に対する従来の補助金を負担金に改めるとともに、新たに療養給付費の百分の五に相当する調整交付金制度を設けて国民保険財政を調整し、負担の公平及び内容の充実をはかったことであります。第三に、従来健康保険に比較して著しく劣っておりました給付範囲を健康保険と同一のものとして給付内容の改善をはかり、また、給付の割合も、大多数の保険者が五割にすぎなかったのを、財政の充実とともに漸進的に向上を期することができるようにいたしたことであり、第四は、療養担当者制度につきまして従来の方式を改め、被保険者は都道府県知事の登録を受けた国民健康保険医または国民健康保険薬剤師から療養を受けることとし、療養の給付の取扱いをなさんとする者は、その旨を都道府県知事に申し出で、これが受理されることを要するものとしたことであります。また、診療報酬につきましても、従来の割引等を廃し、健康保険と同一とするなど、その地位の安定をはかっておるのであります。
 次に、国民健康保険法施行法案について申し上げます。
 本案は、国民健康保険法案の施行のため必要な経過措置を定めるとともに、関係法律の整理を行おうとするものでありますが、そのおもなる内容について申し上げます。
 第一は、国民健康保険の未加入者をすみやかに解消せしめる趣旨から、昭和三十六年三月三十一日以前においても、厚生大臣及び都道府県知事が未実施市町村に対して事業の開始につき勧告または助言を行うことができることといたしたことであり、第二は、昭和三十六年三月三十一日までの間は、現に事業を行なっている普通国民健康保険組合及び農業協同組合などの社団法人は引き続き国民健康保険を行うことができることといたしたことであります。第三は、急激な影響を避けるため、当分の間政令で定める範囲の療養の給付を行わないことができる道を開いたことなどであります。
 以上の二法案は、十二月十日本委員会に付託せられ、十六日橋本厚生大臣より提案理由の説明を聴取した後、直ちに審議に入り、連日熱心なる質疑応答が行われたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、本日の委員会において質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して小林進委員より反対の意見が述べられ、次いで両法案について順次採決に入りましたところ、それぞれ多数をもって原案の通り可決すべきものと議決いたした次第でございます。
 なお、国民健康保険法案について、自由民主党並びに日本社会党の共同提案にかかる次の附帯決議を付すべき動議が提出せられ、自由民主党の田中正巳委員よりその趣旨の説明がございました。
 朗読いたします。
    附帯決議
 一、政府は国民皆保険の円満なる実施運営を図るため、医療制度と社会保険制度との調整について根本的検討を加え、可及的速かに所要の立法措置等を講ずること。
 二、療養担当者の権利保護、苦情処理のため公正なる中立裁定機関を設置すること。
 三、政府は可及的速かに国庫負担率及び療養給付率の引き上げに努力すること。
 四、国庫負担の概算交付率を引き上げ、その精算措置を速かに行うとともに、調整交付金算定の基礎となるべき療養給付費の見込額については、実績と相違が生じないよう努め、万一、相違が生じた際は、予算の補正等の措置を考慮すること。
 五、保険者の事務費に対する補助については、その実情にかんがみ実質的にその全額を国庫において負担するよう措置すること。
   なお、診療報酬支払についてはその期日を明確にするよう行政的措置をとること。
 かくて、本動議について採決を行いましたところ、全会一致をもって可決すべきものと議決いたした次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(加藤鐐五郎君) 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)……。
○松澤雄藏君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。すなわち、この際、内閣提出、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律一案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(加藤鐐五郎君) 松澤君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。
 繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事吉川久衛君。
    〔吉川久衛君登壇〕
○吉川久衛君 ただいま議題となりました、内閣提出、繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 去る六月の特別国会において、最近の異常な需給の不均衡による糸価の低落に対処し、繭糸の価格安定を目的として、繭糸価格の安定に関する臨時措置法が制定されましたことは、各位の十分御承知のところであります。政府は、この法律に基き、自来、日本輸出生糸保管株式会社をして、本年産春蚕繭の生糸及び乾繭につき百五十億円を限度として買い入れ、たな上げの措置を講じて参ったのであります。しかるにもかかわらず、市況は依然低迷を続けておる状態でありますので、この際、さらに、夏秋蚕繭に対し、約三百万貫の数量の範囲内で、養蚕団体が共同保管してたな上げしたものについては、政令で定める額、すなわち貫当り千二百円を確保し、もって他の政策と相呼応して繭糸対策の万全を期すべく、ここに本案が提案されたのであります。
 その内容につき概要を申し上げますと、第一は、本法による日本輸出生糸保管株式会社の繭の買入価格を、約三百万貫の範囲内の量については、政令で定める額に保管費用等を加算した額
 とすること。第二は、右に関連して、同会社が買い入れ等によって入手した生糸または乾繭を政府が買い入れる場一合の買い入れ限度額を五十億円増額し、国庫債務負担行為の総額を二百億円とすることであります。
 本案は、さきの臨時国会に提案されたものと全く同一のものでありましてあらためて十二月十日政府から提出され、十六日提案理由の説明が行われ、次いで佐藤大蔵大臣、三浦農林大臣等に対し質疑を行いましたが、詳細はこれを省略いたします。
 本案に対しましては、日本社会党を代表し、高田委員から修正案が提出せられました。その内容は、一、日本輸出生糸保管株式会社の繭の買入価格に政令で特例を定めることとした点を削除すること、二、政府が生糸または乾繭を買い入れる場合の買い入れの限度二百億円を二百五十億円に引き上げること、以上の趣旨のものであります。本修正案につきましては、三浦農林大臣より、内閣としては反対である旨の意見が述べられました。
 次いで、討論を省略して、この修正案の可否を採決いたしましたが、多数をもって否決せられ、次いで政府原案を採決いたしましたところ、多数をもって可決すべきものと議決した次第であります。
 以上をもって報告を終ります。(拍手)
○議長(加藤鐐五郎君) 本案に対しては、石田宥全君外十五名から成規により修正案が提出されております。修正案の趣旨弁明は提出者から省略の申し出があります。
○議長(加藤鐐五郎君) これより討論に入ります。角屋堅次郎君。
    〔角屋堅次郎君登壇〕
○角屋堅次郎君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました繭糸価格の安定に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について、わが党の主張と立場を明らかにしつつ、政府原案に反対の討論を行わんとするものであります。(拍手)
 政府原案は、委員長報告にも明らかな通り、第二十九特別国会において成立した繭糸価格の安定に関する臨時措置法のうち、第三条第二号及び第五条第三項を改正して、混乱と動揺のまっただ中に放置されておる本年度の夏秋蚕繭について日本輸出生糸保管株式会社が、三百万貫の範囲内において、繭一貫目千二百円で買い入れんとするものであります。これは、繭糸価格安定法によって決定された本生糸年度の繭一貫目千四百円の最低価格を明らかに無視するものであって、断じて百万養蚕農家の容認し得ないところであります。(拍手)
 申し上げるまでもなく、日本の蚕糸業は固有の伝統と確固たる基盤を有するわが国産業の大宗であって、これが消長は単に百万養蚕農家、製糸業者等の死活に関する問題たるにとどまらず、実に、日本経済、特に貿易の振興に多大の影響を有することは、各位のすでに御承知の通りであります。終戦時、日本の蚕糸業は一時壊滅状態に相なりましたが、その後、政府の増産政策を全面的に信頼して、営々辛苦、今日の隆盛を見るに至りました。私は、この機会に、全国百万の養蚕農家、製糸業者等の努力に対し深甚の敬意を表するものであります。
 しかるに、昨年の秋以来、日本の蚕糸業は、世界経済の全般的な後退傾向、化学繊維との競合、中共生糸の進出等の事情もあって需給の変調を招来したのでありますが、特に、内外の情勢に即応する政府の施策が常に後手となり、情勢判断も甘く、総合一貫した方針の欠如のために、まる一年間混乱と動揺の中に終始せしめた責任はきわめて重大であります。(拍手)
 わが党は、第二十九特別国会において政府より繭糸価格の安定に関する臨時措置法が提案された際、夏秋蚕対策が、無謀な二割生産制限以外何らこの法案の中に考慮されていない点を指摘し、これが修正を要求して戦ったのでありますが、事態はまさにわれわれの予見した通り、春蚕で一時持ち直した繭糸価格も、夏に入るとともに暴落を重ね、生糸はついに十六万円を割り、繭も現在掛目協定の過程にありますが、一貫目農家手取り千百円という現状であります。その間、わが党は、特別国会終了後も、夏秋蚕対策について、繭糸価格安定法を順守すべきわが党の方針を明らかにしつつ、政府の善処を要求したのでありますが、政府の方針未決定のゆえをもって、しばしば委員会が流され、第三十臨時国会も政府から具体的な成案が明示されるに至らず、今日を迎え、今ここに繭糸価格安定法を有名無実にする本法案を提示して事足れりとしていることは、明らかに蚕糸業界の要望と期待を裏切るものであって、断じて蚕糸行政の現在及び将来の発展のためにならないと存ずるものであります。(拍手)
 わが党が本案に反対する第一の理由は、本生糸年度政府が約束した繭糸価格を全く無視して政治の責任性を破壊していること、第二に、今後の蚕糸業の恒久対策が何ら明示されていないこと、第三に、夏秋蚕の二割生産制限に伴う桑苗、桑園等の整理等の補償、助成措置等が単に申しわけ程度であること等でありまして、政府が本年春総選挙の際公約した蚕糸業振興の片りんいずこにありゃと問いたいのであります。(拍手)
 特に、三浦農林大臣は、農政の先輩として大いなる期待を持たれて登場したのでありますが、特別国会以来の三浦農政は、蚕糸問題を見ても、酪農対策、災害対策、さらに大きく日本農政の方針をいずこに持っていかんとするのか、今日までの実績では、いたずらに左顧右眄して定見なく、蚕糸行政についても、佐藤大蔵大臣が農林大臣であるかのごとき放言を許して、業界にいたずらなる混乱を助長していることは、六百万農家のために、この際厳重なる警告を発せざるを得ないのでございます。(拍手)
 わが党の夏秋蚕対策に関する方針は、農林水産委員会において修正案として提示した通りであって、政治の責任性の立場から、本生糸年度における繭一貫目千四百円の価格は全国百万養蚕農家のためにあくまでも堅持し、来年度以降の問題については、内外の情勢を十分分析検討して、すみやかに恒久対策を樹立し、もって日本蚕糸業の発展を期すべきことを主張するものであります。
 ここに、わが党を代表して、政府原案に反対し、われわれの正論を申し上げて、私の討論を終ります。(拍手)
○議長(加藤鐐五郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、本案に対する石田宥全君外十五名提出の修正案につき採決いたします。石田宥全君外十五名提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(加藤鐐五郎君) 起立少数。よって、修正案は否決されました。
 次に、本案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
○議長(加藤鐐五郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十二分散会