第032回国会 商工委員会 第3号
昭和三十四年七月九日(木曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 中村 幸八君
   理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君
   理事 長谷川四郎君 理事 南  好雄君
   理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君
      岡本  茂君    木倉和一郎君
      田中 榮一君    中井 一夫君
      野田 武夫君    渡邊 本治君
      池田 禎治君    板川 正吾君
      今村  等君    内海  清君
      勝澤 芳雄君    小林 正美君
      鈴木  一君    滝井 義高君
      多賀谷真稔君    永井勝次郎君
      水谷長三郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  池田 勇人君
 委員外の出席者
        経済企画政務次
        官       岡部 得三君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局長)    大堀  弘君
        通商産業政務次
        官)      原田  憲君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 斎藤 正年君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  福井 政男君
        通商産業事務官
        (石炭局長)  樋詰 誠明君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      小室 恒夫君
        労働事務官
        (職業安定局失
        業対策部長)  三治 重信君
        参  考  人
        (日本石炭協会
        会長)     石松 正鐵君
        参  考  人
        (日本石炭鉱業
        連合会専務理
        事)      長岡  孝君
        参  考  人
        (日本炭鉱労働
        組合事務局長) 古賀  定君
        参  考  人
        (全国石炭鉱業
        労働組合中央執
        行委員)    早立 栄司君
        参  考  人
        (石油連盟副会
        長)      南部 政二君
        参  考  人
        (電気事業連合
        会副会長)   松根 宗一君
        参  考  人
        (全国鉱業市町
        村連合会会長) 坂田九十百君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
七月九日
 委員大矢省三君、中嶋英夫君及び水谷長三郎君
 辞任につき、その補欠として多賀谷真稔君、滝
 井義高君及び池田禎治君が議長の指名で委員に
 選任された。
同日
 池田禎治君、滝井義高君及び多賀谷真稔君辞任
 につき、その補欠として水谷長三郎君、中嶋英
 夫君及び大矢省三君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭に関する件
     ――――◇―――――
○中村委員長 それではこれより会議を開きます。
 本日は石炭に関する件について調査を進めます。本日は業界代表の方、労組代表の方、地方自治体代表の方たちに参考人として御出席願っております。なお昨日お知らせいたしました参考人のうち、全国石炭鉱業労働組合中央執行委員長の重枝琢己君はお申し出もありまして、同組合中央執行委員の早立栄司君に変更いたしまするから御了承願います。
 この際参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日はお暑いところ、御多忙中にもかかわらず本委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。今さら申し上げるまでもなく、石炭に関する問題は、わが国のエネルギー源の中でも最も重要なる問題であり、特に最近は経済面での報道によりましても、重要なる時期に達しておるものと存じまするので、この際直接本問題と取り組んでおらるる方々に御出席願いまして、御意見を承わるべく御出席願いました次第でありまして、参考人の方々におかれましては、何とぞ忌憚のない御意見をお述べ下さいますようお願い申し上げます。ただ時間の都合もありまするので、最初に意見を述べられる時間はお一人当りおおむね十分程度に願い、後刻委員からの質疑の際にも十分お答えを願うことにいたしたいと存じます。
 なお念のため申し上げまするが、規則の定めるところによりまして、参考人の方々が発言せらるる際には、委員長の許可が必要でありまするし、また参考人は委員に質疑はできないことになっておりまするから、以上お含みおきを願います。それから発言の順番は、勝手ながら委員長においてきめさせていただきます。
 それでは順次発言を願います。日本石炭協会会長石松正鉄君。
○石松参考人 日本石炭協会の会長をいたしております石松でございます。本日は特に商工委員会をお開き下さいまして、石炭不況対策を中心に、エネルギー対策について意見を開陳する機会を与えられましたことを、心から御礼申し上げます。
 さて業界対策の基本方向につきましてごく簡単に申し上げます。すでに十分御承知かと思いまするが、千三百万トンという未曽有の貯炭をかかえて、石炭企業は需給面でも、また採算面でも重大な危機に逢着いたしておる次第でございます。これにはコスト高のため輸入エネルギーに対して炭価が割高である上に、ストによる供給不安が災いいたしまして、エネルギー総需要が急増しているにもかかわらず、石炭需要が不安定であるということ、当今の目ざましい技術革新に伴って、エネルギー消費構造が急速に変貌しつつあるし、消費原単位も向上していること、さらに火力発電の増加につれて豊渇水による石炭需要の大幅な振幅が需給バランス全体に大きな影響を与えるようになってきておることなどの原因をあげることができると思います。つまり単に経済界の好不況によるだけのものでなくて、石炭鉱業の現在の体質がしからしめた本質的なものに起因していると考えられるのであります。従いまして私どもとしましては、炭価を一日も早く重油、輸入炭等の競争エネルギーの正常価格に対抗できるようにすることを基本目標としまして、これに伴うように新たに体質改善を主とした生産面及び流通面での思い切った対策を進め、低炭価を実現することによって需要を確保し、さらに将来の消費構造の変貌に即応した需給調整策と需要の拡大策を講じて、安定的な計画増産に乗せていきたいと決意いたしておる次第でございます。
 次に当面の対策でございまするが、このような対策の根幹は、結局生産性の向上によるコスト引き下げということに尽きるわけでありまするが、それにはまずただいまの供給過剰状態がさらに悪化して、致命的な混乱に陥ることがないように、需給の安定を取り戻すことが先決の対策であろうかと思います。そこで私どもは、三十四年度中に過剰在庫を一掃すべく、石炭合理化法に基く通産大臣の生産制限指示に従いまして、一段と大幅な一般炭を中心とした生産制限を続けているのでありまするが、このため一時的には逆にコストの増高が不可避でありますので、三十五年度以降において、前に申し上げたような基本方向に悪影響を残さないようにするには、この際極力高能率生産態勢へ繋がるようにしなければなりません。しかしかくのごとく生産制限を強化しても、昨年来の電力部門初め消費者の手持ち炭増加による引き取り低減のために、本年度上期は貯炭が累増する一方でありますから、私ども大手十八社が、去る四月新昭和石炭株式会社を設立しまして、目下お互いの過剰貯炭を買い上げ封鎖して、資金繰りの緩和、需給混乱の防止に努めているわけであります。
 本年度の設備投資にいたしましても、将来のコスト引き下げの基盤となる新坑開発工事や合理化工事につきましては、何とかして維持しなければなりませんので、現在の苦しい企業経理の中にあって投資の確保をはかっているのでございます。
 以上のような当面の対策に並行しまして、私どもは電力部門初め大口消費者との間に長期売炭契約を結びたいと考えております。御承知のように石炭鉱業の生産構造から申しまして、コスト引き下げのための生産性向上を実施していくには計画生産が必要である。それには安定的な需要の裏づけがなければ、いつまでも不安定な操業を繰り返すことになるのであります。しかしこの長期契約を結ぶ場合に、価格の要素を抜きにした数量面だけのお願いをするわけには参りません。むしろ私どもが今後の価格引き下げの見通しをはっきり提示することが前提条件であると考えまして、実は先般エネルギー問題に関する会合におきまして、炭価引き下げのもとになるコスト見通しを試算いたしまして、これを説明した次第であります。それはあくまで試算でありまして、出炭数量はとりあえず既存の七千二百万トン計画ベースによることとし、さらにもろもろの対策が十分実施されることを前提条件として算定したものでありまするが、それによると生産原価の引き下げと流通面における思い切った合理化によって三、四年先には一千円内外の販売原価の引き下げが可能であるというものでありますが、私どもとしましては、この価格見通しをもっと精度の高い需要予想の角度からしぼってみて、その上で数量並びに漸進的引き下げの価格要素を織り込んだ長期契約の締結を促進いたしたいと考えております。
 次に長期の対策でございまするが、以上のような当面の対策を長期対策と便宜区別しましたが、これは、これから申し述べまする長期対策につながるわけであります。
 ただいま価格問題について触れましたように、私どもは従来の単なる増産方式を主としたいわゆる七千二百万トン計画を新情勢に即応して当然見直す必要があります。そこで、消費構造の変化やコスト、価格の面から究明して、生産面、労働面、流通面にわたる総合的な対策を含めた新たなる長期計画の作業と取り組んでおるのでありますが、この計画策定によって、当初に申し上げました経営の目標を明確にしたい所存であります。この新計画に即して業界の体質改善を推進するわけでありますから、私どもとしましても石炭鉱業の将来の生きる道を切り開くために思い切った措置を講じなければならないと考えております。
 そこで、私ども石炭業界内だけの問題としてではなく、自来石炭の大幅な好、不況が、消費産業にも影響を与えるのみか、競争エネルギー産業である石油業界にも影響するところが大きいので、今後お互いの産業がそのエネルギー供給分野を確保して、安定した発展を望めるように話し合っていきたいと考えております。
 次に、これは長期契約問題とも関連するところでありますが、石炭はもともと景気変動に伴う需要変動に対して、供給力を急速に即応させることが困難であります上に、豊渇水のためにこの振幅は一そう拡大されますので、これまた計画生産を期するには、貯炭によって需給を調整する必要がありますので、大口消費者と協力して新昭和石炭株式会社を母体に、需給調整機構の確立をはかる方針でありまして、すでに電力業界に対してはその協力方を申し出て、近々具体案についての話し合いに入る段階にあるのであります。
 さらに私どもが進めている新たなる長期計画の総合対策の中で、特に労働対策につきましてはその性質上、一挙に打開することは困難でありますから、漸進的に好ましい方向に進めていきたいと考えておりますし、また石炭化学の進展、山元発電とこれの送電の方策、完全ガス化とこれの遠送の方途等の需要拡大策についても早急に検討を進めたいと考えております。
 最後に政府に対する要望でございますが、私どもはこれまで申し上げたような方針を、業界の総力をあげて実行していく覚悟でありますが、業界対策だけでは困難な面が多々あるのでありまして、政府におかれましても特に労働対策につきましては、過剰雇用の整理に伴う失業者を吸収するための特別の雇用対策はもちろんでありますが、将来石炭鉱業が生産性を向上し、コストを引き下げていくには、労働対策が根幹となってくるわけでありますから、政府としましても特に石炭労働問題を取り上げられて、適切な措置を講ぜられるようお願いする次第でございます。
 また今回の経済審議会エネルギー部会による長期エネルギー計画の策定作業を機会に、消費構造の変貌、国際収支、雇用等の各面にわたる総合的見地から、懸案のエネルギー総合対策を確定して、石炭鉱業の将来に対して安定した指針を明らかにしていただきたいと考えるのであります。この指針に基いて、石炭鉱業に対する長期低利の設備資金の確保措置を積極的に打ち出すとともに、石炭企業の蓄積を一般産業並みに持っていけるような税制対策を実行していただきたいのであります。
 以上で私の意見を終ります。
○中村委員長 日本石炭鉱業連合会専務理事長岡孝君、お願いいたします。
○長岡参考人 本日は日本石炭鉱業連合会会長武内礼蔵が親しく皆様の前に所信を述べさせていただく予定でございましたところ、北九州地方豪雨のため、炭鉱への水害懸念がございまして、いかんとも現地を離れかねますので、昨日武内と電話打ち合せの上、特に委員長のお許しを得まして、代理として専務理事の一人であります私がこの席をけがします次第、何とぞ御了承願いたいと存じます。
 本日は第一に私どもの企業に対する考え方を申し述べたいと存じます。御承知のようにわが国一般炭は先刻お話のございましたこちらの日本石炭協会所属十八社で六〇%、私ども連合会で四〇%産出いたしておるのでございますが、何と申しましても連合会メンバーの確保しておりますデポジットは比較的貧弱であり、その多くは一企業一炭鉱であり、金融的には大むね不自由であり、系列的需要先はほとんどこれなく、加うるに需給ないしは需要調査機構を特に保有しているわけでもございませんので、経営上はなはだ不利な立場にあるのでございますが、またそれだけにふだんから企業そのものの自立ということに特に専念せざるを得ないのであります。従いまして現在のような業界の苦況に臨みまするに先立ち、自衛上経営者労働者一体となり、企業の保全に全力をあげて参りました。すなわち、すでに昨年初めから前途に需要の減少が危惧せられましたので、生産の拡大によらないコストの切り下げによって炭鉱企業の壊滅を避けるべくいろいろ努力をいたして参ったのでございますが、遺憾ながら昨年四月から本年三月までの間に長年ともに働いて参りました労働者諸君を一万二千九百七十五人失うに至ったのでございます。この数字は同じ期間の減員総数一万四千九百五十九人の実に八六%に上るのでございます。本年四月以降依然なお需要好転のしるしを見るに至っていませんが、私どもといたしましては経営者、労働者共同して、切羽元から炉前までの費用を切り詰めに切り詰めて、炭鉱そのものの崩壊を食いとめようといたしております。この根底をなす考え方は、今日近東の原油が安くなり、海洋運賃が暴落しておりまして、石炭の揚地市場において石油が割安であり、各個の需要家とされては、一応石油使用を考慮されるのは当然でございますが、国の政策として明治の初め以来数代の人々が開発に努力して参り、ようやく生産力を積み上げて参りました石炭企業と、これに随伴する雇用人口及び炭鉱とともに成長いたしました市町村を壊滅に導くようなことはあり得べきではないと確信いたしておるからでございます。
 第二に、しからば将来に対していかなる目途を持っておるかでございますが、もとより石炭をそのままの姿で燃料にのみ用いることが需要の唯一の道とは考えておりません。現に一部の石炭は山元において電気といたし、その電気を電力会社の方に卸売をいたしまして、優に電力会社みずからの発電原価に拮抗できるものもございます。一例でございますが、常磐共同火力のごときは、連合会のメンバーと、先ほどお話のありました日本石炭協会のメンバーと、それから東京電力株式会社、東北電力株式会社両電力会社、これらが共同出資をされまして石炭を電気化いたしまして、年間三十五万トンの石炭消費を造成いたしたのでございますが、ただいまこの七万五千キロの設備を倍増する工事をすでに進めております。また近くさらにこれを倍増せんと計画いたしておるようなわけであります。しかしながらこのような方法のみで、各地の生産量をみな消費することは困難でございますし、コストの切り下げにいたしましても生産性の向上に伴う雇用の吸収を順次行いながらやらなければなりませんので、それにはどうしても政府の御登場を願わなければならないと思うのでございます。
 政府としてなされ得る、なしてよかろうと思われることを私どもの考えで率直に申し上げてみますれば、一、石炭鉱業整備事業団の買い上げワクをさらに二百万トン増して、コスト高の炭鉱を全国的に整理するために、その資金源、現在炭鉱負担毎トン二十円と炭鉱が開銀等に支払います金利の一部をこれに振り向ける分と、この二つから成り立っているのでございますが、さらに政府みずからある程度これを負担するというふうにして、事業を促進せられたらどうであろうか、これによって生じます余剰人員の吸収先といたしましては、河川、道路、港湾、干拓のような公共事業の振興、鉱害復旧工事、石炭積上港設備改良工事、これらの促進を行いまして、なかなかこれだけでは――またこれを行いますためには容易なことではございませんので、一家がこぞって永住できるような広域職業あっせんの実施と、合理的な新職業につくための職業訓練所の増設ということを行われたらいかがかと思っております。
 第二に、コスト低減のために炭鉱借入金の金利を実質的に五分程度引き下げるとともに、設備資金の償還期限を五年据え置き十五年償還程度にいたし、固定資産税につきましては、これは地方税でございますけれども、坑内施設はその対象から除外する、石炭輸送費を軽減いたしますために国鉄施設及び石炭積み出し陸揚げ港の施設の急速改良を行う、かようなことはできることではなかろうかと思っております。
 第三、雇用対策を考慮しながら石炭の需要家への到達値段の縮減をはかりますためには、やはり現行の重油ボイラーの設置制限法はさらに五年存続せしめられたいものである。その他いろいろございますけれども、おもなるものだけを拾ってみますと以上の通りでございます。
 ここで一つぜひ政府御当局に御考察願いたいのは石油関税でございます。御案内の通り関税定率法には石油は従価一〇%となっているのでございますが、ただいま臨時的に原油は二%、BC重油は六・五%に引き下げられております。これはこの際国として堂々と定率法通り徴収せらるべきではないかと思います。ただいまの世界の石油生産状況では、その一部または全部は原油の値下げを期待し得るのではないかとも考えられますし、もしそう参ればこの際政府に御登場を願っても、その歳出が全部国民各位全般の御負担になるとも限らないでございましょうし、また石油製品消費者各位に全部御負担をかけなくとも済むのではないかと存ずるのでございます。
 最後に政府当局に対して特に御考察をわずらわしたい点でございます。それはここに石油事業の代表の方々がお見えでいらっしゃいますので、蛇足のようなことでございますが、今日世界の原油はその仕上りが幾らであるかということとはおよそかけ離れて、世界の各地に幾らで売るかという、主として人または国の支配する価格で売られてくるのでございまして、自然ある年代にある数量を安く売り、他の年代にある異なった数量を高く売るということは、方針次第によっては、優に可能であると考えられます。また世界の船腹と貨物との関係につきましても、ただいまの状況とは異なった、また思いも寄らない要素が何年か後に現われてこないとも限りません。従いまして、わが国のエネルギー政策を御決定になりますに際し、明治の初め以来築き上げて参りました、そして一度つぶれましたら再び容易には生産力を回復できない炭鉱と、これに連なって成長して参りました市町村を考慮せられるとともに、将来に向ってわが国の石炭の価格の水準が果して何円であり、何ドルであるべきかを御考察なさるに際しましては、深くわが国の運命を御省察下さるべきことを期待いたす次第でございます。
 これをもって私の陳述を終ります。
○中村委員長 次に日本炭鉱労働組合事務局長古賀定君にお願いいたします。
○古賀参考人 私は日本炭鉱労働組合事務局長の古賀でございます。
 今石炭産業は一千二百万トンからの貯炭を抱えまして、戦後三回目の不況に見舞われておるわけでありますが、私たち炭鉱労働者は、生産制限の勧告に伴って、現在会社側の企業整備、つまり首切りのあらしにさらされておるわけであります。私たちは現在の石炭産業のあり方について、炭労という立場で、もはや石炭産業は民間企業としては成り立っていかないのではないか、このような見解も持っておりますけれども、それはさておきまして、現在の条件の中で、どのようにして現在の危機を克服したらいいのか、これらの点について若干私どもの見解を述べてみたいと思います。
 まず第一に私が指摘をしたいのは、政府あるいは経営者の現在までの石炭政策というのが、絶えず戦前、戦中、戦後を通じて時々の情勢に対応した場当り的な政策であったのだ、このことをまず指摘をしたいと思うわけであります。まず戦後の問題だけを取り上げてみましても、終戦直後日本の経済復興のために基幹産業としての石炭が重要視され、三千万トンあるいは三千六百万トンという目標を達成するために傾斜生産方式をとられ、報奨物資が出されて、労働力を投入してきた、このような労働力の投入によって一応三千万トンであり、かつまた三千六百万トンという目標を達成して参りましたけれども、これが昭和二十四年から五年にかかります第一回目の不況期を迎えますと、経営者はほとんど首切りという手段によってこの不況を克服する、こういう手段に出てきておるわけであります。昭和二十五年の三月末では二百五十の炭鉱が休閉山され、約十万六千人に及ぶ炭鉱労働者が首を切られていったわけです。ところが昭和二十五年の六月、朝鮮動乱が勃発いたしまして、経済が非常に上向きの状態になってきますと、石炭も必然的に増産態勢に移行して参ります。この場合閉休山されておった中小炭鉱は操業を開始し、あるいは大手炭鉱の中でも労働力の投入、つまり新規採用という形の中で、この増産に対処をしてきたわけであります。従って昭和二十七年末でありますと、百七十八炭鉱が実際はふえた。さらに人員は当時の炭鉱労働者総数としては三十六万五千六百人と一万四千七百人程度の人員の増加を見た。このような傾向が現われてきたわけであります。さらにまた朝鮮動乱の終息に伴って再び過剰生産の徴候が現われてきますと、その切り抜けのためにまたまた第一回目にやったと同じように、中小炭鉱の閉山、大手炭鉱では首切り、このような処置がとられたわけであります。当時は二百九鉱に及ぶ炭鉱が休閉山し、総人員としては十万二千六百人に及ぶ炭鉱労働者が首を切られる、このような事態が発生をしてきたわけであります。さらに三十年以来巷間で神武景気という名称をもって伝えられたあの好況期が参りますと、再び石炭は増産態勢に移行している。この中では二万五千人に及ぶ人員の増加を見る。このように炭鉱経営者は絶えず好況期には労働力の投入によって増産を達成していく、さらに一度不況に見舞われると労働者の解雇、閉休山という処置によって当時の経済情勢にマッチするような減産方式を講じていく、つまり絶えず好況、不況の調整弁として、中小炭鉱やら炭鉱労働者の犠牲の上に立ってこれを乗り切ってきた、こういう考え方が、戦前、戦中、戦後を通じて石炭経営者の思想の中にあったのではないか。このような考え方が、とりもなおさず長期にわたる安定的な石炭政策というものを忘れて、合理化というものをおくらしていったのだ。このことが今日の状態を作り上げておる、このように言うことができるのではないかと私どもは思っておるわけであります。この歴史性というものは、とりもなおさず日本の炭鉱は低廉豊富な労働力に依存をして、その経営を行なってきた、こういうことが大きなガンになっておると思っております。つまり戦前は囚人、戦中は植民地労働者、捕虜、戦後は都市や農村の失業者に依存する、そうしてこれらの労働者を吸収し、低賃金の中で増産に対処していく、この考え方が先ほど申し上げましたような経営の思想となって現われているのではないか。このように第一点として考えておるわけであります。
 第二にはさきに述べた問題とも関係がありますけれども、炭鉱経営は非常に国家財政の保護政策の中で依存をしてきた。このことが言えるのではないか。まして炭鉱で上げた利潤というものは炭鉱の生産過程における投資、こういうことに使う以外に、財閥経営企業の近代的な再編成のために社外投資の方に使われておる。このことが今日の段階の中では、炭鉱の生産過程における合理化というものをおくらしておって、競合燃料である重油等との太刀打ちができない、このような状態を作り上げていったのではないか。第二点として、このように私どもは考えておるわけです。
 この社外投資の現状を、私ども近ごろの資料で調べてみたのですが、昭和三十一年までは、毎期十億以下であったのが、大手十八社の社外投資は三十二年、三年は一挙に毎期二十五億にふくれ上っている。これらの社外投資というのが、もっと有効適切に生産過程の近代化のために利用されていく、こういう処置がとられたならば、先ほども申し上げましたが、もっともっと炭鉱というものは近代化し、能率も上昇するような下地が生まれてきておったのではないか、このように考えるわけです。
 さらに第三点としては、鉱区独占の問題を指摘することができるわけであります。わが国の埋蔵量の八八%近くが大手炭鉱に握られておるのでありますが、このような鉱区の独占を基盤といたしまして、大手炭鉱は租鉱権を作り出している、そうしてこの中では山地主というような立場に立って、高額の租鉱料を取り立てる、さらには商業資本として、租鉱炭鉱から出炭された石炭を安く買い上げていく、そうして独占価格の中で売りさばいて利潤を上げていく、こういう構造が現在あるわけであります。現在、中小炭鉱出炭の約三〇%近くがほとんど大手で買い上げられておるという事実を見ても、このことを立証することができると考えております。このような租鉱権炭鉱あるいは中小炭鉱等非常な低賃金労働者の存在の上に立って行われてきた経営というのが、現在の生産過程の近代化を怠る、こういうものの一要因にもなっておるし、さらには生産性の回復をおくらせるという要因にもなっておる、このように私どもは考えるわけであります。また鉱区独占というのは非常にむだなことが多い、こういうことも指摘することができると思います。私どもの傘下にあります住友、ここでは弥生、奔別という二つの鉱業所がございましたが、先般縦坑を一本おろしまして、この両鉱を統合をした、こういうケースがあるわけであります。これは住友という資本の鉱区であり、同一企業の中にある鉱業所であったがゆえに、一本の縦坑開さくによって統合することができた。しかしこれが住友、三菱あるいは三井、このように分れておりますと、なかなかこのような統合というものが困難になってくる。三井は三井として一本の縦坑を掘っていく、住友は住友として掘る、つまり二重の負担というものがそれぞれの企業の中に入ってくる。これがコストヘのはね返りを生じてくる。このような問題等も、鉱区独占という形の中からは一つの矛盾として現われておるのではないか、このように考えておるわけであります。これらの鉱区開放あるいは分離、統合するという政府の強力な政策というものが行われるようになりますと、この面からのロスというものがずいぶん省けまして、コスト面にも大きな影響を与えてくる、このようになるのではないかというふうに私どもは考えておるわけであります。
 さらに第四点といたしまして、流通機構の改善が必要ではないだろうかということも考えております。一例を申し上げますと、現在九州で生産された石炭が京浜地帯まで運ばれておる。あるいは北海道で産出された石炭が中京地区まで持っていかれる。このような形の中から、石炭の消費産業が石炭産地に集中してないという立場から、輸送費が非常にかさんでおる。このことを指摘することができます。最近私どもの調査いたしました数字では、大手十八社平均で千三百円程度のこういう輸送費がかかっているのではないか、まして高いところは二千円に達する輸送費がかかっておるのではないか、このように考えておるわけであります。これらの面をもっともっと合理化していくとするならば、コスト面にももっといい影響を現わし、競合燃料との太刀打ちというものも可能になってくるのではないか、さらにまたこの石炭販売機構の中で、やはり二重、二重と中間に立つ搾取機関があるのも排除すべきではないか、これらの点が排除されるということになりますと、山元における生産原価に最も近い金額をもって消費者の皆さんたちにお渡しすることができるようになるのではないか、このような点も私どもは考えておるわけであります。
 さらに第五点目には、中小炭鉱の問題に若干触れますが、中小炭鉱は非常に資本が弱小でありまして、景気変動の形の中では絶えず犠牲になっておる。こういう立場から中小炭鉱の協同化を促進をしていく、これらの措置も講じてしかるべきではないか。その上に立って融資販売の安定を増大さしていくべきだと私どもは考えております。中小炭鉱は大手炭鉱によって絶えず景気変動のクッションとして利用されておるというのが事実でありまして、絶えず不安定な状態の中に置かれております。そのため中小炭鉱の協同化を促進し、政府の行政措置として一定の立場というものを確保してやる、その基礎の上に立って必要な金融措置を認めていく、これらの助成策というものを中小炭鉱にはとるべきではないかと考えておるわけです。
 最後に労働問題に関係をして、賃金の問題で若干触れたいと思いますが、御承知のように炭鉱労働者は毎日二人から三人の死亡者を出し、二百人に近い負傷者を出しておる実情である。このような負傷度の高い地下産業労働者が現在占めております賃金の比は、先般中労委で調査いたしました資料によりましても、旧中学卒業生の三十才から三十一才まで、勤続年数十年から十一年までの人たちをそれぞれの産業と対比いたしますと、石炭産業は一万六千二百七十七円であり、全産業の平均は二万二千百十五円になっているわけです。まして石油産業は三万二千三百四十八円、私鉄が二万三百九十四円、電力の一万九千三百二十六円、海運、倉庫の二万六千四十五円、このように最も危険な条件の中、劣悪な条件の中で働いておる炭鉱労働者の賃金がきわめて安いということ、このことが現在労使間における問題を惹起させ、いろんな障害になっておるということも否定はできないと思っております。よく巷間言われますことは、炭鉱のコストの中に占める人件費が、他の産業と比較して非常に多いということが絶えず言われるわけでありますが、このコストの中に占める比重の大きさというものは、ただ単に日本だけの問題じゃなく英国にしてしかり、フランスにしてしかり、西独にしてしかりだと思いますが、やはり五〇から六〇の比重を占めておる。これは石炭産業の持つ体質から全国共通の問題でありまして、日本だけがコストが高い、このように言い得るものではないと、このように考えておるわけです。
 さらに先般三十年の六月合理化法案が審議されました折に、政府当局から提出されました資料を見ましても、当時コスト、炭価の問題等が論議されておりますけれども、炭鉱労働者の賃金はいかにあるべきかという問題には全然触れられておらない。こういう形の中で出ていった長期計画等でありますから、すぐにそごを来たしてくるということが言い得るのじゃないかと思います。今次春闘の中でも、中山会長は私どもに対するあっせんの中で、炭鉱労働者の賃金は好況、不況にかかわらず、やはりしかるべき金額を増額しなければならないという一端を述べられましたけれども、ある私の入手いたしました資料によりますと、石炭協会か個人か知りませんけれども、今後の賃金上昇額は三・五%程度を見込むべきだ、こういう見解も発表されておるようであります。しかし現在の国民所得一人当りが六・五%の伸びであり、一人当りの消費の伸びが五・五%であるとするならば、それらの点と見合わして、炭鉱労働者の賃金の伸び、これらも考うべきではないだろうか、これらの問題が解決されますと、現在における炭鉱労使の問題というものは比較的スムースに解決していくという状態になるのではないかと、私どもはこのような見解を持っておるわけであります。
 最後に一点、特に政府当局にお願い申し上げたいのは、やはりこれらのエネルギー対策等については長期安定した立場に立って、すべての問題を検討して確立する必要がある。たとえば能率はどうあるべきか、価格はどうあるべきか、炭鉱労働者の生活水準というものはどうあるべきか、あるいは需要供給の問題等を総合的に研究をする。そのためには労働組合あるいは組合の推薦する人たちをも入れまして、徹底的な調査と研究を行なって、その中で長期安定化したエネルギー対策、こういうものを確立する必要があるのではないか、このように私どもは考えておるわけであります。従ってこの点について、政府当事者の御一考をわずらわしていただくことをお願い申し上げまして、私の意見にかえさせていただきたいと思います。
○中村委員長 次に、全国石炭鉱業労働組合中央執行委員早立栄司君に御発言願うことといたします。
○早立参考人 私は全国石炭鉱業労働組合の中央執行委員の早立であります。私は本日、今日の日本の石炭産業の不況がわれわれ炭鉱労働者の生活にどのようにしわ寄せをされてきておるかという点について、いささか申し述べて、続いて私ども全炭鉱が今日の炭鉱危機を打開して、長期的安定化の方向を確立するためにどうすべきであるかという点について、考えておる点を若干申し述べてみたいと思います。
 先ほど来述べられておりますように、今日日本の炭鉱はかつてない不況に逢着をいたしておるわけでありますが、その結果労働者の労働条件、生活の面に数々のしわ寄せをなされてきておるのであります。まず第一番に休山、廃山による離職者関係についてながめてみますと、石炭局の指定炭鉱統計に基いてみましても、昭和三十三年度中に休山、廃山した炭鉱の数は全国で整備事業団の買い上げ炭鉱の三十五炭鉱を含めて百六十五炭鉱に上っておるのであります。その中で新しく再開したところの炭鉱の八十四鉱を相殺いたしましても、結局年度間に八十一炭鉱が減少をしておるわけであります。従ってまたこれに伴って炭鉱労働者は、実働労務者数についてみますと、昨年中に大手炭鉱においては約二千人、中小炭鉱においては約一万三千人、合計して約一万五千人が減少をしてきておるのであります。これらを今日の失業保険の受給状態から見ますと、本年四月の失業保険受給者の実人員についてみますと、炭鉱の場合には実に一万八千七百九十一人となっておるのであります。これは全国の失業保険受給者の実人員の中では約五%程度であるかもしれませんけれども、それぞれ炭鉱の所在する地区における比率を見ますと、大体その地区の失業者の失業保険受給者の五〇%ないし六〇%を炭鉱における失業者が占めておるという状態になっておるわけであります。
 さらに賃金の不払い状況についてながめてみますと、炭鉱の場合には最近一、二年間ずっと全産業中で賃金の不払い金額並びにその発生件数等が最高位を占めてきておるわけでありますが、特に昨年九月以降は不払い金額がずっと毎月一億円以上を数えて参りまして、本年の二月には不払い金額が一億三千七百万円、その発生件数は事業場数にしてみまして百十二件、またその対象労働者は一万九百三十八人となっておるのであります。しかもこれが五月、六月にかけて特に中小炭鉱関係においては非常に資金繰りが逼迫しておる傾向がありますので、この賃金不払いの発生件数も最近においては急激に増大しておることが考えられるのであります。
 そのほか先ほど炭労の古賀さんからも申し上げられましたように、大手、中小を問わず幾つかの炭鉱においては、今日の不況の中においてそれぞれ企業整備が打ち出され、実施をされ、それによるところの人員整理を含んだところのいろいろな問題を生じてきておるわけでありますが、特にその中から賃金面について取り上げてみますと、最近炭鉱労働者の基準外の賃金が非常に削減されてきておる傾向があるわけであります。これは不況に伴うところの生産制限等から生産費が高騰をしておる、従ってそういう面について極力経費を節約しようとするところの経営者の意図と、さらにまた実際に生産制限によって作業量が減ってきておる、従って残業をする必要がないという状態が、ある職場においては出てきておる、そういうような要素の中かち、今日超過労働を含むところの基準外の賃金が削減されてきまして、そういう問題を含めて炭鉱労働者の月収は、つい最近賃金引き上げを行なったにかかわらず、手取り月収が減退してくるというような傾向を生じてきておるのであります。しかもこのことも今日まだ五月、六月分等の数字については明確に集約がなされておりませんけれども、各炭鉱において起きておりますところの諸現象から考えますならば、これが五月、六月、七月にかけて非常にその傾向が強くなってきておるということが考えられるのであります。
 もう一点、私は炭鉱の期末手当の問題について申し上げたいと思うのですが、今日夏期の期末手当については各産業において、すでにいち早く妥結をしてそれぞれ収得をしておる状態だと考えます。しかるにかかわらず私ども炭鉱労働者の場合には、今日やっと要求書を提出して、これから交渉をして何とか期末手当を獲得したいという段階にあるわけであります。ところが今日自由労働者の期末手当等については年々向上を示して参りまして、これを東京都の自由労働者の今年度の夏期手当についてみれば、いろいろなものを一切含めて大体一人平均三千円か四千円程度になっておると考えられます。しかるにかかわらず炭鉱の、特に中小炭鉱の場合にはこれよりもはるかに下回るわずかに一千円あるいは二千円という酒肴料程度の期末手当しか支給できないような炭鉱が中小炭鉱の中に少からずあるということであります。私どもはそういう事実に対して心から残念に悲しく感じておる次第であります。ところで、そういう石炭不況が、しからば何によって生じてきたかという問題でありますが、この点について現象的に見ますならば、すなわち経済活動の沈滞や豊水によるところの石炭需要消費の減少あるいは輸入エネルギーとの競合、あるいはまた貯炭の増大と出炭制限、さらにまた高炭価というような問題が重要な要因としてあげられてくると思います。しかしながらその根源について探ってみますならば、何といっても政府の石炭政策に対する貧困、さらに経営者の営利主義によるところの行き詰まり、また新エネルギーの出現というような問題につき当ってくると思うのであります。そうして結局エネルギーの消費構造の変革に対応してよい石炭を安く、豊富に、安定的に供給するというところの石炭産業発展の根本的な条件を実現するという考え方に石炭関係者が徹して、必要な努力を払ってくるということがなされてこなかったということが言えると思うのであります。従って私どもは今日の石炭産業の不況を打開して将来にわたって長期的な安定と発展の方向を確立するためには、まず何といっても、この石炭産業発展の根本条件であるところのよい石炭を安く、豊富に、そして安定的に供給するという考え方に、政府関係者も含めたところの石炭関係者全体がそういう考え方に徹して、その上に立って次のような諸方策を実行に移すべきであろうと考えるのであります。
 その第一は、当然のことでありますが、政府においては長期経済計画の中において総合エネルギー政策を樹立して、その完全遂行について責任態勢をしくべきであろうと考えるのであります。すでに過般政府において策定をいたしました昭和五十年七千二百万トンという石炭の長期生産計画は、昭和五十年度における総合エネルギーの総量を石炭換算して二億六千万トンというふうに計算をしまして、その中における国内炭の供給量を七千二百万トン程度に引き上げるという考え方のもとに策定されたと思うのであります。しかしながらその計画の中においてもすでに昭和五十年度における総エネルギーの中における国内炭の地位はきわめて低く、むしろこれは重油を初めとするところの輸入エネルギーの、総エネルギー中において占める比率は、その約五〇%になっておったと思うのであります。そういう中で立てられたところの長期計画でありましたが、それすらも今日すでに実施第一年度において大きく計画にそごを来たしておるという点は申し上げるまでもないと思うのであります。
 さらにまた必要なことは、今日すでに策定されたそういう長期生産計画の遂行に当って、政府並びに業者は計画を立てただけの話であって、その遂行に当って政府みずからが責任ある態勢をしくということがなされてこなかったと思うのであります。たとえば三十三年度において非常に計画そごを来たし、その結果いろいろの問題を呼び起した際に、これに対する必要なる保護政策、必要なる調整策等が政府において当然なされなければならなかったと思うのであります。そういう点がなかったところに問題があると思うのでありまして、私どもは今回そのような点についてのいろいろな反省を含めた中から、新たな角度から総合エネルギー政策を樹立して、その政策の遂行に当っては政府が責任ある態勢をしくべきであろうということを考えるのであります。同時にまたその政策の樹立に当っては、先ほど申し上げましたように将来に対してみましても、総エネルギーの需要の拡大に対して国内炭の地位というものは比較的低い状態にあるわけでありますから、努めて岡内炭の地位を高めていくという方向をとらるべきであると考えるのであります。同時にそのためには重油を初めとする輸入エネルギーに対しては、国内資源を活用するという建前の中かろ輸入エネルギーを極力規制していって、国内炭の生産を拡大し、需要を拡大し、国内炭の総エネルギー中に占める地位を高めていくべきであろうと考えるのであります。さらにそういう長期総合エネルギー政策の中において、石炭政策についての長期的な計画を確立するということは、今日の炭鉱労働者の精神面に大きな影響を及ぼしてくると思うのであります。今日石炭問題については各方正面についていろいろと問題が取り上げられて参りまして、しかもその中において石炭の前途に対して非常に悲観的な論調が強く流れてきているのであります。その結果今日炭鉱で働く労働者は、炭鉱の将来について非常に暗い感じに襲われてきて、沈滞した気分に襲われてきていることを否定できないと思うのでありますが、そういう際に政府において責任ある総合エネルギー政策――その中における石炭の長期生産需給政策というものが確立されていきますならば、そういう炭鉱労働者の暗い気持を一掃して、生産性の向上に向って努力をしていくという気分転換を求める上に、大いに役に立つのではないかとも考えられるのであります。
 次に第二番目に石炭産業の近代化を進めるという問題でありますが、これは今申し上げた総合エネルギー政策との関連において、中小炭鉱、大手炭鉱を含めた総入目的計画的な近代化の推進の計画画が立てられ、推進されていかなければならないと考えます。特にこの近代化の推進に当っては、単に石炭の生産面についてだけの問題ではなくして流通面についても、たとえば山元発電の超高圧送電とか、あるいは先ほど来も意見が出ましたが、山元の完全ガス化とパイプ輸送というような問題を含めた流通面にわたっても近代化を推進する必要があろうと思います。同時にまたこの推進に当って先ほど炭労の古賀さんからも申し上げられましたように、鉱業法の改正という問題を含めて今日の鉱区の開放、調整、さらにまた新たなる鉱業権付与についての基準の引き上げというような問題についても、当然検討されていかなければならないと思います。同時に私どもが申し上げたいことは、この炭鉱近代化の推進に当って、労働者に犠牲をしいるようなことがないように配慮されていかなければならないと思うのであります。そう申し上げましても実際にはやはり近代化の推進に当って老衰炭鉱が消されていくという問題が出てくるわけでありまして、おのずからそこにやむを得ない失業者が出て来ざるを得ないと考えるのであります。従ってそういう面については政府の責任のもとに、適切なる失業者の雇用政策を確立していただきたいと考えます。その一つの例として合日職業安定法に基いて職業訓練が法制化されておりますけれども、これは期間として一年間でありますし、そういう一年間という長期間の訓練を受けることは、炭鉱労働者の場合にはなかなかむずかしい要素もありますし、実際的には今日この職業安定法に基くところの職業訓練機関において、炭鉱労働者が実際に職業転換についての技術の講習を受けるというようなことがなかなかしがたいような実情にあるわけであります。また実際に現在この訓練機関に通っておる者の姿を見ても、炭鉱労働者ではなくして、これは新しく新制中学等を出た者が多くここに来ているというような実情にあろうと思う。従って私どもは炭鉱労働者の必然的に出てくるところの失業者に対する雇用対策については、今日あるような安定法に基くところの法制化された職業訓練法ではなくて、それとは別個に、炭鉱労働者に対する独自の職業訓練機関を設置すべきであろうと考えるのであります。とりあえずその問題については、比較的炭鉱老衰化の傾向の強い福岡県の筑豊地区、あるいは福島、茨城両県における常磐地区等において直ちに総合的な職業訓練機関を設けて、場合によってはこれに参加する者に政府において生活援助の手を差し伸べつつ、新たな職業転換の方法を講じるというようにしていただきたいと思うわけであります。先ほどどなたかの意見にも出ましたが、失業者に対する雇用政策として、地域における公共事業を起すということ、新たな産業を誘致するというような問題があげられておりますけれども、そういうことと同時に、そういう新たな産業に炭鉱労働者が転換できるような用意をしていく、そういうような方法を講じていくということが必要であろうと思うのです。そのことがいわゆる炭鉱についての独自な職業訓練機関設置という問題であろうと考えるのであります。
 次に、第三番目には、石炭産業における産業民主主義を確立して、炭鉱の社会化を漸進的に進めていくという問題であります。これは炭鉱における労使が、それぞれ従来のあり方について検討を加え、あるいはまた反省すべき点については反省をした中から労使の民主的な協力態勢というものをしいて、それを土台にした上に立っての産業民主主義を確立して、それを通じて初めて炭鉱における課題である生産性の向上ということの実現も期せられていくと思うのであります。同時にまた、そういうこととともに、石炭産業の今日の経営のあり方を漸次協同化をしていって、さらにまた、それに対する政府関係の監督と指導権というものを漸次強化をしていって、そういうことを通じて社会化の方向に漸進的に進んでいく必要があろうと考えるのであります。
 以上申し上げました三点は、石炭産業の長期的な発展のための、安定のための基本的な問題であろうと思いますけれども、それとともに、私どもは今日の炭鉱の危機を直ちに打開をしていくための応急的な措置として、次のような三、四点を考えておるわけであります。
 その第一は、何といっても政府の管掌、政府の責任のもとにおいて石炭需給調節の機構を確立するという問題であります。今日、石炭業界においては大手十八社によって新昭和石炭が設立されて、百万トンの貯炭買い上げが目標とされておるようでございますけれども、今日の貯炭の実情から見れば百万トン程度の買い上げは、全く焼け石に水であって、どうしてもあと二百万トンないし三百万トンの貯炭に対して何らかの措置を講じなければならないと考えるのであります。そういう面について、ある場合には政府の資金によってその貯炭を買い上げる、さらにまた、電力と石炭との協同貯炭等について、政府の適切なる指導のもとにこれを推進するようにしていただきたいと思うのであります。
 電力関係については、三十三年度については計画の一千三百万トンをはるかに割って、石炭の場合は年間九百三、四十万トン程度であったと思うのでありますが、結局このことは、言い直してみるならば、昨年の豊水によって電力関係においては年間三百五十万トン、金額にして約百五十億ないし百八十億円程度燃料費が節約されたということが言えると思います。その反面において、石炭産業はそのことによって今日非常なる窮地に陥っているということになるわけであります。そういう点も十分御勘案の上、政府において適切なる御指導をなされるならば、電力と石炭におけるところの長期的な需給の調節機関の設立というものは、さほど困難な問題ではないと考えるのであります。
 次に、第二番目に重油の規制という問題でありますが、今日、重油ボイラー規制法の廃止という声が、各方面においてかなり強く出て参ってきておると思うのであります。しかしながら、私どもは、やはり国内資源を活用して、国の外貨の負担を軽減するという基本的な立場を貫いて、その立場のもとに、この重油消費規制法については、いましばらく、存続をしてもらいたいと考えるのであります。同時にまた、今日この法律があるにもかかわらず、石炭使用分野がかなり重油に食われてきておるという現状から考えるならば、より以上、重油の輸入と消費の規制を行なっていかなければならないと考えます。特に、電力関係において重油の混焼率が問題となるのでありますが、昭和三十一年ごろまでは火力発電所における重油の混焼率はたしか一一%程度であったと考えるのであります。それが今日では実質的には二五%から三〇%近くになっておるのではないかと想像されます。すなわち、昨年度においては火力発電における重油の混焼率は計画に対して一七%といわれておりましたけれども、これは千三百万トンの計画に対してであって、実際には豊水のために燃料の消費が減少し、その減少した部分がすべて石炭にかぶせられてきたという点から考えるならば、実際の使用面においては一七%ではなくして二五ないし三〇%に混焼率が高まってきておるということがいえると思うのであります。そういう面について、電力関係においても十分、もう少し問題を理解していただき、さらに政府の指導のもとに、こういう面についての規制を強化して、石炭の増納という方法をとられる必要があろうと考えるのであります。
 第三番目に、需要の拡大、開拓を行うという問題でありますが、そのためには、すでにいろいろ政府関係においても取り上げておりますところの石炭の協同販売機構の確立、そういうものを通じての消費者単価の値下げ、あるいはまた各炭鉱におけるところの労使の民主的な協力を通じての生産性の向上という問題を通じて、単価の引き下げをはかる。そういうような石炭関係におけるもろもろの努力を続けるとともに、そういうことを通じて石炭の需要分野というものを、どんどん拡大していくようにしなければならないと思います。同時にまた、新たな石炭の利用分野を作るために、石炭化学研究所の創設というような問題も当然必要となってくるわけであります。
 さらに、最後に、炭鉱における離職者に対する雇用対策の問題ですが、これは先ほども申し上げましたように、各石炭所在地域におけるところの公共事業あるいは新たな産業の誘発ということを行うと同時に、これに対して対応できるような形に、炭鉱労働者の職業転換のための必要なる機関を設置するという問題であります。こういうことを直ちに実施をしていくことによって、今後やむを得ず起るところの炭鉱の失業者を新しい職業に転換させるようにしなければならないと思います。今日、石炭工業整備事業団あるいは中小炭鉱業者の一部においては非能率炭鉱を二百万トンないし四百万トンさらに買い上げを増大すべきであるというような傾向があると承わっておるのでありますが、私どもは、今日まで石炭鉱業整備事業団の非能率炭鉱の買い上げという問題が、日本の炭鉱の能率の引き上げというようなものを通じて非常に貢献してきているという事実は、すなおに認めるものであります。しかしながら、必要なことは、非常に劣悪な条件にあり、低能率にあるところの炭鉱労働者といえども、今日そこにおいて働かなければ行き場所がない状態にあるという問題であります。従ってこういう面について雇用対策の万全を期するということが、まず買い上げに当っての前提条件でなければならないと考えるのであります。先般の百万トン買い上げ、この増大に伴った合理化法の改正に当っては、私ども炭鉱労働組合側からは買い上げ額の増大については、まず雇用対策について政府が責任ある対策を講ずるべきであるということを条件にして提出いたしました。しかしながら、これらについてはわずかに移動資金、平均賃金の一カ月分の限度でこれを支給するというようなことでもってごまかされてしまったわけであります。私どもは、そういうような問題ではなくして、もっと根本的に職業の転換をはかり、失業者の雇用をはかるという面について誠意をもって努力をしていただきたいと考えるわけであります。
 以上申し上げたような意見については、別にことさら新らしい考え方ではなくて、すでに石炭関係の各方面においていろいろな形で取り上げられてきている考え方であろうと思うのであります。ただそういうようなすでに各方面で取り上げられたところのこの考え方、この意見が今日実行されておらないというところに問題があろうと思うのであります。私どもは昨年募れ以来、今日の石炭危機を打開するために、炭鉱経営者の団体と労働組合との間で、炭鉱危機突破のための労使協議会を設置いたしました。そうしてこの中において不況から生じる労働面についてはそれぞれ合理的にこれを解決するための話し合いというものを続けて参りました。同時にまた危機を打開するための政策的な問題についていろいろと経営者団体に意見を提出し、その実行を求めて参ってきたわけであります。しかしながら今日振り返ってみると、前者のいわゆる個々の企業における労働関係の問題については、この労使協議会の話し合いによってかなり円滑に、合理的に処理されたところの一面があるのでありますけれども、事危機打開のための政策的な問題の実行の面については、われわれがいかにこれを主張しても、今日の石炭業者のひより見的な、非常に利己的な態度から、今日までこれが取り上げられず、実行されなかったという点を非常に残念に感じておる次第であります。従って私どもはこういう点についての経営者の反省と、さらにまた政府の指導と監督というような問題を通じて、一つ今まで申し上げたような意見を実行に移し、そのことを通じて石炭産業の危機を打開し、早期安定の方向を確立して参りたいと存ずる次第であります。以上です。
○中村委員長 次は石油連盟副会長の南部政二君にお願いいたします。
○南部参考人 石油連盟の南部でございます。石炭産業に関することでありますが、石油はあたかも石炭産業と対立した産業であるかのごときふうに一般に認識されるようでありますが、全石油製品の需要の中で、石炭と競合するものは、重油の中のほんの一部分でありまして、大部分は石炭をもって代替し得ざる性質のものでありますので、私どもは石炭産業と対立した石油産業を考えているわけでは毛頭ございませんので、石炭産業がわが国の基幹産業として安定した経営にいかれることを衷心祈念いたしておるものであることを、まず銘記願いたいと思うのでありますが、先ほどから石炭関係の方方から述べられます意見が、やや私どもと所見を異にしている点がありますので、二、三の点について申し上げたいと存じます。
 技術の革新に伴うエネルギーのための供給源は、固体エネルギー源から流体エネルギー源に、さらに流体エネルギー源から気体のエネルギー源へ、さらに原子力のエネルギー源へということが、技術革新に伴う世界的な趨勢でありまして、わが国もまたその例に漏回ないと思うのであります。従いまして、ヨーロッパにおきましてもアメリカにおきましても、石炭産業をいかにすべきかという問題については、真剣に目下論議をされつつあるやに聞いておる次第でございます。わが国においてもまた今後、あるいは石炭の消費にいたしましても機械設備その他の改良によりまして、原単価の向上による石炭需要の減退、あるいは一部は重油に転換するという状況は避け得られない状態ではないか、かように考える次第でございます。政府は昭和三十年に石炭鉱業の合理化法並びに重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律を施行せられ、石油の輸入に対しても外貨が事前に割り当てられます関係で、輸入の外貨資金を削減せられる等、一連の措置を政府として講ぜられたのであります。その後石炭鉱業の合理化によって昭和三十五年に――大体五カ年後に期限の参ります、重油ボイラー設置法の期限の参ります明年十月あたりには、カロリー当りの炭価も相当に価格も合理化によってダウンするという見込みであったのでありますが、実際問題としては石炭価格はその間にちっとも値下りをいたしておりませんので、一応の石油に関する参考資料をお手元に差し上げておりますが、大体重油の価格はほぼ安定した線をたどって参っておるわけであります。将来とも大した変化はないものと予想せられるのであります。私どもといたしましてはほんの一部分が重油と石炭と競合するのでありまして、これに自由主義経済下における理想としては、消費者が自由にエネルギー源を選択する。あるものは電気、あるものはガス、あるものは石油、あるものは石炭というふうに自由に選択せしめることが、私どもは理想であると思うのでありますが、実際の国民経済の立場からいきますと、必ずしもそうも相参らぬ節もございまするので、この際その辺の調整は、まさに国家的な問題であり、政治的な問題であると、かように考えるのであります。純経済的に申し上げますならば、私どもはもう重油ボイラーの設置の制限等は期限の参りましたときにはこれを廃止していただきたい。
 なお、先ほど石炭関係からお話がありました輸入関税等につきましてはエネルギー源、産業の動力源としてのエネルギーのような種類のものに関税を賦課するというようなことは、わが国産業の将来の発展に備えてとるべき方策ではない、かように心から考えておる次第であります。なお、重油ボイラー設置の制限に関する臨時措置の法律は、ぜひ廃止していただきたいということで、これは産業団体各方面から商工委員会へも、あるいは政府当路へも要望を申し上げておる次第であります。石炭産業の現況を打開するがために石油あるいは石油の消費者に不当の犠牲をしいることなく、石炭産業自体の本質的な問題として、かつ国民経済上の問題として別途を講ぜられるべきであろう、かように信じておる次第であります。石炭の価格と石油の価格で、カロリー当りの価格が同じであるといたしますると、あるいは灰の捨て場とか、あるいは人件費等、経済的な観点から見ますと、どうしても重油を使うように相なると思うのでありますが、その辺のところは政治的な立場から処理をしていただきたいと思うのであります。ただ私どもエネルギーはできるだけ安価にできるだけ安定した供給をはかるというような建前から申しますると、石炭産業はやはり山元においてこれを流体化するなり、あるいは気体化するなりというような方法をとるべきであり、北海道なり、あるいは九州なりから、あるいは中京地区、あるいは京浜地区へ運んで参りまして、これを電気にするというようなことは石炭産業の将来のためにもとるべき方策ではない、かように考えておる次第であります。
 以上私の陳述を終ります。
○中村委員長 次は電気事業連合会副会長の松根宗一君にお願いいたします。
○松根参考人 ただいま御紹介いただきました電気事業連合会の副会長をいたしております松根でございます。
 きょうお呼び出しいただきました御趣旨はおそらく石炭を大量に消費します消費者の立場で、どういうふうに考えるかという意見を聞かせろという御趣旨だと存じますので、簡単に電気事業から見ましたエネルギーあるいは石炭の問題を申し上げてみたいと思います。
 電力業者が使っております石炭の量は、大体豊渇水で多少違いますが、年に約一千万トン現在ございます。今年の石炭の産出量はかりに五千万トン足らずといたしますと、約二割、従って一番まとまった大きな消費先だろうと存じます。ただいまの参考人のお方のお話にたびたび出ましたように、昨年は異常な渇水でございまして、そのために石炭の消費の必要がなくなりました。しかし当初の三百万トン使いましょうといったお約束は、これを果しませんと石炭業に非常に御迷惑をかけるということから、実はこれを全部引き取ったのであります。御承知のように引き取ると申しましても、各発電所は相当の貯炭場を持っておりますが、こういうふうな必要以上に三、四百万トンも貯炭をいたすとなりますと、実際は置き場もございませんし、一部は山元にお預けする、あるいは置いておききしてもそれがだんだん悪くなってカロリーが下る、あるいは発火するというようなことで、実はただいまも非常に困難をしておるのでありまするが、お互いに大事な唇歯輔車の関係にある石炭業のことでございますので、できるだけ御協力したいということで、昨年はそういうことをして参ったのであります。
 そこで、将来はどういうふうになるかという問題なんでありますが、最近長期の電力の需用というようなものをいろいろ各視野から計算をいたしておりまして、最終的な結論はまだ出ませんが、かりに昭和五十年、今から十六、七年先の状態を考えてみますと、現在のような経済の成長率が相当やはり高度に伸びるのじゃなかろうかというようないろいろな要素が考えられまして、そういうものを基礎にして勘定してみますと三倍ないし四倍電力需用がふえるのじゃなかろうか。そういうような状態を考えてみますと、その必要なる電力を何で供給するかということになりますと、御承知のように日本に残っております水力のもとは、実はそうたくさんございません。従ってその大部分を、おそらく七割近くはどうしても火力発電でやるりかなかろう。そうなりますとこれに要しまする燃料というものは実は非常に膨大な数量になりまして、高い安いは別といたしまして、おそらくその当時の燃料の所要量は石炭に換算いたしまして七千万トン以上要るのじゃなかろうかというような膨大な数字が出る。従って、かりに日本の石炭が七千万トン五十年度に出る、従来の計画のようにいたしましても、電力にいくボイラー用炭というものは、おそらくその三割くらいでございまして、とうていそんなものではまかなえない。それじゃ残ったものは何でやるか、こういう問題はかねてわれわれも考えておりまして、ある時代は石油でいかなければならぬ、従って石油についてのいろいろ見通しもつけまして手も打っておるのでありまするが、結局無限にふえますそういうエネルギー源というものを、全部外国にたよってはいけないということから、いち早く、実はまだ未完成ではありますが原子力の問題と取り組みまして、すでに三年ほど前からやつております。これも皆さんの御協力によりまして、おそらく昭和三十九年ごろには最初の原子力発電機械が動くだろうと思いますが、これがほんとうにものになりますには、これからおそらく十年あるいは十五年くらいはかかるのじゃなかろうか、その間ぼちぼち原子力発電は作って参りまするが、その間はどうしても他のエネルギーでやらなければならぬ。一方においては石炭の出る限界というものはもう知れておる、大部分はいやでも応でも重油ということになるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
 そこでもう一つの電気業の特質といたしまして、元が高くかかれば高く料金をきめていいということに一応いわゆる原価主義という規則にはなっておりますが、実際問題といたしまして、高ければ何ぼでも料金が上げられるという性質のものでは私はないと思うのであります。どうしても、個人の生活なりあるいは産業の基礎になる電気業でありますだけに、そういうふうに高くなるから上げるというわけにはなかなか参らぬ。従ってここ約十年間、再編成後は何とかして電気の値段を引き下げることに懸命の努力をしてきた。従来はどっちかというと電気は足りないからたくさん作ればいいというのが重点でございましたが、最近はただ作るだけではだめであって、やはり安い電気を作る、コストが上らないようにするということに、各社経営の主眼を置いて参ったのでありますが、このことは戦後の資産再評価に不利な点がありまして、どうしても上る面が起きてくるのであります。そこでいろいろ技術的な改善であるとか、あるいは各社協力態勢による合理化でありますとか、広域運営であるとか、いろいろなことを今やっておりますが、今後そういうふうに電力の原価の非常に大きな部分を占めるものが燃料であるということは、実は非常に大きな問題でありまして、そういう意味におきまして、石炭業界とも、なるべく安く、また従来のようにあまり上ったり下ったりしないように、また数量等もなるべく長期の契約で安定させていこうじゃありませんかということで、実は昨年からでございますが、両業界で話し合って、順次そういうことが進んで参っておるのでろります。
 ただ私ども消費者の立場から見ますと、やはりさっき石油業界から話がございましたように広い意味における技術革新というものが、世界的にはもちろんでございますが、日本の生産力、経済力を上げていくという、非常に大きな基盤になっておると思うのであります。そういう点から申しまして、石油というものと石炭というものの燃料としての根本的な差異が、今日こういう石炭を非常な不況に落しておる。これは決して景気、不景気の関係ではない、一種の革命的な問題ではなかろうか、こういうふうに実は考えておるのでございます。おそらくそういう問題は、原子力が非常に発展しました場合には石油、石炭について同じような問題が起ってくる、またそれが日本の経済なり世界の経済が発展する上で避けられない一つの運命ではなかろうかというふうに考えておるのでございます。しかしまた電気事業といたしましても、今日までほんとうに火力発電の全部をまかなってきております石炭でございますだけに、どうしてもやはりこれはこれで何とかそういう優秀なエネルギーに負けないようなものにしていただきたいということで、常にいろいろお話を申し上げておるのでありまするが、ただわれわれが御協力するというだけでは、なかなか石炭の問題は解決しないのではないか。やはり石炭自体としてまずおやりになる、そしてそれについて関係財界はもちろんのこと、政府もこれに一つ協力していただくということでこれを解決することしか方法がない、またそういう段階に来ておる。その具体的な方法については、私の前に述べられた南部さんのお話がいろいろございますので、繰り返しては申しませんが、そういうことは、私はどうもできるのじゃないか、方法があるのじゃないかというような感じを持っております。また、先ほど来お話がありましたように、石炭業界がそういう非常な暗い気持では、なかなかそういう思い切った処置もできない、やはり石炭業界をみんなで鼓舞して、理想の姿に持っていくようにしていきたいということを電気事業者としても心から念願をいたしておる次第でございます。
 最後に、ボイラー規制法の問題、これはさっき石油業界からもお話が出ましたが、実は私どもは全く南部さんのお話と同じ意見を持っておるのです。エネルギーの石油と石炭の問題は、実はボイラーに関したことだけではないのであります。現に、国家でやっておられる国鉄のごときは、従来は石炭のかまで走っておった、ところが、これはとても引き合わぬというので、電化をし、あるいは一部を重油にかえておられる。こういうようなことは、もしどうしても経済性を無視してやらなければいかぬということになると、そういうことも、同じような処置をとらなければいかぬと思う。また、化学工業のごときは、とても石炭ではいけないというので、天然ガス、あるいは重油に転換される。ガス事業も同じようなことで、最近の話を聞いてみますと、非常に安いガスが国内でもできれば、外国からも来る。そういうようなことになってきますのも、もとはやはり石炭が高いということから来ておるのではなかろうか。先刻石松さんのお話があったように、千円くらい下りますと、私は相当需要もふえてくるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。そういう意味におきまして、この重油の規制法、ボイラー規制法というようなものは、やはりそういうものだけで決して石炭業が救われるものではない、むしろそういうものをはずして、いわゆる自由な状態、消費者が自由に使える状態においてこそ、初めて石炭業がほんとうに立ち直るんじゃないか。またそういうふうな無理な使い方をさして、そのために一国のエネルギーがゆがめられた形でいくことは、大きな国家の経済から申しましても、いかぬわけです。ことに、電気のごときは、かりにボイラー規制法を全廃いたしましても、それじゃ石炭が減るかといいますと、わずかな分は減るでしょうが、今のような大勢から申しますと、全体としてはふえるわけでございます。そういうわずかなことでは、決して石炭の根本問題は解決しないと思います。むしろ、安い燃料を使わせることによって石炭の合現化を促進していくというような自然の姿がいいんじゃなかろうか、こういうふうに電気事業者としては考えておる次第でございます。
 簡単でございますが、私の意見はこのくらいにしておきます。
○中村委員長 次は、全国鉱業市町村連合会会長の坂田九十百君にお願いいたします。
○坂田参考人 私は、全国鉱業市町村連合会の会長、福岡県の連盟の会長で、田川市長であります。
 本日は、石炭合理化法の施行に伴う離職者問題について、地方自治体の悩みを聞いていただく機会を与えていただきまして、まことにありがたくお礼申し上げます。
 資料はお手元に差し上げております。今全国の資料を集めておりますが、まだ集まっておりません。従って、大体福岡県の資料だけを差し上げておるわけでございます。なお、商工委員会におかれましては、近く各地方に調査においでになるそうでございますので、常磐地方は常磐地区の会長から、佐賀、長崎両県はそれぞれの会長から資料を集めまして御陳情申し上げることになっております。
 この資料によりましても、すでにおわかりのことと考えますが、石炭鉱業合理化臨時措置法によりまして一番大きく買い上げられたのは、福岡県、しかも筑豊地区でございます。なお、六月末の県の労働部の資料によりますと、合理化法によって買い上げを申請して、その抽せんに漏れた中小炭鉱の今後休廃山による失業者の数は大体千八百五十三名、それから政府の生産制限による中小炭鉱の企業合理化による失業者は三千七百人、それから大幅の企業合理化による失業者が一万一千七百五名となっておりまして、総計一万七千二百五十八名の失業者が新たに出るということが予想されるのでございます。この数字は、もちろん炭鉱に正式に在籍しておる者の数字でございまして、これに関連する下請業者、その他の関連した事業に携わっておる者の数は、これには入っておらないわけでございます。そうなりますと、大体の数は六万名をこえると考えられるのでございます。こうした失業者が多発いたしましても、私どもはこういうことを予想いたしまして、一月以来ずっと陳情を硫けて参ったのでありますけれども、具体的な案が全く出て参りません。国の方に参りますと、相当大幅な公共事業費を増額いたしておるので、合理化法によって生ずる離職者はこの中に吸収できるのだというような話を承わりまするけれども、県の負担分が十分でないために、県で予算化されておる額は、平均して、国が認めました額の大体七〇%、閣議報告によりますと、福岡県で七十九億の事業費が増額せられておりまして、これは年間一日平均千九十八人を就労せしめることになっておりますけれども、県の段階におきまして、これが七〇%しか予算化されませんので、従って、そうした数字はから回りの状態でございまして、実際は約七百名程度が就労できるんじゃないかと考えられるのでございます。そうなりますると、石炭鉱業合理化臨時措置法によって生まれました現在の数と、新たに今後炭界不況による失業者と合せまして六万名にも達しようとするときに、わずか一日七百名や八百名の就労ではどうにもならないような状態でございます。そこで、お手元に差し上げてありまするように、いろいろな打開策をお願い申し上げておるわけでございますが、私どもは、さっき石炭協会、あるいは連合会、あるいは総評、全炭等の代表が述べられましたが、石炭鉱業の今後のあり方等につきましては、こうした方々の意見を十分尊重していただきまして、そうして万全の策をとっていただきたいと思いまするが、私ども自治体の者といたしましては、当面の、ただいまの失業者の問題で、特に一月、二月からずっと関係各省に陳情いたしておりまするけれども、臭木的な案が出て参りませんが、こういう面につきまして、いろいろ法的にも疑義があるそうでございます。現行法では、とうていそうした失業者を吸収するようなことはできない。そこで、どうしても特別立法をやってもらって、そうして、こうした離職者を吸収していただきたいと存ずるのでございます。私ども自治体といたしましては、第一番に、やはりこの離職者の分布状態とにらみ合せまして、その地域に適当な公共事業をやってもらいたい。もしその地域に適当な公共事業がないとするならば、第二には、たとえば県内にいたしましても、北九州あるいは南福岡等に適当な事業がありまするならば、輸送施設あるいは飯場施設あるいは簡易住宅等を作っていただきまして、その方面に移住させていただくような措置をとってもらいたい。第三には、全国いかなる土地でもよろしゅうございまするが、たとえば電源開発あるいは伊豆の災害復旧その他の大きな事業等に炭鉱失業者の諸君を吸収できるように――私の地区から相当の数が伊豆の災害地に参っておりますけれども、これは単身でございます。相当の年輩でございまして、妻子を残して、単身で仕事に参りましても、なかなか長くは続きません。半年か一年は続きまするが、二年、三年となりますと、とうてい続くわけではございませんので、できる限り一つ家族ぐるみ引き取っていただくような簡易住宅を作っていただきまして、そうして引き取っていただきたい、こういうふうに存ずるわけでございます。もともと福岡県の炭鉱失業者は、先祖伝来福岡県におった人ではございません。戦争中は、一塊の石炭は血の一滴だ、あるいは終戦後は日本の再建は石炭からだといういうようなことで、全国の職業安定所を総動員して、そうして全国から集まった炭鉱労務者でございます。炭鉱が今日のような状態になりましたならば、やはり全国の適当な地に吸収していただくような措置を講じていただきたいと存ずるのでございます。
 根本的なエネルギー対策につきましては、それぞれの専門家から述べられましたので、重複を避けますが、よろしく皆様方の御理解をいただきまして、万全の策をとっていただきまするようお願い申し上げまして、公述を終らしていただきます。
○中村委員長 以上で、参考人の方々の一応の意見の陳述は終りました。
 次に、質疑の通告がありまするので、順次これを許可いたします。多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 まず石松石炭協会会長にお尋ねいたしたいと思いますが、石炭協会では、今日の日本の石炭の状態を、景気変動の中の一つの影響と考えられておるか、あるいはまた豊渇水による一時的なものである、この二つの要素と考えられておるかどうか。いなそうでなくて、石炭鉱業の本質的な問題としてお考えになっておるかどうか。これをお聞かせ願いたい。
○石松参考人 ただいまの御質問にお答えします。もちろん当面の問題といたしまして、需給の非常なアンバランスができたということが、直接の原因ではありましょうが、本質的には、やはり燃料革命の時代に入ったのではないか。たとえば先ほど話が出ましたような重油とか、あるいは液化ガスとか、さらに将来においては原子力というようなものが、エネルギーの分野を大きく侵食してくる可能性が強いので、そういう点が、従来の単なる景気、不景気の変動だけではなくて、本質的に非常に重要な問題を将来控えておるので、それを将来私どもといたしましても重大に考えておるわけであります。
○多賀谷委員 先ほど石松会長のお話によりますと、いろいろな要請並びに政策が言われましたけれども、尽きるところは、どうもコストを下げていくんだという一点に尽きておるようでございます。しかし石炭鉱業の本質的な問題は、単に価格だけの問題ではないと私は思います。たとえば国鉄の電化にいたしましても、これは煤煙がこないとか、快適であるとか、あるいは石油の問題にいたしましても、なるほど値段の問題もございましょうけれども、操作に便利であるとか、こういう問題がかなり大きなウエートを占めておる、こういうように判断をされるわけです。そこで各国の石炭の最終使用量の変化をながめて見ますと、日本だけではなくて、各国とも、最終使用量というものは、あまりふえてない。総体的には減少の一路をたどっておる、こう言ってもいいのではないか。すなわち、他のエネルギーに転換をして初めて石炭の需要が伸びておる、こういう状態ではないかと思うのです。そこでこの需要拡大について、経営者としては、どういうふうに努力されておるのか。石炭合理化法案が昭和三十年に出ました当時、われわれが議論をいたしましたことと同じことが今日言われておる。石炭経営者としては、一体その間の需要の新規拡大についてどういう努力をされたか、お聞かせ願いたい。
○石松参考人 私どもとしましては、まず価格を下げるということが、現在の石炭界としては第一に取り組まなければならぬ問題でありますが、それにはまず第一に需要の拡大ということがその基盤になるわけでございます。従って需要の拡大のためには、これはまた話が返りますが、石炭の値段を下げるということがやはり根本になるのであって、そのほかいろいろ需要の拡大につきましても、これを地元において完全ガス化するとか、あるいはこれを電力に変えて遠方に送るとか、あるいは関連産業、いろいろな産業において石炭が使えるように、いろいろと努力はして参ったのでありますが、今後におきましても、さらにするとかいうようにこの需要の拡大について、先ほど申しましたような完全ガス化とか、あるいは現地における電力化というようなものについても、目下検討中であります。
○多賀谷委員 将来の需要の見通しをながめて見ますと、最終使用量においては、鉄鋼は確かに伸びるわけです。これは確かに伸びていく。その次にはセメントが伸びる程度で、あまり他には期待できないような状態であります。ですから、結局電力とガス、言ってしまえば、それに期待する以外にはないのではないか。そこで価格を下げるという問題が当然起つてくるのですが、価格を下げるにいたしましても、今九州と北海道では、大体重油に拮抗できる価格にある。そういたしますと、山間地から離れた大きな消費地において、結局重油の価格と太刀打ちできないという問題が起っておる。これについては、高碕構想というものが――これは正式に発表されたのかどうか知りませんけれども、とにかく新聞でわれわれは見ました。すなわち、いわば輸送費のプール制ともいうべき問題をあげられております。この問題については、業界としてはどういうようにお考えですか、お聞かせ願いたい。
○石松参考人 先ほど申されましたような流通機構の問題についても、私どもは、この際コストの引き下げにかなり貢献するものであるというふうに考えておりますので、これも目下早急に検討中でございます。
○多賀谷委員 どうも検討中々々々ということですが、これは昭和三十年度に当時業界から来ていただきまして、そしてお聞かせ願ったときも、やはり検討中でございました。二十八年、二十九年の不況のときと同じ状態が、今日起っておるわけであります。そうしてわれわれといたしましては、合理化法案を作り、重油ボイラーの規制法案を作って、一応政府としては、ことに立法府としては、かなりの施策をしたつもりであったわけでありますけれども、今日またこういう状態の出現を見たことは、非常に残念に思うのです。たとえば一例をあげますと、この前のときに非常に声を大にして叫ばれました石炭化学とかあるいは一般炭の完全ガス化、こういう問題もかなり大きな声で叫ばれたんですが、その後一向その成果らしいものを聞かないのです。これは私は卒直に言って、政府やあるいは他の化学会社なりガス会社にたよっておったのではいけないと思う。他の化学会社やガス会社は、むしろ石油を使うとか、あるいは天然ガスを使った方が便利でありますし、またすでにその技術は一応完成を見ておる。あるいはまたガスにいたしましても、原料炭のガス化をして、そうしてコークスを売っておるわけでありますが、これも私は、コークスが需要が頭打ちという状態においては、ガス会社としても考慮せざるを得ないでしょうけれども、しかしLPGが入ってくる、あるいはLMGが入ってくるという状態になりますと、これは私は卒直に言って、ガス会社というのは、研究はしないだろう、結局石炭会社が研究しなければならない問題じゃないか、両方とも私はそう思います。
 そこで、一体石炭経営者としては、この四年間どういう研究を具体的にされたか、これをまたお聞かせ願いたいと思うわけです。ただ検討中ということでありますと、このまままた少し事情が違いますと、一時的な小康を得ますと、またこれが放置されていく、次にまた本質的なものが来る、もう次に来たときは、私はどうにもならない段階に来ておるんじゃないかと思います。そこで協会としては、一体この四年間どういう研究をされ、具体的にはどの程度進んでおるのか、これをお聞かせ願いたい。
○石松参考人 おっしゃる通りで、これは協会としましても、過去四年間何をしたかというおしかりでございますが、私どもといたしましても、たとえば石炭化学の問題その他についても非常に関心を持ちまして、内部的にはいろいろと検討をして参ったのでありまするが、何せ単に石炭化学と申しましても、これを企業化するということになりますと、非常に問題があります。たとえば高度の技術あるいは莫大な投資ということがさつそく起るわけでございまして、さらにそれに続きまして、果してこれを企業化して、今のガスあるいは重油に対抗できるような需要になり得るかどうかというところにも、かなりの疑問が起っておりますので、いろいろと研究はしておりますが、今さしあたりいわゆるテスト・プラント程度のものでありますが、北炭さんでは川口の研究所で石炭化学の研究をやっておられるのが実情でございます。その他各社におきましては、それぞれ石炭を使用するセメント工場あるいは製塩事業等というものをやったところもございますが、業界一般としては、遺憾ながらまだ御期待に沿い得るような方向に進んでいないと思います。
○多賀谷委員 私は、これだけ大きな問題は、性格的に一企業の危険においてやるべき問題じゃないと思います。ですから、やはり各社が全部共同をして、研究所を作ってやるのが至当じゃないかと思うのです。単にもうかるような会社が一企業としてやる、そういうことになりますと、一企業としてやりますから、どうしても秘密主義をとる。でありますから、せっかく伸びた研究も、他の会社があるいは若干その程度ならやっておったかもしれぬ、こういうことになりますから、どうしても私は国の援助を得て総合的に研究所を設ける、これが必要ではないかと思う。このことが私は、今石炭鉱業の本質的な危機が来ておりますから、きわめて重大なことではないかと思うわけですが、一体協会は近き将来においてそういう意思があるかどうか、お聞かせ願いたい。
○石松参考人 ただいまのお話のように、石炭業界といたしましてもこの問題は非常に重要に考えておりますので、またおしかりを受けるかもしれませんけれども、目下検討中でございます。たとえば研究所の設置問題等についても、相当真剣に検討を進めております。
○多賀谷委員 実は私たちも立法府におりまして、ことに石炭鉱業は日本の基幹産業でありますし、さらにまた他の基幹産業に比べてより多くの雇用をかかえておる産業であります。電力にいたしますと、一億円投資をいたしましても、わずかに一人から一人半あるいは二人という程度しか雇用がなされていない。ところが、石炭は一億円投資をしますと、三菱の古賀山や明治の佐賀のような新しい炭鉱でも、四十七人くらいは雇用を維持していける。こういうことで、雇用面から見ると、こういった多くの雇用量を同じ投資でかかえてくれる産業はないわけであります。それだけに、同じ石炭鉱業の危機が来たといいましても、アメリカやあるいは欧州のようないわば完全雇用のところにおいて石炭の危機が来たといいましても、割合に雇用問題というのは日本のような深刻さを見せない。でありますから、比較的私は同じ危機でも比重が違うと思う。日本でも雇用問題さえなければ私は非常に簡単だと思う。だれもあんなきつい坑内に入って、そうして生命を犠牲にして働くことを好む人はないんですから、私は雇用問題がないということになりますと、これは比較的簡単だと思いますが、残念ながら雇用問題をかかえておるというところに、この石炭鉱業の非常に本質的な、逆にいえば脆弱さがある、こういうように考えるわけです。そこで、今私が申しました総合研究所の問題は、これは後ほど大臣にもお聞きするわけでありますが、ぜひ一つ早く設立していただきたい、このことをお願いするわけですが、長岡さんの方はどういうようにお考えですか、この点についてお答え願いたい。
○長岡参考人 十八社以外のメンバーは御案内のように、非常に数が多いのでございまして、研究がどのくらい必要であるか、あるいはそれがどの程度に見込みがあるだろうかということの自分たちだけの判断は、なかなかむずかしいわけでございます。従いまして、先ほどもちょっと申し述べましたように、一例でありまするが、石炭の地元における利用についても、やはり日本石炭協会のメンバーと常磐で共同して考え出した、この前の不況時代に考えたわけです。そういうような次第であります。やはり日本石炭協会といろいろ共同研究いたしまして、進めていきたいものだと思っております。
○多賀谷委員 三十年の不況のときにただ一つ得られた収穫というのは、確かに常磐火力であったと思います。これ以外には卒直に言ってこの収穫はなかったように思うわけですが、そこで私は、協会の方でかなり膨大な費用を出され、政府も若干費用を出したのがありますけれども、日本にフランスのソフレミンの調査がなされて、しかも膨大な報告書が提出されました。これは億をこえる金額と相当の日数がかかっておるように聞いておるわけです。ところがこのソフレミンの報告書が何ら実現をされない。その方向に行くどころか逆の方向に行っておる。こういうことをわれわれは現実に見て、非常に残念に思うわけです。ソフレミンの報告書の基本は、とにかく将来は原子力時代になる、そのことをやはり考えておかなければならぬ、原子力の大量使用が始まるまでの間が石炭工業としての繁栄の最後のチャンスである、こういう考え方から出発しておるのです。でありますから、鉱区の問題にいたしましても、ある会社においては三百年、四百年もの鉱区をかかえておる必要はない。むしろ鉱区は国民のものなんだから、そういうところはむしろ――そこまでは具体的にはいろいろな制約があって書いてはおりませんでしょうけれども、早く開発をするということをいっておるわけです。
 そこで長岡さんにお尋ねいたしたいと思いますが、この中小炭鉱の問題について中小炭鉱開発事業団を設立して、政府の指導、援助のもとに資金あっせん、技術の援助を受けて、適正に炭鉱を作って、数社で統合してやるべきだということを書いておるわけです。報告書でそういうことを指示しておる。ところがこの報告書が出されて相当の日数がたつにかかわらず、中小企業の方から残念ながらそういう声を聞かない。これは一体どういう理由であるのか、お聞かせ願いたい。
○長岡参考人 ソフレミンの報告はたしか一九五七年の状態だったと思います。当時の状態は多賀谷先生も御存じのように、大体世界的に石炭の増産をしていく方向に五七年時代はあったと思います。その後間もなくなかなかその通りに進まないことが五八年、五九年とわかって参りましたので、先ほど御指摘の中小炭鉱は共同してやるべきだ、思想といたしましてはそういうことを考えなければいかぬと思っておるのでございますが、あいにくメンバーの中では、具体的にそれでは共同に進もうあるいは政府の力を借りようというところまで話が進まなかったのが事実でございます。
○多賀谷委員 ソフレミンの報告書が出たのは、ちょうどいわば増産態勢を要請されておったときだ、こういうことなんですが、そこで私は石松さんにもお聞きしたいのですが、先ほどあなたから、七千二百万トンは再検討しなければならないだろう、こういうことが前提である、再検討というのは七千二百万トンを少くするという意味のように承わった。そこで私は、今後日本の石炭業界は一体縮小再生産の方向をたどるのか、拡大生産の方向をたどってコストを下げていくのか、これをお聞かせ願いたいのです。と申しますのは、ソフレミンは昭和五十年に七千二百万トンというような少い出炭ではコストが下ることは期待できない、こういうことをいっているのです。日本のエネルギーはまだまだ伸びるのであります。昭和五十年度になりますと、石炭換算で二億七千万トンのエネルギーが必要なんだから、とにかくまだ伸びるのだから、むしろコストを下げるには昭和四十年に七千万トン、四十五年には七千六百五十万トン、こういうように出さなければコストは下りませんよ、こういうことをいっておる。そこで一時的な今の段階は別として、将来において拡大生産をたどらなければ、私はコストは下りっこないと思う。七千二百万トンでも今後国民所得は六・五%伸びるという。しかしそれも、今政府は六・五%では少いから七・二%にかえようということを言っておる。それから国民一人の消費水準も現在は五・五%です。先ほど古賀炭労の事務局長からお話がありましたが、一般の労働者が上るのに、炭鉱だけ労働者を上げないという政策はやはりできないだろう。一般の国民消費水準の伸びの程度には、少くとも炭鉱労働者の賃金を上げていかなければならぬ。そうするとその面からいっても、七千二百万トンでは現在の雇用を維持することはほとんどできないだろう。そこで問題は、一体協会として今ごろ七千二百万トンを検討せざるを得ないだろうとみずから言うくらいなら、日本の石炭鉱業というものはますます重大な危機を招来すると言わざるを得ない。石炭協会くらいは七千二百万トンでもいいのだ、まだ足らぬくらいだと言うのかと思うと、いや自分の方で旗をおろしていくということでは、私は大きな期待はできないと思う。一つ心がまえを聞きたい。
○石松参考人 私が申し上げましたのは、たとえば今の五カ年計画において、昭和三十三年度の出炭計画は五千六百万トン、昭和五十年度において七千二百万トンという数字が出たし、昭和三十三年度においてすら、すでにわずか需要は四千八百万トンしかなかったというので、今日のような不況の大きな波をわれわれはかぶっておるわけです。しかしながら先ほどお話の中にありましたように、日本におけるエルルギーの使用の増大ということは必至でございます。しかもそれを将来とも外国燃料に大きく依存していくということは、いろいろな面で、外貨の点とかあるいは国際情勢の変化ということを考えますれば、かなり危険もあるので、やはり私どもといたしましては、国内にあるこの資源を有効に使っていきたい。それにはまず先ほど申し上げましたように、コストを引き下げなければならぬが、その引き下げる前提として、第一の条件はやはりどうしても増産をしなければコストは下らないということです。それで七千二百万トンが多いとか少いとか言っておるのじゃなくて、この前のようなあの計画の二の舞いを踏まないように、価格の面あるいは数量の面あるいはほかの競争の燃料の面、そういうものを勘案して、もう一回長期計画の検討をせざるを得ないだろうということを申し上げたのです。
○多賀谷委員 そういう意味ですか。七千二百万トンの量は少し過大であるから引き下げよう、こういう意味ではないのですね。
○石松参考人 はい。
○多賀谷委員 しかしほかの方は全部そうとっておりますよ。私が言うようにとっていますよ。では続いてお聞かせ願いたいと思いますが、先ほど電気の方からのお話もあったわけですが、若干ごもっともな点もあると思うのです。と申しますのは、石炭価格が非常に変動する、電気の方は原価主義と言いましても政府の認可制ですから、これまたなかなか価格の変動というものにはお困りだろうと思う。合理化法案が出ましてその後すぐ、いわば神武景気というものが起った。そこで石炭の買いあさりという問題が電力会社には起った。そこでわれわれが電力用炭だけで調べてみましても、三十一年度にすでに二百円から八百円の値上りを見た。炭価がさらに三十二年度においては上期で五百五十円一挙に上っておる。さらに三十二年の下期は五十円の引き下げになりました。これからずっと下っていくたわけですが、さらに三十三年になりますと、上期で二百五十円、下期でさらに五十円、三十四年になりますと、さらに二百円引き、こういうようになっておる。このことは、これは電力だけでなくて、石炭の方もまた逆に困るわけでありまするから、私はこういった価格の安定については、一つ炭鉱の方も何らか自主的に考えられるなり、何らか価格の安定というものを考えなければ、非常に大きな需要者であるまず電気に非常な迷惑をかけるじゃないか、かように考えるわけですが、それについて石炭協会並びに連合会では、どういうようにお考えでありますか、お聞かせ願いたい。
○石松参考人 ただいまの御質問ですが、おっしゃる通りで、私どもといたしましても、また電力業界といたしましても、やはり石炭の使用量並びに価格の安定ということが非常に大事なんでございまして、これは両業界ともよく懇談をいたしまして、その意見は一致いたしておりますので、今後ともそういう方向に進もうじゃないかというふうになっております。
○多賀谷委員 ところが、価格が一定いたしましても、豊渇水の問題があるわけです。これは一割雨が多く降れば、すぐ三百万トン以上も石炭が要らなくなる。渇水になればその逆になる、こういう状態で、少くとも六、七百万トンのこの石炭の需要が、一割の水が出る出ないによって動く、こういうことは、日本で水力が今まで多かった状態において、あまり西欧なんかには見ない点でありますけれども、さらにまた火力が今度だんだん比重を増しますと、トータルとしてはさらに大きくなると思うのです。比率はどうなりますか、むしろ新鋭火力がコンスタントに動くということになりますと、比率は必ずしもそういう状態にないでしょうけれども、量としては非常な差が出てくる、こういうことは否定できないと思います。そこで、豊渇水に対する対策といいますか調整といいますか、火力用炭の調整は、電気会社としてはどういうふうにお考えであるか。これは、電気会社の方は渇水準備金という制度もありますし、電気会社の方としてはコストの方には調整の機能がありますけれども、炭鉱にはない。しかもこれが需給関係を大きく左右する。どうしても調整機構の確立ということをやらなければならぬと思うのですが、われわれはかつて両方で貯炭場を作るという話も聞きましたけれども、それもどうも立ち消えになったようでありますし、とにかく今後電力用炭の比重が大きくなればなるほど、この問題は真剣に考えなければならぬと思うのですが、一体電気会社ではどういうようにお考えでありますか、また石炭会社ではどういうふうにお考えですか。
○松根参考人 こういうふうに日本の国が細長いものですから、いろいろ天然現象として、そういうことが起ることはどうしてもやむを得ないと思うのですが、大勢といたしますと、火力がだんだんふえますので、今の豊渇水の問題は、差がだんだん縮んでくるということはいえると思うのですが、とりあえずの問題といたしましては、特に最近のような石炭業界といたしますと、この景気、不景気もありますし、豊渇水もありますが、そういう需要の変動に対処して生産を調節する機構が、非常に不十分である石炭業界に、そういう豊渇水の波を持たせることは根本的に私は無理じゃないか、むしろそれは輸入エネルギー、つまり重油でこれを操作するということを原則とするのがいいんじゃないか。しかしそれにいたしましても、多少の動きは石炭でも持てるはずだ。また場合によればそういう問題について共同の、あるいは全体の産業界が一緒になった一つの貯炭の機構といいますか調整機構といいますか、そういうようなものも考えていいのじゃないかというようなことは、すでに石炭の方からもお話がありまして、まあ一つ具体的な案が出ましたら相談しましょうという話になっていますが、原則としてはやはりそういう大きい幅の豊渇水のものは、輸入エネルギーといいますか、重油というもので調節するのが一番いいのじゃなかろうか。また品質的にも石炭というものは、そう長くもてませんものですから、やはりそういうふうに今のところ電力業界としては考えております。
○石松参考人 私どもといたしましても、おっしゃる通りこの需給調整機構という問題は、当座の問題もさることながら将来においてもぜひ必要だと考えておりますので、これも今、最もその大きな消費者である電力の方にもお願いいたしまして、今石炭内部におきまして、その、どういう機構、またどういう方法でやるかという案を練っておりますので、いずれ近いうちには電力の方に、具体案を御相談することになると思います。
○多賀谷委員 重油で豊渇水の操作をするというお話ですけれども、渇水の場合は重油を入れればいいのですが、豊水の場合はやはり石炭が余るという状態になる。そうすると一定の平水以下に常に石炭の計画を見るかということになるわけですけれども、私はそれをやったのでは、やはり先ほど申します日本の石炭のコストというものは下っていかないと思うのです。そこにむずかしい問題がある。ことに私は電気会社に要望したいのは、石炭の需要を伸ばせといいましても、電力かガス以外には、要するに流体のエネルギーに転換をしなければ伸びないです。ですから石炭を最終消費に使えといいましても、鉄鋼なんかのような場合は別ですけれども、一般の家庭にいたしましても、その他、先ほどから技術革新の話がありましたけれども、それは電気だってあるいはガス会社だって、技術革新があるのだとこういわれますけれども、私はその点は電気の量がふえるのですから、あるいはガスの量がふえていくのですから、電気やガスの会社というものは、この最終的な使用は他の産業がやるのですから、私は一応石炭というエネルギーを電力あるいはガスに転換をするということには非常な御協力を得たいと思うのです。そうしないと石炭のコストも下りっこないし、ますます石炭を使わなくなる。このことは私が先ほど申したように、日本の雇用という面からいいますと、きわめて重大な問題があるわけです。あるいはまた、輸入エネルギーに待つといいましても、七千二百万トン掘ってしかも五十年度の、現在の計画でも四八%の輸入エネルギーに待つのですから、これは外貨の問題だって相当大きな比重を占めてくるわけです。果して四八%の輸入エネギーに待って、日本の外貨が十分あるかどうかという問題も、何もエネルギーだけ買うわけじゃないのですから、私は今後大きな問題、その他の原料を買わなければならぬという問題もあるでしよう。ですから私はなるべく電気会社というものは石炭を使っていただきたい、こういうように考えるわけであります。これについて一つ忌憚のない御意見を伺いたいと思うのです。
○松根参考人 ただいまの御質問に対する考え方は先刻申し上げたように思うのでありますが、この豊渇水の問題は、今の考え方はやはり豊水のときを前提にした契約、これは絶対に引き取るという前提で御契約をする建前になっております。従って渇水になったときの数量は、石炭の方に石炭があれぱ売っていただくし、ない場合は重油でやる。ただこの状態はすぐ解消するのじゃない。と申しますのは、日本に出る石炭の量がそのべースを持った量しか出なくて、そのベースを持つものでも油でやらなければならぬ時代がすぐ来るのじゃないかというふうに考えておりますので、この豊、渇水に対する問題と石炭の問題は、そう長い期間問題になる問題じゃないと考えております。
 それからもう一つ、輸入エネルギーに対する外貨その他の問題ですが、これは私も最近研究はいたしてみておりますが、日本の経済がそういうふうに大きくなっていきますれば、私は外貨の問題は必ずしもそう心配する必要がないのじゃないかというふうな考えを持っております。と申しますのは、日本の経済の基盤は、将来ますます日本の資源でやっていくものはなくなって、大部分は輸入原料になるだろう、そういう建前で日本の経済の将来は今描かれているだろうと思いますが、そういう意味において外貨の問題は、その必要なるエネルギーの限度においては必ずしも心配ないし、またそれを国内の石炭で全部まかなうといっても、実際はそうは出ないのじゃないか。だからむしろその先を飛びこえて、先刻申し上げたように、どうしてもそれにかわる原子力で行くしかないというふうに電力の方では考えております。
 御質問に対して多少時間的な見方のズレがあるかもしれませんが、大体はそういうふうに考えております。
○多賀谷委員 私たちは、計画は平水で行われておる、こう見たわけです。最近はずっと平水でなくて、四%あるいは七%ずつオーバーになっております。けれども平水で行われておる。平水というのが千三百万トン、こういう数字であったと思います。豊水で行なったということは残念ながら聞かないのです。炭価をきめる場合にも常に問題になるのですが、それは平水でやるのですが、あなたの方は豊水でやるのですか。
○松根参考人 これは豊水でやっております。と申しますのは、最低に引き取る数量をどう確定するかということは問題でございまして、一昨年は千三百万トンという話し合いはしておりましたが、しかしほかの石炭もだいぶ余るので、われわれの方としては昨年は平水の計算で全部お引き取りはしたのですよ。全部お約束の通り。それは平水換算にしたときの数量を引き取ったわけです。引き取らなくて山元に預けたのもありますけれども、しかし建前は、お互いが責任を持つものは豊水のときでございますね。豊水も限度がありますが、ある基準を設けた豊水でやりまして、その上下一割はお互いに責任を持とう、こういうことです。
○多賀谷委員 値段をきめるときには平水でやって、石炭の引き取りは豊水でやるというのはどうも理屈が合わぬわけですが、それは別の機会に公益事業局長から聞きたいと思います。
 そこで私は、地元の関係者が見えておりますから一言お聞かせ願いたいと思いますけれども、先ほど炭鉱地帯は元来そこにおった人じゃなくて、よそから来た人だからよそへ移動さすという話がありました。それにいたしましても、労働力の移動というのはなかなか困難です。そこで各国におきましても資源が枯渇いたしました地域というものは非常に困っておる現状です。アメリカ、イギリスのように完全雇用のところでも、あるいは軍事産業が、その産業は今なくなった、あるいは繊維が化学繊維にかわったとか、あるいは炭鉱のように資源が枯渇した、こういう地点に非常な不況地帯が部分的に出ておるわけです。ですから今お話がありました坂田田川市長さんは、おそらくその特殊的な失業者多発地帯におられるのだろうと思いますが、何らか法律を作ってくれというお話でありますが、やはり多発地帯に新しい産業を誘致するなり、あるいは特殊な失対事業をやるなり何かやらなければ、私はどうにもならないのじゃないかと思う。そこで地元の方でそういう計画があるのかどうか、あるいはまた今のような制度ではどうにもできないので、ばらばらで事業がくる、だから一本の何か開発法でも作ってもらいたい、こういう意味であるのか、これを一つお聞かせ願いたいと思います。
○坂田参考人 私のお願い申し上げましたことは、別に石炭需要の際に全国からそうした募集をやって集まってもらっておるので、石炭が不況になったのでまた帰ってもらいたい、こういうことが主体ではありませんが、でき得ればやはり離職者の分布状態とにらみ合わせて公共事業等を興して、暫定措置ではありますけれども、そうした措置をやってもらいたい、こういうことでございます。皆さんに差し上げてあります資料にもある程度は具体的に公共事業をやってもらいたいということを出しております。ところが国の直轄事業でやっていただく事業が、筑豊地帯にはきわめて少いのでございまして、でき得れば二級国道の一部を直轄事業でやってもらいたい、あるいは北九州に送水する八木山ダムあるいは筑豊地区の灌漑用水あるいは工業用水あるいは飲料水をまかなうための中元寺ダムあるいは内住ダムを直轄事業でやってもらいたい、こういう事業をいたしましても筑豊地帯の離職者を吸収するには相当の年月を要します。とりあえずの問題といたしまして、こうした事業をやっていただきたい。それから炭鉱地帯、筑豊地帯にその地方の資源を生かして化学工場等を設置してもらいたい、あるいは発電事業あるいはカーバイド事業等を誘致するという方法もあることと考えております。けれども今のところ私どもとしてはそうした具体的な事業というよりも、むしろ当面の県や市町村の財政を脅かしておる失業対策問題について、こうした公共事業や失対事業を興してもらいたいということであります。
○中村委員長 次は滝井義高君。
○滝井委員 私は石松さんと長岡さんに一、二点だけお聞きしたいのですが、さいぜん現在の石炭産業の危機は景気の問題ではなくして、むしろその石炭産業自体に宿る、もはや本質的な問題として現われておるということを電力の方の松根さんもおっしゃいましたし、石松さんも多賀谷君の質問に対してはっきり言われたのですが、いわば燃料の革命である、こういうことを言われたわけです。しかし一方しからばその燃料革命に直面して、具体的に何かその対策はということになると、検討中だ、こういうことになっておるわけです。すでに戦後十三年、石炭産業は幾たびか危機に直面したわけですが、実は一昨日、あるいはお聞きになったかと思いますが、産経ホールでピーター・F・ドラッカーというアメリカのニューヨーク大学の教授が参りまして、経営の水平線を望見してというお話をやっておるのです。そこで、現在の経済社会にとって欠くことのできないものは体系的な知識なんだ、体系的な知識はもはや一つの資源に、現在の社会においてはなったのだということを言っておるのです。そしてすでにアメリカにおいては、過去三十年の間に研究費がそれまでの百倍にふえておる。電力の松根さんの方は割合、私ちょっとお聞きしておって、さすが電力だと思ったのですが、というのは十年ないし十五年すれば日本においては原子力発電が大体地につくという、割合はっきりした見通しを言われておるわけなんです。ところが石炭の方にそれがないということなんですね。このピーター・F・ドラッカー教授は、日本の明治維新を指摘されて、日本の明治維新というものは、なるほど殖産興業、富国強兵の策をとったけれども、同時に教育に莫大な金をつぎ込んだんだということを言った。これがいわゆる日本の近代社会を作る一つの原動力になったのだと言っておるのですが、石炭危機に際して、石炭が一体この段階で、もはや第一次的なエネルギーの姿ではだめだということは、三才の童子といえどもわかっておるわけなんです。きょうこうした参考人においでになるとき、大手十八社、いわば日本のエネルギーの今王座を占めている代表の方が、まだ検討中である、これだけのことを自分たちはやるんだということを国会で言えないことを、私は非常に遺憾に思うのです。そこで端的に、失礼な御質問ですが、現在石炭の危機を乗り切るためには、もはや燃料の革命をやる以外にないということは、衆目の見るところ一致しております。そうだとするならば、この際石炭業者としては、トン当り十円程度、年間にしたら五億円です、そのくらいの金をお出しになって、この際恒久的な、少くとも昭和五十年には、日本の国内燃料では五二%ですから、この五二%を拡大して、外国から輸入する四八%という燃料に食い込んでいくという態勢を、主体的な形で作らなければならぬ。そのためにはトン当り十円、年間にすれば五億円程度の研究費を石炭業者みずから負担していくんだ、同時にそのほか政府からも幾分出させる、こういう積極的な対策というものが、本日御言明できないでしょうか。われわれはトン当り幾らかでも負担をしよう、そしてこの際危機打開のために、いわば流体化あるいは気体化のために使う、その研究費を出してみよう、そういう積極的な意欲を、本日ここで御表明できないかということなんです。これを率直にお聞かせ願いたいと思うのです。
○石松参考人 ただいまの御質問にお答えいたします。大体将来石炭がエネルギーとして占める分野が、だんだんに競争燃料に圧縮されるだろうということは、これは私どもといたしましても相当前から考えまして、それではこれに対抗するにはどうしたらいいかということで、――もちろん今申し上げました検討中というのは、石炭の総合研究所といったようなものに対する考え方でございますが、しかし私どもとしましても、どうしても輸入燃料に対抗するためには、何といってもコストを引き下げることが先決問題だ、コストを引き下げることができるならば、十分外国のたとえば重油などにも対抗できるのじゃなかろうかというので、コスト引き下げに対して、現在業界といたしましては、根本的な体質改善をはかりつつあるわけなんであります。
○滝井委員 コスト引き下げだけでは私はだめだと思います。なぜならば、ドラッカー教授は言ったのです、人間行動の選択範囲が非常に拡大をされてきた、たとえばわれわれのいなかでも、自転車に乗っておりました、しかしもはや自転車の好みはなくなりました、みんないわゆるスクーターか、あるいはバイクに変ってきたのです。と同じように、もはやあの黒い固い石炭に対する好みというものは、日本人の心から消えつつあるのです。この人間の行動範囲の拡大、好みの変化というものは時代とともに変ってきておるのだから、ただ石炭のコストだけ下げて、この問題が解決するというのでは、私は認識不足じゃないかと思うのです。そういう意味で、やはりコストも下げなければならぬけれども、それは何か型を変えるという形――形の変え方はたくさんあります。化学工業に持っていくこともあります、いろいろ原料として使うこともある、乾溜することもある。いろいろある。コストだけではもはや時代おくれだと思う。イノベーションといいますか、革新、革命というものが石炭産業に要請されておるのではないかと思う。その点どうお考えになりますか。
○石松参考人 私がコスト引き下げと申し上げましたのは、とにかく石炭問題を解決する根本問題は、やはりコストを下げなければならぬという意味です。たとえば化学原料に使うにしても、値段が安ければ重油あるいはガスに対抗できるだろう。しかし高いコストではとても競争できないので、根本はコスト引き下げだという意味を申し上げたのであります。
○滝井委員 そういう意味のコスト引き下げならよくわかります。そうして引き下げられたコストの石炭というものを、さらに一次的なエネルギーとしてでなく、むしろ二次的な原料として使っていく、こういう形でなければならない、よくわかりますので、一つそういう考えで積極的に推進していただきたいと思います。
 次にお尋ねしたいのは鉱区の問題です。現在日本の石炭を掘ったあとにおける鉱害というものが、非常に悲惨な形で貧しい大衆にかぶさってきております。その根源はだれが作ったかというと大手炭鉱です。たとえば私の住んでおる鉱区は、五代にわたって移譲されました。私が物心ついてからですから二十年かそこらの間に、五代にわたって鉱業権者がかわった。そうしてこの五代にわたる鉱業権者が、どの鉱業権者も掘ったあとの跡始未を徹底的にやらずに、みんなどこかに行ってしまった。もとはだれかというと大手が持っておったんです。その大手の炭鉱は、古賀さんさいぜん御指摘のように、次から次に譲って、租鉱権と販売権はがちっと握っておる。こういう姿が今も公然と行われておるわけです。私はむしろ大手は、もはや採算が合わないという、そういう鉱区があったならば、中小の山や、あるいはもっと零細な山に譲るのではなく、整備事業団に買い上げてもらうべきだと思います。これが石炭政策の一つの大きな、大事なポイントになってくるのじゃないか。それを次々に譲っていって、なお未練がましくもそこからわずかの租鉱権料というか、ピンをはねるというか、そういうものをとっておる。これでは現在日本の石炭鉱業の経営者の合理化に熱心に取り組もうとする熱意が欠けておるということになる。いつの間にか石炭を掘る生産業者が、売炭屋になっておる。こういう堕落が行われてきておる。この点に対する大手の皆さん方の反省はどういうふうに行われておるかということをお聞かせ願いたい。
○石松参考人 今おっしゃったようなことも、なるほどごもっともでございますが、ただ大手の場合を申し上げますと、中には例外もございましょうが、これを整備事業団で買い上げてもらうということでもけっこうでございますが、買い上げたあと、働いておる人をどうするかという失業問題にもさっそくつながってくるわけです。それが租鉱なり、第二会社でありますと、多少労働条件は変りますけれども、とにかくなんとか生活はできるという問題もありますので、そういうことも勘案しまして、現在ある程度の租鉱とか、あるいは第二会社的な経営をやっておるところもあるようでございます。そういうわけでございまして、特にその際にもうけていこうとかいうようなことは、ちょっとそこまでは考えておりません。
○滝井委員 もう鉱業法の改正が行われるような空気が出てきておるわけですが、やはり政府がもし能率の悪い炭鉱を買い上げようとするならば、まずそういうときに手を打っておく方が労働者自身も悲惨にならないし、その鉱区の所在する市町村も今ほど悲惨な状態にはならないと思うのです。
 そこで、この問題に関連をしてくるのですが、納付金の問題です。これは主として長岡さん関係になると思うのですが、現在整備事業団が炭鉱を買い上げるためには、ことしの四月一日から業務方法書が変って、納付金を全部納めなければ買い上げないことになっておるのです。ところが現在納付金の未納者というのが相当おるのです。多分未納額も三億をこえているのじゃないかと思うのです。そして納付金を納めなければ炭鉱は買い上げられない、買い上げられないからずるずると閉山したままでいっているというのが今の姿です。納付金の三百万とか五百万の金ができないために買い上げが行われないというのがざらです。こういう点について中小の代表である長岡さん方は一体どう考えておるか、特に中小が多いわけなんですから……。
○長岡参考人 御指摘の通りただいま未納になっておる納付金の相当多い方は、中小の側のようでございます。団体といたしましては一ぺんに納付金を納めるということは大変であるから、必ずおくれないようにということは、各地それぞれ皆に言ってあるはずでございます。けれどもそのうちにはあとになって売るような始末になりながら、なおかつ未納であったというような、まことに不始末といいますか、まずい状態があったことは私も一、二聞いております。今後はいかなる場合でも当然納めなければならぬ、やめるやめないにかかわらず納めなければならないものでありますので、たまらないように、一ぺんに納めるというような式にならないで納められるように、皆さんに伝えるように気をつけるつもりでおります。
○滝井委員 私は納付金の滞納が多くならないということをもちろん希望しておるわけですが、現実にその納付金の未納があるということです。そしてその未納が、すでに山がやめておるにもかかわらず現金ができないために買い上げが行われないという事態があるのです。その事態に対して、納付金を納めなければ山を買い上げないということのために合理化が進捗しない、こういう悪循環が起ってきておるわけです。これを今後買い上げを希望される皆さん方としては、一体どうお考えになっておるのかということです。そういうものをぜひ納めなければもうだめだ、こういうことになると買い上げが進まない。三百万、五百万の現金が右から左にできるような炭鉱なら買い上げの申請をしませんよ。ところがそういうものもできない、借金は山のようにあるというところに、何とかこれを売って解決したい、こういうことが起ってくるわけです。こういう問題は皆さんと通産局との間のお話し合いで、これはもう納めてもらわなければ計画通りの四百三十万トンの買い上げができない。だからこういうことでおきめになったのだと思うのです。ところがおきめになったけれども三億以上の金を、今の中小炭鉱から取り上げることができるかというと、これは絶対できませんよ。三億以上の金はできない。特に筑豊炭田がその納付金未納の八割か九割を占めているのです。こうなりますと、今の合理化は筑豊炭田を中心に進んでいるのですから、そこらのものが買い上げられないために、四百三十万トンの目標というものはなかなかうまくいかない。ところが山はやめてしまった、労務者は炭住の中にそのまま放置されて、買い上げが進まないために離職金も与えられない、こういう姿です。こういう悲惨な状態が、その納付金を中心に起りつつあるわけです。こういう点を具体的に政府とお話し合いになったことはありませんか。
○長岡参考人 納付金を納めておるのが当然であるというお話しはだれしもわかる話であります。売り渡しの申し込みをいたしまして、その当事者が偶然といいましょうか、固まって納付金が未納であったということにつきましては、その支払い方法について何とかできないものだろうかということを、事業団と交渉いたしておるところでございます。
○滝井委員 納付金の問題は、いずれまた通産大臣でも見えましたら、少し聞かせてもらいたいと思います。
 次には、さいぜんの鉱区の分割の問題とも関連をしてくるのですが、そのように大手が鉱区をこま切れにして中小、中小が零細の炭鉱業者に譲っていったために、いよいよ今度これが買い上げをしてもらう合理化の段階になってきたときに、どういうことが起りはじめたかというと、無資力に近い者がたくさん出てきた。すなわち開発銀行その他の借金あるいは支払賃金の借金、それから鉱害とを合わせると、買い上げ価格がそれよりも低いという事態が起った。いわばこれが無資力状態です。こういう問題は一体どう解決するかということなんです。鉱業権者団体として、これは大手の皆様方も責任はないとはいえないと思う。もとをただせばだれだといえば、大手から譲ってきておる。この無資力者というものは臨鉱法の六十六条で、なるほど無資力者になると国が鉱害の復旧をすることになる。ところが国の鉱害復旧の限度というものは微々たるものであるということが、だんだん深く検討してみるとわかってきた。たとえば耕地整理をやるといっても休耕補償もやらない。土盛りをするのに家をしばらく、移転をするというのに迷惑料もやらない。ただ田面を復旧してやるだけだ。農民は干ぼしになってもかまわない。二年でも三年でも無資力で復旧する場合は年々補償も休耕補償もやらない、こういうことがはっきりしてきた。こういう無資力の根源というものは一体どこから起ってきたかというと、莫大な鉱害をそのまま次々に護ってきたところに原因がある。こういう問題によって、今や一切の石炭鉱業の危機に際して、そのしわは地域の住民なり市町村に及んできておる。たとえば鉱害水道がありますと、その鉱害水道というものをだれが引き受けるかということになる。そうするとそういう莫大な金をつぎ込まなければならぬものは引き受けるだけの余力はありません。そうすると住民は干ぼしになる、水が飲めない、業者は無資力でどうにもならない、こういう事態が起ってきておる。国はこういうところまで、あるいは御検討になっていないかと思いますが、そういう事態がすでに筑豊炭田至るところに起り始めておる。これは無資力状態。ところが無資力というのは破産である、こういうわけだ。ところが無資力者を破産に追い込む費用が莫大にかかる。たとえばわれわれ被害者がやろうとすれば債券を確立して破産の宣告をする。破産の宣告をして財産を分けようとすると、その裁判の費用が取れるか取れないか問題になる。取れそうもないというとだれも破産には追い込まない。そうして無資力者は、岸内閣が力の均衡の派閥の上に安泰しておると同じように、安泰しておる。そういう姿が今出ておる。だからこういう点をあなた方は一体どうお考えになっておるかということです。これはあなた方と同じ鉱業権者なんですよ。そうしてそういう人はおそらく長岡さんの方に所属をしている。もとはその石松さんの方から流れてきている。だからあなた方の方がしりぬぐいをしている。そして一番最後のしりぬぐいは坂田さんの方がやっておる。だから上からだんだん下に来ておる。だからもはや百年河清を待ってもわれわれ被害大衆、被害民やそこの地域の住民というものは助からぬという状態が出て来ている。この点を石炭鉱業というものは、もはや考えてもらわなければならぬのです。そうしないと石炭鉱業は筑豊炭田なり常盤炭田なり、山口の炭田の住民からうらまれますよ。一体この点をどういう工合に――こういう最終段階のなれのはてである無資力というものについて、どういうふうにお考えになるのか。
○長岡参考人 ただいま詳細なお話しがございまして、まことにそういう事態になったことは困ったことだと痛感しております。ただ現在までの私の知っておりまする法律上の取扱いでは、自由に個々の人に移って参りまして、そのときそのときに鉱害をきれいにしていなければ移らぬということにはなっておらないようでございます。一般的には復旧事業団もでき、それに対する鉱業権者の負担もかけ、計画もできておるようでございまするけれども、基本的にはどうも自由に何べんか移っていくということのために起ってくることのように考えられる。この点は個々の鉱業権者自身が、ひとりで解決するということもむずかしいかと思っております。あるいは鉱業法などの改正その他によりまして、さような悲惨な状態の避けられることを熱望いたしている次第でございます。
○滝井委員 一つ石松さんにもお伺いします。
○石松参考人 私の方といたしましても、そういう重大な問題につきまして非常に関心は持っているわけでございます。現在の私どもといたしましては、鉱業法の定めるところに従って復旧すべきは復旧する。また復旧の責任のないものについては、遺憾ながらまだその手を伸ばしておらないような状況でございます。
○滝井委員 じゃこれで終ります。
○中村委員長 それではこれをもって本日の調査を一応終るわけでありますが、この際参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日はお暑いところを長時間にわたり、貴重な御意見をお述べ下さいまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。
    ―――――――――――――
○中村委員長 次に今閉会中の委員派遣の件についてお知らせいたしておきます。本件につきましてはすでに委員長に御一任を願っておりますが、当委員会といたしましては、北海道班、東北班、東海関西班、山陰山陽班及び九州班の五班に分れ、大体今月末から来月初めにかけて委員派遣を行う予定でありますので、以上御了承を願います。
    ―――――――――――――
○中村委員長 次に参考人出頭要求の件について御了承を願っておきたいと存じます。自転車競技に関する問題につきまして次回の委員会に参考人の出頭要求をされたいとの御意見があります。今閉会中の参考人出頭要求に関しましても、すでに委員長に御一任願っているのでありますが、次会の委員会には本問題の関係者に参考人として御出席願うことにいたしておりますから御了承を願います。
 次会は八月十日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時三十五分散会