第032回国会 大蔵委員会 第4号
昭和三十四年八月二十五日(火曜日)
    午前十一時十一分開議
 出席委員
   委員長 植木庚子郎君
   理事 足立 篤郎君 理事 山下 春江君
   理事 石野 久男君
      鴨田 宗一君    黒金 泰美君
      夏堀源三郎君    濱田 幸雄君
      古川 丈吉君    細田 義安君
      堀内 一雄君    山本 勝市君
      久保田鶴松君    竹谷源太郎君
      松尾トシ子君    山下 榮二君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      横路 節雄君    横山 利秋君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁税務局
        長)      金丸 三郎君
        防衛庁参事官
        (経理局長)  山下 武利君
        総理府事務官
        (調達庁不動産
        部次長)    高野藤吉郎君
        大蔵政務次官  奧村又十郎君
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      佐々木庸一君
        大蔵事務官
        (大臣官房財務
        調査官)    村山 達雄君
        大蔵事務官
        (主税局税関部
        長)      木村 秀弘君
        大蔵事務官
        (管財局長)  賀屋 正雄君
        大蔵事務官
        (銀行局長)  石野 信一君
        大蔵事務官
        (銀行局特別金
        融課長)    磯江 重泰君
        国税庁長官   北島 武雄君
        大蔵事務官
        (国税庁間税部
        長)      泉 美之松君
        大蔵事務官
        (東京国税局
        長)      中西 泰男君
        大蔵事務官
        (東京国税局総
        務部長)    堀口 定義君
        農 林 技 官
        (食糧庁業務第
        一部長)    諌山 忠幸君
        日本専売公社塩
        脳部長     小林  章君
        国民金融公庫理
        事       松田 文藏君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
八月二十四日
 委員山本幸一君辞任につき、その補欠として武
 藤武雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員武藤武雄君辞任につき、その補欠として山
 本幸一君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十五日
 委員西村英一君及び山下榮二君辞任につき、そ
 の補欠として堀内一雄君及び石川次夫君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員堀内一雄君辞任につき、その補欠として西
 村英一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税制に関する件
 金融に関する件
 外国為替に関する件
 国有財産に関する件
 専売事業に関する件
 派遣委員より報告聴取
     ――――◇―――――
○植木委員長 これより会議を開きます。
 先日本委員会より北海道及び東海・近畿地方に委員を派遣いたしまして、国政に関する調査をいたしましたが、その調査の概要について派遣委員より報告を聴取することといたします。
 第一班、足立篤郎君。
○足立委員 先般議長の承認を得て行いました当大蔵委員会国政調査のうち、北海道地方の調査の概要について簡単に御報告申し上げます。
 調査の期間は八月四日より九日まで六日間でありまして、おもなる調査先は、札幌国税局、北海道財務局、函館税関、函館市、日本専売公社函館工場、国民金融公庫函館支所、日本酒造組合北海道支部、雪印乳業及び帝国製麻等であります。
 まず、最近における一般経済情勢について申し上げます。従来北海道は景気の波及が本州に比べて二、三カ月のずれがあるといわれていたのでありますが、このたびはそれと異なり、三十三年度後半以降、生産、出荷とも増加の傾向を続け、卸売物価は強含み横ばい、消費は都市を中心として一般に堅調である等、全国の経済の動向と同様景気上昇の動きを示しております。しかし、このような景気上昇の反面、石炭鉱業は深刻な事態を露呈し、また沿岸漁業の年々衰退する状況などの暗い面のあることも、見のがすことができないようであります。
 次に、租税事情について申し上げます。
 北海道の国税収入は全国の三・一%程度で、下位に属し、仙台局に次ぐ税額であります。昭和三十三年度における収納済額は三百二十五億円でありまして、その収入歩合は九五・九%で、全国平均をやや下回りているようであります。
 収納状況を税目別に見ると、所得税においては自然増もしくは収納率の向上等によって前年度と大差なかったが、法人税においては、全般的な経済不況を反映して、二億三千万円の減収を示しております。しかし、一方一般消費の増加等に伴い、間接税の増収が著しく、このため、収納済額総計においては、前年度に比較して三千五百万円の減収にとどまっております。
 北海道の国税について注目される点は、所得税、特に源泉所得税の占める割合が大きく、法人税の割合が非常に低いことであります。前者は道民所得中勤労所得の割合が非常に大きいこと、後者は、道内主要企業の本店が本州にあるものが多いため、法人税納入地が道外になっていることが、それぞれおもな原因であると思われます。
 次に、金融事情について申し上げます。三十四年度第一・四半期の銀行実質預金は、百二十一億円増と前年同期を上回る好調な伸びを示しましたが、一方貸し出しは四十九億円にとどまり、このため期中の預金超過は七十二億円となっております。財政資金の大幅散超を背景に、一般預金の堅実な増勢にささえられて、預金が順調な伸張を見せている反面、引き続く金融緩和基調から、企業の借りあせり的態度が払拭され、景気回復に伴う資金需要の増高も強くなく、地方公共団体向け貸し出しの回収もあって、貸し出しの増加が前年水準をかなり下回ったためであります。金融緩和に伴い、企業の資金調達が本社で一元的に行われ、道外企業の現地借り入れの比重が低下傾向にあることも一因と見られます。
 次に、今回の調査を通じて特に感ぜられましたことについて申し上げますと、ます第一に、各所共通の問題として、北海道は本州他県と異なり、管轄区域が広大で、これがため管内の指導監督や連絡等に人員と時間と経費が不足し、各種行政上非常に苦慮しているということであります。第二に、北海道は港湾施設の整備された港湾がきわめて少いということであります。第三に、政府関係金融機関の貸出原資がまだ不足しているということであります。特に函館の場合は金融機関の預貸率は六〇%で、道内でも一番低く、しかも高利金融業は推定十億円の資金を動かしているといわれ、また市内の質屋業は全国随一とも称されている現状で、一般中小企業者が中小企業金融公庫、国民金融公庫等に寄せる期待はきわめて大きいものがあり、函館市当局も中小企業の振興については非常な力を入れているようでありますが、それがための貸出資金の増額等については、特に考慮の必要があると痛感されました。
 なお、各視察先よりはそれぞれ熱心な要望事項がございましたが、その内容につきましてはお手元にお配りしてあります報告書に譲ることといたしまして、後ほど質疑の形でこれに対する政府側の御見解等を承わりたいと存じております。
 以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。
○植木委員長 次に、第二班、石野久男君。
○石野委員 東海・近畿国政調査についての御報告をいたします。先般議長の承認を得て行いました当大蔵委員会の東海・近畿班の国政調査の概要を申し上げます。
 なお、別に報告書は印刷して配付いたしますので、詳細な点につきましてはただいまは省略させていただき、簡単に問題となるべき点のみにとどめたいと存じます。
 今回のおもな調査の対象は、各国税局、財務局、日本専売公社地方局等の所管事項であります。
 まず、名古屋国税局管内の租税事情から申し上げます。
 東海地方の産業界の景況は、各業界の好調に加え、繊維機械、鋳物業界等の立直りが目立ち、また低調であった秋冬物毛織の取引もようやく活発化しつつあるなど、総じて順調な推移をたどっており、従って、管内の租税収納状況においてもこの好調が反映し、三月決算法人の申告税額は前年同期に対し一一六%を示し、中でも大法人六十七社の申告税額は前年同期に対し一二二%を示しております。また、個人消費の好調により、自動車、電気器具等の出荷増のため、物品税においても増収を得、国税収入は相当の増加をもたらしている現状であります。この傾向は今後も順調に推移するものと思われ、現状においては、管内租税事情については問題とすべき点はないものと考えられます。
 次に、東海地区の金融事情について申し上げますと、管内の金融は財政資金の揚超及び市況回復による増加運転資金、設備合理化資金等の需要資金増から、予想よりはやや小締りぎみながら、預金の伸びは引き続き順調を示し、一方貸出面においては、四月は二十三億円の減少となっていたものが、六月になって七十九億円増加し、銀行別では、地銀三十七億円増加、都銀四十二億円増加となっており、この預貸率は、地銀八二・八%、都銀一〇七%となっております。これを中小企業貸出について見ますると、総貸し出しの中で中小企業貸出の占める割合は四、五月はいずれも五一%で、特に都市銀行の増加が目立っておる現状であります。また、管内政府金融機関への資金需要について見ると、長期安定資金需要が強く、また各金融機関とも厳格な選別融資を行い、預貸率改善に努めている関係から、中小企業の資金需要は、政府金融機関特に中小企業金融公庫、国民金融公庫に集中する結果となっております。これは近畿管内でも同様の傾向が見られるのであります。一般預貯金は、四、五月で二百九十九億円、前期末に対して二七%の増加を示しており、この貯蓄意欲の旺盛は当地区の特殊性ともいえるものであります。これに加えて、貯蓄増強のための移動店舗の活用がきわめて活発であることは注目すべき点であると思われます。
 その他、管内の管財関係については、その後の普通財産等の処理については順調に進んでおります。が、特に検討すべき点があると思われるものとして、現在名城大学に貸し付けてある旧名古屋陸軍造兵廠鷹来製造所の施設であります。これは同農学部の現在の利用状況等でありますが、農学部の定員は三百二十一名に対して、実員は二百名足らずである現状であります。
 次に、大阪国税局管内の租税事情でありますが、管内の経済情勢は大体名古屋と同じ傾向があり、消費景気の復調に助けられて、景気上昇のきざしが本年に入り特に法人税関係に認められます。酒税についてはおおむね順調に推移しており、物品税は三十三年度は前年度に比して一三七%の増加を示し、これも名古屋局と同様であります。
 次に、六月現在の近畿の金融事情について簡単に申し上げますと、預金が、営業性預金の大幅の減少から残高が前月を下回る不振にとどまっている反面、貸し出しが、景気上昇に伴う資金需要の増加から、前月に引き続き相当な増加になっているため、銀行の預貸関係は悪化している現状であります。これに加えて、財政揚超の増大から、日銀貸出は増加しております。すなわち、六月の管内財政収支は、税収の伸びを主因に引き揚げが増大し、その収支じりは三百四十二億円の揚超となり、昨年同月の揚超額を五十七億円上回っております。他方、管内日銀貸出は、五月の二十一億円を上回る九十一億円の貸出増加となっております。また、六月の管内各手形交換高もかなり増加を見ておりますが、枚数の割に金額が伸びず、手形金額の小口化の現象が最近見られますが、これは中小企業は別として、企業の資金繰りが全般的にかなり好転して、集中決済が減少してきたことかとも思われます。
 なお、他の問題につきましては報告書に譲りたいと存じます。
 簡単ではありますが、一応御報告申し上げます。
○植木委員長 これにて派遣委員の報告は終りました。
 なお、ただいまの報告にも述べられました通り、各班より詳細な報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録に参照として掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○植木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
○植木委員長 次に、税制に関する件、金融に関する件、外国為替に関する件、国有財産に関する件及び専売事業に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。足立篤郎君。
○足立委員 この際、私は、先ほど御報告申し上げました北海道の国政調査において要望されました各種事項等を中心といたしまして、政府に対し質疑を行いたいと存じます。
 先ほど調査報告の中で申し上げた通り、調査対象機関――各種の機関がございますので、各機関からの要望事項等について質疑を申し上げます。各機関がいろいろ言われておるわけでありますが、一括して質疑をいたしますから、その上で、担当の機関からそれぞれ御答弁をわずらわしたいと思います。特に大蔵政務次官から責任ある御答弁を賜わりたい部分につきましては、私の方からさよう御要望申し上げますから、よろしく一つ御答弁のほどを願います。
 まず、札幌国税局の要望について申し上げます。
 要望の第一は、石炭手当及び寒冷地手当の増額についてでありますが、現在北海道に在勤する公務員には、石炭手当三トン分二万一千四百五十円並びに寒冷地手当の〇・八カ月分が支給されておりますが、石炭の消費実績は最低三トン、道東、道北の寒冷きびしい地域にあっては三・五トンないし四トンを絶対必要とする状況で、職員はかなりの経済的負担を余儀なくされている現状であります。このことは、単に職員の経済的問題であるだけではなくして、人事異動を行います際にも種々支障を来たすことがございまして、北海道を三段階程度、たとえば道南三トン、道北、道東三・五トンというように区分をして、実情に沿った支給をされるよう配慮されたいという意見が述べられたのであります。次に、現行寒冷地手当額では、住宅、衣類、寝具、暖房用具等の諸経費について、本州との差額をまかない得ない実情にあるので、支給額を一カ月に引き上げられたいということであります。
 要望の第二は、職員住宅の確保についてでありますが、職員の宿舎事情は、毎年の宿舎増設にもかかわらず、絶対数が僅少なため、大幅な好転をもたらすまでには至っておりません。現在なお職員の総数の三二%以上が宿舎を必要とする状況にあります。また、北海道は一般借家の家賃が全国平均に比し相当割高でありまして、しかも、慣行上、畳、建具等を借家人が用意しなければならないことになっているので、現在一応安定した借家、間借りをしておる者の中にも相当数の宿舎必要者が存在する状況にあるので、宿舎の増加及び改善については特段の御配慮を願いたいということであります。
 以上は、いずれも北海道の特殊性にかんがみて妥当な要望であり、十分配慮さるべき問題であると思いますが、政府側の御意見はいかがでありますか、お伺いをいたしたいと思います。
 次に、酒税関係について、酒造組合北海道支部代表者との懇談会の際問題となった事項を中心にして、御質問申し上げたいと思います。
 まず第一に、酒の価格を、一般の物価水準と均衡のとれる線まで酒税率を引き下げるとともに、級別を増加して大衆の嗜好に応じた清酒の安価な供給をはかられたいという要望がありましたが、この点については、ただいま参議院で継続審議となっております酒団法の一部改正案が去る三十一国会において当委員会で審議された際にも、いろいろと問題となった点であり、法案通過の際には附帯決議も付されたという経緯があるので、その後政府においても鋭意これらの点について御検討中のことと思いますが、ただいまいかなる見解をお持ちになっておられますか。去る二十三日の読売新聞の記事によりますと、級別の増加については、国税庁でも準一級酒制定の具体化について検討を始めているということでありますが、この際御意見を承わりたいと存じます。
 次に、原料米の払下価格についてでありますが、昭和二十五年産米までは主食用の払下価格と同一価格であったが、翌二十六年産米分よりは、食管会計の赤字補てんのため逐年特別加算額が累加せられ、三十三年産米においては、主食用に比べて一石当り千九百十五円――一七・五%に当るわけでありますが、千九百十五円も高くなっておるのであります。この差額は、清酒一升当りで七円五十五銭もコストが高くなっていることになり、これは、清酒が他の酒類に比較して特に高率な酒税を賦課されている上に、原料米の払い下げに当ってさらに三・七%に相当する付加税的な二重課税を受けている結果となっているわけであるので、大幅にこの払下価格を引き下げてほしいということでありますが、この点についての農林省当局の御意見、並びに先ほど来申し上げた酒税等に関する点につきまして、政務次官の御見解を承まわっておきたいと思います。実は、私も農林関係の仕事を長く担当して参りまして、米価審議会委員等もやったことがございますが、現在の米穀の払い下げにつきましては、御承知の通り、一般主食用と業務用と酒造用原料米と価格は分けられておるわけでありますが、業務用の場合、全国平均いたしますと、一般主食用の払下価格に対して、一石当り軟質米で四百九十三円高、硬質米で五百四十八円高、前者の場合は四・五%高、後者の場合は五%高ということになっておるわけであります。食管会計の窮屈な状況からいたしますと、一般主食用についてはなるべく低廉な価格でこれを売り渡し、食管会計内部における中間経費等の負担につきましては、業務用というような特殊な配給につきましては、これは特に政府が二重価格制をとる必要はないというような見解につきまして、私どもも理解できないわけではないわけでありますが、さりとて、業務用と酒造用原料米とを特に区別して、著しく高い価格で払い下げなければならないという根拠につきましては、いささか了解に苦しむものであります。ただいま申し上げた通り、業務用の場合全国平均最高五%高という程度になっておりますのに、酒造用の場合には千九百十五円高、一七・五%高というのはいかにも了解に苦しむ点でありまして、こういう点につきまして農林当局の詳細なる御説明を伺いたい、かように考えます。特に、ただいま申し上げた通り、かような二重負担的な価格の割高によりまして、酒造業者は非常な困難を感じておるわけでありますので、この際、英断をもって、せめて業務用並みの価格に引き下げられんことを要望いたします。
 次に、これは北海道の特性についてでありますが、北海道は、寒さがきびしいため、全国でも有数の酒の消費地で、その量は東京に次いで多いようでありますが、道内生産がこれに伴わず、清酒の場合、道内生産は十二万石で、あと十万石を本州から移入しなければならない状況であります。一場当りの造石数は平均二千石、内地の平均は五百ないし八百石と思いますが、かような状況でございまして、なお十分増石に応じ得る態勢にありますので、原料米の配分に当っては北海道の特性を十分考慮されたいという要望があったのであります。申すまでもなく、これは北海道だけの問題ではなくて、清酒についてはただいま需給の関係が地域的に非常にアンバランスでありまして、四国、中国、九州では酒が余るのに、北海道、東北、近畿地方では足りないという状況で、これに対しては現在おけ売買、委託醸造等の方法で処理しているようでありますが、これはやはり原料米の割当基準となっております基本石数が設定された昭和十一年当時と現在との経済情勢が非常に変ってきているというところにあるのではないか。すなわち、作りたいものに作りたいだけの米の割当がなされない反面、そうまでは作りたくないものにも前者と同様の基準で原料米が割り当てられるという現行の原料米割当方法を再検討すべき段階にきているのではないか、というような気もいたすのであります。しかし、これはまた非常に大きな問題でありますので、慎重に検討しなければなりませんが、政務次官はこれらの点についていかなる御見解をお持ちでありますか。また、泉間税部長は先ごろ北海道の酒造業界の実情をつぶさに視察されてきたということでありますが、その後の御感想はいかがでありますか。この際お伺いしておきたいと思います。
 次に、金融関係についてお伺いいたします。
 まず、国民金融公庫函館支所より貸出資金を増額されたいとの要望がありましたが、先ほど調査報告の際にも申し上げました通り、函館地方の金融機関預貸率は六〇%程度で、道内でも一番低く、しかも高利金融業は推定十億円余の資金を動かしているといわれ、なおまた函館市内の質屋業は全国随一とも称されているようでありますが、届出件数で九十六件、運転資金が三億余といわれておるような状況であります。一般中小企業者が中小企業金融公庫、国民金融公庫等の政府関係機関に寄せる期待はきわめて大きいようであります。しかるに、一方公庫の貸出率は申し込みに対して五〇%弱という現状でありますので、特にこの地方に対しては貸出資金の増額がぜひとも必要なのではないかと思われるのであります。五〇%と申し上げましたのは正式に受け付けましたものに対しての貸出率でありまして、いま一段と工夫をして手続の簡素化とか迅速化等をはかりますれば、質屋ややみ金融にかわって金利の安い国民金融公庫等に寄せる期待はさらに増大し、そういった潜在需要といいますか、これを含めて率をはじけば、おそらく四分の一とか五分の一しか需要を満たしていないということになるのではないかと想像いたすのであります。なお、本件については函館市当局よりも同様な要望がありました。この点については市内全金融機関の本年五月末における貸出残高百八十一億円のうち、国民金融公庫が占める割合はわずかに四・三%であります。これをせめて一五%程度に引き上げてほしいという要望でありますが、かりに一五%に引き上げたにいたしましても、市中銀行との競合は考えられないということであります。ただいま申し上げた通り、やみ金融、高利金融とか質屋の金融とかいうものに取ってかわるということになるのではないかと思われるのでありまして、この資金の増額によって、かえって状態の悪い企業の優良企業への転換が促進され、将来市中銀行の良好なる取引先となり得るものと思われるとの意見の開陳があったのであります。大体以上のような状態でありますが、この公庫の資金の増額について、政府当局並びに国民金融公庫当局はいかなる御見解をお持ちでありますか、お伺いいたしたいと思います。
 次に、ただいま申し上げました問題と関連いたしますが、函館市当局より中小企業金融公庫の支所を函館市に設置してほしいという要望がありました。現在北海道におきましては札幌に支所が設置されておりますが、市内の企業が公庫資金の貸し出しを欲しても、市内銀行の公庫代理店では、自行の資金貸出を優先的に考えるためか、代理貸しに積極性を欠く傾向があり、また、公庫支所が遠隔地にあるため、決裁に相当の日時を要しておるのが現状のようであります。また、直接貸しを受けたものに対しても、再三札幌支所まで出かけなければならず、時間的にも経費の面よりも冗費が多く、市中銀行よりも安いはずの金利差も、これを補うことができないという状態であります。函館の中小企業の振興については市当局も非常に力を入れておるようでありますが、この中小企業金融公庫の支所の設置が今にわかに実現できないとしても、とりあえずの過渡的措置として、代理貸しの資金の配分については特に函館地方に重点を置く等、貸出資金の増額について考慮してやる必要があるのではないかと考えるのでありますが、この点について政府側の御見解はいかがでありますか、お伺いいたしたいと思います。
 さらに、国民金融公庫についてもう一点お伺いいたしたいと思います。最近公庫の業務量は年々増加を見ており、この点非常に好ましい傾向であると思われるのでありますが、人員の増加がこれに伴わず、常にオーバーワークの状態を続けており、十分なる健康管理にもかかわらず、なお長期療養者の発生を見ているという現状のようでありますが、この結果はさらに職員の負担量が加重され、事務処理の長期化を招来すると思われますので、人員の増加についてもあわせて検討されたいと思いますが、いかがでありましょうか。なお、函館支所においては、この増員に当って最近は大学卒業者が大部分のようでありますが、じっくりと腰をおちつけて業務に熟達するためにも、高校卒業者を相当希望しておるような点も見受けられるのでありますので、その点つけ加えておきます。
 次に、港湾設備の整備について、税関及び函館市関係についてお伺いいたします。函館税関においては、税関長より管内事情について説明を聴取した後、税関ランチにて港内を一巡し、港湾諸施設を詳しく視察いたしましたが、その際税関並びに市当局より要望された事項は次の通りであります。すなわち、税関よりは、管内諸港の港湾施設が十分整備されていないため、外国貿易船が自由に接岸できない状況であり、また保税上屋が少く、不便を感じている。さらに、管内に動物検疫所がないため、必要があるときはそのつど横浜から当該職員の派遣を求めなければならないという現状で、関税行政上非常に苦慮しているので、早急に整備されたいという要望がございました。市当局よりは、北防波堤の整備、バラ荷専用埠頭の建設をされたい、また、小型係船岸壁の改修工事に対して、北海道の場合は国庫補助がつかないので、国庫補助の道を開いてほしいとの強い要望がございました。また、函館税関庁舎は四十八年を経過した老朽建物で、著しく不便を感じておりますので、すみやかに建設されたいとの要望が、税関当局並びに函館市当局からも強く要望があったのであります。以上でありますが、いずれも適切なる要望があると思われますので、以上の各事項についてそれぞれ関係当局より御意見を承わりたいと思います。
 次に、今回の調査に当っては、雪印乳業並びに帝国製麻を視察いたしましたが、それぞれ要望されましたところは次の通りであります。帝国製麻よりは、亜麻産業の振興は北海道農業経営の安定、向上の上に益するところがきわめて大きいので、亜麻製品の官需量の増大と輸出の振興について特段の配慮を払われたいということであります。また、雪印乳業よりは、最近わが国の牛乳生産は毎年百万石以上の増産を見ており、これを処理加工するための施設費は年々数十億円を要する現状であるが、その資金調達が容易でないばかりでなく、これに対する乳業者の金利負担も相当額に達し、消費大衆に及ぼす影響も少くない。ついては、農林漁業金融公庫の業務方法書の一部を改正し、酪農振興法に基き、政府が指定する集約酪農地域内における牛乳乳製品の製造設備の新増設に対しては、同公庫の取り扱う長期低利資金の貸付を受けることができることとされたいという要望がありましたが、この点につきましては、さきに第三十一国会において酪農振興法の一部改正が行われた際、衆参両院の農林水産委員会において附帯決議として示されたところでありまして、政府側においてはその後この点についてどのように検討されておりますか、お伺いいたしたいと思います。
 以上、最初に申し上げました通り、各般にわたる御質問を一括して申し上げましたが、それぞれ関係機関から御答弁を賜わりたいと存ずる次第であります。
○奧村説明員 酷暑の折、委員各位におかれましては、各地方に国政調査をなさいまして、ただいま委員会にその御報告があり、その御経験から、ただいま各般にわたる適切な御質問、また御要望もございました。それぞれ各関係局長から御答弁をいたさせます。また、政務次官として責任ある御答弁をというお言葉もございますので、局長からの答弁のあとで、締めくくりと申しますか、私も責任ある答弁を申し上げたいと存じます。
○北島説明員 ただいま御質問ございました中の、国税庁に関するものにつきまして、私から一応御答弁を申し上げたいと存じます。
 まず、北の国の風土、気候のきびしいところで困難な税務行政に当っております職員の上に対しまして、非常な同情を賜わりまして、まことにありがたい次第でございます。厚くお礼を申し上げます。
 まず、石炭手当及び寒冷地手当の増額の問題でございます。これはもちろん全国家公務員に関係することではございますが、私どもも、北海道の特殊事情から申しまして、ことに石炭手当のようなものは全道一律ということはおかしいというふうに考えております。ただいまお話のございましたように、道南地方で最低年に三トン、これがさらに道東及び道北に参りますれば、三・五トンないし五トンぐらいは必要になります。現在の法律に規定しております世帯に対して三トン分というのは、やはりある程度、三・二トンとか三・五トンというふうに、上の方に階級を設けていただくのがいいのじゃないかと考えております。私は、北海道の特殊事情にかんがみまして、札幌国税局がそのような要望をいたしておりますが、まことに無理ないことと考えております。法律の改正を要することではございますが、一日も早く実現されんことを私として切にお願いする次第でございます。
 次に、北海道の住宅事情でございますが、これも札幌国税局の申す通りで、もちろん、国税庁におきましても、札幌国税局管内における住宅の特殊性につきましては、かねてから注目いたしておるところでございまして、毎年公務員の宿舎の設置が認められますと、できるだけ国税の範囲におきましては北海道に重点的に配置するようにいたしております。ただ、何分にもこれは予算に関係することでございまして、国家公務員宿舎設置費のその全体の予算がふえませんと、国税への割当もふえないわけでございます。従って、それもなりませんと、北海道地方へも十分なことができないわけでございます。私といたしましては、毎年予算編成の際に強く主計局に要望いたしまして、最近におきましては、だんだん国税の地位も認められてきたように存じておるのであります。たとえば、昭和三十二年、三十三年度は、国税関係におきましては、約七百戸の宿舎の設置が全国的に認められたのであります。この数字も昭和三十一年度までに比べては相当大幅の増加になっておりますが、さらに昭和三十四年度におきましては、この数字を約三割増加いたしまして、国税関係の割当九百十一戸賜わっております。これはもちろん予算、国家公務員宿舎設置費の前年度十三億が十六億にふえた結果ではございますが、十六億にふえますにつきましても、私ども主計局と鋭意折衝いたしまして、これは実は所管は管財局でございますが、鋭意折衝いたしまして、極刀国家公務員宿舎設置費の増額の大幅ならんことを願っておる次第でございます。今後とも努力いたしたいと存じますので、何分にも予算の関係もございますが、御同情賜わりたいと存ずる次第であります。
 次に、北海道の酒造組合で諸先生に御陳情のございました清酒の特別の増加の問題でございますが、これは実は税制の問題でございますので、私の方からお答え申し上げるのは適当ではない。事務的には主税局長――主税局長が来ておりませんければ、政務次官からお答え願いますのが適当かと思いますので、省略さしていただきたいと思います。
 次に、原料米の払下価格の引き下げの問題でございますが、この点はいろいろ御事情がございましょうけれども、特に酒造米に対しまして一般消費者と非常に異なるような価格にするのはいかがであろうかと、私どもとしては考えております。いろいろ御事情もあることではございますが、毎年酒造米の払下価格の引き下げにつきましては努力いたしまして、農林当局と折衝いたしておる次第でございます。たしか昭和三十酒造年度におきましては、一般消費者米価との格差が三割二分の開きがあったのでございますが、その後引き下げに努めまして、現在では一七%、さらに最近昭和三十二、三十三酒造年度におきましては、一一%の一般消費者米価に対する割増しとなっております。私どもといたしましては、できるだけこれを適正な価格に引き下げたいと考える次第であります。
 次に、北海道の酒造米を増加してもらいたいという酒造組合の要望でございますが、これは毎年の清酒の生産石数をいかにするかにも関係があることでございますが、北海道のように伸びる力もあり、また伸びたいという意思を持っているものに対しては、できるだけ、酒造米の配給につきまして、その実勢を反映するようにいたした方が筋かとも存じております。昭和三十三酒造年度におきまして、いわゆる中央保有米制度を設定いたしたわけでございます。それぞれ酒造農家でいろいろ事情がありますが、今後はできるだけ実勢に応じてお米を配給するようにいたした方がよかろうと考えております。
 以上、簡単でございますが、お答え申し上げます。
○松田説明員 御質問の点が二つあったように思いますが、函館の支所について当公庫の資金をさらに増額をしたらどうであるか。この問題と、さらに、人員が非常に不足しているが、それに対する配慮はどういうことになっているか。この二つの問題のように存じますので、それぞれお答え申し上げます。
 第一の資金の不足の問題でございますが、御指摘の通りなんでございまして、現状においては決して好ましい資金事情にはなっておりません。最近の函館につきましては、大体八月の十八日くらいまでの申し込みは九月一ぱいに貸し得る、こういう状態でございます。全国平均は八月の二十日くらいになっておりますので、全国平均よりはやや悪いという状態にはなっておるのでございますが、何分第二・四半期の全般の資金事情というものは非常に窮屈なことになっておりますので、一日、二日の問題は一応がまんをしていただく、そして第三・四半期においてその辺を函節したい、かように考えておる次第でございます。ただ、函館についても、当公庫の資金の貸付の状況全般を申しますと、管内の零細企業者に対して当公庫が貸し出している件数の割合は、大体一五%程度になっております。全国平均が一五%でございます。もっとも、北海道の地区は、全般に公庫としてよく浸透している地区になっております。函館と札幌が一五%でございますけれども、その他の地区全体を合せますと、実は北海道は二〇%程度になっている状態であります。函館は全国並みというふうに一応私ども承知いたしておるのでございます。しかし、最近の資金需要は、御指摘の通りきわめて旺盛でございます。全国平均、たとえば八月の上旬につきましては、一二%程度の申し込み増ということになっておるのでございますが、函館等につきましては二〇%をこえている、こういう状態でございますので、何とかして第三・四半期においてはその辺の調節をいたしたい、かように考えておるような次第でございます。
 それから、もう一つ、人員の不足の問題でございますが、これも実は函館のみの問題ではないのでございます。函館は二十九年に大体十六名程度で発足いたしまして、現在二十二名おります。ちょうど人員の増加工合は二割五分程度くらいになっておるのでございますが、北海道全体について見ますと、一割八分程度の人員の増加にしかなっていないという現状であります。業務量は、普通貸付だけを見ても、金額については五倍程度に全体がふえておるのでございますが、人員の配置は大体二割程度にしか増加はされてない。もっとも全体では四割幾らの増加になっておるのでございますけれども、新設の支所がその後次々とできるものでございますから、その方に人が食われて、既存の支所については、業務量が倍程度になっておっても、人員は二割程度しか配置できない、かような工合になっておりまして、非常に手不足で仕事が過重になっておることは御指摘の通りでございます。私どもとしましては、その辺は大蔵省とも十分お話し合いして対策を講じておるのでございますけれども、結果的には理想通りにはいかないということでございまして、結核対策その他については許される範囲内で相当に行き届いた配慮をいたしておるつもりでございます。しかし、まあ十分というほどに至ってないことを遺憾に存じておる次第でございます。
○足立委員 ちょっと答弁の途中ですが、誤解があるといけませんから、つけ加えておきますけれども、函館の国民金融公庫の支所が決して成績が悪いとか、なまけているとかいう意味で申し上げておるわけではないのです。むしろ、非常に張り切って、なかなか統制もよくとれているように見えますし、若い職員が気合いが一致してよくやっているように思いました。ただ、私がしつこく申し上げた理由は、函館というところはかつて北洋漁業の基地で非常にいんしんをきわめた。ところが、最近はさびれてきた。で、市当局も中小企業の振興に非常に力を入れておる。これに相呼応して、国民金融公庫、中小企業金融公庫などが、代理貸しですけれども、一生懸命やってくれておるが、遺憾ながら板底一枚何とやらと申しますか、そういう漁業者の気風からして、質屋に通うとか、やみ金融に無理な金を借りるとかいうようなならわしがなかなか抜けないので、こういうものがばっこしておる。これはおそらく日本一ではないかということがいわれておる。これを撲滅して何とか健全な企業に立ち直らせるためには、やはりこういった政府金融機関がもっと積極的に出てやらなければならぬという印象を深めたものですから、そういう意味で特に申し上げたのです。私どもは函館の支所だけを見たから、これにばかにこだわって申し上げているのではないのです。そういう特殊事情はよくおわかりと思いますので、ぜひそういう意味でさらに善処をしていただきたい、こういう意味でございます。
 では、答弁を続けて下さい。
○木村説明員 税関関係について御質問の点をお答えいたします。
 まず、動物検疫の問題でございますが、これは御承知のように農林省が現在所管をしておられるわけでございます。ただいま御指摘になりましたように、動物検疫所がないために、横浜を回航して函館に入港しなくてはならぬという非常にむだな点がございますので、われわれといたしましては従来から検疫所の設置を要望してきておったのでございますが、この際なお農林省に重ねて強く主張いたしたいと思います。
 それから、保税上屋の問題でございますが、これは、函館は明治四十三年以来官設の保税倉庫を持っておりましたが、その後一般に保税上屋なり倉庫というものを民間に移管した方がいいのではないかというような考えから、全部官設の保税上屋を廃止しまして、そのかわり民間で申請が出れば保税の許可をいたしていくという方針に切りかえて、現在に至っておるわけでございますが、最近函館港あるいは小樽、室蘭、釧路等は次第に貿易の実績も上ってきておりますので、保税上屋の申請があります場合には、税関側としては喜んで許可をいたし、次第に上屋をふやしていきたいという考えでございます。
 次に、税関の庁舎の新設でございますが、御指摘になりましたように、明治末年以来相当年代を経た古い庁舎でございますので、できるだけ早い機会に建設いたしたいという考えを持っておりますけれども、たとえば東京税関のように、いまだに庁舎がなくて海岸に出れないというところもございまして、押せ押せに延びてきております。しかし、東京税関が建設された後におきましては、最優先的に函館の庁舎も建てかえたいというふうに考えております。
○諌山説明員 酒米の原料米の価格のことにつきまして、私から御答弁いたします。酒米の価格につきましては、先っほど足立先生のおっしゃいましたように、二十六年前は配給価格と同等の価格にいたしておりました。その後ある程度の格差がついております。三十年産米におきましては先ほど北島長官からもお話がございましたように、石当り三千円近いところの一般用との違いが出ております。去年の産米におきましても、石当り千九百円程度の違いが出ておるわけであります。それに対しまして、先ほどの御意見といたしましては、一般配給用までいかなくても、せめて業務用米程度の価格にしたらどうか、こういうような御意見と思います。これに対しましては、私どもはこういうような考え方を持っておるわけであります。
 第一点は、一般用配給につきましては、御承知のような規制配給をまだいたしておる段階でございます。それから、業務用はわずかしか出しておりません。最近でも年間十三万トン程度のものでございますけれども、これは一般の飯用といたしまして売っておるものでございますので、そういう面におきまして、酒米とはやや性質を異にしておる。酒米は、これは嗜好用の、嗜好品を作る原料である、こういうような考え方が第一点でございます。
 それから、第二点は、酒米に対しましてはいろいろ御注文もございますので、それに対しましては、できるだけ、私どもの方のコスト関係の考え方を離れまして、御便宜をはかっております。これは、御承知のように、酒米は上位等級米、一、二等品でなければならぬ。五等までございまして、最近等外まで買い上げをいたしておりますが、酒米には一、二等米を優先的に出しております。これは、最近非常に、一般配給用におきましても、政府の配給米はまずいじゃないかというような非難も出ておりますけれども、酒米は優先的にいたしまして、一、二等品を売却いたしております。大体全体のあれから見ますと、一、二等というのは、私どもの買上数量の三割未満の数字しかございません。そういう意味では大部分のものが三等以下のものでございますので、配給用に回すべき一、二等のものを特に優先的に回しております。
 それから従来はあまりそういう御要望にこたえられなかったわけでございますけれども、たとえば北海道の産米をつかまえてみますと、この米は年間大体最近は十万トンほど余って参りました。私どもは、一般配給用には、その地帯のものをできるだけ売って、運送のコストを下げたいというふうに考えておりますけれども、北海道産米は酒用に向かないというような御要望がございますので、北海道産米のものを東京、神奈川あたりに送っております。そうしてやはり東北地帯のいい米で代行させるような操作をいたしております。
 それから、酒米はもちろん新米のいいものでなければなりませんので、一般配給には古米も無理に押し込むので、いろいろやみ米との競合の点で問題がございますけれども、そういうことをやっておる点もございまして、相当選択性を持つ米でございますので、単なるコスト価格程度のものでも、私どもとしましては、実際上のそういう小さいコストを見ますと、相当上ってくるのじゃないか、こういうふうに考える点もございます。そういう意味で、近年主計局その他と十分相談をいたしまして、現在のような相当コスト価格も上回っておるような価格でお引き取りを願っておるようなわけでございますけれども、もう少し需給の緩和が出て参りまして、ある程度一般配給というものが自由になるというような線が出ますれば、さらに新たに考え直す必要があるんじゃないかというように考えております。現状におきましては、なおしばらく現在程度の価格でごしんぼうを願うことを希望いたしております。ただ、本年度あたりはさらに財政関係の主計局その他とよく御相談いたしまして決定いたして参りたい、こういうふうに考えております。
○足立委員 今食糧庁からお話がありまして、お話の趣旨はわかりましたが、特別いい米をひもつきで出しておるんだから、また嗜好品であるから、多少高くてもいいじゃないかというようなお話のように結論はお伺いしたのです。話を聞いてみますと、おっしゃる通り、食糧庁の指図で、どこどこへ行ってどういう米を受け取れということで受け取るようでありますけれども、ところによっては、決して東北方面ではなくして、岡山あたりまで行って引き取る。運賃は自己負担で運ぶ。そうすると、これはずいぶん高いものになる。さっき申し上げたように、酒税を政府はうんとこさとっておるわけです。嗜好品であるから、とれるんだというので、とっておる。その上今度は、農林省の方から、嗜好品であるから、米は高く売ってもいいんだ――さっき申し上げたように、ざっと計算して入ても約四%、二種課税と同じことになる。こういうことは政府部内で少し考え方を統一してもらわないと、とれるならあっちこっちでとるということじゃ、ちょっとおかしいと思う。これは主計局の問題になると思うが、やはり食糧庁としては――私も米価審議会をやって、コストをいろいろ聞いてみたのですが、中間経費の説明を聞いても、政府が扱うことによって、官僚的な扱いで、中間経費もそう多くありませんよということをいつも言っておる。何も中間経費を政府で負担せよとは言わぬけれども、コスト通り中間経費をとっても、こんなに高くはならないと思う。せめてコスト程度で売ってやって――特別手数がかかるなら、そのコストもやむを得ぬでしょうけれども、一面から見ると、今申し上げたように、岡山あたりまで行って米を運んでこなければならぬという負担もあるわけですから、そういう点をやはり正直にコストをはじいていただいて渡すということなら、私は筋が通ると思う、ただ、今のお話の中にもそういうニュアンスがあふれておるわけですが、これはとれるものだからといっていいんだという考え方は、根本において間違っておると思う。これは大蔵省と農林省でよく研究していただいて、もう酒税でこれだけとっておるのに、その上負担をかけてもいいというような考え方はやめていただきたいと思うので、つけ加えておきます。
○奧村説明員 それでは、まだ御答弁の漏れたのもありますし、私の立場から取りまとめてお答えを申し上げたいと存じます。
 まず最初に、札幌国税局管内の職員の石炭手当あるいは寒冷地手当などの増額の御意見については、現地をつぶさにごらんになられての御意見として、まことに傾聴すべき御意見と存じます。われわれとしても御趣旨に沿うように十分いたしたいと思っておりますが、御承知の通り、この石炭手当、寒冷地手当につきましては、一般国家公務員の手当につきまして、この増額の規定に関する法律が、前回の国会で参議院を通過して、衆議院で審議未了になった、こういういきさつもございまして、大蔵当局だけで解決のできない面もございますので、その辺もよく考えて善処していきたい。
 特に宿舎の増設につきましては、ただいまのお話のように、北海道は、特に、宿舎は割り当てられても、中の畳、建具は入居者の負担になる、こういうお言葉については、実は私は初めて承わるので、こういう実情についてはよほどわれわれもよく承知いたしまして善処しなければいかぬ。全国的にこの宿舎の増設には数年来特に力を入れておるのでありますが、ただいまの御趣旨に沿うてなお一段と努力いたしたいと思いますので、委員会におかれましても、なおこの上御鞭韃賜わらんことを、むしろこちらからお願い申し上げる次第であります。
 次いで、酒税に関連いたしまして、準一級酒の創設をするのかどうか、こういうお尋ねでございます。ただいま主税局長は出席しておりませんので、私から申し上げますが、かねて、一級酒と二級酒との間隔があまりに開き過ぎておる。二級酒は御承知の通り小売価格で五百五円、一級酒は八百円余り、非常に間隔があり過ぎる。価格的にも、また品質からいっても、その間に準一級酒という中間的なものを作って、もう少し大衆に親しまれるようなものを創出したらどうか、こういう御意見、御要望が多いのでありまして、実は当局といたしましては、これについては鋭意研究中であります。ただ、しかし、規格、品質をどうするか、あるいは価格をどうするかとか、税収にも関連いたしますし、まだ結論は得ておりませんが、研究中であり、また御趣旨の通りに努力いたしたい、かように存じておりますから、その程度で御了承賜わりたいと思う次第であります。
 その次に、北海道は酒屋さんの平均醸造石数が二千石ぐらいであって、特に酒が足りないから、北海道だけ特に割当をふやしたらどうか、つまり能力に応じてもっと自由にやらしたらどうか、こういう御趣旨の御質問がありました。そういう御意見もございますが、しかし、現在の方針といたしましては、日本全体の酒屋さんの団体である酒造組合中央会の意向というものをなるべく尊重して参りたい。それからいたしますと、ただ機械的に基本石数に割り当てるというだけではいかぬので、とりあえず昨年度からいわゆる中央保有米制度を作りまして、いささか能力に応ずるという方法を創出しておるのでありまして、それの実施の経過をよくながめまして、今後また十分検討して参りたい、かように存ずる次第であります。
 それから、酒造用の原料米の価格が、特に食管特別会計からの払下価格が高過ぎる、今のお話のように、せめて業務用の価格と同等ぐらいの価格に引き下げるべきではないか、こういう御質問であります。これにつきましては農林省当局から今御答弁がありましたが、これは、食管のお立場からいくと、何しろ食管の会計もやりくりが苦しいので、少しでも高く買っていただきたい、結局そういうことになろうかと思うのであります。しかし、今のお話のように、それだけではいけない面もあります。ただしかし、もし御趣旨の通り酒造用の払下価格を引き下げれば、それだけ食管の方の収入は減る。現在でも赤字があるわけですから、それだけ赤字がふえる。その赤字はどうして埋めるかということになれば、これは大蔵省主計局の方の心配になるわけでありますので、そういう点をよく今後相談いたしまして、御趣旨の通りにこの際大いに検討し、また努力いたすことをお誓い申し上げます。
 次いで、中小企業金融公庫の融資について、特に函館支店を作ったらどうか、こういうことでございます。中小企業金融公庫の関係者はただいま出ておりませんが、御趣旨の点をよく検討してみましたのですが、ただいま中小企業金融公庫の支店は全国で十ヵ所ありまして、北海道は札幌だけであります。新たに支所を作ろうということは――まだほかにもございますが、率直に申してまだ函館にまで手が回らぬということで、とりあえず代理貸しその他の方法で、一つ御趣旨の通りに善処いたしたい、こういうふうに存じます。
 最後に、酪農融資につきまして、これはまあ御趣旨の通り善処いたしますと申しますれば、まことに簡単でよろしいのでありますが――それで一つ御了承願いたいと存じます。
○黒金委員 関連して簡単に食糧庁に一点だけ伺いたいのですが、今酒造用原料米の払下価格について、明快であるような明快でないような御答弁がありましたが、もう少し承わりたいと思うのであります。昭和三十三年度売り渡し価格でもって千九百十五円の差がある。今のお話でありますと、何か奢侈品であるとか、それから手数がかかる、一等米が少いから稀少価値、こんなふうな御説明でありますが、それだけで千九百十五円という具体的な数字が出てくることは、どうもちょっとふに落ちません。そういう奢侈性なり、あるいはまた稀少性というものが昭和三十年から三十三年に少くなったようなこともちょっと考えられませんし、もう一歩突っ込んで、千九百十五円の積算の基礎をお教え願いたい。
○諌山説明員 これは、積算の基礎の中に、手数料とかそういうものまで言っておりませんが、これは主税局ともいろいろ御相談いたしておりますが、政府が最も高いコストで今の配給関係をやった場合に、末端にいく場合の価格というものを一応想定いたしております。つまり、いろいろな米があるわけでございますが、政府が一番高い価格で買う米でございます。たとえば早場米の奨励金にいたしましても、九月末までに出ますのを一番高く買いますから、そういう一番高い価格で買った場合の、それが末端の消費者に渡った場合の価格というものを一応算出の基礎にいたしております。ただ、今の、めんどうがかかります点は、具体的には算出いたしておりません。御承知のように三十三年米は一万三千八百円で、今はこれから千円近く落しておりますので、ある程度能力のあるところで持っていただくという線は、もちろんバツクとしてあるわけでございますが、積算の基礎といたしましては、そういうことでございます。
○黒金委員 重ねて伺いますが、なぜ一番高い値で売らなければいかぬのですか。安い値で買ったものもあり、いろいろプールされておると思うんですが、なぜ一番高い値で売らなければならぬのですか。その理由を承わりたい。
○諌山説明員 それは、先ほど申し上げました抽象的な、とにかく百四十万石というものを、まあ一日分増配くらいの数量になりますから、消費者に回すために買っておったものを、今の嗜好用であるというような観点でございますね、それから相当自由性を認めて、やはり酒米としていいものを、消費者用に選択する前に選択をしてやる、こういう点を考えまして、一番高い価格で一つお願いいたしたい、こういう考えであります。
○黒金委員 重ねて伺いますが、あなたは消費地での売り値とおっしゃいましたね。そうすると運賃は含まれるのでしょうね。ところが、実際の慣行を見てみますと、私の郷里は山形県でありますが、相当に好適米が多いのです。ところが県内のものはなかなかお割り当てにならない。たとえば岩手県に取りにこい。ところが岩手県から送ってはいただけないのです。実際に取りにいって、何日か向うでもって仕事をして、食糧事務所というのですか、そういうところでいろいろ運動いたしまして、それから具体的な米をきめて、その倉庫に行って、そこで受け渡しを受ける。あと運賃全部、小口のトラック賃も払い、汽車賃も払って、ようやく持ってくる。そうすると、あなたの御説明はちょっとおかしいようであり、またそのオーダーをお切りになる際の御指導方法と違うように思うのでありますが、その点は食糧庁では一体どうお考えになっておるか、伺いたい。
○諌山説明員 それは違います。今の一万三千八百円というような時期もございまして、先ほど政務次官も御説明いたしましたように、食管の財政負担というものをある程度かぶっていただくという線が、三十年産米なんかでは非常に多かった。それから千円引き下げたのが現在の価格でございまして、それは要するに具体的にその米にそれだけかかっておるというコストじゃございません。今政府でやっております末端配給になる場合を考えますと、そういう価格が出る。それを一応の標準にいたしておる。つまるところ、最後は、先ほども政務次官からお話がございましたように、財政負担の方で見るのか米価で見るのかという線になってくるのじゃないか。この点につきましては主計局とも十分相談しなければならぬと思っております。
○黒金委員 もう一回お尋ねしますが、そうすると、着値を基準にしておりますけれども、実際の取引は生産地渡しで着値でお売りになっておる……。
○諌山説明員 そうです。
○黒金委員 ちょっとおかしいのじゃありませんか。生産地で着値でお売りになっておる。そうすると運賃だけ何かおかしい感じがするのですが、その点は突っ込まれても平気でお答えになれるのですか。
○諌山説明員 それは科学的に積み上げてやったのじゃなくて、最高の価格の場合はどういう価格が出るのかというものを想定しまして……。
○黒金委員 着値で。
○諌山説明員 着値でございます。その価格で一つお願いしたい。従来、三十年産米のときはそれ以上の御負担を願っておった、こういうことでございますので、一応そういう程度の……。
○植木委員長 細田義安君。
○細田委員 私は専売当局にお尋ねいたします。
 一方には国民所得が倍増するというようなことで、十年後を目ざしていろいろの話題をまいており、これを何とか仕上げようというような努力もあるようでありますが、塩業の整備は、これとは逆に、二、三年前まではえらい勢いで拡大生産を奨励しておったものが、今日は、国費を八十七億も投じまして、これを整理しなければならぬという段階でありまして、この点は大へん論議を重ねた結果、先般議会で方向がきまったわけであります。しかし、私は、この過剰塩の整備対策につきまして、現在具体化のため作業中のことと思うのであります。この要綱にもいろいろ書いてございますが、塩業整備臨時措置法要綱、あるいは事業合理化計画書要綱、こういうものを拝見いたしますと、考え方につきましてはおおむねわかるような気がするのでありますが、他方石炭の問題などは大きく取り上げられまして、量も質も大きい問題ではございますが、この問題も同様に、対象は小さくても、打撃等を受ける当事者というのはきわめて深刻でございます。こういう点からいたしまして、私は、作業によって生まれておるであろうところの具体的な措置要綱と申しまするか、そういう資料がありましたら、後日検討を加えたいので、お示しを願いたいと思うのであります。
 なお、これに関連して伺いたいのは、非能率的な企業を整理いたしまして、国内塩業の基盤を強化し、あわせてその需給の均衡を得る、また事業会計の正常化をはかるということは、われわれもきわめて賛成でございますが、八十七億に上る巨額な資金をもってする仕事でありますがゆえに、大所高所に立っての事業の進め方、処理をはかられるよう強く要望したいのであります。整理は、優秀なものを残して、将来の技術革新と合理化を促すために行うと言っております。また、整理方法としては、自律的な自主的な申し出を原則とすると言われておるのでありますが、申し出が少く、また勧告にも応ずる者が必要数得られないという場合があろうかと存じます。この場合は、取消権を使いまして、整備審議会の審議に諮ってこれを行うというのでありますが、私がお尋ねしたいことは、審議会にかけるにいかなる基準で、具体的にはいかなる方法によって評定をいたしまして、取捨をきめるか、これを詳細にお示し願いたいのであります。また、その整理の条件につきましては、事業自体のみならず、立地条件とかあるいは消費地と生産地間の関係あるいは輸送費、程度の低い需給炭の有効利用等の諸条件を考慮の上に決定するのかどうか。かような点につきまして、現地におきまして、先般北海道に寄りまして、私はあそこの特殊事情というものを知り、石炭産業の諸君とも懇談会を開きまして、いろいろお説を伺い、また井華塩業につきましても現地視察に参りまして、これに関連して軽率な処置というものあるいは平面的な処置では、実際に即した整理というものはできない。将来補てんはしてもらえるとはいいながら、現に多くの国費を投じてやるわけでございますから、この点について専売当局はどう考えておるか、まずこれを伺いまして、次にさらに伺いたいと存じます。
○小林説明員 ただいまの御質問の点は二つあろうかと思います。
 最初の臨時塩業整備審議会にかけた際の、これを判定する基準についてでありますが、御承知のように、わが国の塩業の実態は、製塩法、また立地的に非常に複雑多岐をきわめておりまして、これが評定の基準をどうするかという問題につきまして、臨時塩業整備審議会におきましても、ただいままで数回にわたって審議を重ねてもらっておりますが、大体の方向は出て参っておりますが、最終的にこれというのがまだ出ていない。と申しますことは、先ほど申しましたようにいろいろなケースがありますものですから、ただ一本のルールだけでは当てはめられない。従って、原則と例外と、いろいろな基準を作らなければならない。ものによっては一つだけしかないというものもございますので、ケース・バイ・ケースになって参る問題もございますので、そういう点からしまして、現在のところ基準といたしまして最終的にきまったものは、大体方向は出ておりますが、まだございません。同時に、例の合理化計画書でございますが、先般今年度の塩価が七月の末にきめられましたが、その際に塩価を中心にしていろいろ問題がございまして、塩業界でもいろいろ議論がありまして、合理化計画書等が出る段階に参っていなかったのでございます。従いまして、それが済みまして、これから出て参ると思いますが、一応それらの出ることを目下塩業界に要望いたしております。もちろん機械製塩等につきましては大体出ておるのでございますけれども、その内容が非常にむずかしいので、これを正式に受理することについては、なお若干時日を要するのではないか、かように考えております。
 次に、輸送費その他特殊な立地条件等の問題でございますが、この点は、ただいま細田先生もおっしゃったように、今回の塩業整備は自主的にやっていただく、しかも、その方向は、価格政策と申しますか、塩価の目標を示して、それを目じるしにして、自分でやっていけるかやっていけないかの判断をするということになっておりまして、価格政策といたしましては三十七年度一万円という目標が法令でも示されております。塩業審議会の答申にも明示されておりますが、それを目標としてやっていけるかやっていけないかを、それぞれ自主的に御判断願って、きめていただくということになっておりますので、この臨時塩業整備審議会の審議におきましては、そういう問題も一応議論の対象になりましょうけれども、大筋といったしましては、その塩価でやっていけるかやっていけないかを御判断願って、やめるかやめないかをこの機会にそれぞれ御決定願って、やめる者は廃止願、それから交付金要求、こういうことになります。残るという御希望の方は合理化計画書を出して、それを臨時塩業整備審議会で御審議願う、こういうことになっておるのでございます。
 以上二点について回答申し上げます。
○細田委員 塩価につきましては、専売のことでございまするから、だれも同じ塩価でよろしかろうと思うのでありますが、塩価が同一であったというような場合におきましては、合理的に経営を進めますれば、その場合において、消費者の立場から申せば、運賃のかからないものが安くいくか、あるいは国家的にはその点が節約できるか、こういう問題があるわけであります。さらに、北海道のような立地条件のもとにおいては、非常にカロリーの低い炭をどこへ持って行くかという問題がありまして、これをたやすく得ることができる。両方あわせまして効率を発揮することができるというような条件もあります。それから、北海道自体の消費を考えますると、約二万三千トンから二万五千トンという生産でございますから、半分くらいの程度でございます。全国平均の運賃は二千七百四十円ということになっておるようでありますが、北海道は登別のそれを使いますると千三百五円で足りる。平均よりは千四百円余り安くいく。もっと高いやつを標準にいたしますると、たとえば金沢あるいは広島というようなものを持って参るということになりますと、トン当りの運賃の格差は二千円もあります。私は、国家の機関が国民の金を使ってやるのでありますから、ただ単に事業それ自体だけを見ずに、広範な立場から各種の資料を総合いたしましての判断がなされねばならぬ、かように思うのであります。まあ北海道の運賃の問題は、政府も北海道何とか審議会もよくいろいろ叫んでおりまするが、この問題一つ片づかないというだらしのなさに、北海道に参りましてあきれたものでございます。運賃の差はここで申してもいたし方がありませんが、北海道の諸君は本州のそれよりは十五億年間運賃をよけい払っている。運賃をよけいかっとばして、また補助金や振興費を振りまいてみてもだめでありまして、北海道の産業を見ますると、どれもこれも社宅でも作ってやらなければ、労働力を吸収して事業経営ができないという、固定資産その他の負担増もあるわけでありますから、こういう点で運賃の合理化も他方やらなければなりませんが、合理化をやったといたしましても、なおかつこの差を大きく縮小するということは困難ではなかろうかというような点で、炭の問題、それから輸送の問題からいきまして、同じような条件であるならば、北海道に新しい産業を持っていくということに骨を折っておるのでありますから、むしろこういうものを育成してやってはどうか、そういう配慮というものがなければならぬ、私はかように今度の視察において強く認識したのであります。なお、作業を続けておるということでございますから、後日成案を得ましたら、それを拝見いたしまして、検討の上さらにお尋ねをするような機会があろうと存じます。委員長、ありがとうございました。
○植木委員長 横路節雄君。
○横路委員 政務次官にまず最初にお尋ねをしますが、それは、先ほど足立委員から御質問がございました北海道在勤の国家公務員に対する石炭手当の三段階に分けての支給の問題です。これは、政務次官からも先ほどお話がございましたように、議員立法で参議院を通過して、しかも衆議院の内閣委員会でも満場一致これがきまって、本会議に上程されようとして、それが、会期末のいろいろな問題で、本会議で議決にならないで、法案が流れたわけであります。そこで、御承知のように、議員立法の場合は、そのために予算の増額が伴う場合には、必ず政府当局の意見を聞いて議決する、こういうことになっておりますので、内閣委員会において、国家公務員の石炭手当を三段階に分けての支給は、これは予算の増額を伴うわけですから、政府当局、すなわち大蔵当局を呼んで、当然意見を聞いたわけです。意見を聞いたところが、大蔵当局としては、参議院を通過して衆議院にきているので異議ございませんということになった。ですから、先ほどの国税庁長官の御答弁を聞いていると、自分としては、国税局関係の職員には、ぜひ一つ要望のあった点で支給してもらいたいということの御答弁がありましたが、大蔵政務次官は、これは大蔵当局のみの問題ではないということですが、内閣委員会においては、これは予算の増額を伴う議員立法の条件ですから、当然大蔵当局はこれに承認を与えているわけです。ですから、私がお尋ねをしたいのは、次の臨時国会あるいは通常国会でこれが出てきた場合には、先般の通常国会で大蔵当局は当然省議、閣議等を経て答弁をしていることですから、大蔵当局としては異議がないと私は思うわけですが、その点はいかがですか。
○奧村説明員 お答え申し上げます。ただいまお述べのような前国会における石炭手当、寒冷地手当の特例措置についての法案の詳しいいきさつについては、実は私詳しく存じておりませんので、その際内閣としてその法律案に承諾を与えたかどうかということも、実は私は存じておりません。どうせこれが実現するとすれば、来年度の予算の編成の中に盛り込まねばならぬ性質のことでありますから、その時期にまた内閣としても正式に取り上げて協議することと思いますので、ただいま私の方でどうという明確な答弁はいたしかねますので、悪しからず御了承願いたいと思います。
○横路委員 国税庁長官にはこの経過をよく知っておいていただきたい。先ほど長官からはぜひそうしてもらいたいという答弁があったわけですが、これは、先ほど来私からお話をしたように、与野党一致して通したわけです。しかも、この場合は、予算増額を伴う案件ですから、必ず政府の意見を聞いており、政府側としてもいろいろ事情があってこれの了承を与えているわけですから、そういう意味で、政府次官としてここで必ずしますということは言えないとしても、責任を持って一つ努力をしてもらいたいと思うが、どうです。
○奧村説明員 私は実はこの問題は本日初めて承わったので、一つよく研究して努力いたします。
○横路委員 政務次官は、先ほどの足立委員の北海道視察に関するいろいろなお話を聞いて、非常に賛意を表して、なかなかいい御返事をなすったのに、重ねて私からのこの問題に関する質問には、そういうようなあいまいなことでは非常に遺憾だと思います。この点は、国税庁長官からも、あとでよく政務次官にもお話をしておいていただきたいと思います。
 そこで、第二番目の問題ですが、先ほど足立委員からもお話がございましたけれども、これはさきの大蔵委員会でもたびたび議論したことでありまして、この点政務次官も大蔵委員としてよく承知のはずだと思います。それは、酪農振興法に基いて政府が指定する集約酪農地域内における牛乳、乳製品の増設設備によって、年に百万石以上の増産があるが、このために大体年間五、六十億くらいの設備資金がかかるわけであります。この点は、ここで乳価の安定について議論した場合に、農林漁業金融公庫としては業務方法書の一部を改正すればできるのだと言われた。御承知のように、農林漁業金融公庫の業務方法書では、その株の九割以上を農業協同組合が所有している場合においては、それが会社であっても、それは長期の低利資金の貸付を行うということになっている。ところが、必ずしも今日九割以上という会社ばかりではないわけです。しかし、実際には毎年百万石以上の増産を見ているわけですから、これを消化していかなければ、結局は農民から買い上げる乳価が下っていく。そういう意味で、本大蔵委員会でも議論した場合に、農林漁業金融公庫としては、業務方法書の一部を改正して、九割以上農業協同組合が株を持たなくても、今お話ししました酪農振興法に基く政府が指定する集約酪農地域内における牛乳、乳製品の製造設備の増設については、当公庫の取り扱う長期低利資金の貸付ができるようにいたしてよろしゅうございますと、こういうことを言っているわけです。問題はあとは大蔵省なんです。だから、大蔵省としてはどうなさるのか。農林漁業金融公庫としてはそういう答弁をされておる。あとは問題は大蔵省でそれに対して承認を与えればいい。これは非常に問題なわけです。年に百万石以上なかなか消化できない。だから、結局そういう施設をしなければならない。それが九割以上ということで、そこで条件が付されておるから、その点だけ業務方法書を改正すればできるのだ、こう言っておるわけです。政務次官はここで何べんも大蔵委員として私らと一緒に議論したことなんです。この点はどうですか。簡単に業務方法書の一部を直せばできるわけです。
○奧村説明員 ただいまの御質問の御趣旨は、集約酪農地域における酪農振興のために牛乳、乳製品施設の拡張についての融資に際して、農林漁業金融公庫の業務方法書を改訂して――いわゆる九割以上が農林漁業者であるという法人に限って融資するという業務方法書を改訂して、もっと大幅に融資するようにしろ、こういう御趣旨でありますが、実は、私どもとしては、その程度でほとんど目的を達しておるように思うのですが、横路委員のお尋ねのように、なおこの上業務方法書を改訂して融資を拡大すべき融資の分野というのはどういう面か、具体的に聞かしていただいた方が、話が早わかりでいいと思いますが……。
○横路委員 これは農林漁業金融公庫の業務方法書によって、こういうような新しい増設設備については、九割以上の株を農業協同組合が所有しているそういう会社、あるいは協同組合連合会でなければ融資ができないわけです。それを、そうでなしに、九割に達しなくても、一般の乳業会社に対しても、新しい増設については、九割以上の農業協同組合あるいは連合会が株を所有していると同じように、長期の低利資金の貸付をするようにしてもらいたいということなんです。おわかりでしょう。
○奧村説明員 わかりますが、大体みな九割以上の株主で該当しておるように思います。具体的に申し上げますと、たとえば明治とか森永とか、こういうものは業務方法書を改訂しても該当しないと思いますが、今業務方法書をどの程度に改訂したらよろしいとあなたはお考えになりますか。
○横路委員 あなたの御指摘の点は――前に九割以上の株を持っているのは合併以前のクロバー乳業だけです。ところが、実際には合併されて、今日は、たとえば雪印乳業においても、前には雪印乳業そのものでも九割以上が農民並びに農業協同組合の所有ではない。だから、雪印乳業自体でも対象にはなっていなかった。わずかにクロバーだけが対象になっていた。ところが今度は合併になったわけです。合併になって両方の株があれですから、九割以上にならない。ですから、そういう意味では、いわゆる農民をもって組織しておる、あるいは農業協同組合が株を所有しているというけれども、その雪印においてなお九割に達しない。ですから、当然その新しい増設というものは、全部がそれぞれ長期の低利資金にはよっていないわけです。だから、そういう意味で、ぜひこの乳価安定、消化する意味において、百万石以上年々増加してくるものについては、それを消化しなければならぬのですから、長期の低利資金のワクの中に入れるようにしてもらいたい、こういうわけです。
○奧村説明員 私としてはなるべく横路委員の御質問に忠実に誠意をもってお答えしたいと思いますから、少ししつこいことを申し上げますが、農林漁業金融公庫法、この本法には、御承知の通り、第一条に、農林漁業者、または農林漁業者の作る団体と申しますか、そういうものを融資の対象にしておりますので、その本法の精神からしてあまりワクを広げ過ぎるのはいかがなものか、こういうことに考えております。従って、御要望をなるべく実現するように、業務方法書をどの程度、どうすべきかということをできるだけ明らかにいたしたい、かように思うのであります。御趣旨はよくわかりましたので、その御趣旨を体して十分研究、努力いたしたいと思います。
○横路委員 次に、国有財産の点についてお尋ねしたいのです。
 北海道の千歳市所在の旧千歳海軍第一及び第二陸上基地、第四十一航空廠等の施設、土地が三百四十九万坪、建物一万六千坪、これは提供財産として駐留軍と防衛庁において共同で使用しているわけですが、本年の七月二十日に一部返還された土地が約二百五十五万坪、建物が約八千坪あるわけです。この返還財産の処理方針について目下検討中であるというのが、先般われわれが北海道財務局を視察した場合の財務局長からのお話であります。この点について、まず大蔵省側に、ただいま検討中であるというのですが、どういう検討をしておるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○賀屋説明員 お答え申し上げます。
 御指摘の土地は千歳の飛行場の一部でございますが、この土地の処理につきましては、防衛庁の御意向と運輸省の御意向との間になお若干調整すべき点が残っておりますので、両者の御意見を伺いまして最終的に結論を出したいということで、ただいま検討をいたしておる最中でございます。
○横路委員 防衛庁の経理局長おいでだそうですね。防衛庁としては、この返還になりました土地二百五十五万坪、建物八千坪についてはどういう希望を持っておるのですか。
○山下説明員 お尋ねの飛行場の地区は、現在防衛庁の航空自衛隊第二航空団が所在しておりまして、第一線としての空の守りについておるわけでございます。今後ともこの土地は、防衛庁としては、重要な場所としてぜひ確保しておきたい、かように考えておるのでございます。
○横路委員 ただいま管財局長から防衛庁と運輸省との間に意見の食い違いがあるというお話ですが、運輸省としてはどういうお考えなんですか。
○賀屋説明員 運輸省との間に問題になっております点は、建物の使用の範囲についてでございまして、運輸省としてはなるべくたくさんの建物を使いたいということで、防衛庁との間に多少意見が食い違っておるということでございます。
○横路委員 運輸省側と折衝された責任者ですから、当然管財局長にお尋ねしますが、運輸省としては、その建物を何にしようとするといって、管財局長の方にお話がありましたか。
○賀屋説明員 一部は飛行機の格納庫、それから民間航空の場合のターミナル・ビル、その他気象観測等に使いたいということを申しておりました。
○横路委員 防衛庁の経理局長にお尋ねしますが、防衛庁側としては、この千歳の飛行場全部について、民間航空についてはこれでなしに、完全に航空自衛隊関係、第二航空団だけで使用したいという考え方があるのかどうか。そのために、今運輸省の方で、返還になる二百五十五万坪、八千坪の建物を、運輸省の方では格納庫その他に使いたいというのですが、あなたの方では全部それを使いたい、こう言っているのは、将来千歳の航空基地は、いわゆる民間航空については使用させない、全部あなたの方でやる、こういう考え方なのか。そういう考え方は別にないが、しかし、全部航空自衛隊として、第二航空団として使いたいというのか。どういう考え方で進まれているのか。その点について……。
○山下説明員 ずっと将来のことを考えますと、防衛庁といたしましてもある程度の航空機の増強等もありましょうし、また、民間飛行場といたしましても、相当ひんぱんに民間機の往来が予想されるということでありますので、あるいは飛行場を分けた方がいいという御意見が出るかとも思われますが、現在のところといたしましては、民間機と防衛庁の飛行機とが共同使用して何ら差しつかえのない状態でございます。
○横路委員 管財局長にお尋ねしますが、実は、ここの土地並びに建物の一部については、地元の千歳市から駐留軍の撤退に伴う駐留軍労務者が一時的に多量に失業者が出た。それはめいめいが技術を持っているわけですね。だから、一般の失業対策事業というので、公共土木事業に従事させるのには、あまりにも技術労務者である。多年にわたる技術者であるので、従って、地元の千歳市としては、北海道の財務局長に対しては、ぜひ、この建物については、千歳市の発展のために、たとえば自動車の整備工場であるとか、その他の機械工場であるとかいうことで、ぜひ市の方にも払い下げをしてもらいたい、こういう話が実はありました。私たちは何べんも千歳でその話をお伺いをし、先般実は北海道の財務局へわれわれ大蔵委員全部が参りましたときの懇談の席で、私どもが話をしたときでも、北海道の地元の財務局としては、地元の千歳市からそういう話があるので、当然、財務局としては、千歳市の発展のためにも、それぞれ建物土地等の一部については、そういうことに使われるように配慮しなければならない、こういうように言っておられるわけですが、この点は管財局長の方に言ってきていませんか。私たちは何べんもこの話を聞いておるのです。
○賀屋説明員 お答えいたします。今日までのところ、まだ市の御当局にそのような御要望があるということは報告を受けておりません。しかしながら、さっそくこの点につきましては現地財務局にも照会いたしたいと考えておりますが、その際によく市当局の御意向、御要望の点、どういう計画でお使いになるかという点を詳細に御報告を受けまして、さらにそれが運輸省あるいは防衛庁の方の使用との間に調整のつく問題であるかどうかという点につきましては、本省におきまして十分検討いたしたいと思っております。
○横路委員 国有財産、これは防衛庁、運輸省には所管外ということになるでしょうが、やはり、こういう旧軍の国有財産については、私は、できるだけ地元の地方公共団体が発展するように払い下げをしていくのが、国有財産についての運用の仕方だ、こう思っている。そういう意味で、まだこちらの方に伝わっていないわけはないと思う。前の千歳市の市長も大蔵省に行って話をしてきました、こう言って、たびたび私たちの方に寄って話があるわけです。われわれにも何べんもその話があり、先般財務局に行きましたときもその話があった。この点は、管財局長、一つぜひ旧軍の所有のものについて――これは、私は、地元の地方公共団体が産業発展ができるように、やはり地元の地方公共団体というものを優先的に考えて、国有財産の譲渡をすべきだ、こう思うのですが、この点はいかがですか。
○賀屋説明員 先ほどお答えいたしましたように、まだ市の御当局からは直接お話は伺っておりませんし、また財務局からもそのような報告は受けておりません。ただ、一般的な問題といたしまして、旧軍財産の処理の方針の問題でございますが、理論的に申しますれば、国有財産でございますので、提供をしておりましたものが返って参りました場合には、国がやはり優先的に使うべき筋合いのものであろうというふうに考えるのでございます。ただ、その場合の国と申しましても、必ずしも防衛庁には限らないわけでございまして、病院、学校等のいろいろな用途があるわけでございます。しかしながら、その次には、公共団体等の御要望は、これはもちろん重要視すべきものであろうと思うのでございましてその点につきましては、従来とも、こういった財産の処分に当りましては、十分地元あるいは市町村等の御意見を伺って処理して参っておりますが、今後ともそういう方針でやって参りたいと考えます。また、旧軍財産で、これが民間の産業に役に立つ、あるいは民生安定上のいろいろな施設に役に立つというような場合も多いわけでございます。結局のところ、どれを優先させるという、特に優先させることの順位を頭からきめてかからずに、ケース・バイ・ケースに、なるべくその財産が最も効用を発揮するような用途に充てるというようなことで、ケース・バイ・ケースにきめていかざるを得ないというふうに考えております。また、場合によっては、最も多くの方々に満足のいきますように、分割して、あるいは共同で御使用を願うということも考えていかざるを得ないと思うのでございます。
 大体以上のような考え方でもって処理して参ったわけでございますが、この考え方は今後とも踏襲して参りたいと思っております。
○横路委員 管財局長にお尋ねしますが、最終的にこれをきめるのは、やはり財務局長が諮問機関として持っている地方審議会でおやりになるのですか、それともこの点については中央まで持ってくるのですか、どうなのですか。
○賀屋説明員 これは地元の問題といたしまして、北海道財務局に付置されております地方審議会に付議いたしまして決定さるべき問題でございます。
○横路委員 同じく国有財産の問題ですが、千歳市の隣の恵庭町というところですが、ここには旧陸軍の島松演習場、旧北部軍教育隊の小銃射撃場、土地が約千十五万三千坪、これが本年の四月に提供解除となって、目下防衛庁に演習場として所管手続中であるというのが、これも同じく先般の視察のときにわれわれ報告を受けたわけです。そこで、この点についてまず管財局長にお尋ねしますが、米軍が接収したといいますか、米軍に提供した場合に、たしか調達庁としては、それに隣接している民有地を買収して、そして同じ演習場として、陸軍の島松の演習場、それに隣接している民有地を調達庁は買収して、あわせてそれを使用していたと私は思うのです。この点については、ここでは旧陸軍の島松演習場及び旧北部軍の教育隊の小銃射撃揚だけのことが載っているわけですね。この調達庁の民有地買い上げの点については今後どうなさるのか、まずこの点についてお尋ねをしておきます。これは調達庁になりますね。
○高野説明員 お答えをいたします。ただいま御質問の旧軍島松演習場の隣接区域の土地を調達庁が買収したというお話でございまするが、隣接区域の買収につきましては、ただいま私資料を持ち合せておりませんので、ちょっとお答えができないのでございます。
○横路委員 この点は防衛庁の方ではおわかりですか。
○山下説明員 ただいま手元に詳細な資料は持ち合せておりませんが、防衛庁といたしましては、先ほどお話のありました千十五万三千坪の旧国有財産に隣接いたしまして、四百六十五万坪ばかりの民有地を少し前に買収したということに相なっております。
○横路委員 調達庁の方ですね。
○山下説明員 防衛庁です。
○横路委員 実は、これは防衛庁の経理局長にこの点をお尋ねしても――ほんとうは防衛局長に来ていただくと一番よかったのですが、まずこの点について、ここの土地の問題について、七月の二十二日から八月六日まで、千歳の第二航空団のジェット戦闘機が射撃訓練をやったわけです。約延べ千機にわたって射撃訓練をやった。そのために現地の農民に非常に被害が多くて、私も現地に行ったのですが、その後農民代表が、たしか今月の八日、第二航空団の中島司会にお会いした結果、演習はひとまず中止するということになった。一体中止するというのは、被害があったから中止するということになったわけですが、その前にちょっとそれを調達庁の方にお尋ねをしたいのですが、これは三十二年にまだ米軍の千歳の航空隊の米軍のジェット戦闘機が演習をやって、被害が非常に起きまして、御承知のように、野崎という人に対して、どんどん乳量が減ってくる、あるいは牛は流産をする、本人の奥さんはそのために病院に入院しなければならぬということになりまして、調達庁としては、その被害については補償するということになりました。実は、内閣委員会で、わが党の石橋委員からも、昨年の十一月でしたか、この点について御指摘をいたしまして、調達庁としては補償するということになった。いまだにこの補償がきまらない。この点について、本人はもちろん、このために税金の滞納もしている。それからよそから金も借りてこなければならぬ。税金を滞納すれば当然延滞利子をとられる。ところが、調達庁の方はなかなか最終的な決定をなさらないのですが、これはいつ最終的に決定をされて支払いをされるのか、まずこの点ちょっと先に調達庁の方にお尋ねをしておきたいと思います。
○高野説明員 お答えいたします。
 米軍ジェット機の音響が乳牛に与えまする影響につきましては、従来学問的に不明でございまして、その被害額の確認はきわめて困難でございましたので、当庁といたしましては、かねてから北海道大学並びに農林省北海道農業試験場、これに調査を依頼いたしたのでございます。この調査の研究結果につきまして、最終的意見書が最近八月十九日に農林省北海道農業試験場畜産部から当庁の札幌局に提出されまして、現在札幌局でその内容を検討いたしておりますので、当庁といたしましてはこれに基きまして早急に解決いたす所存でございます。
 なお、米軍のジェット機が演習いたしました当初、野崎氏の乳牛一頭が音響に驚きまして森林の中に狂奔して負傷して、翌日死亡した事件がございまするが、その乳牛一頭の補償につきましては、すでに補償済みでございます。
○横路委員 調達庁の不動産部次長にお尋ねしますが、乳牛その他についての被害については、八月の十九日に農林省の出先機関の方から書類が完全に出そろったという話ですが、これはいつ支払いをするわけですか。この前私は調達庁の方にお伺いすると、いや資料が出さえすれば七月の終りまでには支払いをしますとか、いろいろ言うているわけです、あなたの方は電話その他で。きょうは電話ではだめだから、正式の委員会で、一体いつ支払いをなさるのですか。これはほんとうに野崎という人の生活は困窮しているのです。そのために税金その他を滞納しています。ほんとうならばあなたの方は延滞利子をつけて払わなければならぬ。税金の方は延滞利子をつけるが、あなたの方は何ぼおくれても延滞利子はつかないのですからね。現に、これは、三十二年七月十九日に、千歳の米空軍司令官室において、当時の米空軍司令官のスメリーという人が、まことにこの点は申しわけないと、本人並びに町長その他を入れて話をしてあることなんです。これはそういつまでもじんぜん日を送るというわけにはいかない。まず、その点はいつになるのですか。
○高野説明員 お答え申し上げます。先ほど申し上げましたように、最終的意見書が札幌局に提出されまして、ただいま内容を検討中でございまするが、至急――手続上本庁協議になっております。本庁で、あとは手続上の問題でございまするが、大蔵省の協議等若干の手続がございまするが、至急支払いまで解決いたしたいと考えております。
○横路委員 前々から至急ということになっているのです。今月終りぐらいまでには至急できますか。それとも来月の初めになりますか。これはいつでもあなたの方は延び延びになっておる。しかも、これは、資料だって、私は現地で調べたのですが、何べんも出している。資料はほんとうは重ねて出さなくてもいいけれども、どうも調達庁は何べんも出せ出せと言って、現地でも閉口しているのです。だから、そういう意味で、前の資料と変りはないと思うのです。これは実際同じものが出ているはずです。だから、支払いをするとなれば、今月一ぱいだって支払いできるはずです。この点はどうですか。
○高野説明員 支払いの時期まで申し上げますると、今月中ということは手続上無理でございまして、一、二ヵ月は要すると存じまするが、一日も早く支払いまでこぎつけたいと考えております。
○横路委員 一、二ヵ月ですか。重ねて――今私ちょっとうっかり聞いたのですが、一、二ヵ月かかるというのですか。
○高野説明員 九月一ぱいに必ずお支払いすると申し上げますると、ここで申し上げましても、あるいは一日二日おくれても申しわけございませんので、一日も早くお支払いするというふうにお答え申し上げておきます。
○横路委員 防衛庁の経理局長にお尋ねしますが、今お聞きのように、調達庁側としては三十二年の米軍のジェット戦闘機の射撃訓練について、そういうふうに被害が出ましたので、非常に長期間にわたりましたが、今度支払いをすることに決定をした。七月の二十二日から八月八日までの航空自衛隊のジェット戦闘機射撃訓練も同じように被害を与えている。現に標的の場所は同じで、ただコースを直角に変えただけですから、今度新たにその上を飛ばれる農民は被害を受けている。現に牛を飼えなくなって、牛を飼うのをやめている。手放している農民も出てきている。今度、現地の中島司令が、演習を一まず中止します、こういうことを言っているのは、現地の農民にあまりにも甚大な被害があるというので、それで一まず中止ということになった。本来からいえば、御承知のように、これは旧陸軍の島松演習場で戦後は緊急開拓で約五十芦入ったのです。それが、米軍が出て、あそこを戦闘機の訓練にというわけで提供財産になった。これは管財局長に聞いてもらいたいのですが、これは米軍が帰った後は、私は再び――これは一番いい農耕地なんです。北海道が今日火山灰地あるいは泥炭地その他多くの土地の土地改良をやって多額の金を使っておるときに、一番手っとり早いこの土地、ほんとうからいえば農耕地、千十五万三千坪ですから約三千四百町歩くいらです。計算しますと、一戸当り五町歩平均に入れても、約七百戸からの農民が入る土地です。本来からいえば、これは農耕地なんですから、これは農地として開拓農民あるいは農家の次三男にやるべきだ。この点は私は管財局長にあとでお尋ねをしたいと思うのですが、遺憾ながら、現地の財務局長は、六月の二十四日かに、これについては防衛庁に所管がえをするというようにしておるようですが、この点私は十分管財局全体として考えてもらいたいと思うのです。
 これはあとで管財局のお考えも聞きますが、そこで経理局長にお尋ねをしたいのですが、調達庁については米軍のジェット戦闘機の訓練については、被害について支払いをするということになっている。今度は、航空自衛隊の第二航空団の戦闘機訓練ですが、その場合に被害が出れば当然支払いをすべきだと思いますが、この点はどうですか。経理局長にお尋ねをします。
○山下説明員 米軍の与えました損害に対する補償につきましては、特別に特別損失補償法という法律の根拠がございまして、それに基いて調達庁が補償の措置をとられるわけでございます。自衛隊が米軍と同様な損害を地元の方々に与えた場合にどうするかという問題につきましては、法理上は法律の適用がなされないわけでございまして、今までは支払う根拠がないわけでございます。しかし、条理上の問題といたしまして、同じような損害を与えた場合には、何らかの措置をしなければなるまいということは、かねてから問題になっておったところでございます。現在法律上の根拠はないのでありますが、学校等に輸送等でいろいろ御迷惑を与えました場合には、特別に予算措置を講じまして、防音装置をする補助金を大蔵省から認められておるわけでございます。御指摘のような損害が起りましてこれが現地の方々からいろいろ御苦情になって現われました場合につきましては、十分その実情を調査いたしました上で、予算その他については大蔵省とも交渉いたしたい、かように考えるわけでございます。
○横路委員 今の点ではっきりしましたことは、米軍の与えた損害については法律で調達庁の方で支払いをするようになっているが、自衛隊については、法律上は損害を与えたものについて支払いをするという法律がない、こういうわけです。ただし、ないけれども、条理上は支払わなければならない、こういうことですが、この点はどうですか。米軍が一般国民に与えた損害について法律によって支払いをするように、あなたの方でも、そういう損害を与えた限りにおいては、法律によって支払いをするということが私は当然だと思うのです。そういう法律がなければ、あなたの方ではそういう法律を国会に出してこなければならぬと思うが、経理局長どうですか。
○山下説明員 米軍の使用に伴います特別損失補償法と申しますの、外国の軍隊が日本に駐留するという非常に異例な事態に対処するための特別立法措置でありまして、そのまままっすぐに日本の自衛隊にこれを適用するということにつきましては、立法論としてもいろいろ問題があるところでございまして、長い間いろいろ議論した結果そうなっているわけでございます。ただ、今申し上げましたように、条理上の問題として処置しなければならないということにつきましては、調達庁が現在やっておられるのに準拠いたしまして、できるだけケース・バイ・ケースに予算の措置をやっていきたい、かように考えているところでございます。
○横路委員 経理局長にお尋ねします。なぜ、自衛隊が一般国民に損害を与えた場合に、法律の規定に従って支払いをするというように、法律を制定することが悪いのですか。
 あとで私は委員長にもお願いして、この問題は防衛庁の防衛局長かどなたかに来てもらって伺いたいのだが、演習の中止その後の事情――これは中止なのか中断なのか、その点を伺いたい。
 経理局長に伺いますが、法律を作ってそれによって支払うのがなぜ悪いのですか。あなたの方で、条理上、やはり国民に迷惑をかけたから相済まぬ、こういって支払うのだ。それは米軍の駐留によって国民に迷惑を与えたときの特別立法、それに準拠してやるのだ。それならば、準拠しないで、自衛隊としてきちっとやるべきだと思うが、そういうお考えは全然ないのですか。それとも、今まで議論したけれども、そういう法律によってやる必要はない、こういっておやめになったのか。これは大蔵政務次官にお尋ねするが、一体何の根拠によって支払いをするのか。
 それから、経理局長にお考えをいただきたいの、これからどんどん米軍から返ってくる、農耕地として一般に返ってくるものを、再び防衛庁ではあなたの方の演習場としてこれを使われる。そうなれば、当然それに応じた被害がすぐ訓練その他によって出てくる。その場合に、あなたの方は法律による補償はないのだということでは、支払いをする上からいっても、大蔵省がそれについて協議をして承認を与えてやるというのでは私は不当だと思う。そういう意味では、きちっと法律を作られて、それによって支払いをすべきだ。当然次の臨時国会なり通常国会にそういう法律をお出しになる用意をすべきだと私は思う。私の言い分の方が正しいと思うが、経理局長どうですか。
○細田委員 関連して。
 ただいま法律論がありましたが、私は、横路さんの御質問は非常にいいお考えであり、また私どもがお尋ねしたい点でございますが、特別立法であるところの日米間のそれを規律する特別立法は適用できないが、民法の方を適用して処置をしようということ、その辺です。これは、損害を生じた場合において損害賠償するのは、公法人であろうが、国家であろうが、個人であろうが、当然でございます。ただ、その場合に準拠すべき法律は何か、準拠すべき条理は何かということになりますると、米軍の場合においては、そういう特別の立法があるから、それをたてにして処理する。他方それがないものについてどうするかといえば、立法がない場合におきまして、直接にそれを引き合いに出して処理できない場合におきましては、民法の方で損害賠償の条項があるのです。こういうものが準則として僕は適用になるのじゃないかと思う。私は、商売は弁護士でございますが、そんなふうに考えておる次第でございますが、どうです。
○山下説明員 お尋ねのように、国家が不法行為または合法行為によりまして民間人に損害を与えました場合には、民法または国家賠償法等の規定によりまして、損失補償または損害賠償の適用を受ける。これは当然のことでございます。
○横路委員 これは、先ほど、特別な法律はないが、小学校等においては防音の設備をしている、こういうことですが、実は、今の千歳の恵庭の演習場では、大体小学校の真上を二つ通るわけです。一つは盤尻という小学校の真上を通る。これは射撃を終えて直ちに上昇すればいいのですが、ほんのちょっと時間がかかると、盤尻小学校の上を飛んで折り返す場合に、同じ町内にある川上という小学校の真上を通る。この点は、沖縄に例がありましたように、将来そういうような不測の災害が全然起らないとはいえない。真上を飛ぶのです。その真上を飛ぶものについて、防音装置をしたからいいのだということにはならないと思う。
    〔委員長退席、濱田(幸)委員長代理着席〕
この点は、現地の農民としては、とりあえず今の問題は、この標的を奥地に移動してくれと言っている。この点については、あなたにお尋ねしても、経理局長では無理かなとは思いますが、しかし、私は、きのう政府委員の方から私の方に電話がありましたから、私がきょうお尋ねするのはこれこれですということを私は申し上げておいたのですから、当然そのことも用意されているかと思いますから、これは当然、小学校の真上を二ヵ所飛ぶものを、防音工事をしたからそれでいいのだという問題ではなくて、当然これは標的を完全に奥地に移動しなければならぬ。どういう意味で、今度の、今の八月の二十二日から九月八日までの演習が、農民側から苦情の申し出があって中止したことは事実だが、その中止は将来ともにずっと中止をするのか、それとも、ほんのわずかな問中断をして、農民側の意向の、ほとぼりのさめるのを待ってまたやるのか、その点は防衛庁側としてはどういうように方針をおきめになっているのですか。
○山下説明員 現在お尋ねの問題になりました標的と申しますのは、米軍時代からありましたものでございますが、米軍時代は、先ほどちょっとお話がありました野崎さんという牧場主の真上を通って射撃訓練をしておられた。これが非常に問題になりまして、二年ばかり前に、現地の方と、あるいは米軍等も立ち会って、コースを九十度変えるということで、一応話し合いがついたわけでございます。そのコースに従いまして、先般来、防衛庁は米軍から引き継ぎましたこの射場について訓練を行なっておったのでありますが、そのコースでもなお騒音その他によるところの被害があるということで、いろいろ地元の方から御意見がありましたので、現地の団司令といたしましては、一応地元とお話がつくまで射撃を中止いたしまして、そしてその標的の位置を適当なところに移すということについて、地元の御協力を得て十分に今調査を進めて、そうして十分地元の御納得を得た上で射撃を再開したい、かように私たちは聞いている次第であります。
○横路委員 今の経理局長のお話の中で、ちょっと誤解があると思う。それは三十二年の七月十九日米空軍司令官と野崎氏との会見の速記を持ってきていますが、米空軍司令官との間の協議の中には、角度を直角に変えて飛ぶということについて、野崎氏が了解したということについては、ないのです。そのときの了解は、テストについての時期及び方法は、あらかじめ一つよく話し合いをしてやりましょうということになっている。ところがそのまま米軍は演習を中止したわけです。しかし、今の経理局長のお話で、標的については現地の農民側と十分話をして、話し合いがつくようにして標的の移動についても考慮したい。今まで現地側の意向では、標的については全然移動できないのだ、こういうことを言われておりましたが、この点は標的の移動についても現地の農民側と十分話をしてやる、こういうことですね。その点だけ、はっきりしておいていただきたい。
○山下説明員 お説の通りであります。
○横路委員 それから、経理局長にお話をいたしたいと思いますのは、戦前における旧陸軍の島松演習場のときは、一時時期的に陸軍が演習場として使っておった。だから、牧草はわれわれの背よりはるかに高くみなはえておった。ですから、その近くの農民は、演習のないときには、ちゃんと演習場に入って、牧草畑としてその草を取って、それを家畜の飼料にすることができた。ところが、今は、二十二日から六日までが航空自衛隊の戦闘機の訓練、七日から二十一日までが陸軍の特車砲の射撃訓練、こういうことになっていて、今はもちろんその中に農民がいわゆる採草畑として入ることもできないし、草を刈り取ることもできないし、今やもう草はまるきりはえていないのです。だから、現地の農民としては、特に今問題になっているの、この特車砲の射撃訓練が非常に激しくて、しかも、農家の近接――私は農家の諸君の話も聞いたのでありますが、実際には百五十メートルくらいですか、それくらいの近くでどんどん撃たれるので、住宅のガラスはばんばん破れてこわれてしまう。たなのものは全部落ちてしまう。だから、今問題になっているのは、そういう戦闘機の訓練とあわせて、特車砲のその射撃訓練が非常に農民の諸君に大きな影響を与えている。この点については、今戦闘機の射撃訓練については話はわかりましたが、特車砲については、その音響によって付近の民家は相当大きな影響を与えられている。この点はどうですか。
○山下説明員 特車砲の射撃によって地元に御迷惑を与えておるということにつきましては、私は、まだ現地から具体的な報告を聞いておりませんので、何ともお答え申し上げかねますが、もしそういうふうな事例があるといたしますれば、訓練の方法その他についても十分に考慮しなければならぬ、かように考えております。
○横路委員 今の広範な演習場の射撃訓練のため、背たけ以上の草がはえていたのが、全くはえていない。雨が降ると一ぺんに土砂が流れてくる。もちろんそういう意味では地元の農民に対して防災工事が一部行われておりますが、ここ三、四年の間にわたって作物の被害が非常に多いわけです。この点についても、やはり農民側から被害、損害についてあなたの方に申請があれば、これも当然考慮しなければならぬと思いますが、その点はいかがですか。
○山下説明員 現在のところまだそういうふうな申し入れというものは私は具体的に伺っておりませんが、もし実際にそういうふうなお申し出があれば、十分にまた調査した上で考えなければならぬと思っております。
○横路委員 経理局長にもう一ぺんだけお尋ねしておきますが、先ほどの標的の移動等については、そうすると、これからの演習は、戦闘機の射撃訓練については現地の農民側と話がまとまるまでは中止だということですね。一方的にはやらないということですね。当然そうでしょうね。
○山下説明員 十分地元の御納得を得た上で射撃を再開したいと思います。
○横路委員 管財局長にお尋ねしますが、今の防衛庁の理経局長にお話を申し上げておりました演習場は、先ほどから話しておりますように、旧陸軍島松演習場で、昔は一定の時期を限って演習をしたのです。だから牧草その他非常に背たけ以上伸びて、付近の農民としては採草畑としては最も理想的だ。今は全く伸びない。しかし戦後の緊急開拓で五十戸以上入ったのです。当然農耕地として適当なのですね。私は、演習場よりはこういう農耕地として適当な土地については、当然農民に開放すべきだ。これは、当然、戦闘機の訓練であれば、別にそう農耕地の適当な土地でやらなくとも、その他幾らでも私はまだまだ考えられるところがあるのではないか。この点は、私は、管財局長としては、農耕地として適当なものについてはやはり農地として開放するという基本方針を貫いてもらいたい。どうですか。
○賀屋説明員 旧軍の財産で提供をしておりました土地が返還になりました場合に、農耕地として適当なものを農民に開放するという御趣旨はまことにけっこうでございまして、私は絶対にそれをやらないのだということは申し上げておりません。現に今日まで旧演習場で返還になりましたものを農地として開放した例はたくさんあるのでございまして、それはただ演習場の必要との間の調整の問題でございまして、演習にどうしても必要な場合、あるいは一部農民の方たちにはごしんぼう願わなければならないというケースが起ってくることも、またやむを得ないのではないかと考えておるのでございます。それは一般的な問題でございますが、具体的な島松の地区につきまして横路委員たびたびお述べになっております問題は、かつて緊急開拓による入植者が耕やしておったというお話でございますが、この点は私ども現に見たわけではないのでよくわからないのでございますが、現地で調査いたしましたところの報告によりますと、なるほど戦後一時兵隊さんが約三十世帯ばかりこの土地を開墾しておった事実はあったようでございます。しかしながら、この地区は潅漑用水が非常に乏しく農耕には適さないというような理由から、北海道の農地開拓部のあっせんによりまして、恵庭開拓地のほかのところへ代替地を求めて移られたというふうに伺っておるのでございます。過去にそういう事実はあったかもしれませんが、現在のところは耕作の事実がないわけでございます。また、農林省からも、この土地につきまして農民に開放してほしいというような御希望もございませんので、横路委員御承知の通りに、去る六月の審議会において、これを防衛庁の演習場として所管がえするという方針を決定いたしたわけでございます。なお、この土地につきまして、審議会に付議いたします前に、現地の財務局長は恵庭町長にこの点についての意見を伺っております。これに対しまして公式の返答が参っておりますが、それによりましても、従来の演習場に使われておったという実情から考えまして、防衛庁に所管がえされても問題は起きないであろう。ただ先ほど来問題になっておりますいろいろな被害を生じた場合の補償の問題は別でございますが、財産の利用としてそのような使用をされることはあまり問題がないだろう、というような公式の回答をいただいておるのでございます。
 なお、つけ加えて申し上げますが、この島松地区に隣接した地区でまだたくさん練習場があるのでございます。御承知かと思いますが、西岡地区あるいは有明地区というのが、相当広大な土地が、やはり在日米軍に提供しておったものがあるわけでございますが、この土地につきましては、農林省の御希望もございますし、また一部につきましては現に農民が耕作しておられるというような事実もございますので、この点につきましては、具体的な地域につきまして、農林省とよく協議をいたしまして、一部は将来農林省に所管がえいたしまして、農耕地として開放するということも考えられることであろうと思っております。
○横路委員 今の前段の方のお話の、戦後の緊急開拓で、引き揚げの軍人の方ですか入られて、それが他に代替地を求めたということについては、本人から進んでではないのであります。これは米軍が演習場としてぜひ使いたいというので、そこで提供する場合に代替地を求めてやったのであります。この点については、実際には千歳地区における火山灰地区に入った緊急開拓の農民等はいまだに困窮しております。そういう点では、今あなたから御指摘の配水の設備がないとかその他については、これは配水の設備をすればりっぱな農耕地として適用されるわけであります。これはそこの演習場にはそれに引き続いて既存農家があるわけでありますから、この点については、私は、これからの国有財産の所管がえの場合等においては、ぜひその点を――今日北海道には御承知のように篠津のような、ああいう泥炭地まで莫大な国費を投じてやっておるわけであります。そういう意味では、一部の配水をやれば農地としてできるものについては、配水がないから使われないというのではなくて、配水をすることによって適当なものについては、やはりこれは農耕地として払い下げをすべきだ、こういうように考えます。
 なお、今有明その他については、大蔵省としては、農地として払い下げをするという土地はどこどこですか。今のあなたのお話の点重ねてお尋ねしておきます。
○賀屋説明員 西岡地区というのが約百六十万坪ばかりでございますが、これは一地区と二地区にわかれておりまして、その一地区の方につきましては、現に耕作しておる事実がございます。また農林省からも農地としての所管がえの希望がございますので、防衛庁との使用上の調整をはかった上で、最終処理をいたしたいと考えております。
○横路委員 それでは、私これで質問を終りますが、防衛庁の経理局長に、今までは米軍の演習場と自衛隊との共同、そうして米軍の場合にいろいろ付近の住民に損害をかけたという場合に、法律に基いてそれぞれ補償をした。私はこれから自衛隊の場合にも非常にその点が多くなると思う。私は、当然、この点については、現にこのことだけを申し上げても、航空自衛隊の件、陸上自衛隊の射撃訓練の件からだけでも出てくるのでありまして、その点、私は、特別な立法措置を講じて、それに基いてやるべきであると、こういうように考えております。ぜひこの点は十分検討されたい、こういうように思います。
 次に、先ほどから長い時間質問いたしましたが、現地において現地の農民との間に話し合いをつけて、標的の移動等についても考慮する。それから、話し合いがつかない限り演習はやらぬという点については、先ほどのお話の通り、十分現地の農民との間に話をつけて、それがない限りは一方的な措置は絶対されないように、先ほどの確認の通りしていただきたい。以上です。
○竹谷委員 返還地の処分問題について、関連してごく簡単に質問しておきたいのです。
 宮城県の黒川郡と加美郡にまたがる王城寺ケ原、これは伊達藩時代から演習地として使ったのですが、その土地の処分に関して、防衛庁と農林省が長い間交渉して、ある程度まとまりかけておったが、何かの雑音が入ったかどうか、昨年の暮れあたりから交渉が中絶をして、そのままになって、せっかくのいい土地をことしは農耕地として利用ができない、そういう状況になっておるので、地元の農民を初め、市町村長なども非常に心配をしている。防衛庁は、百三十町歩だけ農民に譲ろう、こういう態度であるが、これに対して、農民、地元側は、百六十五町歩はぜひほしい、こういうので、わずか三十五町歩のことでなかなか問題が結着を見ない、そのために、その土地の利用ができない、こういう状況になっておるのであるが、これは国有財産でもあり、また、調達庁に関係もあるかもしれませんが、その交渉の進捗状況はどうであるか。また、もし中止されておるとすれば、すみやかに交渉を再開して、農民の有利なようにきめてもらいたい、こう思いますが、防衛庁の経理局長、調達庁並びに管財局長から、これに関して具体的に御答弁を願いたい。
○山下説明員 ただいまの王城寺のお話でございますが、全般の問題といたしまして、演習場等につきまして、演習に直接支障がなくて農耕に適するといったところは、できるだけ農地に開放していきたいということを、方針としてとっておるわけでございますので、現在問題になっております王城寺の農地払い下げの点につきましては、原則としては大体私の方も了承しておるのでありますが、
  [濱田(幸)委員長代理退席、委員長着席〕
ただいまお話しの具体的な坪数につきまして、若干地元と話がつかないという段階にありまして、目下農林省を中に入れましてせっかく交渉中のところでございます。なるべく早く話をつけたいと考えておるところでございます。
○竹谷委員 今せっかく交渉中だというお話ですが、実際は中止しているらしいそうじゃないですか。交渉していますか。もし、しているとすれば、すみやかにそれを解決してもらいたい。ことしももうまきつけができなくなってしまう。非常に不経済な話です。
 それからまた、この王城寺ケ原は非常に広大な面積を持っておる。三十町歩や五十町歩は防衛庁が譲るのが私は至当と思う。全体でわずか百六十五町歩なんです。これはぜひ早くきめて、いたずらに地元の人の反感を買うようなことのないように、今後それを演習に使わなければならぬのだから、すみやかに解決してもらいたい。中止しているんじゃないかどうか、それをお聞きしておきたい。
○山下説明員 中止はしておりませんので、現在交渉続行中でございます。
○植木委員長 山花秀雄君。
○山花委員 私は、税務署関係の民主化ということについて、ちょっとお尋ねしたいと思います。
 民主化という問題につきましては、税務署員の一般の納税者に対する問題と、上司の一般職員に対する問題の二つがあると思うのでありますが、特にきょうお尋ねしたいのは、税務署管内における労使関係の問題であります。国税の職場にある職員の要求なり、現に起きている紛争については、組合と当局とが団体交渉によって問題の解決をはかるのが妥当と思いますが、これについてどういう考えを持ち、また、下部機構にどういうように指導をしておるかという点、国税庁長官にお尋ねしたいのです。
○北島説明員 国家公務員法によりまして、国家公務員法の適用を受ける国家公務員が職員組合を結成して職場管理者と交渉をすることができることになっておるわけでございます。ただ、この交渉は、国家公務員法の解釈及び人事院規則によりまして、人事院に登録された団体によってのみそういう交渉ができるということになっているわけでございます。実は、私どもの国税部内の一番大きな全国税労働組合につきましては、昨年の暮れまでは登録された組合でございましたが、その当時は、単一の組合ではございませんで、各国税局ごとに単一組合がございまして、その単組の複合体として全国税職員労働組合というものがあったのでございます。この全国税職員労働組合はまさに人事院に登録されたものであったのでございます。ところが、昨年の十二月の臨時大会におきまして、全国税の単一化ということが議決されまして、その方向に参ったわけでございます。その考え方は、今までの単一組合を廃止いたしまして、名前も改めまして、全国税労働組合ということになりまして、その下部機構といたしまして、今までの各国税局管内ごとの単一組合にかわるものとして地方連合会、それから、今までは各税務署ごとに各単一組合の支部があったのでございますが、全国税組合の支部といたしましては各県に一つずつ置く、それから各税務署ごとに分れる、こういうことになったわけでございます。ただ、この単一化の過程におきまして、まだこれに加入していない単一組合もある状況であります。この単一化した組合になりましたときに、組合におきまして、新たに人事院に対しまして旧組合の解散登録と新組合の登録を申請いたしたのでございますが、この新組合の登録は人事院から拒否されて、いわば却下になったわけでございます。仄聞するところによりますと、全国税労働組合の規約は、今までと違いまして、国税関係労働者ということで、国税の職員だけでなく、それに関係する労働者も職員以外の人も組合員になれるような規約を含んでいるいうこと、それからまた、現実には免職されました人々を役員に含んでおるというような理由で、人事院からその登録を拒否されたように聞いております。もちろん、多少ニュアンスの違いがございまして、中央の全国税労働組合は登録を拒否されたのでございますが、地方の下部機構におきましては、中には登録されたものもある。それは、いろいろ規約のニュアンスの違いかとも思います。あるいはまた、現実に免職された人を含んでいないということもあったかもしれません。現在は、全国税労働組合におきまして――全国税労働組合と申しましても、登録をされない組合と登録されたのとあるわけでございます。私どもの建前といたしましては、国家公務員法によりまして、職場の管理者と交渉できるのは、人事院規則によって登録された団体でなければならぬということでございますので、実は登録されない組合に対しては、ことしになりましてから団体交渉をいたしておりません。そういう状況です。ただ、私どもといたしましては、一日もすみやかにこんな状況は解消されるのが望ましいのでありまして、せっかく戦後職場におきましても民主化の風が吹きまして、国家公務員法に職員組合の結成ができることになりましたのは、私は戦後の大きな職員に対する福祉であると思うのでありますが、これが運用されないことはまことに遺憾でありまして、一日も早く適法のルートに乗りまして交渉が再開されることを、私どもとしては念願しているものでございます。
○山花委員 今長官のお答えを聞いておりますと、これは別の角度から人事院関係あるいはILOのいろいろな問題でお尋ねしたい点がたくさんありますけれども、これは別の機会に譲りまして、それでは、登録をしておる労働組合との団体交渉も拒否しておるという事実があるのです。たとえば、これは一例でありますが、墨田の税務署なんかは、登録されておる労働組合でありますが、この団体交渉を拒否される原因は一体どういうところにあるのでしょうか。
○中西説明員 お答えいたします。お話のように墨田の税務署には職員組合の分会ができておりまして、登録されております。従いまして、職場の問題につきましては、分会の執行部と署長との間にいわゆる交渉は随時持たれておるのであります。すべてこれを拒否しておるということはないはずでございます。
○山花委員 私は架空のことを言っておるのじゃございません。たとえば三月五日から二十七日まで、あるいは三月三十一日、六月二十五日、七月二十三日から七月三十日まで交渉を拒否しているのです。これはどういうことでしょうか。
○中西説明員 各何月何日がどうであったかということは、はなはだ恐縮でございますが、私ただいま記偉いたしておらぬのは申しわけないのですが、交渉を持ちます場合には、署の仕事の段取り、あるいは署長のいろいろな事務上の予定、こういった関係もありますし、お互いが都合のいい日を話し合いまして、また議題について一種の予備交渉と申しますか、そういったあれを経まして交渉を持つ、こういう形になるわけでございます。ただ、議題によりまして、すでに十分討議された議題であって、さらに重ねて交渉の必要はなかろうと思われる場合、あるいはまた署長がいろいろな予定でどうしても分会の方と意見の一致する日がとれないような場合には、またさらに次回に持ち越すといった場合はあろうかと存じます。
○山花委員 今伺っておりますと、何か条件について、あるいは予備交渉の終ったものについていろいろ条件めいたことを言っておられましたが、たとえば、この交渉は、平たく言いますと、労働条件についていろいろ交渉するということが大体中心になると思います。そういたしますと、これらの拒否したなには、何か上の方からこの条件でなければ話し合いができない、こういうことですが、これは労働組合なのですから、労働組合が交渉するには労働条件を中心に交渉するのです。そういう選択をほしいままにして交渉を拒否しておられる、こういう態度はどうかと思うのですが、上の方からそういう指導をしておられるかどうか。
 それから、これは出先機関の墨田税務署の問題でありますが、いつも交渉を拒否するときには、上司から交渉してはいけないと言うから拒否をするのだ、こういう逃げを墨田税務署の署長はやっておられる。そういうような指導をしておるかどうか、この点一点伺いたい。
○中西説明員 交渉は、人事院規則に基きまして、職員の勤務条件について交渉できるわけでありますが、その際には日時と相互に交渉委員を定めて行う。同時に、管理者としての権限に属する事項はおのずから議題にしぼられてくるのでありまして、日時、交渉委員、それから交渉の議題、こういうものを、あらかじめ、予備交渉というような段階と申していいかと思いますが、そこで双方で話し合って、定められた日時にそのルールに従って相互に話し合いをする、こういうことにいたしておるのでありまして、私どもの方から個々のケースについて交渉を持つなといったような指示はもちろんいたしておりません。ただ、最初にも申し上げましたように、そういった交渉のルールに従わなかった場合、あるいは、それぞれのケース・バイ・ケースによりまして、たまたま分会の方から申し出た日時に交渉が持たれなかった、また持つことができなかった、こういった場合はあろうかと存じます。
○山花委員 たとえば、労働組合の方からこの日に交渉を持ちたい、ところが署長はあるいは上司のところへ何か用件があって行かなければならないから、この日は持てない、こういうことはたまにはあると思う。連続してこれが行われるということになりますと、労働組合の活動を婉曲に拒否しておる、こういうふうに私どもは断定せざるを得ぬと思うのであります。
 それから、交渉内容についての問題でありますが、やはりこれは雇用契約に基き、いろいろそこから生ずる内容を労働組合と管理当局が交渉しようというときに、今まで交渉を拒否しておる一つとして、配置転換の問題について職員組合の方が当局と交渉しようというのに、そういう問題は交渉できない、こういう一点張りだ。それは署長の権限かというと、上司の命令だ、こう言って交渉を逃げておる。配置転換ということになると、勤務地の問題でありますが、勤務地は雇用条件の中の最も重要な内容になると思うのです。こういう問題を交渉してはいけないという理論的根拠、あるいは法的根拠が人事院規則か何かにあるかということをお尋ねしたい。
○中西説明員 お話の通り、異動等に伴いまして勤務地が変る、こういった点は職員の勤務条件の一つかと存じます。ただいま先生のお話の墨田税務署の問題につきましては、先般、その異動を不満であるということで、転勤を拒否したような事例がありましたが、この場合におきましても、たしか発令の翌日ですか、七月二十二日であったかと思います。同時に、その後も一週間くらい置きまして、二十九日であったかと記憶しておりますが、署長と当該職場の分会とは組合交渉が持たれております。今月に入りましてはまだ詳細報告を受けておりませんので、何でございますが、すでに、異動の発令後と、その月じゆうにおきまして二回交渉が持たれておるということだけを申し上げておきます。
○山花委員 七月二十三日、七月二十五日、墨田分会からの交渉申し入れに対して、署長は、これは局長の命令だからということで、交渉を拒否しておるのです。今局長の言われたこととちょっと違うように思いますが、そういう交渉をしてはいけないという命令をなすったかどうか。この点は、署長の方へ行くと、署長はそう言っておるのですが、どんなものでしょうか。
○中西説明員 ただいまも申し上げましたように、もちろん交渉を持つなとは私どもの方から申しておりません。従いまして、二十二日にすでに交渉を持たれておる、また二十九日にも持たれておる、こういう実情でございます。
○山花委員 一つお尋ねしたい点があるのですが、七月の二十五日に衆議院議員の島上善五郎君が墨田署長に面会に参りましたときに、労働組合の方では督戦隊というようなことをいっておりますが、局の方から多数の人がおいでになって、あるいは職務の指導あるいは職務の監督かわかりませんけれども、その面会を拒否して、柱にしがみついていなければいけないというような状態があったわけです。こういう報告を上司は受けておられるかどうか。
 それから、ようやく野地という総務課長ですか、これに名刺を渡して局長に面会を申し入れたときに、用はないから帰れ、お前らに会う必要はないといって拒絶しておるようです。少くとも国会議員が所用があって面会を求めておるのに、どういう理由でそういう態度に出られたか、その点を上司としてどうお考えになるかという点をお尋ねしたいと思います。
○中西説明員 お話のございました二十五日、島上先生が所用でお越しになったときの事情を、率直に報告を受けました事項を申し上げます。
 当日は、早朝から、実は墨田署の職員の配置がえについて職場大会が持たれました。その大会が、勤務時間内にわたりまして、約八時四十五、六分ごろまで行われたようでございますが、その事務室内におきまする職場大会につきましては、署長といたしましても許可をいたしておりません。従いまして、署長の命を総務課長あるいは所得税課長等が受けまして、すみやかに職員は職場に戻って執務するようにということを伝達いたしたのでありますが、時間内にわたりまして職場大会が持たれ、やっと四十五、六分ごろであったと記憶いたしますが終了した。で、終了後、島上先生が、職場大会に参加いたしました署内の職員並びに外部の労働組合の人たちも一緒になって、数十名で署長に会わせろ、こういうことで、二階にある署長室に入る廊下を上って来られた。島上先生が署へ何時ごろお越しになりましたかは、つまびらかにいたしがたいのでありますが、報告によりますと、八時三十分前後に大会の司会者が開会のあいさつをし、その後島上先生があいさつをされたということでありますから、その時刻には、先生は職場大会が持たれておった場所においでになったのではなかろうか、というふうに推察いたすのであります。そういった状況にありまして、許可なしに事務室内で職場大会が持たれ、管理者といたしましては、この大会は許可されておらないのだから、職員はそれぞれ職場に復帰して執務するように、という命令が伝達されたのにかかわらず、それが守られずに、いわば一種の混乱した状態にあったわけであります。それがやっと終ってから、島上先生が先頭に立たれて階段を上ってこられた。そこで、署の管理者といたしましては、すみやかに職員に職場に復帰するようにということで、階段で混乱状態を制するために阻止するような態勢をとったわけであります。そうした中におきまして、たまたま島上先生がおいでになったものですから、署長といたしましても、何分このような混乱した事態でもありますので、まことに恐縮でございますが、本日はちょっとお会いいたしかねますがということで、お引き取りをお願いいたしたわけであります。あらかじめ何時何分に行くからということでなかったものですから、あるいは署内の職員もたまたまワイシャツ姿でお越しになりました島上先生を十分見きわめなかったのかも存じませんが、何分そういった混乱した事態であったものですから、署長といたしましても、先生にお会いしてゆっくりお話を伺う機会を持てなかったのは、まことに残念だと存じております。
○山花委員 島上議員が税務署べ伺ったのは、別に用がなくて伺ったわけでも何でもないのであります。やはり性質が問題になると思います。七月二十四日墨田区内納税者が署長に面会を求めたときに、これを拒否して、外部の者と面会をしない。これは納税者なんです。納税者が三名面会に行ったのです。これはどういう意味で拒否したのか。あるいはひょっとすると何かごたごたと組合運動の関連性のあることで来たのではないかということで、拒否されたのかどうかわかりませんけれども、それでは三百人の人員をたばねる長としての資格はないと思うのです。そういうことがあったので、これはけしからぬということで、一応抗議を含んで島上議員が行ったのだと思うのです。ところが、今お話のありましたような、そんな状態ではないのです。島上先生だったかだれだったか、混乱してはおったが、見きわめがつかなかったというような状態ではない。今、私が申し上げましたように、野地総務課長に、署長に取り次いでくれと言って名刺を出した。その名刺を認めて、用はないから帰れ、会う必要はない。これは暴言です。だから、こういうようなことを税務署としてやっていいかどうか。もし墨田署内に起きた事情が局長の方、あるいは皆さんの方へよく伝達をされてないというのだったら、一応呼んでいただいて、その間の真相をはっきりしていきたいと思います。署長が断わったのじゃないのです。課長が、名刺を見て、取り次ぐ必要がない、会う用事がないと言って断わった。こういうような態度を監督者として許されるかどうか、これを私はあなたに聞きたいのです。
○中西説明員 お答えいたします。先ほど申し上げましたように、廊下で一時混乱いたしました。そうしてその混乱のおさまったあと――混乱がおさまったと申しますか、一応階段のところで島上先生だけが通られて二階にお上りになりました。そうして、総務課長に、署長に会いたいということで申し出がありましたので、署長といたしましては、何分、事務室内で、時間内にわたって、許可なしに職場大会を持たれたので、それを制止するために、こちらもスピーカー等で職員への徹底をはかったわけであります。そういった混乱した事態であったものですから、せっかくお越しをいただきましたが、こういった混乱した事態のもとでゆっくりお話を伺う時間がちょっと持ちにくいので、恐縮ですが、お引き取りをいただきたい、こういうことで、先生も御了承いただきましてお引き取りをいただいた、こういった事情でございます。
○山花委員 今お答えを聞いておりますと、本人が了承して帰った。――きょうは島上善五郎君はここへ来ておりません。これは、皆さん御承知のように、中小企業の田原製作所の労働争議で一人の犠牲者が出たので、その告別式をやっている。彼はそちらの方に行っておるので、きょうここへは来ておりません。御了承願ってお引き取り願った、もしあくまでそうおっしゃるのでしたら、島上善五郎君にここへ来てもらって、了承したかしないか、その間の状況――あるいは墨田税務署の署長なり課長なりに来てもらって、問題の真相をもっと明らかにした方がいいと私は思う。
 それから、もう一つは、これは上司の方に報告があると思いますが、三月末の、税務署としては非常な繁忙期に、高橋という人が殉職をされております。他の税務署に比べても相当仕事の量が多いといわれておるのですが、それがそのまま欠員になっておるのですが、こういう点は一体どうお考えになっておりますか。
○中西説明員 定員に対する充員の程度というものは、各署それぞれ時期的には違って参るのでありますが、ただいまお話しの墨田署の場合は、定期異動もあって、その過欠の調整をいたしたいということで、実は一時見送ったという事情であります。
○山花委員 高橋君がいなくなったので、さらに仕事の量がふえてきた。管内平均と墨田税務署の関係からいっても、定員がぐっと少いのです。さらに一人減ったのです。これは過労からきた殉職ということになっておりますが、そういう意味で定員を埋める要求をずっと組合としてやっておられた。ところが、配置転換あるいは定期異動というのは、七月の二十一日にやられておる。そのまま組合の要求を黙殺しておるのです。それからずっと、もう三ヵ月も四ヵ月もたって――定期異動を行なっておるときに、当然この問題を解決しなくては、署と組合側との間も円満にいかないのです。それをしないから、団体交渉を要求したり、あるいは組合と署との間にごたごたが起きているのです。何も、労働組合は、無理にごたごたを起そうなんという、そういうことは考えておりません。やはり原因がある。原因は今言ったところなんですが、すみやかにこの欠員を補充する方針を持っておられるかどうか、お尋ねしたい。
○中西説明員 今回の定期異動によりまして、その後、さらに各署別また事務別に定員に対する充員状況というものをならすことにいたしております。御案内の通りに、国家公務員は、年一回人事院で行われます公務員試験、この競争試験、公開試験を経て採用した職員で埋めることにいたしておるのでありまして、従いまして、随時職員を欠員があったときに埋めていくということはできないような実情にあるわけでございます。また、最近の税務行政の実情からいたしまして、課税要件というものがどうしても都市の方に集中する傾向がありまして、東京局あるいは大阪、名古屋と申しますように、大都会地をかかえました局管内に職員の定数をふやしていかざるを得ない、こういうことになっておるのでございますが、何分にも、過員になりました地方局から一気に東京局あるいは大阪局というふうなところに配置がえをするというのは、いろいろな家庭の条件等もございまして非常に困難な状況にあります。従いまして、東京局におきましても、定員に対して若干の欠員率を示さざるを得ない。従いまして、一挙に大きな欠員が出ますと、お互いに苦しい中ではありましても、比較的、その人一人ぐらいを抜いても何とか仕事をやっていけると思われるところから移すことにはいたしておりますが、たまたま一人欠けたときにそれを埋めるとなりますと、ほかの署からさらに持っていかなければならぬ。そうすると移される署がさらにまた一人減る。こういうことがありますために、その全体の過欠の調整という点を定期異動の際に譲ることにいたしたような事情でございます。
○山花委員 年に一回か二回しか定期異動が行われない、そのときでなければ補充がつかないと今言われておるのです。だから、この七月二十一日に高橋君の後任を埋めてもらいたいというのが、大体組合側の要求なんです。それで埋まらなかったら、ずっと埋まらないわけです。そのまま、減員のままできておるのです。ところが、仕事の量は他の税務署から見れば非常に多いです。これはもうはっきりしておるのです。高橋君が倒れたというのも、これは過労のために倒れたということを、該当の医者もはっきり言っておるのです。それを埋めずして、次の機会ということになりますと、また高橋君のような犠牲者が出ないとも限らない。それを心配して組合側では団体交渉を要求した。ところが、今度の配置転換の問題でありますが、明らかに組合運動の指導者を懲罰的の意味で配置転換をやったというふうにしか考えられないような配置転換を、今度の場合はやっておられるわけです。従来は、ここ三、四年前までは、俗に言う組合の三役の配置転換をする場合には、話し合いをしておるのです。このごろはそれがぷつっと切れて、そういう話し合いなしに配置転換をやっておられるのです。どうして従来の、俗に言う民主的な配置転換のやり方を最近おやめになったのか。この点をお伺いしたいと思います。
○中西説明員 お言葉を返すようでございますが、私参りまして一年になりますが、そういうことは前任者からも聞いておりませんし、また、ここ数年来、組合の三役と申しますか、役員を配置がえする場合には事前に協議するということを行なったことも聞いておりません。従いまして、お話のように最近急にそれをやめた、こういうことはないことを申し上げておきます。
○山花委員 今の私の質問はちょっと言葉の足らなかった点があって、あるいは不十分だったと思いますが、組合の俗に言う三役を配置転換する場合、あらかじめ本人に一応了解を求めてやる、こういう方針を三、四年前まではやっておったのです。それが最近は全然そういう方針をやらなくなった。これはどういう関係でやらなくなったのかどうか、こういう質問であります。
○中西説明員 そういうお話、つまり三役を配置がえする場合には事前に協議しておったということを、実は私聞いておりませんので、また、従いまして、しかじかの理由によって従来のそういったやり方を変更したといったその理由も、私寡聞にしてまだ聞いておりません。
○山花委員 長官どうですか。長官は、ずっと長くやっておられるから、おわかりになると思いますが……。
○北島説明員 ただいまのお話は、東京国税局管内においては、職員組合の三役を異動する場合には、あらかじめ当人と組合と協議するという習慣が過去においてあったようだが、最近これをなくしたのはどういうわけか、こういうお尋ねのように拝承いたしました。ただいま東京国税局長が申しましたように、東京国税局において従来そういうふうにしたということは、私も実は承知いたしておりません。職員の勤務地の問題につきましては、これは毎年四月一日現在で身上申告書というものを出していただきまして、家庭の事情、勤務地に関する希望、それから仕事に対する希望等を書いていただきます。これを国税局において十分慎重に当人の希望を見て、そうして仕事の配置を考えて、人を適正に配置をいたしたのであります。もちろん職員の希望が全部が全部かなうわけには参りません。大体におきましてすべて都心部の税務署に行きたがるという傾向がございます。そうすると、そこばかり集中されても困るわけでございますので、人材を適当に、家庭の事情、通勤の難易等を見ながら配置いたしておるのであります。
 先ほどの、三役を異動する場合に、組合と事前に協議する習慣があったかないかということにつきましては、最初に申しましたように、私承知いたしておりません。
○石野委員 今の山花委員の質問に関連してお尋ねしたいのですが、今の国税庁の人員の充足の問題でございますけれども、仕事量は非常に多いということは、ただ器用の分会だけじゃなくて、もう全国どこへ行ってもこれは訴えられることであります。今回私たちが国政調査をずっとやりました場合に、どの国税局でもそれを言われておる。そこで、税繁期になりますと、そういう事態のもとで仕事を遂行しようとすることのために、組合側が人員の増加ということを要求することは当然だと思うのです。ところが、墨田の場合はそういう問題もあり、ことに高橋君の事故等にも見られるように、非常に過激な、過重な労働が課せられておったから、組合としては再三にわたってそれを当局側にやはり交渉しようとしたわけです。それがずっと二月から三月にかけて断わられてきたわけです。この断わってきたということが、非常に私はやはり冒頭に長官が言われた組合側との民主的な話し合いをしようというかまえとだいぶ違うような気がするし、また、今の異動の問題について、三役の異動についての話し合いの問題なんかについても、組合と当局側との慣行というものがあるわけでございますから、そういう慣行を無視するという態度ともからみ合せて、労務者に対して、国税庁の仕事をしておる人々には、もう仕事はどんなに過重になってもいいのだという考え方で押していくのかどうかということなんです。これは、やはり、人員管理と税務行政を管理する上からいって、その円滑化を期するために、長官なりあるいは局長が実際考えなければならぬ問題だと思うのです。私は、すなおな立場からいって、組合側が自分たちの職責を十分に果すためにはこうしなければならぬというまじめな態度で交渉を要求する場合に、なぜそれを強硬に断わるのか、その要求方を受け付けもしないで断わるのかということに疑問を持つし、また、そういうところに、労働者に対する当局側の考え方が、どうもちょっと変な考え方を持っているんじゃないかと思うのです。墨田の場合、分会が何回か要求したのをなぜ墨田署の署長さんが受け付けなかったのかということについて、局長さんは大体その間の事情もわかっておると思うから、局長さんの御意見も伺って、あと長官から、そういうような状態でいいのかどうか、それでうまく円滑に仕事ができるというように考えるのかどうかということも、御意見を承わりたいのです。
○中西説明員 お話の通り、確かに今の税務署の仕事は年々ふえて参っております。従いまして、職員がなかなか仕事に追われておるのがおっしゃる通り現状かと存じます。従いまして、私どもは、新規に採用して、あるいは定員を増加して職員をふやすということが早急に実現されない場合には、与えられました定員の中で、最も合理的に、あるいは能率的に仕事が運ばれますように、いわば重点主義に徹しまして、省くべきところは省いていくということによって、仕事の適正な執行に努力しておるのであります。墨田の場合はたまたま年度末の一番実は繁忙な時期でございまして、直ちにほかの署から墨田署へ配置がえするということになりますと、小さな署ですと、一人ほかの署に転勤いたしましても、仕事の計画がそごいたしましてむずかしくなるものですから、私の方といたしましてはしばらく待っていただき、内部のこまごました仕事につきましては、予算の許す範囲におきまして、臨時のアルバイトによってその仕事をできる限りこなしていく、こういうふうに配慮いたしておるのが現状でございます。
○石野委員 それは局長なりあるいは署長なりがそのときの臨機応変の処置をとるという考え方だと思うのですが、しかし、それよりももっとはっきりさせたいことは、そういう事情であるから、当面の執務をしておる組合の諸君が何とかそういう問題で話い合いをしようとする態度に対して、なぜ署長が淡々としてその話し合いに応ずるということをしないかということを聞きたいのです。二月から二月にかけて税繁期が来るから、そういう問題を含めてやはり話をしたいということを――組合は当然正式にできておる組合ですから、話し合いを申し込んでおるのに、署長がなぜそれを断わるのですか。おそらく局長も御承知だと思いますが、そういうことを受け付けて、なぜ話し合いをすなおにしないのか。何かそれについて指示か何か与えておるのか、そういうことをやっておっていいと局長はお考えになっておるかどうかということを伺いたい。
○中西説明員 お話のありました三月ごろの墨田署におきまする分会と署長との欠員補充に関する交渉問題については、詳しい事情を実は承知いたしておりませんので、どういう理由でそれが埋められなかったか、あるいは交渉がスムーズにされなかったかという事情をここで申し上げられないのを、はなはだ残念に思いますが、いずれ当時の事情をとくと調査してみたいと思います。
○石野委員 長官にお尋ねしますが、局長は事情がわからないからといって逃げられたが、わからないことはない。わかっておると私は思うのだけれども、ただ、こういう場合、今もお話があったように、定員を充足するのには一定の時期にしかできないということ、それは私どももわかる。だからこそ、いろいろな問題が出てくるのですが、しかし、事実は、その定員が充足しているかいないかにかかわらず、三月には仕事をしなければならぬ。税繁期のころになって、この人員では仕事ができないですから、やはり何か方法を考えておるわけで、組合の方としては、組合の人員要求を掲げているのも、決して隠した形でなしに、人員要求ということを明確に明示して、それで署長との話し合いをしようということを数回にわたって要求しておるわけです。これも三月になって税繁期になってからじゃないわけです。二月ごろからやっておるが、しかし、一度もそれに対して交渉には応じてくれないし、その要求書さえも受け付けてくれないということは、税務署としては、労働組合というものを全く無視しているということになってくると思うのです。これは、税務行政上の、先ほど山花氏が言われたように、対内的の民主的運営については全然考慮していないというふうに断じても、決して間違いじゃないだろうと思う。長官はそういうような指示をそれぞれの長に与えておるのかどうか、これを一つはっきりしておいてもらいたい。
○北島説明員 まず、全般的に国税職員の定員並びに実際の配置の状況を申し上げますと、現在約五万四百人の定員がございます。そして新しい国税の職員を採用いたします場合には、初級公務員試験に合格いたしました者を税務講習所に入れまして、一年間研修を経ました後に、職場に配置されるわけであります。毎年税務講習所におきまして、全国合計五百名程度の合格者を入れまして、研修をして送り出すわけでございます。従いまして、実際の職員の充足を見ますのは毎年四月一日でございまして、それからあと一年間の間に、少しずつ人員の減少が出て参っておるわけであります。実際問題を申しますと、今の五万四百人の定員では、私どもほんとに少ないと思います。これは実は外形上だけごらんいただきますと、昔の税務行政の混乱時代に比べて、滞納はこんなに減ったじゃないか、納税はよくなったじゃないかという資料をもって、人員の査定におきまして所管の部局からいわれます。これはただ形式的な、外形だけの数字でございまして、内容を見ますと、最近個人から法人へのいわゆる法人成りの状況はとうとうたるものがございますし、また消費税関係におきましても相当仕事がふえている。全体を通算いたしまして、私は、国税職員はもっとやっぱり定員をふやして、そうして優秀な職員を集めて、これを適正に配置するのがいいと思っております。ただ、残念ながら、国家公務員の人員の増加は極力抑制するという政府の方針でございますので、今まで毎年私どもといたしましては、法人関係の職員、それから消費税関係の職員、合せて約千名程度の人員増加を要求いたしておりますが、認められておりません。これは私どもの力が至らない点もあろうかとも存じますけれども、政府全体の方針としまして人員の増加は抑制する。ことに模範を示さなければならない大蔵省内部では、やはりそういう国家全体を考えて、大蔵省として自制すべきでないかという意見が出るわけであります。そういたしますと、私どもといたしましても、そう無理を主張するわけにはいかない点もございます。そこで、私どもといたしましては、現在、この人員をもっていかに仕事をうまく遂行できるかという点につきまして極力心を砕いているのでございまして、あるいは事務の簡素化を行い、あるいは集計の機械化を行い、あるいは多少昔に比べて仕事が減少したと思われる部門から、法人等毎年ふえつつある部門へ人員を配置転換いたすというようなことをいたしております。ただ、全国的に見ますと、東京国税局や大阪国税局のようなところは、年々仕事としてはふえて参っておりますので、各局の定員割当については、東京国税局、大阪国税局の方に、定員の配置を考えますときに、優先的によけいにつけるわけであります。しかし、実際を申しますと、東京の国税局長が申しましたように、地方の部局ではその反面減員されます。減員されましたが、定員はオーバー、減員されましても定員は超過となる部局があるのでございます。従って、東京国税局においては、与えられた定員もフルに充足できないという状況でございます。こういう点は、私ども、できるだけ、地方のいわゆる定員の過剰局から、東京、大阪のような欠員局の方へ振り向けるために努力いたしておるのでございますが、現在のような情勢で東京まで出てこよう、大阪まで出てこようという人がなかなか少いのでございまして、思うようにいっておりません。ただし、このような職場の執務の環境につきましては、私ども決してこれでいいとは思っておりません。できるだけ定員の増加をお願いいたしまして、職員に過重な負担を与えないで、納税者に対していい税務行政をやっていかなければならぬと考えております。
 それから、先ほどの墨田税務署の問題でございますが、署長が今の欠員の補充について交渉に応じなかったではないかというようなお話でございますが、私も実は初耳でございます。私どもといたしましては、登録された組合に対しては、できるだけ事務の都合を見て交渉に応ずるようにと言っております。ただ、職場の状況によりまして交渉のできないときもあるのは、いたし方ないのではなかろうか。ことに、墨田税務署においては、ことしの三月の確定申書の忙しい時期におきまして、たしか時間内職場大会が行われまして、苦干混乱したようなこともあったようでありますし、署長としては、その後の事態の収束に非常に苦心しておるようであります。従って、時と場合によりましては、おそらく署長としても交渉に応じないようなことがあったのではないかと想像いたしております。私どもといたしまして、全体的なそういう指示等はいたしておりません。
○石野委員 今の長官の、別に、登録された組合とか、とにかく組合との話し合いを断わるというようなことは指示していない。なるべくやはり交渉に応ずるようにするということが、実際に徹底していないうらみがあるのではないかと思われるのです。ことに墨田の場合など、時間内職場大会があったり何かする前からすでに要求があったのだけれども、要望しているけれども答えてくれないから、ことさらいろいろな問題が出てくる。だから、署長が話し合いをすれば、起きないで済むこともたくさんあると思う。それをやらないから、ことさらいろいろ問題が出てくるのだと思う。だから、この点は、今後組合の側から交渉の要請のあった場合は、署長は一応その交渉に応ずるという形は明確にしておいてもらわなければいけないのではないかと思う。そうすれば、民主的な署内の運営ができるということになると思う。その点を長官も明確に私たちに確認しておいていただきたいと思います。
○北島説明員 この点につきましては、従来からも、国税局長会議で、できるだけルールに乗った交渉には応ずるようにということを、口頭で指示いたしております。今後不当にそういうような交渉を拒否するというようなことのないようにいたしたいと考えております。ただし、時と場合もございますから、その点は一応御了承をいただきませんと、現場の管理者として困るわけであります。
○山花委員 今度の配置転換の問題について先ほどちょっとお尋ねいたしましたが、従来はやっていない。しかし組合側ではやっていた。これは水かけ論になりますから、後日問題を明らかにしたいと思いますが、今度墨田税務署で起きた、組合の俗にいう三役、稻葉君というのが川崎の方に配置転換になっております。そのときに、税務署の総務課長の野地という人でありますが、配置先を本人に教えた際に、本人がなぜ川崎へ配置転換したのだという質問をしたのに対して、それは自分で胸に手を当てて考えたらわかるだろう、こういう発言をされたのです。これは懲罰配置転換ということになるであろう。このことは、翌七月二十四日に、この総務課長と地区内の労働組合の代表との話し合いでも確認をされた問題であります。こういうことは、少くとも国家公務員法九十八条の第三項の違反であるとわれわれは考えます。責任者はどうお考えになりますか。
○中西説明員 ただいまお話しのございましたような会話のやりとりがあったかどうか、私確認いたしておりませんので、何とも申し上げかねますが、お話の稻葉君は、住所が新宿区の神楽坂であったと思いますが、墨田署に約三年数ヵ月在勤いたしておりましたのを、同じように非常に規模も大きいし仕事も多いという川崎の署へ配置がえをいたしたわけでありまして、三役の者について懲罰的な配置がえをやるというお話でございますが、私どもそういう考え方は毛頭ございませんし、人事配置に当りましては、先ほど長官からも申し上げましたように、できるだけ各職員の個人的な事情等も十分調査をいたし、適材適所の方針にのっとりまして、可能な限り本人の希望の線にも沿い得るようにということで配置がえをいたしております。それぞれの職員が組合員であるかないか、あるいは組合の執行部でどういう位置を占めておるか等、こういった点は私ども何ら考えずに、すべての職員を白紙で、そういう立場においては公平に見ていく、こういうことで実は配置がえを行なっておるのでございます。
○山花委員 大ぜいの人を雇用していろいろ業務をやるのですし、また役所もたくさんあるのですから、ある一定の時期に配置転換をやることは当然だと思います。それを、今、白紙でやっておるんだ、何ら意図はない。それは私はその通りでやらなくちゃならぬと思うのでございます。ところが、私が今質問しましたように、この一問一答の間に、お前胸に手を当てて考えてみたらわかるだろうという、この言葉は、片一方は組合の書記長をやっておる。そうなりますと、これは、組合活動をやっておるから、お前はよそへ行けということに、意味は通ずると思うのです。そんなことは言うようなことはないと、上の方では思っておられるかわかりませんけれども、現地ではやっぱりこういう言葉のやりとりがあった。そのことについては、やはり付近の労働組合のつき合いといたしまして、地区労の代表が参ったときにも、はっきりそういうことを言ったということが確認されております。そんなことはないとあなたは言っておる。そこで押し問答してもやむを得ませんが、こういう問題を明らかにするために、これはもう全体の税務職務の民主化というような点で究明するように、私は理事会に諮って一つ努力してもらいたい。
 それから、できたことはできたこととして、そういういきさつで配置転換をしたということになると、あとは執務の上においてもいろいろ支障を来たし、署長と労働組合がにらみ合いしていても、迷惑をこうむるのはやっぱり納税者だと思うのです。だから、この配置転換を取り消して、再発令の形でもとの墨田税務署へ一応帰す、そういう意図を長官なり局長なりは持たれないものかどうか、ちょっとお尋ねしたい。
○中西説明員 私といたしましては、この配置がえは何ら不当な処置ではないと考えておりますので、この発令を取り消すことはただいま考えておりません。
○山花委員 あなたは、下の事情がわかっていても、わからないような顔をしてそう言っておられるのかわかりませんが、不当な配置転換ではない。しかし、本人が尋ねたときに、今私が申し上げましたように、お前の胸に手を当てて考えてみろというようなことを課長さんは言っておるのです。これははっきり不当労働行為なんです。私は、これ以上押し問答しても、のれんに腕押しのような関係でありますから、この問題はあとではっきり究明したいと思います。
 たとえば、職場大会をやるような場合に、職場大会というのは労働組合として許されておる行為なんです。同じような、国家公務員法あるいは公共企業体関係の法律で規制されておる多くの労働組合がやっておるのです。ひとり税務署の管内だけがやりにくい、あるいはきびしく取り締まられるというようなことは、やはり労務行政が私は下手だと思う。そういうところからいろいろな問題が発生してくると思うのです。時間外にやることは当然の労働者としての権利なんです。それをいつでもやらせない。いこじになってやらせない。よその職場を一ぺん視察されたらどうかと思うのです。なかなかよろしくやっていますよ。署長さんたのみまっせと言うと、よっしゃ、やれというわけで、和気あいあいのうちにやっているのですよ。そういうところではこういう問題が起きないのです。これはやはり労務行政の一つのあり方なんです。ところが、職場大会をやって、これは当然スローガンなんか掲げます。たとえば、高橋君のことを殉職者扱いにせよ、あるいは過当なる労働強化反対というようなスローガンを掲げてやります。そうすると、やっている最中に管理者が出てきて、そのスローガンを引き破っておるのです。こういう刺激的なことをやるのです。どこの職場に行ったってそんなことはありませんよ。労働者の方が少し行き過ぎをやっても、あとであまり行き過ぎをやるものじゃないといって注意するぐらいの寛容なる態度が、やはり命令指揮者としては労務行政の上で必要ではないかと私は思うのです。やっておる最中に、のこのことやってきて、このスローガンめといって引き破るようなことで、どうして署内の円満なる行政がやれましょうか、執務がやれましょうかということなんです。こういう点は、一つ監督者の立場に立っておる長官やあるいは局長はどうお考えになっておるか。もしうそだというのなら、ここに写真があります。引きむしっている写真、島上善五郎君が柱にしがみついて圧迫されている写真がありますよ。お答え願いたいです。
○北島説明員 職場大会は朝の勤務時間前あるいは昼休みの時間において行われる場合には、これは適法でございます。しかしながら、勤務時間内において一斉に職場大会を行うということは、これはやはり行政の円滑なる運営を阻害する行為でございまして、私は適法でないと考えております。従いまして、勤務時間内の職場大会の場合には、できるだけ早く職場について仕事をするようにというふうに、管理者としては指導いたしておるわけでございます。
○山花委員 大体常識として執務につくというのは、ほかの官庁なんかもそうだと思いますが、八時四十五分というふうにわれわれは聞いておるのです、ほんとうに執務に入る時間は。従来それが慣行として認められておる。ところが、このスローガンを引きむしったのは八時四十分なんです。五分早いのです。八時四十五分が過ぎてなおやっておれば、あるいは上司の命令系統として、そんなことをやってはいかぬ、これは私は当然だと思うのです。まだ五分ぐらい時間があるのです。要領よくやるところは、五分や十分はまあ何とかというようなところもあるのです。いいとか悪いとかは別問題として、やはり働く人にうんと働いてもらおうと思えば、多少ごきげんをとるような場合もあり得るのです。そこが一つの労務管理なんです。スローガンを破ったのは四十分なんです。これが時間外か時間内かというと、四十五分が従来の慣習として認められていたことなんです。慣習通り労働者はやっておる。そういうことはいけないということになると、そこにどうしても摩擦が出てくる。どういうことでしょうか。
○中西説明員 引きむしったというお話でございますが、管理者の方から、許可なしに事務室内で集会が持たれておるから、すみやかに職場に戻るのはもちろん、そこに掲げました組合の旗と申しますか、スローガンと申しますか、そういった掛けものを撤去するように再三にわたって実は注意いたしたのでありますが、全然これに応じなくて撤去しなかったものですから、こちらで撤去いたした、こういうわけであります。
○横山委員 関連して。
 私はさっきから黙って聞いておったのです。私は長官に全国税の問題については古くから私の意見は申し上げているから、長官もよくおわかりだと思うのですが、さっきから聞いておって、やはり根本的に欠けたものがあると思う。今局長のお話しになったように、私の方で撤去したんだという言い方は通らない。それはその情景を思い浮べればわかると思うのです。税務署の中で職場大会をやっておる。署長や課長が、みんながやっておる目の前に出てきて、旗やスローガンを撤去する瞬間の風景、これを考えれば、その課長か署長か知らぬけれども、ぴっと撤去する心理というものは、実に子供じみた、何と話のわからぬ管理者だろうかと私は思う。少くとも今話があったように、そういうものを撤去しなければいかぬならいかぬと話をして、そしてあとでやればいいじゃありませんか。いやしくもみんなが集まって職場大会なり何なりやっている、衆人環視の前へ出ていってぴっと取るという心理というものは、どういう心理でありましょう。いかにもいたけだかな、名古屋弁で言うならばちょうすいた心理です。そういう心理というものは非常に官僚的なものです。私もこの間ある税務署へ行っていろいろ内部事情のことについて話を聞いたのでありますけれども、あなたのところは、話がわからぬと言うか、少しも弾力性がありません。それは長官の方針もあるだろう。局長の方針もあるだろう。けれども、それは前線部隊ですからね。前線部隊で受けて、その通牒なり何なりを運用する人間的態度がありていいと私は言うのです。それもあなたはいかぬと言うなら、そんなものは人間管理者じゃありませんよ。ぴっと撤去する雰囲気というものは、まさに官僚的で、いたけだかで、人を人とも思わず、ましてや組織を組織とも思わない。先ほどの局長の話では、組合の三役を転勤させるときに相談なんかしたことはない、また聞いたこともないとおっしゃった。これも私はどうかと思う。法の問題じゃないですよ。これはいやしくも従業員が自分たちの代表者を選んだのです。年に一回委員長たり、副委員長たり、書記長たる人間を選んだのですよ。従業員の代表者ですよ。その代表者を、何の話もなく自分たちの御都合次第で転勤させるという心理も私にはわからぬ。法の問題じゃないのです。これはお前らの代表者ではあるけれども、今度転勤してもらいたいと思うがどうだろうと、一言くらい言ってどうしていかぬ。普通の職場なら、それは普通の慣習である。労働組合が好きときらいにかかわらぬ問題だと私は思っておる。それが、会ったことがないからわからぬというようなことでは、私は納得できません。こういう人間的な雰囲気というものが、今の国税庁と全国税の間にはなくなっている。何ぼいろいろな法的な問題があろうと、もう少し余裕を持たしたらどうだろうというのが私の言いたいところです。さっきから黙っておったのですが、撤去いたしましたという言い方は、局長は省みて恥ずるところがなければいかぬと私は思うのです。
○山花委員 こういう問題については、われわれ社会党としても大へん心配しております。とにかく、島上善五郎君が、今私が申し上げたような形で面会拒否となるようなことは、考えようによればやはり国会を侮辱されたような考えも成り立つので、調査しようということになって、社会党では調査団を作って、事前に二十日に、二十一日に行くという面会申し込みを墨田税務署長にして、私と加藤勘十、島上善五郎、中村高一の四人が伺いました。また、今ここでいろいろ話をしているように、当該者がいないと話がチンプンカンになりますから、今までいろいろないきさつのあった当該者の方にも来てもらいました。そうすると、署長さんは、上の方から命令があった、二人だけならお話をしますが、こんなにたくさんいたんじゃ話はできませんという答弁です。それは話が違うじゃないか、今まで聞いているのは、人事院に登録した労働組合とか登録しない労働組合で、交渉するとかせぬとか、あるいは交渉の場合に執務に差しつかえるから人数の制限をするということは、一応理屈としてわれわれも了解できるが、きょうは国会議員が四人来て話をしようとしている。参考人の方はちょうど十五人ほどおりましたが、この方は一言もしゃべろうと言っているのじゃない、われわれが署長さんからいろいろ話を聞いて、こういう点はどうだったかという参考のために来てもらっている、これを二人に制限しなくちゃ会えないというのは、どうもふに落ちないと言ったところが、上司の命令ですからと盛んにそれを言っておられた。そういう命令を出されたかどうか、この際はっきりしてもらいたい。その上司というのは、総務部長さんがそういう命令をしたということを、墨田の税務署長ははっきり言っておられるが、そういう命令をされたかどうかお伺いしたい。
○堀口説明員 一般的に組合と交渉あるいは話をする場合に、時期とか、問題とか、人数というものは、お互いに事前に協議しておるわけでございまして、お互いに正式に効果の上るように話し合いが進められることを心がけておるわけであります。従いまして、前日に、先生方四人おいでになって、そのほかあるいは二人ばかりどなたかおいでになるというお話だったということですから、それはきっと先生方が署長にいろいろの事情を聴取しに来られるのであるから、従って一応先生方にお会いをして、分会の組合でありますれば、別なルートによってまたお話し合いもできるものですから、そういう意味で、少数の参考の方は別として、やはり先生方とお会いするのだということで、お会いしてもらいたいということを申したことと思います。
○山花委員 ただいま、社会党から国会議員が二人ほど参考人を連れていくからという話があったからというような答弁でありましたが、そんなことは断じてありません。私どもは、前日に、墨田税務署でいろいろ労組との不祥事件も起き、こちらも島上善五郎君の面会拒否というような問題を非常に重要視しているので、一応調査に行くが、税務署の関係もあるからというので、あらかじめ時間まで打ち合せて、ただいま申し上げた四人が参ったのであります。二人くらい帯同して行くとか、参考人は二人だとか、そういう申し入れば全然しておりません。ところが、署長さんが言われるのには、先生方だけなら会うと最初そう言っておった。僕らが会っても事情がわからない、また何回も何回も会うというわけにはいかないから、当日事情のわかった人、これは税務事務に差しつかえるような人じゃありません。そういう人々を参考人にして来てもらっておるので、この人たちは発言も何もしない。発言するのは、きょう来た四人が発言をして、署長さんと隔意ない話のやりとりをするのだ。ところが、どうしても二人でなくちゃ話ができぬ、そういう命令をもらったから、署長の計らいでは何ともできぬ、こういうことなんです。出先の三百の人をたばねておる署長さんがそれくらいの自己判断まで規制されておるような、そういう官僚的なところかどうかという点、それでは小心翼々として出先の仕事はできないじゃないですか。私どもについていった書記局の方から、だれが言っておるんだ、総務部長がそういう命令をしたのかと、総務部長さんに電話をしていろいろ話をしていたはずです。それがどうして了解されなかったのか、もう一ぺんお答え願いたいと思う。書記局から電話が行ったはずです。私どもがおるところで電話をかけておりました。その電話の内容も私どもはよく聞いております。決して無理なことを言っておるわけじゃないんです。どうしてそういう命令を出先の署長さんにやられたか、この点はっきりしていただきたいと思います。
○堀口説明員 今度の場合のみならず、いろいろの場合が組合との間にありまして、一般的な考え方といたしまして、やはりお会いしたときに、いろいろそそうにわたったり、いろいろな問題を起さぬようにということを十分配慮いたしておりますので、前回ほかの署に先生方がおいでになった場合におきましても、とにかくそこの分会の組合の人は原則的に――別の機会にお会いできるのですし、いろいろ混乱も起らないとも限りませんので、遠慮していただきたいというふうに――私たちは一つのいいルールだと思っておるわけでございますが、そういうふうにして、ある程度人員をしぼっていただくということが、お互いに非常にスムーズにいくんじゃないかということで、署長さんにも常時そういうお話をしておるわけでございます。
○山花委員 そそうがあったとかなんとかという、そういう紛糾した問題でも何でもないんです。ただ参考人として来てもらう。そういう参考人がいないとわれわれも事の真偽がわかりませんから、それも署長に十分話をして、一言もしゃべらずに、ただ席をつらねておるだけだ。それで署長も計らいかねて、私どもの書記局の方から電話をしたんです。それでもなお二人でなくちゃいかぬと言う。どういう意味で人員を二人にしぼられたか。そこの税務署の職員がわっと上ってきて業務に差しつかえるというのだったら、これは私ども考えましょう。そうじゃないのです。業務には何ら差しつかえないことです。また部屋が小さくて入り切れないような場所でもない。署長さんの部屋に十分みんながいすにすわっておれる程度の人員なんです。それをどうして人員を制限しなければならぬかという点、それを私は聞きたいのです。前日面会を申し込んで、国会議員が四人行って、なお人員を制限しなければならぬかという点、そういうのはふらちじゃないですか。
○堀口説明員 当日の状況といたしまして、組合の方々が早朝から近くの会議室を借りまして、そこで二十人近く会議をやっておられたように聞いております。いつもの組合との関係といたしまして、署といたしましても、またわれわれといたしましても、どういう状況になるかというようなことについては非常に関心を持っておるわけでございます。当日先生方が四人署長室においでになりましたときに、同時に約二十人ばかり一度に部屋の中にお入りになった。そこで、署長といたしましては、やはりそういう状況は必ずしも合理的じゃない。代表の方、またほんとうに参考になる方はだれなんだというような点についてもわからないでしょうし、そういう意味で、その人選その他は先生方にお願いしますけれども、人数は制限していただけないでしょうかということを再三お願いしたというふうに聞いております。二人というのは、あるいはそういうふうに最後まで申し上げていたのか、あるいはなるべく少数にというふうに申し上げたのか、その辺ははっきり私存じませんが、大体そういうふうな状況だと聞いております。
○山花委員 二人と言ったことをつぶさに承知しないというが、あなたに電話したじゃなかったですか。書記局の方から電話した。聞かなかったですか。
○堀口説明員 こまかい話になりますけれども、二人に制限しようかということまでは私お伺いしませんでした。
○山花委員 まるで詭弁ですよ。私は、電話をかけていたのも、ちゃんと同席していたから、よくわかっておる。税務署長は、総務部長の命令によって二人しか会ってはいけない、こう言っているから、自分は上司の命令だからどうにもならない、こういうことです。それでは総務部長さんに私の方から電話をいたしましょうといって――けんけんがくがくの議論をしておるわけでも何でもないので、ただ参考人として――私どもも一々また表へ出たり入ったりするよりも、ずっと並んでいてもらって話を聞いてもらった方がスムーズに行くと考えておりましたので、そこで電話をかけて折衝したら、二人でなくちゃいかぬ、そういう命令を出した、こう言いますから、私どもは、これではもう話にならないといって、当日出かけた四人は結局すごすごと帰ってきたような実情なんです。こういう態度がいいか悪いかということを、一つ上司の立場にある長官なり局長なりからお答え願いたいと思います。そういう態度をとっていいのかどうか。
○北島説明員 ただ行ったところが会わなかったとかなんとかいう話になりますと、ちょっと穏やかでないのでありますが、私が承知している範囲でお答え申し上げますと、まず前日社会党の書記局からお電話があったことは事実のようでございます。四人の代議士さんがおいでになるということで、時間を打ち合せて、署長としては、当日、十時半でございましたか、お約束の時間にお待ちしておったわけであります。定刻に四人の先生がお見えになりましたので、署長室に四人の代議士の方々だけをお通しいたしましたところ、それに続いて外部労組の約二十名の方々が一斉に署長室に入り込んで――お言葉を返して恐縮でございますが、全然静粛な状況だったというお話でございますが、一時間半かの間に相当やはりヤジを飛ばしたりなんかしておったようでございます。そこで、署長としては、そういう状況では工合が悪いので、何とか諸先生と自分だけで一つお話し合いしたいから、ほかの方を帰すように願えないかと、切に諸先生にお願いしたようでありますが、最後に署長が折れまして――私は二、三人と聞いておりますが、二、三人の方々だけにしぼって外部の方に入っていただいてお話ししようということだったようでございますが、それもお聞き届けいただけなかったわけであります。いろいろ御事情はあると思いますが、署長としては、四人の代議士さんとばかり思っておったところ、約二十名の労組の方々が一斉に署長室に入り込み、一部の方はリノリウムの上にすわり込んだということもありますから、そういう状況下において四人の代議士の方々だけにお会いしたいという気持は、私はもっともじゃないかと思います。そういう大ぜいの中で、ことに国会議員の諸先生にいろいろ難詰される署長も非常に気の毒だと思います。どうかそういう哀れな署長の立場をできるだけお考えいただいて、その点は御了承願いたいと思います。
○山花委員 私たちは署長の立場を十分了承しておるのです。署長室に入ったのは、ちょうど十五人です。二人とかなんとか数の争いになりましたから、私たちもちゃんと勘定しておるのです。ヤジったというようなことは全然ございません。それから、署長が、せっかく四人の先生方がおいでになったのですからというて、気をきかして、まあ二人か三人ならいいだろう、こういう自発的な意味でそういう発言をされたというように長官は今お答えになった。そうじゃないのです。上司から命令がきて、二人以上はもうだめだから、二人以上入っておる限りは一言も発することができません、先生たちと話し合いができません、こういうがんこな態度を署長さんがとられた。そこで、それはおかしいじゃないか、とにかくこういう問題は、出先に三百人の人をまかせられておる署長だから、自分の腹一本でいいじゃないか、いやそれはいけません、上司から命令があった、命令がなかったら自分の腹工合一つで何とでもいたしますが、上司から命令がきておるから、自分の一存ではどうにもなりません、この苦衷を察して下さいというのが署長の話です。だから長官とはずいぶん話が違うのです。私は、これは、もう一般の民主化のために、もう少し上手な労務政策をやってもらいたい。そうしてみんなを気持よく働かせてもらいたい。それが、納税者に対して、以心伝心というか、やはり明るい気分を与えると思う。管理者と職員でいつもがみがみやっておりますと、どうしても納税者に――納税者という人は、警察と税務署と裁判所に行くのはいやなんです。これは国民の共通した心理なんです。そこへ行って、しかつめらしい、にらみ合いをしたような顔を見たのでは、納税者はたまったものではないのです。やはり納税者にサービスするというのが、私は税務署の民主化の一つの大きな役割だろうと思う。そうすると、署内からやはり民主化を発展せしめなければならぬと思う。そういう意味で、私どもは監督責任者の皆さんにおいでを願って、いろいろお話をしておるのです。これがどうしても理解できない、お前の言うことは少しインチキだというのならば、当該責任者を呼んで、問題の所在をもっとはっきりしていきたいと私どもは考えております。
 これ以上質問を重ねても、今言ったようにのれんに腕押しのような状態ですから、私どもは、私どもとして、もっと明確になるように対策を立てていきたいと思います。私質問を打ち切りますが、もう少し真剣に労務政策を考えてもらって、署内の民主化のために一つ上司の方々は働いていただきたい。同時に、納税者に対するそれが大きなサービスの根源になるということも、あわせてお考え願いたいということを申し上げまして、私のきょうの質問はこれで終りたいと思います。
○植木委員長 竹谷源太郎君。
○竹谷委員 私は閉鎖機関の清算の状況を伺いたいのであります。閉鎖機関の特殊清算が始まってからもう十五年、初めは千八十八あったそうですが、ほとんど大部分清算の結了を見たと思うのですが、今残っているのは幾つくらいあるか、そしてまたそのうちのおもなる閉鎖機関はどういうものであるか、お伺いをいたしたい。
○賀屋説明員 お答えいたします。閉鎖機関の特殊清算の状況についてのお尋ねでございますが、当初指定されました機関の数は、ただいまもお話がございました通り千八十八件でございましたものが、その後清算結了あるいは指定解除をいたしました機関の数が千七十五でございます。従いまして、差引十三機関が現在今なお清算中の機関として残っておるわけでございます。
 おもなものについての状況でございますが、大部分は中国関係の国際的関係が未解決であるということに基いて清算が結了しないもの、あるいは諸種の資料等が不備であるために清算が結了しないもの、あるいは政府との間にいろいろ債権債務の処理がまだ残っておるもの、それから長年懸案となっておりました接収貴金属の処理がおくれたために解決しないもの、また訴訟事件があるために解決しないもの、それから、これも先国会において御承認をいただきました、連合国財産の返還に伴う損失の処理に関する法律がこのたび施行になったわけでございます。これの解決を待っておったために清算が結了しなかったもの、原因といたしましては、そういった対外関係あるいは接収貴金属、連合国財産返還補償、そういった問題の未解決のために清算が結了しなかったものがおもなものでございます。
○竹谷委員 まだ清算の結了を見ないものが残っておりますが、その中で、昔の横浜正金銀行、これは非常に大きなものですが、最近の新聞の報道するところによると、イタリアの特別円の問題が解決を見たのか、仮協定ができたのか、そういうような記事がありますが、横浜正金銀行の特殊清算の概況を一つお話し願いたい。
○賀屋説明員 正金銀行等の特殊清算の進行状況でございますが、これは、御承知のように、国内における一般の債務を返済いたしまして、それから外地の預送金債務も返済することになっておりまして、片方取り立てる債権等のごく一部を除きまして、大部分取り立て済みでございまして、一般の債権債務につきましては、大体整理が進捗いたしておるのでございますが、ただ問題となっておりました御指摘のイタリア為替金庫との間の債権債務、いわゆる特別円という協定によってできておりました、正金が持っております預金債も、これの処理が長年懸案となって片づかなかったのでございます。これは、先ごろ新聞で御承知の通り、最近におきましてイタリア為替金庫と横浜正金銀行との間に和解が成立いたしまして、昭和二十七年以来、長年交渉いたしておりました懸案が円満に最終的な解決を見ることになったのでございまして、これは新聞で御承知かと思いますが、簡単に申し上げますと、いわゆる特別円勘定といたしまして、ABと二つの勘定に分れておりますが、これは昭和十七年にいわゆる預け合い決済協定として結ばれた協定でございまして、イタリア側は南方におきまして物資を購入して輸入する、そうして日本側はまたイタリアから武器を購入して輸入する、この決済のためにお互いに預金を貸借する、こういう協定でございます。これが終戦時の当時におきまして、日本円の残高といたしまして約三千四百万円ばかり残っておったわけでございます。それからもう一つ円勘定Rというのがございます。これは昭和十五年に協定ができた勘定でございまして、これは、イタリアの為替金庫が正金のニューヨーク支店に持っておりましたドル預金を、凍結を避けるために、いわゆるドル売り予約付でもって、正金側からすれば売る、イタリア為替金庫からすればいつでもそれを引き出してドルを買い付けるということで、正金の東京支店に預けがえをしたものでございます。これが終戦のときに残高として八百六十一万四千円残っておったわけでございます。そのほか、両者間の預金の勘定といたしましては、普通円勘定、米ドル勘定が若干ございますが、これにつきましてはいずれも商業勘定でございまして、両者間に意見の食い違いはなかったわけでございますが、先ほど申しました特別円勘定AB、円勘定のR、この三つの勘定につきまして、彼我の主張がだいぶ対立しておったわけでございます。
 昭和二十七年以来ずっと交渉をしておったわけでございますが、当初イタリア側の主張によりますと、これは日本の政府の債務である、従って政府はこれに対して弁済をする義務があるんだということ、しかも特別円勘定につきましては金約款がついておるのだということ、それから円勘定Rについてはドル買い予約が今なお有効であるということを主張いたしておりまして、これをそのままのみますと、三十六億七千万円という膨大な金額になるのでございます。ところが、日本政府といたしましては、これはあくまでも私法人である横浜正金銀行の債務である、正金銀行とイタリア為替金庫との間において解決すべき問題であるという立場を堅持して参ったのでございます。さらに、特別円勘定につきましては、金約款がついておるというわけではない、協定によりますと、リラかまたは金により残高を決済することとなっております。これは約定レートによるリラで支払えば十分である、こういう解釈でございます。それから、R勘定につきましては、これは六ヵ月ごとに更新することになっておりましたものを、昭和二十年の六月二十二日に失効いたしまして、それ以来先方は更新しておらないわけでございますので、当然契約が失効しておるのだということで、これは現在残っておる名目的な円残高八百六十一万四千円を支払えば十分である、こういう主張をいたしておったのでございます。その後、一部につきましてイタリア側は譲歩をいたしたのでございまして、それによりまして、結局のところ、ごく最近におきましては、日本側の主張は、全部をひっくるめまして一億八百万円である。これに対しまして、イタリア側は、当初は三十六億といっておりましたのを大幅に八億台に減らしまして、八億三千万円の要求をしておったわけでございます。これでも依然対立が解けませんで、イタリア側は、東京大使館を通しまして、外務省にしょっちゅう早くこの問題を解決するようにということを再三言ってきておったのでありまして、外務省と私どもの方ともよりより協議をいたしておったのでございます。しかしながら、イタリア側の申します政府の債務として解決するということは、どうしてもこれは筋が通らない。政府がそういう協定をして払うということになりますれば、予算にも計上しなければなりませんし、協定につきまして国会の御承認を得なければならないということにもなるわけでございます。とうていそういうことは認められる筋合いのものでもないということで、これは民間の一機関である正金銀行との間に話をつけてほしいということを申し上げておったわけでございますが、正金銀行の清算人は、御承知かと思いますが、石橋良吉という人でございますけれども、幸いにこの石橋清算人におかれましても、いつまでも対立を続けておっては清算の処理の上に支障を来たすばかりであるということから、多少の譲歩は考えてもいいというお考えになられまして、ことしの七月に、先方に対して、もう一度話し合おうじゃないかという手紙を出されたのでございます。その結果、イタリア為替金庫からこれを受けて代表者が来られまして、七月十八日以降数回にわたって会談をいたしました結果、お互いに互譲の精神を発揮して歩み寄られました結果、和解が成立いたしまして、結局のところ総額四億六千三百万円でイタリア為替金庫は満足をするということで、覚書の交換をいたしたのでございます。これに基きまして、石橋清算人の方から、大蔵大臣に対しまして、そういう和解をすることについての承認を得たいという申し出がございまして、八月四日付をもちまして大蔵大臣から正式に承認を与えまして、この問題が解決することになったわけでございます。
○竹谷委員 イタリアの特別円の詳細な話はわかりました。そこで、大蔵省は四億六千三百万円の返還について承認を与えたということであるが、大体大蔵省は最大限度一億円程度だということを長い間強く主張しておった。それが急に四倍以上にはね上ってしまった。三億五千万ほども結局日本は損をしなければならぬ。それで一体いいのですか。今までの大蔵省の主張は若干くつがえったと思うので、高過ぎはしないか、こうわれわれは考えるのですが、どうですか。
○賀屋説明員 四億六千三百万円が妥当であるかどうかという点でございますが、先ほど申しましたように、当初のイタリア側の主張によりますと、三十六億という膨大な金額であったのでございます。これに対しまして、特別円勘定ABにつきまして、これはいろいろ向うさんの言い分にも一理あるということでございますが、昭和三十一年に石橋清算人がローマに一度行きまして主張をいたしました案を、今度イタリア為替金庫においてこれを了承するということになりまして、八億ということに折れたわけでございます。ただ、そのR勘定につきまして、このドル売り予約が効力が残っておるかということでございますが、この点につきましては、先方は、不可抗力によって更改できなかったのだということを言っております。私どもの方といたしましては、そうではないということで、こういったケースに不可抗力は援用できないのである、法律的にもそういう解釈を持っておったのでありますが、当時の事情をよく振り返って考えますと、相当あの昭和二十年当時は混乱状態にもありまして、御承知のようにイタリア国内の政変もございまして、この更改をするために駐日のイタリア大使に対する指図その他が連絡がうまくいかなかったというような事情もございますので、このR勘定につきまして、お互いに――それからAB勘定についてこちらの主張をいれて、大幅な譲歩をしてもいいということでありますので、このR勘定につきましては、お互いの主張を折半し合う。理屈がないといえばありませんが、結局、早く話をつけるという意味から、この一番問題になっているR円勘定について、お互いに半々で折れ合おう、こういうことになりました結果の数字が、今申しました四億六千三百万円、これはまあ理屈があるといえばあり、ないといえばないのでありますが、多くは和解というようなものはこういったようなところで話をつける例が多いわけでございまして、まあ当初の主張からは若干出るという結果にはなっておりますが、この程度はいたし方がなかろうということで、承認を与えましたものでございます。
○竹谷委員 ことしの三月二十二日の日本経済新聞に旧横浜正金の記事が載っておる。見出しには「旧正金の債務を清算、イタリアへ一億円返す、大蔵省の方針」とあって、その中にイタリアの方では八億円ないし五億円を返すべきだと申し入れ、日本との間に折り合いがつかない。そこで、大蔵省としては、戦時中の為替操作によって生じた債権債務は、契約内容によると、貨幣価値の変化を織り込まなければならないような金約款はついていない。第二に、政府が債務保証を行なってはいないのだから、イタリア政府の請求は根拠のないものだ。このため、同省は、旧横浜正金の残余財産十億円のうちから一億円だけをイタリア側に支払えばいいとの考え方をとっており、九億円の財産を清算し、新会社の設立に充てることを認める方針である。しかし、外務省は、かつて吉田元首相がイタリア政府に善処すると約束したから、返さなければならぬだろう。こういうふうに交渉が進行しているというふうな記事が載っておるのでございますが、昭和二十七年からずいぶん長く交渉しているのを、ことし急に初夏以来話をまとめた。しこうして一億円が急に四億五千万円、三億五千万円も日本が損をするというので妥協してしまった。一説には、今度は岸首相が外遊をする、むろんイタリアも訪問をする、大いに歓迎をしてもらうために、三億五千万円のおみやげを持っていった、というような結果になるのじゃないか。そのために急に急いだのではないか。今度は岸さんは幾ら外遊のために金を使ったかは知りませんが、東南アジアのときはたしか三千万円か四千万円、今度はもっと多いだろうと思うのです。三億五千万円というとその十倍、ずいぶん大きな手みやげになる。これで歓迎されなければおかしな話になる。そんなことで、譲るべからざるものと大蔵省が確信をして、たびたびこうした見解を発表しておったのに非常におかしい。これはずいぶん高いギフトだと思う。
○賀屋説明員 御指摘の新聞記事は私承知いたしておりませんが、決してその一億を供託して新会社を設立するという方針を大蔵省としてきめたわけではございません。ただし、なるべく、二十七年以来の懸案でございますし、それから、再三イタリア側は、大使館を通じまして、外務省を通じ、大蔵省にこの問題の処理を督促して参るような経緯がございましたので、早くこの処理をするようにということは、常々私どもとしても心がけておったわけでございます。それから、ただいま岸総理がおいでになりますのと時期を同じくしたということから、おみやげの意味で譲歩したのではないかというお考えでございますが、これは全然そういうことはないのでございまして、また岸総理のイタリアにおける会談の様子等につきまして外務省にもあとで聞きましたところ、この問題についての話は特に出なかったように私どもは聞いております。
○竹谷委員 政務次官にお尋ねしたいのですが、これは五億円くらいで早くきめるようにというようなことを、総理から大蔵省にでもお話があったのですか。内示でもあったのですか。どうも急に巨額の三億五千万円も譲るような交渉に入ったことは非常に疑惑を感じられるのだが、政務次官は知りませんか。
○奧村説明員 私に対してのお尋ねでありますが、さような話は一切承わっておりません。
○竹谷委員 とにかく十億円しか余らない。それを、一億円で済ませるところを、四億五千万円も出して五億に減っちゃったということは、株主に対して非常に損害を与える、結局外国に支払うのだから日本が損をする、こういうことになっている。これは非常に残念だ。二十七年から七年越しで交渉し相争い折衝してきたものを、急にこの六、七月から妥結するということに私は非常に疑惑を持っている。まあそれはそれとして、一体十億台が残る、こういって旧横浜正金の清算の結果を報ぜられておりました。今度四億六千三百万円を支払うということになると、一体残余財産は、未確定のものも多々あるとは思いますが、概算でどのくらいになるのですか。管財局長にお尋ねします。
○賀屋説明員 正金銀行の清算が結了いたしますと残余財産がどのくらいになるかという見込みにつきましては、大きなイタリア特別円の関係はそういうようにきまったわけでございますが、まだこのほかに、政府、日銀、興銀関係の特殊な債権債務が残っておりまして、これについての処理をただいま検討いたしておりますので、そういった特殊の関係を除きました一般的な債権債務について、これも見込みの数字でございますが、概算を申し上げますと、表面上は二十四億程度残るという計算が一応出ております。これは確定数字ではございませんから、そのつもりでお聞き取り願いたいと思います。
 それから、先ほど申しました政府、日銀、興銀関係の債権債務がありますので、これはまだ相当動く数字であるということは御承知を願いたいと思います。これは一般的な資産から負債を控除いたしました金額でございますが、ただ、これは当然御承知のことと思いますが、清算を結了いたしますときには、その清算所得に対して課税されるわけでございます。相当大きな金額が課税に相なるのでございまして、資本金に相当する部分につきましては課税がありませんが、積立金は二〇%、これを超過する部分に対しましては国税が四五%、地方税が一二%、合計五七%かかるわけでございます。この税を合計いたしますと十二、三億ということになろうかと思います。従いまして、先ほど、イタリア特別円につきまして、一億が四億六千三百万円になって、三億六千万円ばかり負担がふえたじゃないか、正金銀行として残余財産が減ったではないかというお話がございましたが、このふえました分につきましても、それの約五七%というものは税金で控除される部分でございますので、一億八百万というこちらの主張が四億六千三百万とふえたために残余財産が減った金額を概算いたしますと、それは約一億五千万程度、こういうことに相なるのでございます。
○竹谷委員 この残余財産二十四、五億という課税前の残余財産ですが、それに対して日銀に四百万銀で借りている、それを時価に換算すると二十億日銀に返さなければならぬということがいわれておりますが、これはどうですか。そういうものを日銀に返すということになると、日銀というよりも政府の命令で在外債務者に貸し出したのですね。そういうものがたくさんある。それを完了しますと、政府の命令で在外会社へ貸し出しを強制された、それがとれなくなった、それを正金が政府に対して負担をしなければならぬ、あるいは日銀に返さなければならぬ、こういうものが相当多いだろうと思うのです。これは、むろん当時の政府が予算をもって債務負担行為の承認を経て命令したならば、これは国家が負担しなければならないが、政府が、国会の承認も経ずに、勝手に債務負担行為的な命令を、横浜正金に貸し出すように命令をした。こういうものが大部分であろうと思うのですが、その関係はどうなりますか。
○賀屋説明員 先ほどお断わり申し上げましたように、政府、日銀、興銀関係の特殊な債権債務を一応除外いたしまして、二十四億程度残るということを申し上げたのでございます。従いまして、この日銀の関係、今御指摘の政府が日銀に預金をいたしまして、その日銀がまた正金に預金をいたしまして、日銀が、これは中日実業という支那の会社でございます。それから東亜興業という会社でございます。こういったところに貸した債権を持っておるわけでございます。これは明治から大正にかけての古い分でございまして、こういった関係の債権債務をどう処理するかということにつきましては、ただいま検討中でございます。従いまして、それの解決の方法いかんによりまして、相当残与財産の数字が動くということは、御了承をいただきたいと存じます。
○竹谷委員 対政府もしくは日銀関係の債権債務の問題ですが、これは、結局、そういうふうないろいろ調査をしてある方針がきまるという場合には、それを特別立法をしてきめるのか、それとも既存の法律を適用することによって処理されるのか、この点どうですか。
○賀屋説明員 その点はただいまのところ結論を得ておりません。
○竹谷委員 ところで、大体論としてこの特殊清算はプラスになるということが明らかになったと思う。だとすれば、従来の朝鮮銀行や台湾銀行の例や、またあまり長く十五年も過ぎてもほったらかしておるということは、著しく株主の利益も害するし、経済の安定の進捗にも阻害を来たすのであるから、早く結了に持っていく方がいいと思う。そういう場合には、従来の前例なりあるいは国会の決議等もあるわけですが、早く一般包括清算から分離をして単独清算をやる。新しい清算人を任命して、そしてこれを取り扱わして新会社の設立をやるというのが、従来のほとんど原則的な前例になっておりますが、早くそうする必要があるのじゃないか。これは石橋という清算人が十数年にわたってこの清算に大いに功労もあったとは思いますが、同じ人が同じポストに、そしてたくさんの財産を十五年間も預かっているということになると、なかなかいろいろなうわさも生むし、また場合によってはおもしろくない事態も起きてくる。先ほど国税庁関係の公務員の配置がえの問題があった。三年、四年たてばやはりかえなければならぬという方針でやっておられるようであります。これは、やはり、そういういろいろな弊害が起きないように、個人としても心気一転をさすように、これはぜひ必要なことなんです。同じ人が十五年もやっておる。これは功労はありましょう。しかし、その間にまた、世間では、大へんうまいこともあった、こう見ている人も少くない。その内容はここで私は申しませんが、たとえばこの横浜正金については三十五、六億の現金を持っておるはずです。これをどの銀行に預託するかということ自体でも、なかなかいろいろ疑惑が出てくるわけです。一体どこへ何ぼ預かっているかということが、この清算人以外はほとんどだれも知らないといううわさがあるくらいです。そういうのでありますから、これを早く、こういうふうにはっきり一応プラスになるということがわかってきたのであるから、ことに旧横浜正金の関係者の事情に精通した者等から選んで、早く新しい単独清算人といいますか、今の包括清算人でない新しい清算人を選んで早く結了に持っていく必要があると思うが、大蔵省はどうお考えになりますか、政務次官にお尋ねしたい。
○賀屋説明員 単独清算か包括清算かというお話でございますが、かつて朝鮮銀行、台湾銀行の清算人を変更いたしましたときとは多少事情が違うようでございます。ただいまの石橋清算人が扱っております閉鎖機関はもうごくわずかになりまして、特に正金銀行のために新しく専念できるような清算人を選ばなければならないという理由はないというふうに考えております。また、石橋清算人個人についてのことでございますが、正金銀行に在籍された方ではございませんが、同じような仕事と申しますか、為替関係の銀行業務をやっておりました台湾銀行の出身でございまして、識見といい、頭脳といい、あるいは経験の点から考えましても、十分この正金の清算に当られるに支障のない方でございます。また、疑惑のあるようなお話でございますが、この点につきましても十分大蔵省としては監督をいたしておるのでございまして、従いまして、ただいまのところでは、清算人を変更するという考えは私どもは持っておりません。
○奧村説明員 私に対してのお尋ねでありますから……。私といたしましても、この現在の管理人は適当とは思いますが、しかし、ただいまの御趣旨をよくくみまして、私の立場でよく考えてみたいと思います。
○竹谷委員 包括清算人が、ほかの金融機関、ほかの会社の重役や監査役や、そういうものをやってよろしいものでしょうか、どうでしょうか。法律上包括清算人は他のいろいろな業務を兼務していいのかどうか、お尋ねいたしたい。
○賀屋説明員 法令上は制限がございません。
○竹谷委員 法律上は制限がないというお話でありますが、これは非常に大きな財産の管理人なのです。そういう人がはかの金融機関その他の幹部を兼任するということになると、いろいろ疑惑を受ける。たとえば第一信託銀行の常任監査役か監査役をやっているということになると、第一信託銀行にもたくさんの――横浜正金銀行でも三十五、六億というものを預託することによって顔をきかせる。そしてあるポストを獲得するのではないかというような疑惑をそこに持ってくるから、大蔵省の監督上からは黙っておれないのではないか。法律上差しつかえないから何をやってもよろしいということではない。そういう点も政務次官はよくお考えになって、早く善処して、この清算事務は、横浜正金に限らず、全部それぞれ早く結了するように――政府にその意思があればできるのです、一億円を四億五千万も譲ったのですから。そういう点から言いましても、戦後十五年もたって、まだこういうものをやっておって、そうしてずるずるべったりということは、はなはだもって清算事務の措置が適当でないと思う。きょうは大蔵大臣がおりませんが、政務次官一つかわって、大蔵省はこの特殊清算を年内中にも早く全部結了する決意を持って処理する意思があるかどうか。これをお尋ねしておきたい。
○奧村説明員 お答えいたします。私といたしましては、ただいまのような事情はここで初めて承わりますので、一つよく検討いたしまして、なるべく清算を早く結了いたしたい。なおその他についても善処いたしたいと思っております。
○植木委員長 堀内一雄君。
○堀内委員 私は、第七号台風の被害につきまして、税制並びに金融等について特別の考慮をわずらわしたいと存じまして、質問を申し上げる次第でございます。
 御承知のように、今度の七号台風の特徴の第一は、風力が非常に強かった、五十メートル以上というような風がありましたために、農作物がトウモロコシといったようなものは全部倒された。そして、各所の鎮守の森は、全部ひっくり返ってしまうか、木が折れてしまうといったような状態で、山林の風損木、倒木といったようなものが非常に多く、倒壊家屋が非常に多いというような特徴が一つあるのでございます。
 第二は、雨量を伴った関係で、奧山の崩壊が非常に多い。そしてまた小河川の災害の多いということは、私はこの前九州の災害も視察に参ったのでございますが、その当時と同じように小河川の災害が非常に多いのである。ことに今度の特徴で最もはなはだしいのは、私は主として山梨県の問題について申し上げますが、奧山の沢の深いところで非常な大きい崩壊が起ったというようなことから、そこにダムができまして非常な水がたまっておった。それがまた崩壊していわゆる山津波を起したというようなことで、一例を申しますれば、武川というようなところでは、水が警戒水位は突破しておらない。そこで安心して村の当局などが帰ってみますと、そのうちに非常な音がしてきたから、そこへ行ってみると、もうほとんど家もなければ畑もなく、山林も、その辺のすべてのものは流れて非常な荒れ河原になっておる。しかし水は少くなって渡って歩けるといったようなことでございまして、これがために、見ておった者の話を聞けば、非常な音がしたから外へ出てみると、もう村の森や家よりずっと高いようなところに水が出てきた、それでもとるものもとりあえず飛び出していった。しかも、相当の人命を失なっており、従ってそういうような状態でありますから、家も畑も橋も全部が流れてしまった。そしてそのあとが非常に大きい石の河原になっておるのでございます。しかも、今度の災害は、そういうようなことから道路は全部流れてしまう、それから国道の永久橋もみな流れてしまうというようなことから、各所に交通のできないところができまして、従ってヘリコプターでもって食糧を運び病人を迎えておるというような状態でありますから、各地に交通が開けますに従って新しい被害がわかってきておるのでございまして、この状況は、私は明治四十三年の洪水を見ておるのでございますが、それにもましており、当時の九州の洪水などよりも非常に悲惨な状態にあるのでございます。そこで、この罹災民の人たちは、家を失い、畑を失い、しかも近親者も失なって、ほんとうに傷心しておるような状態で、われわれはどうするわけにもいかないので、結局は他に移るか、外国へ移民にでもいくかするより仕方がないといったような状態になっておるのでございます。そういうようなことを前提として、私は以下政府の対策について御質問申し上げたいのでございます。
 その第一は、私は、昭和二十八年災、あれ以上であると考えておるのでございます。ことに山梨、長野、福井県の一部といったようなものは、きのうも知事が建設委員会そのほかへ来て陳情いたしておったのでございますが、山梨県のごときは、全県下災害におおわれたというようなことから、昭和二十八年度災のときと同様な特別な措置をする必要があると考えるのでございますが、それに対する大蔵政務次官の現在省内で考えておるところをお伺いしたいと思います。
○奧村説明員 去る八月十二日、十三日の台風豪雨による災害が、特に山梨、長野その他の府県におきましては、十一年来ない非常な被害がございまして、被災地の方々の御心中まことに察するに余りありますが、政府といたしましては、御承知の通り総理府の中に災害対策協議会を置きまして、各省の次官を主として協議会を開いて、種々な対策を練っておるところであります。そこで、ただいまお尋ねのありました点は、昭和二十八年災害の場合と同様の特別措置をとらないか、こういう御趣旨でございます。しかし、ただいまのところ、政府の方針といたしましては、二十八年の災害の被害総額は約二千八百億、これと比べると、ただいまのところ今回の災害の総被害額が約三百八十五億円、これからあとまだ多少報告額がふえてくるかもわかりません。それから、県によりまして、昨年の狩野川台風におきましては、静岡県は一県だけで百四億円余りの被害があった。今回の台風被害におきましては、山梨県で今政府のところへ届いておる被害額は約九十億円、長野県においては八十億円ということでありますので、今回は被害を受けた区域が広いのでありますが、去年の狩野川は静岡県一県だけで百四億円、従いまして、今のところでは、政府としては、昨年の狩野川台風の災害に対する対策同様の処置をとって参りたい、かように考えておるのであります。従いまして、昭和二十八年災害の特例そのままではなく、現在までとられておる種々の法的処置を講じていこう。公共土木施設の災害については、国庫負担率の特例規定、緊要災害の三ヵ年復旧の規定、それから農地災害についての高率補助の補助率引き上げの規定、天災融資法の規定あるいは災害住宅等に対する住宅金融公庫からの融資の確立、そういう措置を講じて参りたい、かように考えておる次第であります。
○堀内委員 ただいまお話しの通り、二十八年災ほど範囲は広くないようでありますが、同時に、今お話のあった昨年の狩野川付近の災害との比較でございますが、御承知の通り、山梨県の例としましても、山梨県全部が実は静岡県の三分の一の面積しかない。しかして、あの伊豆付近の災害から考えまして、今度の山梨県の甲府付近を中心とした災害は、やはり面積そのほかについては、狩野川の、伊豆半島のあの災害とほとんど同じなんです。でありまするから、その災害の程度というものは、私は、決して狩野川の付近に劣っていないと思うのです。そういう意味から、ああいう狭い県で、しかも貧弱県であって、再建整備団体の中に入っておるような県でございますので、そういう点もぜひ考慮して、善処していただきたいと思います。
 次にお伺いしたいのは、国税の問題であります。先年の国会で災害に基く租税の減免法ができておるのでございますが、これの適用はもちろんやってもらえるだろうと思いますが、その点についてお伺いしたい。
○村山説明員 災害減免法は、昭和二十二年からできておりまして、逐年自後の災害の状況に応じまして制度を拡張しております。直接税はもちろんのこと、間接税につきましては、課税の減免、各種の申請、申告の手続、あるいは被害の額が確定しない場合の徴収猶予等につきまして、災害減免法におきましてこまかく規定しておるほかに、それぞれ所得税法なり法人税法等におきましてさらにまたこまかい規定を置きまして、いずれの規定に該当いたしましても、納税者の選択によりまして、どちらの適用も受け得る態勢になっております。従って、現在の税法といたしましては万全が期されておるというふうに考えておる次第でございます。
○堀内委員 そこで、災害の免税法ですが、現在滞納しておるところの過年度の税金ですね。現状は、先ほど申しましたような事情で、ほとんど家も墓も、もちろん財産もないといったような、すっかりやられておる状態でございますので、この過年度分に対して免税または繰り延べといったようなことは、どんなふうに考えておるのですか。
○村山説明員 これは国税徴収法の中に規定がございまして、こういう規定なんでございます。趣旨は、被害を受けたことによって税金を納付することが困難になったら、その部分につきまして徴収を猶予することができる、こういう規定でございますが、既存の滞納のことを直接うたっておるわけではございません。しかし、考えてみますと、災害がなかったならば、ほかの資金繰りをして従来の滞納を納め得たであろうものが、その被害を受けたことによって金繰りがつかなくなった、こういうふうにも読めますので、徴収の実際におきましては、そういう点も考慮いたしまして、それぞれ実情に即したように徴収をしておる次第でございます。
○堀内委員 そこで、今の過年度分の免税並びに租税の減免についていろいろ段階があるようでございますが、この点について一つ十分考慮してやってもらうことをお願いいたしておきます。
 次に、自治庁の方に地方税について伺います。事業税、固定資産税等についても各府県においてそれぞれ措置しておると思うのでございますが、そんなことについて今災害府県からどんなふうなことを言ってきておるか、また、自治庁ではそれに対してどんなふうな考えを持っているか、お伺いいたします。
○金丸説明員 災害の府県から直接にはまだどのようにいたすかということは参っておりませんが、毎年度災害が起きました場合に、個々に措置いたす必要がないように、実は昭和二十八年の災害がひどうございましたので、将来災害が起きました場合、地方税について減免等の措置をどういうふうにしたらよろしいかという基本通達を出しております。この規定によりまして、事情により、あるいは徴収猶了でございますとか、滞納処分を中止いたしますとか、あるいはただいまお話がございました事業税とか固定資産税とか住民税、そういうものにつきまして、こういう場合は全免したらいいだろうとか、こういう場合は半分程度免税をするのが適当ではなかろうかという一定の基準を示しまして、それで各府県、市町村が措置をいたしております。従いまして、ただいまのところ、私どもの方から積極的にこういうふうにしたらどうだろうかというところまでは参っておりませんが、大体基本通達によって各府県、市町村それぞれ適切な措置をいたすのではなかろうか、こういうふうに期待をし、また、あるいは現地視察いたしました結果、私どもの方で気つきますれば、そういう措置を勧奨するとか、あるいは若干電話の連絡等のあった県もございますが、そういうところはその際適宜な指示を与えるように努めておる次第でございます。
○堀内委員 そこで、今度の災害で地方の府県の収入も減るでございましょうし、災害復旧のために非常に多くの費用もかかることが予想されるのですが、そうした場合に、自治庁といたしましてはどんな措置を考えておるか。一例を申せば、交付税の問題もありましょうし、また、市町村の起債ワクの増加といったようなこともありましょうが、その点についてはどうですか。
○金丸説明員 実は、私の所管に属しませんので、お答えを申し上げかねるのでございますが、ただいま御指摘がございましたように、災害関係について起債を見ますと、あるいは特別交付税で財政事情を緩和すると申しますか、考慮する、こういうことは当然であろうかと思います。そのほかどういう措置をいたしますか、これは内閣に対策本部もできまして、私どもの方も、自治庁各局をあげて、できるだけ適切な措置を講じたい、こういうふうに目下相談をいたしておる次第でございます。
○堀内委員 私は特に大蔵政務次官にお願いするのでございますが、ただいま御答弁のありましたようないろいろな事情から考えまして、自治体の収入が非常に減ずる。また、各府県等いろいろな補助金をもらうようなことになりましても、言うなれば、その査定とかなんとかいってじんぜん日を費して、しかもその額はきわめて少いというようなことが通常でござましょう。また、一方から言うと、先般の予算の際に、災害というか、道路並びに治山治水等に関する場合特例措置がなくなってしまったために、すでに地方の府県において非常に困っておるということは御承知の通りで、さようなことから考えまして、私は、地方の起債額といったような問題については特段の考慮を払ってもらいたいと思うのですが、そのことについてお考えをお伺いしたい。
○奧村説明員 お答えいたします。
 ただいまのお話のように、今回の災害によって、府県によっては府県税あるいは市町村民税などの税収も減少いたします。また、災害復旧のために、府県、市町村の負担も特に多くなるということでありますから、府県財政の負担はかさばる。これに対する起債のワクを広げるとか、あるいは交付税、特別交付金を増額するということについては、大蔵省としても考えております。今金丸説明員からも御答弁がありましたが、大蔵省としても考えておりますので、御趣旨の通り善処いたしたいと思っております。
 なお、ちょっとつけ加えて申し上げますが、先ほどお話にありましたように、昨年の狩野川台風の静岡県の被害と比べると山梨県の被害は少いように見えるけれども、それは県として静岡県よりは三分の一くらい小さいのでございます。従って、比較すればむしろ今回の災害の方が山梨県としては被害が甚大だ、こういう御趣旨まことにごもっともに存じます。従いまして、府県、市町村において相当今回の災害でお困りのこともあろうかと思いますので、これに対する対策についてはまだ詳しい数字が十分固まってきておりませんし、また災害対策協議会の方でいろいろ対策を練っておる最中でありますから、その際に十分善処したいと思います。また、堀内委員、皆さん方大いにまた政府を御鞭撻願いたいと望む次第であります。
○堀内委員 なお、つけ加えて申しておきたいことは、今度の災害地の山梨県にしても、長野県にしても、みんなこれは再建整備団体でありまして、静岡県などのような富裕の県とは根本的に違っておる。そういうような事情も一つぜひ考慮のうちに入れて、今後の対策を考えていただきたい。
 次にお伺いしたいのは、金融の問題でございますが、まず農産物に対しましては、天災法があってやられるのですが、今度の台風は先ほども申しましたように非常に風が強かった。それで、果樹というものがみんな、なっているものは落ちてしまうし、それからああいう桃とかリンゴとかいうものは、みんな根こそぎになって倒れてしまう。これはもとへ戻して根固めをしたところで、ほとんど役に立たないという話です。それからまた、ブドウのたななんというものはほとんど倒れてしまった。私どもが現地を見ますると、桃のようなものはみんな落ちてしまっておりますが、ブドウそのものも、行ってみても、つるがこういうふうにゆれておりますから、つるの根元というのは黒くなって死んでいるのです。そういうような関係がありますので、行ってみると予想以上にはなはだしい。ところが、このくだものというものは、共済法ですか、あれに適用されておらないというようなことでありますので、この農作物の被害に対しましても、何とか特別な金融の方法等を一つ考えてもらいたいと思いますが、その辺についてはどんなことになっておりますか。
○磯江説明員 今回の台風で、山梨県なりあるいは長野県あたりで、くだものの関係の被害が相当あったというお話でございまして、特に果樹だなが倒されたのが多い。これの復旧ないしは苗木等というような問題について、いろいろ資金面での御要望が出ているようでございます。この問題につきましては、主管省であります農林省におきましていろいろ検討しておられるわけでございますが、現在あります制度といたしましては、果樹だなにつきましては、農林漁業金融公庫におきまして――これの災害復旧資金につきましては主務大臣の指定に入っておりますので、公庫からの融資が行われるわけであります。それから、その他苗木とかあるいは果樹の関係の肥料とか等の必要な資金につきましては、天災法に基きまして、系統金融機関の資金をできるだけ活用してやっていくように考えております。なお、果樹共済制度というような問題があるように聞いておりますが、この問題は農林省の方で慎重に検討せられておるように伺っております。
○堀内委員 もちろん主管省でいろいろやってもらうことでありますが、やはり大蔵省の方できんちゃくのひもをあまり締められると困ると思って、私は特にお願いするのですが、自作農創設資金などの問題もありましょうし、ことに、私が一昨年の諌早の水害のときに行ってみたときに、みんな商店が盆を当て込んでたくさんの品物を仕入れて、それをみんな流してしまったというので、あそこの中小企業に対して特別金融措置をやってもらったのですが、今度は八月ではありますけれども、あの辺はみんな旧暦または月おくれでやっておる関係で、完全に同じ状態なんです。そこで、そういうようなことがありますので、中小企業、ことに小売商などが非常に困っておりますので、こういう方面の金融等につきましても――これは通産省の関係が多いでしょうが、政府の金融機関、そういう方面でこの際十分めんどうを見てもらいたいと思うのであります。
 その次に、もう一つ、これは何といいますか、政治論のようですが、実は現地を回ってみますと、みんな家も流れ、畑も流れ、困り切っておる人たちが外国へ移民にでも行きたいのだ。ところが、非常に荒れ果てておるので、この流れた土地を、何とか、道路などのときに用地などを買収するような方法で、特例をもって買い上げてくれないかといったようなことを、知事から初め言っておるのです。こんなことも一つ協議会等で検討してみて下さい。これはやぶから棒で少しどうかと思うけれども、一つ御参考に申し上げておきたいと存じます。
 最後に私申し上げたいことは、いろいろ施設をし、金融なり税法なりでやっておられるのでありますが、それが一般の人にわかっていないということです。だから、これは一つぜひ当局で、いろいろな面から、政府はこういうふうにやってあげるのだというようなことをよく知らせて、それをバツクボーンとするというか、励みにして、一般の罹災民を鞭撻してもらいたいと思うのです。実は、今度でもほんとうに喪心したような状態であったところへ、自衛隊が来て、自衛隊がやってくれるというので、みんな非常に力を得まして、復旧のために非常な熱意をもって努力しておるのです。そこで、私つくづく思うのに、三日にわたって現地を回ってみても、町村の人から何から、いろいろな問題を政府でやっておることと知らずに、そうして極端にいえば政府で何をしているのかといったようなことと、また自分らが力を落して喪心状態でおるというようなことが多いので、私は、やはりこの際、あんな措置をやって下さっていることですから、これをできるだけ一般にPRして、それによって政府を信頼せしむると同時に、その政府の支援によって罹災民がみんな元気を出して、自力更生のために努力するというふうな機運を巻き起すことが非常に必要じゃないかと思いますが、そういうことに対して、現在政府でどんなことをやっているか、お伺いしたいと思います。
○奧村説明員 災害地の被災民の方々は、一時ぼう然自失されて、災害減免の規定なども知らない、あるいはその他政府の施策も御存じじゃないから、政府の方もPRして大いに元気づけたらよかろう、こういう御趣旨でありますので、まことにごもっともに存じます。災害減免につきましては、先ほど村山説明員から申し上げましたように、減免の規定がいろいろの法律規定の中に散在してありますので、一がいに申し上げられませんが、大体災害が起って二ヵ月以内に申請すればいい、こういうことになっております。そこで、災害減免法が実施されましてから災害が起りますと、大ていその地元の税務署が、農協その他を通じて、相当積極的に災害減免の規定の趣旨を徹底しております。所得税につきましては、予定申告が七月末日の期日は過ぎまして、今度は十一月でありますが、それまでには十分徹底いたしまして、予定申告も減額するとか、あるいはいろいろな方法で周知徹底いたしまして、御趣旨に沿いたいと思います。
○植木委員長 横山利秋君。
○横山委員 本日は非常に長時間にわたって委員長初めお互いに御苦労なことでありますが、私はこの際まずもって要望申し上げておきたいのであります。
 休会中、委員会は月に一回でございますが、なるべく従来の慣行にもございますように二日にしていただく。それから、大臣はいろいろな用事がおありではございましょうけれども、ぜひ、大蔵委員会の日には、月に一回でございますから出ていただきたい。どんな御事情があるか知りませんけれども、けさ私が拝見をいたしますところによりますと、大蔵大臣の出席要求は四、五人あったはずであります。この四、五人の出席要求を拒否するほど、大臣はきょう重大な所用が一体あったのであろうか。この点につきましては、本委員会に対する大臣の認識、理解にいささか欠けるところがありはしないか。一人や二人ならともかく、四、五人の出席要求があることについてどうお考えになるのか、まずこの二点について委員長並びに次官の御意見を承わりたいのであります。
○奧村説明員 横山委員の御発言の御趣旨はまことにごもっともに存じますから、今後は御趣旨に沿うように、私から大臣によく伝えまして、今後出席いたすようにいたしたいと存じます。
○植木委員長 ただいまの横山委員の御希望は仰せの通りで、私も遺憾に存じます。きょう理事会の席で申し上げましたように、大臣の都合によりましてやむを得ず御審議を願うことにいたしましたが、来月の委員会の際には、今から申し入れをいたしておきまして、ぜひ大臣が出るように取り計らいたいと思います。あしからず御了承を願います。
○横山委員 それでは、委員長によろしくお願いをいたしておきます。今は四時半でございますから、私は率直に言って二時間ぐらいと思っているのですけれども、お疲れのことでございますから、問題点を提起して、恐縮ではございますが、次会にお取り計らい願いまして、冒頭に御協力願って御答弁を主管大臣から願いたいと考えております。
 私が問題にいたしたいのは、最近における中小企業金融であります。機会がございまして中小企業金融をいろいろ調べておりますうちに、これはどうしても現状ではいかぬ、根本的に改善をしなければならぬということに、私としては考えが至ったのであります。
 たとえば、もうすでに人口に膾灸されているところではありますが、中小企業金融の欠陥というものは、一律にそれぞれの金融機関を引いて申しますと、相互銀行は、御承知のように歩積み、両建で、幾ら借りているのやら、あるいはまたその利子が幾らやら、ちっとも利用者にはわからぬという状況が一向改善をされず、そして相互銀行本来の掛金業務がだんだんウエートがなくなって、そして、大臣みずからが、相互銀行の中心業務は掛金業務でなければならぬけれども、最近では漸次減退して、金融制度における大きい特質が失われているということを銀行大大会で言っているわけです。
 信用金庫はどうだろうか。信用金庫に今実際の効果というものが出ているであろうか。ところが、信用金庫それ自体が、組合精神がなくなって、銀行の立場というものを強調している。コストは高い。それから人による運営というものは一向打破しきれない。そして、今やいいところと悪いところとの落差が非常にあって、整理統合が叫ばれている段階である。
 信用組合はどうであろうか。信用組合は、私どもはかねて言っているのでありますけれども、各県の県知事の政治的な配慮によって作られたりなんかしている。
 そして、全般の中小企業金融の中で、大蔵省の監督のらち外にある不動産銀行はどうであろう。不動産銀行は、本委員会で不動産銀行の設立を了としたときには、中小企業のためであったはずだ。それが今中小企業金融のために不動産銀行は一体動いているであろうか。そうなりますと、もうそういうような性格は看板だけであって、実際は、中小企業金融のために、本筋を生かして零細企業に重点を置いているようなことは絶対にないと言っても、はなはだしくない。
 信用保証協会はどうであろうか。一言をもって評するならば、信用保証協会は、保証しなければならぬものも保証しない。それが信用保証協会の運営業務といったら、信用保証協会は怒るかもしれぬ。私の方は保証してもらってこいというから、銀行へ責任をみんな預けてしまうような状況ではあるけれども、しかし、それではそれで信用保証協会に責任がないと言えるであろうか。私は断じてそれは言えないと思う。今も私は信用保証協会の必要性については認めるけれども、しかしながら、その運営についてはどうしても改善の必要があると思う。
 商工中金はどうであろうか。一例を申し上げますが、商工中金へ行って、個人の金あるいは一つの会社の金を借りたら――中小企業金融公庫の金を借りれば、たしかそれは九分三厘です。ところが組合の金を借りたら九分六厘です。自分のところの金よりも、よそさんの金の方が安いという状況です。そして、その運営についても、また欠けるところが一ぱいある。
 中小企業金融公庫はどうであろうか。これは、たとえば直貸しを申し込んだら、まず三ヵ月か四ヵ月かかる。これで一体金融といえるであろうか。しかも、その機構、人事については、中小企業者の要望にこたえるところがはるかにない。
 国民金融公庫はどうか。大体今申し込みが平均六十万だそうでありますが、実際これに対して貸されている金額は、全国平均で二十三万、都市平均で二十七万だという話です。そうすると、まるっきり半分しか必要を満たしてない。しかし、これは顕在需要でありますから、潜在需要から比べるならば、国民金融公庫は全くその中小企業者の要望にこたえてはおらぬ。はなはだしきに至っては、中金にしろ、国民金融公庫にしろ、信用保証協会の保証をとって金を貸しておるというばかげたことが、議論の上では、だれしも、そんなことはおかしいのですがと言っているのだけれども、これが当りまえのように行われておる。
 零細金融として設立された中金あるいは国民金融公庫に、なぜ一体保証協会の保証が必要なのか。今まで何回も本委員会で指摘されながら、国民金融公庫に保証をとらしておることを、どうして一体政府は認めておるのであろうかということを考えてみますと、この中小企業金融の状態については、まるっきりでたらめな状況だと私は思うわけです。しかも、それらを通じて、政府機関はともかくとして、民間の中小企業金融機関は、昔と違って絶対につぶれないという一つの保証によって守られておる。そうして政府の銀行行政というものが公けにされないで、非公式に、秘密、隠密に指導されておるために、何らその欠陥というものは表に現われてこない。だから、何か事が起った場合においては、今政務次官をしておられる奥村代議士のごときは、野党のような旺盛なる意欲をもって政府を追及されたことがあるのであります。その人が政務次官になられたのでありますから、私はここに格段の改善がなされると思うのでありますけれども、この際問題の所在を明らかにしていく必要があると私は思います。
 こういう機構の不完全、機構の戦国時代にさらに便乗をいたしまして、では、中小企業全体の状況はどうかと申しますと、これは、たとえば神武以来の不況になった場合の例を取り上げてみるとわかるのでありますが、あのときの状態を考えますと、私どもは、たとえば池田大蔵大臣と懇談会をいたしまして、たしかあのときには百五十億でありましたか、そのほかの分も合せて三百五十億を不況のときに中小企業金融の中に投入をしたのでありますけれども、その結果、中小企業向け融資の状況は、三十一年度に合計五千五百六十二億、三十二年度には投入したにかかわらず二千九百四十三億、三十三年度はもとへ戻って五千六百六十七億、これに比べて、大企業の方は、三十一年度が六千六百二億、三十二年度はまさに七千七百七十億、三十三年度はもとへ戻って五千二百四十四億、つまりこのことは、デフレの場合においては、極端に大企業に融資が順調にいき、中小企業にはどんなに金をぶち込んでも、金融が不工合になるということを意味しておるのであります。私が何を言いたいかというと、従って、単に、中小企業向け資金を多少増減することによっては、中小企業金融というものは救われない根本的な欠陥がこの際あるのではないか。つまり、中小企業金融機関の機構の問題、そうして資金の配賦の状況について根本的な改善をしなければだめではないかということを、私は指摘したいのであります。
 そこで、次会に政府側から所見を伺いたい点を申し上げますから、どうぞ、できたならば、次会は、政府の中小企業金融に対する今後の改善方針、そういうものをまず冒頭に伺いたいのであります。それを伺って、それから私の質問をいたしたいと思うのでありますが、その改善の中に御検討を願いたい二、三の点を申し上げたいと思うわけであります。
 第一は、こういうことを検討していただきたいのであります。それは、たとえば建築をします。この場合に土建業者と建築主の間に紛争がございます。そういう場合には、その事態を収拾するための紛争処理機関というものがあるわけですが、金融についてはそれがないのであります。私は妙なことを申し上げますが、税金だって苦情処理機関がある。建築だって苦情処理機関がある。だから、この金融についても、そういういざとなれば――大丈夫だというのでありますが、金融機関とそれから預金者ないしは銀行、金融機関から金を借りた者との間に、金融苦情処理機関というものを置く意思はないかどうか。これを各財務部ごとに置く必要がありはしないか。私は、こういう紛争の二、三の例を知っております。これは政務次官がかつて問題に取り上げたこともあるのでありますけれども、そういう問題を大蔵委員会でやる、あるいはどこそこでやるといってもやれない。そういう問題は、全く金融機関がいざとなって必死になったならば、これはつぶれるかつぶれないかという場合であるから、預金者なりあるいは金を借りた者の立場というものはどうしても抹消される。そういう点で紛争処理の機構をお作りになる意思がないかどうか。これが第一であります。
 それから、第二番目は、信用保証の問題であります。先ほども申し上げましたように、保証を必要としないものに保証をさせ、保証をすべきものについて保証をしない、こういう言い方を私はいたしました。多少極端かもしれませんが、信用保証協会というものが健全な運営、利益の上る運営をしようと思った場合、あるいは銀行がこれから少し窓口を締めるそうでありますが、窓口を締めようと決意した場合においては、往々にしてこのあやまちというものが爼上に上ってくると私は思うのであります。いわんや、保証協会は県や市で運営をいたしておりますから、その県や市は、金融相談所といいますとすぐに保証協会に行かせるわけであります。保証協会に行かせるから、保証協会は、それでは私のところで保証してあげますから、これを持って銀行にいらっしゃい、こういうことをやります。県や市が金融機関の宣伝をしませんで、保証協会の宣伝をしていく。そうすると当然こういうことになってくる。その危険性を私は方々で承知いたしておるわけでありますが、その改善策やいかんという点であります。また、信用保証をしてもらったものに対して、金融機関が金利を安くすることは当然ではないかと思っております。これは、保証をしたものは銀行は代位弁済ができるわけでありますから、当然それの金利を安くしてもいいのではないか、ということ等の御検討を願いたいのであります。
 その次に、サラリーマン金融についてであります。これは中小企業金融とちょっと違うのでありますけれども、その昔庶民金庫というものが御存じのようにございました。しかし、今あらゆる分野において金融の道が大なり小なり開かれておるのでありますが、ここに一つ欠けたるものは、サラリーマン金融とでも申しましょうか、庶民金融であります。これは金を借りることができません。せいぜい住宅金融公庫とか何かによって、間接的に金が借りられるのでありますが、これは借りる方の立場ではありません。貸す方の一方的采配によって、抽せんその他によって決定せられるのであります。現に金を借りるサラリーマンが、たとえばもう退職金をカタにしてうちを建てたい、あるいは娘を嫁にやりたい、あるいは子供を大学へやりたいというような場合において、どこから金が借りられるのであろうか。労働組合のあるところならば労働金庫から借りられるけれども、その場合はせいぜい月給二月分くらいしか借りられません。従って今一番取り残されておるところがこれではなかろうか。私は、一案として、そのサラリーマン金融というものを労働金庫にやらしたらどうであろうかと思っているわけであります。労働金庫の員外利用を認めたらどうか。預貸率の状況から考えて、それは可能ではなかろうか、こう思うわけであります。
 それから、同じく労働金庫を取り上げましたついでに御検討願いたいのは、かつて参議院の大蔵委員会で取り上げました社内預金の問題であります。私は、今日ほど金融について直接ないしは間接的に政府の一つの方針が浸透いたします中で、社内預金だけが放置されているということについては、いかがなものかと思うのであります。おそらく私の推定でも九百億くらいあるといわれておるのでありますが、その社内預金を禁止をするということも一つの方法であり、ないしは高利を取り締るというのも一つの方法であり、ないしは預金の最高を押えるということも一つの方法ではなかろうかと思うのでありますが、この社内預金について政府が今放置をしておるということについては、いかがなものであろうか。特に中小企業などは社内預金をさして、それを自分が使って、会社がつぶれて、従業員に銭が返せないというようなことは、往々にして見られるところでありますけれども、それについての御見解を伺いたいのであります。
 その次は、貸金業法の問題であります。佐藤大蔵大臣は、貸金業法について、先般車中談でしたか、選挙最中で公約をいたしました。その公約についていろいろと私は意見があるのでありますが、この際政府の立場を明らかにしていただきたいのであります。貸金業法について、どういうふうに、どういう角度で提案をするのかどうかという立場を明らかにしてもらいたいのであります。
 その次の問題は、中小企業金融公庫と国民金融公庫の立場についてであります。私は根本的にこの国民金融公庫というものの飛躍的な性格の変更を意見として申し上げたいのであります。それは六十万要望が出ておる中で二十三万しか貸してないということ、それから今日の機構、人事でどうして一体中小企業金融の状況を満たすことができるかということ、もら一つは、今の中小企業民間金融機関の先ほど申しました状況からいって、この際一つ国民金融公庫と中小企業金融公庫とを一本にして、そうしてたとえば国民銀行というようなものを設立をする。もうすでに、一部の学者の中には、これをたとえば二本にするという意見も出ておるわけでありますが、そういうような方法をとることによって、中小企業金融について政府が飛躍的な機構の充実強化をすべきではないかと私は確信をいたしております。この国民銀行についての私の具体的な意見についてはさらに申し上げたい点がございますけれども、もうすでに頭のいい方ばかりでございましょうから、大体何をねらってあるかということはおわかりでありましょう。要すれば、民間の中小企業金融機関の今日の欠陥を根本的に是正し、そうして政府の中小企業金融についての基本的な考え方を、一番最初の発足のときから歴史的にも変ったのでありますから、この際思い切った改善をすべきではないかというのが、私どもの見解なのであります。
 それから、その次には、先ほど申しましたが、相互銀行の改善案であります。相互銀行の問題点は、もう人口に膾灸されておるところでありますけれども、大臣が相互銀行大会で言った言葉だけでなくして、実際問題としていかにあるべきかということについての政府の態度、方針、また希望するところを明らかにしてもらいたい。掛金をしていって、実質的には最後にはもう少ししか残っていないのにかかわらず、借りた全額の利子をいつまでたっても払わなければならぬというばかげたことや、幾ら借りておるか、幾らが利子なのかわからぬというようなことは、もうなくならなければならぬと私は思うわけであります。
 まだあと、二、三あるわけでありますが、それは今言うと誤解を生じますから、以上のような点について政府の所信を承わって、その際に意見を述べたいと思うわけであります。それらの具体的な問題の根底をなす問題として、前提として明らかにしていただきたいことは、経済情勢の把握であります。今日の経済情勢をどういうふうに把握するか、それが中小企業金融にどういうふうな影響をもたらすかという前提をお示しを願って、その中で諸般の問題についての御説明をお願いいたしたいと思うのであります。
 私も、朝から待っておったわけでありますから、ほんとうならば、これらの問題について、時間をいとわずに十分に質疑応答を尽したいところではございますけれども、お集まりなさっていらっしゃる皆さん方のお気持の辺もわかるような気もいたしますから、問題を提起いたしまして、次会冒頭にこれらの問題について政府側の詳細なる御意見を伺い、それについて質問をいたしたいと考えるわけであります。私の自分勝手かもしれませんから、委員長の御意見を伺って、今やれとおっしゃれば、今からでもやりますので、政府側の態度も伺ってみたいと思います。
○植木委員長 それではただいまのいろいろな御質問なり御要望の点につきましては、政務次官をして大蔵大臣に連絡していただき、十分研究を遂げて、次の機会にはぜひとも大臣も出ていただくように手配をすることにいたしまして、きょうのところはこれでおやめを願ったらいかがかと思います。よろしゅうございますか。――本日はこの程度にとどめまして、次会は来たる九月十一日、午前十時十五分より開会することといたします。
 本日は、これで散会をいたします。
    午後四時四十七分散会
     ――――◇―――――