第032回国会 農林水産委員会 第11号
昭和三十四年九月九日(水曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 吉川 久衛君
   理事 永田 亮一君 理事 丹羽 兵助君
   理事 野原 正勝君 理事 本名  武君
   理事 赤路 友藏君 理事 日野 吉夫君
      安倍晋太郎君    天野 光晴君
      今井  耕君    金丸  信君
      坂田 英一君    高石幸三郎君
      綱島 正興君    松田 鐵藏君
      三田村武夫君    足鹿  覺君
      角屋堅次郎君    神田 大作君
      實川 清之君    高田 富之君
      田中幾三郎君    中澤 茂一君
      中村 時雄君    芳賀  貢君
      北條 秀一君    松浦 定義君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 福田 赳夫君
        建 設 大 臣 村上  勇君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   相澤 英之君
        農林事務官
        (大臣官房長) 齋藤  誠君
        農林事務官
        (農地局長)  伊藤 正義君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        長)      清野  保君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        災害復旧課長) 中村 武夫君
        農林事務官
        (振興局長)  増田  盛君
        農 林 技 官
        (食糧庁業務第
        一部長)    諌山 忠幸君
        農 林 技 官
        (林野庁指導部
        長)      茅野 一男君
        農 林 技 官
        (林野庁指導部
        治山課長)   若江 則忠君
        農林事務官
        (水産庁漁港部
        長)      林  眞治君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山本 三郎君
        建 設 技 官
        (河川局防災課
        長)      畑谷 正實君
        建 設 技 官
        (道路局長)  佐藤 寛政君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
九月九日
 委員中村時雄君辞任につき、その補欠として田
 中幾三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員田中幾三郎君辞任につき、その補欠として
 中村時雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林漁業災害に関する件(台風第七号等による
 農林漁業災害問題)
     ――――◇―――――
○吉川委員長 これより会議を開きます。
 農林漁業災害に関する件につきまして調査を進めます。
 台風第七号等による農林漁業災害に関する質疑を続行いたします。
 中澤茂一君。
○中澤委員 昨日に続いて当小委員会がまとめましたものを逐条的に申し上げて農林省の見解を伺います。
 特に、今三重県からの陳情もありましたが、大臣がはっきりしない点について昨日の問題を少し蒸し返さなければならないのでありますが、それは、農林水産業施策等の災害復旧に関する事項の第三の小災害の問題、今も三重県の御陳情を聞くと、どうしても小災害のやりようがないという。特に、新しい問題として今承わったところによりますと、地主がある、そして耕作者がそれを借りておる、ところが、小災害であるために、地主の方も安い小作料なのでそんなものはちっとも熱意がない、小作人の方もそれを自分でやったってそろばんがとれぬからやらぬ、こういうような現実がこの三重の山の中にあるということを今陳情されたのですが、こういう問題に対しても、やはり小災害問題というものはもう根本的に何とか政府自体が方法を考える段階ではないか。それについて、この特例を作る御意思があるかどうか。これは臨時国会が開かれてからでよろしいですが、立法する御意思があるかどうか。二十八年災害のような三万円以下というものに問題があるならば、やはり五万円くらいまでに小災害を引き下げる必要がある、こういうことを今のいろいろの陳情を聞いても特に痛感するわけです。これについて、きのう大臣は、それは大臣の一存にはいかない、いろいろ政府としても意見調整が必要だということをおっしゃっておられるのでありますが、農林大臣として、やはり、こういう現実に対して、どうしても一つ特例を臨時国会で作ろうというような強い御決意を持つ必要があるのではないか。災害のたびに小災害問題を繰り返すのではなくして、ここで抜本的に小災害十万円の引き下げをやるか、あるいは特例法の恒久化をはかるか、何か一つ方法を考える必要があるんじゃないかと思います。
○福田国務大臣 ただいまの問題につきましては、昨日も申し上げたのですが、私の考えといたしましては、起債方式によるのが一番有効適切である、かような考えを持っておるわけなんです。政府といたしましても、そういうことで市町村に起債をお願いして、その元利を補給するという形の方をとるべきではないかという考えをもって、その方向の相談をいたしておるわけです。しかし、それで一体どういう不便があるのかというような問題になりますれば、なお検討しなければなりませんけれども、ただいま私どもはそれが一番いいと信じ、またその方向で今意見を調整している、かように御了承願います。
○中澤委員 そうすれば、やはり蒸し返しになるのですが、起債でやるとするならば、例の昭和二十三年の七、八月及び九月の風水害によって被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律、これのワクを――きのうの蒸し返し議論ですが、このワクを法律改正をしない限りは、適用を受けないという事実が出ておるのです。だから、起債という基本方針をきめるならば、私はそれでもいいと思うのです。そのかわり、しからばこっちの方のワクを一体どういうふうに改正するか。要するに、一千万円というワクですね。法律を改正してこれを引き下げるということならば、これは論理一貫してくるのです。それならそれで確かに適用されていくからいいのです。だから、こっちの法律を改正しなければ、これははっきり言えば起債だけでは意味がないということなんです。そうでしょう。片方に一千万円という大ワクをはめておいて、そうして片方で起債でやれやれと言ったって、この法律のワクを広げなければ、適用されない市町村が多いということです。だから、この法律改正をするか、さっき言ったような方法か、いずれかしかないと思う。この法律改正をやる意思があるのかどうか。小災害は特にこの際根本的に考えて下さい。
○福田国務大臣 これは根本的に今考えることにいたしまして意見の調整をいたしておるわけであります。いずれ結論を得ましてお答えいたします。
○中澤委員 この問題はまだいろいろ各省間の調整もあるだろうし、ですから、この問題はこの程度で打ち切っておきますが、いずれにしても、この法律改正をやるか、さもなければそのほかの方法をとる以外に方法がないのですよ。まあ、起債という原則を政府がきめるならば、この法律のワクを一つ引き下げてもらいたい。その方式をどうしてもとってもらいたい。そうすれば相当小災害もこの中へ入って出てくるわけです。その点を特に要望しておきます。
 それから、昨日の質問の続きですが、この災害復旧の復旧率の問題です。これはあなたも御承知のように、災害のたびにこの部屋でこの議論というものは何百回繰り返されているかわからないのですよ。それで、三、五、二という比率はどうしても妥当でないというのが小委員会でも一致した結論なんです。どうしても、これを五、三、二として、初年度五やる、次年度三、二と振りかえる必要がある。しかし、これはいろいろ建設関係等の問題もあると思うのです。だから、建設大臣が来てくれれば相当建設大臣にも追及しなければならぬ問題だが、小委員会で農林省の皆さんの説明によれば、実際初年度五だけやるにはそれだけのいろいろ準備とかができないだろうというような御見解もありました。しかし、事実上あなたが長野県をごらんになって、長門町、どうでしょう。あそこは二十一号で昨年やられて二十町歩の耕地が全部流れた。そうして、一生懸命八百万円も金を借りて二十町歩の地所を作った。片方建設省が一つも堤防を作らない。そしてまたことしも流された。農民は激高して、十七日に県の役人が行きましたら、殺してしまうといって村中棒を持って飛び出してきた。その後いろいろ紆余曲折があったが、人心が悪化しておるので、岸総理が来る前に知事がわざわざあそこへ鎮撫に行ったという事実がある。とにかく、総理や農林大臣、建設大臣が来るのだから、この前のように天びん棒を持ってみんな村から飛び出さぬでくれ、そのかわり国と県が責任を持ってこれを解決すると知事が言明して、あなた方が長門町へ行く三日前にあそこを鎮撫したという事実がある。農民とすればそのくらい怒るのが当然です。三十町歩の耕地を去年ようやく復旧したのに、ことしまた堤防を作らないためにこれが流れた。それはどこに問題があるかといえば、比率に問題がある。これは建設大臣とも関連しておる問題です。私のあとで委員諸君がだいぶ重点的な問題については建設大臣やいろいろおいでを願ってまだまだこの問題は追及するでしょう。私はおさらいに一通りやるのですが、とにかく、あなたとしてはどうお考えになるか。五、三、二の比率、それから四年度の場合二、二、三、三の比率を逆に三、三、二、二に切りかえる、そういうことをあなたとしてはどうお考えになるか。
○福田国務大臣 実際の状況を見ておりますと、三、五、二という数字目標を掲げておりますけれども、なかなかうまくいかない事例も多いのです。しかし、私どもといたしましては、三、五、二というのはあくまでも一応の目標である、寒い地帯なんかで冬工事ができないという場合におきましては、三、五、二といってもなかなかその三もできないというようなこともありましょうし、その辺は、被害の程度だとかあるいは被害の性質でありますとか、そういうものを勘案いたしまして、これは特別弾力的にやっていきたい、こういうふうに考えております。私ども今までやってきたところから申し上げまして、相当の被害がありましても、その翌年の植付なんかには間に合せるというようにいたしておりますが、積極的にこの比率を変えなければならぬというような事情もないのではあるまいか、運用で十分に対処し得る、かように考えておる次第であります。
○中澤委員 それは、大臣は運用で対処し得ると言うが、あの長野県知事の陳情を皆さん県庁で聞いたでしょう、建設大臣、総理と一緒に。事実昨年度の長野県の場合は三の比率のものも予算は二一・四しか出さないのですよ。それは一体どういうことなんです。総括的に三という比率さえも予算が来ていない。長野県の昨年の災害に対する実績は二一・四ですよ。それは知事が陳情したでしょう。三という比率さえ政府は守っていないじゃないかということを知事があなた方に陳情したはずです。だから、そういう面において小委員会で検討して、最後に、所要の経費を計上することというのは、少くとも三ときめたら農林省は三の予算だけは確実にとるという必要があるのじゃないですか。
○福田国務大臣 その通りです。私どもは、三、五、二の比率で予算を確保し、それを弾力的に運営いたしますればまず災害復旧の目的を果し得る、かように考えます。
○中澤委員 これは重点の問題ですから、あとでまたほかの議員諸君から質問がありますから、その程度にいたしておきます。
 その次は、第三の金融に関する事項です。これについては、私も山梨県の調査に行きましたところが、問題は、天災融資法を発動されても農協がないというところが甲府市の中にだいぶあるのですね。これは甲府市の中にあるので、この陳情も、実はわしのところは農協がないんだ、天災融資法を発動しても借りる道がないんだということで陳情を受けたわけです。しかし、これは昨日の小委員会における官房長との懇談によると、山梨中央銀行と話し合いをして山梨中央銀行が出すことになったということでありますから、一応この問題は解決したのであります。ところが、一つ残っている問題は、農協はある、しかしこの農協は不振農協で何としても仕方がない、県の信連としてももうほとんど取引停止状態にあるような不振農協が非常にある。長野県など農協運動の進んだところでも、やはり三分の一というものは不振農協である。そういうところに対しての信連融資というものはなかなか問題がある。これに対しても何らかの抜本的な方式を考えないと、せっかく天災融資法は発動した、しかしながら農協には金を出さない、こういう現実が出てくる。これに対して政府としてどういうようなことをお考えになっておりますか。
○福田国務大臣 不振農協といえども災害の際には大いに一役買ってもらいたいというふうに考えておるわけであります。そのためには、不振農協に貸付をいたします信連と県との間に損失補償契約でも作るというようなことにいたしたい、かように考えております。
○中澤委員 県と信連との間にそういう債務保証の契約をさせる、それは早く言えばおざなり答弁で、ではそういう行政指導を一体大臣が本格的にどういう筋でやりますか。ただ答弁だけはそうおっしゃっているが、具体的に行政指導として県と信連にどういう形をとらせるか、その行政指導をどうやりますか。
○福田国務大臣 それは、たとえばおたくの県で言いますれば長野県でありますが、長野県につきましては災害復旧は県と国が一体になってやらなければならぬ、さような関係で県当局と国との交渉は非常にひんぱんでありますが、不振農協問題につきましても、県当局と十分話し合いまして、さような方法でいたすことが一番実際的である、かような考えを持っております。
○中澤委員 ですから、それはわかりますよ。だから、行政指導としては農林省はどうおやりになるかということをお聞きしておるのです。行政指導として、大臣通牒なんか出しておやりになるのか、あるいはどういう方式でおやりになるのかということ。
 それから、これは小委員会でもだいぶ問題になったのですが、これももう当委員会で何百回も議論されておる。結局すべて営農資金という原則があるわけです。それで、実際の被災して困っておる農民は、まず営農資金よりも命をつながなければならぬのです。それで、生活資金という問題がもう何百回も議論されておるのです。ところが、きのう小委員会でこの議論が出た際、栃木県で、ことしのひょう害の場合、農協へ天災融資法による融資を申し込んだ。ところが、農協は肥料をよこした。農機具を持っていけ、農薬を持っていけ、要するに生産資材でなければ渡さない。これはなぜかといえば、営農資金という原則があるからだ。こういうことで農民の間からだいぶ不満が出ておる。営農資金といっても、実際は当座の食いつなぎの、要するに生活資金という面が多分に含まれておる。この生活資金と営農資金との区別を一体どうつけるか、これも何か抜本的に方法を考えなければならぬと思うのです。だから、生活資金というものは、厚生大臣も来てもらえばいいのですが、政府はほかの方法で見るのか、要するに生活援護なり何なりほかの方法で見るのか。私は、きのう、天災融資法という名前を一つ改めようじゃないか、天災救護融資法としたらどうか、救護という字を入れて、今度は生活資金も見るという、そういう弾力性を持った法律改正をやったらどうか、天災救護融資法として、融資の中で救護部面として生活資金もある程度了解して見ていこうじゃないか、こういうことをきのう小委員会で実は申し上げたのですが、何かここで抜本的な方法を講じなければならぬと思うのです。それについて大臣はどうお考えになりますか。厚生省の方で何らかの方法をやるのがいいのか、この中へ何とか農民の生活資金も大まかな意味で包含して見ていくという何らかの処置がとられなければならぬと思うのです。
○福田国務大臣 ただいまのお話は営農資金的性格の天災融資法に救護的な要素を入れよ、天災救護法ですか、そういう性格にしたらどうかというお話であります。そういたしますと、国の金融体系といたしまして、農村ばかりに適用するというわけにいくかどうか、相当議論の出てくる問題であろうと思います。今の法体系としますと、天災融資法は営農資金である、こういうことで農家に限定されておるわけです。自作農資金もそうで、災害復旧資金ということで、これには救護的というか生活費的性格を織り込んでおるというようなわけです。私どもといたしましては、天災融資法は、ただいまのそういう体系から見ましては、これはどこまでも営農資金的性格のものであるというふうに観念をいたしておきたいのでございますが、今後の問題として、お話のように、天災融資法の中に、自作農資金の中にあるさような災害資金、しかもこれは生活費的要素も多分に持っておるというものを織り込んでいくかどうか、そういう編成がえをするかどうかという問題はあると思うのです。この問題は一つとくと検討してみたいと思います。
○中澤委員 これは何も私は農林大臣というワクにこだわってお考えになれということじゃないのです。これは農民も中小企業も入れて、山梨県の白州ですか、あそこへ行ってみると、約二十分間に七、八十戸の家が一挙に流されておる。これは小さい町の中心地帯です。こういうものを見た場合、農民と限らず、中小企業なりそういうものも含めた、何か国が天災救護融資法というような一つの新しいケースをあみ出していく必要があるのじゃないか、そして、ほんとうに天災で立ち上れない中小企業も農民も含めて生活資金に対して何らかの立法措置がこの際必要じゃないかということを痛感いたしておるわけなのです。これについては何も農林大臣のワクだけにこだわらずに、一つ政府全体として何らかこの際天災に対する救護融資というような方法を考えたらどうかというのが一つの提案なのですが、この問題は非常に議論のあった問題で、いずれこれはあと他の議員から、いろいろまだ発言があると思いますから、この問題はこの程度で打ち切っておきます。
 その次には、農林漁業金融公庫の自創資金の問題です。この自創資金の問題は、現在は二十二億災害分としての手持がある。別に融資額が六億ある。この二十八億で何とかこの際まかなっていけるじゃないかというようなお考えをお持ちのようでありますが、これを、きのうの小委員会では、災害は別ワクにしたらどうだ、――別ワクというのはどういう意味かといいますと、これは大蔵省がいるとあまり聞いてもらいたくないのですが、災害分だけは増額したらどうか、百億というワク以外にプラスその年の災害分、こういうものをとる必要があるのじゃないか。この自創資金というものは今農民に一番大きな役割を果しておるわけです。だから、予算折衝がぼつぼつ始まっておるわけですが、大臣として一つ、災害だけはプラス・アルファで認めろ、百億という原則は認めるが災害分をプラスしていけ、――さもないと百億のワクの中へ累年食い込んできておるのです。たとえば、三年前に災害があった、そうしてその災害の借金でどうにも動きがとれない、そこで自創資金を借りてことしそのものを埋めていくということで、前の災害額が累年百億の中に食い込んできている。だから、災害をプラス・アルファにすれば、その食い込んだ分はプラス・アルファの中に入ってきますから、そうやって増額しておく必要があるのじゃないかというのが昨日の小委員会の皆さんの御意見でした。予算折衝の過程において、大臣は災害分だけは百億プラス・アルファだということで御折衝になる意思があるかどうか。
○福田国務大臣 それは、一般の予備費におきましても、あらゆる方面に使う予備費を持っておるわけです。自作農資金につきましても、他のものと一緒に百億円という予算を持っておるわけです。私は、この百億円というものは、お話のような事情もあるので、これはさらに大いに増額を要する、こういうふうに考えております。しかし、これは、災害に幾らというふうに限定しますと、非常に弾力的な運用というものに支障がありますから、さような区分を設けることは考えておりませんけれども、この額自体は大いに拡大いたしまして御期待に沿っていきたい、かように考えております。
○中澤委員 それは大蔵省に対する一つの増額要求のきっかけを作らなければいかぬということが小委員の皆さんの腹の中にあると私は大体考えたのです。新大臣は、幹事長をやり、大蔵省出身ですから、もうどこに何があるということは全部御承知だろうから、予算折衝のお腕前を拝見してから、確実に百億以上伸びたときには私は敬意を表しますが、これはしばらくお預けにして、とにかく百億では自創資金は足りない。どうしてもわれわれは大体二百億くらいは現在必要ではないかと思う。特に農村の階級分化が猛烈な勢いで進行しておることは統計上明らかです。その零細農に転落しようとする人たちがたよっているのはこの自作農資金だけなのです。現在の状況においては自作農維持をやはり政府がどこまでも貫こうとするならば少くとも二百億必要じゃないかということをだれも考えておるわけです。だから、この点については、われわれの小委員会のきのうのいろいろの話では、これを一つきっかけにして何らか増額措置をこの予算編成の過程に織り込んでいくべきじゃないか、こういう意見だった。その点はよくお含みの上、百五十億取ったら及第、百二十億では八十点、こういうふうに点数をおつけしますから、御承知願います。
 それと、いま一つ、この問題とからんで、御承知のように今度は非常に果樹災害が多いわけです。一般営農の場合は二十万という頭打ち総ワクでなからなから今まで間に合っていた。ところが、果樹の場合は全然間に合わなくなってきているという事実がここに出てきている。たとえば、山梨県を調査してみると、ブドウもたなが全部倒れた。これは一反歩どのくらい立てかえ費用が要るかというと約四万円要る。それから、本県の場合には、大臣もごらんになった須坂方面に行くと、ホップが全部倒れている。これは一反歩五万円の施設復旧費が要るわけです。だから、もしブドウの場合、一町歩の栽培農家があったとするならば、どうしてもこの復旧に四十万円は来年の春までにかけなければならぬという現実が出てきているわけですが、この二十万円のワクを四十万円にふやすべきではないかというのが昨日の小委員会の大多数の委員諸君の意見だったわけです。どうでしょうか、この総ワク頭打ちの二十万を四十万までに増額しては。特に果樹の場合はその必要が現実に出てきておる、こういうところで大臣はこれを四十万までにふやす意思ありやいなや。
○福田国務大臣 果樹の状態につきましては、私も不十分ですが災害地を見てきております。これは今二十万円という基準は果樹の場合を特に考えなかった基準ではあるまいかと考えますが、その増額を今考えております。
○中澤委員 これは大臣も考えているということですから、ぜひ一つ実現してもらいたい。実際その必要性が現在出てきているということであります。
 その次には「個人の所有する農舎(鶏舎、豚舎を含む)、たい肥舎、温室、葉たばこ乾燥室、果実貯蔵庫、製茶施設、果樹棚(ホップ支柱を含む)、木炭倉庫、山地製材工場等の災害復旧に必要な資金は農林漁業金融公庫の主務大臣指定災害復旧対象施設の資金枠から貸付けることとし、その貸付限度額及び資金枠については必要に応じ拡大するものとする。また、貸付金利は七分となっているが、この際、これが引下げをはかるものとする。」とあります。これは非常にこまかい問題ですが、現実の問題として陳情の中に非常に数多く出てきておるわけです。ですから、これに対して金利の問題をどうお考えかということと、これらのものを含めた対象にする必要があるということが小委員会の意見ですが、これをお入れになる意思があるかどうか。
○福田国務大臣 ただいまの御質問の個人所有の施設災害、これは公庫から貸し出しをすることになっておりますし、また急速にそういう措置をとるつもりでおります。
 それから、そのワクにつきましては先ほど申し上げました通り、果樹等は特別なものでもありますから、これについてはその拡大を考えていきたいと思います。
 それから、金利の点は、皆さん大へんいろいろ御心配願いまして、昨年、現行の通り年七分ということにおきめを願ったわけです。さようなこともありますし、また、園芸振興法というような立法もただいま私どもの方で検討いたしておりますので、今後の問題といたしまして研究問題にして参りたい、かように考えている次第であります。
○中澤委員 農林金融全体の金利の問題は、いずれ大蔵大臣に来てもらって、昨年の北海道の畑作振興五分五厘の問題もありますから、この問題はいずれ大蔵大臣が来てから他の委員からもいろいろ御質問があると思いますが、少くとも災害の場合は五分に下げるべきだ。北海道の寒冷地畑作振興さえ昨年五分五厘という法律を作ったのであるから五分に下げるべきであるというのが小委員の大体一致した意見ですが、これは考慮しておいていただきたいということです。
○吉川委員長 そこで、中澤委員に申し上げますが、建設大臣はただいまから一時間くらいしか都合がつきませんということですので、建設大臣にお尋ねがございましたら、先にお願いをいたします。
○中澤委員 それでは建設大臣にお尋ねいたします。
 あなたは山梨、長野を御視察願ったわけでございますが、そのときあなたは長野で記者会見をし、総理と御三人おそろいの席上でおっしゃったことは、ここに出ているように、年度割を縮めて建設災害の復旧は三、五、二という比率にはこだわらない、こういうことを申しておるわけです。これは新聞を読みますか、読まぬでもあなたのおっしゃったことだから御承知だと思うのです。また新聞の誤報だということをおっしゃらないでいただきたい。それから、もう一つあなたはこういうことをおっしゃっておる。原形復旧は原則としてはこの際改良復旧に重点を置くのだ、こういうことをおっしゃっておる。これは間違いありませんね。
○村上国務大臣 お答えいたします。
 長野の記者会見は、私は記者会見に間に合わないで、ほとんど総理が会見して、もう終りのころ、――私は朝六時からずっと災害現地を見まして、九時半までかかりましたので、それで、その記者会見の席にはちょっと顔を出しただけで、何も一言もしゃべってはいませんが、しかし、あなたのただいまの御質問の三、五、二の基準にはこだわらないのだということにつきましては、私どもは原則としてはあくまでも三、五、二によってこの災害復旧は完了せしめるということはきめておりますが、万一三だけではどうしても危険状態が脱しない、一水来ればまたもとの通りになるというようなものがあれば弾力性を持たせてやるのだということは、その地元の人たちの質問等に、三でできない場合はどうするかという場合に、これは応急対策、緊急対策については三だけにこだわるものではない、しかしながら三、五、二のいわゆる三カ年で災害復旧を完了するということについてはこれは私ども十分それで間に合うと思っておるということを申し上げたのであります。それがあるいは三、五、二のきめた比率にはこだわらないというように伝えられているかもしれませんが、弾力性を持たせているというのは、三、五、二の中で弾力性を持たせているということであります。
 それから、第二点の改良復旧の問題、これは、もうもとより、ただ単に原形復旧だけで、一メートルの堤防であったから一メートルのもとに戻すということでは、これはまた将来も災害を繰り返すおそれがありますので、そういう危険のある場合には、これは十分改良復旧、改良の意味を取り入れた復旧をしていきたい、私はそういうふうに考え、また現在もそうやりつつあります。
○中澤委員 当委員会も災害の小委員会を作りまして、二日間、現行法の不備な点、あるいは積極的に今直ちに緊急にやらなければならぬ点と、いろいろ現行法を分析して、特に農林災害が中心でありますからやったわけでありますが、その中で、むしろ原形復旧主義というものを改良主義に改めるべきじゃないか、原則の振りかえをやるべきじゃないか、それから、三、五、二の比率を五、三、二にすべきである、こういうような意見が圧倒的に小委員会で多かったし、当委員会においても、与野党を問わず、災害地を実際見た人は、この際もう原則の変更をすべきではないか、要するに三、五、二を五、三、二にする、四カ年の場合ニ、二、三、二を三、三、二、二にする、こういうような原則の振りかえをやるべしという議論が圧倒的に与野党を問わずに議論されているわけであります。それには建設大臣としてどうでしょうか。原形復旧主義というものはもう改めて、根本的に改良復旧主義にしていく。そうしなければ、どの災害を見ても、結局大切な税金を土手へ積んで毎年毎年流しているというのが災害の現実だと思います。だから、むしろこの際改良復旧主義に原則を改めるべきである、こう思うのですが、大臣はどうお考えですか。
○村上国務大臣 改良復旧主義とかあるいは何とかということに改めなくても、現在われわれはそういうふうに考えながらやっておりますから、あるいはその災害の発生した状態によっては、原形復旧しても差しつかえないところもありますし、また原形復旧して再び同じ災害を繰り返すおそれのあるという場合には、これは技術的に見てどうしても改良復旧しなければならぬというものは改良復旧をやっております。現在でもこれはできるのでありますから、あらためてここでどうというようなことについては、なお御研究を願いたいし、われわれもこれが不備な点がありますならば研究してみたいと思っております。
 それから、三、五、二を五、三、二にした方がいいじゃないか。これも、私どもとしてはなるたけ金があったに越したことはございませんが、五、三、二にするということになると莫大な復旧費等も取っておかなければならぬ。そういうふうなことで、一般会計における一般の年度の事業のために、やはり国の経費に制限があるから削られてしまう。でありますから、現在では三、五、二で私は差しつかえないと思うのです。と申しますのは、災害は大体年度の半ばから過ぎに起きてくる。それを復旧するのに一ぺんに五という金を持ってきても、まあ場所によればあるいは五も六も要るというところもありますけれども、大体今までの経験からすれば三あれば十分私は間に合っておると思います。それで、おもむろに設計を立てて、そうしていわゆる抜本的な仕事をあとの五、二でやっていくというようなことで、決して今の三、五、二では非常に支障があるということは考えられませんが、しかし、三に決してこだわっておりません。弾力性を持たして、どうしても四やらなければこれは非常に危険だという場合には四も五も弾力性を持たしてやっておりますので、その辺についてはあまり御心配いただかなくてもいいのじゃないか、こう思って今のところやっております。
○中澤委員 ほかの委員の関連質問もあるから、あなたの時間もございませんし、いずれまた十一日までの間にもう一度来ていただかなければいかぬと思うのですが、そこで、実際あなたはそうおっしゃるけれども、さっき農林大臣に言ったように、その三さえも予算措置をしてないじゃないか。あなたは県庁で知事の陳情を受けなかったかどうか知りませんが、去年の長野県の実績は二一・四しか来ていない。三さえ来ていないじゃないかというんです。この点についてはどうお考えですか。
○村上国務大臣 これは全国平均でありますが、大体緊急工事については三行っております。
○中澤委員 緊急工事に三来ておれば、――長門町という町をごらんになったでしょう。あれは昨年二十一号でやられちゃったんですよ。三十町歩の耕地が全部河原になっちゃった。そこで、土地改良ということで八百万円借り入れをして、そうしてあの三十町歩の復旧をやったんです。農林省の方は一生懸命で、早く復旧して来年の作付に間に合せようとやったわけだ。ところが、おたくの方が横の提防を一つも築かない。提防を築かないというのは一体どういうわけですか。農地の復旧と併行してあの川の提防を築いてくれれば、今年はあの二十町歩があんな悲惨な状況にならずに済んだわけです。それを、あなたのおっしゃることと現地で実際にやっていることと大きな食い違いがあるじゃないですか。これはどういうことなんですか。
○村上国務大臣 あの地域に対する災害については、私はほんとうにお気の毒に思っております。しかし、それは、お話のように建設省が金を出さなんだ、あるいは建設省が仕事をさせなんだ、そういうようなことは絶対にありません。要するに、あの地域についての法線がきまらなかった、地元の折り合いもつかなかった、そういうようなことでありまして、そういうような事情によってその仕事がおくれたということについては、私はあなたのお言葉をそのまま受けとるわけにはいきません。ただ、しかし、いずれの事情にいたしましても、そういうようなことによって仕事がおくれたことは、被害者に対しましてはまことにお気の毒にたえない、こう思っておる次第であります。
○中澤委員 地元でそのいざこざがあったことは私も若干聞いております。しかし、そういう面についてはいま少し国が強い力で押してもいいのじゃないですか。とにかく、耕地はこうやって作っても堤防を築かなかったらこれはどうにもならぬぞということで、もっと強く行政指導で押してもいいのじゃないですか。その辺はどうなんですか。
○村上国務大臣 その事情につきましては事務当局から……。
○山本説明員 あの災害地区の復旧を急がなければならぬということで、県から案を立てまして、大体地元の御了承をいただいたということで本省にも持って参りまして、こちらといろいろ相談したのでございますが、一応結論が出た後におきまして、法線を変更してくれというようなお話がございまして、その点でおくれておったわけでございます。しかし、今年度の初めからは着手しなければいかぬということで、県の方でも金をそこへ割当ててございました。もちろんこれは原形復旧ではいけませんので、災害助成費というようなものを一緒に加えまして、再び災害を受けないような計画でやることになっておったのでございまして、従来の川よりも形をよくし、流れをよくしようという計画でいったわけでございまして、そのために、昔川でなかったところが川になるとかいうような問題で、よくしようと思ったことが工事をおくらせた結果になったわけでございます。その点、私はあそこの現地を見せていただいたわけでございまして、私どもも地元に対しまして早くやらなければならぬということはよくわかっておったわけでございますけれども、そういうことで万やむを得ざる事情のためにああいう被害を受けたわけでございますので、地元に対してはまことに申しわけなかったと私ども思っておるわけでございます。今回は、すでに現地でいろいろ万事了承を得まして、災害の直後方法につきましても地元と打ち合せをいたしまして着手しておるわけでございます。そんなわけでございますので、地元に対しまして私はほんとうにお気の毒だと思っておりますけれども、万やむを得ざる事情でおくれたということでございまして、金におきましても、県の方でこちらから県に割当しました金の中からすでにやるために割当はしておったわけでございます。以上申し上げます。
○中澤委員 それは地元にいざこざがあったことは私も知っておるのですが、そういう点について今回私も長野県を御案内し、山梨県に行って調査して見ましたが、白州から奥の山というものは始末のしょうがない。大堰堤を築いて砂防どめをするより被害を救う道はない。建設省でも何か治山五カ年計画だとか十カ年計画をお立てになって、相当膨大な予算で完全な治山をやろう、こういう方向が出ているようでありますが、もはや山をとめなければ水をとめることができないというのが災害地における一致した見解であると思うのです。そういう点について、建設大臣として、どうやって山をとめるべきかということを具体的に御計画があったら御計画、そういうものを一つお考えがあったならば御披露願いたい。現に五カ年計画やらが一体どの程度進捗しておるのか、そういう点もあわせて御答弁願いたい。
○村上国務大臣 私はずっと戦後の災害の状態を各方面の視察をして参っておりますが、特に今回の長野県といい、山梨県といい、その災害の原因がどこにあるかということを探求してみますと、ただいま中澤委員のお話しの通りに、やはり土砂の崩壊による山くずれに起因して大きな惨事になっておるというようなことにも解釈されるのであります。そればかりでなくて、やはり堤防が非常に弱体であった、あるいは全然無堤防の場所があったりいろんな原因がありますが、私は、あなたと同じように、砂防にもう少し力を入れなければ、どうしても日本の災害復旧は完全でない、こう思っております。全く同感であります。従いまして、でき得れば、国費が許すならば、各河川の上流、あるいは山からの出口にはそれぞれのダム・サイトを調査して、そこには灌漑排水用、あるいはまた上水道、あるいは発電、あるいはまたいろいろな面の洪水調整等の多目的ダムを作ることが一番理想的でありますが、しかし、必ずしもそういうふうにはうまくいかない点があります。従って、できればそれぞれの非常に土砂の崩壊の危険のあるところには砂防堰堤的なものを作って用意しておくということが一番望ましいことであります。そこで、先ほどもお話がありましたように、山を治めなければ川が治まらない、もとよりそれはそうでありまして、その山を治めるための山腹のいわゆる樹木造成等にも力を入れていくとか、あるいは一そう完全に土砂の崩壊しないように押えていくとか、その背後にダムを作るとかいうようなことをやらなければ、抜本的な災害防除対策だとは言い得ないと思います。そこで、建設省におきまして、治水事業災害防除五カ年計画を樹立いたしまして、三十二年度を初年度としてすでに二年目を今やっておるのでありますが、その総事業費の規模が、建設省では三千五百億を要求する、ところが大蔵省はこれこれだ、企画庁はこれくらいだというので、その規模がなかなかまだ決定いたしておりません。治山治水事業懇談会を明後日やりまして、そこでまた各省からそれぞれ出席して、相当近いものになってきておりますので、これが決定いたしましたならば、少くとも来年度予算からは今あなたの御心配になるような点がだんだんと解決し得るものだ、こう思って、目下その事業費の規模について交渉をいたしているところでございます。御承知の通り、われわれは、どこまでも治水事業を十分起しまして、この日本の今の災害防除のためにどうしてもこれが完璧を期したい、かように思って目下検討いたしておる次第であります。
○中澤委員 それについて、何か根本的に政府に統一した機関が必要ではないかということを痛感するのです。それはどういうことかと申しますと、地すべり地帯、長野周辺に例があるのでありますが、下の河川は準用河川である、その上は林地である、その上に農地の畑がある、この農地の畑から林地を加えたものが根本的に地すべりを起している。そうすると、林野庁に林野砂防をやれと言えば、林野庁は、林は私の方ですからやりますと言う。農地は農林省でやりますと言う。ところが、根本的にこの下の川の面をやらない限りは、この地すべりは停止しない。そこに役所間の大きなセクショナリズムがある。災害などを見た場合でもそういう感じを非常に受けるのです。これはあなたばかりではない。農林大臣も国務大臣として何らか一つこれに対する根本的に統一した機関を考える必要があるのではないか。片方は林野庁で林野砂防でやるのだ、農地は農林省の農地復旧でやるのだ、下の方は準用河川だから建設省でやるのだ、こういうものが非常に弊害をなしている。だから、皆さんの方で治山治水閣僚懇談会をやるなら、建設大臣は特に何らかのこういう山を治めるための統一機関が一つ必要ではないかということをよくお考えおき願って、これもあわせて御相談を願いたいと思うのです。
 次は、こまかい問題に入っていきますが、われわれ三日間小委員会を開きまして、大体ずっと現行法の不備な点、特別立法しなければならぬ点、行政措置の拡大をしなければならぬ点を全部出したのでありますが、その中で、いつも農民の災害で問題になるのは農家の堆積土砂の問題なんです。あなたも会田村に行ったように承わりましたが、会田村のあの小さい川があれだけの大はんらんを起して、二十戸近い民家がみな土砂で埋まって倒壊した。それから山梨県の白州においてもそういう現場が随所に見られるわけです。これに対して農家は堆積土砂の排除をどうしてもやらなければならぬ。ところが、白州などに行ってみると、二階の屋根台まで土砂がたまって、二階の上だけが出ておるのですね。あの堆積土砂について、農林省ではどうしても農民の個人所有のものはできないという一つの変な原則ですが、災害の場合はそういうものがあってなかなかできない。これもさんざん当委員会で議論されておる。ところが、何か建設省の方でこれに対してある程度現在やっていけるというような方法がおありだということを聞いておるのですが、白州の場合は、行ってみると自衛隊がそれを手伝って出しているわけです。自衛隊が半分くらい出して、それを自衛隊のトラックで運んでおる。ところが、自衛隊が引き揚げてしまって、そのあとで、裏の方に残った土砂を前の道路に積み上げると、今度は運んでくれるものがない。そういうことについて、農林省と建設省と合議の上で何らか――どちらでもけっこうなんですよ。泥が一寸、二寸入った、こういうものをわれわれは対象にしておるのではない。少くとも農家のうちの中に一尺とか二尺という土砂がたまった場合に何らかの方法で国が見てやらなければならないっと考えておるのですが、これは建設省である程度できるのだというような小委員会の意見であったのですが、その点はどうなんですか。
○村上国務大臣 昭和二十八年の前古未曽有の大災害といわれた九州、山口その他の災害に対しましては、その年は熊本県がほとんど床上何尺というような阿蘇山の火山灰に埋められてしまったという状態にございましたが、その際に、特別立法によりまして、自分の屋敷内から道路に一応土砂を出せ、その道路に出したものは国なりあるいは県なりの機関で片づけるということに法律できめまして、そういうことになっております。しかし、それは市街地のああいう異常な大災害の場合に適用する立法措置でありまして、今日でもその措置はできることになっておりますが、農村のそういう堆積土砂については立法措置ができていないのではないかと思います。従いまして、この問題は、今後それをいかにすべきかということは、政府部内においても、また国会におきましてもよく研究をする必要があるのではないか、かように思っております。
○中澤委員 農林大臣、どうです。これは議論したことだが、何か特別立法をやって、これはやはり恒久立法にしなければならないと思うのです。建設省の方は、今言われたように、都会地における災害の堆積土砂なら建設省で今でもできると言うのです。ところが、農家の場合はできないというのは、これは国の法律の建前から言って矛盾があると思うのです。農林大臣、どうです、特別立法する意思ありやいなや。
○福田国務大臣 農家の堆積土砂と申しまするが、そればかりではないので、農村に介在する商い屋の問題なんかも一緒の問題です。これは、私どもといたしましては、そのうち農家につきましては融資措置等で考えておるというわけなんです。天災融資法、自作農資金、こういうようなことで、資金的に足りないものがありますればそういう方に回せる道もあろうかと思いますが、しかし、今建設大臣のおっしゃったように市街地における措置というものは農村地帯には適用がないとすると、これは片手落ちであるというふうにも考えるわけであります。これは建設省の問題でありますから、建設省ともよく相談してみたいと思います。
○中澤委員 それはよく検討していただきたい。片方の都会地におきましては堆積土砂は国が排除してやる、しかし片方の農村における農家のものは排除しない。特に白州を見た場合に気の毒で見ておれない。二階台まで土砂がたまっておる。自衛隊が半分出してくれて引き揚げてしまった、あとのものは親戚じゅうが寄って表に出した、表に出したがたれも運んでくれるものはない、これはどうしたらいいかという陳情を受けたのですが、これ、どうしても、農林大臣、特別立法措置を考えてもらいたいということを要求しておきたいと思います。
 それから、建設大臣にいま一点お伺いしておきたいのですが、これは長野県ばかりではないと思うのですが、特殊の問題だと思うのですが、今度の豪雨によって、千曲川、犀川という信濃川の上流が非常にはんらんした。そしていま一歩でもって千曲川も犀川も堤防が決壊寸前というところまでいった。御承知のように、現地をお歩きになれば、俵を堤防の上に二重に積み重ねて、ここへ畳を全部やって、やっとあれを防いだわけです。そういう点はどういうところに原因があるか、いろいろ私も現地で究明してみた。ところが、堤内地に問題がある。堤防の中側に農地があるわけですね。大体聞いてみるとここに百二十町歩のリンゴが植わっておる。その百二十町歩のリンゴの木がもう成年期に達しているわけです。ここへ全部ごみが来て詰まっちゃって、そうしてリンゴの木が水追いになっちゃった。その地帯が特に決壊の危機が非常に多かった。今度の災害で、下水内郡から佐久まで入れまして、堤内地で全滅した農産物が約七百町歩あるわけです。その中にリンゴが百二十町歩ある。現在、その地元では今後これ以上の水量がちょっとでも出たら、もうこの堤防はだめだ、それで、一番問題になっているのは、百二十町歩堤内に植わっているリンゴの木を切らさなければいけないということで、地元の方が真剣になって考えている。ところが、これが国の河川敷かというと、そうじゃない。これは民間の所有地なんです。だから、民間の所有地ヘリンゴを植えようが、クルミを植えようが、クリを植えようが、そんなことはよけいなお世話だ、こういうことになってしまう。そこで、現地でみんな集まっていろいろ対策も相談したのですが、どうしてもリンゴを切らにゃいかぬ、切らない限りは、今の堤防を七十年堤防だが百年堤防くらいにかさ上げをしなければ防ぎようがない、だから、そのリンゴを切るについては、さしあたり百二十町歩のリンゴ園を国が河川敷として買い上げて、リンゴを切ってもらえないかという要求がある。これは研究事項にも属するんで、大臣は直ちに答弁できるかどうか知りませんが、何らかの方策をやらなければ、これは非常な危険な状態にある。だから、これについて建設省はどう考えるか。大体、昨日も石田君に聞けば、阿賀川流域六百町歩は、大正年間に国がそっくり河川敷に買い上げた、だからここへ永久樹木を植えてはいかぬという規制ができるという。しかし、今の場合、民有地だから規制のしようがない。だから、七百町歩全部を私はむしろこの際河川敷に国が買い上げるべきじゃないかという考えも持っておる。これに対して、さしあたってそのリンゴの百二十町歩を何とか処理しなければいかぬという問題が具体的に出てきておるが、どうお考えになっているか。
○村上国務大臣 私も現地を見て参りましたが、長野市及び飯山市付近、また長野県の松本あるいは諏訪方面にも同じような状態がたくさんあります。従いまして、これをいかにすべきかということについて、従来はあれでどうにか差しさわりがなかったようですが、御説のように、リンゴがだんだんと成長してくれば、それが非常な障害物になりまして、全然治水の目的を達成することができませんので、われわれ、今これをいかにすべきかということについて研究いたしておりますが、これは農林大臣ともまた御相談しまして適当な処置をして、将来こういうことの起きないように根本的に考えてみたい、こう思っております。
○中澤委員 それが、今度は、現在ほかの農作物から比べれば若干リンゴがいいというので堤内地でどんどんと増槽していく傾向が出ておるのです。現に、ごらんになってわかるように、三年生から五年生くらいの木が一ぱい植わっておる。だから、これが増植されれば、よけいそういう危険が出て、堤内地がみなリンゴ園で埋まってしまう危険があるのです。ですから、これは早急に何らかの措置をとってもらわぬと、今の三年子が五年子になり、また、これがだんだん大きくなって、そこによけいまた植えていく傾向がある。おそらく、このまま早急に措置をとらなければ、いま二、三年後には二百町歩をこえるリンゴ園が堤内地にできてしまうと思う。これが全部水追いの形になって堤防にぶっつかるのですから、どんな堤防だって、まして今のあんな脆弱な堤防では持ちっこない。ですから、これを早急に一つ御処置願いたい。これはまた後日大臣のところにお伺いしてこの問題は具体的な措置をお願いしたい。
 あと、時間がないようですから、関連の質問がだいぶあるようですから、私はこれで一度中断いたします。
○吉川委員長 三田村君。
○三田村委員 中澤委員の御発言で大体尽きておると思いますが、一、二点補足的に質問したいと思います。
 建設大臣、農林大臣、並んでおられますが、先ほど中澤委員も言っておられましたように、今度の水害の現地を見ますと、どうしても、もとは山間部にある。山の水を治めれば下流の河川のはんらんはあり得ない。これは治水の原理でございます。ところが、実際の現在の山の中の施設の手当を見ますと、中澤委員も言っておられますが、農林省と建設省と非常にややこしい関係になっておる。農林省の方で国の保安林でもたくさんお持ちになっておるところは国の予算ですぐ手当ができますが、たまたま民有林ばかりのところでございますと、やはり建設省の力を借りなければいけない。そういうところがたくさんある。これは、どうしても、この際農林、建設の両当局が一つになって、水を治めるために、建設省がいかに下の方の河川に御苦労されても、山の中がこのままではどうにもなりませんから、今回の復旧に当りましては、ぜひとも一つ両省とも施設の手当にそごのないようにやっていただきたい。これは強い要求でございますから、まずこの点について、先ほど中澤委員がせっかく質疑されましたが御答弁がなかったようでございますから、この点、両大臣から、今後の両省の調節、どうしてこの施設復旧を一本化していくかということについて御意見を伺っておきたいと思います。
○村上国務大臣 まず山を治めるということが治水の根本対策であるということは私も同感であります。しかし、今、農林省は山腹まで、建設省はそれから下ということになっている、だから、両省に分れておるからそれが非常に徹底しないのじゃないかということも、ある場所においてはあるいはあるかもしれませんが、いずれにしても、両省ともにいわゆる災害復旧を意味した治水事業の五カ年計画を樹立しており、農林省の方でも今度一定の予算を盛って要求しておりますし、私の方でも建設省所管の分に対しては完璧を期すだけの予算要求をいたしております。でありますから、それぞれ分業でやっておりましても、重要な場所について両省が相談してやりますれば、何も河川と道路と違うように違うわけではないのでありますから、その目的は達成できると思います。ただ、それがちぐはぐにならないように、これはもう農林省と建設省と緊密な連絡をとって、この部分はどうしてもこういうことを施しておかなければならぬというようなときに、事を相談して会議の上でやれば、これを一本化してやらなくてもその効果はあがるものと私ども思っております。なお、この問題につきましてはいろいろ従来からの方針等がありますので、これは将来の問題にして、今の場合は、農林省においてもできる限り植林をやってもらう、われわれの方はできる限り山のすそを押えていくということで、分業的にやっていけばその目的は達成できる、かように考えておる次第であります。
○三田村委員 マンマンデーでは困るのです。災害は毎年々々来るのですから、われわれの希望としましては統一機関でも作ってもらいたいと思うのです。川は山の中から下まで一本でありますし、これまでは農林省で、これから先は建設省だということでは、なかなかうまくいきません。これはぜひとも早急に統一機関を作ってもらいたいと思いますが、統一機関を作ることが困難であるならば、今建設大臣のお話のように両者緊密な連絡をおとり願いまして万遺漏なきょうにしていただきたい。
 農林大臣にこの問題に関連してもう一点お尋ねいたしますが、農林省で保安林をお持ちになっているところは農林省自身でおやりになるので簡単でありますが、たまたま災害の地点が民有林ばかりのところだと非常に困るのです。地元の町村長の立場からいたしますと大へん困るのですが、これは、農林大臣、何かあなたの方でいい案はありませんか。民有林は私有地ですからその人個人の責任においてやらなければならぬということになってしまうのです。これは非常に困る面がたくさんありますが、何かいい方法はありませんか。
○福田国務大臣 災害の根源である山の源ですね、この対策につきましては、私は、水系ごとに完全な治水対策というものを立てまして、――その一番上の方にはあるいは国有林あり民有林ありあるいは公有林ありというようなことであろうと思いまするが、そういうことになりますると、役所の関係から言うと農林省が責任を持っております。さようなものを全部ひっくるめて水系ごとの完全な対策を立てまして、そして分担を個所別、年次別にきめてやっていくということにいたしたいと思っております。民有林につきましては特別に今度はこの計画の考慮に入れていきたいと思って、今その具体案を相談しております。
○三田村委員 建設大臣にお尋ねというよりもお願いをいたしておきたいのですが、これは当面の急務であります。これは私の方の岐阜県ですが、災害のあったところを見ましても、水防措置のための資材を使い果してしまって、せい一ぱいぎりぎりやりましても、土砂もなければ土もないという問題があるのです。これは、必ずしも今日以後九月、十月に増水がない、豪雨がないということは保証できません。たとえば多芸輪中の修理につきましても、堤防はがたがたになっているので、増水した場合にまだ手当をしなければなりませんが、水防資材に困っているのです。ところが、一面、下流の方へ行きますと、建設省から来た土砂が、山積みになっていて、じゃまになって困るという問題があるのです。これを一つ建設省の力で、下流の方で山になって置き場に困っている土砂を、水防措置を必要とするところに運んでもらって、非常の措置のできるようにとりあえずしてもらいたい。これは切実な要望であります。これをやっておきませんと不安でたまらない。多芸輪中の決壊場所にも参りましたが、まだ水も出るのに、土砂も使い果してしまって、どこからもとってくるあてがないということを非常に不安に思っておりますので、ぜひその点の御処置を願いたいと思います。河川局長もおいでになることでありますし、いろいろ御心配になっておられると思いますが、切実な問題でありますので、この際一つ伺っておきたいと思います。
○村上国務大臣 水防資材等につきましては補助金等を使いまして、一刻もすみやかにその補給をして参りたいと思います。
 なお、ただいまの堆積土砂その他の問題につきましては、これは十分現地とも相談しまして、われわれの解釈のできる限りそこで建設省がそれだけのことをやってあげれば大した費用もかからぬでできると思いますが、そういう点は関連事業として何らかの理屈をつけまして地元の納得のいくような方法でかように措置したいと思っております。
○三田村委員 私の方の災害の中で特殊なケースがある。これは建設大臣も災害のあった現地をごらん願いましてよく御承知でございますし、農林大臣も、この間小枝政務次官が行ってくれまして、報告を聞かれたと思います。それは多芸輪中の問題でございますが、これは、御承知のように、二千町歩完全に湛水いたしまして、しかも湛水期間が二週間以上にも及んで、収穫は皆無であります。青いものは何もありません。麦も流れております。それだけでなくして、先ほど中澤委員も言っておられましたが、長いこと水浸しになっておりましたから、家もだめになってしまった。おそらくは、その中に住んでおる一万二千の住民、二千世帯の家屋は、半壊どころか、全壊にもひとしい状態になっております。このための修理だけでも一戸当り百万円くらいかかるのじゃないかということは大体の地元の人が言っておりますが、そういうわけであります。従って、耕地は荒れてしまっておる、収穫は皆無だ、食うものは何もない、たよるものは政府の補助しかないということでありますから、従来の法律上なし得ない面があることは、われわれも了承いたしておりますが、しかし、できるだけ幅の広い行政的処置をすみやかにやっていただくことと、さらに、特殊なケースでございますから、これは一つの単独立法にすることは困難かもしれませんが、何らかの処置を講じていただきたい。実際方途に迷っておるという現状でありますから、これは大臣よく御承知のはずでございますが、何かこの問題について農林省、建設省両省の間でせっかくいろいろ御心配になっておるようでありますが、あの多芸輪中の三千町歩が埋まってしまったのをどうするか。私は毎日のように被害地の町村長あるいは県の人と一緒に農林省、建設省に参りまして事務当局にお願いしておるのでありますが、今のところあの特殊なケースについて何か特別な手当の方法をお考えになっておるかどうか、できればこの機会に伺っておきたいと思います。
○村上国務大臣 食糧問題とか、あるいはまた立ち上り資金の問題、農地の問題、営農資金とか、そういうような問題につきましては農林省の御所管でありますので、農林大臣のお考えにわれわれも協力して参りたいと思っておりますが、家屋の問題につきましては、すでに、御承知のように、全壊に対してはどう、半壊に対してはどう、修理に対してはその申し入れによって十五万円までは安い金利で、しかも三年間すべてストップしまして十年間にお払いすればいいというような措置を早急に講じております。私も非常にあの地区についてはお気の毒だと思っておりましたが、そう百万円もかかるということには私考えなかったのですが、まあ十五万まででおさまるようでしたら、もらったというわけではありませんが、わずかな金利でこれを長い期間でお返しするようなことでありますので、私は、それぐらいのことは、あの地区の方々であったら十分受け入れられるだろう、こう思っております。
 それから、ある一部に局地的に農地が五メートルも十メートルも非常に深く掘れておるようなところにつきましては、先ほどお考えいたしましたように、私どもは、それを関連で、農林大臣とも相談して、建設省の方でちょっと理屈をつければ、そこでサンド・ポンプその他の施設ができておりますから、わざわざ農林省の方であれしなくても、農林大臣と相談した上でそういう復旧もして参りたい。われわれとしては、災害地については、できる限り法を有利なように解釈して、ほんとうに一刻も早く立ち上ることのできるように努力をして参りたいと思っております。
 農地あるいは飯米の問題とか、そういうような点については農林大臣の方で一つ……。
○三田村委員 私が今百万円と申しましたのは、家の修理だけではないのであります。つまり、収穫は皆無ですし、そのうちの家屋、家財全部なくなってしまっているのです。従って、農家として立ち上るためには、どうしても来年の収穫時期までに百万円ぐらいはなければ、何とも処置ができないのです。これは言うまでもなく個人の責任で起った災害ではない。火を出して焼いてしまったというようなことではなくて、こういう不可抗力の災害でありますから、何とかこれは政府として農民が再び生業を回復し得るような形に置いてやることが最も必要だという気がしてたまらないのです。そういう点は、どうか一つ建設省も農林省もせっかく格段の御心配を願いたいと思います。
 それから、本委員会の小委員会でいろいろな点を抜き出しまして、きのうからずっと中澤委員が質疑を繰り返しておられます。この中で私が一番気になることは、すでに災害についての査定は大体建設省も農林省もおやりになったようでございますが、この中にある小さな災害についての手当、たとえば五十メートルの範囲は一つに見るというようなことでありますが、五十メートルでは足りないから百メートルくらいにして、そうしてそこの中であわせて原形復旧でない改良復旧にしてもらいたい、これは切実な要望でありますが、その査定の現状を聞いてみますと、大体今までの法律制度の建前で査定を済ましてしまっておりますから、今われわれがここでこういうことを言っても、もう済んでしまったその査定を基準にして、あなたの方では、今のお手元の二十二億をどう使うかとか、あるいは六億を加えて二十八億をどう使うかという計算になると思います。そうすると、せっかくわれわれがもっと熱心に研究して政府の方とも相談をして一つできるだけ十分の手当をしようと思いましても、もう査定が済んだのだ、それで済んでしまったということでは私は困ると思うのです。そういうギャップが出て参りますから、その点一つお考え願いたいと思うのです。査定が済んでしまったからそれを基準にしてやるのだということではなしに、せっかくここでわれわれが一生懸命政府と一緒になって対策を練っているのですから、それを基準にした新しい線が引き直せるように今からお考えを願いたいと思うのです。その点はどうでしょうか。
○村上国務大臣 査定は、査定を動かすとか、あるいは査定を法規できめられたこと以外にどうするというような勝手なことは絶対にできないことは、三田村さんも御承知の通りであります。しかも、最近では、建設省だけで査定するわけでもありませんし、みなそれぞれ大蔵省もやっておりますし、うしろには会計検査院があって、やはり国民の血税をいかに使用したかというようなことについて厳重な監督がありますし、よし監督があるなしは別といたしましても、やはり、査定官、決してこれを誇張することも、また縮小することも勝手にできないのであります。査定はよし終りましても、また立法措置があれば法には従わなければならないのでありますから、そういう点について、私どもは今の法の許す範囲においては十分取り計らうことはできますが、どうも法規にないことをやるということは、査定官にしてもだれにしてもできないことでありますので、その点は御了承を願います。
○吉川委員長 三田村君、時間の関係で、その程度で一つ……。
○三田村委員 もう一点。
 これはさっき中澤委員も触れられましたからよけいなことのようでありますが、私はこの際根本的な治山治水対策を立てることが必要だと思います。私がこう申し上げると、お前は与党なのだからそっちでやれとおっしゃるかもしれませんが、これは党だけではできないのです。やはり政府の力が必要でありますから、これは、ぜひこの際、五カ年三千五百億というようなけちなことを言わないで、もっと根本的な対策を立ててもらいたい。毎年二千億、三千億の被害を受けておるのです。これはよく言うのですが、台風の眼をつぶすことはできないけれども水害を防ぐことは可能だ、山の中の砂防をがっちりやって切れない堤防を作れば、それで水害は防げるわけでありますから、これはぜひともやってもらいたい。毎年々々こういうことでは困るのですから、幸いに所管の建設大臣、農林大臣が並んでおりますから、私たちは与党の議員として党の方もこの方向で行きたいと思いますが、所管大臣としても特別な腹がまえで一つ臨んでもらいたいと思います。これは強く要望するのであります。この際御所見を伺っておきたいと思います。
○村上国務大臣 二田村委員の御要望の通りだと思います。私どもも、何とかしてこの狭められた国土を守りたい、国土保全をやりたい、いわゆる台風という敵から申しますならば国土防衛をしたいということで一ぱいであります。また、その信念を持って今後の治水計画あるいは災害防除に当りたいと思います。われわれはこの国土を少しでも台風から守らなければならないということは全く同感でありまして、これは私ども建設行政の最も大きな一つの柱としてこれから邁進いたしたいと思っておりますので、何とぞ今後とも御協力のほどを切にお願い申し上げます。
○吉川委員長 角屋堅次郎君。
○角屋委員 建設大臣もお見えになりますけれども、時間の関係上、ごく短縮をされておりますので、基本的な問題について二、三お伺いをいたしたいと思います。
 先ほど来中澤委員あるいは三田村委員の方からも触れられた問題にも関連をするのございますが、御承知のように、本年度の台風六号、七号あるいは集中豪雨、この異常な災害は昭和二十八年災に匹敵する大災害だというふうに言われておりまして、関係大臣も、それぞれ現地を回られましたので、その惨状はつぶさに御承知だと思います。単にこれは本年度だけの問題ではなくて、戦後十数年の日本の災害状況を見て参りましても、この災害の頻発というものは、頻度を増してきておる。終戦前の状況から見るならば、むしろ、災害は、いわゆる災害常襲地帯というものが指定されるのではなしに、どこの県、どこの地域にも災害が現実に出てきておる。そして、それは、一時間の雨量にして百ミリとか、一日の雨量にしてひどいときは五百ミリ、六百ミリという、そういう極端な雨量のもとで災害が発生するという状況に相なってきておるわけであります。そこで、先ほど来いろいろ御論議の出ておりますように、この際やはり治山治水に対する抜本的な恒久対策というものを樹立しなければならぬという必要性は、ひとしくだれしも認めるところでございます。特に農林、建設両大臣はいわばその推進の中心にあられるわけでございまして、そういう意味から、従来も、御承知のように、昭和二十八年度の災害が出ましたときに、治山治水基本政策、こういうものを立てられたり、あるいはその後昭和三十一年度には経済自立五カ年計画にタイアップいたしまして治水事業五カ年計画を立てておられる、さらにこれが修正されまして二十二年度の新長期経済計画に伴って新治水五カ年計画が立てられ、また、越えて最近においては、さらに再検討をしなければならぬ、こういう段階にあろうと思います。しかもこの金は長期にわたって相当莫大な経費を要するわけでございますけれども、しかし、最近の災害の状況を見ますと、終戦後十数年の統計をとりましても、一年間に少くとも二千四百億近い大災害が平均して出てきておる。こういう状況でありますから、やはり、治山治水の抜本的な対策ということに金を惜しめば、それだけ国土の保全の面でもあるいは国民経済の面でも甚大な影響を受けていく、こういうことであろうと思う。
 そこで、お伺いしたいのは、この際抜本的な治山治水対策を立てなければならぬという情勢にあるわけですけれども、従来の治山治水の五カ年計画なり、新治山治水五カ年計画等をこの際抜本的に改める意味において治山治水対策の関係閣僚懇談会が持たれておるのであるか、あるいは、従来の計画を完全に実施する、そういう消極的な立場で考えておられるのであるか、その辺のところを、関係閣僚懇談会における最近の模様について両大臣からまずお伺いしたいと思う。
○村上国務大臣 お答えいたします。
 ただいま角屋委員のお話しの通り、昭和二十一年から三十年、十カ年の平均災害を見ましても、約二千四百億円という膨大な被害額が生じておるのでありまして、これは国民所得に対して三・一%というような大きなものであります。これを昭和九年―十六年という戦前比較的災害の多かったときと比べてみますと、その当時は国民所得に対して一・六%、その多かったときでも一・六%程度でありました。従いまして、私どもは、今ここで災害を皆無にする、いかなる台風が襲来しても完全に防備し得るだけのものをやるとすれば一兆五千億も二兆円もかかると思います。そういう膨大な計画はただ単に私どもが計画を立てただけでありますから、せめて戦前の国民所得に対する一・六%程度ということになりますと、二千四百億から一千億程度災害額を引き下げたい。その目的がいわゆるわれわれの新治水五カ年計画でありまして、これを遂行してこの目的を達成するためにはどれだけの金が要るか、建設省の案といたしましては、三千五百億五カ年間に使わしてもらえれば必ずそれだけの効果をあげることができる、そしていわゆる民主安定をそれによってはかりたいというのであります。しかし、今日の国家財政から申しますならば、これを一般会計でまかなっていくということになりますと、とうてい一般会計ではそれだけのゆとりはできない。多少の上昇はいたしましても、私どもの希望するだけのことはできない。従って、特別会計を設けて、その不足の部分を特別会計によって措置することにいたしますれば、われわれの治水対策の目的が達成できると思いまして、それが明後日の閣僚懇談会に一つの議題として出てくる一番重要な点になろうと思います。しかし、それにはやはり各省いろいろと意見がありますので、必ずしもわれわれの言うことが絶対なものであるといって承認するということは、私はここでは考えられませんが、私どもは少くとも確信を持って二千五百億の金を必要とするということを申し上げてみたい。一回や二回では決定をいたしますまいが、あくまでもその線を下らないように進んで参りたいと思っております。
○角屋委員 今建設大臣のお話を聞きますと、従来の治山治水五カ年計画の完全実施という前提に立ってがんばりたいというお話のようでございます。私は、最近の災害の状況から見て、これは農林省、建設省あるいはその他も災害には関係があるわけでございますけれども、農林省の場合はたしか計画の中では七百二十二億だったかと思います。さらに農林省、運輸省等の海岸保全事業の三百億と建設省の分を加えて四千五百二十二億というのが治山治水の五カ年計画の予算の内容であったかと思います。過去の実態は後ほど少し申し上げますけれども、そういう状態をもってしてはなかなか災害の防止ということはできないのであります。積極的に防災事業を推進するという立場から見たら、新年度予算の、今編成過程にありまするけれども、重要政策の一つとして、治山治水の抜本的対策の推進ということが私は掲げられてしかるべき時期に来ておると思うのであります。そういう面では、来たるべき閣僚懇談会等でも、今のような従来の計画を完全実施という消極的な態度でなしに、もっと抜本的な計画の推進に当るという熱意を持って農林、建設両大臣ともに当ってもらいたい。特に災害の問題は両大臣に関係する部分がほとんど八、九割でございますから、そういうことを特に希望いたしたいと思う。
 同時に、治山治水の総合対策という問題に関連して、前々から、そういうものを実施するための機構問題ということから、いわゆる国土省の設置というような問題等も論議としては出て参っておるわけです。現実に災害を受ける農山漁民の立場からいたしますると、これは農林省のなわ張りであるとか、これは建設省のなわ張りであるとか言ってみたところで通らないのであって、現実に政治の責任においてどうするかということに相なるだろうと思う。私は必ずしも今直ちに国土省の問題といこうとで所信をお伺いするわけでございませんけれども、そういうところに一挙に行かぬまでも、先ほど来三田村委員からも申しましたように、各省間のなわ張り、セクショナリズムというものが災害復旧の推進を阻害しておるということをあちこちにおいて聞くわけです。そういうことのないように、本省においては下部の関係機関においても十分緊密な連繋をとって推進をしていく、特に被害激甚地の場合においては両省の協議調整等をもって推進しなければならぬ問題が幾多あろうと思う。そういう問題については行政指導としても積極的に両省が緊密な連絡をとって推進するように当ってもらいたいと思うのですが、その点はいかがでございましょう。
○村上国務大臣 災害地を前にして両省のなわ張り争いをするようなことは絶対に考えておりませんし、また、そういうことはいたしておりません。従って、十分緊密な連絡をとって両省の力で災害復旧を遂行していくということが最も望ましい、好ましいことでありますし、私どもといたしましては、この機構を十二分に生かしてこの災害復旧の完璧を期したい、こういう気持で進んでおります。
 国土省とか、あるいはいろいろと機構の上の問題につきましては、非常に大きな問題でありまして、私個人としては、国土省によって一貫した国土の保全あるいは国土の建設をしていくことが望ましいのじゃないかということを研究して参っておりますが、しかし、また、何かの壁にぶつかって、農作物とこれはどうなるか、あるいは船舶とどうなるかといろいろ壁がありまして、まだ私個人にしても結論を得ておりませんので、この点については、もっと権威のあるところで十分検討して、こういう際にまた国土の保全の上においてこういう機構がもしもじゃまになるというような、あるいはそれが隘路になるということは断じて避けなければならない、かように考えて、十分謙譲な気持ですべてに当っておる次第でございます。
○角屋委員 今度の災害問題に対しては私どもとしては、災害復旧を早急に推進をする、また罹災民の民心の安定を期する上からも、早急に臨時国会を開催いたしまして、所要の補正予算の問題あるいはまた特別立法の制定の問題等をやるべきではないか、こういうことを強く要請して参っております。ところが、私ども承知しておるところでは、従来から予定をしておりました十月の下旬ないしは十一月の上旬に臨時国会を開催いたしまして、そうして災害問題あるいはベトナム賠償の問題等も含めて臨時国会をやる、こういう方針のようでございますけれども、しかし、私は、少くとも災害復旧に直接関連をした農林省あるいは建設省の両大臣としては、災害復旧の大前提の上に立って、むしろ閣内において、積極的にすみやかに臨時国会を開いて所要の補正予算、所要の特別立法を制定してもらいたい、こういうことで進んでもわらなければならぬじゃないか。農林大臣も災害調査をされ、建設大臣も災害調査をされた。罹災地における現状をつまびらかに調査をされたら、そっくりそのままそういう気持で閣内の発言となって現わるべきものだ。これは決して党利党略の問題ではなくて、先ほど三田村委員からもありましたように、従来から制定されております関係諸法令に基いて緊急査定その他は進んでいっておる。しかし、現実に、私ども農林水産委員会の中においても、おそらく建設委員会の中においても、あるいはまた厚生、文部その他の関係委員会においても、災害復旧の問題についてこの際従来の不備の問題については立法をあらためてやっていこう、こういう考え方について国会で検討されておると思う。そうであればあるほど、そういう諸方針については一日も早く地方自治体、関係団体あるいは罹災民に知らされた方がいいし、また、そういうことが政治の間隙を埋めていくということであろうと思う。そういう意味で、私、関係両大臣は直接災害対策については関係があると思う。従来の被害激甚の状況でなかったもとにおいて想定されておる臨時国会の開催時期については、もっとすみやかに繰り上げて実施するようにやってもらいたいと思うのでありますが、いかがでしょう。
○村上国務大臣 まことに御意見はごもっとものようでありますが、しかし、私どもとしては、かりにつなぎ資金がない、あるいは予備金が不足しているとかというようなことでありますならば、これは一刻も猶予できないので、直ちに臨時国会を開いてもらう。しかし、現在までの災害の規模におきましては、現在の予備金で十分私どもは事足りると思っておりますし、また、今日の行政措置によりまして、特別立法その他の問題につきましても、われわれの大体考えております程度のことでありますならば行政措置でできるのじゃないか。災害によって臨時国会を開かなければならぬというほどの私は前古未曽有の異常災害とは認められないのであります。従いまして、この点については、これは見解の相違でありますが、臨時国会を開いた場合に、ほとんど主要な閣僚もあるいは事務当局も全部毎日のように国会に出席いたしまして、各委員会でいろいろと答弁をしたりあるいは委員会の御意見を伺っておるうちに、災害地の方の重要な施策というものがだんだんとなおざりになるおそれもあります。われわれとしては、この際つなぎ資金が十分間に合っておる限り臨時国会の必要はない、従って、あくまでもこの措置はできる、かようにに思っでおります
○角屋委員 ただいまの建設大臣の答弁は、おそらく災害地の方々が聞かれたらまことに不謹慎きわまる発言だということに相なろうと思う。私どもは平常状態において臨時国会の開催要求ということをいたしたのではなくて、災害復旧という問題について、これは皆さんも御承知の通り、農林水産委員会においても、あるいは建設委員会その他関係委員会においても、特別立法を必要とするという審議の中身になってきておる。現実にそうであるならば、そういう中身のものについて、一日も早く臨時国会を開催して、所要の立法措置というものを済まして、災害に対する万全の策を講ずるということが政治に携わっておる政府の責任だと思う。私どもは、国会の中において所要の立法措置を講じなければならぬという声がないのに受けて立つということでなくて、現実に関係委員会において、私どもの農林水産委員会とか小委員会の中においても特別立法を必要とするものが相当生じている。こういう現実は農林大臣も承知しておるだろうし、建設委員会においても同様のことがあるだろうと思う。そういうことであるならば、政治の責任として、臨時国会を開催して、国会の意思というものを尊重して、それに応ずるところの対策を講じていくということが当然ではないか。だから、先ほどの建設大臣の答弁というものは現状を無視したまことに不謹慎な発言だと思う。もう一回見解を求めたい。
○村上国務大臣 災害について臨時国会を開けということですが、私の所管に関する限りは、災害復旧は行政措置によってできる、私はこう考えております。農林関係にもしもそういうことがあるならば、これは私の答弁の範囲外であります。
○福田国務大臣 ただいま建設大臣からお話のように、予備金はまだ七十億円残っております。また、立法措置をなおよく検討してみますが、必要とするものがありますれば、それの前提としての行政行為をとります。さようなことで、災害対策につきましては万遺憾なき態勢を整えておりますので、臨時国会というお話でございますが、これはそう早急にということでなくて、それよりはさらに行政各機構が全力をあげてその災害に当るという方がむしろいいのではあるまいか、こういうように考えております。
○吉川委員長 ただいまの建設大臣の発言中適当でない言葉があるということを速記録で認めました場合には、委員長においてしかるべく善処いたしますから、御了承願います。
 午前中の会議はこの程度とし、午後二時半より再開することとして、これにて休憩といたします。
    午後零時三十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時二十分開議
○吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 台風第七号等による農林漁業災害に関する質疑を続行いたします。
 中澤茂一君。
○中澤委員 午前に引き続きまして、この小委員会のまとめた細目を継続して逐条に質問いたします。
 この第四の、「果樹の植栽、保育、附帯施設等に必要な長期低利資金を貸付けることができるよう、この際、農林漁業金融公庫法を改正するものとする。」、この問題について、大臣は長野ではっきりと、これは融資の道を考えるということを御言明になっておるわけであります。これに対して公庫法改正の意思があって申したのかどうか。
○福田国務大臣 果樹は今度の災害では非常に特徴的なものでありますので、私も特に注意いたしておるのです。それで、天災融資法やあるいは自作農資金による融資はもとよりでございまするが、その施設災害につきましては、これは公庫融資を相当活発に活用していきたい、こういう考えを持っておるわけです。そういうことを言っております。ただ、皆さんの小委員会の方で、苗木、肥料、植栽のための融資を公庫法でできるようにというような御趣旨と承わっておるのでございまするが、これは大体天災融資法でできるようになっておるわけなんです。果樹全体につきましては、私の気持といたしまして、融資の面を相当大幅に利用いたしまして、先ほど午前中も申し上げましたように、その資金の限度等につきましても、これを拡大するというような考えのもとに対処していきたい、こういう考えでございます。
○中澤委員 この際、あなたが長野で御言明なさったように、果樹災害は非常に大きい、天災法と自創資金の融資はもちろんやる、しかし施設資金については公庫融資の道を考慮しなければいかぬ、こういうことはあなたがおっしゃっておるのですよ。そうすると、果樹の植栽、保育、附帯施設、特にあなたは附帯施設ということをおっしゃっておるわけですが、これに対してはどうしても公庫法の改正をしないとできない。そこで、公庫法改正をやるというお考えのもとにそういう言明をなさったのかどうか、この一点なんです。改正をする御意思があっておっしゃったのかどうか。
○福田国務大臣 法律のことは別に頭にありませんが、そこまで研究しておらなかったのです。しかし、果樹の災害施設の復旧につきましては、公庫法を十分活用していく、こういう考えを示したのであります。
○中澤委員 公庫法を活用したいということは、公庫法を改正してこれに当てはまる条件を作ってやろうというお考えだろうと思うのです。この問題はこの程度で、十分お考えおきを願いたいと思うのです。これは改正しなければ公庫法の間へ入ってこないわけです。だから、その点を長野であなたがそういうふうにおっしゃっているのだから、もしこれができないとするならば、やはり農林大臣はうそをついたと言われることはあなたもつらいだろうから、この際公庫法の改正をやはり臨時国会でやるべきである、私はこう考えるのです。
 それから、その次に、あなたが、この問題について、適当な助成を行おう、こういうことをおっしゃっておるわけです。この適当な助成というのは、どういう意味の助成をやろうというのか。これは、小委員会でも問題になって、ホップのたなとか、ブドウのたなとか、ナシのたな、そういう施設資金に対してはこの際若干の助成をやるべきじゃないか、こういう意見も非常に強かったわけです。適当な助成をやるということは、やはりそういう意味の復旧に対して若干の助成を行いたい、こういう考え方で申されたのですかどうですか。
○福田国務大臣 果樹の災害の復旧は大体融資の方に中心を置いてやるが、たとえばこういうふうに考えるのです。共同で苗木を作ろうというような話があって、それが適切なものであるというようなことでありますれば、助成も考えてみなければならぬかなというような考え方を持っておったわけでございます。これはそういう適当な助成対象というものが共同の施設であるというような際には検討してみたい、こういうふうに考えております。
○中澤委員 それでは適当な助成という意味が私はおかしいと思うのです。共同施設なら、何も大臣が言わなくても、共同施設で災害の場合はでき得る立法措置があるのですから、共同施設は問題がないのです。ところが、個人の問題が現在実際に深刻な問題になっているのです。一町歩くらいのリンゴ畑が全部ひっくり返っちゃった、あるいは山梨では四百町歩のブドウだなの施設が全部倒れちゃった、これを来春までに復旧しなければならぬ、こういうものに対して適当な助成を行うようにしたいという意味のことをあなたがおっしゃったと私はとっておる。それならば、やはり、この御言明というものは、農民の感覚からするならば、助成を行おうと大臣が言ったのだから、若干リンゴや果樹に対して助成はくれるだろうという期待は持っているのです。こういう期待を持たせるということは、私は大臣が大きなミスをやっておるのではないかと思うのです。どうなんですか。それで、ついでに、それだけ農民が期待しているのだから、たといたなの一割でも補助してやろうというお気持がおありですかどうですか。
○福田国務大臣 繰り返して申すようでございますが、果樹につきましては融資中心でこの対策をやっていきたいと思います。これは相当弾力的な考えを持ちたい、こういうふうに考えております。助成の方は、小団地の助成にいたしましても、補助金でこれをやった二十八年の経験を見ましても、なかなかこれはうまくいかないのです。ただ、しかし、共同で何か適当な施設をいたしたいというような企画がありまして、これならばうまくいきそうだというようなものがありますれば考えてみたい、こういうふうに考えておるのです。その意味を、そういう共同の施設ということをちゃんと明示いたしまして私の意見を申し述べたのです。
○中澤委員 どうもそれはペテンみたいな話なんですけれども、農民から言わせると、それならば、共同の施設に対して適当な助成措置を考えなければならないだろうくらいな発言ならいいけれども、すぐそのあとへくっつけて、公庫融資もめんどうを見てやりましょう、それから直ちに適当な助成を考えましょう、こういうふうにおっしゃっておるのです。この新聞にちゃんとそのあなたのおっしゃったことが間違いなく出ておるのです。しかし、それはあなたの方の方針として融資でまかなっていくというなら、しからば、この融資の方法というものは、めんどうを見るというのは一体どの程度めんどうを見るのですか。こういう永年樹木でありますから、少くとも、今リンゴあるいは山梨のブドウのたなが倒れたために老木にひびが入っておる、こういうようなものを改植しなければならぬ。その改植の費用、たなの復旧、そういうものを合せると、相当長い据置期間のものでないと、モモ・クリ三年カキ八年とか言いますが、少くともリンゴ、ブドウの場合はこの融資措置は最低七年くらいの据置期間を置いて見てもらわないと、返還不可能だと思う。山梨県のブドウの場合も、大体三割くらいは改植を要する、こういうような状況にあるのですから、その点について、融資でどういうごめんどうを見てもらうのか、問題は据置期間と利子の問題ですが、どういうふうに据置期間をお考えになっておるか、こういうことであります。
○福田国務大臣 果樹復旧資金は、公庫融資は十五年の期間内にこれを償還する、こういうことになっておりますのは御承知の通りだと思います。一番中心なのは果樹だなでありますが、これも同様に公庫から融資をするということにいたしますが、これも十五年です。十五年という償還期間でありますればまずまず復興には差しつかえなかろう、こういうふうな考えでおります。
○中澤委員 こまかくなりますが、十五年というのはわかっておりますが、問題は据置期間をどう見るかということなんです。少くとも、新しく植栽した果樹が実って若干の収穫を得るのには、最低に七年くらいリンゴでもブドウでも見なければならぬと思うんですよ。だから、十五年のうち七年の据置期間で、あとの八年は年賦償還でよろしい、こういうめんどうを見る御意思があるのかどうか、これは据置期間の問題なんです。
○齋藤説明員 御指摘の通り、果樹資金について公庫から出します場合におきましては、現在十五年ということでやっておりまして、据置期間につきましては一年以内ということにいたしておるわけであります。施設資金につきまして、苗木の方につきましては天災法の方で融資をするということにいたしますと一応五年ということにいたしておりますが、従来、この種の施設災害につきまして、果樹、果樹だなあるいは苗木等につきましての融資の問題は、むしろ金額の問題が常に問題になっておりまして、そういう意味におきましては、先ほど大臣からお話がありましたように、従来二十万円であるという限度の拡張を考えたいということで、むしろ資金のボリュームの方を今回は中心に考えた措置を講ずべきであるということで考えておるわけでありますが、御指摘の据置期間等の問題につきましては、今後の果樹振興の問題とも関連して、われわれとしましても公庫法等につきまして検討をいたしておるという段階でございます。
○中澤委員 やはり、今までのそれでは不満足だから、果樹の場合は特別据置期間というものをこの際考えなければならぬですよ。小委員の諸君の中には十年据え置きだという意見も非常に多かったのです。十年たたなければリンゴでもブドウでも改値したものはならぬじゃないか、だから十年据え置きがどうだ、こういう意見もだいぶ強かったのですが、若干それを私が譲歩いたしましても、最低七年は必要である。その七年の据置期間というものを、今後もある果樹災害ですから、この際基本的なものとして、――果樹の災害の場合のものは今まで何一つないのですよ。今後たとえば静岡のミカンに被害が出ようが、どこの果樹に被害が出ようが、貸付資金は少くとも七年間くらいは据え置きして、あとの期間に年賦償還させる、こういう基本的なものをこの際打ち立てる必要がある。だから、それについて、あなたの方では、今の法律の範囲では不可能だから、据置期間の延長というものを大臣がほんとうにお考えになっておやりになる意思があるのかどうか、そういうことなんです。
 大蔵省が来たけれども、とかく災害になると大蔵省は何だかわけのわからぬことを言ってはしぼっちゃって、しまいに農林省がある程度やろうとしておるのを大蔵省がブレーキをかけちゃう、こういう傾向があるのですよ。今まではなかなか主計官も長く農業問題と取り組んでいて詳しかったが、相澤さん、先日もあなたは初めてだとおっしゃったが、初めてだから大いに勉強してもらって、今の据置期間七年くらいのものをあなたの方でものんでもらわなければ困るのですよ。どうです、一つ今度は相澤さんの方から答弁願います。
○相澤説明員 ただいまお話のございましたように、私、まだかわったばかりで不勉強でございまして、これから勉強していきたいと思っております。
 ただいまお話のございました農林漁業金融公庫の融資の据置期間の問題でありますが、これは私の方の内部のあれといたしますと銀行局の方の主管の仕事でございまして、私ここではっきりしたことを申せないのは遺憾に思います。確かに、おっしゃる通り、果樹の場合につきましては、これが果実として収穫されるまで相当期間かかる、しかもその据置期間が短かいという点、従来からも問題があったかと思います。それを今日までそういう据置期間で参りましたことにつきましてもまた理由があるのかとも存じますが、御意見のところは銀行局に伝えまして、よく検討したいと思います。
○中澤委員 それは、銀行局に伝えるばかりじゃない。あなたが担任主計官なんだから、銀行局と折衝して大蔵省の意見を統一して、農林省との話し合いに応じてもらいたいということを特に申し上げまして、時間がないからどんどん先に進みます。
 その次は、農業共済事業に関する事項。これも小委員会で練られた三つの問題がここに出ておるわけでありますが、一つは、共済金の再保険金の概算払いを早急に実施せしめること。これは、小委員会においても、農林省の方から、もう指令を出してすぐどんどん進めるようにしている、こういうことでございますから、これはよろしゅうございます。
 それから、その次には、農業共済組合と同連合会の建物が非常に風害でこわれておる。これに対して何らかの助成措置を講じてもらわなければこれはどうにもならないというような希望、陳情が非常にあるわけです。先ほども本委員会開会の前にそういう陳情があったのですが、これは法律権衡の問題ですが、考えてみますと、農協の方は二〇%を今度大臣の腕で五〇%に引き上げてもらう。共済の建物に対して何らの補助措置がないというのは、これは私は片手落ちだと思うのです。やはり、法律平等の建前から共済の建物に対しても一つ助成をしてやろう、――これは、農協と共済が一緒にいる建物のところは、こわれた場合は農協の方でやるからいいのですが、独立した共済の家屋が相当破壊されておる。これに対して何らか助成措置を講ずる必要があると考えるのですが、この点は大臣どうですか。
○福田国務大臣 農業協同組合の方はその共同施設につきまして補助をしますが、共済の方はそういう共同施設というようなものが事業の性質上ないわけなんです。ないというか、ごく限られておる。たとえば、おもなものをあげてみると、家畜の診療所みたいなものがそういうものに該当するのじゃないかというふうに考えるわけです。これにつきましては公庫資金の方で十分対処するということを考えておりますることと、それから、共済団体につきましては財政上その運営につきまして政府も御承知のような結びつきを持っておりますので、公庫資金の導入をはかっていきますれば、まずこれに間に合うのではないか、こういうふうに考えておるわけです。
○中澤委員 どうも最初から農林大臣は、公庫資金だ、自創資金だ、天災法だと、全部融資で逃げようという考え方があるのですが、まあ融資で逃げるとしても法律改正をやらなければならぬ部面が多く出ておるわけなのです。これはやはり、共同施設じゃないという理論は、私は、これはむしろ共同施設以上の一つの政府の補助機関である、政府の補助機関であるから、当然共同施設を乗り越えた上に一つ考えるべき問題じゃないかと思う。それは大臣はあまり現行法のワクにとらわれて考えておるからそういう考え方が出るのであって、むしろ政府の一つの自主的補助機関である、こういう考え方に立つならば、私はこれに対する助成措置というものは決して不当なものじゃないと思うのですよ。だから、そういう点において、まあこれも大蔵省や各省とのいろいろ折衝の問題があることですから、直ちにここで助成しますということをあなたにすぐ言明を要求しませんが、これもやはり今度の災害の場合は特に考えてもらわなければならない特異な一つの現象だと思うのです。この点については一つ十分御考慮が願いたい。それで、私は、まあ農業協同組合の施設二〇%を五〇%に引き上げてもらうのと同じようにしてもらいたいのだが、そこがだめなら、さしあたって二〇%でも共済の建物の損壊に対してはこの際政府が助成措置を講ずるというふうな方向を一つこの際出してもらいたいと思う。
 いま一つは組合事務費の賦課金。災害が多いとどうしても調査がひんぱんになってくる。そうすると、政府の分担金はきまっておるものだから、どうしても労働強化に対する報酬を賦課金でまかなっていくという傾向がもう顕著に出ておる。だから、これに対して何らかの減免措置を行うか、あるいは事務費の国庫負担額を増額するか、いずれかの措置をとってやらなければならぬと思うのです。この第六の災害調査、技術指導等の強化対策に関する事項に出てくるが、ここにおいては、承わるところによると昨年の二十二号台風においては二百万円の助成を見ておるそうです。これはこのあとで出てきますが、そういうことで、この際何らかの措置で一つ事務負担の増大に伴う助成措置を見てやらなければいかぬと思う。もし大臣がわからなければ官房長でもいいですが、どういうふうにお考えになっているか、承わりたい。
○齋藤説明員 御指摘のように、災害が非常に頻発し、あるいは今次災害のような場合におきましては、共済組合の職員が末端における被害の調査あるいは仮払いを迅速にやる等の事務的な指導等におきまして非常に働いておられることは、つぶさに見て参ったわけでございます。ただ、このためにある特定の災害地における市町村の農民に対して賦課金を免除するとか減免するというようなことにつきましては、従来も組合でそういう例もなかったし、そういうことはできるだけやりたくないというふうに私は聞いております。しかし、実際においては職員等の旅費や事務費等がかかっておることも事実でありますので、これらの指導旅費等につきまして、農林省としましては従来の例もありますから、必要な調査を整えまして予算措置を講じたいということで努力いたしたい、かように考えております。
  [委員長退席、丹羽(兵)委員長代
  理着席〕
○中澤委員 では、その予算というか助成措置は、建物の問題とからんでいま一度御検討をして、大蔵省とも折衝していただきたい。
 その次、第三の問題ですが、これは果樹園芸全体が今度有史以来と言っていいくらいの大へんな――これだけの果樹園芸の被害が出たことはないと思うのです。これは特異な災害だと思う。風害が非常に激甚だった。これに対しては、きのう申し上げたように、共済制度を考えなければいかぬということを総理も言っておる。それを受けて、やはり長野県で大臣もこれを研究しなければいかぬということをおっしゃっておる。これは恒久的な今後の問題になりますが、これについて御研究になって、もし一つの方法が考えられるなればやろうというお考えがあるかどうかということをこの際明らかにしておいていただきたい。
○福田国務大臣 果樹共済につきましては、山梨、長野において総理大臣に対してだいぶ陳情がありました。総理大臣は、それに対して、当然こういう備えがあった方がいいじゃないかというようなことを言っておりましたが、ただ、私といたしましては、そう簡単にお答えすることはできない。できないのは、これは、全国の果樹業者というものを見て、その動向というものがそこに来ておるという状態でないと、これに取り組むことは困難ではあるまいかという考えを持っているのです。それで、全国の果樹業界の御意向等も参酌してこれは検討したいのだというふうに申し上げておるわけです。ただいまの共済制度につきましては、一般農家の方からは、そんな掛金を払って一体災害があるかないかわからない、そういうようなことで、どうもわれわれの感情に合わないのだというような声も相当出ておるわけです。あるいはこの制度はこのままにしていってもいいけれども、こういう点について改善をすべきではあるまいかというような声も出ておるのです。そういうような問題全部をひっくるめて今検討しておるわけでありますから、もし果樹業全体――まあ一〇〇%という意味でもありませんけれども、大体全体の空気がぜひこれは共済制度の機構に入るのだというような空気でありますれば、私は、これの取り入れ方については検討してみたい、こういうふうに考えております。
○中澤委員 それから、今陳情のあった中で、例の任意共済の問題があったわけですね。これも結局政府に責任があると私は思う。とにかく、政府が事務費負担をしぼっておるために、どうしても経済的に成り立たないというところから、農業共済が任意共済をやっておる。これはかつて河野農林大臣のころ大きな政治問題になったこともあるのです。あなたは当時幹事長で御承知だと思うのですが、これが風水害を加えた任意共済をやっておる。先ほどの御陳情を聞いておると、山梨でしたか、四千万円くらいしか金がないところに、これを全部契約を払ったら八千万円くらいになってしまうということで、その金がどうしてもおれの方にはないのだ、そうすると基金から借りるかどこかから借りるかして農民に払わなければならない、その場合に利子負担をする金が共済にないのだから、それを一つ利子の補給をしてもらいたいという陳情があったわけです。これに対しては根本的な農業災害補償法の問題ともからむのでありまして、そういう、さしあたりどうにもならぬ、掛金は四千万しかないのに支払額は八千万になっておる、四千万円の借り入れの利子補給を何とかしてもらえないか、こういうような問題は、根本問題ともからむのですが、大臣はどういうように考えますか。全国的に風水害を加えた任意共済が農業共済でやられておるわけです。かつても和歌山でキティ台風で一億五千万円かの支払い不能が起って、農林中金から借り入れしたのを知事が債務にしたとかしないとか、支払いの債権債務問題がだいぶもめて、今解決がついたかどうか知りませんが、こういう問題があるわけです。これに対して大臣は利子補給なり何なりの道を講じてやるというお考えですか。それとも、もっと飛躍して、これを全部国が責任を持って再保険にでもしていこうというお考えか。どういうふうにやったらいいか、これは根本問題ともからむのですが、所見の一端なりをお聞きしたい。
○福田国務大臣 任意共済につきましては、それを天災を対象としてやっていくということはなかなかむずかしい問題じゃないかと私は思うのです。もともとこれは困難なことをやっておるのだというふうな感じがするわけです。共済制度にするならば、これは全部入るところの、しかも国がそれを再保険するところの強制共済制度というところまで持っていかぬと、この制度はその制度自体として動かない性格を持っておるのではあるまいかというふうに考えるわけでございます。私はまだ今お話しの問題について当該両県の知事から何も聞いておりませんが、なおよく事情を伺ってもみたいと思います。
○足鹿委員 ちょっと関連して……。
 今の農業共済問題ですが、今回の災害の特徴は果樹園に大きな被害を与えておる。これに対する救済対策というものは、現在のところでは見るべきものが一切ない、新しい措置を講じなければならぬ、こういうことになっておるようです。そこで、現在の農業共済制度については、大臣もしばしば、検討をしたい、できる限り改正をしたいということを言っておられるわけですが、政府部内の協議会設置、また調査会法案を次の国会に出すとか、いろいろな取りざたはありますが、私は前から言っていることですが、この問題については、この農業災害補償制度が実施になった昭和二十二年ごろは食糧の異常な不足時であって、主として米麦中心にこの制度は打ち立てられてきた。他のものは、養蚕とかあるいは畜産とかいうものに若干制度が実行されておりまして、その他の重要農産物というようなものについては全くほうりっぱなしになっている。ところが、十数年たって現在営農の状態は一変してきまして、非常に地方色がたくさん出てきておる。たとえば、福岡方面においては麦よりも菜種、また今回惨害を受けた山梨だとか長野というような地帯は果樹が非常にたくさん経営に取り入れられておる。ところが、いざこういう状態になってくると、全く救済の道がない。つまり、法律制定以来相当な年月を経ておるために、制度と営農実態とが食い違っておる。そこから来る手のほどこしようのない事態が現在訪れておるのではないかと思います。これは根本的に直さなければならぬと思いますし、大臣もそれはお認めになっておるわけです。他のものでも任意で共済事業を営むことがきるわけでありますが、国の再保険措置がないために、和歌山の例とか、あるいは九州の菜種がいい手本ですが、やっても一ぺんでぺしゃんこになってしまう。どうしても、地方色のある重要農産物については、任意共済をしましても、これは国が当然再保険措置を講じなければ、こういう事態には手も足も出ないことがよくわかると思うのです。もっと農業経営の実態に即してこの保険対象の農作物の範囲を広げていく必要がある。必ずしもそれは強制を意味しません。任意であってもよろしい。が、それに対して国が、今回のような超異常災害に備えて再保険の措置さえ講じていけば、これはりっぱに制度として成り立つと思うのです。また、現在果樹の振興とかいろいろなことが呼ばれますけれども、こういう場合に備えるには、この制度を営農の実態にうまく適合させて運営していく以外に、私は具体的な対策はそうそうざらにあるものじゃないと思うのです。そういう点について、大臣はこのごろいろいろと制度改正についても検討をしておられるようでありますが、今回の災害の体験から通じて見ても、相当お考えにならなければならぬ段階が来ておると思うのです。その点、もっと、米、麦に限らず、重要農産物の任意共済をやらしめ、これに対して国が再保険の措置等の施策を講ずる考えがあるかどうかということを、この際大事な問題と思うので聞いておきたいと思います。
○福田国務大臣 これはまあ保険でございますから、非常に広範な保険対象を持って初めて成り立つと思うのです。それで、保険の対象につきましては、今までは米麦中心だという話でございましたが、これはまことにさような通りだと思うのです。これをほかの重要農産物に広げて参るということは、これはもとより私はそうなくてはならぬと思います。ただ、保険事故につきましては、たとえば最近農薬が非常に進歩いたしまして、それにより虫害とかそういうものが大へん減ってきておる。それにもかかわらず保険料率がちっとも変らないというような批判もあるわけなんです。私はそういう御批判はごもっともだと思うのです。事故の問題になりまするといろいろと検討しなければならぬと思いまするが、私は、農産物は米麦に限らず、広くこの制度をやる以上は対象を拡大いたしまして、しかもそれにつきましては政府が介入をいたしましてその制度を運営していくというふうに持っていくべきものだという考えを持っています、しかしながら、任意的にできます組合はどんなものでありましても政府が再保険をするかということになりますると、そうはなかなかいかないのであって、任意にできるものにつきましては、任意にできるそのでき方等を見て、再保険料率なんというものが非常に大きな問題になってくると思うのです。それにまた、組合自体も料率問題という複雑な問題も出てくると思うのです。いろいろ今考えておるところでございまするが、足鹿さんなんかもいろいろ御意見をお持ちであるということはっとに伺っておるところでございっますから、御意見を承わりましてやっていきたいと思います。
○足鹿委員 果樹が当面問題になっておるので、果樹について考えてみると、米とか麦とかは自己消費を一面伴っておるわけです。その商品化率というものは、米の場合でも四〇%程度しかない。ところが、果樹とか蔬菜というようなものになりますと、これは純然たる商品化された農作物です。従って、経営の実態も非常に企業的になっておりますし、経営規模もなかなか充実しておる。また、経営しておる農家も相当な負担能力が一面においてはあると見なければならぬ。従って、これらを全国的な任意共済に移した場合に、保険設計上どういうことになるかということは、これは事務上の問題で、私どもとてもわかりませんが、少くとも米麦より以上なある程度の負担能力というものはあると見てよろしいと思うのです。そうした場合には、一つの方針に従って保険設計をして、国が――大臣は介入という言葉を使われたが、介入とは私どういうことか知らぬが、ただ干渉してもらっただけではつまらぬ。やはり再保険をやらなければだめです。ただ、やはり果樹の今回の災害を見てしみじみ感ずることは、企業性の強い商品化されたこういう農作物については、少くとも全国的な立場からやっていけば、そう高い料率をとらなくても、ある程度保険設計は成り立つのじゃないか。今回のような集中的な被害があるということはめったにないことだと思いますが、従って、政府がある程度の再保険等のめんどうを見れば、私は成り立つと思うのです。そういう点は重要な問題でありますし、営農の形態がだんだん変ってきておるわけですから、それに即応するように早急に対策を立ててもらいたいと思います。
 それから、今中澤君が述べられておりました建物任意共済の問題ですが、これは農協の行なっておるものとまま競合が起きて、各地に紛争が起きており、先年来知事その他が中に立って、分野を守って協定が行われて、一応表向きは平穏になっている。しかし、これは根本の問題ですが、先年の伊豆災害の際には静岡県の共済連合会は相当の金額を自まかないでやって一応とんとんだった。ところが、今度は事情が違う。こういう事態が起きるのですから、再保険措置もない、あるいは全国的な系統的な機関もない団体が保険をやる、特に建物とかに手を出すということについては、問題が風水害の場合を指定しておりますから非常に問題が起きるということを私どもは従来から指摘したのです。もしこれにあなた方が適切な救済の手を伸べられないということになりますと、これは大へんな問題になります。われわれは従来これは指摘してきておった。できたことでありますから、これは当然政府は救済の手を伸べなければならぬと私は思いますが、ただ伸べっぱなしではなしに、この問題に対してはこの際一つ根本的に御検討にならなければならぬ事態じゃないかと私は思うわけです。よく料金が安いとか掛金が安いというようなことを言って回ってけんかをしておる。国が補助金を出した団体が、営業保険やその他の一つの経済行為をやっておる団体と掛金が同じだったりした場合にはおかしいので、そんなことは自慢にはなりません。いざというときにほんとうに責任を持って保険金の支払いがうまくいくかどうかということが、やはり農家がこれに参加する理由でありますから、あまり方便的なことだけで当面を糊塗しておると、こういう事態が起きたときにばたっと行き詰まってしまう。これは建物の任意共済問題は制度上の重要な問題だと私は思うのです。これを機会に一つ御検討願いたいと思いますが、それはそれとして検討するということと、この事態に対しては、やはり政府も中に入って、――今まであっせんをされ調整をされた立場上おそらく知らぬ顔はできますまい。何らかの措置を講じねばならぬ。この前の九州の薬種災害のときには、三千万円くらい任意共済をやったけれども、いまだに再保険がないために焦げつきがある。こういうような問題もあらためて再検討すると同時に、その制度の欠陥を認めると同時に、これに対する対策の手は講じつつ、やはり根本的に考え直していかなければならぬ問題だろうと思うのです。こんなに災害が頻発しますとほうってはおけないと思うのです。特に建物問題について大臣の御所見を承わりたいと思います。
○福田国務大臣 建物の共済につきましては、役所といたしましても関心を持っております。それで、調べてみますと、大体共済の保険金の支払いにつきましては資金手当ができそうな形勢であるというふうに報告を受けております。ただ、問題は、当面の問題はそういうふうにいきましても、お話のように、両保険団体が両立しておるという形が果していい形であるかどうかという点にあるので、この問題につきましてはかねがね私も苦慮をいたしておるのですが、なかなかどうもいい解決が出てこない。一つ御協力を得まして何とかうまくやっていかなければならぬというふうに考えておりますが、これは将来の問題として十分検討いたします。
○中澤委員 これは、今の陳情を聞いても、八千万の支払いが四千万しか基金がない、どうにもならぬ、今基金の方から若干借り入れをして払おうと思っているというような話があったのですが、この問題は、私はあなたに現在責任があるとは言いませんが、これは歴代の農林行政の一つの責任だと思うのです。これは当初どういうところから発端したかというと、国の事務負担費が三分の一しかない、そこで、どうしても事務費が足りない、それにはうまい方法がないかといって考えついたのがこの任意共済なんです。そして、これをやってみたところが、これでいけば事務費の足らない分ぐらい若干補えるのではないかということが全国的に蔓延した。だから、私は、これはやはりあなたにも責任の一半があるし、歴代の農村大臣にも責任の一半があると思う。だから、抜本的な問題は通常国会なり何なりにやるとして、今さしあたりどうにも困るというものは、先ほどあなたの御答弁によれば何とかできそうだとおっしゃいましたが、先ほどの陳情を聞けば、四千万のところを八千万払わなければならぬ、利子補給をぜひしてくれということなのです。だから、これに対して、さしあたりの問題として何らか措置してやらなければいかぬと思うのですが、どうでしょう、御措置の意見がありますか。
○福田国務大臣 これは、先ほども申し上げましたが、両県の知事からは何もまだ聞いていないのですよ。どういう状況であるか話を聞きまして、それからきめていきたいと思います。
○中澤委員 共済の問題はそのくらいにいたしまして、次に資材の問題に移ります。
 これは、大臣の答弁も、また大体融資でいくという答弁だと思うのですが、第一にここに書いてあるように、「農作物、桑、茶、果樹等に対する農薬、肥料又は種苗及び防除機具並びに冠浸水田畑の土性改良のための石灰の購入代金について補助するものとする。」第二は、「りんご、梨、ぶどう、くるみ、ポツプ等の棚又は支柱等の購入代金について補助するものとする。」、第三は「りんごの改植に要する経費の一部を補助するものとする。」、こういうふうに資材問題を取り上げたわけですが、この点に対して一括して答弁をしていただきたい。
○福田国務大臣 これは、お話の通り、十分融資制度を活用いたしまして、この復興に遺憾なきょうにいたしたいと思います。特にクルミにつきましては、森林会計の方から、造林の方から金を出すように用意はいたしております。
○中澤委員 これが先ほどの問題にからんで、長野県では、何らかの助成措置をすると大臣が新聞で言っているのだから何とか補助をしてくれるだろうと期待しておる。山梨県では、おそらくブドウだなの施設くらい、四万かかるところを少くとも二万くらい、大臣がああ言ったから補助をしてくれるのだろうということで、われわれが調査をしてみると、これはちっとは補助をしてもらえるのですかという陳情を聞くわけです。これは、大臣、あまりうそをつかないで、農民はそのたなの補助をしてくれると考えておるのだから、若干の補助を出すように大蔵省とよくお話し願って、そうして、相澤主計官の方でも、これくらいは、永年作物でもう十年くらい収獲皆無なんだから、この際お気の毒だから補助を出してやろうじゃないかというような省内取りまとめをあなたにお願いしておきます。
 その次は四に移ります。「畜舎の消毒及び家畜の伝染病予防注射費について補助するものとする。なお、大規模かつ激甚な農林漁業の災害に際しては、農林漁民がその再生産を確保するために行う資材の購入等に対し、国及び地方公共団体が総合的かつ体系的に補助助成を行う制度を確立しうるよう検討するものとする。」、この問題は、実は、大臣、新しい提案の意味もあるのですが、今回の災害に対して長野県の総合助成対策というものを出したのです。これが非常に評判がいいわけです。それはあなたも知事からお聞きになったと思いますが、被害の激甚な村に百万とか七十万とか三百万とか一定のワクを当てはめて、県条例で、これだけのものを使っていい、これに適合するもので村長が適当に裁量して緊急を要するものからこの金を使え、こういうことをやった。ところが、村々によって災害の様相が変り事情が変っておるし、村長とすれば非常に助かった。とにかく先を急ぐものからばっぱっと県の総合助成費の中から手は打てていけた。これは長野県がモデル・ケースで、今回の災害で非常に評判がいいのでありますが、国として、災害が起きた場合は、何らかの一つの基準をきめて、この中からどれでも急ぐものからめんどうを見ていくというような総合助成対策が必要じゃないか。ただ、これは会計検査院の問題とかいろいろありますから、何でもかんでもつかみでもって、じゃ山梨で一億、長野で一億という話ではないのですから、ずっと一つの体系的なものを作っておいて、その体系に当てはまったものに対して、直ちにこの総額の中から使ってもよろしい、こういう緊急を要する地方の総合助成対策というものがやはり今後必要ではないか、そういう意味においてこの問題が小委員会で取り上げられたわけでありますから、あらためて検討をしてもらいたいと思って、この項目に一つ上げたわけであります。この点について大臣のお考えを承わりたい。
○福田国務大臣 第一の、畜舎、それから家畜の伝染病などの消毒や予防注射などに関する問題は、既定予算の中で差し繰り支弁をするように指示をしております。
 それから、第二の、大規模な災害に際しての一括補助の方式、これは長野県でやっておるという話を知事からも承わっておるわけです。非常におもしろいいき方であるのでその結果を注目しているというようなお話がございましたが、これは補助金制度といたしますと全く画期的な考え方に相なりますので、私どもも今ここで全面的にこの方向だというふうには申し上げられません。しかし、特に被害が激甚で、家も流される、畑も流されるというような地帯につきましては、これは非常に限定したケースになりますが、そういう復旧資金を交付するというような方法をとった方が実際的であるというふうに考えまして、さような地帯につきましては考えてみたいと思います。
○中澤委員 まあこれはあなたお一人だけでどうこうというわけにはいかない。これはやっぱり政府全体として今後新しいアイデアを、長野県の今度の実績は非常に評判がいいのですが、新しく検討してもらいたい。
 その次には、先ほどの問題とからんでおる六の「災害調査、技術指導等の強化対策に関する事項」ですが、統計調査職員、農業共済団体職員、専門技術員、農業改良普及員、耕地または山林関係県市町村職員、開拓営農指導員、養蚕技術員、こういうような者の経費を何らかの形で増額してもらいたい。今非常に労働強化になって夜も寝ずにやっており、これはほかの地方公共団体の職員もそうなんです。もう一週間寝ないで注射を打ちながらやっている。こういう者は、災害のときにただこき使うだけではなくて、やはり温情ある政治として、農林省自体として何らかとれる方法があればこの際おとりを願いたい、こういうことなんです。
○福田国務大臣 さように考えております。
○中澤委員 次には、「食糧及び飼料対策に関する事項」でありますが、第一は、被害農家に対して先例によって米麦の安売りを実施するとともに、この際この制度の恒久化をはからなければいかぬ、これは毎年々々災害があるたびに飯米の安売り立法をやっているわけなんです。これは今では法律の安売りになっている。これはきまりきってやらなければならぬことなんだから、この際飯米の安売りは恒久立法にする必要があるじゃないかというのが小委員会の大多数の意見なんです。ですから、これの恒久立法化を臨時国会においてはかってもらいたい。臨時国会なり通常国会でこれを恒久立法化する御意思があるかどうか。これを立法化するといえば、飯米の安売りを開始したものを直ちに遡及させる必要がある。その点はどういうふうにお考えですか。
○福田国務大臣 これは、お説のような事情もございますので、政府部内でよく意見調整をして参りたいと思います。
○中澤委員 その次は、等外米の政府買い入れ、これは、小委員会で、農林省の方から、食糧庁の方でこれはやります、こういう言明でありますから、この問題はよろしい。
 その次は、予約概算金の返納、これは、官房長もだいぶがんばられて、米を集める団体がそのときくらいはめんどうを見てもいいじゃないかということで、今まで事実代替払いで協同組合なり集荷団体が見ていたわけなんです。これも災害のたびに出てくる問題なんです。仮渡し金の延納を何とか認めてくれという問題がいつも出てくる。これも、私ばかりではない、小委員会でも、何とか恒久立法化しなければいかぬのじゃないか、集荷団体だけがいつもやりくりやりくりして、それに対して今度はまた農林省が違う形の助成というか、利子補給というような形で見るというのは、これは私は正常ないき方じゃないと思うのです。だから、被害激甚地の少くとも天災融資法、災害救助法の発動されたような地帯は、直ちにこれは自動的にその延納なりを認めていくという恒久立法はやはり必要だと思う。こういうことを毎年繰り返さないために、これも一つ通常国会なり臨時国会で恒久立法化する必要がある、こう考えるわけです。
○福田国務大臣 これは、お話でありますが、慣行としてそういうふうにできておるのですから、別にそう問題にもなっておることりでもないと思います。これは食管会計から十分さような手配をいたしますから、御安心を願いたい。
○中澤委員 その慣行というのは、私はそういう慣行がうまくないと言うのです。これは全部やっていますよ。今までどの災害でも代替払いを集荷団体なり販連なり農協なりがやっていますよ。やっているけれども、そういうことは正しいいき方じゃないんじゃないか。そうして、別に今度は、ほかから代替をやってくれたからといって、ほかの含みを入れた形のような援護措置をとっておる。しかし、これは正しいいき方じゃないですよ。それは慣行でやっているから支障はありませんよ。それで官房長もだいぶこれは抵抗したんですよ。災害のときにこんなことをやっているからいいじゃないか、またそのくらい集荷団体がめんどうを見るのは当然じゃないかとだいぶ言いましたが、この際そういうものを正しい姿に戻したらいいじゃないか。その方が私はいいと思うんですよ。これはあなたの課題にしておきます。それは慣行でやっているから差しつかえないが、この際正しい姿に戻した方がいいというのが小委員会の意見なんです。その点を一つ考慮してもらいたい。
 その次は第四の、「有畜被害農家に対しては政府の所有する事故麦及びふすまの売払を行う」、これはもう現に売り払いを行なっておりますからよろしい。
 それから、第八は、「国有林野事業の協力に関する事項」、第一として、「物品の無償貸付及び譲渡等に関する法律に基く国有林野からの林産物(風倒木を含む)の売渡しについては法令の制限を撤廃し、被害を受けた県及び市町村に対し一率五〇%の減額を行うものとする。」、これに対してはあなたもこういうふうにやろうというお考えがあると思うのです。それは、長野でおっしゃった中でも、国有林の風倒木は地方団体に安売りをしよう、そういうことを申しておる。それから、その中で、個人に年賦払いも考えてもよろしい、こういうことも申しておる。それから、大きな災害者を伐採その他に救農的な意味で使っていかなければならぬ、こういうことも申しておる。これについてあなたはこういうふうに申しておりますが、これも、林野庁を呼んでいろいろと小委員会でやってみると、非常に矛盾がある。県の場合は五〇%。県並みに市町村も全量五〇%に直せばいいのです。ところが、県の場合は五〇%であるが、今度は一般の場合はそうじゃない。必要量の三分の一について減額するということになっている。特に、営林署の隣接町村まではその風倒木の払い下げがいくが、その隣の町村にはいかないというふうに縛ってある。これはあなたも御承知だと思うのです。だから、これは、あなたも長野でおっしゃったように、個人の年賦払いまでお考えになっておるのだから、この際何とか一率にこれを五〇%に払下価格を引き下げれば、隣の村へは送れるがその隣の村へは送れないというような、そういうばかな矛盾は出てこないと思うのです。この点についてはどうでしょう。
○福田国務大臣 この法律の適用地域ですね、これは営林署のある地帯の災害に適用するんだというふうになっておるわけですから、今までの慣行といたしまして、営林署の近くというのを非常に限定的に考えておった傾向があるようです。これを弾力をもって考えるというふうに常識的に運用したいと思うのです。法律にも特に地方ということになっておるのでありまして、そう解釈して一向私は差しつかえない、かように考えております。
 それから、三分の一というのが不権衡ではないかというお話でございまするが、県のやる応急仮設住宅というのは、大体それ自体規模が本建築の三分の一なのです。そこで、個人の方は全体についてやるから三分の一だ、そういうふうなことで、実態はこれはイコールという関係にあるわけなのです。もしそれがどうも目ざわりだというならばそういう修正はちゃんとしていいわけですが、実質は両方とも権衡はちゃんととってあるということを御了承願いたい。
○中澤委員 では、大臣の答弁でこの問題はある程度解決したと思うのです。それは非常に矛盾があるもので、これに対して非常に異議が多いが、それは拡大解釈でもっていける、こういうことなら、私はそれでもいいと思う。ただし、そういうことを特に大臣から林野庁長官に対して話し合いをしておいてもらわぬと、依然として前の問題にこだわっておりますから、この点は特に林野庁長官に大臣からよく話して、こういう拡大解釈の方法でやれということを一つ命令しておいてもらいたい。
 それに対して、第二の問題としては、被害市町村は払い下げは受けた、しかし、被害甚大で地方財政窮迫の折から、とうてい払下代金の支払いができない、これに対しては、今までの例としては担保をとり利息をとっておった、しかし、これを何とか無担保、無利子という方法にして、半カ年なり一年という延納を認めるべきではないかというのが小委員会の大体の議論なのですが、この点に対しては、大臣は個人に年賦払いの払い下げさえ考えておるのだから、ましてや、地方自治体の町村に無利子、無担保で延納を認めてやることは可能であると思う。この辺はどうでしょうか。やはり行政措置で大臣と林野庁長官の話し合いでできますか、それとも法律事項を要しますか、どういうものですか。
○福田国務大臣 それは立法関係の事項じゃないのです。大蔵大臣との協議事項になっているということです。私の申しておるのは、年賦払いじゃない、延べ払いということを申しておるのですが、そういう方向で大蔵大臣と協議したい、かように考えております。
○中澤委員 その次は救農土木事業に関することですが、この点については、大臣も御承知のように、場所によると、もはやどうにもならぬ。とにかく何とか日銭をとる方法がないか、こういう陳情や声も聞かれたと思うのですが、これに対して、河川の災害、そういうものの多いところは、ある程度これはできると思うのです。ところが、そうでない地帯がある。そうでない地帯に対して、かつて二十八年災害にやったような何らかの方法が考えられないものか、こういうことなのです。現に、先ほども建設大臣に問題にした長野で言えば、堤外地にほとんど農地の八割を所有しておる農民は、もはや北海道へ出かせぎに行くとまで言っておる。これに対しては、建設省との関係もありますが、早急に堤防の補強とかいろいろな方式が、これは建設省の関係で出てくると思うのです。これは十分建設大臣とも相談をして、そういう地帯は、堤防のかさ上げあるいは沈床の補強、そういうようなものをこの冬季間に何とかやるという対策をこの際お考え願いたい、こういうことです。
○福田国務大臣 承知しました。
○中澤委員 その次には、これは小委員会の後に出てきた問題でありますが、本県の場合、御承知のように、佐久の被害地帯でコイなどを非常に飼っている。佐久コイといって、昔東京市場は全部佐久コイでまかなってきていたというくらいの内水面の漁業地帯なのです。こういうものは今度の災害で流れてしまった。それから、あるいは諏訪湖の下へやなを組んでおる地帯とか、ああいうところがだいぶやなの被害を受けた。こういう内水面漁業というものは、全然今まで災害に対して何らの方策もとられていない。内水面の漁業災害に対して何とか考えてやらなければいかぬじゃないかということなのですが、これに対して、もし大臣わからなければ――これもまた融資でしょうが、何とか方法を考えてもらいたい。
○齋藤説明員 従来も、そのような場合に対する措置として、水産増殖施設につきまして、先ほど中澤先生から御質問がありましたが、農林漁業金融公庫より個人施設に対する災害復旧融資を二十万円を限度としてするという道が開いてあります。そういう方法を考えております。それから、天災融資法によりましても、種苗等の購入につきましても適用対象になるのじゃなかろうかと考えておりますが、これはなお研究してみます。
○中澤委員 あとほかの質問者もありますが、一応小委員会で三日間にまとめた現行法の不備な点あるいは行政上の拡大解釈でいける点、そういうものは一応総ざらいにこれで質問を終ったわけであります。
 この際私は農林大臣に特に最後に申し上げたいのは、先ほど足鹿先輩からも言われたように、この際やはり果樹の災害に対しては何か根本的に考える必要があるのじゃないか。今や、米麦中心農業というものが、酪農と果樹農業に非常に大きな転換を日本農業はしつつある、こういう段階でありますから、果樹農業に対して、この災害を機会に根本的に検討してもらいたい。そして、これは共済制度でいくかどういう制度でいくかは将来の問題として、この際何か日本農業が大きな転換をしつつある現実に沿うた政策というものをこの際一本強く打ち出さなければいかぬじゃないかということを痛感するわけです。
 それから、いま一つ考えられることは、年中災害のたびに農林委員会くらいうるさく会合を開く委員会はないのです。御承知のように、休会中でもしょっちゅう、災害があれば、すぐ現地派遣、すぐ委員会、小委員会を作って検討、こういうことで、年中災害に対して奔命に疲れているわけです。農林大臣もこれはとてもかなわぬと思うのですよ。そこで、これを何とか、天災法のような、ある一定のワク以上の災害があって、それを主務大臣なり何なりが指定した場合は、自動的に予算がついて発効していくというような、そういう何か総合立法をこの際、私にもよくわからないのだが、何か研究する必要があるのじゃないか。年中災害ばかりやっていたのでは、とてもわれわれもかなわねと思う。だから、この際、内閣で、この災害を機会に、一つ何とか一定以上の災害があって大臣指定になったら直ちに予算がついて自動的に発動していくというような総合立法を考える必要はないか。今の法律も、あれもこれもで、われわれも小委員会で研究しても、末端のことになるとわけがわからないものが一ぱいあるのですよ。大綱だけはしぼってみたのですが。だから、こういうものを何か――一本に統合はできないかと思いますが、災害基本法というか、何か災害の総合立法を一つこの際考える必要がある、こういうことを痛感しておるわけです。そういう点についても一つお考えおきを願いたい。
 それから、いま一点は、これは大蔵大臣にいずれ出てもらってから一談判しなければならないのですが、相澤主計官は農林担当主計官ですから特に申し上げておきますが、問題があって農林省がこれをやろうとしても、いつも大蔵省がこれに対してブレーキをかけてしまうというか、とにかく金を出さないこと出さないことを考える。これはしかし下手な大工と同じことで、削れば削るほど損しているのですよ。大蔵省は削ってはいけないのです。それを下手な大工のように何でも削ってさえいればいいものになっていくだろうというので削れ削れと言う。私は大蔵省は下手な大工だと言っておるのですが、削るばかりが能じゃないのです。やはり出すものはすぱっと出して、そのあととるものはとればいいのです。とれるものはあるのですから、そういうところからうんととればいいのです。これについては、強気な村上建設大臣さえもこういうことを言っておるのです。どうも災害復旧予算に対しては経済効果がない、こういうことを大蔵省は言って予算をよこさない、これはまことにけしからぬ、だから、今回は地元出身議員も一つあげて大蔵省と折衝してこれをとってもらいたいということを言っておるほど、強気の村上建設大臣さえ大蔵省には音をあげておるのです。だから、この際、農業関係は相澤さんよくわからぬようですから、これからの農林委員会には必ずあなたの御出席を要求しますから、よく御勉強を願って、下手な大工のまねは農林災害に関する限りは一つおやめを願いたいということを最後につけ加えまして、長い間の私の質問でありましたが、終ります。
○丹羽(兵)委員長代理 金丸信君。
○金丸(信)委員 先般の七号台風に対しまして、中澤君から詳細に小委員会で議しました問題を質問いたしたわけでございますが、私はまず第一に果樹問題につきまして御質問申し上げたいと思うのです。
 先般の災害に当りましては、農林大臣の視察を受けまして、私もお供いたしたわけでありますが、果樹地帯の被害というものは、私が申すまでもなく非常に大きな災害をこうむっておることと、また、農家が収穫まで労力を奉仕し、あらゆる肥料を施し、あるいは資材を投入して、これから金にかえるというときに、あの災害にあったということでありまして、いわば農家は無一文であるという状況に相なっておるわけであります。この災害によりまして農家は失業したという立場でありますが、会社に勤め、あるいは官庁に勤めてやめた人は失業保険もとれるわけでありますけれども、現状の農家というものは失業保険も、これに対する何の対策もないということが、非常に農家として心痛をいたしておる最大な点であるわけであります。先ほどから中澤委員からもいろいろ質問があったわけでありますが、山梨の農家にももちろんいろいろの助成をしていただきたいと考えるわけでありますが、助成ということより、むしろ一日も早く融資をしてもらいたい。その融資も自作農資金とかあるいは営農資金とか復旧資金とかいろいろあるようでありますが、いわゆる二十万限度というようなことであれば、実際問題として復興しない。いわゆる果樹農業というものは、実際に今まで見ますと何か貴族農業に類しておるような考えがあるようでありますが、私は、養蚕の状況を考えてみましても、養蚕と果樹のいわゆる所得のウエートというものは、むしろ果樹の方が倍以上あるのじゃないか。養蚕には蚕糸局がありながら、果樹に対してはいわゆる特産課果樹係という程度のものしかないというところに、私は今度のこの果樹に対する対策もある程度片手落ちのところがあるのじゃないかと思うわけであります。私は、まず第一に、先ほど大臣からお話しがありましたように、この融資については弾力性ある考えを持つというようなお話もあったわけでありますが、弾力性というその弾力性がどの程度の弾力性を持っていただけるかをまず第一にお尋ねいたしたいと考えます。
○福田国務大臣 災害を受けました個人、法人に対しまする融資につきましては、いろいろ蛇口があるわけなのであります。あるいは天災融資法による営農資金、あるいは農林漁業金融公庫による自作農資金、また、住宅を失ったという者に対しましては、住宅金融公庫の資金、さようなものを合せますると相当の額に相なると思うのでございます。しかし、今回の災害は果樹地帯であるという特別な事情もありますので、そのワクの拡大をはかっていきたいというふうに考えておりますが、どのワクを拡大するかというと、施設災害、果樹災害、まあ施設災害が多いわけであります。この施設災害を復旧するための資金であるところの農林漁業金融公庫の資金、この資金の二十万円というワクを拡大するという考えをとりたいというふうに存じておる次第であります。
○金丸(信)委員 なお、いろいろの資金があるようにありますが、国民金融公庫の資金というお話もあったのですが、実際問題としては、これには資金のワクがないのじゃないですか。
○福田国務大臣 私も、これは所管の問題でありませんで、詳しい実情は存じませんけれども、国民金融公庫の関係が適用される場合には、商業関係、工業関係で、農家の関係じゃございません。農家の関係は、それに対応いたしまして、ただいま申し上げましたような三つの資金の貸し出しを行うということに相なる次第であります。商家の方に対して貸し出しますところの国民金融公庫の金につきましては、未配付のものがありますから、その災害のための資金の貸し出しに不足するというような事態は想像できません。
○金丸(信)委員 私がまず結論的にお尋ねいたしたいと思いますことは、山梨の果樹農家、ブドウ園地帯というものが非常に大きな災害をこうむっておりますので、いろいろな資金が要るわけであります。それがなかなか思うように出ない。また、自作農資金というようなものをひっぱり出すにつきましても、十万や十五万、最高二十万――実際問題としては二十万借りられることは、なかなかむずかしい状況もあるわけでありますが、これを大幅に拡大していただいて、たとえて申すならば、四十万円、五十万円、あるいはまた農林大臣の指定の災害の復旧資金、こういうような問題につきましても、解釈をいわゆる一戸ということでなくて一施設というようなことにしていただくならば、五反歩の畑を二つ持っておるというような解釈で、二十万円が四十万円借りられる。あるいは四十万円が八十万円借りられる。また、いわゆる三反歩以下とか一町歩以上には金融ができないとかいろいろな制肘があるようですが、こういう問題につきましても、この災害に対しましてはこれを全部はずしてやっていただくことを考えていただきたいと思います。
○福田国務大臣 お話の通り、金融につきましては弾力のある運用をいたしまして、復興に協力したいと思います。
○金丸(信)委員 先ほど来私が申しましたのですが、いわゆる果樹農家というものは、何か巷間のお話をいろいろ承わってみると、経済内容がいいのだというように考えておるようですが、いわゆる果樹農家は経済内容がいいという何かデータがあるのですか。なぜ私がそういうお話を申し上げるかといいますと、この災害に対して大蔵省の主計官のところへ陳情に行きましたところが、全然助成をする考えはない、農家は経済内容がいいのだというような、木で鼻をくくるようなお話で突っぱねられたそうですが、そういうことであれば、経済内容がいいというデータを聞かしていただきたい、こう思うのですが……。
○丹羽(兵)委員長 代理今主計官がちょっと席をはずしておりますから、参りましたら重ねて御質問していただくことにして……。
○金丸(信)委員 なお、大臣にお尋ねいたしたいのですが、先ほど共同施設というような問題につきましてもお話があったのですが、山梨のブドウ園が、大臣が御視察願いましたその後の災害というもの、木が枯れ、あるいは葉が落ち、非常に大きな災害が目に見えてきておるわけでありますが、いわゆる代作というか、農家あるいは組合が寄りまして、これを共同でイチゴの栽培をしたいということですが、これに対する助成というようなことはお考えいただけないか。
○福田国務大臣 ただいまお話のような共同施設ということにつきましては、よく相談してみるつもりでおります。
○金丸(信)委員 そうすると、たとえて申しますならば、イチゴというものを見てやろうということになると、この月くらいに準備しなければ間に合わないというような状況にもなるわけでありますが、速急に一つその問題はお考え願いたいと思います。
 それから、開拓地におきます代行建設事業の復旧について全額国庫補助をしてもらいたい。結局、全額国庫により代行復旧をしてもらいたい。それは、いわゆる開拓地における代行開拓建設事業によりできた施設は、まだ附帯工事がほとんどできておらないというものもありますし、また、今回の災害を受けて、一般災害と同等に助成してもらわなければならぬものもあるだろうと思うのですが、実際問題としては開拓地は再起不能の状態にある。それを、いわゆる入植五年以上とかあるいはいろいろ制限を設けずに、代行復旧を一応認めてもらうというようなことはできないものでしょうか。
○伊藤説明員 かわりまして私からお答えいたします。今の代行開拓地の道路の問題ですが、これはもう進行いたしまして、まだその地帯全部として工事が終っておらぬもの、具体的な場所によって違うと思うのでありますが、まだその代行開拓地の工事が完了しておらないというのが全国で――実は大部分完了しない地区が多いのですが、そういうところにつきましては、これは代行工事といたしまして、こちらで極力やるように考えていきたいと思います。
○金丸(信)委員 それから、山梨県の林業の問題でありますが、非常に大きな災害を受けまして、九十二億何がしかの災害を受けておる。この災害が、奥地の山々からまだ報告が出て参りませんので、その災害の額というものはまだ出てくると思うのでありますが、山梨県のようないわゆる貧弱県の、税負担の八億、いわゆる水揚げが八億というような内容の財政状況の山梨県といたしましては、かりに九十何億のうち国からいろいろ見てもらえる状況からいたしましても、山梨県自体に十四億ないし十五億林業関係として期待しなければならぬというような状況も出てくるわけでありますが、こういう問題につきましては、今までのような立法だけでは、山梨県としては財政の破綻を来たしてしまうというような状況にあるわけであります。こういう問題につきまして、一つ、山梨県も日本の国民であり、東京へ一緒になってしまえというようなことではなくて、この災害に対して、山梨県の財政破綻を起させないような方向で最善の方法をとっていただけるようなお考えを承わりたいと思います。
    〔丹羽(兵)委員長代理退席、委員
  長着席〕
○福田国務大臣 県の財政につきましては、これは県財政全体として考えなければならぬ問題と思いますが、特別交付税を配付するに当りまして、当該年度におきます災害の状況なんかは十分織り込まなければならぬわけであります。なおまた、災害の復旧の根幹をなすものにつきましては、政府の方でもほとんど全額に近い補助復旧をするわけでございます。あらゆる面におきまして、山梨県もこれは堂々たる県でございますので、努力をいたして参るつもりでおります。
○金丸(信)委員 なお、重複して申し上げるわけでありますが、果樹共済の問題につきまして、先ほどもお聞きしたのですが、農林大臣は先般あるところで、果樹農家は農業共済、果樹共済というものについてはおれたちは反対だというような向きも一部ある、ことに各果樹地帯を視察してみるとその声を一声も聞かない、というようなお話を私はちょっと承わったのですが、実際山梨あるいは長野県の状況というものは、ミカン地帯の果樹栽培業者とは違って零細農家が多いというような状況で、いわゆる農業共済ということも考えなければならぬけれども、あすからどうしようというような結果が、農業共済というものについて意見をはくまでになっておらない。そういう点で、農業共済、果樹共済等につきましては、先ほど来中澤委員からいろいろ質問もありまして、大臣のお考えも承わったわけでありますので、これに対してのお答えを願うわけではありませんが、ぜひ一つ、この果樹共済に対しましては、何とか立法措置なりあるいは制度なりを作っていただけるようなことを私は考えていただきたいと思います。
 また、共済につきまして、先ほど来建物共済の問題も出たわけでありますが、農作あるいは蚕繭共済の損害の評価で、災害のために事務の煩雑をきわめておるわけでありまして、これに対して特別事業費の交付を考えていただきさたい。これはしていただけますか。
○福田国務大臣 共済団体などがこの災害で事務費がふえるという面につきましては、これは特別に政府においても考えております。
○金丸(信)委員 農家の建物の風水害の共済施設を完全にするということにつきましても、先ほど来お話があったのですが、これにつきましては農林省としても一つ速急に再検討していただくようにお考え願いたいと思います。
○福田国務大臣 ただいまのお話につきましては、これは要するに支払資金が組合の方で不足するかどうかという問題だろうと思うのです。これにつきましては、上部系統団体の方で融資をするのが建前でございまして、いろいろ承わっておりますが、その手配は大体ついておるというふうに考えております。
○金丸(信)委員 相澤さんが見えましたからお聞きしたいのですが、いわゆる果樹農家が非常に経済的には内容がいいのだ、だから助成する必要もないのだというようなお考えを何かお漏らしになったように承わるのですが、果樹農家の経済がいいというデータは何かあるのですか。
○相澤説明員 先日、山梨の果樹関係の方が見えました際申し上げましたことは、こういうことであります。それは、山梨県ないし長野県の果樹農家が一般の米作農家に比べて経営の規模なりあるいは経済状況なりがいいということを申し上げたのではないのであります。従来果樹農家に対しまして災害などの場合に非常に国からの助成措置がほかのものに比べて手薄いというのはおかしいではないかというお話に対しまして、私は、前からも申し上げた通り農林省関係は新しいのですが、ただ、長いことそういうことになってきておるのは、やはりそれ相当の理屈があるんじゃないか、農林省としましても、果樹農家と一般の農家を比べました場合に、果樹農家の方が、その作物の特性からいきまして非常に換金しやすいとか、あるいは、経営の規模から申しましても、共済の単位ではなかなか成り立ちかねるという事情もあって、逆に経営の規模としても大きくなっていく、つまり、一般の農家に比べて見ますと、その収益性なりその他の面でいわば経営体として成り立ちやすいような実態があるからこそ、災害の場合にもほかの一般の農家の場合に比べまして国の措置としてはいささか手薄になっているのではなかろうか、そういうふうに思うのだということを申し上げたのです。そこで、蛇足でございますが、たとえば、リンゴとかあるいはブドウの作付面積なりその他がそれではどういうような状況になっているかということを農林省の課長から聞いたわけでありますが、最近の状況を見ましても、リンゴについて申しますと、昭和二十五年の作付面積三万二千町歩が毎年ふえまして、現在、三十二年ですが、五万五千町歩である。それから、ブドウにつきましても、昭和二十五年の四千町歩が三十二年には一万一千二百町歩と約三倍に上っておる。こういったような実態を見ましても、リンゴとかブドウというような果物は、ほかの農作物に比べて有利なるがゆえに、こういう相当急なテンポでその作付面積が伸びているのじゃなかろうか、――これはしろらとの推測で当ってないかもしれませんが、有利だというような実態があったのではなかろうかということを申し上げたわけであります。ですから、山梨あるいは長野の果樹農家につきましても、実態については私の方としまして現在なお十分な調査はできませんが、若干調査をしております。
○金丸(信)委員 なお、これは皆さんに参考に聞いていただきたいと思います。また、それを一つ取り上げていただきたいと思いますが、山梨県の果樹農家の三反から五反まで、五反から七反まで、七反から一町歩まで、一町歩以上というようなデータが出ておりまして、大体三反から五反という農家というものはマイナス千三百十二円ということになっておる。あるいは五反から七反まではマイナス十八万九千五百九十六円という、これは農林省の指示によって県の経済部が調べて作ったものでありますが、ようやく七反から一町歩までが一万九千三百六十二円というプラスになっておるというような状況であるわけでございます。果樹農家が非常に内容がいいのだと申しますが、しかし、果樹農家の中にもその種類によっていろいろ違うと思うのであります。ぜひ一つ山梨なりあるいは長野のリンゴの問題につきましても再検討していただきまして、今の果樹農家というものがほかの農業と比べましていいんだという考え方につきましては一つ是正をしてもらいたい、その上で、助成の問題、あるいは金融の問題につきましても、あるいは施設の問題につきましても格別の御高配を願いたい、こう思うわけでございます。中澤さんからいろいろ質問されまして、私が質問しようと思ったのがみなとられちゃって、質問できなかったのでありますが、私の願いは、山梨の果樹農家というものがかすみを食って生きているわけにはいかないので、食わせるということが政治であろうと私は思うわけでありまして、ぜひ一つその点につきまして最善の努力を願いたいということを申し添えまして、私の質問を終ります。
○吉川委員長 角屋君。
○角屋委員 災害対策の問題につきましては、きのうからきょうにかけまして、小委員会でまとめた各項目に基いて関係各委員からいろいろお尋ねがあったわけでございますが、時間の関係もありまして、私も詳細な点についてはなるべく省略をいたしたいと思います。
 ただ、この機会に農林大臣にまずお尋ねをいたしたいのでございますが、すでに福田農林大臣は大臣就任以来数カ月を経過しておるわけでございますけれども、農林大臣に就任の際に、農政の問題は国民経済全体の中で処理したい、こういうふうなお考えを漏らされたように承わっておりますが、同時に、御承知のように、今昭和三十五年度の予算編成の過程にあるわけでございまして、われわれは大臣の御就任早々にいわゆる福田農政の方針というものについては承わる機会がなかったわけでございますけれども、今度の災害対策の問題に関連して、午前中に私が建設、農林両大臣のおるときにお尋ねをいたしました抜本的な治山治水事業の推進、これはやはり新しい昭和三十五年度の予算を編成するに当っての農政上の一つの骨格になるんじゃないかというふうに思うわけでございます。今度の三十五年度予算の編成に当っての農林大臣としての方針は、承わるところによりますと、生産基盤の強化拡充の問題、あるいは従来あまりいわれなかったですが農村二、三男対策、あるいは農村の生活環境の改善、こういうようなことを打ち出されておるやに聞くわけですが、この機会に、昭和三十五年度の予算編成にあたっての基本的な方針の骨格、あるいはその中で特に災害に関連をいたしまして治山治水の積極的な推進という問題についてどういうふうにお考えであるのか、こういうことをまず承わりたいと思います。
○福田国務大臣 非常に広範な質問でございますので、簡単には申し上げかねる次第でございますが、治山治水につきましては、これは、農林省だ建設省だ、そういう区々たる一省の問題ではなくて、これは政府の、幾つの旗を立てますか、三つとか五つとか立てます中の重要なる項目であるというふうな考えで臨みたいというふうに存じておる次第でございます、従いまして、その一環として、農林省におきましても長期治山対策を立てましてこれに即応して参るというふうに方針をとっておる次第でございます。全体の予算をどうするかという問題についてでございまするが、きょうここで申し上げますのは、どうも時間もだいぶ迫っておるようでありますから、また次の機会に申し上げます。
○角屋委員 それでは、本日は問題を災害の方に進めて参ります。ただいまも大臣が言われましたように、やはり、今後の予算編成の一つの大きな骨格として、最近の災害状況にかんがみましても、抜本的な治山治水対策というものを一つの大きな柱として取り上げて積極的に推進をしていただきたい、こういうふうに考えるのであります。ただ、治山治水対策という問題、国土の総合開発という問題、あるいは治水の問題、利水の問題、こういう単に治山治水対策ということでなしに、今後の国土の総合開発なり、国民経済、産業の発展という全体の中において治山治水の対策がどうあるべきかということになるのは当然だろうと思いますが、そのことはこの程度にいたしておきます。
 そこで、日本の災害問題ということになりますと、まあ今のところ台風は不可避である、こういう宿命的な前提に私は立っておると思います。気象台の専門家の話によりますと、中程度の台風でも水爆十個くらいのエネルギーを持っておる、こういうふうに言われておるそうでございますけれども、これは不可避であるかどうか、科学の力で抜本的に災害の被害をなくし、あるいは台風の進路というものを変更することができるかどうかということは、できれば一つの大きな問題として考えていただければけっこうだと思います。しかし、一応現段階において台風あるいはそういうことに基くところの災害というものはある意味では避けられないという前提に立つ場合においては、災害対策の問題というのは、どうしても抜本的な対策、そして災害が生じた場合の緊急対策、こういうものを併用していかなければならぬということになるだろうと思うのです。
 そこで、災害が起った場合の災害復旧というものに対する政治の責任問題、政治の分担問題ということについて、基本的な考え方をお伺いしたいと思うのですが、いわば政治の理想として、たとえば社会保障の問題については、ゆりかごから墓場までを保障していく、こういうことが言われます。災害の場合においても、災害なかりせば通常の状態でいけるが、災害が起ったために、一夜にして、あるいは数時間にして、全く家財、耕地その他いろんなものを失ってしまう、こういう状態の場合に、一体、災害復旧あるいはその被害に対して、国あるいは地方自治体あるいは各個人というものがどういう責任分担に基いてやるのが本筋であろうか、こういうことがやはり基本的に問題になるだろうと思う。そこで、災害復旧の場合の国庫補助の問題、あるいは融資関係の問題、あるいは災害罹災民の負担問題、こういうことがやはり出てくるだろうと思うのですが、私は、災害のこういう問題については、でき得べくんば政治の責任において、全面的に国あるいは地方自治体の責任において処理する、こういうことが政治の今後の方向でなければならぬと思うのですが、そういう災害復旧に対する基本的な政治の責任問題について大臣の所信をお伺いしたいと思います。
○福田国務大臣 災害の対策といたしましては、やはり、国も公共団体も、また住民も、全部がこれに当らなければならぬというふうに考えております。その当る方法としましては、やはりこれは国が指導的な立場で中心に立ってやるべきである、方法論としますと、やはり保険制度という考え方を各分野に取り入れて参りまして、それによってこれに処するというふうな方向を進めていくべきじゃないかというふうに考える次第でございます。民間におきましてもいろんな制度がありますが、しかし、民間のそういう制度ではカバーできない面も特に農業方面においてはあるわけでありますから、そういう方面には政府が責任を持って介入いたしまして、その備えをするという方向をとるべきものだという考えを持っております。
○吉川委員長 本日の会議はこの程度にとどめます。
 明日は午前中災害の小委員会を開き、午後一時より本委員会を開くことにいたしまして、これにて散会いたします。
    午後五時七分散会