第033回国会 災害地対策特別委員会 第7号
昭和三十四年十一月九日(月曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 南條 徳男君
   理事 江崎 真澄君 理事 田村  元君
   理事 前尾繁三郎君 理事 三田村武夫君
   理事 角屋堅次郎君 理事 佐藤觀次郎君
   理事 塚本 三郎君
      今井  耕君    小川 平二君
      大坪 保雄君    岡本  茂君
      木村 俊夫君    小坂善太郎君
      小島 徹三君    小林かなえ君
      河野 孝子君    坂田 英一君
      世耕 弘一君    田口長治郎君
      田中 正巳君    徳安 實藏君
      中垣 國男君    二階堂 進君
      丹羽 兵助君    服部 安司君
      坊  秀男君    堀内 一雄君
      山手 滿男君    足鹿  覺君
      伊藤よし子君    大野 幸一君
      太田 一夫君    岡本 隆一君
      金丸 徳重君    田中幾三郎君
      堂森 芳夫君    中島  巖君
      横山 利秋君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
        農 林 大 臣 福田 赳夫君
        建 設 大 臣 村上  勇君
        国 務 大 臣 石原幹市郎君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        長)      奧野 誠亮君
        大蔵政務次官  奧村又十郎君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石原 周夫君
        文部政務次官  宮澤 喜一君
        厚生政務次官  内藤  隆君
        農林事務官
        (大臣官房長) 齋藤  誠君
        農林事務官
        (農林経済局
        長)      坂村 吉正君
        農林事務官
        (農地局長)  伊東 正義君
        林野庁長官   山崎  齊君
        水産庁長官代理 高橋 泰彦君
        建設政務次官  大沢 雄一君
        建設事務官
        (計画局長)  關盛 吉雄君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山本 三郎君
        建 設 技 官
        (住宅局長)  稗田  治君
 委員外の出席者
        議     員 伊藤よし子君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        長)      清野  保君
        運輸事務官
        (鉄道監督局民
        営鉄道部長)  石井  健君
    ―――――――――――――
十一月九日
 委員二階堂進君及び八木一男君辞任につき、そ
 の補欠として増田甲子七君及び岡本隆一君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた
 農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案(
 内閣提出第二号)
 昭和三十四年七月及び八月の豪雨、同年八月及
 び九月の暴風雨又は同年九月の降ひようによる
 被害農家に対する米穀の売渡の特例に関する法
 律案(内閣提出第三号)
 昭和三十四年九月の風水害を受けた漁業者の共
 同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別
 措置法案(内閣提出第四号)
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月
 の風水害を受けた中小企業者に対する国有の機
 械等の売払等に関する特別措置法案(内閣提出
 第七号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害を受けた地域における公衆衛
 生の保持に関する特別措置法案(内閣提出第八
 号)
 昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた社
 会福祉事業施設の災害復旧費に関する特別措置
 法案(内閣提出第九号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害を受けた都道府県の災害救助
 費に関する特別措置法案(内閣提出第一〇号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害を受けた者に対する母子福祉
 資金の貸付に関する特別措置法案(内閣提出第
 一一号)
 中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第一二号)
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月
 の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融
 通等に関する特別措置法案(内閣提出一三号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害を受けた地域における失業対
 策事業に関する特別措置法案(内閣提出第一四
 号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害並びに同年八
 月及び九月の風水害に関する失業保険特例法案
 (内閣提出第一五号)
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月
 の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法
 律案(内閣提出第一六号)
 昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた
 伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に
 関する特別措置法案(内閣提出第一七号)
 天災による被害農林漁業者等に対する資金の融
 通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一九号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水書を受けた地方公共団体の起債
 の特例等に関する法律案(内閣提出第二〇号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害を受けた市町村職員共済組合
 の組合員に支給する災害見舞金の額の特例に関
 する法律案(内閣提出第二一号)
 昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆(
 たい)積土砂及び湛(たん)水の排除に関する
 特別措置法案(内閣提出第二二号)
 昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月
 の風水害を受けた公立の学校等の建物等の災害
 復旧に関する特別措置法案(内閣提出第二三
 号)
 昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた私
 立学校施設の災害復旧に関する特別措置法案(
 内閣提出第二四号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害に際し災害救助法が適用され
 た地域における国民健康保険事業に対する補助
 に関する特別措置法案(内閣提出第二五号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害を受けた農林水産業施設の災
 害復旧事業等に関する特別措置法案(内閣提出
 第二六号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害を受けた公共土木施設等の災
 害復旧等に関する特別措置法案(内閣提出第二
 七号)
 昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月
 及び九月の風水害により被害を受けた者の援護
 に関する特別措置法案(伊藤よし子君外十四名
 提出、衆法第一号)
     ――――◇―――――
○南條委員長 これより会議を開きます。去る六日及び七日に付託になりました内閣提出の十件の法律案、及び去る七日に付託になりました伊藤よし子君外十四名提出の法律案につきまして、順次提案理由の説明を求めることにいたします。
 まず、昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法案、昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置法案及び昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案、以上三案の趣旨説明を求めます。村上建設大臣。
    ―――――――――――――
○村上国務大臣 ただいま議題となりました昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、本年九月の台風第十五号により伊勢湾等に面する地域におきましては、海岸及び海岸付近の河川が高潮等のため著しい災害を受け、これが後背地の人的、物的被害を甚大ならしめる原因となったのであります。
 政府といたしましては、これらの災害の状況にかんがみ、伊勢湾等に面する地域における海岸または河川について、高潮等による災害を防止するため、これらの施設の新設、改良及び災害復旧の事業を行なう場合には、それらの事業を特に伊勢湾等高潮対策事業として総合的かつ強力に推進することとし、その事業費についての国の負担等に関し、特別の措置を講ずることといたしたのであります。
 以上が、この法律案を提出した理由でありますが、次に、その要旨を御説明申し上げます。
 まず、地方公共団体もしくはその機関または土地改良区が、伊勢湾等に面する政令で定める地域において、台風第十五号により著しい災害を受けた海岸または河川及びこれらに接続し、かつ、これらと同様の効用を有する海岸または河川について、高潮、暴風、洪水その他の異常な天然現象により生ずる災害を防止するため必要な政令で定める施設の新設、改良及び災害復旧に関する事業を施行する場合におきましては、これを伊勢湾等高潮対策事業として、国は、その事業に要する費用の一部を負担するものとし、その負担率について特別の措置をとることといたしました。すなわち、その負担率は、事業費の総額を災害復旧事業に相当する部分に要する費用の額及びその他の部分に要する費用の額に区分し、災害復旧事業に相当する部分については、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法またはその特別措置法等を適用した場合における国庫負担率を、その他の部分については他の法令の規定によれば国の負担率または補助率が十分の八以上である場合にはその率、それ以外の場合には十分の八をそれぞれ乗じて算定した額の事業費総額に対する率とすることといたしました。また、伊勢湾等高潮対策事業を、国が直轄で施行する場合における地方公共団体の費用負担の割合につきましても、同様にその負担を軽減する措置を講ずることといたしております。
 次に、伊勢湾等高潮対策事業の施行に関して必要な他の法令の改正を行なったことであります。すなわち、伊勢湾等高潮対策事業は、工事の規模、工期等から見て、国が直轄または委託を受けて施行することが必要であると考えられますので、建設省設置法及び行政機関職員定員法の一部を改正し、建設省中部地方建設局に臨時に海岸部を設置するとともに、建設省の定員を二百名増員することといたしたのであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆積土砂及び湛水の排除に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 本年八月及び九月の暴風雨のため、各地におきまして河川、海岸堤防等の決壊あるいは土砂の崩壊等により、市街地または農地等に異常に多量の土砂が堆積し、また、河水、海水等が流入して長期にわたる浸水状態を呈している状況であります。これらの土砂及び湛水の排除につきましては、地方公共団体等において鋭意その促進をはかっておりますが、被災地方公共団体等の財政事情等の理由から、必ずしも円滑な進捗を見ていない現状であります。
 政府といたしましては、かかる状況にかんがみ、被害激甚地域における堆積土砂及び湛水排除事業の早急な実施をはかることとし、これらの事業を施行する地方公共団体等に対する国の補助について特別の措置を講じ、災害の復旧を促進することといたしたのであります。
 以上が、この法律案を提案した理由でありますが、次に、その要旨を御説明申し上げます。
 まず、この法律にいう堆積土砂は、昭和三十四年八月及び九月の暴風雨に伴い発生した土砂等の流入、崩壊等により被害地域内に堆積した異常に多量の泥土、砂れき、岩石、樹木等をいうものとし、また、湛水は、昭和三十四年八月及び九月の暴風雨に伴い被害地域内に浸入した水で、浸水状態が一定の程度以上にわたっているものをいうこととし、被災地域、堆積土砂の量、浸水状態の程度等は政令でこれを定めることといたしました。
 第二に、地方公共団体等が河川、道路、公園、林業用施設、漁場等の区域内にある堆積土砂の排除事業を施行するときは、国は当該事業費の十分の九を補助することができることといたしました。ただし、その堆積土砂の排除事業が、予算上国の補助の対象となる他の災害復旧事業の一環としてこれに付随して行なわれる場合または公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法その他の法令により国がその費用の一部を負担し、または補助することができる災害復旧事業として行なわれる場合には、それぞれの災害復旧事業として堆積土砂の排除を行なうこととし、この法律による補助は行なわないことといたしました。
 第三に、河川、道路等の区域以外の私有地等に堆積している土砂等につきましても、指定場所に取り集められたもの、またはこれを放置することが公益上重大な支障があると認められるものにつきましては、市町村が排除事業を施行する場合におきましては、その事業費の十分の九を補助することができることといたしました。
 第四に、地方公共団体等が湛水の排除事業を施行するときは、国は、当該事業費の十分の九を補助することができることといたしました。
 なお、堆積土砂の排除事業につきましては、林業用施設及び漁場にかかるものにあっては農林大臣、その他の施設にかかるものにあっては建設大臣、湛水の排除事業につきましては、政令で定める区分に従い、農林大臣または建設大臣がそれぞれ主務大臣として補助金の交付の事務等を行なうことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
 次に、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 本年七月及び八月の水害並びに八月及び九月の風水害は、国土の大半に激甚な被害を与え、これによる人的、物的被害はまことに甚大なものがあったのでありますが、そのうちでも公共土木施設の被害は特に大きく、その被害報告額は約一千五百億円の巨額に上っている状況であり、これらの甚大な災害を受けた地方公共団体は、その復旧に多大の経費の支出を余儀なくされている現状であります。政府といたしましては、かかる地方財政の現状にかんがみ、激甚な災害を受けた地方公共団体における公共土木施設の災害復旧事業等を促進するため、公共土木施設の災害復旧事業費に対する国庫負担率を引き上げる特別措置を講ずるとともに、再度災害の防止のため、災害復旧事業と合併して施行する災害関連事業に対する国の負担率または補助率に関する特例を設け、あわせて、これらの災害に関し、使用した水防資材の費用について国が補助を行なう措置を講ずることといたしたのであります。
 以上が、この法律案を提出した理由でありますが、次に、その要旨について御説明申し上げます。
 まず、本年七月及び八月の水害または八月及び九月の風水害を受けた公共土木施設のすみやかな復旧をはかるため、公共土木施設災害復旧事業に関する国の負担について特別の措置を定めたことであります。すなわち、これらの水害または風水害であって政令で定める地域に発生したものに関する公共土木施設の災害復旧事業費に対する国の負担率を引き上げ、本年七月及び八月の水害または八月及び九月の風水害の災害復旧事業費の総額のうち、当該地方公共団体の昭和三十四年度の標準税収入の二分の一に相当する額までの額については十分の八、標準税収入の二分の一をこえ標準税収入に達するまでの額に相当する額については十分の九、標準税収入をこえる額に相当する額については十分の十をそれぞれ乗じて算定した額の当該災害復旧事業費の総額に対する率を国庫負担率とし、地方公共団体の災害復旧に関する財政負担を軽減して、災害復旧事業の推進をはかることといたしております。また、国が直轄で施行する災害復旧事業に対する地方公共団体の費用負担についても、同様の趣旨により、その負担を軽減する措置を講ずることといたしました。
 第二に、再度災害を防止するため、地方公共団体またはその機関が災害関連事業を施行する場合における国の負担または補助について特別の措置を定めたことであります。すなわち、地方公共団体またはその機関が、これらの水害または風水害であって政令で定める地域に発生したものに関し、災害復旧事業を施行する場合において、災害復旧事業の施行のみでは再度災害の防止に十分な効果が期待できないと認められるため、これと合併して施行する必要のある公共土木施設の新設または改良工事を施行するときは、国は、その事業費の三分の二を負担し、または補助することとし、再度災害の防止に遺憾なきを期することといたしました。
 第三に、これらの水害または風水害であって政令で定める地域に発生したものに関し、都道府県または水防管理団体が水防のため使用した資材に関する費用については、国は、予算の範囲内でその費用の三分の二を補助することができることといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○南條委員長 次は農林省関係で、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案及び昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案、右両案の趣旨説明を求めます。福田農林大臣。
    ―――――――――――――
○福田国務大臣 まず、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 この改正法律案の内容のおもなる点を要約いたしますと、次の三点であります。
 第一点は、被害農業者の定義に関するものであります。現在、経営資金を借り入れることができる被害農業者及び特別被害農業者は、農作物または繭について被害を受けたものに限られております関係上、家畜または家きんを飼養している農家が被害を受け、畜産物による収入が減少いたしました場合にも被害額及び損失額に算入されないこととなっており、不均衡を生ずる場合もありますので、この点を是正するため、新たに畜産物被害を被害額及び損失額に算入することといたした次第であります。
 第二点は、経営資金の使途に関するものであります。現在、経営資金の使途は、種苗、肥料、飼料、薬剤、農機具、薪炭原木、シイタケ、ほだ木、漁具、稚魚、稚貝、餌料、漁業用燃油等の購入資金、炭がまの構築資金、その他農林漁業経営に必要な資金とされておりますが、家畜または家きんの購入資金、小型漁船の建造または取得に必要な資金を貸し出すことができることとする必要がありますので、これを経営資金の使途として追加いたすものであります。
 第三点は、本年七月及び八月の豪雨並びに同年八月上旬及び中旬並びに九月の暴風雨により被害を受けました一定区域内の被害農林漁業者に対して貸し出される経営資金について、二つの特例を設けるものであります。
 その第一は、貸付限度額の引き上げであります。すなわち、畜産専業農家に家畜または家きんの購入または飼養に必要な資金として貸し付けられる場合及び真珠またはウナギの養殖に必要な資金として貸し付けられる場合は五十万円、果樹栽培をおもな業務とする農家に果樹栽培に必要な資金を含めて貸し付けられる場合及び家畜または家きんの購入または飼養に必要な資金を含めて貸し付けられる場合は三十万円、一般農林漁業者に貸し付けられる場合は二十万円と、それぞれ大幅に貸付限度額を拡大し、もって伊勢湾台風等による被害農林漁業者に対する資金の融通に遺憾のないようにいたしたいと存ずるのであります。
 次は、償還期限の延長であります。すなわち、果樹栽培のために必要な資金は、他の資金に比し、かなりの長期を必要といたしますことから、償還期限を延長する必要がありますので、果樹栽培をおもな業務とする農家に果樹栽培に必要な資金を含めて貸し付けられる場合の償還期限を七年とするものであります。
 以上が、この法律案を提案いたす理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
 次に、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた農林水産業施設の災生復旧事業等に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 本年七月、八月及び九月に発生いたしました水害及び風水害は、多大の損害を与えたのでありますが、農林水産業施設のこうむりました被害も、またきわめて大きかったのであります。農林水産業の施設の災害につきましては、従来、政府は、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基づく助成を中心として、その復旧の促進をはかってきたところであります。すなわち、この暫定措置法によりますと、国は、農地及び農業用施設の災害復旧事業につきまして、それぞれ十分の五、十分の六・五、林道の災害復旧事業につきまして十分の五または十分の六・五、共同利用施設の災害復旧事業につきまして十分の二の比率による補助をすることができることとされており、さらに、その年に発生した災害により甚大な被害を受けた地域につきましては、その被害を受けた農地、農業用施設及び林道の災害復旧事業費のうちの一定の部分につき、通常よりも高率の補助をすることができることとされているのであります。しかしながら、本年七月、八月及び九月に発生いたしました風水害等は、伊勢湾台風のようなその被害の程度のきわめて大なるものを含みますと同時に、数次の災害に相次いで見舞われたため、甚大な打撃をこうむった地域が数多く生じているのであります。とりわけ、農林水産業施設ははなはだしい被害を受け、このため、農林漁家は多大の困難に遭遇し、農林水産業の生産に支障を来たしている実情であります。このような事態に対処いたしまして、一日も早く被災施設の復旧をはかり、農林水産業生産の回復を促進することは、焦眉の緊要事でございます。
 この法律案は、このような理由に基づきまして、被害激甚地の農林水産業施設の災害復旧事業につきまして、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の特例を定め、農地、農業用施設、林道及び共同利用施設につき国が高率の補助を行なう道を開くとともに、新たに、開拓地の入植施設及び水産動植物の養殖施設の災害復旧事業並びに災害関連事業に対して国が高率の助成を行なおうとするものであります。
 以下、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 まず、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の特例について申し上げますと、農地、農業用施設及び林道につきまして、被害激甚地の補助率を十分の九に引き上げるほか、共同利用施設につきまして、被害激甚地内のものについては、補助率を十分の九に引き上げるとともに、補助対象事業の最低額を三万円に引き下げ、その他の地域の共同利用施設においても、今次風水害にかかるものについては、補助率を十分の五に引き上げることとしております。
 なお、農地、農業用施設及び林道の補助率の引き上げに関しましては、現行の暫定措置法による高率補助の方が十分の九よりも有利になる地域については、現行法を適用することとしております。
 次に、開拓地の入植施設及び水産動植物の養殖施設の災害復旧事業に対する助成につきましては、被害激甚地について、一施設の工事の費用が三万円以上のものにつき、十分の九の比率による補助を行なうこととしております。
 最後に、災害関連事業につきましては、被害激甚地において、再度災害を防止するために災害復旧事業と合併して行なう必要のある農地用施設または林道の新設または改良の事業について、三分の二の比率による補助を行なうことにより、再度災害の防止に万全を期そうというものであります。
 以上の措置によりまして、被害激甚地における農林水産業施設等の災害復旧を促進し、もって被災農林漁業者の経営安定に資するとともに、農林水産施設についての再災害の発生を防止することができるようになると存じます。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げる次第であります。
○南條委員長 次は、自治庁関係で、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた市町村職員共済組合の組合員に支給する災害見舞金の額の特例に関する法律案、右両案の趣旨説明を求めます。石原国務大臣。
    ―――――――――――――
○石原国務大臣 ただいま議題となりました、昭和三十四年七月及び八月の水害又は八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 本年度の風水害の被害が甚大なるにかんがみ、おおむね昭和二十八年度の風水害に準じて、国において特例措置を講ずる必要があるのでありまして、その一環としてこの法律は、本年七月、八月の水害または八月、九月の風水害を受けた地方公共団体に対し、地方債発行の特例を認め、さらに公共土木施設、公立学校施設、農地その他の農林水産業施設等の小災害復旧事業の経費に充てるため発行が許可された地方債について国が一定率の元利補給を行ない、もってこれらの地方公共団体における財政運営の円滑化をはかろうとするものであります。以上が本法律案の提案の理由であります。
 次に、本法律案の内容の要旨につきまして御説明申し上げます。
 第一は財政収入の不足を補うため、または災害対策の財源とするための地方債でありまして、地方財政法第五条の特例として発行を認めようとするものであります。その発行の目的は、地方税、使用料、手数料その他命令で定める徴収金の減免による歳入の不足を補うため、または災害救助対策、伝染病予防対策、病虫害駆除対策、救農土木対策その他命令で定める災害対策に要する経費に充てるためであります。
 また、発行のできる地方公共団体は、災害を受けた地方公共団体のうち政令で定めるものとしておりますが、政令指定の基準といたしましては、昭和二十八年、二十九年、三十年及び昨年の前例に準じまして、当該地方公共団体の区域で行なわれる公共土木施設等の直轄及び補助災害復旧事業費の合計額が当該団体の標準税収入をこえる場合か、または災害救助法による救助に要した費用が当該市町村の標準税収入の百分の一に相当する額をこえる場合かのいずれかに該当する地方団体とする予定であります。
 第二に、公共土木施設及び公立学校施設の小災害復旧事業債の元利補給でありますが、これは、公共土木施設については、一カ所の工事の費用が都道府県及び五大市では十万円以上十五万円未満、その他の市町村では五万円以上十万円未満、公立学校施設については、一学校ごとの工事の費用が十万円をこえる災害復旧事業に対して発行が許可された地方債について、国がその元利償還金の百分の三十八・二に相当する額、特に被害の著しいところにありましては三分の二に相当する額の元利補給を行なおうとするものであります。対象となる団体の指定は政令にゆだねられておりますが、通常の指定団体は、先ほど申し上げました地方税等の減免補てん及び災害対策費に充てるための特例債を起こすことのできる団体指定の場合に準ずる予定であります。
 被害の著しいところの指定につきましては、公共土木の補助事業について高率適用となる地域の指定方法を参考として、これに準じた基準を設ける予定であります。
 第三に、農地等の小災害復旧事業債の元利補給について申し上げます。これは、農地その他の農林水産業施設の被害の大きな地域を包括しております市町村で政令で指定するものが行なうこれらの施設の災害復旧事業のうち、一カ所の工事の費用が三万円以上十万円未満のものに対して、農地につきましてはその経費の百分の五十、その他の農林水産業施設につきましては百分の六十五に相当する額の範囲内で、特に政令で指定する被害の著しい地については、いずれも百分の九十の範囲内で発行が許可されました地方債につき、国がその償還について元利補給を行なおうとするものであります。
 対象市町村の政令指定基準としましては、補助事業と小災害を合わせました農林水産業施設災害復旧事業費が一定額をこえる市町村とし、被害の著しいところの指定につきましては、農林関係の補助事業について高率適用となる地域の指定方法を参考として、これに準じた基準を設ける予定であります。
 第四に、この地方債の資金は、資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって充てるものとし、また、その地方債の利息の定率及び償還方法は政令で定めることといたしております。
 以上が、昭和三十四年七月及び八月の水害又は八月及び九月の風水害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた市町村職員共済組合の組合員に支給する災害見舞金の額の特例に関する法律案の提案理由とその概要を御説明申し上げます。
 現行の市町村職員共済組合法におきましては、組合員が水震火災その他の非常災害によりその住居または家財に損害を受けたときは、損害の程度に応じて給料の三月ないし〇・五月の月数を乗じて得た額を災害見舞金として支給することとなっているのでありますが、この法律案は、本年度の災害による被害がきわめて広範な地域にわたり、かつ、激甚であったことにかんがみ、この災害見舞金の額について特例を設けようとするものであります。
 すなわち、昭和三十四年七月及び八月の水害または同年八月及び九月の風水害を受けた政令で定める地域のうち、組合の規約で指定するもののうちにある住居または家財について災害により損害を受けた市町村職員共済組合の組合員に対する災害見舞金について、法定の額に給料の二月分の範囲内で規約で定める月数分を加えた額の割増しをしようとするものであります。なお、政令で定める地域は、災害救助法の適用があった市町村を指定することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○南條委員長 次に、文部省関係で、昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公立の学校等の建物等の災害復旧に関する特別措置法案、及び、昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた私立学校施設の災害復旧に関する特別措置法案、右両案の趣旨説明を求めます。宮澤政務次官。
    ―――――――――――――
○宮澤政府委員 ただいま議題になりました、昭和三十四年八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を受けた公立の学校等の建物等の災害復旧に関する特別措置法案について、提案の理由と内容の概要を御説明いたします。
 今年八月の水害または八月及び九月の風水害による公立の教育施設の被告は、ほとんど全都道府県にわたっており、その被害総額も膨大な額となっております。現在、公立学校の災害復旧に対しましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の定めがあり、一般的にはこの法律の適用により災害復旧の促進がはかられているのでございますが、今回の災害の特色からいたしまして、この法律の適用だけでは早期の復旧がきわめて困難な状況と考えられます。また、公立の社会教育施設の災害復旧につきましては、公立学校施設の災害復旧に関する一般法の定めもございませんので、これらの社会教育施設の災害復旧はさらに困難であると考えられるのであります。従いまして、この災害復旧については、国としても格別の措置を講じ、被災施設の早急な復旧をはかりたいと考える次第でございます。これがこの法律案を提出する理由でございます。
 次にこの法律案の内容の概略を申し上げます。
 第一に、この法律案は、昭和三十四年八月の水害または八月及び九月の風水害による公立の学校または社会教育施設の災害復旧につきまして、政令で特に指定する地域については、それぞれ政令で定めるところにより、公立学校の建物等の災害復旧に要する経費に対する国の負担割合を特に四分の三といたし、公立の社会教育施設の建物等の災害復旧に要する経費に対しては国はその三分の二を補助することができることといたしております。
 第二に、経費の算定方法について、原形復旧を基準としながら、これが不適当な場合等におきましては、改良復旧もできることといたしております。
 なお、このほか、用語の定義、経費の種目、都道府県への事務費の交付等、所要の規定を設けております。
 以上がこの法律案の提案の理由と内容の概要でございます。
 次に、同じく議題となりました、昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた私立学校施設の災害復旧に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 本年八月及び九月の台風による伊勢湾周辺及びその他の地域における被害は著しく、私立学校施設につきましても多大の損害を生じたのであります。政府といたしましては、そのすみやかな復旧をはかり、学校教育の円滑な実施を確保いたしますために、これらの私立学校施設の災害復旧費につきまして、国庫補助等の特別の措置を講ずる必要があると考えまして、この法律案を提出いたした次第であります。
 次に法律案の内容の概要を申し上げます。
 第一は、昭和三十四年八月及び九月の風水害を受けた地域のうち政令で定める地域における私立学校施設の災害復旧に要する経費につきまして、政令で定めるところにより、その二分の一の国庫補助を行なうことができることを規定したことであります。
 第二は、災害復旧のための工事費は、原形に復旧するものとして算定することといたしておりますが、場合によっては、いわゆる代替復旧もこれに含めて算定することができることとしております。
 第三は、私立学校振興会の業務の特例を設けまして、今回の災害を受けた私立の学校については、学校法人以外の者が設置する学校についても災害復旧に必要な資金の貸付を行なうことができることを規定したことであります。
 なお、このほか、用語の定義、経費の種目、都道府県への事務費の交付等について所要の規定を設けております。
 以上がこの法律案の提案の理由と内容の概要であります。
 以上二法律案につきまして、何とぞ十分御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
○南條委員長 次は、厚生省関係で、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害に際し災害救助法が適用された地域における国民健康保険事業に対する補助に関する特別措置法案の趣旨説明を求めます。内藤厚生政務次官。
    ―――――――――――――
○内藤(隆)政府委員 ただいま議題となりました、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害に際し災害救助法が適用された地域における国民健康保険事業に対する補助に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 まず第一に、この法律案は、本年七月及び八月における水害または本年八月及び九月における風水害に際しまして災害救助法が適用された全地域において国民健康保険事業を行なう保険者を対象としているのであります。
 次に、これらの保険者が、被災者に対して保険料または一部負担金の減免をした場合、その額が昭和三十四年度の保険料または一部負担金の百分の五以上に達したときに補助金を交付しようとするものであります。
 第三に、この補助金は、右の減免額の十分の八相当額から、現行制度の特別調整交付金のうち災害による減免額をもとにして保険者に交付される額を差し引いた額を交付しようとするものであります。
 以上の措置によりまして、災害を受けた地域の国民健康保険事業を円滑、かつ健全に運営しようとするものであります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○南條委員長 次に、伊藤よし子君外十四名提出の、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害により被害を受けた者の援護に関する特別措置法案の趣旨説明を求めます。伊藤よし子君。
    ―――――――――――――
○伊藤(よ)議員 私は、日本社会党を代表して、わが党提出の、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害により被害を受けた者の援護に関する特別措置法案に関しまして、提案の理由及び内容のおもな点を御説明申し上げたいと思います。
 申し上げるまでもなく、去る九月に東海地方を襲った第十五号台風の被害は、戦後最大のものであり、あらためて台風による災害の常襲地帯であるわが国の実情というものを考えさせられたわけでございます。家、田畑など財産を流され、親兄弟、夫や妻に死なれていまだに生活に立ち上がることができず、日々を辛うじて過ごしている人人は、今日なお多きを数えております。政府の出された資料を見ましても、七号、十四号、十五号の三つの台風によって受けた被害状況は、罹災世帯は実に四十万世帯をこえ、家屋の全壊、半壊、流失は十五万棟、床上及び床下浸水に至っては、六十三万棟にも達しておるのでございます。こうした気の毒な人々に対しましては、災害救助法が発動されまして、とりあえずのたき出しとか、被災者が雨露をしのぐ程度のことはなされております。また、各地の同胞からあたたかい救援物資が送られて、被災者の一部には配給されております。しかし、災害救助法の建前を考えますと、これはもともと非常災害に対しての応急的な救助が目的でありまして、せいぜい、比較的富裕な自治体におきまして、最低限度に必要ななべ、かまや当座の衣類が支給されている程度でございます。この発動の期間も、十五号台風のように特に被害が甚大でかつ長期的な場合を除きましては、二週間なり三週間程度の短い期間に限られております。現実に災害救助法の適用されておる地域の実情を見ますと、法律に規定する程度のたとえば被服、寝具その他生活必需品の給与とか、医療や生業に必要な資金の給与とか、あるいは災害にかかった住宅の応急処理等は、ほとんど実施されていないようであります。確かに医療救護班で負傷程度の手当はしてもらえますが、水に長い時間浸って風邪を引いたとか肺炎を起こしたとかということになれば、近所の医療機関で手当をしてもらわなければなりません。その費用はもちろん、被災者負担でございます。床上浸水で水の引いた後の家は、壁がくずれ落ちて、夜など寒くて寝られません。そこで家の周辺から板切れを拾ってきて、ともかくも破れたところに打ちつけて寒さを防いでいると、もう災害救助法による住宅補償をやってもらえない、これが実情であります。生業に必要な資金の給与などというものは、ごく一部の例外を除いてはまずないと言ってよろしいのでございます。
 このように一、二の例を見て参りますと、災害救助法の運用というものが全くその場しのぎの応急措置にとどまっていることがわかるのでございます。これは法そのものの建前が応急措置を目的とするものでありますから、やむを得ないと言えばそれまででございますが、なお行政運用上の問題として大いに不備の存するところでございます。
 私ども日本社会党といたしましては、こうした不備を是正するために、別途に災害救助法の改正を検討しているわけでございますが、ともかく、災害救助法があくまで応急措置を目的とするものであり、被災者の立ち上がりのために何らかの措置をとり得るものでないこと、また現実にそのように運用されていないことは明白でございます。しかし、被災者が現実に今求めているのは、痛ましい被災の跡から生活の再建に立ち上がることであり、そのための跳躍台でございます。すなわち、風水害によって破壊された生活の基盤を、とりあえず最低限度、正常に戻すための必要な資金でございます。災害地におきましては、各種法律の特別措置法が設けられまして、特に事業資金の融通については、たとえば被害中小企業に対する資金の融通等に関する特別措置法や、農林漁業者等に対する天災融資法などの法的措置がございます。また、住宅につきましても特別ワクによる資金融通が行なわれております。その他、被災に伴う特別措置は数多くあるわけでございますが、これらの根本である被災者あるいは被災世帯の立ち上がりのための生活資金は何ら考慮されていないのが現状でございます。
 災害救助法がこのような意味で生活の再建を援護する任務にたえ得ないことは、すでに申し述べた通りでございます。もしかかる事態を放置するならば、被災によって資産を失い、立ち上がる機会を失った人々の中には、ついには生活保護を受けざるを得ない立場に追い込まれる人も多々発生するであろうことは、火を見るよりも明らかでございます。市町村の窓口では世帯更生資金などの貸付ワクもあるわけでございますが、現実にこれら貸付資金の運用状況を見ますと、財源そのものが言うに足りないほど乏しい上に、保証人その他の貸付条件がきびしく、また事務的にめんどうなために、何かと混雑した被災現地におきましてはほとんど用をなしていないのが現状でございます。罹災証明書を持って役所に行けば、直ちに必要な資金の貸付なり何なりの措置が迅速にとられる、そういう機動的な行政の体制を、今被災者は切実に望んでいるわけでございます。従いまして、台風の甚大な被害が一般世論の批判と関心を喚起いたしておりますこの際、被災世帯の立ち上がりのための生活資金貸付、見舞金の支給、死亡者に対する弔慰金の支給、災害時の負傷、疾病の治療費についての国庫補助等を中心とする生活の援護と自立更生のための特別措置がぜひとも必要であろうと思うのでございます。
 これが本法律案を提案いたすおもなる理由でございます。
 次に内容の大綱を御説明申し上げたいと存じます。
 第一に本法の目的でございますが、これは右に述べました趣旨に基づきまして、被災者に対し必要な援護を行ない、かつ、新たな生活に再出発できるよう、その自立更生に資することを目的とすることをはっきり明記いたしました。
 第二に、被災者の範囲でございますが、これは政令で被災地域を指定いたしまして、その地域で風水害の被害を受けた者といたしました。この中には、本人あるいは当該世帯は直接被災しなくても、たとえば勤務先の会社、工場がつぶれて生活の方途を失ったような場合で、しかも失業保険制度の適用を受けていない場合も含むことにいたしました。
 第三に、生活資金といたしまして十万円をこえない範囲で、市町村が被災世帯及び前に述べましたような間接の被災で生活の方途を失った世帯に対し、貸付をすることができるようにいたしました。この際の貸付金は、無利子とし、その据置期間を貸付の日から起算して二年といたしまして、償還期間は据置期間を含みまして十二年以内といたしたのでございます。問題は生活資金の貸付を受ける資格でございますが、本法案の趣旨といたしましては、被災地の現状にかんがみ、原則として市町村の発行する罹災証明書の有無によって資格を定めることにいたしたのでございます。
 第四に、この貸付に要する財源は、当該市町村において地方債を起こしまして、その地方債を国が資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって全額をまかなうことといたしました。
 第五に、国は政令で基準を定めまして、地方債の毎年度分の利子に相当する額の利子補給金及び貸付金を貸し付けたことによって受けた損失の十分の九に相当する額の損失補償金を当該市町村に交付することにいたしました。
 第六に、国は被災地域で風水害により被害を受けた世帯の世帯主に対し、政令で定める基準に従いまして、一律に三万円の見舞金を支給することといたしました。
 第七に、国は、風水害によって死亡した者に対して一万円から三万円までの弔慰金を支給することにいたしました。この際、風水害によって負傷したり疾病にかかったりして、この法律の施行の日から起算して一カ月を経過する日までに死亡した者についても同様の扱いをすることといたしております。
 第八に、風水害によって負傷したり疾病にかかった者が診療、手当、薬剤の支給を受けた場合は、厚生省令で基準を定めまして、患者が現に支払った自己負担分を国が肩がわりすることができるようにいたしました。ただし、この医療費支給期間は、本法律施行後六カ月の期間に限定いたしたのでございます。
 第九に、見舞金、弔慰金及び医療費につきましては、被災者の最低限度の生活保持と自立更正のための費用でありますから、所得税の課税対象から除外したわけでございます。
 最後に、生活保護との関係でございますが、弔慰金につきましては、生活保護における収入認定から除外し、併給できるような行政措置を講ずべきでございます。見舞金につきましても、第一条の目的にいう被災者の自立更生に資するための最低限度の費用でございますから、生活保護法の自立助長の趣旨に合致いたすわけであり、当然併給とすべき性質のものでございます。従いまして、これも併給できるよう行政措置を講ずべきでございます。
 以上で本法律案の大綱の説明を終わりますが、最後に一言だけ申し上げたいことがございます。それは、たといいかなるよい法律ができましても、その法律を運用する行政機関と行政担当者に、ほんとうに被災者の身になって考えるあたたかい心と、それに伴う予算の裏づけがない限り、せっかくの法律上の条文が空文に終わることがあるということでございます。現に、私が先ほど例をあげて申し上げましたように、災害救助法が発動されましても、救助の実態を見ますと、法律で明記されている水準からなおほど遠いのでございます。また、生活の援護に関係の深い生活保護法の運用を見ましても、災害など急迫時の適用条件緩和を規定する第四条三項は、現実の運用の面ではいかようにも幅広く解釈できるのでありまして、この法律の効果いかんはかかって中央から地方にわたる行政担当者の意思と心にあるのでございます。本法律案の提案にあたりまして、特にこの点を御指摘申し上げ、行政府のあたたかい措置と御指導をお願い申し上げる次第でございます。
 何とぞ、十分なる御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。(拍手)
○南條委員長 午前の会議はこの程度とし、暫時休憩いたします。
    午前十一時三十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五十八分開議
○南條委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出の、昭和三十四年九月の暴風雨により塩害を受けた農地の除塩事業の助成に関する特別措置法案外二十二件、及び伊藤よし子君外十四名提出の、昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害により被害を受けた者の援護に関する特別措置法案を一括議題とし、質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。
 江崎真澄君。
○江崎委員 当委員会におきましては、一昨日の委員会において、現在まだ水没している地帯、そこには八万人余の住民が非常に深刻な不安にさらされております、そこで、一時も早く、それこそ不可能を可能として、何が何でも締め切りを完遂してもらわなければならないということで、満場一致の決議いたしたのであります。国会の決議というものは、当然政府においては最高の取り扱いをしておられるはずでありますが、あの決議が満場一致で通過いたしまして以来、どういう処置をおとりいただきましたのか、まずこの点を承りたいと思います。
○村上国務大臣 一昨日の当委員会における満場一致の御決議に対しましては、直ちにその御決議の趣旨を現地の責任者に伝えまして、その趣旨にのっとって、あくまでも、たとい一日でも二日でも何日でも、いかなる方法をしてでも、これが排水あるいは固定個所の締め切り工事に対して十分促進をはかるようにという厳命をいたしたのであります。従いまして、現地から本朝参りました報告によりますと、相当私どもの趣旨が徹底し、御要望に沿ったような手配がなされているようであります。
○江崎委員 現地からの連絡及び新聞等の報道によりますと、いわゆる海部郡の北部の締め切り――これは南部でございませんからお間違いいただきませんように願いたいのですが、海部郡の北部の旧街道を締め切るいわゆる第三区というところが、現在最後の締め切り個所として残されておるわけです。これは、愛知県庁が任務の分担上受け持っておるわけであります。そこでどうしても、これはきっと建設大臣からの強い御命令があったからでありましょう、十日には何が何でも締め切るのだというので、この愛知県担当の工区に自衛隊が全面的に協力をする。そして九万袋の土のうを現地に用意して、九日から十日にかけての引き潮を待って一斉にこれを締め切るのだというのが、中部日本災害対策本部の計画のようであります。協力をしておっていただく実情はよくわかるのでありますが、これは当初から建設大臣御言明の通り、十日といえば明日ですね、ほんとうに明日必ずいけるのかどうなのか。いわゆる不可能を可能にするという決議案の言葉は非常に無理があるようでありますが、十日と言った以上は、実はあれが工合が悪かったので十一日になった、十二日になったということは絶対にないように、そういうだめ押しの意味が、この問題であります。この点いかがでございますか。
○村上国務大臣 海部北部地区のただいま御指摘の個所は、大体七十メートルばかり残っておるのでありますが、これに対しましては、ただいまの御意見の通り、九万俵の土のうあるいは石俵をもって、これが締め切りは、明日の干潮時を利用いたしまして、どんな犠牲を払ってでも必ず締め切るということで、一昨日の御決議の趣旨に沿って必ずやるのだということで、現地は張り切っておりますので、これは明日のことでありますからここで断言する次第でありますが、必ず十日の干潮時にはこの締め切りを完了するもの、かようにお考えいただいてけっこうだと思います。
○江崎委員 建設大臣から、明日には必ずやるという非常に力強い言明をいただきまして、私ども満足をいたすものであります。ただ、なお締め切りが明日完了したとしても、あと排水の問題があるわけでございます。そこで、私は一昨日の決議案の趣旨説明のときにもこの点に触れたわけでありますが、ちょうど海部郡の北部と同じような地帯にありました名古屋市の南陽町の締め切りが行なわれましたとまに――これは先月の二十八日に締め切られた。普通ならば、従来の建設省の言明の通りならば、その翌日からポンプ排水が始まりまして、大体七日ないし八日間で排水が完了できるのだ、こういう言明であったのでありますが、南陽町の場合には、二十八日から直ちに排水にかかることができなかった。それは締め切りはなるほどしたけれども、この仮締め切りが非常に脆弱であるために、一挙に排水をしますと、その水圧によって、また振動によって、くずれるおそれがある。堤防強化には、十一月の四日まで実はかかったのであります。そうしてようやくこの排水ができる段階に至ったとわれわれは承知をいたしております。同じことが、この北部のことでも言えるのではないか。それであるから、私は、土曜日の日に、そういうことがあってはならぬということで、南陽町の例を引いて特にこの決議案の趣旨説明につけ加えたわけでありますが、この排水の見込み、また排水の段取り等につきましては、どういう見通しでありますか、あわせてお答え願いたいと思います。
○村上国務大臣 ただいまの江崎委員の御意見の通り、これはまことに遺憾なことでありますが、どうしても仮締め切り工事は、御承知のように、サンド・ポンプ等によってその土砂をただ吹き上げているだけでありますので、ある個所ではどうしても満潮時に一方が押されて、水圧によっての漏水がある、あるいはまたその逆に、干潮時には一方の湛水しているものが押して堤防が再び漏水のおそれがあるということは、これはどうも仮締め切りの現状では、いかなる仮締め切りでありましても、やむを得ないことであります。しかし、これと並行して、すでに明日最後の個所を締め切りますが、その締め切り前からすでにずっとポンプ船で、すでに完了した締め切り部分の補強は続けているのであります。従ってこの新しく締め切りを終わった最後の個所も、これと並行してその補強工事を行うのであります。ただいま私どもの手もとで十分検討したところによりますと、その締め切りの延長が非常に長いために、あるいは五、六日ぐらいはこの補強にかからなければ、直ちに全能力をあげて排水をした場合には、御指摘のようなおそれがあるのではないか、こういうことで、四、五日ぐらいは補強にかかる予定にいたしております。しかし、この地区に集めているサンド・ポンプ等の能力から申しますれば、たとい何日でもこれを短縮して、しかる後に安心して全能力をあげて排水をするような段階になろうかと思います。非常に湛水面積等も広いのでありまして、この排水があと何日で終わるかということにつきましては、事態の推移によって、この最後の排水の完了する日の一日も早からんことを私どもは念願しつつ、今研究いたしておる次第であります。
○江崎委員 いろいろ御説明がございましたが、村上大臣、実は最初の緊急質問のときに、これは十日に締め切る、そうして、あと七日間程度で排水は完了するのだ、こうお答えになり、これが速記録にもとどめられ、また、それぞれの新聞にもそのように発表せられておるわけです。そこで、現地は当然大臣の言明だから、十日に締め切られて、一週間で排水が完了するとすれば、十七日には、それこそ畑やたんぼ――あの辺はたんぼはかりで、畑のほとんどないところでありますが、その土が見えるのではないか、こういうことで、一日千秋の期待を寄せておるわけでございます。ところが、今だんだんの御答弁のように、かりに、この堤防を強化して排水ポンプをかける段階になるということになりますと、それを四、五日とおっしゃる。十日から五日とすれば十五日であります。それからようやく排水にかかれるわけです。それで、排水にかかって、あと七日間ということになると、十日に締め切りはしても、実は二十二日にならなければ完全排水は行なわれないということになるわけであります。(「二カ月だ」と呼ぶ者あり)これは、私は、ゆゆしい一大事だと思う。今声がありましたように、災害の九月の二十六日から二カ月になんなんとする。これが海部の南部じゃなくて、北部の旧街道の部分です。北部については、ここに中郡日本新聞――これは名古屋地方での非常に権威のある大新聞でございますか、これには「ポンプ船到着せず難航」「弥富町西末広の海岸堤防」、こうあるわけなんです。その下には「津島まだ泥水の中」「海から二十キロもあるのに」、この嘆声を発したような見出しで、これは堂々と大見出しで出ておるわけなんです。これが毎日々々続くということでは、何のために国会で決議をしたのか、一体何のために強い意思表示をわれわれがしたのか、わからなくなってしまうわけでございます。そこで、大臣の十分誠意のほどはわかるのでありまするが、一つの締め切りが終わると、すぐ排水という段階にならないで、堤防を強化しなければはらぬという、これは今まで中部日本災害対策本部でも発表がなかったところなんです。補強が要るくらいなら、やはりそのときに船を入れておいて、あらかじめ堤防を強化して、並行してこれを行なうべきだったということを思うわけです。これは、私は、人力によってある程度解決することができると思うのです。今十日に締め切ったものが、一週間で排水が終わって、十七日に完全排水ができるということにならぬとするならば、この四日とか五日とかいう間に何か自衛隊を投入するなり、自衛隊の新手をこれに入れることによって、補強を、五日かかるものならば半分の二日半でやってのけるとか、一日半でやってのけるとか、そういった対策が立つものだと思います。もう潮どめはできて、完全締め切りができておるのですから、これを強化するという仕事は、私は、人力の及ぶ範囲内だと思いまするが、この点どうでございましょう。
○村上国務大臣 一応締め切りを終わりましても、仮締め切りというものの性格から申しまして、直ちにそこへその水を排水してしまった場合に、破堤はいたしませんでも、漏水等のおそれがありますので、この点について、やはりわれわれも、江崎委員御指摘のように、これは少々な危険を冒してでも、一刻でも早く排水をやりたいということは同じ気持であります。しかし、この堤防をある程度強固にした上でやらない場合には、かえって災害の復旧がおくれるのじゃないかというように思っておりますので、この点については、一つ専門的に、県も建設省もあげて、とにかく一刻も早くという決意をもって、しかも、完全にやりたいということでありますので、御了承願いたいと思います。
○江崎委員 よく御趣旨の存するところはわかりますが、ちょうど一昨日の決議と同時に、愛知県工事担当部に、直ちに自衛隊を協力させていただくということを七日に御指令をしてもらって、だんだん具体的になっておるわけです。だから、この堤防強化の件につきましても、きょう、建設大臣との間のこのやりとりを中心にして、直ちに一つ五日間のものなら半分でいけるように、また、ちょっとでも短縮できるように、いろいろな手配を願いたいと思います。私が今要望しておるのは、その点でございます。
○村上国務大臣 江崎委員の御意見は、当委員会のほとんど全員の方々の御意見であると思いますし、また、私どもも、一応の締め切り作業を終わったといたしましても、なお、その強化の面に自衛隊を投入して、そうして十分その成果を上げ得られるというようなことでありますならば、これは自衛隊を幾らでも私どもは御加勢願いたいと思います。従いまして、直ちに現地と相はかりまして、万全の措置を講じて参りたいと思っております。
○江崎委員 わかりました。非常に一生懸命な、誠意のある言葉をいただいたわけですが、ぜひ、これは実行に移してもらいたいと思います。それから、今の二十キロ奥に津島市というところがあります。これは、津島の市長が先般この委員会に来て切々の訴えをいたしましたときにも申したのでありますが、奥地であればあるほど、潮の干満にかかわらず水があまり動かない。そこで、一大汚物の海になっておるわけです。そこで、これは人口五万に近い都市でありまして、これのすぐ隣に日光川という、今度幸い破堤をしなかった大河川がございますから、この上流部の津島市の汚水くらいは、仮締め切りができたからというので、上流部でだんだん排水にかかってもらうとしますならば、せめて水だけでも変るわけなんです。これは今の堤防を強化して、そして完全排水ができるまでには、まだ今の予定――これはただいまからの指令によって縮まるでありましょうが、やっぱり二週間程度が予定せられるということであるならば、いわゆる衛生の面からいっても、また、仮締め切りはとにかくできておるのですから、二十キロ奥の津島市の排水はこの日光川にやっていただく、こういうことが、水も変るし、また、津島市の水も浅くなるということが考えられるわけでございます。しかも、これは特殊な都会地でありますので、この辺について、やっぱり技術的に慎重に、大至急今からでも検討をいただいて、実行に移していただきたいと思いますが、この点どうですか。もし何なら河川局長でも……。
○山本政府委員 締め切りが終わりまして、補強の途中におきましても、部分的に、あるいは全般的に排水をかけましても、堤防の安全の限りにおいてはできるわけでございますから、そういう処置をとりたいと思います。
○江崎委員 それでは、大蔵大臣も来られたようでありますから、一昨日の決議案に基づく私の緊急質問はこの程度で終わりますが、なお、建設大臣に申し上げます。これは、今建設大臣からもお話がありましたが、決議をしたわけでありますから、その後、この水没地帯がどう推移しておるか、こういうことにつきましては、建設大臣または建設省政務次官等から、日々当委員会において報告をちょうだいいたしたいと思いますので、この点、お願いいたしておきます。
○村上国務大臣 それでは、海部北部の点につきましては、ただいま江崎委員にお答えしたことで御了承いただきたいと思いますが、海部南部につきまして、あるいはその他の地区につきまして、今朝の大体の予定と完了見込み等について御報告申し上げておきたいと思います。
 海部南部は、ただいまのところ、五カ所破堤個所がまだそのまま今作業中であります。この延長が千四百八十九メートルありますが、今日まで完了いたしましたものは千二百三十三メートル、これはプラス一メートルの高さまで完成いたしております。残りが二百五十六メートルあります。しかし、この二百五十六メートルに対しましては、サンド・ポンプ船が九隻も参りまして、目下自衛隊と業者とが全部集結いたしまして作業に当っておるのでございますから、実は先般来お話しいたしましたように、月末までには締め切りを完了するということを私言明いたしましたが、たとい一日でも二日でも早くこの地区も締め切りを完了いたしたい。大体私どもの考え方が、何日か……(「いつですか、その日にちをはっきり言って下さい」と呼ぶ者あり)日にちははっきりできませんが、その末日よりも、たとい二日でも三日でも繰り上げてこの締め切り完了ができる、かように御了承願いたいと思います。それから木曽岬につきましては、御承知のように、一カ所破堤個所が残っておりましたが、これはもう十日には完了をする見込みでありますから、木曽岬地区は大体明日じゅうには締め切りが全部完了すると思います。それから長島南部につきましては、大体、ただいまのところ二カ所ばかり破堤個所がありますが、これもポンプ船が五隻で作業をいたしておりますので、先般十一月末日と申しましたが、これはそれよりも少しは早くなる見込みであります。なお、桑名地区の先般再度破堤いたしましたところは、大体その第一線堤防ができ上がりましたので、これは第一線堤防の排水と、その第二線堤防の破堤したところも合わせて、これは河口の方へ排水作業を、この方は県の耕地課でやることになっておりますので、この点もまず見込みが立った次第であります。ともかく大体しわ寄せになりましたが、ほとんど明日を過ぎますと、海部南部と長島南部というものが、私どもの今後の二つの作戦として残るだけになっておりますので、何とぞ御了承のほどをお願い申し上げます。
○南條委員長 今大蔵大臣が見えましたので、角屋堅次郎君。
○角屋委員 私は、特に大蔵大臣の御出席をいただきまして、被害激甚地の指定の基準の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 すでに、この問題につきましては、本災害地対策特別委員会の総括質問におきましても、与野党を通じて論議になった焦点の最も大きな問題であったことは、御承知の通りでございます。その際、大蔵大臣は、すみやかな機会に被害激甚地の基準を委員会にお示しをしたい、こういうことであったのでございますが、すでに本日までに、政府の特別措置法等については、それぞれ大半提案をされまして、いよいよこれから本格的な審議に入ろうとする段階に相なって参りました。われわれ社会党といたしましては、災害の性格からいたしましても、あるいはまた、今次、台風六、七号以来台風十五号にかけての本年度災害のきわめて甚大な被害と、これが災害復旧の早急対策の樹立の観点からいたしましても、われわれは政府から出して参りました特別立法あるいは補正予算の問題に対して、わが党としての必要な特別立法、あるいは予算組みかえ等をお示しをしながら、さらに災害対策の前進をはかりたい、こういう熱意に基づいて、積極的にこの特別委員会の審議には協力する方針でございます。
 しかしながら、法案の審議を進めるにあたりましては、やはり法案は特例法が大半でございますから、当然政令で指定する地域という問題が、あらゆる法案に共通して出て参ることは御承知の通りでございます。従いまして、一体、そういう政令で指定する地域の中に、県、市町村というものが具体的にどういうふうにはまっていくのであるか、これは当然大きな問題でございまして、ことに、世上新聞で伝えられるように、台風十五号できわめて大きな被害を受けた愛知あるいは三重、岐阜等のうちで、愛知県、岐阜県等が県の被害激甚地の指定を受けるのであるとか、受けないのであるとかいうようなことが伝えられておることも、御承知の通りでございます。私どもは、総括質問の中でも、与野党を通じての各委員が指摘したように、災害の惨状そのままを映した形において、被害激甚地として認識をし、そうしてその実態の上に立っての適正なる被害激甚地の基準を作る、これは論議を越えた常識の問題であろうということを、みな申し上げたわけであります。ところが、私ども伝えられるところによりますと、すでに特例法等の問題につきましては、昭和二十八年度においても特別委員会が設置されまして、当時は、特別委員会の与野党を通じての各委員の非常な御努力によりまして、ほとんど議員立法をもってこれらの案が成立をした経過がございます。その際に、被害激甚地の指定につきましては、特別委員会の共同の、満場一致の決議をもちまして政令の基準をきめた、こういう経緯にも伺っておるわけでございます。また、本特別委員会におきましても、これはわれわれ社会党のみならず、与党の皆様も、この被害激甚地の指定基準について適正なる案が政府から示されなければ、われわれの国会の権威において、十分実情に見合った被害激甚地の基準を作って、その後において、補正予算あるいは特別立法等についても、それぞれ処理をしていくということを述べられておるわけでございます。そういういろいろな観点からいたしまして、私どもは、この際、今度の本年度の災害が、昭和二十八年度の災害をはるかに上回る大災害であるという実情からいたしまして、被害激甚地の指定基準におきましても、昭和二十八年度の政令指定の基準を上回りこそすれ、下回る基準というものは絶対に作ってはいけない、こういう方針に立っておるわけでございます。
 そこで、われわれ社会党といたしましては、こういう観点から、都道府県の被害激甚地の指定基準、あるいは市町村の被害激甚地の指定基準ないしはそういう市町村の指定の場合においても、町村合併によって非常に範囲が広範になった場合に、その市町村の区域内の局地的な非常に激甚地域がある場合においては、旧市町村単位において指定をするということも配慮しながら、被害激甚地の指定基準というものを一応まとめたわけでございます。この考え方は、被害激甚地の指定にあたって、少なくとも昭和二十八年度を上回るという前提に立ちながら、しかも、今次台風十五号等の被害の実相から申しますと、単に公共土木あるいは農地、農業用施設、あるいは文教施設、その他公共的な性格の施設の災害のみにとどまらず、実に民間災害がきわめて膨大な量に上っておる。しからば、この民間災害の被害の実態というものをどう被害激甚地の中に反映させるか、これはなかなかむずかしい問題でございまして、種々論議をいたしたのでございますけれども、最終的には、この反映の一つの姿として、災害救助法というものを、この際、被害激甚地の指定に、一つの大きな要素として取り上ぐべきじゃないか、こういう観点に相なったわけでございます。従いまして、こういう観点から、大蔵大臣のお手元にも上げましたように、都道府県の指定の場合におきましては、まず第一に、被害額、これは昭和二十八年度の災害の際の政令による被害額、すなわち公共土木、農地、農業用施設、文教施設等の被害額のみならず、各種を含む、この被害額が当該府県の標準税収を上回る府県、または災害救助法を八割市町村に発動した府県、こういうものを都道府県の災害激甚地の指定基準とするのが適切ではなかろうか。同様の趣旨に基づきまして、市町村の指定の場合におきましても、市町村の負担にかかる被害額に府県の負担にかかる市町村内の被害額の合計額が、当該市町村の標準税収に当該市町村内の府県税の合計額を上回る市町村(被害額の計算は都道府県の場合と同じ)。さらに、もう一つの要素として、県と同様に、市町村の災害救助法第二十三条に基づく災害救助費のうちの県の支弁した金額が、当該市町村の標準税収の百分の一をこえるもの。この二つの要素のいずれかに該当するものをもって、市町村の指定基準にするのが適切であろう。また、先ほども申し上げましたような趣旨に基づきまして、市町村合併に伴いまして広範な地域になった一地域、一局部が、非常に激甚な被害を受けておる、こういうものの災害対策の万全を期するために、旧市町村別の指定をもってこれを救済をしていく、こういう三本建のわが党の被害激甚地指定の基準をきめたわけでございます。
 そこで私どもは、本日の特別委員会の法案の審議に入るに先だちまして、私どもの党の立場から、これを与党の皆様にも十分検討してもらい、そして最終的には、与野党の満場一致の決議をもって、政府がきめるであろう被害激甚地の基準案についての最も有力なる、最終的なる基準にいたしてもらいたい、こういうことから、本日の理事会等におきましても、三派の共同決議になることをいろいろ要請したわけでございますが、承りますと、今夜にもそういうことについての最終的な結論を得べき段階にある、こういう事情等も勘案をいたしまして、まず、私どもの見解を明らかにしながら、政府の善処を要望するという理事会の取りまとめに相なったわけでございます。
 そこで、大蔵大臣に承りたいわけでございますけれども、この基準に基づきまして、本年度災害の実態に最も合うと私どもが確信をしておりますこういう基準に基づいて、都道府県の被害激甚地、市町村の被害激甚地、ないしは局地的な地域の救済のために、旧市町村別の被害激甚地の指定をやるべきであると考えますが、これに対する大蔵大臣の見解を承りたいと思います。
○佐藤国務大臣 災害地対策特別委員会におきまして、すでに提案されました法律案を審議されるにあたりまして、被害激甚地の指定、その基本的方針がないために審議に非常に支障を来たしておる、かように実は伺って、私どもも非常に心配いたしております。すでに予算委員会やこの災害地対策特別委員会等におきまして、今まで私どもの考え方の一部を披露いたしましたように、被害激甚地、この指定こそは、今回の災害対策上最も重要な点であると思います。従いまして、国会におられます皆様方も多大の注意をもってこの成り行きを注視しておられると思いますし、ことに、災害地の自治体、あるいはまた住民一般の方々、この扱い方いかんということにただいま全部の注意が集まっておる、かように私ども考えております。従いまして、収府といたしましても、被害激甚地の復旧対策に万遺憾なきような措置をとりたい、こういう意味で、この被害激甚地の指定にあたりましては、この対策に遺憾なきを期するという観点から、十分慎重な検討を加えておる次第であります。その意味におきまして、ひとり政府ばかりではございません、与党におきましても、この点についての非常な関心事があるのであります。御承知だと思いますが、私どもの党におきましては、政府は政府としての考えを持ちますけれども、ただいま与党と十分意見の交換をいたしまして、そうして、最終的結論を得るというのが、今日までのこの種の重要な問題の取り扱い方でございます。いわゆる政府が、与党の意向を無視して政府だけの意見をきめる、こういうような処置はいたさないのであります。また、この与党と政府との間の意見の調整、あるいは交換も十分できておりません。この点をできるだけ急いでいたしまして、しかる上で国会の御審議を願う、かような心づもりで実はいるのでございます。この点は、今日までの災害地対策特別委員会におきましても、予算委員会におきましても、私が再三繰り返して申し上げた点であります。また、この点が国会の御審議をいただくまでに議が熟しておらないということ、この点はまことに私ども遺憾に思っております。この点も、すでに御披露いたした通りでございます。今日かような段階でございますが、ただいま具体的に、社会党の皆様方の御意見としての問題を御説明がございました。これについての批判を、特に請われた次第でございます。私は、ただいま申し上げますように、政府自身、与党ともまだ十分相談をいたしておらないこの段階におきまして、社会党のこの御意見について私が批判をするということはいかがかと思いますので、むしろ差し控える方が当然ではないかと思います。
○角屋委員 私は、今度の国会に政府が補正予算を提案する、あるいは各般の特別立法を提案するにあたっては、当然政府の責任において、政令の内容というものについては、あらかじめ大蔵省としても、あるいは政府全体としても、基準がなければ、自信のある補正予算を提案したということに相ならないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。すでに補正予算の審議が始まり、また、本特別委員会においても特別立法等の審議に入らなければならぬという段階において、なおかつ、被害激甚地の指定については、政府としても与党と十分相談をしているというのはいかがと思うのでございます。台風十五号の例をもってしても、九月二十六日に台風が発生しておるのでございまして、本特別委員会の設置までにも相当期間があり、また、予算査定等においても、やはり政府としては、一応の基準に基づいて政令を頭に描きながら査定をしたものと考えます。伝えられるところによりますと、そういう観点からして、あるいは公共土木の被害額の二倍の標準税収入以上でなければ、県の場合においても被害激甚地の指定を受けられないとか、市町村の場合においてもそれに準ずるというようなことがいわれておる。あるいはまた、農地、農業用施設等におけるところの被害激甚地の指定にあたっても、昭和二十八年度の一戸当たりの被害額の平均三万円以上というところが、大蔵省査定の場合において、六万円以上ということに相なったというようなことも伝えられておる。こういうふうな、いろいろなことが伝えられ、さらに、市町村の指定においては、分離方式でなく、混合方式を採用するということも伝えられておる。冒頭に申し上げましたように、本特別委員会に提案をされておりますところの特別諸立法は、すべて政令に関係する問題が多いのでございますから、やはり今明日中に決定されるであろう政府の原案においては、与野党とも、特別委員会に出されたならば、満場一致でもって承認のできる自信のある腹案を私どもは期待をいたしたいのでございます。その場合に、二十八年災を上回る前提ということを心に描きながら、しかも公共的な被害のみにとどまらず、今次災害の民間に与えた莫大な被害量からして、いかにして民間災害というものを、災害復旧にあたっての高率補助の適用にあたって、被害激甚地の指定の中に織り込むか、こういうことについても、自信のある検討をされまして、一日も早く政府としての被害激甚地の指定に進まれなければ、私どもとしては、円滑なる特別委員会におけるところの審議を続けるわけにいかない、こう思うわけでございます。この点について、再び大蔵大臣から所信を伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 今回の災害復旧に対しまして、補正予算を組み、同時にまた、各種特別立法を御審議いただくべく提案いたしております。従いまして、この特別立法とまたこの補正予算額、その間に十分関連をとって私ども提案をいたしておるのでございます。そこで今回のこの補正予算を編成いたします際、まだ今日も幾分かそういう点が残っておりますが、災害の実情をつまびらかにすることはできない。だが、過去のいろいろの災害等から見まして、いわゆる全災害額のうち、まず六割程度について特別立法を適用するということを工夫するのが、相当余裕のある考え方ではないだろうか。在来の例に増して予算を計上するといえば、そういう点ではないか、かように考えまして、総額の被害額に対しまして、そのうちの六割見当が特別立法の特例を受ける、こういう意味で実は予算を計上いたしております。しかし、その点につきましては、ただいまも説明いたしましたように、あるいは実地そのものについての調査が十分できておらない点がある。あるいは予算を計上いたしました後において、次々に報告を受けておるもの等もございます。それらのものは、予備費あるいはさらに債務負担行為等でまかない得るだろう、実はこういう予算が組んである状態で、この特例法を適用いたします場合に、この特例法の適用の率等から見まして、まずこれならば激甚地の災害復旧には一応事欠かないだろうというのが、実は私どもの考え方でございます。
 そこで、よく引き合いに出されます二十八年災害との関連でございますが、二十八年の災害につきましては、私自身も与党の幹事長をいたしておりまして、当時の関係者の一人でございます。また、建設大臣自身は、当時の特別対策の委員長だ、かように思いますが、その当時の実情と今日の実情では、相当私どもが区別して考えなければならない点があるのであります。と申しますのは、同じように災害と、かように申しておられますが、この特例法によりまして特別補助を必要とする場合に、いわゆる公共土木の場合には、これは地方団体、これが補助を受ける主体でございます。また農地、農業用施設ということに相なりまするならば、これは農民そのものでございます。この二つの性格の相違を考えてみ、また、地方団体等の財政状態が、二十八年災当時の財政状態と三十四年災の当時の財政状態、これが同一であるかどうか、これらの点も勘案しなければならない。これらの負担個所、補助を受ける団体の状態、これ等を勘案いたしまして、二十八年災とは別な扱い方をするというのが本筋ではないだろうか、これが一つのポイントであります。また、今提案されております災害救助法適用区域云々という御意見がございますが、災害救助法は、御承知のように、地方長官、知事自身がこれを発動いたしております。従いまして、各県によりまして、これは必ずしも一様とは言いかねる。また災害救助法そのものの目的とするものは、公共土木そのものとは直接関係のないものでございますから、その意味において、災害救助法の発動云々を取り上げることは――復旧工事、公共土木、あるいは農地、あるいは農業用施設等の国庫補助の場合に考える、その基準に取り入れることは、大体筋が違いはしないか、こういう点が実はあるわけでございます。私ども、県あるいは市町村等について、その財政状態をも勘案し、また同時に、二十八年災以後、一つの考え方として取り上げておりますのは、いわゆる相当長い法律の名前であったと思いますが、公共土木災害復旧等に関する国庫負担法という法律がございます。これは二十八年災の後におきまして、国会の審議にあずかりまして、まず基本的な問題として取り上げておる。今回の異常災害の場合に、これとの関係をどの程度調整し得るか。この負担法を全然無視して、最初からの特別立法は可能なりやいなや、こういう点は、大事な国民の血税を預かっておる政府といたしましても、十分検討に値することだ、かように実は考えております。
 また、最後に言っておられます旧市町村云々の問題ですが、農地等におきましては、これは新市町村であろうがあるいは旧市町村であろうが、その辺は農民の負担という立場から考えまして、あまりこだわらない考え方でございます。ものの考え方といたしまして、今回私どもが取り上げて参りますそのポイントは、予算においては被害総額のまず六割、これを特例法施行区域として一応考える。そしていわゆる被害激甚地はこれでまかない得るという大まかな見通しのもとに、予算案を編成いたしております。そうしてこの六割に対しては、特例法の補助率ならば、これはまかない得るという考え方であります。この激甚地を指定するという場合に、私どもがまず考えなければならないことは、先ほど御披露いたしました国庫負担法、この負担法と今回の異常災害とをいかに結びつけて考えてみるか。また公共土木と農民の直接負担である農地、農業用施設の扱い方、これはやはり別個の基準で考うべきではないか。これらの点は、二十八年災とは別個に工夫すべき状態ではないかというのが、大まかな考え方でございます。その詳細等につきましては、先ほど申し上げましたように、政府自身が、政府だけで考えて参るわけではございません。与党とも十分連係をとりまして、しかる上で最終的な案を作りたい。いかに理論がうまくできて参りましても、被害地の皆様方が当然激甚地である、かように考えたにかかわらず、それがはずれた、こういうような事態がございまして、十分納得がいかないようなことがありましては、せっかくの私どもの基準も、絵にかいたもちということになります。そういう意味では、私ども、激甚地の指定については、非常に慎重に扱っておるというのが実情でございます。
○角屋委員 予算委員会からの大蔵大臣の出席要請等もありますのを十分考えてのことでありますから、私はこれで終わりたいと思いますが、今までの大蔵大臣の御答弁を聞いておりますと、いかに大蔵大臣の頭がかたいかということをしみじみ知らされるのでございます。ここに建設大臣、農林大臣等、頼みの綱の両大臣もおられますけれども、私どもは、単にこれは野党だから、与党だからという意味ではなく、被災地の実態の上に立って、どこに被害激甚地をきめるべきかという基準は、環派を越えた問題であろうと思います。私は、今までの大蔵大臣の答弁を聞いておりまして、頭のかたいことについては再認識をいたしましたが、これはそういう考え方で強行されますと、特別委員会であなたの原案はひっくり返されることになるということを覚悟されまして、最後に述べられました、災害地の実態に合わないことを避けて、十分慎重にやりたいという、その最後の気持を生かして善処をしていただきたいと考えるわけでございます。そうして同時に、いやしくも本委員会でいろいろ審議を始めるにあたって、円滑に審議するためにも、少なくとも明日には提案できるように最善の努力をされることを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○小島委員 関連して。ただいまの大蔵大臣の答弁を聞いておりますと、農地及び農業施設については、旧町村単位ということを考えられぬこともないけれども、というお言葉がございましたが、その言葉を逆に解釈すると、公共事業関係においては、旧町村にしないんだということを考えられるが、いかがでございますか。
○村上国務大臣 私はそんなことはないと思います。
○南條委員長 岡本茂君。
○岡本(茂)委員 私は、災害対策の基本問題及び砂防寺を中心といたしまして、主として建設大臣、農林大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 まず第一点は、災害対策の根本的具体策でございます。開会劈頭の総理大臣の演説において、基本的対策については、総合的、科学的に検討を加えて、恒久的災害予防の方途を樹立して、これを強力に推進するということをおっしゃっております。また、建設大臣も、当時の演説において、今次の災害にかんがみて、今後再びかような災害の起こらないようにやりたいというふうに言明しておられるのでございます。その後、連日にわたる当委員会及び予算委員会等における質疑を通じて、いろいろ政府の御所見を拝聴いたしておるのでございますが、総理初め建設大臣、その他の各大臣、いずれも懇切丁寧に御答弁いただいていることは、まことに感謝にたえない次第でございます。しかしながら、真の根本的具体策というものについては、治山治水対策を除いては、何ら言明がないのでございます。どうかいま一つ突っ込んで、具体策についてお話しを願いたい、これが質問の第一点でございます。これは総理大臣にお答え願うのが至当でございますが、総理大臣がおられませんので、建設大臣からお答えをいただきたいと思います。
○村上国務大臣 治山治水の基本的な対策につきましては、防災の一番基本になるものは何かと申しますれば、それは大台風のくる前に施設をしつかり強固にしていくということが、まず一番基本的なものであろうと思います。従いまして、建設省が今取り上げております治水五カ年計画によって、そのすべてがことごとく完璧を期するというようなことは、まだまだ国の財政の都合で不可能でありますが、少なくとも従来の災害によってこうむる被害を半減するというところまでは、われわれは十分可能だと思っておりますので、この五カ年計画を実施することによりまして、治水事業のある程度の基本的な対策が可能である、かように思っておる次第であります。
○岡本(茂)委員 治山治水対策が根本的対策であるというお話、大体その点は了承いたします。しかし、治山治水対策以外にもなお具体策があるべきだ、かように考えます。私、あとで平凡な事柄でございますが、それらについて触れてみたいと思います。
 そこで、治山治水対策でございますが、これは当初の演説にも言明をせられておりますし、さらに一昨晩の総理大臣の御答弁の中にもはっきり言っておられました。予算の裏づけもするとおっしゃっておることは、われわれも多とするところでございます。どうかわれわれの信頼を裏切らないように、ぜひとも実施をしていただきたい。ところで、この治山治水計画でございますが、御承知のように、従前あるものでございますが、五カ年一兆八千億に上るものでございます。それでようやく緊急部分の四割を改修し得るにすぎないというようなものでございますから、完璧なものにしていただきたいということが第一点。
 さらに、これを完璧なものにするためには、財源の調達その他において、どうしても特別会計にしなければならぬと思います。一昨日の総理の御答弁では、特別会計にするやいなやは考え中であるということでございますが、ぜひとも特別会計を設定していただきたい、かように考えるわけでございますが、これについての御所見を伺いたいと思います。
○村上国務大臣 ただいま岡本委員の御質問の中で、一兆八千億云々と申されましたのは、あなたの何かのお考え違いだろうと思います。私どもとしては、五カ年間に三千五百億ばかり使えば、今の四〇%程度被害を減少することができる。もし一兆八千億も使わしてもらえるのならば、少なくとも九〇%くらいまでは災害をなくすることができると思います。そういうことは別といたしまして、三千五百億といたしましても、今日までの一般会計のいわゆる治水事業に対する予算を見て参りますと、どうもそういう私どもの目的を達成できるような予算措置は、一般会計ではなかなか困難だ、私どもそう思っております。従って、ここでどうしても、その不足の部分に対しては何らかの形で特別会計を置いてもらって、それによってこの治水事業の完璧を――完璧ではないのでありますが、まあまあわれわれのいわゆる最小限度の要望をいれて、次のまた五カ年計画であと何十%の被害を減少するというように、国土保全のために、私どもといたしましては、どうしても一般会計でその予算措置ができない部分に対しましては、どういう形であろうとも、特別会計の方向を一つ何とかして参りたい。これは今度の三十五年度予算で問題になることでありますので、今ここで私はいろいろな言明を避けますが、私どもは、どうしても治水事業については、一般会計で不足の部分に対しては、何とかして特別会計を設けてもらわなければ、その目的を達成することが不可能ではないか、かように思っておる次第であります。
○岡本(茂)委員 大体わかりましたが、今私が申し上げました一兆八千億と申しますのは、二十八年の災害当時に、緒方副総理が中心になって立てられたあの案のことを言っておるわけであります。今お考えになっております実行案というのは三千五百億だそうですが、それで足りるならばけっこうでございますが、ぜひとも実行に移していただきたい、かように存ずるわけであります。
 その次には、この間の劈頭の建設大臣の演説にも、ただいま引用いたしましたように、今次の災害にかんがみて今後再びかようなことを起こさないようにしたいということをおっしゃっておるわけです。総理も、恒久的災害予防の方途を樹立する、これはいわゆる予防治山対策になるわけでございまするが、これは言はなはだ容易でございまするけれども、実行は容易でない。再びかようなことを起こさないということは、これは私は、言うはやすいけれども、実行はなかなか至難であろうと思います。台風は、われわわれの備えの整うことを待たないわけでございます。しかもこれが対策というものは、財政的見地その他の観点から、容易に進むものでもありません。従って、よほどの決意と強力な施策がなければ、おっしゃるように、今度は未然に防止するということはできないと思います。これについて、それだけの言明をされておるにつきましては、建設大臣は確信がおありでございまするか、この点を伺いたい。
○村上国務大臣 私は、少なくとも災害復旧は、ただ単に原形復旧でその傷口をふさぐだけでは、再度災害というものは何回でも繰り返すと思うのであります。従いまして、将来再び災害の起きないようにというようなことを考えますならば、どうしてもその災害の復旧にあたっては、これに関連して改良復旧をやる必要が特にあると思います。従いまして、今回のこの災害の復旧につきましても、昭和二十八年のあの非常な大災害当時の復旧と同じように、どうしても改良的な復旧をして、将来ともこの災害を繰り返さないようにする。こういうような改良復旧をした個所で、再度災害を受けたというところは非常に僅少でありまして、わずか二、三%程度であるように私は聞いております。私ども九州地方あるいは和歌山県等を見ましても、一応あの二十八年の大災害で復旧した個所は、相当な大出水がありましても、前回と同じような出水がありましても、微動もしていないということを各都道府県知事からも承っておりますが、そういうような改良復旧を積極的にやるのでなければ、再度災害を防止するというようなことは言い得ないのでありまして、今回のこの補正予算の中にも、また来たるべき三十五年度の予算の中にも、これらの復旧について、私は、いわゆる関連あるいは改良等の費用も十分要求いたしまして、少なくとも今回受けた災害は二度と繰り返さないという、十分自信を持ってその施設を行ないたい、かように思っておる次第であります。
○岡本(茂)委員 建設大臣の御答弁で、積極的に改良事業を進めたいということは、私も同感でございます。ただ、ほんとうに建設大臣の決意のごとく、将来再び起こさないためには、関連事業として改良をやるという程度でなく、改良復旧を主としてやらなきゃいかぬ、多少そこに私の意見とは程度の違いがあるわけでございます。これまでの災害対策というものは、年々災害のあとでこれを追いかけるだけで、いわゆる復旧治山と称せられるのでございまして、これでは、さいの川原のごとく、積んではくずされ、積んではくずされ、財政的負担もかえって増大するわけであります。財政的にも現在は充実いたして参っておるのでございますから、改良治山、予防治山に切りかえなければいかぬ、そういう段階に臨んでおると思うのでございます。従って、改良を原則としてやってもらいたい。現在のところでは、改良が原則ではない、原形復旧が原則であって、改良はむしろ従になっておる。改良を主とするのでなければ、ほんとうに災害の防止はできないと思う。だから、この間の東海三県の決議にもございましたように、改良を原則として進めるということでやっていただきたいと思うのでございますが、これについて御所見を伺いたい。
○村上国務大臣 復旧が原則でございますが、改良を原則ということはどういうふうな関係になるか知りませんが、必要な部分の改良については、あるいは改良が原則になって、復旧がそれについてくるようなことになると思います。今回の伊勢湾の海岸堤防等は、復旧工事がかりに百億ならば、改良は百億以上のものになって、むしろその金額から申しますならば、金の尺度、経費の尺度ではかりますならば、これはむしろ改良が主で、復旧が従になると思います。それはもう私どもその重要度、緊要度によってすべてをはかって参りたいと思っております。基本的な問題につきましては、先ほど申しましたように、治水事業費というものを、十分に抜本的な改良あるいは治水対策のできるようなものに私どもはいたしたい、そのために、ただいま申しましたようないろいろな意味の費用が要るのであります。まず緊要度の高いところから治水事業を完璧にしていくということは、これは治水事業であり、いわゆる改良事業であろうと思います。今日の日本の国土の状況から見ますと、これはやはりすべてが改良というようなものに聞こえても、あえてこれを否定できぬと思いますが、そういうように、治水事業の中に改良というものが相当部分入っておると思います。
○岡本(茂)委員 ただいまの御答弁でその点は了承いたしました。
 私は、災害の発生を防止する有力なもう一つの条件は、工事に合わせて予算をつける、すなわち、潤沢な予算をつけるということだと思います。その出し惜しみをやるから、なかなかうまくいかないので、この間綱島委員もおっしゃっておられましたように、一文惜しみの百失いというようなことになるのでありまして、たとえば鍋田干拓地において、表面はコンクリートであるけれども、裏の方は土である、ああいうことは、予算の不足からくるわけでございます。そういうことを繰り返しておる限り、これは永久に災害の予防はできないと思う。本来ならば、技術的見地に応じて予算をつける、これがほんとうだと思う。ところが、今まではそうなっていない。金に合わして工事をやる、工事に金を合わせるのがほんとうだ。つまり、財政的見地に引きずられて、財政的観点から、必要なる工事を節減するということが、何回でも災害を繰り返す原因になっております。もし、最初に思い切って経費をつける、工事に合わして金をつける、技術的観点を重視して、それに対して必要なる予算をつけるということになれば、こういうことにならぬと思うのです。この点についてどういうお考えをお持ちですか。財政当局は今おられませんか。――これは後日答弁していただくことにしまして、建設大臣の御意見を伺いたい。
○村上国務大臣 金によってすべて工事が左右されているということにはなっておりません。伊勢湾の海岸堤防にいたしましても、やはりあの施設をやる際までのあらゆる統計、高潮あるいは風速、これらを十分設計の上に盛り込んで、これならば十分完璧を期すであろうということが設計の重点になっておりまして、それに対して金がついてきたということでありますが、しかし、今回のはまあ千年に一回とかいうことをわれわれよく聞いておりますが、その千年に一回のもので、ここ八、九十年、百年ばかりの記録によって設計が組まれたものが、これなら大丈夫だといったところがやられたということは、その何百年も前の一つの大きな記録というものが日本の政府にはなかった。だから、これを私どもは異常な台風、前古未曽有の台風だ、あるいは高潮だというふうに言っておりますが、あるいは何千年も前にはもっと高いものがきておったのではないかと思います。従って、今回のこの苦い経験から、今度はこの体験を生かして、そうしてそれに対応できるだけの施設をやるということが抜本的対策であろうと私は思います。そのために、今度もまた金が先に出て、かりに十万円しか金がないから十万円の堤防を作るということになりますと、これはもう、また何回でも今回のようなことを台風になれば繰り返すことになりますので、今回の体験を全く生かした、将来これと同じ規模、それ以上のものが参りましても、千年に一回の異常な高潮あるいは台風であろうとも、それに十分持ちこたえられるようなことを、いわゆる科学的に、あるいは総括的に、各省それぞれ検討いたしまして、十分の備えをするような設計のもとに今回はその仕事をして参りたいと思うのです。そうすれば、その設計に対しては必ず金がついてくるのでありますから、大蔵省もこれについては十分理解ができております。従って、金に合わせて仕事をしているということは、そういう昔もあったでありましょうが、今日はそういうことはない、私はこう信じております。
○岡本(茂)委員 建設大臣は、金に合わせて工事を切るというようなことはないとおっしゃるのですけれども、この間の大蔵大臣の御答弁を承っておりましても、財政上の見地云々というお言葉もあったわけでございます。これは建設大臣としてははなはだお苦しい立場じゃないかと思うのです。われわれといたしましては、必ずしもおっしゃる通りでなく、必要なる金が十分ついておるとは思わない。これは財政当局に聞いていただきたいわけでございます。これ以上申し上げません。ただいまのお話の伊勢湾の高潮対策のごときも、これは従前における最も大きな被害というものを基準にしてやっておる、こういうお話でございますが、そこに誤りがあるわけでございます。これは経験の錯誤であります。事実、一たび決壊すれば大災害を起こすというようなものについては、相当余裕を見てやっておる。たとえば電力のダムでございますが、これはいわゆる一万年洪水というものを予想してやっておる。一万年洪水、一万年堰堤である。過去における最大降雨量であるとか、最高の水位であるとかいうことは、しばしばあやまちを犯すわけでございます。それに陥らないように、そこに科学的研究を施していく。考え得べき最大降雨量というような研究も十分にお積みになりまして、こういうことのないようにしていただきたい。
 そこで、現実に伊勢湾の高潮対策費の問題でございまするが、今度は九十七億の要求に対して、債務負担行為を合わせて五十四億という査定になっておる。なお、あなたの方は堤防の高さが七メートル半、こういうのに対して、大蔵省では六メートル七ということだそうでございますが、はたしてそれでよろしゅうございますか、これで自信があるかどうかということを伺いたい。
○村上国務大臣 伊勢湾等につきましても、予算要求中、九十数億に対して、あれは七十九億の予算を査定されたと思います。これは私も承知をいたしております。と申しますのは、一応私どもといたしましては、来年の出水期までに、台風期までに原形にまでこれを復旧せしめなければいかぬということで、原形復旧のできる程度の予算を計上いたしておるのであります。従って、これからその堤防の高さを何メートルにするかということについては、これは建設省としても、場所によってでありますが、七メートル五十というものが適正じゃないかということを一応のめどをつけましたが、これについては農林省あるいは運輸省等との関係もありますので、これには海岸対策、高潮対策の審議会のような委員会を作りまして、そうしてこの三省が一体、主体になりまして、なお民間の学識経験者等も入れて、そうして堤防の高さをこの場所においては何メートルとるかということを、慎重に、ただいまのお話のように、科学的に、あるいは総括的に、あらゆる点から総合的な審議をいたしまして、そうしてこの堤防のそれぞれの地域における高さというもの、あるいは構造、あるいはまた強度等について十分検討して、その上で決定いたしたいと思います。それは結局来年度の予算要求の中に入って参ると思います。大蔵省が六メートル八十でいいのじゃないか、あるいは六メートル七十センチで間に合うじゃないかというようなことは、大蔵省としての公式な意見でないのでありまして、いろいろと今回の予算審議の打ち合わせのうちに、こういうふうでどうだとか、ああだとかいうような意見でありまして、決してこれに左右されて堤防の高さ等を決定するものではないのでありますから、その点については一つ御了承願いたいと思います。
    〔委員長退席、前尾委員長代理着席〕
○岡本(茂)委員 次は、砂防工事の問題でございます。砂防工事が災害予防に緊要なことは、申すまでもないことでございます。今回の災害によって新たに荒廃河川になりました上流においては、その山腹では、土砂どめの砂防工事をやっていただきたい。緊急に進めていただきたい。また渓流部におきましては、砂防堰堤の築造及び流路工事というものを至急進めていただきたい。奈良県、山梨県、長野県その他多多あると思います。ぜひとも緊急にお進めを願いたい。奈良県におきましては、吉野川、北山川、十津川、宇陀川というような各河川、いずれも大きく荒廃したわけでございます。これについての砂防工事を緊急に進めていただきたい。山地砂防と渓流砂防を緊急に進めていただきたい。ところで、今回のこの特別措置法案では、砂防工事に対する補助は三分の二ということになっておる。二十八年の災害におきましては、十分の九という高率のものでであったのでありますが、ほとんど多くのものが二十八年よりも優遇されておるにかかわらず、公共性においてはむしろ最も優先せらるべきところの砂防工事に対する補助が三分の二に削られておるということは、はなはだ遺憾であります。これはぜひとも前回の通り十分の九にしてもらいたいと思うのでございますが、これについての御意見はいかがでございますか。
○村上国務大臣 災害復旧の砂防は高率になっておるはずであります。しかし、緊急砂防として新しく災害部分で、ないところに砂防を施す場合には、三分の二ということにいたしておるのであります。今回の緊急砂防につきましては、従来の、昨年あたりの倍以上の予算を獲得いたしまして、大体九億一千五百万、それに本年度の緊急砂防の費用が三億ばかりありますので、事業量から申しますと、大体十八億くらいの、従来かつてない緊急砂防が行なわれることになっております。そうしてそれも一年――大体緊急砂防は一年でありますが、一年こっきりでなく、二年、三年と、三年間くらいはこの緊急砂防を続けていくというようなことも、大蔵省との間に大体――大体ではございません。了解済みでありますので、私どもは、砂防については、特に御指摘のように、非常に砂防の災害に及ぶすウエートから申しましても、砂防事業については十分な措置をして参りたいと思っております。
○岡本(茂)委員 建設関係の砂防工事は十分の九になっておるそうでございまして、これは私調べが不十分でございます。しかし、今のお話を承っておりますと、緊急砂防について三分の二、これはそういうことでございますか。
○山本政府委員 今大臣の申し上げましたのは、砂防の施設がございまして、それがこわれた分につきましては、激甚地域については一般の土木災害の中に入っておりますから、高率の補助になります。しかし緊急砂防は、施設がない個所に新しくやる分でございますから、これは三分の二の補助でございます。
○岡本(茂)委員 二十八年のそれの補助率は、やはり三分の二だったのですか。
○山本政府委員 二十八年におきましては十分の九でございまして、それで、先ほど大臣がお話いたしましたのは、二十八年のときには十分の九の補助率を出しましたけれども、その年に着手した工事だけを緊急砂防工事として特別に扱ったわけでございます。今回は、各府県につきまして、激甚な地域につきましては一定計画を作りまして、その計画の終わるまでに、大体三カ年くらいの予定でございますが、その計画が全部終わるまで特別の緊急砂防として扱いまして、特に起債も認めるし、特別交付税の対象にもしようということになっております。従いまして、十分の九の補助率ではございませんけれども二十八年のときよりも継続的にやるということと、交付税の対象になるというところが優遇されておるわけでございまして、そういう違いがあるわけでございます。
○岡本(茂)委員 だいぶこまかくなりますが、この緊急砂防については、私が申し上げましたようにやはり三分の二になっている。この前は十分の九であった。これは確かに率が悪くなっている。ただ、今の御説明では、二年目から緊急砂防の範囲を狭めるから――二十八年災のときには狭めておった、今度はそういうことをできるだけしないようにしたい、なお起債も認める、総合的には必ずしも不利でない、こういうことをおっしゃるのですが、これは私ども承服できないと思う。これは計算で出てくるわけで、緊急砂防の十分の九というものを後年度も落としていかないということを今おっしゃるならば、十分の九で落とさぬようにやっていただきたい。十分の九で落とさないことと、それで起債を九割認める、その百分の五十七の元利補給をやるというようなことにいたしましても、それは計算において非常に違ってくるのでございます。十分の九ならば、県負担は一割で済む。今のおっしゃるようなやり方でいくならば、一割六分二厘という負担になるわけです。奈良県あたりではとうていそれにたえられない。七億の緊急砂防をやるにいたしましても、一億というものは違ってくるわけです。だから、これはやはり十分の九ということで、そうして後年度に工事を縮小しないという方式でやっていただきたいと思います。
○村上国務大臣 これは最後は国権の最高機関としての国会で決定することでありますから、私どもはいろいろとここであまり反対意見を申し上げることはどうかと思いますが、今回の災害復旧につきましては――二十八年の災害の際には、改良復旧については二分の一の国庫負担であった。それが今回は二十八年よりもはるかに凌駕した、いわゆる三分の二の負担にいたしております点と、私ども、砂防については、今まで大体一年でみな緊急砂防は打ち切られておったのを、どうもそれだけでは、復旧の実態、あるいは将来の恒久的な施設に沿わない点があるので、こういうところは三分の二でもやむを得ないが、しかし、そのあとの不足の部分についての起債を許す、これに交付税等の措置によって地方財政はどうにかそれでいけるようにすれば、事業量として将来相当な施設のできる、三年間くらい緊急砂防を続けることの方が、現地にはプラスになるのではないか、こういうことも計算に入れて、実はこういうような立法にいたしておる次第でございます。その点一つよく御判断の上、これは最後は国会で決定することでありますが、御了承願います。
○岡本(茂)委員 やはり今の案の方が総合的に有利であるという御説明でございますが、この前のように、二年度以後において打ち切るとか縮小をするとかということをしないで、二年度以後も同じように工事を継続するということならば、私は十分の九の方が有利であるということは確実であると思う。この点は、われわれはもちろん考えなければならぬと思う。御再考を願いたいと思います。
 その次は、防災ダムの問題でございます。河川の上流に建設せられた砂防ダムあるいは防災ダム、これが災害予防の上に非常な効果を上げておりましたことは、今回の災害においても歴然たる事実であります。従って、今回荒廃いたしました河川の上流におきましては、この防災ダムを考慮していただきたい。ひとり河川の復旧改修にとどまらず、災害予防のための防災ダム、すなわち、水防ダムなり砂防ダムを作っていただきたい。たとえば、奈良県でございまするが、吉野川は、御承知のように、日本で最も降雨量の多い大台原に源を発しております。大台原の九月二十六日の降雨量は四百二十五ミリを記録いたしておるのでございます。これが非常な勢いではんらんをいたし、決壊をしたわけでございまするが、ただにこの集中豪雨による雨量の増大ということだけではなしに、土砂くずれなり山くずれ、山津波が至るところに起こって、そして土砂なり流木というものが水に加わって一そう拍車をかけた、そのために県内において十三の永久橋が落ちた。五条の二見においては警戒水位は三メートル六でございましたが、ほとんどそれの三倍に近い十メートルにもなった。下市の千石橋では、欄干を越えて流木が漂着し、山積した。こういう、想像もできないような災害をこうむったわけです。そのために沿岸は甚大なる被害を受けたわけでございます。これは、河川改修だけでは、とうてい将来こういう種類の災害を防止することはできないのだ、どうしても上流において防災ダムを作っていただかなければならぬ、その点について御考慮を願いたい。これは全国的にもそうだと思います。
 なお、これは吉野川だけの問題でございますが、奈良県内においては直轄河川でなく、和歌山に入って直轄河川でございます。これは一つ、ぜひ直轄工事施行地域に編入していただきたい、かように考える次第でございます。
○村上国務大臣 この防災についてダムの必要であることは、各地においての実績が示しておるのであります。私どもといたしましても、災害防止のため上流にダムを作るということについては、あるいはそれが防災ダム、あるいはまた、できれば多目的ダムというようなことで、この上流の崩壊を下流に流さないようにするということは、水理対策の基本的なものであろうと思っております。従いまして、その点については十分積極的にこれから検討いたしまして、その施設を行ないたい、かように思っておる次第であります。吉野川の上流につきましては、農林大臣とよく相談いたしまして、何らか適切な措置をとって参りたいと思っております。
 なお、直轄河川編入についての御意見につきましては、今全国から相当たくさんの直轄河川の要望がありまするので、この点については十分検討した上で、何とか善処して参りたいと思います。御了承願います。
○岡本(茂)委員 多目的ダムでもけっこうでございます。どうか、ぜひ御考慮をお願いしたいと思います。なお、直轄河川の指定の問題も、ぜひ実現できますように御配慮願いたいと思います。
 その次は、山林災害の復旧の問題であります。これは農林大臣にお伺いしたいのであります。吉野の山林は、御承知の通り、木曽と並んで日本有数の美林でありまして、経済的にも非常に重要性を持っておるわけであります。ところが、今も申し上げましたように、今回は随所に土砂くずれ、山津波が起って、ほとんど経済的機能は停止しておるわけでございます。材木の集産地でございます桜井市のごときは、全く木が出てこないので、火の消えたような状況に陥っておるわけでございます。従って、この山林災害の復旧は、私は、緊急中の緊急を要するものだと思います。至急その復興を進めていただきたい、これが第一点。
 それから、もう一つ。これは大蔵省当局になるのかもしれませんが、この被害激甚地の指定市町村の標準に山林災害は入らないということでございます。つまり、公共土木工事の被害額というものが、標準税収入に対してその一定割合を超過するというような場合に指定される、こういうことを聞いておるのでございますが、吉野のように全部山林であるというようなところでは、そういうことになりますと非常な不公平に陥るので、山林災害をも包含せしめるような御配慮をお願いしたいのでございます。これについてのお考えを伺いたいと思います。
○福田国務大臣 御説ごもっともでございます。幾ら下の方を治めましても、上の砂防がうまくいかない限り、治水対策としては完全でないわけであります。そこで、農林省担当の山林災害の復旧につきましても早急にやる、こういう建前で、進度率等も、従来と比較いたしまして大いにこれを進めるという建前のものを考えておる次第であります。
 それから、なお、林道につきましては、暫定措置法の改正によりまして、これまた、早急、かつ、高率の補助率をもって復旧する、かように考えておる次第でございます。
 それから、最後の基準財政収入ですが、それに山林被害を加えるのか、こういう点だったと思いますが、それは政府委員から答弁いたさせます。
    〔前尾委員長代理退席、委員長着席〕
○山崎政府委員 山林の緊急治山事業につきましては、建設省の緊急砂防事業と同様な取り扱いをいたしまして、山地の復旧に当たるということにいたしておるわけでございまして、これの補助の問題につきましては、先ほど建設大臣からお話があった通り、三分の二の補助をするという形に現在はなっておるという状態であります。
○岡本(茂)委員 その問題は、先ほど建設省関係で述べた通りでございまして、私どもは高率の補助を要望いたします。
 それから、なお数点あるのでございますが、これは財政当局等が主でございますから次会に譲りまして、ただ、こういう表を出していただきたい。二十八年災の場合の特別立法と今回の場合の特別立法との補助率等の比較対照表でございます。これは、一つ各省をまとめねばいかぬと思いますが、そのまとまった比較対照表を作って御提出をいただきたいと思います。
 なお数点ございますが、時間も過ぎておりますから、私はこれで質問を終わらせていただきます。
○南條委員長 次は、太田一夫君。
○太田委員 最初、農林省の関係の方にお尋ねをいたします。干拓地関係のことでございますが、これは、土地改良特別会計というものがあります。これが今度の災害に非常に大きな原因をなしておるのではないだろうか、こういう気がするし、また現地でそういう取りざたもあるわけですが、たとえば、例を申しますと、鍋田干拓、衣ヶ浦、碧南、平坂というのがありますね。この干拓地の被害が大きかったのについて、土地改良特別会計というのが何か非常に大きな原因をなしておるのじゃないか、これがあったために、被害が大きくなったのじゃないかといわれております。それは、具体的な話を申し上げますと、大体総工費の二割か二割五分くらいの価格で、造成された土地、いわゆる田畑を入植者にお売りになるわけですね。この場合に、最高六万円と押えられております関係上、どうしても、単価三十万円をこえては、六万円にならないわけですね。そのために、堤防などが非常に弱かったのだ、こういう議論なんですが、これに対する農林省当局の見解はいかがでございますか。
○福田国務大臣 鍋田干拓その他干拓地各地の堤防が非常にひどく決壊をしておるということにつきましては、学界の方々にもお願いいたしまして、その原因調査をお願いしたのであります。まだ、その調査の結論が出ていないのでございますが、しかし、今後の方向といたしましては、これは大いに今度の災害を検討いたしまして、そうして、これを戒めとすべきである。その一つの問題としては、農地の経済性というようなことばかりでなくて、さらに、絶対この施設はこわれることがないようにということを主眼として考うべきものであるという、中間的な意見の開陳などもあるわけであります。要するに、今度の復旧には、るる申し上げております通り、改良復旧というような思想を大いに取り入れまして、再びかような災害が起こらないようにという仕組みをどういうふうにするのがいいか、目下各方面の角度から検討しておる、かような段階でございます。
○太田委員 堤防の弱さの問題につきましては、研究するまでもなく、実は裏打ちがなかったのではないかと思うのです。あの付近の四カ所の伊勢湾台風で被害をこうむった干拓地では、大体どういう基本構造をもって堤防が作られていたか、これについて若干御説明いただきたいと思う。
○福田国務大臣 これは、建設部長から御説明いたします。
○清野説明員 技術的な問題でございますから、私から御説明いたします。
 今回伊勢湾台風によって決壊いたしました鍋田、碧南、境川、並びに、かつて二十八年災にこわれまして、その復旧が終わりました平坂干拓地が、いずれも今回の大暴風、伊勢湾台風によりましてこわれましたのは遺憾であります。鍋田干拓の構造について申し上げますと、鍋田干拓は、その堤防の標高を昭和二十八年の十三号台風の際の暴潮位、すなわち、その当時の一番高い名古屋港の水位をとりまして、さらに、それに波高を加味した若干の余裕をとりまして七・三〇メートル――これは海測でありますが、七・三〇メートルと決定いたしたのであります。この七・三〇メートルときめました際に、過去におきまして最大の状況でありますところの大正元年の暴潮位四・三六メートルをもチェックいたしまして、これがきてもこわれない、過去における最大の台風がきても、波は堤防をオーバーしない、こういうこともさらに検討を加えまして、堤防の高さをきめたのでございます。堤防の構造につきましては、基礎部に、約二十トン近い重さの無底管と称するコンクリートのブロックを置きました。それを、深さによりまして、一基または二基、その上に、練り積みのコンクリートの石垣を積み上げまして、ただいま申し上げました七・三〇メートルまでにする、さらに、その背後は、ポンプ船によりまして、付近の土砂を吹きつけまして、そうして、背後は土砂をもって作った、いわば自立堤形式の堤防というのであります。碧南につきましても、大体同様な形式をとって、やはり、これも昭和二十八年の十三号台風当時の暴潮位を基礎にいたしまして、波高の余裕をとることは同様でございます。衣ヶ浦につきましては、今回破堤が起きました部分は、刈谷大橋が連接する県道のつけ根、それも干拓堤防というよりは、むしろ堤防のつけ根の部分から水が回りまして、それが堤防の裏へ回って逆に干拓堤をこわした、そういうような状況でございますが、これは県道部分と干拓部分がございますので、その県道部分につきましては、標高が六・三メートル、干拓部分はたしか沖の方に入っておりますので、その部分は五メートルありますが、さようにいたしまして、県道部分と干拓プロパーの部分と分けてございます。ただし、この場合に、衣ヶ浦の県道部分がこわれましたけれども、干拓部分はこわれておりません。大体の構造は、鍋田、碧南とほぼ同様でありますが、ただ衣ヶ浦の場合には、下にアスファルトの舗装がしてございまして、その点が、若干構造が違っております。そのほかの干拓につきましても、ほぼ同様でありますので、構造につきましては……。
○太田委員 時間の関係がありますので、私も簡潔にお問いいたしますから、簡潔にお答えいただきたいと思います。今のお話から考えまして、やはり独立採算というわけではないでしょうけれども、この特別会計によるところの採算性というのが、売却値段一反六万円という値段をはじき出し、これに制限されたことによって、堤防の裏側が土砂で吹きつけてあったという致命的なものがあった。しかも、なおそういう干拓の村でありましても、いざといった場合の緊急避難の設備がありませんでした。たとえば、舟を持っていたところがないのです。こういう点から考えまして、非常に当時危険を感じていただろうと思いますのにかかわらず、その危険を防止する方法がなかったということは残念だと思うのです。たとえば、鍋田では、百六十四戸あって、現存する家が全然ない。それから碧南では、百戸のうちで三十戸ほど原形がありますが、これはほとんど半分こわれている。平坂干拓では三十戸あって、全然これは家の跡形なし。衣ヶ浦の方は、まだ入植しておりませんから、ないのですね。こういうような工合で、非常に被害がひどかったわけです。これにつきましては、今後、おそらくこの対策について十分慎重を期されると思うのですが、実は、非常に農林省の堤防は弱いというこの批評、これは一つ政府の関係者において十分反省をしていただきたいと思うわけです。
 そこで、特に心配をしておりますから、具体的なことについてお尋ねしたいのですが、住宅建設の場合に、これが激甚地に指定される、されないということは別にいたしまして、そういうところを激甚地といたしまして、どれくらいの補助をなされるか。これは、五年以内のところと六年以上のところと違うと思いますが、幾ら住宅建設に補助があるか、この金額を一つお答えをいただきたい。
○伊東政府委員 お答えいたします。今の住宅でございますが、実は、先生御指摘になりました鍋田でございますとか、あるいは碧南とか、被害激甚地の干拓地の住宅は、ことしは仮設住宅ということで考えまして、二十五年度以降に本建築をしたいというふうに考えております。それで、一般の開拓地でございますと、五年以内のところにつきましては単価十九万八千円ということを考えまして、それの九割補助ということを実は五年以内の入植者については考えております。干拓につきましては、今申し上げましたように、三十五年度以降でこれをどういうふうにするか考えていきたいというふうに思っております。
○太田委員 農舎、畜舎につきましては幾らであるかということと同時に、非常に貧しい人が多いのですから、旧債は当然に免除されるものと思うが、そう了解してよろしいか。それからもう一つ、経営良好であったと認められた者も、今度の災害によって要振興農家という線に墜落をいたしておりますから、これもまた要振興農家と見て同じような扱いを受けられるか。この三点について簡潔なお答えをいただきたいと思います。
○伊東政府委員 お答えいたします。農畜舎につきましては、全壊のものは六万七千円という単価で、その九割で考えるというようなことでございます。これも先ほど申し上げましたように、ことしじゃなくて、来年度以降、その他の干拓地について考えております。それから今考えておりますのは、大体入植いたしまして五年以内のものは、これは激甚地でございますれば、全部九割以内の補助をしていくというふうに考えております。それから六年以上経過いたしたものにつきましては、実は少し基準を作りまして、六年以上でも、今開拓営農振興臨時措置法で要振興開拓者というふうに指定をしておりますが、そういうものについては、優先的に考えております。あるいは今のような指定を受けておりませんものにつきましても、農作物の被害を七割以上受けており、あるいは昨年も四割以上の被害を受けたというようなものにつきましては、これはやはり九割というふうなもので考えていこうという基準を作っておるような次第でございます。
 この開拓地の人の旧債の問題でございますが、これにつきましては、死亡された方その他につきましては、これは保証人の関係等いろいろございますので、この人の債務をどのように取り扱うかということは、実は具体的に今後考えていきたいと思っておりますが、一般的には、単に被害があったということだけで旧債の免除ということはできませんで、これは履行延期をいたしますとか、そういうふうな手続をしていきたいと考えております。
○太田委員 建設省にちょっとお尋ねいたしますが、河川の今度の改良に関しまして、土地買収の問題、農地買収が相当にあると思いますが、大体現在までのところ、およそ時価の五割というのが評価額でありまして、たとえば、四十万円の土地に対しては二十万円ぐらいの買い上げ価格であるということが、非常に怨嗟の的になっております。こういう点について、土地買い上げ価格については、時価を尊重されるかどうか。この点のお答えをいただきたい。
○山本政府委員 土地の買収につきましては、近傍類似の取引価格も参照してやるつもりでございます。
○太田委員 これは、各省におきましてこの問題が出て参りますから、一つできるだけ時価というものを尊重されるよう希望しておきます。
 時間の関係上、今度は自治庁の方にお尋ねをいたします。まず歳入欠陥債の問題ですが、これに対して、今度元利補給の措置がないという御説明でございました。どうして元利補給ができないのか、ぜひこの元利補給をしてもらいたいというのが大かたの市町村の切なる願いでありますが、これについて……。
○石原国務大臣 今回の歳入欠陥債に対する措置は、二十八年のときとちょっと事情が異なっておるのでございまして、二十八年当時は地方財政平衡交付金制度であったのでありますが、今度のは交付税制度で、しかも、特別交付税というようなものが今回の補正予算におきまして相当増額されておるのであります。原則として、こういうものについては特別交付税でめんどうを見る、特別交付税でめんどうを見切れない部分について歳入欠陥債を認めていこう。その歳入欠陥債につきましても、将来の元利償還については、約三割ばかり特別交付税で見ていくのでありますから、その町村の実情によりまして、それでもなお足りないというようなものは、さらに特別交付税でめんどうを見ていこう、迷惑をかけないようにしよう、前よりはかえって合理的になっているのじゃないか、私はかように考えております。
○太田委員 そういうことになれば大へん安心いたします。従って、そういり考え方で石原長官にお尋ねをいたしたいのですが、これは地方税法上にいいます地方税の減免の問題でございますが、これが法案には特例も何もありませんから、昭和二十八年十二月一日の自治庁次長通達というのが、今日なお堅持されております。これが憲法のごとく守られておりまして、しかも、その内容は、実は第三号か何かあるのですが、減免は、原則として災害の日の属する年度の地方税のうち、災害の日以後に到来する納期にかかわるもの、こういうふうな言葉が当時あったのです。これは「原則として」というのですが、地方に行きますとそれがなくなりまして、すべて納期がその災害の日のあくる日以後、本年度の伊勢湾台風の場合でいいますと、九月二十七日以降に納期の到来する市町村におきましては、固定資産税、市町村民税、こういうふうになっております。しかも、この自治庁通達というのが、県の地方課におきましては非常にかたく守られまして、各自治体がばらばらのことをやっては困るんだから、必ずこれを守りなさいと言われて、地方事務所を経由して市町村長を呼んで、これでやりなさいとひな形を示されて、ただそこに何々町とか何々村という名前を入れる、これだけで事がなるように統制ができていた。これは、少なくとも今度の災害の実情と規模と、それからまた地方自治の本質からいっても、少しおかしいと思うのですが、どうして二十八年の災害のときの通達をなお今日かたく守れという御指示に相なっておるのか、お答えをいただきたい。
○石原国務大臣 今回出しましたこれも一応の基準を示しているものでありまして、お話の問題は、一律に減免するものはこれから納期のくるものについてやれということであって、しかし減免には一律の減免と、それから個々の納税者について、減免なり、徴収猶予なり、いろいろな措置がとれるのであります。それ以前のものについては、個々に納税者の負担力その他を調べて、減免なり徴収猶予なり、いろいろな措置がとれると思います。一律に全部何割減ずるとかどうするとかというのは、これからくる納期のものについてとれということでありまして、そこは地方議会におきまして、条例その他を基準にして、法令に準拠して適当に私は裁量できるようになっておると考えております。
○太田委員 従って、自治庁長官のお話では、個々に実情に応じて、各市町村が災害の大小に応じて、これを基準として相当幅のある決定をしてよろしい、こういうふうなことでございますか。
○石原国務大臣 一律に減免するものは、大体この基準に準拠してほしい。それは特別交付税を配ったりいろいろする場合の算定の便ということもございますが、あなたの御質問の、過去にすでに納期のきておったものとか、いろいろの問題については、個人々々の納税者の担税力その他を見て、あるいは現在の境遇その他を見て、個々に減免する措置がとれるのですから、あるいは徴収猶予をするとかいろいろなこともできるのですから、この通達の範囲で実情に合った措置が、町村としては私はできるのではないかと考えております。
○太田委員 よく承りますと、結局できないことになるような気がするわけですね。特に市町村民税並びに固定資産税、府県税の事業税、これは今度の場合減免とありますけれども、実は減額がありまして、免除というのはないわけです。大体一期、二期と納めて、あと三期、四期分が残っている。いわゆる半額残っているのですから、減免といったって、減であって、免がない。減免という言葉については、法制局におきましてもいろいろ御解釈があるようでございまして、一部分を負けるというのも、これも減免の中に入らぬことはないと言う。しかし、厳格に言いまして、減額、免除というのを減免と言ったというのは、これは、まあ日本語の常識なんですから……。してみれば、市民税におきましても、過去にもうすでに払った一期、二期の分につきましても、これを戻す、流失あるいは全壊、こういう方に対しましては返していくというのが、この減免の税法の条文の趣旨だろうと思うのですが、今のように特交を計算する、特別交付税の計算がややこしいからとかなんとかいう事務手続を理由として、非常に住民の福祉ということ、あるいは思いやり、愛情というものが制限されたということは遺憾だと思うのですがね、どうなんでしょう。
○石原国務大臣 家屋が埋没、流失、滅失してしまったというようなものにつきましては、そういう個々の人については、私は、ほんとうの、いわゆるあなたの言われる免の措置をとって、過去に納めておればそれを返してやる、そういう措置をとっていいと思うのです。ただ、私が申しましたのは、これから納期のくる、今後一律に措置する問題について、大体この基準によってやってくれと、こういうことを言うておるのであります。具体的の納税者については、個々に減免、徴収猶予、その他のいろんな措置をとって差しつかえないと私は思っております。
○太田委員 そうしますと、完全に流失した家庭につきましては、国定資産税、事業税並びに市民税というのは、これの一期ですね。最初にあれは二月か三月、四月なら四月にさかのぼって納めたものも返してやることも、この通達の中には入っているのだと、こういうことなんですか。
○石原国務大臣 さようです。
○太田委員 それでいいといたしますと、実は、これは愛知県の地方課あたりの行ないましたことを見ますと、そういう意思はもう全然通じておらないのです。所得税は全額免除でございますね。これは、所得税というのは、源泉所得税にいたしましても全額免除ですから、すでに入りましたものは、今度全部返ってきます。そうであるけれども、地方税というのは、地方税の中には何条でございましたか、あるのですが、その地方税にある減免というのは、実は、自治庁の次官通達というのが絶対の基準なんだ。これが生きているのだから、これを変えない限りそれはできないのである。だから、全部これでやりなさいというわけで、どの町村だって流失したうちにも、あるいは全部なくなっちゃって、どうかなっちゃった全壊のうちにも、お気の毒なうちにも、いささかも返されない。これからあとの半分だけだ。しかも、これが九月二十七日以後の納期ということになっておりますから、九月の末を納期とした第三期分というのがあるのです。これは、ある市町村によっては、九月末日を納期とする第三期分の市民税あるいは固定資産税にいたしますと、早い人は九月の二十日ごろ納めちゃっておる。正直な人は、二十六日の午前中にもう納めたというような人もあるのです。そうすると、その人は、二十七日以後でなければだめなんだから、それはもう返してもらえないという解釈をとっておる。そうすると、運の悪いというのは仕方がない、運が悪いというくらいのところで一つ観念して下さいというような解釈なんですかね。そうすると、愛知県地方課の考え方は違うと、これはもう自治庁からはっきりと認定を受けたものだとわれわれは理解してもよろしいですね。
○石原国務大臣 そういう具体的な事情について、個々にいろいろ減免の措置をとるというようなことは、本来、市町村長が市町村内の実情を十分把握してやっていいことでありまするから、われわれの方では、そういうところにまで別にどうせいということを言っているのじゃないので、それは市町村長のやり方の問題であろうと私は思います。
○太田委員 従いまして、自治庁においては、今度の東海三県にいたしましても、愛知、岐阜、三重の三県がいかなるやり方、処置をしたかということにつきましては、十分把握していただいておると思います。従って、今の考えからいきまして、少し行き過ぎておるとか、あなたのところは非常にうまくいっているとか、こういう御批判があろうと思いますが、三県の実態に対する見解はいかがでございますか。感想は……。愛知県だけはよくわかっているのですが、三重、岐阜はいかがでございますか。事務当局の奥野局長でもよろしゅうございますがね。
○奧野政府委員 率直に申し上げますと、いまだ個々の団体がどのような減免措置を講じたかということについては、詳しくは存じていないのでございます。大体は通達の基準に従った措置はもちろんとっているわけでございます。御指摘になっております、すでに納期のきたものにつきまして、どのような実情把握のもとにおいて減免措置を行なうことにしているかというような点については、よく存じていないわけでございます。御指摘にもございましたので、よくその辺の問題もさらに検討していきまして、間違いないようにしたい、かように考えています。
○太田委員 よくわかった話だと思いまして、ぜひ、一つそういうふうにお取り計らいいただき、行き過ぎは是正して、この際、災害によって自治庁の施政の方針が信を失うことのないように、非常にいいお話ですから、お願いをいたします。
 そこで、もう一つ自治庁に関係することですが、住宅金融公庫の災害の貸し出しでございます。非常にこの貸付の希望者が多うございます。従って、その保証人の関係で、市町村長にぜひ保証をしてもらいたい、保証人になってもらいたいという申し出があるのです。これは、かつて九州諌早におきまして、市長が保証をいたしましたところ、約三割くらいとか焦げつきが出たそうでございますね。しかし、その場合には、特交によってこれを埋め合わせるという方針が自治庁にあったのだと承っておりますが、この市町村長が住宅の資金の借り入れなどについて保証人となり、それが焦げついた場合、若干のパーセンテージの金額については、特交をもってこれを埋め合わせるという御用意はありますか。
○石原国務大臣 私が名古屋に滞在しまして対策本部におりましたころは、今お話のような問題もありましたので、市町村に、できる限り保証したらどうか、それで金融公庫の貸し出が迅速になるように協力をするようにということをお願いをしておったわけでございます。この問題につきましては、今後市町村長が保証したものについての損失補てんとか、いろいろの問題が起きてくると思います。そういう問題については、あるいは国の再保証を考えるとか、あるいは住宅金融公庫というのは、これは政府の特殊機関でありまするから、そういうところで損失を背負い込むということになってもこれはルーズになりますから、そういう問題についても、さらに今後検討をして、何らかの対処策を講じておかねばならないと私ども考えております。
○太田委員 次は、災害地に対する警官の応援の問題ですけれども、非常にこの警官の応援が少なかったということが、各種の取り締まり不十分ないしは救援の不十分ということになったようでございます。自治庁といたしましては、これはいかがでございますか、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。何か断わられたから少なくなったのか、あるいは、もっと出すべきであったのか。今日になって、もう事は済んでおりますから、自己批判をちょっと……。
○石原国務大臣 私は、結果から見まして、警察官の応援態勢が少なかったとも思ってはおりませんが、ただ、応援態勢の整備について、もう少し早かった方がよかったのではないかとは考えております。御承社のように、愛知県については、警視庁より二百名と二百名、延べ四百名か五百名になったと思いますが、三重県については、大阪府よりこれまた二、三百名の警察官の応援を得、さらに、パトカーであるとか、ボートであるとか、いろいろの施設等の増援を得まして応援態勢をしいておりますが、今後の問題としましては、こういう際のあとの財政的処理、始末をよくしておかねばならぬと思うのであります。今回の補正予算につきましても、そういう特別応援費の措置等につきまして若干の計上をしてもらっておりまするが、これが不十分であるということになると、将来応援を受ける方も、応援を出す方も、いろいろちゅうちょ逡巡するという問題がございまするので、そういうことのないように、要った費用については十分措置するということを考慮しておかなければならないと存じます。
○太田委員 自治庁を終わりまして、あと運輸省と建設省に関連をしてお尋ねをいたしますが、これは、先回、各潮どめの工事のおくれておる現況並びに交通機関の途絶状態というのが災害対策委員で発表されました後、私十一月の三日の日に名古屋へ帰りましたときに調べましたところによると、関西線の永和から先はなお不通、近鉄線が蟹江から桑名間がなお不通、名古屋鉄道は柴田―聚楽園間がなお不通、これは交通機関でございますが、そこで、この交通機関が途絶したために起こる影響というのは非常なものがあるわけです。失業保険法に関連して議論が出てくる。それからまた、物価に関連して問題が出てくる。それから産業などときたら、大へんな影響がある。知多半島の先の常滑、これは陶器の産地でございますが、これは需要はあっても何としても送り出す方法がない。従って、遠く刈谷なり、ないしは大府等の東海道線の駅まで運び出して送り出すというような、非常なネックに遭遇しておるわけです。この困った状態に対しまして、一体運輸省はどういう対策をとられたのだろうと思って調べてみましたところ、何でも当初民営鉄道部長さんと補佐官の方が中部地方の対策本部にいらっしゃったが、これは長くおられなくてお帰りになった。おそらく手がつかない、水の引くのを待とうということだと邪推をするわけであります。その後水が引いたかと申しますと、思うようになりませんから、依然として不通です。二、三日前に資料をいただきましたが、これは完全な資料でなかったので、資料そのものに不十分があったのです。民営鉄道部、いわゆる運輸省におきましては、この現在の交通機関の途絶状態、開通状態をどのように見ていらっしゃるのか、お尋ねいたします。
○石井説明員 ただいまの御質疑につきまして、現在不通個所は、お話にありましたように、近鉄線の蟹江―桑名間、名鉄線の常滑線の聚楽園―柴田間、それから同じく名鉄の尾西線と申しますか、弥富から津島の間、そのうち比較的早く見通しがつきかけておりますのは、常滑線でございます。これにつきましては、上野地区の締め切り工事が終わりまして、七日に排水を始めたという話でございますから、これが大体終わるのが十日間と見まして、排水を終わりましてから三日でとりあえず開通したい、こういうふうに考えております。次は、ほかの残りでございますが、これにつきましては、私の方として、やはり排水が終わってから大体一週間、これだけしか申し上げられない状態でございます。
○太田委員 そういう実情のもとで、今まで四十何日間、毎日何百万という人が困り、また、非常に大きな各種の産業が困っていたのですが、これは国鉄の方がいらっしゃらないで、民営鉄道部の石井さんだけとすれば、私鉄を中心としてお話ししていただいてもいいのですが、交通機関の開通についてどのように――これは事前に、建設省が仮締め切りを終わって、排水するまで、何とも手の打ちようがなかったのかどうか、こういう点どうなのでしょう。
○南條委員長 答弁がありませんから、進行して下さい。
○太田委員 運輸大臣いらっしゃらないので、あまり無理な答弁を求めてはどうかと思いますが、しかし、現地の人々の気持、人心の不安、並びに産業の渋滞、まことにはかり知るべからざるものがあるわけなんです。それで、これは一つの案なんですが、建設省の方にお伺いしてみます。
 建設省は、潮どめをやるときに、交通機関の回復ということに対して配慮していらっしゃるようで、国道一号線は工事が終わって、ドラムカンをお使いになった。しかし、近鉄、関西線は、どちらを先にやるようにしたのか。並行して考えておやりになったのか、それとも、この地区だけやるには、ここにこういう何か手がかりがあるから、ここだけやろうということであったのか。交通機関に対する配慮はいかがでございましたか。
○村上国務大臣 交通機関を一刻も早くというようなことで、ああいうドラムカン工法というような無理なこともいたしたのであります。なお、長島の北部をああいうように途中で締め切って、特別な措置をいたしましたのも、やはり交通機関の復旧を一刻も早くという見地に立って、ああいう無理をいたした次第であります。
○太田委員 となれば、人事を尽くして天命を待っていらした分には、われわれとしても了解せざるを得ないわけですが、たとえば、上野町というところがある。上野町の排水というのは実におそくまでかかって、今のお話ですと、運輸省のお話で、たしか七日ですから、おととい締め切りができて、一日か二日水を排水しておるというのですが、実は向こうから来た人の話では、その水が排水されているのか、水を逆に注入しているのかわからないというのです。今まで国道というのは国道二号線ですが、名古屋―常滑、あれは上野町まで一本になって、それから二つにYの字に分かれるわけですが、一本は、上が今まで干潮のときは通れたのです。自動車でも自転車でも通れた。今はその上へ、一メートルとは言いませんが、一尺くらい水があって、全然通れないのだそうです。なぜかというと、一番少ないときに締めるわけにいきませんからね。そうでしょう。それがこの間雨が降った。しかも、その締め切り跡が、十分な工法でなかったので、これは村上建設相も専門家ですからおわかりでしょうが、なかなか排水が進められないそうです。そのために、前通れたのが今通れなくて、実に困っているという。そういう状態なので、私は思いますのに、あそこへ自衛隊が行って、二カ所、約二百メートルの堤防を新設しまして、あと約一キロ近く――数百メートルあった。これを自衛隊がやった。ところが、自衛隊というのはトロッコを一つ持ってくるでなし、レール一本なし、金沢から二千幾名来たそうですけれども、道具がないので、その付近の上野町にある民間の土建屋さん、これは県庁などを請け負っていらっしゃる磯部組とか聞きましたが、そこから道具を貸してくれ、あれを貸してくれといって借りて、磯部組も見てはおられないので、百人の応援隊を出し、町で三百人ほど応援してやったのだそうです。ですけれども、もち屋はもち屋という言葉がある。私は社会党で、あまり自衛隊を悪く言ってはいかぬけれども、自衛隊が最近非常にほめられているときですから、自衛隊はいいと言わなければならぬ。しかし、あそこに関しては、自衛隊は、もち屋はもち屋どころか、こういうことに経験のない部隊であった。二千人来ても烏合の衆です。ですから片方、聚楽園というもう一つ向こうのセクションは、矢萩建設という建設株式会社の土建屋さんが締め切った。これは専門家ですから早い。たしか十月二十五日に締め切った。そうすると、どちらが一体いいのかというと、自衛隊との比較論が出てきますが、早くやった方がいいのです。そうすると、上野町の電車の開通しないというのは、かりに矢萩建設のように機械と設備を持っていた方に頼んだら、早かったのではないかという気もしますが、それは今日締め切ったからいいのです。これからのことですが、線路の百メートル向こうのたんぼの中で締め切らなくても、電車の線そのものが高いのだから、そこを初めから締め切って、あわせて電車を通すようにしたら、今日知多半島十万の人が毎日の行き来に困らなくても済むわけなんです。ですから、交通機関のことを十分考えておやりになったとは受け取れないのですが、どうなんでしょう。
○村上国務大臣 私は、運輸大臣でないから、運輸省の点についてはどういうことか、よくお答えができないと思いますけれども、締め切りを、あなたの御意見では、この鉄道の路線のところで締め切れということでありますが、ちょうど今締め切っているところと鉄道の線路との間に相当うちがありまして、そういうようなことから鉄道のレールで締め切りをやらなかったのだろう。これは愛知県でやったのですが、そういうような点で、今のこの地点で締め切ったのだろうと思います。しかし、私どももただいまの御意見は、過ぎたことですが、よく了解することができます。
○太田委員 やはり鉄道線路というものは、私有財産だからというようなことでなしに、一つこれを利用して締め切った方が、早く潮どめになり、かつまた交通路の開通に役立つならば、思い切ってやられるべきであったと思う。そういう点は、石井民営鉄道部長がいらっしゃいますけれども、あちらへいらっしゃったとき、近鉄線はここを開通して下さい、関西線はここを一番早く、あるいは知多半島の交通路はこうしてと、直接対策本部において強力にやっていただいたならば、なおよかったのじゃないかと、今日後悔されるような気がするのです。これは最後に、特に民営鉄道部長さんにその点に関連してお聞きしておきたいのですが、やはり道と線路というものは、高い道、高い線路ということが常識になってきました。これが建設上望ましいことであると思っていらっしゃるだろうと思います。このことに関して、相当あなたの方で指導なさいませんと、民間の会社などやりませんよ。電車が動かなくなれば、ほうっておけばいい、メイファーズといっておればいい。それじゃ産業経済、人心が安定しませんから、高い道、高い線路、こういう原則は、交通機関の建前からも必要だと思いますが、それについて賛成でございましょうね、ということをちょっとお尋ねして、質問を終わります。
○石井説明員 おっしゃる通りでございます。今度の近鉄と名鉄の復旧につきましても、原形復旧以上に高くしたいという結論を出していますが、私どももそれに基づきまして検討しております。
○南條委員長 それでは、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十三分散会