第033回国会 法務委員会 第5号
昭和三十四年十二月二日(水曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 瀬戸山三男君
   理事 鍛冶 良作君 理事 小島 徹三君
   理事 小林かなえ君 理事 田中伊三次君
   理事 福井 盛太君 理事 井伊 誠一君
   理事 菊地養之輔君 理事 坂本 泰良君
      綾部健太郎君    一萬田尚登君
      大久保武雄君    大坪 保雄君
      世耕 弘一君    中村 梅吉君
      猪俣 浩三君    柏  正男君
      竹谷源太郎君    志賀 義雄君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 井野 碩哉君
        国 務 大 臣 石原幹市郎君
 出席政府委員
        警察庁長官   柏村 信雄君
        検     事
        (刑事局長)  竹内 壽平君
 委員外の出席者
        警  視  長
        (警察庁警備局
        警備第三課長) 倉井  潔君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 法務行政に関する件
 検察行政に関する件
     ――――◇―――――
○瀬戸山委員長 これより会議を開きます。
 前会に引き続き、法務行政及び検察行政に関する件につき、安保条約改定阻止第八次統一行動に関する問題について調査を進めます。
 この際、昨日の理事会の申し合わせによりまして、本件調査の参考に資するため、去る十一月二十七日当日のニュース映画を映写いたしますから、これより別館五階講堂にお運びを願います。
 この際暫時休憩いたします。
    午前十時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十二分開議
○瀬戸山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 本件について質疑を継続いたします。竹谷源太郎君。
○竹谷委員 先日来、衆議院本会議並びに当委員会等における議員の質問及びこれに対する政府の答弁を聞きますと、十一月二十七日の安保改定阻止の統一行動においては、七万五千人の動員計画がある。そして集団請願を国会に向かって行なうというような事態は、すでに警察としては察知をしており、そうしてデモの責任者を警視庁に呼んで中止してはどうかということを警告を発したが、すでに計画されたことであり、やめるわけにはいかないということで物別れになった。こういうような政府側の発言があったのでありますが、国家公安委員長、その通りであったかどうか、まずそれをお尋ねいたします。
○石原国務大臣 大体お話の通りでございます。
○竹谷委員 その通りであるとすれば、当然政府として、またことに警察当局がこの大衆の示威運動に対しまして、しかもそれは道路交通取締法あるいは公安条例に違反するものである、不法なる示威運動である、こう見ておるのでありますから、これに対しましては万全の対策、措置を協議、研究して、その取り締まりの方針が確立されてあったことと思うのであるが、どのような方針を確立しておったのであるか、これを承りたいと思います。
○柏村政府委員 昨日来、当委員会においても申し上げておりますように、平穏なる請願はもとより尊重しなければなりません。しかしながら、今回のごとき計画において請願が行なわれるということであっては、憲法に保障された請願権を逸脱したものであるという見解のもとに、警視庁において警告を行なっておったわけでございますが、それに応じない。従って不法集会、不法デモになり、場合によって相当の事態も起こす危険性がありましたので、警視庁としましてはこれに対しまして必要なる警告、場合によって制止、阻止の態勢をとらなければならないということで、過去の経験よりいたしますれば、例のないほどの五千七百余名の警察官を国会周辺に配置をいたしまして、事態の円滑なる処理ということをはかったわけでございます。
○竹谷委員 七万五千の大衆に対して五千数唐名の警察官、これは例がないとおっしゃっていますが、七万五千という数は膨大な数字である。しかもそれがすごろくでいえば上がりは国会ということで、ここへ集中をしてくるということになると、普通のメーデー等におけるように、方々へ分散して歩くのと違いまして、一点に七万五千もの人が集中するのであるから、たとい平穏に事は終わるだろうと予想された状況においてデモが出発をいたしましても、途中からどのように暴動化する場合もあり得ないとは予言できない。従って五、六千名の警察官では十分でなかったのではないか、かるがゆえにこのような事態が起きたのではないか、こう思うのであるが、万全の警察官の数であり、また警備の配置のつけ方が妥当であったかどうか。警察庁長官はその点をどういうふうにお考えですか。この点を承りたい。
○柏村政府委員 結果的に見ますれば、確かに数においてもあるいはその警備の仕方にいたしましても、反省すべき問題はあったかと思うのでございます。これは今後さらに検討を続けて参りたいというふうに考えておりまするが、しかしただいまの七万五千というお話でございますが、七万五千は動員をかけられた数でございまして、従来の例からいたしますると、その程度の動員をかけて大体一万そこそこの者が集まるのが従来の例でございます。しかし今度は相当の盛り上がりを見せ、社会党、総評等も非常に力を入れておるというようなことから、従来にない多数が集まるというふうには考えたのでありますが、まあ大体二万を少しこす程度ではなかろうかというふうに思っておったわけでございます。またこの集団の企図するところは一部全学連等において国会に突入するというような計画がある情報はキャッチいたしておりましたけれども、大部分のものについては、今後調べてみなければわかりませんが、われわれの事前に取り入れた情報におきましては、国会突入というような企図があったとは考えなかったわけでございます。従いまして従来は相当数の者が集まっても、チャペル・センター前に集合して、そこで若干の演説等が行なわれ、そうして代表を出して集団陳情をし、それが帰って、相当道路交通等の障害は引き起こしてはおりますものの、国会乱入等のことはなくて、人事院前の道路を通ってジグザグ行進などをしながらも流れ解散をするのが例だったわけでございますので、大部分の者が学生につられたのか、あるいは初めから企図があったのか、あるいは途中において計画がそういう過激なものに変えられたのか、その辺は調査をしてみなければわかりませんけれども、われわれの事前の態度といたしましては、一部の者に過激な動きがあるであろうけれども、大部分の者についてはあのような事態を引き起こす企図なり考え方があるとは考えなかったのでありまして、おおむねあの程度の警備配置をすれば事態を収束し得るというふうに考えた警視庁の考え方というものは、私は妥当なものであったのではないかというふうに考えるのであります。
○竹谷委員 十一月三十日の衆議院の本会議において、石原国家公安委員長は倉石議員の質問に対しまして、全学連がはね上がりの行動に出るのではないかという情報はあったが、まさか国会に乱入するとは思わなかった、この点は若干判断の手違いがあったと反省をしている、このように警察の見通しの甘さを正直に白状いたしました。この点については、今もお考えは変わらないかどうか。聞くところによると、自民党内にこれに対して不満が出まして、秘密の有志代議士会で石原委員長をつるし上げた、こういうような新聞記事が出ておりまするが、党内一部からつるし上げがあっても、あなたは、国家公安委員会としては判断の甘さがあって、反省しなければならぬ、こういうように正直に白状したが、この点については今もその考えの通りであるかどうか、承りたい。
○石原国務大臣 先刻警察庁正長官がお答えいたしましたように、全学連等の連中ははね上がった行動をするかもしれないという情報はとっておったのであります。しかし、まさか社会党幹部の方が指導しておる動きにおいて、あのような乱入事件が起きるとは、これは考えていなかったわけでありまして、そういう意味で、結果から見れば若干判断に甘いところがあったのではないか、こういうことを申し上げておるのでありまして、今後はもう少し警備態勢を固めなければならないのではないか、配置その他についても考究しなければならないのではないか、そういう意味の反省ということを申し上げたわけであります。
○竹谷委員 公安委員長の率直な、正直な態度は私は非常によろしいと思う。その通りだと私も思います。しかしながら、道徳的に正直だからといって、それで政治家としてその責任は済まされません。こういう事態を起こしたことにつきまして、十二分の責任を感じてもらわなければならない。
 そこで、大体大したことにはなるまい、こう予想したものがとんでもない結果を生んだ原因をわれわれは一つ探求してみなければならないので、そのことはいろいろの考え方があるだろうと思う。私も見たし、また新聞等の報道でも、警察官は丸腰であった。ふだんぶら下げている警棒も持っておらない。それから鉄かぶともかぶっておらない。そういうふうにして丸腰で群衆の取り締まりに当たったということ自体については、私はこれでよろしいと思う。警備力を強化しなければならないということをたてにとって、平和なるデモをやる群衆に対して武力をもって、実力をもって臨むような態度は、私は厳に戒めてもらいたい。今度のような事態が起きたから、これからは厳重な武装をして警察官を多数出動させなければならぬという考え方をとってもらっては、はなはだ私は困るのであって、新聞の記事等を見ましてもそれが出ておりますね。たとえば何新聞でしたか、チャペル・センター前で一警察官の帽子がデモ隊の一人にとられて、それをもみくちゃにして空中に投げ上げたそれをまわりにおったデモ隊が一斉に拍手かっさいをした。警察官は黙って無言の行であった。それでよろしいと思う。警察官は左のほっぺたを打たれたら右のほっぺたを出すように、キリストのような気持で愛すべき国民に対して親切な態度で対処をするのがほんとうの民主警察でございますから、今回の事件を契機として、警備力を強くしなければならぬということを今のような点に結びつけるべきでない、こう考える。
 そこで、今回の事件で、警視庁の小倉君が、あのようなやわらかな態度で群集の取り締まりに当たったことは、私はむしろいいことだと思う。しかし、警備力の強化は他に幾らでも方法があると考えるが、小倉警視総監のとった丸腰の取り締まり、これに対しまして公安委員長はどういうふうに考えるか、御意見を承りたい。
○石原国務大臣 警棒は持っておったようでございますが、使用はさせていなかったようであります。あのときの事前の状態では、大体それでよかったのではないかと思うのであります。私は総体を見まして、結果的にはああいうことになっておりますが、警察官としては一応非常によくやった、警視庁の計画その他につきましても、先ほど申し上げましたように、結果から見ますれば若干の甘さはあったにいたしましても、前からの情勢からの計画としては、あれでよかったのではないか、かように思っております。
○竹谷委員 そこで、その点は私と同感のようでありますから、今後とも警察はむやみに実力を行使し、あるいは武器を使用するというようなことは厳に戒めていただきたい。しかしながら、警視庁はただ無抵抗であっていいというわけではない。それならば、巡査はかかしに制服を着せて立たしておけばいいということになって、それでは意味がないので、あのような慈愛に満ちた態度で群集に接しながら、法律を守るように善導していかなければならない。ここに問題がある。この間は私も全部見たのではなく、ごく一部でありますが、その点非常にやわらかな態度で、最前線におった全学連と相対峙しながらも、その無理をしていない状況を見ました。あの全学連と警察が相対峙しておるところを横切って私は会館に帰っていったり何かしたので、大へんこの情勢はよろしいと思います。私はそこに関する限りは、そのような認識を持ったのであるが、しかしながら法治国家であり、法律の最後の一線はどうしても警察の力で守ってもらわなければならぬ、こう考える。
 そこで、守るべきものも守らないで、ただ巡査がかかしのように五、六千人も立っておったのでは、これは警察として国民に申しおけがないはずだ。この点について公安委員長はどうお考えですか。まるでなすがままにさせておる。非常に穏やかな、民主的な取り締まりをするということはけっこうであるが、それがなすべきことまでなさなかったというきらいはなかったかどうか、それをお尋ねしたい。
○石原国務大臣 私は警察官は隠忍よく耐えて警備の第一線に立ったと思っておるのであります。なすべきことをなさなかったとか、そういうことは私は断じてないと思います。
○竹谷委員 警察当局は、すでに事前に招集をかけたものが七万五千、しかし全部は来ないだろうが、二万なり三万なりは来るであろう、そういう人たちが集団陳情デモをやる、こういう情勢下にありましたので、警備の計画を立て、それを配置につけるばかりでなく、その目標となってお国会の両院議長と緊密な連絡をとって万全の策を講ずべきであったと思うが、両院議長に対してどのような情報の提供あるいは連絡、打ち合わせをやったか。それを伺いたい。
○柏村政府委員 警視庁におきましては、主として両院の繁務部長と連絡をとっておったわけでございまして、具体的にどういう情勢を出したかということは私聞いておりませんが、警備上外周における必要な措置というのは、もちろん責任を警視庁において負うわけでございます。それから警視庁の考えとしましては、あの当日においては、国会の構内に一人だに入れないという覚悟を持って臨んでおったおけであります。しかし昨日小倉総監が申しましたように、一般的に申しまして、外周における警備、それから直近の構内に入ることを阻止する警備、また最悪の場合において建物内に入らせないための警備ということについては警視庁としても常に考慮をいたして、研究をしておるわけでございますので、そういう点については両院の警務部長といろいろな意味で打ち合わせを遂げておったことと思うのであります。
○竹谷委員 そこと議長の警察権の手下である警務部長と連絡をとった、警察部長から議長の方へは、それぞれ議長に対する十分緊密なる補佐が行なわれておったと思うのでありますが、そうだとすれば、それについて警察としてはこのようにやってもらいたい、あるいは院内に事前に何がしかの警察官を配備につけてくれとか、そういう要請がなかったかどうか承りたい。
○柏村政府委員 常時院内には、私確たる数字は覚えておりませんが、警察官を要請に応じて配置しておりますが、当日もたしか増員を要請されて、若干名の増員がなされておったように私は記憶しておるのであります。
○竹谷委員 ふだんより多いのですか。ふだんは二、三百ですか。
○柏村政府委員 数百名というふうに聞いております。私の記憶によりますと、四百名くらいじゃなかったかと思います。
○竹谷委員 国会にはいろいろ規則がありまして、国会法に基づいて衆議院規則、参議院規則、それから傍聴人に関する規則等がありまして、その中に衆議院議員面会規則というのがある。この衆議院議員面会規則の中に、面会人が集団的に陳情する場合のことが規定されております。それから衆議院集団陳情取締要領、これは昭和二十七年の十二月に制定されたもので、今度の場合はこれに該当するのです。これは今私は衆議院事務局の警務部長の出席を求めておるのでありますが、なかなか出てこないので確かめられないのであるが、この衆議院集団陳情取締要領というのは、議長が発議して衆議院において議決の上、衆議院規則と同じようにできたものであるか、それとも衆議院議長が議院運営委員会に諮って、そこで議決を経てきめたものであるか、いずれにしましても院内警察は議長の職権であり、その職権に基づいて決定した規則でありますから、国会法の付属法令と見なければならない。この衆議院集団陳情取締要領というものを一体警察は御承知であるかどうかお尋ねしたい。
○柏村政府委員 当然承知いたしておるはずであります。
○竹谷委員 承知いたしておるとすれば、衆議院集団陳情取締要領の第四項には次のように書いてある。「次に掲げる物件は、構内への携行又は搬入を許可しない。(1)銃器、凶器その他の危険物(2)旗、のぼり、プラカード、ちょうちんその他これに類するもの(3)拡声器、宣伝カーその他これに類するもの」こうあります。第五項には重要な規定がある。「集団陳情者の員数、行動その他の事情から判断して議院に対し示威運動となるおそれがあると認めた場合は、陳情の取扱をしないこととし、」陳情の取り扱いをしないのです。「その構内への入場を禁止する。」こういうふうになっておりまして、この取り締り要領によれば、集団的な威圧の加わった陳情――今度の場合は大体そう認められると思う、そういうものは当然入れてはならないのであるから、議長としては事前に万全の措置を講ずべきであるし、警察としても構内に入らないような十分な警備計画を立てなければならぬ義務がある。むろん警視庁は構内に入らないための、場外においてこれを阻止するような計画を立てたと思うのであるが、しかしあの阻止の仕方ではとうてい乱入を阻止できない状況にあったと私は考える。なお有効な乱入阻止を実行しようとすれば、内部からも押えつけなければ、とうてい防ぎ切れないことははっきりしている。正門から南門の間にさくがあります。あれを乗り越えて一万人以上、一万二千人がみな構内に入った、それを待機している警察官がぼう然と見ておった、このように新聞記事に書いてあります。事実その通りだったと思う。だから、阻止する警備態勢が十分に整えられてはいなかった。今柏村君は十分整えたとおっしゃっておりますが、私どもは、全然阻止する態勢はとられておらなかったと思う。他人の建物の構内であり、ことに権威ある国会院内にこの規定を無視してデモ隊が入ろうとするのに対して、当然阻止する義務がある。民主的なやさしい警察はむろんけっこうであるが、最後の一線だけは守ってもらわなければならぬ。それには、やわらかいがしかし断固たる態度で法律を守り、また群衆を挑発しない方法でこれを阻止して解散させる、別の方向へ向かってどんどん進行させる。それからまた院内に入ることを阻止するところの態勢を十分とるべきであった。この点について私は警察に非常な手ぬかりがあったと思う。これを石原公安委員長は、まことにどうも見通しが甘くて申しわけない、こう言って正直にその点過失を認められたと思うのだが、この点柏村さんは、警視庁は国会乱入を阻止する警備態勢が十分できておったと断言できますかどうか、お答え願いたい。
○柏村政府委員 再三申し上げておりますように、警視庁としては万全の方策を講じて五千七百余名の警官を配置して、国会の構内には一人だに不法な者を入れないという態勢をとったのであります。そしてまたそういう前提として、先ほど来申し上げたような情報について分析して判断を下しておったわけでございます。ところが実際に集まって三方面からじりじりと押してきた。これを警察官が少数をもって制止しておったわけでございますが、非常に負傷者も出てくる。そういうような状況下におきまして一部警察の阻止線が突破されたということはまことに遺憾なことでございますが、そういうことになりまして、一部の者が国会の構内に入る。これから引き続いて続々と入って、場合によって建物に殺到するというようなことも、ああいう状況になれば、だんだん激高に激高を重ねて参るということも、勢いのおもむくところあり得ることでございますので、警視庁としてはその他のはっきりと阻止しておった部隊までも全部国会周辺に集結し、議長の要請に応じていつでも建物を守り得るような態勢に切りかえたわけでございます。そうすると、御承知のように国会の外周といいますか囲いというものはまことに平和な、だれでも侵そうと思えば侵し得るような形においてできておる。あの広い構内のことでありますので、これを群集が乗り越えて入るということを一々そのときに至って制止するということはとうてい、これがかりに一万の警察を配備しても、私はあのときに至っては不可能であったろうと思うのでありまして、はなはだ遺憾なことでありますが、一万二千という集団が国会構内になだれ込んだような状況でございます。私は先ほども万全と考える措置をとったという意味において申し上げたのでありまして、結果的に見て十分でなかったということは重々反省をいたしておる次第であります。
○竹谷委員 だから事前に議長とも連絡をとって万全の国会侵入を押えるような警備の態勢をとっておくべきである。かつてない多数の七千数百名の警察官を動員して警備に当たったと言うけれども、今の話は逆で、まるで足らなかったということになるのであります。なおまた現場のこまい話になりますが、私が先ほど読み上げた集団陳情取締要領、こういう規定のあることは議員なりあるいは警察なりは知っておるかもしれませんが、一万二千の国会構内に入り込んだデモ隊はだれ一人知っておる者はなかろう。だからせっかく陳情に来たんだから、目標は国会である、国会の中に入っていこうという気持になるのは、これは無理からぬことだ。それを十分の阻止態勢がない。なおまた国会の構内には入ってはならないことになっておるというそういうPRもなされておらない。だからだれかが入ったからおれも入っていこうと思うのはあたりまえであって、警察と議長がぐるになってデモ隊員を中に導き入れた、こう言われても過言でないと思う。あの情勢下にあって非常にそのやり方が――従って警察もまた院内警察権も不十分な措置をとったためにこういう事態を引き起こしたのである。なおまたその上に代議士が指導者になる。代議士だから構内に一般群衆が入ってはならないということを知っておるから、まさか入れるようなこともなかろう、こう警察は考えておった、こう言うかもしれないけれども、何も指揮者が一々入れと言ったわけではないわけなのである。この点について警察も議長も入られてから大騒ぎをして、天下の不祥事であると言いながら、入る前には何とも考えてなかった。ここに問題があったのじゃないかと私は思う。そこをどうお考えですか。
○柏村政府委員 入るまでは何とも考えてなかったというようなことは全くおかしな話でありまして、現に人事院前の道路それからチャペル・センター前、特許庁から上がってくるところで強い制止をいたしておるわけであります。しかもそのときにこういう形の集団の請願は認められないからということを再三にわたって言っておるわけであります。さらに解散を慫慂もしておるわけであります。従って、入ってきた人間が当然陳情に来たのだから国会構内に入り得るのだと考えたというようなことはあり得ないことであって、しかも最初に入る者は門をこわして入っておるわけです。そういうのは日本人の常識として当然に集団で陳情もできるのだ。門をこわしてもできるのだというふうに考えたというふうなことは、全くあり得ないことではないか。やはり不法をみずから知って、これを犯しておるというふうに考えざるを得ないと思うのでありまして、私はあの事態の起こったことは非常に遺憾でありまするが、警察がこれを挑発し、あるいは誘導したというような、何らかためにされるような議論に対しては絶対承服できないと考えておる次第であります。
○竹谷委員 そのように万全の阻止態勢をとろうというのであれば、警察は院内警察権を持っておる議長と十分打ち合わせをして、こういう大衆が国会周り辺にデモるのであるから、万が一のことなきを保しがたい。よってふだんは二、三百人、それを五百人ぐらいにあの日は増したかもしれませんが、とうていそれでは足らないので、何千人かの警官を出して、人垣でもって押えるなり、あるいは適当な方法で他の方面へ透導するという措置をとるべきであったと思うのでありますが、その点に関して議長の方と連絡をどのようにとったか、重ねてお尋ねをしたい。今までの答弁では、何らそういう進言もしなければ、十分の連絡がなかったように聞き取るのでありますが、その点をはっきりさしていただきたい。
○柏村政府委員 先ほど申し上げましたように、具体的に警視庁が警務部長とどういう連絡をとっておったかということはつまびらかに承知いたしておりませんが、ただいまお話しのように、議長と連絡をとって、中に多数の者を置いて、その構内に入ることをはばむというようなことはとうてい、それだけやって構内に入ることをはばむというような警備態勢はむしろ私は困難ではないか、人垣を作って土手のまわりをずっと囲んでおっても何列になれるか。やはり当然通ってくるであろう道路の交通量というものを考えて、そこで厚い制止線というものを設けるということが、私は国会に乱入させない最も有効な方法であると考えるのでありまして、国会構内に素手の警察官を配置したということによって警備があれよりも強化されるというふうには、私は技術的に考えられないのであります。
○竹谷委員 それではこのような事態が起こらないようにするには将来どうしたらいいか、構想があったら一つお話しを願いたい。
○柏村政府委員 私は将来起こらないためには、やはり国民が国会というものをほんとうに尊重して、ああいうような事態にならない、どんなにいろいろな面で不満があっても、平穏な言論なりあるいは請願というようなことで事を運んでいくという平和に徹する考え方がもっと強く高揚しなければならない。これが私は根本であろうと思います。もう一つは、そう言っても国民大衆が直ちに、特に国民大衆の中の過激なものは直ちにそういうふうな教養が高まるということも期待しがたいとするならば、少くもこれを指導する層において十分に自戒され、そうして大衆を導く方法というものについて平和な手段というものを特に考えられるように望みたいのであります。そういうふうにしてなおかつ不逞な分子が法を犯してくるというような場合につきましては、これは限られた数になりましょうし、またこれらはすでに法を犯すことを見越して集まるというような形のものでありますので、これに対する警備措置というものは、おのずから二十七日のときのごときものと違った方法もとり得ると私は考えるのでありまして、やはりこれはいろいろな面から研究といいますか、改善されなければ、単に警備力を強化するということだけでこのことを解決し得るとは、私は考えておらないのであります。しかしながら警察自体といたしましては、もちろんできるだけの有効適切な方法を考究して将来に備えたいと考えておる次第であります。
○竹谷委員 いろいろ応答しましたが、結局私は今度の事態は、何もこんなふうな問題を起こさないで済んだ事態であったと思う。この点は公安委員長も警察庁長官も、大部分は平穏なる国民であり、一部はね上がった全学連の者等もいるが、大部分は平穏に陳情デモをやって、それから流れ解散をするというふうに認めておった、こう言うのでありまして、その点すでに初めから見通しが甘い。そしてそのときになっても適宜な措置がとられなかった。国会とも十分な連絡がなかった。議長も適切な措置を欠いたというところから出ていると思うのであります。
 なおまた読売新聞の二十八日の記事には、チャペル・センター前で二万人が勢ぞろい。淺沼書記長、野坂共産党中央委議長らの「青年の血をアメリカに売り渡す安保条約を破棄せよ」あるいは「一人一人が請願書を持って岸に会おう」などの激励演説を受けたあと、同三時四十五分から全学連を先頭に、「国会へ」を合言葉に警戒線の実力突破が始まったと、こうあるのです。こういうようなものにつきましても、こういう宣伝、激励を受ければ――先ほど警察庁長官の話では、すでに国会に入ることは違法であるということをPRしたと言っておりますけれども、これはなかなか群集の中に徹底するものではありません。聞いたのはその何分の一か何十分の一にすぎないので、わけがわからないのです。これに対してもっと適切な措置をとり得たならば、別の方へ流れさすことが私はできたと思う。こういうような点については、警察の措置、また議長の措置、指導者の指導のやり方、この三者に重大な欠陥があって起きたのであって、これらの人々が、すなわち警察なり両院議長なりあるいはデモの指導者なりが、良識を持って適切にやれば、こんなことは未然に私は防止できた事態であると思う。ところがとんでもない結果になった。そこでこれはどうも警察はできるだけ取り締まりをやわらかにして、そうして、どうしてもデモ規制法なり警察官職務執行法の改正なりをしなければ、とうていこういう群集取り締まりは不可能なんだというところに持っていくのではないかという疑惑を、世間に巻き起こしている。きのう地方行政委員会における国家公安委員長の答弁を伝えた新聞の記事によると、いろいろ言っておりますが、結論として、「デモ規制法で国会周辺のデモは防げても警職法を改正しなければ国会周辺デモ以外の集団的暴力は防ぎ得ないことを痛感した。」こういうことを言っておりますが、これはもう自分の過失、無責任を九千万国民にぶっかけて、国民はみな暴徒だ、デモ隊だ、暴力行為者であるときめつけて、これを取り締まる法律をまず作らなければならぬというような考え方で、これはどうも民主警察とはおよそ似ても似つかない考え方である。今回の事件などは、警察、議長並びにデモ指導者の三者が良識を働かしてやれば何でもなく阻止できて、きわめて平穏な集団陳情に終わったはずなのだ。それが、このような不祥事件を巻き起こしたのはこの三者の共同責任であり、そこへもっていって、今度は九千万の国民を暴徒扱いにして、そうしてデモ規制法を作りあるいは警察官職務執行法を改正して、人権を制圧しようというように持っていくということは、これはもってのほかだ。こんな考えを石原国家公安委員長がやたらに述べるということは、国民に対する侮辱といわなければならぬ。どういうお考えでこういうことをおっしゃったのか、もう一ぺんその見解を明らかにしていただきたい。
○石原国務大臣 今竹谷議員の読み上げられたような発言であったかどうか知りませんが、そういう言い方ではなかったと思いますけれども、私は一般の治安確保と申しますか、警察官の職務執行につきましては、現在の法制ではまだ足りないものがあるんじゃないかということは前々から感じておるものでございまして、一般論としてそういう気持を持っておるという意味のことを、昨日の地方行政委員会の何らかの機会に言ったと思うのでありますけれども、しかしこれはそのときにも申し上げていると思うのでありますが、昨年警職法改正案の提案によってのあの問題もあったことでありますし、これらはまた諸般の情勢を考えてやらなければならない問題でありまして、今直ちに警職法をどうする、こういう意味で申し上げたことではないのであります。
○竹谷委員 こういう群集取り締まりに関しましては、今の警察官職務執行法の第五条にもすでに規定がある。それを警察官職務執行法改正案においては、暴行脅迫その他危害が及ぶ場合にばかりでなく、公安の維持、秩序保持のためにもいろいろ取り締まりをやる、こういう規定を加えようとしたのが、猛反撃を受けてつぶれ去ったのであるが、すでに今の法律でも十分にこの群集の取り締まりができる刑法の騒擾の規定があり、解散を命ぜられて解散をしなければ、不解散の罪にも問われる集団暴力行為取り締まりに関する罰則もある。これは警察官職務執行法改正のときに、すでにあらゆる面から論議せられたことで、ここで言うまでもないことであるが、警察はそんな力を持って国民に法を守ってもらうというような考えでなしに、あらゆるよい政治と、そうしてまた警察の民主的な取り締まりによって、国民が法を守って、秩序正しい社会生活が営めるように、そういう指導をする決心で警察はやっていただきたい。そうでなければ、警察は国民と離反をして、どんな法律を作っても整理し切れなくなるのでありまして、この点は、今せっかく民主的な警察法規によって運営されておって、私は何ら支障がないと思う。そうしてだんだん社会秩序も落ちついて、国民が良識を働かせれば国家の治安は十分に守れるものと私は確信をいたします。どうかそういう邪道の警察権力を作り上げるような考えを捨てて、公正な、民主的な警察の発展のために、国家公安委員長は政府を鞭撻して、この事件の起きたことにかんがみましても、なお一そう心してやってもらいたいと思う。今回のデモ事件をあらぬ方面に利用するというような考えは全く捨て去って、正しい民主警察を今後とも確立すべく努力する意思があるかどうか、石原国家公安委員長の決心をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
○石原国務大臣 警察の機能は公正に行なわなければならぬものであるということは、申すまでもないことであります。今回のこういう事態等から考えまして、何といっても国民全般にもう少し順法精神が涵養されていかなければならないということを、つくづく感ずるものであります。しかし今回のこういう事例等から考えてみまして、将来こういうことなしとは保しがたいと思います。国会の神聖ということは、これはもう民主政治の本尊でありますから、あくまで保持していかなければならないという考えを持っておるのでありまして、国会周辺の静ひつを保つとか、こういうことにつきましては、いろいろのことを今後考究していかなければならぬと思っておるのであります。しかし警察が公正に適正に執行されていかなければならないという信念については毛頭変わりないのであります。
○瀬戸山委員長 この際委員長から柏正男委員に釈明を求めておきます。といいますのは、昨日でありましたか、一昨日かの当委員会において、関連質問の中で、これは事実は明らかにするために釈明を求めるのでありますが、今回のいわゆる集団デモといわれておるものが衆議院の正門を入る際に、議員淺沼稻次郎君がその際おられなかったというような趣旨の発言がありました。午前に別館において映写をいたしておりますが、その際柏委員もごらんになったと思いますけれども、その状況を見ますると、柏委員の発言と違っておるように感じられますので、柏委員は前回の委員会において、自分はその場におったので絶対に淺沼議員はおられなかったような趣旨の発言がありましたから、その点についてこの際釈明を求めておきます。
○柏委員 では、ただいまの委員長のお話について私、申し上げたいと思います。実際あの場におりまして、私自身陳情団の先頭に立って歩いておりました。そういう状態でありましたので、実は私は何べんも探してみたのでございます。しかし、私の関する限りにおいては、淺沼委員長の姿は見えなかったのでございます。その点は淺沼委員長がいなかったと発言しました点につきましては、あるいは私の言い方が悪かったかもしれません。けさの映画を見ましても、私そのときにおりましたが、ともかく見当たらなかったことだけは事実でございます。そのために、ともかくその後議員面会室に入りましてから、淺沼さんが見えませんので、その中において議長のところに陳情団の陳情を伝達するために、私が参ります際にも、私がそのことをしなければならないというようなことになったのでございます。その点につきまして、今の委員長のお話に対し、私自身、何といいますか、あの場は実はほんとうに私、おられないと思っておりました。そのことだけは申し上げます。
○瀬戸山委員長 それでは、柏議員の認識にはなかったが、あとで映写を見て、おられたことを現認した、こういう趣旨でありますか。
○柏委員 その点につきましては、私は陳情団の人たちと一緒に参りまして、淺沼委員長も、あの映画の様子を見ますと、終わりの方に一緒に入られたようでございます。その点につきましては、けさの様子では、私自身その場ではわかりませんでしたが、そういう事実があったのだろうと思います。
○小島委員 関連して。――私、昨日の質疑応答を承っておって、あるいは私の聞きそこないかもしれませんが、その言葉の中に、何分この集団陳情の先頭に国会議員の方がおられるので、警察官あたりでも多少手心したとか、そういう意味の言葉があったと思うのでありますが、その言葉は聞きそこないであるかどうかは私は何とも申し上げることはできませんから、一応その言葉はここでそうおっしゃったとは申し上げませんが、ただここで私が思い出しますのは例の砂川基地の拡張の問題がありましたときに、いよいよ土地の測量をするという場合になったときに、測量員が道路を進行していくその前に立って、当時国会議員の諸君がスクラムを組んで、そうしてその反対運動の先頭に立っておられまして、そうしてこれは話し合いでするのであるからして、測量はやめてくれとしばしば言われた。しかし測量員の方では、もう話し合いはしない、あくまで測量するんだということで来ておるんだから通してくれといっても、通さないということで、一日も二日もおくれてしまった。そこで私はこの法務委員会におきまして、当時井本君だったと思いますが、刑事局長か刑事課長でしたか、井本君に質問いたしまして、その結果それは違法である、違法である限りにおいては、国会議員が先頭に立っておろうと何であろうと同じではないか、国会議員であっても犯罪行為を犯してはならぬのであるから、断固としてこれはそういう反対運動を阻止して、あくまでも測量させるべきではないかということをここで問い詰めました結果、私の了解するところでは、翌日いよいよそういう態度をとって測量を完了さしたということがあったと私は記憶しております。
 そこで私はこの際申し上げておきたいのでありますが、私たちは国会議員でございまして、国会議員としての誇りも持ち、権威も保ちたいと思っております。そうして国会議員の身分というものももちろん私たちは保障してもらいたいと思いますけれども、それはあくまで憲法上に定められた身分保障であって、それ以上私たちは何らの特権を他の人と異なって持っているはずはないと思うのであります。いわんやその行為が犯罪行為であるということがはっきりしている場合におきましては、国会議員の身分というものは全然区別さるべきではない、かように私は思うのでありますが、いかがでございますか。
○柏村政府委員 一般論といたしましては、お話の通りでございます。
○小島委員 私は昨日来の警察当局の話を聞いておりますると、この集団陳情はまさしく違法であるということを確認されておった。確認と申しまするか、かたく信じておられた。私はさように承っておりますが、そうではございませんか。
○柏村政府委員 チャペル・センター前とか人事院わきとか特許庁わきであるとか、こういうところに集まって参りました大集団の請願と称するデモは、これはまさに違法でございます。
 ただ、私も現場にいたわけでもございませんし、また主としてこれは国会の問題かとも思いまするけれども、淺沼さんたちが入られたときの状況は、確かに許された範囲の請願の代表者を率いてお入りになるということで認めたのではないか、国会議員なるがゆえに入れるということではなかったのではないかと思いますが、その辺はよく調べてみないとわかりませんが、何か門前におられた代表団らしきものと一緒におられた、そうして入られた、こういうふうに聞いております。
○小島委員 私はその後淺沼君あたりが陳情団と一緒にお入りになられたということについてお話を承っておるのではないのでありまして、その以前の段階において――これは毎日新聞でございましたが、記事が間違っているかどうかわかりませんけれども、少なくとも違法であるところのこれらの団体に対して淺沼君以下の国会議員の方が非常な激励演説をされた。同時にその指揮の車の上において東京都職員組合の中央執行委員の某なる者が実力行使に移れ、装甲車を乗り越えて進めという言葉を放って指揮しておったということが書いてございました。これがはたして事実であるといたしまするならば、違法であるところのこの集団陳情に対して、これを激励された国会議員の方々は――国会議員というよりも、一般人としてそういうことをすることははたして許されているとお考えになるかどうでしょうか。
○柏村政府委員 違法な集会デモにおきまして淺沼さん以下相当数の方が演説をされ、指導に当たられたということは事実でございます。
○小島委員 私はその現場を直接見ておりませんから何とも申し上げることはできませんけれども、その際少なくとも装甲車は議会の門と、いわゆる集団陳情しておるところのその総指揮の車を含めた陳情団との間にあったものであろうと私は想像いたしまするが、そうでしょうか。
○柏村政府委員 お話の通りであります。
○小島委員 そういたしますると、これから実力行使に移って、装甲車を乗りこえて進めということは、つまり正門に向かって進めということではないかと私は想像するのでありますが、普通常識として警察官はどう考えられますか。
○柏村政府委員 お考えのように考えております。
○小島委員 この点についての質問はこれで中止いたします。
 その次に私はお伺いしたいことがございます。本日の新聞を見ますると、東京大学の清水某なる全学連の委員長が、逮捕状が出ておるにかかわらず、東大の中の自治会の部屋に閉じこもって、そうしてあくまで逮捕を免れるためにあらゆる手段を講じておるということが書いてございましたが、事実でございますか。
○柏村政府委員 私もその事実を新聞の事実以外には知っておらないのでありますが、おそらくそういう事実があるであろうと思います。
○小島委員 その清水某なる者に対して逮捕状が出ておることは間違いございませんか。
○柏村政府委員 清水だったと思いますが、とにかく逮捕状が出て、つかまらない者がおることは事実でございます。
○小島委員 私はいやしくも警察官が逮捕状を請求するということは、即刻これを逮捕しなければ捜索上非常に支障を来たすから逮捕状をおとりになるものだと思うのでありますが、逮捕状というものはのんびりいつつかまえてもいいというような気持で逮捕状をおとりになっておるのかどうか、お聞きしたいと思います。
○柏村政府委員 できるだけすみやかに逮捕すべきものと考えます。
○小島委員 それならば、東大の中に明らかに逮捕状が出た直後からおることがはっきりしている人間を逮捕する手続がとれないのはどういうわけですか。
○柏村政府委員 はっきりしているということがわかれば、当然すみやかに逮捕すべきであろうと思います。
○小島委員 昨日の夕刊にも清水某なる者が東大の自治会内において、はっきりと逮捕を拒むということを声明いたしておりまするし、けさの新聞におきましてもやはり書いてある。それだけはっきり所在がわかっておるにかかわらず、何らの処置がとられていないということでは、私は逮捕状を請求された警察当局というものは怠慢だと思うのですが、どうでしょう。
○柏村政府委員 具体的にどういう考えを持っておるか、どういう策を持っておるかということは私聞いておりませんが、警視庁としてはすみやかに逮捕する方策を講じておることと存じます。
○小島委員 私ははっきり申し上げておきますが、逮捕状請求ということについては相当の疑問があるのです。清水に対する問題ではございません。一般的に申しまして最近において逮捕状をあまりに請求し過ぎる、勝手に出し過ぎるというような非難すらある事実があるのであります。従いまして、私は逮捕状というものに対しては慎重に取り扱ってもらいたいと思うのであります。この清水という者に逮捕状を出すことがいいか悪いか、それは私はここでは言及いたしませんけれども、少なくとも警察当局としては逮捕する必要ありと認定して出された逮捕状でありながら、二日も三日もじんぜんとしてこれを見逃がしておくというようなことが許されるということならば、私は今後逮捕状を出すということについては相当考えてもらわなければならぬと思うのでありまするが、一体それはどういうわけですか、お聞きしたいと思います。
○柏村政府委員 逮捕状は、もちろん請求も慎重にすべきでありまするし、逮捕状を出された上は、すみやかに逮捕しなければならないものと考えておるわけでございます。今お話しのように警視庁をさらに督励しまして、すみやかに逮捕するようにいたしたいと考えます。
○小島委員 なおこれに関連いたしまして、この際文部当局がおられませんからわかりませんが、法務省の方はおわかりだと思いますが、これに関しまして漏れ承るところによると、大学当局と警視庁との間に昭和二十五年七月二十五日ごろに大学の自治という問題について話し合いができて、警察官は東大構内にはそう勝手に入れないというようなことが言われておるのでありますが、そうでございますか。
○竹内政府委員 そういう話は私ども承知しておりますが、警察当局から答弁していただいた方が適当かと思います。
○柏村政府委員 大学の自治を尊重するという趣旨におきましていろいろ問題があった当時、そういうお話のようなものができたのでございますが、これはあくまでも学内における集会とか、そういう種類のものについてでありまして、犯罪というものが明確である限りにおいて、学内学外を問わず、何ら制約を受けるものではございません。
○小島委員 もしもそうといたしますならば、昨日からきょうにかけて東大の自治会に対して捜査当局が何らの手も打たれないということについては、私は警察当局の怠慢を攻撃したいと思います。なおこれに関連しまして申し上げておきたいと思いますことは、一カ月くらい前だったと思いますが、慶応大学において失火事件があって、その調査に警察官が入ったときに、これもまた学生にはばまれてついに捜索がおくれてしまって、ようやく二、三日たって話をつけて入って火事の原因を捜索したというようなことが新聞に出た記憶がありますが、要するに大学の自治ということはあくまでも尊重すべきものでありますけれども、事犯罪に関する限りにおいて、犯罪捜査に関してまで大学の自治の尊重という名前のもとに、これをちゅうちょいたしますならば、将来何が起きるかわからない。これは私ははっきり警察当局に注意しておきたい。自治はあくまで尊重すべきであるけれども、いやしくも犯罪捜査ということに関しては、私は自治を主張することはできないと思うのであります。同じことが国会についても言える。そういうことをごちゃごちゃにして考えて、いわゆる警察の上層部とかあるいは法務省とかいうような辺におきまして、相手が何分学生であるからとか、あるいは国会議員であるというようなことで、ちゅうちょにちゅうちょを加えて犯罪捜査に熱意を失うというようなことになりましたならば、おそらく第一線の警官は動かなくなります。私はそれだけはっきり申し上げておいて、そうして今後しっかりした態度をとっていただきたい。私たちは国会議員でございまするけれども、決して一般人以上に国会議員としての特権をふるおうなんて考えておりません。あくまで憲法に定められた範囲内であります。それを警察当局が妙にいじけてしまって犯罪捜査すらようしないということになったならば、先ほど竹谷君は今度の騒動はおそらく指導者と警察と議長が善処したならば片づくであろうというようなことを言われておりましたけれども、私はそう簡単なものじゃないと思う。でありますから、そういう点について十分今後しっかりした態度をとっていただきたいということをお願いいたしまして私の質問を終わります。
○瀬戸山委員長 委員長から警察当局に、同じことでありますが、お尋ねしておきます。御承知のように、今柏村長官はそうであろうというようなお答えがありました。新聞をごらんになっておるひまがないかもしれませんが、ちゃんと東大の構内の一部の部屋に本人がおる写真まで出して、そうしてあくまでも警察を防ぐんだといってバリケードを作っておるという話であります。それを逮捕する必要があるかどうかということは、ここでわれわれはわかりませんし、また議論はいたしませんが、逮捕する必要があるということで逮捕状を出されて、そうしてその現場におる本人まで写真に出ておるわけでありますが、それを今日まで放任されておるということは、その逮捕状の意義がおかしくなる。先ほど小島委員からもお話がありましたように、逮捕状を出すことに対して、そこまでしなければならないのかということが世間でしばしばあるわけでありますけれども、それとこれとは非常な違いがある。今度の事件は国民を震撼さした事件として報道されておりますが、それに対する逮捕状の執行といいますか、今日、本人がここにおりますと、ちゃんと写真まで出してある。こういうことでは、私はいわゆる法治国の権威というものが疑われるのじゃないか、何も人を逮捕して処罰するということを奨励するわけじゃありませんが、それは必要であるならば必要な手段を講ずべきものだと思います。大学の自治を治外法権のように考えている、大きな間違いがある、その点は同じことでありまするけれども、もう一ぺん一つ警察当局の所見を承っておきたいと思います。
○柏村政府委員 ただいま申し上げましたように、逮捕状を発付された者は必ず逮捕すべきものでありまして、警察としてもこれを放任する考えは毛頭ないのであります。できるだけすみやかに逮捕をするようにいたしたいと思います。警視庁としてもその方針で着々やっておることと信じておるわけでございます。
○瀬戸山委員長 菊地養之輔君。
○菊地委員 きのうきょうの委員会における当局側の発言によりまして、十一月二十七日の陳情デモあるいは集団の行為に対しまして、違法であるということをたびたび聞いたのでございます。それから当局が出されたこの資料を見ましても、違法であるという前提のもとに立って、取り締まりをしたように聞いておるのでありますが、その違法の根拠をまず承りたいと思うのであります。
○柏村政府委員 都の公安条例によりますれば、集会をしまたは集団行進あるいは集団示威運動を行なおうとする場合には、許可を受けなければならないとなっておるわけでございまして、今回のはまさに集団示威運動でございまして、これが許可を受けていない限り違法のものであるというふうに考えるわけであります。
○菊地委員 都の公安条例は表現の自由を奪うものでありまして、憲法違反であるというので、幾たびか東京地裁の判決があったことを当局はご存じでございましょうか。
○柏村政府委員 第一審の裁判において三回ほど違憲の判決があったことは承知いたしております。
○菊地委員 この判決は当局側はどう見ておるのですか、どういう理由でこの判決がいけないというのか、その点をはっきりしていただきたいと思うのであります。
○柏村政府委員 違憲の判決は三つ出ておりまするが、その前に合憲の判決も出ておりまするし、高裁において合憲の確定判決も見ておるわけでございます。またこの違憲の判決については、検察庁において抗告をいたしておるわけでございまして、われわれといたしましては、都公安条例は合憲なりという考えのもとに施行をいたしておるわけでございます。
○菊地委員 私どもの調査によりますと、都の公安条例に対する合憲だという判決は、高裁で一回、それから地裁ではその判決に服従できないというので、三回出ております。しかも地裁の第四部と第十部とでこれは憲法違反である、こういう主張をしておるのでございます。いわば地裁においては二対一の状態である。最高裁ではまだ都公安条例に対しては判決がない、こういうような状態のときに、一般の民衆は、公安条例は憲法上無効である、いわゆる国民の表現の自由を奪うものである、こういう考え方で、非合法と信じておる、あるいは解釈する者が多数あることは、当局もお認めになりましょう。
○柏村政府委員 違憲であるということを信じているかどうかは別といたしまして、そういうことを論ずる者が相当あることは承知いたしております。
○菊地委員 論ずる者がありあるいは学者がおる、裁判官が違憲を主張する、一般国民も違憲であるという認識を持った者がたくさんある、いわゆる法的確信が国民の中になくなったときに、その法自体は、規範力というものが当然薄くなるのであります。その場合に、当局がいわゆる対策をとる場合には、それに対する民衆の気持も理解した上において策を立てなければならぬということは言うまでもないと思うのであります。この表現の自由を奪うものだという憲法上の違憲判決に対して、一体どこが合憲であると今日まで長官は考えておられるか、その点を承りたいと思うのであります。
○柏村政府委員 私はここで裁判官の論議に対して論議を交えたくはないので、その点は差し控えたいと思います。
○菊地委員 東京地裁の裁判が三たびある、しかも一番最近は、本年の十月十二日にあった、こういう最近の判決に対して、それに対して何らの確信をわれわれに表明することなく、これが合憲である、従って表現の自由として憲法上保障されたところのデモ行進であるとか、あるいは集団行進であるとかいうものが直ちにこれは違法である――それがそのらちを越えて、建造物に侵入したとかあるいは道路交通取締法違反であるとか、騒音防止条例の違反であるとかいうような事実があるならばとにかくとして、それらの法律において処断するのはいいけれども、裁判所が違憲であるという判決、この都の公安条例は無効であると宣言しているものに対して、それは間違いである、こういう点からこれは間違いである、こういう点を表明すべきものではないか、そして国民に納得さすべきではないか。そういう態度はいかぬと思う。そういう態度こそが本件を生んだ原因ではなかったか。
 私は次にお聞きしますが、警察側が、国民会議が安保条約反対のデモ行進をしたとお聞きになったのは、それがわかったのはいつごろでございますか。それをお聞きします。
○倉井説明員 この情報につきましては、二十七日の以前に警視庁でその指令を入手いたしました。それに基づいてああいった行事があるということの報告を警察庁側で受けたわけであります。
○菊地委員 十一月二十七日以前なんていうそういうぼやけたことを言わないで、こんな大きないわゆるデモ行進なり、あるいは都公安条例の違反になる行進がなされるという場合に、その以前なんというあやふやなことを言わずに、これははっきりと公に一カ月、二カ月前から予定された行動でありますので、それを警視庁は入手していなかったのかどうか、はっきりしてもらいたいと思います。
○柏村政府委員 警視庁においては、相当以前からこういう計画があることを承知いたしておったようであります。
○菊地委員 そうして代表者を呼んで警告したのはいつですか。
○倉井説明員 警視庁側の報告によりますと、行事の前日におきまして、国民会議の議長の方に警視庁の警備課の当局から来ていただきまして、そういうことは条例違反になる、従ってその違反のデモになるような形における集団の行為はやめてもらいたいということを十分警告しております。
○菊地委員 都の公安条例を見ると、七十二時間前に届出をしなければならぬ、こうなっておる。もしこの行進が条例違反と警視庁が気がついた場合には、その以前において警告すべきではないか。条例違反と知りつつ準備が着々進んでもうその前日になって、どうにもこうにもならぬ立場になったときに警告して何の効力がありますか。犯罪を未然に防ぐのは警察のいわゆる職責なんです。七十二時間前に何らの届出がない、あるいは許可申請がないという場合に、その際こそ当然これに警告を与えるべきではないか。その前日になって動きもとれなくなってから指令が各団体に到達することは現実に困難であります。あるいはそれに対する条件をつけることもできません。そういうときになってどうして初めてそんな警告を与えるのか、私はそこに大きな疑問を持つのであります。少なくとも都の条例は、かりにあなた方の言うように有効だといたしましても、いわゆる届出をした場合には条件をつけて許可することができると書いてあるのであります。前日になっては条件をつけることもできないじゃありませんか。警告も警告だけであって、それは法律的効果を生じないじゃありませんか。少なくとも七十二時間前に、君たちはこういう計画をしておるが、都の条例によれば七十二時間前に許可申請を出さなくちゃならぬ、われわれはそれに対して条件なら条件をつけて許可するものである、こういうことをなすべきことが、私はいわゆる親切な警視庁の任務ではないかと思う。犯罪を未然に防がなければならぬ、まさにデモ行進が犯罪であるとするならばその以前になぜ警告をしなかったか、こういう点を私は柏村長官にお聞きしたいのであります。
○柏村政府委員 きょうは警視庁から参っておりませんので、警視庁がどういう考えで事前にしなかったかということを私はちょっと承知いたしかねるのでありますが、お話のようにほんとうに警告をしそれを聞く相手であるならば、できるだけすみやかに警告をすべきであったというふうに私は考えます。
○菊地委員 率直な長官の御意見でなるほどと思うのですが、私は柏村長官にその原因を指摘してもらいたい。警察法の第一条、第二条、警察の目的からいいましても、犯罪を未然に防ぐということが大きな目的であることはいうまでもございません。犯罪を検挙するだけが仕事でないことは、これは言うまでもない。その意に沿うてこれまでやっていることをわれわれは見てきているのであります。しかるに今回のこの大きなデモ、それを未然に防ぐ方法について遺憾な点が相当あるのではないか、これは各委員から追及されましたが、私はその点も一つ加えるべきではないかと考えておるのであります。
 次に、私はからだを悪くしてデモの現場に行かなかったのでありますが、新聞あるいはきのう、おとといの委員会の質問の状態から見まして、いわゆる右翼団体がデモの中に突入した事実があった。これは参加した人に聞きましたが、デモ隊の中にトラックに乗って侵入した。異様な風采をもって侵入した。しかも竹ざをおを持ってデモ隊の頭をたたきながら進行した。しかもデモ隊に向かってビラをまいた。映画でも見たのでございますけれども、その事実は明らかになっておる。そういう状態に対して一体どういう制止の方法をとったか、どういう態度を警視庁がとったか、これは柏村長官に聞くのはどうかと思いますけれども、わかっておるならお聞かせ願いたいと思うのであります。
○柏村政府委員 お話のように、チャペル・センター前にデモ隊が参集しておるところに愛国党がトラックを乗りつけてきた、そうして今お話のようにビラをまいたりいたしたわけでございます。これに対して警察としては直ちにこの車をとめ、そうしてあれは引き返させたように私は聞いておるわけでございます。
○菊地委員 私の聞いたところにおいては、何らの措置を講じない、いわゆるデモ隊が院内に入ろうとして騒いだ前後を通じて何らの措置をとっていない、傍観しておったという、ここにもわれわれは不可思議な感じがいたすのであります。いわゆるデモ隊が安保改正反対を唱えて陳情しようとしているときに、その改正に賛成している、しかも常に暴力的であるところの右翼団体がデモ隊に闖入した。そしてビラをまく――反対のビラでございましょう。持っている竹棒でデモ隊の頭をたたく、こういう行為に警察官の制止がなかったとするならば、デモ隊が憤激の頂に達することは当然でございましょう。あるいは気を回して警察の回し者ではないかと考えることもあり得ることでございます。そういうことがいわゆるある一種のはね上がった連中が正門を飛び越える導因になる可能性があるということは考えられるのでございます。そういう実情について政府委員の方ではっきりしている方にお答えを願いたいと思うのでございますが、どういう措置をしておったか、最後に解散したことはありましょう。しかし闖入した以後、それらの行動をとらしておったことは事実のようでございます。これはたたかれた人もございます。その点なお一つお答えを願いたいと思います。
○柏村政府委員 私はその点明確に承知いたしておりませんが、私の報告を受けた記憶によりますると、突入して参りまして、できるだけすみやかな機会にこれを警察官は制止をして、車をもとに返したというふうに聞いておりますが、後ほど警視庁の責任者が参りますので、その際さらに正確を期するために御答弁申し上げたいと思います。
○菊地委員 きのう柏村長官のお話だと思いますが、議長が、二、三十人ならば面会してもよろしいという情報があったということはその通りでございましょうか。
○柏村政府委員 警視庁から国会当局に連絡したところによりますると、二、三十名の者が平穏に行なう場合においてはこれを認める。しかしながら、多衆の集団の請願は受けられないという報告を受けたと私は聞いております。
○菊地委員 本日のテレビではっきりしたのでございますが、社会党のここにおられる柏君が先頭になって、一隊三、三十人の人が正門を入って行った姿がありありと見えました。その中ほどからあとの方に淺沼書記長の姿も見えたのであります。この一隊は議長、副議長双方に面会することの了解を得て、大衆の中から、集まった人の中から代表者を選んで、静かな行動をもって院内に入った光景がまざまざと見えるのであります。柏君やあるいは井伊さんがきのう、おとつい、淺沼さんの姿が見えなかったと言うのは、あの大きな姿が見えないわけはないと私は考えたのでございますが、淺沼氏は日ごろの元気がなく、おそらくは静々とおとなしく進んだ。これは常に当局が言う平穏な行動で進んだものと私は見ておるのであります。この行動は当局が見て違法と認定されるのでありましょうか。どうなんでしょうか。その点をお聞きしたいのであります。
○柏村政府委員 門から淺沼さんが入られて、静々と歩んで行かれた行動そのものを違法とは考えておりません。
○菊地委員 それから、この代表団といいますか、陳情団といいますか、それが通ったあとに正門がある一隊の人によって破られたということだけはお認めになりますか。いわゆる陳情隊が破ったのではなく、陳情隊が通ったあとに、あの間どのくらいあるか私ははかってみないからわかりませんけれども、百歩か五十歩ございましょう。そのあとにある一隊が破って入って来たんだ、これはお認めになりましょうか。
○柏村政府委員 あのときの状況はテレビだけでは明確を期しがたいかと思いますが、テレビによって見るところでは、代表団の方は小門の方から入り、ただ、そのあとに殺到した群集が若干そこから入った事実があるかもしれませんが、大勢のものは正門を押しあけて入っておりますから、これは別個な集団といいますか、一応あの門を入る形は別個な形であると思います。
○菊地委員 そうすると、従来の淺沼書記長は暴徒の先頭に立ったとか、あるいは正門をぶち破るデモ隊の先頭に立ったというようなことは、当局は考えておらないのですね。
○柏村政府委員 そういう問題は、あの集団デモから国会乱入までの全体を通じて淺沼氏の役割がどういうものであったかということから判断されるべきものであろうと思うのでありまして、あのときに物理的に先頭に立って門をこじあけたというふうにはもちろん考えておりません。
○菊地委員 私は、それを聞いているのではありません。あの状態をどう見ているかということを聞いたのでありまして、言外にそのことがわかりますから、これ以上お答えを願わなくても済むと思うのであります。
 すでにあの淺沼書記長の行動を何か犯罪人扱いのごとく自民党の諸君が質問をしたようでありますが、非常に遺憾であります。われわれが本件を追及するのは、先ほど石原長官も申されたように、国会の権威のために、再びこういう不祥事が起こらないようにするために、その根本をついておるのであります。ところが、自民党の諸君は、社会党から犯罪人を出すようなつもりで何回も質問されているのでありまして、われわれは非常に遺憾にたえないのであります。われわれは、決して警察や検察の手助けをするためにやっているのではない。その材料を出すためにやっているのでないことは言うまでもないのであります。こういう点について、本員は、自民党の諸君の質問に対して非常に遺憾を感ずるということをここで申し上げておきたいのであります。
 もう一つは、石原長官に申し上げたい。東京都の公安条例というものは明らかに憲法違反でございます。おそらく最高裁も憲法違反の判決をなされると思う。なぜならば、一切の行政処分には救済方法がみなあるが、都の公安条例には救済方法がない。ここにも大きな欠陥があると思うのであります。最高裁は新潟の条例に対して合法の判決をいたしました。しかし、これにはりっぱな救済方法がある。いわゆる二十四時間前に新潟県の公安委員会が決定をしなかった場合には、行動に移してもよいという規定が存在しておるのであります。ところが、都の公安条例にはそれがない。しかも、拒否したという通達を申請者に出す義務を負わしておらない。ここに大きな問題が存在しております。行政処分があったこと、それを知ることによって初めて救済の方法が行なわれることは言うまでもございません。許可にしろ不許可にしろ、通達しなければならぬ。そこで、この申請者が行政処分の訴訟を起こすとか、あるいは抗告するという方法がないわけであります。都条例が人民の権利を踏みにじったものであるということは言うまでもないのであります。石原長官に、この条例の違法性というもの、しかも、国民に与えられた幕末的人権である表現の自由を奪う非常な悪法であるということを十分お考えをいただいて、御研究を賜わりたい。こういう認識が当局にありましたならば、今回の問題は起こらずに済んだかもしれない。おそらく適当な方法をとって主催者側と談合の上合法的に話し得たのではなかったか。ところが、都条例で違法であるという強い考え方があったので、事前には通告しない。もうにっちもさっちもいかぬときになって警告を与えるという警告は、単なる申しわけ程度のものである。それが今回の不祥事の起こった原因でないと断言することはできないと思うのであります。この点に対して、石原長官、柏村長官に対して十分御考慮を願いたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○瀬戸山委員長 本日は、この程度で散会いたします。
    午後二時五十九分散会