第033回国会 本会議 第14号
昭和三十四年十二月一日(火曜日)
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 議事日程 第十二号
  昭和三十四年十二月一日
    午後一時開議
 第一 千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
 文化財保護委員会委員任命につき同意を求めるの件
 国籍不明機の日本上空飛行に関する緊急質問(飛鳥田一雄君提出)
 日程第一 千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
    午後一時四十一分開議
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議
を開きます。
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 日本銀行政策委員会委員任命につき同意を求めるの件
○議長(加藤鐐五郎君) お諮りいたします。
 内閣から、日本銀行政策委員会委員に吉川智慧丸君を任命したいので、日本銀行法第十三条ノ四第三項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
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 文化財保護委員会委員任命につき
  同意を求めるの件
○議長(加藤鐐五郎君) 次に、内閣から、文化財保護委員会委員に河井彌八君及び矢代幸雄君を任命したいので、文化財保護法第九条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
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 国籍不明機の日本土空飛行に関す
  る緊急質問(飛鳥田一雄君提出)
○天野公義君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、飛鳥田一雄君提出、国籍不明機の日本土空飛行に関する緊急質問を許可せられんことを望みます。
○議長(加藤鐐五郎君) 天野君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 国籍不明機の日本土空飛行に関する緊急質問を許可いたします。飛鳥田一雄君。
    〔飛鳥田一雄君登壇〕
○飛鳥田一雄君 私は、日本社会党を代表して、いわゆる黒いジェット機に関して生じた国民の疑問をここに呈し、その回答を求めんとするものであります。(拍手)
 元来、この黒いジェット機U―2は数年前から日本及び西ドイツに配置せられておったものでありますが、今、急速に国民の胸の中にその大きな黒い翼を広げ始めましたのは、同機が藤沢飛行場に着陸したときに始まるのであります。すなわち、今年の秋分の日に当たる九月二十四日、詳しくいえば午後三時十五分のことでありました。グライダー練習をいたしております若い人々のまん中に一機のU―2がすべるように不時着をし、しかし、そのパイロットは機外におりて参りませんでした。そして、U―2不時着後、五分もたつかたたないうちに、パイロットからの連絡でありましょう、厚木飛行場から一台のバートルHUPヘリコプターが飛来いたしました。さらに十五分ほどして、北の空に再び爆音が聞こえ、空軍のL―20ビーバー連絡機と、さらに一機の海軍ヘリコプターが、相次いで到着をいたしたのであります。不時着のU―2の機体表面はネーヴィ・ブルーをさらに黒みがからせたようなつやのない特殊塗料で厚くおおわれておりますし、垂直尾翼には四四九というナンバーが記入され、キャノピーの下には救難用の三角マークとレスキューの文字が記載されておりますほかは、国籍も、マークも、部隊記号も、ジェット機特有のタービン位置を示す赤線さえも全く記入されておりません。パイロットは三十才くらいの男で、ヘルメットにも、飛行服にも、機体と同様に、何らの記号も文字もなかったのであります。ただピストルだけが不気味に腰に光っておりました。来援の飛行機からおり立った米人は全部平服であったのに、ピストルを握って警戒線を張り、見物人を遠ざけ、写真撮影をきびしく禁止いたしました。見物人の住所、氏名を調べ上げ、同時に、尋問を開始いたしました。このとき現場にかけつけた藤沢警察の警察官も、同様にピストルで追い払われ、現場に近づくことすらできませんでした。被害を調査するためにやって参りました調達庁の職員も、なすところなく、指をくわえて傍観することを余儀なくされたのであります。こうして、米人は、日本人をシャット・アウトしたまま飛行機を解体し、厚木の飛行場へと運び去ったのであります。また、U―2の写真を撮影いたしました某君は、米人によって家宅捜索を受けました。
 一体、かくのごとく、日本の警察官の立ち入りをさえ禁じ、日本国民をピストルの先で追いまくる、勝手に平服の米人が家宅捜索をする、そうした行為がこの日本の国内において許されてよいものかどうか、(拍手)行政協定第三条の権利、権力、権能という言葉は、かかる行為を許容しているものなのか、こういう疑問が出て参らざるを得ないのであります。
 このことを、毎日新聞十一月二十八日の朝刊は、国民の感情を代表いたしまして、次のごとく述べております。「港軍基地でもない一般の飛行場で、日本人の行動が外国人によって制約されるなんてバカなことが許されていいものだろうか。日本の主権はだれの手にあるのかと疑いたくなる。依頼を受けた日本の官憲が阻止したのならともかく、調査に行った警察官や調達局の係員までが立ち入りをとめられたということだ。外国人にとめられ、おめおめ引きさがった役人もあきれたものだ。米軍の命令は絶対だとする占領時代の卑屈な心理にまだ支配されているからだろう。これがまた米軍側に反映して、命令権を持っているような錯覚を起こさせる。いくら独立国だといっても、実質的にはまったく従属関係」だと述べているのであります。(拍手)一体、このような考えが日本国民の胸の中にわいてこざるを得ないこの事実を、総理及び外務大臣はどうお考えになるのか、これらの弊害を除くためにも、行政協定第三条についてどのような改定交渉をなすっていらっしゃるのか、こうした人権じゅうりんを行政協定の名において今後も継続を許すのかどうか、お伺いをいたしたい、こう思うのであります。(拍手)
 第二に、さらに問題となりますのは、黒いこのジェット機が、国籍も、部隊記号も、マークもつけていない。さらには、飛行士の服装にも氏名、階級等の表示がない点であります。一九二二年十二月十一日の、空戦に関する規則案によりますならば、すべての軍用機は、その国籍及び軍事的性質を示す外部標識を掲げなければならないことになっております。たとい、この規則案が未発効なものであると抗弁をせられましても、日本がこれに署名し、これが空戦に関する国際慣行となっております事実は争えないことでありまして、右のような米軍の行為は、明らかに国際法上の違法行為であります。(拍手)かりに、米航空宇宙当局の発表のように民間機であったといたしまするならばなおのこと、一九五四年六月十四日の国際民間航空条約第二十条によって、当然、その適正な国籍及び登録の記号を付せなければならないはずであります。いかなる意味においても、国籍その他を表示しない覆面の飛行機が、厚木海軍基地を根拠地にして日本の空を飛び回っているということは違法であります。当局は、こうした違法行為の基地のために施設及び区域を提供しているのかどうか、疑わざるを得ないのであります。すでに、この黒い飛行機は本年に入って問題にされたのではなく、一九五七年五月、今から二年前に、その存在は明らかになっております。二年の間、そのことを知りながら、日本政府は、無国籍にしてこのような行動を許している。こういう事実を、一体、外務大臣及び総理は、どうお考えになるのか。さらには、施設及び区域を提供している調達庁長官は、どのようにお考えになるのか、お伺いをいたさなければならないところであります。
 しかも、これだけではありません。本U―2について、運輸省入間川航空交通管制本部を調べてみますと、本機は完全な無申告、無許可飛行を行なっていることが判明いたしました。(拍手)元来、航空法によって、米軍機、日本機、民間機、軍用機の区別を問わず、その離発着地、機種、機体番号、形態、速度、航路、高度等の届出をこの本部に申告せずして飛行をすることは許されないことになっておりますこと、皆さん方御存じの通りであります。ところが、この飛行機が藤沢飛行場に不時着をいたしました本年九月二十四日には、いかなるU―2に関する届出もなされておちないのであります。さらに、この本部が日本側に移管をせられました本年七月一日以降のU―2に関する届出は一件もありません。かくのごとく、無国籍のみならず、日本の主権を完全に無視した無届出飛行をなぜそのまま放置しておかれたのか。世人が評するように、これは完全な覆面機といわなければなりません。この点について、提供をいたしております基地の利用の問題と関連をいたしまして外務大臣、無届け飛行をそのまま許しておかれた点について運輸大臣の御意見を伺いたい、こう存ずるのであります。
 第三にお飼いいたしたいのは、本機が一体軍用機なのか民間機なのか、国民はその性質について全く疑惑に包まれている点であります。米航空宇宙局の発表によりますと、民間機であり、世界的規模の気象観測機であるとのことでありますが、もし、それならば、なぜ、米軍基地を使用するのか、先ほど述べたように、垂直尾翼に小さく四四九と記せられているのか。三けたの数字は空軍所属であることを意味しているはずであります。さらには、藤沢飛行場に生じた茅ケ崎市の細田さんら七人の損害補償申請は、なぜ合衆国軍隊の構成員もしくは被用者によって生じた損害として調達庁でお吸いになったのか。そして、また、そのことをなぜ米軍厚木基地司令部も受け付けているのかという疑問が出て参ります。すなわち、補償申請は十月十九日横浜調達局に提出をせられ、調達局は、これを十一月十五日付で厚木基地司令部あてに送付し、米軍はこれを受領いたしました。すなわち、この事実は、米軍が本件の被害を合衆国軍隊の構成員もしくは被用者の作為によって生じたものと認めたことを意味するのであります。すなわち、これは、米航空宇宙局の発表とは逆に、軍用機であることを意味します。一体、調達庁長官は、このU―2を民間、軍用いずれなりとお考えになっていらっしゃるのか、国民の疑惑に対して明確にお答えをいただきたい、このように考えるのであります。
 以上、要するに、本問題は、行政協定の施設及び区域に関する規定が実質的な治外法権を許しているところに帰着をいたしますが、そこで、さらに進んでU―2の性能を調べてみますと、本機は航続時間八時間から十時間、翼の長さも異常であり、機体に塗布された塗料も特殊のものであります。国籍の表示のない点、無届け飛行である点、不時着時における異常な警戒措置などより考えてみまして、これが、航空宇宙局発表のように、単なる大気上層部の台風状況を調査するだけのものとはとうてい考えられないのであります。特に尾部にECM(逆レーダー)アンテナを持っていることから考えまして、相当権威のある航空雑誌が次のように論評をいたしておりますことを否定することはできないはずであります。
 すなわち、「U―2のある日の行動を推測してみよう。早朝の厚木基地の露にぬれた誘導路を一機の黒い翼がすべり出す。補助車輪が落下し、機は静かなジェットの音を響かせて急角度に上昇し、明けやらぬ朝空の高みへ消えてゆく。ぐんぐんと高度を上げながら、U―2は目的地へ向かって直行する。やがて高度一万二千メートルくらいの超高々度で、目的地上空へほとんどパワー・オフ状態ですべり込む。操縦は自動操縦に切りかえられ、各種の計測器は一せいに活動を開始する。カメラの静かな回転音がすべてのデータを刻々と正確に記録している。パイロットは全神経をECM(逆レーダー)に集中している。滑空状態にあるU―2の長い翼は、微妙な気流変化にも正確についてゆく。突然ECMは味方以外のレーダー電波の動きをとらえる。U―2の表面に塗られた特殊の黒い塗料は普通のジェット機の数分の一しかレーダー電波を反射しないはずであるが、油断はできない。そこで、U―2は機首を回してエンジンを全開する。青黒い空をコントレールがのびてゆく。やがて基地へ近づいたU―2は、高々度から、何ごともなかったように、のんびり日ざしを浴びている午後の滑走路へ向かってゆっくりと降りてくる。」こう述べております。
 一体、ここに述べられている目的地とはどこでありましょう。当然、シベリア、沿海州、中国以外の地を考えることはナンセンスであります。それなるがゆえにこそ、国籍及び所属の表示をなさず、レーダーよけの塗料を使用しているのでありましょう。また、空軍所属を意味する四四九の数字を持ちながら厚木海軍基地に所属するということも、かくてこそ理解し得るのであります。中国及びソビエトヘのかかる領空侵犯行為を日本の基地を利用しながら行なっていることが許されてよいものかどうか、お伺いをいたしたいと思います。日本の基地を利用して中ソ爆撃を行なう準備として、当然、中ソの気象地図を作らんとする行為が出てくるでありましょう。このようなU―2を利用した中ソの気象地図を作るための領空侵犯行為こそアジアの平和を阻害するものであり、かかる行為が公然と行なわれている状況のもとで、安保改定を岸総理はなお行なおうとなされるのか。これは、すなわち、頭隠してしり隠さずだといわなければならないのであります(拍手)
 要するに、この黒いジェット機の問題は、単なる物語的な興味の問題ではなく、安保改定がいかなる現実を生み出すものであるか、こういう点に関し、さらにまた、日本の主権確立のためにも、この問題は明確にしておかなければならない問題であろうと私は考えるのであります。安保改定にからみ、さらには、今交渉中だと唱えられておりまする行政協定第二条、三条の問題にからんで、かくのごとき不明朗な事実、かくのごとき治外法権行為が許されてよいものかどうか、岸総理及び外務大臣の御答弁を要求いたしまして、私の質問を終わるものであります。
    〔国務大臣岸信介君登壇〕
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
 問題のU―2、いわゆる黒いジェット機の問題は、御指摘にもありましたように、アメリカの航空宇宙局に所属しておりまして、米軍の管理下にある一つの公用機であります。高々度の気象観測に当たっているものであります。従って、行政協定の適用を受け、国内におきまして日本の航空法等の一部の規定の除外を受けておるわけであります。国際的に国籍を表示するところの国際慣行があるとか、あるいは空戦条約等をお引きになりましたが、国際慣行として国籍を表示するという慣行は、まだ確立しておらないと思われます。また、条約につきましても、おあげになりました条約はまだ発効いたしておりませんし、また、戦時に関する条約でございます。いずれにいたしましても、アメリカの、純粋な意味の、狭い意味の軍用機ではありませんけれども、しかしながら、米軍の管理下にあって、アメリカの国に属しておる飛行機としまして、いわゆる純然たる民間機と見ることは適当でないと考えられます。法律関係であるとかい扱いの問題につきましては、所管の大臣よりなお詳しくお答えを申し上げます。
 何かこの問題が安保条約の改定に関係があるようなお話でありますが、そういうことは一切関係はないのでありますから、そのことだけ明確に申し上げておきます。(拍手)
    〔国務大臣藤山愛一郎君登壇〕
○国務大臣(藤山愛一郎君) お答えいたします。
 今回の飛行機は、アメリカの航空宇宙局の飛行機でございますけれども、海外におきましては、米軍の管理下に、その援助のもとに気象観測をいたしておるものでありまして、民間航空機ではございません。従いまして、ただいま御指摘のように、国籍表示の問題がございますが、御承知の通り、民間航空機につきましてはICAOの条約によりまして国籍表示することになっておりますけれども、同条約におきましても、国の飛行機についてはこれを除外されております。また、一九二二年十二月に、お話のありましたように、ヘーグにおきまして、六ヵ国が寄りまして、戦時法規の委員会におきまして、この問題につきまして討議をいたしました。そうして、その討議を総会にかけましたけれども、その総会は結論を得ずして今日に至っております。従いまして、その委員会の討議の際に、軍用機でも国籍を表示するという議論はございましたけれども、今日までそれが戦時国際法として総会の決議になっておりませんので、そのまま今日まで引き続きこれが表示を必要としないことになっておるわけでございます。
 なお、日本の国内の飛行の問題については、それぞれ行政協定によります特例等によりましてこれが除外をされおりますので、ただいま申し上げましたようなことによって、十分な任務を米国側も果たすことができるようになっております。また、不時着の際におきましては、乗員の救護、危険の防止、財産の保全等というものに対しましては、日本の警察と一緒になって上記の目的を達成するようにいたしておりますので、日本人の行動というものについては決して制約はございません。また、当時役人が追っ払われたというような事実は、私ども聞いておらないのでございます。当時のこの飛行機は伊勢湾台風を観測いたしておったのでございまして、資料は気象庁に提供されておるのでございます。
 なお、ただ、いま御質問のありました、こういう問題があるが、行政協定第三条等の改正についてはどういうことを考えておるかということでございますが、行政協定第三条につきましては、われわれも、今の行政協定第三条に満足はいたしておりません。従いまして、今回折衝をいたしまして、まだ最終的に申し上げるわけには参りませんけれども、相当大幅にこれが改善されることは確実に相なろうかと思っております。(拍手)
    〔国務大臣楢橋渡君登壇〕
○国務大臣(楢橋渡君) 問題の航空機は、さいぜん総理、外務大臣からも答えましたように、米軍から防衛庁に入りました公式の情報によりますれば、大統領直轄の航空宇宙局に所属いたしておりまして、在日米軍の管理下に運航されておるものであります。日米行政協定第五条の、「合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航される」航空機に該当しておるものであります。一般の外国航空機は、日本に出入する場合は、航空法の規定により運輸大臣の許可を要し、また、日本領空を飛行する場合には、同じく航空法の規定により国籍、登録記号等を表示しなければならないことになっておりますが、さきに述べた行政協定第五条の航空機については、日米行政協定及び国連軍協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律によって、当該規定の適用を除外されておるのであります。
 本年の七月一日に航空交通管制本部が日本側に移管されましたが、日本の領空を飛行する航空機は、航空交通管制上、計器飛行状態においては航空路の飛行をする場合においてのみ航空交通管制本部の承認を要するのでありますが、有視界飛行の場合においては航空交通管制本部の承認を必要としないことになっておるのであります。調達当局によりますと、七月以降、当該航空が航空交通管制本部の承認を請求したこともなく、また、運輸大臣として、今日、当該航空機についての何らの情報は得ておりません。
    〔政府委員丸山佶君登壇〕
○政府委員(丸山佶君) ただいまお話の飛行機は、先ほど総理並びに大臣が御答弁の通り、民間機ではございません。駐留する米軍の支配管理下にありまして、その公用に従事いたしておるものであります。従いまして、基地を使用すること支障なく、また、事後の補償に関しましては、当然、行政協定十八条によりまして、米軍が法律上責任を有する行為に該当しますので、その補償はその手続によってなされるのであります。現在、その手続を進行中でございます。
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 日程第一 千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件(参議院送付)
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第一、千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
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○議長(加藤鐐五郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員長小澤佐重喜君。
    〔小澤佐重喜君登壇〕
○小澤佐重喜君 ただいま議題となりました千九百五十九年の国際小麦協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この協定は、三年前に結ばれました国際小麦協定に修正改善を加えるために、ジュネーブで開かれました国際連合小麦会議において三月十日に採択されたものでありまして、わが国も代表を出席せしめへ審議に参加いたし・四月二十三日に署名を了したものであります。
 今回の協定には、ソ連圏の諸国を除けば、主要な小麦輸出入国はすべて参加することが予想されております。
 この協定の内容はその趣旨において従来の協定と全く同様でありまして、小麦の価格を安定せしめ、小麦の輸出入国の立場を相互に調整し、その供給と需要を確保し、かつ、生産者及び消費者を過剰あるいは過度の不足から救うことを目的としておるのであります。
 わが国はこの協定により、輸入国といたしまして、小麦の通常の輸入総量の五〇%に当たる約百万トンを締約国から買い付けることを保証するとともに、小麦の需給関係の変化にかかわらず、一定の幅の中で安定した価格をもって小麦を買い入れることができるようになり、また、世界の小麦の国際貿易の上において、輸入国としての一わが国の立場を十分に保護することを得る大きな利点があると考えられるのであります。
 本件は、十月三十一日予備審査のため外務委員会に付託されましたので、政府の提案理由の説明を聞き、その後参議院において承認の上、本院に送付され、十一月三十日本付託となりましたので、質疑を行ない、討論を省略し、三十日採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。
 本件は委員長報告の通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(加藤鐐五郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
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○議長(加藤鐐五郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十五分散会