第034回国会 地方行政委員会 第13号
昭和三十五年三月十五日(火曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 濱地 文平君
   理事 飯塚 定輔君 理事 纐纈 彌三君
   理事 田中 榮一君 理事 渡海元三郎君
   理事 吉田 重延君 理事 加賀田 進君
   理事 阪上安太郎君 理事 門司  亮君
      相川 勝六君    加藤 精三君
      金子 岩三君    亀山 孝一君
      川崎末五郎君    鈴木 善幸君
      津島 文治君    富田 健治君
      川村 継義君    大矢 省三君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 石原幹市郎君
 出席政府委員
        自治政務次官  丹羽喬四郎君
        総理府事務官
        (自治庁行政局
        長)      藤井 貞夫君
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        長)      奧野 誠亮君
        総理府事務官
        (自治庁税務局
        長)      後藤田正晴君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石原 周夫君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主計官)   大村 筆雄君
        専  門  員 圓地与四松君
    ―――――――――――――
三月十二日
 市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一〇〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第五〇号)
 市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一〇〇号)
 地方財政に関する件(昭和三十五年地方財政計
 画)
     ――――◇―――――
○濱地委員長 これより会議を開きます。
 去る十二日本委員会に付託となりました、内閣提出、市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○濱地委員長 まず政府より提案理由の説明を求めます。石原国務大臣。
○石原国務大臣 ただいま議題となりました市町村職員共済組合法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 現行の市町村職員共済組合法におきましては、市町村職員共済組合の、いわゆる付加給付及び短期給付に要する費用についての市町村の負担金に関する特例が昭和三十五年十二月三十一日まで認められているのでありますが、この法律案は、これらの特例が認められる期間を昭和三十六年十二月三十一日まで延長しようとするものであります。
 市町村職員共済組合の発足の際、健康保険組合の権利義務を承継した組合は、昭和三十五年十二月三十一日までの間は、当該健康保険組合が行なっていた付加給付を引き続いて行なうことができることとされており、また、職員である被保険者の負担する保険料より多額の保険料を負担していた市町村では、組合の短期給付に要する費用は、市町村と職員との折半負担という建前の特例として昭和三十五年十二月三十一日までの間は、引き続き、市町村において組合員より多額の負担をすることができることとされているのでありますが、いずれもその特例期間を一年間延長し、昭和三十六年十二月三十一日まで、これを認めようとするものであります。
 市町村職員共済組合に付加給付を認めるべきかどうか、また、短期給付に要する費用について市町村の負担金と職員の掛金との負担割合をどのように定めるべきかは、種々議論のあるところでありますが、地方公務員を通ずる統一的な共済制度について検討が進められている折でもありますので、この際は、これらの特例期間を一年間延長することにいたしたのであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
     ――――◇―――――
○濱地委員長 次に、地方財政に関する件につきまして調査を進めます。
 昭和三十五年度地方財政計画について質疑を続行いたします。門司亮君。
○門司委員 私はこの際、地方財政の全体について、この前大蔵省には一応の説明を聞いておりますが、残りの分をごく簡単に聞いておきたいと思います。
 一つは、ちょうど主計局長が見えておりますので、事務的に一応聞いておきたいと思いますが、政府のいわゆる駐留軍に提供した基地その他に対する交付金の問題であります。これはこの前お聞きしたが、はっきりしないので、もう一度事務当局からはっきりしていただきたいと思います。この法律のできましたのは、国有資産等の所在市町村に対する交付金、納付金の問題が出て参りまして、これと均衡をとることのために、ああいう法律が出たことは御承知の通りであります。それからさらにそれの算定すべき基礎となるものは、大体固定資産税を基準とするということは、常識上わかったことでございまして、従ってこういうできた法律の趣旨からいいますと、交付金が五億であったり、現行のように十億であるということ自身には、五億にしたということの算定の基礎は何もないわけであります。ただ法律に予算上というようなことで逃げておるのでありますが、しかし金を出すことのために、ただ単にこれが予算の都合上、予算の範囲内でというようなことでは済まされないのであります。当然あの法律のできた経緯から見れば、固定資産税相当額を出すということが、私どもには常識上正しいと考えられる。そうだといたしますと、十億という金高は、非常に低いのであって、自治庁の調査によりましても、大体現行の固定資産税の算定になっておる基礎数字を当てはめてみると、大体十七億五千万円以上になるということが考えられる。従ってわれわれから考えて参りますならば、今の十億は当然十七億五千万円という数字でなければならないと考えるのだが、この点について大蔵省は、ただ単に法律でそうなっておるから、予算上の都合でこうなったのだというような答弁で今まで逃げられておりますが、私はそういう答弁ではこの際逃げられないと思う。どうしても法をこしらえたときの経緯から見て、固定資産税相当額を出すべきだと考えるのですが、この点に対する大蔵省の意見をもう一応聞いておきたいと思います。
○石原政府委員 国有提供施設の交付金につきましては、御承知のように三十二年に創設されたわけでありますが、その際の経緯から見ましても、固定資産税が、それだけでやるということだけが理由ではないのでありまして、米軍の駐留に伴いまして、住民あるいは公共団体におきまして、それに関連をいたしましていろいろな財政需要が出て参るというようなことを総合勘案をいたしまして、門司委員が仰せのように、予算の範囲内でという言葉を用いまして、初年度五億円、平年度十億円という額をきめまして、三十三年度以降十億円に相なっておるわけであります。御承知のように米軍の施設は最近若干撤退といいますか、接収解除が行なわれているわけでありますが、そこら辺の事情を見まして、なお十億という金額を引き続き計上しておるようなわけであります。最初から国有財産の所在市町村交付金というものがございまして、それとは別の体系でやって参っておりまする従来の経緯、事の成り立ちからいたしまして、現在のような数字に相なっているわけであります。従いまして、計算を、固定資産税の非課税額そのものに合わせてやっておりますので、門司委員の仰せのような十七億というような数字には相なりませんで、十億という範囲におきまして、お話のように八割程度は固定資産税の額、残りの二割は財政力その他を勘案したというような運用で今日までやって参っておる次第であります。
○門司委員 大蔵省の意見はたびたびそういうことを言われております。しかし問題になりますのは、今の当局から話されたような固定資産税だけでなくて、費用の点等もある、こういうお話ですが、もう一つの問題は、今お話のあった財政需要の関係ですが、これは実は普通の交付税の中に駐留軍がいるからどうだという規定がなされていないのであります。そのことのためにああいう割り方をして、そして特別の場合に二割だけ使えるというような例の交付税の性格をそこに持たせるということは、今のお話のような財政上の問題があるということは、これは当然であります。ところがそれがさっき言いましたような、処置としてはそういう処置をとっておりますが、一方交付税の対象の中に、基地の問題が入っておらないという現実の問題がやはり出てくる。これは大蔵省からいわせれば、だから二割をこういうふうにしたのだという言いわけが立とうかと思いますが、しかしそれとは趣を非常に異にしておるのであって、当然地方の行政の中から考えて参りますと、駐留軍がいることのために特別の支出が要ることはわかっている。ところがそれをカバーするのに、制度として二億だけ特別にとってあるからよろしいじゃないかということは、私は一応言えるかと思います。しかし、先ほどから申し上げておりますように、問題の性質がそれとは違うのであって、こういうものについての考え方を十億に限られるというわけにはいかぬと思う。
 それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、もしあなた方の方でそういう意向があるとするならば、駐留軍の所在しておりまするところの市町村に及ぼす財政上の影響、心理的の影響というようなものについて一体どういう処置を大蔵省はとられておるか。この点大蔵省は、この中から二億でよろしいのだというようなお考えなのかどうか、この際大蔵省からはっきり聞いておきたいと思いますが、これは一体どうなんです。二億の範囲内で満足するほどやっているとお考えですか。地方の実態はそれでよろしいとお考えですか。大蔵省の意向を聞いて、それから実際の問題について討議をしてみたいと思うのですが、まず最初に、これでよろしいのだという大蔵省のお考えがあるのかどうか、聞いておきたいと思います。
○石原政府委員 駐留軍のおりますることに伴いまする特別の財政需要につきましては、先ほど申し上げました基地交付金も一つの手段でございますが、特別交付税におきましても三十五年度分といたしましては、市町村分で一億三千万円程度の金が算定せられているわけであります。なお御承知のように、調達庁におきましては、調達庁の予算がございまして、各種の損失補償の額が計上をされております。たとえて申しますと、道路の改修におきまして二億五千万円、その他特別損失補償というような項目におきまして、これはもちろん公共団体だけの金額を書き抜いてございませんが、特別損失補償金といたしましては、二十九億というような金を三十五年度から計上してございます。この中で公共団体に対する補償分もありまするので、それらを合わせ、それから先ほど申し上げておりまする十億の中の二億というようなものも合わせまして、これを財政力とにらみ合わせながら配分をいたす。それによりましておおむね所要の額をまかなっていけるというふうに考えている次第であります。
○門司委員 大よそそれが所要の額をまかなっているというお話でありますが、それなら一応この際聞いておきたいと思いますが、たとえば福岡県の芦屋の飛行場、これは今年一ぱいで大体軍は撤退するということを明確にいたしております。その隣村である岡垣村、この村は御承知のように飛行機の射撃場になっておって、標的を持っております。この二つにまたがる問題としてまん中に矢矧川という、あまり大きな川ではありませんが、川が流れております。この川は、米軍の基地の中を貫流しておりますために立ち入り禁止になっている。そうして八年あるいは十数年来ほとんど改修がされておらない。向こうさんが立ち入り禁止を命じておりますから、なかなか簡単にそう中を改修するわけにはいかない。この改修ができないために水害その他で上流に及ぼす影響がかなり出てきておる。本年度やっとこの問題についていろいろ相談をしておるわけでありますが、大蔵省の意向というのは一向はっきりしない。これをもし村あるいは福岡県がやるとすると、今まで放置されておった川でありますから、約一億近い金がかかるようになっておる。あまり大きな川でありません、小さな川であります。そういうものが現実に出てきておるのです。そういうものにもかかわらず、今のお話のように二十九億ばかりの金があるから何とか調達庁の関係でそういうものを補償していこうというようなお考えがあるかもしれませんが、しかし総体のワクが少なければ、なかなかそういうわけにいかないと私は思う。もう一つの問題は、同じここにある学校の問題です。御承知のようにジェット機の爆撃の演習地でありますから、板付の飛行場から来るのと、岩国の飛行場から来るのと、二つの飛行場から三機編隊でほとんど毎日やってきておる。そして学校もここでは防音装置ではいけない、防音建築でなければいけないということが大体規定されておる。この防音建築に小学校を、中学校を直すということ。あるいはここには療養所がある。こういうものの装置が十数年来そのまま放置されておる。今ごろになってやっと防音建築をするかしないかについても大蔵省はぐずぐず言っておる。大蔵省も最近調査に行かれるという話を聞いております。あるいは調査にだれが行ったか、名前を言えと言ったら名前を言ってもよろしゅうございますが、大蔵省の事務官が行っておる。ごく最近、つい一週間以内くらいに行っておる。そういう問題はたくさんある。ことにこの地区は御承知のように爆撃地でありますから――日本に三つばかりこういうところがあるわけでありますが、模擬弾の誤爆がかなりひんぱんに行なわれておる。新聞紙も伝えておるが、あなたのところに図面を持って行って、何月何日どこに落ちたということをはっきり言っていいですが、二カ月に九発ということが書かれている。幸い今までに人畜に被害を及ぼしておりませんから大して問題になっておりません。実際は村の中に、はなはだしいのは標的から一里くらい離れたところ、四キロないし五キロの、近いところに誤爆で落っこってきておる。きわめてあぶないところです。こういうものについても何らの補償をされておらない。一方、落ちたやつには、たまの始末をするのに百円置いていくと言っておりますが、一体誤爆をして、百円の補償で村民が安心しておられるかどうかということです。こういう事態について、単にこれを調達庁にまかしてあるというだけでは私はなかなか済まないと思う。やはり大蔵省がこういうところについては目をあけて、そして処置のできるような、支出の面から考えても、こういう妥当性のある一応理屈のつく、基地に対しまする交付金というようなものについては、私はやはり正常に戻すべきじゃないかということが考えられる。従って十億の算定の基礎というものはもう少しお考え願って、こういう事態についても、単に損害補償の問題だから、あるいはそういう事態だから、これを調達庁の資金の中からといったって、大蔵省が承認しなければ――調達庁のいうことをなかなかあなた方聞きゃしない。調達庁が幾ら申請したってなかなか聞きゃしない。当然検査の結果は、今の岡垣村の中学のごときは防音装置ではいけないのだ、防音建築でなければいけないのだということがはっきり出ている。にもかかわらず、四の五の言っているのはあなた方の方なんです。これを一体あなた方どうするつもりなんですか。これは当然算定の基礎を設けるべきだと思うのだが、そういう事情については、時間もございません、あとの質問もございますので申し上げませんが、算定の基礎をもう少しはっきりすることのために、交付金の問題については固定資産税相当額というようなことに一応きめることが私はよろしいのではないかというように考えられるのでありますが、その点はどうなんですか。この際一つどうしてもできないという理由があるなら、どうしてもできないという理由を私ははっきりしていただきたいと思います。
○石原政府委員 先ほど門司委員がおあげになりました芦屋の付近の川の関係、学校の関係あるいは誤爆の関係、これらにつきましては、私今各個の事情を詳細に存じておらないわけでございますが、おのおの調達庁の方で見ております基準がございまして、たとえば学校の問題にいたしましても、何フォン以上はどういうような措置をいたすというような、全国を通じまする基準がございますので、そこら辺の現実の資料をつかみまして、調達庁が必要に応じましてわれわれの方に相談をするということに相なろうかと思います。先ほど申し上げました特別損失補償の金額もございますし、立法上の問題といたしましてどういうような事情にございますか、そこら辺をよく取り調べていきたいと思います。
 最後にお尋ねのございました固定資産の評価額で、あるいは固定資産税の非課税額で金を計算しないかというお尋ねでございますが、これは先ほどお答え申し上げましたように、この制度の経緯あるいは由来から申し上げまして、今申し上げておりますように、必ずしもその額をねらってというのではございません。今のような一割、二割こういうようなことで、ある程度財政力その他の財政事情に応じまして金の分け方をいたす方が、よりよく現実の実態に対しまして適当に参るかと思うのでありますが、現在の制度をもっていったらどうであろうかというふうに考える次第であります。
○門司委員 あなたは誤解されては困るのですが、私は何も配分の方法をとやかく言っているのではありませんよ。配分の方法についてはいろいろ問題があろうかと思いますが、金自体の算定基礎は、そういうことにして出すということが一応考えられないかということです。そうすると問題になりますのは、今少ない金をお互いに分け合っておりますから、従ってさっき申し上げましたような、当然やるべき仕事を十分に行なわないような弊害が出てきておる。これはここだけではありません。三沢に行ってもそうでございます。どこへ行っても同じようなことが出てきております。特にこういう基地を持っております地方の財政状態というのは非常にデリケートなものがあって、基地経済というのは非常にむずかしいのであります。これを一般の地方財政計画の中から全部見ておったのが誤りでありまして、その基地があるために財政需要がふくらんでくる。同時に、その基地を撤廃することによって、そこに及ぼす財政上の影響は非常に大きい。基地経済にたよっておる自治体の財政需要というものは非常にむずかしいのであります。ところが、そのむずかしい問題の根本は一体どこにあるかといえば、財政の問題が十分にまかなわれるだけのものがあれば、かりに軍が撤退いたしましても、ある程度地方の自治体の仕事というものはできるのでありますが、まるっきり今のような状態では、軍が撤退した跡始末をどうするかということが非常に大きな問題になっておる。たとえば今申し上げました芦屋なんかでも、今年一ぱいに引き揚げてしまう。あとに自衛隊を約三千くらい入れるということをこの間防衛庁長官は話しておりましたが、しかしこんなものがきても芦屋の今の経済を保っていくわけにはいかない。その事前にやはり財政上の問題として、当然自治体の立っていくような姿というものを認めるのが私は必要じゃないかと思う。従ってこの際申し上げておきたいと思いますことは、そういう基地経済に対する特別の配慮をするということが一応考えられないか。いわゆる撤退後におけるこの種の交付金というのを、一体どういう姿でまかなっていくかということ。これは基地交付金がなくなれば、あと国有資産等の問題でという議論が出て参りますが、この場合に聞いておきたいと思いますことは、算定の基礎になるものです。今は使っております、それから建物がございます、従って割合に話もしやすいのでありますが、彼らが撤退した跡の始末というのは、現在では飛行場に使っておる、現在では宅地に使っておる、あるいは住居に使っておる。そういうものが全部なくなって、そうしてあとこれを固定資産税の方に、国有資産の方に切りかえていくということになりますと、ここで起こる問題は、おそらく評価の問題が出てこようかと考える。評価が安くなるとどうしても考えられる。従って、そういう問題との関連性を大蔵省としては一体どうお考えになっておるか、この際もしお考えがあるなら、一つ聞かしておいていただきたい。そういたしませんと、基地を持っておるところは非常に不安でたまらない。基地がなくなったあと、どうにもならなくなるという状態が出て参ります。だから基地交付金と同時に、国有資産等の交付金、納付金に対する法律と両方に関連をいたしますが、基地撤退後におけるそういう財政的な処置というものを、どういう形でおとりになるか、この点を一つ聞いておきたいと思います。
○石原政府委員 接収解除に相なりまして、基地が返還をせられました後における問題でございますが、これは解除をせられました施設をだれが使うかということにもよるわけでございまして、自衛隊が使う場合もございましょうし、学校が使う場合もございましょうし、あるいは民間の施設が使う場合もあります。そのおのおのによりまして、いろいろ違うことだと考えられます。従いまして、その全体を通じて、国としてはどういう考えを持っておるかということになりますと、それは総括した一本の方針があると申しますよりは、各個の事態に応じた処置をいたすということに相なるかと思います。いずれにいたしましても、基地が返って参りますときに、多少の摩擦的な問題もありましょうし、あるいはその後の施設の利用いかんによりましては、問題があることは事実でございます。ここら辺につきましては、そのおのおのの場合に応じます措置をせざるを得ないと考えるわけでございます。今具体的にこういう一つの方針があるということをお答えするわけには参らぬかと思います。
○門司委員 今の答弁だけでは、私どもそのままこれを受け取るわけにいきません。御承知のように、場所的に見れば、十分使える場所があります。それは、たとえば横須賀のように、一時はああいう形になるが、あとは民間が入ってきて使えば、相当の固定資産税があがるでしょうから、一時の混乱だけだと考えます。ところが今の芦屋の飛行場のようなところは、元には返らぬのです。自衛隊が三千人くらい入りましても、あの広い飛行場をどうするわけにもいかない。そして、それならその飛行場は民間に利用できるかといえば、これまたできないところなんです。そうすると、勢いそこの財政規模は縮小せざるを得ない。しかし一応膨張した財政規模が、急に縮小されるわけでもございません。そうすると、どうしても財政上非常に困難な状態に陥らざるを得ない。そういうものに対する何らかの処置がこの際考えられるべきではないか。そのことについては、自治庁にも一つお伺いしておきたいと思いますが、急激にそういう形が出て参りまして、そしてあとの利用価値の比較的少ないようなところの自治体に対するこの問題の事後処理について、私は今のようなことでは市町村は不安でやりきれないと思う。そう急に人口が減るわけでもありません。そう急に学校がなくなるわけでもありません。片方では、御承知のようにずっと失業者が出て参りまして、納税の額がだんだん減ってくるであろうということは当然考えられる。従来からある本来の姿である税金も入らない。それから施設その他を急に縮小するわけにもいかない。国からくる財政処置は減額されるということになりますと、自治体の存立すら危ぶまれるようなところができはしないかと私は考える。こういう問題については、こういう制度とからみ合わせて、私は何らかの処置がこの際とられるべきではないかと思う。従って、最後に自治庁と両方に聞いておきたいと思いますことは、そういう事態の起きたときに、これを救済する方法を一体お考えになっておるかどうかということであります。今までの大蔵省の答弁では、何ら救済をされるという証拠も見出せませんし、われわれ理解をするわけにいかないのでありますが、そういう地方の自治体の財政的の基礎が、基地があったということのために、あるいは基地がなくなったという現実で招来される地方自治体の財政上の処置というものは、今の交付税の範囲で行なおうとしてもなかなか困難でありましょう。従って、特別の処置がこの際私は何らか必要ではないかと考えられるが、こういう点について大蔵省と自治庁の両方から、もしお考えがございますれば、この際伺っておきたいと思います。
○奧野政府委員 駐留軍が撤退いたしまして、今まで使用していた施設が返還になる。しかしながら、それがまだ国有のままで貸付も開始されないというような場合には、従来は国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律によって交付を受けておったけれども、撤退後はその交付は受けられない。しかも固定資産税の課税ができない。反面失業者がふえてきて財政支出が多くなるというような事態に直面した市町村が、過去にも幾つかございます。失業者がふえましたり、あるいは生活保護の支給対象がふえましたりした場合には、それに対応する財源を、特別交付税の算定の場合に計算することにいたしております。なお、今申し上げましたように、返還になったあと、国有提供施設等所在市町村助成交付金に関する法律の交付が受けられず、固定資産税の課税もできないというような場合には、もちろん、今申しましたように特別交付税の交付もいたしておりまして、愛知県の守山市が、本年度ちょうどそれに該当した市であったように記憶いたしております。十分ではございませんが、そういう形において若干の救済措置は講じて参ってきておるわけでございます。
○石原政府委員 ただいま自治庁側からお答えがございましたような、特別交付税の措置もございます。それ以外といたしましては、たとえば自衛隊員が入りますと、それに伴う住民税の収入というようなこともございまして、先ほど申し上げましたように、各個の場合に応じて何らか対策をとって参りたい。今自治庁側から御答弁がありました特別交付税も一つの方法でありますし、なお、先ほどお話しのような民間施設については、これは固定資産税が入って参るわけでありますが、やはり各個の場合に応じた対策をとるように、自治庁ともいろいろ相談したいと考えております。
○門司委員 今主計局長の答弁ですが、お話しになっておられるようなことは、私どもの方でもわかっております。ただ問題になるのは、交付税の特別配付をしても、これは全体のワクでとっておりますから、おのずからほかに影響して、当然ある公共団体に配付さるべきものが削られるということになると思います。いずれにしても、今の交付税の特別配付をいたしておりますものは、全体のワクの中から出される金でありますから、当然配付を受けると考えておったが、一方に基地があったことのために、そちらによけい金がいってしまって、多少でも全体に入る分が減るというようなことが一応考えられるわけであります。そういうものではなくして、従来の法の建前からいうと、市町村あるいは都道府県の財政の中で、特別の処置を必要とするようなことが出た場合の全体的なものの考え方であって、これを基地があるという特有のものとの関連性を持たせるということは誤りだと思います。もし基地に対する問題でそういう処置をしなければならぬということになれば、それはやはり国有提供施設等所在市町村助成交付金の中からこれをまかなっていくということの方が、筋が通るのじゃないかと考える。そういたしますと、今の答弁のように相談してということでなくして、この際はっきり、そういう問題については一般の交付税の方には関係なく、国有提供施設等所在市町村助成交付金の中からこれを支払っていくような建前をとることの方が、一般に影響も及ぼさないで、筋も通る話だと私は思う。それには今のつかみ分けのような十億という、何ら算定の基礎のないようなものでは、私はいけないと思う。やはりはっきりした数字というものを出してもらって、そしてお互いにその中から支弁もしていくという形の方がどうしても正しい考え方だと考えるので、この問題で最後に聞いておきたいと思いますことは、そういう意味で、この提供資産等に対しまする試算をする基礎をはっきりきめて、政府の財政上の都合でいいというような、お情けのようなあるいはつかみ分けのような、算定の基礎のはっきりしない現行法を改めて、私は今固定資産税相当額というような話をいたしましたが、いずれにしてもそういう形で算定のできる、全部が納得のいく姿で配分のできるようにこれを改めていく、法律を改めていくというお考えは、今のところございませんか。
○石原政府委員 冒頭にお答えをいたしましたような建前で、現在の法律も予算の範囲内でということになっておりまして、私どもといたしましては、現行法の趣旨をもちましてやって参ってけっこうじゃないかというふうに考えております。
○門司委員 いや、現行の建前はわかっておるのです。しかし今申し上げましたように、いろいろの不都合が出てきておるのです。従って算定の基礎をはっきりすべきだということなんです。政府の都合が悪ければ、これを五億に減らされたって、今の法律のままでいけば文句は言えないでしょう。あるいは三億に減らされたって文句は言えない。それでは地方の自治体は非常に不安だというのです。だから、はっきりした算定の基礎を設けておきなさいというのです。予算の範囲内で、財政の都合ということになると、必ずしもふやすということばかりではない、減らすということもあり得るでしょう。だからそういうことのないように、基地を持っておる自治体の安心のできるように、算定の基礎をはっきりしておいてもらいたいということです。それには、そこに何らか基礎数字をはじき出すものがなければならない。それの一つの基礎として、私は固定資産税相当額というものはどうかということを話したのです。法律の話は、われわれだって知っておる。今聞いておるのは、そういう法律を直す腹があるかないかということです。今日の基地経済を見てごらんなさい、どういう状態にあるか。基地がなくなったあとの悲惨な状態を見てごらんなさい。だから、少なくともそういう不安のないようにするためには、一応そういう算定の基礎を明らかにしておいて――これは国が責任を負うべきなんです。何も地方の自治体が好んで軍事基地ができておるわけじゃないのです。犠牲でしょう。戦争は終わっているのです。基地を持っておるところだけは、戦後十五年、いまだに戦争の犠牲が続いておるのです。それをどうしても政府は補償すべきだと思う。あの法律ができたのも非常におそかったのです。だから、これに算定の基礎を与えて、そして基地を持っておる地方自治体の毎年の予算に安心して計上できるような姿にしてやりたい。それには、予算上の都合で多くなるか減るかわからぬというようなあいまいな法律でなくして、はっきりした算定の基礎を置くことが正しいのじゃないか、こう考えるのです。あなたの方で、そういう基礎を与えなくてもよろしいのだ、地方の自治体はどうでもいいのだというようなお考えなら、それでもいいのです。ただ、今の法律はこうなっておるという、法律の言いわけなど聞きたくない。私も法律は知っておるのです。その法律を改めるかどうか、改める意思があるかどうかを聞いておる。もし改める必要がないというなら、必要がないということをはっきり言っていただきたい。基地経済なんかどうでもいいのだという御意見なら、それでよろしいのです。その大蔵省の見解だけは、ここではっきりしておいてもらいたい。
○石原政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この制度のできました趣旨から見まして、固定資産税の非課税相当額ということで出発したものではございません。従いまして私どもとしては、現行制度をもちまして、それを適正な配分方法によりましてできるだけ各団体の需要にマッチするような分け方をしていきたいということをもちまして、従来もやって参ったわけでありまするし、今後もその方針で参りたいというふうに考えております。
○門司委員 今、今後もこういう方法でやっていきたいというお言葉でございますが、どういう理由でそうやらなければならないか、私はその点おかしいと思う。国有資産等の問題については、大体この相当額を出しておるでしょう。固定資産税相当額というものが出てきておる。基地の問題に対してはこういう形が出てきておる。私は、そのアンバランスというものは、やはり見る必要がありはしないかということを先ほどからくどく申し上げておるのであります。いろいろわれわれにはわれわれの考え方がある。だから、今のように法律ができておるからその法律を守るのだということでなくて、法が悪ければ改める必要があるのですよ。私はその意見を聞いておるのですよ。われわれはこれを改めていきたいということで聞いておるのです。これを大蔵省は改める意思があるかないかということ、ないならないという理由をはっきりしてもらいたい。これでよろしいのだということをはっきりしてもらいたい。今の答弁だけでは、よろしいのだという理由はどこにもないのですよ。法律はこうなっておるから、法律ができたときはこうだからこれでいいのだという話だけです。それはこれまでの話だ。これからこの法律を改めようという――改める必要はないという御意見なら、それをこの際承っておきたいと、こう言っておるのです。だから、具体的にどうなんです。あれで十分だとお考えになっておるかどうか。改める意思があるかないかということを聞いて、さらに改める意思がないというお話でありますなら、それなら一つ理由をはっきりしておいていただきたいというのです。
○石原政府委員 御承知のように、国有財産の所在市町村の交付金に対しましても、いわゆる行政財産には適用がないわけでありまして、収益財産の場合におきまして今申し上げましたようなことがあるわけでございます。それらとの関連もありまして、この法律ができましたのは、先ほど来申し上げておるような、総合的な見方から金を毎年予算に計上して参るということで参っておるわけでございます。従いまして、そういうようなことでございますから、私が申し上げておりますのは、今後もこれを継続して参りたいということを申し上げておるわけでございます。
○門司委員 どうもその辺がわからぬのですよ。なるほど行政財産でありませんで収益財産ということはわかっておるのです。だから私がさっき申し上げたように、この基地を持っておるところは国の犠牲だ、こういうのですよ。これについての代償なんです。それなら私はここではっきり聞いておきますが、もし誤爆等があって、安心してその土地におられない。それらの諸君が全部引っ越したいという意見を出してきたら大蔵省はどうします。日本政府はどうします。どういう補償をするつもりなんです、こういう犠牲を忍んでおるのです。あなた方の住んでおる部落に、かりに一カ月に四発半の割合で誤爆されてごらんなさい。その下におってどういう気持がしますか。いつどこからどういうたまが降ってくるかわからない。いつ人間が殺されるかわからないのですよ。野らに行って仕事もできない、外もうっかり歩かれない、家の中にも寝ていられない。そういう精神的の苦痛があるということなんです。基地の者はみんなそういう悩みを持っておるということなんです。これは政治上私はやはり配慮する必要がある。だから、そういうものについて大蔵省がきわめて冷淡な態度でおるということ自体私はおかしいと思う。だからやはり理屈のつくものについては理屈をつけて、そうして財政処置をするという行き方を私はすべきだと思う。お情けでこれだけお前たちにやっておるのだから、これで泣き寝入りしてがまんせいという態度ではなくて、はっきりした基礎を持って――これは行政財産でありません、一種の収益財産であることは間違いない。しかし、できておるということは、やはりそういうことが勘案されておる。だから算定の基礎ぐらいだけはどこかに明確に置くということが、この際私はどうしても必要だと考える。もしこれ以上大蔵省が答弁ができないというなら私は聞かなくともいいのです。従って結論として、大蔵省は今日の基地経済についてきわめて冷淡だということを言う以外に話の持っていきどころがなかろうと私は思う。それでよろしいかどうかということなんです。これは大蔵省は、少しくどいようですが、どうなんです。私はそういう一つのはっきりした数字を出す基準を定めておきたい。そうして基地経済というものをもう少し政府が認識するという建前をとっていきたい。ただ、お前たちは困るだろうから、このぐらいの金をやっておけばよかろうというだけのことでは済まされる問題ではないと思うのですよ。もう何も天皇の政治でも徳川時代の封建政治でもありませんし、支配階級が、支配するものに対してお情けでこれだけのものを負担してやるのだということでなくして、それには一つの何らかの基礎を置いて、基準を置いて、そしてだれにもわかるようなものにすることが私は正しい政治だと思う。そういう考えはどうしてもございませんか。やはり依然として大蔵省としてはお情けでやるのだというようなお考えですか。もしそういう考えだとすれば、私の方にも、もう少し言い分がありますが、大蔵省の考え方はどうなんですか、もう少しはっきりしておいて下さい。
○石原政府委員 先ほどお話のございました誤爆でありますとか、そういうような米軍の駐留に伴います損失補償の問題につきましては、今お話しのいわゆる基地交付金とは別途に、調達庁におきましての施設提供費、そのうちから払っております。先ほど申し上げました損失補償の方の問題に相なりますので、この方はこの方で先ほど申し上げましたように、いろいろな場合におきます基準を作りまして、その基準に基づきまして所要の措置をとっておるわけであります。この基地交付金の方の問題は、申すまでもなく地方団体そのものの財政の問題でございますので、先ほど来申し上げておりますように、基地等を提供せられておるという実情を見まして、特定の金額を予算に計上していくというやり方できておるわけであります。それに対しまして、何らか確たる基準を設けるべきじゃないかというお話でございますが、これにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、できました経緯から見まして、現在のような制度で運営に万全を期して参るべきじゃないかというふうに考えております。
○門司委員 大蔵省の意見がそうだとすれば、これ以上聞きませんが、大蔵省もやはり国民の税金を使っておるでしょう。これらの地区におる人も税金を納めておる。納めなければ差し押えて競売をするでしょう。そうだとすれば、何も自分のふところから昔の殿様が出しておるようなものの考え方でなくして、算定の基礎だけははっきりする。金が多いとか少いとかいうことは別にして、算定の基礎をはっきりする。そうして地方の公共団体にそういう基礎に基づいて当然政府から交付さるべきものだという考え方を持たせることが、私はこの際正しいと思う。地方の自治体にその請求する権利というものが――ただ法律に基づいて、こういう法律ができたからということで出しておる。上の方でこれをただ算定するだけだということでなしに、自治体の権利として当然要求する権限をこれに与えていきたい。そうすることが自治のほんとうの姿である。財政の中で国からお恵みのような金で十億がきまっておる。このワクの中からこれをこういうふうに配分しておるのだということではなしに、交付税にしましてもちゃんと算定の基礎ははっきりしておると思う。この算定の基礎がはっきりしておって、その中から出しておるのだから、片方の財政上の都合で多くなるか少なくなるかということではなしに、どうしてもこの問題に対しては算定の基礎を明らかにする必要があると思う。それの考え方としては、今申し上げましたようなことが必要ではないかと考えるのだが、大蔵省は、どうしても算定の基礎を置く必要はないのだ、おれたちの考え方でよろしいんだという、あくまでも官僚的なものの考え方、あくまでも封建的なものの考え方でいいか悪いかということは少し考えてもらいたいと思う。この点どうですか。どうしてもそうでなければいかぬのですか。算定の基礎を与えたからといっても同じことですよ。明確にする。そうして地方の自治体がその算定の基礎の明確なものに基づいて要求ができるということ、こういう形にする方が筋が通りはしませんか。今どこかにこういうものがありますか。いずれ十億を組まれるのにも、今のままの姿では、ただ十億くらいでよかろうということでしょう。そういうもので国民の税金を使うということはいいか悪いかということです。国民の税金を使うなら、やはり使うような算定の基礎を明確にして、こういう理屈でこうなっておるから、これだけ出しますという数字が出てこなければ、私はなかなか納得がいかないと思うのですよ。だから大蔵省は、あくまでもつかみ分けでいいのだ、おれたちにまかしておけ、おれたちの金だからおれたちだけで使うのだという不都合な考え方を持っておるのか。あなた方のお考えというのは、そういうお考えですか。これは納税の義務のあるものであって、しかもそれによって地方の自治体の長というものはやはり行政を執行していかなければならぬ。執行する義務がある。その行政を執行をしていく義務の基礎になる財政が、政府のお恵みによってやられていくというようなことが、今日の社会において許されるかどうか。私はもう一歩を譲って、あるいは固定資産税相当額ということを言ったが、そういうものを基礎にして何かはっきりした根拠のあるものにしていくという大蔵省の考え方がどうしてもないというのですか、もう一度はっきりした答弁を聞かせていただきたい。
○石原政府委員 基地交付金が始まりましてすでに三年目に相なろうかと思います。従いまして、八割は固定資産の価額、二割は財政力その他の事情を勘案いたしまして配分をいたすということも一応確立せられておるわけであります。従いまして、具体的な配分の問題あるいは積算の問題としては計算はできるわけであります。ただ私が申し上げますのは、門司委員のお尋ねのように、それでは固定資産税の非課税相当額を十七億にふやせというお話でありますから、私どもはこの制度のできた経緯からしまして、そういうようなことには相なりませんので、法律制定当時の事情から見まして、十億という金額をもって今申し上げたような配付をやって参りたいというふうに申し上げたわけであります。その配分なり今申し上げましたような意味における積算というものは十分にあると思います。それに基づいて積算をいたしておるわけであります。
○門司委員 私はもうやめようと思いましたが、そういうことを言われると、ますますわからなくなりました。今の配分の方法については私も知っております。あなたに聞かないでも知っている。私は、配分の方法を議論しているのではない。配分の算定の基礎を明確にしなさいと言っておるのです。そのことを話しておる。あなたは、さっき配分の方法をどうこうと言われたのですが、固定資産税相当額の十七億、これは今固定資産税相当額のワクは十億しかないから、固定資産税相当額のわずか六割でがまんしろ、こういうことになっておるでしょう。こういう事態を私は改めていきたい、こう言うんですよ。きちんとした言いわけのできるものにするということなんです。これは私改められるはずだと思います。政府もその方が楽だと思います。算定の基礎がはっきりしておれば、これでやれるじゃないですか。五億を十億にしたときにも、やはりそういう議論があった。五億ではどうにもならぬからふやしたらどうかということで、これもふやされた。その経緯もあなたは御存じでしょう。だからこの際もう三年になるから、どうしてもこの算定の基礎を与えていきたいということ、大蔵当局にそういう意思がないというなら、私はこれ以上聞きません。あとは大臣にきてもらって、大臣との話合いをしていきたい。
○亀山委員 ちょっと関連して。ただいま基地交付金の問題について門司委員からいろいろ肯綮に値いする御質問があった。大蔵当局の御説明も、現段階においてはよくわかりますけれども、今門司君の言われましたように、算定の基準というものをある程度明定化するということが――基地交付金というものができた経緯から見てあるいはやむを得ぬと考えられるというようなお言葉もありますけれども、もう現在においては、私は門司君の言われることはまことにごもっともだと思う。この際政府当局において一つ十分御検討願いたい。これは自治庁及び大蔵当局両方で、この問題を、今のようにただ考えられるということでなしに、何か工夫せられまして、この基地交付金の算定の基準を明定化されるように私どもはお願い申し上げたいと思いますが、その御意思があるかどうか、この点を自治庁長官に一つお伺いしたいと思います。
○石原国務大臣 自治庁といたしましては、これはやはり今日におきましては、何かそういう基準のようなものを考え、その通りに財源の関係でできるかできないかは別といたしまして、一応の基準なり、そういう考え方を持つということは、これは当然じゃないか、そういう線で大蔵当局ともいろいろ折衝はしておるのであります。今後とも私の方の立場といたしましては、働きかけまして、十分検討していきたい、かように思う次第でございます。
○亀山委員 ただいま自治庁長官の非常にはっきりした御答弁をいただきましたが、これは大蔵当局にもお願いしたい。結局これがつかみ金という感じは、今門司君の言われたようにほんとうにぴんときません。それは門司委員の言われる通りです。そこである程度金額の問題は別問題として、この算定の基準を明定化されるようにぜひ御検討を願いたいと思うのですが、主計局長、いかがでございますか。
○石原政府委員 御承知のように、先ほどもちょっと申し上げたのでありますが、基地が接収解除になっておる面がございまして、対象も一応漸減をいたしておるわけでございます。そういうことと関連をいたしまして、先ほど来門司委員のお尋ねのように、固定資産税の非課税相当額を一つ予算化しろということでなく、どういうような積算をいたすかという点につきましては、検討をいたす余地があると思います。ただこれには特殊の経緯もございます。従来から三年間にわたって実施せられておりますので、今までのやり方で参ります方が、かえって円滑に参るという面があるかもしれません。そこら辺もあわせまして検討してみたいと思います。
○亀山委員 今自治庁長官並びに主計局長の御答弁のように、門司委員の言われた趣旨は、われわれほんとうに同感でありますので、どうかこの上とも十分に御検討をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○門司委員 その次に一つ聞いておきたいと思いますことは、どうもたびたび申し上げて、自治庁からもお話はいろいろ伺っておるのでございますが、この機会に大蔵省にお聞きしておきたいのは、例の、これも地方財政に関係のある問題の特別とん税の問題であります。これのできた経緯を大蔵省は大体御存じだと思いますが、この問題は、予算総額からいえば、政府の方はことしは六億くらいですか、きわめてわずかなものです。これが問題になりますのは、従来港の維持管理というものを建設省が受け持っておった当時では別でありますが、現在は御承知のように港湾法ができて、地方の自治体がこれを全部維持管理することになっておる。そういう事態になって、とん税についての譲与の問題が、この制度をこしらえたときからしばしば議論になっておるのであります。従って地方自治体では、維持管理の費用が要るということ、もう一つの問題は、御承知のように船舶に関する固定資産税が大体三分の一程度に下げられておるということ、そこで港を持っております自治体としては、財政的には、維持管理しなければならない、それから船舶に対する固定資産税は従来よりも三分の一程度に減ってきておる、こういう現象が出てきております。同時に港のこれから先伸びようとするものは、維持管理だけではなくして、非常にたくさんな費用が要るようになる。こういう関係から考えて参りますと、今特別とん税ととん税の二つに分けておりますが、これはすみやかに地方の自治体に譲与税として全部委譲するということが、この税の本質、さらに経緯からいっても正しいんではないかということが考えられるが、この点は大蔵省はどうなんですか。どうしてもやはり六億ばかりのものを大蔵省が握っておらなければ悪い、こういうことになるのですか。
○石原政府委員 とん税の地方公共団体に対しまする委譲の問題でございますが、とん税は、その税の性質から申しますと、港湾使用料ということでございませんので、やはり流通税、それで港湾使用の実際の対価といたしましては、入港料を徴収しておりますし、港湾施設につきましては国が予算によりまして助成をいたしておるわけであります。従いまして、またもう一つ考えられなければなりませんことは、とん税の課税問題というのは、国際間の協定の対象となる。従いまして国の税金として統一性を持っておりませんと、協定の場合におきまして不適当な場合が出てくるというようなこともございますので、地方財政全体といたしましてどういたすかという問題は別にあるかと思いますが、そのうちでとん税だけを取り出して譲与をいたすということに対しましては、大蔵省といたしましては、御賛成を申しかねるということでございます。
○門司委員 今の議論は私はどうかと思うのですが、この税金ができた経緯等は大蔵省も御存じでしょうから、あまりくどく言いません。問題になりますのは、今申しましたような港の維持管理ということは地方の自治体が責任を持ってやらなければならぬ。それから財政的の効果も一つこの際大蔵省は考えていただきたいと思う。それはなぜかと申しますと、大蔵省は一兆何千億という税収の中から六億はどっちを向いても大した財政的な影響はないと思う。地方の港湾を持っております土地というのは、六億というものはかなり財政効果からいえば大きいねらいが考えられる。日本の港湾の今日の状態というのは、いろいろ問題はございましょうが、やはり何といっても地方の自治体が整備をしていくという建前になっておる。それの裨益するところは、やはり国の貿易経済だということには間違いがない。この国につながる一つの仕事を地方の自治体の固有の事務として今日やっておりまする限りにおいては、国はやはりこういうとん税というものがあって、それを粋別とん税ととん税と二つに分けて、特別とん税はそっちだ、とん税はおれの方だということでなくて、やはり一本の姿で地方自治体にこの際出すことの方が財政効果からいってもあるのじゃないか、こういうことがこの際考えられる。だから船舶の固定資産税を三分の一にしたというようなことも、いわゆるいろいろな船舶関係に対する施策の面から出てきておる一つの問題があの際はあったと思う。必ずしも地方の自治体が三分の一でよろしゅうございますなんていうことを言ったわけではないと思う。国の方で法律できめたから仕方がないということになったので、すべてが国の施策である。それからもう一つの問題は、譲与税の問題のような姿をとってくる。国が一本でなければならぬと言われるなら、現在でもそうでしょう、例の入場譲与税ですか、あれなどはできたときは、あなたの方は、地方にまかしては取り方が少ないからおれの方で取って地方にやるので、一割を取るのだということで法律を作った。ところが、大蔵省でやったら、地方で取っておるのと大した変わりはないので、現在では取っただけ全額地方に交付しているでしょう。だから国が取ったからといって、地方に全部これをやって悪いという理屈はないと思うのですよ。だからこの問題は、さっきから申し上げておりますような経緯もありますし、地方の自治体に持っていけばかなり大きな財政効果を現わすものでありまして、従って政治的にいっても、実際的にいっても、当然地方に委譲すべき筋合いのものだ。また国が一応今のお話のように手続その他で取らなければ行政上まずいのだということなら、国がお取りになるのはけっこうだと思うのです。特別とん税という形で地方にお出しになることの方がこの際は私は適当だと思う。やはり今のお話のように、適当でないという考え方の根拠はどこにあるのか。もう少しはっきりしたものがありますか。私は、その点はおかしいと思うのですよ。ただ単に国際的にどうだとかこうだとか、こういうことだけなら、国が取って地方に譲っておるものの中に、今申しましたような全額地方に出しておるのもあります。国税として取り立てて全額地方に委譲しておるものが現実にあるわけですから、それにこだわらなくても私はよさそうなものだと思う。この辺はどうなんですか。
○石原政府委員 とん税の額は五億六千万円ほどでございますが、それに対しまして、先ほど申し上げましたように、国の歳費におきまして港湾の関係の支出をいたしますものが、三十五年度の予算におきまして、一般会計の分だけで二百八億七千二百万円、それは漁港も入っておりますから、港湾だけで見ますと百四十四億でありまするが、このほかに特別会計の支出がございます。従いまして港湾の施設をどういたしますかということにつきましては、国が別途の財政負担をいたします。冒頭に申し上げましたように、何と申しましてもとん税というのは一つの流通税ということで課税をいたしておる分でございますから、港湾の使用料、あるいは入港料というようなものは別途の問題に相なるかと思います。従いまして、金額は五億ほどの問題ではございまするけれども、筋道からいたしましては、やはり国が徴収をしていくのが筋道だというふうに考えておるわけであります。特別とん税の場合は、船舶に対します固定資産税の軽減というときの異例の措置でございますので、適当な前例だというふうには考えておらないのであります。
○門司委員 どうも大蔵省というのはもののわかりが悪いところで困る。もう少しものをはっきりしておいていただきたいと思うのです。御承知のように固定資産税なんかを安くしたということも、これは国の施策なんですよ。それからあなた方は港の方に金を出しているとおっしゃるけれども、それはお出しになるのが当然であって、何も港を持っている地方自治体が日本から独立しているわけでも何でもない。やはり日本の国内にあって、日本の貿易に寄与していることは間違いありません。しかし維持管理をするということは、今日の法律では、国として地方自治体の仕事としてまかせられるかということを考えてくると、その維持管理に必要な費用があまり地方自治体の大きな負担にならないようにしてやるということは、国策上からいってもそういうことは言えるんじゃないか。しかもさっき申し上げましたように、財政効果からいえば、国が一兆何千億という税金をとっておって五億――私は六億だと思っておったが、五億かそこらで、五億くらいが別にあったから、なかったからといっても、大した経済効果がないと思う。しかしこれが地方に入るということによって、かなり地方の港湾運営というものは、私はよくなると思う。だから財政効果からねらっても、そういう措置をとられることが私は当然だと思う。何も、理屈にこだわっておられるようだけれども、さっきも言いましたように、同じ国税として取り上げて、しかも一応地方税であった入場税を、おれの方が取るんだということで、いわば取り上げてみたけれども、どうもうまくいかなかったというので、また取り上げたのを全額地方に出すという不手ぎわをやっておるでしょう。だから私は、何もそこにこだわらなくてもいいと思うのです。国がお取りになる筋道があるのなら国でお取りになって、そのまま地方に出されることの方が、財政効果の上からいっても筋が通るんだし、そういうことが私は望ましい仕事だと思う。だから話を聞いているのであって、そうこだわらない方がいいんじゃないですか、どうなんですか。やはりあなた方、これはこだわるのですか。
○石原政府委員 別に大蔵省はこだわって申し上げているわけではございませんので、五億何がしの金も、これは国の歳入で一般財源に充てられておるわけでございますから、その港湾の関係で要るものは要るもので出さねばならぬ。運営の関係につきましては、先ほど申し上げましたような入港料その他の収入もございまするし、港湾を運営していくに伴います地方団体としての全体の収入もあるわけでございますから、従いまして現在は港湾施設の改良、施設の改築ということを中心にして金を出しているわけでございまして、今のようないき方で金を出しまするのは、物事の筋道にかなっているのではないかというふうに考えて、そういう趣旨で申し上げているわけでございます。
○門司委員 あとまだ質問者もあるようですから、私はきょうは二つだけ聞いておけば大体それでよろしいと思ったのですが、この前、政務次官がおられましたときにちょっと話をして、そうしてさらに阪上君からも資料の要求があったのですが、税外負担の問題を一体主計局長どう考えているのですか。これは地方の財政計画の中に、こういうものが非常な額に上ったのがあるわけですが、自治庁の方のお調べ等によると、二百五十何億くらいですか、書いたものに載っております。ところが、文部省から出ておる書類、さらに農林省が出しております農家生計調査ですか、あの本年度の分などを見てみますと、なかなかそういうなまやさしい数字じゃなさそうですね。大体われわれがその数字を計算してみますと、六百億ないし七百億あるのです。あるいはもっとあるかもわからぬ。それからそのほかに、御存じのように、この前もよく申し上げておきましたが、例の法定外の普通税あるいは超過税率のごときは、秋田や岩手あたりへ行ってごらんなさい。五割から七割です。これは非常に大きな超過税率を県税としての住民税にはかけているのですね。そういうことの税金が、大体この決算書を見てみましても約九十億ないし百億ある。こういうことで地方財政というのはまかなわれているのです。だから大蔵省がこういう問題について、それは法律で取れるようになっておるのだ、だから取ることは自由だというようなお考えでこれを突っ放すお考えなのか。しかも地方では、それで住民が非常に苦しんでおるのであります。この国民の税外負担と、それからさらに申し上げました法定外の普通税、あるいは超過税率もできるだけなくしていくというような方針をわれわれはとるべきだと考えるのだが、大蔵省はこれに対してどういうお考えでしょうか。
○石原政府委員 税外負担というものにつきましては、昨年でありましたか、この委員会でお答え申し上げたことがあると思いますが、その実情が非常に把握に困難なのであります。自治庁の出しておられる数字、文部省の出しておられる数字、そういうものにつきましても、私どもも承っておりまするけれども、よく内容を伺ってみますると、なかなかこういうものでこれだけということにつきましての正確な基礎が十分でないように考えられます。従いまして、まずどういうような税外負担の実情にあるかということにつきましての実情をまず把握することが先決だと考えております。それからもう一つは、税外負担というものは、これは私の方で申し上げるのも恐縮なのでありますが、なかなかむずかしいものでありまして、御承知のように昭和二十五年に四百億の、シャウプ勧告に基づきまして地方財政平衡交付金に金を入れたわけであります。当時の状況といたしましては、これで税外負担は解消できるということになっておりましたが、その後の実情も正確な把握ができないわけでありますけれども、なかなか事柄の性質上むずかしいことのようであります。しかしながら、本来公費で負担すべきものは、やはり公共団体が公費負担していいのではないかという点はあると思います。ここらにつきましては、各地方団体がたとえば経費の節減であるとか、あるいは歳入の確保であるとかいうような努力を通じて、まず充実をせらるべき筋合いかと思います。ただ今回のように、相当地方の財政状況もよろしいというようなことに相なりますと、ある程度まで、全体の財源の見合いからいたしまして、公費で負担し得るものはふえて参ります。一例をあげて申しますれば、教育費における財政需要の問題につきましても、今回はある程度の是正が可能であろう。そういう面からいきましても是正ができると思いますが、いずれにいたしましても、まずそういうものが排除せられるような態勢が必要である。そういう努力をもう少ししていただきたいと考えております。
 次に超過税率、法定外普通税の関係でありまするが、これらにつきましては、各団体もやはり自主的な歳入の問題もございます。税金を取りまして、やや手厚い支出をいたしますとか、あるいは税金を取りませんで、支出の方をできるだけ内輪にいたす。これは地方団体の自主的な判断でございますので、超過税率、法定外普通税そのものを頭からいかぬのだということにも参りかねることだと思います。しかしながら、そういうものがあまり多く存在いたしますことは、もちろんできるだけ避けるべき問題だと考えますので、ここら辺につきましては、今回のような財政状況に相なりますれば、これは自治庁側のお考えなり、あるいは自治体のお考えなりもありますが、できるだけそういうものが整理せられることは望ましいことだと考えます。
    〔委員長退席、纐纈委員長代理着席〕
○門司委員 私は、あといずれ大臣に来てもらって、ほんとうに政治的によく話し合いを進めていきたいと思うのですけれども、今のお話のようなことでは、まるっきり地方の自治体というものの状態を御存じないと思うのです。地方財政と国の財政は、どういうようになっているか考えてごらんなさい。国は健全財政で一銭も借金をしない方針をとられており、地方自治体は借金でずっとまかない、まかない切れないで、今のような法定外普通税が出てきたり、あるいは超過税率が出てきている。私ども、こういう制度を税法の中に置いておりますことは一つのわけがあると思う。地方の自治体が一つの仕事をする場合、やはり目的税としての考え方からくる法定外普通税も必要でありましょうし、あるいは特別の事業を年度を限って行なう場合には、超過税率というようなものも必要でございましょうし、これらのものを勘案して法律はできております。何でもかでも取れというような考え方は、あの法律の中にはないはずであります。今日の法定外普通税の税種目を見てごらんなさい。牛にもかけておるし、馬にもかけておる。あるいはミシン税というような税金がある。今日ミシンに税金をかけることが正しいかどうか。はたしてミシンというものが地方自治体の恩恵を受けているか。何も恩恵がない。ただ財政が苦しいから、村の中でミシンを持っておるのは金持ちの方に属しておるから取れというので、苦しいからこういう事態になってきておる。これは本来の税法の中にああいうものを設けた趣旨とは違うのです。さっき申し上げましたように、税法の中にああいうものがあるということは、そういう一つの目的、一つの場合がないとは限らないのであります。そういう場合に、やはり日限を切って、そして村の財政をまかなっていこうじゃないかということは、これは地方の自治体が独立している以上はあるわけであります。そういう問題に対処するため超過税率も許されておりますし、あるいは法定外普通税も認められておる。ところが今日は、その趣旨を全然逸脱してしまっておる。そして財政が苦しいからということだけで、無理な税金を取っておる。いずれも納得のしがたい税金になっておる。こういうものがありながら、大蔵省の意見が今のような意見であってはならないと私は思う。少なくとも大蔵省は、この際そういうものについてはっきりした財政処置をするということが必要ではないかと思う。
 それから最後に聞いておきたいと思いますことは、さっき申し上げましたように、地方の自治体には非常にたくさんの、そういう国の財政と異なった苦しさを持っておる中で、起債の問題ですが、起債の問題にしても、従来からあった交付公債が悪いということで、われわれがやかましく言うと、交付公債の制度がなくなって、四十億か五十億がまだ残っておりますが、これを今度一般債に振り当てるということですが、借金のできることは同じことなんです。大して違わない。交付公債にするか、一般公債にするかというだけの違いで、この問題の解決にはなっていないと思います。しかし、ここであなたと議論をすると非常に長くなるから申し上げませんが、大蔵省のものの考え方は、地方には借金をさしていいのだ、中央は借金をしてはならないのだということでは、一体国の健全財政というものがどこにあるかということです。地方住民といったって、日本の国民であることに間違いありません。財政負担は同じことですよ。地方税でするのも、国税でするのも、ふところは同じなんです。だから国民の立場から考えれば、こういう行き方で、そして地方財政が非常に苦しくて十分の仕事ができない。国家財政の方は非常にゆとりを持っておって、ことしも、御承知のように財政投融資等も三千六百億幾らというものが民間投融資に使われている。そして八百数十億が政府関係機関で、残りの一千五百億くらいのものが地方公営企業を入れた分の起債にしか使われておらない。どうしてそういうことになっているのか。だから、もう少し国と地方との財政関係について、大蔵省は考える必要がありはしないか。大蔵省は自分たちの立場だけで、国の財政だけはどこまでも健全財政を貫いていこう。地方の自治体については、どんなに借金しても、どんなに苦しい思いをしても、超過税率を取ろうと、あるいは法定外普通税をきめようと、寄付金を取ろうと、そういうことは一切おかまいなしということでは、国と地方を通ずる財政の一貫性というものはないと私は思うのです。大蔵省はそういうお考えですか。国の財政だけ豊かであれば、それでいいのだ。地方財政など、住民がどんなに苦しもうと、地方の自治体がどんなに財政上苦んでいようと、そういうことは一切おかまいなしというのが大蔵省事務当局のお考えですか。どうなんです。
○石原政府委員 国と地方と両方を合わせて財政を見なければならないという点につきましては、門司委員のおっしゃる通りであります。御承知のように、税収におきましては、国の方が七割くらいになりますが、歳出を純計して国、地方の割合を見ますと、地方が六七になります。従いまして国、地方を通じて、地方の歳出というものは非常に大きな割合を占めておるわけでありますが、これは申すまでもないことであります。三十五年度の地方と国との財政需要の伸び方を、今の純計を基礎にして見ますと、三十五年度における国の純計上の歳出額は八千八百億でありまして、前年度に比べて六・二%の増加であります。純計上の地方の普通会十歳出は一兆五千三百八十一億で、伸び率は一五%であります。従って、全体としての伸び率は、地方が著しく伸びておるわけであります。御承知のように、国は剰余金あるいは前年度ございましたいわゆるたな上げ資金、そういうものを合わせて八百億も減るというような事情があったのですが、地方にはそれがない。あるいは災害関係の特例法で、国は前年に比べて二百億程度ふえるというような事情もございまして、今申し上げましたような国の歳出と地方の歳出を比較してみますと、たとえば単独事業とか、あるいは維持、補修その他一般行政費というものを合わせて、三十四年度は三十三年度に比べて六十億程度の増加でございますが、本年は五百七十七億というような増加になっております。そういうような状況から見まして、本年度は、国と地方との比較をいたしてみて、国が非常に財源を取って、豊かな支出をいたしておるというような状況ではございません。その点は、今申し上げたような数字で一つ御了承いただきたいと思います。
 それから、先ほどお話のございました超過課税あるいは法定外普通税というようなことにつきましては、先ほど申し上げましたように、望ましくないものであることは申すまでもありません。特にそういうような団体における苦しさがあるかと思います。その意味におきまして、自治庁でもお考えであり、われわれも自治庁といろいろ御相談いたしておるわけでありますが、交付税が、去年の当初予算に比べて三百五十億、〇・三の臨時交付金の分を合わせると三百八十億ほどふえます。そういうようなものをできるだけ傾斜的に、いわゆる貧弱な団体、そういうような課税手段に訴えざるを得ないような団体にできるだけ配ることによって、本年度は相当問題を解決し得る余地があるのじゃないかと考えるのであります。
 なお最後の関係でございますが、国は、今申し上げておりますように、地方との財政ともにらみ合わせて予算を組まなければならぬことは、申すまでもございませんが、国におきましても、従来の国債のほかに、たとえば賠償債務だけを見ましても二千八百億というような数字がございます。それ以外の債務もあるのでございまするから、国といたしまして、地方だけに起債を押しつけるというわけではございません。やはり団体の状況、経済の大きさによりまして起債がある程度までやむを得ない場合がございますので、そういうこともお考えをいただきまして、私どもといたしましても、国と地方との間に財政上のバランスというものは十分に考えて処置をしていかなければならないと考えておる次第でございます。
○門司委員 私はそんなことを聞いているのではない。そういう数字はみんな私の方ではわかっております。ただ、何とあなたが言ったところで、地方の財政はきわめて不健全な財政をたどりつつある。どういうものができ上がるか。まごまごしていると、地方の税金は借金の利払いに持っていかなければ追っつかないような時期が近いうちにくる。国の方は一銭の借金もしないで――ただ賠償があるとか、あるいは戦死者遺族の五万円の債券を出したからというその借金はあるかもしれません。私はないとは言わない。しかし、国の方の健全財政、健全財政ということをあまり考え過ぎて、地方の財政は非常に借金がふえていく。そしてそれはどういうことになっているかといえば、地方の自治体では、その借金について利息までまだ払わなければならぬ。住民が払わなくてもいいというならいいですが、住民が払わなければならぬ。払った金はどこへいくかというと、政府の財政の中にみんな入ってくる。そうして政府はことしのような財政投融資――私は財政投融資の議論をここでしようとは考えませんが、五千九百四十一億ですか、かなりゆとりのある財政投融資が行なわれておる。もう少し地方の自治体は、今のようなお考えではなくて、借金をしないで済むような形を大蔵省はとれないかということなんです。公共事業体のするいろいろな仕事にいたしましても、借金をしないで仕事のできるようにはしてあげられないかということ。こういう議論をすると、しまいには防衛費がどうだこうだということになろうかと思いますけれども、大蔵省の心がまえだけを私はここで聞かせておいてもらいたい。地方の方は借金はふえてもいいのだ、国の方だけは健全財政でいくのだ、地方の行政水準はどうでもいいのだというようなお考えであるのかどうか。従って私はここで大蔵省にはっきりこの際事務当局にお考えを――というよりもむしろこれは書面でいただきたいと考えておりますので、委員長から一つ請求をしておいていただきたいと思いますが、大蔵省の考えておる地方の行政水準というものは、おのおのの行政に対してどういうところまでいけばこれが行政水準であるとお考えになっておるか。もし計数的に書類が出せればこの際出してもらいたい。行政水準の問題でから回りする議論をしたっていつまでも切りがつかぬ。あるべき姿、学校教育については学校教育法なりあるいは教育基本法に定めた基準で日本の現在の不正常教育をなくすためにどれだけ金が必要になってくるのか、あるいは道路、橋梁等はどうすべきか。政府から出ている資料を見てごらんなさい。資料はあなたの方にあるから、あなたも御存じだと思う。ごく最近出した書類を見てみると、町村道のごときは〇・五%くらいしか整備されていない。あなたの方の白書にはっきり書いてある。町村道は日本の大部分の国民が歩く道なんですよ。日本の人間は市町村に大体いるのであって、東京のまん中と国会のあたりにいるわけではないのです。日本の国民の大部分が住んでいるところの道路は一%も整備されていないということがちゃんと書いてある。そういう日本の国民の住んでいるところの道路行政はどういう姿であるべきか。あるいは橋梁はどういう姿であるべきか。もしできれば全国の各都道府県、市町村の県道、市町村道の状態をどの程度まで引き上げるかというか、それを行政水準だとお考えになっておるか。橋梁については、永久橋にするのか木橋にするのか土橋にするのか。現在は交通制限を受けておる橋がたくさんある。こういうものを直すにはどれだけ金が必要なのか。あるいは上下水道はどうするか、工業用水はどうするか。地方の自治体は、実際自分の持っている固有の事務に日夜悩まされている。これをどうすればいいか。あなた方がここで議論しているようなわけにはいかぬ。毎日そこを歩かなければならぬ。毎日そこを通らなければならぬ。大蔵省のいう行政水準のあるべき姿がどういうことかということを、ごく近いうちに書類ではっきり出していただきたい。理屈があって言っているのなら理屈を言いなさい。ないで理屈を言っているのならないと言いなさい。われわれはわからないのだが、ただそういう言葉があるから使っているのだというなら、そういう言葉があるから使っていると言うだけでもいい。根拠があって地方の自治体がやり過ぎているのだ、出過ぎているのだ、金はあるというなら、はっきりその根拠を数字で示しなさい。地方の自治体は現実にそれに追われているのですから……。私はくどくど言わぬから、その資料をごく近いうちに、この国会の終わらぬうちに出していただきたい。それをもとにして地方財政がどれだけ必要なのかどうかということを議論しましょう。こういうものをちっとも持たないで、ここで言葉があるからその言葉だけ使ってごまかされたのでは、こっちもかなわぬ。これは私の方がかなわぬというよりも、むしろ地方の都道府県知事や市町村長がかなわぬと思う。そこで最後にはっきり言っておきますけれども、あなた方のいう学校はこの程度でよろしいのだ、建築はこれでよろしいのだ、これが基準なんだということを一つはっきりしてもらう。橋についても、これが基準なんだ、道路はこれでよろしいのだということがもし言えて、数字が出せれば出していただきたい。そしてそのことで議論をすることに私どもはいたしたいと思います。ぜひ資料を出していただいて、いずれ大蔵大臣に来ていただいて、その資料に基づいて議論をいたしましょう。そうしないと、いつまでたっても国の財政と地方の財政の間の間隔というものも縮まってこない。そうして地方の財政はむやみにいじめられる、というと少し言い過ぎかもしれませんけれども、窮屈な状態に置かれておって、いつまでたっても日本の行政水準というものは上がらない。こういうことが考えられますので、以上申し上げたような資料を一日も早く出していただいて、大蔵省の見解をはっきり表明していただきたい、これだけ申し上げておきます。
○石原政府委員 門司委員の仰せでございますが、ただいま門司委員の仰せになりましたような、橋をどうする、道をどうするというような意味におきましての大蔵省の考えます行政水準と申しますのは、これはちょっと調製をいたしがたい。やはり行政水準というのは相対的な観念に相なりますので、たとえて申しますれば、とりあえずのすし詰め教室解消五カ年計画におきましては、鉄筋率は五割だ、五割と申しましても一つの不動の行政水準ではないわけでありまして、現在われわれが考えまする五カ年計画の目標は、不燃建築物を五割と見ているということに相なると思いますので、ただいまの門司委員の仰せになりますような地方行政の全般を通じましての一つの客観的な水準というものは、ちょっと調製いたしがたいと思いますので、御要求でございますが、ちょっと調製いたしかねるわけでございます。
○門司委員 私、皮肉で言っているわけではないのですが、いつまで何年同じ議論をしたってちっとも地方の自治体はよくならない。あなた方はよくなっている、よくなっていると言われるけれども、これをほんとうにするには、一応そういうはっきりした数字の基礎の上に立って議論をして、何年でこういうふうに解消すれば地方財政はこうなるのだ、国の財政はこうなるのだというはっきりした数字を出してもらわぬと、防衛庁の拡張予算の数字だけはっきり出されたって、これでは日本の国はよくならぬですよ。今のようなことではなくて、出していただきたい。もしそれが出せないなら、あなた方は行政水準なんていう言葉を使いなさんな。むやみやたらに行政水準がこれならいいのだというよけいなことを言わぬ方がよろしい。もし言われるなら、その数字を出していただきたい。大蔵省の考えている行政水準はこのくらいだ、われわれの考えている行政水準はこのくらいだということを言いますから、それで議論しないと話がつかぬでしょう。いつまでたったって水かけ論をしているようで話がつかぬ。だから、大蔵省はそういうものはわからないのだという議論でなくて、一つ出していただきたい。それでいじめられたのではかなわぬから、できるだけのものを近いうちに出してもらって議論をした方がいいと思う。数字は大体わかっているのでしょう。各省から出ている白書の数字を一つ一つ継ぎ合わしてごらんなさい。厚生省から出ている白書を見れば、貧乏人と金持ちの差がこういうふうに伸びていって、生活水準の差がこういうふうになってきて、生活扶助を受ける者はこうなんだ、失業者はこういうふうになるだろうと、みな書いてある。建設省のものだって、橋がいいとか悪いとか、道路がこうなるとか、あの数字を継ぎ合わしてごらんなさい、どういうものができ上がるか。一応の数字が出やしないかと私は思う。これは自治庁にも一つそういう数字を持ってもらいたいと思う。お互いがから回りの議論などということはやめて、国の水準のあるべき姿というものを一応出して、そしてやはり国民に納得をさせるという政治が正しいあり方だと思う。終戦のどさくさも終わりまして、大体もう終戦後じゃないという言葉が使われておりますから、この辺で一つ日本のほんとうの財政力なり行政の姿なり、お互いが研究し合って議論をするところまで持っていってもらわぬと、いつまでたっても、みんな何も根底のないことで、ただ行政水準という言葉だけを使って、その行政水準は何だといえば、わからないというようなことで、わからないことでお互いが議論していることはやめたいと思う。だから、無理であろうが、一つ大蔵省でできるだけのものをこしらえてみて下さい。
○石原政府委員 当面、河川でどういうことを考えておるか、道路でどういうことを考えておるか、あるいはすし詰め教室を解消するにはどうするかというふうな意味におきまする五カ年計画というようなものはございます。ただ、それらのものは門司委員大体御承知の通りのものでありますが、それらのものを寄せ集めまして、門司委員が仰せになりますような行政水準ということに相なりまするかどうか。門司委員の仰せになる行政水準というのは、おそらくもっと先のところまで見たお話だと思いますので、それはなかなかむずかしい。重ねての仰せでございますから検討はしてみまするが、門司委員が仰せになるようなものはちょっとできかねるということを、正直に申し上げておいた方がよろしいかと思いますので、正直にお答えを申し上げます。
○纐纈委員長代理 阪上君。
○阪上委員 今の行政水準の問題ですが、この前も私は質問しておったのですが、相対的なものであることはよくわかります。しかし、相対的なものであるからわからないという理屈はないだろう。そういうことを考えておったら、いつまでたったってできてこない。相対的なものであってもわかるはずだと思う。経済の成長率だとか、そういうものをいろいろ勘案していけば、あるべき行政水準というものが当然出てくるだろうと思います。なるほど、国の方で道路整備五カ年計画だとかいろんなものができておりますけれども、しかしそれは国道その他の関係においてあるのであって、先ほどから問題になっているような市町村道などというものについては整備計画も何もできていないのです。従って、道路の行政水準なんかどこにあるのかわかったものじゃない。ですから、こういう問題については、わからないままでほっておくという考え方でおられること自体に問題があるのじゃないか。そういうものを基準にして、何かわからぬものを頭に置きながら、漠然と地方財政間の調整だとかいうような問題を論議されておる。いいかげんにこういうものは結論を出してもらいたいということを私は強く要望したいのです。これは要望です。
 そこで、先ほど門司委員の質問の中であなたがお答えになった税外負担の問題なんですけれども、税外負担はやはり十二分に調査しなければならぬ、こういうことをおっしゃっておるのです。そこで、もうよほど前になるのですが、三十一国会でこの問題が出たのであります。大蔵大臣も見えておったときであります。私から、自治庁が出しておる税外負担の資料というものに対して、大蔵省の方では、どうもそれはまゆつばものだ、こういうことになっておったので、それならば大蔵省はどういう数字を持っておるかということをお尋ねしたところが、大蔵省は持っていらっしゃらない。持っていらっしゃらないで、人が作ってあげたものに対して、適当じゃない。こういうばかげたことはあったものじゃない。こういうことで、それならばできるだけ早く税外負担調べをやってくれということを要求してあったのであります。あなたの方でもやるということになっておった。出先機関も持っておるからできる、だからやる。そこでこれを待っておったのですが、いつまだたっても出てこない。今国会の当初に、やはり大蔵省に対して私はそれを要求しておるのでありますが、いまだに出てこない。財政審議なんかできやしないじゃありませんか。一体いつ出してくれるのです。これを一つお答え願いたい。
○石原政府委員 税外負担ということに相なりますると、非常に幅が広いのでありまするが、その中の一部に相なりまするPTAの負担、これにつきましてサンプリング的ではありますが、調査をいたしてみたいということで、ただいまお述べになりましたように調査を進めたのでありますけれども、御承知のように昨年非常に大きな災害がございまして、私どもの方のそういう方面を担当いたしまする者を災害関係に動員をいたしたのでございまして、現在までのところまだ集計が済んでおりませんので、今日まだどういうことに相なるか申し上げる段階に至っておりません。
○阪上委員 税外負担のうち、災害関係等もあったのでということですが、これもわからぬことはありません。そこでサンプリング調査をやろうという計画であったということなんですが、PTAだけの負担金の調査であろうと思うのでありますけれども、私どもが要求しておるものは、それだけじゃ満足できないのです。また大蔵省としても、当然これはおやりにならなければならぬことだと思います。歴史的な経過から見ましても、当然おやりにならなければならぬ。これは一体いつ出るのですか。そのサンプリング調査でもけっこうです。
○石原政府委員 今集計を取り急いでおるわけでありますが、今私の承知しておりますところでは、いつまでにお出しできるということはまだ見当を持っておりませんが、できるだけ取り急いで――現在まだ災害の方も残っておりますから、その方の仕事と並行させておるのであります。今、何月までならということはちょっと申し上げかねます。
○阪上委員 これは一つ早く出して下さい。出さなければいけませんよ、ほっておいては。
 それから同じく税外負担の問題で門司委員の質問にお答えになった中で、当然公費をもって負担すべきものというものを考えなければいけない、そのことについては当然それまで負担しなければならぬ。こういうあなたのお答えであったのですが、公費をもって負担すべきものということをきめる根拠は一体どこに求めておられるのですか。
○石原政府委員 仰せの通りなかなか限界がむずかしい問題だと思います。たとえばPTAのいわゆる負担にいたしましても、普通の教材の問題から、ピアノでありますとか、あるいはもっと進んで大きな体育館でありますとか、いろいろなものがございますから、そこにどういう限界を置くべきかということは、なかなか判断を要する問題だと思いますが、それにつきましては、大体今考えられております普通の水準を頭に置きまして、線を引いていかなければならぬ。その限界の問題につきましては、各個のケースにおきまして、ここら辺が今の限界であろうというふうに線を引いたもので考えざるを得ないと思います。
○阪上委員 行政水準に基準を置くと言われるのでありますが、その行政水準がわかっていない。こういうことなので、結局においてこれは基準がない、こういう言い方になると思います。そういうことじゃなくて、法定外の負担というものははっきりしてくると思う。受益者負担というものもはっきりしてくるのじゃないかと私は思います。そこでこの際、少し深く入り過ぎるかもしれませんが、受益者負担というものをどうお考えになりますか、一つ局長から伺っておきたいと思います。
○石原政府委員 土木の関係におきましては、おのおの法律の関係がございまして、受益者負担の規定がございます。それに基づいて受益者負担ということを言うわけでありますが、それ以外の、やや広義な意味におきまする受益者負担というものがあり得るわけであります。お尋ねはその点かと思いますが、いわゆる税外負担というものは、今申しましたような受益の関係と結びついているというような場合におきまして、これはむしろ公費というより受益者として当然負担すべきものということがあると思います。今具体的な観念といたしまして、どこまでが受益的な負担であり、どこまでが本来の公費で支出すべきであるかということにつきましては、具体的な場合におきまして判断をせざるを得ないかと思います。
○阪上委員 しつこいようですが、受益者負担の概念の中に、公共事業にも受益者負担が当然しかるべきだ、こういうようにお考えになりますか。
○石原政府委員 公共事業におきましては、法規に基づきまして受益者負担金というものを課せられるのが原則でありまして、そのおのおのの場合におきまして受益者負担を取りますのは、法規に基づく問題であるかと思います。
○阪上委員 公共事業における寄付金はどうですか。
○石原政府委員 寄付金というものが、大体今議論せられております税外負担に合致する観念かと思いますが、その寄付金のうちで今申し上げたような各種のものがございまして、公費に属すべきものと、しからざるものがあるというふうに考えます。
○阪上委員 この税外負担の問題につきましては、自治庁から出ている資料等を見ましても、大体PTAであるとか、教育関係の行政費であるとか、あるいはまた消防関係のものであるとか、その他町内会、部落会、そういうものに対するものとかが出てきておりますが、そのほかに、先ほど申し上げましたように、非常に見分けのつかないものがたくさんある。河川行政の面でも、道路行政、福祉行政、厚生行政の面でも、非常にいろいろな点で不明確なものがあります。でありますので、これは大蔵省におかれましても、私はこの問題はもっともっと掘り下げて追及されなければならぬ問題だと考えておりますので、ただ単に自治庁だけの資料が基準になってはいけないとも考えます。従って、大蔵省の方で今非常に出し渋っておられますけれども、計数整理がどうのこうのと言っておられますが、われわれは、今ごろこんなことを言われるのは心外なんでありまして、できるだけ広範囲にわたって税外負担の実情を調査されまして、それに対する公費支弁というような区分につきましても、明瞭な線を出していただいて、提出をしていただきたい、これを一つお願いしておきます。
○纐纈委員長代理 川村君。
○川村委員 時間がたっておりますから、簡単に聞いておきますが、地方財政計画に関係してお尋ねするわけですが、国民健康保険というのは、今の政府の重要施策になっております。私の記憶にあるところでも、たしか三十五年度二百七十六億ですかの医療費の負担がある。それから調整資金という形で四十四億が出ておると思うのですが、これについて主計局長は、皆保険の重要施策の遂行についてどういう見通しなのか。来年度一応完成という目当てがあるのか、そういう点についてのあなたの考えを一つ聞かしてもらいたい。なるたけ簡明率直に願います。
○石原政府委員 国民健康保険の助成費は二百七十六億八千万円でございまして、ただいま仰せられました療養給付費の補助が百八十三億、財政調整交付金が四十四億、そのほか事務費でございますが、皆保険達成の関係といたしましては、三十五年度中に六百十八万九千人の新しい被保険者の増加を見込みますと、年度末におきまして四千八百十一万二千人、これをもちましていわゆる皆保険が達成したといたすのであります。従いまして平年度といたしましては、三十六年度から平年度になるわけでありますが、達成は三十五年度中に今申し上げた数字に到達という目標でやっておるわけであります。予算もそれと見合うようにやっております。
○川村委員 それは自信があってやっておられるとは思いますが、そこで自治庁にちょっと聞きますが、今市町村で国民健康保険を実施しておる団体と実施してない団体、これはどういう工合になっておりますか。
○奧野政府委員 昨年の七月一日現在におきまして国民健康保険税を課しておる団体が二千七百七十五団体で、全市町村数の七七%に当たっております。
○川村委員 そうすると残りの二三%は、大蔵省のあれでいくと本年度中に実施しなければならぬということになりますね。
○奧野政府委員 国民健康保険税を課税しませんで保険料を収入している団体も若干あるわけですが、その団体数がどれくらいあるか正確にわかりますと、実施していない団体数がさらに明確になるのですが、今少し調べまして明確にいたしたいと思います。
○川村委員 それらの正確な資料を用意しておいていただきたい。それから自治庁からいただいた資料によりますと、国民健康保険の徴税成績というものがついておるわけですが、これは三十三年度の調べになっておりますが、収入歩合が平均して七八%、現年度分が八九・八%、過年度分が四四・五%、滞納分が二四・八%。そうすると、この徴収率というものは、われわれが期待したほどのいい成績とは思いません。これは自治庁に聞きますが、一般の住民税等の徴収歩合とどうなんですか、この比率は。
○後藤田政府委員 国民健康保険税の徴収歩合は毎年向上はいたしておりますけれども、住民税なりその他の税と比べますと、若干低目でございます。
○川村委員 国民健康保険の医療実施については現在でも非常に問題があるようであります。この保険料の徴収が非常に悪かったりなどしておるのが実態だとわれわれは見ておる。従って市町村がこれを完全に運営していくために持ち出してやっておる分が相当にあると思う。一昨年の秋でしたか、自治庁から資料をもらったと思いますが、数字は覚えておりませんけれども、一体国民保険の赤字というのは現在どのくらいになっておりますか。自治庁の方でわかっていると思います。
○奧野政府委員 国民健康保険事業会計に一般会計から繰り出しております金が大体四十億円内外になっておるわけでございます。それだけ繰り出しをしませんと国民健康保険の会計がやっていけないということでありますので、そういう意味ではその程度赤字にならざるを得ない。こういうことになろうかと思いますが、国民健康保険会計自体が赤字のままで推移しています問題は、財政再建等の際に繰り出し等もあったりいたしまして、だんだん解決されて参ってきておりますので、その数字はよほど少なくなってきているだろうと思います。これも今正確に手元に持っておりませんので、後刻お答えをいたしたいと思います。
○川村委員 局長は大へん楽観的のようですが、その数字も一つ調べていただきたい。これは市町村に住まいをしているわれわれの見る目と、あなた方の見ておるところと、受け取り方が少し違うようだな。ほかのものでしたら、赤字のままでも何とかやり繰りができるかもしれない。しかしお医者さんにかかって払わなければならぬというのを、ちょっと今金がないから待ってくれというわけにいかない。そのほかたくさんありますが、そういうようないろいろな問題が出てくるわけです。
 そこでこれについていろいろお尋ねしたいことがありますが、全国民に保険を適用するというこの制度を実施すること、これは私非常にいいことだと思いますね。そうなりますと、保険制度という建前からすると、これはいろいろ理屈はありましょうけれども、どうですか、この国民保険のいわゆるこういう料金、そういうものを勘案して、一割程度でもいいんだが、財政需要の中に見ていくという考え方は成り立ちませんか。何かそういういい方法はありませんか。国民健康保険の赤字を出さない、運営をスムーズにやっていくという意味からして、そういうことを自治庁で検討されたことはありませんか。
○石原国務大臣 私は、特別の立場で国民健康保険の非常な関係者であるものでありますから、便宜私からお答えをいたしたいと思います。これは国民健康保険税の立て方にもよるのでありまして、地方団体におきまして、一世帯当たり相当高い、三、四千円くらいの基準で保険税を立てておるところもあります。それからまた、古くからやっておったり、いろいろの関係で非常に低いところもある。二千円前後くらいのところもあるのであります。でありますから、同じ保険経済と申しましても、一概に言えないと思うのでありまして、そういう保険税の低いところでは、一般会計の方から相当繰り出しておるところも現にある。ところが、自治庁の従来の建前としては、一般会計からの繰り出しは原則としていかない、保険経済は保険税をもってやらなければいかないというようなことでずっと指導してきておるのでありまするが、私は前から大体その中間的の考えをとっておるのでありまして、筋としては保険税一本でやらなければならぬと思うのでありまするが、現実の事態として、保険税だけではなかなか徴税できない、非常に過重な負担のような感じを与えましてできないので、そこで一般会計の方からある程度繰り入れるのもやむを得ないのじゃないか。私は大体一割くらいがいいんじゃないかぐらいに思っておるのでありまするが、そういうことで、国民健康保険に関係する団体のものとしては、そういう面で非常に深い関心を持って検討をいたしておりまするが、自治庁は、地方財政を守るという建前からいたしまして、それに対してあまりいい考えを持っていないようでありまするけれども、私個人といたしましては、ある程度の一般会計からの繰り入れというものはやむを得ないのではないか。そういう意味で、その意見を伸ばしていけば、財政計画に若干見ていってもいいんじゃないかということも成り立ちまするが、これは保険税の基準をどういうところに置くかということで、全国的に平均して検討してみなければ、ただ地方財政計画の中に組み入れるということもできませんので、これらの点はやはりもう少し掘り下げて検討しなければならぬのではないか。ことに三十六年度からは皆保険になるのでありまするから、この保険財政をいかにしていくかということについて、地方財政との関係でもう少し検討を要する問題がある。私は川村委員の考え方にある程度同感の意を持っておる一人であります。
○川村委員 長官のお気持大へん納得いくわけですが、保険という制度上のいろいろの問題もありましょう。あるいは今おっしゃったように、保険税率の全体的な関係というのもあると思います。しかし、終戦後国民保険が始まって、大体の市町村は一ぺんやってみたのですね。ところが、それからぐらぐらとくずれてしまったところが非常に多い。それを、今日また発足しておる市町村がたくさんある。この今の姿で押していったらどうもやはり不安定というか、またくずれやしないかという心配が先だってくるのですよ。これはほかの保険と違って全国民を対象にしていくのですから、何とかそういうまずい運営にならないように、これが円滑に実施できるように、そして社会保障の一環をなしておる重要な施策が完全に遂行できるように考えるということは当然だと思う。そこで少なくとも何かいい方法をあなた方の方で研究してくれる必要がある。こう思っておるのですが、その一つの方法として、全国的にこれが実施されるということになると、財政需要の中である程度これを見てやる。そして一般財源からの援助をするというような考え方はあってしかるべきじゃないですか。そのように考えて今お尋ねしておるのですが、これについて大蔵省の主計局長の考えはいかがでございましょう。そうなると、それについての財源というものは、やはり大蔵省として当然考えてもらわなければならぬと思うのですが、今の皆保険の完全実施、ただ一ぺんやっただけでなくして、将来ともに国民が非常に喜びをもってこれに参加していけるような状態を作るためには、当然国がそこまで考えてやるべきだと思うのです。それらについて大蔵省に考えがありますか。
○石原政府委員 私から考えを申しますことが適当かどうか存じませんが、御承知のように一昨年以来財政調整交付金という制度を設けまして、貧弱な団体に厚目に、全体といたしまして保険金の五%――二割を一般的な繰り入れとして、五%は今申し上げましたような調整のものに充てておるわけでありまして、国民健康保険を経営いたしております団体の赤字は、ある程度それによってまかないがつく面があると思います。それ以上に、過渡的にある程度赤字がありまして、それを負担するというような実情にあるいはなるかと存じます。ただ将来にわたります制度といたしまして、常に一般会計から一定の割合を地方団体に繰り入れるというような制度が適当かどうか、現在の制度の建前はそうなっておりません。お話の点はなお検討をいたして参りたいと思います。私どもといたしましては、財政調整交付金をもって、できるだけそういうような赤字を調整して参るということで参りたいと思います。厚生省もそういう考え方かと思います。
○川村委員 今主計局長は財政調整資金のお話をなさったのですが、大体私が尋ねておるような問題についての実効は何もないでしょう。その他のいわゆる保険を扱っておる事務関係とか何とかの方に多く回ったのであって、私が言っておるような、赤字を出したりなどして、国民健康保険の運営に非常に支障を来たしておるようなところに大きな実効を上げていないでしょう。今検討なさるということでありますけれども、ぜひ一つ、全国民を対象にしておるのですから、財政需要の中に取り上げて見ていくというような点について、十分自治庁、大蔵省との間で話し合っていただきたい。それからさっきお願いしておったように、いろいろ国民健康保険に関係のある資料ができましたら見せて下さい。
 それから長官にこの際聞いておきますが、いろいろわれわれ地方財政計画等を中心に論議をしているわけなんですが、地方交付税の改正案は、これはもう提出できるようになりましたか。
○石原国務大臣 一両日中に提案できると思います。
○川村委員 私、詳しくはむずかしい話は聞きたくないのですけれども、大蔵省といろいろ調整なさっておった点は調整がついたわけですか。あの点はどういうふうに調整がつきましたか。
○石原国務大臣 自治庁当局といたしましても、この交付税の配分方法については、御承知のようにできるだけ傾斜配分といいますか、貧弱団体にたくさんいくように工夫をしておるのでありますが、その工夫に対してさらに大蔵当局で、もう少し工夫したらどうかというような意見もいろいろ出まして、そういう面について若干検討をしておったのでありますが、大体意見がまとまりそうでございまして、私はきょう中にでも出せるようになるんじゃないか、変な話でございますけれども、決裁は全部済んでおる。総理府令の中の書き方の問題だけでいろいろ議論しておったのでありますが、おそくても明日あたりには出る、かように思っております。
○川村委員 基準財政収入額の算定の問題で、この前私が大蔵大臣に会いましたときに、九〇%にしろとか、八〇%にしろとか、僕たちに直接に話がありましたが、あれはどうなりましたか。
○石原国務大臣 あの問題は私ども別に譲っておりません。
○川村委員 主計局長、今の問題ですね。基準財政収入額の算定方式、府県が八〇%、市町村が七〇%、これは自治庁の従来の考え方通りに大蔵省は了解をされているんですね。
○石原政府委員 大蔵省といたしましては、やはり七割、八割を八割、九割に上げるべきだという考えを持っております。当面法律を出す関係についてどういたすかにつきましては、自治庁長官が今申されましたように、一両日中に結論を得て提出をいたしたいと思います。
○川村委員 それではまだその点は意見調整ができていないわけ一ですね。
○石原国務大臣 大蔵省は大蔵省としての希望を持っておるということでありますが、何も大蔵省の希望で全部ができ上がるわけじゃないのであります。大蔵省の考え方を今言われただけのことでありまして、一両日中に必ず提案になるということをはっきりここで申し上げておきます。
○加賀田委員 関連して。そうすると特別態容補正の問題はどうなったんですか。
○石原国務大臣 率直に申しますと、大蔵当局の希望としては、特別態容補正にさらに一そうウエートを置くべきじゃないかという希望であったのでありますが、しかし、傾斜配分をやる考え方としては、必ずしも特別態容補正を強化することだけがその方法でもございませんので、われわれの方としては、いろいろの意見を言い、案を出しまして、実態においては後進地域、未開発地域に少しでもたくさん交付税が合理的にいくようになればいいのでありまして、そういうことで今意見調整をやっておるわけであります。大体結論に近いことになったと考えております。
○加賀田委員 それではこれは交付税の改正案ができてから論議すべき問題で、ここで深くやる必要はないと思いますが、ただ大蔵省に聞きたいのは、昭和三十三年だったと思うのですが、交付税の配分でいろいろ問題が起こって、貧弱団体に対する財政支出が非常に少ないということで、大蔵省は一時交付税の金の交付を中止するというような混乱状態が起こったわけです。いわゆる自治庁が大蔵省と話し合いで決定された地方財政の全般の問題とあわせての交付税の配分について実施してみたところが、大蔵省との意見と相当相違があったというので、そういう混乱状態が起こったのであります。今度の場合はそういうことはないように要望したいと思いますが、そういうことが言明できるかどうか、明らかにしていただきたいと思います。
○石原政府委員 三十三年に混乱状態が起こったとおっしゃいますのは、あるいは今の特別態容補正に関係をいたしましての二十三億ほどの金を特別交付税から激変緩和の意味で出したときのお話かと思いますが、大蔵省といたしましては、そのために交付税の支払いをとめるということはそのときはいたしておりません。ただこれは大蔵省だけでなくて、相当地方団体にもいろいろ原因があったことは御承知の通りでありますし、その措置をどうするかということを相談いたしたことはございます。
○川村委員 それでは今の交付税のことは出てきてから大いに論議をされなければならぬことになりますね。ただ主計局長は先ほど門司委員の質問でしたか、お答えになった言葉の中に、ことしは交付税は昨年に比べて約三百八十億近く伸びておる。なるほど三百七十九億でしたか、昨年に比べて増にはなっております。しかしそれは御承知の通り、初めの三十四年度の財政計画に対しての増であって、実質はそれよりも百五億程度少ないのです。二百七十何億という実質の伸びにしかならない。そういうことを、非常にたくさん交付税が伸びておるという考え方で見て下さると、われわれとしてはちょっと心外なんですよ。そういう点も十分考慮して、そして自治庁当局と十全なる折衝を遂げて、なるべく早く交付税法の改正案が提出されるように――でなければ、財政計画ばかりで、そういう中身のいろいろな論議ができないということになりますと、われわれとしては非常に困るわけです。そういう点を一つこの際あわせて申し上げておきたいと思います。
     ――――◇―――――
○纐纈委員長代理 次に、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。門司委員。
○門司委員 ごく簡単に一つだけ聞いておきますが、御承知のようにこの法律の改正は、単に従来の資金の十五億を十八億に改めるということ、それから農林漁業金融公庫からの委託を受ける、この業務の拡大と、二つであります。どうも三億ばかりふやしたのでは実際の現在の公営企業金融公庫の機能というものを発揮するわけにはいかないのじゃないかというふうな気がするのですが、これは御承知の通り、ことしから工業用水も入りますし、それから電気だとか、ガスだとかいうような準公営企業といいますか、そういうようなものがだんだん含まれてくると思うのです。従って起債の面その他では多少ふやしておると思いますが、かんじんな公庫の資金が三億だけでは実は少ないような気がするのです。これに対して増額の必要があると思うのですが、これに対する自治庁の意見はどうですか。
 それからもう一つは、農林漁業金融公庫から委託を受ける金の額は一体どのくらいになっておるか、わかっておれば、この二つをこの際承りたいと思います。
○石原国務大臣 最初の問題、私からお答えしておきたいと思います。
 御指摘のように、三億で私も少ないと思うので、実は要求しておった額はもっと大きかったのでありますが、結論といたしまして三億というところに落ちついたのでありましてできればもう少しふやしてもらいたかったのであります。今後も、明年度あたりさらに努力を続けたいと思います。
○奧野政府委員 農林漁業の融資ワクは、一応三億五千万円ということに予定をいたしておりますが、しかしこれは融資の問題でございますので、今後なお運用に際しましては弾力のある考え方をして参りたいということで、農林省当局と話し合いをいたしておるわけでございます。
○門司委員 今長官から、もう少しふやしたい意向があって、そういう要求をされたと言いますが、この際、この公営企業のワクといいますか、非常にたくさんの仕事を実は持っているわけでありまして、御承知のように五年後にオリンピックがくるという形を示しております。それまでに間に合わせるためには、かなりここで、一時的ではあっても十分な資金をあてがいませんとやれないのじゃないかという考え方が出てくるのです。設備その他についても地方の自治体はかなり金を使うでしょうし、国がオリンピックをやるというのだから、地方の自治体でもやらぬというわけにはいかない。かなりの増額が必要になってくる。それにこたえて水道と下水の問題を一体どうするかということが非常に大きな問題だと思う。だからできるだけこういう機会、というと少し語弊があって、大蔵省はきらうかもしれませんけれども、やはり自治庁としては、時代が強く要求しておるときに、こういう資金をたとい一時的にでもふやして、事業の完遂に遺漏のないようにしていくということが私は特に必要ではないかと思う。普通のときなら大して問題にならないかと思いますが、どう考えても五年後のオリンピックの状態を考えますと、結局上下水道の完備というのは、工業用水と同じように急を要する問題だと思います。従って、やはり自治体には相当の融資をつけておいてもらわないと困るのじゃないか。下水というのは、特にこの場合よけいな話をするようですけれども、この間ドイツから帰ってきた炭鉱労務者の話を聞いてみますと、日本に帰ってきて何が一番困るかというと、便所だと言う。ドイツでは炭鉱の労務者の住宅も全部水洗になっていて、ちっともくさいにおいがしない。うちに帰って炭住に入るとしばらく困るだろうということを率直に連中は言っておるのです。こういうことはやはり今度のオリンピックで、方々でやりますので、下水の仕事などというものはできるだけ進めておきたい。ちょうどいい機会というと大蔵省にまた怒られるかもしれませんが、とにかくこういう機会に大蔵省も了解して、少し幅を広げたやり方をするということが私はよろしいのじゃないかと考える。その点について一つ、まだ五年先でありますから、ことしこういうことにきめたからこれをふやさないと大蔵省は言うかもしれませんが、大蔵省の考え方はどうなんですか。この辺に資金をつぎ込むことはむだじゃないと思う。民間企業に三千六百億もの融資をするなら、ちっと考えたらどうかと思うのですが、一体どうなんですか。
○石原政府委員 ただいまの門司委員のお話、ちょっと私はっきり伺い漏らしたのでありますが、上下水道の起債のワクをふやせというお話でありますか、あるいは補助のワクをふやせという問題でありますか。
○門司委員 事実上の問題として、私は金融公庫の金を少しふやしてもらいたいと思うのです。そうしてやはり基本になる金融というものが十分に行なわれるような基金をこの際増額しておいてもらうことの方が、今申し上げましたように五年後のオリンピックに備えての仕事が非常にふえますから、地方の自治体は特に下水の仕事はふえると思うのです。またふえなければならぬと思う。そういう面を考えて参りますと、この金庫の基金というものは増資をする必要があるのではないかと思うのですが、この点について大蔵省の見解を聞いておきたいと思うのです。
○石原政府委員 ただいまの公営公庫の資金ワクをふやせというお話でありますが、本年度も公営企業の関係におきましては、準公営企業を含めまして二百四十億ほど実はふやしておったかと思います。そのうちで上下水道が幾らになっておりましたか、公営企業の特に金融公庫の関係ということで仰せられますと、今のオリンピックの関係あたりで見ますと、東京あたりは公営企業金融公庫とは別の資金ルートに相なりますので、全体といたしましては、大蔵省といたしましても、公営企業なかんずく環境整備と申しますか、そういうものには資金のワクをできるだけふやすようにしておるわけでありますが、本年度といたしましては、準公営企業を含めて二百四十億をふやすというところで、大体門司委員の仰せられましたような方向に向いておると思います。
○門司委員 ちょっと誤解しておるのです。それは起債やその他の面ではそういうことになっておるかもしれませんが、私の言うのは、ここにある基本になるものを三億ばかりふやしても大して効果がないのじゃないか。だからほんとうの基本になる基金をふやしてもらいたい、こういうことなんです。
○石原政府委員 出資ということに相なりますと、これは何を目標にして出資をいたすかということであります。一つは、出資もある程度運用せられますから、その運用益を持ちまして人件費、事務費をまかなうという点がございます。この点もございまして従来も出資の増加をいたしてきたわけであります。大体人件費、事務費をまかないます意味におきましては、出資はもうこの程度で十分かと思っております。そういたしますと、あとは公営企業金融公庫の融資は、性質上資金コストそのままで融資をいたすということに相なりますると、大体この程度の出資で十分かと思っております。資金全体として上下水道等公営企業に相当金が要りますことは事実でございますが、これは財政投融資におきまする資金ワクの問題でありまして、公営企業金融公庫の出資を充実いたす点とは別の問題であります。
○門司委員 別の問題であることはわかっておるのです。私は、やはりこういう機会に基金をふやしていくことが必要じゃないか。一体今日の金融公庫の状態でよろしいかどうかという議論が出てきましたが、きょうこれからしておるとかなり時間が長くなりますからいたしませんが、少なくとも公営企業のワクが広がっておりますので、それに対応するところ、それから需要も非常にふえるということは目の前に見えております。地方自治体ではかなり多くの仕事をしなければならぬようになると思うのです。これは東京都だけでありませんで、オリンピックの施設その他に対する資金計画は別の起債その他でまかなえるかと思いますが、少なくともそれの中心になる基金だけはもう少しふやす必要がありはしないか、こういう気がするから大蔵省に聞いておるのであって、大蔵省はこれで、出さなくてもいいというお考えのようですが、今の答弁では私は納得しがたいのです。どうでしょう、こういう金融公庫を設けた趣旨からいっても、起債その他が円滑に運ぶようにこういう公庫を設けてやっておりますので、それの一つの潤滑油の役を果たしておる公庫の基金があまり少ないのは感心しないと思いますが、もう一ぺん大蔵省の見解を聞かしておいていただきたい。
○石原政府委員 資金調達の面におきましては、政府といたしましては保証いたしておりますので、出資とは一応別に資金調達はできるわけでありますが、その基礎を健全にいたすという意味でのお話かと思うのであります。今申し上げたように、事務費の点等から見まして、大体いいところへきておるという感じがいたしますが、なお検討いたしたいと思います。
○纐纈委員長代理 ほかに質疑はございませんか。――別に質疑がないようでありますので、本案に対しまする質疑はこれにて終了いたします。
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○纐纈委員長代理 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので直ちに採決いたします。
 公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○纐纈委員長代理 起立総員。よって本案は全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決しました。
 次にお諮りいたします。すなわち、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○纐纈委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二十分散会
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