第034回国会 地方行政委員会 第23号
昭和三十五年四月十四日(木曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 纐纈 彌三君
   理事 飯塚 定輔君 理事 田中 榮一君
   理事 吉田 重延君 理事 加賀田 進君
   理事 門司  亮君
      相川 勝六君    加藤 精三君
      川崎末五郎君    高田 富與君
      富田 健治君    三田村武夫君
      太田 一夫君    川村 継義君
      中井徳次郎君    野口 忠夫君
      安井 吉典君
 出席政府委員
        警察庁長官   柏村 信雄君
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        長)      中川 薫治君
        警  視  監
        (警察庁保安局
        長)      木村 行藏君
        自治政務次官  丹羽喬四郎君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      山内 公猷君
        運輸事務官
        (自動車局長) 國友 弘康君
        建設事務官
        (道路局長)  佐藤 寛政君
 委員外の出席者
        警  視  長
        (警察庁保安局
        交通課長)   内海  倫君
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        財政課長)   松島 五郎君
    ―――――――――――――
四月十三日
 委員三田村武夫君及び太田一夫君辞任につき、
 その補欠として高橋英吉君及び山花秀雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員高橋英吉君及び山花秀雄君辞任につき、そ
 の補欠として三田村武夫君及び太田一夫君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月十三日
 道路交通法の一部改正に関する請願(古川丈吉
 君紹介)(第二三四〇号)
 同(古川丈吉君紹介)(第二三九一号)
 豪雪地帯振興特別措置に関する請願(田中彰治
 君紹介)(第二三七一号)
 交付公債制度廃止等に関する請願(井出一太郎
 君紹介)(第二三九〇号)
 古物営業法の一部改正に関する請願(田中伊三
 次君紹介)(第二四〇九号)
 市町村職員の給与制度合理化等に関する請願(
 星島二郎君紹介)(第二五一七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 道路交通法案(内閣提出第五八号)(参議院送
 付)
     ――――◇―――――
○纐纈委員長代理 これより会議を開きます。
 濱地委員長には本日病気のため出席できませんので、その指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。
 道路交通法案を議題とし、質疑を継続いたします。質疑の通告がありますので順次これを許します。太田一夫君。
○太田委員 引き続きましてお尋ねをいたしますが、きょうは特に、最初には踏切道の問題について、運輸省、自治庁、公安委員会、三者の御見解を一つ承りたいのですが、踏切道と一口に申しておりますが、あれはどこに管轄権があるのですか。この見解を一つお尋ねいたしたいと思います。
○柏村政府委員 踏み切りはもちろん道路の一部でございます。また鉄道敷を兼ねておりますので、管轄と申せば、建設省、運輸省、公安委員会、三者の管轄に関するものだと思います。
○太田委員 道路の一部であるというのですが、きょうは自動車関係のことでお尋ねしますから、道路交通法の中のことですから自動車局長に御回答いただけるならいただきたいのですが、運輸省は国鉄を建設することを認める。地方鉄道を建設することを認める。そうすると、そこに踏み切りというのが出てくるわけですが、この踏み切りというのは、あなたの方の建設規定から見ますと、当然国鉄に管理権がある。あるいは地方鉄道に管理権がある。所有権、管理権というのが国鉄、地方鉄道にあるものと考えざるを得ないと思うのですが、その点はいかがですか。
○國友政府委員 踏み切りの関係につきましては、所有権等は国鉄あるいは地方鉄道等にその敷地は属しておりますので、その限りにおきましては、管理権はそちらに属するわけでございますが、ただ道路の一部ともなっており、道路の効用を果たしますので、その意味において道路の関係も出てくるわけでございます。これらの点につきましては、鉄道監督局の方で所管しておるわけでありまして、私も、自動車関係でお答えできることをお答え申し上げたいと思います。
○太田委員 國友局長のおっしゃったのは常識でしょう。そこで警察庁にお尋ねしますが、踏み切りにおけるところの事故を防止するために、今度は鉄道というものを優先に考えていらっしゃるのですね。鉄道が第一である。中心である。鉄道が絶対であって、自動車の方は、その鉄道の交通を守る立場においていろいろ進退をすべきである。こういうところから今度の道路交通法ができておるわけでございますけれども、そういう考え方ですね。かつて鉄道ができたときは、なるほど陸の輸送機関の王者であったと思うのですが、今日は自動車時代になってきておる。こういうときに――踏み切りの所有権というのは、当然鉄なしは地方鉄道が持っておるわけです。持っておるからこそ固定資産税を納めているのでしょう。自治庁の方はいらっしゃるかどうか知らぬが、踏み切りはよそのものでないのだから、固定資産税を納めておる。従って、踏み切りが国鉄のものである、地方鉄道のものであるということにいたしましても、今日道路の関係というものが出てきて、先ほどのように、運輸省も建設省も公安委員会も、みなこれに対して同じ関係を持つものだとおっしゃいますと、踏み切りは鉄道が通るのだから鉄道優先主義だという考え方から抜け出てこなければならないと思う。もう抜け出る時期に来ておると思うが、警察庁はどう考えておるか。
○木村(行)政府委員 踏み切りに関しましては、鉄道優先というプリンシプルを明確にといいますか、それだけを考えたわけではありませんで、むしろ最近踏み切りの事故が多く、しかも非常に悲惨な事故が多うございますので、今回の法案においても、その事故防止という観点から、相当例外の場合をしぼって改正案を出したわけであります。
○太田委員 事故が多いので踏み切りのそばにとまれということですが、従ってその思想がずっと来て、人命を損してはいけないから交差点においてとまれ、横断歩道でとまれ、通行者がある場合においてはとまれということになる。その思想ですが、これは自動車は前にも進めない、うしろにも退けないというような位置に置かれるわけです。一番原始的な人間に対して、最初汽車ができたとき、明治五年ですか、汽笛一声新橋から横浜まで行きました。十月十四日ですか、鉄道記念日がありますが、あの開通したときには、道路に汽車の線路を作っておいて、そこに、汽車に注意すべしとかなんとかいう立て札を立てて、汽車が走ったのですよ。今日、快的なスピードで走らなければならないという自動車の性能から考えても、また国民の感情から考えても、自動車というのはだんだんスピードが早くなってきて、今日では高速自動車道においては、建設省の見解では、緩行車において百キロ、普通車は百二十キロといった、国産車では追いつけないスピードを考えているときに、交通機関の歴史においては歩く人に対して踏み切りに注意すべしと、歩く人は一応控えてもらって、近代的交通機関というのを先行さしていた。こういう点から見たら、鉄道の方が自動車の方にそろそろ席を譲るときがきていると私は思っているのだが、そういう点から考えても、踏み切りの前で絶対停車しなければならない――これは許容条件がない。ただし書きがない。絶対停車しなければならないというのは、どうしても鉄道優先、鉄道第一主義としか受け取れないのですが、その辺、立案者の考え方を、もうちょっと近代的な感覚をもって、国民が理解し得るように話していただきたい。
○木村(行)政府委員 確に太田委員のおっしゃるように、現行法も、また今度の改正法案も、どちらを先に通すかという問題になると、やはり鉄道優先で、鉄道の通過を先にする。そして安全を確認した上で自動車は踏み切りを通過するということになっておりますので、原理といたしましては、鉄道優先の建前をくずしておりません。しからば、鉄道優先を切りかえて自動車優先に百八十度転回するということはなかなか大きな問題でありますし、また現状からいって若干無理じゃないかという感じもいたすのでありまして、太田委員のお考えのような新しい観点からの考え方ということも全然うなずけないわけではありませんけれども、やはり相当の乗客を乗せ、また非常なスピードで走ってくる列車でありますし、しかも急停車というか、徐行ということの関係からいいましても、鉄道優先という建前を変えていくことについては若干いかがかと存ずるわけであります。
○太田委員 そうすると、非常なスピードと多数の人命を乗せてこない汽車の場合は例外と考えてよろしいのですか。
○木村(行)政府委員 列車が多数を乗せているかいないかということを一々そのつど明定することもなかなかむずかしいのでありまして、そこらは若干含みがあるのではないかと存じます。それだからといって、人間を乗せていない場合は、その列車の通過はあと回しでいいということも、技術上なかなかむずかしいのではないかと思います。
○太田委員 これは私は非常に心配することなんですが、踏み切りというものに対する非常に簡単な基本的な考え方としては、列車はスピードが大きいし、それからまた破壊力もあるのだから、自動車のような弱いものではすぐにやられる。だから自動車の方がとまって強いものに席を譲るのだ、これはわかるのです。その通りだと思うのです。しかし、それはあらゆる踏み切りに原理が適用されるわけではないのだから、少しばかりこれは行き過ぎがあるのじゃないかという点を私はちょっと不審に思っておるのです。
 そこで、これは警察庁にお尋ねをすると少し専門外でございましょうけれども、踏み切りに関することで一つ古い話を承りたいのですが、鉄道ができてから今日まで、鉄道が踏み切りを通過するときに、機関手が注意しなかったために、鉄道営業法の何条かにあります業務上過失罪に問われたという事例はあるのですか、ないのですか。
○内海説明員 私、かわってお答えいたしますが、詳細にわたりましては後ほど調べまして資料として提出いたしたいと思いますが、私どもの知っております範囲では必ずしも業務上過失で起訴されてない例はないわけではない、こういうふうに承知いたしております。最近の例といたしましては、鉄道ではございませんが、神奈川県におきまして占用軌道で電車の事故が起きました。これにつきましてもかなり広範に責任を追及いたしておりますので、これらにつきましても資料を提出いたしたいと考えます。
○太田委員 もうちょっと承りますが、鉄道係員がその職務上の義務に違反したり過失がありまして、そういう事故を起こして人を死傷させたという場合、刑法上の罪はありませんか。
○中川政府委員 御案内のように、刑法に業務上過失傷害罪または傷害致死罪という罪がございますので、業務上過失傷害致死罪につきましては、鉄道の関係職員、船舶、すべてあらゆる危険関係業務に従事する者が該当するということに相なっておるのであります。問題は、当該事案の場合の業務上必要な注意を怠ったか怠らなかったかという点がいつも捜査の重点になるのでありますが、刑法上に規定している業務上必要な注意義務を怠ったか怠らなかったかということは、結局当該業務の内容等によって最終的には健全な常識で判断するということに相なっておりまして、そういう事件が起こりましたつど、常に警察といたしましては捜査を遂げて状況を明らかにして事件を究明しておるという状況であります。
○太田委員 その罪はどれくらいですか。
○中川政府委員 刑法二百十一条の罪でありまして、三年以下の禁固または、法律では千円以下の罰金になっておりますが、五十倍になりますから五万円以下の罰金、こういうことになります。
○太田委員 これは中川さんに一つお尋ねいたしますが、鉄道営業法二十五条では、今の場合三カ月以下の懲役または二千円以下の罰金ということになっておるが、これはどうなりますか。
○中川政府委員 鉄道営業法関係は私も研究してお答えいたしますが、こういう特別法はそれぞれ主管省において御見解もあろうと思いますので、主管省のお考えを一応お聞き願いたいと思います。
○太田委員 今の鉄道営業法二十五条ですが、大体二十四条と二十五条は私は重なるような気がするのです。二十五条というのは非常に多数の判例があるような気がするのです。たとえばカーブにおいて、カーブの見通しが悪いから、向こうの踏み切りを人が通ると想像される場合には汽笛を鳴らすということと、容易に直ちに停車し得るようなスピードで運転する職責を有するという判例がある。これは明治時代の大審院判例にあるのです。ですから踏み切りというものは、必ずしも汽笛を鳴らせばすぐ走れるというようなものではないでしょう。この点専門家の中川局長にお伺いいたします。
○中川政府委員 私ども、こういった特別法令は、研究するにやぶさかではないのでありますが、鉄道営業法等の解釈につきましては、鉄道の主管省から御見解を承りまして、その意見を聞きながらいつも検討しておりますので、一応権威ある鉄道関係に御回答をお願いしたいと思います。
○太田委員 鉄道関係のことは運輸省、労働関係のことは労働省ということになってしまうと、仕事がひまになってしまうような気がするのですが、これは鉄監局長にちょっとお尋ねします。踏み切りというものに対して非常な疑惑を持ちつつお尋ねしておるわけですが、この踏切道というものは、元来は国鉄または私鉄の所有権があり、管理権があるとわれわれは考えておる。従って、そこに自動車が来る場合には、それは必ず注意するのだというようなことにも相なろうかと思いますが、一々許諾を得てそこへ入るわけじゃないのだから、従って今日の自動車の発達の程度から見ると、そろそろ自動車時代が来たと思わなければならない。かつて鉄道が新橋から横浜まで開けたとき、人力車やうば車や大八車、人間、車輪のついたものも足で歩くものも、全部踏み切りの手前において一たん停止させて汽車が通ったという前例からいって、今日、自動車が通る場合には汽車がとまるべきだというのも行き過ぎではあるが、そういうような鉄道オンリーの思想をもう一ぺん考える必要があるのじゃないか。この道路交通取締法の改正にあたってそういう疑問を持っておるんだが、はたしてあなた方の御見解はどうか。
○山内(公)政府委員 踏み切りというものの性格は、現在これを法的に規定したのがございません。それでわれわれとしましては、踏み切りの性格を法的に明らかにするために、立法を各省と協議して考えておるわけでございますが、現在あります法規によりますと、道路法におきまして兼用工作物という名前で呼ばれておるのが唯一のものでございます。兼用工作物というのは道路自体ではない、道路と鉄道と両方使うという趣旨の規定でございます。これが現在の踏み切りの性格でございます。物理的な性格を御説明したわけでございますが、交通的な性格といたしましては、御指摘の通り鉄道は踏み切りについては優先通行権を認められておるということは、今まで慣習的にいわれております。しかし最近になりまして道路交通が非常に盛んになって参りましたことは御承知の通りでございます。そこで従来のような踏み切りであるということは非常に問題になって参りましたために、踏み切りをどうするかということが大きな問題になっております。世界的には、まず第一に交通量の多いところは立体交差をしなければならないというのが通常の考え方でございまして、運輸省におきましても、建設省におきましても、できるだけ交通量の多いところは踏み切りという概念よりも進んで、踏み切らないという方向に持っていくわけでございます。これがわれわれといたしまして近代交通のいくべき一つの姿であろうと思っておりますが、現在の段階において、それでは自動車と鉄道でどうするかと申しますと、鉄道は何といっても相当のスピードで走らなければならないわけでございまして、踏み切りの手前でスピードをダウンして走るということは、ほとんど鉄道の用をなさなくなるわけでございます。自動車におきまして一たん停止ということをやっておりますのは、これは何と申しますか、自動車自体の安全を考えてのことでございまして、自動車がたとえば第三種踏み切り――第三種踏み切りといいますのはちゃんちゃん鳴っているやつでございます。あれで十分に注意をして走れば一たん停止をする必要がないわけでございますが、今までの事故の趨勢から見まして、鳴っておるにもかかわらず、その直前を突っ切って走るというものが非常に多い。また踏み切り事故は、それによりまして非常に大きな災害を起こしますということでございますので、人命の尊さからいいまして、一たん停止をして通るという方が、一応安全性を、高めるという趣旨のものであろうとわれわれは考えておりまして、鉄道側からの要請で一たん停止を要求しておるのではない、安全という見地から停止をされておるものだ、こう解釈しております。
○太田委員 道路局長が御出席のようでございますから、道路局長さんの御見解を承りたいのでありますが、今日の交通事情から考えまして、鉄道と道路との平面交差、これは道のあるところに鉄道を作る場合もあれば、鉄道ができておるところにあとから道路ができるという場合もありますが、踏切道というものに対して、今、鉄監局長さんのお考えもありましたが、道路局長さんとしてはどのようにお考えになって、どうあるべきとお考えになっていらっしゃるか、この御見解を承りたいと思います。
○佐藤(寛)政府委員 お答え申し上げます。今日道路交通が非常にひんぱんで困難を来たしております状況下におきまして、鉄道との交差問題、特に踏み切りが非常に多い、そのために御承知のように事故がほとんど毎日といってもいいくらいあるわけでございます。これにつきましては、道路の整備を担当しております建設省、私どもといたしましても、非常に大きな問題としてその改善方を考えておるわけでございます。その考え方といたしましては、ただいま運輸省の方からお話がございましたように、まず踏み切るという形をなくしたい。特に主要な幹線の道路につきましては、踏み切りをやめて立体交差にいたしたい。まずこれをやらなければ、やはり根本的に解決はいたさない、こういうふうに考えております。従いまして、ただいま道路の方で実施いたしております道路整備五カ年計画におきましては、踏み切りの除去、つまり立体交差でございますが、この事業をずいぶんたくさん実施いたしております。しかしながら、この立体交差事業というのは、一カ所当たりにいたしましても相当経費もかかることでございますし、また御承知のように必要とする個所も非常に多いのでございまして、逐次そういうふうに改善をはかって参りますが、今日のこの急な場合に、とうてい短時日には間に合いませんので、一方においてただいま申しましたような立体交差という徹底的な措置を講じつつ、また一方におきましては、現在存在いたしますたくさんの踏み切りを、要するに少しでも危険を除去するようにいたしたい。それにはどうするかと申しますと、踏み切りの幅が狭いとか、あるいは見通しが悪いとか、そのほかいろいろそういう危険な踏み切りにしております地形的な、物理的な条件というものがございます。さしあたりはこれらを少しでも改善をはかるようにいたしていこう。そうしておいて一方において、急場に間に合わせながら、同時に徹底的な踏み切りを除去するという措置を考えて参りたい、こういうふうに思っているわけでございます。特に踏み切りを除去して立体交差にすると申しましても、地方の道路と鉄道の踏み切りあたりはこの方法が比較的簡単にいくのでございますが、都市、特に大都市の中の鉄道とこまかい道路――大きい道路もございますが、こまかい道路との交差のたくさんあるような踏み切りに関しましては、これを除去すると申しましてもなかなか簡単に参りません。相当まとまった経費も要しますので、それらにつきましてはなかなか一ぺんというわけには参りません。事実そういうところの改善事業を実施いたしてはおりますが、同時に踏み切りの現状において、何とか危険を防止する方法を講じていきたい、こういうふうに考えて、必要な事業を実施いたしております。
○太田委員 そういうことでしょうね。それはわかるのです。そこで鉄監局長にお尋ねしますが、さっき第三種踏み切りの話がありましたが、現在日本全国で第一種から第四種まで、各級踏み切りごとに何個設置されておるか、数字を出していただきたい。
○山内(公)政府委員 ただいまの数字の問題でありますが、調べましてお答えいたします。
○太田委員 じゃあ、お調べになる間、その他の問題でついでに道路局長にお尋ねしますが、私が申し上げたいことは、あまり幹線で列車がびゅうびゅう走るところの路み切りを想定しておらない、専用線という交通量の少ないところを想定するわけです。専用線というのは停車場構内からある特定の事業場まで、その貨主が自分の貨物の取り寄せその他に便宜ならしめるために引いた線、もちろんその敷設の費用は貨主が持つんだが、そのできました専用線というのは国鉄に移譲しまして、国鉄のものになっているわけなんですね。さてそこで私の申し上げるのは、完全専用線の場合は問題ありませんが、国道、県道というような道路の上に敷設された専用線の建築限界内の用地というのは一体どうですか。これをお尋ねしておきます。
○佐藤(寛)政府委員 それは法規的に何でございましたら確かめたいと存じますが、県道、国道等を会社の引込線等が横切ります場合には、いろいろ手続を要しますが、その道路と引込線と重複いたします部分はやはり兼用工作物という扱いになっておるものと存じます。
○太田委員 それは兼用工作物というならば一般の踏み切りと一緒ですね。鉄道専用線路の場合そうなんですね。そうすると併用軌道の場合の軌道の中というのは、これも兼用工作物ですか。
○佐藤(寛)政府委員 軌道の場合は、道路なら道路面を軌道が占用する。こういうことでございまして、これは道路敷の一部を軌道がその目的のために使用する、いわゆる法規的に占用でございます。
○太田委員 占用するが道路である。専用側線の引込線が県道、国道を横切った場合、その中はあなたは兼用工作物だと言いますと、考え方のウエートというのは鉄道側に多くなるわけですね。鉄道のものですか。
○佐藤(寛)政府委員 軌道は、御承知のように性格といたしまして、新設軌道というような場合もございますが、普通は道路などによく入っております軌道というものになりますと、道路の敷地の一部を使用して、つまり占用してレールを敷く、こういうことに相なっております。それから鉄道の場合には、たとえば交差部分は鉄道と道路の両方の兼用工作物ということで、両方でそれぞれ責任を持って管理する、こういう形になっております。
○太田委員 その辺のところは、一般の町の人ならそういうふうに思うかもしれませんが、あなたたちは専門家だし、きょうは鉄監局長もいらっしゃるのですが、専用線を敷くときに、業者に国道を売りますか。ただ線路を敷かしてくれというだけで、道路管理者はそれに許可を与えられるだけじゃないですか。
○佐藤(寛)政府委員 鉄道が国道の道路の方向に通るという場合は実際問題としてございません。引込線等が国道あるいは県道を横切るという場合はございます。その場合には、ただいまは国道あたりを引込線が通ることを私どもとしては極力防止いたしております。先ほども申しましたように、道路、特に幹線道路は、現在の踏み切りですらも立体交差にするというのですから、極力引込線の敷設を許さないようにいたしております。しかしながら、やむを得ずそれを許すときには、その付近の道路を将来改良いたします場合には、自費でもって立体交差にするというようなやかましい約束をいたしまして引込線を許可いたす場合もございますが、そういう場合には、国道面の一部あるいは県道の一部を占用させるという手続をとっております。
○太田委員 もしも今のお考えのようだとしますと、いわゆる引込線が通っておりますところの国道があるかないかということは、はっきりと私も今すぐ思い出せませんけれども、ないとは言えないと思います。県道、市道、町村道、それぞれ引込線というのは猛烈に縦断しておるのですが、これは元来鉄道地内じゃない。道路である。鉄道地内への立ち入りだったら科料出題ですよ。無断立ち入りできないでしょう。鉄道営業法三十七条ですか、鉄道地内にみだりに立ち入った者は科料に処することになっておるのです。これを鉄道地内とした以上は、とにもかくにもよほどの用がない限りは通っちゃいけない。原則として通っちゃいけないということなんです。ところが、道路があって、その間に鉄道専用線、引込線を敷いた。道路管理者がこれに対して承認を与え、運輸省がこれに対して免許を与えて、その専用線を国鉄のものにした。ないしは地方鉄道のものにした。その線路の敷地の中は鉄道地内でございますということにするなら、これは一般の常識と違うと思うのです。道路に線路を敷いた。これは線路だけを認めたのか、通行を認めたのか、鉄道だけにそこは治外法権にしたのか、治外法権にしなければ列車優先主義は通用しませんね。ところが実際には、工場などが休廃止をしました場合に、そういう線路をとるかといえば、とらない。列車は通らないけれども、線路だけはさびついたまま敷いてある引込線がたくさんあるのです。今度の取り締まりの建前からいけば全部とまらなければならない。そこでとまらなければ懲役です。そういう引込線は一日に一回通るか二回通るかというような寡少なものから、全然通らないという廃線同様のものまでありますけれども、私は、国道、県道に作られたものは鉄道用地としてそこを分譲されたものではないと思う。どうです。その辺のところは道路局長よりも鉄監局長にお尋ねしてみたい。引込線が道路を横切っている、これは鉄道地内ですか。その建築限界内ですか。
○山内(公)政府委員 国道、県道がありまして、引込線なりなんなりの鉄道が横切っている場合には、その性質はただいま道路局長がお答えになりましたように、大体あとから道路を横切ってつけるという場合が多いと思いますが、その場合には、兼用工作物でなくて占用の許可を得たもの、かように考えるわけでございます。そういう国道を横切る場合は大きな例ではないと思うわけでございますが、その場合にもやはり例はないわけではないと思うわけでございます。そのときに自動車がとまるかどうかということは、警察方面で御判断願わなければならないわけでございますが、大体そういうところには少なくとも警報器つきというものができているわけでございまして、その辺の安全は十分道路交通面から見ていただけばけっこうではないかと思います。鉄道としましては、一日一回とただくというような御要請をする必要はないわけでございます。われわれの方で考えている踏み切りの保安は、そういう特殊なものではなくて、一般の交通ひんぱんな鉄道を考えているわけでございます。
○太田委員 その辺大事なところになってきましたが、鉄監局長の御意見によりますと、そういうところはとまってもらわぬでもいいのだとおっしゃるが、警察庁長官、あなたの方は、とまらなければ懲役三月ですか、ないしは罰金だとおっしゃる。どうです、一日に一ぺんか二へんしか通らないところ、あるいは廃線同様になっている引込線でさえもとまらなければいけないというのは、どこからきたのですか。やっぱりとまらなければいけないのですか。
○柏村政府委員 踏み切りにおきまする事故が非常に多いという実情からいたしまして、まず安全第一主義という観点で、多少交通の不便ということは忍んでいただいても、まず安全ということを第一に考えて、今回のような改正をいたしたい、こういう趣旨でございます。私どももできることなら立体交差であるとか、あるいは信号機を必ずつけるというようなことにして、交通をできるだけ円滑にするということをはかっていただくことが望ましいのでありますけれども、そこまで直ちにいたしかねるという場合におきまして、やはり事故を防止し、交通の安全をはかるということを第一に考えまして、合同のような改正を立案した次第でございます。
○太田委員 鉄監局長、さっきの第一種、第二種、第三種、第四種の踏み切りの数はわかりましたか。
○山内(公)政府委員 国鉄施設の合計で申し上げます。第一種の甲が三百三十四、第一種乙四千十一、第二種五百四十四、第三種三千六百八十八、第四種六万五千三百十八、総計七万三千八百九十五、ちょっと古いのでございますが、三十四年の調査でございます。
○太田委員 専門の用語ではわからない点がありますから、第一種、第二種、第三種、第四種をもうちょっと一般にわかるように、もう一度言葉をかえて説明して下さい。踏切番がついているとか、遮断機があるとか、警報機だけとか、何にもないというふうに、もう少し具体的に一つ……。
○山内(公)政府委員 第一種といいますのは、遮断機がついておるものでございまして、人がつくということは条件ではございませんが、通常人がつき、遮断機がつくというのが第一種でございます。それから第二種といいますのは、人がつき遮断機がつくことは同じでございますが、人が全部ついていない、早朝、夜間はついていないというようなものが第二種でございます。第三種は、警報機がついているのを第三種といっております。第四種は、その他大体におきまして保安装置のないものが第四種というふうに御理解願いたいと思います。
○太田委員 従って、七万三千の中で六万五千というものが何にもない踏み切りだというところから、今柏村長官もおっしゃったし、先ほど道路局長もおっしゃったのですが、踏み切りの改善がいかに容易でないかということがわかるわけですね。しかもそういうことになると、今柏村長官がおっしゃった側線、引込線などで交通ひんぱんでないところでも、なるべくならば信号機をつけるようにしたい。この信号機というのは道路交通法上の警報機か、それとも信号機のことをおっしゃるのか、両方のことじゃないかと聞いておりましたけれども、警報機をつけることなども非常な金がかかるわけですね。一つつけるのに、大体現在二百万から二百五十万かかる。しかもこれを地方の地方鉄道などにやらせれば、固定資産税のかかる場合には百分の一・四ですね。そうすると、二百五十万の償却資産がふえれば、三万円からそれに対する税金を払わなければならないということになる。しかも償却資産ですから、これはまくら木ももちろん償却資産に入るし、踏み切りがあればガード・レールも作らなければならぬ。これも償却資産に入るというわけで、踏み切りをつければ、地方市町村はその税金によって非常に潤うわけです。こういう点なども踏み切りをつけさせまい、つけさせまいというふうにブレーキがかかっている。そういう点から考えても、非常に金のかかるものであり、あらゆる点で踏切道に安全装置をするということをして積極的に保護奨励するというような意図、政策が今までなかった。こういう点残念だと思うのです。だから、今のようなもので一日に一回か二回しか通らないところは、運輸省の方では一々とまってもらわぬでもいいというのですが、われわれはそういうのを踏み切りとみなしたくない。踏み切りでない踏み切りというようなものもこの際何かの表示が必要じゃないかと思うのです。踏み切りでない踏み切りの表示、ここの道のまん中に一本あるけれども、これは昔海軍工廠に引っぱった踏み切りであって、これは全然今は通らない、これは踏み切りじゃない。だから踏み切りでない標識をつけておいて、そこはノース・トップで通れるようにすればいいと思う。先ほどからどうも鉄道地内という解釈ははっきりしていませんから、道路が主であるなら、線路が見えるからといって、それは踏み切りのようだけれども踏み切りではありません。ここに何かかぎ十字でもいいからマークをつけて、とまることをやめるということは、できそうな気がするのですが、そういうことをお考えになったことはないでしょうか。
○柏村政府委員 踏み切りのうちでめったに通らないところは踏み切りでない踏み切りだというお話でございますが、やはり列車が通るところは踏み切りであるわけでございます。そういうのが、めったに通らないからといって安心して行くと、事故が起こるということもあり得るわけなので、ただいまお話しのようなものにつきましては、道交法上いろいろまた工夫する問題はあるかと思いますけれども、原則的に、やはり踏み切りというものについては、今回の改正のように、安全を確かめ、また信号機のないところでは一時停車という建前をとり、レールがあるけれどももう使ってないというようなところは、これは踏み切りと見るべきでないと思いまするし、そういうところにつきましては、お説のように表示をするなりなんなり、適当な交通の円滑をはかるような手段を講ずるということも可能かと思いますが、将来の研究問題として考えてみたいと思いますけれども、われわれとしては、やはりそのひんぱんに通るとか、あるいはまれに通るとかいうことを抜きにしまして、とにかく踏み切りにおける安全というものを確保していきたい、現在の段階はそこにあるのじゃないか。しかしながら、できるだけ信号機というものを、これは府県費負担は補助金対象になるわけでございますが、信号機というものをできるだけ財政の許す限りつけるように指導して参るという方向で行きたい、こう考えておるわけであります。
○太田委員 いや、踏み切りでない踏み切りはないという断定から言いますると、今長官が最後におっしゃった、できるだけ信号機をつけようというところに結びついてくればいいのです。必ず信号機をつけて、常時その踏み切りのところ、その県道、国道には、一般に自動車に向かって青の信号がついており、汽車が来たときだけ赤になって、入れかえて、汽車の方に対して青が出るということになれば、それはいいですよ、一日一回、二回とまるということでも。しかし、実際の地方の今までの長年の習慣というものは、そういうところは通らないとわかっているのだから絶対とまらないことになっている。これを今度の道交法によって守らせようとすることがはたしてできるかどうか。しかも私は言うのですが、初め汽車が通ったときには、四つ輪のものも二つ輪もあったでしょうが、あらゆる交通機関に対して、とにかく汽車が通るからとまりなさいというふうに言った。これはそちらの方に主があったから、新しい現代交通機関に敬意を表して、一般交通機関に注意すべしということになって、一般のものに注意義務を課せられたと思うところが今度は、自動車というものが五十キロからのスピードです。五十キロのスピードというのは何メーターくらいスリップするのですか。停車しようと思っても、そう急にとまるものではない。舗装道路などにおきまして、あの専用線というのはちょっとわからないですよ。広い道では、引込線があって、何メーター先でこれが見つかるとお考えですか。
○内海説明員 自動車につきまして申しまれば、三十二キロのスピードでアスファルトのかわいた道路を走っておる場合には、ブレーキをかけましてスリップする最大の距離を、一応計算上は十四メーターとたしかふんでおったと思っております。なお、数字で間違っておりましたら、後ほど訂正さしていただきます。
○太田委員 五十キロなら何メーターですか。
○内海説明員 今、私三十二キロで覚えておりますので、後ほどすぐ調べましてお答えいたします。
○太田委員 五十キロですと二十二メーターぐらいスリップするのです。だから、二十五メーターくらい先に見つけないと、その踏み切りというのは実にあぶないですね。ところが、そんなに見つけられるような標識はないですよ。だから、この際において、私は信号機をつけるという確約があるなら、そういうところはよろしいと思う。ないなら、それは、鉄監局長いらっしゃるが、どうです。汽車の線路に踏み切りをつけるということは成り立ちませんか。汽車の線路をシャット・アウトする、遮断する。
○山内(公)政府委員 ただいま先生のお出しになっておる例は、ちょっと一般の踏み切りの観念と私違うように考えておりまして、といいますことは、大体軌道におきます場合と同じような状態でございまして、一日一回か二回しか通らないという場合には、現実の問題として、汽車の方をとめるという施設をやっているところもあるように私考えておりますので、そういう場合には、やはり道路交通というものは、その道路におきましては優先通行権があっていいのではないか。一日一回、二回の入れかえの場合と申しますと、大体旅客輸送ではございません。貨物輸送でございます。専用線の場合でございますから、そういう場合には汽車の方を道路の信号でとめるということは、実際問題としてわれわれの方では可能だと考えております。
○太田委員 道路局長さん、どうですか。そういうことをほんとうに実施することについては、御見解いかがですか。
○佐藤(寛)政府委員 道路側といたしましては、どんな閑散な踏み切りでも、踏み切りがないことを希望いたす次第であります。新しい踏み切りの築造につきましては、私どもとしましては、できるだけそれを避けていただくように、いつもそれは非常な努力をもって交渉いたしておるのですが、ただいま先生の御指摘のようないろいろな場合が全国に若干起こるわけでございます。そこで、ごく閑散な踏み切りにつきましては、ただいま鉄監局長からお話がございましたが、軌道の方を常時とめておきまして、そうして、一日一回か二回くらいならば、列車が通るときに信号を切りかえるというような事例もございます。従いまして、そういうような特別な場合につきましては、いろいろそういうような交通指導上の措置を考える必要があろうかと存じます。なお、そういう踏み切りを認識させる方法でございますが、これにつきましては、御承知のように、踏み切りそれ自身の標識を立てておりますと同時に、相当手前、これは直線部には最少三十メーターということになっておりますが、少なくとも三十メーターを離して、そこに踏み切りがあるという注意を喚起する注意標識を立てさせるようにいたしております。
○田中(榮)委員 関連。ちょうど踏み切りの問題が出ておりましたので、ちょっと関連して質問したいと思いますが、昨日、吉祥寺の付近でオート三輪が上下の電車の中にはさまってしまったために、いわゆるラッシュ・アワーに直面しまして、通勤人の方々が、約十数万の人々が新宿駅を中心にして非常に雑踏しまして、ちょうど私もそのころその現場におりまして、その雑踏した状況を見ておったのでありますが、一体、あの事故の起こりました無人踏み切りは、新聞紙の報道するところによりますと、かつても事故があって、地元から、かねがね何らか警報施設とか、あるいは人を置いてくれということを要望しておったということでございますが、その点はいかがでございましょうか。
○山内(公)政府委員 まだ詳しい報告を聞いておりませんので、私も新聞紙上で見ただけでございますので、事故の状況、原因、その他詳しくは存じておらないわけでございますが、一般的に申しまして、いろいろ太田先生からも御質問ありますように、踏み切りの保安度を上げなければならぬということは、われわれ考えてきておりまして、また努力いたしております。特に大都市付近の踏み切りにおきまして、われわれは年々踏み切りのあり方というものを資料をとって検討いたしておりますので、それで年々この踏み切りを上げなさいということを言っております。現在法律がございませんので行政指導いたしておるわけでございますが、大都市付近になりますと、年々車が多くなりますので、たとえばことし十カ所ある会社に、あなたのところは保安度を向上しなければなりませんと言いましたところ、それで終わるかと申しますと、また来年度は十五カ所にふえるという状態でございまして、逐次踏み切りの格上げに忙殺されておるわけでございます。それで踏み切りの事故といいますものは、汽車の方からいいますと年々事故は減っております。国鉄のごときは、運転事故の減り方は急速に減ってきておるわけでございますが、この踏み切り事故だけは非常にふえておるという逆な傾向を来たしておりますので、いろいろ御指摘のあります第四種を第三種に格上げする、第三種を第一種に格上げするということは、計画的にやらせるようにいたしておるわけでございまして、それでも非常に不十分でございます。御指摘のありますように、一カ所遮断機をつけますと二百万円程度かかるといいますので、国鉄におきましても、私鉄におきましても、財政状態が豊かでございますれば、その踏み切りの格上げよりも、第一種の踏み切りはすべて立体交差にすべきだという最終的な目標を持っておりますが、にもかかわらず、ごらんのような状態でございます。運輸省としましては、何らかの手を打たないとこの問題は解決しないというふうに考えております。
○田中(榮)委員 関連質問ですからなるべく答弁も簡単にお願いしたいと思います。今、太田委員から、自動車が三十二キロの速度で十四メートル、スリップするという話でありますが、先般京浜電車の生麦で鉄材を積んだ自動車の事故がございました。あのときに現場で再度試験をしましたところが、当時出しておった電車の速度と同じ速度で運転手が自動車を発見して直ちにブレーキをかけて、その走った距離が百七十メートルだということを私知っておりますが、今日の首都の発展状況は、大体西へ西へと発展しておるわけであります。今後日野、八王寺を中心にしまして東京の大都市がさらに延長されて、それから通勤者も非常にふえる。運輸省におきましては、中央線の複々線化も計画されておるようでありますが、私は、中央線なんかは、今どき無人踏み切りがあるということ自体が間違いじゃないかと思います。少なくとも中央線等に関しましては、踏み切り等は全上部何らかの施設を講ずるのが当然の義務ではないか、かように私は考えておるわけであります。予算の関係で非常にむずかしいと思いますけれども、やはり中央線等に関しましては、事故防止のために何らか徹底的な踏み切り施設をやるように一つ御努力願いたいと思います。
 それから一昨年、有名なシャンソン歌手の黒木耀子親子が踏み切りで轢殺されまして、その際も電車会社の方では、黒木さんの方に過失がある、こういうことで、何と見舞金を一万円しかくれない。親子二人が死んで見舞金がわずか一万円です。貨物自動車でちょっと人をいためても今どき十万円、五十万円の見舞金はくれる。ところが、ああした大きな軌道会社が、黒木さんに対する見舞金が一万円。そこで芸術家の方々があまり気の毒だというので、みんなで金を集めまして現場に親子地蔵を今作りまして、行人の涙を誘っておりますけれども、これとても一坪の土地を貸してくれぬかということに対しても、なかなか承知しなかった。ようやく半坪くらいの土地を借りて今親子地蔵が立っておりますけれども、電車会社等が踏み切りの施設をせずに、そうして通行人が過失があったからといって、一万円の見舞金で事を済ましてしまうということはあまりにも冷酷ではないか、私はかように考えるのであります。見舞金をよけい出せということは、これはお互い同士の話し合いですから、そこまで運輸省側としては監督できないかもしれませんけれども、少なくともこうした悲惨な事件が再び起こらぬように、踏み切りの施設に対しましては、国鉄御自身はもちろんのこと、私鉄に関しましても厳重なる警告、勧告を発していただきたい、かように考えまして一応関連質問として申し上げた次第でありますが。その点いかがでございましょうか。
○山内(公)政府委員 具体的な事故の場合は、私よく存じませんのでお答えいたしかねるわけでありますが、結論といたしまして、われわれ自身すでに三、四年以来、この踏み切りの事故に関する立法というものを考えております。なかなか各省に関係がございまして、できないわけでございますが、運輸省は御承知の通り何といっても保安というものを一群重視しております役所でございますので、今後とも事故をなくするように善処して参りたいと思っております。ただ立体交差の問題をお触れになったわけでございますが、立体交差の問題は非常に金がかかるわけでございまして、特に都心付近の立体交差となりますと、ほとんど高架にしなければならないという大事業でございますために非常にむずかしいのでございます。だからといって、これを等閑視しているわけではないのでございます。国鉄におきましても、年年全国で三十カ所くらい立体交差を進めております。今後ともできるだけ予算はそちらの方に振り向けまして立体交差を進めて参りたい、かように考えております。
○太田委員 今のお話にもあるのですが、踏み切りのことに関連して先ほど私申し上げたのですが、一カ所二百万ないし二百五十万という踏み切りの施設を一事業者に課して、しかもなお地方税を取っていくという考え方は、実は非常に心臓の強い話なんですが、どうなんですか。踏み切りに必ずこれから警報機を作る、警報機を作るよりも第一種ということですが、第一種は人間によって上げ下げする、これほどあぶない踏み切りはないのです。自動車の運転手に言わせれば、人間が上げ下げする踏み切りで、そばに立っていればいいのだが、そういう人間がボックスの中に入っていたりして、いいと思ってさっと上げたらどうする。今の国鉄の方は傷害罪になるかもしれませんが、とにかく事故で命をなくする、財産をこわすということがあっては、いかにだれの責任かといってみてもしようがない。だから、必ず踏み切りの前では今までとまっているのですよ。自動車の運転手の用心のいいのは必ずとまる。一番安全なのは警報機ないしは警報機つき遮断機なんです。機械が故障ならちんちん鳴り出すのだから、機械が一番正しいと思うのですが、機械をつけようとすれば二百万から二百五十万かかるといたしますと、年間二万円から三万円の固定資産税も納めなければならぬとすると、償却を埋めていかなければならないとすると、えらいことなんです。だから自治庁においては、できるだけそういう踏み切りの整備を促進するためにも、財政力の弱いものに対しては思い切った特例でも考えなければならないと私は思うのだが、この点どうでしょうね。
○松島説明員 お尋ねの点、具体的に私どうすればいいのか、ちょっと見当もつきかねますけれども、たとえば御指摘の信号機等を備えつけました場合の固定資産税を減免しろというような御趣旨であるいはあろうかと思います。一定の企業を営みます以上は、社会に対します安全を確保しつつ事業を営むのが当然事業の経営者の責任であります。そういう意味におきますいろいろな資産もあり、それに税金が課せられるというのもまた当然ではないかと考えるのでございます。従いまして、今御指摘の信号機だけをとらえまして固定資産税の減免の対象にするというような具体的な問題でございますならば、なお慎重に検討を要する点があるのではないかと考えております。
○太田委員 それはもし経営者の責任というのが安全確保のための責任だどするならば、無人踏み切りが九割もあるということで、国鉄総裁を初めとして各会社の社長は全部この際一ぺんに立ててもらいたいと思う、もしそうであるなら……。それは今の中央線でさえ無人踏み切りがある、これは国鉄ですよ。ましてや私鉄においては、二百万とか二百五十万要するような踏み切り警報装置が簡単に買えるはずがない。しかも買うのがあたりまえだというような配慮のない考え方では、踏み切りが今後整備拡充されるはずはないですよ。非課税なんて特例は幾らもあるでしょう。大企業では一〇%の電気税だって無税でしょう。非課税は幾らでもあるのだが、そういう社会の公共企業の場合は、第四種が六万五千三百十八カ所、九割もあるのかという点を考えてみると、これが抜本策を講じていかなければとてもやれませんよ。だから今の話で、鉄監局長のおっしゃるようになるべく遮断機をつけるように、あるいは警報機をつけるようにということは私は非常に賛成だ。ぜひそうしてもらいたい。そのためにはさらにこれを何とかしなければならぬというような、その他でできるような方法を講じていかなければならない。あなたの責任だからやりなさいということなら、これは何もやらなければいい。お互いに自己防衛の本能がありますから、道路交通なんか作らぬでもいい。だれが苦労して自動車にひかれたいと思っていますか。みんな本能があるといって、あまりにも原始的なものにまかせてしまっては、近代生活の中でとても改善はできません。ですから、あなたの今お考えになっている――警報機の非課税ということは、償却資産の中でたまたま問題があるということを申し上げたのですが、もう少しなぜつかないかという点も御検討いただきたいと思う。まことにもって遺憾千万だと思うのです。
 そこでもう一つ、先ほど鉄監局長にお尋ねしましたが、そういう全然通らない踏み切りについては、これは常時とめておくということも差しつかえないとおっしゃった。そうするならそういう踏み切りは、どうですか、全国にどれくらいあるということがほぼ想像がつきますか。一日ほとんど通らない、一日に朝晩ほとんど一回か二回しか通らない引込線の踏み切りがどのくらいあるか。
○山内(公)政府委員 そういう踏み切りが幾つあるかということは、ちょっと手元に資料がありませんけれども、かつまたあまりそういうところの監督ということも事業として監督はしておりませんので、詳細な報告は聞いておりおりませんので、私は、それはわかりません。
○太田委員 それでは警察庁長官にお尋ねしますが、今の道路局長並びに鉄監局長のそれぞれの方面の御意向はあると思うのですが、汽車の方は遠慮していらっしゃる、私の方はとめてもらえばとめてもらってもいいとおっしゃるのですが、そうしたら今度はそういうところは道路の方に信号をつけて、道路は常時青、汽車の方は赤という信号はどうですか。交通量がある程度以上のところを全部いけるという御約束をいただけますか、この法案を実施するについて……。それともやれないですか。
○柏村政府委員 これは望むこととしてはお説のように私もいたしたいと思いますが、ここで私がお約束しても、財政上の問題とかいろいろございまして、まずまず実行不可能ではないかと私は思います。できるだけ漸を追って御趣旨のような方向に持っていくように努力したい、こう考えております。
○川村委員 関連して。長官、ちょっとお聞きしますがね。今、太田さんがお尋ねしていることの中心は、ほとんど鉄道として使われていないような踏み切り、それを通過する場合、踏み切る場合に一々停車していかなければならぬということになってくると、それを怠ると罰せられるというところに、非常に交通の円滑という面から問題があるのじゃないか、こういうところに一つの問題点があると考えて御質問なさっている。それで先ほど長官がおっしゃったように、これは交通の安全という点から考えますと、鉄道を踏み切る場合にはやはり停車をして確かめてから通過することが望ましいことですね。ところが地方に参りますと、工場が使っておる引込線、そういうものがたくさんあります。またその工場がすでに仕事をストップして、引込線はそのままあるけれども、もう使っていないというような引込線が残っております。そのほか私鉄関係のそういうものが県道を横切ったり何かしていることがたくさんあります。そういう場合に、太田委員も言っているように、これはもうかりに生きておっても一日に一回か二回使用するかしないかで、工場が閉鎖されたような引込線はほとんどこれは使っていない。そういう引込線の通っておるところの県道を横断するときに、一々とまって確かめていかなければならぬ、それをやらなければ罰を食う。こういうことになると、交通の円滑という点から考えて問題があるのではないか。こう考えて参りますと、やはり取り締まりの上におきましても、何か公安委員会等の処置によって、そういうところはたとえば必ずしも一々停車する必要はないというような表示をするか、あるいはそのような特別の措置を施行するか、何か行政的にもやれそうなのですが、その辺のところがやはり不明確で、このまま法案を実施されると、今心配するような点が出てくるのですが、そのようなところを何かお考え下さって、やれるならやれる、あるいはそういう措置をしたいならしたいというようなお考えがあれば、お示しいただいておいた方がいいのじゃないかと私は思うのですがね。
○柏村政府委員 今回こういうふうに改正しますと、非常に交通の円滑という点から不便がくるような改正に見られるわけでございますが、これは従来の事故が、安全を確かめて通過しなければならないというだけになっておりましたので、実際は安全を確かめずに、確かめたつもりだというようなところが事故のもとになっていることが非常に多かったのでございます。従って、やや交通の円滑という点からは不便があるということを承知しつつ、まず安全という観点に立ってこういう改正を考えたわけでございますが、ただいま太田委員また川村委員からお話しのような特殊なものにつきましては、当然行政的に――法律はこのようにきめておりましても、運用上適宜な方法を考えるということについては、われわれとしてもできるだけ御趣旨に沿うように指導して参りたい、こう思うわけであります。
○太田委員 あと門司さんがちょっと関連質問があるそうですからお許しいただきたいと思うのですが、今の問題を鉄監局長にお尋ねするのですけれども、そういう休廃止の、工場の方で全然作業しておらないので実際使わないという引込線を、そのまま免許しておくところに問題があると思う。どうしても鉄道の方はこだわるんですね。道路交通取り締まりの上からいうと、取ってしまうということにしておいた方が問題はないと思うのですが、一回か二回というようなところは、今のように注意するということは、柏村長官のお話のようによくわかるんだが、全然通らないというようなところさえも、今の話ですと、運用上適宜な方法を考えるとおっしゃるが、どうもできそうもないような気がしてわれわれは心配するのです。そのまま取ってしまうということをお考えになる必要があると思いますが、それはできますか。
○山内(公)政府委員 全然使っていない線であれば、もちろん取らなければならないものでございます。ただ引込線というものはなかなかつかみにくくて、本省では措置しにくいので、御指摘の点は各陸運局に十分監督させまして、もしそういう事実があれば、業者に取るように勧奨なり命令なりさせるようにいたしたいと思います。
○門司委員 関連してこの際私聞いておきますが、踏み切りの問題で、この法律には大して関係ないようなことを私は聞きたいと思う。踏み切りの事故では、今のようなとまるかとまらぬかということも事故の原因であるが、非常に厄介な事故を起こすのは、往々にして踏み切りの上で故障する。手前でとまって、そのままスタートして故障が起こる。たとえば今太田さんがお尋ねのようなこともそうですね。停車が間に合わなかったそうですね。車が踏み切りの上でまごまごして停車が間に合わなかった。そういうものについて何か考えておられますか。これはあるいは道路運送車両法に関係するのかもしれませんが、事故が起こることは同じなんです。しかもこういう事故はひどいのです。必ず大きな事故になるのです。これを何か考えていますか。
○山内(公)政府委員 線路上で故障して事故を起こすという問題でございますが、その場合には踏切番がついておりますときには、上下の鉄道に対しまして発煙信号をするということに規定上はきまっております。無人のところにおきましては、運転手がその危険を知らせるということになるわけであります。しかし根本的にいいますと、その問題は整備の問題になろうかと思いますので、自動車関係におきましても車検の監督を厳重にやるということが、対策の大きな問題ではないかと思っております。
○門司委員 今せっかく運輸省から見えているようですが、そういう場合の事故防止は、現行法では運転手が知らせることになっている。だがその知らせ方が、夜中だの日暮れどきなどは、たとえばハンカチを振ったくらいの程度では事実上わからないのだ。踏切番に備えつけてある発煙筒をたくというようなことなら、かなり遠いところからでもわかる。一方運転手の方はただ合図しろということで、踏切番のいるところには必ずそれを防止するための処置がとられておるのだが、踏切番のいないところでは運転手がその責任を持っておるが、その運転手が事故を知らせる手段というものは現在はっきりしていない。そういうところに問題がありはしないかと思うのです。もし車にも発煙筒を積んでおいて、運転手がそれをたくというようなことになれば、踏み切りの上で車が故障して、それに衝突するという事故は案外防げるのではないかと思う。いずれの場合でも、認めて急ブレーキをかけたが間に合わなかったというのが大部分なんですね。全然知らずに突っかけたというのは少ないのですよ。そうすればその事故は、おのずからやり方によっては、完全にとまではいかなくても、大部分は防止できるはずだと思うのです。だから運輸省の方の関係からはどうですか、運転手にやはり発煙筒なら発煙筒をたいて知らせるということを義務づけていったらどうなんでしょうか。そうしませんと、なかなかこの種の事故はなくならないのではないかと思う。
○國友政府委員 踏み切り事故等の場合に、運転手として非常信号をいたしますわけでありますが、現在自動車運送事業に携わっております事業用自動車の場合には、赤色旗や赤色合図灯等の非常信号用具を備えつけることにさせております。これは発煙筒を持っておりますものもございますけれども、大体赤色合図灯等で合図をしておるわけであります。一般の自家用自動車に関しましては、実は道路運送法の規定がそこまで及んでおりませんし、私の方もそういう規定をしておりませんが、事業用自動車に関しましては、今、非常用信号旗を備えつけなければならないという規定を置いて励行させております。
○門司委員 私の言っておりますことは運転手の責任になっておりますが、先ほど申しましたように、赤い旗だのハンカチくらい、あるいはシャツをぬいて振り回したくらいでは、これは日暮れなどでは見つからない、わからないのですよ。大きな発煙筒でもたかれれば、これはかなり遠くからでも見えると思います。道路運送法の関係で、全部の自動車に事故防止の観点からそういう装置をせよということができるかどうか。今やってないからあんな事故が起こるのです。生麦だって、踏み切りの上に何分かおって、まごまごしているうちに電車が飛んできて、ブレーキがきかなくてあんな大きな事故を起こしておるのです。だから、どうしてもそういうものを防止するのには、そういう信号が早くわかるような手段以外にないのじゃないですか。発煙筒を一本か二本持たせるといったって、大して大きな金もかかりませんし、運転手を訓練しておけばやれると私は思うのです。
○木村(行)政府委員 事業関係の方の運転ですと、道路運送法の関係でありますけれども、相当多数の自家用関係の運転の場合がありますので、道交法の問題でも、確かに今門司委員の御指摘の点については、道路交通の危険防止という観点で全然関係はないとは申せないと思うのであります。それぞれの運転者が、運転する場合に、踏み切りを通る場合が多いのですから、発煙筒を持っておれば一番万全だと思うのですけれども、まだ現在の私たちの研究ではそこまで踏み切っておりません。しかし、必要なことは考えられますので、できれば行政指導として自家用についてはいろいろ指導してやる場合も考えられると思います。
○門司委員 どうもおかしいですね。そういうことはいいことだというなら、法律に早く入れて万全を期したらどうですか。これは自家用車であろうとなかろうと、事故の起こるのは同じことですから、行政指導でも徹底すればそれでけっこうだと思います。何も必ずしも法律でなくてもよろしいと思う。法律をこしらえて罰則をくっつけるようなことをするよりも、むしろ行政指導で徹底する方がよろしいと思う。これは一つ真剣に考えておいてもらいたいのです。大して金のかかることでもありませんし、大した苦労でもありません。同時に、そういう場合の運転手の心境というのは、何かの方法で早く知らせたい、そうしてその事故を防止したいということなんです。その心境にこたえるだけのことが法律になかったということが法律の欠陥だと思う。これは大して金のかかる問題でもありませんし、むずかしい問題でもない。踏み切りの事故を考えてみると、大部分というものは、何らかの方法で電車あるいは汽車が早く知っておれば防止できたと思う。必ずといっていいほど、信号を見たのでブレーキをかけたけれども間に合わなかったというのが大部分なんです。そのことだけを防止するにはそう金もかかりませんし、ひまもかからないのです。運転手の方は、そういう規定でも、あるいは行政指導でも、いずれでもきちんとできれば、かなり自分から守ると思います。その点は、どの法律にどれを入れるかということは問題になろうかと思いますが、幸い運輸省から見えておりますから、どの法律でも、あるいは自動車運送事業の規則でもよろしいでしょうし、車両の整備に関する基準とかなんとかいうものもありますから、そういう法律のどこかにそういうものを入れて、踏み切りの痛ましい事故を防止すればできたと思われるものについては一つ防止のできるような積極的なそういう措置を講じてもらいたいと思います。
○太田委員 踏み切りにつきましては長い時間いろいろとお尋ねいたしましたので、一応これで終わりたいと思うのですが、今の件について柏村長官の改善策、それから鉄監局長のおっしゃる鉄道というもののあり方の再検討、十分実情に合い、これが魂を持って真実に守るべくして守らるべき道交法となるために十分御検討いただきたいと思います。新しい法律を作らないでもいいから考えてもらいたい。一応私の時間は終わりましたのでこれで終わります。
○纐纈委員長代理 三田村君。
○三田村委員 いずれこの法案審議の小委員会でも設けられて、法案の内容、運用の面について十分詳しい審議が行なわれることと思いますから、私はいわば総括的な意味で少しばかりお尋ねいたしたいと思います。委員長に申し上げておきますが、時間の関係もありますから、あと三、四十分の時間で私の質問を打ち切らないように、また後日の委員会で発言の機会を与えていただくようお願い申し上げておきます。
○纐纈委員長代理 よろしゅうございます。
○三田村委員 私は根本の問題をお尋ねしたいのですが、この道交法提案の御説明を伺いますと、現行の道路交通取締法は昭和二十二年に制定された。それから部分的な改正はしばしば行なわれたが、この間にわが国における交通事情が、自動車の急激な発達普及及び増加に伴い、まことに著しい変化を来たした。特に最近における大都市の道路交通は、同法制定当時と比較して異常なまでに発展変貌をした。従って、この際に根本的な手当をする必要があるのだということが前書きになっております。そして今回の道交法は、新しい時代に即応した道路交通の基本法にするのだという建前であります。これはまことにけっこうなことでありまして、ぜひともこうありたいと思います。この法の目的とするところは、単に道路における危険を防止し、その他交通の安全をはかるためばかりでなく、積極的に交通の円滑をはかることを目的とする、この二つになっておる。すなわち、取り締まりの面だけではなくて、事故防止という面だけではなくて、積極的に交通の円滑をはかるのだ、この二つの大きな目的が入っておる。法律は新時代に即応した道路交通の基本法であるが、内容は事故防止、危険防止と、一つは積極的に交通の円滑をはかるのだ、こういう大きな目的とねらいがあるようでございます。これはまことに時代の要請に応じた画期的な立法であると思いますが、それゆえに非常に重要でありまたその内容の検討も十分加えてみたいと思うのでございます。
 そこで最初に出てくる問題は、目的の問題についてでありますが、道路における危険の防止と交通の安全と円滑をはかる。この目的のためにどういうことをすべきか、もとよりいろいろ行政指導の面、危険防止のための行政的措置ないしは罰則の整備、こういうものも必要でありますが、結局は現在の交通量をどのように整理していくかという基本的な問題に入ってくると思うのであります。この法案の提案の理由にうたわれておりますように、最近の急激な自動車の増加はまさに驚異的なものでございまして、このことのゆえに非常に交通関係がめんどうになってきておることは言うまでもないことであります。従って、この自動車の急激な増加に伴う道路関係はどうなっておるかということも問題でありますし、いわゆる世間でささやかれておる言葉を聞きますと、近ごろの状況は交通地獄だと言われるのであります。なるほどそうかもしれません。毎日々々新聞の記事には交通事故で死亡者が出てくる。まさに交通地獄であるかもしれません。その交通地獄をどうして緩和し解消するかというところに、私はこの道路交通に関する基本法のねらいがなければいけないのだ、こう思うのであります。近ごろよく最も交通量の多い市街地に行きますと、お急ぎの方はどうぞ歩いて下さい、こういう言葉があります。車に乗っちゃ間に合わないのだ。それは自動車のはんらんに次ぐはんらん、見渡す限り車ばかりでありまして、どうにも処置がないのであります。急ぎの者が車に乗る建前でありましたが、近ごろは急ぎの者はどうぞ歩いて下さい。これは積極的に交通の円滑化をはかるという目的からいたしますと、まさに逆であります。いわゆる文化とか福祉社会とかいう大きな目標からいたしますと、全く時代の逆行でございまして、こういう問題をどう処理していくかということであります。私たちは車に乗ってよく町に出ます。たまにタクシーなんかに乗りますと、運転手の態度はこれではいけないのだという気がしみじみするのでありますが、路面を歩いておる歩行者が車の前に出ると、じゃま者だ、どけという気持がある。そこに私は問題があると思うのです。これはもちろん交通道徳の面もありますが、そういった問題も私は頭に描きがら法案の内容を検討してみたい。
 自動車の増加は、いただいた資料から私は拾ってみたのでありますが、昭和二十三年を一〇〇にして三十四年は一一三、十倍以上になっておる。二百六十七万三千五百六台という、実にべらぼうな増加であります。従ってこれに続いて激増して参りました交通事故、これも統計を拾ってみたんですが、三十三年死者が三千八百四十、三十四年は一万七十九、一年に一万人も交通出故によって死亡者がある。これは私は非常に重要な問題だと思う。交通事故による負傷者を加えたら大へんな数に上ります。先ほど私は警察庁に照会して普通の犯罪による死者を調べてみたのですが、昭和三十四年度、普通の犯罪による死者は二千百四十三人です。これに交通事故による死者一万七十九を加えて一万二千二百二十二、つまり普通の殺人とかそういった犯罪によって生命を失う者よりも、交通事故によって生命を失う者が五倍以上ある。大へんな問題であります。長官もここにおられますが、テレビでよくやる「事件記者」、殺人事件が一つありますと、必ず捜査本部を設けて厳重な捜査を行なわれます。これは人命を尊重する意味から当然でありますが、しかしながら、殺人事件によって、犯罪によって生命を失うことも、交通事故によって生命を失うことも、同じ生命を失うのです。どうして交通事故による人命の損傷を防ぐかというところに、私は道交法の基本的なねらいがなければいけないと思う。人間の生命は尊い、これを私はしみじみ思うのであります。私はずっと法務委員をいたして、現在もやっておるのですが、法務委員会においても、交通犯罪調査のための特別小委員会を作っていろいろ研究したことがあります。しかし、なかなか手がつかぬ。そこに道交法が出てきたのでありますから、私は一つ完璧なものにしてもらいたい、こう思うのであります。
 いろいろ意見めいたことを申し上げますが、いつでしたか、これは皆さんごらんになった方もあると思いますが、私がテレビを見ていると、題名は忘れましたが、ある自動車会社の顧問弁護士がどうも会社のいうことをきかない。会社のいうことをきかないで、専務だか社長だかの友人らしい弁護士ですが、最後にその友情を捨てて会社を去る場面があった。その最後の場面が今でも私頭に残っておりますが、彼は会社の二階か三階の窓から街頭にはんらんする自動車をながめて、人間の住む場所がなくなったと嘆いた。まさにその通りだと思うのです。これをどのように整理していくか問題だと思います。そこでこれだけ自動車がふえたが、この自動車の走る道路はどうなるか、道路局長がおりますから聞きますが、自動車は十倍以上にふえた。それに積載する物資もおそらく十倍以上にふえているでしょう。これだけ自動車が多くなったが、道路はそれに比較してはたして整備されているであろうか。今から十年前と十年後の現在と、全体の道路関係はどうなっているか。その点、道路局長の頭の中に持っておられる感じだけでもいいですからまず御説明願いたいと思うのです。幾ら取り締まり法規を厳重にしても、道路がそれに伴いませんと、どんどん自動車交通量がふえ、道路がいつまでも狭いのだということでは意味をなさないから、交通量と道路の関係がどうなっているか、建設省の立場から現在をどういうふうにお考えになっているか、十年間を顧みて御説明願いたいと思います。
○佐藤(寛)政府委員 御承知のように道路につきましては、ただいま道路整備五カ年計画、昭和三十三年から三十七年まで総投資一兆円という、計画としては非常に大きな計画を以って整備の実施を急いでいるわけでございます。まさに本年度は第三年度でございまして、事業総額にいたしまして約千七十億円ぐらいの道路事業を全国に実施いたす予定で準備をいたしている次第であります。そのようにいたしまして従来道路の整備に努めているわけでございます。また実際その実情もさだめしごらん下さっていることと存じますが、一級国道等につきましてはかなり整備の進んだ部分もごらんいただいていることかと存ずるわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘のように、最近の自動車の発達は私どもの予想外のものでございまして、相当な道路整備事業を実施いたしておりますが、この自動車交通の激増にはなかなか追っついて参らないということが、全国的に見た一言で申しました実情でございます。特に東京とか大阪とかいう大都市におきましてはその傾向が激しゅうございまして、自動車数の増加、交通量の増加はとてつもなく、道路の整備も相当やっておりますが、しかしながらそういうわけでなかなか追っつかない。大都市にはもう一つ非常に困難な問題がございます。道路をいじりますにあたりましても、人口も稠密でございますし、人家も従って密集している。のみならず、また堅牢建築物がそこにたくさん介在するというようなことで、非常に困難があるわけでございます。しかしながら、それらの困難もやはり努力を払って打開して参らなければなりません。御承知のように、大都市は大都市で相当の街路事業を実施いたしております。そこで東京などで申しますと、交通量の多い道路で、まだ道路として整備できておらないところがたくさんございますので、そういうような街路をできるだけ早く整備するようにいたしたい。しかしながら、相当整備できておるところでも、その道路が自動柱のために一ぱいになっておるというような実情を、東京なら東京の各地に見るわけでございます。従いまして、一方においては街路の整備をはかると同時に、たとえば特に混雑いたします交差点等につきましては、また特別な整備を考える。たとえば街角を剪除するとか、将来必要であったら交差点を立体交差にするとかいうこともいろいろ考えて参らなければならないかと存じます。ただそれらの整備にもなかなか困難が伴いますし、またそれだけで交通が解決するというものでもないようであります、最近の東京あたりを見ますと。そこで御存じのように、東京におきましては自動車の幹線通路といたしまして、高速自動車道路を考えておるわけでございます。これによりまして近郊から入って参ります自動車を円滑に必要な都内の各所に導くように、ただいまそういう計画をもって事業の実施をいたしておるわけでございます。これらいろいろ道路側といたしましては、多面的な事業の実施をもって改善をはかりたいと考えているわけでございますが、こうした建設事業と申しますか、土木事業だけでも必ずしも解決はむずかしいのじゃないか。一方におきましては、せっかく作った道路をいろろろなものが占用しておるというようなこともございます。それからまた、自動車の駐車というようなこともございます。道路を自動車が通る通り方そのものの問題もございます。そういういろいろ複雑な問題もございますので、関係方面とよく御相談いたしまして、私どもといたしましてはできるだけ道路整備を進める。そうして作った道路を有効適切に使用していただくように警察方面にもお願いして、なるべく作ったものをうまく使用していく。いろいろな考え方を合わせまして今後の道路交通の激増に対処して参りたい、こう考えておる次第でございます。
○三田村委員 今の道路局長の御説明はわかるのでありますが、端的に申しますと、画期的な、抜本的な対策を立てませんと、ただ従来の行政的なお考えの中でものを判断されると、私は解決しないと思うのです。なるほど、全国を歩いてみて、地方へ行きますとなかなか道路はよくなっています。しかし東京都内をごらんなさい。十年前と今とどれだけ変わっているか、一つも変わっていやしませんよ。なるほど人口は密集しておりまして、そこに人家が多いのですから、なかなか道路の問題は困難を来たします。この間も私は品川からこっちへ来ると、道路の拡張絶対反対期成同盟会というビラがたくさん張ってある。ふざけた話だと思います。しかしこれは現実なんです。現実だからそのままで仕方がないということでは意味をなしません。東京都が路面電車を廃止してしまうとか、あるいは今おっしゃるように全部高速道路、高架道路にするとか、あるいは何とかしませんと、そうでなければ自動車の制限をするとか、どっちかしないと意味をなしませんよ。私は、運転手だけ金縛りしてもどうにもしようがなくなってしまうと思うのです。こういう点は根本的に考えていただきませんと、どうにもならぬと思う。それから今局長がおっしゃったように、せっかくある道路をめちゃくちゃにしているのはばらばらの役所です。東京都が何かの事業のために掘り返した、ようやく道のコンクリート舗装をやったと思うと、一月もたたないうちに今度は電電公社が電線を引くために掘る、ガス会社が掘る、ふざけた話ですよ。交通妨害をやっているのは役所のような気がする。交通妨害の責任者はどこにあるか、わけがわからぬような気がする。こういうことをでたらめにやっておって、法律だけ整備しても意味がない。こう申し上げたい。よほど勇気を持って根本的な対策をお立てになりませんと、交通地獄は片づきません。私はそう思う。このごろうっかり時間を制約されて車で飛ばしていくと、ひどい目にあう。きのうまで無事に通れた道が通行禁止をやっている。掘り返しをやっている。しかもできたばかりの道を掘り返している。何のことだと私は思う。これはガス会社もやりますし、電電公社もやりますし、東京都もやるし、方々の役所がやるのです。これは何とかならぬですか。これは交通全体の安全、この法案の目的にうたっているような大目的を完遂するためには、特別の機関でも作って何とかしませんと、これは恥をさらすだけだと思う。四年か五年先にオリンピックがありますが、こんな体たらくでオリンピックなんかやれやしませんよ。一つこの機会根本的に考え直していただきたいと思うのです。私は、いずれそのうちにこの委員会に建設大臣にも運輸大臣にもみんな来てもらって、政府の根本的な考えをただそうと思います。そしてしっかりした方針をきめてもらいませんと、これはどうにもならぬ。全く交通地獄ですよ。先ほどあげました統計でも、交通事故による死亡者の数でも、普通の殺人による被害者よりも四倍も五倍もある。一体どういうことだと言わざるを得ない。これはなれっこになってしまいまして、毎日毎日警視庁の前にきのうの交道事故による死亡者五名、負傷者三十何名と書いてあるのを見て通るだけでああまた交通事故かと思うだけだ。これではいけない。しかも、変な言い方をいたしますが、殺人罪による被害者は、被害を受けた者に何らかの理由か原因がある。全然ない者もあります。いきなりぽかんと殺される者もありますが、それがある。ところが交通事故による死傷者は、全く無過失で生命を失う場合もある。しかも非常に立場が弱い。死人に口なしで、死んでしまっている。だから原因がどこにあるか立証の道がないのです。結局はひかれ損、死に損ということになる。こういうことは、今の福祉社会とか文化国家という日本の立場からいくと、私は最大の恥だと思う。どうやってこの問題を解決していくかというところに私は大きなねらいがなければいけないと思うのであります。
 國友局長にちょっと伺いますが、これだけ自動車がふえてきましたね。どんどんふえてきた自動車の中で営業車との比率はどうなっておりますか、ふえ方。
○國友政府委員 お答え申し上げます。最近におきます自動車のふえ方は、お話にもございますように非常なもので、最近全車両を含めますと二百七十万両程をこえる数でありますが、そのうちで営業用の車につきましては免許制をとっておりますので、ふえ方は、ふえてはおりますが割合緩慢でございますが、自家用車のふえ方が圧倒的なわけであります。ことに最近は、そのうちのまた小型あるいは軽自動車のふえ方が非常に多いという状況を示しております。
○三田村委員 今お話しの通り、営業車については認可制でありますから、これはコントロールしていける。自家用車は野放しじゃないですか。このごろ歩いてみますと、白ナンバーがずらっと並んでいる。それもがたがたのあぶなくてしょうがないような白ナンバーがずらっと並んでいる。何か小さな商売をやっておっても、自家用車を持たないと店のこけんにかかわるような気持がだんだん出て参りまして、むちゃくちゃに自家用車がふえる。昔は自家用車を持つ場合にも許可が要ったのです。これはちゃんと車庫を作って一定の条件を整えないと認めなかった。今は自家用車は認可制じゃないんでしょう。自由なんでしょう。届けっぱなしじゃありませんか。
○國友政府委員 自家用車につきましては登録制を実施いたしておりまして、登録の要件がございますが、その要件を充足して参りました場合には、登録をするということにしております。
○三田村委員 登録の要件とおっしゃいますが、もちろん登録の要件はあると思いますが、それで登録を拒否されるような例はないのでしょう。つまり自由だということでしょう。
○國友政府委員 大体確定いたしました所有権を持っております場合には登録を許されております。
○三田村委員 私は、自家用車のふえることをここで制限しようと申し上げるのではないのですが、道交法を作って交通法を整備しろ、交通の安全をはかるといっても、今のようにむちゃくちゃに車かふえてくると、私は実際問題として処置がないと思うのですよ。それは人の自由は尊重しなくてはなりません。個人の自由ももちろん尊重しなくてはなりません。所有権も保護しなければなりませんが、憲法にある通り、やはり公共の福祉というものが頭になきゃいけないので、自分は車を買う、買ったんだから乗って走ることは自由だ、物を積んで走ることは自由だ、人が迷惑しようとだれが迷惑しようと、そんなことは勝手だということは私は許されぬと思う。そこに考慮がないと私は非常に問題だと思うのです。営業車は、もちろんその営業によって利益を得る業でありますから、これには許認可に対する条件も資格も要りましょう。しかしながら、営業車にしろ、自家用車にしろ、路面を走ることは同じことなんです。そして、それによって交通を複雑にし、事故を激増せしめ、人命を損傷することは同じことなんです。その人個人の自由は尊重しなければなりませんが、対社会的に与える影響というものもまた考慮に置かなければ私は意味をなさぬと思うこういう点についてはどうですか、何かお考えはございませんか。
○國友政府委員 自動車に関しましては、実際今ふえ方は非常に多いのでございますが、問題になっておりますところは、大都市の都心部におきまして非常に交通が輻輳しております。その他都心部とか何とかいうことではなくて、全国的な数字を申し上げますと、世界の水準からは日本が非常に劣っておるということがいえるのでございますが、それはたとえば自動車の保有密度というようなものを申し上げてみますと、一台当たりに人口何人かという数字が世界的にあるわけでございますが、それによりますと、アメリカは一台当たり二・六入であるが、イギリスあたりは八・〇人でございます。イタリアが三〇・〇人、日本は一台当たり一三一人、世界平均が二五・〇人になっております。このような状態で、全国的に見ますと、実はまだ日本の自動車の保有密度というものは世界各国に比べまして非常に薄いわけでございますが、都心部におきまして、日本の特殊事情と申しますか、非常に道路も狭いし、人口が密集しておるというような状況で、非常に今の錯綜した交通状況を呈しておるわけでありまして、こういう点から、先ほど三田村先生から御質問にありました道路の整備ということは一番必要であろうと思うのですが、この点私どもといたしましてはいろいろな点がございますが、先ほど先生も、たとえば自動車の制限というか、生産制限というか、そういう方面のことまでは考えておらぬとおっしゃいましたが、交通規制等にもよりまして、都心部における交通の流れを円滑にするということは、私どもとしてはまず最初にやるべき必要なことではないかと思っておりますので、私どもから申しますと、たとえば大量交通機関の輸送を優先にして、地下鉄の建設というようなものをわれわれが最近進めておりますのは、そういう観点からなるべく路面の交通需要を地下に移したいというようなことでそういう措置を講じておりますが、むしろ乗用車よりは路面で申しましてもバスの方を優先通行させる、そういう形の方向に持っていくべきだと考えておりますが、そういう面で交通の規制、交通の調整、通行の調整というようなものがなさるべきだと思っております。
○三田村委員 今自動車局長のおっしゃることはよくわかるのです。世界の水準から見れば、日本の自動車保有量ははるかに低い。これはもとより当然でありますが、しかしはるかに低いから平均二十五台程度に自動車を増すといっても、通り道がないのですよ。一方で自動車ばかり道に一ぱいになってしまって、どうぞお急ぎの方は歩いて下さいというのが日本の現状なんです。自動車ばかりふえて、自動車が道の上にぐじゃぐじゃつながってしまって動きがとれぬということは決して名誉になりません。文化国家として日本の名誉にならない。やはり道路を整備して、貨物自動車は道路の左側、右側ぴしゃっと並んで、乗用車は乗用車でしゃっと通るという形に道路が整備されてから車をふやしませんと、車ばかりふえてしまって道はこのままでは何ともしょうがない。車の数のふえることは決して日本の名誉にも何にもなりはしないと思う。もっと住みよい、歩きいい、通行しいい日本の現状にしませんと、交通を整備しませんと、私は意味がないと思う。自動車局長、自分の所管の自動車局ですから、その点はお考えになっておると思いますが、私は、自動車の生産制限をしようというのではない。自動車を持つことを制限しようというのではない。しかしながら、自動車の所有を認めるということは路面を走るということが前提なんでしょう。道路を走るということが前提なんです。人が乗って走るか、物を積んで走るか、いずれにしても道路を走るということが前提なんです。その道路というものが、交通関係が今日のような状態では困るから交通の基本法を作ろうという現在ですから、それに見合うように諸般の行政的措置がとられませんと意味がないということを私は申し上げる。私は、ここでこの法案に手を入れて、自家用車についてもその所有を制限しようというのではないのですが、これは政府全体としてお考え願いませんと、今のような状態で、運輸省の方では、自動車はなるべくふえた方がいい、それに見合うように道路を早く整備してもらいたいというお気持だけはわかるのです。けれども、それでは道路局長がここにおられますが、建設省の方でどんどん道路を作って、自動車が幾らふえても、世界の水準に至るまで自動車をふやしても支障のないようにしようとおっしゃっても、建設省は予算上制約があってなかなか困難だとおっしゃる。予算上の制約があるだけでなくて、道の分広め一つするのでも、自動車道路拡張絶対反対期成同盟を作ってがんばる日本です。三軒か五軒の連中が道路の上にあぐらをかいて寝ころんでしまうと、分広めもできないという日本の現状じゃありませんか。こういう問題をどう解決していくかということを考えませんと、私は問題は解決しないと思います。先ほど申しましたように、東京の路面電車というものは早くはいだ方がいいと思う。そうして高架路面を作って、自動車がどんどん走る。そういう形にして、子供でもおとなでも、もっと安心して、路面は自由な気持で歩ける道路政策をやらなければならぬと思いますが、今の現状ではできやしませんよ。東京都の責任者も私はここに一ぺん来てもらおうと思うのですが、こういうでたらめなふざけたやり方ではとてもできやせぬ。せっかくこの法律を作るなら、根本の問題を正していかなければ、私は意味ないと思う。この問題はもっと掘り下げていきたいと思いますが、時間がないから私はきょうはあとにいたしますが、どうぞ警察庁当局もあるいは建設省も、運輸省も、十分この点は御検討願いたいと思うのです。政府全体の責任ですよ。政治を実際に具体化していくのは行政官庁ですし、行政官庁は、運輸省は運輸省、あるいは建設省は建設省、警察庁は警察庁、別々じゃありません。これは国民のためにあるものですから、国民のためにあるあり方はどうあるべきかということを私は政府全体として考えてもらいたい。これは特に強く申し上げておきます。
 それから、交通事故による死亡者が年に一万人もあるということですが、これは私はあまり世界に誇り得る数字ではないと思うのです。殺人事件による被害者が二千何百人で、交通事故による死亡者が一万人というのは恥ずかしいことです。そこで、これは小委員会で掘り下げてみたいと思いますが、本来私の専門は法務でして、法務委員会でも一ぺん問題になったのです。行為能力と犯罪能力の問題です。運転免許の資格条件は、大体大型は十八才以上、普通自動車は十六才以上、それから普通の自転車に原動機をつけるのは十四才以上、そうしますと、自動車というものはわれわれの足であると同時に、道路上を走る場合にはときに凶器になる。人殺しも可能なんです。ところが、刑法上の立場から申しますと、二十才未満のものは未成年で、ほんとうは犯罪能力はないのです。普通自動車の運転免許は十六才か十八才以上なら与えられるのでしょう。いずれにしても刑法上の犯罪能力と行政上の行為能力とは性格が別になっている。故意か偶然か過失か知りませんが、人の生命を断つことは、拳銃で生命を断つことも、自動車で生命を断つことも、その度合いにおいては同じことなんです。その場合に、行政上の行為能力と刑法上の犯罪能力とはここではっきり区別がついてくる。私は、人の生命を損傷する交通事故がこのように多くなければ申し上げないのですが、これくらい事故が多い場合、つまり事故で生命を失うものが普通の殺人より四倍も五倍もあるという現状から言うならば、私も、この犯罪能力と行為能力の問題を一応検討しておく必要があると思う。これは専門の中川刑事局長にお伺いいたしますが、こういう点お考えになったことはありますか。
○中川政府委員 御承知のように、道路におきまして事故を起こすのは、子供の場合とおとなの場合によって、実害は全然一つですから、刑事責任の問題は、御案内のように、二十才未満は少年法、十四才になればまた別の問題、こういうように年令ごとに犯罪責任論で――先生御専門ですが、刑罰の体系としては責任ということを考えざるを得ない。ただし、結果において、実害が起こるのがあり、いろいろなことを考えなければなりませんので、たとえば道路交通法案におきましても、刑事責任として問う面と、運転者の適格性として行政処分で問う面と、こういうように区分けして、両者を考えながら調和を考えたつもりでございますけれども、お説の点は刑法上の責任の関係となろうと思います。結局、完全な責任を負います二十才以上でなければ全部運転免許証を与えないということも、理論としては成り立つと思いますけれども、現状で、十八才になった者が事業をやる場合において、こういう文明の利器を全然使わせないのは一考を要する点もあるので、あれやこれやを考えてこういう法案にならざるを得ないではないかと思うのです。先生の御見解はよく理解できるのですけれども、あれやこれやを考え、行政事務の問題も考え、刑事責任の問題も考え、利用者の便益も考えて、こういう調和を持たせざるを得ない、こう思っているのですが。
○三田村委員 今の刑事局長のお話ですが、これは立案当時問題にならなかったのですか。法務省なんかに打ち合わせ研究をされたことがありますか。私はなかなか問題だと思うのです。もちろん行為の当事者、十八才になったから自動車運転をやりたい、商売をしたい、これによって自己の生計を立てていきたいということはわかりますよ。だけれども、そうでもない者もあります。今のカミナリ族かなんか知らぬけれども、運転免許をとって遊びのためにやるやつだってあります。そのことによって人の生命を断つこともあるのです。しかも、従来の裁判例というか、刑事裁判の傾向から見ても、警察の扱いを見ても、おれはお前を殺すと拳銃で殺した場合の刑量と、交通事故によって人の生命を断った場合の刑量と、何か知らぬが非常に違う。軽い。警察自身も、先ほども僕は申し上げたのですが、殺人事件があると特別捜査本部を作ります。ひき逃げがあった、人が死んだというので、特別捜査本部を作った例を僕は聞かない。そこにものの考え方のどこかにちぐはぐがあるような気がするのです。だけれども、被害者の立場になれば同じです。自分の大事なだんなさんを殺されてしまって、細君は子供を抱えて路頭に迷う。あしたから食う道に困る。これは拳銃で殺された場合も同じなんです。憲法で保障する基本人権、生命を尊重しろという立場からすれば同じことです。どこかにちぐはぐがあるような気がするのです。刑事責任の面でもそうです。十八才になればそういう行為能力があるのだから、免許を与えることもよいでしょう。けれども、それによって交通事故も多くなり、人を殺す場合もあり得る。しかも、刑事責任の場合になると、未成年で取扱いが違う。こういうことでは何かおかしいような気がするのです。これはもういいですが、それならそれのように何か行政上、刑事上の経過規定とかそういったものがなければならぬような気がするのですが、どうですか。
○中川政府委員 先生おっしゃることはまことにもっともでして、その点も考えまして法務省とも打ち合わせたのですが、結局は少年法の問題になるのです。少年法では、御案内のように、二十才未満の者が犯した行為については例外なく少年法の適用がある。これが現行法なんです。その少年法の考え方は、先生御専門ですからここでお話しする必要はないのですけれども、その中で、道路交通取締法だけは別にするという考え方がまず頭に浮かびまして、研究の問題の一つだと思うのです。今後も研究いたしますが、ただいままでの研究の結果といたしましては、少年があった、その少年が刑法の過失傷害をやっている。これは刑法犯ですね。それから道路交通のスピード違反をやっておる。これは交通法違反ですね。その後者の部分だけを別の裁判所でやって前者は少年法でいくということは、事実的に困難であるという問題に逢着するわけです。それで道交法だけを少年法からはずすということは、そういう面からいうと、犯罪は一体ですから、ことにスピード違反をやって人を殺してしまう。人を殺した面については過失傷害事件、スピード違反は道交法違反、こうなってしまうと、別の裁判機関、審判機関でやるということが不可能に近くなってしまうということが一つ。それからもう一つは、ことに三田村先生御心配の青少年犯罪対策、いろいろあるのですが、青少年犯罪の中にわいせつ行為をやる青少年がおります。これは刑法犯、青少年犯罪でカミナリ族、これは道交法違反、青少年犯罪を刑事裁判所と少年審判機関とに分けちゃうというのもどうか。こういうことになりますので、どういたしましても、犯罪の種別によって審判機関を分けちゃうということが困難な面と不適当な面が出てくる。そこで考えましたのは、現在の審判機関を少年法の通りとし、また刑事裁判所の通りとし、その運用の面で考えるということしかないんじゃないか。同時にまた、この問題は少年法全体の問題として、刑法犯であろうと、道交法違反であろうと、年令問題を考るとか、また年令の問題だけでなしに、少年法の審判方式をさらに研究する。こういう問題が確かにありますので、少年犯罪対策として、少年法の問題は、今後の研究問題であろう。こういうふうに、現在私どもいろいろ先生の御疑念について勉強いたしまして、法務省とも相談している。今日の結論はそうですけれども、これは大きな問題でございますので、諸先生の御指導を得ながらさらに研究して参りたい、こう思っております。
○三田村委員 私は、今刑事局長がおっしやることはわかります。しかし、私の言うのはそうじゃないんですよ。裁判所の手続の問題じゃないのです。つまり犯罪能力のない者に行政上の資格を与えて、犯罪を可能ならしめる条件を付与する。言葉は非常にややこしい言い方ですけれども、つまり二十才未満の者――少年法の年令規制の問題はありますけれども、なかなか困難です。十八才に引き下げるということはなかなか困難です。困難ですが、現在は二十才未満は少年法の適用を受けるのです。これはいわゆる完全な犯罪能力を持たないという肉体的条件、精神的条件をここで法は認めておる。言葉は非常に悪い言葉ですが、その者に自動車の運転免許を与えるということは、ときにこれは殺人の凶器になる。営業用にしろ、自家用にしろ、行政上法的資格を与えるんでしょう。それが免許証さえなければ、これは資格はないですよ。免許証を与えることによって、法的に行政上殺人の凶器を街頭に持ち出して、これを公衆の中に突っ込んでいく資格条件が与えられるんでしょう。それがいいか悪いかという問題を私はここでやっているのです。十八才以上の者で、自動車運転をやりたい、それを業としたいという人の立場はわかります。わかりますけれども、その人を保護するために、二人でも三人でも別な人、善良な第三者の生命が危険にさらされる、ないしは生命を失うということがあれば、私の理論は、その者の立場も考えなければならぬじゃないかというのです。そういうことを考えられたことがあるかということなんです。
○中川政府委員 そういうことを非常によく考えておりますが、結局お説のように、刑罰体系は年令ごとに段階がございます。十五才であるかないか、十八才であるかないか、二十才であるかないか、これによってだんだん違ってくる。二十才にならぬと完全にならぬ、これは仰せの通りであります。ところが、別の角度等もありますので、そこは適当な調和点を出さざるを得ないのではないか、こういうふうに考えるのです。それで、お説のような少年対策というものは、別問題として大いに今後の問題として考えたい、こういうふうに思っております。
○三田村委員 ちょっと警察庁長官に伺いますが、これは私の昔からの持論ですが、近ごろの警察のあり方なんです。これは道交法にも関係した問題ですが、私は、何かすっきりしないような気がするのです。ということは、敗戦以来、占領政策の惰性といいますか、警察の本来の仕事は刑事行政、こういう方向にだんだんしぼられてきた。しかし警察本来の任務は行政なんです。つまり犯罪なき社会、事故なき社会ということが警察の責任でなければいけないのだ。端的な言い方をしますと、悪いことをした者があった場合に、つかまえてこれを裁判に付するというなら、検察と裁判があればいいのです。警察は、その補助機関であっていいのです。警察本来の仕事は、この道交法に今度新しく書かれたように、危険をなくすることでしょう。従って、つまり罰則に書かれるその行為以前の警察の行政措置というものが、最も重要でなければいけないと思うのです。もちろん満州事変、シナ事変以来権力というものが政治を支配して、そうして警察があたかもその前衛機関であったような時代もありました。いわゆる警察国家時代もあったのですが、これは警察本来の姿ではなかったのです。警察本来の姿というものは、そもそも日本で最初に、明治五年ですか、警察ができたときに、警察の本来の使命、主たる任務は行政警察だ、こういうふうにうたわれておるのです。われわれも多少警察のことは勉強もし、研究もしたことがあるのですが、中川さんあたりは御存じないかもわからぬが、警察の歌というのを歌ったことがありましょう。「わが帽章の旭かげ仰げば愛の光あり が帽章の旭かげ
 仰げば正義の光あり」そこに警察本来の使命がなければいけない。道交法でも、運転手が違反を犯さないか、違反をやらないか、違反を起こすことばかりねらっておってつかまえさせたって、これは意味がないのですよ。事故を起こして人の生命を断ってから警察が出ていったって、意味がないのです。そうでなくて、交通事故をなくするための警察、人殺しをしない前の警察、威力、権力たけだけしい警察でなくて、ほんとうに民衆の中に溶け込んだ、非常にすなおな形でこの交通を流していくという警察、そういう形にいかなければ、私は警察は間違いだと思うのです。点数かせぎになってしまって、あそこの交番は道交法違反何点、この警察は道交法違反今月何点という、そういう点数かせぎになれば、ますます交通事故による違反件数だけがふえてきて、私は正常な交通行政にはならないと思う。そういう点を私はもっと、先般の委員会でだれか言っておられましたが、掘り下げて考えていただきたい。つまり、同じ指導するのでも、私はよくぶつかるのですが、運転手は、つかまったら最後だ、罰金を取られる、免許証を取り上げられる、さあ逃げろといって逃げてしまう。逃げたとたんに人をひく。こういうこともあり得るのですから、駐車していけないところに車がおったら、ここは駐車場じゃありませんよ、とめてはいけませんよ、こういって、おまわりさんが駐車禁止の区域には駐車しないように常に行政指導をする。あのおまわりさんは親切だ、あそこに車をとめちゃいけないという気持をみずから持てば事故がなくなる。やっ、おまわりが来た、大変だ、さあ逃げろ、ブーがちゃんといっちゃう。そういうこともあり得ないとは言えませんよ。これが行政警察から、司法警察、刑事警察に警察がいつの間にか移ってきた。私は、警察本来の任務というものは事故なき警察、犯罪なき警察、ここまでこなければ警察に対する信頼は高まりませんよ。仰げば愛の光あり、仰げば正義の光あり、ここに警察の信頼が深まっていくので、そういうことで今の警察の一番大きな仕事は交通警察です。この面の技術的な指導も要りましょう。しかし精神的な指導をなお深くやってもらいたいということをしみじみ感ずる。われわれが車に乗っていても、あるいは歩道を歩いていても、それは常々に目に映る。考えさせられるのはそういう問題です。一つ警察庁長官、もちろんベテランの長官ですから、私の申し上げるようなことは十分お考えになっておると思いますが、そういった問題についての、今度新しい道路交通の基本法をお作りになるこの立場から、ただ法を整備して、罰則を整備して行政指導を便宜にするということだけでなくして、一体どうしたら交通事故はなくなるのだ、一体どうしたら交通事故によるけが人はなくなるのだという、人命を守っていくのだということについても、この法案を新しく出される立場に立っての御所信をこの際伺っておきたい。
○柏村政府委員 ただいま非常に大事な基本的な問題について三田村委員からお話がございました。私も全く同様に考えるわけでございます。警察はもちろん犯罪が起こりましたときこれを鎮圧し、検挙するという司法的な立場もとるわけでございますが、それよりも、そうしたことがないように犯罪の予防、また公共の安全と秩序を保つ、人の生命身体を守るということが基本になければならないということは、常常全警察についても特に注意を喚起しつつある問題でございます。ただいまお話の、愛と正義に立脚して警察というものが民衆の中に溶け込んで、そうしてできるだけ犯罪のない社会、生命、身体が守れる、生活権が確保される社会というものを築き上げるように警察は努めて参らなければならないと思います。今回の法の整備につきましても、この法の整備自体も私どもいろいろ長きにわたって研究いたしまして、警察の立場としてあらゆる角度から改正すべき点を盛り込んだつもりでございますけれども、先ほど来お話しのように、単に一片の法律によって日本における交通の安全と円滑ということが期し得られるわけのものではないと思います。道路の整備はもちろんのこと、その他交通道徳の高揚というような点について、ほんとうに国民的な高まりが出てこなければ、とうていその法の目的は達し得ないと思います。われわれとしましても、この法の改正自体に非常な意義を認めておりますものの、これを参議院におきましても非常に御審議いただき、また貴重な修正をしていただき、さらに附帯決議もしていただいたわけでございますが、満場一致でこれを議決していただいた。結局国民の法律であり、国民が守るべき場ものであるということを徹底いたしまして、国民の協力のもとに、理解のもとに、この法の施行を円滑に行ないたいという気持でおりまするし、またこの法の施行にあたって警察官としてとるべき方向としては、ただいまお話しのように、できるだけ予防的な立場、指導的な立場、しかもその根底に愛と正義の精神を持って貫いていくということについて、さらに一そう私ども全警察を督励し、指導して参りたい、こう考えておる次第であります。
○纐纈委員長代理 では、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時五十六分散会