第034回国会 逓信委員会 第10号
昭和三十五年三月八日(火曜日)
    午前十時四十三分開議
 出席委員
   委員長 佐藤洋之助君
   理事 秋田 大助君 理事 淺香 忠雄君
  理事 進藤 一馬君 理事 橋本登美三郎君
 理事 早稻田柳右エ門君 理事 片島  港君
   理事 森本  靖君 理事 大野 幸一君
      井手 以誠君    金丸 徳重君
      松前 重義君    八百板 正君
      池田 禎治君    堤 ツルヨ君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 植竹 春彦君
 出席政府委員
        郵政事務官
        (大臣官房電気
        通信監理官)  松田 英一君
 委員外の出席者
        議     員 森本  靖君
        日本電信電話公
        社総裁     大橋 八郎君
        日本電信電話公
        社副総裁    横田 信夫君
        日本電信電話公
        社職員局長   行広 清美君
        日本電信電話公
        社営業局長   大泉 周蔵君
        日本電信電話公
        社理事
        (経理局長)  山本 英也君
        専  門  員 吉田 弘苗君
    ―――――――――――――
三月四日
 委員石橋湛山君及び金丸徳重君辞任につき、そ
 の補欠として田中角榮君及び成田知巳君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員佐々木更三君、成田知巳君及び堤ツルヨ君
 辞任につき、その補欠として金丸徳重君、井手
 以誠君及び池田禎治君が議長の指名で委員に選
 任された。
    ―――――――――――――
三月五日
 郵便局舎等整備促進法案(森本靖君外九名提出、
 衆法第五号)
同月四日
 大牟田郵便局庁舎改築に関する請願(田中稔男
 君外一名紹介)(第七一七号)
 簡易郵便局法の一部改正に関する請願外七件(
 中馬辰猪君紹介)(第七一八号)
 同(竹山祐太郎君紹介)(第七四三号)
 同外一件(濱田正信君紹介)(第七四四号)
 同(吉川久衛君紹介)(第七六六号)
 同(竹山祐太郎君紹介)(第七七二号)
 同(寺島隆太郎君紹介)(第八四七号)
 同(原茂君紹介)(第八四八号)
 東京都吉原地区に無集配特定郵便局設置の請願
 (田中榮一君紹介)(第七四二号)
 放送法の一部改正に関する請願(山本猛夫君紹
 介)(第七四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月二日
 電話建設資金確保に関する陳情書(水戸市議会
議長田沢重男)(第二五一号)
 有線放送関係法令の一部改正に関する陳情書(
 茨城県町村議会議長会長金谷直次郎)(第三〇
 五号)
 簡易郵便局法の一部改正に関する陳情書(小林
 市長志戸本慶次郎外一名)(第三五七号)
 同(兵庫県養父郡関宮町葛畑葛畑簡易郵便局西
 村清子外一名)(第三七七号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵便局舎等整備促進法案(森本靖君外九名提出、
 衆法第五号)
 電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する
 法律案(内閣提出第一三号)
     ――――◇―――――
○秋田委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長所用のため、私が委員長の職務を行ないます。
 去る五日付託になりました郵便局舎等整備促進法案を議題とし、審査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
 それでは、郵便局舎等整備促進法案を議題とし、提出者より提案理由の説明を聴取することにいたします。森本靖君。
○森本議員 ただいま議題となりました郵便局舎等整備促進法案について、提案理由の御説明を申し上げます。
 郵政事業は、国民文化の向上と、経済の急速な伸張に伴いまして年とともに発展し、最近の五カ年間における取り扱い数の上昇率は一二八%を示し、今後さらに激増することが予想されるのであります。これに対し、国民の負託を受けて、事業を円滑に処理するためには、郵政省は適正な要員の配置と執務上の施設を完備することが必要でありますが、とりわけ郵便局舎の整備は緊急問題といわなければなりません。現在の郵便局舎の状況は、全国で一万四千五百五十二局設置されていますが、そのうち郵政省の所有するものはわずかに千三百五十一局で、他の一万三千二百一局は借り上げによる局舎であります。しかも、その借り上げ局舎の九九%までが個人所有のものであるために国有局舎に比較して、通風、採光等が非常に悪いというばかりでなく、老朽、かつ狭隘でありまして、公衆の利用上においても、職員の執務上からも早急に整備する必要があります。この法案はこの趣旨に基づいて制定しようとするものであります。
 次に、この法案のおもな内容について申し上げます。
 第一に、この法案は公衆の利便を増進し、事務能率の向上をはかるために、老朽、狭隘の郵便局舎を郵政省みずからの手によって建築、修繕、模様がえ等を行なうことを明らかにしています。
 第二に、郵政大臣は郵便局舎等整備審議会の議を経て、昭和三十六年度以降十カ年間における郵便局舎等整備計画を作成し、閣議の決定を求めるということであります。
 第三に、郵便局舎等整備十カ年計画の実施に要する経費の財源については、政府は各年度に新たに積み立てられる簡保積立金の二十分の一を下らない額を郵政事業特別会計に貸し付ける措置を行なうことをきめるとともに、その他においても財政の許す範囲内において必要な措置を講ずることといたしております。
 第四に、各省、庁の長及び大蔵大臣または関係市町村長は郵政大臣が申し出たときは、郵便局舎等整備計画の円滑な実施に協力をすることにしております。
 第五に、郵政省に委員十二名以内で組織する郵便局舎等整備審議会を設置して、郵便局舎等整備に関する重要事項について調査、審議し、また郵政大臣に意見を述べることといたしております。
 第六に、政府はこの郵便局舎等整備促進法の実施に要する経費の財源に充てるため、郵政事業特別会計法の一部を改正して一般会計からこの会計に繰り入れることができることとしました。
 なお、この法案実施にあたって昭和三十六年度以降十カ年間に必要とする経費は約五百六億円であります。
 以上の通りでございますので、何とぞ十分御審議下さいましてすみやかに可決下さいますようお願いをいたします。
     ――――◇―――――
○秋田委員長代理 次に、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 まずこの際、この前の委員会において答弁を留保された問題につきまして、電電公社当局より発言を求められておりますので、これを許します。大橋総裁。
○大橋説明員 先週のこの委員会におきまして、電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律案の二条に、単独電話の加入申し込みをなした者が引き受ける債券の額は、電話局の種類によりまして十五万円以内ないし二万円以内において政令の定める額と規定してありますその規定につきまして、森本先生から御質問がありました。さきにお配りいたしてありますこの政令の内容となるべき局別の債券引受額の腹案につきまして、その額を定めた理由を数字的根拠に基づいて説明をせよという御要求があったのであります。この際、その御説明を申し上げたいと思います。
 第二次五カ年計画の改訂に伴いまして巨額の建設資金の調達が必要となって参りました。その財源として、第一に自己資金を最大限度まで充当いたしますが、なお足らない部分は外部資金に求めなければなりません。外部資金は財政投融資及び公募債によって調達することが最も望ましいのでありますが、財政上また経済上の現状から見まして、遺憾ながら、これによって不足額の全部を満たすということはとうてい困難な状況にあると考えられますので、改訂計画遂行のために、好ましいこととは思いませんが、財政投融資及び公募債でまかない切れない不足額の残りの部分は、やむを得ず加入申込者に御協力を願って電電債のお引き受けをいただくということによって調達するほかはないと考えまして、今回の暫定法案をお願いいたした次第であります。
 そこで、加入者にお引き受けいただく債券の額でありますが、これは資金計画上、電話加入申込者一人平均十万円程度の債券のお引き受けを願うことが必要であります。一加入電話当たりの平均建設費は約二十一万円でありますので、この額は平均建設費の約半額弱に当たる計算になりましょう。この平均十万円程度の債券を現実にお引き受けいただく場合に、東京でも、また農山漁村でも、いやしくも電話申込者であれば、すべて一律に十万円お引き受けを願う方式も考えられるのであります。しかし、電話の利用価値というものは土地によって違いますし、また電話の建設費も都会と農山漁村では違いがあります。また、大体において都会と農山漁村では、資力の点でも相違があると思います。これらの点を総合勘案いたしますと、全国の申込者一律に十万円のお引き受けを願うということよりも、局級別に差をつけてお引き受けを願うことが妥当であろうと考えまして、現行の設備費負担臨時措置法及びその施行令におきましても、おおむね同様の方式をとっておることは御承知の通りであります。その級局別に差をつける方式をとるといたしまして、級局のグループの分け方といたしましては、全国の局を六つのグループに分けることを適当と考えます。
 まず第一に一級局及び二級局を第一のグループといたします。これは東京と大阪の二大都市だけであります。次に、三級局と四級局を第二のグループといたします。これはいわゆる複局地のグループであります。次に五級局を第三のグループといたします。これは県庁所在地等の主要都市のグループであります。次に六級局と七級局とを第四のグループといたします。これらの局は、自動局、共電局であり、または自動化の対象となっておる局でありまして、地方の中都市のグループであります。次に八級局及び九級局を第五のグループといたします。これは加入者百名以上四百名未満の局でありまして、交換台二台以上の局のグループであります。残りの十数局以下を第六のグループといたします。これは加入者百名未満の局で、交換台も一台程度の局のグループであります。
 以上申し上げましたように、級局のグループを六つに分けるといたしまして、さてそのグループ別に従って債券引き受けの額をきめるにつきまして、どういうものさしによってこれをきめるかということが問題となるわけであります。加入電話は御承知の通り、級局によって利用価値が違うものでありますから、拡充資金の調達につきまして、加入者に協力を求めまするにあたりましても、まずこの点をしんしゃくすることが適当であろうと認めます。よって、これを最も端的に現わしております加入電話の使用料の中で度数料を除きました基本料をまず一つのものさしとして考えてみることにいたしたのであります。もっとも、七級局以下につきましては、定額制でありまして、基本料という名のものはありませんが、これらにつきましては、一時撤去の場合に適用されます使用料、すなわち定額料の十分の四をもって基本料とみなしまして、これを使うことにいたしました。この方法によりますと、基本料は一級局が一千円、二級局が九百円でありますので、これを平均いたしますと、第一グループは平均九百五十円となるわけであります。次に三級局は八百円、四級局は七百円でありますから、これを平均いたしますと、第二グループは平均七百五十円となります。次に五級局は六百円であります。従って第三グループではそのまま六百円ということになります。次に六級局は五百円、七級局は四百六十円でありまして、これを平均いたしますと、第四グループでは平均四百八十円ということになります。次に八級局は三百八十円、九級局は三百四十円で、これを平均いたしますと、第五グループでは平均三百六十円ということになります。次に十級局は三百円、十一級局は二百六十円、十二級局は百四十円でありまして、これを平均いたしますと、第六グループでは平均二百三十円となるわけであります。これらの級局の中で、第三グループすなわち五級局がいろいろの角度から検討いたしまして一番標準的な局でありますので、この五級局の加入申込者に平均額である十万円の債券額を引き受けていただくことにすることが適当であると考えます。よって、この第三グループすなわち五級局の使用料をもとといたしまして、今申し上げました級局グループ別の電話使用料の比率によって計算いたしますと、これによって各グループの引受額を算出することにいたしたのであります。
 このやり方によりますと、第一グループでは十五万八千円ということになりますので、この端数を切り捨てて十五万円といたしたのであります。第二のグループでは十二万五千円となりますが、これもこの端数を切り捨てまして十二万円といたします。第四のグループは八万円ちょうどであります。なお第五グループは六万円、第六のグループは三万九千円という計算になるのでありますが、これら八級局以下の地域はおおむね農山漁村で、農山漁村の電話につきましては、御承知の通り特別対策を実施いたしておるような地域である点などを参酌いたしまして、特に政策的考慮を加えて、第五グループは五万円、第六グループは二万円に減査定をいたした次第であります。こういうやり方で級別の債券引受額を定めたい、かように考えておるわけであります。もっとも、これは御承知の通り、最後は郵政大臣において政令で定められることになりますから、これは私ども公社当局として現在考えております腹案にすぎない、かように御承知を願います。
○森本委員 なかなか詳しく御説明を承ったわけでありますが、あとからそういうふうに理屈をつけてこれをこしらえたということはわかりますが、いずれ今の総裁の説明について、私もう一ぺん速記録を読み直してみてこの問題については聞いてみたいと思うわけであります。
 この問題についての質問はちょっとおきまして、次にこの間私が質問をしかけてやまっております例の加入電信の六十万円の根拠でありますが、これについて特に聞いておきたいことは、国際電電の加入電信については現在幾らになっておりますか。
○松田政府委員 国際電電のやり方につきましては、現在は大体国際電電の方で機械等を全部提供いたしまして設置することになってやっております。料金関係等につきましては電電公社とある程度様子を合わせまして、たとえば加入料とかあるいは使用料とかいうものを同額にしておる次第でございます。もちろん通信料は、これは国際通信と国内通信ですから全然違っておるわけでございますけれども、特別に債券というふうなものを持ってもらうということは現在の国際電電といたしましては考えていないわけであります。
    〔秋田委員長代理退席、進藤委員長代理着席〕
○森本委員 この法律においては、加入電信の場合については六十万円を限度として郵政大臣が認可をする、こういうことになっておるわけでありますが、国際電電の方のこの加入電信の加入料、あるいはまた装置料というものについても同じように郵政大臣の認可、こうなっておるわけでしょう。
○松田政府委員 加入料とか装置料とかについてはそうでございます。
○森本委員 国際電電の現在の加入電信に加入するについての料金は幾らですか。
○松田政府委員 加入料は三百円でございます。それから、装置料は実費ということになっております。
○森本委員 装置料は実費で、大体四千円程度じゃないですか。
○松田政府委員 実費ということでございますので、私ども、はっきりどれくらいということはわかっていないわけでございますが、大体二千円程度だというふうに聞いております。
○森本委員 私が聞いたところによると、四千円程度だということでありますが、四千円と二千円で、二千円くらいしか違いませんが……。そこで、この法律案件を見た場合、電電公社に国内の加入電信で加入する場合は、六十万円の債券を買って、一万二千円の設備料を取られる。国際電電の場合は、同じ加入電信に加入をしても、加入料が三百円で、実際の設備料が二千円から三千円、こういうことになってきたというこの違う根拠。加入電信というものは、おそらく国内の加入電信は和文タイプ、あるいは国際電電の加入電信は欧文タイプの式のものであるというだけの違いであって、実際の機械の内容、それからまた運用、運営というものは、ほとんど同一であると思いますが、これについては、どういうわけでこれだけ違うわけでありますか。
○松田政府委員 先ほどの装置料の問題でございますが、これにつきましては、実は電電公社でその機械を据えます場合と、それから国際電電がそのサービスをいたします場合と、若干やり方が違っております。と申しますのは、国際電電は現場の実施部隊を持たないものでございますから、その場合に提供しますサービスは、大体端末機器を持っていって据え付けて調整をしてやるということだけを普通しておるわけでございます。電電公社の場合には、実際に現場機関がございますものですから、そのほかにいわゆる内線アース関係、その他の工事一切をやることになっておりますが、そういう点で、片一方は実費ということで、従って、実費として取る額も少ない。電電公社の場合には、大体それらのものを全部算定いたしまして、今のところは六千円という認可になっておるわけでございますが、これはもちろん、外線のところもその加入者に対するものを考慮いたしまして、今度は上げるようにしたいということで、先般来一万二千円の問題が起こっておるわけでありますが、国際電電につきましては、そういうことはすべて加入者側の方でやってもらう、機械そのものを持っていって据え付けて調整をするというサービスだけを提供して、あとは加入者側で実際やってもらうということでやっておりますので、そこに若干の相違が出ているわけでございます。それから、今度の債券を持っていただく問題につきましては、これは実は国際電電はああいった会社形態でございますし、しかもその数も電電公社の場合と比べまして、ある程度利用者というものは国際通信の利用者で限られておりますし、現在の国際電電の経営状況から見まして、債券を特に持ってもらわなければならないという状況であるとは思いません。電電公社の方だけ、これからどんどんと非常に大きく国内的には拡充されるわけでございますので、その資金の協力をしていただく、こういうことで両方のやり方が違ってきておるわけです。
○森本委員 監理官の答弁はさっぱり答弁にならぬわけです。私は国民の側から聞いておるのです。国民という立場で加入電信に入る場合、電電公社の国内の加入電信に入ると六十一万二千円、ニューヨーク、ロンドン、パリにいく電信に入る場合はそれがわずかに四千三百円ないし二千三百円で済む。一体どういうわけで同じように郵政大臣の監督するものが違うか。くどくどと説明を聞いておるわけではない。国民としての立場から見て非常におかしいのです。片方は六十一万二千円で、四千三百円ないし二千三百円とあまりに違い過ぎる。利用度は国際電電の加入電信の方がもっと高いと思う。しかも、加入電信としての一番大きな効果は国際電電の方が持っている。これは理屈よりも政治問題であろうと思いますが、大臣はこれを一体どう考えるか。国際電電がやったら四千三百円で済み、電電公社がやった場合は六十一万二千円かかる。同じように国民が加入電信を申し込んで、外国の加入電信の方がずっと安く、国内の加入電信の方は何十倍もする。これに対する疑問は当然起きるわけです。大臣、これは理屈でなしに、政治論議としてどう思うですか、こういう料金の違いを。
○植竹国務大臣 それだけ負担をかけっぱなしということになりますと確かにそうでありますが、公社の方はお金を借りるという立場でさような差異もついているかと思います。それでは債券という考え方をこの際改めるかということにつきましてはまた別な問題と考えますが、現状においてはさように考えておる次第でございます。
○森本委員 答弁にならぬのです。私の聞いているのは、同じような加入電信に加入をして、一番利用度の高い国際に入った場合わずか四千三百円で済んで、国内の加入電信の場合は六十一万二千円も金がかかる、こういう不合理を大臣は政治家として一体どう考えるかというのです。私の聞いているのはそれなんです。そんなばかな法律というものはないのです。
○横田説明員 国際電信電話会社に対して私の方がサービスが悪いということを御指摘になりましたので、ちょっとそのことだけを述べさしていただきます。
 先生もおっしゃるように、電電公社もお客さんの債券あたりの協力を得ずにこういうものをどんどんやれるように早くなりたいような気もいたすわけでありますが、御承知のように、加入電話についてはもちろんのこと、加入電信の方もお客さんの御要望になお応じ切れないような状況であります。しかし、そういう場合にできるだけお客さんの御協力を得て需要に応じていくようにしたいと思いますが、国際電電の実情は、こういうお客さんを国際電信電話会社が追っかけ回して探しているようなわけでありまして、これがついた後の実情は、今先生のおっしゃるようにそのかわり料金は非常に国際的な料金ですから、これだけの今の最初の設備について取り戻すのも早いわけで、そういうわけで国際と国内と幾分事情が違うという点は一つ御了承をお願いしたいと思うわけであります。
○森本委員 それはあなたに言われるまでもなく、回収率が国内の加入電信と比べて早いということは、私も一応了承します。了承しますが、最初に加入する場合にこれだけの開きがつくなんということは、国民という立場から見た場合は納得がいきがたい。回収率が早いということはうなずけるけれども、実際に同じような加入電信に入るのに会社だから片一方は四千三百円で済む、公社だから六十一万二千円要る、そういうことになったら公社をやめて民営にしてしまえという意見が、こんなつまらぬところから出てくる。だからこういう問題については、電電公社としてはこれを実際に電話の債券の問題と加入電信の債券の問題を考えたら、六十万円程度の債券をとらなければならぬというところに落ちついたろうと思う。思うけれども、これは一方に比較になるところの国際電電というものがあるわけです。電話の加入という場合には、御承知のように国際は通話だけを取り扱っており、実際の端末の電話を扱ってないわけです。だからここで比較ができない。ところが加入電信ということになると、国際電電と電電公社と両方がやっておるわけです。そうなってくると当然これは比較されるのです。そういう法律案件を提案せられるときに、少なくともそういうところまで心を配って、これはえらい不均衡だが何とか政治的に解決をつけて提案をしなければならぬがというくらいの細心の注意を払って、こういう条項なんかについては私がここで忠告するまでもなく、あらかじめよく国際電電と電電公社と郵政省と三つが話をして、そうしてこういう不均衡がないような調節をとり調和をとって、それからこういう法案をまとめて提案すべきだ。少なくともこれは加入電話の場合と違って、加入電信の場合はそのくらいの調節は電電公社の予算の内容からいってもとれる。これは公社がやったら六十一万二千円かかって、会社がやったら四千三百円なんという、こんなちぐはぐな法律案の提案の仕方はないですよ。これはもう一ぺんはっきり電電公社と国際電電と郵政省と三者が協議をして、こんな不均衡なことはどうもおかしいということで協議をして、あらためてもう一ぺん修正するか何かしてみなければ、だれが見てもおかしいと思うのですが、どうですか大臣。
○植竹国務大臣 今回の提案の原案につきましては、これは検討いたしまして、いろいろ公社と郵政省とこの問題を検討した結果提案いたしましたので、何とぞこの原案に基づきまして御協力をお願いいたしたいと存じますけれども、比較の問題につきましては、ただいま御指摘になりました点につきまして、よく国際電電の側の問題をこれまた科学的根拠に基づきまして今後合理的であるかどうかという点をさらに検討いたしまして、御指摘の御意見を尊重して参りたいと存じます。
○森本委員 私が国際電電に聞いたところによると、国際電電の方はこの問題について、今回の法案の提案について意見をあまり聞かれてない。あなたの方はそういう措置をとってない、僕が調べてみたら……。だから私が言っておるのは六十万円という金額が高いとか安いということを、公社という立場に立った場合、それを僕は言っておるわけじゃない。公社が六十万円とらなければならぬのだから、国際電電の四千三百円という比率をあらかじめ政治的に配慮してこの提案をすべきだ。公社がやったら六十万円かかって、会社がやったら四千三百円で済むという、こういうべらぼうな法案の提案の仕方は政治家としてないですよ。これは少なくとも政治的に大臣がそういう問題を考えて、やはり最初にこの法案を提案するときに考慮すべきだ。これは経理局長もおりますけれども、こういう点の調節は今の公社の予算の内容からも、加入電信の比重からいって政治的にはとれるはずだ。これは私はこの六十万円というものが安い高いを言っておるのじゃなしに、他に比較をする国際電電があるからそれを比較をしなければならぬ。これは一もう一ぺん大臣、まだゆっくり審議しますから、一応大臣が電電公社と国際電電と郵政省と三つでこれは話をして、妙なえらいちぐはぐになっているがということで、一度統一をした意見をまとめてみてくれませんか。
○植竹国務大臣 ただいま御指摘の通りにいたしたいと存じます。
○森本委員 それから次に電話の加入申し込みの順位でありますが、その前に私はちょっと今の加入電信に関係をして公衆電気通信法の五十五条の八「公社又は会社は、業務の遂行上支障がなく、且つ、特に必要があると認められる場合であって、逓信大臣の認可を受けたときは、電信加入者が加入電信の電信機及びその附属設備を設置することを承認することができる。」この項を適用して現在電電公社並びに国際電電でやっておる加入電信がありますか。これは監理官の方です。
○松田政府委員 まだ電電公社についてはこれはないはずでございますが、国際電電につきましては、これにつきましてちょっと私、今もうやっているかどうかという点の記憶ははっきりしないのでございますけれども、大体こういう考えで実施するつもりがあるように承知しております。
○森本委員 たよりない答弁ですが、まあいいです。それでこの五十五条の八の条項がかりに公社の加入電信に適用になった場合、この六十万円の公債はどうなるのですか。
○松田政府委員 実は公社はこの意図がないということを私ども承知しておりましたので、今の段階といたしましてはそれを考えていないわけでございますが、もしこれを実施するということになりましても、今度の拡充に関する特別措置法はこれには適用ないことになります。
○森本委員 この五十五条の八を適用した場合、六十万円の公債はどうなるか、こう聞いておるわけです。はっきり要らぬなら要らぬ、要るなら要ると、こう言っていただけばいいのですよ。
○松田政府委員 私、少し今のこの条文を誤解しておりまして、お答えが不十分であって申しわけありませんでした。先ほど私申し上げましたのを訂正さしていただきますが、この問題につきましては、公社も今までのところ考えておりませんでしたし、国際の方でもそういう意向がややあるわけでございますが、現在までのところこういうことは実施いたしておりません。それで法律上これがもし実施される場合には公社の方はどうなるかということにつきましては、公社としましては結局機器の提供をすることになります場合には、それだけ必要な債券を持ってもらうという考えでございます。
○森本委員 その場合は、そうするとこの五十五条の八の場合の債券と、普通の公社がやる場合の債券というふうに、二通りに分けるわけですか。
○松田政府委員 これはそのままぴしゃりと当てはまる例ではないのでありますけれども、たとえばPBXの場合に自営をするというときには、実は全部加入社の方でその機械設備等を提供されるわけでございますので、その場合には全然債券の問題が起こってこないということになるわけです。この場合には、そういう機械を公社の方から提供することになります場合に、それの適当な債券を持ってもらうということになりますので、ややケースは違いますけれども、今の公社がみずからやる場合と、それから自営と申しますか、これによって加入者側の方が設置する場合とで、いわゆる基本的部分というか、そういう観念が若干違っておると思います。
○森本委員 だから若干考えが違うことになると、今言ったように公社が実際にやるものと、そうでなくこの五十五条の八の適用になった場合の加入電信の設置という場合と、二通りの債券のいわゆる申し込みができ上がるか、こういうことでございます。
○松田政府委員 その通りでございます。
○森本委員 そうすると、この六十万円という金額でありますが、大体その二通りの金額は、今郵政省あるいは公社としてはどの程度の金額をお考えですか。
○横田説明員 前の六十万円の問題につきましては、この加入電信が相当程度の普及に至るまではこの以下の金額で認可を得たいと思っておりますが、なお今の自営というような場合どうするかということにつきましては、ただいま監理官からお話がありましたように、一応私どもとしてはさしあたり自営ということを考えておりませんので、自営の場合に幾らにするかということはまだ案を持ち合わしておりませんが、ただ自営の場合におきましては、当然郵政大臣への認可申請の場合相当減額してすべきだろうと思います。ただその場合に、加入電信の場合の実際かかる費用が約百三十万円、そのうちの約半額として六十万円以下と申し上げましたのは、交換設備、線路等を含んだ純創設費が約百三十万円でありますので、自営にしたからといって全部要らぬということにはなりません。まあその費用の比率を考えて認可申請をいたしたい、こう思っております。
○森本委員 最初の方の六十万円程度というのについては、まあその程度ということはわかりますが、少なくとも第五十五条の八というこの条項があるわけであります。しかもこの条項については、私が当委員会で審議をして昭和三十三年にこの法律は通っております。そのときに私が質問をした場合には、そのことはあり得る、あり得るからこの法律を改正するんだということで政府が提案をして、あなたの方の前の吉沢業務局長が説明をした。その法律があるにもかかわらず、そういうことはやるつもりがないからそういう準備はしておらぬという言いぐさは、執行部としてはないと思う。この法律案件を提案をしたのは郵政省が提案をして、その当時の公社の総裁、副総裁、業務局長、全部説明をして、この条項は入れてもらわなければいかぬということで入れた。そうすると少なくともこの五十五条の八の項は、今後場合によっては適用されることがあり得る、こう考えなければならぬ。そうなってくると、この条項が適用される場合には幾ら幾らを考えております、こういう答弁がすぐここでできなければならぬ。法案を提案をする場合、それだけの用意があってしかるべきである。それを、今考えておりません、そういう副総裁の答弁はない。それは準備不足ですよ。法案を提案する以上はあらゆる観点に立って料金問題を考えておかなければいかぬ。そういうことはあなたの方の準備不足だと思う。
○横田説明員 どうもおしかりを受けましておそれ入りましたが、われわれの方の申請といたしましては、今お話のありました局内とそれから交換設備とそれから線路、宅内、こういうもののうち、お客さんに持っていただくものを除いたものの比率、それ以下においてお客さんに債券を持ってもらう、こう思っておるのであります。従いましてこの比率を今のように分けまして算出いたしましたものを、今手元に持っておりませんが、当然そういう算出基準に理論上なるべきもので、数字はそういう意味で後刻御提出いたしたいと思います。
○森本委員 これは後刻また資料をこしらえて、このくらいな金額ですという回答をされるのはけっこうだけれども、先ほどの監理官の答弁を聞いておっても、副総裁の答弁を聞いておっても、正直に言って準備をしていなかったと思う。この五十五条の八についての料金は正式な根拠はなかったと思うが、しかしあとからでもおそくはないわけであって、新しくそういう資料を作って、この場合の条項については何ぼであるということを早急に明らかにしてもらいたい、こう思うわけです。
 それからもう一つこの加入電信の問題ですが、これも三十三年にやはりこの委員会で改正した条項でありますが、五十五条の六の「但し、公共の利益のため特に必要がある場合であって、逓信省令で定める場合に該当するときは、この限りでない。」これはまあ郵政省令ですが、この省令というのは現在ございますか。
○松田政府委員 施行規則の中に四条の二というのがございまして、「天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な通信を行うとき。」というのと、「公社又は国際電信電話株式会社が公共の利益のため必要があり、かつ、公社又は会社の業務の遂行上支障がないと認めたとき。」であるというふうに省令できめております。
○森本委員 この加入電信が具体的に今の政令に当てはまった場合がありますか。私はこの条項を改正するときにその件も一応この委員会で質問したが、万一を考えてこういうものは必要であるということで、この条項については賛成したわけでありますが、あれからもう三年たっておるわけでありますけれども、これを具体的に適用した場合が加入電信についてありますか。
○松田政府委員 具体的な事例はないようであります。
○森本委員 これも私がこの法案の審議をするときに言ったことが大体正しかったと思うわけでありますが、その問題はそれといたしまして、一応この加入電信の項について、きょうの宿題として、最初に、国際電電と公社の加入電信とが、六十万円と三千円程度で、ものすごく違う、これに対する意識の統一をお願いしたい。それから第五十五条の八の場合の加入電信の債券の引受額、これについても、その積算根拠とそれから出てくる金額というものを次の機会には御明示を願いたい。それによって私の方はさらに質問することにいたします。
 次に電話の加入の申し込みの順序でありますが、それをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○大泉説明員 御質問はおそらく有線設置順位のことではないかと思います。有線設置順位は、郵政大臣の認可を受けまして、営業規則できめておりますが、第一順位から第六順位までございます。
 第一順位は、「法第八条第二号の規定により公衆の用に供する加入電話、附表に該当する者の業務の遂行上必要と認められるものであって事務所若しくは事業場に設置する加入電話(第六順位に該当するものを除く。)及び国会議員の住宅(住所に限る。但し、東京都又はその附近に住所を有しない議員にあっては、衆議院又は参議院の事務局に届け出てある東京都又はその附近における居所一個所を含む。)に設置する加入電話(第六順位に該当するものを除く。)の加入申込又は種類の変更、設置場所の変更若しくは復旧の請求」でございます。この附表と申しますのは、非常にこまかくたくさん事例をあげてございますが、たとえて申しますと、国とか、外国の大使館、公使館、領事館及び国際慣習上これらに準ずると認められるもの、あるいは国会に議席を有する政党、その他特定の法人のための特別法により設立された法人、その他重要事業をずっと列挙してありまして、最後に、「前各号に該当しないが、電話の必要度が高いと認められる者で、事業所にあっては十五名以上、事業場にあっては三十名以上の規模を有するもの」ということになっております。
 第二順位と申しますのは、「通話ふくそうを救済するため必要と認められる加入電話の加入申込又は請求」でございます。
 第三順位は、「長期にわたって承諾していない加入申込又は請求」でございます。
 第四順位は、「滅失した加入電話の復旧請求並びに附表に該当する者の住宅に設置する加入電話及び附表に該当しない者の事務所又は事業場に設置する加入電話の加入申込又は請求」でございます。
 第五順位と申しますのは、「附表に該当しない者が住宅に設置する加入電話の加入申込又は請求」でございます。
 第六順位は、「既設の加入電話を有し、その利用度が低いと認められる場所に設置する加入電話、既設の加入電話がない場所に同時に設置する二以上の加入電話のうち、一を除き利用度が低いと認められるものの加入申込又は請求並びに利用度が低いと認められる共同電話の種類の変更の請求」でございます。
 そのほか、さらに今度は同一順位のものはどうなっておるかと申しますと、「優先設置順位が同一のもの相互間にあっては、次の順序により、且つ、同一順序相互間にあっては共同電話を最優先とし、共同電話相互間又は共同電話以外のものの相互間にあっては加入申込又は請求の受付順による。」ただし先ほど申しました輻湊のものにありましては、「ふくそう度の順による。」という工合に書いてありまして、この「次の順序により、」というのは請求の方が先でありまして、その次が加入申し込みでございます。
 それからそのほかにさらにいろいろこまかな規定がありまして、「滅失した加入電話の復旧数が、その電話取扱局の加入電話増設予定数の五〇パーセントをこえるときは、第四順位以下の復旧数を制限することができる。」というような規定が補足的にきまっておるのでございます。
 他にこまかいことが書いてありますが、省略させていただきます。
○森本委員 どうもその答弁を聞いておってちょっとわかりにくい点がありますから、あとでよく速記録を調べて聞きたいと思います。
 それからこまかい問題になりますけれども、やはり料金の問題がありますので聞いておきます。この間の質問で、市外通話料については一応今後検討しなければならぬということになったわけでありますが、こまかい問題のようでありますけれども、こういう債券の問題が出ておりますから、特に聞いておきたいと思いますが、電報の託送を行なう場合、現在は度数料は取ってないわけですか。
○大泉説明員 電話の度数料はいただいております。
○森本委員 その場合電話の度数料と託送料も取っておるのじゃないですか。
○大泉説明員 両方ともいただいております。
○森本委員 このやり方は二重取りではないですか。
○大泉説明員 この点につきましてはいろいろ意見がございますけれども、現在の私たちの見解では、電話料と申しますのは、電報を打ちに歩いていくかわりにかける、その効用に対するものでありまして、一般の電話と同じでありまして、電報であろうが、魚屋にかけようが、そば屋にかけようが七円でありますからみんな同じである。託送料についてはいろいろ議論がございますが、従来の経緯がありまして、託送を受け付けるために要する費用ということで特にいただいております。
○森本委員 今後この問題については検討する必要があるのじゃないですか。
○大泉説明員 この点につきましては各方面から要望が出ておりますので、今後料金を検討する場合にはあわせて検討したいということで事務的に進めておる段階でございます。
○森本委員 まだこまかな料金の問題がちょっとありますけれども、これは先ほど私が質問をした事項について次の委員会あたりで回答があった場合、そのあとで質問をすることにいたしまして、ここでこの五カ年計画に伴います労働条件の改善その他について質問を申し上げたいと思います。
 この間の委員会における金丸委員の質問に対しましても明確な回答がなかったわけでありますが、今回の改訂第二次五カ年計画というものはかなり膨大なものでありまして、特に企業の合理化という点については相当強硬にこれを持っていくというようなことがうたわれておるわけでありますが、それはそれとしてあとで聞きたいと思います。
 その前に、聞くところによりますと、従業員の組織でありますところの全電通の労働組合との間で今交渉が盛んに行なわれておるそうでありますけれども、これに対する賃上げは今のところびた一文も出すわけには参らぬ、こういう回答を大橋総裁の方からしたそうでありますが、それはほんとうですか。
○大橋説明員 先般の回答では、御要求に応じかねるという回答をいたしました。
○森本委員 それは一つも出すわけにはいかぬ、こういうことですか。
○横田説明員 ただいま組合の方から要求がありました事項は、実は約二十数項目にわたっておりまして、その中にはいろいろ事項があるわけでありますが、今、先生のお話のはべースだけの問題かと存じますが、ベースを七千円上げろという問題につきましては、結論的には、これに対してわれわれとしては七千円の要求には応じかねるということを回答いたしております。これは先般申し上げましたように、公社といたしまして今後こういう大きな拡張もさることながら、お客さんのサービスを向上しあるいは事業の発展をはかるとともに、従業員の生活の向上ということについてはわれわれもできるだけ尽力をしていきたい、努力をしていきたいと思っております。ただ公社の特質からいたしまして、このベースの問題について公社のみを単独にやっていくということにつきましては、この世の世論の支持も得てやる必要があるわけであります。公社のみで単独にこのベースの問題について不均衡にいくということはできないわけであります。なおこの組合の要求の中にはそのほかにも種々のものがあるわけでありますが、べースのほかにも、われわれといたしましては、御承知のように能率の向上に伴う生産手当と申しますか、仲裁裁定第四項に基づきましての手当というものは――設備の近代化が進むとともに当然生産性が上がってくるわけでありますが、その上がったものについての手当は、仲裁裁定第四項の手当として、いわば公共企業体で私たちの方だけ今出ることになっておると思いますが、こういうものが一応出る形になっております。それが予算上に、三十五年度の予算案といたしましては八億五千万円というものが計上されております。なおその予定した生産能率を越えて能率が上がっていくという場合は、業績手当を私の方は出していく。しかしこれは郵政大臣の承認を得て出すことになっておりますが、そういう方法によって出していく。これは設備の近代化が進むに従って当然今後とも従来以上に出ていくべき金額になると存じております。そのほかに、たとえば配転、職転にあたってのいろいろのことを考えて、こういうことについては従来以上のものを考えていきたい。そういう問題につきまして、二十数項目にわたっての問題については全部をゼロ回答いたしておるわけではなくして、できるだけの配慮はする。しかし今のべースの問題、もう一つは根本的な時間短縮の問題がありますが、時間の問題につきましても、設備の近代化に伴って、今後できるだけ能率を上げて時間も短縮していくという方向が、今後の事業の発展の方向であり、また文化進歩の方向であるとは存じますが、ただいまのわれわれの公社の勤務時間は、拘束時間にいたしましても実働時間にいたしましても、労働省の毎月の勤労統計を見ましてもわかりますように、主要産業のうちでいわば一番短い方かと存じております。もちろんある程度短いのは事業の特質上からくる点もありますが、そういう情勢でありますので、私たちの方の事業だけ時間短縮についてもただいま直ちにという組合の要求に対しては、遺憾ながら応じられないという回答が出ておるわけでありまして、その点は御了承願いたいと思います。
○森本委員 相当詳しく説明がありましたが、内容は一つもない、こういう答弁であります。私が聞きたいのは、そのベースの改訂についても、具体的に今ゼロ回答をあなたの方はしているということでありますけれども、実際問題としてこれだけの予算増になり、これだけの合理化を推進していき、これだけの事業収入を上げていく、こういうことになって参りますと、他の公社あるいは公共企業体、他の公務員と比較してべースを考えていかなければならぬというのは、公社法のあり方からいたしまして、公社の当局としてそういう答弁をするのは一応うなずけますけれども、しかしそれはそれとして、やはりこれだけの膨大な予算と膨大な事業計画、膨大な収益を上げていくという観点から立つならば、少なくともその反面従業員の、いわゆる労働条件の向上と申しますか、何といってもその一番の重点はやはり賃金べースの問題でありますが、この賃金べースの問題と勤務時間の短縮については、やはり私は事業の伸展に伴って考えていかなければ、事業の発展にも大きな影響があると思う。それから今回の暫定措置に関する法律案、これがかりに国会を通過してあなたたちがこれを具体化する場合においても、従業員の協力がなければとうていなし得ない問題である。そういうことを考えた場合に、一応総裁としては政府の現在の考え方、他の公務員、そういうものとのつり合いをとって今ゼロ回答をしていると思いますけれども、現実の問題としてやはり公社としては従業員に、この改訂五カ年計画を遂行するにあたっては、少なくとも従業員の待遇改善とその賃金べースの引き上げについて、何らかの形において行なっていかなければならぬということについては考えているだろう、こう思うわけであります。しかし今の段階でまだ電電公社が三千円がよろしい、五千円がよろしいというわけには参らぬ、今の段階ですぐ直ちに時間短縮をするというふうな回答をするわけにはいかぬ、しかしそれはおのずから一つの全国的な情勢あるいはその他の労働情勢、そういうものの機運が醸成してくれば、少なくとも今のような木で鼻をくくったような回答で最後までやっていくわけにはいかぬ、こういう考え方をおそらく持っていると思いますが、だんだん法律案件もいよいよ審議の渦中に入って参ったわけであります。公社の幹部としても私が今言ったようなほんとうの腹をやはり委員会を通じて明らかにする必要があると私は思う。だからここで具体的に金額を何ぼ、時間の短縮をどうのということを聞いているのではありません。具体的に公社としても将来この勤務時間の短縮の問題についてもある程度考えていかなければならぬ、さらに賃金ベースの問題についてもこの改訂五カ年計画を遂行するにあたってはどうしても考えていかなければならぬ、しかし今直ちにこれを回答する段階ではない、こういうふうな考え方ではなかろうか、こう思うわけでありますが、どうですか。ざっくばらんな回答をしてもらいたい。
○横田説明員 給与ベースの問題について、今七千円という御要求に対しまして私たちが回答をいたしましたのは――七千円という組合の要求を前提にいたしますと約二百三十億の金が要るわけであります。なおべースからいいまして現行の給与水準は、基準内で二万四百円に私の方はなっております。一般からいいまして決して不均衡に低いものではないわけでありますが、しかし先生のおっしゃるように、従業員の生活の向上というものはできるだけわれわれとしても努力していきたいという気持は先ほどはっきりいたした通りであります。ただその場合にはサービスの向上、それから事業の発展とともに、今のベースの向上というようなものも相並行していくべきである、こういうように考えております。そういうことのできる、しかも公社の建前といたしまして、客観的な標準におきまして承認を得る、いわば先生のおっしゃったような一般の情勢とともにということも考えながら、いける場合においては、できるだけそういう方向についてわれわれも努力していきたいという気持においては、従来もそうでありますし、今後もそのつもりは変わっておらないわけであります。なお勤務時間につきましても、できるだけ事業の進歩あるいは文化の進歩、経済力の向上とともに、勤務時間の短縮ということは望ましいことでありますが、現在の公社の拘束時間は一週平均四十六時間三十分ないし四十七時間、実働時間にいたしまして一週平均約四十一時間三十分というような状況であります。現在民間大企業の平均実働時間は約四十四時間ということになっております。これも今の一般情勢からいいまして、私たちの勤務時間は決して従業員に酷なものをしいておるものではない。しかしこれも今後生産性の向上、能率の向上によって、少ない人でもより以上の能率を上げていくという問題と相並行して、この勤務時間の短縮という効果を上げるように、そういう意味におきまして、われわれとしても今後の努力の方向はそういう方向を目ざしていくべきだという点においては私たちも一致しておるわけであります。ただこれも今のように公社だけ不均衡というわけには参りませんので、その点は御了承願いたい、こう思うわけであります。
○森本委員 実働四十一時間と言われましたけれども、そういう言い方を副総裁みずからがこの委員会等ですると非常に誤解を招くと私は思う。実働四十一時間何ぼということについては、これは少なくとも、二時間なら二時間、一時間なら一時間に、十分なら十分、十五分なら十五分の休憩を与えなければならぬ特殊の職場の状況にあるわけであって、この場合の実働四十一時間、四十三時間というものを他の職場と比較することは、私は非常に酷だと思う。これはあなたも電信電話事業については十分御承知の通りです。今日レシーバーをかけて電信機にすわって二時間以上やった場合には病気になりますよ。医者がそう言っているのだから。二時間に十分なり十五分のタイムをとることは当然のことです。そういう点からいって、他の業界と比較して実働時間が云々ということは非常に誤解を招くと思う。だからこういう点の比較の仕方というものは、一つ心してやってもらいたい。やはり電電公社の場合は職場の特殊事情ということを十分頭の中に入れていただきたい、こう思うわけであります。
 それから今の賃金の問題でありますけれども、私は労働組合でも何でもないわけでありまするから、今ここで七千円上げろとか五千円上げろとか言っておるわけじゃない。これだけの増収が上がる見込みがあって、そうしてこれだけの収入がある見込みがあって、これだけの改訂五カ年計画をやっていこうという、この最初の出発点にあたって、組合側が要求をしたものに一銭も出ぬという回答は、実際問題としてなかろうと思う。ここでそういうことを言ってみたところでつまらぬけれども、やはりもう少しこういう問題に対するところの考え方というものは、総裁なり副総裁あたりはかなり政治家でありますから、電電公社の仕事だけは一生懸命やるということよりも、やはりすべての情勢を勘案してこういう問題についての回答なんかも考えていかなければならぬと思う。そういう点もここでとやかく言っても始まりませんので、一応その点については、今副総裁が言いましたように、今の時点においてはゼロ回答しておるけれども、これが必ず時期的に考えられるならば、賃上げの問題についても時間短縮の問題についても、公社としては考えなければならぬ時期は当然くるであろう、こう私は解釈をして、この問題については終わりたいと思いますが、特に大臣にはっきりと聞いておきたいと思います。やはりこれだけの膨大な予算をもって、これだけの膨大な事業計画を遂行し、合理化を推進をしていけば、それだけ従業員に労働負担力が非常に強化されてくる。こういう場合においては、この公社の従業員に対するところの待遇改善、時間短縮という問題については、同じような公共企業体というようなことでなしに、公務員とかいうことでなしに、この電電公社の仕事の特殊性という観点からいっても、また今日の事業の伸展率の幅からいっても、この二つについてはある時期がくれば当然考えていかなければならぬ、こう私は考えるわけであります。おそらく賢明なる大臣も同感だろうと思うのですが、どうですか。簡単に、同感なら同感でいいのですが……。
○植竹国務大臣 条件と機が満ちますれば、賃金を含みます労働条件については私は十分検討すべきである、さように思います。
○森本委員 大臣にそれ以上の答弁をしろといっても無理でありますが、ただここで私は大臣にも特に申し上げておきたいことは、たとえば今年度の公社の合理化計画なんというものは、そのまま五カ年計画が通っていっているわけですね。ところが大蔵省に要求したところの増員の要求にしても、実際は公社が要求したものは九千五百名程度であって、その査定が五千三百十六名だ。それだけ査定をされておるけれども、その割にこの事業の拡張率というものは落ちてない。それから合理化の推進についても全然変更してない。そういうことになってくると、公社としてはこれだけの事業を拡張し、これだけの合理化をしていくということによって、これだけの人員の増員が要るということで要求をした、一方の仕事の方は全部そのままにして人間だけ減らされた、こういうような格好も出てきておるわけであります。こういうことから考えても、かなり労働が強化されていくということも当然でありまして、こういう点については私は十分に公社当局が考えてやられると思います。公社当局がこの賃上げの問題についても、時間短縮の問題についても、その他の労働条件の向上の問題についても考えていこうというやさきに、郵政大臣がそれをやってはいかぬぞという、足を引っぱるということがゆめゆめないように、公社の総裁、副総裁に対しては、少なくともできる範囲内においても待遇の改善も行なえ、労働条件の向上も行なえ、これだけの膨大な事業をやっていくのだから、こういうふうな言い方を私はぜひしてもらいたい、こう思うわけでありますが、どうですか。
○植竹国務大臣 労働の強化にもむろんおのずから限度があることも承知いたしております。公社の成績、また組合員、非組合員の従業員諸君に実際課せられたる労働条件につきましては、慎重にあたたかい気持で対処していきたいと思います。
○森本委員 慎重にと言われるが、将来労働条件の向上については、あるいは賃上げの問題についても、これだけの膨大な事業を遂行していくについては当然考えていかなければならぬ、公社はそういうことを考えてしかるべきだ、しかも公社のやれる範囲内においてはそういうことを大いに公社は考えろ、郵政大臣としては、そういうことが望ましい、足を引っぱるようなことはしない、こういうことなんでしょう。それでよろしいか、こういうことです。
○植竹国務大臣 その御意見の通りであります。
○森本委員 大臣がそういう御意見でありますから、公社の総裁、副総裁としては大いにやりやすいと思うわけであります。監督官庁の郵政大臣がそういうことをはっきり言っているわけでありますから、一つ今後は、公社の総裁、副総裁並びに幹部諸君は、その点についてもこの事業の合理化と事業の拡張と同様の熱意と努力をもってぜひ当たってもらいたい。そのことが問題を円満に解決していく、そうして事業の発展をしていくところの一番の近道であるということを私は考えるわけでありますから、そういう点については一つ十分に考えていってもらいたいと思うわけであります。
 そこで、これだけの改訂五カ年計画をやるということになりますと、かなり企業の合理化をやっていかなければならぬわけであります。そこでこの企業の合理化について、聞くところによりますと組合の方と公社の方とで何か協約的な了解事項というようなものがあるやに聞いておりますが、それはございますか。
○横田説明員 先ほどちょっと言葉が足りませんでしたので、加えさせていただきます。時間の問題について、実働時間を具体的に申し上げましたが、これはその前に私もはっきり言ったつもりでおりましたが、要するに作業の種類によって時間というものは違う。われわれの事業の特殊性からして、幾分ほかの事業よりも短くても妥当な理由は相当あるけれども、実はしかしそういう問題についても、そうむやみに不均衡にはいかないということを申し上げて、それからあとで時間を具体的に申し上げましたので、その意が足りませんでしたが、私も先生と同じように、われわれの事業の特性からくる特質の時間というものについて忘れているつもりはありませんので、その辺は先生のおっしゃる通りであります。
 なお、従業員の生活の向上、べース・アップというようなことにつきましては、私たちはこのサービスの向上、事業の発展とともに大事な目標と考えております。この点につきましては今後とも努力していくつもりでおります。大臣の今の御指導のもとになお一そう今後とも努力いたしたいとは思っております。
 そこで、今直接の御質問の設備の近代化そのほかに伴う労働協約があるかといとう問題でありますが、この設備の近代化に伴いまして配転、職転等の問題が当然起こるわけでありますが、そういう問題についての協約、そのほか種々の協約になりあるいは申し合わせ事項は相当あるわけであります。なお先生の御指摘によりまして、具体的な協約の内容につきまして職員局長から御答弁いたさせます。
○行広説明員 事業の合理化を進めて参ります場合におきましての協約について申し上げようと思いますが、まず第一は、事業計画につきましての協議に関する協約がございます。これは事業計画を立てまして、これを実施して参りますことは公社の責任でございますが、この実施によりまして、職員の労働条件に影響を及ぼして参ります。そこで、実施の段階におきまして無用のトラブルを避ける必要がございますものですから、労働条件に著しい影響を与えるような事業計画につきましては、事前に組合の方へ計画を提示いたしまして、協議をすることにしております。協議によりまして、意見が出て参りますが、その意見につきまして、取り上げることがありますればこれを取り上げまして、計画の改正ということもあり得るわけでございます。そのように組合の意見を一応聞きまして、それによりまして最終的な計画というものを確定いたしまして、公社が責任を持って実施していく、こういう建前になっておるのであります。
 それからもう一つの点につきましては、職員の配転に関する問題でございます。これにつきましては、配置転換計画を立てました場合におきまして、組合の方へその計画を提示いたします。そういたしまして組合の意見を聞きまして、最終的には公社が責任を持って実施に移す、こういうことにしておるわけでございます。
 なお、もう一つの問題といたしまして、合理化を進めていきます上におきまして一番問題になります点は、一般企業の場合におきましては解雇という問題であるかと思うのでございますが、電電公社の場合におきましては、事業の合理化の進展によりまして、いろいろな方法を講ずることによりまして、職員の首切りをしないということを約束しております。以上であります。
○森本委員 この合理化の進展に伴う労働条件等に関する了解事項というのがあるようでありますが、この一から五までというのは、これは現在も生きておるわけでありますか。梶井さんとそれから前の組合長の山村さんと二人で結んでおる了解事項、三十二年の十一月八日と書いてありますが、これはまだ今生きておるわけでありますか。
○行広説明員 生きております。
○森本委員 それでは今後の合理化を進めるにあたっては、こういう了解事項に基づいてやっていく、こういうわけですね。
○行広説明員 さようでございます。
○森本委員 この了解事項をよく読んでみると、この了解事項というものに基づいて、公社が誠心誠意を持って組合側とよく協議をし、やっていくならば、私はあまり問題がないと思いますけれども、非常に問題が起こる場合には、おそらくその協議が整わずして、一方的に実施をするという段階になった場合、非常に問題が起こってくるのじゃないか、こう思うわけであります。そういう場合は、公社と組合との間に協議が円満に整うように、あらゆる観点からあくまでも努力をして、そうしてその上において実施をしていくということになれば、一番私は問題がないと思いますけれども、それは公社の方にすれば、場合によってはどうしても話がつかね場合もあり得るということをおっしゃられると思いますけれども、これは両者が誠心誠意を持って交渉をするならば、しかもこの了解事項の精神に基づいて、その事前協議が整うように努力をするならば、私は円満に労働問題がいくのじゃないか、こう思うわけであります。
 それから、私がこの際ちょっと言っておきたいことは、おそらく中央の公社の幹部にはそういうことはなかろうと思いますけれども、末端の方へいきますと、案外、何だ労働組合か、お前ら一段下じゃないか、おれら公社の管理者だ、こういう考え方でもって、おれたちの方が一段上であるという考え方で、どうしてもおれたちの言うことを聞けというふうなタイプの人が往々にしておるわけでありまして、そういうことで、交渉のまとまるものもなかなかまとまらぬ。おそらく中央の総裁、副総裁以下各級幹部は非常に利口な方でありますし、また政治的手腕もある人でありますから、そういうことはなかろうと思いますけれども、ややもいたしますると、中央の公社の幹部の意を変にとりまして、こじらかさぬでもいいものをこじらかすような末端の管理者層が往々出てくることがあるのでありますが、そういう点についても、あくまでも組合は組合としての、従業員の代表としての一つの権利というものを認めて、公社は公社としての管理権というものの上に立っての、やはり対等の立場において交渉するという一つの基本的な考え方から出発をしていくような労働問題についての教育を、ぜひこれは管理者層もやってもらいたい、私はこう思うわけであります。また組合も、このごろはそうむちゃくちゃをやるようなことじゃなかろうと私は思う。誠心誠意を持って、この合理化をいかに消化をし、そうして事業の発展に努力していかなければならぬという考えで、公社ともいろいろの問題を折衝もし、交渉もし、協議もしておる、こう私は思うわけであります。そういう観点からいきますならば、私がこの際特に申し上げておきたいことは、公社の方も組合の方も、一つお互い誠心誠意を持って団体交渉を行なって、その団体交渉において解決をつけていく、こういう方向をぜひともとってもらいたいと私は思うと同時に、やはり公社は公社として、相手の、従業員の代表という人格を十分に尊重しての団体交渉というふうな一つのルールをぜひしいてもらいたい。現在もそういうルールを名大橋総裁はしいておられると思いますけれども、念のためにそれを申し上げておきたいと思いますが、今の私の申し上げたことについての見解を一つ副総裁から述べていただきたいと思うわけであります。
○横田説明員 ただいま御指摘の現場の管理者等におきまして、組合を一段下に見て、労使対等の原則を忘れておるというようなことがもしありますならば、今後もそういうことのないように注意いたしたいと思っております。現状といたしましては、おそらくそういう管理者はいないのじゃないかと私は思っておりますが、もしありましたならば、なおそういうことのないように、御指摘のごとく注意いたします。今、先生がおっしゃいましたように、お互いこの労働協約、そのほかの問題については双務的なものでありまして、お互いにそれを守っていって、労使関係のルールをできるだけ樹立する、こういうことに努力いたしていくべきものだろうと思っております。私たちも、この問題については、お互いに立場を尊重しながら、できるだけ円満に事を進めていくことに力を尽くしていきたい、こう思っております。
○進藤委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、この際暫時休憩いたします。
    午後零時十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十五分開議
○佐藤委員長 再開いたします。
 午前中に引き続き質疑を続行いたします。堤ツルヨ君。
○堤(ツ)委員 私は質問に入ります前に、委員長に議事進行についてお願いをしておきたいと思います。
 先ほどの理事会で、今議題になっております法律案について、自由民主党の方では非常に早くこれを通過させたいという御希望の御開陳がありました。私たちがこの電話の法律案を審議いたします中心のものは、骨となるものは、一刻も早く安く便利な電話をつけてほしいという民衆、国民が中心でありますから、決して審議拒否をしたり、それからこれが四月一日から実施されるということに対して、実施されないようにしてやろうなどということを考えておるものではありません。しかし、委員長も御存じの通り、この質疑を通じて今日まで電電公社並びに郵政省と問答いたしておりますと、この法案を通すにあたって、やはりもう少し電電公社としては良心的な答え、それから確とした根拠というものが明確にされないと、どうもネコの目のように変わる電電公社の方針に私たちは盲従することができないものがあると思います。こういうことは、与党の早く通したいという自民党の方々におかれましても、委員会に出られまして、その質疑の内容を聞かれて、なるほどこれじゃ無理もないというところを一応御勉強願わないと無理じゃないか、私はこう思うんです。私は念のために申し上げておきますけれども、できますならば、四月一日にこの法案が実施できるように協力することにやぶさかではありません。従って、徹夜審議を必要といたしますならば、皆さんがこれに応じられますならば、わが党は審議に応じます。応じますけれども、幾ら応じても、電電公社の必要な答えが出てこないときには、これは応じるわけにはいかないのであります。その辺は一つ委員長におかれましても、自民党並びに電電公社に対して、一つ委員長としての立場から、御忠告をいただきたい。
○佐藤委員長 ちょっとお答えいたします。ただいま堤委員の議事進行に関する御発言はまことに適切でございまして、御趣旨拝聴いたしました。ただ自民党が急ぐということはないだろうと思います。十分な御審議をお尽くし願ってけっこうでございますけれども、しかしこれが上程せられましてもう四十日になります。十五日ということの目標によりますと、参議院の方では十五日間しか審議する期間がないということになりますので、やはりそれこれのにらみ合わせをいたしまして促進方をけさの理事会において橋本君が代理でお願いしたようなわけでございまして、御了承を願いたいと思うのでございます。
 この機会に、ただいま堤委員の発言による内容につきまして、電電公社の総裁初め各位に御注意申しますが、今、堤委員の発言の趣旨をよく御了承を願いまして御答弁を願いたいと存じます。
 それでは堤君。
○堤(ツ)委員 それでは総裁に一つお尋ねをいたします。
 先週の金曜日、これはたしか四日だったと思いますけれども、朝の九時のNHKニュースでこういうことを申しました。電電公社に聞くところによれば、申し込めばすぐ電話の引ける今回の改訂第二次五カ年計画案は、国会審議がおくれているため、予定の四月一日実施は困難であり、公社としても困却している。従って国会審議のおくれる日数だけ実施の日数がずれてくるから、民衆の待ちに待っている電話が早くつくように国会審議を早く終わってほしい、こういう放送がされておる。この放送を聞いていますと、公社の原案は非常に万全なものであって非の打ちどころがない、にもかかわらず国会はのんべんだらりんとまじめに審議をやらないで、あげて責任は国会にある。国会のサボタージュによって四月一日から電話がつかなかったときにはつかなかったものだと民衆は思えと言わぬばかりの放送がなされておるわけです。これは総裁に、こういう御意向をもってあなたの方は御発言になったのかどうか、一言承りたいと思います。
○大橋説明員 私は当日どういう放送がなされたかということは拝聴いたさなかったのです。しかし私どもといたしましては、特に非常に審議のおくれていることが国会の責任であるかのごときことは、毛頭そういうことを言った覚えはございません。ただ、できるだけ早くこの法案が通ることを念願していることは私どもも考えておりますけれども、そういう国会の責任だとか、あるいは国会が延ばしているということについて、そういうことを述べたことはございません。
○堤(ツ)委員 これは副総裁あたりから出ているのじゃないですか。
○横田説明員 私から出ているものではありません。
○堤(ツ)委員 営業局長から出たのと違いますか。
○大泉説明員 私の方から出ているのではございません。
○堤(ツ)委員 これは郵政大臣の監督下にあるNHKと電電公社が民衆を扇動するような放送をしているのです。あなた方が出してこられた原案が万全のものであって、非の打ちどころがなければ、国会審議の必要はないかもしれぬけれども、国会というところは国民に法案を作る責任があるのです。国民の意思というものを尊重して審議する国会がなければ、これは政府の思う通りに、住民の意思を無視して、どんな政治でもやれるかもしれませんけれども、そのために国会がある。政府から出ておる原案が主であって、国民の審議はつけ足しだというような態度で、電電公社が便利だからNHKと結託して国民に訴えるような、もし四月一日に実施できなくても、これはあげて国会に責任があるのだ、公社はちゃんとこしらえておったぞというような卑劣きわまる戦法を使うということはけしからぬことなんです。公社の中から出ておるにきまっておる。ですから一つ総裁、これはNHKに行かれて確かめてごらんなさい。四日の朝九時のニュースに言っておるのです。ぱんと国民の耳に入りやすいときに言っておる。奥さん方、座敷の一つも掃いておったら、ほんとうによいニュースなんで、国会がだら幹で審議しないということで、これは出所をはっきりして、NHKと御相談いただいて、あらためて私に御答弁をいただきたい。ここできれいな御答弁をなさっても私は解しかねますから、一つその辺は総裁にげたを預けておきます。
 それでは、この法案について質問に入りますけれども、まず私は先にこういうことを、この間の質問をして参りました続きと言えないこともないのでございますけれども、お尋ねいたしたいのは、電電公社の方で第二次五カ年計画を立てられたときに大へんな誤算があったということは、この間率直にお認めになりました。そこで、お認めになりましたので、これからはこうした愚を繰り返されないように、あらためて発足なさるのだろうという良心的な見方をいたしますが、今度のこの十五万円に値上げいたしました措置法というものを見ますときに、私は、電電公社というものは、公債の負担額の値上げをもっともらしいことを言っておるけれども、一体いつごろから考えていたのだろうか、どうしても公債を値上げしなければおさまっていかないのだというところの、そうした考えが動き始めたのは電電公社の中でいつごろであったかということを、もう一つここでちょっと聞かしておいていただきたいと思います。
○大橋説明員 昨年春でありますか、従来の経験から見て、このまま第二次五カ年計画を従来の計画通りに推進いたしますと、さきに考えましたように、積滞数をできるだけ早くなくして、四十七年度までに一切これを一掃するというような、それだけではありませんけれども、そのほか幾つかの掲げられてあった目標が到達できないということが看取せられました。ちょうど五カ年計画の進行中ではありますけれども、これはぜひこれを改訂して、もう少し計画を拡大修正する必要がある、かように考えまして、昨年の春ごろから調査を始めたのであります。それで、ただいま三十五年度の予算として提出しております計画、その他あと三カ年間にわたる計画を決定いたしたのであります。そのときに、これだけの拡大修正をやりますと、従来の負担法で調達する資金だけではこれは遂行できない。もちろんそれは、一方において財政投融資が非常に豊富に出し得られれば、それに越したことはないのでありますけれども、従来の経験に徴し、また財政上、経済上の現況から見ますると、これに非常にたくさんの期待をかけるということは事実上困難であります。そうなりますと、その足らないところはどこで調達するかということをいろいろ研究した結果といたしまして、ただいま提出しておるような案で加入申込者に御協力を願う、こういうところへ結論が出て参ったのでございます。
○堤(ツ)委員 そういたしますると、この第二次五カ年計画をお立てになる去年壁に突き当たってこういうことになったのだ、こういうように了解してよろしゅうございますね。
○大橋説明員 さようでございます。
○堤(ツ)委員 その辺にも電電公社の見当違いが如実に現われておると私は思うのですけれども、私が電電公社に言いましたのです。これはもうおそらくこういうことじゃなかったかと思うのです。前に五カ年計画をお立てになるときにすでに壁に突き当たるということがわかっておるので、中途で五カ年計画をさらに変更して、そのときに公債の額を上げて負担させればいい、こういうような壁に去年の春どころか私は三十二年ごろに突き当たっておったと思う。そういうことを糊塗しながらきていらっしゃるのじゃないかと思うのですけれども、もしそうでなかったとすれば、よほど先の見えないことでありますし、それからもし正直に言って、私の言っておる当時そういうことがわかっておるのでありましたならば、これはもっと早く手を打たれなければならない問題ではなかったか、かように思うわけでございまして、同じことを繰り返されないようにしていただきたいと思うのです。
 そこで今度の措置法によりますると、現行の公衆電気通信法を見ますと、今まで装置料いわゆる室内の工事相当分として四千円、そのほか路線設備費三万円、こういうことになって、今日まで現行法では合計三万四千円というところの現金負担になっております。今度の改正法を見ますると、これらをひっくるめて、加入者開通工事費相当額を設備料一万円としております。ただ、今まで装置料と相当分とに分けていた名前が変わっただけで、今度は相当額を設備料として一万円といっておりますけれども、ただ名前が変わっただけで三万四千円が一万円に下がっておるというばく然とした見方ができるわけです。公債は六万円ないし十五万円、結局において十五万円としておりますけれども、その他の設備料は三万四千円が一挙に一万円に減るというのはどうも解せないのでございます。一体この三万四千円を一万円に減じた理由、これはどういうところに根拠があるのか。私たちしろうとだからわからないというのかもしれませんけれども、どうも同じ設備料が、前は三万四千円も持たしておったものが今度は一万円に減った、こういうことになるのですが、一体路線の設備費というものはどれくらいのものを出すのか、それから室内工事相当分というのは一体どういうものを算定根拠としていっておられるか。三万四千円と一万円という開きがあるところの理由に、ほんとうに正当な理由があるのかどうかわからないわけでございまして、この辺を一つ説明していただきたいと思います。
○大橋説明員 一番高い負担金なり、債券の引き受けを願っております東京について例をとってお話しいただいたので、私も東京について申し上げます。従来の設備負担法によりますと、負担金を三万円、そのほかに装置料金、これは負担金ではありませんで、実は手数料的な性質の料金でございます。これが四千円。そのほかに六万円の債券の引き受けを願う、さようなことになっております。そこで、今度の改正の法律によりますと、負担金は全部撤廃いたしました。これはいただきっ切りの負担金でありますが、撤廃いたしまして、全然いただきません。そのかわり、お引き受けを願う債券を、東京についていえば、六万円から十五万円に増額していただく、かようなことになっております。それから装置料に当たるものは、今度名前が変わって、設備料という名前になっておりますが、これを一万円いただく。これは手数料でございます。従来は、この装置料というのが、先ほどもお話にありました宅内への引込料に相当するものでありまして、労力費と消耗品の代金であったのであります。しかしながら、正確に装置料という性質のものを検討いたしますと、実はほんとうは一万円かかるのであります。それを従来は、負担金を一方に三万円いただいておりますので、装置料はまあこの程度ということでやっておったのであります。今度負担金を全部いただかないことにいたしましたので、装置料に当たる引込料というものを実費相当額いただきたい。それで一万円ということになったわけであります。なお、従来の装置料と設備料一万円というものの内容のこまかいことは、局長から説明をいたさせます。
○大泉説明員 この設備料の内訳について御説明申し上げますが、これはもちろん自動、共電、磁石の各方式によって異なっておるわけでございます。それを計算いたしますと、一番安いところで、一万三百九十一円になるということで、一万円ということにしたわけでございます。その内訳を申しますと、宅内では、線条類、線路でございます。そういうものと、保安器、それから非常にこまごましましたヒューズ函とか接地棒とか、碍子とか、いろいろなものを入れましたものと、それからその宅内の工費というものを入れまして、四千円程度でございます。それから局外につきましては、引き込み関係の線条類、電柱も一部、それから端子函と申しまして、ケーブルから線路をおろすのでございますが、そういうものとか、あるいは引き込みのための電柱とか、それからこの電柱を建てますための根かせの丸太とか、いろいろこまごましたものがございますが、そういうもの、それから工費、こういうものを全部含めまして、一万円となるわけでございます。これをもっとこまかく申しますと、磁石式等では実は線路が長くなりますためにもっと高いのでございますけれども、方式別にあまり差をつけることはどうかと思いまして、この全部に共通します一万円ということにしたわけでございます。
○堤(ツ)委員 そうすると、前の三万四千円というのは、線路設備費、宅内工事費相当分という名前がもっともらしくつけてあったけれども、それは実は負担させるために割り出したものであって、今度は公債を持ってもらうのだから三万円は免除した、そして、今まで取っておった四千円というものを、宅内だけでなしに、少々外にかかるものも含めて六千円持ってもらって、合わせて一万円という負担にした、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○大橋説明員 実は現行の負担法と今度の新しい暫定法、これは大体似た格好になっておりますけれども、私どもの考え方としては、だいぶ根本の考え方を違えておるつもりであります。御承知の通り、電話が始まって以来、明治時代から今日まで建設費が足りないということのために、加入者から建設費の一部を負担していただくという考え方がずっと続いておるのであります。これは明治時代から続いております。ときによっては建設費の全額を負担してもらった時代もあったのであります。それが今日までずっと続いて、現在の負担法においても負担金三万円というものを実は負担していただいている。これもやはり設備費の一部を加入者に負担していただくという考え方であるわけであります。この装置料、これは別であります。これは先ほどから申し上げましたようにほとんど引込料の手数料的なものでありますが、これは別であります。そのほかに負担金三万円を出していただく。それから、同じく公債を引き受けていただくにしましても、やはり負担という考え方が根底に横たわっておりますために、従来の利率というものは一般の公募の場合の電電債よりも歩が悪いのであります。従来の加入者引き受けの公債は四分五厘の利付の債券であります。一般公募の電電債は七分もしくは七分一厘くらいになっていると思いますが、大体七分ということになっております。その差というものは、結局、同じく社債を引き受けていただくとは言いながら、やはり根底に負担金の思想が横たわっておるのではないかと思います。このたびは今の負担という観念は全部払拭いたしまして、負担金は全部いただかない。社債は持っていただきますけれども、これも建設に必要な費用に充てるために金を融通していただくという観念であります。従いまして、その利率も従来の公募の利率と同じようにやろうという観念になっておりまして、従来のような設備費の一部を負担していただくという設備費負担という観念はこのたびはないつもりであります。
○堤(ツ)委員 総裁のおっしゃる答えは答えとして、今の局長のお答えでは、やはりある程度算定の根拠というものを出して割り当てておられるように思うのです。今までの安かった公債よりも高くなった公債の中で負担させるのだから、今までの路線設備費、宅内工事費相当分というものをできるだけ割り当てないようにしよう。しかし、最底限電信柱や何やら程度は入れていこうという項目があるわけですね。そこで私、不思議に思いますのは、そうすると、ほんとうにこれが一万円で済むのならば、今まで三万四千円払わした人になぜもう少し正直でなかったのですか。負担金という性格があったかもしれませんけれども、今度十五万円公債で一万円の負担金で買う人と、名前は変わっていますけれども、前三万四千円の現金を出しておった人では実質的に非常に損得が出てくるのです。私はこういうことを申し上げているのです。簡単に言いますと、今度一万円の負担金で済む人と二万四千円の負担金――設備費、いろいろ名前を書いておりますけれども、三万四千円払った人とは非常に格差があり過ぎて不公平である。一万円の数字が妥当であったか、三万四千円の数字が妥当であったかという問題が出てくると私は思うのです。これはいかがですか、副総裁、営業局長。
○横田説明員 ただいま先生御指摘の三万四千円のうちの――正確に申し上げますと三万四千三百円ということであります。四千円が装置料で、三百円が加入料、それであと三万円が負担金ということでありますが、その加入料の三百円をのけまして、装置料の四千円にいたしましても、これは先ほど総裁から御説明申し上げましたように、それから営業局長も申し上げましたように、ほんとうの消耗品的なものでありまして、従来の宅内のうちでも、電話機あたりは当然除かれております。電話機だけで五千円もするわけでありますが、これは除かれております。そういう負担金の性質といたしましては、従来、建設の基礎設備に相当するものの一部もお客さんに負担していただこうというものが負担金であったと思います。四千円は、そのお客さんの宅内の消耗品費。それに先ほどの工費と、そこへ、ほかへ転用できないもの、それが四千円だったわけでありますが、今度は先ほど先生が御指摘になりましたように、宅内だけではなしに、局外の装置料に相当するもの、すなわち、端子函とか、先ほど電柱と言いましたけれども、電柱も引っ込み柱でありますから、そのお客さんだけなんです。そういう意味のほかへ転用できない消耗品的なもの、今まで宅内だけ考えておりましたものも、家の外も考えて、そのかわり、これはお客さんに装置料――名前は変わりましたけれども、装置料的なものですから、それは従来通りやはり持っていただこう。しかし、三万円の負担金の方はやめよう。それでそのかわり、できるだけコマーシャル・べースに立って債券を引き受けて御協力していただこう、こういう趣旨に変わったわけでありますが、これは従来、負担金という考え方はできるだけ早くやめるようにという国会の御決議もあったわけでありますが、そういう御決議の趣旨に沿いながら、しかし同時に今後の拡張について、やはり加入者の方の御協力もいただきたい。従って負担的観念から、先ほど総裁が御説明いたしましたように、御協力していただく、すなわちお客さんの方から金を借りるという形で、しかし金利については公募債と同じような金利を標準にいたして御協力をお願いしたい、こういう趣旨でありますので、三万四千円と一口におっしゃっていただかないで、やはり分けていただいてお考えいただきたいと思うわけでございます。
○堤(ツ)委員 どうも私はここのところがふに落ちないんでして、電電公社自体も、最後まで突っ込まれたら困られるんじゃないかと思う。どうも十五万円と今度の一万円との公債のかみ合わせというものは筋の通らないところがあると思うのです。第一次五カ年計画当時の公債と負担額というものを割り出すと筋が通らないと思う。私が考えるのには、これはうがった見方かもしれませんけれども、結局のところ十五万円の公債を持たせて、そうしてこれは右から左に売れるのだ、八〇%に売れたときには、十五万円の公債なら十二万円に売れるのだ、従って、ここで三万円大体損をするとしても、在来の六万の公債と三万四千三百円と合わせたものとを払っておった利用者の立場からいえば、その損をしたものに一万円加えると、この前よりも一万円ないし五、六千円程度安く済む、こういうふうに国会で代議士に思わせれば、この法案は楽に通る。逆にきて一万円という数字を当てはめられたような気が私にはするのです。ですから、この一万円と三万四千円との利用者に対するところの負担というのですか、貸し方というのは、どうも電電公社自体も少し筋が通らないんじゃないか、こういうことで、これまた将来おいきになりますると、釈然としませんから、この点はもう少し、ネコの目のように変わらないところのはっきりした方針を持ってもらいたい、かように思うわけでございます。前に三万四千円持たされた人たちが、ほんとうの実質一万円で済むならば、大へんな損をしたというような不公平があってはならないというのが、この法律の精神じゃないかと思いますので、一つお考え置きを願わなければならない、こう思うわけであります。
 それからもう一つ私がお尋ねをいたしたいのは、加入電話の設置料の各級別料金額の算定根拠です。これは先ほど御説明になりましたけれども、どうも一つはっきりいたしません。私は、各級別算定根拠を一応お話を承ったとして私たちの頭で考えるのには、もちろん地域別によるところの利用度の違いは、東京と鹿児島の果てとでは同じじゃありませんから、これはお考えになってしかるべきだと思いますけれども、電電公社の方では、こうした格差をつけるについてもう一つ違うことをお考えにならないかということ。ということはどういうことかと申しますと、これを使用する人たち、たとえば大企業、中企業、小企業の違い。それから住宅地と産業世帯との違いというふうにいたしまして、利用する人の性格によって各級別の料金額の違いをお考えになった方がいいんじゃないか、こういうことでございますが、こういうことを電電公社の方でお考えになったことはありませんか。そういうものを加味したものをお考えになった方がいい、こう思うのですが。
○大泉説明員 この問題につきましては、案を考えます過程においては研究はいたしたのでございます。ただ御承知のごとく、現在の電話は譲渡ができることになっておりますので、そのような差をつけますと、結局譲渡に関して何らかの制約をつけないと、非常な不公平がかえって起こってくる。そういうことが望ましいかどうかと考えてみますと、それはやはり望ましくない。そのかわり今おっしゃいました、たとえば住宅加入者などにはどういう方策があるかと考えますと、共同電話というのは住宅加入者には一番ふさわしい制度でございますが、それを利用すればその目的は達せられるんじゃないかということで、この債券額の算定あたりも、それを考慮してきめたつもりでございます。
○堤(ツ)委員 なるほどそういう面も、電電公社の立場として御無理もないと思いますから、ある程度了承いたしますけれども、潤沢に電話のあるときでございますならば、そういう考えの上に立たれてもいいかと思いますけれども、今は何分にもたくさん積滞を持っていらっしゃる。その積滞の中でも、どれから先に片づけていこうという順番が現実におありになって、そうして重要度の高いものから優先してつけてやる。下積みのやつは、優先順位が悪いとなかなかつかないということになっておるのですが、こういうことについては、電電公社としても横の連係をお考えにならないと、単に地域別の問題ばかりでお片づけになりますと、やはり法の公平という立場からいえば不公平が生まれてくるんじゃないか、かように考えますので、共同電話だけでなしに何かの方法をお考えにならないと、どうも電電公社だけで電話は一手に引き受けると大きな顔ができないような空気が出てくるんじゃないか、かように思いますから、一つ電電公社の責任において、よりよい方法がありますならば、この機会にお考えをいただきたいと思います。何かさらに考えておくことがあるのですか、なければよろしいのです。
○横田説明員 先ほど営業局長からお答えいたしましたところが、現在まで考えられておるところでありまして、あとは資金の調達問題についてできるだけ事実上の配慮をいたしたいということで、先生もよく御承知の銀行などの融資についても、できるだけそういうことの範囲を広げていくということを今後も努力いたしたい、こう思っております。
○堤(ツ)委員 もう一つ加入電話の設置料の問題について、純粋に設備に要する経費から割り出したものか、また予算から逆算をなさったんじゃないかというような考えが生まれてくるのですが、純粋に設備に要する経費から今の段階では正直に割り出しておられるのですか。予算の関係があって逆算をした向きもある、こういうふうにもとれると思うのですが、いかがですか。
○横田説明員 建設費について、どの程度のものがいいかという問題につきましては、予算から逆算したものではなくて、やはり従来の標準経費、決算、そういうものから出したものであります。
○堤(ツ)委員 あらゆる電電公社のものを、料金だとかいろいろな問題がこの間から質疑の過程において出ておりますけれども、明治時代の非常に古ぼけてしまったものの数字を根拠として、いつまでもそれをもってそろばんをはじいていきなさるような問題がたくさんあり過ぎるように思うのです。これは一つ根本的に総裁以下頭を切りかえて、近代的なデータの上に立って、数字の大改革を行なわれないと、利用者の方で納得いかないような、そろばんをはじき出して平気でいらっしゃる場合があるということを一つこの際御勘案願っておきたいと思います。
 それからもう一つ私はお尋ねをいたしたいのですが、今度の公債の値上げによって一番困るのは零細企業、家の中の人手を少なくして企業を合理的にやって倒れないようにしていきたい、事業即米びつであるというところの零細企業、町工場、それから事業を持っておらないけれども、家庭に電話を必要とするところの階層が非常にたくさんございます。私たちの新党が今度掲げております国民を中産階層化するというところの一つのねらいは、社会のエネルギー源であるところの頭脳的な中堅層を経済的な社会の中堅層に持っていきたい、いわゆる国家社会のエネルギーになっておる頭脳の中心の人たちが、頭脳の中心者でありながら逆に人たるに値するような生活ができておらない。この人たちを社会的に見たときに中流家庭としてできるだけ品位を保ってもらい、さらにあすの資源を養ってもらうという物心両面にわたっての中堅階層化というものが行なわれなければ日本の社会は健全にならないと思っておるわけです。そういう面から考えますと、家に事業はないけれども、家庭に電話がほしいというところの階層は非常にたくさんあるのでございまして、この切望しておる人たちが積滞の中にも相当あるはずです。そういうことになって参りますと、二年前に申し込んだ、三年前に申し込んだ、五年前に申し込んだという人たちが地区によっては待っておるわけでございますが、今までかれこれ十万円用意すればよかったというところの電話が今度一躍十五万円にはね上がったということになりますと、おっとどっこい、十万円なら予算を持って待っておったけれども、十五万円になるとそう簡単に飛びつけなくなるぞということになって、電電公社から逆に言わしめれば、公債を十五万円に上げて第二次五カ年計画で積滞数をこっちの右手で電電公社の中から荷物を順番に片づけていくのだという説明がありましたけれども、逆にいえば、びっくりしてしまって今まで申し込んだ階層の何十%が辞退せざるを得ないという、金の工面がつかない立場に追い込まれて逆に申込者の数が減ってきて、この面からの積滞を減じていくという一石二鳥を電電公社は考えておるのじゃないかというふうに私は思っておるのです。実際そうなると思うのです。そういうことに対して電電公社は、こうなったときに申込者は今までとどう変わってくるかという見通しをある程度持って臨んでおられると思うが、いかがですか。
○横田説明員 先生の今御指摘のありました点は私たちも相当な関心でありまして、ことに御承知のように、今お客さんの申し込みでたまっておってつかないという電話のうちに中小企業の申し込みが非常に多いわけでありますが、そういう申し込みを受け付けるためには、どうしても拡充の規模を従来よりも多くしなければ御要望に応じられない、ところが一面においてそういう人の場合に電話が非常にほしいけれども、資金に非常に困っておる問題について、資金の調達上高利でなしに普通銀行金利ぐらいで貸してもらえるような道を開きたいと思って本年度中から試行に入りまして、来年からはより範囲を広げて金融の道のできるように研究いたしておるわけでございます。
 そのほかに今先生のおっしゃる問題で、もしこういう新しい債券を持ってもらうことにしたら需要がどうなるだろうか、なかなかこれはむずかしい問題でありまして、私たちはそれについての抽出調査を昨年の十二月ごろにいたしたわけであります。その抽出調査の結果によりますと、各地域々々で幾分の違いはありますが、大体一割方需要がふえそうなところと、それから約一割方需要が減りそうなところと、両方の地域があったわけでありますが、平均いたしまして大体今の需要と申し込みはほとんど同じ、その傾向でいきますと――今の点を少し詳しく申し上げますと、この場合の調査では、一、二級局で一割方減るのではないか。三、四級局では八%ぐらい減るのじゃないか。五級局では一割ぐらいふえる。それから六、七級局では三割ぐらいふえそうだ。八級、九級局で一割ぐらい、十級以下では二割ぐらいふえそうだ。こういう一応の数字になっておりますけれども、これも需要の抽象調査でありますのでなかなかむずかしい調査でありますが、一応そういう想定をいたしまして、大体全国的に見ますと需要はあまり大きな変動はないだろう、こういう調査になっております。そういうわけでありまして、決して先生のおっしゃるように、これによって需要を落としていこうというようなつもりは別にないわけであります。
○堤(ツ)委員 あまり電電公社を悪く言うのも私も本意ではありませんから曲げて言おうとは思いませんけれども、私も貧乏人育ちですから、金のない場合の人の方が多いということを考えたときには、おっかなびっくり需要者が減るということは常識だろうと思います。一つどうしても考えてもらわなければならぬのは、びっくりして申し込みを辞退しようかとか、それから今まで申し込んでおったけれども引き下げてしまおうか――零細企業で人間二人ふやすかわりに電話がほしいというときに、金の工面がつかないという問題があります。従って、銀行の窓口において零細企業の人たちが公債を求めに行ったときに非常にたやすく融資しておるんだということを電電公社が率直に住民に訴えられて、なるほどこういう方法がなるなら、公債の値は上がっても何とかやりくりができるのだという安心感を与えなければ、これは二、三割方減るのではないか、こう私は見ておるわけです。実はこの間私が御質問申し上げたのにいただきましたお答えでは、去年やられたところの銀行の窓口における融資の使用率は、私は一%もないだろうと思っておったのですが、一・三%ある。聞くところによれば、電電公社は非常に意地が悪くて、こういうけっこうな方法がありますよということを、試行、ためしに行なう段階だからわざと教えないで意地悪くやられたらしい。どうも電電公社は、電話の数が少ないことをいいことにして、国民に意地悪く意地悪く、電話をほしがる人たちにできるだけつかないようなそぶりをしたり、つけさせないような顔をするのが好きなように、私のひがみかもしれませんけれども、見られるのです。自分たちが作った制度なら、親切に、あなた方切望しておられるが、ここが隘路ですから、そういうところはこういうふうに電電公社は指導しております、方法をとっておりますということを、いわゆる試行の段階でも忠実に教えて、できるだけ便利な方法を計らせるように持っておいきになるのが電電公社の使命だと私は思う。今度は十五万円の公債にはね上がったについて、そういう弱い人たちが勇敢に申し込むために具体的にどういう方法を考えておられるか、一つ電電公社の御説明を承っておきたいと思います。それから、右から左へ売る階層が非常に多いということを考えますときに、この公債が二束三文でたたかれないようにどういう方法を考えておるか。この二つをしっかり答えていただきたい。
○横田説明員 実は本年度の試行につきまして、銀行からの借り入れのパーセンテージが、全申し込みの受理者のうちで非常に少ないという点につきましては、先生の今御指摘のごとく、実は私の方は積極的な、あまり今年は宣伝しなかったということは事実であります。しかしこれはただ意地悪でやったんではないということだけはどうか一つ御了承願いたい。というのは、御承知のように今申し込まれてもつかない電話が非常に多いものですから、そこで相談に見えたお客さんに、もちろん窓口には今のビラを備えつけておりますけれども、積極的に各お客さんに全部、あなたはこういう方法で銀行から金をお借りになりませんかということはいたさなかったわけであります。その点につきましては、先生の御説のごとく、来年度からにつきましては、受理とともにお客さんにこういう金融の道が開かれておる。ことに東京あたりでは十五万円という金を、出し切りの金ではありませんけれども、債券を持ってもらうわけでありますから――低いところは二万円ですが、そういうところで持っていただくわけでありますので、こういう相当高額のものを持っていただくときに、受理と同時に、そのお客さんに全部封入してその道をお知らせするということをいたしたいと思っております。そういうような事務処理の準備をいたしておりますが、それによってどのお客さんにも全部それが周知徹底できると思っております。なおそれから今の持ちました債券の値段の維持ということにつきましては、根本的にいいますとこの問題についてはお客さん、加入者の方にやはり債券についての常識、経済常識を持っていただいて、いわばだまされないようにしていただくことが一番だと思います。これは先般も御説明いたしたように、気配相場が立つようになってから異常な動きをしなくなった。その気配相場が立つ前は、一般加入者の方は債券についての御知識がなかったために、低いときは五十円台まで落ちた。気配相場が立つようになってからはそんなことはなくなった、こういうことでございますので一番そこが大事でございますが、なおそのほかに今後周知方に一そう力を入れるとともに、この利率についても、本法にありますように公募債と同様な利率を基準にして考慮していく、こういうことになりますならば、従来の六分五厘の社債よりは値段も上がるわけでありまして、そういう意味におきましての配慮をいたし、なおそういう周知方については、一そうの努力をいたしたいと思っております。
○堤(ツ)委員 ただいまは電電公社の方の言い分でございますけれども、それでは銀行の方は、そうした電電公社の意思通りに受け入れてくれるかどうかという問題が私はあると思う。この点はいかがでしょう。
○山本説明員 ただいま銀行等の融資というのは勧業銀行一行のみをいたしております。先生のお話のように十分ではございませんので、現在公社といたしましては、都市銀行全部に対しては扱ってもらうように話を進めておりまして、大体銀行方面でも応諾の意図を持っております、なお地方銀行の方につきましては、地方におきまして一定の融資条件というもので地方銀行でもそれに応じていただけるかどうかということの折衝は、各地方において始めたいと思っております。従って、現在都市銀行は大体十四行でございますが、東京銀行を除きまして十三行は大体公社の方で折衝しております線に沿って融資を行なうように応諾の意図があるという工合に考えております。
○堤(ツ)委員 それは勧業銀行だけだったのを都市銀行、地方銀行に広げるというのだから、たくさんの窓口ができるんだから心配要らないだろうというようなお答えだろうと思うのですよ。これはあなた四月一日から実施しようというのに、その交渉というのですか、段取りというものがおそいんですね。イエスかノーか、くれるのもわからぬのでしょう。あなた今丁寧なこと言っていらっしゃるけれども、都市銀行十四のうち十三にしたってイエスとは言っていないでしょう。問題じゃありませんか。
○山本説明員 正式にイエスということを書面等では銀行の方からまだ出してきてはございませんけれども、銀行の責任者等と話し合いをいたしまして、今公社で考えております基準の方法で融資等に応じてもらえるかということに対しましては、責任者の口頭の答弁は、応ずるということを言って参っております。大体四月からはできるものと考えております。
○堤(ツ)委員 これはこの法を通すのに際して大事な問題です。ですからこれは総裁以下、公社をあげて一つ、この法案を衆議院を十五日に通したいなら、ここ一週間ほどのうちに地方銀行も都市銀行も全部答えをとってしまって下さい。それから零細企業、中小企業、町工場の人たちが非常に近親感を持っておる地方の信用金庫ですね、こういうものをも一つ答えをとられて、間違いなく融資の道が庶民のために開けるのだというところの約束がなければ、オーケーをくれると思いますので今交渉中でございます。そんなことはだめです。それを一つおやりになる義務が私はあると思うのです。総裁どうですか、おやりになりますか。
○大橋説明員 ただいまの御趣旨のように取り計らいたいと思います。
○堤(ツ)委員 これは大事なことですからやって下さい。あなた方この法案を通して四月一日から実施しようというのは、自分たちだけで言ったって、利用者の方では四月一日から始まったって融資してくれなければ何にもならぬじゃありませんか。自分たち電電公社の立場のみを考えて、はたの者の立場はちっとも考えない。利用者の立場を考えてないじゃありませんか。この法律を通そうというのに、これはけしからぬことです。はっきりして下さい。そしてこの法案を通す前に融資の道のある程度のはっきりした契約が得られますれば、私たちの方でも考えさしていただくことにいたしたいと思います。これは地方末端を使って一週間おやりになればできるでしょう。それでは総裁が今やりますとお答えになりましたから、やられるものとして私の方でお答えを承っておきます。
 それからもう一つ私はお尋ねしておきたいのは、この間の電話を業とするあの電話業者の問題でございます。これは公式の御答弁を何らいただいておらないわけでございまして、私が質問をしたしましてから電電公社の中ではどういう御相談になりましたか、一つ御答弁をいただきたいと思います。
○横田説明員 先般からいろいろ御意見がありまして、いろいろ電話業者に対しましては直接統制で、許可営業にするとかあるいは認可営業にするとか、そういうような直接統制の方法もあります。それから業者の自主的な統制というか、自主的統制を前提にいたしまして、それにできるだけ電電公社も協力して、それでいい業者の助長をはかっていって悪い業者の排除をはかっていく、こういう意味の第二の方法と二つあるわけでございます。実は先般も、直接これは公社の問題でないかもわかりませんが、直接統制の問題につきまして許可営業にするというようなことは実際問題としてもなかなか困難であるし、あるいは法律としてもそういう意味の許可営業ということについてはいろいろ問題があろうかと存じます。またその許可の営業のやり方についても実際上なかなかむずかしい問題があろうかと思いますが、これは直接やるといたしましても政府あるいは自治体というようなところの問題になるわけでありますが、次に、電電公社としてこの問題について、なお積極的にある程度今後、ことにこういうようにして拡張が多くなるとすれば、もう一そうこの点について積極的に考えるべきじゃないかという先生の御意見に対してはまことにその通りに思うわけでありまして、公社といたしましては、間接統制の方法によってなおこの問題について積極的に乗り出していきたい。ただ細目につきましては、まだ決定いたしておりません。ことに間接統制にいたした場合に、今の電話業者の協同組合のどの協同組合を前提にしていくかという点については、非常にむずかしい問題がありますので、たとえばそれが東京でも一番有力な本質的な一つのものであればいいのですが、今のように東京も幾つも分かれておる、大阪においては主たるものは一つでありますが、最も有力な業者がその中に入っていない。こういうような実情を前提にいたしますと、今すぐこの間接統制の場合にどれを中心にしていくというようなことは、なかなか言えない問題でありまして、むしろそういう間接統制の方法をとるから、業者自身においてももう少しいい方法を考えてこいという問題と相呼応して、初めてできる問題だろうと思います。そういう方法によって、公社ももう少し積極的に乗り出していきたい、こういうように考えております。
○堤(ツ)委員 まあこれは、私は問題は電電公社が野放しであったということに問題があると思うのです。今第二次五カ年計画、措置法を通すにあたって、あしたから美しい線が引けるということは、私も現実的に言えないと思うのです。だれがやってみても、私が副総裁とかわってみても、これはなかなかむずかしい問題だということはわかるわけです。しかし今までのように野放しでやっていいわけはない。かといってどれもこれも殺してしまって、その人たちの生活のかての道をふさいでしまって、路頭に迷わすということは許されない、こういう現実があると思うのです。ですから、一つ私はこれは今日以後の課題とされまして、そして少なくともこの計画を終わるまでの間には、電話業者に対して積極的に電電公社が太刀打ちできるような態勢を整えるとともに、一つの企画を持ってこれに当てはめるように二、三年間努力されるように、せめてお約束を願うならば、ある程度これを了承しようかと思います。何といいますか、悪徳業者が電話にありつけない国民を食いものにするということを大ぴらに許しておるという感じを国民に与えておるわけですね。ですから、これは非常に政治あってなきがごときものですから、私は一つこの際この法律と同時に、積極的な施策を打ち出してこないと承知しないと言いたいところですけれども、言いませんから、この五カ年計画を終わられるころには、今の電話業者に対して、いかなる法的根拠を与え、いかなる基準を持ってこれに臨んで、よいものを協力させ、公共の福祉のために悪いものを駆逐していくか、そしてこれを常道に乗せるかというところの気がまえというのですか、約束をこの際してもらいたい、こう思うわけです。副総裁一つ。
○横田説明員 公社といたしまして、できる範囲で、今の先生のおっしゃるような方向で努力をいたすことを、ここで誓います。
○堤(ツ)委員 できる範囲でという言葉は非常に便利でございましてね、どの程度ができる範囲かということは、解釈に苦しみますけれども、初めて私はこれは電電公社にげたを預けるのですから、できる範囲というものをどれだけに考えていらっしゃるか、一応こちらも見せてもらわなければいけないと思いますが、エチケットとして譲っておきたいと思います。
 そこでもう一つ私はお尋ねをいたしたいのですが、私たちがいただいております、関係法令の抜萃集の十七ページ、電話設備費負担臨時措置法施行規則、昭和三十一年三月三十一日、郵政省令第七号、この郵政省令第七号の施行規則の中の第二条に、「法第六条の二の規定により債券の引受を免除することができる場合は、左のとおりとする。」こういうふうに書いてありまして、公債を免除される場合が、一、二、三、四と指摘してあります。その中の三に、「その加入電話が、法第一条第一項、第三条第一項、第四条の二第一項又は第四条の三第三項の規定により債券を引き受けるべき加入電話の需要に応じてもなおその局内設備等に充分な余裕があると認められる電話取扱局に収容するものである場合」こう書いてありますが、つまり現有の局線に相当の余裕のあるところには、公債の負担をかけない、こういう規定になっておりますが、今度もこれはこのままいくのでありましょうか、どうでございましょうか。
○大泉説明員 この点につきましては、実は立法の際に、これは負担なんですから、できるだけ負担はかけまいということで、もしそういう何も要らぬということであったらやめようということであったそうでありますが、実際上は実例が全然ないのでありまして、今度これを改めたらどうかという意見があるそうでございます。
○堤(ツ)委員 私は、今局長がお答えになりましたけれども、実際にそういうところがどこにあるのか、具体的にお聞きしたいと思っておったのですが、実際にはない、こうおっしゃる。しかしそういう理不尽なことを言わないで――その根性が私は悪いと思うのです。今はないけれども、条件がよくなってきて、出てきたときには負担させないでもよいような電話局ができるように持ってきて、負担する人の数を減らすように考えたらどうですか。どうもその考え方が悪いのですよ。どうですか。これは改正する必要はないでしょう、置いといても、将来できたときには負担しないでもいいような区域がどんどんふえていって、しまいには負担しないでもいい区域ばかりに持っていくというのが電電公社の責任じゃありませんか。副総裁どうですか、これは。取らな損やという考えで法律考えたらいかぬですよ。
○横田説明員 電電公社としても、取らなければ損だという気持はほんとうにないのでありまして、ただ建設資金の足りないところを、お客さんの御協力を得てということでありますが、この、今の御指摘のような電話局が非常に多くなって、どこにもつくようになるということになれば、当然法案におきましても、「四十八年三月三十一日までに廃止するものとする。」ということで、そういう情勢になってきた場合は、お話のごとく、こういう法律の要らぬようになる時期がくれば、できるだけそういうことに応じていくということであろうと存じますが、ただある電話局ができて、そこの局だけが設備に余裕があるからそこの局だけを持っていただかぬということにすることは必ずしも均衡を得たものではないと思いまして、そういう意味におきまして、われわれの方の趣旨は、決してできるだけたくさん持ってもらう、要らなくなってもという趣旨ではないので、その辺は御了解願いたいと思います。
○堤(ツ)委員 今、副総裁の言われた趣旨もよくわかるのでありまして、あるところではいつまでたっても十五万円の負担が絶えない、あるところは二年か三年のうちに十五万円の負担をしなくてもいい局が出てくる、これは不公平でありますから、その辺はもちろん了といたしますけれどもできるだけ負担をかけないという建前に向かっていかれるのがほんとうなんですから、一つそういう点は、私が申し上げたような趣旨で、いかれないように一つお願いをいたしたい。それから今申し上げました施行規則の第一条、第二条、第三条を通して、この公債の負担をしなくてもよい階層があるわけです、職業があるわけです。これは今のところ架設された電話の何パーセンテージを占めておるか。今日以後のその需要者のうちの何パーセンテージを占めるか、私がこういうことをお尋ねいたしますのは、負担をしなくてもよいところの電話の数が非常に多いがゆえに、善良なる市民の弱い人たちが必要以上に高い公債を持たされることが長く続くのではないか、こういうふうに考えるから私はこういう質問を申し上げるのです。今まで架設された電話の中で、公債を持たなくてもいいところのこの施行規則の中の対象は何%か、今日以後は何%出てきそうであるか、この数字を一応示して下さい。今ここではっきりしておらなければ、次の委員会までに……。
○大泉説明員 ここに書いてあります第二条の各項でございますが、この三号につきましては、ただいま申しました通り実例はございません。その他のものにつきましては、大まかに申しまして三%前後でございます。
○堤(ツ)委員 三%ですか、今までの架設のものに対しては。
○大泉説明員 それは年度々々で多少違いますが、おおむね三%前後でございます。
○堤(ツ)委員 そこで、郵政省の監理官に伺いますが、いろいろ問答されておりますように、債券についての安定性といいますか、利回りの問題、それから銀行取り扱いの窓口の問題、それから電話屋の問題、こういう問題はこの臨時措置法とうらはらになっておるのでございまして、私は郵政省が電電公社の立場に立って相当深くお考えをいただかないと困る問題じゃないかと思うのですが、郵政省対大蔵省の関係は、この措置法についてどうなっているか、またどういう考えを持っておられるか、一応お聞かせいただきたい。
○松田政府委員 ただいま先生の言われましたいろいろな問題につきましては、私どももこの法律を実際に動かして参りまして円滑に電話の発達がはかられていくためには、ぜひとも必要な方策であると考えまして、その方策が実現されるようにできるだけ努力をすると申しますか、あるいは協力をすると申しますか、直接役所の仕事ではないにしても、電電公社がいろいろとこの際打つべき手というものにつきましては、それの実現できるように関係方面に対してもできるだけの努力をするということでやっている次第でございます。従いまして、大蔵省に対しましても、そういう趣旨でいろいろな面での交渉を今までもやっておりますし、またこれからもやって参りたいと考えております。
○堤(ツ)委員 電電公社だけが努力をするのでなしに、郵政省自体もその責任において、今私が要求いたしました銀行の窓口との交渉、それから利回りの問題については法案に示している以上に便宜をはかるという大蔵省の態度がなければならないと思います。こういう点は、一つ郵政省の監理官の立場から御協力をいただかなければ、とうてい簡単にこの法案には私は賛成できないのでありますから、念を押しておきたい、かように思うわけであります。
 そこで、今度は一つ総裁並びに副総裁に、最後に電電公社の立場として、農村の有線放送などと結びつけて私は念を押し、私の意見を申し上げ、そちらの御意見を聞いておきたいと思うのですが、電電公社は自分たちがつける自信、つける能力、つけ得るところの力のないくせに、どうも有線放送に対して今までのような態度をとってこられたものですから壁に突き当たっておられるわけなんです。率直に、自分たちがやれないならば、他につく方法があれば、農村向けの有線放送だって、もっと虚心たんかいに出られたら今日のような行き詰まりにはならなかったと思うのです。ところが、どうもおれのなわ張りだから、電話がつけられてもつけられなくても、はたのものには手をつけさせないという態度で出てこられたのではないか。私が指摘いたしましたように、だいぶ見当違いの計画を立ててこられて、四十七年度のこの十五万公債終了の期限のときにはそう狂いはないはずだとおっしゃっておりますけれども、私どもが今日までの電電公社のやり方を見てきますと、まだ電話のつけてもらえない階層が相当残るということが予想されるわけでございます。こうした面につきましては、あらゆる方法を講じて良心的に電電公社は出られなければならないと思います。もちろん、電電公社が一手に引き受けておられるのでございますから、電電公社がおやりになるに越したことはないのでございますけれども、電電公社がやれないならば、もっと有線放送に対して親心ある指導とか、手がいろいろな面で打てたと思うのです。ですから、こういう面につきまして、なおかつ及ばないときには賢明な、合理的な、国をあげての総合的な電話事情解消のために虚心たんかいに臨まれる勇気があるかどうか。私は、できもしないのに力んで民衆に迷惑ばかりかけている電電公社は困ったものだと思っております。そういう意味で有線放送の問題はすぐに片づけてもらわなければならない問題だと思います。すぐにつなげられないならば、指導して、民間人にまかしたり、また農林省や他の部門でやってもえわなければならない。そういう今のあり方を電電公社の中に包含して、これをどうマスターしていくかというところの勇気がなければ、私は民衆に公平にこたえられないと思うのであります。こういう点、今までの自分たちのあり方を反省されまして、虚心たんかいに率直に前進される意思があるかどうか。ことに農村の有線放送の問題を中心にして総裁以下の心がまえを承っておきたいと思います。
○大橋説明員 有線放送電話の問題につきましては、当委員会においても小委員会をお作りになっていろいろ御研究になっておられることと思います。私どもも以前より研究を進めている次第でございますが、今後小委員会の御意見等をも十分傾聴いたしまして善処いたしたいと思っております。
○堤(ツ)委員 私、まだ若干の質問がありますけれども、安保特別委員会が始まっておりまして、これに出なければならないので、恐縮でございますけれども、勝手ですが、この辺で……。
○佐藤委員長 次会は明九日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十八分散会