第037回国会 商工委員会 第7号
昭和三十五年十二月二十二日(木曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 中川 俊思君
   理事 小川 平二君 理事 岡本  茂君
   理事 中村 幸八君 理事 板川 正吾君
   理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君
      有馬 英治君    海部 俊樹君
      神田  博君    齋藤 憲三君
      首藤 新八君    田中 榮一君
      田中 龍夫君    林   博君
      岡田 利春君    勝澤 芳雄君
      小林 ちづ君    東海林 稔君
      中村 重光君    伊藤卯四郎君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       始関 伊平君
        通商産業政務次
        官       砂原  格君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 樋詰 誠明君
        通商産業事務官
        (企業局長)  松尾 金藏君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局物価政策課
        長)      佐藤 健司君
        通商産業事務官
        (重工業局長) 佐橋  滋君
        通商産業事務官
        (重工業局鉄鋼
        業務課長)   三宅 幸夫君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  福井 政男君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      大堀  弘君
        通商産業事務官
        (公益事業局次
        長)      須賀井敏行君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済総合計画に関する件
  請願
 一、硫安価格引下げ早期決定等に関する請願(
   中澤茂一君紹介)(第八七号)
 二、消費者物価値上り防止に関する請願(中澤
   茂一君紹介)(第八八号)
     ――――◇―――――
○中川委員長 これより会議を開きます。
 本日の請願日程に掲載されております二件の請願を一括して議題とし、審査を進めます。
 これら二件の請願につきましては文書表等により委員諸君も一応内容は御了解願っておることと存じますが、昨日の理事会におきまして理事の諸君と種々検討いたしました結果、日程第二の請願は、その趣旨が妥当と認められますので、採択の上内閣に送付すべきものと決すべきであるとの結論を得たのでありますが、そのように決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 他の請願につきましては採決は延期することにいたします。
 なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○中川委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしました通り二十件であります。
     ――――◇―――――
○中川委員長 通商産業の基本施策及び経済総合計画に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。小林ちづ君。
○小林(ち)委員 私はまずわが国の鉄鋼生産の見通しについて、政府当局の見解をお伺いいたしたいと思います。
 鉄鋼連盟は、さきに政府の所得増倍計画を基礎として、昭和四十五年度のわが国粗鋼生産量を四千八百万トンときめましたが、ドル防衛の問題が起こって以来、インドを初め後進国に対して、米国がひもつきで鋼材を買わせる政策を打ち出しているため、日本鋼材輸出が相当マイナスになることが予想され、また国内需要も、自動車、機械などの生産が自由化で今までのような伸びを示すとは思われないとき、このような鉄鋼業界の強気の見通しをそのまま信じてよいかどうか、お伺いいたしたいと存じます。
○佐橋説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。
 所得倍増計画で政府が一応立案しておりますのが、現在、昭和三十五年度粗鋼べースで二千三百万トンくらいの生産を上げる予定になっておりますが、これが十年後の四十五年には、大体四千八百万トンになるというのが、政府自体の現在までの見通しであります。鉄鋼連盟が強気というお話がありましたが、鉄鋼連盟とも連絡をとっておりまして、大体私たちの見通しでも、十年後には四千八百万トンになる、こういうふうに考えております。
 ただいま先生の御質問の中にありましたドル防衛の問題でありますが、現在鉄鋼の輸出は、大体国内の生産額の約一割が輸出に回っております。そこで、その一割のうちでICAその他いわゆるアメリカの協力基金によって買っております分が、大体一割五分ないし二割であります。インドあたりで若干の問題は起きると思いますが、鉄鋼生産額全体から占めるウエートというものは非常に小さなものであります。
 それから、御質問の中にありました自動車等が今後はたして自由化に対処して伸びれるかどうかということでありますが、これは私どもの現在の見解では、なかなかむずかしい点があると思いますが、自動車等の生産も、現在から相当大きな生産になりまして、大体四十五年度には、乗用車のべースで百万台くらいの生産をいたしまして、四十万台くらいが輸出に向かうということで、所得倍増計画の基礎ができておるわけでありまして、それに伴いまして、鉄鋼の生産も、先ほど申しましたように、粗鋼べースで大体四千八百万トン程度の伸びは必要でもあり、私たちとしては伸びる、こういうふうに考えております。
○小林(ち)委員 ところで、鉄鋼業界の強気の見通しにもかかわらず、八幡製鉄が最近になって三重県四日市への工場進出を断念するやに聞いていますが、四日市や三重県では八幡製鉄の進出を前提として漁業補償や土地買収を初め、すべての開始計画を進めてきましたが、もし八幡が進出できないとなりますと、今までの一切の計画が御破算となり、一年余りの努力も水のあわになるわけで、地方行政に与える悪影響ははかり知れないものがあります。独占大企業の勝手な処置のために地方住民のこうむる迷惑は、この上もありません。池田内閣はこの間工場の地方分散の考えを明らかにされましたが、このようなことが許されるとしましたら、地方の工場誘致に重大な支障となることは明らかであります。この点に関して当局のお考えと対策をお伺いいたします。
○始関政府委員 ただいまの小林さんの御質問に対しまして私からお答え申し上げます。
 四日市地区におきまする製鉄所の建設につきましては、ただいまお話のように地元側の強い勧誘がございまして、八幡製鉄がただいま検討中であるように承知をいたしております。県、市といたしましては、御承知のように霞ケ浦地方の約二百万坪にわたる漁業権の買収を終わっておりまして、今後埋め立てを行ない、製鉄所にしたい、こういう考えのようでございますが、八幡製鉄といたしましては、現在までの調査ではこの地方が――御承知のように製鉄所が非常に重量の重い構築物が多いわけでございますので、その点から申しますと、少し地盤が軟弱でございまして、そこに技術的な難点がある。八幡製鉄といたしましては慎重な調査を行なった上で結論を出す意向であるというふうに承知いたしておる次第でございます。
 なお、この問題につきましての政府の立場と申しますか、態度でございますが、これはどの工場がどこに進出をするかということは、これは民間で自主的にきめる問題でございまして、政府といたしましては、特に積極的に介入いたします考えはございません。なお、かりに製鉄所の用地としては不適当であるといたしましても、それほど地盤が特に強くなければならないというようなことではございませんので、万一そういう結論になりました場合でも、おのずから道が開けることと思います。いずれにいたしましても、この点はいわゆる民間ベースで決定すべき問題である、このように考えておる次第でございます。
○松平委員 関連して。今聞いておると、地盤が悪いから断念するかもしれぬ、こういう話ですけれども、この問題は一年も二年も前から話がある問題だと私は記憶しているわけです。そうすると、そういった基礎的な調査も何もせずに、四日市がよかろうというようなことで、だんだん話が進んでしまったのか、そこらのところはどうですかね。つまり、基礎的調査も何もせずに話の方が先にいってしまったのか、その点のいきさつはどうなっていますか。
○佐橋説明員 御承知のように、鉄鋼は既存の基地がほとんど一ぱいになって参りまして、これからの増産に対応しまして新しい基地を設けて、そこで溶鉱炉から一貫してやるということで、各製鉄所とも非常に国内至るところに目を光らせて、いわゆる立地を探しておる状況であります。当問題につきましては、一応県と市の方でいわゆる一般的な調査はしておられて、会社に対して働きかけられたようであります。と申しますのは、大体地盤あたりも二十メートルぐらいの深さの調査は済んでおったようであります。今政務次官から答弁がありましたように、製鉄所の溶鉱炉を置くということになると、これは非常に強い基盤を要しますので、八幡は今年の七月から十一月くらいまでにわたりまして、ボーリングを数カ所にわたって打って、基盤の状況を調査したわけでありまして、現在私たちが承っておりますところでは非常に脆弱であって、御承知のようにこれから溶鉱炉自身は千五百トン、二千トンというふうに鉱炉の容量自身が大きくなって参りますので、そういう大容量の溶鉱炉を建設するには、現在までの調査では必ずしも適当でないというような見解を持っておるようでありますが、さらに精密に調査した上で結議を出したい、こういうこと言っておるわけであります。
○松平委員 水の問題は心配ないのですか。あそこはたしか工業用水地帯になっておったはずだと思いますし、溶鉱炉の水は大へんなものだろうと思う。その点はどうですか。
○佐橋説明員 水の問題は三重県では鉄の関係の誘致で、桑名市周辺と四日市と二カ所ありますが、水の問題はケリがつくようであります。
○松平委員 そうするとこの問題は今政務次官のお答えだと、調査をしてその上で決定ということになるわけであって、必ずしも見込みのないことではないというようなお話もあったが、大体の見通しはいつごろ結論が出るようなお見通しですか。
○佐橋説明員 これは先ほど政務次官の答弁にありましたように、全く民間ベースの話でありまして、八幡製鉄と四日市市、三重県と話をしておるのでありまして、いつごろになるか私の方から申し上げる権限と申しますか、そういうものはないんじゃないかと思います。
○田中(武)委員 関連して。製鉄会社が溶鉱炉なんかを設置する場合は、重工業局に溶鉱炉設置の申請書を出すだろうと思う。それについてはこの四日市の八幡製鉄のはどういうふうになっておりますか。
○佐橋説明員 私ども建設を認めるとか認めないとかいう権限を持っておるわけではありませんが、当然溶鉱炉などが建設されるということになりますと、いろいろ機械の輸入の関係、あるいは原料の輸入の関係等で、当然役所の厄介になる面が出てくるわけでありまして、事前にいよいよ容鉱炉を建設するのだということになれば、その了解を求めに参ります。まだ基地を探しておる段階の場合には、それぞれ会社同士の秘密でありまして、最終的にここを基地にきめたという段階になって初めて連絡がありまして、まだその重前の段階においては役所の方の了解を求めに来るということはありません。
○田中(武)委員 そうすると今の場合、まだ八幡製鉄の溶鉱炉の設置についての正式な通産省における書類等は出ていない、そういうことなんですか。
○板川委員 関連して。局長にお伺いしますが、こういうように私は聞いておったんですが、八幡製鉄が四日市に基地を求める。最初予想したよりも地盤が軟弱であった。しかしこれは海岸線の方か何かで少し補強工作をすれば、金をかければあそこでやってや七ないことはない。しかし、そうなると予想よりも費用がかかるが、それは全体の規模、土地を縮めることによって前の計画の金額でやれるものと思う、こういうふうに私ども聞いておったのですが、そういう情報と違いましょうか、局長の方の情報では……。
○佐橋説明員 先生の御質問ですが、最近溶鉱炉の大規模化すばかりでたく、製鉄所というのは、ある一つの単位にするのには、昨今では大体坪数で、いけば、百万坪以上が最小限だというふうに考えております。製鉄所自身は、中京地区には御承知のように溶献炉は現在のところまだ一本も建って宏らないわけでありまして、工業地帯といたしましても、伊勢湾に基地を設けたいというのは、言ってみれば製鉄所の悲願みたいなものだ、こういうふうに考えておりますが、さて伊勢湾の中でどこへ基地を設けるかということになりますと、今先生の御質問にありましたように、結局用水の問題、漁業権の問題、基盤の問題というようなことを総合勘案して、採算的に十分いけるという確信を持ってから基地を決定するわけでありまして今の八幡の件につきましては、溶鉱炉でなく、あるいは圧延施設だけを置くというようなことにしますかどうかということについては、私どもまだ全然承っておりません。
○松平委員 これに関連しまして、昨年来溶鉱炉の問題については、業界と通産省との間に意見の相違がある。業界は何とかしてたくさん作りたいということでありましょう。従って川鉄等が猛烈に運動しておる。そこで通産省はこれに対して困る立場にあって、何とかして押えたいという意向がある。あの問題は、現在どういうふうに結論がついておりますか。
○佐橋説明員 昨年末、私の方としましても、長期の鉄鋼の設備計画というのがどうしても必要でありましたので、業界から各社の設備計画を聴取したわけであります。そのときには各社の設備計画というのが、われわれが予想しております需要の伸びに比べまして、非常に大きな数字であったわけであります。何としても安定的に成長させるためには、われわれが予測した需要に合った供給設備がふえていくということが望ましいと考えましたので、業界のお互いの話し合いで設備の調整を願えぬかということを話したわけであります。業界は数十回会合を重ねました結果、長期的ではなく、三十五年度だけにつきまして、溶鉱炉とホット・ストリップ・ミルだけにつきまして、三十五年の着工ベースはこういうことにしたいという答申がありまして、それ以外の施設については通産省におまかせいたします、こういうことになって、三十五年度の分は一応ケリがついておるわけでございますが、三十六年度以降、所得倍増計画に合わせて、どういうふうに設備を調整して参るかということについては、現在のところまだ各社の長期の計画が出ておりませんので、それが出た上で、われわれが予想します需要よりもはるかに大きいとか、あるいは集約的に生産の設備が増強されるとかいうようなことになれば、これまた調整の必要がありますので、何らかの形で調整をする必要がある、こういうふうに考えております。
○松平委員 そうすると、今までのわれわれの了解しておるところによると、たしか昭和四十年までですかに十基じゃなかったか、業界はもっとよけいにしたいという考えのようです。その業界の中でも競争しているから、押しつぶそうという考えのものが大手にはあったわけであります。今のお話だと、その当時の、つまり所得倍増ということでない長期計画前の段階の計画と、それから所得倍増ということが唱えられてからの鉄鋼に関する計画というものは違ってくるというふうに予想していいわけですか。
○佐橋説明員 昨年あたりわれわれが考えておりました需要の伸びと、所得倍増計画が発表されましたあとの伸びとでは、かなりの相違があります。四十八年度の計画が私たちまあまあ無理ではないのではないかということを言いますのは、われわれが考えておりましたよりも、三十四年度に比しまして、三十五年度の生産の伸びというのは非常に大きな伸びを示しております。大体三十四年度の粗鋼の生産実績が千八百万トンであります。私の方は、大体三十五年度も一割強の伸びではないかということで、千九百万トンの当初計画を組んだのでありますが、その後の需要の伸びは非常に大きくて、その後二回ほど改定をいたしまして、現在は先ほど申しましたように、三十五年度の実績は二千三百万トンに達する、こういうふうに考えておりますので、以前に私たちが持っておりました需要予想よりも所得倍増計画が発表された現実においては相当大きくなっておる、こういうように考えております。
○松平委員 もう一つついでに伺っておきたいのは、この前この委員会でも問題になりましたが、製鉄事業と化学工業との間のコンビネーション、これを考えるべきであるという意見をわれわれ持っておるわけですが、その一つとして、広畑における別府化学工業、あれが現実の問題としてあり、それから八幡と新日本窒素との提携、日本鋼官と昭和電工との提携ということがあるわけであります。そこでこれらの事業、その中でも八幡並びに日本鋼管、これは一体具体的にどういうふうに現在行なわれてきておるかということと、もう一つは、川鉄並びに日鋼室蘭、これの廃ガスの問題が未解決であると思います。かなりBガス、Cガスがこの二地区からは出ているわけです。そこで、千葉方面と室蘭方面における鉄鋼と化学工業との結びつきというものを考えていかなければならないと私どもは考えますけれども、それについては何らかの話し合いというものはあるのかどうか、これをこの際伺っておきたいと思います。
○佐橋説明員 今の日本鋼管、川鉄、八幡の問題でありますが、これはおそらく今後増設する場合、あるいは新基地を作る場合のお話かと思いますが、先ほど申しましたように、現在のところ、三十六年度以降の計画について、各社はどういうところでどういうような設備を作りたいという計画をまだ出しておりませんので、私の方としてはまだ未検討であります。
○松平委員 広畑の場合は、これは新しく溶鉱炉を建ててその余熱を利用するために化学工業と結びつくということではないのであります。これは現在ある隣の土地を埋め立ててやっていく。それから私の聞いている限りにおいては、八幡も新しいのでなくて、今あるのを新日本窒素と結びつけるのだということを伺っている。日本鋼管の場合は、現在昭和電工とかなり離れておりますが、あれをパィプで結ぶ、こういうことをわれわれは承っておるわけです。新しくできたものと化学工業との結びつきではなくて、現在あるものを化学工業と結びつけていく、こういうふうにわれわれは承っておるわけです。今のあなたのお答えは少し違うように思うのであります。同時にまた、今ある日鋼室蘭と千葉方面の製鉄所の問題について、やはり大きな立場から企業間のコンビネーションというものを考えてコストを下げていくということが必要であると私どもは考えておるので、その点を伺ったわけでありますが、最近の情報がないならいたしかたない、次の機会にでも答えていただきたいと思います。
○齋藤(憲)委員 関連して。今の鉄鋼行政ですが、昭和四十五年度には四千八百万トン、そうしますと、原材料並びに強粘結炭というものは、これも非常に大きくなってくる。そこで私の伺っておきたいことは、こういう所得倍増計画に準じて、日本の鉄鋼生産というものが、急速度に大きくなっていかなければならない。溶鉱炉だけにたよって、はたして原材料としての日本の鉄というものが、世界のあらゆる機械産業あるいは自動車工業というものに比肩して、所得倍増のために、いろいろな貿易の自由化に対処していけるかどうかということ、これはいろいろ議論がありますから、ここであえて御答弁を求めようとするものではございませんが、そういう点も一つよくお考えを願いたいと思うのであります。私の考えておるところによりますと、なかなか日本の製鉄というものは量に追われて、品質の検討というものが非常におろそかになっておるのではないか。でありますから、機械産業を増大していく場合には、どうしてもキー・ポイントになる優秀なスチールは、やはりスエーデン鉱を用いていかなければならないということです。そういうことに対処して、将来に対するいかなる見通しがあるか、これを一つ聞きたいのですが、それを聞くとだんだん話に花が咲いて時間がなくなりますから、いずれ機会あるときにこれを伺いたいと思いますから、御準備を願いたいと思います。
 それからもう一つ、ただいまお話が出ましたいわゆる廃ガスの問題であります。これはBガス、Cガス、特にCガスは一酸化炭素を主体とした大きな廃ガスでありますから、これを活用いたしまして、いわゆる直接製鉄法、低温還元鉄、こういうものを政府としては御計画になっておるかどうか、これを一つ伺っておきたいと思います。
○佐橋説明員 今の溶鉱炉から出る廃ガスが化学工業と結びつく問題は、各社真剣に検討しておりますが、先生の御質問はおそらく電気炉でやる電気銑の場合だと思いますが、これは昨今の世界の大勢は、溶鉱炉から出る余熱で、まず使用原料の予備還元をして使うということになりますと、電力当たりの消費量が非常に減るわけでありまして、わが国の特殊鋼業界も、その点については、現在各社とも真剣に検討しておりまして、大体そういう方向に参る、こういうように考えております。
○齋藤(憲)委員 もう一点伺っておきたいのは、四千八百万トンという膨大な粗鉱を目標として日本の製鉄界がこれから努力をして参るわけでありますが、そういう四千八百万トンの粗鉱量というものが十年後にでき上がる。そうすると、さらに次の製鉄界を見ますと、結局響いてくるのは原材料ということになるわけです。ですから、原材料をいかにして日本が半永久的に入手するかということになりますと、これは相当大きな問題だと私は考える。そこで浮かび上がって参りますのは、東南アジア全域に三百億トンの埋蔵量があると称されておるラテライト資源であります。このラテライト資源に対して政府当局は、今どういう考え方を持って手を打っておられるか、もし御答弁ができまするならば伺っておきたいと思います。
○佐橋説明員 先生御指摘のように、製鉄の生産が上がるにつれて、原料対策というものは非常に真剣な問題でありまして、現在世界各地に鉱石を求めておるわけでありますが、御承知のように、現在までの段階では、日本は非常に富鉱を買っておるわけであります。と同時に、製鉄の方法というものは、言ってみれば非常に進歩がおそいわけでありまして、私たち四十年度までくらいは現在のベースで進むと考えておりますが、それ以降につきましては、相当原材料等の問題等も関連いたしまして、新しい製鉄の技術方法が生まれるのではないかというふうに考えております。先生御指摘のラテライト資源は、東南アジアには非常に豊富にありまして、現在のところは全然使っておらないわけでありますが、これはまだ国としては手がけておりませんが、各社真剣にラテライトとは取り組んで、ラテライトを使い得る方法が発見されるということは、鉄の業界にとりましては革命的な発見でありますので、各社は非常に秘密裡に研究を進めておる、こういうふうに承っております。
○齋藤(憲)委員 そのラテライトを鉄鋼原料として使えないというのは、結局するところ、三%ないし五%のクロームが含有されておる、そのクロームを除去すると、鉱石原料として非常に高くなっていく。であるから、結局含有クロームをどの程度までスクラップオフしてできるかどうかということが研究の対象にいっているのではないかと私は思う。各社秘密にやっているといいますけれども、政府はそういう研究に対しては思い切った助成措置を講じて、早くラテライトを日本の製鉄原料として使い得るという立場を確立するということが、私は日本の製鉄行政としての百年の大計ではないかと思っております。各社が秘密にやっているから、それはいずれはできてくるだろうというような漫然とした鉄鋼政策というものは許されないのではないか、私はそう思っております。でありますから、結局するところ、日本においても、東南アジアにおけるラテライトを征服したものは、世界の製鉄を征服するくらいのはっきりしたテーマが世界的に出ておるのでありますから、日本のほんとうの将来の製鉄というものに関心を持つならば、このラテライトをいかにして早く世界に先がけて鉄鋼原料として用いられるか、その方法をどうして案出するかということに対しましては、重工業局としても大きな建前から助成研究措置を講ぜられて、これを世界のいかなる国よりも早くものにするということが、私は鉄鋼行政の将来に対して大きな光明を持ち来たすのではないか、そう思っておるのでありますが、この点に関しまして、どうですか、政務次官のお考えを伺っておきたいと思います。
○始関政府委員 大へん卓越な御意見でありまして、政府としてまだ取り上げる段階になっていないことはまことに遺憾でございますが、至急事務局とも相談をいたしまして、御趣旨に沿うようにやって参りたいと思います。
    ―――――――――――――
○中川委員長 この際昨日の齋藤憲三君の質疑に対し砂原通産政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。通商産業政務次官砂原格君。
○砂原政府委員 昨日齋藤委員より御質問がありました石油資源開発株式会社の今後の運営方針につきましては、御承知のように、同社は設立目的達成のために石油資源開発五カ年計画の達成に鋭意努力を続けておりますが、現在までの作業実施状況を見ますと、探鉱の成果は、昨年度以降急速に現われてきており、各所に有望な油田が発見されつつあるのであります。これら発見油田の開発の進展に伴い、生産量も急増の傾向をたどっており、本年度には原油換算約三十万キロリットルの生産が見込まれるに至ったのであります。このような状況にかんがみまして、今後とも積極的に石油資源の探鉱を促進し、さらに飛躍的な生産の増大をはかりたいと考えております。五カ年計画は、期間的には本年度をもって終了することになっておりますが、計画作業量につきましては、その約七割程度が実施されたにすぎない状態でありますので、昭和三十六年度以降においては、当面この未実施分の作業量を実施し、五カ年計画の完遂をはかることにいたしたいと考えております。従いまして、第二次長期計画の策定につきましては、右計画の遂行とにらみ合わせまして十分検討いたしたいと存ずるものでございます。
○齋藤(憲)委員 ただいま石油資源開発会社の今後のあり方につきまして、当局より御答弁をいただきましたので、私はその御趣旨によって大体満足をするものでございますが、なお他の委員からも関連質問があるそうでございますので、私はなるべく簡潔に、一、二の点だけを伺って質問を終わりたいと思います。
 この石油資源開発会社の第一次五カ年計画は、当時ペアックに対する答申を求めたその答申の結果に基づいて立案されたのであることは、速記録を見るまでもなく明白なところでございますが、その当時ペアックの答申といたしましては、まず第一に、集油構造の地域が五百カ所日本にはある、そのうち試掘を行なうべき個所が百五十四カ所ある、これをやっていくことが重点のような答申になっておるのであります。従いまして、集油構造五百カ所ある中で百五十四カ所の試掘個所がある、その七割を大体やったというだけにすぎないのであって、日本全国の集油構造五百カ所に対する七割ということではないと私は思うのであります。従いまして、五カ年計画としては、まあ百五十四カ所に対する七割はできたけれども、日本全体から考えてみると、まだまだ試掘をし、あるいは重力探鉱または地震探鉱によって、日本の埋蔵石油量の確認をしていかなければならない個所がたくさん残っていると思うのであります。これに対して石油資源開発会社としては、順次その作業を実施して、所期の目的を達成するということでなければならぬと思うのでありますから、この際、一つ石油資源開発会社設立の趣旨に思いをいたされまして、五カ年計画遂行と同時に、さらに第二次五カ年計画を強力に立てていただきたい。
 特にこの際、私は希望として申し上げておきたいことは、この五カ年計画を遂行する当初においては、日本の海底油田の掘さくというものがなかったのであります。それが途中から白龍号の建設という問題が起きて、そしてこれを建設して、今では非常に大きな将来に対するところの海底油田開発の第一段階を成功裏におさめたわけでありますから、これを加味して参りますと、さらに石油資源開発会社の探鉱、試掘というものは、もっと力強く行なわれなければならない段階にあるのではないか、さように考えておる次第でございますので、石油資源開発会社の第二次五カ年計画と申しますか、そういうものの立案に対しましては、政府当局におかれましても、十分熱意を込めて予算その他の処置に万全を期されんことをお願いいたしたいと思うのであります。
 それと同時に、この際簡単に御答弁願っておきたいのは、石油資源開発会社を設立いたしましたときの構想は、探鉱に主力を置いておるという建前から、石油資源開発会社としては、採掘したところの油と、これに伴うところのガスの販売というものを目的にいたしたわけであります。今日天然ガスの問題が世界の大勢として非常に大きくクローズアップされてきた。アメリカのごときはすでに四千億立方メートルという大きな天然ガスを、有機合成化学の原料として使っておる。世界各国もこれにならって、天然ガスの開発というものは非常にやられておる。その波が日本にも参りまして、天然ガスを重要視する風潮というものは日一日と濃くなって参りました。そうすると、ここに天然ガスの問題として私の聞いておるところによりますと、帝石と石油資源開発会社が、どうも天然ガスというものについて考え方が違ってきたのではないか。帝石は非常に天然ガスを重視している。また石油資源も天然ガスを重視している。こういうふうにトラブラがほんとうにあるのかどうか私はよく知りませんし、またそれに対する御回答を伺いたいと思っているわけではございませんが、私が今当局のお考えを伺いたいのは、世界がまさに天然ガス時代になってきた、こういう天然ガス時代になってきたのに対して、一体政府当局としてはどういうお考えをもって日本の天然ガスに対処せられんとしておるのか、これを一つ簡単に伺っておきたいと思います。
○福井説明員 天然ガスの利用につきましては、ただいま御指摘のように逐年増加いたしております。これに伴いましてわが国の生産量も御承知のように毎年増加いたしておりまして、昨年度は約五億立米でございますが、三十五年度、本年度は七億立米に達する見込みでございまして、さらに来年度は増加する見込みでございます。需要の内容につきましても、従来の燃料としての利用度も相当ございますが、化学工業原料としての需要が非常に増加しているという状況に相なっております。今後科学の進歩につきまして、天然ガス化学工業が大いに発展すると思いますが、これの原材料として天然ガスの生産を私ども十分にいたしまして、供給の方に大いに充当いたしたいと考えております。現在政府の助成策といたしましては、最も直接的な方法としては、御承知のように試掘の補助金を出しております。基礎的には地質調査所等の計画に、天然ガスの有望地帯について基礎調査をやって参っておりますが、さらに今後この計画を大いに推進いたしたい、かように考えております。そのほか税制の問題等につきましても、現在いろいろ御審議いただいておりますが、できるだけの助成をして参りたい、かように考えております。
○齋藤(憲)委員 今の御答弁ではちょっと満足いたしませんが、いずれ逐次満足するような御答弁をちょうだいいたしたいと思っておるわけでありますが、大体私の考え方からいたしますと、天然ガスと申しましても、御承知の通り、第四紀沖積層の中にあるところのいわゆるメタンガス、それから石油とともに出てくるガス、あるいは構造性のガス、またはもう一つ大きなのは炭層の中にある天然ガスですね。ですから天然ガスというと、何かちょっぴりした、石油と一緒に出てくるのが天然ガスと、こういうのだけれども、可燃性天然ガスということになりますと日本としては重大問題です。石炭地帯における災害なんというものも、この炭層地帯にある天然ガスをいかに処理するかということに大きなウエートがかかっているのだが、徹底した天然ガス政策というものが日本にまだないのです。そのために日本は一日にどれだけばく大な損失をしているかということは、これはそろばんをはじいてみれば非常に大きな損失をいたしておるのであります。ですから結局するところ、私が今政府当局にお尋ねをしておることは、一体徹底した天然ガス政策というものを、なぜ日本に打ち立てないのかということなんです。今この天然ガスに対する試掘補助金があるといっても、わずか三千万円ですよ。三千万円でどれだけの試掘補助をするのかというと、半額だ。一体出るか出ないかわけがわからぬところへだれも半額の金だけもらったって、天然ガスを掘るという勇気のあるものはなかなかおらぬのでありますから、そういうことでなく、天然ガスというものが今世界的に大きな工業用原料ともなり燃料ともなり、いわゆる総合エネルギーの見地から、あるいは有機合成化学の原料という見地から、これをどう開発していくかという前提のもとに、国家の力で根本的にその賦存埋蔵量の基本調査を行なうというくらいの構想が打ち立てられてしかるべきだ、こう私は思うのでありますが、この一切の可燃性天然ガスに対して、国策として政府はその賦存状態及び埋蔵量の基本調査というようなものを力強く行なわれるお考えがあるかどうかということを一つ伺っておきたいと思います。
○福井説明員 国の力によりまして天然ガスの賦存埋蔵量を調査するという問題につきましては、私どもかねて予算折衝等を実施いたして参っておりますが、残念ながら現在のところまで、国の力によります埋蔵量の確認をするところまでの調査費用というものはついておりません。地質調査所で基礎的な調査をいたしまして、企業の実施段階の直前までの一般的な賦存の状況調査ということは、地質調査所の特別研究費で毎年やって参っておりまして、これは先生も御承知の通りでございます。今後私どもさらに十分検討いたしまして、国の力によります埋蔵量調査ということにつきましては、実施できるように努力をいたして参りたい、かように考えております。
○齋藤(憲)委員 どうか一つこの際政務次官におかれましても、天然ガスの世界的な重要性を御調査願いまして、日本でも天然ガスに対する国策を樹立するようなお取り計らいを願いたいと思うのであります。
 私はこの間ある人から、フルシチョフソ連首相の天然ガスに対する演説の一節というのをもらったのでありますが、どういうことが書いてあるかというと、ソ連は今アメリカの生産を凌駕ぜんとして、あらゆる生産に拍車をかけておるが、今日天然ガスの使用量はアメリカの二十五分の一にしか達しておらない、一九七二年までに現在のアメリカが使っておる天然ガスと同じ天然ガスの開発を行なうべきであるという演説をやったために、今シベリアその他に対して大々的な天然ガス開発計画が行なわれ、御承知の通り大きな天然ガスを輸送する工事さえも行なわれておる。フランスにしても、カナダにしても、イタリアにしても、天然ガスの開発利用によって、どれだけ国力が増進しているかということは、これは何人も知っていることなんです。しかも日本のごとく、至るところに天然ガスの徴候があり、掘っていくと天然ガスがある。それを放置しておいて、その埋蔵量さえも調査してないという、そんな怠慢しごくな行政というものはないじゃないかと私は考えておる。だからそういう世界の大勢というものをよく見て、日本がはたしていかなる方面に力をいたしたならば、いわゆる所得倍増計画に即応する地方工場分散の原動力がどこから生まれるか、あるいは体質改善のためには、総合エネルギーの見地から、いかに天然ガスを開発して利用すべきであるか、そういう点に対してよく御検討を賜わりまして、どうか天然ガス開発の国策を強力に打ち立てて、三十六年度の予算処置に対しましても万全を期していただきたいというのが私の念願でございますから、この点とくと御勘考をお願いいたしたいと思います。これで私の質問を打ち切ります。
○中川委員長 伊藤卯四郎君。
○伊藤(卯)委員 齋藤委員の質問されたことに関連して、二、三点お伺いしたい。石油資源開発会社の創立にあたって、私も創立委員の一人として参加しておりましたので、一切の事情をよく知っておる一人であります。御承知のように石油資源開発会社は空のところから今日の会社を作ったのでありまして、帝国石油会社が、その持っておりました鉱区、機械設備、技術者、これらをほとんど石油開発の方に譲渡いたしたのであります。そういった民間等の協力によって、今の石油資源開発会社が今日の五カ年計画の成果をおさめておるわけです。さらに帝石は五カ年の間に出資金としても、私の知る限りにおいてたしか二十億円くらいを出しているじゃないかと思う。でありますから、今日の石油資源開発会社の地位をなしたのは、そういう力によってなし得たのである。そこでこの五カ年の後には、帝国石油側におる従業員四千人を石油資源開発会社の方に転勤さす、こういうことになっておった。ところが今日まで八百人しかとっておりません。従って帝国石油の方は、鉱区はなくなった、技術者もいなくなった、掘さくなどの機械設備類も思うようにいかなくなった。そうして人間だけは依然として多数の人間をかかえておらなければならぬというところから、帝石に働いておる従業者としては非常に不安を持っておるわけです。ところがこの人員を石油資源の方にとるということについては、大蔵省がこれに非常に圧迫干渉を加えておる。通産省もこれにやはり干渉しておるということを私は聞いておるが、そういうところから、石油資源の方では臨時工をたくさん使って間に合わせをやっておる。こういう状態が出ておるのであるが、一体役所側、政府側は創立のそういう点からかんがみて、何ゆえに帝石の従業員の当初の約束の四千人というものを、石油資源の方に回わすことについて、これに圧迫干渉するのか。そうして安い臨時工を使わしておるのか。これはそうした一種の国家権力によって民間会社を圧迫をしなければならぬという理由は、一体どういうところからよって起こっておるのか、この点を詳細にお聞かせ願いたい。
○福井説明員 石油資源開発株式会社ができまして、石油資源株式会社が設立されたわけでございます。このときの経過につきましてはただいま伊藤先生から御指摘ございました通りでございます。両社は、いうならば姉妹会社のような形をなして、現在まで参っておるわけでございます。一方は国策会社でございます。一方は形式は純然たる営利会社の形をなしておりますけれども、実体は石油と天然ガスの開発に従事いたしております姉妹会社のごとき実体をなしておるわけでありまして、帝石から石油資源に対しまして従来の出資金も約二十億になると存じます。そういうような実体でございまして、鉱区、それから資材、これも設立当時に帝石から石油資源の方に譲られたわけでございまして、必要な人員につきましても逐次帝石から石油資源の方に譲られて参ったわけであります。ただ当初の予定通りに人員が帝石の方から石油資源の方へ移管ができておりません。と申しますのは、この石油資源の探鉱計画と、それからその結果によります開発の実施という点が、最近では非常に好調になって参りましたけれども、過去の実績におきましては当初の予定通りにも参らなかったというような事情がございまして、帝石から石油資源の方への人員の移譲というものが、当初予定されましたほどの人員に到達していない、かような事情でございます。なお、この石油資源開発株式会社の方は特殊会社で政府の監督を受けているというような事情がありますので、予算につきましても非常にこまかい制約を受けるという点は確かにございます。従いまして、人員の増加につきましても一々政府の検討を経なければならないということで、必ずしも会社の考えております増員が、その通りに実行し得ないという場合もあったかと存じますけれども、これは作業を実施いたして参ります上に、その支障になるような人員でやっていってもいいのではないかというような見解に基づくのではございませんで、極力経費等を節約するという見地から政府の意見が石油資源の方に提出されるというような経過でございまして、その結果人員の増加が若干思うようにいかなかったというような経過は確かに過去におきましてありましたかと思いますが、帝石の方の人を移譲する点につきまして特に配慮いたしまして、そういう点から人員の増加に政府の方が関与するというような観点は全然ないわけでございまして、私ども会社の運営につきましては、両社が十分成り立つような運営が望ましいということで、行政指導をいたして参っておるつもりでございます。
○伊藤(卯)委員 先ほどお尋ねしましたように、帝石から全鉱区を取り、技術者を取り、機械を取ってしまって、それで帝石自体は多くの人間をかかえて今後やっていくということについて自信がないという、従業者も従って非常に不安があるという状態、そういうところまで追い詰めてしまっておるのであるが、そこへもってきて、さらに石油資源開発会社は今後営利会社的性格を持って、株の配当もやる。そしてその競争によって帝石をつぶしてしまおう、何か役所の中にも、大いに一つ競争して、そうして強いものが勝つのだから、従って競争してやれということを奨励されているということを私は聞いておるが、そういうことをやられるということになってくると、石油資源開発会社の当初の創立の目的は、石油があるかどうかを探鉱する、これが目的でやったものである。そういうところから、民間からそういうものをすべて提供さしてやったものである。民間のそういう協力によって今日の地位をかち得た。ところが今度は、営利会社的性格を持って民間と競争して、強いものが勝つのだから大いにやれ、こういうことを奨励されているということを聞きますが、そういうことはありますか。
○福井説明員 さようなことは全然政府部内にはございません。この点ははっきり申し上げることができると思います。ただ私どもは、この石油資源につきましても、政府の出資もございますが、民間の出資も、石油精製あるいは帝石その他の関連会社等が年々七、八億の出資をしていただいて、国内探鉱に御協力をいただいておるわけでありまして、いわばこの金は全然配当も生んでおりません。ほんとうの国内石油資源の探査についての御協力をいただいておるというような性格に従来なっておるわけでありまして、この石油資源が早くいい鉱床を見つけ、石油の開発をして、会社自身としても業績が上がるようにということは念願いたしておるわけであります。しかし帝国石油につきましても、これはガスの生産を中心に現在運営されておりまして、この帝国石油が十分成り立つように配慮をしていかなければならぬということは考えておりまして、先ほど申し上げましたように、本来育ちから申しますと姉妹会社と申しますか、親子会社と申しますか、そういう親戚会社になっておりますので、両方がうまく成り立つようにということを念願いたしまして、この運営についてできるだけの援助、指導をいたして参っておる次第でございます。
○伊藤(卯)委員 今日までは配当するということは、もちろん会社の性格の上からいっても、いろいろな点からそれはできなかったことは当然でありますが、ところがこの五カ年後に至っては、石油資源開発は配当するということをきめております。御承知だろうと思っております。さらにまた大蔵省は、自己資金をできるだけかせいで、それを引き当てにせなければ国の資金を出さないというようなことも言っておることも聞いております。従って民間の方からも資金を出させようということで、民間もずいぶんたくさん協力をしてきておりますが、ところが民間の力を借りると同時に、あるところまでいって一本立ちになったところが、むしろ民間を圧迫するというようなことにしむけてきておることも事実です。そういうこととで、一体大蔵省も営利会社的性格を持たして、それで自己資金かせぎをやらせよう、そして配当もやらせよう、そして民間を圧迫して、強いものが勝つのであるから国家の力を貸してそれで一つやっつけていこうというようなやり方というものは、私これは非常に問題だと思うのです。そういう点との――たとえば一例をあげますならば新潟県の見附地方から新潟市に向かってガスをパイプ・ラインを引いて送る。ところが、二つの会社が競争してこのパイプを引いて、ガス販売競争をやろうというようなことがやられております。一体新潟市のわずかなあれだけの人口のところに二つのガス会社が二つのパイプ・ラインを引いて、それで競争するということは、国家的見地から見たって、私はこれは許されることじゃないと思う。そのことごとくのやり方を見ますと、ほとんど石油資源開発と帝国石油とは、まるでかたき同士のような状態に立ち至ってやっております。もともとから言うと、これは兄弟会社であったのだから、そんなことはしてはならぬはずなんです。またその辺は政府の方であんばい調整をして、常にこれは運営をされていかなければならないはずなんです。むしろ国策会社の方にそういう力を入れて、従業員の方に不安を持たす。そして、国家的見地から、不経済な競争をあえてさせるというようなことをやらすということは一体何事ですか。そういうことを役所の人たちが国策会社に名をかりてやるということになると、これはゆゆしき問題であると思う。私は新潟の一例をあげたのだが、そのことというものは、今後も、たとえば北日本側にある多くのガスを東京都に持ってきょうという話も起こっておることを聞いております。そうなれば、二つの会社がけんかをしてやっておるような状態なら、東京ガスもこれを引き受けることはできない。政府の方でこれを一本にしてくれるならば、大いに乗り出してやろうという話も聞いておるが……。政府がやろうと思えば簡単に調整解決ができるのに、それをあえて競争に追い込んでいって不経済なことをやらすということは、これは許されぬことだと思いますが、そういうことについて、政府側として、これらの問題の調整解決をどのようにして、この国家的使命を果たさせようとしておられるか、そういう点についての御意見を一つ伺っておきます。
○福井説明員 私どもは、ただいま御指摘のように両社の関係が悪いというふうにも存じておりませんけれども、その点につきましては十分留意いたしまして、今後業者の指導に当たって参りたい、かように考えております。
○伊藤(卯)委員 今新潟の問題を私は言ったのですが、それは具体的な問題としても起こっておるのですが、あえて二つのパイプを引かして競争させるという不経済なことをやらすつもりですか。いや、そういうことは、国策会社であるから、役所側の方でこれは圧力が当然きくわけですから、そういう点について、そういう不経済なことはやらせないというお考えですか。さらに多くの出るガスというものを一本に調整することによって、たとえば、東京都の例をあげたのですが、そういうところの問題も順調に解決の見通しがつくということにも、この考えがあるのですが、そういう点について、石油資源開発の方は国策会社ですから、もともと兄弟会社として成立しておるわけですから、政府がその気になって調整をされるなら、いかようにも調整できると私は考えておる。そういう点について十分そういう問題を調整をして、国家的使命を果たさせるということにしてやろうというお考えですか、そうではなくて、大蔵省などを中心としてあえて圧迫干渉して、競争さして、この問題をだんだん複雑対立をさしていくという方向に持っていって、勝負をつけさせようとされておるのですか、その点を一つ明確にお伺いしておきたい。
○福井説明員 個々の具体的な問題につきましては、私ども十分調整をいたして、両社が成り立つように持って参りたい、かように考えております。ただ法的に申しまして、帝石の方は純然たる私法人でございますので、勝手に何でもできるという立場でございますし、それから石油資源の方は政府の監督を受けておりますから、監督権に基づいていろいろ干渉することができる、こういう立場にございます。ただ従来の縁故から申しまして、帝石の方におきましても十分政府の意向は尊重して実施する、こういう態度をとって参っておりますので、その間の調整は、もし具体的な問題があれば十分できると存じておりますので、私どもそのように調整をいたして参りたい、かように考えております。
○伊藤(卯)委員 時間の関係がありますし、いずれまた次の通常国会のおりにでも十分お尋ねすることができると思いますから、私はこの程度にとどめることにいたしますが、局長もそれらのいきさつについてはだれより一番御存じですから、やはり国策会社はあなた方の監督下にあるものですし、従って帝石といえども、今民間株式会社になっておりますけれども、この石油資源開発を作る前までは帝石も国策会社であったわけです。そういうところから帝石の持っておる一切を供出をさせたわけですから、従って両会社に対しては政府側、特に局長等の意見というものは相当強く用いられることになるわけですから、あえてそういうことを対立させて、そしてこれがまた複雑な政治問題などにも発展をし、そして非常な迷惑をかけるというようなことでも起こりますならば、これは行政上の上から見ても、私ははなはだ手落ちであると思いますから、今のうちに私は一つ局長が乗り出されて、そうして政府側で、十分あんばい調整のできる存在でありますから、これらについてすみやかに、国の見地から、これらの調整解決をして、そして油の問題もガスの問題も、ほんとうに国の使命を果たし得るという一つのそれぞれの経営体として完成するように、局長の一段の苦心と努力を強く私は要望いたしておきまして、あとは局長の努力のお手並み拝見というところで伺うことにいたします。
○中川委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 電気料金の問題に対して簡単に要点だけをお尋ねいたします。
 池田内閣が所得倍増の計画を発表いたしますと、むしろこれに先行するように物価が値上がり傾向を強めてきたのであります。特に公益事業であるところの電気料金、九州電力の料金の申請が行なわれて、また新聞の報ずるところによると、東京電力も値上げ計画を持っておるようであります。また本日の新聞を見ますと、国鉄の運賃引当上げをやる、こうした計画が次から次へ発表されておるのでありまして、私どもはこれに対しても強い関心を持っておるわけであります。三十五年の十月十四日付で九州電力から料金の改宗申請が出ておるようでありますが、これに対しては、通産大臣が衆参両院における予算委員会におけるところの答弁を聞いてみましても、額は別といたしまして値上げを認めなければならぬという考え方を持っておるようであります。非常に公益性の強い料金でありますだけに、国民の経済生活には深刻な影響を与えるのではないか、このように私どもは判断をいたしております。政府といたしましてはこの料金の認可に対してはどういう考え方を持っておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○始関政府委員 ただいまお話がございましたように、電気の料金のようにその引き上げの影響が広範でございまして、産業界あるいは国民生活に非常に大きな影響を及ぼすというものにつきましては、認可にあたりましてきわめて慎重な態度をとる必要があるということは御指摘の通りでございます。しかしながら電気事業は昭和二十九年以来今日まで上がっておらないわけでございますが、その間におきまして、建設費から申しまして、二倍なり三倍なりというふうな発送電その他の設備がだんだん加わって参っておる次第でございまして、建設コストの安い施設と、それからその後できました、今申しましたように二倍なり三倍なりにつく高い施設との割合は、ちょうど五十、五十くらいになっておるような次第でございます。のみならず、今後産業界あるいは国民生活の必要にこたえますためには、電力の増強ということが非常に緊急であるわけでございますので、そういったような事情を総合的に考慮いたしましてこの問題を慎重に取り扱って参りたいというのが政府の態度でございます。
○中村(重)委員 総理の答弁を聞きましても、また通産大臣の答弁を聞きましても、ただいま政務次官の答弁によりましても、国民の経済生活には影響を与えるけれども、会社の原価計算といったような点からして、値上げは若干認めなければならぬのじゃないか、こういう判断を持っておるように考えるのであります。その点は相当準備も進んでおると思います。新聞の報ずるところによると、一月の十五日には認可をするのだ、そういったことを伝えておるのであります。この点は明確に値上げは若干認めなければならないのだという考え方であるならば、その通りに一つお答えを願いたいと思います。
○始関政府委員 御承知のように電気料金の引き上げの際には公聴会を行なうことになっておりますのですが、これはこの二十日にいたしました。結論がまだ本省まで参っていないようでございますが、それらの結論をも十分に参酌いたしまして態度を決定いたしたいと存じております。ただ一月十五日というような日をはっきりきめたわけではございませんので、その点はそのように御了承願いたいと思います。
○中村(重)委員 今度の料金の値上げ申請というのは、新たに発足いたしました料金制度調査会の答申に基づいて行なわれたということに、私は今までと違った意義あると思っております。従いまして政府といたしましても、これに対してはある程度の尊重をしなければならないという考え方もあるのではないか、このように考えておるのであります。昨日の公聴会において、反対意見というものが相当あったと思うのですが、反対意見のおもなるものはどういうことであったか、伺いたいと思います。
○大堀説明員 ただいま御指摘のように、今回の申請につきましては新しい料金の算定基準に基づいて提出をされております。その内容につきましては、会社側の見解に対して、私ども役所側の立場から、内容の分析、検討は進めて参っておりまして、事務的にはある程度の分析及び推算をいたしております。しかしながら、先ほど政務次官から申し上げましたように、事柄の影響が大きい問題でございますので、十分公聴会の意見を聞きました上で最終的な案を作りたいと考えておる次第でございます。私、お許しを得まして、昨日、一昨日の二日間、福岡市におきましてこの問題についての公聴会を開催いたしまして、私、議長を勤めさしていただきまして、昨日おそく帰って参ったわけでございます。非常に整理はむずかしいのでありますが、私が直接聞きましたものですから、簡単に大体のところを申し上げたいと思います。利害関係者として七十一名が陳述をいたしました。陳述されました方々は、大体におきまして県知事が四名、それから県議会を代表された県会議長の方が六名、市議会とか市が三名、商工会議所連合会及び特定地域の商工会議所から二名、そういった公的な団体の方、それから関係しております産業団体の代表の方がほとんど見えておりまして、石炭、鉄鋼その他各種の団体から見えておりました。それと同時に個々の企業の代表の方も見えておりました。それから消費者団体としましては婦人団体、それから値上げ反対のための協議会が結成されておりますが、その協議会の代表の方、それから農民関係の団体の方、それぞれ二名ないし数名ずつ見えておりました。そのほか労働組合の関係の方、株主関係、その他個人の方も見えておりました。全部で七十一名御出席になりまして、傍聴者も大体三百人程度で非常にたくさん見えておりました。陳述はきわめて整然と行なわれまして、やじ一つなく、非常に真剣に陳述を聞いていたように思っております。内容も非常に具体的な御意見が多く出ておりまして、私ども非常に参考になる点が多かったわけでございます。陳述の内容につきましては、それぞれニュアンスがございますので分類することは非常に困難でございます。ごく大づかみな感じで私が受け取りましたところだけを御参考に申し上げたいと思いますが、絶対値上げ反対だという者、あるいはそれに近い感じの方が大体二十人前後のように思います。内容としましては、値上げ反対のための団体でございますが三人と、主婦の関係の団体が四人、県会議長の御発言の中あるいは市の関係の中で五人くらいが、非常に強い反対をされておるように思いました。あと、農民団体の二人と、中小炭鉱の方の中に絶対反対がございました。
 それから大部分といいますか、三十五、六人以上の方は、値上げが出てくる事情は、まあやむを得ないと思うという判断をしておりますが、影響が大きいから値上げ率を最小限にとどめよという御発言の部類に属する方が三十六人、この中の大部分の方はやはり原価計算の内容についての批判がございました。それから料率について、たとえば負荷率割引が従来相当きつく働いておりましたのですが、これを今度の制度に直しておりまして、負荷率割引が緩和されたために非常に値上げ率がきつく出る、これは産業関係に出ておるように私ども思います。そういう点に対してこれを改めろという御意見、それから家庭用の電灯につきまして、やはりアンペア制度を施行するために、ある部分で非常に高く値上がり率が出てくる、これは困る、これを何とか影響を小さくしろということを非常に多数の方が発言されておりました。そのほか個々の問題につきまして、個々のレートの決定等につきまして非常にこまかい御注文がございまして、非常にごもっともな御意見も多数ございました。私どもはそれを十分検討いたしたいと思っております。
 賛成された方は、賛成といえどもむろんできるだけ低くしろという注文がついておりますが、大体御趣旨として賛成の方が十人くらいあります。産業関係の方と九州電力の労働組合の方と、電化農村の農民の方、株主の方あたりが大体賛成でございました。
 概略そういうことでございます。これは非常に分類が困難なことでございますし、ごく御参考にお聞きいただきたいと思います。原文がございますから、もし御注文がございましたら御提出したいと思います。
○中村(重)委員 ただいまの公聴会の様子を伺いましても、九電の料金値上げに対して強い反対があるということは十分想像できるわけであります。先ほど政務次官は一月十五日、そうした日にちを限って認可をしようという考え方は持っていない、こういうことであります。昭和二十九年に九つの会社が一斉に値上げになったということから考えてみましても、九電の料金の認可の可否を決定するにあたっては、他の九つの会社の原価計算等というものも当然参考にされるのだ、このように考えるのでありますが、その点はどのようにお考えですか。
○大堀説明員 料金値上げの規定から参りますと、個々の会社が経理の見通しに基づいて申請ができることになっておりますので、これは個々に処理されるということになるわけでございます。今お尋ねの点にお答えになるかどうかわかりませんが、九電力の中で現在申請が出ているのは九州電力だけでございます。上期決算を見ましたところで、非常に経理的に無理をしていると考えられますのは、九州電力と東京電力と二社だけでございます。その他の七社につきましては、当分経理的に問題になることはないと私どもは判断をいたしておるわけであります。
○中村(重)委員 国民的な関心を持っておるということは、公共料金であるだけに、九電の値上げというものが東京電力の値上げとなり、その他の会社の値上げ、こういう形に発展をするということであると私どもは考えておるのであります。従いまして九電の料金の認可という問題に対しましては、十分その内容を検討されて、これに慎重に取り組んでもらわなければならない、このように考えるのでありますが、私がここで指摘したいと考えておりますのは、公共性の強い電気料金のようなものが、地域別によって値段の差があるということに非常に問題があると思っておるのであります。全国的なプール計算といったようなことに対しての検討を進められたことはないのであるか、またこれに対してはどう考えておられるのであるか、それを承りたいと思います。
○始関政府委員 ただいま非常に根本に触れる御質問でございましたのですが、実はかつて日発を頂点といたしまして、日本じゅうの電力料金をプールにするという建前になっておったのを、いわゆる電力再編成の際にただいまのような制度に直したわけでございます。この点につきましては利害得失、いろいろあったと思うのでございますが、電気事業のいわゆる責任体制を確立いたしまして、いろいろな意味での合理化を進めたという点におきましては、私は相当効果が上がっておるのではなかろうかと思うのでございまして、たとえば、当時送電ロスというようなものが非常に多かったのでございますが、ただいまではそういう点も非常に改善されて参っておる。その他いろいろな点で経営が引き締まって参ったということは、私は否定できない点だろうと思うのでございます。その結果といたしまして、地域々々の事情によりまして、ある程度電力料金の違いができる、これはやむを得ないことでございますが、と同時に一面におきましては、発電地域においては非常に料金が低くなるわけでございますから、それが工場誘致の一つの動機にもなるという利点も、私は見のがし得ないというふうに考える次第でございます。ただしかしながら、相互の間における電力の融通その他をやるという意味におきましての広域運営というものは、ただいま相当にいたしておるわけでございます。
○中村(重)委員 ただいまの答弁に対しましては、私は異なった見解を持つのでありますが、時間の関係がありますので、質問をまとめて進めて参りたいと思っております。先ほど局長は、今のところ九州電力と東京電力が問題になるのだ、このように言われたのであります。九州電力の料金というのは、現在でも全国で二、三番の料金高だと考えております。ところが九州電力は御承知の通り火力中心であります。石炭の産地である九電、当然石炭の輸送費というものも必要ないでありましょう。従いまして九州電力というものは、他の八つの会社よりも料金が低いということが常識でなければならぬと、私どもは考えておるのであります。それにもかかわらず、今回の申請は全国最高の料金の申請ということになっております。しかもその差異は非常に大幅である。この点に対して局長はどうお考えになっておられるのか。先ほどの答弁を聞きますと、九州電力の料金が問題になるのだ。しかも内容的にはその申請は妥当だというような受け取りもできるような答弁であったのであります。その内容に対して妥当とお考えになっておられるのであるかどうか、その点を伺いたいと思います。
○大堀説明員 これは再編成のとき以来でございますが、水力地帯の方、つまり東京、東北、北陸、中部の中間でありますが、中部あたりを含めまして、水力の多いところの方が古い水力設備を持っておりますために、当初は安い料金で、関西以西の火力中心のところは高い料金でできておったわけでございます。御指摘のように、確かに九州も相当高い部類には入っておりますが、その中で一番高いのは、中国電力が一番高いわけであります。キロワット・アワー当たりの単価を比べてみますと、中国が一番高い、その次が北海道、四国、その次が九州と関西と大体並んでおります。これはもともと石炭地帯で燃料費が高いために、火力料金が高くなっておる。この火力地帯の方が一般に高くなると思います。
 その後の動きを申し上げますと、結局資本費、建設が進むにつれまして、資本費が増高してきたということ。これは大体一般的にいえることだと思います。九州の場合も相当開発をやっておりますので、資本費がふえております。
 それから燃料費は、二十九年以来は大体単価としては横ばいでございますが、新鋭火力等で合理化されて、燃料費が総体にみな下がってきております。ただ問題は、再編成のときに水火調整金制度というのがございまして、水力地帯から火力地帯に交付金をいたしておったわけでございますが、これが再編成当時五カ年で打ち切るということになっておりまして、三十一年に打ち切られたわけでございます。従いまして九州電力につきましては、火力が合理化されただけのプラスは、やはり水火調整金の廃止によってマイナスになりまして、結局資本費の増高が料金原価全体を上げてきた、こういう関係に相なっておると私は考えております。
○中村(重)委員 ただいまの水火調整金は三十一年の四月に打ち切られておるわけでありますが、その後九電は一割の最高の配当を続けてきておる。そのことからいたしまして、水火調整金というものは、電気料金の値上げの理由というものには、きわめて薄弱だ、私はこのように考えるのであります。ただいま御指摘がございました資本費の問題であります。
 それから修繕費の関係でありますが、修繕費は今回の申請の内容を見ますと、一八四%、事業報酬が一六二%と、非常に三十四年度の実績を大幅に上回った値上げ申請の内容になっておるのでございます。このあたりも私は納得がいかないわけであります。
 さらには新しい制度によって、アンペア方式というものが採用されておるようであります。このアンペア方式というところの新しい制度によってはじき出される料金と、従来の制度によるところの料金というものとの差異というものが、どの程度あるのか、これらの点をお答え願いたいと思います。
○大堀説明員 ただいま御指摘の事業報酬の点につきましては、先ほど来申し上げました、結局資本費、投資額が大きくなっておりますので、絶対額につきましては相当ふえております。それから修繕費につきましては九州電力が非常に経理が苦しくなりましたので、かなり過去の修繕を落としております。ほかの各社と比べまして修繕が非常に低位にございます。従いまして、このまま放置いたしますと、逆配電その他発電関係で事故を起こしたり、そういった将来の問題がございますので、必要な修繕をやはりやらせるようにしなければならぬということを考えておりますが、私どもが考えております水準に比べまして、過去の実績は非常に低く出ておりまして、その点が数字の開きとなって現われていると思います。
 それからアンペア制の問題につきましては、実は今度新しくアンペア制を施行いたしますについて、ある階層の方々が非常に料率が高く出まして、現行料金に比べて四割以上あるいは五割ぐらい上がる方が、会社の申請案によりますと出て参るように思います。私どもアンペア制度そのものは制度の趣旨からいきまして、決して間違っていないと思うのでありますけれども、そういった大きな影響の出る料金の改定ということは必ずしも適当ではないのではないかと考えまして、この点につきましては、かりに値上げを認めました場合でもレートの開き方を考えまして、そういった大きな影響の出ない計算方式に直さなければいかぬ、私はこういうふうに考えております。
○中村(重)委員 ただいまお答えの通り、アンペア制によって算出いたしますと、平均は一七・五五%になった申請でありますけれども、三〇%ないし四〇%の値上げになるものが出てくるというような、実に矛盾した内容になっております。特に石炭業者の陳情によりますと、二二%ないし二五%の値上げになるのだ、こういうことであります。そうしますと、トン当たり九十三円の引き上げとなる。石炭の合理化によって五年間八百円、年間二百円の値下げをしなければならぬ、こういう際に百円の値上げというものは石炭産業の振興という上に大きな影響というものが出でくるわけであります。これらの点に対しては、私どもは申請の内容が秘められておるものというものに対して矛盾というのか、平均を上回るそうした大きな影響が出てくるということに対してきわめて関心を持っておるのであります。特に供給規程によって、長崎県のように離島の多い地域、今まで七時間の送電であったのが十二時間の送電をするのだ、こういうことであります。しかしながら、十二時間の送電は半分の送電の時間になる、しかも料金は同じだ、そうなって参りますと、二倍の料金を負担する、こういうことになってくるわけであります。これらの点に対しましても、内容的に当然問題になる点であろうと思います。そういったような点、どうお考えになっておりますか。
○大堀説明員 石炭の点につきましては、御指摘のように会社の申請案そのままによりますと、トン当たり九十円以上の影響が出るような値上げになる。これは会社によりまして多少使い方が違いますから、同一ではございませんが、高い方はかなり高く二五%以上の値上げになる方もあるように思います。これは主として負荷率割引制度が、今度改正いたしました結果による影響であります。これは石炭以外の化学工業その他につきましても、新しい制度によりますと、かなり影響が大きく出る方がございます。私が先ほどアンペア制について申し上げましたと同様に、負荷率割引制度につきましても、この際新しい制度をそのまま適用して、こういった大きな値上げが生じますことは適当でないと考えますので、この点につきましては、特に石炭につきましては合理化計画の要請をもって臨んでおるわけでございますが、十分な配慮をいたしまして、そういう大きな値上げの出ないように制度を今後直しまして、影響を殺していきたい、かように考えております。
○中村(重)委員 私が質問をいたしましたのは、申請の内容の不合理な点を指摘いたしたのであります。時間の関係もございますので、もっと詳細に質問をいたしたいのでございますけれども、内容に対しましてはこれ以上触れることを省略いたしたいと思います。
 なお、石炭局が山元電源開発計画というものを計画いたしておるようであります。これに対しましては公益事業局としてはどうお考えになっておられるか。この点も供給の面に対する影響が非常にあろうと思いますので、お尋ねをいたします。
○大堀説明員 私どもは公益事業局としまして電気を扱っております関係上、やはり電気のコストをできるだけ下げたいという気持で考えておるのですから、たとえば燃料費については重油がだんだん下がって参ります。できるだけ重油を使って発電コストを下げていくという考え方で、たとえば石炭火力と重油専焼火力とを比べますと、建設費だけで二割違います。燃料費はさらに将来重油が下がってくると考えますと、重油専焼あたりが非常にわれわれとしては工合がよろしいわけでございます。しかしながら国内の石炭産業の立場も考えていかなければならぬという立場におきまして、石炭については長期の契約をするようにということを電気業界に私は勧告をいたしております。現在は千五百万トンくらいになっておりますが、これをだんだん上げて長期契約をしていく、こういう考え方でやっていこうということで要請しております。同時にただいま御指摘の山元発電についても、これは石炭業界の強い要望でございますし、電力業界としてはこれに協力をするということで、先般も社長会議に臨みまして要請いたしました結果、電力会社として山元発電に協力するという決議をいたしまして、近いうちに両業界で話し合って、これを具体的に固める方向に進めたいと考えておるわけであります。
○中村(重)委員 ただいまお答えがございましたように、石炭局は山元発電計画をしておる。電力会社としてもこれに協力をする。こういった考え方のようであります。さらに先ほどお答弁がございましたように、九州電力というものが火力中心である。こういうような点と、それから石炭が値下げの傾向にある。このようなことからいたしまして、私どもはこの料金の値上げというものに対しては特に検討を要するのではないか、このように考えておるのであります。さらに事業の伸びがある。従って設備を拡大していかなければならないのだということが、今回の値上げ申請の最大なるものであります。しかしながら事業の伸びというものは九州においては東京電力その他の地域と比較いたしまして非常に楽であると考えております。そのような点からいたしましても、また内容的な新しい制度というような不合理な点、こういったようなことからいたしましても、私どもは今回の料金値上げの申請というものに対しては反対をいたしたい、このように考えておるのであります。特に池田総理さらには自民党の政調会において、後進地域の開発、工場誘致という計画を発表し、これに対しては十分措置を講ずるのだというような表明もあっておるのであります。しかしながら特に南九州のような後進性の強い地域、さらには離島の多い地域において電力料金の値上げというものは、後進地域の開発ということではなくて、むしろ後進性を強めていく、こういう形になると思うのであります。従いましてそうした内容に対しての検討、さらには電気料金のように公益性の非常に強い料金に対しては、全国的な統一した料金であるということ、いわゆる地域差が適当でないといったような点の検討、こういったような点に対しまして、政府としては抜本的な措置を講ずる必要があるのではないか、このように考えるのであります。特に政府が公共料金というものは極力押えていくんだというような考え方から、この九州電力の値上げというものに端を発して、次から次に値上げというものの傾向が強まっていく、こういう点からいたしましても特に慎重な態度をとる必要があるのだ、このように考えますので、今回の九州電力の料金の改定申請に対しては慎重な態度をもってこれを許可をしないで、会社に対しては別な経営努力によってこれを克服していく、こういったような指導督励というものが政府において行なわれてしかるべきだ、このように考えるのであります。この料金の値上げ申請というものは許可をしないといったような方針のもとに、この際対策を講じていただきたいということを強く要望いたしまして質問を打ち切ります。
○中川委員長 岡田利春君。
○岡田(利)委員 今産炭地火力発電の問題が出たのでありますが、現在申請されておるのは北九州火力、それから常磐共同火力の七万五千キロ、加えて北海道釧路の低品位炭利用の七万五千キロ、それぞれ申請が出されておると思うのですが、これは通常国会で問題になる石炭産業の振興、特に低品位炭の需要の問題をめぐって関連が出てくるわけですが、この点についてどういう検討が今行なわれておるか。しかも常磐火力の場合には、これは実績があるわけであって、継続工事として見ていいのではないか、こう理解ができるわけです。しかし北九州の場合には、計画によると二十二万キロ程度、釧路の場合には非常に小さくて、七万五千ということで、直接低品位炭に重大な関連を持ってくるわけです。従って、これを単に合理性の上に立って、いわゆる重油専焼の方が非常に安いというような面だけで考えるということになりますと、石炭政策の面からいって、国内的にさらに問題が出てくると思うのです。しかも今度の申請の内容を見ると、大体最終年度には二円九十七銭、あるいは安いところは二円七十銭程度の一応の計画が出されていると思うのです。そういう面からいっても、これは低品位炭を活用して、こういう共同火力を積極的に、やはり石炭行政の面も含めて考慮すべきではないか、このように私は考えるわけですが、こういう点についてのお考えを聞きたいと思います。
○大堀説明員 山元発電につきましては、ただいま御指摘のように、常磐火力はすでにレールに乗っておりまして、現在追加工事をやっておるわけであります。あと九州と北海道が問題になりますが、北海道は釧路の問題がございます。これは結局工業の発達が釧路にどの程度伸びていくか、それと見合いまして、これはいずれかの適当な時期に手をつけることになると思いますが、タイミングの問題になるかと思います。北九州につきましては、電源開発会社が若松火力をすでに低品位炭で着工いたしております。同時に、先ほど申し上げました問題は、それ以外に石炭業界と電力業界が共同して、低品位炭を使う山元発電を、どこかへ一基作ろうという話し合いでございまして、これは二十五万キロがよろしいか、十七万キロがよろしいか、立地の状況、需用の状況その他を検討した結果、結論を出すようにいたしたいと思います。全体といたしまして、われわれとしては、やはり山元で石炭をできるだけ電気にかえていくという考え方は必要だと思いますので、その線で努力をいたしたいと思っております。
○岡田(利)委員 聞くところによりますると、明日電力審議会が開催されるようです。この審議会では、いわゆる当面の計画だけの審議になるのか、来年度の予算を見通して、長期の計画について審議をされるのか、この点おわかりになっておったら、お聞きしたいと思います。
○大堀説明員 一つは、長期の経済計画に合わせまして、電源開発計画そのものの長期計画を多少直す案がございます。これは経済企画庁の方で作案しております。それから当面の問題としましては、本年度追加着工すべき発電所について御審議いただくわけでございまして、電気の事情が最近非常に逼迫をして参っております。ことにこの二年間非常に経済成長が高かったために、需用の伸びが高いわけでございまして、大体一七・八月前年度に対して伸びております。従いまして冬はかなり窮屈な状態になっておりまして、一月に入りますと、あるいは東電管下あたりで工場の操業日を振りかえていただいて、日曜操業をやって負荷を緩和していきたい、こういうことで、一月に入りますとやっていただく予定になっておりますが、法的な統制になるということは避けたいと思いますが、話し合いによりまして、大口の需用家に協力を願いまして、この危機を乗り越えて参りたいと思います。従いまして、この際相当電源開発を繰り上げて進行いたしませんと、三十六年度、七年度の渇水期にかなり需給が逼迫した情勢が出るおそれがございますので、この際電源開発を繰り上げていきたいと思いますので、この趣旨におきまして明日の審議会で御審議いただくわけで測ります。
○板川委員 ちょっと関連して局長にお伺いしたいのですが、先ほど説明々聞いておりますと、電気料金の値上げはやむを得ないのじゃないか、こういうふうに承ります。その理由としては、二十九年に値上げをしたまましばらく放置されておる、その間に経営の事情も変わってきておる、こういうふうに私ども承ったのです。しかし、二十九年に一斉に値上げをしたときに、あの当時としては値上げ率の幅が非常に大きかったと思うのです。それで一斉に値上げして、その後まず九州電力が一番経営状態が苦しくなったから値上げをする。その次苦しいのは東電であろう。次に東北とか中部とか考えられるが、これはない、こういうお話です。しかしちょっと考えてみますと、九州電力では御承知のように首脳部攻めぐってごたごたが続いたのですね。そういう事情があった。東電の場合には、石炭購入の課長か何か、あるいは重役と組んで汚職事件があった。どうも経営上のそういうごたごたや汚職なんかの責任が――今度の値上げを見ると、九州電力と東電ということになると、経営上のそういう失態を結局は大衆におっかぶせる、こういう格好になるのじゃないかと思うんですが、これはどうお考えですか。
○大堀説明員 私どもは事務当局の立場といたしまして、電気会社の経理内容は監査いたしております。同時に合理化を進めろということは常にやかましく申しております。先ほど政務次官が御説明なさいましたように、一人当たりの販売電力量におきましても、二・五倍に上がっております。熱効率が六〇%上昇いたしております。総合損失率は約半分になっております。従いまして、今日までいろいろ原価要素といたしましては、諸経費の上昇によって上がる分が多いわけでありますが、こういった合理化案によりまして、ある程度吸収しておるわけであります。しかしながら、今日経理的に見ますと、ある程度吸収し得ない点があるように私どもとしましては検討しました結果、出ておるわけでございますが、ただいまの人事その他の社内の問題、これはまことに遺憾なことでございますが、九州電力の方も、最近は人事も一新いたしまして、現在社内も非常に円滑にやっておるようであります。今後十分注意をして、さらに一そう合理化を要請して参りたいと考えます。
○板川委員 いろいろ合理化をやってコストを下げておる、これは当然かと思うのですが、われわれ被害を受ける層から見ると、やっぱり問題のあったところが値上げは先にしているのですね。それは経営者ですから、経営努力をするのは当然ですが、結局そういう首脳部のごたごたがあったり、上層部が汚職をやったりするようなところが、まず値上げを申請してくるというところに納得できないものがある、私はこう思うのです。これは一つまたあとで追及いたしますが、この値上げを、新聞等によりますと、通産省では、公聴会が終わったから一月十五日ごろまず九州電力の値上げを認可しよう、二十六日ごろから実施させよう、その次は東電の申請を検討しよう、こういうふうに出ておるのですが、値上げの許可は、聴聞会が終われば、大臣の専管事項ですから、大臣がきめて、これをどの程度に認可するかということは、大臣がきめることですか、どうなっておりますか。
○大堀説明員 法律上の権限といたしましては通産大臣でございます。ただ、事柄が非常な影響を持ちますということで、従来の扱いといたしましては、閣議で了解をいただくことになっておりますから、当然そういう手続が踏まれることと考えております。
○板川委員 電気料金は消費支出の中で、どのくらいのウェートを占めているのですか。消費者を中心とした消費支出の中における電気料金のウエート、それから製造業における生産コストの中における電気料金のウエートというものを、ちょっとお知らせ下さい。
○大堀説明員 ただいま数字を持っておりませんので後ほど調べまして申し上げたいと思いますが、電気料としましては産業によって非常に違うわけでございまして、化学工業等でかなり大きなウエート――アルミニウムとか、最近硫安あたりは下がってきましたが、化学工業でかなり大きなウエートを持っておるものもございます。石炭あたりもかなりウエートを持っております。機械工業その他は非常に低いウエートでございます。業界によって非常に違います。資料を取り寄せまして、後ほどお答え申し上げます。
○板川委員 これは私のちょっと古い資料ですが、消費支出を一万とした場合には、電気料金が百二十八です。国鉄運賃が百二十七ですね。消費生活に及ぼす影響は国鉄運賃と電気料金が同じです。しかし、製造工業における電気料金のウエートというのは、消費生活における電気料金のウエートとずっと違うと思います。ただ、消費生活における電気料金のウエートと国鉄料金をちょっと合わせて一割五分から二割近く値上げしたとなると、これまた支出の面において相当に影響を受けるのです。ですから、国鉄料金は国会の承認を得るのですし、また郵便料金は消費生活の中においては一万のうちわずか十九ですね。これはほんとうに少ないのです。しかし、この郵便料金や国鉄料金は国会の承認を受けてきめるということになっておるのです。そうすると、国鉄料金と同じような大衆の消費生活に影響を及ぼす電気料金の値上げというのは、聴聞会をやって大臣権限というのじゃなくて、国会の承認を得るようになるのがほんとうじゃないか、こう私は思うのです。公共事業関係の料金の法律を作って、こういう場合には国会の承認を受けた後改定する、こういうふうにしたらどうかと思うのですが、これに対して、政務次官でも局長でもいいですが、御見解を承っておきたいと思います。
○始関政府委員 ただいまの板川委員のお話のお気持はよくわかりますが、公益事業の料金は、先ほど御指摘の国鉄なり郵便なりというものは国の企業でございますので、従いまして、その収支あるいは料金につきまして国会の議決を得る、こういうことになっておると思いますが、電気事業の場合には、これはやはり行政当局の責任におまかせ願うのがいいと思うのでございまして、今お話しのような法律を新たに作るという点につきましては、にわかに賛成をいたしかねるというのがわれわれの立場だと思いますので、御了承願いたいと思います。
○板川委員 鉄道の場合には、たとえば私鉄もありますし、他のバス等もあって、国鉄が全輸送機関を独占していないのです。ところが、電力というのは完全な単一な独占機関です。なるほど民営という形はとっておりますが、これは経営するのは民営であっても、その営業の基準というか、料金の基準は国会の意思が反映することであっても決して不都合ではない、こう思うのです。そういう点において次官、もう一ぺん答弁し直してもらいたいと思います。
○始関政府委員 鉄道料金につきましても、私鉄の方は国会の議決事項にはなっていないものと承知をいたしております。なお、独占事業でございますから、従いまして、政府が監督をし認可するという建前に今なっておるわけでございまして、国会の承認を要するというところまでいくことは、何と申しますか、政府の責任でやらしていただくという建前から申しまして、ちょっと行き過ぎではなかろうかというふうに考えております。
○田中(武)委員 関連してちょっとお伺いいたしたいのですが、大体電気行政というか、これは、先ほど来言われているように、板川君も言ったように、独占中の独占なんである。それがまだ十分法的措置が講じられていないというところに問題がある。幽霊のような旧電力事業法とか、旧公益事業令とかいうようなものがまだ存在しておる。電気事業法というものを出す出すと言いながら、今日まだ出していないわけです。従って、料金の問題についても、旧事業会にそう定めてあるから、だから通産大臣だけで認可ができる、電気事業法を作って、そこに国会の承認を要すと書けばそれでいいわけである。われわれといたしましては、きのう私は質問の中でも申し上げましたが、公共料金は公共料金に関する単独法でも作って国会の意思、このことによってきめるということにせねばならぬと思う。通産当局としては電気事業法を一体どない考えておるか。解散前の臨時国会で私はそのことついて申し上げた。今日、一旦ポツダム政令によってその生命が断たれ、それがなくなってまた生き返ったような旧公益事業令とかあるいはまた旧電気事業法とかいうようなものがまだ残っておる。しかも旧電気事業法の中で一部は生きておって一部は死んでおるという格好である。それをそのままほうっておくのは大体怠慢である。そうしておいて、旧公益事業令でかくかくの条件がある場合は認可をせなければならぬというような規定のあることを根拠として、みだりに公共事業の料金を上げていくということは、大体間違っておると思う。はっきりとここで聞いておきたいことは、公益事業、ことに独占中の独占の電気に対する一貫した法令をいつ作るのか、まずそれをお伺いしたい。同時に、今問題になっておる九州電力等の料金について聴聞会を開くということは、もう通産当局が値上げということを許す態度に出た証拠なんだ。池田総理大臣は、きのうも申しましたが、九月九日に私、党を代表して九州電力の電気料値上げについては許可しないようにという申し入れをしたときに、それは許可しないと言い、総理自体が新聞記者会見においても、電気料金は上げないと言った。ところが選挙が終わったら、すぐ上げる態度に出てくる。時期も通常国会の閉会中、従って一月十日から二十日ころの間に上げるということは、はっきりしておる。もし、その間に私が言っているような時期に許可をした場合、あなたは責任がとれるか。今、そんなことはっきりしておりませんと言ったが、はっきりしておるんだ。あなた方の考え方はわかっておるんだ。一月十五日前後に、もし認可した場合は、あなたは、こにこおいて答弁したことに対して責任がとれるか、お伺いいたします。
○始関政府委員 電気事業の監督法規が、私ども別に幽霊のようなものとも考えておりませんが、整備しておりませんことは遺憾でございます。これは非常に基本的な法規でございますので、慎重に検討いたしておるわけでございますが、できるだけ早く国会に提出いたしまして、御審議を願う、こういう運びにいたしたいと存じております。
 それから、先ほどの料金認可の取り扱いの問題でございますが、これは一月の十五日にやるのかというお尋ねでございますから、そのようにはっきりきまっておるわけではない、こう申し上げた次第でございますが、その点は一つそのように御了承願います。
○田中(武)委員 大堀局長、この前私が電気について聞いたときに、電気の会社の供給規程、あれも大へん一方的である、だからそれも改善するようにという話をしたら、現在諮問にかけて、審議会で検討中だと言った。それがいつできるのか。それから、電気事業法というものについても、前からはっきりしたものを、一貫したものを作れと言っておる。それがまだ作られていない。まず電気料金の値上げの許可は、そういう一貫した電気行政についての総括的法令ができてから検討するということにしてもらいたい、このように思うが、いかがですかと、とうから言っておるのに、電気事業法も出す出すと言っておるが出ない。幽霊のようなと言ったのがどこが間違いですか。旧公益事業令というのは、一度死んだんですよ。一度死んだが、またポツダム政令の廃止によって生き返っておる。ことに、いつかも言っているように、旧電気事業会は、そのうちの一部が生きておる、一部が死んでおる。こういうような法律があるものですか。これを君たちは一体何年置いておくつもりなんですか。今言っているように、この前に私が申しました電気供給規程、あれを改正して一方的でないようにする、電気事業法ができる、そして一貫的な法規の整備ができてから、料金を上げるかどうかを検討してもらいたい、そのように思うわけですが、いかがですか。
○大堀説明員 電気供給規程については先般お尋ねがございまして、今回九州電力が申請しております申請の中では、三十カ所ばかり供給規程を直しておりますが、たとえて申しますと、工事負担金等の制度につきましては、むしろ聴聞会でも、今度の改正案は非常にいいからぜひこれでやれという御意見が相当ございました。そういうことで、われわれとしましてはできるだけ直していくように努めておるわけでございます。制度としましては、そのとき申し上げたと思いますが、料金制度調査会において相当意見をまとめて整理をしておるわけでありまして、その線に沿って今度も直すということで案が出ておるわけでございます。法律の問題につきましては、先ほど政務次官から申し上げましたように、私どももできるにけ早く立案をいたしたいと考えておりますが、何と申しましても非常に基本的な法律で、関係するものが多いものでございますから、十分慎重に詰めましてから御審議をいただきたい、かように考えて善処いたしておるわけでございます。
○田中(武)委員 電気事業法のことはしばらくおきましょう。供給規程ですが、われわれ個人消費者からいえば、その供給規程によって、電力会社との間に電力売買契約を結んだ格好になるわけです。それがあいまいであるということは、この前私が指摘した通りである。一方的であるということもこの前私が指摘した通りである。そういう電気の供給双務契約、この内容が一方的であり、われわれの批判したような状態である。それを悪いと認めて、あんたは直そうと言っておる。それに料金だけ先に上げる手はないと思う。まずその供給規程を直して、それを明らかにしてから料金を検討する、それが順序だと思うがいかがですか。
○大堀説明員 今回の値上げ申請、俗に値上げといっておりますが、実は供給規程の変更でございます。供給規程の内容について、私どもは従来の不備な点は相当直してきております。これが今回審査の内容になっておりますから、十分その点が充足されておるかどうか検討いたしたいと思います。
○田中(武)委員 料金ももちろんその供給契約の内容の一つなんだ。だからそれは、格好は供給契約の変更ということになると思う。供給規程の変更だと思う。そうするならば、料金だけでなしに、その間における条件がいろいろあると思う、その条件が――この前には大体私は関西電力のことを主として聞いた。ところが九電力会社は大同小異だと思うわけです。そうすれば、双務契約でありながらはっきりした片務契約であるということは、あのとき指摘した通りなんだ。従ってそうであるならば、料金の問題だけでなく他の条件も直さにゃいかぬと思う。それではその申請の内容、すなわち供給規程の内容を見せてもらいたい。そうしてあらためて論議をしたいと思います。そのためには、残念ながらきょうは、当特別国会の最終日であるので間に合わない。従ってこれは委員長に申し上げておきますが、たとい年末になっても、私たちは二十六日の通常国会の召集日からこの問題をさらにやりたいと思っております。それまでに資料を出して下さい。あるいは、二十四日は記念式があるけれども、二十五日に閉会中審査としてもやりたい。それでなかったらあなた方は一月に入れば、すぐ料金の認可をしようとしておることははっきりしておる。それまでにもっと突き進んだ検討をやりたい、このように考えておるので、そういう供給規程の――料金だけじゃない、他の双務契約におけるすべての条件を、九州電力から出てきたものを提示してもらいたい、そう申し上げておきます。
○中川委員長 この際暫時休憩いたします。
    午後零時五十六分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕