第037回国会 大蔵委員会 第6号
昭和三十五年十二月二十一日(水曜日)
    午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 足立 篤郎君
   理事 毛利 松平君 理事 石村 英雄君
   理事 佐藤觀次郎君 理事 平岡忠次郎君
      伊藤 五郎君    岡田 修一君
      金子 一平君    川村善八郎君
      簡牛 凡夫君    田澤 吉郎君
      高田 富與君    竹下  登君
      谷垣 專一君    津雲 國利君
      永田 亮一君    藤井 勝志君
      坊  秀男君    加藤 勘十君
      栗林 三郎君    田原 春次君
      広瀬 秀吉君    藤原豊次郎君
      堀  昌雄君    武藤 山治君
      山本 幸一君    横山 利秋君
      春日 一幸君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  大久保武雄君
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      谷川  宏君
        大蔵事務官
        (主税局長)  村山 達雄君
        大蔵事務官
        (理財局長)  西原 直廉君
        国税庁長官   原  純夫君
 委員外の出席者
        外務事務官
        (アメリカ局北
        米課長)    有田 圭輔君
        大蔵事務官
        (国税庁間税部
        長)      上田 克郎君
        農 林 技 官
        (食糧庁業務第
        一部長)    諫山 忠幸君
        日本専売公社総
        裁       松隈 秀雄君
        日本専売公社理
        事
        (販売部長)  三枝 正勝君
        日本専売公社理
        事
        (生産部長)  坂口  精君
        専  門  員 抜井 光三君
    ―――――――――――――
十二月二十一日
 委員下平正一君辞任につき、その補欠として田
 原春次君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月二十日
 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)(
 参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の
 源泉徴収の臨時特例に関する法律案(内閣提出
 第一七号)
 製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)(
 参議院送付)
 国の会計に関する件
 税制に関する件
  請願
 一 たばこ販売手数料引上げに関する請願(愛
   知揆一君紹介)(第二六号)
 二 同(八田貞義君紹介)(第二七号)
 三 同(薩摩雄次君紹介)(第三六号)
 四 同(高橋清一郎君紹介)(第九八号)
 五 同(濱田幸雄君紹介)(第九九号)
 六 同(保利茂君紹介)(第一〇〇号)
 七 物品税法の一部改正に関する請願(濱地文
   平君紹介)(第二八号)
 八 勤労者住宅建設促進のため厚生年金還元融
   資わく拡大に関する請願(中澤茂一君紹
   介)(第七八号)
 九 看護婦の年金通算に関する請願外一件(井
   手以誠君紹介)(第八四号)
一〇 たばこ販売手数料引上げに関する請願(廣
   瀬正雄君紹介)(第一二五号)
一一 同(羽田武嗣郎君紹介)(第一二六号)
一二 同(内田常雄君紹介)(第一四六号)
一三 同(高橋英吉君紹介)(第二七一号)
一四 葉たばこ収納価格引上げ等
   に関する請願(松野頼三君紹介)(第一二
   七号)
一五 同(志賀健次郎君紹介)(第一四八号)
一六 同(橋本龍伍君紹介)(第一四九号)
一七 長野県旧武徳殿払下げに関する請願(松平
   忠久君紹介)(第一四七号)
一八 農業協同組合に対する法人税課税免除等に
   関する請願(正示啓次郎君紹介)(第一八
   〇号)
一九 同(田中織之進君紹介)(第一八一号)
二〇 同(辻原弘市君紹介)(第一八二号)
二一 同(早川崇君紹介)第一八三号)
二二 同(坊秀男君紹介)(第一八四号)
二三 同(山口喜久一郎君紹介)(第一八五号)
二四 同(秋山利恭君紹介)(第二五〇号)
二五 同(西宮弘君紹介)(第二五一号)
二六 同(長谷川峻君紹介)(第二五二号)
二七 同(前田正男君紹介)(第二五三号)
二八 同(愛知揆一君紹介)(第二五四号)
二九 会計士補の公認会計士資格取得に関す
   る請願(石村英雄君紹介)(第二一四号)
三〇 国民金融公庫の資金増額等に関する請願(
   赤松勇君紹介)(第二五五号)
三一 同(淡谷悠藏君紹介)(第二五六号)
三二 同(石山權作君紹介)(第二五七号)
三三 同(板川正吾君紹介)(第二五八号)
三四 同(小川半次君紹介)(第二五九号)
三五 同(岡良一君紹介)(第二六〇号)
三六 同(北山愛郎君紹介)(第二六一号)
三七 同(中島巖君紹介)(第二六二号)
三八 同(中村高一君紹介)(第二六三号)
三九 同(永井勝次郎君紹介)(第二六四号)
四〇 同(西村力弥君紹介)(第二六五号)
四一 同(穗積七郎君紹介)(第二六六号)
四二 同(三鍋義三君紹介)(第二六七号)
四三 同(三宅正一君紹介)(第二六八号)
四四 同(矢尾喜三郎君紹介)(第二六九号)
四五 同(安井吉典君紹介)(第二七〇号)
     ――――◇―――――
○足立委員長 これより会議を開きます。
 本日の請願日程全部を一括して議題といたします。
 今会期中付託されました請願は四十五件でありまして、その取り扱いにつきましては先刻理事会において協議いたしたのでありますが、この際紹介議員の説明等を省略し、直ちにその採否を決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 お諮りいたします。
 本日の請願日程中、日程第一ないし第二八及び第三〇ないし第四五の各請願は、おおむねその趣旨が妥当と思われますので、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○足立委員長 次に、本会期中参考送付されました陳情書は三件でありますので、御報告いたします。
     ――――◇―――――
○足立委員長 閉会中審査事件申し出の件についてお諮りいたします。
 今会期中国政に関する調査をいたして参りました国の会計に関する件、税制に関する件、金融に関する件、証券取引に関する件、外国為替に関する件、国有財産に関する件、専売事業に関する件、印刷事業に関する件及び造幣事業に関する件の各件につきましては、閉会中もなお調査をいたしたいと存じますので、議長に対し閉会中審査を申し出ることとし、その手続につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
○足立委員長 昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案及び製造たばこの定価の決定又は改定に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 総裁にお尋ねをいたしたいのでありますが、過日十二月十四日の日にたばこ耕作審議会の答申が出されたわけであります。きのう足鹿委員からいろいろ基本的な問題についてお伺いをいたしたわけでありますが、とにかく非常にアブノーマルな形で審議会が答申を出した。しかも、審議会の構成が、学識経験者と、一応耕作農民の代表という形で耕作連合会の地方の代表者によって構成されておるわけでありますが、耕作農民の側に立つ代表が全部反対をしている。学識経験者といわれる人たちだけで意見の一致を見た。こういうものが一体正規の答申として扱われるものであるかどうか。こういう点について非常に疑義を持つのであります。そうした点から一体この耕作審議会の運営規則のようなものを専売公社は持っておるのかどうか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○松隈説明員 葉たばこ耕作審議会は議事の運営規則を審議会として決定いたしております。これは公社の方から押しつけるものではなくて、審議会が議事進行上議事運営規則を決定しております。
○広瀬(秀)委員 その運営規則の中で、今回のような場合においてもその答申は全然問題がないのだということになっておるのでありますか、お尋ねします。
○松隈説明員 葉たばこ耕作審議会がどういう形において答申をするかということは、葉たばこ耕作審議会自体の問題でありまして、その場合に多数決で決定するか、あるいは全会一致の決定方式をとるかということは、会長の会議運営方針によってきまって参ると思うのであります。従来はできるだけ全委員の一致を見るということによって会議の取りまとめが行なわれて参りました。今回も会長といたしましては非常な努力をなさったのでありますが、遺憾ながら全員一致を見るというところには至らなかったけれども、これが正式の答申書であるという形において提出されたものを私が受け取った次第でございます。
○広瀬(秀)委員 お答えはその通りだろうと思いますけれども、とにかくたばこの収納価格の決定にあたっては、耕作審議会の議を経なければならないということになっておるわけです。収納価格を決定する上において果たさなければならない耕作審議会の役割というものは、非常に重大なものがあろうと思うのです。従って、ほんとうに民主的に耕作農民の声をやはりこの審議会の中に反映させていこうというような気持があって、当然しかるべきだと思うのです。そういうような場合に、議事運営なり運営規則というようなものは向こう様にまかせたのだというだけであっては、やはり公社としてもこれに対してどの程度のウエードを置いておるかということを、この審議会そのものに対して、ほんの形式の、ただかければいいのだ、こういう程度にしか考えていないとしか思われないわけです。従って、その議事の運営方式等についても、やはり議を経なければならないということを、相当ウエートを置いて、耕作農民の意思を反映させるという、そういう立場に立つならば、これはどうしても運営の面にまでかなりの規制したものでいかなければならぬと思います。そういうような点について総裁は今後検討いたしまして、運営の面におきましても議事運営の常識からいえば全会一致が望ましいでしょうけれども、過半数というものもあり得ると思います。それも、耕作者という立場と常識経験者というものとが、やはり今回のように明確に耕作者の代表全部が反対するというような場合などに、ただかけたのだから、そして学識経験者という立場の人だけが意見の一致を見たのだから、それは有効な答申だ、こういうようなことも非常に問題を残すと思う。耕作農民は決してこれでは納得しない。われわれの代表はみんな反対したんだけれども、結局公社となれ合いの学識経験者、これはおそらく任命でありましょうから、そういう印象しか受けない。そういう点を改めるためにも、どうしてもやはり耕作者農民の過半数も必要だ、学識経験者の過半数も必要だ、それぞれの過半数という形に持っていくようなことを、あるいはその以外のもっと有効な民主的な価格決定における農民の発言権、農民の意思というものがもっと通るような方式というものを、この審議会に与えるお考えはないかどうか。この点を一つ、総裁の今後に対するお考えを伺っておきたいと思います。
○松隈説明員 葉たばこ耕作審議会は二日間にわたって慎重審議されまして、その際におきまして耕作者を代表される委員の方々の御意見も十分に述べられたわけであります。新しく生産費を加味する方式を導入したことなんかにつきましては、生産者を代表する委員の方々も、これは一つの進歩である、ただそのとり方について三十四年度という最近の年度だけでは不十分ではなかろうか、こういう御意見であったし、また他の農産物との価格の均衡をはかるということについて、あれこれどれをとったらいいかというような御意見が出ておるのでありまして、従って、答申案の形式は学識経験者によるただし書きのようなことになっておりますけれども、議論の内容では生産者の御主張も十分に貫かれ、それが反映をしてこういうことになっておりまするので、私としましては、生産者を代表する委員の方々の御意向も十分に取り入れて、この答申の趣旨を尊重して価格を決定して参りたい、かように考えております。
 今後の運営の問題でありまするが、今後の運営としてはもちろん全会一致の答申を得られるようなことが望ましいのでありまして、それがための努力を十分尽くすべきである、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 今後のその点に対する重要な、私が今申し上げたような点を考慮した改善方策というものをぜひとっていただくように強く要請を申し上げて、その点の質問は終わることにいたします。
 今専売公社では、新しい五カ年計画を立てまして、一億二千万キログラムの生産量から、五カ年後には一億七千八百万キログラムまで生産量を引き上げようという計画を立てておられるわけでありますが、今度のような、公社の方が二・五%の収納代金の引き上げを出してきた。それも非常に疑問の点があって、公社で発表したいろいろな在来種あるいは黄色種、バーレー種というものについてはじき出した生産費というものがあるわけでありますが、それと反当たりの収納代金を比較しましても、生産費の方がむしろ上回っているという結果が出ている。さらに昭和二十九年以降をずっと見てみますと、キログラム当たりの平均単価は二十九年が二百九十二円であります。それが三十四年になりますと二百六十六円、こういう工合に、平均単価では毎年ずっと下がっておるのです。こういうようなことで、ことしようやく二・五%という――この根拠についても私どもは非常に問題にするのでありますけれども、そういうものを出して、それが今度二倍の五%に上がった答申が出て、総裁も一応尊重したいということを言っておられるわけであります。この二・五%というのは確信を持って出したのだろうと思う。ところが、わずか二百の審議で五%というものが出た。その中には生産者の代表の意見もかなり入っている。生産者の代表の方から聞いてみますと、これは一〇%ないし一五%というような気持を強く主張したのだということを言っております。また生産費及び所得補償方式というようなものが必要なのだということを言ったということも言われておるわけでありますが、これは何となしに二・五%の倍くらいにすれば落ちつくのじゃないかというような、腰だめのような気持がしてならないわけであります。そういう、言うならばきわめて権威のない形のものが――専売公社の二・五%引き上げという資料を作るのも、総ワクを押えておいて、それから逆算をしてそういうものに押しつけていったというような印象しかない。こういうようなことで、しかも二十九年以降ずっと下がっておる。ようやくここで五%くらい上げても、これは専売法第五条の、特に生産費及び物価その他の経済情勢の変化に応じてというようなものに適合していないのじゃないか。こういうように五%くらいここで上げるという腰だめの、しかも二・五%という非常に不合理なものを出しておいて、倍にしたのだからというようなことだけでは、とうてい増産計画は遂行されないのじゃないか。また、先ほど言ったようないろいろな形からも、耕作農民は非常に動揺しておる。そういうような中で、公社の増産計画に対する協力態勢というものが得られるとお考えであるかどうか、こういうような点をお伺いしたいと思うのです。
○松隈説明員 公社が五カ年計画を策定中であるということは御指摘の通りであります。これは最近におきまするたばこ消費の伸びがかなり大幅でありますので、その需要に応じまするためには、生産、製造、販売の面を総合的に計画しまして、それぞれの年次に必要な事業計画並びにこれを予算化するというような方向づけをして参りませんと、公社企業の運営上遺憾な点が出る、こういうことを心配して計画しつつあるわけであります。
 なお、ただいま葉たばこの平均単価が二十九年以来下がっているというようなお話でありましたが、これは御承知かとも思うのでありますけれども、黄色種が在庫過剰になりまして、やむを得ず減反をするということになりまして、黄色種のウエートがここ二、三年非常に減っておるわけであります。それがため、全体平均しますと、黄色種の割合が全生産品の三分の二近いものでありますので、平均単価としては下がっておる、こういうわけであります。
 なお、ただいま公社の今回の葉たばこ収納価格審議会に対する提案についての御質問がございましたが、公社といたしましては、もし前年度と同じような算式、すなわちパリティ指数の上がり方と米、麦、カンショ、繭、四品目との価格均衡をはかるというような算式で出しますと、前年対比の引き上げ率が、ただいまお話しになった二・五%程度になるわけであります。そこで、それではなかなか葉たばこを作っておる耕作農民の満足を得ることはできにくい。また生産費所得補償方式についての要望のあることは私もすでに承知しておるのでありまするが、葉たばこにつきましては、生産費所得補償方式を直ちに導入することは、その性質上まだ踏み切るわけにいかない。このことはたびたび申し上げておるので、すでに御承知を願っておると思うのでありまするが、それにしましても、生産費を加味した方が一そう農民の希望にも合う、こういう点からいたしまして、今回は生産費を加味するという方式を新しく取り入れたわけであります。それがために、公社提案の原案におきましては二・九四%を前年に比べて上げる、こういう提案をいたしたのでありまするが、その提案の内容が、昨日もお話しいたしましたように、生産費を加味する方式の際におきまして、最近の年度の生産費が最近の実情に最も適合している、こういう見地からいたしまして、昭和三十四年度をとったのでありますが、三十四年度だけとるということは、三十四年度がたまたま相当豊作の年でありました関係もあるので、それでは無理がある、これは少なくとも平均三カ年くらいをとるべきである、こういう御意見が価格審議の過程において相当強かったものですから、その点を修正すれば、どうしても前年対比の引き上げ率は五%程度になる、こういうわけでありまして、腰だめで提案の倍近くなったのだからそれでと、こういうようなことではなくて、算式は算式として議論され、しかも大体それを承認されるような方向にありましたので、ただその算式に使った基礎の問題については、せっかくそういう御意見もあるのであり、ことに農作物であるならば、三年くらいの平均ということがある程度豊凶も加味されてよろしかろうということで、そちらの方に踏み切ると申しますか、その案を採用したいという方針のもとに、目下検討しておるわけでございます。
○広瀬(秀)委員 算定の方式の問題に移る前に、今二・五%という問題もやはり生産費を基礎にしてやったと言っておられる。生産費その他もちろん第五条にのっとってやったと答えられるでしょうけれども、しかし、それ以前の生産費の調査というようなことがその中では非常に大きなウエートを占めると思うのですが、その調査をやっておられても、専売公社はそれを公表しておりません。公表されないような資料では、われわれ公表されない立場から見れば、独善的な印象を持たざるを得ない。従って、前年度三十四年度から二・五%上げることが今までの方式、算式からいって適当なのだと言いましても、三十四年度のそのものが、もうすでにわれわれから見れば信憑性のないものだといわざるを得ないわけであります。それは生産費算定の主要部分をなす生産費の調査、そういうようなものは公表されないという立場に立って算出をされている。数式だけはなるほど正しい格好はとるかもしれないけれども、その資料になるものは今まで非公開であった。どうして非公開主義をとるのであるか。そういうような点についての公開をして、そしてまたもちろんこれは統計上の技術等もありましょうけれども、二十七万耕作農民から見れば、調査の対象なども非常に少ない。しかもそれが非公開で調査をされておるというところに、農民を納得させない専売公社のやり方というものがあるだろうと思う。そういうような点についてどう考えるか、この点を伺っておきたい。
○松隈説明員 生産費実態調査は、三十四年度におきましてはランダム式な調査方式を採用いたしまして、九百五十四戸の農家について調べたと思うのであります。これは任意抽出でありますので、生産費の比較的安い人も、また生産費の比較的高い人も入っておるというわけでございます。この九百五十四というようなサンプル調査で全体の推計ができるかどうかというのは、統計学上の推理の精度、正確度の問題になることでありまして、多くの場合の生産費調査に比べて、私どもの持っておる数字から申しますと、必ずしも精度は低いとは言えないと思うのであります。なお、この調査にあたっては、耕作農民の方にお願いしてよくその理解を得、協力を得て実行しておるのでありまして、秘密というような関係はございません。その得ました資料につきましては、耕作組合中央会の方にその資料の内容も説明してございますので、全く公社だけが隠して持っておって見せないというものじゃなくて、耕作農民の中央の組合の人はそれを知っておるわけですから、従って下部にPRするというようなチャンスもあるわけでありまして、お話のように全く秘密にしておって、こちらだけの資料に使っておる、こういう点は避けておる次第であります。
○広瀬(秀)委員 その点の論争はしばらくおきまして、お伺いしたいことは、生産費所得補償方式をたばこの性質上今にわかにとることには賛成しがたい、こうおっしゃったわけですが、何か聞くところによりますと、たばこは果実を目的とするものではない、適熟葉を目的とするものであるからというようなことがその理由になっておるようでありますが、その点どうも私どもわからないわけです。要するに、たばこもやはり非常に手間のかかるものですし、果実を目的としなくとも、その適熟葉を収穫して、それをいろいろまた管理をいたしまして、収納するまでには非常に多くの労力を要する、こういうようなことにもなっておりますし、おそらく農作物でたばこほど労力を食う作物はほかにない、こういうように言ってもいいと思います。おそらく、二月に種をおろして、大体翌年の一月、二月ころまで収納がかかるということでありますから、一年間かかる。在来種あたりでも百人手間はゆうにかかる、こういうことになっておるわけです。こういうことであって、しかも農家などでは小さい子供まで葉のしには動員しております。おそらくこういう労力は専売公社は見ておらないと思うのでありますが、果実を目的とするものでないからというようなことと、適熟葉を目的とするものだからということによって、その差というのはどういうように皆さん考えておられるのか、その点を一つ聞かしてもらいたい。
○松隈説明員 葉たばこは、御承知の通り適熟葉を使いまして、必要なたばこを製造して参るわけであります。その葉たばこの生産に際しまして、相当の労働日数が要るということは、御指摘の通りであります。なお、葉のしその他について家族従業員が働いておるということも公社としては承知しており、その労働日数というものも計算には入れてあるわけでございます。問題は果実を目的とするという――米のような場合でありますと、それはなるほど品質に優等米から三等米といったような較差がありますけれども、葉たばこの場合には、それ以上に較差がある。それから、労力なり経費をかけたならば必ずりっぱな葉ができるかと申しますと、なかなかそうはいかない。たばこ技術の巧拙あるいは地域差、それから事後処理、そういうようなことで、生産費と葉の品質との間の比例ということが相当大きくばらつきがありますので、一がいに生産費をとって、その生産費で葉たばこの価格をきめるということにはどうしても無理がある。そこで、将来どんな時期がきても生産費所得補償方式を採用しないというわけではない。生産費所得補償方式を採用しても、今言ったような品質との関連性がこれでできる、あるいは地域差が違って、生産費が違い、価格が違うというものにも適用できるというような方式が考えられ、それが妥当性を持つというときまでは、にわかに生産費だけで、生産費が高くかかっている品物だから、これは高く買い上げるというわけには踏み切りがたい、こういうふうに申し上げているわけであります。
○広瀬(秀)委員 今重要な発言を総裁はなされたわけですが、将来考えてもいいというのですが、先ほど申し上げた耕作審議会、あるいはそうでなくてもいいのですが、やはり全国のたばこ耕作農民は――今総裁は、いろいろ果実を目的とするか葉っぱを目的とするかの差を申されたわけですが、私どもまだまだそういうことでは納得できないわけです。しかし、いずれにしても、とにかく全国のたばこ耕作農民が、米と同じように――やはり米の値段も農家にとって非常に重要な問題であるだけに、慎重に長い年月をかけて、生産費所得補償方式というものが、農産物の価格算定にあたって今のところ考え得られる一番いい方法だ、こういうことを言っておるわけであります。しかも、それは今全国の耕作農民の大きな声になっているわけです。十二月十二日の今回初めて行なわれた――総裁もこの点は一つよく覚えておいていただきたいのですが、たばこ耕作者が全国大会を持つまでになった。それというのも、公社のやられるたばこの価格の算定というような問題がどうも一方的であって、しかも専売法そのものが非常に古い法律そのままであって、今日の民主的段階にふさわしくない幾多の点を持っている。そういう中から、耕作者の権利である収納代金というものが、常にほかの農産物に比較して押えられてきている。こういうような点において非常に大きく目ざめて、そうして全国大会まで持つように、そこまで盛り上がった。今まではどんなに声をかけても、盛り上がらなかった。ところが今度はどうにもがまんができないで盛り上がった。そうして、そこで何をやっているのか、生産費所得補償方式というものを、どうしてもとってもらいたいということが全国の声です。こういう声を率直に聞いて、将来検討するというのですが、その検討をするための適正な機関なり――もちろんこれは耕作審議会にやらせるということも一方法でありましょうが、これはやはり、この間の経験からいっても、あまり適当であるとは思われません。従って、そういうものを本格的に研究し、専売公社の諮問にこたえられるような、そういう機関を設置するお考えがありますか。その点を一つお伺いしたい。
○松隈説明員 生産費を中心に葉たばこの価格をきめるということになりますと、勢い葉たばこの価格の買い上げの地域差というものが相当目立ってきます。そういうようなことにした方がいいかどうかということについては、まだ公社自体の腹がきまっておりませんので、先にまず公社として、今後生産費というものが、中心になった場合の形はどういう形であろうか、それが専売制度にどういう影響があるか、それから耕作農民の耕作意欲にどう関係してくるかという点をまずきめまして、それから後それをかりに専門の委員会というものを設けて検討するということであれば、それはそれに移す。まず公社自体の腹をきめるいろいろな資料を集めて内部検討をすることが先だと思っております。従って方向づけとしてはおっしゃる通り考えられますが、時期等については、これはなかなかむずかしい問題で、容易でない、かように思っております。
○広瀬(秀)委員 かりに一種の外郭団体的なものとして、そういう研究の機関なりを設けるということは、今すぐやらないにしても、たばこの生産者収納代金、価格決定の方式として生産費所得補償方式というものを公社自体で正式に取り上げて検討を開始する。このことはそういうように了解してよろしいですか。
○松隈説明員 それはすでに問題になっておることでありまするから、公社として当然取り上げなければならないことでありますが、内部で議論しておるのですが、なかなか問題がむずかしいものですから……。しかし、問題がむずかしいからといって、これをほっておくということはいけない、かように私も考えて、内部的検討は命じてあります。それで、それがとりにくいならばとりにくいという理由をもっとはっきりさせて、世間なりあるいは耕作農民の了解を得るまでにいかなければいかぬ、ただむずかしいというだけではいかぬ、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 検討はもうしておるのだ、そのままその検討を続けていくというようなことでは、われわれ満足できないのであって、先ほども申し上げたように、全部の耕作農民がもうたばこも生産費所得補償方式というものでやってもらわぬことには成り立たない、こういう段階にきている。そういうことだから、もっとほんとうに誠意を持って耕作農民の気持を受け入れるという、そういう積極的な気持を持って検討をされるのと、どうもむずかしい、むずかしい、みんなが騒いでおるからお義理にやろう、こういうようなことでは全然問題にならないと思います。だから、そこらのところをもう少し今まで以上にしっかりとした検討をするのだ、こういうことは約束できないですか。
○松隈説明員 御趣旨の点に沿って検討いたしたいと思っております。
○広瀬(秀)委員 たばこ耕作者は二十九年に四十三万二千百五十三人おった。三十五年になりますと三十二万七千七百八十八人、大体十万戸がたばこ耕作農民として脱落をしたわけです。耕作面積の方を見ますと、六万九千四百二十ヘクタールから五万九千百三十六ヘクタール、こういう工合に耕作面積も減っており、耕作農民は激減をいたしておる。しかも、たばこというのは、昔は、小さな農家が現金収入を得るために、手間は何とかある、とにかく現金が割合入るということで、小さい農民に非常に喜ばれたものです。ところが、今日になってみますると、ほかの道路工事の日雇い人夫に出ても、たばこ作りなんかをやっておるよりはよほどいいのだ、こういうことになって、そういう小さな、相対的に農家経営の規模の小さい人々は、もうたばこの耕作をすることはとてもじゃないが費用倒れでできない。こういうような形になって減少しておる。こういう減少を一体総裁はどうやって先ほどの増産計画とにらみ合わせてやっていこうとするのか、この点の総裁の所信を聞きたいと思う。
○松隈説明員 葉たばこの耕作者が昭和二十九年当時に比べて減っており、反別も減少しておることは、お話の通りであります。これは、終戦直後製造工場が極度に破壊されて製造能力が落ちておる、従ってたばこの供給力が非常に不足しておったわけであります。そこで、工場の方の整備をはかりますと同時に、葉たばこの増産のために極力増反運動をやったわけであります。その後だんだん事情が落ちついて参りましたのと、葉たばこ耕作技術が進歩いたしましたので、たとえば黄色種等につきましては、二、三年前に在庫が三十三カ月分にも達するというような過剰状態になりました。そこで黄色種については二カ年にわたりまして減反をお願いしたわけであります。在来種は大体において標準在庫程度を維持しております。今後の葉たばこの供給につきましては、大体耕作者も安定して参りまして、なれた耕作者と申しますか、耕作技術水準の高いものが残っておりますので、従って人数が減り面積が減った割合には収納量は減らないと思います。
 なお、今後の葉たばこを確保する手段といたしましては、一方におきまして値段を適正化していくということが必要でありますが、単にそれだけではやはりむずかしい点があると思います。近代農村の傾向として農業構造というようなこともあります。またわずらわしい手間のかかる仕事はきらう。こういうような方向も見受けられますので、それに合わせるようにするにはどうしたらいいか、かように考えまして、公社も五カ年計画の生産部面におきましてはいろいろなことを考えておる次第であります。その一つは、反当収入を上げるような品種を導入する。これは、黄色種については、第二黄色種ヒックスという新しい種類を昨年すでに六百町歩を試作いたしましたし、三十六年度におきましては一千五百町歩にこれを拡張しようとしておるのであります。それからまた、葉のしの手間がかかることをきらうために、そういうものについては葉のしを避けるしぼり葉の新種を三十六年度から、試験的に取り入れることにしております。そのほか耕作技術をできるだけ簡素化する。さらに、できました葉たばこを乾燥する場合におきましても、従来の乾燥方法のように葉っぱを結んで連ねるというかわりに、幹ぼしをするというようなことによってどれだけ手間が省けるか、それから肥料の問題、あるいは耕転機を利用するとか、あらゆる面につきまして労働量を少なくしコストを下げる、その割合に量目は減らない、また公社の必要とする品種が得られるようにという、その両方をかみ合わせたねらいのもとに、必要な葉たばこが確保できるような努力を続けて参りたい、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 非常に楽観されておるようなんですが、その中に一つ重要な問題点が含まれておると思う。これは自民党の農業政策全般についての批判もあるわけですが、貧農切り捨てというような考え方が、やはり総裁の今の答弁の中にもあるように思われます。とにかく、今国庫納金やらあるいは地方の県税あるいは市町村に入る金を合わせると、約一千八百億になる。こういうような専売公社の非民主的なあるいは一方的なやり方が非常に多いと思うのですが、そういう専売法の中で苦しみながら大きな財源をかせぐ材料を作っておった農民が、これから五カ年計画で増産をするんだ、そう言いながら、小さな農家などはもうやっていけないような方向というものを考えておられるんじゃないか。大規模化していくというような考え方がひそんでおる。もうとてもやりきれない小さなところは落ちていっても仕方がないという、いわゆる自民党の農政を基礎づけるような考え方というものを、やはり総裁も持っておるんじゃないかということが、その中にうかがえるわけであります。そうでなければ、収納代金等の問題についても、五%ぐらいの値上げをやって――五%というようなあの答申が出てから、すぐに私は耕作地帯に行って、農民にじかに聞いてみましたが、そんなものは問題にしていません。そんなものは上がったってどうにもならない、私のところでもことし何軒かやめます、こういうのがあるんです。こういうような現状というものから考えていくならば――現に耕作農民がそう思っておる。あなた方がやろうとしておることとの間には非常なズレがある。もっと自力のある比較的中農以上の大きなところに増反でもしてもらえば、それで済むんだ、ほんとうに苦しい生活をしながら、小さな規模の中でたばこを作って、とにかく現金収入を得ようとしてやってきた、そういう人たちが落ちざるを得ないような方向において、一億七千八百万キログラムを達成しよう、こういうような考えというものがあるように思われてならないのです。そういう点はどうでしょう。やはり中心は、もっと価格を引き上げて、引き合うように、専売法第五条においても、最後の締めくくりは、葉たばこ耕作農民に適正な収益を得させる、このことが価格決定の基本だ、目的なんだ、こういうふうに掲げられておるわけです。ところが、生産費がどうだ、物価がどうだというようなことにとらわれて、適正な収益を農家に得させるんだという考えが非常に少ないので、この点のお考えをお聞きしたいと思うのです。
○松隈説明員 農業人口をどうするかという問題は、これは政府の大きな政策で定まって参ると思うのでありまするが、専売公社といたしましては、別に大農でなければ葉たばこ耕作ができないような方向に持っていくとか、あるいはそういうような意図のもとに葉たばこの確保を計画しているわけではございません。先ほど私が申し上げました黄色種にしましても、従来の黄色種よりも、第二黄色種の方が肥料が少なくても収穫が多い。こういう品種に置きかえるということは、これは何も大きな農家でなくても、小さい農家でもできることであります。それから乾燥の方法を簡略にしていくということも、これは連ぼしを幹ぼしにかえるということは、個々の農家でやり得ることであるわけであります。耕耘機と申しましても、大農になった場合の大耕耘機というのではなくて、できるだけ耕作の労力も機械化できる範囲において機械化したら、こういうことを考えておるわけでありますので、その辺は誤解のないようにお願いしたいと思います。なお、価格につきましては、できるだけ適正な価格をきめまして、そうして農家の耕作意欲の向上と相待ち、必要な生産量を確保したい、かように考えております。
○広瀬(秀)委員 価格の問題についてはまたあとで日を改めて、さらに資料を整理いたしまして、徹底的にやりたいと思っています。
 そこで、あと一、二点お伺いしたいのですが、たばこの輸入を五百七十万キロばかりやっている。輸出を五百八十万キロばかりやっている。アメリカやトルコやインドから輸入されるキロ当たりの価格は七百八十六円、黄色種の買い上げ価格は、それほど差があろうとは思わないのですが、三百六円、そうしてまた輸出の方は三百七十八円で売っている。こういうような形になっておるわけでありますが、どうしてもたばこは、このような価格で米葉なりトルコ葉なりインド葉なりというものを輸入しなければならないでしょうか。このことがやはり日本の耕作農民にはね返ってきやしないか、こういうように考えるのですが、この間の事情というものを耕作農民が納得できるように一つ説明をしてもらいたい。
○松隈説明員 葉たばこの輸出入の数字は、ただいまお述べになったような状況にあります。御承知の通り、葉たばこの優良品種の生産につきましては、瀬戸内海地方を中心とする気象条件の比較的有利な地域を中心に極力進めております。また、たばこ試験場というものも公社が全国に六カ所ほど持ちまして、技術者は非常な張り切り方で努力をしているわけでありますが、いかんせん土質の関係と気象条件が影響しまして、日本では非常にかおりの高いあるいは味が特別によいというような葉を生産することができないわけであります。これの一番大きな原因は、日本の気象条件が多雨多湿でありまして、日照時間が少ないということであります。それがために、優良品種である葉たばこの種を輸入しまして日本で栽培しても、日本で育つと日本化してしまうという点は、一種の宿命的な問題かと思うのであります。これはちょっと例をほかにとってみれば、たとえばブドウが、日本では多雨多湿、日照時間が少ないというので、甘いブドウができません。含糖率の高いブドウができない。たといイタリアやフランスからブドウの種を輸入して日本で栽培しても、最初の年は幾らか向こうに似ているけれども、二、三年たてば日本化してしまう。それと同じように、葉たばこにつきましても、なかなかわれわれが買っておりまする外国の優良葉に匹敵するような葉を栽培することが困難なんであります。そこで、内地葉だけで作るとしますると、遺憾ながら十本当たり三十円以上に売るというたばことしてはお粗末過ぎて、そういうたばこを、そういう高い値段をつけて売るということでは国民が承知しない。ピースが世界的水準をいくものである、こういうことを公社が言ったこともありますが、これらはやはり、内地葉は七五%で、外葉を二五%程度入れることによって、あのかおりなり味なりを維持している、こういうわけであります。しかし、公社として、できるだけ外葉にたよらず、内地葉の優良品種を育成し、同時にまた内地葉に香料あるいは加熱その他の技巧を加えることによって、品質をよくする努力を続けて参らなければならぬことは、もう申すまでもないことでありまして、その努力を葉たばこ耕作関係の技術者にも強く要望し、技術者もそのためには懸命の努力をいたしておると思うのであります。
 なお、輸出葉の値段が低いのでありますが、これはただいま申し上げたこととちょうどうらはらになりまして、日本の葉を外国が買ってくれまするのは、日本の葉のいいにおいとかいい味を賞味して買うというのではなくて、日本の葉というのは多雨多湿の関係上非常に中性的でありまするので、補充原料、俗な言葉でいえばかさ増し用に買ってくれているわけであります。従って、安ければ安いだけよけい買いますが、高くなればかさ増し用だからもう買わない、こういう心配があるので、現在輸出しておりまする値段は、公社の整理価格でいうと、損が出るかどうかというすれすれ、物によっては少し損が出るというようなところにあるわけであります。もちろん、公社が輸出する場合には、輸出商社を通じて輸出しておりますので、輸出商社も、葉たばこの輸出を扱えば、それだけ自分の商社の利益が増すわけでありまするから、これはできるだけ商談をととのえて売りたいという意欲があるわけであります。そういう商社から海外で商談をととのえるために見本をもらいたいというものについては、見本をどんどん渡しております。従って、商社も売らんがための努力はしておるのでありますが、ただいま申し上げましたような葉の事情、それから価格の関係で輸出がなかなか伸びない。それにしても、ここ一、二年の間に相当の輸出が伸びまして、五百九十万程度の輸出が見込めるということになった点は、ある意味では心強く思っておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 今総裁に私が特に申し上げたのは、農民が納得できるように説明してくれ。ピースのような国際級だという、そういうものを作るために必要なんだ。これも、税金をとるためには必要かもしれませんけれども、ピースなんか吸っている農民は一人もおりません。みんな新生かバットか、あるいはもう刻みは大体なくなりましたが、そんなものです。高級な味とかおりのいいという、専売公社の宣伝文句にあるようなものをせっせと作っていながら、一番安いものしか吸えないのが耕作農民の姿なんです。だから、そういうものに対して、こういうような高い値段でやることが全体の問題としていいのかどうか、こういう点をお伺いしたわけなんですが、時間もあまりありませんから、この点はこれ以上申し上げないことにいたします。
 次に移ります。先ほど総裁がいろいろ申したのでありますが、特に増反計画、そういうような中で、専売公社も制度を合理化していくというようなことが入っておるようでありまして、その中で、たばこの収納所なんかを集中方式にする、今までの八百数十カ所あったものを、かなりこれを縮小していく、こういう方向をとって、公社の職員なんかもその中で減らしていく、こういう考えを持っているようでありますが、そういうことは、今でもたばこの収納に長い距離を、しかも栃木県あたりの場合においても、たばこ耕作者が今の八百数十カ所あるところに出ていくのでも、朝早くから、もう六時ごろから、あるいは四時起きするといような形で山奥から出てくる。こういうのがもっと集中されて不便になるということになったら、耕作農民に対する非常な不便になる。このことははっきりしておるわけです。それから、職員の数もそれに見合って減らしていく、職員の首切りをやる、そういう耕作農民と職員に犠牲を押しつけるような形での合理化というようなものを本気になって考えているのでありましょうか。その点を一つお伺いしたいと思います。
○松隈説明員 専売公社も企業体でありまするから、企業の合理化ということを考える立場に置かれるわけであります。しかし、企業の合理化と申しましても、相手のあることでありまして、相手の立場いかんにかかわらず、この方が公社としての経理面で経費が助かる、こういうことでやっていけるものでないということは、申し上げるまでもないと思います。葉たばこ収納所につきましても、非常に耕地あるいは耕作農民の数が変わって、一カ所置いておくという理由が乏しくなったということが顕著でありますれば、そういうものを整理するということも考えられるわけでありますが、同時に、そういう場合においては、葉たばこ耕作搬入の手数料も増して参ります。そういったことでありますから、ただ葉たばこ収納所を減らせばいい、こういう問題ではないと思います。
 それから、御承知の通り、現在の葉たばこ収納所には、公社が自分で建てて自分で管理しておるものもあり、あるいは他の適当な場所を拝借して臨時に使っておるものもありますが、それらの中には、学校の講堂を借用しておる、これが学校の授業の方にも非常に支障がある、こういうようなことのために、そういうものを新しく借りる、学校以外に借りかえるということを考えるのでありますが、これがまた適当な場所がないという場合において、それをやめる、その収納所をやめるということによって、学校の方は迷惑が少なくなる、今度は、農民の方は、そこがなくなるから持ち運ぶ距離が長くなる、そういうようなかね合いの場合に、なおかつ、そこに経費を投じて新設するのがよろしいのであるか、あるいは新設までというのはどうしても効率の関係からいって無理であるから、無理のないところで近いところに統合する、こういうような問題が起こってくるのでありまして、その間に、結局、第三者にも迷惑をかけないで済むならばそれが望ましい、それから、耕作農民の方の便利も考えなくちゃならぬ、同時に、公社の経費としてはどの点が一番経費的に有効であるか、こういうような点を総合勘案してきめて参る問題だと思っております。一方的なことだけでは割り切れない問題でありまするので、慎重に考えたいと思っております。
○足立委員長 広瀬君に申し上げますが、たばこに関しては大へん質問の通告が多いものですから、午前中に法案の採決もやりたいと思いますので、なるべく簡潔にお願い申し上げます。
○広瀬(秀)委員 委員長からも御要望もありますので、あとたくさんあるわけですが、これ一つで終わりたいと思います。
 一般の農産物は、アメリカあたりから持ってきますと、三割あるいはものによっては五割も安いという品物がある。こういうことが一般にいわれておるわけであります。ところが、たばこだけは、向こうから持ってきましても、日本の生産したものよりどれほど味がいいかわかりませんけれども、少なくとも味をよくするためには倍以上の価格で輸入しなければならぬ。これはもちろん品質が格段に違うといえばそれまでかもしれませんけれども、しかし、先ほども申し上げたように、やはり一般的に大衆たばこといわれるようなものの中には、おそらくこのキロ当たり七百八十六円するものがほとんどそうは使われておりませんので、そういうような関係にあるわけです。全般的な農産物は大体三、四割もアメリカの方が安いのだ、それがたばこに限ってはこんな開きがある、こういうことであるし、先ほど申し上げたように、たばこ耕作農民がどんどん減っていく、こういうような現状にありますので、あとまた次の国会等においても十分質問も討論もいたしたいと思っておりますが、総裁初め専売公社の各位におかれても、また、もちろんこれは大蔵省がうしろに控えておることでもありますが、そういう耕作農民にもんとうに適正な収益を得させるのだというところに力点を――専売法の第五条の読み方を、生産費がどうの、経済情勢がどうの、あるいは諸物価がどうのということよりも、適正な収益を農民に得させるということに価格決定の最高の目的があるのだ。そうしてその中から初めて皆さんがお考えになっておる増反計画というようなものも成功するのだし、また専売事業というものも発展するのだと思う。そういう観点に立って、もっともっと生産者の利益の側に立って、もう少しそういうところに力点を置いてもらいたい。今までは少なくともそうでなかったと思います。そういう角度から、そうしてまた専売制度そのものが非常に――これは例をあげてきょうはそれもやろうと思ったんですが、それは省略したのですが、非民主的な、古色蒼然たる明治の中期ごろの頭がずっと一貫して貫かれておるわけですから、そういうものとあわせて、どうか一つほんとうに頭を切りかえた姿で再検討をしていただくように要望いたしまして、質問を終わります。
○足立委員長 武藤山治君。
○武藤委員 総裁に、引き続いてたばこの収納価格の問題について、要望と質問をかねて二、三点伺いたいと存ずるのであります。時間も非常に過ぎておりますから、簡単に御質問いたしますので、明快なる御答弁を要求いたします。
 昨日も、同志の足鹿委員から、収納価格は党派を超越して決定すべきものであるし、すみやかに農民の代表の意思を参考に入れた価格をきめろ、こういう強い要望がありましたが、そのときに、大臣は、総裁の申請があればそのまま決定をしたい、こういう答弁を昨日行なったのであります。そこで、私は総裁にはっきり伺いたいのでありますが、五%の引き上げという総裁が発表した意見は、どういう事情が発生しても、これ以上引き上げるような可能性はないかどうか。私の見解によるならば、農民は一割から一割五分の引き上げを要求しておるし、公社は三カ年平均で五%という数字を出してきたのである。自民党は昨日の農林部会で八%の引き上げをすべきであるという決議をいたしたようであります。これはいよいよ算定方式がどうのこうのということではなくて、この段階まできたら、やはり政治的な折衝段階にきておるような気がするのであります。
 そこで、一体総裁は五%という、ただいまここで発表した引上率以上は絶対に動かせないと考えているのかどうか、この点を最初に一つ伺いたのであります。
○松隈説明員 答申は算定方式を示しておりますので、その算定方式に従いますと、前年対比増が五%程度になる、従って五%を下らないようにすべきであるという御答申をいただいております。そこで、その算定方式を議論された会議の内容をよく検討いたしまして決定をいたしたい、かように思っております。
○武藤委員 そういたしますと、五%という引上率については、総裁としては、これは審議会の一応の答申案であって、それよりは上回ることは確実に約束できる、そうなると八%程度の引き上げというものはする覚悟がある、そういう判断で受け取ってよろしいかどうか。その点を一つ……。
○松隈説明員 八%というようなことになりますと、これは算式自体を変えなければいけないということになります。算式を尊重し内容を検討すれば五%台であろう、かように考えております。
○武藤委員 算式を変えなければならぬ。当然私どもは算式を変えなければいかぬと思っておるわけです。というのは、昨日も足鹿委員がおっしゃったように、この算定基礎の中に工業用原料作物というものを基礎にしていない。総裁は今の日本の農業の状態というものをよく知っておらぬということです。私はみずから一町五反の百姓でありますから、特にたばこも自分で作っておりましたから、よく耕作農民の気持も知っております。特にたばこを作っておる農民というのは、段々畑の非常に不便なところに作っているのです。特に栃木県の芳賀郡あたりに行ってみますと、ほとんど一般の作物ができない非常に狭小な段々畑を作っているのですから、ここに機械を導入せよとか、あるいはこれを機械化せよといっても、使えないような場所が非常に多いのであります。そういうような点の実情を知らぬような答弁をしながら、しかも算定基準を変えることはけしからぬというような発表は、私は総裁は非常にえこじだと思うのです。やはり工業用原料作物の価格なり、蔬菜なり果樹なりというものが、どういう農業になっておって、どの程度の収益を上げておるか。農民がまたそういう商品化作物に非常に集中して移行しておるのです。そういう一つの趨勢があるのです。そういう趨勢にたばこ耕作者だけが乗っていけないということになれば、だんだん減反になっていくのは当然なんで、だから、専売公社が減反を要求しなくても、自主的に農民は、他の農作物の収益と比較にならぬからやめていく、そういう実態を見のがして、総裁はただ収益を上げなければならぬとか、今までがこうだったかという者に固執して農民の実態を忘れたら、私は、やはり日本の農民の立場からいったら、日本の専売公社の見解というものは非常におくれておる。そういうことの非難は免れないと思うのです。そこで、八%の引き上げということになったら、算定方式の中から麦を除いたらいい。麦なんというものは非常に生産費ばかりかかって価格が安いものだから、こういうものを除いて計算をすれば、八%あるいは九%という数字が出てきますよ。そういうときには、男らしく、いさぎよく一つの農民のために八%引き上げてやろう、このくらいの答弁を私は求めておる気持なんです。それはぜひ御決意を願いたいと思うわけであります。
 次に、もっと素朴な農民の立場から見るならば、今年度の国庫納付金のやや確定的な見込みというのはどのくらい出るか。千八百億になるか、二千億になるか、あるいは二千百億になるか、さらに輸入たばこによる利益というものはどのくらいになるか、その数字を一つお示しを願いたい。そういう数字がかなり大きな数字であるから、農民や一般の人から見れば、公社はこんなに利益を上げておる。それに対して三十億や五十億の金を農民に回るように出してやることは、何らむずかしいことじゃないのじゃないか。時に政府は今減税々々といっておって、自然増収がたくさんあるから、減税の恩恵を与えよという鳴りもの入りの宣伝をしておるのだから、そのときに国庫納付金が五十億や四十億減っても、これは総裁の指導が悪いなどという非難は全く受けませんから、安心して一つ私は農民に五十億ぐらいの価格引き上げの金をぽんと回してやるくらいな名総裁になってもらいたいと思うのです。そこらあたりの割り振りをお尋ねしたいのであります。
○松隈説明員 算定方式を変えろという御質問でありますが、それはどうも答申の趣旨からいってむずかしいと思うのであります。答申は、価格の基準年度として、三十四年度に限ることなく、なるべく最近の正常の三カ年度をとって、基準価格の安定をはかるようにということについては意見が一致しておりますが、安いものは抜いて高いものを出すとかというような、他の農作物との価格均衡の点についてはいろいろ意見がありましたけれども、それはあまりに恣意的というような空気が強かったものですから、その点については特に注文をつけてない、こういうふうに考えますれば、大体三十四年度のかわりに、これを三カ年度に置きかえるということを中心に考えて参るべきじゃないか、かように思っておる次第でございます。
 なお、外国たばこを少し売り出しておりますが、この利益率につきましては、内地のたばことつり合いをとった利益率を見ております。
 それから、本年度の専売益金の自然増収でありますが、幸いにいたしまして数量、価格ともやや伸びておりまするから、ある程度の専売益金が出るということは考えられますけれども、今、年度末にはたして幾らかということは、まだちょっと想定がしにくいわけであります。なお、自然増収があるから、それはできるだけ農民に還元してもいいじゃないかということでありまするが、そういう専売益金の自然増収というのも、専売は、御承知の通り、租税のと申しますか、消費税の変態に当たるものでありますので、租税全体としてたばこ専売益金までを含めた自然増収があるということで政府も減税に踏み切っておるのでありまして、こっちだけは別勘定で使ってしまうのだということになっては、やはり政府の減税政策なりあるいは一般の積極政策にも影響があるわけであります。しかし、幸いにしてたばこの売り上げも伸び、益金も上昇傾向にありまするので、私も、ここで生産費を加味する方式までを提案して、葉たばこの価格も漸次上げて参りたい、こういうふうな方向をとりつつあるわけでありますので、ぜひこの間の事情を御了承願いたいと思います。
○武藤委員 だいぶ言葉じりをつかまえるようで恐縮ですが、何か総裁の答弁は、今の話でも三月の年度末までの間の収益の予想はまだつかぬ。それは的確なものはつかぬけれども、現在までどの程度あって、これからの推移によるならどのくらいいくかということは、あなた官僚で大へん長い間主税局長までおやりになったのだから、大体の見通しが立たないというばかな話がありますか。私はそんな総裁は要らぬと思います。大体数字は、十二月まではこのくらいだから、三月まではこのくらいだろう、従ってややこのくらいの数字は見られるだろうという親切な答弁がなぜできないのですか。私はそういう答弁は要らない。やはりはっきりした答弁を聞きたいですね。私が言っているのは、そういう利益があるから、その利益を独立採算で公社だけは農民に還元せよなんということは言っておらぬ。全体のめどとして、池田内閣は、自然増収というものがそうたくさんあって、減税々々ということを国民に言っているのだから、そういう一つの雰囲気から見るなら、わずか五%の十億円程度じゃなくて、もっとこれをふやすというぐらいは簡単じゃないか、総裁がやろうという気なら、すぐできるじゃないかという気分が耕作農民の中に確かにありますよ。自民党が八%まで引き上げてやりたいということを農民部会できめたのも、そういう一つの空気から出したものだと私は思うのです。ところが、総裁は、算定方式を変えるわけにいかぬから、与党の自民党がそういうものを出しても、それは動かせないのだという気持から言うのか、ある程度の政治価格でやむを得ないのだというお気持でおるのか、その点をはっきり一つ御答弁を願いたいと思うのであります。
○松隈説明員 公社の総裁といたしましては、葉たばこ生産確保のために農民の立場も十分考えなければなりません。それと同時に、公社経営、企業の面も考えつつ、そこに調和のある葉たばこ価格をきめて参りたいと思うのであります。そういう見地に立って答申を拝見いたしまして、なお審議会における各種の議論の出ました点を考慮に入れますれば、五%台の引き上げということが適当である、かように考えておるのであります。なお、農産物の価格というようなものは、そう激変するということはいかがか、かように思うのであります。平均で五%でありまするけれども、黄色種の場合には生産費の面でプラスにもなっております。主として力を入れておりまするのは、この在来種バーレーでありますので、それらの面になりますれば、一〇%をこえるといったような引上率にもなろうかと考えます。これはできるだけ農民の立場を考えつつ、しかも漸進的に物事を考え、利益金とのにらみ合いもして善処して参りたい、かように考えております。
○武藤委員 総裁は適正な価格で農民から収納する。それは法の精神でもあるから当然でありますが、一体今の価格が適正であるかどうかということについての基本的な検討をしておるのですか。たとえば米の場合は全国平均で一時間当たりが、八十円二銭の労賃になっておる。たばこの場合は一時間当たりの労賃がわずか二十五円程度ですよ。これで一体たばこ耕作者が喜んでたばこを収納しようという積極的な熱意を持ちますか。だからたばこ耕作というのは山の中の段々畑にしか作らないのです。米の価格と比較しても、こういう労賃計算にしても、手間にしても大へんなことなんです。そういうことを考えてやったら、決して適正な価格とは言えない。そこで、私は総裁に聞きたいのですが、たばこ耕作者の東北地域、関東地域あるいは関西地域の何ブロックかに分けた地域別の労働賃金、耕作者の労賃が一時間当たり幾らになるか、それから反当別、品種別に大体どういう状態になっておるか、今ここで答弁しろと言っても無理でしょうから、後刻資料にしてすぐ出してもらいたい。私はどう考えても今の価格は適正な価格とは思わない。そこで、そういう適正な価格でないもので押しつけて五%しかやれぬとか八%しかやれぬという場合に、何かほかの形で耕作農民に補償をしなければならぬと思う。先ほど総裁のおっしゃった機械化とかあるいは耕転機とか、さらに共同施設、共同乾燥場、そういうようなものをどんどん作って、それに対する国の助成、農業改良資金の利子補給をさせるとか、あるいは改良資金を優先的にそういう共同化のためにたばこ耕作者に出すとか、何かそういう考慮というようなものを、農林省なり大蔵省と十分折衝して、そういう点で一つ耕作農民をカバーしてやろう、そういう配慮はあるのですか。あるとしたらどのくらいの額を配慮するつもりでおるか。その点を一つ明確に聞かしてもらいたい。
○松隈説明員 たばこ耕作組合を通じて、公社と申しますか、あるいは大蔵省が助成を行なっておるのでありまして、たばこ耕作組合の方からの交付金の要求は、国の事務を代行している分については全額の経費補助をすべきである、その他のものについてもできるだけ交付率を上げてほしい、こういうことでありますので、目下大蔵省と協議中であります。現在の段階では、国の事務と思われるものについては、大体その費用に相当するくらいの金と思われるもの二千八百万円くらい出しておるかと思います。それから、一般交付金として七千万円を三十五年度では出しておると思うのでありますが、この七千万円のうちから必要な経費補助をしていることになるわけであります。そういう点について要求がございますので、国の事務であるか、あるいはたばこ耕作農民の同時にためにもなる仕事であるから全額を持つことがいいか悪いかという議論の境目のところについて、かなりの意見の開きがあるようでありますので、その点の調節を行ないまして、国の事務とはっきり割り切れるようなものについては全額を負担するということで、目下大蔵省と協議しております。
○武藤委員 大へん時間をとっておりまして恐縮ですが、もう一つ簡単な点ですが、引上率を品種別に支払う場合に、在来種と外来種についての割り振りですね。外来種の場合には引き上げをしない、在来種だけを引き上げをするという考え方なのか。僕らの考え方では、非常に在来種の価格が低過ぎるということが一般的にいえると思う。そういう場合の考慮を総裁としてどの程度させようとしておるかということが一点。それから、もう一つは、これは地方的な問題でありますが、栃木県の茂木の専売工場、これは刻みを作っておるわけですが、この刻み工場が、需要が非常に減退してきておるので、刻みをやめて両切りの工場に切りかえる、こういう要望を耳にし、またかなり地域において心配されておるわけですが、この点公社として茂木の専売工場を両切り工場に転換をして、これからもっと力を入れていくというお考えであるかどうか。その二つの点を御答弁を願って、まだ新人の処女質問ですから、これから十分勉強して、この次には一つ総裁に抜けられないような名質問をしますから、きょうはこの程度で終わります。
○松隈説明員 葉たばこの収納価格を引き上げるにあたって、在来種と黄色種、それからもう一つバーレ一種というのがございますが、その間にどんな開きを設けるのかというお尋ねでございますが、生産費を加味するという方式を導入することによりまして、御承知の通り黄色種においては一応生産費をカバーするような実態調査の結果が出ております。従って、第一式による生産費の赤字の点をカバーするという方式が導入されておりまするので、価格の引上率は黄色種についてはきわめて低く、在来種、すなわち第一在来種、第二在来種、第三在来種が高い。それからバーレー種も高い。それから第一在来種、第二在来種、第三在来種の間では、比較的赤字が多いといわれておる第二在来種の方が高い。これが、大体の傾向と申しますか、考え方の筋でございます。
 それから、茂木の刻み工場をぜひ両切りに転換してくれという運動は、公社の職員側にもあれば、町の方の要望でもあります。御承知の通り刻みの需要はだんだんに減少し、反対に両切りの需要がふえておりまするので、公社も今までにだんだん刻み工場を両切りに転換して参っておりまして、現在残っておる刻みの工場は全国で四工場ございます。刻みの需給の関係だけから申しますると、ここで一工場を両切りに転換し、また一、二年おいて一工場転換するのが一番都合がいいかと思うのでありますが、もう残っておる数が少ないだけに、どこを転換させてどこが残るかということについては、かなり地方問題化しております。公社としてもその辺の事情もよく考えたのでありまするが、茂木はその中でも先の順位で転換したいという計画のもとに、これが必要な予算を三十六年度分として大蔵省の方に要求してございます。
○足立委員長 佐藤觀次郎君。
○佐藤(觀)委員 資料要求した中、で二、三の点についてちょっとお尋ねします。
 昭和三十四年度が伸びが非常に縮まっておるのですが、これは何か理由があるのか。その点を一つお伺いしたい。
○松隈説明員 専売益金の伸びについての資料の御要求がございまして、それが提出してあると思うのでありますが、三十三年度は前年に比べまして一〇六・七%という伸びを示しております。三十四年度は前年に比べて一〇一・六ということで伸びが落ちておりますが、これはたばこ事業に関する限りは前年とほぼ同じ程度の伸びを示しておるのでありますが、御承知の通り塩事業の損と通算して、残りが専売益金になることになっております。塩の方につきましては、国会の御承認を得て塩業の整理を行なうことになって、そのための特別の予算が認められておるわけでありますが、それの支出が三十四年度ではたしか九十億円ぐらい出ましたので、もしそれが通常の年における塩の赤字であると、大体十億から十五億ぐらいで済んでおったのでありますが、そういう点を考慮すれば、特に三十四年度が納付金が減ったということが、たばこ事業の衰退ということのためでないということは御了承願えるかと思います。
○佐藤(觀)委員 と同時に、この一〇一・四という小売店の増加数もやはり非常に三十四年度は悪いのですが、これは何かはかに理由がありますか。
○三枝説明員 御提出いたしました資料の最後の欄が二十年を一〇〇とした指数と書いてありますのはミスプリントでございまして、対前年比でございますので、一年ごとに対前年を一〇〇とした指数をこの欄に書いてあるわけでございます。
 それから、三十四年度の小売人数のふえが少ないではないかというお話でありますが、公社といたしましては特に押えるという意図は持っておりません。現在では、戦前の小売人数と比較いたしましても、戦前の水準よりやや下回っておるというような状況でございます。しかしながら、地域的に見ますと、大都市なりあるいはその他の地域では、その戦前回復の程度も異なっておりますので、そういう点を考慮しながら、やはり大都市方面においてはその戦前に対する回復率が少ない関係で、そういう点を調整しながら小売店の設置についても考慮していかなければならないのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○佐藤(觀)委員 それから、先ほど武藤君からもちょっと質問があったのですけれども、三十五年度は三十四年度より伸びる可能性があるのかどうか。これは概略でいいですけれども、その見通しだけをちょっと聞きたいと思います。
○松隈説明員 たばこだけについて申しますと、これは予算でなくて前年対比では、今までの成績では数量で六・三%、代金で九・六%という伸びを示しております。予算に対しますと、予算が相当伸びるものとして組んでありますので、数量で一・二%、代金で三・七%程度伸びるかと思います。なお、塩の方が整理進行中で、交付金を支払いつつありますし、それから滞貨を整理する関係上、滞貨の一部をソーダ工業に売り払うという話が進行しておりまして、この売り払い数量が動きますと、売り払いによって損が出ますものですから、そこらの損がどうなるかということによって、三月末の数字について今はっきりしたことを申し上げるのは少しむずかしい、こういうわけでございます。
○佐藤(觀)委員 専売利益金が相当上がっておるというのは事実でありますが、小売店の売り上げの手数料を値上げする意思があるかどうかという問題と、もう一つは、おそらく専売公社に働いている労務者の諸君が、これだけの利益金があっても待遇が非常に悪いんじゃないかという意見が出てくるんじゃないかと思うのです。こういう点について、小売の手数料値上げの問題と、専売公社に働く労働者の賃金の問題について総裁はどう思っておられるか。このこともついでにお伺いしておきます。
○松隈説明員 たばこ小売手数料の問題、別の言葉で申しますと、歩率を引き上げてくれという要求がありますことはよく承知いたしております。今まで公社が小売業者の実態調査をいたしまして、戦前との収益率の比較、あるいは最近たばこの売れ行きが伸びておりますが、その割合には経費率が上がらないというふうな点から申しますと、現在定められてあります八%という率をぜひ引き上げなければならぬという積極的な理由は見出しがたいのであります。しかし、今も申し上げましたように、最近たばこの売れ行きがよろしいということは、一方においては国民所得が増大しておる、それから消費ブームになっておる、こういう関係もありまするけれども、確かにたばこ小売人の販売意欲が増大して、それが寄与している、こういう面も認められるわけであります。そこで、三十五年度におきましては、五億円という特別手数料を計上してございますが、来年度といたしましては、何らかの形においてたばこ小売人の収入金額がふえるようなことについて大蔵省と協議をしてきめたい、かように思っております。
○佐藤(觀)委員 葉たばこの問題で、先日足鹿君、きょうは武藤君らの質問がありましたように、どうも専売公社というものは官僚主義になる可能性がある。そういう点で、この間も私は石田副総裁にも話したのですが、今たばこの民営論の声があるわけです。そういう点については一つ世上の意見も十分に聞いて、一方的に、専売公社の独占事業でありますから、そういうことのないように今後注意していただきたい、こういうことを申し上げまして、たばこの問題については私たちはこれで質問を終わります。次に、村山局長に退職資金の税金についてちょっとお伺いします。今度の減税の中に、退職所得の減税のことに及んでおりますが、私は、公務員の退職所得というのは、これは多年の勤労の結果で得たのでありまして、これは遺産相続などと違って、本質的にはこういうものには税をかくべきじゃないという考え方を持っておりますが、主税局長はどんなお考えを持っておられるのか、その点を承っておきたいと思います。
○村山政府委員 おっしゃるように、退職所得は、ほかの所得と違いまして、長年勤めたそれのいわば追加支払いでございます。その所得の発生の原因は、過去の勤務の集積が一時に現われた、こういう格好にあります。従いまして、現行のわが税法におきましても、普通の所得と全く取り扱いが違いまして、勤務年数とそれから勤務したときの年令によりまして控除額を設けております。すなわち、四十才までの勤務につきましては一年ごとに三万円、四十才から五十才までの勤務につきましては一年につき四万円、五十才をこえる勤務につきましては一年五万円控除をいたします。ただし最高百万円に現行では切っているというような退職控除を特別にいたしまして、さらにその残りの金額を半分にいたしまして、それをほかの経常所得とは全く分離して累進税率を課税しております。つまり、ほかの所得と三つの違う方法をとる。第一は退職控除、第二は半分にする、第三は他の経常所得と合算しない、かような措置をとっておりまするが、おっしゃるようにこれを非課税にすることはどうかというお話でございますが、やはり所得には違いないので、この程度のことはやむを得ないのではないかという感じがするわけでございます。ただ、おっしゃるように、現行法では最高百万円という退職所得の頭打ちをしておりましたが、これは先ほど申しました年令による勤務年数一年についての控除額がもし妥当なものであるとするならば、どうも頭打ちにさせる理由に乏しい。ことに事情を見ておりますと、五十五才の定年退職者のあたりで、中学校卒で四十万、高等学校卒で三十万、大学卒で約二十万の頭打ちになっている。こういう現状でありますので、来たるべき通常国会ではその頭打ちの制度をやめたいということで、今度の源泉徴収に関する臨時特例法においても、その趣旨を織り込んで提案してある次第でございます。
○佐藤(觀)委員 私たちの子供のころには、今の公務員に当たる人は、大体退職してから恩給で鶏三羽くらい飼っておれば食っていけるような時代でございました。ところが、最近では、御承知のようにせっかく長年勤めて退職手当をもらっても、それは税金にとられると同時に、貨幣価値が下がった関係上、その金をもらっても使い出がない状態であるわけですが、私は少くとも三十年以上勤めた人ぐらいにはやはり無税にすべきではないか。少なくとも国鉄とかその他それに類する仕事をした人が、せっかく退職手当をもらっても、莫大な税金をとられるというようなことは、ちょっと矛盾しているのではないかと思うのですが、今度の改正の中ではいろいろ考慮されているようでありますけれども、三十年ぐらい以上勤めた人には無税にするような考え方があるのかないのか。これも一つこの際局長に承っておきたいと思います。
○村山政府委員 ただいまの三十年以上勤めた者には無税にしたらというお話は、これはもらう金額とのかね合いの問題だと思います。五十四社ばかりについて実際の退職給与支払い状況を見ておりますと、十年以上の定年退職者五十五才でございますが、大体百万円以下の支払いが約半分でございます。残る半分が百万円以上の退職給与をもらっておる。こんな状況であります。これにつきまして、今度は先ほど申しました控除額を引きましてそれを半分にしてやりますから、かりに二百万円のところで百万円の控除をいたしますから、残り百万円、それをまた半分にしましてそれへ課税する、こういうことでございますので、今度の改正でおっしゃるような点がかなり是正されるのではないか、頭打ちを廃止することによって負担軽減の合理化が相当はかれるのではないか、かように考えております。
○佐藤(觀)委員 御承知のように、自然増収も今度、最近だけでも二千億以上の自然増収があるわけなんです。今度ベース・アップになりましても、はね返りまして結局税金で取るということになるわけなんで、こういう点について一般の公務員の生活は決して楽にならないというのが一般の定評であります。そういう点で、この退職手当に税金をかけるというようなことについて、われわれも非常にいろいろと意見を言われるのですが、こういうような退職手当の課税は毎年どれくらいに上っておるのか。概略でいいですけれども、今答弁ができなければあとで資料でいただきたいと思うのですが、どれくらいの額に達しておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○村山政府委員 おおよそ概数を申し上げますと、年間六十六万一千人くらいの退職金をもらっておる者がございます。これで控除失格になります者が五十八万六千人、差し引き課税になりますのが七万五千、この税額が五十二億程度でございます。今度の百万円の最高限を取っ払うことによりまして約十五億減収になる見込みでございますので、概略申しまして、大ざっぱですが、三割弱の減税になる、こんなところでございます。
○佐藤(觀)委員 今のような計算なら、私はそれくらいの金は無税にすべきじゃないか、少なくも退職手当というような国から払う金から税金を差し引くというのはむごいやり方だと思う。食わして吐き出す。ちょうどウに魚をのまして、そしてすぐ吐き出させるようなやり方だ。非常にこれはみみっちい話で、少なくとも退職金というものは、長年の功労に報いた関係で、ちょっと遺産相続なんかと本質的に違うと思うんだ。こういう考え方はどういうふうにお考えになっておるのか。どうもみみっちいやり方ではないかと思う。今までのようなやり方でもわずか五十億くらいのものですから、片方には自然増収が二千億余もあるというのに、片方では退職手当のたった五十億くらいの金を大蔵省が取り上げるということは、これはどうも社会党あたりとしてもあれじゃないか。私は、こういう点で、これからのあれにも主税局から一つそういう案を出してもらいたい。この点をもう一ぺんお尋ねしておきます。
○村山政府委員 退職所得については、他の所得と違って担税力が弱いことはおっしゃる通りでありますが、もう一点われわれが考慮をいたさなければならぬのは、実は退職金を年金でくれる形があるわけであります。ちょうど公務員の恩給と同じように年金の形でくれる。民間でもおそらく今後年金の形でくれるのがだんだんふえて参るかと思うのであります。そういたしますと、税法上、これは現在では給与所得として取り扱っているわけでありますが、給与所得と見まして、もらった年の所得に計算している。これとのバランスの問題もあるわけでございます。従いまして、退職所得の問題は、これは何年間の勤務の追加払いを一年にもらう、その意味で累進税率で課税するのはいかにもひどいというところが、今の退職所得の控除であり、二分の一であり、分離課税、こういうところにいっているわけでございますが、もし退職所得を全部無税ということになりますと、今の年金の分もバランス上どういうことになるか。ですから、そこのところに一つ問題があると思います。おっしゃるように、今の相続税の方では、これは一人につき五十万を特別控除していることは、御指摘の通りでありますが、所得税としては、やはりその所得の担税力の大小をよく見まして考えていきたい。さらに、勤務年数あるいは年令に応ずる控除額等について、今後研究を進めて参らなければいかぬのではないかと思っておりますが、すぐ無税にするというのはいかがなものであろうか、このように考えております。
○佐藤(觀)委員 どうも主税局長になれば、取るのが専門だから何でも取ろう。だから苛斂誅求という声が出るわけですが、どうも私たちの考え方では、そういうところにも、やはり重箱のすみをつつがないで、もう少し余裕を置くぐらいの――御承知のように最近自然増収がたくさんありますから、そういう考え方をこれから一つ持って処理していただきたい。いずれあとから同僚議員からもいろいろ質問があると思いますから、その税金のゆとりを持たせるように、もう一度、今度の法案は、安くなるに越したことはありませんから、これはけっこうでありますが、一千億減税という大きなかけ声の裏にはそういう矛盾した点のあることも指摘して、私の質問を終わります。
○足立委員長 これにて両法律案に対する質疑は終了いたします。
    ―――――――――――――
○足立委員長 なお、両法律案に対しましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ることといたします。
 お諮りいたします。
 両法律案を原案の通り可決するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、両法律案はいずれも原案の通り可決いたしました。
 ただいま可決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○足立委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 午後三時まで休憩いたします。
    午後零時三十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時二十分開議
○足立委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 国の会計に関する件及び税制に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告があります。これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 本日は、いよいよ三十五酒造年度が始まることになりまして、酒米の割当がおおむね国税庁でも終わられたようでありまして、聞くところによりますと、大体暫定価格として石当たり一万二千円ということで今扱っておられるようでありますが、この酒米の価格と業務用の米の価格と一般の配給米の価格が三本立になっておるようでありまして、これにつきましては、昭和二十四年八月二十五日の当委員会において論議がされておるわけでございます。そこで、私実はこの八月二十五日の委員会の記録をずっと読んで調べてみたのでございますが、どうも政府側の答弁に納得のいかない点が多々ございますし、私もこの問題を少し調べて感じましたことは、科学的な根拠であるとか法律的な根拠であるとか、何らかだれでもこれがこういう価格の差がついておるということが納得できるような取り扱いが行なわれているのでありましたならば、これはまた別途に考えなければならない問題でありますが、法律的な根拠においても、またその積算の基礎となる価格の根拠においても、いずれの点においても、どうもこの取り扱いがきわめて根拠不十分な基礎に立っておるように考えられますので、この点に関してまず総括的に、現状のこの価格差というものについて、食糧庁の方から、なぜこういう価格差が設けられておるのか、それが法律的にはどういう根拠に基づくのか、要するにその金額がよって来たるところの根拠を一つ御説明を願いたいと思います。
○諫山説明員 現在政府が売っております内地米に関しまして、一般の配給用にいたしておる米、それから飯米提供業者がやっております業務用の価格、それから原材料用、いわゆる加工品に使う三本立の価格を実施いたしておりますことは、御指摘の通りでございます。この価格の現状を申し上げますと、お手元に一般米の昭和三十四年度の決算のものを出しておるわけでございますが、政府が買ってそれを操作いたしまして売却するまでのコスト価格を見ますと、ここにございますように、大体一万一千五百円程度のものに一石当たりなっております。それを、一般の配給用に対しましては、約六百円の政府負担をいたしまして、一万九百円前後というところで現在売っております。それから、業務用価格に関しましては、ほぼコスト価格というのを目標にいたしまして、一万一千五百円前後で売っている。それから、原材料用に関しましては、こればだいぶ長い歴史がございまして、御承知のように、昭和三十年の原材料用の価格は一万三千八百円、それから漸次落として参りまして、おととしは一万二千八百八十円、去年は一万二千五百三十円という価格になっておるわけでございますが、いずれもこのコスト価格よりは大体千円ないし二千円高い価格で販売をいたしておるわけでございます。この根拠に関しましては、一般米については、御承知のように、大体今のコストから片一方消費者価格というものを生計費その他から見まして、コストを一ぱいに見ることは妥当でないという考え方から安くいたしておりますが、業務用については、ほぼコスト価格で、損得ないところで売って参りたい。それから、今御指摘になりました原材料用に関しましては、これは酒がその主たるものでございます。これに対しましては、先般も御説明申し上げましたように、私どもといたしましては、酒は一つの嗜好品であるというふうに考えておるのが第一点でございます。そういう嗜好品に対しまして、一般の配給米をさいて売却をいたすわけでございますので、その面においてそれでは金高ではどれだけ高く売ればいいかという問題は、算出がなかなかしにくい問題でございますけれども、一般の方でも相当財政的な負担もいたしておりますので、そういう一般配給あるいは飯用に供するところの米以外のものにつきましては、相当財政的な手助けをしていただくというような考え方が中に入りまして、これは酒屋さんに対しましては酒税その他との関連もあると思います。そういうものを大蔵当局と相談をいたしまして、従来相当高い価格で、大体コストより千円程度高い価格で売却をいたしておる、こういうのが実態でございます。
 そういう意味で、それじゃその千円高くしたところの根拠はどこにあるのかという御質問かと思いますけれども、これは理論上コストがそれだけ高くなるというようなことは全然ございません。先ほども申し上げましたように、財政的に、主食以外のものに売るというわけで、そこである程度の負担をそういうところからしていただこう。それは、酒につきましては、酒税その他の関連において、原料米がどれだけ入るから、どれだけ酒税をとって、どれだけ酒屋が利ざやをとって成り立つということを片一方では計算をしてもらっておりますので、大蔵当局と話し合って、その一部の財政負担をしていただく価格である、こういうふうに先般も申し上げたわけでございます。この基礎というものは、一応いろいろな計算はありますが、それは今のところ、いろいろなものについて一番高い、一番コストのかかるような米を買った場合にはどのくらいになるかというのが一つの目安になる。それを根拠にいたしまして、いやその価格を引くことはならないということでがんばるような強い根拠はもちろんございません。一万三千八百円から順次下がって参りまして、一万二千五百円というのが現状でございまして、従来石当たり二千円の負担をしていただいておりましたのが、最近は石当たり千円程度に下がってきておる。それの裏づけといたしましては――裏づけにならぬかもしれませんが、一応コストその他のものも最高の米、買い得る場合におきまして一番高いような米を買った場合にはどういう形態になるかというような価格を目安といたしまして、現在までのところ一万二千五百円という数字を決定いたしておるわけであります。
○堀委員 要約しますと、法律的には何ら根拠はない。これが第一点。第二点、価格を形成するための科学的な根拠がない。この二点についてあるのかないのか、一つお伺いしておきます。
○諫山説明員 どういう価格で決定しなければならないというような根拠はございません。それは行政的にまかされておる価格である、こういうふうに考えております。
 それから、積算の基礎というものは、非常に合理的なものがあるというふうには考えておりません。
○堀委員 そうしますと、米の価格は幾らにきめても行政的にいいんだと理解していいんでしょうか。要するに、行政的には、米の価格は一石二万円でとろうが、三万円でとろうが、これは食糧庁の絶対的な権限なんだ、あとはだれの容喙も許さない権限が行政的に与えられておるという法律的根拠があるのか、そこの点をお伺いいたします。
○諫山説明員 主要食糧の販売価格に対しましては、御承知の通り米価審議会に諮りまして決定をしなければならぬというふうに考えておりますが、現在まで原材料その他の価格については米価審議会その他でも諮っておりません。ただその場合にむやみに高い今のような例でいいのかどうか、これはなかなかむずかしい問題でございますが、私どもが現在まで決定をいたしました価格というのは、政府部内におきまして、財政当局その他もまじえて、酒屋がこれでやっていける価格として判定をいたしておる価格でございますので、その点においては、今の極端な場合においてはいろいろ議論が出てくるんじゃないかと思いますけれども、過去三カ年、四カ年やっておりまして順次下げてきておるという現状の価格というものは、これは一応容認をしていただける価格ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○堀委員 私は最終責任はやはり食糧庁にあるんじゃないかと思います。今財政的に大蔵省と相談をしてとおっしゃいますけれども、それは相談はなさるでしょうが、決定権は食糧庁にあるということになりますと、ちょっと私今六法を持っていないのですが、法律の条項で何条何項に基づいて恣意的に食糧庁は米の価格を決定できるという法律的根拠を出していただきたいのです。
○諫山説明員 食管法の第四条に米穀の売り渡し及び売り渡し価格というのがあるのでありますが、それには「政府ハ其ノ買入レタル米穀ヲ第八条ノ二第二項ノ販売業者又ハ政府ノ指定スル者二売渡スモノトス」今酒屋の場合は「又ハ」以下の「政府ノ指定スル者」に入る。第四条によって売却するというつもりでおります。第二項に「前項ノ場合二於ケル政府ノ売渡ノ価格ハ政令ノ定ムル所二依リ家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」今の主食の方はそれによっておる……。
○堀委員 今の原料米はどうですか。
○諫山説明員 全部第二項によりまして今のところ価格を決定しておる、経済的に参酌してきめるというところに、一般米との差額というものを、酒のような嗜好品に対してはこのくらい上げてもよろしいという解釈によって決定しておる、こういうふうになっております。
○堀委員 その問題は六法が来てからにします。
 そこで、私実は米の需給の方をちょっと先に伺っておきたいのですが、現在の米の生産量は一体全体として幾らなのか、そしてその年度における消費量は一体幾らなのか、それから外米が一体幾ら入って、その外米の輸入――どこかの単位年度でけっこうですが、一年に幾ら入って、外米は単位年度中に一体幾ら消費されるか、新米が古米としてキャリオーバーするものがあるのかないのか、それから外米が外米自体としてキャリオーバーするものがあるのかないのか、その問題を一つ教えていただきたい。
○諫山説明員 米の需給に関する御質問でございます。最近の年度といたしまして、これは多少見込みが入っておりますけれども、三十六米穀年度、これはことしの十一月一日から来年の十月まででございますが、それに対する今の御質疑の点につきまして申し上げます。
 買い入れ数量でございますけれども、これは私の方は需給関係は精米トン――米を精米に直しましたトンで全部いたしておりますので、それで申し上げたいと思いますが、精米トンに対しまして玄米トンにいたしますと、大体四千百万程度をことしは見込んでおります。ことしの三十五年産米の買い入れというのは四千百万石、それに対しまして消費の方は現在は八キロ配給をいたしておりますけれども、来年の一月からは十キロ配給に上げたい、こういうふうに考えました数字でございます。これは精米トンで出ておりますが、今の買い入れ数量は玄米じゃないとわかりませんので、玄米トンで申し上げましたが、精米トンの買い入れ、これは五百九万ドン、大体五百万トンでございます。精米にいたしまして五百万トンの買い入れ、それに対しまして、主食用に対しましては大体四百四十四万トン程度の需要を見込んでおります。それから外米の買い入れに関しましては……。
○堀委員 初め四千百万トンと言われたと思うのですが……。
○諫山説明員 玄米で四千百万石でございます。
 それで、輸入数量なんか全部トンで言っておりますのは、玄米を精米に換算いたしました数字でございます。需給は全部精米でいたしておりますので、精米で申し上げたいと思います。
 外米の方は、ことし、昭和三十六米穀年度におきましての輸入数量、買い入れということになるわけでございますが、それを十三万三千トン見込んでおります。それによりまして内地米のキャリオーバーがどの程度出るかという問題でございますが、その業務用、主食用のほかに、工業用とかいろいろございますけれども、内地米といたしましては精米で四十万トンほどを来年度に持ち越していく、そういうように考えております。
○堀委員 これは来三十六米穀年度のことでございましょうが、過年度の三十四、五年の内地米のキャリオーバーは大体どのくらいだったでしょうか。今のは、これは先のことですね。今度できた米が二十七年度へキャリオーバーするのが四十万トン、これは完全な見通しでございますね。そこで、そうでなくて、過去の実績ですね。三十三、四年くらいのところでけっこうですが、そこらのキャリオーバーは大体どのくらいあったか。
○諫山説明員 先ほどちょっと申し間違いましたわけでございますが、来年度に持ち越しますものは七十六万トンでございます。ことしの持ち越しが四十万トン、その前年が二十五万三千トンでございます。その前が十九万七千トンであります。順次持ち越しがふえております。
○堀委員 そこで、今米の需給の方を問題にしましたから、この方を先に片づけておきたいと思うのですが、この前諌山さんがお答えになっておる中で、こういうふうに答えていらっしゃるのです。「もう少し需給の緩和が出て参りまして、ある程度一般配給というものが自由になるというような線が出ますれば、さらに新たに考え直す必要があるんじゃないかというように考えております。」こうお答えになっておる。この面だけから見ますと、最初十九万七千トンのキャリオーバーが二十五万トンになり、四十万トンになり、来年度においては七十六万トンのキャリオーバーができる。これは今の生産量の対比から見ますと大へんなキャリオーバーになると思うのです。そこで、あなたの方も、これほどのキャリオーバーになるのならば、八キロ配給を十キロ配給にしたいということでございましょう。そうすると、ものの考え方としては、この前お答えになっておったことは、同じものの考え方の上に立っていらっしゃると理解をするならば、当然今回はこれを下げなければならない条件がはっきり出ておると私は理解しますが、金額は別です。この点については、この面の答弁に関連しての需給関係から見れば下げられると思いますが、どうなんでしょうか。
○諫山説明員 先般その通りお答えしました。要するに、一般の消費者に対しまして配給するための集荷の問題をやっておるのが主眼でございますので、そういうものをさいてやるという意味で、非常に根拠薄弱であるけれども、ある程度の高い価格で売っております。そういう意味におきまして、御指摘の通り非常に緩和いたして参りましたので、順次下げる方向で検討すべきものである、こういうふうに考えております。
○堀委員 国税庁の方に伺いますけれども、本年度の米の割当をトンで計算をいたしましたら、本年度の全部のアローアンスを含めまして四百七十二万石でございましたか、これをトンで計算したら一体幾らになるのか、お答え願いたいと思うのです。
○原政府委員 酒米の製造用は全部含めまして、三十万三百トンという数字になっております。
○堀委員 そうしますと、これは今度食糧庁は逆に少し考えていただかなければならぬ時点にきているのではないか。ということは、最近米は大へん生産が上がりまして、ここに出て参りましたように七十万トンのキャリオーバーがあることは大へんけっこうだと思いますけれども、キャリオーバーしたものは、あなたの方で倉敷料を払って、それを次の年度に持ち越していくために、コストに入ってくると思うのです。それを今度は酒米の方で引き上げて買ってくれるというのならば、全体で見れば、あなた方は倉敷料だけでも助かる。これが足らないときならば、最初におっしゃったように、配給米をともかく分けてやるのだと、これは売手市場になっております。今度は逆に買手市場の条件というものが、この需給関係の中から――等級格差がありますから、それはまたあとで触れますが、数量だけを見るならば、少なくとも今度は逆に、少し安くしてもいいから買って下さいという時期がこないとも限らない。これはわかりませんが、そういう方向にあることは間違いないというふうに考えてみますと、私はこの昭和三十四年八月二十五日の論議の時点と現在の時点では、相当大幅な客観情勢の変化がある、こういうふうに理解をいたすわけです。そこで、方向としては、今第一部長も下げる方向で検討したいとおっしゃいますが、今度はそれが価格の面にはね返ってくる部分についても、これは過去における下がり方――ここでちょっと拝見をしておりますと、過去における下がり方は三十二年から三十三年へ下がっておりません。三十三年から二十四年にかけて約四百円、三百八十円ぐらいですか下がっております。この間の下がり方と、今度もし財政当局と御相談になって下がる下がり方は、もう少し下がらないと、この客観情勢とバランスがとれないのではないか。私は、この下がり方の根拠は、一つは今おっしゃった需給関係、嗜好品だからこうなんだという問題がウエートの中に入ってくると思いますから、その部分については問題は非常に変わってきておるというふうに理解しますので、幾らがどうということは私が申し上げるあれではありませんが、感じとしては、今度は相当大幅に下がらないと、この点については筋が通らないのではないかという感じが一ついたします。
 そこで、さっきのこれをもう一ぺん言って下さい。法律条項、何条でしたか。――食管法の四条の第二項ですね。「前項ノ場合二於ケル政府ノ売渡ノ価格ハ政令ノ定ムル所二依リ家計費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ消費者ノ家計ヲ安定セシムルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」とありますね。これはしかし配給米に関しての規定であって、業務用及びいわゆる原料米についての規定ではないというふうに私は解釈しているのですが、あなた方はやはり原料米及び業務用米もこの条項でいけるというふうに理解しておられますか。この条項を見れば、消費者の家計の安定その他ずっと出ておりますことは、ちょっと私違うのではないかと思いますが、これだけが根拠ならば、ちょっと問題があると思います。
    〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
○諫山説明員 これは主として消費者の一般配給用の価格というものにとられやすいような言葉でありますけれども、それ以外のところに売る価格というものを決定する根拠がございませんので、やはり今の経済事情というところで、嗜好品に売ってはならぬというふうに解釈せずに、売る場合もあり得るから、そのときは経済事情を考えて、やはりこれでやるより今のところないのではないか、こういうふうに考えております。
○堀委員 法律根拠になると、きょう法制局が来ておりませんから、あれですが、今のお話、実はこの法律にはそういうことまで規定していない。これは、率直に言いますと、法律の不備だと思います。法律の精神は、配給米が価格の大宗でありますから、それをやる。そうすると、法律の建前は、配給米に出すものと二本立にしてよろしいという規定はないということですね。これは、まず米の価格なんというものは当然一本であるべきだということの前提があるから、他の規定が設けられていないのであって、他の規定が設けられていないにかかわらず、皆さんが昭和二十六年からこの制度を取り扱ったときに、私は、行政権の越権行為があったのではないか、法律の範囲を越えたものがあったのではないかと思います。私は、当時議員でないから、そんな議論はできませんけれども、私は今日こうやってこの事情を調べてみたときに、法律的な根拠がないことを行政官庁が恣意的に行なっておられたという感じが強くしておるわけです。というのは、少なくとも行政官庁はシビアに法律の定められた範囲において行動してもらわなければ大へんなことになるのであって、その根拠がこのように薄弱であって、なおかつ恣意的に価格が変動されておる。この価格を見ましても、二十六年から三十四年までの経過の間に、いろいろと上がり下がりがありますが、法律的根拠はさっきのことでよろしいとしても、この価格について、こういう事情で、こういう価格の条件ですから、こうしましたということがそのつどあるのならば、まだ了承する余地がありますが、法律的な根拠もなければ、価格を規定するための客観的といいますか、科学的な積算の基礎もない。これは完全に食糧庁が恣意的に価格をきめられるというようなことを法律は許しておるはずはないと私は考えるわけです。そこで、私は、率直に言いますと、そういうことを減らすとかなんとかじゃなくて、やめるべき段階にきているのじゃないかということです。これは業務用あるいは原料用だから、需給が逼迫しておりましたら、主食を確保するためには、私は場合によったら業務用や原料米はゼロにしてもいいと思います。まず国民が生きていくことが第一の先決条件でありますから、順位から見るならば、その線を越えるまでは何が何でもこれを確保しなければならない。これを確保して、なおかつそれ以外にあれば同じ価格で出すべきだ。量についてはごしんぼう下さい、国民の生活を維持する米はこれだけ要るのですから、あとはごかんべんを願いますということでなら、私は了解をいたします。しかし、米は出しておいて価格で恣意的にとるという法律的根拠と、それから積算の基礎が、国民のだれが見ても納得ができるというものがないような行政がこのまま行なわれておるということでは、われわれ国会議員としてこれは了承できないということでございます。
 そこで、この中でもう一つ伺っておきたいことは、今年度一万二千円で暫定的に今やっておいでになりますが、これも今の個々の生産者と売り渡しコストから見ますと、上回っておる暫定価格にすでになっておるわけです。そうすると、私がここで幾らこういう議論をしても、これよりなかなか下げにくいという問題が現実の問題として見ると出てくると私は思います。この責任は、今食糧庁の方に伺うと、財政的な関係もあってということです――が私が主計局を呼んでおきたかったのはそのことなんですけれども、財政的な問題というのは、法律的な根拠が明らかなるものについて、積算の基礎が明らかなるものについてなら、財政的な要件をそこへ加味することも必要であろう。ところが、財政的な基礎なんといって――今の食管会計の赤字の問題は、私この前周東さんが見えたときに申したのですけれども、これで十九億幾らか出るようですが、そんなものでどうこうなるような現段階じゃないわけでして、特に私はこの間申し上げてちょっと麦作の方には御迷惑をかけたかもわかりませんけれども、麦のための赤字が百六十五億円もある。米の赤字について三百十一億円というものは、これは全国民がひとしく食べておるのでありますから、これがたとい四百億円になろうと、これは国民全体が負担をする性格のものでいい。しかし、麦の問題については、全部が主食にしているわけではない。特定の者は食べておられましょうし、生産はしておられましょうが、そういうものに対して百六十五億というものが案外するすると出ていて、そうして筋の通らない、根拠のないものに、十九億幾らのものを財政的にあるのだからとるのだということは、現段階としては私はどうも了承できない、こういうふうに思うのです。そこで、ちょっと国税庁の方に、国税庁としてはこの米の払い下げ価格についてどういうふうに考えておられるか、一つお伺いしておきたいと思います。
○原政府委員 国税庁といたしましては、酒米の値段はどうもまだまだ高過ぎるように思うから、下げていただきたいということをお願いしております。これをどういう線にすべきかということは、先ほど来のお話のことを伺っておりましても、なかなかむずかしい問題だとは思います。そして、私どもも、農林省にお願いいたしますについては、私どもとしての腹づもりは持ってお願いしておりますが、同時に、御案内の通り、あれは昭和三十年の夏の初めころだったと思います。一万三千八百円という高い値段がそのときの食管会計をめぐる財政関係――当時はまた米の需給もずっと違っていたわけでございまして、酒米としても、ほんとうに全体が窮屈な中からいただくというような時代に、かなり張った値段が出た。それを今申ましたような態度で年々下げていただくように、農林省も事態の変遷を写していろいろ腹づもりをされ、主計局とも御相談の上、下げていただいておるわけです。私ども率直に申しましてだいぶ下げていただいてきたとは思いますが、しかしなお下げていただきたいなということで、今お願いしておるという段階でございます。
○堀委員 そこで、もう一つ、今度は食糧庁の方に伺いたいのですが、国税庁の方は下げてもらいたい。これは私けっこうだと思います。当然私は国税庁の立場としてかくあるべきだと思うのですが、売り渡し価格、これが今度どうなるかわかりませんが、一万二千五百三十円というのは、一等、二等とありますから、これは平均価格でございましょう。そこのところはよくわかりませんが、この前の委員会での記録を見ますと、着値がそうなっておるというふうにお答えになっておるのですが、ここのところを今の一等、二等の関係も含めてちょっとお伺いしたい。
○諫山説明員 これは一等の価格でございます。それで着値というように申し上げましたのは、一番高いいろんな状態の米を想定いたしまして、それには引き取りの運賃まで入れてあるわけでございますから、それが着値になるというのも想定の場合の一応の目安にはしております、こういうことを申し上げたわけでございます。
○堀委員 そうすると、この一万二千五百三十円というのは、ざっくばらんに申し上げると、今諌山さんの方では一番コストの高いものを目安にしてやったというのですが、では一番高いもののコスト計算を先にちょっとここで伺いたいわけです。
○諫山説明員 これは今お配りいたしましたあれと対比いたしますと、基本価格が九千七百十五円、時期別格差というのは第一期の時期の九月末に出ると八百円になるわけです。それから等級間格差、これは一等から三等にわたりまして二百円ずつアップして四百円、それから歩どまり加算が六十円、申し込み加算は百円でございます。それから包装代は二重俵――これは複式とかいろいろございますが、一番高い二重俵というものを見まして三百二十五円、以上の合計が一万一千四百円、それに対して政府経費は大体千百三十一円くらい――これは前年のを見込んでおりますが、大体千百三十円、合計いたしますと一万二千五百三十円、こういうことでございます。
○堀委員 時期別格差というのは、今九月とおっしゃいましたね。――等級間格差は、一等で四百円、包装代が三百二十五円、そうすると、これが今一般の配給米の最もコストのかかる一等の価格だ、こういうことでございますね。
○諫山説明員 その通りでございます。
○堀委員 そうすると、ちょうど同じになっておるわけです。一万二千五百三十円ぴしゃっと出ましたね。われわれには目安だとおっしゃったので、私は大体目安が出るのかと思ったら、ぴしゃっとコストが出たので、ちょっと驚いたのですが、そうすると、この一万二千八百八十円が一万二千五百三十円に年度を越えて下がってきたのは、この中のコストのどこがどう動いたのでしょうか。
○諫山説明員 一万二千八百八十円というものに対しましては、その前年度の基本価格その他になりますので、多少ほかも変わって参りますが、項目といたしましては販売経費が七百円くらい入っております。卸売価格になっております。販売経費が落ちたわけです。
○堀委員 販売経費が七百円落とされたというわけですか。
○諫山説明員 そうでございます。
○堀委員 そうすると、差がそんなにないのですね。八百八十円から五百三十円に下がったのは、三百五十円下がっただけなのですね。販売経費が七百円あったのなら、これはどういうふうになるのですか。
○諫山説明員 それで申し上げたのですが、その基礎は前年のあれでいっておりますので、これを簡単に申し上げますと、基本価格が九千七百円になっております。それから八百円は、時期別はそのままですね。それから等級間格差は四百円、歩どまりの格差が五十円、申し込み加算はそのままです。包装代もそのときは安い価格でございましたので、二百七十五円、それが一万一千三百二十五円に今までの合計がなっております。一万一千四百円に対しまして、一万一千三百二十五円。政府経費が安うございますが、千九十五円でございます。それに販売経費の七百八十二円を加えまして、それから引き取り経費を二百三十円マイナスをいたします。それが一万二千九百七十二円になっておりますので、その内輪にいたしまして一万二千八百八十円、こういう積算です。
○堀委員 これはここでやめます。これは積算の基礎でございましょうから、こまかいあれを申してもなんですが、今伺った中では、片方のときは卸売の販売経費が見てあって、そして引き取り価格を引いてあった。今度は全然そういうものを見ないで、引き取り価格については触れなかったり、ものの考え方として一貫していないということは、やはり恣意的にそこへ合わしていったということの反証的なものになるのじゃないかと私は思うのです。ですから、私これについてはこれ以上触れませんが、今度新たなる酒米の払い下げ価格をおきめになる際には、率直に言いますと、こういうような作業はやめていただきたいと思う。それはただつじつまを合わせてみたところで、筋の通らないことはどこへ出ても通らないということでございますので、こういう計算はやめていただきたい。そうして、私は、今法律的根拠なり客観的情勢からそれはただにすべきだと申しましたが、十九億あるものが一ぺんにただにできるかどうか。これは現実の政治問題として見ればまた問題があろうかと思います。ただ、しかし、方向としてはただにするんだということだけは、食糧庁できょう確認しておいていただきたい。時間的にはいろいろな情勢もありましょうから、今年度に全部ただにしろとは申しませんが、しかし早晩方向としては一般配給米と業務用米を含めて米の価格は一本にいたしますという――これは農林大臣でないと無理かもしれませんが、しかし事務当局としたって、こういう根拠のないことを大臣にやって下さいというのは、私は事務当局としての責任があると思うのです。きょうはこういうことですから、農林大臣の出席も要求いたしませんが、事務当局としての範囲で、これはもう撤廃をして、方向としては一本にいたしますということがお答え願えるなら、私はこの問題で食糧庁に対する質疑は打ち切りたいと思いますが、そこはどうでしょう。
○諫山説明員 当初申し上げましたように、私の方は、米につきまして先ほど御指摘もございましたように、三百億からの赤字を出しておる。その中で、今度の場合に、酒米で御説の通り十九億くらいのものはカバーをしてもらっておる。これは酒屋に対しては監督官庁があるわけでございますから、その価格が酒屋さんにとって高いものであるかどうかという別の判定が大蔵省なんかからもなされて、一応こういう今までの話し合いにもなっておる線もあるわけであります。そういう意味におきましては、財政上もうしばらくそういうふうに酒屋さんに負担をしていただくような線で解決をするのか、それから、それはやめて、赤字が出たのは、先生がおっしゃいますように、二十億やそこらのものは余分に見たってよいじゃないかという線で見るべきかということは、政府部内できめなければならぬ問題じゃないか。食管だけではどうもきめにくいようにも考えるわけでございます。私どもは、先ほどからも申し上げておりますように、財政的に負担能力のあるところからある程度負担していただくというような従来のやり方に、財政当局との話し合いでなっておるわけであります。そういうことではいけないという線ではっきり議論が出てくれば、これはまた大蔵省当局も、酒屋ではそんな高い金ではもたないかどうか、消費者に売る価格は消費者家計において過酷になるかどうかという判定をいたすと思います。そういう意味では酒屋さんのことはよくわかりません。そういう意味では、従来あの程度のところでごしんぼう願っておりますので、そういうものを下げたものが一体どういうふうにはね返ってくるのか、過剰な需要になってくるのか、そこらもよくわかりませんが、筋といたしましては、将来そちらの方にやはり向かわないと、根拠が明確にならないという線もあると思います。ただ七十六万トンの来年度の持ち越しというものが、ことしの異常な豊作によりましてそういうことになっておる。来年度の需給を平年前提で見ますと、その持ち越しが多少減ってくる、再来年になりますと、四十万トンくらいになると思う。そういう意味ではまだ絶対過剰な状態というふうには考えておりません。いろいろ見方がございますけれども、たまたまことしは未曽有の大豊作でございましたので、相当多量の持し越しがあることは御承知の通りでありますけれども、そういう意味では、あり余って困るなら統制をやめろという意見もあるかもしれませんが、そういうふうに見ておらないわけでございます。今すぐそこにいくというふうにもなかなか言いにくいのではないか、そこは今財政上どういうふうに解決するかというところに一番最後の焦点がくるのではないか、こういうふうに考えております。
○堀委員 ちょっと今のお言葉で私納得のできないことが一つあるのは、負担できるところには負担してもらおうというお話がありました。それはなるほど酒屋さんが負担したっていいでしょう。その負担能力があると思います。しかし、その問題と、根拠があるかどうかという問題とは、全然別個の問題だと思う。根拠があるならば、負担力のあるところで負担してもらいたい。これはいいのです。根拠がないことを、幾ら財政がどうあろうとも、負担力のあるところへ負担させるというようなことは、ちょっと問題があると思うのです。どうも話が何か財政上の方と責任が分れておるような感じでの御答弁が出る。しかし、それはいろいろとほかの財政等の関係もあると思いますが、こういうことをきめるのはやはり食糧庁の最終責任じゃないかと思います。財政当局がいかに言おうと、法律的根拠なり、正確な積算の基礎も、客観的情勢もない。農林当局がおきめになる。これはこういう事情で、こういうふうにきめました、それに対して、財政当局が、いや、これはまかりならぬ、これだけ食管はわれわれの方が見るのだから、これだけはどうしてもそっちの方で、この価格でやれということを言うのならば、これはまた主計局、大蔵大臣でもいいですが、こっちで一つ話をいたします。しかし、農林当局自体として見るならば、私が申し上げた中にそれは極端な論議もありますが、しかし、常識的に、さらっと見ても、昭和二十五年まではこういうことは行なわれていなかったわけですね。大体食管法というものは、昭和二十五年ぐらいに最終的に改正されて、その後あまりさわられていない法律ですから、その制定された当初の精神というものは、米価は一本であるという精神の上に法律が書かれておると思うのです。そうすると、法律にもはっきりした根拠が求められないものについて、他の客観的情勢についても認められないものならば、農林当局が決断をして、これは一つやめます、あとの財政問題についてはまた別個の――米の赤字、麦の赤字とこれとが直接に結びつくということは、私は論理的にはおかしいと思うのです。だから、米の赤字、麦の赤字については、これは財政当局とルールの中で話を進める、しかし、それとの振りかえで、ここを根拠がないのに出せと言われても出せませんというぐらいに食糧庁としてはお考えを願わなければ、私は率直に言いますとこの論議をやめるわけにはいかぬということですよ。だから、ここだけはっきりしていただいたら、私は今の話はやめるつもりなんです。しかし、それが今のような何かあいまいな形でお話しになっておる限りは、私は、まだいろいろ問題があるわけですから、次々と問題を提起して、それの解明をしていただかなければならぬ。しかし、もう大半の部分については御了解をいただいておることですから、食糧庁として、事務当局としては、これは率直にいってあまり筋が通ったものではありませんから、この際は方向としてはやめます、時間的には諸般の情勢もありますからしばらく時間をかしてもらいたい、こうおっしゃっていただけば、私はそれで了承するわけですが、どうでしょう。
○諫山説明員 この根拠があるないの問題に関しましては、私どもはこれは根拠があって決定をいたしております。それは、一般の配給米につきましても、価格を変えて、実際上東北の消費者と東京の消費者とはトン当たり六千円も変えた価格で売っておる。しかし、一本価格でなければならぬという議論は、必ずしもそうでなくて相当な幅がある。幅というよりも、そこでいろいろな必要な方面に、政府が米を一手に買っておるからには、やはりその用途に応じて売却しなければならぬというように考えておりますので、これはやはりこの根拠において一応決定をしていいのじゃないか。ただ、今の経済上としましては、配給米というものがもう先生のおっしゃるようにいよいよ余ってきまして、どんどん売らなければならぬということに実際上なりますれば、そういう姿というものが考えられると思いますけれども、まだやはり配給米をさいてやっておるという感覚が抜けてない段階でございますので、そういう意味ではある程度高い価格で買っていただく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。
    〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
○堀委員 納得できません。これは自民党の皆さんお聞きになってどうですか。私は、こんな常識的にだれでもきまったことを、事務当局がああいう答弁をするというのは、率直に言って無責任だと思うのです。私が言いたいのは、東京で何か六千円違う米をお売りになったら、売られた理由がはっきりしているのでしょう。こういう米をここからこういうふうに持ってきて、こういうコストがかかったから、そこでこれだけになりましたという理由がはっきりしておるものなら、また別ですよ。私が今ここで申し上げておるのは、そうじゃないのじゃないですか。それでは私はもっともっとこまかく計数的に詰めてもよろしい。しかし、それはいたずらにあなた方のいろいろ努力されたことを裏から全部ひっくり返すことになるので、私はそれを好まないわけです。しかし、そういう論議をあなたが続けられる限り、私はこれをもっとやります。何時間でもやりますよ。だから、そういうことでなくて、あなたの今の立場として答えられませんとおっしゃるなら、それもいいですよ。そう答えて下さい。それなら農林大臣なり食糧庁長官を今から呼びますから、それはいいのです。しかし今のあなたのような答弁は私は誠意がないと思うのです。私は無理なことを言っているのじゃないのですからね。来年度からやめなさいというなら、あなたはそんなことは答えられませんと言うかもしれませんが、方向としてはやめるのだ、しかしそれには時間的にかす余裕があるのだということを私は申し上げるのだが、それもやらぬというなら、私は了承できないのです。
○諫山説明員 どうも私の申し上げ方が悪い点もあると思いますが、理由と申しますか、今コスト主義で必ずしも全部売ってない線もあるわけでございますね。たとえば、徳用米のごときは、これで三十億の財政負担をいたしておりますけれども、二千円ぐらい財政負担をして売っておる米もあるわけです。徳用米は非常に安く売って、それはコストからいうと二千円も安く売っております。そういう意味で、酒米の方は、従来から、ある程度の負担力と言うと語弊が非常にありますけれども、そういう一定の価格によって、安いものもあれば高く負担をしていく米もあるということですが、その面についてはおきまして、今先生のおっしゃいました、将来当然一緒にすべきじゃないかというのは、私も非常に近いところで考えておりましたけれども、コスト主義でものを判定するというようなことを前提といたしますれば、そういうふうにいくのが当然である、こういうふうに考えております。
○堀委員 コスト主義でいけばそのようにいくのが当然だということになると、それ以外のいく道があるのでしょうか。それではちょっとお答え願います。
○諫山説明員 それは、先ほど申し上げましたように、必ずしもコスト主義だけで食糧庁が現在までやっておらぬ線があるわけでございます。非常に財政負担をしてやっておる線、陸稲のごときは千五百円ぐらいの財政負担をしております。平均は石当たり六百円ぐらいの財政負担をしておる。それで業務上はほぼとんとんでございますが、酒米あたりは千円ぐらいの財政負担をしておる。それは不都合だからだんだん接近をさせようという一つの御意見だと思います。コスト主義が非常に理屈が通る線だ、コスト主義だけでいきなさい。――ところが、コスト主義だけではなかなかいけない線が多少残っておりますので、コスト主義でいくことは合理的だと思いますけれども、なかなかその他のファクターというものがゼロになることはどうかなというような気がいたしますので、そういう御答弁を申し上げておるのであります。
○堀委員 コスト主義でないものは、今のお話を聞くと財政負担をする方が主体のようですね。要するに高く売っているというのはもう今原料米だけですね。そうすると、その国が負担する方は、食管会計というものの性格からして、私はコストによる必要はないと思うのですよ。やはりそれがあるから、コストでいくのなら、食管会計なんて初めから要らないじゃないですか。そうじゃなくて、要するに国民生活を安定させるために、あるいは農家の価格差補給金といいますか、そういう生産者米価に対していろいろな配慮をしておるから、食管会計があるわけですからね。だからそれは私当然のことだと思うのです。御説明いただくことはないわけです。そのことについては了承しております。しかし、高く売るということについては、これは全然角度が違うわけですよ。食管会計の中で高く売ってもうけなければならぬというような性格のために食管会計を設けられておるとは私は思ってないのですよ。だから、そこのところをあなたは十ぱ一からげにお話しになっても、私はそういうことは了承できません。だから、そうではなくて、今の下の部分についてはよろしいですよ。当然政治的な配慮あるいは社会的ないろいろな問題、物価の問題、いろいろの中で、国として負担しなければならぬものはコスト主義ではいけない、これは食管会計の本来の姿ですから。しかし上に出る分についても同じだと言うことは了承できません。だから、その点については、こういう方向は確かに正しくありません。ただしかし、過去にそういうことをやってきましたから、正しくないことだから今やめたいけれども、諸般の情勢もあるから、それについてはしばらく時間をかしていただきたい、しかし、この方向についてはやめますということで、答えができなければできませんと言って下さい。そうしたら食糧庁長官なり農林大臣を呼びますから……。
○諫山説明員 どうも答弁がまずいので恐縮でございます。できるだけやめたいというふうに考えております。ただ、その経過的な歴史的な問題がございますので、そこらがなかなかできない問題じゃないか、こういうふうに考えております。
○竹下委員 今の関連でありますが、私も議論を聞いておりますとだいぶんはっきりして参りました。ただ経過的、歴史的あるいは経済的、いろいろなものが積み重ねられておるわけでありますが、コストの問題につきまして申し上げてみても、引取経費を去年落としたというふうに御答弁を拝聴いたしたのでありますが、今後コストの面から考えて手をつけていくとすれば、どういうものから手をつけていかれる傾向にあるかということをお伺いしたい。
○諫山説明員 一応そういうものの価格をきめる予算といたしまして決定いたしておりますので、これだけを――今まで一応どういうものを並べておるかということを今申し上げた程度でございますので、いろいろ矛盾した面が御指摘の通りあるわけでございます。それで、引き取りの運賃なんかは一番不合理な点といわれていると考えます。これは今まで現地売却をいたしておりますけれども、消費地で大体三割程度のものは売りまして――消費地でということは、米が足りないところでございますから、酒米に売るかわりに普通の一般米をよその県から入れているというような運送の面もございますので、なかなかゼロにいかないと思いますけれども、そういう意味で、おっしゃった引取運賃などは、酒米のコスト主義から言うならばあまりないわけでございますので、そこらあたりは一番初めに考えなければならぬのじゃないかと思います。
○竹下委員 引取経費等は、私どもしろうとが考えても一番わかりやすいのでありますが、そのあとに続くものとして考えられる経費はどんなものですか。
○諫山説明員 個々にわたりますと非常に問題があると思いますけれども、先ほど堀先生のお話にもございましたように、私ども酒米だけについてのコストというものはまだ計算をいたしておりません。全部のものにつきまして一応の計算をいたしておりますので、一番最後の姿は全体の平均的なコストに近づけるということでないかと思います。そういう意味におきましては、たとえば、時期別、内容的に今基準にありますものを見ますと、全部の米が九月末までに出るなんて非常に特別なケースを考えておりますので、そういうものは漸次直していく必要がある、こういうふうに思います。
○竹下委員 堀委員の食糧庁との議論のやりとりで、一つの方向、それから最後の御答弁におきまして、そうしたはっきりした一つの方向を明示されたと私は解釈いたすのでございます。ただ、ここでちょっと国税庁の方へお聞きしてみたいと思いますけれども、酒税確保の建前から、できるだけ主食の線に近づけるような方向で食糧庁の方へお願いをしておる、こういうふうにおっしゃったと思います。さらに、いま一つここで私がお伺いしてみたい点は、この酒造米の価格の問題、それについて、その裏づけの金融に対する指導と申しますか、これについてのお考えを概略お伺いしてみたいと思います。
○原政府委員 第一のお米の値段の問題でありますが、もっと下げて下さいと申しておるのでありますが、最終を主食の価格とそろえるかどうかというところになりますと、いろいろ議論があると思います。ただ逆の極から申しまして、実は私どもとしては、お酒に関しまする財政負担は御存じの膨大な酒税でいただいておるので、望むらくは正常なる費用によってこの値段がきまるというふうに持っていっていただきたいという考えでおります。主食の価格は、やはり民生の安定、家計の安定というような考えで政治的な考慮が入ると思いますので、私どもは政治的に特に正常なる費用まで下げるというところまではお願いできないと思いますが、その線でお願いいたしたいと思っております。
 それから、酒造業者につきましての金融についてどういうかまえ、配慮をいたしておるかということでございまするが、今申しましたように、酒というものは非常に大きな酒税をしょっておる。末端価格でいいましても五割近い金額が税金でありまするし、製造者価格から見ますならば、実におそらく六割、あるいは種類によっては製造者販売価格のうち七割くらい、それだけ多くのものが酒税になっておるというようなことから、これを生産するということについては、非常に資金的な負担が大きいという面も考え、できるだけ――大蔵省は金融関係を自分の管下に持っておりまするし、省内のことでありますから、よく連絡をとってめんどうを見てもらいたい。特に酒の種類によって、仕込み時期と申しますか、原料の仕入れ時期が違いますが、仕入れ時期には私どもの方から銀行局に話をしまして、昔でいえば融資順位というようなものですが、こういうものについて有利に取り扱ってほしいということをお願いして、管下の金融機関にも通じてもらうということをいたしておる。その他いろいろな場合に問題が起きますれば、税だけのなにでなくて、酒の業界全体の安定と発展を考えて私どもは行政をやっておるわけでありまするから、できる限りの努力、協力はするというかまえでおります。
○竹下委員 ただいま主として原材料の仕入れ時期また仕込み時期等からする金融に対するかまえの問題についての御答弁をいただいたのでありますが、今年公布されました、これは通産省関係の法律であったわけでありますが、中小企業業種別振興臨時措置法でありましたか、これに業種を指定して特別なめんどうをみよう、こういうことがあったわけであります。これについて、国税庁として、大蔵部内の同じところに銀行局もお持ちでありますし、そのことの話し合いでおよそ解決のつく問題であろうかとも思われるわけであります。長官に答弁を求めるのはちょっと筋違いかとも思うのでありますけれども、この中小企業業種別特殊金融の問題について、さらにそこまで国税庁の方で指導と申しますか、考え方を広げて、そこまでの勧奨と申しますか、そういうことをなさる考え方があるかないか、お伺いしたい。
○原政府委員 ただいまお尋ねのありました中小企業業種別振興臨時措置法という法律がこの春できておりますが、これに乗せて資金的なめんどうを見る一助にしたらというお話のように承りました。実はこの法律は直接には資金のめんどうを見るという法律ではございませんので、直接には中小企業振興審議会というものを置いて、そこで手当をする。企業の業種別にその審議会に諮問をする。どうしたらば、その業界の経営の合理化あるいは競争の正常化、取引関係の改善というようなことができるかということについて諮問をする。それによってその業界を業種別に引っぱっていく筋目を考えてみたいという法律のようであります。
 反面、お話の中小企業の資金助成につきましては、共同設備に対する融資、それから設備近代化の補助金――補助金という格好になっておりますが、これはたしか無利子の融資というものが主体になっておると記憶しております。これは別に中小企業振興資金助成法というものに乗ってやっておられます。お話の筋はいろいろ業界でも関心を持っておりますので、そういう面からの話あたりも総合いたしますと、中小企業振興資金助成法による近代化補助金ないし共同施設設備補助金というものに、酒造業も乗せてほしいということが焦点のように考えます。私どもといたしましては、前者の業種別振興臨時措置法の目的は、実は私どもが立案してお願いいたしましたいわゆる酒団法――酒類業の安定をはかりますための団体法に、酒の組合が、大体今申しましたような事柄は協定でできる。協定が成らぬ場合は政府が勧告をする。さらに勧告でもいかぬ場合は命令までもする力をいただいております。これはまだ一般の法律にはない。大体それでまかなえるのではないか。反面、資金の助成法の方は、今の臨時措置法による業種指定がある場合には、資金助成の方に非常に有利である。あるいはこの業種指定がないとそっちは動けませんということであるならば、これはまた問題がありまするが、ただいままで主管の省と折衝した限りでは、必ずしもそうとまではなっていない。ただ中小企業振興資金助成法の運用は、かなり中小企業の中で落ちぶれたといいますか、ほんとに弱い企業が相手で、酒造業あたりは一見主管省から見ますと非常に安定しているという場合もございます。しかし、酒造業の中でもいろいろ安定した部分と不安定の部分がありますから、私どもとしては、今後中小企業振興資金助成法による各種補助金の出ております大きさ、どういうところに出ておるかというのを見まして、酒造業の中でやはりこれならお願いしてもよさそうだ思うようなものがございますれば、これは私どもとしても積極的に力を添えて、その動きを進めるというかまえにいたしたい。ただいまのところその判定がまだついておりませんので、もう少し時間をかしていただきたいという気持でございます。
○足立委員長 ちょっとそのままお待ち下さい。
 加藤勘十君。
○加藤(勘)委員 時間がたくさんありませんから、私は簡潔にやりますが、きのうお尋ねしたことによってやや明らかになったことは、政府側では、ガリオア、イロアの問題は、無償で贈与したことは何もないという点で債務と心得ておる、こういうことが一つややはっきりしたわけであります。それならば、これは将来債務として返済を求めるものだというその当時における具体的な証拠は何もないわけだと思うのですが、そういうものがありますかどうか。
○西原政府委員 私のただいま知っておりますところでは、積極的にそういうようなものはないと存じます。
○加藤(勘)委員 積極的にでも消極的にでも、とにかく具体的な証拠として後に呈示されるべき書類による債務、債権の関係を規定したものは何もない。ただこちらで債務と心得るというだけで、心得るという点からいろいろな交渉等がなされておるようでありますけれども、これを債務でないという証拠がない。しかしながら、きのうも申しましたように、アメリカの商務省の書類によっても、国会で議決された予算の関係法案について見ましても、また肝心の当時の池田大蔵大臣が、国会で、現在ははっきりしない、債務であるやら債務でないやらはっきりわからないが、これは平和条約においてきめられるであろう、こういう返事をした一項もあるわけであります。ところが、その平和条約について見ましても、積極的には何にもないのです。御承知のように、賠償を規定した平和条約第十四条の中の(b)項について見ましても、その(b)項では、やはりこういう場合においては、これを間接の軍事費と見るか、直接の軍事費と見るかによって、解釈が若干は違ってくるでありましょうけれども、両方にとれるようなものの見方はなし得られるのであります。きのうも言いましたように、占領軍がこれによって占領地における人心の離反を防いだり、あるいは反乱等を防止したり、さらにこれによってアメリカの軍人の病気、疾病等を守る、こういうことになると、これは一体直接であるか間接であるか。占領政策として直接的なんです。これは間接とは言われないのです。ただ、日本の国民の口に入ったという点からいけば、間接と見られぬこともありませんけれども、今申しましたような条項によれば、これは明らかに直接の軍事費と見て差しつかえない。そうすると、平和条約十四条(b)項によれば、そういうものは債務から免除される、こういうことがはっきり書いてあるのですね。この点についての大蔵大臣の見解はどうですか。
○西原政府委員 対日平和条約の関係でございますが、私から申し上げるのは――あるいは外務省の方からお答え願う方が適当かと思いますけれども、ただいまお話がございましたように、対日平和条約十四条(b)項には、連合国は「占領の直接軍事費に関する連合国の請求権を放棄する。」というふうに規定されております。これは一体直接軍事費でないガリオア等の請求権に及ぶのか及ばないのか。今のお話のように、ガリオアというものが一体直接軍事費であるのかどうかという解釈の問題になると存ずるわけであります。従いまして、この対日平和条約自身からは、直接一体ガリオアはどうだというふうになるかどうか。その点が今のように議論があると思いますが、直接軍事費というものは必ずしもどうもお話のように、こういうガリオア――ただいまお話がありましたように、要するに一般国民の食糧であるとか、あるいは医療であるとか、そういうようなものが一体直接軍事費であるかどうかということの解釈にひっかかってくるのじゃなかろうか、そういうように思うわけであります。
○加藤(勘)委員 ただいまお話のありましたような平和条約(b)項の解釈からいきましても、明らかに二通りあるわけですね。だから、もしこれを再検討して、アメリカ側が日本に請求するというならば、当然それが分けられなければいけないのです。何もかも一つにおっかぶせて、全部が債権であるというて請求するということは間違っておると思います。平和条約の条項にもはっきり書いてあるのですから、直接の費用――今申しましたようにアメリカの軍人の病気を守る。これはどっちですか。反乱を防止する。これは占領の費用です。人心の離反を防ぐ。これは何も日本に直接関係はないことです。アメリカの占領政策として、当然直接の費用でなければならぬ。こういうものは何も分離されていないではないですか。そういうものをひっくるめても、なおかつ日本はこれを債務と心得なければならないのか。大蔵大臣答えて下さい。
○水田国務大臣 大体御質問の趣旨はわかりますが、私の考えでは、そういう解釈がどうこうというのは、まだこれから先の問題で、余地の残っている問題だと思います。いずれにしろ無償供与ではないので、われわれの方ではあの種の援助を一応債務と心得る、向こうも債権と心得るということで、いつかはこれを適当に解決しようという話から入って、その後それならその債務と思われる額、ここで債権と思われる額、この確定をしなければこれは措置の話し合いにも入れませんので、その債務額の確定がやはり先決だということで両国が交渉を始めておったことは事実でございますが、その後この問題は停滞して今日に及んでおって、今すぐこの解決を迫られているということでもございませんので、今後この問題の解決のために両国が折衝するというようなときには、やはり最後の債務額の決定というときにおいて、そういう問題の見方をどうするかとか、いろいろ関連して最後の額をきめなければならぬときはくると思いますが、今この交渉は始まったというものの、ここ一、二年は停滞しておる、この交渉も進んでいないという現状になっておりますので、私どもは、将来この問題を解決するときには、そういう問題もあわせて考えたいと思っております。
○加藤(勘)委員 大蔵大臣、少ししっかりしてもらわぬと困る。一体その債務と心得るという、これは当時の吉田総理が言い出して、それからずっと時の内閣がそういう方針に基づいて債務だ債務だと言うて、まるで一つの、それこそ幻覚を本物にしてしまったような感があるのです。アメリカからいろいろの都合で返してくれ、返してくれと言われると、ほんとうに債務をしょったような気持になってしまっている。けれども、これを債務と確定すべき何ものもない。ただ向こうから言われた。その当時の好意は、これは受けて感謝してよろしい。けれども、好意ということと債権として請求されるということは全然別個であります。そうですね。従って、もし政府が――今までの過去の政府がどうあろうとこうあろうとかまいませんが、おそらくこの問題は、私は、現在のアメリカのドル防衛の問題と関連して、具体的に近く話が進められるようになるのではないかと思う、日本政府の弱腰をもってすれば。そのときに、政府は、その当時の日本国民の気持、またその当時の必要とする関係文書、具体的な文書、そういうものに基づいて、好意は好意として受けるが、ドル防衛のために日本が何かの好意をお返しするという意味においてのそういう意思を表示するということは、それは差しつかえないでしょうけれども、それとこれとを混同して、これを債権である、債務であるとして請求する、返還する、こういう話をするということは私は行き過ぎであると思うのです。もしかりに、債務として支払うべきものである、ただ金額がはっきりしないから、金額を両方の交渉によってきめるのだということならば、私は非常に行き過ぎた考え方であるといわなければならぬと思うのですが、万一政府がそういうように思っておるとすれば、やはり具体的な証拠書類というものが出されなければならぬ。ところが、おそらく幾ら今の政府がしゃっちょこ立ちしたところで、その当時これを債務として規定づける具体的な証拠はないのです。司令部のESSでちゃんと勘定をとっておったと言いますけれども、価格は一つも記入されていない。一体価格の記入されていないというような債務がどこの世界にありますか。どういう品物がどれだけきたか、これを一方的には向こうは数字を控えておったか知らぬが、日本側では何もわからない。また、当時見返り資金特別会計ができるまで、占領直後から二十三年の年度末まで、日本からもいろいろな品物が外国に出ておるわけです。それも全然司令部の扱いで、どんぶり勘定で何にもわからない。たまたまわかっておるものは、朝鮮向けに石炭であるとか肥料であるとかいうものを送ったという若干のものがわかっておるだけで、その他のものはほとんどわかっていない。こういう債務の、もしくは向こうからいえば債権の確定ということがあり得るでしょうか。ほんとに水田さん、あなた腹の底ではどう思われますか。
○水田国務大臣 私は、この性質が債務であるかないかという問題と、占領当時の事情もございますので、債務額を幾らと見るかという問題は別の問題だと思っております。
○加藤(勘)委員 それがはっきり別のものということを大蔵大臣がお認めになったことは非常にけっこうだと思います。当然これは別でなければならぬのですね。そうすると、これを一体債務とするかどうするかという、第一交渉はそこから入らなければならぬ。その金額をきめるのでなくて、金額をきめる前に、債務であるか債務でないかをきめる交渉がこれからなされなければならない、こういうことになると思うのですが、その点はどうですか。
○水田国務大臣 今までのいきさつから申せば、日本政府の見方は、大体もうきまっており、これを債務と心得るということになっておる状態でございます。
○加藤(勘)委員 私が、今まで、本会議は別にして、委員会の速記録を調べただけでも十五回あります。私は関係のところを全部読んでみた。いずれもはっきりとは規定していない。きのうから言いまする通り、岡野さんは当時ちょうだいしたものだと思っておったと言う。池田さんは、まだ債務か何か、平和条約、平和会議でなければわからない。その平和条約においては、今言う通り、十四条(b)項において、直接の軍事費はそれを一切請求しない、こういうことになっておる。
 そこで、これが直接か間接かということが当然問題になってくるが、今私が指摘したような項目に属するものは、これは間接とはどうしても思われない。日本の軍隊が、満州に行っておった日本の軍人の病気を守るために使った費用を、間接の費用と言えるか。同様に、アメリカの占領軍が日本においてアメリカの軍人の病気を防ぐために使った費用、それから、そういうものばかりでなく、基本的にはきのう来申しまする通り、具体的に品物の種類もわからなければ数量もわからない。価格もわからない。ただあとからESSが、これはこのくらいだろう、これはこのくらいだろうというて推定して価格を記入しておる。こんなべらぼうな債権の設定法というものはないと思う。だから、そういうものに一々日本側が、当時の感謝の気持があるからというて、これは債務と心得てどうこうというようなことは、全くあまりにもアメリカのごきげんをとり過ぎる結果ではないかと思う。ことに最近におきましては、岸内閣当時、きのうもちょっと申しましたけれども、安保条約が改定される、いわゆる日米新時代に入る、ついては、それ以前に、できることならばこのガリオア、イロアの問題も片づけておきたい、そういう点から相当積極的に、当時の佐藤蔵相は、前後五回、ロバートソンを初めアメリカ政府当局と折衝をしておる。これは、憲法第八十五条によりましても、国が経費を支出したりあるいは債務を設定する場合には国会の承認を経なければならぬ、こういうことにしてありまする関係で、いわゆる心得るという言葉を巧みに使っておるのであるけれども、もう、今あなたが言われる通り、政府は実際には債務としてしまっておる。ただそれを債務と確定したということが言われぬだけです。そういうことで、ことにこの安保条約改定後においてはこれらのものを債務としてアメリカに、しかも円貨で払って、その費用はできるならば日本の防衛費に充てよう、あるいは東南アジアの開発資金として振り向けよう、こういう一つの欲ばった考え方と、一つは、これならばアメリカ側の意を迎えるに足るであろうという、アメリカのごきげんをとるということを前提として、これがきめられておるように思うのであります。私は、そういう国際交渉の上において初めから一つのある種の問題を設定して、その設定に基づいてやるということは、ほかの政治的な、あるいは経済的な問題ならば別であるが、こういう、大体がわれわれが道義上感謝の念を持っておるというような事柄に対して、そういう道義的なものを政治的なものにすりかえて、政治的な考慮からそういう態度に出られるということは、きわめて遺憾なことでありまして、政府は今になってどういう考えを持っておられるかわかりませんけれども、少なくとも今あなたが言われた通り、交渉をするならばまず債務であるか債務でないかをきめることから入れられるべきであって、債務ときめて交渉に入って、ただ金額を、これでまけろ、まけられないということの交渉でないと思いますから、その点を政府は十分注意をしてもらいたい。ことに池田さんが、何回か自分が交渉をした行きがかりがあって、今総理になっておるから、その責任上債務として交渉しなければならぬという考え方であるかもしらぬけれども、それは決して日本の国のためではない、日本国民の感情、利害を尊重した考え方ではない、私はそう思います。
 まだたくさん質問がございますが、これ以上幾ら質問してもだめだと思いますから、質問はこれで打ち切ります。
○足立委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時八分散会
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