第038回国会 決算委員会 第13号
昭和三十六年三月十七日(金曜日)
   午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 荒舩清十郎君
   理事 木村 公平君 理事 田中 彰治君
   理事 高橋 英吉君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 三和 精一君 理事 小川 豊明君
   理事 勝澤 芳雄君
      大上  司君    正示啓次郎君
      鈴木 正吾君    久保 三郎君
      山田 長司君
 出席政府委員
        通商産業事務官
        (大臣官房会計
        課長)     井上  猛君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (通商局振興部
        長)      生駒  勇君
        通商産業事務官
        (通商局振興部
        振興課長)   佐々木 宏君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  宇ノ沢智雄君
        参  考  人
        (日本貿易振興
        会副理事長)  長村 貞一君
        参  考  人
        (日本貿易振興
        会理事)    村田  恒君
        参  考  人
        (日本貿易振興
        会経理部長)  斎藤  勤君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本貿易振興会の会計に関する件
     ――――◇―――――
○荒舩委員長 これより会議を開きます。
 日本貿易振興会の会計に関する件について、調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、日本貿易振興会より副理事長長村貞一君、理事村田恒君、経理部長斎藤勤君の主君に参考人として出席を願っております。なお、通産省当局及び会計検査院当局よりも出席いたされております。
 それでは直ちに質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。山田長司君。
○山田(長)委員 昭和三十三年度及び昭和三十四年度とも、通産省の歳出のおもなものは、鉱工業技術振興費、それから貿易振興及び経済協力費、それから中小企業対策費及び通商産業本省並びに通商産業局の各項に属するものとなっていますが、そのうち二、三についてお尋ねしたいと思うのです。
 まず第一にお尋ねしたいのは、貿易振興と経済協力についてでありますが、この経費は、通産省のほかに外務省、農林省、運輸省の各省にまたがっており、非常に複雑でありますけれども、それにしても、通産省所管のものが大部分を占めております。決算の説明によりますと、昭和三十三年度は、通産省所管の費用は、日本貿易振興会補助金及び委託費以下数件につき、支出額が十五億七千余万円、同じく三十四年度には十八億八千余万円であり、そのうち、日本貿易振興会関係のものだけでも、三十三年度八億三千余万円、三十四年度が十二億余万円が支出されておる。これは言うまでもなくジェトロへの支出金であろうが、このうち三十三年度国際見本市参加等の費用として二億、三十四年度国際見本市参加事業費として三億三千万円が出ている。この右年度分の八億あるいは十二億という金額、及び二億あるいは三億という金が、どの方面にどれだけ使われたのか。そしてどの程度の成果を上げ得たのか、できるだけ具体的に説明を願いたいのです。これは通産省のこれを所管している担当の者及びジェトロの責任者より・それぞれ御説明を願いたいと思います。
○生駒説明員 三十三年度と三十四年度に関しましての詳細な見本市の効果その他に関しましては、ジェトロの担当者及び責任者の方も来ておられますので、そちらから御説明いたしました方がより詳しいと存じますが、私どもが三十三年から現在までを通じまして一番重要だと考えておりますのは、モスクワの見本市でございます。モスクワの見本市は、去年の八月から行なわれたわけでございます。これに関しましては、見本市事業の中で最大の予算を使いまして、そしてまた最大のスタッフをそろえまして、見本市をやったということになるわけでございます。これを開催いたしますまでにはいろいろ経緯がございまして、現在におきましてこそ、日ソの関係は、どちらかと申しますと、貿易協定その他比較的順調に進んでおるのでございますが、その当時といたしましては、日ソ間の正常なる貿易に一歩踏み出すということに関しまして、国内におきましても、いろいろ危惧と申しますとあれでございますが、いろいろな問題があったわけでございます。そこでとりあえず共産圏の中のソビエトとの関係を正常にしていくためには、まず見本市をやるべきではないかという議が持ち上がりましたのが、三十三年でございます。それでその後どういうふうにしたらいいかという点でいろいろ問題を煮詰めて参りまして、三十四年に閣議決定をいたしまして、三十五年の八月から見本市を開催するということにいたしたわけでございます。その結果、いろいろ新聞紙上その他に問題があったわけでございますが、詳細に関しましては別にまた御説明申し上げなければならないと思っておりますが、私どもといたしましては、モスクワの見本市が三十四年度、三十五年度にかけましての非常に大きな問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○長村参考人 御説明申し上げます。
 ただいまお尋ねの昭和三十三年と昭和三十四年の国際見本市でございますが、昭和三十三年には以下申し上げますような見本市に参加をいたしました。ニューヨークの第二回米国世界貿易見本市、それから南米のサンパウロのサンパウロ日本商品見本市、それからカナダのトロントのカナダ国民展示会等に参加をいたしました。三十四年の一月になりまして、シドニーのシドニー日本商品見本市、メルボルンのメルボルン国際見本市、シンガポールのシンガポール自治博覧会、アメリカのロサンゼルスのロサンゼルス国際見本市、ミュンヘンの日本映画見本市、これは国際見本市でございます。それから国内では、当時大阪に大阪国際見本市がございましたので、これに主催者の一人として参加をいたしました。これが三十三年度中の見本市の参加の場所でございます。それから、そのほか先ほど生駒振興部長からお話のございましたように、年度は越えておりまするけれども、モスクワの見本市その他にも次々参加をいたしておるわけでございます。
 この見本市に参加をいたしました効果でございますが、実は今申し上げました一つ一つの見本市につきましての契約の成立高とか入場者の数等という、一つ一つの資料を今手元に持っておりませんので、個々の見本市につきまして、これを分けてお話し申し上げることができませんで申しわけございませんけれども、すべての見本市を通じて申し上げられますことは、どの見本市でも、成約高が非常に多いのでございます。のみならず、見本市の効果といたしましては、見本市の開催中の契約の成立ということもむろん大事ではございますが、その後に引き続いて取引が拡大する、これが非常に大事であろうと思います。もっとも、この点につきましては、その後の取引が、はたしてどの部分までがその見本市がきっかけになっておるかということは、なかなか判定困難ではございますが、御案内の通りに、いずれの地域につきましても、その後の貿易は拡大しておるのでありまして、これらの点に関しまして、見本市に参加をした、見本市を開催したということが非常に大きなきっかけになっておると思うのであります。これらの点は、見本市のつど、出品者といたしまして多数の業界の方々も参加をいたしておりますが、それらの意見を徴しましても、いずれも相当の効果があったもの、かように私どもも理解をいたしておる次第でございます。
○山田(長)委員 ただいまのことにつきましては、さらにあとからお尋ねします。
 次に、見本市の問題をさらに伺います。昭和三十三年度に、この年の四月と思うのでありますが、中国の武漢、広州で見本市が開かれることになっていたことがあったと思います。それが例の長崎の国旗事件のあおりを受けて御破算になったと記憶しておりますが、このときの費用の点はどうなったか。それからその経過はどうなっておるか。最近、御承知のように中国貿易がかなり各方面で話題になっているときだけに、これらのことの跡始末というのは、やはり重要な私はポイントと見なければならぬと思うのです。この点につきまして、その当時のいきさつを詳細に一つお知らせ願いたいと思います。
○生駒説明員 武漢、広州の見本市に関しましては、これは御承知のようにジェトロがいたしましたのではございませんで、要するに、北京、上海日本商品展覧会を主催いたします各中共関係の団体が集まりまして、そこで見本市委員会というものを作りまして、それが主催して開催いたしたわけでございます。それに対しまして、私どもといたしましては、最初広州が三十三年の二月一日から二月二十四日まで、武漢が三十三年の四月一日から四月二十四日まで、そして規模は広州が九百三十六小間、武漢が九百六十四小間という相当大きな展覧会を最初予定したのでございます。ところが、今お話のございましたように、いろいろな事故ができましたために、日中貿易の全面停止ということに相なりまして、売却予定品目のうちの売約済みの約六億円に近いものが、持ち帰らざるを得ないという事態になったのでございます。そこで、このためにどういうふうにその経費を支出するかということでございますが、当初の補助金六千万円に加えまして、千七百五十八万円を追加いたしました。さらに三十三年に五千四百九十七万円を追加支出いたしまして、合計いたしまして一億三千百六十万円という金額を補助金として支出いたしまして、一応収支をバランスせしめたということになっておるのでございます。
○山田(長)委員 そうしますと、先ほど伺ったソ連の見本市及び今お答えになりました見本市を通しまして、このことだけでもちょっとやはり理解ができないのですが、昨年の新聞報道によりますと、ソ連の見本市のとき赤字になった金というのは、一億一千万円あったというのです。このことによって、当時通産省からはジェトロに対して通産大臣から運営のずさんさについて勧告が出ておりますが、このときのてんまつが、ただいまの御回答とともにちょっとやはり理解ができないのです。その費用の跡始末は、どんなふうにしたものか。それから聞くところによりますと、この輸送にあたって運送会社に競争入札をさせたところが、この運送会社の落札の高かったところへ輸送の依頼をしたというのですが、これらがどうしても理解ができないのですけれども、その輸送の状態、それから赤字の補てんのてんまつ、これらについて、通産省及びジェトロの両者から一つ伺っておきたいと思います。
○生駒説明員 今御指摘の通り、モスクワの見本市が約一億一千三百万円の赤字を出したことは、その通りでございますが、これに対しましては、通産省といたしましては善後措置をいろいろ講じたわけでございますが、理由をいろいろ探究して参りますと、現地におきますところの労働条件というものが非常に捕捉しがたかったということから発生したというふうに私ども受け取りまして、むしろこの赤字の原因は労働条件、極端な一例を申し上げますと、たとえば厚生保健費でございますが、そういうものは大体ソビエトでは労働者に対して国が負担する、しかし、外国人に対する労働は労賃に加算してしかるべきものなんだというふうな話になって参りまして、われわれはそういうことを調査いたしたのでありますが、外国人に対して特にそういうような労働上の特別の加算をするということまではわかっておりませんでしたために、その海外費が増加したための一億一千万円の赤字である、こういうふうに私どもは判定いたしたわけであります。従いまして、私どもといたしましてはある程度やむを得ないという点は認めたわけでございますが、しかしながら、同時に今後の運営に関しましても、そういうことが再び行なわれるということになりますと、国の予算を使いながら、非常な非難を受けるということになると考えまして、この事態が判明いたしました直後、三十五年の十一月に勧告を出したわけでございます。この勧告の内容は、責任の所在を明らかにしてほしいということ、それから事前調査をしっかりやってくれということ、それからああいう膨大な組織になって参りますと、問題が出て参りますので、予算統制を厳重にしてくれ、この三点にしぼりまして、特に勧告という形で通産省からジェトロに対して文書をもって発送いたした次第でございます。
 それからなお、金額の処理でございますが、これに関しましては、一億一千万円の赤字のうち、七千六百万円は、ジェトロの内部におきますところの費用の節約及び流用でございます。そのうち、節約は別としまして、流用いたしましたものは、大体見本市の予算がきまって、開催場所が諸種の都合でとりやめになったものがございます、そういうものでありますとか、あるいは開催が外交上その他の関係で未定のまま推移したものがございます。そういうものを振りかえまして処理したものが、七千六百万円でございます。それからあとの二千四百万円は、先ほど御指摘のありました中共の見本市をわれわれは予定しておったのでございますが、ところが中共の見本市は、御承知のようないろいろな事情がございまして、本年度中に開催ができなくなることがほぼ確定して参りましたので、この分を振りかえて、二千四百万円は中共の見本市から支出したということになっておるわけでございます。かように政府側といたしましては、モスクワ見本市のいろいろな点に関しましての非難その他も十分考えまして、同時にそれが日ソ貿易に尽くしました功績その他も考えまして、こういうふうな予算措置をした次第でござ
 います。
○長村参考人 モスクワの見本市についての予算超過の関係は、今通産省からお話の通りでございます。ああいう理由で一億余りの予算超過を見たわけでございます。私どもといたしましては、今もお話のございましたように、見本市自身は実はかなりの成功をおさめたのではないかと思っておりますけれども、理由は何にせよ、予算を超過いたしまして一億余りのいわゆる足を出したということは、はなはだどうも相済まぬと思っておる次第でございます。通産省からの文書によります御勧告も重々ごもっともな御勧告でありまして、私ども非常に恐縮してこれをちょうだいしたわけであります。われわれといたしましても、御勧告の趣旨に従いまして、今後の見本市の運営体制なり、あるいは事前調査なり、あるいはまた予算と実際の支出の調整と申しますか、適合と申しますか、それにつきましても、努めてはおりますけれども、なお、不十分の点も確かにございましたので、この点を強く反省いたしまして、今後遺漏なきを期したいと思って、今せっかく努力中のところであります。
 それからモスクワ見本市の際の輸送のお話が今ございましたが、これは輸送をきめます際に、各社からいろいろと見積もり等もとるわけでございます。私どもといたしましては、もとよりできるだけ安くやる必要もございます。同時にまた、御案内の通り、見本市の場合は、会期が開会の日からいつまでというふうにきまっておりまして、会期は動かしがたいものでございます。のみならず、多数の商品を遠隔の地に輸送いたしますので、ともかく所定の期間につつがなく商品が安全な状態で届いて、予定通りに納まるということを、当然のことでございますが、非常に大事に考えるのであります。その意味から、むろん輸送費の見積もりということは重視はいたしますけれども、この方面の仕事に非常になれておるということも並行して考えまして、両方から勘案いたしまして、モスクワの見本市について一番適当と思う業者の方にお願いを申し上げたというような事情でございます。
○山田(長)委員 どうもお話を伺って理解ができないのですが、労働条件に一億からの経費がかかった、厚生費とか労働費とかいうものがその内容だというのですが、見本市を開かれるときは、行かれる人員とか、あるいはその国の事情とか、そういうものを調べて予算を立てるものだと私は思うのです。ところが、全然最初からそういう計画がなされなかったということなんですね。
 それからもう一つ、輸送のことですが、運送の委託はどことどこへ競争入札をさせたのですか。これは業界でいずれも権威のあるところが入札に携わっているという話ですけれども、安いところへ委託しないで、高い見積もりをしたところへ委託したというので、ジェトロというものはいいかげんなことをしているところだ、こういう印象を国民に与えて、私たちにこのことをただしてもらいたいという依頼が来ておるのですけれども、どことどこへ依頼し、どれだけの金額上における差があったか、この際それを明らかにしていただきたいと思います。
○長村参考人 第一のお尋ねの事前の調査のことでございますけれども、これは私どもといたしましては、いずれの見本市を開きますときにも、事前の調査はできるだけ詳しくやっております。ただモスクワの見本市の場合には、御承知のように、戦前戦後を通じまして、ロシアと申しますか、モスクワでやりましたのは初めてでございます。他の国と違いまして、経済体制なり何なりが根本的に違いますので、なかなか他の国においてやりました見本市の例を推して、そのまま当てはめるということにもいきかねる事情であったのです。さような意味で、先ほど通産省からお話もございましたように、見本市開催の前年に調査団を出しまして、私自身も参りました。それから業界からも各方面の方が、商社の方あるいはメーカーの方が数名参加されました。また、関係官庁といたしましては、通産、外務の御当局も参加していただきまして、前年に約一月ばかり滞在をいたしまして調査をいたしたのであります。もちろんモスクワにございます日本大使館は非常に御協力下さいまして、いろいろなめんどうを見て下さったのでございますけれども、その経費のかかり方の点につきましての内容と申しますか、実態が、非常にわからないのであります。これは実は想像以上にわからなかったのでございまして、滞在期間の関係もございますけれども、ますその会場の状態――これは見本市をやります際には、たとえばややこまかいことになりますけれども、会場の床の強さを初めといたしまして、会場の状態をまずかなり技術的に確認しなければなりません。そういう問題を確認すること一つにも、データをそろえるのに非常に苦労をしたわけでございます。今の賃金の問題でありますとか、機械据付費の問題でありますとか、その他むろんいろいろと尋ねたのでございますけれども、不幸にしましてなかなか満足すべき事情がわかりませんで、これは具体的にどういう品物をどれだけの分量持ってくるかということになってから話をしようじゃないかというような先方の意向もございまして、結局それではというので、ややその点は不十分な状態ながら、一応の推算をいたしまして予算を立てたわけでございます。その後実際にやってみますと、一面におきましては、国内の業界の参加意欲と申しますか、予想外に強うございまして、予想外に出品が集まり始め、調査団が参りましたときに予定しておりました建物だけではとうてい納まりきれませんので、予定外でございましたけれども、仮の建物を作るというようなことにもなりまして、かたがた実際に商品を持ち込みましてから、いろいろとまた先方と折衝を行なう、しかも先ほど申しましたように、会期の点もございますので、十分な見積もり等をとるいとまもなくして会期にすべり込んでしまったというような点から、さような結果になったわけでありまして、その点は、これまた原因はいずれにいたしましても、事前調査として行き届かなかった点がありましたことは事実でございまして、私どもも申しわけないことと思っておる次第でございます。
 それから輸送業者のどことどこに見積もりをさせたか。ただいまちょっと業者の個々の名前は手元にございませんので、お答えいたしかねますが、調べましてさっそくお答えいたしたいと思っております。
○山田(長)委員 副理事長でなくて、経理部長の斎藤さんでもおわかりになりませんか。
○長村参考人 今さっそく電話で聞き合わせに出しておりますから……。
○山田(長)委員 昭和三十三年から二十億の金が出るようになって特殊法人となられたジェトロが、予算の面もかなり大きいけれども、七千六百万円という金を費用の中から節約したということですが、赤字救済のために七千六百万円もそうたやすく経費の節約ができるような仕組みなのかどうか。しろうとのわれわれには、ジェトロのふところ工合というものがまことに理解に苦しむのでありますけれども、七千六百万円というものは、そう簡単に捻出ができるのですか。
○生駒説明員 これはジェトロからお答えした方が適当かとも思うわけでございますが、私が先ほどお答え申し上げました関係上、補足いたしたいと思うわけでございます。
 御指摘の通り、出資は二十億でございまして、この二十億という金は、基盤強化法によりまして、預金部資金に預託しなければならない金でございます。従いまして、その金利だけがジェトロとしては使えるということになるわけでございます。それから、そのほかに、補助金が、先ほど御指摘がございましたように、三十三年度では五億七千万円、三十四年度では十億九千万円、三十五年度では十三億六千万円というような数字が出ておるわけでございます。従いまして、モスクワの見本市を取り扱いました三十五年度の予算は、合計いたしまして約二十七億程度の予算規模でジェトロは運用しておるわけでございますので、その中におきまして、先ほど御説明いたしましたような見本市その他を振りかえて、七千六百万円を出した。こういう概観になっておると思うのでございます。
○長村参考人 概要は、ただいま通産省からお話のございました通りでございます。七千六百万円のやりくりをやりました内容は、一番大きいのは見本市事業――これはモスクワの見本市でございますので、それの赤字補てんのためには、まず見本市事業の残りの経費を充てるべきであろうと思いまして、充てましたのが二千九百九十九万円、大体三千万円残っておりましたので、まずこれを補てんに充てたわけでございます。その他、私どもの方は、御承知のように非常にいろいろな仕事をやっておりますので、それをあれこれかき集めたわけでございますが、たとえば海外市場の調査関係で五百万円余りをかき集める、それから宣伝関係で千七百万円ばかりをかき集める、それからこまかくなりますが、いわゆるマーケッティング・リサーチの関係で百万円ばかりを集める、資料の購入費を百五十万円ばかり集める、あるいは農林水産物の輸出振興事業から八百万円ばかり集める、あるいはアメリカの市場対策事業から千二百万円ばかり集めるというようなことで、合わせまして七千六百万円ばかり集めて、これを処理した、こういうことになるわけでございます。
○山田(長)委員 そうすると、今、長村副理事長さんのおっしゃることは、ジェトロの緊急理事会が、新聞記事によると、昨年の十一月の十一日の日に持たれたのですが、この赤字穴埋めについては、通産当局の指示に待つということが、この理事会できまったようですが、今おっしゃられることは、あなた方の理事会できめられたことを、通産省に指示を待って、通産省からそういう赤字補てんをしろという御意見が出たわけなんですか。
○長村参考人 もちろん、私どもといたしましても、この赤字の始末は、ジェトロ自身も当然考えなければならぬ問題でございますので、役員会あるいはその他の運営審議会等に諮りまして、いろいろとわれわれ自身のやりくりを、かように考えたわけであります。同時に、これを通産省にもむろん御相談をしまして、よろしかろうという御指図を受けまして、最終的に決定をした。こういういきさつになるわけでございます。
○山田(長)委員 先ほどの御答弁の中にも、各地で見本市を開かれたといわれる中に、サンパウロとかカナダとかシドニーとかいう地域があったのですが、やはりその当時にリオデジャネイロで見本市を開かれる計画があったと思うのです。当時の跡始末ですね。見本品の送還にあたって、出された出品約百トンが、横浜と東京と神戸などのジェトロの指定倉庫に宙に浮いていた、こういう事件が起こっておると思うのです。この事件の真相を説明してもらいたいと思うのです。
○長村参考人 お話のように、昭和三十三年に、ブラジルのリオデジャネイロで先方の国の主催いたします国際見本市がございます。これに各国が招請を受けまして、われわれもまた在外公館とも相談し、政府とも御相談した結果、参加しようじゃないかというふうにきめて準備を進めたのでございます。ところが、これは私どもといたしましても非常に意外千万なことでございますけれども、予定の期日、十月でしたか、十一月でしたかに予定していたわけですが、開催ができないという先方の主催者からのお話でありました。それが次々に延びまして、今度はいつ幾日、十二月末には必ず開催する、今度は一月の何日には必ず開催するというように、次々に計画が変わりまして、日が漸次たって参りましたので――リオデシャネイロの見本市の主催者は、たしかブラジル工業会だと思います。これは団体といたしましては、ブラジルにおいてはりっぱな団体であったわけであります。むろん、在外公館等も推しておられたわけでございます。どういう事情でございますか、かようなわけで、次々に開会が延びまして、一方、私どもの方は業界の御賛同を得まして、商品を向こうに持ち込みましたので、そのつど業界にも事情を御説明申し上げまして、推移いたしたのでございますが、あまり延びますので、せっかく商品を持っていっておることであるので、その間にサンパウロに持っていって単独で見本市もやりましたし、また同じ商品で後にリオでやったのでございます。いずれにしましても、本来の計画でありますブラジル側の主催の国際見本市というものが、とうとう開かれずに推移したわけであります。その間、今申しましたように、業界と御相談しまして、わが方だけで二回見本市はやりましたけれども、それでは商品は持って帰ろうじゃないかということで、これまた出品者の業界の方とも御相談申し上げまして、現地で処分できますものは、むろん処分いたしましたけれども、大部分のものが処分いたしかねますし、さりとて現地で廃棄もいたしかねますので、何回かに分けて持ち帰ったのであります。そのうちのあるものが、お話のように倉庫にあった。持ち帰りましたあとで、実は業界からもいろいろ御希望が出たのであります。率直に申し上げまして、持ち帰り運賃の負担の問題、その他いろいろ御希望が出たのでございます。それで、それぞれの業界と御相談を申し上げまして、円満にお話し合いの結果、今日の状態を申し上げますと、とりあえず私どもの方でお立てかえをいたしました。日本に持って帰りまして倉庫に入っておりますが、その倉庫料等も全部立てかえまして、それぞれの出品者の方にお返しをいたしました。そうしてくれというので、今どんどんその荷物は運び出されておる状態であろうと私は信じておるわけでございます。
○山田(長)委員 昨年の不始末のほかに、やはり前にもそういう不始末があったわけです。このことは当時の新聞が報道したことなんですけれども、次々と――これはジェトロというものの事務能率の低さから起こっていることだと思うのですけれども、新聞の報ずるところによると、この品物がリオデジャネイロから返ってきて、倉庫に四年もほうってある。ただいまのお話を伺っても、今まだ処理しているという話ですが、このために業者は約七千万円からに上る損害を受けておるというのです。これは中小企業で海外進出をして商品を売ろうとしている人にとっては、こういう計画のずさんさから大へんな損害を受けていることになると思うのです。このリオデジャネイロに開かれるはずだった主催団体が有力だと言われているが、一体どういう点で有力とあなた方は見られてこんなにずさんな計画をされたものか。私は、この見本市がうまく成功していけば、日本の商品の販路にもずいぶん大きな役割を果たし、外交上にもあるいはその他日本の品物の海外進出にも、大きい役割をすると思うのですが、事務能率がきわめて低い、こういうことのために、大へんなマイナスになっていることだと思うのです。このリオデジャネイロの失敗というものは、どこにその一番大きな原因があったのか。これからもやはりおやりになられる上において研究はされておられると思いますので、この際、明確にお答え願いたいと思います。
○長村参考人 御指摘のように、非常にわれわれの方でも不手際だった点は、まことに相済まぬと思っております。実は、向こうの計画が発表されましたときに、むろん、私ども調査もいたしましたし、また、在外公館等からの意見もよく聞いたわけでございます。まあまあ、申し上げましたように、主催団体は現地においてはしっかりした評判を持っておる団体であるということも、私ども各方面から聞きましたし、業界にこういう計画であるという御発表をいたしましたときにも、まずよかろうという大体の皆さんの御意見でございましたので、間違いはないものと思って計画に取りかかったようなわけであります。ところが、先ほど申しましたように、次々と先方の開催計画が延びまして、その間四年近くたってしまった。もちろんこの商品は、日本に持ち帰りましてから四年たったのではございませんで、ブラジルに持って参りまして、今度は何月何日に開催する、今度は何月何日に開催するという先方の計画待ちの間に、その期間がたってしまったのであります。その間に、先ほど申しましたように、見本市としましては、サンパウロとリオと二カ所向こうでやりまして、むろんこれをやりますについては、当然のことでございまするが、出品者、関係業界とは十分に連絡しまして、よろしい、やってくれというのでやったわけでありまして、じんぜん四年間倉庫に寝かしておったわけではないのでございますが、いずれにしましても、当初の計画から見まするならば、著しい計画のそごを来たしたということは、これは事実でございます。この点は、あくまでもおわび申し上げる以外にないと私は思います。まあ実は私どもの方も、見本市は各地でやっておりまするが、これは実は初めての経験でございまして、他にそういったような主催者の計画変更によってかように延び延びになるということは、いまだかつて経験をいたしませんでおりましたので、実は、私どもといたしましても意外であったわけであります。今後は、さらに念には念を入れまして、現地の事情をよく確かめるということがまず先決問題であろうと思います。この点につきましては、今後も十二分に努力をいたしたいと戒めておる次第でございます。
○山田(長)委員 そうしますると、この業者が損失を受けたと思われる七千万円からのものについては、主催者団体は何らの損害補償はしなかったということですか。
○長村参考人 業界の損害七千万円というお話でございまするが、先ほど申しましたように持ち帰りましてから――この持ち帰るにつきましても、私ども、業界の御了解を得て持ち帰ったつもりではおりますけれども、持ち帰りまして内地の倉庫に入れましてから、業界の方からいろいろと御希望が出て参りました。これの還送費と申しますか、持ち帰る費用、あるいはまた内地の倉庫の倉敷料、こういうものが、ちょっと私の記憶は不確かでございますが、全部でたしか六百万円から七百万円の間になると思うのでございます。これをジェトロで持ってくれ、そういうお話が業界の中からございまして、それで業界の方ともいろいろ御相談申しまして、とりあえず私どもの方でお立てかえ申しまして品物をお渡しいたしましょうということで、個別的に今さような措置をとっておるような状態でございます。
○山田(長)委員 きょう急に決算書の報告書が三十三年度、三十四年度が出ましたので、まだ目を通していないのですけれども、どうも海外のことにつきまして私どもうといので――ほかの同僚委員は別ですけれども、とにかく今伺っただけでも、ジェトロの見本市というのは、あまり芳しくない結論をあげている地域があるわけです。ジェトロの海外施設というものは――一体こんなずさんなことで展覧会をこれからも次々にやられる危険があると思うのですけれども、海外施設というものはどんなふうになっておるのか、それから、派遣されている員数はどのくらい派遣されておるのか、その事務所はどんなところにあって、どんな経費の使い方をしておるのか、一つ参考に伺っておきたいと思うのです。
○長村参考人 お手元に「ジェトロの歩み」という資料を差し上げてございまして、ややごたごたしておるかと存じますけれども、私どもの方の海外施設の所在の場所は、便宜この中の第一図、「ジェトロ海外組織」という横の細長い地図の表、こういうものがございまして、そこにいろいろ書いてございますようなわけでございます。四ページの次でございます。詳しくはそれをごらん願いたいのですが、あらまし申し上げますると、私どもの方の海外施設は、ジャパン・トレード・センターと申しまするものが七カ所ございます。これはニューヨーク、サンフランシスコ、カナダのトロント、アジアに参りましてバンコック、それから豪州のシドニー、エジプトのカロイ、西独のハンブルグ、この七カ所がございます。これはそれぞれ規模に相違はございまするが、いずれも所長以下数名の者が在勤をいたしておるわけでございます。それから市場調査を本来の任務といたします調査員が、また各地にございまして、この四ページの上の方にもございますが、三十五年度末で二十八カ所、三十名の海外長期派遣調査員――この長期派遣調査員と申しますのは、内地から調査専門家を派遣しているものでございます。そのほかに委嘱調査員と申しまして、現地のしかるべき方にパート・タイムで調査の御委嘱をいたしておりますのが、十カ所、十名でございます。これはいずれも一般的な市場調査をいたしておるのでございますが、これに加えまして、それぞれの業界と御一緒に、特にその業界から御派遣になる専門家が出ておりますのが、自転車とかカメラとか十四業種ございます。こういうものから、調査事務のために人も行っております。今申しましたのをかれこれ全部集めますと、海外に在勤しておりますのが、百二十八名に相なります。これらの者が海外にそれぞれ拠点を持ちまして、あるいはトレード・センターなりあるいは市場調査の仕事等をやっておるわけでございますが、先ほどお話のありましたジェトロ全体の経費のうちの大部分のものが、これらの活動に使われておるわけでございます。全体の経費の八割以上のものが、これらの海外活動に使われる経費ということになっておるわけであります。
 それから先ほどモスクワの輸送の問題でお尋ねがございましたが、石川組、日新運輸それから日通、この三社の見積もり合わせをいたしました。金額を申し上げますと、石川組が五百六十二万九千円、日新運輸が五百八十七万五千円、それから日通が五百八十五万円でございまして、結局依頼いたしましたのが石川組の五百六十二万九千円、かようなことに相なっております。
○山田(長)委員 海外派遣員の仕事の大部分は、どんな仕事か。それから日本の大きな商社からもジェトロと別に派遣されて人が行っていると思うのですが、そういう人たちとの関係はどうなのか。それから駐在員はどういう連携を保たれておるのか。やはり貿易振興上チーム・ワークがとれていれば、非常に実績が上がると思うが、チーム・ワークがとれないとすれば、支離滅裂な仕事をする形になるのじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○長村参考人 ただいまのお尋ねは非常に大事な点でございまして、実は私ども仕事をいたします場合に、一番気をつけてやらなければならない点なんでございます。御承知のように、従前でございますと、いわゆるめくら貿易で、商社の在外駐在員の方も数が少なかったのでございますが、ただいま御指摘がございましたように商社、ことに大商社の連中が非常にたくさんの人を出しておるわけでございます。私どもの仕事のやり方としましては、こういうふうに考えておるのでございますが、確かに商社からたくさんの人が出ておりますけれども、これらの方々は結局取引をやるための方々であります。むろん取引に必要な市場調査は当然おやりになるわけでございますが、あくまでもそれぞれの御自分の取引のお仕事のための駐在員であり、お仕事のための調査であるわけでございます。調査結果を業界全体のために利用させるための調査でないことは当然でございまして、ここにまた一つ私どもの方の調査とねらいどころが違うところがあるのではないか。特にたくさんは出ておられますが、これはほとんど全部いわゆる大商社の駐在員の方々でありまして、中小の商社の方々、中小のメーカーの方々が、その代表者を海外に置くということには遺憾ながら現在まだなっておりませんので、われわれは、この方々のために特にわれわれの調査の結果を御利用願うということが大きな使命ではないだろうかと思います。
○山田(長)委員 今気がついたのですが、さっきの質問で、ジェトロの海外の一カ所の事務所の経費というのは、どのくらいかかるものか。これがわかれば、一つ明細にお示し願いたい。
○長村参考人 ただいまのお尋ねでございますが、私どもの方の七カ所のトレード・センター、それぞれ規模の大小がございますもので違いますが、たとえば一例を申し上げますと、サンフランシスコのトレード・センターでございますが、これが年間の経費といたしまして四千五百二十六万円程度のものでございます。ニューヨークはこれより大きいわけでございますが、この辺が一つのサンプル的なものとお考えいただいたらよろしいと思います。それから先ほど申しました調査員というのが一人おりますが、これは当然のことでございますが、ずっと少ない経費でやっております。
○山田(長)委員 これはなぜ伺っておるかというと、各出先機関の経費というものをどんなふうに会計検査院で調査をしているのか、実はそれが知りたくて、今の海外駐在員及び海外事務所の経費というものを伺っているわけなんです。今の御答弁だけではちょっと不明確なので、いろいろ甲乙ある思いますが海外の事務所の経費を一つ資料として御提出願いたいと思います。
○長村参考人 ただいまの資料、提出いたします。
 それからこれまた当然でございますが、今のセンターの経費その他、全面的に会計検査院の御監査を受けておる状態でございます。
○山田(長)委員 そうすると、会計検査院はどういう形で検査をされていますか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 ジェトロに対します会計検査院の検査のあらましについて申し上げますと、これは他の政府出資の公団等とそのやり方は同様でございまして、まず、書面検査と実地検査、との両方をジェトロについてもやっております。ただし、今お話しの海外のあっせん所等については、人員、旅費その他の関係で、実地検査はいまだ一度も施行いたしたことはございませんが、海外の事務所などで使われまする経費に関しましては、ただいまジェトロの方から御説明がございましたように、その経費のすべてについて、一件々々ごとの領収書なり請求書なり契約書といったようなものが全部本部に送られて参りまして、それにつきまして、私どもは毎年通算いたしまして五十八日、大体そのくらいの口数をもちまして本部でこれを全面的に監査をいたしておるわけでございます。なお、そのほかに書面検査といたしましては、毎日本部から試算表をいただきまして、それについて金の出入りの工合とか、あるいは経費の使いぶりというようなものをにらんでおります。そのほかに、毎年当初の試算表には、その年度を通じましての事業の計画とか、あるいは資金計画、そういうようなものを出していただいておりますし、それがまた変わりますれば、その変わったつど、そういうような計画についても詳細なものを提出していただいておりますし、なお、契約の大きなものにつきましては、試算表と同時に一切の関係書類を出していただいておりますので、海外の分につきましては、実地検査しておりませんけれども、大体経費の内容が、主として、仕事の性質上、人件費とか旅費あるいは役務的な経費が多いものでございますから、必ずその現場について、普通の工事の場合なんかと違いまして、現場に行かなければ確認ができないというものじゃないもので、証票なり証憑書類を検査すれば、大体のことがといいますか、九九%までは間違いなく確認できるというような経費が多いものですから、証憑書類を十分整備していただいて、それについて私たちが検査いたしますれば、まず、検査院の検査としては十分じゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○山田(長)委員 海外には出たことがないとあなたはおっしゃいますが、海外に出た地域があるから、私はあなた方が調べている内容を知ろうとしているわけです。それでは南方においでになった場合は、どういう意図で行かれたのですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 私が海外に検査にいったことがないと申し上げましたのは、ジェトロに関する限りは、つまりジェトロの貿易あっせん所を検査する目的で海外に出たことはないという意味で申し上げたのであります。なるほど、おっしゃる通り、第一局の大蔵調査官の方で、たしか昨年度は南方地域の在外公館の検査はいたした事実がございます。
○山田(長)委員 そういうときにやはりほかのことも関連して調べてこられるものだと思ったので、海外行きをされておらないというようなことだったので伺ったわけですが、そういう事情のときには、やはり護面審査だけでなく、最大の努力を払って、海外事務所などの調査もしてくる必要があるのじゃないかと私は思うのです。その点は将来のことですから、一つ御研究を願いたいと思います。
 次に、さっきに戻りますが、ジェトロの海外駐在員の人たちのお仕事の内容ですが、あなたの方で出されている海外事情などの印刷物を私見まして、なおこの読者等にも意見を伺ってみたのですが、せっかくこれだけのものを作られているけれども、海外の雑誌の切り抜きや新聞の切り抜きが多くて、役に立たないのじゃないか。それで大きな商社では、自分のところでじかに調査員を出しているから、あまり参考にならないのだ。調査員を持たない中小商社では、やはりこれを唯一のたよりにしているのでしょうが、これをたよりにして商品を出した時分には、もう必要がなくなってキャンセルされちゃう、こういうことが言われているわけです。この点について、もっと公式的な報告じゃなくて、調査員独自の調査などがなされて、日本の商社の人に役立つようなものが送れないものかどうか。商売上、やはり取引している人にとっては真剣なことなので、その辺の資料収集にかなりの努力が要ることで、容易じゃないと思うのですが、特段の努力がなさるべき筋合いのものだと思います。この点についていかがお考えですか。
○長村参考人 その点、まことに御指摘の通りだと思います。私どもの方の調査は、先ほど申しましたような一種のネット・ワークでやってはおりますのですが、調査の重点をどういうふうにしたらいいかということは、非常にむずかしい問題でございます。一方におきまして、商社の方々の駐在員がふえて参りまして、これらの方々は直接に御商売に必要な調査をやっておられますので、たとえば商品の市況でありまするとか、日々の上がり下がりというものは実に敏活にとっておられる。商品につきまして、全部これをたとえば電報その他の方法でわれわれの駐在員が送るということは、トレード・センターは別でございますが、大部分は各所にせいぜい一人か、多いところで二人しかおりませんところでは、いたしかねる。一方、内地の業界と申しまするか、ジェトロとしては、一般的な調査――商品と離れることはできませんけれども、一般的な、基礎的な調査をやってほしいというような御要望もありまするし、また、一方もっと具体的と申しまするか、取引それ自身にもっと密接した調査をやってくれという御要望がある。その辺をどうしたらいいかと思って、実は毎日研究しております。今のやり方は、幸いにこういう調査網を持っておりますので、毎年計画を立てまして、あるテーマと申しますか、項目をとらえまして、それを全調査網を動員しまして系統的に調べて参るというやり方を一方にとりながら、また中小の方々の御要望に対しましては、具体的な御依頼に応じまして、この市場でこういう調べをしてくれという、中小業界――また大企業でもいいのでありますが、実際に中小になります。中小業界の御依頼によりまして、御依嘱による調査を併用するということでございますけれども、いずれにいたしましても、最も業界に役に立つ意味の調査をどうするかということは、われわれとしてももっと検討しなければならぬと思うのであります。
 同時に、少しそれるかもしれませんけれども、私ども調査の結果といいますか、集まった資料、これをもっと業界、特に中小業界の方々のお役に立つように提供しなければならぬのでございます。これは今ごらんいただきました月一回のあれでは不十分でございまして、そのほかに、毎日印刷物、新聞のようなものを出しておりますが、それでもなお尽くさぬ点がありますので、来年からは要所に、われわれは貿易情報サービス・センターとか、あるいは貿易相談所とか、かりに言っておりますけれども、そういうものを地方の要所に作りまして、そしてお役に立つような資料を再編成してまとめて、そこに間断なく送るというようなやり方も、実は今検討いたしておる次第でございます。
○山田(長)委員 情報のサービス・センターをお作りになるというような話ですが、あなたの方で一年に何回かお出しになっているもの、それから月に出されるもの、それから日刊で出される通信、こういうふうなものを見せていただきますと、この中小メーカーの人たちは、何かのとき世話になるから、仕方がなく広告を出したり、会員になったりしているが、全く大して役に立たないんだ――必ずしもそういう人ばかりじゃないと思うのですが、忌憚なくそういうことを言われている人がいるわけです。これはお世話にならなくちゃならぬという弱味から、まあ仕方がなく会費を出しているのだろうと思うのですが、あなたの方には、経常する経費も要るのだが、たくさんの広告を載せられておる。こういうものについては、会計検査院当局では検査の対象にしているのですか。これは全然しないのですか。
○宇ノ沢会計検査院説明員 検査の対象にいたしております。
○山田(長)委員 そうすると、ジェトロの一般会計の損益計算書、昭和三十三年四月一日から昭和三十四年三月三十一日までの管理費、人件費、これが一億三千七百万円、事務費一億六百万円が出ていると思うのですが、これらについて具体的に一つ御説明ができれば、御説明願いたいと思います。それから今具体的にここでできなければ、内容を明らかにしたものを印刷でお出し願いたいのですが、どうですか。
○長村参考人 今の広告の問題は、お手元に差し上げてございますこの中の出版事業の収入というものがございます。その中に、出版事業の一環として広告収入も含んだ数字はございますけれども、いかほどの数字になりますかというようなことは、後ほど資料をもってお目にかけることにいたしたいと思います。
○山田(長)委員 そうしますと、ジェトロに対する国内における地方公共団体からの援助等も――私まだ先ほどいただいたので読んでいないのですが、この中に出ているのですか。
○長村参考人 それも出ております。これは収入の部の地方公共団体補助金というのがございますが、それに出ております。たとえば三十四年度のあれでは、六千八百七十二万円でございます。
○山田(長)委員 何ページ目ですか。
○長村参考人 三十四年度の決算報告書というのがございます。これの三ページの収益の部の地方公共団体補助金、上から三番目でございます。
○山田(長)委員 わかりました。地方公共団体からの補助金というのは、六千八百七十二万円ということになっておりますね。
 最後に伺いたいのは、このジェトロの、たとえば海外市場の調査を依頼するとか、あるいは依頼されたあと貿易のあっせんをするとかいうことの、具体的な内容をお知らせしていただきたいと思うのです。
○長村参考人 私どものやっております海外市場調査は、先ほど申しましたように、こちらから自発的と申しますか、計画をきめまして、いろいろな調査をするのがまず大きな分でございますが、そのほかに、業界からの御依頼に応じましての調査をやっておることは申し上げた通りであります。これは、御希望の業界は、こういう内容について、こういう市場について調べてくれという具体的な御依頼を当会にお出しになります。最近はジェトロの本部におきましても、幸いに資料がだいぶ集まりましたので、一々海外に移しませんでも、東京なり大阪なりでもってわかるものがだいぶふえましたので、そういうものはそのままお答えを申し上げますし、また場合によりましては、直接に業界の方が見えて資料をお調べになることもあるわけでありますが、これでどうしてもわからないので、あらためてやはり海外で調査をしなければならぬというものが残るわけでございます。それにつきましては、その内容をよく御相談しまして確定いたしまして、それを所要の地の調査員に移すことにしております。その際には、調査の実費のために、わずかな受託調査費をちょうだいしております。これはまた調査の内容によりまして違いがございますが、若干のものをちょうだいしております。これまた、賛助会員になっておられます方とそうでない方とございますので、賛助会員になっておる方は、特に御便宜をはかるというやり方でやっておるわけでございます。あっせんの点につきましては、具体的な商品についてのごあっせん等の御希望がございますと、これも御希望の市場によりまして、その地にありますトレード・センターに移しまして、その地の業界にいろいろの方法でこれをお伝えして、そうして引き合いを待って、それが参りますと、御依頼主の方にお取次をするというやり方をやっておりますし、また外国からこういうものについて内地のメーカーさんに連絡してほしいということでございますと、それを受けまして、関係の業界団体に御相談し、あるいはまた、私の方の先ほどの印刷物の中の毎日出ておりますものに掲載したりなどいたしまして、そうしてごあっせんをする、こういうやり方をしております。
○山田(長)委員 それはこちらからのあっせんのようですが、さらに外車の輸入等について、ジェトロで輸入の差益金をとる。何か新聞等の報道によりますと、輸入にあたって、競争入札で五億ないし八億の差益金を得る見込みだ、こういうようなことも新聞に出ておるが、こういう外からの場合における差益金というものは、こんな形でやはりとるのですか。
○長村参考人 今の外国自動車の輸入のことは、私も新聞等に出ておるのを承知しておりまするけれども、実はまだ通産省の方から正式には何も私どもの方は承っておりませんのでございます。もし、当会が外車の輸入事務をごあっせんするということになりまするならば、いずれ通産省の方から何分の正式の話があるであろうと思いますけれども、ただいまはまだ通産省の方からお話がございませんので、具体的な内容を私の方からお答え申し上げかねる状況でございます。
○山田(長)委員 通産省がお見えになっておるので、通産省の方にお伺いしたいと思いますが、どうもジェトロの仕事の筋がちょっとぼけてくるような感じがするのですけれども、通産省としてはどういうふうなお考えですか。
○生駒説明員 差益をジェトロに吸収といいますか、一応取り扱わすということが、基本的にいろいろな問題があることは、私ども承知しておるわけでございます。外国から輸入いたします非常に過剰利益の多い物資に関しましては、特定物資の輸入に関します法律がございまして、たとえばバナナとかコンニャクとか、そういうものは、輸入差益特別会計を作りまして、そこへ輸入差益を納めさすという方法をとっておることは、御承知の通りでございます。ただ、それなら、自動車及び先般公表いたしました万年筆でありますとか、皮ぐつでありますとか、そういうものについてなぜその中に入れなかったかということが、ジェトロにやらさざるを得なかった一つの理由になるわけでございますが、特定物資の法律は、たとえば通商協定がございましたり、あるいは例のガットの譲許品目でございましたりいたしますと、国際的な面におきまして、それを国の機関に入れて差益を吸収するということに関しましては、非常にむずかしい問題が出てくるのでございます。それならば、その割当をいたしましたままで輸入業者に利益をそのまま与えていいのだろうかということになりますと、これはいろいろ議論もあるでございましょうが、私どもは、過剰な利益というものは何らかの意味で輸出振興に役立てるようにしたいという考え方がございます。そこで輸入公表をいたします場合に、ジェトロに対しまして一定の、つまり自分はこれだけの利益があると考える輸入業者が、その利益をジェトロに納めました場合において割当をするという体系を考えましたのが、このたびの自動車及び雑品の輸入の考え方なのでございます。
 それではその金をジェトロはどうするだろうかということでございますが、これは先ほどお話のございましたように、ジェトロは政府の出資団体でございますので、補助金のみならず、その経理全般に関しまして会計検査を受けますことは、先般会計検査院から御説明申し上げた通りでございます。ここに一時金を預けるということは、決してルーズな取り扱いということにはならないというふうに私ども考えておるわけでございます。その金は、大体におきまして、現在大蔵省その他とも話し合いを進めておるのでございますが、見本市船の建造――これはジェトロの事業ではございません。見本市船建造委員会というのがございますが、そちらの方に充てまして、そしていわゆる見本市船、これはジェトロも一部運営委員として参加しておるわけでございますが、見本市船の建造に充てたいというふうな考え方で今交渉を進めておる過程でございます。
○山田(長)委員 見本市船関係の建造という話ですが、何かその建造には民間からも経費を出させるということのようですけれども、どんな形で出させようという構想をお持ちですか。
○生駒説明員 見本市船の建造に関しましては、たしか二十億近い金がかかるはずでございます。そのうち、どの程度民間に持たせるかということは、いろいろ議論が出るわけでございますが、見本市船そのものの効果は、どちらかと申しますと、大企業も受けますが、同時に中小企業も受けておるわけでございまして、自己負担と申しますか、業界負担をあまり多くしていくということについては、いろいろ問題も出ているわけでございまして、通産省といたしましては、先般の予算の折衝においても、その建造船に関する補助金を計上したいということを再三にわたって折衝したわけでございますが、これが諸種の事情によりまして、超過利益の吸い上げという格好である程度処理せざるを得なかったことになっておりますので、なおこまかい点はまだ承知しておりませんけれども、全然民間から金が出ないでそのまま建造できるというふうには、私どもは考えておらないわけでございます。つまり今度の自動車の輸入差益は、七億程度しか上がらないのではなかろうか。そういたしますと、残りの金は、やはり民間の負担ということにならざるを得ないというふうに大ざっぱにめどをつけているという段階でございます。
○山田(長)委員 振興部長のお仕事に属するかどうかわかりませんが、この際、海外貿易に関係があるものでありますから、伺っておきたいと思います。最近茨城県にテスト道路ができるという話が出ております。これは最近、オートバイとか自動車とかが、長時間にわたるテストをすると、エンジンが焼けてしまって、外から見本品が逆戻りしてくるというようなことで、長距離のテスト道路の必要が起こってくる。そこで茨城県で最近そのテスト道路を作るということで、補助金も出し、業界で十一億の金が集められる見通しがついて、これに着手をするというお話ですが、このことについて、やはり貿易振興上、外貨獲得の重要な物資だけに、振興部長の耳に入っておると思うのですが、その経過はどんなふうになっているか、おわかりでしたら、詳細に伺いたいと思います。
○生駒説明員 その件に関しましては、私ちょっと存じておりませんが、なお、もしあれでございましたら、別に資料その他で経過を御報告いたしたいと思います。
○山田(長)委員 ただいまの問題は、資料の提出方を願いたいと思う。
 なお、こういう問題については、ジェトロにやはり関係があると思うので伺っておくわけですが、外貨獲得の雄たる日本のオートバイとか自動車というものについてのジェトロの果たしている役割、こういうものは大きなものになるので、大商社が扱っていて、ジェトロはこれに協力しないのか。しているとすれば、どんな形でしているのか、伺っておきたいと思います。
○長村参考人 今のオートバイとか、日本の例の小型、中型の自動車の輸出は、将来の問題として私は非常に有望じゃないかと思います。自動車につきましては、御承知のように、アメリカの方は、アメリカ自身が中型なりなんなりを作り出して参りまして、ちょっと頭打ちと申しますか、様子が違っておりますが、日本の今後の輸出の内容を考えますると、こういったものの輸出は、非常に有望ではないか。トラックなんかは盛んに出ております。当面具体的な問題といたしましては、今のオートバイの輸出につきまして、特に私どもの方でごあっせんその他どうこうするということは出ておりません。日本の自動車の輸出としての市場調査は、数年前にやったことがございます。それはまとまった報告がございますけれども、オートバイの輸出について、特に具体的に今手がけておりません。
○山田(長)委員 私の質問は終わりますが、終わると申し上げましても、どうもジェトロの知識が、実は勉強不足であまりなかったのです。一応きょういただきました報告書やそのほかの資料に従い、あるいは案内書である「ジェトロの歩み」というものを読ましていただいて、これから大いに海外貿易を振興させなければならない現在において、振興会に課せられている仕事の性質は、非常に大きいと思うのです。本日伺った範囲において、展覧会でも、海外で開かれるということなどの困難さは一方ならぬものがあるのですが、今まで伺った範囲では、どうもかなりずさんな国費の乱費があった印象を受けるわけです。そういう点で、またいずれかの機会に、私このことをあらためて伺う機会を作りたいと思うのですが、これで私の質問は一応とどめておきます。
○小川(豊)委員 関連して一、二点。今これを見て、私もジェトロに問題がある、決算ではなぜジェトロの方をもっと調査しないかといういろいろな意見は聞いておる。まあそう思っておったが、突然きょうの日程に上ってきているので、われわれの方としても勉強してくるいとまがなかった。ここで資料が出てきたので、今これを対比してみると、これは三十三年は、いわゆる財団法人海外貿易振興会、今度は日本貿易振興会に変わった。それでこういうものが出てきた。そこでこの役員の方の名簿を見ると、経済界の杉さんがシャッポになっておる。あとは各役所の通産とか大蔵とか、そういうところから皆さんが出た。古手と言っちゃ失礼だが、役人の働き手だか古手だか、その方々がみんなそこへ収容されているわけだ。従って、こういうふうになってくると、相当問題があるのじゃないか、こう思ってこれを対照してみたら、この財団法人の振興会から貿易振興会に移ると同時に、新しい費目ができたり、その他の規模がぐんと上がってしまった。これは三十三年四月一日から七月二十五日までの収支計算書、それから七月二十五日からの計算書では、もう膨大にふくらんできた。この中には、今度出てきているのは、たとえば費用の部でも、役職員の給与なんというものも、片方は、人件費は千四百万くらいであった。それがとたんに七千六百万になった。交際費というのは前にはなかった。今度は、交際費も百九十万、こういうふうに出ている。収益の部でも、非常に多くなったものが多いのです。これはあなた方が入ったから、国庫の補助とか委託も顔でふえただろうと思う。賛助金なんというものも、今度はずっと多くなってしまった。賛助金というものは、人から取るものです。これはよけい取っている。それから海外貿易あっせん事業というものも、非常に多くなった。それから国内出版事業収入というものも、多くなっている。それから雑収入も、目に見えて多くなった。そうして新しく起こされた費目もあるのです。こういうふうに、組織がちょっと変わると、とたんに大きくなるということは――大きくなるということが悪いというのではないが、必然的にだんだんに大きくなっていくのならば了解できる。組織が変わると同時に、とたんにこういうふうにふくらんでくるということは、失礼だが、役所の方々が入ってくるとこうなる傾向がある。そこでこれに対する、なぜこういうふうに多くならなければならなかったかという問題が一つ。
 それから次に、さっき山田委員の御質問の中でちょっと感じたのですが、モスクワで見本市をやったら、一億からの欠損を出した。これは労働条件等の調査が足らなかったからそうなったのだということになりますと、今後経済の中で、産業の中で、労働条件が大きなウエートを占めることは、あなた方よくわかっているはずです。たといモスクワでやろうと、アメリカでやろうと、どこでやろうと、こういう点は十分に、調査をする機関なのだから、調査をしてあったと思う。にもかかわらず、そういう調査が不十分であって、一億の欠損を出した。そうすると、モスクワ見本市というものは、将来のことを言えば、これも成功だといえるが、現象的には成功ではなかった、こういうことが言えるんじゃないですか。どうですか、この点は。
○長村参考人 第一のお尋ねの、経費が急に広がっているという点でございますが、お手元に差し上げております資料でごらんの通りに、二つございまして、前の財団法人時代の四月から七月までのと、それから特殊法人になりましてから以降、これは前は四月から七月までのものでございます。あとのは七月以降のですから、期間がだいぶ違います点も一つはございますので、そこは御了解いただきたいと思います。内容的に申しますと、先生御指摘の通りに、やはりふえておる点が幾つかございます。これは事業それ自身が、特殊法人になると同時に拡大するといいますか、拡充するために必要な経費もふえておりますが、その二つの点からこの二つをごらんいただきますと、一方に比べて一方がかなりの程度のふえ方を見せているというふうになろうかと思います。
 それからモスクワの点でございますけれども、先ほど通産省から御説明がございましたように、モスクワと申しますか、ソ連の労働事情等がつまびらかでございませんために、予定した費用よりふえた。むろんそれだけではございません。いろいろほかの理由もございまして、たとえば建設をいたしますときの計算の仕方が、なかなかわからない、ほかの国と違うという点があったりしたのでございますが、もちろん、私どもは調査の本体でもございますし、特に見本市をやるということになりましたので、労働条件を含めまして、いろいろな調査を極力いたしたのでございます。そのために調査団も確かに出ておるのでございますけれども、これはほんとうにそうなのでございますけれども、そういう点が、実は行きまして調べましても、ほんとうによくわからないのでございます。結局具体的にこれだけの商品を持ってきた、こういう規模で、こういう構想で並べるのだという具体的な計画が目の前にこないうちには、それに応じた費用のかかり工合等が、向こうもなかなか出せないと申しますし、また調べてもわかりませんで、結果的には、今申しましたような予算超過ということになったわけでございます。この予算超過の問題と対比いたしまして、しからば見本市が成功であったかどうかということになりますと、先生お話の通りに、将来を見通しますれば、あれがきっかけになりまして、かなり大きな日ソ貿易の拡大を確かに私は招来し得ると思いますので、その点はまず成功と申し上げていいと思いますが、見本市自身といたしましては、持って参りました商品の八五%は処分、つまり売れましてございまして、千五百万ドルくらいの取引がそこでできております。のみならず、あれは場所がモスクワでやりました関係で、ソ連だけでなく、東欧共産圏の国々の方々が相当見に来て下さいました。日本にこれだけのものがあるとは知らなかった、これがあるならば注文をしようという御注文も、確かにそれがきっかけとなって現実に出ておりますので、これらをあわせて考えますると、経費の予算超過の点は、これはもう重々申しわけないことでございまして、この点はまことに相済まぬのでございますが、かれこれあわせましても、見本市としては私はまず成功と申し上げてよろしいのじゃないか、こういう感じがいたしておるわけであります。
○小川(豊)委員 今あなたの答弁では、将来を考えれば成功であったと言う。成功ともいい得るだろう。しかし、現状としては、大へんな欠損を起こしておる。成功じゃないでしょう。ところが、あなたの方で出した「ジェトロの歩み」という中に、こういうことを書いておりますよ。「戦後最大の規模で実施された初のモスクワ見本市も最近輝しい成果を収めて終了し、」といっておるのです。幾ら何でも、一億も損を出しながら、輝かしい成果を収めた、こうぬけぬけやられるはずはないでしょう。ちっとはこれに対する反省というものが僕はあるべきだと思う。将来は一応こういう見通しが立ったでしょうが、この計画としては、実施上の調査がまずかったから、はずれて損をした。あなたの方は、調査するのが主体なんですよ。あっせんとかは主体ではない。これは付属した仕事であって、海外市場を調査するのが、主たる目的である。それが主たる目的であるのに、史上、戦後最大の規模をもってやったという、それだけのものをやるのに、労働条件がこうであるから、結果としてはこうなったということが、調査不十分ということをはっきり現わしている。従って、少なくともここに掲げるように「最近輝しい成果を収めて終了し、」とは書けない。私なら、幾ら何でもきまりが悪くて書けないです。これは、あなたはもっと反省しなければならぬ。だから、私自身が言うのは、ジェトロというものは、杉さん外役人上がりの人ばかりで仕事をしておる。だからこういうことを書いてしまうので、この点はもっと正確なものを今後作るようにしてほしいということです。
 そこで、この次までにこれを一つお願いしたいのです。ここには今の役員の名簿が出ておりますが、改組以前の、いわゆる財団法人時代の構成はどうであったか。そうしてその役員はどういう人であったか。それからそれに伴って、改組前の役員の氏名とその役員に対する給与、それから、改組後の貿易振興会になってからの役員の氏名はここでわかっておりますから、これらの方々に対する給与というか、報酬というか、それはどういうふうに出しておるかということです。これを見ると、時間的なとり方があるといわれるのはその通りでしょうが、改組前には人件費として千四百万、ところが今度こっちになると、七千六百万となっているのだ。改組すると同時に、そんなにふくらまなければ仕事ができないものかということも、一応考えなければならない。これを一つお出し願いたいと思います。私はこれで終わります。
○長村参考人 ただいまの改組前の役員の氏名と給与、これは資料として差し上げます。名称は今わかっておりますけれども……。
○小川(豊)委員 前歴等もわかりますか。
○長村参考人 はい。
○小川(豊)委員 それも出してくれた方がいいのです。
○長村参考人 それでは出します。
○木村(公)委員 私も御同様で、ジェトロというものに対する勉強、調査等がまだできておりません。実は、昨日初めてこれを取り上げることに理事会で決定いたしまして、本日決算報告書をいただいて、まだこれを読むひまもないようなことでございますから、詳しいことは調査に基づきまして、次回の木曜日の定例決算委員会において、同僚議員とともにいろいろお尋ねをいたすことになると存じますが、たとえば私が一見しての印象的には、何かこれは非常にごまかしのような団体だ。日本貿易振興会というものは、性格的には道路公団、住宅公団、あるいはその他公団に類似しておりますが、法律ができまして、日本貿易振興会法というものが、昭和三十三年四月二十六日に法律第九十五号としてできたわけです。これの内容も附則も私はまだよく読んでおりませんが、第十二条に「国会議員、国家公務員、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員は、役員となることができない。」とある。これは、これに限ったことではございませんが、こういう思想がこの中に織り込まれている。これは国会で作ったものでありますから、あなた方にお尋ねするわけではありませんが、そういう思想がなぜここに織り込まれておるかといえば、なるべくフリーに民間の達識者を入れて、中小企業の輸出振興のためになるべく相談もしやすくする、あるいはあっせん等においても、調査等においても、素朴なと申しますか、非常に楽な気持で調査の御依頼もできる、そうして、民間人として、国民の一人として、親切にやっていただくといったようなイデオロギーが、この法律の中に各所にうかがわれる。
 それから最後に持ってきまして、この法律は附帯決議を特に付記いたしておりまして、「本会の役員及び運営審議会委員には、出来うる限り民間達識者の参画を求め、本会の業務が官僚的運営に陥らざるよう充分留意すること。」ということがわざわざ第一にあるのでございますが、その後、改組後の役員の顔ぶれを拝見してみますと、東京帝国大学を出られて、繊維局長だとか何とか局長をやられた長村さんを長として、ほとんど全部お役所の古手である。そうすると、これは決議が無視されているわけですね。でき得る限り民間の達識者の参画を求めているかもしれないが、実情はそれがなされていない。求めていない。また、本会の業務が官僚的運営に陥らざるよう十分に注意せよと言っているのだが、その点は、御注意はあるだろうけれども、失礼ですけれども、官界御出身の方ばかりで運営されている。この場合、往々にして自然に官僚的にならざるを得ないことを心配して、特にこの決議を設けたものと思う。これを官僚的運営にさせざるためには、なるべくお役所から入れることを避けて、民間の達識者を入れた方がよかろうという老婆心から、わざわざ国権の最高機関であるところの日本の国会が、決議をもってこれを表明している。意思表示をしているわけです。これが全く無視されており、監督官庁であるところの通産省も、全くこんなことは忘れてしまっている。実に国会軽視もはなはだしい、侮辱もはなはだしいものと、まず第一に言わざるを得ません。
 それから四番目にこういうことが書いてある。「本会は、輸出に向けうべき商品を生産する中小企業者のために、その輸出意欲を一層旺盛ならしめるよう、国内におけるこれが指導斡旋活動に万全を期すること。」まことにこれは思いやりのあるところの決議だと思いますが、私の手元へ今きている「ジェトロの歩み」「決算報告書」「役員名簿」の三点から看取できることは、あなた方がほんとうに輸出意欲を旺盛ならしめるように、国内において指導あっせんをしていらっしゃるようには、どうしても受け取れないような印象を受けますので、この点についても、これから調査をいたして、いろいろ疑問を氷解をしていただきたいと思うのでありますが、先ほど山田長司委員からもお話があったようでありますが、たとえば外車を輸入する、そうして多過ぎると思われる利益の、日本貿易振興会に差額を与える。この振興会というものは、その利潤をもらって、それでもって貿易振興のために活動をする。その費用を、特に通産省がそのような操作をやって、私どもには不思議な操作に見える、そういうようなことまでして、貿易振興会に金を与えて、振興の実をあげておるかどうか。そして海外におけるところのもろもろの拠点の詳細な会計検査等は、なかなかしがたいのです。ここに会計検査院の局長がおられますけれども、会計検査院なんというものは、あまり大したものじゃない。今までやってこられたことを見ると、情けないようなものだ。検査の方法あるいは検査の報告を見ましても、われわれの琴線に触れたような検査報告は一つもない。ピントはずれのことばかり言っている。そんなものが日本の最高の検査官ですから、そんなもの、海外のことに目が届くはずがありません。これは在外公館においても同じ問題がある。ばかげたことをやっておる。それと同じようなことがもしも行なわれておったならば、事は重大です。国費のそのようなルーズな使い方がもしもなされておるというようなことならば、大問題であります。それと同時に、国費は一方において乱費されておる。振興の実は、実際はあまり上がっておらない。自然に輸出はふえていくけれども、実は、これは別に日本貿易振興会の手柄でも何でもない。、目立つ手柄でもないでしょうけれども、もしも輸出振興というものが多少でもあなた方の力によって向上したというならば、それは見本市船、見本市くらいなものです。それも大部分は民間の寄付金か、しからずんば国の補助金でなされておる。それによって初めてあなた方がそういうチャンスをつかんで、あるいはチャンスを作るというのですか、あなた方の仕事といえば、ほとんど設営するだけなんです。それがために若干の振興はできるでありましょうけれども、国費の乱費とその振興の比率と比較してみて、はたして日本貿易振興会の役割というものが、それほど重要なものであるかないかということすらも、私は印象的に疑わざるを得ないのです。
 そこで本日は、勉強もいたしておりませんし、まだ資料を調査するひまもございません。この次には、通産大臣初め係の方全部に来ていただき、会計検査院からも来ていただき、あるいは行政管理庁からも来てもらって、それと同時にジェトロの幹部諸公全部、杉さんも――頭だけのシャッポというようなばかなことはございませんよ。無責任なシャッポというようなことはあり得ることではありませんよ。シャッポというものは責任を持たなければいかぬはずだ。ただ名義上の理事長であって、副理事長が一切やっておる、そういうばかげた機構が日本にはたくさんあるからこそ、責任というものが、回避されて、つまらない金が乱費されてくる、消えていくということになるのでございますから、杉さんもお呼びになって、そしてこの問題については、もう少し掘り下げて、私どもは質疑を続けたいと思うのでございますが、本日は、ただ一点のみ、通産省の部長さんではいかがなものであろうかと思いますけれども、きょうは大臣もおりませんから、部長さんから、国会の決議でこういう決議をされていることは御記憶があるのかないのか。決議というものは一ぺんなされて、その次に更改とかがなされるまでは、生きているはずなんです。全然無視されておる。この決議のことは、あなた方の方で御承知なのかないのか、この点だけを伺っておきたいと思います。
○生駒説明員 今御質問がございましたような決議に対しましては、私どもも承知いたしておるわけでございます。御指摘のように、貿易振興会というものが運営して参ります場合におきまして、官僚的な運営を避けるということが決議の第一項にうたってありますことは、私どもも常々注意をしておるわけでございます。ただ、今御指摘がございましたように、過去の経歴から申しまして、官僚出身が多いという点は、確かにそうでございます。ただ、私どもといたしましては、運営審議会を毎月開催してもらいまして、運営審議会は、衆議院の御決議の通り民間の方ばかりで、各界の有識者から構成されておるわけでございます。十二人の方に毎月運営審議会を開催していただきまして、杉理事長出席のもとに、今までやりました仕事なり、これからやります仕事に関しまして、いろいろ御意見を承って、できる限りそういう弊に陥らないように注意をいたしておるわけでございます。
 また、もう一つつけ加えさせていただきますならば、いろいろな関係、特にこの商業取引とあまりに密接であり過ぎるということに関しましては、またいろいろ御議論も出るところでございますために、中小企業なり中小商業のために運営をいたして参ります場合におきましては、どちらかと申しますと、中立的という言葉、これが正しいかどうかは多少問題がございますかとも思いますが、特定の利益とあまり関係のないような運営をはからなければならないというような意味もございまして、また同時に、待遇その他の関係もございまして、今申しましたような格好になっておるわけでございます。しかしながら、これは御指摘の通り、衆議院の決議にのっとるように私ども十分注意いたしまして、今申し上げましたような運営審議会を毎月開催する。ことしは特に、先ほどちょっと触れましたが、貿易相談所というものを全国に設けまして、十三カ所でございますが、これを中心に、中小企業とひざをつき合わせて貿易相談に応じるという体制をとって参りたいというように考えまして、貿易相談所の設置を、今各地におきまして、府県その他と相談をしておるわけでございます。機構
 の面におきましても、そういうふうな意味の官僚化を避けるように、私ども注意して参っておるわけでございます。御趣旨の点は、私ども、今後の運用に関しまして、とくと注意して参りたい、かように考えております。
○大上委員 同僚委員から、それぞれ質問がありました。私は、特に資料だけを要求いたします。
 まず第一に、この法律の第二十条の規定に、役職員の身分が限定せられておるのでありますが、従ってこれ等からしますると、去る三十三年、三十四年の損益計算書の中に、ただいま問題になりました広告費が非常に多い。広告を実際に業務になさっておられるのか。二十一条規定をずっと見せてもらっておりますと、あまり勉強しておりませんが、やや、ただいま木村委員の発言があったような傾向が強いので、そのことを明らかに何らかの資料でお示しを願いたい。次に、二十八条と二十九条に規定がありますが、その中で、二十八条の余裕金の運用の面で、一号から四号までありますが、これはどういうようなふり分けに具体的になっておるか。それから、第三点は、二十九条の規定にございます財産の処分が、従来行なわれたか行なわれないか。特に、見本市等において、海外で廃物となったようなものを処分なさっただろうと思いますが、その実例があれば、場所、金額等の資料を要求します。
○三和委員長代理 本日はこの程度にとどめ、散会いたします。
   午後零時五十一分散会