第038回国会 社会労働委員会 第12号
昭和三十六年三月十日(金曜日)
    午前十一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 山本 猛夫君
   理事 大石 武一君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 永山 忠則君 理事 藤本 捨助君
   理事 柳谷清三郎君 理事 小林  進君
   理事 滝井 義高君
      伊藤宗一郎君    小沢 辰男君
      岸本 義廣君    倉石 忠雄君
      藏内 修治君    櫻内 義雄君
      澁谷 直藏君    田中 正巳君
      早川  崇君    福田 繁芳君
      松山千惠子君    淺沼 享子君
      大原  亨君    河野  正君
      五島 虎雄君    島本 虎三君
      田邊  誠君    中村 英男君
      吉村 吉雄君    井堀 繁雄君
      本島百合子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 古井 喜實君
 出席政府委員
        厚生政務次官  安藤  覺君
        厚生事務官
        (大臣官房長) 高田 浩運君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局
        長)      尾村 偉久君
        厚生事務官
        (薬務局長)  牛丸 義留君
 委員外の出席者
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 委員派遣承認申請に関する件
 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三九号)
     ――――◇―――――
○山本委員長 これより会議を開きます。
 この際、委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。筑豊地区における炭鉱災害及び労働災害補償のことに関する調査のため、現地に委員を派遣いたしたいと存じますので、衆議院規則第五十五条により議長に委員派遣の承認を求めることに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
 派遣委員の氏名、派遣期間、派遣地名につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決します。
 なおただいまの委員派遣につきましては、往復とも航空機利用の承認を議長に求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
     ――――◇―――――
○山本委員長 予防接種法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑を許します。島本虎三君。
○島本委員 予防接種法の一部を改正する法律案のいろいろな重要な問題について、きのう河野委員から質問があり、厚生省の方からも答弁がありました。御存じのように、昨年の五月以来北海道の夕張に端を発しましたいわゆる小児麻痺の流行で、関係当局がずいぶんと厚生省初め北海道が努力したはずでございましたけれども、昨年の状態では急速な蔓延状態を示しまして、そして十月以降やや減少したかのように思われましたが、その総計で大体千六百五十名、またそれ以外の数、千六百六十九名という数の報告もございます。大体千六百五十名というようなこういう罹災者並びにこの死者百六名、こういうような数が出たわけでございます。また百五十五地区にわたってこれが発生したという、北海道史上かつてないような流行を示したということで、皆さんも御存じの通りであったわけでございます。いわゆる多発地帯と申しますか、この小児麻痺の脅威ということにつきましては、現在北海道の方ではもちろん、これは全国もそうであろうと思いますが、ことに昨年度多発の状態からその脅威にさらされた北海道では、その対策にいろいろと頭を悩ましている状態があるわけでございます。もうすでに一月、二月の間に二人も罹病者を出しております。また本年も多発になるのじゃなかろうかという危惧が全道に蔓延しておるような状態ですけれども、こういうような流行に対しての厚生省としての対策がございましたならば、この際明確にお示し願いたいと思います。
○尾村政府委員 ただいまの北海道の流行につきましての対策でございますが、全国的の対策は昨日申し上げた一般的な問題でございますが、ことに北海道は昨年突如として非常な大流行を来たしまして、その前年までは全国の発生率よりも低かったのでございます。平均よりも低い状況で推移をして参ったのが、昨年の春以来非常な増加をいたしました。日本としてはかつてない最大の地域流行を見たわけでございます。これに対しまして、昨年はとりあえず可能な限りの予防接種とそのほかに直接の流行地域、大体年末までに約三十をつかめたわけでございまして、これらの流行地域に対する防疫措置、それから患者治療対策、こういうことを総合的にやったわけでございますが、今お話しの通りに千五百六十五名という患者数とそれから百名余の死者を出したわけであります。再びことしまたああいうような悲惨なことに同じ地域がさらされては、まことにこれは遺憾なことであり、またあってはならぬことでございますので、現在もよく、その後のあと始末とともに、ことしの夏の流行期に対する対策を中心に考えているわけでございます。そのためには他に優先いたしまして予防接種の該当年令に完全に流行期以前にやる。従いまして今度四月からの接種法の改正によって、法によるものを全国見ているわけでございますが、そのほかに一月から始めました暫定措置も、北海道に関する限りは濃厚に予防接種を優先的にやる、こういう方針をとっております。その濃厚にやるという意味はどういう意味かと言いますと、昨日の話にもありましたように、若干供給の時期がずれたのでございますが、そのずれて少し足らなかった時期にも北海道だけは既定計画はぜひ集中的に先に出す、こういう方法を講じたわけでございまして、従って三才までの子供に対しては完全に予防接種は予定通り全部やる。それからもちろん実施率も予想よりはるかに高く組んでいるわけであります。積雪のために受けられないという特殊な物理的の事情がありますが、そういうものが乗り越えられる限りは全部予定通りやる、こういうふうにいたしております。従いまして四月以降同じような方針でこれは濃厚にやっていく予定でございます。
 それから昨年一番困りましたのが、起きた場合に、ああいう不便な土地で起きたために、呼吸麻痺を起こして、鉄の肺で非常な不安を抱いておる。従って昨年配置した鉄の肺はもちろん今わずかしか使っておりませんが、これはそのまま置いておきまして、安心ができるように備えを続けておくということはもちろん講じていく予定でございます。そのほかに十数台新たなものをまたわれわれの方に入手できることになりましたので、これもいつでも追加配給ができるようにいたしたい、こういうことにいたしておるわけであります。
 それから費用の問題でございますが、やはり供給は十分いきましても費用の問題で負担に困るというようなことがあるものでございますから、私の方では本人の負担が全然かからない流行地に対する臨時予防接種のやり方、これは北海道については昨年の事態にかんがみまして、むしろ昨年流行したその地域よりはその周辺の地域――北海道を大づかみにいいますと、まん中の地域よりも西と東の地域が割合と発生しておらぬので、危険性がむしろ逆にあるわけでありますが、こういうところにいち早く臨時予防接種法を発動しよう、こういうことは特別な意味で道当局とも話し合いもできており、いつでもそれは早く発動するように、こういうふうな対策は講じておるわけでございます。
○島本委員 昨年の集団発生に――本年ももうすでに二名の罹病者を出しておる。その予防に対しての対策はただいま承りました。その中でおもに三才までの子供に対しての対策が述べられたようでございますけれども、これは私の方の手元にあるデータによりますと、まず一才から一才半ですかが一番よけいで、その次には何といっても六カ月から一才くらいまでの間です。
  〔委員長退席、柳谷委員長代理着席〕
それからまた二才、次には一才半から一才十一カ月くらいの子供、その次には今度は五才の子供の罹病率がぐっと上がるんですけれども、三才でやめてしまいますと、五才付近の子供たちに対する対策を怠って、これはまた再び何か手落ちになるのじゃなかろうかというおそれがあります。四才、五才、六才、この辺の数字が相当程度上がっておりますけれども、この五才までの対策は講じなくてもいいのかどうか、その点についてちょっと伺います。
○尾村政府委員 実はお配りいたしました参考資料の中の四十二ページにただいまのお話のことを実際の数字的に出してあるわけであります。これでごらんのように三才未満で七九・三%がかかっておるわけであります。縦の表になりますが、わが国の全体の発病者のうちの七九・三%が三才未満ということでございまして、四才になりますと三才の約半数の発病率、五才になりますとさらに三才の二・五分の一ぐらいという工合になりまして、ここいらから五才、六才、七才と――八才でちょっと落ちますが、また九才というふうに、大体六才以降になりますと一般の成人とそれほど差のない線にだんだんと落ちてくるわけであります。理想的にいいますれば、強制的に、五才くらいまでを全部やれば、これはもう万全でございます。ただし実際問題といたしましては、わが国の場合には、法律による対策というものは、ある年令にやっておけば、これを着実に積み重ねていけばそのまま全部積み重なっていきますから、毎年繰り返して昨年やった者にやる必要はないということになるわけでございますが、いわゆることしがちょうどその過渡期になるわけであります。危険年令がまだまだ上にあるもの、前に予防注射を受けたことがない者がまだ相当数残っておる者があるわけでございますので、従ってこれは今の強制というような対象にいたしませんで、いわゆる任意接種というような形でそれに必要な量を供給する、こういう対策でいこうと思っているわけでありますが、ただ問題は、その任意接種を受けることが必要な者、すなわちかつて免疫を受けておらない者がどの程度あるかということを地区ごとにつかむのは非常に困難なわけであります。そのほかの者は、罹病実績で見られるようにほとんど無免疫でございますから、こういうふうに高く出るわけでございますが、この発病率が非常に減少していくというのは、その残りの者が、人工的に免疫を前に受けた者もあり、自然的に発病しないで出てくるということが割に多いわけであります。正確に言いますと、免疫ができている者にやることは無意味であって、免疫を受けておらぬ少数の者にやるのが一番能率的でまた害も少ないわけでありますが、それが問題なわけでございますので、若干食い違いがあってロスは出ますけれども、希望して任意で受けるものについては量を確保していこう。しかし、この部分については公費負担というようなこと、あるいは今度は逆にその年令階層にある程度強制するというようなやり方は、これは避けることはやむを得ない、こういう立場でございますので、北海道につきましても、四月以降この任意接種に相当部分応じられるだけのワクチンを供給していく、こういう対策を立てておるわけであります。
○島本委員 昨年から異常なる発生を示し、やはり本年、おそらく来年あたりまでも、この五才までの対策が一つの問題になって、再来年あたりからはそれは考えなくてもよくなるのじゃなかろうか。従って、本年また来年あたりまでは、何としても五才までの対策は考えないと、これは少し手続上または行政上にまた手抜かりも生ずるおそれがあるんじゃないか、こう思いまして、今質問したわけであります。今の全国的なデータはおっしゃる通りですが、私の方は、北海道に発生した子供の年令によるデータによって質問したわけです。そういうようなことになっておりますので、集団発生の場合等を考えてみまして、やはり現在五才、六才までの人たちは、ことし来年までの期間の間は、何らかの方法によって万全の対策を講じてやる必要があるものである。ことに北海道の場合にはその期間だけでも、これはあると思います。今のようにして――将来のことはわかりません。この集団発生の場合または発生したその地域の周辺、こういうようなものに対しては、現在の時点においては、五才までの対策を十分考える必要があると思うのです。あるという答弁だったと思うのですが、よろしゅうございますか。
○尾村政府委員 北海道の特殊事情にかんがみまして、臨時接種その他も応用いたしまして、特別に、五才ぐらいまでの年令には濃厚にその接種対策ができますように、十分注意いたしたいと思います。
○島本委員 それから、今説明がございましたが、大体三才までの方は、法に基づいて、これは完全に行なうが、それ以上は任意接種を行なう、こういうようなお話でございます。その場合に、その発生している地域を見ます場合には、ことに貧困者の場合なんかも相当多くある、こういうような地点に任意接種をしようとしても、現在の薬の値段では、たとえばボーダー・ライン以下の人や日雇いというような人たちは、自由に行ってこの接種をしてもらうことに相当困難を感ずるのじゃないかと思うのです。こういうような場合に、保護法の適用を受けている人またはほんとうに困ってこれをやれないような人のための任意接種の場合の厚生省の考え、対策というようなものは、はっきりしていないといけないと思う。そうでないと、やはりそういうようなところからまた漏れていくおそれも十分にある。救済しなければならないような人たちをそのままにして、楽に薬の買えるような人たちの対策は考えてやる、こういうような弊に陥ってはいけないと思う。私は、そういうようないわゆるボーダーラインクラス以下の人たちの対策は、この任意接種の場合なんか、十分考えてやらなければならぬと思いますが、これについて厚生省の方の対策を伺います。
○尾村政府委員 ただいまの任意接種をする場合に、低所得なものだけを対象に、この手助接種の費用を何らか公で振りかえる方法がないかということに限定いたしますと、非常にむずかしい点があるわけでございます。といいますのは、先ほど申し上げました臨時予防接種は、北海道全道を臨時予防接種の地域に指定するというわけにはいきませんけれども、相当な地域をそれぞれ何町々々というふうに選びます。そういたしますと、北海道の非常な危険地帯というものの人口を相当カバーしたところで、臨時予防接種の対象になるわけでございます。こうなりますと、市町村と都道府県だけで、これは貧富の希なしに、そこにおける対象の子供には全部公費でできる、こういうことになります。そうなりますと、伝染病予防上必要として強制するわけになりますので、むろん貧乏な人は入りますほかに裕福な人も全部入ってしまう、こういう形があるわけです。それからもし全道についてとにかく貧乏な人にだけ何とか、任意接種の方法でいいが、好きなようにやった場合に費用を振りかえろということになりますと、これはどうしても生活保護ないしは市町村の行なう法外援護的なやり方でこれを救っていくという形になりまして、予防接種法そのものではこれができない、こういう形になるわけであります。従来の実際に各地で起こりましたそういうような問題につきましては、ただいま言いましたように、それも包括した臨時予防接種の対象地域にして一部は解決する。その他の部分は市町村が、いわゆる防貧対策的な援護費の支出によりまして、非常にその所得等を限定して、これで救っていく、こういう方法で実際的には解決してきているわけでございます。これを正規などれかの法によって、そういうものをすっきりとあらかじめ解決できるようにきめておくということは、現在のところちょっと不可能なわけで、これは遺憾に思うわけなんでございますが、私の方としては、従いまして、臨時予防接種のやり方を北海道という特殊事情にかんがみまして、できるだけ運用をうまくやっていく、こういうふうに思っておるわけであります。
○島本委員 大臣、今のような答弁があったわけでございます。これはやはり生活保護法の対象になっておる人は、この任意接種の場合にはなかなか困難性があるということなんです。今言ったのを私はデータによって知っております。あのような脅威にさらされていた、昨年集団発生した北海道でも、この生活保護の適用を受けている人の任意接種がたったの三〇%だったのです。七〇%の人はそういうような子供を持っておってもやれなかった。やらなかったのです。なぜやらなかったのか、ここなんです。やれる人はやっていた。この人たちは忙しいか、金がないか、または市町村が十分手が行き届かなかったのか、PRが不足だったのか、これが浸透しなかったのに相違ないと思うのですが、できなかった。こういうような点が政治の盲点になると思います。今お聞きのような状態で、考えておっても、法的に措置する場合、これは市町村、自治体にまかせるという段階では、同じようにまた放擲されるおそれがあります。こういうような点は、昨年度のこういうような例によってでも、法によって強制的にやる場合は別ですけれども、任意接種の場合なんかは貧困者が置いていかれるような可能性が今の答弁によっても十分ございますから、この点についても今後はきめのこまかさによって十分対策を講じなければならないと思いますが、いかがでございますか。
○古井国務大臣 ただいまの任意接種の問題は、きょうの扱いの問題といたしましては、局長から申し上げたようなことにならざるを得ないのだと思うのでありますが、お話のような実情もあることでありますから、この段階では、行政指導の上で最善を尽くすという以外は、すぐさまの段階では道がないのかもしれませんが、よくその辺も検討してみまして、事情が事情ですから、最善をはかりたいと思います。
○島本委員 今最善を尽くすという答弁なんですが、その最善の尽くしようなんです。今局長の方から答弁がありましたように、行政的に、市町村の方で、また都道府県の方でこれはやるようになっているのであるから、また当然やるようにしてあるのだから、やっているのだろうという考え方で臨まれる場合には、これはやはり今のような例がはっきり残っております。北海道のような集団的脅威にさらされているところでも三〇%の人で、七〇%の人は受けなかった、こういうような実態があるのです。しかしやはり承っておりますと、これは法的に何ら違反した措置ではなかったし、十分手を届かしているというのですが、こういうような実態だったと私は思う。今後も同じようなことが予想されるわけです。これはやはり十分考えるということですけれども、ここは私は厚生省としては一番大事なところではないかと思っているのですから、この辺はほんとうに法的な、そういうようなことだけにとどまらないで、との辺にこそほんとうに血の通ったようなきめのこまかい行政措置が必要じゃないかと思うのですから、この辺は十分考えて措置してもらいたいし、ことに本年、来年の場合、この二年間ぐらいは五才まで、この間が私は大事だと思っていますから、その辺も含めてみますと、この任意接種が意外に必要な数になるのじゃないかと思います。十分これは気をつけておいていただいて、単なる答弁だけにとどめないで、これはもうすぐにでも十分そういうような実態を調査されて、おそらくやりたい人があるならば、市町村にでもいってできなければ、国が直接これを指導し、こういうようなことに対しては万遺憾なきを期する、こういうようなことにしてやってもらいたいと思うのであります。これは当然だと思いますが、そうするならば、あえて答弁は要りません。大臣の答弁でけっこうですが、局長いかがですか。
○尾村政府委員 お話しのように、現存の法律でも最大限に、先ほど申し上げましたように、臨時予防接種の命令を、従来みたいに固苦しくなく、北海道という特殊事情がございますので、これをかなり広く運用いたしますと、相当程度解決がつくと思いますので、これを中心にいたしまして、もう一つは、たとえば今度皆保険になりますので、国民健康保険の被保険者の場合には、保健施設というので、今まで寄生虫の予防駆除とかあるいはいろいろな予防接種等に応用している面がございますので、こういうようないろいろなものを、今のお話の通り動員して、できるだけ私の方で指導いたしまして、十分手当をしたい、こう思っております。
○島本委員 それと同時に、今度は、昨日の河野委員の質問に対しての答弁を参考にして、私はそれより一歩進んだ考え方について伺いたいと思います。と申しますのは、このワクチンの問題で、輸入品と国産品の両方がある。御存じのように国産品の方ではだいぶ不適格のものに証印を押されたような薬が出たようでございます。しかしながら値段の点からいたしますと、これは希望によって、前に申しましたように、いわゆる任意接種ですから、こういうような階層の人たち、またはどうしても自分で買ってやらなければならないような人たちには、薬の値段がだいぶ大きい問題になってくるのじゃないかと思うのです。今の場合、現在の状態のもとにおいては、どうしても薬は三百円か四百円台より下げることはできないのか。きのう承ったところによると、輸入の場合にはもっともっと安くこれは手に入っているようですが、国産品の場合に意外に高いものをミックスして値段を設定しておるようなんですが、薬の値段というようなものの考えについては、こういうような考えで今後もずっとおやりになるのか、この基本的な考えについて承りたい。
○牛丸政府委員 薬価を下げて一般に安く供給するということは、私どもの指導として当然なすべきことでございまして、今回のワクチンにおきましても、国内品だけでやっていきますと、四百四、五十円のものになりますので、安い輸入品と国産品を二本建でやるという考え方もあるかもしれませんけれども、そうしますとこの配給なり給付というものが非常にむずかしい問題になりますので、むしろ全国一本の価格でやった方がよろしいのじゃないかということで、プールの方式をとったわけでございます。そうすることによりまして、国産品の価格を約百十円程度の引き下げをしたわけでございます。現在薬の値段としては、三百四十円で平等に国権品も輸入品も同じ値段で供給する、そういう措置をとっているわけでございます。しかし、国産品は当初の値段が今申しましたように四百数十円するわけでございますが、これはアメリカの例を見ましても、最初の一CCの値段は一九五五年では三百六十円、それが一九五七年におきましては二百四十円というような値下がりをしています。これは生産の効率的なものその他によって当然値下がりをするわけでございまして、三十六年までの価格は現在決定した価格によって一応三百四十円という数字になっておりますが、これは輸入量もさらに実施率の問題等も検討してふやす、あるいはこれから輸入をする必要があるかどうかということもただいま検討しているわけでございますが、そういうものと関連いたしまして、当然プール計算によって値段は下げ得ると思いますので、将来そういう点を計算した上で、なるべく安い値段で供給をしていく、そういう方策をとっていきたい、かように考えております。
○島本委員 大体国内品だけで四百四、五十円であって、プールにして三百四十円ぐらいの値段でやっておる、少し安くなっておるようです。これはきのうの説明でも伺いました。そこで、現在のように任意接種をするような人、また自分で買いたくてもなかなか手に入らないような人、大部分が裕福な人ならばいざ知らず、こういうように少しでも安い薬を望むような階層の人が意外に多いのです。国産品はおっしゃるように国内産業の育成、また技術の開拓、こういうような意味でも、今の考えのようなことも大事だと思う。しかしながら、これも集団発生するとか、または現在のようにそのおそれが十分あるようなところ、こういうようなところに対してはもっと安くしてでも供給すべきである。ただであるのが一番望ましい。しかしながらそれにも限度がある。だから、その次に有料で任意接種をする人でも、輸入品の場合は五十円ほどでできるんだ、国内品を入れるとここでは四百四十円ぐらいになる、これをプールにすると三百四十円ぐらいでやれるんだ。とすると、輸入品だけで四十円か五十円にしてやると、もうすでに三百円ほど安くなるんだというのが目の子勘定で出てくる。それで、こういうような国内の薬については研究や実験はどんどんやっておいてもらって、とりあえず必要なところは安い輸入薬によって国民に安く供給するということも、当然考えられてしかるべき方法じゃなかろうか、国民が喜ぶ方法じゃなかろうか、こういうように思うわけです。あえてこういうような方法をとっても国内産業に対しての圧迫にもならないだろうし、技術の開拓に対する障害にもならないだろう、こういうように思います。またそういう方法を国民は待ち望んでおるのではないか、こういうように思います。あえてこれをプールにして、将来は安くなるだろうと思われるが、現在は依然として三百四十円、黙って国内品だけでは四百四十円、こういうような三百円ほどはね上がった値段でやらなければならないという理由はないのではないかと思いますが、こういうような考えについてはっきりとした当局の所信を承りたいと思います。
○牛丸政府委員 ワクチンは原則といたしまして国内で供給するということが原則でございますが、日本の現状ではどうしても国内生産がそこまで需要を満たさないということで輸入をしているわけでございます。従いましてその輸入品と国内の生産品とを二本建の価格でやるというような考え方ももちろんあるかと思いますけれども、結局同じワクチンでございますし、それが対象によって値段が違うということも、一般の医薬品のものの考え方からいって、私どもとしてはなじまないわけでもございますので、むしろ価格は一本にして、全体を安くするという考え方をとる。しかし公費負担制度というものが公衆衛生の活動として考えられておりますので、それを実際に接種する場合には、市町村なり都道府県なり国がその費用を負担する、そして財政力のない階層に対してはそれだけ公費で肩がわりをするという方策をとっているわけでございます。従って問題になるのは、ただいま島本先生からもおっしゃいましたように、任意で接種する、自分の発意によってやるということでございますので、もちろん地域的には、北海道というふうに一般的にポリオの脅威にさらされておるものは、形は任意であっても強制と同じじゃないかという反論もおそらくあるかと思いますけれども、考え方といたしましては、任意なものには一般的に安くしたものでやる。強制するものに対しては都道府県、市町村、国が公費負担という別の形によって負担を肩がわりしていく。従って生活保護なりあるいは先ほど公衆衛生局長から申し上げましたように社会保険の保健施設なりそういうような別の面で負担の肩がわりをする、価格においては一本の価格でいくというのが今までの私どもの考え方でございますし、また現在の医薬品の価格の構成ということから、そういうことが一番なじむ制度じゃなかろうかと私は考えておるわけでございます。
○島本委員 厚生省の考え方はわかりました。そういうような考え方でいきたいという趣旨もわかったのであります。そしてそういうふうにして国産品をできるだけ育成するというようなやり方についても、あえて反対するものではないのです。ただ三十七年、三十八年になって、自立しても、輸入を仰がなくても完全にやっていける体制は厚生省の方であるわけです。そういうような場合にはいざ知らず、現在入ってきているのはよくて安いというようなことであるならば、それは二年間ぐらいなんですから、その間十分に国内の薬種業者の方には研究し実験しておいてもらって、その方は完全に皆さんの方で指導しておいてもらって、現に五十円ぐらいで入るならば、何も三百四十円にする必要はないのだから、そういうような方面に対しては、任意接種の場合にその恩典に浴させてやる方法はここ一、二年は考えてもいいのじゃないかということです。これは永久にそうせいということじゃないのです。
 こういうようなことについて、大体厚生省としての事務当局の考えはわかりました。しかし、これは大臣に考えてもらわなければならないのですが、今のようにして輸入だけでやると五十円のワクチンでも、国内でやると四百四十円、それも不適格品がずいぶん出るような状態のもとに、これをプールにして三百四十円だ、それも任意接種ですから、当然よく安い薬を求めたいのは親の常で、そういうような場合輸入品に仰ぐと四、五十円でやれるということです。これは厚生省の発表なんです。そういたしますと、やはり大臣の方でもそこは十分考えて、任意接種の場合には特にその安い薬をここ一、二年の間は考えてやるというふうな措置を考えるべきじゃなかろうかと思うのです。これは困っている人に対してはいろいろ他の方法もあるというようなお話でもございます。しかしながら依然として実費でやるのがこのやり方なんですから、そこは考えてやらないといけませんが、これを政治的に配慮する必要はないというふうに大臣は考えられますかどうか、一つ大臣の御意見を伺います。
  〔柳谷委員長代理退席、委員長着席〕
○古井国務大臣 今の任意接種の場合だけを安くいけるように特別に扱うかどうか、この辺が私もちょっとよく判断がつかぬのでありますけれども、しかしとにかく外国品ならば非常に安いというのが、一方においては国産品の育成を奨励するという面はあっても、どうもそれが三百四十円とか何とか、少し高いような気もするところもありまして、ここでどうこうは申しませんけれども、少し割り切れぬような気がするところもありますので、研究してみたいと思うのであります。任意接種の問題に限ってはどうか、そこは私どもそこだけに限る判断はつきませんけれども、研究させてもらいたいと思っております。
○島本委員 その辺は事務当局と打ち合わせて十分研究しておいてもらいたいと思うのです。私の考えとしては、依然薬の効能や何か違わない以上、それは十分考えて、それを利用しようとする人たちに安い金で自由にやれるところまでここ当分の間考えてやってほしい。きのうの発言で、もうすでに三年後には完全に自給自足ができる態勢ということを聞きました。それ以後のことでも、値段の点になると、やはり輸入品と変わらないほど安くすべきだと思うのです。もうすでにそういうようなことに対する先鞭をつける意味からも、わざわざ高くする必要はございませんし、物価値上げムードに乗って薬が高くなるというのではとんでもないことですから、安くする方法さえあるのですから――公共料金は値上げしてもそれに付随したいろいろな値上げは抑制する方針のようですから、この際薬なんかも安い方のものを採用して、厚生省も一つその範を示すということになったならば、もうほんとうに大胆としてもさん然と光るのではないかと思いますので、その辺も十分大臣も考えておいてもらいたいと思うのです。
 そのほかに私は人体実験の問題について聞きたいと思います。これはきのうもいわゆるサルによるところのいろいろ実験を行なっておるということも聞きました。しかしこの実験過程の中で、やはり何としても、臨床実験の中でまだ不十分であっても、親もぜひやってほしいんだというような人の要望も相当多いんじゃなかろうかと思っているのです。現在までのところでは、弱毒生ポリオ・ワクチンですか、こういうものに対しては若干予算をとって十分にこれを研究し実施さぜるような準備ができておるようでございますけれども、この実験に際してあくまでも親が了解して、不完全でもいい――不完全とは申しませんが、早くこれをやってもらいたいというような要求がある場合には、こういうような費用の中で完全に措置することができるのかどうか、これを一つ説明する意味で伺いたいと思います。
○尾村政府委員 この弱毒なまヴィールスの実験につきましては、これはやはり実験でございますから、もちろん投与もいたします。予研で現在やっておりますものに、ほかのヴィールスの入っておらないとか毒性がないということだけの安全試験をやりますから、子供さんを一班五十人ずつ選びまして、全国二十班で投与いたします。これはあくまで実験でございますので・もちろん直ちにそれによって障害が起こらぬという自信がついてからやるわけでございますけれども、なおこれらを詳細にやるゆえんは、この菌自身が途中で有毒化しないか、それからそれが出てから兄弟等にうつらぬかという形で、本人からもひんぴんと血液を採取する、糞便も提出をいたします。それから飲まされない同居しておる子供さんからも血液を合計七回にわたって採血するのであります。これらをそろえていきまして、初めて将来日本じゅうに使っても有毒化しないという実験に役立つわけでございます。その意味での実験対象でございますので、ただ最初から自分自身は何か間違いがあってもいいから、予防の意味で飲ませてくれというのでは今度の実験対象にはならぬわけでございます。価値がないわけであります。そういたしますと、やはりそれはいわゆる予防内服の一環をただ不安心ながら本人の了解によってやってしまうのだ、こういうことに一足飛びになる理屈になるわけでございます。さような意味で直接にはできないのでございますが、ただ少なくともこのサルの毒力試験が終わり、一方では今のような精密な試験を続行中に、ある程度までの時期がくると、まずまずという点がわかって参ります。そうすると、この同一の液ならば、そこまでの安全性と効果とはわかったわけでございますから、投与しない残りの液を相当片方にとっておくわけでございます。同一の液でありますから、あくまで検査したのと同じ液であります。これにつきましては、今お話しのように、大量投与試験、すなわちある集団にやってみるとどの程度免疫が集団としてできるかという意味の実験の対象は必要でもあり、また役に立つという意味で、これの対象にはなる。ところが、これとは別個な種のといいますか、全然検査対象にならない形のなまワクというものを、今のように、本人の承諾があるからといって投与することは、全然理屈に合わない。またあぶないわけであります。さような点でございますので、今度の手がけております研究対象になりましたものを薄めて投与すると約十万人分になるわけであります。そのうち今度の精密実験に使うのが、今の推定では大体三分の一くらい使ってしまうのではないかと思われますが、その残りの数万人分は、今のような意味の地域大量免疫にはこれが役に立つということで、ただその時期がいつくるかということは、今の精密実験の進行状況いかんによるわけであります。その時期がくれば対象になり縛るということで、もし学者の方々が、ああいう集団発生があったところの力が実験計画に役立つという結論が出れば、北海道のようなところに持っていきます。それからむしろあったところは成績が不確定になるとなれば、去年、おととしと違った処女地的なところにやらざるを得ないということになりますが、今のところまだ学者の意見もそこまでいっておりません。一生懸命今精密検査の方にとりかかっているわけであります。昨日お答えしたように、五月ごろに一ぺん幹事会を開きましてそれらの取り扱いをきめよう、こういうことになっているわけであります。
○島本委員 大体そういうふうにして予防の面の話に移らせていただきますが、人体において後遺症が残った場合の措置、もう一つは呼吸麻陣した場合の措置、これが両方大別して考えられなければならない大きい問題だと思っております。これは予防ではないけれども、起きた場合に、呼吸困難になった場合の器具として鉄の肺というようなものが役立つ。そういうようなことにつきましては大体不安のない状態であるし、新たに十台準備してあるから大体において安心できる態勢にあるように先ほどの説明で承ったのでありますが、これくらいで大丈夫なものであるかどうか。それから都道府県並びに市町村というようなところでは、必要な器具を備える場合に、国の方では十分補助対象にして考えてやっているのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○尾村政府委員 今の死亡原因になります呼吸麻痺が起こった場合の鉄の肺でありますが、これは鉄の肺という大型のものと、暫定的に一時救命する、中継ぎをやりまして、胸にくっつける機械と二つあるわけであります。川の人工呼吸器とそれから鉄の肺でございますが、これは今のお話の通り、伝染病予防法に基づきまして、伝染病予防法上必要、すなわち今の小児麻痺用でございますが、これとして備えるという場合には、法律的にも補助の対象を出し得る道が整えてあります。すでに現在入っておりますうちの四台かは、この国庫補助づきで置かれたものでございます。そのほかに、それだけではとてもなかなかまかない切れませんので、実は私どももいろいろな下を講じまして、すでに確定なもの十二台は四月にブロックごとに配置を了するようになっております。これは別な方法で寄贈その他受けたものでございます。そのほかに今一いましたような伝染病予防法に基づく計画配置をプラスいたしましていたす予定にいたしております。これは各府県、ことに来年の発生予想と、それからこれは置いておいてもいざというときにこなし得る能力と、この両方を組み合わせまして必要数は増加する、こういうふうにいたしております。
○島本委員 それで数としてもその程度でいいのか、今増加を考えている程度で、できる範囲で、これは北海道の場合は集団ですから別ですが、全国的に考えた場合も、都道府県に今厚生省が考えている程度で間に合うのか。
○尾村政府委員 私ともの方でことしの夏の、昨年の経験から見まして、北九州が北海道に次いで少し集団発生をいたしましたが、これらの集団発生のところに呼吸麻痺のある程度の集団発生がまた起こるわけでございますが、これに対してはその府県だけに予定して置いておく、それだけで間に合わすということは不可能でございます。むしろ全国的に、ある輸送可能なところにブロックに配置をしておきまして、最初からどこかに起こったら直ちにこれを輸送して集中をする、こういう計画と条件つきで置かせるわけでございますので、その点からいいますと、たとえばどこかに起これば短期間のうちに十台くらいはそこに集中できるという計画にいたしておりますので、その意味ではこれは十分間に合う、こういうふうに存じております。
○島本委員 十分間に合うというような状態を聞いて一応は安心します。しかしほんとうに発生して間に合わないということが起きた場合に大へんですから、その辺十分考えておいていただきたい、こういうように思います。
 なお今度後遺症が残った場合の措置に入りたいと思いますが、その場合には簡単に申し上げますと、肢体不自由児の施設と、肢体不自由児の養護学校の拡張とそれから増設、こういうような面に分けていろいろ今後の対策というものを考えてやらないと、せっかく予防しても後遺症が残った人に対してはまことに、今申しましたようないろいろな施設を考えてやらないことにおいては、仏を作っても魂を入れないような結果になってしまうのではないか、この辺のことは十分考えておかなければならないと思いますが、この点についていかがでございますか。
○尾村政府委員 実は後遺症の方は児童関係になりますので、ちょっと私の方でお答えできる限りはいたしまして、実際のところは児童関係の方にやっていただくといいと思うのでございますが、この後遺症については、発生させないということが第一でございます。それには伝染病予防法に基づく隔離収容して、公費で治療する、この期間にかなり早期と後遺症防止自身を含めた治療を開始する、これが一つ大事なことでございます。その意味では伝染病予防法で入院期間中にも整形外科的な、たとえばマッサージとかそれからコリン製剤初めいろいろな治療薬がございますが、これは現在の急性期症状をおさめるというほかに、むしろ後遺症を発生させないという治療対策なのでございますが、これも伝染病予防法に基づく一、二カ月の入院期間中はやることを認めております。むしろ奨励しておる。こういうことにいたして、まず発生防止を第一に考える。それから発生いたしましてからは、現在のところ育成医療に公費でもある程度できるわけでありますが、児童福祉法によりまして回復をはかる。どうしても残ったものについては収容施設に入れるということになるわけでございます。これは児童局の方の所管で、肢体不自由児施設が五十個所ある。それから育成医療機関が四百二十六個所ある。こういうふうな形で、それぞれ保護の対策は施設されているわけでございますが、ただ実際の実績からいいますと、現在想定されております十八才未満の過去何年間に出て参りました小児麻痺による麻痺患者、麻痺の後遺症を持っている者四万五千くらいあるかと思いますが、これの数と見合いますと非常に収容力が足らない、こういうことになっているわけであります。
○島本委員 後遺症の起こった者に対するいろいろな施設の不足だということは、今申し上げた通りこれは事実なんで、そしてこの面につきましては、おそらくは学校へでも一回行ってみたならば、その努力の並々でないこと、また親がそういうような後遺症の残った子供に対して涙ぐましいまでの、そばにつき切って訓練するのに、上がらない足の先に砂袋をつけてそして訓練しているような姿は、涙なしには見られない。こういうような施設でさえもまだ不十分な状態の中に、施設にさえも収容されない人が、まだ後遺症を持った人の大半なんです。こういうような状態のもとに、この施設は満員です。入ることもできないほどなんです。そういうような状態をそのままにしておいて、きめのこまかい行政であるということは、やはり私として今考えられない。この方面に対する重大な関心は、また小児麻痺の問題とあわせて厚生行政のほんとうに大事なところだと思っております。大臣としてのこういうような施設に対する今後の考え方等について、はっきり伺いたいと思います。
○古井国務大臣 私も実は後遺症を持っておる児童というのか、小児麻痺が原因になって肢体不自由になっておるものについては郷里の方でも多数実情を知っておりまして、通院施設など何とかできないかとか、実際問題で相談に乗って見てやっているような状況でありまして、幾らかは実情に対して実感を持っております。今日厚生省がやっている詳しいことは、児童局長がおりませんけれども、担当の方から御説明させますが、大きに一つ問題だと前々から思っている問題であります。
○島本委員 なるほどこれは大きい問題なんです。従ってこの方面に対しては十分厚生省でも考えてもらいたい、こういうように思います。ただそれは施設を一、二ふやすだけにはとどまらないということです。おそらくはこんなことは私が言う必要もないほど御存じだと思うのですが、この実態の調査から始めてもらわないとだめなんです。今までの人で、医者にも見放されたままで、不自由なままで、家庭内でおそらく苦労しておられる人が意外に多い実態があります。この辺にはまだ厚生省も十分手を入れておらないのじゃないかと思うのです。この実態の調査からお始め願いたいと思います。そのほかに前に申しましたような育成医療の強化は、当然やらなければならない問題でしょう。おそらくはもう学校にも行けないような人たちのいろいろな指導は、家庭内においても考えてやらないといけないと思うのです。それからようやく学校へ行けるような、福祉施設、整肢学園といいますか、いろいろありますが、いわゆる肢体不自由児を収容する、また教育する学校です。この学校を五十くらい全国にやってもまだまだこれは不足です。これが二倍あっても三倍あっても不足な状態です。入るのがほんとうに宝くじを当てるような状態で入っていくんですから、もっとこの方面の拡充は必要であり、中にいる職員の並々ならない苦しみは、私どもが一回参観したならば、これはもう涙が流れるほどなんですから、この点等については大臣も十分考えてやって、この施設の強化というようなことを、調査の面とあわせてこれは総合的にやらないと、今のような答弁だけでは、これはすぐあした忘れてしまっても困るのです。これはもっともっと真剣に取り上げてやってもらわなければいけないわけです。家庭内にいる不自由者の状態またはそれらの調査、これらの学校施設、育成施設に対する現在の不足の状態に対してカバーする方法、こういうふうなことはすぐにでもやらなければならない問題ですが、予算の面では残念ながら現われておらないような状況でございますが、大臣はこれをどういうふうにお考えになっておりますか。
○古井国務大臣 今回の予算措置の問題はそれといたしまして、十分でないじゃないかということがもとでの御意見でありますが、私も実際大勢のお母さんたちに何べんか実情を聞いたり、状況を現に見たりしてきておるような問題でありまして、あれをほうっておくというのは実際気の毒――気の毒以上の何とも言えない問題であると思いますので、今後についてはよく、口先だけでなしに、研究させてもらいたいと思っております。
○島本委員 今のような点については事務当局もあわせて大臣も、行政の面でも十分考えて、直ちに補正予算を組んででもこれは措置するような心がまえで臨んでもらいたいと思います。おそらく実態の調査はまだまだ厚生省としては足りないと思います。こういうような点も十分お考え願いたいと思います。この受療施設の拡充、病棟の増加、こういうようなものとあわせて肢体不自由児の施設並びに肢体不自由児の養護学校と申しますか、不適出ならば何ですけれども、学校施設、こういうような面でもまた不足ですから、十分拡張、増設を今すぐからでも考えてこれは実施しなければならない。現に後遺症が残っているこういうような子供のことを考えるときには当然必要な行政措置だと思いますが、これについて最後に大臣にはっきりした答弁をしてもらえれば、私としては大臣を信頼してこれでやめたいと思いますが、今後こういうような肢体不自由児に対しましての施設の増強並びにそこに働く人々に対しましての措置等もいろいろあわせて大臣の答弁を伺いたいと思うのです。
○古井国務大臣 できるだけのことはいたしたいと思いますので、さっきも申し上げたことかたがた御了承願いたいと思います。
○島本委員 現在までのいろいろなワクチンの問題、値段の問題とあわせて、輸入品とのいろいろの関係を考えて安く配給させるように考えることは、皆さんの方ですぐ措置してもらいたい。
 それから肢体不自由者に対する今後の措置は、大権の今の答弁が速記にはっきり残っておりますから、今後私は大臣を鞭撻する意味で、厚生行政を前進させる意味で、われわれもこの方面は一生懸命がんばりますから、一つ新しい感覚を持った古井大臣としては大いにがんばってもらいたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○山本委員長 大原委員。
○大原委員 昨日河野委員からいろいろ国産や輸入品の問題の話があったと思うのですが、今一番国民が問題としている問題は、今島本委員から指摘されました後遺症その他の問題、これは非常に大切な問題です。と一緒に、もう少し安くならぬのかということだと思うのです。非常に高いという問題である。私は医者ではないからそういう点はしろうとですけれども、きのうの御答弁によりますと、国産は一CCが四百五十円という御答弁であります。昭和三十七年で一二百四十五円まで下がるというお話ですが、製薬会社が使う原料はサルのじん臓、こういう限られたものですが、将来ともその問題で国産品が下がる見通しがあるのですか。さらに若干その先を見通した四、五年後のことを――アメリカでは、きのうの話によると一九五五年が一CC三百六十円、こういうふうに言っている。日本とは最初から非常に開きがある。すでにソーク・ワクチンについては国際的に相当研究が進んでおるわけでしょうが、そういう段階でも相当開きがある。この問題はやはり依然として国民の問題であると私は思うのですが、そういう点で、日本のそういう特殊事情があるなら特殊事情、あるいは将来もう少し長い見通しを持って値段を下げることができないのか、こういう問題につきましてお答えをいただきたいと思います。
○牛丸政府委員 結局国産品の生産コストの将来の見通しの問題ということになるわけでございますが、当初はいろいろな初度の設備その他がありますので、いずれの国においても一番最初の生産においては相当の価格が要るわけでありますが、しかし、これは年を経るに従ってだんだん生産効率がうまくなりますし、下がっていく傾向があるのはすべての医薬品において当然でございます。ただこのワクチンは特にサルの使用ということがございますので、一般の化学製剤のように、大幅に急激な値下がりをすることはどうしてもできないような一つの特殊性を持っておるわけでございます。しかし、三十五年に生産を始めまして、ようやく昨年の暮れからことしにかけて国産品が出回って参っているわけでありまして、それは三十六年までの年間の見通しで、私どもとしては一応業界のそういう経過的なものを見て、先ほどあるいは昨日の値段の見通しを申し上げたようなわけであります。それで三十六年の後期あるいは三十七年、さらに三十八年というふうに年次的な見通しをしますならば、おそらく今、三百四十円、これは大体輸入品等のプールでございまして、国産品としては原価で大体三百五十円、販売として四百円近くのものが予想されるわけでございますが、それがだんだんと下降傾向をたどりまして、三十七年になりましたら、国産品だけの原価でも三百円を切るというような見通しが一応立てられておるわけであります。従いまして年次的な傾向を見ますならば、あと二、三年たちましたら、国産品だけで二百円代には当然なっていく、そういうふうな見通しは当然つくわけであります。
○大原委員 今のお話では、昨日、私はこのときいなかったのですが、国産品の末端価格が四百五十円、こういうお話です。しかし今国産品の原価が三百五十円というお話なんですが、製薬会社が出すのが三百五十円で、それから末端価格が四百五十円、これはいわゆる需要の方はきまっていて、政府が補助しているようなものですけれども、少しもうけが大き過ぎるのじゃないですか。
○牛丸政府委員 三十四年までの製品が四百五十円で販売されておったわけでございます。これはまだポリオの問題が予防接種法の改正というようなことがいわれない、また伝染病予防法の指定を受けない前のことでございます。それで昨年の夏の輸入品を私どもが輸入を許可しまして、輸入するときの計算として原価の計算を見た場合には、国産品が三百五十数円だったのであります。それを基礎にしまして、国内品の三十六年までの生産量と、それから昨年の十月から今年にかけて輸入しました輸入量とのプール計算によって、現在の二百九十五円という計算ができるわけでございます。それで販売が三百四十円というふうになっておるわけでございますので、一番当初は四百五十円で販売されておったということ、これは最終価格でございます。そういうことを申し上げたわけでございます。
○大原委員 まだちょっとわからぬ点があるのですが、大体二百九十五円の原価で輸入品とプールして三百四十円余りで売る、こういうことですね。それから国産品は、一CCが四百五十円であるが、二、三年のうちには二百円くらいになるであろう、こういうお答えですね。輸入品は一CCが五十円くらいですか。
○牛丸政府委員 昨年の十月以降輸入しましたものは、アメリカなりソビエトの国産の買付の価格が七十何円だったと思いますが、それに通関その他の措置を入れますので、原価が百十何円くらいになるのです。五十円というのは、昨年の私どもの輸入の許可の価格では、そういうふうな安いものはございません。
○大原委員 これは外国、たとえばアメリカならアメリカの現地の値段が五十円くらいで、そして日本の港へ着いたときに七十五円くらいで、通関その他関税等を入れてきて百十円余りになる、こういうことですか。大体そういうことでしょうね。国産品についてそういうふうに二、三年のうちに二百円くらいに下がっていくというのですが、どこを大体押えて予算を立て、あるいは消費舌に負担をさせるのですか。本年のソーク・ワクチンを使う国民は、その対象者は、大体三百四十七円だというのですが、できてくるメーカーからの時期によりましても、ずいぶん差があると思うのです。そこは大体どういうふうに押えるのですか。もう一つはどこの機関がその値段をきめるのですか。
○牛丸政府委員 医薬品の価格決定には、これは統制価格でもございませんので、生産の価格は生産者がきめるわけでございます。従いまして今度のものにつきましても、私どもの方でこれを何円にしろというふうなことはできないわけでございますが、これはワクチンの性質からいいまして、なるべく安く供給されるように行政指導をしているわけでございまして、二百九十五円という価格は、これは六社の製造業者がございますので、その各社の内容について業界が決定したわけでございまして、私どもの決定した金額ではございません。
○大原委員 ついでに六社というのはどういう会社ですか。そうして六社を選定されたのはだれですか。
○牛丸政府委員 六社の内容は、千葉の血液製剤の千葉血清、これは財団法人でございます。それから北里研究所、阪大の微生物研究所、武田薬品工業、東芝の薬品工業、熊本の化血研。これは各申請に基づいて厚生省の方できめたわけでございます。
○大原委員 その他の製薬会社は作ってないのですか。他の製薬会社をそういうふうに指定しなかった理由は何ですか。
○牛丸政府委員 ワクチンの製造は、一般医薬品と違いまして、非常に危険性がございますし、経費もかかりますので、ただいま申し上げました六社から製造をしたいという申請がございまして、それに対して製造の許可を与えたわけでございます。その他の社においては作っておりません。
○大原委員 六社を指定して、六社だけで作っておるということですが、会社によって値段が違うだろうし、でき上がる時期によって値段が違うだろうと思うのですが、そういう時期等は問題にしないで、一年間昭和三十六年は幾ら、こういうふうに業者がきめて、厚生省にその値段をのましたわけですか。
○牛丸政府委員 先ほども申し上げましたように、価格を決定するということは、行政権もございませんので、業者が決定をするわけでございますが、私どもは事柄の性質から価格を低廉にするように指導し、それによって今の価格が決定されるわけでございます。こういういきさつでございます。それで年間の生産量とそれに要する経費、たとえば生産が幾らに対してサルが何頭要る、そういうふうなものを全部計算をして、その価格を一CC当たりに割り出した、そういう値段であります。
○大原委員 この六つの会社の生産量はそれぞれ違いますか。
○牛丸政府委員 同じでございます。
○大原委員 昭和三十六年にサルは大体何匹輸入するんですか。私のお聞きしたい点は、日本にサルが何匹いるのか。サルの自給度は大体どれくらいで、何匹のサルをどこから輸入するのか、こういうことを聞きたいわけです。これは特殊なもので、まだほかに問題がありますけれども、そういう点ですから、あなたの方は原価計算しておらなければいかぬでしょう。
○牛丸政府委員 大体年間で二万頭程度のサルが必要でございます。その一頭の価格は二万円前後でございます。業者によって輸入品が多少違いますが、大体二万円見当でございます。
○大原委員 日本にはサルは何匹おりますか。大体何匹この方へ使いますか。
○牛丸政府委員 日本のサルは一頭も使いません。
○大原委員 そうですか。そうするとどこのサルですか。
○牛丸政府委員 大体東南アジア、マレーとかフィリピンとか、そういうふうなところから現在各業者が輸入しております。
○大原委員 もしわかっていたら御答弁いただきたいのですが、アメリカの原料は――アメリカは最初から、一九五五年、初年度から一CCが二百六十円でできておるんですが、これは末端価格だと思うのですが、アメリカにはサルがいるんですか。原料はアメリカのサルを使うんですか。
○牛丸政府委員 アメリカも同様に東南アジアからサルを買い付けて輸入しております。
○大原委員 アメリカの方が労賃や人件費は高いんですし、輸送の距離も長いと思うのですが、日本の方がなぜそんなにアメリカよりか高くつきますか。もうすでにそういう技術的の研究は基礎はできておるわけですから、その結果を、学問を実際の製作に利用するわけですから、そういう工場設備やその他にいたしましても大体劣っていないと思うのですが、そういう点で日本の方が高くつくというようなことはどういうことでしょう。これはだれかがもうけているのですか。メーカーの方がもうけ過ぎているのですか。
○牛丸政府委員 先ほどの、アメリカで三百六十円というのは卸価格でございますので、日本の三百五、六十円と大体一致するわけでございまして、当初の生産費は両国ともほとんど同じだということでございます。
○大原委員 一九五五年の三百六十円、一九五七年の二百四十円、こういうのはメーカーが消費者に渡す価格である、私はこういうふうに理解しているのです。そういたしますと、やはり値段は日本のと違うでしょう。国産は一CCが四百五十円ということになっているのです。これはうんと違うんですね。
○牛丸政府委員 一九五五年の三百六十円は卸価格でございますので、日本の先ほど私が言いましたのと同じでございまして、四百五十円というのは、一番最初に日本国内で医者に渡された最終価格でございます。従って卸価格においては、日本もアメリカも当初においてはほとんど差はないということでございます。
○大原委員 現在のアメリカにおける卸売価格をお知りでしたら、一つ念のためお答えいただきたい。
○牛丸政府委員 一九五九年のものまでしかわかっておりませんが、大体今もあまり差はないと思います。九CC四ドル三十セントでございますので、一CC当たりが百七十四円程度でございます。
○大原委員 アメリカ以外にヨーロッパの方の値段はどんなですか、輸入する場合……。わかっておりますか。輸入品の中でアメリカかヨーロッパか、どっちがいいかということですね。
○牛丸政府委員 日本はアメリカ、カナダ、それからソ連、三国からしか現有輸入した実績がございませんが、カナダとアメリカの価格は同じでございます。ソ連は別に価格がなかったわけでございますので、アメリカの輸入価格と同一にするということでございます。それでヨーロッパの方も、製品は検地基準が違いますので、日本は輸入をしておりませんが、たとえばフランスのパスツールあたりで作っているものは、大体アメリカ製品の七、八割高か倍くらいの値段と私は記憶しております。
○大原委員 詳細に議論すればともかくですけれども、私は全体的に見てみまして、一九五五年にアメリカで三百六十円でできておって、今日日本でやはりそれ前後の原価がかかるというのは、賃金も低いし、コストは日本が低いわけですから、これは時間的に見てみましても、技術的な問題を考えてみましても、日本のは少し高過ぎるんじゃないか、こういう気がいたします。大臣はそういうふうに思いませんか。
 それからもう一つは、六社が、業者が値段をきめて、これは自由経済なんだから価格統制できぬと、こう言われるが、しかし需要者の方は国のわけです。国民にかわって国が買うわけですから。だからそういう問題について、私は手放しでそういう点を放任することはできないし、さらにこれは予算を使う問題もありますから、六社の業者が価格協定をして、そしてできるだけせり上げた価格で売りつけるということも十分あり得ると思うのです。それはもう少し条件を検討しなければわかりませんが、いわばこれは一つの独禁法の問題にも関連する問題だと思うのです。経済を建前として業者が自主的にきめたと称して、場所的にも時間的にもどんどん条件が変わっているそういう値段を、政府に同じような価格で売りつける、こういう行為は、これは国民に売りつけることになるけれども、これは自由経済の中においていわゆる統制価格、独禁法に触れるんじゃないですか、価格のカルテル行為じゃないですか。この点はどういう御見解ですか、その点もあわせて、すぐ大臣というわけにもいかぬだろうが、この点について御答弁願いたい。
○牛丸政府委員 アメリカが生産に入ったのと日本が生産に入ったので五、六年の差がございますが、なぜそれがほとんど同じくらいの価格であるかというその一つの理由は、サルの値段が、アメリカが生産した当時と今日では――この問題が発見されたのが一九五五年でございますので、アメリカが製造したのが世界で一番最初でございますが、それから各国製造に入ったということで、サルの需要が非常に急激に進んで参りまして、当初と今日ではサルの値段が大体三倍になっております。それがコスト高になる一つの大きな理由じゃないか。その他の問題については、合理化その他がありますので、コスト・ダウンの要素もございますが、それとは別に、原料としてのサルの値段が非常に高くなっておるということが大きな原因ではないかというふうに私は考えております。
 それから独禁法については、私今直ちに法律の条文をあれしませんが、これは、この緊急の事態に応じてなるべくそういう安い値段で作ってもらうという私どもの要請に対してこたえたわけでございますし、協定をして値段をせり上げたという事実はないと思いますので、その点の心配はないのではないかというふうに私は感じております。
○大原委員 あなたは、最初ごろの答弁は、価格については、これは業者が協定をしたのであって、自由経済の建前から規制できない、こういうお話でしたから、私は業者がそういう条件が違い、時間的にも場所的にも違っておるのに、そういう条件の中で価格の協定をして売りつけることは、これは明らかに独禁法違反である、私はそういう見解を持って質問いたした。そういたしまするとあなたの御答弁はすぐひっくり返りまして、これは値段については政府が安くするようにしたことにこたえたのである、こういう御説明である。私は決して疑惑を持つわけではありませんけれども、厚生省の出身のお役人で製薬会社や製薬会社の関係の団体の役員をしておる、こういった方が相当数あると聞いておる。そういうことになって参りますと、やはりこれは一つの問題であります。もちろん退職されました後に職業をどういうふうに選ばれるかということは職業選択の自由ですけれども、私は念のためにお聞きをしたいのですが、局長さんとか課長さんとかいう人でそういう方面へ出ていって、厚生省とよく話ができる、皆さん方の先輩にこういうふうな人が相当数私はあると思う。それは事実でしよう。
○牛丸政府委員 役所をやめられてからあと製薬の関係の方に入っておられる方もあるかと思います。従ってそういう人は一切ないというふうには言えませんけれども、数については私今つまびらかにいたしません。
○大原委員 もう一つ、落ちていましたからもとに返って聞くのですが、二万頭のサルで昭和三十六年度に国内で消費する大体何%の国産ソーク・ワクチンを作るのですか。
○牛丸政府委員 年間の需要といたしましては大体一万一千リットルくらいになります。そのうちで輸入品は今のところ四千五百リットル、そのほかは全部国内で作るわけです。約七千二百リットルのものが作られるというふうに予想されております。
○大原委員 輸入は。
○牛丸政府委員 輸入は現在までで約四千五百リットル。
○大原委員 四千五百と七千二百……。
○牛丸政府委員 その割合です。
○大原委員 来年はこれがどのくらいに変わっていくということなんですか。
○牛丸政府委員 輸入品は当初の不足に充てるための輸入でございますので、来年は国産品でまかなうわけでございます。
○大原委員 私はできるだけ国内で生産をして、それを通じて研究も進んでいく、こういうことが国民経済の上からもあるいは技術の進歩の上からもいいだろう、たといなまワクチンの問題が出たにいたしましてもいいだろう、こういうふうに原則的には思う。しかしこれは原料をそっくり他の国から輸入をしているということもある。そこでその問題については、輸入品でやればみな安いものを買えるわけですからいいようなものですが、まあその点についてはすみやかに結論を出すことはしない。しないけれども、大量生産に向かって国産で自給ができるようになるという見通しを急速につけ得るまでは、できるだけ他の国から安いものをたくさん輸入すればよろしい、少なくとも私はそう思う。そういう点で一つ問題があるのと、それからどうしても私がふに落ちない点は、厚生省が自由価格、自由経済といいながら業者の値段をのまれた。こういう問題については、たとえばサルのじん臓を使う効率だって、技術が進歩すればずいぶん変わるわけですから、サルの値段が三倍になるといいましても、それはまたそういう専門的なことはわからぬが、常識的にもいろいろ問題があるように思う。そこでやはり一応国産の末端価格が四百五十円となって、そうしてプールされて三百四十七円になる、そういう問題については私は、厚生省がそういう面においてできるだけ国の自給度を増していくという観点と、安いものを国民に出していくというそういう観点からいたしまして、コストについて計算すべきで、その点について明朗なそういうシステムを作っていただくことが必要ではないかと思う。厚生省の一局あるいは担当者だけの一存とは言わないけれども、それと直接業界が結びつく形でこの値段をやっていくということについては、私が今まで御質問申し上げた点からもいろいろ疑義がわいてくる。結論は申し上げないけれども疑義がある。だからこの点については私はもう少しガラス張りの中に入れて、できるだけ安くするという方針で――これは売れるのですから、作ったものがメーカーや店頭に停滞するということはないのですから、だからこの点についてさらに安くなるようなそういう価格決定のシステムと、そして実際にこれが安くなるようなそういう努力を私はぜひいたしてもらいたい。非常に高いということが全国民の一つの問題です。値段が出るたびにそういうことを思っておる、五十円、五十円というふうに考えておる人がたくさんある。巷間でいろいろ話している人の言葉を聞くと、輸入品は五十円と言って演説しておる人がたくさんある。だから私はその点については十分納得のできるような措置をしてもらいたい。これは大臣に一つ御答弁をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○古井国務大臣 輸入品の価格に比べて国産品の価格が高いという点については、なるほどこれはいろいろな感じが起こるであろうと思うのであります。今わかっております事情は先ほど来関係の局長からも御説明をしておったようなことでありますし、それ以上私が申し上げる知識もありませんが、しかし何らかの安くする道があり得るものなら、これは検討してみなければなるまい。私もよくわからないけれども、五十円とか七十円とか、そういうものも入るんではないかと言われると何か高いような気がするという、そういう見方にも一ぺん耳を傾けてみなければならぬという気がするのであります。それ以上のことは私はどうも今御答弁できませんけれども、道あらばと思っております。
○大原委員 ワクチン以外に、厚生省の方で指定したりあるいは使っておるそういう注射液や薬品について、この価格決定について何らかの方法をとっておるのがありますか。
○牛丸政府委員 そういうものは他にはございません。ワクチンだけがそういう非常に高いという一般の声がございましたので、輸入品と一緒にして、そうして安くするということを業界に要望したわけでございます。
 それから、先ほどこういう決定は薬務局だけでやるというようなもしお言葉があったならば、その点は少し誤解ではないかと思います。このプール方式につきましては、これは全部大臣の御決定の上での措置でございます。そのことも念のために申し上げておきます。
○大原委員 たくさん業者がある中で、六社を指定するということが問題なんです。そうして輸入品の割合と国産品の割合をどうするかということと、年次的にどうするかということも非常に大切なんです。これは業界の意見と国民の立場に立った意見と――必ずしも政府の現在やられている措置が最善ではないと私は思う。だからそういう急速にかつ国民の要望に沿うてなされなければならぬものでありますから、そういう点について私はたくさんの会社にもうけさして、そうしてできるだけ国産で高いものを多くしておいて、そうしてその問題についてみんなが納得できるという方向をとらないで、そういうことをおきめになるということについては、私は問題があると思う。だから私はそういう三、四の点について十分検討していただきたい点と、こういうふうに値段をきめられた資料を要求しようかと思ったのですが、この問題は後日の問題といたしまして、これは私の方から重ねて、安く国民の手に渡るようなそういう方向について格段の努力をしていただきたい、こういう点を要望いたしまして私の質問を終わりたいと思うのですが、最後に一つ大臣の御所見を伺いたい。
○古井国務大臣 先ほどお答えいたした通りでありまして、今日事情のわかっておるものは局長から答弁した通りでありますが、何らかそこに道があるものかないものかということは、これは一つ私もちょっと割り切れないような気もいたしますし、十分検討してみたい、研究させてもらいたいと思います。
○山本委員長 滝井義高君。
○滝井委員 予防接種法の一部を改正する法律案について、ちょっと一、二点だけお聞きいたしたいのですが、まず小児麻痺の予防接種にあたりまして、生後六カ月から生後二十一カ月に至る期間を第一期としておるわけですね。この第一期という意味は、六カ月から二十一カ月の間に三回をやってしまう、こういう意味でしょう。
○尾村政府委員 お話の通りの趣旨でございます。
○滝井委員 そうしますと、第一期終了後、今度は十二カ月から十八カ月の間に第二期をおやりになるわけですね。そうしますと、まず生後六カ月で一回やって、それから一カ月たってもう一回やって、それから六カ月ないし七カ月たってもう一回やる。そうしますと大体一年で第一期を終わってしまう。早くやってしまえば十三カ月で終わるわけです。それから今度は第二期をその後十二カ月から十八カ月までにやるわけですが、そうしますと、その免疫期間は一年、こういうことですか。
○尾村政府委員 全然そういう意味ではなくて、これはもう第一期で相当な免疫は発生しておるわけでございます。それをさらに第二期においてやるのは、それをさらに増加する、こういう学説に基づきましてやっておるわけでございまして、一年か二年で切れてしまうものに対するブースター方式とは全然違いまして、むしろあとからあとからつけ加えていく、ほぼ第二期まで過ぎますと、もう十才くらいまでは免疫が十分続いておる、こういうような意味の第二期でございます。
○滝井委員 そうしますと、これはやはり受ける側からいけば、多々ますます弁ずで、なるべく免疫力が強い状態で持続することの方がいいわけですから、従って今のように小児麻痺の恐怖症というか、局地的にはそういう感じがあるわけです。そういうところでは、とにかく一年以内にもう一ぺん第二期をやってもらう方がいい、こういう形になるわけです。そこでそこらの指導の仕方を十分やっておいていただかないと、一年も二年も免疫があるのにくびすを接してやるということになるわけです。十二カ月から十八カ月ということになりますと、相当の、半年程度の間隔がありますから、だから同じ人が、衛生思想が発達して教養のあるような家庭、それから問題は金なんですが、私はあとから金の問題を言いたいのですが、金のあるところはやはり何と申しますか、三十六カ月までの間に、三年までの間に三回くらいやる人が出てくる可能性が出てくるわけです。こういうことは、金がよけいかかるだけに特殊の子供だけが非常にその恩典を受けて、他の子供が恩典を受けないという状態が出てくる。特にそのワクチンが不足すればするほどそういう傾向が濃厚になってくる可能性があるわけです。しかもワクチンの不足というものは、同時に人心にこの小児麻痺に対して恐怖感を増大せしめるわけですから、ここらあたりの行政の指導というものはよほどうまくやっていかなければいかぬと思うのです。大体免疫というものが二年なのか三年なのか続けば、そうあわてずに一年以内に注射をやらせる必要はないと思う。こんなにみんな待望しているわけですから、広く全国的にやったらいい。そこらの確信のある行政指導というものを尾村さんの方でやってもらわなければいかぬと思いますが、そこらをもう少しわかりやすく、僕らの納得いくような解明をしてもらいたいと思うのです。
○尾村政府委員 御説の通り、確かにこの時期の問題については、このときやれといったとき、そのときにやるのが適当であるという理由を地方にもよく徹底しないといかぬと思いますので、その点は御注意のようにやりたいと思います。その理由といたしましては、まだやり始めてから数年でございますので、最後の十年、十五年の、まだ免疫効果の見当はわかりませんけれども、今の例では、放物線を描いて免疫力が上がっていく。その上がり方を、ちょうどこの時期にやると一番理想的な上がり方をする。こういうことでございますので、従って第一期をこういう形でやり、それから一年たったところに第二期をやりますと、放物線が一番よく上がるという理屈に基づいてやっておるわけであります。従いまして、十二カ月、十八カ月で半年あけましたのは、この間はどうでもいいというのではなくて、前の時期がやはり春と秋にやるというのが中心になるので、六カ月から二十一カ月の間にやりなさいといっておりますが、できれば六カ月に集中してまずやっておけば、それから一年目というのが一番いいのでございますが、ただまあ、そういうのが実態として全国一斉に春のある日にというふうにできませんものですから、この間を二次的にやむを得ず開いておる。それから二期目でもそういうような間で開いておる。こういうことでございますので、行政指導の場合に、お話しのように、やはり前から一年目にやるのが一番いいんだ、それが学説的にもいいんだということは十分徹底しておきたいと思います。それでありませんと、また三カ月目にやりたいとか四カ月目にやりたいとか出ますと混乱を起こしますので、そういうふうにいたしたいと思います。
○滝井委員 そこらの第一期と第二期の関係について、ある程度統一した行政指導をしておかぬと、このような生後六カ月から二十一カ月というような非常に幅の広い、第一期の期間の間を置いて、そしてその次にまた一年後の半年ぐらいの間に第二期をやるというようなことをしておきますと、全国的に見てもなかなか統一がとれないと思うのです。だから、こういうものはやはり免疫力をすべての国民が一様のレベルを持っているということの方が、防疫対策をやる上にも私は非常にいいと思うのです。こういうところは行政指導でおできになるわけですから、ぜひそうやっていただきたいと思います。
 そういたしますと、そういう足並みをそろえますと、第一期で六カ月から二十一カ月までの間に足並みをそろえてやる子供の数というのは、どの程度になるわけですか。
○尾村政府委員 これは今の実施率というようなことを除外いたしまして、対象になる子供の数となりますと、第一期の該当は平常年度、すなわち〇・五才から一・五才までの間にやる、一年間の生まれる数であるほぼ百六十万人、これがくまなくやり終うせれば、百六十万人が平年の対象になる。それから明年度、三十七年度に限りましては、臨時に、このほかに一・五才から三才までの者をやりますので、実際にいいますと、ほとんどその間に死亡した減少率は約一割でございますから、百工十万近くの者が対象になる。合わせまして約三戸十万人が対象になるわけであります。人数の実数からいうと、それが基本的な対象数、こういうことになるわけでございます。
○滝井委員 そうしますと、いわゆる第一期としてやる分が三百十万人ですね。それを今度は二期に引き続いてやるわけですが、この三百十万人の中から一体どの程度の者を第二期に見積もってくるかということです。
○尾村政府委員 私どもの方では、二期は、原則としては、途中でほかの病気で死亡した者等を除きますと、せっかくこれをやるならば、全部が二期を受けてもらうというようなものを対象にするわけでございます。ただ、ジフテリアでもこれと同じような年代の者が一期と二期をやるわけでありますが、ジフテリアの場合には、第一期を終了した者が第二期を受けるときには、ほぼ六割ないし五割程度に落ちてくるわけでございます。いろいろな行政指導で勧めるのでありますが、これが対象率が非常に落ちるということでございますので、これは三十六年度中にはまだこの対象全部が二期に入りませんが、それ以後になりますと、七年度以降は、どの程度の者をぜひ実施をするのだということの見込みをまだ正確にはつかんでおりませんけれども、できるだけ、二期はもうみんなが受けるようにさせたい、こう思っておるわけであります。
○滝井委員 それで、大体対象人員はわかりました。二期で、行政指導がうまくいけば、第一期の三百十万人と同じ程度の者が第二期をやられることになるわけです。まあ、現実にジフテリアのような場合五割ないし六割ということですから、百五、六十万程度がやることになるのでしょう。そうしますと、問題は、今まで予防接種をやるときには市町村長は実費を徴収しなければならぬという義務的な拘束力のある条文になっておったのですが、今度は実費を徴収することができる、こういうことで割合弾力を持たせたわけです。無料でもいいということになったわけです。そうしますと、これは市町村の財政力によって相当左右されることになってくるわけです。あるいは、衛生的な思想が非常に普及しておる人が市町村長になっておるかどうかということにも関係してくると思うのです。私は、こういう行政は、特に今ジフテリアとかレントゲンの間接撮影を結核予防のためにやるというのが大体十円か十五円でやっていまして、非常に安いわけです。しかし、この小児麻痺に限っては三百何十円、昨年の暮れに私が質問したときには三百四十円になってしまったわけです。相当高いわけです。それを三回やるわけですから千円以上になる。これでは貧しい家庭ではとてもやれないという問題が出てくるわけです。そこで、この前は、あなたは、生活保護階層やボーダー・ラインのところはできるだけ無料にしたいが、そういうところについては三分の一とか四分の一とかの金をもらうのだ、それから所得税、市町村民税を納めておれば全額いただきますというようなことだったと思うのです。で、この間、私はちょっといなかから出てきた人にいろいろ聞いてみたのですが、なるほど最近はワクチンがだいぶ出回ってきました、ところが、どうもやはりボーダー・ラインの人をしぼるのに町村は相当無理をせぬとだめです。それで貧しいところが行きたくてもなかなか行けぬという状態がありますという意見なんですよ。それで私は、こういう条文をお入れになるからには、価格差補給金ではないけれども、やはりその差額というものは国が全部見ることがいいと思うのです。これは百万人から百五十万人やったって、何百億と金がかかるわけではないのですから、製薬企業から幾分の適正な利潤を与えてお買いになれば、何十億もの金がかかるわけではない。ことしの予算を見ても四億六千万円しか計上していない。これを十億ぐらい計上すればそれで片づく問題だと思うのですよ。それですから、私は昨年、予算編成の前に牛丸さんなりあなたに御質問申し上げて、それを要望しておいたわけです。しかし、今度は前よりも、予備費を二億ばかりお出しになったし、四億六千万円ばかり予算にお組みになっている。それで、一体具体的な取り扱いはどういうことになるか、これをちょっと条文の上で見ますと、この予防接種法の五条で、定期のものは国が三分の一持ちますね。それから臨時のものは六条関係で国が二分の一持つわけです。そうすると・市町村の負担する分の三分の一を県が持ちますね。それから県の負担する分の二分の一を国が持つわけですね。そうすると結局、たとえば六十円かかるとすれば三十円は国や県が持ってくれて、残りの三十円を市町村と本人が持つ、もし六十円とすればそういう格好になるわけですね。ところが、自治体に力があればその三十円を全部出すということになるかもしれない、力がないと三十円のうち十円しか市町村は出せない、あとの二十円はあなた方負担しなさい、こういうことになるかもしれない。今私は、計算がしやすいから六十円ということでやってみたのですが、こういう格好になる。問題は、日本の大衆は貧しいから、金を納めてまで予防接種をやらなければならぬかということになる。その付近に流行があればわれ先に行きますよ。三百円でも一回か二回行くかもしれない、三回目は忘れても……。しかし、流行が非常に遠いところにあるということになると、なかなか実施ができない。そうすると、免疫力の処女的な状態にあるから、何かぱっと強いやつが入ってくると、突発的、爆発的に起こってくる、こういう状態にあるわけです。それでは金がどぶの中に捨てられる形になってくる。だから、免疫力を全国的に強めようとすれば、国が相当施策の金を出す必要があると思う。この点法律上の取り扱いは、一人にした場合にどうなるのか、三百四十円だったと思いますが、今一体幾らになっておるのですか。国、県、自治体、本人の負担分、こういうのをちょっと具体的に説明してみてくれませんか。
○牛丸政府委員 二十三条関係につきまして御説明いたしますとわかりいいと思いますが、現在最終の手渡し価格が三百四十円でございます。それに、法律によって市村町長がやりますので、市町村長がお医者さんを雇い上げていろいろなことをやりますが、その事務費を頭割りにしたものを七円と予定しておる。従って、三百四十七円、一人について一回の注射にかかる、こういうことであります。これは貧乏な市町村になると、自己負担を出す家族が減るわけでございまして、裕福な市町村でありますとその比率がふえますが、全国平均にいたしまして四九%は有料、五一%が無料ないしは減額、こういうことになる。従って、今の町民百人のうち、平均して四十九人は三百四十七円をその場で町に対して納める、従って町は、町長が実施いたしますが、それはちょうどバランスがとれて、ただでやったと同じ、自分の町費を出さぬでやれる、こういうことであります。それから五一%のうち七・三%はいわゆる生活保護階層、一切税金を納めないという条件のものはただ、従って、これは三百四十七円かかるのは町が全額負担する。それから残りの四三・七%、これは町村税の平均割だけを納めている階層、いわゆるボーダー・ライン層、これは全国平均四三・七%あるという見込みで、これは四分の一だけ本人が負担する、四分の三は町村が負担する、こういうことになるわけであります。従って本人は、八十七円くらいになりますか、それだけ出せばいい、残りの二百何十円は町村、こういうふうに計算しまして、町村が出しました分について、子のうちの三分の一だけを町村が持つ、一ぺん支出したものの三分の一だけを自前で持つ、それから残りの三分の二の半分である三分の一を県が見る、それから残りの三分の一を国が見る、こういうことになっております。この国の最後に見る部分を統計いたしましものが今度の予算案に載っておる、こういうことになっております。もちろん臨時予防接種は府県と国だけで、これは本人負担もなし、町村負担もなしで、一切国と県で見てしまう、こういうことになっております。
○滝井委員 よくわかりましたが、やはり問題は、市町村民税の均等割だけを納めているのが四割三分七厘、ここらにあるわけです。私はさいぜん申しましたように、ここらの締めつけが相当行なわれる。日本の大衆は予防接種まで金を出すだけの余力はなかなかないわけですね。こういう行政というものは、税の自然増収がたくさんあるんだし、むしろお出しになって、やはり何か国が施策を出すべきだと思う。それから、特に四九%に当たる三百四十七円を全部持たせるところについても、こういう公衆衛生的なものを本人に金を持たせてやるということになると、お金があってもその近所に流行がなければ、やはり行かないということになる。こういう施策を、こういう貧富の格差によって料金を出したりなんかすることはあまりよくないと思う。こういうことをおやりになるならば、その分は税か何かほかの面でおとりになって、こういう施策は貧富の隔てなくやらないと、お金持ちの子供も貧乏人の子供も、みな大事な子供ですから、お金持ちの子供でもし行かないのがおって、そこから爆発したら、貧乏人の子供に影響を及ぼす。だから、私は昨年十二月中に警告した。両党首の会談にも、私たちは十億だけ入れたと思います。大臣どうですか。こういう施策を、わずかに二億か三億ぐらいの金を削って、そして貧乏人と金持ちを分けるよりか、公衆衛生なんですから、思い切って全般のものをどの子供も強制的におやりになる、こういうことの方がもっと前進するのではないか。国民健康保険その他の財政が豊かになって、予防給付までいけるというならば、保健所へみんな行かしたら一番いいと思う。ところが日本の保険財政はそこまでいかないので、やむなくこういう形になる。ところが大衆は、私が自分でやってみて、予防接種をやるときは保険証を持ってきますよ。それぞれ乳児手帳とか母子手帳を持っている。予防接種の手帳もある。それに判を押すからというと、みんな国民健康保険の保険証を持ってくる。これではだめだ、これじゃなくて予防接種の手帳だというと、そうですかといって、またとりに帰る人もおる。それでしるしをする。あなたの子供さんは予防接種を何回しています。種痘もしています。市町村長の判を押してやる。国民健康保険の保険証を持ってくる人がずいぶんある。そういうことですから、保険で予防給付ができない段階では、国が公衆衛生ということを見てやるのが一番大事だと思う。ポリオを撲滅する一番のてこだと思う。金を二百円も三百円もとってやるということであれば行かないので、日本の製薬企業はそれで保護されるかもしれないけれども、大衆は十分に伝染病予防ができない、こういうことになる。だから、それは製薬会社も大事ですから、製薬会社にその分の補給金をお出しになったらいい。そして、こういうものは大事なものですから、国が一括買い上げて、全部無料で出す、そして市町村が事務費だけくらい負担するという形にぜひやっていただきたいと思いますが、大臣どうですか、税の自然増もあるし、医療費の問題もどうせ補正予算を組まなければならぬのですから、そういうときに一緒に組めば医療費はそれだけ助かる。どうですか。
○古井国務大臣 こういう種類のものでありますし、強制接種などもやるのですから、全額公費で持つような行き方も一つかもしれぬと思いますけれども、しかし、とにかく負担する力もあるというところは、それぞれの資力に応じてある程度持ってもらうということも、今までの考え方からいくと、まれなことでもないのでありますから、その点はどうも一足飛びにそこまでいけるかどうか、なお研究しなければならぬと思います。ただ、価格そのものを下げることができますれば、どっちみち負担が軽くなるわけでございまして、あわせてよく研究したいと思います。
○滝井委員 私は、この四割九分に当たる市町村民税の均等割、それから所得割と申しますか、そういうものを納めている人までには一挙にいって下さいとはきょうは申しません。しかし均等割しか納めない、平均割しか納めないという四割三割七厘のこれらの人については、八十七円でも相当の負担ですよ。普通の十円か二十円の予防接種でも、貧しいところは払えないから来ないのです。そういう点をやはり政府としてはこの際お考えになって、カバーする必要があるのではないか、特に、私は他のものまでは言いませんが、これはやはり三百円も四百円もかかる。本人の四分の一の負担が八十七円もかかるという、このところだけの低所得の人々だけでも、国はやはり見てやることがぜひ必要だと思うのです。大臣、そこらのところまでは何とか御考慮願えませんか。百億の予備費もありますから、どうですか、このあたりは……。
○古井国務大臣 すぐ、それじゃそういたしましょうとまで、ここで即答はできませんが、よく研究いたします。
○滝井委員 じゃ一つ検討をお願いいたします。
○山本委員長 大石武一君。
○大石委員 ちょっと局長にお尋ねいたします。
 私の質問したいと思った大事な点は、今滝井君が指摘されましたので、それでわかりましたから、その点は省略いたしますが、大体三百十万人の小児を対象として、ことしは予防接種をされるわけですが、四月一日からそれを実施するためには、大体ワクチンその他の態勢は整っておるのですか、その点を一点伺いたいと思います。
○尾村政府委員 今のワクチンの供給につきましては、薬務局長から一番詳細なのをやってもらうことにいたします。その他の態勢につきましては、先般衛生部長会議並びに関係の課長会議を開きまして、政令市まで呼びまして、実施態勢は十分徹底いたしておるわけであります。残りは各府県、市町村が、いよいよ四月一日から始まる新年度予算の執行日に合わせて議決して、早く通せということを今鞭撻をしておるところでございます。これさえうまく整えば必ず出発できる、こう思います。
○牛丸政府委員 供給につきましては、需要の計画に基づきまして、私の方で各国内品の生産並びに輸入品でこれをうまくまかなうようにいたして参る。十分間に合うと思います。
○大石委員 局長の答弁、非常にけっこうです。ぜひとも十分間に合うように一生懸命努力願いたいと思います。
 それから予防接種――このポリオの接種と違いますが、予防接種法でちょっとわからぬところをお尋ねしたいと思います。それは、ここに今までは十、今度は急性灰白髄炎が入りまして十一になりますが、これはみな強制的な予防接種なんですね。
○尾村政府委員 いわゆる強制的と言っておりますのは、このうちの、従来でございますと、五番目までが定期予防接種ということで、ある時期が来ますと、強制されるものでございます。それから現行法の六番目の発しんチフス以下は、臨時に、そういう流行が起こった場合には臨時予防接種をある地域に命ずることができるという強制だけを含んでおるものです。今回の急性灰白髄炎が十一番目で、六番目に挿入いたしております。このゆえんは、今の定期というのに入る意味で、ここに入れたわけでございます。ほんとうの意味での強制の六番目というわけです。
○大石委員 わかりました。それで「痘そう」とか「ジフテリア」とか書いてありますが、一年やればいいわけで、毎年々々やる必要はないわけです。ところが腸チフス、パラチフスになりますと、大体毎年やらなければならぬことになる。そういうことになっておるのでしょうね。
○尾村政府委員 一応この法の建前ではそういうことになっておるわけです。
○大石委員 しかし実際にはこの腸チフス、パラチフスの予防接種をする人が毎年何%あるか。おそらく一〇%もないのじゃないかと私は考えます。海外旅行をするとかなんとかいう人はいたしますが、実際においてはやっている人はないと思いますし、またその場合、予防接種をしないために三千円以下の罰金にあったという例も今までほとんどないだろうと思います。でありますが、御承知のように、陽チフス、パラチフスは、伝染病のいろいろな発生状態が変わって参りまして、こういった腸チフス、パラチフスというものは、近ごろは患者の発生は全国的にほとんど見ないような状態だと思います。でありますから、こういうときに、しかも今後日本の環境衛生は非常によくなっていき、ますますこのような病気の発生はなくなっていくと予想されるわけです。そのような場合に、おそらく大部分のものが、その法律を守らないで、実施もされておらないというようなものを入れておくのは、少し実情に合わないような気がするのです。しかも法律がある以上は、これを守らないとよくないことなんです。そういう意味で、今後こういった腸チフス、パラチフスなんかを六番目か七番目以下のような、いわゆる流行時なんかにやるような方向にやるお心がまえはありませんか、それをお聞きしたいと思います。
○尾村政府委員 それはもうお説の通りでございまして、今全般的には三〇%以下の実施率でございますので、残すとすれば最初の初回免疫、生まれて何か月かたっておる、この部分ぐらいと、あとは臨時接種というふうにしたいと思いますし、すでに伝染病予防調査会の方の専門部会にこの改正について諮っておるところでございます。この結論が出ますれば、おそらく何らか今のお説のような結論になるのじゃないかと見通しておりますが、改めたいと思います。
○小林(進)委員 私は小児麻痺の極数をお聞かせ願いたいと思います。
○尾村政府委員 普通には二種類ございまして、脳性小児麻痺と、それからこれに当たります脊髄性の小児麻痺と、普通二つございます。
○小林(進)委員 今私どもは、脊髄性の伝染病の小児麻痺だけを論じておるのでありますが、脳性の小児麻痺というのは、どれくらいの人数がいて、それほど心配する必要がないのかどうか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○尾村政府委員 脳性の小児麻痺の方は、人数はこれをはるかに上回る膨大なものでございます。ただし、これは現在のところは公衆衛生上こういう伝染病という確定がございませんので、対策としては、公衆衛生としては今のところ皆無でございます。唯一ありますのが、最近はやっております母親の胎内におけるいろいろな原因がこれの原因であろうというので妊娠対策、妊娠中の保護対策が重要になってきたというので、児童局の方でこれを対象にいたしまして、新年度にも何らかの対策費をある程度見ているようでございます。現状は、そういうような状況でございます。的確な数は、今のところちょっと申し上げかねます。
○小林(進)委員 次は昭和三十六年度改正法がしかれてから三百十万人に要する――第一期、第二期と分けて、一体ソーク・ワクチンの総量がどれくらい要るのか、総軍と価格をお知らせ願いたい。
○尾村政府委員 今の対象人員は三百十万でございます。二期は、先ほどの御説明のように、次年度になりますので、第一期だけでございますが、量からいいますと、来年予定いたしておりますのは、先ほど薬務局長の説明いたしました一万一千リットル、これはちょうど千百万回分になりますが、これでいきますと、全部が三回やるといたしまして、十分これで間に合う、こういうことになると思います。
○小林(進)委員 その総価格はどれくらいになりますか。
○牛丸政府委員 一CCを三百四十円としまして約三十五、六億と思います。大見当でございます。
○小林(進)委員 これは第一期分でございますから、総経費というわけにはいきませんけれども、約二兆円予算からながめれば、わずかに三十一億円ないし三十五億円の予算でございますから、これは私は古井厚生大臣の手腕をもってすれば無料で配給することも可能ではないかと思うのでございます。それがどうもそこまでいかないで、第二十三条でやや前進的な修正をせられて、実費の徴収を免除することができるというふうな改正にしか進展していないことはまことに残念に耐えないのであります。この点を私はいま少しお尋ねしたいと思ったのでございますけれども、滝井委員の方からもはや質問が出ましたから私は省略しますが、ただこの法律のきめ方であります。政令でこの細部をおきめになるのだと思いまするが、先ほどの説明を一体どういうふうに記載されるのか。たとえていえば、いわゆる市町村民税を免除されている者は実費を徴収しないとか、あるいは市町村民税の均等割だけを納めている者は四分の一だけ徴収して、四分の三は公費負担にする、こういうような形で明らかにきめられるのか、依然としてばく然とした行政市町村の実情にまかせておくようにするのか、この点をいま少し明確にお聞かせ願いたいと思います。
○尾村政府委員 ただいま小林委員の申された通りに政令を――文革はちょっと違いますが、大体そういうような形の政令を作る、こういう予定にしております。
○小林(進)委員 これで終わります。
○山本委員長 これにて質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○山本委員長 これより本案を討論に付します。
 通告がありますので、これを許します。井堀繁雄君。
○井堀委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、本案の趣旨に対しましては、おおむね賛成をいたしたいと思います。
 ただこの内容を拝見いたし、また質疑の間にかわされました当局の説明などによりますと、いわゆる小児麻痺に対する政府の態度はやや消極的であるかに感ぜられるのであります。最近小児麻痺に悩まされます家庭はかなり深刻な実情にさらされておりますことは申すまでもありません。これを至急に善処いたしますための措置は、当然厚生省において考えられなければならぬことでありますが、その措置といたしましては、この法案の改正では幾多の不備が指摘されておるのであります。たとえば薬品の配給などにつきましても幾多の手落ちを生じており、あるいは価格や施行などに対する技術上の問題についても多くの非難があるのでありまして、こういう問題を十分考慮されまして、すみやかに解決のできるような措置が望ましいのであります。こういう意味におきまして、私どもは本案の趣旨に対しましては賛意を表するものでありますが、その内容のより積極性を必要とする点について附帯決議を要求されるようでありまするので、その内容にわが党の意思も盛り込んで、賛成をいたしたいと思います。
 以上で討論を終わります。(拍手)
○山本委員長 これにて討論は終局いたしました。
 予防接種法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○山本委員長 起立総員。よって本案は、原案の通り可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○山本委員長 この際、柳谷清三郎君外二名より、予防接種法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されておりますので、その趣旨の説明を求めます。柳谷清三郎君。
○柳谷委員 予防接種法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の案文を朗読いたします。
 政府は本改正法の実施にあたりすみやかに次の措置をとるべきことを要望する。
  一、急性灰白髄炎後遺症対策として肢体不自由児施設等の積極的整備をはかること。
  二、ソーク型ポリオワクチンの使用については特にその価格の低下に努めること。
  三、ポリオ生ワクチン並びにガランタミンの研究体制を確立しその実用化を促進すること。
 なお、この附帯決議は、自由民主党、日本社会党、民主社会党、三党の共同提案であります。
○山本委員長 本動議について採決いたします。
 本動議の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認め、本案には、柳谷委員外二名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、厚生大臣より発言を求められておりますので、これを許します。古井厚生大臣。
○古井国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処いたしたいと思います。
○山本委員長 お諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
 本日はこの程度にとどめ、次回は、来たる十四日午前十時より開会することといたし、これにて散会いたします。
   午後一時四十七分散会
     ――――◇―――――