第038回国会 本会議 第17号
昭和三十六年三月十七日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  昭和三十六年三月十七日
   午後一時開議
 第一 森林火災保険特別会計法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 第二 国立病院特別会計法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 第三 果樹農業振興特別措置法案(内閣提出)
 第四 科学技術会議設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 第五 原子力委員会設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 多賀谷真稔君の故議員渡邊本治君に対する追悼
  演説
 原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
 日程第一 森林火災保険特別会計法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 日程第二 国立病院特別会計法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 日程第三 果樹農業振興特別措置法案(内閣提
  出)
 日程第四・科学技術会議設置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 日程第五 原子力委員会設置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 海上保安庁法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国
  との間の協定の締結について承認を求めるの
  件
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
  提出第二四号)
 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 公労協スト対策並びに官紀紊乱に関する緊急質
  問(長谷川峻君提出)
 公労協関係の労働問題に関する緊急質問(小林
  進君提出)
    午後五時二十九分開議
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(清瀬一郎君) 御報告いたすことがございます。
 議員渡邊本治君は、去る三月十四日逝去せられました。まことに哀悼痛惜の至りにたえません。同君に対する弔詞は、議長において、昨十六日贈呈いたしました。これを朗読いたします。
  〔総員起立〕
 衆議院は議員従五位勲三等渡邊本治君の長逝を哀悼しつつしんで弔詞をささげます
     ――――◇―――――
 多賀谷真稔君の故議員渡邊本治君に対する追悼演説
○議長(清瀬一郎君) この際、弔意を表するため、多賀谷真稔君から発言を求められております。これを許します。多賀谷真稔君。
  〔多賀谷真稔君登壇〕
○多賀谷真稔君 ただいま議長から御報告のありました通り、本院議員従五位勲三等渡邊本治君は、去る十四日夕刻、病気のため逝去されました。私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、つつしんで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)
 渡邊さんは、昨年暮れより病にかかり、去る二月初めに入院し、ひたすら加療に努めておられたのでありますが、不幸にも、ついに御本復を見るに至らなかったのでありまして、まことに哀惜の情にたえない次第であります。
 渡邊さんは、明治三十四年四月、愛媛県西条市に出生されました。生家は農業を営んでおられましたが、十才の年に父君がなくなり、そのため、幼い妹さんをかかえて商店に働き、あるいは銅山に入るなど、人生の辛酸をつぶさに味わわれたのであります。十七才のとき、一家とともに九州に渡り、やがて渡邊さんの第二の故郷となり後には選挙区ともなった筑豊炭田地区に居をかまえ、人生の道を開拓するため、さらにあらゆる苦難と戦った後、大正十四年に中島炭鉱に入社されるに至りました。渡邊さんは、日夜激しい坑内労働に従事しつつ、その志を伸ばすべく強固な意思を持って奮闘努力されたのであります。その間に身をもって体得した豊かな知識と鋭い感覚とは、よく採鉱技術の急所を把握し、後年経営者として活躍される素地を作られたのであります。(拍手)
 昭和十三年には、独立してみずから炭鉱の経営に当たり、一意、事業の発展のために努力を続けられました。ことに、終戦後は、石炭増産の要請にこたえるため、荒廃した炭鉱の再建に、あるいは新しい炭鉱の開発に、なみなみならぬ苦心を重ねられたのであります。かくて、その事業は漸次拡大し、現在では、伊岐須、古月、稲築等の鉱山を傘下におさめている渡辺鉱業株式会社の社長として、また、北九州石炭鉱業会評議員、日本石炭鉱業連合会常任理事として、わが国石炭業界に重きをなしておられたのであります。渡邊さんは、また、小倉硝子工業、伊予製紙等の会社を経営し、地方産業の発展に大いに貢献せられました。
 思うに、渡邊さんは、まことに苦労人と呼ぶにふさわしいお人柄でありました。もとより強い信念の士でありましたが、その半面、きわめておだやかな性格で、しかも、広い度量と厚い人情の持ち主であったのであります。(拍手)数年前、日満鉱業の経営が行き詰まり、新屋敷鉱業所を閉鎖するのやむなきに至りたときも、千数百名の従業員が路頭に迷うことを心配して、みずから採算を度外視してその委任経営を引き受け、従業員並びに家族の危急を救われたのでございます。(拍手)
 また、日ごろ、青少年の訓育や社会福祉事業に深く意を用いておられました。地元福岡県下のみならず、出身地西条市の学校、公民館その他の公共福祉施設等のために喜んで私財を寄付された事例は、実に枚挙にいとまがないほどであります。去る昭和二十八年には紺綬褒章を受け、また、三十二年には福岡県福祉協会の表彰を受けられたことは、渡邊さんがいかに公益のために尽力されたかを雄弁に物語るものと信じます。(拍手)
 かくして、地元民の信頼は次第に強まり、去る三十三年の第二十八回総選挙に福岡県第二区から出馬されるや、広く各階層の人々の支持を受けてみごと当選し、さらに、昨年十一月の総選挙にも引き続いて栄冠を得られたのであります。
 本院においては、渡邊さんは、主として商工委員として、石炭問題に関して、多年の経験と高い識見とを傾けて目ざましい活躍を示されました。中でも、石炭鉱業合理化法改正による近代化資金の創設、炭鉱離職者対策臨時措置法の制定等については、その力によるところきわめて大であったといわねばなりません。(拍手)渡邊さんは、常に炭鉱従業員と経営者の立場をともに考慮しつつ、国家的見地より大局的な判断を下されたのでありまして、石炭政策立案の立役者として、与野党を通じて同僚議員の厚い信望を集めておられたのも、けだし当然であると信ずるのであります。(拍手)
 また、炭鉱の休廃山により衰退の一路をたどり、数万の失業者を発生し、死の谷、地獄谷と呼ばれる極貧層地域を現出しつつある炭田地帯の振興については、終始、特段の熱意を持って尽力し、また篠栗新線の建設、石炭鉱害の復旧等、多くの懸案を解決せられ、地元における渡邊さんの声望はきわめて高かったのであります。承れば、病床にあってもなお産炭地域振興対策の推進に努力を続け、立法化を心より希望しながら息を引き取られたとのことであります。(拍手)
 渡邊さんの本院に在職された期間は、わずか三年に満たなかったのでありますが、その間、終始、国政審議に精励して国会議員の重責を果たし、輝かしい功績を残されたのであります。
 もとより、石炭問題は、わが国の現在当面している最も重大な政治問題の一つでありますが、また、多くの社会的問題を包蔵しているのであります。特に、昨年九月、豊州炭鉱の坑内出水事故により六十七名の犠牲者を出し、その遺体の収容もできないまま、本月に入って、上清炭鉱において戦後最大の災害が起こり、さらに、大辻炭鉱において消火隊が全員遭難するという事故が発生したのでありまして、この相次ぐ坑内災害の根絶こそ、最も緊急にして重要なものだと思います。その他石炭鉱業に関する数多くの難問題を解決することこそ、われわれ政治家に課せられた責務であると信じます。これには、渡邊さんのごとき、炭鉱に生き、炭鉱業とともに歩んでこられた練達堪能の士に期待するところはなはだ大なるものがあったのであります。(拍手)
 私は、渡邊さんとは所属党派こそ異にしておりますが、ともにわが国の石炭鉱業の将来を憂える者として、幾たびか語り合い、論じ合って参りました。今、渡邊さんの長逝にあい、この機会の永久に失われたことに限りないさびしさを覚えると同時に、本院にとり、国家にとってきわめて大きな不幸であると痛感するものであります。(拍手)渡邊さん自身におかれても、多年の抱負を実現し、政治家としての本領を発揮しようとするときにあたり、にわかに病に倒れられたことは、その御心情いかばかりかと拝察する次第であります。
 ここに、渡邊さんの事績を回顧し、その風格をしのび、御冥福を心から祈って、もって追悼の言葉といたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
○議長(清瀬一郎君) お諮りいたします。
 内閣から、原子力委員会委員に駒形作次君、西村熊雄君を任命いたしたいので、原子力委員会設置法第八条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 日程第一 森林火災保険特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 国立病院特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) 日程第一、森林火災保険特別会計法の一部を改正する法律案、日程第二、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案、この二案を一括して議題といたします。
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    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長足立篤郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔足立篤郎君登壇〕
○足立篤郎君 ただいま議題となりました二法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、森林火災保険特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 御承知の通り、森林火災保険特別会計は、森林火災国営保険法に基づく国営による森林火災保険事業の経理を一般会計と区分して行なうため、昭和十二年に設置されたものでありますが、今回、政府は、従来の火災のほかに風水害等の気象災害をも保険の対象に加えることとし、このため、別途、今国会に森林火災国営保険法の一部を改正する法律案が提出された次第でありますが、これに対応して、森林火災保険特別会計においても気象災害をも含めた保険経理を行なうこととしようとするのが、本改正案の内容であります。
 次に、国立病院特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、昭和三十六年度予算におきまして、政府は、築地の旧海軍軍医学校跡に国立がんセンターを新設することを予定いたしておりますが、その事業内容は国立病院と密接な関係がありますので、これに関する経理を国立病院特別会計において行なうこととし、これに伴いまして、この会計の歳入及び歳出の規定等につきまして所要の改正を行なうとともに、一般会計所属の資産で、右のがんセンター経営のために必要なものは、この会計に帰属させることとし、その資産の価額約二十四億円はこの会計の基金に加えることといたしております。なお、この特別会計の決算上の剰余金等の処分に関する規定につきまして、この際、あわせて所要の整備をはかることといたしておるのであります。
 以上の両案につきましては、審議の結果、去る十四日質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、いずれも全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 果樹農業振興特別措置
  法案(内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) 日程第三、果樹農業振興特別措置法案を議題といたします。
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    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員長坂田英一君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔坂田英一君登壇〕
○坂田英一君 ただいま議題となりました、内閣提出、果樹農業振興特別措置法案について、農林水産委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 果樹農業は、酪農と並んで今後の日本農業の発展に大きな役割を果たすことが期待されており、今日まで順調な生産の伸びを示しております。しかしながら、今後の国民経済の発展に即応した農業生産の選択的拡大と農業経営の近代化に資するためには、果樹農業を一段と安定した発展の軌道に乗せることが必要となってくるのであります。そこで、この際、果樹についての長期見通しを立て、その見通しに即して果樹園経営の基盤を確立するための措置並びに果実の流通及び加工の合理化に資するための措置等を講じ、果樹農業の健全な発展に寄与しようとして本案が提出せられたのであります。
 以下、本案のおもな内容を申し上げます。
 第一に、果実生産の安定的拡大に資するため、農林大臣は、果実の需要の長期見通しに即して、主要な果樹の種類ごとに植栽及びその果実の生産について長期見通しを立て、これを公表すべきことを義務づけております。
 第二に、果樹農業者の集団または果樹農業者が構成員となっている法人が、その果樹園経営の合理化をはかるため果樹園経営計画を作成しようとする場合に、国及び都道府県がこれに適切な指導を行なうこととするとともに、その経営計画について都道府県知事が適当である旨の認定をした者に対し、農林漁業金融公庫かも植栽資金等の貸付並びに国及び都道府県による助言、指導等を行なうこととしております。
 第三に、国及び都道府県は、果樹農業の健全な発展並びに果実の流通及び加工の合理化に資するため、生産流通、価格等に関する情報の提供、果樹農業の振興のために必要な援助を行なうように努めることといたし、また、これとも関連して、果実の生産、販売等についての報告を徴収することができることといたしております。
 第四に、農林省に果樹農業振興審議会を設置して、果樹農業に関する重要事項を調査審議させることといたしております。
 その他、以上に関連して、附則で、農林省設置法及び農林漁業金融公庫法に所要の改正を加えることといたしております。
 なお、本案と同じ題名の法律案が昨年の第三十四回国会に政府から提案せられましたが、安保問題をめぐる国会審議の混乱等の事情から未成立のまま推移し、結局のところ、衆議院解散のため審議未了となったため、政府は、昨年の法律案を基礎とし、これに果樹植栽等についての長期見通しの樹立ほか数点にわたる手直しを加えて、ここに本案を提出したのであります。
 以上、本案の骨子と提出に至る経緯について申し上げましたが、本案は、去る二月二十八日提出され、三月二日政府から提案理由の説明を聴取した後、直ちに質疑に入り、さらに、三月九日、十日、十四日、十五日の四日間にわたり慎重審議を重ねた上、三月十五日質疑を終了し、討論を省略して採決しましたところ、全会一致をもって本案は原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し、政府は、果樹農業の飛躍的な発展のために欠くことができない果実の流通、加工、消費拡大あるいは輸出等の面に対する具体的な施策を包含した総合的な制度をすみやかに確立すべきこと、及び、当面、本法施行にあたり政府が留意すべき点七項目にわたり附帯決議を付することに、これまた全会一致をもって決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 科学技術会議設置法の
  一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 日程第五 原子力委員会設置法の
  一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 海上保安庁法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 運輸省設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第四及び第五とともに、内閣提出、海上保安庁法の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案を追加して四案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 日程第四、科学技術会議設置法の一部を改正する法律案、日程第五、原子力委員会設置法の一部を改正する法律案、海上保安庁法の一部を改正する法律案、運輸省設置法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
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    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長久野忠治君。
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  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔議長退席、副議長着席〕
  〔久野忠治君登壇〕
○久野忠治君 ただいま議題となりました四法案につき、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、法案の要旨について御説明申し上げます。
 科学技術会議設置法の一部を改正する法律案は、科学技術会議の機能を一段と強化するため、議員の定数を二人増加して五人とし、うち三人を非常勤とするものであります。
 次に、原子力委員会設置法の一部を改正する法律案は、原子力委員会に原子炉安全専門審査会を置き、原子炉の安全性確保について調査審議し、その万全を期そうとするものであります。
 次に、運輸省設置法の一部を改正する法律案は、第一に、海技専門学院を海技大学校に、高浜海員学校を清水海員学校にそれぞれ改めることであり、第二は、自動車審議会の存続期限を一年延長することであり、第三は、臨時に伊勢湾港湾建設部を設置することであり、第四は、大津市に国立ユースホステルセンターを設置し、これを運営することであります。
 最後に、海上保安庁法の一部を改正する法律案は、九州方面の海上保安業務を充実するため第十海上保安管区を新設するほか、所要の改正を行なうものであります。
 以上四法案は、内閣委員会において慎重審議を行なった後、いずれも全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定した次第でございます。
 なお、原子力委員会設置法の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、民社三党共同提案にかかる附帯決議案が石山委員より提出せられ、これまた全会一致の議決を見たのであります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 四案を一括して採決いたします。
 四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、四案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 裁判所職員定員法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 委員長の報告を求めます。法務委員長池田清志君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔池田清志君登壇〕
○池田清志君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、第一に、裁判の一審強化をはかる方策の一環として、地方裁判所判事を二十八人、裁判所書記官を四十人増員し、第二に、少年の保護事件が急増する最近の傾向にかんがみ、家庭裁判所調査官を三十人増員し、第三に、裁判所における定員外職員の処遇の改善をはかるため、これら職員のうち二百二十四人を、新たに裁判所職員定員法による裁判官以外の裁判所の職員の員数に組み入れようとするものであります。
 さて、法務委員会におきましては、二月二十二日本案が付託せられて以来、慎重審議を重ねましたが、その質疑の詳細につきましては会議録に譲りたいと存じます。
 かくて、本日質疑を終了し、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決に付しましたところ、本案は多数をもって政府原案の通り可決すべきものと決定いたしました。以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 移住及び植民に関する日本国とブ
  ラジル合衆国との間の協定の締
  結について承認を求めるの件
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 委員長の報告を求めます。外務委員長堀内一雄君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔堀内一雄君登壇〕
○堀内一雄君 ただいま議題となりました移住及び植民に関する日本国とブラジル合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を報告申し上げます。
 ブラジルは、わが国にとりましては最大の移住者受け入れ国でありまして、すでに戦前において十八万六千、戦後においても三万七千の移住者を出しております。かつ、これらの移住者及びその子孫は農業その他の分野において目ざましい活躍をいたしておりますが、ブラジル移住の発展のため、また、移住者がブラジルにおいて十分な援助と保護とを与えられるための移住協定がありませんので、これが締結を特に望まれておりました次第であります。
 一方、ブラジルにおける対日感情はおおむね良好であるとはいえ、世界大戦の影響をこうむり、ブラジルの一部におきましては、日本人移住者に対する不信、警戒の念も根強く存在し、協定締結の障害をなしておりました。
 たまたま、昭和二十九年のサンパウロ四百年祭、三十三年の日本人移住五十年祭等も行なわれ、ブラジルの経済開発に果たした日本人移住者の役割がブラジル朝野の人々に強く認識されましたので、この好機をとらえ、両国政府は移住協定締結の交渉を開始いたしました。交渉は二年有余にわたりましたが、ついに妥結を見まして、昨年十一月十四日にリオデジャネイロにおいて協定の署名調印を了しました。
 この協定は、五十カ条にわたる詳細な規定を含み、わが国としては最初の総括的な移住協定であります。その条項の大部分は計画移住に関するものであります。すなわち、計画移住とは、ブラジル国の経済開発に沿うものとしてブラジルの当局が積極的に介入し、援助を与え、計画的に行なわれる移住でありまして、一般の移住、いわゆる自由移住と著しく異なるものであります。
 協定の要点をあげますれば、
 第一に、計画移住は、従来ブラジル側の一方的措置によったのと異なり、日伯双方の政府が合意の上作成する計画に基づいて行なわれることであります。また、自由移住についても、両国はその促進に努力することを約束しております。
 第二に、移住者に対する両国政府の援助の措置が協定上の義務として約束されることであります。ことに、計画移住者については、ブラジル上陸後、目的地に配置されるまでの間の宿泊、給食、輸送等がブラジル当局の責任として規定され、また、携行する職業用具等は無税通関を許されます。なかんずく、農業関係の計画移住者で、ブラジル国の植民計画に基づいて移住する者、すなわち、植民者に対しては、これら援助のほかに、土地の取得、地方税の免除、道路の建設、試験場の設置等に関するブラジル側の援助が規定されております。
 第三に、工業技術関係の移住が計画移住として行なわれ得ることであります。この種の移住は、従来は自由移住としてのみ行なわれていたものであります。
 本件は、二月七日外務委員会に付託されましたので、会議を開き、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、その詳細は会議録により御了承を願います。
 かくて、三月十七日討論に入り、日本社会党田原春次君から本件に対する賛成の意が表明せられ、直ちに採決を行ない、本件は全会一致をもってこれを承認すべきものと議決いたしました。
 なお、本件に関し、田原君の討論中において、次の政府に対する要望決議案が提出されました。すなわち、
  政府は本協定発効後において国内の諸態勢を整備し次の諸点に留意し、もつて大量移住の促進に努力するよう強く要望する。
 一、国内における海外移住の啓蒙宣伝を強化拡大すること。
 二、海外移住後における独立営農資金、漁民自営資金、中小企業者の設備及び運転資金等の融資手続に関し、その簡素化をはかるとともに、これら中小業者への援助を強化すること。
 三、移住行政に関する基本的な法制を樹立すること。
 本決議案は、採決の結果、全会一致をもって可決されました。以上、報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 採決いたします。
 本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)、右三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
 所得税法の一部を改正する法律案
 法人税法の一部を改正する法律案
 租税特別措置法の一部を改正する法律案
  〔本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長足立篤郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔足立篤郎君登壇〕
○足立篤郎君 ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案外二法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 まず、所得税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 今回の改正は、中小所得者を中心とした税負担の軽減等を主眼とした所要の改正を行なおうとするものであります。すなわち、配偶者については、新たに配偶者控除を設けて、基礎控除と同額の九万円の控除を行なうとともに、扶養控除についても、その控除額に年令差を設け、満十五才以上の扶養親族についての控除額を現行三万円から五万円に引き上げることとし、事業所得者については、専従者控除を拡充し、青色申告者の場合、現行の八万円を改正して、年令が二十五才以上であるときは十二万円、二十五才未満であるときは九万円に引き上げるとともに、新たに、白色申告者の場合も、家族専従者一人につき七万円の控除を認めることとし、給与所得者については、給与の収入金額から新たに一万円の定額控除を行ない、その残額について四十万円まで二〇%、四十万円超一〇%、最高十二万円の控除を行なうとともに、税率につきましても、課税所得七十万円以下の税率の軽減をはかっております。この結果、給与所得者の標準家族の場合、非課税限度が、現行の約三十三万円から三十九万円程度までに引き上げられることとなっております。
 次に、退職所得の特別控除額について、現行の百万円の控除限度額を廃止し、現行の年令及び勤続年数に応ずる控除が無制限に与えられることとなっております。
 さらに、事業譲渡に類似する有価証券の譲渡による所得を非課税の対象からはずして脱税を防止するとともに、配当所得または趣味、娯楽等に伴う所得の計算上生じた損失については他の所得との通算を認めないこととし、原稿料等の源泉徴収の税率を一〇%に統一すること等の合理化をはかろうとするものであります。なお、今回の所得税軽減は本年一月一日より効果が及ぶために、給与所得、退職所得に対する源泉徴収の軽減につきましては、前国会において特例法を設けて、すでに実施している次第であります。
 以上の改正による所得税の減収額は、本年度において約六百三十億円と見込まれております。
 次に、法人税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 今回の法人税法の改正は、主として同族会社の留保所得に対する特別課税の軽減合理化のための改正を行なおうとするものであります。すなわち、毎期の留保所得から毎事業年度の所得の一〇%相当額か、年五十万円か、いずれか多い金額を控除した金額を課税留保所得とするとともに、その課税留保所得のうち、年三千万円をこえる金額に対する税率を一五%、年一億円をこえる金額に対する税率を二〇%にする等の措置であります。
 なお、その事業年度終了の日における積立金額と当該事業年度の留保所得との合計額が期末資本金の四分の一相当額に達するまでは、従来通り留保所得に対する課税をしないこととしております。
 以上の改正による減収額は、本年度約二十七億円を見込まれております。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案のおもな内容は次の諸点であります。
 まず、第一は、配当課税の特例措置については、法人利益のうち、支払い配当に対する法人税について、現行の基本税率三八%を二八%に引き下げるほか、所得年二百万円以下の部分に対する三三%の税率を二四%に、農業協同組合等の特別法人に対する二八%の税率を二〇%に、それぞれ引き下げることといたしております。
 なお、個人の配当控除の現行二〇%を一五%に引き下げ、また、法人間配当の益金不算入の取り扱いについても、法人の受け取り配当がその支払い配当をこえる場合には、そのこえる金額の二五%は益金に算入する等の措置を講じようとするものであります。
 次に、現在、預貯金等の利子所得については、他の所得と区分して一〇%の税率により所得税を課税することといたしておりますが、なお一年間その適用期限を延長するほか、配当所得につきましても、一〇%の軽減税率による源泉徴収の特例を、利子所得と同様、なお一年間延長しようとするものであります。
 次に、特別償却制度の改正については、現行の合理化機械等の初年度二分の一特別償却制度、並びに重要機械及び共同事業用機械等の三年間五割増し特別償却制度を廃止し、これらにかえて、新たに取得価額の三分の一を初年度普通償却の別ワクとして認める特別償却を設けようとするものであります。
 なお、この適用対象に、特に中小企業用機械等を中心としたものを加えることとし、さらに、この制度により特別償却額があまり過大とならないよう、一定の法人について制限を新たに設けることといたしております。
 また、試験研究用機械設備等の特別償却については、現行の償却方法を改めて、普通償却のほか、初年度三分の一の別ワクとして特別償却を認める制度とし、耐用年数の改定と相待って、実質的に償却方法の改善をはかろうとするものであります。
 さらに、探鉱用機械設備、鉱業用坑道及び造林費等の特別償却制度については、その適用期限を三年間延長することといたしております。
 次に、価格変動準備金制度の改正でありますが、国際商品等で、価格変動の大きい商品を除き、現行の積立率を二五%程度引き下げるなど、制度の合理化をはかろうとするものであります。
 次に、輸出所得に対する特別控除制度の改正であります。最近の情勢にかんがみ、割増し控除を廃止し、輸出所得の特別控除の制度そのものは、なお三年間適用期限を延長することといたしております。また、重要外国技術の使用料に対する課税の特例につきましても、一五%の軽減税率で、なお二年間適用期限を延長しようとするものであります。
 次に、土地収用法の適用のある場合等の譲渡所得課税の特例について、課税の繰り延べが認められる代替資産の範囲の拡張、その取得期限の延長等について所要の改正を行なうとともに、居住用財産の譲渡所得がある場合、控除額を、現行の十五万円から原則として五十万円に引き上げることといたしております。
 次に、交際費課税の特例について、現行の資本金一千万円以上の法人の支出交際費についての損金算入を制限する制度を若干強化して、企業の支出交際費のうち、一定の基礎控除額をこえる金額の二〇%を損金に算入しない制度に改め、なお三年間適用期限を延長しようとするものであります。その他、航空機の乗客に対する通行税の軽減措置、増資登録税の軽減措置について、それぞれ三年間適用期限を延長する等、所要の改正を行なうこととしております。
 今回の税制改正によるいわゆる特別措置の増減収額は、本年度において増収約百四十一億円、減収約二十三億円で、差し引き増収額約百十八億円を見込んでおり、そのほか、配当課税の改正で約百二億円の減税を見込んでおります。
 以上三法律案は、審議の結果、本日質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して辻原委員より、三法案に対して反対の旨、また、民主社会党を代表して井堀委員より、所得税法及び租税特別措置法の改正案に対して反対、法人税法の改正案については賛成の旨、それぞれ意見が述べられました。次いで、採決いたしましたところ、いずれも起立多数をもって原案の通り可決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 討論の通告があります。これを許します。平岡忠次郎君。
  〔平岡忠次郎君登壇〕
○平岡忠次郎君 私は、ただいま上程されました、政府提出の所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表して反対の意思を表明せんとするものであります。(拍手)
 最近、ちまたには、今年は農家や中小企業者や低所得者に油断のならない年になりそうだといううわさが盛んに行なわれております。それはどういうことかといいますれば、池田内閣のいう経済成長率九%は期待できなくなるのではないか、もしそうだとすると、すでに決定発足を見た大予算をまかなうための増徴のしわ寄せが国民大衆に対する徴税強化となって現われるおそれが多分にあるという取りざたであります。また、過去においても事実そうでありましたからというのであります。自然増収とは、中小企業者や農家にとって、経験上、人為的苛斂誅求の別名でありましたから、けだし、当然の心配であります。日本経済の成長率が意のごとくならず、不況に転ずるならば、租税の代替は他の何ものにも求め得ず、貪らん飽くなきヒトクイブナ予算の充足のために、えじきとなるのはやはり大衆よりの血税であろうことをおそれているのであります。大衆の関心事は、皮肉にも、今や、六百二十一億円の減税にはなくて、これに数倍ずる四千億円の増徴のあらしと、インフレによる生活の脅威の二つにあることを、政府は知るべきであります。(拍手)
 さて、昭和三十六年度政府税制は、たとえば、所得税法改正案において、配偶者控除の新設や、白色申告にも専従者控除を認めるなど、これまで社会党が主張してきた項目が取り入れられまして、巧みに擬装されてはいますが、その本質は、相変わらず、大資本、高額所得者の利益に奉仕し、大衆重課の現実を無視しようとするものであります。すなわち、政府の税制改正案は、少なくとも、次の四点において致命的欠陥を蔵しておるのであります。
 欠陥の第一は、減税規模六百二十一億円がきわめて過小であることであります。この問題は、予算案の討議の場などにおきまして言い尽くされておりますので、ここに繰り返しません。ただ、一点だけ申せば、三十五年度にはびた一文の減税もなく、これが二年越しのものであること、他面、三十五年度、三十六年度の両年度の自然増収の合算見込み額が七千六十九億円と計算されますので、今回の六百二十一億円の減税規模は、いよいよもって顕微鏡的なものであって、二年越しの国民の減税期待が全く裏切られたということであります。(拍手)
 致命的欠陥の第二は、減税の内容であります。減税の内容は、主として所得税と一部法人税の軽減が骨子となっていますが、勤労者、農家、中小企業者に対する減税は、まことに不徹底に終わっております。減税の一枚看板は、所得税法の改正、特に非課税限度の引き上げ三十九万円に集約されていますが、減税の呼号に値するものではありません。理由は次の通りであります。
 なるほど、今回の改正で、夫婦と子供三人の標準世帯で、年収三十九万円まで所得税がかからないことになりました。現行の非課税限度三十三万円から見れば減税には相違はないが、政府の公共料金等を初めとする一連の値上げ政策でインフレは避けがたく、家計はすでに膨張し、全都市消費世帯平均支出を総理府統計で見ると、三十五年十月において、すでに四・五五人で一カ月当たり三万一千六百七十六円となっていることに注意を喚起したいのであります。(拍手)これを五人家族にアジャストして月額約三万五千円、これが昨年十月における都市世帯標準家族の実際の一カ月間の生計費であります。年額にすると四十二万円であります。その後のインフレの急テンポに見合う分として三%程度を、さらにまた、病気など不時の支出に備えるべき必要貯金として四%程度を当然考慮に入れなければなりませんから、標準家族の生計費は四十五、六万円と断じても過言ではございますまい。年収四十五万円は、五人家族で月収三万円を意味します。年間三カ月のボーナスを含めた十五カ月分相当の額でございます。生計費には課税せずとの近代国家の税制センスに準拠する限り、少なくとも、政府統計の差し示す四十五万円を非課税限度となすべきであります。今回の三十九万円では、まだ国民の側に貸し勘定があるのでありまして、断じて減税の名に値するものではございません。(拍手)依然として生計費課税に跼蹐する政府今回の所得税改正案に、私どもは拍手を送りかねるのであります。
 法人税関係についても、今回の改正は、税率一般の引き下げを期待している中小企業者の要望を無視し、株式配当に対する部分の税率の引き下げだけを行ない、また、主として大企業の資本蓄積に偏重した機械設備耐用年数短縮等の措置を講じようとするにすぎないのであります。中小法人向けの減税としては、同族会社に対する従来の差別的冷遇をいささか緩和した程度であって、総じて法人税に改正というほどのものはございません。
 政府税制の第三の致命的欠陥は、租税特別措置をめぐる問題であります。現行の税法には幾多の不均衡、不公平があることは国民のあまねく知るところでございますが、その中でも、最も負担の公平を阻害し、しかも、大資本本位に設けられた偏向減税、租税特別措置の存続は、政府・与党と大資本とのやみ結託の申し子でありまして、明らかに社会的不正であります。(拍手)これらの特別措置による減収額は、三十六年度予算ベースで千六百五十四億円の巨額が見込まれておりますが、実際には二千億円を突破する額と推定せられるのであります。特別措置は、以前から整理合理化が強く要請されているにもかかわりませず、依然としてこれを存置し、三十六年度わずかに百十八億円の整理を行なって表面を糊塗しているにすぎないのであります。一方、国民大衆に対する公約は、一千億円以上の大減税といいながら、大きくこれを割り、大資本の意向に奉仕するためには、二千億円という巨額の減税を、簡単に、しかも、毎年続けているのであります。特別措置は、もともと、時限立法で臨時的なものであり、期限がくれば当然廃止されるべきものでありますが、政府も、また大企業側も、この措置が既得権のごとく思い込んでいるわけであります。言うまでもなく、租税特別措置を最も広範に利用しているのは一部の大企業であります。日本全体で法人の数は約五十万、うち一千万以上の資本金のものは、二%に満たない、約九千法人であります。九千の法人が、自余の四十九万の中小法人をしり目に、二千億円をこえる特別減税額の八〇%以上を壟断いたしておるのであります。(拍手)大法人は数種の特別措置を併用しているため、鉄鋼、銀行、商社、電力、肥料等、独占カルテルの実行税率は、通常法人税三八%の実に二分の一程度に減少しているのであります。この不正、不公平は万人の目におおうべくもなく、過去に、幾度か、税制調査会等でこれを早急に廃止すべきであると答申をしており、また、政府も、しばしば国会においてその旨を答弁しておりますが、口と腹とは別でございまして、くされ縁の断てないのが、この一連の租税特別措置でございます。(拍手)今回も、その適用期限を、長いものは三年間無条件に延長しております。しかも、一方においては、零細なものの集まりであります協同組合関係の課税の特例など、ついに延長されなかった事例が想起されるわけであります。特別法人である農業協同組合や消費生活協同組合等の留保所得に対する非課税の特例でありますが、期限が切れたという理由で泣訴も聞かず、大衆関係のものは、容赦なく、無情に、しかも、簡単に整理し去ったのであります。それに反し、特別措置の中で最も課税公平の原則を阻害しているといわれる利子所得に対する一〇%の分離課税の特例などは、社会的不正として特に代表的なものでございますが、悪いやつほどよく生き延びるとでも申しましょうか、いまだに醜悪な命を生き長らえておるのであります。(拍手)
 この規定は、基本法では、その所得に対して二〇%の源泉徴収をして、さらに、個人の所得に総合課税される建前でありますものが、特例で、幾ら所得がありましても一〇%の課税で事足りるというのであります。この措置の期限切れごとに国会の内外において絶えず議論されている問題ではありますが、政府は一向に是正しようとせず、今回もほおかぶりで押し通そうとしているのであります。ちなみに、これだけでも減税額は九十五億円の巨額であります。
 また、これと同じように、配当所得に対する源泉徴収の軽減措置も毎回適用期限が延長され、ひんしゅくを買っているのであります。この減税額も百億円に上っております。今回の改正で配当控除率が二〇%から一五%に引き下げられ、非課税限度百六十五万円は手直しされましたが、まだ、配当所得で飯を食う限り、百三十三万円まで非課税であります。額に汗する勤労所得では、五人家族で非課税限度が三十九万円であるのに対し、座して食らう不労所得の配当所得では、百三十三万円までが非課税であります。
 かくのごとく、今回の改正案の実体は、依然として、大法人、利子所得、配当所得の不労所得者の利益を温存し、これを不当にまで擁護することで貫かれておるのであります。(拍手)減税の恩恵は総じて大法人で、課税強化のしわ寄せは、みな中小法人というわけであります。かくのごとき人を食った改正案は、租税特別措置改廃の世論をまじめに取り上げる態度では断じてございません。日本の経済は、もはや、戦後ではございません。りっぱに立ち直っております。しかるに、なお、これらの措置を日本経済の発展のためにとか、資本蓄積のためにとか、貿易の自由化に備えて企業の体質改善のためにとかの理由を付してスポンサー本位に存続させることは、明らかに社会的不正であります。政府の揚言する所得倍増計画の中で所得格差はこれを縮めるのだという趣旨とは全く逆行するものであります。格差解消の看板に偽りなしというのならば、政府は、まずもって、すべからく、大資本の意向に奉仕するくされ縁を断ち切って、英断をもってこれが廃止を一日も早く実行すべきであります。(拍手)
 最後に、第四の致命的欠陥として、特に私どもが政府税制に対して強く指摘しなければならないのは、所得税減税のらち外に置かれている広範な低所得者階層に対する税制上の救済策が政府の税制改正案において皆無であるということ、これであります。(拍手)すなわち、今回政府が間接税減税を行なわないことが不当であること、このことこそ、致命的欠陥の尤なるものとして糾弾しないわけには参りません。(拍手)昨年十月の国勢調査によれば、一応所得を得る能力のある有業人口は四千三百十九万人とされ、うち、所得税を納税しているのは二七・三%であります。世帯単位で見ても、有業世帯に対する納税世帯の割合はわずかに三六・二%にすぎません。自余の六三・八%は、所得税を納めることすらできない、その日暮らしに追われている人たちであります。別言すれば、現在所得税を納めているのは、大体、給与所得者の半数足らず、個人事業の一六%、農家では八%程度と見られております。せっかくの所得税の減税が、実は何の足しにもならない人の方が圧倒的に多いわけであります。六三・八%に及ぶ広範なこれら低所得階層の人たちは、残念ながら、現在の非課税限度で事足りておるのですから、限度引き上げの今回の減税の恩恵が及ばず、そればかりか、著しく増額される税外負担と、池田内閣の物価引き上げ政策のもとで、最も大きな被害者となっているのであります。社会保障の拡充と間接税の減税が強調されなければならぬゆえんであります。社会保障のことはさておき、税制上、生活必需品の砂糖や、大衆酒や、たばこなどの間接税減税が急務なるゆえんであります。酒やたばこは、程度が過ぎれば害があるのは言うまでもありませんが、低所得者層では、この出費が家計を圧迫して、子供の学校の費用や衣料費を削っている場合が多いのであります。間接税一般が、本来、逆進性向があるのですが、特に、わが国においては、酒、たばこ、砂糖等、大衆生活に密着した品目にものすごい高率課税を課しているため、高度の逆進性が露呈せられておることを指摘しないわけには参りません。
 少しく実例を示すならば、砂糖は、白糖が小売一キロ百四十円のうち、六十四円六十八銭が税金で、率で申して四六・二%、たばこは、「ピース」一箱小売四十円のうち、二十六円八十七銭、六七・二%が税金です。大衆たばこ「いこい」ですら、小売一箱五十円のうち、三十二円十銭、六四・二%が税金であります。その他「新生」「ゴールデンバット」もほほ同様、同率で、小売価格のうち、それぞれ六七・七、六五・八%が税金であります。大衆の生活に脅威を与えているこれらのたばこの名前が、おこがましくも「ピース」とか「いこい」とは笑止千万であります。(拍手)これらを「戦争」とか「火の車」と改名したら最もふさわしい呼び名となるでありましょう。大衆酒についてみましても、ビール小売百二十五円中七十円十三銭、五六%が税金、清酒二級四百九十円のうち、二百五円、四一・五%が税金であります。庫出課税ですから大衆が知らないだけの話、そうと聞いたら、酔いも一ぺんにさめるでございましょう。ちなみに、十七インチテレビ小売価格十万円中、税金は一万四千円で一四・一%、二万円の三十五ミリ一般型のカメラで、税金は三千円で一五%、国産のゴルフのクラブですら、三千八百円中、税金は九百九十円、率としては二六%にすぎません。これをもって見れば、酒、砂糖、たばこに対する大衆収奪ぶりがいかに過酷なものであるかが判然といたします。(拍手)
 私は、政府減税政策が、所得税、法人税にとどまって、減税を最も必要とする広範な低所得者層に及んでいない点をここに指摘し、政府が、間接税重課を押し通す態度を直ちに一擲して、三十七年度を待たず、逆進性の強い酒、たばこ、砂糖等の大衆必需品に対しては、過酷な重税を大幅に免ずるよう、声を大にして要請いたしたいのであります。
 以上、るる指摘したように、政府の減税は、減税の名に値しません。租税三法の改正案は、表面の糊塗はあっても、総じて、改正の実を伴ってはおりません。間接税減税に手を染めざるは、とれまた最大の欠陥であります。結論的に、依然として大企業、高額所得者本位の税制堅持であります。かくのごとき、生活配慮よりは政治的配慮に堕する政府・自民党の党略的税制改正案は、国民を愚弄するものでありまして、われわれの断じて賛成できがたいところであります。(拍手)
 私は、ここに、生計費に課税するな、租税特別措置で大資本と高額所得者を不当に肥やすな、酒、たばこ、砂糖の重課で大衆を収奪するな、という、わが党税制改革の三つの基本線を提示し、政府税制の構造改革がこの基本線に沿うてすみやかに推し進められるよう強く要望いたしまして、反対討論を終わります。(拍手)
○副議長(久保田鶴松君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、所得税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、法人税法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 中小企業金融公庫法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 中小企業信用保険公庫法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
 中小企業信用保険法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 委員長の報告を求めます。商工委員会理事内田常雄君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔内田常雄君登壇〕
○内田常雄君 ただいま議題となりました中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案外二件につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 まず、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 中小企業金融公庫は、昭和二十八年設立以来、長期資金の貸し出しを通じて、中小企業金融の円滑化に寄与して参りましたが、中小企業の近代化が要請されておる今日、同公庫の果たすべき役割はいよいよ大となっております。このような情勢にかんがみ、公庫の機構の拡充整備をはかるため本改正案が提出されたのでありますが、その内容は、理事を二名増員して六人とすること、及び、総裁が行なう代理人の選任に関する規定の明確化をはかることであります。
 次に、中小企業信用保険公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 中小企業信用保険公庫は、昭和三十三年設立以来、中小企業信用補完制度の中枢機関として、信用保証協会に対する資金の貸付業務及び中小企業信用保険法に基づく保険業務を行なっております。
 中小企業の資金需要は依然として旺盛でありまして、これとともに、資金借り入れのための保証需要も一そう増加の傾向にありますので、信用保証協会に対する公庫の融資もまた一段と拡充をはかる必要があると考えられますので、明三十六年度において、同公庫に対して産業投資特別会計から二十億円を追加出費し、これを融資基金に充てんとするのが本改正案の内容であります。
 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 中小企業金融の円滑化をはかる上において、信用保証協会及び中小企業信用保険公庫による信用補完制度が重要な役割を果たしていることは御承知の通りでありますが、本改正案は、この中小企業信用保険公庫による信用保険制度を包括保証保険の一本建とすることを主たる目的といたすものであります。
 以上の三法案は、いずれも、二月十六日当委員会に付託されて以来、参考人より意見を聞くなど、数回の審査を重ね、本日質疑を終局いたし、採決を行ないましたところ、三案とも全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 なお、採決後、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の共同提案によって、三案それぞれに対する附帯決議案が提出されましたが、これまた全会一致をもって提案の通り決定した次第であります。
 右の附帯決議の内容及び審査の詳細については会議録に譲ることとし、これにて御報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 三案を一括して採決いたします。
 三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 公労協スト対策並びに官紀紊乱に
  関する緊急質問(長谷川峻君提
  出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、長谷川峻君提出、公労協スト対策並びに官紀紊乱に関する緊急質問、及び、小林進君提出、公労協関係の労働問題に関する緊急質問を順次許可されんことを望みます。
○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 まず、公労協スト対策並びに官紀紊乱に関する緊急質問を許可いたします。長谷川峻君。
  〔長谷川峻君登壇〕
○長谷川峻君 私は、自由民主党を代表して、迫り来たる三十一日の公労協スト対策並びに官紀紊乱に関し、政府の確たる所信をたださんとするものであります。(拍手)
 汽車がとまる、郵便がおくれる、だから就職や大学受験に間に合わぬ、電報がものの役に立たない、市外電話がさっぱり通じない、覆面のオルグ団が機関士に襲いかかっていく、郵便物の滞貨を苦にして自殺した老集配課長がいる、役人が役所の廊下でスクラムを組んでワッショイ、ワッショイとデモる、こうした無情ぶり、法秩序の破壊が、何と、経済復興をうたわれている現代日本において、全国至るところで展開されているのであります。しかも、三十一日は、公労協傘下九組合八十万人の組合員と、これらを支援する総評によって、かつての二・一ゼネストにも劣らぬ半日ストライキが、全国津々浦々に準備、用意されていることを繰り返し放送されていることは、国民生活を恐怖のるつぼに陥れ、せっかく終戦以来苦心して築き上げてきた民主主義と法秩序への挑戦として、国民ひとしく憂慮しているところであります。(拍手)
 これは、今次春闘において、民間労組が経済好況の波に乗って闘争力を失ったため、公労協が中心勢力としての力を発揮しない限り、総評の春闘体制はゼロになるという、特異の事情を見のがすわけにはいかないのであります。このため、公労協は、昨年暮れから、五千円から六千七百円の賃上げという非現実的な要求を掲げ、その前哨戦を散発しつつ、去る十三日、公然と法律を無視して、来たる三十一日の半日スト断行を宣言したのであります。しかも、この公労協は、公共企業体等労働関係法第十七条で「職員及びその組合は、同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。又職員は、このような禁止された行為を共謀し、そそのかし、若しくはあおってはならない。」とあります。さらに、第十八条には、この「規定に違反する行為をした職員は、解雇されるものとする。」と、きびしく取り締まっているのであります。(拍手)これは、電信、電話、郵便、鉄道というような国民生活の大動脈を守り、その中にわれわれ国民大衆が日常の便利を得るという、公益事業の性質から当然のことであります。この当然普遍の事実を内容とする法律が、公務員に準ずる公共企業体の職員によって、スケジュール闘争として年々歳々繰り返され、法秩序の破壊が常態化するという事態を招いていては、法治国の面目いずこにありと言えましょうか。(拍手)
 政府は、来たる三十一日の公労協のストライキに対し、いかなる対策と覚悟を用意しておられるか。この対策は、単に春闘を乗り越えるというような目先ばかりのものでなく、たび重なる法秩序の破壊がもたらす慢性による不惑症から目をさまし、政治に対して全国民の信頼を回復して、法治国家としての真面目を維持し、国民生活を守る絶好な機会と思われるのであります。池田総理大臣の御所信をお伺いしたいと思うのであります。(拍手)
 全逓は、かねてから、しばしば、順法闘争と称して超過勤務拒否サボタージュを重ねることによって郵便業務の運営を妨害してきましたが、先般来、特にその悪質な行為が積み重ねられて、これがため全国の郵便遅延ははなはだしきものあり、受験期、就職期にあたって郵便や電報が間に合わないために起こる悲しいニュースや、商取引が間に合わないために、意外な損害をこうむったなど、庶民生活に暗い影を投じてきたのであります。(拍手)しかも、昨十六日現在で、郵便の滞貨百八十一万通、小包一万二千個に及び、ことに、東京、大阪、名古屋は、はなはだしいのであります。さらに、昨日全電通が行なった全国六十の電報電話の職場大会によって、市外通話十二万回線がストップという、近代社会のコミュニケーションを麻痺させている事実を何と見るでありましょうか。(拍手)さらに、郵便のおくれは、はがき一枚五円、封書十円ではとても商取引などに間に合わないため、二十五円の切手を張って速達にして用を弁ずるものが近来特に増加の傾向があるのであります。(拍手)全逓のスト、サボタージュは、国民にいたずらに無用の出費をしいているのであります。罪なき国民の迷惑これに過ぎるものはなしといわざるを得ません。(拍手)去る十一日、大阪市東成郵便局で、勤続四十年の集配課長が、郵便物の滞貨を苦にして、今度の全逓の春闘は乗り切る自信がないとの遺書を残して自殺したという悲報は、人間の心を持つ組合員ならば何と聞くでありましょう。仲間を死に追いやり、国民に不便を与えて恥じない彼らと断言せざるを得ないのであります。(拍手)かかる全逓、全電通に対し、いかなる措置をもって臨むものであるか、小金郵政大臣の所見をお伺いいたすものであります。
 国鉄もまた、三月上旬から順法闘争といって違法行為を行なってきたのでありますが、ことに動力車労組では、去る十五日、十割闘争を企て、翌朝四時にストはひとまず中止はしたものの、この間に、全国にわたり、貨物、旅客の運休二十八本、抑留二十三本、遅延五十一本で、延べ二千三百六十六分の遅延となっているのであります。このうち、旅客列車は、二時間半おくれた急行「おいらせ」を初め、三十七本に及んでいるのであります。しかも、駅の構内に押しかけてきた応援のオルグ団や、機関士を機関車から引きずりおろそうとする実力行使の組合員は、いずれも手ぬぐいで覆面しているのであります。これは、公安官に証拠写真をとられまいとしているのであります。覆面の実力行使とは、民主主義下の労働運動とは思えない陰惨さを国民に与えるものであります。(拍手)覆面は、いつ暴力に転化するかわからないのであります。木暮運輸大臣に、国鉄の状況と経過、今後の対策と決意をお伺いするものであります。
 以上述べたように、組合が現在行なっている争議はあらゆる点から違法にかかわらず、三十一日に半日ストを公言してきた公労協が、その広言、宣伝の虚勢から、全国民大衆を敵としてストに突入するならば、重大な混乱を引き起こすことは必然であります。これは、まさに、法律無視、民主主義の否定であり、国民に対する挑戦であります。(拍手)また、かかる行為を指導した者はもちろん、これに加担した者は、すべて公労法の定めるところに従って、その地位を奪って解雇することが、国民すべての要求であり、声であると思うのであります。(拍手)政府はいかに考えているか、重ねて池田総理大臣の御所信をお伺いするものであります。
 しかし、強いばかりが能ではありません。違法争議を扇動する一部幹部は別として、賃上げそのものは、善良な一般職員にとっては重大関心事であります。これについては、現在の経済諸情勢、特に、勤労者に対してもあたたかい政策をもって臨もうという池田内閣の基本方針からしても、政府はいかに対処しようとするものでありますか、この際お尋ねしておきます。
 組合は、違法争議行為の口実として、政府がこれまで仲裁裁定を実施しないという言いがかりをつけているが、このような事実がはたしてこれまであったかどうか、これについて政府の見解をお尋ねしておきます。
 また、先般、労働大臣が公労委に職権をもって仲裁を請求したのに対して、組合側は、公労委には労働者側委員を出席させないとか、仲裁裁定が出ても、これを拒否してストを行なうなどと言っており、また、仲裁裁定は、公労法に定めている通り、労使当時者を法律的に拘束し、労働組合もこれに従う義務があるにもかかわらず、組合側は、仲裁裁定が出ても、それが気に入らなければストを行なう、と公言しているのであります。ちょうど、一般裁判における最高裁判の判決にひとしい公労委の仲裁裁定を無視しようと事前に宣言するがごときは、法治国家において、常識では理解できないものであります。(拍手)これは、公正な公労委に対し、組合の力で圧力をかけるどうかつであると思うが、石田労働大臣の所見と今後の見通しをお伺いしておくものであります。
 この際、私は、特に農林大臣の御所見をお尋ねしておきたいと思います。
 このたびの国会は、農業国会といわれるくらいに農業問題に重点が置かれ、農業基本法が政府から提案され、さらに、野党からも提案されており、全農民は法案の審議を見守っていることは、御承知の通りであります。しかるに、六百万農家の指導行政機関であり、農業基本法が通過の暁はその実施機関である農林省において、全農林の組合員が、法案がいまだ提案されないうちから農業基本法粉砕の態度をきめ、そのビラを役所に張りめぐらし、日中、時たま、庁内の廊下で大多数の組合員がスクラムを組んで気勢を上げているがごときは、見るにたえざる醜態といわなければなりません。(拍手)自分たちの役所がこれから責任を持つ政策に対し、前後の見さかいもない態度をとることは、世人のとうてい認め得ないところであり、農民は危惧の眼をもって見ているのであります。このような全農林に対し、周東農林大臣はいかなる指導、啓蒙を行なっておられますか、それをお尋ねするものであります。
 最後に、西村防衛庁長官にお尋ねいたします。
 去る十五日、防衛庁は、参議院予算委員会において、自衛隊の治安行動基準なるものを発表されました。その委員会を傍聴していた私の不可解にたえなかったことは、共産党の議員が、発表されたもの以上に詳細なものを防衛庁の幹部からすでに入手しており、長官はそれを知らぬかと再三にわたって迫っておった事実であります。役所の草案が、しかも、わが国内治安の行動基準というべきものが、長官もまだ見ていないうちに、幹部の手から部外に、いともむぞうさに漏れたりするようなことがあれば、官紀紊乱これに過ぎたるものなしといわざるを得ないのであります。(拍手)この席上において、かかる事実の有無について明白にされたいと思うのであります。
 とかく、最近、官庁の内部が弛緩し、奉仕者としての公務員の精神が緊張を欠いている事例を見ることがしばしばであります。政治の姿勢を正す内閣とは、各省の責任者が、それぞれの所管において、庁内をよく把握することであります。終戦後、とかく組合の集団圧力によって法秩序や労使慣行の土俵がこわれっぱなしになっているのを正常に戻すために、断々固としてその政治力を発揮していただかなければなりません。しかして、池田内閣の高度経済成長を裏づける行政のあたたかい体温を国民大衆に感じてもらうことが最も基本の態度であると信ずるものであります。切に閣僚各位の発奮を期待して質問を終わるものであります。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) 公労協が、今次賃上げの闘争に際し、法に違反してストライキをしようとすることは、法を無視し、法治国家の国民としてあるまじきことでございます。(拍手)かかる行為は、民主主義に反するものでございまして、国民とともに、許すべからざることであると私は考えております。政府は、あくまで法の建前に従いまして、違法行為に対しては、厳正な態度によりこれを処罰し、法を守る考えであるのであります。(拍手)
 また、私は、かかるストライキ決議に対しまして、国民もきびしく批判することを確信いたしております。しかし、われわれは、善良なる一般組合員の要求で、われわれの納得し得るものにつきましては、あくまで善良なる組合員の希望を満たす考えでおるのであります。(拍手)
 なお、公労協のみならず、最近、国家公務員におきましても、その組合活動が正常なる国務の運営を阻害する場合があるのであります。私は、本日の閣議におきまして、厳に、かかる不法な行為を行なわないように、各行政長官を督励いたした次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣小金義照君登壇〕
○国務大臣(小金義照君) 郵政事業並びに電信電話事業につきまして、今御指摘になりましたような、まことに遺憾な事態が起こっておりますことを、私は残念に思っております。この原因の除去につきましては、管理者側たる私どもの方も省みて、給与の問題とか、施設の近代化、合理化とか、いろいろ行なうべきこともございますが、ただいま問題となっておりますのは、いわゆる春季闘争というので、その闘争の目標になっておるところを見ますると、これは直ちに話し合いに進むべきものであるというので、話し合いを始めております。にもかかわらず、あのような事態が起こっておることは、今申しました通り、まことに遺憾でございます。この事態を早く解決するためにも、大部分の郵政職員がまじめで働いているのにかかわらず、郵便局で申せば五十局か六十局か、また、その一部の人が、いろいろな職場において十分な勤務内容を示さないということが原因でありますので、この除去のためには、私は全力をあげて努力いたしております。今総理大臣が申されたように、法律を犯し、また、違法な状態を生じた者に対しては、非常に残念でございますが、法治国でありますから、法の命ずるところによって、法律の定める通りの処置をとりまして、そうして、内閣できょうお話がありましたような、官紀を振粛して、労使相ともにこの不名誉を回復するよう努力いたします。(拍手)
  〔国務大臣木暮武太夫君登壇〕
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。
 三月一日から三日間、熊本及び門司地区におきまして、操車場を中心としてストが行なわれまして、一日から三日にわたりまして、運転中止をいたしました貨物列車百一本、遅延した旅客列車三十四本、貨物列車の遅延七十五本を出しました。この法律に反したストに対しましては、国鉄は、十一日に解雇九名を含む二十九名を断固処分いたしました。引き続き、三月十四日から、さらに訓告を含んで三百五十八名の処分を行なった次第でございます。
 次に、三月十五日に予定されておりました国鉄の動力車労組のストにつきましては、国鉄当局と労組の良識によりまして一応ストは回避されましたが、その際、組合のスト中止の指令がおくれたために、残念ながら、一部に旅客列車三十七本、貨物列車十四本の遅延、運休貨物列車二十八本等を生じた次第でございます。
 御承知の通り、ただいま、公労協の戦術によりまして、春闘計画で、国鉄の労組と国鉄の動力車労働組合等が、賃上げと勤務時間短縮とスト権奪還という無法なことをスローガンに掲げまして、三月三十一日に第一波の半日ストを行なうような態勢を固めておりまするが、ただいま総理から申し上げましたように、公労協の労働条件につきましては、公労法によりまして、当事者の間で相談をして、話し合いがつかなかった場合には、もちろん、あっせん、調停、仲裁制度で解決するのが当然でございまして、国民大衆の生活に混迷を与えるようなストは、法がこれを厳重に禁止しておるのでございまして、もし、万一、かような公労法に違反する行為をいたす者がありといたしますならば、関係者は今後断固として厳重に処分するものと考える次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣石田博英君登壇〕
○国務大臣(石田博英君) 第一の、正当な要求に対してはあたたかい態度をもって臨めということでありますが、この点につきましては、政府は、公労協の賃金の問題について、諸般の事情から、相当程度の賃金の上昇は認めるべきものであるという方針をとりました。そうして、従来は、団体交渉その他の公社側、現業側の回答はゼロであるのが通例でありましたが、しかし、これは今までは予算上、資金上やむを得ない点があったのでございますが、そういう点の掃除をいたしまして、現業、経営者当局が最大の誠意を示すよう処置をいたしました。その結果、一般の定時昇給九百円のほかに千円程度の賃上げの回答をしておることは、皆様方御承知の通りであります。これで話し合いがつかない場合は、当然、公労委の調停、仲裁を待つべきでありまして、政府は、しばしば、その仲裁がおりましたならば、これを完全に実施する旨を明らかにして参りました。
 この仲裁裁定実施の問題でありますが、組合側のスト宣言にも、また、その他の議論にも、政府が仲裁裁定の実施について誠意がないという議論がございます。しかし、三十一年以来今日まで、七十件の仲裁がおりたのでありますが、これはすべて完全に実施して参ったのであります。(拍手)従って、今回も、先ほどからの答弁にもございましたように、仲裁裁定はこれを完全に実施する方針であります。賃上げはすべきである、また、具体的にその回答が示され、それ以上の議論は仲裁裁定を待って行なうということを政府が確約しているにかかわらず、私は、何のために法律を犯し、国民、世論を敵に回して、違法の争議をもってこれに対抗しようとするのか、全く不可解であり、かつ、残念であります。
 なお、スト宣言の中には、最低賃金制云々の要綱がございましたが、私どもの方へ持って参りました文書の中には書いてありましたけれども、私どもとの話し合いには全然出て参りませんでした。元来、この制度は、国会において議論し、制定せらるべきものでありまして、スト等の一部の力によって、国民全般に及ぼすものを処理すべきものでないことは、言うまでもありません。先ほどからの御答弁にありました通り、われわれは、聞くべき要求はこれを聞き、しかも、仲裁裁定を完全に実施するということを、しばしば明らかにしているにもかかわらず、私どもは労組幹部並びに労組員の良識を期待はいたしますけれども、しかしながら、もしも三十一日に違法の行為が行なわれましたならば、法に従って厳正な処置をすることは、これは申すまでもないのであります。また、私が職権仲裁に出ましたのは、われわれは、あらゆる限りの努力を払って国民に迷惑をかけないように努めるばかりでなく、かつ、第三者の公正なあっせんによって適当なる賃金の上昇を行なおうとする施策にほかならないのであります。今、この仲裁裁定が進行中でありまして、いろいろの議論はございますけれども、本日もまた若干の難航をいたしましたが、順次予定の通り進行しつつあるという報告に接しておる次第でございます。
 裁定は、これは言うまでもなく、法律上最終のものであります。私は、この最終の裁定が、公正かつ良識ある裁定であると信ずるのであります。かつ、それを期待するのでありますが、それをしもじゅうりんするということであれば、これはもう法治主義に対する公然の挑戦でありまして、国民はひとしくこれを許さないであろうと思いまするし、先ほどから申しました通り、政府は法による断固たる処置をとることは申すまでもございません。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇〕
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。
 全国の農民が長くから希望をいたし、それに沿いまして政府が出しました農業基本法に対し、農林省における職員のごく一部が反対をし、それがベース・アップ等に関連をいたしまして、すわり込みあるいはデモを行ない、あるいは庁中において不穏な張り紙をする等は、断固許されるものではございません。私は、庁中の管理の権限に基づきまして、所定の場所以外にはポスターその他の張り紙をすることは厳禁いたし、所定の場所といえども、検印のなき、許されざるポスター等については、その貼付を禁ずる処置をとっております。今日はきれいになっております。同時に、デモまたはすわり込みの行為をなした職員につきましては、その確認をいたして、これに対する相当な処分を行なうつもりでおります。
 なお、この農業基本法に対する問題でありますが、ただいま申し上げましたように、ごく少数の人といえども、これが反対をしているというような格好は、あたかも農林省の全部の職員が反対しているかのごとき印象を与えることは、まことに遺憾千万でありまするので、私どもは、今後とも、これらに対しては十分の理解のもとに説明をし、そうして、行き過ぎのないようにいたし、行き過ぎの行為に対しましては厳重なる取り締まりをいたす考えでおります。(拍手)
  〔国務大臣西村直己君登壇〕
○国務大臣(西村直己君) 先日の参議院の予算委員会におきまして、日本共産党岩間議員から、防衛庁の治安行動草案なるものを手に入れたといって発表したのであります。自衛隊といたしましては、治安維持そのものは本来の任務でありまして、従来とも、治安行動の基準なるものは、隊内におきまして、一応草案として、検討はたびたび重ねておるのであります。また、草案そのものも、年によって相当改変はされております。ただ、かかるものが、かりに、いかなる経路にいたしましても、入手されたといたしますれば、まことに遺憾にたえないところでありまして、自衛隊といたしましては、もちろん、これは事実それが入手されたものであるかどうかは、ただいま調査中であります。そこで、これが入手されました経路をかりにたどりましても、九州方面の部隊に配付されました取り扱い注意、この程度のものではございますが、私どもは、これを一件忘失いたしましたものがありますので、厳重注意を加えますとともに、今後、全自衛隊あげまして、かかることのなきように注意を加えて参りたいと思います。
 なお、日本共産党の岩間君の発表されました文書がそのものであるかどうか、合法、非合法で入手されたのかどうか、これらは今後調査を重ねて参りたいと思いますと同時に、また、自衛隊に対しまして撹乱いたしたいと考えている分子もあるやに推定いたしておりますから、われわれは、これらの面に対しましても十分の配意を加えながら、今後、自衛隊の官紀振粛に一段と力を添えて参りたい考えでございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 公労協関係の労働問題に関する緊
  急質問(小林進君提出)
○副議長(久保田鶴松君) 次に、公労協関係の労働問題に関する緊急質問を許可いたします。小林進君。
  〔小林進君登壇〕
○小林進君 公労委に対する仲裁請求並びにILO批准等、一連の労働問題に関しまして、政府に御質問をいたしたいと存じます。
 終戦後十六年の歳月を経過いたし、ここで幾多の法案、条約を審議いたして参りました中で、今でも私のどうしてもふに落ちない点が二つございます。その一つは、ガリオア、エロアの返済の問題であり、その二つは、公共企業体等労働関係法に含まれている仲裁裁定の問題でございます。私どもは、この二つに対しては、これくらい巧みに国民をだました事案はないと、今でも不可解な気持にとらわれておるのでございます。(拍手)占領中は、何回も、ここで、われわれは感謝決議を上程いたして、そして、みんなで、ただもらったものと思っておりましたそのものが、今になって、これはくれたのではない、貸したのだというがごときは、まことに不可解千万といわなければならないのでございます。その点はしばらくおくといたしまして、次の仲裁裁定に関する問題でございまするが、公共企業体等労働関係法は、皆様御承知の通り、占領行政下におけるマッカーサーの命令で、超憲法的立場から制定されたのでございます。
 そもそも、戦争に負けた日本に対し、極東委員会は、日本の労働運動推進の原則を確定し、それに基づいて、労働組合法、労働関係調整法及び労働基準法などが相次いで制定をされ、これら労働三法は、国家公務員にも、地方公務員にも、民間における労働者と同様に適用されることを建前としておったのでございます。従って、国家公務員も、三公社五現業も、労働組合員も、いずれも、憲法第二十八条の原則に基づき、労働三権たる団結権、団体交渉権、争議権の三つの自由権を持っておったのでございます。しかるに、その後に至り、マッカーサーの極東政策の転換により、政令二百一号が発せられ、公務員の争議行為及び労働協約の締結を目的とする団体交渉を禁止することになり、ここに、公共企業体等労働関係法案が初めて国会に提出せらるるに至ったのでございます。これは憲法を制限し、労働者の基本権を剥奪するものであるがゆえに、当時、世論はあげてこれに反対をいたしたことは、皆様御承知の通りであります。
 当時、政府は、この提案理由を左のごとく説明いたしておるのでございます。すなわち、公共企業体の職員は、団体交渉権は、労働組合法の定めるところにより、完全に保有するのであります。しかるに、公共企業体の職員には、国家公務員に認められるその地位に関する特別の保障もございませんので、これにかえて、一、完全なる団体交渉、二、適正迅速なる調停、三、厳正なる仲裁制度の確立をすることにより職員の生活の安定を保障する必要があるのでありまして、これに関する法制的処置を講ずるを必要としたのでございます。云々と言っておるのであります。繰り返して言うごとく、憲法に定められた労働者のただ一つの権利である争議権をとらんとする、ストライキ権を剥奪せんとするのでありまするがゆえに、国民はこの点に最も強く関心を寄せ、激しい論争を繰り返したのでありますが、これに対し、政府は、断じて職員の生活の安定は保障する、そのために完全なる団体交渉、迅速適正なる調停、厳正なる仲裁制度を確立して、これに従うということを公約いたしておるのでございます。
 この法律は、かくして、昭和二十四年六月施行せられ、自来十余年の歳月を経過いたして参りました。しかして、この間において、政府は、このみずからの公約を、はたして完全に実行したかどうか、われわれは、まずこの点を振り返ってみなければならぬのでございます。今年二月末まで、仲裁件数九十件、その中の賃金改定六十三件、わずかの予算上、資金上可能の分はこれを承認しながらも、実質的に労働者の願望する重大なる要求は、いずれも予算上、資金上不可能分として国会に提出をせられ、それは二十八件に及んでおるのであります。そのうち、賃金改定分で、国会へ出たまま、じんぜん歳月の経過にまかせておき、いつか支出可能として消滅したもの十七件、実施日を全くおくらせて承認し、その効果を失わせたもの十件、金額を限定して承認したもの一件、承認しなかったもの一件という状態であります。そのいずれもが欺瞞もはなはだしい不完全実施であって、このために、この十年間、公共企業体労働者八十万の失った額は、実に驚くなかれ、七百億円以上に及んでおるのでございます。(拍手)この七百億円は、公共企業体に働いている労働者の、人間として生きる最低の生活を潤す金でございます。愛する子供をいたわり、疲れたる妻を慰め、家庭を潤し、教育のために費やす、とうとい金なのでございます。これを、政府は、仲裁裁定を実質上ボイコットすることによって、労働者から奪い去ってしまったのでございます。(拍手)労働者のスト権奪還の要求は、まことに当然であるといわなければならないのでございます。(拍手)これを首相及び関係大臣はいかに解せられるや、私は承りたい。ここで、だまされた労働者が、われわれはもうだまされない、スト権を返せと要求すること、はたして政府の側にも責任がないかどうか、スト権奪還を叫ぶ組合のみにその責任を転嫁せんとする卑怯な行為は政府みずから反省する余地があるかないかを、私はお伺いいたしたいのであります。(拍手)
 第二の公約として、政府は、厳正公正なる仲裁裁定を確立し、その決定に服することを公約いたしました。しこうして、今日ある仲裁裁定は、はたして厳正にして中立なりやいなや、われわれは非常に疑わざるを得ぬのであります。少なくとも、その一方の利害関係人である職員側からの信頼を受けておらぬことは事実であります。その第一は、公労委の中にある公益委員は政府の一方的任命によってきめられておること、しかも、そのメンバーの中には、少し前までは、労働官僚が公益委員をも兼務いたしておったことも事実であります。前公労委会長が政府代表として国際会議に出席したことなど、全く政府の御用機関に落ちておると思われる点が多々あったのでございます。現公益委員においても、五名中に二名、かつての労働省の官僚と大蔵省の官僚が含まれておることは、天下周知の事実であります。こうした疑点に立つ公労委が、従来政府の圧力に屈してゼロ調停を出したり、また、まことに不可解な仲裁を出してきたこと等の実績に照らして、この公労委から公正なる裁定を期待することができぬという公共企業体職員側の主張は、最も正しい理由あるものと考えられるが、政府側の所見はいかがでございましょう。この際、厳正中立なる機関の決定に服するという政府の謙虚なる態度を中外に表明する意味においても、公益委員を解任し、新たに民主的な方法で選び直す考えがないかどうか、総理大臣並びに関係大臣に承りたいのでございます。
 近来、物価の値上がりはまことにものすごいものがございます。言わずもがな、所得倍増などという、ありがたや、ありがたやの池田ムードによって、国民は名実ともに塗炭の苦しみに落ちておることは、先刻わが党平岡議員の論述した通りでございます。その反面、公共料金の値上げを大幅に実施するというのでありまするが、わずか六百億円の減税をして、四百余億円の公共料金の増収をはかるということは、高級所得者のみに税金の恩典を与え、その見返りに労働者、一般庶民の涙の金を吸い上げるというのでございまして、これはまことに残酷、非道な政治であるといわなければなりません。公共企業体労働者等、一般庶民や働く人々の賃金は、すでに実質上二、三割も低下いたしておるのであります。企画庁長官の言う、本年度の消費物価の値上がりは大体一・一%程度にすぎぬなどという説明に対して、国民は嘲笑をいたしております。大臣は、今でも、まじめにこれをお考えになっておるかどうか、承りたいのであります。庶民の生活に縁遠いそんなことより、現実に、二十円のとうふが二十五円に値上がりをしておる、五円のがんもどきが七円になっておる。一カ月の食事代として月給の中からきちんと分けておくその予定の金が、今では半月持たずに飛んでいってしまうというのが、家庭を守る婦人の悲鳴でありまするが、総理大臣にはこの声が一体聞こえますかどうか、承りたいと思うのであります。
 この庶民の毎日遭遇しておる値上がりへの恐怖が感知できないような間延びした大臣がこの国にいらっしゃるところに問題があるのでありまして、このたびの春闘の理由も、生存権まで脅かされておる勤労大衆の生きんとする最後の反撃にほかならないのであります。そうした生活の苦難の中に歩みながら、今、三公社五現業の労働者が、それぞれの格差はあるが、平均五千円の賃金要求をしておることは、私は当然の要求だと思います。それに対して、各企業庁の回答は、あるいは千円であったり、あるいはゼロ回答であったり、第三者から見ても誠意ある回答とは受け取れぬ様相を呈しておるのであるが、予算上、資金上の処置は別として、この要求自体は決して不当なものでないと信ずるが、首相及び関係大臣のそれぞれ担当している業態の中において、これが不当であるかどうか、誠実ある答弁を一人々々の大臣からお伺いいたしたいと思うのでございます。
 政府は、しばしば、この本会議場において、ILO八十七号を批准することを公約いたして参りました。岸首相しかり。倉石元労相においては、特に、現職の当時、わざわざジュネーブの国際労働機関まで出向いて、その約束を世界に公約いたして参りました。しかるに、その後、諸多の理由に籍口して、じんぜん日を延ばしてきた結果、ついに、ILO自由委員会、ひいては理事会の正式決定に基づいて、五月中にこれを批准すべきことの希望、要望を寄せられるに至ったのでございます。ここまで追い詰められるまで日を延ばし、国際的信用を失うに至った政府の責任は、まことに重大であると思う。日本の労働者に対する公約違反のみにあらず、世界におけるILO関係各国に対して重大なる違約を犯したものにほかならぬからでございます。
 今日、ここまで追い詰められてきた政府は、いまだその最終的態度を決定し得ず、右顧左眄しているとき、今朝新聞紙の伝えるところによれば、ついに自民党内反動勢力の要望に屈服したということが報ぜられておるのであります。すなわち、ILO八十七号を批准するためには、国内法たる公労法四条三項、地公労法五条三項を削除さえすればよいのであるにもかかわらず、この際公務員の政治活動制限を強化することに方針がきまったというのであります。すなわち、公務員の政治活動制限を大幅に強化するために、人事院規則一四、一五を法律化して、政府が人事院にかわってその運用に当たるとともに、各省の人事管理の面をも強化して、閣議できまった案件に反対しても処罰するという、警察的権力を強化しようということに方針がきまったというのでありますが、これはまことに重大な問題であるといわなければならぬのでございます。(拍手)
 公務員は政党の従属物でなく、行政官として行政の中立性を守るのが本来の性格でございます。いかなる内閣が生じようと、彼らは常に国民への奉仕者として厳正中立にその行政の面を担当していかなければならぬのが、三権分立の正しい民主政治のあり方であります。しかるに、近来の行政各庁のあり方はどうでありましょうか。課長以上の高級官僚は、全く与党自民党の出先であり、手先化しつつあるのであります。与党の何々部会というものに出勤するのが彼ら高級役人の正常の勤めだというふうに思っている。実力者の大臣のいない各省の長官は官僚から問題にされず、局長みずからが党の実力者とともに予算の折衝をしているという状況であります。政党あるを知って政府あるを知らず、政党と政党のボスの鼻下に奉仕する官僚のあり方は、まさに行政の中立性が失われ、憲法の基本がそこなわれているといわなければならないのであります。(拍手)もし、人事院規則を改め、綱紀を粛正する必要があるとすれば、この高級官僚と政党ボスとの野合をこそ徹底的に粛正しなければならぬのであります。(拍手)この本質のおそるべき誤りを見落として、働く職員の人間としての行動を弾劾せんとするがごときは、本末転倒もはなはだしい暴挙といわなければならないのであります。(拍手)
 一般の公務員は、公務員であるとともに労働組合員であり、そしてまた、人間であります。職場において正当に行政事務に従事している限り、その自分の自由の時間に労働者として行動し、人間として発言することは、十分許されていいはずであります。長谷川君の言うがごとく、もし公務員が自民党の農業基本法に反対したからけしからぬというのであれば、高級官僚が、わが社会党の農業基本法に反発し、攻撃することは、一体どういうことになるのでございましょうか。(拍手)これを許し、あれを許さぬというがごときは、まことに自分勝手の妄言といわなければならないのであります。(拍手)
 この際、特に各省大臣にお伺いをいたしたい。省内特定の法案に反対する自由は公務員に許されておらぬのかどうか、明確にお答えを願いたいと思うのであります。また、政府は、今日の行政高級官僚のあり方が行政本来の中立性を犯しておらぬと考えておるかどうか、これでよろしいと思うかどうか、政党に隷属しておる今日のこのあり方は日本の立憲政治を根本的に危険ならしめる重大なる行為と考えるが、政府の所見いかん、関係大臣の所見を承りたいと思うのであります。
 こういう状態の中に、労働組合員のみに厳重なる法改正を行なって、これを取り締まらんとすることは、いやしくも民主政治に名をかりた独裁政治であり、自派に不利なものをことごとく葬り去らんとするヒトラー的思想といわなければならないのであります。(拍手)いたずらに事態を混乱に陥れることのないよう、総理の善処をお願いいたしたいのでございます。もし改正を行なわんとするならば、まず、この高級官僚と各省のあり方を根本的に是正すべきであると思うが、再びこの点に対する明確なる御答弁をお願いいたします。
 ILOは、言うまでもなく、国際的平和機構であります。人類の平和を維持し、その進歩を祈念するためには、労働者への圧迫と、弾圧と、取り締まりと、警察権力的な強権を排除して、その利益と生活を十二分に守らなければならぬことを崇高なる理念としてできた機関であります。その中の八十七号は、この立場に立って、労働者の団結する権利と役員選出の自由を守らなければならぬことを規定いたしておるのであります。そうして、日本の政府が、この公共企業体の労組に対して、職員にあらざる者は組合員になることができないという国内法を定め、役員選出の自由を奪っておること、団結の自由を弾圧しておることが世界的に非難を受け、これを改めるべきであることの勧告を受けておるのが、すなわちこの批准問題にほかならないのであります。
 こうした経緯の中にあって、今、政府が、八十七号批准に際し、公務員圧迫の法改正を強化し、人事院という第三者機関から人事管理権を内閣に移し、いやしくもその内閣の意に沿わざる者は断じて処罰するというがごときは、薬を変じて毒となすものであるといわなければならないのであります。(拍手)
 こうした暴政を行なわんとする政府に対して、どうして労働者は信頼することができましょう。かくのごとき刑罰付、条件付態度でILO批准を行なわんとしても、それがすなおに承認されぬことは、火を見るよりも明らかなる事実であります。舞台は日本からやがてジュネーブに移り、国際舞台において、世界から池田内閣が嘲笑されることを、われわれは心からおそれるものでございます。池田首相は、仲裁裁定請求をした今日、こうした思い上がった態度はこれを改め、ILO八十七号を正しく批准するという姿勢に戻って、国内の労働行政を正常に戻す端緒とする考えはないかどうかを承りたいと思うのでございます。
 今や、事態は徐々に悪化の方向に走っております。このままの態勢が進んでいけば、昨年春の安保条約批准以上の険悪、逼迫せる事態が国内に巻き起こりてくることは必然であります。池田首相の善処を深く要望いたしまして、私の質問を終わることにいたします。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。
 公共企業体のストは、法の禁ずる違法行為でございます。違法行為につきましては、私は厳正なる態度で臨みます。
 また、公労委の公益委員は、労使の委員から意見を聞いて作りました名簿により、国権の最高機関たる国会が承認したのでございます。私は、これは大いに守らなければならぬと思います。(拍手)これに対し批評を加えることは、いかがかと思います。
 次に、職員の給与は、それぞれの機関により公正に定められております。今後、給与の改善につきましても、私は努力するにやぶさかではございません。
 ILOの問題は、施政方針で申した通りであります。(拍手)
  〔国務大臣石田博英君登壇〕
○国務大臣(石田博英君) 公労法制定当時の御議論がありましたが、公労法は、司令部の政策変更によって制定せられたものではなくて、当時、公共企業体の労働事情はきわめて悪化をいたしまして、国民に大きな不安を与えたことによって制定せられたのであります。また、公務員あるいは公共企業体め従業員に対しまして、労働三権について若干の制限がありますことは、各国の通例であります。
 それから、公共企業体労働委員会の公益委員について御議論がありましたが、ただいま総理から御答弁がありました通り、今回任命せられました公共企業体の公益委員は、労使双方の十分のお話し合いと御了解の上で、本議場において、超党派的に、満場一致決定せられました委員でございます。(拍手)私は、その委員の厳正公平に深い信頼を置く次第であります。
 また、仲裁裁定の今日までの実施の状況でありますが、三十一年以前におきまして、予算上、資金上の理由をもって国会の議決を求めたことがしばしばございましたことは、御指摘の通りであります。しかし、その後、その反省の上に立って、昭和三十一年以降は、先ほどから申しました通り、七十件の裁定に対して、これを完全に実施いたしております。(拍手)また、これからも完全に実施することは、しばしば明言した通りでありまして、五年以前の事実をあらためて言って、現在に最も近い五年間に実施したことにお触れにならないことは、私としてはきわめて奇怪に存ずる次第であります。
 それから、ILOの問題は法律案が提出せられましたときに御議論を申し上げたいと存じますが、八十七号条約には、明確に、労使双方とも国法を守らなければならないということが規定せられておることを御記憶願いたいと思います。
  〔国務大臣木暮武太夫君登壇〕
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えします。
 国鉄労組の六千円ベース・アップの要求というものは、国鉄に今後年間五百億円の人件費の増を負担させるものでございまして、こういう大きな負担でございますから、国鉄当局と国鉄労組との話し合いが妥結をいたしませんで、ただいまは公労委にかかっておる次第でございます。公労委の仲裁裁定がございますれば、私どもは、これを忠実に実施する考えでございます。
  〔国務大臣小金義照君登壇〕
○国務大臣(小金義照君) 郵政事業も電気通信事業も、これは、国民生活上、また、経済活動上、きわめて大事なものであって、瞬時もこれが阻害されることは許されないのであります。それらの点を考慮いたしまして、私は、再度にわたって申し入れをなして、違法状態を作らないように、また、法律、命令に違反しないように警告をいたしましたが、まことに残念な結果が起こりつつあります。
 そこで、今、小林さんから、大体郵政省あるいは日本電電公社で出した金額が妥当なりやというようなお尋ねでありますが、これは、私ども日本電電公社及び郵政省ともに妥当なりと考えて回答いたしましたが、受け入れられなかった。そこで、公平そして民主的な第三者的機関であるところの公労委に対しまして、労働大臣が仲裁の申請をされた。従って、ここで妥当な判断をされることと信じますので、私は、今、私どもが出した回答が妥当なりやいなやについては言を差し控えたいと思っております。(拍手)
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○副議長(久保田鶴松君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後七時四十九分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        法 務 大 臣 植木庚子郎君
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        農 林 大 臣 周東 英雄君
        通商産業大臣  椎名悦三郎君
        運 輸 大 臣 木暮武太夫君
        郵 政 大 臣 小金 義照君
        労 働 大 臣 石田 博英君
        国 務 大 臣 池田正之輔君
        国 務 大 臣 迫水 久常君
        国 務 大 臣 西村 直己君
 出席政府委員
        法制局長官   林  修三君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 廣瀬 眞二君
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