第038回国会 本会議 第44号
昭和三十六年五月二十三日(火曜日)
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 議事日程 第三十五号
  昭和三十六年五月二十三日
   午後一時開議
 第一 健康保険法及び船員保険法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第二 日雇労働者健康保険法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 第三 社会福祉施設職員退職手当共済法案(内
  閣提出、参議院送付)
 第四 公共用地の取得に関する特別措置法案(
  内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 会期延長の件
 水資源開発促進法案(内閣提出)及び水資源開
  発公団法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
 日程第一 健康保険法及び船員保険法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 日雇労働者健康保険法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 日程第三 社会福祉施設職員退職手当共済法案
  (内閣提出、参議院送付)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 日程第四 公共用地の取得に関する特別措置法
  案(内閣提出)
 建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出、
  参議院送付)
 倉庫業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
   午後二時四十七分開議
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 会期延長の件
○議長(清瀬一郎君) 会期延長の件につきお諮りいたします。
 本国会の会期は明二十四日をもって終了いたすことになっておりますが、五月二十五日から六月八日まで十五日間会期を延長いたしたいと存じ、とれを発議いたします。
 本件について討論の通告がございます。順次これを許します。兒玉末男君。
  〔兒玉末男君登壇〕
○兒玉末男君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました会期延長の案件に対し、絶対反対の立場から討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 そもそも、通常会の会期は、国会法に示されてあります通り、百五十日ときめられておるのであります。この間に天変地異や重大な突発事件でも起これば別でございますが、今国会のように、常に日本社会党は国会の正常化を叫び、しかも、平穏無事な今次国会において、政府・与党が、法案の審議に対し、その熱意と誠意を持ち、また、法案提出の時期等に対して十分なる考慮を行ないますならば、この期間というものは十分過ぎる期間でありまして、会期延長を行なわなければならない積極的な理由はどこにも見出せないのであります。(拍手)国会の正常化を無視し、さらには、国民の利益に反するような諸法案の審議を無理押しをいたしました政府・与党の反省を求め、わが社会党の立場を明らかにいたして参りたいと思う次第でございます。(拍手)
 特に、国民大衆の利益に著しく反しますところの国鉄運賃値上げに関する衆議院の審議においても、国民生活に重大な影響を与える国鉄運賃制度と経営の根本的な改革を行なわない限り、その赤字対策は解消できないにもかかわらず、大衆へのしわ寄せにより、一時的な苦痛をごまかさんとする鎮痛剤的な役割しか果たさないところの運賃値上げの強行採決が行なわれたのも、その一つであります。しかも、値上げを行なった直後に、五十億円にも及ぶところの黒字があることが発見され、政府の値上げ問題に対して処置のずさんなことが暴露きれ、国民のきびしい批判を浴びたことは、周知の事実であります。また、この強行採決が、今、国内におきまして値上がりムードなるものを作り、国民生活を所得倍増にあらざる物価倍増によって苦しめているこの事実は、民意を反映しなければいけない議会審議を軽視した政府・与党の重大なる責任といわなければなりません。(拍手)
 また、防衛二法案の審議にあたりましても、この主たる目標が核武装を主体とするところの火力の増強、これの飛躍的発展に備えた師団への改編と治安対策の強化であり、新安保条約によって内乱条項はなくなり、米軍の日本国内の紛争介入ができない現在、日本を常に最前線基地として確保しておきたいアメリカの意向と、安保、三池の闘争を通じて不安感を深めましたところの日本財界の要請にこたえたものであり、国民の税金によって作られた自衛隊が、そのほこ先を国民に向けるおそれを多分に持つものでありまして、この実態を国民の前に明らかにさせないための政府・与党のあがきが防衛二法の強行策となって現われたことは明白であります。
 ILO条約につきましては、三月二十五日に提出されて以来、すでに六十日を経過した今日、いまだにその審議をする土俵すらきまっていない状態であります。(拍手)政府・与党は、特別委員会の設置を要求して、国内の関係法規の総括審議を主張してきましたが、本件につきましては、すでに御承知のように、昭和三十四年、労・使・公益の三者構成による労働問題懇談会において、ILO八十七号条約はすみやかに批准すべし、これに抵触する公労法、地公労法の関係条文は削除すべし、国家公務員法、地方公務員法は改正する必要がない、と一致した三者の見解が述べられております。にもかかわらず、これを尊重すべき立場にある政一府が、今次国会でこの答申を全く無視して、国内法の改悪を主眼にした特別委員会の設置を強硬に主張したことは、これまた、ILOの精神を無視し、自己の利益のみを追求する独善的な態度といわざるを得ないのであります。(拍子)特に、特別委員会の設置につきましては、議院運営委員会においても、各党間の十分な話し合いによって、意見の一致を見て設けるという申し合わせがあるにもかかわらず、自由民主党独自の立場から執拗に特別委員会の設置を主張したことは、与党みずからが国会の正常化をじゅうりんするものといわざるを得ないのであります。(拍手)
 さらに、農業基本法の問題にいたしましても、二月二十三日、政府とわが党が同時に提案説明をいたしまして以来、並行審議がなされてきましたけれども、政府案の審議に充てられた時間は十数時間にすぎず、総括質問すら十分に行なわれることなくして、ついに、四月二十九日、社会党の出席を得られないまま、本院を強行突破する等の暴挙をあえて行なったのであります。このことは、政府・与党が、審議の過程におきまして、政府の農政の矛盾が暴露されることをおそれての行為であるといわざるを得ません。与・野党の十分なる審議を通じまして、よりよき農業基本法を作り上げていくという民主的な議会政治の精神に反するこの行為は、われわれの断じて容認できないところであります。(拍手)特に、農業基本法は農業の憲法ともいうべき重大な法律であり、これの審議は一カ月や二カ月を争うべき問題ではなく、慎重の上にも慎重を期して行なうべき性質のものであります。それゆえに、この法案は、継続審議として、農業問題に限った臨時国会を開催し、徹底的に論議すべきであり、農民の大多数も強くこのことを望んでおるのであります。
 さらに、政府の法案提出の態度についてであります。特に、予算案につきましては、財政法第二十七条により、前年度の十二月中に国会に提案するよう規定されておるにもかかわらず、三十六年度予算は一月二十八日にようやく提案され、さらに、これに関連するところの関係法案百二十三件につきましても、五割近くが三月以降に提案されている実態であります。重要法案といわれておりますところの水資源関係法案にいたしましても、ようやく本日趣旨説明の運びとなっておるようなぶざまな状態であり、政府・与党の怠慢を指摘せざるを得ないのであります。
 (拍手)
 なお、審議にあたりましての与党委員の努力に欠くる点はなかったかという点であります。特に、今国会の顕著な特徴といたしまして、会期中、与党議員の多数が外遊されておりまするが、このことは、各種法案の審議にあたりましての委員会の出席率を低下せしめ、あるいは開会時刻の遅延等の原因ともなり、審議が渋滞した一因となったと私は出与えるものであります。加えまして、特に、今度の国会において重要なる委員会といわれておりまする内閣委員会、あるいは農林水産委員会における委員の出席の状況を見ましても、第一回の内閣委員会におきましては、わが党の九〇%出席に対しまして、与党はわずかに四七%という低調さであります。自来、三十五回までの内閣委員会において、与党の出席率八〇%以上はわずかに八回という驚くべき実態であります。また、農林水産委員会におきましても、三十七回の委員会の間に、九〇%以上の出席率は、わが党の二十五回に対し、自由民主党はわずかに十五回、建設委員会に至りましては、与党の出席率は、三十回の委員会を通じまして、八九%が最高で一回、八〇%より上は実に四回という低調さであります。この実態を見ましても、与党議員の審議にあたりましての努力が欠除していたことが明白に指摘されるところであります。(拍手)審議の期間は、ただ単に長いということだけが能ではございません。その内容において充実したところの審議が行なわれたかどうかが問題の焦点でなければなりません。審議に対するこの与党の態度を見ましても、政府・与党が、自己の怠慢をたな上げにして、党利党略のために会期延長を提出したことは、許されざる暴挙といわざるを得ないのであります。(拍手)
 このように問題の焦点をしぼっていきますと、結局、今回の会期延長の意図するところは、参議院の段階におきまして、池田総理渡米の手みやげを作るための防衛二法案の成立なり、あるいは全国の農民大衆がきわめて疑惑と不安を持っておる農業基本法の成立、さらには、大衆行動を抑圧せんとするところの政治的暴力行為防止法の成立であることは明らかであり、対米追従の、自主性のない池田内閣の実態を示したものであるとともに、これら一連の法律の持つ内容は、各委員会におきまして、わが党の委員がつまびらかに指摘しましたごとく、日本の平和と民主主義と国民生活を極度に脅かすところの反動立法であり、われわれの断じて容認できないところであります。
 この際、私たちは、会期の延長ということのみをもって、いたずらに国会の運営を乱すことなくして、国会運営の衝に当たる政府・与党が、いま少し慎重さと誠意を持って当たるよう、私は、強くその猛省を促しまして、会期延長反対の立場を明らかにし、私の討論を終わらんとするものであります。
 (拍手)
○議長(清瀬一郎君) 大村公平君。
  〔木村公平君登壇〕
○木村公平君 ただいま議長よりお諮りのありました会期延長の件について、私は、自由民主党を代表いたし、賛成の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 このたび会期延長を行ないまするゆえんのものは、現段階における本院並びに参議院の議案の審議の状況にかんがみ、その審議を十二分に尽くし、国政処理の重大任務を全くせんとするためのものであります。それにいたしましても、会期延長の採決にあたりまして、深夜収拾すべからざる混乱をしばしば引き起した過去の事例を想起いたしまするとき、今きわめて平静裏にその賛否を論ずるこの情景こそ、まさに議会主義の一大進歩と申さなければなりません。(拍手)邦家のため慶賀にたえない次第でございます。
 今国会は、昨年行なわれました総選挙後初めての通常国会であります。それゆえに、この国会において、池田内閣並びにわが党は、公約をいたした幾多の重要施策を実現いたし、国民多数の信託にこたうべきであることは、論を待たないところであります。(拍手)しかるところ、二百件以上の法案と、昨年の倍数に上る条約のうち、いまだ本院並びに参議院において慎重に審議中のものが多数ありますことは、御承知の通りであります。会期は百五十日とは申せ、法案と条約、予算とを合すれば、まさに三百件になんなんとし、一日に必ず二件以上の重要なる案件を処理しなければならない状態と相なり、かてて加えて、わが党は、真に寛容と忍耐をもって野党の立場を最大限に尊重いたし、野党諸君の引き延ばし、いやがらせにもかかわらず、慎重に審議を続けて参ったことは、およそ、ごらんの通りであります。(拍手)
 かくのごとく、一方に多数の重要案件あり、他方に慎重なる審議を続けまするため、会期に若干の不足を見ることになりましたことは、けだし、やむを得ざる物理的現象ともいうべきものと存ずるのであります。
 よって、私ども自由民主党は、以上のごとき状態を考慮いたし、ただいま議長よりお諮りのありました十五日間の会期延長の件について賛成をいたし、私は、自由民主党を代表して・会期延長の件につき賛成の討論をいたすものであります(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 佐々木良作君。
  〔佐々木良作君登壇〕
○佐々木良作君 私は、民主社会党を代表いたしまして、議題となっております会期延長の件に対しまして反対の討論を行なわんとするものでありますが、特に、わが国議会制度の本質に対するわが党の考え方を率直に申し述べまして、私の会期延長に対する反対の意見といたしたいと存じます。
 御承知のごとく、なお兒玉君からも指摘されておりますように、憲法は、わが国議会制度において常会、臨時会の制度を採用いたしまして、国会法は常会の会期を百五十日と規定いたしております。しこうして、この常会は、毎年一定時期に定期的に召集せられ、ここで予算案を中心とする政府の来年度計画の大要が議せられ、これが当該年度における政治行事の土台となり、柱となっているものであります。しかも、わが国議会制度の根幹に会期不継続の原則という原理が横たわっておることは、議員諸君も十分御承知のところでございましょう。これらの制度は、言うまでもなく、向こう一年間の行政の基本を百五十日の期間で議了し得る範囲において協議決定することを義務づけているのであります。百五十日という期間の設定は、その長短について是非の論議はあろうかと思いまするが、国会法が百五十日という期間を設定いたしておりまする基本的な理由は、一方において、政府の立法計画に制限を付し、他方において、立法府が行政の分野に立ち入り過ぎないための配慮を含めた規定と解すべきであると考えます。従って、この期間内に審議る終えなかった議案は、当然、一切消滅すべきものと考えます。ここに常会の権限と義務が一定の制限のもとに達成される仕組みになっておるものと考えるわけであります。かかる常会制度の厳粛な実行を憲法は要求するものでありまするがゆえに、別に、臨時に必要があるならば、必要な議題に応じて必要な期間論議するための臨時会の召集を規定いたしておりますることは、皆さん御案内の通りであります。
 このような原則的観点に立ちまして、私は、日本国憲法を最も忠実に守り、かつ、わが国議会制度を最も民主的に運営するために、この常会の会期延長に絶対的反対の意思を表明するものであります。(拍手)
 この際、特に注意を喚起いたしておきたいのでありまするが、国会における立法計画の協議機関として、いわゆる常任委員長会議なるものがあります。自民党の諸君はすでにお忘れかもしれませんけれども、旧国会法にはそのような規定があり、そのような運営がなされておったわけであります。本院におきましては、常任委員長はすべて自由民主党の議員でもって充てられております。政府の立法計画も、院側の立法計画も、これすべて自民党の掌握するところとなっておるわけであります。私は、常会における立法計画は百五十日以内で議了することを前提として立案されねばならぬことを重ねて申し述べるとともに、この原則が自民党一党によってじゅうりんされることの民主政治上の危険を特に強調し、自民党の猛省を促したいのであります。(拍手)
 なお、政府・与党が予定した、いわゆる重要議案が期日内に議了し得ない場合、今回のような場合に、議了させるために会期を延長するというのが・従来とも、また、今回におきましても、会期延長の唯一の理由として与党側から主張せられておるところでありまして、先ほどの木村君の議論もこれに終始一貫されたのだと存ずるわけでありますが、このことについて、私は、民主議会の本質に即して一言いたしたいと思います。
 すなわち、まず、先ほども兒玉君から御指摘がありましたように、会期末に重要議案が残るというこの現象の原因についてでありまするが、大体、その大部分は、政府・与党の責めに帰せらるべき議案提出の遅延であります。あるいは、大村君が指摘されましたように、部分的には野党側の審議態度に基因するものもあるかもしれません。しかしながら、私は、すでに、この責任論につきましては、両党から十分述べられ、議院運営委員会でも述べられておりますので、ここにその責任論を展開しようとするのではありません。議会政治の本質に徹して申し上げたいと思いますることは、審議未了となる議案が、あるいは審議未了となった議題が、あるいは最後に残っておりまする議題が、重要な案件であるかどうかということの判定は、自民党諸君が下すべきものではありません。最後には、あくまでも国民が決定するものであります。同時に、また、その原因が与党の法案提出の遅延にあったか、あるいはまた、野党側に責任が帰せられるべきかという議論も、最後には、あくまでも国民が判断をするものでありまして、その価値判断を最後に下すものこそは、国民それ自体であります。私が皆さんに特に申し上げたいことは、その判断材料を正確に提供する制度が、現行法では百五十日という入れものを持ったところの常会制度であるということであります。このものさしであり、ますでありまする常会の会期を、延長という非常手段によって歪曲いたしまして、国民の判断材料をあいまいにしてはならないと私は信ずるわけであります。
 さて、最後に、今や、国会の正常化という問題が、院内外の強烈な要請でありまするとともに、話題の中心でもあるようでありますが、私は、身をもって国会の正常化に挺進をいたしておりまするわが党の立場に立って付言をいたしたいと思います。
 すなわち、真に国会運営を正常化せんとするならば、各党とも、責めを他党に転嫁せず、他党の行動のいかんにかかわらず、みずからは非行を絶対に行なわない決意を明らかにすべきものであると考えます。議会運営上の一つの非行は、その原因や動機となった他党の非行によってみずからの非行性が阻却されたり、それが正当化されたりするものでないことは、殺人という犯罪をとってみましても、その動機や原因が物取りにあろうと政治的行動であろうと、殺人行為そのもの自体が悪であるという考えに徹しなければならない、こう考えるからであります。(発言する者あり)社会党は異議があるようでありますが、自民党の諸君が、党利党略でなしに、憲法と国会法の建前に即して、真に国会の正常化を考えられようとするならば、私は、まずみずからの行動を正すべきことを強く主張するものであります。議会の正常化というのは、単に乱闘をしないということだけではございません。国会のルールを正しく守り、かつ、審議という議会の任務を正しく遂行することでありまして、会期、特に、常会の会期を大幅に延長することも、先ほど指摘されましたように、提案されたILO議案を一カ月も二カ月もたなざらしにしておることも、乱闘と同様に、正常化の建前からきびしく非難されなければならないことを、特に自民党議員諸君に強く警告し、猛省を求めまして、反対討論を終わりたいと存じます。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
 よって、これより採決に入ります。
 この採決は記名投票をもって行ないます。会期を五月二十五日から六月八日まで十五日間延長するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
○議長(清瀬一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
○議長(清瀬一郎君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
○議長(清瀬一郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百五十三
  可とする者(白票) 二百二十七
  〔拍手〕
  否とする者(青票)  百二十六
  〔拍手〕
○議長(清瀬一郎君) 右の結果、会期は十五日間延長するに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
 会期を五月二十五日から六月八日まで十五日間延長するを可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    安藤  覺君
      相川 勝六君    逢澤  寛君
      愛知 揆一君    赤澤 正道君
      秋山 利恭君    足立 篤郎君
      天野 公義君    綾部健太郎君
      荒舩清十郎君    有田 喜一君
      有馬 英治君    井出一太郎君
      井村 重雄君    伊藤 郷一君
      伊藤宗一郎君    伊藤  幟君
      飯塚 定輔君    生田 宏一君
      池田 清志君    池田 勇人君
      池田正之輔君    石井光次郎君
      石田 博英君    一萬田尚登君
      稻葉  修君    今松 治郎君
      宇田 國榮君    宇都宮徳馬君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 安吉君
      浦野 幸男君    遠藤 三郎君
      小笠 公韶君    小川 半次君
      小川 平二君    小沢 辰男君
      小澤佐重喜君    尾関 義一君
      大石 武一君    大久保武雄君
      大倉 三郎君    大沢 雄一君
      大高  康君    大竹 作摩君
      大橋 武夫君    大平 正芳君
      大森 玉木君    岡崎 英城君
      岡田 修一君    岡本  茂君
      加藤 高藏君    加藤常太郎君
      加藤鐐五郎君    賀屋 興宣君
      海部 俊樹君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      上林山榮吉君    亀岡 高夫君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川野 芳滿君    川村善八郎君
      菅  太郎君    菅野和太郎君
      簡牛 凡夫君    木村 公平君
      木村 守江君    岸本 義廣君
      北澤 直吉君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      倉石 忠雄君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小枝 一雄君
      小坂善太郎君    小島 徹三君
      小平 久雄君    纐纈 彌三君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤虎次郎君    佐伯 宗義君
      齋藤 邦吉君    齋藤 憲三君
      笹本 一雄君    薩摩 雄次君
      志賀健次郎君    始関 伊平君
      椎名悦三郎君    重政 誠之君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    周東 英雄君
      鈴木 正吾君    鈴木 仙八君
      鈴木 善幸君    砂原  格君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      園田  直君    田川 誠一君
      田口長治郎君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 正巳君
      田邉 國男君    田村  元君
      高田 富與君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高橋  等君
      高見 三郎君    竹内 俊吉君
      竹下  登君    竹山祐太郎君
      舘林三喜男君    谷垣 專一君
      千葉 三郎君    津雲 國利君
      津島 文治君    塚田十一郎君
      塚原 俊郎君    綱島 正興君
      渡海元三郎君    富田 健治君
      内藤  隆君    中垣 國男君
      中島 茂喜君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中村 幸八君
      中村三之丞君    中村 寅太君
      中山 マサ君    灘尾 弘吉君
      楢橋  渡君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    西村 英一君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    羽田武嗣郎君
      橋本登美三郎君    橋本 龍伍君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    服部 安司君
      花村 四郎君    濱田 幸雄君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      林   博君    原 健三郎君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福田 赳夫君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      藤枝 泉介君    藤田 義光君
      藤原 節夫君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古井 喜實君
      古川 丈吉君    保科善四郎君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 義安君    細田 吉藏君
      堀内 一雄君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田 正男君
      前田 義雄君    牧野 寛索君
      益谷 秀次君    増田甲子七君
      松浦 東介君    松田 鐵藏君
      松永  東君    松野 頼三君
      松村 謙三君    松本 一郎君
      松本 俊一君    三池  信君
      三浦 一雄君    三木 武夫君
      三和 精一君    水田三喜男君
      南好  雄君    毛利 松平君
      森   清君    森下 國雄君
      森田重次郎君    森山 欽司君
      保岡 武久君    柳谷清三郎君
      山口 好一君    山口六郎次君
      山崎  巖君    山田 彌一君
      山手 滿男君    山中 貞則君
      山村新治郎君    山本 猛夫君
      米山 恒治君    早稻田柳右エ門君
      渡邊 良夫君
 否とする議員の氏名
      阿部 五郎君    赤松  勇君
      淺沼 享子君    飛鳥田一雄君
      有馬 輝武君    井伊 誠一君
      井手 以誠君    猪俣 浩三君
      石川 次夫君    石橋 政嗣君
      石村 英雄君    石山 權作君
      板川 正吾君    稻村 隆一君
      小川 豊明君    緒方 孝男君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡田 春夫君    加藤 勘十君
      加藤 清二君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    川村 継義君
      河野  正君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    栗原 俊夫君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      小林  進君    小林 ちづ君
      小松  幹君    兒玉 末男君
      五島 虎雄君    河野  密君
      佐々木更三君    佐藤觀次郎君
      佐野 憲治君    坂本 泰良君
      阪上安太郎君    實川 清之君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    東海林 稔君
      杉山元治郎君    鈴木茂三郎君
      田口 誠治君    田中織之進君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      高津 正道君    滝井 義高君
      楯 兼次郎君    辻原 弘市君
      坪野 米男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    中澤 茂一君
      中島  巖君    中嶋 英夫君
      中村 高一君    中村 英男君
      楢崎弥之助君    二宮 武夫君
      西宮  弘君    西村 関一君
      西村 力弥君    野口 忠夫君
      野原  覺君    芳賀  貢君
      畑   和君    原   彪君
      日野 吉夫君    肥田 次郎君
      平岡忠次郎君    広瀬 秀吉君
      藤原豊次郎君    細迫 兼光君
      堀  昌雄君    前田榮之助君
      松井 政吉君    松井  誠君
      松原喜之次君    松前 重義君
      三木 喜夫君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森島 守人君
      森本  靖君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君    安平 鹿一君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山口シヅエ君    山口丈太郎君
      山田 長司君    山中 吾郎君
      山中日露史君    山本 幸一君
      湯山  勇君    横山 利秋君
      吉村 吉雄君    和田 博雄君
      井堀 繁雄君    伊藤卯四郎君
      稲富 稜人君    内海  清君
      片山  哲君    佐々木良作君
      田中幾三郎君    玉置 一徳君
      西尾 末廣君    西村 榮一君
      門司  亮君    本島百合子君
      川上 貫一君    志賀 義雄君
      谷口善太郎君    古賀  了君
     ――――◇―――――
 水資源開発促進法案(内閣提出)及び水資源開発公団法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定により、内閣提出、水資源開発促進法案及び水資源開発公団法案の趣旨の説明を求めます。国務大臣迫水久常君。
  〔国務大臣迫水久常君登壇〕
○国務大臣(迫水久常君) まず、水資源開発促進法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近における産業の著しい発展、人口の増大と都市への集中及び生活水準の向上等により、わが国の重要産業地帯では各種の用水に対する需要が激増してきており、この傾向は今後ますます強まるものと考えられるのであります。
 一方、わが国の主要河川は、国土の気象上及び地形上の特色からして、年間流出量が莫大な量に達するにもかかわらず、豊水と渇水の差が激しいため、河川水利用率はきわめて低く、利根川を例にとりましても、全流出量のわずか一二%程度が利用されているにすぎない状態であります。従って、緊迫した水不足の事態に対処いたしますためには、積極的に水資源を開発し、かつ、水の合理的な使用をはからなければならないのであります。このため、水系を一貫して総合的に水資源の開発利用をはかるための計画を樹立いたすことが何よりも必要であると思うのであります。これがこの法律案を提出した理由であります。
 次に、この法律案の要旨を申し上げます。
 第一点は、内閣総理大臣は、産業の発展及び都市人口の増加に伴い、水の需要の著しい増大が見られる地域に水の供給を確保するため、必要があるときは、水資源の総合的な開発及び利用の合理化を促進すべき河川の水系を水資源開発水系として指定することであります。この指定については、内閣総理大臣は関係行政機関の長に協議し、かつ、都道府県知事及び水資源開発審議会の意見を聞き、なお、閣議の決定を経ることといたしております。
 第二点は、内閣総理大臣は、指定された水資源開発水系について水資源開発基本計画を作成するものとしたことであります。この基本計画についても、関係行政機関の長に協議し、関係都道府県知事及び水資源開発審議会の意見を聞き、かつ、閣議の決定を経ることといたしております。
 第三点は、内閣総理大臣の諮問に応じ、水資源開発水系の指定及び水資源開発基本計画に関する重要事項を調査審議するため、総理府に学識経験者をもって組織する水資源開発審議会を置くことであります。
 第四点は、水資源開発基本計画と国土総合開発基本計画または電源開発基本計画との調整の必要が考えられますので、この調整については内閣総理大臣が国土総合開発審議会または電源開発調整審議会の意見を聞いて行なうものといたしております。
 第五点は、基本計画に基づく事業は、国、地方公共団体、水資源開発公団その他の者が実施することといたしております。
 第六点は、政府は、基本計画を実施するために要する経費については、必要な資金の確保その他の措置を講ずることに努めるものとしたことであります。
 第七点は、基本計画を実施する者は、その事業により損失を受ける者に対する措置が公平かつ適正であるように努めるものとしたことであります。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 次に、水資源開発公団法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近の用水需要の増加は著しいものがあり、特に、大工業地帯におきましては、産業の発展と都市人口の増加に伴い、水に対する需要の著しい増大が見られるのでありまして、これらの地域に対する用水の供給を確保するためには、総合的な計画のもとに水資源の開発または利用のための事業を総合的に施行するとともに、開発施設の建設の早期完成をはかることが肝要であると思うのであります。本法案は、水資源開発促進法案による水資源開発基本計画に基づいて、これらの事業を総合的かつ効率的に施行する事業主体として、独立の法人格を有する特別法人水資源開発公団を設立せんとするものであります。
 以下、本法律案の要旨を御説明いたします。
 第一に、公団の目的でありますが、公団は、水資源開発促進法の規定による水資源開発基本計画に基づく水資源の開発または利用のための事業を実施すること等により経済の成長及び国民生活の向上に寄与することを、その目的といたしております。
 第二に、公団の役員として総裁、副総裁、理事及び監事を置くこととし、その任期はそれぞれ四年といたしております。第三に、公団の業務でありますが、水資源開発基本計画に基づきまして、ダム、水路その他の水資源の開発利用のための施設の建設、管理を行なうことが公団の中心的業務であります。公団が水資源開発施設の建設を行なうにあたりましては、事業実施計画を定め、関係都道府県知事に協議するとともに、主務大臣の認可を受けなければならないこととしておりますが、この事業実施計画の基本となるべき事項につきましては、各主務大臣が関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見を聞いた上、これを事業実施方針として定め、公団に指示することにいたしております。
 第四に、公団が行なう建設工事のうち、洪水防御等の、いわゆる治水目的をも有する特定施設の工事についてでありますが、これにつきましては、公団は河川法にいう河川に関する工事を行なうことができることとして、河川法第七条の原則に対する特例を設けておりますほか、特定施設の建設が完了したときは、建設費用の負担者等の同意を得て、建設大臣がこれを河川の付属物に認定することができるようにするとともに、この場合、公団は、政令で定めるところにより、河川法の規定に基づく地方行政庁の権限の一部を行なうことができることとしているのであります。
 第五に、公団の施設の建設に必要な費用についてでありますが、治水関係分につきましては、国と都道府県が負担し、これを公団に交付することになっております。それ以外につきましては、水資源開発施設を利用して流水を水道もしくは工業用水道の用に供する者、またはこの流水を海潮の用に供する農業者の組織する土地改良区が特定された場合には、これらの者が負担することにしております。なお、このいわゆる利水関係分の建設に必要な費用につきましては、公団は、政府または都道府県から補助金の交付または負担金の納付を受け、また、必要な資金の借り入れ等を行なうことができることとなっております。
 第六に、公団の財務及び会計でありますが、公団の予算、資金計画、財務諸表、借入金、水資源開発債雰等につきましては、内閣総理大臣の認可または承認を受けることを要するものといたしております。
 第七に、公団の監督は主務大臣がこれを行なうこととし、公団の業務に関し監督上必要な命令を発し、公団の事務所に対し立ち入り検査を行ない得るようにするほか、内閣総理大臣は主務大臣の監督につき所要の調整を行なうことといたしております。
 最後に、附則におきまして、本法案の施行期日は、公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内において政令で定めることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 水資源開発促進法案(内閣提出)及び水資源開発公団法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(清瀬一郎君) ただいまの趣旨の説明に対しまして質疑の通告がありますから、これを許します。山中日露史君。
  〔山中日露史君登壇〕
○山中日露史君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました水資源開発促進法案及び水資源開発公団法案について、総理大臣並びに関係閣僚に対し、以下、数点にわたって質問をいたさんとするものであります。(拍手)
 水資源開発促進法は、最近におけるわが国の産業の発展及び都市人口の増加に伴い水の需要の著しい地域に対する用水の供給を確保するとともに、特定の河川の水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化の促進をはかり、もって国民経済の成長と国民生活の向上に寄与することを目的としたものであり、また、水資源開発公団法は、水資源開発基本計画に基づく水資源の開発または利用のための事業を実施することにより国民経済の成長と国民生活の向上を目的としたものである点において、私は、その立法の趣旨そのものについては、あえて反対をするものではないのであります。しかしながら、かかる重要な法案の提出の時期並びに本法案立案の経緯においてきわめて遺憾の点のあることを指摘せざるを得ないのであります。(拍手)
 まず、第一に、水資源開発の問題は、昭和三十六年度予算編成のときより池田内閣の重要なる課題として論議されてきたのでありますが、この間、各省間の所管争いの調整に時日を要したとはいえ、かかる重要なる法案を会期末に至って突如として提出するがごとき態度は、国会軽視もはなはだしいものといわなければならないのであります。(拍手)政府は会期の延長を企図したのでありまするが、会期の延長については、先ほどの会期延長の反対討論にもありまするように、軽々にこれをなすべきではなく、十分なる審議を尽くしつつも、法案の重大性と緊急性にかんがみ、慎重にも慎重を期し、万やむを得ざる場合においてのみ許さるべきものであって、政府の怠慢や内部事情により法案の提出が遅延し、この提出が遅延したことを会期延長によって補わんとするがごとき態度は、国会の権威の上からも、また、国会正常化の上からも、断じて許すべからざるものと思うのでありますが、会期まぎわに至り、かかる重要なる法案を提出したことに対して、政府はいかなる反省と責任を感じておるかを、まず、総理大臣より承りたいと思うのであります。
 第二に指摘せねばならない点は、本法案提出の遅延の原因となった各省間の所管争いの醜い姿であります。そもそも、水資源開発公団の設置問題は、建設省と、通産省、農林省、厚生省の利水三省が対立をして調整がつかなかった点に紛争の原因があったのであります。水行政の一元化は、つとに叫ばれておった正しい方向であり、予算編成のときの一本立てであったところの方針が、その後、利水と治水の二本立てとなり、法案提出の期限に追われ、さらに、三転して、池田総理の政治的裁断によって一本立てに逆戻りをしたというこの経緯は、全く官庁のなわ張り争いという官僚政治の最も醜い姿を暴露したものでありまして、諸外国にもその例を見ないところであります。このことは、まさに、民主政治の未熟と池田総理の指導性の欠如とを露呈したものといわなければならぬと思うのであります。しかも、その結果としてでき上がった公団法案が、主務大臣が総理大臣、建設大臣、通産大臣、農林大臣、厚生大臣という、頭が五つで、からだが一つ、という奇形児を生むに至り、重要な諸点はことごとく政令にゆだねられ、この政令をめぐって再び所管争いの種をまく道を残したことは、公団運営上、まことに遺憾のきわみであります。池田総理は、この調整をいかに考えられるか、また、かかる官僚政治の弊風をどのように考えられるか、池田総理の明快なる答弁を求むる次第であります。(拍手)
 次に、本法案の内容について、詳細は委員会の質疑に譲るといたしまして、重要な諸点についてお伺いいたしたいと思います。
 私は、まず、水資源開発促進法において、既開発地域と未開発地域のいずれに重点を置くのか、政府の基本的な方針を承りたいと思うのであります。あわせて、どういう水系を指定しようとしておるのか、その予定をも承りたいと思うのであります。
 狭いわが国土の中におきまして、広い範囲に展開された水田が、限られた海潮期間ではありますけれども、大量の用水を使用する上に、局地的に工業や人口の集中が著しく、急激な水需要の増大が見られ、これらの地域においては極度に水需給関係の逼迫を生じておるのであります。また、これらの水使用量の増大に伴って、都市下水、各種産業廃水の放流による公共水域の汚濁、沖積地帯の地下水の過度の揚水に伴う地盤沈下、地下水位の異常なる低下等、資源保全上重大な問題が引き起こされておるのであります。
 私は、これらの問題を解決するため、まず、第一に、水の供給力の増大をはかることは当然でありますけれども、これがためには、ダムの建設、自然湖沼の調節能力の増大等により必要な水量を確保することが最も必要であると思うのでありまするが、さらに、これと並行いたしまして、限られた開発地点を最も有効に活用するためには、従来のように、開発地点ごとに特定の利水計画を結びつけた近視眼的な方法ではなく、広域的、総合的な計画でなければならぬと思うのであります。特に、既成工業地帯では、供給地域付近の水資源はほとんど開発し尽くされ、今後開発する地点は供給地域から遠く離れたところでありまするから、おのずから広域的、総合的なものとなる、さらに、これによって生み出された水を需要に即応して必要な地域に導水する、その水路を並行して建設しなければならぬと思うのであります。しかして、この水路は、必要な地域に、必要な時期に、必要な水を平に供給し得るものでなければなりません。それと同時に、経済的な面より考えても、特定の利用者の専用施設ではなく、多目的な幹線水路として、潜在需要を見越したものでなければならぬと思うのであります。この点に関して、政府はどのような基本方針を立てておるかという点をお伺いいたしたいのであります。
 次に、重要な点は、開発公団の事業費負担の問題と、水価額の問題であります。
 従来の開発方式は、経済的に成り立たなければならないということにこだわり過ぎて、将来の需要に対する危険をおもんばかり、事業計画が絶対確実な範囲として、ややもすれば過小になる傾向があったのであります。しかし、今後は、技術的に可能な限り最大の規模にすることが、潜在需要を考慮する場合強く要請されるわけでありまして、昨今の予想以上の水需要の増大にかんがみ、当然のことといわなければなりません。このように、大規模化し、広域化する水資源開発計画は、多額の先行投資を必要とするものであります。水の利用者が負担すべき資金は、これを一元的に調達し、また、経済基盤の強化、国民生活の安定と向上の見地から、その供給価格はできる限り低廉、妥当なものでなければならぬと思うのであります。一般に、水利用の分野によってそれぞれ経済的に耐え得る水価格の限界があります。たとえば、農業は、工業用水あるいは上水道用水のごとき高い価格では経営が成立しないであろうし、工業におきましても、業種あるいは目的によってそれぞれ耐え得られる限界がありましょう。従って、水資源公団の事業実施に際しては、水価額の低廉、妥当を維持するためには、国の出資あるいは政府の低利資金の投入が考慮されなければならぬと考えるのでありますが、本開発公団法には、河川法に基づく治水関係を除いてはその規定がないのであります。政府は、これらの点に関し、どのように考えておられるのか。
 さらに、また、水資源開発公団法の附則によりますると、水資源開発公団は、本法律公布の日より起算して六ヵ一月以内に政令で定める日より施行する、と規定されており、少なくとも、本年度中には公団の発足を見ることとなるにかかわらず、その予算措置は、当初予算においてはもちろん、今回の補正予算にも何ら計上されておらないのであります。本予算案にも盛られず、予算措置をも講ぜず、法律だけを出すという政府の真意はいかなる点にあるかを、あわせてお伺いいたしたいと思うのであります。次にお尋ねいたしたいのは、愛知用水公団との関係であります。
 本公団は、全国一円を事業区域として、水系別、複数制の公団の設置を認めないと思うのでありますが、愛知用水公団はどうするのか。愛知用水公団は、本公団成立の上は吸収するということを再三言明しておったにかかわらず、本法には何ら触れておらないのでありますが、この点についての政府の方針を承りたいと思うのであります。
 なお、これに関連して、世界銀行よりの債務の引き継ぎは円満に行なわれる見通しがあるのかどうか、あわせて承っておきたいと思うのであります。
 次に、水利用者の建設費負担の方式の問題であります。
 建設費の負担は、アロケート方式によりそれぞれの需要者が負担するのでありますが、さきに申し述べましたように、今後の開発は潜在需要者を見越した大規模なものでなければならないのでありまして、この潜在需要者分の負担について、どのようにお考えになっておられるのか。また、アロケート方式によりますと、開発地点ごとに条件が異なり、ある地点では建設費が割高になり、需要者の負担増加となって、事業遂行上支障を来たすおそれがあるのであります。従って、建設費は公団の一括負担として、公団を水の卸売機関とする全国一律の料金制とした方が、開発も促進でき、また、建設資金の一元化という面からもいいのではないかと思うのでありますが、あえてアロケート方式を採用した理由を承りたいと思うのであります。
 次に、開発公団の人事の問題であります。
 近年、公団の数が非常にふえて参りまして、政府は、ややもすれば、政府みずから行なうべき事業を、公団を乱造してこれに行なわしむる傾向なきにしもあらずであります。公団方式なるものは、理論的には、官庁が直接事業を行なう場合の非能率の欠陥を補う利点と、他面、事業の公共性にかんがみ、民間事業の利潤追求の弊害を除去する利点とをあわせ有するのでありますが、わが国の公団は、それぞれ監督官庁の厳格なる監督のもとに置かれておりまする関係上、公団の自主性がなく、人事はほとんど天下り的であります。従って、公団は、高級官僚のうば捨て山であるとの批判さえ出ておるのであります。(拍手)ことに、水資源開発公団は全国一本であり、将来、その事業量も、予算も、権限も大きく発展する可能性を持っております。また、利権とのつながりが最も多く出てくる危険性もあるのであります。本法案には、役員の欠格条項は規定されておりまするが、役員の採用資格には規定がなく、自由であります。公団の人事は、最も慎重に、公正でなければならないことは、言を待たないところでありますが、政府は、公団の人事についてはどのような構想も持って臨まんとしているのかを承りたいと思うのであります。
 最後に、私は、本法案の制定に関連いたしまして、政府の国土開発に対する熱意と、今日までの国土総合開発計画の具体的な立案の状況を承りたいと思うのであります。
 最近における政府の政策、法律案の国会提出の状況を見まするのに、経済の進展、社会情勢の変動が常に先行して、政策や法律案が後手々々となっておることは、まことに遺憾でありまして、そのために、事に当たっては周章ろうばいし、応急措置によって糊塗せんとするきらいなしとしないのは、はなはだ遺憾に思うところであります。このことは、都市改造法案、防災街区法案、公共用地取得に関する法律案等において顕著に現われております。このような、計画性のない、どろなわ式対策が、勢い、官庁のなわ張り争いの混乱を誘発する原因となっておるのであります。このたびの水資源開発法案に限らず、広域都市建設の問題にいたしましても、建設省、通産省、厚生省、自治省、企画庁がそれぞれの法案を用意して、いまだにその間の調整がつかず、国会提出の運びになっておらないという事実は、雄弁にこれを物語っておるのであります。かかる情勢を見まするときに、私は、今日ほど、わが党が常に主張し続けてきている、国土総合開発実現のための一元的行政官庁として国土建設省設置の必要を痛感せしめられる時期はないと思うのであります。政府は、この際、思い切って国土建設省設置に踏み切るべきものであると思うのでありますが、池田総理の決意と勇断をお伺いいたしますと同時に、強くこれを要望いたしまして、私の質問を終わることといたします。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 水の問題は、御承知の通り、治水事業、灌漑あるいは上水道、工業用水等、多方面にわたりまして、これが所管官庁は各省にまたがっておるのであります。しかも、数十年の長きにわたって、各省はおのおのその分野においてこの仕事をしておるのであります。これを一朝一夕に一本化するということはなかなか困難な問題でございますが、内閣におきましては、水の緊急開発の必要性にかんがみまして、この大目的のために、ここに一本化ができたのでございます。時間はかかりましても、私は、一本化ができたということを非常に喜んでおる次第でございます。
 しこうして、これが施行にあたりましては政令に譲った点も多々ございますが、内閣におきまして政令を決定し、この水利用に関しましての行政の円滑と能率化をはかっていく所存でございます。
 次に、公団に対しましての予算措置の問題でございますが、今回は、水資源開発促進法によりまして基本計画を立て、その基本計画によりまして公団が措置するのでございます。しこうして、公団に対しまする出資は必ずしも直ちに行なう必要がないので、三十六年度におきましては予算措置をとらなかったのでございます。
 なお、公団の人事につきましては、お話しの通り、慎重に考慮して決定することといたしたいと思います。
 また、国土総合開発に対しまして、国土建設省を設けては、という議論がございますが、なかなか、一朝一夕に、理屈通りには参らないのでございます。私は、所得倍増計画と兼ね合わせまして、総合的国土開発計画につきまして、国土建設省という名にとらわれず、実質的に効果ある措置を講じていきたいと考えておるのであります。(拍手)
  〔国務大臣迫水久常君登壇〕
○国務大臣(迫水久常君) この水資源開発促進法によりまして基本計画を立てるべき水系は、たとえば、利根川の水系あるいは淀川の水系、筑後川の水系等のような、当面非常に水が不足しておるような地帯から着手せられる予定になっております。
 また、御質問の中で、水の料金というものは高くなってはいけないというお話がございましたが、これは当然なことでございまして、水の料金は、現在の基準の限度にこれを保っていく方針でございます。
 なお、費用の負担につきましては、アロケーションの方式を採用いたしております。従来の場合におきましては、負担者がすっかりきまりまして、割当がきまりましてから工事に着手をいたしたのでありますが、そういうことでは工事がおくれるといけないというので、今度は、必ずしも全部の負担者がきまらなくても工事に着手し得るような道を開きまして、そういうようなものは、後に負担者がきまりましてからアロケーションの方式をとりたい、こう考えております。
 なお、出資でございますが、お話しの通り、今回のには公団の出資の規定はございませんし、予算の措置もいたしておりませんけれども、これは、今後、まず、水資源開発促進法による水資源開発審議会が設置されまして、この審議会において基本計画がきめられまして、その基本計画によりまして公団の事業内容がきまってくるわけでございますが、その際において、その段階に至りまして、公団の業務遂行上、政府が出資をする必要があると考えられまする場合においては、法律を改正し、及び予算上の措置をとって出資の規定を設けることもある、こう考えておる次第でございます。
 なお、愛知用水公団は本公団に吸収せられる予定でございますが、世界銀行の借款等の関係もございますので、慎重に処置いたしたいと存じております。(拍手)
  〔国務大臣周東英雄君登壇〕
○国務大臣(周東英雄君) 愛知用水公団と水資源公団との関係についてお尋ねでありますが、ただいま企画庁長官からお答えがありましたことで大体尽きております。ただ、愛知用水公団の事業は一応近く完了いたします。しかし、ただいま国会で御審議を願っておりまする愛知用水公団法の一部改正法律案が成立いたしますと、豊川用水事業に直ちに取り組むことになるわけであります。豊川用水事業というものは、すでに工事を開始いたしておりますので、これに直ちに取りかかることはできるわけであります。一方、ただいま説明されました水資源開発公団の問題でありますが、これが発足いたしますにつきましては、ただいま企画庁長官からお話がありましたように、これは、あくまでも水資源開発促進法に基づいて、水の利用に関し、開発事業に関する基本計画が立てられなければなりませんし、それから予算の問題もありますので、それができ上がるまで愛知用水公団による豊川用水工事の着手を待っておるわけには参りませんので、一応仕事としては着手いたします。しこうして、愛知用水公団に関しましては、その合併時期というものは、ただいまお話のありましたように、世界銀行の借款に対する肩がわりに関する了解もとらなければなりませんし、また、予算措置等もありますので、それらが完了し、かつ、合併に関する諸準備の完了の暁、適当な際において、これに合併する予定でございます。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 質疑はこれにて終了いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第二 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 社会福祉施設職員退職手当共済法案(内閣提出、参議院送付)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第一ないし第三とともに、内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案を追加して四案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 日程第一、健康保険法及び船員保険法の一部を改正する法律案、日程第二、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案、日程第三、社会福祉施設職員退職手当共済法案、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長山本猛夫君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔山本猛夫君登壇〕
  〔議長退席、副議長着席〕
○山本猛夫君 ただいま議題となりました四法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、健康保健法及び船員保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、健康保険及び船員保険における分べんに関する給付の内容の改善をはかろうとするものであります。
 そのおもなる内容は、まず、健康保険の分べん費について、現在、被保険者の分べんに対しては、分べん費として被保険者の標準報酬月額の半額が支給されることとなっておりますが、その最低額を六千円まで引き上げるとともに、配偶者分べん費の額を現在の千円から三千円に引き上げることであります。
 次に、健康保険の育児手当金に対しては、被保険者及びその被扶養者である配偶者の出産について、現在哺育手当金として、生後六カ月まで毎月二百円ずつ支給されることになっておりますが、これを一時に二千円を支給することとし、その名称を育児手当金に改めることとしております。
 なお、船員保険における分べん費及び育児手当金についても、健康保険におけると同様の改正を行なうことといたしておるのであります。
 本法案は、二月二十五日当委員会に付託され、本月十九日の委員会において採決の結果、本案は全会一致原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。
 次に、日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 昭和二十八年に制定されました本法は、自来、数回にわたる改正によりまして、その給付内容も逐次改善されて参ったのでありますが、他の社会保険に比較いたしますれば、まだかなりの隔たりがありますので、今回、事情の許す限り、これを改善するとともに、これをまかなう財源については、保険財政の実情等を考慮して、国庫負担の引き上げ及び保険料等級区分の改定を行ない、あわせて財政の健全化をもはかろうとするのが、本改正案提出の理由であります。
 本改正の第一は、療養の給付及び家族療養費の給付期間を、現行の一年から二年に延長するとともに、傷病手当金の支給期間を、現行の十四日から二十一日に延長し、その支給日額は、第一級を三百三十円、第二級を二百四十円、第三級を百七十円としておりますが、出産手当金の給付日額についても、これと同様の引き上げを行なうこととし、さらに、分べん費を、現行の二千円から四千円に、配偶者分べん費を、現行の千円から二千円に引き上げることであります。
 第二は、日雇い労働者が被保険者となった当初の二カ月についても、当該被保険者及びその被扶養者の疾病または負傷に対して五割の医療給付を行なうこととしております。
 第三には、賃金日額四百八十円以上の被保険者に対して、新たに三十円の保険料額を設け、また、給付費に対する国庫負担率を、現行の百分の三十から百分の三十五に引き上げておるのであります。
 本法案は、二月二十五日当委員会に付託され、五月十九日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派共同提案にかかる修正案が提出され、八木一男君より趣旨の説明がありました。
 その要旨の第一は、保険料の等級区分を、賃金日額四百八十円以上の者は第一級とし、四百八十円未満の者は第二級とすること、第二は、保険料日額を、第一級は二十六円、第二級は二十円とすること、第三は、傷病手当金の支給期間を二十二日とすること、第四は、傷病手当金及び出産手当金の支給日額を、第一級三百三十円、第二級二百四十円とすることであります。
 次いで、採決の結果、本案は全会一致修正議決すべきものと議決いたした次第でございます。
 なお、本案に三派共同提案の附帯決議を付することと決定いたしました。
 次に、社会福祉施設職員退職手当共済法案について申し上げます。
 社会福祉事業の一翼をになっている民間社会事業施設で働く職員の待遇改善の一環といたしまして、退職共済制度を新たに設け、これら職員の身分を安定し、よって民間社会福祉事業の振興をはかろうとするのが、本法案提出の理由であります。
 そのおもなる内容について申し上げますと、
 まず、第一に、退職手当金は、退職手当共済契約を締結している社会福祉施設に勤務する職員が一年以上勤めて退職したときに、振興会が直接退職者に支給することとし、退職手当金の額は、退職者の勤務年数及び退職理由に応じて定めることとしております。
 第二に、退職手当金の支給に要する費用は、経営者が掛金を振興会に納付し、国と都道府県は振興会に対して高率の補助を行ない、振興会の事務費は国が全額補助することといたしております。
 第三は、退職手当金の確実な支給を保障するために、業務は特殊法人である社会福祉事業振興会に行なわせることといたし、所要の改正を行なわんとするものであります。
 本法案は、四月二十八日当委員会に付託され、本月十九日の委員会において採決の結果、全会一致原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。
 最後に、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法は、昭和二十七年に制定されて、障害年金、遺族年金等の支給の道が開かれ、その後数次の改正によりまして、援護の強化と受給者相互間の公平がはかられて参ったのでありますが、なお若干の不均衡が残っておりますので、別途本国会に提案された恩給法等の一部改正案と関連して、今回本法案が提出されたのであります。
 本改正の第一は、旧国家総動員法により徴用された者等が、もとの陸海軍の有給軍属として内地等で勤務している間に、業務上の災害を受けて不具廃疾または死亡した場合には、その者を準軍属として取り扱い、本人またはその遺族が旧令による共済組合等の特別措置法による年金を受けていない場合には、障害年金または遺族給与金を支給すること、第二は、死亡した軍人、軍属等が旧民法にいう入夫婚姻であった場合、その者の妻の父母を、遺族年金または遺族給与金の支給を受けるべき遺族の範囲に加えること、第三は、第四項症以下の障害年金等を増額することであります。
 本法案は、三月三日当委員会に付託され、本二十三日の委員会において採決の結果、本案は全会一致原案の通り可決すべきものと議決いたした次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
  〔参照〕
   日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する修正案
  日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  第十六条の二第二項の改正に関する部分及び同条第三項の改正規定を次のように改める。
  第十六条の二第二項中「二百円」を「三百三十円」に、「百四十円」を「二百四十円」に、「百三十円」を「二百二十円」に、「九十円」を「百六十円」に改め、同条第三項中「十四日」を「二十二日」に改める。
  第十六条の五第二項の改正に関する部分を次のように改める。
  第十六条の五第二項中「二百円」を「三百三十円」に、「百四十円」を「二百四十円」に、「百三十円」を「二百二十円」に、「九十円」を「百六十円」に改める。
  第三十条の改正規定を次のように改める。
  第三十条第一項中「二百八十円」を「四百八十円」に、「二十二円」を「二十六円」に、「十八円」を「二十円」に改め、同条第二項を次のように改める。
 2 被保険者及び事業主の負担すべき保険料額は、一日につき、それぞれ、第一級にあっては十三円、第二級にあつては十円とする。附則第三項中「又は第二級」、「それぞれ」及び「又は第三級」を削る。
    …………………………………
   本修正の結果必要とする経費本修正の結果、昭和三十六年度においては、約二億円を要する見込みである。
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一及び第三の両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、両案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、日程第二及び戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案の両案を一括して採決いたします。
 両案中、日程第二の委員長の報告は修正、他の一案の委員長の報告は可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り議決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第四 公共用地の取得に関する特別据置法案(内閣提出)
 建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第四とともに、内閣提出、参議院送付、建築基準法の一部を改正する法律案を追加して両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 日程第四、公共用地の取得に関する特別措置法案、建築基準法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 委員長の報告を求めます。建設委員長加藤高藏君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔加藤高藏君登壇〕
○加藤高藏君 ただいま議題となりました両法案について、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、公共用地の取得に関する特別措置法案について申し上げます。
 最近のわが国における急激な経済成長に伴い、道路その他の公共施設の整備は緊急を要する問題でありますが、これらの施設に要する土地の円滑なる取得は最近特に困難となり、各事業の遂行上大きな隘路となっているのであります。
 建設省におきましては、どれが解決をはかるため、さきに公共用地取得制度調査会を設置して諮問を行ない、その答申を基礎として、新たに現行土地収用法の特例として本法案が提案されたのでありますが、その要旨は次の通りであります。
 すなわち、第一に、本法案の適用を受ける事業の範囲は極力これを限定し、公益事業のうち、特に公共性と緊急性の高い道路、鉄道、空港、通信、治水、利水、電力等の一部について、建設大臣が新たに設置される公共用地審議会に諮問して認定したものに限ることとしております。
 第二に、これらの特定公共事業の円滑なる執行をはかる措置として、起業者は関係地元住民等に事前に事業の内容と緊急性について十分周知徹底をはかるべきことを義務づけ、収用手続の円滑化をはかる措置としては、事業認定及び土地細目公告の有効期間を短縮し、事業認定または裁決申請書の縦覧を市町村長が怠った場合には都道府県知事が代行できることとし、土地調書または物件調書を作成するための立ち入りを拒否または妨害された場合の特例等について所要の措置を講じております。また、収用委員会の裁決が遅延して事業の執行に支障を及ぼすおそれのあると認められる場合には、補償額の確定を待たずに、概算見積もりによる仮補償金を定める緊急裁決を行なって土地等の収用、使用ができる制度を新設し、その緊急裁決にあたっては、収用委員会が収用後または使用後においても補償額を適正に算定することができるよう所要の措置を講ずることを義務づけ、必要があれば担保の提供を命じ、差額が出れば後に利息を付して精算すること等を規定しております。
 第三に、特定公共事業に伴う損失の適正なる補償を確保する措置として、現行土地収用法によって認められているかえ地の提供、宅地の造成等の現物補償制度をより一そう拡充し、被収用者は金銭以外の建物等による補償を要求することができることとし、また、生活再建対策として、代替地、住宅、店舗等の取得、環境施設の整備、職業の紹介、指導、訓練等を都道府県知事に申し入れることができ、起業者、国及び地方公共団体はこの実施に努めること等の、被収用者保護の規定を整備しております。
 本法案は、去る四月十三日本委員会に付託、四月十四日提案理由の説明を聴取、質疑に入ったのでありますが、審議の過程におきまして、特に公益と私権との関係について活発な質疑が行なわれ、その間、学識経験者の意見を聴取、また、農林水産委員会との連合審査を行なう等、慎重に審議を続けて参ったのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくて、五月十九日質疑を終了しましたが、その際、日本社会党を代表して石川次夫君より、本法案に対する修正案を提出したい旨の動議があり、同君より提案理由の説明がありました。
 修正案の内容は、本法案の適用を受ける事業の範囲をさらに縮小して、道路、鉄道、治水の各事業の一部に限定し、公共用地審議会委員は、国会の同意を得て内閣総理大臣が任命することとし、なお、委員罷免の規定を置き、また、本法の公布の日を損失の補償基準に関する法律が制定施行される時期において定めることとする等の修正を行なわんとするものであります。
 かくて、討論を省略、直ちに採決に入り、まず、修正案について採決の結果、石川次夫君提出の修正案は少数をもって否決、さらに、原案について採決の結果・本法案は多数をもって原案の通り可決すべきものと決しました。
 なお、本法案には、政府は、本法による収用にあたって、特に私権の保護に留意して、公正な補償と生活再建措置に万全を期し、また、特定公共事業の対象は最小限に縮小し、緊急裁決を乱用しないよう慎重を期すべきである旨の附帯決議が付せられました。
 次に、建築基準法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 建築基準法は、昭和二十五年制定以来、社会情勢の変化に対応して所要の改正を行なってきましたが、近年の人口の著しい都市集中による市街地における建築物の密集、自動車交通の激増等、社会情勢の変化に対しまして、種々実情に沿わない点が生じてきましたので、今回、さらに所要の改正を行なわんとするものであります。
 本法案のおもなる点は次の通りであります。
 第一に、市街地における土地の有効利用と建築物相互間、街区相互間の相隣関係を良好に維持するために、建築物の延べ面積、高さの最高限度等を制限する特定街区を建設大臣が指定することができ、第二は、小規模の自動車車庫に対する防火上の構造制限を緩和し、商業地域内に建築できる自動車修理工場の規模の限度を引き上げ、第三は、キャバレー、カフェー等の特殊建築物の防火上の構造制限を強化することであります。その他、違反建築物に対する措置の一部強化及び建築協定に関する規定を整備しております。
 以上が本案の提案理由並びにその要旨でありますが、本案は参議院先議のため、四月十五日に本委員会に予備付託され、五月十九日に本付託となり、慎重に審査を行なって参ったのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくて、五月二十三日質疑を終了し、討論を省略、直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 両案中、日程第四に対し、討論の通告があります。これを許します。岡本隆一君。
  〔岡本隆一君登壇〕
○岡本隆一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公共用地の取得に関する特別措置法案に対しまして、反対の理由を申し述べたいと存じます。(拍手)
 わが国の道路その他の公共施設が諸外国に比べまして著しく立ちおくれ、ことに、太平洋戦争の焦土作戦が国土の著しい荒廃をもたらし、これが復興と整備は日本経済の成長と国民生活の向上のために緊急を要する課題であることは言うを待ちません。しかるに、一方、近年の地価の暴騰は、公共用地の取得を次第に困難ならしめ、そのことが公共事業の進捗を大きくはばんでいることもいなめない事実でありまして、政府はこれに対処するために本法案を提案いたしたものであります。
 もとより、共同社会に生きるわれわれには、私権にも、一定の制約を受けることはもちろんでありまして、近ごろ言われるところの、ごね得などということは許さるべきではなく、本法立法の精神については、私どもにも異論はございません。しかしながら、本法案におきましては、政府は、用地の取得という目的に急なあまり、土地を奪われる者の立場を軽視している傾向が著しく、幾多の是正さるべき点が見られるのでありまして、私どもは、本法案の建設委員会における審議の過程におきまして、これらの点につきまして修正を強く要望したのでございます。
 以下、私は、本法案の持つ誤りを指摘しつつ、社会党の要求いたしました修正点と修正内容を明らかにいたしまして、国民にかわって、われわれの要求を取り入れなかったところの本法案に対しまして反対の理由を申し述べたいと思うのであります。(拍手)
 まず、第一に問題となりますのは、特定公共事業の認定の範囲の広過ぎることであります。
 公共事業を営もうとする者が本法案によりまして特定公共事業の認定を受けますと、土地所有者の意思を無視いたしまして、収用委員会の緊急裁決を受け、補償金の仮払いのもとに特別収用を行ないまして土地を使用することができるのでありますから、これを乱用いたしますときは、憲法に保障される私有財産権の侵害になることは明らかであります。(拍手)
 本法案には、第二条に、特定公共事業に該当する公益性並びに緊急性の高いものといたしまして、国道、国鉄幹線、第一種空港、軌道、治水、利水施設等々を指定いたしております。これらのうちで、道路、国鉄、治水施設等につきましては、われわれも公共性の高いものと理解することができるのでありますが、私鉄であるとか、発電施設等につきましては、本法にうたわれるがごとく、公共性の高いものとは理解しがたいのであります。また、空港、電話施設等につきましても、それがどうしても現行の土地収用法に待つことができないのか、その緊急性につきまして疑問を抱くものでありまして、私権を著しく抑制する本法に、あれもこれもといろいろのものを便乗させることは、憲法違反のおそれなしとしがたいのであります。
 ここで、私どもは、二、三年以前に新聞紙上をにぎわしました五島慶太さんの東急と、だれやらさんとかいう社長さんのおられる西武との、箱根登山道路をめぐるところの激しい利権争いを苦々しい思い出として思い出すのであります。あの事件は、公益事業の名において、一部の私鉄経営者は飽くことのない利益の追求を行ない、利権の前には飢えたるトラとオオカミのごとき争いを行なうものであるということを私どもに教えてくれたのであります。(拍手)本法第二条四号の規定によりますと、これらの私鉄経営者といえども、複線の軌道を敷くときには、特定公共事業の認定を受ける資格を有するものでありまして、ことに、これらの生活力のたくましい経営者が一念発起いたしますときは、実に巧妙に為政者に取り入り、当路の人々に働きかけて認定をとり、本法の威力を最大限に発揮せしめて弱い者いじめをやり、関係住民の思わざる不幸の中に莫大な利益を上げるということは、想像にかたくないのであります。公益事業必ずしも公共事業ではございません。これらの資本家の営利の目的に、国民の住まいや田畑が、強権をもってむやみやたらに取り上げられては、たまったものではございません。営利事業までを、公益事業の名において、公共性高きものとして本法への便乗を許しますならば、将来その適用範囲はどんどん広げられまして、親法であるところの土地収用法は、あるかなきかのごときものとなります。あらゆる事業が特定事業と認定され、そして、国民の私権は全くじゅうりんされるおそれがあるといわなければなりません。日本社会党は、それゆえに、本法の適用範囲を縮小することを強く要望したのでありまして、これがわれわれの要求するところの修正条項の第一であります。
 次に問題となりますのは、公共用地審議会の構成であります。
 近ごろ、補償ブームということが言われています。ダム建設などで大量の公共用地が取得されますと、これに支払われる補償金は相当大きな金額となりますが、その大きなものは山林地主や富農の手に入りまして、わずかな飯米用の田畑を耕し、半ば山林労務者として働く山村の農家には何ほどの補償金も入りません。多くのこれらの貧しい人々は、わずかな補償金をもって村を追われ、新たな生活に入っていくのでありますが、中には、日ごろ手にしない一時所得がかえって災いとなり、それを乱費して転落していくような不仕合わせな犠牲者も少なくないことを私たちは聞いております。平和な庶民の生活にこのように重大な影響を与える土地の収用に対し強権を与える特定事業の認定は、公正な立場から厳選されなくてはなりません。しかるに、本法では、この特定事業の認定に当たる公共用地審議会は建設省の付属機関でありまして、その委員は内閣の承認を経て建設大臣が任命することとなっています。特定公共事業として認定される事業は、大部分は建設省の所管事業であります。起業者が建設大臣であり、その事業の特定事業としての可否をきめる機関がまた建設大臣が任命する委員会であるということになりますと、全くこれは内輪同士の相談ということになりまして、その認定が、とかく甘くなり過ぎはしないかということを、われわれはおそれるのであります。個人の私権を強く抑制し、ときとしては個人の運命をも狂わすような事業の認定を公正に裁定する機関には、公正な第三者的性格がはっきりと打ち出されていなくてはなりません。単なる御都合主義やセクショナリズム、これもおれの手にというような甘い考え、ずるい考え方は、許さるべきではございません。それゆえに、日本社会党は、公共用地審議会の委員は、衆参両院の同意を得て内閣総理大臣が任命することに改め、その運営に第三者的公正さを深く浮き彫りにすることを要求したのであります。これが修正要求の第二点であります。
 第三には、補償基準の問題があります。
 一般に、本案は、ごね得を排除するために出されたものだといわれています。また、しばしば、緊急を要する公共事業が、一部の権利者の同意が得られないために、その事業の遂行が著しくおくれていることをも、われわれは知っております。しかしながら、一方では、こういう傾向を助長したのは政府であるといわなければなりません。道路や団地ができますと土地が上がる。そうなると、売る立場の者は、将来上がるであろうという値を予想して、その値でないと放さないとがんばります。工事を急ぐ起業者は、早く工事を完了したいばかりにそれに応じるという工合に、一般に、地価をつり上げているのは道路公団や住宅公団であるといわれております。これは、政府にはっきりとした地価対策や補償基準がなかったためであります。今日では、戦前に比し、一番大きな値上がりを見せているのは地価でありまして、土地が最も有望な投機の対象としてねらわれ、商事会社や電鉄会社までが、土地ブローカーとなって、土地を買いあさっておるというのが現状であります。老後はせめて家でも建てて、というサラリーマンの昔の夢は、もはや、土地ブームによって、むざんに打ち砕かれております。これは、今まで資本家の顔色をうかがって何ら地価対策を講じようとしなかった政府・与党の責任でありまして、まことに殺生な自民党さんといわなければなりません。(拍手)
 さらに、また、補償の対象となるものにどういうものがあるかということも明らかにしなければなりません。
 もとより、物権に対して適正な補償が行なわれなければなりませんが、営業権、生活権等に対する補償も適正でなければなりません。わずかの耕地で、ししとして働き、貧しいながらも平和な暮らしを立てている農家から、その耕地の半分を奪っては、営農は成り立ちません。一反幾らと、その耕地に適正な補償を払ったからといって、その農家の生活権は保障されたとはいえません。町で商業を営む者にも、立ちのくことによるところの従来の顧客の喪失ということも正当に評価補償されなければなりません。長い平和な暮らしが乱され、時としては墳墓の地を追われて、住みなれぬ土地に新しい職業につくなど、関係住民の運命を大きく変動させる場合の補償のごときは、慎重に、土地を収用される者の立場に立った補償が行なわれなければなりません。しかるに、政府は、現在、その補償の基準について何らの準備もいたしておりません。法律が成立いたしましたら、あとでゆっくり考えましょう、という態度であります。これでは、土地を失い、郷土を追われる立場にある者は、断じて承服できるものではございません。緊急裁決を行ない、憲法に保障された私有財産権に優先して土地の強制取り上げが簡単にできるような本法案の成立の前には、どのような考え方に立って、どのような程度の補償をするかという、はっきりとした補償基準が樹立していなくてはなりません。補償基準なき土地の強制収用の制度は、安上がりの土地取り上げのための陰謀であり、憲法違反であるということができるのであります。従いまして、日本社会党は、第三の修正点といたしまして、本法施行の前には補償基準に関する法律を制定すべきであるということを要求いたしたのであります。(拍手)
 以上の三点が、本案の委員会議決に際して社会党より提案いたしました修正案の要点でございますが、残念ながら、自民党の委員諸君の同意を得ることができませんでした。
 われわれといたしましても、公共用地の取得の現況を見ますとき、これに何らかの対策の必要を感じることは、政府と異なるところではございません。しかしながら、本法案は、用地取得にあせるのあまり、土地を奪われる者の立場を忘れ、しかも、公共性の名において営利を追求するものの便乗を許しております。これを憂えまして、衆議院では、昨年四月、公共用地取得制度調査会を設ける際に、いたずらに緊急使用を拡大するなど強権を用いて土地を収用することのないように、というところの附帯決議が付されておるのであります。本法律案は、この衆議院の院議を無視したものであります。院議を無視し、土地収用に営利事業の便乗を許したままで本法律案を成立せしめることは、断じて許すことはできません。
 以上が、われわれの本法案に対する反対の理由でございます。自民党の諸君の反省を促しまして、私の討論を終わります。(拍手)
○副議長(久保田鶴松君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
 次に、建築基準法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 倉庫業法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、倉庫業法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 倉庫業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 委員長の報告を求めます。運輸委員会理事高橋清一郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔高橋清一郎君登壇〕
○高橋清一郎君 ただいま議題となりました倉庫業法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を報告申し上げます。
 まず、本法案の要旨を御説明いたしますと、第一点は、従来、冷蔵庫業は届出制でありましたが、その後の冷蔵倉庫業の実情にかんがみまして、これを普通倉庫業と同様に許可制に改めること、第二点は、倉庫業者に対して、保管する物品の種類その他の事項を営業所その他の事業所に掲示する義務を課するとともに、倉庫業者に対する営業の停止及び倉庫証券の発行の停止の期間の最高限を三カ月から六カ月に改めようとするものであります。
 本法案は、四月十日本委員会に付託され、翌十一日政府より提案理由の説明を聴取し、五月十六日質疑を行ないましたが、その内容は会議録により御承知願います。
 かくて、本日、討論を省略し採決の結果、本法案は起立総員をもって原案の通り可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(久保田鶴松君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(久保田鶴松君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時四十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
   内閣総理大臣   池田 勇人君
   厚 生 大 臣  古井 善實君
   農 林 大 臣  周東 英雄君
   通商産業大臣   椎名悦三郎君
   建 設 大 臣  中村 梅吉君
   国 務 大 臣  迫水 久常君
 出席政府委員
   法制局第一部長  山内 一夫君
    経済企画庁総
    合開発局長   會田  忠君
    運輸政務次官  福家 俊一君