第039回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
昭和三十六年十月十九日(木曜日)
   午前十時四十七分開議
 出席委員
   委員長 加藤常太郎君
   理事 青木  正君 理事 高橋 英吉君
   理事 竹山祐太郎君 理事 丹羽喬四郎君
   理事 佐野 憲治君 理事 島上善五郎君
   理事 堀  昌雄君
      薩摩 雄次君    田中 榮一君
      林   博君    板川 正吾君
      太田 一夫君    田中 武夫君
      山中日露史君    井堀 繁雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
 委員外の出席者
        警  視  監
        (警察庁刑事局
        捜査第二課長) 槇野  勇君
    ―――――――――――――
十月十九日
 委員戸叶里子君辞任につき、その補欠として田
 中武夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員田中武夫君辞任につき、その補欠として戸
 叶里子君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十月三日
 旧沖繩県の地域における公職選挙法の適用の暫
 定措置に関する法律案(基政七君外二名提出、
 参法第一〇号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
○加藤委員長 これより開議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 自治大臣にお伺いをいたしますが、現在当委員会において附帯決議をつけまして成立をいたしました選挙制度審議会の審議が行なわれておるわけでありますが、ちょっとこれに関して二、三自治大臣の見解を承っておきたいと思います。
 第一に、私どもは、この審議会に特別委員として参加をさせていただいておりますが、総理大臣の最初か二回目でしたかの総会で行なわれておる発言が、私どもとしてはやや当院における附帯決議の趣旨に反しておるのではないかという疑いが感じられておるわけであります。おそらく自治大臣もその席に御出席でございましょうから、その辺の事情を一つつまびらかにしていただきたいということを大臣にお伺いしたいと思います。
○安井国務大臣 従来のこの選挙制度審議会の法案の制定の過程におきまして、いろいろ論議され、さらに附帯決議がつきましたという点につきましては、審議会におきましても十分その間の事情を私どもの方から説明をいたしておる次第でございます。
○堀委員 伺いましたのは、その説明をされたかどうかではなくて、総理大臣がその総会における委員の発言に対してなさった答弁の内容は一これは総理大臣にお越しいただきたいと思うのですが御出席が不可能なようでありますから、おそらく当日同席をされたであろうと思う自治大臣から、その当日の総理大臣の見解というものと、私どもが当委員会で付しました附帯決議との中にやや趣を異にするものがあるように、実は審議会の席上で私どもが聞いておりますので、その点の経緯を一つつまびらかにしていただきたい、こういうことでございます。
○安井国務大臣 総理大臣が公式的に審議会の発足にあたってお述べになりましたことと、さらに私が申し上げておることとに若干食い違いがないかとの御懸念かと思いますが、その点は一切私どもはないと思っております。総理大臣はあのあいさつの際に、法律の内容の大綱についてお述べになった、これに従って諮問するんだという、一つの法律案の建前だけ大綱的にお述べになったわけであります。そこで私引き続きまして、法律案の建前がこうである、それについてはしかし衆議院におけるこの具体的な個条を読み上げまして、総理もそこにおられるところで、そうしてこれにはこういうような附帯決議がついておるのである、でありますからそういった経過も十分御了承の上、しかし審議の内容まで、やり方まで政府からとやかく注文をつけるわけに参りません。そこまでの過程は総理お立ち会いの上で私から十分補足説明といいますか、説明をいたしておるのでありまして、それに対して総理はそうじゃないとかあったとか、あるいは違った発言をされているというようなことは一切ないわけでございます。
○堀委員 最初のごあいさつの中はそうであったかと思うんですが、委員の質問に答えられた――別にわれわれ速記録のようなものを持っておるわけではありませんから詳しい事情がつまびらかにできないわけでありますが、あの会議の席上の空気と申しますか、各委員の発言の内容から感じますことは、当審議会が区制の審議をするのは当然であって、それはぜひやってもらいたいという、もちろん私どもは、あの審議会が区制の審議をすべきではないということではございませんが、何か受けた印象が自治大臣のお述べになったこととやや趣を異にしているようにわれわれに感じられるような答弁がされておるように、実はいろいろな会議の進行の中で感じるわけでございますので、今おっしゃるように、自治省なり皆さんの方が審議会をどう運営してくれということではないと思いますけれども、政府側の見解は、少なくともこの法律を尊重する建前においては附帯決議を尊重するということであるべきだと私どもは考えておりますので、その政府側の見解の最高の責任者である総理大臣の答弁の中で多少とも委員かそういう――今のあなたのお話からすれば思い過ごしといいますか、極端な言い方をすると多少誤解の趣があるような受け取り方をされるような発言のあったことは、私どもまことに遺憾だと思うのでありますが、その点についてもう一回重ねて、それは答弁で行なわれておるように聞いたのですが……。
○安井国務大臣 その点につきましては私も覚えておりますが、審議会に対する諮問事項は一体何かという質問に対しまして、総理は、これは法律による一から四までのものを諮問するんだ、これは法律の建前、内容からいえば当然の御答弁であったと思います。それだけのことでありまして、それで今のそれについては、そういったいろいろな附帯決議の内容、衆議院における御審議の模様というようなものをあわせて私の方から十分に説明をしておりますので、この点はまた列席されました委員の方々とも十分にその経過や内容、動きについては御了承になっておるということは、私どもは確信しております。ただ少し御懸念があるとすれば、委員の中に、本来選挙区制をやらなければいかぬじゃないかというような持論を持っていらっしゃる方も中にはございましょう。そういうような力はそういうような方としての御議論が中で出ていることは、その後のいろいろな分科会等の経過を見ましても、私ども伺っておりますが、しかし政府としましても、あくまでこの扱いにつきましてこの附帯決議を十分に尊重するという態度は全然変えておりません。またその審議会そのものに対する経過の説明につきましては、総理はその建前論を、一から四までを諮問することになっている法律だということだけは説明されましたが、それ以上のことを、特に区画なり何なりを早くやってくれとか特別にやってくれというふうな表現は何もなかったように私どもは了承しております。
○堀委員 実は第四分科会といいますか、委員会は、そのアンバランスの問題と制度の根本的な問題をいかように取り扱うかについて、実は四回も五回もやってきたわけです。おまけに途中では、もう一回総会で政府側の見解をただすべきではないかというような議論さえ出てきたということは、やはりそういうことの起きた背景には、特に総理大臣の答弁の中にそういう混乱を起こしたもとがあるように私は理解をしておるわけですが、その点について直接しょっちゅう出ておられる選挙局長は、あなたどういうふうに感じておられるか、会議の当事者として出ておられるから……。私の申しておることは、私はありていに申しておるのであって、そういう誤解を招くおそれのある発言があったではないか、今の運営の中から見てそういう感じがしておるのですが、あなたは運営の中にいてどう感じますか、それを一つ。
○松村政府委員 このことは、ただいま大臣の方から御答弁になりました通りでございまして、委員の中には本来選挙区制について論議をしたいという強い希望を持っている方がおられるわけでございます。そういう方の主張がああいう審議委員会の席で強く述べられましたために、選挙区制と定数是正の問題が、どちらを先に審議するかということで紛糾をいたしたのだろうと思います。第一回の総会は、私ちょうど海外におりまして出席いたさなかったので、当時の事情はよくわかりませんが、聞くところによりますと、ただいま大臣がおっしゃいましたような内容のように一つ承っております。
○堀委員 そこで、実はそれに関連してのことでありますが、この間第四委員会の委員長ですかの発言の中で、区制の問題というものは相当長時間を要するであろう。そうすると、はたして自分たちの任期中にこの問題が解決できるかどうかわからない。今後の問題はどうなるのだろうかというようなことが、実は述べられておるわけであります。私は、このアンバランスと制度の根本改正はなぜここまで紛糾をしたかというと、アンバランスの是正は緊急を要するものだと思います。区制は慎重を要するということは、これは附帯決議の通りでありますが、ただアンバランスの是正をやってしまうと、区制に触れずしてあの審議委員会がもうそれきりになるのではないかという不安を各委員が持っておられたということが、異常に混乱をした私は原因ではないかと思っておるわけなんです。そこで、やはりそういう点については、自治省側として今後の運営について一体どういうふうに考えておられるのか。この選挙制度審議会は法律の定めるところによれば、委員の任期は一年ということになっておるわけですから、五月か六月ころに任期が切れて、それで再任命されなければ一応終わりになるという性格のものでありますが、そこらがはっきりしてくるならば、私は、この問題についての取り扱いのいろいろな問題がもう少しスムーズになるのではないか、こういうふうに考えるわけですが、自治省当局は今のこの一年の任期中にもしいろいろな問題の中で、十分に結論が出せない問題が残った場合には、審議会は一体今後どうするのかということをちょっと明らかにしていただきたい。
○安井国務大臣 今お話の通りこの任期が一年であるという建前で御審議を願っておりますし、それからそれぞれの状況を御承知の上で審議会の運営をしていたただいておると思っております。一年たって答申の結果なり何なりがどのような状況であるからということについては、今ここでは特別のことを何も考えておりません。建前は任期一年、その問にできるだけ早く御答申を願いたいというふうに政府としては考えておるだけでありまして、そこから先のことをどうしようというふうには、格別ただいまのところまだ考えておりません。
○堀委員 どうしようということを考えていないということは、現実の問題として申し上げると、区制の論議というものが、はたして六月までに終わるかどうか疑問があると私は思いますね。そういうときには、具体的にはそれじゃどうなりますか。今考えていないけれども、もしそういう、まあ仮定の事実といえば仮定の事実ですが、そういうことになった場合には、政府はどうされるんですか。
○安井国務大臣 私ども、一から四までの項目を全部が全部完全な形で一年以内に答申をぜひ願いたいと言って督促をしておるわけではないのであります。諮問は四まで法律の建前でいたします。衆議院の決議一項はこういうものがございます。政府としては答申を待ってその後善処したいと思います。しかし答申をなるべく早くやっていただきたい。でき得れば次期国会にも問に合うようにお願いをしたい、こういう建前をとっておるわけでありますから、そこから先の運営の仕方、内容というものは、今後の審議会の推移を待ちませんと、予測して、今私どもがこの場合にはどうする、ああするというということをここであらかじめきめるということは無理じゃなかろうか。今言い得ることは、現在任期は一年であるという建前で御審議を願っておるということ以上にはちょっと触れられないのじゃないかと思っております。
○堀委員 付帯決議は、区制等の根本問題の審議は特に慎重にやってもらいたいと、こうあるわけですね。特に慎重にやれば時間がかかるということですね、原則として。そうなりますと先に延びる可能性も起き得るというときに、今のような大臣の御答弁になると、何が何でも五月中までには結論を出さなければならないというような無理が生じはしないかということを、実は私は心配しておるわけです。だから、附帯決議の精神を生かすためには、もし必要にして十分な審議が行なえない場合には、そういう問題については、どういう委員を任命されるかは別のことでありますが、委員をさらに任命をして、その問題については継続して慎重な審議を期待するということでないと、附帯決議の趣旨と実際の運営というものは、事志と違う方向にいく可能性があると私は感じておるわけですが、その点についてはいかがですか。
○安井国務大臣 今お話しのような状況は、十分可能性としてあり得ることであろうと思っております。思っておりますが、それを今あらかじめ私の方から、多分だめであろうからこうするんだというような言い方は、ちょっと今の建前上できまいと思いますが、その御質問のようなことは、十分可能性としてあり得ることであろうというふうに考えております。
○堀委員 私は、ここであなたにはっきりした答弁を確実に求めたいと思いますが、どうもはっきり答弁したくないようだからこれ以上聞きませんが、しかしあなた方の意のあるところ、そして附帯決議が正しい意味で守られるような運営をやはり私どもは期待しておるわけです。ということは、附帯決議に非常に反したものがもし政府から提案されてきたところで、その法案自体はやはり当委員会自体が審議することでありますから、やはり現実の政治との段階でものを見ないで、機械的にだけ、一方的に主観的なものが処理されたのでは、私は全体としての問題がマイナスが生じるおそれがあるから、やはり現実に即して、自治省側としては審議会に、あるいはどういうふうに御連絡になろうとけっこうですが、あまりに期限その他について必要以上に気を使わなくても、現実の姿に即応した格好で自治省としては問題を処理するんだということが委員に伝わるような方法は、私は当然とっておいてもらいたいと思う。だから、私は何も答弁だけを求めて問題が解決すると思うのではなくて、念願しておることは、やはり私どもが附帯決議をつけたのはつけただけの理由があるわけです。その理由が正しい意味で審議会に理解をされておらないで、何かそれが議員特有の利己的ないろいろな要求に基づいて、議員が何か横車を押しておるような印象を審議会の委員が持ったりされたのでは、私としては全く心外だと思うのです。とかく新聞の論調その他を見ておりますと、この審議会に対して国会議員である特別委員が何らかの圧力をかけておるような格好にしばしば伝えられておるわけですが、私たちはそういう意思は毛頭ないわけです。ないにもかかわらずそういうことが起きておったりする。私たちの真意が、少なくとも自治省を通じて委員の中にもう少し正しく伝わるように、私は大臣を含めて関係者に要望したいと思う。どうも空気自体を見ておりますと、何か私たちは招かれざる客のような格好で審議八会にその席を置いておるように感じられるわけです。私たちは、そうではなくて、あの審議会が正しい結論を出されることを望んでおるし、ただその結論が当委員会でできるだけスムーズに処理されるような方向であってほしいという願いを持っておるだけであって、決してわれわれの特有の、利己的ないろいろな心情に基づいて圧力を加えようとか、その他のことは毛頭ないわけでありますから、そういう点については一つ自治省の方で十分委員の方に誤解のないような取り扱いをお願いしておきたい、かように思う次第です。
○安井国務大臣 法律で最初から、特別委員として両院の議員の御参加を願うという建前は、これは自治省の原案としてきめておったことでございまして、何も途中で、議員の御要望があったので無理に入れたとかなんとかというような性質のものではないのでありまして、そういう意味からも、私は議員が特別委員として御参加を願っておるということは当然の姿でございまして、そのためにほかの委員が特別の影響を受けられるとかというようなことは、あり得るおそれはなかろう。もし特にそういったようなことがあるとすれば、これはこの法律の建前をよく御説明いたしたいと思います。ただ審議のやり方とかあるいは個々の委員の御発言について、政府の立場で、これはいいとかあれはいいとかというようなことを、この際申し上げるわけには参りませんので、この点は、審議そのものの動きにつきましては審議会の御意思にまかせる、こういう建前でございます。
○加藤委員長 島上善五郎君。
○島上委員 やはり今のことに関連してもう少し伺っておかなければなりませんか、アンバランスの問題と制度の根本問題とは、第四委員会においては、少なくとも混乱というか混迷しておることは事実なんです。それは、私はさかのぼって申しますと、総理大臣の答弁にも一つの原因があると思う。ここに総理大臣に来てもらいたかったわけですが、もしあの附帯決議の趣旨が正しく伝えられておるならは――委員各自の主観は別です。別ですけれども、正しく伝えられておるとすれば――自治省の選挙局が審議会の幹事ですから、いわば審議の進行の重要な役目をしておるわけです。正しく伝えられておるならば、そのような混迷は生じないと思う。たとえば今堀君が言ったように、どちらを先議するかということで四回も委員会をやっておる。これは、私たちは、今言ったような多少妙な空気があるので、少し控え口にしておりますけれども、制度の根本問題を先議すれば、アンバランスの問題はその中に消えてしまって、なくなるのですよ。そうでしょう。制度を根本的に解決するということを先議するならば、アンバランスの是正ということは必要なくなってしまう。制度の根本問題解決と同時に解決する問題です。制度の根本問題は、私どもとしては土俵を変えることですから、相当慎重にやってもらわなければならぬし、各党の意見も聞いてもらわなければならぬと思う。それなのに、そういう混迷をしておるということは、私は今後の運営については、私どもも発言しますけれども、よほど自治省でうまくその趣旨を伝えてもらわぬと、この混迷はなお続くことになりはしないか。アンバランス是正について小委員会を設けるんだ、同時に委員会においては制度の根本問題を並行的にやる、こういう妙な決定をしましたが、その小委員会には――また私ども正式に聞いておりませんか、小委員会には特別委員とか選管の委員は遠慮してもらおうというようなことが、新聞に出ている。これはとんでもないことですよ。私たちは区割りをどうするかということについては、直接、何と申しますか利害関係と申しますか、関係があるので、そういう際には遠慮をしようということは、よくわかるし、そのつもりでおるのですよ。しかしアンバランスを是正するというような問題について論議する際に、遠慮しなければならぬいわれは少しもないと思う。特に選管から出ている諸君まで遠慮をしろというに至っては、これは私は行き過ぎ、だと思う。これはいずれその委員会で意見を言うつもりですけれども、こういうような混迷があるから、私どもが期待しておったように、アンバランスの是正問題の答申を進めることは期待できない状況です。第一委員会、第二委員会等はかなり進んでおりまして、これはおそらくは年内に答申が出ると思います。そうすると私どもこの法案を国会で審議する際にもそれほどはっきり口に出して言わなかったけれども、アンバランスの是正などという問題はなるべく早くやりませんと、解散風が吹きまくってきたころにアンバランスを大きく是正するということは、事実上非常に困難になると思うのです。そこで、私ども附帯条件をつけた気持は選挙運動面の罰則の改正と同時に、アンバランス問題も今国会に間に合うように答申してもらって、この次の通常国会でこれらを解決したい、区制の根本問題はどうしても時間がかかるから、勢いこの国会には間に合わぬということに事実上なりますから、この次の通常国会でもってゆっくりやればいい、口にははっきり出さぬけれども、そういう気持がお互いの間にはっきりあったはずだと思う。こういうような混迷を来たしておるということに対しては、よく自治省でも考えてもらって、今後の運営について幹事役を勤めているのですから十分気をつけてほしいと思う。
 それで大臣に伺いたいのですが、今アンバランス問題を取り扱っておる第四委員会においても、区割りの具体的な内容は別のところでやってもらって、自分たちはアンバランス是正についての要綱だけを答申しようというような考えが強くあるように私どもには受け取れるのです。要綱だけの答申を受けて、また今度区割りの実際は区割り委員会を作るとか、国会で区割りをやるというようなことでは、最初の趣旨と、だいぶ違うんじゃないか。この制度審議会においてアンバランス是正をするということになりましたならば、もちろん要綱についても議論しなければならぬことは当然ですけれども、この要綱に関する意見がきまったら、それに基づく区割りそのものの具体案をも審議会で答申することを期待しておったのですが、その点に対して大臣はどのようにお考えですか。
○安井国務大臣 この点につき、ましては、総理大臣も、最初から今度の審議会については全面的に、答申については全部具体的に御答申を願いたい、単なる要綱とか方針というようなものでなくて、それぞれ具体的な御答弁を願いたいということを表明もしておられますし、また法律そのものもそういう精神といいますか、具体的内容になっておるように私どもは承知しております。従いまして、その点は島上委員の御希望の通りであろうと思います。なお、附帯決議等がなされておる状況というものについて十分に審議会に反映さしてもらいたいという御希望も十分承知しておりまして、各界全員のおられる前で、私はこの全文を読み上げてよく御納得いくように説明申し上げておるわけであります。その後委員の中にいろいろなお考えの方があって、進めていき方について、ことに区割りなりアンバランスも非常に重要な問題でありましょうから、いろいろな御議論が出ておることも、これは当然かと思います。しかし今お話のようなことも同時にまたあの審議会に反映していただきますために、国会からも特別委員をお願いしてあるわけでございます。また十分にそういった御意見の主張をしていただく機会もあり得ると思っております。なお第四委員会の進め方につきましては、これは私ども委員会の内容をあれこれ申す筋合いではありませんが、実際問題としては、明日でございますか、これにはもちろん特別委員もお入りを願って、さらにいろいろ今後の進め方について御検討を願うというふうになっておるように思っておりますので、その際またいろいろな御意見の御反映の機会もあるのじゃないかということで、私どもは十分にこの法律の建前及び附帯決議の建前、全面的にこれを御了承願った上で審議は進められていくものと考えております。
○島上委員 大田、約束の時間がきましたから、私は簡単にこれで大臣に対する質問は終わりますが、今申しましたように、第四委員会ではアンバランスの是正の小委員会を設けましたけれども、この小委員会においてアンバランス是正の基本方針とでもいうものを答申されるという空気が強いのです。これは政府の諮問の趣旨が徹底していない結果だと思うんです。ですからこれはアンバランス是正の基本方針ではなくて――基本方針みたいなものは、きわめて簡単ですからもう、一回委員会をやれば私はきまると思うのです。かりに意見の相違があるにしても、意見の相違というのは、議員の総ワクを若干名ふやすかふやさないかというだけの違いなんです。もちろんふやすかふやさないかということによって、区割りの内容は違ってきますけれども、それだけの違いですから、そこで私は区割りそのものをこの委員会において答申してほしいという趣旨をもっと徹底してほしい。これは早くやってほしい。早くやらぬと実際上実現がまたずるずるになって、非常に困難になるという事情があるのですから、そういう趣旨も徹底してほしいと思います。私たちはまあなるべく控え目にしておりますけれども、しかし控え口にしておれぬような場合には、もちろん堂々と、同じ資格で参加しておるのですからやりますけれども、どうもこの趣旨が、附帯条件の趣旨も諮問の趣旨も正しく十分に理解されていないといううらみがあることだけは事実ですから、十分その点を委員会の進行と考え合わせて趣旨を徹底させるように、一つ大臣に努力してほしいと思います。これだけを一つ希望して、お考えを伺って質問を終わります。
○安井国務大臣 たびたび申し上げますように、今の法律の附帯決議の趣旨は、この審議会に十分に徹底をいたすように、今後も十分気をつけてやるつもりでおります。なお審議会内部における御議論につきましては、これは私どもが外から制肘をするというわけには参りません。その点につきましては一つ、特別委員になられた委員の方々からも十分に意思の御反映を願って、会議を御運営願えれば非常にけっこうではないか、こういうふうに心得えております。よろしくお願いいたします。
○加藤委員長 次に、選挙制度審議会の審議状況、並びに今後の見通し等について説明を聴取いたします。松村選挙局長。
○松村政府委員 先般の国会におきまして成立いたしました選挙制度審議会設置法に基づきまして、過般当審議会が設置されたのでございますけれども、まず六月十六日に第一回の総会が開催されまして、そこで総理大臣から当審議会に対しまして、選挙の公明化をはかるための方策を具体的に示されたいという諮問が行なわれたのでございます。その後六月三十日、七月十四日と三回にわたりまして総会を開きまして、ここで今後の審議の進め方、また選挙制度の改正に関します全般的な意見の開陳が行なわれました。特に三回目の七月十四日の総会におきましては、かねて総会から要望されておりました選挙制度改正に関する問題点を、当審議会の運営委員会できめたものを総会に報告いたしたのでございます。それと同時に、この総会におきまして今後調査審議を促進いたしますために四つの委員会を設置いたしまして、それぞれ仕事を分けて審議を進めることにいたしたのでございます。ただいま申しました選挙制度審議会の運営委員会の選挙制度の改正等に関する問題点は、ただいまお手元に配付してありますプリントがそうでございます。そしてこの四つの委員会は、お手元にお配りしました問題点の各項目に対応しまして設けられたのでございます。すなわち、第一の委員会は選挙運動、選挙管理等に関する事項を、第二の委員会は罰則、政治資金等に関する事項を、第三の委員会は公明選挙運動の推進に関する事項を、第四は、選挙区別定数等に関する事項を所掌するということになったのでございます。
 次いで九月に入りまして、特別委員も参加願って各委員会は調査審議を始めたのでございますが、九月におきましては第一から第三までの委員会は三回、第四委員会は二回開催いたしまして、月末の総会におきましてそれぞれ各委員会の審議状況を委員長から報告がありました。そしてまた十月に入って、ただいま各委員会は毎週一回調査審議会を進めておる状況であるのでございます。従いまして、現在各委貫会の調査審議はまだその過程でございまして、結論が出ておるものはないのでございますが、各委員会の調査審議の概況をこの機会に御説明いたしたいと思います。
 第一の委員会におきましては、先ほど申しましたように選挙運動と選挙管理というものを調査審議しておるのでございますが、その中でまず立候補制度の合理化の問題、これはプリントの一ページにあるのでございますが、これに関しましては、供託金の額の引き上げの問題は、供託制度を廃止して公営納付金制度を採用するという違った意見もありますので、この二つは、後に選挙公営の問題を審議する際にあわせてさらに検討しようということになっております。
 次に、郵便による立候補届出、立候補の辞退は立候補届出期間経過後は認めないものとするということ、それから重複立候補を全面的に禁止するという意見、この三つについては当委員会は大体この方向で事をきめようということになっております。ただ立候補辞退の期日の問題につきましては、立候補届出期間から選挙期日までの間で適当な時期にきめよう、こういうことにいたしまして、具体的にはまだきまってはおらないのでございます。
 それから高級公務員の立候補制限という問題があるのでございますが、これにつきましては憲法上の問題もありますために、内閣の法制局の意見をも徴したのでございます。その意見によりますと、制限するだけの合理的理由があれば差しつかえないと思うけれども、高級公務員を全面的に一律に立候補制限するということについては合理的理由がないのではなかろうか。従って、立候補制限をするだけの合理的理由のある具体的な高級公務員のポストについて制限の措置を講ずるということであるならば、憲法上の問題ということも避けられるのではなかろうか、こういうような意見でございました。そこで、当委員会も問題が非常にむずかしゅうございますので、立候補制限をする方向でいくが、具体案についてはさらに検討するということになっております。
 それから次に、立候補の推薦届出にあたっては一定数の選挙人の雄鷹を要件としたらどうかという意見が、この問題点にあるのでございますが、これにつきましては必要ないのではなかろうかという意見もだいぶございましたが、結論は先に延ばすことにいたしております。
 次に、被選挙権のない者は立候補することができないことにしたらどうかという意見が、この問題点にあるのでございますが、これは、現行法では被選挙権の有無というのは、投票日を基準にしておりますが、これを立候補のときということでやった方がいいのではないかという意見でございますが、これにつきましては被選挙権の有無を明確にするには非常に技術的な問題を多く含んでおるのでございます。従って、この点を具体的にした上で最終的にきめたいという委員会の意向のようでございます。
 次に選挙運動の方法についてでございますが、これにつきましてまず言論による事前運動を認めてはどうかという意見があるのであります。この点につきましては、言論による事前運動は認めていいのではないか、そしてまた演説会を告示するためのたとえばポスターの掲示等、こういうものについても認める方がいいのではないかということが大体の意見のようでございますが、言論の中に文書というものを含めて考えた場合に、その他の事前運動としての文書活動というものについてはどうするか、こういう点についてはさらに検討するということになっております。
 次に、連呼の問題につきましては賛否両論がありまして、この結論は今のところ出ておりません。
 それから選挙運動用自動車を乗用車に限るという意見が、この問題点にあるのでございますが、これにつきましては積雪、泥澤の場合に例外規定を設けるということで、大体この方向で委員会の意見がまとまっておるようでございます。
 それから個人演説会の開催の回数の制限をやめるという意見があるのでありますが、これについても大筋としては賛成の方向に向いております。
 その他頒布する文書、図画の制限の緩和、選挙運動用ポスターの枚数の増加、それからプリントの四ページの10というところにあります現行選挙運動用ポスターのほかに、選挙運動用立て看板の掲示を認めることとせよということの意見、この三つにつきましては、大体との方向で具体的にその案を作って検討するということになっております。その他この項目では選挙事務所を表示するためのポスター、立て札、看板の類の数を制限する問題、それから四ページの冒頭にあります街頭演説の場所において演説中使用することのできるポスター、立て札、看板の類の制限、この二つにつきましては、大体このような方向で意見がまとまっておるようでございます。
 あとこの選挙運動のところに関しましては、先般参議院選挙の特例法案として国会に提出されておりましたうちの参議院議員の選挙運動期間を現在の二十五日から二十日に短縮するという案がございました。この案は、この問題点のどこにも出ておりませんので、これを一つ審議することにいたしたのでございますが、これについては賛否がございまして、結論は延ばしてございます。そして第一委員会では、ただいま選挙運動の費用の検討に取りかかっておるという段階でございます。
 それから第二委員会は、罰則と政治資金に関する事柄を審議することにいたしておりますが、この委員会では全般の空気として、現在の選挙法は複雑で厳格な取り締まり規定になっている、これは一つ緩和合理化して選挙をもっと明るいものにする方向でこの罰則についても考えていこうではないか、こういうような基本方針で調査審議を進めております。
 この第二の委員会の中で調査審議されておりますおもな事項を申し上げますと、まず連座制の強化の問題、これは十一ページにございますが、この連座制の強化につきましては、現行法では総括主宰者または出納責任者が買収供応等の犯罪を犯して刑が確定いたしましたときには、当選人の当選が無効になるのでございますけれども、そのためには一般の選挙人あるいは他の候補者があらためて当選無効の訴訟を高等裁判所に起こさなければならないことになっております。これにつきましてはいろいろ従来から意見があるのでございますが、当委員会においては、一般の選挙人、候補者でなくて、検察官が公益の立場から必ず当選無効の訴訟を起こさなければならないものとする、こういうことで意見が固まっておるようでございます。
 それからついでに、連座制の次に減票制という問題が、この問題点には掲げられておりますが、これについては委員会の空気は否定的でございます。
 それからこのプリントの3と4を合わせまして、選挙犯罪者に対しては公民権の停止を強化すべきであるという意見があ為ので、ございますが、これにつきましては当委員会は異論はないのでございますが、ただ先ほど申しましたように、今の選挙法が特に取り締まりの規定が非常に厳格になっておりますので、まずこの公民権停止の強化の前提としていろいろな規定を整理した上で、その残った規定の違反について公民権の停止の強化をはかることにしよう、こういう空気に大体なっております。
 それから十二ページでございますが、十二ページの5と7の選挙犯罪について恩赦を行なうべきでないという意見と、裁判の促進をはかれという意見、この二つはまあこのこと自体には異論はないけれども、これを法律的に処理するということについては、なお検討するということになっております。
 それから6の時効期間の問題、これにつきましては選挙犯罪だけに特別の短期の時効を設ける必要はないじゃないか、一般の犯罪と同様に刑事訴訟法の規定によることとしたらいいのではないか、こういう意見が大かたの意見でございます。
 それからあとこの項につきましては、公団、公庫の役職員が、その地位を利用して事前運動を行なう場合におきましては、公務員と同じように普通の事前運動とは違った、加重した刑をもって臨むことにしようということについては意見が一致いたしております。
 それから十三ページの10に掲げておりますが、選挙運動用のポスターあるいは公営による氏名掲示等、いわゆる文書図画を破棄するという行為について、これについては刑法でも毀棄罪というものがあるけれども、これについては選挙の自由妨害罪として選挙法で規制することにしよう、こういう意見になっております。
 それから次は、候補者の党籍、公認について虚偽の事項を公にした場合についても、身分経歴の虚偽と同様に一つ罰則の対象にしよう、こういうことに大体意見がきまっております。
 それから次は十四ページの選挙に関する帯付の規制の合理化の問題では、まず第一に候補者の後援団体が選挙区内にあるものに寄付をするということをやめようという意見と、それから第二の候補者の後援団体が総会その他の集会、後援団体の行なう見学、旅行、これに類する行事において、候補者等がその参加者に対して供応、接待、金銭、物品の提供をすることを禁止せよという意見、この二つが問題点に出ておりますが、この二つにつきましては、この方向で一つ具体的に案を練ることにしよう、こういうことになっております。
 あと次からは政治資金の規正の問題に入ることになっております。
 それから第三の委員会は、公明選挙運動の推進に関する事項でございますが、これは、この問題点のプリントを離れまして自由に討議が進められておるのでございますが、その討議のおもなものを二、三拾ってみますると、選挙の公明化をはかるためには、国民の政治意識を高からしめることが肝要であるけれども、特に今日においては、選挙犯罪について罪悪感を国民が強めるということが、大切ではないかというような意見も述べられまして、そうしてまたこの公明運動を進めるにあたりましては、マスコミに対して協力を求めることが大事なので、その求める方法についていろいろ意見が述べられたのでございます。またこの公明選挙運動を推進するための組織として一番いいものはないだろうかというようなことが議論になりまして、たとえば国が一定の資金を提供するけれども、その運動については国が全く関与しない、純民間団体というようなものが作れないだろうか、こういうような意見もございました。またこれに関連しまして、選挙管理委員会の強化をはかります意味で、選挙管理委員の任命にあたって、その基準を法律で作ることを考えたらどうか、こういうような意見もあったのでございます。
 次はこの第四委員会のことでございますが、これは選挙区別定数等に関する事項を扱うことになっております。これは、先ほどこの委員会でいろいろ御意見が述べられましたが、これは過去四回委員会を開きましたが、選挙区制の問題と定数是正の問題とどちらを先にするかという議論が対立いたしまして、容易に審議の進め方がきまらなかったのでございますが、やっと先般の四回目の委員会におきまして三つのことをきめたのでございます。
 第一は、本委員会すなわちこの第四委員会は区制の、審議を本来の使命とする、第二には定数是正のための小委員会を設けることにする、それから次回、これは明日になるわけでございますが、次回の第四委員会においては定数是正の方針を審議する、こういうことで一応その審議の進め方がきまったばかりでございまして、実体的にはこの委員会の審議は進んでいないのでございます。
 以上が選挙制度審議会の調査審議の概況でございますが、今後どういうふうにこの審議会が進んでいくかといいますことにつきましては、これは審議会自体が運営委員会なり総会なり、あるいは各委員会なりできめて、自主的に審議を進めるのでございまして、これを予測することはできませんけれども、大体根本的な問題を除いては、十二月には政府に対して答申をするように持っていきたいということが、当審議会の空気のように拝察いたしております。
 大体以上が審議会に関する概況でございます。
○加藤委員長 質疑の通告があります。順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 選挙局長にちょっとお伺いをしておきたいのは、大体今の各委員会では、できれば通常国会に間に合うまうに審議を進めたいという幹事側の要望を了承されて運営をされておると思うのですが、具体的には答申は大体いつごろに期待をされておるのでございますか。まだはっきりしたことを私どもは伺っていないのですが、かりに選挙局の側では大体いつごろまで――三旬、下旬という程度の表現でいいのですが、どこらにめどを置いておられるのか、お尋ねしたい。
○松村政府委員 私どもとしては、実のところ選挙制度審議会の方に対していつまでにという希望は申し上げておるのではございません。選挙制度審議会の方にできるだけ早くということでお願いしておるのでございますが、しかし、私が会長その他の方々に聞いた意向、あるいは会長が総会でお述べになった意見等を見てみますると、十二月の上旬、あるいはおくれても中旬くらいには一つ答申を進める段階に持っていこう、こういうように拝察いたすのでございます。私どもの立場から申し上げますると、十二月中旬でありまするならば、十分次の通常国会に法律の提案が間に合うというふうに考えておりますので、選挙制度審議会の今の方向がそういうことでございますと、私どもの内心の希望とも一致するわけでございます。
○青木委員 ちょっと関連して……。だだいま選挙局長の御答弁を承ったの七ありますが、法律案はあるいはそれでいいかと思うのですけれども、私はの審議会の結論いかんによっては、子算関連の問題が出てくるのではないかと思うのであります。そういう予算関連の問題になりますと、十二月に入ってきめられては予算要求上いろいろ支障があるのではないか、そう考えますと、予算関連事項だけは特に審議会の注意を喚起して、少し早目に結論を出してもらうということも実際問題として必要になってくるのじゃないかという気がするのですが、そういう点だ対する何かの配慮と申しますか、連絡がありましたらば、一つお聞かせ願いたいと思います。
○松村政府委員 仰せのごとく、予算に対する配慮のためには、おそくも十月末が期限になろうと思いますけれども、しかし十一月末というふうに審議会の促進をお願いするということもいかがなものであろうかというふうにも考えます。それで、これは予算が年だよって異なりますので何とも申しにくいのでございますが、年によっては十二月の上旬くらいでも最終の予算決定には間に合うという過去の例もございますし、また予算に間に合わなければこれはもういたし方ございませんので、法律が国会を通りました後に、来年参議院の選挙がございますが、必要な予算は予備費でもって要求しなければならないのじゃないか、そういうふうに考えております。
○堀委員 そこで、今言われたところの通常国会に間に合うようにという時期の問題なんですが、運動とかあるいは罰則の問題等については答申が全部そろってから――その答申の出方、通常国会に問に合う答申の出方というものは、あなた方の方では結局法案を二つにして出すというわけにもいきにくいでありましょうから、一番うしろの限度ですね。と申すのは、一と二はともかく出てきたが、四の委員会の問題ですね。この間実は私は、あの審議会で、最後にちょっとだめ押しで伺ったのですが、要するに、いろいろな格好で両者とも通常国会に間に合わないようなことになると、これはまたさつき触れましたところのわれわれの附帯決議の意のあるところに沿わない結果になるわけですから、そこで、今度は、そういう意味でのあなた方の一番うしろの期限ですね。問題はこういうことだと私は思うのです。答申が全部一括して出される必要があるのか。今青木委員がお尋ねになったように、まず予算関係に関係のあるものはちょっと区切って一番最初に一つ出してもらいたい。その次にまん中ならばまん中のものをお出しいただく。あるいは最終的に定数ならば定数の問題が出てきて、そのうしろの限度は大体はどこらでございますということですね。前とうしろに幅ができてもいいのではないか、私はそう理解しているわけです。ということは、一括して出されたから皆さんがすぐそれを全部やるということではなく、やはりその問題を処理すれは、法案として出てきたときは同じであっても、取り扱いの経緯の中に多少時間的なものがあってもいいのではないかというふうに感じておりますので、その辺についてのあなた方のお考えはどうなんでしょうか。
○松村政府委員 私から先ほど申し上げましたように、選挙制度審議会の実質的な進め方に一切おまかせしているわけでございますが、私どもの立場から申しますと、これはどのように答申されても差しつかえないと思います。予算関係のことだけを先に切り離して答申をいただいても、その答申の内容がどのようになろうとかまいませんが、法律案を国会に出す場合には、これは一つでなければならないと思います。それで、今私の推測が間違っておれば御訂正願いたいのでございますぶ、第一から第三の委員会に所管されている事項は十二月には間に合いそうだが、第四の委員会の所掌事項の定数問題等は間に合わぬのではなかろうかという委員会の空気からのお話のようでございますが、これは委員会のことでございますからどうなるかわかりません。けれども、たとえばこういうことが考えられると思うのでございます。それは、この第一から第三の委員会の所管事項というものが、答申があって、これを立法化するには相当時日を要します。過去の経験によりましても、大体一カ月近くは政府部内でまとめるのにかかるかと思います。そこで、その政府案が最終的にまとまりますまでに一カ月なり時間があるわけでございますから、たとえば定数問題のような問題になりますと、これは別表を変えただけで、簡単な問題ですから、答申さえあれば政府の最終案のきまったときに、そこまでに間に合っておれば、別表を変えるという作業はできると思います。しかしこれは委員会のやりますことですから、第四委員会がどういうふうに審議しますかは予測の限りではございません。
○島上委員 警察の方、どなたかお見えになっておりますか。
○加藤委員長 槇野捜査二課長が来ております。
○島上委員 あまり時間がありませんから簡潔に伺っておいて、あとでまた詳細に伺いたいと思います。
 昨年の衆議院選挙は、御承知のように遺憾ながら前代未聞といわれるほどの悪質違反が出た選挙です。しかもその悪質違反者がかなりに多数逃亡しておる。そのために捜査が困難を来たしておるというようなことが前回の委員会では明らかになったわけですが、今日なお違反容疑者で逃亡しておるものがあるかどうか。あったらその数をここで御報告願いたい。
○槇野説明員 総選挙終了直後は九十一名の指名手配をしておりましたが、その後の捜査の結果、現在なお二十三名残っております。
○島上委員 この二十三名のうらに総括主宰者もしくは出納責任者と思われる者が何名くらいおりますか。
○槇野説明員 出納責任者の方は届出制でございますのできわめて明瞭でございますけれども、総括主宰者の方は捜査の結果認定される場合がございますので必ずしも明確でございません。従って出納責任者はたしか入ってないと記憶しております。総括主宰者の方は捜査を進めた結果でないと必ずしも認定ができませんので、明瞭にはお答えできないかと思います。
○島上委員 出納責任者はいない、総括主宰者は調べた結果でなければわからぬという、それはそうでしょう。しかし現在なお逃亡しておるということは、私の推測によれば相当の重要な地位にある人々だから逃亡しているのであって、大して影響のないような小さな犯罪であれば、そう一年近くも逃亡している必要はないと判断されるわけです。まあ出納責任者はないとして、総括主宰者についてはわからぬとしましても、大体選挙運動の中における相出軍要な地位にあった者あるいは重要な犯罪者と認定されるものと私は考えますが、その点どうでしょう。
○槇野説明員 先ほど申し上げました通り形式的に断定することはやや困難でございますけれども、単なる運動員もかなりおるように見受けられます。その点調べた上でございませんと、選挙における地位というものが必ずしも明確でない状況でございます。
○島上委員 現在残っている二十三名に対してはどのような手配をいたし、実際にどのような追及をいたしておりますか、それを伺いたい。
○槇野説明員 二十三名につきましては、手配をしております各県が主として捜査を進めることは、これは当然でございますけれども、指名手配の性質上予想される立ち回り先の県、それからそれ以外の自余の県、こういう県が――御承知かと思いますけれども、指名手配というのは自分の県の力だけではなかなか捜査の効果を上げ得ないものですから、それを全国の捜査能力にして捜査するというのが、この指名手配の趣旨でございます。その趣旨にのっとって各県とも自己の得た情報を交換しながら現在も捜査を続け、追及しておるところでございます。
○島上委員 この前の委員会でもたしか議論になったと思いますが、この指名手配というのはどうもおざなりな手配ではないか、指名手配をしないわけにいかぬからするという程度のおざなりな手配ではないかという気がしてならない。あなた方はもちろんそうではないとおっしゃるかもしれませんけれども、きょう新聞の投書にあったので、あるいはごらんになったかもしれませんが、これを一つ御参考に短いから読んでみます。「選挙違反に総合手配」という岩手県の小山泰二という五十八才の方の投書であります。「凶悪犯の総合手配が功を奏しているのにかんがみ選挙違反の逃亡者も総合手配で逮捕できないものかと思う。現に前某閣僚の総括責任であり出納責任者だった某夫妻は三年あまりも姿を隠したままだった。選挙違反者だけの総合手配は困難だろうから、次回の凶悪犯手配の際、別欄を設けてのせたらどうであろうか。凶悪犯と一緒では酷だという意見もあろうが、私は公明政治を汚しだ選挙違反の罪は凶悪犯にも劣らないものだと思っている。たまたま来年は参院選挙もあることではあり、違反の防止、みせしめのためにも実行してもらいたいと思う。」こういう気持は国民の中にかなり強くあると思う。選挙違反は犯罪でないあるいは犯罪であっても別の考えで、これは非常に軽いものだという考えが今日選挙界を腐敗せしめておる原因の一つにもなっておる。この投書では凶悪犯の手配の際、別欄を設けてといっておりますが、現に先般来総合手配の効果がだいぶ上がっておるようです。その半面ここにもあるように三年半も夫婦で逃げておって、もうこの辺でよかろうといって自分で出てきておる。椎名悦三郎君の総括主宰者はとっつかまったんじゃない。一体もっと効果の上がるような総合手配の方法をお考えになっていないかどうか。私は今までのようなやり方では、総合手配をいたしましたという言いわけにはなるでしょう、国会の答弁にはなるでしょう。しかし実際の効果はほとんど期待できないと思う。これに対して何かもっと効果的な方法をお考えになっていないかどうか。
○槇野説明員 選挙違反の被疑者について総合手配に載せてはどうかという御意見は、前々からもあるのでございますけれども、たびたび申し上げるようでございますけれども、手配というのは捜査の技術の問題でございまして、その技術の問題といたしまして一般の国民の協力の得られやすいものについては、われわれの最後の手段として公開捜査をする。しかしながらそういう効果の薄いものについてはこの技術を用いないという考えは前々から持っておりますし、今日もそういう考えでございます。従いまして、島上委員のおっしゃる要するに効果の上がる捜査という点では、今後なおいろいろと検討しなければならぬ点が多かろうと思いますから、そういう点については今後大いに研究努力して参りたい、かように考えております。
○島上委員 それでは少し具体的に一つの問題だけ伺いますが、きょうの新聞ごらんになったはずだと思います。椎名悦三郎君の総括主宰者兼出納責任者である松川夫妻が、三年五カ月にわたって隠れていた。去年の暮れに一カ月半にわたって世田谷に隠れておった。この情報を警視庁の捜査二課で知って、それを岩手県に連絡した。ところが岩手県では通報してから二カ月あまりたった二月上旬にやっとのこのこやってきた。それで、もうそのときはどこかへ行っていなくなってしまった。一体こういうものはほんとうにつかまえる気になっているかどうか。つかまえる気になっておったら、警視庁だってつかまえられるはずじゃないですか。この事情について御承知だったら一つ明らかにしてもらいたい。
○槇野説明員 ただいまの件でございますが、私どももまだ詳細に報告を受けておりませんけれども、大体昨年下半期において、東京に足があるという情報はあったようでございます。そういう点で、岩手県と密接に連絡をとって警視庁も捜査を進めておったわけでございますが、結果はその当時は松川夫妻と断定できる資料がなくて今日に至ったような状況でございます。
○島上委員 断定できる資料がないとおっしゃるけれども、十二月に現に松川夫妻がそこにいるときにあんまさんにもかかっているのですよ。情報を得たけれども、的確な裏づけ資料がなければ行って調べられないのですか。調べたらいいじゃないですか。私は調べる方法があると思うのです。そういうようなことじゃつかまりませんよ。つかまえるための手配じゃないと極言されても仕方がないと思う。どうも松川夫妻らしい人がおるといったら、そこらへ行って張り込んで手配する、あんまさんに聞いてみるとか、どういう方法でもあるんじゃないですか。これはつかまえるための積極的な意欲が警視庁も、連絡を受けた岩手県もないですよ。ですから、夫婦でのんびりかんと三年五カ月も歩いているわけです。こんな手配じゃ今残っている二十三人だってつかまりませんよ。二十三人の人は、もう金もなくなったし、今ごろ出ても大して影響がないと思うころ、のこのこ出てくるでしょう。つかまりませんよ。これはあなたに聞いても詳しいことは答弁できないかもしれませんが、私は次の機会に警視庁の人に出てきてもらって、もっと詳しく聞きたいと思う。こんなようなやり方ではつかまるはずはありませんよ。こういうようなやり方より方法がないとお考えですか。そのときのいきさつはよろしいです。いきさつは警視庁に聞いてみますけれども、十二月に松川夫妻らしい人がある家におって、あんまさんが出入りして肩をもんでおるというところまでわかっておるのです。そして家の中にいるのじゃなくて、毎日散歩しているのですから、これはつかまえようと思ったら幾らでもつかまえられる。わけないことですよ。十二月に東京におるということは、私たちの耳にも入っておったのですよ。だからもう間もなくつかまるだろうと思ってひそかに期待しておりましたけれども、私はこういうようなことでは実際につかまえるための総合手配であるというふうに信頼できない。一体こういうことでよろしいかどうか。
○槇野説明員 ただいまの点で、その十二月の情報につきましては、警視庁もいわゆる捜査としてでき得ることは、私は尽くしておったと思います。ただ今その被疑者を検察庁で調べておりますので、その被疑者の供述を詳細に聞いて参りませんと、どれが事実であるかはもちろん断定できませんけれども、その当時の情報に対して、今御指摘のあんまさんの問題その他も捜査としてでき得る点は十分尽くしておったが、もしそれが事実であるとすれば、結局被疑者に到達できなかったという状況でございます。
 なお、翌年の二月になって岩手県が出てきたというお話でございますけれども、先ほども申し上げました通り、指名手配というのは当県が活動すると同時に他県もするということなんで、他県と連絡をとりながら、他県の活動でできることは他県の活動でやるわけでございますので、そういう点、双方連絡の結果二月に上京の必要が生じて出てきた、かように考えております。
 今後の問題といたしましては、そういう捜査について情報に対する検討なり具体的な活動をさらに一そう活発にやるということを今後努力して参りたい、かように考えております。
○堀委員 ちょっと関連して。今、昨年の衆議院選挙のあとで逃亡者は九十数名あったけれども、現在二十三名になったとおっしゃいましたね、この中であなた方の手でつかまえたのが何人で、自首したのが何人か、ちょっとお答え願いたい。
○槇野説明員 申しわけございませんが、手元にちょっと資料がございませんので、いずれ調査した上でお答え申し上げます。
○堀委員 次回の委員会で一つ答弁していただきたいと思います。
○島上委員 どうもあまり詳しいことを聞けないですから、私はこれで質問を終わりますが、これは保留しておきますよ。そしてあれより仕方がなかったというようなかばう答弁をしていますが、仕方がないことはありませんよ。その立ち回り先の警察はつかまえることができない。岩手県へ連絡して、岩手県の警察でなければつかまえることができないというなら、これは仕方がないですよ。立ち回り先の警察、警視庁でもつかまえることができるのですから、情報が入ったらどんどんその情報に基づいて具体的にやったらいいじゃないですか。その隠れ家の付近に三日張り込みしたら完全につかまりますよ。そういうことすらやってないじゃないですか。毎日散歩して、毎日あんまを呼んでおる。これは明らかに怠慢ですよ。私は次会に警視庁に来てもらって詳細にお聞きしたいと思う。そんなようなことではあとの二十三人だってつかまりませんよ。おそらく九十一人と二十三人の今の質問に対しても、大多数は自首だろうと思うのです。こんなことでは来年の参議院選挙にも非常に影響すると思う。参議院は六年間だから六年間もぐっているということは大へんだろうけれども、次の選挙までもぐっていて、あと本人は処分されるけれども、何も連座制に関係ないということになれば、こういうような総合手配ではもぐりますよ。私はこのことだけを申し上げて、これは答弁は要りません、この次にまた伺います。
○田中(武)委員 ちょっと今の島上委員の質問に関連してお伺いしたいのですが、要は選挙違反に対して真剣な捜査等がなされていないということです。私は、前国会のこの委員会、すなわち昭和三十六年の六月七日の当委員会におきまして質問をいたしました。そのとき警察庁からは、警察庁刑事局長の新井さんですか、それから法務省からは刑事局刑事課長の河井検事が見えておりました。その質問の中において、昨年十一月の総選挙の際に総理がとった行動は公職選挙法第百四十条違反ということで、刑事訴訟法によるならば、口頭によってこれを司法警察官に伝えることによって手続ができるという、この刑事訴訟法の手続に従って告発をしたわけなんです。その後どういう捜査を進め、どうなっておるか、お伺いいたします。
○槇野説明員 その点調査してお答え申し上げますけれども、あのときたまたま私もその席におりましたが、告発をわれわれか直接受ける――警察庁というのは直接実施官庁でございませんので、これを所轄県に伝えて処置したはずでございます。ただ、あの問題は六月でございますので、半年の時効になるケースでなかったかと私は記憶しております。
○田中(武)委員 警察庁の警視監というのは司法警察官じゃないのですか。
○槇野説明員 司法警察職員でございます。
○田中(武)委員 それなら、私の質問の中における、刑事訴訟法によるいわゆる口頭による告発、こういうことは成立してますね。
○槇野説明員 告発の受理は、それぞれ都道府県の司法警察職員が、その所轄でなければ、受理して移送する、こういうふうになっておりますので、たしかあの点については兵庫県にそれを伝えたということを記憶しております。
○田中(武)委員 司法警察官に、所轄の者でなければいけないという規定が、刑事訴訟法の中にありますか。
○槇野説明員 訴訟法にはなかったように記憶しております。
○田中(武)委員 それならば当然訴訟法上の告発は成立しておるわけです。あなたは、その捜査を兵庫県警察に命令した、こういうふうにおっしゃる。所轄の司法警察官でなくては告発は受理できないというはずはない。従ってこれは成立しておる。従って、かりに時効にかかっておるというならば、その結果どうであったとか、時効のために不起訴処分ににするんだ等々と、当然報告を受けるべきだと私は考えておる。それがいまだに出ておりません。しかもその時効の途中においてこういったことが国会の委員会等で問題になっておれば、総理のやったことは選挙違反だ、こういう程度で時効の中断はできると思います。たまたま六カ月を経過しておった。これは六月七日だったですか、従って、投票日が十一月の二十日だったか、そうすると六カ月経過している、こういうことになると思いますが、ただそれだけで不問に付すことはおかしい。島上委員からも、選挙違反に対しては、それが閣僚ないし政府与党の幹部である場合においてはことに手ぬるいということを今指摘された。総理に対してのこの問題に対して何ら措置をとらないということはどういうわけか。私ははっきりとここで申し上げておくが、あなた方は刑事訴訟法による手続をとって、受けたなら、さっそくやった結果を告発者である私に返事をすべきではないか。どうなんですか。
○槇野説明員 調査の上お答え申し上げます。
○加藤委員長 井堀繁雄君。
○井堀委員 ごく簡単に一、二お尋ねをいたしておきたいと思います。
 今選挙制度の改善をはかるための審議会が開かれておりますので、ぜひ一ついいものが誕生しますことを願う意味で一、二お尋ねをしながら私の見解を述べてみたいと思うのですが、一つは、今度の選挙制度の中で、私どもは一歩でも理想に近づくための改善に努力されていることには、疑いをいれないのであります。
 そこで具体的な点でありますが、今も選挙違反事案についての矛盾が指摘されております。いつも私ども考えますのは、選挙違反を取り締まることはもちろん厳重でなければならぬと思うのでありますが、その前に、選挙事犯に対する一般の考え方にまだ大きな矛盾があると思います。何か選挙違反というようなものは破廉恥罪ではない、むしろ一般の常識の中には、大へん金を使っているので気の毒だ、いま一つは、たまたま運が悪いからひっかかったのだという考え方がまだ世上に残っている。それからもう一つは、取り締まりの方の側でありますが、われわれの経験するところによりますと、どうも警察官は取り締まりについては消極的であるというよりも逃避的なんです。法の命ずるままに厳重な努力をいたしますと、あとでしっぺい返しを食うという感じが強く残っておるのでありまして、そこには自然手かげんが起こってきたりする。この問題は、やはりこの際抜本的に解決しなければならない。ことに選挙の管理ばいうまでもなく選挙管理委員会、そうして側面から取り締まり協力をされるというこの形の中に矛盾があると思いますが、こういう点についてはぜひ抜本的に改善をしなければならぬ事柄の一つだと思うのであります。もちろん審議会が自由に討議されておるのでありますから、そういうものにも当然言及されると思うのであります。長年そういう事務を担当していろいろな経験をたくさん持っている自治省の選挙局としては、そういうものに対する注文といいますか、あるいは参考資料をどんどん提出されていることと思うのであります。そういうものに対して何かまとまった資料でも審議会の方に御提出なさっているか、あるいは、してないとすれば、これから出そうとするのであるか、そういう点に対する幹事役をしております選挙局の見解をまず伺っておきたい。
 それからついでに、せっかくおいでいただいておりますので伺いますが、取り締まり当局は、この問題では、前回にもお尋ねをして私と同じような見解を持っておいでのようでありましたが、他の犯罪と違って取り締まり上いろいろと困難を生じている点があると思います。この機会に率直にお聞かせいただきますならば、せっかく審議会が開かれておりますので、そういう問題をどんどん持ち込みたいと私ども思っております。そういう意味で両方にお尋ねいたしたいと思います。
○松村政府委員 ただいまお話しの点につきましては、私どもできるだけ詳細な資料を出しております。今度の審議会は先ほど御説明申し上げましたように、各委員会に分かれまして、綿密な調査審議をやっておりますので、資料といたしましてもできるだけ詳しい資料を提供いたしてあります。特に先ほど選挙違反についての罪悪感といいますか、この点は先ほど私ここの席で御報告申したのでございますが、選挙制度審議会でも選挙の公明化をはかる基本として、国民が選挙違反に対してこれを罪悪視する――今まではこの選挙犯罪というものを軽視してきた傾向があるけれども、これを罪悪視する風潮を起こさなければならぬ、こういうような審議会の意見も出ております。従いまして、お話しのようなことについては、十分配慮いたしておるつもりでございます。
○槇野説明員 ただいまの点につきましては、現行選挙法は非常に事こまかい制限規定が多くて、その点実施する官庁といたしましては、もっと明快簡素なものにしてもらいたい。中でも言論、文書制限等の形式犯については、できるだけ簡素にしてもらえば、選挙取り締まりはきわめてタイムリーに実施しなければならぬ事案が多うございますので、そういう意味では実質犯の捜査にもっと力が注がれるのじゃないか、かように考えております。
○井堀委員 取り締まり当局にはもっと具体的ないろいろな御注文がたくさんあることと思いますし、前にもそういう点を伺っておりますから、よい機会でありますから、この委員会に一つ当局のそういう取り締まり上からくるいろいろな経験なりあるいは要望事項などをできるだけどっさり一つ提出してもらいたい。委員長の方へそういう取り扱い方を要望いたしておきます。
○加藤委員長 承知いたしました。
○井堀委員 それから選挙局長にちょっとお尋ねをいたしたいと思いますが、今あなたのお答えによりますと、審議会の方にも資料をたくさんお出しのようでございます。差しつかえなかったらその資料をこちらにお回しをいただき、そしてなお気づかないところを私の方から補足させてもらいたいと思います。
 そこで、ついででありますから、そういう資料を出す側の考え方の上に、修正を申し上げるべき時期であると思うので、私ここに質問に立つたわけであります。これはもちろん従来いろいろな資料がたくさんあると思うのでございます。ただ思想的な転換をやる時期がきているのではないかと思うのであります。これは国民も含めて、特に選挙制度の中核に立って日常努力しております選挙局の考え方は、私は重大だと思う。というのは、一般的には今申し上げた通りだれも承知していることです。先ほどお話しになりました選挙違反は、相当期間逃げておれば、特に今度の場合はひどいと思うのですが、ああいう事柄が繰り返されてきますと、思想的に混乱が起こってくる。今御存じのように刑事罰の中には時効の問題についてはかなり厳格な規定があります。生活上余儀ない窃盗などについても仮借なくやはり追及をしていくという刑罰規定が一方に現存している。ところが政治の基本を改めなければならない、道義的の意味から一番重要な犯罪行為について、実にあやふやな法律ではないかというような一般の概念がある。こいつをこの際改めるような転換が行なわれなければ、いろんな資料を出してみても枝葉末節になる。その基本的な考え方をこの際はっきり打ち出してもらうような選挙法の改正に切りかえなければいけないと日ごろから思っている。ちょうどいい機会でありますから、こういう点について、思想的な転換というと何か非常に大げさに聞えますけれども、一番根本をなす選挙違反に対して国民の考え方を統一させていくという必要があると思います。その点についてお考えはもちろんあると思います。よい機会でありますから、この機会にちょっと述べておいていただきたいと思います。
○松村政府委員 この点も、先ほどの御報告で申し上げたのでございますが、審議会におきましては、こういう意向に動いております。それはまず、先ほど警察の方からもお話がありましたが、現在の選挙法はあまりに事こまかく取り締まる面が多い。そこで、こまかなことはこの際整理をして、実質的な問題にその規定をしぼっておいて、そうしてその規定違反に対しては厳罰をもって臨む。そこで先ほども御報告したのでございますが、連座制の強化、公民権の停止の強化、そしてただいま言及されました時効期間は、これは現在のように半年あるいは一年という特別の短期時効制度というものはやめて、一般犯罪と同じように刑事訴訟法の規定でいくことに改正しよう、そうなりますと、軽いものでも三年ということになりますが、そういうことで選挙制度審議会の方も動いておりますが、お話しのような考えと傾向を同じくするのではないかと思います。
○井堀委員 ちょっと抽象的な考え方について伺いたいのでありますが、この問題はほかのものと違って、選挙の場合は、選挙において当選しますと、公職でありますから、すぐ公職につくわけです。議員はもちろん、今日では行政権を持つ知事、市町村長が公選ですから、言いかえますと、権力の座についてしまいますと、もはやこれは、昔から権力ほど腐れやすいものはないといわれておる。また権力ほど人間にとっては都合のいいものはないわけです。この基本的な問題がほかの犯罪と違ってあるわけであります。だからその点をお考えにならないで、厳罰問題だけをつけますと弊害だけ出てくる。言いかえますならば、選挙が暗くなっちゃう。だからこれは民主主義の理想と、一方では現在民意を古い言葉で暢達するといいますか、新しい言葉で言いますと、国民の自由な意思によって代表者を選ぶということだと思います。その点からいきますと、あまり権力が横から作用してくるということは、よくないことだと思います。しかも批判せられる人が権力の座につくかつかぬかの勝負を争っておるわけでございます。この点につきましてやはり配慮がないといけないと思うのです。今まで私はいろいろ選挙法の改正問題などについて、識者の著者やあるいは講演などを努めて知るように努力しておりますけれども、私の努力が足りないためかよくわかりませんが、やっぱりイギリスの場合には特に厳罰主義が公明選挙への前進を促進した力だといっております。あるいは民主主義の成長している国だと思われておるところを聞きますと、必ずしも私はそういう取り締まり、だけではなくて、思想的なといいますか、特に選挙法の啓蒙啓発のことをやかましくいってきている。こういう点で取り締まりの関係というのは、どうしても選挙管理者、選挙管理委員会との関係を無視することができないと思います。今求められているのは、選挙管理委員会がまず民主的で、しかも強力な、権力からの圧力を排除できる独立したものを作り上げるということでなければ、取り締まりはあまり強化すると瞬くなりましたり、あるいは権力がもぐっちゃって衝突するというようなことで、かえって妙なものができてくる。要するにこういう点が大切じゃないか。われわれがここで議論するのは、私どもの方も利害関係を持つわけでございますから、ある場合には取り締まりを受けたりあるいは批判の対象になったりするものでありますから、そういう意味でああいう選挙に直接関係を持たぬ学識経験者を尊重するような運営の仕方をしていると思うんです。格好だけはいいのでありますが、そういうものに対してまだ言及したかに新聞の発表の範囲内では聞いておりません。そういうようなものについて幾つか分科会がありますが、どの分科会が取り扱ってそういうものが今あなた方の提供している資料の中に出ているのか出てないのか。また委員会でどういうものが頭でも出しているかどうかを一つあなたの報告を伺わなかったのですから、きっとなかったと思うんですが、お尋ねしたい。
○松村政府委員 ただいまお話のような点、ここには各委員会にわたる事項でございまして、たとえば第一委員会で審議しております選挙運動の問題、第二委員会で審議しております罰則等の問題、第三委員会で審議しております公明選挙推進運動の問題、こういう各般の委員会にわたる問題でございまして、現在のお話のような点も審議されておるのでございますが、各委員会々通じまして、大体の空気といたしましてはもう取り締まりというものは最小限度の範囲にいたしまして、そのかわりその範囲内では厳罰をもってやる。そしてその他の面においては伸び伸びと明るい選挙ができるように、たとえばこういう話も委員の人がされておりました。地方へ行きますと、投棄日になると選挙人が投票所へ行く。その途中においてだれか知っている人に会っても話一つもかわさない。それは何か話をすれば選挙運動に関連して見られから、こういうことでは選挙がいつまでたっても暗いのだから、選挙を明るくするためにもっと選挙の規定を検討する必要がある。こういうようなお話も、これは一例でございますがあったのでございまして、要は選挙制度審議会の、例外はございましょうけれども、各委員のお気持もただいま申し述べられましたような意向と同じような立場に立っているのではなかろうかというふうに思っておる次第でございます。
○田中(武)委員 ちょっと関連。先ほどの私の関連質問についてですが、先ほど六カ月で特効が完成する、こう言われたから、警察庁の方が言うのだから、間違いないだろうと思って、私もそういう気持になったのですが、今公職選挙法の二百五十三条を見てみましたら、どうもそうではなさそうに思うんです。一体百四十条違反はこれの時効は二百五十三条の一項、二項、三項のいずれに該当しますか。時効は一年であります。だから時効を完成していないのだ、これは。
○槇野説明員 いずれにいたしましても調査いたしまして、その処置については……。
○田中(武)委員 それは法律に書いてあることでしょう。調査する必要がどこにあるんですか。私は時効を完成していないと言うんですよ。あなた警察庁に勤めておって僕より法律をよく知っていると思って、あなたが言ったことは間違いないと思って、そう思ったのですけれども、じっと考えていると違うと思って法律を見たら、はっきり法律に書いてある。
○槇野説明員 私、御質問の犯罪の態様を最初つまびらかにしていなかったものでございますから、この百四十条の態様でございますと、一年になるかと思います。
○田中(武)委員 私は先ほど言ったように、六月七日の当委員会においてはっきりとそのことを申し上げた。それであなたは兵庫県の方へそういうことを移送した、そういうことなんです。本気でやっておるなら百四十条の罪が、特効が六カ月か一カ年くらいのことはあなた研究する必要があると思う。それすら見てないということは、百四十条の非で私が告発したということに対して全然関心を持たなかった証拠ですよ。警察庁が法律を知らぬというようなことはもってのほかだ。
○槇野説明員 百四十条はただいま罰則で見ますと六カ月のようであります。
○田中(武)委員 それは何条かね、どこにある。
○槇野説明員 二百五十三条の一項でございます。
○田中(武)委員 百四十条ということがどこに書いてある。
○槇野説明員 二百四十四条、選挙運動に関する各柿制限違反、その二。
○田中(武)委員 百四十条違反でしょう。私の覆うのは、百四十条、気勢を張る行為の禁止なんですよ。百四十条違反が二百五十三条の一項に……。
○槇野説明員 百四十条の違反が二百四十四条の罰則になっておりまして、それの一号に面四十条の規定に違反した者、それを受けまして二百五十三条で……。
○田中(武)委員 しかしいずれにせよ私がこれを見て育ったときにに、あなたも迷った。だから真剣に一つ実態を調査して、時効云々にかかわらず実態を調査して、ともかくその結論を知らしてもらいたい。
○井堀委員 この問題はまだいろいろとお尋ねをしたいと思いますか、むしろ要望しておきたいと思います。審議会の方にぜひ強く一つ私どもの意見を反映でき得るように幹事役は努めてもらいたい。それは抽象的ではありますが、一つにはやはり選挙は国民の自由な意思によって行なわれるのでありますから、その選挙はできるだけ明るく公正に行なわれるようにして、しかし一たび違反があったら仮借なく追及のできるようなものじゃなければならぬ。ところが従来この事件もそうでしょうけれども、私どもの経験する範囲内におきましては、警察なり検察庁は、もうどの辺でこの事件は取りやめようじゃないかなどという意味の新聞記事などを拝見するのであります。不都合なことだとわれわれは思う。だから事実は徹頭徹尾追及していくということでなければいかぬと思うのですよ。警察の能力にも限界があるし、他のいろいろな事情があるのだろうと思いますけれども、どこら辺で打ち切ったのかというようなことが、なかなか問題になることが多いと思う。そういうような意思が全く取り締まり当局の判断にまかされているというような傾向があると思うのです。そうじゃなくて、やはり選挙違反については選挙管理委員会の意思がそういうものに対して反映してくるようなものでないといかぬのじゃないか。ただ一方には常時啓蒙啓発をやって、そういうことの起こらないように、選挙人の方にもあるいは被選挙人の方にも教育指導をするということももちろん重要でありますし、またそれをやらなければいけません。それとうらはらにおいて、そういうものを犯した場合における厳罰主義というものが――他の刑と違うので、立法精神の中から新しく強いものが出てこなければいかぬと思うのです。そういう点では私どもはもっと選挙管理委員会という機能を重視していきたい。こういう点に対するお考え方がまとまっているかということと、それからもう一つついででありますが、そういうことは結果において選挙管理委員会をもっと強化しなければならぬことになる。これは前々から私どもの主張してきているところですが、この機会を逸しては選挙管理委員会の機構を改革することはむずかしいのじゃないか。このことについては審議会がどれほど真剣に考えておいでになるかを私は疑っておる。というのは、一般に最近この種の審議会とかいうような民主的な機関というようなものが後退し始めた。もちろんいろいろな弊害は出ていると思いますけれども、それはやはり全体の民主主義の成長がおくれているから、そういうものを使いこなせないといったような事情にも原因するかもしれませんし、またあるいはそういうものを実はあまり作りすぎて実際に適しなかったという事情もあるでしょう。いずれどちらもあると思いますか、選挙に関する限り、私は選挙管理委員会というものだけは、権力から完全に独立させるということを絶対の条件にしなければならない、その条件を落として取り締まりの問題を考えたり言ったりすることは弊害が起こる。これはもう私ども今例をあげてお尋ねすればわかる。町の名前は省きますけれども、ある市で選挙管理委員長をきめたわけです。選挙管理委員は、御承知のように、市長並びに市議会が同意してできた、そして互選をした結果委員長に選ばれたのが、住居が不明だ、どこの在住者かわからないというような人が選挙管理委員長になったというような事態が発生した。これはごく最近のことです。辞職してけりがついたようでありますが、りっぱな大きな市です。御承知ですか。――御承知ない。だから、あなたのところにもわからぬような事柄が起こっておるということは、一例にすぎないのですけれども、私は、市の選挙管理委員会というものの機能は、選挙法の中においては非常に重大な役割をしておると思う。こういった状態ですから、私は、公明選挙を期待しようとすれば、今の警察機能や検察機能をフルに動員して取り締まるというやり方が、比較的公明選挙を推進する上に適当だということが言えるのは、そういうところがらくるのではないか、その方も本腰を入れてきていない、一番悪い姿だと思います。だから、この際抜本的にここにメスを入れるべきじゃないか。今二つの事柄についてちょっとお答えいただいて、もう一つ質問しておきます。
○松村政府委員 ただいまお話のございました選挙管理委員会の問題につきましては、当然選挙制度界議会で審議される対象になっております。問題点としては、選挙管理委員会の組織、権限として取り上げられておりますけれども、具体的な審議にはまだ入っておりません。それでも現段階までのいろいろな委員会におきまして、選挙管理委員会の強化とか、あるいは先ほどこの席で御報告申しました選挙管理委員の任命について何か改革を加える必要があるのじゃないか、ただいまお話しのような委員が出ますのもそういう点に関連すると思います。そういうこともすでに議論になっております。具体的にはそのうら結論が出ると思います。
 なお、この国会の論議は、私ども事務を扱っておりますので、何らかの形を通しまして審議会に伝えるようにいたしたいと思います。
○井堀委員 大へん時間も何のようでありますが、委員長に一つ要望しておきたいと思う。
 われわれはやはり審議会に側面から協力する義務がある。今その一例を、ただ選挙管理について、あるいは取り締まりについてちょっと触れてみたわけでありますが、議員の諸君は長年苦労して、いい面もあり、悪い面もあるかもしれませんが、それをそしゃくして十分こなすことができるわけでありますので、この委員会はそういったような資料をできるだけ取りまとめて、審議に便宜を与えるというやり方が望ましいと思いますので、今後委員会をそういう形においてお運びをいただきたいと思うわけであります。
 これで終わりますが、今秋の言いました一例も簡単のようにとられる向きがあっては困りますが、東京に近い、りっぱな市ですよ。ごく最近のことです。管理委員長がそういうようなものであったということがばれたのは、啓蒙啓発の少ない予算をもって貴重な金をどう活用するかという線で出てきたものです。管理委員長のやり方が適当でないというので、婦人団体の間から、妙なところから出たんです。そういう非難が出て、それが原因になって、管理委員長の身分、どういう人だろうということが現われてきたわけです。実にけしからぬ話だと思うのですけれども、御存じのように、市の管理委員というのは、大体管理委員長になるような人は、最初から管理委員長として候補者を選んで――実質的には互選の形式をとりますけれども、市長もその選挙管理委員会のお世話になって選挙をやるのですから、事実上は市会の同意も得るのですけれども、これも同じことです。こういうところにやはり制度上の欠陥があるということを私どもは見落としてはいかぬと思う。それは人民が全体で選んでいくという形が一番いいわけですが、選挙管理委員の選び方というものが一番根本問題ですから、それをもっと権威あるものとすると同町に、りっぱな人が選ばれて出てくるような制度に切りかえる。単なる一市に起こった事例だけれども、お調べになればすぐわかるから調べて下さい。今の制度からいうと、これを監督するものはないのです。そういう極端な事例が起こっておるが、きっとこの審議会ではそういう問題は御存じないと私は思う。また資料も出していないように思う。一例をあげたわけでありますが、こういう点について、一つぜひあなたの方でも審議会の力に提出された資料はもちろん出していただきたいし、こうもしたい、ああもしたいということで、ここにも相談をかけるくらいの積極性があってほしい。そういう意味で、一つ委員長の取り計らいを希望いたしまして、きょうのところはこの程度にいたします。
○加藤委員長 井堀君の提案に対して本委員会は賛意を表して、当局に厳重に次会に資料を提出するように要求いたしたいと思います。
 本日はこの程度とし、次会は来たる二十六日午後一時より開会いたします。
 これにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会