第039回国会 本会議 第14号
昭和三十六年十月二十五日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十二号
  昭和三十六年十月二十五日
   午後二時開議
 第一 輸出入取引法の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 第二 昭和三十六年五月、六月、七月、八月及
  び九月の天災についての天災による被害農林
  漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措
  置法の適用の特例に関する法律案(内閣提
  出)
 第三 昭和三十六年九月の第二室戸台風による
  災害を受けた漁業者の共同利用に供する小型
  の漁船の建造に関する特別措置法案(内閣提
  出)
 第四 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 第五 検察官の俸給等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 第六 中央卸売市場法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第七 建設省設置法の一部を改正する法律案(
  内閣提出、参議院送付)
 第八 地方自治法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、参議院送付)
 第九 会計法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、参議院送付)
 第十 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整
  復師法等の一部を改正する法律案(内閣提出、
  参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 核実験禁止に関する決議案(前尾繁三郎君外二
  十三名提出)
 雪害対策に関する決議案(寺島隆太郎君外百十
  四名提出)
 日程第一 輸出入取引法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第二 昭和三十六年五月、六月、七月、八
  月及び九月の天災についての天災による被害
  農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫
  定措置法の適用の特例に関する法律案(内閣
  提出)
 日程第三 昭和三十六年九月の第二室戸台風に
  よる災害を受けた漁業者の共同利用に供する
  小型の漁船の建造に関する特別措置法案(内
  閣提出)
 昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を
  受けた地域における伝染病予防費に関する特
  別措置法案(内閣提出)
 昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を
  受けた社会福祉事業施設の災害復旧費に関す
  る特別措置法案(内閣提出)
 昭和三十六年六月及び八月の水害又は同年九月
  の風水害を受けた都道府県に対する母子福祉
  資金に関する国の貸付けの特例に関する法律
  案(内閣提出)
 昭和三十六年五月の風害、同年六月、七月及び
  八月の水害又は同年九月の風水害に伴う中小
  企業信用保険法の特例に関する法律案(内閣
  提出)
 昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に
  際し発生した火災、同年六月の水害、同年九
  月の風水害又は同年十月二日鹿児島市に発生
  した火災に伴う公営住宅法の特例等に関する
  法律案(内閣提出)
 昭和三十六年六月及び十月の水害、同年七月、
  八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年
  八月の北美濃地震による災害を受けた公共土
  木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案
  (内閣提出)
 日程第六 中央卸売市場法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 農業災害補償法の一部を改正する法律の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
 家畜取引法の一部を改正する法律案(内閣提出、
  参議院送付)
 日程第七 建設省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、参議院送付)
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 日程第四 裁判官の報酬等に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 検察官の俸給等に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 地方自治法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、参議院送付)
 日程第九 会計法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、参議院送付)
 日程第十 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔
  道整復師法等の一部を改正する法律案(内閣
  提出、参議院送付)
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律
  の一部を改正する法律案(中野四郎君外十名
  提出)
 医師及び歯科医師の免許及び試験の特例に関す
  る法律案(中野四郎君外十名提出)
 医師国家試験予備試験及び歯科医師国家試験予
  備試験の受験資格の特例に関する法律案(中
  野四郎君外十名提出)
 踏切道改良促進法案(内閣提出)
   午後二時十一分開議
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 核実験禁止に関する決議案(前尾繁三郎君外二十三名提出)
   (委員会審査省略要求案件)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、前尾繁三郎君外二十三名提出、核実験禁止に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 核実験禁止に関する決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
  核実験禁止に関する決議案
 右の議案を提出する。
  昭和三十六年十月二十五日
   提出者
    前尾繁三郎  江崎 真澄
    鈴木 善幸  赤澤 正道
    瀬戸山三男  田中 龍夫
    高橋  等  久野 忠治
    大村 公平  池田 清志
    永田 亮一  山本 幸一
    多賀谷真稔  堂森 芳夫
    成田 知巳  北山 愛郎
    柳田 秀一  下平 正一
    西村 関一  鈴木 義男
    門司  亮  佐々木良作
    田中幾三郎  井堀 繁雄
   賛成者
    安倍晋太郎外三百八十名
    ―――――――――――――
   核実験禁止に関する決議
 本院は、最近ソ連が、核実験停止に関するジュネーヴ交渉の継続中にもかかわらず、突如として一方的に核実験の再開を決定し、かつ、すでに大気中における二十数回の実験を行ない、これに対応して米国もまた地下における核実験を再開したことは、それがいかなる理由目的によるものであるにせよ、国際関係を激化し、究極には人類破滅の危険をもたらすものであって、われわれの深く遺憾とするところである。しかるにソ連が今回超大型の核爆発実験を強行したことは、核実験反対のわれわれの悲願を裏切るものであり、われわれは人類の平和と幸福の名において強くソ連に抗議するものである。
 本院は、核実験禁止が、史上唯一の核爆発被災国であり世界の恒久平和を願うわが国民の強い要望であることにかんがみ、すべての国が核実験の実施を即時中止するよう要請するとともに、関係諸国がこの際有効な国際管理を伴う核実験の禁止に関しすみやかに合意に達し、あわせてこれを契機として核兵器の製造、貯蔵および使用禁止の協定を締結するよう要望する。
 右決議する。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。永田亮一君。
  〔永田亮一君登壇〕
○永田亮一君 ただいま上程されました自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案の核実験禁止に関する決議案につき、提案者を代表してその趣旨を説明し、全員の御賛同を仰ぎたいと存じます。
 初めに、案文を朗読いたします。
  本院は、最近ソ連が、核実験停止に関するジュネーヴ交渉の継続中にもかかわらず、突如として一方的に核実験の再開を決定し、かつ、すでに大気中における二十数回の実験を行ない、これに対応して米国もまた地下における核実験を再開したことは、それがいかなる理由目的によるものであるにせよ、国際関係を激化し、究極には人類破滅の危険をもたらすものであって、われわれの深く遺憾とするところである。しかるにソ連が今回超大型の核爆発実験を強行したことは、核実験反対のわれわれの悲願を裏切るものであり、われわれは人類の平和と幸福の名において強くソ連に抗議するものである。
  本院は、核実験禁止が、史上唯一の核爆発被災国であり世界の恒久平和を願うわが国民の強い要望であることにかんがみ、すべての国が核実験の実施を即時中止するよう要請するとともに、関係諸国がこの際有効な国際管理を伴う核実験の禁止に関しすみやかに合意に達し、あわせてこれを契機として核兵器の製造、貯蔵および使用禁止の協定を締結するよう要望する。
  右決議する。
  〔拍手〕
以上であります。
 続いて、提案の趣旨を申し述べます。
 去る昭和三十三年十月以来、ジュネーブにおいて核実験停止協定締結のための交渉が開始され、その後、米、英、ソの三国は、自発的に核実験の実行を差し控えてきました。われわれは、関係国間においてすみやかに有効な協定が成立することを強く期待していたのであります。
 しかるに、ソ連は、去る八月三十日、突如として核実験の再開を声明するに至りました。これに対し、米英両国は、九月三日、ソ連に対し、直ちに大気圏内の核実験の停止と地下実験停止に関しても三国が協定締結のための交渉を行なうよう呼びかけたのでありますが、ソ連はこれを無視し、大気中の実験を強行したのでありました。
 そこで、これに対応して、米国も、また九月五日に至り、地下における核実験の再開を声明し、すでに地下実験を行なうに至りました。その間、ソ連は、二十数回にわたり大気中の実験を行ない、ついに今回は、われわれ全日本国民と世界のすべての人々の切実なる要請を踏みにじり、また、国連において日本を含む八カ国の核実験停止決議案の表決が大詰めに近づいたとき、あたかもこれをあざ笑うがごとく、実に五十メガトンといわれる、広島原爆の二千五百倍に相当する有史以来未曾有最大の核爆発実験を強行したのであります。
 ベルリン問題をめぐり世界の緊張が激化しつつある今日、このような核実験が行なわれたことは、国際関係を一そう緊張激化させ、究極においては、人類破滅の危険をもたらす、全く言語道断の暴挙であるといわなければなりません。(拍手)
 わが国には、ソ連の核実験再開以来、きわめて強い放射性降下物が降ってきております。最近では、雨水の中に放射能が次第にふえ出し、三万八千カウントを検出ざれた地域も出てきました。これが、さらに今回の大爆発によって、間もなく放射性降下物は激増することでありましょう。米国のノーベル賞受賞科学者ボーリング博士は、全世界に放射能が広がれば、やがては人体の骨を虫ばみ、遺伝細胞に影響し、千人に数十人の割合で奇形児や精神薄弱児が生まれるおそれがあると強調しています。日本は地理的位置から、ソ連の核実験による死の灰の吹きだまりといわれております。西南シベリアでの実験による降下物は、一、二週間で日本に達し、爆発が北極地域で行なわれた場合には、わずか数日にして日本に達します。今まで、核実験は再開しないと、繰り返し繰り返し言明していたソ連が、突如、一方的に実験を再開して以来、日本国民の不安と心配はいよいよ強くなりましたが、今回の大爆発を聞いて、今や、全日本国民は憤激の極に達しているのであります。(拍手)
 ソ連は、直接に人類殺戮はせずとも、徐々に人類をかたわにし、気違いにし、これが破滅をはからんとするのでありましょうが、これこそ、人道に対する挑戦でなくて何でありましょう。(拍手)ソ連は、自己の野望達成のためには、人道も世論も無視したことを示したもので、口に平和を唱えても、その資格はゼロであり、うそつきであったことを暴露したものであります。(拍手)
 ここに、われわれは、国民とともに世界全人類の名において、このソ連の暴挙に強く抗議するものであります。(拍手)ソ連は、おそらく、計画された一連の核実験を終了したとき、また、一つ覚えの全面軍縮のお題目を唱えることでありましょう。しかし、人殺しの大爆発をやったあとで、何の全面軍縮でありましょうか。冗談も休み休み言えと言いたくなるのであります。
 しかし、ここでわれわれが用心しなければならぬのは、アメリカが、自国防衛のために、ソ連がやったからおれもやるのだという悪循環の起こる可能性であります。こうなっては、もはや人類の滅亡に直進して、取り返しがつかぬことになります。今日、全世界には二十五億の人類が生存しております。地球上の空気は、全人類共有のものであります。(拍手)この地球は決して大国のみの私有物ではありません。大国は、みずからの権力争いで全人類に巻き添えを食わす権利がどこにありましょうか。(拍手)われわれは、アメリカの良識を信じて、決して悪循環を起こさぬよう、相手にはならぬよう切望するものであります。(拍手)
 わが国は、有史以来唯一の核爆発被災国民であり、目をおおわしむる惨害を身をもって体験した国民として、核兵器の実験につき、世界各国民に率先して強く反対するものであり、世界の大国が、世界の平和と人類の幸福のために、われわれの主張に耳を傾けることを切に希望するものであります。政府もまた、この要望に対し、積極的に善処せられんことを希望いたします。
 以上、本決議案の趣旨を説明いたしました。満場各位の熱誠ある御賛同を仰ぎたいと存じます。
 これをもって私の説明を終わります。(拍手)
  〔発言する者多し〕
○議長(清瀬一郎君) 申し上げます。ただいまの永田亮一君の発言中、もし適当でない言辞があれば、速記録を取り調べの上、適当の処置をとることといたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 本案につき、討論の通告がありますから、順次これを許します。川上貫一君。
 静粛にお聞き下さるよう、あらかじめお願いしておきます。
  〔川上貫一君登壇〕
○川上貫一君 私は、日本共産党を代表して、ただいま上程されております決議案に反対の意見を述べます。
 それは、この決議案が、一見国民の念願を現わしておるように見えますが、その実質においては、人類破滅のおそるべき核戦争に対する反対を、実験反対にすりかえておるからであります。
 第一に、この決議案は、さきのソ連政府の原水爆実験再開の真意を正しく理解しておりません。ソ連政府は、実験再開にあたっては、問題の最も慎重な全面的な研究の結果、余儀なくされたものであるということを明らかに声明しております。この余儀なくされたもの、ここに非常に重大な問題がある。今日、世界の平和愛好者が真剣に考えなければならぬ問題がここにひそんでおる。われわれは、今日、はっきりと、騒ぐのではなしに、冷静に、事態の本質を見なければならない。すなわち、三十年の間に二度も世界戦争を引き起こしたドイツの軍国主義者が、今どういう態度に出ておるか。西ドイツにおいては、残忍な報復主義者アデナウアー、この一味がアメリカ帝国主義とNATO諸国の恥知らずな支援のもとに、急テンポに核武装を整えております。そうして、ポーランド・チェコスロバキア諸国に属する旧領土の奪還というスローガンを掲げ、公然と東ドイツヘの侵入を公言しております。特に、今春ソ連政府の行なった、第二次大戦を終止させるための平和条約締結の提案をしたのに対して、彼らはケネディの支援のもとに、十月を目ざして戦争行動に入る用意をしたじゃありませんか。そうして、ベルリン市内で具体的な破壊行動を行なったではないか。その結果どうなりましたか、戦争寸前の危機に入ったことは、今では世界周知の事実であります。
 わが党は、去る九月、国会議員団の訪ソの際に、須藤参議院議員を代表とする特別な調査団をベルリンに送りました。そうして、西ベルリンを根拠とする彼ら一味の戦争挑発行動がいかに切迫しておるか、いかに危険きわまるものであるかということを十分に調べた。この詳細をここで報告する時間がないが、それはまことにりつ然たるものであったということだけは、はっきり言うておかなければならぬ。
 一たび局地戦争が起これば、今日では、それは直ちに世界戦争になるでありましょう。ソ連政府のとった核実験再開の措置は、このような西側の戦争への暴発、これを食いとめるための措置であったことを、国会は聡明に洞察する必要がある。ごらんなさい。ソ連政府の断固たる措置の結果、世界の平和勢力は奮起しました。相待って世界の情勢は急速に変化した。これが事実だ。現に、アメリカ帝国主義とアデナウアーはどうしておるか、彼らの狂暴な政策の後退を余儀なくされておる。世界は再び話し合いの方向へそのあかりを見せてきておる。本決議案は、この事実から故意に目をそらそらとするものである。なるほど、すべての核実験を非難するような見せかけをしておりますが、その見せかけのもとで、事実上ソ連の措置を一方的に非難しておる。これは、真の平和を愛するものの態度ではありません。
 第二に、核実験禁止の完全な実現は、今日では、もはや全面的な軍縮の問題と切り離して提起しては解決できません。このことは、国連を初め、この問題に関する国際交渉の結果を、目を開いて見る者の目には明らかにわかるのです。現に過般の中立諸国の会議においてどういうことが起こったか。正しく認識されたじゃないか。そうして、この問題は、核実験の停止だけでは解決できないということを強調し、証明したではないか。しかるに、自民党、民社党、社会党提案のこの決議案は、あたかも、実験を停止しさえすれば、それを切り離してやりさえすれば、すべて解決できるかのような幻想を内容としております。それは、国連でアメリカ帝国主義者がとってきたこれまでの偽善的な態度と全く同じであります。私は、つけ加えて言いたいが、民主勢力の一方の代表政党たる日本社会党が、このような態度をとられることはまことに遺憾であります。
 わが党は、確信をもって申し上げます。史上唯一の核爆発の被害国である日本の国民を代表する国会のとるべき態度は、こういう態度であってはなりません。国会のとるべき態度は、生きた政治でなければならぬ。日本の国会がほんとうに日本国民の平和への念願に忠実であろうとするなら、こういう決議案じゃなしに、現にチェコスロバキア社会主義共和国の国会から衆参両院議長に対する呼びかけが来ておる、対独平和条約即時締結へのアピール、これに即時同意をしたらよろしい。また、全面的な、かつ完全な軍縮の提案を断固として決議して、これを諸国民に訴えるのが日本の国会の義務であります。それだけではありません。わが国会こそ、断固として日米安全保障条約の破棄を決議すべきである。こういうようにやって、戦争と核兵器による危険の根源を一掃すること、これこそが、真に核実験禁止を含む平和を確立する道であるということを、共産党は確信を持っておる。戦前戦後を通じて、終始一貫、戦争に反対してきたわが日本共産党の態度はこれであります。
 こういう意味合い、こういう理由によって、私は、共産党を代表して、この決議案に反対の意見を述べます。
 以上であります。
○議長(清瀬一郎君) 西村関一君。
  〔西村関一君登壇〕
○西村関一君 私は、ただいま上程されました核実験禁止に関する決議案について、日本社会党を代表して賛成討論を行なおうとするものであります。(拍手)
 第二次世界大戦後十六年目の今日、ソ連と米国との核実験再開により、世界と全人類は、その運命を決するような重大な破局に直面するに至りました。ソ連の核実験を正当化しようとする人々は、ベルリンをめぐる西側の戦争挑発に対して、ソ連は力の誇示に踏み切らざるを得なかったのだと申します。われわれは、ソ連をして実験再開を余儀なくさせた国際情勢のきびしさに対し、目をおおうものではありません。しかし、このような力の政策を前提とする平和共存はナンセンスであり、かかる力の誇示によってベルリン問題の根本的解決をはかるということができないばかりか、東西両陣営をして、とどまるところを知らない核実験並びに核軍拡競争へと追いやる結果を来たすのみであります。(拍手)
 力の均衡はまた恐怖の均衡であります。かかる恐怖の均衡によって平和が保たれるのだという議論をする人もありますが、それはとんでもない間違いであります。(拍手)恐怖のもたらすものは、平和ではなくて懐疑と不安であります。懐疑と不安に満ちた雰囲気の中では、ほんのささいな事件、あるいは命令や決定のちょっとした誤解、またはレーダーの読み違いですら、取り返しのつかない原水爆投下の連鎖反応を開始させるかもしれないのであります。
 東宝映画「世界大戦争」はこのことをまざまざと描き出しております。人間の無知と愚かさと罪とのために、ついに世界最終大戦争の破局に突入してしまったとき、そこには美しい恋愛も、あたたかい人間愛も、宗教の宣布も、庶民の生活の哀歓も、人間のありとあらゆる営みが根底からくつがえされ、一切が無に帰してしまいます。サンフランシスコも、ニューヨークも、ワシントンも、モスクワも、跡形もなくなってしまいます。東京の上空にたった三発の無気味な白い光を放つ小さなたまが飛んできてぱっと炸裂すると、東京は言うに及ばず、日本列島は一面のどろどろした火の海となってしまう。その一面の火のどろの海のかなたに富士山が青白く光り、いびつに傾いた国会議事堂だけが遠くに浮かんでおります。これは遠い将来の話ではなく、もちろん想像の産物でもありません。多くの科学者も報告しておりますように、現実にわれわれの足元に迫っており、もしもわれわれが油断をするならば、いつ何時現実にこのような事態に見舞われないとだれも保証することはできません。(拍手)
 米ソの実験競争は、世界戦争への危機を激化させるばかりでなく、地球の表面にばらまかれる死の灰、すなわちストロンチウム九〇やセシウム一三七等の放射能元素によって、平時においても人類を重大な脅威にさらさしめるのであります。世界で最初の、そして唯一の原爆被災国である日本、しかも、死の灰の谷間といわれる日本として、どうしてこのような愚かな実験に対して反対せずにおられましょうか。(拍手)しかもソ連は、われわれの悲願を裏切って、全く無意味な広島の原爆の二千五百倍といわれる超大型核爆発実験を強行いたしました。気象庁の報するところによりますと、九月九日にソ連実験の影響が現われ始め、十月十一日には約百倍に達しております。超大型核爆発実験による放射能は、三日ないし七日の間にその第一陣がわが日本列島の上空にやってくるといわれます。その強さは、従来の値の最高値をはるかに上回り、灰の大部分は成層圏にたまるので、落ち切るまでには数年かかると見られております。このようにしてわれわれの肉体は、徐々に直接にまた間接に死の灰によるところの死に至る病、原子病に虫ばまれていくのであります。
 われわれは、このときにあたってもう一度厳粛な思いで、今から十六年前の一九四五年八月六日の朝、広島の上空に現われたB29爆撃機三機が引き起こしたあのおそろしい結果を、そして続いて八月九日、長崎を襲った災厄を思い起こさざるを得ません。この広島と長崎の悲劇は、人類の歴史に永遠に残るでありましょう。現代の人々も、次の時代の人々も、もっと後の時代の人々もそれを忘れ去ることはできないでありましょう。(拍手)忘れようと思っても忘れることはできません。いな、忘れてはならないのであります。(拍手)二発の原爆の直接の犠牲者となられた三十万の人々、十六年後の今日もなお肉体的、精神的に苦しんでおられる約二十万の人々の痛ましい犠牲は、何によっても償うことはできないのであります。(拍手)「一九四五年八月の広島、長崎を思い出すこと、何度も何度も、繰り返し思い起こすこと、それによって人類が正しい道から逸脱するのを防ぐことができるであろう。」と湯川秀樹博士は「原水爆被害白書」の序文に書いておられます。
 繰り返し声を大にして申します。核実験は、即時やめなければならない。(拍手)実験禁止協定の締結だけでなしに、核兵器の製造、貯蔵及び使用の禁止協定をも即時締結させなければならない。(拍手)
 これを可能ならしめるものは、世界が、特に米ソ両国が、理性の声に従って、相互の理解と信頼の上に立って、完全軍縮に踏み切る以外に道はありません。(拍手)さればこそ、一九五九年の第十四回国連総会で、国連の全加盟国、もちろんわが国をも含めて満場一致で完全軍縮達成へのアピールを採択したのであります。(拍手)米国も従来の行きがかりを捨てて、去る九月二十五日に、すでに昨年六月に提出済みのソ連の完全軍縮案に近い完全軍縮案を国連に提出いたしました。また最近、米ソ両国は、全面軍縮について入項目にわたる共同宣言案について合意に達し、その中には、人類共滅の戦争が紛争解決の手段とはなり得ないこと、全面軍縮のみが平和達成の唯一の保証であることが、明確にしるされておるのであります。(拍手)
 しかるに、本決議案が三党共同提案で上程されるにあたって、本案の中に完全軍縮を入れるかどうかについて、自民、社会両党の間で議論がかわされ、ついに合意に達し得なかったと伝えられています。世界観も国家の体制も違う米ソ両国でさえ合意に達しているこの問題を、同じ日本人同士の間で、しかも、世界に類例を見ない誇るべき非武装、平和を宣言する憲法を国の唯一の建前とする両党の間で、意見の一致を見ることができなかったことは、まことに遺憾であったといわざるを得ません。(拍手)完全軍縮を入れると自衛隊の士気に影響を及ぼすとでもお考えになったのでしょうか。あるいは自衛隊増強のじゃまになるとの意図から賛成しなかったのではないかと、一部の国民に誤解を与えることを私はおそれるものであります。(拍手)
 私は最後に、憲法の前文の数節を諸君とともに読みたいと思います。「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、」――アメリカの公正と信義ではありません。ソ連の公正と信義ではありません。「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」十四年前に本国会においてこの憲法が議決せられたときに、各党の代表はあらゆる賛辞を連ねてこれを礼賛し、この憲法の精神と理想を達成しようと誓い合ったのであります。ただ一人共産党の野坂参三君のみが、民族独立のための自衛戦争までも放棄した第九条に反対して、採決に加わられなかったのであります。
 今こそわれわれは、広島、長崎のあやまちを再び繰り返させないために、いな、世界の破局を救い、真の平和を来たらせるために立ち上がらなければなりません。(拍手)今こそわれわれは、人類の幸福と繁栄を来たらせるために、世界に先がけて非武装宣言を発し、この憲法の崇高な理想と目的を高く掲げて前進しなければなりません。(拍手)われわれは、愚かな核実験と軍拡競争に狂奔し、相拮抗する両陣営に対して、今こそ理性の声を聞くべきであると強く訴えていかなければならないと思うのであります。(拍手)
 以上をもって私の賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
 この際、内閣総理大臣及び三木国務大臣から発言を求められておりまするから、順次これを許します。内閣総理大臣池田勇人君。
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
○国務大臣(池田勇人君) ただいまの御決議に対しまして、政府の所信を申し述べたいと思います。
 核実験禁止は人類の悲願であります。人類の平和と幸福のためにも、即時その実現がはかられなければなりません。(拍手)政府といたしましては、すべての国が核実験を即時停止するとともに、関係諸国が有効な国際管理を伴う核実験停止協定に関し、すみやかに合意に達するよう熱望してやまないのであります。(拍手)
 このため、政府は、かねてより右の立場に基づき、直接関係国に強く働きかけるとともに、国際連合において積極的な役割を果たしつつありまするが、ただいまの御決議の趣旨を体しまして、世界の平和と人類の幸福のために、今後一そうの努力を払うことをここにお誓いいたします。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) 国務大臣三木武夫君。
  〔国務大臣三木武夫君登壇〕
○国務大臣(三木武夫君) ただいまの御決議にもありましたごとく、平和と安全を願う人類の願いに抗して、ソビエトのイニシアチブによって原爆の実験が再開されましたことは、まことに残念でございます。
 わが国は、御承知のように、原子力基本法によりまして、核分裂、核融合の原理は、よしや、そういうことが可能であっても、軍事的利用はいたさない、平和利用に徹するということがわが国の強い態度でございます。(拍手)また、世界に対しても日本の強い要請であるわけでございます。
 この日本国民の願いを裏切って、最近ソ連が、かつてない大型の核爆発実験を再開し、しかも、そのために、日本の国土が放射能の灰によって汚染をされるという事態は、まことに遺憾のきわみであるわけでございます。(拍手)数日後には、放射能の被害は日本の国土に増加してくるに違いありません。従って、日本の国民の被害あるいは日本国土の被害を最小限度に食いとめるために、行政上万遺憾なき処置を政府はとりたいと考えておるものでございます。しかしながら、万遺憾なき処置と申しましても、放射能の被害というものが、長い期間にわたりまして、どのような影響をわれわれとわれわれの子孫に与えるかということは、未知数な点が非常に多いのであります。そのために、万遺憾なき処置を講ずるということは消極的な面でありまして、積極的には、御決議にもございますごとく、適切な国際管理を伴う核実験停止、それを糸口として、核兵器の製造禁止、貯蔵禁止、使用禁止というところまでこの問題が発展をすることこそ、放射能の被害から人類を救う道であるわけでございます。(拍手)
 われわれは、国民とともに、そういう事態を一日も早く実現するために、あらゆる機会とあらゆる機関をとらえて、この実現のために努力したいというのが、われわれの決意であることを表明して、所信といたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 雪害対策に関する決議案(寺島隆
  太郎君外百十四名提出)
     (委員会審査省略要求案件)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、寺島隆太郎君外百十四名提出、雪害対策に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 雪害対策に関する決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
  雪害対策に関する決議案
 右の議案を提出する。
  昭和三十六年十月二十四日
   提出者
    寺島隆太郎外百十四名
   賛成者
    安倍晋太郎外三百十名
    ―――――――――――――
    雪害対策に関する決議
  積雪地方は、毎年積雪により、民生、産業その他に多大の被害を被つており、ために民力は衰え、産業の安定的伸長発展は阻害され、地域格差は顕著の度を加え、旧態依然として、いわゆる「雪国的」宿命を脱却し得ない実情にある。
  よつて、政府は、本問題の抜本的解決を図るため、積雪調査機能の充実と積雪被害の防除等につき、すみやかに、必要な総合的対策を講ずべきである。
  右決議する。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。大野市郎君。
  〔大野市郎君登壇〕
○大野市郎君 ただいま上程されました雪害対策に関する決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党、日本共産党の各党を代表いたしまして趣旨弁明をいたします。(拍手)
 まず、決議案文を朗読いたします。
   雪害対策に関する決議案
  積雪地方は、毎年積雪により、民生、産業その他に多大の被害を被つており、ために民力は衰え、産業の安定的伸長発展は阻害され、地域格差は顕著の度を加え、旧態依然として、いわゆる「雪国的」宿命を脱却し得ない実情にある。
  よつて、政府は、本問題の抜本的解決を図るため、積雪調査機能の充実と積雪被害の防除等につき、すみやかに、必要な総合的対策を講ずべきである。
  右決議する。
  〔拍手〕
以上であります。
 御承知の通り、毎年積雪のために、住民の生活の上に、また、産業、文化全般にわたって多大の被害をこうむっておる地帯は、北海道を初めとして、東北、北陸、信越の各地帯でありまして、その面積は、わが国土の六割を占めておるのであります。住民は、全人口の三割にも相当するのであります。
 雪害の現われ方は非常に広範でありまして、国鉄、私鉄、バスの運行不能、電信電話の故障、生活必需物資の欠乏、ひいては物価の高騰、あるいは民家や学校などの倒壊、河川のはんらん、なだれによる耕地の壊滅、立木の倒伏、果樹だなの倒壊あるいは商工業の操業の停止と売り上げの減少、また、家庭生活の上で申しますると、道路の除雪、屋根の雪おろしなど、あらゆる種類にわたって雪国の住民に苦悩を投げかけておるのが実態であります。中でも、雪害による交通通信の麻痺、輸送の途絶が民生、産業に大打撃を与えておるのであります。
 先般の年末年始にかけての豪雪のもたらした大混乱、悲惨なる実情は、口に尽くせぬものがありました。幸いに、皆様の御協力によって、一応の応急措置がとられ、関係住民はほっといたしたのでありますが、このような豪雪の被害は、ひとり今年に限らないのでありまして、雪国の住民は、来る年も来る年も半年の間は深い雪の下に閉じ込められて、毎朝雪を踏み固めては村内の道を作る、降り積もる雪に屋根がきしむ、雪をのけなければ家がつぶれる、道に雪をおろすと通行ができなくなる、道を確保するために屋根からせっかくおろした雪を、再び道の両側に城壁のように積み重ねる、そういう労力、その費用は莫大なものになるのでございます。伊勢湾の台風で、土砂が道に押し出されて交通がとめられましたときには、土砂堆積法の適用によって、国はあたたかい手を差し伸べて、国の力で排除ができたのであります。一体、雪国の住民は、勝手に雪国に生まれたからとて文句を言うなというのでしょうか。
 雪国のある詩人は、こううたっております。
 雪国の幸せは哀訴哀願だけでは求められない
 涙も出なくなったその時
 涙をぬぐった握りこぶしを見つめよう
 幸せはこの中にだけしかないのであろうか
と、まことに雪国の人の心を切々とうたっておるのであります。雪国のバス通り裏はひっそりかんとして、人々は戸を締め切って、外は吹雪のみであります。暖国のバス通り裏とは、あまりにかけ離れたありさまであります。路上の雪に店頭は暗く、少しのすき間からも雪と寒さが入ってくるので、四六時中電灯をつけておかねばならない。その電灯さえも吹雪で消えがちであります。雪国の住民には、このような苦悩に満ちた人生が、その生まれた瞬間から待ち受けておるのであります。
 こういう地域的な自然現象によって、諸般の生活が非常な悪条件にさらされておるという、そういう姿に対して、このときこそ、中央の政界において、諸君の御協力をいただいて、これらの悪条件を政治の力で軽くしてあげる、それこそ、いわゆる地域格差の解消であり、また、人道上の見地からも、当然のことであるとかたく信ずるものであります。(拍手)雪害を排除して豪雪地帯の後進性を克服し、均衡のとれた国民生活の向上をはかることは、わが国経済の高度成長を期する上に、きわめて緊要であることは明らかであります。
 雪害防除対策のうちでも、最も根本的であり、最も緊急を要するものは交通の確保であります。このゆえに、諸君の御尽力によって、昭和三十一年には積寒道路法が制定され、除雪、防雪あるいは凍雪害防止の制度が確立されたのであります。同法の制定後すでに六年を経過した今日におきましても、冬期間に、一級国道を主とする指定路線ですらもが、いまだにその四割程度しか確保ができず、住民は交通不能に苦しんでおるありさまであります。また、除雪費にいたしましても、本来ならば、これらの仕事は、国みずからの手で除雪さるべきが当然であると思うのでありまするが、積寒道路法の第六条に、除雪費用については、その三分の二以内を道路管理者に補助すると、明らかに規定してあるにもかかわらず、北海道の直轄国道のほかには、一切の除雪費の補助を渡さないのであります。あるいは道路の修繕についても、補助二分の一で打ち切るなど、せっかくの現行法でさえも有効に活用されていないことは、はなはだ遺憾にたえないのであります。(拍手)
 われわれは、まず第一に、積寒道路法の完全実施を望むものであります。さらに、積雪地帯の後進性を打破するためには、積寒農業法、積寒道路法、北海道その他各地の開発法、あるいは後進地域開発法などが立法化されておりますが、これを施行する行政の窓口がこまかく分かれておりまするために、せっかくの所得格差の是正という大きな目的を持つ雪害対策そのものがこま切れにされて、一つ一つが小事件のごとくに取り扱われるおそれのあることは、まことに遺憾しごくであります。
 雪害の調査機関は各省に分かれて、それぞれ熱心に研究がいたされておるのでありまするが、この変化きわまりない雪の性質と雪害の実態を、具体的、総合的にまとめ上げて、生きた総合対策を樹立する機関が政府には皆無であります。辛うじて、民間において財団法人日本積雪連合及び財団法人積雪科学館があるのみであります。よって、政府は、雪害問題の抜本的解決のために、総合的な積雪調査機能の充実と積雪被害の防除等につき、すみやかにその対策を講ぜられんことを強く要望するものであります。
 以上をもって本決議案の趣旨弁明といたします。どうぞ満場一致をもって御賛成あらんことを熱望いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 討論の通告がありますから、これを許します。石田宥全君。
  〔石田宥全君登壇〕
○石田宥全君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました雪害対策に関する決議案に対しまして、賛成の討論を行なわんとするものであります。
 裏日本、特に積雪地域の産業、経済及び生活水準は、全国的に見た場合、きわめて劣弱な地位にあることは何人も否定し得ないところであります。積雪地帯の一人当たりの所得は、昭和三十二年度において、ようやく全国平均の八〇%程度に達したという現状でありまして、このように所得水準が低位にあるということは、積雪寒冷地域の国内市場をさらに狭める結果となり、ひいては産業立地上の一大障害となっているのであります。
 この地方には農林水産、鉱業資源、水力資源などが豊富に賦存しておるのであります。すでに開発されているものだけでも、東北大県及び新潟県の七県だけで、鉱産額では全国の約二〇%、米の生産は実に全国の四分の一の二四・六%を産しており、かつ、開拓適地が三十五万町歩も未墾のまま放置されているのであります。さらに、水産資源は、全国の約二〇%を産し、開発水力にいたっては二百四十一万キロワットに達し、全国の二三%を擁しており、なお未開発水力は三百三万キロワットにも及ぶと推定されるのであります。しかるに、工業出荷額は、昭和三十四年度で、ようやく全国の七・一%に達したという現状であります。
 以上のように、積雪地帯の後進性は、各種資源の窮乏あるいは開拓効果等に原因があるのではなく、歴代保守内閣が独占資本擁護政策にきゅうきゅうとする余り、辺地住民の救済、積雪寒冷地域住民の生活安定向上が今日まで置き去りにされ、犠牲となってきたものといって過言ではなかろうと存ずるのであります。戦後、いち早く再編成された独占企業の実態を見れば明らかなように、政府は、大企業優先の財政投融資に目がくらみ、積雪地域への公共投資上の特別の措置を講じなかったことや、自然的地理的条件が悪いために開発意欲を欠いたためか、採算のとれない地域は開拓の要なしと見たためか、交通、電力等の基礎的開発が非常におくれて、産業立地条件の整備がなされなかったこと、さらに、気温は寒冷であり、冬期間、相当長い間積雪があり、交通は全く阻害され、著しいところでは、半年もの間車による交通が遮断されている現状等が相重なって、後進性のまま放置されてきたと申してよかろうと存ずるのであります。さらにまた、融雪による災害危険度が非常に高いということなども原因して、明治以来今日まで、この眠れる宝庫は顧みられることなく、産業の立ちおくれ、経済的な困窮、加えて、文化的にも取り残されたまま、全く暗い谷間での住民の生活は、言語に絶するものがあるのであります。このまま放置してきた政府の政治責任は、きわめて重大であるといわざるを得ません。(拍手)
 政府は、所得倍増だとか、月給二倍論だとかの景気のよいから鉄砲を打ち上げる前に、まず辺地住民の救済、産業、経済、文化等、すべての面において立ちおくれ、悲惨な暗たんたる生活を余儀なく続けておるこの地方住民に光明の手を力強く差し伸べてやり、地域格差を解消することこそが、緊急の要務であると信じて疑いません。(拍手)そうすることによって、今日まで放置してきた罪滅ぼしにもなろうかと思うのであります。
 現在、積雪寒冷地域における国の特別措置は、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法、積雪寒冷地域における道路交通の確保に関する特別措置法、及び地方交付税法における基準財政需要額算定のための寒冷補正などの制度があるのでありますが、相互に関連性なく断片的で、雪害対策に関してはほとんどその成果が期待し得ないのであります。旧臘から今春にかけての豪雪のときなどは、国鉄、地方鉄道及びバス路線等は完全に麻痺状態に陥り、百時間以上も遅延した旅客列車を初め、貨車に至っては二十五日間もストップしていたという状態であり、商工業等の機能は、その間半減あるいは完全に停止しなければならないという憂うべき状況であったのであります。積雪地域住民に及ぼす影響は甚大であり、まことに憂慮すべき事態が、今年のみならず、毎年繰り返されている事実を御認識いただきたいのであります。
 これら積雪寒冷地域住民の長い間の悲願、雪国であるがための苦しみをすみやかに解消するために、わが党は、去る第三十八回国会に、積雪寒冷地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案、及び積雪寒冷地域における鉄道軌道の交通の確保に関する特別措置法案を本院に提出したのでありますが、政府自民党の国会運営よろしきを得なかったために成案し得なかったことは、痛恨のきわみであります。(拍手)
 この際、政府は、積雪寒冷地域の産業開発、後進性の打破によって経済の興隆をはかり、地域格差を解消し、もって、民生安定同上のために、除雪、防雪及び凍雪害防止のための抜本的、総合的な特別法の制定を積極的に、責任を持って、かつ、すみやかに遂行されんことを強く希望いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
 この一際、自治大臣から発言を求められておりまするから、これを許します。自治大臣安井謙君。
  〔国務大臣安井謙君登壇〕
○国務大臣(安井謙君) 政府といたしましては、地方の開発、地域格差の解消につきまして、従来からも種々の施策を講じて参っておりますが、特に、ただいま御決議のありました雪害対策に対しましては、今後御趣旨に沿うように十分の努力を尽くしたい所存でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 日程第一 輸出入取引法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) これより本日の日程に移ります。
 日程第一、輸出入取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員長早稻田柳右エ門君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔早稻田柳右エ門君登壇〕
○早稻田柳右エ門君 ただいま議題となりました輸出入取引法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
 本案は、前国会提出の改正案から当委員会が修正を行なって削除した部分を除いて提出されたものでありまして、輸出入取引の秩序の確立についての基本法たる現行法に対し、貿易自由化の進捗等に対処するため、新規定の追加及び若干の改正を行なおうとするものであります。
 その主要点は、
 第一に、貿易業者間の自主的な話し合いによって、低開発諸国との貿易の維持拡大をはかることができるよう、輸出業者と輸入業者とが輸出入の調整について協定を締結することができる旨の規定を新設したのであります。
 第二に、中小貿易商社の健全なる発達等をはかるため、貿易商社が連合して輸出入業を行なう貿易連合の制度を創設したのであります。
 その他、輸出規制事務の処理に当たる輸出組合が輸出業者から負担金を徴収することができる旨の規定の追加、輸入組合の設立要件の緩和、各組合の事業内容の明確化等の改正であります。
 本案は、九月二十五日当委員会に付託され、十月二十四日に至り質疑を終了し、引き続き採決に付しましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 昭和三十六年五月、六
  月、七月、八月及び九月の天災
  についての天災による被害農林
  漁業者等に対する資金の融通に
  関する暫定措置法の適用の特例
  に関する法律案(内閣提出)
 日程第三 昭和三十六年九月の第
  二室戸台風による災害を受けた
  漁業者の共同利用に供する小型
  の漁船の建造に関する特別措置
  法案(内閣提出)
 昭和三十六年九月の第二室戸台風
  による災害を受けた地域におけ
  る伝染病予防費に関する特別措
  置法案(内閣提出)
 昭和三十六年九月の第二室戸台風
  による災害を受けた社会福祉事
  業施設の災害復旧費に関する特
  別措置法案(内閣提出)
 昭和三十六年六月及び八月の水害
  又は同年九月の風水害を受けた
  都道府県に対する母子福祉資金
  に関する国の貸付けの特例に関
  する法律案(内閣提出)
 昭和三十六年五月の風害、同年六
  月、七月及び八月の水害又は同
  年九月の風水害に伴う中小企業
  信用保険法の特例に関する法律
  案(内閣提出)
 昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害、同年九月の風水害又は同年十月二日鹿児島市に発生した火災に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案(内閣提出)
 昭和三十六年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第二及び第三とともに、内閣提出、昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を受けた地域における伝染病予防費に関する特別措置法案、昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を受けた社会福祉事業施設の災害復旧費に関する特別措置法案、昭和三十六年六月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた都道府県に対する母子福祉資金に関する国の貸付けの特例に関する法律案、昭和三十六年五月の風害、同年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案、昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害、同年九月の風水害又は同年十月二日鹿児島市に発生した火災に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案、昭和三十六年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案を追加して八案を一括して議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 日程第二、昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案、日程第三、昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を受けた漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案、昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を受けた地域における伝染病予防費に関する特別措置法案、昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を受けた社会福祉事業施設の災害復旧費に関する特別措置法案、昭和三十六年六月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた都道府県に対する母子福祉資金に関する国の貸付けの特例に関する法律案、昭和三十六年五月の風害、同年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案、昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害、同年九月の風水害又は同年十月二日鹿児島市に発生した火災に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案、昭和三十六年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案、以上の八案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長濱地文平君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔濱地文平君登壇〕
○濱地文平君 ただいま議題となりました昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案外七件につきまして、災害対策特別委員会における審議の経過並びに結果について申し上げます。
 各案の要旨を申し述べます。
 まず、農林関係二件は、被害農林漁業者等が災害融資法に基づいて貸付を受ける経営資金及び事業資金については、貸付限度額の引き上げ及び償還期限の延長を行なおうとするものであり、また、被害沿岸漁業者の小型漁船の建造については、著しい損害を受けた漁業協同組合が、共同利用に供するために小型漁船を建造する場合、特別の助成措置を講じようとするものであります。
 次に、昭和三十六年五月の風害、同年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案は、保証保険の填補率の引き上げ及び保険料の引き下げ等の措置も講ずるものであります。
 次に、厚生関係三件について申し上げます。
 災害を受けた地域における伝染病予防費について、伝染病予防法の特例を設けて、国の負担率を通常の二分の一から三分の二の高率に高め、都道府県及び市町村の負担を軽減し、社会福祉事業施設の災害復旧費については、通常の補助率より高め、都道府県、市町村、日本赤十字社、社会福祉法人等の負担を軽減しようとするものであります。また、都道府県に対する母子福祉資金国庫貸付金の貸付率を引き上げ、被災母子家庭に対する貸付金の財源を確保しようとするものであります。
 次に、建設関係二件について申し上げます。
 公営住宅及び産業労働者の住宅の建設については、それぞれ特例を設け、現行法より高率の補助、償還期限の延長等の措置を講ずることとし、また、公共土木施設等の災害復旧に関しては、標準税収入を勘案して、十分の八ないし十分の十の高率の国庫負担率の引き上げを行ない、さらに、再度災害を防止するため、新設、改良等の関連事業に対しても、国の負担率または補助率を三分の二に引き上げることといたしております。
 以上申し述べました特別措置は、いずれも政令をもって指定された地域に適用することといたしております。
 以上が入案についての要旨の概要であります。
 なお、昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案、昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害、同年九月の風水害又は同年十月二日鹿児島市に発生した火災に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案、昭和三十六年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案、以上三案は、内閣より修正の申し出があり、去る二十日、本院において承諾するに決したものであります。
 以上八案は、採決の結果、いずれも原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 なお、天災融資法の特例、小型漁船の建造に関する特別措置法案、公営住宅法の特例、公共土木施設等の特別措置法案、社会福祉事業施設の特別措置法案の五案について、自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案にかかる附帯決議がそれぞれ全会一致をもって付されたのであります。これら詳細については、会議録に譲ることといたしますので、御了承願います。
 委員会におきましては、各委員には、今次災害対策の樹立の重要性を考え、終始熱心にその審議に当たられましたことを一言申し添えて、報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) これより採決に入ります。
 まず、以上八案のうち、昭和三十六年九月の第二室戸台風による災害を受けた地域における伝染病予防費に関する特別措置法案について採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、その他の七案を一括して採決いたします。
 七案の委員長の報告はいずれも可決であります。七案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、七案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○田邉國男君 日程第四及び第五はあと回しにされんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程第四、第五はあと回しといたします。
     ――――◇―――――
 日程第六 中央卸売市場法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 農業災害補償法の一部を改正する
  法律の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 家畜取引法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、参議院送付)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第六とともに、内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、内閣提出、参議院送付、家畜取引法の一部を改正する法律案を追加して三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 すなわち、日程第六、中央卸売市場法の一部を改正する法律案、農業災害補償法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、家畜取引法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員会理事田口長治郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔田口長治郎君登壇〕
○田口長治郎君 ただいま議題となりました中央卸売市場法の一部を改正する法律案外二件につきまして、農林水産委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。
 これらの三案は、前国会においていずれも審議未了となったものであります。
 まず、内閣提出、中央卸売市場法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 中央卸売市場は、生鮮食料品の価格形成と流通の機能を介しまして、生産者の所得の向上と消費者の利益の増進に寄与して参ったのでありますが、これらの機能をさらに拡充強化するとともに、卸売業者及び中央卸売市場の業務の内容等を改善しようとして、本案が提出されたものでありまして、主要な改正点は次の五点であります。
 すなわち、その第一点は、農林大臣は、中央卸売市場を設置することが必要であると認められる都市につきまして、中央卸売市場の開設を促進すること、及び、既設の中央卸売市場につきましてはその施設の整備拡充をはかること等を勧告することができるようにすること、第二点は、中央卸売市場の卸売業者については、卸売業務以外の兼業業務の内容を政府に届け出せしめること、第三点は、中央卸売市場の卸売業者と類似市場の卸売業者との間の合併等についても、独禁法の適用除外とすること、第四点として、農林大臣は、地方卸売市場の施設及び業務方法等の改善についても、その開設者または卸売業者に勧告できるようにすること、第五点は、農林大臣の諮問機関として、委員五人以内で組織する中央卸売市場審議会を設置することであります。
 委員会は、十月四日提案理由の説明を、また十九日には補足説明を聴取し、二十日には、早朝から、築地中央卸売市場の現地調査を行なうとともに、委員会へ参考人の出席を求め、意見を聴取する等、慎重審議を行ない、二十四日、質疑を終了し、討論を省略して採決いたしましたところ、全会一致をもって本案は原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案には数点の附帯決議が付されたことを申し添えておきます。
 次に、内閣提出、農業災害補償法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 農業災害補償法に基づく農作物共済にかかる掛金標準率は、当分の間三年ごとにこれを改定する建前となっており、本年はちょうどその改定期に当たっておりますが、政府は、現在農業災害補償制度の抜本的改定を準備中でありまして、本国会に別途その関係法案が提出されております関係上、この際、現行法の規定による改定は一年延期して、本年はこれを行なわないことにしようとして、本案が提出せられたものであります。
 本案は、去る九月二十五日提出され、十月四日政府から提案理由の説明を聴取し、二十五日、質疑を終了し、討論を省略して採決の結果、原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 次に、内閣提出、参議院送付、家畜取引法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 わが国の畜産業は、今後ますますその発展が見込まれているのでありますが、家畜取引の実態を見まするに、家畜市場における売買の方法は適切を欠き、また産地家畜市場の再編整備が十分でない面が随所に見受けられまするので、この際、これらの諸点について改善を加えるため、本案が提出せられたのであります。
 そのおもなる内容は、
 第一に、家畜市場の再編整備の対象を、産地の家畜市場から集散地の家畜市場に拡大して、これを地域家畜市場とするとともに、都道府県知事は、特に整備の必要があると認める地域家畜市場の開設者に対し、再編整備を行なうよう勧告することができるようにすることであります。
 第二に、家畜市場における家畜の売買方法は、せり売りまたは入札を原則としておりますが、市場整備の状況によりこれらの方法がとれないときは、これに近い他の方法によることができるようにいたし、また、この法律に違反して家畜市場で家畜の売買を行なった者に対しては、都道府県知事はその業務停止を命ずることができるようにすることであります。
 第三に、家畜取引業者は、家畜市場の開場日及びその前後の日に、家畜市場周辺の一定の場所で原則として家畜取引を行なうことはできないことにすることであります。
 右の政府案に対しまして、参議院では、家畜市場における家畜取引の売買方法が、市場整備の状況により、せり売りまたは入札ができないときは、これに近い他の方法によることができるとする改正部分は、家畜の公正取引を期する本法の基本精神より逸脱するおそれがあるので、取引頭数が過多であって、せり売りまたは入札によりがたく、他の売買方法による場合でも、それは暫定的に認めるべきであるとの趣旨によりまして、当該規定を本則から附則に移す修正を十月十七日に行なって、本院に送付して参ったのであります。
 農林水産委員会におきましては、政府案について、予備審査のため、十月十二日政府から提案理由の説明を聞き、さらに十九日参議院送付案について政府から補足説明を聴取し、二十五日、質疑、討論を省略して採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって参議院送付案の通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。
 以上、御報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第七 建設省設置法の一部を
  改正する法律案(内閣提出、参
  議院送付)
 一般職の職員の給与に関する法律
  の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 特別職の職員の給与に関する法律
  の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 防衛庁職員給与法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第七とともに、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を追加して四案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 日程第七、建設省設置法の一部を改正する法律案、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長中島茂喜君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔中島茂喜君登壇〕
○中島茂喜君 ただいま議題となりました四法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、建設省設置法の一部を改正する法律案について申し上げますと、第一は、本省に新たに計画局を設置することであります。第二は、計画局の新設に伴い、従来の計画局を都市局に改めること等であります。
 本案は、九月二十五日本委員会に予備付託となり、十月三日政府より提案理由の説明を聴取し、十月十八日本付託となり、二十四日、質疑を終了、討論の通告もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 次に、給与三法案について申し上げます。
 その要旨をごく簡潔に申し上げますと、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、本年八月八日付の人事院勧告に基づき、一般職国家公務員の俸給表を全面的に改善して、月額約千円ないし三千円程度の増額を行ない、六月並びに十二月に支給される期末手当の額をそれぞれ〇・二カ月分ずつ増額するほか、初任給調整手当及び通勤手当の改定等を行なおうとするもので、初任給調整手当の改定は、来年四月一日から、その他は、すべて本年十月一日から実施することといたしておるのであります。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、今回の一般職職員の給与改定に伴い、従来より一般職の職員との均衡を考慮して定められております特別職の職員につきましても、その俸給月額等に所要の改定を行なおうとするものであります。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の例に準じて、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものであります。
 以上三法案は、九月二十七日並びに三十日本委員会に付託となり、十月十二日並びに十七日政府より提案理由の説明を聴取し、十月十九日より質疑に入り、慎重審議を行ない、二十四日質疑を終了いたしたのでありますが、その詳細はすべて会議録により御承知を願うことといたしたいと思います。
 かくて、本日右三案を一括議題として討論に入りましたところ、日本社会党を代表して田口委員より、民主社会党を代表して受田委員より、それぞれ反対の意見が述べられ、直ちに採決の結果、右三法案はいずれも多数をもって原案の通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) ただいま報告されました四案のうち、一般職の職員、特別職の職員、防衛庁職員のおのおの給与に関する三法律案について、討論の通告があります。これを許します。田口誠治君。
  〔田口誠治君登壇〕
○田口誠治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案外二件の政府案に対して、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 反対理由の第一点は、去る八月八日に人事院より勧告のありました内容は、金額についても、上下の格差是正についても、切なる公務員の要求ときわめて大きな相違があるからであります。言葉をかえて申しますなれば、人事院の勧告の内容は、資本家の低賃金政策と意を通じ、賃金統制の思想の上に立って勧告された内容であり、きわめて政治的で、作為的で、かつ欺瞞的なものであることが、委員会の審議を通じて実証することができたのであります。人事院は勧告の内容を理論づけようといたしまして、民間賃金との格差是正をはかったと公表しておるのでございまするが、その事実は作為的としか思えない指数の出し方をいたしておるのでございます。
 具体的に申し上げますなれば、生計費の調査につきましても、当然民間の勤労者世帯を対象として指数を出すのが当然であるのにもかかわらず、全世帯を対象としておるのであります。申し上げるまでもなく、全世帯とは、国民全階層のことであり、この中には公務員労働者の世帯もあれば、民間労働者の世帯もあり、また失業者の世帯や生活保護を受けておる世帯が包含されているのであります。これによる数字によって、官民の賃金の格差を出すなれば、必然的に低賃金が仕組まれることになるのであります。
 これのみならず、学歴、年令、性別、経験年数等の異なるグループの間で賃金格差を算出する方式も、労働者の立場から申しますなれば、最大の方式であるパーシェ方式を希望するのでありますが、百歩譲りましても、常識的に算出するなれば、ラスパイレス方式とパーシェ方式の中間ともいうべき幾何比率のフィッシャー方式をとるのがだれしも理解のできるところでありますが、これについても一番不利なところの最少の方式のラスパイレス方式を採用しているのであります。
 さらに、公務員の賃金を決定する一つの要素である十八才の成年独身男子の賃金は、一定の消費水準を示す生計費として算出しておりますが、東京都における標準生計費を見まするに、昭和三十六年度は五人世帯で四万三千四百円となっておるのであります。言うまでもなく、生計費は、一人の場合の生計費は五人世帯の生計費の五分の一では生活ができ得ないのであります。約四割増の生活費がかかるのが普通常識であります。それにもかかわらず、高校卒の独身者の初任給を九千五百円に押えておることは、食えない賃金を知りつつ決定をしておるというこの矛盾を指摘しなければならないわけでございます。(拍手)
 以上指摘いたしましたごとく、人事院の勧告は、正しい理論の裏づけというものは全然ありません。公務員を納得させる何ものもなく、国家権力者の賃金統制と資本家の低賃金政策への協力に終始し、はなはだしく自主性を失っていることを露呈しておるのでございます。(拍手)
 反対の第二の理由は、この矛盾きわまる理論づけによる人事院の一人当たり一千七百九十七円、五月実施の勧告すらも尊重せず、十月実施に変更したことであります。
 政府は、人事院の勧告の五月実施を十月に延ばした理由に、「現下の経済情勢にかんがみて」という一片の抽象的な表現で提案説明をいたしておりまするが、これでは国民が納得のいくものではなく、十九日の内閣委員会での質問に対しては、政府は財源がないから十月に延ばしたのではなく、五月実施にするなれば遡及精算をしなければならない、遡及精算をするなればインフレを巻き起こす憂いがあるというような答弁をしており、また昨二十四日の委員会では、大蔵大臣は、自然増収の見込みがどの程度になるかということの自信がなく、今ではぎりぎり一ぱいであるというような表現で、昨年と同様、金がないから出せないというような表現をして、言葉を悪くいいますなれば、のらりくらりとつかみどころのないような答弁をいたしておったのであります。この答弁そのものは、何といっても暴言といわざるを得ないと思うのでございます。そこで、もう一つ大蔵大臣の答弁の中で気にかかりますることは、四月や五月の実施を人事院が勧告をいたしましても、予算編成技術上できないことであるというような、これまた暴言にひとしい答弁をいたしており、将来の勧告に一まつの不安を与えておるのでございます。さらに、給与担当大臣の福永さんは、おれは人事院の勧告通り実施したいと考え、最後まで努力したけれども、総体的な面から多くの意見で十月実施と閣議で決定されたのであるから、よろしく了解していただきたいと、きわめて低姿勢の答弁をいたしておったのでございます。だれ一人として、五月実施を十月実施に延ばした正当な理由、無理にでも納得のできるような答弁がなかったのであります。私は、このことはきわめて重大なことであり、このことによって公務員諸君の賃上げ闘争にますます拍車をかける結果となることを憂うるものであります。
 公務員諸君の労働組合からスト権を取り上げ、その代償として設置された公務員の給与、勤務条件の改善に責務を持つ人事院という法的な制度が、曲がりなりにも結論を出し、政府に勧告をいたしたその内容が守られないというような場合には、これは国民の前にその理由を明確に示さなければならないと思うのであります。そして、曲がりなりにも公務員諸君に理解と納得をさせる必要があると思います。このことをしなければ、国家公務員法の一条一項に示されておるごとく、職員がその職務に当たり最大の能率を発揮し、また、国民に対しても公務の民主的かつ能率的な運営をはかることの保障が困難になるからであります。このことを私は心配いたしておるのでございます。
 今日、ここであらためて申し上げるまでもなく、公務員諸君は、人事院の勧告を不満として、公務員共闘会議の名のもとにおいて果断な戦いを行なっております。そして、政府が人事院の勧告すらも実施しない不道義な態度に憤激し、ますます大がかりな戦術を組み、行動を行なわんといたしておるのでございます。この闘争は、年末、春闘にかけてほんとうに憂うべき戦術が行使されることを予期しなければならないと思い、私はこのことを大きく憂うるものであります。
 政府は、この事態を重要視し、これが収拾策として、公務員諸君と十分に話し合いをし、事態を円満に解決する努力をされることを強く希望するものでございます。この闘争がますます辛らつ化し、憂うべき事態になるような場合には、その責任はあげて政府当局並びにこれに賛成するところの政党にあるということを明確に申し上げ、私の反対の意見を終わる次第でございます。(拍手)
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、日程第七、すなわち、建設省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
 日程第四 裁判官の報酬等に関す
  る法律の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第五 検察官の俸給等に関す
  る法律の一部を改正する法律案、
  (内閣提出)
○議長(清瀬一郎君) この際、さきにあと回しといたしました日程第四及び日程第五の審議に入ります。
 日程第四、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第五、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。法務委員長河本敏夫君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔河本敏夫君登壇〕
○河本敏夫君 ただいま議題となりました両法案につき、法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のように、今国会において政府は、人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般の政府職員の給与の改定を行なおうとしておりますが、裁判官及び検察官の給与につきましても、その例に準じてこれを改定しようとするものであります。
 すなわち、裁判官及び検察官の報酬または俸給の各月額を増加しようとするものであり、その増加額は、裁判官については五千円ないし千七百円、検察官については五千円ないし千五百円でありまして、その増加比率は、裁判官の報酬及び検察官の俸給に対応するところの一般政府職員についての各俸給月額の増加比率と同様となっております。
 さて、法務委員会におきましては、去る九月三十日両法案が付託されましてから慎重審議を重ねて参りましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 かくて、十月十九日質疑を終了し、同二十四日討論に入りましたところ、両法案に対し、自由民主党から賛成、日本社会党及び日本共産党からそれぞれ反対の討論がありました。次いで、採決の結果、両法案は多数をもって政府原案通り可決せられた次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第八 地方自治法の一部を改
  正する法律案(内閣提出、参議
  院送付)
○議長(清瀬一郎君) 日程第八、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事金子岩三君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔金子岩三君登壇〕
○金子岩三君 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、
 第一に、公有水面埋立地の激増に対応して、公有水面のみにかかる市町村の境界を定める手続を整備、簡素化し、公有水面埋め立ての竣工前に問題の合理的な解決をはかろうとするものであります。
 第二は、普通地方公共団体の議会の議員、長、その他の職員が請負禁止の規定に該当するかどうかの認定の手続を整備しようとするものであります。
 第三は、最近における広域行政の必要性にかんがみ、地方公共団体は、新たに広域にわたる総合的な計画を共同して作成するための協議会を設けることができることとするものであります。
 そのほか必要な規定の整備をはかっております。
 本案は、参議院先議のため当委員会に予備付託され、十月三日安井自治大臣より提案理由の説明を聞き、十月十八日本付託となり、自来、熱心に審査を続けて参りましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 十月二十四日、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって政府原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第九 会計法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、参議院送
  付)
○議長(清瀬一郎君) 日程第九、会計法の一部改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長小川平二君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔小川平二君登壇〕
○小川平二君 ただいま議題となりました会計法の一部を改正する法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、国が行なう売買、貸借、請負その他の契約についての制度を整備し、その運営の円滑化をはかるため、会計法について次のような改正を行なおうとするものであります。
 すなわち、まず第一に、国が契約を行なう場合の契約方式については、現行法通り、一般競争を原則といたしておりますが、契約の性質や目的により、一般競争に付する必要がない場合ないし不利と認められる場合等には、指名競争に付することとし、緊急の必要がある場合等には随意契約によることができることといたしております。
 第二に、競争契約の場合における落札の方式につきましては、従来通り、国の歳出原因となる契約にあっては、最低の価格の入札者を落札者とすることとしておりますが、右の原則に対し新たに次のような例外を認めることとしております。すなわち、入札価格が著しく低いために、契約の内容に適合した工事がなされないおそれがあると認められるとき、または公正な取引の秩序を乱すおそれがあると認められるような場合には、次の順位の入札者を契約の相手方とすることができることといたしております。
 第三に、契約の適正な履行を確保するため、監督及び検査についての規定を整備するとともに、必要があるときは、監督及び検査を民間にも委託することができることといたしております。
 第四に、契約書の作成、入札保証金、契約保証金等、従来予算決算及び会計令に規定されていた事項につきましては、内容を若干整備して、その法律化をはかることといたしております。
 第五に、電気、ガス及び水の受給のごとき、いわば官庁の生活費に当たるものにつきましては、翌年度以降にわたる長期継続契約を締結することができることといたしております。
 本案は、さきに参議院において原案の通り可決の上本院に送付されたものでありますが、慎重審議の結果、昨二十四日、質疑を終了し、採決を行ないましたところ、全会一致をもって参議院送付案の通り可決となりました。
 なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付すべきものと決しました。附帯決議の内容は次の通りであります。
 一、国の行なう売買、貸借、請負その他の契約等本法の運用に当たつては、各省各庁は、中小企業者の不利益にならないよう資格要件策定その他について十分に配意すべきである。
 二、指名競争入札及び随意契約が拡大される傾向にあるが、これに伴う談合や不当行為のないよう業者と担当官の関係を十分規制するよう配意すべきである。というものであります。以上、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第十 あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(中野四郎君外十名提出)
 医師及び歯科医師の免許及び試験の特例に関する法律案(中野四郎君外十名提出)
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長中野四郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔中野四郎君登壇〕
○中野四郎君 ただいま議題となりました四法案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 現在、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法によって、あんま、はり、きゆう及び柔道整復以外の医業類似行為、たとえば民間で行なわれているいわゆる電気療法等は、何人もこれを業としてはならないことになっておりますが、同法の公布の際、三カ月以上引き続いて業としており、一定の事項を届け出た者等に対しまして、本年末までこれを業とすることができることになっております。この経過措置が本年末で終了しますので、これらの業者がその業務を行なうことができる期間、及びこれらの者が特例のあん摩師試験を受ける期限を、さらに昭和三十九年十二月三十一日まで三年間延長しようとするものであります。
 本法案は、本月十八日当委員会に付託となり、二十四日採決の結果、全会一致、原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に附帯決議を付することに決しました。その内容については会議録で御承知願います。
 次に、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法の適用対象である飲食店業、理容美容業、クリーニング業等十七業種の環境衛生関係営業は、いずれも国民の日常生活に密接な関係があり、業者の数もきわめて多く、その経済的基盤も脆弱なため、営業者相互間の過度の競争により、ややもすると保健衛生上の措置が阻害されるおそれがありましたので、昭和三十二年に各党共同提案で本法が制定されたことは御承知の通りであります。自来、業界の自主的組織を通じてこれら営業の経営の安定をはかってきたのでありまするが、これら事業活動の経験等にかんがみまして、今回次の諸点の改正を行なおうとするものであります。
 そのおもな内容は、まず第一に、環境衛生同業組合の事業に、組合員の福利厚生に関する事業を加え、環境衛生同業組合連合会の事業に、会員たる組合の組合員の福利厚生に関する事業と営業に関する共同施設を加えること、第二に、組合及び連合会の行なう共済事業の規定を整備すること、第三に、一定の限度内で組合及び連合会の行なう事業に員外者の道の利用を開くこと、第四に、出資制度を設けることにより、組合及び連合会を出資組合と非出資組合とに分けて、共同施設、組合員に対する資金のあっせんまたは貸付及び共済事業を行ない、事業の活発な進展をはかること、第五に、適正化規程が実施された場合におきまして、組合員以外の者の事業活動によって営業の健全な経営が阻害され、これを放置しておいては適正な衛生措置を確保することに支障を来たすようなときは、厚生大臣が中央環境衛生適正化審議会に諮問した上、当該組合員以外の者に対して、料金もしくは販売価格または営業方法を改めるように勧告できることとしたこと等であります。
 次に、医師及び歯科医師の免許及び試験の特例に関する法律案について申し上げます。
 終戦前に、満州国、朝鮮、台湾、樺太等の地において、その地の制度によって医師または歯科医師の免許を受けていた者で、終戦により日本に引き揚げた人々については、医師等の免許及び試験の特例に関する法律によって免許取得の特例措置が講ぜられておりましたが、この措置はすでに昭和三十五年末をもって期限が切れたのであります。しかるに、現在なおこれに該当する者が相当いる状況にかんがみまして、従来と同様の特例措置を昭和三十七年十二月三十一日まで認めて、医師または歯科医師となり得る道を残し、将来の希望を持たせようとするものであります。
 次に、医師国家試験予備試験及び歯科医師国家試験予備試験の受験資格の特例に関する法律案について申し上げます。
 終戦前、外地において医師免許または歯科医師免許を受けていた者、あるいは終戦前に満州方面向けの医師の養成を目的として内地に設けられた医学校を卒業した者等については、昭和三十五年末までは、国家試験予備試験の受験資格が与えられていましたが、現在なおこれに該当する者が相当いる状況にかんがみ、当分の間、従来と同様に受験資格を与えようとするものであります。
 以上三法案は、本月二十四日当委員会に付託となり、本日の委員会で質疑を終了、採決の結果、全会一致原案の通り可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 四案を一括して採決いたします。
 四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、四案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 踏切道改良促進法案(内閣提出)
○田邉國男君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、踏切道改良促進法案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 踏切道改良促進法案を議題といたします。
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。運輸委員会理事高橋清一郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔高橋清一郎君登壇〕
○高橋清一郎君 ただいま議題となりました踏切道改良促進法案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のごとく、最近における交通の発達は目ざましく、自動車の著しい増加に伴う道路交通量の激増並びに列車運転回数の増加等によりまして、踏切事故が頻発するとともに、踏切道における道路交通の能率が著しく阻害されている現状であります。本法案は、かかる事態に対処するため、踏切道の改良を早急に促進する措置を講じ、交通事故の防止と交通能率の増進をはかろうとするものであります。
 次に、その内容を簡単に申し上げますと、第一に、主務大臣は、省令で定める基準に従い、昭和三十六年度以降の五カ年間において、立体交差化、構造改良及び保安設備の整備により改良することが必要と認められる踏切道について、その改良の方法を定めて指定することといたし、第二に、当該鉄道事業者及び道路管理者は、指定踏切道の改良に関する計画を作成して提出し、その計画に従って改良工事を実施する等の義務を負うことといたし、第三に、その費用負担については、立体交差化または構造改良に要する費用は、鉄道事業者及び道路管理者が協議して負担し、保安設備の整備に要する費用は鉄道事業者が負担することを明確にいたし、第四に、保安設備の整備の促進に資するため、国または地方公共団体は、政令で定める地方鉄道業者または軌道経営者に対して、その費用の一部を補助することができることといたし、第五に、運輸大臣は、この法律の規定による踏切道の改良について、資金の融資あっせん等、資金の確保に関する措置を講ずるよう努めるものといたしております。
 さて、本法案は、去る九月二十五日当委員会に付託され、十月三日政府より提案理由の説明を聴取し、二十四日、二十五日質疑を行ないましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 かくして、十月二十五日、質疑を終了し、討論に入り、日本社会党を代表して山口丈太郎委員より賛成の意見が表明され、採決の結果、全会一致をもって本法案は政府原案の通り可決すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(清瀬一郎君) 本日は、これをもって散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣   池田 勇人君
        法 務 大 臣  植木庚子郎君
        外 務 大 臣  小坂善太郎君
        大 蔵 大 臣  水田三喜男君
        厚 生 大 臣  灘尾 弘吉君
        運 輸 大 臣  斎藤  昇君
        国 務 大 臣  福永 健司君
        建 設 大 臣  中村 梅吉君
        自 治 大 臣  安井  謙君
        国 務 大 臣  藤枝 泉介君
        国 務 大 臣  三木 武夫君
 出席政府委員
        人事院事務総
        局給与局長    瀧本 忠男君
        厚生省医務局長  川上 六馬君
        農林政務次官   中馬 辰猪君
        通商産業政務次
        官        森   清君
        自治政務次官   大上  司君
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