第040回国会 外務委員会 第2号
昭和三十七年二月九日(金曜日)
   午後三時四十三分開議
 出席委員
   委員長 森下 國雄君
   理事 北澤 直吉君 理事 床次 徳二君
   理事 野田 武夫君 理事 福田 篤泰君
   理事 松本 俊一君 理事 岡田 春夫君
   理事 戸叶 里子君 理事 松本 七郎君
      池田 清志君    宇都宮徳馬君
      椎熊 三郎君    正示啓次郎君
      竹山祐太郎君    福家 俊一君
      古川 丈吉君    稻村 隆一君
      帆足  計君    穗積 七郎君
      細迫 兼光君    森島 守人君
      川上 貫一君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
 出席政府委員
        外務政務次官  川村善八郎君
        外務事務官
        (大臣官房長) 湯川 盛夫君
        外務事務官
        (アジア局賠償
        部長)     小田部謙一君
        外務事務官
        (アメリカ局
        長)      安藤 吉光君
        外務事務官
        (条約局長)  中川  融君
        外務事務官
        (国際連合局
        長)      高橋  覺君
 委員外の出席者
        専  門  員 佐藤 敏人君
    ―――――――――――――
二月三日
 委員勝間田清一君辞任につき、その補欠として
 山口丈太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月六日
 委員山口丈太郎君辞任につき、その補欠として
 勝間田清一君が議長の指名で委員に選任された。
同月九日
 委員高碕達之助君及び橋本龍伍君辞任につき、
 その補欠として古川丈吉君及び池田清志君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月六日
 日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する
 日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結に
 ついて承認を求めるの件(条約第一号)
 特別円問題の解決に関する日本国とタイとの間
 の協定のある規定に代わる協定の締結について
 承認を求めるの件(条約第二号)
同月九日
 国際民間航空条約の改正に関する議定書の締結
 について承認を求めるの件(条約第三号)
 日本国とアルゼンティン共和国との間との友好
 通商航海条約の締結について承認を求めるの件
 (条約第四号)
一月三十一日
 完全軍縮等に関する請願(淡谷悠藏君紹介)(
 第五七二号)
 同外一件(武藤山治君紹介)(第五七三号)
 同(矢尾喜三郎君紹介)(第五七四号)
 同(吉村吉雄君紹介)(第五七五号)
 同外三十七件(角屋堅次郎君紹介)(第六五一
 号)
 ドミニカ国ネイバ地区引揚者の更生に関する請
 願(村山喜一君紹介)(第七三六号)
 同(足鹿覺君紹介)(第八二二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
二月五日
 朝鮮民主主義人民共和国への旅券交付に関する
 陳情書外三件(鳥取県八頭郡用瀬町鶴崎早苗外
 三名)(第一六二号)
 同外四件(吹田市千里山住宅虹ヶ丘三丁目百三
 番地宇都宮琢磨外四名)(第一六三号)
 同(茨城県西茨城郡友部町議会議長上野農夫
 雄)(第三三六号)
 原水爆禁止等に関する陳情書(北海道雨竜郡沼
 田町議会議長宮脇吉春)
 (第三三七号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する
 日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結に
 ついて承認を求めるの件(条約第一号)
 特別円問題の解決に関する日本国とタイとの間
 の協定のある規定に代わる協定の締結について
 承認を求めるの件(条約第二号)
 国際民間航空条約の改正に関する議定書の締結
 について承認を求めるの件(条約第三号)
 日本国とアルゼンティン共和国との間の友好通
 商航海条約の締結について承認を求めるの件(
 条約第四号)
     ――――◇―――――
○森下委員長 これより会議を開きます。
 日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び特別円問題の解決に関する日本国とタイとの閥の協定のある規定に代わる協定の締結について承認を求めるの件と、なお、本日付託になりました国際民間航空条約の改正に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国とアルゼンチン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。小坂外務大臣。
○小坂国務大臣 ただいま議題となりました、日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 さきに本会議における本件の趣旨説明において申し上げました通り、ガリオア等米国の戦後対日援助の処理は、米国との間の多年の懸案でありまして、米国は、わが国と同じくガリオア等の援助を受けた西独に対し、これが解決を申し入れたとほぼ時期を同じくして、わが国に対しても昭和二十七年秋これが解決を正式に要請をして参りました。その結果、昭和二十九年夏本件に関し米国側と数回にわたり公式会談が開催されました。
 その後も米国よりは本件の早期解決方につきしばしば要請があり、他方、わが国の賠償問題もほとんど解決し経済力も比較的向上いたしました今日、わが国の国際信用を高め、かつ、日米友好関係を強化する見地からも、本件をすみやかに解決することを適当と考えまして、昨年五月十日私から在京米国大使に対し、本件交渉を再開したい旨申し入れ、種々交渉を進めて参りました結果、今般本件を最終的に処理する協定に署名するに至った次第であります。
 今回の協定におきましては、米国の戦後対日援助に対する最終的処理といたしまして、わが国は四億九千万ドルを、年二分五厘の利子を付して、十五年間にわたり半年ごとに支払うことを規定しております。わが国がこの支払い額及びその支払い方法について、米国側と合意いたしましたのは、援助の総額についての日本及び米国の双方の計数及びこの援助総額から控除すべき各種の項目を考え、かつ、西独のガリオア処理協定の前例などを勘案し、また、韓国及び琉球との清算勘定残高を反対請求権として処理した結果であります。
 この四億九千万ドルの支払い方法としましては、この協定の効力発生の日から起算して、半年ごとに十五年間にわたって元本及び利子を支払うこととなっており、現実の賦払い額は、当初の十二年間は毎回二千百九十五万ドル、その後の三年間は毎回八百七十万ドルとなっており、元利合計五億七千九百万ドル(二千八十五億円)となっております。
 なお、本協定におきましては、わが国はいつでもこの支払い計画を繰り上げて支払うことができ、他方、もし将来経済事情が悪化したような場合には、日米双方協議の上で支払いを延期するよう取りきめることができることとされております。
 また、この支払いは原則としてドル貨で行なわれまするが、米国は総額二千五百万ドルを限度としてわが国に対し円貨払いを要請することができることとなっております。
 なお、この協定には二つの付属交換公文がありまして、これらは本協定御審議の際の参考として提出してあります。
 その第一は、支払い金の使途に関する公換公文でありますが、これにより、わが国が支払う金額の大部分は発展途上にある諸国に対する経済技術援助の資金として利用されることが期待されます。
 また、その第二は、支払い金の一部円貨払いに関する交換公文でありますが、これにより、わが国の支払い額のうち、前述の二千五百万ドルに相当する円貨は、日米両国間の教育文化交流のために使用される予定であります。
 以上が本協定並びにこれに付属する文書の概略説明でございます。
 顧みまするに、この米国の援助が提供された終戦直後のわが国の事態はきわめて困難なものであり、わが国民生活は窮乏をきわめておりました。このような際、米国が提供した対日援助が、いかにわれわれを勇気づけ、今日のわが国経済復興の原動力となったかは、何人もこれを否定し得ざるところであります。
 ただ、このような米国の援助は、無償でなされたものではないかと考えられる向きもあるようでありますが、当時援助物資は連合国総司令部から日本政府あての覚書によって日本側に引き渡されたものであり、この覚書には明瞭に、援助物資の支払いについては後日これを決定する旨が規定されております。このような経緯から、政府は、この援助は将来何らかの処理を要するものであるとの意味において、債務と心得ているとの立場を一貫してとって参り、また、国会に対してもそのように言明してきている次第であります。
 御承知の通り、わが国と同様の立場にあります西ドイツは、すでに九年前の昭和二十八年にこの返済協定を結び、さらにその後繰り上げ支払いまで行なって、大部分の債務を履行し、国際信用を高めております。これに対しまして、いまだかつて対外債務の履行を怠ったことがなく、対外信用においていずれの国にもひけをとらぬわが国といたしましては、この米国の援助に対して返済を行なうことは、矜恃ある国民として当然のことと思います。
 なお、国民の支払いました援助物資の代金は、見返資金特別会計に積み立てられ、昭和二十八年度に産業投資特別会計に引き継がれましたが、その額は約二千九百億円に及び、現在までに多額の運用益を生みつつ、わが国産業の発展と民生の向上に大いなる役割を果たしてきているのであります。
 ガリオア債務の支払いにつきましては、開発銀行出資金に対する毎年度の納付金と開銀貸付金の約定に基づく回収金及びその利子収入によっても十五年間に十分完済し得るものであり、債務支払い後も納付金のもとになっている出資金はそのまま手つかずに残り、引き続いて収益を生み続けてゆくわけであります。
 以上申しべました事由により、政府は、今回の協定は本件援助に対する解決としてはきわめて妥当なものであると確信しております。
 よって、ここに本協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
 次に、特別円問題の解決に関する日本国とタイとの間の協定のある規定に代わる協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 戦時中、日本の債務であった特別円勘定残高処理の問題につきましては、昭和三十年七月に締結された特別円問題の解決に関する日本国とタイとの間の協定によって解決されたのでありますが、その第二条に規定されている九十六億円の経済協力に関し、これが償還を前提とする投資及びクレジットの形で供与するものであることは当然でありますが、タイ側はこれを無償供与であると主張し、わが方の種々解決の努力にもかかわらず、これが実施に至らなかったのであります。その後、タイ側は、協定の解釈に関する日本側の立場は正しいことを認めざるを得ないが、そもそも、戦時中の日本の債務であった特別円問題を解決する協定を実施した結果、逆にタイ側が債務者となるような解決方法はタイの国民感情としてどうしても納得できないので、何とかこれをもらえるような形で解決してもらいたいと要請して参りました。
 政府といたしましては、本件がいつまでも身近なアジアの友邦であるタイとの間の係争問題となっていることは、日・タイ両国関係より見て好ましいことではないと考え、かたがた、タイがわが国東南アジア貿易及び企業進出の上から枢要な役割を果たしていること等を慎重考慮の結果、昨年十一月池田総理大臣の訪タイの際、サリット首相との会談において、九十六億円を八年間に分割してタイに支払い、タイ側はこの金をもって日本の生産物及び日本人の役務の調達に充てるという方式で本件の解決をはかるという原則に意見の一致を見るに至り、その後、右の原則に基づいて両政府間で協定締結交渉が行なわれた結果、本年一月三十一日、バンコックにおいて大江大使とタナット・コーマン外務大臣との間でこの協定の署名及び合意議事録のイニシアルが行なわれたのであります。
 今般署名されました協定は、昭和三十年の協定の第二条九十六億円の経済協力に関する規定及び第四条経済協力実施のための合同委員会に関する規定にかわる新しい協定であります。この協定により、日本政府が毎年十億円ずつ七年間、第八年目に二十六億円をタイ政府の指定にかかる日本並びにタイの外国為替公認銀行に設けられる特別勘定に支払い、タイ政府がそのうちより日本国の生産物及び日本人の役務の調達を行なう方式並びに手続が定められ、また、前記合同委員会は廃止されることになりましたが、日・タイ両国政府は本協定実施のため相互に緊密に連絡をとることになっております。
 なお、タイ政府は、毎年すみやかに調達契約を締結かつ実施して、特別勘定の残高を最小限度にとどめ、かつ、利子等の生ずる余地をきわめて少なくする意向であることを明らかにいたしております。
 政府としましては、本件が解決されれば、日・タイ両国の友好関係は飛躍的に増進されることと確信するとともに、今後ますますアジア外交を積極的に推進するよう努力する所存であります。
 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
 次に、国際民間航空条約の改正に関する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 この議定書は、昨年六月二十一日に国際民間航空機関の第十三回総会で採択されたものでありまして、同機関の理事会の構成員の数を現在の二十一から二十七に増加するために、国際民間航空条約の規定を改正することを目的とするものであります。
 わが国は、一九五三年に右条約を批准することによって同機関の加盟国となり、さらに、一九五六年からはその理事国の一つに選ばれて活躍しているところでありますが、近年の新生国数の増加に伴うICAO加盟国数の激増及び他の諸国際機関の理事国数増加の傾向にかんがみ、この改正はきわめて望ましいものと考えます。
 この議定書は、五十六カ国のICAO加盟国の批准によって効力が生ずることとなっておりますところ、議定書採択の際の総会において、ICAOの全加盟国ができる限りすみやかに批准することを勧告する旨の決議が行なわれた事情もあり、おそくとも本年八月のICAO総会までには前記の数の批准が得られるものと考えます。
 よって、ここにこの議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
 次に、日本国とアルゼンティン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国とアルゼンチンとの間には、明治三十一年に署名されました修好通商航海条約がありまして、戦後復活されておりますが、国際通貨基金協定やガットとの関連規定が欠けているのみならず、戦後の両国間の通商関係の拡大発展に伴い諸般の待遇保障の改善充実をはかる必要があると認められましたので、かねてより新通商航海条約の締結の申し入れを行ない、昨年を通じて主として東京において交渉を行ない、同年十二月にフロンディシ・アルゼンチン大統領が訪日の際条約案文につき両国政府間で最終的合意に達したので、十二月二十日に私とカルカノ・アルゼンチン外務大臣との間で本件条約及び議定書の署名調印が行なわれた次第であります。
 この条約は、待遇保障の拡充を目的として、滞在、居住、身体の保護、財産の公用収用、裁判権及び課税の各事項については内国民待遇及び最恵国待遇を規定し、また、入国、事業活動及び自由職業の遂行、関税、為替管理については最恵国待遇とし、さらに、海運については最恵国待遇及び部分的な内国民待遇等を規定しております。このように、本条約は現行の修好通商航海条約に比べて内国民待遇を広範に及ぼしているほか、IMF及びガットとの関係を明記し、さらに、商事仲裁、技術交流等についても新しく規定を設けております。この条約の締結により、わが国とアルゼンチンとの間の友好、通商及び海運関係は、さらに一そう安定した基礎の上に置かれるものと期待されます。
 よって、この条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
    ―――――――――――――
○森下委員長 岡田君。
○岡田(春)委員 ちょっと条約の国会提案について二、三大臣に伺っておきたいと思いますが、前回の外務委員会の理事会において、われわれ第四十国会提出予定条約の外務省の発行したこのメモをいただいておりますが、これによりますと、簡単に申し上げますが、日本国とオーストリア共和国との二重課税回避のための条約、これは昨年の十二月二十日すでに署名済みになっておるわけです。ですから、これは当然国会に提出されることになっておって、外務省の予定としては二月の上旬に提出することになっております。しかし、これはいまだに提案になっておりませんが、この関係はどうなっておるのか。もう一つは、国連特権免除条約並びに専門機関特権免除条約、もう一つは、IAEA特権免除条約、これはそれぞれすでに国連総会において承認をされておりまして、あらためてこれは署名が不必要であります。従いまして、これについて国会の承認を要するとするならば、当然直ちに国会に提案をすることが必要であると私たちは思いますが、これらの条約はいつごろ提案をされるのか。私たちから申しますと、この前に外務省が提出をいたしました資料等から見れば、当然きょう一緒に御提案になるものと考えておりましたが、いまだに御提案にならない理由、そしていつごろ御提出になるか、その他の点についてちょっと伺っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 条約関係のことでごさいますので、条約局長から申し上げます。
○中川政府委員 岡田先生から御指摘になりました第一の条約、オーストリアとの税に関する条約でございますが、これは、御指摘のように、実は、もう調印済みでございます。条約自体としては国会が再開いたしましたあとすぐにでも実は出したいのでございますが、この条約にうらはらになります日本の国内税法の改正案、これの方を実は御一緒に出さないと平仄が合いませんので、その方が大蔵省の事務的な都合でちょっとおくれております。二月下旬にはその方も出せますので、それと御一緒に出して一つ御審議を願いたいと思っておる次第でございます。
 なお、あとの国連関係の特権免除に関する条約でございますが、これは、国連加盟国の相当の国がすでに入りまして動いている条約でございます。日本は、おくれて国連に加盟した関係上、今まで実は入っていないのでございますが、ぜひこれに一日も早く入りたいということで、国内的にこの調整をしておるわけでございます。問題は、特権免除で税が免除になる点があるわけでありますが、税の免除につきまして、実は大蔵省で一、二点この条約がきめている通りのことを実施することにちょっと疑点が今まであったためにおくれているのでございます。ほとんどこの問題も片づきかけまして、うまくいけばこの国会にお出しできるというつもりで、実は表に載っているのでございます。今非常にうまくいっておりますから、できるだけお出しして御承認を得たいと思って準備いたしております。
○岡田(春)委員 大体わかりましたけれども、そうすると、第一の方の条約は大体二月下旬、あとの方はまだ時期は未定、そういうことでありますか。
○中川政府委員 あとの国連特権免除の条約も、うまくいけば二月の下旬にはお出しできると思いますが、これは実は最終的に大蔵省と意見の一致したところまでいっておりませんので、はっきりしたことは実は申しかねる状況であります。できるだけ早く出したい、かように考えております。
○岡田(春)委員 これはあとで理事会でもわれわれ御相談をしたいと思っておりますが、今度の国会は相当期限が制約をされておりますので、国会の終了面前に条約をお出しになって、何とかしてくれ、こうお話しになっても、われわれは残念ながら審議の上で審議未了にせざるを得ない場合もありますから、われわれの希望としては、二月中にはこういう条約はすべてお出しになる、もしお出しになれないならば、今国会では提出をあきらめるというようなおつもりで準備をしていただきたいと思います。
 それから、もう一点は、先ほど、国内法の問題があるので、こういうお話ですが、国内法の関係は、これは、御承知のように、大蔵省の関係ならば大蔵委員会、たとえば所得税の関係ということになって参りますので、必ず法律と条約を結びつけなければ一緒に出せないというものではないと思う。やはり、ある程度の見通しがおつきになれば、法律の方は法律の方でお出しになっても、条約は早くとっておくというような形の方がむしろいいのではないか。これは、今まで外務省の例を見ておりますと、あなたの方では、相当お急ぎになるようなものは、国内の法律というものはさておき、先に通してしまうというような場合もなかったことはないはずです。ですから、こういう点は、条約はできるだけ早くお出しになって、審議の過程の中で向こうの法律が出てくるならば、その法律との見合いにおいてきめていくというようにした方が、国際的に署名をしましたものでありますから、あるいはこれは否決になるかもしれませんけれども、否決にならないで通過するような場合においては、やはり早く審議にかけておくというように特に私たちは希望しておきたいと思います。
 先ほどのお話のように、二月中にすべての条約をお出しになるということであるならば、一応ここでその点私たちの希望をお聞きの上で、一つあなたの方のお考えをもう一度伺っておきたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○中川政府委員 岡田先生のただいまおっしゃいましたことは、われわれ全く同感でございます。この国会は終わりが非常に限定されておるということもよく承知しておりますので、二月中に出すべきものは二月中にはぜひ出したいと思っております。なお、国内法との関連も、岡田先年のおっしゃったこととわれわれも実は同感の点が多いのでございまして、大蔵省で必ず出すというめどがつけば、条約の方を先に出すということはさしつかえないのじゃないかと思っております。大蔵省とよく打ち合わせました上に、できるだけそういうふうな措置をとりたいと思っております。
○岡田(春)委員 もうこれでいいのですが、しつこくなるようですけれども、どうせ条約の提案その他については理事会でいろいろ相談をいたしますが、われわれ社会党としては、二月中にお出しにならなければ、あと三月にかかってからお出しになった場合は、あなたの方は審議未了になるという覚悟をしておいていただいた方がいいと思いますので、きょうの私の質問はむしろ外務省にきわめて協力的な質問でございますから、あなたの方も十分お考えをいただきまして、二月中にお出しになることを強く要望いたしまして、私の質問を終わっておきます。
○森下委員長 ただいま提案の理由を聴取いたしました四件に対する質疑は後日にこれを行なうことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時七分散会