第040回国会 外務委員会 第23号
昭和三十七年四月十三日(金曜日)
   午前十時四十分開議
 出席委員
   委員長 森下 國雄君
   理事 北澤 直吉君 理事 福田 篤泰君
   理事 古川 丈吉君 理事 松本 俊一君
   理事 岡田 春夫君 理事 森島 守人君
      安藤  覺君    池田 清志君
      宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君
      正示啓次郎君    竹山祐太郎君
      床次 徳二君    加藤 勘十君
      黒田 壽男君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細迫 兼光君
      松本 七郎君    井堀 繁男君
      川上 貫一君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 小坂善太郎君
 出席政府委員
        総理府総務長官 小平 久雄君
        総理府事務官
        (特別地域連絡
        局長)     大竹 民渉君
        外務政務次官  川村善八郎君
        外務事務官
        (アメリカ局
        長)      安藤 吉光君
        外務事務官
        (欧亜局長)  法眼 晋作君
        外務事務官
        (条約局長)  中川  融君
        外務事務官
        (条約局外務参
        事官)     須之部量三君
        運輸事務官
        (航空局長)  今井 榮文君
 委員外の出席者
        防衛庁書記官
        (防衛局第二課
        長)      鈴木 光一君
        運輸事務官
        (航空局監理部
        長)      栃内 一彦君
        専  門  員 豊田  薫君
    ―――――――――――――
四月十二日
 委員本島百合子君辞任につき、その補欠として
 佐々木良作君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
 委員佐々木良作君辞任につき、その補欠として
 井堀繁男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国際民間航空条約の改正に関する議定書の締結
 について承認を求めるの件(条約第三号)
 航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の
 協定の締結について承認を求めるの件(条約第
 五号)(参議院送付)
 航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協
 定の締結について承認を求めるの件(条約第六
 号)(参議院送付)
 航空業務に関する日本国とインドネシア共和国
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (条約第七号)(参議院送付)
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
○森下委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢に関する件について調査を進めます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。加藤勘十君。
○加藤(勘)委員 長官がおいでになりませんから、局長に主としてお伺いしますが、一昨日も大体主要なる点については聞きましたけれども、一昨日申しましたように、島民が生活に困って銀行から金を借りておるのが現実なんですね。それについて、政府から銀行に対して、連盟に金を貸してやれということを通達しておられるのかどうか、その点まずお伺いしたい。
○大竹政府委員 従来、小笠原連盟というのがございまして、これは小笠原の人たちが島に帰りたいということからまとまった団体でございますが、いろいろ生活上の問題でめんどうを見ておりまして、年末などにはそれぞれの融資などを連盟を通じて行なっておるわけでございます。連盟としては、別に資金を持っておりませんので、いずれ近いうちにアメリカから金をもらえるだろうということを当てにして銀行から金を借りておるということでございます。そういう際に、政府といたしましては、あっせんと申しますか、銀行に事情を話しまして、なるべく関係者の希望がかないますように、仲立ちと申しますか、別に保証をするというふうなことはもちろんできないわけでございますが、アメリカとの関係などを説明いたしまして、連盟の希望が実現できますように仲立ちをして参っております。そういうことを今まで何度かやっております。
○加藤(勘)委員 率直に言うと、結局、政府としては、連盟というものは別に金を持っている団体じゃないから、島民が困っておるから、連盟が島民の世話をするのに金がなくては困るから、銀行に金を貸してやるようにというあっせんをされた、こういうことであって、金を貸してやれという公式な通達というものじゃないのですね。
○大竹政府委員 政府といたしましては、別に担保も出してというふうな問題ではございません。貸してやれというふうな命令もできる立場にはないわけでございます。両者の間に立ちまして、いわばあっせんをしたという形であります。
○加藤(勘)委員 その金が正当に使われておるかどうかということは調べてみなければわからぬことであると思いまするが、少なくとも、連盟から公表されておる経理というものは、私はきわめて粗雑なものであると思います。これによって見ても、どうも得心のいかないものがたくさんあるのです。連盟は、御承知のように、全くの任意団体であって、法的根拠も何にも持っていない。そういう団体にあっせんをされる場合に、政府はもしその償還が不可能であるという場合には責任をお持ちになる決意であっせんをなすったのか、どうでしょうか。
  〔委員長退席、福田(篤)委員長代理着席〕
○大竹政府委員 連盟は、今お話しになりましたような任意団体でございまして、政府の監督を受けるというふうな立場にはないわけでございます。私どもといたしましても、予算や決算を提出してもらってそれを許可、認可するというふうな立場にはないわけでございまして、全くの任意団体でございます。そういうふうなものに対しまして、別に担保を提供して命令をしたわけではございませんが、ただいまのように、金を貸すことについてあっせんをしておるわけであります。そういう点につきまして、私どもも、正式に連盟に対しましてこうしなさいああしなさいというような指図がましいことはできないわけでございますけれども、会員相互の間に十分理解を経た経理をしてもらいたい、こういうことは絶えず指導しておるわけでございます。連盟の会員の一部から、連盟の経理が非常にずさんであるというような話も私どももときに聞いております。幹部の人たちのそういう批判があるということは全く遺憾なことであるわけでありますから、だれでも十分に連関の経理内容がわかって納得できるような経理をしてもらいたい、正式な手続を踏みましてやってもらいたいということをしばしば繰り返して申し上げておるわけでございます。今回、この金の配分にあたりましては、銀行から借りておる金の返済というような問題もからんでくるわけでありまして、銀行にも迷惑をかけるということはできないわけでございます。それらの問題も十分に注意いたしまして配分に当たっていきたいと思っております。
○加藤(勘)委員 任意団体でありますから、政府に法的な監督権はないことはよくわかります。しかし、それにしても、二十九年には、政府から、処理金と称しますか、見舞金といいますか、そういうものを出され、さらに、三十年、三十一年には、政府から、将来アメリカからもらえたならば返してもらうという条件付ではあるが、ともかくも一億四千万円という金が出されておる。そういう政府の金が出されておる団体でありますから、たとい法的に監督権はないにしましても、私は、少なくともその経理については、非公式であろうとも、厳密に何らかの形において政府の手の及ぶような仕組みになっておらなければならないと思います。そういう点において、今おっしゃるように遺憾な点があるということをお認めになっていらっしゃるようですが、連盟から出しました昭和三十年七月一日から三十六年六月三十日現在という収支計算書が公表されておりますが、これはごらんになったことございますか。
○大竹政府委員 最近私どもも手に入れて見ております。
○加藤(勘)委員 これをごらんになってどうお感じになったかしらぬが、それは、そういう団体の収支計算書としてはあまりにもずさんであり、疎漏であり、ほとんど話にならぬと思うのですが、こういうものをごらんになっても、政府としては、ただごらんになるだけで、これについてものを言われる法的な立場はないかもしれぬが、事実上何もないのですか。何もおっしゃっていないのですか。
○大竹政府委員 この報告は、私ども法的な立場で求めたものではないのでございまして、先ほど加藤先生も御指摘なさいましたように、過般政府が出しました見舞金あるいは連盟を通じまして会員が前借りをした金、こういうふうなものを今回の配分につきましてどういうふうに反映させてうまく処置していくかという必要がありまして、出していただいたということでございます。これは、また、私ども聞いておりますところでは、正式に連盟の機関にはかって、連盟の会員の正式な承認を得て、これが正式なものであるという意味で出していただいたものではない。そこまでの、手続を経たものとして私どもはまた受け取っておらぬわけでございます。先ほど申し上げましたように、ちょうど加藤先生と同じような意味合いをもちまして、私ども、早くから、十分な経理状況を教えてもらいたい、それがためには連盟内部で各会員の了承を得たはっきりした予算や決算を作ってもらいたいということを、ここずいぶん長い間にわたりましてたびたび言っておるわけであります。その結果この数字がまとまってきたということでございます。しかし、なお今申しましたような数字でしかないということでございまして、私どもといたしましてはこれの細部についてとやかく指図することは差し控えたいと思いますが、私どもが見ましてもなお数字が十分に納得できぬような点もあるわけでございます。それらの点につきましては、さらに連盟として十分会員の了承を得たものを作ってもらいたい、こういう点を重ねて申しておるわけであります。
○加藤(勘)委員 聞くところによりますと、この計算書なるものは、連盟の帳簿が全部幹部の疑惑に関連して家宅に、会計事務をやっておったという個人の記憶のメモをたよりとして作成されたものであるということを聞いておるわけです。正確なものはもちろん帳簿に基づかなければならぬと思いますが、その帳簿は今日なお警視庁に持ち去られたままであるわけなのですか。しかし、事件は一向進展していないように聞いておるのですが、あなたの方では、この取り調べの進捗状況がどの程度に進んで、帳簿はいつごろ返されるという見込みがあるかどうかということを、警視庁の方からでも、検察当局の方からでもお聞きになったことがございますかどうか。
○大竹政府委員 連盟の幹部の肩書きを持っております者が取り調べを受けまして、それに関連いたしまして、ただいまお話にございましたように、小笠原連盟の書類、帳簿が警察に持っていかれておるという現状でございまして、その事件の内容がどういうふうなものであるか、あるいは小笠原連盟とどういうふうに関係しているものであるかというようなことは、私どもよく承知をいたしておりません。これは今後取り調べの結果によってわかってくると思うのでございます。ただ、書類、帳簿が現在連盟の手元にないという不自由な点があるわけであります。この点につきましては、警察側にも私ども希望を申し入れまして、警察といたしましては、関係者が必要であればいつ何どきでも自分の手元にある書類、帳簿を見せてけっこうであるというふうにはっきり言っているわけでございます。そういう点、私ども連盟の幹部の側にも取り次ぎまして、ここ相当長い期間になっておりますけれども、連盟の方で必要とすれば警察側としてはいつでも見せるということを言っております。
○加藤(勘)委員 なぜ私がこのことをお尋ねするかというと、今度の配分に関係してくると思うのです。言うまでもなく、これには三十年以後になっておりまするが、三十年以前でも、要するに、島民の帰島の問題、あるいはこういう性質の金を受け取るについて納得されるような努力をなさったための必要経費であるとするならば、これは島民全体が負担しなければならぬことは当然だと思うのです。ところが、もしこれが、不正というか不当というか、そういうことに連盟の幹部が独断的に使っておるとするならば、それは島民の負担すべきものではないのですから、そういう点を明らかにする必要がありまするので、この点は事が金銭に関する問題であるだけに正確を期したい、こういう点からこれらの点をお尋ねするわけですが、今おっしゃるように、帳簿が持ち去られてしまっておって、事実上こまかいところを計算する根拠がない。しかし、もし連盟の幹部あるいはこの配分に関連して関係者がその必要な帳簿を見たいというならば警察当局が見せるというなら、それはやはり、何らかの方法によって、ただ単に連盟の幹部だけでなく、ことに疑惑を受けておる幹部では仕方がないのですが、われわれはそれ以上に疑惑をかけたくないと思いまするけれども、世間は疑惑をかけておるわけですから、そうでない人、――それらの直接の責任者もまじることは当然必要ですが、同時に、そういう直接の関係のない関係者も一緒に行って帳簿を検査するということを一つあなたの方で取り計らってもらいたいと思うが、それはようございますね。
○大竹政府委員 一部の連盟会員の方方がそういう疑惑を持っておられるということを私ども聞いて知っております。また、今仰せにございましたように、従来の連盟経費がどういうふうに使われておるか、今後またこの経費は当然会員の方々に負担していただかなければならない種類の金でございましょうから、私どもといたしましても、そういう点は、しばしば御同様の趣旨をもちまして連盟幹部には注意を促しておるわけであります。ただいまお話しのように、書類、帳簿を関係者が見たいというような問題がございますれば、私どもといたしましても、実現できますようになるべくごあっせんを申し上げたいというふうに考えます。
○加藤(勘)委員 それでは、帳簿を、一応どういう範囲か関係者の間で協議をして、その関係者によって警視庁について調べる。そうしないと、これはひとり連盟の会員ばかりではない。この金の配分を受ける人は、連盟の会員であろうとなかろうと、今まで使われた費用というものの正当なものは当然これは負担しなければならぬと私は思うのです。そういう意味において、ひとり連盟関係ばかりでなく、連盟以外の人といえども当然利害関係がありまするから、それらの人をも加えて一つ早急にあなたの方であっせんして帳簿を調べることができる手だてを講じてもらいたい、こう思いますが、その点はいつごろどうやってやってもらえますか。
○大竹政府委員 ただいまここで初めてそういうことを伺ったおけでございます。警察の方ではいつでも必要な関係者に見せたいというふうに言っておりましたけれども、なお、どういうふうな方面にどういうふうな御希望がございますかよく承りまして、私どもも配分を急いでおるわけでございますから、なるべく早い時期にそういうことが実現できますようにやって参りたいと思います。その書類、帳簿を関係者が弊視庁に行って見たい、こういうお話はただいま加藤先生から初めて伺ったということでございまして、そういう御希望が前からある、警視庁に行って見たいということでなしに、書類、帳簿をはっきり確かめたいという御希望がかねてからあるということは前から承知いたしております。
○加藤(勘)委員 それでは、経理の問題につきましては帳簿を見た後に譲ることにしまして、一昨日の私の質問で、大体要点についてお答えもあり、そして、そのお答えの中には、交換公文には講和条約発効後とあるけれども、小笠原島民の現状等経過にかんがみて昭和十九年の強制立ちのきの当時を基準とする、こういうことが明確にざれたわけでありますが、その昭和十九年三月の強制立ちのきのときの島民の現状については、これは東京都に戸籍役場があるわけですから、その戸籍役場についてごらんになれば、調査なんというめんどうなことをしなくともわかっておるはずと思いますが、発表された書類を見ると、いろいろの面でそのときの世帯構成の員数等の数字が違うのですね。だから、どれが正式であるか。これは南方同胞援護会の発表されたもので、ここに断わり書きしてあるように、帰郷促進連盟に委嘱して帰郷促進連盟が調査したものだ、こういうことになっておりまするが、これによると、総世帯数が千七百十世帯、人員が七千四十五人、こういうことになっておりますが、この数字が間違いないのかどうか。もちろん、これには、ここにも断わり書きがしてありますように、昭和十九年小笠原島から疎開した純島民について調査したもので、左記の者は含まれていないということで、(イ)軍官の工事に従事するためあるいは旅行等のため一時的に渡島しておった者、(ロ)軍人軍属、官公吏、学校教員等、(ハ)内地に本社のある会社の従業員、こういう三つの条件の人は島民という中には入っていないということ。それから、世帯の数は次の基準によって定めたとなっておりまして、(イ)疎開当時の世帯、(ロ)疎開当時の世帯員が結婚、離婚等により旧世帯より分離した世帯、ただし女子が内地人に嫁入って形成された世帯は除く、こうなっておる。そして、(3)として、疎開当時入営中の者、内地に遊学中の者、内地旅行中の者等で当然島に帰るべき者を含むとなっておる。こういうように、島民としての世帯の中で除外されるものと含まれるものとが明確に区分されているわけであります。これはおそらく戸籍役場について調べたのだろうと思いますが、発表した他の文書によりますとまた違った数字が出ているが、これを基準と見てよろしいかどうか、これをあなたの方ではどれくらいに見ていらっしゃるか。
○大竹政府委員 私の承知しております数字は、やはり当時の戸籍役場から割り出した数字でございますけれども、引揚世帯といたしましては大体千三百三十何世帯でございます。ちょっと正確を欠くかと思いますが、千三百三十何世帯であったと思います。それから、人数といたしましては七千七百何人。ちょっと最後の数字は記憶しておりませんが、引揚者の人数は七千七百何人。その中には、ただいまお話しになりました一時的な滞在者というのも入るというふうに私どもはあれしております。
○加藤(勘)委員 そうしますと、政府の方で見ておいでになる人員は、一時的滞在者というか、滞留者というか、渡島者というか、そういうものも含まれておっての数字である、こういう御見解ですね。
○大竹政府委員 ただいま申しました数字の中には一時滞在者のようなものも含んでおります。しかし、現実に六百ドルを配分いたします際に、そういったきわめて短期間の滞在者というものが配分の対象になるかどうか、これはまた別問題でございます。
○加藤(勘)委員 これによればそれは除くということになっているが、政府の方ではまだはっきりわからない、こういう御見解のようです。われわれは、島に居住しておって、島に祖先の墳墓を持ち、そうして島に居住するという希望者で強制的に疎開させられた者という見解が妥当だと思いますが、ここにあるように、軍の工事に従うために一時的に渡っておってそこに世帯を構成しておったような者もないとは言えないと思いますが、そういうものもこの同胞援護会の発表した数字の中には含まれているらしい。今あなたのおっしゃった千三百三十何世帯とは約四百近い世帯の違いがあります。これはあなたの方が正確であろうと思いますが、いずれにしても、こういうものは、戸籍簿は焼けていないわけですから、東京都の戸籍役場について調べればわかるはずです。今でもまだ小笠原関係の戸籍帳簿なんかそのまま現存しているわけですから、容易に調べられると思います。そのほか内地に渡ってから行方不明になったような人々もないとは限らないと思います。そういう行方、不明になったと思われるような人は調査ができておりませんか、どうでしょうか。
○大竹政府委員 同胞援護会の今そこに書いてあります世帯の数と私が申し上げました世帯の数が四百世帯ほど違っているようであります。それは、小笠原から帰って来ましたあとで嫁取り婿取りというようなことがございまして、世帯がだんだん分かれてくるというようなことで、とらえ方の時期の問題で違ってきたのではなかろうかと思われます。行方不明になっているような人がないかということでございますが、私ども漏れがないように極力努力いたしているわけでございまして、今のところ、私どもが予想いたしております数字と洗い出しております数字とは若干違っております。小さい局でございまして、長年の間住んでおった人たちの消息というものはお互いにわかっているわけでありまして、そういう不明者は、おそらく、非常に短期間向こうに渡って労務に従事しておったというふうな、いわば、先ほどお話しになりましたように、必ずしも旧来の小笠原人という範囲の外にある人ではなかろうかというふうに一応は推測をしておりますけれども、なお、しかし、それらの人の消息をはっきり洗い出すということに今まだ引き続いて努力はいたしております。
○加藤(勘)委員 それから、この強制疎開を受けた当時に、これは一昨日もちょっとお伺いしたのですが、沖縄に戸籍のある三十世帯と、朝鮮の人、――これはその当時は当然日本の国籍ですが、朝鮮の方の世帯が三世帯あったわけでして、その後朝鮮の人々は独立国の朝鮮の国籍をとられて日本でなくなったわけですが、強制疎開当時の基準によるということになると、この三世帯も日本に国籍のあった人だと思うのです。これは数も非常にわずかではありますけれども、やはり除外すべきではなくて、今日は事情が変わって朝鮮国という独立国の国籍を持っておられるけれども、そのときは一本の国籍であるし、その妻の立場にある人は日本人であるし、小笠原に居住しておった人なのだから、当然日本人と同様に扱っていいのじゃないかと思うが、この点に対してはどういうようなお考えでしょうか。
○大竹政府委員 ただいまお話しのような見解も当然あり得るわけでございますが、外務省として、あるいは政府としてアメリカにかけ合いましてこの金を持ってきた。これは日本国民の生活を擁護するという見地でおやりになりましたことは当然でございまして、でき上がりました交換公文の中には、日本国民であってかつて小笠原に居住した者の利益を、こういうことが断わって書かれておるわけであります。私ども、いわば、今度の配分につきましての憲法といいますと、この交換公文をもとにするわけでございます。従いまして、先日申し上げましたように、私どもの方として、ただいまのところでは、非常にお気の毒ではございますけれども、一応日本の国籍を持っておる者を対象としたいというふうに考えております。
○加藤(勘)委員 なるほど、交換公文にはそういうように書いてございます。従って、交換公文によるべきものであるということは間違いがございませんけれども、その三世帯の朝鮮国籍の人々も現在は日本に住んでおられるわけですね。引き揚げてきて以来ずっと日本に住んでおられるわけなんです。朝鮮に帰ってしまったというならばこれは別問題ですけれども、おられるのだから、もし島民の他の配分を受ける人々が承諾をされるならば、数が非常に少ないから、形はどういう形になるかわからぬが、見舞金とかなんとかいう形で配分にあずからしてもいいのじゃないか、こう思いますが、そういう便宜の措置を講ずるということについて、どういうようにお考えになっていらっしゃいますか。
○大竹政府委員 この実際の配分につきましては、またいろいろの問題があると思います。帰ってきて後に死んでおられる方、あるいは小笠原にあります不動産をこっちへ帰ってこられましてから事実上売買をしておられるというふうな方もございます。そういうふうな関連して起こりますいろいろな問題があると思うのでございますが、私がただいま申し上げましたのも、私ども担当しております者として今考えておることを申し上げておるわけでございます。最後の決定までには、これは関係の各省の連絡会議を設けております。あるいはまた、島民の関係者の方々は、何人かの代表をお選びになりまして、その方々に一任しようというふうな体制もでき上がっておるわけでございまして、私どもといたしましては、最後の仕上げをいたしますまでの間には、そういった関係各方面の御意見も十分伺いまして解決したいというふうに考えております。
○加藤(勘)委員 それも一つ研究要項として保留しておいてもらって、次にお尋ねしたいことは、従来、いわゆる三団体、帰郷促進連盟と土地所有者委員会と農業同志会、この三つの団体ということになっておったようでありますが、この配分については三つの団体の間の意見も一致しない。さらに、帰郷連盟の状態は、一昨日も申しましたように、幹部に対する不信等から、分離した協議会といわれる新しい結成ができた、こういうようになっておりまして、これらの間の意見が不統一である。政府は、アメリカからの金を配分する前に、その保存の方法について、政府の手で保管するか、市中銀行に預託して利子をとるようにするか、こういうことで、島民の多くの諸君から委任状をとられて、その三団体の代表者にその点についての配慮は一任する、こういうことになっておりましたが、その後委任状の取り消し等も行なわれ、さらに、三団体の間の意見も一致せず、新しく生まれた島民協議会の意見もまたそこに加えられて、このままでいきますと、ここに福田君もおいでになりますが、福田君も前から非常なお世話をなさって御苦労をなさいましたお一人です。また、連盟の代表的な委任を受けられる側に立っておられる方で、私どもも福田君の努力に対しては少なからず敬意を表しておりますけれども、今申しますように、三つ、四つの団体の意見がなかなか合致しない。こういう状態でいつまでも何とかして意見のまとまるまでというようなことで待っておりますと、いつのことかわからないと思うのです。いつのことかわからぬといってただそのままで過ごせば何でもありませんけれども、最近、聞くところによりますと、銀行は、自分のところに相当巨額の金が預金されておる、いずれこの金が配分をされるであろう、その配分をされるということを見込んで金を貸しつけておるのですね。また、島民も、苦しいからその金を借りるのです。借りると、預金利子のおよそ倍もしくはそれ以上に高い金利で、タコが自分の足を食うように、金利に食われてしまう。こういうことになって、配分がおくれればおくれるほど、島民は、結局金利に食われてしまって、いよいよ具体的に配分を受ける時分には、手に取るものはほとんどあるかなしかのごときものになってしまう。こういうおそれが、一部の人の間ですけれども、最近特にひどくなったように聞いておるわけなんです。こういう事柄を総合しますと、これは、アメリカの交換公文の趣旨によれば、政府が配分についてはまかされておるという形になっております。政府としては、島民に対する親切心から、できるだけ島民の代表である幾つかの団体の意見の一致を待つ、これは親切心から出たことであるには違いありませんけれども、その親切心が逆効果になって、いつまでも時間が延びるということによって、結果においてはかえって島民を苦しめる、こういうことになってしまうわけであります。ある時期においては、私は、もしどうしてもまとまらぬということであるならば、政府は交換公文の趣旨にのっとって政府の手で配分を決定されなければならない時期がくるのではないかと思いますが、そういう点についてはどういうようにお考えになっていらっしゃいますか。
○大竹政府委員 お説の通りでございまして、私どもも、一日も早く配分を急ぎたいということで、みな待っておられるわけでございますから、そういうふうに考えております。最近になりまして、三団体の側あるいは四団体の側でも、自分たちの間ではなかなか話がつかないから、この際政府がやってもらいたいというふうな意見も出ているわけでございまして、私ども、近くなるべく早い時期にさらに具体的な案を示しましてやっていきたいというふうに考えております。ただ、これは、政府が案を示しました場合に、さらに各団体の間で多くの異論が出るということになりますと、最終的な立案者というものがなくなってしまうというようなことにもなるわけでございまして、そういう関係から、私どもといたしましては、政府が最終的な案を示します前に、できるだけ、各団体にどういう御希望があるか、どういうふうに折り合いがつけられるかという点を見たいというふうに考えてやってきたわけでございますが、なかなかそうもいかない事情があるようでございますから、いつまでもこのままでほうっておくことはできないわけでございます。政府の案というふうなものも追い追い示していきたい、近いうちにやっていきたいというふうに考えております。
○加藤(勘)委員 そうしますと、大体政府の方でもわれわれと似たような考え方を持っていらっしゃるようですが、ほぼ、政府としての素案といいますか、原案のもとになるようなものを四団体の代表に内示してその意向をお聞きになって、――それは単なる参考にお聞きになるのであるから、私は必ずしもそれらの意見をみないれなければならぬとは思いませんけれども、配分案が明らかにされたときに、これは公平であった、これは不公平であった、こういうことがおのずから生まれてくるわけですから、公表されたときになるほどこれならばすべてのものの上から言って公平だと思われるような案が素案として一つ示されて、一応内意を聞いてごらんになったらどうか。それをもしおやりになるとすれば、ほぼいつごろのおつもりであるか、これも聞かしてもらいたいと思います。
○大竹政府委員 ただいまおっしゃいましたような方法でやってみたいというふうに考えております。時期といたしましては、ほぼ私どものあらましの作業を終わりかかっておりますので、そう長い先のことではないというふうに考えます。
○加藤(勘)委員 長いことでないというて、およそいつごろの腹づもりでいらっしゃるか。
○大竹政府委員 今月の末あたりにはやってみたいと思います。
○加藤(勘)委員 もっといろいろお尋ねしたいことがあるのですけれども、そういう案が示されるというときになってかれこれ文句を言っても仕方がないと思います。ここに福田君もおられますが、福田君も従来の責任上背を向けてしまうわけにはいかぬと思う。これは委員長の立場でなく同僚の立場として言うのですけれども、背を向けられるのでなくて、積極的に乗り出してもらわなければならぬと思います。
 そこで、長官に伺いますが、今までお留守中に局長からいろいろお伺いいたしました。私も決してこの問題を一党一派にとらわれた立場で問題にしているわけではなく、数はわずかであるけれども、ほんとうに小笠原島民の気の毒な立場、それから、毛のを合理的に処理しなければならぬという立場からお尋ねしたわけなんです。長官としては、まことにうるさいことであろうけれども、これはぜひ一つ今局長が言われたような趣旨に基づいて責任を持ってこの処理に当たっていただきたい。今言う通り、延びれば延びるだけ結局苦しんでいる島民がなお苦しむことになるのですから、時間はできるだけ早い期間にやっていただく、そうして、およその期間がこの月末であるということでありますから、弔うそれをかれこれ言っても仕方がないと思いますから、ぜひ一つ責任を持ってやっていただきたいと思います。
○小平政府委員 小笠原島民の方々のアメリカから受けられた六百万ドルの配分につきましては、昨日も申し上げました通り、これを現在のような状態に置くということは、私どももむしろきわめて不本意なんでありまして、なるべく早く配分をいたしたい、もともとさように考えており、ただいま先生のお話の通り、われわれとしましても、極力努力をいたしまして、一日も早く、また、なるべく公正にこの配分が行なわれるように努力をいたすべく考えております。
○加藤(勘)委員 総務長官から今のお言葉を聞いて、島民はそれに期待して待っていると思います。
 小坂さんに、あなたは何といったって交換公文の交換をした外務大臣としての質任者でありますから、これがあまりに不公平になるということはないと思いますけれども、世間が見て得心がいかぬようなものであると、どんなに貧乏で困っておっても、やはり一寸の虫にも五分の魂ということがありますから、貧乏人はまた貧乏人のように反発しないとも限らぬと思います。そういうことがないように私どもも島民諸君とは十分話し合いますけれども、今長官が言われたように、公正に処理されるということについて一つ共同の責任を持っていただきたいと思いますが、どうですか。
○小坂国務大臣 私ども外務省としましては、窓口としまして六百万ドルを受けて、そうして内閣にこれを渡してあるわけであります。私どもとしても、できるだけこの問題が公平にしかも敏速にそれぞれの方々に渡るように考えているのでありますが、だんだんのお話で、帰島連盟その他受益者団体の方においても、政府において原案を示して片をつけてもらいたいというような御希望のようでございますので、これが一日も早くしかも公平にそれぞれの手に渡ることを望んでおります。
     ――――◇―――――
○福田(篤)委員長代理 次に、航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の三件を一括議題といたします。
○福田(篤)委員長代理 政府側より提案理由の説明を聴取することにいたします。小坂外務大臣。
○小坂国務大臣 ただいま議題となりました航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を一括御説明いたします。
 これら三件の民間航空協定のうち、わが国とパキスタン及びわが国とイタリアとの間の協定につきましては、わが国の航空企業がかねてより、本年夏ごろの運航開始を目標としてカラチ、ローマ等を経由する南回り欧州線の開設を計画しておりましたので、政府は、昨年。パキスタン及びイタリア両国政府に対しそれぞれ協定締結交渉の申し入れを行ないましたところ、両国ともこれに同意して参りました。よって、パキスタンとは昨年四月にカラチで交渉を行ないました結果協定の案文について合意が成立いたしましたので、十月十七日に同地で協定の署名を行ない、また、イタリアとは昨年十月に東京で交渉を行ないました結果本年一月三十一日に東京で協定の署名を了した次第であります。
 次に、インドネシアとの間の協定につきましては、同国の航空企業がかねてより東京乗り入れの計画を有していましたため、一昨年末先方より協定締結交渉の申し入れがあり、他方わが国の航空企業もジャカルタヘの乗り入れを計画いたしておりましたので、政府は、この要請に応じ、昨年十一月からジャカルタにおいて、さらに本年一月東京において交渉を行なった結果合意が成立いたしましたので、一月二十三日に東京で協定の署名を行なった次第であります。
 これら三件の協定は、いずれも、わが国と相手国との間に民間航空業務を開設することを目的とし、業務の開始及び運営についての手続と条件を定めるとともに、それぞれの国の航空企業が業務を行なうことができる路線を定めているものでありまして、さきにわが国が締結した米国、英国、スイス、タイ、インド、ベルギー等との間の航空協定と形式においても内容においてもほとんど同一であります。これらの協定の締結により、わが国の航空企業と相手国である。パキスタン、イタリア及びインドネシアの航空企業とは、それぞれ同じ条件で相互に相手国領域への乗り入れを行なう権利を持つこととなるのみならず、わが国とこれら三国との間の政治上、経済上及び文化上の友好関係も一そう促進されることが期待されます。
 よって、ここにこれらの協定の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
○福田(篤)委員長代理 ただいま提案理由を聴取いたしました三条約並びに国際民間航空条約の改正に関する議定書の締結について承認を求めるの件を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。森島守人君。
○森島委員 ただいま御説明のありましたパキスタン、イタリア、インドネシア三国との間の航空協定について御質問をいたしたいと存じます。
 きょう説明がありましただけで、時間的の余裕がなく、十分検討する余裕を持っておりませんことは御承知の通りであります。しかし、御説明中にもありました通り、従来わが国が締結いたしました英、米その他の諸国との航空協定と内容においても形式においてもほぼ同様だというお話でございますので、ただいまから質問いたしたいと思います。
 内容にわたって質問をいたします前に一つ伺いたいのは、日本とソ連との航空協定締結の交渉がいかなる状態にありますか、大臣より御説明をいただきたいと思います。
○小坂国務大臣 大体、われわれ航空協定を結びます場合に、首都対首都ということを原則といたしておるのであります。従って、ソ連政府から昭和三十三年ハバロフスク・東京間の定期航空路の開設を基礎とする航空協定締結の交渉の申し入れがございました際、わが方は、一貫して、シベリア経由東京・モスクワ相互乗り入れということでなければ応じられないということを主張いたして参っておるのでございます。さような状況でございまして、要人が先方から見えました際にも、私自身からそういうようなことをお願いしたこともございますが、まだこの点については話が進んでおらない、こういう状況でございます。
○森島委員 話がついておらぬと申されますが、その間引き続いて交渉に当たっておられる次第でございますか。
○小坂国務大臣 さようでございます。折りに触れてはそういうことを言っておりますが、相互乗り入れという基本原則が合意されませんので、いまだ進捗せざる状況にあるかと思います。
○森島委員 大体の見通しもつきかねるというのが現在の状況だと考えますが、その通りでございますか。
○小坂国務大臣 大体さようでございます。
○森島委員 その次に私の伺いたいのは、日本から非常に近い距離にあるフィリピンとの間に航空協定の交渉が始まっておるかと思いますが、この成り行きについても御説明を願いたいと思います。
○中川政府委員 日比間におきましては、先般日比通商航海条約が調印されました際に、航空協定についてもお互いに相談しようという約束に実はなっておりますので、その後、最近に至りまして、フィリピン側から一つこの交渉をやりたいという申し入れが来ておるのでございます。日本側はまだ返事しておりませんが、そういう通商航海条約締結の際の約束もございますし、原則としては異存ないのでございまして、日本側の準備が整い次第事務当局間の話し合いが始まることになろうと考えております。
○森島委員 準備が整わぬだけならけっこうなのですが、新聞にも伝えられました通り、フィリピン政府の方から通商航海条約の再検討を求めるということが伝えられましたが、これに対して外務大臣はこれを断わるということを閣議で決定して、これを新聞に御公表になったのです。その後に大平官房長官が直ちにそれは取り消すというふうないきさつもあったようでございまして、私は先般もこれに触れたことがございますが、そういう関係が災いをしているのじゃないか。また、フィリピンからは土屋大使も非常に異常な形式で帰朝を命ぜられ、おやめになったといういきさつもありますが、こういうことが航空協定等にも及んでおるのじゃないか。これは私の思い過ぎかもしれませんが、その点も明らかにしていただけますればけっこうでございます。
○小坂国務大臣 その点は、別に御心配のようなことはないのでございます。少し時期の経過を見ていただけばすべて明らかになることでございます。
○森島委員 大使がやめられたのについても、御説明なき限り、私は説明を求めたいのですが、個人的な問題でもございますので、この際御質問することは差し控えたいと思います。
 そこで、私、伺いたいのは、日本でも各地に航空航路が開設せられて、非常に航空網が発展しますことは国民の一人として慶賀にたえませんが、はたしてこれに使うパイロット等についてはいかなる御計画で政府はお進めになっておるか、この点もお聞きしたいと思います。
○今井(榮)政府委員 パイロットの養成計画につきましては、御指摘の通り、国内、国際ともに最近非常に旅客需要が伸びてきました関係上、不足しておるという現状でございまして、運輸省としましても、昭和三十七年度の予算につきましては、乗員需給対策というものを航空関係では一番大きな課題として取り上げて参ったのでございます。現在の成立しました需給計画によりますと、航空大学校の卒業生が年間三十人、それから、防衛庁への委託養成がやはり年間三十人、それ以外に、防衛庁の現在の職員の中で民間航空に転職いたします者を年間五十名ないし六十名、さらに、民間の航空士の新人養成に二千万円の補助金を出すととにいたしまして、現在不足しております乗員につきましては、大体昭和四十年ごろには、今後の伸びを見てなおかつ需給が大体に見合うというふうな計画で今進んでおります。
○森島委員 私の知っておるところから申しますと、明治年間等におきましては、船長さんにしても、学校の先生にしても、相当外国人を雇っておって、外国に依存する程度が非常に高かったと思うのでございますが、現在日本の国際航空において、その程度はどれくらいのものでございますか。日本の航空士に依存しておる程度、外国人の航空士に依存しておる程度、これは簡単にパーセンテージででも御説明願えばけっこうであります。
○今井(榮)政府委員 現在、日本の操縦士の数は、これは正確な数字ではございませんが、私の記憶でございますが、大体航空機につきまして約四百名、これに対して外人パイロットは大体六十名程度を雇用いたしております。
○森島委員 それでは、現在の御計画で進みますと、何年くらいたてば外国人の厄介にならないで日本人だけで航空機を国際的に動かし得るか、大体のお見通しでけっこうでございます。
○今井(榮)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、今後の路線の伸び並びに機材の増強というものも考慮いたしまして、大体昭和四十年ごろには外人操縦士を雇わないで日本人の操縦士だけで十分やっていけるのではないか、かように考えております。
○森島委員 それでは、協定の内容について一、二点お伺いしたいと思います。
 イタリアの協定を見ますと、附表というのがございますが、「日本国の指定航空企業が両方向に運営する路線」ということで地名があげてあります。2には、「イタリアの指定航空企業が両方向に運営する路線」とあげてありますが、私が不思議に思うのは、日本国の方はローマとありまして、そのあとに、スイス内の一地点、ドイツ連邦共和国内の一地点、パリ、ロンドンとございまして、そこに注が加えられてあります。「ローマからの及びローマ向けの運輸権を有しない。」とありますが、イタリアの方には東京から先のやつがついておらない。ただいまの御説明を承りましても、双務性を有するという御説明でございますから、この点については大した問題がないと思いますが、特にこの注をつけてイタリアと日本との間に差別的な取り扱いがあるように印象を与えるのですが、これはどういうことになっておりますか、御説明を求めたいと思います。
○中川政府委員 イタリアとの航空協定の附表の路線の点でございますが、まさしく、ここに、ごらんになりました通り、日本側の航空路線については、ローマからスイス内の一地点、それからパリ、ロンドンに向けるものにつきましては注がありまして、「ローマからの及びローマ向けの運輸権を有しない。」ということになっております。
  〔福田(篤)委員長代理退席、北澤委員長代理着席〕
一方、イタリアの路線の方につきましてはそういう注のようなものがないわけでございまして、日本側にとって少し不利なように見えるのでございますが、これは、結局、一番のもとは、日本側の路線は、要するに、ローマからさらにもっと向こうの、たとえばスイスであるとか、ドイツであるとか、ロンドン、パリ、こちらの方にまで飛んでいけるようになっておるのに反しまして、イタリアの方の路線は東京どまりになっておることが一番のもとであるわけでありまして、イタリア側から言うなら、ほんとうなら東京からもっとほかの地点に飛びたいのだけれども、それは日本側の事情から困るということで結局それをのみました関係上、ローマから先の分については、イタリアの非常に関心のある路線、これについては一つ日航が運輸権を持たないということにしてもらいたいということになりまして、こういう書き方になったわけでございます。しかし、一番のもとが、要するに、日本の方はローマより以遠に行けるわけでございまして、ローマからお客を乗せてパリ、ロンドン等に飛ぶことはできませんけれども、日本から引き続いてローマを通ってパリへ行くということはできるわけでございまして、従って、日本にとってはやはり全体的に見ればなおイタリアの条件よりも有利であるということが言えるわけでございます。
 また、さらに、この附表の中で、スイス内の一地点というのが注としてございますが、これは、今度の日航の南回り路線ではスイス内の一地点に権利はありますが、現実にはスイス内には着陸する予定になっておりません。従って、これは現実にはローマ・パリ及びローマ・ロンドン間だけの運輸権の問題でございまして、ここに書いてあるよりはなお実際の害と申しますか不利益というものは比較的少ないのでございます。
 いずれにせよ、いわば、こういう異例な書き方になりましたことは、今申しましたような日本側が東京以遠を認めなかったということ、それに対しましてイタリア側が非常に東京以遠を希望しておったにかかわらずこれをいわばあきらめた、こういう事情からこういうことになったのでございまして、その点御了承願いたいと思います。
○森島委員 そういたしますと、イタリアは東京から先へ飛ぶという場合には日航にたよる以外にないという御説明のようでございますが、もしイタリアがアメリカなり関係国と話し合いをして航路を設定するというような場合は御想像はできないでございましょうか。
○中川政府委員 イタリアがアメリカと話しまして、たとえば太平洋を横断してアメリカへ飛ばす権利を得るということは、これはイタリア・アメリカの交渉で、あるいはアメリカが――実際にはほとんど考えられませんが、理論としてはあり得るわけでございますが、その場合にも、日本を通って太平洋を横断するということであれば、日本の承認を得なければできないのでございまして、附表の改正をしなければできないことになるわけでございます。
○森島委員 もう一つ私伺いたいのは、パキスタンのをちょっと拝見したのですが、第十五条に、「この協定の附属書は、協定の一部とみなされ、かつ、協定というときは、別段の明示の定めがある場合を除くほか、附属書を含むものとする。」という一条がございます。ほかの協定にはこれに該当する条項が入っておりません。これは一体どういうふうな御都合で。パキスタンの場合に限ってこの附表を条約の不可分の一部と見るという決定をなされておるのでございますか、その間の事情を御説明願いたいと思います。
○中川政府委員 附表というものは協定の一部とみなされるということは、これはほかの協定でも同じでございまして、たとえば日本・イタリアでも、第一条の第二項には、「附表は、この協定の不可分の一部をなすものとし、協定というときは、別段の定めがある場合を除くほか、附表を含むものとする。」という規定がございます。従いまして、日パの場合にはこれが十五条というところに一条を設けました格好になって出ておりますが、ほかの協定も、規定する場所が違いますけれども、同じ趣旨の規定があるわけでありまして、これは航空協定に大体共通してこういう規定が置かれておるのでございます。
○森島委員 私も十分読んでおらぬものですからその間の差異がわからなかったのですが、今の説明で了承いたしました。
 そういたしますと、もし附属書なり附表を変えるという場合には、一方的に行政協定なり何かでやることはできないわけですね。
○中川政府委員 その点も、附表につきましては、これはすべての航空協定で、附表だけを改定する際には航空当局間でできるという規定がそれぞれ条文に出ておるのでございまして、便宜上附表については航空当局間だけで改正できるようになっております。
○森島委員 それでは、別に国会の承認を求めるというふうな手続を経ないで、行政官庁間だけでなし得る、こういうことと了解してよろしゅうございますか。
○中川政府委員 附表についてだけ改正が行なわれる場合には、そのように行政当局間だけでできるということになっております。
○森島委員 あと一点だけ私お伺いしたい。これもきわめて重要なことじゃございませんが、イタリアの協定だけにつきまして見ますと、批准条項がついておる。ほかの二つには批准条項がついていないようでありますが、これもどういうふうな関係でこういう異なった、手続をおとりになったのか、お伺いいたしたいと思います。
○中川政府委員 御指摘の通り、イタリアについては批准条項がございますが、あとの二国につきましては、政府が外交文書でもって交換する際に効力が生ずるという規定になっております。これは、イタリアにつきましては、この協定が、日本の場合と同じように、国会にかかって国会の承認を得て批准書の交換となるのでございます。従って、これは批准条項が必要となってくるわけでありますが、あとのパキスタンとインドネシアの両国におきましては、国会の承認を要しないことになっておりまして、行政府限りでこれを承認できることになっております。従って、日本では国会の御承認が要るわけでございますが、批准という言葉を使うのが適当でございませんので、外交文書の交換という形になっておるわけでございます。
○森島委員 もしあと疑問が出ましたら御質問することにしまして、一応私の質問はこれで終えます。
○北澤委員長代理 川上貫一君。
○川上委員 今質疑が行なわれておる民間航空協定の問題なんですが、私は外務大臣にお聞きしたいのですが、民間航空協定は、それ自体決して悪いことじゃないと思う。これは航空協定しなければいかぬと思います。日本の国内法によって、運輸省令の九号で軍需品と兵器及び弾薬は抑えてあるわけですが、兵員はどうですか。
○小坂国務大臣 兵員、人間の場合でございますね。これは、武器弾薬を持っていなければ戦闘行為そのものに直結しないということになるわけで、兵員自身としてはそういう規定に含まれていない、そういうことでございます。
○川上委員 そうすると、たとえば戦闘があって、戦地に行けば何ぼでも弾薬はあるのですが、そこへ行く時分には兵隊は何ぼ行ってもいいというのですか。兵隊が自分で鉄砲だまや鉄砲を持っている持っておらぬということが問題でないのであって、実際戦闘のために兵隊が行くという場合は何ぼ行ってもいいというのですか。
○小坂国務大臣 戦時の場合は別でございまして、中立義務も発生するわけでございますが、一般的に申し上げますと今のように申し上げられるわけであります。なお詳しくは政府委員から……。
○川上委員 そうすると、たとえばラオス、ベトナムは戦時ですか何ですか。西イリアンは戦時ですか。
○中川政府委員 今御指摘になりましたような、ベトナムでありますとか、ラオスでありますとか、イリアンの事態、その初めの二つ、つまり、ベトナム、ラオスにつきましては、事実上戦闘行為は行なわれておりますが、まだ戦時状態が発生しているとはみなされていないのでありまして、イリアンにつきましては、一、二件衝突事件があり、船が沈没するという事件がありましたが、それも戦争状態が発生しているとはみなされておらないのであります。従って、国際法的に言えば、今のところ平時状態であると思います。
○川上委員 そうすると、そこに行く兵隊は何ぼ通ってもいいんですか。
○中川政府委員 兵隊が幾ら通ってもいいかという点につきましては、航空協定に基づいて、ある国の民間航空が日本に定期運航をやっておる、その民間航空機に、兵員が武器弾薬を持たずに一般乗客として乗っていたという場合であれば、これは今の航空法には抵触しない、あるいは国際民間航空条約にも抵触しないと考えられるわけでございますが、それ以外に、臨時便でありますとか、あるいは軍隊を輸送するためのチャーター機を飛ばしてくる、こういうことになりますと、これは条約の関係をはずれて参りますので、日本政府がこれを許可することも自由でございますし、また、許可しないことも自由でございます。日本政府が判断によってやるわけでございます。いずれにせよ、戦時でございませんから、中立義務はまだ出てきていない。従って、兵員そのものを日本を通じてそういうところへ輸送することを認めるのが国際義務違反であるという事態は出てこないと思うのでございます。もっぱら政策問題の段階じゃないかと思います。
○川上委員 私がそういうことを問いておりますのは、日本の状態が普通じゃないと思うからです。これは一般論としては今のお答えで理屈がつくかしれませんけれども、民間航空・民間航空と言いますけれども、日本の民間空港はまるで軍事基地じゃないですか。野放しじゃないですか。こういう状態になっておるときに、今のような御説明では、私はどういうことが起きるやらわからぬと思います。
 もう一つだけ聞きますが、そうすれば、一般乗客だといって軍服を着ておってもよいのですか。
○中川政府委員 国際民間航空条約あるいは各国別に作っております航空協定の関係におきましては、兵員を一般乗客として輸送する場合、これは軍服を着ておることと私服を着ておることとによって差異を生じないと考えるのでございます。武器弾薬を持っておるかどうかによって非常な差異を生じます。服装のいかんは関係がないというふうに考えます。
○川上委員 そうすると、もう一つだけやはり聞かなければいけませんが、戦争地域ではないけれども事実上戦闘が行なわれておるというようなところはある。また、予想されるのです。その場合に、軍服を着て、将校がついて、戦闘体制をもって兵隊を連れている、しかし鉄砲だまは持っておらぬ、こういう場合にはもう野放しですか。
○中川政府委員 法律的に戦争状態が起きていないという場合でも、実際問題として武力衝突が行なわれておるという場合があり得るわけでございますが、それが相当大規模に長期にわたってそういう事態があるというような場合には、その戦闘に従事するであろう人が輸送されるということを日本が認めるかどうかという点になりますと、政策問題として相当重要な問題でございます。国際条約の見地から言えば、条約違反あるいは中立義務違反を構成しない場合におきましても、政治的に慎重に扱うべきことは当然でございまして、従って、ただいま御指摘になりましたような事態のときに、制服の軍人を輸送するというようなことでありますれば、でき得る限りそういうものは阻止する、あるいは行かないようにするというととを政治的に政策的に考えるということは、これは考えられることでございますが、やはり、法律問題としては、国際法上の戦争があるかどうかということが判断の基準になると考えるわけでございます。
○川上委員 あなたそう言われますが、何が基準になるのですか。基準はどこなんです。一体だれがきめるのです。しかも、それをどういう基準によってきめるのです。外務大臣のは計らいによるのですか。内閣総理大臣の計からいによるのですか。だれがどういう基準によってその境をつけるのです。境がつかぬじゃないですか。
○中川政府委員 ただいま申しましたように政策決定の問題でございますので、やはり責任を持った政府がきめるということになろうかと存じます。
○川上委員 そういうことばかり言うから、オランダの兵隊が行くのですよ。さっぱりわけがわからぬじゃないですか。こういうことを今おっしゃるようなことにしておいてはいけない。民間の航空の協定、この航空協定そのものは、私はよいと言っておるのです。しかし、中身がこういう状態ではあぶなくてしようがないじゃないか、これをどうしなさるのかと言うておるのです。たとえば、運輸省令第九号にしましても、軍需品と兵器、こうある軍需品とは何かということは、わけがわからぬ。兵器といえば、鉄砲だま、弾薬、そんなものだろうということはおよそ見当はつきますが、軍需品とは一体どういうものか、これはわからぬ。それから、兵員ということはないのです。兵隊は何ぼ行ってもよろしい。これは、国際法々々々とおっしゃるけれども、国内法できめるものです。国内法でちゃんときまるわけなんです。国内法できめてないのです。国際協定の問題じゃないのです。日本独自の立場でちゃんときまるわけのものなんです。だから、運輸省令九号をやっておるのです。なぜこれをはっきりきめないのです。
○今井(榮)政府委員 国際条約では軍需品の輸送を禁止する規定がございまして、航空法でも、御趣摘のように、百二十八条で、許可なくして軍需品を輸送することはできないということでございます。その軍需品とは何かという規定を省令で兵器及び弾薬というふうに規定いたしております。今先生の御指摘の兵員の輸送につきましては、先ほど条約局長がお答えになりましたように、乗客として軍人が乗るということについては、現在どこの国でもこれを国内法で禁止しておる規定はないように私どもは考えております。通常の太平洋を横断する航空機につきましても、日本の自衛隊の方々がアメリカへ行かれる場合もありますし、あるいはそれ以外の地域へ行かれる場合もありますし、それからまた、アメリカの軍人が転勤その他のためにやはりパン・アメリカンを利用して来られるケースもあり得るわけでございます。従って、いわゆる乗客として軍人が乗ることを禁止するということは、私どもとしては適当ではないと思います。
○北澤委員長代理 関連質問の申し出がありますので、これを許します。岡田君。
○岡田(春)委員 今の点、非常に重要ですから、関連を一問だけさしてもらいたいと思います。
 小坂さんに伺っておきます。これは大臣の答弁ですからわれわれ重要に聞いておるのですが、要するに、弾薬さえ持っておらなければ、民間航空の飛行機を使って大量の兵隊が制服を着て乗って緊張の状態のところへ行っても、法律的には違反ではない、この点を先ほど答弁されたと思うのですが、これは非常に重要な点である。特に、先ほど御答弁の中では、戦時状態の場合は別であるということですが、これは言うまでもない。私は、先ほどの質問も平時状態を前提にしての御質問であったと思いますし、戦時状態になって参りますと、ICAOそれ自体の適用が新たな観点から取り上げられなければならないのですが、この点はもう度明確に御答弁願っておきたいと思うのです。相当多数の軍人が、民間航空を使って、弾薬だけ持たないとするならば、緊張しているであろうという地域に対して輸送されても、これは違法ではない、こういう御答弁に伺ったのですが、もう一度ここは大臣から明快に御答弁を願っておきたいと思います。
○小坂国務大臣 予想される事柄の内容によるわけだと思うのです。大体、民間航空条約というものは、平時のことで、そうしたような、ただいま御設問のような事態を予想してそれを根本にしてできておるものじゃないわけです。まさに御質問のような点は若干異例に属すると思います。そういう場合かと思います。そこで、そういう場合に、民間航空条約というものの解釈からすれば、法律的にはそういう場合も禁止する規定はないわけです。しかし、政策的にそういうことをどう判断するかということは、やはり、その事柄によって影響をこうむるであろう国の政策上の判断として川残される問題だというふうに思っております。
○岡田(春)委員 あなたの答弁を聞いていると、そういうことを予想してない、ほとんどそういう場合はないという前提に立ってICAOを作ったんだ、こういうことだから、それは異例なことだから、そういう場合は条約上の問題でなくて政策上の問題であると言う。しかし、これは、小坂さんよくお聞き願いたいし、ICAOを一つお読み願いたいのですが、そういう場合を予想しているのです。予想しているから、ICAOの条約の第四条に民間航空の乱用を禁止する規定がある。私は、先ほどの大臣並びに条約局長の答弁を伺っていると、乱用禁止の規定というものを非常に狭く解釈されていると思う。われわれの解釈から言うならば、そういう解釈の仕方の程度であるならば、四条がなくても実質的に同じである、乱用禁止の規定というのはあってもなくてもいいものだというような解釈にさえなるのではないかと私は思う。乱用禁止の規定をことさら第四条に設け、前文において平和、安全の問題をことさら規定している。この平和、安全の前文の趣旨を阻害しないために民間航空の運用その他乱用禁止を規定している限りにおいて、私の解釈、一般の国民の常識の解釈で言えば、乱用禁止の規定というものはできるだけ広く解釈するのが当然だと思う。これは民間航空の本来の性格から言って当然だと私は思う。逆に狭くあなたのように御解釈になるならば、民間航空であるか軍用機であるか、けじめがつかなくなってきますよ。最近のように戦闘行為がいろんな形で行なわれる場合、兵器弾薬を現地に置いておいて、その地域に急速大量の兵員を武器弾薬を持たないで輸送するという場合においては民間航空を大量に使い得る、こういうことになるならば、民間航空条約それ自体、これを条約として結んだ意義さえなくなってくると思う。私は、そういう意味では、第四条の乱用禁止の規定はできるだけ広く解釈すべきだと思うんだが、先ほどのあなたの解釈は日本政府の解釈であるのかどうか知らぬが、ともかくも、そういう解釈では軍用機と民間航空機との区別もつかなくなり、ICAOの条約の少なくとも第四条の設けられている趣旨に反する結果になると思うんだが、これらの点について、私は関連質問ですからこれ以上申し上げませんけれども、これはいわゆる日本の安全の問題ですから、小坂さんから一つ率直にこの際そういう点については御意見を承りたいと思う。政策土においてはあなたは禁止されるだろうと思うけれども、むしろ条約の上に立って、日本政府はこういう形において乱用されることは困るんだ、こういう立場に立っておれば、小坂さんの立場だって強くなるんだと私は思うから、そういう点から、小坂さんはむしろ率直明快なあなたの信念の上に立った答弁を条約論においてもお話し願いたいと思うわけです。
○小坂国務大臣 率直に申しますと、法律上は、単に軍人が乗っているかという理由でその輸送を禁止するという法的根拠はないと言わざるを得ないと思います。この解釈の方が一般的解釈だと思うのです。ただ、政策問題として、われわれが、この問題について、わが国の政策上の立場からいろいろと研究して、異議を申すべきところは異議を言うということは、これはわれわれに許されている問題だと思います。
○岡田(春)委員 小坂さん、率直に言いますが、先ほど運輸省からも答弁があったように、われわれがICAOの条約のことを言うと、必ず答弁はこういう形で答えてくるのです。われわれはそれは前から知っているのです。多量の兵員の問題について質問すると、あなた方の答弁は、飛行機に一人の軍人が制服で乗っていた場合には違法ではありません、こういう答弁を必ずしているのです。問題はそこにあるのじゃないのですよ。一人が違法でないから多数の場合も違法ではないというような答弁の仕方をするとならば、ICAOの第四条の乱用規定に該当するではないかということになる。だから、問題は、単なる軍人が弾薬を持っておったかというだけではなくて、その場合において客観的に多数の軍隊の移動と考えられるような場合においては、これは明らかに第四条に違反するから、その場合においてはこれは法律違反である、こういう弔う一つの基準を設けてあなた自身が法律解釈をなさらないと、私は答弁としては適当ではないと思う。そういう点を私はむしろ考慮に入れているから今言っているのであって、明らかにこれは多数の兵員の移動である、弾薬は持っておらないが多数の兵員の移動であるというふうに客観的に見られる場合においてはこれはICAOに違反する、このように私は見なければならないと思うのだが、この点はどうかということなんです。
○小坂国務大臣 御質問の気持は先刻からわかっておりますのですが、ただ、ここで日本政府の解釈としてこの乱用規定の中に今お述べになりましたようなことを入れて御答弁するのは、どうもわれわれの政府の解釈としてはそこまではいっていない、こういうことです。ただ、政策問題として、これは困るということは言えるということはあります。
○川上委員 この問題についてはこれ以上私は聞きませんが、政策上日本の政府がきめるということ、日本の政府の政策というのが困るのです。日本の政府がもっとしっかりしているのなら、それは政策上きめると言われればなるほどと思うのですが、日本の政策がまるで野放しの政策をとっておる。そこで、これは国内法ではっきりときめておかれないと、このICAOの協定というものは日本にとっては非常に危険だ。国内法でただ運輸省令第九条だけでいくという形であれば、今のような答弁では、何をするかわからぬ。そこで、具体的に、時間がありませんからまとめて聞きますから、外務大臣の御答弁を願いたい。
  羽田民間空港にオランダ機が兵員を積んで来たのですが、それが何回来ましたか、その兵員は何人ですか、これが一つ。第二は、羽田にアメリカの軍用機が昨年中何機発着しましたかということです。第三は、伊丹の民間空港にアメリカ機と韓国機が昨年中に何機発着したか。これだけです。
○小坂国務大臣 私ども共産党の政策に一致する気持はないわけであります。従って、それだから、私どもは日本のために最もよかれという政策を決定してやっておるつもりでございます。
  そこで、今の三つの御質問でございますが、オランダの航空機が何回来たかというお話でございますが、これは定期航空路でございますから、行っているものもございますし、往復のものも申し上げなければならぬと思います。アメリカの軍用機の発着数とか、それから伊丹の飛行場に韓国機あるいはアメリカ機が何機来たかという技術的な問題は、それぞれの方から御答弁いたさせます。
○今井(榮)政府委員 羽田の飛行場に米国の軍用機が何機発着したかという点についてまず第一にお答えいたしたいと思います。昭和三十六年の一月から十二月までの一カ年間で米国の軍用機は汗五十六機着陸いたしております。その内訳を申しますと、ヘリコプターが中に三十一機ございます。それから、小型の単発機、連絡機であろうと思いますが、これが四十五機程度、これはおそらく国内の連絡関係だろうと思います。それ以外に、航空保安施設の精度をチェックするためのフライト・チェック用の飛行機が二十機程度着陸いたしております。それから、国賓を乗せてきたものが四機くらいあります。それらを合わせて米国軍用機は百五十六機着陸いたしております。それ以外に、米軍がチャーターしている民間機が、いわゆるマッツのチャーター機でございますが、これが二百八十六機一カ年間に着陸いたしております。しかしながら、羽田の空港における民間機の着陸は一年間に三万六千回でございまして、この使用率からいきますと、軍用機の使用率というものはきわめて微々たるものであるということをお答えいたしたいと思います。
 伊丹につきましては、三十六年の一月から十二月、同じ期間でございますが、民間機が二万六百六十五回、これに対して、自衛隊機が千八十九回、米軍用機は千六百三十九回ございまして、自衛隊機と米軍機を合わせまして約二千七百回でございます。これはほとんど大部分が新明和工業が請け負った飛行機の修理のために着陸いたしておるのでございます。韓国機は伊丹には着陸いたしておりません。
○川上委員 伊丹には降りませんか。
○今井(榮)政府委員 私どもの資料によりますと、韓国機は、やはり同じ期間でございますが、十四機入っておりまして、三菱と川崎の工場へ修理のために岐阜と名古屋に飛来いたしております。
○川上委員 伊丹に来ておるのです。それから、今数字を言われましたが、これはなかなかうまいことを言いますが、伊丹なんかは去年の八月に軍用機が六百六十八来ております。それで、総数は二千百八十八です。九月には五百六十五来ておる。全体が二千七十二です。この率はどえらく大きいです。これは一つ正確に調べなさい。韓国機が来ております。きょう私は不幸にして写真を持ってくるのを伊丹の分だけ忘れたが、これは写真を提供してもよろしい。韓国機が来ています。しかし、これは、韓国機として来たか、アメリカ機として来たか、ちょっと不明です。機は韓国機です。間違いないです。たくさん来ておるのです。しかし、これで問答したってしようがないが、とにかく、日本の民間空港というものは、まるでこれは軍事基地と同じなんです。それだから、このICAOの協定というものをわれわれは問題にしておるのです。こういう状態のもとであるのですから、国内法じゃほとんど取り締まってないのです。そこでオランダのような問題が起こってくるのです。これがどうしようもないのです。また、きょう大臣の答弁を聞くというと、軍服を着ておっても、鉄砲だまを持っておらなければかまやせぬと言う。こんなことをしたらまるでこれは野放しですよ。兵隊はそんなにたくさん鉄砲だまを持って歩きません。弾薬なんかは別に持ってきますよ。こういう形で、この航空協定を結んだら、あとが非常にひどいことになるんだ。現在でもなっておるのだ。
 そこで、ついでに聞きますが、今新明和工業で修理しておるのだと言うのですが、あれは何ですか、新明和工業というのはどういう工場なんですか。
○今井(榮)政府委員 工場自体は通産省の所管でございますので私の方は詳しく存じませんが、新明和工業というのは、戦前は川西航空機、現在は要するに米軍機あるいは自衛隊機の修理を専門に行なう工場であるというふうに考えております。
○川上委員 あれはアメリカの管理工場ですか。
○今井(榮)政府委員 先ほど申し上げましたように、会社自体の性格は、私詳しく存じませんが、通常のいわゆる日本の株式会社だろうと思います。
○川上委員 外務大臣に聞きます。あそこの看板にはアメリカ西太平洋艦隊航空修理センターとある。これは普通の工場ですか。ここに写真があります。これに書いてある。この看板が出ているここの工場の監理管がアメリカの軍人で、大佐級が二人おる。これは普通の工場ですか。これは立ち入り禁止です。ここにこういう看板が出ている。これを外務大臣ごらなさい。これは普通の工場ですか。
  〔川上委員、小坂国務大臣に写真を示す〕
○安藤政府委員 先ほど航空局長から御説明がございました通り、新明和工業はれっきとした日本の工場でございまして、通産省の所管でございます。それで、先ほども御説明がありました通り、米軍及び自衛隊機の修理をもっぱらやっております。おそらくは、ここにはアメリカの監督官あるいは連絡官が来ておるということでございましょう。そういうことに了解しております。
○川上委員 それを聞いているのじゃないのだ。あれは一体どういう工場か。アメリカの西太平洋艦隊航空修理センターという看板がある。これはどういう工場か。
○安藤政府委員 先ほども申しました通り、れっきとした日本の工場でございまして、アメリカの管理工場ではございません。そして、アメリカの航空機も修理いたします関係上、そこに連絡の者が来ておるということだと思います。
○川上委員 その看板は何ですか。その看板に修理センターとあるじゃありませんか。
○小坂国務大臣 修理をもっぱらやっておるということを聞いておるわけであります。
○川上委員 よくごらんなさい。もっぱらではないです。あそこに太平洋艦隊航空修理センターと書いてあるのです。これは大きな看板です。
○小坂国務大臣 ですから、センターと言っておるのです。もっぱらやっておりますということをセンターということで表示しておる。さっきからお答えしております。
○川上委員 それなら、外務大臣に聞きますが、あの工場に日本人ははいれますか。
○安藤政府委員 ただいまこの看板を拝見いたしますと、この下の方に、新明和インダストリアル・カンパニー・リミテッド。伊丹ブラントと書いてあります。
○川上委員 そんなことを言ったってあきまへん。この工場に日本人ははいれますかどうですか。これは外務大臣に聞きます。
○安藤政府委員 私、行ったことがございませんので、まことに申しわけございませんが、事実をよく存じておりません。
○小坂国務大臣 同様であります。
○川上委員 小坂さん、はいれぬのですよ。航空長がはいれぬのですよ。われわれは行って調べてあるのです。航空長もあそこに入ることができない。あそこの中では何が行なわれておるやら、何が積み込まれるものやら、だれにもわからぬのです。これが日本の普通の工場ですか。伊丹を調べてごらんなさい。ここに航空長の言葉がありますから、これを述べてもよろしい。証明しておるのです。われわれは航空長から一札取っておるから……。これは大臣どう思いますか。これは普通の工場ですか。
○小坂国務大臣 どこの国にも、なかなか人に見せない工場というものはあるわけであります。そういう工場があるからといって不思議ではないと思います。
○川上委員 そういう答弁は、外務大臣、恥ずかしくないですか。どこの国でもなかなか見せぬ工場があるといって、代議士が行っても見せぬ工場はありません。そういうことを言われたら、外務大臣、品が悪いと思いませんか。これははいれぬのです。航空長もだれもはいれぬし、中の検査ができないのです。中に何を置いてあるかわからぬのです。また、ここに入る飛行機は、修理といいますけれども、そこで何を積み込むのか、それもわからぬのです。こういうものが伊丹飛行場の構内にあって、それは外からははいれぬ。飛行場の中から一定の通路がついていて、これではいれるようになっている工場なのだ。これが民間空港だと言う。こういうものを置いておいて、ICAOの航空協定をというのですから、われわれはこれははなはだ危険だということを言うておるのです。
 そこで、外務大臣は今のような答弁をなさるのですから、これは記録に残りますから、あまり恥をかかぬようなことを記録に残しておく方が私はいいと思うのだが、もう一回聞いておきます。この工場内の検査ができるかできぬか、内部で何が行なわれておるかということをわれわれが行って調べることができるかできないか、これだけ聞いておきます。
○小坂国務大臣 だれでも行ってといっても、問題によりけりだと思う。何か問題があって調べるという場合にできるかできないかということになるので、無権限の人が勝手に来てどこの工場でも調べるということは、これは通常の例としてないわけでございますね。これは川上さんよく御承知の通りであります。これは問題によりけりではないですか。
○川上委員 問題によらぬのですよ。さっぱりはいれないんですよ。これはお調べになりなさい。これが大事ですから。
 そこで、時間が相当たちましたから、一定の時間があるそうですから、この際に聞いておきますが、この伊丹の飛行場に三千メートルの拡張をやるのです。この拡張をしますと戦略爆撃機が何ぼでも着けるのです。修理だと言うて来ればいいのでしょう。B52がここには発着できるようになる。そこで、外務大臣にあらためて聞きますが、前の国会からのこれが大臣の借金になっている。前の国会で外務大臣は、日本にはB52は来ておらぬと言っておる。今でもその通りですか。
○安藤政府委員 B52は在日空軍には配属されておりません。しかし、ときどきルーティン飛行の途次日本に立ち寄ることはあるようでございます。きわめてまれでございます。
○川上委員 何べんくらい来ましたか。
○安藤政府委員 私、ここに詳細なることを申し上げる資料を持っておりません。ただ、私の承知しておりますところでは、きわめてまれであるということであります。
○川上委員 きわめてまれとおっしゃるが、たとえば、去年の十一月には二十日、二十一日、二十二日、それから十二月一日、続けざまに来ていますよ。これは板付に。ことしになってからも一月に何べんも来ておる。二月にも何べんも来ておる。まれにというのはどういうことですか。あなた方はB52の問題になるといかにも逃げよう逃げようとする。これは何べんでも来ておる。ここに写真があります。来たたびに大てい写真をとってあるから、証拠があるのだ。そんなにまれに来るというような問題じゃない。横田にも来ておる。板付にも来ておる。三沢にも来ておる。これは、極端に言うと、のべつまくなしに来ておる。第五空軍にはおりませんと言う。それはわかっておる。これは戦略空軍ですから指令系統が違うのです。その指令系統についても明らかにわかっておる。第五空軍には所属しておらぬのはわかっておる。まれにというのはどういう意味なのか。
 それから、そういう答弁をなさるのならば、何月何日に来たか、これを一つ答弁して下さい。これは大事なことです。これは水爆を持っているのだから。
○安藤政府委員 私は合同委員会の席あるいはその他の席で常時米側と連絡をとっております。米側について調べましたところ、きわめてまれに来ておるということを言っておりますし、実際来ております回数もきわめてまれであるということは、ほかの面からも承知しております。具体的にいつとおっしゃいますと、ここに資料もございませんし、具体的なことは詳細には申し上げかねると思います。
 それから、なお、水爆のことでございます。これまた、われわれといたしましても、国会でもかつてそういうことをおっしゃった方もいらっしゃいましたので、米側についても常時連絡をとってこれをただしておりますが、米側は、いまだかつて水爆を持って来たことはないと確言いたしておりますし、今後も持ってくる意図はないと明言いたしておりますことを申し添えたいと思います。
○川上委員 それがちっとも当てにならぬ。うまいことばかり言うておる。現在、イギリスのS・ザッカーマンという人が発表しておる。どういう発表をしておりますか。これはイギリスの国防省科学顧問です。これはこう言うておる。アメリカの将官たちは、その同僚であるNATO国際軍幹部将官とも戦略兵器については何も言わない、諸要因のあれこれについては論議することをアメリカは禁止している、こう言っている。これだけならまだいい。このあとに言うておる。日本の総理や自衛隊幹部がこの点について何一つ知らされていないことは今さら言うだけやぼだと書いてある。言うはずがない。これは銘記しておきなさい。アメリカが言いませんから水爆を持ってきておらぬのです、というようなものではありません。水爆搭載機です。持っておるのです。そうして、いざという場合には直ちに出動しなければならぬ。これが日本に来ておるんですから。これは外務大臣に私は言うておきますが、アメリカが言いますから持っておらぬのでございますというようなことを国民にぬけぬけと言わぬ方がよろしい。これは危険です。しかも、調べもしないで、合同委員会に聞くというとまれに来ておるということだと言う。板付、横田を調べてごらんなさい、何べん来ておるか。まれにといえば一年に一つか二つのことです。端から来ておるじゃないですか。こういうことをはっきりさせないで、政府がこのB52についていろいろな答弁をなさるということは、日本のほんとうの危険ということについてお考えになっておるのかどうか。原子戦争の危険、ことに、日本がその渦の中に入る危険、新安保条約のもとにおける日本の危険、民間空港さえも野放しに軍事基地に使われておる日本の危険、伊丹飛行場を三千メートルふやして、ここにやはりジェット機、爆撃機が着けるようにするこの危険、しかもそこには日本人の入れぬようなアメリカの修理センターがちゃんとある、こういう危険、それでICAOの協定もやろうとしておる。これは民間協定ではないです。これは軍事基地になるのです。われわれはこれを心配しておる。この点については、国会で適当に答弁するというのがよいというのではなくて、国民にほんとうに明らかにする義務が外務大臣にはあると思う。外務当局にはあると思う。危険があるならあると言ったらいいじゃないですか、あるのだから。いかにも危険がなさそうにして、ごまかしておくという態度は、きわめてよろしくないと思う。外務大臣はこの点についてどうお考えになりますか。私は、これを特に取り立てて何かを一つ言おうとしておるのじゃありません。日本の国民は、今でも、太平洋の核実験これ自体についてさえあれだけ騒いでおるのです。板付をごらんなさい。三万人、四万人という人々が大集会をして立ち上がっておるじゃないですか。なぜこういうことになりおるのです。B52じゃないですか。水爆搭載機が来るという問題じゃないですか。福岡県をごらんなさい、どんなことになりおる。これをほんとうに考えなければ、外交というものでもないし、内政というものでもない。この責任は外務当局にある、特に外務大臣にある、こう思います。大臣の考え方を聞いておきたいと思う。
○小坂国務大臣 あなたの幾つかおあげになりました事例は、どうも私どもの方においては信用できぬことばかりでございます。従って、あなたの御心配は杞憂と私には思えるわけでございます。
 なお、核兵器の持ち込みに対しまして政府はこれを拒否しているということは、これはあくまで御承知の通りのことでありまして、この点はごうまつも疑いのないところであります。なお、アメリカ当局にいろいろ問い合わせをして、アメリカがこう言うからこれは大丈夫だということを、お前らは全部間違ったことを聞かされておる、こういうお話でございますが、これは、やはり、国と国との関係で、友好国を信頼するかどうかという基本の問題であろうと思います。私は、そのような川上議員の御質問の御懸念については、その御懸念なしと申し上げる次第であります。
○川上委員 信用の置けぬことばかりですか。全部ですか。全部信用置けませぬか。
○小坂国務大臣 あなたの、言っていらっしゃることと私どもの考えていることとは違います。
○川上委員 考えじゃないのです。私の言うておることは全部信用が置けない、全部置けませんか。これをはっきり言って下さい。
○小坂国務大臣 あなたの言われたような御心配は、私ども持ちませんということを言っているのです。それで、信用云々の問題は、友好国を信用するかどうかという問題だということを言っておるのです。
○川上委員 違う。川上君の言われたことは全部信用が置けないことのみだと言ったのです。そうですかということを聞いておるのです。その答弁さえしてもらえばいい。
○小坂国務大臣 私は、申し上げたつもりでおりますことは、あなたがおあげになりました幾つかの事例は、私どもの方においてはそういう懸念はないと考えておるということを言ったつもりでございます。
○川上委員 事例はたくさんあげたのですよ。その中には政府の知っていることでないこともあるというのですか、全部違うというのですか。
○小坂国務大臣 幾つかの事例をあげて一つの結論を出されたわけですね、あなたは。そうでしょう。そして、その事例並びに結論については、われわれはさような御懸念はないということを言ったのです。
○川上委員 結論が合わぬのはあたりまえだ。結論のことを聞いているんじゃない。われわれの結論とあなたの結論が合うはずない。事例の問題だ。具体的の事例、川上議員のあげた事例は全部が信用がならぬと、こう言った。このことだけ聞いておるのです。もう一ぺん言うて下さい。
○小坂国務大臣 そう言いましたか。
○川上委員 言いました。
○小坂国務大臣 私の言ったのは、信用云々の言葉は、アメリカに聞いてみて、そういうことがないと先方は言っている、そういうことは全部信用はならぬじゃないかとあなたは言われるが、それを信用するかしないかは友好国に対する信頼の問題だ、こういうことを言った。それとあなたはごっちゃにしているんじゃないですか。
○川上委員 それでは、外務大臣にお聞きします。B52は何べん来ているのか、あなたは知っていますか、どうですか。
○小坂国務大臣 先ほどアメリカ局長の答えました通り、配属はされておらぬのですぬ。そして、ルーティンの過程において日本に飛来したことはある、しかしそのことはきわめてまれな事例である、こう言っているわけです。その通りです。
○川上委員 そういうごまかしを外務大臣言われちゃいかぬと思うのです。私はあまりこれを長くは聞きませんけれども、配属されておらぬのはわかっておる。このアメリカの戦略空軍というものの配属は違うのです。第五空軍ではないのです。これの指令系統というものはアメリカ本国にある。大統領が直接握っておるわけです。第五空軍には関係ないのです。戦略空軍というのは独立部隊だ。それだから、第五空軍に関係がないことは明らかなんだ。そうだからあぶないのです。一そうあぶない。いつ来るかわからぬ。どこへ来るかわからない。これは日本に通知をしないのです。しかもそれは水爆を搭載しておるのです。これがひんぱんに横田、板付に来ておる。それが第五空軍というのなら、まだそこに日本政府との多少の接触があるでしょう。そうじゃないのです。第五空軍とは独立したものです。命令系統はアメリカ本国なんです。これが戦略空軍なんだ。これは外務大臣よく御承知だと思う。このことを外務大臣はみずから国民に明らかにせられる義務があると思うのです、ごまかさないで。そうしないと、ほんとうに日本の安全と平和というものに対して政府は責任をとることはできないと私は思う。しかし、この問題については、幾ら質問をしましても、今のような答弁しか外務大臣はしない。しないのではないので、できないのだと思う。日本の外務大臣は知っておってもできないのだと思う。だから、これで私の質問は終わりますが、私は、最後に、外務大臣はほんとうに日本の将来と日本の平和と安全というものをお考えになる必要があると思う。アメリカの言うことだけを聞いておるだけが能ではない。いろいろなことがありましょうけれども、こういう際にこそ名外務大臣として断固として日本民族の将来という立場に立って外交を進めてもらいたい。これを希望して私の質問を終ります。
○北澤委員長代理 これにて航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件に対する質疑は終了いたしました。
○北澤委員長代理 これより右両件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 航空業務に関する日本国とパキスタンとの間の協定の締結について承認を求めるの件及び航空業務に関する日本国とイタリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件、右両件をいずれも承認すべきものと決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北澤委員長代理 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
 お諮りいたします。ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北澤委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 では、これにて散会いたします。
   午後零時四十六分散会