第040回国会 決算委員会 第8号
昭和三十七年二月十五日(木曜日)
   午前十時二十五分開議
 出席委員
  委員長 鈴木 仙八君
   理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君
   理事 田中 彰治君 理事 高橋 英吉君
   理事 小川 豊明君 理事 勝澤 芳雄君
   理事 西村 力弥君
      久保田藤麿君    鈴木 正吾君
      藤井 勝志君    古井 喜實君
      牧野 寛索君    久保 三郎君
      芳賀  貢君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       菅  太郎君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (経済企画庁綜
        合開発東北開
        発室長)    浅間 一彦君
        総理府事務官
        (経済企画庁綜
        合開発局東北開
        発株式会社監理
        官)      財前 真方君
        会計検査院事務
        官
        (第五局長)  平松 誠一君
        参  考  人
        (東北開発株式
        会社総裁)   伊藤保次郎君
        参  考  人
        (東北開発株式
        会社副総裁)  山中 徳二君
        参  考  人
        (東北開発株式
        会社監事)   中村 清英君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
二月十五日
 委員宇田國榮君辞任につき、その補
 欠として牧野寛索君が議長の指名で
 委員に選任された。
同日
 委員牧野寛索君辞任につき、その補
 欠として宇田國榮君が議長の指名で
 委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 東北開発株式会社の会計に関する件
     ――――◇―――――
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 東北開発株式会社の会計に関する件について調査を行ないます。
 本日御出席いただいております参考人は、東北開発株式会社より、総裁伊藤保次郎君、同副総裁山中徳二君、同監事中村清英君の三名でございます。
 参考人各位には、御多用中のところ、本委員会に御出席いただき、ありがたく存じます。
 質疑に入るに先だちまして、去る二月五日の委員会における委員長の発言に対し、東北開発株式会社総裁より、委員長あて釈明書が提出されておりますので、総裁よりこれを朗読いただきます。
○伊藤参考人 私、東北開発株式会社総裁の伊藤保次郎であります。
 ただいま委員長の御指名によりまして、昨日付で提出いたしました先般の委員長の質問に対しまする釈明書を朗読いたします。
  昭和三十七年二月五日開催せられました貴常任委員会におきまして、当社の昭和三十五年度決算に関する御調査の結果を御報告に相成りましたが、この中において御指摘になりました諸事項に関し、以下釈明申上げます。
 私は昨年八月一日東北開発株式会社総裁に就任の後、八月三日渡辺前総裁より事務引継を受けましたが、その大要は昭和三十五年度決算その他に関して、同年五月三十日の定時株主総会において決定した書類を基礎といたした内容のものであります。
 その際の私の経験を申し上げますならば、重点事項に係る口頭引継説明におきまして、当社の事業は漸く順調なる軌道に乗り進展を確保し得る自信の下に、前期においては六千八百余万円の利益を計上するに到つたことを強調せられたことを記憶致しておりますが、その後会計検査院の意外なる審査結果が公表せらるるに及びまして、その矛盾に対しては甚だ遺憾に思った次第であります。
 然かもその内容に関する秋田木材(株)との解除条件附契約の由来にっいては、会社経営の根幹責任の所在たる理事会における審議を経ず、少数理事の専断により裁定せられたものであると判明するに到りましては、一層疑惑と不信の感を強く致し次第であります。
 然し乍ら、私が会社の代表者として、引継書類に調印し会社経営の責を対外的にも御約束致しました以上は、現理事、監事の連帯総力をもって是正改善し、事業進展に邁進するほかに途なしとの申合せを行い、今日に到っておる次第であります。
 委員長御指摘の第一点の土地造成事業に関する不始末につきましては、引き続く売却の不首尾の事情にも鑑み、特に秋田木材(株)との問題については斟酌の余地全くなしとは言えないのでありますが、表裏背反する契約に基いて対外契約の責任上手附金返還に当り利息を附し終結致しましたことは、私としましては、私法取引の原則を遵守致したものではありますが、大いに責任を感じている次第であります。御指摘の土地売買益の計上が不適当であったことについては、まことに遺憾でありまして、今後は期間計算を厳格に守るほか不安定なる契約によるもの、例えば御指摘の日本ゼオン(株)との仮契約、または秋田木材(株)との解除条件附契約などの如きものにつきましては、安定した正式契約の成立するまでは損益に計上しないようにし、また受入れた手附金については仮受整理とするなどの方法により、決算に対する信頼を保持するよら充分留意いたす所存であります。
 次に御指摘の第二点たるセメントの生産と販売の不調和によるいわゆる硬化セメントの問題及び不当倉敷料支払の関係より生じました莫大なる損失につきましては、社内担当者並びに販売店の不熟練と社内指示の適正を欠きたる点に基因するものと存ずるのでありまして、今後必ず是正を為し将来再びこのような事態を起さないよう措置を講じたいと存じます。即ち、約三〇、〇〇〇トンの硬化セメントを生じました原因は、御指摘の通り販売及び倉庫管理の確立されていなかったことに主因があると存じます。今後は、販路の拡張に一層の努力を払い、また品質の向上に努め信用の増加を図ることは勿論でありますが、販売能力と生産量との連繋を密にして調整のとれた出荷態勢をとること、自社サイロの新設を図って保管設備の整備を急ぐほか、出来得る限り営業倉庫の利用を減少して倉庫料の逓減につとめ、また先入先出の方式による合理的な出荷の励行につとめる等改善の方途を推進したいと思います。なお、二三、六五四トンに達する倉庫売りにつきましても、深く反省しているところでありまして、今後はこのようなことのないよう人心の刷新につとめたいと存じます。
 更に御指摘の第三点たるセメント販売会社に対する債権確保の不始末に関しましては、多額の資金を国から援助せられている国策会社として、債権の取立乃至は担保の確保に万全の措置を講ずべきは当然であり、この点に十分でなかったことはまことに違憾に存ずるところでありまして、これが処置につきましては、今後厳正且つ適当なる処置を行わなければならないと存ずるのでありまして、目下挽回のための方策を推進中であります。特に青森建材(株)及び東光物産(株)に対して滞積しました多額の長期不良債権に関しては、これに対する担保の確保も現在のところは未だ不充分でありますが、青森建材(株)に対しましては昨年十一月より当社々員を特派常駐せしめ、諸帳簿書類の整備や債権債務の実態調査を行わせ、これに基いて再建策を検討致させますと同時に、担保の確保に努力中であります。また東光物産(株)に対しましても、当社営業部においてこれが再建策と担保の増強に努めさせております。
 なお、前述の不当決算に対する監事の責任態度について、私の考えを御参考までに申し上げて御諒承を得たいと存じます。即ち、当社の監事の監査範囲については従来法規上においても会計監査に限定されているのに加えて、今回の決算中御指摘を受けた事項については、監事の触手を回避するが如き状態下において得られた結果であると感ぜられるものがあるのでありまして、むしろ将来の措置において大いに改善策を施すべき必要があると存ずるのであります。
 更に御答えしなければならない事項は、前役員に対して支給する退職慰労金のことでありますが、これにつきましては、未だ全く支給しておらないのであります。昨年八月の臨時株主総会におきましては、退職慰労金の支給金額と支給時期につき新役員によって構成せられる理事会の決定に一任せられましたが、その後引継事務を整理して参りますにつれまして、今回御指摘を受けましたような事案が逐次明白となって参りましたので、未だ支給しないまま今日に到っております。
 以上御指摘をうけました諸点につきまして、所信を率直に申述べましたが、私共が担当致します当社の事業は国家資金により国土並びに産業の開発を担う主要な業務であり、一日たりと雖も内部の異和によつて遷延することの許されないものであることを自覚致しております。この際、社内を粛正し運営の基礎を強化し、もつて将来の前進を計る決意を固めております。
 なお、本件の処理に関連しまして、適当な機会に株主総会を開催し、当社の責任を明らかにすると共に、併せて将来の実施方策につき責任ある態度を表明することと致したいと考えて居りますので、何卒御諒承を御願い致します。
○鈴木委員長 これより質疑を行ないます。質疑の通告がありますので順次これを許します。木村公平君。
○木村(公)委員 当委員会は、先般来、国策会社でありまする東北開発株式会社の不正事件につきまして検討をいたしておるのでありますが、本日はこの内容につきまして、特に先般の本委員会の委員長でありまする鈴木仙八君よりの御報告につきまして、若干の質疑をいたしたいと存ずる次第でございます。
 しかしながら、この問題は重大問題でございますので、ここで誤解のないように一言申し上げておきたいと存じますのは、当委員会における私どもの立場は、現総裁であります伊藤保次郎氏の責任を追及しようとするものではございません。現総裁の伊藤保次郎氏は、特に万民から選ばれまして、その廉直を買われて、従来の不正を摘除するために、是正するために、排除するために、新総裁に就任されたと承っておるのであります。私はその御経歴もよく存じませんし、その人柄もよく存じないのでありますが、私どもの承っておるところによりますれば、その重大使命を持って御就任あったのでございますので、私どもは伊藤新総裁の手腕を今後期待するのでありまして、伊藤新総裁の責任を云々するものではないことをあらかじめ御了承いただきたいのであります。
 特に私が本日ここで申し上げたいのは、前役員による不正であります。ただいまも、伊藤総裁からの釈明書によりますれば、「然かもその内容に関する秋田木材(株)との解除条件附契約の由来については、会社経営の根幹責任の所在たる理事会における審議を経ず、少数理事の専断により裁定せられたものであると判明するに到りましては、一層疑惑と不信の感を強く致した次第であります。」と総裁みずからも仰せられるように、まことに奇々怪々なる話でありまして、理事会というものは責任の根幹をなすものでなければなりませんが、その理事会に諮ることなく、少数理事の専断によってこのような不正が行なわれたということをわれわれは注目すべきであります。
 そこで、主として本日は副総裁に私は質疑をいたしたいと存ずるのであります。なぜ特に副総裁に質疑を私がいたすかと申しますると、副総裁は前に東北開発会社の監事であられた。さらにその前は行政管理庁の官僚でもあったということを伺っておるのでありますが、その副総裁が、監事であった後において、現在の副総裁の重職について、会社の不正を新総裁を助けて摘除しようとされておるのでありますので、おそらく過去の社内の不正というものに対しては、最もよく御承知のことと存じますので、この点について私は質疑を続けていきたいと存ずる次第であります。
 まず、範囲を委員長報告に限局いたしまして、そうして、委員長報告がありました点について質疑をいたしまして、それに関運してさらに質疑の必要ありとすれば、おいおいと質疑を続行いたしたいと存ずるのでございますが、副総裁にお伺いいたしたい第一点は、委員長報告にもありますように、「昭和三十五年度決算は、事実は約三億余円の赤字であるにかかわらず、これを六千八百余万円の黒字にし、虚偽の決算を行なっていることであります。」とございますが、その点について副総裁より詳しい事情を伺ってみたいと思います。
○山中参考人 三十五年度の決算が六千余万円の黒字になっておりますが、実質的には赤字であったのではないかという点でございますが、その主たる原因になりますものは、秋田木材株式会社に売却いたしました土地の利益金を三十五年度の決算に計上したことが適当であったかどうかということによりまして、黒字、赤字という問題が分かれることになると思うのでございます。
 秋田太材との土地の売買契約につきましては、同土地売却の対象になりました造成土地が、三十五年度の決算を左右する重要な要素でございましたので、理事者といたしましては、総力をあげましてその売却に努めておったのでございますが、昨年の秋ごろから秋田木材との話し合いもあったのでございますが、その間に十条製紙が東北方面に進出するという企画がありましたので、理事者といたしましては、もっぱらその方面に、土地を売却するということに全力をあげて参りましたのでありまして、その間秋田木材との売却の話し合いは、両方の間に合意にまでいっておったと聞いておりますが、それはしばらくおきまして、むしろこの際十条製紙との一括売買というふうに理事者も全力をあげておったのでございますが、不幸にして年度ぎりぎりになりまして売却の条件が折り合わず、再び秋田木材との契約を取り急ぐということになったという報告を受けておったのでございます。それで、その間契約の手続を急がせることにいたしたのでございますが、契約の手続の成立が遺憾ながらおくれまして、五月に入ったわけでございます。実際の話し合いはかねてから相当に進んでおりまして、年度内に一時合意になったわけでございますが、ただいま申し上げましたような事情で、それを他に振りかえて交渉しておったわけでございます。年度内の決算を黒字にしたいという非常な意欲でそういう手を打って参りましたわけでございまして、この間手続の整理のためとは申しながら、期間計算の点から、厳正に申しますると、年度を越しまして五月になって契約の最終の手続がなりましたことは、期間計算を厳正に守らなかったという意味におきましては、まさに会計検査院の御指摘の通りでございまして、監事といたしまして、その点については深く反省をいたしておる次第でございますが、このことが要素になりまして、今の計数上の差異が出てきた、かように御説明申し上げたいと思います。
○木村(公)委員 今はからずも期間計算のお話が出て参りましたが、期間計算を順守するということはわれわれの常識でありますが、秋田木材、それからあなたの方の一部の役員も、期間計算を順守しないということが、むしろ商慣習のようなことを言っている。この点が私は重大な問題であると思いますので、その点も後ほど伺いたいと存じます。
 それから、委員長報告の中にもございますが、「決算の虚偽表示について申し上げますと、会社は昭和三十五年度の損益計算書の利益を六千八百二十七万百二十二円の黒字決算を公表しておりますが、会計検査院の指摘に従いますと、真実の決算は二億八百九十五万一千六百七円の膨大な赤字であります」。このように言っております。そこでお伺いいたしたいのは、期間清算というものを順守しないことが商慣習であるかどうかというさきの一点と、それから決算の報告は虚偽であったかどうかという問題、六千八百二十七万百三十二円の黒字決算を公表された――それはあなたの方からいろいろの御弁解があろうと思いますが、黒字決算を公表されておりますが、その後国の憲法に基づく唯一の検査機関であります会計検査院の指摘に従いますと、真実の決算は二億八百九十五万一千六百七円の赤字であると言っておる。この点のあなたの方の見解と会計検査院の見解とは非常な違いでありますので、この点の釈明をいただきたいと思います。
○山中参考人 お答えいたします。厳正に申しますると、期間内に契約の最終の手続も終わりまして、決算の整理に間に合わせることが必要でありますことは申すまでもないのございますが、本件につきましては、年度内に事実上の合意ができておるという報告を聞いておりまして、ただその手続がおくれておったわけでございますので、監事といたしましては、監事に決算書の提出のできる期限までに正式の契約書を持ってこいということで、理事者の方に申し渡しておったのでございます。その結果手続がおくれておったということを後に聞いた次第でございますが、私どもといたしましては、実質的な合意によって計算の点を――決算整理期間ということがいろいろのところで行なわれておりますけれども、その点もやや甘く見まして、厳正に取り扱いませんことは、検査院の御指摘を受けた次第でございます。十分深く反省いたしておる次第でございます。
○木村(公)委員 そうしますと、虚偽の決算報告であったという点については、お認めでございますか。
○山中参考人 期間計算の形式の問題といたしましては、不適当と思いますが、実質的に話し合いができておったので、その点はお許し願えるのではなかろうかと思いまして、私といたしましては承認いたした次第でございます。
○木村(公)委員 この際会計検査院の当局から一つこの点について御説明を伺いたいと思います。
○平松会計検査院説明員 ただいまの点でございますが、今副総裁のお話を聞きますと、大体三月末には合意ができておったというお話でございますが、そもそも、私どもが検査に参りまして、この問題を見つけ出すまでの過程を申し上げてみますと、三月末までに一応収支というものは固まるわけでございますが、それを最終的な決算にするまでは、整理期間的なものがあるわけでございます。それでその決算を作り上げますまでの整理期間内の書類を拝見いたしましたところが、この問題の秋田木材の関係につきましては、土地を、たしか十二万坪であったと思いますが、十二万坪売ったような関係の書類に基づいて決算を作ろうかというような関係の書類が出ております。ところが、最終的にきまりましたものは、秋田木材に売りました分は十万坪でございます。十万坪ということが、先ほどのお話のように、三月にすでに相当確実なものであったならば、決算の整理期間中に十二万坪というような数字が出てくるはずがないじゃないか。そこでこれは三月三十一日に契約が初めからほんとうにできておったものかどうか疑わしいので、ほんとうかどうかということを念を押しまして、それから出て参りました書類が、五月十日に初めて正式契約が成立したものであるというふうな書類であったわけでございます。しかも、なおその後私ども聞いたところでは、その契約については、解除条件的な裏契約があった。その裏契約の内容をなしますのは、手付金をとるけれども、その手付金には利息を付して、契約が解除になった場合は返還するというような約束になっております。三月三十一日に両方の合意が相当確実なものであれば、何がゆえに利息を付してまで返すというようなことになっておるのか。これらの点を総合いたしまして、私どもといたしましては、これは三十六年の損益として計上すべきものである、こういうふうに判断いたした次第でございます。
○木村(公)委員 ただいまの会計検査院の説明は、一番整然としているように私どもは印象を受けるわけです。これに対して東北開発会社の方の弁解は、今まで承ったところでは、どうも不鮮明でございますので、この点についてはなお十分検討することにいたしまして、時間もございませんので次の問題について御釈明いただきたいと思います。
 次は日本ゼオンの問題でございます。昭和三十五年三月三十一日に円本ゼオン株式会社に対して、九万六千九百八十二坪の土地を坪当たり五千五百円で売却する仮契約を締結したのでありますが、正式契約に至っていない。その際に受領した約束手形の六千万円をそのまま純益に計上して決算操作をしている。この契約も相手から念書に従って解約されているわけでございますが、この間の事情を詳しく御説明いただきたい。
○山中参考人 日本ゼオンに対する土地の売買でございますが、これは前年度、三十四年度の年度末近くに話が進んだわけでございまして、本契約にするためには、日本ゼオン側におきまして、同地に誘致する事業等について現地調査を行ないましたり、あるいは締結の関係代表と話し合いを進める意味で渡米する必要があるというようなことで、本契約に至らなかったのでございます。ことにその契約を先方が逡巡いたしましたのは、同地における天然ガスの供給量がどの程度確保できるかということをもう少し固めてからにしたいということで、本契約に至らなかったと聞いております。そのためにこの契約としては、天然ガスの供給について満足な結果が得られなかった場合には、本契約を取り消し、解除するというような念書をつけまして、この念書は契約の当時から理事会において報告されておる事項でございます。従いまして、仮契約に基づくもので、当時の理事者の説明によりますれば、ほとんど確実だということでありますけれども、仮契約でありますので、売却の対象になっております土地全体を利益に立てることは適当でないと思いましたので、六千万円の手付相当額だけが利益であるという程度に、内輪に見積もって利益を計上する。本来売買の対象になっております土地全部を売り上げの利益に計上いたしませんで、その一部であります六千万円の手付だけが売却の利益であるというふうに、内輪に見積もりまして計上するという方針をきめて、決算に諮ったことと承知いたしております。
○木村(公)委員 委員長報告によりますと、これは解約されておる。解約ということが予想されたか予想されないかということはしばらく別にしまして、結果的には解約されておる。その際、受領した手付金の約手六千万円というものを、純益に計上するという決算操作が、これが正当であるかどうかという、この点について会計検査院の御意見はどうですか。
○平松会計検査院説明員 この点につきましては、三十五年度の決算の操作と同じように適当ではないと考えておりますので、私ども三十四年度の検査をいたした場合にも、この点は厳重に注意をしてございます。それにもかかわらず、三十五年度で再び同じような事態が繰り返されておりますので、検査報告にも掲記をした次第でございます。
○木村(公)委員 ただいまの会計検査院の御答弁によりますれば、これはやはり当然正当でない、従って、批難をしておるというお話でございましたので、この点につきましてはこの程度にいたしまして、次に御質問をいたしたいと存じますのは、硬化セメントの問題でございます。
 セメントの販売あるいは倉庫管理が不適正であったために、多量の硬化セメントを抱きかかえておる。セメントの在庫量は、昭和三十三年度は四千三百七十二・七五トンで全量非硬化、昭和三十四年度は七千七百五十三・六五トンで全量非硬化でありますが、これが、昭和三十五年度においては三万二千九百四十一・八三トンと発表しておるのと、会計検査院の指摘による、から売り分の二万三千六百五十四トン――うち一万四千九百五十四・九六五トンが硬化分――を含めると、実際の在庫量は五万六千五百九十五・八三トンという膨大な数量になる。そのうち、硬化セメントは二万一千八・〇四トンに達しておるということです。この問題について、どうしてこうも莫大な硬化セメントを抱き込む結果になったかということが、われわれとしては疑問です。
 それから、第二の点は、何ゆえに二万三千余トンのから売りの決算操作をして発表したかということが、これまた第二の疑問の点でございますので、副総裁からこの点について一つ御解明を願いたい。
○山中参考人 お答えいたします。
 硬化セメントを多量に発生するととになりましたのは、結果的に申しますると、生産の管理と販売の見通しとの調節を誤まりましたこと、当社の販売態勢が弱体でありましたこと、倉庫管理が不行き届きであったこと等によるものと思うのでございますが、三十五年度の上半期におきまして、岩手セメント工場のセメントの販売は、十万トン程度に上ったのでございまして、これが上半期におきまして、すでに八千万円の赤字という状態でありましたので、当時の理事者の考え方といたしましては、これをこのまま下半期も十万トン程度の販売しかできないとしますると、原価の関係等もありまして、年間の損失が三億円程度に上らざるを得ないというふうに想定いたしまして、この際むしろ積極的に量産をいたしまして、幾分でも赤字を解消させたいということに方針がきめられたもののようでございます。その結果、年間二十九万トンを売りさばくようにという指令を出しまして、生産と販売に努めたのでございますが、不幸にして販売の実力、態勢がこれに伴わなく、当社の倉庫設備等もございませんし、また輸送の隘路等もありましたので、これが多額に社外在庫となり、その間御指摘のありましたように、先入れ、先出しというような倉庫の管理の不適当もありましたために、思わざる数量に達したものと思います。
 なお、第二点の倉庫売りの点でございますが、これは会社のセメントの販売に関する経理の方法といたしましては、受注主義でなく、相手方に出庫した場合に計上するという主義が立てられておったのでございまするが、この倉庫に関する部分だけ、二万三千トンでございますか、これにつきましては、社外倉庫にあるという姿で相手方と話をつけて、三十五年度の売り上げに計上いたしましたのは、思うに、二十九万トンの目標に対して幾らかでもそれに近づけたいということのために、これを繰り入れたものと思うのでありまして、その後におきまして、その倉庫売りの対象となりましたものは、事実その倉庫か出庫されずに、工場から出庫されるというようなことになりまして、その売買の倉庫売りそのものも厳格に守られなかったということになりましたことは、まことに遺憾なことと思います。
 以上、お答えいたします。
○木村(公)委員 ただいまのお話のうちにもありますが、会社側の二十九万トンの販売目標、これを達成したいというお考え方はよくわかります。ただし、目標を達成するためにから売りをしておるということになるわけなんですが、そこがれわれわの重大な関心事で、目的を達成するために手段を選ばず、ことに国策会社であり、今度はこういうりっぱな新総裁をお迎えになりましたので、これからはだんだん手直しができることを期待しておるのでございますけれども、これは世間へ出せないのですよ、目標のためにから売りするなんということは。だから、このから売りの事実はお認めですか。
○山中参考人 この点につきましては、実は監事としても十分に目が届かなかったのでございますが、実は、当時の原価の方が市価よりもむしろ若干上回っておったものでございますので、決算の修飾のためにはあまりそういう事実もあるまいということで、私どもも監事として若干その点に注意が回らなかったのでございますが、二十九万トン、せめて二十六万トンくらいにしたいということのために数量を計上いたしまして、そのときには一応社外在庫のあるものを指定し、あるものについては、一時何か不十分のものもあったようでございますが、ただその後における取り扱いで、倉庫の契約でありましたものならば、やはり倉庫の社外在庫であったものを出庫すべきであったのではなかろうか、そういう意味のその後の取り扱いが適正でなかったということは、私もこれを認める次第でございます。
○木村(公)委員 そこで、から売りの問題が出ましたので、引き続き青森建材、東光物産がございますね。この委員長報告によりますと、東光物産株式会社に対しても、セメントのから売り分の本店分は、九百十八万四千百三十五円、支店分は八百六十二万二千九百六十八円を控除して、昭和三十五年度末売掛金二千五百二十九万八千三百五十九円、受取手形七千二百八十六万三千二十円で、同物産に対する債権の合計額は、九千八百十六万千三百七十九円となり、これまた多額の債権額を擁しているのであります。」ここで注意を要することは、青森建材、東光物産に対する債権の多額であることも驚くべきことであるけれども、それよりも本質的にわれわれが憂慮するのは、ほとんどが不良債権の性質を帯びておるということなんです。回収の見込みがないということを予知できたのではないかとすらもわれわれは感ぜられるのでございますが、この点に対して副総裁の御見解はどうでございますか。
○山中参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の通り、セメントの販売代理店のうち、青森建材と東光物産を除きましては、おおむね順調にいっておりますが、この両社につきましては、多額の長期滞留額を生じております。青森建材に対しましては八千四百万円、東光物産につきましては三千四百余万円の長期滞留を生じておりまして、この両店に対します代金の回収、不良債権の整理は相当困難を伴うものと考えております。三十六年の一月からは、代金の管理につきましては、直接当社がこれを取り立て、入金につきましては相手方の手形をまっすぐうちへ持ってくるというふうな整理に乗り出しておりますが、一面相当多額のあれでございますので、担保の補強提出を求めておるわけでございますが、この債権の整理には相当困難を伴うものと見ております。青森建材には特に昨年より社員を特派いたしまして、部内の経理をわが社である程度管理すると申しますか、的確につかむように努めておるわけでございます。そのような多額の不良債権を生じましたのも、ひっきょうこれに対します管理と申しますか、取り立てが微温的であったということが要するに原因であろうと思います。その点はまことに申しわけない次第と思っております。
○木村(公)委員 新総裁が御就任になってから、まことに活発に不正を摘除していらっしゃるというお話を伺って、私どもは国民の名において感謝をいたしておるのでありますが、この新総裁の釈明書の末尾に、「私共が担当致します当社の事業は国家資金により国土並びに産業の開発を担う主要な業務であり、一日たりと雖も内部の異和によって遷延することの許されないものであることを自覚致しております。この際、社内を粛正し運営の基礎を強化し、もって将来の前進を計る決意を固めております。」とおっしゃっておられるのであります。東北開発株式会社は、法律をもって、東北一千万の人たらのために、あるいは国土を開発し、あるいは産業を開発し、もって中央との格差の是正をはかるためにできた会社であることは、御承知の通りでございます。しかも、新総裁は輿望をになって不正排除のために御就任になった。そうしてこの釈明書の末尾に、このような重大なる決心を全国民にお示しになっておるのでございますから、今後一つこの決意をもって粛正に乗り出していただきたく、お願いをいたし一まして私の質疑を終わります。
○鈴木委員長 勝澤芳雄君。
○勝澤委員 前回の当委員会における委員長の調査報告に基づいて、東北開発株式会社の総裁から書面の釈明がありましたので、なるべく重複する面は避けて質問をいたして参りたいと存じます。
 最初この問題を指摘いたしました会計検査院にお尋ねしたいのですが、三十四年度の決算のときに、日本ゼオンの問題について御指摘をされた。そして今回三十五年度の決算でこういうことになった。三十四年度の会計検査をされた状況と、いつやられたか、三十五年度はどういうふうにやられたか、なるべく期日を示して検査の内容について御報告願いたいと思います。
○平松会計検査院説明員 三十四年度の検査は、三十五年の七月ごろに実地検査をいたしたと考えております。実地検査の結果、先ほども報告にありましたような事項を発見いたしましたので、検査院といたしまして、厳重に検査の結果として注意を申し上げた次第でございます。
 三十五年度につきましては、やはり昨年の七月ごろに検査を実施いたした次第であります。
○勝澤委員 そうしますと三十五年の七月ごろ検査をされた。そのときに秋田木材の問題というのが判明をした、こういうことですか。それ以後判明したということですか。
○平松会計検査院説明員 秋田木材の関係につきましては、昨年の検査の際に発見した問題でございます。
 日本ゼオンの問題につきましては、三十五年七月に発見したものでございます。
○勝澤委員 日本ゼオンのやり方と、秋田木材に対するやり方といいますか、検査の仕方が類似した形で出てきておるのですが、日本ゼオンのときの注意の仕方は書面か何かでやられたのですか。一応われわれ決算委員会には、そういうことについては検査報告には載っていないようでありますが、それはどういう形でなされたのでありますか。
○平松会計検査院説明員 それは文書の形としてはいたしませんで、検査の結果、講評の際に厳重に注意をしたということであります。
○勝澤委員 副総裁はその講評をお聞かれになったのですか。
○山中参考人 日本ゼオンに対する処分につきましての御注意は伺いました。
○勝澤委員 そのとき、御注意をされて、今度三十五年度決算で同じようなことをされている。監事としてあなたはこれをどういうふうに了解されているのですか。
○山中参考人 日本ゼオンの場合は仮契約でありまして、それが結局契約が、仮契約につけました条件が履行されませんで、解除になったわけでございますので、三十五年度の決算に際しましては、特に前年の日本ゼオンの例がございましたので、私ども監事といたしましては、仮契約では絶対に困る、ほんとうの契約にしてもらいたい。それから前の日本ゼオンの場合には、六千万円の手形を手付といたしまして入れただけであります。私ども監事といたしましては、今回は、前のようなことがあってまたあれになっては困るから、少なくとも一部は現金で納めてもらいたいということを条件にいたしたわけでございます。その結果、五千万円の手形と五百万円の現金ということで、今回は、期間の計算では、先ほど御指摘を受けましたように、正当なる契約ができたものと理解して承認をいたしたわけでございます。その後八月の末に至りまして、契約を解除したいというような話が出まして、初めて裏契約と申しますか、別契約のあることを知りまして、非常に驚きました。一応決算を認めます場合には、ゼオンの場合の例もありますので、同僚の監事とも十分協議いたしまして、今回はそういうことのないように、本契約であり、また一部現金を納めなくちゃ困るということで承認をいたしましたが、結果において、また別契約のようなものが出て参りました。こういうことになりましたのは、私どもの目の届かなかったことと思いまして、申しわけなく思っております。
○勝澤委員 三十五年度の決算の監査はいつやられましたか。そして具体的にどういうふうにやられましたか。
○山中参考人 三十五年度の会計につきましては、期中監査を本社、事業所等、年数回行なわれました。決算時につきましては、決算の計算をやっておりますのと並行いたしまして、監査をいたしました。その際に、私どもの当年度の重点として取り上げました点を四項目だけあげて、特に注意をいたしたわけであります。
 それは決算におきまして予想された問題といたしまして、相当売掛金の滞留が始まっているのじゃないだろうか、セメント代理店に対する売掛金の滞留が始まっていそうだということを懸念いたしまして、特に理事者に申し入れまして、貸し倒れ準備金を設定しろということを申し入れましたのが第一点であります。
 それから第二点につきましては、本委員会でも御指摘になりました硬化セメントの発生のおそれが相当出て参りましたので、できるだけこれを評価いたしまして、評価損を立てろということを申し入れました。
 第三点は、日本ゼオンの土地がどうも解約になりそうだ、これをはっきり落とせということを申しました。
 第四点は、ただいまお話しになりました秋田木材に対する土地売却につきましては、私どもといたしましては、当初から慎重な態度で臨みまして、一部現金で手付をとる、それから正式の契約をしろということを申し、この四点を重点といたしまして実は監査に臨みました次第でございます。
○勝澤委員 いつやられたのですか。
○中村参考人 監事の中村でございますが、当時の模様をお答えいたします。
 ただいま副総裁から申し上げました第一点でございますが、売掛滞留金の点につきましては、ただいま申し上げましたように、私ども期中監査というものを年に二度ほどやっております。その間に担当者に――営業部の者でございますが、たびたび、これはほってはおけない問題だということを申しております。
 それから第二の硬化セメントにつきましては、十月の期中監査のときに申しております。
 第三の日本ゼオンの問題、これは私ども会計監査を主としておりますので、私どもの仕事から見れば、一応これで問題は、過年度において利益に計上いたしましたものが取り消されたのだから、それで済んだというふうに考えたのでございます。
 それから第四点でございますが、第四点の秋田木材につきましては、これは私どもは決算書類は、監事に総会の二週間前に提出することになっております。従いまして、提出日である五月十五日までに現金が入らなければこの契約は認められぬという態度で臨んだわけでございます。このことは、七月の末に会計検査院からお見えになりましたときに、監事はどういう態度をとったかということを聞かれまして、私どもこの四点には特に重点をしぼりましたというふうに申しております。ただ、結果といたしまして、御指摘になりましたような結果になりましたことは、おわびをしなければなりませんが、私どもとしましては、至らぬながらも一生懸命にやったつもりでございます。
○勝澤委員 私の聞いているのは、三十五年度の決算について監査をいつやったか、こう聞いているのです。一生懸命やられたことを別にどうこう言っているわけではないのです。三十五年の監査はいつやられたのですか。それから総会はいつやられたのですか。
○中村参考人 期中監査をいつやったというのは、ただいま失念いたしましたけれども、総会は三十六年の五月三十日でございます。硬化セメントの監査は十月でございます。
○勝澤委員 五月三十日が総会だと言う。総会の二週間前までに監事としての監査報告を出さなければならぬ、こう言われた。いつ監査報告を出されたのですか。
○中村参考人 ただいま申し上げましたように、その四点につきましては、理事者が決算をやっておりますときに並行いたしましてやっております。ただ、正式の書面といたしましては、五月の十四日、二週間前に提出しておるものと思います。そのときから一週間たちますと決算書類は公示しなければなりません。従って、正式の監査時は五月の十五日から一週間ということになります。
○勝澤委員 これは監理官があるわけですね。監理官は、この決算についてはどういう役割をするのですか。
○財前説明員 決算書は最終的に利益金処分といたしまして政府の認可を要することになっております。従いまして、もし株主総会後認可を取り消すというような事態に立ち至りますと、株主総会をもう一回行なわなければならないということになります。正式には株主総会が終わって後に書類の提出を受けるということになっておりますけれども、実際上の措置といたしましては、大体監事が監査をすると並行して書類の審査をするということをいたしております。単に私の方経済企画庁のみでなくて、本件につきましては、大蔵省の方とも一緒に並行的に書類の審査を進めて、それで一応これでよろしいだろうというところで株主総会に出す。従いまして、株主総会にかかりましたものを正式に政府に提出されるということになりました場合には、ほとんどこれを認可しないということがないというような形をとっております。
○勝澤委員 あなたと御一緒に監査される大蔵省はどういうことをされるのですか。担当者の方が来ておりますか。来ていませんか。ではあなたが説明して下さい。
○財前説明員 一緒と申しましたのは、非常に誤解を生ずる言葉で取り消さしていただきまして、私の方は私の方として書類の審査をする。それから大蔵省の方は大蔵省の方として、これは株主としての立場から書類の審査をするということでございます。
○勝澤委員 三十四年度の会計の検査報告を会計検査院からされたときに、あなたも一緒に、ゼオンの問題については、こういう処理のやり方というのはいけないことだということは聞いたと思うのですが、どうですか。
○財前説明員 実は私そのときに監理官をいたしておりませんでしたので、十分その間のあれを現場で聞くということはいたしておりません。ただし、就任後、そういうことがあったということは十分承知いたしております。
○勝澤委員 あなたの前の監理官というとどなたですか。
○浅間説明員 ただいま御指摘の三十四年度の日本ゼオンに対しまする仮契約につきましては、会計検査終了後、会計検査院から会社に対して指摘されました事項につきましては、その写しを送付せられまして承知いたしております。従いまして、これに関連いたしまして、三十五年度の決算においては、そういうことのないように、特に会社の監事に強く連絡して処理したつもりでございます。
○勝澤委員 会計検査院が発見したようなことというのは、監事なり監理官がしっかりしておれば発見できると思うのですが、どうなんでしょうか、それは、
○浅間説明員 確かに、機構上完全でありますれば発見できるものと存じますが、実情を申し上げますと、会社の方の監事に監事二名、これに監事付が一名配属されているはずでございます。監理官は行政組織上単独官でございまして、会社の万般にわたりまする監理、指導を常時行なっておりますので、あとう限りの努力はいたしますが、決算につきましても、多岐にわたります事項のうち、特に前年度に関係のありましたような事項について、特に留意して検討いたしまするけれども、若干の落ちがあった点、今回のようなことが発生いたしましたことにつきましては、まことに遺憾に存じております。
○勝澤委員 一番重要な点は、山中副総裁、こういうことなんです。秋田木材の問題は、正式に契約をされたのは五月十日と会計検査院から言われておる。あなたたちが今監査報告を会社に出した、承認をしたというのは五月十四日だと言われておる。その間四日しかないわけです。あなたはゼオンの問題についても指摘をされて承知しているわけです。その五月十日に正式になっておるのを実は三月三十一日にしてくれと、向こうの会社とこっちの会社と談合して、むしろ東北株式会社の方から頼んで、五月十日のものを三月三十一日にしたということが明確になっているのです。それから類推いたしますと、監事が知らないわけはないじゃないか。監事に一体何をしておるのだということになる。この辺をもう少し――知っておるということはここでは言えぬでしょうけれども、まさか知らないということも言えないと思うのです。知らないと言ったら、一体監事は何をやっていたんだ、こういうことになるわけですから、そこをもう少し明確にお答え願いたいと思う。
○山中参考人 御指摘の秋田木材との契約が、十条製紙との関係でおくれましたので、私どもといたしましては、決算の要点が土地造成の売却のいかんにかかっておりますので、決算日のときから、至急に決算の手続を進めるようにということを、理事者側に申し入れておったわけでございまして、その間、最終的に手続がおくれましたことが後刻判明いたしましたことは、まことに申しわけないと思っております。私どもといたしましては、十条製紙に売れなくなった、だめになったので、秋田木材の方の手続をするからという釈明を、理事者側から決算締め切り期に再三聞いておりましたので、それの促進を監事として申し入れておった次第でございます。御了承願います。
○勝澤委員 今の十条製紙と秋田木材の点を日付を追ってもう一回説明して下さい。
○山中参考人 三十五年の秋ごろから秋田木材との間に土地売買の話し合いが進められておりました。一方、東北地方に二十五万余坪の土地を十条製紙が物色しておるという話を、この秋田木材の話が出ましたあとで耳にいたしましたので、二十五万坪をまとめて売却できるならばその方が適当であろうというように判断いたしまして、十条製紙を本命とするという方針をきめて、日本ゼオンの方は天然ガスの関係から解約することにし、さきに売却いたしました小野田セメントの分も、また、状況によってはこれも話し合いをつけようかと思うくらいのつもりで、全力をあげて十条製紙の方の売却を急いでおったわけでございます。ところが、坪当たり五千五百円という値段の点が主として折り合わなかった原因だというふうに私は聞いておりますが、三十六年、年が変わりましてからも話し合いが一向その点で進行しないということで、あまりよもやに引かされておったのでは、結局あぶはちとらずになるので、十条製紙の方は相当まとまった口であるけれども、この際断念せざるを得ないので、前年の秋ごろから話し合いがあった秋田木材の方に、また話を戻して手続を進めるからというふうに、理事会で理事者から報告を受けております。
○勝澤委員 どうもよくわからないのです。三十五年の秋に十条と話が進んでおったけれども、うまくいかないので、秋田木材に話を進めるということで理事会できまったというのを聞いております、これだけじゃ答えにならないのです。三十六年の五月十日に秋田木材との契約がなったとこう言うのです。結局監査報告を五月十四日にやって五月三十日に総会をやったというのですから――十条はそれでわかりました。そこで一体秋田木材はいつごろから話をして――三月三十一日にはまだきまらぬのですよ。三月三十一日にきまらずに、五月十日までの間に監事としてはどういう役目をしておったかということです。
○山中参考人 途中に十条が入りましたために、三月三十一日の決算締め切りに契約書の形で監事の方に提出されておりません。そこで、私どもの方としては、早く契約を、決算の整理期間といっても限りがあるのだから、早く手続をするようにということを理事者側に申し入れましたが、話し合いはついているけれども、手続がいろいろおくれておるということでございました。そこで、監事の監査の最終期限であります五月十四日でありますか、そのときにはその契約書を理事者側から提出があった、こういうことでございます。
○勝澤委員 会社側から監事に決算報告書を出して、これに基づいて監査をしてくれと言ったその日付はいつですか。
○山中参考人 正確には五月十四日に監査報告書を整理してまとめました次第でございます。
○勝澤委員 会社側が決算報告書を作って、そして監事に提出して、監事がこれを見て、そして正式なことになるのでしょう。だから、会社側がいつ出したのですか。
○中村参考人 商法の規定によりまして監事提出日は総会の二週間以前でございます。従いまして、五月の十四日に正式の文書を会社の方からいただきました。そこで、私どもが審査いたしますのは、これまた商法の規定によりまして総会の一週間前には監事の承認印を付して公示しなければなりませんものですから、一週間でございます。
○勝澤委員 私は別にそれを聞いているわけじゃないのです。事実問題として三十五年度の決算について、会社側からあなたの方にこう決算ができました、監事さん見て下さい、これは会社からいつ出しましたと言っているのです。
○中村参考人 それは五月の十四日でございます。
○勝澤委員 そうすると、五月十四日までは理事者側と監事は一緒になって決算書を作っていた、こういうことなんですね。
○山中参考人 まあ、建前の上で決算書を作る作業には参加はいたしておりません。監事といたしましては、一応先ほど申し上げましたような重点事項を特に理事者側に示しまして、この四点については、少なくとも監事の満足のいくような整理をしてもらいたいということを申し入れておりました。その四点の事項につきましては、かねて期中監査その他から気づいておりましたので、この四事項について決算上ぬかりのないようにという注意をして、先方の書類の提出を待っておった、こういう状態でございます。
○勝澤委員 三月三十一日現在で契約がなされていないにかかわらず――五月十日に契約された、その五月十日までに契約させるについては、監事も一役買って督促をしておった。そして五月十日に契約が成立した。それは五月十四日に会社側から出して、一週間たって見て総会に出した、簡単に解明すると、こういうことですね。
○山中参考人 三月三十一日までに契約書類の形ができておりませんので、手続を急ぐようにということを申し入れたのでございます。
○勝澤委員 そうしますと三月三十一日は契約がなっていない、五月十日に本契約になった、これを決算収支の中で収入に入れる、こういうことについて監事は了解したわけですね。
○山中参考人 三月三十一日、つまり年度末までに合意はできておる、手続がおくれておるから、手続を向こうにとらせる、待ってくれ、こういうことでございましたから、手続を急ぐようにということで了解したのでございます。
○勝澤委員 合意ができたことと手続がおくれたこととは、どういうことですか、私はよくわからないのです。
○中村参考人 私ども実際を見てみますと、売りました土地は秋田でございます。三月までは雪がございました。従って、ほんとうの話はそのときできたと私ども今も考えておりますが、しかし、雪が消えてからもう一度見たいということではなかったかと思います。
○勝澤委員 前提としてゼオンのときのお話をいたしました。ですからあなたの方はわざわざ現金を少し入れなければいけない、こういって指導した。金を入れたのは五月十日でしょう。三月三十一日に契約はできていないじゃないですか。それではかりに売れたときには、三月三十一日から五月十日までの間の金利ももらうことになるのですか。どういうことになるのですか。そういう点も詳細になっているのですか。なっておったら――契約書があるなら、三月三十一日のときの状況と五月十日のときの契約書の状態をもう少し説明して下さい。
○山中参考人 御指摘のように、手続といいますか、契約が成文化するのがおくれましたもので、契約の手続ができましたときから金利をとるということになっておるものと思います。
○勝澤委員 そうすると、幾らあなたたちが、話は済んだ、話はきまったのだけれども、書類の提出がおくれたのだと言っても、三月三十一日には契約になっていないのですよ。一体そういうやり方ということはできるのですか。監督官としてそれでよろしいのでしょうか。経済企画庁、答弁して下さい。
○浅間説明員 監督官庁としまして報告を受けておりましたのは、三月三十一日付、いわゆるさかのぼって契約をする格好になるけれども、三月三十一日の時点においては、双方売買の意思があった、こういうような報告を一つ受けました。もう一点は、日本ゼオンのような不確定要素はない、その証拠としてはっきり手付金も現金で入りました。こういうことで、若干の整理期間というものは、当時の状況としてやむを得なかろうというような判断を当時いたしたわけでございます。
○勝澤委員 三月三十一日に契約をしたものを手付金として五月十日に取った、こういう取り扱いをあなたは認められるんですか。
○浅間説明員 そういう取り扱いにつきましては、私ども監督官庁といたしましては認めたくないのでありますが、当時の開発会社の置かれておる立場が、公共、公益性を追求するとともに、採算性というものについても、ある程度の社会的要請があったというようなことから、そのほかに瑕疵がなければやむを得ないのではなかろうかと当時は判断したのでありますが、その後会計検査院の御指摘等をいただきまして、まことに遺憾な措置であったと反省しております。
○勝澤委員 東北開発株式会社というのは、三月三十一日現在でもってものをもらっておいて、金は一月、二月たって払っても、総会までに間に合いさえすればいいという経理のやり方というのは許されないじゃないですか、こんなやり方は。それをここで遺憾だとかなんとかいうことでは話にならぬですよ。全体的に私はもう一回お尋ねしますが、決算委員長のこの前の調査報告について、大体概略はあなたの方も認められますか。
○浅間説明員 決算処理の不適正でありました点については、大へん遺憾なこととして認めざるを得ません。
○勝澤委員 決算に虚偽の決算がなされておったということを認められますか。
○浅間説明員 虚偽と申しますよりは、不適正であったというふうに存じます。
○勝澤委員 不適正であるということと虚偽ということとは、あなたはどういうふうに理解しておりますか。私は虚偽であると思う。あなたは不適正だと言う。それでは、虚偽ということを承認されない、不適正だということについての御解明を一つ願いたいと思います。
○浅間説明員 当時の事情は、経理処理の問題として理解したわけでございますが、当時無条件解約に最終的に八月三十一日付で応じ、事実上九月三十日に解約になっておりますが、当時の契約書の日付が三月三十一日であったという点と、当時秋田木材といたしましては、事実工場進出の計画がございまして、契約締結後約五回にわたりまして、秋田木材の幹部が現地の調査を行なっておるというようなことから、当時における売買の意思は十分にあったということで、売買契約は有効に成立していたものと認めたわけでございます。ただし、解約という事実が八月に至りまして発生いたしました点は、非常に遺憾に存じております。
○田中(彰)委員 ちょっと関連。
 私あなたにちょっとお尋ねするのだけれども、あなたは、ものを売買するのに手付金を取る、あるいは契約書を結ぶ、これでなければ売買が成立しないのだ、こういう工合に認められるのか。あるいは一般商法でやっておるように、君のものを買った、いずれ金を持ってくる、よろしいと言って、そのときに契約して、あと実行する、しないは別ですよ、それでもやっぱり売買は成立したものとあなたはお認めになるのか、どうなんです。契約書を作って手付金を取らなければ、売買を認めないという観念をあなたは持っておられるのか。それとも、買った売ったで、それが口約でも売買が成立したものと認められるのか。それが今のあなたの御答弁に対するわれわれの聞きたいところなんだ。何も契約しなくたって、手付金を取らなくたって、それを買った売った、いずれ金を持っていくから、よろしい、これでも売買が成立している。大審院の判決では成立しているのだ。けれども、あなたあるいは役所としては、そういうようなものは、書類を取って、手付金を取って、かちっとしないからへ売買というものを認めないという観念をあなたは持っておられるのか。いや、売買は、手付金を取ったとか取らぬとか、契約を結んだとか結ばないとか、そんなことでなくて、口約でも、売買するという口約があれば、それで売買したものと認める、あと金が入ったとか入らぬとか、解約されたとかいうことは別問題だ――売買に対する手付金、契約書、これがなければあなたは売買を認めないという観念を持っておられるのか。いや、口約でも売買と認めるといろ観念を持っておられるのか。そこが僕は重大な問題だと思う。その点どうなんですか。
○浅間説明員 口頭によるものも全然売買契約の対象にならないとは申し上げかねると思いまするけれども、今回のこの秋田木材との契約につきましては、やはりこれに裏づけとなる契約書があったということで、一応売買の意思ありしものと認定したわけでございます。
○田中(彰)委員 もう一点。私はあなたの考え方に非常に疑惑を持っておるのだが、口約でも売買の話し合いがつけば売買と認める、売買と認めて、その後おくればせながら契約書を持ってきたとか、内金を持ってきたとか、先ほど総裁が言われたのだが、そうしたら向こうがそれを流した。流せば、それに利息をつけて返す必要はないじゃないか。さっき総裁が、道徳上私は利息をつけて返したとおっしゃったけれども、道徳上利息をつけて返さなくても、商法でも普通一般に取引の手付金というものは、契約が破棄されればそれを取っておくものなんです。だから、手付金を取っていいわけなんです。それに利息をつけてお返しするということは、僕はちょっとおかしいと思う。ただあなた方の、売った人の、手付金を取った人の観念において、気の毒だから君に半分返してやろうとか、みな取っておくとか、一割返すとかいうことはあり得るが、その点がちょっとおかしい。
 もう一つ、あなたの観念はちょっとおかしい。はっきりしておらない。口約でも売買を認めるということなら、口約で売買を認めて、それが破約になろうが、金が入ろうが入るまいが、成立しようが、いい。しかし、どうも、書類でないから認めない、手付金をもらわぬから認めないというなら、それなら認めないものなんだから、これは自分の方では手落ちでそれを認められなかったのだ、あるいはそれを認めたのだということでいい。それとも、いや、私は手付金を取らなくても、相手が相当の会社であり相当のものであるから、口約で買った売ったでもよろしい、その売買を認めて、そうして、それは実行されるものと信じておった、商法的に信じておったとおっしゃるのか。それなんですよ。これが私は非常な問題だと思う。そうでしょう。あなたの観念ですよ。あなたの室長としての観念はどうなんです。これを売った買ったで、その人が実行してくれるならそれでいいわけですけれども、あなたの観念は、契約書を取って、手付金を取って、きちっとしないから売買を認めないということなら、それはその通りで、私はそういう観念だからこの売買は遺憾な売買だ、手付金を取らなくても売買を認めたのだ、相手が相当なものだから商取引を実行してくれるものだと信じていたという観念ならこれでもいい。どっちなんです。
○浅間説明員 これは秋田木材というのもはっきりした相当な会社でございますので、責任者同士で口頭による売買の意思がはっきり表示されておれば、売買が成立したものと認定してよろしいかとも存じますが、監督官庁といたしましては、やはり後日に参考に残るようなはっきりした契約書のあることが望ましいのでございまして、私どもはやはり契約書のあることを前提とする趣旨をとっておる次第でございます。従いまして、ただいま御指摘のように、八月に至りまして利子をつけて云々というような問題の発生いたしましたことは、当時表に出ておりませんことで、私ども関知しなかった点でございますが、この点についてはまことに遺憾であったと考えております。
○田中(彰)委員 もう一つ、私はどうもあなたのおっしゃったことでわからないことがあるのですよ。大審院の判例とか、いろいろなものを見ても、口約でも売買は認められておるのです。口約でも認められるのなら、それは官庁だから、契約書はそろえるとしても――口約で認めたんだ、しかしその後手付金を持ってきたから、契約書がなくても口約で認めて、それを破約したら、お前のところは手付金をもらったから、それに利息をつけて返す、こういうようにさっき総裁が言われたが、これは商取引からはずれたことであって、商取引はそんなものじゃありませんよ。売買は、たまたま口約でもいいんですよ。あなたは監督をなさるなら、そういう点も十分法的に研究されてやらないと、口約でも売買は認めたとしても、相手が相当のものだからいいんだ、しかし役所としては書類がそろわぬから、書類のそろわぬ売買はだめなんだと、あなたがはっきりそう言えば、それでいいのです。口約でも売買はこれでよかったんだ、ただ書類がそろった方がいいから、なるべく書類をそろえるように急いだのか。あなたのはどっちつかずの答弁だ。だから、法的に口約でも売買というものは認められておるという観念なのか、いや、契約書を作って手付金を取らなければ売買というものは認めないのだという観念なのか、そのあなたの観念においてこの処理がされなければならぬ。ほんとうのところ、どうなんですか。
○浅間説明員 監督官庁といたしましては、やはり書類による正式の契約書の残ることを建前とします。
○田中(彰)委員 そうすると、あなたの言うのは、商法が認めている売買は認めないんだ、官庁なるがゆえに、商法の口約の売買を認めない、そして今の契約書と手付金を入れない売買は認めないんだということなんですね。商法では口約でもいいんですよ。口約で、あれを売ってくれ、売ってやる、あとで金を持っていくから、これでいいんですよ。
○浅間説明員 私どもといたしましては、はっきりした契約書によるようにいたしたいと思います。
○田中(彰)委員 おかしいじゃないですか。それでは、あなたはなぜそのときに、こういう手付金のない、契約書のない売買はだめだ、こういう売買はしてはいけないんだと言って、拒否されないのだ。さっき聞いてみると、口約でも商法の売買は認めているように感ずる。これはあなたの勝手で、商法に違反した売買を――商法ではとっておるものを、それに輪をかけた売買を、役所なるがゆえに、政府の補助会社なるがゆえにやるのか。これは裁判にいって、あなたとわたしと買った売ったで、わたしは手付金はないが買ったのだ、あなたも口約で売ったのだと言われたら、占有権はわたしのものです。あとで契約書を取ってお売りになっても、あなたがそんなことを言った覚えはないとうそを言われれば別ですが、そういう口約であの人に売ったのだと言えば、幾ら手付金をやらなくても、占有権はわたしのものなんです。その点はあなたの観念は違っておる。あなたは、いや、どんな商法であっても、私としては契約書に書いた手付金を取った売買でなければ認めないのだ、商法が何であってもかまわないのだ、こういうふうに判断されるのか。それは商法は口約の売買でもいいのだが、役所だから、半官半民の会社だから、かたくするために契約書とか手付金を取った売買を希望しておったのだ、それがたまたま入るのがおそくなり、そしてそれを破約したときに、その金を利子をつけて返したということは、商法に違反したものである、普通とっている商法を飛び越えたやり方である、こういう工合に認められるのか、これなんです。これであなたの答弁さえ聞けば、ほかの人の質問の途中ですから……。
○浅間説明員 ただいまの点は後者の方でございまして、役所といたしましては、はっきりした書面をもって、これをすべての行動の規範といたしたいと思っております。
○勝澤委員 先ほどの点へ戻りますと、三十五年度決算というのは虚偽だという立場で決算委員長の調査報告が出ているわけですから、それをあなたは認めるかどうかについて、あなたは虚偽ということについては何も言わずに、不適正だ、こう言われました。今ここでこれをきめても仕方がありませんから、もう少しほかの問題を掘り下げていけば、幾らあなたが今そう思っておっても、それは無理だというのがわかりますから、次の問題に私はいきたいと思うのです。
 そこで、総裁にお尋ねしたいのですが、今出て参りました手付金の返還について利息を付した、このことは商取引の原則を順守いたしたものであります、こういうふうになっているのです。これは結局契約のことがこういうふうになっていると思うのですが、その辺について一つ御説明願いたいのです。
○伊藤参考人 お答え申し上げますが、何か私が道徳的に返したようなふうに皆さんおとりになっているけれども、裏契約でも契約はやはりりっぱな契約だと思います。それは総裁の名前において調印して契約しております。総裁の事務を引き継いだ以上は、総裁がやると言ったことは、やはり対外的には――内部では是非を論ずることも可能かもしれませんけれども、こういう問題を総裁の名前をもって約束したら、都合が悪くなったからやめますということは会社の信用にも関することでありまして、私は、この利息支払いのことははっきりした問題で、向こうの人からもそのことを言われたときに、私の方は借りる意思がありませんでしたが、こういう契約をしたために延ばすことができたのだということをはっきり向こうで言いましたから、それでは、そこまで念を押して作ったあと契約というものは守るのが当然だと思いまして、利息を払いました。年八分でしたが……。そういうわけでございます。
○勝澤委員 その利息は、期間はいつからいつまでですか。
○中村参考人 五月十一日から九月三十日までであります。
○勝澤委員 そこで秋田木材の正式な契約というのが明確になったと思うのです。その点についてはあとでまた申し上げまして、次にセメントのから売りの問題について質問をいたしたいと思うのです。
 先ほどの木村委員の質問に対する御答弁を聞いておりますと、倉庫へ移して在庫は倉庫にあった。そうして今度出すときには工場から出した。これはやはり先ほど木村委員が質問された帳簿上のから売りであるというふうに指摘するのが正しいと私は思うのです。言いわけ的な言い方だと思うのですが、このから売りの問題につきましては、この調査報告にいわれているように認められますか。
○山中参考人 結果においてから売りであったということを認めます。
○勝澤委員 それではから売りの点はこの程度にいたしまして、次に硬化セメントの問題について進めて参りたいと思います。
 三万トンという莫大なものが硬化されている。約一億二千万くらいですが、重大な損害を与えたことになると思うのです。一体これが出た原因というのはどこにあるのですか。その点を明確にしていただきたいと思います。
○山中参考人 先ほどの答弁とやや重複するかもしれませんが、大事な点でございますので、重ねて申し上げます。
 当時の理事者の考え方といたしましては、でき得る限り収支じりをよくしたいという考え方でありましたところ、三十五年度上半期の仮決算におきまして、岩手工場は、十万トンのセメント販売によりまして、約八千万円余の赤字が出ることになりました。下半期でも十万トン程度の販売でありますと、上半期のセメントは、前年度の償却がまだ始まっていないセメントの原価がありましたので、比較的割安でありましたのですが、下半期にはレポール・キルンの償却費も入って参りましたので、原価もかさんで参りましたから、十万トン同じような売れ行きでは、年間三億の赤字が出るという見通しを立てたもののようでございます。これでは何としても損害が多過ぎるので、一つ量産をしてできるだけコストを下げて、そしてせめて一億五、六千万円くらいの赤字でとめたい、ついては販売の方でも全力をあげて売れということで、積極策によって損害を回避するという方針を立てたようでございます。その結果、工場では大体予定の目標の生産ができたのでございますが、遺憾ながら当時のわが社の販売態勢が弱勢でありましたし、たまたま当時セメント市況も非常に悪うございましたので、思うように売れませず、また会社の工場の所在地の輸送状態にも、一日千トンより以上の貨車の手当もできないということで、できるだけ消費地にセメントを置いておく、そうしてお得意を見つけて売れという号令でやったようでございますが、その見込みが志と反しましてさっぱり売れない、だんだんたまってきたということと、それから、これは御指摘にもありましたように、倉庫管理が不十分でございましたので、先入れ先出しというようなもので適正にやっていきますれば、少しでも――古いものから出していけば固まることが少なくて済んだと思われますが、そこいらにも抜かりがあったことと思います。それやこれやでだんだん硬化がふえてきた、こういうことに聞いております。
○勝澤委員 私が思うには、先般の委員長報告でもそうなんですけれども、これはやはり販売や倉庫管理が悪いのが硬化セメントが起きた原因だ、こういうように見るのです。あなたは経済の不況だとか何だとかと言っておるのですが、そのどっちが中心なんですか。
○山中参考人 セメントの市況の悪かったことも事実でございますが、販売をする者としては、そういうものも当然前提にして、いろいろ工夫をしなければならぬと思いますから、御指摘のように販売の力が弱かったと申しますか、見込みが誤ったということが主因であろうと思います。
○勝澤委員 それでは意見が違うのですよ。倉庫へどんどん詰めて入口からどんどん売っておる。また詰める。奥へ入ったのは奥へ入ったきりである。だから硬化になったんだ。これが主たる原因じゃないですか。
○山中参考人 倉庫に入りましたものの出し入れの仕方の悪かったことも、先ほど申し上げましたように、先入れ先出しが励行されておりませんことも、これも硬化の一因でございますが、セメント全体の総量がやはり予定のように二十九万トンですか、売れなかった、二十二、三万トンしか売れなかったという絶対量の少なかったことも、この硬化の原因をなしたものと思います。
○勝澤委員 その比率はどうなんですか。これはやはり重大な問題じゃありませんか。評価損で大体幾らになると思いますか。
○山中参考人 倉庫の管理が悪かったために固まった金額が幾らで、見込み違いのものが幾らということは、計算上今私宅即座に出しにくいのでございますが、御指摘のように硬化セメントによります損失額は一億三千万円ばかりになっております。それで、御指摘は、量産の見込み違いによるものと、倉庫管理の不適正によるものと、どういうふうな率でどうなるかというのが御質問の趣旨だろうと思いますが、私今ここでどのくらいの率になるかということは、ちょっと返答をはっきり申し上げかねます。
○勝澤委員 あなたの答弁は会計検査院から出されておるこの指摘を見ても食い違っておるのですよ。会計検査院から指摘されておることは、「倉出し方法についても適切な指示を行なわなかったことなどのため、」一番の中心点は蔵出しの問題を会計検査院としては指摘されておるのですよ。この管理が悪いから「三箇月から十四箇月も在庫したまま硬化したセメントが約三万トンあり、」とこういっておる。あなたはそれを二十九万の目標が売れなかったから、売れなかったからと、それを中心に置いておる。さっきのような倉庫売りをやった。倉庫で売っておいて、その品物をを送らずに工場から送っておると、さっき、から売りを認めた。ですからここに問題がある。その点が、今のあなたの答弁では、会計検査院から指摘されておることとも食い違っておる。そういうのが、今の認識で、監事をやられ、今日副総裁になって、これから新しくやりますと言っても、今までの欠陥というものをもう少し真剣に見ていただきたいと思うのです。もう一回硬化セメントの起きた原因について明確にしていただきたいと思う。
○山中参考人 会計検査院の御指摘になりましたように、倉庫管理の不適正によりまして硬化が発生しましたことは、私もこれを十分認めております。倉庫売りのものを倉庫から出せば、社外在庫がそれだけ減るわけでございますが、これがやはりセメント硬化の原因になったことは、これは私も認めます。私が、つまり販売能力を越えて、倉庫管理の不適当になります原因を作りました社外在庫をたくさんにするようになったということを申し上げるのに、生産と販売の調節が十分でないので、おびただしい社外在庫という事実がまず起こって、本来ならば、売れるのに適量なだけ出しておいて在庫すればよかった、そしてそれの管理をうまくすればよかったのでありますが、その点の倉庫管理の不適正の原因になりました多量の社外在庫を生ずるに至ったということを申し上げましたので、その点が倉庫管理の不適正の原因を過小に見たようにおとりになりましたならば、私の真意でございませんので、御了承いただきたいと思います。
○勝澤委員 硬化セメントの原因というのは、普通の原因とか、そういうことじゃないのです。これは業務のやり方が悪かった。業務のやり方が悪かったということになると、それは一体だれの責任でどうなるのだと言われるから、あなたはそれを表面に出したくないだけなんです。会計検査院はちゃんと出しておる。ちゃんと出ておる。ですから、これをあなたは消極的に言われておるのですけれども、一体こういうことが起きる原因というのは、仕事のやり方が悪いということですよ。責任の所在が明確になっていないということです。セメントを売るやり方というのは一体だれの責任で、どういう仕事の分担になっておるのですか。
○山中参考人 セメントの販売は、本社の営業部が当たって、営業担当の理事がこれを行なっております。
○勝澤委員 それじゃ営業部長の責任によってこんな三万トンの硬化セメントができた。営業部長を中心としてこの硬化セメントができて、約一億数千万円の損害を与えた。この人たちに対する処分は、現実にはどうなっておるのですか。
○山中参考人 生産を何万トンにするかというようなことは、重要な事項でありますので、これは理事会で決定する事項になっております。それに基づいて営業部の営業活動があるわけでございます。
○勝澤委員 そんなことじゃないのです。私の言っているのは、硬化セメントの責任なんです。ですから基本が違うというのです。あなたは、とにかくたくさん作り過ぎたから硬化になったんだ、こう言っているでしょう。会計検査院は、倉庫の管理がいけなかったのだ、先にできたものを先に売ればいいものを、どんどん詰めておいて、今あなたはから売りを認めたでしょう。倉庫に入れておいて、今度は売ったのを出すときには工場から送っているじゃありませんか。ここのやり方がいけないのだと言うのです。このやり方がいけないのじゃないか。それはどこに責任があるのだ。営業担当の理事はだれで、営業部長はだれで、それはこんなに三万トンの硬化セメントができたのだから、こうなっているのだ。今日どうでございましょうか。五百円盗んだどろぼうだって監獄に入っておるじゃありませんか。三万トンですよ。そしてこの会社は国民の血税によってやられている会社ではありませんか。それをほったらかしてやっておるというやり方、その責任はどうやっているのですか。
○山中参考人 倉庫の管理の仕事を含めまして、営業部の仕事の最高の責任は理事がとっておるわけでございますが、その下に営業部長以下が管理の実際上の仕事に当たるわけでございまして、私ども就任後は人事異動を行ないまして、他の者に部長の職をかえるごとにいたしました。
○勝澤委員 その処理をどうしたのですか、と言っておるのです。ここにおって、不都合だからこっちの方へやった、こういうことが許されるでしょうか。国民の血税を使って、仕事の怠慢によって三万トンの硬化セメントを作って、それでそういう処分をやりました。――もうちょっと具体的に御説明願いたいと思うのです。営業担当の理事はこうで、下はどうなっているのだ、そうして今これはこうなっておるのだということを、はっきり説明して下さい。
○山中参考人 営業担当の理事は雲野前理事でございます。当時の営業部長は石田長蔵でございます。現地考査役になっております。
○荒舩委員 ちょっと関連して。
 先ほど、勝澤委員の質問に対して、山中副総裁の答弁は非常に食い違っておるのです。これはこういうことなんです。東北セメントはでき立ての会社で、セメントとして非常に製品がよくないという風評のために売れ行きが悪いのです。特にポルトランド・セメントは六カ月ないし八カ月ストックにしておけば硬化してしまうということは、子供でも知っておる事実なんです。そういう点からして、むろん倉庫も悪かったし、それからセメントは御承知のごとくオートメーションなんだから、どんどん機械で作っていってしまう。そこでむろん倉庫の管理も悪かったし、それから東北セメントの商品としての格落ちであったということのために、ストックがよけいできてしまった。それを工場の方はオートメーションだからどんどん生産調節をしないで作った、こういうことなんです。今のセメント六社の協定を見ると、今セメントは大不足なんです。ここ数年来セメント業界は不足で困り抜いておる。そこでどういうことかというと、セメントはストックにしておける商品でない。従って六社は、生産が多くなって倉庫が一ぱいになると思えば、六社で相談し合って、そうして生産調節をしておるのです。あなたの方はしろうとなんだ、実際は。今の答弁なんか、セメントの知識のある人から見れば、幼稚園の子供のような答弁なんです。もう少し勉強してもらわなければだめなんで、セメントというものは、六カ月ないし八カ月以上ストックしておけないのです。そこでこの質問に対しての答弁は当たっておらないのですが、まあ、倉庫の不十分だったという点よりも、原因は生産の調節ができなかった、いわゆる販売能率と生産がマッチしておらない、こういうことなんです。そういうことをよくあなたはここで数字的にあげて答弁をしなければ、幾らあなたが、どうも倉庫が悪かったとか、それから工場の方から出して、倉庫の方から出すのはあとだったとか言っても、これは水かけ論で、答弁の趣旨になっていない。もう少しよく勉強してもらって、倉庫の設備も、今もうタンクでやっているのですから、だめなんですよ、今の答弁では。文書でも書き直して出して、了解を得るようにしてもらうべきだと私は思うのですが……。少し余分なことを申し上げるが、そういうことなんです。実際これは根本からだめで、理事をやめさせるとか配置がえをすると言ったって、しろうとなんです。あなたの方の技術的なあれからいって、しろうとがやったからこんな問題が起こった。こういう原因なんです、問題は。答弁をよく数字的に書いたものを出して、きょうはそういうことにしてもらったらいいと思うのです。私は別にあなたに対して救いの手を伸べたのでも何でもないが、そうなんです。
○勝澤委員 次に、売掛金と受取手形の関係で債権が確保されているかどうかという問題について、二つの会社が指摘されているのですが、東北開発株式会社と青森建材との両方の債権債務の関係が、決算額において三千五百七十一万九千六百八十円相違している。これはから売りのセメントは差し引いた計算だと思う。この相違は一体どういうふうに会社の方では検討されておるかという点を御説明願いたいと思う。
○山中参考人 青森建材の買掛金とわが社の売掛金とが突合していない点につきましてお答えいたします。
 三十六年の五月に、当社は、青森建材の決算内容を調査するために、三十六年の三月末現在の決算書の提示を求めまして、その内容を調べたのでございますが、経理内容が分明でない点が非常に多いので、その後の整理を督促いたしておりましたのでございます。たまたま三十六年の八月に会計検査院の実地調査がございました際に、参考資料として青森建材の決算内容について質問がございましたので、当社といたしましては、前記の決算書を提示して説明いたしたのでございます。その決算書に基づくと、ただいまお示しのございましたように、当社の売掛金との間に三千七百余万円の相違を生ずるのでございまして、その後青森建材に対しまして調査を進めて参りましたところ、その不足分のうち、二千百三十七万一千円は、当社との契約条件について話し合いがついておりませんでした北海道函館向けの売り上げを、先方が計上いたしておりませんことによりましたのでございまして、これは向こうもあらためて計上いたしました。その他におきまして、なお約束手形勘定で千六百三十万六千三百五十五円の相違があるのでございまして、これにつきまして究明いたしました結果、先方の帳簿の不備を認めまして、当社の売掛金に計上してある額を計上いたしました次第でございますが、この経過でお察しのつきますように、同社の帳簿内容が分明でない点が多いので、当社といたしましては昨年十一月に社員を特派いたしまして、前にさかのぼりまして計数整理、帳簿の整理をいたしておりますが、結論といたしまして、当社の売掛金は向こうが承認して帳簿を改めて参りましたけれども、その間の経緯につきましてさらに分明にする必要があると思いますので、せっかく今社員を特派して調査しておる次第であります。
○勝澤委員 そうしますと、おおむねこの委員長の報告通りになっている、こう理解してよろしゅうございますか。
○山中参考人 会計検査院の実地調査の際におきまして、先方の決算書と当社の売掛金と不突合でありましたことは事実でございます。その後、ただいま申し上げましたような措置をとっておる次第でございます。
○勝澤委員 青森建材に対しては、債権確保に相当むずかしい点があるようでありまして、手形が決済日に決済されずに、書きかえばかりやられておるというような点も言われました。一体何回くらいこれは書きかえがやられているのですか。
○山中参考人 約五回くらい書きかえております。
○勝澤委員 期間は何カ月ですか。
○山中参考人 三カ月ずつ更新いたしております。
○勝澤委員 これで売掛あるいは手形の問題についてどういうあれかおわかりになろうと思う。しかし、承知をされておってやってきたわけですから、重大な問題も私はあると思う。
 東光物産の債権の問題でも、両者に決算の相違金額が出ておるようでありますが、これはどうなっておりますか。
○山中参考人 東光物産に対する当社の売掛勘定が七百七十九万五千百四円、先方の勘定が七百六十万五千八百二十四円、その間の差が十八万九千二百八十円でございますが、これは当社の決算におきまして、三十六年度に入って仕向け先が変わりましたのと単価が変わりましたので、当社の方の計数を修正いたしました。約束手形勘定におきまして、やはり百五十二万九千三百八十一円の誤差が出ておりますが、これは東光物産の貸借対照表の数字の買掛金七百六十万六千余円についての誤りでありませんで、それには変わりがないのでありまして、その内訳書において当社に対する約束手形勘定の百五十二万九千三百八十一円の記載漏れによったものでございます。
○勝澤委員 青森建材、東光物産という二つがあがっているのですが、そのほかの会社に対する売掛、それから受取手形の点についての確認はされているのですか。
○山中参考人 ほかの代理店につきましては常時注意もいたしておりますし、確かめております。
○勝澤委員 そこで総裁にお尋ねしたいのですが、今、何か東北開発株式会社の問題につきましては、いろいろな疑問が持たれて捜査が行なわれているようでありまして、きょうまでの段階において、東北開発を中心とした問題で事件捜査が行なわれたり、あるいは逮捕されたりしている状態について御報告願いたいと思います。
○伊藤参考人 本件につきましては、まだ検察当局におきましていろいろ手入れなり、経理の状態を聞いておりますし、また報道の方面においてもタッチしておりますので、私が自分の想像を交えて言うことにできませんので、社内の事情だけから申し上げてみたいと思います。
 これは、ちょうどこういう委員会におきましていろいろな質疑応答のかわされるときに、こういう問題が発生したということは、皆さんに一そう御迷惑をかけてまことに相済まぬと思っておりますが、しかし、ものは起こる原因があって起こるので、われわれの方といたしましては、これを今どうしようということは考えておりませんが、ただいまその方面に収監されておる人が、会社においては二人の幹部がおります。この原因は、やはりきょう問題になりました大体の傾向からいいますと、詳細なことは、もちろん先ほど申し上げました通り、私の手元ではわかっておりませんけれども、これまで諸般の報道をまとめてみますと、やはりセメントに関係した事件が、大部分の分野を占めておると考えます。従って、きょうの御質問あるいは応答申し上げた点におきましても、この問題には相当な禍根の深いものがあるように思います。従って、当社のこれからの問題としましては、まずこの問題の粛清といいますか、あるいは建て直しということをはっきりしない限り、この委員会のような応答を長く続けられましたところで、はっきりした線というものを、われわれが出した上において、もう一度見ていただくほかに私はないように思います。現在の問題がどの程度犯罪の決定になりますか、あるいは不明になりますか、その点も私ははっきり申し上げかねますが、ただ会社の幹部であった者がそういうところに入るということは、まことに残念であります。しかし、これも考えようによりましては、皆さんの御心配になるようなことを、一日も早く解決するめどになるのではないかという期待を持ってやっておりますが、内容がはっきりわかりませんので、これ以上のことは申しかねます。
○勝澤委員 内容については前回、今回といろいろと指摘されましたし、おわかりになっておると思う。またあなたが言われた氷山の一角でまだまだ別の角度から新しい手でいろいろ捜査が行なわれていくということから言って、あなたは大へんな会社に入ってこれは大へんなことになったと思われておると思います。しかし、入った以上は全部やり直さなければしょうがないと思います。そこで三十六年度の大体の決算の見込みというものは今どういうふうにお出しになっておりますか。
○山中参考人 三十六年度の収支見込みにつきまして申し上げます。
 三十六年度の収支見込みは、遺憾ながら約十億の赤字の損失が見込まれております。そのおもなる原因は、経常の営業活動におきまして、セメントの市況がまだ年度の途中では十分回復しておりませんでしたことにあるのでございますが、特に前年度以来、先般来御指摘になりました不良セメントの処分損一億二千万円、土地造成事業におきまして前年度の利益を差し戻しました二億七千余万円という数字を加えまして、本年度は十億程度の赤字は免れないのではないかというふうに一応現在試算いたしております。
○勝澤委員 そこで、この東北開発としては異常な形で、臨時総会で役員の総改選というものが行なわれたわけでありますが、この臨時総会で今度役員が改選された理由というものは、監督官庁としてはどういうふうになっておるのでしょうか。
○菅政府委員 ただいまのお尋ねは、過般の株主総会におきまして東北開発株式会社の幹部が総がわりをしたことについての御質問と思います。監督官庁といたしましては、諸般の点から考察をいたしまして、会社の業績も上がりませず、またいろいろな運営の点について遺憾の点も若干見えておりますので、これはどうしても相当の荒療治が必要であると考えまして、思い切った総裁、副総裁以下の更送を断行する決心をいたした次第でございます。
○勝澤委員 そこで、相当な決意を持ってやられたということでありますが、当然なことだと思います。まだこれからも新総裁のもとでやらねばならぬ点がたくさんあると思うのです。不十分な点は、われわれはもう一回監督者の問題やらあるいは政治的責任等についても十分やりたいと思うのです。
 そこで一任をされておる問題について総裁にお尋ねしたいのですが、役員に対する退職慰労金が一任されておるようでございますが、総裁が幾らでしたか、私あまり金のことは言いたくないのですけれども、やはり国民の金なんですから……。総裁が四年間だけで八百十一万円の退職金をもらえるわけですね。そこで総計いたしますと、総裁、副総裁、理事が五人、監事一人ですか、約四千四百万の役員に対する退職金を支払うかどうかという問題が残っている。むろん今まで支払いがされていないということは、これは当然なことだと思うんです。むしろこの会社に損をかけた者については、普通の常識で言うならば、これは当然損害賠償をしなければならぬと思う。ですからこの点は、もう総裁としてお支払いはしない、あなたの意向としてこういうことをこの際明確にすべきだ、こう思うんですが、いかがですか。
○伊藤参考人 ただいまのお話は、大へんごもっともなようにも聞こえますけれども、しかし先ほど当初に御報告申しました通り、私どもは現況に照らしては退職手当は支払うべきじゃないということをきめたために、払いません。しかしながら一蓮托生というふうに考えておるものもありますけれども、あるいは先ほど申し上げましたように、少数幹部においてあるものは決定されて、ある者はつんぼさじきに置かれたというような事態もありますので、この問題はまだ相当考慮する余地も残されているのじゃないかということも考えております。しかしながら、との問題の終結がはっきりしない限り、退職手当云々ということは、私は今そういう事項に触れないつもりでおります。もし私どもそういう考慮ができた場合には、もちろん監督官庁にもその点は十分はっきりいたしまして、協議の上に私ども決定をみたいと思っておりますが、現在もし、内定したことだから、一任されたから払うというような御懸念があるとするならば、はなはだ御懸念はわれわれに対しては適当じゃない御考慮だと私は思います。御了承願いたいと思います。
○勝澤委員 運営から今の問題についても監督官庁と協議をされてやられるということでありますので、この問題については私はこれ以上触れません。しかし、あなたが言われましたようにこの人事の刷新、そうして今までの構成の人事、そうして今日もなお続いている今の人事、こういう中であなたはやられるわけですが、この間の決算を見ればおわかりになりますように、約三億くらいの赤字なんです。赤字決算を黒字にごまかしている、私はこう思うんです。あなたもそう思われると思うんです。あなた以外の人はどう思われるか私よくわかりません。先ほど経済企画庁の監督官に聞きましたけれども、この点不明確な御答弁がされました。虚偽ではない――虚偽かどうかという点について明確になっていません。これはもう一回私は政府の明確な御答弁を願わなければならぬと思う。しかし政務次官の御答弁は、少しニュアンスの違った答弁なんです。従ってこれは、別に、あなたもせっかく決意されてなられたわけですから、遠慮されずに、どうせうまくいかなければやめちまえばいいんですから、やめればよけい内容がはっきりするわけですから、この会社がこれだけの膨大な金を費して毎年々々赤字を作りながら、黒字にしている、毎年々々赤字を作りながら四年間やったら八百万も退職金を出す。総裁の月給が二十六万円、副総裁が二十一万円、理事が十六万円の月給をもらって、仕事には関係なしに月給がどんどん払われて、そうして一年に一回や二回はみんな外国旅行に行ってくる。そうして赤字になったといえば、政府がまたそれに莫大な金を費す、こういうやり方がいいか悪いか。これは徹底的に批判をしなければならぬと思うのです。これは、あなただって、決意をしてはいられたといっても、いろいろないきさつではいられたと思うのです。いろいろの立場で、なかなか今でも不十分な答弁しかできない点は、私は大へん遺憾だと思うのです。ですから、この点につきましては、私は監督官庁にもう少し質問を続けますので、あと同僚議員の質問もまだあるようでありますから、私はこの程度で一応終わっておきます。
○伊藤参考人 ただいまいろいろな点に触れられましたが、私はこの会社をやめるなんということは絶対考えておりませんし、また退職手当云々なんということも考えたことはありません。ただ、私に対する責任じゃないような気持が相当強いのですが、引き受けた以上は、私を中心にして突ついてもらわなければ、この問題はやはり今後の問題に関連するところがあって、過去の問題を幾ら上手に言っても、これは解決する問題じゃないと思うのです。やはり今後の責任というものは、総裁を中心にした責任を追及しないと、この会社というものはうまくいかない。その点を一つお願いしておきます。私も、今とんでもないところに来たわけでありますなんということは絶対に言っておりませんから、御参考までに申し上げておきます。
○鈴木委員長 西村力弥君。
○西村(力)委員 時間が二十分程度と言われておりますので十分に意を尽くせないと思いますが、二、三点についてお尋ねをしたいと思います。
 釈明書を拝見させていただきましたが、これには、今総裁がおっしゃったようにこうなっている。「現理事、監事の連帯総力をもって是正改善し、事業進展に邁進するほかに途なしとの申合せを行い、」こういうことを仰せられております。また、おしまいの段階では、大事な仕事であるので、「内部の異和によって遷延することの許されないものであることを自覚致しております。この際、社内を粛正し運営の基礎を強化し、もって将来の前進を計る決意を固めております。」こうなっておりますが、このことは決意のほどがうかがわれて大へん私たちとして歓迎すべきことであると思っておるわけなんでございますけれども、それにつきましても、今回の審査というものはただ今までのミスを取り上げて追及するというだけにとどまるものではなくて、国策会社として重要なる使命を受けている東北開発会社が本来のあり方にほんとうに立ち直るか、そういう工合に願いたいものだという気持でやっておるのだ、こういうことを皆さん方においても十分に御理解願いたいのであります。それでありまするから、私たちの質問がいろいろ気にさわったりさまざますることがあったりしましても、お互いにこの問題をよかれと願う共通の気持でやるのだ、こういう気持でぜひやっていただかなければならぬのじゃなかろうかと思うわけなんです。
 それで、今までの委員各位の質問に関連し、またその不足の点にわたるようになりまするが、この釈明書を読みまして私が一番ひっかかる点は、一つは監事がたな上げされておる、こういうようなことが出ております。その最終の段階に参りますと、「監事の触手を回避するが如き状態下において得られた結果である」こういうことをいうておる。そういうことで監事の任務というものが十分に行なわれない。あるいは行なわせない。こういう環境にあるように思われるのです。しかし、そういうことでは今後困ることなんでございまして、一体監事の触手を回避するがごとき状態で行なわれたというそれはどういう状態であったのか、それはいずれの方に責任があるのか、私は先ほどからずっとお聞きしておりますると、監事側におきましても十分に自己の職責を果たそうとする努力が足らなかった、こういう工合に私には見受けられるのです。もちろんその裏契約なんかやった諸君は、それは触れさせまいとしたことはあるでしょうが、その間の状況というものを御説明を願いたいと思うのです。これは直接には中村さん、山中さん、こういう方々にその間の事情、かくかくの努力をしたけれどもこれは十分に職責を果たし得なかったという事情があれば、それをはっきりしてもらいたいと思う。
○山中参考人 監事といたしまして、理事者と独立する立場で業務に当たって参りましたつもりでございまして、その間先般来御注意、御質疑を受けましたように、力の及びません点、あるいは努力が足りません点につきましては深く反省いたしておるのでございますが、総裁がこの釈明書において監事のことに触れられましたのは、主として秋田大材の裏契約の問題等の点に着意せられての御意見ではなかろうかと思います。この件につきましては、実はああいう別契約がありますれば、契約自体に対する判断の要素にまでかなり及ぶような契約でございますので、十分その契約の価値自体を判断する資料になり得るものであります。それらにつきましては、監事につきましては全く示されませず、後日会計検査院の実地検査のありました際にも、私どもは会計検査院の方に、今回は別な契約はございませんというようなことを申し上げて、大いにあとで引っ込みがつかなくなったような役目もいたしたのでございます。そういうの点を特に強調されて総裁がお触れになったのではなかろうかと思います。
○中村参考人 ただいま秋田木材との裏契約のことを監事が全然知らなかったというようなことを山中副総裁からお話がございましたが、そのほかにたとえば倉庫売りの件でございます。これは私どもの方は会計処理といたしましては、セメント工場を出荷するとき、あるいは倉庫から出るとき、出荷伝票あるいは出庫伝票をもってこれを売り上げに立てておったのであります。従って、私どもは決算期にあたりまして、当然そういうことは行なわれておった、伝票の裏づけがあったものだと思っておったのであります。従って、五月になりまして一週間の間に売り上げ伝票について、一々売り上げについて調べればよかったのでありますけれども、事実上そういうことができなかったというような点もございまして、この点はまことに私ども知らされもせず、また知りようもなかったというような点もございます。非常に会計事務的になりますけれども、根本的には、この総裁の釈明書にもございますが、私どもは昭和三十二年の法律改正によりまして、業務の監査ということができなくなりまして、会計監査にしぼられたのでございます。それから法律に従いますと理事会というものだけが正式にありまして、役員会というものはございません。そのような関係で、役員としての責任は感じますけれども、監事としての職責はおのずからそこに限度があったような次第でございます。そのような点を御了解願いたいと思うのであります。
○西村(力)委員 これは会計監査に限定されておるというのは、今中村さんおっしゃった通り、伝票から伝票を見れば妥当かいなかということは、はっきりするだろうと思うのであります。また業務の場合におきましても、裏契約はそれは知らされていなかったからわからなかったというのはわかるのですが、ただ五百万円の現金が現金出納のあれを見れば、これは五月十日に入って三月三十一日に入っていないということが明確になるのじゃないですか。そういうことで、会計監査に限定されても、あなた方の職責というものは十分に果たし得る、そうしてまた未然にこういうことを阻止し得たというようなことは言えるのじゃないかと思うのです。これはたな上げしたのが悪いのだという点もありますけれども、また監事としての自分の任務というものに対する積極的な努力というものが不足しておったのじゃなかろうか。こういう点は、これは今後の運営上の一つの問題として、総裁には十分に考えてもらわなければならぬ、こういう点が一つあると思うのです。
 次に、五月十日に契約したのを三月三十一日に経理しても、三十六年度の決算でその分はマイナスに出てきて結局同じになるのだからかまいやせぬという思想が、皆さんにあるように見えてならないのです。そのことの表現と思われる点はどこかといいますと、「特に秋田木材との問題については斟酌の余地全くなしとは言えない」こう言っておる。こういうことは、今申しましたように、三十六年度決算でまた相殺されるのだからかまいやしないじゃないかという考え方、それから先ほど東北開発室長が言ったように、公共性と企業性という問題があるけれども、やっぱり少しは決算も表面づらをよくしないとうまくないのだというようなことをあなたはおっしゃった。そんな考えで決算をやられてはたまったものじゃないと私は思うのですが、そういう工合に帳面づらをよくして、企業性というものがやっぱり東北開発会社にあるのだから、少しは調子のいい決算にしなくちゃうまくない、こういうようなことをあなたはおっしゃっているが、そんな感覚で指導されたら大へんなことじゃないかと思うのです。その二つの点がこのことの中に考えられますが、まあごまかしでも何でも黒字決算の方に持っていった方がいいのだというような言い方は論外としまして、ただ三十六年度決算で相殺になるのだからかまわないのだという考え方があったとするならば、これは困ったことだと思うのです。この点は総裁一体どういう趣旨なのか。「斟酌の余地全くなしとは言えない」というのはどういうことなのか、それを説明してもらいたい。
○伊藤参考人 ただいまの点は、きわめて抽象的に書きましたが、私が就任したのは八月一日であります。その後この問題が私就任後一カ月程度のときに話し合われました。そのときはこういう説明であったのです。当初は、まだ買わぬとはいえないのだ、ちょうどそこに調査に行く向こうの秋田木材の人が調査ができなかった点もあるし、また金詰まりの点もあるからそれでもたもたしているのだから、まだ不買ということは決定でないということはしばしば言われました。それで、そうなりますと、三月三十一日に話は一応つけたのだからというのですが、ただ最後の決定までにはなっていない、しかもそのときは裏契約というものは私も知らなかったのです。最後に、裏契約の日付がたしか八月三十一日まででした。そうしますと、その前に前の総裁はおやめになるということになっていますから、その御本人がいないからその裏契約の再調印を私にやってくれということを、向こうからの請求もありましたし、本体がいなくなった契約は困るから、今度代表者がかわったのだからその契約書がほしいということで食い下がってきたように聞いておりました。それで私は、そこで初めて実態がわかったので、買うような思わせぶりをしたことも向こうも事実であったのでしょうし、またそれをなるべく成功させたいと思ったのも事実でしょうが、その裏契約の問題につきましては、私交渉を受けましたけれども、そういう問題には私は調印はしないと言うて、一応断わったこともあります。それで、その契約書はどういうふうになりましたか、あとをよく聞いていませんが、とにかくその契約を生かしたから利息を払ったことになるわけで、そういう関係で複雑な関係がありまして、私どもの感じは、やはり向こうは買う意思で意思表示を最初はしたと思います。それから金詰まりとかそういうことでだんだん変化はしたけれども、相当こちらに対して信頼を持たせる言動が向こうにあったと思うのです。そういう意味からいいますと、やはり会社も非常にこういうふうに赤字で困っている場合だから、何とかこれを成功さしたいと思って、最後の努力までしたという事実、私は、努力といいますか、そこに多少しんしゃくしてやる要素がありはしないだろうかということで書いたわけであります。
○西村(力)委員 私がお伺いしているのは、そうじゃなくて、口約束で三月三十一日で成立したと思っているから、その利益勘定にそれをあげてもよろしいんだという言い方、三十六年度決算に、当然それは御破算になればマイナスになって決算されるんだから、相殺されるんだから同じことだ、こういう言い方で年度末決算をしてかまわないんだ、そこは厳格に追及されるところではないんだ、こういう言い方があるとすれば困る、こういうわけです。それは悪いことは悪いかもしれぬけれども、どっちみち翌年度できまりがつくことだからかまわないじゃないか、会社が一年できまるわけじゃないんだから、こういう言い方をされると困る。口約束で売買契約があることはあるのですけれども、決算としては、口約束でなさったことは金銭の出納には載らないはずじゃないか。ですから、そういう考え方がもしあるとすれば、それは払拭しなければならぬと思うのですが、そういうことがないのかというのです。この言葉の中にないのか。もしあるとするならば、これはやめるようにしてもらわなければならぬという趣旨でお尋ねをしておるのです。
○伊藤参考人 その点は、もちろんそんなことは今後あり得ないと思っていますが、そういう言葉をさしたのではありません。先ほど申し上げました通りに、今までのいきさつから考えまして、相当期待を持たせられた、またこっちも持ったという点においては、やはり会社のために何とかしてこの問題を整理さしたいという努力を聞いておりましたから、そういう点はしんしゃくして考える要素があったんじゃないかということを私自身として考えたから書いたんです。
○西村(力)委員 次にセメントや何かの代理店の指定、それはどういう方法でなさったのですか。基準をどこに置いたか。あるいはその代理店指定の場合の保証金をどれくらいとっておるか、それはどうなんですか。こういう売掛金が膨大に出ることは、それはそういう指定のところに企業者としての厳正な考え方が働いていないという疑いを私どもは持つのです。
○山中参考人 セメント代理店の指定になりましたことで、私の知っておりますことを申し上げます。
 三十五年の八月に品物が出て参りましたので、代理店制度を東北各県及び関東にとるという方針を理事会できめましたが、従来のセメント各社の協定の外にわが社は立つわけでございますので、従来他社のセメントを扱っております代理店を指定するわけにいかない。各地の代理店をどのように選考するかということで、東北地方の代理店の選考につきましては、相当当時苦心されたようでありますが、手続としては、各県の知事さんに推薦をお願いして、それに基づきまして、理事会に諮って決定されたものと記憶しております。私、当時の記憶でございますが、そのように記憶いたします。
 それから、セメントの保証金は、東北地方の代理店が三百万円、関東地方の代理店は二百万円、基本契約で納入させることになっておったかと思います。
○西村(力)委員 一県何店であるかということは明確ではないのですか。
○山中参考人 一県おおむね二店ということでやられたんじゃないかと思います。
○西村(力)委員 これは東北株式会社が知事の推薦で代理店をきめるというのは、そこに商業ベースからちょっと離れた動きがある。あなた方の責任で、ほんとうに商業ベースで代理店を選ぶということが、やはり一番正しい道じゃないかと思うのです。そういうときに、知事の推薦ということになれば、えてして考える点は考えられるわけなんです。そういうところに非常に私たちは問題を考えざるを得ない。そういう点は、たとい公共性を主張しなければならぬといっても、知事の推薦を受けなければ公共性が失われる、こういうことはないはずです。これは企業性を最優先にして、その範囲内だけで代理店を選んでいくという方法をとらなければおかしいと思う。そこの点にこういう結果が出た第一番の問題があるのではないか。そういう工合にやっておるから、その次の青森建材、東光物産にしても、三百万円の保証金をとってやっておきながら、ずっと売掛がどれだけ増していったか、青森建材だけで売掛が最高時には何ぼになったか、だんだんと売掛がたまっていくのがわかっていながらも、なおかつ送らなければならない、送ったというところに問題があるわけなんです。一挙に何千万という売掛が残ったというはずはないでしょう。そういうところに私たちは非常に問題を感ずるのですよ。三百万の保証金だけで何千万と出して、それでもなおかつ送らざるを得ないというのはどういう理由があるのか。商業的に考えたらとてもそんなことはできない。しかも手形は切りかえる、書きかえ書きかえでやっておって、それでもなおかつ現品を送らなければならぬというのは、一体どうしたことか。こういうところに非常に問題点と責任の所在ということをわれわれは考えるのですよ。なぜ送らなければならなかったか、こういう理由について、山中さん、おわかりになりますか。
○山中参考人 売掛金が膨大になりまして、青森建材と東光物産が不良の滞留債権が多くなったのでございますが、これは私、若干の私見でございますからあれかもしれませんが、当時売上高を増高させたいということに主力を置きまして、各代理店の代金の回収という面の気の配り方が不十分であった、代理店の経営実態の肥握が不十分であったということが原因であるのではなかろうかと思います。
○西村(力)委員 まあその点は担当者でないとわからぬとおっしゃるかもしれませんが、理事会全体としては、やはりそういう点は当然論議の点とならるべきじゃないか、こう思うのですよ。一店に対し何千万という売掛だ、それでもなおかつ現品を要求に基づいてどんどんと送るというようなことは、これは普通の経営からいいますととんでもないやり方でありまして、これはやはり理事会全体の論議として、当然検討されてしかるべき問題だと思う。だから監事であったからわからないとあなたはおっしゃるかもわからないが、そういう点に非常に私は問題を感ずるわけなんです。
 それから倉庫をあちこちに置いておられるがら、倉庫の選定についても、これはやはり企業という立場に立って分かれていなければならないと思うのです。ところが、御提出になったこの資料を見ますと、私の県、山形県を例にとりますと、一つの例でございますが、真室川倉庫と新庄倉庫に硬化セメントがそれぞれ百五十トンずつある。この新庄と真室川は約十キロしか離れていない。何ゆえに二つの倉庫にセメントを置かなければならないのか、こういうことはわれわれにはわからぬですよ。あるいはそのところに大きな電源開発とか道路工事とかがあって、臨時にそこに送るということならいいのですが、これは倉庫に積んでおくという、こういう意味の倉庫のわけです。まっすぐ事業向けの荷送りではないわけなんです。これだってやはり一地区、一地区に――自動車でちょっと運べば楽なところは二つ置かないで一つにして、そうして管理を十分にしていくという方向にいった方がいいのを、真室川倉庫と新庄倉庫を、十キロの間隔でこういう二つのものを置いておくということは、考えられないことなんです。最高に滞貨が出たときの倉庫の滞貨量、こういうものは一体どうなっているのか、そのときの倉庫は各県にどこそことこれだけあって、それぞれの倉庫に滞貨がどれだけあったか、こういうことを一つ資料として出してもらいたいと思うのです。岩手県の場合ですと、硬化セメントのある倉庫だけですが、水沢倉庫――水沢倉庫ですと、あそこは工場からまっすぐ来て、一ノ関にその操車場も置いてあるのですから、あそこのところに倉庫が要ればあそこに置いて、その周辺はトラックでも何でも輸送できるのですから、ああいうのは一カ所なら一カ所にした方がいい。水沢、金ケ崎、北上、これはどの辺であるか地理不明で僕にはわかりませんが、その三つが硬化セメントの出た倉庫として資料に載っている。この間隔はどのくらいあるか、距離はどのくらいあるかということを考えてみると、倉庫の選定にあたってもいろいろ企業性を離れた動きがあったのじゃないか、こういう工合に私には見えてならないのですが、その点を資料としてぜひ出してもらいたいと思うわけです。
 それからもう一つは、硬化セメントが最高のときは二万一千八トン、こういう工合に出ておりましたが、現在のあれによりますと四千四百三十九トンという工合に硬化セメントは減っておる、こういう工合に資料に出ております。そうすると一万七千トンばかりその硬化セメントを売りさばいたということになる。その売りさばいた差損というものは一体どのくらいになっておるか、大体どのくらいの単価で売り渡しておるか。こういう資料はございませんですか。
○中村参考人 あとの点だけ私が承知しておりますので申し上げます。
 倉庫の硬化セメントを売りました点は、その計算方法がなかなかむずかしいのでございますけれども、先ほどから話がありましたように、大体二億二千万円でございます。それから単価は二千三円ほどで売っております。
○西村(力)委員 二億二千円というのは、これは硬化であるがために減額した分、こういうことですね。
 それから最後にこの売掛金、青森建材と東光物産ですか、これに対しては鋭意担保の確保あるいは回収に当たって努力せられておるというが、これの完全回収というのはもう不可能だ、こういう工合にお考えでございますかどうか。
○山中参考人 両者に対する滞留債権の回収は、全額回収は相当困難だと思います。
○西村(力)委員 それじゃこのことに気がついて、青森建材には社員を特派しておるということでありますし、そのほか東光物産にも努力しておるということでございますが、その努力を始めてから売掛金の回収に成功した金額はどのくらいありますか。
○山中参考人 青森建材及び東光物産に対しまして担保として提供を求めましたのは、青森建材につきましては宅地が千四百四十万円、家屋が百万円、農地、これは宅地に転用の手続中でございますが、これが千五百万円、ほかに砂鉄の鉱区の先願権がありますが、これにつきましては目下その内容及び評価につきまして、当社専門の部で審査中でございます。担保としてとりましたのは以上でございます。
 東光物産につきましては、社長が同地の名門でございまして、その一族会社であります紅九株式会社という会社がございます。それの持株九百十株を当社で保管いたしておりまして、評価方法はいろいろございますが、千七、八百万円くらいになるのではなかろうかと一応考えております。この方につきましては、社長の八木同族会社の協力による債権回収の方途を講じたいと考えております。
 担保の関係は以上であります。
○西村(力)委員 今の担保物件として取ったものの評価ですが、その青森建材からは何を何ぼというふうに担保を確保した、こういうことを仰せられましたが、確実にその担保はその金額だけの金を生むのかどうか。何番担保とかさまざまな担保が入っておるかもしれませんし、それは確信があるのですか。
○山中参考人 青森建材の関係で提供いたさせました担保につきましては、銀行、税務署その他の評価を参考にいたしまして、若干それにしんしゃくを加えまして評価いたしましたので、これにつきましては、土地、建物につきましては確保し得ると思いますが、今の鉱業権の方につきましては、ちょっと価値の内容がはっきりいたしませんので、ただいま評価しかねておる、こういう実情でございます。
○西村(力)委員 そういう担保を押えて、そして売掛金の回収をはかろうということは、たとい国策会社であってもそこに強権を発動することはあり得ない。担保物権をどうするか、土地、家屋をどうするかということは、東北開発株式会社だって特別の権限があるわけでもないのであって、一般の経済行為と同じことになるわけでありますから、取れないところは取れない。向こうが破産宣告すればそれまでだということになると思うのです。そういうことになりますと、その責任というものは一体どこに行くのか。国策会社であるから、そういう責任というものはやはり国損という形でいくのかどうかということになると、私たちはこういう会社のあり方として相当問題を考えざるを得ない。先ほど勝澤君もその点に触れられましたが、そういう点の検討というものは、やはり今後の問題としてわれわれは十分に考えて参らなければならぬと思っておるわけであります。
 時間もありませんので以上で切り上げて、後日、最初申し上げました通り、いかにしてほんとうの、本来の東北開発の使命達成に力強いものに前進してもらおうかということを相互に話し合える機会をまた持ちたいと思いますが、その節いろいろ話したいと思うわけであります。
○中村参考人 先ほど西村委員から御質問のありました硬化セメントの評価見込み損でありますが、二億二千万円と申しましたが、一億二千万円でございました。おわびして訂正させていただきます。
○鈴木委員長 久保三郎君。
○久保委員 時間も過ぎて参りましたし、質疑も大体数多くしましたので、私は二、三、再確認の意味でお尋ねしたいのですが、まず第一に、これは経済企画庁の監督官にお伺いしたいわけですが、この会社の理事会の構成要件というのはどうか。
○財前説明員 ちょっと御質問の趣旨がはっきりいたしませんけれども、理事会は理事だけをもって行なうようになっております。監事は陪席をする形において出席するわけです。
○久保委員 理事会の成立としては、いわゆる理事全員のうちの何人集まってもいいのかどうか、そういう点はどうですか。
○財前説明員 理事の半数以上の出席が必要でございます。
○久保委員 そこで総裁にお尋ねするわけですが、釈明書の中で、秋田木材との関係でありますが、「少数理事の専断により裁定せられたものである」こういうふうにお述べになっておりますが、当時の少数理事というのは、今お話があった過半数であったか。それから、理事会の議長は、この法律あるいは定款によれば、総裁あるいは副総裁、あるいは総裁が指名するというふうになっていますが、それはそういう手続がとられた理事会でやったのか、それとも正式の今のような成立要件がないままの少数理事の手によってやられたのか、どちらでしょう。
○伊藤参考人 それは合法的な理事会ではありません。理事会の専断というのではなくて、やはり理事の資格を持った人々の専断という意味であります。
○久保委員 この案件、いわゆる秋田木材との契約自体は、東北開発株式会社にとれば、理事会にかけてやる案件だと思うのでありますが、いかがに考えられますか。
○伊藤参考人 それはお説の通りだと思います。通りでありますけれども、今の正式証文に対する裏証文というようなことは、そのこと自体が正式のものでないのでありまして、自然そういう隠れたような審議と申しますか、そういうものに流れやすいのは、これは性格上当然そういうことになると思います。従って、お説の通り、こういう問題が予想されることを考えれば、当然当初から正式に理事会に付議して審議すべきだったと思います。こういうものは理事会にかけたら否決されるのじゃないかと思うのです。その点を考えますと、どうも何とも、私から今申し上げても何の利益もないように思いますので、この程度で了承願います。
○久保委員 そうしますと、これはお話では、定款あるいは法律、こういうものにも抵触しておるわけで、私はそういう方面の法律はあまり知りませんが、この理事は会社に対しての背任行為というか、そういうものではないだろうか。そうだとするならば、これは当然会社自体も監督官庁も、そういう手続を進めるべきだと思うのですが、いかがですか。
○伊藤参考人 これは法律問題になるわけでありますが、私の感じといたしましては、やはり背任だと思います。なぜかと申しますと、これは会社の一番重要なことに属することであって、しかも会社の運命に関する、会社の名誉に最も関係あることだから、もし先見の明が多少でもありましたら、これはやはりこういうことは一切やらぬか、やるにしてももっと慎重に、各理事なり監事の意見を聞いて決定していくもので、こういうことはわれわれはやりませんというような態度をとるべきであったと思います。それがとられなかったことは、任務を軽視した、背任となるかどうかわかりませんが、任務に沿わなかった行動であると私は考えます。
○久保委員 総裁もやはり背任ということでお認めになっておるようでありますが、私は国民の一人としても、物事は正しく処理してほしいと思うのであります。それは背任であるというふうに決定する機関は別でしょうが、そういうふうな疑いが相当濃厚だ、こういうふうに私は思うので、国民の名においてあなたにお願いしたいのは、その手続を一応進めてほしい、こういうふうに思います。
 それから直接の監督官庁は経済企画庁だと思うのでありますが、この問題について政務次官の御所信を伺いたい。
○菅政府委員 ただいまのような裏契約の存在につきましての御質問だと思いますが、当然理事会に諮るべきものを理事会に諮らずして、少数理事が専断でそういうことを処理したというようなことは、これは当然理事の職務違反であることは間違いないと思います。ただ、これが刑法上の背任を構成するかどうかは、刑法上の犯罪構成要件をもう少し調べてみなければわかりませんけれども、確かに任務違反であるということだけは申し上げ得るのでございまして、これらの点を含めまして、当時の理事は全員御辞職を願ったわけでございます。
○久保委員 あなたの御所信を承っておるが、そういう事情があったので当時の理事は辞任されたのだと思う。あなたは、監督官庁として、政府の立場から監督しなければならぬ立場にある。今総裁も背任であるというふうにお認めになっており、あなたもその通りお認めになった。そうであるならば、正しくこれは裁断を仰ぐのが必要じゃないかと私は思う。そういうことを聞いておるのです。もちろんこれは政務次官、あなたのほかに大臣もおられるし、最高責任者は総理大臣なんです。これはいろいろあるでしょう。しかし私としてはそういう意味です。御答弁は要りません。私の要求だけを言っておきます。
○菅政府委員 答弁は要らぬということでございましたが、これは刑法上の問題は、私はわかりませんが、会社の運営上は明らかに理事者としての義務違反だと私も監督責任のある一員として申し上げました。こういうことも含めて、何と申しますか、幹部の更迭をいたしたのである、こう申し上げたのであります。
○久保委員 幹部の更迭をいたしたことも一つの方法でしょう。しかしこれは法に基づいてみても、単に理事会の問題一つ取り上げても、中身は別として、しかもこれは早く言えば損害を与えておる。そうだとするならば、会社の利益擁護の立場に立つのが監督官庁であり、総裁の立場であるのですから、当然これは私は背任の疑いありということで告訴するのがあたりまえじゃないか、そういう手続を即刻進めてほしいということであります。
 時間がありませんから、先にいきます。それから、その次にお伺いしたいのは、秋田木材との契約の前後についてたくさん御質疑がございまして、結論から言えば、決算処理のための金を借りたのだ、こういうふうにとれますね。だからこれは裏契約があって、八月になったら、一つ金は利息をつけて返すから、この会社の金庫の中に一応入れてくれないか、こういうことがはっきりしてくるのではないでしょうか。この点を見のがして、単に裏契約がどうのこうのじゃなくて、問題はそこにあると思うのです。私は、こういうものは、先ほど言ったいわゆる背任の尤たる要件であると思います。こういうことをどうお考えですか。私はどうも結果から見て、先ほどからの御質疑を拝聴していますと、どうしても納得できないのは、その一点であろうと思うのです。決算処理の上から、平たい言葉で言うと、やむを得ずある期間金を融通していただいた。しかもこれは聞くところによれば、五月十日から金を入れて、その日に大体契約ができておる。日付は会社から要求があったので、三月三十一日とした、こういう話も公々然と伝わっておる。そうだとするならば、これは残念ながら決算帳じりを合わせてこれでいこう、それで契約があるからこれは戻すのだ、こういうことになれば、先ほどの西村委員の質問のように、三十六年で落とせばいいということになったのではないか、こういうインチキの決算報告を虚偽と認めないのかどうか。先ほど当時の監事であった副総裁は、不的確というか、妥当でないというような意味をおっしゃいましたが、当時の監事であられた副総裁、いかがでございましょうか。これはうそでしょう。あなたが悪いというのではなくて、あなたの目をごまかして、こういうからくりをしたことは、少なくとも虚偽の決算であった。しかし、そこまでは眼光紙背に徹せずだから、残念ながらあなたの目ではこれを見破ることができなかったというのでありますか、どうなんですか。
○山中参考人 八月の末に至りまして、裏契約が出て参りましたので、私の先般来申し上げました認識も、当時そういう材料がありませんものですから、さような認識が立ったのでありまして、そういう裏契約のあったことに気がつかなかったのは、監事として眼光紙背に徹しなかったのじゃないかという意味のおしかりは重々私も――当事者がそれを秘匿する意思があったにいたしましても、それに気がつかなかったということは、結果において事実でございますから、私もその点は力の足りなかったことを十分反省をいたしておる次第であります。
○久保委員 あなたの力の足りなかったことを言っておるのではないのです。結果としてあなたが正当な決算なりということで認められて株主総会に報告された決算はうそであったという事実を認めますかということです。あなたがいわゆる判を押すときに見破れなかったことは、これは別です。しかし、今日ただいまの結果から見れば、あの当時の決算は虚偽の決算であったということを認めざるを得ないのではないかということです。どうです。
○山中参考人 八月の末に至りまして分明になりました別契約は、その後における経済事情の変化によって応じられないときは解約したいということでありまして、当時私は話し合いも成立したと聞いておりましたし、またある程度そういう合意があったと思いますので、当時の処理としては手続の点で期間計算が不適当な点は十分反省いたしておりますけれども、当時の事実としては、話し合いがあったということは私認めて決算を承認いたしましたわけでございます。その点は御了承いただきたいと思います。
○久保委員 決算を認めたということを非難しておるのではなくて、あなたが八月に見られたという念書では、そういう事実があったとするならば、その決算を認めざるを得なかったという事態であって、そういう条件下において認められた、こういうことになるのではないですか。だからこの決算は虚偽の決算であった、今日ただいまで見ればそういうふうになるのではないですか、いかがですか。副総裁、今でも虚偽の決算ではなかったと言い張るのですか。
○山中参考人 当時その材料がわかっておりますれば、私の判断は決算時の判断と同じではなかったと思うのです。その後わかりました事情が当時わかっておれば、私の判断はおのずから別であったと思うのです。
○久保委員 もう少し事情がわかっておれば別だということは、決算がうそだっということでしょう。だまされたということでしょう、そのときの監事として。いかがですか。
○山中参考人 その念書がわかっておったならば、別の判断をしたであろうということは考えられると思います。
○久保委員 同じような答弁を聞いておっても仕方ありませんから……。あなたが別だと言われるのは、これはわれわれの考えるところのだまされたということですね。善意に解釈すればだまされた――善意に解釈してですよ。善意に解釈してあなたは監事としてだまされた。よってこの国会に向かっても報告された、政府に向かっても報告されたこの決算は虚偽の決算であった。だから、この責任も一半の責任はあるものであるということを十分考えてほしいと同時に、総裁にもこういうことをなぜやらねばならなかったかのその原因についても究明してほしいと思うのです。なるほどここは公式の場所でありますから、いわゆる裏契約についても表面に書いてあることだけで御答弁なさっておると思うのですが、そうでなく、もっと複雑なものがあると思うのです。監督官庁としてもこれは十分考えてほしいと思います。
 次に参りましょう。一つにはセメントの問題でございますが、先ほど西村委員の御質問で、保証金の積み立てについて御答弁がありましたが、これは東北地方は三百万、関東は二百万ということでありますが、これは取引の量にはあまり関係はありませんか。取引高については関係はありませんか。いかがですか。
○山中参考人 その後の各代理店の取引の量には関係ございません。
○久保委員 たとえばこの三百万の保証金を積めば、何度でも取引ができる、こういうことになりますか。
○山中参考人 なお申し落としましたが、ここの取り扱い量に対しましては、一トン三十円の歩積みをすることになっております。
○久保委員 重ねてお伺いしますが、今の歩積みを含めた保証金は、あなたの会社の代理店は今日全部その通りやっておられますか。
○山中参考人 その通り納めております。
○久保委員 そうすると、保証金並びに歩積みは全代理店が完全にやっておられるということでいいわけですね。その通りで間違いありませんね。――それじゃその次に行きましょう。
 次に、あなたの方では助成会社を幾つか持っておられます。この助成会社の成績は、業務報告ではだいぶよろしいのも出ておるようにいってありますが、悪いのもあるでしょうね。いかがですか。悪いのはどれとどれですか。
○山中参考人 十二社のうち成績の悪いのを申し上げますと、青森の十和田市にあります東北合板会社、宮城県にある東北天然スレート会社、同じく宮城県にある特殊コンクリート工法株式会社、セメントの二次製品を作っております。以上が、三十六年度上半期の決算じりから見たものでありますが、決算の上では赤字を出しておりませんけれども、新東北窯業及び東北窯業等は成績がなお十分でございません。
○久保委員 そこで日本絨緞はどうなんですか。
○山中参考人 日本絨緞は、経営規模が小さいのでございますが、どうにかやっておる。最近は相当注文もあるようでございます。
○久保委員 大体子会社の運営も親会社に似ているのじゃなかろうかと推測するわけです。特にセメントに関係するのはうまくないんじゃないかと思うのですが、何かがあるんじゃないですか。総裁、いかがでしょう。
○伊藤参考人 何かがあるということは、どういうことかはっきりしませんが、やはり完全な経営をやっていないから助けてやろう。初めからりっぱに経営をやっておれば、助成などという言葉を使う必要もないのです。今後発展の見込みのある、めんどうを見てやれば何とかなるだろうという会社が、数年間やってきたために、十二社ありますが、今申し上げた十二社中の九社は、大体において幾分の配当をできるようになってきたということであります。何かというのは、つまりおそらく問題になりましたセメントのような、ああいうだらしのないことがあるという意味ですかどうかはっきりわかりませんが、そういう点は、助成会社に対して、こっちも監督十分とは言いませんけれども、協力態勢をとっておりますから、今まで助成会社において非常に不都合なことが起こったというようなことは、私が入社してからは聞いておりません。ただ、まだほんとうにペイする段階に至っていないということは、今申し上げた通り、三つばかりの会社はこれから直していかなければならぬということであります。なお、詳細なことは書類もありますから、内容がどうなっておるか、いつから黒字になったかというようなことは、おわかりになると思います。
○久保委員 総裁、なかなか御苦心の要るところでしょうが、いずれにしても、東北窯業などは、昭和十四年にできたものをあとから助成して、資本出資率はあなたの会社が八〇%で、ほとんどの資本を下しているわけですね。しかも、東北窯業などは、些少でありますが、セメントの売り上げ一つ見ても、焦げついたのが一年以上も残っておる。それから新東北窯業にしても御同様、日本絨緞も御同様。こういうことでありまして、なるほど私はよくはわかりませんから、何かあるだろうかなと言っているんです。知っていれば、隠していませんよ。だから十分に検討されることが必要であると思うし、われわれももっと考えなければいかぬと思うのです。親会社がそうだから子会社もこうだということはちょっと言い過ぎかもしれませんが、大体において親元がふしだらでは、残念ながら子会社はそうはうまくいかぬのではなかろうかと思うのです。われわれももう少し調べなければいかぬと思いますが、子会社の焦げつきも相当ある、会社自体の規模から見れば、相当多額なものもある、かように思います。
 それから、セメントの特約で、これは単なる話でありますが、巷間いろいろ伝わっております。先般警察の方へおいでを願ったような方々に関連しても、まだ実際あるようであります。それから、現幹部の中にも、うわさでありますから真偽のほどはつまびらかにいたしませんが、いろいろあるようであります。これは十分ただしていただきたいと思うのです。私はこまかいことをうわさに基づいては申しません。少なくともそういう点を十分究明してほしいと思う。
 それから、これも聞くところによれば、この東北開発株式会社は、政治的な要索が非常に多いそうでありまして、何かさっき新聞でちょっと見ましたけれども、この焦げつきを回収したらどうかと言う理事に対して、それはやらぬ方がいいだろうと押える理事があったということ、これは過去においてでしょうが、そういうことで非常に政治的であるように思うのです。少なくとも国策会社でありますから、そういうようにあまりに政治色濃厚だというと、総裁が幾らがんばってもなかなかうまくいかぬと思うのです。これはむしろ政府に申し上げることでありますが、役員の構成その他に十分配慮してやっていただきたい、こういうふうに私は思います。
 時間もありませんから、次の機会にやりますが、以上で終わります。
○伊藤参考人 ただいまの助成会社のことについてちょっと申し上げますが、いろいろ御注意をいただいてありがとうございました。助成会社につきましては、これは地方の中小企業としても大事でありますし、その点においては十分配慮しております。今度機構改革を行なうにあたりまして、従来助成課というのは一部に属しておりましたが、これを助成部と一つの部に独立して、数からいって十幾つもあるなかなか大きな事業ですから、強化した面において十分指導していくことを考えております。御注意の点もよくわかりました。われわれあくまで助成会社という立場から見まして、相当各地方に広がっておりますから、大事な分野だと思っております。御了承願います。
○勝澤委員 資料をちょっと要求します。今申されている助成会社の関係資料を早急に出していただきたいと思います。
○鈴木委員長 この際ちょっと総裁に参考にお尋ねしますが、いろいろ各委員の熱心な御質問に対しての御答弁で、何か感じ取られるところは、これから異常な決意を持って国家のためにやるというそういうふうな決意は固いが、どうもやっていく上において思うようなふうにできない何かしらしこりがあるというふうにくみ取れるような御答弁があるのです。いわば重大な問題を一、二の人で、知らないうちに解決してしまっておるというようなこともあり、今後もまだそのしこりがあるというふうにも解釈できるのですが、そうじゃないですか。人事の面や何かに、自分一人ならばこういうふうにりっぱに立て直していきたいと思うけれども、まだまだ弊害があるというふうにも聞き及んでおるのですが、その点を一つはっきりと……。
○伊藤参考人 ただいま委員長から御注意がありましたが、私の見たところを率直に申し上げますと、そういう点は多少残っております。残っておっても、これを排除するだけの準備を整えておるということであります。そういうものは全部一掃したとか、そういうことは申し上げかねるのでありますけれども、現状として必ずしも軌道に乗った再建はできないと思います。ただ私は、ここに多少遺憾に思っておりますのは、人の養成が十分じゃなかったから中途半端の仕事ができたんじゃないか。やはり相当ベテランを吸収しないと、実際問題の経営というものは非常にむずかしい。ただ理論と企画だけではこの会社は生きていけない。もし理論と企画だけで生きていけるものならば、会社の形態は、内容からもう少し考え直さなければいかぬと思います。やはり実際の仕事を運営して、経営をコマーシャル・ベースでやるということになりますと、もう少しベテランを入れて、そうして経営の面を実際とマッチしたものにしていかなければいけないのじゃないかというふうに考えております。しかし、これもやはり順を追うでやらなければいけません。こういう会社としては革命的な前進はなかなか出せるものじゃないです。これはみなの気持をしっかり合わせて、気持をつかんだ上での問題であると私は考えております。
 委員長のお話がありましたから、私きわめて幼稚な問題でありますけれども、自分の所信を申し上げます。
○鈴木委員長 この際要求をしておきますが、荒舩君から、硬化セメントの発生原因に関する納得のいく文書による回答、さらに西村君の要求は、各倉庫ごとの最盛時におけるセメントの滞貨量、また勝澤君の要求、助成会社の財務諸表、役員名、その経歴等でございます。さらに会社が計画中の砂鉄事業について、その事業の計画の全貌、進渉状況、たとえば、用地の買収とか、工場の建設とか、鉱区の取得、そしてこれに使った資金など、年度別に詳しくお願いしたいと思います。さらに土地造成関係の資料、たとえば、何年度から、どこの土地を、幾らぐらいの費用で造成しましたか。造成に当たった工事人、売り渡したその先、坪当たりの造成費、さらに坪当たりの売価などについて、資料を要求しておきたいと思います。
 本日の調査はこの程度にとどめます。
 参考人各位には、長時間にわたり、まことに御苦労さまでございました。委員会を代表し、一言ごあいさつを申し上げます。
 これにて散会いたします。
   午後二時五分散会